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2012年10月31日 第83回中央社会保険医療協議会薬価専門部会

○日時

平成24年10月31日(水)12:41~13:40


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村部会長 印南一路部会長代理 牛丸聡委員 関原健夫委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
安達秀樹委員 万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
加茂谷佳明専門委員 禰宜寛治専門委員 吉村恭彰専門委員
福田敬参考人 坂巻弘之参考人 岩佐孝参考人 古賀典之参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官
宇都宮医療課長 井上企画官 近澤薬剤管理官 他

○議題

○長期収載品の薬価のあり方等について
○その他

○議事

○西村部会長
 それでは、次の部会を開始します。
 ただいまより「第83回中央社会保険医療協議会薬価専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について報告します。本日は、全員の方がお見えになっております。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 まず、前回8月の部会の会議のときから少しずつ議論してまいりまして、これまでの経緯と今後の進め方についておさらいをしておきたいと思います。本部会では、本年4月の総会から検討を付託されました長期収載品の薬価のあり方について御議論いただくことになりますが、その辺の経緯のおさらいも含めて事務局より説明をお願いします。薬剤管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料薬-1でございます。6月6日の薬-5の再掲になります。タイトルですけれども、「長期収載品の薬価に関するこれまでの主な指摘等と今後の議論に向け必要な資料・情報項目等」ということになっております。
 その下に、平成24年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見というものがございますが、こちらのほうで、「長期収載品の薬価のあり方について検討を行い、後発医薬品のさらなる普及に向けた措置を引き続き講じること」ということになっております。
 1番としまして、平成24年度薬価制度改革の議論の中での主な指摘ということで、下のほうにございますけれども、次のページまでございますが、5つぐらいの項目の御意見がございました。例示を挙げますと、一番最初にありますけれども、既に特許期間の切れている長期収載の先発品について、価格を後発品と同じレベルまで下げることが、薬剤の使用上からいえば最も安全性も担保されていいのではないかと議論もしてきており、先発業界のコスト等の説明も受けた上で、その議論は一度やるべきではないかというような意見等々がございます。2つ目以降もございますが、総じまして、長期収載の引き下げについての御意見が各委員から出ております。これが平成24年度改定のときの議論でございます。
 それを受けまして、2ページをお願いしたいと思いますが、2ページの2番ということで、今後の議論に向け必要な資料・情報項目(案)とありますが、1つ目の先発医薬品と後発医薬品の価格差要因、2つ目、医薬品のライフサイクルの中での、企業としての開発コスト回収、利益確保の実態等、3つ目ですが、諸外国における後発医薬品シェア、先発医薬品と後発医薬品の価格差等の状況、4つ目ですが、諸外国における長期収載品に係る価格施策や後発医薬品使用促進策等というような資料を集めまして、平成24年6月6日以降、議論を進めてまいりました。
 資料薬-2をお願いいたします。先ほどお話ししました4つの項目についての資料が、7月の部会、8月の部会にそれぞれ参考人、あるいは中医協専門委員等の提出資料ということで御報告させていただいております。その中で、各委員において御議論をいただいております。
 タイトルですが、薬-2にありますけれども、「長期収載品の薬価のあり方等について」ということになっておりますけれども、6月6日の薬価専門部会で、本年の秋から冬にこの長期収載の薬価のあり方等について中間まとめを行うというようなことが決められております。
 それで、中間取りまとめを行うに当たっての議題ということで、一番下にありますけれども、点線で囲ってございますが、○1後発医薬品と先発医薬品の薬価の差についてどのように考えるか? ○2長期収載品(先発医薬品)の薬価についてどのように考えるか? また、後発品の置き換えについてどのように考えるか? というようなところの2点を、本日以降の議題としてお願いできればということで、一応事務局のほうから議題案として出させていただいております。
 それで、6月、7月、8月の部会において各委員から、例えば新薬の外国平均価格調整のときのデータですとか、あるいは医療上、必要性の高い医薬品についての御意見等がございました。こちらのほうは、次期薬価制度改革に向けての検討事項ということで、今回の議論は長期収載品の薬価のあり方ですので、こちらのほうの議論、中間取りまとめが終わった上で、それ以降、別途御議論いただきたいと考えております。
 一応、今までの経緯と今後の議論の進め方については、以上でございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、これまでの議論の経緯を踏まえて事務局が作成した中間取りまとめに向けた議題案がございます。今後、この審議におきましては、この2点を中心に御議論いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○西村部会長
