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2012年8月30日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第25回議事録
医政局看護課看護サービス推進室
○日時
平成24年8月30日(木)10:00~12:00
○場所
厚生労働省19階専用第23会議室
○出席者
秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長) |
有賀 徹 (昭和大学医学部救急医学講座 教授) |
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授) |
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長) |
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長) |
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授) |
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授) |
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長) |
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長) |
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長) |
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授) |
○議題
1)特定行為について
2)カリキュラムについて
3)その他
○議事
○島田看護サービス推進官 定刻より少し時間が早いですけれども、先生方がお集まりでございますので始めさせていただきます。
ただいまより、第25回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催いたします。委員の先生方におかれましては御多様なところ、そして暑い中を御出席いただきましてまことにありがとうございます。
本日の委員の出席状況でございますけれども、大滝委員、山本委員より御欠席と御連絡をいただいております。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第をお配りしておりまして、その下に座席表を配らせていただいております。
資料1-1「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループによる医行為分類案について」でございます。こちらにつきましては、別添としまして横の表になっております行為名、行為の概要一覧と医行為分類検討シートの束をおつけしております。
資料1-2「『行為名』等の修正について(案)」でございます。
資料2「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループによる教育内容等基準案について」でございます。
資料3「医行為分類(案)及び教育内容等基準(案)に関する意見募集について(案)」をおつけしております。
参考資料1「第13回チーム医療推進会議における委員の主な御意見」
参考資料2「特定行為及び看護師の能力認証に係る試案(イメージ)」をお付けしております。
不足などがございましたら事務局の方にお申し付けください。
有賀座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。
○有賀座長 おはようございます。
本日も中身の濃いお話が多々出ると思います。よろしくお願い申し上げます。資料1~3が本日のメインの「特定行為について」「カリキュラムについて」という議事次第にある内容になるのだと思いますが、その前に参考資料1と参考資料2は8月22日に行われた第13回の私たちの親会におけるディスカッションのことについてと思いますので、最初にちょっと親会などの様子などを含めて事務局からよろしく御説明ください。
○江口医事課長補佐 医事課の課長補佐の江口でございます。私の方から先週8月22日に開催されました第13回チーム医療推進会議の議論について御報告をさせていただきます。
資料については参考資料1と2が関係資料でございます。特に参考資料2を中心に御報告をさせていただきます。
参考資料2については、8月22日の第13回チーム医療推進会議に事務局から提出したものでございます。「特定行為及び看護師の能力認証に係る試案(イメージ)」という表題のものでございます。
冒頭にこの試案のイメージを前回、推進会議に提出した経緯について簡単に御説明申し上げます。
昨年11月に看護師能力認証制度骨子案というものをチーム医療推進会議の方に提出して御議論いただき、昨年12月にチーム医療推進会議として骨子案に対する意見を取りまとめていただきました。
この意見の中では、看護師の能力認証制度について法制化をすることに対し賛否両論が書かれているわけですけれども、その後昨年12月22日に医療提供体制全般についての意見書ということで、社会保障審議会医療部会の意見書が取りまとめられたところでございます。
この意見書の中でも看護師の能力認証の仕組みについては重要であり、この認証の仕組みのあり方については医療現場の実態を踏まえたものとする必要があると記載されておりまして、その後引き続き議論をすることとされておりました。
ことしに入りまして、7月12日にチーム医療推進会議で能力認証の仕組みのあり方について具体的に議論を再開したわけですけれども、その議論といたしましては骨子案と民間で認証すべきという意見がございましたので、民間が認証する案について御議論をいただきました。
その議論の中では各委員からそれぞれの案について問題点が指摘された一方で、特定の医行為を法令上位置づけることが必要である、能力認証について何らかの国の関与が必要との意見が多数でございました。
これを受けまして7月12日のチーム医療推進会議では、座長の方から最後に本日の議論を踏まえてより具体的な論点の取りまとめと、具体的な枠組みの提示が必要であるという旨の議事の整理が行われて、8月22日のチーム医療推進会議で事務局の方からこの試案(イメージ)を提出するに至ったというものでございます。
参考資料2について御説明申し上げます。
具体的なイメージとして記載しておりますが、まず最初の○でございます。
「医師又は歯科医師の指示の下、臨床に係る実践的かつ高度な理解力、思考力、判断力その他の能力をもって行わなければ、衛生上危害を生ずるおそれのある行為(診療の補助に当たるものに限る。以下『特定行為』という。)に関する規定について、保健師助産師看護師法に位置付ける。 なお、特定行為の具体的な内容については、省令等で定める。」としております。
この看護ワーキンググループで議論いただいております特定行為については、根拠を保健師助産師看護師法に位置づけた上で、具体的な内容については省令等で定めるという形にしております。
※ですが、「特定行為の規定方法は限定列挙方式とする。また、その追加・改廃については、医師、歯科医師、看護師等の専門家が参画する常設の審議の場を設置し、そこで検討した上で決定する。」としております。
2つ目の○「看護師は、次のいずれかの場合に限り、特定行為を実施することができる。」
「・厚生労働大臣が指定する研修機関において、実施しようとする特定行為に応じた研修を受けた看護師が、医師又は歯科医師の包括的な指示を受けて実施する場合」
「・看護師が、特定行為を実施しても衛生上危害を生ずるおそれのない業務実施体制の下、医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて実施する場合」としております。
3つ目の○「厚生労働大臣は、研修機関の指定を行う場合には、審議会の意見を聴かなければならない。」
※で「審議会は、医師、歯科医師、看護師等の専門家により組織する。」としております。
4つ目の○「特定行為に応じた研修の枠組み(教育内容、単位等)については、指定研修機関の指定基準として省令等で定める。」としております。
これもまさに看護ワーキンググループで議論している内容に関するものですが、その研修の枠組み、教育内容、単位等については具体的な法例上の位置づけとしては省令等で定めるということでございます。
この指定基準の内容についても※ですが、「審議会で検討した上で決定する。」としているところでございます。
最後の○「厚生労働大臣は、指定研修機関の研修を修了した看護師からの申請により、当該研修を修了した旨を看護師籍に登録するとともに、登録証を交付する。」としております。
最後の※ですが、「本試案における看護師の能力認証の方法は、指定研修機関における研修を修了したことを看護師籍への登録によって行うものであり、国家資格を新たに創設するものではない。」ということを入念的に記載しております。
骨子案との大きな違いは、骨子案の方では最後に厚生労働大臣が試験を実施して、その試験に合格することが必要としておりましたけれども、その試験を前回示した試案では要件としてはございません。
国の関与の方法として大臣が直接認証するというのが骨子案の内容でございましたが、今回の試案では看護師が研修を受ける研修機関を大臣が指定をするという形での国の関与にしているところでございます。
これに対して各委員から御意見があったわけですけれども、参考資料1の方に主な意見を記載しておりますので後ほどごらんいただければと思いますが、具体的には国の関与につきまして、専門家の自律性に任せて民間でやるべきとの意見が出された一方で、多くの方の意見としては国の関与が必要だというものでございました。
技術的な論点として、試案においては最終的には看護師籍への登録ということを記載しておりますが、これは国家資格と同等であるので反対という意見がございました。
ただ、何らかの客観的な証明できる仕組みというものは必要という意見では一致したものと考えております。
こういった御意見を受けまして、最後に永井座長の方から、今後専門家の自律性の確保ですとか、修了者の登録等の技術的な論点についてはさらに議論を深めていくことが必要だけれども、今後は事務局から提示させていただきました試案をもとに、より具体的な制度の詳細についてチーム医療推進会議で議論をしていくということが整理されたところでございます。
事務局からの報告は以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
親会でのディスカッションをサマライズしていただいたところではございますが、これについて特に御意見があればここで記録にとどめるということにもなりましょうけれども、いかがでしょうか。どうぞ。
○星委員 確認をさせてください。結局のところ親会では事務局案をベースにやっていくということになって、結局我々が今後やるべき仕事というのはどう取り扱われるか。つまり法律上どう取り扱われるかとか、どんなふうに認証を受け登録されるかみたいなことについては私たちは想定する必要がなくて、あるいは想像はしていても、結局どんな行為をどんな形で教えて、どんなふうに確認していくのかということを淡々とやればいいということになるんですか。そういう意識をしてこれからの議論を進めろというメッセージなのかどうか、具体的にというか明示的に教えてほしいのですけれども。
○有賀座長 私の顔を見ながら言っておられますが、事務局はいかがでしょうか。
個人的な考えとしては、こちらでこういうカリキュラムでこういう内容ですよという話が、内容、質、量によっては親会のパフォーマンスに影響を与えるだろうと総論的には思います。極めて質、量ともに小さなものであれば余り考えずに、認証もなくてもいいのではないかという話も場合によってはあり得るわけで、そういう意味では全く独立事象ではないと思いますけれども、今の御質問に対する明示的な意味での表現の仕方で答えようと思うと事務局しかだめだと思いますので、いかがでしょうか。
○田原医事課長 ただいまの御質問ですけれども、能力認証の枠組みにつきましては、今、御説明を申し上げましたようにこの試案をもとに御議論をいただくと考えています。
