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2012年7月3日 第19回 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会

医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室

○日時

平成24年7月3日
16:00~18:00


○場所

弘済会館4階 菊・梅(中・西)の間


○議事

○北村座長 それでは、定刻となりましたので、第19回、次は20回になるんですね、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を始めさせていただきます。
 本日は、ちょっと雨が降って足元の悪い中、御多忙のところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 第19回、これは、何年間やっていますかね、もう4年くらいですかね。20回は、ちょっと盛大にやるとか、そういう話はございませんので、よろしくお願いいたします。
 まず、委員の出欠状況と配付資料の確認を事務局の方からお願い申し上げます。
○浅沼医療機器審査管理室長 それでは、委員の出欠状況について、御報告いたします。
 本日は、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会委員、16名のうち13名の御出席をいただいております。
 欠席委員でございますが、土屋文人委員、葉梨之紀委員、吉田純委員でございます。
 また、本日は、検討品目に関する専門家といたしまして、ワーキンググループから3名の先生に参考人として御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。
 東海大学医学部内科学循環器内科教授、小林義典先生です。
 国立成育医療研究センター臨床研究センター治験推進室長の中村秀文先生です。
 国立循環器病研究センター先進医療・治験推進部長、山本晴子先生ですが、時間の関係で遅れてくるということで、御予定を聞いておるところでございます。
 続きまして、配付資料の御確認をさせていただきます。
 配付資料でございますが、まず、資料1、これまでの選定品目の現状(平成24年5月31日現在)。
 資料2、平成23年度学会等からの要望内容の概要一覧。
 資料3、ワーキンググループによる評価。
 3-?(No.23-20)心室中隔欠損症(VSD)閉鎖用の医療機器。
 3-?(No.23-22)装着型体外式除細動器。
 3-?(No.23-23、24)冷凍凝固カテーテルアブレーションシステム。
 参考資料でございますが、参考資料1、検討会委員名簿。
 参考資料2、検討会開催要領。
 参考資料3、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方。
 参考資料4、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(概要)。
 参考資料5、ニーズ品目の選定の流れ(案)。
 参考資料6、学会等提出の要望書。
 参考資料7、早期導入候補品目の評価資料でございます。
 大変厚くなっておりますが、資料がお手元に配付されております。
 出欠状況及び配付資料の確認は、以上となります。
 不足分等ございませんでしょうか。
 ないようでしたら、これより議事に入りますので、傍聴されている方におかれましては、頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 座長、よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。今もお聞きいただきましたが、資料の方は、よろしゅうございますね。
 それでは、議題に入らせていただきます。まず、委員の利益相反に関する申し出状況について、事務局から報告をお願いいたします。
○事務局 利益相反の確認結果について御報告いたします。寄付金、契約金等の受け取り状況を伺いましたところ、本日の検討品目につきましては、すべての委員が議論に加わることができますこと、御報告させていただきます。
○北村座長 ありがとうございました。それでは、議題に入らせていただきますが、まず、議題1、これまでの選定品目の現状について、事務局より、説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、これまでの選定品目の現状、平成24年5月31日現在ということで、御報告させていただきます。
 右肩に資料1と記載されている資料をごらんください。前回からの変更点につきまして、御説明させていただきます。
 なお、本検討会より配付資料をモノクロとさせていただいておりまして、変更点につきましては、下線を付してございます。
 それでは、1枚おめくりいただきまして、2ページ目をごらんください。No.12、放射線治療補助材、東洋メディック株式会社さんにつきましては、平成24年3月12日に医薬品医療機器統合機構に申請されましたので、現状を申請中ということで記載させていただいております。
 次に、3ページ目、No.21、血管血栓用ビーズでございますけれども、エンボスフェアという品目につきまして、平成24年2月29日に申請されております。
 これは、当初、子宮筋腫での申請ということで申請がされておりましたが、平成24年2月29日付けで、多血性腫瘍または動静脈奇形も含めて申請がされているものでございます。
 下のカラム、ヘパスフェアでございますけれども、こちらは、当初、血管血栓用ビーズが選定されたときに、ヘパスフェアというものも併せて選定がされていたんですけれども、記載がされていなかったということで、品目を追加させていただいております。
 下にまいりまして、No.23、抗ヘパリンPF4複合抗体測定試薬につきましては、2品目、平成24年2月24日付で承認されてございます。
 No.24、水晶体嚢拡張リングにつきましては、前回、2月3日の検討会におきまして、HOYA株式会社の品目がニーズ選定品目として選定されております。
 次に、4ページ目をごらんください。No.27、植込み型心臓ペースメーカー、心内膜植込み型ペースメーカーリード、こちらは、MR対応型の製品でございますけれども、こちらも平成24年3月29日付で承認となってございます。
 No.34番、評価用カプセル、こちらにつきましても、平成24年3月26日付で承認となってございます。
 一番下の品目、No.38は、乳房小線源治療用アプリケーターにつきましては、平成24年4月27日付で申請されておりまして、審査中とさせていただいております。
 5ページ目、No.42、高周波心房中隔穿刺カテーテル、こちらにつきましては、平成24年4月20日付で申請をされております。
 最後の6ページ、No.51から54までの4品目につきましては、前回24年2月3日付の検討会でニーズ選定品目品として選定されましたので、追記させていただいております。
 なお、こちらの資料につきましては、5月31日現在ということでまとめさせていただいておりますが、平成24年6月8日付でNo.52、脳深部刺激装置が申請がされておりますので、御報告させていただきます。
 事務局からは、以上です。
○北村座長 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました進行状況、検討の結果の、現状のまとめをいただいたわけですが、御質問、御意見をお受けしたいと思います。千葉先生の横隔膜ペースメーカーは、今日は、よろしいですか。
○千葉委員 話せば、1時間になりますので、まずは。
○北村座長 ほかに、御意見はございませんか。
 それでは、議題2に進ませていただきたいと思います。
 議題2は、23年度学会要望についてでございますが、事務局より、説明をお願い申し上げます。
○事務局 それでは、資料2について御説明いたします。大きい資料で、右肩に資料2と書かれた資料をごらんください。
 色の付いたセルにつきましては、既に検討会において選定された品目など、本検討会で御議論いただく品目ではございません。
 また、白色のセルにつきましては、今後、検討を必要とする品目でございます。一番右端のカラム、検討結果に簡単な内容が記載されておりますので、ごらんください。
 それでは、検討の状況について、前回の報告からの変更点について資料に掲載された品目順に御説明いたします。
 一番左端のカラムに番号がございますので、御留意願います。
