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2013年2月25日 第5回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成25年2月25日(月)
16:00~18:00


○場所

ホテルグランドヒル市ヶ谷 瑠璃 東(3階)


○出席者

池田、田中、千葉、村川、堀田、渡部(敬称略)

○議題

1.平成25年度介護事業経営概況調査の実施について
2.その他

○議事

○松岡介護保険データ分析室長 定刻となりましたので、第5回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきます。
 初めに、本日の委員の出欠状況ですが、藤井委員より欠席の御連絡をいただいております。
 また、原老健局長はほかの会議に出席しており、遅れて到着する予定です。
 それでは、議事に入る前に、お手元の資料について確認させていただきます。
 座席表
議事次第
調査委員会の名簿
 資料1 介護事業経営概況調査の実施について(案)
 資料2-1 平成25年度介護事業経営概況調査介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設調査票(案)
 資料2-2 平成25年度介護事業経営概況調査介護老人保健施設調査票(案)
 資料2-3 平成25年度介護事業経営概況調査介護療養型医療施設調査票(案)
 資料2-4 平成25年度介護事業経営概況調査居宅サービス・地域密着型サービス事業所調査票(福祉関係)(案)
 資料2-5 平成25年度介護事業経営概況調査居宅サービス・地域密着型サービス事業所調査票(医療関係)(案)
 資料は以上でございますが、資料の不足等ございましたら事務局までお申しつけいただきますようよろしくお願いいたします。
 以降の進行を、田中委員長、よろしくお願いします。

○田中委員長 皆さん、こんにちは。大事な政府統計になっている介護事業実態調査ですね。案をしっかりとまとめるために、専門の皆様からの御意見をお願いいたします。
 議事次第に沿って進めてまいります。初めに、資料1と資料2について、事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、資料の説明をさせていただきます。まず、資料1「介護事業経営概況調査の実施について(案)」でございます。
 平成25年度介護事業経営概況調査につきましては、以下の基本的な考え方に沿って調査を行ってはどうかと考えております。
1.調査の目的といたしましては、各施設・事業所の経営状況を把握し、次期介護保険制度の改正及び介護報酬改定に必要な基礎資料を得ることを目的といたします。また、平成26年4月に消費税率の引上げが予定されておりますので、介護保険サービスにおける消費税率引上げへの対応の検討を行うため、必要なデータにつきましても、今回の経営概況調査で取得することとしてはどうかと考えております。
 2.調査時期及び公表時期でございますが、調査の時期につきましては、前回と同様、決算額を調査するということで、本年の7月、公表時期は、消費税対応の検討を控えておりますので、前回より多少早めまして、本年11月を予定しております。
3.調査対象といたしましては、前回同様、全ての介護保険サービスとしております。調査客体数につきましては、資料1の最後のページをごらんいただきたいと思います。別表として、抽出率等が表になってございます。基本的には、前回平成22年概況調査の抽出率を基本といたしますが、前回調査の結果としまして、調査精度が低かったサービス、具体的には抽出率にアンダーラインを引いておりますサービスにつきましては、抽出率を上げることによりまして必要な調査精度を確保したいと考え、前回より抽出率を上げております。
 また、下から2番目の地域密着型特養につきましては、母集団数が前回に比べてかなりふえておりますので、他のサービスとの並びをとりまして、抽出率を2分の1としております。
 戻っていただきまして1ページ目でございます。一番下、調査項目でございます。基本的には、この調査は収入、支出の状況をとる調査でございますが、今回につきましては、消費税対応の検討に必要な項目といたしまして、消費税課税対象となる支出の状況など若干の項目を追加してございます。
 2ページ目でございます。4.調査の基本方針(1)調査票の作成に当たっての基本方針でございます。今回の調査につきましては、消費税対応の検討に必要な各サービスの人件費割合、非課税品目等のデータを漏れなく取得する必要があると考えておりますが、従来の経営概況調査では、収支のうちの費用について細目が十分把握できないことから、今回に限りまして、平成23年度、前回の経営実態調査の調査項目を基本として調査を行ってはどうかと考えております。
 (2)回収率及び有効回答率を確保するための方策として、???と並んでございます。これらいずれも、前回の22年概況調査、23年実態調査で行いました記入者負担軽減のための方策を今回も引き続き実施することとしております。
(3)調査客体数の見直しにつきましては、先ほど御説明のとおりでございます。
 3ページをごらんいただきたいと思います。5.調査項目の変更等といたしまして、これは介護老人福祉施設票を例に整理しております。(1)のサービス提供の状況等から4ページの(5)収支の状況までは、基本的に23年度の実態調査の項目と同様としております。
 今回新たに追加する部分といたしまして、6ページの中ほど、収支の支出の部分のうち、真ん中に事業活動支出計というところがあります。うち消費税課税対象支出計、あわせまして、一番下のほうですが、特別支出のうち法人本部に帰属する経費のうち消費税課税対象支出計、この項目を追加しております。
 介護サービス事業に係る支出のうち消費税課税分の合計額を調査することによりまして、各施設・事業所の消費税負担の総額を把握したいと考えております。
また、最後の7ページでございますが、(6)設備投資の状況につきましては、減価償却資産の消費税負担を把握するために、資産の取得価額及びそのうちの消費税課税対象分について、今回新たに調査をしてはどうかと考えております。(6)につきましては、従来の概況調査にはない項目でございますが、今回に限って調査を行ってはどうかと考えております。
調査票の詳細についての説明はいたしませんが、資料2-1、介護老人福祉施設票をごらんいただきたいと思いますが、資料2-1の調査票、10ページ以降が収支の状況になってございます。このうち12ページからが支出の部分でございますが、おめくりいただきまして、13ページ、真ん中から下のほうに事業活動支出の合計の欄がありまして、うち消費税課税対象支出計、同様に、特別支出のほうにも、下から2行目に消費税分の欄を設けてございます。
また、同様に、調査票の一番最後、18ページでございますが、問6といたしまして設備投資の状況、このページを今回については調査票を追加いたしております。
資料の説明は以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
消費税増税を控えているので、統計票が少し変わっています。それらを含めて、今、説明のありました資料1と資料2について、質問と御意見をお願いいたします。