ですから、この試案を念頭に置きながら、具体的にこのワーキンググループで議論すべきと当初から言われております特定行為とカリキュラムについて、さらには、安全管理体制というものもございましたけれども、こういったことについて御議論いただければと思っております。
それについてはチーム医療推進会議の方もある程度のワーキンググループでの進捗状況は御説明しておりますけれども、最終的に特定行為やカリキュラムがどういうふうにワーキングとしての結論がどうなったかということも踏まえて、最後に認証の枠組みについて御議論いただくという形になりますので、まずこのワーキングとしては特定行為、カリキュラムなどについてしっかりと結論を出していくということで御議論いただければと思っております。
○星委員 1つだけコメントをさせていただきますが、25回もやると力尽きてくるというか、皆さんそうだと思いますけれども、どうにでもしてくれという気持ちに多少ならない方がおかしいのではないかというぐらい長らくつき合わされているわけですが、私は本当にここからが関ヶ原だと思っていて、とても大切なことをこれから議論していくということとを心にとめて、これからの時間を過ごすということはお約束をして議事を進めていただきたいと思います。
○神野委員 そういうことなんでありますけれども、そうすると我々のミッションだけを確認させていただきます。参考資料2の中で専門家が参画する常設の審議会が規定されています。ここはワーキンググループで審議会ではありませんので今後審議会ができるんでしょうけれども、それまでの間、特定行為とは何ぞやとか研修機関とはどんなものがいいかということを議論するのはここのミッションとして与えられたということで理解してよろしいわけですね。
○田原医事課長 そのとおりでございます。最終的には法律ができて審議会が法律の中に位置づけられて、そこで具体的なものが決められるということですけれども、このワーキンググループでは実質的な非常に具体的な内容を決めて、それをもとに最後に審議会で調整をするということはあり得るかと思いますが、その議論の非常に大きなベースとなる結論をここの場で出していただければと思っております。
○有賀座長 チーム医療推進会議の委員の一人として参加した私の感想を言いますと、ここでの議論がある程度具体的に見えてこないと登録の認証といってもなかなか決められないという意見をおっしゃる方もいましたから、横の補完か縦の補完かは別にしても相互に補完的な位置づけであると思います。
親の会議で言うのは筋かどうかよくわかりませんが、たまたまここに審議会と出ていますし、看護師籍に登録するという話は、その会議で私は臨床研修医の医籍の登録と似ているので番号がつくのかという質問をしましたら、番号が特につくわけではないとかといろいろ勉強しました。
ただ、初期臨床研修医に関する仕組みと審議会の関係についてを、この社会の仕組みをつくっていくことと審議会の関係についてと並べてみますと、臨床研修の仕組みに関する審議会のパフォーマンスそのものは、こう言っては失礼ですけれども、余り初期臨床研修のクオリティをよくすることに寄与しているとは私は思えないのです。特に第三者的な臨床研修病院の評価などにつき合っていますと非常に、そういう審議会の意向と現場のニーズというか臨床研修医の勉強の仕方というか。ですから、いずれ審議会がこのストーリーによるとできるとは思うんですけれども、ああいうふうにはならない方がよいのではないかなというのが私の意見です。
これは本当の議題に入る前の前座の話なので、そのつもりでしゃべりました。
あとはよろしいですか。どうぞ。
○小松委員 1つだけ確認をさせていただきたいんですが、大きく1つ軸が変わったということで、個人の試験での認定ということではなく教育機関での認定に大きく変わったわけですけれども、変わった筋道というのは審議会の中で何か大きな変えなくてはいけないという、どんな論点があったのかということを確認させていただければありがたいです。
○江口医事課長補佐 御説明の中でも触れましたとおり、具体的に議論していただく前提として昨年11月に提示をした骨子案というものがございまして、それに対して具体的な認証は民間で行うべきというある意味真逆の意見がございました。
骨子案そのものは国が最終的には試験を実施して、それに合格した看護師を直接大臣が認証するという、ある意味国の関与の程度としてはかなり強いものをイメージした案でございましたが、それに対して民間認証案というのは国が基本的には関与せず、民間に任せるべきだという御議論でした。
そういったある意味真逆の2つの意見があって、なかなか意見について収束すると言いますか、具体的な取りまとめに向かっての方向性が一致するという状況ではなかったわけでございますが、そういう状況のもとで、国の関与はある程度必要だという意見がかなり多かったことも踏まえまして、国の関与のあり方として別の枠組みはないかということで、前回8月22日のチーム医療推進会議で試案を提示させていただいたものでございます。
○有賀座長 ここでの質疑は議事録に残りますので、それを踏まえて親会の方での議論を期待したいということでよろしいと思います。
今日の議題は資料1~3と結構中身が濃いものですから早速進めたいと思います。「特定行為について」という議題で、資料1-1、1-2を事務局から御説明ください。お願いします。
○島田看護サービス推進官 説明させていただきます。
資料1-1、医行為分類案についてでございますけれども、前回も医行為分類はどのように分類を進めてきたかというところも整理をさせていただきまして、修正案についてお示しいたしました。
まず前回のワーキングでの御指摘を踏まえまして、おめくりいただきまして2ページ、これまで医行為分類の検討を行ってきた流れを、初めてごらんになった方でも御理解いただけるような形で少し丁寧に記載を改めております。
おめくりいただきまして4ページ、医行為分類における看護師が行う診療の補助の範囲のイメージの図でございますが、こちらについても前回、御議論がございまして、絶対的医行為の部分についての目盛りを詳しく設定するということは必要がないのではないかと御指摘いただきまして、今後も絶対的医行為についてのあり方を議論するわけではございませんので、その部分の説明を削除しております。
その下の基本的な考え方の目盛りを説明した部分でございますけれども、どこまでが診療の補助の範囲で、どこからこの難易度が絶対的行為を指すのかということが以前のお示しの仕方ではわかりにくかったところがありましたので、診療の補助の範囲を明確にするということで、それぞれ判断の難易度では1と2、技術的な難易度では1~3までが診療の補助であるということを明確にお示しをしたところでございます。
別紙の2と3につきましては前回からの変更はいたしておりません。別紙の4につきましても変更をしておりませんで、それぞれこのような分類の仕方を整理してきているということをお示ししております。
別紙5でございますけれども、医師の指示についてのところですが、包括的指示についてもっと理解を深めることが必要ではないかといったような御指摘もございましたので、6ページの下の図の【医師の指示】と囲んでありますところの包括的指示と書いてございます言葉の横に、「具体的指示以外の指示は全て包括的指示である」とこの図でお示ししております関係性を文字で改めて説明を加えております。
一番下の※「包括的指示」の実施に当たっては、医師と看護師との間で指示内容の認識に齟齬が生じないよう、原則として、標準的プロトコール、クリティカルパスといった文書で示されることが望ましいということで、平成22年の報告書の中からの記載を抜粋する形で、包括的指示をより理解していただけるような文言を追加しております。
それ以降の資料につきましては、前回お示ししたものからの変更はございませんで、こうした流れ、考え方の整理をしながら医行為分類を行ってきたというところを資料1-1でおまとめしております。
資料1-1の別添ということで、それぞれ具体的にどのような医行為名、医行為分類検討シートというものが提案されているかというものをおつけしておりますけれども、これらにつきましては、資料1-2をごらんいただきまして前回ワーキングで御議論いただきました内容、それ以降に委員の先生方から御指摘いただきました御意見を踏まえまして、行為名、行為の概要等を修正しております。
資料1-2で修正の方針、概要を説明させていただいておりますので、ごらんいただければと思います。
1つ目の委員からの御意見ということで、トリアージについて今までお示ししていたものですと行為名ですとか、行為の概要がややわかりにくいということを御指摘いただきましたので、再検討いたしまして、行為名と行為の概要を整理をしますとともに、トリアージという文言を「診療の優先順位の判断」という文言に修正をしております。
それに伴いまして評価につきましても、4で示しております内容「診療の優先順位の判断のために必要な検体検査の項目の判断」がB2。5で新たにお示ししました内容「検体検査結果に基づく診療の優先順位の判断」については評価をCと見直しをしております。
それから、これまで5番の行為の中の標準的場面に、在宅でのトリアージについてを記載していたところでございますけれども、今回、項目を整理した際に在宅での状況を盛り込むということが非常に難しくなってまいりましたので、改めて1006番ということで「在宅療養者の病状把握のための検体検査の項目・実施時期の判断という項目を新たにつくっております。
おめくりいただきまして2ページ、行為の概要に「医師の指示の下」「プロトコールに基づき」というのが記載されておりますけれども、それぞれ挿入位置が違うので理解しにくいといった御指摘ですとか、行為の概要に「判断された」という主語が入っておりましたが、それが何かということを御指摘いただきましたところですが、それぞれ挿入位置を統一いたしましたり、判断については「医師の指示の下、プロトコールに基づき」といった内容に含まれますので削除するといったことを関連する項目につきまして修正しております。
3番目の御意見ですけれども、行為の概要から見て2つの行為になっているようなものがあるのではないかという御指摘をいただいたところでございますが、例えば超音波検査につきましては、所見を確認しながら検査を進めるということが一連の行為として行われますので、行為の概要から2つの行為という御解を受けませんように文言を修正しております。
63番の「人工呼吸管理下の鎮静管理」につきましては、行為の概要が二通り記載されておりましたので統合しております。
3ページ?、御意見をいただきました内容としましては、「実施のタイミング等」というものが検査等につきましては文言が使われていたところなんですが、そのタイミングといったこと、「等」に何が含まれるのかわからないということですとか、診断目的、判定目的といった文言がありましたけれども、これは「評価のため」とした方がいいのではないかという御意見がございましたので、「実施のタイミング」につきましては「実施の時期」と文言を改めまして、「等」に含まれる内容については列記するということで修正しております。
「診断(する)目的」「判定(する)目的」については「評価のため」文言を統一して修正しております。
3ページ下、検査について一部で検査結果が明確な行為については、所見をまとめたり診断補助したりという行為が当てはまるのかどうかという御指摘をいただきましたけれども、該当する行為、検査等につきまして検討いたしましたが、これらについて検査結果からあるいは患者さんの状態等も含めて所見をまとめて医師の診断を補助するという行為が存在するのではないかと考えておりますので、現行のままとさせていただいております。
4ページの?、薬剤の項目の中で「事前に指示のある薬剤」の表現を改めた方がいいのではないか、「選択」を削除した方がいいのではないかという御指摘をいただいたところですが、これらについては医師が事前に指示した薬剤であることがわかりますように表現を修正しております。
「選択」につきましては、既に処方済みの薬剤について、その中から複数示された場合に選択する行為であることがわかるように表現を改めております。
5ページ?、「臓器や器械の把持及び保持」については「第一助手・第二助手」という文言が行為名に記載されておりましたけれども、これにつきましては「第一助手・第二助手」の示す内容はかなり広いというところかと思いますけれども、ここで言っております行為はより限定的な内容ですので、この表現は削除しております。
