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2012年11月6日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会及び薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会・伝達性海綿状脳症対策部会合同会議

医薬食品局食品安全部企画情報課

○日時

平成24年11月6日(火) 14:00~17:00


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第22会議室
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

大 野 泰 雄 大 前 和 幸 岸    玲 子
岸 田 一 男 栗 山 真理子 河 野 康 子 
徳 留 信 寛 西 内   岳 西 島 正 弘
毛 利 資 郎 山 内 明 子 山 本 茂 貴
若 林 敬 二

伝達性海綿状脳症対策部会員(敬称略)

甲 斐  諭 河 野 康 子  佐 多 徹 太 郎
堀 内 基 広 毛 利 資 郎 山 本 茂 貴

(事務局)

新村食品安全部長 高島大臣官房審議官 伊原企画情報課長
森口基準審査課長 滝本監視安全課長 道野輸入食品安全対策室長
温泉川食中毒被害情報管理室長 林課長補佐

○議題

1 議題
(1)BSE対策の再評価について
(2)食品中の農薬の残留基準設定について
(3)食品添加物の指定等について
(4)食品衛生分科会における利益相反について
2 報告事項
※)議題(1)については薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会・伝達性海綿状脳症対策部会合同会議、議題(2)以降については薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会として開催しました。

○議事

○林補佐 今、こちらに向かってお見えの先生もいらっしゃるようでございますけれども、定刻でございますので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会・伝達性海綿状脳症対策部会合同会議」を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ御参集いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本日の審議事項1のBSE対策の再評価については、分科会と伝達性海綿状脳症対策部会の合同開催とさせていただいております。
 まず、委員の辞職と、新たな委員の就任がございましたので、御報告いたします。
 伊藤雅俊委員が薬事・食品衛生審議会委員を辞任され、9月27日付で岸田一男委員が就任され、本分科会員に指名されました。どうぞよろしくお願いいたします。
○岸田委員 岸田です。よろしくお願いいたします。
○林補佐 次に、阿南久委員が辞任され、9月28日付で河野康子委員が就任され、本分科会員に指名されました。
○河野委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○林補佐 次に、事務局の異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 9月10日付で食品安全部長に新村和哉が着任いたしました。
○新村食品安全部長 よろしくお願いいたします。
○林補佐 同じく9月10日付で企画情報課長に伊原和人が着任いたしました。
○伊原企画情報課長 伊原でございます。よろしくお願いします。
○林補佐 また、本日は他の用務により欠席いたしておりますが、8月1日付で国際食品室長に鷲見学が着任いたしました。
 また、9月11日付で審議官に高島泉審議官が着任いたしました。
○高島審議官 高島です。よろしくお願いいたします。
○林補佐 それでは、本日の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、安藤委員、石川委員、大澤委員、春日委員、鈴木委員、寺本委員、渡邉委員、工藤委員から御欠席との連絡を頂いております。また、西島委員におかれましては、間もなくお見えになる予定と伺っております。
 現在の分科会員総数20名のうち、現時点で12名御出席いただいており、出席委員が過半数に達しております。また、現在の伝達性海綿状脳症対策部会員総数7名のうち、現時点で6名の御出席を頂いており、こちらも出席委員が過半数に達しております。よって、合同会議が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 それでは、開催に当たりまして、新村食品安全部長から御挨拶を申し上げます。
○新村食品安全部長 それでは、御挨拶申し上げます。委員の皆様方におかれましては、食品安全の確保のためにさまざまなお立場から御指導、御尽力を賜っておりますことを、まず厚く御礼申し上げます。
 さて、食品の安全につきましては、東京電力福島第1原子力発電所事故の影響や、腸管出血性大腸菌による食中毒事件などを背景としまして、国民の関心が高まっているところでございます。厚生労働省といたしましても、委員の先生方に貴重な御意見を頂きながら各政策を行っているところでございます。
 原発事故に関しましては、放射性物質の年間の許容線量につきまして、従来の5mSvから1mSvに引き下げた新基準値を実施してから半年以上が経過しております。全体としては、基準値を下回るものがほとんどですけれども、一部の食品では出荷制限の対象となっております。引き続き注視していきたいと考えております。
 また、牛のレバーにつきましては、前回の分科会で御審議いただきまして、有効な予防対策に関する知見が得られるまでの間の措置として、7月から生食用としての販売を禁止いたしたところでございます。その後、豚レバーを生食用に提供している飲食店があるとの報道があったことを受けまして、生食の危険性について周知し、関係事業者に対して必要な加熱を行うよう指導するよう、自治体に対して要請いたしております。
 さらに、本日御報告いたしますけれども、8月には札幌市を中心に発生した浅漬による食中毒事件を受けまして、原材料の低温管理や殺菌の実施などを内容とする漬物の衛生規範の改正を行っております。
 厚生労働省といたしましては、国民の健康の保護を図るため、従来から科学的知見に基づいて、こういった課題に取り組んできたところです。今後とも消費者庁食品安全委員会や農林水産省など関係行政機関と連携しながら、食品安全行政の一層の推進に鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層の御理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 さて、本日前半は、食品衛生分科会と伝達性海綿状脳症対策部会の合同会議として、BSE対策につきまして、去る10月22日に食品安全委員会から示された評価結果を受けて、今後の対策の見直しについて御議論いただくこととしております。後半は、食品衛生分科会として、食品添加物の指定等を御議論いただくこととしております。委員の先生方におかれましては、忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○林補佐 本日の議題につきましては、お手元の議事次第にございますように、まず合同部会として、?BSE対策の再評価について御審議いただきます。その後、休憩を挟んで、食品衛生分科会として、?食品添加物の指定等について、?食品中の農薬の残留基準設定について、?食品衛生分科会における利益相反規定について御審議を頂き、その後、事務局から何点か御報告を申し上げます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 食品衛生分科会員及び伝達性海綿状脳症対策部会員の皆様に、議事次第、座席表に続いて、資料1-1、審議事項に関する資料(BSE対策の再評価)についてという資料をお配りいたしております。また、脇のほうに、委員の方々への机上配付資料として、参考資料1-1-1、1-1-2、1-1-3をお配りいたしております。
 続いて、食品衛生分科会員の皆様に、資料1-2、審議事項に関する資料として、?、?、?の資料をお配りしております。なお、その次に資料1-2の1ページの差し替えになります、亜塩素酸水についての修正版の1枚紙を置いております。
 続いて、資料2、報告品目に関する資料。
 資料3、文書による報告品目等に関する資料。
 資料4、報告事項に関する資料を置いております。
 さらに、委員の方々への机上配付資料として、農薬・動物用医薬品資料の記載についての参考資料、浅漬に関するリーフレットを置かさせていただいています。
 また、机上に参考資料1~3、4~5の厚い青色のハードファイル2冊及び分科会の基礎資料のハードファイルをお配りいたしております。
 資料の不足・落丁等がございましたら事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。
 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、報道関係者の方は御協力をお願いいたします。
 以後の進行につきましては、岸分科会長にお願いいたします。
○岸分科会長 それでは、BSE対策の再評価につきまして審議を行います。
 最初に、事務局から御説明をお願いいたします。
○道野室長 それでは、資料1-1に基づきまして御説明いたします。
 本件の諮問の経緯につきましては、昨年10月31日に当分科会、それから12月9日に伝達性海綿状脳症部会においても説明いたしたところです。BSE対策を開始して10年を経過したということから、過去10年間の取組、国際的な状況等を踏まえて、国内の検査体制、輸入条件といったBSE対策全般について、最新の科学的知見に基づき再評価を行うということで、昨年12月19日に厚生労働大臣から食品安全委員会に対して食品健康影響評価を諮問いたしました。
 報道でも御承知だと思いますが、本年10月22日に食品安全委員会から評価結果が答申されました。これを受けまして、今後のリスク管理と対策の見直しにつきまして方針を御報告いたします。
 あわせて、牛のせき柱に関する措置について検討するに当たり、これは食品衛生法の告示で定める基準ということですので、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会長あてに11月2日付で諮問いたしました。
 食品健康影響評価の概要の前に、諮問の内容について若干御説明いたしたいと思います。この資料の25ページに諮問内容が付いております。
 基本的には、諮問の趣旨ということで、具体的な内容は、この1、2、3でありまして、国内措置につきましては、検査対象月齢を20カ月齢から30カ月齢に引き上げる。20カ月齢を超える牛から30カ月齢を超える牛に引き上げるということです。それから、特定危険部位、SRMの範囲につきましては、特に中枢神経系について、現在月齢要件を設けておりませんけれども、頭部、せき髄、せき柱につきまして、現行の全月齢から30カ月齢を超える月齢に変更した場合のリスクの比較ということです。
 国境措置につきましては、米国、カナダ、フランス、オランダにつきまして諮問いたしました。内容につきましては、現在、20カ月齢の月齢制限を設けています米国とカナダにつきましては、30カ月とした場合のリスクを比較。それから、SRMの範囲につきましては、頭部、せき髄、せき柱について、現行の全月齢から30カ月齢を超えた場合に変更した場合のリスクを比較。これは、国内と同じような考え方です。フランス、オランダにつきましては、現行は輸入禁止をしておりますので、30カ月齢とした場合の現状との比較ということを諮問しております。
 また、3番目といたしまして、国際的な基準を踏まえて、さらに月齢の規制閾値、具体的に言いますと、国内措置の場合には検査月齢、国境措置につきましては、輸入制限を設ける月齢を引き上げた場合のリスクを評価していただきたいというのが諮問内容です。
 今回、答申があったのは、1と2につきましてです。
 恐縮ですけれども、資料の1ページにお戻りいただきまして、答申の総論的な内容といたしましては、冒頭の5行のとおりでありますけれども、現行の飼料規制等のリスク管理措置を前提とし、BSEの感染状況とか感染リスク、それから牛と人の間の種間バリアの存在を踏まえると、評価対象は国内も含めて5カ国に関して、諮問対象月齢である30カ月齢以下の牛由来の牛肉、牛の内臓の摂取に由来するBSEプリオンによる人での変異型クロイツフェルト・ヤコブ病発症は考えがたいという結論です。
 先ほどの諮問の具体的な内容に即して申し上げますと、国内措置につきましては、検査対象月齢を、20カ月齢を超えるものから30カ月齢を超える場合のリスクの差は、あったとしても非常に小さく、人への健康影響は無視できるということであります。SRMにつきましても、同じ評価となっています。
 輸入措置につきましては、現行の20カ月齢以下と規制しているものを30カ月齢以下とした場合のリスクの差は、あったとしても非常に小さく、人への健康影響は無視できるというものです。フランス、オランダについては、輸入禁止から30カ月齢の場合のリスクの差ということになるわけです。
 それから、SRMの範囲につきましても、国内と同様、SRMに月齢要件を入れたとしても、リスクの差はあったとしても非常に小さく、人への健康影響は無視できるという内容です。
 この答申そのものにつきましては、机上配付の参考資料1-1-3があります。
 それから、答申の概要につきましては、この資料の6ページ目に1枚の説明紙として添付しています。
 次に、3番目のBSE対策の見直しの方向について、報告事項になりますけれども、具体的な今後の見直しの方針について御説明申し上げます。
 本評価結果に基づきまして、関係法令について、まず国内措置については幾つかの見直しを行います。
 1つ目が、と畜場法の施行規則。現行の特定部位である全月齢の頭部、せき髄、回腸遠位部につきましては、30カ月齢以下の頭部とせき髄を除外するという内容です。前段の舌と頬肉については、今でも特定部位から除外されております。それから、扁桃につきましては、月齢を問わず、引き続きSRMとして規制するため、後段の30カ月齢以下の頭部からは除外しているという内容であります。
 2ページですけれども、今後、BSE検査の対象となる牛の分別管理についての規定を追加していくということ。それから、30カ月齢以下の頭部、扁桃は除きますが、せき髄を食用に供する場合の分別管理や汚染防止の規定を追加するということです。さらに、特定部位と分別管理されていないその他の部分についても、焼却することといたします。また、月齢を確認するために、と畜検査の申請書に、牛トレーサビリティ法に基づく個体識別番号を記載することを求めることにしております。
 実際に、と畜場法の改正をした場合の現場での状況はどういうふうになるかにつきまして、机上配付資料の参考資料1-1-1、と畜場での牛の処理というものがありますので、御覧いただければと思います。
 あと、この資料の7ページ、と畜場での牛の処理の流れを見ていただきますと、牛を搬入して、とさつと書いていますけれども、気絶をさせて放血殺をするという流れです。その後、剥皮をして頭部を切除する。これは、と畜場によって順番が多少違うケースがありますけれども、基本的にはこういった流れと御理解いただければと思います。頭部を切除した後に内臓を摘出して、背割りということで枝肉の状態にしていくということで、最終的には枝肉の状態で冷蔵されるというのが一連のと畜解体の流れです。
 今、説明申し上げたような検査の月齢とか、それからSRMについても月齢要件を入れていくことになると、今度は、資料の7ページのほうを並べて御覧いただければと思います。搬入時点で、まず、30カ月齢以下なのか、そうでないのかということの月齢の確認が必要になってきます。
