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2011年10月31日 第3回母子健康手帳に関する検討会 議事録

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成23年10月31日(月)  13:59~15:58


○場所

厚生労働省9階省議室


○出席者

委員

柳澤座長、明石委員、出石委員、内山委員、海野委員、榎本委員、小野委員、小原委員、梶委員、加藤委員、田中委員、藤内委員、福井委員、渕元委員、松平委員

参考人

多田裕(東邦大学医学部名誉教授)

事務局

高井雇用均等・児童家庭局長、泉母子保健課長、馬場課長補佐、堀内課長補佐、山本課長補佐、芳賀栄養専門官、小林企画調整係長

○議題

 1. 乳幼児身体発育曲線について
 2. 報告書(案)について
 3. その他

○配布資料

資料1平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)
資料2母子健康手帳に関する検討会報告書(案)
資料3妊娠経過記載部分の様式改正イメージ
資料4予防接種記載部分の様式改正イメージ
参考資料1 母子健康手帳に胎児発育曲線を掲載することについて
参考資料2 平成23年厚生労働省科学研究費補助金疾病・障害対策研究分野難治性疾患克服研究「新生児・乳児胆汁うっ滞症候群の総括的な診断・治療に関する研究班」胆道閉鎖症等早期発見のための便カラーカードに関する中間報告

