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2012年7月19日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第58回)議事録

○日時

平成24年7月19日(木)9:32~12:26


○場所

専用第22会議室


○出席者

真野部会長、大島部会長代理、浅野委員、松原委員、橋田委員、石渡委員、五十嵐委員

○議事

(以下、議事録)

○真野部会長
2分ほど遅れてしまいましたが、委員会を開始したいと思います。本日は、第58回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会です。委員の皆様は、暑い中ありがとうございました。本日は、平井委員、關委員が欠席、松原委員が少し遅れるという連絡が入っております。
本日は個別評価の3回目、福祉医療機構の平成23年度業務実績についての個別評価を行いたいと思います。専門委員の浅野委員に関しては、いままでは大和証券に所属されていたので、法人の業務と利害関係があるということでご意見のみ発言いただいて、評定にはご参加いただいておりませんでした。しかし異動があって、公益財団法人の所属になられて利害関係がなくなったということで、今般より評定にも参加いただくことになりました。
それでは早々に、個別の評価に入りたいと思います。長野理事長からご挨拶と、平成23年度における取組概要の説明を、よろしくお願いいたします。

○福祉医療機構理事長
おはようございます。理事長の長野でございます。本日はよろしくお願いいたします。それでは資料1-1、「福祉医療機構平成23年度業務実績の概要」に沿ってご説明申し上げます。1頁が「福祉医療機構の概要」です。私どもでは日ごろから、民間活動応援宣言を経営理念として、福祉・医療支援の専門機関として役職員一人ひとりが専門性を磨き、地域の福祉と医療の向上に貢献してまいりたいと考えています。右側下の囲みには、私どもの主な事業を記載しております。これら多岐にわたる事業を着実に実施するとともに、1つの組織が行う強みを活かして、機構の総合力を発揮し、今後も引き続き小回りのきく福祉・医療支援の専門店として、お客様のお役に立ちたいと考えているところです。
2頁に、今回の16の評価項目すべてを記載しております。平成23年度につきましては、私どもは平成22年度と同様に、非常に充実した実績を上げたものと考えており、自己評価は16項目中5つの評価項目でSといたしました。この5項目をなぜS評価としたのか、ご説明させていただきます。
まず「福祉貸付事業」「医療貸付事業」についてです。介護基盤や病院の耐震化整備等のニーズに加えて、昨年度は東日本大震災の被災地支援への取組みに逸速く態勢を整えて、これらの資金需要に迅速かつ的確に対応し、施設整備等を支援することができました。続いて「退職者手当共済事業」についてです。退職金給付の処理期間について、中期目標の75日以内を大幅に短縮して、さらに利用登録のご案内等により利用促進を図った結果、電子届出システムの利用率も増加し、利用者サービスの向上を図ることができました。続いて「効率的な業務運営体制の整備」についてです。平成23年度には管理職ポストの削減を行う一方で、顧客サポート体制の一層の強化を図るために、管理部と経営支援室を統合するなど、組織の見直しを行いました。
また、平成24年度も組織をスリム化しましたが、一方でポストの増設も行っております。3頁をご覧ください。昨年度は独法改革に関する分科会ワーキンググループのヒアリングが5回にわたり実施され、私どもの事業を独法で行う必要性等についてご議論いただきました。その結果を受けて、平成24年1月に独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針が閣議決定されております。当機構についてはこれまでどおり、現在行っている事業をすべて1つの組織として一体的に実施することが了承され、平成26年4月から新たに中期目標達成法人に移行すること、ガバナンスの一層の強化を図るため金融庁検査を導入すること、さらに政策金融を行う既存法人と同様の法人形態への将来的な移行も含めて、適時見直しを行うこと、という3点が決定されました。このため、新法人への移行準備の重要性を考え、新たに業務管理課を新設するなど、私どもを取り巻く状況の変化に合わせ、メリハリのきいた人員配置など、不断の見直しを行っているところです。
また、2頁の左下に戻ります。続いて「業務管理の充実」についてです。かねてより当機構では、QMSによる継続的な業務改善を行っております。詳しくは4頁をご覧ください。この資料は当機構のガバナンス態勢をまとめたものです。民間出身の私としては、日ごろからお客様目線と組織の健全性の2つの物差しを意識して業務を行うよう、徹底指導しております。資料の中の緑色の部分が、平成23年度の取組みです。昨年度は経営企画会議を月2回開催して、トップの意向が逸速く組織運営に反映されるよう改善を図るとともに、被災地支援を迅速に行えるよう、新たに役員連絡会を立ち上げて、同連絡会を毎週開催いたしました。このことで組織内での情報共有や問題意識の統一が徹底され、機構の総力を挙げて、今回の未曾有の災害に対応することができたと私は考えております。
このほかにも今回の震災を教訓に、大規模災害時の事業継続計画の見直しなどを適時実施し、ガバナンスの強化を図っています。また、金融庁の検査に当たっては、平成24年度から金融庁検査準備室を新たに設置し、導入に向けて万全を期すための態勢づくりを行ったところです。
2頁に戻りますが、したがって、これら5つの評価項目について、計画を大幅に上回る実績を上げたものと考え、自己評価をSといたしました。
5頁に、当機構の被災地支援への取組みをまとめております。今回の震災では、被災された皆様の生の声をお聞きしようと努め、フリーダイヤルによる特別相談窓口を各事業部に設置するとともに、被害の状況などを把握するため、私をはじめ、役職員が昨年の4月末に現地を訪問し、融資先の理事長などに直接お会いして、ご要望等をお伺いしました。それらのご要望等を踏まえて、既往貸付先に対する返済猶予措置や退職共済掛金等の納付期限の延長など、できることは即座に対応するとともに、福祉医療貸付であれば、予算措置が必要なものについては、第一次補正予算以降において、適宜、復旧資金等の優遇融資、あるいは二重債務問題への対応など、各事業部において最大限の支援策を講じたところです。
また、現地を訪問して私自身、主役は被災者であるということを痛感しました。被災者である事業者のニーズにマッチした支援を行う観点から、年間を通して現地での出前による個別相談会や、自治体、福祉・医療関係者との意見交換会を実施するなど、常に現地の状況把握に努め、さらにWAMNETを通じて被災地の支援ニーズなど必要な情報を発信するなど、最善と考えられる支援策により、当機構の総力を挙げて復旧・復興のお手伝いをしてまいりました。
6頁が福祉貸付の状況です。平成23年度は棒グラフのとおり、契約額、交付額ともに対前年度約1.5倍となっており、いずれも過去最高額となっております。介護基盤の緊急整備や子育て支援のための保育所整備など、大幅に増加する資金需要に迅速に対応し、国の施策を円滑に支援することができました。また、利用者サービス向上の取組みですが、平成23年3月に中期計画を変更し、審査期間を30日以内とすること、提出書類を簡素化することなどを明記しました。昨年度は書面審査の対象施設の拡大等により、審査期間を27.8日と1週間程度短縮するとともに、提出書類も様式の一元化などにより削減をし、利便性の向上が格段に図られたものと考えております。
7頁は、もう1つの貸付の柱である医療貸付です。福祉貸付と同様に、資金交付額は対前年1.3倍と、こちらも平成22年度を大幅に上回る実績となっております。病院の耐震化整備に対する旺盛な需要に加え、東日本大震災における診療所の運転資金等の資金ニーズに的確に対応した結果、国の施策を着実に支援することができました。また、利用者サービスの向上についても、提出書類の一部電子化などにより、こちらも福祉貸付と同様に、大きな成果を挙げたものと考えております。
続いて8頁が、「事務・事業の見直しの基本方針」への対応状況です。基本方針では各事業ごとにご指摘がございますが、ここでは主な内容を記載しております。まず、WAMNET事業については、国と重複する行政情報及び民間と競合する情報の提供業務を廃止することとされました。このため、平成23年度において、それらの情報の掲載を廃止しましたが、利用者の利便性に配慮して、厚生労働省のホームページにリンクできる方法に改めております。経営支援事業では、民間が実施するセミナー等と重複する業務を廃止すること、並びに医療経営指導のノウハウを民間へ普及することとされました。このため、セミナーの講義内容を施設整備に当たってのアドバイスなど、機構の独自性を発揮した内容に見直すとともに、民間金融機関へのニーズ調査を実施して、平成24年度試行に向け、民間普及の具体的手法を現在検討しているところです。
9頁が、機構全体の財政状況です。資産総額約5兆1,000億円のうち、約4兆7,000億円、割合で91.6%が貸付金となっております。
最後の10頁に、平成23年度の経営状況を記載しております。昨年度は一般勘定と保険勘定が赤字となっております。一般勘定の赤字の主な要因は2点あります。1点目は、東日本大震災の優遇措置を行った結果生じた利息の逆鞘分が、従来の利子補給ではなく、あらかじめ政府出資金により補填される仕組みとなっていることによるものです。この金額が19億円です。2点目は基金勘定の廃止に伴い、最後の清算を平成23年度に行ったことによるもので、これが23億円です。同損失については積立金にて充当する予定で、いずれも当初のスキームどおり処理した結果です。保険勘定については、年金受給者の増加等に伴い、責任準備金を積み増したことによるもので、各勘定とも適正に会計処理を行っております。以上が業務実績の概要です。
私ども福祉医療機構では、常にお客様の声に耳を傾け、質の高い商品・サービスを提供することで、お客様から選ばれる組織、言い換えますと、国民の皆様から信頼され、かつ、求められる機構でありたいと、私も職員も強く望んでいるところです。最後になりますけれども、委員の先生方におかれましては、私どもの業務運営につきまして、引き続きご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