?、139の行為「予防接種の実施の判断」というのが以前お示ししていた内容でございましたが、これはまさに医師の診断ではないかという御指摘をいただいておりました。
これにつきましては、どういった行為の内容かということを再確認いたしまして、「予防接種の実施可否の決定の補助」という内容に改めまして、その内容に伴って評価をEに修正しております。
6ページ?、141の行為「特定健診などの健康診査の実施(診断に係るものを除く)」という行為名でございましたが、これもどういったものが含まれるのか明確にした方がいいといった御指摘をいただきましたので、これを実施しようとされている養成調査試行事業実施課程に再確認をいたしました結果、行為の内容としましては現在提案させていただいております健康診査における検査結果の評価の補助という内容がわかりましたので、それに伴いまして評価の方はEと改めております。
その他、この御指摘に関連する行為につきましては行為名や行為の概要、標準的場面というものを一通り修正いたしまして、本日お示しをしております。
事務局からの説明は以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
御意見をたくさん賜ったワーキンググループの先生方もどうもありがとうございます。
特定行為についてのことで委員の先生方から御意見等賜りたく思います。どうぞ。
○星委員 すごい短い時間で見て意見をよこせというとんでもないオーダーの中で、暑い中高校野球を見ながらやろうと思ったんですけれども、そんな時間もなくてですね。
全体を読ませていただいて何度目かになります。CとかEとかBという判定は別として、行為の示す範囲というのは一定程度、相当に理解が進んだのかな、私自身も何度かやらせてもらって理解することができたと思っています。
この行為がどこに当たるかという話は次のステップなんだろうと思いますけれども、その意味で取りまとめをいただいた看護課の皆様には御苦労さまと申し上げたいですし、これをベースにこれから議論していくことになるんだろうと思います。
ただ、読んでみると、もうちょっとこうした方がわかりやすいんではないかなというところがまだあるので、そういったことももう一回これをどこかの学会、関連団体にお出しして見ていただくにたえるものかどうかというのは確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○有賀座長 ほかにいかがですか。看護師さんがたくさんおられますが。どうぞ。
○竹股委員 たくさんある中で細かくいろいろ考えるとあれですけれども、判断するミスマッチが大分薄らいできたかなというのがあります。
現場目線で見たときに、これはどういう意味かという箇所はあるかなと思いますけれども、少しずつまとまってきているかなという印象を持っています。
○有賀座長 前原先生いかがですか。
○前原委員 皆様の御協力で随分すっきりしてきたとは思いますし、今、皆様が言われたように、今後も出てくれば文言の修正なり具体的な評価の判断ということに関しても、ディスカッションしていけばよりよくなっていくのではないかと思います。
○有賀座長 どうぞ。
○小松委員 行為のカテゴライズということではすごく精練されてきたなと思っています。これは今後いろいろな学会に目を通していただくことになるんですが、出てきている203については一番初めの業務の調査のところで起こしてきた内容だと思うんですが、今後これが制度化になるにしても、この行為については専門分野が例えば小児とか精神とかは調査の段階から余り入ってはいないんですけれども、今後そういうことはこのワーキングで検討して続いていくかどうかわからないんですけれども、ふえていくということで考えてよろしいんですよね。これがこのままということではなく、今後この制度が進んでいく中で、特定行為というものが審議会の中に上げられ、私たちが行っていく特定行為が専門分野も含めて広がっていくものだと認識してよろしいんでしょうか。
○有賀座長 もともと203しかないわけではありません。それ以外もあるということになりますし、例えば気管挿管という作業そのものでも、星先生とか神野先生とか地域のMC(メディカルコントロール)の中で議論があると思いますけれども、内視鏡を使って入れれば外れるわけがない。道具の進歩ということもあれば医学そのものの展開もありますから、そのままこれにぎちっと固めることにはならないと私は思うんですけれども、今の小松先生の議論も含めてちょっとよろしくお願いします。
○島田看護サービス推進官 先ほど参考資料2の方で看護師の能力認証に係る試案を御説明させていただきましたけれども、そこにもございましたが、今、先生方もおっしゃられたように今後もこの行為の範囲を新たに追加したり、今、リストされているものの中からも、さまざまな状況の変化で特定行為ではないというものも出てきたりということがいろいろとあると思うんですが、それらにつきまして今、試案としてお示ししておりますものとしましては、追加・改廃については常設の審議の場を設置してそこで検討を進めていくということを提案させていただいております。
○有賀座長 ここでこんなことを言ってしまうと何とも言えませんが、具体的な指示があればその状況下においては、その行為についてペアとなる看護師さんと一緒に仕事ができるという話ですよね。その方が特定行為を盛んにやっているということになりますと、そこだけ具体的な指示かということも極めて現場の感覚としてはないわけではないです。ですから、法律のために私たちの仕事があるわけではなくて、患者さんのために私たちの仕事がありますから、そこら辺でどの程度審議会が現場の景色を斟酌するというか咀嚼するというか、もっと言うときちんと理解するかというところにこの手の話はディベンドしてくると思うんです。
ということなんだと思います。島田さん、それでよろしいですよね。形はこうですけれども、その形は現場をきちんとわかった上で展開しないといけないという話だと私は強く思います。
行ったり来たりするということがあっていいことにして、特定行為についての御意見はまた後から場合によってはということにして、カリキュラムについての話を進めてしまいたいと思います。資料2以下をよろしくお願いします。
○島田看護サービス推進官 資料2、教育内容等の基準についてでございますが、こちらにつきましても2ページに、これまでどのように議論をしてきたかということを簡単ではございますけれども、記述をさせていただいております。看護業務ワーキングにおきまして、業務試行事業、養成調査試行事業の実績等を踏まえて検討を行って案を作成したということを記載させていただいております。
3ページの上に「特定行為の範囲と修業期間」とございます。以降につきましては、以前カリキュラムに係る論点としてお示ししておりました内容に沿うような形でそれぞれまとめさせていただいております。
それぞれにつきまして案とついておりませんけれども、この資料2自体が全て案でございますので、全て案ということでまずごらんいただければと思います。
3ページの上、「特定行為の範囲と修業期間」につきましては「幅広い特定行為を実施するための修業期間は2年以上とする。」としております。「※養成課程における習得を目指す医行為の範囲は別紙1に示す。」とございます。別紙1につきましては後ほど説明をさせていただきます。
「特定の領域に限定した特定行為を実施するための修業期間は8カ月以上とする。」ということで、この領域については養成調査試行事業を踏まえて、「救急」「皮膚・排泄ケア」「感染症管理」の3領域としておりますけれども、今後、必要に応じて追加していくことが必要ではないかと考えております。これらについてもそれぞれ習得を目指す行為の範囲は別紙1に示すとございます。
別紙1は大きいA3の表をごらんいただければと思います。こちらの方に特定行為の範囲と修業期間の対応関係をお示ししたものをつけております。左側に列記しております医行為分類の項目は現在の医行為分類案でB1またはB2、すなわち特定行為になるであろうと評価されている項目を示させていただいております。
まず「2年間の課程」でございますけれども、これにつきましてはこれらの行為の習得を目指していただくということで真ん中に●をつけさせていただいております。
この習得を目指すというところをまでを最低基準としておりますけれども、右側に例を幾つか書いておりますが、それぞれの大学院などでの教育機関において、例えば急性期を強化するという教育機関がある場合には、そこで実施が特に必要となる行為については実践レベルまでの習得を目指すという課程が出てくるのではないかということで、その部分についてはそれぞれの教育機関での上乗せになっているという関係かと思います。
おめくりいただきまして裏「8カ月間の課程」を示させていただいております。こちらも左側の行為については表のページと同じように今B1、B2に分類されている項目を列記しておりますけれども、それぞれ「救急領域」「皮膚・排泄ケア」「感染症管理」といった領域におきまして、「習得を目指す行為」を最低基準ということで●で示させていただいております。
こちらの方も研修課程で実施する場合の例をお示ししておりまして、◎にしておりますものは、実践レベルまでを目指すものがあるということで例として示させていただいておりますが、こちらについては研修課程、教育機関の裁量で実施していただく部分とごらんいただければと思います。
資料2にお戻りいただきまして2番目、3ページの真ん中でございますけれども「2.養成課程修了時の到達目標・到達度」についてでございます。
これにつきましては「養成課程修了時に全て自律して実施できるレベルを到達目標とするのでなく、養成課程では特定行為等の実施に必要となる基礎的事項を学び、特定行為等の実施に必要となる基礎的な知識の理解や思考過程及び基礎的な実践能力の習得を目標とする。」ということを案としてお示ししております。
4ページ「3.教育内容及び単位数」でございます。
就業期間2年以上とする課程の教育内容及び単位数、8カ月以上の領域ごとの教育内容・単位数を別表に示させていただいております。それぞれお示しする内容としましては、最小限のものを基準として規定すると考えておりまして、各教育機関、研修機関ではこの基準を含めた独自のカリキュラムを作成していただくということになろうかと思います。
特定行為の習得に加えまして、医行為ではないが医行為に付随する行為や治療内容にかかわる専門的な教育が必要な行為、これは医行為分類ですとEに分類されるものに該当しますが、これらについても教育内容や単位数には反映させております。
8カ月以上とする課程については、今後、領域が追加された場合、その領域に対応した教育内容、単位数を設定していくということなろうかと考えています。
5ページに別表を付けさせていただいております。
別表1「修業期間2年以上とする課程の教育内容・単位数」の案でございます。教育の枠組みにつきましては今までお示しをさせていただいておりますけれども、それぞれ「基盤となる理論等」ですとか「基礎となる知識」「技術・能力」「総合的知識・統合力」「臨床実習」というそれぞれのくくりに対しまして、何単位以上という単位数を最低基準ということで示させていただいております。2年間につきましては合計48単位以上としたいと考えておりまして、そのうち臨床実習については14単位630時間以上を基準としてはどうかという案でございます。
※に書いておりますけれども、こちらについては最低の基準を示しているということで、各大学院等の教育機関ではこの上に自由裁量で追加をしていただくということが可能ではないかと考えております。
別表2-1、こちらについては8カ月以上の救急領域についての教育内容、単位数を示させていただいております。単位数合計23単位以上、そのうちの臨床実習を6単位270時間以上としてはどうかという案でございます。
別表2-2、同じく8カ月以上の皮膚・排泄ケア領域でございまして、それぞれ到達目標や教育内容についてはこの領域に特化した内容を記載しておりますけれども、単位数につきましては合計23単位以上、特に臨床実習については6単位270時間以上ということを規定してはどうかと示させていただいております。
別表2-3、8カ月以上の感染症管理領域でございまして、単位数については合計23単位以上、臨床実習6単位270時間以上と示させていただいております。
続きまして7ページ「4.教員・指導者の要件」でございます。
「教員・指導者は、基準とする各教育内容を教授するのに適当な者であることを要件とし、適当な職種、人数を確保する。」
