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2012年11月22日 第1回調理師の養成のあり方等に関する検討会
健康局がん対策・健康増進課
日時
平成24年11月22日(木)15:00~17:00
場所
中央合同庁舎5号館 厚生労働省19階共用第9会議室
出席者
岡部 伸雄構成員 斉藤 隆士構成員 佐藤 月彦構成員
平良 久子構成員 田中 祐司構成員 田中 幸雄構成員
中村 丁次構成員 廣瀬 喜久子構成員 政安 静子構成員
中村 丁次構成員 廣瀬 喜久子構成員 政安 静子構成員
山中 一男構成員 吉田 龍一構成員
議題
(1)調理師養成のあり方の基本的方向性について
(2)その他
(2)その他
議事
○河野栄養・食育指導官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「調理師の養成のあり方等に関する検討会」を開催いたします。
委員の皆様方には、御多忙中のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
本来、開会に先立ちまして、矢島健康局長より御挨拶を申し上げるところでございますが、公務のため、おくれての出席となりますので、到着次第、挨拶させていただきます。
それでは、本日、御出席の先生方の御紹介をさせていただきます。先生方の名簿につきましては、お手元に配付している資料の一番後ろの参考資料1、検討会開催要綱の裏面に委員の方々のお名前と御所属を示した名簿がついておりますので、そちらを御参照いただければと思います。
岡部伸雄委員でございます。
○岡部委員 がん感染症センター駒込病院から来ました岡部です。本日はよろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 斉藤隆士委員でございます。
○斉藤委員 熊本のホテルキャッスルの社長をやっています斉藤です。よろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 佐藤月彦委員でございます。
○佐藤委員 服部栄養専門学校で西洋料理を担当しております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 平良久子委員につきましては、若干おくれていらっしゃいますので、後ほど御紹介させていただきます。
田中祐司委員でございます。
○田中祐委員 大阪の辻調理師専門学校から来ました田中でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 田中幸雄委員でございます。
○田中幸委員 京都調理師専門学校の田中と申します。全国調理師養成施設協会総務部会の部会長も仰せつかっております。よろしくお願い申し上げます。
○河野栄養・食育指導官 中村丁次委員でございます。
○中村委員 神奈川県立保健福祉大学の中村でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 廣瀬喜久子委員でございます。
○廣瀬委員 東京誠心調理師専門学校の理事長を仰せつかっております、さらに全調協の教育振興部会の部会長をいたしております廣瀬でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 政安静子委員でございます。
○政安委員 社会福祉法人で特別養護老人ホームのいくり苑那珂の福祉施設長をしております。日本栄養士会でも福祉職域の理事として活動させていただいています。どうぞよろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 山中一男委員でございます。
○山中委員 山中です。日本中国料理協会専務理事、また全調協の外部理事もいたしております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 吉田龍一委員でございます。
○吉田委員 吉田でございます。東京都飲食業生活衛生同業組合の副理事長をやっております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 続きまして、事務局を紹介させていただきます。
健康局がん対策・健康増進課の宮嵜課長でございます。
○宮嵜課長 宮嵜でございます。どうぞよろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 改めまして、私、栄養・食育指導官の河野と申します。よろしくお願いいたします。
また、、栄養管理係の係長の増田と主査の田中です。どうぞよろしくお願いいたします。
本検討会の座長でございますが、事務局として、神奈川県立保健福祉大学学長でいらっしゃる中村丁次委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○河野栄養・食育指導官 それでは、中村先生に座長をお願いいたします。
また、ただ今、平良委員が到着されました。
それでは、座長から一言御挨拶をいただきました後、これ以降の進行につきましては、中村座長にお願いいたします。
○中村委員 ただいま座長をお受けしました中村でございます。
私は、30年近く病院の食事を担当してきました。私は、病院の食事を最初に食べたときに、改革に乗り出そうと即座に思いました。当時、病院の食事というのはとてもまずい食事ということで世の中に認識されており、ある小説を読んでいたら、このレストランは病院の食事ほどまずいと書いてありました。その一言で、どのぐらい、このレストランの食事がまずいかわかるぐらいの、まずい食事の代名詞だと言われていました。
病院の食事というのはいろいろな制限があり、カロリーを制限したり、食塩を制限したりしますから、まずくなる条件はあるのですが、それと同時に、実は、余り言われていないのですが、患者さん自身がおいしく食べる能力が低下しているのです。味覚が変わったり、摂食能力が低下したりしています。したがって、とても厳しい状況の中で作っているのですが、患者さん方は食事を楽しみにするわけです。おいしく食べさせる努力というのは本当に大変でございました。ところが、私を助けてくれた調理師さんがとても優秀な、有能な調理師さんでありました。そのおかげで、ここの病院の食事はおいしいという評価を得ることができました。
時代が変わって、調理師に今、求められる知識や技術は高度になりつつあります。そこで調理師法養成の方法を、もう一度見直そうということで、厚労省でこの検討会を立ち上げていただいたわけです。この時期に立ち上がったことは、とても意義のあることだろうと理解しています。この会がスムーズにいきますように、御協力のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。
では、ちょうど矢島局長がいらっしゃいましたので、御挨拶のほど、よろしくお願いいたします。
○矢島健康局長 健康局長の矢島でございます。遅くなりまして申しわけございませんでした。
本日は、先生方、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
また、先生方には日ごろから厚生労働行政を初め、栄養、調理、健康づくり全般にわたりまして、いろいろな意味でお世話になっております。この場をおかりいたしまして厚くお礼申し上げさせていただきます。
前回は平成9年でございまして、既に15年がたったということでございます。その間、日本では、少子高齢化だけではなく、いろいろな意味で環境が変わってきております。その中で私どもは、来年度から第2次の健康日本21を進めていきたいと考えておりまして、そういう時期に合わせ皆様方にも、調理師の養成施設に関しまして、そのあり方というのでしょうか、調理師の方に健康づくりの面でも御活躍いただけるようなことをぜひ御議論いただければと思います。
養成施設のカリキュラム、施設等の見直しの方向性については、後ほど御説明をさせていただくことになると思いますが、教科科目につきまして、教育内容も含め、教育目標、そういうところについて、ぜひこれから御議論いただきたいと思っておりまして、これからの厚生労働行政の大きな流れの中で、健康づくりという観点もぜひ入れていただければありがたい。そういうことも踏まえて、ぜひ先生方に御議論いただければありがたいという思いがございます。ちょうど来年の4月から第2次の健康日本21が始まります。それに合わせて、ガイドラインですとか、いろいろなものの見直しも行われますので、ぜひそういうことも含めた流れの中で御議論いただければありがたいと思います。本日は中村座長を初め、委員の先生方には大変お世話になります。よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございました。
それでは、これから議事に入らせていただきます。初めに、本日が初回ですので申し上げますが、この検討会は全て公開とさせていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、資料が配付されておりますので、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、お手元に配付しております資料について御説明させていただきます。
資料1につきましては、「調理師の養成のあり方等に関する検討の進め方(案)」でございます。
資料2としましては、ホチキスどめになってございますが、「調理師を取り巻く状況」。
資料3としましては、田中幸雄委員より提出いただいた資料で「調理師養成施設のカリキュラム検討のためのアンケート集計結果及び調理師養成施設における教育目標について」。
続きまして、資料4につきましては、「調理師養成施設のカリキュラム等の現状」。
資料5につきましては、「調理師養成施設のカリキュラムと施設・設備等の見直しの方向性について(案)」となってございます。
資料6につきましては、本検討会のスケジュール(案)。
さらに、冒頭御説明しましたが、参考資料1として「調理師の養成のあり方等に関する検討会開催要綱」。
また、ピンクのファイルは、今回の議論の基礎資料となります調理師法関連資料並びに食育基本法、ただいま局長から説明のありました健康日本21(第2次)の資料等を参考資料として机上に置かせていただいておりますので、議論の参考にしていただけたらと思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございます。
資料が抜けている委員はいませんか。ないですか。
では、本日が第1回目の検討会でありますので、まずは全体としての検討の進め方について、事務局から説明いただきたいと思います。では、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料1をごらんいただけますでしょうか。「調理師の養成のあり方等に関する検討の進め方(案)」について、今回は検討事項として、四角の枠で囲みましたマル1からマル3の大きく3つが挙げられます。
まず、調理師をめぐる状況を踏まえまして、1点目としては、目指す調理師像、どのような調理師を養成するのかの具体像について御検討いただきまして、そうした調理師像に向けた調理師の養成において、2点目としまして、左側の四角の中、どのような知識や技術が必要かということで、カリキュラムの見直しの方向及びそのために必要な知識や技術をどのように修得させるか、右の四角の枠になりますが、施設・設備等の見直しの方向について御検討いただきます。さらに、一番下の四角の中になりますが、3点目として、カリキュラム等の見直しに伴い、変更が必要な事項、例えば、調理師試験の科目の変更などについて御検討いただくことになります。最終的には、マル1からマル3についての検討の整理を行っていただきまして、本検討会の報告書としてとりまとめていただくことになります。
検討会全体の進め方につきましては、以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
何か御質問ある方はいらっしゃいますか。ございませんか。なければ、本日はマル1の目指す調理師像、マル2のカリキュラムの見直しの方向、施設・設備等の見直しの方向の議論を進めることといたします。きょうは方向性の議論でございますので、まだ中身に入り込んだ議論ではないので、方向性の議論をきょうは十分したいと思います。
それでは、マル1の目指す調理師像についての議論をするに当たり、調理師を取り巻く現在の状況について、事務局から御説明していただきたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料2に基づきまして「調理師を取り巻く状況」について御説明させていただきます。
1点目としまして、1ページ、「調理師・専門調理師の状況」でございますが、「(1)調理師免許交付数の推移」につきましては、青の棒グラフでお示ししたとおり、昭和40年には55万、50年には129万と、着実に増加をしてきております。ただ、ここ数年は維持ということで、23年度現在、累計の免許交付数は359万となっております。
その下には、参考として、免許取得資格分類別内訳ということで、どういった手段で資格を取得しているか、その内訳を示したものでございます。昭和50年には、中ほどの紫部分になりますが、試験合格の方が多い状況でしたが、直近の平成23年では、養成施設の卒業が1万6,613名、試験合格が2万3,754名、合わせて約4万という形になってございます。
続きまして、2ページに移らせていただきます。(2)は「専門調理師数の推移」を示しております。専門調理師の制度は昭和56年に制定されておりまして、当時は、右側の凡例のところにあります日本料理、西洋料理、麺料理でスタートし、昭和59年度にすし料理、中国料理を追加、さらに平成に入ってから、給食用特殊料理を追加ということで、年々数を伸ばしてきておりまして、累計で平成23年度、3万4,504名の方々が専門調理師の資格を受けていらっしゃいます。内訳をごらんいただきますと、日本料理並びに給食用特殊料理が多いという構成になっております。
続きまして、3ページに移らせていただきますが、「(3)調理師養成施設数の年次推移」を、昭和33年以降、棒グラフであらわしております。凡例下にございますとおり、養成施設といいましても、専修学校、各種学校、高等学校、短大・大学という、さまざまな主体で施設が運営されております。昭和34年当初は17施設からスタートしまして、昭和50年代に入りまして200施設を超え、24年度では274施設となっております。
また、参考としまして、下に棒グラフを示しておりますのが、専門課程2年制の動向を示したもので、平成元年に制度が導入されて以降、現在では、平成24年度で112の課程数まで増加しているという状況がございます。
続きまして、4ページに移らせていただきます。(4)としまして、現在就業している調理師の方々の数の推移でございます。平成5年に調理師の就業届出という制度が設けられて、それ以降、2年ごとに届出を行う形になっております。総数につきましては若干減少してきておりまして、平成22年で総数24万3,000人となっております。その中で最も内訳が多いものは、折れ線グラフの水色で示した飲食店営業となっております。
また、さらに施設別で数の推移にどういった特徴があるかということで、大きく2点、下段にグラフを示しております。まず、左側、就業調理師数が一定の数で推移しているものとしては、学校、4万人で推移をしております。また、病院につきましては、3万人前後のところでの推移となっております。
続きまして、右側のグラフに移らせていただきますが、全体の総数が減っている中で、増加傾向が見られる施設としては、社会福祉施設、現在ですと4万5,000人まで増加してきております。また、5,000人を超えてきているのが介護老人保健施設で、この両者につきましては、全体の総数が減る中で増加が見られる施設ということになります。
続きまして、5ページに移らせていただきます。「調理師の方々を取り巻く社会状況の変化」ということで、前回、平成9年に調理師養成施設のカリキュラム等改正が行われた背景につきましては、大きく3点挙げられております。
1点は、新たな調理システムや高度な衛生管理等に対応した専門知識・技術の向上が必要。
2点目としまして、消費者ニーズの高度化、多様化に対応する調理技術・技能・知識の向上が必要。
3点目として、ゆとりある教育と学校の独自性を活かした教育の実施が必要。
前回の改正の平成9年以降、調理師をめぐる社会状況の変化はさまざまなものがございまして、主要なものを幾つか整理してお載せしております。☆が制度等に関するもの、★でお示ししたものが食品安全等をめぐる問題として見受けられるものということで整理をしております。平成12年からは、健康日本21を推進しております。
制度的なものですと、平成17年に食育基本法が制定され、平成18年に第1次食育推進基本計画が策定されておりますが、食育推進の中でも調理師の役割が明記されております。また、平成23年には第2次の食育推進基本計画が策定されておりまして、さらに、下から2つ目になりますが、日本食文化をユネスコ無形遺産に登録申請するといったような動きも出てきております。さらに、平成24年、健康日本21(第2次)に関する大臣告知がなされまして、来年度から開始となっております。
こうした健康づくりや食育に関する制度的な整備とともに、一方で食品安全にかかわるさまざまな問題が起きてきております。例えば、平成12年ですと低脂肪乳の黄色ブドウ球菌による大規模食中毒事件、さらに平成13年にはBSEの発生、そういったことを受けまして、平成15年には食品安全基本法も制定されております。また、平成18年から19年にはノロウイルス、平成20年以降も、中国産冷凍ギョーザによる中毒の発生でありますとか、平成23年に入っても、学校給食による大規模なサルモネラ中毒の発生、さらには牛肉の生食での腸管出血性大腸菌による食中毒事件など、国民の食の安全を揺るがす問題も起きているという背景がございますので、こういった状況の変化も受けまして、目指すべき調理師像について、先生方からの御意見を賜ればと思っております。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
今、御説明いただいた状況を踏まえ、1つ目の目指す調理師像、つまり、どのような調理師を養成するのか、具体像について、本日御出席いただいている先生方から、お一人ずつ御発言をお願いしたいと考えております。調理師養成に携わっている委員の方々から御意見をいただいた後に、現場で業務に当たっている皆さん方から御意見をいただきたいと思っております。
まずは、調理師養成施設協会の方で調査されたようなので、それを田中幸雄委員に御説明いただき、順次御発言をお願いしたいと思っております。では、田中委員、資料3として資料提出をしていただいておりますが、御説明のほど、よろしくお願いします。
○田中幸委員 田中でございます。
それでは、資料3について説明をさせていただきます。本日の1回目の検討会では、目指す調理師像について議論を行うということでございますので、御参考にしていただくために、全調協が独自で行ってまいりました養成教育制度のこれまでの調査研究の経緯、それが1ページの資料でございます。また、平成19年に実施したマル1のアンケート集計結果、そして22年に実施したマル2のアンケートの結果について御報告し、最後はマル3、これまでの議論を集約する形で、調理師養成施設における教育目標を協会として設定をいたしましたので、そちらを紹介させていただきたいと思います。
