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2012年6月29日 薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年6月29日


○場所

東海大学校友会館 富士の間


○出席者

出席委員(17名):五十音順 

 明 石 博 臣、 飯 島 正 文、 五十嵐   隆、 大 野 泰 雄、

 小 幡 純 子、 笠 貫   宏、 木 津 純 子、 黒 木 由美子、

 宗 林 さおり、 高 橋 孝 喜、 土 屋 文 人、 西 島 正 弘、

 橋 田   充、 本 田 佳 子、○松 井  陽、◎望 月 正 隆、

 望 月 眞 弓

(注)◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理

欠席委員(6名):五十音順 

 井 部 俊 子、 倉 根 一 郎、 竹 内 正 弘、 中 川 俊 男、

 長 野 哲 雄、 吉 田 茂 昭

行政機関出席者

 木 倉 敬 之  (医薬食品局長)

 平 山 佳 伸  (大臣官房審議官)

 宮 本 真 司 (総務課長)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 中井川  誠 (監視指導・麻薬対策課長)

 浅 沼 一 成 (医療機器審査管理室長)

○議事

○総務課長 定刻になりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございます。審議に入ります前に、今年3月に永井委員が退任されましたので、新しい分科会長代理を選出したいと思いますが、規定により分科会長から御指名いただくこととなっております。望月分科会長、よろしくお願いいたします。
○望月分科会長 医薬品第一部会長の松井先生にお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
○総務課長 それでは、松井委員に分科会長代理をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。松井先生、席の方にお願いいたします。
 本日の委員の皆様の御出席についてですが、井部委員、倉根委員、竹内委員、中川委員、長野委員、吉田委員より御欠席との連絡をいただいております。現在のところ、当分科会委員数23名のうち、16名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。なお、小幡委員におかれましては遅れて御出席されるという連絡をいただいております。
 また、医薬品医療機器総合機構におきまして、幹部の人事異動がございましたので、御紹介いたします。本日は大変恐縮ですが、欠席させていただいておりますが、6月1日付で内海審査センター長に代わり、矢守隆夫審査センター長が着任しております。
 では、望月分科会長、以後の進行をよろしくお願いします。
カメラ撮りはここまでとさせていただいておりますので、報道関係者の皆様は御退室をお願いいたします。望月先生、よろしくお願いします。
○望月分科会長 それでは、本日の薬事分科会を始めます。最初に事務局から配布資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、資料の確認をお願いします。審議事項の資料は、資料1-1、1-2になります。報告事項の資料は、資料2~17までとなっております。途中、資料4につきましては、資料4-1、4-2の2種類がございます。当日配布資料は、議事次第、座席表、委員名簿をお配りしております。また、文書報告の資料は、既に先生方に御送付しておりますが、お手元には参考までに文書報告一覧を配布しております。資料の過不足等ございましたらお申し付けください。以上です。
○望月分科会長 資料はよろしいでしょうか。それでは議題1に入ります。議題1、資料1「動物用抗生物質医薬品基準の全部改正について」です。今般の改正は、動物用抗生物質医薬品基準の全部改正に関わる事項ですので、「薬事分科会における確認事項」第5項に基づき、動物用医薬品等部会及び薬事分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会での審議結果等を御報告いただいた後、当分科会で審議をいたしたいと思います。それでは、動物用医薬品等部会の明石委員から御説明いただきたいと思います。
○明石委員 動物用抗生物質医薬品基準は薬事法第83条第1項の規定により読み替えて適用される法第42条第1項の規定に基づき、動物用医薬品のうち、抗生物質を含有する製剤の製法、性状について規定している基準です。
 今回の全部改正は、日本薬局方改正に伴い、記載の整備を行うものです。本改正については平成24年6月6日に開催された動物用医薬品等部会において審議を終了し、本分科会に上程されるものです。詳細については事務局から説明があります。よろしくお願いします。
○望月分科会長 それでは、事務局から補足等の説明をお願いします。
○事務局 農林水産省から補足説明を行います。資料1-1を御覧ください。動物用抗生物質医薬品については、薬事法第42条第1項に基づく製剤基準を制定して、品質の確保等を行ってきております。現在の動物用抗生物質医薬品基準は、この製剤基準として平成3年に制定し、平成11年全面改正されたものに、一部改正を追加してきたものであり、動物用抗生物質医薬品の品質確保において重要な役割を担っております。なお、この基準に適合しない医薬品については、薬事法第56条第4号の規定に基づき、販売・製造等が禁止されております。
 本基準の特徴としては、動物用の抗生物質医薬品のいわゆる製剤のみを対象としており、最小要件、ミニマムリクワイアメントとして規定されております。また、原薬に関する規定は収載されておりません。このため、日本薬局方等とはいく分スタイルが異なっておりますが、可能な範囲で日本薬局方に準拠して作成されております。
 現行の基準が平成11年に全面改正された後、日本薬局方は3回改正されており、最終的に昨年告示された第十六改正日本薬局方との整合性をより確保するため、今回全面改正を行うこととしたものです。また、既に製造販売されていない動物用抗生物質医薬品の削除等の記載整備等も行っております。
 具体的な内容です。2の「改正の内容」を御覧ください。まず総則の改正として、本告示で使用されていない単位、「ppm」、「MHz」といったものを削除しています。次に日本薬局方の「精製水」の改正に伴い、試験に用いる水の定義を変更しています。また「重量」という表現を用いていましたが、これを「質量」に変更しています。製剤総則においては、「顆粒剤」を削除しています。それから医薬品各条においては、承認が整理されている製剤の医薬品各条ですが、次のページの1.アンピシリン液から、次ページの38.ノボビオシンナトリウム・ベンジルペニシリンプロカイン油性乳房注入剤までの38種類が、既に生産されていませんので削除しております。また、オキシテトラサイクリン注射液に「発熱性物質試験法」、オキシテトラサイクリン塩酸塩注射液に「エンドトキシン試験法」を設定してあります。医薬品各条の名称については、日本薬局方のスタイルに準拠して、塩類名を名称の後方に配置することとしました。なお、従前の名称は別名として残しております。(4)ですが、日本薬局方の試験法を準用する試験法として発熱性物質試験法等を追加しています。