○渡部委員 ちょっと3点だけ確認させていただきたいと思っております。
1つは、資料2-1の1ページの問1の(3)、これは会計期間を書くことになっておりますけれども、例えば暦年、財政年度、その他という記載がございますが、事業年数は4月から3月でも、期の途中で事業を開始されたような場合、つまり1年未満の事業の場合、どのような取り扱いをされるのかというのが1つ。
 それから、今ちょっと御説明ございました18ページ、こちらの設備投資の内容で、問6の※印に「決算期の数値を記入して下さい」ということでございますが、設備投資額と、それから、うちリース分というのがございまして、設備投資額であれば決算書に投資額が載ってこようかと思っております。
ただ、リースという場合には、ここのリースというのは新規に今年度契約したリース額を書いてくださいという趣旨かと思っているのですけれども、もしそのような趣旨であれば、決算数値ではなくて、新規契約額とか、そのようにつけ加えたほうがいいのではないかというところが今の御説明の中で気がついたところです。
 あと3点目でございますけれども、「うち消費税額」という記載をしていただくことになっておりますけれども、例えば13ページ、事業活動支出で「うち消費税課税対象支出計」という記載をしていただくことになっておりますけれども、こちらも、第3回の委員会のときに、免税事業者で消費税を申告してないものが9割あると回答された団体もあったかと思っております。帳簿では消費税の記載がない法人も9割の中には非常に多いのではないかと。その際にどのようにこの記載を求めるのかというところ、また、免税事業者、9割という団体にとっては、この記述自体がすごくハードルが高いのではないかと考えておりまして、科目による非課税判定票みたいなものも簡易的につけられたらどうかということをちょっと提案したいなと思っております。
 質問2つと提案1つでございます。

○田中委員長 3点について、それぞれお答え願います。

○説明者 お答えいたします。1点目の期の途中で事業を新たに開始する場合等の取り扱いでございますが、その場合は、調査票の1ページ、(3)のところで、いつからいつまでの間の調査データかということを書いていただき、その月分で1カ月当たりの額に割り返すということでデータのほうは活用させていただくことになります。
 2点目のリースの点につきましては、御指摘の点を踏まえまして、取り扱いをきちんと整理しまして、記載要領の中でわかるように書きたいと思っております。
 3点目の消費税分の課税対象支出の把握につきましては、前回、12月の団体からのヒアリングでも、特に社福法人の場合は消費税の把握が十分できるかどうかというところも実際にございましたので、この消費税分の額につきましては、書けない場合であってもほかの項目を埋めていただくということで調査データとして活用できると考えておりますので、書けない場合は、そこは書いていただかないでも結構ですというような扱いにしたいと今のところは考えてございます。
 以上でございます。

