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2012年12月20日 第16回 チーム医療推進会議 議事録
医政局医事課
○日時
平成24年12月20日(木)17:00~19:00
○場所
中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
○議題
○医行為分類(案)の検討状況について
○看護師の能力を認証する仕組みの在り方について
○その他
○議事
○永井座長 それでは、ただいまから第16回「チーム医療推進会議」を始めさせていただきます。
委員の皆様方には、お忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございます。
最初に事務局から、委員の出席状況と資料の確認をお願いいたします。
○簑原医療課長補佐 今日の委員の出欠状況について御確認をさせていただきます。片田委員の代理といたしまして、日本看護系大学協議会の田中理事が御出席をされております。そのほか、全ての委員の皆様に御出席をいただいております。
それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席表とチーム医療推進会議の開催要項を初めにお配りしております。
資料1「具体的指示・包括的指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れについて(案)」
資料2「特定行為の考え方(案)について」
資料3「医行為分類(案)(修正案)一覧」
資料4「医行為分類(案)等に関する看護業務検討ワーキンググループにおける委員の主な御意見」
資料5「特定行為及び看護師の能力認証に係る試案(イメージ)及び修正案の比較表」
参考資料1「特定行為及び看護師の能力認証に係る試案(イメージ)」
参考資料2「第15回チーム医療推進会議における委員の主なご意見」
参考資料3「第30回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループにおける委員の主なご意見」
参考資料4「看護師が受ける研修に関する規定について」をお配りしております。
不足する資料等がございましたら、事務局のほうまでお申し付けをいただければと思います。
それでは、座長、引き続き議事進行をお願いいたします。
○永井座長 では、本日は「医行為分類(案)の検討状況について」及び「看護師の能力を認証する仕組みの在り方について」の2点について御議論をいただきます。それぞれの議題について、1時間ずつ御議論をいただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。
まずは「医行為分類(案)の検討状況について」の議論に先立ちまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○山本医事課長補佐 それでは、資料1~4に基づきまして、医行為分類(案)の検討状況について御説明させていただきます。まず、資料1をごらんいただけますでしょうか。
8月の参考資料1として添付させていただいております試案では、包括的指示を受けて特定行為を実施する看護師には指定研修、具体的実施のもとに実施する場合には安全管理体制ということでお示しをさせていただきましたけれども、指示から包括的指示の場合に、その指示を受けてから実際に実施するまで、どういう形で行われるのかを少し明確に議論すべきということで、前回のチーム医療推進会議でもワーキングの検討状況を御報告させていただきましたが、少し要約し過ぎている面もありましたので、詳細に指示の流れ、診察から実際に行為が実施されるまでの流れをワーキングのほうで議論していただいておりますので、その状況を説明させていただきます。
あくまでこれは概念図ですので、看護師と医師と他職種も含めて、さまざまなやり取りがあろうと思いますけれども、全て網羅しているわけではありませんが、主な流れを記載させていただいているということで御理解をいただければと思います。
それでは、左から右に向かって一応時系列になっておりまして、右側の上のほうが特定行為、下のほうが特定行為以外という形で整理させていただいておりますので、その流れに沿って御説明をさせていただければと思います。
まず、左からですけれども、当然、最初に医師による診察や診断があり、その上で特定行為を実施していく上では、呼吸状態の悪化、ドレーンをバックできる状態になるかなど、そうした病態の変化が起こり得るかを医師が判断する。その上でマル3になりますが、そうした行為、呼吸状態が悪化した場合に動脈血採血を行うかという行為の流れをどういう指示系統で行っていくかを判断していくという状況があろうと思っています。
マル4、マル5、マル6と3つ分けておりますが、一番上が患者の基礎疾患等の関係から直接病態の確認から実施まで全て医師が行うという場合もあれば、マル6からの流れですが、病態の確認は医師が実施し、行為そのものを看護師が実施するという場合も当然あろうと思っております。ここで議論している包括的指示と申しますのは、マル5、マル7、マル8と流れていく流れと考えておりまして、そうした流れで包括的指示でやる場合にはマル5、マル7、マル8の流れでやっていくと考えております。
具体的には、例えば呼吸状態が悪化した場合には、血液ガスを採血するというようなことを実施するようにとマル5で医師が指示を出した場合には、マル7で看護師が呼吸状態の悪化、病態の変化が医師の指示した範囲にあるかということを確認した上で、マル8として行為を実施し、その後、マル9で医師に報告をし、マル10、マル11が医師がその報告を受けた上で今後どうしていくかを判断していくと流れていくものと考えております。
その中でマル7で看護師が病態の確認をしたときに、呼吸状態が悪化していれば、全て血液ガス採血なのかといいますと、著しい呼吸状態の低下が見られた場合には、当然医師に報告をし、具体的な指示を求めるというマル12の流れがあると思っていまして、いずれにしましてもマル3でどういう指示体系で行うかを医師が判断し、直接実施するのか、具体的指示なのか、病態の確認を看護師が行った上で実施まで流れていくのかという3つの流れがあるのではないかと思っておりまして、ここで点線で囲っておりますけれども、マル7、マル8、マル9という流れで看護師が病態の確認を行って実施していく場合を指定研修の対象としてはどうかと考えております。
下のところは一応、医療現場では特定行為以外も同時に流れておりますので、便宜的に書かせていただいておりますけれども、同じように呼吸状態が悪化すれば酸素をどうするということについても、いろいろな指示の体系があると考えておりまして、その指示のやり方は特定行為にならって3段階に分けておりますが、特定行為以外はいろいろなやり方で現場では運用されているものと考えております。具体的に事例を3つほど示させていただいておりますので、それを少し説明させていただければと思います。ページをおめくりいただいてもよろしいでしょうか。
1つ目の事案が、腹腔ドレーンの抜去でございます。マル1から見ていただければと思います。腹腔ドレーンが留置されている患者さんがいらっしゃって、今後ドレーンが抜去し得る状態になり得るかを判断した上で、包括的指示なのか、具体的指示なのか、自ら実施するべきなのかを医師が判断した上で、それぞれマル4、マル5、マル6と流れていくと考えております。その中で包括的指示で実施可能と判断した場合にはマル5に流れて、例えば例示でプロトコールのイメージとして左下に書かせていただいておりますが、排液の性状を見て一定の状態になっていれば抜去するという指示を行った場合には、その状態をマル7で看護師が確認した上でマル8で抜去をする。その結果をマル9、マル10の流れで報告していく。その中で血性の排液や量の増加等々の逸脱と呼ばれるような状態になっていれば、医師に具体的な指示を求めるということが当然現場では行われるのではないかと考えております。
そうしたものについてもマル4、マル6で患者さんの状態によっては直接実施をしたり、具体的な指示を行うのがマル4、マル6という場合、それはいろいろな患者の状態に応じてマル3のところでどういう形でやるかを医師が判断するものと考えております。
その次の事例としては、人工呼吸器装着中の患者のウィニングの実施ということで示させていただいております。これも左からでございますが、人工呼吸器を装着している患者につきまして、ウィニングが開始可能かを判断し、その上で自ら実施するのか、具体的指示なのか、包括的指示なのかを医師が判断する。そこでマル5、マル7、マル8の流れで包括的指示で実施可能と判断した場合には、呼吸の状態や検査データ等が一定の状態になっていれば、サポートの回数を減らしていくということを指示した場合には、そうした条件に合致しているかをマル7で看護師が確認し、合致している場合にはマル8で条件の変更等をしていく。逸脱で著しい悪化等が認められれば、当然マル12、マル4と医師に報告をし、戻っていくということが同じように行われるものと考えております。
続きまして、最後のページでございます。直接動脈穿刺による採血ということで、これはマル1のところで、基本的には呼吸疾患で入院中の患者さんに対して呼吸状態などが悪化するなどして動脈穿刺が必要な状態が起こり得るかを医師が判断し、その場合にはそうした行為をどういう形で指示するかをマル3で判断する。具体的指示か包括的指示か自ら実施かというところで、先ほどの例示と同じように、マル4のように直接実施する場合もあれば、マル6のように呼吸状態は医師が確認した上で、実施そのものは看護師ということも、マル6~マル8の流れもあろうかと思いますが、今回議論しているのはマル5のところで、そうした呼吸状態やSPO2などを見て、一定の状態になっていれば、マル7でその状態を看護師が確認した場合には、マル8で動脈血を穿刺した上で採血をして、その結果を医師に報告して、医師がその後の治療方針を考えていく。また、流れとしてはその後、直接戻す前にプロトコールの中で吸入している酸素をどうするといったような、さらに包括的な指示が現場では行われる場合もあろうと思いますが、ここではその特定行為に特化したものだけ例示をさせていただいております。
こういう形で今まで包括的指示と書かせていただいたものについて、医師の診断から指示、実際に看護師による実施までの包括的な流れを整理してはどうかという御議論をいただいております。
その上で特定行為の考え方(案)について、資料2として整理していただいたものを前回ワーキンググループのほうでは御提示させていただいておりますので、資料2をごらんいただけますでしょうか。
今、資料1でお示しさせていただきました流れ(案)を踏まえますと、特定行為とはこれまで技術的な難易度や判断に難易度かあるということに加えて、包括的指示で行っていくものが指定研修の対象と考えておりますので、あらかじめ対象となる病態の変化に応じた行為の内容が明確に示されたプロトコールに基づき、看護師が患者の病態の確認を行った上で実施することがある行為という形で、看護師が病態の確認を行った上で実施するものという包括的実施があり得るというものを特定行為の対象としていってはどうかという案を御提示させていただいております。
2つ目のなお書きのところは、前回の推進会議におきましても「特定行為に係るプロトコールに基づき、特定行為を行おうとする看護師」と書かせていただいておりましたけれども、そこは「プロトコールに基づき」というのは病態の設定、あとはその状態の看護師の確認をして実施していくことを指すという形で整理をしてはどうかと考えております。
そうした考えのもと、今までワーキングで議論していただいておりましたB1またはB2という特定行為の候補となっていたものを整理したらどうなるかが2ポツ目のものでございます。
(1)で?の病態の確認があるものについては○としてはどうかで、資料3をあわせて見ていただければと思います。例示を示させていただければと思いますが、資料3の行為番号のところで2番「動脈血穿刺による採血」は先ほどの資料1でも例示を示させていただきましたが、資料3の一番右のところで、やはり呼吸状態などの確認を看護師が実施した上で、動脈血穿刺をやり得るということで、こうした行為については○と整理してはどうかと考えております。
