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2012年9月7日 第2回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成24年9月7日(金)
9:00~10:30


○場所

如水会館 スターホール(2階)


○出席者

池田、田中、藤井、堀田、村川(敬称略)

○議題

1.介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について
2.その他

○議事

○松岡介護保険データ分析室長 おはようございます。
 もう定刻を過ぎておりますので始めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、「第2回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会を開催いたしたいと思います。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、千葉委員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、私、8月10日付で着任いたしました松岡と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前にお手元の資料について確認をさせていただきます。皆様、お手元の資料をごらんください。
 まず、議事次第がございます。
 次に、資料1として「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等に係る検討の進め方について(案)」がございます。
 資料2は、「消費税の仕組みについて」でございます。
 参考資料1、2、3といたしまして「中医協診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会」のそれぞれ第1回、第2回、第3回の資料を添付させていただいております。
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申付けいただけますようよろしくお願いいたします。
 では、以降の進行を田中委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 おはようございます。朝早くからありがとうございます。
 中医協の方では消費税問題を取り上げて既に3回議論を重ねてきていますが、こちらでも取り上げることになったようです。
 では、議事次第に沿って進めてまいります。
 資料1、資料2について事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、資料1から御説明をさせていただきます。
 資料1「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等に係る検討の進め方について(案)」でございます。
 検討の「目的」といたしましては、今般の社会保障・税の一体改革におきまして、消費税法の一部を改正する等の法律が成立しましたことに伴いまして、今後消費税率の引上げが行われることから、介護保険サービスに係る消費税の取扱い等について検討を行うものです。
 「検討項目」といたしましては、1点目として「介護保険サービスにおける消費税課税の状況把握」を行ってはどうかと考えております。これにつきましては、中医協の方でこれから行われます実態調査を参考に行ってはどうかと考えております。
 この調査結果を踏まえまして検討項目の2番目でございますが「消費税率引上げに対する対応」を検討いただくこととしてはどうかと考えております。また、委員会における検討の経過につきましては、適宜、給付費分科会の方に報告をするということでいかがかと考えております。
 3番目は、「スケジュール」でございます。平成25年度後半とありますが、26年4月に消費税率が8%に引き上げられるということを踏まえますと、仮に介護報酬等において何らかの対応を行うとした場合、システム変更等の準備期間を考慮しますと、遅くとも25年中には結論を得ることが必要ではないかと考えております。
 ここから逆算いたしまして、まず今年度におきましては、介護サービス事業所等の関係団体からヒアリングを行い、消費税負担に関して御意見を伺うこととしてはどうかと考えております。
 また、消費税課税の実態調査につきましては、中医協のこれから行われます調査の内容等を参考としつつ、介護サービス施設や事業所等に対して調査を行ってはどうかと考えております。
 この調査結果を踏まえた上で、来年度の前半に8%引上げへの対応の具体的な検討を進めていただき、夏頃までに議論の中間整理を行うこととしてはどうかと考えております。
 また、例年、介護報酬改定の前々年には介護事業経営概況調査を行っております。これによりまして、各サービスの収支状況等を把握しております。仮に消費税引上げによるコストアップ分を過去の診療報酬と同様、介護報酬において手当てをするということとした場合には、人件費割合や非課税品目等のデータについてはこの調査で取得するということにしてはどうかと考えております。
 なお、検討を進める上では、中医協における議論の動向を踏まえることとしてはどうかと考えております。
 2ページ目は今、御説明を申し上げたスケジュールのポンチ絵でございます。下段の方に、参考といたしまして中医協のスケジュールを載せております。この中医協における検討状況を見ながら、介護についても検討を進めていくということでいかがかと考えております。
 3ページ目は(参考)として、今般の税制改革法の概要でございます。
 「趣旨」といたしまして、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から、消費税の使途の明確化と税率の引上げを行うため、消費税法の一部改正等を行うものであります。
 消費税法の改正は、2段階で施行されることになっております。平成26年4月1日に地方消費税と合わせて8%へ、また、27年10月1日に地方消費税と合わせて10%へ引き上がるものです。
 また、法律の第7条におきまして、消費税率の引上げを踏まえ検討すべき事項として、医療機関等に関しては具体的に検討項目として4点が規定をされております。これを受けまして、中医協の方では現在検討が開始されている状況であります。
 資料1の説明は、以上でございます。
 資料2の「消費税の仕組みについて」、概要を簡単に御説明させていただきます。
 消費税は消費一般に広く公平に課税をする間接税であり、課税対象は国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入ということであります。消費税は平成元年に導入されまして、平成9年に3%から5%に引き上げられております。
 「税収規模」でございますが、消費税の税収は約10兆円でありまして、税収全体の2~3割を占めるということでございます。
 「多段階課税の仕組み」でございます。消費税の特色といたしまして、税が累積しないように製造、卸、小売りといった取引の各段階におきまして各事業者の売上げに課税する一方、課税の重複を回避するため、前の段階で負担した税額を控除する多段階課税の仕組みが採用されております。このため、各段階においてそれぞれの事業者が納税者となりますが、実質的な負担者は最終の消費者ということになります。
 「非課税となる取引」でございます。消費税の性格から課税対象になじまないもの、社会政策的な配慮から課税が適当でない取引については非課税取引とされており、介護保険サービスにつきましては医療、その他の社会福祉事業と同様、社会政策的な配慮から課税が適当でない取引として、福祉用具貸与・購入、住宅改修を除きまして原則非課税扱いとされております。
 2ページ目以降が、消費税法並びに施行令における介護保険サービス部分の関係条文を参考として抜粋をしております。
 簡単ではございますが、資料1、2の説明は以上でございます。
 参考資料につきましては、説明の方は省略をさせていただきます。以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 本日はこれについての議論の第1回ですので、根本的な質問でも、そもそも論でも、逆に非常にテクニカルなことでも何でも結構だと思います。どうぞ、委員の先生方から御意見、御質問があればお願いいたします。
 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 資料1のポンチ絵とおっしゃったスケジュールを見ますと、医療保険と連携をしてと言いますか、既に中医協でも議論が始まっているとのことですので、医療保険の方が先行して進んでいるということでございますが、聞くところによると、かなり中医協ではその議論の方向が見えにくくなっているように聞きます。
 これは、医療保険の議論が介護保険に影響したり、あるいは介護保険が医療保険の議論に影響したりということは、法律上から見ると別のところには書いてあるので、切り離すということは理屈上は可能だろうと思うんですけれども、その辺りはやはり基本は一体のものというふうに考えればよろしいのでしょうか。