○千葉委員 ちょっと関連して。

○田中委員長 お願いします。

○千葉委員 今の関連質問で、ちょっと確認までですが、2点ばかりございます。
1つは、調査票2-1の一番最後の設備投資の状況というところであります。ここですと、私が理解したものというのは、この24年度決算において存在する償却固定資産、償却対象の固定資産の残高ではなくて、24年1年間にこの償却対象資産を幾ら取得したかという調査でしょうか。それとも、その期に存在する過去からの残高を全部書くのか、そのどちらか、まず聞きたいというのが1点です。
 それからもう一つは、先ほどの渡部委員から、期の途中からスタートした事業者ということでお話があったのですが、この調査ででき上がったデータをどう使うかによりけりですが、要は、何カ月分、例えば1年に満たない事業所の場合、例えば10カ月とか6カ月という決算が出てくるわけですね。それはそれで、1カ月当たりとか何かに割り戻すのかどうかですけれども、例えば年間ベースの金額を使うとした場合、途中7~8月ぐらいに施設ができるというのであれば、単に残りの月数で割れば1カ月当たり出るのですが、もともと例えば50床の特養があって、それが80床に大きくしましたという増資をしたような場合というのは、月額に戻すというところが、どうなるのだろうという疑問が出てくる。一人当たりとか出てくると思うので、そこのところは、集計する際の注意事項というか、例えば通年、12カ月フル、ここで言う年単位または年度単位というのだけで集計するとか、そのようにしないと、月数のバイアスみたいのが出てきてしまう可能性がないだろうかというところがちょっと気になるので、そこのところのお考えがあったらお話しいただければと。その2点でございます。

○田中委員長 前者も台帳のストック額を書くか年度の値を書くかで意味が違いますので、御説明ください。それから、年度途中で始まった施設については平均値に影響しますね。それを取り除くのか、統計はとっておいて、後で分析のときに考えるのか、それもお答えいただけますか。

○説明者 お答えいたします。1点目の18ページ、問6の関係ですが、ここで調査しようとしておりますのは、過去からのストック分ではなくて、前年度1年間で取得した価額を押さえるということで整理しております。過去分も含めた部分につきましては、従来より、費用として減価償却費という項目を置いております。今回、減価償却費と同じ内訳で、問6として、1年間の投資額についても別途とることにしているところです。
 それから、2点目の期の途中で増資したような場合というのは、従来の調査でも当然そういったケースもあろうかと思いますので、ちょっとお答えになっておりませんが、従来の整理とそこは変えずに集計することになるということでございます。

○田中委員長 よろしいですか。
先ほどの答えにありましたように、今回新たに加わる消費税分だけを抜き出して書きなさいというところは、もしそこが抜けていても統計全体はボツにならないように使うほうとしては工夫するという説明でしたね。

○説明者 はい。収支で細かく費用の内訳をとり、その中で、非課税の項目、課税の項目と一応整理されることとなりますので、逆に課税対象支出計の欄に書かれる数字については集計の段階でチェック機能を働かせる必要はあると考えております。

○田中委員長 堀田委員、お願いします。

○堀田委員 細かい点ですけれども、まず、全体として6月のことを書いていただくことになっていると思いますが、質問で、開設年月が6月であれば集計から除外するというような扱いになるのかということが、1点目、確認です。
 それからもう一つ、資料2-1でいきますと、5ページと6ページのところに定期巡回・随時対応型と、それから複合型というのがあって、恐らく、今回、概況調査では初めてやることになるのかなと思いますが、特に複合型のほうですけれども、訪問介護と訪問看護が延べ利用者数というので書けるのかなという。ほかが、例えば定期巡回・随時対応もして、訪問介護のほうも、訪問系は回数なり時間数で聞いていると思いますが、この複合型だけ延べ利用者数という書き方で要介護度別に書いていただくというのは何か意図があるのかなというのが1つ目の質問です。
もう一つ関連して、これは私が何か議論を飛ばしているかもしれないのですが、小規模多機能というのがなくて、複合型サービスだけがあるというのは何かあったのでしたっけというのが確認です。
以上です。