 まず、1ページ目、一番下にございます。番号23-7、マルチポイント機能を有する除細動機能付植込み型両心室ペーシングジェネレーター、下段の2製品につきましては、医療上の有用性を示す検討に必要な臨床部分の資料がなく、当面、準備ができないなどの理由から、日本不整脈学会から要望の取り下げがございました。
 次に、2ページ目でございます。23-8、日本血管外科学会から要望のございました、血小板凝集能測定器につきましては、既に臨床現場に同様の機器が使用されていることや、血小板の凝集能測定については、一定の有用性はあるものの、急いで選定しなければならない機器ではないなどの理由から、3月に開催いたしましたワーキンググループにおきまして、非選定ということで判断をさせていただいております。
 次に、23-15,23-16,23-17の3品目につきましては、日本乳癌学会より、要望の上がっている品目でございますけれども、こちらは、学会に確認させていただきましたところ、保険適用の要望ということでございまして、その後、学会から要望を取り下げる旨の連絡をいただいております。
 次の3ページでございます。23-18、日本小児循環器学会から要望がございました、バルーンカテーテルにつきましては、要望品目に関する資料が未整備のためワーキンググループで再度検討することとしております。資料が整いましたら、ワーキンググループで検討する予定となっております。
 次に、23-20、日本小児循環器学会から要望のございました、心室中隔欠損症(VSD)閉鎖用の医療機器につきましては、後ほど、本検討会にて御議論いただきたい品目でございます。
 次に、23-21、日本うつ病学会から要望のございました、経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)によるうつ病治療装置につきましては、資料右端の検討結果に、ワーキンググループで再検討とさせていただいておりますけれども、6月の末に学会から要望の取り下げがございましたので、資料の訂正をお願いいたしまして、御報告とさせていただきます。
 続きまして、23-22、日本不整脈学会から要望のございました、装着型体外式除細動器と、次の23-23、23-24、日本小児循環器学会及び日本不整脈学会から要望のございました、冷凍凝固カテーテルアブレーションシステムにつきましては、それぞれ後ほど、本検討会にて御議論いただきたい品目でございます。
 次に、23-25及び23-26につきましては、それぞれ承認申請がなされ、現在、PMDAにおいて審査中でございますので、対象外とさせていただいております。
 次に、最後のページでございます。22-36、日本ソノケミストリー学会から要望のございました、血栓溶解剤注入器、それから、22-39及び22-40、日本小児循環器学会から要望のございました、バルーン拡張型ステントにつきましては、それぞれ要望品目に関する資料が未整備であるため、ワーキンググループで再度検討することとしております。資料が整いましたら、順次ワーキンググループで検討させていただきたいと思います。
 資料2の説明につきましては、以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明いただきましたが、学会要望の件での変更点も含めて御説明がありました。御質問はございませんでしょうか。
 よろしいですか。1つだけ、先ほど、学会の方から取り下げになったという未整備の部分は、23-21の取り下げ理由は、どういう理由だったか、ちょっと簡単にわかれば。
○事務局 こちらの方、日本うつ病学会の方から、Neuronetics社の方の機器を日本で導入したいということで要望をいただいていたということですけれども、学会の事情などによりまして、、今回、取り下げることにしたいということです。また、私の聞いております範囲では、別の会社のものを導入したいということで、次回の公募の際には要望を出したいという話を伺っているというのが、現状でございます。
○北村座長 わかりました。ほかに、御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議題3に進めさせていただきたいと思います。
 ただいま事務局から説明がございましたように、本日、3件の評価レポートについて検討します。
 委員の先生方、おそろいになっておられますが、都合によりまして、3-1、3-3、3-2というふうに、2と3を入れ替えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、3-1の、資料では、23-20になりますが、今、説明いただいた要望書の資料2の23-20です。心室中隔欠損症(VSD)の閉鎖用の医療機器についてでありますが、これは、本日、中村先生にお越しいただいておりますので、ワーキンググループ報告をお願い申し上げたいと思います。
 中村先生、よろしくお願いします。
○中村参考人 よろしくお願いします。前回、幾つか宿題をいただきましたけれども、まず、もう時間が経っておりますので、もう一度評価の内容を御説明した後で、前回の宿題の回答について、事務局も含めて説明させていただきます。
 選定候補品の名称が心室中隔欠損症閉鎖用の医療機器。
 対象疾患は、筋性部の心室中隔欠損症でして、経皮的に閉鎖栓を留置し閉鎖することを目的としております。
 対象医療機器がAmplatzer Muscular VSD Occluder、St.Jude Medicalが製造企業で、輸入企業名もセント・ジュード・メディカル株式会社でございます。
 承認状況でございますが、米国で2007年9月7日にPMA承認、それから、欧州で1998年2月14日にCEマーク取得、その他カナダで2001年、オーストラリアで2006年で承認されております。
 2ページ目にまいります。対象医療機器の概要でございますが、心室中隔下位に位置する筋性部欠損の心室中隔欠損症に対して、経皮的もしくは開胸下経右室心筋的に閉鎖を行う際に使用するものでございます。特に、全身状態が悪く、人工心肺装置を用いた外科的閉鎖術を行うことが、解剖学的、技術的な面からハイリスク若しくは困難であると考えられるような筋性部心室中隔欠損を閉鎖する際に使用する自己拡張型のインプラント部(閉鎖栓)と、閉鎖栓を病変部へ運ぶデリバリーシステムからなっております。閉鎖栓はワイヤーで編み込まれた2枚のディスクから構成され、内部に血栓形成を促すポリエステル製のシートが封入されております。
 対象疾患についてでございますが、筋性部欠損の大きな心室中隔欠損は、乳児早期より心不全をきたし、一期的根治術が困難な症例が見られる。その場合には、肺動脈絞扼術を行った後に、パッチ閉鎖術を行う。心尖部に見られる心室中隔欠損の場合には、完全閉鎖が難しく、優位な残存短絡のため、再手術を必要とすることもしばしばである。全例において、乳児期に自覚症状が出現し、治療に難渋するケースが多いというふうに聞いております。
 日本先天性心臓血管外科手術データベースによる集計によれば、2010年に外科的な多孔性心室中隔欠損手術が20例、このうち筋性部欠損例は50%(10例前後)と推測される。また多孔性心室中隔欠損閉鎖が困難なため単心室修復を行わざるを得ない症例が同程度残存すると推測されるが、これに関してはデータがない。合わせましても、多くても20例程度しかこの国に症例が年間にないという状況でございます。
 医療上の有用性にまいりますが、既存治療は、外科的閉鎖術であるが、患者の全身状態や解剖学的な見地から、外科的治療がハイリスクまたは困難な症例が存在する。このような症例に対しては、少数であるが他の閉鎖用医療機器を適応外で用いる、または個人輸入して用いるというふうな治療が試みられているのが、現状でございます。
 FDAの審査報告書概要によると、本品の米国における多施設共同臨床試験において、解剖学的状態及び全体的な医学的状態に基づき、標準的な経心房または経肺動脈アプローチによる外科的閉鎖術を施行するにはリスクが高く、本品を用いた閉鎖により臨床症状が改善されると考えられる心室中隔欠損症、具体的には多量の左右短絡、肺高血圧、うっ血性心不全の臨床症状を有すると、そういった患者に対する有効性と安全性の評価が行われております。これは、レトロスペクティブに独立評価委員会がハイリスクと判断したということで、ちょっと変わった評価をしていますけれども、そういう患者41例のうち38例が実際に本品の施行術を受けたということで、38例中術後に2mm以下のシャントしか残らなかった症例は29例(76.3%)、それから、施行術が行われた47件のうち、手技が成功したものが39件、83%、2mm以下のシャントしか残らなかった症例は38件(80.9%)ということでございます。