○田中委員長 老健課長、お願いします。

○宇都宮老人保健課長 今の御質問ですけれども、確かに制度としては別なのですが、まさに先般の同時改定でもありましたように、医療と介護というのは基本的に一体的なものでもございますし、その整合性というか、片一方はこういう施策を取るけれども、もう片方は全然違うというのも非常に現場に混乱を来す可能性もございます。
 医療の方はもう既に過去に消費税を導入したとき、それから上がったときという経験もしてございますので、そういったノウハウをこちらの方でも参考にしながら整合性を取ってやるのが現場にとってもよろしいのではないかというふうに考えてございます。

○田中委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 初歩的な質問で恐縮ですけれども、介護保険サービスのサービス自身の提供は生産と消費が同時に行われます。前に仕入れはないので、そこのところはどうなるのかということと、ただし、サービス提供に向けてさまざまな施設設備を購入したり、土地を購入したりするということがあって、これはいわゆる一般的な消費税と同じ形になる。
 そこのところの区分けと、幾らぐらいなのかという極めて大雑把な金額みたいなものというのは現段階ではまだ示せませんか。

○宇都宮老人保健課長 金額については現時点では何とも言えないんですが、先般の改定率を出したときに人件費割合が6~7割で物件費が3~4割とか、そういう中で多分、診療報酬とそういう割合も違うと思いますし、また額もかなり変わってくると思うんです。
 そういうことを、今後調査しながら検討していくということではないかと思います。

○池田委員 医療よりは少なくなりますね。

○宇都宮老人保健課長 物件費ははるかに小さいと思います。

○田中委員長 明らかに訪問系と施設系では割合が違うでしょうが、いずれにしろ合計すれば医療より少なくなることは明らかだと見られますね。
 そもそものそういう理解をするための質問でも構わないと思います。理解を共有し、その上で意見というのがいいかもしれません。
 では、どうぞ。