 また、頭部切除の段階におきましては、頬肉と舌は従来から流通可能なものですけれども、30カ月齢以下の頭部に関しては、今後は分別をすれば出荷が可能になるというのが、真ん中辺の頭部に続く30カ月齢以下に図で書いてあるものであります。それ以外のもの、それから扁桃については、引き続き全月齢がSRMとなりますので、焼却処分が必要です。また、こういった分別を行えない場合には、不分別ということで全月齢焼却ということになります。
 結局、分別管理とか汚染防止措置が必要というのは、この30カ月齢を超えるものと30カ月齢以下のものを分ける場合に、どういうふうな管理が必要かということについて分別管理を求めることになります。
 また、背割りの後につきましても、これは非常にレアケースだと思われますけれども、せき髄を分別して30カ月齢以下について流通可能とする場合も想定されますので、そういったことについても、と畜場法の省令で分別管理を求めることになります。
 この枝肉になるまでがと畜場での工程になりまして、そこから食肉処理施設、と畜場外に出荷されまして、ここからは食品衛生法の規制がかかってくるわけでして、せき柱に関して分別して、30カ月齢以下のものについて、例えばゼラチン等の原料にする、Tボーンステーキにするという流通が今後可能になるということです。せき柱の規制につきましては、後ほど詳しく御説明いたします。
 資料の2ページに戻りまして、こういったと畜場法の関連の規定の改正、それから厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法の施行規則において、検査月齢に関しての規定があります。また、と畜場で除去するSRMについても定義が省令で定められておりますので、これについても所要の改正をいたします。
 一方、(2)輸入措置についても、答申に即した見直しを今後やっていくということになります。評価結果に基づき、以下の範囲内で輸入条件を見直すというのは、既に輸出国側には、食品安全委員会からの答申を示しまして、希望する輸入条件、それから対日向けに輸出する牛肉の管理方法等につきまして提出するように求めています。私どもとしては、食品安全委員会の答申の範囲内で輸出国政府と協議を行って、実際の輸入条件とか対日輸出の管理手法等について輸出国との間で確認していくというのが、今後の作業になります。
 輸入可能な国としましては、米国、カナダに加え、フランス、オランダが追加されるということ。
 月齢制限については、現行の20カ月齢以下から30カ月齢以下に制限を引き上げることになります。
 SRMの範囲につきましては、現行、月齢条件を設けておりませんので、頭部、せき髄、せき柱、回腸遠位部となっておりますけれども、30カ月齢以下ということになると、扁桃と回腸遠位部がSRMに該当することになります。
 続きまして、せき柱の関係について説明がありますので、その後に今後の予定につきまして、また私のほうから御説明したいと思います。
○新谷専門官 続きまして、せき柱について御説明させていただきます。資料の2ページ、4番からになります。
 せき柱につきましては、BSEプリオンが蓄積する背根神経節を含むために、現在は、SRMとして規制しておりますが、と畜場での除去が困難であるため、食品衛生法により全月齢のせき柱を規制しております。
 主な内容ですけれども、まず1つ目といたしまして、BSE発生国において飼養された牛の肉を一般消費者に販売する場合は、せき柱を除去しなければならない。
 2番目といたしまして、せき柱を除去する場合は、背根神経節による汚染を防止できる方法で行わなければならない。
 3番目といたしまして、せき柱を原材料として食品等の製造等には用いてはいけない。
 しかしながら、例外といたしまして、4番目になりますが、せき柱に由来する油脂を、高温かつ高圧の条件下で加水分解等したものは、この限りではないという形で規制させていただいております。
 続きまして、今後の規制の考え方、3ページになりますが、現在は、全月齢のせき柱について規制しておりますけれども、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果を踏まえまして、日本、米国、カナダ、フランス及びオランダにつきましては、30カ月齢超のせき柱のみに限定して規制の対象としたいと考えております。
 せき柱の利用につきましては、参考資料1-1-2に表を載せております。現在は、せき柱につきましては、グリセリン等の製造以外には用いられませんが、改正後につきましては、30ヵ月齢以下につきましては、右側の箱の下の3つにありますように、飲食店とか食品の製造とかゼラチンにも用いられるようにしたいと考えております。
 続きまして、せき柱の範囲についてなのですが、資料1-1-2の2ページ目を一緒に御覧ください。現在の規制では、せき柱の範囲につきましては、右下の図を見ていただければと思うのですけれども、せき髄や背根神経節から離れた部位で、それらに汚染される可能性のない胸椎横突起、腰椎横突起、仙骨翼及び尾椎を除外しております。
 せき柱には、ほかにも棘突起、あと頸椎のほうにも横突起がございます。こういったものも、BSEプリオンが蓄積する部位ではなく、またせき髄や背根神経節に汚染される可能性のない離れた部位でありまして、これらについても胸椎横突起等と同様にせき柱の範囲から除いても、安全性に問題はないと考えております。このような見直しをすることによりまして、これらの突起の除去及び確認に要する現場の負担を軽減できるのではないかと考えております。なお、この見直し後のせき柱の範囲は、EUにおける取扱いと同様になります。
 もう一つ、せき柱から製造される食品に関する規制ということでございますけれども、現在は、この後説明させていただきますグリセリン等を除きまして、せき柱を食品の原材料に使用することは認めないとしておりまして、個別製品ごとの基準は設けておりません。一方で、国際獣疫事務局、OIEやEUでは、個別に製造基準を設けましてSRMの使用を一部認めている場合がございます。括弧内にありますけれども、例えばOIEでは、リスク不明国の場合、12カ月超のせき柱はSRMとしているのですけれども、ゼラチンを製造する場合、12カ月超から30カ月のせき柱も、一定の製造処理を行うことにより原材料として使うことを認めたりしております。
 しかしながら、我が国におきましては、食品の原材料として使用できるのは、食品安全委員会の食品健康影響評価を踏まえまして、安全性を確認した国に由来するものということ。また、SRMを食品等の原材料に使用することは認めないということにしまして、個別製品ごとの基準を設けなくても、安全性は十分に確保できるのではないかと考えております。このために、規格基準におきましては、今後とも食品の原材料を規制することにより安全性を確保することといたしまして、個別製品ごとの基準は設けないことにしたいと考えております。
 グリセリン等ですけれども、グリセリンや脂肪酸及びこれらのエステル等につきましては、その製造過程においてBSEプリオンの量が顕著に減少し、安全性に問題ないということでありまして、現在、使用・製造を認めておりますので、これは引き続き認めたいと思っております。
 輸入食品につきましても、引き続きこの規制を適用したいと考えております。
 続きまして、4ページ、規格基準でございます。先ほど御説明しましたことを盛り込みまして、規格基準の改正を行いたいと考えております。下線部が改正の部位でございますが、こういった文言を中心に、この後、法令の審査等ございますので、内容が変わらない範囲で文言が変わることはございますが、改正を行いたいと考えております。
 真ん中辺になりますけれども、食品衛生法の規格基準におきましては、食品のほかに添加物とか器具、容器包装の製造基準におきましても、食品の基準にございます、特定牛とかせき柱という規定を用いまして基準が設定されております。食品で使用可能となるものにつきましては、添加物等に使用しても差し支えないと考えられることから、これらの製造基準につきましても、引き続き食品の基準と同様の定義を用いるということで、食品の改正を適用したいと考えております。
 今後の運用でございますが、規格基準の改正案にございます食品健康影響評価の結果を踏まえ、安全性を確認した国又は地域につきましては、別途示したいと考えております。なお、現時点におきましては、日本、米国、カナダ、フランス、オランダの5カ国が対象となります。
 せき柱については、以上でございます。
○道野室長 それでは、引き続き、5ページ以降について御説明申し上げます。5ページは、現行と見直し案のSRMの比較ということでございまして、この表を御覧いただくと割と分かりやすいかと思います。
 現行におきましても、舌と頬肉については、SRMから除外している。扁桃は、月齢要件を設けずにSRMとしているところです。これにつきまして、今回の見直し案では、頭部、舌と頬肉、それから扁桃以外については、30カ月齢以下は非該当、せき髄、せき柱についても同様の対応をとるという内容です。扁桃につきましては、引き続き全月齢という内容にしております。
 それから、今後の手順につきまして、8ページで御説明申し上げます。輸入措置と国内措置とで、それぞれ手続が若干違いますので、分けて御説明いたします。
 本日、11月6日の本会議以降ですけれども、輸入措置につきましては、二国間協議を行った後、現地調査をやります。二国間協議につきましては、先ほど申し上げたように、輸入条件について確認し、また対日輸出向けの管理の内容について輸出国と協議することになります。現地調査につきましては、まだ新しい基準での対日輸出作業というのは行われていませんので、現地の国内向けの措置とか関係者の理解度等について確認するという内容になると思われます。
 一方、国内措置につきましては、今後、省令改正・告示改正に必要なパブリックコメント、WTO通報等の手続を行います。その後、一般への説明会、それから本審議会への報告を経まして、輸入については、これは通知で規定しておりますので、通知を改正する。それから、省令改正、分別管理ガイドラインについても通知になると思われますが、これについても実施していくことになります。
 なお、食品安全委員会の本件に関するパブリックコメントにおきまして、例えば輸入条件を変更するに当たって、混載問題への対応についての懸念があるというのもかなりありまして、そういったことにつきましては、二国間協議、現地の調査等において対応していきたいと考えております。また、この見直し全般につきまして、国民への説明につきましても、食品安全委員会のパブリックコメントに多く寄せられておりますので、そういったことについても一般への説明会等で対応していきたいと考えております。
 以上です。
○新谷専門官 すみません、1点だけ追加させてください。
 今後の手順なのですけれども、せき柱の範囲につきましては、食品安全委員会のほうからいただいた答申の範囲外になりますので、本日の会議で先生方の了承が得られましたら、せき柱の突起部分の除外については、食品安全委員会に評価を依頼したいと考えております。
 以上でございます。
○岸分科会長 説明、ありがとうございました。
 それでは、審議に入らさせていただきます。本日は、分科会と伝達性海綿状脳症対策部会の合同でございますので、分科会の先生方と対策部会の先生方、両方が入っていらっしゃいますが、何分、非常に大きな問題でございますので、慎重に審議を進めさせていただきたいと思います。
 まず、委員の皆様のほうから質問等、ございますでしょうか。どうぞ。
○河野委員 河野でございます。今回、食安委から出された評価に関しましては、調査研究の結果データの裏付けもありますし、科学的に評価できる内容かなと思います。また、それを受けた厚労省での管理の変更についても、私自身、理解できる内容だと思っています。こうした前提で、少し具体的な、専門家ではないということで質問させていただきたいと思います。
 1点目は、国内措置変更に伴って、改めて国内では牛の月齢確認作業が必要になると思うのですけれども、現在、管理されているとはいえ、これまでは全頭対象でしたので、と畜場内で分別管理される頭部の扱いも含めて、現場での混乱等はないのかどうかを伺いたいと思います。
 それから、せき柱除去なのですけれども、そのリスクの軽減というのは、今、御説明があったとおり、危険部位である背根神経節の除去が適切に行われることだと。ただ、これまでの私どもの認識というか、一般的な情報ですと、せき柱は危険という報道が主だったと思いますし、それからアメリカ産牛肉輸入の際も、せき椎が混入したから廃棄になったと大々的に報道されています。今回の措置を受けまして、消費者や社会が持っている、このあたりの情報のギャップというのをどう考えていらっしゃるかを伺いたいと思っております。
 それから、これまで全量焼却処分になっていました、せき柱を含む30カ月齢以下のSRMは、今、御説明ありましたけれども、今後具体的に、実際問題としてどう扱われるのかというのをちょっと見通しを伺えればと思っております。グリセリンやゼラチンなど用途が書かれているのですけれども、せき柱の周辺部や扁桃除去後の頭部など、新たに利用できる資源といいましょうか、その部位の活用の目途が立っているのかどうか。
 それから、これは消費者としてなのですけれども、全頭検査を安心のよりどころにずっとしてきたわけですけれども、こうした部位が食品原料として国内で利用されることに嫌悪感を抱く可能性もなきにしもあらずです。そのあたりを今、どう考えていらっしゃるか。食品の加工に使用する場合、情報提供してもらうことはできるのかということも伺いたいと思います。
 最後なのですけれども、31カ月齢以上の牛のSRMの処分は、これまでと同様、焼却されるのかどうかということで、以上、質問です。
○岸分科会長 よろしゅうございますか。
○道野室長 それでは、お答えしたいと思います。
 まず、牛の月齢確認について、先ほどの説明でも若干触れましたが、と畜場に搬入する際にと畜検査の申請書というものを、牛の所有者もしくは持ち込んだ人が知事あてに出すということで、現在でもとっておるものですけれども、その中に牛トレーサビリティ法に基づく個体識別番号を記入してもらう。
 実際、今の制度でも、と畜場時点でいつとさつしたかということについては、牛トレーサビリティ法に基づいてデータ入力が義務付けられています。そういったことで、と畜場段階での月齢確認というのは現在でも別の制度ではやられておるわけでございまして、そういったことをと畜検査の前に行っていくことにしていくという考え方であります。30カ月齢を超えるものにつきましては、そのタグとか。
 現在もと畜検査をやっていく段階で、パーツがだんだんばらばらになっていくわけですけれども、1頭ごとの管理がちゃんとできるように合い札を付けております。そういったものとあわせて、月齢の区分がはっきりするような表示の仕方が可能な対応だと考えております。もちろん、30カ月齢を超えるものと、それ以下のものにつきまして、時間を分けるとか日を分けるといった区分のやり方もありますけれども、日本の場合はそんなにと畜頭数が多くないので、並行して一遍に処理しても対応可能ではないかと考えております。
 そういったことで、現場の混乱ということは確かに御心配のところがあると思います。私どもといたしましては、ガイドラインを作成いたしまして、各と畜場の現場の処理実態に合わせた分別管理体制について、各自治体と畜場において検討してもらって対応してもらおうと考えております。そういったことで、準備にもかなり時間がかかるだろうということもありまして、新制度の施行については、できれば来年度の初めということを目標に準備していきたいと考えております。
 それから、せき柱の件ですけれども、当審議会におきましても、せき柱の規制をする際には、せき柱の中に含まれる背根神経節の感染性が問題になるというのが規制の理由だということにつきましては、当然御確認いただき、私どもも一般への説明という中では、そういった説明をしておるわけです。
 御指摘のとおり、せき柱の断面がどんと報道されて、こういう問題がありましたという報道が実際にされていて、そういったものに関して、リスクはないのかとお思いになっている方もいらっしゃるかと思いますので、これにつきましても、今後の一般への説明会等を通じて、リスクの本質がどういうところにあるのかということにつきましても、きちんと説明していきたいと考えております。
