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2012年6月25日 薬事・食品衛生審議会 生物由来技術部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年6月25日(月)14:00~


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○出席者

出席委員(10名):五十音順 

◎大 野 泰 雄、○神 田 忠 仁、 斎 藤   泉、 新 見 伸 吾、

 濱 岡 隆 文、 俣 野 哲 朗、 松 岡 厚 子、 森 川 裕 子、

 山 口 照 英、 横 田 恭 子

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(5名):五十音順 

 岡 野 栄 之、 鈴 木 邦 彦、 手 島 玲 子、 貫 和 敏 博、

 渡 邉   信

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 三 宅 真 二 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議題

1 遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確認について
詳細は資料へ

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会生物由来技術部会を開催いたします。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
 本日の委員の出席についてです。岡野委員、鈴木委員、手島委員、貫和委員、渡邉委員から御欠席との御連絡をいただいております。現在のところ、当部会委員数15名のうち10名の委員の御出席をいただいていますので、定足数に達していることを報告いたします。
 続いて、事務局に人事異動がありましたので、御報告します。矢守隆夫医薬品医療機器総合機構審査センター長が6月1日から着任しています。
○審査センター長 よろしくお願いします。
○審査管理課長 大野先生、以後の議事進行をよろしくお願いします。
○大野部会長 皆さん、お忙しい中集まっていただいて、どうもありがとうございます。審議を始めます。事務局から、配付資料の確認、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、報告をお願いします。
○事務局 資料の確認をします。本日席上に、議事次第、座席表、当部会委員名簿を配付しています。議事次第にある資料1-1~資料5-2、参考資料をあらかじめお送りしています。このほか資料6「専門委員リスト」、資料7「競合品目・競合企業リスト」を配付しています。また、当日配付資料として、資料8「諮問書」を配付しています。なお、配付した資料1-1についてですが、事前審査結果通知書の日付けに誤植がありました。正しくは6月15日ですので、この場で訂正させていただきます。そのほか資料に不足等がありましたら、事務局にお申し付けください。
 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告いたします。資料7です。アステラス製薬株式会社のASP0113、株式会社サタケ、日本製紙株式会社からのスギ花粉症治療薬イネですが、同様の薬剤はなく、また開発の予定もないということから、いずれも競合品目はなしとしています。
 続いて、各委員からの申出状況です。議題1のASP0113、議題2のスギ花粉症治療薬イネ、いずれも退室委員なし、議決に参加しない委員はなしです。以上です。
○大野部会長 審議及び報告にいきます。今日は審議事項が二つ、報告事項が二つです。順次審議を進めていきますので、よろしくお願いいたします。
 議題1「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確認について」です。まず、確認申請などの制度的なことについての説明をいただいてから、具体的な審議に入ります。事務局から説明をお願いします。
○事務局 参考資料1~8です。1ページから御覧ください。「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針について」ですが、以下「指針」と呼ばせていただきます。参考資料1の1ページ、指針の前文です。「遺伝子治療用医薬品は多種多様であり、ケース・バイ・ケースの原則で柔軟に対応するものである」という、考え方の大枠が述べられた上で、2ページ以降、左片に(別添)と記載していますが、指針の目的として、第1章第1に「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保のために必要な基本的な事項を定めるものである」とされています。
 2ページの第2章以降から、品質・安全性について明らかにするべき事項、確認するべき事項が述べられています。本指針に基づき、厚生労働大臣に対して、治験に用いる遺伝子治療用医薬品が指針の要件に適合しているのかの確認を求める行為が「確認申請」です。この「確認申請」では、申請者から提出された資料に基づいて、製造方法、品質管理の方法、安定性、非臨床における安全性などについて、医薬品医療機器総合機構で事前審査を行い、本部会で御審議いただき、最終的に厚生労働大臣が判断するという流れになっています。指針に適合することが確認された場合、薬事法に基づく治験がその後に実施されることになります。治験の結果を踏まえて、臨床的な有効性・安全性が評価される形になりますので、この指針に適合することが、直ちに医薬品としての製造販売承認に結び付くものではないところです。治験において、対象患者へ投与するにあたり、品質、安全性等は確保されているか、倫理的な面も考慮した上で確認することが主旨です。
 なお、確認申請では対象疾患を明らかにすることが求められていることから、確認申請資料に臨床試験のプロトコールの概要が含まれていますが、参考扱いということで、申請者は確認申請による確認を受けた後に治験を開始することができ、治験の実施に際しては治験届の提出等、通常の薬事法に基づく対応が行われることになります。その治験届の提出等、手続きの中でプロトコールの修正が行われる場合もあるので、御承知おきいただければと考えております。制度の概略については以上です。