 では、この2点を中心に議論を進めてまいります。
 中間取りまとめに向けた議題の順番で進めてまいりたいと思います。まずは、6月からこれまで3回の部会がございまして、事務局からその議論を簡単に紹介していただき、さらに、本日は参考人より、中間取りまとめの議題案の検討に必要な情報も簡単にまとめ直していただいて資料「長期収載品の薬価のあり方等について」が提出されておりますので、後発医薬品と先発医薬品の薬価の差について、まず説明をお願いします。薬剤管理官からお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料薬-2の2ページ目にございます。まず、1つ目の議題ですけれども、後発医薬品と先発医薬品の薬価の差についてどのように考えるかということで、2ページ目にまとめてございますけれども、6月、7月、8月の議論の中で、一号側、二号側から、あるいは専門委員、参考人からいろいろな御意見が出ております。かいつまんで御説明させていただきますけれども、一号側から、先発品と後発品の企業の利益率がどうなっているのか、二号側から、自社で研究開発するのと、他社が研究開発してきて、それを導入するのでは研究開発費が違う、日本の製薬企業における比率を議論しないと開発経費がかかるからという議論は無意味、それから、企業の自主的な判断で長期収載品のうち研究開発費を回収したものについては値づけを一考してもらいたいというような御意見がございました。
 これに対しまして、専門委員、参考人からいろいろと資料を提出いただきまして御説明いただいております。その中の重立ったところを説明させていただきますと、新薬メーカーは、新薬の開発リスクを抱えており、単一製品の開発の成功にかかわらず、長期継続的に新薬の開発投資が必要で、投資のための資金を長期収載品から賄っていると考えられる。
 2番目ですけれども、OECD加盟国の全てで長期収載品と後発品には価格差が存在している。
 ちょっと飛びますが、先発品には充実した情報の分析・評価・提供により、当概成分の適正使用に寄与し続ける。後発品は薬剤費の効率化に大きく貢献する役割ということで、それぞれの役割があるというような説明がございました。
 それから、下から2つ目の丸ですけれども、2008年4月以降に収載された日本企業の新薬89品目のうち49.4%が日本オリジン、34.8%が導入品であるけれども、臨床段階以降の国内開発を全て日本企業が行ったものであるというようなことの説明がなされております。
 一応、ポイントになるところは以上でございます。
○西村部会長
 では、続きまして、資料説明で坂巻参考人、お願いいたします。
○坂巻参考人
 参考人の坂巻でございます。資料、中医協の薬-3でございます。
 まず、一つ目の論点の後発医薬品と先発医薬品の薬価の差についてどのように考えるかという点を資料で御説明申し上げます。
 資料3のスライド2ございますが、長期収載品と後発医薬品の薬価差をどのように考えるかということに関しまして、大きくは2つの点から見てまいりました。1つは、先発医薬品と後発医薬品のコスト構造の違いでございます。もう一つは、諸外国において、先発医薬品と後発医薬品の価格差がどのようになっているか、この2つの観点をもとに考察をしてきたわけでございます。
 本日の資料の中ではコスト構造につきましては割愛させていただきましたが、諸外国の状況につきましてスライド2にOECD加盟国の状況についてお示ししております。この資料は7月18日にお示ししたものですので、結論だけ申し上げますと、OECD加盟国におきましては、先発医薬品と後発医薬品の価格差が存在しているということです。その理由としては、産業政策と医療費政策の2つの面から、価格差を認め、国が強制的に同一価格にすることをしていないのだと考察しています。
 スライド3ですが、価格差が存在する場合と価格差がない場合について、3点から考察をしておりますが、価格差がない場合を中心に説明を申し上げたいと思います。
 価格差が存在しない場合、薬価改定時に長期収載品の価格を後発品の価格まで一気に引き下げるということを行いますと、その時点では、一時的に長期収載品の薬価切り下げによる薬剤費引き下げ効果が期待できます。ただし、その後は、次の薬価改定時までは後発品との価格差がございませんので、価格差を基軸とした後発品のシェア拡大による薬剤費引き下げは望むことができないわけです。何らかの形で市場流通価による薬価の見直しを2年に1回行いますので、そのときには流通実態に応じた薬価の引き下げは行われます。ただし、長期収載品と後発品との間の価格差は存在しませんので、後発医薬品の使用促進という観点では、その拡大のインセンティブは小さくなるのではないかということが考えられます。
 2つ目のポツでございますが、後発医薬品の使用による患者の自己負担の軽減がなくなるということがございますので、患者の観点から見ても、後発品切りかえのインセンティブは消失するのではないかと考えられます。結果的に、後発参入の機会が失われ、市場原理が働かなくなる可能性があると考えられます。
 資料、最後のスライド9に、最初の論点である価格差に関して、コスト構造と諸外国の状況などによる考察を踏まえたまとめをしております。まず、長期収載品と後発品のコスト構造が異なるだろうということはこれまでの資料で示しました。次いで、先発品は、特許期間終了後も開発リスクを補うために、ある程度、長期収載品からの利益確保も必要であろうという説明をしてまいりました。また、諸外国におきましても、産業政策と医療費政策の面から価格差が存在することが一般的ということで、まとめといたしましては、適切な価格差の存在ということが必要であろうと考えられます。
 一度ここで説明を中断させていただきたいと思います。