○新谷専門官 今後の利用につきまして、現在でも例えばグリセリンにつきましては、法令上は全月齢のせき柱が使えるとなっていますが、実際には植物由来の原料がほとんどであって、せき柱はほとんど使われていない状況でございます。
 今後につきまして、関係業界の方に少し聞いてみたのですけれども、例えばエキスを骨からとったりするのですけれども、現時点でもビーフエキスの需要がちょっと落ちているということもございまして、すぐにまた需要が伸びるとは考えていないとのことでした。大腿骨とかに比べて、せき柱はエキスをとるにはいい原材料ということもございまして、消費者のほうからのニーズ等々が増えてくれば使いたいとのことでした。
○岸分科会長 そのほかにいかがでしょうか。山内委員、どうぞ。
○山内委員 今回の定型BSEにつきましては、原因が追求され、その対策が行われたことで、変更してもリスクは大きな差はないということが出ていることは承知しておりますが、非定型BSEについては、まだ原因が不明ということです。この発生数も全世界的に見れば大変少ないということも承知しているのですけれども、輸入国も拡大しますし、高齢牛で発生しており、そこの肉が混入して国内に持ち込まれる可能性も全くゼロではないと考えておりますが、このあたりの非定型BSEのリスクや管理について、お考えがございましたら教えていただきたいと思います。
  もう一件あります。現在、輸出プログラムの下で、米国産のビーフジャーキーやハム、ソーセージ等の牛肉加工品、ひき肉等の輸入ができないという状態にでなっていますが、今後、この扱いについてはどのようにお考えなのか、教えてください。
 以上です。
○岸分科会長 お願いいたします。
○道野室長 まず、非定型BSEの件ですけれども、食品安全委員会におきまして、先ほど、昨年12月に私どものほうから諮問した内容について、?、?、?を御説明しまして、?と?について今回答申いただいたのですけれども、特に今、委員が御指摘になった高齢牛の非定型BSEの件につきましては、?の諮問事項の部分に該当すると思います。それにつきましては、現在、まだ食品安全委員会のほうで御検討いただいているという状況であります。
 もちろん、今回の答申の内容の中にも、非定型BSEに関しての評価というものも記載していただいておりますけれども、高齢牛のものにつきましては今後の御審議かと受けとめております。
 管理につきましてですけれども、特に北米につきましては、従来から20カ月齢という制限で輸入を認めている関係上、毎年、北米の食肉処理場に査察に行っております。米国、カナダの国内規制につきましては、従前からSRMの月齢制限を30カ月齢と定めておる関係上、30カ月齢で区切った管理がされております。そういった意味で言うと、日本向けに特別な管理を今までやっていたわけですけれども、今後、仮に30カ月齢を月齢制限にした場合、通常行っているオペレーションの管理体制の中に組み込まれていくことになります。
 そういったことで、30カ月齢を超えるものについても、30カ月と混じって出荷されないようにという措置は既に実施されている状況です。もちろん、その内容については、また確認していく必要があるわけですけれども、現状としてはそういう体制がある程度できていると私ども、受けとめております。
 それから、加工食品につきましては、日本向けに20カ月齢という基準が従来あったということで、例えばそれの製造工場を別のところに移して、さらに分別管理をずっと継続しながら管理するのは現実になかなか難しいということもありました。また、ひき肉につきましては、トリミングと言いまして、くず肉と言うのは語弊がありますけれども、そういったものを集めてひき肉にしているということもあって、分別管理がなかなか徹底できないだろうという観点で、米国側との協議の結果、現状の輸入条件からは外しているという状況にあります。
 ただ、今後、米国側での30カ月という国内規制も含めた区分管理ということと同じになってきますので、まだ協議していないということもありますので、今後、そういった加工品についてどうするのかということについては、米国側と協議していくことになるということです。
○岸分科会長 そのほかいかがでしょうか。先生、どうぞ。
○毛利部会長 輸入措置の見直しについて、お伺いします。
 二国間等々で輸入措置を見直して、その後、もう一度、我々のところに報告をするというシステムになっていますけれども、具体的にどういう見直しをするのか。それから、具体的にどういうところで食品安全委員会が答申したことを担保していくのかが見えていません。
 食品安全委員会では、リスク管理措置については、全て管理機関に任すという答申がされています。結果として、リスク管理機関は重大な責任を負うことになっているので、このあたりのところをもう少し具体的に方向性を示されたほうがよろしいのではないかと思います。
○道野室長 現行の20カ月齢の基準につきましても、輸出国側とは、例えば月齢確認とか分別管理の方法、その表示でどういうふうに確認するのか。それから、基本的にはそういったことについては、まず事業者が一義的には責任を持って、それを政府機関がどのように監督するか。また、日本側が定期的に査察を行うという内容につきまして、一つ一つ協議をして確認していくというプロセスになります。これにつきましては、現行でも同様に二国間で決めている内容ですので、月齢が30カ月になった場合も同じような進め方をやっていくことになると思います。
 ただ、現時点では、具体的な輸出国側からの提案というのがまだなされていないという状態ですので、一つ一つの国について、こういうものが示されていますというものは今は持ち合わせておりませんけれども、私どものほうの対応の考え方としては、今、申し上げたとおり、現在の20カ月齢で行っているようなシステム、プロセスについて、30カ月という月齢に変えた上で、輸出国側と個別の課題について確認していくことになると思います。
○岸分科会長 どうぞ。
○毛利部会長 ありがとうございます。その辺のなかなか分かりにくいところが消費者にはあると思うし、それから現実にそういう取組がなされた後、輸入された肉の中で違反が見つかったりして、厳しい目が向けられていると思います。その辺をきちんと理解していただきながらやっていかないと、とにかくリスク管理機関の責任という観点が分からなくなるというか、ぼけてくるので、その辺をきちんとやっていただきたいと思います。
○岸分科会長 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
○大前委員 飼料規制をしっかりやることでリスクは非常に下がる、ゼロに近くなるということは十分分かるのですけれども、今回の提案の20カ月が30カ月になったということで、食品安全委員会から出ています評価書を見ると、どこが30カ月オーケーの根拠なのだろうと思うのですが、その辺はいかがなのですか。
○道野室長 資料の6ページを御覧いただきたいと思います。私どものほうの受けとめですので、説明の内容について不十分なところがあれば、関係の先生方からまた追加していただければと思います。
 まず、感染リスク・種間バリアで、日本の21カ月齢のBSE陽性牛の感染性は認められず、人への感染性は無視できる。非常にリスクが小さいということが1つあると思われます。
 もう一つ、その上の段にもありますけれども、BSE牛の脳幹1gを経口投与された牛の脳に異常プリオンたん白質は42カ月目までは不検出である。その上の段にありますけれども、フィールドでのBSEの発生ということにつきましては、おおむね脳幹100?~1g相当と考えられているところから、20カ月齢から30カ月齢ということが判断されてきているというのが1つあると思います。もちろん、その下の、日本の23カ月齢の非定型BSEについても感染性は認められていないということも、先ほどの21カ月齢と同様ということであります。
 ただ、こういった知見につきまして、おっしゃったように、飼料規制がちゃんときいているということが前提になります。フィールドで感染性のある脳幹の暴露の可能性が極めて低いということが、こういった評価の前提になっていると受けとめております。
 飼料の規制の評価につきましては、同時にサーベイランスというデータも用いて評価されておりまして、それが牛群の感染状況ということです。この対象の5カ国におきましては、これまで8年間に生まれた牛にBSE感染牛は確認されていないということで、その前提条件となる飼料規制についても、相当程度の効果があるという評価がベースになって、こういった感染実験のデータの外挿がされていると受けとめております。
○岸分科会長 どうぞ。
○大前委員 今おっしゃったように、飼料規制がしっかりされていれば全然問題がないというのは、そのとおりだと思うのです。そうしますと、別に30じゃなくても、40でも50でもいいのではないか。と言いますのは、今の6ページの感染リスクのところ、脳に異常プリオンたん白質は42カ月目までは不検出。この書き方ですと、46カ月以上は検出ですかね。ということは、検出力だけの問題であって、存在しているわけですね。したがって、30にこだわる必要は全然ないのではないか。なぜ30なのだろうということです。
 参考資料1-1-3のプリオン評価書、食品安全委員会から出ているものを読んでいてもよく分からない。30でも一向に構いませんが、飼料規制さえしっかりできていれば、30である必要は全然ないじゃないかと思います。
○岸分科会長 どうぞ。
○道野室長 30カ月齢ということにつきましては、私どもの先ほど御説明いたしました諮問の内容としても、1つは30カ月齢での月齢制限について諮問しております。そういう関係で、まず30カ月齢ということで答申を頂いたものと理解しております。30カ月齢というのは、国際的な経緯を見ても、BSE対策の中で一つのキーになる月齢ということもありまして、そういった諮問をしていますけれども、先ほど申し上げたとおり、?の内容についても現在御審議いただいている。そういったものの答申を頂ければ、管理措置について、さらに検討していきたいと考えております。
○岸分科会長 ちょっと追加といいますか、大前委員のことに関係しまして、アメリカで飼料規制が始まったのは2009年10月となっていますね。それからすると、ことし10月でようやく3年ということなので、安全を見込めばそういうふうにするのかと思ったのですが、アメリカ、カナダが飼料規制に入ったのはかなり遅かったようですので、そういうことは関係ないのでしょうか。
○道野室長 資料の24ページに各国での飼料規制の状況について書いております。
 まず、米国、カナダにつきましては、肉骨粉を牛に給与してはならないという規制については、1997年に飼料規制を導入しております。その後、ここにありますとおり、SRMについて新たな規制を設けた。これが、カナダにつきましては2007年、米国については2009年となっております。米国に関しては、30カ月齢以上の脳とせき髄が、牛以外に給与する動物性飼料の規制対象にするということが追加されたのが2009年。したがいまして、1997年から飼料規制そのものはスタートしています。
 その効果につきまして、もちろん急激にリスクが下がるのか、それともゆっくり下がるのかということはあるかと思いますけれども、2007年、2009年に初めて飼料規制をしたということではなくて、事実関係といたしましては、1997年が起点ということです。
○岸分科会長 どうぞ、毛利部会長。
○毛利部会長 今、大前先生がお尋ねになっているのは、食品安全委員会がなぜ30でやったのだというお話だと思うのですけれども、それは厚労省のほうが30カ月齢ということで諮問して、それと別に、それ以上の月齢を諮問しています。これらを分けるか分けないかというのは、食安委の中で議題に上がりましたけれども、30という数字そのものは厚労省が出してきたので、それに対して30で安全かどうかということをとりあえず評価したということ。
 今、大前先生がおっしゃったように、月齢を上げても大丈夫なのかどうかというのは、これから後、期間をかけて資料、もしくはいろいろなシミュレーションをやった上で出していくという方向性だと受け取っております。
○岸分科会長 毛利部会長、ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○堀内委員 2点お伺いしたいのです。
 1点は、先ほどの毛利先生の質問と関連するのですけれども、輸入措置のことです。30カ月齢以下に引き上げる。先ほどの御議論ですと、これから相手国側と30カ月の管理方法について検討するという感覚でお聞きしたのですけれども、現時点で具体的に30カ月齢以下というものを判断する基準というか、管理方法がどのようなものがあるかという点が1つ。
 もう一点は、検査対象月齢のことなのですけれども、現行の20カ月齢超から30カ月齢超に引き上げ。全く問題ないと思うのですけれども、2005年に実際に3年の経過措置があって、現行の20カ月齢超に変わってから、現在まで全頭の検査が続けられている。そのときに、20カ月齢超というところは各自治体に普及しなかった。そういう背景というか、理由が何かはっきりしたものがありましたら。今回、30カ月齢超に引き上げたときに、そのときの状況と比較して、この変更が普及していくのかどうかという見通しについて、お伺いしたいと思います。
○道野室長 輸入に関して、30カ月齢での区分ということにつきましては、先ほども若干触れさせていただきましたけれども、SRMが30カ月ということがありまして、既に諸外国でも実際に区分されております。
 具体的な方法ですけれども、これは国によって違いまして、日本のようにトレーサビリティのシステムが確立している国にあっては、そのトレーサビリティシステムのみで管理している場合と、従前から使用されているデンティションといいまして、歯列による確認ということを併せてやっている国もあると聞いております。それから、トレーサビリティのシステムがない、もしくは月齢確認のシステム的な手段がない国につきましては、歯列で確認しているという状況であります。
 それから、国内のBSE検査の件ですけれども、平成17年8月に見直しをいたしました。実際に全頭検査が継続したことにつきましては、1つは、比率が非常に低かった。検査を免除される月齢の牛の頭数がおおむね13%程度で、あとの9割近くは検査が必要だという要因があります。もちろん、我々行政側としては、近隣の自治体が全頭やると、やらざるを得ないという判断をされている自治体もあると受け取っております。
 仮にこれが30カ月齢になった場合ですけれども、逆転しまして、検査の対象となるのが3割で、7割は検査が不要になると私ども、試算をしております。そういった頭数のバランスから言うと、確かに全頭検査をやめるということについては、そういった条件が整いつつあるのではないかと考えておりますけれども、一方で30カ月というのは、和牛で言うと、と畜月齢の平均あたりになりまして、検査対象から外れる和牛と検査対象となる和牛が発生してくるということがあって、少し難しいところかなと考えております。
 ただ、たしか昨年の部会だったと思いますけれども、こういうものはきちんとリスクコミュニケーションというか、科学的に必要のない検査であるということをきちんと理解していただくことが非常に大事です。そういったことで、先ほどの手順の中にも書いてございましたけれども、10月30日に各地方自治体の担当者を集めまして、今回の食品安全委員会の評価結果についても詳しく説明いただきました。前回は国中心のリスクコミュニケーションということであったわけですけれども、今回は地方自治体の担当者も含めて、関係者にきちんと説明していくということで対応したいと考えております。
 以上です。
○岸分科会長 若林委員、どうぞ。
○若林委員 事務局にお尋ねします。8ページの再評価の手順の、おおよそのタイムスケジュールについては、どのように考えていらっしゃいますか。
○道野室長 上段の輸入措置につきましては、現時点で二国間の協議・調整が始まった相手国というのは、まだありません。今後、協議をやって現地の確認もさらにしていくことになりますので、スケジュールがこうですということは、今の時点ではなかなかお答えできない状況にあります。