 術後12ヶ月でのフォローアップができた患者は30例であり、そのうち超音波による画像評価ができたのは25例であるが、画像上の成功率は25例/25例(100%)全例成功。また、術後12ヶ月の時点で、43.8%の症例では、大きな有害事象や、顕著なシャントもなく、本品が維持されていたということでございます。
 本試験については、事前に、検証すべき仮説がたてられておらず、また統計学的計画も立てられていない、レトロスペクティブに評価、そういう問題点はあるものの、FDAは本試験の高リスク集団における患者の全般的な健康状態を鑑みて、これらの結果が本品の有効性及び安全性の裏付けとなると判断されております。
 諸外国における使用状況でございますが、2010年6月~2011年5月に使用された本品の数量は1371個であり、米国において614個、EUにおいて274個でございます。
 我が国では、先ほどから申し上げておりますが、このようなものは未導入でございます。
 それで、検討結果にまいりますが、先ほどから申し上げましたように、筋性部欠損の心室中隔欠損症に対する既存治療は、外科的閉鎖術であるが、外科的治療がハイリスクまたは困難な症例が存在する。このような症例に対して、我が国で適応を取得している閉鎖用医療機器はありません。対象疾患は生命に重大な影響がある致死的な先天性心疾患ですので、適応疾病の重篤性は、Aであると判断した。また「医療上の有用性について」も、先ほど申し上げましたとおり、外科的治療がハイリスクまたは困難な症例に対して有効性と安全性の評価が臨床試験で行われており、欧米で承認され、一般的に使用されておりますし、欧米において承認されており、有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点からも、医療上の有用性が既存の治療法より優れていることから、医療上の有用性はBと判断いたしました。
 前に、この会にかかりました、ASD用のものとは、形状、寸法が異なるということで、例えば、厚さが厚いということでありますが、このことについては、事務局及び小林先生から補足していただけると幸いです。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。事務局、補足はありますか。
○事務局 それでは、事務局から補足させていただきます。まず、前回の検討会におきまして、2点、御質問をちょうだいしておりましたので、事務局より御説明させていただきます。
 まず、心室中隔欠損症に使用される本品と、既に国内で承認を取得している、心房中隔欠損症に使用されるデバイスの適用以外の違いは何かということで御質問がございましたが、適用部位が心房、心室で異なることより、先ほど中村先生から御説明がございましたが、形状、寸法が異なります。
 参考資料7、右肩にNo.23-20と書かれている、こちらの資料をごらんください。
 2ページ目をごらんください。こちらに、形状・構造の写真がございます。A、Bと記載がございますが、Aは欠損部のサイズ、Bは心房中隔の厚さになります。ツータイプございまして、中隔の厚みが7~10mm、欠損部のサイズが4~18mm、15~24mmのものがございます。心房に使用される国内承認品に比べ、心室に使用される医療機器の方は、先ほども御説明したとおり、中隔部が厚く、欠損部の大きさが小さいバリエーションとなっております。
 次に、評価レポートの海外での承認状況欄に、条件付き承認と記載がされておりまして、それについて、具体的にどのような条件があるのかと、御質問いただいておりました点について、御説明させていただきます。
 これは、有効性及び安全性に影響を与える変更を行う場合に求められる申請などを提出することなど、通常のPMA承認で規定されている内容でございまして、この製品に特化して課されている要件ではございませんでした。
 事務局からは、以上です。
○北村座長 ありがとうございました。それでは、委員の方々から、御質問等を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 これは、中村先生あるいは事務局の方、何個くらい、一人の患者が使用できるのか、先天性の筋性心室中隔欠損症ですね、アメリカに比べると、日本人に割と少ない病気なんですけれども、多発していると、ひどい場合は、スイスチーズ様という表現もあるくらいで多発性なんですね。そうすると、その治療に、1人の患者に何個くらい使っているものなんですか、あるいは将来保険になった場合、何個の使用を認めるのか、必要なだけ使ってよいのか、アンプラッツァーのデバイスは、保険収載になっていますね。ですので、いずれ、これはなるということを含めますと、1人何個くらいの割合で使っているのかなと思ったんですけれども。
○中村参考人 循環器の専門の小林先生に、むしろお答えいただいた方がよろしいかと思います。
○小林参考人 私も経験はないもので、実際に、アメリカでも年間数十例という非常に少ない適用なんですけれども、VSDでも筋性部のディフェクトで、なおかつ範囲が広いということであれば、これでは十分にできない場合もあると思うんです。ですから、サイズからしますと、やはり25mm前後までの大きさのサイズで、そこをカバーできるようなVSDと限られると思いますけれども、実は、アメリカでは、成人にかなり用いられているディバイスでございまして、MIの心筋梗塞のVSPは、非常に重症で、開胸術は困難になりますので、その際に、大体MIのVSPは筋性部でしますので、その際、これを用いられているということでございます。それに関しては、実際の症例数は情報としては得ていないですけれども、かなり使われているということを聞いています。
○北村座長 そうしますと、ここのアンプラッツァーのVSDデバイスというのは、心筋梗塞後の中隔穿孔に対しても使っていいということになるんですか。
○小林参考人 今回、申請は、小児循環器ですので、実際には、適用は、筋性部のVSDということになりますけれども、その方の情報は、まだ、詳細な情報は得られていないので、ただ、専門家に聞きますと、そういうことでございました。
○北村座長 確かに、急性心筋梗塞のVSDは、外科医にとっては、1つのチャレンジな手術なのですが、最近は、成績も随分よくなってきていますけれども、外科的治療、こういう方法で、周辺の梗塞筋性部の穴ではなくて裂け目ですので、挟んで治ることはないかもしれませんね、今回、これは、あくまで先天性の筋肉性隔の欠損というものに対する適用と絞っていいんですね。それでいいんですね、何かアメリカのガイドラインは出ていますけれども、こういうのは、どう書いてあるのかちょっと見ていないんですけれども、ほかに、御意見ございませんでしょうか。
 笠貫先生、どうぞ。
○笠貫委員 この先天性の筋性部VSDは、非常に手術が難しく、この新しい技術は期待されると思います。
 新たな適用として心筋梗塞の中隔穿孔の話ですが、今回の申請に入っていないので、ここでは議論しなくていいかと思います。アメリカで、2007年に承認されてから、世界の諸外国の使用状況では、アメリカが半分を占めていると、CEマークは1998年ですから、非常に使用頻度が高いということですが、これについて、アメリカの使用状況という数だけではなくて、今の適用の問題と、それから、それに伴う重大な不具合等の報告というのはございます。臨床試験は、こういった、非常にレアで難しいものについては、この市販後の臨床調査や試験のデータで十分だと思いますが、市販後のことについての情報が少しありましたら、教えていただきたいと思います。
○北村座長 いかがでしょうか。お答えできますか、中村先生から。
○中村参考人 私の手元にはございませんが、事務局で、もし、ございましたら。
○事務局 ちょっと手元に、市販後、具体的にどれくらいの状況が得られているかというデータはありません。
○北村座長 もちろん、心内に入れるデバイスから、市販後調査はされているとは思うんですけれども、データがちょっと見当たらないというか、きれいに穴が閉じてしまえば問題はないんでしょうね。あと、心内膜炎の発生がどのくらいあるかわかりませんが、明らかに中隔穿孔を残しておく方が心内膜炎の発生は高いので、こういう異物を使っても閉鎖できれば、その方が心内膜炎の発生は少ない。しかし、今度はデバイスの感染症は何%か、1%かそのくらいに起こるかもしれませんが、そういう市販後の調査は、勿論、日本でもやるべきでしょうね。
 この病気は、先ほど申しましたけれども、日本人は、割と少ない、ないわけではありませんが、生まれつきのは、コーカシアンの方が圧倒的に多い病気なんですが、千葉先生、どうぞ。
○千葉委員 専門外ですけれども、このデバイスは、今の話を整理してみますと、アメリカでは、大人の心筋梗塞後のラプチャーに対して使っていると思うんです。