○真野部会長
ありがとうございました。今後、福祉医療機構の評価に関しては、評価シートの項目を4つのグループに分けて、グループごとに評価を行っていきたいと考えております。最初にグループ1、「法人全体の業務運営の改善に関する事項」及び「業務運営の効率化に関する事項」について評価を行います。法人からの説明が25分、委員の質疑等が10分という感じで進めていきたいと思います。お願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
私は、総務企画部企画室長の岐部でございます。私からは業務実績の評価について説明させていただきます。資料1-2のパワーポイントの資料を中心に説明いたします。そのほかの資料としては、資料1-3が実績評価シートです。資料1-4が、政・独委から示されている視点に沿った形で資料を作成しております。資料1-5が、パワーポイントの中で参考となるものを、添付資料としてお付けしております。資料1-6が経年資料ということで、数値目標等について、過去からの推移をご覧いただければと思います。資料1-7が評定記入用紙です。
まず資料1-2の1頁をお開きください。こちらがパート1、「法人全体の業務運営の改善に関する事項」と「業務運営の効率化に関する事項」です。1つ目の評価項目は、自己評定Sとしております。こちらがなぜSになったかということを説明した上で、その後に具体的な説明を行う形にさせていただければと思います。まず、評価項目1の総括です。1つ目として、平成23年度においてはトップマネジメント機能を補佐する経営企画会議を月1回から月2回開催に見直しております。これにより、理事長の意向が効率的かつ効果的にできるという、統制環境の整備を更に推進したと考えております。2つ目は、東日本大震災の支援に向けて、「役員連絡会」を新たに立ち上げて毎週開催しました。さらに、平成23年8月には、関連各部からなる「東日本大震災プロジェクトチーム」を設置して、いろいろな対応をいたしました。3つ目は、業務運営体制の整備です。これについては、管理部門の再編成による組織のスリム化と、顧客サポートに対する強化を行っています。また、平成24年度4月からは、更なるガバナンスの高度化のために、新たな部署を設置して、ガバナンス態勢の整備を行いました。以上のことから、計画を大幅に上回るということで、S評定とさせていただいております。
具体的なものは5頁です。組織のスリム化については、平成23年4月の組織改編です。まずは管理部門の再編ということで、従前の総務部、企画指導部、情報システム部を統合して、総務企画部を新設しました。そのほかに大阪支店の管理部門の削減等を行った結果、部長職で2名、次長職で1名、課長職で1名のスリム化を行っています。助成事業部については、業務の実態を踏まえ、事業部の再編、そのほかに顧客サポートの体制強化として、債権管理を行っている管理部と、経営支援を行っている経営支援室を統合し、顧客業務部を新設しています。
また、平成24年4月の組織改編としては、平成26年4月より、私どもの法人体系が変わるため、ガバナンスの高度化ということで、リスクやコンプライアンスを一括で管理する部署を新設することを決定しております。そのほかに更なる組織のスリム化として、共済部の再編、年金貸付部の再編ということで、ポストの削減を行っているところです。参考までに、独法設立時から平成24年度までのポストの削減として、理事1名、部長4名、次長2名、課長11名という大幅な削減を実施しています。
6頁は経営企画会議・役員連絡会の運営についてです。私どもが独法になりましてから、経営企画会議というものを行っています。平成23年度においては、従来、指示等を行っていたトップダウン方式に追加してボトムアップ方式、具体的には各部から現在の課題や取組状況を報告・協議する方式によって、年間23回の開催を行いました。その中で重要事項への対応としては、平成23年度の経営方針・重点目標の指示、そのほかに東日本大震災への対応策、独法の見直しに対する考え方について対応を図っているところです。ほかにもこの場においては、QMSに基づき業務進捗状況の監視を行っています。
役員連絡会は、東日本大震災の対応について、更なる迅速かつ的確な対応をすることを目的に設置されたものです。毎週火曜日、年間49回開催しております。こちらは震災への支援に対する報告、今後の課題及び対応策について協議を行い、組織内での情報の共有化・問題意識の統一を図っています。また、経営企画会議の最後には理事長所感ということで、理事長の経営姿勢や考え方を発信していただき、イントラに掲載することにより、役職員への周知徹底を図っています。このような形で、理事長の意向が組織運営に反映され、統制環境の整備の更なる推進を行いました。
7頁に参考として、東日本大震災の被災者支援への取組みについて取りまとめております。これについては理事長の指示により、各関係部署からなる「東日本大震災プロジェクトチーム」を、平成23年8月に立ち上げております。それぞれの内容は各事業部のところで説明しますが、これらのさまざまな取扱いを行うことにより、被災された地域の皆様の声に迅速かつきめ細かに応じる体制ができたということで、機構の総力を挙げてさまざまな支援を実施してきました。
8頁は業務間の連携の強化を図にしたものです。「東日本大震災プロジェクトチーム」のほか、平成20年10月から、私どもの経営理念を策定しております。これを具現化するために、若手職員を中心としたプロジェクトチームを設置して、いろいろな提言を行うという取組みをしております。
10頁が2つ目の評価項目、「業務管理の充実」についてです。こちらも自己評定Sとさせていただいております。まず1つ目として、監査機能の高度化・効率化を掲げております。これについては、従前ありました監査室による検査とQMS内部監査を統合して、全部署を対象に内部監査を実施しました。また、「リスク対応計画」について適宜見直しをして、適正な運営を行いました。3つ目として、東日本大震災の経験を踏まえて「事業継続計画」を見直し、それに基づく有効な訓練を行いました。さらに、平成26年4月の金融庁検査の導入に向け、金融庁検査マニュアルにおける各リスクにどのようなものがあるかを構築する準備を行って、ガバナンスの更なる強化を図ることができました。それにより自己評定Sとさせていただいたところです。