(1)のマル7のところで注釈を書かせていただいておりますのは、B1またはC、B2またはCとしていたものもあわせて整理させていただいておりまして、63番「人工呼吸管理下の鎮静管理」はB2またはCでどちらにするかということ。BにするのかCにするのかということについて、まだ決めかねていたものも一応事務局として少し整理させていただいて、○と提示させていただいたものも、ここで(1)として特定行為として位置づけたらどうかというものについては、そうしたものもあわせて案として提示をさせていただいております。
(2)でございますけれども、さらにそういう検討をしていく上で、マル7の確認行為があるかどうかがわからないもの、検討を要するものという形で資料3をもう一度見ていただいてもよろしいでしょうか。行為番号8番などは要検討という形で中断させていただいておりますけれども、手術前検査については本当にマル7の確認行為があるかどうか、事務局で判断しかねたものについては要検討という形で提示をさせていただいております。
資料2に戻っていただいて、そのほかといたしまして、そうした整理を行った上で○とするもの、要検討とするもの以外に(3)その他の最初でございますけれども、看護師が行う病態の行為が想定されないもの。例えば資料3の77番「医療用ホッチキスの使用」でございます。こうしたものは基本的には具体的指示で個別に指示が出るのではないかということで、そうしたものについてはバーとさせていただいております。
また、もう一つ、整理の中で他職種が行為を実施するものというもので、資料3の9番、10番などを例示で示させていただければと思います。X線やCT、MRIの撮影などにつきましては、当然、診療放射線技師等が実施することになっておりますので、そうしたものにつきましては、特定行為のところでは○ではなく、バーという形で整理してはどうかと考えております。
資料2の(3)の2つ目のポツでございますけれども、実施時期の判断と実施を分けている行為。資料3で申しますと20番、21番、17番、18番も含めまして、超音波につきましては実施時期の判断、ここで言うところの?の青の行為と8番の実施の行為を分けて行為分類しておりましたものは、1つに整理するという形で案の提示を前回のワーキングでは御議論いただいております。
その結果が資料4、そうした案を提示させていただきまして、ワーキングの方では先生方からありましたもので3つ大きく分けております。流れにつきましては、指示された範囲を逸脱している場合や行為の実施後に医師に報告することなどが明確になっているという御意見。
2つ目の○でございますけれども、指定研修を修了した場合、全ての看護師が全ての患者で包括的実施でやるわけではない。それは患者に個々の状態、看護師の状態によって違うことをわかりやすく表現すべきという御意見もございました。
また、特に先ほどの資料1の下のところで、特定行為以外の一般の診療補助については、この形でやりなさいと、3つの特定、具体、直接実施と限らない、あり方を規制しているかのような誤解が生じないように留意すべきという御指摘もございました。
続きまして、特定行為の考え方(案)につきましては、技術的な難易度及び判断の難易とが共に相対的に高いものを特定行為とすべきできないかという意見やB1、B2という分類は検討の思考過程において整理したもので、必ずどちらかに分類できるわけではありませんので、病態の確認について、ある程度幅のあるものを抽出していけばいいのではないかという御意見もございました。
また、指定研修を受けなければならない行為がふえるほど、医療機関への影響が大きいので、最低限関係者が合意できる部分を特定行為として位置づけるべきではないかという御意見もございました。
そうした御議論があった上で、今は45行為を○として示させていただいておりましたけれども、ワーキングの後にも先生方の御意見を伺ったところ、29行為につきましては多くの先生方から特定行為という意見がございました。一方で、一部の委員からは29行為を含めて、多くの行為を特定行為とすべきではないという意見もございました。
これまでの前回のワーキングにおける議論の状況としては、以上でございます。
○永井座長 ありがとうございました。
それでは、ワーキングの有賀座長から追加の御意見、御説明がありましたら、お願いいたします。
○有賀委員 今、事務局の方からの御説明でおおむねおわかりになったと思います。少し考え方の中で変わったというより、むしろ、より現実に近くなったと言ったほうが正しいのかもしれませんが、もともとこのワーキングで出発したのは203の行為をリストに挙げて、それぞれがどうだ、従ってA、B1、B2、Cとかいう議論、つまり行為そのものを単体として取り上げる、その行為についてどれだけ難しいか、難しくないか、どれだけ安全か、危険性が高いかという議論をして来ました。
それは議論の出発点としては全くそのとおりだったのですが、よく考えてみると私たちの日常に行われている診療そのものは、行為一つ一つについてというより、行為の連続と言ったらいいのでしょうか。考えて何かをして、その結果を見て、また次のことを考えるという一連の流れがあるということになります。したがって、ある行為を取り上げて、絶対的に医師のみだという考えから、ナーシングスタッフが特定行為という難しいことを言わずとも、普通にできるのではないかという議論である。AかBかではなくて、AかCかみたいな議論も起こるというのは、それぞれの行為の行われている局面がある程度違うというか、局面が違うということは流れが違っているという話になります。ですから、包括的指示においてはむしろ一つ一つの行為もさることながら、その行為を臨床の患者さんへの診療のプロセスを行う前段の判断、やることそのもの、やった後の評価ということが繰り返し行われていく。
そういう流れであると考えていくと、行為そのものについては、まだ議論はもちろんしていますが、資料1に書いてあるような一定の流れとして、その特定行為というか包括的な指示のあり方を考えていこうと、そういう全体の流れになって行ったということで、きょうに至っているということであります。
追加するとすれば、一番大きなところはそこであります。
○永井座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○北村委員 確認になると思いますけれども、資料2の2ポツの(3)その他の中で、他職種が行為を実施するものということで、今回はバーにしていただいたということで、このバーになったその後の行為については、どういう位置づけにするのかどうかということです。Cになるのか、それとも全然関係なく、行為の中から抜くのか。その辺のことをお聞きしたいと思います。
○簑原医事課長補佐 いわゆるB1、B2としてこれまで整理してきた、その難易度としては残るのではないかと思っていまして、それをCにするかどうかというところは、Bの要素は残ったままではないか。ただ、それを特定行為として位置づけるかどうかというところで今回区分をさせていただいておりますが、そこについては今後、診療の補助の範囲内であると。かつ、一定の難易度のある行為であるといったところは、通知等でお示しをする必要があるとは考えております。
○北村委員 そうすると、特定行為という意味合いはなくなったのですが、そのほかに医療診療の補助、ただ行為としては残っていると。行為名として、ここは判断とかいろいろとありますが、それは医行為側に入るのか、それがグレーになっているのか。判断するのと、それをどう他職種のほうに伝えていくかどうか。その辺の関係があいまいになるのではないかと思います。
○山本医事課長補佐 2つあろうかと思っております。指定研修の対象にはならないということは1つあろうかと思っていまして、その後、他職種とどういう形でやっていくのかは、医療現場によっていろいろなやり方があろうと思っておりますので、そこは医療現場でのやり方について、何かここで規制をするということではなかろうとは思っております。
○有賀委員 今、画像診断に絡んで御質問があったのは、ある意味もっともと言えばもっともです。なぜかというと、資料1に書かれているような包括的な指示だから、ここで言うと?、?、?、?とありますが、この部分に関して画像診断というテーマでいきますと、これは当たり前ですが、診療放射線技師の方たちがこの中で行為を実施するという話になってきます。その前段で看護師だけがとか、そういう話になり得ないだろうということになるので、それで今回については横にずれたと。
ただ、現実的に言うと、私らのところもそうですけれども、最初の医師の具体的な指示で、うちの診療放射線技師さんがある画像を得たと。その画像の結果から見て、次の画像を提案するというプロセスはあるわけです。そうすると、例えば胸部外傷の患者さんが来たときに、他の部位の外傷も含めて、どういう判断をして、画像診断としてある一定の水準での情報を医療現場にフィードバックするかという話になりますから、そこでは診療放射線技師さんたちを含めた包括的指示の中でのことが起こり得ます。従って、そういうものについては、もちろん看護師が患者さんのフィジカルアセスメントをするということでかかわっていることは事実ですし、レントゲン技師さんたちがそういう状況で画像が出てきたときに、次の画像をどうするかということがあることを前提にしますと、結局ここには書き切れなくなるということなので、外れてもらっているという理解のほうがいいと思います。
場合によって、看護師さんの件がある一定の水準で落ち着けば、今度は今、言った複雑系をもって、他職種を入れ込んだ形でいろいろと考えていかなければいけない。そこでは多分、診療放射線技師さんが体の中に造影剤をどう入れるかという話も入ってくるのだと理解しています。
○北村委員 それはよくわかっているつもりです。ただ、ここにあるのは行為名として、撮影の部位とか実施時期の判断とか、そういう意味ではそれを誰か判断して、誰が指示するか。指示をするのはドクターでしょうけれども、それが直接看護師さんのほうから各職種にいろいろな意味で判断したときに、それがどうつながっていくか、伝達の方法ですね。それをしっかりした形でしていかないということです。
○有賀委員 当初の203項目をリストアップしたときの景色は、医療現場をそのままつまみ上げてきたんです。今、私が説明したように、つまみ上げた結果として、それを整理すると私の説明になると思います。それを看護師さんの仕事としてどうかという話になれば、多分そのフィジカルアセスメントという中に、つまり特定行為についての教育を施さなくてはいけないという中に多分入り込んでくるとは思いますが、レントゲン撮影をすることそのものを特定行為として並べようとすると少し無理があると理解すべきだという議論でございます。
○永井座長 ポイントはもう一つ、いずれにしても看護師さんから他職種へ指示が行くことはないという、そこは大事な点ですね。
○簑原医事課長補佐 そこはそういうふうに理解をしております。
○有賀委員 全くそのとおりです。包括的指示の中でどうするかというのは各病院の判断がありますのでバラエティーはあるかもしれませんけれども、原理原則は全くそのとおりです。
○永井座長 どうぞ。
○半田委員 資料1の1枚目ですけれども、チーム医療を推進するために包括的指示は大事な要素だと思っていますが、この真ん中より上と下で分けてあるということですが、この?と?´を比較したときに、?´のほうの特定行為以外の場合も一応「プロトコールに基づき」と書かれている。左下の※を見ると「特定行為以外の包括的指示のあり方については、上記以外の様々な方法が考えられる」と記述されているわけです。ということは、特定行為以外の場合の包括的指示はあらゆることが可能であるということで、どの範囲までを包括的指示とするのかが非常に不明瞭になっている気がします。?´で「プロトコールに基づき」と書かれて、注釈としてはさまざまな方法が考えられるということについて、御説明をお願いできたらありがたいです。
