ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> がん診療提供体制のあり方に関する検討会> 第2回がん診療提供体制のあり方に関する検討会議事録




2013年1月25日 第2回がん診療提供体制のあり方に関する検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成25年1月25日(金)


○場所

厚生労働省 18階 第22会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

1 開  会
2 議 題
  (1)今後のがん診療連携拠点病院のあり方
  (2)その他

○議事

出席構成員:今村構成員、緒方構成員、神野構成員、北島構成員、佐々木構成員、篠構成員、中川構成員、西山構成員、平岡構成員、堀田構成員、松月構成員、横山構成員、吉川構成員

○岡田がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第2回がん診療提供体制のあり方に関する検討会を開催させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 まず初めに、前回御欠席の構成員の先生を御紹介させていただきます。
 まず、国立大学法人東京大学医学部附属病院放射線科准教授でいらっしゃいます中川恵一構成員でございます。
 続きまして、国立大学法人京都大学放射線腫瘍学・画像応用治療学教授、平岡真寛構成員でございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、次に本日の構成員の出欠状況でございますけれども、伊藤構成員、田村構成員より御欠席との御連絡をいただいております。また、松月構成員より、少しおくれるとの御連絡をいただいております。
 それでは、以後の進行を北島座長、よろしくお願いいたします。
○北島座長 それでは、これから第2回のがん診療提供体制のあり方に関する検討会を開催したいと思います。
 前回いろいろ貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。きょうは、その御意見をもとにしていろいろさらに進んだ御意見を賜りたいと思います。
 では、最初に事務局より資料の御確認をお願いしたいと思います。
○岡田がん対策推進官 では、資料の確認をさせていただきます。
 カメラのほうは、ここをもちまして撮影を終了と、お願いいたします。
(報道関係者退室)
○岡田がん対策推進官 では、お手元の資料を御確認ください。
 まず、座席表、次に議事次第
 資料1 前回の検討会での主な意見
 資料2 質の高いがん医療を提供するための拠点病院のあり方について(案)
 参考資料1 がん対策推進基本計画
 参考資料2 がん診療連携拠点病院の整備に関する指針
 参考資料3 がん診療連携拠点病院指定一覧
 参考資料4 がん医療提供体制の現状と課題
 参考資料5 検討会の今後の論点及び進め方(案)
 資料に不足・乱丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○北島座長 ありがとうございました。
 資料は皆さんおそろいでしょうか。大丈夫ですか。
 それでは、資料に問題がないようですので、本日の議題といたしまして、お手元の資料を見ながら進めたいと思いますが、本日の議題1といたしまして、今後のがん診療連携拠点病院のあり方、これについて御討議をお願いしたいと思います。
 まず、事務局から資料1、これは、前回の検討会で構成員の皆様に貴重な意見を賜りました。そして、資料1はその意見を集約したものでございますが、さらに続けて資料2、質の高いがん医療を提供するための拠点病院のあり方について、これは案でございます。この案をベースにいろいろディスカッションをお願いしたいと思います。
 それでは、事務局より資料1、2についての御説明をお願いします。
○事務局(秋月) それでは、まず資料1「前回の検討会での主な意見」について御説明させていただきます。
 1つ目が、地域の実情に合ったがん医療提供体制の構築についてということで、1つ目の点が、2次医療圏に原則1つということで設置しておりますけれども、この2次医療圏にこだわるというのは現状に即していないのではないかという御意見をいただきました。
 2つ目が、拠点病院のない医療圏がまだ112残っていますけれども、もう限界ではないかと。これからは、患者さんに必要なサービスを届けるということを拠点病院のゴールとしてはどうかという御意見をいただきました。
 3つ目が、国立がん研究センターではさまざまなガイド、それから冊子、本などを作成していただいているわけですけれども、それがなかなか必要とする人へ届いていないと。がんセンター、都道府県拠点、地域拠点という階層があると、どこかでその情報が途切れてしまっているのではないかと思う。
 4つ目が、拠点病院が「点」であり、その施設で自己完結の医療を提供しているところに問題があるだろう。指定要件全てを満たさないと拠点病院になれないため、特色のある診療を提供していても、拠点病院とつながらない。例えばグループとして、あるいは面として地域で完結できるような提供体制が必要ではないか。
 5つ目が、下線部のところですけれども、地域による格差を理解した上で、現状に活を入れられるような新しいシステムづくりを目指すべきではないか。
 6つ目が、拠点病院についても、全てのことができなくとも、それぞれの特殊性を見定め、それを患者に伝える仕組みが必要ではないかという御意見をいただきました。
 その後、がん医療コーディネーターの御紹介、それから、かかりつけ医の重要性についても多くの御意見を頂戴しました。
 西山構成員から、がん治療学会で取り組まれている「がん医療コーディネーター制度」について御紹介をいただいたところです。
 2枚目に参りまして、その後、特にかかりつけ医について多くの御意見をいただいたわけですが、既に10万人いる全国のかかりつけ医の機能を強化して、かかりつけ医を多くの国民の方に持っていただきたいと。そして、相談役としても利用できるのではないかという御意見がございました。
 また、ホームドクターとしっかりつながっていると、かなりの部分のコーディネートというのはホームドクターか担えるのではないかと。ただ、そこまでホームドクターが機能するには、コーディネーターに期待される役割というのは今のところ大きいという御意見をいただきました。
 3つ目が、緩和ケアの研修には開業医の方の参加が少なく、必ずしも開業医全員の方が同じ認識に立っていないのではないか。
 4つ目が、病診連携の中で実際に患者を診る機会をふやして、かかりつけ医も学び、緩和ケア研修への参加意欲を高めていくことが重要ではないか。
 次が、医療コーディネーターが全てをやるということではなく、かかりつけ医やソーシャルワーカーとも相談した上で、患者さんは知りたいことを客観的にある程度示唆してくれる人を目指しているという御意見がありました。
 最後に、がん医療のプライマリーケアを担う身近な病院、診療所のあり方、チーム医療のあり方を提示していくことが重要ではないかという御意見でした。
 その後、相談支援センターや患者会の役割についても御意見がございまして、相談支援センターの認知度がまだ余り高くないだろうと。知っていても、何をどうしてくれるのかがわからない、主治医以外の方に相談するというのが、ちょっと敷居が高くてなかなか利用が進んでいないのではないかという御意見がありました。
 2つ目は、神奈川県立がんセンターの御紹介ということで、患者会というのは、県立がんセンターの相談室に支えられているということで御紹介いただきました。
 3つ目が、医療関係者の中には、まだ患者会や患者を身近に寄せることに抵抗を持っている方もいると。3枚目に参りまして、地方に行くとまだまだ壁は高いと聞いていますと。
 次が、地域連携パスに関してですが、全ての患者が使える地域連携パスというものを広げていく必要があるのではないか。
 それから、希少がん、難治がんについては、ある程度、症例を集積して経験値を積まないと適切な医療ができないので、今後は集約化を図るべきかどうか、そういう仕組みをつくるかどうかが重要なポイントになるだろうと。
 そして、最後に臨床研究の推進ということで、臨床研究の機能についても拠点病院に付与してもよいのではないかという御意見を頂戴いたしました。
 次に、資料2について御説明させていただきます。資料1で今、御紹介したとおり、さまざまな御意見をいただいたのですが、今回は資料1の、特に地域の実情に合ったがん医療提供体制の構築ということで、拠点病院の全体のあり方について主に議論していただこうということで資料を作成いたしました。
 まず、1枚おめくりいただきまして資料の2枚目ですけれども、これは前回もちょっと御紹介したのですが、拠点病院及びそれを取り巻く現状と課題ということで、これまで全国どこでも質の高いがん医療を提供することを目指して、全ての2次医療圏に原則1つを目指して拠点病院を整備した結果、現在397の医療機関が指定されております。
 拠点病院及びそれを取り巻く現状と課題ですが、まず1つ目が、拠点病院間に、当然なのですけれども、その病院の規模、実績、人の配置、地域連携、相談支援、人材育成などなど大きな差があると。そして、今、5大がんの集学的治療を実施することを求めていますけれども、全ての拠点病院が必ずしも十分な実績を持っていないと。
 また、均てん化については一定の進捗はございまして、今、2次医療圏に68%整備されているのですが、いまだに113の医療圏では拠点病院が整備されていないということです。
 3つ目が、特定のがん種に対して高度な医療を提供している医療機関の位置づけをどうすべきかといった課題もございます。
 4つ目は、患者にとってわかりやすい制度にすべき、あるいは都道府県からは、個々の地域の実情に応じたきめ細やかな制度を求める声もあります。
 5つ目が、拠点病院のみを「点」ということではなくて、より医療連携を進めていくような制度にすべきとの御指摘もあります。
 3枚目ですが、こうした現状と課題を踏まえまして、どういったことを改善できるかということで、下の青い四角に幾つか検討してはどうかということで御提案させていただいております。
 1つ目が、拠点病院の機能を高めるとともに、拠点病院のない地域のがん医療を充実させるため、医療機関単独での指定のほか、拠点病院と以下の群指定を検討してはどうかということで、後ほど詳しく説明いたしますが、1つ目が、準がん診療連携拠点病院、これは仮称ですけれども、これとの群指定、グループの指定ということです。それから、2つ目が、特定領域で高度な診療機能を持つ医療機関との群指定。
 2つ目が、拠点病院制度においてPDCAサイクルを確保するような仕組みを盛り込む必要があるのではない。
 3つ目が、臨床研究機能等、拠点病院の新たな機能や役割としてどのようなものがあるかということです。
 それぞれについて御説明させていただきます。スライドの4枚目ですけれども、まず、1つ目の?準がん診療連携拠点病院との群指定の案でございます。
 まず、1つ目の点ですが、今、空白の医療圏がございますけれども、ここに今後これ以上に拠点病院を整備していこうというのは難しいのだろうと。ただ、拠点病院を今、整備することが難しいという地域でも、やはりがん医療の均てん化は重要な課題でございます。
 2つ目が、また、拠点病院の機能を高めるためにも、地域の医療資源を最大限に活用していくということで、拠点病院単独の医療機関というだけではなくて、求められている機能を複数の医療機関が連携して担うことも想定した制度設計というものが必要なのではないかと。
 3つ目が、具体的には、拠点病院のない空白の医療圏を中心に、がん医療を担う「準地域がん診療連携拠点病院(仮称)」と拠点病院を群として指定することとしてはどうかということで、その下にイメージを示しておりますが、左が医療圏1ということで、中核都市をイメージしております。右側の医療圏2で空白の医療圏をイメージしておりますが、右側にはB病院という、拠点病院の要件は満たさないけれども、医療圏のがん医療を担っていると。こういうところは、医療圏1にある拠点病院と連携して、グループとして指定を受けることを考えてはどうかということです。
 次の5枚目のスライドには、その全体像をお示ししております。
 まず、今、都道府県に1つ設置されている都道府県がん診療連携拠点病院、これが県の取りまとめ役ということになるわけですが、その下に、下というか各医療圏のほうに地域がん診療連携拠点病院がございます。そして、各医療圏の集学的治療を担っていると。
