ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会> 有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会(第1回)議事録




2012年7月10日 有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会(第1回) 議事録

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

○日時

平成24年7月10日(火)13:30~15:30


○場所

経済産業省本館地下2階 講堂


○議題

・本検討会について
・検討の進め方について
・有機顔料中に副生するPCBに関する実態把握
・その他

○議事

○実国室長(経済産業省)
定刻となりましたので、ただいまから第1回有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会を開催いたします。この検討会は、厚生労働省、経済産業省、環境省の3省の合同検討会として開催するものです。
 検討員の皆様におかれましては、本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 審議に先立ち、夏季軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止・省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでいるところでございます。これを踏まえまして、事務局は軽装にて対応させていただいております。検討員の方々におかれましても、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、事務局からごあいさつをさせていただきます。初めに、経済産業省、川上審議官よりごあいさつさせていただきます。
○川上審議官(経済産業省)
経済産業省の川上でございます。改めまして、本日はお忙しい中を御参集いただきましてありがとうございます。
 既にお聞き及びの方も多いと思いますが、ことしの2月に、一部の有機顔料が、非意図的に副生されたポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有することを確認した旨の報告が業界団体よりございました。この報告を受けて、国際的な基準であります濃度50ppmを超えるPCBを含有する有機顔料については、製造・輸入及び出荷を停止するように、私ども政府から行政指導を行い、また、その顔料が既に出荷されている場合は、回収の上、適正に保管することを製造事業者に要請いたしました。
 また、ことしの3月から、別途、専門家の先生方にお集まりいただき、副生いたしましたPCBを含有する有機顔料を用いた製品について使用を継続しても問題が生じないか、念のためリスク評価を行っていただきました。その結果、現時点では特に製品回収の必要はないとの評価を得ているところでございます。
 一方で、御承知のとおり有機顔料は印刷インキ、塗料、プラスチック、電子機器など、さまざまな製品に使われております。こうした製品をユーザーや消費者の方々が安全に使用していただくためにも、副生PCBの水準を定めることが必要だと考えております。そこで、この検討会を開催させていただきまして、製造・輸入実態、有機顔料の合成技術、海外の規制動向などを踏まえ、PCBの含有量の水準について先生方に御検討をお願いする次第でございます。先生方には、御専門の観点から忌憚のない御意見を賜りますよう、改めてお願いいたしましてごあいさつにかえさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○実国室長(経済産業省)
 次に、環境省、佐藤環境保健部長よりごあいさつさせていただきます。
○佐藤環境保健部長(環境省)
 環境省環境保健部長の佐藤でございます。初めての方もいらっしゃいますが、どうかよろしくお願いいたします。
 この検討会の開催の趣旨につきましては川上審議官からお話がありましたので、私どもから重ねて申し上げることはいたしませんが、御存知のように、PCBが化審法に基づく第一種特定化学物質であるということ、そして、その法の運用におきましては、当該副生物による環境の汚染を通じて人の健康あるいは動植物の生育・生息に支障を及ぼすおそれがあるかどうかという観点、一方で含有割合が工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減しているかということを厳しく検討する必要があります。とりわけ環境省の立場で申しますと、一般環境中に排出されるおそれが高いということでございますので、大変注視しておりますし、とりわけ廃棄の段階については対応措置が重要なポイントを占めるであろうと思っております。
 いずれにしましても、既に担当レベルでは各事業者に対して、工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減させるように、厳しい姿勢で臨むよう指示したところであります。また、この検討会を通じて、検討員各位におかれましても、この問題について専門の立場から忌憚ない御意見をちょうだいし、今後の対応の参考にしたいと考えております、どうかよろしくお願いいたします。
○実国室長(経済産業省)
続きまして、厚生労働省、平山審議官よりごあいさつさせていただきます。
○平山審議官(厚生労働省)
 厚生労働省審議官の平山でございます。本日はお暑いところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 厚生労働省も、経産省、環境省とともにPCBに対する対策の一端を担っております。主に家庭用品等、身近な製品からの暴露というところで安全対策を立てるということを担当しております。本日の会議の趣旨については既に川上審議官から御紹介したとおりでございますが、厚生労働省としても、顔料中のPCBの低減については、リスクを管理していくという観点から非常に重要な事柄であろうと考えております。皆様方には活発な御議論をいただきまして、よりいい成果が得られますことを祈念しております。
 簡単ではありますが、ごあいさつとさせていただきます。
○実国室長(経済産業省)
 次に、議題に入る前にお手元にお配りした資料について確認させていただきます。
 まず、議事次第。それから、この検討会の検討員の名簿をお配りしているかと思います。そして本日の座席表でございます。以後、資料1、資料2、資料3、資料4、それから、参考資料はクリップどめになっているかと思いますが、この中に参考資料1から参考資料5までとじられております。資料の過不足がございましたらお申し出ください。
 よろしいでしょうか。
 それでは、これより議事に移らせていただきます。本日の全体の議事進行につきましては、御園生検討員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○御園生検討員
 御園生でございます。本日の進行係を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に移らせていただきます。
 まず、議題1の本検討会について、これまでの経緯を含めて事務局より資料1、参考資料3及び参考資料4に沿って御説明をお願いいたします。
○実国室長(経済産業省)
 それでは、資料1、参考資料3、参考資料4を用いて御説明させていただきます。
 本日の検討会には、ことし3月から3省で開始しておりましたPCBのリスク評価の検討会に参加されていない方も半数ほどいらっしゃいますので、一部の方には繰り返しになりますが、参考資料を使いまして、これまでの有機顔料中に副生するPCBに関する経緯等について御説明させていただきたいと思います。
 まず、お手元のクリップどめの中に入っておりますが、参考資料3をごらんください。
 そもそも本件、事実が発覚いたしましたのは平成23年1月、ETAD、国際的な染料・有機顔料製造者生態学毒性学協会から、ある種の顔料が非意図的に生成した微量のPCBを含み得ることを認める旨の報告書を公表しておりました。これを受けまして同年6月に、日本の化成品工業協会は主要な加盟社に取扱有機顔料の分析調査を依頼しました。その結果、同年12月下旬、主要6社が実施した試験分析結果がまとまり、ある種の顔料中に微量のPCBが含まれることが確認されました。
 こういう事実の発覚を受けまして、2.でございますが、ことし2月に化成品工業協会から経済産業省に対して上記主要6社の調査結果について報告がございました。同日以降、厚生労働省、経済産業省、環境省の3省が協会及び事業者からヒアリングを実施いたしました。
 この報告を受けて、報告中、副生するPCB含有量が国際的な基準(50ppm)を超えることが判明した有機顔料を製造・輸入する事業者に対しては、行政から製造等の中止、製造等の場所や出荷先事業者等の報告、出荷先からの回収を指導する文書を発出し、市中に出回らないようにということで行政指導を行いました。