まず最初に、1ページは、これまで全調協として、どのような内容で調理師養成教育制度について調査研究を行ってきたのかをまとめたものでございます。これまで4つの報告書を全調協として作成しております。昭和33年に調理師法が施行されて以来、来年で55年の歴史がございまして、制度発足以来、何度か法令等の改正を経て、より充実した内容の養成教育制度が整えられてきたところであるかと思います。先ほどもございましたとおり、直近の改正は15年前でございまして、その間、調理師を取り巻く社会環境は大きく変化してきております。
全調協として、調理師を取り巻く、あるいは養成施設を取り巻く環境の変化について申し上げますと、食生活の偏りによる生活習慣病の増加、繰り返される食の安心・安全の問題、少子高齢化の進展や食の外部化、中食化が進み、食に関する消費者のニーズが多様化してきていること。
また、先ほどもございましたが、食育基本法が制定され、地産地消とか、あるいは食文化の継承の担い手としての調理師の社会的な役割が期待されていること。
また、世界的な日本料理ブームや、ユネスコの世界無形文化遺産に登録申請ということで、料理の文化的な側面も国民の関心を呼んでおります。
また、調理師の就労現場におきましては、厨房機器のハイテク化や、新しい衛生管理システムの導入により、高度な技能や知識が求められるなど、専門的な調理技術や関連知識の習得及びその実践力などを備えた調理師の養成が期待されていると思います。調理師を取り巻く環境が大きく変化をして、従来の基礎的な知識や技術に加えて、より高度な職業的専門能力の修得が必要となってきていると考えております。
また、養成教育制度の一層の充実により、調理師の資質や社会的地位の向上を図っていくこと。
また、実際の調理師の就労現場で、今、求められている知識やスキルと養成教育のミスマッチをできるだけ解消していくためにも、職業教育の視点での調理師養成の必要性が高まっていると思います。
全調協として、現行制度は昭和33年以来の歴史がございますので、そのあり方の調査研究に当たっては、白紙から考えるのではなく、現制度の課題を抽出して、問題点を整理する中で求められる調理師像を明確にして、協会としての養成教育のあり方をこれまで検討してまいりました。
また、養成教育制度は、調理師に必要な能力や資質を最低限担保するためのものであり、個々の養成施設の教育方針や教育の考え方がある程度発揮される余地も必要ではないかという観点で検討を行ってきたものでございます。
それでは、調査研究の内容について、長々となって恐縮ですが、ハイライト的に紹介させていただきます。
平成15年8月に総務部会内に初めて「免許資格制度研究会」が発足をいたしました。この免許資格制度について、課題として挙げられましたのは、試験合格者と養成施設卒業者との整合性の問題でございます。昭和33年以来、これまで約360万人の調理師免許が交付されておりますが、免許取得の方法は、中卒以上で2年以上の実務経験を経て試験に合格した者及び中卒以上で厚生労働大臣指定の養成施設を卒業した者でございますが、試験合格のほうは養成教育がございません。養成施設卒業者は調理師法及び養成施設指導要領に基づいて、8教科科目、960時間以上履修、また、各教科60%以上の試験評価により卒業認定を行っておりますので、両者の整合性が問われているということでございます。また、専門的技術を要する免許制度でありながら実技試験がないこと、そして、一般試験においては、都道府県の試験の難易度、あるいは合格率において格差が生じているということが指摘をされました。
それから、平成17年の「カリキュラム研究会」としてスタートした調査研究におきましては、就職先事業所におけるアンケートやヒアリング調査により、養成施設卒業者の調理師に対する現場の評価を集約して養成教育の課題を把握するところから調査研究を始めました。養成施設指導要領の冒頭には、調理師養成施設は、その社会的使命を十分に自覚し、職業人としての調理師を養成するものであるとうたっておりますので、資格取得だけを目的とするのではなく、社会の期待にこたえるための学校教育、職業教育としての調理師養成を行うため、教科科目内容や時間数をどのように見直せばよいのかなど、カリキュラムを中心とした検討を行いまして、求められる人材像と調理師養成教育制度としてまとめ、平成19年5月に報告書を作成いたしました。
また、平成21年5月からは「調理師養成教育制度の将来的あり方研究会」として新たにスタートいたしまして、特に平成9年度の現行の指導要領の改正の効果と弊害について調べる、さまざまな調査を実施したところでございます。この中で、特に衛生教育に対する理論と実践、両面の効果的な指導の必要性や、教科間で重複する学習内容の整理、教員の資格要件の見直し、また就労現場で実践力を発揮するために必要な施設設備や備品などの設置の見直しなどが検討されました。調理実習と栄養衛生食品、あるいは調理科学の各教科間の有機的な連動、あるいは理論と実技が関連づけられた実践的な調理師養成教育の必要性が指摘をされております。
それから、平成22年9月からは「コアカリキュラム検討特別委員会」を設置いたしまして、これまでの調査研究の成果を踏まえ、現指導要領のカリキュラム、教員資格、施設設備基準等について、現行制度の枠組みの中で最大限の見直しを図ること、そして、養成教育制度史上初めてとなります調理師養成施設における教育目標を協会として提示をさせていただいたところでございます。
以上が全調協がこれまで行ってまいりました養成教育制度の調査研究の経緯でございます。
厚生労働省所管の国家資格の中で、受験資格が中卒以上で、養成施設の修業年限が1年以上となっているのは、調理師と製菓衛生師の2つだけであり、調理師の資格のグレードを高めるためには、例えば、栄養士や、あるいは理美容師のように、高卒以上、2年制以上の修業年限の方向が望ましいという意見もございました。
また、調理師養成施設は、専門学校、高等学校、高等専修学校、短期大学、そして最近では4年制の大学も指定を受けており、非常に学校種がたくさんあるというのも特色でございますが、一部の学校種においては、調理師の専門職として就職しない卒業生の割合が多いというところもあり、養成施設の目的である職業人としての調理師を養成することの使命を十分に果たしているのかどうかという指摘もございます。
また、若者の社会的職業的自立や、学校から社会、職業への円滑な意向が大きな課題として認識される中、キャリア教育、職業教育の観点からも、養成教育のあり方を考えていかなければいけないというふうな指摘もございます。
以上が調査研究の経緯でございます。
それでは、2ページ目でございます。これは平成19年5月に実施した飲食店営業の雇用者、養成施設を卒業した調理師を雇用されている事業主からいただいたアンケートの集計結果でございます。調査の内容は、3ページ、4ページ、5ページにございます。調理師の能力や態度、姿勢などについて、就職活動中と採用後の21の項目について評価をいただいたものでございます。
5ページをごらんください。それぞれの評価結果について、棒グラフで表現されております。「2.採用後の仕事に関すること」でございます。それぞれの項目で、満足及びやや満足の合計が50%以上の項目を申しますと、出勤態度、身だしなみ、挨拶や返事、責任感、それから、仕事への意識ということでございまして、養成施設卒業者の調理師に対する現場の評価について、特に就業意識とか、社会人としての基本的な姿勢はおおむねよい評価が、この調査時点では得られております。
一方、7番以下の項目ですけれども、食材の総合的な知識、衛生の正しい知識や行動、9番、栄養価や栄養素バランス等の知識、また、調理技術の評価を問うものとして、調理の専門用語など、基本知識の正しい理解や厨房機器、器具の使用と管理、基本調理技術などにつきましては、非常に評価が低い。特に実務的な能力に関する評価が低いということについては、厳粛に受けとめなければならないと思います。
アンケートに関しましては、個人差、学校差もあり、必ずしも養成施設全体を指すものではございませんが、事業主からの養成施設の教育に関する評価は非常に厳しい指摘がございました。
次に、6ページでございます。「マル2.調理師養成施設卒業者アンケート集計結果」でございます。これは、平成22年4月に実施をいたしました。養成施設の教科科目について、調理師の実務に即した内容となっているのかどうかを問うものでございまして、協会会員校の5年以内の卒業者約1,000名を抽出して、回答を得た604名の集計と分析でございます。
それでは、7ページの図1をごらんください。卒業生が非常に役に立った、やや役に立ったと答えた合計が高いものでございますが、校内における調理実習90.1%、校外における調理実習78.3%、次いで食品衛生学78.1%、調理理論74.8%となっております。これらの科目は、卒業後の実務において実際に学んだことが生かされたと思います。
逆に、役に立たなかったと認識される科目でございますけれども、1番が食文化概論、そして2つ目が衛生法規、3つ目の科目が公衆衛生学でございます。
それから、図2でございますが、15項目について、在学中に学習する内容で必要度の高い項目は何ですかという問いでございます。一番多かったのが基本調理技術、2点目が食材の総合的な知識、3つ目が衛生に対する正しい知識や衛生管理の方法、4が調理に関する専門用語などの基礎知識。
逆に、必要と思われていない項目としては、健康づくりや環境問題、日本料理、諸外国の料理の特徴や文化の違い、食材の由来となっております。
簡単にまとめますと、雇用者のアンケート結果からは、卒業生の就業観、就労意識、あるいは社会人の基礎力育成について一定の成果が出ていると考えられます。また、雇用者、卒業生とも、就労現場における調理技術や、栄養、衛生に関する実務知識については、その必要性を強く認識しているものの、調理師学校において、その修得が十分でなかったということが指摘をされております。
また、現状の準拠科目時間数が960時間もあり、内容的にも重複する科目が多くある現状では、雇用者、卒業生ともに必要性を強く認識しながら、その不足を実感している調理技術の修得や、食品、栄養、衛生の知識を向上させることが難しいのではないかと思います。
また、カリキュラムに関しての今後の方向性といたしましては、科目の事業内容の重複を是正して、学生・生徒の調理技術、知識の学習意欲の喚起につながるようなカリキュラムを編成すること。
また、できる限り重複を解消して、時間数を削減した分、不足している科目に充てることや、新設が必要な科目の導入も検討する。特に重複については、食品衛生学、公衆衛生学及び衛生法規の内容を精査する必要があるのではないかと思います。
それでは、最後に9ページ「マル3.調理師養成施設における教育目標」でございます。これは、全調協のコアカリキュラム検討特別委員会において、養成教育のあり方やカリキュラムの見直しを考える上で、まず教育目標を設定したほうがいいのではないかということで、全調協として掲げたものでございます。「調理師養成施設は、その社会的使命を自覚し、学校教育の利点を活かして一定の質を確保した職業人たる調理師を養成するためのコアとなるカリキュラムの教育目標として、次の目標を掲げる。」ということで、1から5まで設定をしております。必要な知識や技能に加えて、職業人としての調理師の態度とか姿勢についてもうたっておるところでございます。
また、下のほうの追記でございますけれども、特に専門学校2年制の養成においては、時代の流れの中で多様に変化する国民の食へのニーズや、フードビジネス産業の状況に応じて、調理現場で活かせる実践的能力を身につける、あるいはフードサービスの理解を深め、経営経済的視点を養うということも追加をしておるところでございます。
大変長い説明で申しわけございませんでした。調理師養成教育のあり方について、これまで全調協として検討してきた経緯や、アンケートの集計結果を指摘させていただきました。我々の調査研究については、養成教育の当事者の意見でございますので、ぜひ先生方のさまざまな御意見、御指摘をいただき、制度がよりよいものになればと思っております。
以上でございます。
○中村委員 どうもありがとうございました。
とても内容のある報告でした。この調査研究に関して、何か御質問ありますか。ないですか。
では、引き続きまして、各委員からお話をいただきたいのですが、まず、廣瀬委員、お願いいたします。
○廣瀬委員 廣瀬でございます。
私も田中委員と同じように全調協の副会長を仰せつかっているわけでございますが、コアカリキュラムのメンバーの一人でもありますので、田中委員がまとめて、今、お話をしていただいたことを、全く私ども共通の理解としているわけでございます。
ただ、私は今回、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、先ほど河野事務官から御説明ありましたように、全国の養成校が274もあるわけです。しかも、世の中が非常に多様になってまいりました。したがいまして、調理師に求めるものが職場によって非常に違うということも明らかです。しかも、調理師というのは調理をするという人材だけを考えられている部分もあるわけですけれども、フードビジネスとして、全体的な、ミクロ部分でなくてマクロの部分でも検討していっていただかなければならないと思っております。
しかも、多様になってきた中で、高齢化ということについて、これは避けることができません。先ほど中村先生がおっしゃっておられましたけれども、病院というのも大きな食の世界の業態なのですね。それから、きょうお見えでいらっしゃいます介護関係だとか、福祉関係の施設で働く調理師も我々の養成校から輩出しているわけです。その現実がありまして、必ずしもホテルやレストランで活躍する調理師ばかりではないわけです。そう考えますときに、目指す調理師像としまして、私ども全調協としましては、ここに掲げた5つの項目があります。これも確かに必要ではございますけれども、職場によって、どう調理師像を柔軟に適用していくかということは大変難しいところでございますので、逆に言えば、現場の先生方から御意見をちょうだいしまして、さらに、今の法、あるいはこれから改革するであろう法的なものを勘案しまして、新しい形の調理師像をつくっていかなければならないのではないかと思います。
ちなみに、海外における、いわゆるフードビジネスに対する従事者のありよう、それから、フードビジネスそのものが非常に大きく変革しております。したがいまして、調理一つにしましても、かつて、この法律ができたころの調理師は、クックサーブがほとんどでした。ところが、今や、クックサーブではなくて、新しい機器を使いまして、高度な知識や、あるいは科学性も必要になってまいりますし、いろいろなテクニックが要求を受けているわけです。ですから、現在のカリキュラム、それから、内容等にはみ出さない程度の、それぞれの養成校で努力を重ねているという現実をまず御理解いただきたいと思っております。それを含めまして、今後のこのカリキュラムについての検討を私は大変強く期待をしているところでございます。
教育の目標としましては、ただいま田中委員がおっしゃったとおりでございますので、重複しますので、私は重ねて御説明を申し上げませんが、1つだけ、あえて申し上げるとするならば、5つの項目がございます下に2項目書いております。「マル1調理現場で活かせる実践的能力を身につけると共に、フードサービスへの理解を深め、マル2経営経済的視点を養うことも目標とする。」という2項目が書いてあるのですが、ここの部分がむしろ非常に重要なことでして、論理的なことだけで実際に実践するわけにはいかないという面がございまして、私どものアンケートの内容をここで重ねてごらんいただければ大変ありがたいと思うところでございます。
以上でございます。
○中村委員 どうもありがとうございました。
では、引き続きまして、田中祐司委員、お願いいたします。
○田中祐委員 田中祐司でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどから調理師を取り巻く状況とか、現状のお話がございました。要するに、考えられますのが、人口の高齢化、生活習慣病の増大、そして食の安全・安心を脅かすような問題。そういった社会状況の中で、実際、消費者のニーズはといいますと、いつまでも健康で、そして安全な、おいしいものを食したいというものではないかと思うのですね。実際、衛生等に対する国民の意識も非常に高くなってきていると思います。調理師に期待される役割も拡大しつつあると考えられます。養成施設では、衛生に関する科目はカリキュラムの約4分の1を占めているのですけれども、それにもかかわらず、調理現場では学んだ知識を十分に生かしきれていないのではないかと思うところもあります。
要するに、社会情勢の変化とともに、また入学する学生の意識も変わってきております。調理師に対する知識を十分に持たずして、調理師免許を取得できるから入学する、あるいは、入学した学生が就職時に調理業務を理解せずに就職する、そのような現状の中では、結果、離職率の上昇につながっていくのではないかというところなのですね。私どものような学校、調理師養成施設の調理師の養成という役割を担っているのであれば、実際、定着率を上げることによって、調理師の資質の向上と、そして、社会的な存在価値があるものになるのではないかと思います。
こうした国民のニーズだとか、あるいは調理師をめぐる現状、課題から察しますと、目指す調理師像、要するに求められる調理師像とは一体何だろうかと考えましたら、先ほどちょっと申し上げました、いつまでも健康で、そして安全でおいしいものを食べたい。その中で、では、どうするのかということになるのですけれども、時代に即した衛生、栄養関係の知識を有して、そして基礎的な技能に加えて、先ほどお話ありましたけれども、多様に変化する消費者のニーズに対応できる柔軟性と高度な技術を備えた調理師が求められているのではないかと思います。漠然としたお話になりましたけれども、結論は、各時代、時代に求められる調理師が必要ではないかと思います。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 私は養成施設の現場で働いている者なのですけれども、いただいている資料を見ますと、調理師の人数はふえているのですけれども、うちの学校で言えば、今、外国人が非常に多いのです。外国人は、日本を出るまでに申請をすれば、調理師免許がもらえるのです。でも、専門学校を出ても就職はできないのです。できないので、国に帰ってしまいますので、調理師の数はふえているのかといったら、多分、逆に減っていると思います。今の状況で調理師免許をもらって卒業しても、先ほどの話のように定着しないでやめてしまうとかがかなりありますので、調理師はどんどん減っているのだと思います。ホテルや何かに皆さんがいらっしゃいますけれども、ことしの募集に関しても、2次募集、2次募集とたくさんくるのです。それは、調理師が足りないのではないかという状況になっているのだと思います。