 日本で、今、申請されているのは、子どもの先天性用に申請されているという意味と考えてよろしいですか。
 そうしますと、アメリカで何例あったと、この数字は、大部分大人の人であったと考えてよろしいんでしょうか。その大人の症例に基づいた結果が、ここに記載されていると、小児の先天性に対する結果は、余り数は評価されていないということでしょうか。そう理解してよろしいでしょうか。
○中村参考人 これにつきましては、すべて小児であると理解しています。
○北村座長 大人の先天性は別ですね。しかし、虚血性心疾患としての中隔穿孔には使っていないと思いますよ。手術の報告は山ほどありますけれども、デバイスで報告したのは、中には使われているかもしれません、しかし、正確なものはないんではないですか、対象になっていないんではないでしょうか。
○千葉委員 そうしますと、この数字は、小児、先天性に対して使った数字あるいは結果であると考えてよろしいわけですね。
○北村座長 そう思います。そうでないと、中隔穿孔の場合、わりと広範囲のもので押さえないと、こんなかたいものでがちっとかんだら、よけい穴が開いてしまいます。梗塞の穿孔で、ちょうど融解期に入ったときに、筋肉が溶けてつぶれて切れていますので、こんなものでパチンと挟んだら、栓抜きで穴開けたみたいにならないかという不安が残る、実際の手術では、手の平くらい大きなものを当てて、健康な部分までずっと拡大して閉じることが多くなっていますので、これは、生まれ付きの筋性中隔の穿孔に対する治療法だと思います。
○千葉委員 もう一点、これは、筋性部だけですか、ほかの部位のVSDに対しては、適用は初めからお考えではないということでしょうか。
○中村参考人 そのように理解しております。
○千葉委員 それは、必要がないから。
○小林参考人 基本的には、それほど重篤例はないと思うんです。筋性部の中隔欠損というのは、かなり大きいですし、シャント量も多いですし、若干している症例も随分いると思いますので、そういった重篤なケースで、手術が困難なケースに対して使うということで、筋性部ですから、アプローチがなかなか難しいんですけれども、通常は、上の方からアプローチをして、ずっと奥まで入れれば届くというような話は聞いています。下からアプローチするのはなかなか難しい、膜様部ですと、下からアプローチして届くということなんですが、筋性部ですと、ちょっとアプローチの仕方が変わってくるという話は伺っています。
○千葉委員 仮に膜様であっても、これを使った方が侵襲性が低いということがあれば、適用外になるかどうかわかりませんけれども、そういうことも考えられるのかなとは思ったんですけれども、この辺は、いかがでしょうか。
○小林参考人 例えば、心房中隔欠損ですと、中隔中部ですから、のりしろが十分あると思うんですけれども、膜様部の欠損ですと、のりしろが余りないですから、しっかりと押さえきれないんではないかと、想像ですけれども、思います。
○中谷委員 これは、あくまでも小児という形で申請されてきているもので、まず、この議論は、やはり小児の話ですべきだと思っています。
 それで、転用ということは常にあり得る話なのですけれども、ここでは、データが出てきていないと思いますので、まず、この議論では省いて考えるべきだと思います。
 日本では少ないけれども、センターで確認したところ、やはり年に、数例くらいは筋性部適応症例があるので、治療の選択肢として有用であるということでありました。この結果を見る限り少数例での報告であり、適応後のフォローが必要だと思いますけれども、導入後には大きな問題はないのではないかと思います。
 それから、千葉先生が言われた、膜様部のものについての話ですけれども、手術するときにも、刺激伝導系に対して考慮しながら行っています。このデバイスを膜様部に用いると刺激伝導系への障害が高い頻度で起こる可能性が出てきます。膜様部の方は、手術で対応すべきと考えます。手術が困難な筋性部のものに対し、このデバイスがやはり望まれています。ただし、やはり頻度的には、それほど多いことはないだろうと想定していた方がいいかと思われます。
○北村座長 中谷先生の言われたとおりだと、もうこれで結論付けましょう、最初は、先天性の疾患に限ってもらいます。そして、筋性部欠損に対するデバイスであると、膜様部は、大動脈弁、肺動脈弁、刺激伝導系、みんな関係しますので、これは、危険性が高いので、本質的には、手術治療と思います。
 ですので、ここに書かれているとおりです。筋肉性欠損後の先天性のものに対するデバイスとしての御承認で御意見いかがですか、よろしいですか。
 どうぞ。
○吉田茂昭代理 今、ちらちらと資料を見ていたのですが、例えば、患者さんは、8キロ以下とか、幾つか条件が書いてありますね。かなりきちんとしたプロトコールで動いてようですので、その点を事務局で確認しておいてください。
○北村座長 米国の方には、ガイドライン集も出ていますね。
○事務局 学会からの要望書の中にも、導入に際して、実施の施設要件ですとか、医師に関する技術要件、研修トレーニングの必要性ですとか、学会のガイドラインの必要性ですとか、必要だと考えているということですので、おそらく、学会の協力なしには、導入は進まないのかなと思っております。
 その辺も含めて、審査の中で検討していかなければいけないのかなと思っています。
○北村座長 ありがとうございました。今の事務局からの御意見も踏まえて、学会の方の対応も踏まえて、早期導入という形で御承認いただけますか、よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、次に、先に3-?をやるんですね。よろしいですね。
 では、3-?の冷凍凝固カテーテルアブレーションシステムについて、小林先生の方から御説明をお願いします。
○小林参考人 よろしくお願いします。選定候補品の名称は冷凍凝固カテーテルアブレーションシステムでございます。
 対象疾患は、発作性心房細動、房室結節リエントリー性頻拍、この2つの頻拍になっています。
 使用目的としましては、冷凍凝固カテーテルアブレーションシステムは、薬剤抵抗性の不整脈患者に対し、経静脈的にクライオカテーテルを導入し、冷凍凝固療法を行って不整脈源となる心筋組織を破壊する頻脈性不整脈を根治する治療法であります。
 対象医療機器に関しては、また、後で御説明申し上げます。
 外国承認状況は、米国ではPMA承認されておりまして、品目はたくさんございますので、説明が長くなりますが、申し訳ございません。
 欧州ではCEマークを既に2005年に取得しています。対象医療機器の概要ですけれども、右肩にNo.23-23と23-24と書いてある冊子をごらんください。
 1ページになりますけれども、これが、いろんな承認機器の写真です。この申請機器には、1つはArctic Frontというのがございます。Arctic Frontというのは、先端にバルーンが付いた形状のクライオアブレーションのカテーテルでございます。
 それから、Freezor、Freezor Xtra、Freezor MAXと3種類あります。これは、先端の電力のサイズが4ミリ、6ミリ、8ミリと少しサイズが違う形状になっています。
 これをバルーンあるいは電極ともにこの先端の部分、バルーンの部分と、電極の部分で冷凍凝固して、組織を焼灼するというものです。
 CryoConsoleというのが、このアブレーションのためのジェネレーターであります。実際には、亜酸化窒素を注入して、その気化熱によって冷凍凝固するという方法です。
 これ以外に、4ページ目にありますAchieveというカテーテルがありますが、これは、リング状カテーテルでございますが、これを肺静脈の中に、先端に入れて、肺静脈電位を取りながら、電位の消失を確認する。肺静脈隔離を確認するためのカテーテル。
 もう一つ下、FlexCathとなっていますが、これは、ロングシースでございまして、左房のいろんな場所にアプレスするために、ステアブルシース、デフレクタブルシースということになっています。
 以上、対象医療機器の概要でございました。
 対象疾患ですけれども、発作性心房細動は、御存じのように、非常に多彩な発生背景を有しておりまして、多彩な病態を示す不整脈で、心不全あるいは血栓塞栓症の原因となる重大な不整脈でございます。
 心房細動だけでは、非致死的な疾患でございますけれども、心拍数の低下に伴い心不全の助長因子にもなりますし、最も問題になるのが、心原性脳梗塞を合併すると致死的ともなり、また、QOLの著しい低下を招くということであります。
 発生頻度でございますが、日本の調査では、心房細動の頻度は40歳以上で0.9%、全体で約80万人の有病患者がいるというふうに推定されています。