○西村部会長
 どうもありがとうございました。
 事務局からは、これまでの意見の内容のまとめと、参考人の先生からは、価格差の存在について理論的な意義づけということで追加の御説明をいただきました。
 まず、この後発医薬品と先発医薬品の薬価の差ということから議論していきたいと思います。御意見、御質問等ありましたらお願いします。安達委員、お願いします。
○安達委員
 これまでも議論させていただいてきましたので重複する部分はできるだけ避けたいと思いますが、参考人がおられるので、参考人に実態をお伺いすることが一番かと思います。薬-2の2ページ目のこれまでの専門委員、参考人の御意見としての黒ポツの上から4つ目、「先発品には充実した情報の分析・評価・提供により、当該成分の適正使用に寄与し続ける」ということがあります。これは、実際、我々も臨床現場でしばしば経験することで、後発品になっても、その後に、例えば他の薬剤との併用における留意点とか、あるいは新たに発生した副作用についての厳重な注意の文書改訂とか、そういうものをいただいております。そのことをこれは差していると思うのですけれども、現実に後発品が出て以後の先発品の長期収載について、こうした情報の分析・評価・提供ということに係る経費というものは、全体の長期収載品の売り上げに対して何%ぐらいを占めているのでしょうか。今、突然お伺いするので、数字がお手元にないかもしれませんが。
○坂巻参考人
 恐らく、これは企業の方も数字をお持ちかと思うのですが、今、安達先生御指摘のとおりで、私が把握している範囲でも、副作用の報告に係る経費は、具体的な数字については持っておりませんけれども、相対的には先発企業のほうが多く行われているということは認識しております。
○西村部会長
 ほかに、この件に関しまして。
○安達委員
 済みません、1つだけ言わせていただきますが、できればそのデータを、後でも結構なのですけれども、ことしじゅうにというか、結論を4回ぐらいで出すまでに、一度見せていただけませんか。つまり、価格差のあることが妥当であるということの主張の一つには、このことがある。
 それと、開発経費を長期収載品になってからも回収しなければならないものがあるかどうかというのは、また別の論点からの議論なのですけれども、現実に先発品が担っている確かにこういう役割はあるので、それがどのぐらいの割合を占めるのか、長期収載品全体の売り上げに対してということは、議論の上では必要なデータではないのかと思いますので、出ればお願いしたいと思いますが、専門委員はいかがですか。
○西村部会長
 専門委員の加茂谷委員。
○加茂谷専門委員
 御指摘の趣旨はよく理解しているところでございますけれども、各社にとって、長期収載品の位置づけに差があろうかと思いますので、後発品が出て以降、情報収集、適正使用推進にどのくらいのコストをかけているのかという点については、一応検討はさせていただきますが、定量的な金額、シェア、数字、%が出せるかどうかについては、ちょっと難しいのではないかということをコメントさせていただきます。努力はしてみます。
○安達委員
 申しわけありません。過去の実績、例えば1年間でも2年間でもよろしいのですけれども、ああいう文書を発出されるに当たっては、もちろん印刷代もかかれば、郵送費もかかれば、紙代もかかりますねと。もちろんデータ収集についてもそれなりの集計をしておられるでしょう。そういうものの実績的数値は出るのではないか。それに対して、長期収載品全体の売り上げに対してそれが、先発企業の間で集計されたらどのぐらいになるかという話なので、こう御主張になる限りは、その数字は出してほしいというのが私の要望でございます。
○西村部会長
 加茂谷委員。
○加茂谷専門委員
 例えば、使用上の注意の改訂を後発品が出て以降もやっている場合という事例もございます。また、副作用情報の収集というのは、後発品が出ようが出まいが、企業は責任を負ってやっているような状況にございます。そういった情報の収集、副作用情報ですとか学会、文献等の情報とか、金額というよりは、そういった使用上の注意の改訂が行われた医薬品に先発企業が、どの程度の汗をかいているかという点について、一度検討してみたいと思っております。
○西村部会長
 では、次回以降で、今の御質問に関するデータの収集に御努力いただきたいと思います。
 小林委員、お願いします。
○小林委員
  この中間取りまとめに向けた議題の2の部分にも関連するかもしれませんが、これまで私どもは、長期収載品の薬価については、相当引き下げる必要があると申し上げてまいりました。今、坂巻先生の御説明もありましたように、ジェネリック医薬品と同等の薬価にまで下げるということが現実的な選択ではないとしても、特許期間が過ぎた後の薬価をどこまでなら引き下げることができるのか、この部会ではそういう方向で議論していけたらと思っております。
 それから、平成22年度の薬価改定より「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」を試験的に導入いたしました。この制度導入の持つ意味、重さを踏まえて、今、安達先生や専門委員の皆さんからお話がありましたように、長期収載品でも研究・開発費を回収しているのが実態だと思いますが、製薬企業には、新薬の特許期間中に研究開発費を回収するという考え方を徹底していただきたいと思っております。
 以上です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 安達委員。
○安達委員