あと、このグラフとかも見ましても、先生方がおっしゃっているとおり、給食とかが多くなってきて、それから、社会福祉とか介護とか、これがどんどんふえているのです。私も学生の面接とかもするのですけれども、初めから、小学校の子供たちにおいしいものを食べさせたいとか、そういう目標で入ってくる学生もいますのでね。どこかの提案事項でありましたけれども、サルモネラとか、黄色ブドウ球菌とか、いろいろなことが毎年、毎年出てくるわけです。こちらの資料を見ると、役に立っていない科目とか、嫌いな科目というのが、要はそこに入っているわけですね。私も授業を聞いていて、例えば、食品衛生学とか、栄養学とか、同じことを話しているのではないのとは思いますけれども、それは食品から見た栄養で、栄養から見た食品で、どちらも一番大切なことを話しているので、これをなくしてしまうというのは多分、ないと思うわけで、公衆衛生学とか、似たような学問がたくさんあるのですけれども、それは一番大切な学問だと思うのです。その学問が学生に嫌われていて、こういう事件が多発しているというのがあると思います。
先ほどから先生方がおっしゃっているとおり、安心・安全が一番大切で、それから、時代によっても全てが変わってきているので、ホテルに行っても、レストランに行っても、集団給食に行っても、スチーム・コンベクション・オーブンは必ずあり、何度で何分加熱するのか、今はそれが主なことになっておりますので、触ってどうなっているとか、時代がそういう感覚ではないわけで、加熱も低温も、高圧も減圧も、たくさんあります。私は現場の人間として学生たちに教えるのが、料理は地理に歴史に宗教で、化学に物理である。魚のタンパク質が何種類あって、H2Oがどうなっているのか、電磁波がわからないと電子レンジも使えない。ですから、時代に合ったものを教えていかないといけないのだと思います。
それから、食材自体も、私たちが知っているのとは、世界の食材が変わっています。私は西洋料理ですから、トマトホールといったら、サンマルツァーノ種だったのですけれども、それはもうほぼ存在しないトマトになっていますし、キャビアはカスピ海にはいませんし、フォアグラも禁止のところが多いです。フォアグラも、脂の成分はオリーブオイルに近いということは余り知られていませんし、一番危険なのはバターなのですけれども、そういうような新しい情報とか、新しい技術、その時代に合ったものを教えていくのが一番大切なのではないかと思います。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
次に、現場の方々からお話をお聞きしたいと思うのですが、まず、岡部委員、お願いします。
○岡部委員 最初、目指す調理師像と言われたときに、果たして調理師像というのは何だろうと。調理師というのは、一言で言われても、いろいろな調理師があるわけではないですか。例えば、日本料理、中国料理、西洋料理、そして製菓、製パンも多分、そうだと思います。すし料理だとか、麺料理、これも調理師だと思うのです。だから、一概に調理師像といっても、何と答えればいいのか、何の話をすればいいのかなというのが疑問でした。
私は現在、病院調理師として勤めています。一応、がん感染症センター駒込病院となっていますが、日本病院調理師協会で会長もやらせていただいています。その中で、病院調理師を目指す調理師像というところを目指してもらおうと思って、病院調理師認定機構というのを、今、立ち上げています。平成17年に立ち上げて、3カ月間の通信教育を行いまして、最後に認定試験、そして合否を決定してから、認定カード、認定証書を渡す。これは、病院調理師としての自覚、自分はここまでやれるのだというモラルの向上もあるのかと思います。
調理師養成施設というのがどうしても頭に出てきてしまうのですが、調理師養成施設、要するに調理師学校を卒業して、確かにホテル、レストラン、いろいろな専門の調理師を目指す方はすごく多いと思うのですが、この資料の中に、就業調理師数の推移というのがあるのですが、なぜここで学校、社会福祉施設、病院、介護老人保健施設等が出てきたのかというところが疑問には思ったのです。ある調理師学校の就業割合を調べてみたのですが、大体20%ぐらいが病院と社会福祉、介護老人保健施設に就業していることがわかりました。
ただ、病院と社会福祉施設、老人介護に就業される方は、本当だったら即戦力となっていただかないと困るというところがあります。そのためには、それなりの知識と技術を持っていなければ、とてもではないけれども、勤めてすぐ実践になれるのかどうかというのがすごく心配です。先ほどの先生方も言われていたとおりに、即戦力というのが、多分、一番大事なところではないだろうかと私は思います。病院の調理師は、仕込みから下処理、加熱調理、そういう一般の調理法は確かに皆さんわかっていると思うのですが、病態に合わせた適切な調理法、例えば、潰瘍食で言えば、確かにやわらかく、焦げ目のないように仕上げなければいけないのですが、見た目もおいしくしなければいけないし、食感も大切にしなければいけない、こういう調理法。あとは、塩分制限食などというのは、塩分は少なくても、おいしい食事を出さなければいけない。これはだしのとり方なのですが、だしをどのように取り扱うか、その辺のところが一番必要になってくると思います。
どんな調理でも、最終的には盛りつけが一番大事だと思います。特に病院というのは、もし患者さんが見た目で食べたくないと思われたら、非常に困るのです。まずは見た目でおいしそうな盛付け和することが必要です。一般治療食、特別治療食等、本来、病院の食事というのは100%喫食していただかないと治療効果にはつながらない。この辺のところも考えて盛りつけをしなければいけないのかなというところです。
そしてまた、嚥下だとか、そしゃくだとか、そういうところで非常に問題があるのですが、この辺に関しては、どうしても病院は食事形態、再加工食が非常に大事になってくるのです。そこにおいては、食べやすさだとか、かみやすさ、また消化のしやすさというところで、一口大に切ったり、刻み食にしたり、ミキサー食にしたり、その後に嚥下を助けるとろみ剤を使ったとろみ食というのも必要になってくるところです。この辺のところが、介護老人保健施設等に必要な、高齢化での介護食にもすごく通じるところではないのかなと思います。
病院の特別治療食に変わりますけれども、多分、皆さんも御存じだと思いますが、エネルギー制限食、塩分制限食、脂質制限食等々がありますが、患者には、病態に応じて食事を調理調整なのです。料理を調理するではなくて、調理調整にかかわってくるのです。この辺のところのさまざまな料理が、基本的な知識、そして技術、これがすごく必要になってくると思います。
今は選択食というのがありまして、何種類かから御自分で選べるという食事も出しています。これは患者のQOL向上のために行っているわけですけれども、そういう食事ができる。要するに、病院調理師の目指す調理師像というところで、患者の、食べる側の思いに立った調理ができて、盛りつけができて、食事形態がとれるか。そして、たまに病棟訪問に行って、この食事はこの患者さんが食べているのだと顔を見て、これでおいしく食べていただいているのだなという思いがすごく大事だと思います。特にエネルギー制限食になると、検査入院というのがありまして、そこで食事を出すのですが、家庭に帰ってからも、この食事があなたの食事ですよ、だから自分でも食べられるように教育をする。ここもまた大切なことかなと。退院してからも、自分の健康を守る。そういうところがすごく大切なところではないかと思います。
こういうところを考えていただければ、病院調理師としての本当にプロフェッショナルなところができるのではないかと思います。養成施設の方たちには、確かに集団給食という科目はあるかもしれませんが、その中で1つのカリキュラムとして入れていただければ、学校を卒業した人たちが即戦力になれるのではないかと思っております。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、斉藤委員、お願いいたします。
○斉藤委員 私は、日本中国料理協会の最高技術顧問をしております。発会当時から組織委員と副会長をやって、全国に支部をつくって歩いたのですけれども、現在の調理師像というのは、売れる調理師でないとだめだと思うのです。私はホテルにいますけれども、ホテルの売り上げの中枢は料理の売り上げが大半なのですね。500室以上ですと、約65~66%が料飲の売り上げだということで、私どもは熊本ですので、200室しかございませんから、約85%が料飲部門で、調理は52%の売り上げを上げるということが現実なのですね。だから、今までの時代の調理師像というよりも、現在は経営感覚の調理師像を求められる時代なのです。
だから、ぼうっとしていたらだめになってくるような時代になっているので、昔のバブルのいいときの大きなホテルの時代にやっていた、俗にメインダイニングという、ホテル協会で何平米にはどれぐらいのと決まっていた時代から、今はメインダイニングは全部つぶれていっているのが現状なのですね。メインダイニングというのはホテルのメンツで、入らないレストランを営業してメインダイニングといって、原価をメイン厨房というところから援助しているというのが15~16年前の営業形態で、今はそれが許されなくなっています。特に厳しい時代ですので、人件費をそれぞれ計算するようになってしまいますと、どうしても調理師というのはしっかりしていかなければいけないというのが現状です。
ただ、さっき佐藤先生が言いましたけれども、恐らく調理師の人数は減っているのではないかと僕らも思います。簡単に入ってきて、簡単にやめます。それは忍耐力のなさと、生き方だと思うのです。今みたいな苦しい時代になってしまいますと、即製品に触れる、つくれる、給料はまあまあとれるということで、ホテルに入ってくる料理人が簡単にやめてしまうのが現状です。やめてどこへ行くかというと、焼鳥屋さんとか、炉端焼き屋さんとか、それは即戦力として扱ってくれます。そのため、そちらに逃げるというのが現状です。20年、30年先はどうなるのか、それは誰もわからないし、神様しか知らないという現状なので、即戦力として、そういうところへ求めるというのが今の調理師像だと私は思います。
ただ、今、調理師が一番しっかりしなければいけないのは、完全に売り上げを上げられて、しっかりもうける調理師でないと、今の調理師としては通用しないのですね。私は熊本にいますから、東京都は巨大過ぎてわからないですけれども、地方都市というのは、まず、フランス料理、和食、それは日本人しかできないことなのです。ところが、私は中国料理ですので、中国料理というのは、熊本の市内だけでも5軒、料理人が中国人、ウェイター、ウェイトレスが中国人、留学生をアルバイトさせて、とんでもない値段でやる、これが現状なのですね。会社がありますので、私は北海道の札幌もよく行きますが、札幌もそうです。簡単に外国人が店をやれるという時代になってしまったのですね。
調理師免許が何なのかということを問われる時代が今ではないかなと思うのですね。調理師免許がなくてもやれる。これをたたくと国際問題になるのでしょうけれども、簡単に出てくるのは中国料理だけなのですね。日本は今、中国料理がこれだけ氾濫していますし、マーボーナスが国民の卓上に乗るような時代になっていますので、それらしきものは中国人はちょっとまねてつくるというのが現状で、実際にはこれが私どもの業界を圧迫するような状態になっているのは確かなのですね。私どもの売っている値段の約半分ぐらいの値段で売っていくという方法でやりますし、働いているのは留学生ですので、学費を稼げればいいという感じでやっていますので、結構難しい時代になっているのではないかなと思っています。
今、日本は不景気のどん底になっています。特にホテル関係はほぼ壊滅に近いぐらいに落ち込んでいます。私はきょうの朝、マレーシアから帰ってきたばかりなのですけれども、今、マレーシアはパンとスイーツ、ケーキが大ブームです。これはシンガポールもそうです。インドネシアは日本の市場の倍ありますので、きのう聞いたのですけれども、インドネシアに日本の大手のパン工場ができます。恐らく、はるかインドネシアがとんでもない国になっていくと思います。そこへ機械とともに日本の菓子職人、パン職人が出ていっているのですね。きのう、大活躍している4人、40前後の若い料理人さんと食事を一緒にしたのですけれども、機械と一緒に上陸していっているのですね。
海外に求められるような時代にどんどんなっていくような感じもしますし、日本で調理師のあり方がどうなるのかわかりませんけれども、今の調理師像というのは昔の調理師像と違って、ばかなことはしてはいけないし、確実に、堅実にもうける調理師像でなければいけなくなっていますので、自分たちが見習いで入った時代とは全然違いますので、行動的というより、頭を使うような、さっきコンベクションの話も出ましたけれども、お医者さんもそうですけれども、パソコンを使えない人はもう医者ではないので、何か説明するのも映像で説明するというような時代になっています。いろいろ機械が進歩していきますので、先ほど言うように、菓子職人、パン職人を輸出している時代ですので、機械と一緒に海外へ出て行く。向こうの人は機械を触れない、日本人の職人は触れるということで、今は発酵から全部コンピューターでやるそうなので、そういうのも含めて、機械と職人が一緒に海外に出て行く時代になっていますので、昔の調理師像とは違って高度になっているような感じがしますので、ぼうっとしていたら置いていかれるというような調理師像なので、今、特に日本の調理師というのはしっかりしなければいけないのではないかと思っております。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、平良委員、お願いいたします。
○平良委員 きょうは遅くなって申しわけございませんでした。
私は長年、小学校にて学校給食に携わってきました。学校給食は、文部科学省の指導の下、教育の中の一環として給食を児童・生徒に提供しています。私達、学校調理師は、栄養士の指示のもと、栄養士の作成した献立を調理し、衛生面にも細心の注意をはらいながら、児童・生徒に提供しています。
「調理師像」という言葉を聞き、私は児童・生徒の成長を考え、季節感と味と見た目を工夫し、安心・安全で心のこもった美味しい給食を作り、提供していくのが学校調理師なのだと思いました。
皆さんのいろいろなお話を聞きながら、学校給食調理師は卒業しましたが、今後は調理師として少しでもお役に立てたら、と思い、お話を伺わせていただきました。答えにならなくて申し訳ありません。
○中村委員 ありがとうございました。
では、政安委員、お願いいたします。
○政安委員 済みません、風邪を引いているもので、お聞き苦しいところがあるかもしれません。
先ほど病院の岡部先生からのお話もありましたように、資料2の4ページの下段の右の図をごらんになっていただきますとよくおわかりになると思うのですが、社会福祉施設、これは特別養護老人ホームとか、障害者の施設です。そして介護老人保健施設の調理師数が年々増加している傾向にあるということから考えますと、やはり調理師に対する期待が大きくなっているのだと思います。
それはなぜかといいますと、今、高齢者とか障害者のところでは、そしゃく、嚥下と申しますが、かむことや飲み込むことがうまくできないので食べられないということ。そして、そこに入所している御利用者様は、食べたいという希望と、食べたいという気持ちは十分におありだけれども、なかなかその人に合ったものがお出しできないという問題点が出ております。皆さんも御存じだと思うのですが、全ての食べ物がミキサーや、または裏ごし器にかけてペースト状にしたものが出てきたら、とてもおいしいとは感じることがなく、食欲は出ないと思うのですね。ですから、食形態として形があるものであって、さらにおいしく食べられるものを開発するとか、そのようなことができる調理技術を身につけていただければ、現場としても大変喜ばしいことなのかなと思いますし、ご利用者様の食べる楽しみをぜひ広げていただけたらと思っております。
そのような内容で、社会福祉施設や介護老人保健施設の調理師の育成にも力を入れていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、山中委員、お願いいたします。
○山中委員 今まで皆様の意見を伺って、同じ食に携わる者ですが、業態によって随分調理事情も違うし、いろいろだなということで聞いてまいりました。岡部委員から即実践力というお話がありましたが、我々は全く考えておりませんで、調理師学校を出てこようと、出てこないで直接入ってこようと、一から教えるという状態ですね。確かにカリキュラムはしっかり、衛生関係で4分の1と、どなたかおっしゃっていたけれども、教えられているのは教えられているのだろうけれども、一体どの程度身につけて卒業しているのかなと、非常に疑問を感じるのですね。これは今後の話であって、今は理想の話ですが、カリキュラムの改正ばかりではなくて、それをどのように生徒に身につけさせるのか、それをどういうふうに評価するのかということも少し改革しなければいけないのかなと思っております。
私は中国料理店を経営し、私自身が中国料理のコック、調理師でございますけれども、我々の理想として見るならば、それはお客様のニーズにこたえるということに尽きるわけでございます。斉藤委員もおっしゃっていたけれども、お客様のニーズにこたえられないようでは、調理師として何の価値もないというか、どんなに技術があっても、腕があっても、お客様のニーズにこたえられないような調理師は話にならないわけです。
今、どういうニーズがあるのかといいますと、まず、お客様は健康志向ですね。どんなにおいしいものでも、やはり不健康なものは好まれないので、おいしくて健康によいものを食べたいというのが確かなニーズだと思っております。
もう一つは、国産食材を使っているのか、地元の食材を使っているのかということを、料理屋のほうもアピールしますし、お客様も気になされる。それはやはり安全の問題でしょうね。食品が安全なのかということがやはりニーズとしてあるわけです。安全と健康のニーズというのは大きいと思いますね。そういうものにこたえられなければならないというのが1つでございます。
もう一つは、調理師が減っているぞというお話もあったし、グラフも確かに減っている。何で減っているのか。いろいろな側面があるかもしれないけれども、例えば、大手のチェーンレストラン等々を見ますと、調理師をなるべく置かないで人件費を削減する、学生のアルバイトで調理させる、セントラルキッチンで半ばつくって、あとは温めるだけ、そういう仕事は調理師は要らないよということもあるのかなと思うのですね。そういった中、調理師が求められるのは、衛生管理とか、安全性の管理とか、管理の側面ですね。そういう意味では、材料費の管理とか、無駄を省くとか、そういう経営的なセンスも管理者としての能力ということでございますから、技術者としても技術力を高めてお客様のニーズにこたえなければいけない、同時に管理者として管理能力も高めなければいけない、そういう課題があるのかなと感じているところでございます。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、最後に、吉田委員、お願いいたします。
○吉田委員 本日は、何をやるかわからないで出席しましたが、60年ぐらい前に調理師試験がございまして、それから一度も連絡も提示もありませんので、ただ持っているだけ、今は結構そういう方が多いのではないでしょうか。業界でも、調理師試験とか、調理師のことに対して話題になることをまず聞いたことは一度もございません。ですから、問題をつくることよりも、試験保持者の運用のほうをもっと力を入れたらいいかがでしょうかと思います。