 おめくりいただきまして裏面になりますが、同じく2月13日には、経済産業省より同種の顔料を製造・輸入している事業者及び化審法に基づき製造数量等の届出があった全事業者に対して副生するPCBの有無についての確認を指導する文書を発出いたしました。これについての締め切りは5月10日、それから8月10日と、2段階で設定しております。
 また、同年2月13日には、環境省から都道府県・政令市に対して廃棄物最終処分場からの放流水等におけるPCBの基準超過事例の報告及び有機顔料製造に係る水質汚濁防止法に基づく特定事業場からの排水中のPCB濃度調査の実施を求める文書を発出しております。
 同年同月14日、厚生労働省から化成品工業協会に対して労働者暴露防止の観点から会員企業に対して調査を要請する文書を発出しております。以上のように、本事案の報告を受けて、行政として速やかにこういう行政指導を行ってまいりました。
 同時に、市中に出回っている副生PCB含有製品のリスク評価を念のため行う必要があるということで、本年3月23日、5月15日に「有機顔料中に副生するPCBに関するリスク評価検討会」を開催いたしまして、製品中の暫定リスク評価を取りまとめております。年内を目途に、製品の詳細リスク評価及び環境経由のリスク評価の結果を取りまとめる予定にしております。
 今申し上げましたPCBに関するリスク評価検討会の暫定リスク評価ですが、その次の参考資料4をごらんください。参考資料4に書いておりますのは暫定リスク評価結果及び製品回収措置の必要性についてでございます。
 まず、リスク評価の対象とした製品としては、有機顔料を含有する代表的な製品として印刷インキ、塗料、合成樹脂、繊維、捺染というのはカラープリントのように服の上にプリントするものですが、それを取り上げて、三つの暴露経路、吸入・経皮・経口、それぞれについて一般的なシナリオを設定して暴露評価を行いました。この際、顔料中のPCB濃度につきましては、今のところ行政に報告があった最高濃度である280ppmを適用しております。
 暫定リスク評価に当たって、許容値としては、2.に書いておりますが、吸入は0.34μg/m 、経口・経皮については暫定一日許容摂取量、5μg/kg/日、これは厚生労働省が昭和47年に、まさにPCBの問題が起きたときに通知した数字でございますが、この数字を用いております。また、一日耐用摂取量0.02μg/kg/日、これは海外で、WHOで2003年にまとめた評価文書の中に記載されている摂取量でございます。これらを用いて暫定的なリスク評価を行いました。
 その結果としては、3.にございますが、今回想定した暴露シナリオに基づき、確認された最高の顔料中PCB濃度を用いて算出した最大暴露量でも、国内外でこれまで用いられている許容値と比較すると、許容値を上回るケースは確認されなかったという結論をいただきまして、現時点においては、副生PCBを含有することの報告があった有機顔料を含有する製品について、特に製品回収の措置が必要と判断する積極的な理由は認められなかったとまとめていただいております。なお、今後新たな知見が得られた場合には、改めて検討することとしております。
 後ろをめくっていただきますと、暫定リスク評価の結果で、見方としては、一番右のカラムにあります許容濃度、それから許容摂取量の値と、左側に書かれております最大暴露量、暴露量中央値、それぞれの暴露量を比較していただきまして、暴露量のほうが許容濃度あるいは許容摂取量よりも低いことが御確認いただけるかと思います。今後、これについては、いろいろな係数とかモデルの再検証とかをして、詳細なリスク評価を行うことになっております。
 以上、参考資料3、参考資料4で申し上げた動きを踏まえて、今回、PCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルについて検討会を立ち上げ、御議論いただきたいと思っております。
 それでは、資料1に戻っていただきたいと思います。
 まずこの会の目的でございますが、一部の有機顔料中で非意図的に副生するPCBについて、工業技術的・経済的に低減可能なレベルを検討することを目的とする。
 形式としては、3省の合同検討会として開催する。
 検討内容につきましては、この後、具体的な進め方のところでも御議論いただくことになろうかと思いますが、まず有機顔料中に副生するPCBに関する実態把握、それから工業技術的・経済的に可能な低減化の検証等、そして最後にBATレベルの検討ということを考えております。
 会議とその結果等の取り扱いでございますが、本検討会は、原則として公開で行い。会議資料、議事録は後日公開するという形にさせていただきたいと思っております。ただし、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定な者に不当な益または不利益をもたらすおそれがある場合等は非公開とする。特に、企業秘密に該当する事項を審議する場合は、原則非公開とし、各企業から提出された企業秘密が掲載された資料等は、会議終了後回収する。この場合、参加者は、本検討会を通じて知り得た企業秘密に該当する事項に関して守秘義務を負う。
 また、今後の進め方でございますが、3省は、必要に応じて関係事業者に対し、PCBを非意図的に副生する顔料に関する情報を求め、会議への出席・説明を求める形にしたいと考えております。スケジュールとしては、年内を目途に一部の有機顔料中で非意図的に副生するPCBのBATレベルの評価結果を取りまとめていただきたいと考えております。
 なお、先ほど御紹介させていただきましたが、本検討会の実施に当たっては、「有機顔料中に副生するPCBに関するリスク評価検討会」と十分な連携を図る。必要に応じて本検討会と合同の会合を開催することもあるということで御承知おきいただきたいと思います。また、本検討会の検討結果につきましては、必要に応じて、3省の関連する審議会に報告するというふうにさせていただきたいと思います。
○御園生検討員
どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関して御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、ただいまの御説明のとおり、資料1のように本検討会がスタートするわけですが、本日は関係団体として化成品工業協会に出席していただいております。よろしくお願いします。
 続いて、議題2の検討の進め方について御検討をいただきたいと思います。事務局より資料2に沿って説明をお願いいたします。
○実国室長(経済産業省)
それでは、資料2に沿って御説明させていただきます。
 まず、この検討会で調査・検討する内容について御説明させていただきます。1.の調査・検討内容というところにございます。(1)として有機顔料中に副生するPCBに関する実態把握が必要であると考えております。具体的には、有機顔料の製造方法、製造・輸入量、用途等がございます。また、先ほど御紹介させていただきました、行政のほうで情報を収集する副生PCBの含有量ですが、こちらについてもデータの整理をしたいと思っております。また、PCBに関しては既に海外でいろいろな規制等が行われておりますので、副生PCBに関しても海外の情報、関係する文献などの整理をしたいと考えております。
 このような実態把握を進めた上で、次にPCBの工業技術的、また経済的に可能な低減化の検証ということをやっていただきたいと考えております。具体的には、まずPCBの生成要因の分析・検証が必要かと考えております。また、PCBが副生することが判明した有機顔料の市場の実態や代替に関する検証というのも必要かと考えております。国際的な規制・制度に関する検証、また、有機顔料中に副生するPCBの低減に関する技術の検討、加えて、PCBの分析技術の検証も必要ではないかと考えております。
 これらの検証や検討等を踏まえて、最終的に有機顔料中に副生するPCBのBATレベル、これは工業技術的・経済的に低減可能なレベルですが、の設定と管理のあり方について最後に御議論いただきたいと思っております。
 実態把握を進めるに当たっては関係事業者等から実態を聞く必要があると考えております。そのため、この検討会では、検討を実施する過程で関係事業者からのヒアリングを実施したいと思っております。本日のように、必要に応じて関係団体、関係事業者からの情報提供・質疑応答、オブザーバー出席を求めていきたいと考えております。
 ヒアリングについては、事務局の案では、第1回が終了した後、8月から10月と書いてありますが、早速ヒアリングに取りかかりたいと考えております。
 ヒアリングの対象事業者としては、これまで3省に報告されている分析結果を踏まえまして、副生PCBの含有率が比較的高い事業者や、副生PCBの含有率が比較的低い事業者から、それぞれ代表的な事業者を選定し、順次ヒアリングを行いたいと考えております。選定に当たっては、大企業、中小企業といった企業規模の違いもございますので、そういうものも考慮しながら選択するとともに、製造事業者のみならず輸入事業者も含まれるように配慮して選びたいと考えております。また、その他必要に応じて、追加のヒアリングも行いたいと考えております。