 今回、新しく認めてはどうかというのが、その準拠点病院でございまして、これは空白の医療圏を中心に整備をして、その医療圏で受けることが望ましいがん医療を提供していくということでございます。
 その後、6ページから9ページまで、各都道府県では現在空白の医療圏をどのような考え方をしているかということで幾つか例示しております。
 参考1の千葉県の場合ですと、少しグレーになっている山武長生夷隅医療圏というところですと、かなり縦長の構造になっていますので、複数の隣接の医療圏の拠点病院で今がんの医療を受けているというような状況です。
 それから、参考2は山梨県の場合ですけれども、この場合は、中北医療圏のほうに拠点病院が3つございますので、峡東医療圏、それから峡南医療圏は、この中北医療圏の拠点病院を受診しているというような状況でございます。
 8ページ目、山口県の場合ですが、これが先ほど事務局からお示ししたイメージに一番近いものなのですけれども、空白の医療圏が左の長門保健医療圏、それから真ん中の萩保健医療圏がございまして、それぞれにがん診療連携推進病院というものを山口県が独自に指定しておりますが、萩保健医療圏の場合ですと、その推進病院と?山口の赤十字病院、ここが連携して対応しているということです。
 それから、9ページの鹿児島県の場合でございますが、この場合は、鹿児島保健医療圏という黄色のところに拠点病院が集中しておりまして、隣接していなくても、その医療圏の境を、ほかの医療圏を挟んだ形で、右側にある曽於保健医療圏であるとか、熊毛保健医療圏といったところをカバーしているというような状況でございます。
 次に、10枚目でございますが、では、この準拠点病院をもし指定していくとなった場合に、どのような論点があるかということで、1つ目が、その準拠点病院には、どのような機能あるいは役割が期待されるだろうかということです。
 1つ目のポツに書いてございますとおり、その準拠点病院というのは医療圏内で受けることが望ましいがん医療ということになるのですが、例えば、緩和ケアあるいは外来化学療法、それから高度な技術を要さない手術、患者数の多い胃、大腸、乳がんの手術などということで例示をしております。それから、地域連携については、当然拠点病院との連携というものが求められるわけですけれども、特に、その拠点病院で初期の治療を終えた方のフォローアップであるとか、あるいはまたコミュニティーでの在宅医療の提供機関との連携、こういったものも含まれるだろうと。そして、相談支援に関しても、特に地域連携に関する相談、そしてがん登録、こういったものが考えられるのではないかと。
 2つ目が、逆に放射線治療、それから研修の開催あるいは診療実績については、今、拠点病院に対しては、年間入院がん患者数1,200人以上ということを求めているわけですけれども、そこまでは求めなくてもよいのではないかと。あるいは、セカンドオピニオンの提供については、拠点病院の要件よりも緩和してはどうかと考えております。
 それから、?ですが、準拠点病院と拠点病院との具体的な連携については、都道府県において主体的に調整をしていただくことにしてはどうかということで論点を上げております。
 次が、11枚目ですけれども、?の特定領域で高度な診療機能をもつ医療機関との群指定ということで、医療機関の中には5大がん全てに関して集学的診療機能は有していないのですけれども、特定のがん種について、拠点病院以上に高度な診療機能を有し、診療実績を持つ医療機関も存在しております。
 そしてまた、拠点病院の診療機能を高めていくには、既存の拠点病院とこのような医療機関との群指定をすることも一案ではないかと。
 この場合も、先ほどの準拠点病院と同じく、拠点病院との具体的な連携については都道府県において主体的に調整をしていただくこととしてはどうかということで、これも下に、例えば乳がんに強いB病院がA拠点病院と群として指定を受けるということでイメージを示しております。
 次に、12枚目ですけれども、拠点病院制度におけるPDCAサイクルの確保(案)ということで、ここでは、県に1つ指定されている都道府県拠点病院について例示しております。
 都道府県拠点病院は平成18年から設けられているわけですが、県の取りまとめ役として、がん対策診療連携協議会の設置、それから拠点病院間の情報提供とか症例相談、診療支援、さまざまな情報を共有していくということが期待されておりますが、ちょっと調べたところですと、がん対策診療連携協議会の開催の実績、あるいは研修の開催実績を見ますと、活動には大きな差があるのだろうと推測されます。
 現在の制度の中では、拠点病院に対して、都道府県拠点病院も含めてなのですけれども、実績等を報告していただくことを義務として課しておりますが、指標を含めて、各都道府県のがん診療連携協議会で検討すべき内容の明確化や、国によって、場合によっては都道府県の拠点病院を視察するとか、あるいはその下、都道府県拠点病院から地域の拠点病院に対して視察をするとか、こういったことは特段明記はされておりません。
 ですので、今後、こういった拠点病院の制度において、指定要件、指定するということだけではなくて、PDCAサイクルを確保するような方策も必要ではないかということを御提案させていただいております。
 13枚目は、御参考までです。現行の都道府県がん診療連携拠点病院の要件に求められていることを記載しております。
 14枚目が、全国の都道府県の拠点病院の一覧でして、約半数が大学病院、そして残りの約半数ががんの専門病院であったり、成人病センターであったり、県立中央病院であったりということで、現状の一覧を示しております。
 15枚目ですけれども、都道府県がん診療連携拠点病院のがん対策診療連携協議会の開催回数ということで、これは、自己申告をされた回数をそのままグラフにしておりますので、多少都道府県により解釈が違うところもあってかなり大きな差が出ているのですが、1回というところもあれば10回を超えるようなところもあるということで、少し活動に差があるのかなという感じがいたします。
 それから、16枚目は、研修の開催回数ですけれども、これも1回というところから数十回開催しているというようなところもございまして、その活動には大きな差がございます。
 17枚目、最後ですけれども、臨床研究の機能と新しい機能や役割(案)ということで、1つ目のポツですけれども、現在、「質の高いがん医療の全国的な均てん化」を達成するため、拠点病院の要件には、スライド10ページに示したような事項が含まれております。詳しくは、参考資料にもございますので、適宜ごらんください。
 ただ、2つ目にありますとおり、臨床研究については、「進行中の臨床研究の概要及び過去の臨床研究の成果を広報すること。」及び「参加中の治験について、その対象であるがんの種類及び薬剤名等を広報することが望ましい。」、この2つだけが今、要件となっております。
 一方、現在、がんの新薬開発というものが進められているわけですけれども、患者さんが実際に安全に、高度で、先駆的な治療を受けるためには、「標準治療」というものを確立していくことが重要です。そのためには、国際基準に対応した多施設での共同臨床試験を実施できる体制を構築することが必要であり、がん臨床研究に実績のある病院が集中する拠点病院を活用することができるのではないかと。
 4つ目が、この臨床研究を進めるには、当然、標準治療の実施というものが前提にありますので、臨床研究を進めることで、この標準治療の実施がより推進されるのではないかといった効果も期待されると思っております。
 5つ目が、今後、拠点病院に対して、臨床研究を推進する体制や研究の実績、幾つか例を上げておりますけれども、治験とまでいかなくても、承認された薬の長期的な安全性や効果の検証、あるいは合併症のある方や高齢者の方への治療法の開発、新薬と手術療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療法の開発、こういったものを評価して、その結果、例えば国際学会で発表したとか論文の数とかいろいろあると思いますけれども、そういうものについても報告を求めていくなど、拠点病院の枠組みを活用して、より早期に標準治療を確立し、最新の治療を全国で確実に受けられるような体制づくりを進めてはどうかということを御提案しております。
 最後に、これ以外にも、新たに求められる機能としてどういったものがあるかということで、後ほど御議論いただければと思います。
 最後の3枚が臨床研究の実施体制ということで、18枚目はCRCの常勤数、それからデータマネジャーの常勤数。これは常勤ですので、非常勤を加えるともっと多くなるのですけれども、ここには常勤数のみお示ししております。
 それから、19枚目が、実際の臨床研究の、あるいは治験のプロトコール数ということで、臨床研究であれば3分の2ぐらいのところはやっておりますし、治験であっても約半数のところがやっているということです。
 最後が、臨床研究の実績?ということで、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)への参加状況ということをグラフにしておりますけれども、左上が都道府県のがん拠点病院、これは今、全国で53、国がんも含めてということになりますが、そのうちJCOGに参加しているのが87%ということで、多くの施設が参加していると。逆に、地域の拠点病院になりますと、現在参加しているのは27%ということになります。
 そのJCOGの登録症例数、真ん中の下ですけれども、10例以上ということで見ますと、拠点病院が93%ということで、JCOGにおいても、拠点病院が大きな役割を果たしていることがわかるかと思います。
 事務局からは以上です。
○北島座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明をいただいたわけでございますが、資料についても議論の中に含めさせていただきたいと思います。
 今後、このディスカッションの方法ですが、今、事務局から御説明いただきました資料2の3ページ、括弧でくくってあるところですが、それにまずお目通しいただきたいと思います。
 まず最初に御意見をお伺いしたいのは、特に本日の議論のポイントとして、先生方の第1回での御意見を参考にしてここに集約したものだと思いますが、まず、準がん診療連携拠点病院、これは仮称ですが、それとの群指定についてここに書かれてございます。特に、全国の均てん化では、既に2次医療圏に1カ所ということで65%完遂されております。しかし、その中でいわゆる113が、まだ拠点病院としての機能を持っている病院がないということも勘案いたしまして、まず、拠点病院のない地域のがん医療を充実させることが重要です。これは、あくまでも患者さん目線ということで前回御意見をいただいたと思いますが、準がん診療連携拠点病院との群指定、それから特定領域で高度な診療機能を持つ医療機関との群指定、ここについてまず御意見をお伺いしたいと思います。
 それから、前回御意見をいただいた中で、まとめて先ほど御説明いただきましたが、それも含めて御質問がありましたらお受けしたいと思います。どうぞ。
○神野構成員 それでは、ちょっと意見を述べます。今のここで言う準がん診療連携拠点病院あるいは高度なものとの群指定に関しては賛成です。ただ、御承知のように、がん診療は、脳卒中とか、あるいは急性心筋梗塞と違って、時間的には、最初の診断がついてから次の治療機関を選ぶときに、患者さんにとっては時間があるわけです。急がない。とするならば、前にも意見がありましたように、1つの医療圏で全部完結する必要はないのががん診療であるわけです。とするならば、まず、大きな研究機関等を中心としたがん診療拠点病院を医療圏と関係なくきちんと整備していただいて、そして、そこで診断なり、あるいは治療の方向性というものが決まった時点で、御自分のお住まいの近くの、ここで言う準拠点病院にお願いして、そこで化学療法とか、あるいは放射線治療とか、あるいは、場合によっては緩和ケアあるいは合併症の治療を行うというような姿のほうが、より患者さんにもコンビニエントであると思います。
 ただ、ここでは準拠点病院まででありますけれども、これに今度は終末期とかということになってきますと、もう一つ、今度は前回やったようなプライマリーケアを担うような医療機関も入っていただかなければならないと思うわけであります。そういった意味では、拠点病院を中心として、準拠点病院、それからその次も含めて、クリティカルパスとか、あるいは研修とかといったものを、きちんと統一したものをつくることが必要なのかと思います。