きょうは勉強不足で余り詳しいことはわかりませんので、以上にさせていただきます。
○中村委員 ありがとうございました。
時間はほぼスケジュールどおり進んでいるのですが、ここで御質問、御意見を受けると時間が足らなくなってしまうので、あとのカリキュラムや設備の話をして、全体として皆さんから御意見をお伺いしたいと思います。
それでは、続きまして、資料1のマル2のカリキュラムの見直しの方向、施設・設備等の見直しの方向について議論をします。まず、事務局より、現状と方向性の案について説明をお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 カリキュラム等の現状についてでございますが、資料4をごらんいただけますでしょうか。
まず、カリキュラムについては、教科科目及び授業時間数ということで、調理師法施行規則に定められております。表としてお書きしておりますとおり、教科科目、イの食文化概論からチの調理実習までの8科目と、リの選択必修科目ということで、それぞれ授業時間数が決まっておりまして、合計で960時間以上となっております。
参考に右側に平成9年の改正時にどういったものかということをお示ししておりますが、このときには、イからトまで7科目。改正の内容としては、現行では食文化概論が追加されて、社会がなくなっている。また、調理理論及び実習について、現行では調理理論、調理実習に分離されているというのが、平成9年のときの改正の内容でございます。また、このときには総数をお示ししてございませんが、1,200時間以上という総時間数が、今は、先ほどからお話が出ているように960時間以上となっております。
続きまして、参考としてお示ししておりますのは、他の専門職の養成の内容がどうなっているか。例えば、2ページでございますが、参考として栄養士養成施設。これにつきましては、平成12年に改正がされておりますが、教科科目ということではなく、教育内容ということで、例えば、社会生活と健康であるとか、人体の構造と機能という形での教育内容が提示された上で、教育目標ということで、各内容ごとに教育目標が提示されることになっております。栄養士につきましても、平成12年の改正前は、現行の調理師のカリキュラムと同様に科目ごとでの提示であったものが、平成12年の改正時に、教育内容と教育目標を提示する形に変更されております。
また、ほかの職種、例えば、3ページに理学療法士の例をお出ししておりますが、厚生労働省の資格では、こういった形で、教育内容、教育の目標ということでの整理がなされてきているというのが現在の状況でございます。
続きまして、4ページ、施設の備品等ということで、調理師法の施行規則におきましては、調理実習室及び集団給食調理実習室に備えるべき器具、備品ということで、別表第二に記載してありますものが規定されております。
参考として、平成9年の改正以前のものでは、かなり細かく、簡易に記述されていたものを、平成9年の改正の段階、現行のものですけれども、調理実習室、集団給食調理実習室とも、その時点で必要だと思われるものがかなり具体的に記載される形になっています。先ほど来話があるように、時代とともに施設・設備も変わり、現時点で不要なものもあるというお声もお聞きしておりますので、こういった内容についても、1つ1つの器具名を書くのか、あるいは目的を持って、こういったことができる備品ということで整理をしているような他職種の例もございますので、時代に即した形で、どういった記述が望ましいのかということも改めて議論をしていただく必要があると考えております。
5ページに移りまして、教員の資格につきましては、調理師法施行規則においては、専任教員のうち、1人以上は調理師であること。また、同様に調理師法施行規則において、教員は、調理師の養成に適当であると認められるものであることが規定されておりまして、各教科科目の教員の資格としては、調理師養成施設の指導要領に、各科目ごとに資格が記述されているという状況にあります。
5ページから6ページにわたりまして、教科科目、教員の資格ということで、食文化概論から調理実習の各科目について、教員の資格が整理されているというのが現状でございます。
さらに、7ページは、調理師試験の試験科目ということで、調理師養成施設のカリキュラムに応じる形で、調理師試験基準に提示されている調理師試験の教科科目も同様の科目となっておりますので、仮に今回、調理師養成施設のカリキュラムが見直しになった場合につきましては、調理師試験の科目についても、どういった内容にするかという議論が出てまいります。ここに示してありますとおり、教科科目につきましての提示とともに、問題数が60問以上と定められておりまして、全問題数に対する各科目の割合が示されている現状があります。
今、申し上げましたことが現行の規則等に基づきました現状ということになります。
続きまして、資料5に移らせていただきます。「調理師養成施設のカリキュラムと施設・設備等の見直しの方向性について(案)」ということで、何点かお示しをさせていただきました。
カリキュラムの見直しの方向性については、大きく3点。教科科目の統合について、学習の効率化、あるいは効果を高めるためという必要性があれば、そうした統合を行いつつ、かつ教育内容という形での提示をしてはどうか。
2点目につきましては、教育内容の提示に合わせて、教育の目標も提示してはどうか。
3点目につきましては、修業年限が2年の養成施設について、現在目安となるものはごさいませんので、別途目安となる教育内容を提示してはどうか。
もう一つの課題としましては、施設・設備等の見直しの方向性については、現在の調理技術に即した内容にするとともに、時代の変化に対応できるよう、見直しを行ってはどうか。
まずは見直しの方向性として4点ほど案を提示させていただきましたので、御議論いただければと思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
では、先ほどのあるべき姿の検討内容、御意見の内容を踏まえて、資料5のカリキュラムや施設・設備等の見直しの方向性について、御意見をお伺いしたいと思います。この論点については、必要、あるいは今回は別の論点のほうがよいのではないか、あるいはここに記載されていない点で必要なものもあるというような意見も含めて議論していただければありがたいと思います。では、どうぞ、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○岡部委員 食文化概論は、私が考えるには、食育が平成17年からできたではないですか。そのことを考えて出てきたのかなと思います。
それと、また即戦力と言ってはいけないのかもしれませんが、調理実習の300時間以上というところにおいて、平成9年が調理理論及び実習ということで600時間以上となっているのですが、実際のところ、調理理論と調理実習の割合はどれくらいだったのかを知りたいなと思いました。
以上です。
○中村委員 先ほどの食文化概論が、どういうことですか。
○岡部委員 食文化概論というのは、平成17年にできた食育基本法のところでも少し入ってきているのかなというところです。要するに、食育ということに関して、調理師学校でも学ばねばならないところがあるのではないでしょうかと、私の考えです。
それから、もう一つが、平成9年の調理理論及び実習というところで600時間以上あるのに、新しいほうでは調理理論が150時間以上、調理実習が300時間以上。平成9年の600時間以上というところで、どのくらいの違いがあるのでしょうかということです。
○中村委員 これはおわかりですか。
○中村委員 どうぞ。
○田中幸委員 今の調理理論及び実習600時間以上の割合は、この当時は、調理実習が400時間以上で、調理理論が200時間以上であったかと思います。
○岡部委員 ありがとうございます。
○中村委員 ほかにございますか。どうぞ。いかがでしょうか。特に、先ほど事務局から提案されている4点に関して、この方向性についてはどうかということをきょうは議論していただきたいと思うのですが、この方向性に関して、問題ありませんか。どうですか。
協会のほうはいかがですか。どうぞ。
○田中幸委員 それでは、資料5の見直しの方向性につきまして、意見を私から述べたいと存じます。
まず、教科科目の統合を行い、教科内容を提示してはどうかということでございますが、ぜひこの方向で見直していただきたいと思います。実際に教育現場の先生方からの御意見、あるいは有識者、専門家の方々のさまざまなアドバイスも聞く中で、特に公衆衛生学、衛生法規、食品衛生学については、内容的に重複する部分が多い。また、栄養学、食品学も同様でございますので、本当に調理師の実際の業務に必要な実務の視点での科目のコンテンツといいますか、その部分を見直すといいますか、場合によったら統合も1つの方向ではないかと思います。資料4の2ページの栄養士養成施設の教育内容の科目タイトルは、いわゆる何々学というものではなく、例えば、食品と衛生とか、あるいは栄養と健康というふうな教育内容、タイトルになっておりますので、こういうふうな方向の統合もあり得るのではないか。
それから、教育の目標を提示してはどうか。まさに、どういった調理師を育成するのか、1つの理念でございますので、それを設定する中で、どういった教科科目、ないしはその内容が必要なのかというふうな議論の流れになるかと思いますので、教育の目標も提示してはどうかと思います。
それから、修業年限が2年の養成施設について、別途目安となる教育内容を示してはどうかということでございます。いわゆる8教科科目、960時間に加えて、どういった教育内容が必要か、これはいろいろな議論があろうかと思いますが、調理師といっても、他の専門職とチームワークで、共同しながら課題解決とか、特定の業務を行っていく。給食現場などでは、特にチームによる業務もあるわけでございますので、例えば、コミュニケーション力を醸成するとか、修得したことを実践できる発揮力ということも必要になるのではないかと思っております。
それから、施設・設備の見直しでございます。これも先ほど指導官からございましたけれども、今の必要な機器については、既に余り現場では使われていないものもございますし、必ずこれは必要ではないかというものも含まれていないものもございます。ただ、こういった厨房機器というのはどんどん発達しておりますので、備品等の記述表現についてはまた検討を要するかというふうに思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
どうぞ。
○山中委員 御質問なのですけれども、健康と料理というのがニーズとしてあるというお話をしたけれども、現行、例えば、栄養学は栄養学でやっているし、調理実習は調理実習でやっているわけでしょう。それをくっつけて、栄養学で学んだ知識を実際の料理にしていくとか、そういう教育プログラムが仮にできたとしたらば、それはカリキュラムとしてどういう時間割になっていくわけですか。栄養学と調理実習が組み合わさったような授業を仮につくったときに、それはカリキュラムの時間数として、どのように配分するのか、あるいは、それはそれとして、栄養学とも調理実習とも違う1つのカリキュラムとしていくのか。
要するに、食文化もそうなのですよ。どこどこ地方は正月にどんなお雑煮を食べていますかとか、知識だけで教え込んでいくから、生徒は何も聞かないし、それが実践として役にも立たないわけですね。栄養学も、知識だけだと、どうしても生徒たちは右から左に流れていってしまう。だから身につかない。これを料理の実践の中で生かすような、そういう指導をしていくと、少しは身につくのですね。栄養学と調理というのはそういう関係にあると、私はどうしても思うのですよ。
厚労省のこまの、あるではないですか、バランスの。あれを私は実践したことがあるのですけれども、難しいのです。野菜をこれだけ食べなさい、肉をこれだけ食べなさい、肉料理、ハンバーグでこのぐらい食べる、野菜は野菜の煮つけでこういうふうにやる、そういうやり方をしていくと、なかなかとれないのですよ。野菜たっぷりの肉料理をつくるとか、何か工夫しなければいけないのですね。ですから、栄養学を、絵に描いたものではなくて、実際に生かしていくとなると、これはかなりの調理技術が必要だし、そういう調理技術としっかり組み合った形で教えていただくと、また身にもつくのですね。何かとりとめのない話なのですが。
○中村委員 どうぞ。
○河野栄養・食育指導官 まさに、今、御指摘いただいたところが、今回のカリキュラム改正の一番の大きな課題だと思っております。例えば、2ページとか3ページのところに栄養士とか理学療法士が出ていますけれども、どういった教育内容を組み合わせるのか、あるいは教育目標を記述するのかによって、今のような内容が補完できるのか、あるいは組み合わせ方はいろいろありますので、どういう組み合わせで必要な授業時間数を確保していくのか、そのあたりも、現行の状況も踏まえながら、これから整理をいただくというのが、次回2回目の検討の大きなポイントになります。
今の御指摘のとおり、個々の科目の名称が並ぶだけでは、関連性がわかりにくい、いわゆる体系的に教えることができにくいというところで、他職種の教育内容は統合する形で整理をされているというのが近年の状況ですので、それに見合った形で、調理師についてもカリキュラムを見直してはどうかということが今回の一番のポイントになります。先ほど田中委員のほうからは、重複を整理するという観点もあり、ただ今の山中委員のように、もっと積極的に組み合わせることで効果的に取り込んではどうかという、両方の視点で議論していただければと思います。
○中村委員 ほかにございますか。どうぞ。
○佐藤委員 今、山中委員がおっしゃったことは、うちは調理師科と栄養士科がございますので、栄養士科がやっていることなのですね。多分、それを調理師科で持っていくのはどうしたらいいのかという話になると思います。
それから、うちの学校の場合、1年制と2年制がありますので、1年だと基本しか教えられないです。2年になると、先ほどおっしゃっていた経営とか、そういうことになってきますし、これだけの食材を与えるので、この食材で9品目つくりなさいとか、献立を決めておいて、これで360キロカロリーの料理だから、360キロカロリーでつくるとどういう味がするのか、本人が身を挺して食べてみなさい、油をこれだけしか使わなかったらこういう味の料理なのだというのは、うちは2年制ではやるのですね。でも、1年制ではそこまで手がつけられない状況で終わってしまうというのが現状です。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
ほかにございますか。どうぞ。
○斉藤委員 今、熊本県では、糖尿病の料理を、レストラン、ホテル含めて20店舗ですが、ブルーサークルというので、熊大の教授の案で、来年、糖尿病の大会があるので、それに備えてやっています。和食、洋食、中華とやっているのですけれども、現実に料理人がつくると、とても頭を痛めてしまうような味になって、疲れてしまうのですね。しかし、私どもは料理人ですから、おいしく食べさせなければいけない。おいしくないのはお金を取れない。そのジレンマに落ち込んでしまって、今、いろいろ試行錯誤して、でき上がってしまったのですけれども、これから先、そういうお客様も徐々にふえてくるのかなと思っています。実際に今、10日過ぎましたけれども、飛びついているのはごくわずかですね。どちらかというと、お客様側が、そういう人がたくさんいるのかなと思うとクレッションで、お客様が不安で箸をつけているような感じが実際しています。ただ、来年に向かって、約半年間、20店舗で、熊本市内はホテル4店含めて、ブルーサークルという料理名で、糖尿病のコースを、中華は全品はだめですので、1品とデザートと野菜サラダ系、フレンチが一番低カロリーでいくと、自分では料理人として感じられないのですけれども、計算をするとそうなるらしいので、実際にはフレンチは5品出るのです。自分たちは料理人として、カロリーが高いのではないかと思うけれども、計算上はぴしゃり合っているというので、最近ちょっと考えさせられた料理をつくったのが現在の状態です。これをあと半年間続けて、どういう結果が出るかわかりませんけれども、徐々にこういう時代に入っているのかなという感じはします。
○中村委員 それは調理師と栄養士が合同でつくられたのですか。
○斉藤委員 そうです。熊大の荒木教授という代謝内科の教授と、そこに栄養士が3人か4人ついて、各ところにメニューを出してやるのですね。私も1年前の全国の糖尿学会の雑誌にオール中華料理のコースを出して、カロリー計算をして、2カ月かかって、その本に載っていますけれども、自分たち料理人としては、とても頭を悩ませてしまうのですね。これが本当にベストなら、料理人をやめなければいけないかなと思うような壁にぶつかってしまったこともあったのです。今回は和洋中ということで、ホテル4店、あと、まちのレストランを含めて20店舗ですか、現実にスタートしています。最初はマスコミが取り上げますけれども、これから先は市民が取り上げるか、上げないかが勝負だと思います。熊大の教授が旗を上げてやったのが現実ですね。
○中村委員 どうぞ、局長。
○矢島健康局長 我々は健康日本21でソーシャルキャピタルという言葉を使いまして、それはまさに社会全体として、人材も含め、ネットワークも含め、そういうふうな基盤をつくっていくことをねらいとしています。
ソーシャルキャピタル、そういうふうな社会を日本の中でつくっていくことが健康づくりにつながっていくという発想があるものですから、ぜひ調理師さんたちも、健康づくりのソーシャルキャピタルの一翼を担っていただきたい。給食だとか、いろいろな調理提供施設について実践いただくためにも調理師さんを育てていただく養成施設にそういうふうな思いが入っていただけるとありがたいと思います。
○中村委員 ありがとうございました。
時間が迫ってきたのですが、済みません、局長、最後にとてもいい話をしていただきまして。
先ほど、調理師か、栄養士かという話があったのですが、私は基本的に連携したほうがいいと思っています。栄養のコントロールはやはり栄養士が秀でていますし、おいしくするスキルは調理師が秀でていますから、両者が一緒になってメニュー開発をして、国民のために、おいしいヘルシーメニューを展開していくという方向がいいのではないかと思います。
もう時間がないので、きょうの議論はまた引き続きましてやらせていただきますが、事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いしたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料6をごらんいただけますでしょうか。スケジュール(案)としまして、本日、第1回の検討会を踏まえまして、第2回検討会を12月下旬、第3回、第4回をそれぞれ1月、2月ということを予定しております。年度内には報告書を取りまとめ、公表する方向でというのが全体でのスケジュールになります。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
以上のとおりの日程ですが、先生方には大変お忙しいとは存じますが、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、閉会に当たりまして、事務局から何かあるでしょうか。