 事務局が人事異動でおかわりになる前に、相当詰めてこの中医協の議論をして、その中でだったので、私はまだ専門委員の方に質問したいことが1つあったのがペンディングになっている項目があります。それは、専門委員がお出しいただいたヒアリングとしての資料でございまして、研究開発費を売り上げに対して、日米の比較でいうとおよそ12.5%か13%ぐらい掛けている、パーセンテージでは同じだというデータをお出しいただいた。だけれども、その肝心の売上規模が、アメリカの企業は5倍ぐらいあるわけですから、実額にするとそれは差があるので、そこは日本企業の新薬創出加算にもかかわりますけれども、しんどいところだとは思いますが、その文書の中で、そうしたことの結果、研究開発費が営業利益を上回って支出されていて赤字体質であるという記載があったということを私は記憶しているのですが、それは一体どういう集計に基づいてそうなのですか。
 つまり、一般に言って、製薬企業の研究開発費が営業利益を上回っていて、そのために赤字であって、これだけの株価が維持されるということは考えられないわけで、一体それはどういう集計から出た記載だったのかということを改めてちょっと確認させてください。
○西村部会長
 加茂谷専門委員。
○加茂谷専門委員
 安達委員の御指摘は、前回、8月22日の当部会で我々がお示しした、先発品企業の営業利益率という資料、日本、外資大手、それぞれ8社ずつのデータのことと理解しておるところでございます。
 今、安達委員御指摘のとおり、日本の新薬メーカー8社の利益率が、過去4年間のトレンドとして18%から15%、そして、研究開発費がそれを上回る19%、20%程度であるということの資料をグラフで示していたわけでございますが、ちょっと誤解を生じた点については申しわけないと思います。営業利益は研究開発費を引いた上で営業利益率として残るものでございますので、この差分が赤字だということではなく、営業利益率として15%は確保させていただいているとご理解下さい。このグラフで赤字かという誤解を生じさせましたのは大変申しわけないと思いますけれども、赤字ではございません。
○安達委員
 ありがとうございます。私もそのように理解しておりましたので、これは訂正していただかないと、今後の議論がなかなか進まない。研究開発費を抜いてもなお15%の収益率があるということが、高いのか低いのかということと、長期収載品からも研究開発費を捻出しているということとの議論とは、クロスリンクする話だと思いますので、確認させていただきました。ありがとうございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。では、今の点は御確認ということで。
 それから、その前の小林委員の御意見については、次の2点目の議題のほうにむしろかかわってまいりますので、そのときに議論したいと思います。
 そのほかに。関原委員。
○関原委員
 坂巻参考人にお尋ねいたしますが、何回か出てきたのですが、まず、2ページのOECDのところに書いてありますが、適切な価格差の存在、つまり先発品と後発品と一緒というのはないけれども、適切な価格差というのは結局何なのかと。要するに、それがイシューだと思うので、これは何か理論的に、あるいは学術的に定量化できる話なのかどうか、あるいは、先生はこの辺をどの程度のことをお考えなのか、ちょっと教えていただけますか。
○西村部会長
 坂巻参考人、お願いいたします。
○坂巻参考人
 御質問ありがとうございます。「適切な」という非常に抽象的な表現をして申しわけございません。正しく申し上げますと、OECD加盟国が価格差を埋めるような政策をとっているということではないということです。結果的に価格差が生じているというところを「適切な」という言い方で申し上げてしまいました。では、その価格差が何%がいいのかというような数値を具体的に申し上げることは難しいかと考えております。
 余談でございますけれども、実際には、市場メカニズムの中で、先発医薬品に対する副作用等の報告に対するコストであるとか、あるいは副作用などに関する情報の価値であるとか、そういったものを市場が判断して価格差が生じていると考えられます。それを「適切な」という表現をしております。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 三浦委員、お願いします。
○三浦委員
 私もこの2ページ目、先ほど黒ポツの専門委員、参考人の4つ目のところの「先発品には充実した情報の分析・評価・提供」というところを先ほど安達先生が御質問されたかと思いますが、その下のところ、「後発品は薬剤費の効率化に大きく寄与する役割。それぞれの役割を果たし、共存共栄することで医療の質」等を向上させることが可能だという、あるいは効率化ということも書いてありますが、私は、後発医薬品と先発医薬品の薬価の差があることによって、併存していくことが可能ではないかと思います。実際に後発医薬品のほうが、例えば飲みやすさとか、安全性とかというもので、さらに長期収載品よりも内容が向上しているものも実際にありますし、そういう努力をされているものもあるということ、それからもう一つ、先ほど小林委員からあった、先発医薬品の研究開発に要した資金回収について、これは、特許が切れる前に回収するべきではないかというお話があったので、私もそのとおりだと思います。ただ、必ずしもそれが回収できない場合も当然、予測ですのであるかとも思いますし、もう一方、また、産業政策とか医療費の政策等も鑑みると、やはり薬価差というものが存在するのはやむを得ないのかなと。
 では、どうすればいいかと言えば、現時点で、原則は市場実勢価格を反映させるということで容認することはある程度可能かとは思っています。
 以上です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますでしょうか。万代委員。
○万代委員
