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2009年7月28日 日本年金機構設立委員会

○議事

日本年金機構設立委員会(第11回)議事録
日時:平成21年7月28日(火)16:00~17:45
場所: 厚生労働省17階 専用第18-20会議室
出席委員: 奥田委員長、磯村委員長代理、岩瀬委員、大熊委員、大山委員、岸井委員、
紀陸委員、古賀委員、小嶌委員、長沼委員、野村委員、間瀬委員、水田委員

○奥田委員長 それでは、ただいまから第11回「日本年金機構設立委員会」を開催
いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、お集まりいただきまして誠に
ありがとうございます。
 まず、委員及び事務方の異動につきまして、本日の出欠状況と併せて事務局から報
告をお願いいたします。
○八神大臣官房参事官 7月24日付で江利川委員に代わり水田委員が任命されまし
たので、御紹介させていただきます。水田邦雄委員、厚生労働事務次官でございます。
○水田委員 よろしくどうぞお願いいたします。
○八神大臣官房参事官 次に、事務方の異動でございますが、渡邉年金局長の後任で
榮畑でございます。
○榮畑年金局長 榮畑です。よろしくお願いします。
○八神大臣官房参事官 続きまして、伊奈川年金局総務課長の後任で古都でございま
す。
○古都総務課長 よろしくお願いします。
○八神大臣官房参事官 続きまして、坂野社会保険庁長官の後任で渡邉でございます。
○渡邉社会保険庁長官 年金局長時代もお世話になりましたが、このたび社会保険庁
長官を拝命いたしました。残り5か月余りというところで、新年金機構を含めた新体
制への移行につきまして、引き続き指導をよろしくお願い申し上げます。
○八神大臣官房参事官 続きまして、本日の出欠状況でございますが、山崎委員から
御欠席の旨の御連絡をいただいており、また、大熊委員及び野村委員より所用により
遅れるという御連絡をいただいております。
 本日、御出席の委員数は13名でございますので、定足数は満たしております。
 以上です。
○奥田委員長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題でございますが、御案内のとおり、滞納処分等実施規程及び
中期目標、中期計画、年度計画についてということであります。
 なお、本日は、前回に引き続きまして会議の途中で休憩を挟みまして非公開に切り
替える予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、紀陸委員から報告事項があるということでございますので、お願
いいたします。
○紀陸委員 ありがとうございます。
 お手元の資料の最後の方に「参考資料」がございますので、それを御披見いただき
たいと存じます。
 日本年金機構にふさわしい愛称及びシンボルマークの選考のための設立委員会、大
熊委員、長沼委員、外部有識者として日本グラフィックデザイナー協会副会長の青葉
益輝氏の御協力をいただきまして、去る6月25日に選考委員会を開催いたしました。
 愛称及びシンボルマークの応募状況でございますが、平成21年3月30日~5月2
9日の約2か月間の公募で、愛称につきましては759点、シンボルマークにつきまし
ては562点の多数の応募をいただきました。その中から、日本年金機構にふさわしい
愛称及びシンボルマークについて、それぞれ最優秀作品1点と佳作作品1点を選考い
たしました。
 選考結果でございますが、参考資料の2ページ目にございますように、愛称につき
ましては、多数の御応募をいただきましたけれども、最優秀作品は該当なしとさせて
いただきまして、佳作作品は、愛称というよりもキャッチフレーズといった方がよい
のかもしれませんけれども、愛知県在住の山本さんの「つなGO!」とさせていただ
きました。愛称は、わかりやすくて日本年金機構をイメージできることが重要ですが、
なかなか、これはという作品はなかったということでございます。
 もう一つ、シンボルマークにつきましては、国民の皆様がわかりやすいマークとす
るために、英語をモチーフとしたものを避けまして、特に受給者世代を含め、幅広い
世代の方々に親しみやすいものといたしました。最優秀作品は、この資料にございま
すとおり、年金の「年」の一文字をシンプルにあらわし、日本的であるとともに、文
字を楕円で表現したところが現代的な感覚が感じられる、兵庫県在住の酒井さんの作
品とさせていただきました。
 また、佳作作品は、資料のとおり、太陽をイメージした静岡県在住の浅山さんの作
品とさせていただきました。
 決定したシンボルマークは今後、ホームページ、パンフレット等において、公的年
金制度及び日本年金機構の周知広報に広く活用させていただきたいと存じます。
 以上、御報告まで申し上げさせていただきます。
○奥田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。最初に滞納処分等実施規程につき
まして、事務局から御説明をお願いいたします。
○説明者 それでは、御説明させていただきます。社会保険庁適用・徴収対策室の坂
東でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 滞納処分等実施規程については、資料1と資料2がございます。資料2が規程の本
文案でございますが、資料1をもって説明させていただきたいと思います。
 まず、1ページめくっていただきまして「滞納処分等実施規程について」でござい
ます。権力的な性格を有する滞納処分について、行政機関ではない日本年金機構に行
わせるに当たりまして、当該業務の公正性、客観性を担保するための措置並びに行政
機関の監督体制を確保するための措置の1つとして、機構は「滞納処分等実施規程」
を定め、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、当該規程に従って滞納処分を行うも