 一方、国内措置につきましては、先ほど申し上げたとおり、新たな基準の施行につきましては、実際の事務とか分別管理に対する準備を考えあわせると、年度替わり、来年度にスタートすることを想定して準備しております。そういった関係で、パブリックコメント等については、今月中には手続を始めていく。併せて、ガイドラインといったものについても具体的に関係者とも協議しながら、できるだけ早く整理していきたいと考えております。
 以上です。
○岸分科会長 どうぞ。
○河野委員 今、8ページの今後の方向性に関してのお話がされていますので、消費者の立場から、この後のパブリックコメント、それから一般への説明会に関しましてお願いしたいことを申し上げたいと思っております。
 先ほど、最初に申し上げましたとおり、私、今回の食安委の評価と、それに続く厚労省での管理の変更について、理解ができたと申し上げました。それはなぜかといいますと、食安委の方の評価案、それから厚労省の管理措置、どちらも丁寧な説明資料を目の前に置いて、非常に丁寧な説明をいただいたからでございます。それを大前提に置きまして、今回の管理措置の変更を私たち消費者がきちんと受け入れて、つまり受け取って、新しい方法に移行できるかというのは、これからの説明の方法とかパブリックコメントに対する回答の仕方にかかっているかなと思っております。
 そもそもBSE問題が大きく取り上げられるのは、発生時の大きな報道。それから、今回が3回目だと思いますけれども、前回は国内措置では、今、問題になっていました、国の補助金が打ち切りになるときの全頭検査の継続か否かというとき。それから、国境措置では、米国産牛肉の輸入再開の検討をしたときで、今回はそれ以来ですね。常にBSE関連の情報発信がされていれば、消費者も科学的な評価を確認できまして、その評価結果を受け入れやすいのですけれども、かつて2回あった大きな報道のときのセンセーショナルな記憶のままで情報がフリーズしているのが、多分現状だと思っております。そういった方が大半である。
 ですから、今回の大きな見直しに関しましても、過去の記憶と理解のままで受け取る可能性が高いと思っております。そうした社会の状況を察して、生産者とか食肉関連事業者の方などは、全頭検査をしていること、イコール安全の担保であるといったことを、販売する際の販売促進に使っていると思っております。そうした判断が、一消費者というか、国民として考えましても、社会全体としてさまざまな資源がある。その資源を有効にというよりも、無駄に使っている場合もあるのかなと。そのことにみんなが気付くような情報提供とリスクコミュニケーションを、ぜひ今後していただきたいなと思っております。
 科学的な評価を前面に押し出して安全だと言うのは非常に簡単ですけれども、私たち普通の人間にとりまして、よく分からないことから来る漠然とした不安という感情とか、それから政府の言っていることは簡単には信じられないという感情もあります。そういった感情をどう酌み取って相互理解につなぐかということが、科学的な知見という厳然たる事実とプラスアルファで必要なのかなと思っております。放射能問題でも、科学的な知見に対して、感情というものを多少加味した新基準の制定は、少なくとも多くの子どもを持つ親の世代の安心につながったと私は思っております。
 ですから、なかなか表には出てきませんけれども、そういったことも含めまして、私が最近手にしましたFAMIC、農林水産消費安全技術安全センターさんが出している機関誌の中に、計画的に飼料規制に関して製造基準適合確認検査を行っている結果も発表されていました。こうした地道な努力が綿々と続けられている、その上での今回の評価なのだということが私たち消費者にも知らされるようなリスコミを、ぜひしていただければと思っています。
 最後に、私たち、基本的には厚労省のホームページとか食安委のホームページに行って情報を取るよりは、最初の情報は、さまざまなメディアの方々の報道からほとんど受け取ります。ですから、そういったところの方々へも、今のような消費者に対してのファシリテートをしてくださるような意識で、丁寧な情報提供をしていただければいいなと思っております。
 以上です。
○岸分科会長 今回、食品安全委員会の答申がございまして、国内とそれ以外の4カ国の輸入措置について、同時に今、審議しているのですが、それを最初分ければよかったのですけれども、同時に進行してしまいましたので、それぞれの委員の頭の中で整理はされていると思いますけれども、私、部会長の毛利先生が、先ほど国内と国外を分けてマネジメントのことを少しおっしゃられたような気がしますので、その点、もし補足の御意見があるようでしたら。
 私、個人的には、414通のパブコメを全部子細に今回読みました。その結果、184名の方がかなり反対である、6通の方が貿易の自由化をしたほうがいいという意見でした。69通の方は、米国のBSE対策が不十分であるということを、過去の抜き打ち検査で危険部位が入ったまま輸出されていた事例があるとか、豚や鳥の飼料に使われていることが、交差汚染の問題が実際にクリアできているのかどうか。
 それから、先ほど来、何人かの先生や事務局もお話されましたように、特に米国は、トレーサビリティ、個体識別が日本と全く違う。36%ぐらいしか、それを業界のほうでやっておられないということがあるので、毛利部会長がマネジメントのところをしっかりしないと、私どもの責任は非常に重いのではないかということをおっしゃられまして、私もその点は、間違えると本当に大変なことになるという意味で、私どもも責任があるし、事務局、厚労省のほうも食品安全委員会とは違ういろいろなことをやっておくほうが、厚労省にとっても安全ではないか、国にとっても安全ではないかと私は考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○道野室長 まだ各国との協議は始まっていませんので、もしもいろいろ御意見があればお受けしたいと思います。私どもの基本的な考えといたしまして、まず牛肉に限らず、輸出入される食品の安全性ということに関しては、今回の牛肉の問題につきましても、肉を見て月齢が分かるわけではございません。結局、輸出国の管理が基本になってまいりますし、水際で全て検査して安全性を確認することは現実的ではないということも、実際問題としてあるわけです。
 そういった意味で、一義的には輸出国、食肉の場合は、日本と同様、特に政府が検査していることが仕組みとして現にございますので、事業者が管理するわけですけれども、それを監督する政府との間で遵守体制の確認をきちんと詰めていきたいと考えております。
 また、現行の輸入条件でも実施しておりますけれども、定期的な相手国の管理状況、遵守状況の確認。もちろん、ずっと人を張り付けているわけにはいきませんので、作業の確認とか記録というドキュメンテーションは、むしろ諸外国のほうが日本よりもずっと先を行っている部分もありますので、そういったものによる検証をしっかりやっていきたいと思います。
 もちろん、こういった仕組みというのは、日本が食肉を輸出する場合も、定期的にアメリカから担当官が来てチェックをやっておるわけですけれども、二国間での協力をしっかりとやっていくことによって、今の条件でいえば、混載事例という条件違反の発生防止を図っていくことが重要だと考えております。
○岸分科会長 議論は大分煮詰まってきているとは思うのですが、そのほかいかがでしょうか。伝達性海綿状脳症対策部会の先生方は、よろしゅうございますか。佐多委員、どうぞ。
○佐多委員 1つだけ教えてください。せき柱のほうはこれからということだと思うのですけれども、30カ月を超えた場合には脱骨しないといけないことになると思うのですけれども、それは参考資料1-1-1だと、カット工場とか、そっちのほうの話になりますね。恐らく今までほとんど取っていたわけだから、その管理措置として具体的にどうやっていたのかについて、それを教えていただきたいのと。
 また、棘突起のほうはいいと思うのですけれども、頸椎の横突起までなぜ切り込まなくちゃいけないのか、理由がよく分からないのと、ここは、たしか方向が少し変わってきているし、大きさも見てのとおり小さいので、この辺の管理措置が結構大変になるのではないかと予想するのですけれども、その辺を教えていただけませんでしょうか。
○道野室長 まず、せき柱の現行の管理ということですけれども、平成16年だったと思いますが、規制がかかったときに、せき柱に関しても、一般廃棄物だけではなくて、産業廃棄物としての取扱いも関連するということで、適切に廃棄物として処理されるような仕組みを環境省所管の廃掃法のほうで手当てもしていただいています。
 そういったことで、現状から申しますと、基準そのものは消費者に牛肉が渡る前に除去しなければならないというルールになっておりますので、食肉処理業といって、主に卸のような営業形態とお考えいただければいいと思います。もしくは、食肉販売業、これは食肉の小売りとお考えいただければいいと思いますけれども、そういう処理業とか販売業の流通プロセスの中で、大きな塊肉がだんだんと消費者の皆さんに渡るような形態になっていくわけですけれども、その中で除去されたものが廃棄物としての処理されるような仕組みになっております。
 これに関しましては、農林水産省のほうでも処理を適正にやるということで、財政的な支援事業もやっていただいておりまして、直接消費者に渡ることがないような体制を組んでおるということです。
 それから、今回、せき柱の定義を若干変更するということにつきましては、国によっても、食肉処理はほとんど同じようなプロセスを通るわけですけれども、脱骨、骨を取る段階で、棘突起とか横突起は、どうしても肉側に折れて紛れ込むということがあります。そうすると、全くの骨の部分だけであれば、その混入をもって規制することに関して合理性がなかなか確保できない部分もありますので、そういった観点で今回のせき柱の定義の範囲についてEUと整合性を図ることを、私どものほうで御提案させていただいたということです。
 特に、何かに使うという意図ではなくて、あくまで食肉処理工程での紛れ込みをどう扱うかという考え方に立ったものです。
○佐多委員 もうちょっといいですか。今の話はよく分かることなのですが、今度、30カ月を超えた部分はSRMとやるわけですから、背根神経節が入らないような切除線が大事になってくるわけですね。それの管理措置がまた大事になるので、そのマニュアルとかをどういうふうに担保していくのかという対応はどうなっているのかという質問なのです。
○道野室長 実は、国内では基本的に機械を使って切除するということは、余り一般的にはやられていません。ただ、諸外国におきましては、仙骨翼といった部分に関しては機械で処理することが実際に行われておりますし、そういったものに関しては、どこで線で切るかに関して、それぞれSOPと言いまして、標準的な作業の手順書というものを各施設が用意しなければならないとされております。
 今回、日本でどれぐらい実態があるかということもあるので、国内でどうするかというのは、そういった実態を踏まえて対応したいと考えていますけれども、現状、諸外国の機械的にせき柱の周辺を処理する国においては、そういった標準的な作業手順を定めて遵守するということが行われております。
○佐多委員 しつこいですけれども、同時にそこの切断のところを管理しているのか。国内の調査、今まで9年間やってきたわけですから、その辺をどういうふうにやっていたかとか、それが実際にどうなっていたのか、そういうデータは恐らくあるはずですね。今度、上のほうまで延びていくわけですけれども、そのときにどういうふうなSOPで、それが本当に担保できているかというデータが納得するためには必要になってきます。後で構いませんから、そこをぜひ後で教えていただきたいと思います。
○岸分科会長 きょうの報告の後のことについても、何人かの委員から質問が出ておりましたけれども、確認はよろしゅうございますか。
 それでは、私のほうから。8ページを見ますと、きょう、11月6日の報告を今、受けているところでございます。この後、パブリックコメントを国内ですぐ始められることになると思いますけれども、現地調査、一般への説明会の後の審議会への報告というのは、どういう形の報告になると考えていらっしゃるでしょうか。
○道野室長 本日御説明いたしました方針に基づいて、4カ国との協議とか対日輸出基準、遵守体制、遵守プログラムに関して、相手国と確認するというプロセスがあります。そういったものの内容の御報告であるとか、現地調査における状況についても併せて御報告するということで考えております。その前の段階で一般への説明会も行って、いろいろ議論があった内容とかも含めて御説明したいと考えております。
 国内措置につきましては、併せて一般の説明会の中で内容について説明していくことになると思います。その上で、これは国内措置と輸入措置、同時になるのかどうかというのは、ちょっと分かりませんけれども、当部会、それからTSE部会の先生方にそれぞれ御報告させていただくことにしたいと考えております。
○岸分科会長 どうぞ。
○毛利部会長 今、岸先生がおっしゃった、この工程表によりますと、二国間とか輸入措置にかかわるところのパブリックコメントはないのですけれども、それでよろしいのですか。あったほうがいいように思います。
○道野室長 要は、これは法的に義務がかかっているかどうかということで整理しておりまして、省令・告示の改正につきましては法的義務がかかっておりますので、パブリックコメントにつきまして明記させていただいているということであります。一方で、輸入措置については通知ということですので、パブリックコメントの義務がかかっておりませんので、ここではパブリックコメントをするという手続はとらないというのが現状、私どもの考えている手続です。
○岸分科会長 どうぞ。
○毛利部会長 法律上、そうだから、それで問題はないという行政手続上の観点はよく分かりますが、本当に消費者に理解していただこうとか、消費者の意見を聞こうというときには、一般への説明会のところでもできるかもしれませんけれども、今、行政でできる一番いい方法をとっていくことが重要なのではないかと思います。
○道野室長 どのような形で意見の募集ができるかというのは、検討させていただきたいと思います。法律に基づくパブリックコメントというのはできないので、何らかの形で工夫できないかということについては、検討させていただきたいと思います。
○毛利部会長 ぜひお願いします。
○岸分科会長 規制を強める場合ですとよいのですが、規制を弱めるほうはかなり慎重にいたしませんと、国民の納得も得られませんし、私どもの責任も非常にありますので、時間をかけるほうがいいと思ってさせていただいているのですが、追加の発言はございませんでしょうか。
 もしなければ、私、最後に1つ追加させていただきたいのは、食品安全委員会の答申に対する評価書は、各国で飼料規制が非常によく行われた結果としてある。それから、交差汚染がないということが前提である。それから、畜産業の現場でのコンプライアンスが保たれているといいますか、それが各国で維持されていることが前提の上の評価書ですので、それがきちんと行われる前提が崩れましたらば、やはり大変なことになります。その辺を考えますと、先ほど毛利部会長がおっしゃられたのは、そのあたりのところを対外的にも国内的にもきちんと説明していただきたいと、これは強く希望を申し上げたいと思います。
 そのほか、先生方、よろしゅうございますか。もし、それ以上にないようでしたらば、分科会・部会として本日の御説明に関しては了承するということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 はい。それでは、この後の8ページの流れで十分な御説明を今後ともよろしくお願い申し上げます。
 それでは、これにて分科会と伝達性海綿状脳症対策部会合同会議につきまして終了となります。伝達性海綿状脳症対策部会の委員の皆様方は、ありがとうございました。
 ここで10分間休憩に入りますので、休憩の後に食品衛生分科会を引き続き開催させていただきます。

