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2013年2月27日 第4回依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会 議事録

障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成25年2月27日(水)13:00~15:00


○場所

虎ノ門SQUARE スタンダード会議室
 (東京都港区虎ノ門1-15-10 名和ビル 4階)


○議題

1.骨子案について
2.その他

○議事

○蒲生依存症対策専門官 それでは定刻になりましたので、ただいまより第4回「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を開催いたします。
  構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきましてまことにありがとうございます。
  本日は、本検討会の取りまとめ骨子(案)について御議論いただくことにしております。
  まず、お手元の資料の確認をさせていただきます。
  資料1は「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会取りまとめ 骨子(案)」でございます。
  資料2は「特定非営利活動法人 全国薬物依存症者家族連合会からの要望書」でございます。
  足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけください。
  なお、月乃構成員、山中構成員につきましては、本日所用のため御欠席との御連絡をいただいております。
 本検討会は公開のため、検討会での審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
  それでは、樋口座長に以後の進行をお願いいたします。
○樋口座長 それでは、第4回の検討会を始めたいと思います。
  まず、事務局より資料について説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○蒲生依存症対策専門官 資料1「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会取りまとめ 骨子(案)」について御説明させていただきます。
 前回、骨子(案)の1としまして「趣旨」を記載しております。
 これまでの依存症(ここでは「アルコール依存症」「アルコール以外の薬物依存症」「病的賭博」)に対する取組や調査・研究結果等を踏まえつつ、依存症者に対する医療及び回復支援に関する検討を行い、今後の依存症対策に繋げていくことを目的とする。
としております。
 2としまして「現状と課題」とさせていただきました。
 この依存症の治療・回復につきましては、さまざまな側面から構造的に取り組む必要があるということで(1)から(5)まで、それぞれ第2回目の資料として出させていただきました5本柱の内容をもとにつくらせていただいております。
 「(1)本人、家族が気軽に依存症に関する相談ができる体制の整備」。
 (現状)としまして、
・どこに相談に行けばよいかわからない。
・自助グループや回復施設があるものの、その周知が十分にされていない。
・相談支援のためのスキルが十分とは言えない。
・精神保健福祉センターとして十分に機能しているとはいえない。
 (課題)としましては、
・本人、家族が相談を希望した時に、どこに相談すれば良いかという情報を容易に入手できる必要がある。
・各関係機関が相談者のニーズに応じた相談を継続して提供できる体制を整備する必要がある。
としております。
 「(2)医療機関、行政、自助団体の連携体制の整備」でございます。
 (現状)としましては、
・連携等に関する地域での依存症への取り組みが明らかではない。
・依存症の回復において、どこまでが医療としてかかわるのかが明確でない。
・地域の中で、どの関係機関がどういう役割を果たせるかが確認されていない。
 (課題)としましては、
・連携等に関する地域での依存症への取り組みの状況を明らかにする必要がある。
・医療機関、保健所や精神保健福祉センター等の行政機関、自助団体が相互に有機的な連携をとれる体制の整備が必要である。
としております。
 「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」でございます。
 (現状)としましては、
・依存症治療の拠点となりうる医療機関が少ない。
・外来治療、入院治療のあり方がはっきりしていない。
・依存症への医療関係者の理解が十分ではない。
・他の精神疾患を合併した依存症への対応が不十分である。
としております。
 (課題)としましては、
・依存症の治療が可能な医療機関が充実し、依存症者が必要な医療を受けられるための体制整備が必要である。
・医療を提供する側の依存症に対する十分な知識が必要である。
・医療を提供しやすいシステムや工夫の開発が必要である。
・重複障害のある薬物依存症者への対応を十分に行える必要がある。
・プライマリーケアからフォローアップまでの連続的な医療のサポート体制の強化が必要である。
とさせていただきました。
 「(4)当事者の状況に応じた回復プログラムの整備」でございます。
 (現状)としまして、
・依存症回復のための体系的なプログラムが普及しつつある。
とさせていただきました。
 (課題)としまして、
・依存症回復のための体系的なプログラムをより普及させる必要がある。
・医療機関、行政機関、自助団体で提供されるプログラムについての整備が必要である。
・より効果的なプログラムの開発が必要である。
 次に「(5)地域における当事者、家族の支援体制の整備」。
 その(現状)としまして、
・依存症に対する偏見が強い。
・家族教室を積極的に開催している精神保健福祉センターがある。
・家族教室等の学習の機会についての周知が十分ではない。
・家族が依存症について学習する機会が乏しい。
・家族向けのプログラムを行っている自治体がある。
 (課題)としまして、
・精神保健福祉センターの家族教室などを通じた、依存症の家族に対する教育の体制を整える必要がある。
・精神保健福祉センターの家族に対する機能を強化する必要がある。
・本人、家族の生活の質を向上させることが必要である。
・一般の人にも、依存症という病気を理解していただく必要がある。
とさせていただきました。
 続きまして、3番としまして、この「現状と課題」を踏まえまして「今後、必要と考えられる取り組み」について記載させていただきました。それぞれ「現状と課題」の(1)から(5)に該当しております。
 「(1)本人、家族が気軽に依存症に関する相談ができる体制の整備」としまして、
・国や自治体のホームページ、広報紙等を活用し、依存症者やその家族が身近に相談できる場所を周知する。
・関係機関に応じた、相談体制の充実を図る。
・当事者やその家族に対する相談支援の充実を図るためのガイドラインを充実させる。
・関係機関の相談員等に対し、依存症についての正しい理解や支援方法の習得等のための研修を実施する。
とさせていただいております。
 「(2)医療機関、行政、自助団体の連携体制の整備」としまして、
・地域における関係機関同士の連携を図るため、ガイドラインの策定及び関係機関同士によるミーティングを実施する。
・精神保健福祉センターで実施している家族教室を充実させる。
・精神保健福祉センター等に依存症についての専門相談員を配置し、相談支援及び関係機関の連絡・調整を行う。
・医療機関内での連携を強化する。
・地域における依存症対策の実態を把握するための調査を行う。
とさせていただいております。
 「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」としまして、
・依存症に対する医療体制を充実させ、地域における依存症治療拠点機関の設置を目指す。
・医療関係者向けの依存症診療ガイドラインを策定する。
・医療関係者向けの研修を充実させる。
・学術団体からの専門的な技術支援を求める。
・新規治療薬物の開発に資するような研究を支援する。
とさせていただいております。
 「(4)当事者の状況に応じた回復プログラムの整備」としまして、
・患者の個別の状態像に応じた各種治療・回復プログラムの研究及び開発を行う。
 「(5)地域における当事者、家族の支援体制の整備」としましては、
・当事者、家族のみならず、地域住民に対しても依存症は病気であるということについての普及啓発活動を行う。
・地域における家族向けの研修会を充実させる。
・家族向けの回復支援プログラムを開発する。
ということで骨子(案)を作成させていただきました。
 資料2に関しましては、お手元の資料を御確認いただけたらと思います。
 事務局からは以上でございます。
○樋口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、この骨子(案)が提示されていますので、これについて検討していきたいと思いますが、各構成員の先生方から御意見をいただきたいと思います。
 骨子(案)は、1、2、3と全部で大きく3つに分かれていまして、そこで1の「趣旨」と、2の「現状と課題」、ここについてまず意見をいただいて、それが終わったところで3の「今後、必要と考えられる取り組み」のほうをディスカッションしたいと思います。
 これについていろいろな意見を構成員の先生方はお持ちでしょうから、意見をお聞きしたい。時間的に大体80分から85分ぐらい時間がありますが、初めのほうを少し長目に45分ぐらいとって、あとは40分ぐらいと考えていますので、どうぞ、意見をお願いしたいと思います。
 田辺構成員、どうぞ。
○田辺構成員 精神保健福祉センターが随分期待を込められて、たくさん出てきているものですから、精神保健福祉センターの依存症、アディクションの相談支援ということで、何回か発言させていただきたいと思っています。
 まず、現状の精神保健福祉センターのことを御存じない方もたくさんいらっしゃるので簡単にお話ししますと、精神保健福祉センターというのは精神衛生センターで始まりまして、そのときはライシャワー駐日アメリカ大使の刺傷事件がきっかけで、地域で精神障害者をサポートする相談支援センターとして始まったものですが、時代に応じていろいろな課題を担ってきております。
