ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第13回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録
2012年11月16日 第13回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録
厚生労働省大臣官房統計情報部国際分類情報管理室
○日時
平成24年11月16日(金)14:15~16:00
○場所
厚生労働省共用第9会議室
○出席者
飯野靖彦委員、岡野友宏委員、岡本真一郎委員、神庭重信委員、 |
木下博之委員、清田浩委員、戸倉新樹委員、菅野健太郎委員、土屋了介委員、 |
中田正委員、名越澄子委員、根本則道委員、針谷正祥委員、肥塚直美委員、 |
松本万夫委員、望月一男委員、森内浩幸委員、矢永勝彦委員<五十音順> |
○議題
(1)委員長の選出について
(2)ICD-11改訂に関する動向について
(3)ICD-10(2010年版)の国内適用について
(4)その他
○議事
○事務局
定刻となりましたので、第13回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催いたします。
各委員の先生方におかれましては、お忙しいところ、御出席賜りまして本当にありがとうございます。
私は、本日、進行を務めさせていただきます、統計情報部企画課国際分類情報管理室長の谷でございます。よろしくお願いいたします。
まず最初に、皆様御承知かと思いますが、専門委員会の立ち上げ当初から3期にわたりまして委員長を務めていただき、今期も委員として任命されておりました、横浜労災病院名誉院長の藤原研司先生が、今月の4日にお亡くなりになりました。
スライドのほうを提示させていただいておりますが、藤原先生の御紹介でございますが、藤原先生におかれましては、平成13年から日本消化器病学会の理事長で、平成13年から、同様に、日本医学会の評議員をされておりました。平成12年からは、厚生労働大臣私的懇談会として、脳死下での臓器提供事例にかかわる検討会としての座長を現在まで務めていただいておりまして、本委員会におきましても、委員としては17年からでございますが、平成18年から現在に至るまで、今回のICDの専門委員会の委員長を務めていただきました。
藤原先生の御冥福をお祈りして、黙祷を捧げたいと思います。皆様、御起立お願いいたします。
黙祷。
○事務局
ありがとうございました。御着席ください。
それでは、委員会を開始いたしたいと思います。まずは、企画課長の辻田より御挨拶申し上げます。
○辻田企画課長
統計情報部企画課長の辻田でございます。この9月の人事異動でこちらのほうに参りました。よろしくお願いいたします。
一言だけ御挨拶させていただきます。今日お集まりの案件の国際疾病、死因分類等についてでございますけれども、現在、ICD-10が使われておりますが、これは1990年、WHO採択ということで、既に20年近くたっているという状況になっており、現在、WHOでICD-11の改訂作業ということで、その作業も大詰めを迎えている状況だと承知いたしております。
このICDにつきましては、医療保険分野などさまざまな分野で適用され、活用範囲は拡大されてきておりまして、その適切な運用ですとか、あるいはICDの改訂ですとか、そういった場において我が国の考え方とか立場といったものを十分説明していく必要があり、検討の恒常的な枠組みが必要だということで、平成18年に本専門委員会が立ち上がったと承知いたしております。
そういう意味で、今後ともICDに関する問題点、あるいは改訂の方向につきまして、ぜひ皆さん方に活発な御議論をいただいて、それを私どもの課、あるいは室のほうでできるだけ適切に対応していきたいと思っております。
今般、第4期目の任期ということでございまして、新たに委員の改選を行いました。大方の方はここに残られていると思いますけれども、一部、メンバーの改編がございました。また、先ほど御紹介ございましたように、第1期から委員長をずっと務められ、お世話になっておりました藤原先生が御逝去されました。本当に残念でございます。心から御冥福をお祈りしたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、極めて御多忙の中、まことに恐縮ではございますけれども、本委員会の趣旨を十分御理解いただきまして御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。
○事務局
それでは、お手元の資料の御確認をさせていただきます。
まず、クリアーファイルに入っておりますものが、事務手続上の関係で、先般お送りいたしました専門委員の任命とは別に、統計分科会の分科会委員として指名の発令が出ております。専門委員会としての職責等について従来と変更するものではございませんので、御了承ください。
なお、所属機関長への御連絡についても、あわせてその資料の中に入っておりますので、よろしくお願いいたします。
続きましては、会議資料の確認をいたします。
資料1-1 ICD-11改訂に関する動向について
資料1-2-1 内科TAG
資料1-2-2 小児科TAG
資料1-2-3 歯科TAG
資料1-2-4 外因TAG
資料1-2-5 精神TAG
資料1-2-6 筋骨格系TAG
資料1-2-7 腫瘍TAG
資料1-2-8 眼科TAG
資料1-2-9 伝統医学TAG
資料1-2-10 医療情報TAG
資料2 WHO国際統計分類ネットワーク年次会議(ブラジリア)報告
資料3 ICD-10(2010年版)の国内適用について
資料4-1 ICD-10一部改正に関する意見提出様式
資料4-2 URC(分類改正改訂委員会)のICD改正作業年間スケジュール
(机上配付資料)
机上配付資料1 社会保障審議会運営規則
机上配付資料2 疾病、傷害及び死因分類に係る委員会の設置について
机上配付資料3 WHO国際統計分類ネットワーク組織図
机上配付資料4 世界保健機関国際統計分類(WHO-FIC)
机上配付資料5 WHO国際統計分類協力センター体制
となっております。過不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
それでは、本日の委員会は今期初めてとなりますので、恐れ入りますが、委員の先生のほうから自己紹介をお願いいたします。
○飯野委員
日本医大の腎臓内科の飯野です。内科TAGの中の腎ワーキンググループをやっております。よろしくお願いします。
○岡野委員
昭和大歯科病院の岡野といいます。歯科TAGを担当しております。よろしくお願いします。
○岡本委員
慶應義塾大学の岡本でございます。内科TAGなどの血液を担当しております。よろしくお願いします。
○神庭委員
九州大学精神科の神庭と申します。日本精神神経学会の代表として参加させていただいております。精神TAGを担当いたします。よろしくお願いします。
○木下委員
香川大学の木下でございます。法医学会のほうでございます。どうぞよろしくお願いします。
○清田委員
慈恵医大葛飾医療センター泌尿器科の清田と申します。感染症学会から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
○菅野委員
自治医科大学の消化器内科の菅野でございます。藤原先生、お亡くなりになりましたけれども、消化器病学会、今、理事長をさせていただいておりますが、消化器病学会がICD改訂の口火を切ったというようなところがございます。そういう関係がございまして、内科TAGの責任者ということでやってきております。なかなか難航しておりますけれども、今、何人かの先生に御協力いただいており、何とか遅れないようにやっていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
○戸倉委員
浜松医大の皮膚科の戸倉と申します。日本皮膚科学会の代表として務めさせていただいております。TAGのほうも新しく私が担当することになりまして、これからいろいろやらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中田委員
虎ノ門アクチュアリー事務所の中田と申します。私、この委員の先生方の中で、唯一、医師でない者でして、統計のユーザーの立場ということで参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○名越委員
埼玉医大総合医療センター消化器・肝臓内科の名越と申します。消化器病学会から参加させていただいておりますが、内科TAGの肝・胆・膵ワーキンググループを担当させていただいております。よろしくお願いいたします。
○根本委員
日本大学病理の根本でございます。私は、病理学会の代表として、ICDの専門委員として参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
○針谷委員
東京医科歯科大学の薬害監視学の針谷と申します。日本リウマチ学会から参加させていただいております。どうぞよろしくお願いします。
○肥塚委員
東京女子医大第二内科の肥塚でございます。日本内分泌学会からの代表として参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
○松本委員
埼玉医科大学国際医療センターの心臓内科の松本と申します。学会としましては診療情報管理学会ということでお世話になっております。よろしくお願いいたします。
○望月委員
杏林大学整形外科の望月と申します。日本整形外科学会の代表として参加させていただいております。筋骨格系TAGを担当させていただいております。よろしくお願いいたします。
○森内委員
長崎大学小児科の森内と申します。小児学会を代表してここに参加しております。小児科のTAG、遅れての出発ですけれども、そちらのほうにかかわらせていただいております。よろしくお願いいたします。
○事務局
ありがとうございました。
土屋委員と矢永委員のほうからは、少し遅れるとの連絡をいただいております。
本日の御欠席につきましては、落合委員、柏井委員、嘉山委員、高橋委員、滝澤委員、玉岡委員、中谷委員、馬場委員、水沼委員、横田委員、渡辺賢治委員、渡辺重行委員の12名から御連絡をいただいております。