○議事

○馬場課長補佐 それでは、少し早いですが、定刻に近くなりまして委員の皆様もそろいましたので、ただいまから第3回「母子健康手帳に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方には、本日も大変お忙しい中、遠方より御出席賜りまして誠にありがとうございます。
 最初に、本日の委員の御出欠について御紹介いたしますけれども、今村委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、本日は参考人といたしまして、乳幼児身体発育調査企画・評価研究会座長の多田裕先生に御出席をお願いいたしております。
 まず、開会に当たりまして雇用均等・児童家庭局長の高井よりごあいさつ申し上げます。
○高井雇用均等・児童家庭局長 雇用均等・児童家庭局長の高井でございます。
 委員の皆様方あるいは多田先生、御多用の中、御出席いただきまして大変ありがとうございます。
 この検討会は9月14日に第1回目を開きまして、本日は3回目ということで、大変短い時間で集中的に御審議いただいております。本日までにいただいた御意見を見ますと、やはり母子健康手帳は妊娠、出産、乳幼児期の大変重要な手帳ということで、母子保健上、大変重要な位置づけを持っていろいろな御意見をいただいていると思っております。
 本日は、検討会におきます報告書をとりまとめていただきたいと思っておりますけれども、この報告書に基づきまして、厚生労働省では次の母子健康手帳の改訂作業に入りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 今後ともよろしくお願いいたしまして、簡単ではございますけれども、ごあいさつとさせていただきます。
○馬場課長補佐 それでは、柳澤座長、議事進行をよろしくお願い申し上げます。
○柳澤座長 本日は、前回の論点整理の御議論を踏まえまして、事務局で報告書の案を作成していただいております。今回が当検討会の最終回になるわけですが、この報告書のとりまとめに向けまして、活発な議論をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事に入ります前に事務局から資料の確認をお願いいたします。
○馬場課長補佐 カメラの頭撮りはここまでといたします。よろしくお願いします。
 それでは、皆様のお手元に配付させていただきました資料の御確認をさせていただきます。
「議事次第」と「座席表」に引き続きまして、資料1が「平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」でございます。こちらは6ページございます。
次に資料2が「母子健康手帳に関する検討会報告書(案)」でございます。こちらは8ページございます。
次に、資料3が「妊娠経過記載部分の様式改正イメージ」でございます。これは枚数で言えば、表紙を含めて3枚でございます。
資料4が「予防接種記載部分の様式改正イメージ」でございまして、これも表紙を含めて2枚ございます。
 次が、参考資料1でございまして「母子健康手帳に胎児発育曲線を掲載することについて」で1枚のものでございます。
参考資料2が「胆道閉鎖症早期発見のための便カラーカードに関する中間報告」ということで、こちらは厚生労働科学研究でございますけれども、こちらのものを付けさせていただいております。
こちらが、今回配付させていただきました資料、参考資料でございます。
 また、卓上に配付させていただいている資料といたしましては、前回の議事録(案)と、これまでにいただいた御意見というものがございます。また、こちらの第1回の検討会に参考人で来ていただきました、中村安秀先生からの3つですね。このインドネシアのものと「調査・研究報告書」と「ワールドレポート2010」というものが3部ございます。また、追加で肝ったママ’Sさんからの資料を座長の了解の下に机上配付をさせていただいております。
 また、前回議事録(案)について、委員の皆様に一度御確認いただいていたものなんですけれども、更に修正等ございましたら今週末の11月4日の金曜日までに事務局まで御連絡いただけたらと思います。
 特に資料の過不足等ございましたら、事務局まで御連絡ください。
 以上でございます。
○柳澤座長 それでは、早速、本日の議題であります乳幼児身体発育曲線について、乳幼児身体発育調査企画・評価研究会の座長でいらっしゃいます多田裕参考人から御報告をいただこうと思います。よろしくお願いいたします。
○多田参考人 多田でございます。それでは、御報告させていただきます。
 去る10月24日に第2回乳幼児身体発育調査企画・評価委員会が開催されまして、平成22年乳幼児身体発育調査報告書がとりまとめられ、10月27日に公表されましたことを御報告いたします。
 乳幼児の体重及び身長は、栄養や育児方法の影響を大きく受けるとされており、今回の調査では、配付していただいております資料1の表1、2にありますように、平成12年と比べて乳幼児の年・月齢別の体重、身長が若干減少しておりました。これまで10年ごとに乳幼児身体発育調査に基づき、体格曲線の改訂を行ってきましたので、子どもの現況を反映する曲線として、今回の調査に基づく資料の図1~8にあります乳幼児の身体発育曲線及び幼児の身体体重曲線を母子健康手帳に掲載することが適切であると研究会では結論をいたしました。
 以上、御報告いたします。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 ただいまお話がありました、平成22年度の乳幼児身体発育曲線と幼児の身長体重曲線を今回の省令様式の改正に取り入れることにつきまして、何か御意見、御質問等ございませんでしょうか。
 どうぞ。
○海野委員 今のお子さんたちがどういう発育をしているかということに関しては、この調査が一番新しいデータということで、それを掲載することには何の問題もないと思うんですけれども、このお子さんたちの、特に出生体重なんかがだんだん減少しているということ自体は、小児科の方でもそうだと思うんですけれども、必ずしも肯定的に見ているわけではないと思うんですね。
 特に低出生体重児で、お子さんが成長された後でのいろいろな健康障害の発生頻度が高まるということが広く言われるようになっておりますので、そういうことに関してどう考えるかということはちょっと危惧されるものもあるのですが、母子健康手帳である必要があるかどうかは別にして、きちんと情報提供をする機会があるのか、あるいは妊婦さんたちがその辺のところをわかるのかというところがちょっと心配なんですけれども、その辺に関してはどういうお考えでおられるかお聞きしたいのです。
○柳澤座長 多田先生、どうでしょうか。
○多田参考人 今、御質問のとおりで、少しですけれども下がっているということの原因にはいろいろあると思っております。出生体重が減ったこと自体も、母親の年齢とか、あるいは母親の体重の問題、栄養の問題、いろいろございますので、今後この問題を検討していく必要はあると思っております。これは横山先生の研究班で引き続き、その要因は検討していく予定でございます。
 それから、先生も産婦人科のことで御指摘がありましたように早産も増えておりますので、すべての調査から特別な数値としておかしいところを除いたものの平均として、この数値を出しております。したがって、そういう出生の背景が随分変わっておりますので、むしろ、現状としては、10年前もその前も同じ基準でやっておりますので、記載していただく方が適当であろう。
 ただ、そのことに基づく指導とか、そのほかは母子保健課にお願いしてマニュアルをつくったり、あるいは更に検討していただくということをお願いしております。
 よろしゅうございましょうか。
○柳澤座長 よろしいでしょうか。
ほかにございませんでしょうか。
 ちょっと細かいことなんですが、今、報告いただいた資料1、調査報告書の概要には体重と身長の乳児期と幼児期の曲線のグラフが載っています。今までの母子健康手帳には頭囲のカーブが載っているわけです。それについてはこの概要版にはないけれども、載せるということですか。
○多田参考人 余り差がなかったのであれしたんだと思いますが、従来と同じ形式で掲載していただければ幸いだと思います。
○柳澤座長 ほかにございませんでしょうか。
 あと、実際の母子健康手帳には、乳児の身体発育曲線あるいは幼児の身体発育曲線、幼児の身長体重曲線という言葉で表していますけれども、発育の目安とか肥満とやせの目安とか、そういうわかりやすい言葉が手帳の方には使われていますが、これから手帳にこれを載せる際には、そういうところも配慮されるということでよろしいでしょうか。
○多田参考人 お願いしたいと思います。
○柳澤座長 ほかにございませんでしょうか。
○松平委員 3ページで見せていただいています、図1の「一般調査による乳幼児の運動機能通過率」は、母子健康手帳にはどういうふうに反映されるんでしょうか。
○山本課長補佐 これは、母子手帳には載ってないです。
○松平委員 載ってないんですか。いいと思うんですけれどもね。
○山本課長補佐 今、載っている図3~8についてもこのまま載せられるわけではなくて、あと、首据わり、寝返り、一人座りとかの時期については母子手帳の40ページの方ですけれども、この調査の結果も反映しているものと考えられます。
○柳澤座長 今、資料1の運動機能の通過率に基づいて、母子手帳の発育の目安のところには、首の据わりの月齢とかが横線で記入されていますから、そういう形で反映されるのかもしれません。
 よろしいでしょうか。何かほかにございますか。
 それでは、今、御報告いただいた平成22年度の乳幼児身体発育調査結果を新しい母子健康手帳に取り入れるということにいたしたいと存じます。よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りますが、報告書(案)ということで、まず報告書(案)の全般の総論部分について、事務局から御説明をお願いいたします。
○馬場課長補佐 追加の資料がございまして、別添用紙1について、こちらはカラーで「うんちカード」というものがございますけれども、こちらを配付させていただいておりますので御確認ください。
 カラーについてはイメージということもございますので、これが最終的なカラーだというところは少しありますので、そこは御留意いただいて、これをコピーしてどこかに使うとか、例えばマスコミの方々がこれをカラーコピーしたものを、そのまま掲載するということはやめていただきたいということでお願いいたします。
 それでは、御説明いたします。
 報告書の件であらかじめ確認でございますけれども、この報告書は母子健康手帳の方向性についてお示しさせていただいているものでございまして、この最終版の報告書で示される方向性を基に母子健康手帳を改訂してまいります。また、詳細の確定に当たりましては、必要に応じて事務局より委員と相談させていただくということをさせていただいて、最後の確定ということになってまいりますのでよろしくお願いいたします。
 まず、1ページ目の上段の「はじめに」から参ります。ここでは、これまでの母子健康手帳の経緯と母子保健を取り巻く状況、本検討会の設置等が書かれております。
 次に下段に移りまして「1.全体的な事項」です。「1)母子健康手帳の名称」につきましては、母子保健法上の規定や母子健康手帳の役割、妊産婦及び乳幼児の特性などから、下から3行目のところに「名称は変更しないことが適当」としております。