○大野部会長 何か御質問はございますか。よろしいでしょうか。それでは議題1の品目について御審議していただきます。機構から説明をお願いいたします。
○機構 資料1-1、資料1-2がアステラス製薬株式会社から、□年□月に申請がなされた「ASP0113」に関するものです。機構における事前審査の結果をまとめたものが資料1-1ですので、適宜御参照いただければと思います。品目の概要と審査内容を要約して説明させていただきます。
 がん患者への造血細胞移植では、移植後の高度の免疫低下状態でのサイトメガロウイルス再活性化などにより、その重篤性から臨床上の問題となっておりますが、サイトメガロウイルス感染症を予防するためのワクチンは存在しておりませんで、現時点では抗ウイルス剤の投与による治療が標準的な治療法となっております。
 本品目は、サイトメガロウイルスの2種類の抗原遺伝子をコードした2種類のプラスミドを含むプラスミドDNAワクチン、2価のワクチンとなっておりまして、プラスミドDNA、ブロック共重合体であるポロキサマー、陽イオン界面活性剤である塩化ベンザルコニウムの3者からなる複合体として、筋肉内に投与されるものとなっています。
 投与部位において、サイトメガロウイルス抗原タンパク質が発現し、抗原特異的な免疫を獲得・増強させることで、結果としてサイトメガロウイルスの再活性化抑制効果や再活性化後の感染症の重症化防止の効果をもたらすことを目指しております。
 本剤は海外での開発が先行しておりまして、既に米国では健康成人を対象とした第I相試験、サイトメガロウイルス抗体陽性の造血細胞移植レシピエント及びドナーを対象とした第II相試験が実施されております。第I相試験では44名に投与され、重篤な有害事象は認められていません。第II相試験では108名に投与され、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□はなかったとされています。これらの結果を踏まえ、今後日本人での□□□を確認するための治験の実施が予定されております。本品目の専門委員には、配付資料6の5名の委員を指名しています。
 本品目の製造方法に関しては、大腸菌のセルバンクは適切に管理されていまして、製造に使用される生物由来の原材料はすべて生物由来原料基準に適合することが確認されております。規格及び試験方法については、プラスミド、ポロキサマー、塩化ベンザルコニウムについて、それぞれ適切に規格設定がなされており、複合体の特性に関しては今後の臨床試験及び製造実績を踏まえて、さらなる検討が今後必要になる部分もあるかとは考えていますが、治験の開始に際しては特段の問題は認められないと考えています。
 本剤の安定性に関しては、製剤は-30℃±10℃で3年間安定であることが示されています。本邦の治験においては□□□で保存することとされており、治験までにさらなる安定性試験成績を取得することとなっております。
 非臨床安全性については、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□及び□□□□の各項目について検討されています。これらの検討結果や本品が非ウイルスベクターを用いたプラスミドDNAであるということ、サイトメガロウイルスに対する免疫を賦与する目的で使用されること、海外臨床試験成績などを含めた申請者の考察を踏まえると、治験の開始に際して特段の問題はないと考えております。
 そのほか、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□について議論を行いましたが、用法・用量、被験者の選択も含め、治験実施体制の管理が適切になされることを踏まえると、指針適合性の判断に特に影響を及ぼすものとは考えられませんでした。
 また、効力を裏付ける試験では、マウスにおいて免疫を誘導した結果が示されています。体内動態については、□□□に本剤を□□□投与したときの□□□□□□□が評価されていまして、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□となっています。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□されておりますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ことが別途確認されております。□□□□□□については、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□が考察されております。なお、□□□、□□□を用いた毒性試験における所見では、□□などへの影響は認められておりません。機構の専門協議においても、品質及び安全性に関して、特段の問題はないとの機構の判断について、委員から同意をいただいております。
 また、本品目は疾病の治療を目的としたものではなく、感染症の発症予防に用いるものであることから、指針にて対象とされる「生命を脅かす疾患など」に該当するかという点についても専門協議で議論を行いまして、対象とすることに問題はないという機構の判断を御支持いただきました。以上を総合しまして、機構は提出された資料や回答から、本邦での臨床試験の開始に際し、本品目の一定の品質及び安全性は確保されていると判断をしております。確認申請の概要及び事前審査の結果については以上です。
 なお、事前に部会委員からコメントを頂戴しておりますので、御紹介いたします。新見委員から、申請書の記載について、整備などを含めた御意見を頂戴しております。個別に御紹介することは控えさせていただきますが、いただいた指摘事項については、最終的に事務局で責任をもって申請書の整備をさせていただくことを考えております。新見委員から補足がありましたらお願いいたします。
○大野部会長 いかがでしょうか。補足等はございませんか。よろしいでしょうか。
