ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合> 障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合(第4回)議事録
2012年12月7日 障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合(第4回)議事録
○日時
平成24年12月7日(金)15:00~16:00
○場所
中央合同庁舎5号館共用第8会議室
○出席者
出席委員
久保田伸枝委員 小沢忠彦委員 松本長太委員 若倉雅登委員 |
○議題
(1) 障害認定基準及び診断書の改正案について
(2) その他
○議事
○久保田座長 定刻になりましたので、ただいまより第4回障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合を開きたいと思います。本日は大変お忙しい中、4回目の本会合にご参集いただき誠にありがとうございます。なお、前嶋委員は本日は欠席と伺っています。
本日の資料につき、事務局より確認をお願いします。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日の会合資料を確認します。座席表、委員名簿、お手元の議事次第の下、資料1として「障害認定基準及び診断書の改正案」、資料2として「障害認定基準の今後の検討課題等について(提言)」(案)、参考資料としては参考1で「障害認定基準(眼の障害)新旧対照表(案)及び診断書(現行・改正案)」、参考2として「障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合(第3回)議事録」をお配りしています。不足等があればお申し出ください。
○久保田座長 本日は前回第3回の会合時に寄せられた委員の皆さまの意見を踏まえて、事務局で認定基準と診断書の改正案、これは最終案ということになっていますが整理しています。今後の検討課題については提言案という形でまとめられていますので、その内容について議論をしていきたいと考えています。今回の会合である程度最終的なとりまとめをしたいと思いますので、委員の皆さまのご協力をよろしくお願いします。
議事次第に沿いまして事務局より説明をお願いします。
○栗原障害認定企画専門官 資料1の「障害認定基準及び診断書の改正案」については前回の会合の意見を踏まえて、修正した箇所を説明します。障害認定基準の改正案は、今回の修正箇所のみを赤字にしています。現行の基準との比較は参考資料でお配りした新旧対照表をご覧ください。診断書の改正案についても修正部分は赤字にしていますが、特に前回会合後に修正したところには下線を引いています。
障害認定基準の改正案から説明します。資料1をご覧ください。2ページ目の(2)視野障害のウと3ページの上段のエの「又は輪状暗点があるものについて」は書きぶりの修正になります。こちらは前回の会合で「輪状暗点により」という表現はおかしいのではという指摘から「輪状暗点があるものについて」と直したものです。「あるいは」の接続詞は法令的に用いない表現でもあり「又は」に変更しています。求心性視野狭窄についても議論がありましたが、今回は身体障害者手帳との整合性を踏まえて見直しているところであり、引き続き条件を同じくして、整合性を図る必要があるものと考えています。
注意書きについては、当初はエの後ろにありましたがウの後ろに移動すると同時に、求心性視野狭窄はゆっくりと進むケースだけではないという指摘がありましたので「ゆっくりと」という文言を削除しました。ウとエはこれまでも議論において混乱することもありましたが、ウは2級相当、エは障害手当金相当の障害の状態を記載した別のものですが続けて書いてあり、紛らわしいのでウのところの説明文としました。エでいうところの求心性視野狭窄も同じ意味です。
3ページのエの4行目以降は、視野障害の2級のウ(イ)と障害手当金、エの基準の「両眼の視野がそれぞれ1/4の視標で中心10度以内におさまるもの」とが書きぶりが同じでしたので、結果としてこうなることを記述することで違いを明確化するために文言を追加記載しています。3ページのオの箇所は、「片眼ずつ測定し、それぞれの視野表を重ね合わせること」と追加記載したことで矛盾がないように記述を考えるべきと委員から指摘をいただいた箇所です。前回の会合で、委員から1/4の正常域は560ではないことから学術的に問題があること、生理的限界という表現はどの視標を用いても見える限界ということで、560を基準としても矛盾がないという意見を踏まえて「正常域の」という文言を削除すると同時に、「生理的限界の面積」を追加記載しています。
資料1の最後に付いている診断書をご覧ください。診断書の記載について、委員からマル10欄の障害の状態マル2-2の中心視野の角度の欄にカッコ書きで、1/2の測定値と記述したほうがいいという意見がありました。マル2-2欄に1/2の測定値と追加記載し明確化しています。