 現在は、例えばメンタルヘルスの課題で言いますと自殺対策、あるいはひきこもり対策、それから、今は災害の支援ケアがありますけれども、心のケアの対策、こういったものも担っています。そして、平成14年からは法定業務、つまり精神保健福祉法下の、患者さんの人権を守るための機能をはたす、より第三者性のある技術機関として、精神保健福祉センターが関与する業務が非常にふえました。例えば現在、医療保護入院という非自発的な入院の年間の審査件数は14万件あります。これは全国の69のセンターでやっております。それから、精神障害者の障害者手帳交付は65万件あり、これも69の精神保健福祉センターが認定審査をやっております。さらに、通院医療費公費負担はもっとそれよりも多い件数で、今、300万人の方が精神医療を受けている中で通院医療費公費負担の申請が相当数ありまして、3分の1としても、100万に近い件数を処理している、そういうことがあります。
 かつて、統合失調症の支援が中心であった時代には、相当数の精神保健福祉センターはデイケアで患者さんをサポートしてきました。しかし、その部分は今、医療機関のデイケアに移っております。ですから、精神保健福祉センターはデイケアも縮小し、診療所機能も縮小し、障害者福祉部門のほうの認定審査等に人を配置するなどして対応したりしました。残念ですが、実際に人数も少なく、診療所機能を持っていない、あるいはデイケア機能は閉じてしまっているセンターもあります。
 それで、ここ数年のメンタルヘルスの課題では、例えばひきこもり地域支援センターを精神保健福祉センターに置いてはどうかといったときに、それをオプションとして、非常に頑張ってひきこもり地域支援センターをつけたセンター。あるいは地域自殺予防情報センターをオプションとして担って活動しているセンター。そういったふうに、それぞれのセンターが独自に課題に対応していて、全てのセンターが均一に同じように、今あるメンタルヘルスの課題を担う、国の政策を全て均一に担えている状況ではありません。そういう中で、幾つかのセンターはアディクションにも積極的で、新聞報道等でもあるようなSMARPPとかTAMARPPとかと呼ばれる新しい認知行動療法を取り入れて、積極的に旧デイケア部門などを活用してやっておられるセンターもあるのが現状です。
 それが精神保健福祉センターの全体像ですから、1つの窓で見る。確かに依存症相談で見ると各センターで濃淡があって、やっていないセンターはすごくサボっているように見られるかもしれませんが、そういうセンターは決して暇なのではなくて、ひきこもりや発達障害支援などで一生懸命やっておられるような、そういうところも現状にはあるわけです。そういうのが一つ、センターの現状だということをまず御理解ください。
 その上で、この表現で「精神保健福祉センターとして十分に機能しているとはいえない」というのはちょっと抽象的で、余りに全体的な印象があります。それで、精神保健福祉センターのどのような点が十分でないかという書き方に、具体的なことを反映されたほうが良いと思います。
 余り変に捉えられては困るのですが、それでは医療機関、全国の国立病院とか自治体病院の中で、依存症の医療で十分に機能している病院の数はどうなのかといったら、それはそういう意味では同じだと思うのですよ。決して国立病院も国公立大学も自治体病院も、依存症部門で一言で語られるような十分さというのは全然ないと思うのですよ。ですから、この表現は、初めは精神保健福祉センターももちろん機能しているとは言えないという気持ちでおりましたが、中身を少し盛り込まないと誤解が生じるかなという、これがこの部分の第一印象でございます。
○樋口座長 今の話は、1ページ目の「2.現状と課題」の(現状)の一番下の部分ですね。
 精神保健福祉センターについて、中に言及する部分が何カ所かございますけれども、そのほかの構成員の方々で今の意見について、もし意見があるのならどうぞ。
 立木構成員、どうぞ。
○立木構成員 立木です。センター所長会の田辺さんの横へずっと座っていて言いづらい面もあるのですが、他意はありませんので、意見を述べさせてもらいます。
 この議論の中で、私、第3回まで全部出ているのですが、議事録を見ても、精神保健福祉センターについての評価、マイナスイメージの発言は出なかったと思うのです。ただ、今月頭の某全国紙の夕刊で精神保健福祉センターについての記事が大きく取り上げられまして、これはその新聞が全国69の精神保健福祉センターにアンケートを出して、回収率が六十何%だったのですが、そのアンケートの結果を報道したのです。
 それによると、これは記事そのものをそのまま報道すると、69の精神保健福祉センターは、御承知のように法定業務というものがあるわけですから、1つは家族教室の開催、それから相談機関として機能する、大きく言うとこの2つの法定業務がセンターにあるわけだけれども、これを満たしている69の精神保健福祉センターのうち7割はその仕事をできない、やっていませんというデータは、逆に言うと3割しかやっていないということです。そういうデータが、精神保健福祉センターが回答したアンケートの結果が出ている。一般的に、田辺先生がおっしゃったように、これがマイナスイメージになってしまって伝わっているのだけれども、実際は3割ぐらいしか法定の仕事をしていないのかというイメージが一般的に理解されます。
 私は東京なのですが、ある精神保健福祉センターに何十年も世話になっていて、物すごく仕事をされています。どんどん人が減っているのは知っていますし、ただ、いわゆる依存症も含めて相談機関としての公的なフロント、第一線のフロントですから、こういう実情が、人がいないとかいろいろあるのだけれども、そのフロントの業務がいろいろな意味で滞っていると、公の窓口がなくなってしまっているという形で、どこへ行って相談したらいいのかというマイナスの副産物が出てきてしまうので、ここの「2.現状と課題」の本文に書いてあるように「様々な側面から構造的に取り組む必要がある」という、この「構造的」の定義なんかもしっかりやらないと、今の精神保健福祉センターの業務等についてはまさに構造的な問題ですから、いい、悪いは別で、人がいないこともありますから、この辺の根っこの部分を少なくともにらんで整備して、実現していくようなことをしないと、この根っこの部分がぐにゃぐにゃしていると、液状化になっていると、上の茂るべき枝葉が脆弱になるのではないかということですよ。
 非常に助けてもらっている精神保健福祉センターは東京にあるのですけれども、全体を単純平均して集約すると3割しか機能していないのは、やはりこれから我々が着眼していく大きな問題の一つではないか。殊に公的な部分ですから、この辺はやっていただきたいということです。
 当面、精神保健福祉センターについてはいろいろな思いがありますし、お世話になっていますが、全国的に見るとそういう実情は非常に怖いといいますか、寂しいということを感想として申し上げておきます。
○樋口座長 この中身は、精神保健福祉センターが全体として十分に機能していないと言っているわけではなくて、この相談体制に関して機能していないということですね。
○田辺構成員 そこはどうなのでしょうか。
○樋口座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤(し)構成員 ありがとうございます。佐藤です。
 今のこちらの精神保健福祉センターとして十分に機能しているとは言えないという部分に関しては、多分、私が家族として話したことはすごく酌み上げてもらってこういう書き方になってしまったのではないかと思っています。依存症の分野の相談に行ったときには十分に機能しているとは言えないということなのだと私は捉えていて、そのほかの分野でもここに相談に行けばいいのですという一番最初の窓口であると思っていますので、やはり十分に機能するような形になっていっていただきたいという思いを持っております。
 ですので、ここは「様々な側面から」というところの中の病院や施設などというところに最初から行くことは家族でも本人でもないわけです。お酒なんかで病院に行かなければならない状況になってからはあれだと思いますが、恐らく一番公的なところでどこかに行く、相談に行く場所が、ここが一番行きやすい場としてあってほしいということで、そこの場で機能してほしいということと、その上に書いてある、結局、相談支援のためのスキル、窓口にいてくださる方たちのスキルはこれからも上がっていただきたいということで、あと、本人、家族が気軽に相談ができる体制の整備ですので、ここの依存症分野が充実していただけるといいなと思います。
○樋口座長 そのあたりは、家族とか本人の思いを酌み入れた形で、このあたりはまた考えていただければと思います。
 別の話でしょうか。
○紫藤構成員 別でもいいですか。
○樋口座長 はい。別でも結構です。
 どうぞ。
○紫藤構成員 紫藤です。
 骨子(案)を拝見いたしましたが、とても総論的な感じがして、充実とか強化という言葉が並んでいるのですけれども、実際にこの検討会では、より具体的な現場の悩みが議論されてきたと思うのですが、そういう部分がそぎ落とされてしまって、枝葉が抜けた幹だけになってしまったような印象があります。
 今、精神保健福祉センターの話が出てきて、私も東京の中部総合精神保健福祉センターに毎月、センターが事務局をしている事業へ行っているのですけれども、あんなに忙しくて、あの程度のマンパワーではとてもこれ以上の充実はできないのではないかと思っています。東京でも3カ所しかありませんし、あの広い北海道を2カ所でカバーできるとは到底思えない。北海道の地方の人が札幌まで相談に行くというのは全く想像できません。ですから、精神保健福祉センターに丸投げしても実際には絵に描いた餅になってしまって、やはりもっと医療機関とか身近にあるところを活用していかないと、これだけたくさんの患者さんのいる問題に対して対応できないのではないかと考えております。
 私が提案した一つですけれども、特に家族が相談できる場所ということを言いましたが、家族の相談を医療機関で、家族か自分の保険証を使って相談に行けるような体制とか、そういう具体的に相談しやすい体制の例を記載していかないと見えてこないと感じましたので、そのあたりをぜひ御検討いただければと思います。
○樋口座長 今の話は、どちらかというと「3.今後、必要と考えられる取り組み」のほうですか。
○紫藤構成員 そこにもかかわります。
○樋口座長 医療機関にも相談に行けるような何かの体制を考えるべきだという意見でしたけれども、そのほかはいかがでしょうか。
 幸田構成員、どうぞ。
○幸田構成員 ダルクの幸田です。
 ダルクに家族からの相談があると、まず一旦は精神保健福祉センターに振り戻すといいますか、精神保健福祉センターのほうに相談をしていただくようにしています。ただ、東京都内の場合はそれで各精神保健福祉センターが受けてくれるのですけれども、地方の場合はなかなかそうはいかないようで、精神保健福祉センターにまず電話してみてくださいと言うと、精神保健福祉センターのほうからダルクの電話番号を聞いて、今、かけているのですという、そういうふうに精神保健福祉センターで受けた相談を、ちょっと悪い言い方をすると、ダルクとかほかの機関に丸投げになってしまう場合もあるようなので、何らかの形で、一旦は精神保健福祉センターで相談を受けた上でということができるようになればと思います。