○機構 もう1点、山口委員から、DNAワクチンと確認申請に関するコメントを頂戴していますので、御紹介させていただきます。「本申請は、がん患者の造血細胞移植で、移植後の免疫低下状態でのサイトメガロウイルス感染に対する予防を目的とする製品であり、遺伝子治療用医薬品指針の、ほかに有用な治療法がない重篤な疾患に該当すると思います。一方で、遺伝子治療用医薬品指針の対象範囲としては、疾患の治療などとされています。指針の策定当時は、予防用DNAワクチンが該当するか不明確なままでありました。今回の申請で指針の範囲に該当しないと考えているわけではなく、むしろ今後も予防用ワクチンが本指針の範囲に含まれることを確認させていただければと思います」とのコメントをいただいております。山口委員から補足などがありましたらお願いいたします。
○山口委員 アステラス製薬が海外でやっている試験は、FDAでは遺伝子治療ではなく、普通の治験としてやられていると思います。FDAは予防用ワクチンに関しては遺伝子治療に含めていないと思います。もう一つは、国内の遺伝子治療臨床研究は、今までの指針の中では予防用については含まれていなかったのですが、遺伝子治療薬の方は「等」で読もうと思えば読めます。ただし、その辺が曖昧だったので、確認申請で予防用ワクチンも含めることを確認させていただいた方がいいのではないか。
 もう一つは、これが将来、造血幹細胞移植ではなくて、アメリカでやられているような治験を行うときにも、その場合は一般の健常者に打つので、倫理的な問題を考えなければいけない。その辺は追加の議論が必要なのかもしれません。
○大野部会長 ありがとうございました。先生方から御意見を伺います。補足でも結構ですが、いかがでしょうか。
○山口委員 先ほどの私のコメントについて、審査管理課は今、どう考えているかお考えをお伺いできればありがたいです。
○事務局 今の山口委員の御指摘に関してですが、疾病の予防を目的とするDNAワクチンについて、人への投与に当たって品質の確保、安全性の評価はなされるべきであるというのは同様であると考えています。現時点においては、指針における遺伝子治療の定義において読みにくいところもあるのですが、「疾病の治療等を目的として」と掲げていますので、予防も含まれると考えております。
○大野部会長 審査管理課の考え方としては、今回のようなものも遺伝子治療の範囲として確認申請の対象になるということですね。
○事務局 はい。
○大野部会長 神田先生は専門委員として関係したのですが、何かございますか。
○神田部会長代理 すごく細かいことで機構に質問が一つあります。大腸菌由来DNAの混入の検出方法として、サザンブロット法と書いてありますが、私たちの知っているサザンブロットというのはDNAを含む試料をゲルに流して、サイズで分画して、それをメンブレンに移してから検出するという技術です。そうすると、混入するDNAが一定のサイズを持つものだと期待されているのであれば、非常に適切な方法なのですが、フラグメントがいろいろなサイズのものが混ざってしまっている場合に、最初にゲルで分離するというのは、単に広がってしまってあまり具合がよくないのです。これは本当はどのようにやっているのでしょうか、スポットか何かで引いているのですか。
○機構 ゲルで分画しているかと。
○神田部会長代理 そうすると、混入しているのがさらに分散してしまうだけで、薄まってしまって、あっても見えないという気がしますが。
○機構 神田委員の御指摘のとおり、個別のバンドが決まっているようなものではありませんので、基本的には今回の目的とするバンドを除いた部分の染まった量を定量することによって、混入量を測っているものかと思います。その辺は資料中でははっきりと説明されていないことから、こちらで再度試験法を確認しまして、必要であれば資料に含めたいと考えています。
○神田部会長代理 具体的にはスポットか何かで引いて、1か所にまとめて、固定して、大腸菌のDNAだというようなことをやればいいのではないかと思うのですが。
○新見委員 ここで「サザンスロットブロット」と書いてあって、スロットブロットという場合は、そこに直接添加してやる、つまり電気泳動して分画するのではなくて、そのままメンブレンに付けて、トータルとして見ているとも記載からは伺えると思います。どちらにしても、コピー数が決められたコピー数との比較で何コピーあるというか、量が決まれば全体としては問題ないと思います。
○機構 資料は再度確認させていただきます。「サザン」と書いてあるので電気泳動をしているのではないかと我々は考えておりましたが、確認を踏まえて適切に修正させていただきます。ありがとうございました。
○神田部会長代理 もう一つですが、抗核抗体、抗二本鎖DNA抗体とか、検出できなかったということですが、これは方法と、否定しているので陽性対象か何かがないと議論できないと思うのですが、これは下の委員会でしっかりと見ているわけですね。
○機構 抗核抗体等については、診断薬等のキットが用いられていて、そちらでしっかり見ているのではないかと考えていますが、資料を再度確認させていただきます。
○神田部会長代理 大事なことなので、このメソッドと。ウエスタンブロットのデータぐらいはあるわけですから、付けた方がいいのではないかと思うのですが。
○機構 最終的には、実際に治験を始めるに当たってその辺りも手当てしていきたいと思います。
○斎藤委員 今の材料ですが、これはすべて外国の会社が最後の段階までこうなって、それを日本に持ってきてということですね。ですから日本では、今、神田先生からあったようなチェックというのは、必ずしもされていないということなのでしょうか。
○神田部会長代理 承認に当たって規格を決めなければいけないので、こういう検査をして、こういう規格で合格しないと使えないと。ですから、自分でやるかやらないかは置いておいて、規格は決めなければいけないのです。それで合否の判定をして、適格だから使うとなるのです。海外でOKだから、そのままOKとはいきません。
○斎藤委員 それはそうでしょうね。だけれども、日本でやれるかどうかプロセスを考えてあると。
○神田部会長代理 別にやらなくてもいいので、どのような試験をしてネガティブだったかという情報を、我々がOKというとこれで終わってしまうので、キーになるものに関しては知りたいと思いました。それだけです。
○斎藤委員 もう一つは、これは先ほども出た議論ですが、予防用を含めるかというのは私は基本的に悪くないとは思うのですが、治療と予防というのは、例えば治療は動物実験なりで、がんでいえば腫瘍が縮小したとか、わりとはっきりした結果が出ると思うのです。ところが予防というのは、動物実験などで、どこまでいったらいいのか。この文章でも、「発現頻度の低下及び発現期間の短縮が示唆されている」とありまして、どこまでを予防だと線を引くかということはあるのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○大野部会長 山口先生、お願いします。