○田中委員長 では、お答えください。

○説明者 お答えいたします。
ちょっと順番が逆になってしまいますが、最後の御指摘の関連で、複合型サービス、調査票の6ページの部分ですが、延べ利用者数で書けるのかということですが、厚生労働省で事業所統計をやっておりますが、その調査でも、やはり延べ利用者数で項目をとっていますので、そこは大丈夫だということでございます。
それから、この各サービスの実施状況の中に小規模多機能が入っておりませんが、これにつきましては、今申し上げた介護サービス施設・事業所調査で、そちらのほうからデータを引っ張ってこれますので、こちらの調査ではとっていないということでございます。
あと、御指摘の1点目、もう一度お願いできますでしょうか。すみません。

○堀田委員 6月開設のところは集計上省くというような扱いになるという理解でいいですか。6月について全部書くことになっていますけれども、開設年次が6月と答えたところについては、平均値とかにかかわると思いますので、除外していただけるという理解でいいでしょうか。

○説明者 6月とおっしゃいますのは、開設間もないという意味でしょうか。

○堀田委員 はい。

○説明者 それは、過去のこの調査での取り扱いを確認の上、これに準じた取り扱いをしたいと思います。

○田中委員長 今までも存在していた問題のはずなので、当月の途中で開設した場合、それで問題なく処理できていれば、それに則って行っていただくことにしましょうか。
村川委員、お願いします。

○村川委員 このたびの調査の趣旨、目的、それから調査対象等、基本的な部分ではほとんど問題ないかと思うのですが、御説明のあった資料1の最後の8ページの抽出率のことについて、際立ったと言い方は変かもしれないけれども、他とは違った計数が、例えば訪問看護ステーションが1/25、福祉用具貸与が1/30とあるわけですね。それぞれサービスの種類が違い、特性がありますから、一面、違って当然なのですが、また対象数もありますので、例えば訪問介護と訪問看護を単純に比較してはおかしいのかもしれないけれども、しかし、この事業所の数からいくと、例えば次の訪問リハビリが、三千幾つの事業所に対して1/20で、訪問看護が、数が多いから1/25なのかもしれませんが、何で1/25なのか、それから、もう一つの福祉用具ですね。この6,000ぐらいの事業所というのは、ほかにも通所リハビリとか、今言った訪問看護とかあるのに1/30という数字が与えられているので、この辺がどういう判断基準からそうされたのか。
それから、以前の年度のときにも若干発言していますが、もう一つは、特定施設の関係でありますが、1/10というのは、さまざまなサービスの中でも割とよくある一つの抽出のやり方ですのでわからなくはないのですが、個別的な要素としては、いわゆる有料ホームであって、この指定を受けるもの、軽費老人ホーム、ケアハウス等であって指定を受けるもの、今後、高齢者住宅、あるいは養護老人ホーム、そのような多様な要素が含まれているということを勘案した場合、もちろん、要素分析までこの調査でするというものではないですが、もう少し丁寧に考えれば、抽出率というのは多くてもよいのかなとか、そういった疑問があるので、その3点について少し説明をいただければと思います。

○田中委員長 では、抽出率の違いについて説明をお願いします。

○説明者 お答えいたします。
この経営概況調査ですが、前回、平成22年度の調査を実施した際に、目標精度を各サービス、誤差率5%としておりました。前回調査の結果として、やはりサービスごとに回収率等もばらつきがございましたので、前回調査で目標精度を達成しているサービスにつきましては、今回調査で抽出率を同じとしております。前回調査で目標精度を達成していないサービスにつきましては、誤差率5%という目標精度を達成できるだけの客体数の増ということを念頭に抽出率を上げています。地域密着特養以外はそういうことで抽出率を今回上げているということでございます。

○田中委員長 だそうですが、いかがですか。

○村川委員 もうちょっと考えてみたいと思いますが、まあわかりました。

○千葉委員 質問というよりは確認に近いお話ですが、先ほどの2-1の調査票で言うと18ページのところの設備投資の関係ですが、これは先ほどの話のように、単年のこういった資産の取得状況ということで理解したのですが、逆に言うと、ここに係る消費税分というのは確かにわかるだろうということは1つあるのですが、それと例えば本体の収支状況の減価償却費というのをつかんで、粗っぽく言ってしまえば、これに5%を掛け算して、大体消費税これぐらいという目の子をつかむのだろうと思います。そこの、減価償却もとりながら設備投資もとるということの意味というか、何を意図しているのかというのが1つと、これは直接は関係ないのでしょうけれども、さきにやった多額の資産というか設備投資、既に調査をやっている、あちらのほうとの関係が何かあるのかないのかというところがもしあったらちょっとお話を聞きたいと思います。