 ただ、先ほど先生のほうからあったような、広い地域でなかなか難しいというのも、実際、東京でも、3つあるとはいっても、地区で言うと多摩の地区に入るのだけれども、実は世田谷のほうが近かったりとか、そちらは使えないのでしょうかと言うと、そちらではやはり受けてもらえなくて、どうしても地区の精神保健福祉センターのほうに行ってくださいということで、なかなか相談をしてきている方がそちらに出向けなかったりする場合があるので、その辺は保健所とかと精神保健福祉センターとの連携というものを考えて、地域で受けられるような体制が必要なのかなとは感じています。
○樋口座長 ありがとうございました。
 今、家族の相談、それから精神保健福祉センターの話に話が集中していますけれども、ほかにもたくさんありますので、限られた時間ですから、ほかにもしコメント等がございましたら、ぜひお願いいたします。
 それでは、どうぞ。
○堀井構成員 日本精神科病院協会の堀井です。
 非常にうまくまとめてくださっているのですが、紫藤先生が言われたように、ちょっと大まかな感じがして、もっと具体性が欲しいなと思いながら、今、読ませてもらっています。
 このアルコール、薬物、ギャンブルの依存症に対して、現状と課題のところで、この視点の問題で指摘しておきたいのですが、自分から来る人はいいのですよ。アルコールもある程度、病識・病感のある方で、何とかしたいと思って来られる方はいい。それと、家族も何とか相談してほしいと思われる、積極的に動く家族は、相談場所は少ないながら、あるという評価になるのですが、私は基本的には、やはり病識・病感に欠ける疾患が依存症の基本にあると思うので、その辺の対応する場所は、例えば2ページの「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」の(現状)というところから見ても、そういう積極的に、DVであるとか、交通事故であるとか、犯罪であるとか何でもいいのですが、そういうところに積極的にかかわれるような何かがあればもっと対応はしやすいし、それが今後の依存症対策に必要になってくるのではないかと思っているのですけれども、その辺の見方をするというところを考えていました。
 つまり「2.現状と課題」の最初のところの「様々な側面から構造的に取り組む必要がある」の中に、初期管理というか、最初の病識・病感のない方に対する啓発とかそういう場所の提供とか、積極的にそれは問題ですよというのを指摘するようなものがあればもっといいなと思うのです。そういう視点をちょっと入れていただけたらいいかなと思いますので、(3)のところに、積極的にかかわりを推奨するようなものは現在のところ、まだない、あるいは少ないという文言を入れていただきたい。そういう面を対策のところにそういう面が組み込んでほしいと思うのです。
 そういう視点が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○樋口座長 最初の先生の御指摘のほうは、どこに入るとよろしいのでしょうか。
○堀井構成員 (3)です。
○樋口座長 「2.現状と課題」の中の(3)ですか。
○堀井構成員 そうです。例えばです。
○樋口座長 患者さんと思われる方が、自分が病気でないと思っていて、だから医療の受診をおくらせているということもあるので、その人たちには、実は依存症は病気ですよ。だから、あなたも問題あるかもしれません。そういうことを啓発していくという話ですね。
○堀井構成員 そうです。
○樋口座長 それが、必要な医療を受けられる体制の整備の中に入れたほうがいい。それがないということをここに書き込む。
○堀井構成員 そうです。
○樋口座長 わかりました。
○堀井構成員 それを指摘した後で、対策でそういうものを整備するような方向の対策を考えていただきたい。
○樋口座長 ありがとうございました。
 そのほかはいかがでしょうか。
 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤(し)構成員 ありがとうございます。
 今のお話を伺って、私、骨子(案)をいただいたときに最初に思ったのはそれでした。言うならば「2.現状と課題」の(1)の前にゼロ番があるなと思ったのです。
 というのは、家族や依存症者本人というのは、そうなったとき以前というか、気づくときに一般の人なわけです。それで一般の私が、家族がそうかもしれないというときに、そういうところに行っていいという知識もなければ、そういうことが社会的にも全然知られていないですし、要は一般であるときにそういうことを知る機会があればというのはかねがね思っていまして、新たに家族の会などにいらっしゃる方たちも、やはりいらしたときというのは全然まだ半信半疑な状態で見えているので、そこに知識が入らないのですよ。一般という、私はまだ大丈夫、うちの人は大丈夫かも、家族ではないというときに依存症の病気のことをよく知る機会があることがすごく大事ではないかと思っています。
 ですので、相談しに行っていいことだという認識がないという、前回も話させていただいたのですけれども、そこというのは、そういうことを普段から触れる機会、何かネットとか、病院に行ったらそういうものが張ってあったりとか、そういう病気があるのですよということが本当に無意味で、いつでも本人や家族になり得る時点からそういうものが目に触れる場はもっとあるといいと思っているので、社会全体に知られていないことがますます苦しくなる原因でもありますので、そういう啓蒙活動ということをどこかに入れていただきたいなと思っています。
 あと、今、依存症という名称で、アルコール等薬物に関しては依存症で、ギャンブルに関しては病的賭博という名称ですので、大体、最近はアルコール依存症、薬物依存症も、テレビなどでの報道で一般の方も耳にすればそういう依存症という病気があることは皆さん知っていると思いますが、基本的には依存症という病気自体がアルコールや薬物に依存する症状という、意志の弱い人がなるものだよというイメージだったり、病的賭博に関しては病的に賭博をする人となっていますので、本当にそういう病気だという認識になかなか行かないです。なので、相談に行った場所ででも丁寧にそういうことを教えていただけたりとかということです。
 なので現状は、そういうふうに全く知られていないものですから、これからはこの辺を、1番でも3番でもいいですけれども、そういった一般の人たちにも機会があるような形に何か盛り込んでいただけたらなと思います。
○樋口座長 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、佐藤構成員どうぞ。
○佐藤(光)構成員 今のお話に関連して簡単に言わせていただくと、先ほどの病的賭博という言葉も、一番最初のこの会でも指摘があったと思うのですけれども、ちょっと難し過ぎる。ギャンブル依存とか、もっと一般の人にわかりやすい言い方があると思うのです。そういうことも考えなければいけないと思います。
 骨子(案)ですので簡単に書かれているのでしょうが、アルコール依存、それ以外の薬物依存、病的賭博という、こういう分け方にするとしても、薬物依存というのは要するに何を指しているのか、一般の人のイメージだと覚醒剤とか、非合法なことばかりが浮かぶと思います。ですが、過去の検討会でも指摘があったように、脱法ドラックとか向精神薬とか、こういった法的には罰せられないようなものの依存が深刻になっているわけです。こうした薬物依存の新しい傾向にもきちんと対応することを示す意味でも薬物依存とは何なのかということを、もっと詳細に書いたほうがいいと思います。
○樋口座長 ありがとうございます。大切な御指摘だと思います。
 それでは、川副先生どうぞ。
○川副構成員 自治体病院から来た川副です。
 これは事務局への確認になるのかもしれませんけれども、3月で取りまとめると理解していますが、体裁として若干分量が加わるぐらいなのでしょうか。それとも、箇条書きになっていますけれども、これが例えば文章なりで、ある程度まとまって、話の流れがもう少しスムーズにわかる、別の体裁になるのでしょうか。
 あるいは今も御提案がありましたように、例えば資料とかあるいは背景にある状況みたいなものも加えられて、全体の分量がこれよりも膨らむようなイメージでいていいのでしょうか。枝葉がこれからつくということならば、恐らく委員の皆さん、ここで指摘すればいいということになりますので、伺いたいと思いました。
○樋口座長 事務局、お願いいたします。
○江副課長補佐 ありがとうございます。
 あくまで骨子ですので、これをさらに肉づけをしていって、具体的な事例ですとか関連の情報などを含めて、かなり膨らませるようなイメージで考えております。
○樋口座長 そうすると、今まで指摘された多くの出来事が中に組み入れられていくということですね。わかりました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○田辺構成員 今のことで2点ほど。
 1つは、住民が依存症問題を、住民としている限り、余り理解できていないという話が先ほどありましたけれども、平成14年以来、市町村の第一線のレベルで普及啓発とか簡単な相談を受ける体制に実はなっているのです。さらに保健所が広域的なところを見て、より専門・複雑的なところをセンターが見るというラインに実はなっているのですが、やはり市町村はいろいろなほかの事業で忙しくて、普及啓発の中でもさらに依存症だとかは漏れるところがあると思うのです。ですから、市町村レベルの普及啓発というのを依存症に関して正しく展開しなければいけない。
 あとは、取り組んでいない学校教育の中での依存症問題をどう入れるかというのは、またこれからの課題として私はあるとは思いますけれども。実際は市町村はもう既にやっているはずなので、市町村の窓口で、依存症問題のPRや行き先のわかる案内とか、この地域ではここに行けばいいですよという情報提供があってしかるべきということに、一応、法体制上はなっているのです。それが1つです。
 2つ目は、精神保健福祉センターとダルクの問題がございましたけれども、ダルクと精神保健福祉センターは非常に、ある地域ではダルクを精神保健福祉センターが黒子になって誘致して、育ててつくってきたとか、今も一緒にクリスマスをやっているとか、そういうセンターがあるので、決してダルクとセンターは仲が悪いわけではなくて、むしろ薬物に関して言えば非常に大変、地域の中で連携してやっている部分だと私は考えています。