 ただ、実は、前もお話ししましたけれども、私の立場としては、がん拠点病院のない2次医療圏の地方の中小病院でございます。一応、県のほうからは準拠点病院、県の認める準拠点病院に、認定されております。ただ、今度、その病院の立場からすると、これは先走りますけれども、準拠点病院でいいのかどうかという、名称の問題です。もしかしたら準がん診療連携拠点病院ではなくて、準と拠点と何か重なって、痛しかゆしでどこか落とされたような感じもしますので、例えば、がん診療連携担当病院とか、協力病院とか名前については今後皆さんもう一工夫していただきたいと思うところであります。
 以上です。
○北島座長 ありがとうございます。
 今の先生の御意見は、前回、堀田構成員から出た御意見で、点から線、線から面、こういうコンセプトだと思うのですね。ただ、ネーミングの問題が今、御指摘ありましたが、それは後で議論するとして、準拠点病院には、在宅医療提供機関との連携ということも機能として要件としております。要するに現在ある都道府県拠点病院のその下に、準とか、どういう名前になるかわかりませんが、線につながるような、病院をまずつくったらどうか、それは賛成でよろしいですか。
 ネーミングはまた後にしたいと思いますが、ほかに御意見。どうぞ。
○中川構成員 この資料の中には千葉、山梨、山口、鹿児島がありますが、私は東京都の協議会の委員でもありまして、東京都では、都の拠点病院が2つ、それから地域が22、そのほかに都の認定病院が10ありまして、それは恐らく東京都の中での事情、例えば文京区本郷には地域の拠点病院が同じ町内に2つあるんですね。東大と順天堂。一方で、東京の大変大きな足立区、葛飾区にはないといった事情があって、その中で自然発生的に、例えば東京都ではそういう考えが出てくる、それから5大がん別の部位を特定した形の協力病院というものもあって、そういうようなものも参考にされているような印象を持っておったわけです。そういう意味では、神野先生がおっしゃったように、私もこういった考えが必要であろうかと思っております。
 ただ、例えば東京都の例を挙げると、群という考え方はありません。そしてまた、先ほどの話のように、がんというのは一刻を争わない、少し自分で考えて行動できるところがあるという点では、東京都などの場合に群という形で縛ることが果たしてどれだけ有効なのか、患者さんの選択肢という点と整合すればいいなと、そんなふうに思って聞いておりました。
○北島座長 群で縛るわけではないのですけれども、最終的な目的は、堀田構成員が前回、ガイドラインとかそういうものをつくっていても、それが末梢まで浸透していない。では、浸透させる機能を持たせるためにはどうしたらいいか。その一つのコンセプトとして、都道府県がん拠点病院を中心に、地域、それから、その拠点病院がないところには、名称は別にして準拠点病院を置いて、一つのコミュニケーションがとれるようなシステムにしたい、組織にしたい、そういう考えでよろしいですか。
○中川構成員 そうですね。それと、今、座長がおっしゃったような都道府県の拠点病院を頂点とするそういう仕組みができたときに、東京都の場合には、例えば足立区の患者さんが千葉で治療する、あるいは埼玉の方が東京で治療する、そういうことがもう極めて多いのですね。それを考えると、若干柔軟性がないと、かえって縛るというところもあるので、その部分をちょっと注意しなければいけないと思って聞いておりました。
○北島座長 どうぞ、今村構成員。
○今村構成員 ここに書かれているような考え方自体には特に異論はありませんが、連携という言葉は非常に美しくて大事な概念ではあるけれども、とかく無責任体制と言っては語弊があるかもしれませんが、そういう状況になりやすくて、誰が本当にきちんと中心になってその方を診ていくのかということが難しくなることがあると感じています。
 クリティカルパスも、理屈としてはわかるのですけれども、それが本当にどのぐらいきちんと機能するのか。これは後ほど議論になるのだと思うのですけれども、例えば今、都道府県の連携拠点病院のさまざまな研修会であるとか、あるいは協議会の開催回数を見ても、これほどの差が都道府県の中で、日本の中であるのが現実です。したがって、整備しなければいけないという大きな目標はあるにしても、整備しても実態にはこういう差が出てしまっている。やはりその連携を構築するのであれば、きちんとした連携が担保されるような仕組みの中でやっていただかないとまずいのではないかというのを感じています。
 それと、名称の話は後でということですが、おおむね行政のこういう名前のつけ方というものが、多分今日は患者さんの団体からも来られていますけれども、よく意味がわからないですよね。都道府県の拠点病院なのか地域の拠点病院なのかといっても、何をしてもらえるのかということについては非常にわかりにくいので、そういうことも今後の名称の中でよく考えていただけるとありがたいと思っています。
○北島座長 そういう組織をつくって機能した場合、その機能が実際にやられているかどうか、この検証が一番大事だと思うんですね。いろいろなことに対して、提言とかが出てくるのですが、それが現実に実行されているかどうかのチェック機構がないんですね。それが、括弧でくくってある2番目のPDCAサイクルの構築、ここで恐らくチェック機構が働くのではないかと思います。
 緒方構成員どうぞ。
○緒方構成員 今の準がん診療連携拠点、仮称であるということですが、実は私は患者会の代表ですので、患者の立場から言いますと、まるでがんの診療の上、下みたいな、そういう印象をどうしても受けてしまうと思います。がんの患者の立場からすると、最高の医療を受けたいと思うので、一体全体、近所の病院に行ってそういう医療が受けられるだろうか、命にかかわる病気なのにという印象を受けてしまうと思うんですね。
でも、本当は、高齢だったりさまざまな事情で近くの病院に越したことはないのです。ですから、もしも、かかった近くの病院で手術や治療が難しい場合、手術ができる拠点病院などを紹介してもらえるのだという、はっきり患者に伝わるようなシステムが欲しいと思います。
 今、実際問題、曖昧な感じかもしれませんが、もう連携は行われています。もうここでのがんの治療は終わりましたので、どこどこ病院であとは受けてくださいと言われたとき、患者は今、見放されたとか見捨てられたという感じを持ってしまっています。こういうことが制度化されることで、その誤解も解けるし、とてもいいことだと思いますが、ぜひ患者のそういった思いというものも考慮してシステムをつくっていただきたいと思います。
○北島座長 緒方構成員のお話、よくわかるのですが、やはりこの委員会がスタートするときに、あくまでも議論は患者さんの目線でしましょう、こういう申し合わせがあったと思うんですね。ですから、恐らく皆さんの意見というのは、病院の目線ではなくて、あくまでも患者さん目線で議論を出していきましょうということですので、準拠点病院の構築というのは、今まで空白の地域をどうするか、そこを救済するために、拠点病院と協力して準拠点、名称は後で決めますけれども、そこで、その準拠点にはこういう機能が必要ですよということまで踏み込んでいるのですね。ですから、その辺を御理解いただいて、そういうシステムができた後で、それを患者さんにどうやって御理解いただけるか、その方法ですね。例えば病院のところに掲示することも可能でしょうし。
 例えば大学病院で、ここは教育病院ですから、学生が採血などの医療行為をやることもありますとか、そういうあれがありますよね。ですから、そういう方法をとるのも、患者さんに理解いただけると思います。それもまた御意見をいただきたいと思います。
 では、堀田構成員からどうぞ。
○堀田構成員 こういう形で最初の検討会での総論的な議論を取り上げ書き込んでいただいてありがとうございます。私としては、2次医療圏に1つということで進めてきたがん診療連携拠点病院が、どうしても設置できない医療圏が113あるところを、これを無理やり拡大していくというやり方にすると、さらに病院間の格差の助長につながるということがあると考えます。したがって、もう少し幅広く地域を面として対応できるという考え方自体はとてもいいことだと思います。
 逆に言えば、今まで整備してきた397拠点が妥当かどうかということも含めて見直す必要が一方ではあると思うんです。というのは、かなり無理して整備してきたところがあって、拠点病院が本当にそこまでの機能を果たし得るかどうかということも考える必要があり、それも含めて準拠点というものを考えてもいいのではないかと思います。
 準拠点というのは、病院のレベルではなくて、役割分担と考えるべきだと思うんですね。したがって、例えば、先ほどありました相談支援というのは、セカンドオピニオンも含めてかなり専門的な提供をしなければいけない部分もありますから、そういうところまで準拠点に求めなくてもいいのではないかと思います。ということは、逆に言えば、地域の開業医の先生も日々患者のがん相談には乗っているわけでありますから、そういったことは前提としてあるのだけれども、さらにプロフェッショナルな対応をするときは拠点が行うというような役割分担をして、全体として、先ほど中川先生は、東京なんかだと入りくりがあって、必ずしもこことここが連携しているからここの病院に行かなければいけないというような縛りにしてしまうと大変問題が多いというご指摘もあるので、病院群は緩く考えてもいいのではないかと思います。
○北島座長 では、松月構成員どうぞ。
○松月構成員 この群指定ということと準拠点病院という考え方は、基本的に大賛成でございます。ただ、これが、では病院だけなのかというと、先ほど今村構成員からもありましたように、例えば訪問看護ステーションであるとか、24時間対応している多機能であるとか、そういうところとの連携マップみたいなものが具体的にありますと、患者さんも安心して、私は、ここでだめだったら、ここへ連絡してもらってスムーズに行けるのだなという安心があるということが重要かと思うんです。
 そのとき、やはり一番ネックになるのが、その患者さんの情報を、この群、グループ内、またはそれと関連のある地域、病院で、どうやって情報共有しておくかという、その共同利用という考え方を少し入れないと、絵に描いた餅になってしまって、指定はしましたが、なかなか連携って、実際は物すごく格差があるというようなことがあるので、パスもとても重要だと思いますが、そういう目に見えた形のマップのようなものを明らかにしておくことはいかがかと思いました。
○北島座長 ありがとうございます。
○吉川構成員 広島県では現在、がん医療連携ネットワークというものが組まれています。平成21年度から今年度24年度で、5大がんに関するがんネットワークが全て完成されます。それは、病院あるいは診療所を検診レベルから精密検査、それから、これはがん拠点病院に相当するのですが総合治療施設、その後のフォローアップ、化学療法、それから一般のフォローアップ、それから緩和治療、そういう病院群に分けて、それをある一定基準のことを確認した上で、そういう病院群を登録してホームページ上に載せてという形で現在やっています。既に乳がん、肺がん、肝臓がんはもうアップしましたし、今年度中には胃がん、大腸がんもアップする予定になっていますので、今想定されているものの形がある程度でき上がっているのではないかとは思います。
 ただこれは、がん拠点病院という言葉はその中には現実的には入っていませんし、2次医療圏も特定していません。ただ、患者さんのニーズには合うのではないかと。ホームページで誰でも見えるような状態で確認できますので、そういう形で現在進めています。
○北島座長 そうすると、やはり都道府県のがん拠点病院、準拠点病院という構築ではなくて、病院がお互いにホームページの中から情報を共有していくという形ですか。
○吉川構成員 県のホームページの中にそういうページがありますので、そこに全てが載る形になります。もちろんがん拠点病院は、その総合治療施設に全て入ってくるわけですけれども、それを5大がんそれぞれでつくっていますので、例えば乳がんを中心にやっているところがあれば、乳がんの総合治療施設にはなるわけです。
○北島座長 例えば準拠点病院まで基準として到達していないが乳がんとか甲状腺がんとか、非常に優秀な先進的治療をしている、病院も組織に入っているわけですか。
○吉川構成員 はい。今は5大がんに限られていますので甲状腺がんはちょっと入ってきませんが、乳がんは入ってきます。