のとされておるところでございます。
 「滞納処分等実施規程に記載する事項」につきましては、法律上「差押えを行う時
期、差押えに係る財産の選定方法その他の滞納処分等の公正かつ確実な実施を確保す
るために必要なものとして厚生労働省令で定める事項」を記載することとなっており
ます。
 具体的には、以下の個々の事項、滞納処分等の実施体制、滞納処分等の認可申請、
滞納処分等の実施時期、財産の調査、差押えを行う時期、差押財産の選定、財産の換
価、納付及び換価の猶予、その他滞納処分等の公正かつ確実な実施を確保するために
必要な事項とされておるところでございます。
 ページをめくっていただきます。「滞納処分等実施規程の構成」の具体的な案でご
ざいますが、全5章31条より構成する予定をしております。第1章に総則、第2章
で滞納処分等、第3章で納付の猶予、換価の猶予及び滞納処分の停止、第4章で厚生
労働大臣による権限の行使、第5章で雑則、そして附則ということになります。
 中身の説明にまいります。まず、1番目として、滞納処分等の実施体制でございま
す。滞納処分自体は、現在、社会保険庁が行うものと変わりませんが、一番大きく変
わりますところは、機構が行う滞納処分等については、厚生労働大臣の認可を受けて
理事長が任命する職員が行わなければならないことになっております。現在、社会保
険事務所長の指揮を受けて、権限を持った職員が行うというところが大きく変わって
おるところでございます。
 2番目に、滞納処分等の認可申請、具体的な話でございますが、機構は、国税滞納
処分の例による処分に関する要件を満たす保険料について、毎月一定時期を定めて、
厚生労働大臣に対して滞納処分等の認可申請をしなければならないことになってお
ります。通常分はこういう形にさせていただいております。
 ただ、緊急分というものがございまして、例えば、厚生年金の繰上徴収の要件を満
たす場合等でございますが、その場合には、下の方になりますけれども、速やかに厚
生労働大臣に対して滞納処分等の認可申請をしなければならないことになっており
ます。
 なお、具体的な手順については、今後詰めさせていただきたいと考えております。
 以下、滞納処分の具体的な流れになります。現状の社会保険庁がやっておるところ
と変わりません。
 主なところだけかいつまんで説明させていただきますと、?財産の調査ということ
で、文書照会にとどまることなく、できる限り調査先に赴いて、深度ある調査を行わ
なければならないというふうに定めさせていただいております。
 また、次のページになりますが、?差押えを行う時期においては、督促状とは別に
財産を差し押さえる旨を事前に通知、または納付の履行の確認をしなければならない
というふうにさせていただいております。
 次の?差押財産の選定については、第三者の利権を害することが少ない財産である
こと等の事項を挙げさせていただいております。
 ?財産の換価につきましては、差押財産の換価が滞納者の権利及び利益に法律上及
び事実上の重大な影響を及ぼすことから、滞納者の個々の実情を踏まえた上で対象事
案を適切に選定する等を定めさせていただいております。
 ?納付及び換価の猶予につきましては、まず納付の猶予について、災害等、保険料
の納付を困難にする一定の事由が生じたときに適正に行うことにさせていただいて
おります。
 また、換価の猶予につきましては、財産を直ちに換価することにより滞納者の事業
の継続または生活の維持を困難にする恐れがある場合、または、その執行を一定期間
猶予する方が徴収上有利と認められる場合などに、適正に実施することにさせていた
だいております。
 最後に?滞納処分の執行停止でございますが、滞納処分を執行することができる財
産がない場合等について、適正に執行することにさせていただいております。
 ページをめくっていただきまして、次のページになりますけれども、徴収の流れを
図で示させていただいております。最初に申し上げましたとおり、認可以外の部分に
つきましては、現状と大差ございません。
 説明は以上とさせていただきます。
○奥田委員長 資料2はいいわけですか。
○説明者 資料2は条文逐条ですので、お時間かかりますので、今ので概要というこ
とで割愛させていただきたいと思います。
○奥田委員長 それでは、ただいまの説明に対して、御意見、御質問がございました
ら、御発言をお願いいたします。
 どうぞ。
○磯村委員長代理 この滞納処分規程、今までからあります国税徴収の例にならった
規程をもうちょっと機構向けにきちんと整理をしようと、こういうことだろうと思う
んですが、そんなことでよろしいんですか。
○説明者 はい。機構に変わりましても国税徴収滞納の例によってということについ
ては変わりはないというふうに書かれております。
○磯村委員長代理 規程をきちんと整備しようということ自体は非常に結構なこと
でありまして、異議を申し挟む余地はないんですが、ただ、こういう規程がきちんと
整備されればされるほど、現場が困るという部分についての弾力的な対応というのを
並行してお考えになっておかなければいけないんではないかなというところを一言
申し上げたいと思います。
 それは、御存じのように、社会保険料と国税とは、次の2つの事務的な点で相違が
あるように思います。
 1つは、社会保険料は毎月払い、国税は年に一遍です。したがって、零細・中小企
業が、夏枯れはあって利益、売上げは出ないけれども、秋口、冬場になったら取り戻
せるという場合であっても、月々の滞納が夏から秋にかけて発生をするわけです。そ
ういう部分が国税とは違うところ。これがまず1つ。
 2つ目に、国税というのは利益がない限り発生はいたしませんけれども、社会保険
料は利益の有無にかかわりなく発生するところが違うところだろうと私は認識して
おります。
 この2つの違いを頭に置いて、国税徴収の例によるということでやっていらっしゃ