「特に、『基礎となる知識』及び『技術・能力』の教育内容を教授する者には、教育内容の特性を鑑み、医師及び薬剤師を含める。」
「特定行為の習得を目指した臨床実習の担当教員・指導者は、医師等を必要数確保する。なお、医師の担当教員・指導者は、臨床研修指導医と同等以上の経験があることが望ましい。」としてはどうかと提案させていただいております。
7ページの下は養成調査試行事業に御参加いただいております課程におきまして、実際どのように教員・指導者について要件としているかということを示させていただいておりまして、ここに科目例を書いてございますけれども、その他の科目につきましても、それぞれ要件としては示されておりますが、いわゆる3Pと言われる科目についてどのように配置しているか、要件を課しているかということを例として挙げさせていただいております。
8ページ「5.養成課程における評価」でございます。
評価につきましては「各養成課程では、課程修了時等、適当な時期に、各受講生の到達度の評価を行うこととする。」
「特に、課程修了時は、客観的な評価方法等により、一定の到達度に達していることを確認する。」といった内容を今、示させていただいております。
その下が、養成調査試行事業の実施課程におきます実際に評価をしてらっしゃる例を示させていただいています。
評価方法としましてはOSCEあるいはOSCE以外の技術チェック、筆記試験、口頭試験、レポートといったものを実施されておりますけれども、それぞれ臨床実習前ですとか課程修了時にこれらの方法を組み合わせて実施されているというのが実情でございました。
9ページ以降は前回もお示ししておりますけれども、参考といたしまして、どのように教育機関でカリキュラムを組むことになるのかというイメージなどをつけさせていただいております。
御説明は以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
この件について。どうぞ。
○星委員 先ほどまでの話とは一転して、やはり議論不足があるなというのが正直なところです。どういう行為が特定行為に当たりそうかという話は何となく、随分やってきましたし、それぞれの頭の中で整理がつきつつあるんですけれども、これをどう育てるのかといったときに、8カ月と2年の問題が重くのしかかってくるのと、今までやっていた認定と専門の話がどうなのかというのはまだうやむやとしていて整理がついていないような気がするんです。
特に何点か指摘したいんですけれども、1つは8カ月課程で示されている◎のところですが、半分以上が3つの領域から漏れている行為になっているんです。
まずここだけ聞いておきたいんですけれども、先ほどの看護師免許証に裏書きなどをするといったときに、これが本当にそういうふうになるかどうかは別として、厚生労働省が提案したのですから具体的にイメージをお持ちだと思うので聞きたいんですけれども、例えば救急領域に書かれている内容が全然よくわからないが決まったとしましょう。そうすると救急領域ができますよということが書かれるんですかね。そうするとここに●がついていて、かつ研修課程で◎もついているところの行為についてはやっても問題がないということになって、要は法律上何かの免責になるかどうかわかりませんが、そうなるのか。逆に●、◎のついていないところをやるとお縄になるのかということです。
これは現実にはここでもちろん整理をしていくにしても、●の数が幾つでこうなってどうなってということは別にしておいて、とりあえず今の私の疑問に答えてもらいたいのは●と◎の意味です。それを修了した時点での裏書きをしたときの効力というか、どんなイメージを持っているのか。具体的なイメージがもしあればちょっと聞いておかないと、入り口からちょっとつまずいてしまうのでよろしくお願いします。
○島田看護サービス推進官 まず、ここで示されている「習得を目指す行為」として提案させていただいている行為ではない行為を実施した場合に、法律違反になるのかということでございますが、ここに出しておりますB1、B2に分類された行為がもしこのまま特定行為だとなりますと、これについては今、示させていただいた試案によりますと診療の補助に位置づけることになりますので、直ちに違反になるということではありませんけれども、その際、看護師が特定行為を実施する方法というのが2通り今、考えられているということで、1つが研修をきちんと受けていただいた方が実施する場合とそうでない方が具体的指示、業務実施体制の下に行っていただくというのを法律的に整理をしようということを提案させていただいていますので、ここで救急領域で習得した行為ではないものを包括的指示で実施した場合には問題があるということになるものとして、習得を目指す行為というものはこれに見合った教育をしていただくという仕組みを考えているところになります。
○星委員 それぞれの現場で必要とされる行為というのが、必ずしも教えたい側の行為と一緒である可能性が余り高くない。それをこれからすり合わせていくんだという話になるのかもしれませんが、今の話を聞くと法律の仕組み上そうなっているということは何となくわからなくもないけれども、そうなると、この人には何と何と何と何は包括的指示でよくて、この人は何と何と何は具体的な指示だみたいなことが現場の中に入ってきて、指示を出す側に指示をしてもらわないと困ってしまう。そういうことが起きないように、先ほど有賀先生がおっしゃったのはまさにそこで、これが来たらいっちょやってやろうと思って今、話しているんですが、要は有賀先生が一番心配されている、僕も同じことを心配しているんですけれども、そういう人たちが例えばほかのところに行って、やれる行為が違う人たちがまばらにいるような風景を想像すると、到底包括的指示というのは出しえない。したがって具体的な指示をせざるを得ないということになりかねない。ですから、現場で本当に必要なものについてはここの●のいかんにかかわらず、包括的な指示でできるような仕組みにするか、あるいは2年と8カ月の話になるんですが、8カ月においてもそういうものを目指してあらかじめそういうことを教育すれば問題がなく包括的な指示でできるんだという構造にするか、何かそういう工夫がないと、すぱすぱっと切り分けて、救急領域はこれとこれとこれ、何番と何番と何番ね、何番はだめよみたいな話だと相当現場は対応に苦慮するだろうということは容易に想像できて、先ほどの行為分類に比べるとここは現場と厚生労働省の原案をつくった方の間に相当ノウハウというか、理解のギャップがあると思うんですけれども、このあたりは今、確かにある研修課程ではこれを目指してやっているというのが1つの見本になっているんだと思うんですが、そういう自由度を与える形で議論していくのか、あるいは何領域は何番と何番みたいなことをここでぎりぎりやって、審議会とやらができたときに何番はどうしたこうしたということをぎりぎりやるようなことになるんですか。そのあたりをちょっと想像しないと議論ができないのでしっかり教えてください。
○有賀座長 事務局がどこまで想像しているかは別にして、現時点における前頭葉のまとめをしていただく。どうぞ。
○島田看護サービス推進官 今の救急領域あるいはそれぞれの領域について●を示させていただいておりますけれども、例えばこの救急領域とくくっている領域について、よりここで挙げている行為が行われる可能性があるということが、現場として想像される項目がほかにもあれば、それはこの●が絶対だということを提案しているわけではありませんので、そこについてふやしていくということは、現場で動きやすい方になっていただくという観点からすると必要と考えています。
○有賀座長 今、救急領域の話が出ていますけれども、星先生の話を追加するような形で、例えば救急領域のナンバーで行くと21番まで●がついていますよね。23にしろ25にしろ、場合によっては脳血栓症の患者さんがいたときに、現在すべからく多くの救急外来はここまではやっていないのかもしれませんけれども、脳卒中学会などの議論はこれらをやるべきだという話になりますよね。
救急領域でのトレーニングもそういう観点でいけば25番くらいまで●になってしまうわけですよね。要は今、言った○絶対ありきのぎりぎり論でいきますと、ここから先の23番以降についてのお話は具体的な指示、今、ここに当てろとか、当てた結果は私に見せろという話をしながら、では向こうにも当ててみろということになるわけです。それはとても変ですよね。星先生もそれを言っているわけで、私もそう感じるんです。
そういう意味で教育をしていないことができるのかという話は、多分論理的にはあり得ないんですけれども、したがって生涯教育があるわけです。そこら辺は仕組みの基本的な考え方というところと、現場の円滑な仕事ぶりとの折り合わせをどうするかというところでのイメージは持っていかないといけないのではないかなと思います。多分同じようなことを思っておられるかもしれませんが。
○竹股委員 同じかどうかは分かりませんがが、現場の実践の中でイメージしていったときに、今、星先生がおっしゃったこともごもっともなんです。実際は待ったなしでいろいろな患者様が来られて、いわゆる医行為が発生するときにそれを一々切り分けながら働くなんてことはあり得ないんです。
看護職が今まで診療の補助を仕事としてやってきたときに、診療の補助にいろいろなものがありますよね。それを現場の実践の中でどうやって切り分けてきたのかなといったときには、個別的には基本的にできることはやってきた。できないことはやれない。どうしてもやらなければいけないことはやる。しかしやるプロセスの中では、それなりの研さんを積んでやれるような教育なり実践なりをしてきたということです。今回の分類の中身というのはやはりさらに人体に侵襲性の高いものなので、実際に教育機関で知識なり、あるレベルの実践なりを学んでいたものについてはやりましょうということになるけれども、それをやっていないものについては基本的にやる側が、今までもそうですが、それはできないとか例えば怖いという話になるんだろうなと思うんです。
ただ、そうは言ってもそれをやらなければいけない、切り分けられないということになると、そこは直接指示なのかどうかということはあろうかと思いますけれども、そこでのOJTで学んでいき、それが本当にOJTとかではなくてきちんとそこまで学ばないと非常に困難だというか困るんだということが出てきたとき、将来的にはそこの範疇をふやして、包括的指示で行えるようにやっていくことなのかなと。
今はとりあえず切り分けて考えているので、数限りない中で確かにきりがないんですが、それは今後の中でいくのかなと私は考えてしまうのですけれども。
○有賀座長 どうぞ。
○小松委員 今、星先生がおっしゃっていて私ももう一つの2年課程の方でも疑問なんですけれども、私の解釈としては●がついている8カ月コースに関しては救急領域、それぞれのところで規定されるようなナンバー幾つというものができるという認証になってくるんだろうなと、範囲を行為で決めていくのかなと捉えてはいました。
しかし、先生がおっしゃるように領域についての包括的な意味というのは、もう少し潜在性も含んだところの行為ができるという考え方もあるのかなとも考えた方がいいのかなと一方で思うんです。
ところが一方、2年課程の方は逆に全部ナンバーというところでできる範囲が決まった認証にするというと、2年課程の方は全ての●が全部できるというところを想定して認証が出るとなった場合に、実際にそれが可能なのかということと、その教育がどの程度質を担保したものとしてできるのかといったこと、いろいろな論議があるわけであり、私は8カ月の方は領域がすごく規定されているので、星先生がおっしゃるのは弾力性がある包括的な指示を含んだ、●以外のものもできるという考え方で、多分看護師は質を担保しながらできるんではないかと思うんですが、2年課程の方は、専門領域がない中で医行為に規定されるような形で、どう質を担保していくのかというのはものすごく混沌としていて、ずっと主張させていただいているんですが、少なくとも急性、慢性とか何か領域を規定した形で、2年課程のところの特定行為に関することができるナースとしての質を担保するということが、もう少し論議が必要ではないかなと思っています。
