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2012年11月16日 第1回病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会議事録

医政局総務課

○日時

平成24年11月16日(金)14:30~16:30


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○議題

-

○議事

○徳田医療政策企画官 定刻になりましたので、ただいまから第1回「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、寒い中、また、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
 議事に入ります前に、構成員の皆様方の御紹介をさせていただきます。
 一般社団法人日本病院会副会長の相澤孝夫構成員でございます。
○相澤構成員 (礼)
○徳田医療政策企画官 公益社団法人日本薬剤師会常務理事の安部好弘構成員です。
○安部構成員 安部でございます。
○徳田医療政策企画官 学習院大学教授の遠藤久夫構成員です。
○遠藤構成員 よろしくお願いします。
○徳田医療政策企画官 健康保険組合連合会理事の高智英太郎構成員です。
○高智構成員 高智でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 公益社団法人日本看護協会常任理事の齋藤訓子構成員です。
○齋藤構成員 齋藤でございます。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 社団法人全日本病院協会会長の西澤寛俊構成員です。
○西澤構成員 西澤でございます。よろしく。
○徳田医療政策企画官 日本労働組合総連合会総合政策局長の花井圭子構成員です。
○花井構成員 花井です。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 本日は代理の方に御出席いただいておりますが、社団法人日本医療法人協会会長の日野頌三構成員でございます。
○加納参考人 (礼)
○徳田医療政策企画官 続きまして、産業医科大学教授の松田晋哉構成員です。
○松田構成員 よろしくお願いします。
○徳田医療政策企画官 社団法人日本医師会常任理事の三上裕司構成員です。
○三上構成員 (礼)
○徳田医療政策企画官 新潟県福祉保健部副部長の山?理構成員です。
○山?構成員 山?です。よろしくお願いします。
○徳田医療政策企画官 また、本日は御欠席ですけれども、九州大学大学院医学研究院教授の尾形裕也構成員、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子構成員で構成されております。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 医政局長の原でございます。
○原医政局長 原でございます。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 大臣官房審議官の神田でございます。
○神田審議官 神田でございます。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 医政局総務課長の吉岡でございます。
○吉岡総務課長 吉岡でございます。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 指導課長の梶尾でございます。
○梶尾指導課長 梶尾です。よろしくお願いします。
○徳田医療政策企画官 本日は若干おくれてまいりますけれども、保健医療技術調整官の佐々木がおります。
 続きまして、総務課課長補佐の原田でございます。
○原田総務課課長補佐 原田です。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 同じく、総務課課長補佐の坂上でございます。
○坂上総務課課長補佐 坂上と申します。よろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 最後になりましたが、私、医療政策企画官の徳田でございます。どうぞよろしくお願いします。
 まずは、事務局を代表しまして、医政局長の原より御挨拶申し上げます。
○原医政局長 医政局長の原でございます。本日は、お忙しい中、「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 御承知のように、病院・病床機能をどうしていくかという問題につきましては、従来からいろいろと議論をされてきたところでございますけれども、具体的には、昨年末から検討いただきました急性期医療に関する作業グループにおいて基本的な枠組みが取りまとめられまして、ことし6月、医療部会において了承されたところでございます。
 その取りまとめの中で、一般病床の機能分化の推進に向けて、それぞれの医療機関が担っている医療機能を都道府県に報告する仕組みを導入しまして、その報告を求める、まずはどういうような医療機能かという、そういうような具体的な報告事項等について検討していこうということで、今回、この検討会を立ち上げたわけでございます。
 本日お集まりいただいている構成員の方々にも、急性期医療に関する作業グループには御参画いただいた方もいらっしゃいますけれども、そこでの議論を通じて、今、たくさんございます一般病床の機能分化をしっかりと見極めていくことが必要ではないかと考えております。
 また、その作業グループにおいても具体的にどうかは別としましても、その機能分化を推進していくということについては合意を得られて皆様方の十分な共通の理解が得られたと考えております。
 しかしながら、それを具体的にどうしていくか、まさしくその部分をこの検討会で決めていっていただきたい、御議論をしていっていただきたいと考えております。
 年末の大変忙しい時期からのスタートでございますけれども、精力的な御議論をいただきまして、しかるべき結果をまとめていただきますようお願いいたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○徳田医療政策企画官 それでは、初めにお手元の資料の確認をさせていただきます。
 お手元に議事次第、座席表のほか、資料1、資料2-1から2-5まで、資料3及び資料4、そして参考資料は1と2をおつけしております。不足がございましたらお知らせいただけますか。よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
 続きまして、本検討会の座長についてお諮りしたいと思います。事前に皆様方にも御相談させていただいておりますけれども、座長として遠藤久夫学習院大学教授にお願いしたいと思いますが、皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○徳田医療政策企画官 ありがとうございました。
 構成員の皆様方の御賛同をいただきましたので、遠藤構成員におかれましては、座長席にお移りいただきまして、以後の議事運営をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(遠藤構成員、座長席へ移動)
○遠藤座長 ただいま座長を拝命いたしました学習院大学の遠藤でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、議事に入る前に、代理出席に関してのルールを明確にさせていただきたいと思っております。団体を代表して御参加いただいておられます構成員の方が欠席されるような場合につきましては、事前に事務局を通じて座長の了承を得るということと、当日の会合において承認を得るという、この2つのことを条件としてはどうかと思っております。これをクリアすれば参考人として御参加いただいて、発言ができるというふうにしたいと考えておりますけれども、そのようなルールでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。お認めいただいたということにさせていただきます。
 早速、本日の会議につきましても該当される方がいらっしゃいます。日野頌三構成員の代理としまして、社団法人日本医療法人協会副会長加納繁照参考人の御出席をお認めいただくということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、議事に移らせていただきたいと思います。
 先ほど医政局長からのお話にもありましたように、当部会は、急性期医療に関する作業グループで出した結論に基づきまして、その具体的な方策を検討するという道筋の中の一つということでございますので、その辺も含めまして、事務局から資料が出ておりますので、事務局から解説をしていただきたいと思います。その後、皆様方に御意見いただきたいと考えております。
 それでは、事務局、御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○徳田医療政策企画官 事務局から資料を御説明したいと思います。
 まず、資料1でございますが、「『病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会』の開催について」という資料をごらんいただければと思います。開催要項になっております。
 1番に「開催の趣旨」と書いておりますが、先ほど局長の御挨拶にもありましたけれども、一般病床の機能分化につきましては、昨年12月に取りまとめられました社会保障審議会医療部会の意見書を踏まえまして、「急性期医療に関する作業グループ」が設けられて8回の議論が行われた結果、本年6月に「一般病床の機能分化の推進についての整理」が取りまとめられまして、医療部会で了承されたところでございます。
 その取りまとめにおきましては、一般病床の機能分化の推進に向けまして、医療機関が担っている医療機能を都道府県に報告する仕組みを導入することとされて、「報告を求める各医療機能の考え方や具体的な内容につきましては、医療提供者や利用者の意見も踏まえながら、医療部会のもとに設ける検討の場において、別途検討を進めるとされたところでございます。
 これを踏まえまして、報告を求める医療機能の考え方や具体的な報告事項等について検討を行うために、本検討会でございます「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」を開催することにしたところでございます。