参考1の「障害認定基準(眼の障害)新旧対照表(案)及び診断書(現行・改正案)」をご覧ください。今回の改正案の確認になりますが、障害認定基準(眼の障害)新旧対照表(案)を説明します。傍線部分が改正部分で、右側が現行、左側が改正案です。1の認定基準については、障害手当金に包括条項として「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」を追加しています。なお、該当する障害については3ページの(3)その他の障害のウの(ア)から(ウ)になります。2の認定要領については、視力、視野以外の障害をその他の障害と区分し、障害手当金相当としています。(1)視力障害の修正部分はウとエになりますが、主に文言の修正になり、内容に係る改正は特にありません。
2ページをご覧ください。視野障害については、認定現場から対象となる傷病や障害の状態を例示し、認定要領に詳細に規定してほしいという意見・要望がありました。そこで今回大きな検討課題は明確化を図ることでした。
(2)視野障害については、視力障害と同じように測定方法であるアとイを初めに持ってきています。ウについては現行の5度以内を維持しつつ、新たに中心視野の角度合計による数値化で判定することにしています。測定不能の場合の認定や注意書きに傷病名の例示や障害の状態を追加記載しています。エについては10度以内におさまるものという記載により取り扱いを明確化しており、2級相当のウの(イ)と書きぶりが同じでしたので、違いを明確にするために5行目から追加記載しています。これはウが「左右別々に8方向の視野の角度を求め、いずれか大きい方の合計が56度以下のもの」としていますが、これに該当しないもの、即ち「残存視野の角度の合計のうちいずれか大きい方の合計が57度以上のもの」がエの対象になることを説明したものです。オについては文言の修正を行うと同時に中心暗点の認定について記載し、また、注意書きとして不規則性視野狭窄の例示や状態を追加記載しています。中心暗点については特に傷病名は例示せず、原則視野障害ではなく視力障害で認定することになりますが、状態によっては視野で認定することを説明しています。
3ページの(3)のその他の障害については、「まぶたに著しい欠損を残すもの」と、「調節機能および輻輳機能に著しい障害を残すもの」を認定基準の別表の通り順序を入れ替えていますが、内容については変更していません。視力、視野以外の障害を「その他の障害」として区分し、障害手当金相当の障害の状態として、「まぶたの運動障害」、「眼球の運動障害」、「瞳孔の障害」を新たに追加しています。具体的には「まぶたの運動障害」とは、眼瞼痙攣等で常時両眼のまぶたに著しい運動障害を残すことで作業等が続けられない程度のもの、「眼球の運動障害」とは、麻痺性斜視で複視が強固なため、片眼に眼帯をしなければ生活ができないため、労働が制限される程度のもの、「瞳孔の障害」とは、散瞳している状態で瞳孔の対光反射の著しい障害により羞明(まぶしさ)を訴え労働に支障をきたす程度のものになります。
(4)の併合認定の取扱いについては、視力障害と視野障害以外のその他の障害に該当するものをそれぞれ追加記載し、併合認定することを明確化しています。
続いて診断書の修正箇所です。改正案をご覧ください。下線を引いている部分が修正部分です。まずマル10欄障害の状態(1)視力の箇所ですが、こちらは認定要領と表現を同じくするため「標準照度」という記載にしています。また、視野についての測定結果を記載する側からも、認定する側からも分かりやすく明確にしてほしいとの要望がありました。それを今回の認定基準の改正に合わせて変更しました。
マル10欄の(2)の視野の箇所は、これまで1つの視標に2つの測定結果を記載していましたが、改正案では1/2と1/4それぞれの視標の測定結果を記載できるようにしています。また、中心視野の測定値を記載するようにマル2-2中心視野の角度の欄を追加しています。(4)から(6)の箇所はその他の障害の部分になります。(4)の「調節機能、輻輳機能」の項目に「瞳孔」を、(5)の「まぶたの欠損」の項目に「まぶたの運動」を追加し、(6)として「眼球の運動」の項目を新たに追加しています。裏面では記入上の注意として7を追加記載しています。以上で障害認定基準及び診断書の改正案についての説明を終わります。
○久保田座長 最初の認定基準の改正案については、前回、私の不手際で視野障害のウとエについて混乱した発言をしたことを覚えています。申し訳ありませんでした。そこを非常に分かりやすく直して、また、新旧を対照して詳しく説明していただきました。これについて意見はありますか。小沢先生はいかがですか。
○小沢委員 これまで議論を重ねてきたわけですが、立場、立場でいろいろな意見はあったと思いますが、認定する側としては非常に認定しやすくなったと思っています。非常に素晴らしいと思います。