議事に先立ちまして、事務局より運営について御説明させていただきます。お手元の社会保障審議会の運営規則をお手元に御準備いただき、ごらんください。
まず、本委員会の運営につきましては、社会保障審議会の運営規則に準ずるとなっております。委員会は原則公開であること、議事録も原則公開となることでございます。
また、議事に入ります前に、1点、議題についてお断りでございます。事前に御連絡させていただきました議題に、1件、「ICD-11改訂に関する動向について」を追加させていただいております。資料につきましては1-1になります。ちょっと追加で、不手際ございましたことをこの場をかりて謝罪したいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議事の1に入りまして、委員長の選任を行いたいと思います。各委員の先生方から、誰か御推薦等ございましたらお願いいたします。
○望月委員
私は、菅野健太郎先生に、藤原先生を引き継ぐ形で委員長になっていただいたら適切ではないかなと思って推薦する次第でございます。皆様御承知のように、菅野先生は、今回の改訂におきまして内科TAGの議長として当初から御活躍でございますし、藤原先生の路線を引き継ぐという点でも適任ではないかなと思いますので、推薦させていただく次第でございます。
○事務局
ただいま、望月委員より、菅野委員を委員長に御推薦いただきましたが、皆様、いかがでございましょうか。
(拍 手)
○事務局
御了解とれたと思いますので、本委員会の委員長は菅野委員にお願いしたいと思います。菅野委員はお席の移動をお願いいたします。
○菅野委員長
藤原先生のように強力なリーダーシップを持っているわけではございませんので、しかも、今ちょっと現役の仕事もしておりますし、学会の仕事も多数やっておりまして、十分お仕事できるかどうか非常に心もとないということが1つございますので、あくまでピンチヒッターとして、このようなことは私どもも予期しておりませんでしたので、ということの条件をお含みおきいただければと思います。そういうことで、あくまでピンチヒッターという位置づけでお願いしたいと思っております。
○事務局
ありがとうございます。
○菅野委員長
急に言われましても、なかなかどのように進めるのかちょっとわかりにくいのでございますが、次にやることというと、委員長の選出の次は。
○事務局
1点、事務局からでございますが、審議会の運営規則上には規定がないのですけれども、本専門委員会においても、他の委員会にならいまして、委員長代理を置きたいと思います。一般的には、委員長事故あるときには、かわって議事を進行するという役割でございます。他の委員会なりを見ますと、委員長が指名するという形をとっているものを多く見ることができるのですが、委員の皆様、委員長代理を置くことについては御了解いただけますでしょうか。
(拍 手)
○事務局
それでは、委員長、委員長代理の御指名をお願いいたします。
○菅野委員長
それでは、私としては、ICDの改訂の最初から一緒にといいますか、苦労していただいた飯野先生にお願いできればと。内科ばかりで申しわけないような気もしますが、最初からWHOとのかかわりをお持ちでございまして、経緯をよく御存じでございますので適任かと思っておりますが、いかがでございましょうか。
(拍 手)
○飯野委員
ありがとうございます。御協力させていただきます。よろしくお願いします。
○事務局
ありがとうございます。それでは、飯野委員に委員長代理としてお願いしたいと思いますので、お席の移動をお願いいたします。
では、以降につきましては菅野委員長に議事の進行をお譲りいたしますので、よろしくお願いいたします。
○菅野委員長
それでは、次に移らせていただいてよろしいでしょうか。議題の2ということになりますが、ICD-11改訂に関する動向につきまして、配付資料に従って進めるということでよろしいでしょうか。
それでは、配付資料1-1からございますので、それに沿って御説明をお願いしたいと思います。1-1は事務局のほうでよろしいですか。
○事務局
事務局でございます。
まず、ステープラーでとめております資料でございます。1ページおめくりいただきますと、ICD-11改訂に関する動向として資料をつけさせていただいておりますので、こちらをごらんの上で御説明させていただきます。
まず、「これまでの動向」でございますが、平成24年には、ここにあるように、会議がそれぞれ行われておりまして、今後の予定としては、11月に第11回の眼科TAGの対面の会議がアメリカであるということになっております。予定でございますが、平成25年には、2月に第5回の内科TAGの対面会議のほうを日本で開催するとなっております。
現状、来年の段階でフィールドテストをやるといったような情報もございますので、そういった内容につきましては、後ほど、ブラジリアの会議の報告のときに御報告させていただきたいと思います。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございました。ここで御質問ございますか。少なくともαフェーズが終わりまして、βフェーズに一応公式的には移行している状況になったということでございます。しかし、まだ完全に足並みがそろっているわけではないので、一応表向きはこのようなβ1ということである程度周知が図られるといいますか、このような状況であるということがオープンになっているという段階に移っております。後でWHO-FICでの会議の模様が御報告されると思いますけれども、このようになっておりますし、2月の内科のTAGの説明が次にございますので、来年またございますが、それについて御質問がないようであれば移らせていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
特に委員の先生方、よろしいでしょうか。
それでは、内科TAGの状況でございますが、これは私のほうからでよろしいでしょうか。
それでは、その後余り進展ございませんが、資料1-2-1?でございます。これは2月に内科TAGの対面会議を行いました。必ずしも全部のワーキンググループの議長が来られたわけではございませんけれども、何人かのチェアマンが参加していただきました。各グループの進捗状況、それから、問題点について2日間にわたり討議をいたしました。
ここにございますように、消化器につきましては、後から御報告あるかもしれませんが、それと肝臓、名越先生のほうからも一言お願いしたいと思いますが、これについては、消化器学会が後押しした関係もございまして、ほぼ完成の段階に来ております。それから、リウマチですね。これも針谷先生、それからケイ(kay)先生の御尽力により、これも先行したグループの一つで、ほぼ完成。若干遅れておりましたのが呼吸器、循環器という、メジャーな中ではその2つが遅れているという状況でございまして、これについては、まだ構造の段階での提案がこの段階では必ずしも国際委員の了解が行われていない状況でございました。
血液については、フィベ先生、岡本先生等の御努力もあって、ほぼ完成に近い状態でございます。問題は、オンコロジーのグループとの協調、それから、稀な疾患グループとの協調という問題が残っております。まだ電話会議を継続したりしている段階だと伺っておりますが、ほとんど内科側の構造としてはしっかりしたものができているという、ヴィレム・フィベ先生の御尽力が大きい状態でございました。
それから、内分泌代謝科、糖尿病に関しましても順調に進み出しておりまして、ほぼ完成に近い。ただし、ここも稀な疾患が多いものですから、稀な疾患TAGとの調整が必要になっているといったようなところが問題と。
それからもう一つは、小児科TAGとの連携といいますか、我々のところに、当初はWHOは小児科も全て面倒を見るようにという意向があったわけでございますけれども、その後、小児科TAGをつくるということが突然決まりまして、我々の中には小児科のメンバーが入っておりますので、相互に食い違いがないようにするというようなことで、こちらのメンバーをジョイントで小児科のほうのTAGにも任命していただくというような調整をさせていただいております。
もう一つの問題点は、非常に膨大な領域をカバーするということから、それぞれのワーキンググループの中でエディトリアル・マネージャーを任命しないといけないということが課題となっておりました。Julie Rustさん、この方は分類の専門家でございますけれども、それとMeganさんというお二方に全体のとりまとめを頼んでおります。今後、それぞれのワーキンググループの中でも、彼女たちをサポートし、それぞれのワーキンググループの実務をとるマネージング・エディターを設ける必要があるということで、消化器病学会は既に学会員の中からそういった方を任命しておりますけれども、糖尿病学会では脇先生を任命していただいて、彼女は糖尿病の専門医でございますし、それから、循環器は興梠先生が前から働いておられましたけれども、そのような形で、それぞれの学会からそういった方々にサポートに回っていただくようにお願いしております。
そのほかのグループにつきましても、そのお願いをここでさせていただいたわけでございますけれども、その後さらに学会からのそういったマネージング・エディターの御指名等はございましたでしょうか。
○事務局
はい。呼吸器のほうからいただいております。
○菅野委員長
ということで、これからの調整でありますとか、さまざまな意見のやりとりがございました。それからもう一つここで討議されていた重要な事項は、我々が、ディフィニションといいまして、疾病の簡単な定義を与えていくということを要望されておりますが、そういったものをこちらが書いても、その正当性が認められるのかどうかということは必ずしも言えないわけでございますので、外部のレビュアーを置いて、それが妥当であるということを評価しないといけないということが前から課題になっておりましたけれども、そのシステムをつくるということになります。