○山口委員 遺伝子治療の研究の方もそうなのですが、治療といった場合は病気になっている人を治癒すると。要するに予防用の場合には、健常人に将来疾患になることを予防するための治療です。例えばインフルエンザをDNAワクチンで打った場合でも、当然予防用ワクチンになるとは思います。ですから、健常人か疾患をもっている人かというのが線引きかと思っております。そういう意味で、FDAは先ほど申しましたように、予防用については遺伝子治療に入れていない。EMAは明確にはいっていませんが、額面上は予防治療は入れていないのですが、ICHのEMAの代表の方は、一応入れる方の考えでいっているとはおっしゃっていました。
○斎藤委員 どこに線を引くのか、その線の引き方が甘いと、すごくたくさんの製剤が次々に広がってしまう。本当に効果があるのかというものまで、次々と出てしまうことがないだろうかと思ったのです。ただ、山口先生がおっしゃるように、例えばワクチンを承認するときに、正にそういうプロセスがあるわけですから、それに則ってやるということでよろしいのではないでしょうか。
○山口委員 斎藤先生がおっしゃるように、ワクチンの判断ですが、確認申請のときの有効性の判断をどのようにやるかというのは、別に治験申請のところで審議する話ですので、参考になる程度には議論はするのですが、有効性をどう判断するかはまた別の場で議論する話かと思います。
○大野部会長 人でやれば、当然抗体ができるかどうかということで判断できると思いますが、人にやる前の問題ですから、in vitroでそういう作用が認められるかどうか、動物実験で抗体ができるかどうか、それで判断するより仕方がないのかと読んでいたのですが。
○山口委員 先ほどのマウスの実験でそういうデータは出ているのですが、場合によっては抗体産生だけではなくて、チャレンジテストのようなケースもあるかもしれません。今回は抗体の産生だけで見ているようには思いましたが。
○俣野委員 直接関係ないのですが、参考までにお話しますと、HIVの分野では、治療ワクチンと予防の線引きは、感染をしているかしていないかのところになります。したがって、HIVに感染して、エイズを発症しているかどうかではなくて、感染して発症していない方に、エイズ発症を予防する目的のものを治療ワクチンと。
○大野部会長 それも治療ワクチンと言うのですか。
○俣野委員 HIVの場合は、それが治療ワクチンという定義になっています。
○大野部会長 そうですか。ありがとうございます。
○森川委員 根本的な質問になってしまうかもしれませんが、この申請は免疫抑制をかけておいた方にグラフトをして、そうした方がCMVを発症しないようにという形を目的として、DNAワクチンで予防するということだと思うのですが、免疫抑制をもともとかけた方にDNAワクチンを使って免疫力で対抗するというのは、ある意味難しい部分があると思うのです。そういう状況で、既存のガンシクロビルという治療よりもいいだろうと、遺伝子治療として判断されるという点と、そういうものというのは、免疫力というのは投与するステージによって回復されていたりすると思うのですが、その辺は治験のプロトコルに関係してくるところだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○機構 御指摘の点は、我々も開発コンセプトという意味で気になり確認しております。基本的にはおっしゃるとおりプロトコルによるところがあるのですが、患者として□□□□□□□□□□□□に対して、□□□□□□□□□□から本剤を投与いたします。それによって、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□によって予防の効果が期待できるというコンセプトになっているかと思います。
○森川委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というようなことを書かれていたのですが、それは、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□はあるのですか。
○機構 □□□□□□□□□□□ということですか。
○森川委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□ということが書かれていたように思うのですが。
○機構 プロトコルとしては□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□投与していきますので、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□とプロトコル上はなっております。
○森川委員 それは□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□という感じなのですか。
○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ということになっていくと思います。
○俣野委員 今のことに関連してです。今おっしゃっていたプロトコルというか、適用というか、そのことはきちんと記載してありますか。つまり、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ということについて、分からなかったのですが。
○機構 別紙10にプロトコルの概略が掲載されていまして、今回□□□□□□□については9ページから、□□□相と挙げられている試験は14ページから記載があります。9ページの方は中程の辺りに□□□□、14ページの方は中程より少し下に□□□□□□□が書いてあります。□□□というのは、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ということです。□□□□□□□□□□□□となっています。
○大野部会長 □□□□は私も誤解していたところがありました。□□□□□□□□□□のかと思っていたのですが、違う場合もあるわけですね。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ということですか。