 ただ、うまくいっていないというか、丸投げになっているかのような地域もあるというのも想像にかたくないと思います。というのは、やはり相談と医療というのは表裏一体なのです。ですから、医療のところで依存症の治療が可能な医療機関が充実して行く方向を、全体的に書いておられますけれども、特に薬物依存とギャンブル依存、病的賭博については、まだまだ医療機関の対応というのは少ないがために、相談を受けて、次に医療機関と連携することが十分できていないという地域があり、そのような地域できっとダルクを紹介し、ダルクに依存的になるということが起きているのかもしれないと私は考えて聞いておりました。
 ですから、これはまた今後の体制のところでも反映されることかと思いますが、医療機関の課題のところに、薬物依存や病的賭博についてはまだまだ医療機関で対応できるところが十分にはないという表現があってもいいぐらいのように私は思います。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 そのほかはいかがでしょうか。
 立木構成員、どうぞ。
○立木構成員 さっきのお話で、今回と来月で成果物として報告書を出すのだ。報告書のスタイルというか、中身というか、盛り込むべきものについての御質問と答えがあって、これから肉づけしていくのだという話の中で若干の要望があります。
 これは骨子ですから、言ってみれば理念を箇条書きにしているようなもので、実定法的なものではないということが一つあるのですが、さっきも出ていましたように、盛り込むべき文言の話ですけれども、どこかで例えば薬物類の定義みたいなものを書くのだったら、ここに何カ所も出てきて完結してしまうのですが、体制の整備というよく使われる言葉があるのですけれども、体制の整備というものについて、体制の整備の定義というとちょっとまずいのですが、例えばマンパワープラス予算的なものみたいなものが体制の整備の根幹になるわけですから、体制の整備とは何ぞやということも、これは各項全部共通して体制の整備が出ています。意味としてはわかるけれども、中身はわからないです。体制の整備というのは例えばこういうことだよという注記なり補足なり説明文を入れないと、体制の整備という言葉だけで終わってしまって、実効が何もないのではないか。
 もうちょっと話を進めると、体制の整備の定義をして、物的な定義が出てくるとすると、どうしても、ある種の国家的な規範が必要になる。具体的には、法律が必要になるのではないか。例えば依存症対策基本法みたいなものを施行しないと体制の整備の裏づけにならないし、同時に構造的な問題の解決にもならない。やはり規範が後ろにないと、裏づけがないと政策も根っこがなくなってしまうのではないかなということで、何でも法律ということではないですが、基本法みたいなものを、それもできれば、将来の問題だけれども、議員立法ではなくて政府提案でやってもらえるとありがたい。
 これはちょっと先の話になりますが、その辺から、そうするとワードや語彙の問題も、今の線でいけば適当な語彙がはめ込まれていけるのではないかなということを考えております。
 以上です。
○樋口座長 そのほか、いかがでしょうか。
 河本構成員、どうぞ。
○河本構成員 医療機関から来ていますので、医療機関についてです。
 「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」で「依存症治療の拠点となりうる医療機関が少ない」という現状から「3.今後、必要と考えられる取り組み」の中で(3)に「地域における依存症治療拠点機関の設置を目指す」とあります。確かにそういう拠点はつくっていこうというのは、がんにしても、成人病とか、いろんな治療拠点機関をつくっていくのですが、依存症について、もしも医療機関が中心でつくってしまうと、どうしても最終的には入院治療が主体になっていくおそれがあると思うのです。それを考えますと、この依存症治療拠点機関については自助グループとか地域の保健所とかすごいつながりを持ったものでないと、病院だけで完結するようなイメージではまずいと思うのです。そこら辺をしっかり書いておかないといかぬのではないかなと思います。
 それはきっと、外来治療・入院治療のあり方がはっきりしていないというか、やはり依存症と言えばアルコール、薬物、それからギャンブルも入院プログラムというのもしているのですけれども、最終的には入院プログラム、入院治療という形が主になっていくのですが、これから偏見をとって広げていく上ではやはり外来治療を主体にして、外来治療を主体にすることできっと地域との結びつきとか外来プログラムとか、もっと言えば入院プログラムだけではない体系的なプログラム、その中に入院プログラムが一部あるというイメージで持っていく必要があるのかなと思うので、そこら辺、もうちょっと踏み込んで書いておかないと、依存症というと拠点医療機関で、そばに結構大がかりな入院施設があってというふうに限定されてしまったらまずいかなという心配があるので、そこら辺は踏み込んで書いておいてください。
○樋口座長 ありがとうございました。
 先生、今のは3のところですね。
○河本構成員 そうです。
○樋口座長 今は1と2のほうを話し合っているので、後でまた、それについては振り返ってみたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 宮岡構成員、どうぞ。
○宮岡構成員 2の「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」は、今、議論でいいのですか。
○樋口座長 そうです。
○宮岡構成員 今、河本先生が言われたように、外来治療・入院治療のことでちょっと気になるのは、先ほどお話が出ました、全く御本人が、普通にいると飲んで、肝機能も相当悪くて、亡くなってしまうぐらいの状態に近い状態だけれども、御本人が入院したくないとおっしゃって、場合によっては御家族も、本人が本望だったらそうさせてあげてくれなんて言われる患者さんがいらっしゃった。
 ちょっと気になって、私、精神医療審査会のほうで、アルコール依存に対してどのくらい非自発性入院をさせているかとかというのを一部、あるいはどういう審査をしているかというのを審査会の事務局に調べてもらったことがあるのですけれども、結構、全国で差があって、このくらいだったら医療保護入院でいいのではないかというところから、やはり御本人がそのときはきちっと判断できるはずだから任意でないとだめだということがあった。
 先ほど重症の話で、病識・病感のない重症の方をどう治療したらいいかということと、それから、まさにこの外来治療・入院治療のあり方で、どうなったら入院でいいか、あるいは場合によっては非自発性入院までして、極端に言うと、命を救わないといけないかということについて、もうちょっと何か書き込むなり、あるいは厚労省のほうにここまでは、言いにくいことでしょうけれども、この機関であれば認めるよとかという何かがないと、はっきりしないといっても、まだはっきり結論も出せていない状況なので、そのあたりをもう一歩踏み込めないか、あるいは踏み込めないのであれば余り明確に書かないか、非常に難しいなという印象があります。
○樋口座長 事務局、何かコメントはありますか。もしなければ、このまま続けます。
 よろしいでしょうか。
○重藤精神・障害保健課長 はい。
○樋口座長 そのほか、いかがでしょうか。
 1と2については、もうこれでよろしゅうございますか。
 後でまたお話も出てくると思いますので、それでは先に進めて「3.今後、必要と考えられる取り組み」、これも非常に大事だと思うのです。どんなことが必要になるかということで、これについても意見をいただきたいと思います。先ほどのように(1)から(5)までありますが、いかがでしょうか。
 成瀬構成員、どうぞ。
○成瀬構成員 成瀬です。
 骨子については、とりたてて大きな異論もなく、当然挙げられるだろうというものが並んでいると考えました。ただ、先ほどからも指摘がありますように、非常に総論的なものが並んでいて、確かにそうだというところで終わってしまってはこれまでと何も変わらないというところを懸念しています。
 精神保健福祉センターの話にもありましたように、ここはこうなってやるべきだとか、ここがこういう役割を担うべきという考えというのは皆さん共通して持たれて当然のところもあると思います。地域では精神保健福祉センターが音頭取りをしてということは当然考えるところですが、現状を見ると、それをやりたくてもできないという、そのできないままにやるべきだという形の提言などで終わってしまうと、それはわかっているけれども動けないということに終わってしまうのではないかと思います。
 それは精神保健福祉センターに限らず、医療機関についてもそうでしょうし、連携をとる際にも同じように言えるのではないかなと思います。要するに、今後、必要と考えられる取り組みということで整理した上で、具体的には何ができるか。できないとしたら、どうすることでできやすくなるかという具体性をぜひ1つでも2つでも盛り込めるようなものになってほしいなと思います。参加されている構成員の皆様も多分共通した思いではないかなと思っているのですが、それを実現するために何が必要なのかというところでこの3番を考えられればと思います。
 私のほうで具体的にこれというふうに言えませんけれども、私の中では1つでも2つでも具体的にこうするという形が決まる会になればなと思っております。
○樋口座長 具体的には、今の話を踏まえると、この「3.今後、必要と考えられる取り組み」をどういうふうにまとめていったらいいのですか。
○成瀬構成員 「充実を図る」とか「周知する」とか、書いてありますけれども、充実を図るために何をできるか、周知するためにどういうことをできるかというところまで形が見えるようなものが入ってくればなという思いです。
 充実させることについてはどなたも賛成かと思うのですけれども、充実させるために、それでは何が具体的にできるかというところがないと、結局はわかりません。
 それでは、それが具体的に何かと言われると、なかなか私の中でできているわけではありませんが、実際に行えるものに1つでも2つでもなればそこから動いていくように期待しています。
○樋口座長 それでは、幸田構成員どうぞ。
○幸田構成員 3の(2)で「専門相談員を配置し」というところがあるのですけれども、実際に精神保健福祉センターの常勤の職員の方がその部門についたとしても、2年とか3年で異動になってしまったりすると、今まで続いてきたセンターの事業が終息してしまったりとか、なかなか難しくなってしまったりということがあるように考えられます。