○北島座長 先ほど事務局の説明は、準拠点とプラス、例えば特殊な甲状腺がんとか、そういうところにたけた病院も、名称はまた別として、協力していただく傘下の病院に加えたらどうかと。そういうことを含めて群という仮称で説明いただいているわけなのですけれどもね。
○吉川構成員 ただ、今のネットワークの中では、グループとしてやるとかというのはないので、そのネットワークの中で、個々にクリティカルパス等を利用して連携していくという発想だと思います。
○北島座長 そこが今、大事なことなのですね。クリティカルパスが、うまく共有できるかどうか、そこが大きな問題なんです。
○吉川構成員 これに関しても、現在、大腸、胃がんの領域では県統一のパスをつくっていますので、それで動かしていこうという話に進んでいます。
○今村構成員 よろしいですか。吉川構成員のおっしゃっているお話は、都道府県の地域医療計画の中のがんの仕組みなのではないかと思うんですね。だから、都道府県は4疾病と5事業、特に疾病については、がんについて、今、先生がおっしゃったように機能を全部明らかにして、クリティカルパスをつくって開示をして県民が見ることができるようにということを、広島県が大変先進的にきっちりとやられて仕組みができ上がっているのだと思います。
 この委員会の中で議論する拠点病院は計画の中に必ずしも名前が載っていないケースもあり得るわけです。そもそも医療法に基づく医療計画をつくるときには、そういう概念を入れないでも計画ができるようになっていて、一方では、今度のように拠点と準拠点の整備みたいな話になっているわけで、そこをもう少しきちんと整理しないと、いろいろな仕組みが同時に走るということになるのではないかと危惧します。この点について、事務局的としてはどういうお考えでいらっしゃるのか教えていただけたらとと思うのですけれども。
○北島座長 どうぞ。
○岡田がん対策推進官 今、今村先生がおっしゃったことはごもっともだと思っております。今、医療計画の見直しがされておりまして、疾病別の医療圏の見直しということ自体が、都道府県には求められていると。今回この制度を御議論いただくに当たって、個々の自治体がどういう形で見直してくるかというと、まだはっきり見えていないのですけれども、そういう見直しの動きとともに、ちょっと今回、事務局から提示させていただいた案の趣旨は、患者さんのトータルの治療を見ていった場合に、1つの医療機関で、手術から、維持療法、治療から完結していないような状況がふえてきている中で、その連携というものをこの制度の中で強めるというところに趣旨を置いていまして、医療圏の見直しという議論と、こちらの拠点病院という連携の仕組みとをどこかで整合していく必要があると思っております。
 今回は、まず、非常に大枠の考え方の御議論を今いただいていると理解しておりますけれども、詰めの段階ではそういう検討が必要かと思っております。
○北島座長 地域によっては、特定機能病院、大学病院が拠点病院となっているわけですね。広島県でも都道府県拠点病院はありませんよね。広島大学が特定機能病院としてがんの拠点病院になっている。ですから、県としてほかに認定することがないので、そこでそういうシステムを構築されているということだと思います。
 神野先生。
○神野構成員 私どもの県も含めて多くの県で医療計画を今策定中です。広島県はもっとリーダーシップを持ってやっていらっしゃるかもしれませんが、今村構成員もおっしゃっるように、手法としては、各病院に、あなたたちはどういうがんができますか、何ができますかと、それを申告させて、それをリストアップしていき、それを県民に開示するというような形がメインではないかと思います。
 こちらとの関係で、結論としては同じものができるかもしれませんけれども、ただ、きょうここで挙げていただいたように、後で出てくるような研究とか、それから、がん医療を引っ張っていくというような立場の考え方というのは、医療計画の中ではそれは全然ないと思いますので、老婆心ながら、もしここでこのがん拠点病院をきちんと定義するとするならば、後で出てくる研究あるいは新しい開発とか、リサーチとか、そういったところに特徴のあるものを整備するのだという考え方が必要かと思います。
○北島座長 ありがとうございます。がん拠点病院は、まずクオリティーの問題、これを整備していくこと。その1つが、臨床研究などを実際にやっているかどうか、そこまで持っていきたい。ですから、今言われたように、県によっては、広島県みたいに特定機能病院が大学病院しかないところがありますが、そこは県としてフラットにつくっていくのだろうと思います。ただ、今回やはり397の拠点病院で、現在まだ113、そういうものを何とか、拠点病院という名称はともかくとして、患者さんにがんの治療が全て伝わっていく、行われる、そういうことを求めてやっているわけですね。やはり今、空白の医療地域をどうやってやっていくのだ、そこに主眼を置いてディスカッションしていただきたいと思います。
 ほかに。平岡構成員。
○平岡構成員 地域がん診療連携拠点病院をここまで構築されたわけですから、ぜひそれを活用していただきたいと思います。1つのボトルネックと言われている放射線治療についても、多くの大学では、がん拠点病院ということを最も大きな柱にして人材を派遣していると思います。
 それでも、今回のデータを見ますと、かなりこのがん診療連携拠点の中に格差があると。とても標準治療ができているとは思えないところがたくさんありまして、そういうことも含めた連携というものが大事ではないかと思うんですね。場合によったら、この地域のがん拠点病院が減って、準拠点病院に移行するということもあり得るのだということも考慮しなければいけないと思いますもう一つわかりにくいのは、各県が指定した拠点病院の存在、これがさらに事態を複雑にしていると。患者さんから見たら非常にわかりにくいのではないかと思うんですね。だから、各都道府県内の診療連携と、がんの診療連携拠点の中身をきっちり評価して、両者ををうまくマッチさせてやることが非常に大事ではないかと思います。
○北島座長 今、平岡構成員の御意見は、次のがん拠点病院として機能をしっかりやっているかというチェック機構がないということです。恐らくいろいろな委員会の開催の数に非常に格差があるとか、診療の内容もそうだと思うのですが、やはり拠点病院としてうたった以上は、そこに本当にPDCAサイクルが回って、そしてチェック機能が働いて、対策が立てられているか、ここまでやらないと格差はなくなってこないと思うんですね。ですからその辺、次のほうになってしまうのですが、やはり拠点病院、それから準拠点とちょっと使わせていただきますが、準拠点、こういうものをつくっていったときに、その連携方法と、それから実際に機能しているかどうか、そこのチェック機構を今後どうしたらいいかという議論が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。西山構成員。
○西山構成員 私は、ネットワークをつくるということに対しては大賛成なのですけれども、新たに、この仮称で準がつくかつかないかは別にしてこうした拠点的病院をさらに指定していく必要があるのかというところには、ちょっと疑問を感じます。と申しますのは、先ほどから拠点病院間の格差が指摘されておりますけれども、これにまたさらに要件を緩めた病院が加われば、さらに格差が増すことになります。しかしながら、患者さんの側から見ると、例えばこれが、準がとれて、がん診療連携病院とかという形になったとしても、そこへ行ったら全ての治療が拠点病院と同じように受けられると思って行かれると思うんですね。病院側としても、化学療法の専門家がいないのに、やはりある程度のことは行わざるを得ないということになった場合、必ずしもがん医療のレベルの向上にはつながらないのではないかと私は思います。
 2次医療圏にこうした拠点病院が設置できないのにはそれなりの理由があって、それを、要件を緩めて、あえて全方位型の拠点的な病院を指定する必要はなくて、むしろ役割分担を明快にした医療ネットワークの構築と、その公開を強く現拠点病院に求めるほうが正解なのではないかと個人的には思います。
○北島座長 そうすると、現在の397の拠点病院のいわゆる特色とかそういう情報をネットワーク化して、それを患者さんと共有していく、それのほうがいいということですね。例えば、医療として非常に空白な地域、それはどうするのですか。
○西山構成員 その空白の地域も含めて、先ほどお話しがあったように、患者さんは、必ず行くべき病院をわかっていて、空白の地域からよその病院に動いているのですね。その患者さんが、例えばもとの空白地域に戻ったときに、手術は中央の拠点病院で受けるけれども、この病院はうちのネットワークに入っていますから安心して医療が継続できますよと、あえてその病院等をがんの専門病院とかという形で指定をせずに、医療ネットワークの存在を公開するだけ。それを示してあげると、患者さんはまず拠点病院に行って、治療の方針と、その後どこへ行ってどのような医療を受けるべきか、形が見えるので、それに応じて各病院へと動くことができる。新たに無理をして、空白の地域に、要件をちょっと緩和棚上げするような形で拠点的病院をつくるよりはスムーズに動くのではないか。患者さんにとっては非常にわかりやすい。要するに、空白の地域には、要件を満たした病院ができれば新たに拠点病院として認めればよいのですが、あえて現在で要件をゆるくしてまでそうした病院を指定する必要はないのではないかという意見です。。
○北島座長 結局は、拠点病院の中で、ネットワークで、準ではないですけれども、そういう病院を拠点病院が持つということ。だから、フレームワークは一緒ですよね。
○緒方構成員 私も西山構成員の話に全く賛成です。私たち患者は、全ての病院が最高のがん医療をしてくれるとは期待していないし、その必要もないことだと思います。がんの患者は、もちろん最高のところで治療を受けたいのですけれども、でも、今は年をとってがんになる人も多いので、さまざまな病気を抱えていたり、さまざまな事情、例えば介護をしながらがんになったとか、そうすると、もう地域に戻ってきたい。そのときに、西山構成員がおっしゃったように、拠点病院でなければならない役割の病院で手術を受け、そしてそのほかの、拠点病院でなくてもやってもらえることをしっかりとフォローしてもらえる地域の病院、そういう役割分担がはっきりして、それがクリアに患者に伝われば、それが最高だと思います。おっしゃるように、全てにがん治療のいいものをと患者は求めていないと思います。
○北島座長 そうすると、では、都道府県拠点病院がそういう関連施設を全部構築するわけですか。ネットワーク化するのですか。
○緒方構成員 拠点病院がするというのではなく、その辺は私もよくわかりませんが。
○北島座長 では、誰がオーソライズするのですか。そこが一番大事なことなんです。拠点病院がするのか、国がするのか、都道府県がするのか、それを決めないと。そのフレームワークはわかるんです。拠点病院がそういう関連病院の情報を共有して送ると。では、それをオーソライズするのは誰なのですか。
○緒方構成員 誰でしょう。
○北島座長 そこまで議論しないと、これは進まないのですね。
 神野構成員どうぞ。
○神野構成員 今ちょっと申し上げようと思ったことがあれだったのですけれども、先ほど来お話がありますように、全ての患者さんが、一番の都道府県の拠点病院に最高の医療を受けたいと行ってしまったら、とてもではないけれども、今度は拠点病院がもたないですね。緩和ケアから終末期まで全部やってくれ、それから化学療法も、全部の患者さんの化学療法を拠点病院だけでやるということは、とてももたない。そうすると、やはりある程度、例えば化学療法をするにしても、放射線治療をするにしても、副作用をきちんとチェックして、それから、プロトコールをきちんと守るというような病院、あるいは社会的に、相談業務は拠点病院だけでいいという意見もございましたけれども、やはり最低限の相談業務ができるような準は、私は、オーソライズして情報公開しないと、ちょっと言い方は悪いですけれども、ピンとキリだけでその間がないとするならば、みんなピンのほうへ行ってしまって、かえってピンのほうが疲弊してしまうのではないかと思います。
○北島座長 どうぞ。