 坂巻参考人の資料の薬-3のところでスライドの3でございますけれども、左と右に差がある場合とない場合ということでそれぞれ利点、欠点をまとめていただいているわけでございますけれども、この価格差のある場合につきましては、OECD諸国のところで例があると。一方、差がないという場合には、実際そういう差がないというような制度をとっている国があるのか、あるとすれば、実際ここに書いていただいたようなむしろ欠点が多いかと思いますけれども、そういったようなことが実際に起きているのかということについて教えていただければと思います。
○西村部会長
 坂巻参考人、お願いします。
○坂巻参考人
 前のページの資料にもございますように、価格差をつけていないという国はございません。ただ、参照価格制度などで、償還価格は一緒にしているという国はあるわけですが、そういった国においても、先発医薬品と後発医薬品の価格差は存在することが一般的です。ですから、価格差がない国がどこかあって、それを参考に考察しているわけではないことは御留意いただければと思います。
○万代委員
 そうしますと、価格差をつけないという仮定に立って議論を進める場合には、この3番目のポツに書いてありますように、何らかの制度を新しく組み入れれば、薬剤費の削減になる可能性はあると考えてもよろしいわけですね。
○坂巻参考人
 先ほど口頭で申し上げましたけれども、現行制度どおりに取引価格に基づき2年に1回の薬価改定をするとして、薬価改定時に先発品も後発品も合わせて全部同じ値段で価格を引き下げてしまうという形をとれば、もちろん2年に1回は薬剤費引き下げにはつながるわけです。ただし、その2年に1回の薬価改定時の間に関しては、幾ら後発医薬品の使用が進んでも、その間は薬剤費が下がることはないということは一応考えることができます。
○万代委員
 わかりました。今の御質問も踏まえて、やはり私も、基本的には先発と後発の薬価の差については一定程度の差が存在してよいかとは考えております。
 以上です。
○西村部会長
 ほかの立場からの御意見がございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、これまで御意見、御質問が出ました。薬価差、後発医薬品と先発医薬品の薬価の差については、なお詳細なデータが欲しいという意見もございますが、全体の意見として、薬価差は容認することはやむを得ないということで方向性としてはまとまったということでよろしいでしょうか。
 はい。それでは、この方向に従いまして今後議論を続けてまいりたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、2つ目の議題、長期収載品の薬価及び後発品の置き換えについて、事務局と参考人の方から説明をお願いいたします。
 では、まず薬剤管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料薬-2の3ページになります。○2長期収載品の薬価についてどのように考えるか? また、後発品の置き換えについてどのように考えるか? でございます。6月、7月、8月の部会の議論のおさらいということで、こちらのほうをまとめさせていただいております。
 上からですけれども、一号側から、新薬創出加算でも不十分なのか、あるいは長期収載品であっても若干利益を得て、開発研究に回さないといけないのは概念的にはそのとおりだというような御意見をいただいております。
 二号側からですが、日本の後発品の伸びは政府的にも十分ではないかもしれない。その結果として長期収載品にも一定の収益を確保して開発経費を捻出する構造になっている。こうせざるを得ないのは日本固有の現象であり日本の甘えの構造ではないかという厳しい御意見。それから、日本の薬価制度では、特許期限が切れた後も、ある程度長期収載をしないと研究開発費が回収できないものもあるだろうというような御意見をいただいております。それから、その下に関しましては先ほどと同じですけれども、回収した後は、値づけを一考してもらいたいというような御意見がございました。
 それに対しまして、専門委員、参考人からは、下のような説明をいただいております。新薬メーカーとしての研究開発原資を確保するための努力を継続しており、その原資として特許期間中の新薬のみならず長期収載品から得られている収益も原資として重要な位置づけになっている。それから、一番下になりますけれども、新薬創出加算が恒久化され、ある程度収益が確保されるなら、長期収載品と特許期間中品目のバランスも変化するかもしれない。これができないならば企業側に問題があるかもしれないということで、過渡的な条件の説明をいただいております。
 事務局からは以上でございます。
○西村部会長
 では、続いて坂巻参考人、お願いいたします。
○坂巻参考人
 参考人の坂巻でございます。
 長期収載品の薬価についてどのように考えるか、また、後発品の置き換えについてどのように考えるかという2つ論点がございますので、先に後半の後発品の置き換えについてどのように考えるかというところから御説明申し上げます。
 資料はスライド4です。ここで留意すべきところは2つございます。まず1つ目が、統一データソースによる国際比較が重要であるということです。それからもう一つは、各国において上市されている製品が違いますので、日本市場と比較可能な市場での比較を行うことが2つ目のポイントだろうと思います。その点から、IMS Healthによるデータソースを用いてはどうかということを御提案申し上げました。
 このIMS Healthのデータに関しましては、スライド5になりますが、分類について説明しております。上から、保護ありの先発品、2点目が、日本でいいますと長期収載品になる部分です、3点目が後発医薬品で、4点目がその他ということで、中医協でこれまで使われている資料とあわせて表としてお示ししております。
 特に、今回は、数量ベースの国際比較につきまして、日本、アメリカ、ヨーロッパ市場について比較した資料をスライド6にお示ししております。ここでは後発品に置きかえ可能な市場、これが、先ほど申し上げました国際比較可能な市場ということになりますけれども、これを見ています。