○河野栄養・食育指導官 次回の日程ですが、現在、12月20日木曜日の方向で調整をさせていただいておりますので、決定次第、正式に御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○中村委員 どうもありがとうございました。
ちょうど時間になりましたので、本日はこれで終わりたいと思いますが、きょうはお忙しいところを御出席いただきまして、本当にありがとうございました。これをもちまして第1回の検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
委員の皆様方には、御多忙中のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
本来、開会に先立ちまして、矢島健康局長より御挨拶を申し上げるところでございますが、公務のため、おくれての出席となりますので、到着次第、挨拶させていただきます。
それでは、本日、御出席の先生方の御紹介をさせていただきます。先生方の名簿につきましては、お手元に配付している資料の一番後ろの参考資料1、検討会開催要綱の裏面に委員の方々のお名前と御所属を示した名簿がついておりますので、そちらを御参照いただければと思います。
岡部伸雄委員でございます。
○岡部委員 がん感染症センター駒込病院から来ました岡部です。本日はよろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 斉藤隆士委員でございます。
○斉藤委員 熊本のホテルキャッスルの社長をやっています斉藤です。よろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 佐藤月彦委員でございます。
○佐藤委員 服部栄養専門学校で西洋料理を担当しております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 平良久子委員につきましては、若干おくれていらっしゃいますので、後ほど御紹介させていただきます。
田中祐司委員でございます。
○田中祐委員 大阪の辻調理師専門学校から来ました田中でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 田中幸雄委員でございます。
○田中幸委員 京都調理師専門学校の田中と申します。全国調理師養成施設協会総務部会の部会長も仰せつかっております。よろしくお願い申し上げます。
○河野栄養・食育指導官 中村丁次委員でございます。
○中村委員 神奈川県立保健福祉大学の中村でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 廣瀬喜久子委員でございます。
○廣瀬委員 東京誠心調理師専門学校の理事長を仰せつかっております、さらに全調協の教育振興部会の部会長をいたしております廣瀬でございます。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 政安静子委員でございます。
○政安委員 社会福祉法人で特別養護老人ホームのいくり苑那珂の福祉施設長をしております。日本栄養士会でも福祉職域の理事として活動させていただいています。どうぞよろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 山中一男委員でございます。
○山中委員 山中です。日本中国料理協会専務理事、また全調協の外部理事もいたしております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 吉田龍一委員でございます。
○吉田委員 吉田でございます。東京都飲食業生活衛生同業組合の副理事長をやっております。よろしくお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 続きまして、事務局を紹介させていただきます。
健康局がん対策・健康増進課の宮嵜課長でございます。
○宮嵜課長 宮嵜でございます。どうぞよろしくお願いします。
○河野栄養・食育指導官 改めまして、私、栄養・食育指導官の河野と申します。よろしくお願いいたします。
また、、栄養管理係の係長の増田と主査の田中です。どうぞよろしくお願いいたします。
本検討会の座長でございますが、事務局として、神奈川県立保健福祉大学学長でいらっしゃる中村丁次委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○河野栄養・食育指導官 それでは、中村先生に座長をお願いいたします。
また、ただ今、平良委員が到着されました。
それでは、座長から一言御挨拶をいただきました後、これ以降の進行につきましては、中村座長にお願いいたします。
○中村委員 ただいま座長をお受けしました中村でございます。
私は、30年近く病院の食事を担当してきました。私は、病院の食事を最初に食べたときに、改革に乗り出そうと即座に思いました。当時、病院の食事というのはとてもまずい食事ということで世の中に認識されており、ある小説を読んでいたら、このレストランは病院の食事ほどまずいと書いてありました。その一言で、どのぐらい、このレストランの食事がまずいかわかるぐらいの、まずい食事の代名詞だと言われていました。
病院の食事というのはいろいろな制限があり、カロリーを制限したり、食塩を制限したりしますから、まずくなる条件はあるのですが、それと同時に、実は、余り言われていないのですが、患者さん自身がおいしく食べる能力が低下しているのです。味覚が変わったり、摂食能力が低下したりしています。したがって、とても厳しい状況の中で作っているのですが、患者さん方は食事を楽しみにするわけです。おいしく食べさせる努力というのは本当に大変でございました。ところが、私を助けてくれた調理師さんがとても優秀な、有能な調理師さんでありました。そのおかげで、ここの病院の食事はおいしいという評価を得ることができました。
時代が変わって、調理師に今、求められる知識や技術は高度になりつつあります。そこで調理師法養成の方法を、もう一度見直そうということで、厚労省でこの検討会を立ち上げていただいたわけです。この時期に立ち上がったことは、とても意義のあることだろうと理解しています。この会がスムーズにいきますように、御協力のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。
では、ちょうど矢島局長がいらっしゃいましたので、御挨拶のほど、よろしくお願いいたします。
○矢島健康局長 健康局長の矢島でございます。遅くなりまして申しわけございませんでした。
本日は、先生方、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
また、先生方には日ごろから厚生労働行政を初め、栄養、調理、健康づくり全般にわたりまして、いろいろな意味でお世話になっております。この場をおかりいたしまして厚くお礼申し上げさせていただきます。
前回は平成9年でございまして、既に15年がたったということでございます。その間、日本では、少子高齢化だけではなく、いろいろな意味で環境が変わってきております。その中で私どもは、来年度から第2次の健康日本21を進めていきたいと考えておりまして、そういう時期に合わせ皆様方にも、調理師の養成施設に関しまして、そのあり方というのでしょうか、調理師の方に健康づくりの面でも御活躍いただけるようなことをぜひ御議論いただければと思います。
養成施設のカリキュラム、施設等の見直しの方向性については、後ほど御説明をさせていただくことになると思いますが、教科科目につきまして、教育内容も含め、教育目標、そういうところについて、ぜひこれから御議論いただきたいと思っておりまして、これからの厚生労働行政の大きな流れの中で、健康づくりという観点もぜひ入れていただければありがたい。そういうことも踏まえて、ぜひ先生方に御議論いただければありがたいという思いがございます。ちょうど来年の4月から第2次の健康日本21が始まります。それに合わせて、ガイドラインですとか、いろいろなものの見直しも行われますので、ぜひそういうことも含めた流れの中で御議論いただければありがたいと思います。本日は中村座長を初め、委員の先生方には大変お世話になります。よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございました。
それでは、これから議事に入らせていただきます。初めに、本日が初回ですので申し上げますが、この検討会は全て公開とさせていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、資料が配付されておりますので、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、お手元に配付しております資料について御説明させていただきます。
資料1につきましては、「調理師の養成のあり方等に関する検討の進め方(案)」でございます。
資料2としましては、ホチキスどめになってございますが、「調理師を取り巻く状況」。
資料3としましては、田中幸雄委員より提出いただいた資料で「調理師養成施設のカリキュラム検討のためのアンケート集計結果及び調理師養成施設における教育目標について」。
続きまして、資料4につきましては、「調理師養成施設のカリキュラム等の現状」。
資料5につきましては、「調理師養成施設のカリキュラムと施設・設備等の見直しの方向性について(案)」となってございます。
資料6につきましては、本検討会のスケジュール(案)。
さらに、冒頭御説明しましたが、参考資料1として「調理師の養成のあり方等に関する検討会開催要綱」。
また、ピンクのファイルは、今回の議論の基礎資料となります調理師法関連資料並びに食育基本法、ただいま局長から説明のありました健康日本21(第2次)の資料等を参考資料として机上に置かせていただいておりますので、議論の参考にしていただけたらと思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございます。
資料が抜けている委員はいませんか。ないですか。
では、本日が第1回目の検討会でありますので、まずは全体としての検討の進め方について、事務局から説明いただきたいと思います。では、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料1をごらんいただけますでしょうか。「調理師の養成のあり方等に関する検討の進め方(案)」について、今回は検討事項として、四角の枠で囲みましたマル1からマル3の大きく3つが挙げられます。
まず、調理師をめぐる状況を踏まえまして、1点目としては、目指す調理師像、どのような調理師を養成するのかの具体像について御検討いただきまして、そうした調理師像に向けた調理師の養成において、2点目としまして、左側の四角の中、どのような知識や技術が必要かということで、カリキュラムの見直しの方向及びそのために必要な知識や技術をどのように修得させるか、右の四角の枠になりますが、施設・設備等の見直しの方向について御検討いただきます。さらに、一番下の四角の中になりますが、3点目として、カリキュラム等の見直しに伴い、変更が必要な事項、例えば、調理師試験の科目の変更などについて御検討いただくことになります。最終的には、マル1からマル3についての検討の整理を行っていただきまして、本検討会の報告書としてとりまとめていただくことになります。
検討会全体の進め方につきましては、以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
何か御質問ある方はいらっしゃいますか。ございませんか。なければ、本日はマル1の目指す調理師像、マル2のカリキュラムの見直しの方向、施設・設備等の見直しの方向の議論を進めることといたします。きょうは方向性の議論でございますので、まだ中身に入り込んだ議論ではないので、方向性の議論をきょうは十分したいと思います。
それでは、マル1の目指す調理師像についての議論をするに当たり、調理師を取り巻く現在の状況について、事務局から御説明していただきたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料2に基づきまして「調理師を取り巻く状況」について御説明させていただきます。
1点目としまして、1ページ、「調理師・専門調理師の状況」でございますが、「(1)調理師免許交付数の推移」につきましては、青の棒グラフでお示ししたとおり、昭和40年には55万、50年には129万と、着実に増加をしてきております。ただ、ここ数年は維持ということで、23年度現在、累計の免許交付数は359万となっております。
その下には、参考として、免許取得資格分類別内訳ということで、どういった手段で資格を取得しているか、その内訳を示したものでございます。昭和50年には、中ほどの紫部分になりますが、試験合格の方が多い状況でしたが、直近の平成23年では、養成施設の卒業が1万6,613名、試験合格が2万3,754名、合わせて約4万という形になってございます。
続きまして、2ページに移らせていただきます。(2)は「専門調理師数の推移」を示しております。専門調理師の制度は昭和56年に制定されておりまして、当時は、右側の凡例のところにあります日本料理、西洋料理、麺料理でスタートし、昭和59年度にすし料理、中国料理を追加、さらに平成に入ってから、給食用特殊料理を追加ということで、年々数を伸ばしてきておりまして、累計で平成23年度、3万4,504名の方々が専門調理師の資格を受けていらっしゃいます。内訳をごらんいただきますと、日本料理並びに給食用特殊料理が多いという構成になっております。
続きまして、3ページに移らせていただきますが、「(3)調理師養成施設数の年次推移」を、昭和33年以降、棒グラフであらわしております。凡例下にございますとおり、養成施設といいましても、専修学校、各種学校、高等学校、短大・大学という、さまざまな主体で施設が運営されております。昭和34年当初は17施設からスタートしまして、昭和50年代に入りまして200施設を超え、24年度では274施設となっております。
また、参考としまして、下に棒グラフを示しておりますのが、専門課程2年制の動向を示したもので、平成元年に制度が導入されて以降、現在では、平成24年度で112の課程数まで増加しているという状況がございます。
続きまして、4ページに移らせていただきます。(4)としまして、現在就業している調理師の方々の数の推移でございます。平成5年に調理師の就業届出という制度が設けられて、それ以降、2年ごとに届出を行う形になっております。総数につきましては若干減少してきておりまして、平成22年で総数24万3,000人となっております。その中で最も内訳が多いものは、折れ線グラフの水色で示した飲食店営業となっております。
また、さらに施設別で数の推移にどういった特徴があるかということで、大きく2点、下段にグラフを示しております。まず、左側、就業調理師数が一定の数で推移しているものとしては、学校、4万人で推移をしております。また、病院につきましては、3万人前後のところでの推移となっております。
続きまして、右側のグラフに移らせていただきますが、全体の総数が減っている中で、増加傾向が見られる施設としては、社会福祉施設、現在ですと4万5,000人まで増加してきております。また、5,000人を超えてきているのが介護老人保健施設で、この両者につきましては、全体の総数が減る中で増加が見られる施設ということになります。
続きまして、5ページに移らせていただきます。「調理師の方々を取り巻く社会状況の変化」ということで、前回、平成9年に調理師養成施設のカリキュラム等改正が行われた背景につきましては、大きく3点挙げられております。
1点は、新たな調理システムや高度な衛生管理等に対応した専門知識・技術の向上が必要。
2点目としまして、消費者ニーズの高度化、多様化に対応する調理技術・技能・知識の向上が必要。
3点目として、ゆとりある教育と学校の独自性を活かした教育の実施が必要。
前回の改正の平成9年以降、調理師をめぐる社会状況の変化はさまざまなものがございまして、主要なものを幾つか整理してお載せしております。☆が制度等に関するもの、★でお示ししたものが食品安全等をめぐる問題として見受けられるものということで整理をしております。平成12年からは、健康日本21を推進しております。
制度的なものですと、平成17年に食育基本法が制定され、平成18年に第1次食育推進基本計画が策定されておりますが、食育推進の中でも調理師の役割が明記されております。また、平成23年には第2次の食育推進基本計画が策定されておりまして、さらに、下から2つ目になりますが、日本食文化をユネスコ無形遺産に登録申請するといったような動きも出てきております。さらに、平成24年、健康日本21(第2次)に関する大臣告知がなされまして、来年度から開始となっております。
こうした健康づくりや食育に関する制度的な整備とともに、一方で食品安全にかかわるさまざまな問題が起きてきております。例えば、平成12年ですと低脂肪乳の黄色ブドウ球菌による大規模食中毒事件、さらに平成13年にはBSEの発生、そういったことを受けまして、平成15年には食品安全基本法も制定されております。また、平成18年から19年にはノロウイルス、平成20年以降も、中国産冷凍ギョーザによる中毒の発生でありますとか、平成23年に入っても、学校給食による大規模なサルモネラ中毒の発生、さらには牛肉の生食での腸管出血性大腸菌による食中毒事件など、国民の食の安全を揺るがす問題も起きているという背景がございますので、こういった状況の変化も受けまして、目指すべき調理師像について、先生方からの御意見を賜ればと思っております。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
今、御説明いただいた状況を踏まえ、1つ目の目指す調理師像、つまり、どのような調理師を養成するのか、具体像について、本日御出席いただいている先生方から、お一人ずつ御発言をお願いしたいと考えております。調理師養成に携わっている委員の方々から御意見をいただいた後に、現場で業務に当たっている皆さん方から御意見をいただきたいと思っております。
まずは、調理師養成施設協会の方で調査されたようなので、それを田中幸雄委員に御説明いただき、順次御発言をお願いしたいと思っております。では、田中委員、資料3として資料提出をしていただいておりますが、御説明のほど、よろしくお願いします。
○田中幸委員 田中でございます。
それでは、資料3について説明をさせていただきます。本日の1回目の検討会では、目指す調理師像について議論を行うということでございますので、御参考にしていただくために、全調協が独自で行ってまいりました養成教育制度のこれまでの調査研究の経緯、それが1ページの資料でございます。また、平成19年に実施したマル1のアンケート集計結果、そして22年に実施したマル2のアンケートの結果について御報告し、最後はマル3、これまでの議論を集約する形で、調理師養成施設における教育目標を協会として設定をいたしましたので、そちらを紹介させていただきたいと思います。
まず最初に、1ページは、これまで全調協として、どのような内容で調理師養成教育制度について調査研究を行ってきたのかをまとめたものでございます。これまで4つの報告書を全調協として作成しております。昭和33年に調理師法が施行されて以来、来年で55年の歴史がございまして、制度発足以来、何度か法令等の改正を経て、より充実した内容の養成教育制度が整えられてきたところであるかと思います。先ほどもございましたとおり、直近の改正は15年前でございまして、その間、調理師を取り巻く社会環境は大きく変化してきております。