 ページをめくりまして「2)母子健康手帳の記載対象年齢」については、子どもの発達には切れ目がないことをかんがみまして、適切な情報提供が望まれるということにしております。
 「3)任意様式のあり方」です。前回でもございましたけれども、任意様式の分量の増加とその限界というのが問題点で、それに伴って分冊化はどうかということもございましたが、実施は困難というように考えられました。
 また、省令記載の量が増加する中で、任意様式の簡略化についても、必要最低限の知識は必要とし、ウェブサイトの活用ということについてもお示しさせていただいております。
 また、省令と任意様式の混在化の件がございましたが、あの検討会の後も議論を重ねまして、省令様式は現行49ページまでございますけれども、一連のもの、要は省令様式は一枚岩ということで考えなければいけないものであって、任意様式の一部を省令の中に混在することは不可能ということでございます。
 最後の段落では、幾つかの市町村では省令と任意の改編が行われておるのですけれども、母子健康手帳の役割や全国一律の意義というものをかんがみますと、統一した様式が望まれるということを最後に示しまして締めております。
 よろしくお願いいたします。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 母子健康手帳に関する検討会の報告書(案)の全般の部分といいますか、総論部分、「はじめに」、それから全体的な事項として母子健康手帳の名称、記載対象年齢、任意様式の在り方、それぞれについて簡単に要点を説明していただいたんですが、何か御意見はございますでしょうか。
 できれば順を追って御意見をいただければ話がわかりやすいと思いますけれども、「はじめに」の部分から始まって、全体的な事項の中で母子健康手帳の名称、そのぐらいのところまでに関して何か御意見はございませんでしょうか。
 前回の論点整理における議論を踏まえてつくっていただいた報告書の案ですので、余りこれから大きく変わっていくということはないかと思いますが、何か御意見はございませんでしょうか。
 もう一度再確認をしますと、母子健康手帳の名称については変更しない。対象年齢としては、法の趣旨というところから言えば小学校就学前の子どもに限られるわけですが、妊娠期から新生児、乳幼児、学童期、そういった継続性ということも配慮して、適切な情報提供が行われることが望ましい。任意様式に関しては、分冊化は困難。また、省令様式と任意様式の混在ということは、実際上望ましくはない。しかし、省令様式を変更せずに任意様式の充実を図ることは問題ないというただし書きが付けられております。
 どうぞ。
○藤内委員 まず「2)の母子健康手帳の記載対象年齢」のところですけれども、今、座長もまとめられたように記載対象は就学前まで。その代わり、情報提供は学童期に至るまでの継続性も配慮するというニュアンスでお書きになっているんですが、ここのところは、あくまで情報提供はもう少し長めで就学後についてもするけれども、母子手帳の省令様式の記載の部分はあくまで就学前までだということでしょうか。
○柳澤座長 今の藤内委員の質問に対して事務局からどうでしょうか。
○馬場課長補佐 母子保健法上は、妊産婦、乳児、幼児というものは就学前と規定されておりますので、記載するということについては就学前ということで、情報提供については適切なものをすることが望ましいという表現にとどめておるんです。
○柳澤座長 よろしいでしょうか。
○藤内委員 では、次に3つ目の任意様式の点ですけれども、前回の検討会では管理された任意様式というちょっと不思議な表現も使って省令様式の中に、例えば妊娠中の経過の前に、妊娠中の留意点について2ページ分だけ任意記載事項を入れるといったような、少し管理化されたという形で、混在させることについても少し論定整理の中で触れられたんですが、今の事務局の説明ではそうしたことも含めて一切しない。つまり、例えば前半の49ページまでなら省令様式はあくまでそれで、省令様式に後ろの方の任意様式は混在させないということですね。
○馬場課長補佐 さようでございます。
○藤内委員 であれば、1つお願いなんですけれども、どうしても前半部分が妊娠から出生あるいは発育の記録部分になるんですが、後ろの解説部分にタイムリーに妊産婦が目を通せるように、例えばこれについては何ページ参照といったようなものを欄外に記載するようなことは、それぞれの自治体の裁量でもOKということでよろしいでしょうか。
○柳澤座長 どうでしょうか。
○馬場課長補佐 基本的に省令というのは、先ほど一枚岩という表現をさせていただいたんですけれども、その様式3号というものの中にすべて規定されてしまうものなので、その中にまた何かを入れたりすると省令違反ということになってしまいます。省令3号というものでやることは、難しいと考えております。
○柳澤座長 ただ、今、藤内先生が言われたのは、省令部分でも欄外に解説部分の何ページを参照ということを入れることは可能かと。
○馬場課長補佐 様式3号を見ますと、ページ数もすべて様式3号の中に書かれておるので、今のところ、そこのところは難しいという見解でございます。
○藤内委員 事務局を困らせるわけではないんですけれども、例えばインデックスを付けて開きやすくする工夫をしている母子健康手帳があるんですが、厳密に言えばそれも省令違反ということになるわけですね。つまり、欄外に母子健康手帳の利便性を高めるための工夫というのを認めていただけたらと思うんです。
○小林企画調整係長 法令担当で企画調整係長をしております小林と申します。
 今、いただいた意見につきましては、厳密には、省令は省令のままやらなければいけないものではあるんですけれども、ほかの、例えば年金事務所の様式とかも、厳密には省令と一部違っている部分とかもありまして、今、こちらの方で確定的なことは申し上げられないんですけれども、そこの点については引き取って検討させていただきたいと思います。
○柳澤座長 座長からこんな意見を言って、また話が面倒になると困るんですけれども、現実に今、全国に通用している母子健康手帳は、さまざまな形で、省令部分に多少の手が加わっているものが通用しているわけですね。そういうものについても、これから新しく市町村でつくっていく場合に、全部だめなんですよという形で新しい母子健康手帳の作成についての通知が行くのかどうか、その辺の柔軟性をどう考えるかという質問だろうと思うんです。
○馬場課長補佐 質問の趣旨は非常に理解しておりまして、現状ではそういうふうに答えざるを得ないんですけれども、先ほど申し上げましたように引き取るというところで理解いただけたらと思います。
○柳澤座長 どうぞ。
○海野委員 今のお話なんですが、この母子手帳は、今、流通しているものですね。拝見しますと、ページの横のところに小さなお母さんとかお子さんのマークが付いているから、記載するところと読むところという感じなんです。妊婦さんとかお母さんが読むことに関して書いてあるところがわかるようになっている。これも省令に書いてあるんですか。
○馬場課長補佐 書いておりません。
○海野委員 ですから、ページはそうですけれども、ページの横にちょこっと何か書くのはどうなのかなと思いまして。これをもうちょっと工夫すれば、今、藤内先生がおっしゃられたような、ここのときはここを見てということがもう少しわかりやすくなるかなと思ったんです。
○柳澤座長 その辺のところは、法律的なことを厳密に言うと事務局からのあのような返答ということになるかと思いますけれども、実際にこれが今後、例えば10年間近くにわたって使われるといった場合に、さまざまな工夫がされていくということはあり得ると思うし、あってもいいかなというのは座長として言ってはまずいかもしれませんけれども、工夫がなされていくということは、可能性としてはあるのではないかなと思います。
○山本課長補佐 前回の検討会で御指摘いただきましたように、自治体によって健診のページが違うとか開いたときの雰囲気が余りにも違うというのは、やはり健康診査の必要な妊産婦さんと乳幼児のための手帳ということを考えると、趣旨から外れるんだと思います。
 その省令というのは、1~49ページまですべてのページを規定しているものではあるんですが、欄外とかにどこまで書けるかどうかというのはこちらでも検討させていただきますけれども、現状、各地自体で工夫されているというところは、よく理解しているつもりではあります。
○柳澤座長 今、山本課長補佐に答えていただいたと思いますが、そういうスタンスで行くということで御理解いただけますでしょうか。
 どうぞ。
○田中委員 後押しをします。委員の田中です。
 医療者側から見て、ものを記載した。そうすると、妊婦さんに説明するときも、これの細かいこと欄外に何ページ参照と書いてありますよというのは、各市町村によってページが変わる可能性があります。でも、それをその市町村が責任を持ってやれば、やはりそれが一番使いやすいもので、一番有効性のあるものだと思います。
 これはもう省令で決まっている。これは仕方がないと思いますが、この母子健康手帳を更にいいもの、実のあるものにするためには少し融通をきかせて、時代とともにというところがあってもいいと思いますので、是非御検討をお願いいたします。
 以上です。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 全体的な事項として書かれている母子健康手帳の名称、記載対象年齢、任意様式の在り方、そういったことに関して、今、幾つか御意見をいただいたわけですが、どうぞ。
○梶委員 先ほどの省令様式の件なんですが、私の職場の方でも少し若いお母さんたちの意見を聞きましたところ、本来なら乳幼児健診の横にある方がいいという意見があったんですけれども、もしそれが無理であれば、今、若いお母さんは細かいところを見るのはそれほど抵抗がないので、ここの下のところに何ページ参照というのを、省令では決めないで、自治体の裁量でできるような1センチぐらいの幅を設けていただければいいかなという意見です。
 以上です。
○柳澤座長 今、何人かの委員から出たような意見に関して、事務局として検討をお願いしたいと思います。
 先に進んでもよろしいでしょうか。
 それでは、全体的な事項のところは、今、いただいたような御意見を踏まえるということですが、この報告書自体は、今、ここに提示されている案でよろしいでしょうか。その上で、これからの実際の母子健康手帳をつくっていく、更に市町村で独自のものをつくっていくというときに、その程度の許容ということを検討いただく。
 それでは、次に報告書(案)の後半の部分です。個別の事項という方に進みたいと思います。これについても、まず事務局から説明をお願いいたします。
○馬場課長補佐 それでは、御説明いたします。
 2ページの下段の方からです。「1)妊娠経過の記載欄の拡充」につきましては、公費負担や妊産婦のリスクの件などで議論がございましたけれども、その中で?~?の論点がございました。
 ?の胎児曲線については、現行で既に医療現場で利用されている曲線の根拠をお示しいただきましたけれども、使用の状況と行政や一般の場における利用に当たっての課題ということもかんがみまして、任意様式が適当というふうにしております。?の感染症については、実施の有無と結果の取扱いについて議論がございました。?は、前回、妊婦健診経過を1ページに記載という議論もございまして、?の妊産婦自身の記載の充実ということがございました。これらを基に、イメージとして資料3にお示しをさせていただいております。これは、これまでの議論をおおむね反映させていただいたものとしてお出ししております。こちらも議論の参考にしていただけたらと思います。
