ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 高度医療評価会議> 第34回高度医療評価会議議事録




2012年9月26日 第34回高度医療評価会議 議事録

医政局

○日時

平成24年9月26日(水)16:30~17:30


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用23会議室(19階)


○出席者

猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、金子構成員、
佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、直江構成員、葉梨構成員、
林構成員、藤原構成員、村上構成員、山中構成員、山本構成員、松山技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課治験推進室長
医政局研究開発振興課課長補佐
医政局研究開発振興課高度医療専門官
保険局医療課長
保険局医療課企画官
保険局医療課専門官
医薬食品局審査管理課課長補佐

○議題

1.新規申請技術の評価結果について
2.既評価技術の試験実施計画の変更について
3.取り下げについて
4.協力医療機関の追加について
5.先進医療専門家会議の審議結果等について
6.その他

○議事

○猿田座長
 それでは、時間がまいりましたので、第34回「高度医療評価会議」を始めさせていただきます。大変蒸し暑く、お忙しいところをご出席いただきまして、委員の先生方にはありがとうございました。本日の構成員の出欠状況ですが、川上構成員、竹内構成員、田島構成員からは、ご欠席との連絡を承っております。それから、本日は技術委員として、松山技術委員にご出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 議題に入る前に、事務局で人事異動がございましたので、ご紹介いたします。保険局医療課 宇都宮啓課長、保険局医療課 井上肇企画官です。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の配付資料と本日の審議案件の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配付資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿。次に、資料1-1~資料1-4、新規申請技術の評価結果、資料2、試験実施期間の延長、資料3-1、資料3-2、取下げ、資料4、協力医療機関の追加、資料5、先進医療専門家会議の審議結果等、資料6、先進医療制度の見直しに係る本日の議論についてです。参考資料1~4です。
 本日の資料は以上です。過不足等がありましたら、事務局までお知らせいただくようお願いします。
 それから、利益相反についてですが、今回の未承認医薬品又は医療機器は、サポートする企業が存在しないため、事前の確認はしておりませんが、もし何らかの利益相反がありましたら、この場でご報告をお願いします。そのほか該当なしということでよろしいでしょうか。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。早速、議事に入りたいと思いますが、新規技術の評価に関しては、事務局からご説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 ご説明いたします。なお、撮影されている傍聴者はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 資料1-1をご覧ください。新規申請技術の評価結果として、整理番号048、高度医療名は千葉頭頸部NKT療法です。適応症は標準治療終了後の頭頸部扁平上皮がんが対象となっています。申請医療機関は千葉大学医学部附属病院です。審査担当構成員として、主担当が林構成員、副担当が藤原構成員、佐藤構成員、松山技術委員です。以上です。
○猿田座長
 それでは早速、整理番号048の評価結果について、まず林先生からご説明いただいて、各委員の先生方からご意見をいただきます。
○林構成員
 ご説明いたします。高度医療の名称として、千葉頭頸部NKT療法ということで、いまご説明にもありましたように、頭頸部扁平上皮がんの標準治療終了後の患者を対象に、鼻粘膜に投与する免疫細胞の治療法の比較試験ということで申請がなされております。
 大雑把なスケジュール等については、1-4の「開発ロードマップ」をご覧いただければ幸いです。すでに鼻に投与することも含めて安全性の評価もフェーズ1ということで行われており、今回申請になっているのはフェーズ2の段階でのランダム化の試験が申請されています。それでは、実際に評価いただいた先生、順番にということで、藤原先生からお願いします。
○藤原構成員
 私のコメントは1-3を主に聞きました。1-2にありますように、実施体制、実施責任医師の体制、医療機関の体制に関しては、千葉大病院ですので、全く問題ないと考え、医療技術の有用性に関連してプロトコールや中身をクリアにしようというので、1-3の14頁、15頁にあるような指摘をさせていただき、回答をいただきました。