 次に、2番の「検討事項」でございますけれども、まず、1つ目の○でございますが、報告を求める医療機能(急性期、亜急性期、回復期等)の具体的な内容について。2番目の○の検討事項としまして、医療機能ごとの報告事項(提供している医療の機能や特性、人的な体制、構造設備など)についてとなっております。
 具体的な検討事項につきましては、後ほど資料4のほうで各検討会で議論していただきたい論点ということで御説明させていただきたいと思います。
 その他、構成員等については、別紙のとおりでございます。
 以上が資料1の御説明でございます。
 次に、資料2の「病床の機能分化についてのこれまでの経緯」に入る前に、病床機能分化の背景といいますか、現状について初めに御説明したいと思います。
 資料が飛びますけれども、参考資料1をごらんいただければと思います。
 まず、1ページ目でございますけれども、よくごらんいただく資料だと思いますが、病院病床数の推移が右側に示されております。それをごらんいただきますと、総数にしても、一般病床数にしましても、横ばいまたは若干減少している、大幅に減少しているという状況になっております。
 他方で2ページ目でございますけれども、人口1,000人当たりの病床数をOECD諸国と比較したものでございます。そうしますと、日本は断トツに1位でございまして、1,000人当たりの病床数が13.6ということで、他のOECD諸国に比べて大幅に多くの病床を有しているということが見てとれるかと思います。
 次に、3ページでございます。人口10万対医師数の年次推移、あるいは医師総数でございますけれども、左の縦軸が医師の総数をあらわしておりますが、毎年4,000人程度お医者さんはふえておりまして、平成22年で29.5万人ということになっております。
 他方で、次の4ページでございますけれども、人口1,000人当たりの臨床医数を国際比較したものでございます。そうしますと、OECDの平均より低いのみならず、2.2ということで、下から数えたほうがいい状況になっているということでございます。
 次に、5ページ、「我が国の人口推計」をごらんいただきますと、皆様、御案内のように、75歳以上人口の割合が今後推計値として非常に伸びていくというところが見てとれるかと思います。高齢化が進めば、それだけ医療ニーズがふえていくことが予想されるのではないかと思います。
 次の6ページをごらんいただきますと、「我が国における団塊世代の高齢化」ということでございまして、青い線が2007年、赤い線が2012年ですけれども、そのピークの山に当たるのが団塊世代の部分でございまして、これがこの5年間でぐっと右に来て、65歳前後に山が来ている。今後、5年、10年たつと、これがどんどん右に移っていって、いわゆる高齢化して、医療ニーズがどんどんふえていくということが見てとれるかと思います。
 以上を踏まえましたものが次の7ページでございまして、現状を将来に投影した場合に、1日当たりの入院患者数の推計は、現在の133万人から2025年には162万人に増加するということが見込まれるところでございます。このニーズに対する必要病床総数でいいますと、現在の166万床から202万床まで急増することが見込まれるところでございます。
 しかしながら、我が国は、先ほどごらんいただきましたように、諸外国に比べまして人口当たりの病床数は多いものの医師数は非常に少ないという中で、ニーズがふえたからといって、そのまま病床数を急増させるということは非現実的ではないかということで、したがいまして、医療資源を効果的かつ効率的に活用していくために病床の機能分化を進めて、機能に応じた資源投入を図ることによって、入院医療全体の機能強化と在宅医療等の充実を図ることが必要になってくるということを考えるところでございます。
 資料が前後して恐縮ですが、続きまして、先ほど申し上げましたように、資料2の「病床の機能分化についてのこれまでの経緯」を簡単に御説明したいと思います。
 ちょっと戻っていただきまして、資料2-1をごらんいただければと思います。資料2-1は、先ほどから話が出ております、昨年12月に取りまとめました社会保障審議会医療部会の意見書がございまして、そのポイントをまとめたものでございます。資料2-2は、その本文でございますけれども、2-1のポイントのほうでごらんいただければと思います。
 左下の四角のところに「病院・病床の機能の明確化・強化」とございまして、その上のほうに「病床区分のあり方」について書かれております。
 1つ目の○でございますけれども、一般病床について機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るなど、病床の機能分化・強化が必要であり、こうした方向性を明らかにして取り組むことが重要であるということ。
 2つ目の○でございますけれども、一般病床の機能分化を進め、急性期医療への人的資源の集中化を図るための具体的方策については、検討の場を設けて早急に検討するというふうにされたところでございます。
 これを受けまして、先ほどから話に出ておりますけれども、急性期医療に関する作業グループという検討会が設けられまして、議論がされたところでございます。
 その議論で取りまとめられたものが資料2-3でございます。
 資料2-4が本文になりますけれども、御説明は資料2-3をごらんいただきながらしたいと思います。
 この急性期医療に関する作業グループにおきましては、結論としましては、一般病床の機能分化を推進するための仕組みとしまして、大きく分けて2つの柱について取りまとめられたところでございます。
 上の四角をごらんいただければと思いますが、一般病床の機能分化を推進していくために、まず1つ目の柱としまして、医療機関が担っている医療機能を都道府県に報告する仕組みを導入するということ。
 2番目の柱としまして、そこで報告を受けた情報を活用しまして、医療計画において、その地域にふさわしい地域医療のビジョンを策定する仕組みを導入するということが取りまとめられてございます。
 これによりまして、地域に必要に応じた医療機能の分化と連携を推進し、均衡ある地域医療の発展を図るというふうにされたところでございます。
 下のポンチ絵は、それぞれの医療機関、都道府県、住民・患者、それぞれのステークホルダーがどういうふうにかかわってくるかということをお示ししたものでございます。
 まず、医療機関でございます。「医療機関」の下の四角に書いておりますが、各医療機関は、その病棟ごとに主として担っている医療機能をみずから選択しまして、その内容とその病棟ごとの病床機能、例えば提供している医療の特性とか人的な体制などを都道府県に報告する仕組みを設けるということになっております。
 この報告制度によりまして、都道府県は現状を把握することになりまして、さらに、それを受けて都道府県は何をするかといいますと、下の「都道府県」の欄でございますけれども、各医療機関から出てきました報告の内容を患者や住民にわかりやすい形で公表するということ。あわせて、その情報を活用して、地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携の姿(ビジョン)を描く(新たに医療計画において策定する)ということでございます。
 その際には、右下の四角にありますけれども、地域の将来的な医療ニーズの見通しとか、医療資源の現状を踏まえて策定するということを考えているところでございます。
 住民・患者につきましては、この都道府県が公表する報告内容とか、あるいは地域医療のビジョンというものをもとに、各医療機関の機能を適切に理解しつつ利用するということが期待されているところでございます。
 さらに、このビジョンにつきましては、今度は医療機関にフィードバックされまして、医療機関はそのビジョンを経営戦略の指標として活用するということが期待されると取りまとめられたところでございます。
 次の資料2-5でございますが、これはことしの2月に閣議決定されました社会保障と税の一体改革の大綱でございます。これにおきましても、真ん中ぐらいの「今後の見直しの方向性」の?に「病院・病床機能の分化・強化」というところが取り上げられておりまして、そのポツの1に急性期病床の位置づけを明確化して、医療資源の集中投入による機能強化を図るなど、病院・病床の機能分化・強化を推進するというふうに書かれているところでございます。
 以上が資料2のこれまでの議論の経緯でございます。
 次に、資料3でございますけれども、「報告制度の導入と地域医療ビジョン策定までの流れ」、今、2つの柱を御説明しましたけれども、それぞれの流れにつきまして、この急性期医療の取りまとめにおける整理の文章をもとにつくった資料でございます。
 資料3の表側をごらんいただきますと、まず1つ目の柱であります「医療機能及び病床機能を報告する仕組みの導入」、いわゆる報告の仕組みの導入というのが1つ目の柱でございます。これが第1ステップになります。
 各医療機関、これは診療所を含みますけれども、全ての医療機関が医療機能を自主的に選択して、その医療機能について都道府県に報告する仕組みを設けるというのがこの柱になっております。
 各医療機関につきましては、その病棟ごとに主として担っている、例えば急性期とか亜急性期といった医療機能の内容を報告するということ。それとともに、その医療機能ごとに、例えばどういう医療を提供しているかという提供している医療の機能や特性、あるいは人的な体制、構造設備などの病床機能についても報告するというふうにされているところでございます。
 ただし、報告すべき医療機能の内容とか考え方、あるいは医療機能ごとの報告すべき具体的な内容につきましては、真ん中で囲っておりますように、医療提供者や利用者の意見も踏まえながら、医療部会のもとに設ける検討の場において別途検討を進めるというふうにされているところでございまして、今回設置させていただきます検討会は、これを受けて設置されたものということになります。
 また、この報告制度に関しましては、下の2つの○にありますように、各医療機関は、みずから都道府県に報告した内容について、閲覧に供するなど患者や住民にわかりやすく提供することが求められるとともに、都道府県も、その上がってきた報告の内容を患者、住民にわかりやすい形で公表するということが求められているところでございます。
 次のステップとしましては、「2.医療機能の情報把握」ということで、この報告制度を通じまして、都道府県は医療機能の現状を把握することになります。