そのためには外部のレビュアーをこちらから担当する方に、妥当な方を推薦するという手続がございます。各学会に恐らく投げていただいていると思いますけれども、今度はそれがWHOに認められれば、お願いしてレビュアーになっていただく。その際に、こちらの定義をレビュアーに送って、それが問題あるかどうか、あるいはここを修正したほうがいいと、そういったやりとりもやらなくてはいけなくなるということがございますので、非常に多忙になるわけでございます。したがいまして、各学会でそのような方々がぜひ必要であると。サポートする方、もちろん日本人である必要は必ずしもないわけでございますけれども、そういったサポート体制を置かないと、恐らくは膨大に寄せられる外部からのコメント、すなわち、βバージョンになりますと外部から意見が出てまいりますので、全てが取り上げられるということはないとしましても、ある程度セレクトされたものがそれぞれのワーキンググループにフィードバックされるということが当然予想されるわけでございますので、そのような取捨選択とかいうことを定義についてもやっていく必要がございます。それについて、やはり今後システムをつくっていく必要があるということが問題点として挙げられたわけでございます。
長くなりますと時間をとりますので、以上が大体内科TAGの状況でございます。よろしいでしょうか。
それでは、小児科TAGのほうに移らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森内委員
小児科TAGの動きにつきましては、私、森内のほうから御報告させていただきます。資料1-2-2に短くまとめてありますけれども、今もお話がございましたように、小児科TAGのほうはスタートが大分遅くなりました。もともと内科のほうに組み込まれる形でスタートしておりましたが、ただ、小児科学会、非常に広範な分野をカバーしているということもありますし、また、小児科がむしろ中心になって見ないといけないような分野も多少あるということで、遅ればせながら、米国小児科学会が中核となるような形で、このTAGをつくることになって動いております。
ただ、ここにもちょっと述べておりますが、私も実はこれ全部落としなく書いたかどうか今ちょっと自信がないのですけれども、小児科TAGの中にもワーキンググループが分かれておりまして、実は内科のワーキンググループの数より多くて、ほとんど全てを占めてしまっております。私自身、この中で特にかかわっているのは、感染症と、別に専門ではないのですけれども、消化器をやっているのですが、TAGのメンバーが幾つかそういう複数のものにかかわって、またそれぞれワーキンググループを組むような形で見直しを行い、多くの場合、内科のTAG、そのほかのTAGのほうでつくっているものがありますので、それを中心にして見直しを行うという形で動いております。
ワーキンググループの中には、もう既にできているものについて、ちょっと違うかなという気持ちがあっても、それをひっくり返すまでの元気のないところと、ここは自分たちの腕の見せどころと思っても殊更変えたがるところとありまして、なかなか統一がとれていないのですけれども、まとまったところから順次、当該のワーキンググループ、多くのものは内科のほうのTAGの中に該当するワーキンググループになりますが、そちらのほうに私どもの意見を寄せる形でまた少し落としどころを探すというような作業が続いてきております。
その中で特に問題となっておりますのは、私たち小児科の場合には、先天性の疾患というのが非常に多くございます。代謝系のものとかもそうですし、また、形態的なものも何でも含めてですけれども、そういったものの扱いというのが、どうしても横断的に全ての分野に絡む中でどうするかということがありました。当初、稀な疾患のTAGのほうで結構これは扱っていたのですけれども、ここでも、もうどうしようもなくなりそうだということで、基本的には先天異常に関しては小児科のほうのTAGである程度この作業を進めていくということで、全てのジャンルの中での先天性のものをまたこの小児科のTAGのほうでまとめているというところです。
小児科のTAGは、コアメンバーはそれぞれのWHOのブロックの中から1人ずつ選ぶという形をとっており、東アジアのほうは私ということになっております。そのコアのメンバーを中心とした電話会議が月に1回、そして、それぞれのワーキンググループはそれとは別に月に1回か随時必要に応じて会議を行い、また、eメールのやりとりなどで意見の調整をしております。年に1回、3月に米国小児科学会の本部のあるシカゴで対面の委員会を開くということになっておりまして、そこでまた細かいところの調整をしていっております。そういう形で小児科のTAGのほうは動いておりますので、御紹介です。
以上です。
○菅野委員長
ありがとうございました。ちょっと先走ってしまいまして申しわけございませんが、内科のほうで、今、循環器のほうは、実は小児科の先天性の心疾患の先生が共同議長となっていただいているわけでございまして、彼のほうが非常に頑張って小児科の、特に心臓の先天異常についてはやっていると思います。そのほか、各内科のワーキンググループの議長の方々がお見えになっていらっしゃいますので、今、私、簡単に言いましたけれども、ちょっと戻らせていただいて補足をお願いできればと思います。
○名越委員
それでは、消化管と肝・胆・膵のワーキンググループの補足をさせていただきます。消化管のほうは、資料1-2-1?になっております。防衛医大の三浦先生が中心となりまして、構造に関してはほぼ完成しておりまして、入力済みになっています。ワーキング議長のほうから各国際委員に対して最終チェックをお願いしている段階と伺っております。
また、定義に関しても、大きな項目についてはほぼ入力が完成しておりまして、ただ、日本のワーキンググループのメンバーで手分けをして作成したので、必ずしも統一がとれてない部分もあるということで、今後のブラッシュアップが必要と考えられます。
それから、稀な疾患とオンコロジーのTAGとの兼ね合いもありますので、そのあたりの領域については入力していない、あるいは大項目の入力となっております。
さらに、レビュアーにつきましては、この消化管グループのほうではワーキンググループ議長のMalfertheinerと菅野IM-TAGの委員長とも御相談の上、9人の候補者を選定して、既にリストをJulie Rustを通じてWHOに提出予定ということになっております。
それから、1枚めくっていただきまして、肝・胆・膵に関しましては、これも構造についてはほぼ完成しておりまして、これはワーキングメンバー全員に意見を求めて、今のところ、反対意見もなく通っているというところでございます。
それから、定義に関しては、肝臓についてはほぼ全て、大項目については入力が完了しておりまして、これに関しては、ワーキング議長のGeoff Farrellが全て目を通しておりますので、これはほぼ統一された内容となっていると思われます。
それから、4)のほうにありますperitoneumに関しては、これは日本のほうが責任を持って、ほぼ大項目は入れておりますけれども、胆・膵に関してはいろいろ問題があって、まだ完全に入力は進んでおりません。
そして、肝・胆・膵においても、やはりオンコロジーと稀な疾患に関しては、入力及び構造についてはまだ討論が必要かと思われます。
最終的に12月10日午後に国内の消化管のワーキンググループと肝・胆・膵のワーキンググループの合同委員会を予定しておりますので、そこでまた国内会議をする予定でございます。
以上です。
○菅野委員長
ありがとうございました。定義もプレリミナリーにはほぼ完成しつつあるというところでございます。
続いて、循環器につきましては、今日お見えでないので、システムができたかどうか、事務局から一言お願いできればと思います。
○事務局
事務局でございます。資料1-2-1?をご覧ください。
現状、興梠先生らからこのような報告をいただいておりまして、それぞれの分野で部分的に完了といったものと確定待ちというものがある状況でございます。全ての構造変更が確定した後に全体を埋めるという計画を予定しているということになっております。
以上でございます。
○菅野委員長
ほぼ足並みがそろいつつあるということだと思います。
それでは、腎臓から。
○飯野委員長代理
腎臓は、資料は提出してないのですが、実はレズリー・スティーブンスというのが非常に一生懸命やってくれていたのですけれども、かわりたいということで、オーストラリアのベッカーというのにかわりました。そこで今、引き継ぎが行われているところです。
○菅野委員長
内分泌は、今日は田嶼先生はいらしてないですね。
○肥塚委員
田嶼先生から伺ったことですが、内分泌学会の関与が少なかったと伺っておりまして、資料に書いてございますように、2012年度の8月に委員会を開いて、ある程度のものをつくったと伺っております。そして、内分泌の進捗度合いは良好であり、評価されているということと、先ほど委員長先生がおっしゃったように、脇先生をマネージング・エディター(ME)として、それから、もう一人、篠原先生をMEの補佐として採用したということでございます。今後一緒に頑張っていこうということでございます。よろしくお願いいたします。
○菅野委員長
よろしくお願いします。
それでは、リウマチのほうを針谷先生。
○針谷委員
資料1-2-1?をご覧ください。リウマチワーキンググループでは、疾患定義を現在作成しているところです。先ほど菅野先生から御紹介いただいたように、構造自体はもう既に作業は終わっておりまして、定義につきましてもほぼ原案は完成しました。今は、日本リウマチ学会の委員の間で相互チェックをしているところです。11月の終わりに英文のチェックを依頼して、12月中旬には、ワーキンググループのメンバーに疾患定義を送って承認を求める予定です。1月には疾患定義をiCATに入力します。その作業自体は、日本リウマチ学会で入力者を雇用していただいて、iCATに入力する約束ができております。恐らく2月までには完了する予定です。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございます。リウマチワーキンググループのほうも非常に先行していたわけでございますが、定義のところまでもほぼ完了しつつあるという状況でございます。
それでは、血液のほう、岡本先生、よろしくお願いします。
○岡本委員
前回からの進捗ですが、日本血液学会が京都で開かれました。そのときに、フィベ教授も来られまして、そこで1つは、レビュアーを選定し、それをフィックスいたしました。それから、プロポーザルに関しましては既にできておりまして、それをさらに私たちの中で、分類専門というイギリスの方に1人来ていただいて、それを全部レビューした形で、もう形は既にできております。