 4ページ目に入りまして、「2)乳幼児身体発育曲線」は先ほどの御議論のとおりでございます。
 「3)成長発達の確認方法」につきましては、後段の方で、できるできないという記載については、乳幼児健診の運用に支障がない範囲で達成時期を記載する項目に変更等の工夫をするということでしております。
 次の「便カラーカードの利用」については、先ほど参考資料2で研究班の中間報告書というものをとりまとめさせております。印刷方法とか品質管理など、実施に当たっての体制整備が必要ということになっておりますが、これらの課題をクリアした上で一体的な運用が適当というふうに書かせております。
 「5)予防接種記載項目の充実」につきましては、一連の記載が使いやすいという点もございまして、皆様の御意見を最大限反映した形をイメージとして、こちらも資料4にお示ししております。また、予防接種のスケジュールにつきましても最後のところに盛り込ませております。
 報告書の文面に戻りますと、予防接種については充実することが適当ということでおまとめしております。
 以上でございます。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 ただいま個別の事項ということで、その最後まで御説明をいただいたわけですが、大きく分けて内容が5つの項目に分かれていまして、その最初は妊娠経過の記載欄の拡充、2つ目として乳幼児身体発育曲線、3つ目が成長発達の確認方法、4つ目が便カラーカードの利用、5つ目が予防接種記載項目の充実となっていますけれども、順番に1つずつ御意見、御議論をいただいていった方が整理しやすいと思います。
 まず、妊娠経過の記載欄の拡充は、内容として全体的なことが書いてある下に?、?、?、?ということで、胎児発育曲線、感染症の検査の結果、妊婦健診、超音波検査の結果、妊産婦自身による記録の充実といったふうに分けて書かれていますが、この部分に関して何か御意見、御質問はございませんでしょうか。
 どうぞ。
○田中委員 委員の田中です。
 資料3のことについてちょっとお伺いしたいんですが、開いてみますと、妊婦自身の記録が(1)~(4)までありますけれども、これをすべてこういう感じで入れるということでしょうか。要するに、割と細かく週数、単純に言うと1か月ずつ書いてありますね。こんなにたくさん必要かなという気がするんです。果たしてここまで本当に書き入れるかどうか。今までの省令の中には、そんなにたくさんではなかったですね。それは入れても構わないということですか。入れるんであれば、本当にこういうのを必要最小限のページにして、次に海野委員からも発言があるかもしれないんですが、そういうのを持ってくるとか、何かがあるといいかなという気がするんですね。
 それと、2枚目の裏側ですが、「妊娠中の経過」を1つにするのはわかりやすくて私も大賛成です。ここでいつも話しに出るんですけれども、産婦人科の医師としては、左から4つ目のカラムの腹囲は絶対に入れなければいけないものなんでしょうか。今まであるものだから、余り省略してはいけないということでしょうか。
 もう一つ、最後のところの「検査の記録」の上から3つ目に「子宮がん検診」とあるけれども、せめて子宮頸がん検診と、「頸」を入れた方がいいかなという気がします。
 以上です。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 今、田中委員から主として3つの内容について御質問がありました。最初は、妊婦自身の記録が見開きで4ページにわたって、妊婦さん自身が記入する欄が続いているわけです。
○馬場課長補佐 こちらは様式改正のイメージということでございまして、皆様の意見を最大公約数といいますか、おおむね反映して、例えばお母さんの書く欄とかお父さんの書く欄という話もございましたし、それを拡充しようという話もございましたし、リスクについても何らかの形で書くべきではないかというお話もございました。また、その経過についても一覧で書くべきではないかという話もございました。
 腹囲については、実際に入れた方がいいという話もあれば入れない方がいいという話もあって、現状では残した形で出しておりましたけれども、そのような形で、あくまでイメージということで、最大公約数であるとこういうことになるのかなということで出させていただきました。
○田中委員 頸がんはどうですか。
○馬場課長補佐 こちらは、現状の公費負担の中では通知等々でこのように書かせております。
○田中委員 頸がんとは書いていませんでしたか。子宮がんですか。
○馬場課長補佐 今のところは、子宮がんと書いてあったはずです。ここも公費負担で出している通知等々のものをそのまま書くイメージの方がよいかと思います。
○田中委員 医師としては、妊婦だから体がんなんて100%あり得ないんですが、頸がんの検査をやると体がんもやったと思っている人が結構多いんですね。この辺は啓発をする意味で、子宮がんであれば頸がんということをちゃんと記載した方がいいかなと思って発言させていただきました。
 最初の質問のところは、ページ数をできるだけ削減するんであれば、増やさないという趣旨から4ページはあれでしたら、せめて3ページであれば前期・中期・後期とか、学問的にはそれで分けられますし、2ページにするんだったら前期と後期とか、私は4つに分ける意味はないかなと思います。できるだけページ数を少なくするんだったら前期・後期、前期・中期・後期の3ページとか、その辺を思って発言させていただきました。
 ありがとうございました。
○柳澤座長 今の田中委員の御意見に対してどうでしょうか。子宮がんが子宮頸がんか、ここは公的な文書にどう書いてあるかによって決めればいいと思うんですけれども、今の妊婦自身の記録はお父さんが書くとか、あるいは妊娠中のリスクとか、今まで出てきた議論を踏まえて記録部分、書く部分というのをかなり充実といいますか、広げてあるわけですが、今、これをもう少し圧縮してもいいのではないかという御意見があった。
 どうぞ。
○藤内委員 確かに田中委員御指摘のように妊娠期間は、普通、3つに分けて前・中・後としますので、そういう意味では3ページで収まれば3ページというアイデアも当然あろうかと思うんですが、最初のページに最終月経開始日とか、胎動を初めて感じた日といった記録があったり、あるいは(3)には出産前後の居住地とか緊急の連絡先とか、そういったものも入る形で、結果的には3ページが4ページに延びている部分がございます。
 このサイズで見ますと、こんなに広くしなくてもいいではないかと思われますが、実際のサイズがA6サイズですから、実際に記載する欄としては本当に狭い欄になってしまいますので、4ページのものを2ページとか3ページに圧縮してしまうと本当に記載する欄が狭くなるので、ここは1ページないし2ページ増えることにはなっても、妊婦さん、あるいは父親が記載できる欄を確保できる方がいいのかなと考える次第です。
○柳澤座長 その次の妊娠中の経過のところも、見開きで両側に来るという形をイメージしている。ここがポイントかと思うんですが、そういう点で前が3ページだと次に続きにくい。
 どうぞ。
○渕元委員 助産師会の渕元です。
 前回も腹囲というのは必要なんだろうかという問いかけをいただきましたが、助産所の場合、毎回超音波をしている助産所もありますけれども、医療機関と連携をしながらということで4回の超音波の検査と、それ以外という助産所での診察というのにエコーを使っていないところも実際にはあるというのが現状です。
 そのような中では、やはり腹囲だけではなく子宮底長との兼ね合いなどから、昔というか、最近といいますか、10年、15年ぐらい前であっても腹囲や子宮底長から児の予想体重を出したり、あるいは腹囲の伸びなどを見ながら羊水過多を推測したりという辺りでは、現在でも助産所などでは、それを参考にしながら母子の検診に携わっているという意味では、やはり腹囲、子宮底長というのはまだまだ必要ではないかと考えています。
 実際に腹囲や子宮底長を計測するだけではなくて、そこから謹聴であったり保健指導の方につなげていったり、女性の体を見ていくという意味もありまして、とても必要な部分だと思っています。
 今回、特に災害の起こった東北地区の助産師からは、実際に電源が使えなくなったときに妊婦健診の継続という意味では、やはり継続した腹囲、子宮底長の計測はとても意味があったということも聞いておりますので、いつ何が起こるかわからないという意味では備えも含めて、是非計測を続けていきたいと思います。
 今後に向けてのお願いといいますか、ただ腹囲や子宮底長を書く欄があるのではかっていくということではなくて、その意味であったり運用に関する部分に関しても、新しい母子健康手帳ができたときには、関係団体にお知らせをしていくということも必要なのかなと思っています。
 以上です。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○海野委員 妊婦自身の記録が4ページという話なんですが、今までの母子手帳と比較すると、この記録していただく部分が大体4倍に増えている。私は、この検討会の議論では、むしろ妊婦さん自身のそういう思い等を含めてそういう記録を残していただくのに、あるいは医療機関や関係の機関との間の意思疎通といいますか、そういう情報交換をする上でもそれを大切にしていこうという観点で、そこを重視しようというのが検討会の方向ではなかったかと思いますので、そういう理解に基づけば、要するに、今までとは少し違う形で、この母子健康手帳を妊婦健診の中で活用していこうということかと思います。
 今は確かに、こんなにあって妊婦さんは書いてくれるかなとか、空いていたらどうするかなというところもありますが、それは今後の妊婦健診のやり方の中で、私たちの方で活用を考えていくことも大事なことなのかなと思っております。
 ちょっと私が引っかかっておりますのが1点だけございまして、それは妊娠何週というのを全部書いて、全部そこに日付を書く欄をつくるということになりますと、かなり煩雑といえば煩雑ですし、一方で間違いが起こりやすい部分でもあると思うんですね。ですから、それぞれの欄に妊娠何週から何週まで、そのスタートが何月何日からなんだという感じの記載方法にしておいた方が、実際の現場での運用で、せっかく欄をつくってあるのにそれが活用されてないような状況は、避けた方がいいかもしれないというふうにはちょっと思いました。
 以上でございます。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 今、資料3で提示されているのはイメージということですので、今、いただいたような意見を踏まえて、実際の母子手帳のモデルがどのようになるかということは検討していきたいと思いますし、それぞれの先生方に御意見の問い合わせもあるかと思います。
 この部分に関して、報告書の方に上げられている胎児発育曲線についての検討会としての考え方、報告書案の3ページの中ほどの?、感染症についての考え方が?、妊婦健康診査についての考え方が?、それから?、今、御議論の中で出てきたところでもありますけれども、報告書の内容として書かれていることに関しては、こういう受け取り方といいますか、こういうふうに考えてよろしいかどうかということを確認しておきたいと思います。