(休憩)

○岸分科会長 それでは、皆さんおそろいのようですので、分科会を再開いたします。
 食品添加物の指定等について審議を行いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局から御説明をお願いします。
○高橋補佐 それでは、食品添加物の新規指定の関係で、3品目の御説明をさせていただきます。本日は、3品目の御審議をお願いしておりますが、3品目とも事業者からの指定等の要請により指定を行うものでございます。
 まず、1品目目でございます。資料1-2の1ページを御覧ください。本日、修正版として1ページ目のみ差しかえておりますので、お手数ですが、1ページ目については、右肩に「修正版」と書いてある資料を御覧ください。1品目目の亜塩素酸水につきましては、この修正版を基に御説明させていただきます。
 化学式でございますが、亜塩素酸としてHClO2でございます。
 用途は、殺菌料でございます。
 概要でございますが、飽和塩化ナトリウム溶液に塩酸を加え、酸性条件下で電解して得られる水溶液に、硫酸を加えて強酸性とし、生成する塩素酸に過酸化水素水を加えて反応させて得られる水溶液でございます。
 諸外国の状況でございます。米国の状況でございますが、亜塩素酸水そのものではございませんが、亜塩素酸ナトリウムに酸を加えて得られる酸性化亜塩素酸塩、ASCというものが認可されております。米国では、鶏肉の家禽胴体肉、また牛・豚の赤身肉、内臓肉、また果実、野菜などに使用ができます。
 カナダ、オーストラリアでも同じような使用が認められております。
 次に、資料1-2の2ページ目を御覧ください。
 食品安全委員会における食品健康影響評価結果でございます。ADIについては、ラットの生殖毒性試験を基に0.029?/? 体重/dayとの評価を頂いております。
 次に、摂取量推計でございます。食品安全委員会の推計でございますけれども、平成16年の国民健康・栄養調査における野菜類、穀類、果実類、魚介類等の摂取量に、亜塩素酸水の、最終食品の完成前に除去又は分解との使用基準案に基づきまして摂取量を推計されております。
 摂取量の計算の仕方でございますが、各食品分類ごとに検出限界値が含まれると仮定し、各食品分類の摂取量と掛け算をし、最後に合計いたしまして、一番下の行にございますとおり、過剰な見積もりではございますが、0.022?/? 体重/dayされております。
 次に、使用基準案でございます。精米、豆類、野菜(きのこ類を除く)、果実、海藻類、鮮魚介類(鯨肉を含む。)、食肉、食肉製品及び鯨肉製品並びにこれらを塩蔵、乾燥その他の方法によって保存したもの以外の食品に使用してはならない、といたしまして、対象食品を限定しております。
 また、使用量といたしまして、今、申し上げた食品に対し、浸漬液又は噴霧液1?につき0.40g以下でなければならないとしてございます。
 最後に、使用した亜塩素酸水は、最終食品の完成前に分解し、又は除去しなければならないとさせていただいております。
 成分規格案ですが、4ページ以降にございます。説明は省略させていただきます。
 次に、製造基準案でございますが、製造の原料に用いる塩化ナトリウムにつきまして、日本薬局方塩化ナトリウム又はその規格を満たすものでなければならないとさせていただいております。
 意見聴取の状況でございますが、WTO通報及びパブリックコメントの手続実施中でございます。
 答申(案)を御説明させていただきます。4ページを御覧ください。
 1.亜塩素酸水については、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは、差し支えない。
 2.亜塩素酸水の添加物としての使用基準、成分規格及び製造基準については、以下のとおり設定することが適当であるとさせていただいております。
 使用基準、成分規格、製造基準につきましては、4ページ、5ページにお示しさせていただいたとおりでございます。
 次に、2品目目について御説明させていただきます。6ページを御覧ください。アゾキシストロビンでございます。こちらは、同じく事業者からの要請があったものでございまして、食品添加物としての指定の可否及び使用基準・成分規格の設定について御審議いただくものでございます。
 用途は、防かび剤でございます。
 ストロビルリン系殺菌剤でございまして、菌の呼吸を阻害するといった作用がございます。
 次に、諸外国での状況でございますが、諸外国では、米、小麦、豆類、ぶどうなどに農薬登録がされております。また、米国では、同様の用途や収穫後の防かび目的とした利用がなされております。
 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございます。ADIについては、2年間の慢性毒性/発がん性併合試験(ラット)を基に0.18?/? 体重/dayとされております。
 次に、7ページで、摂取量の推計でございます。こちらは、TMDI/ADI比とさせていただいております。TMDIというのは、理論最大一日摂取量のことで、基準値を用いて推計した値でございます。こちらの表のとおりでございます。国民平均ですと、38.9%となってございます。
 使用基準案でございます。アゾキシストロビンは、かんきつ類(みかんを除く)以外の食品に使用してはならない。アゾキシストロビンは、かんきつ類(みかんを除く)1?につき0.010gを超えて残存しないように使用しなければならないととさせていただいております。
 成分規格案につきましては、8ページ以降のとおりでございます。
 意見聴取の状況は、WTO通報手続中及びパブリックコメント実施中でございます。
 答申(案)について御説明させていただきます。8ページを御覧ください。
 答申(案)
 1.アゾキシストロビンについては、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは、差し支えない。
 2.アゾキシストロビンの添加物としての使用基準及び成分規格については、以下のとおり設定することが適当である。
 使用基準及び成分規格につきましては、8ページから11ページまでのとおりでございます。説明は、省略させていただきます。
 次に、3品目目でございます。12ページを御覧ください。ピリメタニルでございます。こちらも事業者からの指定等の要請により指定を行うものでございます。
 用途は、先ほどのものと同じく防かび剤でございます。構造式は、こちらにお示ししたとおりでございます。
 概要でございますが、アニリノピリミジン系殺菌剤でございまして、植物への感染を防ぐといった作用がございます。
 諸外国での状況でございます。米国で、収穫前の農薬として果実、野菜類及びナッツ類に、収穫後の防かび目的として、かんきつ類及び仁果類(なし、りんご等)に使用されております。欧州では、同じく果実、野菜類及び豆類に対する防かびの目的で使用されております。
 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございます。2年間慢性毒性/発がん性併合試験(ラット)により、ADIが0.17?/? 体重/dayと設定されております。
 13ページ、摂取量の推計でございます。先ほどの品目と同じく、TMDI/ADI比についてお示ししております。国民平均は8.9%になっております。
 次に、使用基準案でございます。ピリメタニルは、かんきつ類(みかんを除く)、りんご、西洋なし及びマルメロ以外の食品に使用してはならない。ピリメタニルは、かんきつ類(みかんを除く)にあってはその1?につき0.010g、りんご、西洋なし及びマルメロにあってはその1?につき0.014gをそれぞれ超えて残存しないように使用しなければならないといたしまして、対象食品と残留量を規定しております。
 成分規格案につきましては、14ページ以降のとおりでございます。
 意見聴取の状況でございますが、今後、パブリックコメント及びWTO通報を実施する予定でございます。
 次に、答申(案)について御説明させていただきます。14ページでございます。
 答申(案)
 1.ピリメタニルについては、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは、差し支えない。
 2.ピリメタニルの添加物としての使用基準及び成分規格については、以下のとおり設定することが適当であるとさせていただいております。
 使用基準、成分規格につきましては、14ページ以降にお示ししたとおりでございます。
 3品目について御説明をさせていただきました。以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 分科会の議論に入ります前に、部会での審議の状況について、部会長の若林先生お願いいたします。
○若林委員 分かりました。
 今、事務局から説明がありましたように、亜塩素酸水、アゾキシストロビン、ピリメタニルに関しましての食品添加物としての指定の可否及び使用基準、成分規格等について議論していただきましたが、特に大きな問題点はなかったと思います。
 ただ、事務局から説明されたことに1つ追加しておいたほうがいいと思う点は、亜塩素酸水を製造する折におきましては、製造基準案として、塩化ナトリウムとしては日本薬局方塩化ナトリウム、又はその規格を満たすものでなければならないと書いてあります。この亜塩素酸水を作る折に遺伝毒性物質の臭素酸の生成が問題になります。これらの基準を満たす塩化ナトリウムを使っている場合には、臭素酸の生成に関しては、極めて低くなるということで対応している点を強調したいと思います。
 以上です。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件に関しまして御意見、御質問等ございますでしょうか。どうぞ。
○大野委員 確認というか、追加ですかね。アゾキシストロビンとか、次の品目、ピリメタニルの摂取量の推計の値というのは、添加物として使われたときだけじゃなくて、農薬として使われたときに残留する場合も考慮して、そのトータルとして摂取量がこの値だということだと思うのですけれども、それでよろしいですね。
○高橋補佐 はい。先生の御指摘のとおりでございまして、農薬としての摂取量も全て合わせた値でございます。
○大野委員 ありがとうございます。
○岸分科会長 そのほかございますか。どうぞ。
○西島委員 あとの2つのほうなのですけれども、阻害するところがチトクロームのところとかメチオニンの生合成というところですけれども、こういうものはかび以外に高等動物も持っているのです。これらの作用の特異性というのは、どの程度調べられているのでしょうか。
○高橋補佐 抗菌スペクトラムについては、先生方に事前にお送りさせていただいています参考資料を基に御説明させていただきたいと思います。
 まず、アゾキシストロビンでございますが、参考資料1の2-10と2-11を御覧ください。アゾキシストロビンは、こういった病原菌類に効果があると示されております。
 もう一つの剤のピリメタニルのほうは、このような一覧という形ではございませんが、同じ参考資料1の3-4ページの5に食品添加物としての有効性として、灰色かび病菌、うどん粉病菌、など効果を示す菌類を記載させていただいてございます。
○西島委員 質問は、抗菌スペクトルではなくて、人への影響を気にしているところなのですけれども、例えば高等動物由来の培養細胞とか、そういうところでの影響というのが。
○高橋補佐 すみません、食品安全委員会の健康影響評価の中で議論されているかもしれませんので、今、調べさせていただきたいと思います。
 アゾキシストロビンで申しますと、例えばマウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝毒性試験の結果がございます。例えば2-63ページでございますが、遺伝毒性に関しましては、染色体異常試験や小核試験といった試験が実施されております。食品安全委員会におきまして、特段問題となるようなものはないと評価されております。ほかの動物個体を用いた長期毒性は、それより少し前のページに記載されてございます。
○岸分科会長 西島先生、よろしゅうございますか。
○西島委員 質問は、チトクローム系に、多分生物種によって違うと思うのですけれども、その辺の特異性がもし分かったら知りたいというところなのです。若林先生、何かありましたか。
○若林委員 その点について、ある種の動物に対して、この化合物が特異的に毒性を示すということはなかったと思います。
○西島委員 そういうことであれば、それで了解いたします。
○岸分科会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。もしなければ、これで3剤につきまして了承ということにいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございます。事務局に答申に向けた手続を進めていただきます。また、WTO通報、パブリックコメント等で軽微な修正が必要になった場合には、部会長と御相談しながら、私に御一任いただき、また事務局は答申に向けた手続を進めていただくということで、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。その後の経過については、次回以降、本分科会で御報告いたします。
 続きまして、食品中の農薬の残留基準設定につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
○茂野補佐 それでは、農薬の審議品目3剤について御説明いたします。
 1剤目、サフルフェナシルでございます。資料は18ページからになります。御説明ですけれども、ハードファイルの参考資料2の1-3ページを用いて御説明させていただければと存じます。
 今回の残留基準の検討につきましては、米国と同じ基準値の設定を求めるインポートトレランス申請がなされたことに伴い、新たに基準値の設定を行うものでございます。
 本剤は、スルホニルアミド系除草剤です。
 化学名、構造式などにつきましては、記載のとおりでございます。
 次のページをめくっていただきまして、1-4ページ、「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。本剤は、国内では農薬登録がなされておりません。インポートトレランス申請がなされた米国などの使用方法につきまして、記載してございます。
 1-6ページ、「3.作物残留試験」でございます。
 分析の対象化合物は、サフルフェナシル、代謝物H11、H35です。
 分析の方法につきましては、記載のとおりでございます。
 結果につきましては、1-10ページにございます別紙1に記載してございます。
 1-6ページに戻っていただきまして、「4.畜産物への推定残留量」でございます。
 乳牛で残留試験が行われており、その結果を表1に記載しております。