 ヒアリングに当たっては、企業秘密に該当する事項が含まれることから、原則非公開としたいと考えております。各企業から提出された企業秘密が掲載された資料等は、ヒアリング終了後に回収するという形で考えております。
 なお、ヒアリングの人選につきましては、15人全員の方に入っていただくのは日程調整も大変ということもありますので、個別に検討員の方と御相談をさせていただきたいと思っております。
 3.のところは、先ほど御説明いたしましたが、「有機顔料中に副生するPCBに関するリスク評価検討会」との連携も必要に応じて行っていくことにしております。特に、相互の検討会の議論を踏まえて追加的な措置の必要性等について総合的に検討することが必要な場合には、合同で検討会を開催することもあると考えております。
 検討会の進め方(案)の御説明は以上でございます。
○御園生検討員
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、何か御質問等ございますでしょうか。
 どうぞ。
○中杉検討員
 御説明をいただく前にこういうことを言ってしまうと何なんですが、例えば有機顔料の概要、PCBの低減に関する技術を検討していくときに、かなり細かい条件まで教えていただく必要があるのかなという感じがするのです。例えば製造方法でも、加熱してやりますよというときに、どのぐらいのレベルの温度でやるのか、低減するときには、PCBができないようにするには温度を上げるのか下げるのかというのがありますが、その辺のところはどうなんだというところまで、かなり詳細に御説明をいただかないと、なかなか理解できないかなと思いますので、できるだけそういうふうにしていただければということが一つです。これは当然、企業秘密の問題がありますから。
 もう一つは、それに絡んで特許というものがかなりきいてくると思います。ある方法で低減できたとしても、それはある企業しか使えないものなのかというようなことが多分出てくると思います。その辺は、全体にBATのレベルをどうするかということを議論していく上では必要な情報ではないか。ある企業だけができるところにBATのレベルを設定することは適切なのかどうか、リスクの問題がありますから、どうしてもリスクが保てないのであればそうせざるを得ないのですが、そうでないなら、そこはどういうふうに考えるか、いろいろいけると思いますので、そういう意味では、特許があるとある企業だけしかできない、それは特許を持っているのだからそのとおりだよということは論理としてはあり得るかもしれませんが、その辺も、可能であればできるだけ情報を集めていただければと思います。企業秘密として非公開でやるということも含めて、少し議論をさせていただければと思います。
 それからもう一つ、PCBの低減に関する技術の検討のところですが、前処理というのは、PCBが生成するのを抑えてしまうことができれば何の問題もないですね。ところが「除去」ということにするとPCBの濃い部分を除いてしまうということになる。PCBを除いた残滓は当然廃棄物になります。その廃棄物をどう扱うかというのは難しい問題で、今PCB特措法が動いています。ただ、あれは期限を切った法律ですので、PCB特措法で扱うということになると、期限が切れた後は扱えなくなってしまう。その辺のところは、環境省のほうで廃棄物サイドと話をして、どういうふうに扱うのか整理しておいていただく必要があるかと思います。
 以上、とりあえず2点お願いしておきたいと思います。
○御園生検討員
 初めの件は、ヒアリングのときにしっかりやって検討会に出してほしい。最後の廃棄物に関することは、何かありますか。
○?川室長(環境省)
 ありがとうございます。
 PCB廃棄物特措法との関係につきましては、別途、私どもの産業廃棄物の担当と相談を進めております。法律での取り扱いになるのか、運用になるのか、どれぐらいのボリュームで廃棄物が出てくるかなども見ながら勘案しようと思っております。
○実国室長(経済産業省)
 中杉検討員からありました点については、検討員もおっしゃっていましたが、企業秘密等がありますので、むしろ、ヒアリングの中ではこういうことを聞くべきだという点もこの場で御提示いただければ、そういうのを含めてヒアリングの項目を事務局で詰めていきたいと思います。
 それから、公開の場で議論するときの出し方、まとめ方については、また難しいところがございますので、出すに当たっては事務局で整理して、検討員の皆様とも整理させていただきたいと思います。
○御園生検討員
 ありがとうございました。
 ほかにコメント等はございますでしょうか。
 ヒアリングで聞くべき項目は、後ほど事務局が検討員と相談しながら考えていただくということですね。
 ほかに御発言。
 どうぞ。
○有田検討員
 (2)で有機顔料製造工程で副生されるPCBの分析技術の検証となっているのですが、製品で検証するというのはあると思うのですが、製造工程で。
 製品も含めてでしょうけど、検査機関を検証するのか、分析技術ですから、技術そのものもあるのでしょうけれども、例えばJISとか、ISOとか、どういうことを検証と考えているのか、教えていただければと思います。
○実国室長(経済産業省)
 ここで言っております分析技術の検証というのは、分析機関を検証するということではございません。最終的に管理のあり方にも関係するのですが、例えば会社が自社の製品に含まれているPCBの含有量を測定する場合、どういうふうにやるのが一番妥当なのかとか、そういう観点から分析技術を検証していただくということでございます。
○御園生検討員
 ほかに、ございますでしょうか。
 どうぞ。
○奥田検討員
 1点、ヒアリングのこととも関係するので、有機顔料のことについて教えていただきたいのですが、クルードで輸入する、もしくは顔料で輸入されるものと、最初からすべて国内で、化学品の原料からつくられる純国産のものと、どちらが多いのでしょうか。以前のHCBのときは結構海外からの輸入が多かったと思うので、どういう状況にあるのか、教えていただけますか。
○実国室長(経済産業省)
 その点は、この後、化成品工業協会から御説明いただく中で輸入状況等について御説明いただきますので、それをお聞きになってもう一度でよろしいでしょうか。
○御園生検討員
 ということで、よろしくお願いします。
 ほかに御発言。
 どうぞ。
○有田検討員
 今の回答に納得していないので。
 大きなところでしたらモニタリングなどできるのでしょうけれども、小さなところは製造工程で副生されるのをどうやって分析するのか、どうやって検証するのか、わからなかったので、もう少し詳しく教えてください。
○実国室長(経済産業省)
 まさに有田検討員から御指摘いただいた、中小企業とかはどうやって分析するのかというところも、まず、企業が今回どういうふうに分析したのか、どこかに委託したのか、自社でやったのか、どういう手法を使ったのか、実態を踏まえて、これは中小企業でできるのか、大企業でできるのか検証していただくという趣旨でここに掲載しております。
○御園生検討員
 申し上げるように言われていて忘れたのですが、御質問、御意見がある方は名札を立てていただくよう、おくればせながら、よろしくお願いします。
 どうぞ。
○増沢検討員
 (2)の有機顔料中に副生するPCBの低減化の検証等のところで、国際的な規制・制度に関する検証という項目がありますが、具体的にどういう情報について調査されるのか、PCBに限らず副生成物一般に関する規制ないし管理のあり方に関する制度、それからBATというものに関する考え方等について、少し広めに調査をしていただけるとありがたいなと思います。
○実国室長(経済産業省)
 今のところ、事務局としては副生PCBというところにターゲットを絞って国際的な規制・制度を調べて、どういう考えで例えば数字が決まっていたり、管理をしていたりというところを調査し、それを分析した上で検討していただきたいと思っておりまして、余力があれば広くやりたいところではあるのですが、PCB一つとりましても、PCBの製造から、PCBの廃棄物、副生のPCB、いろいろな視点から規制がかかっているものもあれば、かかっていないものもありまして、これだけでも国際的な規制と制度をきちっと集めて検証するのは結構大変かなと思いまして、今回の検討会が有機顔料中に副生するPCBをターゲットにしておりますので、まずはそれにフォーカスした形で調査を進めさせていただければと思っております。
○増沢検討員
 どの程度の分量になるかわかりませんので、私からは何とも申し上げられないのですが、副生成物の話は今回のPCBが初めての例ではないと思いますし、一般的なことがもともと前提になってのPCBの話かと思いますので、検討に必要な範囲でそうした情報についても、できれば広く集めていただければありがたいなと思っております。
○実国室長(経済産業省)
 御意見をいただきましたので、今後、検討したいと思います。
○中杉検討員