 要約しますと、1つ目は、無再発生存がprimary endpointですので、最初、プロトコールの中では、経過を見る期間が全然統一されていなかったり、再発の診断をする手法が、どれが適切なのかよくわからないようなプロトコールの記載だったので、その辺をきれいに書いていただいたということで、よろしいかなと考えました。
 2つ目は、従前も千葉大病院から非小細胞肺がんを対象にした同じような手法の高度医療への申請が出ており、そちらは静注で、今回は局所投与というように変わっていましたので、どちらが主体で開発へ行くのかなという話を聞きましたが、静注は肺がんのほうはそれでいく。ただし、今回の頭頸部がんについては、局注のほうがより免疫学的な効果が高いということで、頭頸部がんについては、今回の申請のほうで将来的な薬事法の承認まで目指していきますという話をいただいたので、了解しました。
 最後は、前回の肺がんのときにもお聞きしたのですが、薬事承認にこういう細胞療法の承認申請を持っていくスケジュールをどのように詳細に考えているかということをお聞きしたのですが、回答を見ても、いまひとつピンとこないような回答です。高度医療がしっかり進んでいく中で、こういう細胞療法の薬事承認の申請を、申請者を誰にして、どのようなスタイルでやっていくかというのは煮詰まっていくと思いますので、今回の高度医療実施に関しての大きな障害にはならないと判断しました。
○猿田座長
 いま、特に最後の問題をご指摘いただきましたが、確かにこれから詰めなければいけないところかと思います。一応この件に関しては、いま藤原先生は実施体制、そのほか全部問題なしで、プロトコールの面もいいだろうということですが、佐藤先生から倫理的な面をお願いします。
○佐藤構成員
 倫理的な観点からのコメントです。資料1-3の続きで、通し頁で16頁からになります。少し細かいコメントもありますが、大きな点としては、指摘の1で、抗がん剤治療とキノコの成分を用いた民間療法というのはアガリクス等だと思いますが、これを並べるのはどうかと思ったのですが、ご回答いただきました。それから、期待される予後というのは難しいと思いますが、これについても書いていただきました。
 3は、これまで進んできた臨床試験の成績が、本件の期待される予後と混乱させるような形で書いてあるのではないかという指摘をして、これはあくまでも参考であると書いていただきました。以上です。
○猿田座長
 それでは本日、技術委員としておいでいただいている松山先生から全般的な技術に対してご説明をお願いします。
○松山技術委員
 私のコメントは、1-3の18頁にあります。この技術は、先ほど藤原先生がおっしゃいましたが、150ccの採血だけでアフェレースをせずに樹状細胞を採ってこられる。どうしてもがんの患者の場合には、抗がん剤などで心負荷がかかって、なかなかアフェレースに耐えられない患者さんがいらっしゃるということを考えると、非常にメリットがあるのではないかということです。
 今回、検体の取り違いということで、ある患者と別の患者の樹状細胞が取り違えられるのではないかということを、ご指摘いたしましたが、その部分はしっかりと同時に扱わないということで、時間的にもスペース的にも独立させて実施していただけるということで良といたしました。
 加えて、感染症の患者は今回は扱わないということですが、クリーンアップはしっかりしていただけるということですので、十二分に対応されていると思います。
○猿田座長
 一応お三方のご意見は皆様結構だということですが、林先生、また全体的にお願いいたします。
○林構成員
 私は主に実施計画書を中心にレビューさせていただきましたが、この試験は、パルス樹状細胞と非処理樹状細胞を比較するということです。細かな点ですが、目標症例数の設定や解析のところで、いわゆる標準治療というのはよく使う言葉ですが、この試験に入る前の扁平上皮がんの患者たちの標準治療という場合と、いわゆるコントロールという意味での治療法は、ちょっと混在するところがあったので、そこの修正をお願いして、納得がいくというか、妥当なものに修正していただき、全体を見て、計画書の中も十分妥当なものと判断しました。
○猿田座長
 それでは、委員の先生方から、いまお話があったことで、何かご意見がありますか。山口先生、何かありますか。
○山口座長代理
 私は特にありませんが、臨床スタディの症例数がちょっと少ないので、もう少しあったほうがいいかなという印象だけです。なかなか症例を得るのが難しいのかもしれませんが、厳密に評価していけば、藤原先生がおっしゃったように、ある程度評価できるのではないかと思います。
○猿田座長
 ほかにご意見はありませんか。
○山本構成員
 計画の中身ではなくて、形式的な話ですが、モニタリングについて、申請書内にはモニタリングをこのように行うということが書いてあります。別途、モニタリング手順書が資料で申請書と添付されているのです。実施計画書の中にモニタリングを行うという記載と、申請書にはモニタリングを行う部門も明示されているのですが、計画書の中にはそれも何も書いてないので、計画書の中にもモニタリングに関する記載を書いていただいたほうが計画書の体裁としてはよろしいのではないかと思いました。