 その残留試験結果から推定した推定残留量を表2に記載してございます。
 1枚めくっていただきまして、1-8ページ、「5.ADIの評価」でございます。マウスを用いた18カ月間発がん性試験の無毒性量を用い、ADIを0.009mg/kg 体重/dayと食品安全委員会で評価されております。また、評価に供された遺伝毒性試験のin vitro試験の一部で陽性の結果が得られておりますが、小核試験を初め、in vivo試験では陰性の結果が得られているため、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 「6.諸外国の状況」でございます。JMPRによる毒性評価が行われ、ADIが設定されております。国際基準はとうもろこしに設定されており、また米国において、米、畜産物等に、カナダにおいてアーモンド、畜産物等に基準値が設定されております。
 「7.基準値案」でございます。
 残留の規制対象につきましては、サフルフェナシルとする案といたしております。
 また、食品安全委員会におきましても、農産物中の暴露評価対象物質としてサフルフェナシルを設定しております。
 基準値案でございますが、1-13ページの別紙2を御覧ください。米国が基準値設定に用いた作物残留試験結果、それから推定残留量に基づきましてインポートトレランス申請、「IT」と書いてございますところの食品に基準値を設定する案といたしております。
 これらの案によりまして暴露評価を行いましたものが、次の1-14ページの別紙3でございます。TMDI(理論一日摂取量)試算によりまして、一番高い幼少児で25.7%のADI占有率となってございます。
 続きまして、農薬テブフロキンについて御説明いたします。本資料は21ページ、参考資料2は2-3ページでございます。
 今回の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴う基準値設定依頼が米、魚介類になされたことに伴い、基準値の設定を行うものでございます。
 本剤は、キノリノール骨格を有する殺菌剤です。
 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 1枚めくっていただきまして、2-4ページ、「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。国内での使用方法について記載しております。
 「3.作物残留試験」でございます。
 分析対象の化合物は、親化合物のテブフロキンと代謝物、M1、M2、M3、M4、M8です。
 試験結果は、2-8ページの別紙1に記載してございます。
 続きまして、2-6ページに行っていただきまして、「4.魚介類への推定残留量」でございます。
 本剤につきましては、水系を通じた魚介類への残留が想定されることから、農林水産省より魚介類への基準値設定について要請がございました。魚類濃縮性試験の結果より、推定残留量は0.082ppmと算出されております。
 続きまして、「5.ADI」の評価でございます。ラットの繁殖試験における無毒性量の4.13mg/kg 体重/dayを根拠とし、ADIは0.041mg/kg 体重/dayと食品安全委員会で評価されております。
 「6.諸外国の状況」でございます。JMPRによる毒性評価は行われておらず、国際基準も設定されていません。また、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドにおいて基準値は設定されておりません。
 「7.基準値案」でございます。
 残留の規制対象物質につきましては、テブフロキン及び代謝M1とする案としております。
 基準値案ですが、1枚めくっていただいて、2-9ページの別紙2を御覧ください。国内の作物残留試験成績、魚介類の推定残留量によりまして基準値を設定する基準値案としております。
 これらの案によりまして暴露評価を行いましたものが、1枚めくっていただきまして、2-10ページの別紙3でございます。TMDI(理論一日摂取量)により試算いたしまして、一番高い幼少児で8.1%のADI占有率となっております。
 続きまして、ビキサフェンについて御説明させていただきます。本資料は24ページ、参考資料2では3-3ページを御覧ください。
 今回の残留基準の検討につきましては、小麦、大麦、ライ麦、畜産物などにEUと同じ基準値の設定を求めるインポートトレランス申請がなされたことに伴い、基準の設定を行うものでございます。
 本剤は、カルボキシアミド系殺菌剤です。
 化学名、構造式などにつきましては、記載のとおりです。
 1枚めくっていただきまして、3-4ページ、「2.適用の範囲及び使用方法」です。本剤は、国内では農薬登録がなされておりません。インポートトレランス申請がなされたEUにおける使用方法について記載しております。
 「3.作物残留試験」でございます。
 分析の対象化合物は、親化合物のビキサフェン、代謝物M21です。
 分析の方法につきましては、記載のとおりでございます。
 結果につきましては、3-8ページの別紙1に記載いたしております。
 3-5ページに戻っていただきまして、「4.畜産物への推定残留量」でございます。
 乳牛、産卵鶏を用いた家畜残留試験の結果を表1、そして次のページの表2に記載してございます。
 この結果に基づきまして推定残留量を算出した結果を表3-1、3-2に記載してございます。
 続きまして、3-6ページ、「5.ADIの評価」でございます。ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量1.98mg/kg 体重/dayを根拠としまして、ADIは0.019mg/kg 体重/dayと食品安全委員会で評価されております。
 「6.諸外国の状況」でございます。JMPRによる毒性評価は行われておらず、国際基準も設定されておりません。EUにおいて、小麦、畜産物などに残留基準が設定されています。
 「7.基準値案」でございます。
 残留の規制対象につきましては、農産物はビキサフェン、畜産物にあってはビキサフェン及び代謝物M21とする案といたしております。
 食品安全委員会におきましても、暴露評価対象物質として、農産物はビキサフェン、畜産物はビキサフェン及び代謝物21と設定しております。
 基準値案でございますが、3-9ページ、別紙2を御覧ください。作物残留試験成績、推定残留量に基づき、EUの基準値を参照し、基準値を設定する基準値案といたしております。
 これらの案により暴露評価を行いましたものが、1枚めくっていただきまして、3-10ページの別紙3でございます。TMDI(理論一日摂取量)試算によりまして、一番高い幼少児で26.3%のADI占有率となっております。
 事務局からの説明は、以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○岸分科会長 それでは、部会の審議の状況について、部会長、大野先生お願いいたします。
○大野委員 特にないのですけれども、細かいことを申し上げると、例えばテブフロキンのときに親化合物と代謝物M1を規制対象物質としているのですけれども、実際にやってみるとM2も幾分出ている。なぜ入れないのかというところに懸念があるかもしれませんけれども、よく見ると、M2というのはM1の半分ぐらいしか出ていないということと、M2は水酸化体なので、M1よりも毒性が弱いだろうということで、除いてあります。
 それから、ビキサフェンを規制対象物として、農産物にあってはビキサフェンだけ。畜産物については、ビキサフェンと代謝物M21と、両方というのはちょっとおかしいような感じもするのですけれども、農産物に含まれていなければ、それを食べる畜産物は余り懸念する必要はないのではないか。代謝の違いも場合によってはありますけれども、農産物で対象としている小麦とか大麦とかライ麦とか、実際に食べるところについては、M21は少ないのですね。ただ、葉っぱとかわらには結構入っているのです。それを食べる畜産物については、場合によってはM21が暴露される可能性もある。
 多分そういう考え方で、試験のときに、実際両方一緒に測っているので、畜産物で残留試験のときにどれだけM21が残ったか分からないのだけれども、そういう考え方の下で両方測って残留を決めているので、両方を対象にしたということでいいのではないかと理解したところでございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問等ございますでしょうか。ないようでしたら、分科会として了承ということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今後、WTO通報やパブリックコメント等、先ほどと同じく軽微な修正が必要になった場合は、部会長の先生と御相談しながら、私、分科会長に御一任いただくということで、答申に向けた手続をよろしくお願いいたします。
 次に、審議しなきゃいけない?ですが、食品衛生分科会における利益相反につきまして御説明をお願いいたします。
○林補佐 資料1-2の27ページを御覧ください。利益相反の取扱いについて(案)でございます。
 経緯を若干申し上げますと、薬事・食品衛生審議会の中に2つの分科会がございまして、薬事分科会のほうでは平成20年から、このような利益相反の取扱いについて審議参加規定を設けておりました。当分科会におきましては、平成22年の途中から、試行的な形で先生方に、寄付金・契約金の受取等について御申告を頂いてきておりましたけれども、今般、このような取扱いを明確化するとともに、規定として定めてはいかがかということを事務局のほうから御提案させていただきます。
 骨子のほうを御覧いただきますと、対象としては、委員など、テーブルに着かれる方全てを対象としておりまして、対象部会は、食品規格部会、乳肉水産食品部会、添加物部会、農薬・動物用医薬品部会、器具・容器包装部会、新開発食品調査部会ということで、プラス、この分科会でございます。
 といいますのは、この利益相反の取扱いの対象が2のところでございますけれども、特定の添加物・農薬等の品目に関する規格又は基準の設定、その他の管理措置であって、事業者又は事業者団体からの申請又は要請に基づく全ての審議に適用するという形で御提案いたしております。さまざまな審議の形態があると思いますけれども、特に利益相反が課題となりますのは、基本的には事業者からの申請に基づく審議であろうかと思います。
 ただ、食品衛生分科会における審議においては、事業者から直接申請がある場合だけではなくて、事業者団体から要請があるもの、あるいは農林水産省等に申請があって、それを端緒として審議が行われるというような、さまざまな対応がございますので、食品の特性を踏まえて、事業者又は事業者団体の申請又は要請という形で範囲を定めております。こうしたことから、こういった要請・申請等を端緒として審議を行わない部会については、対象外ということで御提案いたしております。
 3つ目に、取扱いの具体的な姿でございますけれども、500万円を超える受取をされた年度がある場合には、審議会場から御退室いただくということ。
 50万円から500万円以下の受取がある年度がある場合には、意見を述べることはできるが、議決には加わっていただかないということ。
 いずれの年度も50万円以下である場合は、議決にも加わることができるということ。
 特例として、寄付金等の性格・使途等を分科会長にお話いただき、分科会等が妥当であると認めた場合や、当該委員の発言が特に必要であると分科会等が求めた場合は、審議・議決に参加できる。このような規定を提案させていただきます。この部分については、薬事分科会と同一となっております。
 また、申請者からの依頼により作成された申請資料の作成に密接に関与した委員等については、当該品目の審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する。この取扱いも薬事分科会と同一でございます。
 ただ、具体的なところでは、30ページの第5条の2にございますけれども、この食品に関しましては、薬事の試験等で密接に申請資料が作られるような対応とは異なって、多数の試験を受託されるような研究機関で、さまざまな試験にかかわられる先生方もいらっしゃるということでございますので、多数の試験を受託する研究機関で、通常の業務として試験に関与した場合については、この取扱いから除外してはどうかという御提案をいたしております。
 27ページに戻りまして、5 申請者等又は競合企業と特別の利害関係を有する委員等は分科会長に申し出ていただくということ。
 28ページの6でございますが、分科会等の開催の都度、寄付金・契約金などについて、最も受領額の多い年度等について自己申告をいただく。
 7 申告対象期間は、原則、当該品目の審議が行われる分科会等開催日の属する年度を含む過去3年度。
 8 各委員等の参加の可否について、分科会等で事務局が報告するとともに、その取扱いを議事録に記録する。なお、各委員等から提出された寄付金・契約金等に係る申告書は、分科会等終了後、厚生労働省ホームページ上で公開するということでございます。
 その下には、審議参加の取扱いについて表にまとめてございます。委員の皆様へのアカウンタビリティーを確保する方法として、このような仕組みを明確化してはどうかということを、きょう御提案させていただき、分科会の先生方におかれましては、これまで試行的にやっていただいておりますので、それほどふだんの取扱いと変わるものではございませんけれども、この内容でよろしいかどうか、御審議いただければと考えております。
○岸分科会長 本件につきまして、御意見とか質問とかございますでしょうか。はい。
○山本委員 細かいことで申しわけありません。骨子1の星印、食中毒部会、その次に放射線対策部会となっていますけれども、これは合っていますか。放射性物質対策部会じゃなかったかと思いますので、訂正をよろしくお願いします。
○林補佐 大変申しわけございません。訂正させていただきます。
○岸分科会長 そのほか、利益相反に関しまして、よろしゅうございますか。どうぞ。
○大前委員 これは、本人だけという限定でよろしいわけですか。
○林補佐 31ページの第9条を御覧ください。審議不参加の基準といたしましては、委員等本人又はその御家族。御家族の定義としては、配偶者及び一親等の方であって、委員等本人と生計を一にする者とさせていただいております。
○岸分科会長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、栗山委員。
○栗山委員 500万円の基準というのは、どこから出てきた数字なのでしょうか。
○林補佐 これは、当審議会のもう一つの分科会である薬事分科会において、このような規定が定められているところから来ているものでございます。50万円、500万円の明確な根拠がどこかにあるということではなくて、これはつとめて経験的なものと考えております。薬事分科会のほうでは、治験等に関与された委員に関して、一定の契約金等の関係が生じているとか、大学等で研究費の受取等があるということで、実態上、それが意味があるような金額として500万円を定めたと承知しております。