それでは個別の事例です。11頁が品質マネジメントシステムの運用です。当機構では平成17年1月から、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムの運用を開始しております。これについては適切に運用されているかどうか、審査登録機関が定期検査を行います。平成23年度においても「QMSの運用は十分に高い適合性を維持している。」という高い評価を受けているところです。平成23年度の取組みとしては、監査室による検査を行います。これは主に法律又は規程等に則ってやっているかという法規制の観点です。また、QMSの内部監査というのは、業務の継続的な改善が主眼になっております。
平成22年度まではこの2つの監査をやっておりました。業務の内容を違った視点で監査していくというメリットがあったわけですけれども、どうしても重複する部分が発生します。そこで平成23年度においては、この両方の高度化・効率化を図るために統合し、全事業部に対して内部監査を行ったところです。内部監査の結果については、経営企画会議において報告しました。右の図はPDCAサイクルです。大きなところでは機構全体や部署全体、小さいところでは、職員単位でも、それぞれがPDCAを回しながら、継続的改善を推進しています。
12頁のガバナンスの構築態勢については、先ほど理事長より説明申し上げたところです。緑色の部分が、平成23年度に対応した所です。「新法人への移行準備」については、平成24年1月20日の閣議決定、独法の制度及び組織の見直しの基本方針の中において、当機構については金融業務は監査機能とリスク管理機能を強化させることと、金融庁検査を導入して、金融型のガバナンスを適用するということが言われております。
新法人への移行については、平成26年4月を目途としているところですが、これに対応することとして、平成24年2月に、今のリスク管理態勢の現状評価を行い、平成24年4月から業務管理課の設置、そのほかに関連部署からなる金融庁検査準備室を立ち上げております。現在の状況については、監査法人とリスクの洗出しを行っています。それによりヒートマップ等を作成して、平成24年度中を目処に制度を構築したいと考えております。そして平成25年度に、それが適正に運用できているかを検査・検証していくというスケジュールになっております。
13頁が、リスク対応計画の是正、事業継続計画の見直しについてです。リスクの見直しとしては、助成事業部において、その財源が基金から補助金になったことで、その変更に伴うリスクの洗出しをもう一度行いました。また、対応計画の見直しとしては、与信リスクを軽減するため、福祉貸付において保育所の標準モデルを作成して活用しています。事業継続計画の見直しについては、東日本大震災の経験を踏まえて、3つのポイントを改正しております。例えば、被災時における行動の流れについて、勤務時間だけではなく、通勤時間中・時間外の安全確認をどうするかという内容を新たに盛り込んだり、「大阪支店における事業継続計画の役割」を追加しています。
15頁の業務改善の活性化については、民間活動応援宣言の具現化に向けて、若手職員による2つのプロジェクトを立ち上げております。業務間連携強化の主な提案内容としては、例えば医療と福祉の貸付について、アンケート調査の項目の統一を図ってはどうか、お客様に対して重要事項説明書を作成してはどうかという提言を受けております。また、「働きがいのある職場づくりプロジェクト」については、キャリアパスの明確化等の提言を受けています。これらについては、若手職員が直接役員に対してプレゼンするという方法をとっており、現在、提案があったものの具現化について検討を行っているところです。
16頁のALMシステムの活用については、平成22年度の決算に基づき、マチュリティラダー、デュレーション、EaRの分析を行い、金利リスクについては概ね良好であることを確認しています。個人情報の保護についてはマニュアルの見直し、e-ラーニング形式による研修の実施、また、情報セキュリティ対策の充実については自己点検の実施やそれぞれの職階に対するセキュリティ研修を実施しています。
17頁は評価項目の3番目「業務・システムの効率化と情報化の推進」についてですが、自己評定はAとさせていただいております。18頁をお願いします。評価の視点としては、業務・システムの最適化計画に基づいて、経費の節減と随意契約を適正にやっているかということです。まず、このシステムの大きなものとして、私どもにはWAMNET事業というシステムがあります。これについては平成22年12月7日の事務・事業の「見直しの基本方針」により、平成23年4月より、国と重複する情報や民間と競合する情報は、掲載を廃止するというもので適正に実施しています。WAMNETについては、平成24年10月から新システムを運用することになっており、平成23年度にはそのシステムの構築に着手しております。これもシステムの最適化ということで、例えばWAMNETについて、平成22年には約7億円の経費でしたが、平成23年には6億円、平成24年には4億円に抑えることで、適切に経費の節減等を行っているところです。
そのほかに経費の節減と随意契約の見直しについては、退職手当共済事業・年金担保貸付事業がありますが、このシステムについては、入力作業を委託しております。これは単年度契約で、一般競争入札を行っておりますが、入札については応札事業者が公平な見積もりができるように、特定の業者に依存しないように、明確かつ詳細にサービスのレベルを設定し、誰もが入札に参加できるということでコストも削減されております。また、外部委託の適正管理についてはCIO補佐官の協力により、実施計画書点検リストを作成して、適切に業務が行われているか点検しています。以上により、平成23年度におけるコストの削減は、約1,000万円を実現させました。