○山本医事課長補佐 今回、包括的指示は特定行為を念頭に置いて整理をさせていただいておりますけれども、包括的指示は先生の御指摘のとおりで、さまざまな意味合いを持ち得るところでの御懸念だと思っています。ここで書かせていただいているさまざまな方法というのは、例えば呼吸状態が悪化した場合に、聴診器を当てたりということは当然のようにやられていますが、それを個別具体的に医師が指示しているわけでもありませんので、そうした指示の体系等についてはいろいろな方法があり得ると。いろいろな行為が本当にさまざまあると思いますので、そうしたことについてはさまざまな方法があるということで、※で書いております、
逆に3つ、ミラー型で書いているので御懸念があるのかもしれませんが、そこは本当にさまざまな行為、さまざまな真の方法があるという形で※を打たしていただいて、お答えになっていないかもしれませんが、そういう趣旨でございます。
○半田委員 これまでの議論の過程を見ると、包括的指示の中でリスクとかいろいろなことを考えて、プロトコールということが出てきたわけです。ところが特定行為以外のところもプロトコールとなってしまうと、臨床場面で非常に混乱性が高まる。そのような書き方に、私は違和感を覚えてしまいます。
○永井座長 臨床現場では、指示棒にはいろいろなプロトコールを今までも書いてきていますね。それが行為によって書き方が違うという、行為によってその位置づけも違うし、書き方も少し違ってくるということで、指示棒というような意味でとらえればよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。特定行為以外というのは、今までどおりということだと思います。
○簑原医事課長補佐 この図をお示しすることによって、指示のあり方がこうなければいけないとか、そういったところについて、特定行為以外のところについてはプロトコールに基づかないと包括的指示ができないというわけではないということで※を書かせていただいておりますので、特定行為以外のところについてはさまざまな指示のやり方があると考えております。
○永井座長 大久保委員、どうぞ。
○大久保委員 今の説明を伺いまして、この資料1はよく整理されていると思います。現に現在、試行事業では、研修を受けた看護師が青の部分を行っておりますので、わかりやすく、枠組みとしたらこれでいいように思います。
以上です。
○永井座長 藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 資料を見させていただいて、非常にわかりやすくなっていると思いますが、現場で包括的指示と医師が看護師に、現実的には一般の看護師に出すわけですけれども、看護師の中に新人看護師からベテランの看護師や、出産から復帰してきたような看護師さんもいますので、だれがこの指示を見られても安全にやれるというような指示を現場には出します。術前であれ、術後であれ、ないしは入院時の一般の検査であれ、ある程度もう疾患が決まればワンパターンの包括的指示を出しますね。それはあくまでも一般の看護師の能力差があったとしても安全に行えるように医師は包括的指示を出すのであって、特殊な人たちだけに出す包括的指示は普通は医療現場ではないです。その辺が包括的指示の意味合いが医療現場では少し違うのかなというのが気になりました。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。
○藤本委員 今の流れの中で別のことを考えたのですけれども、研修を受けていない看護師さんが特定行為をするときに、ドクターから包括的な指示でそれをやるように言われるということは想定していないのでしょうか。逆ですね。できるのにやらせてもらえないのではなくて、本来だったら包括的指示でやってはいけない看護師さんにドクターのほうから包括的指示が出る場面は想定されているのでしょうか。
○永井座長 それは?で判断するということですね。
○簑原医事課長補佐 これについては?でプロトコールに基づいて病態の範囲にあるかどうかの確認を行った上で、診療の補助を実施するかどうかを判断しますが、このときに看護師の能力とかもそこで判断をいただきますので、基本的に研修を終えていない看護師さんについては、そこで医師が包括的指示で行うことは、当然ながら研修の義務を終えていませんので、困難と判断をして?のほうに流れていくということを想定しております。
○藤本委員 医療スタッフが少ない現場のことを想定した場合に、研修を受けていない看護師さんに、忙しいから包括的に指示を出してやっていただかなければならないというような場面を私は想像してしまうのですが、そういう場合はこれから先、指示を出すことは違法行為だと位置づけられると考えてよろしいですか。
○簑原医事課長補佐 違法の意味もいろいろあると思いますが、あくまで診療の補助の範囲内ですので、特定行為を実施すること自体については、業務独占とかをつくるわけではないという大前提がありますので、行為の実施可否で法律の違法ということではないのですが、?、?、?という流れで看護師さんが特定行為を行う場合については、研修の義務をかけるということですので、そういう意味でいいますと、研修の義務を果たしていない、研修を受けていないのにそういう行為の流れをやっているということについては、そこの研修の義務に違反しているという形になると理解をしております。
○藤本委員 ありがとうございます。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。
藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 今、2種類を考えているのですが、1つは患者さんの状態を確認するのは、医師が必ず病態を確認するわけです。重症である場合と中等度、軽症である場合。これがまず1つ、患者さんのレベルを考える。
それから、今度は行う医行為、ないしは診療の補助行為の難易度。いわゆる同じ行為であっても、この看護師さんはできないけれども、この看護師さんはできる能力を持っている。行う行為の危険度が高まればなるほど、その医療機関の中でそれを行える看護師さんの数も減ってくる。それを我々は現場で能力勘案をして、この行為は難しいから、このベテランの看護師さんにさせようとなるわけです。そして、きちんと研修医又は、指導医がついて、具体的な指示を一般的には出します。
ですから、その行為そのものの難易度もあるけれども、患者さんの病態の重症度の問題と看護師さんの能力の3つの組み合わせになって、医療現場は動いているわけですどうしてもそこで医師のコントロール、いわゆるメディカルコントロールを外すことはできないのではないか。簡単な行為であっても、看護師さんの能力が医師がいないところでやらせるのは、医療事故防止ができないと思いました。
○永井座長 事務局、どうぞ。
○山本医事課長補佐 資料1で私が説明を飛ばしてしまったので、申しわけございませんでした。資料1の?の※を右側に打たせていただいておりまして、まさに藤川委員が御指摘になった部分が?の※のところではないかと思っています。?の判断を受けて、医師が看護師の能力や患者の病態について評価を行った上でどういう形で、先生のおっしゃるようにベッドサイドでやられる場合もあれば、具体的に自ら実施する場合もあるのではないかということで考えております。
以上でございます。
○永井座長 どうぞ。
○藤川委員 この特定行為の意味がどうしてもこの議論に参加していない人たちはわかりにくいので、保助看法で認められる診療の補助行為であるけれども、特別に定めるということですから、特定の診療の補助行為という表現をした方がよいと思います。医行為と言うと医療現場は医師が行うことをやらせるのかという誤解を招きます。あくまでも診療の補助行為であること。そして、やはり危険性のあることは原則医師がするという安心感を医療の現場や患者さん、家族に与えることが大事だと思います。特定の診療の補助行為とすれば、相当理解が進むのかなと思います。
○永井座長 これはそういう前提で来ていると思っていたのですが、やはり診療の補助行為であるということはよろしいですね。
○簑原医事課長補佐 診療の補助行為のうち、特定の行為ということです。
○永井座長 そこにグレーゾーンがあったので、今回のシステムで整理しましょうという位置づけだということですね。
ほかにいかがでしょうか。半田委員、どうぞ。
○半田委員 この1カ月で随分進んだなという感じを受けていますが、進んだものですから、ちょっと気になり出したのは、資料3を見ていただきたいのですけれども、行為番号で言いますと18番「腹部超音波検査の実施」と21番「心臓超音波検査の実施」という項目があります。
行為の概要を見たときに、腹部のほうの18は「医師の指示の下、プロトコールに基づき」、ところが21は「新機能や血流を評価するために」という書き出しになっています。21については特定行為として心機能や血流を評価することまでは含まれているのか。18はそれを含んでいないわけですね。ただ行為を実施することだけが書かれているわけです。プロトコールに従って超音波検査を実施するという書き出しになっているわけです。この18と21の持つ意味に差があるのか、ないのか。これは大きく違うと思います。評価までが入るのか、入らないのかが、この2つの間で物すごく差があるなと感じているのですが、いかがでしょうか。
○永井座長 いかがでしょうか。
○山本医事課長補佐 そのあたりは2点ございまして、表現がずれている部分については、きちんと今後精査をしていきたいと思っております。それがまず1点でございます。
○永井座長 何か意図を持って、ここを分けたということではないということですか。
○山本医事課長補佐 もう一点は、所見をとった上で最後に診断をするのは医師だということは変わっておりません。所見をとるのは検査をした人間が所見をとるところは当然だと思っていますので、そういう趣旨で少し整理をしたいと考えております。
○有賀委員 結局、厚生労働省の方とは言え、しょせん医療者が書くとこうなるのですね。イメージが先行していますので、腹部超音波検査をやるときには腹部の病変についての状態についての画像診断を得ようと。心臓だって基本的には同じことですから、結局得られるものは場合によっては、心機能だったり血流を評価する。
ですから、医療者が書くとこうなってしまったというだけの話なので、他意はないと言うしか言いようがないです。
○永井座長 ちなみに資料3も医行為分類(案)ではなくて、診療の補助行為分類(案)ということでよろしいですか。
○簑原医事課長補佐 そういうことでございます。
○永井座長 ほかに御意見はございませんでしょうか。どうぞ。
○太田委員 毎度在宅の立場での話になって恐縮ですが、これは急性期医療の病院での話であるから、こういうきれいな整理ができるのだと思いますけれども、指示のいわゆる賞味期限というか、有効期間についての議論はいいのでしょうか。
○有賀委員 いいかと聞かれると、必ずしもいいとは言えないと思いますが、それも医師の判断だということで許していただくしかないと思います。そうでないといろいろな現場がありますので。これは流れについての整理をするためのものでありますので、診療放射線技師さんが入ったり、検査の技師さんが入ったり、さまざまな職種が錯綜していますので、これがプロトタイプだとすれば、その次に自分の得意分野に上手に入れ込めば、やっていけるのではないかという気がします。
賞味期限という意味では、患者さんへの説明ということで言うと、例えば血液内科学的な病態を持った人の輸血といいますと、最初の説明は実は1年前にやっていてということがあって、それはどこまで有効かという話もありますので、医師並びに患者さんたちや関係者のコンセンサスが多分あって、主軸は医師の判断だと思います。