 本日の当分科会においては、試行的な規定に基づいて、寄付金等の受取について調べさせていただいておりますけれども、本日はこの規定に該当するような方はいらっしゃらなかったということを併せて御報告いたします。
○岸分科会長 どうぞ。
○栗山委員 これに異議があるというわけではございませんが、500万円という数字が一般の人間としては違和感があるというか。日本の今の年収ですね。研究とかに払われるのではなくて、年収の平均ですが、そこまで行っていないような気がするので、この数字というのがどこから来たのかなというのは、大変関心があることでした。
○岸分科会長 どうぞ。
○西島委員 私は、この審議の初期に関与したのですけれども、アメリカで5万ドルという基準なのです。多分、その辺に沿って、5万ドルだと100円だとすると500万円ということころから出てきた数字だと思います。しかし、今、委員のおっしゃったように、500万円は人によって受けとめ方が大分違います。補助金などを頂くときは、研究者としてはそんなに多くないのですけれども、一般の方からすればかなりの金額になるという意見も出たところですけれども、最終的にはこのような形になっていると思います。
○岸分科会長 どうぞ。
○栗山委員 国の補助金の額で、文系と理系では、また全然額が違いますが、この金額が企業から出ていることになると。いや、ここにいる皆さんで、これ以上の額あるいはこれ以下の額で切ってしまうと、参加者がなくなるというような額と理解するものでしょうか。すみません、つまらないところでの質問で。
 最近は、患者会でも利益相反が問われるようになって、講演会をしても、おたくはどこから幾らもらっていますかというのが会場から聞かれるような時代になってきているのです。患者会として独立性があるかということで、そういうところを突っ込まれるときには、その額は500万円とかではなくて、20万円、30万円という額でも患者さんからも信頼が得られない時代になってきているので、500万円の根拠について、いい機会だったので伺わさせていただきました。
○岸分科会長 おっしゃることはよく分かりますが、28ページの500万円と、それから50万円から500万円、50万円以下というのから見ますと、50万円から500万円の場合も議決には参加できないということですので、500万円は確かにちょっと高いかもしれませんが、何を頂いているかによるかもしれません。50万円を超えると、この28ページの表では議決には参加できないということです。そのぐらいではいかがですか。
○栗山委員 私は、多分金額だけの問題ではないと思うのです。その人の出身母体がどこなのかとか、どこからお給料とか、主な収入を得ているかとか、ここに来るのは所属団体が違うけれども、実は長い間、そこと利益相反があるようなところに何十年勤めていたということも、信頼の度数の大きな計りになるのではないかと考えています。それの一つの根拠と言っては何ですが、議決に参加しなくても、委員会の中で、他の委員に対してかなり攻撃的な発言というか、違う場での議論を仕掛けてくるというものもあります。
 ただ、そこまで言ってしまうと、意味がなくなるというか、人の関係をさかのぼっていくことはできなくなるので、このことに対して反対するというつもりではなくて、ちょっと根拠があれば教えていただkたいなと思っただけです。ありがとうございました。
○岸分科会長 いかがでしょうか。金額の問題じゃないということに関しましては、私もそのとおりだと思うのですが、ある程度の額の提示というのも、特に利益の大きさという面から言えばあり得るのではないかと思います。はい。
○栗山委員 その部分の専門家ということは、社会から高く評価されていて当たり前というところがあるので、もらっている金額が多い人は、それなりに社会的な評価とか、やっている行動の信頼性もあるという部分もありますので、このことに対して決して反対するものではございません。研究費として組織へというのと、個人への講演料、原稿料という違いもあると思います。
○岸分科会長 この際、御意見を言っていただくのがよろしいかと思いますが、よろしゅうございますか。事務局のほうから、何か追加がございますか。
○林補佐 特に付け加えることはないのですけれども、50万円というところを一つの線引きをして、それ以上受け取られている方を明らかにするということだけでも大きな意味があると考えております。そういったことを明らかにした上で、この分科会に御参加いただくということで、先生方にはお手間をおかけいたしますけれども、国民の皆様が政策の決定プロセスを信頼していただけるように御協力いただければと考えております。
○岸分科会長 どうぞ。
○若林委員 ほかの委員会でも、同じように利益相反ということが最近、随分言われるようになってきました。他の審議会との整合性はいかがですか。
○林補佐 厚生労働省の中では、基本的にこのような類似の規定や金額の定め方で整合性をできる限りとらせていただいております。食品関係でも、省が異なると違う規定で運営されているところでございますが、利益相反の規定を設けることについては、最近の流れとしては共通しております。
○岸分科会長 もし、ほかに御意見がないようでしたらば、利益相反の取扱いを今回、案として了承して決めた。ただし、今後も利益相反は私たち自身も、それから国民の目線でも、結果に対していろいろな責任を問うときにも、後ろめたいことがあっては大変困りますので、この今日御提示の方針で一応了承して進めるということにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございました。
 続きまして、報告品目に入ります。農薬関係4品目について、御報告をお願いいたします。
○茂野補佐 では、農薬につきまして報告させていただきます。資料は2でございます。
 1ページを御覧ください。1剤目、TCMTBです。
 本剤は、ポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準の見直しを行うものです。
 本剤は、殺菌剤です。
 国内登録はありません。
 国際基準も設定されておらず、米国において米、とうもろこしなどに基準がございます。
 食品安全委員会でADIを0.012と設定いただきました。なお、ラットを用いた発がん性試験において、8mg/kg体重/day投与群以上のオスで、精巣管細胞腫、20mg/kg体重/day投与群のメスで甲状腺C細胞線腫の発生頻度増加が認められています。発生機序は、遺伝毒性メカニズムとは考えがたく、本剤の評価に当たり閾値を設定することは可能であると、食品安全委員会で評価されています。
 基準値案につきましては、1枚めくっていただきまして、2ページにございます。本剤の残留基準につきましては、ポジティブリスト制度導入時に、当時の米国、オーストラリアの残留基準を参照として設定されたところですが、残留基準の設定根拠となる残留試験データが確認できなかったことから、基準値を削除する基準値案を部会で御審議いただきました。
 一番左側の基準値案のところが空欄になってございます。基準値が削除された後は、一律基準0.01ppmが適用されることになります。
 続きまして、2剤目、アラクロールでございます。資料2の4ページを御覧ください。
 本剤は、魚介類への基準値設定と併せて、ポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しを行うものです。
 本剤は、除草剤です。
 国内では、なし、ぶどう等に農薬登録がございます。
 国際基準は設定されておらず、米国で小麦、畜産物などに、カナダでそらまめ、ばれいしょ等に、EUにおいてとうもろこし、えんどうなどに基準値が設定されております。
 食品安全委員会でADIを0.01と設定いただきました。なお、ラットを用いた慢性毒性/発がん性併合試験におきまして、126mg/kg 体重/day投与群の雌雄で、腺胃における腫瘍、15mg/kg 体重/day投与群の雌雄で鼻腔における腫瘍、126mg/kg 体重/day投与群のオスで甲状腺における腫瘍の発生頻度の増加が認められています。食品安全委員会では、腫瘍の発生メカニズムは、遺伝毒性によるものではなく、閾値を設定することは可能であると評価されています。
 基準値案は、5ページ以降にございます。
 国内、米国の作物残留試験データ等を基に、魚介類に基準値を設定し、暫定基準等を見直す基準値案を部会で御審議いただきました。暴露量比は、TMDI比で63.1%でございます。
 続きまして、3剤目、トリフルラリンでございます。資料は9ページでございます。
 本剤は、魚介類に基準値を設定するとともに、暫定基準の見直しを行うものでございます。
 本剤は、除草剤です。
 りんご、アスパラガス等に農薬登録がございます。
 国際基準は設定されておらず、米国で大豆、とうもろこし等に、カナダにおいてあんず、アスパラガス等に、EUにおいてアスパラガス、セロリ等に、オーストラリアにおいてにんじん、ばれいしょ等に基準がございます。
 食品安全委員会でADIを0.024と設定いただきました。
 基準値案は、10ページ以降にございます。魚介類に推定残留量を基に基準値を設定し、暫定基準の見直しを行う基準値案を部会で御審議いただきました。暴露評価は、TMDI比で26.6%でございます。
 続きまして、4剤目、ピリメタニルでございます。資料は16ページにございます。
 本剤は、インポートトレランス申請に基づき基準値設定の要請があり、基準値の設定を行うこと、及びポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準の見直しを行うものでございます。
 本剤は、殺菌剤です。
 本剤は、ポストハーベストとしての用途がございまして、本日、添加物としての指定について御審議をいただいた剤でございます。
 国内登録はございません。
 国際基準がバナナ、にんじんなどに設定されています。米国で、アーモンド、バナナ等に、カナダにおいてアーモンド、りんご等に、EUにおいてアーモンド、ぶどう等に、オーストラリアにおいてバナナ、ぶどう等に、ニュージーランドにおいてぶどうに基準値が設定されています。
 食品安全委員会でADIを0.17と設定いただきました。なお、発がん性試験において、ラットのメス5,000ppm投与群で甲状腺ろ胞細胞線種の発生頻度の増加が認められていますが、遺伝毒性試験、メカニズム試験等の結果等から、腫瘍の発生メカニズムは遺伝毒性によるものではないと考えられ、評価に当たり閾値を設定することは可能であると評価されています。
 基準値案は、17ページにございます。ITと書いてございますインポートトレランス申請に基づきまして、その他の野菜に基準値を設定し、ポストハーベストとしての添加物の使用基準が設定されていますかんきつ類、りんご、西洋なし、マルメロにつきましては、添加物としての使用基準に基づき、農薬の基準値を設定する基準値案といたしております。
 その他、国際基準、作物残留試験データに基づき、残留基準を見直す基準値案を部会で御審議いただきました。暴露評価は、TMDI比で26.4%でございます。
 御報告は以上でございます。
○岸分科会長 ただ今の御報告に関しまして、御意見とか御質問とかございますでしょうか。
 もしございませんでしたならば、次に文書配布による報告品目に移らせていただきます。
 この資料に関しましては、既に事前に先生方のところに郵送で配付されていると思いますので、この場で特段の御意見がなければ次に移らせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 では、(3)文書による報告品目等をこれで終了させていただきまして、次に事務局からの報告事項に入りたいと思います。
 きょう、結構たくさんありまして、説明をよろしくお願いいたします。
○林補佐 事務局からの報告事項につきましては、時間も押しておりますので、手短に御報告させていただきます。
 まず、資料4の1ページ、カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律についてというものでございます。
 カネミ油症事件は、昭和43年に西日本を中心に発生したライスオイルに混入したダイオキシンによる食中毒事件でございます。今般、超党派の議員連盟等での議論を踏まえて、議員立法として、カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律というものが成立いたしました。
 これに基づく支援策の概要を2ページに、そして法律の概要を3ページに付けております。法律については、基本理念、国等の責務、そして基本的施策の項目を定めてございます。
 この法律に基づいて、現在、基本指針というものを定める手続を進めております。4ページに基本指針案というものがございまして、こうした基本指針案について、先週まで、患者を含め、国民の皆様の御意見を伺う期間としておりました。
 今後、こうした基本指針案を定め、また診断基準の見直し等を行って、順次支援策を実施してまいる予定としております。
 (1)につきましては、以上です。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 次に、浅漬による食中毒の再発防止につきまして御説明をお願いします。
○三木補佐 2つ目の浅漬による食中毒の再発防止への対応について御報告いたします。5ページから32ページまでが資料でございます。
 これは、本年8月に札幌市等で浅漬を原因食品としました腸管出血性大腸菌O-157による食中毒により、高齢者施設を中心に事件が発生しまして、患者169名、うち死者8名という発生になってございます。
 札幌市の中間報告については、6ページから12ページとなっておりますけれども、基本的には浅漬、白菜きりづけというのが原因食品、6ページにございます。
 患者の発生状況については、8ページにございます。これは、死者は現在8名となってございます。
 いろいろと札幌市のほうが原因究明を行ったところ、汚染原因については明確となってございませんけれども、12ページにございますように、各工程において幾つかの汚染の可能性があるということが指摘されてございます。
 次に、厚生労働省としての対応でございますが、こういう事件を踏まえまして、全国の自治体に、浅漬を製造する施設に対して立入調査を依頼いたしました。これが13ページからになっております。
 中間報告を取りまとめておりますけれども、9月14日時点での報告ということで、立入施設の総数が2,282施設で、うち指導を行った施設が1,994施設ということで、約87%の施設に何らかの指導を行ったというものでございます。