19頁はシステム最適化以外のシステムの改善です。こちらにはさまざまなものがありますけれども、それぞれ適宜改修を行い、業務実施の効率化を支援しています。
20頁の情報化推進体制の強化については、例えば平成24年度の情報化推進計画を、CIO及びCIO補佐官を中心に策定しました。そのほかにIT技術に精通した人材の育成としては、情報管理部門の専門性を上げるために、さまざまな外部研修を受講しており、情報化推進に対して対応できる体制を整備しています。
21頁が評価項目の4番目、「経費の節減」です。自己評定はAとしております。こちらの総括として、1つ目は随意契約の適正化です。平成23年度においては、平成20年度に比べて大幅に22件から6件に随意契約を減少させております。そのほかに一般管理費の節減についても、平成19年度予算比▲19.5%の予算に対し、すでに23%程度の削減を達成しています。人件費についても、基本的には毎年1%程度削減していくという計画に対して、大幅な削減を実行しています。
それでは個別の説明です。22頁をお開きください。こちらが随意契約の見直し計画です。下に棒グラフがあります。基本的に平成20年度の実績は、22件の随意契約があるわけですが、この22件、24億円の随意契約について、最終年度の見直し計画としては6件とすることとなっております。平成23年度の実績は6件、5,200万円ということで、平成20年度に比べて16件、24億円の随意契約をなくしたことになります。右に随意契約の見直し計画の取組みを書いております。競争入札に移行させていくとか、契約審査会においてさまざまな審議をしていくといったことを着実に行った結果、平成23年度の随意契約は6件になっております。その下に内容が書いてあります。システムの著作権が相手方にあるものの運用・保守の部分、事務所の賃貸料、財務諸表の官報掲載、これら真にやむを得ないものを除き随意契約をしないということで、随意契約の適正化を適切に推進していると考えています。
23頁が競争性、透明性の確保です。機構においては、内部と外部の両面からチェックをしています。内部については、契約審査会の場において、契約の方法や仕様書の内容が適切かどうかの承認を受けております。そして総合評価方式や企画競争については別途評価委員会を設けて、その中で技術点の評価、企画書等の評価を行います。それを再度、契約審査会にお諮りして承認をいただくというシステムをとっております。外部からは、随意契約見直し計画の目玉として、当機構の監事、そのほか外部の有識者から構成される契約監視委員会を設置し、随意契約の見直し、一般競争への競争性の確保ができているかということを確認していただいています。これらを実施することにより、随意契約の大幅な減少につながったと考えているところです。
24頁が、いろいろな改善をして事務の効率化ができたかということで、いくつかの事例を掲げております。例えば、執務室や社内通路の部分消灯の徹底、会議のペーパーレス化、コピーの両面コピー、さらには出張におけるパック商品の利用推進により、平成22年度に比べて1,500万円程度の事務費のコスト削減ができました。また、こういう活動を通して、私ども各職員のコスト意識が徹底されたということも、大きな部分だったと考えています。
25頁の一般管理費の節減については、基準年度の平成19年度予算に比べて、毎年3.1%、5年間で15.5%程度節減しなさいというものです。平成19年度に63億円あった一般管理費が、目標では15.5%であれば53億円余ですけれども、平成23年度の実績として、すでに48億5,000万円、節減率として23.2%、約15億円程度という大幅な節減に取り組むことができました。
26頁の人件費の削減については、平成17年度に比べて年間約1%ずつ削減していくものです。平成17年の基準額は24億円余です。これが平成23年度の実績としては19億8,000万円ということで、マイナス14.5%と、大幅に人件費の削減を行うことができました。これにより、国家公務員との給与水準の比較、地域・学歴勘案においては、平成17年度には108ポイントあったものが、101.5ポイントまで下げることができました。ほぼ公務員給与の水準と同レベルまで下げることとなりました。
27頁が給与水準の検証です。私どものメインの事業が金融であるということで、国家公務員と比較して、民間の金融部門との給与実態を勘案していること、また、私どもの特殊法人改革の中で、他の組織からいろいろな事業を承継したということで、多種の事業を実施しており、管理職の比率が若干高いということが挙げられます。この管理職の比率が高いことについては、組織のスリム化を実施しているところで、管理職の比率を随時下げていくことに取り組んでいます。「給与水準についての説明」ですが、公務員と同じように給与を下げていればラスパイレス、これは変更がないので下がらないということですが、機構独自の削減策を講じているため、例えば、平成16年度においては全職員の昇給を停止して、平成17年に本俸基準表を平均5.3%引き下げました。そのほかに平成22年度、23年度においても、機構独自の措置ということで、各1%ずつ俸給表を下げています。パート1の説明は以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは委員のほうはどうでしょうか。何かご質問などはありますか。
では、私から最初にお聞きします。今回の説明と言うよりも、独法自体の今後の話のところで、中期目標達成法人になられて、金融庁の検査なども受けていくという話ですけれども、中期目標達成法人の中で、金融業務型になるのですか、その他になるのですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
私どもの場合はさまざまな事業をしているので、その他に分類されておりますが、福祉や医療の貸付業務については、大きな金融をやっているということで、そこの部分は金融のガバナンスを適用するという方針が出ているということです。