○久保田座長 ありがとうございます。松本先生はいかがですか。
○松本委員 特に今まで記入する側がイソプタを意識せずに書いているケースなども、これでかなり整理されると思いますので、分かりやすい書式になったと思います。
○久保田座長 若倉先生。
○若倉委員 (2)のエですが、この場合、ウの(イ)の測定方法により、57度以上となっていますが、これは1/2のことをいっていますよね。56度以下のものに対して57度以上にしているわけだから、これは1/2のことをいっていますね。「ウ(イ)の測定方法により、残存視野の角度の合計のうちいずれか大きい方の合計が57度以上」というのは。
○久保田座長 1/2です。
○若倉委員 ここのエのところに1/2という文字が出てきていないから分かりにくくないですか。それだけが少し気になります。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 正確に書くと文章が長くなると思いまして、上のウに書いてあるものをそのまま読み替えて57と読ませる書きぶりにしました。分かりにくいということであれば。
○若倉委員 「ウ(イ)の1/2の測定方法により」と、2文字だけを入れたほうがいいと思います。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 ウの1/2のですね。
○久保田座長 57度の前のところですね。
○若倉委員 どこか分からないけど、ウ(イ)の測定方法の後ろでもいいかもしれない。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 分かりました。左右別々に8方向の視野の角度を求めというように非常に長くなるもので、ウ(イ)としたのです。ウ(イ)の1/2の測定方法と。
○若倉委員 1/4のことなのか1/2なのか分からなくなるという混乱が出てきて、実践で質問が多くなるのではないかと思いましたので。
○久保田座長 そのほかはよろしいですか。
○若倉委員 そのほかはとても良くなって分かりやすくなりました。
○久保田座長 そこを少し後で修正します。特に皆さんはご異論がないようですので、この改正案についてはそのように整理したいと思います。
続いて今後の検討課題について事務局のほうで取りまとめましたので、それについて説明をお願いします。
○栗原障害認定企画専門官 これまでの会合で委員の皆さまからいただいたご意見を踏まえて、今後の検討課題等について提言という形で整理しました。今回の改正案に盛り込む内容については新基準ということで手続きを経て通知という形になりますが、それ以外の中・長期的に十分議論が必要な事項については今後の検討課題としてご提言いただく内容になっています。私の方から読み上げますので、その後、委員の皆さま方に議論をいただければと思います。
資料2、「障害認定基準の今後の検討課題等について(提言)」(案)、平成24年12月障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合。1、はじめに。障害基礎年金、障害厚生年金及び障害手当金の障害の程度の認定については、「国民年金法施行令および厚生年金保険法施行令別表」に定める程度の障害状態に基づき、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」により取り扱われている。同基準は昭和61年に策定され、平成14年に一部改正が行われたが、その後の医療水準の向上による医学実態を踏まえる必要があり、また、社会保険審査会や障害認定審査委員(以下認定医という。)などからより詳細な認定要領や診断書様式が求められており、順次見直しが図られているところである。
「眼の障害」に関する認定基準については、これまで認定現場等から視野障害の基準が分かりにくいとの指摘や、視力や視野以外の障害で労働に著しい制限を受ける実態があること等から、認定基準を見直すよう要望されていた。そのため、認定基準の明確化を図ることを目的として、「障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合」を本年8月から4回にわたり開催し医療の専門家による議論を行ったところであるが、現在の医学の実態を踏まえた見直しを行うには、より十分な議論が不可欠で、そうした事項について、今後の中・長期的な課題として提言に取りまとめたものである。
2、今後の中・長期的な検討課題について。(1)視力障害。視力障害については障害の程度により、「両眼の視力の和」としてそれぞれの視力の測定値を合算したものと、「両眼の視力」としてそれぞれの視力を別々に測定した数値で評価する2種類の方法がある。「両眼の視力」の和の判定については、身体障害者福祉法でも行っているが、学問的にも問題であり、諸外国でも行われていない。両眼開放の視力や良い方の眼の視力で判定するなど、判定方法について再検討する必要がある。なお、米国のAMAの基準等では、視力と視野をそれぞれ指数で出して統合した形で評価するという考え方も導入されている。