 今回の改正は実質的な内容の変更は最小限にとどめており、主として日本薬局方との整合性をより確保するための改正ですが、改正箇所数が多数に上ったために全面改正としたものです。御審議のほど、よろしくお願いします。以上です。
○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明について、御意見、御質問等はありますか。
○西島委員 質問ですが、発熱性物質試験法とエンドトキシン試験法はどのように違うのでしょうか。
○事務局 事務局から回答します。発熱性物質試験法というのは動物を使った試験法で、エンドトキシン試験法はin vitroでの試験という形で、類似した試験法ですが、試験の手技が違うということになっています。
○西島委員 この両者を使うというのは、注射液にはこちら、片方がこちらで、片方がエンドトキシンだという使い分けをしている理由はどうしてですか。
○事務局 本来ならエンドトキシン試験法に統一したかったところですが、オキシテトラサイクリン塩酸塩注射液については、エンドトキシン試験法がバリデーションがとれて、実際にできることが確認できたのですが、オキシテトラサイクリン注射液については、まだ確認が取れておりませんので、やむなく発熱性物質試験と位置付けて残しているという状況です。
○西島委員 分かりました。ありがとうございました。
○望月分科会長 ほかにどなたか御意見、御質問はありますか。特段の御異議がなければ議決に入りたいと思います。
 部会の報告を踏まえ、当分科会としても動物用抗生物質医薬品基準改正案について適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議なしと認めます。それでは、薬事・食品衛生審議会規程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、農林水産大臣に答申することといたします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任いただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、これより報告事項に入らせていただきます。御担当の部会ごとに区切って報告をいただくこととしますので、まずは副作用・感染等被害判定第一部会及び判定第二部会の関係の議題2から説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題2、資料2「副作用・感染等被害判定結果」について御報告します。平成24年3月と4月に開催された判定第一部会及び判定第二部会の結果について、御報告します。資料は、まず2回分をまとめたものをお示しし、その後ろに各部会の判定結果をお示しております。1ページの「判定結果(まとめ)」に沿って御報告します。副作用被害判定については、新規155件、継続7件、現況7件の計169件について御審議いただきました。結果は「支給決定することが適当であると考えられるもの」143件等です。また、「不支給決定することが適当と考えられるもの」が24件あり、その内訳は「医薬品の使用が適正であったと認められないため、不支給とすることが適当である」が9件等です。副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会の結果の報告は以上です。
○望月分科会長 ありがとうございました。副作用・感染等被害判定部会長の飯島委員から追加の御発言はありますか。
○飯島委員 特にありません。
○望月分科会長 それでは、委員の方々からの御意見、御質問をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○木津委員 不支給の中でラミクタール錠の25mgがかなり不支給になっていて、不適正使用となっているのですが、これはどのような不適正使用が多かったのか教えていただけますでしょうか。
○安全対策課長 安全対策課からお答えいたします。ラミクタール錠については、重症薬疹の症例が多かったのですが、承認の中で投与量が厳しく定められていますが、例えば初めは25mgで、隔日投与をしなければならないところ、連日投与でいくとか、増量するときに、増量のタイミングが早すぎたり、ということで、多くの不適正使用例は投与方法や、投与量について承認に準じていない例がほとんどでした。これについては、医薬品医療機器総合機構の方でも注意喚起の文書を策定してPMDAのホームページにも注意を載せておりますし、本年1月ですが、本剤についての重症薬疹と用法・用量の遵守について、注意喚起の文書を医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載して、今注意喚起をしているところで、こういう例が少なくなるように注意を徹底していきたいと考えております。
○木津委員 ありがとうございました。 
○望月分科会長 ほかに御意見はありますか。
○飯島委員 ラミクタールの件について補足させていただきます。ラミタールは原則として、バルブロ酸ナトリウムと併用というのが当初の使い方ですが、25mg錠を最初の2週間は1日置きに使いなさいと。それで何もなかったら、次は連日2週間使いなさい。4週間経って何もなかったら、1日当たり2錠で、また2週間使いなさい。それから増量となっております。これは添付文書に太い字できちんと書いてあります。発売に際しては、製薬会社が周知徹底を図っておりますが、不適正使用がたくさん溜まったということで、安全対策課とPMDAから注意事項を発しております。以上、補足させていただきます。
○望月分科会長 ありがとうございました。ほかに御意見はありますか。それでは、本件について御確認いただいたものといたします。続いて、医薬品第一、第二部会の関係の議題3~11について説明をお願いします。
○事務局 事務局より御説明いたします。報告事項議題3、資料3「医薬品テネリア錠20mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤はジペプチジルペプチダーゼをDPP-4の選択的阻害薬で、2型糖尿病の効能・効果となっております。本剤については、本年4月27日に開催された医薬品第一部会において御審議いただいき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認したところです。
 続きまして、報告事項議題4、資料4「医薬品アミティーザカプセル24μgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤はクロライドイオンチャネル活性化物質であり、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の効能・効果となっております。本剤については、本年6月1日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認したところです。
 続きまして、報告事項議題5、資料5「医薬品ソマチュリン皮下注60mg、同皮下注90mg及び同皮下注120mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤は徐放性のソマトスタチンアナログ製剤で、先端巨大症・下垂体性巨人症で、外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善の効能・効果となっております。本剤については、本年6月1日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認をしたところです。