また、3学会の合意のもとにエディターを雇用して、そこに定義を入れるという準備もできておるのですが、一番の問題は、稀な疾患との電話会議というのが、何回もその近くまでいくのですが、いつも稀な疾患のほうにキャンセルされまして、アメリカ血液学会が12月初めにございまして、そこまでには何とか形をつくっていきたいなと思っているのですけれども、それがちょうど日程調整表が送られてきて、今、日程の調整しているところです。
ちょっとそこで足踏みをしている時間が長くて申しわけないのですけれども、私たちでもいかんともしがたいところがございまして、そこが進んでいけば全てスムーズにいくと私たちは考えております。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございます。レビュアーのほうも、血液のワーキンググループはオーソリティを各世界から募集されておりまして、非常に多いのですね。だから、さらにレビュアーを選ぶという作業が大変だと思ったのですが、その辺はどう切り抜けられたのですか。
○岡本委員
この間、3学会の代表が参りまして、そこで各学会から提案をいただいて、最近リタイアされた方で比較的時間的余裕ある方を3名、各学会から推薦して承認を得たという形になっています。
○菅野委員長
ありがとうございます。この2月の内科のTAGの話し合いでは、WHOの考え方、スタンスとしては、その領域の責任は内科に、あるいは内科の中の各ワーキンググループにプライマリにはあるということでした。稀な疾患はある意味では横断的でございますけれども、血液に関してのプライマリレスポンスビリティは血液にあるという考え方を表明しておりました。そういうスタンスで最終的にはいかざるを得ないのかもしれないと思いますね。
○岡本委員
ですので、今回の電話会議の結果にもよると思うのですけれども、もしそこで進捗がなければ、私たちはもう入れていくという形で進むしかないかなと、フィベ先生とも話をしておりました。
○菅野委員長
この点は後でまたWHO-FICの話し合いの中でも少し議論されたかもしれませんが、そういうスタンスをWHOは示したということは確かでございます。
呼吸器については、今日はお見えでないので、事務局のほうから。
○事務局
事務局でございます。呼吸器ワーキングでございますが、資料1-2-1?をご覧ください。
呼吸器のワーキングにつきましては、非常に遅れていたことから、今年の5月に共同議長と議長のほうで協議いたしまして、日本呼吸器学会のほうが主導で行うという同意に基づき、6月から学会のほうが急ピッチで作業を進めております。8月末までにはレベル2の提案は終了して、レベル3以下も、不十分であるけれどもおおむね終了しているという状況です。
定義につきましては、レベル3の定義作成の作業が現在進行中であるということと、やはり同様に、オーバーラップエリアのところがリウマチワーキング等々あるということで、今回、報告をいただいております。
○菅野委員長
ありがとうございます。ちょっと議長を交代してもらわないと動かないということで、どちらかというと日本呼吸器学会が遠慮されていたのですけれども、前面に出ていく形に変わったということで、恐らく足並みがそろうであろうと思います。
大体以上が内科の、最初飛ばしてしまいまして申しわけございませんでしたけれども、状況でございます。
小児科さんのほうから特に何かございますか。
それでは、次に進ませていただきたいと思いますが、歯科TAGにつきまして、よろしくお願いします。
○岡野委員
歯科のTAGです。2年半ぐらいになりますか、歯科TAGというのができたのですけれども、オーラルヘルスでOH TAGという名前になるということでございました。そこの議長がサンアントニオのラーモン・バエズという方でございまして、実は日本からこのTAGにメンバーとして入ることができなかったということで、フランスの方と私がリソースパーソンという言葉、これはWHOにあるのかどうかわかりませんけれども、こういう名前で入っております。
このICD-11の改訂について、歯科のほうでは歯科医学会が中心になってやるということで、私も歯科医学会からの派遣ということですけれども、歯科についての情報が大変不足しているということもあって、何人かの歯科医学会のほうから推薦いただいた先生方、それから、もともと日本医学会の分科会の日本口腔科学会、ここにICDのための委員会がありますが、そこからお二人の方に入っていただいて、それから、腫瘍TAGのほうでは口腔がんで山口先生、その方たちに入っていただいて情報交換の場をつくったというところでございます。
β版についてのレビュアーの依頼、これはこの9月に私宛てに来まして、これから私はレビュアーとして内容を見ることができるというところまで来ているというところでございます。
以上です。
○菅野委員長
ありがとうございます。歯科のTAGは新たにつくられた別個のTAGでございますので、我々は、Kコードは消化器の中にございますけれども、そこの部分は最初からいじらないという約束でございまして、新たにWHOのほうでおつくりになったということですね。ですから、相当新しいほうのTAGではないかと思いますが、活動を始めたということで了解いたしました。
続きまして、外因TAGにつきまして、事務局からよろしくお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料1-2-4をごらんください。
外因TAGにつきましては、19章のほうにつきましては、ICD-10からの大幅な変更はないというような記載の御報告をいただいておりますが、複数コードを用いた部位ごとの記載に変更すべきであるという提案に対して、外因TAGのほうから返事がないということで報告があります。
あと、頭部外傷につきましては、ICD-10よりも詳細な分類となり、急性、慢性の区別、あと、意識障害時間による分類が加わると。
あと、熱傷につきましては、深さ、面積、合併症の情報が追加されていると。
20章のほうには、ICECIのほうを統合して、複数のディメンジョンから構成されるというもので、下記のような報告ということになっております。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございます。救急医学会のほうはもう少しこちらの最初の章について改訂を望んでいたと思うのですけれども、議長は、どちらかというと、その障害の原因となっている要素のほうに興味があって、こちらのほうは余り書いてないという理解でよろしいのでしょうか。
○事務局
はい。
○菅野委員長
そのあたりがちょっと日本側の期待感と世界との差があるように私は聞いております。今後どのようになるのか、β版では意見は出せるような状態だと思いますので、その辺を救急医学会のほうによくお伝えしていただければと思います。
○事務局
お伝えしておきます。
○菅野委員長
続きまして、精神科TAGですね。よろしくお願いします。
○神庭委員
資料1-2-5でございます。私、今年から委員になりましたので、これまでの経緯、実は余りよく存じ上げていませんで、今日は、オブザーバーで参加されている丸田先生がずっとアクティブに国際的なアドバイザリー・グループを初めとして委員会に参加されていますので、後で補足していただきたいと思います。
精神と行動の障害に関しましては、恐らくほかの領域とはちょっと特殊な面がございまして、米国の精神医学会が国際診断分類を、精神疾患の診断分類をつくっているのですけれども、それはDSMといいます。そのDSMが現在4なのですけれども、5に改訂されるのです。来年の5月の総会で発表されます。
このDSM5とICD-11のFコードは調整するということが決められていまして、両者に大きな齟齬のないようなものをつくっていこうということになっていますので、本格的にICD-11のFコード、精神と行動の障害のドラフトが書き上げられてくるのは来年以降になるのではないかと予測しております。
精神神経学会のほうでは、ICD-11の委員会をつくっておりまして、DSM5にも目くばせをしながら、11が出てくるその過程で、日本もフィールド・トライアル、そのほか、ITを使ったグローバルネットワーク等々の情報提供、協力ということを積極的に進めてまいりたいと思っていまして、これは学会のタスクとして行っていく予定でございます。
また、Fコードは、診断名に診断基準がついて、その診断基準をどう使うかという厚いマニュアルがついてくるのですけれども、これを訳して出版するという作業も最終的にはございまして、これもICD委員会、あるいは精神神経学会でリードしつつ進めてまいりたいと思っております。
ちょっと詳しいこれまでの経緯、不十分な点がございましたら、丸田先生のほうから補足していただけますか。
○菅野委員長
それでは、丸田先生、この報告を、資料をお作りいただいた立場でよろしくお願いします。
○丸田氏
失礼いたします。国際ワーキンググループ協力員の東京医大の丸田と申します。
前回の第12回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」、本委員会ですけれども、以降の活動状況は、お手元の資料の1から3でございます。
直近の精神分野の分野別専門委員会、TAGですけれども、これはICD-10、精神及び行動の障害の改訂のための国際アドバイザリー・グループ、以下、AGと略させていただきますが、これの会議が平成24年3月8日~9日にWHOの本部で開催されました。
AGの配下に置かれておりますワーキンググループは、精神科の場合、「臨床記述とガイドライン」が別に出版されておりますが、それのもととなる各障害のContent form(以下CF)、これはその障害の定義とか正常との関連とか鑑別診断等を書き込むものですが、それを作成中でありまして、これらの一部が会議の場で紹介されました。しかし、内容は非公表、非公開でございます。
当初、平成24年5月ごろにウエブ上でこのCFが公開される予定でございましたが、作業が計画どおりに進んでおらず、現在まで公表されていない状況でございます。
AGの配下にございます約10のワーキンググループがございます。そのうち、精神病性障害のワーキンググループに私も入っているのですけれども、これの第3回の会議が24年の2月20日~21日にドイツのデュッセルドルフで開催されました。