○横山構成員 空白の医療圏を埋めるということでこういう準拠点病院をつくるという考えは、総論的に全く私も賛成なのですけれども、ただ、実際に空白の医療圏にいる人たちががんになったときに、今、本当にがんの医療が高度というか、質の高いがんの医療が受けられていないかというと、そういう地域もあるのでしょうけれども、恐らく、ある程度時間的な余裕があると先ほど話がありましたけれども、いい拠点病院に行って治療を受けていると思います。ですから、むしろその準拠点病院に求められるのは、むしろ後方連携のような形であって、そこの連携というところが、今この話で見えてこないので、みんなの議論がかみ合わない面が出てきているのではないかと。ネットワークなのか、連携も同じような言葉だと思うのですけれども、初期の治療をやれるような病院があれば、それはもう拠点病院として指定されるべきものであって、そういうところが難しいところの病院が連携するという、その連携の形が見えてくるように何かしていくのが、話がまとまる方向ではないかと私は思います。
○北島座長 だから、名称はともかくとして、都道府県拠点病院のように関連提携病院、要件は全てクリアできなくても、放射線とかそういうものがなくても、がんの治療を患者さんにある程度提供できる施設をその空白地域につくるということです。
 ただ、そのときに、今、先生が言われたように、どうやって連携するかというと、そこへ今度、各論としてクリティカルパスの運用とか共有とか、そういう問題が入ってくるのですね。
○横山構成員 実際、クリティカルパスはなかなか期待どおりには。
○北島座長 では、ちょっと今村構成員。
○今村構成員 座長のおっしゃった、誰がそれをまとめるか、一番オーソライズするというのはすごく大事な論点だと思います。事務局から、千葉県とかさまざまな地域の例示が出されていて、そもそも拠点病院のないところは、拠点病院のある地域に移動してそこの拠点病院にかかっているという実態がある。しかし、例えば拠点病院での入院治療の後、その方々はどのような形で地域に戻っているのか、あるいはずっとそのまま拠点病院で診続けているのか、おそらく多くは拠点病院のない地域に戻って、医療機関連携の中で今でも診られているとは思うのですが、その実態がどうなのかという問題もあります。
 ですから、具体的な名称は別としても、ある程度そういう仕組みの中に組み込むことによって、拠点病院との間できちんとしたネットワークシステムの中に位置付けることが初めてできるのであって、今のように自然な状態に任せて行ったり来たりしているだけでは、国民の方たちにもわかりにくいのだと思います。したがって、適切な名称で仕組みの中に位置付けるほうが私はいいのではないかと思っています。
○北島座長 いろいろな意見をいただいて、時間も限られてきているのですが、患者さん目線で、その空白の地域において、名称は別にして、拠点病院と連携がとれる病院を新たにつくるということは、それはよろしいですか。そうすると、これからは、その連携をどうするか、誰がどうやってオーソライズしていくか、それから、本当に拠点、準拠点として病院がその要件をやっているかどうか、PDCAサイクルのチェック機構をどうするか、こういう各論に入っていかないと、これはいつまでたっても議論が進まないのですね。
 ですから、空白のところにそういう連携・協力病院を置くということはよろしいですか。一応、点を線にしていく、それでよろしいですか。
 どうぞ、佐々木構成員。
○佐々木構成員 地方自治体の立場から言わせていただくと、患者さんの視点からというのが大事なのでしょうけれども、どうしても空白の地域、2次医療圏に原則1カ所というのが都道府県にとっても非常に重荷になっていて、うちの県でも、7つの医療圏のうち4つしか拠点病院のあるところはなくて、その3つを何とか整備しろという県民の声が、そこの地域はどうしても強いわけです。
 ただ、医療従事者の問題とか、専門医の問題とか、そこはもうどうしてもこれ以上整備は厳しいという状況の中で、私どもは空白の医療圏の医療機関、そこにはやはりがんの医療をある程度やっていただける医療機関が当然あって、そこには相談支援機能と、例えば研修機能みたいなものをやっていただくことで、県単としても補助を出して、そういう形で空白の地域を埋めるような努力を私どもさせていただいているわけです。やはり2次医療圏に1カ所、空白という、そこら辺の縛りが県にとっては非常に重荷になるところもありますので、そこら辺を取り払った上で、どういう形でそういう連携が今後とっていけるのかという各論にぜひ入っていただければと。空白とか2次医療圏に1カ所とかというのは、この前の中でも撤廃していただけるようなお話もありましたけれども、そこら辺のところを確認していただきながら、空白の医療圏を埋めるというような言葉がないような形での進め方というものができないものかと。
○北島座長 今、2次医療圏の拠点病院を撤廃して、今度コンセプトを新たにつくるとなると、がん医療はすごく混乱が起こってくると思うのですね。ですから、今ある拠点を、いわゆるクオリティーチェックをきちんとして、そして、空白の地域に連携病院をつくっていく。それで、その連携を強化していく。そのほうが、今、患者さんにがんの医療を提供する、そういうことが非常に確実ではないかと思うんです。今の2次医療圏に1つを撤廃して新たにつくろうよといっても、これは、ここまでもう歴史がある拠点病院を新たに撤廃していくよりも、むしろそのネットワーク、拠点と準拠点、準拠点と言うと怒られるかもわかりませんが、そういうものを構築して、今度、その内容のクオリティーをどうやって上げていくか、あるいはチェック機構を働かせるか、そっちのほうがいいのではないかと。これは個人の意見で、強制しておりませんけれども。
 どうぞ、神野先生。
○神野構成員 ちょっとごめんなさい、もう一つ確認なのですけれども、一方で、今、拠点病院のあるような医療圏というのは、先ほど中川構成員がおっしゃったように、東京とか、人口の物すごく多いところですよね。なので、空白に準拠点をつくる方向性と、今度は逆に、拠点病院のあるところにも、もしかしたら人口がいっぱいいるとするならば、拠点病院を守るために準拠点があってもいいのではないかと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○北島座長 その辺はどうお考えですか。
○事務局(秋月) そこは御議論いただきたいと思いますけれども、きょうお示しした資料の中では、やはり、まず拠点病院がない地域のがん医療をどうやって充実させていくかということで、準拠点病院という概念をお示ししたので、ここでの優先順位としては、そういうところはあると思います。
 ただ、当然、都市部というか、東京とかそういう人口の多いところで、拠点病院以外の病院をどういうふうに扱うというか、拠点病院制度の中に組み込むべきかどうかというのは、また御議論いただければよいかと思います。
○北島座長 堀田構成員どうぞ。
○堀田構成員 今の続きになると思いますけれども、2次医療圏と言っても、前回お話ししたように、人口が100万規模のところから十数万規模のところまであって、そこに拠点病院1つという考え方でかなり無理をしてきたわけですね。ですから、逆にこの空白圏のある一方で、拠点病院と匹敵する、もしくはそれ以上の施設があっても、地域が近いから指定しないということで、レベルはかなり高くても指定されていないところが結構あるのですね。
 そういうことではありますが、今までやってきた流れがありますので、そこを根本的に壊して、もう一回再構築というわけにもなかなかいかないので、座長がおっしゃるように、そこの仕組みをうまく生かしながら、だけれども見直しもある。だんだんレベルが上がっていけば、PDCAサイクルで、指定要件もやはり上がっていくべきだと思います。それから、いわゆる準拠点と言われるものは、都市部にあるとしたらば、それは何か特徴のあるがん医療を展開しているような施設で、先ほど事務局から提案されたような医療が提供できるというような施設とのグループを形成できると考えます。、患者さんに、あなたは、うちは専門ではないのでどこか探して行ってくださいではなくて、きちんと連携先があって、ここでやってもらうことができますよと紹介できるということで、そこに行かなければいけないという話でもないと思います。病院群の形成には、空白を埋めるというのと、その機能を補完するという意味と2つあるのは事務局の提案のとおりだろうと思います。
○北島座長 それで先ほどの、大都市でも臓器によって、がんによっては空白が確かにあるのですね。それが、例えば大学病院でも、甲状腺がんとかを専門にやっていない特定機能病院もあるのです。そこで、協力病院と言っていいかどうかわかりませんが、甲状腺とか乳がんとか、非常に先進医療を提供している、そういう病院も含めていったらどうか、そういうことも今、提案にあったと思います。
 どうぞ。
○吉川構成員 地方都市でそういう中核になっている病院というのは、基本的に、がん診療ばかりでなくて、救急であるとか、それから、もうありとあらゆることを引き受けている病院だと思うんです。実際にそこでマンパワーが全く不足していて、がん拠点病院の要件を満たすことが物理的にというか、できないのだと思うんですね。だから、そこで、やはりその要件自体は少し違う形にして、地方の中核のがん診療を担ってもらうという形をつくらないといけないと思いますし、そのためには、やはり都市部の大きながん拠点病院とのつながりが必要なのだと思います。だから、それを空白、空白と言われても、無理に名前をつけてまで、それをがん拠点病院という名前にする必要はないのではないかと思うのです。
○北島座長 また議論が戻りましたね。
○吉川構成員 戻ってしまいましたが。
○北島座長 いや、それをすると、先生、議論が進まないのですね。ですから、やはり1つの拠点病院と病院の少ない、空白と言わないで、患者さんがいるけれども、なかなかかかれない、そこへ準拠点病院をつくって、そして、そこの構築をしていくのだ、そこまで皆さんの御同意を得ているのですね。
○吉川構成員 ですから、空白と言っても。
○北島座長 いや、だから空白という言葉がいいかどうかわからないです。だから、一応ここまでの議論では、都道府県拠点病院あるいは特定機能病院の大学病院で、それと連携できるようながんの専門病院をもう一つつくっていくと。そういうことは御同意いただいていると思うのですね。
○吉川構成員 はい、それはそれで。
○北島座長 それはよろしいですね。
○吉川構成員 はい、それはもう。
○北島座長 ではその次に、今度、拠点病院でも、クオリティーチェックとか、それからあと、やはりお互いの競争とかいろいろなことがなければいけないし、特定機能病院で、大学病院は研修とか医師を派遣するとか、こういう機能まであるわけですね。ですから、そういうことが本当に行われているのかどうか、これが次のPDCAサイクルなんです。ここについてちょっと御意見、どの程度チェック機構を持たせるのか、誰が持つのかとか、その辺の御議論をいただきたいと思います。
 どうぞ、今村先生。
○今村構成員 誰がチェック機能を持つかというのは、個々の病院に任せているのが現状なのかもしれません。では都道府県にと言っても、おそらく現実的にはなかなか難しいと私は思います。国がこの今回の報告書でも、がん対策・健康増進課で報告を受けている、こういう形であれば、何を要件、どういうことをPDCAサイクルでチェックしていくかということは具体的に議論しなければいけないと思いますけれども、やはり全ての都道府県で二次医療圏ごとに拠点病院が整備されていくとして、それぞれにどういうことをしているのかというのは、そもそもは国でこのがん医療の均てん化という話が始まっているのであれば、やはり国できちんとやっていただきたいと私は思います。
 大体、ほかのこのがん以外のことでも、本当に都道府県に差があるというのは実態ですので、ぜひともこれは、大変かもしれませんが、国でやっていただければと思っています。
○北島座長 どうですか、国と地方自治体との関係とか、バックグラウンドにそういういろいろなものがありますよね。
○宮嵜がん対策・健康増進課長 いいですか。今ここで御提案させていただいているのは、ざっくり申し上げますと、都道府県格差というのは、やはり当然国で考えていかなければいけない、都道府県内格差というのは、都道府県である程度見ていかなければいけないというようなイメージで、ざっくりですけれども、御提案させていただいているということです。
○北島座長 今村先生、それでよろしいですか。
○今村構成員 はい。
○北島座長 ですから、プランニングして、行動に移して、それをそのままほっとくというのは、やはり国民にとって不幸せですね。そういう意味で、本当にその要件をこの病院が満たしているのかどうかというとこを必ずチェックしていただいて、そして、満たしていないところは指導ですね。こういうふうにやってほしいとか、そういう、PDCAのAの部分ですね。CとAが今度重要になってくると思うのです。