 もう一つだけ、先ほど輸入の話がありましたので、この中で検討の対象としてどう考えるかということですが、化審法で第一種特定化学物質のものについては、それを含有している製品についても輸入をとめることになっていますね。今回のPCBは、顔料の中の成分といいますか、不純物ですね。同種の有機顔料を海外でもつくっています。その顔料の輸入については、当然のことながら、どうするという対応が一つあると思うのですが、それを含んだ製品についてどういうふうに考えるのだろうか。それはこの検討会の中で議論する範囲なのか。BATをつくっても、それをほかの国に適用して云々という話ではないので、それはここではない話かなとも思いますが、それはどういうふうに考えておられますか。
○実国室長(経済産業省)
 化審法上は国内の規制ということになりますので、当然のことながら、日本でつくった基準を海外に適用することはできません。一方、輸入するときの基準、国内で基準を定めれば、その基準を超えるものは、例えば化審法の一特違反であるとかいうことになりますし、詳細はこれから検討するのですが、日本だけの規制とはいっても、輸出する側からすると、日本の規制が厳しいことで輸出できないというのはWTOの問題も出てきます。なので、今回検討する際には、そういう視点も失わないように検討しておかないと、国内に入ってくる製品についても適用するということはいいのですが、輸出しようとする国からすると、その基準が異様に厳しくて、非関税障壁ではないですが、そういうふうにとらえられるというような指摘もあり得るかと思います。したがって、そういう視点も忘れないようにしながら、この検討会の中で御議論いただきたいとは思っております。
○御園生検討員
 中杉先生は、顔料を含む製品のことを言われましたね。
○中杉検討員
 顔料を含む製品を輸入禁止という措置をとると、国際的な通念から考えて、よほど厳しいと問題があるから、顔料を含む製品をどうするかというのは別の話ですが、BATレベルが全く無関係に動くわけではないから、それも考えながらというのが実国室長からのお話ですね。全体としてはそういうことも頭に。
 逆に言えば、国際的な通念から考えたときに、厳しくないレベルでやっていくこともあり得る。そういうことも考えた上で議論をしていくということになるということですね。
○御園生検討員
 直接的には扱わないけれども、国際調和は頭に入れておかないといけないということですね。
 ほかに御意見等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。最初にも言いましたが、全部済んだ後で、御発言がありましたら伺うことにしますので。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして議題の3に移りたいと思います。有機顔料中に副生するPCBに関する実態把握について、まず事務局より資料3、続けて化成品工業協会より資料4に沿って御説明をお願いいたします。質疑は後でまとめて行わせていただきます。
○実国室長(経済産業省)
 それでは、事務局から資料3について御説明いたします。
 資料3でございますが、これは先ほど御紹介させていただきました行政3省から事業者に対して副生PCBの含有の有無について調査指示を出した結果の概要でございます。本年2月の化成品工業協会からの報告の中で、0.5ppm超のPCBが検出された23の有機顔料を製造または輸入している事業者に対して、その取扱有機顔料におけるPCBの有無等を分析し、5月10日までに経済産業省、厚生労働省、環境省へ報告するように要請いたしました。この結果の概略ですが、報告事業者数は44社、報告品目は延べ174品目でございます。この結果を下のほうに書いております。
 実は、第一次実態調査で対象とした23種の有機顔料以外にも、塩素系溶剤を使っている、あるいは塩素原子の入った原料を使っているなどの製造工程から判断して、PCBを副生する可能性があると考えられるものについても同様の実態調査を事業者に対して指示しております。その結果は本年8月10日までに報告するように指導しております。
 5月10日に報告があったベースでPCBの濃度別報告数は表2にまとめておりますが、ざっと申し上げますと、174品目のうち、不検出という回答があったのが31です。50超、行政として50を超える場合には製造・輸入、出荷を停止するようにと指導しているレベルですが、これが7ありました。この7は、先ほども申し上げましたが、行政からプレス発表しております。残りの約130強については何らかの形で検出されているという報告がありました。
 この結果につきまして、現在、3省で分析を進めているところであり、次回の会議では詳細な分析結果を報告させていただきたいと考えております。
○御園生検討員
 続いて説明してください。
○化成品工業協会
 化成品工業協会の技術を担当しております森安と申します。よろしくお願いします。
 本日は、有機顔料の製造方法、製造方法といいましても、製造に用いる反応について主に説明をさせていただきます。順番としては、有機顔料について簡単に触れさせていただきまして、有機顔料の製造にかかわる反応について説明する前に、有機顔料の分類と、行政指導の今回の該当顔料の関係について簡単に触れさせていただき、そのほか、出荷状況であるとか、具体的な用途について説明させていただきます。
 2枚目ですが、有機顔料についてという題名になっていますが、黒と白を除く世の中の色のもとになるものと言っていいかと思います。化学構造的には、共役二重結合を有する芳香族系の化合物から成り立っているのが多い。それから、特徴的なのは、水に不溶性もしくは難溶性でありまして、分子が数万から数百万以上結合した微粒子という形で媒質中に分散させた状態で使用される。合成樹脂の着色に使ったり、塗料用のベースになったり、印刷インキなどに使われますので、こういうものが末端に行きましてあらゆる製品の中に入るということになります。
 3ページ目が有機顔料の分類ですが、アゾ顔料とか、フタロシアニンとか書いてありますが、業界では有機顔料ハンドブックという教科書的な本がありまして、その分類に従っております。
 今回の該当の顔料ですが、平成24年2月13日云々と書いてありますが、本日の資料3の表1との関係を示しております。モノアゾイエロー、オレンジ、PYというのはピグメントイエローの略ですが、欄が狭いのでそのように書かせていただいていますが、1種類、それから、ジスアゾ顔料であればピグメントイエロー12からピグメントオレンジ16までの11種類、ピラゾロン顔料であればピグメントオレンジ13、ピグメントレッド38の2種類、それからナフトールAS顔料、ピグメントレッド2以下4種類、それからフタロシアニン顔料、ピグメントグリーン7ほか3種類、それから、ジオキサジン顔料の中でピグメントバイオレット23、それからジケトピロロピロール顔料の中でピグメントレッド254、計23品目が該当しております。
 分類はこのような形で、有機顔料ハンドブックにならったのですが、これから製造にかかわる反応の話をさせていただくのですが、その際、反応というところから見ますとモノアゾとナフトールはくくれますというのが4ページからの説明になります。モノアゾとナフトールASというのが構造中に一つのアゾ基を有するもので、その中で2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸アニライドを部分構造に持つものをナフトールASと呼んでいる。それから、ジスアゾとピラゾロンというのが一つにくくれるかと思います。構造中に二つのアゾ基を有しているのがジスアゾで、構造中にピラゾロン骨格を有しているものを特にピラゾロンと呼んでいるということになります。
 それから、フタロシアニン系については、構造中に四つのイソインドールを有していまして、イソインドールは窒素原子で架橋した形で16員環を形成していまして、金属原子と安定な錯体を形成した形になっています。
 それから、次がジオキサジン系ですが、構造中に二つのオキサジン骨格と、カルバゾールを有しているものをジオキサジン系と言っております。
 それから、ジケトピロロピロール系。これはDPPと略される場合がありますが、構造中にピロール骨格と、ケト基、カルボニルを有しているという特徴がございます。
 このような形で分類いたしまして、製造に用いる主反応について説明させていただきたいと思います。6ページ目になりますが、モノアゾとナフトール。ピグメントレッド2というのを代表で記載させていただきましたが、2,5-ジクロロアニリンを塩酸と亜硝酸ナトリウムでジアゾ化して、ジアゾニウム塩にして、相手のほうに、ここでは2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸アニライドですが、それを持ってきて、いわゆるジアゾカップリングという反応を行いますと、大体アルカリ条件下でやるわけですが、目的のピグメントレッド2ができてくるということになります。
 同じような形で、モノアゾの中のピグメントイエロー165とか、ナフトールAS系のピグメントレッド2とか、そういうものが大体同じような方法ででき上がってまいります。