る。これは長年の慣行なので、ある程度いた仕方ないところもあるんでしょうが、ま
ず、現行の中小企業からの滞納が年々ストックベースで12~13万事業所が常時ある
という状況に照らせば、この辺は何か弾力的な措置が考えられるのだろうかというふ
うに思うわけであります。ここがまず第1。
 2つ目に、昭和60年の法改正によりまして全法人の強制適用となった結果、社会
保険料の負担能力の有無にかかわらず社会保険に加入しなければならない、かつ加入
したら中休みはできない、滞納があっても脱退はできないというのが現行法の枠内の
取扱いでございます。これが基になって例の標準報酬等の遡及訂正というのが横行し
たと私は理解しております。ここのところを考えずに規程をきちんと整備していく、
これ自体は非常に結構なことなんですが、これを整備するなら、同時並行して、そう
いった部分が今後出てこなくて済むようなことも考えるべきではないのかなと、こん
なふうに思うわけであります。その辺、もし今後の問題として何かお考えがおありだ
ったらお聞かせいただきたいと、こんなふうに思います。
 以上です。
○説明者 私、実はこの7月10日をもちまして国税庁から赴任してまいりました。
国税との違いというお話がございました。国税は利益が上がったところというお話が
あったんでございますが、国税につきましても、例えば、源泉所得税や消費税の中間
申告というところにつきましては、利益が上がらなくても、企業によっては毎月、場
合によっては年数回あるということで、年金とそれほど大差があるというふうには、
私自身は認識しておりません。
 ただ、2つ目の御質問と併せてのところでございますが、現場におきましては、い
わゆる事業主さん等々の実情をよくよく聴取したところで、弾力的に対応していくと
いうことは現在もやっておりますし、今後も変わりがないのではないかと考えており
ます。
○奥田委員長 よろしゅうございますか。
○磯村委員長代理 これは実は年金制度の枠組みの問題なんですね。できれば年金局
サイドからお聞かせいただけると大変ありがたいと思うんです。
○奥田委員長 どうぞ。
○八神大臣官房参事官 失礼いたしました。それでは、制度の面からお話ということ
で、実は、現場の実務の円滑な実施という観点について、この設立委員会、あるいは
懇談会でも、この5月に御議論をいただいたところで、そのときにも申し上げました
けれども、現場実務の円滑な実施という観点を含めて、今後、社会保障審議会の年金
部会、制度を議論するところでございますが、そこにおきましても、制度設計面での
総合的な検討を行っていただくことにしていきたいと思ってございます。
 今、磯村委員長代理からお話のありました昭和60年の改正におきまして、5人未
満の事業所への適用のお話がございました。ただ、私どもの考えといたしましては、
基本的には賃金によって生計を営む方につきましては、できるだけ被用者年金を適用
することが望ましい、そういう流れの下にずっときてございます。歴史的にそういう
ことで適用の拡大を図ってきてございます。
 御指摘のように、負担能力の乏しい中小企業につきまして、厚生年金の適用をしな
いというようなことは、こうした企業で働く方々にとって、老後の所得保障が不十分
になるんではないかといった声がございます。
 また、社会保障国民会議などでも、基本的には、賃金で生計を営む被用者の方には、
できる限り厚生年金を適用する、老後生活の安定を図るべきだという御意見をいただ
いています。こういう考えの下にずっとやってきてございます。そういう意味では慎
重に検討する必要があると思ってございます。
 ただ、最初に申し上げた結論のように、今後、社会保障審議会の年金部会におきま
しても、こういう現場の実務を踏まえた検討をしていただくことにしてございます。
 また、この5月26日に年金部会が開かれましたときにも、設立委員会で提出をさ
せていただいた資料を出させていただいて、現場実務を踏まえた制度の考え方といっ
たことについて、5人未満の話も御紹介しながら、問題提起という形を取らせていた
だいて、もう既にそういうことを始めてございますので、よろしく御理解をいただけ
ればと思っております。
○奥田委員長 どうぞ。
○磯村委員長代理 珍しく前向きになるような雰囲気のお話を伺えて大変ありがた
いと思っております。是非、一刻も早く、今、滞納で困っている現場の皆さんの御苦
労を何とか少しでも少なくするような方法が考えられると非常にいいかなと思うん
です。これが遅れれば遅れるほど、片や規程の方はきっちり決まった、かつ従来のよ
うな年金記録の遡及訂正という一種の滞納を減らす便法がもうほとんどできないわ
けです。となると、機構に移った現場の徴収関係の皆さんが一番困るわけなんです。
したがって、規程はきっちりする、これは結構である。しかし、片一方が追いついて
いかないと、変な話ですが、滞納率はどんどん増えていきます。増えていったら業務
改善命令が厚生労働省から理事長に出てしまうようなことのないように、ひとつ是非、
そこら辺はよろしくお願いしたいなと思います。
 以上です。
○奥田委員長 あとはございませんか。
 どうぞ。
○長沼委員 私も、国税徴収法の例によるということで、基本的な流れは変わらない
ということで理解する。6ページの参考のフローチャートのところで、納期限があっ
て、最終的に捜索・差押えというのは、どのぐらいの時間の流れで到達するものなの
か。一般的な、スタンダードな例でいいんですけれども、納期限があって、その次の
毎月末というところが仮に7月末、ですから、6月分の保険料だとすると、督促のと
ころが翌月10日ごろというんで、8月10日ごろ。その次の翌月20日ごろというの
は、8月20日ごろか、9月20日ごろか、ちょっとよくわからないんですけれども、
スタンダードな流れでいくと、捜索・差押えまでいくのがどの程度の期間を要するの
か。
 併せて、現状と基本的に変わらないということなんですけれども、現在、社会保険