○田中委員長 2点とも確認をお願いします。

○説明者 お答えいたします。
従来からこの調査で費用の内訳として減価償却費をとっておりますが、委員ご指摘の、今行っているほうの高額投資の調査の結果が出ますと、それも踏まえて消費税の対応の本格的な議論もしていただくことになるのですが、この減価償却費として調査で取得したデータがどのように活用できるのかということが、この辺も実は今後の議論になろうかと思いますので、現時点では非常に曖昧なお答えにもなるのですが、従来の収支の費用としての減価償却費とは別に、1年間の設備投資というものも額として押さえまして、今後の議論に幅広に対応できるようなデータをとっておきたいということでございますので、17ページの減価償却費と18ページの設備投資は、そういう意味で、関連はしますけれども、直接的な関係性をこの調査で持たせた上で項目を置いているということでは必ずしもありません。

○田中委員長 事務局のほうから委員の方々に、専門家に、この点伺っておきたいということは特にないですか。
私から渡部委員に教えていただきたいのですが、こういう統計をとって、途中で、「うち消費税課税対象費用計」と記された箇所が幾つかありますね。これは抜き出して計算するのは難しいものなのでしょうか。

○渡部委員 9割の免税事業者に関して言いますと、消費税の記録をしてないということですから、決算数値から推測するということになろうかと思っております。
 そうしますと、この12ページと13ページの表を見たときに、例えば人件費であれば、これは課税対象外と。ですから、計算に入れないのだろうなと。経費で言えば、13ページのコの賃借料の一部、それからサの保険料ですとか、こういったものが非課税です。賃借料は多分混在すると思うのですね、課税と非課税というものが。サは非課税、シも非課税。勘定でぱっと見で判定できる要素が非常に多い。記録をつけてなくてもですね。ですので、先ほどちょっと提案させていただいたとおり、例えばこの科目は一般的には課税ですとか、コは課税と非課税が混在しますとか、サは非課税ですとか、シは非課税ですとか、そのように一般的な科目によって消費の可否判定がわかるような一覧表をおつけになったほうが、記入する側としては御自分で判定しやすいではないか。もちろん、1割の課税事業者で帳簿に消費税を記載しているのであれば、その積み上げ数値を書いていただいて、書いていない法人であれば、勘定科目による可否判定表、これは概算ですけれども、それに基づいて御記入くださいとかいう取り扱いのほうが有効回答率が上がるのではないかなという趣旨でございます。

○田中委員長 そうですね。ここは、うち消費税課税対象支出計が間違っている可能性は、ほかの欄に比べると高いですね。そこをどのぐらい被調査対象側に書いていただくか、集計する側で、今言われたような形で推測するか、どちらがメインになるのですかね。やはり一応書いていただくことになるわけですか。

○説明者 従来、この調査で消費税の議論というのは前提としてないものですから、そこまではあえて示しておりませんが、今回の場合は、消費税の議論に使うということもありますので、用語の定義、各調査票のページごとの細かい注意点、御指摘の非課税品目の例示といったものも記入要領の中で、やはり今回については整理する必要があるのではないかと思っておりますので、委員御指摘の点も踏まえた上で考えたいと思います。

○田中委員長 そうですね。今後の消費税を主な税金とする国家においては記入する練習のためにも自分で書いてもらったほうがいいと思うのですが、しかし、統計のときに明らかに違っている答えがここは出そうですね。その場合のチェックはするようになっているのですか。集計のときに。ほかの欄は、実態として、賃金幾らを間違えるとは思わないのですが。転記ミスさえなければ。けれども、消費税は人為的に計算して書いてくるから、専門家から見たら、こんな桁はあり得ないような事態が、可能性としてないわけではないですね。それはチェックする予定になっていますか。

○説明者 現時点で想定しているやり方としましては、先ほど渡部委員からお話があったような人件費、それから個々の非課税の項目、これらは費用の内訳として押さえられますので、それらを差し引いたものと消費税課税対象支出計に書かれた数字が大きいか小さいかというところのチェックは最低限働かせる必要はあるのではないかと考えております。