 グラフを見ていただいてわかりますように、米国の後発医薬品の数量ベースのシェアが非常に大きい、日本はまだ比較的小さいということになります。欧州に関しましては、欧州の市場規模が大きい5カ国のデータを、左から3つ目が平均値、それ以降、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、スペインの順で並べております。ごらんいただきますように、ヨーロッパ市場でもかなりばらつきがございますが、ヨーロッパの中でもフランス、スペインが6割程度で、ヨーロッパの中では総体的に後発品の置きかえがまだあまり進んでおりませんが、それでも日本よりは大きな市場となっております。
 スライド7でございますが、これまで中医協で提出されました平成17年9月以降の薬価調査の数値を示しております。これまで全市場における後発医薬品のシェアが議論になってきておりましたが、先ほど申し上げましたように、国際的な比較で議論する場合には、後発医薬品に置きかえ可能な市場というところで比較するのが妥当ではないかということを御提案申し上げたいと思います。具体的には、表の一番下の値になります。この一番下の数字が後発医薬品に置きかえ可能な市場における後発医薬品のシェアということになります。最新調査につきましては平成23年9月でほぼ4割ということになっています。この4月の診療報酬改定で、一般名処方が可能になったことで、この数字は直近ではもう少し大きくなっているということが、業界紙等でも報じられているところでございます。
 いつまでにどの程度の後発品置きかえを目指すかに関しましては、今後その議論が必要になると思いますが、ちょっと卑近な例でマラソンに例えますと、いきなりトップを目指すのではなくて、まず目前の走っているライバルのところを目指すということで、恐らくスライド6のフランスやスペインが参考になるのではないかと考えます。
 ここまでが、論点の一つの後発品の置きかえについてどのように考えるかのご説明になります。
 もう一つの論点が、長期収載品の薬価についてどのように考えるかという点で、資料スライド8のグラフでございます。これも前回8月の資料として提出したものでございますけれども、グラフ左が2004年から2006年の3年間における特許切れ後の後発品への置きかえ、グラフ右が2007年から2009年の3年間で特許が切れた後の後発品の置きかえのスピードを示しています。近年は、日本におきましても、特許切れ後の後発品への置きかえのスピードが速まっているわけでございますが、これにつきましても、まだ欧米諸国に比べると少し遅いだろうと言えます。
 これをもとに、スライド9の4つ目の白丸がまとめでございますが、日本においても、特許切れ後の後発品シェア拡大のスピードは速まっていると言えると思いますが、先ほどの前半の議論とあわせまして私なりの結論を申し上げますと、市場実勢価格を反映することを基本として、特許切れ後一定期間を経ても後発品に置きかえが進まない長期収載に関しましては、恐らくは、ある時点では研究開発費の回収は済んでいるということも考えますと、価格の引き下げを考えてもいいのではないかと考察しております。
 以上でございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。坂巻参考人から2つの視点について、新しい置きかえの指標の御提示と、長期収載品の価格設定における考え方を御説明いただきました。
 それでは、御意見、御質問ありましたらお願いいたします。白川委員、お願いします。
○白川委員
 薬-2の中間取りまとめに向けた議題の○1、○2は相互に関係するものですから、それを含めて意見を述べさせていただきたいと思います。
 長期収載品の薬価がどうあるべきかについては、小林委員からも話がありましたとおり、特許切れ後の最初の値づけ、いわゆる特例引き下げの幅が適正かどうか、4から6%ということになっておりますが、我々としてはもう少し下げたらいいのではないかという意見です。
 もう一つは、以前から申し上げているとおり、いつまで先発品と言っているのかということです。特許が切れて10年も20年もたつのに、まだ先発品かと疑問に思っておりまして、何回の薬価改定を通過してからかは議論するにしても、特許が切れて一定期間を過ぎた長期収載品の薬価のあり方は見直すべきです。
 3つ目は、長期収載品とジェネリックの薬価差はどの程度が適正かということについては、前回の診療報酬改定時に3割か4割かを議論させていただきましたが、これはまだ議論が煮詰まっていないと思っております。多分、現状の3割で適切だという御意見の委員もいらっしゃるし、さらに広げるべきだという御意見の方もいらっしゃると思いますので、一度やはり議論すべきだと考えております。
 それから最後に、ジェネリックの数量シェアの考え方ですが、今、坂巻参考人からお話があった、ジェネリックへの置きかえが不可能なものは除いて、置きかえ可能なものの中で数量シェアをみていくやり方のほうが現実的です。その点についてもぜひ議論をしていきたいと考えております。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 今4点出されましたが、ほかに御意見ございますか。安達委員。
○安達委員
 白川委員が御指摘の最後の点は私も賛成でございまして、置きかえ可能なものの中でのパーセンテージということで今後の議論が進むというのが、一つの数値の議論としては正しいのではないかと思います。
 そのことで、坂巻先生にまずちょっとお伺いしたいのですけれども、6番のグラフの議論をするために、5番のスライドの中にある2つ目のポツの最後の「保護切れ先発品とブランドジェネリック」とありますが、このブランドジェネリックというものは一体何を指しているかということをちょっと御説明いただけませんでしょうか。