○太田委員 なぜそれを申し上げたかと言いますと、在宅の現場では制度上、月に2回医師が訪問診療することによって指示が出せます。月に2回の訪問診療は病態が安定している状況においての2週間ということです。急性期医療の現場では医師と看護師がほとんど一緒に働いていますので、非常にきめ細かな指示の変更が可能ですけれども、在宅ではそうはいかない。したがって、包括的指示はおおむね目安として、今の制度にのっとれば2週間くらいは有効なものであるという認識を持っていていいのかどうかを明確化してほしいなという気持ちがあって、それはおおむねですよ。もちろん先生がおっしゃるとおり、状況は時々刻々と変化する場合があるわけですから、そういった意味で申し上げた次第です。
○永井座長 それは今後の細かい詰めの中で議論をいただくということでしょうか。
○山本医事課長補佐 先ほど有賀先生からお話があったように、患者さんの病態によってそんなに長く包括的指示が生きない場合もあると思いますので、そこはそれも含めて医師がプロトコールに事前の包括的指示をしていただくことを基本的には想定しております。
○永井座長 よろしいでしょうか。もしよろしければ、この具体的指示・包括的指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れ、特定行為の考え方、この考え方に従った場合にある程度の数の特定行為が存在する。特定行為は診療の補助行為ということですが、そういう行為が存在することについては、おおよそのコンセンサスが得られたかと思います。
今後は、看護業務ワーキンググループにおきまして、個別の診療補助行為の分類について、さらに御議論いただき、特定行為に係る教育・研修のあり方についても御議論いただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○永井座長 それでは、有賀委員、よろしくお願いいたします。
では、続いて「看護師の能力を認証する仕組みの在り方について」の議論でございます。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○簑原医事課長補佐 資料5をごらんいただければと思います。「特定行為及び看護師の能力認証に係る試案(イメージ)の修正案について」という形でお示しをさせていただいております。
左の枠がことしの8月22日の推進会議に御提出をさせていただいた試案でございます。このたび、その修正案を右枠のほうに書かせていただいております。
1つ目の○ですが、特定行為の定義でございます。8月にお示しした試案におきましては「医師又は歯科医師の指示の下、臨床的に係る実践的かつ高度な理解力、思考力、判断力その他の能力をもって行わなければ、衛生上危害を生ずるおそれのある行為(診療の補助に当たるものに限る。以下「特定行為」という。)に関する規定について、保健師助産師看護師法に位置付ける。なお、特定行為の具体的な内容については、省令等で定める」とさせていただいておりました。
この部分につきましては、あくまでその診療の補助のうちであるということ、かつ一定程度の研修を受けていただく必要のある行為であることを趣旨として明確にするという観点から、右のほうを見ていただければと思います。
1つ目の○で「医師又は歯科医師の指示の下、診療の補助のうち、実践的な理解力、思考力及び判断力を要し、かつ高度な専門知識及び技能をもって行う必要のある行為(以下「特定行為」という。)について、保助看法において明確化する」と修正させていただいております。特定行為の具体的な内容については、省令等で定めるところについては同様でございます。
この特定行為の内容については、下の※のほうで書かせていただいております。その内容については専門家の方々が参画する常設の審議会を設置いたしまして、そこで御議論をいただいた上で決定をすると考えております。
2つ目の○でございます。特定行為の実施に関するところでございますけれども、8月にお示しをしていた案では、次のいずれかの場合に限り、看護師が特定行為を実施することができると書かせていただいています。
1ポツ目が「厚生労働大臣が指定する研修機関において、実施しようとする特定行為に応じた研修を受けた看護師が、医師又は歯科医師の包括的な指示を受けて実施する場合」。
もう一つが「看護師が、特定行為を実施しても衛生上危害を生ずるおそれのない業務実施体制の下、医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて実施する場合」という2つの概要を書かせていただいておりました。
ここの部分については、まず○の一番最初のところで、特定行為を実施することができるという書き方になっておりましたが、先ほども御指摘がございましたが、あくまで診療の補助のうちの話でございますので、できる、できない論ではなくて、あくまでその特定行為といったものを行っていただく場合に研修を受けていただくものがございますので、そこについては右のほうをごらんいただければと思いますけれども、「医師又は歯科医師の指示の下、看護師が特定行為を実施する場合に、以下のような研修を受けることを制度化する」という書き方に変えさせていただいております。
具体的な話といたしましては、資料1の包括的な指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れについてにおいて御説明をさせていただきましたが、1つ目のポツでございますが「医師又は歯科医師の指示の下、プロトコール」、このプロトコールの中身としては、患者さんの病態の範囲や対象となる患者さん、特定行為を実施するに際しての確認事項でございますとか内容、医師への連絡体制などが規定されていることを想定しておりますが、そういったプロトコールに基づきまして、「特定行為を行おうとする看護師は厚生労働大臣が指定する研修機関において、厚生労働省で定める基準に適合する研修(以下「指定研修」という。)の受講を義務づける」。ここで1つ研修の義務を法律上課すところを修正させていただいております。
一方で、先ほど資料1のほうの流れで、具体的指示で特定行為を行うような看護師さんにつきましては、そこは指定研修の義務はかからないという形にはなりますが、先ほど少しありましたが、特定行為自体としては難しい行為といったところでございますので、そこについては医療安全の観点から保助看法上の資質の向上に係る努力義務が現行法上規定をされておりますので、その内容として特定行為の実施に係る研修を追加すると修正させていただいております。
下の※でございますが、基本的には包括的指示を受けて特定行為を行う看護師さんについては、この指定研修の義務が係る。既存の今おられる看護師さんについても基本的には受講の義務が係ると想定をしておりますが、一方で医療現場等への影響もございますので、制度の施行後に一定期間内に研修を受けなければならないというようなこととするような経過措置といったものが想定されるかと思いますが、そういった経過措置の内容について検討する必要があると書かせていただいております。
もう一つ、特定行為自体については、今後は御議論としては追加をされる場合もありますので、そういった場合についてはその内容におきまして、研修の教育内容も変更する必要があるといった場合については、そこの部分についての追加の研修義務が生ずる場合があり得るだろうと考えております。
3つ目の○でございますが、研修機関の指定自体については審議会の意見を聞いて、厚生労働大臣が指定をするといったところについては、変更はしておりません。
裏に行っていただきまして、1つ目の○のほうが、研修の枠組みについては指定研修機関の指定基準として省令で定めるといったところについても8月にお示しした試案から変更はしておりません。
最後の○でございますが、指定研修機関の研修を修了し看護師さんについては、その看護師さんからの申請に基づきまして、大臣が看護師籍にその研修を修了した旨を登録する。その上で登録証を交付するといったところについては変更しておりませんが、右側の下の※のほうに書かせていただいておりますが、この登録はあくまで研修を修了したことを確認するためというものでございますので、当然ながら国家資格を新たに創設するものではないといった旨を追記しております。
説明としては以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。
それでは、ただいま御説明のありました資料5につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 2年とか8カ月とか、期間が一時話題になっていましたが、まず期間がどうなったのかを教えてください。現実問題として勤務先の医療機関が必ず実施病院の指定基準を満たせるかどうかは問題が出てくるはずです。大学病院などはいいとしても、勤務先の医療機関で研修病院の指定を受けられないということになると、どうしても現場を離れざるを得ないわけです。
そうすると、研修できる医療機関に勤めたほうがスキルアップできるということになると、就職の過程で看護師の偏在が起こってくるわけです。医療機関を選ぶときに、公務員であるか、大病院であるか、なおかつ認証制度の看護師になる研修ができる病院であるかが判断基準になる可能性が十分に考えられます。そういう問題が発生してくるのではないかと心配しています。
2年間ないし8カ月とか言っていましたが、その期間を医療機関から出向してしまうと、看護師の養成校で再任教員の資格を取得する時と同じように8カ月間出向することが非常に難しいという問題が出てきて、eラーニングの問題が今出ていますが、ある程度その研修病院は緩やかにして、臨床実習はその医療現場でしっかりできるということにすることが重要なことと考えます。
もう一つは、今の看護協会における専門看護師と認定看護師との整合性ですね。看護学における専門看護師、認定看護師の能力をどの程度まで認めるのか。学会に言わせると、医学教育が足らないからブラッシュアップしなくてはいけないという意見も聞いておりますので、その辺の整合性も考えなくてはいけないかと思います。
○永井座長 あと何人養成しようとしているかにもかかわってきますね。全体的なところをお話いただけますか。
○簑原医事課長補佐 1点目につきましては、まずその研修の実施の仕方自体に関しましては、医療現場への影響が生じないようにすることが必要だと思っておりますので、そこまで詳細にまだ看護業務検討ワーキングのほうでは御議論をいただいていないところではありますけれども、実習の部分については今までの勤務されていた医療機関で実習のところだけはやるというようなやり方を認めるといいますか、そういったものがあるのではないかと考えております。
期間の問題でありますが、今まで2年とか8カ月で一定の考え方をお示ししておりますが、看護業務検討ワーキングのほうで御議論いただく必要があるかと思いますけれども、期間で示すというよりは単位数といったものでお示しをしていくところが一つ考えられるのではないかと考えております。
看護協会さんのほうでやられている認定看護師さん、専門看護師さんとの関係については、実際問題として指定研修の内容等を踏まえまして、その中身との整合性といいますか、そういったものとの関係性は当然ながら整理をしていくと考えております。
○永井座長 あと100万人の看護師さんの何万人がこれに相当するか。あるいはニーズがあるかと見積もられているか。例えば100万人といったら大混乱が起こるわけです。ゼロということでもないのでしょうけれども。
○簑原医事課長補佐 なかなか数でお示しするのは難しいところではありますが、医療機関として、こういう包括的指示の流れの中で看護師さんに診療の補助をやっていただきたいといったところについては、医療機関のほうで研修に出していただく形を想定しておりますが、そんなに莫大な数字ではないのではないかと考えています。
○永井座長 どうぞ。
○田中委員 先ほどの資料1と関連するのですが、包括指示の場合は、プロトコールに規定された病態の範囲にあるかという確認を看護師がするということですけれども、プロトコールの範囲にあるかを確認することに関しては、先ほどの話にもありましたように、病態は時々刻々と変化するわけですから、どんなに包括的な指示があったとしても、実際に患者のそばにいる看護師の専門的な能力とか判断力はかなり当然のことながら、問われることになるかと思います。