○田中委員長 初めてですからね。ことしはいろいろと試行錯誤あると思いますが、検討よろしくお願いいたします。
 池田委員、どうぞ。

○池田委員 この調査は消費税に関する問題と、それから報酬制度にかかわる2つの側面を持っている。危惧されるのは、新たに消費税の項目が入ったから回収率がかなり低下するのではないかという不安があります。幾つか方策が書いてあるのですが、前回もかなり回収率にばらつきがあって、ある意味で、これを使うのは疑問だと思うような部分もあった。したがって、回収率を上げる、実務的に何らかの取り組みをする必要があるのではないか、それを考えてほしいということが1つです。
 もう一つは、この消費税と関係なく、報酬制度改正の問題にかかわるのですけれども、すごいばらつきが大きいのですね。例えば実態調査は、散布グラフを出していただきましたし、その前の概況調査はたしか棒グラフかなんか出していただいたのですけれども、ちょっと信じられないようなばらつきがあります。
そこで、ばらつきの偏りみたいなものを是正するというか、その方法を1つは考えたほうがいいなということと、このばらつきは一体どこが原因であるのかという、それを少し仮説を立てて調査することが必要なのではないかと思います。
 前回の実態調査では、たしか利用者数を縦軸に置いて、横軸に収支差益率を置くというような形で事業規模で傾向を見たのですけれども、ほとんど傾向が見られなかった。みんな似たような分布をしている。例えば特養の場合でしたら、多床室とユニットって違いがあるのかとか、そういうことができるようになっていると聞いておりますけれども、もう少しその辺、事前に幾つかの仮説を立てて、それができるのかどうなのか。できるとすればどのようにするのかということを事前に考えていただけるとありがたいなという気がいたします。
 それとエラーチェック、すごく大変だと思うのですけれども、エラーチェックって今までどのようにされていたのですか。多分、この消費税の書き込みのところは誤解その他でとんでもないことが書かれる可能性が結構あると思うのですね。施設系は、まだ大丈夫かも知れませんが、中小・零細の在宅系はかなり危ないところがあるので、その辺の対策が何かあるとすればちょっと教えていただければと思います。
 以上です。

○田中委員長 声が苦しい中で、ありがとうございました。特に最後の点は、私も先ほどほとんど同じ趣旨の質問をいたしました。消費税対象支出計のところがずれている可能性があるので、その場合のエラーチェックの仕組み、今までもどうなってきたかという御質問でしたが、いかがですか。最初の2つはアドバイスだったと理解します。

○説明者 お答えいたします。
収支のばらつきにつきましては、集計結果としてもう少し実態が見られるような集計方法、出し方というのは考えてみたいと思っております。
消費税の課税分のところについてのエラーチェックにつきましては、先ほどの御回答以上のものは、現時点ではお答えできないのですが、考えたいと思います。

○田中委員長 老人保健課長、お願いします。

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。
今回、かなりテクニカルな部分が多いものですから、必ずしも担当と私どものほうでまだ綿密な打ち合わせができてはおりません。従来から行っている調査の側面と、今回、御指摘のとおり、特に新規の項目で消費税絡みの内容がございますから、現場のほうが戸惑われる、あるいは記載の内容に慣れていない、そういったことについて十分配慮するつもりでおります。
その中で、今、例えばで御指摘いただきましたように、明らかに非課税の項目、あるいは逆に明らかに課税の項目、こういった情報をうまく活用しまして、明らかにロジックとして出てきたデータがおかしいというものについては、当然、委託業者含めて作業しますので、その段階である程度発見して修正をかけるようなことを工夫もしたいですし、それから、特に事業者のほうで明らかに非課税を前提としたような法人の場合に、とれないであろうデータを無理して、逆に言いますと努力して書いていただいた場合にはエラーが生じ得ることも認識しなければいけませんので、そこは、全ての作業をワンステップで全部やり切って、いきなり数字が出て、後戻りできませんということではなくて、作業する段階で委託業者と少し打ち合わせするといいますか、ちゃんと相談しながら、ステップワイズで作業を進めていくようなことも含めて工夫させていただきたいと思っておりますので、そういった過程で幾つか専門的なアドバイスもいただきたいと思います。いろいろ御指摘いただければと思っておりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思っております。