○機構 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□でプロトコルの案は示されています。
○大野部会長 わかりました。私から質問ですが、今回の報告書を読ませていただいて思ったのは、アメリカで、すでに人を試験しているので、安全性の面についてはかなり安心していいかと思って読んでいました。日本ではFirst in Humanでどんどんやって、新しい薬を開発してほしいという状況、そういう国策のようになっているのですが、もしこれをFirst in Humanだったら、臨床試験の結果がないとしたら、非臨床試験の結果はこれで十分と考えてよろしいのでしょうか。
○機構 御指摘のとおり、本品目については海外での臨床試験成績等も踏まえて、これから本邦で実施される臨床試験の安全性は担保されていると考えました。ただし、First in Humanであった場合に非臨床試験が十分かということについては、調査報告書の11ページにも書かせていただきましたとおり、非臨床試験では□□□□が□□であるのに対して、今回予定されている臨床試験での□□□□は□□であり、臨床試験での□□□□の方が非臨床試験での□□□□□□□□点が問題になると思います。DNAワクチンについては、本邦では該当するガイドラインはありませんが、感染症予防ワクチン等の非臨床ガイドラインを参考にしますと、非臨床試験での□□□□は、原則として臨床試験での□□□□□□□□□は必要とされていますので、本邦で予定されている臨床試験がFirst in Humanであった場合には、非臨床試験での□□□□□□□□□□□と考えますが、初めに申しましたとおり、本品目につきましては、海外での臨床試験成績や、非臨床試験で□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□が実施されることを踏まえ、本邦で実施される臨床試験の安全性に特段の問題はないと考えました。
○大野部会長 そういう意味では、非臨床で□□やっていると。臨床試験は3回でやるとなったら、問題はないと判断されるわけですか。
○機構 □□□□については、お考えのとおりです。
○大野部会長 こういう遺伝子治療的な形で菌体を作って、免疫原性を高めるということですが、菌体そのものを打ってもいいのではないかと思ったのですが、サイトメガロウイルスの。そちらの方が簡単なのかと思って、素人的にはなぜこういうことをやるのだろうかと思ったのですが。こういうやり方の方が原理的に適切なのだということはあるのでしょうか。
○機構 御指摘のとおり、ワクチンについては不活化ワクチン、生ワクチン、今回のようなDNAワクチンと、様々です。基本的にこの患者は免疫低下状態に置かれることが想定されていますので、まず、生のウイルスをワクチンとして投与することは不適切であって、一方、不活化したウイルス、あるいはタンパクを抽出してきて投与する方法も考えられるのですが、サイトメガロウイルス感染症の重症化予防に関しては、液性免疫と細胞性免疫があるうちの細胞性免疫の関与が重要であろうと言われている報告があり、タンパク性のワクチンを投与した場合には、細胞性免疫の活性化があまり引き起こされないとの報告もあります。今回のようなDNAワクチンという形で、細胞の中でタンパクを発現させるという機序が、細胞性免疫をも活性化し得るというコンセプトで、メーカーは開発しています。
○大野部会長 ありがとうございます。先生方からほかに御意見はございますか。
○山口委員 先ほど、DNAワクチンが指針の中で読み込めるという話だったのですが、議事録が公開されるということは、その部分も公開されると考えてよろしいのでしょうか。要するに聞きたいのは、審査管理課のコメントが公開されますかということです。
○事務局 通常ですと少しお時間をいただいて、委員の先生方の御発言の部分を確認し、かつ企業にも確認をいただいた上で、通常の議事録公開のスキームに乗る形になります。
○大野部会長 私が気にしていたのは、こういうものが広く開発されるようになったときに、それが全部遺伝子治療という形でその枠組みに入って、一般的なものよりも審査が厳しくなると開発に支障を来さないかと。そういうことは大丈夫なのでしょうか。
○山口委員 ただ、考え方によっては、アンジェスが開発したHGFのプラスミドも、品質、安全性的には同じだと思うのです。バイオディストリビューションもわりと近いディストリビューションをしますし。そういう意味では、遺伝子治療に振り分けるかどうかというのは本当は別問題だと思うのですが、同じ基準を適用するべきだとは思います。
○大野部会長 よろしいでしょうか。いろいろ先生方からコメントをいただいて、基の資料を見直すというところがありましたが、このものについての機構の審査の結果については、了承するということでよろしいでしょうか。この品質、安全性について確認されたとさせていただきます。薬事分科会に報告ということになります。
 議題2「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等の拡散防止措置の確認について」です。スギ花粉症治療薬イネについての御審議です。これについても、最初に事務局から制度面についての御説明をいただきます。
○事務局 参考資料4、概要について33ページを御覧ください。カルタヘナ法は、正式名称は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」ですが、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講じることにより、生物の多様性の確保を目的として平成15年に制定された法律です。
 上から三つ目の囲みに、「遺伝子組換え生物等の使用等に係る措置」がありますが、この法律では、遺伝子組換え生物の使用に先立ち、生物多様性影響を防止するための措置を取ることが定められており、使用形態に応じて「第1種使用等」と、「第2種使用等」に分類されております。第1種使用等ですが、環境中への拡散を防止しないで行われる、いわゆる開放系での使用等のことで、こちらは開発者は事前に使用規程を定め、生物多様性影響評価書を添付した上で、厚生労働大臣及び環境大臣の「承認」を受ける義務があります。