 どうぞ。
○明石委員 保健所長会の明石です。
 確認ですけれども、検査の記録については、ここのところに検査したという事実だけを書いて、あとの結果については各自治体で、例えば後ろのページに挟み込むような形式にするとか、そんなことを工夫しても構わないということでよろしいんでしょうか。
○柳澤座長 どうでしょうか。
 私が受け取っていたのは、母子健康手帳に検査のことを書く場合に、検査をしたか、してないかという記載は必要である。その結果については、妊婦さん自身のインフォームドコンセントといいますか、理解と納得の上で承認されれば入れるということだったと思うんですけれども、どうでしょうか。
○馬場課長補佐 そのような御理解でよろしいかと思います。
○柳澤座長 どうぞ。
○松平委員 委員の松平です。
 検査の記録の項目というのは、公的な助成制度の妊婦健診で決まっている項目なんですか。例えば小児科から見ると、採血するんであれば、できればお母さんの麻しんの抗体も入れてほしいという気持ちがあるんです。
○馬場課長補佐 基本的には「妊婦健康診査の実施について」という母子保健課長通知で検査項目が決められておりまして、そのものを入れております。
 先ほどの子宮がん検診の件ですけれども、子宮頸がん検診と書いてございましたので、子宮頸がん検診でいきます。
○柳澤座長 どうぞ。
○明石委員 検査結果については御了解を得て書くということなんですが、備考の欄が大き過ぎまして、何か注意書きがないと、書かなければいけないような気がして書いてしまうような気がしますので、ちょっと工夫が要るのではないかと思います。
○柳澤座長 どうでしょうか。これも現時点でのイメージですので、その辺のところの細かい検討はしないといけないと思います。
○馬場課長補佐 その点は、また修正します。
○柳澤座長 よろしいですか。
 海野委員。
○海野委員 今、明石先生が御指摘した部分ですけれども、やはりここに書いておかないとわからなくなりますね。要は、ここの結果を書くかどうかということに関して、現場では機械的に動く可能性もありますし、これは書くのであれば御同意の確認を得てから書いてくださいということですけれども、ちょっと書き方が問題かもしれません。むしろ、そう書いた方が書きやすくなりますね。御同意いただければ結果を書けるんだということが、今までは余りはっきりしてなくて、本当に書いていいのかというところがありました。ですから、そういう決め事でやっていますということが明示されれば、実際にそのときの診療にもよりますけれども、より活用しやすくなるのではないかと思います。いかがでしょうか。
○柳澤座長 いかがでしょうか。結果を書く欄を備考欄とすれば、同意があって結果を記入してありますということがわかるようにということですね。
 よろしいでしょうか。それでは、個別の事項のうちの妊娠経過の記載欄ということに関しては、今いただいたような意見を踏まえて、実際の母子手帳のモデルについては多少修正をするところも出てきますけれども、報告書の内容としてはこれでよろしいでしょうか。
 それでは、その次は乳幼児の身体発育曲線ですが、これは現在の議論の前に多田参考人から22年度における調査の概要について御報告いただいて、その研究会でつくられた曲線を新しい母子手帳に載せるということを承認されたところです。それについての報告書としての記載は非常に簡単な記載になっていますけれども、よろしいでしょうか。
○馬場課長補佐 「身体発育曲線(身長、体重、頭位)」の位が間違っておりました。申し訳ございません。囲むの囲でございます。
○柳澤座長 その辺のところが、いわゆる省令というのでどうなっているかというのをちょっと確認しなければいけないところですが、1か月から乳児期の健診については、胸囲もはかるようになっているんですね。1歳のところ、1歳6か月もそうですね。2歳以降、胸囲の結果を書く欄がなくなっているわけなんですけれども、胸囲についてはどうか。先ほどの議論の中には入ってなくて後から申し上げてあれなんですけれども、胸囲のグラフはないんです。だけれども、健診のときにはかる項目にはなっている。
 加藤委員、それはどう考えますか。
○加藤委員 健診のときには、4項目をはかることが習慣となっていると思います。昔のことで恐縮ですけれども、昭和55年の手帳までは身長と体重だけでした。平成12年から頭囲が入りました。そういった経緯で胸囲はまだないといった感じでございます。
○柳澤座長 健診のときの測定項目としては胸囲があるんだけれども、グラフとしては、以前は体重と身長だけだった。今の説明は、それが前回のときから頭囲の曲線もグラフとして載せたということですね。今回もそのグラフとしての記載は、同じように体重、身長、頭囲。
 そして、これも前回から加わったんですか。身長・体重曲線、要するに肥満とやせの目安となる、横軸に身長、縦軸に体重をとったカーブが省令部分に載っているわけですが、それはそのまま踏襲する。身体発育調査の報告書の概要の最後のページに、男の子と女の子の身長・体重曲線が載っていますけれども、これは前回と同じように母子健康手帳のカーブとして載るということですね。
 そういうことも含めて、子どもの現況を反映する曲線として平成22年度乳幼児身体発育調査に基づく乳幼児の身体発育曲線、身長、体重、頭囲と幼児の身長・体重曲線を母子健康手帳に掲載することが適当である。要するに、今、申し上げたとおりです。よろしいでしょうか。
 それでは、先ほど多田参考人から説明いただいて、研究会でやられた曲線を今度の母子健康手帳に採用するということと、その内容についての報告書の記載として、ここに書かれていることでよろしいですか。お認めいただいたということにさせていただきます。
 その次、成長発達の確認方法についてはいかがでしょうか。今までの第1回、第2回のこの検討会での議論を踏まえて、確認方法として4ページの中ごろにまとめてあるような形で、検討会としては報告するということにしたいというのが事務局としての案ですが、よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○松平委員 やはり母子健康手帳を使う目的は、お母さん方に正しい知識を持ってもらうことと、お父さん、お母さん方に育児に対する不安を持ってもらいたくないということがあると思うんですけれども、発達のところで小野先生も言われたんですが、できないというところに非常にお母さん方は不安を持ってしまうので、なるべく少し、正常であれば大きな幅を持っていただきたいと思うんですね。
 例えば首の据わりが、通過率で90%が4か月になっているわけですけれども、90%ではなくて、例えば95%ぐらいの通過率のところ、例えば首の据わりを5か月に最後まで持っていっていただいてもそんなに影響はないと思うんです。正常の範囲を少し長め広げていただいてお母さん方に不安を持たせないような、例えば90%の通過率のところですと、子どもさんが健診に来て10人に1人は疑問を持って帰ってしまうわけですから、もう少し幅を持たせていただきたいと思います。
○柳澤座長 これは発達について健診の記録としてどのように書くかということと、今の母子健康手帳ですと、例えば38ページから40ページの辺りに書いてある身体発育曲線の下の首の据わりが、3か月ちょっとのところから4か月ちょっとのところに矢印が引いてある。それの幅の問題ですね。これも90%の幅をとっているんですが、もうちょっと幅を広げてもいいのではないかということになろうかと思います。
 これですと、例えば幼児の身体発育曲線の一番下のところに、一人歩きが1歳から1歳3か月よりもちょっと手前のところまで線が引いてあるんだけれども、もうちょっと後ろの方に伸びていてもいいのではないか。その辺の細かいところだと思いますが、その辺はこれから具体的な母子健康手帳のモデルの際に検討をするところだと思います。
 報告書としての確認方法についての記載というのは、これでよろしいでしょうか。
 ある時点の「できる」「できない」を回答する形式になっていることについては、情報として正確である一方、発達が定型より遅れがちな子どもをもつ保護者等に負担となるという問題がある。現行様式においても、「できた時点」を記載する欄も一部あることから、乳幼児健診の運用に支障が無い範囲で、可能な項目については達成時期を記載する項目にするなど、工夫を行うことが適当である。
 ここに書かれていることと、今、松平委員が言われたことは矛盾することではないと思います。よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○田中委員 これは厚労省側にお聞きしたいんですが、今の3)の文章の最後から3行目の「乳幼児健診の運用に支障が無い範囲で」というのは、健診の運用の支障がないようにするのか、例えば首の据わりが何か月までにしてなければちょっとこれは問題だということで、乳幼児の発達に支障がない範囲でとするのか、私はその後者ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○柳澤座長 どうでしょうか。今、田中委員に言われてみると、私も確かにちょっと考える。
○馬場課長補佐 例えば前回のはい・いいえというものか、それとも達成したかどうかということをお聞きするところで、全部を達成したかとお聞きするところにしてしまうと、本当の医学的な記録がとれなくなるという議論がございまして、そこを受けて、実際に医療従事者の方が、乳幼児健診の中でしっかり判断できるかどうかという意味での運用ということですね。そういう意味合いで書いておったんです。
○田中委員 わかりました。
○柳澤座長 ここで言っている意味は、田中委員が言われた部分の前半の部分ですね。
○田中委員 座長が先ほどからおっしゃっていました、矢印を95%にできないか。それは、私は不安を払拭する意味ではいいと思いますが、これは学問的に専門ではないのでわからないんですけれども、小児科とか新生児の部門からして、やはりこれはいついつまでにできなければいけないよという、パーセントの問題ではなくて医学的な問題で、その矢印を長く短くということで検討していただきたいという意味で、今、質問させていただきました。
 ありがとうございました。
○柳澤座長 どうでしょうか。
 今、田中委員が言われたようなことの根拠となるのは、乳幼児身体発育調査の3ページに書いてあるようなグラフなんですね。90%のところの横に線が引いてあるわけです。それをもうちょっと上の95%のところに月齢、年齢を持ってくるということです。
 加藤委員、どうでしょうか。
○加藤委員 現行50~90%というところの意味ですけれども、平成22年の身体発育報告書、資料1の3ページの運動機能通過率ですけれども、現在は曲線の実線と90%が交差するところが矢印の右端になっているところでございまして、これは実際、10名に1名はこれに間に合わないお子さんが出てくるから不安の原因になる。