 続きまして、報告事項議題6、資料6「医薬品ゴナックス皮下注用80mg及び同120mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤は性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体アンタゴニストで、前立腺癌の効能・効果となっております。本剤について、4月19日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認をしたところです。
 続きまして、報告事項議題7、資料7「医薬品コルベット錠25mg及びケアラム錠25mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤は疾患修飾性抗リウマチ薬であり、関節リウマチの効能・効果となっております。本剤については、本年4月19日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、全症例の使用成績調査を承認条件として付すことにより、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認したところです。
 なお、本剤に関して、飯島委員より事前に御質問をいただいております。質問の御趣旨は、資料7別紙2の2ページにおいて「重要な有害事象として高用量の125mg/日での死亡例も含む汎血球減少症という記載があり、同じく資料7別紙3の本剤の添付文書の2ページにある重大な副作用の項の2)の汎血球減少症、白血球減少の項において、定期的に検査を行うとあることから、具体的な検査スケジュールの指示について指導してはどうか」というものです。御指摘の点については情報提供資材において、臨床試験において血液障害が認められたこと。また、本剤使用前及び使用中は検査を最初の2か月間は2週間に1回、その後は1か月間に1回の頻度で行うこと。血液障害が認められた場合は、必要に応じて休薬、投与中止を行うことをしっかり記載した上で情報提供をさせていただきたいと考えております。また、本剤の製造販売後の調査においても、定期的な検査の実施について確認するよう企業の方に指示したいと考えております。
 続きまして、報告事項議題8、資料8「医薬品エジュラント錠25mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤は非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であり、HIV-1感染症の効能・効果となっております。本剤については本年4月19日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、全症例の製造販売後調査等を承認条件として付すことによって、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、5月18日に承認したところです。
 報告事項議題9、資料9「医薬品イモバックスポリオ皮下注の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤はポリオウイルスをホルマリンで不活化した抗原を含む不活化の単独ワクチンです。急性灰白髄炎の予防の効能・効果となっております。本剤については4月19日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、4月27日で承認したところです。
 報告事項議題10、資料10「医薬品インライタ錠1mg及び同錠5mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。本剤は血管内皮増殖因子受容体、チロシンキナーゼ阻害剤で、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の効能・効果となっております。本剤については5月31日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたもので、本日承認したところです。
 報告事項議題11、資料11「希少疾病用医薬品の指定について(MPR-1020、インターフェロンガンマ-1a(遺伝子組換え)、エプロジセート二ナトリウム、乳濁細胞培養A型インフルエンザHAワクチン(H5N1株及びプロトタイプワクチン)、ミガラスタト塩酸塩、メトレレプチン及びベンダムスチン塩酸塩)」です。次ページに一覧があります。医薬品の名称MPR-1020、インターフェロン ガンマ-1a、エプロジセート二ナトリウム、乳濁細胞培養A型インフルエンザHAワクチン(H5N1株)及び同(プロトタイプワクチン)、ミガラスタト塩酸塩、メトレレプチン及びベンダムスチン塩酸塩です。これらの予定される効能又は効果ですが、それぞれ腎性シスチン症、菌状息肉症(内臓浸潤期を除く)及びSezary症候群、AAアミロイドーシス、新型インフルエンザの予防、ファブリー病、脂肪萎縮症に起因する糖尿病又は脂質異常症の治療、及び慢性リンパ性白血病となっています。これらの品目については、本年4~5月までに開催された医薬品第一部会又は第二部会で御審議いただき、希少疾病用医薬品として指定することで差し支えないという答申をいただき、それぞれ一覧表に記載した日付にて指定したところです。説明は以上です。
○望月分科会長 ありがとうございました。医薬品第一部会長の松井委員から追加の御発言はありますか。
○松井分科会長代理 特段ありません。
○望月分科会長 それでは、委員の方々からの御質問、御意見をお願いします。
○望月(眞)委員 それほど恐い副作用ではないとは思いますが、ルビプロストンのアミティーザカプセルですが、長期に使っていくと、かなり下痢が増えてくるということで減量が必要ということです。下痢、30%ぐらいが出ているようですが、どの程度の下痢ですか。
○機構 50ページに国内のII相試験、国内のIII相試験で、治験薬の中止・減量が行われた有害事象の一覧として、表32に減量例が多くなっているという結果が出てはおりますが、これについてほとんどが軽度及び中等度であったというところは、具体的に審査報告書中の表で示しているわけではありませんが、確認しております。
○望月(眞)委員 長期によって下痢が多くなるのは、もしかしたら用量が多すぎるのかもしれないということも議論されているようですが、確かに中を見ると、外国と同量でいくと、外国人の方が下痢の出現率が半分ぐらいなのです。そこは今さらどうしようもないことですが、用法・用量の書き方が、継続投与をしていたときに副作用が発現したら減量とか中止を考えるというような注意書になっているのです。そして、臨床成績の所を見なさいと書いてあるのですが、臨床成績の所を見ても副作用として下痢がとても多いということは一切書かれておらず、治療効果のことしか出てこないのです。それだと認識がそこに至らないということと、軽度・中等度ですから、それほど問題ではないかもしれませんが、便秘の薬を使っているときによくありがちなのが、便秘の薬を使っていたら、それが効きすぎてしまって、今度は逆に下痢止めが出るということもあり得ますので、注意喚起の仕方をもう少し丁寧にしていただく方がよろしいと思います。今回、添付文書では無理でも、ほかの資材を使ってでもしていただく必要があるかと思います。