全調協として、調理師を取り巻く、あるいは養成施設を取り巻く環境の変化について申し上げますと、食生活の偏りによる生活習慣病の増加、繰り返される食の安心・安全の問題、少子高齢化の進展や食の外部化、中食化が進み、食に関する消費者のニーズが多様化してきていること。
また、先ほどもございましたが、食育基本法が制定され、地産地消とか、あるいは食文化の継承の担い手としての調理師の社会的な役割が期待されていること。
また、世界的な日本料理ブームや、ユネスコの世界無形文化遺産に登録申請ということで、料理の文化的な側面も国民の関心を呼んでおります。
また、調理師の就労現場におきましては、厨房機器のハイテク化や、新しい衛生管理システムの導入により、高度な技能や知識が求められるなど、専門的な調理技術や関連知識の習得及びその実践力などを備えた調理師の養成が期待されていると思います。調理師を取り巻く環境が大きく変化をして、従来の基礎的な知識や技術に加えて、より高度な職業的専門能力の修得が必要となってきていると考えております。
また、養成教育制度の一層の充実により、調理師の資質や社会的地位の向上を図っていくこと。
また、実際の調理師の就労現場で、今、求められている知識やスキルと養成教育のミスマッチをできるだけ解消していくためにも、職業教育の視点での調理師養成の必要性が高まっていると思います。
全調協として、現行制度は昭和33年以来の歴史がございますので、そのあり方の調査研究に当たっては、白紙から考えるのではなく、現制度の課題を抽出して、問題点を整理する中で求められる調理師像を明確にして、協会としての養成教育のあり方をこれまで検討してまいりました。
また、養成教育制度は、調理師に必要な能力や資質を最低限担保するためのものであり、個々の養成施設の教育方針や教育の考え方がある程度発揮される余地も必要ではないかという観点で検討を行ってきたものでございます。
それでは、調査研究の内容について、長々となって恐縮ですが、ハイライト的に紹介させていただきます。
平成15年8月に総務部会内に初めて「免許資格制度研究会」が発足をいたしました。この免許資格制度について、課題として挙げられましたのは、試験合格者と養成施設卒業者との整合性の問題でございます。昭和33年以来、これまで約360万人の調理師免許が交付されておりますが、免許取得の方法は、中卒以上で2年以上の実務経験を経て試験に合格した者及び中卒以上で厚生労働大臣指定の養成施設を卒業した者でございますが、試験合格のほうは養成教育がございません。養成施設卒業者は調理師法及び養成施設指導要領に基づいて、8教科科目、960時間以上履修、また、各教科60%以上の試験評価により卒業認定を行っておりますので、両者の整合性が問われているということでございます。また、専門的技術を要する免許制度でありながら実技試験がないこと、そして、一般試験においては、都道府県の試験の難易度、あるいは合格率において格差が生じているということが指摘をされました。
それから、平成17年の「カリキュラム研究会」としてスタートした調査研究におきましては、就職先事業所におけるアンケートやヒアリング調査により、養成施設卒業者の調理師に対する現場の評価を集約して養成教育の課題を把握するところから調査研究を始めました。養成施設指導要領の冒頭には、調理師養成施設は、その社会的使命を十分に自覚し、職業人としての調理師を養成するものであるとうたっておりますので、資格取得だけを目的とするのではなく、社会の期待にこたえるための学校教育、職業教育としての調理師養成を行うため、教科科目内容や時間数をどのように見直せばよいのかなど、カリキュラムを中心とした検討を行いまして、求められる人材像と調理師養成教育制度としてまとめ、平成19年5月に報告書を作成いたしました。
また、平成21年5月からは「調理師養成教育制度の将来的あり方研究会」として新たにスタートいたしまして、特に平成9年度の現行の指導要領の改正の効果と弊害について調べる、さまざまな調査を実施したところでございます。この中で、特に衛生教育に対する理論と実践、両面の効果的な指導の必要性や、教科間で重複する学習内容の整理、教員の資格要件の見直し、また就労現場で実践力を発揮するために必要な施設設備や備品などの設置の見直しなどが検討されました。調理実習と栄養衛生食品、あるいは調理科学の各教科間の有機的な連動、あるいは理論と実技が関連づけられた実践的な調理師養成教育の必要性が指摘をされております。
それから、平成22年9月からは「コアカリキュラム検討特別委員会」を設置いたしまして、これまでの調査研究の成果を踏まえ、現指導要領のカリキュラム、教員資格、施設設備基準等について、現行制度の枠組みの中で最大限の見直しを図ること、そして、養成教育制度史上初めてとなります調理師養成施設における教育目標を協会として提示をさせていただいたところでございます。
以上が全調協がこれまで行ってまいりました養成教育制度の調査研究の経緯でございます。
厚生労働省所管の国家資格の中で、受験資格が中卒以上で、養成施設の修業年限が1年以上となっているのは、調理師と製菓衛生師の2つだけであり、調理師の資格のグレードを高めるためには、例えば、栄養士や、あるいは理美容師のように、高卒以上、2年制以上の修業年限の方向が望ましいという意見もございました。
また、調理師養成施設は、専門学校、高等学校、高等専修学校、短期大学、そして最近では4年制の大学も指定を受けており、非常に学校種がたくさんあるというのも特色でございますが、一部の学校種においては、調理師の専門職として就職しない卒業生の割合が多いというところもあり、養成施設の目的である職業人としての調理師を養成することの使命を十分に果たしているのかどうかという指摘もございます。
また、若者の社会的職業的自立や、学校から社会、職業への円滑な意向が大きな課題として認識される中、キャリア教育、職業教育の観点からも、養成教育のあり方を考えていかなければいけないというふうな指摘もございます。
以上が調査研究の経緯でございます。
それでは、2ページ目でございます。これは平成19年5月に実施した飲食店営業の雇用者、養成施設を卒業した調理師を雇用されている事業主からいただいたアンケートの集計結果でございます。調査の内容は、3ページ、4ページ、5ページにございます。調理師の能力や態度、姿勢などについて、就職活動中と採用後の21の項目について評価をいただいたものでございます。
5ページをごらんください。それぞれの評価結果について、棒グラフで表現されております。「2.採用後の仕事に関すること」でございます。それぞれの項目で、満足及びやや満足の合計が50%以上の項目を申しますと、出勤態度、身だしなみ、挨拶や返事、責任感、それから、仕事への意識ということでございまして、養成施設卒業者の調理師に対する現場の評価について、特に就業意識とか、社会人としての基本的な姿勢はおおむねよい評価が、この調査時点では得られております。
一方、7番以下の項目ですけれども、食材の総合的な知識、衛生の正しい知識や行動、9番、栄養価や栄養素バランス等の知識、また、調理技術の評価を問うものとして、調理の専門用語など、基本知識の正しい理解や厨房機器、器具の使用と管理、基本調理技術などにつきましては、非常に評価が低い。特に実務的な能力に関する評価が低いということについては、厳粛に受けとめなければならないと思います。
アンケートに関しましては、個人差、学校差もあり、必ずしも養成施設全体を指すものではございませんが、事業主からの養成施設の教育に関する評価は非常に厳しい指摘がございました。
次に、6ページでございます。「マル2.調理師養成施設卒業者アンケート集計結果」でございます。これは、平成22年4月に実施をいたしました。養成施設の教科科目について、調理師の実務に即した内容となっているのかどうかを問うものでございまして、協会会員校の5年以内の卒業者約1,000名を抽出して、回答を得た604名の集計と分析でございます。
それでは、7ページの図1をごらんください。卒業生が非常に役に立った、やや役に立ったと答えた合計が高いものでございますが、校内における調理実習90.1%、校外における調理実習78.3%、次いで食品衛生学78.1%、調理理論74.8%となっております。これらの科目は、卒業後の実務において実際に学んだことが生かされたと思います。
逆に、役に立たなかったと認識される科目でございますけれども、1番が食文化概論、そして2つ目が衛生法規、3つ目の科目が公衆衛生学でございます。
それから、図2でございますが、15項目について、在学中に学習する内容で必要度の高い項目は何ですかという問いでございます。一番多かったのが基本調理技術、2点目が食材の総合的な知識、3つ目が衛生に対する正しい知識や衛生管理の方法、4が調理に関する専門用語などの基礎知識。
逆に、必要と思われていない項目としては、健康づくりや環境問題、日本料理、諸外国の料理の特徴や文化の違い、食材の由来となっております。
簡単にまとめますと、雇用者のアンケート結果からは、卒業生の就業観、就労意識、あるいは社会人の基礎力育成について一定の成果が出ていると考えられます。また、雇用者、卒業生とも、就労現場における調理技術や、栄養、衛生に関する実務知識については、その必要性を強く認識しているものの、調理師学校において、その修得が十分でなかったということが指摘をされております。
また、現状の準拠科目時間数が960時間もあり、内容的にも重複する科目が多くある現状では、雇用者、卒業生ともに必要性を強く認識しながら、その不足を実感している調理技術の修得や、食品、栄養、衛生の知識を向上させることが難しいのではないかと思います。
また、カリキュラムに関しての今後の方向性といたしましては、科目の事業内容の重複を是正して、学生・生徒の調理技術、知識の学習意欲の喚起につながるようなカリキュラムを編成すること。
また、できる限り重複を解消して、時間数を削減した分、不足している科目に充てることや、新設が必要な科目の導入も検討する。特に重複については、食品衛生学、公衆衛生学及び衛生法規の内容を精査する必要があるのではないかと思います。
それでは、最後に9ページ「マル3.調理師養成施設における教育目標」でございます。これは、全調協のコアカリキュラム検討特別委員会において、養成教育のあり方やカリキュラムの見直しを考える上で、まず教育目標を設定したほうがいいのではないかということで、全調協として掲げたものでございます。「調理師養成施設は、その社会的使命を自覚し、学校教育の利点を活かして一定の質を確保した職業人たる調理師を養成するためのコアとなるカリキュラムの教育目標として、次の目標を掲げる。」ということで、1から5まで設定をしております。必要な知識や技能に加えて、職業人としての調理師の態度とか姿勢についてもうたっておるところでございます。
また、下のほうの追記でございますけれども、特に専門学校2年制の養成においては、時代の流れの中で多様に変化する国民の食へのニーズや、フードビジネス産業の状況に応じて、調理現場で活かせる実践的能力を身につける、あるいはフードサービスの理解を深め、経営経済的視点を養うということも追加をしておるところでございます。
大変長い説明で申しわけございませんでした。調理師養成教育のあり方について、これまで全調協として検討してきた経緯や、アンケートの集計結果を指摘させていただきました。我々の調査研究については、養成教育の当事者の意見でございますので、ぜひ先生方のさまざまな御意見、御指摘をいただき、制度がよりよいものになればと思っております。
以上でございます。
○中村委員 どうもありがとうございました。
とても内容のある報告でした。この調査研究に関して、何か御質問ありますか。ないですか。
では、引き続きまして、各委員からお話をいただきたいのですが、まず、廣瀬委員、お願いいたします。
○廣瀬委員 廣瀬でございます。
私も田中委員と同じように全調協の副会長を仰せつかっているわけでございますが、コアカリキュラムのメンバーの一人でもありますので、田中委員がまとめて、今、お話をしていただいたことを、全く私ども共通の理解としているわけでございます。
ただ、私は今回、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、先ほど河野事務官から御説明ありましたように、全国の養成校が274もあるわけです。しかも、世の中が非常に多様になってまいりました。したがいまして、調理師に求めるものが職場によって非常に違うということも明らかです。しかも、調理師というのは調理をするという人材だけを考えられている部分もあるわけですけれども、フードビジネスとして、全体的な、ミクロ部分でなくてマクロの部分でも検討していっていただかなければならないと思っております。
しかも、多様になってきた中で、高齢化ということについて、これは避けることができません。先ほど中村先生がおっしゃっておられましたけれども、病院というのも大きな食の世界の業態なのですね。それから、きょうお見えでいらっしゃいます介護関係だとか、福祉関係の施設で働く調理師も我々の養成校から輩出しているわけです。その現実がありまして、必ずしもホテルやレストランで活躍する調理師ばかりではないわけです。そう考えますときに、目指す調理師像としまして、私ども全調協としましては、ここに掲げた5つの項目があります。これも確かに必要ではございますけれども、職場によって、どう調理師像を柔軟に適用していくかということは大変難しいところでございますので、逆に言えば、現場の先生方から御意見をちょうだいしまして、さらに、今の法、あるいはこれから改革するであろう法的なものを勘案しまして、新しい形の調理師像をつくっていかなければならないのではないかと思います。
ちなみに、海外における、いわゆるフードビジネスに対する従事者のありよう、それから、フードビジネスそのものが非常に大きく変革しております。したがいまして、調理一つにしましても、かつて、この法律ができたころの調理師は、クックサーブがほとんどでした。ところが、今や、クックサーブではなくて、新しい機器を使いまして、高度な知識や、あるいは科学性も必要になってまいりますし、いろいろなテクニックが要求を受けているわけです。ですから、現在のカリキュラム、それから、内容等にはみ出さない程度の、それぞれの養成校で努力を重ねているという現実をまず御理解いただきたいと思っております。それを含めまして、今後のこのカリキュラムについての検討を私は大変強く期待をしているところでございます。
教育の目標としましては、ただいま田中委員がおっしゃったとおりでございますので、重複しますので、私は重ねて御説明を申し上げませんが、1つだけ、あえて申し上げるとするならば、5つの項目がございます下に2項目書いております。「マル1調理現場で活かせる実践的能力を身につけると共に、フードサービスへの理解を深め、マル2経営経済的視点を養うことも目標とする。」という2項目が書いてあるのですが、ここの部分がむしろ非常に重要なことでして、論理的なことだけで実際に実践するわけにはいかないという面がございまして、私どものアンケートの内容をここで重ねてごらんいただければ大変ありがたいと思うところでございます。
以上でございます。
○中村委員 どうもありがとうございました。
では、引き続きまして、田中祐司委員、お願いいたします。
○田中祐委員 田中祐司でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどから調理師を取り巻く状況とか、現状のお話がございました。要するに、考えられますのが、人口の高齢化、生活習慣病の増大、そして食の安全・安心を脅かすような問題。そういった社会状況の中で、実際、消費者のニーズはといいますと、いつまでも健康で、そして安全な、おいしいものを食したいというものではないかと思うのですね。実際、衛生等に対する国民の意識も非常に高くなってきていると思います。調理師に期待される役割も拡大しつつあると考えられます。養成施設では、衛生に関する科目はカリキュラムの約4分の1を占めているのですけれども、それにもかかわらず、調理現場では学んだ知識を十分に生かしきれていないのではないかと思うところもあります。
要するに、社会情勢の変化とともに、また入学する学生の意識も変わってきております。調理師に対する知識を十分に持たずして、調理師免許を取得できるから入学する、あるいは、入学した学生が就職時に調理業務を理解せずに就職する、そのような現状の中では、結果、離職率の上昇につながっていくのではないかというところなのですね。私どものような学校、調理師養成施設の調理師の養成という役割を担っているのであれば、実際、定着率を上げることによって、調理師の資質の向上と、そして、社会的な存在価値があるものになるのではないかと思います。
こうした国民のニーズだとか、あるいは調理師をめぐる現状、課題から察しますと、目指す調理師像、要するに求められる調理師像とは一体何だろうかと考えましたら、先ほどちょっと申し上げました、いつまでも健康で、そして安全でおいしいものを食べたい。その中で、では、どうするのかということになるのですけれども、時代に即した衛生、栄養関係の知識を有して、そして基礎的な技能に加えて、先ほどお話ありましたけれども、多様に変化する消費者のニーズに対応できる柔軟性と高度な技術を備えた調理師が求められているのではないかと思います。漠然としたお話になりましたけれども、結論は、各時代、時代に求められる調理師が必要ではないかと思います。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 私は養成施設の現場で働いている者なのですけれども、いただいている資料を見ますと、調理師の人数はふえているのですけれども、うちの学校で言えば、今、外国人が非常に多いのです。外国人は、日本を出るまでに申請をすれば、調理師免許がもらえるのです。でも、専門学校を出ても就職はできないのです。できないので、国に帰ってしまいますので、調理師の数はふえているのかといったら、多分、逆に減っていると思います。今の状況で調理師免許をもらって卒業しても、先ほどの話のように定着しないでやめてしまうとかがかなりありますので、調理師はどんどん減っているのだと思います。ホテルや何かに皆さんがいらっしゃいますけれども、ことしの募集に関しても、2次募集、2次募集とたくさんくるのです。それは、調理師が足りないのではないかという状況になっているのだと思います。
あと、このグラフとかも見ましても、先生方がおっしゃっているとおり、給食とかが多くなってきて、それから、社会福祉とか介護とか、これがどんどんふえているのです。私も学生の面接とかもするのですけれども、初めから、小学校の子供たちにおいしいものを食べさせたいとか、そういう目標で入ってくる学生もいますのでね。どこかの提案事項でありましたけれども、サルモネラとか、黄色ブドウ球菌とか、いろいろなことが毎年、毎年出てくるわけです。こちらの資料を見ると、役に立っていない科目とか、嫌いな科目というのが、要はそこに入っているわけですね。私も授業を聞いていて、例えば、食品衛生学とか、栄養学とか、同じことを話しているのではないのとは思いますけれども、それは食品から見た栄養で、栄養から見た食品で、どちらも一番大切なことを話しているので、これをなくしてしまうというのは多分、ないと思うわけで、公衆衛生学とか、似たような学問がたくさんあるのですけれども、それは一番大切な学問だと思うのです。その学問が学生に嫌われていて、こういう事件が多発しているというのがあると思います。