 全例がカテーテルアブレーションの対象にはなりませんが、このうち、薬物治療抵抗性で、なおかつQOL低下が著しい場合に対象になると考えられます。
 今回は、発作性心房細動が適用になっていますけれども、心房細動の病気分類として、発作性、持続性、永続性に分けられますが、このうち、約30%から40%を発作性が占めると考えられております。
 もう一つの対象疾患であります、房室結節リエントリー性頻拍。心房細動アブレーションでは、Arctic Frontがメインのカテーテルですが、房室結節アブレーションでは、このフリーザーシステムというのを用いることになっています。房室結節アブレーションは、房室結節リエントリー性頻拍はAVNRTと略しますけれども、二重房室伝導路を介したリエントリー性の頻拍であります。発作性上室頻拍のうちの、大体5割から6割を占めるというふうに言われておりまして、特に、AVNRTは、女性に多い頻拍だということが指摘されています。男性の2倍に達するということです。
 医療上の有用性についてですけれども、発作性心房細動では、リズムコントロール治療もいろいろあるわけですが、まず、通常、最初に薬物を投与されると思います。ただ、薬物治療は、根治治療ではなくて、もちろん、薬物による不整脈作用とか、副作用が重大な問題となってくるわけです。
 近年普及しています、高周波アブレーションも、この治療法の1つであるわけですけれども、薬物治療に比べて、洞調律維持に優れていることが示されています。心房細動は、非常に早い巣状興奮がトリガーになることが知られていまして、その大部分は肺静脈から、ソデ状心筋から起きると言われています。
 そのことから、心房細動アブレーションでは、肺静脈前庭部を含む広範囲肺静脈隔離術が基本術式になっております。
 現在使用されている高周波アブレーションカテーテルでは、肺静脈周囲を点状に焼灼することしかできません。これを繰り返すことによって、円周状のリージョンを形成するということになります。
 したがって、手技時間、高周波の通電時間、透視時間がかなり長くなるということで、5時間、6時間のセッションはざらでございます。
 また、複雑な解剖学的構造物に対しては繊細なカテーテル操作が必要となるわけで、非常に高い技術が要求されています。
 これについては、Arctic Frontですけれども、肺静脈入口部にバルーンを押し当てまして、入口部組織を全周にわたって、一気に冷凍壊死をさせるということで、完全隔離が容易にできるということ、短時間で行えるのが利点でございます。
 その結果、手技時間が大幅に短縮されて、合併症の出現率が低下する、これは、論文で、報告でも証明されておりますし、冷凍凝固アブレーションは、高周波アブレーションに比べて、ほぼ同等の急性期及び慢性期効果が得られる。手術時間、透視時間も短縮できるということが証明されております。
 合併症に関しては、冷凍凝固アブレーションでは、一過性の横隔神経麻痺がやや多かったというデータがあります。ただ、それ以外の重篤な副作用、心タンポナーデ、肺静脈狭窄、それから、最も重篤な、死亡例が多い、左房-食道瘻、脳梗塞、これらの合併は、高周波アブレーションと同等か低値であったということが言われています。
 冷凍凝固アブレーション治療と有効性を確認できた薬物治療の有用性を比較した無作為割り付け試験(STOP-AF試験)でも高い有効性と安全性が報告されております。
 STOP-AF試験では、Arctic Frontを用いた冷凍凝固アブレーションにより、肺静脈隔離が完成されなかったケースで、各肺静脈、特に右下肺静脈が出現するようですけれども、伝導ギャップが残ってしまうという現象があって、完全隔離ができない場合があります。特に、右下肺静脈では、10%くらいが完全隔離できない。その場合は、フリーザーを用いて、伝導ギャップに対して、線状に焼灼を加えて完全隔離を、補完的な完全隔離ができたと、補完的な効果が期待できるということです。
 それから、房室結節リエントリー性頻拍に対して、フリーザーを用いることによって、何がよいかということですけれども、房室結節リエントリー性頻拍もカテーテルアブレーションは、今、第一治療法と位置づけられているわけですけれども、やはり1%前後に、完全房室ブロックができるという、ペースメーカーを入れなくてはいけなくなると、ペースメーカーというのは、御存じのように、生涯使用しなければいけないですし、非常にQOLが損なわれる治療法でございます。
 特にAVNRTは、女性に多い、更に、女性の中でもチャイルドべアリングエイジ、20歳から30代に非常に好発する頻拍でございます。ここで、房室ブロックが起きた場合には、かなりミゼラブルな状況になるということで、できるだけ避けたいということがあります。
 これまでのAVNRTに対するデータでは、ほぼ高周波アブレーションと同等の効果が得られるということに加えて、重要なことは、完全房室ブロックの発生をゼロ抑えることができたということがあります。
 特に小児例でも、こういうデータが出ておりまして、小児科からの要望も、このAVNRTのアブレーションは、非常に安全にできるということで、要望されていると聞いております。
 あと、検討結果ですけれども、バルーンカテーテルを用いた冷凍凝固アブレーションは、従来法と比較して、心房細動に対する基本的な治療目標である肺静脈隔離がより短時間で達成することができた。これによりカテーテル手技あるいは頻回の高周波通電に伴う合併症の発生を抑制し、透視時間を短縮することができます。したがって、本システムを用いた心房細動に対する冷凍凝固アブレーションは画期的な方法であり、速やかな導入が望まれる。
 先ほど問題になりました、一過性横隔神経麻痺に関しては、クライオマッピングという技術を用いることにより、あらかじめモニターすることができる、低減することは可能だと考えます。
 それから、Freezorシリーズを用いたAVNRTに対するアブレーションでは、従来法と比較して、有効性は同等でありますけれども、特に房室ブロックを回避できるという点で安全性に優れていると考えます。
 特に房室ブロックの発生が危惧される症例では、臨床的な有用性、安全性が高いことから、早期の現場への導入が望まれると判断させていただきました。
 Arctic Frontを用いた心房細動のアブレーションで肺静脈隔離の成就が困難な症例でも、Freezerカテーテルを補完的に使用し隔離を完成させることができるということを付け加えさせていただきます。
 なお、肺静脈隔離術は循環器専門施設では一般的に行われている技術であることから、使用にあたっての施設基準、使用ガイドラインを新たに策定する必要はないと考えます。ただ、バルーンカテーテルを使用するアブレーションは本邦では新規技術であることから、使用者のトレーニングについて検討する必要があるかと考えます。
 これらを勘案しますと、頻拍性不整脈は生命に直接影響を与えることは少ないが、病気の進行が不可逆的でQOLを著しく低下させる可能性があるので、疾患の重篤性をB、バルーン形状のカテーテルを用いた一括的な肺静脈隔離術はこれまでにない新たな治療法ですが、一応代替法があるということで、ただ、有効性、安全性にも優れているということですので、やはりBという判断にさせていただきました。
 それから、今回は、心房細動に関しては、発作性心房細動が適用疾患になっておりますけれども、持続性心房細動あるいは慢性心房細動に対して、どういうふうな位置づけになるかと考えておりますが、心房細動に対しては、先ほどお話ししましたように、肺静脈隔離が基本的な図式でございますので、持続性、慢性でも、それに関しては使い得るということが言えます。
 ただ、持続性、慢性ですと、肺静脈隔離術だけでは不十分で、肺静脈以外の不整脈を焼灼する必要がありますので、その場合は、フリーザーを併せて用いるか、あるいは高周波アブレーションを併用するという方法も考慮すべきかと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○北村座長 小林先生、ありがとうございました。それでは、事務局から何か補足事項はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、委員の方々から、新しいバルーンの凍結、クライオによる刺激伝導系の遮断ということを目標にして、その対象を発作性心房細動、房室結節リエントリー性の頻拍症ということの2つを挙げて、今回、早期導入を希望されている、2学会からの要望が出ているわけですが、御質問はございますでしょうか。