看護系大学協議会のほうで先ほどお話がありましたが、専門看護師の教育をずっとしてきております。そして、こういった一定の病態の確認ということになりますと、ある程度の専門的な教育に基づいた能力がより問われるのかと思います。これまでの教育の実績に基づいて、看護系大学協議会でさらにこういう特定行為も含めた教育課程のあり方等について既に検討を始めておりますので、今後この案にのっとった教育を考えていく際に看護系大学協議会のこれまでの経験に基づいて、何とか少しでもその部分に関して貢献させていただけたら、ありがたいということで1つあります。
もう一つ、プロトコールに関しましても、看護系大学協議会や看護系の学会等が連携しまして、今回示された特定行為や医行為に関してのプロトコールの試案のようなものも少しずつこれまでに蓄積しておりますので、ぜひこのプロトコールを考える段階になりましたときに、医学系の学会はもちろんのことと思いますが、看護のほうもぜひこのプロトコールを検討する、考えていくところに参画させていただければと考えております。
○永井座長 恐らくこれをかみ砕いて言葉にしてフローチャートをつくっていくのは、かなりの経験と知識と表現力が必要になると思います。新しい看護学や医学の領域になってくるのではないかと思いますけれども、ぜひそこはよろしくお願いしたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。
○大久保委員 先ほど話に出ました認定看護師、専門看護師の制度のあり方についてですけれども、日本看護協会といたしましては、看護関係団体とともに今後検討していきたいと考えております。
○永井座長 藤本委員、どうぞ。
○藤本委員 質問なのですけれども、特定行為が追加された場合がありましたが、これは大体どのくらいの頻度で追加となるのか。それによって、また追加の研修の義務が生ずるとありますが、そのつど現場から離れて、教育機関のほうに行って研修を受けるような形になるのか。それとも現場で研修をする形でアップデートができるのか。その辺のイメージは何かありますでしょうか。
○簑原医事課長補佐 追加の期間については、医療現場等の状況もちゃんと調査をした上で、特定行為に新たに位置づけるようなものがあるかどうかを一定期間、実施状況なりを精査した上で、審議会のほうで御議論いただくことを想定しております。
追加の研修のやり方でございますけれども、そこについても一定程度、もともとお勤めの医療機関のほうで実習なりができるようなやり方といいますか、工夫は考えなければいけないと思っておりますので、その辺も研修のあり方の中で御議論いただきたいと思っております。
○永井座長 追加が必要かどうかということは、審議会で判断するということですね。
○簑原医事課長補佐 法律が仮にできますと、今後は追加に関しましては、審議会で御判断をいただくということでございます。
○永井座長 どうぞ。
○有賀委員 法律のルールというか、従前からの決まりごとについての議論の延長線上で今の御発言があると思いますけれども、どういう審議会がどういうことにするのかはわかりません。文句をつけるわけではないのですが、そもそもグレーゾーンに関する議論は、実は現場に起こっていることをここに上げて議論をしているわけですね。藤川先生がおっしゃるように、現場においてはそういうことについて、それこそオン・ザ・ジョブ・トレーニングでもってやり続けて、今に至っているわけです。今に至っているのだけれども、そのグレーゾーンをどうするかということで、例えば認証の話も出てきているわけですので、この手の話は恐らく将来もさまざまな診療の補助がリストに挙がってくるときに、全く同じ議論をするかということですが、そのようには多分ならないと私は思います。
もし同じ議論をしなくてはいけないのだとすると、これは何のための診療の補助というか、医療かがわからなくなってしまう。勉強することが一義になってしまって、勉強でない本当の仕事は付録みたいな、そういう逆転現象のようなことが起こる可能性があります。
何を言っているかというと、今、私たちがワーキンググループの中で、大学院で2年間勉強して、それでもって卵がかえったニワトリさんが働いている現場に行って見ていると、いわゆる危険な医療行為で診療の補助に当たるものに関して、その学校でできるようになって卒業してきているわけでは必ずしもない。むしろ何を勉強しているかというと病態生理であったり、臨床薬理であったり、フィジカルアセスメント、身体観察、身体評価、要するに医学的な評価をする。それから、クリティカルシンキングと言っていましたが臨床推論という考える力を学校で身につけて、それで帰ってきているわけです。
そこでそういう学問的な背景を身につけているということがあるので、オン・ザ・ジョブ・トレーニングに耐えられる。そのことについて、例えばどこで報告するか、またはやるか、やらないかということも含めて議論ができるという話になりますので、新しい診療の補助の行為がもし生じたときには、そういう背景を持って勉強した人たちがその場で勉強ができると。なぜかというと、その場でこそオン・ザ・ジョブ・トレーニングがあるわけですから、そういうプロセスで物事を考えていかないといけないのではないか。
今から20年経って、今度は特定行為その2のための議論が、まだ連続して3時間もやるみたいな話になったら、これはたまったものではない。そういうことを想定しているのだとすれば、つまり、そういうものを想定して審議会なるものが存在すると思うのであれば、それはここで議論していることそのものが実は逆転現象になっている可能性があるとなりますので、十分に注意していかなくてはいけないのではないかと、私は思います。
看護のワーキンググループでは認証のあり方とか、ここに書いてある資質の向上にかかわる努力義務云々かんぬんということは実はまだ議論されていません。そこまでワーキンググループのほうはまだ行っていませんが、少なくとも現在の2年間を勉強した方たちに直接的にお会いして質疑応答させていただくと、そういう感想を持ちますし、年明けには8カ月コースで勉強された該当の認証を受け得る方の仕事ぶりについて見学させていただいて、いろいろと勉強しようかと思っていますので、そういう感想を持ちます。
○永井座長 8カ月コースとか2年コースも、だんだん意味がなくなってくる可能性があるわけですね。何単位コースとか、そういう表現のほうがこれからはいいかもしれませんね。
小川委員、どうぞ。
○小川委員 今、議論になった期間のことですが、私の認識では8カ月とか2年というのは、ここでは議論されたことがないのではないかと思います。恐らく試行事業をやるときに、その試行事業のルールとして8カ月、2年ということが決められたのではないかと、私の理解ではそういうなのですが、そうですね。
○簑原医事課長補佐 はい。
○小川委員 ですから、そういう意味では、単位がいいのか、期間がいいのか。期間が2種類に分けられていいのかどうかも議論しなければいけないわけですし、先ほど藤川委員がお話になったように、どこでどのような研修が必要なのかということを前提にしないと話が始まらないわけです。どこでどのような研修が必要なのか。そうなってくると、そのもとにあるのはどういう研修プログラムでやらなければだめなのだということを全然議論されていなくて、基準に適合する研修という文言だけが踊っている。
ですから、そういう意味では、ワーキンググループの議論の中で、その研修プログラムは、たしか試行事業の中でこういう研修プログラムが必要だよということは議論されて、あれしたわけではないと思いますが、提示されたかと思います。ワーキンググループの議論の中で、どこでどのような研修をして、どういう研修プログラムが必要なのだということをそろそろ、私は毎回こういうことを言っていますけれども。
○永井座長 先生、それは今までどういう行為がとおっしゃられていたから、まずそれを決めてきたわけです。研修プログラムはこれからです。それは同時には進まないです。そこはぜひ御理解ください。
事務局、何かありますか。
○簑原医事課長補佐 今、御指摘のあった実際の研修のやり方といいますか、どこで何をやるのかという、もともとのお勤めの医療機関でやれるようにするとか、そういった枠組みといいますか、研修自体の大枠についても次回の看護業務ワーキングで御議論いただけるように、事務局のほうで資料を準備したいと思います。
○永井座長 特に行為が決まってきましたから、これに基づいてカリキュラムはどうなるかが見えてくると思います。何単位、何時間、毎日受講したら、それこそ何カ月。そういう段取りになるのだろうと思います。
安部委員、続いて、太田委員、どうぞ。
○安部委員 資料5の2つ目の○の2つ目のポツにあります、指定研修の受講が義務づけられない看護師についての読み方というか、解釈について教えていただきたいです。大多数の看護師さんがここに入ってくるのだと思います。努力義務として特定行為の実施に係る研修を行うと書いてあるわけですが、努力義務といえども研修をしなければならないわけですが、その特定行為の実施に係る研修は、自分がその病棟なり看護をする上で、実際にその現場でやる可能性がある。もしくはやるものに限られるのか。それとも今回示された何種類かの特定行為という行為については、全ての看護師が研修を努力義務として義務づけられるのか。どちらのイメージなのかを教えていただきたい。
○簑原医事課長補佐 基本的には前者のほうをイメージしておりますので、実際に医療現場で働いておられる中で必要な特定行為、日ごろからやっている、もしくはやり得る行為について、院内での研修をしていただくということをイメージしております。
○安部委員 ありがとうございました。
○永井座長 どうぞ。
○藤川委員 現実的に必要でない行為まで勉強するというのは、はっきり言って現場はそんな暇はないです。救急であれば、救急で必要な行為であろうし、心臓外科であれば、心臓外科の術後管理で必要な行為を学べばいいわけであって、整形外科や脳神経外科など、ほかの科の行為まで勉強する必要はないわけです。種類、難易度に関してはあくまでも侵襲性の高いものは絶対的に医行為であることをしっかりワーキングでもっと詰めてほしいというのがポイントです。
それから、有賀先生が言われたように、半永久的にこういう行為について、議論は現実にはできませんから、ある程度は現場に任せて、患者さんに対しては、危険な行為は必ず医師がやりますから御安心くださいと宣伝していただきたいですね。グレーゾーンのところでもきちんと研修した行為を安全にやる人にしかさせません。もう少しファジーにしておかないと、医療行為の一挙一動まで科別にあるあらゆるを議論することは現実的ではないと思います。
○永井座長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 指定研修の何をと、どこでという話は、まだこれからだということは重々承知ですが、仮に福祉施設で働いているナースや訪問看護ステーションで働いている訪問看護師たちが研修を受けたいという場合、具体的にどういう場が設定される可能性があるかということをお教えいただきたいと思います。
例えば藤川先生と一部被りますけれども、病院の中でそれが指定研修病院になれば、そこで学ぶことができるわけですが、医師のいない施設はあるわけです。そういった人たちはどこで学ぶ可能性があるのでしょうか。
○島田看護サービス推進官 まさにどのような研修内容、あるいは研修体制を持つかについて、それを基準として定めることを予定しておりますけれども、その内容についてはこれから看護業務ワーキングのほうで御議論をいただくことになりますが、その要件に当てはまっているところであれば、病院であれ、あるいは○○研修機関というところであれば、あるいは大学院であれ、研修機関として指定することはできると考えております。
ただ、こういった行為を学んでいただくという関係上、今まで案としてワーキングで御検討いただいております指導体制の中に、やはり医師を含めたほうがいいのではないかといったような御意見もあり、そういった案にもなっておりますので、それも含めてこれから議論をワーキングでしていただくことになると思います。
○太田委員 そうしますと、訪問看護ステーションではもう学べないということですね。