○西村部会長
 坂巻参考人、お願いします。
○坂巻参考人
 坂巻でございます。
 これはIMSのカテゴリーでちょっとわかりにくい部分がありますが、日本ではまだございませんが、オーソライズドジェネリックなどが含まれます。つまり、先発品の承認を得てジェネリックとして発売しているものが主にブランドジェネリックとして分類されております。
○西村部会長
 ありがとうございました。
○安達委員
 ということは、私の理解では、先発品の特許が切れそうになるときに、それに先立って、新たにネーミングを別にして、同じ先発会社が出す後発品扱いの薬剤という理解でよろしいですか。
○坂巻参考人
 そのとおりでございます。
○安達委員
 そうだとしますと、6番のスライドの緑と黄色のフランス、スペイン、ここには、このブランドジェネリックは黄色のほうに入っているのでしょうか、緑のほうに入っているのでしょうか。日本では、このブランドジェネリックの出し方ができないと思うのですね。先発品の名称は同じもので変えるということが許されないと思いますので。だけれども、フランス、スペインにおける、一番ここが近くて、言外に坂巻先生は、この辺を日本の数量目標にすべきではないのかということをおっしゃりたいのだろうと思うのですけれども、そうすると、このフランスとスペインのグラフの緑と黄色、ブランドジェネリックはどっちに入るのでしょうか。
○西村部会長
 坂巻参考人、御回答できますでしょうか。
○坂巻参考人
 一応、IMSの分類ですと、上の緑のほうに含まれるかと思います。
○安達委員
 わかりました。それを数値目標にするかどうかということの議論に関係するのですけれども、これは事務局にお願いです。既に以前の薬価専門部会で私がある関西の団体と申し上げましたが、もうはっきり申し上げますけれども、大阪保険医協会のデータでありますが、きっちりした統計を出される団体なので、その統計も私は見せていただきましたけれども、統計を見る限りにおいてはそんなにいいかげんなデータではないという意味で御紹介しました。
 内容は、米国を除いての新薬先発品の薬価は、日本のほうがアメリカ以外の先進諸外国よりは総じて高いというデータが出ましたという統計データだったのです。これを医療課薬剤管理官としては、その後精査をしますということになっているのですが、精査していただいているのでしょうか。
○西村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 多分、お約束をしたのは前の薬剤管理官だとは思いますが、基本的には同じ考えでございます。事務局としても、先生の御意見はしっかり理解しておりまして、今、精査しておりますので、いずれ中医協のほうに御報告させていただきたいと思います。
○安達委員
 そのデータが重要だというのは、先ほどからも御議論になっていますように、先発品が、後発品が出るまでの間、特許切れ期間までの間で開発経費を基本的に回収すべしということなのであれば、日本の置きかわり率はまだ低いということになるわけであります。しかし、一方で、ヨーロッパのほうがもし新薬に係る全般の薬価が低いとすれば、それであるにもかかわらず、ヨーロッパのほうが開発原資をそこで回収した上で後発品に置きかわっているということならば、では、日本の構造は何なのかという議論になる。そういう意味で重要なデータだと思いますので、それは近々でも結構ですが、ぜひお示しいただきたいと思います。
 最後に意見を一つだけ申し上げますけれども、部会長が言われたように、先発品と後発品に薬価差があることは基本的に容認かと言われて、非常に返事がしにくいので返事はしなかったのですが、それでそういうふうにくくられたのですけれども、結局は、これは専門医の方々にお聞きしてもお答えにくいということをおっしゃるのですが、実際そうなのだろうと思いますけれども、先発品の中で開発経費が後発品が出るまでの間に回収されたものと、それから、やはりそんなに売れ行きが伸びなくてというのか、まだ、特許期間が切れて、後発品が出てきても、なおかつ長期収載品で回収しなければ回収できないものと、この2つでやはり長期収載品の薬価の値づけの仕方は変わるのだろうというのが私の理解であります。そのことについて、だから、先ほどお尋ねしたように、資料2にある先発品が持っている情報提供、副作用の調査等々の費用、そのものは長期収載になっても、それは先発品が責任として担っているのだから、その上乗せになっていいわけですが、プラスアルファで、研究開発費の回収ということも含めて長期収載品の値づけを決めるかどうかということになると、それぞれの品目によって違うのではないかと私は思っています。いずれにせよ、全くゼロにせよというのは乱暴な議論であるという意味で、部会長のまとめにはあえて異論を申し上げませんでしたというのが実際のところでございますので、そういう意見を申し上げておきたいと思います。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。万代委員。
○万代委員
 私も、○2の中で前半、後半がありますけれども、それはやはりなかなか分けて発言しにくいので少しまぜてお話しいたしますけれども、まず、置きかえにつきましては、坂巻参考人がお出しいただいたような置きかえが可能な市場における後発品のシェアということで議論していかないと、諸外国との比較という意味では全く意味がない。特に、これまでも外国はジェネリックの採用率が高い、高いという中で、その比較となる日本のデータにつきましては、置きかえ不可能なものについても含まれていましたので、今後は、こういう正当なデータのもとに議論していくべきかとは考えております。
 それから、長期収載品の薬価について、でございますけれども、私も白川委員の意見に賛成でございまして、長期収載品の薬価が常に一定ということよりは、むしろ段階的な形で下げるということも一つの方法ではないかと。そうすれば、一定程度の激変の緩和も図れるのではないかと一応考えております。それを全ての長期収載品に適用するかどうかについては、また今後の議論かとは思っております。