 いろいろなスクリーニング検査で、一応90%通過月齢を超える項目が1つあった場合には、一応何か観察を続ける必要があるというふうに判断されますと位置づけられております。確かに観察をする必要があるだけで、直ちに異常だということではないと思いますので、ちょっとレビューなどをして、どのような記載がより妥当であるかを精査する必要があるかと思われます。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 90%というのが、今、加藤委員が言われたような意味合いのものである。そうだとすると、どうするかということになるんですが、それも今後の実際の母子健康手帳の改定の作業の中で、専門の方に御意見を聞いて決めていくとしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 その次は、便のカラーカード、便の色調のカードの利用について、この報告書としては「便カラーカードの導入に際しては、カードの色の品質管理の工夫や自治体及び医療機関の相談対応のためのマニュアルの作成等により体制整備を図る必要がある」という前提を置いた上で、便カラーカードを母子健康手帳と一体的に利用できるようにすることが適当であるという結論を、この検討会としては出したらどうかということなんですが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山本課長補佐 参考資料2について、成育医療研究センターの病院長の松井先生から資料を御提出いただいておりますので、簡単に御説明させていただければと思います。
 こちらは、今、厚生労働科学研究の方で、新生児・乳児胆汁うっ滞症候群の総括的な診断・治療に関する研究班の中間報告という形で御提出いただいておりまして、この研究班では平成22年から23年度にかけてパイロットスタディを行っておりまして、やはりこのカラーカードというものが、胆道閉鎖症の早期発見の補助手段としての有効性が確認されるということで確認しております。
 今回、やはりすべての方が、この便カラーカードを入手することが有用であるということで、母子健康手帳と一体的に利用する場合にはどのような様式がいいのか、その印刷方法はどうなのかということについておまとめいただいております。
 印刷方法や色についてはかなり専門的なものになっておりますが、最後のページですけれども、今後の予定としまして、今、報告書に書かれてありますように、この便カラーカードの使い方とか相談の体制などについては、今後、研究班の方でマニュアルをつくったり、相談先のリストをつくったりということはしたいということでございます。
 また、研究班の方は今年度じゅうで終わりということがありますので、日本小児科学会とも連携の上で、スクリーニングが、実際この便カラーカードが使われるに際しての相談体制とか予後の追跡体制とかについても、学会と連携の上に検討していきたいということでした。
 今、別添様式1ということでお配りしておりますけれども、こちらはまだ、一部先生の方で御検討中ということで、ホームページとかに載せる際には最終的なものを載せられたらということで考えております。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 松井先生が研究代表者を務める、厚生労働科学研究費補助金による研究の報告を踏まえて、便カラーカードについての取扱いを、報告書としてはこのようにまとめさせていただいたということですが、いかがでしょうか。
 小野委員、どうぞ。
○小野委員 何回か、是非この便カラーカードを入れていただきたいということで、小児科学会の方からも要望させていただいているところですけれども、参考資料2の最後のページにもございますように、胆道閉鎖症というただ1つの疾患だけではなく、その鑑別に上がるような幾つかの疾患も含めて、早期発見につながるということ。それから、一人の患者様が重篤になられたり手術を受ける、そのような医療費のことを考えますと、とにかくそういう経済的な効果も当然ある。
 それから、前回、ほかの委員からもお話がありましたけれども、小児の便の色を見たことのない若いお母さんたちがたくさんいます。その人たちへの教育効果ということもありますので、これは是非お願いしたいと思います。
○柳澤座長 ここでは、便カラーカードを母子健康手帳と一体的に利用できるようにするという記載にとどめてありますが、印刷の方法とか、どのような形で母子手帳と一体として運用、利用できるような形で加えられるかということに関しては、事務局で御検討いただくということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
○松平委員 委員の松平です。
 松井先生の研究班で、いわゆる胆汁うっ滞の早期発見のマススクリーニングで、やはりカラー便色が有用であるということですが、昔、胆汁うっ滞症のマススクリーニングで便中の胆汁酸なんかをはかったことがあるんです。そういうものは役に立たなくなってしまったんでしょうか。
 もう一つ、これを即使うのではないでしょうけれども、このカラーでは正常の子どもがみんな引っかかってしまうんです。だから、この便色カラーをつくる場合には、よほど鮮明ないい色を使っていただかないと、非常に混乱が起こってしまうことをちょっと心配しています。
○柳澤座長 どうぞ。
○山本課長補佐 こちらは報告書に記載がありますように、便カラーカードの開発方法のところで、松井先生の方で胆道閉鎖症の患児と、健康な新生児の便サンプル196名分を撮影して作成されたということです。PDFの色と印刷色のカラーチャートのシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの色は違うそうでして、書かれてあるとおりに印刷すると、これとはもうちょっと違うわかりやすいものになるということです。これはコピー機で印刷したものですので、ちょっと違うものになっています。
○柳澤座長 逆に言うと、そういうところが便カラーカードをどのような形で母子健康手帳の中に入れるかということに関して、技術的に非常に難しいところなんですね。
 どうぞ。
○田中委員 ちょっと確認ですが、どこに入れるかは別として、入れるということは決定ということでよろしいんでしょうか。
 あと、今日、いただいた要望書ですね。座長あての肝ったママ’Sからの要望書で見ますと、やはり1のところで省令様式であることが重要なんだということを訴えていますが、省令様式の中に入れることは可能か不可能か、どうなんでしょう。
○柳澤座長 どうぞ。
○泉母子保健課長 省令様式の1か月の健診の近くに入れることが一番有効だというお話を伺っておりまして、私たちはそのことの意味を十分に理解しているつもりです。一方で省令というのは白黒の印刷になりますので、その白黒の中で色も文字で表現しなければいけません。そのところで、先ほどのこれの更に質の高いものをどう位置づけられるかというところが、若干法律とか、そういうものの書き方であったり、技術的なところの検討がちょっと要りますので、そこは事務局の方にゆだねていただければと思いますが、趣旨を理解して進めていきたいと思っております。
○柳澤座長 どうぞ。
○田中委員 多分、前回もあったと思うんですが、確かに中に入れてしまうと、衛生的な感染の面から見ると、それを本当におしめのところに持っていくのかというのもありますから、逆に省令様式では言葉が書いてありますので、それこそ先ほどからいろいろ出ている別添のものとか、何ページといっても、またそれも差込みになっているわけですけれども、感染から見たら別のもので見た方がいいのかなという気もするんですが、その辺もお任せいたします。
○柳澤座長 どうでしょうか。報告書の便カラーカードの項目に関して、今、いただいたような意見でよろしいでしょうか。事務局の方から何か追加してございますか。
○泉母子保健課長 追加ですか。
○柳澤座長 今、田中委員が言われたようなことも踏まえて検討をしていただく。
○泉母子保健課長 いろいろな方法があると思いますが、今のところは、その中に入れた方がいいという御意見の方が多いように思いましたけれども、それも先ほど申し上げたようにちょっと問題もございますので、更に検討していきたいと思っています。
○柳澤座長 どうぞ。
○小原委員 小原です。
 ちょっと素人考えですけれども、おむつを替える側からすると、母子手帳を隣において見比べるというのはどうかというのもあって、母子手帳にも載っていればいいと思いますけれども、やはり別にカードみたいなものがあれば一番いいと思いますし、今は割とお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんやベビーシッターさんに早期に預ける方もいらっしゃって、そういう意味では母子手帳で周知することも大事だと思いますけれども、おむつの中に入っているとか、ほかのキャンペーンも併用してされたらいいかなと思いました。
○柳澤座長 どうぞ。
○出石委員 ただ、やはりそばに持っていってきちんと使うというところに本当に意味があることだと思いますので、それをどこでどう説明してお渡しするか。今日の議論ではないと思うんですが、そこを今後の課題として、従事者たちが、現場の母子健康手帳を交付する者たちすべてを含めて、勉強を必要とするところかなと思いました。
○柳澤座長 大変大事な意見だと思います。自治体などで母子健康手帳にカードを付けるなり、カードをどのような形で配るか、置いても説明をするというところが非常に重要だと思いますけれども、そういうことを踏まえて、便カラーカードの利用に関しての報告書の記載としては、ここにまとめてくださったような形で、大体皆さんよろしいでしょうか。実際の手帳への入れ方などについては、今、幾つか御意見があったところですが、それはまた検討をしたいと思います。
 その次の「5)予防接種の記載項目の充実」も、この検討会としては最初のときから何回も繰り返し議論がされてきたところですが、案としては「現行の母子健康手帳の予防接種については、定期接種の記載欄が一連のものになっていない。また、任意接種欄には、ワクチン名の記載がなく、空いている欄に随時記入することになっている。しかし、予防接種の重要性を考えると、定期接種の記載欄を一連の様式とし、任意接種欄を充実することが適当である。またた、予防接種の実施のスケジュールを記載することが望ましい」という意見があって、それがとりまとめてあります。
 具体的にどういうイメージになるかというのを、もう少しここに書いてあることにのっとって、具体的な母子手帳の予防接種の記録のところのイメージというのを言っていただけるとわかりやすいと思うんですけれども、どうでしょうか。
 現在の予防接種で言うと、46、47、48、その辺のところですか。BCGがトップに来るのは問題ではないかという意見もありましたし、乳幼児期の接種とその後の接種が分断されている。7歳以降の予防接種の記録が51ページまで離れているわけですね。そういったところを、一連のつながりを持って記入できるようにしたいという御意見であったように思います。
 どうぞ。
○小野委員 少し付け足しで細かいことではあるんですけれども、3点、小児科の立場からと思っています。
 7歳以降だから年齢で区切って、同じDT2種混合と日本脳炎の第2期が(3)というページにあるんですけれども、受ける側からすると、多分同じ項目のところに並んでいた方がいいのではないかと思うんですね。DTは、例えばDPTの後でもいいでしょうし、日本脳炎は日本脳炎でそろえておいた方がよいかなと思います。そうすると、HPVのところを少し(3)の方にどかすと(4)のところに少し空きが出て、このその他というところに、例えばB型肝炎であるとかほかのものも、インフルエンザも、やるものはたくさんありますので、1ページ分ぐらい、その他というページにしてはどうかと思うんです。