○望月分科会長 ただ今の御意見に何かお答えできますか。
○機構 資材、添付文書上ではそれぞれ副作用の項、臨床成績の項で記載はしており、減量例が何例出たとか、そういったところは記載していますが、確かに添付文書上での注意喚起に限界があるということもありますので、御指摘いただいたように、資材等を用いて適切に、下痢に関する注意喚起について企業にも対応していただこうかと考えています。
○望月分科会長 よろしいでしょうか。ほかにはどなたか御意見はありますか。
○小幡委員 資料9ですが、これについて特に安全性という話ではないのですが、参考までに伺いたいのは、このポリオは予防接種実施規則に基づいて、という話ですが、今は3回やることになっています。今回の体制は保健所等での集団接種でやる状況でしょうか、あるいはそれぞれが掛かり付けの医師に行ってポリオも受けるというシステムになっているのでしょうか。その辺りを伺えればと思います。
○審査管理課長 不活化ポリオの今後の使い方の問題ですが、健康局において、実施主体は市区町村ですので、そちらで実施するということですが、従来の経口型のポリオですと春と秋の集団接種という形を取っておりますが、今回のものは注射でもあるということもありますし、今後は集団でやるという明確な必要性もありませんので、各医療機関においてお願いするという形になると聞いております。現在、承認後の体制の整備をしているところで、対外的には9月から接種を開始できるように、鋭意進めているところと承っています。
○小幡委員 そうすると、お子さんを連れて掛かり付け医の所に3回ポリオのために行っていただくということにはなるのですね。分かりました。
○望月分科会長 ほかには御意見、御質問はありますか。
○望月(眞)委員 資料7のイグラチモドという薬ですが、先ほど飯島委員から、汎血球減少等の検査のモニタリング等の御指摘がありましたが、この薬は肝機能検査値とか、血液学的検査上の安全性の問題もあるので、諸外国ではいろいろな意味で開発が中止になっているということもあります。日本でこれを承認して使っていたときに、そういった点で大きな問題にならないように注意しておくことが必要かと感じました。例えば、この薬の注意喚起について、どのように使っていく患者さんたちを位置付けるのか。生物学的製剤が使えない方も中にはいらっしゃるので、一つのチョイスとして市場に出すことには意味があると説明をされていたのですが、その辺もまだよく分からないのです。使う患者さんたちに、この薬について、それも含めてどのような説明をして使っていかれるのか等々についてはあまり記述がされていなかったのですが、そこはどのようにしていく予定なのでしょうか。外国で中止になっているものを日本で出していくときに、例えば何かあったときには国も何か言われてしまう可能性がありますので、その辺はどのように考えておられるのかを教えてください。
○望月分科会長 ただ今の御質問に対してお答えできますか。
○機構 機構よりお答えいたします。御指摘のように諸外国においては、開発が中止されているという背景もあります。そういったところも踏まえて、添付文書では汎血球減少症等に関して厳重な注意喚起をさせていただいているところです。本剤については、使用医師をリウマチの専門の医師に限定し、専門医に本剤のプロファイルを踏まえて使用が適切な患者様を選択していただき、患者様に対してどういうことに注意をして使っていただくかを十分御説明いただくこと、また患者様用の資材なども通して、十分にこの薬剤の安全性プロファイルに関して情報提供をするということを考えております。
○望月(眞)委員 是非、それを徹底していただければと思います。
○望月分科会長 よろしくお願いします。ほかにどなたか御意見はありますか。
○木津委員 承認とは関係ないのですが、添付文書について、例えば今の薬ですと、抗リウマチ剤というのが商品名の上にあって、リウマチの薬なのだということがすごくよく分かるようになっているのですが、例えば先ほどの資料4-1の添付文書を見ますと、慢性の便秘症に使う薬ですが、クロライドチャネルアクチベーターという表記になっていて、最近こういう薬理作用に基づくような表記が多いのですが、実際にこれが包装に書かれていると、例えば災害時の仕分けなどでは、非常に混乱というか、分からないという御意見がいろいろありますので、その辺は、専門の方を相手にするときはこれでいいのかもしれませんが、少し配慮していただけると、もう少し分かりやすいと思いましたので、意見を述べさせていただきました。
○望月分科会長 ただ今の御意見に何か事務局からありますか。
○事務局 御意見をいただいた箇所については、これまで薬効を表すものとして適当なものを書くようにということで、メーカーの方を指導してきているというところがありますので、今回いただいた御意見を踏まえて対応させていただきたいと考えております。
○望月分科会長 よろしくお願いします。ほかに御意見はありますか。
○望月(眞)委員 資料3のテネリア錠ですが、添付文書の話が出ましたので申し上げたいのですが、テネリア錠の添付文書の5ページに、この薬はQT延長があるということで、それの心電図に対する影響を見たという結果が5ページの左側の中程の9.として出ているのですが、添付文書をじっくり読めばここに到達することはできますし、その他の注意のところにも書いてあるのですが、薬物動態という項目にこの内容が載ることが適当な項目であるかどうかを御説明いただきたいと思います。
○機構 事務局よりお答えいたします。ICH-E14ガイドラインが施行され、QT間隔に対する影響が臨床薬理試験という枠組みの中で検討されております。国内の添付文書では、臨床薬理試験の成績を薬力学的指標も含めて薬物動態の項に記載しており、今までQT延長がみられているものは薬物動態の項に記載しておりますので、今回もそのようにいたしました。
○望月(眞)委員 なぜこのような質問をしたかと言いますと、薬剤師国家試験に、添付文書のどの項目で、このような疑義があったときは調べるかという出題があるのです。QT延長が薬物動態に書いてあるという問題も、そのようになってしまうと出せるということになってしまうのです。少し添付文書の項目とその内容について、今の時代に合った形で、いろいろな試験をしていただいた情報が、注意喚起するための情報として具体的に伝わることは大切なことだと思っているのですが、最近、そのときに思い付いたところにはめていってしまって、それが前例になって、ずっとそのままになるということが多いので、是非御検討いただけたらと思います。
○望月分科会長 いかがでしょうか。是非、私からもお願いしたいと思います。どういう部門かは分かりませんが、添付文書を作る上で、もう一度全体的に見直そうという雰囲気を持っていただきたいということですが、よろしいですか。どなたかお答えいただきたいと思います。
○安全対策課長 安全対策課としましては特に「使用上の注意」の部分になりますが、添付文書の記載要領について、今、研究班を設けて検討もしておりますので、審査管理課とも連携して、今の御意見を踏まえて対応していきたいと思います。
○望月分科会長 どうぞよろしくお願いします。ほかには御意見はありますか。
それでは、ただ今、委員の先生方から御注意いただいた点をメーカーの方にお伝えいただくということで、本件について御確認いただいたものとします。
 続いて医療機器・体外診断薬部会の関係の議題12、13についての説明をお願いします。