 一方、第2種使用等ですが、こちらは環境中への放出を予防しつつ行う、いわゆる閉鎖系での使用等のことでして、今回の審議品目が該当します。この場合には、開発者はその使用等に際して拡散防止措置を取る義務があり、省令等で拡散防止措置が定められていない場合については、あらかじめ厚生労働大臣の確認を得る必要があります。
 続いて、今回の審議品目について、申請の背景や位置付けを簡単に御説明します。カルタヘナ法においては、研究開発と産業利用では、所管する大臣が異なっているところですが、医薬品としての製造販売承認取得を目的としている場合には、一般に治験薬を製造する段階から、産業利用という位置付けで、治験薬製造前に厚生労働大臣の承認または確認を受けなければならないとされております。なお、今回の審議品目については、昨年、研究開発における第1種使用等に関し、文部科学大臣及び環境大臣より承認を得ており、既に隔離ほ場、また限定的な開放系での栽培が行われているものですが、今回は医薬品の製造販売承認取得を目的とした産業利用ということで、厚生労働大臣に対して第2種使用等の確認を申請されたものです。
 また、申請の品目で、スギ花粉症治療薬イネとありますが、名称については、当該組換え生物を特定することができる名称であれば差し支えないとされていることから、あくまでも現段階で特定するための名称とされています。
 整理しますと、今回御審議いただくのは、治験薬の製造に当たって本遺伝子治療組換え生物を使用する等の際の拡散防止措置として申請された内容が適切であるかどうかという点です。よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ただ今の説明について、御質問はありますか。よろしいですか。それでは機構から議題2の品目について説明をお願いします。
○機構 本審議品目は、スギ花粉を発現する遺伝子組換えイネの第2種使用等に関する申請です。日本製紙株式会社及び株式会社サタケの2社から申請されておりまして、資料2-1、資料2-2が日本製紙株式会社のもの、資料3-1、資料3-2が株式会社サタケの関係です。資料2-1と資料3-1が、機構が作成した事前審査結果通知書です。資料2-2、資料3-2が、それぞれ申請書となっていますので、適宜御参照ください。二つの申請は、同一の遺伝子組換え植物に関するものなので、第2種使用等をする場所が違うということですので、まとめて御説明させていただきます。
 まず品目の概要です。本品目の専門委員には、資料6の7名の委員を御指名しています。本遺伝子組換え生物は、イネのコシヒカリ系統を宿主として、スギ花粉抗原として知られているCryj1タンパク質を断片化させて、イネ種子貯蔵タンパク質であるグルテリン断片と融合させたもの、同じくスギ花粉抗原として知られているCryj2タンパク質を断片化させて、順序を入れ替えて結合したものを、それぞれ発現するように遺伝子改変を行ったものです。
 構築方法の詳細については省略させていただきますが、イネ種子胚盤由来のカルスにアグロバクテリウム法により目的の遺伝子を導入して、植物体を分化させ、それを掛け合わせることによって純系統を得ております。
 宿主のイネは、性質がよく解析されていまして、病原性や寄生性はありません。また、日本では交雑可能な近縁野性種が自生しているという報告はないため、本遺伝子組換え生物が自然環境下において、近縁野性種と交雑する可能性は非常に低いと考えられます。供与核酸は全塩基配列が明らかにされておりまして、既知の有害塩基配列は存在しないと考えられます。本遺伝子組換え生物は導入された遺伝子の発現を行うほかは、宿主と同様の性質を有しています。なお、除草剤耐性遺伝子が導入されていますが、カルス特異的プロモーターで発現制御されているため、分化した個体及び再分化した個体レベルでは、除草剤耐性は発現していないと考えられております。
 本遺伝子組換え生物の栽培から玄米に仕上げるまでが日本製紙株式会社で行われ、取り扱い注意を要する旨を表示した密閉容器に入れられた状態で、精米施設である株式会社サタケに送付されます。花粉及び種子を含めた本遺伝子組換え生物の外部への飛散漏出を防止するため、本遺伝子組換え生物の栽培は周囲に網をめぐらせた建屋の中で行われまして、イネの花が開く開花時期においては、花粉が漏れないように、栽培棟の壁面及び天井の窓を閉鎖し、高性能フィルターによって換気が行われます。開花期以外は栽培棟の窓を開放して、換気が行われますが、窓には虫等の侵入を防止するための目の細かい網が設置されております。なお、脱穀等、玄米の調製は栽培棟に隣設した組換え体取り扱い区域で行われます。精米施設でも作業区域が特定されておりまして、飛散防止措置が施されるとともに、非組換えの米との交叉・混合が起こらないように、製造の全工程及び機械の清掃等の管理が行われるとされております。遺伝子組換え生物を含む可能性のある廃棄物及び廃液は高圧蒸気滅菌処理により不活化された後、外部に搬出されます。
 機構における専門協議では、大きく2点について協議を行いました。それは、本遺伝子組換え生物について、さらに明らかにするべき特性があるかという点と、拡散防止措置として適切かという点です。
 専門協議の結果、第2種使用等に当たって、事前に追加で評価するべき事項はないが、供与核酸の断片化配列から新たなタンパク質が発現する可能性については、引き続き検討を行ってほしい旨を申請者に指摘することとしまして、拡散防止措置については、主に栽培から収穫、脱穀に至るまでの作業、並びに収穫後から次の栽培への準備作業に関する具体的な手順等の内容を確認しまして、適切に申請書に反映させることが必要とされました。機構では、これらを踏まえ申請者に指導を行い、申請書の整備、改定等が行われております。
 以上を踏まえまして、機構は遺伝子組換え植物の第2種使用等に当たり、申請者より示された拡散防止措置を執ることは適切であると判断をしております。申請の概要及び事前審査の結果については以上です。
 事前に部会委員からコメントをいただいていますので、紹介させていただきます。新見委員から申請書の記載について、整備等に関する御意見を頂戴しております。個別に紹介することは控えさせていただきますが、いただいた指摘事項については、最終的に事務局で責任をもって、申請書の整備をさせていただくことを考えています。
○大野部会長 新見委員、それでよろしいですか。
○新見委員 はい。