またさらに、AGの配下に置かれております今後のフィールド・トライアルを行いますFormative Field Study Coordinating Group(以下FFSCG)の第2回会議が今年の5月24~25日にマドリッドで開催されまして、今後のフィールド・トライアルの施行実施などについて話し合われました。
このFFSCGの第3回会議が平成24年11月12日から同年11月14日まで東京で開催されまして、より具体的な方向性がその場で話し合われました。
なお、実際にフィールド・トライアルを行うためのネットワークを構築するために、臨床実践グローバルネットワーク(Global Clinical Practice Network;以下GCPN)がウエブサイトで構築されつつあります。このGCPNのウエブサイトは、英語、フランス語、スペイン語、アラブ語、そして日本語でも用意されておりまして、日本精神神経学会のホームページからそこにアクセスできるようになっています。それで、その情報をもとに、例えばこのサイトに登録した方の専門性ごとに、ウエブを用いましてコメントを求めるという形も行う予定であります。
また、今後、ウエブ上で公開されますICD-11の草案に関しましては、パブコメを求められ、また、上記のFFSCGがフィールド・スタディやフィールド・トライアルを行う予定でございます。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございます。以上、補足説明をしていただきましたけれども、この精神科TAGというのは創立以来のTAG、一番最初にできたTAGで、非常にユニークな動きをしている。DSMの改訂と連動しているということで、ある意味ではWHOという世界共通の分類があくまで米国の精神科の分類をそのまま受け入れられている珍しいケースではないかと思うのですけれども、ある意味で世界的な使われ方をしているということで了解されているという理解でよろしいでしょうか。
それから、もう一つは定義でございますけれども、これもDSMのものが、そのままそっくりWHOのICDに用いられるという理解でよろしいのでしょうか。
○神庭委員
そこは議論がありまして、DSMをつくっているグループは、やはりアメリカの文化にのっとったアメリカの精神障害という考え方で、ICDはグローバルを見ていくということがありますので、必ずしもアメリカのものを全部そのままという形にはならないと思いますけれども、それをどうするかというのは実は大変大きな問題だと思います。
○菅野委員長
というのは、私は前から、これだけはちょっといわゆる特殊な立場にあるかなと見ておりました。知的所有権の問題を含めて、ICDはみんなに公開されますので、Intellectual propertyだとか版権だとか、そういうことは余り言わないですが、DSMはあくまで本とかいろんな形で売っていますので、その辺の問題について、ぜひ内部で御討議いただくということをお願いしたいと思います。
○神庭委員
先生がおっしゃっているのは、DSMは医学書院が翻訳して収益を得ている、ということですね。ICDは非常にパブリックなものですから、それを翻訳して、翻訳者が翻訳料をもらったり出版社が出版料をもらってはいけないということで理解してよいでしょうか。
○菅野委員長
そこはお役所となると思います。もっと大きいことを言うと、WHOのいわゆるこういうものは、みんなのパブリックドメインにあって、みんなが利用できる、フリーで利用できるということになろうかと思うのですね。定義まで入ってきますとだんだんDSMに近い形になりますので、そのときにDSM側がそういうことを了解するのかどうか、あるいは食い違いが生じたときに混乱を生じないかと、そういったことが分類の立場からは今後多少問題になってくると思うのですね。
ですから、そのあたりを十分世界とも話し合っていただいて煮詰めておいていただくとありがたいかなあと思うわけでございます。やがてこちらの11も、後で議論がございますけれども、日本に適用される予定だろうと思いますので、その場合に、既存のDSM-5が出ていると思いますが、それとの違いであるとかいうのは現場に混乱をもたらす可能性があるのではないかということを若干懸念するのですね。
○神庭委員
ありがとうございます。対応します。
○菅野委員長
それでは、続きまして筋骨格系のTAGにつきまして、望月先生、よろしくお願いします。
○望月委員
ここ何回か、余り状況は変わっておりません。筋骨格系TAGというのは、4年ほど前ですが、第1回のface to face meetingを東京で開いて以後、第2回、第3回、第4回とロンドンでface to face meetingを、ワークグループの代表が集まって開催されて以後、αドラフトとして出そうということで事が進んでおりました。
筋骨格系TAGの議長というのはスウェーデンのルンド大学の准教授でありますサンドバーグ先生です。彼自身、当初は頑張ったのですが、ワークグループがこの中で8つありまして、その8つの活動性の凹凸が非常に顕著であることが問題で、それが現在生じている問題点になってきているわけです。
2段落目の本年5月のβドラフトが公開された段階で、我々、日本整形学会のICD検討委員会というのは、各委員が分担いたしまして、実際にホームページでどのようになっているかということを検討いたしました。ところが、その結果は、当初先行していた日本の素案がそのまま通った形の、脊椎部門においてほぼそのとおりになっていたのですが、一つの案として出した整形外科における腫瘍分野ではほとんどICD-10と変わらなかったという事実がございました。
そういうことから、新たにもう一度試案をβドラフトにあわせた形で提出したところ、それがそのまま提出されたということであります。そういうことを踏まえて、残りの幾つかの部分も現在再検討しております。実はワークグループの素案は全て日本整形学会が作成したものであります。それがαドラフト、βドラフトによってちょっと形式が違ってきたものですから、それをβドラフトにあわせる形で現在準備中であります。
その辺のところを、本年9月の内科TAGの対面会議で来日しましたウースタン先生と再度接触して確認したところ、やはり意見はできるだけ集約してWHOのほうへ出してほしいという確認がとれましたので、全体を待っていて事が進むとはちょっと思えないので、当初かなり控えていたのですけれども、整形学会がかなり前面に立って、その辺のβドラフトを逐次直していくという形をとりたいと検討中でございます。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございます。整形外科学会、強力でございますので、人材もたくさんございますので、ぜひ御協力のほどお願いします。ある意味で、ほかの学会も似たような感じで、日本がやはり前面に出てやらないとなかなか動かないというのは、内科をやっていますとよくわかりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
腫瘍につきましては、今日は西本先生お見えでないので、事務局のほうで。
○事務局
事務局でございます。腫瘍TAGでございますが、腫瘍TAGのほうからは、基本構造として、プレコーディネーション、ポストコーディネーションということで、頭3桁、あと末尾4桁というふうなコーディネーションのコード化のところが少し提示されております。これにあわせて、X Chapterということで、7桁プラスαとしてコードをもう少し付したらどうかということで、現在、検討されているということでございます。
あと、全体の分類といたしましては、下に書いてあるように、5分類ということで、悪性腫瘍はさらに3区分ということで、現状まとまりつつあるということです。
1枚おめくりいただきまして、その他の検討といたしまして、肉腫系、中皮腫、異所性の腫瘍、眼の腫瘍、消化器系の腫瘍、その他の部位ということでそれぞれ検討があるということと、あと、眼科TAG等との検討をしていこうということになっております。
電話会議で継続的な検討をしていて、iCAT上に反映しつつあるというのが現状ということで御報告いただいております。
○菅野委員長
ありがとうございます。消化器系は非常に腫瘍が多いものですから、こことは連携しないといけないのですけれども、神経内分泌腫瘍については稀と書いてありますけれども、実は余り稀でもないので、このあたりも調整が必要かなと思います。
続きまして、眼科、柏井先生が大分頑張っていらっしゃいますが、今日お見えでないので、事務局から。
○事務局
事務局でございます。眼科TAGですが、17ページ、資料1-2-8をごらんください。
眼科のほうからは、第9回眼科対面会議として、今年の2月にアラブ首長国連邦で会議があったと。また、第10回として、米国のほうで対面会議があったということで報告がございました。今後3回ほど予定とありますが、2012年の11月、これはもう終了していると思います。12回、13回の対面会議を予定しているということで、対面会議を繰り広げて中身を決めていくような方向で御報告をいただいております。
○菅野委員長
伝統医学、医療情報はお見えでないと思いますので、続いてよろしくお願いします。
○事務局
伝統医学TAGと医療情報TAGのほうの御報告をさせていただきます。
伝統医学のほうでございますが、日中韓を中心とした東アジアの伝統医療のICTMの作成を行っており、23章に入れるということで、対面会議を今年の3月の28~30日、こちらは上海、あと、12年の5月3~5日を香港、9月の13~14日を東京で、アドホックを含めて会議をいたしております。電話会議についてもある程度行っており、伝統医学のiCAT入力については全てが終了しているということでございます。
WHO-FICとの連携でございますが、日本東洋医学会のほうがWHO-FIC協力センターの一員として作業を行うという内容です。
WHO-FIC委員会については、渡辺先生が参加して議論しているということです。
今後の予定でございますが、レビュープロセスとして、日中韓を含む世界からのレビュアーにより23章のレビューが開始される。日本から13人のレビュアーを推薦しております。
フィールドテストについてはこれから計画ということで、少し早目の計画になっております。
WHO-FICの会議のほうで、次の20~21ページについておりますが、ポスターセッションに参加していただきまして、優秀賞を受賞したということでございます。