○事務局 事務局より御説明いたします。報告事項議題12、資料12「医療機器『サーモガードシステム』の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」でございます。こちらのサーモガードシステム、資料を1枚おめくりいただきまして、別紙1でございますが、装置の全体像が示されております。装置本体とスタートアップキット。またスタートアップキットに接続するバルーン付中心静脈カテーテル、これらの構成からなっている機器でございます。1枚お戻りいただきまして、表紙の4、構造・原理でございますが、こちら、温度調節されました生理食塩水をバルーン付中心静脈カテーテルの中を灌流させることによりまして、体温を調節するという原理の医療機器でございます。使用目的、効能・効果でございますが、集中治療室等において、中心静脈用カテーテルを必要とする急性重症脳障害に伴う発熱患者に対し、発熱負荷を軽減するための解熱剤、冷却用ブランケット等の補助として、専用の中心静脈留置型熱交換用灌流式バルーン付カテーテルを介し血管内で血液との熱交換を行うというものです。ただし書きといたしまして、低体温療法を除くという効能・効果になっております。今回提出されました臨床試験の成績からいたしますと、通常の冷却の補助として、体温を一定下げるという効果は認められましたが、通常体温よりもさらに低くするという効果までは認められなかったというところで、このようなただし書きを付けた効能、使用目的とさせていただいております。こちらの品目につきましては、平成24年5月25日の医療機器・体外診断薬部会で御審議いただきまして、高度管理医療機器、特定保守管理医療機器、生物由来製品に該当するということで、御審議いただきまして、6月25日付で承認させていただいているものでございます。
 続きまして、報告事項議題13、資料13「医療機器『アダカラム』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」でございます。こちらは株式会社JIMROからの申請になっております。こちらの構造・原理の概要ですが、これも1枚めくっていただきまして、操作方法、使用方法のところでございますが、このアダカラムを使って血液を循環させて用いるものです。構造・原理の概要、1枚戻っていただきまして、4ですが、カラムの中にセルロースビーズが入っているものでございまして、直接血液灌流方式により末梢血の顆粒球と単球を吸着除去するものです。以前よりこちらは承認されており、こちらは効能・効果の追加の一部変更承認申請という形になっております。これまで潰瘍性大腸炎と重症の活動期クローン病患者の緩解促進というものがございましたが、今般の申請はこれに加え、下線部の全身治療における既存内服療法が無効又は適用できない中等症以上の膿疱性乾癬の臨床症状の改善に使用するという目的で申請がなされたものです。この品目も5月25日の部会の方で御審議いただき、希少疾病用医療機器であり、再審査期間を7年とすることで、承認して差し支えないという御判断をいただきまして、6月25日付で承認させていただいたところでございます。事務局からは以上です。
○望月分科会長 ありがとうございました。医療機器・体外診断薬部会の笠貫委員から追加の御発言はございますか。
○笠貫委員 特にございません。
○望月分科会長 それでは委員の方々からの御意見、御質問はいかがでしょうか。
 よろしいですか。では、特に御意見はないということで、本件については御確認いただいたものとします。
 続いて、日本薬局方部会の関係の議題14について説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題14、資料14「第十六改正日本薬局方第一追補(案)について」御報告させていただきます。本件につきましては、本年5月16日開催の日本薬局方部会において御審議いただいたものでございます。日本薬局方につきましては、薬事法第41条の規定に基づき、医薬品の性状及び品質の適正化を図るために策定されている規格、基準であり、5年ごとに全面的な改正を行い、次回の全面改正までの間に2回、追補として一部改正をしております。今回の一部改正は平成23年3月に告示いたしました第十六改正日本薬局方の一部を改正するものであり、1回目の追補に当たることから、第十六改正日本薬局方第一追補と称しているところでございます。改正の内容につきましてですが、資料14に概要を示しております。通則につきましては1項目の改正を、生薬総則においては新規収載品目の追加を行っており、製剤総則については項目の追加、改正を行っております。
 2ページに一般試験法においては新規に2試験法を追加し、6試験法の改正を行っております。3ページでございますが、医薬品各条においては、新規に77品目を収載し、4品目を削除、176品目の改正を行うといったことをしております。このことにつきましては日本薬局方部会にて御審議いただいた結果、日本薬局方の一部を改正することにつきまして御了承をいただいております。現在、部会の結果を踏まえましてパブリックコメントを実施し、御意見の内容の確認及び第一追補への反映の検討を行っているところでございます。
 また、5月16日の日本薬局方部会におきまして、近年上市されてきておりますバイオテクノロジーを応用した医薬品とその後続品の取扱いについての御意見をいただきました。バイオテクノロジーを応用した医薬品は、製造工程の違いが品質に及ぼす影響が大きく、製造企業によって規格項目や試験法が異なっております。通常、日本薬局方の規格は先発品の規格を基に設定しておりますが、バイオテクノロジーを応用した医薬品の後続品にも対応できるように、通則に規定することを予定しております。この対応方針につきましては5月16日の部会で御意見をいただいた、委員には御了解をいただいております。今後、追補での追加に向けて、日本薬局方部会における審議等の手続きを進めることとしております。以上、日本薬局方の一部改正であります、第十六改正日本薬局方第一追補について御報告をさせていただきました。以上でございます。
○望月分科会長 ありがとうございました。日本薬局方部会長の橋田委員から、追加の御発言がございますか。
○橋田委員 特にございません。
○望月分科会長 それでは委員の方々から御質問、御意見等はございますか。
特にないようですので、本件についても御確認いただいたものとします。
 続いて、医薬品等安全対策部会の関係の議題15について説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題15、資料15「一般用医薬品のリスク区分について」御報告させていただきます。一般用医薬品については、2ページ目にございますとおり、リスクに応じて第1類~第3類の三つの区分に分類し販売規制が行われており、製造販売後調査の終了時などに区分の見直しを行っております。平成24年3月23日開催の医薬品等安全対策部会において、製造販売後調査が終了した品目など、表にございます5成分について見直しを行いましたので御報告いたします。
 まず、ジクロルボスの樹脂蒸散剤については、劇薬の殺虫剤として第1類とされておりましたが、劇薬の指定が解除されることに伴いリスク区分の検討を行いました。その結果、劇薬の指定が解除されたのちも引き続き第1類医薬品とすることが適当とされました。そのほか、4成分については、製造販売後調査が終了したため、その結果などをもとにリスク区分の検討を行いました。肝斑に使用するトラネキサム酸とその配合剤、ニコチン貼付剤、ミコナゾール膣錠については、引き続き第1類とすることが適当とされ、フラボキサートについては指定第2類にすることが適当とされました。これらの結果を受けて、平成24年5月31日に関係告示の改正を行いましたので、御報告いたします。以上でございます。