○機構 事前にいただきましたコメントにつきましては以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○大野部会長 今回はこの品目については、できるものの安全性、有効性、品質といったものを検討するものではないと。先ほど御説明がありましたように、主に拡散防止措置の適切性が認められるかどうかについての御審議ということですね。
○機構 はい。
○大野部会長 先生方、いかがでしょうか。
○神田部会長代理 文部科学省ではどういう判断だったのですか。開発段階は文科省ですね。
○機構 研究の分野では文科省になっていまして、すでに第1種使用が行われているところです。そちらでは、学識経験者の意見を踏まえた上でございます。
○神田部会長代理 文科省ではP1Pですか、あるいはP2Pですか。
○機構 第1種使用でございますので。
○神田部会長代理 文科省は第1種でやったのですか。
○機構 第1種です。つくばの隔離ほ場で栽培されています。
○神田部会長代理 それを今回は、こちらには第2種で上げてきたということですか。
○機構 御指摘のとおりです。
○神田部会長代理 それは、こちらの方が栽培するスケールが圧倒的に大きいのですか。
○機構 スケール的には、こちらの方がむしろ小さいぐらいです。
○神田部会長代理 もともと第1種で使えていたものを、何で第2種に申請してきたのですか。
○機構 その理由については明確には示されていないのですが、第1種使用となると季節的な変動も大きく、年に収穫できる回数が限られるということもありますが、今回の植物工場は年間3回ぐらいの栽培も可能ということです。また、第1種使用を行うに当たっては手続等が複雑なところもありますので、第2種使用を選んだということも考えられるかと思います。
○神田部会長代理 問題があったわけではないのですね。
○機構 つくばでは交雑の検討等をしておりまして、その結果についてはホームページで公表されており、特段問題なかったという旨が記載されていました。
○大野部会長 ほかにございますか。言葉の意味が分からないので教えてほしいのですが、資料2-1の下から4行目~3行目までがよく理解できなかったのですが、「カルス特異的プロモーターで発現調節されているため、分化した個体及び再分化した個体レベルでは除草剤耐性はないと考えられる」、ここが勉強不足で、どうしてこういう論理になるのかが分からなかったのですが、教えていただけますか。
○機構 本遺伝子組換えイネのゲノムを見た場合には、除草剤耐性遺伝子であるところのmALSが導入されております。ただし、そのプロモーターはカルス特異的なプロモーターを使っております。通常植物体まで分化した場合、例えば米になった場合につきましては、その除草剤遺伝子が発現していないと考えられますので、植物体を見た場合も除草剤耐性はないだろうということです。
○大野部会長 そういうことですか。もともと除草剤耐性の遺伝子が組み込んであったということなわけですね。分かりました。
○斎藤委員 今の件は、除草剤が効いているのか効いていないのか、実際に実験できるはずですね。その実験というのはされているのですか。というのは、「特異的プロモーター」と言っても、そんなにきれいに効くわけではないので。
○機構 今回用いたプロモーターの特性については、別紙4の14ページ付近にあります。基本的にはカルスのみで発現しているとされております。御指摘のとおり、除草剤耐性の形質を持っているかということは、除草剤をかけて枯れるかどうかで確認できるだろうと我々も考え、専門協議で議論したのですが、枯れる枯れないでクリアに見えるものでもなく、実際に試験を組むと難しいのかもしれないという話がありました。今回は第2種使用等ということもありますので、基本的には野外に植えるものでもないので、今後の検討課題ということで考えております。
○大野部会長 よろしいでしょうか。ほかに先生方から、御質問、コメントはございますでしょうか。それでは、議題2について、この品目についてカルタヘナ法第13条に基づく第2種使用等に関する拡散防止措置として、適切な拡散防止措置が図られていることを確認したということにさせていただいてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。日本製紙とサタケのものを両方認めていただいたといしまして、薬事分科会に報告させていただきます。以上で審議事項に関しては終了です。
 次は報告事項です。「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確認事項の一部変更」です。機構から説明をお願いいたします。
○機構 機構から御説明いたします。遺伝子治療用医薬品として開発される薬剤については、「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針」への適合性を確認した後、確認事項の一部変更が生じた場合には、薬事分科会の規程に従い、本部会に報告することとされております。今般、指針への適合性の確認をすでに取得した品目について、新たな対象疾患の開発に着手するに当たり確認申請がなされたということから、確認事項の一部変更として御報告させていただくものです。
 最初の審議事項1でも御説明しましたとおり、指針に適合することが確認された後、薬事法に基づく治験において臨床的な有効性及び安全性を評価することになります。確認事項の変更を了解することが、直ちに当該効能に対する製造販売承認に結び付くものではありませんし、実施される治験プロトコルの確認を行うものでもありません。あくまでも、対象とする疾患の患者への投与に当たって、品質、安全性、倫理面での指針への適合性を確認することが趣旨ということになっております。
 資料4を御覧ください。機構における事前審査の結果をまとめたものです。本品目はヒトHGF遺伝子を含むプラスミドを有効成分とする薬剤で、以前閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病を対象疾患として、アンジェスMG株式会社から指針への適合性に関する確認申請が行われ、本部会での御審議を経て、平成15年9月に確認を取得しているものです。当該疾患に対する開発は現在も継続されていますが、今般、申請者が「原発性リンパ浮腫」を対象疾患とする開発に着手することとしたため、本年2月に確認申請に至っております。