○簑原医事課長補佐 指定研修機関としては、基本的に座学の部分と実習の部分があろうかと思いますが、座学のところは例えばどこかの研修機関がありまして、実際の実習は座学をもともとやっている指定研修機関がこういう内容で実施をしてくださいと訪問看護ステーションのほうにお願いをして、その内容に沿った実習を実際は訪問看護ステーションでやっていただいて、その結果を指定研修機関としては報告を受けて、全体として修了できているかどうかを確認するということもあろうかと思っております。
○有賀委員 現在、在宅というテーマで勉強している看護師さんたちがいますね。現在のところでのお話の限りにおいては、診療の補助という部分についての勉強ということがあるので、医師がそばにいるということを想定した勉強プロセスですね。
○島田看護サービス推進官 指導者の中に医師が含まれるということを、今、試行事業の中ではやっております。
○有賀委員 今の話は、医師の指示のもとにという部分についてのことを考えると、そういう意味での指示を与える医者がいないといけないということですね。
○島田看護サービス推進官 はい。
○有賀委員 その後の景色については、まだいろいろと考えることがあるだろうと。もっともっと言えば、今は医師が教えていますが、場合によってはナースが、こういう指示の内容はこうだから、こうやってやると教える時代だって、論理的にはありますね。
○簑原医事課長補佐 当面は医師が教育の体制を指導します。ただ、訪問看護ステーションに関しましては、そこに医師が常駐しているわけではなかったり、福祉施設でも当然ながら常駐していない施設もありますので、そういった場合に医師の指導体制といいますか、提携の医療機関、訪問診療をやっていただいているような先生の中での指導といいますか、そういったものをしていただくことはあろうかと思います。
○太田委員 そうしますと、研修機関になるのは診療所側になるということですか。
○簑原医事課長補佐 指定研修機関としてはどちらかというと座学をやっていただいている研修機関がありまして、その実習の部分だけは病院でありますとか、訪問看護ステーションでありますとか、診療所もあるかもしれませんが、そういったところで技術度を上げていただく部分での実習をやっていただくというところはあるかと思います。
○永井座長 藤本委員、どうぞ。
○藤本委員 頭を整理したいので質問させていただきたいのですけれども、指定研修の受講を義務づけられない看護師さんに関しましては、その医療現場で必要とされている範囲について、現場で研修をするということですね。指定研修の受講が義務づけられている看護師さんは、結局その現場だけでは学び切れないものがある。今のお話で言うと病院であったり、在宅であったり、診療所だったり、いろいろな場面での医療の中の診療の補助を学ばなければいけないということになると、イメージとしてはドクターの初期臨床研修のような感じで、いろいろなところをOJTで回るとイメージしてよろしいのですか。その辺はよくわからないです。
○簑原医事課長補佐 臨床研修のようにいろいろな医療現場といったところまで回るという想定はしておりません。当然ながら特定行為は一定の幅がございますので、全て学ばなければいけないというわけではないと思っていますので、例えば領域であれば、領域の中での特定行為を学ぶと。そうであれば、もともとお勤めの医療機関で当然ながら必要な領域があって、それで研修を受けるということになっているかと思いますので、例えば全然違う、もともとの病院の看護師さんが在宅の場面も経験しながら実習をやるというところまでは、そこまで研修を受けたいというところがあれば、そういった場面もあるかと思いますが、必要に応じたところの場面、もともとお勤めの医療機関なりで実習を受けるところが一つの工夫としてはあるのではないかと考えていますが、絶対にいろいろな医療現場を回らなければいけないというところは、想定はしてはいないです。
○永井座長 宮村委員、どうぞ。
○宮村委員
私は歯科医師会から来まして、自分自身は開業歯科医ですので、むしろ患者さんの立場という形でしかわからないですが、藤川委員がおっしゃるように、そもそもこういうものが現場を混乱させてしまっては何ともならないと思います。
もう一つは、このチーム医療推進会議はそもそも患者さんを囲んでのチーム医療だったわけだから、患者さんが混乱してしまったら、何をやっているかがわからないと思います。実はこの間2回くらい欠席したのですけれども、思ってもいない病気になって、死ぬのかなと思ったのですが、とにかくオペをして生還してきたのですが、そのときに患者としての経験で一番混乱したのは、いろいろな看護師さんがいろいろなことを言ってくれるわけです。私はなまじ知識があるからかもしれないけれども、それが本当につらかった。混乱してしまって、要らぬことは言わないでくれと。
特定看護師みたいなものができて、また、そういう方が自分の病態がその日その日に変わったときに、このときはこの人が来て、このときはこの人が来るというと、患者は相当混乱するだろうと思うので、ともかく現場と患者さんそのものが余り混乱しない形で、こういうものが収まっていくというか、決まっていくといいなと思いました。
○永井座長 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 本日はかなり議論がいろいろと進んだと思いますが、先ほどの藤本委員の質問に関する事務局の答弁に関して1つ質問したいと思います。
先ほどの事務局の答弁だと、研修を受けていない看護師さんが特定行為を行った場合、それがどういう意味を持つかというと、先ほどの答弁中の言葉をもう一回繰り返すと、「できる、できないという話ではない。つまり、診療の補助の行為の範囲内だから、できる、できないという話ではない。しかし、研修の受講義務違反である」という言い方をされたと思います。それは法的には一体どういう意味を持つのでしょうか。
もう一つは、研修の受講義務違反は誰にかかる違反行為なのかということです。素直に考えると、研修を受けていない当該看護師さんに義務違反がかかっているように思いますが、組織として一連の医療行為を行っているわけですから、そこは医療機関であるとか、あるいは特定の指示をした医師にも何らかの義務違反がかかっているのでしょうか。
○簑原医事課長補佐 義務違反のところに関しましては、まさに保助看法にそういう義務を課す条文ができますと、それの義務に違反している主体としては、看護師が義務を違反しているということが生じまして、その義務違反が継続すれば、指導の対象等にはなるかと思っています。
一方で、指示をする医師の側でございますけれども、資料1のほうで当然ながら先ほど御説明をしたとおり、看護師の能力なりを判断して、やれるかどうかも含めて判断して、包括的指示を出されるということでありますので、法律上の義務の違反というところではございませんが、研修を受けていない看護師さんにそういう包括的指示を出すということについては、基本的にはないといいますか、そういうことをする医師はいないと考えております。
○永井座長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 もう少し日本語のお話をさせていただけるといいのですが、この指定研修の受講が義務づけられない看護師とはどういう看護師ですか。
○簑原医事課長補佐 資料1を見ていただければと思いますけれども、?から?、?、?という流れで特定行為を行うことがある看護師さんについては、研修の義務がかかる。一方で具体的指示と書かせていただいております?から?、?という流れで行う看護師さんについては、指摘研修の義務はかかりませんが、ここがまさに研修の受講義務がかからない看護師さんでございます。この流れのような行為でしか特定行為をしない看護師さんについては、指定研修の受講が義務づけられない看護師という形になります。
○永井座長 それはむしろ具体的指示のみで特定行為を行う看護師という表現のほうがわかりやすい。
○山口委員 言葉を変えると、院内でいろいろなトレーニングをしても、いつまで経っても具体的な指示でしか動けない看護師ということになりますか。
○簑原医事課長補佐 それはそういう形です。
○山口委員 そうすると、院内でトレーニングをすることは意味がないと。
○山本医事課長補佐 具体的指示は例えば動脈血採血などをイメージしていただければと思いますが、それを医師が呼吸状態を評価した上で看護師が採血すると。でも、動脈血採血自体は動脈に針を刺すということですので、それを安全にやっていくために院内で研修をすることは非常に意味があると考えております。しかし、それを病態の確認まで含めて、青行為まで含めてやるときには、やはり指定研修の対象にしていくという考え方でございます。
○山口委員 そうすると、院内でそういう判断をするトレーニングをすることには、何の効果もないというか、トレーニングによって院内の看護師のレベルを上げたことが報われないのではないかと思います。
○永井座長 私からよろしいでしょうか。これは議論の始まりに戻るわけですが、グレーゾーンにあって、それをどう位置づけていいかわからないのを院内の研修できちんと白に持っていくという意味では、一つ意味があると思います。
ただ、それをどう評価するかというのは、病院長の判断になるのではないかと。各病院ごとの判断のように思いますが、どうでしょうか。
○藤川委員 結局、同じ診療の補助行為は包括的指示であろうが、具体的指示であろうができるわけです
知識的な問題として、臨床薬理、フィジカルアセスメントはもちろん勉強しなくてはいけないですが、看護師は具体的指示でやるわけですから、ならば全ての看護師に卒後研修として努力義務を課すことが、医療の現場としてスムーズにチーム医療が実践できるわけです。
その中でも患者さんの状態の難易度がありますから、現場の医師の判断で、させるかどうかは判断をする。しかし、卒後研修は一般の看護師も必ず必要な事です。フィジカルアセスメントは、実際は全ての看護師で勉強していると思います。フィジカルアセスメントを勉強せずには、患者さんは看護できません。
○永井座長 どうぞ。
○島崎委員 資料5の2つ目の○の2つポツがありますが、上の指定研修とありますね。2つ目の特定行為の実施に係る研修とありますが、下のほうの特定行為の実施に係る研修は、指定研修と同じ意味ですか。
○簑原医事課長補佐 違う意味です。2つ目のポツの特定行為の実施に係る研修は、院内研修を想定しております。
○島崎委員 しかし、それでは、いろいろ院内研修をやったとしても、幾ら積み上げたとしても、どういう意味をもつのでしょうか。これは指定研修のカリキュラムの組み方とか、いろいろなものと関係してくるのかもしれませんが、現場で一生懸命やっている姿が報われるほうがよいような気がします。この辺の研修の組み方であるとか、あるいは先ほど来議論が出ておりますが、余り過剰な研修を課すべきではないという一方で、一定の安全性を確保するためにやっているわけですから、その兼ね合いをどうするかについては、ぜひ引き続き御議論をいただきたいと思います。
○永井座長 どうぞ。
○山口委員 結局なかなか難しいのでしょうけれども、包括的と具体的というのは、具体的の中にもAかBかCだったらこうしなさいというのも、より具体的な指示としてあると考えると、AかBかCか、いずれかという判断ができると思えば、具体的な指示として、それを受け取ることができるのではないかと思いますが、どうでしょうか。では、包括的指示と何が違うかというと、実は難しいところがあるのでしょう。より広い立場でこういう条件ならこうしなさいということは、この人ならばできると指示をした医師が判断をすれば、それは具体的な指示という理解でいいでしょうか。
○簑原医事課長補佐 今おっしゃっていただいたようなことですと、一定程度の病態の確認の幅がありまして、その範囲に合致していれば、特定行為を実施しておくようにという指示ですと、今、整理させていただいているような形で包括的指示の中に入ってくるということではないかと思っております。