○田中委員長 かしこまりました。よろしゅうございますか。
では、千葉委員どうぞ。

○千葉委員 細かい話なので、どうでもいいかなと。今、課長がお話しになったのは、集計の段階での御相談というところになるのかなと思ったのですけれども、例えば2-1の調査票で言うと、これは特養なので、社会福祉法人。したがって、会計基準も幾つかに分かれている。今回調査の考え方というか、前の方針のところでも書いたように、いろんな会計基準にきめ細かく適用させましょうということで御配慮されていると思います。
質問は何かといいますと、社会福祉法人会計基準の新会計基準になると、例えば調査票で申し上げますと、12ページのところに、最初に適用している会計ルールを振り分けるようになっていて、指導指針だったら、該当がない場合だとAにいきなさいとか、新会計だとBにいきなさいと、こうなっていますね。
この中で、特に消費税絡みでちょっと気になるなと思うのが、新会計になるときに整理し直された委託費、いわゆる派遣労務の部分のコストが人件費のほうに新会計だと入ってくることになるので、多分、今の話で言うと調査票Bのほうの人件費が実は込みの、本当は決算書上はそのはずなのだけれども、その下のほうを見てくると業務委託費ということで派遣委託費というのが書いてあるということなので、要は記載要領のところで丁寧に書いておいた方が良いと思います。人件費は派遣人件費も込みで丸々書いておいて、業務委託費がさらにダブルカウントされると何か変な数字が出てしまうということもありえます。決算書をベースにしながらも、そこのところの取り扱い等々、これを含めて、例えば引当金繰入のほうも各勘定の中にばらばらに計上されるなど、いろいろ取り扱いが変更出てきますので、その辺、記載要領で御注意いただければよろしいかなという、テクニカルな意見でございます。
以上です。

○田中委員長 これはアドバイスということでよろしいですか。

○千葉委員 そうです。

○田中委員長 私も1つ、テクニカルな質問をさせてください。むしろ渡部委員に教えていただいたほうがいいかもしれませんが、今の2-1の17ページですね。一番下に特別支出とありますね。ほかの会計だとみんな特別損益と書いてあるのですが、社会福祉法人だから特別支出という言い方をしてあります。特別支出の中で消費税課税対象はどんなものがイメージできるのでしょう。他会計繰入金とか設備の償却、設備を廃棄したときに消費税が出てくるとは思わないのですが、これはどんなものがイメージされるのでしょうか。ほかのところの特別損失ではないのですね。特養だけ出てくるのはどういう理由でしょう。テクニカルな質問で申しわけないけれども。

○説明者 この調査の費用の部分で、収支差率を出す際に、上のほうの事業活動支出以外では、17ページの下のほうですが、借入金の利息ですとか、それから、御指摘の特別支出のうちの本部会計に帰属する経費、このあたりまでが集計対象として押さえることが必要な項目と考えております。
 特養の調査票の場合には、その法人本部に帰属する経費として、これが特別支出に整理されているのですが、ほかの調査票によっては事業活動支出の中に入ってくるものも会計によってはありまして、基本的に並びでそこは押さえておかないといけないと考えます。それから、事前に関係団体にも、今回、消費税の話もありますので御意見を伺っております中で、この法人本部に属する経費として、消費税の課税、非課税両方あるというお話もございましたので、ここの項目を1つ立てたということでございます。

○渡部委員 特別支出というところを見ますと、田中委員長がおっしゃられるとおり、繰入ですとか廃棄損ですとか除却損ですとか、そういったものが一般的には想定されます。そういったものは消費税対象外という項目ですので、うち消費税は、では何があるのかと。唯一というか、ほかにもあるかもしれませんが、特別勘定は、ごみためと言うと表現がよくないのですが、上で整理されないものがここに来ると。例えば今年度処理すべきではない過去のものを今期払ってしまったと。前期損益修正ですね。それが仮に消耗品費であったと。そうするとそれが課税支出に該当するかと。ですから、表現が悪いのですが、余り想定されないのですが、何が入るかもわからないと。ですから、課税がないとも言い切れないので、個人的にはこれはあったほうがよろしいのかなと思っております。

○千葉委員 逆にその関係で質問なのですが、これは渡部先生にお伺いしたほうがいいのですが、今ここの特別の中で繰入は本部だけに限っていますが、例えば特養の場合だと、他の特養に繰入とかいうのがあるではないでしょうか。そういうものについては、本部のほうの消費税だけつかんで、他のものについては消費税つかまなくていいのでしょうかね。どう思われますか。

○渡部委員 これは、うち会計区分外繰入支出という特別収支の中で、本部以外のものも含めて、他施設事業所への繰入をそのさらに小科目として把握するという御理解でよろしいですね。