○真野部会長
では、部分的にそういうことが適用されるということですね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
はい。

○福祉医療機構理事長
補足ですが、金融庁の検査も、私どもの10の事業のうち、検査の対象をどこにするかというのは、まだこれからです。

○真野部会長
わかりました。ちょっと似た話ですが、もう1点。内部監査のところで、QMSと内部監査を一緒にするようになったというお話があったかと思います。内部監査と外部監査は違うと思いますけれども、これも金融庁などの検査も入るので、監査だらけになっては困るとか、そのような思惑もあったのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
この部分については、現実的に2種類の監査を同じ部署に対して行うものですから、どうしても重なる部分ができてしまう。そういうことになりますと、それぞれの監査に対して書類を渡さないといけないとか、どうしても重複する部分がありました。そういうことについては被監査部門の事務負担の軽減というところでの効率化と、2種類の監査を行うよりも両方の視点から一括して統一的な監査をしたほうが、いろいろな指摘についても効率的だろうし、高度化になるだろうという観点から、今回、統合監査を実施することになったのです。

○真野部会長
では金融庁とは全く関係なく、そもそも内部でも、重複している部分があるだろうということで改善されたのですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
そうです。

○真野部会長
わかりました。ほかの委員の先生は。

○松原委員
意見と質問です。最初に意見としては、スピーディーさ、迅速性を持って大震災に対応したことで、民間のよさと一般の企業にはなかなかできない震災対応ができたということで、WAMの存在意義がよくよく世間に示せた1年だったのではないかと思っております。
質問としては、給与に関しては随分努力をなさって、人件費率を下げているということですけれども、他の金融機関の方と比べて、やはり人材確保の面で競争しなければいけないわけですよね。人件費率が下がっているというのは、若手の比率が増えているから下がったということでよろしいのでしょうか。あまり下げてばかりいると、いい人材を持っていかれるという問題もあると思うので、そこら辺はどのように工夫なさって、こんなに下がっているのかという点が1つです。
2点目は大変枝葉末節なことですけれども、入力作業で1,000万円もコスト削減をなさったということですね。入力程度で1,000万円というのが、あまりイメージが湧かないのです。これはすごく単価の低い所に頼むことができたのでしょうか。業務の内容が変わってしまったのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
まず最初の質問ですけれども、人件費については、基本的には平均的に下げているというのがあります。その中で年齢については、例えば50歳以上とか、管理職については更なるカットを行っているということで、若手の職員にはカット幅を小さくするという取組みを実施しています。
2点目の委託については、調達に対する仕様と言いますか、入札についてはこういうことをこの委託ではやってくださいという内容を詳細に示します。こういうサービスをしたいのですということを仕様書に示すことにより、いままでは1社で応札されてきたところが、複数の事業者から手を挙げてもらえるようになったということにより、一般競争入札を行ったことで金額が下がっていると考えております。