○望月分科会長 ありがとうございました。医薬品等安全対策部会長の五十嵐委員から、追加の御発言等はございますか。
○五十嵐委員 特にございません。
○望月分科会長 では、委員の方々から御意見、御質問等はございますか。
○宗林委員 基本的なことなのですが、後ろのページの検討される対象となるものですが、随分前から第1類で出ているものもあるように思います。何が対象になって分類の組分けを検討されているのでしょうか。
○安全対策課長 見直しの対象がということでしょうか。
○宗林委員 はい。
○安全対策課長 一般用医薬品で、新しく一般用医薬品に承認されたものについては、一定の市販後の調査がかかりますので、その調査が終わったところで、調査の結果を受けてリスクの分類を変える必要があるかどうかを検討するのが基本でございます。今回、このジクロルボスについては、劇薬ということで、今まで第1類だったのですが、それを外してもリスク区分を変える必要があるかどうかについて検討したということでございます。
○宗林委員 そうしますと、販売後の調査が終了した時点というのは1回あるというのは分かるのですが、それ以上長い期間、ある程度使われているものについては、見直しの機会というのはあるのでしょうか。
○安全対策課長 この制度自体が、まだ始まって数年目のところでございますが、今、順次見直しをしておりまして、生薬製剤、それから漢方製剤については、一度全体の見直しを終わりました。今年度から化学薬品についての見直しを進める予定にしておりまして、本日、御出席ですが望月先生にも研究班を立ち上げていただいておりまして、全体の見直しを化学薬品についても今年度からやる予定でございます。それが第1回目の見直しでございますが、このリスク区分については、不断の見直しを行うというふうにされておりまして、将来的にどういうタームでやっていくかというのは、まだ具体的に決まってはおりませんが、一定の期間をおいて、見直しをしていくものだという認識をしております。
○望月分科会長 よろしいですか。
○宗林委員 はい。
○望月分科会長 ほかにはどなたか御意見、御質問等ございますか。
では、そのほか特にないということですので、本件についても御確認いただいたものとします。
 続いて、指定薬物部会の関係の議題16について説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題16、資料16「指定薬物の指定について」です。資料16を御覧ください。指定薬物といいますのは、薬事法第2条第14項におきまして、「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物」といたしまして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものとされております。麻薬に類似した違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグの乱用が社会問題化いたしまして、これに対応するため、平成18年の薬事法改正によりこの制度が設けられております。法律上は指定薬物に指定することにより、その物質の製造、輸入、販売、授与、及び販売授与するための貯蔵、陳列が禁止されることになります。本年4月18日に平成24年の第1回指定薬物部会が開催されまして、指定薬物として、9物質について、それを指定することの可否と今後の指定薬物部会での審議について御議論・御審議をいただきました。
 まず、指定薬物の指定に関する審議について説明いたします。資料の2ページ目以降、九つの物質が書かれていますけれども、これら九つの物質につきましては、審議の結果、中枢神経系の作用を有する蓋然性が高く、また国内において流通が認められておりまして、乱用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあるものとして、指定薬物に指定することが適当ということにされました。なお、これら9物質の指定薬物への指定につきましては、パブリックコメント及びWTO通報と必要な手続きを経まして、6月1日に省令改正を行っており、1か月後の7月1日から規制が始まることとなっております。
 次に今後の指定薬物部会の審議について説明いたします。指定薬物に指定された物質は製造販売などが規制されることになりますので、流通が速やかに見られなくなるのですが、新たな物質が次々と登場するという状況になっております。その対策といたしまして(1)包括指定、それから(2)に書いてあります指定手続きの迅速化により対応していきたいと考えておりまして、その議論をいただきました。(1)の包括指定についてですが、これは化学構造が類似している特定の物質群を指定薬物として包括的に規制する方法のことを指しております。具体的な物質群については現在検討中ですけれども、包括指定の条件といたしまして、ここにあります1.、2.の要件、化学的な構造の類似が中枢神経系に作用を及ぼす可能性、それから規制対象の明確化というのが挙げられまして、これらを踏まえて物質群を個別に議論をするということとされました。(2)の指定手続きの迅速化については、今後、ここにあります1.により指定薬物部会の開催頻度を上げていくことと、それから2.にある、海外で流通している薬物で国内にまだ流通がないものについて、国内で流通する前に指定することにつきまして議論をいただき了承をいただきました。事務局からは以上でございます。
○望月分科会長 ありがとうございます。この指定薬物部会の会長は私ですけれど、特に事務局の説明に加えることはございません。このとおりであります。では、委員の方々からの御意見、御質問等はございますか。どうぞ黒木委員、お願いします。
○黒木委員 以前も御質問させていただいてはいるのですが、医療機関の先生方からいわゆる合法ハーブの問合せが中毒センターにもよくございまして、何か分析できないだろうかという、分析機関の問合せがあります。その後分析についてどのように変化しているか、進捗状況を教えていただきたいのが1点です。
○望月分科会長 事務局から、分析の状況についてお答えください。
○監視指導・麻薬対策課長 指定薬物を含む、いわゆる違法ドラッグについての分析につきましては、都道府県の買上等で供出いただいた製品につきましては、□□□□□□□□□□□□等で、鋭意分析をやっております。それで実績といたしまして、やはり最近この問題が大きくなってまいりましたので、その件数が非常に増えてきているというのが実感でございます。そういうことで、今、□□□□□□□□□□の方をフル稼働で作業をさせているという現状でございます。それで24年度は必要な予算等を確保しながらやってまいりますが、25年度におきましては、今後、指定数が大幅に拡大することを踏まえまして、必要な予算、人員の確保について検討してまいりたいと考えております。
○黒木委員 すみません、買上品についてはそのように拡大してということなのですけれども、いわゆる人の血液であるとか、尿とかの生体試料の分析については何か進捗はございますか。