今回、急遽欠席せざるを得ないということで、渡辺先生からメッセージをいただいております。「本日は、ICD専門委員会に出席できないことをおわび申し上げます。初めに、このたび、藤原研司委員長の訃報に接しまして、今まで本委員会の御献身に感謝申し上げるとともに、心から御冥福をお祈りします。去る10月にブラジリアで開かれました2012年WHO-FICネットワーク年次会議に参加した者として一言申し上げます。WHO-FICの組織はだんだんと強化され、各国が力を入れ、また、特にアジア諸国が熱心に取り組むようになる中で、今回の会議では中国、韓国の存在感が増しています。特に来年、WHO-FICの年次総会が北京で行われることもあり、ますます中国の存在感が増すことが予想されますが、それに比べて我が国は、以前の普及委員会委員長を日本が務めるなどアジアの代表として存在感があったのですが、年々存在感が薄くなっているということが懸念されます。2010年11月29日に開催されました第10回ICD専門委員会において、我が国の体制の弱さについて議論がありました。藤原委員長も日本の体制の弱さについては大変御心配されておりましたが、2年たった今でも体制は全く変わらず、少ない人数の事務局とボランティアの大学教授、医師が身を削ってやっているというのが現状です。ICDは、死因統計のみならず、疾病統計の基礎となるものであり、我が国にとりましても、保険医療及び人口統計の根底をなすものです。統計をきちんととることが効率的な将来の医療計画を立てる上でも何よりも重要であることは申し上げるまでもありません。それに対して現状の体制は事務局が余りにも人も予算も少なく、また、専門委員が身を削るばかりでなく、諸学会の負担により何とか運営を行っているのが現状です。伝統医学TAGにおきましても、伝統医学分類という新しい分野での分類作成に、中韓の政府がWHOに拠出しているのに対して我が国は拠出していないという状況になっています。本日は出席できず申しわけありませんが、再度、第10回ICD専門委員会の議事録にも目を通していただき、藤原委員長が最後まで御心配されていた日本のICDに対する我が国の体制強化の御検討をいただくとともに、その検討結果をきちんと目に見える形で実行に移していただけるようお願い申し上げます」というメールをいただいております。
続きまして、医療情報TAGでございますが、中谷先生のほうから、現在、国際HIM-TAGのネットワーキングは一時不活化しているということでご報告いただいております。この間に日本としてはHIM-TAGの議長の先生とRSGの議長の先生に対してお話しした上で、ジェノミクスについてのジェノミクスサブ構造のデザインについてXML化したiCOSのβを作成し、現在は東京医科歯科大学のiCOD(臨床オミックスデータベース)にある実データをもとにした検証と東北メディカル・メガバンク機構の情報基盤におけるデータ構造への応用を検討しています。これは、ISO国際標準、GSVMLに基づいた構造で、コーザルプロパティに一切の改造なく組み込めるジェノミクスサブ構造です。
現在、WHOにおいてコンテンツモデル構造の見直しが行われておりますが、現在医療への応用の発展が著しい遺伝子解析等にも近い将来にICDが対応可能とするために、ジェノミクス等の今後の分類に際して必要と思われるサブ構造を入れ込んでおくことが重要であると考えられるということでございます。
次に、全体としては、コンテンツモデル構造こそが今回残すべき重要な成果で、類型に必要なパラメータ構造はオプション含めて検討すべきだという意見も進言しているということでございます。また、必要なコンテンツは、ICD-10に電子化類型のための必要なコンテンツを加えたものであり、それ以上は今回はオプションとしての扱いではないという意見も進言しているという状態で御報告をいただいております。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございました。渡辺先生が私の言いたいことをかなり言ってくれたような気がいたしますけれども、ICD-11の改訂は本当に脆弱な構造で、各学会のボランティアでやっているようなところがありますが、本当はこれは我が国の医療情報を含めた全体の中で予算をつけてきちっとやっていくということが最も必要でありますし、また日本政府もきちんと予算をつけていくべきことです。役所も、室長がもう何回かわったことやらと思うわけで、しっかりしてくれよと言いたいのは、藤原先生が最後まで心配されていたことであります。
したがって、このICDこそが、いろんな疾病分類、それから死因分類としての、統計の基礎であって、医療費を削減するための方策をつくるデータとしてこういったものを活用していくということが非常に基本的には重要でございますので、厚生労働省も省の垣根だけではなくて、局の垣根、課の垣根を取り払って、この問題を根本に置いていただきたいということは、多分、今日お集まりの先生方皆さん思っていると思います。
ここまでのところ、各ワーキンググループ、あるいはTAGからの御説明に何か御質問等ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、WHO-FICのブラジリア、遠いところでございましたが、会議の報告をお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料2、23ページをお開きください。
今回、WHO-FICの年次会議につきましては、ブラジルのブラジリアのほうで開催されました。主催としては、WHO、ブラジルのWHO-FIC協力センター、PAHO、南北のアメリカ大陸のリージョナルオフィス、ブラジル保健省ということになっています。開催期間、10月13~19日で、ブラジリアの会議場で行われ、今回は少し人数の多い、通年100名程度なのですが、230名の出席という会議でした。
委員会の報告でございますが、死因分類グループ(MRG)と、死因分類専門部会(Mtag)のほうでございます。
まずは、MRGでは議長選があり、議長の選出が行われたという点と、ICD-11総論の死因ルール、あとは整備を継続して行う。ICD-10からICD-11への変換、索引の類義語の検討を行うということが行われております。
MRG、Mtag、MbTAGの合同委員会でございますが、各TAGによるiCATの変更は、10月3日をもって終了し、各TAGからの直接的な作業はできなくなったと。Horizontal TAGsということで、mTAG、MbTAGによるstability analysesを実施するということであります。
生活機能分類グループにおいては、議長選があったということ。ICFのガイドライン、提案されたEICでの検討を経ることを予定している。また、ICFの改正作業ということで、ICF-CY、小児版の作業に修正が加えられたというところでございます。
分類改正委員会ですが、まず、議長選がありました。そして、ICDの分野では、総提案数が48件ございまして、会議中に承認されたものが28件、会議中議論が20件、そのうち4件を承認でございます。日本から提案しておりました3件については、1件が、一部修正の上採択、あと2件については来年度再提出ということでございますが、内容の書きぶりを変更して再度提出してほしいということで今回は経過が出ております。
ICF分野につきましては、総提案が137件ございまして、会期中の審議は6件、受理が7件と、否決が29件という結果でございます。
教育委員会につきましても、議長選があったということ。ICD・ICFのウエブ・トレーニング・ツールについてはCDやダウンロードで提供されるということ。ICDトレーニングツールのモジュールで英語とスペイン語が完成したといったものでございます。
情報科学・用語委員会につきましては、分類のための普及プロファイルの開発を行うとなっておりまして、使用TAG、ICD-Oでございますが、あとICHIについてのものが開発中であるということです。
分類ファミリーの拡張委員会につきましては、ICHIのα版を継続的に開発を行うとしておりまして、見直し作業については中国センターの協力を得て作業を継続するとなっておりますので、国際的なプレゼンスは結構強目になってきているかなという状態でございます。
全体会議としましては、諮問委員会では、WHOの事務局から金融危機の余波によって40億ドルの予算要求に対して、WHO加盟国は25億ドル分のみ承認したと。その影響はWHO事業に及んでいるが、ICD改訂、健康及び生活機能の指標による、世界の健康の測定などの事業はWHOが優先的事業として守られているとの報告がございました。
WHO-FIC協力センターに、ノルディックセンターとしてまとまって承認を受けていたのですが、今回、ノルウェーに分割した状態でコラボレーションセンターの指名が行われた。また、タイ及び韓国が協力センターとして新たに指名されています。
スペイン、英国、ハンガリー、クウェートの4カ国が再認定の手続中で、キューバが申請手続に入るということが報告されております。
ポスターアワードの受賞として5名が選ばれました。日本からは2課題提出されましたが、うち1課題、渡辺先生の御発表されたICTMの内容が受賞しました。
次回の会議につきましては、2013年10月12日~18日、北京で開催を予定している。
全体会議のICDの改訂につきまして、ここがメインでございますが、ICD revisionに関する現在の進捗は、ICD-11はデジタル化した新たな分類であるが、基本的な考え方やコンセプトはICD-10よりそれほど大きくは変化しない。ICD-11の特徴の1つとして、多言語対応であることが挙げられる。ICD-11の背景には、foundation、ontology、linearizationの3つのレイヤーが存在する。また、ICD-11は、コンピュータを用いたオントロジー原理を取り込んだ分類であるというような内容でございました。
Timelineとしては、ICDαフェーズは2012年5月に終了いたしまして、βフェーズが2012年5月から2015年までの予定である。2015年のWHAにおいては、基本的なlinearizationの結果のみが提出され、作業は引き続き実施される予定であるということで、このlinearizationというのが具体的にどういうものを指しているかというのは、個別に説明がなかったことと、あと、継続するというコメントがクリス・シュートのほうから出ているというところでございます。