事務所では、年間どの程度の捜索・差押えを平均的に行っているのか。まず、その2
点について教えていただきたい。
○奥田委員長 どうぞ。
○事務局 お答え申し上げます。督促の指定期限を過ぎましてから、実際に財産調査、
差押えを行うというところにつきましては、具体的には事業主の方々の御事情をよく
伺いながら、相談をしながら行っておりますので、平均的に何か月くらいの割合で捜
索・差押えに入るかということは、個々のケースによりますので、具体的にこのぐら
いのスパンでということでお示しすることは困難でございます。
 2点目でございますが、捜索件数については、正確な数字は把握しておりませんけ
れども、差押えにつきましては、平成19年度の実績で約1万2,000件でございます。
 以上でございます。
○奥田委員長 どうもありがとうございました。どうぞ。
○長沼委員 重ねてで恐縮なんですけれども、例えば、今、申し上げた毎月末のとこ
ろが7月末だと、翌月が8月10日ごろ、(6ページの参考のフローチャートに記載さ
れている)その次の翌月というのは8月20日ごろになるのか、それとも9月20日ご
ろになるのか。いろいろ事業主との話し合いで、なかなか標準的な例はないというこ
とですが、それでも、あえてどの程度の期間で捜索・差押えまで至っているのか。例
えば、直近の事例で一つ・二つこういう事案については、このぐらいの期間でやりま
したという事例について教えていただければと思います。
 いずれにしても、厚生年金保険の場合については、(被保険者から保険料を天引き
しておいて、事業主がその保険料を)ずっと滞納して、結局、滞納したままであった
としても、基本的にその被保険者については、納付したとみなして将来の年金給付に
結びつくと理解している。納付しなかったことに対応する年金給付がないのであれば
ともかくも、滞納のままで納付しなくても、納付したとみなし給付するという関係が
ある。それが長くなればなるほど、保険料を納めていないけれども、将来の年金給付
に反映させなければならないという保険者としては悩ましい事案となってくる。いず
れにしても、差押えをやったからといって、実際にどの程度換価できるかというのは、
また別次元の問題だと思う。市の方でも、差押え・捜索を行っても、必ずしも、滞納
額にみあうだけの換価できるようなものがない方もいらっしゃる。そうすると、その
分が収納できないことになってしまう。しかしながら、厚生年金保険の場合は、収納
できなくても、先ほど述べたとおり、適用している限りは、将来の年金給付に結びつ
くということになると、ただ単に収納できないだけではすまないものがあると思う。
ですから、最近の事例で、滞納している期間が、こういうような期間で捜索・差押え
を行っているということについて教えていただきたい。
 平成19年度で1万2,000件捜索・差押えを行ったということですが、日本全体で
マクロになってしまうと逆にわかりにくいところがある。例えば、川越なら川越の社
会保険事務所ではこのぐらいの差押えの件数があって、このぐらいの金額が換価でき
たというように、1つの社会保険事務所で具体的な件数、具体的な換価の金額等につ
いて教えていただければと思います。
○奥田委員長 どうぞ。
○事務局 委員の御要望にできるだけ沿う形で御説明したいと思うんですが、個々の
事例という御要望でございましたけれども、個々の事例として持ち合わせておりませ
んが、できるだけスケジュール感が御理解できるような形で御説明したいと思います。
 例えば、7月分の保険料でございますと、8月末日が納期限という形になりまして、
納期限を過ぎまして納付されていない保険料につきまして、おおむね9月10日ごろ
に督促状を送るという目安になります。督促状の送付日から10日を経過したころに
督促状の指定期限を設けますので、10日に送ったとしますと、20日過ぎごろに督促
の指定期限を設置いたします。
 その督促の指定期限を過ぎて納付がされないものにつきまして、滞納処分を実際に
行うことができますが、私どもとして、初めて督促の指定期限を過ぎて滞納となった
ものについて、先ほど御説明しましたが、事業主の方に御事情を伺うという形にはな
りますけれども、いたずらに滞納となった期間を放置するわけにはいきませんので、
おおむね3か月以内で納付を解消するように手続をする通知を平成19年4月に出し
ておりますので、先ほどの7月の保険料の事例で申しますと、9月20日を過ぎて納
まらない保険料について、10月、11月をめどに、事業主の方に納付督励を繰り返し
ながら、納付がされない方については、引き続き財産調査を行いながら、差し押さえ
るべき財産がございましたら、差押えを予告した後に、納付にならないものについて
差押えをしていく。そして、なおも納付されないものについては、その差し押さえた
財産を換価して保険料に当てるといった流れになるかと思います。
 個々の具体的な事例は今、持ち合わせておりませんので、あらあらな御説明で申し
訳ございませんが、こういった形で保険料を徴収するように指導しております。
○奥田委員長 どうぞ。
○長沼委員 先ほど申し上げたように、例えば、1つの社会保険事務所で、平成19
年度なら19年度、どの程度の差押え件数を行ったのか。それは必ずしも川越の社会
保険事務所でなくても構わないんですけれども、1つの社会保険事務所でどの程度の
差押えを行って、どの程度の滞納金額に対して換価できているのか。2,000万円なら
2,000万円の滞納があって、換価したけれども、100万円程度、あるいは10万円程度
しか換価できなかったのか。1つ具体的な事案があれば、日本年金機構になっても、
現状と同じ形で行うということですので、日本年金機構になったときのイメージが湧
いてくると思う。そういった点で、この仕組みでいけば、日本年金機構に移っても、
こういう形で推移しますよというイメージが湧くような御説明がいただければと思
う。
○事務局 委員からの御要望でございますが、本日、個別のデータを持ち合わせてお