○猿田座長
 林先生、何かご意見はありますか。
○林構成員
 そのように修正をしていただけるようにします。
○猿田座長
 ほかにどうでしょうか。
○金子構成員
 内容に関わることではないのですけれども、千葉という名前が入っていますが、いままでは特定な地域あるいは特定な施設を連想させるような名称はなかったと思います。これは特に入れなければいけないのでしょうか。むしろ多施設でやっていこうという方向で、この高度医療は進めていくはずだったのですが、どうしても入れなければいけないのでしょうか。
○猿田座長
 これはどうですかね。
○医政局研究開発振興課専門官
 ご指摘の点については、先生のおっしゃるとおりです。実際に告示名が出るまでには、基本的には一般的な名称をより使用する形で修正を加えることが多くあって、今回の例もそういった形で対応するのではないかと予測されます。今回に関しては、申請者がこのような形で申請してこられていますので、それに対して、この評価会議のレベルでここをまず修正しなければ駄目だというものではないという形で考えています。
○猿田座長
 肺がんのほうは、やはり千葉が付いていましたか。
○医政局研究開発振興課専門官
 肺がんのほうでは告示名を出す際に、千葉の名前は落ちております。
○猿田座長
 そういうことですが、ただ申請者のほうからそういう形で出てきたということです。あと藤原先生がおっしゃったように、確かに肺がんの場合には、静脈投薬でいくと、肺でのトラッピングがあるから、胃粘膜を使ったほうが、はるかにリンパ、そのほかに対していいということです。直江先生、そのほかにご意見はありますか。
○直江構成員
 確かにこういうDC療法は局所の免疫でNKTを活性化するということですので、この場合は標準治療が終わったあとということなので、たぶん局所再発ということを念頭に1つ入れておられるのかなと思います。
 それはそれとして1つだけ気になるのは、登録が5年間、フォローアップが2年間で、7年間という非常に長い期間の研究です。先ほど山口先生もおっしゃったように、これだけ症例を集めるのが大変なのだろうとは思いますが、5年間、7年間に、例えば新しい治療法が開発されたりすると、5年、7年というと、相当先だなという感じを、私は個人的には持つのです。もう少し症例のリクルートを。これはNの数の根拠が統計的にどうしても必要だということになれば、あとは結論を出すのは、効いたか効かないかというランダム化の問題です。66例集めるのはどうしてもやらなければいけないということになると、なかなか終われなくなってしまう可能性がありますよね。そこを頑張っていただくしかないのかな、ちょっと何か工夫はないのかなと思いました。
○林構成員
 正直非常に難しいところがあるとは思います。実は実施計画書の12頁を見ますと、症例数の設定の根拠ということで、いま考えているのが無再発生存率を、この治療だと65%、コントロールのほうが35%で、ある意味では画期的というか、非常に大きな差です。それを見落とさないようにするには、これだけ必要だということです。逆にいうと、これよりももっと小さな差を仮定すると、もっともっと例数が必要になるということになります。少なくても統計的にはこのままにして、あとは実施可能性との勘案ということになるかと思います。
○猿田座長
 ほかにどなたかご意見はありますか。
○山中構成員
 頭頸部がんということで、すべての部位を含んでいると思いますが、一般には中咽頭、下咽頭・喉頭で予後が違いますので、割付調整因子に含めることをお勧めします。進行再発症例ですので、もしその必要がないという理由があるのでしたら、その理由についてはプロトコールに記載して、割付調整因子に指定する必要がない旨を追記していただきたいと思います。
○林構成員
 ご指摘どうもありがとうございます。是非、そのように修正をさせていただきたいと思います。
○猿田座長
 ほかにご意見はありませんか。全体的に拝見させていただいて、そんなに大きな問題はない。いまの症例の問題が確かにありますが、全体としては非常によく検討されておりますので、もし、委員の先生方から特にご意見がないようでしたら、いまプロトコール面のご指摘がありましたが、そこをちょっと詰めていただいて、今日のこの委員会としては、この案件を認める形でいいですね。もしよろしければ、この案件は、本日ここでお認めいただいたということで、先ほど一部お話があったところは修正していただきます。それでは、お認めいただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 今日審査する案件はこれだけですので、続きまして、試験期間の延長、そのほか、事務局のほうでお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局よりご説明いたします。資料2をご覧ください。試験実施期間の延長として、告示番号024、高度医療名はパクリタキセル腹腔内反復投与療法です。適応症は胃切除後の進行性胃がん、もしくは4型であるものが対象となっています。申請医療機関は名古屋大学医学部附属病院です。開始から2年を迎えた現時点で、目標症例数60例の半分の30症例しか登録できていないという状況と伺っています。また、延長する期間としては、現在の11機関と今後予定している8機関の合計19機関で実施する一方、今後の協力医療機関の申請手続等に要する時間等も考慮し、2.5年間の延長、すなわち平成26年12月までの実施期間の延長をお願いしたいとのことです。