 次に8ページ目ですが、ピグメントイエロー12というのを代表で挙げさせていただきましたが、3,3’ジクロロベンジジンを先ほどと同じように塩酸、亜硝酸ナトリウムでジアゾ化して、相手のほうの、ここでいえばジケトンタイプのやつを持ってきまして、アルカリ条件下でジアゾカップリングを行いますと、目的のピグメントイエロー12となるということです。
 同じような構造のものが、ピグメントイエロー13、14、17、それからピグメントイエロー55、83、87、ピグメントイエロー124、オレンジの16と続きまして、それから、ジクロロベンジジンではなくてテトラのクロロベンジジンの誘導体になりますが、ピグメントイエロー81、152、それから、先ほど申しましたピラゾロン系骨格を持ったものとしてピグメントオレンジの13と、ピグメントレッドの38というものが挙げられます。
 次はフタロシアニン系ですが、ピグメントグリーン7で示しましたように、ピグメントブルー15を塩素化いたしまして、これが15個以上入ったものをピグメントグリーン7と呼んでいるということです。塩素化は、同系の触媒と塩素を使うと聞いております。
 同じように、ピグメントグリーン36、これは塩素化、臭素化を行いまして、大部分臭素が入ったものをピグメントグリーン36ということになります。
 ではピグメントブルー15はどうなるかというのが次の16ページですが、フタル酸無水物と、塩化第一銅と、ウレアを高温で反応させますと、このような形でピグメントブルー15が導かれます。液相法と固相法があるので、例えばオルトフタロニトリルみたいなものと塩化銅からも同じようなピグメントブルー15が得られます。
 次のページに参ります。ピグメントバイオレット23の例ですが、ジオキサジン系と言われるものですが、クロラニルとN-エチル-3-アミノカルバゾールを反応させてこういう中間体を得まして、これを塩素系の芳香族溶媒で180℃以上のところでリフラックスしますと、ピグメントバイオレット23が得られる。
 次がジケトピロロピロールです。ピグメントレッド254の例を示しましたが、4-クロロベンゾニトリルとコハク酸エステルを反応させて、このような平衡状態にあるような化合物を得まして、ピグメントレッド254が得られるということになります。
 ここまでが主な顔料の主反応ですが、では原料のほうはどうなるかという例が20ページ目になります。2,5-ジクロロアニリンは、パラジクロロベンゼンをニトロ化して還元するとアニリンが得られる。2,4,5-トリクロロアニリンについても同じです。方法は幾つかあろうかと思いますが、16112の化学商品の中にはこのように記載されております。
 次に3,3’ジクロロベンジジンですが、これはオルトクロロニトロベンゼンを緩和な条件で還元いたしまして、このようなヒドラジンの誘導体ができまして、ベンジジン転移が行われ、ベンジジンに導かれる。これも16112の化学商品の中に記載の方法です。
 ここまでが顔料の製造とその原料の製造にかかわるところですが、参考までに、ジアゾニウム塩というのがどのような反応になるか、これは有機化学の教科書をそのまま抜粋してきたのですが、ジアゾニウム塩がありますと、例えばプロトンに置換したいという場合は次亜リン酸を使って反応を行う。それから、塩素を入れたい場合は塩化第一銅を使って。これは有名なサンドマイヤー反応というものらしいですが、クロルを入れる。それから、四フッ化硼素を使えば、シーマン反応とかいう固有名詞がついていますが、フッ素を入れる。塩素と同じように臭化第一銅を使いますとブロムが入る。それから、ヨウ化カリを使ってヨードを入れる。シアン化銅を入れでCNを入れる。それから、簡単に水と書いてありますが、アルカリ条件下でやるとフェノールのようなものも得られます。
 それから、ゴンバーグ・バックマン反応というのも文献で知られていまして、これも同じようなアルカリ条件でこういうビフェニルができる。ジアゾカップリングが目的の顔料をつくる場合はジアゾカップリングという反応を起こすということになります。
 次のページですが、関連する話として、ビフェニルが生成するところの反応を有機化学の教科書より抜粋してみました。クロロベンゼン同士で銅触媒を持ってくると、ウルマンタイプの反応でビフェニルができる。それから、パラジウム系の触媒を持ってくれば還元的にビフェニルができる。ここまでの二つはベンゼン-ベンゼンを結合するのが目的の場合に使う反応かと思われます。
 3番目はちょっと毛色が違うのですが、これはビフェニルをつくるのが目的として使う反応ではなくて、このような反応も知られているということですが、ジクロロベンゼン同士が光で反応してビフェニルができることが知られております。それから、先ほど説明しましたゴンバーグ・バックマン反応。これはビフェニルをつくる目的としても使われるのだろうと思うのですが、収率的にはどんなに頑張っても40%ぐらいという反応であるらしいです。
 PCBが生成するルートとしては、このようなクロロベンジジンからいくルート、それからクロロベンゼンからいくルート、それからゴンバーグ・バックマン反応でいくルートが考えられるかなと思われます。
 ここまでが製造にかかわるところの反応の説明ですが、有機顔料の出荷状況について、化成品工業協会で、2月3日ぐらいだったですか、行政報告とあわせてヒアリングをしたところでまとめたものを紹介させていただきたいと思います。6社から聞いた数字がもとになっております。
 2010年、国内の全体の出荷量が3万トン弱と予測していますが、今回6社さんから集めた数字で、検出されたものすべてを合計しますと6,986トンになります。黄色と青と緑の分布が大体このような形になります。
 国内出荷の2万9,072トンの内訳を見ますと、本当に国内生産分、自分で合成しているもの、もっとも、最後の反応ぐらいしかやっていないと思うのですが、それが8,000トンぐらいで、あとは輸入で、その中でクルード品として輸入するものが1万トン強、顔料の製品として輸入しているものが1万トン弱、大体3万トンぐらいということになろうかと思います。2は、先ほどのグラフを表にしただけです。
 ではクルード品って何ということになろうかと思いますが、簡単に説明させていただきますと、顔料というのは、先ほどもちらっと口頭で申しましたが、性能を決定する要因は、色素分子が数万から100万以上結合した粒子で、それが分散状態で使用される。染料は溶解した分子の状態で使用されている。そこが大きく違うわけですが、粒子の結晶の形とか、粒子の寸法とか、粒子の形とか、そういうところが性能を決定するという前提を理解いただいたところで、クルード品というのはどうかといいますと、合成されたままの顔料だと粒子径が小さ過ぎたり、例えばアゾ顔料などはそうですが、大き過ぎたり、フタロシアニンとかジオキサジンはそうですが、このままでは顔料としての性能が出ないので、これを粉砕したり、結晶を成長させたりということで、顔料化工程と呼ばれますが、それで顔料に導いているということです。
 簡単に模式的に記したのが次の28ページですが、フタロシアニンとかジオキサジンというのはクルード品で輸入して、粉砕といいますか、結晶を調節するような形で顔料にしている。ほかのものにつきましては、合成して、結晶を成長させたりということで。国内で製品化しているものと、製品で輸入しているものと、クルード品で輸入しているものに分かれる。3万トンのうち、国内で生産していると言われるものが1万トン弱ということになります。
 次は、これも本当に参考ですが、過去5年間の出荷数量を2010年の数字から割り出してみますと、検出されているものが、過去5年間で3万5,000トンぐらいは出回ったのかな。顔料全体の出荷数としては15万トン弱ぐらいです。2007年ぐらいがピークで、2009年がリーマンショックの影響を受けてかなり落ち込んで、2010年にちょっと盛り返しているという図になっております。
 最後に用途について簡単に説明させていただきますが、最後の表に行く前に、イメージを持っていただくために、法に規定されている色としては、例えば高圧ガス容器は、炭酸ガスであれば緑、塩素ガスであれば黄色という形で決まっております。写真は水素ボンベの例を示しております。それから、業界の基準などで決められている例として、例えば水道用のポリエチレン管が濃い青色であるとか、電線は、32ページを見ていただくとわかると思いますが、赤とか、青とか、決められた色でずっと使われているということになります。
 最後のページになりますが、印刷インキとして使用されれば、新聞、チラシ、書籍、グラビア印刷に行きますし、塗料であれば、自動車とか、住宅とか、交通標識に行きます。樹脂用でいけば、最近はあらゆるものが樹脂でできていますので、それに使われます。紙にも使われるし、繊維にも使われますし、文房具にも使われるし、電子機器にも使われるということになっております。
 私からの説明は以上でございます。
○御園生検討員
 どうもありがとうございました。
 それでは、資料3、資料4をあわせて質問あるいは御意見がございましたら、お手元のネームプレートを立てて意思を表示してください。よろしくお願いします。
 私から一つだけ、大変おもしろいデータですが、反応というのは、大体有機溶剤を使ってやるのですか。合成反応ですが。