1枚おめくりいただきまして、TAGの作業配分でございますが、全ての疾病について一つのTAGがアサインされており、アサインTAGにはprimaryが与えられているということで、それぞれのTAGの中のオーバーラップ部分についてはそれぞれprimaryが決まっているので、そういったところで調整してほしいということでございます。
Foundation componentとlinearizationということで、Foundation componentは疾病に関する基本情報であり、Foundation componentから必要な情報を選択してlinearizationを実施する。Mortality、morbidityのlinearizationを基本的に実施するほか、primary careであるとかclinical specialtyであるとかresearchなどのlinearizationも実施可能であると言っております。
あと、腫瘍TAGのところで少し御報告しましたが、ICD-11のコード構成としては、3桁、4桁ということを前提につくっておりまして、Eは、混乱を防ぐためにI、Oを除くアルファベットと数字の34進数、あと、Dについても、I、Oを除くアルファベッドの24進数と1、数字ということになっておるようで、7桁ということが基本ですが、腫瘍TAGにおいて7桁+X Chapterということで少し長いコードがあるので、最終的にどのようなコードを振るかというのは、7桁であるのが基本であるのですが、それ以上はちょっとわからないというところでございます。
Indexについては、foundation layerをインデックスとして活用してlinearization、要するに系統化を実施するとしております。
ICD改訂のレビュープロセスですが、科学的な正確さ、整合性の確保、構造の内容といったようなことが報告を受けております。
レビューの実施方法、26ページの最後ですが、レビュー担当とhorizontal TAGによるコンテンツレビューの実施、TAG/WGは科学雑誌のような役割をするということでございます。
レビュー実施に向けた今後の作業手順としては、レビュー担当者の確保が300~400人が必要である。レビューのためのlinearizationの準備をしている。レビューの実施のための担当箇所の分担、レビュー担当者のレビュー担当箇所の割当、TAG/WGのレビュー実施のための準備、レビュー実施後のiCATへの反映の実施ということが手順として行われているということです。
フィールドテストにつきましては、フィールドテスト自身がICD-11の適用性、妥当性、利用可能性の検証ということで実施され、ドクターとコーディングする人、コーディングする人2人の間における、適正にコードが間違っていないかというのを2系統のラインで検証を行った上で実際にフィールドテストが行われるということになっています。
ICTMについてはもう少し複雑な形態でやるということですが、メインの22章まではそういった形をとるようです。
フィールドテストの対象としてはプライマリケア、一般的なヘルスケア、研究という3区分があり、Bridge codingとして、ICD-10とICD-11の間のコーディングの妥当性の検証も行うということになっています。
おおむね以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございました。
内科TAGが9月にありましたときに、この辺はウースタン先生のほうからも御説明ありましたけれども、その概要がここに書かれていると。イタリアのグループが、このレビューシステムの責任といいますか、ある程度分担するということはその場で言われていましたけれども、ここでも確認されていますでしょうか。
○事務局
レビューについて、イタリアがというふうな特定の名前は今回挙がっていませんでした。
○菅野委員長
つまり、いろんなジャーナル、先生方もエディトリアルボードとかをされていると思いますけれども、やはりそのもとになって督促をするところだとか、レビューをお願いしますというやりとりをするところがないとうまくいかないのですね。言うのは簡単ですけれども。ですから、そういったサイトが、イタリアのほうがやるようなことをちらっとあの場では言っていたように思うのですけれども、そこについてはまだ漠然としているという状況でしょうか。
○事務局
はい。余り細かい言及がなく、今回一番トピックス的に出てきたのは、25ページの一番下、Timelineのところで、2015年の世界保健会議においては基本的なlinearizationの結果のみが提出されるということです。しかし、具体的にどういうものが出てくるのか、ちょっとはっきりとしたことがわからない。また、引き続き作業をするということを言っているのと、ICDの名称が11ではなく、2015という名前で、その後、2016、17と続くのだという話もちょっと担当のウースタンのほうからもあり、どういう日程なのかがはっきりしないという感覚を受けて帰ってきたというのが実態でございます。
○菅野委員長
恐らくそれが混沌とした状況を生んでいる一つの原因だろうと思うのですね。ですから、今のTimelineで言うと、恐らく、はっきりICD-11と言えない状況のまま、そこが一番の原因で、βバージョンとは言っていますけれども、先ほど望月先生のほうからもお話しになったように、改訂し切れてない部分もたくさん残されていますし、空白部分もございますね。ですから、継続的に改訂を進めていくというしか、今は多分ないということだと思います。
linearizationというのは今のシステムに近い形であって、定義のところまでは少なくとも入れたいと言っていましたけれども、linearizationができないとそこに定義を入れ込めないので、難しいだろうと思っています。全てを定義で埋めるということはですね。だから、そういう意味で、少し彼らも実態を認識しているということなのかなと受けとめましたけれども、また2月に来られますので、そのあたりをよく聞いておきたいと思います。というのは、余り突っ込むと無駄な作業になりかねないので。
○事務局
委員長、もう一点だけ。URCの中では、次に2010年に続いて2013年にある程度大きい大改正を予定しているのですが、議論としては、2016年にもう一度、ICD-10のほうの見直しをかけるべきなのかという議論が提示されています。その後もある程度URCのメンバーの中ではICD-10というのを引き続き使っていく必要があるのではないかという認識は少し出てきているという段階かと思います。
○菅野委員長
ありがとうございます。これも一旦はもうやらないと言っていたのが、やはりやるという形になったので、それも今言ったような現状を反映しているのかなと思います。そういうことでございますけれども、ただいまのWHO-FICの会議につきまして御質問等ございますか。
針谷先生、どうぞ。
○針谷委員
1つ教えていただきたいのですけれども、レビュープロセスに関して、レビュアーの要件というのは会議では何か具体的に示されたのでしょうか。あるいは、レビュアーに依頼する業務量などは示されたのでしょうか。もし何かわかれば教えていただきたいと思います。
○事務局
27ページの作業手順のところに出てきたような内容が最大で、具体的な話はほとんど出てないところです。
○針谷委員
わかりました。
○菅野委員長
他にはよろしいでしょうか。
これも各学会に依頼はかけられても、私のほうもコメント出しましたけれども、実際どういう仕事をするのかということが明確でないと。それから、どういうシステムを使うのか、そのあたりがはっきりしないと頼みようがないのですね、実は。だから、今、多くのジャーナルができて、多分、先生方のところも、エディターになってくれとかの話が多いと思いますが、私なんか断りまくっていますけれども、そういう中の一つとして位置づけられたら困るので、きちんとしたジョブディスクリプションをしておかないと。みんな猛烈に忙しいので、もうやりたくないみたいな感じになっている人が多いのですね。
だから、今、レビューを頼もうにもなかなかやってくれなかったりして、私も断るほうが多いのですけれども、人のことは言えないのですが、そういう意味で、ボランティアの仕事というのはもう限界に来ているところがあるかと思います。ですから、このあたり、2月までにはきちんとした形で、レビュアーの仕事は何かと、それをやるためのシステムはどうかということを具体化しておかないと依頼のしようがないのではないかと思います。
では、そのあたり、よろしくお願いします。
それでは続きまして、3番の議題で、大分時間が迫ってまいりましたが、ICD-10(2010年版)の国内適用について。これは事務局のほうでよろしいでしょうか。
○事務局
事務局でございます。資料3、28ページをお開きください。
ICD-10の国内適用についてのこれからのステップのところを少し図示させていただきました。大きく分けると、作業としては、告示の改正、提要の刊行という2つの大きいプロセスがございます。告示の改正につきましては、大きく2段階ございまして、厚生労働省内の作業の部分、あとは総務省内の部分でございます。統計委員会への諮問については、総務省内で対応するので、こちらでは原案を提案していくということになると思います。
作業としましては、告示改正案の作成・提示ということで、事務局のほうで、大体3~4カ月ぐらい。厚生労働大臣から社保審への諮問というのが行われまして、統計分科会・ICD専門部会等においての審議を行うということで、おおむね2回程度の審議になるのではないかと思っております。その結果を受け、社保審から厚労大臣への答申が行われます。
その答申をもって総務省へ持ち込み、総務大臣のほうから統計委員会への諮問、答申という手続を経て、告示の官報掲載手続になり、官報掲載ということになります。
片や、提要の刊行でございますが、提要案の作成が同じぐらいの3~4カ月、専門委員会の意見照会、専門委員会から意見提出、それのとりまとめとして6~8カ月程度で、修正案のとりまとめ、編さん作業を行いまして、提要、現状で言うと3冊分の刊行を行います。周知期間は大体3カ月程度かなと。周知期間のほうを確認しましたら、大体1年とることはないねということを受けておりますので、3カ月から、1年ないとすれば1年弱というのが通常で、その後施行になるのではないかと。これぐらいの期間ですから、おおむね2年弱程度の期間がかかるというのが2010の適用にかかる予定でございます。