 これまでの症例の集積数等を考慮しますと、事務局としては、こちらに関して特に差し支えないのではないかと考えておりますが、先生方にご意見をいただければと考えております。
○猿田座長
 これは前からの案件ですが、どうしても症例数が限られるということで、あと約2年、平成26年12月までの延長ですが、これは特に問題はないでしょうね。
○藤原構成員
 先ほどの直江先生のご指摘とも共通するのですが、進捗が悪いスタディについて、たしかこの会議でも年に1回ぐらいは報告させましょうと。進捗が悪いだけではなく、全体のそれぞれの試験の進捗を報告するような機会を設けましょうということも、以前議論されたように記憶しています。通知の上には書いてないのですが、どういう形で高度医療とか先進医療の会議に出てくるという、何か内規でもできたのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 ご指摘のことに関しては、基本的には通知にも一部書いている部分がありますが、基本的には定期報告を年1回求めるという形になっており、先進医療専門家会議では、年1回の定期報告として、データを集積したものをご報告させていただいたところです。高度医療評価会議では、こちらの報告をしていなかったという現状があって、10月以降、新しい会議体で運営する中では、改めてご報告するようにしていくということを考えています。
○猿田座長
 実際に藤原先生がおっしゃったように、かなりの案件で症例集積が進んでいません。それを1回きちんと整理して、ちょうど10月で替わりますから、そこでもう一回皆さん方にどのぐらい症例がこなせているかといった点をかけさせていただいて、その辺はしっかりやっていかなければいけないと思います。
 結局、高度医療評価のほうにかかってくるのは、なかなか難しいプロトコールですから、症例数も集まりにくいということで、いまおっしゃったことは非常に大切なことですが、ちゃんと整理させていただきたいと考えています。
○関原構成員
 いまの質問に関連するのですが、例えば先ほどの千葉大学は66件とありますよね。頭頸部のがんで第4期で、しかも完全に奏効するというのは、1年間に。私は千葉大学というのは、どのぐらい頭頸部のがんの手術があるのかは知りませんが、第4期で遠隔転移などを起こしているわけです。それが治療で完全に消えるのがどのぐらいあるのかを調べた上で、5年間なら、それ掛ける5だからという計算というか、チェックを事務方ではしているわけですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 関原構成員のご指摘のとおりで、事務局レベルでも一応その点に関しては、最低限、先生方にご覧いただく前に、事務局サイドとしても統計学的な考察がされているかということと、現実的な患者の集積性を踏まえた上で計画が練られているかという点についてはチェックさせていただいています。
○関原構成員
 そうすると、第4期でも、一応消えるのは結構あるということですね。普通は第4期と言われると、相当深刻に考えるのですが、第4期で標準治療したら、完全奏効と言われているわけで、そういうのは結構あるという理解なのですね。患者としては、そういう理解をしますね。
○医政局研究開発振興課専門官
 こちらに関しては事務局としても、申請側の専門性等を考慮して、統計学的な妥当性も配慮した上で、申請者側がこのぐらいの集積でいけるということであれば、事務局側でそれを弾くのはなかなか難しいところです。
○猿田座長
 よろしいですか。藤原先生、何かありますか。
○藤原構成員
 頭頸部がんについては、ある程度の奏効率が期待できる可能性はあると思いますが、きれいなデザインにしようというのが、この試験はたぶん前面に出ていると思います。だから、きれいにがんが外科的には無くなった人たちにこういう樹状細胞療法をやって、しかもランダム化比較試験をやって頂いているので、結構ではないかと考えました。いままで大体ランダム化をやれと言ったら、研究者側は嫌だと言うのが高度医療では多かったのですが、最初からきちんとしたデザインを持ってきている所があって、理想が高くなっているのです。
 先ほどの直江先生の懸念は、私も同感です。症例が入ってくるスピードを見てみないと、最初は良いデザインでスタートして、それで本当に症例登録のスピードが遅かったら、ちょっといろいろな工夫が必要だというところを、ここで年に1回報告されるのであれば、チェックして、遅いときはプロトコールをしっかり変えていただければいいと思います。私はプロフェッショナリズムというか、彼らがこの条件で症例集積をしたいとおっしゃっていることを尊重したいです。確かに千葉大は頭頸部がしっかりしている大学病院ですから、千葉の関連病院も含めて集められるでしょうし、まずは症例集積状況を見てあげたいです。1年経って、これは駄目ではないかということになれば、そこでプロトコールの変更を望むというのが、彼らのプロフェッショナリズムを尊重するという意味ではいいのかなと思いました。