(2)視野障害。視野障害については、「両眼の視野が5度以内」と「両眼の視野が10度以内」、又は「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」により障害の程度を判定しているところであるが、2級相当程度については、判定が視力や他の部位に比べて厳しすぎる等の指摘により、身体障害者福祉法の基準に準じて中心視野の角度合計による数値化での判定を加えたものである。
具体的には、現行の5度以内を維持しつつ、身体障害認定基準の3級と同等となるように、中心残存視野の面積が10度以内の50%未満であるものとして一番簡単な方法で数値化したものである。こうした数値化による判定は、身体障害認定基準の視能率を参考にしたものだが、そもそも視野の正常値を560度に設定していることと1/4視標での測定値が矛盾している。また、良い方の眼の視野で判定することは、左右の重なり合いや左右の視野のそれぞれの重症度を評価に用いないこととなる。
さらに、測定上の問題として、ゴールドマン視野計以外の自動視野計等の測定方法については示されておらず、今後普及が進むと思われる自動視野計の測定値の導入が望まれる。そのため、障害年金の視野の判定方法については、障害程度の等級判定を、測定上の明確な運用基準も含めて再検討する必要がある。
なお、「求心性視野狭窄または輪状暗点があるものについて」の解釈により認定に差異が生じないよう、周知を図るとともに、不規則性狭窄の場合の判定についても今後検討が加えられることを期待する。
(3)その他。視野障害の2級相当については、法別表の「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」という包括規定により障害状態が定められているが、今後の法令改正時に法令上明記することで、視野障害が2級相当に該当するということが明確になることが望まれる。
視力、視野以外の障害を「その他障害」として区分し、障害手当金相当の障害状態として、「まぶたの運動障害」「眼球の運動障害」「瞳孔の障害」を新たに加えたところである。
「まぶたの運動障害」のうち、眼瞼痙攣で閉瞼固守が重症の者もおり、神経系統や精神障害との併合により上位等級になる場合もあることを、障害年金の認定を行う現場等に周知するとともに、重度の場合の判定についても今後検討が加えられることを期待する。
なお、一眼が視力障害で他眼が視野障害の場合の認定については、症例により併合して判定することとされているが、日常生活上の支障度として適当か検証されることが望まれる。
3、終わりに。本専門家会合の議論において、視野障害の基準の明確化及び診断書の変更、その他の障害として「まぶたの運動障害」「眼球の運動障害」「瞳孔の障害」が追記されるなど、障害認定基準の見直しが図られたことは大きな進歩と考える。しかしながら、今後の中・長期的な検討課題として残された課題については、十分な検討期間を設けて取り組むべきである。また、身体障害者福祉法など他制度の担当部署と緊密に連携を図ることや、関係学会との情報交換などを通して、医学の進歩に沿った十分な議論が行われることが望まれる。
今回の改正内容については、診断書を作成する医療現場や認定を行う日本年金機構に十分周知が図られ、円滑に施行されることを要望して結びに代える。以上が「障害認定基準の今後の検討課題等について(提言)」(案)についてです。よろしくお願いします。
○久保田座長 今回の専門家会合では、認定する現場の方が現行の基準では分かりづらいので明確にしてほしいという要望を受けてやったわけです。もちろん認定を受ける側にとっても公正な認定が受けられるように、また診断書を書く側にとっても記載しやすいという目的で行ったわけです。提言に盛り込まれているように多少残った点もあります。このように提言としてまとめたわけですが、この提言について皆さまのご意見を伺いたいと思います。小沢先生、何かありますか。
○小沢委員 先ほど申し上げた通り、100%という結論には至っていないわけですが、将来の含みを残して提言いただいて素晴らしいことだと思います。
○久保田座長 松本先生。
○松本委員 提言の中で細かいことはたくさんあると思うのですが、大切なことは網羅されていると思います。最後のほうに少し触れられていますが、身体障害者福祉法とも情報交換をしながらという文言が入っていますが、将来的には同じ日本国内でいくつもの等級のスタンダードがあるというのはあまり好ましくないのではないかと思います。両者がある程度、並行して等級判定ができるようなシステムを次のステップでは考えていければということも、もう少し具体的に書いてもいいのかなとは思います。