 もう一つは、前回も申し上げましたけれども、Hibとプレベナーはいつスタートしたのか。これで言うと(3)の記録のHibとプレベナーのところ、それぞれ接種年月日のところに「(年齢)」と書いてありますから、ここに毎回書けばよろしいんですけれども、なかなか書く暇がなかったりということで、第1回目を何か月齢でスタートしたかというところが、ぱっと見ただけではなかなかわかりにくいので、いちいち確認しなくてはいけないということがあります。できれば前回御提案させていただいたように、何回目が何か月齢だった。だから、あとは何回というのが一目瞭然でわかるようなものの方がいいのではないかと、再度提案させていただきたいと思います。
 以上です。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 今、小野委員が説明されたのは資料4の「予防接種記載部分の様式改正のイメージ」というところを見てのことです。私は先ほど、今までの古いものを見て話をしたので、この提示されているイメージとは違った言い方をしたかもしれません。
 どうぞ。
○馬場課長補佐 ジフテリアと日本脳炎の第2期というところが、予防接種の記録(3)というところに載っておりまして、一連のというお話がございましたけれども、最初の方で省令と任意の、その一部のというお話がございましたけれども、そのところで難しい。どうしても省令の中では就学前の記録ということがございますので、そういった点でそういう形で占めさせていただいております。
 細かいことに関してはイメージですので、また詰めさせていただけたらと思います。
○松平委員 小野先生に言っていただいたんですけれども、小児科の立場からすると、その他の予防接種は、3ページぐらいはないと間に合わないんです。毎年インフルエンザがありまして、我々はページをはっていくのに一苦労していますから、ページ数に限りがあると思いますけれども、どんどん新しいワクチンが増えていきますし、インフルエンザは毎年ですからできる限り増やしていただきたいと思います。
○馬場課長補佐 その他のところは全体の分量も踏まえまして、今までほかのところもいろいろ増えるという話がありましたので、そこのところとの調整ですね。
○柳澤座長 どうでしょうか。今日、配られております様式改正のイメージ、今までいろいろ御議論・御要望をいただいたことに大体沿っているでしょうか。その上で、更にこのような工夫という御意見が、今、小野委員からもあったところですが、それを踏まえて検討していただく。この部分に関して、報告書はこれでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
○藤内委員 インフルエンザの予防接種のスケジュールを、どこかに入れてほしいという要望が前回あったと思うんですが、こういう予防接種の記録は本当に前にあるのが一番いいんでしょうけれども、今のイメージだと予防接種の記録の1枚目が省令様式で、2枚目は任意様式ということは、どうもここが省令様式と任意様式の分かれ目になりそうなので、そうすると予防接種のスケジュール辺りはこの次に来るのか。本当は前にあるといいんですが、その辺りの接種スケジュールとか、もっと言えば予防接種を受ける際の留意点みたいなものをどの辺りに記載するのがいいのか、少し議論をしていただければ。
○柳澤座長 今、藤内委員から言われたように、省令様式と任意様式の境目のところに持ってきて、連続性を持たせようという非常に苦心の策だと感じますけれども、その次のページにスケジュールを入れるページができている。スケジュールは、またいろいろ変わっていくでしょうね。
○松平委員 そうですね。
○馬場課長補佐 スケジュール自体は後ろのところにございますけれども、それに対して説明書きといいますか、予防接種を受けましょうということは(1)のすぐ下のところに書かせておるというところです。
○柳澤座長 どうぞ
○松平委員 今、予防接種のスケジュールで一番問題になるのは、生後2か月からHibワクチン肺炎球菌ワクチン、不活化ポリオを希望されたら、2か月から始まるのが一番重要なんですね。だから、そこをどこかに入れていただかないと。これはそう変わらないと思いますから、予防接種は生後2か月から始めましょうというところをどこかで入れていただきたいんですね。
○馬場課長補佐 そこのところは、また協議で細かいことを詰めていこうと思います。
○柳澤座長 その辺の注意書きですね。それを何らかの形で入れられるかということです。
 どうぞ。
○渕元委員 イメージのところで少し確認をさせていただきたいんですが、ポリオの備考欄に親切に「左・右」と書いてあるんですが、これは不活化を前提とされているんでしょうかということと、その他のところにも全部、左・右ということで書いてあるんですが、多分12月ぐらいからはロタとかのワクチンが始まるとしても、それはドロップというか、経口になったりするので、全部が左か右かということではないという意味では、書いてしまうとちょっと不具合もあるのかなと思うんです。
○馬場課長補佐 それは大変失礼をいたしました。そこのところを含めて。
○柳澤座長 鋭い指摘だと思います。
 どうぞ
○松平委員 現場からの発言ですけれども、確かに右・左あるんですが、ロタはせいぜい2回だけですから、あとは、我々としては忙しい中で右・左を確認するのは本当に面倒くさいから、やはり書いていただいていた方が助かると思います。
○柳澤座長 書いてあった方がいい。助かる。
○松平委員 はい。
○柳澤座長 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、2の個別の事項というところについて、今、個別に御議論いただいて、この報告書自体について大きな変更の意見はなかったと思いますが、それに基づいてつくる実際の手帳について、さまざまな工夫についての御意見をいただいたということになろうかと思います。
 どうぞ。
○藤内委員 これは細かなことで大変恐縮ですが、これまでにかなりたくさんの自治体から寄せられた意見として、現行の手帳だと14ページとか15ページの早期申請時期の経過のところにK2シロップの投与の記録と、先天性代謝異常の検査をしたかどうかの記録と、それからこれもちょっと議論がありますけれども、新生児聴覚のスクリーニング検査をしたかどうかを、いつしたという日付を記載できるようにしてほしいという意見が複数の自治体からも寄せられておりましたし、県内の産婦人科医会からも必ず言ってくれと申しつかってまいりましたので、その辺りをちょっと御議論していただければありがたいです。
○柳澤座長 今のことに関してはどうでしょうか。
○馬場課長補佐 当方としても、そこのところは御意見を伺って工夫していこうと思います。皆さんの卓上にはそれぞれ御意見のイメージというものでございますので、そこを踏まえて、また個別に議論をしつつ最終版をつくっていこうと思います。検討会で今日の御意見があったということは議事録にも残ります。
○柳澤座長 お話にあった内容は、私も大変重要だと認識しています。よろしいでしょうか。
 それでは、その次の「母子健康手帳に関連する今後の課題について」というところがありますが、それについて御議論いただく前に、これも事務局から御説明をお願いいたします。
○馬場課長補佐 5ページの中ごろです。「母子健康手帳に関連する今後の課題について」の「1)母子健康手帳の交付」でございますけれども、飛び込み分娩というものが問題である、虐待につながる可能性ということも書かせていただいておりますが、やはり母子健康手帳の交付の場というところにおいては、行政と妊婦さんとの初めの接触の機会でありますので、重要であるということを明記させております。
 「2)母子保健情報の提供」では、さまざまなニーズに対応した情報提供が必要ではないかということが上段にございまして、任意記載の部分でもございました、ウェブサイトの活用ということが重要である。また、母子保健という分野を広い視野から見ますと重要な点となります妊娠前からの健康づくりの視点ということについても明記しております。
 「3)健康診査当のデータ保存、管理、活用」ですけれども、電子化とか情報の活用ということについても記載させていただいて、最後のところで他制度の動向等々も見ながら検討ということでしております。
 「4)おわりに」というところで、これまで論じられたように母子健康手帳の意義ということをもう一回再確認するとともに、議論の冒頭で申し上げたとおりこの報告書を踏まえて、来年度からの母子健康手帳への反映をお願いするということで示させております。
 よろしくお願いいたします。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 今、内容を簡単に説明いただいた「母子健康手帳に関連する今後の課題について」というところで主として3つの論点を挙げられておりますが、母子健康手帳の交付ということに関して、1つは早期の届出がなされるように啓発を努めるということですね。それから、交付というものの持つ意味というものも強調されているということだと思いますし、「母子健康手帳は、周産期の状況と世代間で共通する情報や予防接種の記録を含むことから、長期間保管するとともに、成人時に保護者から子どもに手渡すことも有意義である」というところまで触れられていて、これは確かに大変大事なことだと思います。
 ここに書いてある内容については問題ないでしょうか。
 その次の「母子保健情報の提供」の中で最初に触れているのは、やはり定型的な発達経過をとる子どもを中心とした記述とならざるを得ないが、低出生体重児や先天性の疾患を持つ子どもなどの育児に役立つ情報提供も求められている。そういうことに関してはウェブサイトを使うなり、多様なニーズに応える、そういったインターネット、ホームページを活用するということで、さまざまなニーズに応える情報を提供する方法等について今後検討する。
 それから、今までの検討会でもさまざまな御意見があったわけですが、記載される情報の更新頻度とか量に限界があるということで、これについてもさまざまなほかの媒体による情報提供をすることが可能ではないか。その在り方を検討する必要がある。
 あと、妊娠前から妊娠前の準備とか健康づくりも重要、加齢と妊娠・出産のリスクや女性の生殖機能との関係、食事のこと、母子感染の予防等、そういった知識を若い女性等に普及することが重要である。そういう妊娠してから交付される母子手帳、その前に必要なことについても、若い助成等に普及することが重要である。そういったさまざまな教育の充実ということを、ここでも触れているということだと思います。そういう点で「健康日本21」や「健やか親子21」とも共同して取組みを進める必要がある。
 3つ目の視点として「健康診査等のデータの保存、管理、活用」は、この母子健康手帳に記載される記録を電子化して、管理が大変重要になるわけですが、その子どもの生涯にわたる健康管理の一助として役立てるということと、これはどういう意味を持つかというのはいろいろ論点があるかと思いますけれども、疫学的な情報として活用できるのではないかという意見もあったと思います。
 「今後、他制度の動向等も踏まえ、検討することが望ましい」。これは医療保険情報のIT化という全体の中で考えるということだと思います。どうでしょうか。