○真野部会長
相当の入力業務があるから、全体のボリュームが多かったから1,000万円ということですね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
そういうことです。

○真野部会長
業務自体は単純だけれども、量が多かったということでしょうかね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
そういうことです。

○浅野委員
今回の東日本大震災の対応は非常に迅速で、地域ニーズに必要な業務を遂行されたということで、これも含めてS評価ということですね。震災によって、実際に業務量が新たにいろいろ加わったと思うのです。難しいかもしれないのですが、例えば通常に比べて20%程度増えたとか、そういったことがもしあればお教え下さい。
それから、福祉と医療の貸付についてです。実際に被災した影響で施設を運営せずに、要するに融資先、貸付先がなくなってしまって、その後に債権放棄のようなことが発生しているのかどうかについてお伺いできればと思います。
3点目は、事業継続計画を見直されたということなので。あってはならないことですけれども、震災のほかに今後何かあった場合、今回の東日本大震災を教訓として、事業継続の中で震災対応という形で新たに盛り込まれた内容があれば、教えていただきたいと思います。以上、3点です。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
事務がどのぐらい増えたか、統計的には取っていないのですけれども、各部署について電話で専門の対応をしたとか、特に福祉と医療の貸付の現場については、現地に直に行って現地調査をしたり、そこの地域に行って被災地において相談会を実施したり、その地域の関係団体との話合い、連絡調整をしたりしています。その中で、前年度を超える非常に大きな実績を上げたということで、貸付の現場等については、かなり過重な業務があったのだろうと推測しているところです。

○福祉医療機構理事長
例えば今の数字については、現地で相談会を、福祉貸付と医療貸付でそれぞれ10回、9回行ったのですが、相談件数については3地域で平成22年度と比較しますと、約8倍の相談件数があったと。これは全体のボリュームが8倍になったということではないのですが、1つの例としてではあります。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
2つ目の債権放棄については、今すぐにもやめてしまうという所はありません。どちらかと言うと代替地を見つけて、業務を展開していこうと考えている所が多うございます。ただ1点、原発地域については今後の対応がどうなるか、まだ対応が止まっています。
3点目の事業継続計画については、例えばどのようなことをしたかということで、先ほど申し上げましたが、今までは勤務期間中にこんなことをしなさいというものに対して、実際に通勤時間中に災害に遭ったら安否をどう確認するのか、電話がつながるのかということがありますので、安否の確認については伝言ダイヤルなどを使用しましょうとか、震災当時、私どものロッカーも上から多数落ちてきたので、それについては適正にどんなものでも固定するような方策をしましょうとか、大阪支店も事業継続計画での役割について明確にして、リソースができるある程度のものを設けようとか、そういうことを新たに加えて見直しを行って、その後に訓練を実施したという形になっております。

○浅野委員
今回のようなプロジェクトチームを発足して、非常に円滑に進められたということなので、これらを教訓にして、今後、被災後の支援という形で支援チームの立ち上げとか、支援における非常時の業務運営についても、計画の中に盛り込んでいただければ、一層よいのではないかと思ったのでご質問いたしました。どうもありがとうございました。

○大島部会長代理
大震災に関して大変いろいろされたということは評価するのですが、今回の評価自体、そういう不測の事態を入れた上でのS評価というのは、それは本当に不可抗力で起こったことで、日本全体では行政の動きが非常に悪いというか、いろいろな動きが悪く、実際に国民の一人ひとりはかなり困っている人たちも多い中で、それを評価の中にSという、計画に比べて大変よかったというように言えるのだろうかというところが、最初に読ませていただいたときに、よく分からなかったのです。これはあくまでも、前回決めたものに対して何ができたかです。大震災に関しては非常にたくさんあるのですが、そこの判断というのは果たしてS評価にできるのか。それだけの裏づけの資料があったり、8回やったとか10回やったというのはよくわかりますが、どこでも一生懸命やったわけです。そういう意味で本当にSだろうかという疑問が、私の中にはあるのです。それに的確にお答えいただければと思うのです。
もう1つは人件費が、こういう時期にもかかわらず、対国家公務員比116.4というのは、まだまだどうなのかと思うのです。ほかの法人は少し少なかったものですから、もう少し努力できないものだったのか、それでA評価というのはどうなのかというところが、もう少しおっしゃっていただきたい内容です。もちろん毎年評価されるのは大変です。例えば先ほどの随意契約も、今年はこんなにできたのに、どうして去年はできなかったのだろうとか、やはり単純に思うことがいろいろあります。その辺をご回答いただければと思います。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
震災対応について、どれだけやったからというところはあるとは思うのですけれども、まず評価の視点等については、トップマネジメントが有効に機能されているかという視点で、機構はいろいろやっているかという点があります。こういう点については、理事長のトップマネジメントが有効に活かされて、それで各部が連携して被災地対応を積極的に行ったということで、S評価に値するものと考えております。

○真野部会長
いまの被災地対応については、去年の段階で、もう3.11以降でしたよね。去年の段階で、もう震災対応の話は出ていましたよね。それをやった結果がよかったという意味ですよね。だから去年の段階で、少し目標みたいに組み込まれていたわけですよね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
そうです。