○猿田座長
 よろしいですか。ほかにご意見はありますか。大切なことは経過を見ていって、どこまでこなせているかという途中チェックが非常に重要かと思いますが、それは先ほど申し上げたように、新しい体制になったところでしっかりやっていきたいと思います。もしよろしければ、一応こういう形で平成26年12月までの延長を認めていただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 続きまして、高度医療に係る申請の取下げですが、事務局からご説明をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1です。第三項先進医療に係る取下げとして、大臣告示番号010、高度医療名はCT透視ガイド下の経皮的骨腫瘍ラジオ波焼灼療法です。適応症は、転移性骨腫瘍又は類骨骨腫が対象となっております。申請医療機関は、国立がん研究センター中央病院です。取下げ理由に関しては、高度医療評価制度として施行しておりました臨床試験が完了したためとなっております。こちらに関しては、現在データの総括を行っているということで、追って総括報告書等で結果についてはご報告させていただきたいということを申し受けております。
○猿田座長
 これは、どのぐらい前にスタートしたのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 ちょっとお待ちください。
○猿田座長
 私も調べてみたのですけれども、はっきりしないのです。これはうまく終了したわけですから、どのぐらいでちゃんと終了しているのかということです。
○医政局研究開発振興課専門官
 失礼いたしました。こちらの会議のほうで認められておりますのが、平成19年10月22日ということで、ちょうど高度医療評価制度が始まる前に、時限的先進医療が移ってきたときに評価を受けているものです。
○一色構成員
 完了したということと、取下げということの関係がよくわからないのです。完了したなら取下げではなくて、終了したということにならないのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 これは制度上の問題で、試験が完了した場合は、要は新規登録の患者さんを例えば勝手にやって、その中でいわゆる保険外併用を認めてまたやっているということはもうないと。制度上はこれで保険外の併用に関しては終了いたしますということで、告示を取り下げさせていただくという意味合いでの手続という形になっております。
○猿田座長
 続けてください。
○医政局研究開発振興課専門官
 取下げについて、引き続き資料3-2でご報告申し上げます。高度医療に係る申請書の取下げという形になっておりますが、整理番号011、高度医療名は大腸がんに対するペプチドワクチン療法です。適応症は、切除不能大腸がんが対象となっております。申請医療機関は山口大学医学部附属病院です。平成22年4月27日に行われた第16回高度医療評価会議において、条件付き適の評価をいただいております。2年間、先進医療専門家会議への申請等がなされませんでしたので、こちらから問合せしたところ、取下げ理由として、申請した治療レジメンが承認されず、そのほかの手段等も考慮するため、また改めてもし高度医療評価制度等を利用する場合は再度申請させていただきたいということで、今回は申請書を取り下げさせていただきたいということです。
 続いて整理番号24番、再発予防を目的とした膀胱がんに対する腫瘍特異的ペプチドワクチン療法です。適応症は膀胱がんが対象となっております。申請医療機関は岩手医科大学附属病院です。平成22年4月27日に行われた第16回高度医療評価会議において、条件付き適の評価をいただいておりましたが、今回本新規技術に関して治験が開始されたということで、取下げをさせていただきたいということです。
 最後に整理番号028、高度医療名は再発小児固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンを用いた化学療法です。適応症に関しては、再発小児固形腫瘍が対象となっております。申請医療機関は国立がん研究センター中央病院です。平成22年6月25日に行われた第18回の高度医療評価会議において、「条件付き適」の評価をいただいております。今回の取下げ理由としては、塩酸ノギテカンの再発小児がんに対しての開発要請が行われたためということを伺っております。以上です。
○猿田座長
 いまの説明のように、この4つの案件はそれぞれ理由が違うのですが、取下げということです。最初のほうは先ほど言ったように、これを終了したということです。大腸がんに関しては覚えていらっしゃるかもしれませんけれども、だいぶここで議論させていただいて、効果がどうかということがありましたが、そういうことでの技術的な問題もあったと。膀胱がんに関しては治験が開始されたということ。最後の塩酸ノギテカンの再発小児がんに関しては、開発申請が行われたということで、それぞれ理由が違いますけれども、こういう形で取下げということを認めていただきたいということですが、よろしいでしょうか。
○藤原構成員