○山口委員 そうすると、院内でのトレーニングはやっても幅が広がらないという話になってしまい、医療現場としては意欲がそがれる。これをやりなさいということを受けることはいいけれども、これとこれとこれを考えて、こうやりなさいということはだめだという話になると、現場で意欲をもって取り組むことが難しくなってしまう。
○簑原医事課長補佐 仮に病院のほうでそこまでの研修のカリキュラムが組めて、指定研修の内容と同等のものができるということであれば、指定研修機関の指定を受けていただいて、それが指定研修の内容であるというようなことはあり得るかと思います。
○山口委員 もとに戻って申しわけないですが、今、言った多くの難易度の高いことは、病態の判断の話と、もう一つは行為の実行の話。実行の話は直接的な指示を受ければ、この図で言うと、何のリミテーションもないという話になりますね。動脈血採血であろうと、動脈にカニューレを入れることであろうと、IABPのカテーテルを抜くことも、全部院内でトレーニングをすればオーケーだと。それはそれでよろしいですか。
○簑原医事課長補佐 当然、医師の指示の中で、その看護師なり、その患者の状態であればできると。病態も医師が確認して、具体的指示を受けて、当然ながら今おっしゃっていただいたような、診療の補助の行為のうちという話が大前提でございますので、そういう具体的な指示を医師がしているということであれば、可能であるという話になると思います。
○永井座長 藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 日本医師会が常に言っているのは、ドレナージを抜いたりする行為は診療の補助行為として認めますが、Aラインをとるとか挿入する危険な行為は医行為であると、医師の絶対的医行為であるということをぜひともワーキングで、たがをはめてもらわないと、その辺のラインがいい加減になると、何でもやってしまうわけです。事故が起こったときに、誰の責任かといったときに、チーム医療推進会議で認めたではないかと言われれば、国の責任であり、我々全員の責任になってきます。日本医師会としては、危険な行為に関しては絶対的医行為の範囲をしっかり守ることが大切と考えております。B1、B2の中でも高度な危険な行為はきちんとAに入れるようにワーキングでの再考を提言しております。
○永井座長 どうぞ。
○山口委員 私はこれはBのレベルの話をしていると思っています。そのBとAとレベルの話はまた別の議論かと思います。きょういただいた資料には、それはB1という区分でしたので、B1という区分は院内のトレーニングで十分できる範囲という理解で話しています。それはそれで一生懸命にトレーニングをして、誰でもという話にはならないでしょうけれども、トレーニングをすればできるという判断でいいと思いますが、院内でトレーニングをしても、一番最初のところが全て医師の具体的な指示がないと、その行為まで行かないと言ってしまうと、院内のアクティビティーをかなり大きく制限する話にならないかなという感じがします。
○永井座長 事務局、どうぞ。
○山本医事課長補佐 今回の議論がそもそもどういうところから始まったかということにも行くと思いますが、病態の確認については有賀先生のお話がありましたが、一定の臨床推論を含めて、そうした能力を身につけていくことをきちんとやっていかないといけないのではないか。特に侵襲性のある行為だったりしますので、きちんとした指定研修という形で受けていただいた人がやっていく形にすべきではないかというところが議論の発端だと思っていまして、院内の研修はやっていただいて一定の意味があるし、当然必要だと思っていますが、今後どういう形で考えていくかというときに、特定の行為につきましては、やはり病態の確認をきちんとやっていく。その上で行為を実施していくという方については、一定の研修を義務づけることを考えてはどうかということではなかったかと思っております。
○永井座長 どうぞ。
○有賀委員 看護ワーキングからの話で、もし今のような議論が入ってきたとなるとどうかというと、もともとグレーゾーンで出発しています。それを院内のトレーニングでやらせるかと言えば、私がときどき引き合いに出すのは、私が昭和大に来る前の病院では、ある複数の看護師にはウィニングをしてもらっていたわけです。そういうことは院内の一定の水準でコミュニケーションをはかりながら教育をするということであれば、可能だということはわかっているわけです。しかし、ここではそれを私たちの医療をやる人たち全体の、または社会のルールとしてつくっていかないといけない。
あの病院で当時やってもらった看護婦さんは、今はそこの看護部長になっていますけれども、ときどきぴかぴかと光るようなナーシングスタッフがいるというわけではなくて、社会の仕組みとして、これからの話をどうしようかという話で、したがってグレーゾーンをどうするかというところから出発していますから、山口先生がおっしゃるように、院内でやったものが報われるとか報われないとか言ったときに、恐らく私は一人一人のキャリアパスとしてワッペンがつかないということで報われないという人がいたら、その人は報われないのだと思いますけれども、これによって給料がどれだけ上がるのかという議論も報われる中に多分入ってくるのだとは思いますが。しかし、そういう議論はワーキングの中ではしていなくて、やれている人たちがいたということはわかるし、今もいるだろうということはわかっている。では、私たちの議論はというところになっていますので、やっても報われるとか報われないとかいう話だと、また違う価値規範を入れなくてはいけなくなってくるので、難しいかなと思って聞いていました。
多分、先生のところのICUのナースも私のところのICUのナースも、そういう意味ではワッペンがあるかないかにかかわらず、一生懸命勉強していることは間違いないと思いますので、もともと医療者とはそういうものだと思います。心意気でやっているところがありますから、そういう心意気でやっている看護師さんたちでグレーゾーンの中の全体をレベルアップしようと思うと、今のような議論になってきたのだというような、議論の全体像を見ていただければいいのではないかという気がします。
○山口委員 そういうことの決まりになれば、それはそれでいいと思います。そうすると、既に現在そういうことができている人も、これがでたら、その研修を受けないと、包括的な指示に従って動くことができなくなるという理解でよろしいですか。
○有賀委員 それは包括的な指示の内容ですね。つまり、動脈血採血をしろと言ったときにどの針を選択するか、どの注射器を選ぶとか、動脈血採血をする意味が、ガス分析なら一発でいいのでしょうが、敗血症のときに動脈血をとれという話になると、今度はとる量も違ってきますし、場合によっては時間差を置いてとれという話になれば、複数回ということも起こるでしょうし、包括的な指示というのは極めて、ある意味幅がある。
ですから、具体的な指示と言っても、それは今、言ったようなことまで含めれば、実はあの針先とこの注射器と右利きの人は右手で持って、動脈を触れるときには必ず左手の中指で触れろという話まで入れて指示をするかと言えば、それはしていないわけです。ですから、そういう意味では具体的な指示もある意味では包括的な指示です。
○永井座長 あと、移行措置というのがあるわけですね。何か決まりができて、その翌日からだめよという話ではないのだと。少しフレキシブルに考えていただくことになると思いますが、いかがですか。
○簑原医事課長補佐 当然、既存の看護師さんへの影響もございますので、一定期間の経過措置といいますか、一定期間の猶予措置は必要なのではないかと思っていますので、研修を受けていただく期間は一定程度確保することが必要だと考えております。
○永井座長 そのほかの点についてはいかがですか。
○大久保委員 今の説明を聞きまして、この修正案については賛成いたします。今回の仕組みというのは、やはり看護の中の診療の補助ということが安全に行われることを考えてきたので、国民に応えていくためにも、安全性を担保する意味で最初に書いてある、保助看法において明確化する必要性、指定研修を受けた看護師を看護師籍に登録することが必要と考えます。
○永井座長 藤本委員、どうぞ。
○藤本委員 その研修の場とそこでできることで、私は頭がごちゃごちゃになっているので質問させていただきたいのですが、まず認定看護師さんは限られた場面の看護に特化した看護師さんということでイメージがわきやすいのですが、今回の特定看護師という方は、ここの場面だけの資格ということではなくて、あらゆる場面で通用する看護師だと私は理解していました。
ですから、一定程度いろいろなことが判断できる看護師さんだなと。研修を受けている看護師さんといない看護師さんを分けるキーワードは判断力だと、私は理解しておりました。その判断力を育てるためには、いろいろな場面で実際にOJTをすることがすごく大事だと思いますが、きょうのお話を聞いていると、あらゆる場面での実習をするわけではないということなので、そうすると例えば病院で通用する特定看護師さんとか、在宅医療で通用する特定看護師さんとか、そういうふうになってくるのですか。
○永井座長 これはカリキュラムがいろいろできるわけですね。
○簑原医事課長補佐 カリキュラムがいろいろとできますので、御指摘のあったようなオールマイティーと言ったらあれですが、いろいろな医療現場で特定行為を行い得る看護師さん、行おうとする看護師さんについては、そういったものもあろうかと思いますし、実際に勤務されている病院では、この領域だけが必要であるといったところについては、その領域のカリキュラムに応じた研修を受けていただいて、当然ながら領域に対応する、実際に勤めておられる医療機関の実習を受けていただくということではないかと思います。
○藤本委員 それが特定看護師ですね。
○永井座長 特定看護師という名称は使わないですし、資格にもならないということですね。ここも確認させていただきたいと思います。研修を求められるということです。
○田中委員 今のことですけれども、実際的には包括指示で病態の確認をするところが求められるのであれば、ある一定の疾患領域や場面とかに特化した看護師がプラス特定行為ができるというほうが、医療的にはより安全性は担保されると思いますので、それが在宅的なプライマリー的な場合もあるかもしれませんが、広い意味での専門性と結びついているほうが安全性は担保されるのではないかと考えております。
1つだけさっき言いそびれてしまったのですが、特定行為を限定列挙方式でふやしていく場合にということで、先ほどの藤川委員の意見に賛成なのですが、それが常設の審議の場で検討していくということは、現実的には困難なものがあるのではないかと思いますので、その部分に関しては御検討いただければありがたいと思いました。
○永井座長 藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 先ほど最後のところでありましたが、登録の問題です。日本医師会で大分議論をしましたけれども、学会認証が専門医との統一性が一番とれるだろうということで、厚生労働大臣の登録はふさわしくないのではないかという意見でした。現実に研修をするのは専門学会でカリキュラムをつくって、専門医と先に働く専門看護師をつくっていくということからすれば、学会の認証で十分ではないかと考えます。
○永井座長 小川委員、どうぞ。
○小川委員 学会の認定とは違うのですが、先ほどの藤本委員の疑問で、私も頭がぐちゃぐちゃになってきました。例えば資料5の2枚目の最後の○ですけれども、指定研修が修了した看護師からの申請によって登録するとともに登録証を交付するときに、それだけさまざまな特定行為があって、Aという行為とCという行為とXという行為は、この人がやりましたと言ったら、ここの登録も何百種類も単独仕様の登録が必要になってくることになるのではないかと思いますが、どうですか。
○簑原医事課長補佐 登録証を実際に交付するときにどういう様式でやるかまではまだ検討中ではございますけれども、基本的にはどこまでの特定行為の研修が、基本的にはカリキュラム等は領域単位で設定すると考えておりますので、そういう一群の特定行為について、それが終わったというようなことがわかるようなものを交付することが必要であると考えております。