○久保田座長 それをもう少し分かりやすく書き加えることができますか。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 先生が言われるのは具体的には、最後のところに書いた表現よりもう少し踏み込んでという、今回視野の部分は身体障害者手帳に合わせるような形での内容にしたわけですので、今後改正する際は両者で。
○松本委員 もちろん身体障害者法のほうが動かなければ何もできないのですが、将来的には大幅に改定しなければいけない時期が来るのだろうと思います。そういうときには平行して一緒に速やかに動けるような体制をつくっていただければと強く思います。
○久保田座長 身体障害者福祉法などの等級が変更になった場合には、速やかにこちらのほうにも対応できるようにということですね。そういうことがうまく付け加えられましたら考えていただいて。
○若倉委員 身体障害者法と障害年金とは多少目的が違いますよね。委員長が最初に言われたように、こちらは仕事がうまくできていないことが中心なので、あまりぴったり同じにする必要は必ずしもなくて、こちらはこちらで独立して、影響し合いながらですが、いいものにしていくというのが大切だと思います。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 松本先生がおっしゃったのは、身体障害者福祉法に準じてやっているのですが全く同じではないので、その辺のことを気にされているのかなと思います。
○松本委員 若倉先生がおっしゃるように、本来は目的に応じてそれぞれ詳細に評価するというのがベストだと思いますが、両者には多くの共通点があり、過去にも、ある部分をそのまま採用するというパターンを何度もしてきていると思います。また、改変時期の問題などで両者に中途半端にギャップが出てきたりしているので、やはり、両者同一で良い部分は統一したほうがいいのではないかと思います。その上で、こちらにこれがなければ絶対にだめというところは、明確な根拠のもとに追加すればいいと思います。
○久保田座長 緊密に連携を図ることということではだめですか。よろしいですか。これでよろしいそうです。
○若倉委員 内容的には私たちの意見がよく反映された文章で、最終的に概ねいいと思いますが、少しだけ日本語というか内容で気になったのが、2ページの3つ目、視野障害の2つ目です。「10度以内の50%未満であるものとして一番簡単な方法」の一番というのは比較する対象があっての一番なので、これはこういう言い方はサイエンティフィックにもよくないと思うので、除くか比較的と書くか何か。一番というのはよくないと思います。
その他の4番目ですが、日常生活上の支障度として適当かというと、どちら向きに適当かといっているのか少し分かりにくい。私が指摘したのは、軽く扱われすぎていないかという意味で言ったので、そこのニュアンスが入っていない。可能であれば「適当か」のところを「軽く扱われすぎていないか検証されることが望まれる」みたいな言葉にしていただいたほうが、私の意見、言った内容が反映されるかなと。ほかのところには問題はないと思います。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 今の若倉先生の4つ目の「なお」のところですが、併合認定の話になりますが、併合認定は非常に複雑にいろいろな部位、症状に応じて判定することになっていますので、もう少しよく個別に見ていかなければ、なかなか難しいところです。できればこういう表現でお願いできないかと思っています。
○若倉委員 このままにしたいですか。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 はい。できればと思います。
○久保田座長 よろしいですか。
○若倉委員 絶対におかしくはないですが、私の懸念としてはやはり視力で判定したのと、両眼どちらも視力、どちらも視野で判定するといいわけですが、そうではない病気もあるので、そういうものに対しての判定の仕方がきちんと決まっていないと、その点を申し上げました。
○久保田座長 分かりました。いろいろご意見をいただきましたが、一応これは提言ということで、本当は必ずやっていただきたいのですが、直ちにやっていただけることではない部分もあると思いますので、今後また検討するときに、このような内容について詳しく検討して善処していただければと思います。
そういうことで、認定基準や診断書の改正については先ほどご了承いただきましたが、この提言案ではいかがですか。一応ご了承いただけますか。よろしいですか。ありがとうございます。
今日は大変早く終わりそうですが、この提言案に限らず今回の会合について何かご感想などを一言ずつお伺いできればと思います。小沢先生からいかがですか。
○小沢委員 専門家会合というメンバーの中に私のような一臨床医を加えていただいて、特に認定する側の代表として加えていただいて本当に光栄に思っています。われわれが何気なく使っている診断書ですが、その中にこれだけ深い意味があるということを知りませんで、これだけのプロセスを経て完成されているのだということを知り、非常に勉強になりました。