 都道府県に対しては国が、それから、都道府県内における格差においては都道府県が責任を持つ、そういうことで、今村構成員よろしいですか。
○今村構成員 はい。
○北島座長 堀田構成員どうぞ。
○堀田構成員 都道府県がん診療連携拠点病院の協議会というものがありまして、そこでいろいろな情報交換とか、あるいは要望事項とかをまとめたりしています。そういうところでも格差の是正について一部機能は果たせるかなと思います。協議会では経験交流と、それから指標を決めて、みんなでこれをやっていきましょうということでやっています。、1つの改善のポイントにはなっていきますけれども、これはあくまで自主的にやっているという話で、国レベルでやっているわけではないですが、いざとなればそういう組織を使ってPDCAサイクルの実践をやっていくことはできるかとは思います。
○北島座長 そういう組織を活用するということですね。
○堀田構成員 そうです。
○北島座長 神野構成員どうぞ。
○神野構成員 確認なのですけれども、そうすると、この今の拠点病院を認可するのは県ですか。
○堀田構成員 県が推薦して、国が指定していますね。
○神野構成員 県が推薦するのですね。それで国が認可して、国がチェックすると。私も国がチェックするで賛成です。そうすると、本来ならば、国が認可するのはこれでいいのですけれども、別にどこの病院がいいとか悪いとかではなくて、14ページの都道府県の拠点病院を見ると、結構県立何とかセンターがたくさんあるので、これは恐らく国立大学病院ではなくて、県立何とかセンターが多くなっているのは、もしかしたら県の推薦ないしは県の恣意が入っているのかなとちらっと思ったのですけれども、これはちょっとここで言う話ではないかもしれませんけれども、一応国が認可するということでよろしいのですね。はい。
○北島座長 よろしいですね。
 ほかに。どうぞ、今村構成員。
○今村構成員 もう一点、国がそういってきちんとしたフォローをしていくということと同時に、やはり情報公開ということをきちんとしていただきたいと思っています。なかなか厳しいお話かもしれませんけれども、例えばこの協議会の開催回数ですが、62回のところもあれば1回のところもある。62回のなかで何をやっておられるかはわかりませんけれども、例えば5つのがんについて、本当に月に1回ずつ会議を持てば60回になるというような話なのか、あるいは1回というのは、言い方は申しわけないのですが、例えば形式的にとりあえず集まりましたという話なのか全然わからないわけですね。だから、やはり国民が見て、どこでどういうことをやっているかということについてわかるように情報公開、することが必要だと思います。そのことが逆に、うちもきちんとやらなければ、よその県はこんなにやっているのだからということで、先ほど堀田先生からもお話があったようなさまざまな仕組みが進むのことにつながるではないか。いまは、取り組む人に依存していて、一生懸命取り組むという先生がいらっしゃるところは、いろいろなことが協議会でできる。一方で、そういう方がいないところは形式的で終わってしまっているというのが実態だと思いますので、ぜひとも情報公開をしていただきたいと思います。
○北島座長 そうですね。ですから、要するにこれだけ多い拠点病院の全てを一つ一つチェックすることが望ましいのですが、できないときは、やはりアトランダムにオンサイトビジッティングして、本当にここが機能されているかどうか、これをチェックして、そして情報を公開していく。そういうことをすれば、やはり緊張感がないと僕はだめだと思うのですね。ですから、どういう方法がいいかはまた次に議論いただくようになると思うのですが、何かそういうチェック機構をこうしたらいいとか、その辺の議論をまた、あるいはここで今、こうしたらいいのではないかという意見がございましたらお伺いしたいと思います。堀田構成員。
○堀田構成員 既に、例えばがん登録なんかでは、現地に入って、そのクオリティーをチェックしたりしているわけですね。そういうことも一部ではもうやっているので、それをシステマチックにどう拠点病院の中で位置づけていくかという話だろうと思います。ですから、国が全部やるといっても、国が、例えば秋月補佐が直接行くというわけでもないので、どういう組織を使ってそれをやるかということで、それは1つではないかもしれないと思いますけれども、いずれにしても、きちんと実態調査をやって、問題点を抽出して、問題があれば、それをどうやって全体でクリアしていくかという提案をして、それがやれたかどうかという評価をしていくということを、不断というか継続的にやっていくのがいいのではないかと思います。
○北島座長 ほかに。書類審査だけというのはちょっと問題があるので、やはり実際にそこの施設に、オンサイトビジッティングで、機能されているかどうかというチェックも、場合によっては必要になるかと思います。
 ほかに何か御意見ございませんか。平岡構成員どうぞ。
○平岡構成員 この5年間ですか、がんプロ等の人材育成事業もあって大分基盤が整備されてきたと思うのですね。それを考えると、この診療連携拠点の要件の中に、放射線療法とか化学療法とか、それぞれの専門家を置くということにして、それを評価する時期に来ているのではないかと思います。
 最初できたときは、そういう人材が非常に少なくて、形だけというところが少なくなかったかもしれないのですが、最終的には、そういう人材がいるかどうかというのが、医療の質を決める最も大きな要因だと思いますので、そこはしっかりチェックすることが必要ではないかと思います。
○北島座長 放射線治療に関して厳しい意見をいただきました。
 それと、もう一つここでちょっと、いろいろな機能的な面で各論の一つになるのですが、前回コーディネーターの話が出ました。患者さんが誰に相談していいかわからない。そうすると、やはりコーディネーター的な機能を持った人材が必要だろうと。それを日本がん治療学会で、2年前からですか、西山構成員が理事長として推進されていると思うのですが、その辺、拠点病院としての機能を上げる一つの方法としてコーディネーターを推進していきたいと思うのですが、その辺の御意見を。
○西山構成員 先ほど来、議論されております病院の名称、準になるのか準にならないのか、はわかりませんけれども、どちらであっても患者さんにとっては、いろいろな病院を動かざるを得ず、退院後もまで様々な面での不安を抱えるという状況は変わりません。2次医療圏であれどこであれ、基本的に、かなりの患者さんにはかかりつけの先生がいて、医療に関しては相談ができる。しかしながら、それ以外の悩み相談が難しい。例えば私が相談をされても、経済的に困っているがどうやっていけばいいのか、就労の問題はどうかと聞かれても、必ずしもそれに対して適切に回答することは難しい。また、どこへ行ったら相談できるということも即座には答えられない。要するに、患者さんの悩みというものがかなり多様で、時相によって内容が違ってくるのですね。
 やはりそれにこたえて医療をつながないと、地域連携、地域完結型のがん医療はできない。そこをつなぐための専門職種という形で医療コーディネーターというものを考えています。癌治療学会としては、教育のシステムとして、今、厚生労働省のほうの委託事業として行っておりますe-ラーニングを使いたいと考えています。これは、どこでも、誰でもがそこにアクセスすれば、きちんとした専門的な教育が受けられるということで、受講者の負担が少なく、効率的に教育ができるような基本的な運用システムがすでにできております。あとは項目数をふやすということで、これは専門医にもなれるぐらいのレベルのものですので、全部を見る必要はありませんが、医療コーディネーターとなるに十分な知識が得られる。さらに、スクーリングをしてもらって、試験を受ける、というところまで、その養成構想は固まっています。
 最終的に問題になるのは、その雇用や収入です。そこまでして取る資格であれば、それなりの経済的なバックグラウンドがあっていいのではないか。お金どこから出るのか、雇用需要に関してはどういう状況なのか、というところで、今、議論がありまして、ボランティアだけのためにこの資格をつくるのはいささかではあろうと。患者さんでも看護師さんでも、誰でもが受けられる資格なので、患者さんにとっては新たな経済的な支援にもつながると。ただ、資格を取ったはいいが、どこでどう活躍していいか、お金はある程度もらえるのかどうか、というところを確保しないと、次のステップに進まないのではないかというところで、今、構築へ向けての準備がとまっています。
 例えばこうした地域連携の中に必ずそうした医療コーディネーターを何人か置きなさい、県はそういうものに少し資金を出しなさい、ということにでもなれば、一度にある程度の形が見えて、教育を始めることができる。そうしたところの議論に入っています。
 養成が開始されると、恐らくは1年間か、2年間ぐらいの教育期間で、段階を追ってそのレベルを2段階ぐらいつくろうということにもなっていますので、1級、2級というか、準というか正というか、そういう形式の資格にして、患者さんがわかりやすい制度をつくっていこうという点に関しては意見が一致しております。
 ここまでよろしいでしょうか。
○北島座長 ありがとうございます。
 緒方構成員どうぞ。
○緒方構成員 とても具体的なお話を聞かせていただいて感謝いたします。資金面のことを今おっしゃいましたけれども、ぜひ、ある程度患者にも負担をさせていただきたいと思います。ちょっと話がそれますけれども、例えばリンパ浮腫などがあったときに、それはもう患者にとってすごくありがたいことなのですが、今、看護師さんがリンパ浮腫のセラピーをやってくださっているのです。ところが、それが実は無料なのですね。そして、無料であることが理由なのかどうかは分かりませんが、あまり充実しているとはいえません。希望している患者の皆さんに行き渡っているとはいえません。セラピーが無料だということはむしろ気づまりですし、少しぐらい報酬を払ってもいいので、そこの部分が充実していることを願っています。
 ですから、今回のそのコーディネーターも、充実するためには、ぜひ患者にも、程度はありますけれども、負担するということを考えに入れていただきたいと思います。○北島座長 ありがとうございます。
 西山構成員のほうで今そういうコーディネーターの育成をやって、いわゆるe-ラーニングのお話が今ありましたけれども、これは厚生労働省のプロジェクトの一つなんですね。それがかなり成果を上げて、最初、がんの専門員育成という目的で入っていったのですが、それが今、医師以外のメディカルスタッフもアクセスできるということで、非常にその成果を上げているプロジェクトの一つなので、そういうものを活用して、知識と、ビデオを見ることによって技術も身につきますよね。そういうことで、ぜひコーディネーター育成というものをできるだけ迅速に推進をお願いしたいと思います。
 ほかに何かございますか。
 あと、今村構成員、ホームドクターとか、この前ちょっとお話がありましたが、その話ですか。
○今村構成員 いえいえ、コーディネーターの話です。すばらしい職種というか役割だと思っております。それはそれで本当にするのはいいと思うのですけれども、往々にしてありがちなのは、別にこのコーディネーターに限らず、それぞれのいろいろな分野で、いろいろな人材を養成するのだけれども、結局位置づけがはっきりしないので、先ほどのようなお金の話も担保されないというようなことが、結構ほかにもいっぱいあります。実例を挙げていいのかどうか、糖尿病療養指導士という認定職種があり、非常に難しい試験を受けて通られても、それをどう活用するのかということが必ずしもスムーズに決まらないということもあるので、これは国のほうが補助金を出してそういうことを進めようとされているのであれば、こういったコーディネーターの方を将来的に何らかの位置づけを考えておられるのかどうかということを聞きたいのです。
○西山構成員 済みません、これは国が進めているものではなくて、学会単位で今進めているので。
○今村構成員 でも、何か科研費でという。
○西山構成員 それは別です。e-ラーニングというシステム、教育のシステムとして、専門医のためにあるものを使っていこうと。
○今村構成員 わかりました。では、それはちょっと私が先走って勘違いをしました。非常にいい試みだとは思うのですけれども、どういう位置づけにするかということも十分考えたほうがいいかなと思って発言した次第です。
○北島座長 ほかに。堀田構成員どうぞ。