○大島部会長代理
その資料はまだまとめていらっしゃらないというお話もあって、どのぐらいやったかというのはまだとおっしゃっていたのですが、この中に詳しくどんなことをやったというのは書かれているわけですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
各事業の説明のところで、被災地対応について個別にどんなことを実施したかというのは、この後説明させていただきたいと思っております。

○松原委員
いまの話と関連することですが、通常業務に対してどうだったかを評価するところであって、特別なイベントがあったことに対してどう対応したから、それをSというのはどうなのかというご意見だと思ったのです。そういうことでよろしいでしょうか。WAMの貸付業務に関する目的、意義というのは、まさに地域に貢献している医療機関とか福祉施設に対して、ニーズのある所に貸し付けることです。そのニーズが震災の場所にものすごく出た場合は、そこに一生懸命貸付することが、まさに目標に見合ったことですので、それを一生懸命やったことは、S評価に値すると私は思っています。

○真野部会長
少なくともこれは目的に適っているし、去年からこういう話はしていたということのようですね。2点目をお願いします。

○福祉医療機構総務企画部長
総務企画部長の難波と申します。先ほどのラスパイレスの関係ですけれども、全体としては今116.4というのが国家公務員との比較です。ただ、これは国家公務員の地方を含めて全体での対比ですから、私どもがラスパイレスを比較するときには、学歴と地域別を勘案して比較しております。現在のところ101.5というのが、対比する数値として整理しているということでご理解いただきたいと思います。

○真野部会長
私から最後に1つだけ申し上げます。直接は関係のない所かもしれませんが、政策投資銀行のほうで、先ほど浅野先生が言われていた病院のBCMなどを評価するというような話が、たしか最近出たような気がするのです。必ずしもBCMではないのですけれども、貸付でそういう取組みをされていることによって金利を変えるという話を、公の場だったのかプライベートな場だったのかは忘れましたが、以前にチラッと聞いたような気もするのです。BCMでも医療機能評価機構でもいいのですけれども、そういうものを取っているがゆえに金利を優遇するとか、そういうアクションは結局されていないのですね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
そういう点はあるのかもしれませんけれども、今のところ、機構の融資の制度の優遇というのは、政策の必要性、国で支援する耐震とか介護基盤整備とか、そういう施策に対して優遇するという方法をとっており、今ご質問にありましたような格付けまでは至っていません。