○海野委員 今回、時間的にはかなり限定されていたわけですけれども、その母子健康手帳のことに関して集中的に議論ができて、今度はよりよいものをつくっていただけるのではないかと考えているわけですが、私が思っておりますのは、これが10年に一度の改訂なわけですね。それでは、次はいつなんだろうと。今のIT、電子化の話もございましたけれども、それだけではなくて、今回の議論の中でも制度の根幹に関する議論は限られた時間ですからできない。省令様式と任意様式の間の問題とかは、事務局が大変御苦労されていたのは重々承知しておるんですけれども、そういう意味でも、なかなか思うに任せないという部分が委員の先生方にもあったのではないかと思います。
 そういう意味ではこの報告書の中に、次回はもう少し時間をかけて、例えば3年なり5年後ぐらいで、今回、いろいろ問題になったところを踏まえて時間をかけた議論ができるようにということを、加えていただけたらよろしいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○柳澤座長 今、海野委員から大変建設的で重要な御意見をいただいたと私自身も感じますけれども、いかがでしょうか。
○泉母子保健課長 今回は、普通であれば4月ぐらいから検討を始めているようなスケジュールだったんですが、諸般の事情でこういった集中的な検討になりまして、先生方にも大変御迷惑をおかけしたかと思います。
 では、次はいつやるんだということについて、私が今、この時点で10年ではなくて5年にしましょうと申し上げる状況でもないのですが、今後の状況の変化を見ながら適切な時期に十分な検討をして、また次回の改正をすることが望ましいということを、先生方の御意見がそういうことでございましたら入れることは可能かと思っておりますが、いかがでしょうか。
○柳澤座長 今後の課題というところに、今の海野委員の御意見、それから課長が言われたことに関して、是非加えていただければありがたいと思います。
 どうぞ。
○榎本委員 榎本です。
 この3回の議論の中で、父親が子どもと母親の健康のために役に立ってほしいということが大分強調されてきたんですけれども、結果的に余り文章の中には取り上げられなかったんですが、最後の今後の課題あるいは「おわりに」に当たっては、父親が健康のために協力することの文言をどこかに入れたいなという気がするんですが、いかがでしょう。
○柳澤座長 今までの議論を踏まえた上でも大変重要な御意見だと思います。この母子健康手帳の意味合い、ねらいというのは、あくまで母親と子どもの健康ということだけれども、そこにおける父親の役割とかに関して、今回の改定で具体的に入れるかということに関してはいろいろな制約があったわけですが、今後の課題としてそういうことも加えてほしいという御意見だったと思います。どうでしょうか。
○泉母子保健課長 子育て支援の広い話を母子健康手帳で全部受けとめるというのは、なかなか難しいと思っていますけれども、お父さんになる方の動機づけの最初のところで重要だということで、この場でもお話があったと思いますので、「おわりに」のところに少し工夫をして入れてみたいと思います。
○柳澤座長 最後に「おわりに」という結びの言葉があって、今、いただいたような御意見についても、ここの部分で触れるということにもなろうかと思います。海野委員、それから、いただいた御意見について「おわりに」というところの中で触れますか。
○泉母子保健課長 「おわりに」といったところにするか、あとはその前の今後の課題の「母子保健情報の提供」というところもございますので、その辺りに、今、お二方からいただいた御意見を入れられるように考えまして、また座長と御相談したいと思います。
○柳澤座長 まだございますか。どうぞ。
○小原委員 手短に3点。
 ここに書いてある「行政の母子保健担当者が妊産婦に接触する最初の機会であり」というところなんですけれども、現在、私の区では保険センターでも交付していますが、多分、利便性がいいようにだと思いますけれども、出張所のようなところで交付されていて、戸籍の担当みたいな方がすごく機械的に交付されているというのが現状で、すごく勿体ないなと思っているので、こういったところを改訂に当たって、もう少し強調していただけたらいいなと思います。
 情報提供のところは「検討する必要」ということで、もし検討されてウェブサイトみたいなものができた場合は各ページに、ここを見に行きなさいということが書かれるんですねという確認が1点。
 それから「おわりに」というところで「一貫した健康記録として」というところで、今回の会議に出て私も、毎回小児科に行くときは持っていくものだったんだということがわかった次第でして、そういったことをもうちょっとスタンダードになるように周知というか、強調するというか、工夫していただければと思いました。
○柳澤座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○田中委員 私もちょっと不勉強なんですが、この母子健康手帳というのは、以前は妊娠しているという証明書がないと絶対に渡さないという市町村もありました。今は別にそれがなくても渡すという市町村があるんですが、原則は何か決まっているんでしょうか。
 なぜこんな質問をしたかといいますと、例えばここで11週未満に届け出たのが90%います。これは虐待の話も出てきますと、要するに、母子健康手帳をもらいにも行ってないという人がほとんどなんですね。
 そういうのを防ぐためには、極端に言うと妊娠の証明がなくても、妊娠したかなと思ったら、保健所でもいろいろなところでも行けば出していただけるとなると、その虐待理由の1つに経済的ということもありますから、まず病院に行って妊娠の証明をもらうためには、やはり料金がかかる。ですから、最初の保健所なり、どこかに行って妊娠したというので渡していただければ、そこに公費負担の割引券もありますし、そうすると、大分お金がかからずに健診も受けられるというところで、本当にごく少数の人ですが、その人たちから経済的理由で虐待が生じたとすれば、母子健康手帳の趣旨ではないんですが、それも防げるかなという案があるかなと思っていつも悩んでいるんですね。
 この辺はいかがですか。やはり証明書がないとだめなんでしょうか。
柳澤座長 どうでしょうか。どうぞ。
○泉母子保健課長 まず、今、お二方から御意見をいただきましたので、まず小原委員からいただいたところで、母子手帳の交付のところにだれがいるかというのは自治体の事情によっていろいろなんですけれども、私どもは妊娠中からの支援ということもあって、なるべく母子保健の担当者、技術職の方などが、少なくとも必要な方には情報提供する機会があった方がいいと思っておりますので、そういうことはまた折に触れてお知らせをしていきたいと思います。
 ウェブサイトができた場合のお知らせの仕方なんですけれども、先ほど省令様式に何が書けるかというお話がございましたので、この中に書けるかというのはちょっと難しい部分がございますが、母子手帳の交付時にいろいろな情報提供を市町村からしていますので、そういったものを活用するなどして、そういったウェブサイトができましたら、必要な方に情報提供が行くように工夫する必要があると思っています。
 それから、田中先生からいただいた届出のところなんですが、たしか第1回で中島参考人の方からこれまでの推移という話がございまして、以前は確かに診断が必要だったということがありますけれども、現在届出は本人がすることになっていまして、その届出の中身も、医師の診断を受けた場合はそのことを書くことになっていますけれども、医師の診断がなければ届け出られないという状況ではないです。
 ただ、市町村によってそういった資料を一緒にいただく運用をしているところがあるというお話は聞いております。
○田中委員 ありがとうございました。
○柳澤座長 どうぞ。
○出石委員 今のお話を受けまして、私どもはたまたま行政サイドで母子健康手帳を交付している立場でもある保健師なんですけれども、今はさまざまな事情の方がいらっしゃる中で、まさしく早くにそういった虐待等の心配な方を見つけ出して、応援させていただくことが非常に大事な時代になってきていると思います。ですので、先ほど委員の方から、戸籍係がぽんと渡すというお話がありましたけれども、是非技術職がいる母子保健サイドのところで、母子保健が渡せるような仕組みをきちんとつくっていただくことが大事かなと思います。
 併せて、そこでお会いできれば何で病院に行かれないのかといったところから支援が開始できると思いますので、そこの仕組みは今日の論議と外れますけれども、非常に大事なところかなと思いました。
 併せて、全国でいろいろなお話を聞きますと、行政の母子保健現場でいろいろな事情がさまざまあると聞いております。ですので、そこの人的なマンパワーも含め、是非工夫してよりよい母子保健、子育てにつながるような工夫をしていただけるように、この場を借りてお願いしたいと思いました。
○柳澤座長 ありがとうございます。
 今、出石委員が言われたことは、全くそのとおりだと私自身も感じております。
 どうぞ。最後にしましょう。
○藤内委員 その関連で、平成21年に市町村の実態調査を行いまして、81.7%の自治体で看護職が母子健康手帳を交付していました。8割強が保健師もしくは看護師が交付しているという状況でした。
○柳澤座長 そういう実態があるということですね。よろしいでしょうか。
 今日の一番主要な議題であった、母子健康手帳に関する検討会の報告書の案についての議論としては、大方、今、案として示されていることでよろしいということであったと思いますが、最後の「今後の課題」「おわりに」の辺りのところで、もう少し工夫があるかというふうに思います。いただいた御意見に基づいて、もう少し文章を工夫する必要があろうかと思いますので、それらのことを踏まえて事務局で案をつくっていただき、私座長と事務局とで相談の上、報告書をとりまとめたいと思いますが、その点、御一任いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○柳澤座長 それではそのようにさせていただきます。
 私が座長を務める形で進めてきた議論はこれまでで大体済んだと思いますので、事務局の方にお返しいたします。何か事務局の方から。
○泉母子保健課長 それでは、一言申し上げます。
 先生方には3回の集中的な議論ということで、まだ議論が足りない部分もあったかもしれませんが、非常に建設的なお話をたくさんいただきまして、誠にありがとうございました。
 今日いただいた御意見を基に、報告書の修正につきましては座長と相談をして進めてまいりまして、1~2週間をめどになるべくとりまとめて公表したいと思っておりますので、また公表のときには先生方に御連絡をしたいと思います。そして、それを受けて、具体的な省令の様式につきまして事務局で検討していくわけでございますけれども、これにつきましては産婦人科あるいは小児科、それぞれの先生方に個別に御意見を伺うこともあるかと思いますが、その際にはよろしくお願いしたいと思います。
 また、母子手帳の意義についてたくさん御意見をいただきました。私たちもその意義をこれからも伝えていきたいと思いますし、先生方も母子手帳の応援団といった方々だと思いますので、引き続き母子保健の推進に力を貸していただければと思います。
 それでは、これで母子健康手帳に関する検討会を終了いたします。本日は、お忙しい中、誠にありがとうございました。
○柳澤座長 ありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課母子保健係

電話: 03-5253-1111(7938)

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