○堀田構成員 拠点の話が中心で、その指定要件や、あるいは埋められない医療圏をどうやってカバーしていくかという議論が中心でありますけれども、全体としてみると、これから高齢者のがん患者さんがどんどんふえてきて、年齢調整死亡率は減ったけれども、罹患率は減らないという中で、患者数が総体としてはふえてくると推定されます。しかも、高齢の方がふえてくるとどこでどのように治療をやっていくのかという問題が多分大きく提起されていると思うのですね。例えば拠点病院だけで医療提供するなんていうことがとても無理なことは、もう物理的にわかっています。では、それを周辺の病院、それでも無理だと、やはり在宅とか、あるいは訪問看護とか、そういったものを含めて地域で支えるがん医療をやらないととてももたないなというのは、もうみんなわかるところなのですね。拠点病院のあり方の検討の中にそういった視野を入れて拠点病院の役割というものを整理してみる必要もあると思います。
○北島座長 今、堀田構成員から非常に重要なポイントの御指摘があったのですが、やはりもう65歳以上が人口比でいくと25%以上ですか、がん患者さんも、2人に1人ががんになる。そのときに、治療が終結して、その後、在宅とかそういうことが非常に重要な要件になってくると思うのですね。できれば、その地域のそういう協力病院にそういう機能を持たせていくという方向の指導、そういうこともぜひ要件に入れていただきたいと思います。これは非常に重要なことですので。
 それからもう一つ、前回、今村構成員から、かかりつけ医、ホームドクターの話があったのですが、やはり病院ではなくて、かかりつけ医に、患者さんが近くのずっとかかっている先生のところに診療を依頼することが多いと思うのですが、そのときに、そのかかりつけ医の先生方が緩和医療の講習会に余り出ないというのは、この前ちょっとそんな話がありましたけれども、e-ラーニングとかそういうものを活用して、コーディネーターというか、患者さんの気持ちまで聞くような方向で、かかりつけ医がクリティカルパスを共有するとか、精神的なものまでという、それにはやはりいろいろな研修が必要だと思うんです。たしか医師会なんかでも研修をおやりになっているということは僕も知っていますけれども。
○今村構成員 やはり座学の研修だけで実際にできるかどうかというところが課題になるんだと思います。患者さんと実際に接することによって、そういう具体的な知識がさらに深まり適切に適応されていくんだと思います。やはり経験しないとわからないことが非常に多いので、私は、前回も申し上げたと思うのですけれども、そういう具体的な患者さんの連携の中で、かかりつけ医がかかわれるような形の研修というものが必要なのではないかと個人的には思っています。
 それで、個人のことを申し上げて恐縮なのですが、私の地域、関東甲信越の厚生局のほうに、私の医療機関が一体どういうがんで連携できるかときちんと登録しているのですけれども、実際にはほとんど患者さんの照会はありません。それはどういうことでないのかよくわかりませんけれども、システムはあっても実際に機能していないということも現場ではありますので、病院も大事だし、地域の医師会の役割も私は大事だと思っています。ただ、医師会も全国でやはりさまざまな温度差があるので、とても熱心に在宅医療まで含めて、例えば吉川先生のように尾道でとても熱心に連携を実践しておられるし、逆にそうでないところもある。だから、これは全国的にできるだけ医師会も、そういう地域の連携のネットワーク構築には取り組んでいきたいとは思っています。
○北島座長 全てがん医療を底上げするためには、その辺までやっていかないとなかなか底上げできないのですね。拠点病院だけというのでは。ですから、介護の問題とか、そういうものを含めて、かかりつけ医がレベルアップする、こういうこともぜひお願いしたいと。
 神野構成員どうぞ。
○神野構成員 このがんの委員会で話をするとがんだ、がんだという話になるのですけれども、例えばがんセンターのドクターはがんだけやっていればよろしいわけであります。例えば泌尿器だって、前立腺がんと腎臓がん、それももしかしたら別かもしれない。それが、地域の一般病院に行きますと、今度は、例えば泌尿器でも、石も取らなければいかんし、それから前立腺肥大もやらなければいけない。それから、開業するとそうは言っていられなくて、血圧の高い人も糖尿病の人も診なければいけないというようなことで、実は私、正体をばらすと、地域の郡市の小さな町の医師会長もしているのですけれども、その手の研修というものは、やってくれというものがいっぱい。糖尿病の研修をやってください、在宅医療の研修をやってください、救急医療の研修をやってください。それに対して、各会員さんに出てきてくださいねと。でも、がんは、やはりワン・オブ・ゼムなんですね。がんだけやれと言ってもなかなかついてきてくれないというのが実態であります。
 今、介護保険の世界では、これに訪問看護とかいろいろな方が入って、地域包括ケアという、地域で、小さな単位で通える中学校区とかそういうところでいろいろなことをやりましょう、情報共有しながらということがありますので、恐らく末端へ行けば末端へ行くほど、がんだけやれと言ってもなかなかついてきてくれない。総合的に、がんの研修をやりながら、同じ時間で糖尿病の話もしながらというようなやり方をすべきだし、ここでがんをやれと県に投げてもなかなか今度、県からまた末端に伝わりにくいのかなと思いますので、ちょっと総合的に見ましょうということをお願いしたいと思います。
○北島座長 何かちょっと悲観的な意見だったのですけれども、では、中川構成員どうぞ。
○中川構成員 今、総合的という言葉が出たのですが、この資料2の3ページの1から3を見たときに、名称はともかく、1の?の準がん拠点病院、それから特定領域、甲状腺がんなどですね、この指定ということは、それほど難しくないだろうと思います。このPDCAサイクルにしても、それから機能や役割、そしてその評価、これもやっていけると思うのですね。恐らく、一番難しいのは群指定だと思います。それから、今、既存の都道府県の中でつくられたネットワーク、これとの整合というか、そこが、今までのシステムの中で、やはり地域地域によっての特性の中で、東京都なら東京都あるいは広島県なら広島県という形で、自然発生的に出てきたそのシステムをどうするのか。
 そして、例えば、先ほど足立区には拠点病院がないと言いましたけれども、しかし、東大病院に来るには本当に10分で来られる、あるいは柏のがんセンター東にもすぐ行ける。そうなってくると、都道府県の中でこの群ということを考えていくのが非常に難しくなるはずなんですね。ですので、それこそ患者さんあるいは都道府県の協議会などの仕組みを活用して、少し広域で議論するようなことを考えないと、多分この群指定のところが一番難しくなってくるのかなと。
 これは、西山構成員がおっしゃったようなネットワークにかかわる部分ですので、恐らくここが今後非常に難しくなるような、そんな印象をもちました。
○北島座長 広島のがん治療のネットワーク、まず、こういうものの実態調査が必要だと思うんですね。どういう県で、どういうネットワークでやられているか、あるいは拠点病院、特定機能病院しかない広島県のようなところでは、県がオーソライズしていろいろなネットワークを構築しているというお話がありましたけれども、その現状は一体どうなのだろうかという、これからの。
○事務局(秋月) 資料にもお示ししたのですが、やはり県によってかなりいろいろなパターンがあるのだろうということは認識しておりまして、資料のほうでは、都道府県でそれの調整をお願いしたいとは書いておりますけれども、場合によっては、県境を越えての調整みたいなものも必要になってくるかもしれません。
 やはり今の県がやられている取り組みを何か一から組み直すとかそういう話ではないので、できるだけフレキシブルな形にしたいと思いますし、もちろんここで非常に議論いただいているのですけれども、県の御意見というか、そういうものをきちんと聞くことはしたいと考えています。
○中川構成員 補足なのですが、例えば先ほど甲状腺がんの話が出ましたけれども、これは、がんセンターも、がん研も内用療法をやっていないわけですね。私どもはやっていますが、半年待ちから1年待ちぐらいです。そして、この期間というのは、季節で、さまざまな要因で変わってくるのですね。そうすると、入院自体は3泊、4泊ですから、患者さんからしますと、要するにどこでもいいんです。多少遠くても、早く診てほしいのですね。そういう点では、甲状腺がんなどをその群の中に置いてしまうというのは非常に難しいと思います。ですから、その辺はかなり今後調整が必要だろうと思います。
○北島座長 ありがとうございます。
 時間も限られているのですが、もう一つ、拠点病院にいわゆる臨床研究機能を持たせるかどうかという話も、先ほど機能とかそういう役割の御指摘があったのですが、この臨床研究について、現在は進行中の臨床研究の概要及び過去の臨床研究の成果を広報すること等々あるのですが、この臨床研究機能について御意見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 堀田構成員どうぞ。
○堀田構成員 私が先回発言させていただいた研究機能に関する内容をここに書き込んでいただいたのですが、もう一回趣旨をお話ししますと、現在は、均てん化のための標準治療を広げるための拠点病院としての位置づけで、研究そのものをクリエートしてくるという機能は付与されていないのですね。しかし、日常診療の中で工夫とかいろいろな研究的な活動をやりながら医療レベルが育っていくわけでありますから、そういったものがシステムとして動いてもいいのであろう。せっかくの拠点病院を均てん化のためだけに使うのはもったいないと思います。新しい標準的な治療とか治療の工夫とか、あるいは新しい薬の検証といいますか副作用の把握とか、そういったことができるようにすると、がんの医療の向上につながるのではないかということと、もう一つは、こういう視点できちんと患者さんの状態を観察すると、日常診療のレベルアップにもつながるのではないかという期待がございます。
○北島座長 ほかに。今村構成員どうぞ。
○今村構成員 こういう言い方をするとちょっと語弊があるのですけれども、私は国家戦略として絶対やるべきだと思っています。そのことが、結局患者さんの受けるがん医療の向上にもつながることになります。新しいがんの創薬等に関しても、本当に日本がこれからどう取り組むのかという話の中で、すごく大きな課題だと思っていますので、ぜひともやっていただきたいのですが、ただ、そのことが病院にとってどのぐらいの負担になるかという話は、私は正直わからないので、進めることが病院の大きな負担になるようであれば、それは問題なのかなと思います。ただ、こういうことは、やはり日本が国家として考えていかなければいけないことだと思うので、基本的にはぜひとも進めていただければと思います。
○堀田構成員 その点で追加よろしいですか。今、御懸念の負担という点で言えば、一番負担になるのは、これをドクターに押しつけると絶対負担になると思います。ですから、それを支える支援システムがないとだめで、そのために必要になるのが、例えばCRCとか、あるいはデータを管理できる人というのが支えないと無理です。ここに事務局提出のデータが出ていますけれども、拠点病院でCRCが常勤ということではもうゼロのところがいっぱいありますよね。でも、多分非常勤ということになると、もっともっと多いのだろうと思います。現在こういう方々を常勤で雇う仕組みがないというところにポイントがあるのだろうと思います。
○北島座長 今村構成員からも賛同意見をいただいたのですけれども、これだけのがん治療の拠点病院、施設が、多数の施設があるわけですから、やはり多施設共同研究、治験とかを含めてやることによって、いわゆる病院間の情報共有ができるのではないかと。それから、各拠点病院で標準治療の達成も可能になると。そういう意味で幾つかの利点があるわけですね。
 ですから、これはすぐに、では、拠点病院がこういう治験をやろうというのは非常に難しいかもわかりませんが、では、まずこの拠点をどういうふうに束ねて、どういう臨床研究をやるのか、それから、臨床研究をやるといっても、我々もいろいろやってきましたけれども、堀田構成員が言われたように、CRCとかデータマネジャーとか、そういうものがいないとなかなかできないです。ですから、例えば拠点病院にそれを常勤として雇うようなインセンティブというものがある程度つけば、臨床研究というのは拠点で進んでくると思うのですね。だから、これは非常に前向きなことで、結局はそういう標準治療の成果とか新薬の開発とか、そういうことは患者さんにフィードバックできていくと思います。