 ペプチドワクチンの2つですが、そのときには食道がんとか前立腺がんの評価もあったと記憶しています。結構インテンシブに評価をさせて頂いたのですが、2年も経っていまさらやめるといきなり言ってきてこられても、それではこの2年何をやっていたのですかと言いたくもなります。一方で、厚労科研費のがん臨床か何かで、医師主導試験を、このペプチドワクチンを使ったものが今年は採択されてたくさん走っていると思うのですが、全体像がちょっと見えないです。
 伊藤構成員が担当されたグリオグラストーマも含めてか何か、その辺の全体像がどうなっているのかということが、どうも2年前に評価を担当した者としてはちょっと気になります。
○猿田座長
 効果面で、効果の判定そのほかをどう取るかということで随分もめました。なかなか難しかったということで、事務局からご意見はありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 当方といたしましても、条件付きという形で適とさせていただいておりました。この度改めて、さすがに2年も経って、まだ何か次の段階に進むのに問題があるのかとお伺いしたところ、制度も一新されるところで、一旦取下げさせていただき、仕切り直しをさせていただきたいという趣旨を伺っております。
○猿田座長
 そういうことがあるので、先ほど藤原先生がおっしゃったように、あるところでの途中経過をしっかり捉えていかなければいけないと。これは反省だと思っておりますので、そういう形でやっていきたいと思います。ほかにご意見はありますか。もしなければ、一応この4つに関しては、いま言った形で処理をさせていただくということでお認めいただきたいと思います。続いて、今度は協力機関の追加です。事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4です。協力医療機関の追加に関して、大臣告示番号024、高度医療名はパクリタキセル腹腔内反復投与療法です。申請医療機関は名古屋大学医学部附属病院です。今回追加を予定しておりますのはご覧の2機関となっております。
 次に大臣告示番号032、高度医療名は神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法です。申請医療機関は大阪医科大学附属病院です。今回追加を予定しております医療機関はご覧の2機関となっております。
 次に大臣告示番号033、高度医療名は術後のホルモン療法及びS-1内腹投与の併用療法です。申請医療機関は京都大学医学部附属病院です。今回追加を予定している医療機関はご覧の26病院となっております。
 次に大臣告示番号035、高度医療名は急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法です。申請医療機関は大阪大学医学部附属病院です。今回追加予定になっている機関は国立循環器病研究センターです。
 最後に大臣告示番号039、高度医療名はペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法です。申請医療機関は静岡県立静岡がんセンターです。今回追加予定となっておりますのはご覧の2機関となっております。
 事務局にて倫理審査委員会の構成、医療機関の実施体制等を事前確認しております。特にご意見がなければ追加の手続を進めたいと思っております。
○猿田座長
 資料4に追加医療機関の名前が載っていて、特に多いのは033の術後のホルモン療法のところを見ていただくと、いずれもしっかりとした施設であって、事務局のほうからも確認をしていただいているということですが、これに関してご意見はありますか。先ほどお話がありましたように、少しでも症例を早くこなしていただきたいということであれば、できるだけ多くの機関が参加していただくことが大切だということです。これは、特に問題はありませんですね。よろしいようでしたら、この形で追加機関をお認めいただいたことにさせていただきます。
 続いて、先進医療専門家会議の審査結果等について事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料5で、先進医療専門家会議の審査結果等についてご説明させていただきます。こちらは、平成24年6月に実施された先進医療専門家会議において、第三項先進医療の削除という形で承認された技術です。大臣告示番号12番、胎児胸腔・羊水腔シャントチューブ留置術となっております。適応症は、原発性胎児胸水又は肺分画症による続発性胎児胸水となっておりました。承認状況が、当初は未承認医療機器となっておりましたが、今回、平成24年7月1日をもって保険収載となったために、先進医療からは削除になっております。
 続いての資料は、平成24年7月収載予定という形で、先進医療専門家会議に提出された資料の内容です。本技術に関しての審査結果報告書を参考資料4として付けております。試験結果は、参考資料の86頁の表7の「高度医療評価制度下臨床研究結果概要」が記されておりますが、今回この審査結果報告書において、当高度医療評価制度における試験結果も活用されています。本件は、高度医療評価制度を通じて薬事承認が得られた技術になっておりますことを報告させていただきます。