りませんので、後日御説明差し上げたいということで御理解いただけますでしょうか。
○奥田委員長 それでもいいんだけれども、個別よりも、むしろ全国的な統計とか、
そういうものはないんですか。
 どうぞ。
○薄井総務部長 先ほど御説明したように、19年度の滞納処分、最終的に差押えまで
いったものが1万2,000件ということでございますので、事務所が312ありますから、
1事務所当たり40件ぐらいは最後までいくということになります。勿論、その過程
では、一月滞納があったからすぐ滞納処分に行くということではなくて、遅れ遅れに
なってきた段階で事業主さんとお話し合いをして、少しでも、遅れ遅れでも入ってき
ていれば、それをきちっと続けて、勿論できるだけキャッチアップしてもらう。それ
がかなりたまってきますと、そのまま放置はできませんので、財産調査をして、最後
は滞納処分がありますよということを事業主にお話をして、それを1つのツールとし
てお納めをいただくということで、そこをなかなかできていただけない方については
差押えまでいくと、こういう流れになろうかと思います。平均的な件数としては、先
ほど申し上げたような形で、勿論、事業所の数が多いところはその数も多いというこ
とになろうかと思います。
○奥田委員長 いいですか。
 どうぞ。
○長沼委員 例えば、自治体で見てみると、2か月に一遍、水道料金を納付していた
だくんですけれども、1回だけ料金が落ちないんであれば、次の段階で納めてもらえ
るんですけれども、それが2か月、4か月たまっていくと、だんだん納められなくな
ってくる。仮に1回引落としが4,000円の上下水道料金が2回で8,000円たまりまし
た、でも、分割納付で2,000円だけ納めさせてくださいというと、結局、毎月使う使
用料よりも納める金額のほうが少ないということで、雪だるま式でたまっていく。納
めていただいているんで、なかなか止めることもできない。その辺で実際の運営は難
しいと思うんです。
 先ほど磯村先生がおっしゃったように、今ある課題についてどういうふうに整理し
て、それから、日本年金機構でその辺の問題をどうクリアしながらやっていくのか。
ただ、国税徴収法の例でやっていくわけですから、基本的に従来と変わらないわけで
す。その辺で、きめの細かい対応をするなり、新たな工夫があるのかどうなのか、難
しい問題もありますけれども、それをやっていかないと、結局、滞納の問題は解決で
きない。次のテーマにもなってくると思うんですけれども、100%収納しようとして
も、実際問題としてはなかなか難しいことがあると思う。
 ただ、収納できなくても、先ほど申し上げたように、保険料を納めたというような
取扱いで、将来の年金給付に反映させていかなければならないとなると、それもまた
矛盾を抱えてしまう。その辺をどこまで整理しなから次の日本年金機構に引き継いで
いくべきなのか、と考えている。実際どの程度差押えして、滞納部分が100あったと
すると、換価できているのが実際どの程度なのか、それについて資料があれば、御答
弁いただければと思います。
 以上です。
○奥田委員長 どうぞ。
○薄井総務部長 数字的なところは後ほどまた整理をして委員の皆さんにお伝えす
るようにさせていただきたいと思いますが、先ほど長沼委員おっしゃったように、最
初に1回遅れてくる、それがだんだん雪だるまになってくるというのは、多分、市で
のお仕事と私どもの仕事は同じだと思うんです。そのとき一番大事なのは、滞納処分
とかに至らないように、できるだけ早期の未納の段階で事業主にアプローチをしてい
って、それが長続きしないようにするというのがまず第1だと思っています。
 それが長く続いたときにも、分割納付の計画を立てていただいて、それも元本がど
んどん増えていくということではいけないので、毎月発生するものをお納めいただく、
それにプラスアルファしてお納めいただいて、計画的に納めていただくような計画を
おつくりいただく。これは御相談に応じながらやっていくということで、それぞれの
事務所で今、やらせていただいておりまして、日本年金機構になりましても、その大
きな流れは変わらないものと考えております。
 いずれにしても、資料の方はまた整理をして報告させていただきます。
○奥田委員長 それでは、今の統計資料になると思いますけれども、それは次回ぐら
いに出してもらえるんですか。
○薄井総務部長 資料を整理して、場合によれば皆さんにメールなり何なりでお伝え
するようにさせていただけたらと思います。
○奥田委員長 あとはよろしゅうございますか。それでは、ただいまの滞納処分等の
実施規程でございますが、資料につきましては、後ほど事務局の方から委員個々に数
字をいただくということで、必要な字句の修正は私にお任せいただくこととしまして、
これで決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○奥田委員長 ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。
 なお、今後、厚生労働大臣への認可手続を進めることとしたいと思いますが、細部
の形式的な文言修正等の必要が生じた場合の取扱いは私に一任をしていただきたい
と思いますが、よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○奥田委員長 次に「日本年金機構の中期目標、中期計画、年度計画について」事務
局から説明をお願いします。
○説明者 失礼いたします。それでは、私の方から、資料3に沿いまして御説明を申
し上げたいと思います。
 まず、資料をおめくりをいただきまして1ページ目でございます。そもそも年金機
構の中期目標並びに中期計画、年度計画というものが法律上どういう位置づけにあり、
どういう関係にあるのかといったことを図示をしたものでございます。
 まず、左側に厚生労働省という箱がございまして、その中に中期目標というものが