 以前、松本先生もおっしゃっていたのですけれども、多摩のセンターのほうでは非常勤職員と外部講師を中心にプログラムなり相談を構成しているという、そうすることによって職員が異動になっても非常勤職員と外部の講師はかわらないので、そのプログラムがずっと継続されていくということを聞いたのですが、東京都内のセンターは恐らくそういうやり方でやっていると思うのですけれども、センターの中でそれをやるのは、先ほどおっしゃっていたように、本当に大変だと思います。それはほとんど全て外部の資源を活用した形でプログラムを組んで、インテークから相談まで、継続相談まで外部の人たちを雇ってやれていけば可能なのではないかなと思いますけれども、そのための予算をしっかりつけていただくのは必要だと思います。
 幾つかのダルクでは精神保健福祉センターのプログラムの講師として参加しているのですが、ボランティアでそれを実際にやっているところも幾つかありまして、ボランティアでもできるのでしょうけれども、それはやはり継続して続けていくという面ではやはり難しくなっていく部分があるので、そこにはしっかり外部の講師なり非常勤職員をつけられる予算をつけていくことが必要なのかと思いまして、常勤の職員をそこにつけるよりコスト的にどうなのか、ちょっとわからないのですけれども、動きは非常にとりやすいのではないかなと思います。
○樋口座長 先生、今の話について何かコメントはございますか。
○田辺構成員 相談がたくさんあって、家族がたくさん来られているところは家族教室も開いているのが現状であるのです。そういうセンターはうまくいっているセンターですので、うまくいっていないセンターは相談能力があるのにアクセスが少ないという、それは先ほどあった、知られていないとかという部分もあるのかもしれませんが、そういうセンターと、相談能力はそう高くない小さいセンターがあります。専門職員の数が十分でなかったり、経験が十分でなかったり、そういう意味で、最初のほうで十分に機能しているとは言えないと言った時の、課題としては、十分に機能するマンパワーがないセンターがあるというのが課題だと思うのですよ。そういう意味では、今のような形で恒常的に、外部の非常勤講師でもいいから、きちんとした相談の質の担保を図るということは大切です。相談体制のより強化が課題なのかなというふうに聞いておりました。
○樋口座長 わかりました。
 紫藤構成員、どうぞ。
○紫藤構成員 紫藤です。
 必要な医療を受けられる体制の整備に入るのかどうか、わからないのですが、この検討会でずっと処方薬依存という言葉が出されてきました。これはとても大事な問題だと思うのですが、これに対する体制整備というのが余り議論されてこなかったと思うので、先ほど成瀬構成員もおっしゃったように、具体的に何かつくっていかなければいけないと考えております。
 医師の研修、我々の勉強も非常に大事だと思い、実はこの間、私どもの診療所協会で自殺予防対策も絡めて処方薬依存の講演をお願いいたしました。大変成果を上げたのですけれども、いろいろ考えてみると、私たち自身が気をつけなければいけない部分もたくさんあるのですが、しかし医師が幾ら注意してもどうにもならない処方薬依存もあるのだということに気がつきました。特に数カ所の医療機関を重複受診して過量服薬している方の対応については、医療機関は、基本的に本人の申告のもとに投薬するのでまったくお手上げな状態であると思います。
 そこで私は、患者さんが持っているお薬手帳の活用を提案したいと思います。すなわち、医療機関や調剤薬局でお薬手帳の提出を義務づける形にしたらどうか。必ずお薬手帳を持ってきていただき、院外にせよ、院内にせよ、処方した場合は必ず一冊のお薬手帳に内容を記載する。これによって重複投与が避けられるということがあると思います。現状ではお薬手帳を持ってくる方もおりますけれども、携行義務はなくて、薬に関するメモというレベルを脱していないので、患者さんによっては何冊も手帳を持っていて見せてくれるような人もいるのですが、これでは意味をなさないと思います。
 例えば内科とか整形外科とか身体科でよく出されているデバスというお薬がありますが、これは向精神薬の指定がないということで、ちょっと不定愁訴がある方とか鬱っぽい患者さんに日常的に出されているのです。そうすると、そういう方の中には確信犯的に、過量服薬による薬物乱用の方もいますけれども、中にはジェネリックで出されていて、違う薬と思って重複して飲んでいる方もいるという弊害を最近ちらほら見ておりますので、このお薬手帳を実効性がある形に変えていくということを私は提案したいと思います。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 かなり難しい話ですけれども、確かに大きな問題であることは間違いないですね。
 どうぞ。
○田辺構成員 3の議論でいいのですか。
○樋口座長 3の議論です。
○田辺構成員 3の(2)を見ますと、じっくり読むと、先ほど出た意見などもいろいろ、随分と書かれていると見えてきているのですけれども、ここの「地域における関係機関同士の連携を図るため」、この部分は、「地域における依存症の治療と支援のガイドラインを策定する」とか、「地域における役割を確認できるような地域における協議会」とか、ここに書かれているのをもう少し具体的に表現する、「地域における治療と支援と相談について、機関や施設の役割等を地域において確認できるような地域処遇のガイドライン」みたいな、そういう感じになるとすごくいいなと思いました。
 というのも、精神保健福祉センターに大変期待が起きていて、私どもも、やはり最近の、いわゆる脱法ドラッグ、当事者からは合ドラと言われている薬物の相談が来るのですが、思いのほか精神病症状が早いのです。大麻成分だけではないのではないか、覚醒剤成分も入っているのではないかと思うほど、精神病性症状が強くて、相談で家族をサポートして、通常の相談者をエンパワーして、本人を動機づけする過程で、精神症状等の管理というものが課題になるケースが結構出てきています。
 中には過去に受刑していて、もう覚醒剤は使いたくないのだけれども、今度は脱法だから良いのではということで使ったら精神病症状が出たというケースもあります。もし、これからの依存症の中で薬物に限った相談で言えば、合法ドラッグ、脱法ドラッグの問題が出てくると、地域において単に単一で相談機関が機能するなどということはあり得ない。ダルクや医療機関、精神病性症状を治療する、そういうことの連携と確認がないといけないのではないか。
 病院は、個別の個人経営の病院だと、うちは診ませんとか、うちは専門外ですなどと言ってお断りしていますが、公的な相談機関は受けなければならない。そういう中で、地域に連携するネットワークがない中では、特に薬物の対応は難しいと思うのです。アルコールは断酒会とか、AAとかの当事者グループができていますからまだよいのですけれども、お互いの顔が見える連携がないとどの機関も機能でき得ないのではないかということで、そこの連携強化のことをもう少し強調してつくっていただければなと思います。
○樋口座長 わかりました。ありがとうございました。
 それでは、川副構成員どうぞ。
○川副構成員 川副です。
 済みません、先ほどの1番、2番のところで1点だけ、全体のデザインみたいなもので、医療機関にも精神保健福祉センターへのさまざまな期待とも関連すると思うのです。非常に専門的なところが、三角形で言えば頂点を高くする、質を充実させる方向も確かにあるのですが、一方で、都道府県の隅々にまで、1カ所の医療機関なり精神保健福祉センターなりが全部回る、あるいは患者さんが集まるのは現実的に無理と考えられます。つまり、三角系の頂点の質を向上させることとともに、やはり底辺を広げるという普及の方向も考えなければいけないのだと思います。
 先ほど言われました、保健所とか市町村でできる部分も、これは内容によって、あるいは地域によってさまざまだと思います。今、田辺先生の言われた、いわゆる脱法ドラッグの問題も、恐らくさまざまな物資が流入するような大都市といわゆる地方では全然事情が異なるのだろうと思います。神奈川県だけ見ていても、私どもの病院が隅々まで行き切れているわけではありませんので、やはり公的な、例えば総合病院、例えば診療所がそれなりの通常の医療を提供していただいて、あとのところは、例えばミーティングなり、例えばプログラムなりといった取り組みについては地域の保健所さんにお願いするとか。そういうイメージだけは持つのですけれども、質の向上とともに普及ということも一つ考えて行政機関も医療機関も考えたらいいのかなと思います。
 成瀬先生の言われたことについては、私はある意味ではどこの医療機関でもとは、あるいは関係機関でもとは言いませんけれども、一定の研修を積めば比較的短期に取り組めるような例みたいなものを、ある程度例示してはいかがかと思っております。
 その上で3の取り組みについて、3ページの(1)の相談体制、あるいは医療体制といったあたりは、まさにこの4月から精神疾患についても正式に5つの疾病の中に入る医療計画の話に連なるのだろうなと思って私は読んでおりました。その点を指摘させていただきます。
 4ページの(3)で、依存症治療拠点機関ということで、これは私の第2回のときの提案を酌んでいただいたのだろうと思います。ありがとうございます。
 そこで私、第2回のときに申し上げておきましたように、その医療機関で完結するのではなくて、例えば県内の研修その他、あるいは関係機関との連携を義務づけた形、それと、今、早速にも各県で1カ所ぐらいはやってほしい、例えば薬物依存に関する取り組みといったことを要件とした形で、子供の心の診療拠点病院、あるいは今のネットワーク事業に沿った形で考えていただければと思っております。
 今、言ったのは頂点を高める方向ですけれども、普及のためには、やはり診療報酬の何らかの評価が必要だろうと思います。これについては申し上げましたので、繰り返しません。
 (3)で学術団体からの技術支援とありますが、今回のこの検討会は医療側とさまざまな行政機関、それから当事者団体ないし近い方々と学識経験の方という構成だろうと思いますが、実際にさまざまな援助を行うのは医師だけではありませんので、さまざまな職能団体の方にも何らかの形の取り組みをお願いしたいということが1点。
 もう一つは、現実には日中プログラムを、あるいは何らかの活動を提供していらっしゃる当事者活動の方々、現実には障害福祉サービスの形をとっているのだろうと思います。そちらで一定の収入を得ているということだろうと思いますので、そういったところとの整理の問題が出てくると思います。これは微妙な問題をはらみますので、この中に入れられるかどうか、私はわかりませんけれども、そのことを1点指摘しておきたいと思います。
 長くなって申しわけありません。以上です。
○樋口座長 とても大事な御指摘、幾つも中に入っていたと思います。ありがとうございました。
 地域の話の中に、地域の行政機関とか保健所の話がこの中には余り出てきていないのですけれども、そのあたりに対する指摘があったということだと思います。一番最初の部分です。
 そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、まずこちらからいきましょう。成瀬構成員、どうぞ。
○成瀬構成員 今の川副構成員の話につながるのですけれども、拠点医療機関設置を目指すことになって、拠点医療機関ができたとすると、それだけだと今までと同じように、点で医療をやっているだけということになります。拠点医療機関に設定されることによって、それがお墨つきになるといいますか、点だけで終わって、だから、あそこに紹介すればいいのだという、言葉は悪いのですが、ごみ箱的に投げてこられることになりかねないと思います。
 それで、拠点医療機関という設置自体反対というわけではないのですが、そこがどういう役割をとるのか。そこだけが孤立してやるということでは、これは全く私どもが期待しているところとは違いますので、そこに何らかの機能なり支援なりをいただいて、周囲に広げていけるような、医療機関につながっていけるような、広げていけるような何らかの役割と支援がないと、結局は今までと同じで、名前だけついたことにならないかということを危惧します。この拠点医療機関の設置を目指して、その役割がどうなのかというところもあわせて検討されるべきだと思います。
 追加です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 それでは、佐藤構成員どうぞ。
○佐藤(光)構成員 (3)の一番最後に「新規治療薬物の開発に資するような研究を支援する」とあります。これも重要なことですが、現在、依存症の治療のために使っている薬の選択をどうするのかということも、きちんと考える必要があると思います。要するに、依存症の治療で向精神薬を使い、それがまた新たな薬物依存を生み出すという負の連鎖を止めるためには、どんな薬の使い方をすればいいか、そのあたりの研究もきちんと行っていく必要があると思います。また認知行動療法など、薬以外にも重要な治療法がありますので、そうしたものへの支援もきちんと行う必要があると感じます。
 それからアルコールの問題では、以前、杠先生が節酒療法を試みて、かなり成果を上げているということをおっしゃっていました。あの取り組みは、オーディットで20点前後の人たちに対しても行っているといいます。すでに軽症のアルコール依存症になっているような人たちでも、断酒ではなく節酒を継続できるケースがあるわけです。これは従来の治療のあり方を変えるような画期的な取り組みなのに、先日も杠先生にお話を伺ったのですが、ほかの施設、ほかの医師たちがなかなか興味を持ってくれないというのです。
 これから特定健診などで、アルコール依存の予防策が重視されていきますので、こうした節酒療法の拡大はとても重要だと思います。それなのに、他の医療機関での研究や、普及に向けた前向きな検討が行われないのは、ちょっとおかしいな、もったいないなと思うのです。こういう新たな取り組みを専門医療機関が共有し、迅速に評価を行い、有望であればどんどん取り入れていけるような仕組みがあればいいと思います。
○樋口座長 今の節酒の話ですけれども、私の理解では、確立された依存症の方に関する節酒療法についてはまだ非常に議論の大きなところで、今からどういう方にそういうことを実際にやっていったらいいとか、あるいは本当にそれが科学的に裏打ちされた知見であるかとか、そういうことについてやはり知見を積み上げていく段階だと思うのです。ですから、そのあたりについてはまだ少し時期が早いかもしれない。
 ただ、杠先生の話の中に、依存症まで行かない方々に対する飲酒量低減という、それについては世界的なコンセンサスなので、それは今回のこの中には含まれないかもしれないけれども、そういう話が入ってもいいのかなという、それは私も感じます。
 どうぞ。
○立木構成員 最後の4ページの「(5)地域における当事者、家族の支援体制の整備」というのは我々当事者あるいは家族が一番期待しているパートなのですが、この中で当事者、家族のみならず、一般の地域住民に対しても病識を持ってもらう、そのための普及啓発活動をしてもらうというセンテンスなのですが、ここで一つの提案なのですけれども、個別的な提案で恐縮なのですが、断酒会に入ってくるような人でもまだ病識を持っていなくて、俺はちょっと飲み過ぎだという、大体、断酒会でもそれが決まり文句なのです。
 当事者であってもそういう病識がないのだから、一般の依存症の方というのはほとんど9割方、正しくお酒を飲んでいるので、なかなか普及啓発活動も真面目に聞いてもらえない部分が悪いのではなくて、したがって、一つのシンボライズなアクションなのですが、普及啓発活動の一つとして、依存症対策月間あるいは依存症対策週間みたいなネーミングをつけて、この中でもろもろの普及、具体的な普及啓発活動、アクションとコラボレーションさせていく。
 例えば御家族の佐藤さんが前にもおっしゃっていた、リカバリー・パレードというものを毎年11月にやっているのですが、例えば依存症対策月間・週間の中で、このリカバリー・パレードとコラボさせるという、あるいは研修会の中で行うということが具体的な普及啓発活動になるのではないか。ワンウエーの研修会ではなかなか一般の人は来ませんから、リカバリー・パレードみたいな大型のアクションと対策週間あるいは対策月間の中で協同していくと実効が上がるのではないかなという、これは個別的な一つの提案です。
 以上です。
○樋口座長 その文言が入るとしたら、どこが適当でしょうか。新しく1項目起こすのでしょうか。
○立木構成員 だから、普及啓発活動月間、この(5)の中にどこか、今みたいなことを入れたらいいかなと思います。
○樋口座長 わかりました。
 それでは、宮岡構成員どうぞ。
○宮岡構成員 先ほどの3番のこれからの医療関係者向けというので、立場上、要は医師の関心の薄さというのが非常に気になっているのですが、これは例えば厚労省のほうから認定医を持っている精神科関係の学会に、必ず依存の問題を研修なり試験に入れると言っていいのかどうかはよくわからないけれども、そういう働きかけは、採用するかどうかは学会に任せてもいいと思いますが、それを盛り込むなり、あるいは働きかけるということは無理なのでしょうか。そのぐらいしないと、きれいごとを言っても医者は勉強しないと思うのです。だから、日精協だって認定でしたか、何か持っているし、そのぐらいのことをしてほしいという希望はあるのですけれども、御検討いただければと思います。
○樋口座長 よろしいでしょうか。
 それでは、佐藤構成員どうぞ。
○佐藤(し)構成員 済みません、話が戻りますが、今、立木構成員が口火を切ってくださいましたので、私もその話をさせていただこうかとメモをとっていたところでしたので、ありがとうございます。
 実際に、今、そういう市民活動的なレベルで、あちこちでいろいろなことを、家族の立場だったり本人の立場で、みんなでさまざまにやっておりますが、実際にはセミナーなどを開催することになっても、場所の確保であったりとか、そういうことがなかなかままなりません。どこか大きなセンターみたいなところを国というか、区とか市が扱っているようなところでも、文化にかかわることではないから貸せないとか、そういったことが結構発生していまして、この活動自体は厚生労働省のほうも何か、認定ではないけれども、そういうことですみたいになるとポスターもあちこちに張っていただけたりとか、本当にささいなことなのですが、そういう支援を具体的にしていただけると、先ほどの依存症何とか月間みたいな話もありましたが、今、アメリカのほうではリカバリー月間という、回復月間みたいなものを認定した月にばあっとそういう宣伝をするという、一般の人に知っていただくためのことはかなり進んでいることを聞いていますので、そのような取り組みもあるといいかなということ。
 それと、個々でやっている市民団体ですとか、今、実際、どこも皆、自分たちの献金ですとか、どこかの一つ何か援助してもらうとか取れたみたいなことぐらいでしか、それはその基金でポスターをやっとつくれましたぐらいのことをやっていますので、そこがもう少し、こちらもせっかく、こういった形で依存症の支援というものの中に盛り込んでいただけるとかなり進むのではないかと思います。セミナーなどだと、今までは中でやっていたものですから、中で興味のある人、認識のある人しか足を運ばないというのがありましたので、公の人は全く興味のない人でも、道を歩いているときに張ってあるものが目につくとか、そういう対応をしている、ファイルですとか、そういうものを見ていただくということも今後支援していただけるといいかなと思っております。
○樋口座長 それでは、堀井構成員どうぞ。
○堀井構成員 最初に発言させていただいたことと関連してと、その他、発言させてください。
 なかなか自分が病気だと思っていない人もいるということへの対応として、3の「(1)本人、家族が気軽に依存症に関する相談ができる体制の整備」の中に、いろいろな保健所とか公的な職場の職員、ソーシャルワーカーのような方への教育というものを入れていただいているのですが、これはこういうふうに書くだけではなかなか前へ進まないと思うのです。どこかモデル地域のようなものをつくって、それでやっていただけたらいいのではないか。本当に積極的にいろいろかかわろうとしたら、何かあるたびに顔を突っ込んでいくような方が必要だと思うので、いろいろなところ、警察であれ、DV相談であれ、子供相談であれ、そういうところにすぐ出かけていけるような方を準備するような地域モデルをつくるというのを一つお願いできたらと思います。
 「(2)医療機関、行政、自助団体の連携体制の整備」ですが、岡山市は今、一昨年から一般科、特に救急等の精神科、アルコール関連精神科医と勉強会、連絡会を持っているのですが、そのようなところと、それから救急の研究会へ行きましたら、認知症の問題とかもあるのですが、必ずアルコール問題あるいは依存問題が出てきまして、その連携がなかなか難しい。それで、勧誘の仕方が難しいというのがありまして、総合病院のMSW、医療ソーシャルワーカーにアルコールの教育をしていただいて、先ほど田辺先生が言われていたような連絡会、ネットワークのようなものをつくって治療につなげる、そのようなシステムを推進するということが具体的に必要なのではないかと思っています。それは全国的にできればいいのですが、ある地域でどんどんどんどん推進してみて、実際に効果の上がったことを確認して全国化するということでもいいかと思いますけれども、それを実際に推進していく方策をとっていただきたいと思っています。