○藤井委員 この消費税の問題について、中医協の議論を完全に理解しているわけではないんですけれども、私が普段、接する経営者の方々と消費税のことを議論すると、まず消費税というのはわかりにくいものですから理解が十分されていない側面があると思うんです。池田先生がまさにおっしゃったように、消費税が5から8に上がると、診療報酬の方々は過去の経験でわかっているんですが、介護報酬だけでやっておられると3%報酬が増えるんだねという短絡した理解をしておられる方がいらっしゃる。
 あるいは、消費税が始まるときに、何だかよくわからないけれども、これは消費税を取るべきじゃないということで非課税の方に回って運動もしたんだけれども、どうも損をしている気がする。だから、今度は課税になるように運動をしているんだというようなニュアンスのことを言われる方がおられます。ですので、広報と言いますか、どういう仕組みでこういうふうなことが計算されるのだという点をきちんとお知らせいただくプロセスが非常に重要じゃないかと思っております。
 それからもう一点、まず、益税・損税が多少は出たとしても介護は、医療ほどの差はでないので私は無視できる範囲だと思います。ただ、個人的な見解だけ述べさせていただくと、益税・損税というものがどうしても出ることではございますので、やはりインボイス制にしてゼロ課税にするなり軽減税率にするべきだと考えます。
 あるいは、そうではなければ他と同様の課税にしない限り、その損税・益税はなくならないと思うんですが、この場はそういうことを議論する場ではないと思いますので、これ以上は控えさせていただきます。
今度5から8、8から10に上がるという前提での損税・益税の話で言いますと、介護保険の場合は先ほどお話がありましたように物件費が3~4割でございまして、その中で恐らく益税・損税が出るもので大きなものと言えば食事の委託といったような限られたものだと思います。ですので、その額も余りないんですが、やはりこの辺りもきちんと御説明いただいた方がいいかと思います。
 と申しますのは、食事の委託の方はわかりやすいんですけれども、政策的にどうかと思いますのが派遣の人件費の問題でございまして、介護職員は派遣は使わない方が恐らくいいだろうと個人的には思うんですが、それでも都市部ですと非常に困っているケースもある。あるいは、看護に関しては訪問看護ステーション等ではどうしてもやはり派遣、あるいは紹介を使わざるを得ない。紹介料も、先日聞きましたら結構な金額を払わないと確保できないという現状があるようでございまして、この派遣の場合の消費税をどうするかという細かなテクニカルな問題はあるんだろうと思うんです。
 細かなテクニカルと申し上げましたのは、ざっとならして平均的に上げるということしかないと思うんですけれども、そうすると消費税を払う形式をやっているところに損税が発生するということなので、今の理屈だけを通しますと、例えば派遣を使わなければいけないような地域と、そうでない地域を別にして計算するとかという考え方がないわけではないと思うんです。
 ですから、この辺りを少し丁寧に技術的な問題を議論していただいて、この場でもちろんそれを議論するにしても事務方の方で御検討いただく必要があるかと思っております。
 以上です。

○田中委員長 ありがとうございます。いずれにしろ、介護事業者の方々は初めての経験になるので、これからも広報をしっかりしていくことは当然ですね。
 それから、技術的な項目として派遣の扱いをどうするかは検討すべきであると言っていただきました。ほかにいかがでしょうか。
 村川委員、お願いします。

○村川委員 今、藤井委員からかなり詳細な論点がございましたが、先ほど御説明いただいた資料2の4番の「非課税となる取引」ということで、主として社会政策的な見地から課税が適当でないという、こういう流れが今後とも重要と私は思っておりますが、そのページの最後に出ております福祉用具の貸与・購入等に関連して、事業者によっては生産、流通、両面やっておられるところもあるし、指定事業者として決められたルールにのっとって貸与・販売をされていると思いますが、この福祉用具あるいは住宅改修が課税対象という現行についてはどんな状況と言いますか、他の分野と同じような形であるのか。どんな展開になっておられるかを教えていただければと思います。