 大事なことは、先ほど小林参考人もおっしゃられたように、本当に発作性心房細動に限るつもりなのか。持続性あるいは永続性のものに対しては、このPVのところ、肺静脈の流入部のところだけではなかなか、心房壁も同時にしないといろいろ治らない場合も多くなるんですが。先ほど御説明がありましたように、発作性と持続性の違いは、1週間以内に自然と止まるのか、止まらないのかということだそうですので、1週間目に治療した場合、どっちなんだというような微妙なものがありますので、どこまで適応症を厳格に絞らせるのか、あるいは絞ることができるのかに問題があるとは思います。この風船の凍結方法で、ここに絵が描いてありますけれども、これで、持続性の場合、あるいは心房外に対しての右心系統も含めて、治験をしたもののデータは、米国にあるんですか。
○小林参考人 実際には、慢性心房細動にも持続性にも使われています。肺静脈隔離だけ、これですと、やはり慢性心房細動、持続性心房細動では、非常に再発が多いということが示されておりますので、一般的には、いろんなエクストラPVといいますか、PV以外の不整脈を治療する、それを加えたデータもあります。例えば、肺静脈隔離だけですと、発作性心房細動ですと、例えば、1年後の再発、無再発率は7割から8割くらい維持できるんですけれども、持続性、慢性になりますと、5割前後に下がってきます。
 ですから、肺静脈隔離だけということですと、この方法は非常にいいとは思いますけれども、プラスα、例えば、我々がやっているのを説明しますと。
○北村座長 何で、この2学会は、持続性を含めずに、発作性と限定して出してきたんですか。
○小林参考人 とりあえず、発作性が最も効果が期待できる。
○北村座長 しかし、率としては、30%くらいしかないと、早く見つければ、もっと増えるんだと思いますけれども、自然に止まるものだから、患者さんもなかなかそういうインベーシブな、少なくともカテーテルを入れなければなりませんので、薬で治っているという、あるいは自然に治っている間、治療を拒むこともない、持続性になれば、随分意識も変わると思うんですけれども、発作性と限ってきた、2学会が限ってきたところで、実際は、先生方には持続性には使わないでよいですか。
○小林参考人 1つは、持続性ですと、先ほどからお話ししていますけれども、いろんなやり方で、まだ、確立された方法ではないんですけれども、例えば、ルーフを線状焼灼したり、マイトレースムスを峡部を線状焼灼したり、下のラインを、中隔を線状焼灼あるいはCSですね、冠状静脈洞の中も線状焼灼したりしますし、左心耳のところを線状焼灼したり、右房も縦に線状焼灼あるいはSVCを隔離したり、いろんな方法をされています。あるいは、カフェといいまして、心房細動中に非常に細かな電位が取れる場所もじゅうたん爆撃のように、ざっとアブレーションするやり方もあるんです。
 それから、左房の周りにあります自律神経巣の全部を焼灼してしまうなど、いろんなやり方をやっているところがありまして、それで、慢性心房細動、持続性心房細動もいい成績が得られているのが現実です。
 ただ、そのアブレーションをするには、恐らくクライオでは難しいです。ですから、高周波と組み合せてやらなければいけないということになりますので、そういったことから、今回は、学会は発作性に限ったということだと思います。
○北村座長 笠貫先生、どうぞ。
○笠貫委員 カテーテルアブレーションは非常に普及しており、高周波アブレーションが発展し、そして、クライオアブレーションが出てきたと、画期的な治療法の進歩ですので、是非、早期に日本で患者さんに、提供することが必要だと思います。
 特に、房室結節リエントリー性頻拍は、今の御説明にあったように、房室ブロックが、大きな合併症ですが、房室結節リエントリー性頻拍は、致命的ではないにしても、著しいQOLの低下を来します。それに対して、このアブレーションが房室ブロックを従来よりも、抑制できるということから、適用として良いだろうと思います。
 それから、心房細動についても、小林先生の御説明にあったように、持続性頻拍になると、また、焼灼方法が必ずしも確立されておらず、各研究者がそれぞれいろいろな方法を試みているという段階においては、この新しいクライオアブレーションについては、発作性心房細動からまず入ることは、妥当な考えではないかと思います。申請のあった発作性心房細動、房室結節リエントリー性頻拍に対する冷凍凝固アブレーションシステムということで、よろしいのではないかと思います。
○北村座長 ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。
 どうぞ。
○澤委員 門外漢で申し訳ありません。私は、眼科の領域では、クライオサージェリーというのは、結構やっているんですが、その場合に、いつも熱伝導というのが問題になりまして、薄いものに対して過剰に凝固すると組織障害を生じるため問題が起きるというデータが出ております。
 そういう場合、この製品では、条件というものが、きちんと確立されているものなのでしょうか。
 あと、参考資料の20何ページから、いろいろな欧州でのデータが出ているんですけれども、27ページのところのデータのみが、高周波の再発率が悪くて、クライオの再発率の方が低いとなっています。これはリエントリーのものだそうですけれども、こうした長期再発率から見ると、必ずしもほかのデータではクライオが高周波よりも優れているというデータにはなっていないんですが、それでも、これは有用性が高いというものなんでしょうか、その2点です。
○北村座長 どなたかお答えいただけますか。
 小林先生、どうぞ。少し端的にお願いします。
○小林参考人 その安全性ということに関してお話ししますけれども、確かに、近くに伝導系がありますので、伝導系を焼灼するとブロックになってしまうというところを避けるために、クライオマッピングというのをまずやります。マイナス30℃前後のやさしい冷凍をして、その段階で、組織に可逆的なダメージを与えない前で止めてしまって、そこでそういう副作用が出ないかどうかを確認して、そこから始めていくということになりますので、安全性は確立されていると考えます。
 あとは、事務局の方で、何か把握されていますか。
○事務局 詳細は把握していません。
○北村座長 クライオアブレーションという不整脈に対する心臓への凍結療法は、外科系では随分利用されています、20年くらい前から、現在でも用いられ、むしろ安全性も高く、かなり広範囲に一遍にできますので利用されています。高周波の機械もありますが、手術に際しては、このクライオアブレーションを使っているのが結構多いんですね。金属の棒を直に心臓に当てて使いますけれども、これが、カテーテルになっているわけです。一旦、離断はするけれども、その代わり再生するという可能性も残りますが、AVmode(房室結節)のようなものに対する効果は、焼いてしまうよりは、回復力があるんだと思います。
 もう一つの質問も答えられましたか。
○澤委員 先生からお答えいただいております。。
○北村座長 この方法は、確かに外科的には長い歴史のある方法をカテーテルの技術に進められたということで、こうした適応症からスタートする、発作性心房細動からスタートするというのは、適切ではないかというコメントもいただきましたので、早期導入に御承認いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。それでは、この新規商品につきましては、早期導入に向けての手続をお願いしたいと思います。
 それでは、お待たせしました、最後の装着型体外式除細動器、Life Vestというものですが、これを山本参考人から御報告をお願いいたします。
○山本参考人 お手元の資料3-?をごらんください。
 選定候補品の名称は、装着型体外式除細動器でございます。
 対象疾患及び使用目的ですが、対象疾患は、原則として突発性心停止のリスクのある成人患者であり、植込み型除細動器(以下「ICD」という。)の適応でない患者又はICDを拒否した患者ということになっております。
 使用目的は、突発性心停止のリスクのある患者に対し、心臓突然死の予防を目的に使用。
 対象医療機器の名称は、Life Vest(モデル:WCD 4000)でございます。
 外国の承認状況ですが、米国が2009年8月のPMA承認と書いてありますが、これは、今の4000の承認日でありまして、第一世代品は、2001年に承認されております。原則は、その上の対象疾患と同じことになっています。
 欧州の方は、現行世代品が2011年4月のCEマーク取得ですが、第一世代品は2000年に承認なされております。適用は米国と同じです。
 対象医療機器の概要ですけれども、本品は、突発性心停止のリスクのある患者が装着する装着型体外式除細動器であり、連続して患者の心電図をモニターし、心室頻拍(VT)、心室細動(VF)等の致死性不整脈を自動で検出し、除細動を行う。1回の除細動ショックで除細動されない場合は、最大5回までショックを作動するよう設計されています。