○化成品工業協会
 固相法というのは別だと思いますが、それから、ジアゾニウム塩は会社によってノウハウがあろうかと思いますが、水溶液中が多いですね。
○御園生検討員
 それから、随分顔料の種類が多いのですが、特定の顔料に関しては、各社、大体同じような方法でつくっておられるのでしょうか。
○化成品工業協会
 基本は大体こういうことだろうと思いますが、同じピグメントイエロー何番といっても品番によって全然色が違いますので、各社さん、そういう色合いを出すためにいろいろノウハウがあるのだろうと思っております。
○御園生検討員
 どうぞ。
○中杉検討員
 化成品工業協会さんの資料4の25ページのところで、今回対象としたのが24%という数字になっていますが、これは6社の調査の結果ですよね。2万9,000トンというのは6社以外も含めた全体の量だと思うので、PCBを検出されたという比率でいくと、6社以外の分が幾らか、実際には24をもう少し上回ると考えてよろしいですか。そんなに変わらない。
○化成品工業協会
 実は、ちょっとこれは見方が難しいのですが、まず2万9,072トンというのは、化成品工業協会は有機顔料にかかわるのが20社弱ありまして、そこから集計した数字です。6社の6,970トンというのは、例えばA社さんのピグメント?で0.5以上あったとしても、それはごく限られた品番です。ただ、A社さんで、あるピグメントナンバーでありましたという場合は、全部だめだ、全部該当だと、そこではやや過大評価しております。
○中杉検討員
 同じ考え方で、全20社ですると24を超えるけれども、実態的には超えているか超えていないか、検出されたかどうかというレベルでいくと、その一部であると考えてよろしいということですね。
 24%というのが一人歩きしそうなので。BATを議論するときも、全体の24%が一遍になくなってしまうという話になるのか、この一部であるとすると、かなり少ないという話で、その辺はかなり重要な情報だと思いますので、できれば正確なところを出していただいたほうがよろしいのかなというのが1点です。これは今後の話として。
○化成品工業協会
 私が持てるデータだけでやったものですから。
○中杉検討員
 それから、もう一つお聞きしたいのですが、2ページにいろいろな用途があって、後のほうにも用途が書かれています。この用途とカラーインデックスとの対応関係、このカラーインデックスのものはこういうものに特に使われるというようなものがあるのかどうか。
○化成品工業協会
 ある程度、定性的には言えるらしいのですが。
○中杉検討員
 何を言っているかといいますと、例えば環境汚染という観点でいくと、開放的な用途といいますか、化審法でケース1はどの用途になって、排出係数を幾つに見積もるというふうなことをやっています。環境という観点でいえば、より開放的に使われるものについては、より厳しく抑えていかなければいけないという議論になりますし、室内、家庭用品みたいな形での使い方でも、人に触れる可能性がないものであれば、そこまで神経質にやらなくてもいいという話になる。そこまで細かくやられるかどうかわかりませんが、カラーインデックスの対応がある程度あれば、個別に見ることも可能になるかな。
 一律にばさっとやってしまうとかなり厳しくなってしまうので、そういう情報が得られるのだろうか。1対1でなくても、1対2でもいいのですが、関係があるのかどうかだけお聞きしたかった。
○化成品工業協会
 主なものについては、ある程度は言えるのではないかと思いますが、それは各社さんに聞いてみます。
○中杉検討員
 それから、もう一つだけ、資料3のほうですが、データを出していただいて、数字が出ているのですが、この数字はどういう数字なのか確認しておきたいのですが、平均値なのか、1回はかった数字なのかということと、もう一つは、ロットではかっている例があったら、ロット間のばらつきがどのぐらいあるのかということも見ていく必要があると思います。大きくは変わらないだろうと思いますが、当然のことながらロットで差が出てくるので、具体的にはどのぐらいなのかということも、いちいちはからなければならないので大変だと思いますが、可能であればそういうものも整理をしていただけるとありがたいなと思います。
○実国室長(経済産業省)
 手元に正確なものがないので、確認して御説明したいと思いますが、たしか、1回測定したものとか、複数回の平均値とか、いろいろなパターンがあったやに思います。確認した上で、この場で御紹介したいと思います。
○?川室長(環境省)
 調査結果の詳細な分析については次回に送るということになりましたが、先ほどお話がありました1回の分析であるかどうかということですが、各社さん、自主的に誠意をもってはかっていただいているので、メーカーさんによっては非常に幅のある数値で出していただいているところがあります。イコール、1回の分析ではなく、何度も同じカラーインデックスについて分析をしていただいているところがある。ですので、幅の問題がもし御懸念でしたら、次回の分析においてもそういうところを出そうと思います。
○中杉検討員
 できれば、どのぐらい振れるものか、情報として知っておいたほうがいいと思いますので、お願いいたします。
○有田検討員
 3ページの該当顔料ということで、有機顔料の分類の中で黄色で塗りつぶしてある、その後に、例えばフタロシアニン系でピグメントブルー15ということで、どういう形でPCBが出るものがあるか、それと比較すると、3ページ目のナフトールAS顔料の中のブルーの分が幾ら探してもないのですが、PB25というのはPB15の間違いではないですか。25は別にあるのですか。全部出されているわけではないのですか。
○化成品工業協会
 これはピグメントブラウンですね。「r」が抜けていますね。茶色です。
○有田検討員
 それはわかるのですが、ブルーも出ているんですね。資料ですと生産量も一番多いわけですし。
○化成品工業協会
 ピグメントブルーは生産量が多いです。ただ、0.5ppm超がなかったんですね。
○森田検討員
 わかる範囲内で教えていただきたいのですが、今回の問題は、ある意味ではすごく易しい問題のような気もします。それはどういうことかというと、通常、有機顔料というのは、反応させて、不溶性のものがとれてきて、普通はそれを洗っているだろうと思います。その洗いが不十分なために起こっている可能性が高いか、ひょっとしたら洗わないで製品を出しているケースがあるのかもしれませんが、そのあたりはどんな感触を受けておられますか。
○化成品工業協会
 出来上がったものを洗っているということですか。
○森田検討員
 顔料と、原料系とがミックスしてますから分離しますね。そのときに洗いますよね。
○化成品工業協会
 そのあたりは、各社さん、ノウハウがあろうと思いますので、それはヒアリングになろうかと思いますが。
○中澄検討員
 今の質問ですが、通常はろ過するだけだと思うので、しつこく洗ったりしないと思います。
○森田検討員 
有機合成の研究室は、ろ過した後、洗浄とかいって。
○中澄検討員
 水で洗われる程度で。
○森田検討員
 多分、ジアゾ系のものは水の中で合成させているので、水でろ過した後はそれでおしまいにしている可能性はありますが、有機合成をやった人は、その後、製品を安定させるために、例えば軽くアルコールで洗うとか、実験室でよくやるではないですか。
○中澄検討員
 その辺の何を洗うかというのは、多分各社がノウハウでやっておられるので、それは呼ばれてお聞きになったらわかるかなと思います。
 1点よろしいですか。
 次回呼ばれる予定で、PCBの含有量が高い事業者と低い事業者という区別でございますが、ざくっと見させていただいたら、モノアゾの色素とジスアゾとフタロシアニン、それぞれ発生源が違うかなと思うのですが、この三つの系について高い、低い業者をお呼びになるのか、全体として2社呼ぶだけとされるのか、どう考えておられるのでしょうか。
○実国室長(経済産業省)
 まず、全体で2社ということは想定しておりません。各社さん、つくっている顔料とか検出されたPCBの濃度が異なりますので、まさに今お話にもありましたように、洗浄とか何とかでも取り扱いが異なるところがあると思います。なるべく多くの事業者で、こういう形だねというのがわかるような形で組んでいきたいとは考えております。
○御園生検討員
 先ほどのリスク評価ですと、余り心配しなくてもいいように思えるのですが、もうちょっと際どくなると、中杉検討員ほかがおっしゃっているような、どういう場合にどういうつくり方をしたらどのぐらい出てきたかというのが非常に重要になってくると思うのですが、きょうの御説明では必ずしもわからないように感じました。今後お話しいただくか、ヒアリングで聞いていくということになるのでしょうか。
 例えば、割と高いPCBが見つかったものは特定の顔料であるとか、特有のつくり方をしているとか、これから分析されるのかもしれませんが、因果関係がありそうでしょうか。
○実国室長(経済産業省)