 次のステップが「3.地域医療ビジョンの策定」ということで、これは具体的には次々回の医療計画から行われることを想定しておりますけれども、この1番の報告制度で上がってきた報告とされる情報を活用して、高齢化の進展を含む地域の将来的な医療ニーズの見通しを踏まえながら、新たな医療計画において、バランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療のビジョンを地域ごとに策定するということが求められているところでございます。
 そして、1つ目の※にありますけれども、国におきましては、地域医療のビジョンに関するガイドラインの作成というものを医療提供者や利用者の意見を踏まえて検討するとされているところでございまして、これは今回の検討会ではなくて、今後、検討会を別途設置しまして検討するということを想定しているところでございます。
 この取りまとめにおける整理で、もう一つ、「4.その他」がございまして、これにおきましては、機能分化を推進するに当たっての国や都道府県、医療機関、患者・住民等の役割について、医療法に位置づけるというふうにされているところでございます。
 縦の各段階の流れを横にして具体的な時期を書き込んだのが裏側の横長の部分でございます。
 まず、今年の6月、先ほどから話に出ておりますように、急性期医療に関する作業グループの取りまとめにおきまして、報告制度の骨組みが設計されるということで、医療機能を病棟単位で都道府県に報告する仕組みを設けるということがまとめられたところでございます。
 今回の検討会におきまして、ことしの11月からですけれども、報告を求める各医療機能の考え方や具体的な内容、提供方法について検討するということで、これが今回の検討課題の検討になります。
 具体的なタイムスパンとしましては、25年いっぱいぐらいを想定しているところでございます。
 ここで報告内容について確定したところで具体的な制度設計に入りまして、実際の報告制度が動き出すのは26年度からということを今のところ想定しております。
 そして、医療機能の情報把握ということで、この報告制度が動き出しますと、都道府県は報告制度を通じて、地域の各医療機関が担っている医療機能の現状を把握することになります。
 同時並行にはなるかもしれませんけれども、地域医療ビジョンのガイドライン作成ということで、地域医療ビジョンに関するガイドラインを国において作成するということを、関係者の意見を聞きながら検討するということで、ここにありますように、今後、別途検討会を設置して検討するということになりまして、それができたところで29年度に各都道府県が地域医療のビジョンを、30年から動き出します医療計画の策定ということで、この地域医療のビジョンを策定するという流れを想定しているところでございます。
 以上が資料3の御説明でございます。
 続きまして、資料4でございますけれども、「本検討会において議論すべき論点」ということで、先ほどの開催要項の検討課題とありましたが、それをもう少しブレークダウンして整理させていただいたものでございます。今回の検討会のミッションはどういうことかということをまとめたものでございます。
 大きく分けて3つありますけれども、まず1つ目でございますけれども、「医療機能の具体的な内容について」ということで、ポツ1でございますが、急性期、亜急性期及び回復期それぞれの医療機能において、対象とする主たる患者像や求められる医療の内容は何かということ。
 2つ目のポツでございますけれども、各医療機関がどの医療機能を選択して報告すればよいかの判断基準をどのようにすべきかということ。
 3番目のポツですけれども、先ほど例示で上げました急性期、亜急性期と回復期ですけれども、それ以外、その他の報告すべき医療機能として位置づけるべきものがあるのかどうか。例としましては、例えば地域一般、障害者・特殊疾患というのがこれまでもいろいろ挙がっておりますけれども、そういうその他報告すべき医療機能として位置づけるべきものがあるのかどうかということについても御議論いただければと考えております。
 次に、2番目でございますけれども、「2.医療機能毎の報告事項について」ということで、1番の具体的な内容を踏まえまして、具体的な報告内容をどうするのかということについて各都道府県が現状を把握するということ、患者や住民にそれを提供していく、その2つの観点を考えながら、具体的に、例えば提供している医療の機能や特性とか人的体制、構造設備など、どういう報告事項を具体的に求めるべきなのかということを御議論いただければと考えております。
 次に、「3.病床機能情報の提供について」、これは若干ディメンションが違うものでございますけれども、患者や住民にわかりやすく提供するという先ほどから出ている観点から、みずから閲覧に供する、いわゆる医療機関及び都道府県も公表するということになっておりますので、それぞれの医療機関や都道府県が提供する方法とかその内容はどのような形が適当なのかということについても御議論いただければと考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ただいま事務局から当検討会のミッション、あるいは大きな流れの中の位置づけということが御説明されましたけれども、本日は最初ということもありますので、分野を区切ることなくフリーディスカッションという形で展開したいと考えておりますけれども、ただいまの御報告内容に対して、御質問でも御意見でも結構でございます。いかがでございましょうか。
 西澤構成員、お願いします。
○西澤構成員 今説明いただいた資料についてでございますが、まず、参考資料1の1ページ目の病床総数が159万であり、次のページでは、人口1,000人当たり13.6と。これはこのとおりですが、実は、国によって病床の定義が違います。日本は慢性期まで全部含めている。ほかの国は急性期だけとかの違いはあるので、そこを調べて出していただければと思います。
 例えば、アメリカでは、日本でいう急性期だけだと思いますので、もしそれに当てはめれば、日本も一般病床の数だけで言うのが本当かもしれません。しかし、一般病床の中にも実は障害者病棟等々も入っています。このあたりは、もう少しきめ細かく比較しないと、同じ性格の病床でこれだけ差があるというように見られ、誤解を生むので、そのあたりの資料の出し方を考えてもらいたいと思います。
○遠藤座長 では、事務局、お答えをよろしくお願いします。事務局、どうぞ。
○原田総務課課長補佐 先生御指摘の面はあろうかと思います。国際比較となると、一定の切り方で資料をつくらなければいけないということで、このような資料の出し方をさせていただきましたがが、もうちょっと工夫できる余地がないかということで考えさせていただければと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
 ほかに何か御意見ございますか。三上構成員、どうぞ。
○三上構成員 この検討会のミッションで、いわゆる報告を求める各医療機能の考え方や具体的な内容について、急性期、亜急性期、回復期、それぞれの機能がどういう機能をあらわしているのか、定義のようなものをここで検討できるということで、それは非常にいいと思うのですが、以前から厚生労働省の急性期病床群構想の議論等で、定義もわからないのに議論ができるのかという話がよく出ていたと思います。この急性期、亜急性期というのは、基本的には病期の早期であるとか、あるいはある程度時間がたったという期間の感じがするのですが、基本的には、いわゆるどれぐらいの医療資源を投入しなければならないかとか、どれくらい人員配置を手厚くしなければならないかとか、設備をどれぐらい必要とするのかといったものが病床の機能で、病気がいわゆる軽症であっても早期のものについては急性期として診ることになるのかということも含めてここで議論をしていただきたいと思います。
 私、以前に精神科医療の機能分化と質の向上に関する検討会に出たのですが、「重度慢性期」という言葉も出てまいりまして、そこにはかなり医療資源が要るのだということでした。軽症の急性期よりも重度慢性期のほうがはるかに人員配置等を手厚くしなければならないというふうな議論も当然あるわけで、その辺も含めて病床の機能はどうなのかというのを考えていただきたいと思います。
 もう一つ、資料1の「検討事項」のところでは、「急性期、亜急性期、回復期等」という「等」が入っているのですが、それ以外のところでは「等」の部分が全くなくて、「急性期、亜急性期、回復期」だけで、慢性期に当たるようなもの、いわゆる先ほど言った重度慢性期に当たるようなものについては、どのようなところで検討するのか。病床の機能として分類されないのか、あるいは療養病床という形で一般病床とは別のところだと決めてしまうのか。社会保障・税一体改革の中身でも地域一般病床というものが書かれていたと思うのですが、一般病床として、急性期から慢性期に当たるまで全てを診るような病床の存在を位置づけた上で書いていただきたいと思います。こう書かれていると、そういったものを認めないのではないかということになりますので、ぜひその辺のところも考えていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 前半は、まさに病床の機能をここで検討するのだというお話があって、どういう視点で考えるかということを幾つかおっしゃっていただいたので、まさに今後の議論という形になります。
 後半は、事務局に対する質問なのか、あるいは要請なのかわかりませんが、後半について何か事務局でコメントがあればお答えいただきたいと思います。総務課長、お願いします。
○吉岡総務課長 前半、後半をあわせてのことかと思いますけれども、ここの検討会でこれから、今、三上構成員から御指摘があった具体的な検討をいただくことになろうかと思いますが、病床機能の分化について、これから新しい制度をつくるわけでありますけれども、今回で将来を含めた全てのことを決められるのかといいますと、やはり多段階で取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。
 御指摘のように、診療科や疾患によっては平均在院日数が違ったり、いろいろな疾病や対応の状況も違うということはあるわけでありますけれども、そこまで事細かに最初から決め得るのかというと、なかなか現実的に難しい部分もあるだろうと。
 6月の取りまとめが行われた際の基本的な考え方としても、恐らくこれは病期別の機能ごとにまずは大きく分けて、それぞれの機能に合わせた提供体制をつくっていこうではないか、ということであったかと思います。