先ほどから先生方がおっしゃっているとおり、安心・安全が一番大切で、それから、時代によっても全てが変わってきているので、ホテルに行っても、レストランに行っても、集団給食に行っても、スチーム・コンベクション・オーブンは必ずあり、何度で何分加熱するのか、今はそれが主なことになっておりますので、触ってどうなっているとか、時代がそういう感覚ではないわけで、加熱も低温も、高圧も減圧も、たくさんあります。私は現場の人間として学生たちに教えるのが、料理は地理に歴史に宗教で、化学に物理である。魚のタンパク質が何種類あって、H2Oがどうなっているのか、電磁波がわからないと電子レンジも使えない。ですから、時代に合ったものを教えていかないといけないのだと思います。
それから、食材自体も、私たちが知っているのとは、世界の食材が変わっています。私は西洋料理ですから、トマトホールといったら、サンマルツァーノ種だったのですけれども、それはもうほぼ存在しないトマトになっていますし、キャビアはカスピ海にはいませんし、フォアグラも禁止のところが多いです。フォアグラも、脂の成分はオリーブオイルに近いということは余り知られていませんし、一番危険なのはバターなのですけれども、そういうような新しい情報とか、新しい技術、その時代に合ったものを教えていくのが一番大切なのではないかと思います。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
次に、現場の方々からお話をお聞きしたいと思うのですが、まず、岡部委員、お願いします。
○岡部委員 最初、目指す調理師像と言われたときに、果たして調理師像というのは何だろうと。調理師というのは、一言で言われても、いろいろな調理師があるわけではないですか。例えば、日本料理、中国料理、西洋料理、そして製菓、製パンも多分、そうだと思います。すし料理だとか、麺料理、これも調理師だと思うのです。だから、一概に調理師像といっても、何と答えればいいのか、何の話をすればいいのかなというのが疑問でした。
私は現在、病院調理師として勤めています。一応、がん感染症センター駒込病院となっていますが、日本病院調理師協会で会長もやらせていただいています。その中で、病院調理師を目指す調理師像というところを目指してもらおうと思って、病院調理師認定機構というのを、今、立ち上げています。平成17年に立ち上げて、3カ月間の通信教育を行いまして、最後に認定試験、そして合否を決定してから、認定カード、認定証書を渡す。これは、病院調理師としての自覚、自分はここまでやれるのだというモラルの向上もあるのかと思います。
調理師養成施設というのがどうしても頭に出てきてしまうのですが、調理師養成施設、要するに調理師学校を卒業して、確かにホテル、レストラン、いろいろな専門の調理師を目指す方はすごく多いと思うのですが、この資料の中に、就業調理師数の推移というのがあるのですが、なぜここで学校、社会福祉施設、病院、介護老人保健施設等が出てきたのかというところが疑問には思ったのです。ある調理師学校の就業割合を調べてみたのですが、大体20%ぐらいが病院と社会福祉、介護老人保健施設に就業していることがわかりました。
ただ、病院と社会福祉施設、老人介護に就業される方は、本当だったら即戦力となっていただかないと困るというところがあります。そのためには、それなりの知識と技術を持っていなければ、とてもではないけれども、勤めてすぐ実践になれるのかどうかというのがすごく心配です。先ほどの先生方も言われていたとおりに、即戦力というのが、多分、一番大事なところではないだろうかと私は思います。病院の調理師は、仕込みから下処理、加熱調理、そういう一般の調理法は確かに皆さんわかっていると思うのですが、病態に合わせた適切な調理法、例えば、潰瘍食で言えば、確かにやわらかく、焦げ目のないように仕上げなければいけないのですが、見た目もおいしくしなければいけないし、食感も大切にしなければいけない、こういう調理法。あとは、塩分制限食などというのは、塩分は少なくても、おいしい食事を出さなければいけない。これはだしのとり方なのですが、だしをどのように取り扱うか、その辺のところが一番必要になってくると思います。
どんな調理でも、最終的には盛りつけが一番大事だと思います。特に病院というのは、もし患者さんが見た目で食べたくないと思われたら、非常に困るのです。まずは見た目でおいしそうな盛付け和することが必要です。一般治療食、特別治療食等、本来、病院の食事というのは100%喫食していただかないと治療効果にはつながらない。この辺のところも考えて盛りつけをしなければいけないのかなというところです。
そしてまた、嚥下だとか、そしゃくだとか、そういうところで非常に問題があるのですが、この辺に関しては、どうしても病院は食事形態、再加工食が非常に大事になってくるのです。そこにおいては、食べやすさだとか、かみやすさ、また消化のしやすさというところで、一口大に切ったり、刻み食にしたり、ミキサー食にしたり、その後に嚥下を助けるとろみ剤を使ったとろみ食というのも必要になってくるところです。この辺のところが、介護老人保健施設等に必要な、高齢化での介護食にもすごく通じるところではないのかなと思います。
病院の特別治療食に変わりますけれども、多分、皆さんも御存じだと思いますが、エネルギー制限食、塩分制限食、脂質制限食等々がありますが、患者には、病態に応じて食事を調理調整なのです。料理を調理するではなくて、調理調整にかかわってくるのです。この辺のところのさまざまな料理が、基本的な知識、そして技術、これがすごく必要になってくると思います。
今は選択食というのがありまして、何種類かから御自分で選べるという食事も出しています。これは患者のQOL向上のために行っているわけですけれども、そういう食事ができる。要するに、病院調理師の目指す調理師像というところで、患者の、食べる側の思いに立った調理ができて、盛りつけができて、食事形態がとれるか。そして、たまに病棟訪問に行って、この食事はこの患者さんが食べているのだと顔を見て、これでおいしく食べていただいているのだなという思いがすごく大事だと思います。特にエネルギー制限食になると、検査入院というのがありまして、そこで食事を出すのですが、家庭に帰ってからも、この食事があなたの食事ですよ、だから自分でも食べられるように教育をする。ここもまた大切なことかなと。退院してからも、自分の健康を守る。そういうところがすごく大切なところではないかと思います。
こういうところを考えていただければ、病院調理師としての本当にプロフェッショナルなところができるのではないかと思います。養成施設の方たちには、確かに集団給食という科目はあるかもしれませんが、その中で1つのカリキュラムとして入れていただければ、学校を卒業した人たちが即戦力になれるのではないかと思っております。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、斉藤委員、お願いいたします。
○斉藤委員 私は、日本中国料理協会の最高技術顧問をしております。発会当時から組織委員と副会長をやって、全国に支部をつくって歩いたのですけれども、現在の調理師像というのは、売れる調理師でないとだめだと思うのです。私はホテルにいますけれども、ホテルの売り上げの中枢は料理の売り上げが大半なのですね。500室以上ですと、約65~66%が料飲の売り上げだということで、私どもは熊本ですので、200室しかございませんから、約85%が料飲部門で、調理は52%の売り上げを上げるということが現実なのですね。だから、今までの時代の調理師像というよりも、現在は経営感覚の調理師像を求められる時代なのです。
だから、ぼうっとしていたらだめになってくるような時代になっているので、昔のバブルのいいときの大きなホテルの時代にやっていた、俗にメインダイニングという、ホテル協会で何平米にはどれぐらいのと決まっていた時代から、今はメインダイニングは全部つぶれていっているのが現状なのですね。メインダイニングというのはホテルのメンツで、入らないレストランを営業してメインダイニングといって、原価をメイン厨房というところから援助しているというのが15~16年前の営業形態で、今はそれが許されなくなっています。特に厳しい時代ですので、人件費をそれぞれ計算するようになってしまいますと、どうしても調理師というのはしっかりしていかなければいけないというのが現状です。
ただ、さっき佐藤先生が言いましたけれども、恐らく調理師の人数は減っているのではないかと僕らも思います。簡単に入ってきて、簡単にやめます。それは忍耐力のなさと、生き方だと思うのです。今みたいな苦しい時代になってしまいますと、即製品に触れる、つくれる、給料はまあまあとれるということで、ホテルに入ってくる料理人が簡単にやめてしまうのが現状です。やめてどこへ行くかというと、焼鳥屋さんとか、炉端焼き屋さんとか、それは即戦力として扱ってくれます。そのため、そちらに逃げるというのが現状です。20年、30年先はどうなるのか、それは誰もわからないし、神様しか知らないという現状なので、即戦力として、そういうところへ求めるというのが今の調理師像だと私は思います。
ただ、今、調理師が一番しっかりしなければいけないのは、完全に売り上げを上げられて、しっかりもうける調理師でないと、今の調理師としては通用しないのですね。私は熊本にいますから、東京都は巨大過ぎてわからないですけれども、地方都市というのは、まず、フランス料理、和食、それは日本人しかできないことなのです。ところが、私は中国料理ですので、中国料理というのは、熊本の市内だけでも5軒、料理人が中国人、ウェイター、ウェイトレスが中国人、留学生をアルバイトさせて、とんでもない値段でやる、これが現状なのですね。会社がありますので、私は北海道の札幌もよく行きますが、札幌もそうです。簡単に外国人が店をやれるという時代になってしまったのですね。
調理師免許が何なのかということを問われる時代が今ではないかなと思うのですね。調理師免許がなくてもやれる。これをたたくと国際問題になるのでしょうけれども、簡単に出てくるのは中国料理だけなのですね。日本は今、中国料理がこれだけ氾濫していますし、マーボーナスが国民の卓上に乗るような時代になっていますので、それらしきものは中国人はちょっとまねてつくるというのが現状で、実際にはこれが私どもの業界を圧迫するような状態になっているのは確かなのですね。私どもの売っている値段の約半分ぐらいの値段で売っていくという方法でやりますし、働いているのは留学生ですので、学費を稼げればいいという感じでやっていますので、結構難しい時代になっているのではないかなと思っています。
今、日本は不景気のどん底になっています。特にホテル関係はほぼ壊滅に近いぐらいに落ち込んでいます。私はきょうの朝、マレーシアから帰ってきたばかりなのですけれども、今、マレーシアはパンとスイーツ、ケーキが大ブームです。これはシンガポールもそうです。インドネシアは日本の市場の倍ありますので、きのう聞いたのですけれども、インドネシアに日本の大手のパン工場ができます。恐らく、はるかインドネシアがとんでもない国になっていくと思います。そこへ機械とともに日本の菓子職人、パン職人が出ていっているのですね。きのう、大活躍している4人、40前後の若い料理人さんと食事を一緒にしたのですけれども、機械と一緒に上陸していっているのですね。
海外に求められるような時代にどんどんなっていくような感じもしますし、日本で調理師のあり方がどうなるのかわかりませんけれども、今の調理師像というのは昔の調理師像と違って、ばかなことはしてはいけないし、確実に、堅実にもうける調理師像でなければいけなくなっていますので、自分たちが見習いで入った時代とは全然違いますので、行動的というより、頭を使うような、さっきコンベクションの話も出ましたけれども、お医者さんもそうですけれども、パソコンを使えない人はもう医者ではないので、何か説明するのも映像で説明するというような時代になっています。いろいろ機械が進歩していきますので、先ほど言うように、菓子職人、パン職人を輸出している時代ですので、機械と一緒に海外へ出て行く。向こうの人は機械を触れない、日本人の職人は触れるということで、今は発酵から全部コンピューターでやるそうなので、そういうのも含めて、機械と職人が一緒に海外に出て行く時代になっていますので、昔の調理師像とは違って高度になっているような感じがしますので、ぼうっとしていたら置いていかれるというような調理師像なので、今、特に日本の調理師というのはしっかりしなければいけないのではないかと思っております。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、平良委員、お願いいたします。
○平良委員 きょうは遅くなって申しわけございませんでした。
私は長年、小学校にて学校給食に携わってきました。学校給食は、文部科学省の指導の下、教育の中の一環として給食を児童・生徒に提供しています。私達、学校調理師は、栄養士の指示のもと、栄養士の作成した献立を調理し、衛生面にも細心の注意をはらいながら、児童・生徒に提供しています。
「調理師像」という言葉を聞き、私は児童・生徒の成長を考え、季節感と味と見た目を工夫し、安心・安全で心のこもった美味しい給食を作り、提供していくのが学校調理師なのだと思いました。
皆さんのいろいろなお話を聞きながら、学校給食調理師は卒業しましたが、今後は調理師として少しでもお役に立てたら、と思い、お話を伺わせていただきました。答えにならなくて申し訳ありません。
○中村委員 ありがとうございました。
では、政安委員、お願いいたします。
○政安委員 済みません、風邪を引いているもので、お聞き苦しいところがあるかもしれません。
先ほど病院の岡部先生からのお話もありましたように、資料2の4ページの下段の右の図をごらんになっていただきますとよくおわかりになると思うのですが、社会福祉施設、これは特別養護老人ホームとか、障害者の施設です。そして介護老人保健施設の調理師数が年々増加している傾向にあるということから考えますと、やはり調理師に対する期待が大きくなっているのだと思います。
それはなぜかといいますと、今、高齢者とか障害者のところでは、そしゃく、嚥下と申しますが、かむことや飲み込むことがうまくできないので食べられないということ。そして、そこに入所している御利用者様は、食べたいという希望と、食べたいという気持ちは十分におありだけれども、なかなかその人に合ったものがお出しできないという問題点が出ております。皆さんも御存じだと思うのですが、全ての食べ物がミキサーや、または裏ごし器にかけてペースト状にしたものが出てきたら、とてもおいしいとは感じることがなく、食欲は出ないと思うのですね。ですから、食形態として形があるものであって、さらにおいしく食べられるものを開発するとか、そのようなことができる調理技術を身につけていただければ、現場としても大変喜ばしいことなのかなと思いますし、ご利用者様の食べる楽しみをぜひ広げていただけたらと思っております。
そのような内容で、社会福祉施設や介護老人保健施設の調理師の育成にも力を入れていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございました。
では、引き続きまして、山中委員、お願いいたします。
○山中委員 今まで皆様の意見を伺って、同じ食に携わる者ですが、業態によって随分調理事情も違うし、いろいろだなということで聞いてまいりました。岡部委員から即実践力というお話がありましたが、我々は全く考えておりませんで、調理師学校を出てこようと、出てこないで直接入ってこようと、一から教えるという状態ですね。確かにカリキュラムはしっかり、衛生関係で4分の1と、どなたかおっしゃっていたけれども、教えられているのは教えられているのだろうけれども、一体どの程度身につけて卒業しているのかなと、非常に疑問を感じるのですね。これは今後の話であって、今は理想の話ですが、カリキュラムの改正ばかりではなくて、それをどのように生徒に身につけさせるのか、それをどういうふうに評価するのかということも少し改革しなければいけないのかなと思っております。
私は中国料理店を経営し、私自身が中国料理のコック、調理師でございますけれども、我々の理想として見るならば、それはお客様のニーズにこたえるということに尽きるわけでございます。斉藤委員もおっしゃっていたけれども、お客様のニーズにこたえられないようでは、調理師として何の価値もないというか、どんなに技術があっても、腕があっても、お客様のニーズにこたえられないような調理師は話にならないわけです。
今、どういうニーズがあるのかといいますと、まず、お客様は健康志向ですね。どんなにおいしいものでも、やはり不健康なものは好まれないので、おいしくて健康によいものを食べたいというのが確かなニーズだと思っております。
もう一つは、国産食材を使っているのか、地元の食材を使っているのかということを、料理屋のほうもアピールしますし、お客様も気になされる。それはやはり安全の問題でしょうね。食品が安全なのかということがやはりニーズとしてあるわけです。安全と健康のニーズというのは大きいと思いますね。そういうものにこたえられなければならないというのが1つでございます。
もう一つは、調理師が減っているぞというお話もあったし、グラフも確かに減っている。何で減っているのか。いろいろな側面があるかもしれないけれども、例えば、大手のチェーンレストラン等々を見ますと、調理師をなるべく置かないで人件費を削減する、学生のアルバイトで調理させる、セントラルキッチンで半ばつくって、あとは温めるだけ、そういう仕事は調理師は要らないよということもあるのかなと思うのですね。そういった中、調理師が求められるのは、衛生管理とか、安全性の管理とか、管理の側面ですね。そういう意味では、材料費の管理とか、無駄を省くとか、そういう経営的なセンスも管理者としての能力ということでございますから、技術者としても技術力を高めてお客様のニーズにこたえなければいけない、同時に管理者として管理能力も高めなければいけない、そういう課題があるのかなと感じているところでございます。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
では、最後に、吉田委員、お願いいたします。
○吉田委員 本日は、何をやるかわからないで出席しましたが、60年ぐらい前に調理師試験がございまして、それから一度も連絡も提示もありませんので、ただ持っているだけ、今は結構そういう方が多いのではないでしょうか。業界でも、調理師試験とか、調理師のことに対して話題になることをまず聞いたことは一度もございません。ですから、問題をつくることよりも、試験保持者の運用のほうをもっと力を入れたらいいかがでしょうかと思います。
きょうは勉強不足で余り詳しいことはわかりませんので、以上にさせていただきます。
○中村委員 ありがとうございました。
時間はほぼスケジュールどおり進んでいるのですが、ここで御質問、御意見を受けると時間が足らなくなってしまうので、あとのカリキュラムや設備の話をして、全体として皆さんから御意見をお伺いしたいと思います。