 コンポーネントとしましては、3つの除細動電極と4つの心電図用電極の7つの電極を含むベルト、それからコントローラーがありまして、コラボレーションの重量は635gとされております。
 コンポーネントを装着するための伸縮素材のベストは胸囲66~142cmに対応し、8種類のサイズが用意されております。
 電極ですけれども、べたつきのない設計ということで、不快感を与えないようにということで、普段はドライなんですけれども、除細動ショックのときは、ドライのままで落ちますと、皮膚に熱傷を起こしますので、このときは、電極に内包された導電性のゲルが放出されて、その上で除細動となっております。
 まず、除細動が必要な心電波形を検出した場合には、バイブレーション及び警報音が鳴る。この時点で、患者さんに意識があって、除細動が不要な場合、これは、VT、VFでも失神を起こさないタイプの方もいらっしゃいますので、そういう方のためと思われます。あと、モーションアーチファクト等で拾ってしまった場合の対応ということだと思いますけれども、その場合は、一旦患者さんがアラートであれば、レスポンスボタンを押せば、通電は停止されるということで、不適切な除細動ショックは回避できます。
 この時点で患者さんの意識がなく、失神していた場合は、警報が鳴り続けて、そのまま電気ショックになると、これが検出から1分以内にショックが落ちるということでございます。
 これは、患者自身の着脱が可能なので、患者さんがちゃんと着用し続けるということが非常に重要なことから、患者さんへの教育が必須ということでございます。
 現行モデル、この4000のモデルからは、データを無線電送するようになっておりまして、患者さんのECG、コンプライアンス情報等がサーバーに転送され、インターネット上で、医師が装着状態を確認して、必要に応じて、患者さんの指導ができるというふうな設計になっております。
 対象疾患ですけれども、心臓突然死にかかわる主な病態には、心臓虚血、心筋疾患、そこに挙げられているような、器質的心疾患に加え、不整脈を来す電気生理学的異常や神経性体液因子・中枢異常による電気的不安定性が含まれている。主因は虚血性心疾患、心不全などがあり、代表的な例としては、心筋梗塞と拡張型心筋症がある。
 日本での病院外での突発性心停止例は約63,000例ということです。それに対して、ICD植込み数は、今のところ約3,300例程度ということでございます。
 本品の場合は、ICDの植込みの対象とならない、あるいはできない、あるいは延期されているということになりますので、具体的には、感染等によりICD抜去後、ICD再植込みまでの待機期間にある方、それから、心疾患発症後の早期であり、突発性心停止のリスクは一時的にはあるけれども、恒久的にICDを植え込むには至らないような方ということ。
 同じように、突発性心停止のリスクが永続的かどうか判断できない、あるいは永続的ではない患者さんということで、そういう方に向くだろうということ。
 それから、ICDの対象ですけれども、患者の体質あるいは生活・社会的環境等で植込みが適さない方。
 それから、ICD植込みの待機期間中、それから、12か月以上の余命が期待できない患者さん、心不全のNYHA class4という心不全の非常に重症な方、心臓移植の待機患者等々ということで想定されておりまして、こういう患者さんの数が、国内で3000から3500例程度と推測されております。
 ICDが既に植え込まれる方に使うのは禁忌ということになっております。
 医療上の有用性ですけれども、PMAの承認、これが、旧世代品のところで臨床試験が行われまして、現世代のものは、臨床試験が行われておりません。最初の承認時のFDAの評価した内容というのが、3試験ございまして、1つは、患者さん10例を選択的にVTまたはVFを誘導して電気ショックを落としたということで、かなり乱暴な試験なんですけれども、10例とも復帰または細動が除去されたということで、ショック後、不整脈、それから、皮膚の熱傷等は見られなかった。
 それから、院内での実現可能性試験、これは、15例の患者さんに、院内で延べ58日間装着して、この場合は、不要なショックが起きなかったということが言われております。
 一番メインの試験は、3)の評価対象臨床試験でございまして、これは、心移植待機患者又は同程度の心疾患の患者、これは重症心不全ということになります。それから、急性期心筋梗塞及び冠動脈バイパス移植術後の突発性心停止の高リスク患者、こちらは虚血性心疾患ということになりますが、こういう主な2疾患を対象にして、米国15施設、欧州1施設、計16施設で前向きのシングルアーム試験、全員にこのデバイスを付けて試験をしております。
 主要評価項目は、有効性は、蘇生成功率が25%を上回る。安全性は、患者さん一月当たりの不要ショック発生率が2.3%未満ということで、結果は、重症心不全の方が112名、虚血性心疾患の方が177名入って、患者累積使用期間は873ヶ月、個々の患者の装着期間は平均94日間、1日の平均装着時間は19.1時間ということで、かなり長い時間装着されております。
 その状態で、装着している状況で、突発性心停止が7件起こって、7件全てが正しく診断され、うち5件が効果的に治療され、蘇生成功率は71%ということになっております。
 不要ショックは6件発生し、患者ひと月あたり発生率は0.69%ということで、どちらも当初の設定よりもよかったということで、PMA承認を取得したということでございます。
 その後、更に、前向き臨床試験が引き続いて、承認後も行われておりまして、こちらで後継機のWCD3000も一部使われておりまして、こちらでも内容はほぼ同様の内容になっております。
 こちらは、添付資料にもありますが、PACEという雑誌に公表されております。それから、これは、市販後登録をされておりまして、その結果としては、2002年から2006年の患者さん総数3569例ですが、ちょっとモデル品が何人がどれということはわからないんですけれども、2006年12月時点では、一応、3100までは承認されていますので、この3世代が含まれているんではないかと思います。
 平均装着時間が52%の患者さんで、1日平均が19.9時間ということで、使用時間が長ければ、長いほど、1日の使用期間が長い方ほど、1日の使用時間も長くなる。
 59名の患者さんで、持続性のVT、VFが80件あって、初回ショックで除細動が成功したのが、意識消失ですから、失神があったイベントでは100%、全イベントでは99%ということでございます。
 その後の詳細は省略させていただきます。
 それから、添付された資料以外にPubMedでdefibrillatorという用語で検索しますと、ほとんどがケースレポートなんですけれども、一応、患者さんが数十例以上入った臨床研究の体裁で報告されているものが、上記以外に、一応、3報見られましたので、一応、記載しております。どれも、本来の使用目的からは、ちょっと逸脱しているようなものですけれども、周産期の真菌症患者に使った後ろ向き調査というものが1つございました。
 それから、先天性心疾患患者と、遺伝性不整脈群に使った前向き調査、それと、既存の市販後登録のうち、未成年者と19歳から21歳の若年者の使用成績の分析ということで、3つ挙げておりますけれども、いずれも内容的には、有用性、安全性の評価に著しく影響を与えるような内容ではないと考えております。
 諸外国における使用状況ですけれども、2012年3月28日時点で、第一世代品からの累積ですけれども、米国で6万件以上、欧州で2600件程度ということで、Life Vestが対応されておりまして、6万人以上の患者に使用されています。
 適応疾患は、非虚血性心筋症が37%、心筋梗塞21%、ICD抜去後の使用が10%、心肺蘇生後10%、CABG後7%ということです。
 米国での使い方は、患者さんに貸与するという形で使用されているということです。
 世代交代の主な理由は、サイズと重さを徐々に減らしていっていることと、あとは、バッテリーが少し変わったとか、使用方法がちょっと変わったということと、今回の要望のある現行品については、先日しましたように、データの無線伝送が可能となって、より患者さんのコンプライアンスの確認ができるようになったということでございます。
 我が国では、こういう患者さんが常に携帯して、自動的に除細動ができる装着型の体外除細動器というものは、導入品はございませんので、今回が全くの新規ということになります。