○田中委員長 わかりますか。なぜここだけ課税なのかですが。

○川又振興課長 福祉用具貸与・販売につきましては、介護報酬という形で公定価格が決められているというわけではなくて、事業者ごとに価格を決めているという形で、それを保険では償還する形で9割分が出るということになっております。
 そういう意味では、一般の取引と同じ形で価格の仕入れにかかった税を転嫁することも可能でございますので、そうした形になっているのだろうと思います。

○田中委員長 絶対的に正しいかどうかは別として、一つの理由づけではありますけれども、よろしいですか。
 それでは、堀田委員お願いします。

○堀田委員 1つは単純な質問で、消費税課税の実態調査と書いてあるのは、これはさまざまな現行のほかの調査から切り離してこれだけでまた今年度調査をやろうということなかという確認です。
 それからもう一点は、先ほどの藤井委員の御指摘と重なる部分ですけれども、委託や派遣は人件費ではなく物件費の方に含められている事業者もあり、整理がいろいろなので、この実態の把握に当たっては人件費と整理されている以外のところにも人にかかわるものがいろいろと含まれているということへの留意も必要ではないかと思います。以上です。

○田中委員長 実態調査については、具体的にどのようなプランを考えていらっしゃいますか。お願いします。

○説明者 今年度中を目途に中医協の方で、医療の方はかねてより法律上、高額な投資にかかる部分は別途切り分けて対応を検討ということになっておりまして、そこの部分について医療機関でどのような負担がされているのかという調査をこれから行うと伺っております。
 この状況を見ながら、介護についても同様の調査を行ってはどうかというのが今のところの案でございます。

○田中委員長 中医協の方でも、経営の実態調査や概況調査のように、たくさんの機関に大数の法則でデータを集めるというよりは、対象を選んでそこで深掘りをして詳細に設計した調査を行うというタイプです。
 池田委員、お願いします。

○池田委員 事業者は今、消費税を払っているわけですね。その実態を把握すれば、それに5分の8をかければ大体イメージはつかめる。国税庁はそのデータを持っていますね。これは協力を得られないのか。やはり個々の事業者から聞き取るしかないのか。どちらなのだろうかというのが質問の1点目です。
 2つ目は、現在においても民間営利団体、非営利団体、社会福祉法人も非営利団体なんでしょうけれども、それぞれ税制上の優遇措置が違う。社会福祉法人の非課税がそうですね。もちろん、全く別な問題ではありますが、恐らくその問題については民間営利団体、あるいは医療団体の方から何らかの不満が出てくるではないか。そこのところをこの消費税にかかわる見直しの問題と並行して処理するというのはなかなか難しいと思いますけれども、どういうふうに捉えていくのかということが2つ目の質問です。
 3つ目は、消費税を全面的に課税してしまうという選択肢というのは全くないのかどうか。これは、一考に値するんじゃないかと思うんです。ちょっと医療保険の3割自己負担は高過ぎると思うんですけれども、それでも高額医療費がありますし、介護保険の場合は1割自己負担であって、それを2割自己負担に上げろという議論もあるわけです。そうすると、その1割負担のまま消費税を課税したら、それに近づくでしょう。しかも介護報酬は上がりませんから、財政的にはある程度抑制できるわけです。
 それは方法論の一つとしてあり得るわけで、こんなことを言うと弱者いじめだと必ず批判が飛んでくることは十分承知しておりますけれども、介護保険あるいは医療保険も引っくるめてですが、持続的な制度安定ということを考えるならば、その辺も私はきちんと本当は検討する必要があるんじゃないかと思います。
 3点目は意見ですからお答えいただかなくても結構ですけれども、最初の2点についてお聞かせ願えればありがたいと思います。

○田中委員長 老健課長、お願いします。

○宇都宮老人保健課長 1点目の国税庁の協力ということですが、今そこまで余り考えていなかったんですけれども、恐らく診療報酬側でも何かそういうものが可能かどうかということは考えているかと思いますので、そういったところもちょっと聞きながら可能かどうか検討させていただければと思います。
 それから、2点目については確かにおっしゃるとおりで、その辺の課税、非課税等についての整理ということはある程度した上で検討する必要があるかと思います。
 3点目は答える必要はないとおっしゃいましたが、まさに消費税そのものの話になりますとこの会の所掌外ということでございますので、あくまでも御意見として承ります。