 因果関係のところは、まさにこれからヒアリングの中で検討員の方に実際にお聞きいただいて、事業者からその内容を聞いて検討していただくことになろうかと思います。ただ、これまで50ppm超ということで行政に報告がありました顔料について言いますと、きょうは資料はお出ししていないのですが、赤、ピグメントレッドと呼ばれている種類と、黄色、ピグメントイエローと呼ばれているものです。
 赤系、ピグメントレッドというのは、先ほど化成品工業協会さんから御説明がございましたが、例えば資料4の6ページでいきますと、クロロベンゼンと呼ばれている、ベンゼン環一つに塩素がついているものが出発しているケース、もう一つ、イエローにいきますと、8ページにございますが、原料の中に既に、黒い四角囲いのところを見ていただくと、ベンゼン環がつながっていて塩素がついていて、横に余計なものがついていますが、横についている余計なものを手で隠していただくとPCB骨格になります。なので、少なくとも50ppm超ということできているものについては、もともとPCB骨格みたいなものが原料に入っている可能性がある。それが壊れるかどうかという議論ですが、それから、もともとベンゼン環は一つだけど、何らかの事情で二つにくっついているのではないかというのが50ppm超の世界では少し傾向が見られるかな。ただ、50ppm以下のところでどうかというのは、個別に検証していく必要があろうと思っています。
○白石検討員
 有機顔料の市場の実態とか用途はよくわかったのですが、資料2のところで質問しようと思ったのですが、市場の実態及び代替に関する検証というのがございまして、それぞれのカラーインデックスで現時点で代替が不可みたいな用途が、例えば機能の問題とか、退色、いろいろあると思いますが、そういうものがあるのかどうか、御存知の範囲内で教えていただきたいと思います。
○化成品工業協会
 代替は難しいのではないかと思っています。
○白石検討員
 例えば自動車のブレーキの赤いものは代替不可能だみたいな話があると思うのですが、ここでいえば交通標識とか、ボンベの色とか書いてあるのですが、こういうものに関してはどういう感じでしょう。
○化成品工業協会
 ちょっと色を変えれば、例えばこの色調はあきらめるとか、そういう方法ならとれるかもしれません。ただ、物によっては色をあきらめなければいけないようなものもあるかもしれません。
○岸本検討員
 まさに私もその関連の質問をさせていただこうと思っていて、50ppmを超えたものがこの2月から出荷停止になっている場合に、具体的な影響が出たのかどうか、もしあれば。
○化成品工業協会
 今のところ、川下さんから「困った」というのは来ていないですが。
○岸本検討員
 7品目は代替されたということですか。
○化成品工業協会
 それは。
○岸本検討員
 では、代替はすべてだめだというわけではない。
○化成品工業協会
 ただ、これから出ないかどうかはわからないです。
○有田検討員
 レッドとイエローが中心に出ていることを知りながら、先ほどブルーの関係も聞いてしまったのですが、例えばレッドで温度を少し変えたりすることで色は変わってくるし、PCBが発生するとかしないとかいうことはあるのですね。それは企業秘密というか。
○化成品工業協会
 私も詳しいところは聞いていないです。
○森田検討員
 この問題は、易しくもあり、難しいかもしれないというのが少しあるのですが、一つは、一体どのぐらいのPCBまで問題意識としてとらえるかによって、問題の広がり方が全然違うのですね。実は、PCBは別途、低濃度PCBとか、いろいろな議論がある。PCBの問題の難しいところの一つが、どのぐらいの低いレベルまで考えるのかによって、違った質のステージに行ってしまうことがある。
 比較的高濃度、例えば50ppmを超えるものについては既に行政指導も入られて、ある種の対策をとられていて、それとは別に、比較的低いところまでどう考えるかということがこの課題の一つであるかと思うのですが、そのときに、非常に低いところになると、例えばコンタミネーションによってたまたま起こった、汚染によって外から持ち込まれて起こった、つまり、反応に内在する問題とは別の要素もあり得るし、原料に使われてきたもの、原料をどこまで内製化されているかよくわからないのですが、外から買ってきた原料の中に少し含まれて持ち込まれてしまって、そういうところまで、低いレベルのところはコントロールしなければいけなくなる。
 製造だけを考えるのであれば、とりあえず顔料というのは有機溶媒にも溶けないので、洗うだけで大部分が取り除けるはずなのですが、非常に低いところのコンタミレベルまで議論し始めると、洗う溶剤をどうするのかという問題まで発生するので、そのことについては留意しながら調査プログラムを考えていただいたほうがいいかなと。
 特に、ヒアリングをかけるときには、ともすれば濃い濃度のものをつくられているところにヒアリングがかかるかもしれませんが、実際は、なぜ低いところができたかというのを知っておけば、比較的回答が得られるかなという感じがいたします。
○田中検討員
 ちょっとお伺いしたいのですが、私はPCBに実際に関わったことがないので、構造活性相関とか、よく知らないのですが、2位に官能基があると、2枚のベンゼン環の平面性が保たれずに毒性がほとんど出ないというのが一般的常識だと思うのですが、今回の検討会の中では、毒性の低いものも高いものも一緒にして扱うのかどうか教えていただきたい。
 そういう観点から見ると、化成品業界さんも、2位に塩素基が入っているのばかり提出されて、毒性に気をつけてつくられているのかなと想像できますので、その辺をお聞かせ願えますでしょうか。
○実国室長(経済産業省)
 毒性の高いPCBと低いPCBという点についても、実は今回、副生しているPCBがどういうものかということをちゃんと検証した上で必要な議論はすべきかなと思っております。その意味では、今後行われるヒアリングの中で、そういうところの情報を持っている企業さんには出していただくなりして、議論の素材にしていくべきかなと考えております。
○田中検討員
 それでしたら、できればPCBの毒性を専門に、メカニズム解析等を含めてやられている方も入れていただければ、理論的な対策もできるかと思います。
○実国室長(経済産業省)
 必要に応じてヒアリングすることは可能ですので、検討させていただきたいと思います。
○森田検討員
 今の御発言は非常に軽く受けとめられると思っていて、毒性学の問題というのは相当奥が深くて、2位に塩素があると平面性が失われる、それは確かですが、それだけで毒性が左右されているわけでもありませんし、また、とりあえずPCBの毒性学者を一人呼べば問題がすべて解けるというほど単純なものではないというのは述べておきたいと思います。
○中杉検討員
 今の田中検討員の御意見、ある意味ではそういう御意見があるのだろうなと思いますが、もう一つのリスク評価の検討会に絡む話ですし、実態的には、今の段階でPCBの規制は毒性のことを考えずにやっているので、そこの議論を始めるなら、PCBの規制そのものをどういうふうに考えるかというところに立ち戻って議論を始めないといけないだろう。
 それは別として、ここでは特別に考えるというのはあり得るかもしれませんが、そういう関連が出てきますので、化学物質の世界だけでなくて、水の環境基準とか、PCBの魚の基準、全部絡んできますので、そういうものをどうするのかという別途の議論に発展するだろうな。もしやるとすると、そういうところの議論をちゃんとしなければ。当然、そこには毒性の先生方が入って議論していただかないといけないだろうと思いますが。
○実国室長(経済産業省)
 幾つかの検討員の方からいただいた御意見を踏まえて、慎重に考えて、検討員の方々にも節目節目で御相談させていただきたいと思います。
○御園生検討員
 では、今までの御説明、議論の中で、何か御発言、御質問等がございましたらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 資料1の御説明をいただいたときに、この前に実施されたリスク評価検討会では、今回のPCBの問題はリスクはそれほど高くはなさそうで、慎重な言い方ではありましたが、特段の措置は必要とは認められないとありましたか、そういうふうに理解してとりあえず進めてよろしいですか。
○中杉検討員
 今は厳しい規制をするほどの知見が出てきていないという言い方です。積極的に事業者の方に負担がかかることをやってもらうだけの評価結果は出てきていないということで、暫定的にやったらこういうことになった。
 あくまでも暫定で、詳細をやりましょうということと、環境汚染を通じての暴露ということについては、評価をまだしていないところがありますので、そういう意味では、どうすればいいのかというところが別途残っていると理解をしています。
○御園生検討員
 中杉先生の説明の中でよく理解できなかったところがあるのですが。
○?川室長(環境省)
 参考資料4でお出ししております暫定リスク評価結果と製品回収措置の必要性についてということで、3.に概要が書かれておりますが、今回検討会で御議論いただいた内容は、あくまでも代表的な製品について、想定した暴露シナリオというものでございます。確認された最大濃度を算出した最大暴露量でも、許容値を上回るケースは確認されていないということでございます。