ですので、例えば50個の特定行為があるといたしまして、あるA看護師さんは指定研修で20個の特定行為の研修が終わっているということであれば、その20個について丸がついているような、様式はあれですけれども、そういったものがわかるようなものは少なくとも必要ではないかと。少なくとも登録をしている登録の内容としては、そういったものがわかるような一覧性のあるようなものが必要だと考えております。
○永井座長 藤川委員の学会認証でいいのではないかという、そこはいかがですか。
○堺委員 藤川委員のおっしゃることもよくわかるのですが、なかなかなじまないのではないかという気がします。今の御意見ですと、全て疾患は臓器別、専門家別に見なければならないということになるので、患者さんは1つの病態でもいろいろな専門家がかかわっていたりするので、なかなか難しい。
今まで医師側の専門学会がそういうことに興味を持って、研修なり研究なり指導的立場にあったかというと必ずしもそうではないので、その辺は将来的にどうなるかは別にして、最初からいきなり専門学会の認証を得なければならないというのは、なかなか現実的ではないような気がします。
○永井座長 いかがですか。
○北村委員 研修機関の指定を国が指定して、研修内容もある程度指定するという中で、認証もある程度しっかりした形でしていただいたほうがいいのではないかと私は思っています。
○永井座長 いかがでしょうか。
○簑原医事課長補佐 籍の登録のところがございまして、あとは特定行為の研修の修了をしていることをどうやって登録するのかという御指摘がございましたが、それとあわせて考えますと、例えば1つの領域が終わっても別の領域を別の指定研修機関で受けるということも想定をされますので、そういったものが研修機関同士で別々の管理になりますと一覧性がないところもございます。そういう研修の修了状況については一覧で把握できるような形が必要であろうと考えておりますので、事務局の案としては看護師籍の中で大臣が一括で管理ができる仕組みというところで御提示をさせていただいております。
○永井座長 いかがでしょうか。
○有賀委員 今、説明のあった50分の20の議論は今までどこもやっていないと思います。私は臨床研修医の移籍の登録は番号を出すのかと思っていたら、番号を出していなかったようですね。そういう意味で看護籍に登録するのは、さっき私はワッペンと言いましたが、そういう勉強をしましたということがわかればよい。仲間内で診療するときに、できないことをさせることは金輪際あり得ないです。そういう意味では、50分の20だったり、50分の30だったり、右端から20なのか左端から20なのかみたいなことを考えながら、この人にやらせるかみたいな話にはなりませんから、その意味で登録するというのであれば、そこにチェックが入っているくらいの話ではないかと思います。多分そうではないかと思います。
○永井座長 藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 実際に厚労省が情報を管理しても、余り現場では役に立たないです。管理したいから持っているだけの話であって、実際に現場ではこの看護師は心臓外科の専門の看護師なのだなという意識を持って、医師は指示をする。大きな病院ではローテーションをするわけです。そのときに心臓外科の看護師のトレーニングを受けているというのがわかれば、それなりに指示を出すときに、やや難しい行為でも依頼できるけれども、例えば整形外科に3年いて、心臓外科に来たばかりとなると、慣れる行為をさせることはありません。医師の臨床研修制度は義務だから、医師としてしっかり研修しなければ医行為はできないわけです。
今回は別に看護師全員が研修をするわけではないわけですから、任意の研修ですね。それは現場でわかりさえすれば、心臓外科の専門看護師であれば、心臓外科学会の指定研修医療機関にきちんと登録されていますというのがわかれば、インターネットでもすぐにわかるようにしておけば、別に厚労省で管理する必要はないと思います。
○永井座長 どうぞ。
○堺委員 自分の病院の職員をインターネットで調べて、この看護師は何を持っているかということは現実にないと思います。
○藤川委員 研修証を発行しますから、専門医でも持っています。就職するときに見せればいいわけです。
○堺委員 それはそうですよ。でも、例えば先生の下に特定看護師がいたら、その人がどういうトレーニングを受けて、整形に3年行って、その後に心臓血管外科に行ったら、整形でどういう実績を出しているのかは当然把握していると思います。それだからこそ学会で登録しなければならないという議論にはならないと思います。
○藤川委員 厚労省からこういう制度をつくるなら学会がカリキュラムを委託される。心臓外科の専門看護師とは何ぞやと。術後管理をどの程度するのか。術前管理をどうするのか。術中管理をどうするのか。それにふさわしい専門看護師を心臓外科学会の前原先生は必要だと言っているわけですから、それに対しては、心臓外科学会としてはこの程度の能力は持っていてほしいという希望があると思います。それにふさわしいカリキュラムをつくるわけですから、それは心臓外科学会と看護学会が協力してつくればいいわけですから、そこはオートノミーとして、自律性として、専門職は生涯教育で勉強していくわけですから、その1つのケースにすぎないと思います。
○永井座長 この点についてはいかがですか。
小川先生、いかがですか。
○小川委員 日本医学会の中で、日本医学会に加盟している学会そのものは臨床系だけではありませんけれども、百幾つあります。それが現実の中では非常にイーブンといいますか、同じレベルでその百幾つの学会があるわけではない。かなりでこぼこがあるわけで、もう一つは、そういう意味では学会で認定をすればいいのではないかというのはどうかというものが1つ。
もう一つ、きょういろいろと御議論されているB1とかいうような医行為といいますか、特定行為そのものが幾つかの内科学会だったり外科学会だったり、その他、外科学会の中にも外科学会の二階建て分野にある心臓血管外科学会であったり、さまざまな階層があるので、これを一元的に学会として、うまく看護協会あるいは看護学会のほうと連動しながら、そこの中にはめ込むのは難しいのかなと私も思います。
○永井座長 どうぞ。
○藤川委員 実際には学会で管理することが難しいということですが、心臓外科学会でも救急の学会でも、そういう専門の看護師はいるわけです。ならば、数は限定されるけれども、学会が努力をしてつくらないといけないのではないですか。本来は看護師としては、看護師は療養の世話が仕事の中心だと思います。
○小川委員 そういうことになってくると、これは看護協会さんのほうにも聞きたいのですが、認定看護師さんはどちらかというと学会と連動した形で、例えば脳卒中の専門看護師だったり、あるいは心臓血管外科の認定看護師だったりということになるので、そちらのほうは学会との連動は意外といいのではないかと思います。この特定看護師ということになると、特定行為という行為がベースになっているので、そこと違うのかなという感じはいたします。
○永井座長 私もリスクのある診療の補助行為であるということと、それはやはり国が研修施設を含めて責任をとる構えでないと、なかなか動かしていくのは難しいのではないかと思います。あと学会は似たような学会がいろいろありまして、これが分散、融合をいろいろしているところがあるわけです。長期的に20年後、30年後に学会がどうなっているかは少しわからないところもあるということを含めると、私はやはり国がきちんと責任を持って看護師籍に入れるのがいいように思いますが、いかがでしょうか。
藤本委員、どうぞ。
○藤本委員 学会が認定するとした場合には、研修の場が限られてくるのではないかということを私は心配するのですが、その点はいかがでしょうか。
○永井座長 それはフレキシブルに対応しないといけないと思いますが、国がたとえ指定しても、いろいろな問題が起こり得ると思います。
○山本医事課長補佐 研修のやり方につきましては、先生方から御議論をいただいたとおりで、さまざまなことを考えないといけないと考えておりますので、きょうの御議論を踏まえて検討させていただければと考えております。ここで今どういう形でやりますと、行為もまだ固まっていない中で議論するのは、なかなか難しい面もあるかと思っています。
○永井座長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 これは再三申し上げていることですけれども、在宅の領域は学問として集大成されていないわけです。疾病別あるいは臓器別の学問の中で、在宅の看護を能力及び技能を認定することは現実的には難しいだろうと思いますので、国の関与が重要であるとは常々ここで主張してまいりました。
○永井座長 堺委員、どうぞ。
○堺委員 藤川委員に教えていただきたいのですが、日本医師会は看護師の役割の中の診療の補助は、本来は余りあってほしくないとお考えですか。
○藤川委員 それは違います。そういう表現はしないほうがいいと思います。あくまでも本来の看護師の仕事を忘れていただきたくないわけです。日本医師会に対する見識の違いです。有賀先生と私は看護師の役割については共通の認識を持っていると思います。
○永井座長 どうぞ。
○半田委員 どう登録するかというのは、私は個人的には看護師籍にするべきだろうと思いますが、論議の前提として研修の枠組みすら、まだ見えていないですね。何をやるかがわからないうちにどう登録するかの論議が先行することが違和感があって、どういう研修体制になりますから、これはどう登録するかとセットだろうと。そこのところをより明確にすべきだと思います。
○永井座長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 この制度の中の個別の行為に関して、学会であるとか、いろいろなところに一定のことを任せることはできると思いますが、その場合にも法律効果を持たせるわけなので、国が指定をするということは、国が一般的なこういう条件があったところを指定するというような制度までつくらないといけないということがありますから、それは議論の前提になるだろうと思います。
そして、最終的な情報の話ですね。登録の話ですけれども、もちろん現場に情報が行っていないといけないのはもちろんですが、主に問題になるのは何か問題が起きたとか、疑問が生じたときにどうするかというところで、そこは確実なところが情報を一元的に管理していることが必要ではないかと。その意味では、国が最終的には情報を持っていないといけない。持ち方として何がわかりやすいかというと、看護師籍ということになるのではないかと思います。
○永井座長 時間になってしまいましたので、大枠のところは大体コンセンサスを得られたのではないかと思いますが、研修の制度化の問題、研修修了の効果、機関の指定の方法、これらについては大体よろしいかと思いますけれども、最後の登録のところですね。これは藤川先生から少し御意見を伺って、私も含めて事務局と対応して、どういう表現にするかをお時間いただければと思います。
次回以降はきょうの議論を踏まえて、全体の取りまとめに入りたいと思いますので、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○永井座長 それでは、そういうことで、今後のスケジュールにつきまして、事務局から御連絡をお願いいたします。
○田原医事課長 今、座長の御指示がございましたので、それに沿いまして、必要な対応をさせていただきたいと思います。看護師籍の話とか、研修方法の話も出ていたかと思います。こういったものも含めまして、次回さらに御議論をいただけますよう、事務局において必要な資料を用意してまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○永井座長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。長時間ありがとうございました。
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