 ただ、今回、報告を各病院からいただいて、その報告いただいた中身をより詳細に把握することによりまして、診療科や疾患などといったデータを具体的に見ることができますので、それをもとに、さらに次の段階で細部についてどうするか考えていくという対応もあると思っております。
 それから、「等」ということがあったり、なかったりという点でございます。きょうの資料4で論点を示しておりますが、急性期、亜急性期、回復期を代表的なものとして書かせていただいた上で、その他報告すべき医療機能として位置づけるべきものがあるかということで、例といたしまして地域一般とか障害者・特殊疾患というものを掲げさせていただいておりますけれども、この点について今後御議論いただければと思っております。
○遠藤座長 三上構成員、よろしいですか。
 ほかにどなたかございますか。高智構成員、お願いします。
○高智構成員 大分踏み込んだ御意見も出ているわけでございますけれども、私のほうからは少し額縁的な観点からも3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 本日を初回といたしますこの検討会の呼称には、具体的なあり方を検討する、その旨の修飾がついております。医療機能の具体的な内容について報告する医療機関サイドにおかれましては、ぜひともそのことに御配意いただきまして、報告内容を読む立場にある、そして、活用する住民、患者の皆さんにとりまして、有効で、日常生活に密着した信頼のおける重要な報告情報源となるように、ぜひ御尽力いただきたいと考えております。
 その意味では、大変失礼な言い方に当たるかもしれませんけれども、まずは報告内容の冒頭で、とりあえずは急性期として報告しておこうというようなことがあってはならないと考えております。最後まで情報がねじれて、情報を活用する方々が迷惑をこうむるとか、あるいは本来のあり方から外れるということにならないよう、ぜひとも御尽力いただければ大変ありがたいと思っております。
 2つ目は、報告の内容、形について資料でもお示しいただいておりますけれども、若干の意見と私どもが期待するところを述べてみたいと思います。
 そもそもこの検討会のみならずということですが、医療制度をはじめといたしまして、医療提供制度や医療保険制度の向上を目指す視点の根底には、患者、地域住民、保険を支える労使、そういった各側へのリターンが最大限に反映されることにあると思っております。
 そこで、今回の新しい報告の仕組みをうまく開花させるための一助としてでございますが、地域住民や患者さんが報告内容を見ても読んでも、あるいは人づてに又聞きした際においても理解しやすいような体制、フォーマット、かみ砕いた表現の工夫といったことが不可欠になってくるものと考えております。
 その意味では、有床診療所及び病院から県に報告される内容が一字一句コピーされたまま県から地域住民に広報されるというような形ではいかがなものかと思っている次第です。ある意味、コピーライター的な翻訳作業、かみ砕いた平易な置きかえ作業を経まして、一般の方々、あるいは地域、県内住民に報告内容が知らされる必要があるという考え方でございます。
 それから、3つ目でございますけれども、形の観点から申し上げれば、県境に住居のある方々、あるいは、よく言われることですが、千葉都民とか神奈川都民と言われる境界線を行き来する患者さんも少なくないわけでございます。複数の都道府県情報の比較検討がスムーズにできるような工夫についても考えておく必要があろうかと思います。
 具体的には、1つは、フォーマットの共通化、主要専門用語の表記の統一化などが考えられると思っております。
 最後に、今回このような形で地域住民が前面に出てくる仕組みが考えられたことに対しましては、大変評価しているところでございます。また、医療資源の効率的な使い方という意味で、入院の医療費、病院の医療費は、最も資源を投入しなければいけない分野でもございますので、ぜひこの議論を成功裏に導いていただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。今後の議論をする上での御要望といったことを中心にお話しいただいたと思います。
 ただいまの高智構成員のお話に関連してでも結構でございますし、また、別の視点でも結構でございますけれども、御質問、御意見ございますか。
 それでは、加納参考人、お願いします。
○加納参考人 先ほど、具体的なあり方という言葉で、僕は具体的なあり方ということで考えますと、参考資料の人口推計のところをごらんになっていただいたらわかると思うのですが、やはり一番大きなのは、この団塊の世代の方の今後のあり方、看取り方、また診療のあり方というのが、恐らく我々日本のこれからの将来の医療の一番メーンのところではないかと思うのです。例えば、5の表で見ますと、14歳以下の人口がどんどん減っていき、また、15~64歳の人口も減っていき、その中で65歳以上、また、75歳以上の方が非常に大きな率を占めていくということが現実的に今後起こってくる日本の医療だと思っておりますので、急性期という中で年齢的な疾病の構造もしっかりと理解していただいて、そのあり方をぜひとも検討していただきたいと思うのです。若年者の急性期の疾患も、また、高齢者の急性期の疾患も大分病態が違う、また、よく言われている平均在院日数を含めてあり方も違うのではないかと思っておりますので、そういったところをしっかりと議論をしていただければありがたいかと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 老人がふえるということを考えながらの議論というのは当然の話でありますけれども、そこに着目をする必要があるということの御注意だと思うのです。ありがとうございます。
 ほかにございますか。齋藤構成員、お願いします。
○齋藤構成員 ありがとうございます。2点お伺いしたいことがございまして、1つは、今回の情報提供の制度は病棟単位を基本として報告をするというのが資料3に書かれてあるのですけれども、この病棟というのがどういうものを指しているのか、定義は何なのかということです。1看護単位という理解でいいか。今の病棟はさまざまな混合病床があったり、一つの病棟の中に、一般病棟入院基本料の病床とハイケアユニットが混在していたりというのが現状。技術的な問題なのかもしれないが、今回の情報報告制度の目的は、実態がどうなっているのかということを都道府県が把握することなので、例えば平均在院日数でくくると、その病棟にハイケアユニットも入り、一般病棟入院基本料の病床も入って平均値で出すということになり、実態がわからなくなるのではないかというのが1点。
 それから、もう一つは、平成18年に義務付けられた報告制度は、病院単位の報告になっているかが、この病院単位の報告と今回の病棟ごとの報告が連動していくのかどうか。都道府県によっては非常に細かく報告をしている県もあれば、非常にざっくばらんにやっているところもある。今後これが連動していくことになれば、例えば特定機能病院や地域医療支援病院の中にどういう病床があって、どういう機能を果たしているのかという非常に細かな分析も可能になると思う。この病棟の考え方と、18年度にできた報告制度との連動というのをどう考えればいいのかを、もし事務局でお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。ただいまの2つの御質問について、事務局、お願いします。
○原田総務課課長補佐 2点御指摘がございまして、1点目の病棟の関係でございますが、もともと今回の一般病床の機能分化を進めていくという考え方は、医療機関内の医療資源を効果的にどう活用していくのかという中で、ある程度の医療資源の投入のあり方の違いといったものを見ていくには、病床ごとに細かくしていくよりは、ある程度の一定のまとまりごとに見ていくのではないかということで、病棟という考え方が出てきております。
 ただ、御承知のとおり、病棟という概念は、今、診療報酬上で看護単位とされておりますので、基本的にはそれがベースになるということだろうと考えておりますが、確かにおっしゃるとおり、病室ごとの機能というのが診療報酬でもあり、こうしたところを、どう考えていくのかという点も、1つの検討課題になってくると思っています。ただし、整理としては看護単位の病棟で見たらどうかということだと考えております。
○吉岡総務課長 それから、2点目の医療機能情報提供制度と何が違うのか、また、どう連動させていくのかという御指摘でございます。
 医療機能の情報提供制度につきましては、医療機関に対して患者さん方が病院などの選択を行うために必要な情報について都道府県に報告をいただくというものであります。今回の報告制度というのは2つの役割があるわけでして、1つは、今申し上げました、医療機能情報提供制度と同じように、患者の方々の選択に資する情報として提供するためのものであるということですけれども、もう一つは、現状を各都道府県が把握した上で、今後、地域ごとに策定されるビジョンを描くために活用するという点で異なるものであるということと、そのために病棟単位でもって情報をいただくという点で異なるということでございます。
 ただ、おっしゃるように、住民の方々、患者さん方にわかりやすく、病院の情報を提供するかという観点で考えますと、両方の情報をミックスさせた上で、先ほど論点でもございました、各都道府県による公表方法とか内容はどういう形のものが適当かというのも論点に掲げておりますので、そうした中で、また改めて御議論をいただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 齋藤構成員、いかがでしょうか。どうぞ。
○齋藤構成員 私は、報告制度の違いは理解するのですけれども、できましたら、病院単位で届けているものと、それから、今回、この病棟ごとで届けているものを何とか連動させて、さまざまな分析に使えるのではないかということを思いましたので、そういうやり方をぜひ検討すべきではないかと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。今後の検討の中でそういう視点も必要であるという御指摘だったと理解させていただきます。
 ほかにございますでしょうか。安部構成員、どうぞ。
○安部構成員 2点ほど教えていただきたいというか、素朴な疑問ですけれども、参考資料をお示しいただきました参考資料2の5ページで「平均在院日数別の病院の分布」とあります。このブルーの部分は一般病床と書いてございます。ピークが18日のところに来ているわけですけれども、一方、この60日のところにピークが来ておるのですが、これは今回の、例えば急性期、亜急性期、回復期と分けるとすれば、回復期になるのでしょうか。私は、どちらかというと長期療養的な人たちがこの一般病床にお入りになっていることがここに数字として出ているのでないかというふうに単純に思うのですけれども、今回の分類でいけばどうなるかというイメージを教えていただければと思います。