 どの程度の薬価をつけるかにつきましては、先発品の開発費用については一定程度見てほしいという製薬の方の主張はそれなりに理解しますけれども、そこの部分については、やはり今後のデータを提示していただくものにもよりますけれども、これまでの議論のように、先発期間の間にできるだけ回収していただくというような形が望ましいであろうとは思っております。ただ、今後、その長期収載の薬価が、ユーザー側にとってみれば、あるいは患者さんにとってみれば、安ければ安いほど、これまでの議論、私ども二号側がしていたように有利であることは間違いないと思いますので、そこのところも含めまして、今後、薬価についてはもう少し議論させていただきたいと考えております。
 以上です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。三浦委員。
○三浦委員
 私も長期収載品の薬価についての考え方については、白川委員、万代委員と基本的には同じであります。先ほど私、長期収載品の薬価について、どこにするかというのはなかなか、基本的にはやはり市場実勢価格を反映させることがあるべきではないかと申しました。その上で、本来であれば、後発医薬品が収載になった後は、一定程度、後発医薬品に置きかえていくのがいい方向だと考えていますし、逆に言うと、一定期間たっても後発医薬品へ置きかえが進まない場合に、何か目標値をある程度設定するようなことをして、そして、それに達しない長期収載品については、ルールを設けて特例的な引き下げを行うというような方向にしてはどうかという提案であります。
 もう一つ、置きかえについての目標でありますけれども、やはり先ほど白川委員がおっしゃったように、漢方とか、そういう後発品にかえられないものは外して、かえられるものだけできちんと数量ベースを計算する。その上で、例えば今であればここに書いてある直近のフランスなどを参考にするというような考え方で、ある一定程度目標を設定するという議論をしてはどうかと思います。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。牛丸委員。
○牛丸委員
 私も先ほどの1番目の価格差の存在という問題と2番目の問題がごちゃまぜになってしまうかもしれません。結局、今までの議論をお聞きしましたところ、違いといいますか、その中に開発費が、本来というか、特許期間中に回収すべきなのでしょうけれども、必ずしもそうでなく、回収できないいろいろなリスクがあって、それを回収するというコストと、それから、先ほどありましたように、後発が出た後のいろいろな情報提供というか、そのコストもある。そういったものがどこまで加わるかということなのでしょうが、開発に関しては、既に新薬創出加算というものができましたし、そういう中で、どこまでそういったものを考えられるか、つけられるか、それから、情報提供に関する費用もどこまでつけるのか。理解はするのですが、具体的にどのぐらいかというと、やはりいろいろデータが欲しいです。そういうものに基づいて考えていかなければならないということで、今まで幾つかデータは出ているのでしょうけれども、まだまだ私としてはよくわからないなということで、その上で、価格差ということもそうでしょうが、この薬価ということ、先ほど安達委員がおっしゃったような国による違いといったことも見た上で考える必要があるかと思います。
○西村部会長
ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、大体意見が出尽くしたと思いますのでまとめてまいりたいと思います。
 まず、1つ目には、後発医薬品への置きかえの指標としては、坂巻参考人から説明があった新しい指標で、各国比較ができる置きかえ指標を使うということに関しては、委員ほとんど賛成ということでしたので、そのような新しい指標を使用することで進めてまいることになると思います。
 2つ目の点について、長期収載品の薬価をどうするか、段階的に引き下げる、あるいは、特許後の特例引き下げ幅をもう少し引き下げてよろしいのではないか、などの御意見が出されまして、複数の委員から同じ方向での御意見がございました。
 さらに、この点に関しまして、全ての長期収載品を対象にしてそうした引き下げのルールを新たに入れるのかということは、今後、より詳細なデータが欲しいということで、医薬品情報提供の実態や医薬品ごとの研究費の回収状況、そういうものに関するデータを提出していただいた上で、長期収載品の薬価の水準の新しいルール、置きかえが進まない場合や一定程度期間がたった場合の長期収載品について段階的に引き下げるような新しいルールを導入するというような御意見が出されておりました。
 今後、データを御準備いただきまして議論を進めてまいりたいと思います。
 では、ほかにございませんでしょうか。
 では、本件についてはこのあたりで終了したいと思います。次回以降は、議論の内容を踏まえまして進めてまいりたいと思います。
 では、長くなりましたが、本日の予定された議題は以上で終了です。
 その他として、事務局から何かございますでしょうか。
○近澤薬剤管理官
 特にございません。
○西村部会長
 では、次回の日程等についてお願いします。
○近澤薬剤管理官
 次回の日程ですけれども、11月中旬を予定しておりますので、後日、日程調整をさせていただきまして、また御連絡させていただきたいと思います。
○西村部会長
 それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
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