○前原委員 星先生のおっしゃるとおりで、ぎりぎりやっていくということは不可能です。行為の中でも基礎的な知識だとか判断、医学的なもの、解剖等々で、検査とすれば判断力、侵襲的な刺したり抜いたりということ、薬剤的なことというのはあるわけですけれども、それは基礎的な知識なり教育を受けた上で、こういう行為を目標としてやっている場合にOJTでやって、そこで安全に行えるというのが現場ですので、1番、2番、3番、あなたはできる、この人はできないということでは全くなくて、ではどうやってそういうグレーゾーンのところを、医行為なり医療を看護師さんにより拡大して患者さんのためにやってもらうかといったときには、ある程度こういう203項目というものを出していかないと次に進まないわけです。その辺のところは現場でやりながら特に侵襲的なものであればそこでは、その現場で何回やって、うまくいったら次のステップにできるんだとか、そういう侵襲的なことはできてくるんだろうと思いますけれども、それを法律上で一つひとつ書くということは難しいことだろうと思います。
2年コース、8カ月コースに関しての切り分けとしては、2年コースが全部できることはないですよね。でも、この中の流れている、どういう状況なのか患者さんを把握し、その検査の評価なり知識というものをある程度全部2年間で学んでいただいて、その後でこの中の何項目かが救急の現場、慢性の現場、プライマリー、クリティカルの現場でできるという考え方だと思っています。
8カ月の方は特に限定的なので難しいというところがあるかもしれませんけれども、2年課程というのはトータルとして全部学んだ上で、ある領域の専門的なところに特化してやっていかれるんではないかと思っています。
○神野委員 8カ月の方はそういう専門のコースだということですよね。ちょっと前回お休みして前々回の話を蒸し返して申し訳ないんですけれども、2年間の大学院で先ほど計算したら48単位で2,160時間。実習が先ほどの資料2を見ますと630時間。
ここに大学院の先生がいらっしゃいますけれども、大学院教育の崩壊というか、このカリキュラムをやっているだけで終わりではないですか。一体大学院は何をするところなんですかと、根本的にどうなのかなと思ってしまいます。
恐らくここで今、医行為等に関してきっと求めてられていることは、一つひとつの行為が実際に自分で何でもできるのではなくて、理論的にこれはどういう意味があって、ここにある言葉遣いはこういう言葉遣いをして、実際にこうすると危ないぞということを教科書的に、あるいは実習の場で見せながらやる程度しか申しわけないけれどもできないはずです。
だとするならば、先ほど座長がおっしゃった臨床研修医は臨床研修が終わってから医籍に臨床研修登録をする。今の場合は学問が終わった時点で看護師籍に入れるという話なんですけれども、これは先ほどからお話があるようにOJTというか、これをきちんと安全に行うためには、到達目標とか臨床研修医みたいに卒後教育をきちんとして、例えば2年なら2年間の卒後教育、OJTでここまでできたので正式なお墨つきをあげますとか、そういった制度設計が必要ではないかなと思えてなりません。
○有賀座長 どうぞ。
○井上委員 神野先生が単位のことに触れてくださったので、そのことを続けて言いたいと思うのですが、4ページのところに最小限のものを基準として規定すると書いてあって、5ページのところで2年以上が48単位です。これは今回初めてでてきたのですが、これを見てちょっとびっくりしました。御存じのとおり、大学院の前期課程の修了要件は30単位なんです。1.5倍以上で、これだけで既に満杯です。
単位が初めて出てきたのですが、目標とか教育内容はこれまでずっと2年と8カ月は同じカリキュラムでいくと言っていましたが、この単位を見るとほぼ8カ月の方が半分になっているんです。2年の方は行為が多いからということかもしれないけれども、議論は逆なんではないか。私はずっと専門領域ありきでそれを積み重ねていってということを言っているんですが、先に項目が来ているので、では、基盤となるところが2年課程は8カ月課程の2倍。何が違うのか。逆に言うならば8カ月でも必要不可欠なことは全部入っていけないのではないか。こちらが基盤で、この単位数と2年間は同じでなければいけないのではないかという気がするんです。
間違っていたら訂正していただきたいんですが、8カ月の方はこれまでにも8カ月以上と書かれてきましたが、今回初めて「2年以上」という言葉が出てきました。それは多分この単位数が出てきたらこうなったんだろうと思うんです。ですから、これは文科省との折衝とかがこれからあると思うんですが、おっしゃるとおりこれは大学院教育には重過ぎる。
確かにアメリカなどでこういうことをやっているのが45とか50単位あるんですが、学びの仕方が全然違います。セメスターとして単位を取って職場と両方させながらが殆どですが、日本では割と伝統的に2年間で修了してということになると、大学院教育に合わない。それも見越して2年以上という文言がでてきたのか。これは全領域の項目ありきから逆算するからこうなったのではないか。もっと必須のところから積み重ねていって、いわゆる基礎科目みたいなものは実施項目が50の人と100の人とが違うというのはおかしいと思うんです。踏み出してさらに役割拡大していくんだったら、短いところでもきちんと押さえなければいけない。
もっとミニマムエッセンシャルで厳選していって少なくして、専門領域の中でそれを積み重ねていくという議論をしていただきたいなと思います。
○真田委員 いろいろ今、お話が出ている中で気になっていることは、特定行為の範囲と修業期限のお話の中でずらっと特定行為が並んでいる。特定行為だけを見てみると帰納的に並んでいるだけなので本当にこんなことができるんだろうかという議論があったと思いますけれども、基本的にはこれはもともとは患者さんの病態ありきだったと思うんです。特に星先生のおっしゃった、例えば8カ月で拡大していかなければいけないんではないかというお話に関しては、そこまで考えることもないだろう。
私が思っているのは、もともと皮膚・排泄ケアを例に挙げますと、慢性創傷を持つ患者さん方に必要な技術項目ですから、慢性創傷というと一般的に褥瘡、下肢潰瘍、SSI等に限定された人々のケアはどの医行為かというのはあらかじめ決まってきます。
そういう意味で勘違いしていけないのは、羅列した行為を一つひとつ丸をつけていく教育をするのではなくて、まさに3Pを学んでその病態に関して必要な技術ありきでありますので、8カ月にしても2年にしてもそこは変わらないんだと思います。2年の領域に関しましても、いろいろな症状を持つ、急性な症状を持つ、あるいは慢性の症状を持つ方々の必要な技術項目として広く網羅して挙がっているわけですから、今、この技術の羅列を問題にする必要はないのではないのかなというのが基本的な考えです。
もう一つ、井上先生と神野先生がおっしゃった中で大学院教育とは何ぞやというところがございましたけれども、以前も申し上げましたように、大学院教育の中でも専門職大学院の考え方もあると思います。それでもそこにはクリティカルシンキングができるということが大学院の基本だと思います。
そして、48単位が多いのか云々ということになります。今、実際に助産師を大学院でとるとするならば30単位プラス28単位、58単位をやっているわけです。それを例にとって挙げれば、この48単位が大学院教育の中ではできないということの論理は、少し飛躍し過ぎるのではないかというのが私の意見です。
以上です。
○有賀座長 どうぞ。
○英委員 私も前回出ていなかったのであれなんですけれども、2年間の課程を項目の羅列で見てみると、私も一臨床医としてこれだけのことをできる医者というのは、多分世の中にいないんではないかなというぐらい非常に行為的には多岐にわたっていて、それを2年間の大学院の教育の中でというのは、確かにどうなるのかなかなかイメージがつきづらいという御指摘はまさにそのとおりだなと思う一方で、在宅であれ施設であれ慢性期の療養者のニーズを考えると、お腹の問題だけ相談できる看護師さんとか医者というのではなくて、いろいろジェネラルに呼吸であり食事の問題であり排泄の問題でありさまざまな相談に乗ってほしい、また、その医療行為においていろいろな適切なアドバイス、支えをしてほしいというのが現場のニーズだと思うんです。
そう考えると、行為性においてこれだけ並べてしまうとちょっとイメージつきづらいですけれども、療養者のさまざまな希望に即して、いろいろな医療行為を現場で担えるというイメージをつけると、ここに上がっている行為が半分以上はニーズとして持っているんではないかなと私は思っています。
2年の養成課程というイメージの中で、実際に大学院教育でこれだけの手技をやるというのは、資料の3ページにあくまでも基礎的事項を学び、知識の理解や思考過程や基礎的な実践能力と書かれている以上、大学院で具体的な行為をやっていくことについては、ここでは想定されていないように私は読み取ったので、むしろ療養者を支えるさまざまな基礎的な力を持つということで、呼吸であり循環であり消化であり神経であり、実にそういったさまざまな病態に対する把握、いろいろな医療行為をする基礎的な理解をして、大学院を卒業した後のむしろオンザジョブトレーニングの中で、どれだけ現場に即した臨床的な行為ができる教育なのかなというイメージを持っている次第です。
ただ、先ほど星先生が言うように、あくまでも特定行為を法的に規定しておいて、それが包括的な指示なのか具体的な指示なのかというと、そこに規定されていない行為あるいは新しく生まれてきた行為はどうするのか。あるいは古い教育を受けた人にとって新しい行為はできなくなるのかとか、いろいろそういった事例またせな問題もあるので、その辺りを考えると現場的にはもっとフレキシブルにいろいろなことができる2年というものに対する期待感は非常に強いです。
○有賀座長 結局、医師にしても薬剤師にしても卒業したてはほとんど役に立ちませんから、昭和大を卒業したての薬剤師が周りにいっぱいいますので。
結局今、先生がおっしゃったように一緒に仕事をしながら仕事を覚えていってもらうということになりますよね。2年間の大学院の教育というのは今、先生がおっしゃったみたいに、ポテンシャルの部分で相当程度に高まっておいていただいて、そんなことで現場に出てきて、大学院のころに接しなかった医行為などについてできるようになっていくことではないかなと私は想像します。
どうぞ。
○星委員 何となくそういう意味ではなくて、ここはまさに8カ月、2年という議論をちゃんと詰めておかないといけないと思うんです。
井上先生がおっしゃたように、同じ行為をする、その行為については、2年コースを出てきたやつも8カ月コースを出てきたやつも、特定のAという行為については同じ責任と同じ能力が求められるということを考えたときに、2年コースと8カ月コースで、特定行為が全部できますというのと一部ですと区切るのは、何か合理的なような気が一瞬するけれども、かなり合理的ではないです。
例えばこれが本当に組み立て方として3分の1になっていて、それぞれ別々に柱が立っていて、それぞれの行為は全く別な基本事項と解剖の事項とか違うところに乗っかっているようなものがいっぱい80何本とあって、そのうちの何本かを自分がとってやるという話なら確かにそうなのかもしれませんが、現実にはさまざまな病態の全てを学ぶかどうかは別として、病態とは何ぞやとかそういうものの中で基本的な技術がどうこうとか、解剖学がどうしたみたいな話を考えてみれば、相当程度共通の部分があるだろうなというのは想像に難くないです。
実際に今の●だけを見ると大体2年コースができるとしている80何項目のうち、1つ当たり20項目くらいしかないので4分の1くらいだな、期間としては3分の1で、やれる範囲は4分の1~5分の1と見えているときに、どうも説得力が先ほどベーシックなものをつくってやりますという話は2年間コースの理解をしようと思えば確かになるほどそうだなという理解の方向に入りますが、今度8カ月コースを理解しようとすると、2年コースの理解がずっと遠ざかってしまうまさにジレンマのようなものを感じざるを得ないです。
私が問題にしたのは、何も突拍子もない行為をさせてくれと言っているんではなくて、たまたまここに●のついていない行為が現場で必要になったときに、ではこの●のついている行為を勉強するために、本当は褥瘡でいいんだけれども、急性期にもいかなければいけないといって、新たに8カ月行かないとこの行為ができるようにならないみたいな、今の制度の設計でいうとそういう制度設計なんです。今、少なくとも8カ月コースを行った人は。