○監視指導・麻薬対策課長 申し訳ありません。そこについては、やはり非常に物質が様々であるということから、具体的に何を特定して何をやるかということについてはまだ検討が進んでいないという状況でございますので、これからまた先生とも御相談しながらやってまいりたいと考えております。
○黒木委員 あと1点、コメントなのですけれども、中毒情報センターの方に2008年1月~2012年3月までに80件の問合せがありました。医療機関からの問合せが73件で、実際に患者さんが興奮、痙攣、昏睡、散瞳などで来ているのだけれども、といった例が多くありました。神経症状が出ているのが59件、循環器症状が出ているのが23件ということで、この7月の日本中毒学会で発表させていただく予定になっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○望月分科会長 ありがとうございました。ほかにはどなたか御意見はございますか。
○宗林委員 お願いなのですけれども。やはりこれは社会的な問題にもなっておりますし、私どものところも消費者からの問合せ、具体的に症状を訴えている方もいらっしゃいます。この包括指定は大変有効であろうと私も思っているので、是非早くしてほしいと思っていまして、時期的な目処というのはいつ頃になるのでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 ここに記載がございますように、この前の第1回で審議をお願いしている形になっておりまして、これは具体的に厚生科学の研究班の方で研究をしていただきつつ、できれば11月ぐらいに開催して、部会での御審議をお願いして結論を得たいと、そのようなスケジュール感でやっているところでございます。
 それから後は、相談等の話でございますが、私どもは24年度の予算で、その辺の相談窓口、それから情報収集を一元化するような、そういう事業を実施する予定としておりますので、そういうのを御活用いただければと存じます。
○望月分科会長 よろしいですか。
○宗林委員 はい。
○望月分科会長 小幡委員、どうぞ。
○小幡委員 立場上、消費者委員会の委員をしているもので、この合法ハーブは、合法と称してしまうものですので、非常に深刻な被害も出ているという現状がございます。包括指定を是非していただきたいというお願いを前々からしていたわけでございますが、進みつつあるということを伺って安心いたしました。是非、スピード感をもってやっていただきたいとお願いいたします。それを審議しつつ、指定についても頻度を上げていくと、今、そういう御説明でしたでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 指定薬物につきましては当然指定の手法として、一つは個別物質を、いわゆる流通の実態を踏まえてやるということがございます。それにつきましてはスピード感を上げて、いわゆる開催頻度を上げることによって迅速にやっていこうと、これが一つでございます。
 それから二つ目は、国内に流通実態がなくても、海外でそういう情報があれば、国内の流通実態に関係なく先行して指定していこうという考え方でございます。これにつきましては8月、夏を目処に、そういうことについての適否をまた指定薬物部会の方にお諮りしてやっていくという予定でございます。それで包括指定につきましては秋という、そういうスケジュール感でございます。
○小幡委員 分かりました。部会の委員の方は大変かと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
○大野委員 包括指定というのは非常に有効な手段だと思うのですが、少々懸念しているところは、医薬品開発とか、科学研究とかそういうところに支障を来すと困ると思うのですね。そういう中枢性の作用を持っている、骨格ですね、それに対して使っていろいろな研究があると思うのです。そういうところの対処はどういうふうに考えておられるのでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 包括の範囲にもよってきますので一概には言えませんが、これはまだ部会の方にお諮りしてからということになりますけども、これは仮にということでございますが、パブリックコメントをかけますので、特定の物質だけは例えば包括指定、特定の物質は除外するとかいうやり方もございますでしょうし、そこは包括の範囲を踏まえて、また指定薬物部会の方で具体的に御議論をいただくとともに、パブリックコメントの結果を参照させていただこうと思っております。
○大野委員 そういうことも踏まえて検討していただくよう、お願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課長 はい。
○望月分科会長 先生も同じ部会の委員ですが、結局、医薬品とかそういうものに役立てるような研究というのは当然できなければおかしいので、それは包括から外すなり、目的によっては柔軟に対処していきたいと思います。
 ほかにはどなたか御意見、どうぞ西島委員、お願いします。
○西島委員 今のことですけれども、化学構造の類似性からいろいろ考えるということですが、今、化学物質について、かなりインフォーマティックスがいろいろと取り入れられていますけれども、これがうまく機能すれば、非常に包括的な取り締まりに役立つと思うのですが、現在、そういった方向での取組みについてはどのようになっていますでしょうか。
○望月分科会長 厚労科研の内容はどうなっていますか。
○監視指導・麻薬対策課長 そこはまだ実務的な検討の段階でございまして、まだここで御披露できるだけの情報がありません。申し訳ございません。
○望月分科会長 ということです。申し訳ありません。
○西島委員 私も専門家ではないのですが、そういったことが非常に、今、注目されていますので、是非、積極的に検討課題としていただければありがたいと思います。
○望月分科会長 いろいろな構造活性相関にしても結構きわどいですね。何でこれを包括指定にしたのかということに対してはっきり答えられないといけないので、その辺りは今の厚労科研の成果を十分に使わせていただきたいと思っています。ほかにはどなたか御意見、ございますか。よろしいでしょうか。
では、本件についても御確認いただいたものとします。
 続いて、毒物劇物部会の議題17についての説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題17、資料17「毒物及び劇物取締法に基づく毒物又は劇物の指定等について」です。こちらは本年4月24日の毒物劇物部会におきまして12品目について御審議をいただいておりますので、その結果の概略を御説明いたします。1)の品目、これは別名で「ジチアノン」という農薬でございます。1ページになります。これまで有機シアン化合物としての劇物の扱いから除外されておりましたが、今回新たなデータの提出がございまして、これに基づき、ジチアノン及びこれを含有する製剤については毒物に指定することが適当とされました。このうち50%以下の濃度の製剤については、劇物に指定することが適当とされました。
 次に2)~4)の3品目、オルトケイ酸テトラメチル、1,1-ジメチルヒドラジン、トリブチルアミンについてです。それぞれ10ページ、15ページ、20ページになります。これらは危険物輸送に関する国連勧告で毒物として位置付けられておりますことから、今回急性毒性や刺激性の情報を収集したものについて審議を行い、毒物に指定することが適当とされたものでございます。