 それから「(3)必要な医療を受けられる体制の整備」ですが、これは先ほど申しましたように、いろいろなアルコール問題が出てきたところへどんどんどんどん入っていけるような相談員がいる必要があるわけで、先ほど申しました交通違反、犯罪、DV、犯罪被害者との関連、その辺が、アルコール問題が大いにあるといいますか、確率の高いところがありますので、その辺とも連携して治療に結びつけるような対策が、あるいは相談員もふやすということを期待したいと思います。
 もし、その辺がもし加味できたらお願いしたいと思います。
○樋口座長 ありがとうございました。
 それでは、服部構成員どうぞ。
○服部構成員 服部でございます。
 私のほうは提案というより、ちょっと聞きたいところがあるのですけれども、厚労省さん側にお尋ねいたします。
 3の(2)で「地域における関係機関同士の」云々とありますが、関係機関の中で、保健所さんの相談件数が、一番多く行っていらっしゃる、もったいないな。そこへ働きかけはできないのかなという先生の御提案がありましたが、管轄は違うのでしょうけれども、この関係機関というところの保健所さんのお名前が出たのは1カ所しかなくて、しかも連携をとるというだけなのですが、保健所さんへ働きかけというのは難しいものなのかなということをお聞きしたいです。
 2点目は、連携体制やいろいろな、家族支援のところに出てくるのですけれども、この中で書かれる「自助団体」としているひとくくりの解釈なのですが、我々のような共同体と、回復施設といわれる所とは活動理念もプログラムも違うことから支援の方法もさまざまだと思うのです。そこのところをどのように御理解しているのか、教えていただければと思います。
 申しわけございません。
○樋口座長 それでは、2つの質問がございましたけれども、まず初めのところについて、保健所の話でしたね。
 いかがでしょうか。
○江副課長補佐 ありがとうございます。
 保健所については、保健所長会から山中先生に構成員に入っていただいて、今日は所用で来ていただけませんでしたけれども、どういったことが書き込めるかといったことは、この報告書にする過程で御相談していきたいと思います。
 2点目については、その辺、ここでは雑駁な書きぶりになっていますので、もうちょっと書き分けていくような方法で考えたいと思います。
○重藤精神・障害保健課長 1点目の補足ですけれども、これは皆さんが今までに出した御意見をもとにつくりましたので、保健所のことの御発言が少なかったということの影響だと思います。保健所は立派な精神保健の実践の行政機関ですので、当然のことながら、しっかりやっていただくのは当たり前のことだと思っております。ということで、その活動が不十分ということであればこういったところで書いて、また保健所長会へもお願いをして、きちんと取り組んでいただくということではないかなと思っております。
○樋口座長 とても大事な視点とディスカッションだったと思いますけれども、何か今のことでもう少し補足があったりしたら、どうぞ。
 田辺構成員、どうぞ。
○田辺構成員 3の(1)の、やはり身近に相談できる体制の整備の中で、市町村がまずは依存症に対する知識を持って、ある程度の情報提供ができる。そして、保健所も相談ができるということもしっかり書いていただいて、それから、先ほど普及啓発のいろいろな活動も出ていましたけれども、依存症関係では薬物の「ダメ。ゼッタイ。」というのがすごい普及啓発では飛び抜けてされていると思うのですが、あれは別の管轄のほうの、薬務課とかのほうが動いたりもしているのですけれども、あれは市町村も、民生委員のような人もかなり知っていて、活動していらっしゃる。だから、あのようなレベルで、「依存症の回復」ということも普及啓発されるべきだ。先ほど話が出ましたが、そういう回復についても啓発が市町村レベルで展開できたらいいかなと思います。
 それと(2)で、自助団体のところで、私、自助団体のほうからは逆に余り出なかったのですが、一昔前は断酒会、小さな地方の、本当に2人ぐらいの断酒会員を保健師が支えたりして、それがだんだん大きくなるとか、私は北海道の小さいAAとかGAとかを、2人ぐらいの保健師さんなんかが遠巻きに見ながらやっていた。きょうは山中先生が来ておられませんが、この地域保健活動で自助団体を、出しゃばらずに、本当に適当な距離でサポートする、すごく重要な役割だと思うのです。当事者団体の育成に地域保健が貢献できるような、やはりそういう書きぶりもどこかで必要で、地域保健の中で当事者団体を育てるような活動も必要だということが載っているといいなと思いました。
○樋口座長 わかりました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 川副構成員、どうぞ。
○川副構成員 先ほどの堀井先生のお話で少し思い出したのですけれども、堀井先生にも会長をしていただいた病院・地域精神学会というのが沖縄であったときに、国立琉球病院の福田貴博先生という方が発表されていたのですが、沖縄県内の総合病院で講演に行ったり、それから市町村の保健師さんたちに、講義等だったかと思いますが、研修をされたり、市町村の健診でそうしたスクリーニングなり何らかの働きかけをしたという取り組みを国立琉球病院の皆さんがされていると私は伺ったのです。これは多分、樋口先生のほうがはるかに御存じだと思います。
 杠先生のお話のときにも、国立福岡病院で外来を開くという、出張っていくような形をされていましたけれども、何らかの工夫を少しすればもしかしたら実現できるかもしれない。幾つかの活動のモデルと申し上げましたが、それも一つの方法なのかなと思い出しました。
 そういった具体的な取り組みの例があるのではないかと思いますので、皆さんの御自身とか、あるいは知っている方の経験をぜひ取り入れたらいいのかと思い出しました。
 以上です。
○樋口座長 そうすると、報告書の中にそういう事例集のようなものが入るとわかりやすいということでしょうか。
○川副構成員 少しでも、何例かでもあると一つ、かなり具体的な、肉づけされた、もし読んでくれる人がいたらわかりやすいものになると感じております。
○樋口座長 わかりました。
 その場合には、構成員の先生方から幾つかの事例を出していただかないといけなくなるかもしれませんけれども、それが入るととてもわかりやすい報告書になる可能性があります。
 ほかに何かございますでしょうか。
 河本構成員、どうぞ。
○河本構成員 (5)の、依存症は病気であるということについて、前回言われていることなのですけれども、大分古びた言葉というか、言い尽くされているというか、手あかのついた言い方なので、もうちょっと踏み込んだ言い方がいいかな。
 といいますのは、アルコール関連問題学会で、依存症はどこまで病気、どこから病気というテーマがあったぐらい、なかなかはっきりしないのです。ここで病気というのは、WHOの身体的、心理的、社会的、スピリチュアル・生き方という4つのレベルのことを含めて書いているのだと思うのですけれども、その中で医療がかかわるところは、薬物療法を使って身体的、認知行動療法を使って心理的なかかわりはできますが、社会的はなかなか難しく、スピリチュアルな問題はもっと難しく、きっと医療の手に余ると思うのですよ。
 なので、そこから現状として何が起きているかといいますと、依存症は病気だから医療機関で治してほしい。一般科も精神科医に対して、依存症だから治してくれるだろう。治すというのはきっとやめさせるということなのですが、そういう期待をして連れてくる、頼むけれども、結果的にこれは、なかなかやめるのは、断ち切るのは難しいのですという返答をしたら、すごく期待外れでがっかりしたような顔をされるのです。何だ、役に立たないな、それで専門医療機関かという言い方をされるのです。
 まさしく現状はそうなのですけれども、そこら辺のすごい責任というか、やめさせないといかぬとか、ギャンブルでもアルコールでもそうですが、そういう過剰な責任を専門医療機関が担おうとしたら、先ほど言ったように、せいぜい身体的、心理的レベルのアプローチぐらいなので、ただ依存症全体は実はスピリチュアルな問題で、性根とか生きざまとかと言われる部分も大きいので、医療だけでは非常に難しいけれども、何か責任を負わされてしまうようなところがあって、それがなかなか一般精神医療機関で、確かに病気の部分、いわゆる生物学的な、心理的な病気の部分もあるのだろうけれども、安易に引き受けると全部やめさせる責任を負ってしまって、しんどいのではないかなというところで忌避しているというか、遠慮して、なかなか取り組めない面もあるのかもしれない。
 ですので、要はこの病気というのを4つの段階で分けまして、医療機関はこの部分にかかわる、せいぜいこれくらいしかできない。薬物療法と認知行動療法です。それで、自助グループはこういう部分にかかわるのだ。それらが組み合わさった結果、うまくいけばやめる、断ち切る、断薬・断酒・断ギャンブルになるかもしれない。だけれども、それは結果としてまだまだ難しいのだという形で、国の、こういう厚労省の骨子で依存症の治療回復等の断ち切るというところは、実はこういういろいろな、複雑な要因なので難しいのだというのも言っていただくと非常に、責任逃れというわけではないのですが、過剰な責任を背負ってしまうようなことから避けられるのではないか。
 専門医療機関もそうなのですが、一般内科の先生とか、一般科の先生で肝臓内科の先生なんかも、依存症の方でやめてもらわないといかぬ、何とか断酒してもらわないといかぬなどと一生懸命かかわろうとして、すごくしんどくなっているのですよ。そこら辺で過剰な断ち切るという、断酒・断薬というのは、将来的にそうなったほうがいいに決まっておるのですけれども、それは現状レベルでは難しい。うまくいくとしたら、その4つのかかわりがどんどんうまくいって、プラスアルファ、何かの力が働かぬと難しいのだということを示していただかぬと、依存症は病気であると言われると、それなら治療すればいいだろうということで、それは何十年も言われてきて、結果的にそれがかえって偏見を強めているのではないかなと思うのですよ。そこら辺をちょっと踏み込んで書いていただけたらありがたいかなと思います。
 さっきの節酒とか断酒という話もあったのですけれども、節酒を目標としてできるわけでもないし、断酒を目標としてそのとおりできるわけでもないので、今の時点では節酒とか断酒を目標として掲げても、そういう意味では仕方ない話なのです。だから、それも目標としてはおろしていいのだというぐらいのことを、難しいかもしれませんけれども、それで何をするかといったら、ちょっとでも害を減らすとか、要はハーム・リダクションの考え方です。それをちょっと考え方として出していただけると、現場はすごく楽になってくるのではないかなと思います。読ませていただいて、そういうものを感じました。
 なかなかいろいろな意見もあって難しいと思うのですけれども、ただ、依存症は病気であるというふうに、これで終わってしまうと結局同じことかな。だから、かえって変な責任を負うところは負って、かかわりたくないところはかかわりたくないというふうになるのかなという危惧もします。