となると、8カ月なんか行ってもしようがないから2年コースに行こうかという話になるのかもしれませんけれども、となると神野先生がよく言うように2年コースに行けるやつなんてどのぐらいいるんだ。大学院はそもそも何人くらい引き受けられるんだという別の次元の現実論の中に巻き込まれるわけで、ベースにして考えるのは8カ月コースなら8カ月コースをベースにして考えるべきで、それを2年コースでどう組み立てるのかというのは、それぞれの大学院で考えていただくという基本姿勢で臨む方が、私は出口に近いのかなとは思っています。
2年コースをきちんと決めてその中から8カ月コースを切り分けるという考え方で行くと、同じことなのかもしれませんが、かなり厳しい状況に陥るのではないか。
ですから、私が申し上げたいのは医行為をどうするかとか追加していくときにどういう仕組みが必要なのかとか、縦型のユニット、つまり行為別に切り分けたユニットで考えるのか、あるいは水平型のユニット、基本的な事項を積み重ねていって、その上に幾つかの技術項目が乗る。その技術項目を勉強するために必要な特定の部位の解剖学は、その前に乗っけるという3段階を載せていく。縦型のユニットを考えるのか、水平型のユニットを考えるのかの議論をきちんと整理して、特にこれは実践教育をしている現場の人たちの意見なども聞いて考えていくべき。かなりしんどい議論だと思います。
○有賀座長 前から皆さんが心の中で思っていたのは、8カ月コースが本筋なのか2年コースが本筋なのか。
そもそも私たちの国の将来を考えたときに、どちらが発展すべきなのかという大事な視点があって、今、星先生はとにかく現場の景色からすると、8カ月の話の方がより理解しやすいというところから出発するという話ですよね。
前原先生の御意見などは恐らく、それなりの教育というか背景を持って、現場でそこそこの仕事をやってくれという御意見なので、本筋はどちらかと言えば2年コースなのかなという気もします。
2年コースで求められているものと8カ月コースで求められているものは、そもそもディメンジョンが違うかもしれないというところにも大事な視点がなくてはいけないのかなという気もします。
結構重たいので、こうやって話すよりも、もうちょっと看護のプロの人がばんばんやった方がいいんではないかと思うんですが、前原先生、どうぞ。
○前原委員 今、座長がおっしゃったとおりで最初からぶつかっているのはそこです。認定看護師、専門看護師、特定看護師はどう違うんだという星先生がおっしゃるとおりのところで、そこの決着はもうついているだろうと私は思っていたんですけれども、つかない。そこでまた混乱が生じる。そして医行為がこれだけできたらどうかということでまた混乱が生じるということなんですけれども、2点ありまして1点は、この行為というものに●が全部ついているというのは神野先生、英先生がおっしゃるとおり、こういうときの基礎的な概念なり、どういう検査方法でどんなものなのかということをよく勉強して、オンザジョブトレーニングの中でどこかができればいいだろう。つまりブロードでやるということです。
しかし、現場としてはそれを求められているんだと私は思います。今までも認定看護師、専門看護師が大活躍をして医療の質なりが上がってきたんだろうけれども、ここでそれだけではなくて、より医療というか、看護の立場に軸足を置きながら、看護師と医師との間の医療行為がよりできるような人材をつくるべきだろう。
そのときに星先生と違うのは2年コースが主流ということです。2年コースのことに関して言うと、看護に関しては5年間以上現場で勉強しているわけですから、2年コースで行為をするために勉強するのではなくて、そこのベースのところの3Pのことを勉強し、現場でそれに対して両方の間の医療行為をするということが、一番患者さんにとっても医療の質にとっても高まるということだと思います。
認定看護師、専門看護師の役目というのはあると思います。今までずっとやってこられた。そこから特定看護師の専門の領域を狭いところでやるとするのであれば、8カ月コースで3Pをもう少し勉強していただいてやるということもありきであろう。
ところが2年コースを主流とした場合には、年間100人、10年経って1,000人。やはりnというのが問題で、いつもtoo lateと言っているように、今の医療現場ニーズにとっては待ってられないのではないか。そうすると認定看護師さんと専門看護師さん、1万人と600人ぐらいいる方が、それに対して特定行為なり特定医療をやりたい、患者さんに効率的に安全なものをやりたいという人がいれば、そのために8カ月コースというのもあってもいいのではないかという考えです。主流は2年コースです。
○星委員 この話をすると多分まとまりかけたものが全部壊れてしまうので余りやりたくないけれども、これをやらないと前に進めないと思うんです。
大学院でなくてもやれるようにしたとしても、2年コースは全部で4,000何時間。仕事から離れてそういう勉強する人というのはどのくらいいるかわかりませんし、どのくらいの話になるかわからないんです。
多分2年間で目指そうとしているものは、ここで言えるところの行為が全てできる人ということで、切り分けて特定行為ができる人という入口から入った以上、それは突然特定行為ができる人という人の上に、風呂敷を巻いたら空を飛べる人と言っているぐらいの飛躍があるような気がするんです。
入口は特定行為を包括的な指示のもとでできる人というのをつくろうとしている中で、2年間の人でそういうことが何でもかんでもできる人をつくろうというのは、やはり私は論理矛盾というか、入り口と出姿が違うなと思わざるを得ないんです。
最初に言ったフィージビリティの問題もあります。もちろん、今1万人の認定看護師をつくるのに10数年かかっているわけですから、あれだけのところで8カ月コースでさえあれだけの時間がかかって、やっと認知されそれなりの仕事をし始めたところにこの話が出てきたわけです。
私は別に壊そうと思ってこの発言をしているわけではなくて、行為を決めてその行為ができる人ということを想像して今、話を始めているんだから、そこに全般的な勉強をしてその上にOJTを積めばこんなこともあんなこともということを持ち込むのは、私は話としては大変ちぐはぐだなと思います。
そんなこと言っていても始まらないので1つ提案は、看護協会がいみじくもというか、みずからつくった認定看護師制度を解体してとは言いませんが、組みかえて特定行為ができる人たちを育てようということで、認定看護師のコースを少し変えたんですかね。ダブルコースなんですかね、両方とれるのかよくわかりませんが、そのあたりの教育のプロセス、課程などもしっかり違いとかが、出される紙がいつもしょぼいので、もうちょっとがっちりというか中身がわかるようなものを出してもらって、ここでいうところの3Pだ何だみたいな話が、みんなで共通の論点、議論としてできるような、素材としてちょっとたたいてみるということを提案したいです。
私は、この議論、8カ月だ2年だという話をしていると、フィロソフィーの違いであったり、ある種の理解の違いをベースにしているので、埋まるとは思い難いんです。
埋まると思い難い議論をここでまた20回くらいやれば話は別かもしれませんが、もう20回も勘弁してほしいので、何回かでやるとすればここはじっくりというか、ぎっちりやってもらわないと抜けられない細道だと思います。
この細道を抜けるとやっと風景が見えてくるのではないかと思うので、私は創造的に提案します。そういうことをやることによってみんなの理解を深め、周辺の人たちあるいは実践をしている人たち、教育に携わっている人たちにもその違いを同じように、つまり自分の今、教えているところとか働いているところからしか見ていない人たちの議論をみんなが議論できるテーブルに引き上げるために1つの提案ですが、そういう努力をしてもらいたいと思います。
○有賀座長 先にしゃべってしまいますけれども、ここでの議論をするのと同時に、ここにある急性期とか慢性期のそれこそ2年勉強してきた人たちが、どんなふうに今やられているのかを見に行くことは極めて重要だと私は思います。できるはずもないのにという議論があったとして、実は2年のプロセスでここまで来ていると。それがあるからこそ卒業してすぐにこんなこともできるようになったという話を、現に事実として私たちは見に行きたいなと思います。
私は急性期の東京医療センターに今度行く機会がありますので、JNPという名前は気になりますけれども、見に行きたいなと思っております。
英先生に続けて竹股先生どうぞ。
○英委員 本当に8カ月コースと2年コースというのは全く別物だと私も思うんです。8カ月コースというのは実は専門性の高いナースのイメージで、認定看護師や特定、専門看護師さんのイメージをもっと現場的に貢献度が高められる感じかなと。決して現場的に低いと言っているわけではないんですけれども、実は2年コースはジェネラリストのイメージなのです。8カ月のコースは専門性のコースで2年コースはジェネラリストのイメージで、ジェネラリストというのは何なのかというと実はまだ余り日本にジェネラリストというのはなかったのに、今回初めて2年コースがジェネラリストの養成になってくれるんではないかという期待を私は持っています。
ジェネラリストは何かというと、治療的に例えばこんな治療ができる、あんな治療ができるというのは専門的な役割だと思うんですけれども、むしろ非常に文学的な表現で寄り添い性がある人なのではないかなと思うんです。つまり、その病者、障害者にとってさまざまな問題や医療的なトラブルに対して、実にきちんと寄り添っていけて、ちゃんと専門医につなげていくことができる。そういうものは医療と看護の両方の知識を持ってなおかつ生活者に近い存在でいられる人。
ですから、ちょっと8カ月コースを基盤にするのか2年コースを基盤にするかという星先生の御指摘ですけれども、私は特定看護師のイメージはまさにジェネラリストのイメージなので2年コースというのをイメージしながら、各現場を支える専門性の高いナースとして8カ月コースがあるのであって、この議論はあくまでも2年コースが中心になっているのではないかなという理解をしています。
○有賀座長 お隣、どうぞ。
○竹股委員 実は私も今、英先生がおっしゃってくださって逆にとてもよくのみ込めたのですが、この8カ月コースというのはそもそも認定看護師の延長線上ですよね。そうしたときに本当に専門のそこの部分にかなり限局性があるんです。
医学がこれだけ細分化したということは、限りなく深い、医療そのものは限りなく広いという中で必然的に細分化してきた。そのモデルが、私たち看護職もそこに寄り添っていくのに、そこの分野に本当に専門的にかかわれるナースがいることが患者様たちに非常に貢献するということでやってきているんです。
議論しなくてはいけないのは、先ほど井上先生がおっしゃったのは、3Pが2年と8カ月でこんなに差があっていいのかというのはまさにそういうことなんだけれども、この3Pの中身自体が専門的な部分をやるところにかなり深く特化している。
2年間はジェネラルにやるために幅広く3Pの部分を網羅している。内容はかなり違うんだろうなと思うんです。逆に言うとコアは何なのかというコアの部分がはっきりしていて、そのコアにプラス専門の部分とジェネラルの部分が付加されていく単位と理解すると、私は理解しやすいかなと思っております。
○小松委員 先ほどから2年コースのことが話題に出ておりますけれども、英先生がおっしゃった現場のところから生活者に寄り添いというところの部分の話が出てきたわけです。しかし、そのような考え方でこの2年コースがこれまで論議されたということは余りなく、医行為から出発してあくまでもあるわけです。そこを塗り替えてしまうという論議は避けたいと思います。
もし2年間で看護が責任を持って独自でやるならば、学問体系としてこれまで看護が築いてきた急性期看護とか慢性期看護、先生がおっしゃるのはプライマリーケアの中に入るのかもしれませんが、そういう領域を立てずに、これができればあたかもそこに近づくような形でおっしゃられるようなことは、私たちは責任を持っていないわけですから、そこをすりかえないように私はしたいと思っています。
少なくとも2年間のところは領域なしにつくろうという非常に乱暴な形で論議が進んでいるわけですから、そこの部分と置きかえないで今はいたいと思います。私はずっと主張していますけれども、2年間のことを大学院で看護師籍に入れるような能力認証をしていくのであれば、やはり今ある看護学の専門領域ということを無視してはつくれないと思います。
そこをもしも先生がおっしゃるようなものを望むのであれば、もう一回一からやり直していく必要があるのではないかと思います。
もう一つ真田先生がおっしゃった58単位、助産コースでやっていますが、それは助産学という看護の中に学問があって成り立っている大学院での教育です。しかしながら、私はこの項目だけで新しいコースを任せられて、看護学の中でやれとおっしゃるならばそれは無理だと思います。