○田中委員長 どうぞ。

○藤井委員 今の池田委員の御意見で、なるほどと思いながら思いついたと言いますか、留意していただきたいことがございます。
 消費税は法人税と違いまして法人格による違いというものはないので、介護報酬イコール非課税という取扱いでそこは違わないと思うんですが、例えば病院であれば差額ベッドを取っておられれば課税事業者となって消費税課税のための会計処理をされておりまして、支払い消費税が幾ら、預かり消費税が幾らという処理をしておりますので、池田委員がおっしゃったように税当局に問い合わせるということが物理的には可能ということだと思うんですが、これが社会福祉法人ですと課税対象が非常に少ないために、免税あるいは簡易課税になっていて消費税の会計上の処理を全くしていないというところも非常に多いと思います。
 会計処理も消費税抜きで会計処理をしますとバランスシート上に預かり消費税、支払い消費税というのが乗ってくることになりますので一目瞭然なんですけれども、社会福祉法人ではまず間違いなく消費税込みで会計処理をしています。
 何が申し上げたいかと言うと、幾ら自分たちが消費税を払っているか。支払い消費税ですね。これが把握する会計処理をやってない。ですから、今回行う調査も診療報酬で過去2回やられたときの調査よりは今、田中先生がおっしゃったような深掘り調査をしないとややこしいことになるということがあろうかと思います。
 これは社会福祉法人に限らず、NPO法人でも消費税にかかわるような扱いが非課税団体なる範囲でしかやっていなければ消費税のことは全然わからないということになると思いますので、社会福祉法人を支えてやるという意味ではなく、ちょっと診療報酬とは違う扱いもその部分はあるかと思いますので、調査の際は御留意いただければと思います。

○田中委員長 アドバイス、ありがとうございました。中医協の作業グループの検討を見て、きっと調査票などをつくっていくのでしょうが、こちらの調査票の設計はどのようにするつもりですか。事務局でつくりますか。それとも、何らかの会計の専門家などの力も借りるようなことになりますか。

○説明者 調査の案、それから調査を行うに当たっての調査票等はこの委員会で検討いただきたいと思っておりますが、その前段階としてどのような形で進めていくかということになりますと、基本的には事務局の方でまず案をつくって、それをお諮りしたいと考えております。

○田中委員長 その調査票は、いずれこの介護事業経営調査委員会でもむというか、最終的に承認する形を取るとの理解でよろしいですね。

○説明者 そのように考えております。

○池田委員 1つ、お願いです。概況調査を来年やられるということで、その問題と絡むんですけれども、前回の介護報酬改定で概況調査と本調査の2つがありまして、本調査の方は速報値で議論しまして、その後、確定値が出ていると思うんですが、たしか確定値を私たちはいただいていませんね。例えば、特別養護老人ホームが9.7%から12%になったでしょうか。それを参考資料として欲しいということがお願いの1つです。
 それからもう一つは、前回は震災を挟んでいるものですから、本調査は震災後だったものだからかなりゆがんでいるところがあって、むしろ概況調査の方がものによってはかなり確度が高いという状況がありましたね。今度の概況調査は、この消費税の問題があるから従来よりも多目にやるのか、従来どおりやるのか。その辺はどういうふうに構想されているのか。それもちょっとお伺いしたいところであります。以上です。

○田中委員長 決まっているかどうかはわかりませんが、もし何かあればお答えください。

○宇都宮老人保健課長 本調査の客体数等について、確かに前回は被災地を除いたものを使ったりしてございますので、それはできるだけ広く、復興しているところもございますから当然そちらも対象になると思いますし、または回収率の問題その他も含めて検討して、どの程度拡大できるのかとか、その辺については今後の検討ということで考えております。
 それから、確定値については一応公表はしているということでございます。こちらの場でお知らせをしていなかったということで、そこは申しわけございません。インターネットでも公表してございますのでご覧下さい。済みません。