 原発性リンパ浮腫については、厚生労働省の科学研究費補助金研究事業において実態調査や治療指針が作成され始めている疾患で、まだまだ不明な点が多い疾患です。原発性リンパ浮腫自体は一般に生命予後に影響しないと言われていますが、進行した場合、身体の機能を損うとされております。
 本邦において、リンパ浮腫を適用として承認を取得している医薬品は存在せず、外科的なリンパ管再建手術等にも限界があるという現状におきまして、リンパ浮腫のある下肢筋肉内に本剤を投与して、HGFタンパク質を発現させることにより、リンパ管の欠損部位に新規にリンパ管を構築して、リンパ流の回復及び浮腫の改善を図るという、新たな作用機序による治療効果を期待するものです。HGFのリンパ管新生作用については、リンパ管内皮細胞にHGF受容体であるc-Metが存在すること、HGFがin vitro及びin vivoでリンパ管新生作用を有すること等の報告がなされております。
 本剤は、既に閉塞性動脈硬化症等の患者に対して、臨床試験において国内外合計約180例に投与されているもので、前回の確認以降、品質面での大きな変更はありません。また、非臨床安全性試験については、前回の確認時から追加されている資料はありません。また、効力を裏付ける試験として、ラットのリンパ浮腫モデルを用いた試験結果が示されています。機構において専門協議を実施し、対象疾患の妥当性等について協議をした上で、対象疾患の変更は指針への適合性に影響を及ぼさないと判断をしております。
 報告は以上ですが、本報告事項について部会委員からコメントをいただいております。山口委員からコメントをいただいております。「本製品は、既に閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病を対象疾患として厚生労働大臣の確認を受けている製品です。今回の申請は、対象疾患が原発性リンパ浮腫とされていますが、確認申請の目的は、品質及び安全性の確認であり、治験のデザインは含まれません。したがって、今回のような対象疾患は異なるものの、投与部位までほぼ同一の疾患について、今後どのような取り扱いにすべきか、特に確認申請の要否について確認させていただければと思います」という御意見をいただいております。この点について、山口委員より補足等がありましたらお願いいたします。
○山口委員 読んでいただいたとおりなのですが、これは投与方法などが全く違ったり、例えば最初は頭蓋内投与であったものが前立腺投与になるという場合だとすると、少し考慮すべきものが違ってくると思うのですが、大腿かふくらはぎか、場合によるのですが、そういう所に打つというところもほとんど同様ですので、私としては、確認申請は一つの確認申請の中で読み込めるのではないかという意図です。その辺について、コメントをいただければありがたいということです。
○大野部会長 ただ今の山口先生の質問に関しては、いかがでしょうか。
○事務局 先ほど機構から御説明もさせていただいたところですが、今回、薬事分科会の規程に基づくところで、確認事項の一部変更という中で御報告させていただいたところですが、御意見いただいた内容を踏まえまして、今後どういった形がいいのかを検討させていただければと考えています。
○大野部会長 ほかの先生方から、ただ今の説明について御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今報告していただいた内容について、御確認いただいたことといたします。
 次の報告事項です。「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について」です。機構から説明をお願いいたします。
○機構 報告事項議題2、資料5-1「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品等の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について」御説明します。
 前回の生物由来技術部会での御報告以降、平成24年3月から本部会までの期間に、厚生労働大臣の第2種使用等の確認を行ったものを、次のページに表でまとめています。1~6まで全部で6件ありまして、いずれの遺伝子組換え生物についても、機構において専門委員との協議を行った結果、使用区分はGILSP相当であり、執られている拡散防止措置は適切であると判断したものです。資料5-1については以上です。
○大野部会長 先生方から御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。この報告事項2についても、先生方に確認していただいたということにいたします。
○事務局 資料5-2の報告を農林水産省の担当からさせていただきます。
○事務局 農林水産省です。動物用医薬品の関連で、第2種使用等に関する拡散防止措置の大臣確認を行いました品目について、御報告いたします。資料5-2です。2枚目の表の2品目について、本年2月7日に開催した、本部会の傘下の動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会で御審議いただき、本年4月25日付け、もしくは今月14日付けで、農林水産大臣が確認を行っております。一つ目が、遺伝子組換え生ワクチン、ニワトリ用の遺伝子組換え生ワクチンの閉鎖系での使用に関するものです。二つ目は、イヌ用の動物用医薬品の原材料になるタンパクを製造するものです。以上です。
○大野部会長 御質問、御意見はございますか。よろしいですか。それでは、資料5-2についても御確認いただいたことといたします。
 これで審議事項、報告事項は終了したしました。その他、事務局から何かございますか。
○事務局 次回の部会ですが、現時点では開催は未定ですが、また御審議いただく事項等が出てきましたら、改めて日程調整をさせていただいて、御連絡させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。先生方から追加で御発言はありますでしょうか。よろしいですか。それでは本日はこれで終了とさせていただきます。御協力ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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