○菅野委員長
前々回ぐらいから、この改正の話をそろそろ進めておかないといけないということでございまして、前回、瀧村室長だったのですが、日本語版を発刊するという方向が出されたと思いますが、それでももう遅れているのですね。実は現在の日本語版は2006年に出ていますけれども、あれはWHOの2003年版までの部分を入れて、その後少し、2005年くらいまで何とか取り込んだ形で出したと思います。が、その後、日本の先生方の協力でかなり日本の意見も出して、URCで、日本の意見が相当取り上げられて、WHOのほうで2006年、2009年と改正が進んでいるわけですね。それは今の日本語版には反映されてなくて、矛盾を抱えているままであると。
この委員会を通じた形で学会に協力を依頼して、現在問題があるという疾病分類に関しては、こういう意見を出してもらって、英語にまで変えてもらって提出し、WHO-FICで討議されて採用されているというところが幾つもあるわけで、それが取り入れられた形になっています。それはWHOの本には反映されていると。これも、向こうでの本はもう出ていますね。実際に。プリント媒体としても。日本だけが遅れているという、なぜかわけわからないことになっているわけでありまして、これは至急やってもらわないと困る。と申しますのは、ICD-11がまだ大分先にならないとできない。11という形になるかどうかもわかりませんけれども、その間やはり矛盾を抱えたまま今の状態を放置するのは問題があろうかと思いますし、学会として協力してきたのが一体どうなっているのだと。お金も使っていますから、そういった意味でもきちんとフィードバックをかけてもらわないと困るのだろうと思います。渡辺先生もおっしゃっていましたけれども、そういう意味で、ぜひこういった作業は迅速に国際化に対応していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○事務局
可能な限り早急に対応したいと思いますが、いろいろとこのICDに関連しては、このICDコードに基づいて行われている分野もございまして、そちらとの調整というのもあるものですから、そちらの調整のほうに少し省内で時間がかかっている部分もあるかと思います。それは、DPCも含めて、統計情報部内だけではなくて、他局にも及ぶような内容というのが大きくありますので、そういった面を踏まえながら、できるだけ迅速に対応できればと思っております。
○菅野委員長
他局に及ぶということは、非常に基本的な構造なのですね。これが統計のデータベースとしての基本構造の骨子でございますので、そこをおろそかにすると、みんな上のほうが、変な統計を使ってしまうとか、揺らいでくるわけですね。ですから、そういう意味で、省を挙げるという形を、せっかく大臣官房に属しているわけでございますので、調整をぜひお願いして今後の政策に反映していただきたいと思っております。
韓国も台湾も、今こういった疾病情報のナショナルデータベースがきちんとしているのですね。日本だけがないわけですね、どっちかというと。そういうお粗末な状態はやはり国としての損失になることは目に見えているわけでございますので、ぜひそこを含めた広い視野から、このICDについては見ていくということが必要だろうと私は前から言っているので、よろしくお願いします。
土屋先生、何か御意見ございますか。
○土屋委員
済みません。遅れて来て。今のところは、手前みそですけれども、がんがうまくいったのは、やはり山本議員とか尾辻先生ががん対策情報センターというのをつくっていただいたので、今日いらしていないですが、西本先生が中心になって、登録業務が非常にうまくいって、それをもとに分類に対するデータも出てきつつあるということです。今の話を伺っていると、そろそろ議員連盟でもつくってもらって、疾病傷害対策情報センターとでも言うべきものをつくらないとなかなか思い切った予算措置というのはできないのではないかという気がして聞いておりました。
○菅野委員長
国会も解散になるそうですから、政治がどうなるかわかりませんけれども、やはりそういった基本情報を大切にしていくということをしないといろんなところで損失をこうむるということだろうと思いますし、政策の立案にも、基本的な情報がないと反映できないということになります。ぜひこれは、政府といいますか、役所だけの問題でなくて政治を含めた問題かもしれませんけれども、我々のほうも働きかけたいと思いますし、また土屋先生のお知恵もかりたいとは思いますが、先生方もぜひそういった形で働きかけをしていただければと思っております。
そのほか、よろしいでしょうか。
特にございませんでしたら、ほぼ時間でございますが、その他、よろしいですか。
○事務局
事務局でございます。最後でございますが、資料4-1及び4-2をごらんください。
来年度のためのURCの投票の様式でございます。今年度も3月末を目途に、次年度の分類改訂委員会に対して、URCに対してICD-10の一部改正の意見を提出、プラットフォームへの提供をしたいと考えております。その御協力の依頼でございます。
御意見提出の様式はメールにて送付いたしますので、締切は2月末として、当室にてまとめまして、菅野委員長と御相談の上、WHOに提出していきたいと考えております。
提出に際しましての御留意いただきたい点につきましては、特段の国内調整を必要とせず、また、国際的な議論にも十分たえられるエビデンスが準備でき、WHO内での合意形成が見込まれるもの、これは何となく出すなと言っているような感じはしますが、十分に根拠があってその提案をしていただきたいということでございます。
提出の意見につきましては、URCの事務局で精査を行い、5月の上旬には投票がオープンとなりますので、その後、プラットフォームを見て2回、6月末と8月末、今年は9月ちょっと過ぎぐらいまでに延びましたが、に行い、2回の全員一致で“yes”“no”となったものについては、そのまま可決、否決が決定されます。意見が分かれたものにつきましては、来年度、北京で行われる年次大会で議論を行って決定を行うという経過をたどるということでございます。
年次大会でも意見の一致が得られない場合、意見の提案者に翌年に再提案するか、提案を取り下げるかという選択が与えられますが、今回のように、再提出してくれという選択もございますので、やはり必要な分類については必要な意見を出していただくというのが重要かと思っております。
投票に関しましては、反対意見に対しては議論を闘わせなければならないところもございますし、必要に応じて意見等の御提出をいただいた専門委員、学会等の意見照会、あと追加情報の御協力をお願いすることもございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
年次会議において採択された案件につきましては、1月末までに一部改正の勧告としてWHOのホームページに掲載されることになっております。
事務局からは、当室宛てに決定された提案のリストが参りますので、今まで同様に、ICD専門委員、国際ワーキングの協力員、学会関係に情報提供することとしております。
以上でございます。
○菅野委員長
ありがとうございました。ちょっとフォーマットを整えていただいて、書きやすくしていただいたと。これも既に数年来定着しておりますので、一応ICD室を通してURCに上げていくというルートでございます。各学会が勝手に出さないようにということでございます。
そのほか、「今後の対応について」というところもございますけれども、4-2、その他について御説明はございますか。
○事務局
4-2でございます。改訂スケジュールにつきましては、今概要で御説明したように、2回のネット上での投票、あと10月下旬でのWHO-FICのURCにおける投票でございますので御確認いただきたいというところと、配付資料にWHOの意見提出についての改正プラットフォームのURLを載せておりますが、ちょっと長いので、大変申しわけありませんが、こちらをごらんいただきたいということ。これを受けまして、各学会から提出されていました意見のうち、特段の国内調整を必要とせずということはさっき言ったのと同じでございます。
一番重要な、期日でございますが、ICD室のほうにおきましては、ICD専門委員会からの提案を2月末までにとりまとめて、3月31日にプラットフォームへ掲載を行いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
あわせまして、次回のICDの委員会でございますが、3月に開催を予定しております。来年度早々には日程調整並びに意見提出の依頼をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○菅野委員長
それから、内科の対面会議ですけれども、前回も関連するところのTAGの先生方は傍聴していただいたり参加していただいたりしておりますが、それについても日程等お知らせいただけますでしょうか。
○事務局
内科TAGの対面会議につきましては、2013年2月6日(水)、7日(木)に、場所は国連大学のほうで予定しております。
協力の予定としては、内科学会、消化器病学会、腎臓学会、糖尿病学会、血液学会、日本呼吸器学会、小児科学会となっております。このほかにも含めて関連するところにつきましては、また御連絡差し上げつつ、御同席いただけるようにしたいと思っております。
○菅野委員長
ありがとうございました。情報をとるいい機会かと思いますので、ほかの学会であっても、ここに関わっていらっしゃる先生方は、厚労省のほうからも御連絡をしていただいて、お時間があれば来ていただければと思います。ちょっとした休憩時間等に情報をとることも可能でございますので、よろしいかと思います。
ほかにございませんでしたら、ちょうど時間でございますので、これで終えたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
<照会先>
統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係: | 03-5253-1111内線7493 |
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