○田中委員長 もう一つ、ヒアリングについてはこの会を引き続き秋に開いて、そこに関係団体の方をお呼びして意見をお聞きするということですか。

○宇都宮老人保健課長 今のところ、そのように考えてございます。

○田中委員長 どうぞ、スケジュール感でもいいし、池田委員のようにそもそも税はこうあるべきだという議論でも構わないと思います。
 委員としての個人的な見解ですが、実態調査は概況調査と違って、先ほど藤井委員も言われたように税の制度を理解していないところにばらまいた調査ではほとんど何も出てこないということは明らかです。
 したがって、客体をこちらで指定する。あるいは、もちろん団体の方々の御協力をいただいて指定してきちんとそもそも帳簿がわかるところで、ある程度、調査側が介入と言うと変ですけれども、一緒になって調べられるようなところを、少数代表制を勘案しながら選ぶ。調査票も大切ですけれども、客体を選ぶというプロセスもとても大切になりますので、そこも御留意ください。

○藤井委員 今のお話ですけれども、通常会計処理をしている勘定科目の金額ベースから推計するという方法は、例えば人件費というのは消費税がかからないとか、大まかな推計値にはなるんですけれども、同じ勘定科目の中に、消費税課税のものと非課税のものが処理されていて、しかも、支払消費税額が把握されていないということがあると思うのですね。そうなると、ある程度、規模のある調査というのが大きな推計ができるものとしてあって、それから深掘りするというものがあることになるかと思います。
 それで、深掘りする方がもちろんかなり重要になるんですけれども、そのときに例えば特別養護老人ホームだったらどうかとか、訪問看護ステーションだったらどうかとか、訪問介護事業所だったらどうかとか、特にややこしいのが小さな訪問系の事業所でありますと、いわゆる本部経費というものを乗せている、乗せていないがあるわけですけれども、営利ですと乗せていると思います。
 この本部経費の内訳をみると、消費税が入る、入らないが混在していると思います。これが、一番医療ではない介護だけの特徴かと思いますので、介護の事業の特性という視点で診療報酬と何が違うのかという点を留意しないと、後で不信感が増すような、大体事業者の方はやられた後で気づきますので、最初から言ってくださればいいんですけれども、先ほど田中先生の方からありました、専門家を入れて調査票を考えるところはちょっとしっかりやった方がいいんじゃないかという気がいたします。私もその辺りはよくわからないので、どうぞよろしくお願いします。

○田中委員長 これからもう少しかかって、多分設計するのだと思います。仕入れが年度に発生するものについてはまだ帳簿で取れるのですが、中医協の方でも資産をかつて購入したものについてはそこでは発生せず、減価償却にしか出てこないので、資産の実態を把握する項目を設けます。
 では、どうぞ。

○堀田委員 今のお話と関連しますが、まずこの実態調査は多分、紙になると思いますが、関係団体のヒアリングというとき、これまで事業種別ということが多かったと思うんですが、事業種別に加えて今日もいろいろと御指摘がありましたけれども、法人種別によってそもそも税の処理の仕方が違うということも考慮した上で、事業種別×法人主体別ということも考慮しつつ、そもそもどういう帳簿がつくられていて、どういう処理が行われているかということについて、まず調査票をつくる前のヒアリングの段階でしっかりと捉えられるような対象の選び方をしていただければと思います。

○藤井委員 今のことにかぶせるようですけれども、プラス掛け算で言うと課税されている、消費税がここで言いますと一般の課税か、簡易課税か、全く払っていないかの3つになると思います。この3つによって税の処理の仕方が違うということになると思うんですけれども、堀田委員のおっしゃったように、では社福はどうしているか、株式会社はどうしているかと言いますと、株式会社は非課税しかないケースでも抜いて計算しているようなケースがあったりします。もともと消費税抜き会計になっていますので、法人格掛ける課税団体としてどうなのかというのも入ってくるんじゃないかと思います。
 これもいろいろな法人がさまざまな法人格があるというのが介護だけの特徴だろうと思いますので、全般に中医協でかなりしっかりこれまでやられてきたというものもありますし、しっかり議論されるということがあるので、ベースにかなりできると思うんですけれども、我が方だけで特殊なものは何なんだろうかという洗い出しが、思いついたことばかり言っていて申しわけないんですけれども、私が思いつく程度でそんなことがありますから、多分、専門家に見ていただくといろいろ留意すべき事項はあるんだろうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○田中委員長 毎回、調査については、委員はこういうものはどうだろうと言って、その中から実行できるものを実際に絞っていくしかないのですけれども、思いつきの段階ではいろいろとお伝えした方がいいのでしょうが、全部実行できるかどうかはわかりません。
 村川委員、お願いします。