入ってございます。この中期目標は、ここにございますように、厚生労働大臣が定め
るものとなっておるというのが1つのポイント。
 それから、2つ目のポイントといたしましては、中期目標に両矢印が出ております。
諮問・答申というところで社会保障審議会がございます。厚生労働大臣は、中期目標
を定めるに当たっては、社会保障審議会に諮問をすることになってございます。
 ちなみに、この社会保障審議会におきましては、通常、分野ごとに部会、分科会を
設置して議論を行うという仕組みとされてございます。この機構の中期目標や実績評
価などの審議に関しましては、年金部会とは異なる新たな部会を近日中に設置する方
向で調整をしたいと考えておりますが、設置そのものは社会保障審議会が決めるとい
うことでございます。そういう意味では、まだファイナルなものではないということ
で御理解をいただければと思います。
 この中期目標でございますが、具体的にどういった事項を定めるのかというのが吹
き出しに書いてあるとおりでございまして、まず1つ目といたしまして、中期目標の
期間。これは法律上3~5年の期間で定めるとなっております。それから、?提供す
るサービスその他業務の質の向上に関する事項、?業務運営の効率化に関する事項、
?業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項とい
ったものが必要記載事項ということで整理されております。
 この中期目標が定まりましたら、厚生労働大臣はこれを公表するとともに、中期目
標を達成するための中期計画を定めるよう機構に対して指示をするというような枠
組みになっております。この中期計画については、そういったことで、日本年金機構
が策定し、その内容について厚生労働大臣の認可を得るという仕組みになっておりま
す。
 また、中期計画はあくまで中期の期間でございますので、それを各年度単位に分け
た年度計画というものが中期計画に連動して作成をされるといった仕掛けになって
おるということでございます。
 それで、今ほど御議論いただきました滞納処分等実施規程とか、以前御議論いただ
きました業務方法書などとは異なりまして、この中期計画等については直接的には設
立委員会で御決定をいただくというような法律上の位置づけにはなっておりません。
しかしながら、この中期計画なり年度計画の在り方は、機構をどのような組織とすべ
きかという組織の在り方と密接にかかわるものであることから、設立委員会におきま
しても基本的な方向性なり、あるいは計画に盛り込むべき視点といったものについて
御議論いただければと、そのような趣旨から、本日、議題とさせていただいた次第で
ございます。
 2ページ以降でございますが、そういった意味で、本日、中期目標なり中期計画の
具体的な案をお示ししたような形にはなっておりません。ここでは、まず「中期目標
の期間」については、先ほど言いましたように、3年以上5年以下の期間で定めるこ
とになってございます。
 点線囲みでございますように、機構法の附則の中で、法律の施行後3年を目途とし
て、その施行状況を見て、必要があるときには所要の措置を講ずる、すなわち法律改
正を含めた検討をするということがあらかじめ決められております。この附則の検討
事項があることとの関係で、独立行政法人などは中期期間は5年とするのが一般的な
のでございますが、当初の中期目標期間は3年程度と、法律をつくるときから念頭に
置いております。ただ、御案内のとおり、日本年金機構は22年1月から発足という
ことで、事業年度との関係から、最初の事業年度は3か月しかございませんので、25
年3月末までの3年3か月とする。そういった意味で、法律との関係でおのずと決ま
ってくるものでございます。
 「3 中期目標に定める事項」ということで、先ほど見ていただきました?以下の
サービスその他の業務の質の向上に関する事項なり、効率化に関する事項等々、どう
いった事項を定めていくかということにつきまして、設立委員会で御議論いただくに
際しまして、多少のイメージを見ていただくということで、こんな事項を盛り込むこ
とになるのではなかろうかというものを、あくまで事務方として整理をした骨子案を
示したものでございます。
 以下の骨子案につきましては、説明は省略させていただきますけれども、4ページ
以降に、既に今、社会保険庁が持っております達成すべき目標でございますとか、10
ページ以降に、直近の事業計画といったものを参考に付けておりますが、ここで掲げ
ておるような事項でございますとか、年金業務・組織再生会議の議論を踏まえて閣議
決定をされました当面の業務運営に関する基本計画で示された重要事項といったも
のを踏まえて、大体こういった事項を挙げながら目標というものを設定していくのか
なということで整理したものでございます。
 まず、提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項に関しましては、資
料の読み上げになってしまって恐縮でございますが、年金記録問題への対応に関する
事項、主な分野ごとの業務ということで、適用関係、保険料収納の関係、給付の関係、
そのほか、広報、相談等に関する事項、国民の声を反映させる取組みに関する事項、
また、電子申請の推進に関する事項といったものを掲げております。
 それから、業務運営の効率化に関する事項につきましては、効率的な業務運営体制
に関する事項、運営経費の抑制等に関する事項、基本計画の重要な柱でございました
外部委託の推進に関する事項、更には社会保険オンラインシステムの見直しに関する
事項等を掲げております。
 ?の公正性、透明性の確保等に関する重要事項につきましては、これもまた基本計
画の重要な柱として位置づけられております内部統制システムの構築に関する事項
を初めとして、以下、情報公開の推進に関する事項、人事、人材育成に関する事項、
個人情報の保護に関する事項といったものを、あくまで仮の骨子案ということで示さ
せていただきました。