 もう一点、先ほど総務課長から既に御説明いただいたような内容でございますけれども、今回の仕組みは医療機関が自主的に病床を急性期、亜急性期、回復期に分けて、みずから選択をして、各病床数を報告するという仕組みかと思うのですが、必ずしもその病床に対応したというのでしょうか、その病床にマッチした患者さんの状態とか病態の人が、パラレルにその病床の中に入れない場合があるのではないかというふうには思います。
 先ほど総務課長が、今後いろいろ調整されるというふうにおっしゃったように理解しておりますけれども、今回の議論の中では、それをノイズとしてネグってしまっていいものなのかという疑問があるのと、そういった場合、病床数の報告で、例えば、ある病床に入りたいけれども入れない、別な病床に入りましたという状態になったときに、県に報告が行ったときに、その病床の過不足が十分に県の情報として利用できるものになるかというところが、これから議論をしてそういった細かいところは詰めるのかもしれませんが、そのところが少し疑問なのでお教えいただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。いかがでしょうか。事務局、コメントをお願いします。
○原田総務課課長補佐 2点御指摘をいただきました。
 1点目でございますが、参考資料2は急性期医療に関する作業グループで以前お示しした資料になります。これは、病院ごと一般病床の状況がどうなっているのかを示している資料であり、病棟ではなくて、病院単位でみた一般病床の平均在院日数を示しております。
 ごらんいただいてわかるとおり、病院ごとで見ても一般病床の平均在院日数は幅広く分布しており、病院ごとに担っている機能はさまざまあるのではないかということを示した資料です。
 61日以上のところがどうなのかについては、ここでも御議論いただければと思いますが、基本的に医療法上の病床の中で、長期の療養を要する方に対する病床として療養病床がありますが、医療法上は、長期の療養を要する方は必ず療養病床に、それ以外の方が一般病床に入院しなければならないとはなっていないので、一般病床の中でも長期の入院患者さんはいらっしゃるということが示されているということだと思います。
 一般病床がこのような状況になっているということをお示ししているものであって、御指摘の点をどのように分析するかは、ここでの御議論ということになろうかと思いますが、いずれにせよ、事実としてお示ししている資料になります。
 もう一つ御指摘があった点ですが、今回も、そういう意味では、急性期、亜急性期、それぞれ病棟ごとで報告していただくわけですが、これは先の急性期医療に関する作業グループの中でも御議論があったのですけれども、例えば急性期病床というものを位置づけたときに、急性期のそういう患者しかその病床に入ってはいけないのかというと、患者さんはいろいろな病態がありますので、そのような形にするのは果たしていかがなのかという議論はあると思っております。
 ただ、一方で、それぞれ医療機関の中でも患者さんの受け入れる体制として医療従事者の配置に濃淡がつけられていると思いますので、そういう中で実態がどうなのか、入院している患者像はどうなっているのかを把握したいということであり、例えば急性期であれば比較的医療度の高い患者が多くなるのだと思いますが、そういう症状の軽い方が入るのはだめだということではないですし、そのような実態があるのであれば、それがどういう状況なのかを把握することが今回の制度趣旨になると思っております。
○遠藤座長 安部構成員、お願いします。
○安部構成員 ありがとうございます。ただ、この60日のところのピークは、やはり急性期、亜急性期でないことは確かではないかと思うと、自然と残るは回復期に入れざるを得ないのかなということなのですが、その中で療養期にあるような方も中には入っているということかと私は理解しているので、その点は御議論いただければという点と、もう一点は、先ほどの御説明いただいたノイズのところでどこまでの精度が必要か。大ざっぱなデータでいいのか、それとも実態を県できちんと把握するために、どこのレベルまでの精度を求めるのかというのも大変重要なところではないかと思います。御説明ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見。三上構成員、お願いします。
○三上構成員 ただいまの一般病床での長期の患者さんにつきましては、診療報酬上でも特定除外制度というのがございますので、基本的には手厚い医療が長期、慢性期になっても必要だという方が一般病床に長く入院されていることがあります。これは、今回、論点の整理の中でそういったことも一緒に考えられるということになりますと、そことリンクする可能性はあるのかなと感じます。
 先ほどの医療機能情報提供制度の問題ですが、介護保険のほうでも介護サービスの情報公表システムというのがございまして、これは調査員が来てかなり詳細なデータを公表してきたわけですが、実際には一般の住民にはほとんど利用されなかったという現状がございます。利用されるのはケアマネジャーとか、一部のいわゆる提供者側の人たちが少し見るという程度だったということなのですが、現在あります医療機能情報提供制度についての利用の頻度、利用のされ方がどうなっているのか。それから、今まで老健局の管轄ですけれども、介護サービスの情報公表システムがどうして住民に余り利用されてこなかったのか。我々も患者さんを入院させようと思って医療機関に紹介する際には、かかりつけ医なり、紹介元のドクターがいろいろなところの情報をもとに紹介をします。病床の機能については、我々はどこの病院であれば、どういう先生がおられて、どういう専門の治療ができるということをある程度理解をしているわけです。しかし患者さんの側にとっては、どこにどういう先生がおられるかということはなかなか知るすべがないと思いますし、高度な医療を提供する場合には、恐らくかかりつけ医というか、主治医の先生が間に立って紹介をされて入院医療機関を選択するということが普通ではないかと思うので、患者さん、住民にわかりやすい情報ということとともに、他の医療機関に対して非常にわかりやすく、詳細なデータがわかるような情報のあらわし方というのが必要だと思います。その辺のところについてのお考えを伺いたいと思います。
○遠藤座長 それは、ある意味、ここでどう考えるかというビジョンの一つに入るとは思いますけれども、もし事務局で何かコメントがあればお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○吉岡総務課長 事務局でどうのというよりは、これからまさしく議論いただければと思います。
○遠藤座長 そういうことでありますので、大変重要な御指摘をいただいていると思います。
○三上構成員 老健局での介護サービスの情報公表制度のあり方で、どうして余り利用されなかったのかということについてはわかりますでしょうか。
○遠藤座長 いかがでしょうか。
○吉岡総務課長 何かわかるものがございましたら、また次回にでも御報告させていただきます。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
 ほかにございますか。それでは、高智構成員、お願いいたします。
○高智構成員 資料4に関連して2点申し上げたいと思います。
 私ども健保連でございまして、個別の保険者ではなくて、保険者を束ねる中央団体でございますけれども、昨年度、国民意識調査を実施いたしまして、その結果について申し上げたいと思います。
 資料4の2の「医療機能毎の報告事項について」でございます。例えば、この回答でございますけれども、手術件数について、当該医療機関の件数を知りたい、あるいは専門医の勤務、配置状況についても知りたい、そして、疾患ごとの入院日数なども知りたい。これは、やはりできるだけ早く退院してQOL、ADLを損なわないように残存能力を保っていきたい、それから、早く職場に復帰したいという思いが入っているのだと思います。私どもはサラリーマン保険ですので、恐らくそうだと思っております。
 それから、そのアンケート結果ではわからなかったことでございますが、多少検証を試みました結果、例えばリハビリの展開状況、こういうことについても知りたい状況に入ってくるのではないか、そして、医療保険制度内で完結しない介護保険との連携というような観点から見ますと、OT、PTの配置状況、リハビリの展開状況、そういったことも報告の内容、情報の一つとして盛り込んでいただけたらいいのではないか。
 あるいは、先ほど齋藤構成員からもお話がございましたが、病棟単位という点に着目すれば、コメディカル職種としてメディカルソーシャルワーカー(MSW)は、入院中においても安心・安全・信頼が保たれる人材として、配置状況が外からわかれば、地域住民も患者も安心できる、こういった情報を欲しているというふうに考えております。
 それから、同じ資料4の1の「医療機能の具体的な内容について」でございますが、資料の一番下に「(例)地域一般、障害者・特殊疾患等」と書いてございますが、このような表記の仕方は余りにも曖昧模糊といいますか、発信してもなかなか受け取りにくい書き方だと思いますので、こういう書き方にならないような報告をしていただきたい、それが意見でございます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。このデータは、一般に公表するというのと同時に、今、自治体がどのような医療計画をつくるかというときに参考にする、2つの目的があるわけなので、その表記の仕方といいますか、あらわし方はそれぞれの目的に応じて変えることは可能だとは思いますけれども、一般に流す場合にはわかりやすくを旨とするということだったと思います。
 ほかに何かございますか。それでは、まず、相澤構成員からお願いいたします。
○相澤構成員 実は、これまでの急性期医療に関する作業グループで検討した中では、急性期を切り分けて、一般病床の中ではっきりと位置づけることが難しいのではないかという意見が最終的な集約だったと思います。ということは、資料4の1にありますように、例えば急性期の医療機能において対象とする主たる患者や求められる医療機能を何らかの形で報告しろというのは逆でございまして、その病院がどういう機能を持っているのか、どんなことをしているのか公表することによって、患者さんに選択をしてもらって、そういう中から急性期らしいとか、亜急性期らしいというのが分かれてくるのであって、初めから急性期の病院と考えたらこれを報告しろとか、亜急性期と考えたらこれを報告しろというのは、やはりこれまで積み重ねていた議論を全くまたもとへ戻すという議論になると思うのです。