私は今回前嶋先生と一緒に、認定する側として出席しました。前嶋先生は今日は欠席ですが、2人とも前回から話しておりますが、われわれは今回の改正で認定しやすくなったと感じており、非常に感謝しています。ありがとうございました。
○久保田座長 松本先生、大変お忙しい中、いろいろご苦労をおかけしましたが。
○松本委員 今回の改訂を通して、書面が非常に分かりやすくなっただけではなく、患者の立場からもメリットがある改訂ができたということは非常によかったと思います。特に身体障害者福祉法のほうでは、なかなか改訂が進まず問題になっているのですが、今回は非常に敏速に進めていただいたことにとても感謝しています。
今後もこのように定期的にその時代に合った形で、見直しというものを適時進めていただければと思っています。
○久保田座長 若倉先生。
○若倉委員 この会合に4回出席して、内容的にはだんだんよくなってきて、実りある結論というか、短い期間で、あるいは法律が変えられないという縛りの中でやったにしてはうまくまとめていただけたのではないかと。患者にとっても、診断書を出す医師にとっても、あるいはそれを評価する認定医にとってもいいほうの提言ができたし、そういう運用面の記述ができたと思います。これはこちら側の問題ですが、医師のほうへの啓発というか、こういうものに対して、まだまだ一般の医師の認識が教育の中に十分に取り込まれていないという面があると思います。こういうところも座長をはじめとして、お考えになっていただければいいなと思います。以上です。
○久保田座長 皆さんもおっしゃいますように、この会合は大変有意義であったと思います。それは事務局の方にもかなり努力していただいたおかげだと思います。ここで皆を代表して御礼申し上げます。それでは基準と診断書の改正案および提言案については一応ご了解いただいたものとしてこの会合を終わらせていただきたいのですが、事務局から何かありますか。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 若干の修正の部分がありましたので、それについて修正を行った上で委員の皆さまに送って、最終確認という形にしたいと思いますのでお願いします。
○久保田座長 ありがとうございました。今後の予定等について事務局から説明をお願いします。
○和田事業管理課給付事業室長補佐 今後の改正案の予定ですが、本会合の結果を受けて、改正案について、行政手続法に基づく意見公募手続き、パブリックコメントを行います。それを経て通知発出作業を進めていきたいと思っています。施行時期については、できれば来年の6月ごろを予定しています。診断書の様式も変わりますので、十分な周知期間を取ってからの施行ということで考えています。それから本日の資料および前回会合の議事録については厚生労働省のホームページに掲載する予定ですのでよろしくお願いします。また、整理後の案の取れた提言の資料および本日の議事録についても後ほど掲載することを考えていますので、併せてお願いします。
最後に本会合の閉会に当たり、本来なら年金局事業管理課の給付事業室長からごあいさつを申し上げるところですが、公務の関係で出席がかないませんでしたので私が代わりにごあいさつさせていただきます。
座長をはじめ委員の皆さま方におかれては、師走の大変お忙しい時期にもかかわらずご参集、ご議論をいただきましてありがとうございました。8月末から本日を含め4回にわたり、熱心な議論をいただき、貴重な意見を賜りましたことに心より御礼を申し上げます。このたびの会合においては眼の障害の特に視野の部分の判断基準や、その判定に必要な診断書の記載項目など、専門的な見地からの意見をいただき、認定における明確化を図っていただけたものと思っています。しなしながら、短い期間内に集中的に議論をいただいたこともあり、改正案に盛り込めない事項については今後の検討課題として提言をいただきました。私どもはこれらの提言を踏まえて、今後十分な検討期間を設けて取り組んでいきたいと考えています。また、改正案についてはこれから通知発出に向け、必要な手続き等を進めていきますが、その過程で相談させていただく機会もあると思いますので引き続きよろしくお願いします。
最後に私ども事務局としては、この会合の成果を実際の運用に生かす所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いします。ありがとうございました。
○久保田座長 以上をもちまして本会合を終了とします。委員の皆さまおよび事務局の皆さま、本当にありがとうございます。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合> 障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合(第4回)議事録