 4でございますけれども、冒頭の1ページでお示しをしましたとおり、仮に中期目
標をこういった柱で整理をするとしましたならば、中期計画というものは、中期目標
に沿って定める各事項を達成するために取るべき措置というものを書いていくとい
うことで、こういった項目に従って、その具体化のための措置を書いていき、更に併
せて予算、収支計画、資金計画を定めるというようなつくりになっております。年度
計画については、その年度版ということで、同様でございます。
 雑駁でございますが、私からの説明としては以上とさせていただきます。
○奥田委員長 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明に対して、御質問、御意見がございましたら、御発言お願い
します。
 どうぞ。
○岩瀬委員 中期目標で今、幾つか項目が挙げられていますが、この目標を具体的に
きちんと実践していく上では、やはり職員の意識を改革していくというのが非常に重
要かと思うんです。そういう意味では、機構がスタートするに当たって、まずお願い
したいのは、いわゆるカスタマーチャーターみたいなものを機構でつくって、国民の
立場に立った業務を行う。サービスも、今までは申請主義で、社保庁が勝手に考えた
ことで業務をやっていたと思うんですけれども、むしろ国民の側に立っていろんなこ
とを考えていかないといけないんではないか。そういう姿勢を機構スタートに当たっ
てまず示していただきたいというのが1点でございます。
 もう一つは、サービスを向上させていく上で、特に年金記録問題というのは、機構
がスタートしても抱えていかないといけない重大問題かと思うんですけれども、人員
が減る中で難しい問題を解決するには、今の体制で十分なのかというのをもう一回考
えてもらいたい。
 これは今日の議題から少し外れるかもしれませんが、採用の関係で、機構に採用さ
れた人と厚労省に採用された人と分かれていると思いますけれども、厚労省に採用さ
れた人の中で、年金の記録問題について詳しい人だとか、ベテランの職員の人もたく
さんいると思うんです。そういう人たちを機構発足時にサポートさせていただけない
か。サポート要員として、彼らのスキルなりノウハウ、知識を使ってもらわないと、
機構ひとりでこれからやると言っても、なかなか難しいんではないかなと思うんです
けれども、その点、お考えをお聞かせいただけませんでしょうか。
○奥田委員長 どうぞ。
○紀陸委員 岩瀬委員から2つ、御意見、御質問をいただきましたけれども、第1の
点でございますが、新しく機構が発足する際に、国民の目線に立ったサービス提供を
考えろというのはもっともな御指摘だと思いまして、その点は重く受け止めさせてい
ただきたいと存じます。
 今、御提案の取組みの実現に向けまして、既にプロジェクトチームを作成いたしま
して、そこで検討を進めておりまして、職員からの意見提案の募集も開始していると
ころでございます。それらの結果を踏まえまして、どういう名称のものにするか、こ
こはまだペンディングでございますが、特にカスタマーチャーター、サービス憲章と
いうようなものになろうかと思いますが、岩瀬委員と皆様方の御意見もいただきなが
ら、引き続ききちんと準備をしてまいりたいと思いますので、御指導いただきたいと
存じます。
 それから、同時にアニュアルレポートみたいなものが必要かと思うんです。それが
実際の日々の職員の仕事のよりどころにもなってくるかと思いますので、特に国民の
皆様方からいろんな意味で説明責任を求められることになりますので、そういう説明
責任をしっかりと果たすというような観点から、このレポートの作成は非常に重要か
と考えておりまして、こちらもしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、第
1の点につきましては、以上のような姿勢で臨んでいるということを御理解いただけ
れば幸いかと存じます。
○奥田委員長 どうぞ。
○薄井総務部長 それでは、2点目の方でございます。岩瀬委員がおっしゃられたよ
うに、年金記録問題は年内に一区切りをつけるべく勿論努力してまいりますけれども、
機構になっても残る仕事が当然あるわけです。22年度の予算はこれから整理をしてい
くことになりますけれども、21年度の最後の3か月、21年1月から3月の機構にお
ける記録問題についての必要な予算は、21年度の補正予算でも、謝金とか賃金とか、
こういう予算を中心に所要額を確保したところでございます。勿論、22年度もそうい
うふうな予算面の手当てというのを1つ考えていかなければいけないと思っており
ます。
 そういうふうなお金だけではできないというのが、多分、岩瀬委員がおっしゃった
お話だと思います。記録問題というのは、機構が一義的には、実務的なところはやる
ことになりますけれども、当然、年金制度は厚生労働大臣の下、厚生労働省が機構と
一体となって処理をしていかなければいけない仕事になろうかと思います。具体的に、
厚生労働省に転任予定の人間、それから、機構に採用になる人間と、こういうことで、
先般、職員への伝達もいたしましたけれども、要は、省の方に行った人間も含めて、
どういうふうな形でサポートができるか、先ほどおっしゃられた話を、すぐそうでき
ますというお答えはなかなか難しいですけれども、省と機構と力を合わせてこの問題
に取り組んでいくということが大事だと考えておりますので、どういう形がいいのか、
よく詰めて取り組んでいきたいと考えております。
○奥田委員長 いいですか。
 どうぞ。
○大山委員 中期目標をつくって、こういう形で進めるというのは、我々、国立大学
法人の人間にとっても、徐々にではありますが、意識が少しずつ変わってきたことを
考えると結構なことと思いますが、1点だけ気になる点があります。というのは、25
年3月末までの3年3か月というふうに中期目標の期間が切られていて、中期目標に
定める事項の中で、?の下から2つ目を見ると、社会保険オンラインシステムの見直