 要するに、何を言いたいかというと、急性期とはこういう病床ですとか、こういう病棟ですという線がどうしても引けないので、それで報告制度になったのであって、初めから急性期の線を引いて、そういう病院はこの報告をしろというのは、これまでの議論を全くもとに戻して初めからやれということなので、私はおかしいのでないかと思うのです。
 今、高智さんがお話しになったような、例えばその病院が手術件数はどれぐらいやっているのか、あるいは救急車はどれぐらいとっているのか、あるいはリハビリの状況はどうなっているのか、どういうことを報告してもらったら、要するに住民の方がその病院を選択しやすくて、その選択をすることによって、急性期と亜急性期が分かれてくるのではないかという議論であったというぐあいに私は理解しているのですが、私の理解が違っていたら教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 これは非常に重要なといいますか、根底にかかわる話ではありますので、その辺について事務局からコメントをいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○原田総務課課長補佐 相澤先生がおっしゃいましたように、最初は急性期病床群というものを位置づけましょうという議論の中から、現状がわからないのに定義づけは難しいですねという中で、どういう機能があるのかということを明らかにして、報告制度でそれぞれの状況を報告してもらいましょうということになり、今回の制度でとりまとまったと理解しています。
 そういう意味では、急性期とか亜急性期ということは、とりまとめでは最終的にこういう記載がなされていますが、三上先生からも話がありましたように、どちらかというと急性期というと、病期が早いのか早くないのかという観点で御指摘されるわけですが、実際は、どちらかというと医療密度がどうなのだという観点で考えるべきという議論もあるでしょうし、そうなると、慢性期でも医療度が高い状況にもなり得ますが、そこをどう考えるのか、といった議論もあろうかと思います。そういう意味では、漠然と医療度で見たときの高いものから、低いものというとちょっと語弊があるかもしれませんが、医療というよりは別の機能を担っている回復期のようなものがそれぞれあろうかと思います。とりまとめでは、急性期、亜急性期、回復期と決め打ちで書いてありますが、そもそもそれぞれがどういった機能なのかということを、この場で御議論いただければと思います。
 ですので、先生おっしゃるように、対象とする主たる患者像とか、求められる医療というのがそれぞれ違いがあるでしょう、それが医療機能という形であって、それに名前をつけるとするのであれば、どういう名前がつくのかという議論もあり、要は、急性期、亜急性期、回復期というものがとりまとめで例示として挙げられているが、この点についても、名前がこれでいいのかどうかというところも含めて御議論をいただくことではないかと思っております。
 先生がおっしゃったように、急性期というものを位置づけて、切り分けるというのは難しいよねという議論は作業グループのほうでもありましたので、その辺も含めて御検討いただければと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。そういうことで、急性期を新たに機能で定義をするということではなくて、医療計画で必要である、あるいは患者の病院選択で必要である機能とは何かというようなことを考えて、そこである程度のグルーピングができれば、それを急性期と言うとか、急性期とつけるかどうかはともかくとして、今のお話は、そういうふうな理解でよろしいですか。そんなふうに私は理解しましたけれども、よろしゅうございますか。
○原田総務課課長補佐 はい。
○遠藤座長 ということだということです。これが事務局の回答なのですが、相澤構成員、いかがでしょうか。
○相澤構成員 そういう方向で議論をしていただければと思います。
 それと、もう一つよろしいでしょうか。
○遠藤座長 お願いします。
○相澤構成員 もう一つ、病棟ごとということを先ほどお話をいただいたのですが、たしか議論の中では、病院全体でも考えてもいいし、それから、そこの病院の機能によっては病棟ごとでもいいという、恐らく相当、こういう言い方は失礼かもしれませんが、曖昧模糊とした中で線引きをしようという中で、それは病院が自分たちでどういう選択をするのか。例えば、ケアミックスでやっているような病院であれば、ここの病棟とここの病棟は急性期ですけれども、ここは回復期でもいいし、あるいは、病院によってはリハビリを一生懸命やっているのだけれども、病院全体で急性期としてやっているのだと。それは、それほどこだわらないという話であったと思うのです。ですから、病棟ごとが基本だというぐあいに決められてしまうと、非常にやりにくいという病院の意見というのもございますので、やはり私は、その辺は病院が地域でどんな医療を提供していきたいのかというのに基づいて、病棟ごとの選択であっても病院全体でやるということも考えてもいいのではないかというぐあいに思います。
 要は、地域の住民の方にどんな知らせ方がわかりやすいかということが基本になっているわけですから、そこは病棟ごとが基本だというのは、ちょっといかがかなという考えがありますし、たしか急性期医療に関する作業グループの会でもそんな議論がなされたと思っておりますが、どうお考えになっておられるのでしょうか。
○遠藤座長 事務局お願いします。総務課長、どうぞ。
○吉岡総務課長 最終的に6月のまとめで書かれておりますのは、病棟単位を基本とするという表現になっているわけでありますので、そこの基本とするというものをどの程度のもので考えるのか、これまた御議論いただければと思っております。
 いずれにしても、医療機関の機能分化、病棟単位での機能分化というものをしっかりと進めていかなければいけないということが、この検討会の命題だと思いますので、そうした命題に沿って、どのようにこの基本という部分を考えていただけるのかということだろうと思っております。
○遠藤座長 したがいまして、今後の議論の中で、そういう御指摘されたような視点もあり得るということで、また御検討いただきたいと思います。
 西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 今、相澤先生が言ったことは、たしか前もそういう話だったと思います。病棟単位というのは、全て病棟単位でやるということではなくて、例えば、その病院が全て同じ機能であれば、全ての病棟が同じだから、それは当然、病院全部でオーケーと。ただ、今の一般病床の中には、いわゆる一般病棟入院基本料と、あとは障害者等、あるいは特殊疾患とか回復期とか全部入っているので、病院単位でやるとちょっと無理だと。病床単位だとまた細か過ぎるということで、とりあえず病棟単位を基本と。ですから、その病院が全て同じ一般病棟入院基本料であれば、まとめて全部でオーケー。ただ、その中に回復期が1病棟あれば、それは外してという考え方だったと思いますので、相澤先生が言われたとおりが、この表現になったと思っております。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 先ほど、お手をお挙げになって、指さずに失礼しました。山?構成員、お願いします。
○山?構成員 制度を運用する立場で最初に感想を申しますと、行政としては、今、既存のいろいろな調査がありまして、データを把握することができます。ただ、必ずしも目的がそれにかなったものではない。例えば、既存の患者調査、医療施設調査といったもの、あるいは、都道府県ごとに独自にそれに付加した調査を行ってはいますけれども、決して十分ではないというのが各都道府県共通した意見だろうと思います。
 そういった意味では、こういった制度をつくっていこう、その基準をしっかりさせていこうという議論は非常に歓迎すべきことだと行政側としては思うのですけれども、一方で、これが果たして医療機関の側から見た場合に、歓迎というふうに一口に言えるのだろうかと。端的に申し上げますと、行政の側からこういったことを縛られるというのでしょうか、そういうふうにとらえられるところもひょっとしてあるのではないか、そういうとらえ方をされないような基準のつくり方というのを、きっとここで議論することになるのだろうと思いますので、私どももそういった視点から議論に参加してまいりたいと考えておるところです。
 その議論をするに当たりまして、やはり報告制度の導入と地域医療ビジョン策定という2つは、恐らく両輪になる。言葉を変えれば、鶏と卵のような関係で、どちらが先かという部分があるのだろうと思います。とりあえず、この検討会では報告制度を検討するということでございますけれども、もう一つ、この先に予定されている地域医療ビジョンの策定に関する内容というものも、やはり、これも頭の隅で同時に考えていかないといけないのではないか。例えば、医療機関の側からしますと、従前から担ってきた機能というものがあるわけですけれども、当然のことながら、昨今の医療事情を考えますと、都道府県の医療計画に明記されている方針に沿って、そこに自分たちの医療機関も加わっていく、このことを医療機関としてはプラスだと考えるというところもおありかと思います。そうしたときに、どういう報告をしていただくかということと、その報告の基準というものが今後のビジョンにかなうような基準なのかということ。本当にこれはどちらが先かなという感じで、とりあえず報告ということなのですが、この辺の片方をちょっと進めて、もう片方を進めるというイメージというものが本来必要だと思うのですけれども、この辺をどうやってやっていくのだろうか。このビジョンの話というのが、全くこの報告制度が終わってからスタートということではないのだろうと思いますけれども、このあたりについてお考えをお聞かせ願えればと思っております。
○遠藤座長 事務局、何かコメントございますか。総務課長、どうぞ。
○吉岡総務課長 既に各都道府県でも医療計画をつくる中で、こうした類いのことをいろいろと御検討されている部分もあるのではないかと思っております。
 ただ、まさしく機能分化を進めていく、そして、それを具体的に地域のビジョンとして描くというためには、やはり、まず現状がどうなっているのかということを正確に把握していただくことがその前提となるのではないかと思います。