それでは、続きまして、資料1のマル2のカリキュラムの見直しの方向、施設・設備等の見直しの方向について議論をします。まず、事務局より、現状と方向性の案について説明をお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 カリキュラム等の現状についてでございますが、資料4をごらんいただけますでしょうか。
まず、カリキュラムについては、教科科目及び授業時間数ということで、調理師法施行規則に定められております。表としてお書きしておりますとおり、教科科目、イの食文化概論からチの調理実習までの8科目と、リの選択必修科目ということで、それぞれ授業時間数が決まっておりまして、合計で960時間以上となっております。
参考に右側に平成9年の改正時にどういったものかということをお示ししておりますが、このときには、イからトまで7科目。改正の内容としては、現行では食文化概論が追加されて、社会がなくなっている。また、調理理論及び実習について、現行では調理理論、調理実習に分離されているというのが、平成9年のときの改正の内容でございます。また、このときには総数をお示ししてございませんが、1,200時間以上という総時間数が、今は、先ほどからお話が出ているように960時間以上となっております。
続きまして、参考としてお示ししておりますのは、他の専門職の養成の内容がどうなっているか。例えば、2ページでございますが、参考として栄養士養成施設。これにつきましては、平成12年に改正がされておりますが、教科科目ということではなく、教育内容ということで、例えば、社会生活と健康であるとか、人体の構造と機能という形での教育内容が提示された上で、教育目標ということで、各内容ごとに教育目標が提示されることになっております。栄養士につきましても、平成12年の改正前は、現行の調理師のカリキュラムと同様に科目ごとでの提示であったものが、平成12年の改正時に、教育内容と教育目標を提示する形に変更されております。
また、ほかの職種、例えば、3ページに理学療法士の例をお出ししておりますが、厚生労働省の資格では、こういった形で、教育内容、教育の目標ということでの整理がなされてきているというのが現在の状況でございます。
続きまして、4ページ、施設の備品等ということで、調理師法の施行規則におきましては、調理実習室及び集団給食調理実習室に備えるべき器具、備品ということで、別表第二に記載してありますものが規定されております。
参考として、平成9年の改正以前のものでは、かなり細かく、簡易に記述されていたものを、平成9年の改正の段階、現行のものですけれども、調理実習室、集団給食調理実習室とも、その時点で必要だと思われるものがかなり具体的に記載される形になっています。先ほど来話があるように、時代とともに施設・設備も変わり、現時点で不要なものもあるというお声もお聞きしておりますので、こういった内容についても、1つ1つの器具名を書くのか、あるいは目的を持って、こういったことができる備品ということで整理をしているような他職種の例もございますので、時代に即した形で、どういった記述が望ましいのかということも改めて議論をしていただく必要があると考えております。
5ページに移りまして、教員の資格につきましては、調理師法施行規則においては、専任教員のうち、1人以上は調理師であること。また、同様に調理師法施行規則において、教員は、調理師の養成に適当であると認められるものであることが規定されておりまして、各教科科目の教員の資格としては、調理師養成施設の指導要領に、各科目ごとに資格が記述されているという状況にあります。
5ページから6ページにわたりまして、教科科目、教員の資格ということで、食文化概論から調理実習の各科目について、教員の資格が整理されているというのが現状でございます。
さらに、7ページは、調理師試験の試験科目ということで、調理師養成施設のカリキュラムに応じる形で、調理師試験基準に提示されている調理師試験の教科科目も同様の科目となっておりますので、仮に今回、調理師養成施設のカリキュラムが見直しになった場合につきましては、調理師試験の科目についても、どういった内容にするかという議論が出てまいります。ここに示してありますとおり、教科科目につきましての提示とともに、問題数が60問以上と定められておりまして、全問題数に対する各科目の割合が示されている現状があります。
今、申し上げましたことが現行の規則等に基づきました現状ということになります。
続きまして、資料5に移らせていただきます。「調理師養成施設のカリキュラムと施設・設備等の見直しの方向性について(案)」ということで、何点かお示しをさせていただきました。
カリキュラムの見直しの方向性については、大きく3点。教科科目の統合について、学習の効率化、あるいは効果を高めるためという必要性があれば、そうした統合を行いつつ、かつ教育内容という形での提示をしてはどうか。
2点目につきましては、教育内容の提示に合わせて、教育の目標も提示してはどうか。
3点目につきましては、修業年限が2年の養成施設について、現在目安となるものはごさいませんので、別途目安となる教育内容を提示してはどうか。
もう一つの課題としましては、施設・設備等の見直しの方向性については、現在の調理技術に即した内容にするとともに、時代の変化に対応できるよう、見直しを行ってはどうか。
まずは見直しの方向性として4点ほど案を提示させていただきましたので、御議論いただければと思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
では、先ほどのあるべき姿の検討内容、御意見の内容を踏まえて、資料5のカリキュラムや施設・設備等の見直しの方向性について、御意見をお伺いしたいと思います。この論点については、必要、あるいは今回は別の論点のほうがよいのではないか、あるいはここに記載されていない点で必要なものもあるというような意見も含めて議論していただければありがたいと思います。では、どうぞ、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○岡部委員 食文化概論は、私が考えるには、食育が平成17年からできたではないですか。そのことを考えて出てきたのかなと思います。
それと、また即戦力と言ってはいけないのかもしれませんが、調理実習の300時間以上というところにおいて、平成9年が調理理論及び実習ということで600時間以上となっているのですが、実際のところ、調理理論と調理実習の割合はどれくらいだったのかを知りたいなと思いました。
以上です。
○中村委員 先ほどの食文化概論が、どういうことですか。
○岡部委員 食文化概論というのは、平成17年にできた食育基本法のところでも少し入ってきているのかなというところです。要するに、食育ということに関して、調理師学校でも学ばねばならないところがあるのではないでしょうかと、私の考えです。
それから、もう一つが、平成9年の調理理論及び実習というところで600時間以上あるのに、新しいほうでは調理理論が150時間以上、調理実習が300時間以上。平成9年の600時間以上というところで、どのくらいの違いがあるのでしょうかということです。
○中村委員 これはおわかりですか。
○中村委員 どうぞ。
○田中幸委員 今の調理理論及び実習600時間以上の割合は、この当時は、調理実習が400時間以上で、調理理論が200時間以上であったかと思います。
○岡部委員 ありがとうございます。
○中村委員 ほかにございますか。どうぞ。いかがでしょうか。特に、先ほど事務局から提案されている4点に関して、この方向性についてはどうかということをきょうは議論していただきたいと思うのですが、この方向性に関して、問題ありませんか。どうですか。
協会のほうはいかがですか。どうぞ。
○田中幸委員 それでは、資料5の見直しの方向性につきまして、意見を私から述べたいと存じます。
まず、教科科目の統合を行い、教科内容を提示してはどうかということでございますが、ぜひこの方向で見直していただきたいと思います。実際に教育現場の先生方からの御意見、あるいは有識者、専門家の方々のさまざまなアドバイスも聞く中で、特に公衆衛生学、衛生法規、食品衛生学については、内容的に重複する部分が多い。また、栄養学、食品学も同様でございますので、本当に調理師の実際の業務に必要な実務の視点での科目のコンテンツといいますか、その部分を見直すといいますか、場合によったら統合も1つの方向ではないかと思います。資料4の2ページの栄養士養成施設の教育内容の科目タイトルは、いわゆる何々学というものではなく、例えば、食品と衛生とか、あるいは栄養と健康というふうな教育内容、タイトルになっておりますので、こういうふうな方向の統合もあり得るのではないか。
それから、教育の目標を提示してはどうか。まさに、どういった調理師を育成するのか、1つの理念でございますので、それを設定する中で、どういった教科科目、ないしはその内容が必要なのかというふうな議論の流れになるかと思いますので、教育の目標も提示してはどうかと思います。
それから、修業年限が2年の養成施設について、別途目安となる教育内容を示してはどうかということでございます。いわゆる8教科科目、960時間に加えて、どういった教育内容が必要か、これはいろいろな議論があろうかと思いますが、調理師といっても、他の専門職とチームワークで、共同しながら課題解決とか、特定の業務を行っていく。給食現場などでは、特にチームによる業務もあるわけでございますので、例えば、コミュニケーション力を醸成するとか、修得したことを実践できる発揮力ということも必要になるのではないかと思っております。
それから、施設・設備の見直しでございます。これも先ほど指導官からございましたけれども、今の必要な機器については、既に余り現場では使われていないものもございますし、必ずこれは必要ではないかというものも含まれていないものもございます。ただ、こういった厨房機器というのはどんどん発達しておりますので、備品等の記述表現についてはまた検討を要するかというふうに思います。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
どうぞ。
○山中委員 御質問なのですけれども、健康と料理というのがニーズとしてあるというお話をしたけれども、現行、例えば、栄養学は栄養学でやっているし、調理実習は調理実習でやっているわけでしょう。それをくっつけて、栄養学で学んだ知識を実際の料理にしていくとか、そういう教育プログラムが仮にできたとしたらば、それはカリキュラムとしてどういう時間割になっていくわけですか。栄養学と調理実習が組み合わさったような授業を仮につくったときに、それはカリキュラムの時間数として、どのように配分するのか、あるいは、それはそれとして、栄養学とも調理実習とも違う1つのカリキュラムとしていくのか。
要するに、食文化もそうなのですよ。どこどこ地方は正月にどんなお雑煮を食べていますかとか、知識だけで教え込んでいくから、生徒は何も聞かないし、それが実践として役にも立たないわけですね。栄養学も、知識だけだと、どうしても生徒たちは右から左に流れていってしまう。だから身につかない。これを料理の実践の中で生かすような、そういう指導をしていくと、少しは身につくのですね。栄養学と調理というのはそういう関係にあると、私はどうしても思うのですよ。
厚労省のこまの、あるではないですか、バランスの。あれを私は実践したことがあるのですけれども、難しいのです。野菜をこれだけ食べなさい、肉をこれだけ食べなさい、肉料理、ハンバーグでこのぐらい食べる、野菜は野菜の煮つけでこういうふうにやる、そういうやり方をしていくと、なかなかとれないのですよ。野菜たっぷりの肉料理をつくるとか、何か工夫しなければいけないのですね。ですから、栄養学を、絵に描いたものではなくて、実際に生かしていくとなると、これはかなりの調理技術が必要だし、そういう調理技術としっかり組み合った形で教えていただくと、また身にもつくのですね。何かとりとめのない話なのですが。
○中村委員 どうぞ。
○河野栄養・食育指導官 まさに、今、御指摘いただいたところが、今回のカリキュラム改正の一番の大きな課題だと思っております。例えば、2ページとか3ページのところに栄養士とか理学療法士が出ていますけれども、どういった教育内容を組み合わせるのか、あるいは教育目標を記述するのかによって、今のような内容が補完できるのか、あるいは組み合わせ方はいろいろありますので、どういう組み合わせで必要な授業時間数を確保していくのか、そのあたりも、現行の状況も踏まえながら、これから整理をいただくというのが、次回2回目の検討の大きなポイントになります。
今の御指摘のとおり、個々の科目の名称が並ぶだけでは、関連性がわかりにくい、いわゆる体系的に教えることができにくいというところで、他職種の教育内容は統合する形で整理をされているというのが近年の状況ですので、それに見合った形で、調理師についてもカリキュラムを見直してはどうかということが今回の一番のポイントになります。先ほど田中委員のほうからは、重複を整理するという観点もあり、ただ今の山中委員のように、もっと積極的に組み合わせることで効果的に取り込んではどうかという、両方の視点で議論していただければと思います。
○中村委員 ほかにございますか。どうぞ。
○佐藤委員 今、山中委員がおっしゃったことは、うちは調理師科と栄養士科がございますので、栄養士科がやっていることなのですね。多分、それを調理師科で持っていくのはどうしたらいいのかという話になると思います。
それから、うちの学校の場合、1年制と2年制がありますので、1年だと基本しか教えられないです。2年になると、先ほどおっしゃっていた経営とか、そういうことになってきますし、これだけの食材を与えるので、この食材で9品目つくりなさいとか、献立を決めておいて、これで360キロカロリーの料理だから、360キロカロリーでつくるとどういう味がするのか、本人が身を挺して食べてみなさい、油をこれだけしか使わなかったらこういう味の料理なのだというのは、うちは2年制ではやるのですね。でも、1年制ではそこまで手がつけられない状況で終わってしまうというのが現状です。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
ほかにございますか。どうぞ。
○斉藤委員 今、熊本県では、糖尿病の料理を、レストラン、ホテル含めて20店舗ですが、ブルーサークルというので、熊大の教授の案で、来年、糖尿病の大会があるので、それに備えてやっています。和食、洋食、中華とやっているのですけれども、現実に料理人がつくると、とても頭を痛めてしまうような味になって、疲れてしまうのですね。しかし、私どもは料理人ですから、おいしく食べさせなければいけない。おいしくないのはお金を取れない。そのジレンマに落ち込んでしまって、今、いろいろ試行錯誤して、でき上がってしまったのですけれども、これから先、そういうお客様も徐々にふえてくるのかなと思っています。実際に今、10日過ぎましたけれども、飛びついているのはごくわずかですね。どちらかというと、お客様側が、そういう人がたくさんいるのかなと思うとクレッションで、お客様が不安で箸をつけているような感じが実際しています。ただ、来年に向かって、約半年間、20店舗で、熊本市内はホテル4店含めて、ブルーサークルという料理名で、糖尿病のコースを、中華は全品はだめですので、1品とデザートと野菜サラダ系、フレンチが一番低カロリーでいくと、自分では料理人として感じられないのですけれども、計算をするとそうなるらしいので、実際にはフレンチは5品出るのです。自分たちは料理人として、カロリーが高いのではないかと思うけれども、計算上はぴしゃり合っているというので、最近ちょっと考えさせられた料理をつくったのが現在の状態です。これをあと半年間続けて、どういう結果が出るかわかりませんけれども、徐々にこういう時代に入っているのかなという感じはします。
○中村委員 それは調理師と栄養士が合同でつくられたのですか。
○斉藤委員 そうです。熊大の荒木教授という代謝内科の教授と、そこに栄養士が3人か4人ついて、各ところにメニューを出してやるのですね。私も1年前の全国の糖尿学会の雑誌にオール中華料理のコースを出して、カロリー計算をして、2カ月かかって、その本に載っていますけれども、自分たち料理人としては、とても頭を悩ませてしまうのですね。これが本当にベストなら、料理人をやめなければいけないかなと思うような壁にぶつかってしまったこともあったのです。今回は和洋中ということで、ホテル4店、あと、まちのレストランを含めて20店舗ですか、現実にスタートしています。最初はマスコミが取り上げますけれども、これから先は市民が取り上げるか、上げないかが勝負だと思います。熊大の教授が旗を上げてやったのが現実ですね。
○中村委員 どうぞ、局長。
○矢島健康局長 我々は健康日本21でソーシャルキャピタルという言葉を使いまして、それはまさに社会全体として、人材も含め、ネットワークも含め、そういうふうな基盤をつくっていくことをねらいとしています。
ソーシャルキャピタル、そういうふうな社会を日本の中でつくっていくことが健康づくりにつながっていくという発想があるものですから、ぜひ調理師さんたちも、健康づくりのソーシャルキャピタルの一翼を担っていただきたい。給食だとか、いろいろな調理提供施設について実践いただくためにも調理師さんを育てていただく養成施設にそういうふうな思いが入っていただけるとありがたいと思います。
○中村委員 ありがとうございました。
時間が迫ってきたのですが、済みません、局長、最後にとてもいい話をしていただきまして。
先ほど、調理師か、栄養士かという話があったのですが、私は基本的に連携したほうがいいと思っています。栄養のコントロールはやはり栄養士が秀でていますし、おいしくするスキルは調理師が秀でていますから、両者が一緒になってメニュー開発をして、国民のために、おいしいヘルシーメニューを展開していくという方向がいいのではないかと思います。
もう時間がないので、きょうの議論はまた引き続きましてやらせていただきますが、事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いしたいと思います。
○河野栄養・食育指導官 それでは、資料6をごらんいただけますでしょうか。スケジュール(案)としまして、本日、第1回の検討会を踏まえまして、第2回検討会を12月下旬、第3回、第4回をそれぞれ1月、2月ということを予定しております。年度内には報告書を取りまとめ、公表する方向でというのが全体でのスケジュールになります。
以上でございます。
○中村委員 ありがとうございました。
以上のとおりの日程ですが、先生方には大変お忙しいとは存じますが、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、閉会に当たりまして、事務局から何かあるでしょうか。
○河野栄養・食育指導官 次回の日程ですが、現在、12月20日木曜日の方向で調整をさせていただいておりますので、決定次第、正式に御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○中村委員 どうもありがとうございました。
ちょうど時間になりましたので、本日はこれで終わりたいと思いますが、きょうはお忙しいところを御出席いただきまして、本当にありがとうございました。これをもちまして第1回の検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
(了)
照会先
健康局がん対策・健康増進課
栄養管理係: 03(3595)2440