しに関する事項とあります。この時期で切った時に、目標を実現できるかどうかは、
ここで議論するべき話ではないので、あえて言いませんが、中期目標との関係でどの
ように整理されるのでしょうか。下手をすると、磯村委員長代理が何回もおっしゃっ
ている業務改善命令みたいな方へつながる可能性が無きにしもあらずというように
気になります。
 更には、システム自体、そもそも厚生労働省が対応するという話があったにもかか
わらず、中期目標で日本年金機構に書かせるという整理のところも、ほかのところと
毛色が違うように見えるので、是非この辺は十分配慮していただかないと、日本年金
機構の方はたまらないのではないかと思いますので、先に申し上げておきます。
○奥田委員長 どうぞ。
○説明者 今後どういった形で中期目標を位置づけるかということについては、更に
精査が必要と考えておりますけれども、ここで定める中期目標も、その母屋として、
例えば、先生がおっしゃっていただいたオンラインシステムの話であれば、国として
定める、そもそも上位のものとしての業務システム最適化計画というものが存在をす
る。また、例えば、電子申請などの関係も、政府としての電子政府推進計画というも
のがございますので、そういった母屋との関係で、この3年間という目標の中で、そ
れらの計画が到達目標とするものと当然整合性を取った形で整理をするということ
になろうかと思いますので、先生から御懸念をいただいた点については、よくよく整
理をしたいと考えております。
○奥田委員長 どうぞ。
○大山委員 今の回答で結構と思いますが、例えば、電子申請の推進云々に関する話
というのは、日本年金機構の立場で、中期目標をつくる方から見ると、自分たちがシ
ステムを提案するなど、いろいろな手はあるのかもしれませんが、結局は厚生労働省
がどう考えて、予算措置も含めてどう対応するか、また、制度的な課題は、厚生労働
省の中にあるものもあれば、ほかの省との関係で、あるいはほかの法令で関係するも
のも出てくる。そういうもろもろのことがあるので、十分な連携、あるいは逆に言う
と責任の範囲を明確にしてあげないと大変ではないかと思います。是非御配慮いただ
きたいと思います。
○奥田委員長 あとは御意見ございませんか。どうぞ。
○古賀委員 新たな部会を立ち上げたらどうかみたいな御提案をされたんですけれ
ども、その性格について少しお伺いしたいと思います。私の問題意識は、これまでの
この委員会の議論の中でも、年金記録問題の発生要因として、制度設計と運営管理に
そごがあることが非常に大きな要因と指摘されたわけです。例えば、現場で困ってい
るのに制度が障壁になっているとか、あるいは制度の解釈が明確でないとか、もっと
言えば、現場実態と与えられた目標がかなり乖離があるとか、そんな具体例も挙がっ
たわけでございます。したがいまして、このようなことを考えれば、厚労大臣が指示
する中期目標というのは、制度に加え、当然のことながら運営とか管理の実態を可能
な限り考慮する必要があると思っていますけれども、それらの議論も含めて新しい部
会でやられるのかどうか。その辺について少しお伺いをしたいと思います。
 以上です。
○奥田委員長 どうぞ。
○八神大臣官房参事官 これは社会保障審議会が最終的に決めるものなので、あくま
で今の時点での考えということでございますが、新しい部会自身は、日本年金機構の、
例えば、中期目標をつくり、あるいは評価をしと、こういうものでございます。年金
制度自身につきましては、従来より年金部会がございますので、こちらが扱うことに
なります。
 先ほども御説明いたしましたが、現場実務を踏まえたということを今後、年金部会
でも十分考えなければいけないという問題提起をさせていただいておりますし、また、
新たに設けたいと思っております日本年金機構にかかわる部会につきましても、例え
ば、中期目標をつくるに当たりましては、日本年金機構からのヒアリング等含め、現
場の声がきちんと反映された形で中期目標ができるような形をつくっていきたいと
考えております。
○奥田委員長 いいですか。
○古賀委員 はい。
○奥田委員長 あとはございませんか。それでは、意見は出尽くしたと思いますので、
中期目標に関する議論はここで終わりたいと思います。今後は、先ほどからいろんな
意見が出ておりますが、そういう意見等を踏まえまして、厚生労働省でよく検討して
いただきまして、また、中期計画や年度計画については、中期目標の検討状況を踏ま
えて、紀陸理事長予定者を中心に御検討をお願いしたいと思います。それでよろしゅ
うございますか。
(「はい」と声あり)
○奥田委員長 ありがとうございます。
 それでは、本日のこれまでの資料等の取扱いでございますが、委員会規則第9条及
び第10条の規定に基づきまして、会議資料及び議事録については公表とさせていた
だきます。
 では、次回の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
○八神大臣官房参事官 次回の日程等につきましては、9月下旬から10月上旬ごろ
に開催をしたいと存じますが、改めて日程を確認をさせていただき、御案内をさせて
いただきますので、よろしくお願いをいたします。
 本日の議事録につきましては、後日、事務方より皆様にお送りし、お目通しをいた
だいた上で公表させていただく予定ですので、よろしくお願い申し上げます。
 なお、冒頭に委員長からお話ございましたが、この後、休憩を挟んで、非公開に切
り替えるため、記者の方や傍聴の方は退席をお願いいたします。
 事務方からは以上でございます。
○奥田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ここで休憩に入りたいと思います。

(連絡先)
厚生労働省年金局総務課
03-5253-1111(内線3315)




(了)

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