○村川委員 これはちょっと確認をさせていただきたいのですが、いろいろ今、調査客体をどうするかという論点で、それとはずれてしまうのかもしれませんが、いただいている資料の2の「消費税の仕組みについて」に関連して、2ページから「介護保険サービスに関する消費税の取扱い」ということで既に説明済みで伺っておりますけれども、消費税法第6条の要するに消費税を課さないということがあって、別表があって、その上で施行令があるわけですね。
 それで、この施行令は現行のものと理解いたしますが、これによりますと例えば3ページの一番上の二にあります地域密着型サービスについては、この4月から始まりましたような定期巡回・随時対応型訪問介護看護とか、あるいはまた複合型サービスといった新しいサービス類型も含めて、それが現状においては認められている。
 また、4ページに移ってまいりますと一番上の十二番で、介護保険法の規定に基づく地域支援事業ですね。これらについてもやはり課税対象外だと、そういう理解でよろしいんですか。念のための質問です。

○田中委員長 では、お答えください。

○説明者 委員のおっしゃるとおり、先の法改正で新たに加わりましたサービスもここに書いてございますとおり非課税の扱いということで消費税法、施行令において整理をされております。

○藤井委員 ほかの委員の話を聞いて思いつくことばかりで申しわけないんですが、介護報酬に関してはこちらで計算をしてこれだけ上げるという技術的な話でいいと思うんですが、地域支援事業に関しては市町村保険者が委託をしているという部分になると思います。
 これが、消費税が上がることに反対される一部の方で、結局、下請けは消費税を飲み込まされるんだという話がございまして、消費税が上がったからその分2%上げてと言っても、そんなのは払わないよという親会社が多くございます。
 実は、役所というところはよくそういうことをされるんですね。私は昔、役所の仕事をやっておりまして、ゼロから3、3から5になったときをよく覚えていますが、上げてくださらなかったです。
 ですので、これは地域支援事業ですとどういうふうに上げるべき数字になるのか。非課税ですから、そういうような指針とか考え方ですね。地域支援事業でも訪問型とか、通所型とか、明確なものは訪問とかデイに準じてみたいな言い方ができると思うんですけれども、上げなければだめだよということと、技術的な支援、自治体に対する技術的なことを言うだけになると思うんですが、上げなければいけないんだよということと、おおむねこんなことになるんじゃないかといったようなことはしないと、これは地域支援事業を一生懸命やっている側に損税が発生するということになりかねないと思います。その点も、村川委員のお話から思いつきで申しわけないんですが、よろしくお願いします。

○田中委員長 調査とは別ですが、優越的地位の乱用をするなという御指摘ですね。ありがとうございます。
 私もテクニカルな質問を1つ。補足給付についてはどうなるのでしょうか。補足給付自体が介護保険給付になじむか、なじまないかについては池田委員が昔から言っておられて、もっと上の議論としてあるのですが、仮に介護保険の中に残っていたとすると補足給付に関する消費税はどういう位置付けになるのでしょうか。

○説明者 現段階でのお答えになってしまいますけれども、補足給付について対応をどうするかということは、対応するかどうかの必要性も含めて今後の議論の中で検討をしていただければと考えております。

○田中委員長 そうせざるを得ないですね。食住費の方は課税になりますから。わかりました。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。初回はこのぐらいでよろしゅうございますか。
 では、本日は第1回で議論の端緒として、介護にかかわる消費税はまだまだ世の中どころか、私たちも理解していないところがあります。それを含めて、皆様から質問いただいて事務局から答えを得ました。さらにスケジュールについて、あるいは実態調査の在り方についても貴重な御意見をありがとうございました。
 今後、先ほど事務局から説明があったように関係団体のヒアリングを行い、そして消費税課税の意味のある実態調査をするというスケジュールであります。引き続き、この調査委員会の仕事はあると思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 今後の日程について、事務局から説明をお願いします。

○松岡介護保険データ分析室長 具体的な日程につきましては、決まり次第、御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田中委員長 それでは、本日はこの会はこれで閉会といたします。
 朝早くからお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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