○猿田座長
 ただいまの件に関してご質問はありますか。これは、ちょっと特異なケースです。
○柴田構成員
 1点確認させていただきます。先ほどの質問とも関連しますが、資料3-1の場合と、資料5の場合との違いがちょっとピンとこないのです。資料3-1のほうは、薬事申請予定で取下げで、資料5のほうは未承認であった医療機器が、薬事承認を取得したから削除になるということだと思うのです。これは、どうしてこのような違いが生じるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 本件に関しては資料5のほうに添付させていただいております、胎児胸腔シャントに関しては、高度医療評価制度実施中に、そのほかの国内の臨床試験や、海外の成績等も踏まえ、試験評価中に薬事承認が得られ、さらに保険収載がされたということで取下げの手続を行いました。
○柴田構成員
 わかりました。
○猿田座長
 ほかにご意見はありますか。もしないようでしたら、次の先進医療の見直しの件について事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料6は、先進医療制度の見直しに係る本日の議事に関してご報告をさせていただきます。平成24年10月1日より、先進医療の対象となる医療技術は、先進医療A又は先進医療Bに分類されるため、現行の第二項先進医療及び第三項先進医療として実施している医療技術について、先進医療A又は先進医療Bへの振分け等が必要になると考えております。現行の第二項及び第三項先進医療の詳細な振分け等については、10月以降の会議体でご議論いただくことになるかと考えております。基本的な考え方を今回こちらの高度医療評価会議にご報告させていただきたく、こちらの資料を準備させていただきました。
 34頁と35頁は、現行の第二項先進医療及び第三項先進医療の各医療技術の、平成24年10月1日以降の運用方法案です。1.(1)で、現行第二項先進医療として取扱っている各医療技術についての運用方法の案を示しております。こちらに関しては、10月以降の会議体に関して、現在第二項先進医療で行っている技術に関して、そのまま先進医療Aに分類するべきと評価された技術に関しては、そのまま先進医療Aとして実施していただくことを考えております。現行第二項先進医療のうち、先進医療Bに分類すべきと評価された技術に関しては、当面振分け後から平成28年3月31日までの移行期間をもって、先進医療Bへの申請を計画していただくことを考えております。10月1日以降は、暫定的に先進医療Aとして取り扱うことを考えております。
 35頁の3.で、平成24年9月30日の時点で、現行の第三項先進医療として取り扱っている各医療技術についての運用を記しております。現行の第三項先進医療Aに関しては、先進医療Aとして実施すべきと分類するものに関しては、必要な手続を踏まえた上で、振分け後より先進医療Aとして実施することを考えております。先進医療Bとして実施すべきというものは、現行の状態で、そのまま先進医療Bとして実施していただくことを考えております。
 36頁の5.は、当面のスケジュールです。本日9月26日が第34回高度医療評価会議ということで、この案を報告させていただいております。明日の9月27日(木)の第68回先進医療専門家会議でも、この資料と同様の案を報告させていただく予定になっております。10月1日に新たな先進医療制度を開始させていただくに当たり、10月下旬ごろに第1回先進医療会議及び第1回先進医療技術審査部会の実施を予定しております。この中で、先進医療A及び先進医療Bの分類に係る考え方を提出させていただく予定です。この会議終了後に、事務局案を作成させていただき、11月以降の第2回会議で事務局案を提出させていただき、ご審議いただくという流れを考えております。続く別添に関しては、参考資料になっております。
○猿田座長
 高度医療評価会議のほうでは、どういう形で移行していくかということを何回かかけさせていただきました。むしろ、明日行われることになっている先進医療会議のほうが、少し説明が不十分であって、委員の先生方もたくさんいらっしゃるのですけれども、なかなか出てこられなかったということもあって、完全には浸透していなかったのではないかと思います。
 ともかく、こちらではいまお話がありましたように、AとBに分ける。先生方ご存じのとおり、第二項の中でも比較的やりやすい技術と、なかなか大変な技術とあるということは考えていかなければいけないだろうと。第三項のほうは、薬事法を通っていない技術、あるいは薬を使ってのものということですが、それもいろいろな程度があります。そういうのを、もう一回きちんと整理する必要があるだろうと考えております。
 特に第二項のほうに問題の技術がありますので、そこはしっかりもう一回検討して、場合によってはプロトコールももう一回しっかり検討しなければいけない部分があるのではないかと考えております。委員の方からのご意見、あるいはいま説明のあったこれからのスケジュールに関してご発言がありましたらお願いいたします。
○山中構成員