 こういうことを踏まえまして、厚生労働省としては、浅漬の製造にかかる総合的な衛生管理について定めております、漬物の衛生規範というものを昭和56年に策定してございますが、これを10月12日付で改正したというものでございます。
 改正内容については、19ページ、実際の通知は20ページからになってございますが、19ページを御覧いただきますと、基本的に浅漬は加熱工程がないということから、原料から製品までの一貫した衛生管理が必要であるということを踏まえまして、浅漬の原材料の低温管理でありますとか、各工程での低温の保管、殺菌ということを盛り込んだ改正の内容となってございます。
 実際の通知は、20ページ以降になってございますが、詳細については御覧いただきたいと思います。
 浅漬の製造業者に対しては、こういった改正内容について周知徹底を図るために、今日お配りしておると思いますが、こういうリーフレットを作成しまして、保健所を通じて各事業者に配布してございます。分かりやすい説明をして、衛生規範の遵守ということをお願いしているということでございます。
 あと、遵守状況については、5ページの(3)に書いてございますが、食品、添加物等の年末一斉取締り、これから12月にございますし、あと夏季一斉取締り、7月から8月に行っておりますが、こういったものを通じて重点的に指導を行ってまいりたいと考えてございます。
 さらに、こういった対応を行った上で、今後の浅漬による食中毒の発生状況や漬物の衛生規範の遵守状況を踏まえ、必要に応じてさらなる対応の要否について検討するということでございます。この件については、10月1日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・食品規格合同部会において御検討いただきまして、一応、ここに書いてある(2)から(4)の対応を行うことで了承をいただいたというものでございます。
 以上でございます。
○岸分科会長 何か質問等ございますか。はい。
○河野委員 漬物の衛生基準改正に関してなのですけれども、今回、改正されて、全国の関係者機関に通達されたということで、評価させていただきたいと思います。
 0-157、腸管出血性大腸菌の中毒というのは、私たち消費者にとってみれば、見た目の変化もにおいもないもので、本当に製造過程で衛生管理を徹底していただかなければ防ぎようがありません。現在、暮らしと家族形態の変化で、本当に簡単・便利で無駄のない加工食品への依存というのは、今後どんどん高まると思いますし、健康志向も重なりまして、いわゆる漬物というよりは、手軽に野菜を食べる、それから塩分を抑えて野菜を食べる手段として、こういった浅漬の人気というのは落ちないだろうと思っております。
 同様に、今、広く私たちが手にする機会があるのは、カット野菜とか非加熱の惣菜とかカット果物なのですね。そのあたりの需要も続いていくと思っています。
 今回のことは、このパンフレットを拝見しても非常に初歩的なことが書いてあると思いまして、洗浄・消毒に関する管理意識というものが低く、それから製造記録も残っていない製造現場がたくさんあるということで、そのほかの生に近い形で提供されているサラダ、惣菜、果物等の衛生管理はどうなるのかなと、消費者としては単純に心配になります。
 今回、7人の方が亡くなったという実害が起きまして、規制を厳しくして30年ぶりの見直しということになったと思うのですけれども、消費者の食生活の変化とか加工食品の拡大という現状と今後の方向性を踏まえまして、こうした分野で衛生管理上で優先すべき課題をぜひ明らかにしていただきまして、事前投資は難しいかもしれない。でも、そういう意識で資源を振り向けて、どういうところに力を入れるのかということで、注意喚起とか計画的な監視とか対策をぜひ打っていただきたいと思っております。
 併せて、今回の浅漬由来の食中毒等への対策ですとか、なぜそうするのかということに関しまして、これは業者の皆様にですけれども、消費者に向けても分かりやすく情報提供していただければと思います。
 以上です。
○岸分科会長 事務局、追加ございますか。
○三木補佐 ちょっと追加をさせていただきますと、資料の20ページを御覧いただきますと、これは漬物の衛生規範という改正について行った通知ですけれども、この前文中の「また」以降につきまして、加熱せずに喫食するカット野菜及びカット果物を加工する施設については、別途、大量調理施設の衛生管理マニュアルというものがございますので、こういったものも活用して指導を行うよう、都道府県には要請しているところでございます。
 以上でございます。
○岸分科会長 分かりました。
 それでは、次に豚レバーの提供に関する指導等につきまして御説明をお願いいたします。
○三木補佐 では、続けて御説明させていただきます。資料は33ページから38ページになります。豚レバーの提供に関する指導等についてでございます。
 豚レバーを生食用として提供している飲食店があるという一部報道、これは36ページ、37ページに参考として付けてございますが、こういった報道がございましたことから、豚レバーを生食することの危険性について周知したということでございます。
 厚生労働省では、本年7月1日から生食用の牛レバーの販売を禁止しておりますけれども、この際に、牛を含めた獣畜や家禽の内臓についても、生食をしないように、十分加熱をするようにということで情報提供なりを行ってきたというものでございます。
 今般、こういう報道があったことも踏まえまして、豚レバーを加熱せずに喫食をすると、E型肝炎のほか、サルモネラ属菌及びカンピロバクター等の食中毒のリスクがあるということで、次の34ページにございますが、10月4日付で各都道府県に対して、関係者に必要な加熱をするということと、あと消費者に対しても、十分に加熱するようにという注意喚起を行ったというものでございます。
 35ページにありますように、過去10年間で5件の食中毒が発生しておりますし、また食肉を介するE型肝炎のウイルスの感染事例についても、Q&Aを作って情報提供しておりますので、これを改めて行ったというものでございます。
 さらに、厚生労働省のホームページにおきましても、38ページにございますように、豚のレバーは加熱して食べましょうという情報提供を行ったというところでございます。
 以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 何か質問とか御意見ございますか。
 もしないようでしたならば、次に移らせていただきまして、昭和23年度食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の調査結果につきまして、本調査を実施された国立医薬品食品衛生研究所食品部の松田りえ子部長に御参加いただいております。よろしくお願いいたします。
○竹内専門官 それでは、説明のほうに入らせていただきます。資料のほうは39ページになります。食品中のダイオキシン類一日摂取量調査につきましては、例年、本分科会のほうで御報告させていただいているところでございますが、このたび厚生労働科学研究補助金の成果といたしまして、平成23年度分が取りまとまっておりますので、御報告させていただきます。
 本調査の目的でございますが、1に記載させていただいております。まず1つ目としまして、平均的な食生活を送っているときにダイオキシン類をどの程度摂取しているかの推計。もう一つとしましては、個別食品中のダイオキシン類の汚染実態を把握することの2点でございます。
 方法でございますが、2に記載してございますように、全国7ブロック8機関で食品を購入いたしまして、国民健康・栄養調査の食品別摂取量表に基づきまして14群の試料を調製いたしまして、これらに含まれるダイオキシン類の分析を行っております。その結果から、一日摂取量というものを算出させていただいております。その際に、ダイオキシン類の摂取量の寄与が高いと考えられております魚介類、肉、卵類及び乳・乳製品の群につきましては、各機関で3セットずつ調製させて推定させていただいております。
 続きまして、もう一つございますが、個別食品中のダイオキシン類濃度に関する調査でございますが、今年度は個別食品としまして70試料について分析させていただいております。なお、この中で弁当試料の測定をさせていただいておりますが、弁当試料につきましては、米飯を除いた具材のみの測定とさせていただいております。
 結果のほうに移らさせていただきます。3の結果の概要のほうを御覧ください。
 まず、一日摂取量調査でございますけれども、平成23年度の体重1?当たりの一日摂取量調査は、毒性等量で0.85pgとなり、こちらの39ページの図からもお分かりいただけるかと思いますけれども、これまでの調査の中で最も低い値という結果になっております。加えまして、日本における耐容一日摂取量が4pgとなっておりますので、それと比較しても大幅に低い値という状況になってございます。
 続きまして、個別食品の結果でございますが、40ページのほうを御覧ください。
 表1に、個別食品中のダイオキシン類濃度としまして、魚介類及び魚の肝臓加工品及び健康食品について。表2に、畜肉類ということで、牛とか豚、鶏を含む弁当につきましてのダイオキシン類の濃度の結果をお示ししております。
 健康食品につきましては、添付書のほうにございます最大摂取量に基づきまして、ダイオキシン類の摂取量を算出しておりまして、最大で耐容一日摂取量の64%という結果が得られております。ただ、この結果につきましては、先ほど御報告しました一日摂取量の結果、0.68 pgの結果を加味した場合でも、1日の4pgを超過することはございませんでした。ただ、今回、高い値が出ておりますので、この製品につきましては、引き続きダイオキシン類の濃度の調査を注視していきたいと考えております。
 これらの結果を踏まえまして、例年のことになってしまいますけれども、一部の食品を過度に摂取することなく、バランスのよい食生活をすることを推奨するコメントを付与させていただきまして、これまでと同様に厚生労働省のホームページのほうに、この結果を公表させていただきたいと考えております。
 説明につきましては、以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 ただ今の御報告に御質問、御意見等ございますか。山内委員、どうぞ。
 ○山内委員 この研究は、所沢のダイオキシンの問題から始まったのでしたか。
 このような調査をしていただくことは非常に重要で、こういった物質の摂取が減っているということを示していただくのはいいのですけれども、そもそもこの研究を始めた背景は何だったか、対策をとった結果現在はどうなったか、なぜ減っているのかという、要因分析などをわかりやすく伝えていただけると助かります。
○岸分科会長 どうぞお願いいたします。
○松田部長 おっしゃるとおり、これはダイオキシン摂取が問題になったことから始まった研究でございます。そのころから、ダイオキシン特別措置法というものが施行されまして、排出源の抑制ということで、例えば焼却場をよくするということとか、PCBの規制もございますけれども、そういうことをもちまして排出が減ったということで、このように徐々に低下しているのかと思われます。
 しかしながら、ダイオキシンは非常に難分解性で、かつ蓄積性も高いということから、排出をゼロにしたとしても、この程度、徐々にしか減っていかない。特に最終的に海にたまっているものが魚介にたまっているということで、わずかずつ減っていくということ。肉のほうには、最近はほとんど見られなくなっておりますので、主要な摂取源は全て魚介類という結果になっております。
○山内委員 今のような解説をしていただくと、よく分かります。何らかの形で付けていただけるとうれしいです。ありがとうございました。
○岸分科会長 次回は、ぜひよろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○山本委員 健康食品のことですけれども、これもDHAとか、そういうものが関係しているのですか。非常に高いものが出ていますけれどもね。
○松田部長 サメの肝油です。
○山本委員 やはり。
○岸分科会長 質問ありがとうございました。17pgTEQというのはかなり高いですね。
 では、よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 最後になりましたが、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況につきまして御説明をお願いいたします。
○横田補佐 すみません、冒頭に資料の一部に誤記がございましたので、修正させていただきます。残留農薬の報告事項、資料2の1ページ目でございます。TCMTBという農薬の残留基準の資料なのですけれども、食品安全委員会における食品健康影響評価結果のところ、3行目、「無毒性量」とありますけれども、ここは「最小毒性量」の誤りでした。申しわけございません。
 それでは、前回の食品衛生分科会における審議及び報告品目の処理状況について報告させていただきます。資料4の最終ページ、42ページを御覧ください。
 こちらは、前回、6月12日の当分科会におきまして御審議いただきました品目でございます。農薬等が12品目、添加物が2品目、容器包装にかかる省令・告示の改正について2項目がございました。これらについてパブリックコメント及びWTO通報の実施状況をまとめたものになります。
 5番目のアビラマイシンというのを御覧ください。アビラマイシンにつきましては、残留の規制対象物質を、アビラマイシン本体を対象としておりましたけれども、国際基準であるコーデックスでは、アビラマイシンの代謝物であるジクロロイソエバニニック酸という物質を対象化合物としておりまして、これに合わせるべきだという御意見をいただいております。これにつきましては、再度、農薬・動物用医薬品部会において御審議いただくことを考えております。
 その他の品目等につきましては、当分科会で御審議、御了解いただいた規格基準案に再検討の必要を生じるものはございませんでした。
 以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。これで全ての審議事項、報告事項が終わりましたが、事務局から何か連絡がございますか。
○林補佐 まことにありがとうございました。
 次回の分科会につきましては、日程調整をさせていただき、また後日、お知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○岸分科会長 それでは、ちょっと10分ほど時間が経過いたしまして、きょうは熱心な、また重要な議論を長時間していただきまして、ありがとうございました。
 これをもちまして分科会を閉会いたします。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部企画情報課総務係

TEL: 03-5253-1111(2449)

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