 おっしゃるように、頭の隅で考えていくということは当然にあろうかと思いますけれども、しっかりとした検討の流れといたしましては、まず現状を把握した上で、それをもとに各都道府県がビジョンをつくる上での指針的なものをどうしたらいいのかということを各自治体の意見も聞きながら国で考える。それを受けた上で、各都道府県で具体的な作業にそれぞれの地域の事情を踏まえて入っていただく、そういう流れになっていくのだろうと思っております。
○遠藤座長 よろしいですか。ありがとうございます。
 関連してでも結構でございます。松田構成員、お願いします。
○松田構成員 幾つかあるのですけれども、現状把握ということで地域医療ビジョンの話になってくるわけですけれども、現在、各都道府県で行われている地域医療計画の見直しにおいて、私どもが医政局の指示、支援を得ましてやったナショナルデータベースのデータベース化も終わっているはずです。各都道府県は、そのデータをエクセルで見られるような形になっていて、それを使っていただければ、各地域で二次医療圏ごとに病床単位で自己完結というのはどうなっているのか、あるいは医療行為などがどこでどのくらい行われたか。例えば、肺の悪性腫瘍手術が新潟のある医療圏の患者さんが隣の医療圏にどのくらい出ているのか、出ていないのか、そういうことが分析できるようなものがもうできています。それを活用していただくことで、多分、地域医療ビジョンを片隅に置きながらいろいろと検討できるだろうと思いますので、まず、その活用をぜひやっていただきたいと思っております。
 それに関連してなのですけれども、多分、この報告制度をやっていく上で、実務的なことも考えないといけないのだろうと思っています。新たに何か新しい報告のフォーマットをつくって、各病院が毎月これを埋めなければいけないという作業は、多分とても大変なことになってしまいます。でも、よく考えてみると日本にはレセコンという非常にすごい仕組みがございまして、そのレセコンのデータを自動的に加工して、何が何回あるという仕組みを、これも実際にできていますので、それをやることによって各病院が何をどのくらいやっているのかということをまず示していく。先ほど相澤構成員がお話しになられたようなことをまずやっていく。それを抽出して、例えばそれをこういう形で報告するけれどもどうだろうかということで各病院のほうにまた返して、そのやりとりをしながら最終的なものをつくっていくという、多分、現時点で既にやられている事務作業の業務の中からこの報告制度に資する情報をつくっていく仕組みをつくっていくことが現実的だろうと思っております。
 それをやれば、各病院がどういう医療行為をどのくらいやっていて、どういう傷病の患者さんをどのくらい診ているということを見ながら、その病院の特性を見ていって、先ほど相澤構成員が指摘されたような事項に応えることができるのではないかと思います。
 実は、同じような試みを諸外国で結構やられていまして、例えばフランスの場合ですと、こういう病気でこういう医療行為を行うことができる医療機関はどこにあるのかということが、トラジェクトワールというのですけれども、そういうもので見られるようになっています。それも実際にレセプトに関連するような情報を集約することでつくっていますので、多分そういう合理的なやり方をまず考えることが必要ではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。レセプトデータ、ナショナルデータベースがかなり活用ができるようになってきて、それを有効活用するということとの補完関係も考えながら、この議論を進めていくべきではないか、病院の負担もそれで軽減される、そういう非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。
 ほかにございますか。松田構成員、お願いします。
○松田構成員 追加なのですけれども、レセプトのデータがあれば、実はそこに看護単位とかが入っていますので、そうすると、その病棟単位で切ることもできるし、病床単位で切ることもできるし、病院単位で切ることもできますので、多分今まで議論されていたことも、そのレセプトのデータを使うことによって、ほぼ全部分析できるのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。私もそれはやったことないのでよくわかりませんので、そうですかと言うしかないのですが、ほかに何かございますか。
 やはり一番重要な点は、資料4のところで、先ほど来出ておりますような患者像とか求められる医療の内容として何をとらえるかというところをここで決めていかなければいけないわけですけれども、これについては患者が選択をする上で資するものであるとか、その地域医療ビジョンをつくるのに有効であるものとか、病院の負担が余りかからないとかさまざまな視点があるかと思いますけれども、先ほどは高智構成員から手術件数等々というお話をアンケート調査の結果からお話をされましたけれども、どんな内容が望ましいのかということ、そこがある意味、重要な話になると思いますし、逆にレセプトデータからわからなくて重要なものは何なのかというところも浮き彫りになる可能性もありますので、まずは、まだ少し時間がございますので、その辺のところに議論を集中したいと思いますけれども、いかがでございましょうか。どういう視点で、患者像でとらえるのか、あるいは医療の機能でとらえるのか。
 松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 多分、何か議論するためのたたき台があったほうがいいと思うのですけれども、実は、結構諸外国でこれはやられていまして、例えばアメリカだとホスピタル・コンペアというサイトがあります。これはアメリカ政府がやっているサイトなのですけれども、例えば自分が心筋梗塞になったかもしれない、どこに住んでいるということを入れると、その地域で心筋梗塞の治療をやっている病院のリストが全部出てきます。その中でA病院、B病院、C病院というものを選んでコンペアとやると、その病院の心筋梗塞の治療に関するボリュームとかプロセスとかアウトカムに関するデータが全部出てきて、比較できるようなものが実はもうあります。
 オランダの消費者団体が病院の評価をやっていまして、それもそういうものがあります。僕も多分提供できると思いますので見ていただいて、その中で使えそうなもの、今あるデータですぐ使えるようなもの、ちょっと努力すれば使えるようなもの、少しデータをとるのは難しいかもしれないというのがあると思いますけれども、まずそういういろいろなところでやられている試みの情報を少し集められて、そこから具体的に考えていくという作業が必要ではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。諸外国の先行事例についておまとめいただいて、そうすると、いずれ松田構成員から資料提供という形で出していただくということでお願いしたいと思います。
 ほかに何か、あるいは病院の実際に御経営されているお立場から見て重要だと思われることというのはございますか。
 西澤構成員、お願いいたします。
○西澤構成員 これからこの会でいろいろな情報の内容を検討すると思いますが、6月15日の作業グループ、2-4の資料ですが、書いてあるのは、今回の制度の仕組みを通じて、医療機関が自分の病院の機能や方向性は自主的に選択するということです。これは重要なことだと思います。決してこれを行政が医療機関に対しておたくの機能はこうだとかするのではなくて、医療機関が自分から選択するということ。
 それから、最後に登録制などの位置づけということで、これも最初はたしか認定制だったか忘れましたが、そういうのがありましがが、そうではなくて、医療機関が届けるのだということで、行政が全て決めるということではない、医療機関が実施するということがここに書いてあります。
 ですから、これからはいろいろな情報の内容を決めるときには、そこのことをぜひここにいる構成員の方々は頭に置きながら議論していただきたいという希望でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ただいま西澤構成員から御発言があった内容については、事務局もそういうスタンスでよろしいという理解で結構ですか。総務課長、どうぞ。
○吉岡総務課長 6月にまとめていただいたのは、各医療機関が自主的に選択をするということではございます。ただ、自主的に選択するとは申しましても、では、勝手にそれぞれの思いで報告していただいていいのかといいますと、そこは現状を把握する上で、あるいは将来のビジョンをつくる上で、やはり一定のメルクマールというものは必要であろうということで、今回の論点の中にも1番目の2つ目のポツにございますように、各医療機関がどの医療機能を選択して報告すればよいかという判断基準をどのようにすべきかということを論点として掲げさせていただいておりますので、今後その点について具体的な御議論をいただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。西澤構成員、それでよろしいですか。
○西澤構成員 同じことをちょっと言い方を変えると若干ニュアンスが違うなと思いますが、私が言っていることも、今、課長が言ったこともそのとおりだと思います。あくまでも選択は医療機関がする。当然、その選択はきちんとしなければならない。間違った選択といいましょうか、そういうことはあってはならないと思います。
 問題なのは、情報は必ず表に出るわけですから、それをきちんと評価するシステムが必要、あるいは、もしかしたら住民の方が評価すると思います。評価ということも私たちも頭に置いて議論すべきだと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。
 ほかに何か。三上構成員、お願いします。
○三上構成員 病棟単位ということで先ほどからいろいろお話が出ているのですけれども、普通は病院全体で一般病床として一つのくくりで報告されているというか、10対1であるとか、13対1だとか、7対1という形で分類されているはずです。基本的には、急性期の患者さんが亜急性期、回復期を経て、病院全体の中に入院されて、退院をされるわけです。その中で看護単位は病棟単位、病室単位、あるいは患者単位で傾斜配分をされて、密度が濃かったり、薄かったりという形になっていますけれども、全体としては平均的にその病院の一般病床は10対1であるとされます。この病棟は7対1かもしれないけれども、この病棟はもう少し軽いという人がおられて13対1になり、全体として一般病床は10対1であるという形になっていると理解しているのですが、それを報告する際には、病院全体の平均的なところを報告するという形になるのか、あるいは、その中で7対1的な非常に重度の人たちを入れているところを主体に報告をするのか、そういうところは病院によって変わるということでも構わないのかなという気もするのですが、その辺はどうなのでしょうか。