 次に5)の品目でございます。別名で酸化フエンブタスズという農薬でございます。25ページになります。今回農薬の再評価に伴い提出された毒性データについて審議を行い、毒物に指定することが適当とされたものでございます。次に6)~8)の3品目、2,4-ジクロロ-1-ニトロベンゼン、2,3-ジブロモプロパン-1-オール、メタバナジン酸アンモニウムについてです。それぞれ32ページ、37ページ、42ページになります。これらは危険物輸送に関する国連勧告で毒物として位置付けられておりますことから、今回急性毒性や刺激性、腐食性の情報を収集したものについて審議を行いまして、劇物に指定することが適当とされたものでございます。
 次に9)の品目でございます。47ページになります。こちらは別名でメチレンコハク酸となります。農薬の候補物質でございまして、今回農薬登録申請に伴い、提出された毒性データについて審議を行い劇物に指定することが適当とされたものでございます。次に10)の品目でございます。52ページになります。ゲルマニウム、セレン及び砒素から成るガラス状物質という、遠赤外線光学材料に使用される物質でございます。こちらは原体・製剤ともに劇物に指定されている品目ですが、今回新たなデータの提出がございまして、これに基づき、ゲルマニウム、セレン及び砒素から成るガラス状物質及びこれを含有する製剤は「毒物」から除外することが適当とされたものでございます。
 次に11)の品目でございます。57ページになります。こちらは別名でシアントラニリプロールという農薬の候補物質でございまして、有機シアン化合物でもありますことから、今回農薬登録申請に伴い提出された毒性データについて審議を行い、シアントラニリプロール及びこれを含有する製剤を劇物から除外することが適当とされたものでございます。12)の品目でございます。64ページになります。くん蒸剤としての沃(よう)化メチルでございます。既に劇物に指定されているもので、今回農業用品目として収載することが適当であるとされたものでございます。以上、説明を終わります。
○望月分科会長 ありがとうございました。それでは毒物劇物部会長の大野委員から、追加の御発言がございますか。
○大野委員 特にございません。
○望月分科会長 それでは、委員の方々からの御質問、御意見はいかがでしょうか。
 特にないようですので、これについても御確認いただいたといたします。それでは、本日の議題はすべて終了いたしましたが、事務局から何かありますでしょうか。
○事務局 特にございません。
○望月分科会長 では、委員の方々から全体を通じての御意見、御質問は何かございますか。
○望月(眞)委員 今日も注意が必要なお薬、リスクが考えられるお薬が承認されておりますけれども、正式には来年度からになるのかと思うのですが、リスクマネジメントプランを具体的に今どのようなロードマップで具体化されていくのかということと、そのリスクマネジメントプランについては、医療現場の方にはどのような形でその情報が伝わっていくのかという辺りについて、今の時点で結構なのですが、計画を教えていただけたらと思います。
○望月分科会長 では、事務局からお願いいたします。
○安全対策課長 安全対策課でございます。医薬品リスク管理計画については今年の4月に通知を発出いたしまして、約1年間の準備期間をおきまして、来年の4月1日から申請する新医薬品、それからバイオ後続品について順次導入をしていく予定にしております。
 また、後発品については、これから少しパイロット等をしながら実施時期を定めていく予定にしております。来年の4月1日以降の申請品でございますけれども、実際には今年以降もできるところから準備期間ということで、できるものはやっていただくようにしております。
 また、RMP、このリスクマネジメントプランについては、現在のGVP又はGPSPというような市販後の安全管理についての基準の中にもきちんと位置付けてやっていく予定にしておりまして、現在必要な省令改正の手続き、検討を進めているところでございます。このRMPについては承認の段階でそれぞれの医薬品がどういうリスクをもっていて、市販後にどのような形でそれをコントロールしていくか、または、情報を集めていくかということを明らかにするということでございます。これを医療の現場にいる先生方、場合によっては患者さんにも知っていただくことが医薬品の適正使用に極めて重要だと考えておりまして、RMPの内容については医療の現場の先生方にも分かりやすいように公表をしていきたいと考えております。今、RMPそのものの計画書の中身をどう作るかということと、それを先生方に分かりやすく公表するために、どのような形でまとめるのがいいのかということについても検討を進めております。そういう形が見えてきたところで、医療の現場の先生方にも、医薬品の世界でこのRMPというものが作られていくのだということについては、情報提供、解説をするようなことも検討しているところでございます。
 また、後発品については、どのようにやっていくか、一剤について関連する企業も多数に上りますので、どのようにそれを進めていくかについては、今年度、パイロットもやりながら準備を進めていきたいと考えております。以上でございます。
○望月分科会長 ありがとうございました。どうぞ望月委員。
○望月(眞)委員 ありがとうございます。是非、そのリスクマネジメントプランの通常の監視計画以外の監視計画や、あるいは最小化の策を立てなければならないようなリスクをもっている場合に、どんなリスクが特定されているのか、潜在的にどんなリスクがあるのか、だからこういう方法を使って監視をしていったり、最小化をするのだという辺りが医療現場にきちんと伝わり、あるいは、患者さんも見られるような形で公表いただけると非常にいいのではないかと思います。
○望月部会長 土屋委員どうぞ。
○土屋委員 今日何回か出ましたが、標榜薬効であるとか、あるいはその情報がどこに書かれているかということなのですが、IT化が進んでまいりまして、検索を自由にさせようと思うと、表現の揺らぎというものが相当あるために、検索しても検索に引っかかってこないとか、そういったことが出てきて、結局は全文検索をしながら、今、自然言語処理が随分できるようになったので、曖昧検索というのでやれば出るのですが、通常のところはそういうことをやらないとなると、分かりやすいことをやろうと思うと、昔の話と今の話とでかなり違いが出てきてしまっておりますので、これから電子化のファイルというものを意識したときに、添付文書そのものをどうするのかという話と、添付文書情報をどうするのかという話があるかと思いますが、その辺はかなり検討しないと、やはり今、工学と一緒になってやっておりますが、少々困ってしまっているというのが現状でございますので、是非、その点をよろしくお願いしたいと思います。
○望月分科会長 ただ今の御指摘に対して何か御意見がございますか。
○安全対策課長 土屋先生の御指導をいただいて、やっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○望月分科会長 土屋先生、どうぞよろしくお願いいたします。ほかにはどなたか御意見がございますか。特段ないようですね。
次回の薬事分科会は10月1日(月)午後3時からを予定しておりますのでよろしくお願いいたします。それでは、本日の薬事分科会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 総務課薬事審議会係 対馬(内線2785)

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