 以上です。
○樋口座長 今の話をもし入れるとすると、最初のほうの前文とかがあるはずでしょうから、そちらのほうにいい形で入ることになるのではないかと思います。
 あと、本当に時間が限られていますけれども、1つ2つぐらいはお受けできます。
 それでは、今、手を挙げている、まずは紫藤構成員からどうぞ。
○紫藤構成員 紫藤です。
 本当にいろいろな意見があって、種々雑多な意見をまとめる役の方は大変だろうと思いますし、また、まとまらないのだろうとも思います。やはり枝葉の部分、たくさん出てきた生の声を取り入れた形の報告書をつくっていただきたいなというのが要望でして、事務局でつくった項目に当てはまらない内容もたくさんあると思います。やはりそれだけ依存症がソーシャルな病気といいますか、広がりの大きさを示しているわけで、必ずしも項目にマッチしないところがあると思うのですけれども、そういうことも含めて、こういう意見があったということを付記していただければありがたいと思います。
 あと、質問ですけれども、資料2のほうの全国薬物依存症者家族連合会からこのような要望書が出ていますが、これについてはどうでしょう、検討する場を設けたほうがいいのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○樋口座長 これは私、座長宛てに来ているのですけれども、構成員ではないわけです。実際、ここの構成員の中でディスカッションすることだと思いますので、参考程度に見ていただければと私は思っています。
 それで、よくよく中身を見てみると、ほとんどが既にここで話し合って議論されている内容ですので、改めてここで取り上げなくてもいいのではないか。もし、ここの構成員の先生方の中で、この中で特にこういう部分はやはり取り上げたほうがいいのではないかということがあれば、ここで議論いただければと思います。
○紫藤構成員 わかりました。
○樋口座長 そうしたら、先に田辺構成員のほうからどうぞ。
○田辺構成員 私は、この依存症の中に病的賭博も含めてこれだけ議論できたことはすごく前進で、感謝しておりますけれども、今、私たちでいっぱいいろいろな意見を言って、それを全部厚労省に言えば全て解決するかのような幻想を持っているような気がして、結局やるのは、地域で私たちがやるわけですから、地域の中でもう一回地域に返してもらえるような、医療計画の話が出ましたけれども、医療計画まで行かなくても、やはり地域の中で役割を確認して、この地域ではどこが何を担うのかというのは地域によって、多少、精神保健福祉センターが医療機関よりも一生懸命やる地域があるのかもしれませんし、医療機関に専門病院があることで精神保健福祉センターは家族教室だけに限定して活動できることがあるかもしれない。地域で体制を確認して私たちがやるのだということを改めて持っていかないと、全部厚労省にいっぱい注文を出して、そうしたら解決するという感じではいけないのではないかなということを、今、考えておりましたので、一言申し上げます。
○樋口座長 それでは、佐藤構成員どうぞ。
○佐藤(光)構成員 ちょっと追加で、簡単に1つ。
 自助グループの活動が十分周知されていないとの指摘がありますが、これは全くそのとおりだと思います。地域の理解が得られないケースが今もあって、最近では、女性専用の自助グループの施設が、活動を広げるために引っ越そうと思ったら、地域の反対に遭って、一時的にうまくいかなくなってしまったケースもありました。この自助グループはきちんとしたところで、久里浜医療センターからも紹介の患者が来るのですが、にもかかわらず活動に対する地域の理解が得られていない。依存症治療の現状が、いかに一般の人たちに認知されていないかということだと思うのです。小さな自助グループの活動も、公的なサポートをきちんと受けられる体制が必要なのではないかと思います。
○樋口座長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。そろそろ時間でございますが、どうしても一言という構成員の方がいらっしゃればどうぞ。
 それでは、堀井構成員からどうぞ。
○堀井構成員 一言済みません。
 アルコールの相談が病院の中で、総合病院と単科の精神科病院とかであるのですが、相談に来てほしいというので我々行こうと思うのですが、あれは本人が希望しないと保険点数をもらえないのですよ。その辺の相談料的なところの配慮を予算とかそういう点数で考えられるような方向、あるいはいろいろな、病院同士でなくてもいいのですが、ソーシャルワーカーでも医者でも、行けば何点ぐらいになるとかという実質の予算的なことも考えていただけると私たちは動きやすいのですけれども、それも一言お願いできたらと思います。
○樋口座長 わかりました。
 よろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○樋口座長 それでは、いろいろな面から議論をいただきましたけれども、第3回と同じように、和田先生がお見えですので、和田先生に総括の御意見をいただきたいと思います。
○和田先生 和田でございます。
 総括といいましょうか、これまで私は2回、3回と皆さんの意見をまとめるようなことを言ってきましたが、きょうはちょっと違います。
 第1回目に私は話をさせていただきました。そのときに、私なりにこの検討会にこういうことをこういう方向で検討していただければいいなということを言わせていただいたつもりです。そのときの結論として、いわゆる玉虫色の総論、総論賛成、そこで終わっては困るという話をしたつもりです。むしろアクションプラン的な、具体的に実効力を持った提案をしていただきたいということを言ったつもりだったのです。
 実は本日、皆さんの御意見を聞きまして、正直言いまして、困ったなと考えております。これには幾つか原因があると思います。
 ここで依存症といったときに、アルコール依存症、アルコール以外の薬物依存症、あるいは病的賭博というもの、この3つを考えたときに、この3つが医療モデルとして対応されてきた歴史が相当違います。その結果、制度的にも全然違います。それがあたかも1つのように同じ場で議論が出てくると、どうしても立場立場の発言になってしまうようで、私にはちょっと気になりました。アルコールの方はアルコールの現状の中でしゃべられている。それ以外の薬物の方はその立場でしゃべる。ギャンブルであればギャンブルの立場で。そもそも現状の取り組みが違うわけです。これを1つにまとめるのは難しいなというのが一つ気になったところです。
 それと、この3つを考えたときに、どれも非常に問題を持っているわけですけれども、今回、一番検討すべきなのは、私はやはりアルコール以外の薬物依存がモデルかと思っています。いわゆる医療モデルとしての対応不足というところでは、これが一番象徴されるように思います。ちょうど3つの依存症といいましょうか、ここで言う依存症の真ん中にあるのだろうと見ているのですが、この現状をどう考えるかといいますと、非常に単純です。みずからが、あるいは家族の方が薬物依存症に陥った。それで、どこに相談に行こうか、なかなかわからない。何とか精神保健福祉センターに行ったら、精神保健福祉センターは、「申しわけないけれども、この地域、この県では紹介できる病院がどこにもないのです」。さあ、困った。御本人も家族も困った。精神保健福祉センターの職員も困った。これが日本の現状だと、私は考えています。
 ということは、今、大切なのは、今回、骨子(案)が出てきましたが、最も私が重要だと思っているのは、今後必要と考えられる取り組み、まさにここに係ると思います。その中でも医療機関及び精神保健福祉センター、保健所、いわゆる行政という言葉で書かれているかと思いますけれども、並びに回復施設を持った団体を含めての自助グループです。この3つをいかにうまく連携させた体制をつくっていくかという議論に尽きる気がするのです。これが核だと思います。
 この連携を考えたときに核になるのは、やはり病院です。病院がないと、相談を受けた精神保健福祉センターの方々も対応に困ります。そういう病院があれば、その病院と精神保健福祉センターが連携しながら相談を受けて、個別対応を含めて具体的に対応ができていくのだと思います。と同時に、いわゆる自助団体と病院との橋渡しのかなめとなるのは精神保健福祉センターだろうと思います。
 皆さんいろいろな立場で、当然いろいろな御意見をお持ちでしょうけれども、今の日本にとって何が足りないのか。いろいろ意見はいっぱい出ると思いますが、とりあえず我々は何をすべきなのかという、まさにアクションプラン的なところを少し具体化できないかなということを考えさせていただきました。
 ということで、非常に個人的な考えですけれども、本当にこの検討会が実効力を持った検討会として何とか役を終えられるのであれば、まさにこの地域連携という、そこを強調していく形で、最終的にまとめる方向に行っていただければいいのではないかなというのが私のきょうの感想でございます。
 以上です。
○樋口座長 和田先生、ありがとうございました。
 和田先生も指摘されていましたけれども、今回もいろいろな意見が出てきまして、どこまでそれが報告書の中にしっかり反映できるかというのは、また今後、事務局と私と努力させていただきたいと思いますので、そのあたり、よろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○樋口座長 それでは、最後に事務局のほうから、次回の検討会のテーマ及び次回以降の日程について説明をいただけますでしょうか。
○蒲生依存症対策専門官 さまざまな御議論をいただき、ありがとうございました。
 本日いただきました御意見を踏まえて、座長と骨子(案)の修正をさせていただこうと思っております。でき上がりました骨子(案)は再度、構成員の皆様に御確認いただきまして、問題がないようであれば報告書(案)に反映したいと考えております。次回の検討会につきましては、その報告書(案)についての御意見をいただこうと思っております。
 次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○樋口座長 本日はお忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第4回「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を閉会いたします。
 ありがとうございました。


(了)

障害保健福祉部精神・障害保健課障害保健係

連絡先: 03-5253-1111(内3065)

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