 検討結果ですけれども、本品は、ICDの植え込みが何らかの理由で困難な患者に対して適切に使用された場合には、致命的なVT/VFイベントの回避に有効であることが示唆される。ただし、欧米と我が国の医療保険制度の違い等により、本品の対象患者数が欧米に比較して少数となる可能性があると考える。一方で、本品の使用により、恒久的にICDを植え込むことが、必ずしも必要ではない患者さんが、もし、いらっしゃるとしましたら、そういう不要な植込みを減少する可能性についても検討されるべき事項である。
 適応疾病の重篤性は、致死的不整脈を対象としていることからAであり、医療上の有用性は、こういう形のものは、国内未導入であることからBと判断しております。
 以上でございます。
○北村座長 山本先生、ありがとうございました。事務局から、追加事項はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、皆様の御意見を賜りたいと思います。当然、考えられるような製品でもあるかもしれませんけれども、アメリカで、6万使用されているというのは、山本先生から御報告がありましたが、これを着て電車に乗ったり、自動車乗ったり、飛行機は難しいかもしれませんが、どういう状況で、それが社会において利用されているのか、極端に入院患者だけのような、厳しい患者さんが挙がっていますね、これだったら、自分で自動車とか飛行機に乗るということは、まず、ないのかもしれませんが、何か規制。
○山本参考人 規制ははっきりわかりません。飛行機の持ち込みはちょっと難しいんではないかと思いますけれども、普通の社会生活では、一応、使えることになっております。
 それで、最後に、欧米と我が国で医療保険制度が違うと書かせていただきましたけれども、恐らく、保険の問題等で、ICDの植込みが、経済的に難しい患者さんが、恐らく米国は多いんじゃないかということで、これは、貸与ですので、比較的安価に使える可能性がございまして、それが、米国での使用が非常に多い一因ではないかと思われます。
 ですので、欧州の2600というのが、欧州は、ほぼ医療保険制度が、まあまあ日本と比較できる程度の医療保険制度になっていると思いますので、ICDの植込み自体が、保険でカバーされていて、余り経済的に負担がかからない状況であれば、使われる患者さんというのは、米国ほど多くはならないのではないかと思われます。
○北村座長 何か御意見はございますか、どうぞ。
○笠貫委員 この機器は、日本で導入が遅れていますが、感染の患者あるいは急性期の方、いろいろな方へ一刻も早く日本で導入していただきたいと思います。
 座長の御指摘にあった問題は、日本でAEDという緊急避難時のときに一般の人が使える場合と、ICDという体の中に植え込んだ場合の中間にあたる機器がどう日本の中で安全に使われていくかだと思います。認可された後で、学会あるいは行政を含めて、あるいは企業を含めて、どういう形で広げられるかということについては、次の課題として検討していただけたらと思います。
 まず、緊急で必要な方々がいらっしゃるので、そこに向けた導入という形にしていただき、かなり絞った対象疾患にしていただいているので、その使い方については、今後の課題にしたらどうかと思いました。
○北村座長 どうぞ。
○吉田茂昭代理 私も導入することには、特に異論はないのですが、ちょっと事務局に聞きたいことがあります。こういう機械が入った場合、日本でも貸与になるのかな、日本で貸与するとなると、保険とは関係なくということですか、どういう形になるんでしょうか。
○関野医療機器政策室長 医政局の関野です。今の段階ではいろんなケースが考えられると思います。
 1つは、貸与であっても、従来から医療材料のようでも、実は在宅を含めて、患者さんに一定期間お渡しして使ってもらうものは、貸与という形を取っていますので、その場合は、材料代という形での償還価格が付かずに、指導管理料の形の中で、一定の機械類、材料系が使われることもあるので、その辺、どういう実態が、これからでき上がっていくかによって、不可能ではないと、今の段階では思います。
○北村座長 入ってくれば、恐らく、こういう人が、電車に乗っていて、急にピーピーとなって、胸を開け出したときに、これはテロ爆弾ではないかというようなことも、初めは起こるかもしれませんね。
 しかし、社会が、やはりこういう患者さんで、こういうものがあるんだということの認識がだれもできるようになった時点で、解決していく問題でもあるので、そういった問題を、今、ここで考えるわけには、なかなか難しい。笠貫委員もおっしゃったように、適用が、ICDを埋め込むまでの待機とか、感染で取り出した後のものとか、こういう時間をかせぐ、あるいは必要がある、あるいは植込み型が適用にまだならないというようなところの限局した形で導入してはというのが主旨、それに対する患者の費用や経費の部分の負担分については、在宅の治療になると思いますし、国が在宅医療を進めている中で、こういうものを導入するというのも、1つの案かもしれませんね。
 ほかに御意見は、ございますか、どうぞ、千葉先生。
○千葉委員 私もこれは、是非、早期に導入していただきたいと感じております。
 質問なんですけれども、飛行機の中では、どうしてだめなんですか。
○山本参考人 それは、ちょっと手元に資料がございませんので、飛行機に乗せられるんでしたか、これが、たしか、人工心臓も含めて、こういう医療機器で、飛行機に載せるために、ある程度耐久性の試験とかが、たしか必要だったと思いますので、こちらが、そういう試験をクリアーしているかが不明なので、現時点ではお答えができないということでございます。
○千葉委員 こういう機械を持ち込んではいけませんというたぐいの理由ではないわけですね。
○山本参考人 飛行機にAEDは乗せていましたか、AEDが乗っておれば、恐らくこれも原理的にはいけるんではないかと思いますけれども、あとは、本品自体が、そういう耐久性テスト等でクリアーされているかどうかということになるんではないかと思うんですけれども。
○事務局 山本先生がおっしゃられるとおりなんですけれども、これは、AEDと違って、患者を随時モニタリングしているので、そこで、どういう電波の発生状況があるかというところもありますし、あと、電波を発生するものであっても、緊急避難的に、例えば移植の患者さんとかで連れていくときとかは、飛行機には、許可を取って、その医療機器を載せた形で飛ぶこともありますので、そこはちょっと航空関係の条約で結ばれている話と、あと、医療で特例として認められている話、あと、この機器が持つ特性のところを十分審査段階で考慮した上で、必要な注意喚起を添付文書なりで、必要があれば、承認の条件として、こういうことをすることというところは、付けていければと思っております。
○北村座長 おっしゃるとおりだと思いますね。社会に対する不要な心配とか、そういうものを撤回する方法は、幾らでもあると思います。それをやる必要が出てくるでしょうね。
 それでは、Life Vestの、これは、モデルは4000型というのをやろうということですね。これを承認していただけますか、早期導入に向けて、よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、今日は、循環器関係の課題ばっかり3つでございましたが、一応、3つとも、いろいろな付加条件も考えながらということでございますが、御承認いただいたということになります。
 あと、報告等もございますが、今日は、平山審議官とか、赤川課長さん、何かありますか、時間が30分残っておりますので、よろしければ。
○平山審議官 結構です。
○北村座長 課長もよろしいですか、室長もよろしいですか。
 それでは、事務局からの報告事項をお願いしたいと思います。
○浅沼医療機器審査管理室長 本日は、どうもありがとうございました。次回の日程につきましては、改めて日程調整の上、御案内させていただきます。今後とも、どうぞ、よろしくお願いします。
 また、本日の議事録につきましても、作成次第、御確認をお願いいたしたいと思います。
 事務局からは、以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。委員の中で、一言、二言でもおっしゃりたい方はございませんでしょうか。皆さん、よろしゅうございますか。
 今日は、循環器に限られていたので、余り御発言いただけなかった委員の方もおられたかもしれませんが、ほかのことでもよろしいですよ、よろしゅうございますか。
 それでは、もう暗くなってきましたので、終わりましょうか。今日は遅くから始まりましたもので。本日は、御足労をいただきまして、ありがとうございました。これで終了させていただきます。


(了)

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