○説明者 そこに限定してとる項目でございます。本部に帰属する経費のみを押さえることにしております。

○千葉委員 つまり、それ以外の繰入は、消費税が含まれていても把握しないというか、逆に言うと、繰入全額のところを割り戻して終わりという取扱いですか。つまり、本部で消費税を負担している費用があるから、その分だけ抜き出しましょうということだと思うのですね。ということは、本部以外のところに繰り入れたものについても消費税含まれていたら抜き出さなくていいのですかという質問なのですが。

○説明者 この調査ではあくまでも本部に繰り入れた分を特別支出として集計対象にしているということで、その内訳として課税、非課税を押さえておく必要があるのではないかと考えております。

○千葉委員 あと、これはちょっと私が記憶間違いかもしれないですが、渡部先生にまたお知恵を欲しいのですが、旧の社会福祉法人会計基準の場合、繰入って事業活動外収支の部に計上されていませんでしたか。

○渡部委員 PLはそうです。

○千葉委員 ということは、この調査票はそこのところを組みかえて回答させるという意図でいいのでしょうかね。

○渡部委員 と理解していますが。

○千葉委員 勘定科目をそのまま写し取ろうとすると、旧会計基準の場合、他会計の繰入は事業活動外収支の部のところの支出に出てきているはずなのですね。そうすると、先ほどの繰入とか私が申し上げたのと同じように、決算書の事業活動外収支の部から一回抜き出して調査票には記載する。そして当該事業活動外収支の部のほうからは、当該額を減らした額を書くという調査票になるので、そこのところの記載ミスが生じないよう、要注意ということです。旧会計基準は特別収支の部ではなかったはずなので。もし記憶が間違っていたら、済みません。今、手元にその資料がないので確認できないのですけれども、要チェックかなと思います。

○田中委員長 今の事務局の説明だと、社福独特の会計だから、本部分だけは計上するという趣旨のようですね。それ以外は違う。それが徹底されればいいわけですね。他会計に繰り入れているけれども、消費税をここに計上してくる分は本部に対するものだけだ。ほかの法人についてはそういう会計をとってないから、ここに消費税分は特別費用、特別支出のところにはあらわれないという説明でしたね。それでいいのですね。

○説明者 はい。

○田中委員長 少し理解しました。初めてだから、結構細部にわたると難しいところがありますね。
 よろしゅうございますか、一わたり。
では、今後のスケジュール感を少し教えて、もう一度確認していただけますか。

○説明者 済みません。スケジュール感、この調査のでございますか。

○田中委員長 そうです。

○説明者 きょう、ここで調査案について御了承いただけますれば、来月予定しております給付費分科会に中身をお諮りしまして、これは政府統計でございますので、速やかに総務省に申請いたしまして、7月1日調査時点までに調査が実施できるように、また先生方にも教えを請いながら進めていきたいと思っております。

○田中委員長 ということは、きょう一応幾つか注意するようにとの御指摘がありましたけれども、基本的にこの調査委員会として了承する形をとったほうがいいわけですね。その上で給付費分科会に報告し、そこでさらに承認されると、今度は総務省に頼む。その先が時間かかる。そう簡単にすぐOKとはいかない。だから、2月の段階ですが、私たち、本介護事業経営調査委員会として、細部はさらに工夫していただくとして、趣旨として理解したいと思いますが、その点はよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○田中委員長 では、調査委員会としてはこの案で整理した上で、介護給付費分科会の説明の準備をお願いします。
 ほかに事務局からよろしゅうございますか。
 テクニカルに本当に難しいことに取り組んでいるので大変だと思いますが、よろしくお願いします。本日いただいた御意見を踏まえて、もしテクニカルな修正等があれば、最後は私に一任していただいて、事務局と相談した上で介護給付費分科会に報告することといたしたいと存じます。御了承ください。
 では、この会の今後の日程について説明をお願いします。

○松岡介護保険データ分析室長 それでは、次の会につきまして日程を皆様にお知らせしたいと思います。次回は3月25日、月曜日、10時からを予定しております。場所などにつきましては、決まり次第御連絡させていただきたいと思います。

○田中委員長 年度末の押し詰まったところで申しわけございませんが、もう一度あるようですので、またよろしくお願いいたします。
 では、本日予定していた議事を終了することができましたので、これで終わりといたします。どうもありがとうございました。


(了)

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