 ただし、あくまでも代表的な製品であること、それから、中杉先生が先ほどおっしゃられました環境リスク、環境に出てくるほうは、今回のBATの検討なども通じまして、どの製品にどの程度含まれていて、それが環境中に、使用中に出てくるのかどうか、あるいは廃棄される段階でどのような環境放出があるかということも踏まえて検討すべしとされておりますので、環境リスク評価の部分が詳細にはまだ終わっておりません。
 それから、4.にありますが、製品回収の措置でございます。既に50ppmを超える製品については、関係業界団体の方々の多大な御協力を得て回収を終わっているところでございます。これ以上の、つまりもう少し低い濃度レベルでの回収が必要かというと、今回の暫定リスク評価の結果では、そういう措置は現時点では必要ないだろうということ、これが結果かと思っております。
○御園生検討員
 特段に問題になる知見が得られない限り、先ほど紹介いただいたリスク評価検討会の許容摂取量、これも随分けたが違うものがあり、暴露量の最大と中央値にもかなり差があるので、そういう点では、しっかりやったほうがいいけれども、慌てなくてもいいだろうという状況だということでしょうか。
○中杉検討員
 もう一つは、化審法の世界でいいますと、第一種特定化学物質についてはリスク評価ではなくてハザード評価です。そういうものは使わない、基本的に禁止してしまうという考え方でやっています。単にリスクがどうだという議論ではなくて。
 ただ、禁止してしまう話ではないので、できる限り低減していただくことが必要だろうということで、どのぐらいまでなら合理的に低減できるだろうかというレベルを検討する検討会だと私は理解していますが。
○御園生検討員
 分かりました。ほかに御発言は。
 どうぞ。
○広瀬検討員
 多分、リスクの暫定の解釈の問題だと思います。
 代表的なデータしか今はなく、代表例のデータだけ、しかも混合物の中で存在するPCBであれば、多分大丈夫だろうという判定だったと思うのですが、それはPCBがどうやってできるかわからない状態で、混合物主体だと思われますが、特定の異性体だけできるメカニズムがもし内在しているとすれば、例えばPCBの分子種で、スペシフィックで毒性の高い異性体だけができるメカニズムが存在するかどうかすら今はわからないので、そのようなメカニズム等が存在するかどうか、この検討会等で検証した後で、もっと詳細なリスク評価が必要になってくるだろうという課題を残しながら、暫定的に、今はいいという評価になっていると思っています。
○御園生検討員
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 ほかに御発言がなければ。
 どうぞ。
○増沢検討員
 お伺いしたいのですが、最終的に副生するPCBのBATレベルを設定する、検討していくということですが、検討の仕方について、BATに関しては技術的・経済的に可能なレベルという文言しか、法律の運用についての記載にはないわけですが、具体的に、技術的・経済的に可能なレベルをどのようなものと考えるのか、もう少しブレークダウンした考え方みたいなものを最初に検討してから、具体的な数値の検討に入っていくのか、どんな手順をとってBATをこの検討会で検討していくのかということについて、お考えがあれば教えていただきたいのですが。
○実国室長(経済産業省)
 まず、工業技術的・経済的に低減可能というと、まさに概念としては非常にふわっとしているものだと思っております。そこに含まれるものはどういうことか、一つ一つ確認していただくというのが(2)で挙げているところでありまして、実際には事業者の方々のヒアリングや、我々のほうで調べた情報等を通じて、外縁等、具体的にこういう構成で検討していくべきではないかというのが出てくるかなと思っております。
○御園生検討員
 ということは、事前に明確にいうことは難しいけれども、最後に報告を出すときにはできるだけ明確にしたいということでしょうか。
 思い出しましたが、昔、顔料でこういう検討があったときに、BATとはどう定義したらいいかという議論がありましたね。
○?川室長(環境省)
 御園生先生に入っていただきました検討会の目次だけ、参考資料5に書いております。参考資料5は目次だけですが、その中に別紙2ということで、化審法における副生する特定化学物質に係る考え方というものが書かれております。特定化学物質の開放系への放出を抑制するために細心の注意を払うことは、化学工業者に課された最低限の義務であり、たとえ、いわゆる不純物であっても、工業技術的・経済的に可能なレベル以上に特定化学物質を含有させているものについては、かかる注意義務を懈怠してまで当該特定化学物質を含むものを製造していると考えられ、本法による規制を行うこととするということを、昭和54年当時書かれております。
 これは二つの意味があって、一つは、先生がおっしゃられた工業技術的・経済的に可能なレベルに関しては明確なクライテリアがまだないので、参考資料1に出させていただきましたように、あくまで法律の運用ということでケース・バイ・ケースで判断してきたものでございます。
 もう一つは、ただし、その資料の中で言っておりますのは、当該事業者が特定化学物質の開放系への放出を抑制するための細心の注意を払うという範囲がどこまでかということかと思われます。一義的には当該事業者の細心の注意の範囲が工業技術的・経済的に可能なレベルなのかどうかということかなと、当時の資料を読みますと思いますが、先ほど御園生先生からおっしゃっていただいたように、検討を進める中で明らかになっていくことかもしれませんし、最初から決めたほうがいいということであれば、そういう審議の仕方をしようかと思います。
○増沢検討員
 今の御説明を聞きまして、今後の検討の中でそういう、クライテリアとまで言えるかどうかわからないけれども、完全にアドホックというものではなく、多少は基本的な考え方をつくって、それに照らして検討していくと理解できるのかなと思いました。ありがとうございます。
○御園生検討員
 恐らく、それは繰り返しここで議論せざるを得なくなるかもしれませんけれども、議論の中で、ある種、相場観みたいなものができてくるものなのでしょうか。随分幅の広いことですね。工業技術的・経済的に可能な範囲をどの辺にするかというのは。リスクとの兼ね合いだと思いますけど。
それを集中して議論できるかどうかわかりませんが、折に触れて議論して、先生の御納得いくような結論にまとまればいいと思います。
 何か、関連して御発言があれば。
○岸本検討員
 今の件ですが、僕も実は賛成で、BATレベルというものを本当は議論したほうがいいと思っていて、というのは、欧州でベスト・アベイラブル・テクニックというのは文献でありますし、アメリカでもクリーン・エア・アクトとかクリーン・ウォーター・アクトで似たような概念が使われているので、そこでどのような形で基準値がつくられているか、ある程度参考にするのが、僕は望ましいと思います。
 もう一つは、先ほどお話の出たHCBのときの議論ですが、私も参加していて、僕の中ではそのときのクライテリアがあるのですが、具体的に言うと企業秘密の話が、コストとかいろいろあって、公開の場ではどこまで説明したらいいか自信がないので、最初にそのあたりも、前回のおさらいでもしてからやったらどうかなというのが提案としてはあります。
○御園生検討員
 何かまとまったものを出していただいて、コンセンサスが得られるかどうかわかりませんが、ある程度共通の認識を持って進んだほうがいいのかもしれませんね。ちょっとお考えいただきたいと思います。
○実国室長(経済産業省)
 複数の検討員の方々から御提案いただきましたので、持ち帰って、事務局で検討させていただきたいと思います。
○御園生検討員
 どうもありがとうございました。私も気になっていたのですが。
 ほかに何か御発言ございましょうか。
 よろしいですか。
 では、予定した議題は以上で終わりました。どうもありがとうございました。
 では、最後に事務局からよろしくお願いします。
○実国室長(経済産業省)
 まず、ヒアリングについては、日程やメンバー等を各検討員の方と御相談しながら、具体的なヒアリングのスケジュールを早急に詰めていきたいと考えております。
 それから、第2回の検討会ですが、今のところヒアリングが終了した後に第2回を開催したいと考えております。いただいた宿題については、タイミングをどうするかを含めて、事務局で検討させていただきたいと思います。
○御園生検討員
 本日はどうもありがとうございました。これできょうの会は終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

連絡先: 電話:03-5253-1111 (内線2424)
FAX:03-3593-8913

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会> 有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会(第1回)議事録

ページの先頭へ戻る