 確認させてください。資料6の34頁のBの(4)です。「移行期間内に先進医療Bとして試験実施計画書等の科学的評価を終了していない技術は、先進医療から削除する」とあります。この「科学的評価を終了していない技術」というのは例えば実施計画書を作り終えられなかった研究のことですよね。平成28年3月まで移行期間として設けるということですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 ご指摘の点ですが、現在先進医療Aで、第二項先進医療として実施されているもののうち、診療報酬改定等に合わせ、保険収載への妥当性等をご審議いただく際に、現行の試験計画のまま実施していても、なかなかエビデンスが十分でなく、保険収載の妥当性を先進医療専門家会議で議論するのは難しいとされた技術に関しては、やはり臨床試験の計画を見直して、例えば今後の先進医療Bとして、臨床試験計画をきちんと立てていただくような形で実施していただくのが妥当ではないかと考えられるものに関しては、移行期間を設けて、先進医療Bとして申請していただくのがよいのではないかと当方としては考えております。
○山口座長代理
 質問です。34頁の右のほうのBに振り分けられるのが結構問題だと思うのです。おおよそでいいのですけれども、大体これは何件ぐらいの予想ですか。相当の数があるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 34頁の、現在の第二項でBに繰り上げられるようなものの件数ですか。
○山口座長代理
 そうです。
○医政局研究開発振興課専門官
 現在、予想ではありますけれども10件前後ではないかと考えております。
○山口座長代理
 相当な負荷がかかると思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官
 わかりました。
○猿田座長
 技術にもよりますけれども、本当にそうなのです。実際に9月30日までは古い制度で受け付けているわけですが、今週もまだ来ていますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 こちらの高度医療評価会議に関しては、新規の申請の受付けはありません。
○猿田座長
 先進医療のほうはどうですか。
○保険局医療課専門官
 山口先生にご指摘いただいた、先進医療Bに振り分けられる技術ですが、通知でおおまかな考え方は示してありますけれども、具体的にどういうものが先進医療Bに該当するかという運用の考え方については、10月以降の新しい会議体で一度ご審議をいただいて、整理をしてから作業という段取りを考えております。
○猿田座長
 委員もかなり替わりますよね。
○山口座長代理
 そうでないと、議論になるのではないかと思うのです。
○保険局医療課専門官
 一度考え方を整理していただいた上で作業を行う段取りを考えております。
○猿田座長
 10数年振り返ると随分替わっています。先生は、一緒に高度先進医療をやっていた方なものですから、あのときはそうだったですね。一応こういう方向で進むということでご理解いただけますでしょうか。ですから、10月いっぱいがこういう過渡期のところでいろいろなことを議論して、正式には11月ごろから動き出すということになるのでしょうか。この機会にご意見があれば承りたいと思います。事務局から追加はありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 特にありません。
○猿田座長
 佐原課長からご挨拶をいただけますか。
○医政局研究開発振興課長
 最後に課長として一言申し上げさせていただきます。高度医療評価会議は本日で最後ということになります。4年間34回にわたり、いろいろご指導いただきまして本当にありがとうございました。猿田座長におきましても本当にありがとうございました。
 4-10月からは先進医療会議のこれに相当するのは技術審査部会ということで、現行の先進医療のほうと、より連携を密にやっていきたいと思っております。委員につきましては、こちらにおられる先生方のうち多くの先生方に引き続きお願いしたいと事務局としては考えております。今度は、先進医療制度の推進に向け、引き続きご指導、ご鞭撻をいただきますようよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。これからの進め方を事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 本日の議事録については、作成次第先生方にご確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 先生方におかれましては、本当に長い間ありがとうございました。一応9月で一旦締めることになると思います。本当にご協力いただきましてありがとうございました。それでは、これで本日の会議を終ります。ありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課
TEL 03-5253-1111
先進医療係 新美 内線2589

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 高度医療評価会議> 第34回高度医療評価会議議事録

ページの先頭へ戻る