○遠藤座長 これも検討事項なのかもしれませんけれども、事務局としては何かコメントございますか。
○吉岡総務課長 2つの話が混在しているのではないかと思います。まずは各医療機関が、例えば急性期とか亜急性期とか回復期とか、そういう機能を報告していただくときの判断基準というものをまずどのように設定するかということが1つあるだろうと。その上で、各医療機関、各医療機能ごとに報告してもらう具体的な内容をどのようなものにするのかという2つの御議論をいただく話なのだろうと思っております。
○遠藤座長 今のは多分、ちょっと質問と答えがずれていたような気が。
○三上構成員 患者さんというのは、急性期から回復期を経て退院をされて、一つの病院に入院されているわけですけれども、ですから、亜急性期病棟といっても、その亜急性期病棟におられる患者さんは、必ず急性期を経て亜急性期になり、退院されるわけですから、それをどういう形で報告したらいいのかというのは非常に難しいなと。特に病棟がたくさんあればケアミックスのような形、急性期の中でもミックスの形でできますけれども、病棟数が少ない場合には、患者さんは全ての病期を経験して退院されるわけですから、報告の仕方は難しいよなというふうに思うのです。
○遠藤座長 お願いします。
○吉岡総務課長 基本的には病棟ごとの機能分化を図るために病棟単位で報告いただくことになりますが、地域によっては、どうしても一つの病棟でもって、いろいろな多機能に対応していかなければいけないというところもあるわけでありますので、そういう意味で病院団体のほうからも御提案いただいているような地域一般病棟みたいなものもあるということで、今回の論点でもそれを地域一般ということで位置づけさせていただいておりますけれども、その定義といいますか、位置づけというものをどうするかということも1つ御議論いただくことになるだろうとは思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 お待たせしました。高智構成員。
○高智構成員 先ほど西澤構成員からお話があった点につきましては、私、この冒頭のほうで意見を申し上げた次第でございまして、今の御意見をちょっとかみ砕きますと、登録対報告の軽重の比較みたいになっているのですけれども、御承知のとおり、これにつきましては、登録のみならず複数の御意見が出たわけでして、さまざまな議論に発展したという経緯がございます。やむなく、こういう形で報告をとるという結論を得た次第でございますけれども、報告だから軽い、あるいは緩くなるとかそういうことではなくて、やはり報告は報告なりに発信者の発信責任というものが必ずついてまわるということで、先ほど総務課長からもお話がございましたけれども、現状の把握ということは非常に大事でございまして、それが最後まで糸電話ではありませんけれども、発信した内容が地域住民、患者の皆さんに最初から最後まで純な情報として届くということが非常に大切だと思っております。ですから、そこは軽重比較論にならないように、ぜひお願いいたしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 西澤構成員、お願いします。
○西澤構成員 今、高智構成員がおっしゃったことは当然のことでございます。決して我々は報告だから軽いとか考えていないです。
 言いたいのは、病院機能とか、これからの医療提供体制を考えたときに、やはり我々提供側が主体的に考えていかなければならないということです。ですから、行政がおたくはこうだということで、現場は従いなさいという形はよくない。あくまでも我々提供側が主体となってつくり上げていくという姿勢が大事だということで、こういう形にしたと思っています。ですから、軽くしたということではなくて、我々、提供側により責任を負わせたというようにとらえていただければと思います。
○高智構成員 わかりました。
○遠藤座長 どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。松田構成員、お願いします。
○松田構成員 この議論の範囲を超えてしまうのかもしれないですけれども、今、急性期のいわゆる典型的な疾患の手術に関しては、外科を中心とした有床診療所でかなりやられるようになってきています。諸外国の例で言うと、病院と言っていい施設だと思うのですけれども、多分そういう、いわゆる有床診療所のデータもとらないといけないのかというふうに思います。
 あと、療養病床等でもかなりいろいろやっているところがありますので、その範囲をとっておかないと、例えばこのデータを使って地域医療ビジョンをつくっていこうと思ったときに、データが少し足りなくなってしまうと思うのです。そういう意味で、一般病床とか療養病床も含めて報告制度というものを考えていただいたほうがよろしいのかと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。これは、そもそもが有床診は除外している話なのですか。
○吉岡総務課長 有床診療所も当然対象にして考えるというものであります。
 もう一つ、今、御指摘ありましたように、そもそも今回の問題というのは一般病床というものを中心にして考えるということになっておりますけれども、さはさりながら、では、療養病床については何も考えなくていいのかという点については、今後あわせて御検討いただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。有床診のデータも重要であるという御発言だったと思います。
 ほかにございますか。それでは、齋藤構成員、お願いします。
○齋藤構成員 先ほど三上構成員が御指摘のように、一般病棟といってもさまざまな状態の方が混在しているような中で、私どもが懸念しておりますのは、産科の病棟に様々な他診療科が入って混合化している現状。実際に、新生児のMRSA感染の率が上がってきている。私は論点2の「医療機能毎の報告事項」の中に、産科混合病棟かどうかということをぜひ加えていただきたい。それは産む側にとっては場を選択するには大変重要な情報だと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ただいまの齋藤構成員の御発言に関連してでも結構でございますけれども、何かございますか。松田構成員、お願いします。
○松田構成員 今のお話はとても大事だと思います。僕は、ある地域の医療計画の策定をお手伝いしたことがあるのですけれども、その地域で周産期のことを計画しようと思っても、どこの施設でどのくらいの分娩があるのかということがわからないのです。それが単科の有床診療所なのか、混合病棟で生まれてきたか、やはり分娩に関するデータというのはどこかで報告していただくことも必要だろうと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにございますか。特段ないということであれば、本日は第1回目ということで、当検討会のミッションの確認ということと、機能をあらわす内容について幾つかの御意見が出ました。また、松田構成員からは、海外の先行事例についての資料が次回以降提出されるということでもありますので、本日の皆様方の御意見を整理して、また、事務局でも何か考えがあれば少し足していただいても結構ですので、ある種、たたき台のたたき台のようなものを次回以降出していただくと検討が進むかと思いますので、その辺の準備のほどを事務局としてよろしくお願いしたいと思います。
 皆様のほうから、議事運営についてでも結構でございますけれども、何かございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、まだ少々予定の時間よりは早ようございますけれども、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。
 事務局から次回以降のことについてお願いします。
○吉岡総務課長 日程のほうは各構成員の先生方と調整をさせていただいておりますけれども、次回につきましては、本日の論点で掲げている3項目の中の1番目の「医療機能の具体的な内容」という点について深堀りした御議論をいただければと思っております。
 その次の会につきましては、2番目の報告事項の内容と3番目の情報の提供の問題、これについて深堀りした御議論をいただければと思っております。また、そうした御議論をいただく中で、きょう、お手元の資料2-1で、昨年末の医療部会の取りまとめのポイントという資料をお配りしておりますけれども、この医療提供体制全般につきまして、法制化が必要といった事項がいろいろとあるわけでございます。私ども、こうした法制化が必要なものにつきまして、まとめて医療法等の改正法案ということで、できれば次の通常国会に提出をしていきたいと考えているところでございまして、そうした中で、この病床区分、機能強化の問題につきましても一定の法的な手当が必要だと思っております。その内容につきましては、おおむね6月にまとめていただいた取りまとめによって、法律的な事項については大体整理ができていると思っておりますけれども、法律の案のようなものができましたら、これは年明け1月とか2月とかになろうかと思いますけれども、この場でも御確認をしていただくということも考えております。
 ただ、ここで御議論いただくことは、そうした法律事項のような大まかなことだけではございませんで、さらにいろいろな細部の点について御議論いただくことになりますので、恐らく1年ぐらいの期間、おつき合いをいただくような検討会になろうかと思います。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
○遠藤座長 どうぞよろしくお願いいたします。次回は論点1ということですが、恐らく論点1というのは、一番もめる話でありますので、ぜひ活発な御議論をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<(照会先)>

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