ですから、看護学の中にこの行為が必要な領域を、きちんと専門領域も全然論議しません、でもおっしゃるようにバラ色のような形で当事者の方に近づいて、ジェネラリストのイメージでOJTでやればいいではないですかというのは、ものすごく安易に私の中では聞こえて、私たちは2年間のコースを担わされるわけですから、そんなに軽々にはオーケーだと私自身、教育の担当者として言えないです。58単位は少なくとも助産学があっての、助産学という深いところで極めていく中での単位であります。
○真田委員 よろしいですか。真田に先に話させてください。
58単位の単位数に関しては学問があろうがなかろうが、時間数として、内容として取れるかとれないかの議論であって、そこまで今ディスカッションする必要は私はないと思います。
最初に小松先生がおっしゃった私はそうは思っておりませんというのは、最初に技術項目ありで話し合ったわけではなくて、私は、プライマリーケアとして社会がどのような特定行為を必要としているかというところから始まっていると思います。
つまり技術項目ありきではなかったと私は思いますけれども。
○星委員 特定行為から入ったんでしょう。
○真田委員 特定領域がなぜ必要か。
○小松委員 領域はないと言っているではないですか。
○真田委員 違いますよ。
○有賀座長 そもそも論はその特定行為の前があるに違いないわけです。
○前原委員 また1回に戻ってしまいましたね。看護学、医学を論議して闘わせると星先生の思うつぼです。そういう混乱は解消しなければいけないと1回目から言っているはずです。
専門看護師さん、認定看護師さんとは違うものですということに関しては私も言っているはずです。それは何なのかというと医療現場が求めているものが違うということです。
覚えていらっしゃらないかもしれませんがここでヒアリングをやりましたよね。認定看護師さん、専門看護師さんをやったけれども、救急、糖尿病かな、あの人たちが言っていることは、今まで習ってきたけれども、3Pという言葉は余り言いません、病態だとか解剖だとかそういう薬理学ということに関しては私たちは余り学んできませんでした、足りなかったと。特に医療現場でやってみて専門的によくやってみると、そういう知識を入れた教育というのを私は受けたいと思った。受けて、そして特定看護師のコースで養成授業をやって、その中で何を言ったかというと、より患者さんのためになるし効率的ないい医療ができる、現場ではそれを求めているんだというものが出発点です。
特定行為というは203項目を選んだときには、小松先生も御存じだと思うけれども、これは大変なことであったんです。今、医療現場で203項目で全部賄うことは絶対にできないです。いろいろなあらゆることがある。だけれども問題になったのは、看護師さんとしてもより医療拡大をしたい、患者さんのためになりたいと言ったときに、グレーゾーンはどうなのか、グレーゾーンを調べるために203項目をやる。そのときにグレーゾーンでもっとこれをやってもらうと患者さんのためになるし、医療の質も上がるだろうということでこれを選んでいた。特定行為がありきではないんです。何もドレーンを入れたりCVPを入れたり、それをさせたいからそういう特定看護師をつくっているわけではなくて、それは医療、医学というものも看護プラス勉強していただいて、より患者さんのためになる人をつくりたいということです。
だからそれが、星先生の言うように認定看護師の拡大でいいではないか、専門看護師の拡大でいいではないかというのはだめなんです。だめと言うとまた反感を買うことになっちゃいますけれども、そういう人たちがより特定看護師の勉強をしたいのであれば、8カ月コースをつくっていてもいいんではないですかというのが私のスタンスです。メインは2年です。それは看護を学ぶだけではない。看護もあるでしょうけれども、それ以外の医療、医学を学ぶことです。
そこで看護に軸足を置いた医療と看護の両方を持った人というのが現場で求められている。在宅でもそうでしょう、救急医療でもそうでしょう、周術期でもそうですよ。ただ何となく集中治療でやっていて、管抜いてどうのこうのというよりも、そのことに関してもう少しプラスアルファとしたものをちゃんとしっかりとした2年間教育のもとにやっていくということです。
それは医療安全です。星先生が言っているように医療安全のために大事だというんだったら、その教育のことに対しては大事なんだということです。それが2年間教育コースの原点です。忘れないでいただきたい。
○星委員 私も原点は忘れていませんので、1回に戻ってまたやってもいいですけれども、そんなことをする時間はないと思っています。現実に2年コースと8カ月コースが求めるものが違うんだというのであれば、違うというところをもう一回議論しなければいけないことだけは確かです。私はそう思います。
フィージビリティがどうかという話と現実に教える内容がどうかとか、目標がどうかみたいな話をすると、いろいろな次元で議論しなければいけないんでしょうけれども、1点。例えば現実に自分のところの病院でそういう技術をしてもらう人をつくろうと思ったときどうなのかということから考えると、2年コースに行ってもらえば確かに役に立つ人ができるかもしれません。8,000幾つの病院に1人ずつそういう人がいればいいかもしれません。それに80年かかるみたいな話になりかねないんです。
ですから私は、特定行為をベースに考えてそれができる看護師さんをつくるためにどうすればいいかという議論をしてきたつもりですし、これからもそういうつもりです。ところがそうではなくて寄り添いだなんだとか、医学モデルを知っているからその人たちを育ててこれからの看護の現場、医療の現場を変えて行くんだという高尚な話だとすれば、そもそもこの特定行為云々みたいな話をする議論はないと思います。本来あるべき姿がどうかという話はわかります。それは将来的にもしかしたらそういう領域、そういう人たちを養成しなければいけないときが来るかもしれません。
しかし、そのことを私たちが議論してきたつもりは、少なくとも私にはありません。この特定行為が安全にできるように、自分が自信を持ってできるように、どきどきしないでできるように看護師さんたちがそういうことをすることによって、チーム医療がよくなっていって、患者さんにとってもプラスになるんだと。そういう危険な行為は何か。その危険な行為を熟知するためにはどんなプログラムが必要なのかなで今、ここにいるわけです。
だとすると、こんな人がいればいいなという話は切り離してもらわないと前に進めないと思います。何しろ看護師の帳簿の裏に書くわけですから、そのときにそんな感じの人ですでは困るわけです。だから特定行為というのを特定して、その行為ができる、どうやったらそれができるということを認めるのかという議論をしているのに、こんな人がいればという話に戻されると出口はありません。
○有賀座長 自説を述べてくださるのはそれはそれで大事なことなんですけれども、事はカリキュラムについての議論をし始めて、ようやくこの手の議論ができる。
なぜかというと、カリキュラムという具体的なテーマに向き合ったときに、このカリキュラムの基本的な考え方は何だろうということをみんな考え始めるわけです。そこでふやふやした人をつくるかどうかという話はカリキュラムの内容と関係するわけですので、漠然とふやふやができてしまうかもしれないということは論理的に私はあると思うんですけれども、カリキュラムそのものについての議論が今、まじめに始まったとしか言いようがないので、前原先生から見ると遅いとおっしゃるかもしれませんし、初めに戻ったとおっしゃるかもしれませんが、そんなことを言ったらチーム医療でこの話は出発しているので、何で看護師さんだけなのかと私が言っている最初の最初でもそうなんですから、そこのところは落ち着いてというわけではないですが、やはり自分の考えとこの話の展開とのシンクロナイゼーションについて少し考えながら発言していただければいいなと思います。
先生、どうぞ。
○神野委員 戻して申し訳ないですが、先ほどの小松先生の意見に全面的に賛成します。もちろん前提条件として医師に関しては私はジェネラリストを養成しなければいけないし、より患者に寄り添う、アドボケイトする医師を養成する必要はある。看護師に関しても同じことは思っていますが、今回の議論は、それを養成するには2年課程の中に例えば直腸内圧の測定とか膀胱内圧の測定の実施なんて要らないではないですか。それは別なものとして、プライマリーの専門ナースは専門ナースとして、別なものとしてきちんと規定するべきものであって、ここでいう医師の包括的な指示のもとで特定医行為ができるナースの規定にはちょっとそぐわないのかなと思う。
実際にこれを受けようかなという方、看護協会の専門看護師の2年間コースは「専門」看護師なんです。ここに来たら一般看護師になる。プライマリーの専門看護師とおっしゃるかもしれないけれども、専門領域を極めたいから2年間頑張って今、専門看護師を受けようという人たちがある一方で、こちらの2年間はアドボケイトする、寄り添う看護師を育てるんですよというのは、ちょっと議論がおかしいと思うし、第1回に戻って恐縮ですが、第1回は最初に203項目でいいんですかという話を何回かさせていただいたことがありましたけれども、そのときにここから始めるんですよというのは皆さんの統一した意見だったし、厚労省側も一般論ではなくて203項目からいくんだという流れが第1回目以降できているのも事実ということも確認させていただきたい。
○井上委員 今回48単位というのが出てきて、これがあたかも何とか像、看護師像みたいなものにだんだんシフトしているのは私も感じていました。ちょっと(資料からは)探し切れないんですが何回目かの会議で、円があって緑色の部分で、看護師の役割の療養の世話と診療の補助の突出したここの部分をこのワーキングではやっているんだというのがあったと思うんです。それをずっとやってきているのに、いざカリキュラムが出てきたら48単位で看護の理論から全部入っているというのはおかしい。もっと切り取って、踏み出す特定行為については何が必要だというエッセンスを出す。カリキュラムは言葉としては入っていないんですが、あたかも大学院教育のカリキュラムで、それこそそうするから看護師像みたいなことになってしまっているので、やはりこれはあるパーツだと思うんです。そこに話を戻して欲しい。寄り添うというのはどこだってそうですし、私はプライマリーケアのスペシャリストというのは必要だと思っています。必要だと思っているけれども、この203項目から80に減らしたものは全然該当しないと思います。
これは、私には高度機能病院の中で縦横無尽に駆け回る人がイメージされるもので、プライマリーならもっともっと生活に根差したことをもっと入れるべきです。これは全領域にまたがるからプライマリーだというすりかえは、私は本当に危険だと思います。
もう一点発言して恐縮ですが、前原先生がおっしゃるような新たなものはあってもいいとは思うんですけれども、それをどうぞつくってください、大学幾つですか、定員何人ですか、専門職大学院かもしれない。でもそれが本当に現実的なんだろうか。10年、15年、30年と大学院教育をやってきた看護系大学協議会、大学院教員がこれに参画しないとスケールメリットとしては効能しないと思うんです。そのときにやはり今の専門看護師あるいは認定看護師の人たちがどうこれに参入できるかという視点を抜きにしては成り立たないと思うんです。
それなのに、いつも社会のためとか医療のためとかニーズだというエビデンスは一体何なんですか。私から言うと外科医のニーズと聞こえてしようがない。本当に失礼とは思いますけれども。
本当に社会の患者のニーズなんだろうか、チューブ抜くのを医師が少ないからナースにやってもらいたいのか。そこら辺はすりかえがいろいろなところで起きていて、今もう48単位というのは本当に驚愕していて、これは看護系大学院教育の危機だと思います。
○前原委員 誤解されていますね。ドレーンを抜いてもらいたいためにつくっているのではないというのは先ほどから言っていますよね。
大学院教育というものに関しても井上先生がよく御存じでしょうけれども、業務試行事業なり養成事業をやろうとしている大学院もあることはありますので、先生のところがマジョリティーということではないと思いますし、医師不足で医師のためにこういうものをつくりたいという考えは最初からあるみたいですが、私はそういうつもりはございません。