 では、緒方構成員からどうぞ。
○緒方構成員 今、北島座長から治験という言葉が出てきましたけれども、例えば、ここの病院ではあなたのがんの場合、治療はもうありません。でも、どこどこに行けばこんな治験をしています。治験だけれども、どうですかというような提案が情報としてきちんと患者に伝わるとすごくいいと思います。今、患者は手探り状態でインターネットや何かで、情報を集めます。とんでもないような療法が入っていたりすることもあるようです。
均てん化ということは、レベルが低い部分を引き上げるという均てん化はもちろん大切ですけれども、特化して、治療や治験を今やりつつあるなんていう病院もあって、それが情報として患者に伝わるとうれしいと思います。
○北島座長 ありがとうございます。
○神野構成員 こうやってがん診療の集中化を図っているわけですので、それから、先ほど今村構成員がおっしゃったように、今の安倍内閣の成長戦略の重点項目が医療でございますので、これは、この場で私たちが言っているよりも、本来、厚生労働省の方々が今度の補正予算にでも、常勤医をつけろとか、これは診療報酬でやるのではなくて、先ほどありましたように、国が認可した拠点病院があるならば、その国が認可した拠点病院に国費をもって何人か入れろ、CRCを入れろとか、そういうものはめり張りのある政策だと思いますので、ちょっと頑張って政治家の方を動かしていただきたいと思います。
○北島座長 いかがですか。
○宮嵜がん対策・健康増進課長 大変貴重な御意見をいただきありがとうございます。この検討会でのこれからの審議も踏まえていろいろ検討させていただければと思います。
○北島座長 ですから、この臨床研究に参加する拠点病院とか、そこはもう、何か評価の一つに入れるとか、病院のランキングとか、そういうことまで踏み込んでいいかどうかわかりませんけれども、やはりみんな均一で、均てん化ではないですけれども、病院全部一緒ですよというのではなくて、この病院はこういうことですぐれている、こういうことをやっているからすぐれているという、それが国民に見えるような形にぜひしていただきたい。こういう臨床研究をやって、先ほど緒方構成員が言われていましたけれども、こういう治験をやっていて、もうこれに頼るしかないよという、そういう情報を提供できますよね。そういう意味で、何かそういう拠点病院の大きな一つの機能にしていただければと思っています。
 ほかにございますか。
○篠構成員 先ほどの臨床研究に関しての補足的な発言になりますが、医師の先生の発案だけではなく、また治験とか新しいお薬の開発だけではなく、患者さんの声から研究テーマを見出すというような仕掛けもすごくいいなと思いますので、そういった仕掛けができているかどうかというのも、もしかしたらPDCAサイクルに入るのかもしれないが、拠点病院の評価項目の一つに入れてもいいかと思います。コメディカルの発想による臨床研究というものも今始まりつつありますので、そういったことも1つ、おまけですが入れてはどうかと思いましたので、発言させていただきました。
○北島座長 それは先生、すごく大事なことで、いわゆる医師以外のメディカルスタッフの臨床研究というものも始まっていますね。ですから、それはチーム医療のコンセプトにつながってくると思うんですね。ですから、ぜひそういう、医師主導だけでなくて、ほかのメディカルスタッフ主導の臨床研究があってもいいと思います。
 これだけは最後に言っておきたいという何かございますか。あのとき言っておけばよかったなと。どうぞ。
○篠構成員 では、もう一つ。きょうの議論の中で、途中、診療情報の共有のお話がございました。きょうずっとお話を伺っていますと、やはり拠点病院と準拠点病院ですとか、病院間のネットワークとか、そういったお話がたくさん出てまいりました。そうしますと、患者さんの視点ということを考えますと、絶対に自分のあるいは患者さんの診療情報が病院間あるいは在宅医療機能を担う訪問看護ステーション、場合によっては調剤薬局にまできちんと行き渡っているのかどうか、共有されているのかどうかというのが、多分患者さんの視点で非常に重要になってくると思いますので、それも拠点病院の評価項目の一つに入れてもいいかと思います。これは、診療機能だけではなくて、情報伝達とか情報共有ということに関しては、今、実は医療現場で働いていますと、かなりの格差といいますか機能差があるように思いますので、それも評価項目の中に入れておくことで、かえってまた機能アップにつながるのではないかと思いましたので、最後ですが発言させていただきました。
○北島座長 非常に大事なことで、堀田構成員がこの前お話しされたがんセンターのガイドラインが末梢まで行っていないという一つのあれだと思いますので、やはり臨床情報を共有していくというその方法も非常に重要なことなので、では、それをどうやってやっていくかはまた次の議論になりますが、評価項目の一つにあっていいと思います。
 今村構成員。
○今村構成員 今の医療情報のことについて、この情報の共有化は物すごく大事だというのは、地域連携の中で本当に必須の項目だと思っていますが、1点、やはりがんの情報、患者さんの情報で非常に機微に触れる情報、もともと医師や看護師、病院の中で働いているさまざまな人には、その情報を外に出してはいけないという縛りがありますが、介護の世界までどんどん広がっていけばいくほど、そういう公的な整備がきちんとされていないような職種の方たちも、そういう情報に触れることになりますので、そういう情報がきちんと守られるような枠組み、ここで議論する話ではないかもしれませんけれども、そういうものと同時に進めていただければと思っています。
○北島座長 そうですね、医療情報を共有するときには、これはセキュリティーを同時に議論しないとだめなのですね。ですから、そういう意味で、今村構成員が言われたように、セキュリティーをではどうするか、そこまで入っていかないと、医療情報の共有というものはなかなか難しいと思います。そこをまた別の機会に議論していきたいと思います。
 では、松月委員。
○松月構成員 今までほとんど出てこなかったことですが、医療従事者同士、例えば医師同士、それぞれの専門医同士の相談機能、症例を通じた相談機能というものが、私は広く均てん化に役に立つのではないかと思っております。これは、例えば看護師であれば、がん専門の看護師、それから認定看護師は、患者さんのケアを通じて蓄積された非常に多くのさまざまなナリッジを持っています。そういうものがどうやって使われるかというと、それはガイドラインや、手順書、マニュアルになります。治療方法は患者さん毎に異なるものですので、情報を共有するのであれば、その個々にまで入れるような知のネットワークというのか、そういうものをぜひ、この群病院の中で症例を通じた相談機能みたいなものが発達してくるとよいと思います。県の拠点病院で行われる高度な治療のようなことを地域の診療所でその患者さんの症状を通じて実行できる、夢みたいな話かもしれませんが、そういうことができるといいなと思いました。
○北島座長 ありがとうございます。今、拠点病院とかそういうところはキャンサーボードができているのですね。そこは、いろいろな診療科の医師とかほかのメディカルスタッフが、同じ症例を、1つの症例を議論していく。ですから、キャンサーボードがいかに機能しているかどうか、そういうことだと思いますね。
 それから、がんの医療というのは、今までは標準化だったけれども、今は個別化なのですね。ですから、そういうコンセプトもやはり入れていく必要があると思います。ありがとうございました。
 どうぞ。
○吉川構成員 がんの拠点病院の要件について、国指定のものを国が管理しようというお話だと思うのですが、やはり県指定のがん拠点病院というものがある以上、これは、患者さんにとってはどちら側も区別がほとんどつかない状態だと思うので、それについても一定の要件というか、それをチェックする機構というものは、やはり国から県に対して示すべきではないかという気がするのですが。そうしないと、ここで幾ら国指定のがん拠点病院の要件を確認して、よくしていこうと言っても、県指定のほうが結局そこから漏れることになるのではないかと思いますので、ある一定の基準はつくる必要があるのではないかと思います。
○北島座長 ちょっと事務局は答えにくいかもわからないけれども、国と、地方自治体はある程度尊重されているわけですよね。ですから、一方通行で国から行くということはどうなのですか。
○事務局(秋月) 今、議論しているのは、当然国が指定する拠点病院という話なのですけれども、実際県のほうで、それはいろいろな事情があると思いますけれども、県が指定している病院があって、名称がちょっとわかりにくいというような御意見は頂戴しています。ただ、やはり国がやると、もちろん画一的なものになってしまうので、そこを補完するという形で県独自の考え方というものはあるでしょうし、それを国のほうからこうしなさいとか、そういう話ではないと思うのですけれども、ただ、混乱のないような、患者さんに対してわかりやすい名称とか、そういう技術的な助言であるとか、そういうことは可能だと思います。
○北島座長 神野構成員。
○神野構成員 済みません、ちゃぶ台をひっくり返すつもりはないのですけれども、今ここで私たちが最初に議論した準拠点の話は、どちらかというと、県がいろいろな事情で拠点のない医療圏に認可していたようなものをイメージしていたのですけれども、それでよろしいのかと思うし、それから、そうだとするならば、今度、各県が認可している準も、ある程度ここで基準をつくったらどうでしょうかという話なのかと思います。議論を戻すつもりはないですけれども、今、実際に準拠点病院的なところは世の中にもういっぱいあるわけですね。これは、今おっしゃった、多くは県が認可した拠点病院ということですので、それをしている県としていない県があるかもしれませんけれども、している県が認可しているようなものが、今ここで言う準拠点病院。
○北島座長 だから、そこは都道府県の群ができているわけですね。それで、もう既に都道府県としては構築されているわけです。
○神野構成員 ですから、県によってその準拠点的なものの認可の基準が違うわけですから、そこはある程度、こういうものがいいのではないですかということで統一したほうがいいのではないですかと。
○北島座長 そこは、国の指定は厚生労働省がやって、都道府県の指定は都道府県がチェックすると。先ほどそういう議論があったと思うのですが。
○宮嵜がん対策・健康増進課長 今、座長が言われたとおりなのですけれども、ちょっと準という名前がよくなかったのでかなりあれですけれども。
○北島座長 変えましょう
○宮嵜がん対策・健康増進課長 もちろん考えさせていただければと思いますし、提案としては、準拠点を指定するというよりも、今まで単独でやっていたところを、ないところの医療圏も含めてグループでどういうふうな水準を維持できるかというようなところで、名前として準がいいかどうかはわからないですが提案しました。だから、都道府県の指定しているところをそういう仕組みで吸収しようとかという意図ではなくて、結果的にそういうケースもあるかもしれません。ただ、そういう意図ではないですし、また、都道府県でいろいろ指定されているものは、それ独自のお考えで、独自の基準でやられているので、ここである程度平準化しようとか議論していこうという趣旨でもないということは申し上げさせていただきます。
○北島座長 ありがとうございました。きょうは非常に貴重な御意見をいただいて、ある程度フレームワークが見えてきたと思うのですが、これから今度各論にいろいろなことが入って、きょういろいろ意見が出ましたけれども、コミュニケーションの問題とか、一つ一つこれから詰めていかなければ、議論がこれからあると思いますので、次回またその辺を議論していきたいと思います。
 それでは、きょうはお忙しいところ御出席いただきましてありがとうございました。これで終わらせていただきます。
○岡田がん対策推進官 次回の日程につきましては、また皆様の御都合を調整して御連絡をさせていただきます。
 以上です。ありがとうございました。
○北島座長 では、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局がん対策・健康増進課

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> がん診療提供体制のあり方に関する検討会> 第2回がん診療提供体制のあり方に関する検討会議事録

ページの先頭へ戻る