境界領域のこと、グレーゾーンのところをよりできるような看護婦さんが必要だというのが今、求められているところだろうと思います。それは全領域に求められているとは思いません。周術期だとか在宅だとか救急だとかというところだと思います。それを全部に広げようとは思っていません。まず、必要なニーズがあるところからやろうということです。全部なければ話にはならない、大学院が崩壊するということは議論のすりかえで、ただ混乱を導いているだけだろうと思います。
○真田委員 話を戻すわけではないんですけれども、203項目はありきではなかったと私は思うんです。その前にワーキンググループがあって203項目自体を挙げて、何のために必要か、どの病態のどういう患者さんに必要かということを私も聞かれましたし、その前提があってここで203項目に絞ってきたようなプロセスがあったと思います。
ですから、先ほどから申し上げているようにこの医行為を一体だれがどのようにできるようにするかという最初の出発点は、私は神野先生がおっしゃることと違っていたということを確認しておきたいと思います。
どういう患者さんに何が必要か。それだから出てきた203項目をここで検討したと私は思っております。
○有賀座長 もう同じことで話があっちいったりこっちいったりしてもしようがありませんので、議論が続いていることを前提に次に行きたいと思います。どうしてもというなら短く言ってください。同じことは言わないでください。
○小松委員 確認だけさせてもらったらありがたいと思います。カリキュラムを検討する上で、出ている資料の2年課程のところのA、B、Cとあるんですけれども、これは前回の5月28日の資料の中では、2年課程に関しては4つ実施状況の一覧が出ていたんですけれども、これはあえて1つ取れてしまっているということですか。
4個出ていて、慢性期のところでくくってあったものは、養成課程のところの試行事業に入ってきているところも項目は余りたくさんは丸がついていなかったんです。
そこをあえて抜いてしまったのか。というのは、今回教育課程を認定していくのでいろいろばらつきや差があるということが現状なので、その現状を反映しながら論議しなくてはいけないので、資料には出ているものを全部出すべきだと私は思います。
○島田看護サービス推進官 5月何日の会議資料か直ぐには申し上げられないのですが、そのときにお示ししていたもう一つの課程は、あくまでもこれは幾つか養成調査試行事業で御参加いただいている課程から例を抽出しているというものになっておりますけれども、その際にお示ししたもう一つの課程につきましては習得を目指す医行為、そもそもそこの養成課程で習得を目指す医行為、今のB1、B2に該当するような行為については1ページ目の●に該当するようなものという範囲ではなくて、むしろ裏面にあるような8カ月の課程とくくれるような範囲でありましたので、今回こちらで提案する内容とは異なるということで例としては挙げておりません。
○小松委員 論議する資料としては、できるだけ幅広くいろいろな課程があったわけですから、出していただける方がありがたいかなと思います。
○有賀座長 事務局にはそういう意見があったということで、片っ端から出すとえらい目に遭いますので、多分一番新しいものを出しているんだと思いますが。
○島田看護サービス推進官 その点でもし整理するとしますと、8カ月の課程のS、U、Tという課程を例として挙げておりますけれども、これにもう一つ並べるという位置づけかと考えております。
○有賀座長 では時間が結構なときに来てしまいました。少し余裕があるかなと思ったら大間違い。資料3というのがあって、意見を募集しましょうという各専門学術団体などの話だと思いますので、これを説明していただけますか。
○島田看護サービス推進官 資料3、このワーキンググループでも以前に御説明を差し上げていると思いますけれども、今、御検討いただいております医行為分類案、教育内容等の基準につきましては、ワーキンググループでの御議論に加え関係学会、関係団体等から御意見をいただくということを考えております。
その寄せられた意見に基づいて、さらにこのワーキンググループでは御議論を続けていただくということを考えております。
2つ目に書いてございますように、関係学会、関係団体から御御意見をいただくに際しまして、募集に関する説明会というのを厚生労働省で開催しようと考えておりまして、日程や場所等はこのように設定しております。
御意見の募集でございますけれども、医行為の分類(案)につきましては現在医行為のA、B、Cに分類された項目につきまして御意見をいただくということを考えております。
教育内容の基準につきましては、今回ごらんいただいておりますような資料に関する御意見をいただくということを考えておりまして、本日さまざま御意見をいただいております点につきましても、整理した上で論点という形で提示をして意見を募集してはどうかと考えております。
御意見につきましては、裏に提出様式の例を出しておりますけれども、具体的にどの部分についてどういった修正の御意見をいただけるのかということを、理由とともにお出しいただくということを考えております。
1か月ほど間を設けまして10月5日の締め切りで電子メールで御意見をお受けするということを考えております。
実際に御意見をいただく内容につきましては、本日のワーキンググループでの御議論を踏まえた修正を加えまして、9月の上旬にホームページに掲載することを予定しております。
その御意見に基づきまして、ワーキンググループではさらに引き続き御議論いただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○有賀座長 今のことで。先生、どうぞ。
○星委員 1の方で、医行為の分類に関してはそれなりの議論をしてきたつもりです。2のカリキュラムといいますか教育の内容、基準について言うと、今回の議論を踏まえて修正した上でということは、あなた方の好きなようにという意味になってしまうのかな。座長が見るということになるのか。ちょっと議論が足りないですよ。我々自身の中にもまだ議論が足りていないものを、あんたどう思うと聞くのは、私は聞かれた方も困ってしまうと思うんです。
これは多分法律を出すとかいうタイミングのことからだめだというのはわかってあえて言いますけれども、前半の話はしてもらって構わないけれども、後半の話はやるならちょっとトーンを変えてやってもらうか、あるいはもう少し議論をしてから改めてやった方が実は近道ではないかなと思います。
ですから、この手の我々の議論をして、例えばそういうどちら側からアプローチするかという話とか、8カ月と2年というのはどう考えるのかみたいなことを整理して、それが調査の対象者にわかるような形にしてから提出しないと、結局ここで今、我々が議論したような話がまた出てくるだけのような気がするので、そこはどうでしょう。これは医政局長の腹の中なんだろうと思いますが、やはり法律の出し加減から言うとこのタイミングなんでしょうか。
○大谷医政局長 どれくらい煮詰まるかという展望にもかかってくるんですけれども、もともと制度の枠組みか先が詰めが先か、詰めがないうちから枠組みは決まらないという議論があって、逆に詰める方は枠組みないし根太なしでそんなに詰められるかとあって、今回大枠は建設的に御議論していただいて一歩前進しました。
そうなると残ったテーマの中で、かなり詰めが簡単というか割合円満にいきそうなものと、1個大きなとげがこちらに残っている。これについて法律とのタイミングで言えば、次の臨時国会で、これだけ法の積み残しがある中で、医療法改正を出せる状況にあるとは常識的には思えないので、狙うのは通常国会に医療法を。関連の項目がこれ以外にもいっぱいあります。これも重要な柱ですから。それを念頭に置いてスケジュールを組んでいくということになる。そうすると、この2年、8カ月の問題を今すぐパブリックに付さなくても時間的な余裕はあると思います。
その上で、ゴールの考え方にはなると思うんですけれども、きれいに整理し切ってやれるのは理想ですが、ある程度理想を目指しながらできるところから段階的に発射していくなど方法論としてはいろいろあるので、理念があるから全部大枠まで壊すかということぜひないように、現実的な議論があればありがたいと思います。
○有賀座長 私も星先生も医科の出身なので、看護師さんたちのカリキュラムの内容について、本当に知っているのは真田先生とか井上先生とかの看護師さんたちが知っているわけですよね。ですから、この部分について意見を聞きたいということがあれば私は意見を聞いてもいいと思うんです。ただ、その意見をどう取り入れるかというのはここでの中の議論になるので、やめろと言われていますけれども、一緒に聞いてしまってもいいのかなという気は私はします。先生が言うみたいに、好き勝手なプロパガンダと情報操作ということがあり得るとすれば、もうちょっと後からということになるんでしょうけれども、虚心坦懐に聞く分には私はいいのではないかなという気がします。
○星委員 これは与える影響はすごく大きいと思うんです。教育現場に対しても非常に大きなメッセージを伝えますので、私は今回はあえて出さない方がむしろ収束が早いんだろうと思います。
先ほどお願いして無視されてしまったんですけれども、大学院教育は置いていただいて、大学院教育の話も別にしていただいていいんですが、8カ月でやっている認定看護師、ある領域をもって目指してきてやっているという人たちが、ここにアダプトするとすればこういうカリキュラムの変更をし、こういう項目を追加したということを非常に細かに皆さんが理解することで、認定看護師と今回のこれはどう違うのかみたいなことも、行為としての認識とプラス教育の認識ということができるようになると、私は出口に近づくような気がするんです。
その上で、2年コースで看護の専門領域を持ってこういうことをやっているんですということも、私もどこまで知っているかと言われればおっしゃるとおり知らないところもありますので、それをわかった上で議論をして、私たちの中でも整理がついて相入れないよねというところでも、同じ相入れないでも理解して相入れないのと、理解が不十分ですれ違っているのとはわけが違うと思うので、そのことがわかってから、その教育の関係者たちにそういう付随した情報も一緒に問うてみるというのは手だと思います。
9月か10月まで医行為の話がかかるとすれば、その間にカリキュラムの話をみっちりと勉強させてくれと言うと申しわけないですけれども、そこはやらせていただくと出口が見えてくる気がします。
○前原委員 私は、資料2の(案)というところの参考1に書いてありますように、大学院教育の課程、8カ月コースということで、このような組み方でやっているんだということに関して、そして次の参考3というところにも、これはそういう星先生のお答えだと思いますけれども、これが理解できていないと言うのならばここでディスカッションしても構わないと思いますが、結論から言うと座長の言うように、やはりこれは聞いた方がいいんではないですか。井上先生のおっしゃるようにエビデンスがないということであるのであれば、どう皆さんが考えてらっしゃるのかということは、このことに関しては聞かれて、それが出てきたところでここでまたディスカッションをすればいいのじゃないか。何もそこは切り分ける必要はないんだろうと思います。
○星委員 1点だけ。要はこのカリキュラムについて興味を持ってくれているのが、大学と一部の既に養成課程を持っているところだけなんです。しかし本来は、私もほかの先生も当初から言っているように、地域でこういう養成課程が持てるようにしたいという思いも一方であるわけですから、自分のところで教育プログラムを持っている病院だとかあるいは、私は看護学校と例を出しましたけれども、そんなところも興味を持ってもらえるようなつくりにしてから、みんなにお知らせをする方が二度手間が省けるという思いもあったので申し上げました。聞いていけないということはないと思いますけれども、私はむしろその方が近道だと思ってそのように発言したし、大谷医政局長もスケジュール的には別に問題がないというのであれば、二度手間になりそうな気はしますが、私は議論を深めたいと思っています。
○有賀座長 やるかやらないかに関しては任せてください。
では、これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
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