○真野部会長
よろしいでしょうか。次に、グループ2に行きたいと思います。こちらは「業務の質の向上に関する事項」です。法人からの説明がまた25分で、そのまま議論したいと思います。よろしくお願いします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
パート2ということで、資料28頁をお願いいたします。こちらにつきましては、福祉貸付事業、医療貸付事業、その両方の共通的な事項としまして債権管理、その他経営指導についての評価です。
30頁、評価項目5ですが、「福祉貸付事業」についてご説明させていただきます。こちらについては、自己評定Sとさせていただいております。評価の理由ですが、平成23年度におきましては、平成22年度から引き続きまして政策融資の果たすべき役割を踏まえまして、例えば介護基盤の緊急整備、耐震化整備、保育所整備、これらの増大する利用者ニーズを的確に捉えまして、契約や交付に当たりましては、過去最高額を更新することができまして、施設整備を適切に支援することができたと考えております。
2つ目としましては、お客様から要望が多かった大きな特養などの施設につきまして、償還期間を延長しまして、お客様の目線に立った利用しやすい融資制度を整備したところです。
3つ目としましては、平成23年3月に発生しました東日本大震災につきまして、国におけます平成23年度の補正予算に伴いましてさまざまな優遇制度を行いました。また、現地に出向きまして、都道府県や関係団体と意見交換をしたり、現地相談会を行っております。また、被災地に対します審査・資金交付にあたっては最優先で実施するなど、復興・復旧に対して支援したと思っているところです。このようなことで大幅に年度計画を上回ることができたということで、S評価とさせていただいているところです。
具体的な内容としまして、31頁をお願いいたします。左の棒グラフで説明させていただきますと、契約についてですが、平成21年度、福祉貸付におきましては986億円でした。これが平成22年度には1,686億円、平成23年度には2,447億円ということで、平成23年度におきましては対前年度145%、平成21年度から比較しますと約2.5倍となっておりまして、増大する顧客ニーズに応えたと考えているところです。
33頁ですが、福祉貸付におきまして、政策の優先度に即して平成23年度はどういう融資をするかという融資方針を定めまして、こちらにつきましてホームページに公表して、都道府県にも通知して、機構はこういうものを幅広く融資するというのを公表しているところです。
34頁につきましては、福祉貸付におきます政策適合性です。すでにご承知かとは思いますが、社会福祉施設の特徴について、真ん中のところに書いております。例えば、小規模零細とか低収益構造、それに担保処分が難しいとか、なかなか資金調達のノウハウがないと、こういうところの特徴を踏まえまして、東日本大震災の対応は元より、介護基盤の整備、保育所の整備等、さまざまなことを実施することによって、地域の福祉施設を支援しているという図です。
35頁です。こちらは平成23年度に具体的にどのような優遇措置を行って審査を行ったかというものです。例えば、東日本大震災への対応につきましては全額無利子融資等を行いました。これによりまして108件、76億円の審査を行っているところです。また、介護基盤の緊急整備につきましては、融資率の引き上げや金利を優遇することによりまして550件、1,892億円の審査を行っております。その他右にありますとおり、耐震化や保育所整備への融資率の引上げ等を行っているというものです。
36頁は、具体的に平成23年度に新たに何かしたものはないのかということで、2つほど記載しております。利用者の利便性の向上を図るということで、左側です。こちらにつきましては、社会福祉施設の中で大規模なもの、特養や養護老人ホーム及びケアハウスの耐火構造のものにつきましては、耐用年数等を踏まえまして、償還期間を最長30年まで延長しました。これにより各法人、施設につきましては、キャッシュフローが少し余裕が出るということで、法人の経営の安定に寄与していると考えているところです。平成23年度で利用された方は288件、約半数の方がこの制度を利用したというものです。
右側になりますが、エコに係る融資の優遇です。地球温暖化対策に効果のあります材木を利用したもの、木造建築ですが、こういうものとか、再生可能エネルギー、太陽光発電とか風力発電を設置するものに対しては、融資率を引き上げて支援するということで、平成23年度では27件のご利用がございました。その他、いちばん下になりますが、個人保証の免除ということで、こちらは平成22年度から貸付利息に一定のオンコスト、0.05%ですが、これをすることによりまして保証人を免除するという制度です。平成23年度におきましては996件、利用率で70%ということで、広く利用されているところです。
37頁、こちらにつきましては福祉の特徴を表しているところですが、上段の「地域密着型サービス」につきましては、平成18年度から介護保険の改正等に伴いまして創設されたものです。以前は大きな施設でみんなが入るというものでしたが、今後は地域で密着した小規模な所で介護をぐるぐる回していくというものでして、機構におきましても、平成23年度におきまして329件の審査を行ったところです。
また、下になりますが、補助採択事業への融資ということで、昨年の審査1,379件中1,253件ということで、90%がいわゆる補助裏といいましょうか、国とか地方の補助金・交付金に重点を置いて融資を行ってきたところです。しかし、右側に書いておりますが、補助なしの事業につきましても、地域の整備の必要性等々を勘案しまして、福祉政策上必要と認められるものについては、適切に融資を行っているところです。
38頁が福祉貸付における東日本大震災への対応です。右側のところにお客様への対応ということで、機構がいろいろ講じた措置につきましては当然のことながら機構のHPで周知し、これを徹底しているところですが、震災直後に福祉につきましては専用ダイヤルの特別相談窓口を設置しているところです。その他にも現地相談会は10回、その他福祉関係者、こちらは社協とか経営協ですが、こちらといま何が必要か等いろいろなことの打合わせをして、被災地についての支援を行ってきているところです。左の表ですが、福祉貸付におきましては、平成23年度の実績としまして108件、76億円の審査を行っているものです。
下のところが、平成23年度にどういう優遇措置をしたのか、主なものを記載しております。1次補正、2次補正、3次補正とございますが、基本的には福祉貸付におきましては全額無利子を整備資金については取り入れております。その他、限度額の撤廃とか、二重ローン等になる可能性もありますので、最長39年間ということで償還期間も延長しているものです。また、3次補正としまして、復旧だけではなく復興のための融資制度としてを創設しております。こちらにつきましては、市町村の復興計画を踏まえまして、小規模で、その地域に施設を新設するものにつきましても金利を優遇するということで、地域の福祉を推進するための融資を行っているものです。このようなことをしまして、迅速かつきめ細やかな対応を図ることができたということです。
39頁が利用者サービスの向上です。いろいろ行っておりますが、いちばん左上では、早期の段階から、補助の協議前から相談を受けたり、その中で利用者のニーズとか、建物の構造はこういうことがいいとか、さまざまな助言を行っているということ。また、「融資のポイント(ガイドライン)」を作成しまして、これを公表することによりまして、機構ではこのような視点で審査をしていますということが利用者によりわかるように提示をしているところです。また、左下になりますが、施設整備の情報提供ということで、平成22年度におきましてはユニット型の特養の実態調査をして、結果を公表したところですが、平成23年度につきましては、これに加えまして新たに認知症高齢者グループホーム、小規模多機能に対しても調査を行いまして、この結果を機構のホームページに公表しているということで、情報提供の充実を図っているところです。また右下ですが、借入申込書の簡素化ということで、借入申込書の中にはいろいろなもの、例えば県とか市に申請するときの書類等がございますが、それを活用することによりまして、従来より約30%以上、書類の簡素化を実施しているところです。以上のようなさまざまな利用者サービスの向上を図って、機構融資を利用しやすくしているところです。
40頁が福祉貸付における協調融資制度です。評価の視点につきましては、協調融資制度の充実を図っているかという点です。この制度につきましては、平成19年度、いちばん最初は介護保険施設のみが対象になっておりましたが、平成20年度からはすべての社会福祉施設を対象としているところです。ちなみに右の表です。平成23年度におきましてこの制度を利用した実績としましては261件、パーセントとしましては20%弱の方が利用したこととなっています。そこの上に施設別の利用状況を書いております。老人施設については約3分の1程度が利用しておりますが、児童・障害についてはなかなか利用に至っていないというところです。こういう児童・障害施設が一般に小規模であるということで、総事業費があまり多くない、また、補助金等も手厚いということから、民間の銀行まで融資しなくても、補助金と自己資金等で賄えているのではないかと考えているところです。
また、下のほうの協調融資制度の適正な運用ということで、制度の周知につきましては、借入申込者に対しまして、こういう制度がありますということの説明会を開いています。その他、受託金融機関の事務打合せ会においても周知をしているところです。その結果、右の棒グラフですが、覚書締結機関につきましては、平成23年度295件ということで、昨年度より19機関増加しているということです。機構におきましては、今後引き続きまして制度の周知、それに覚書の締結機関の拡大を図っていこうと考えているところです。
41頁、審査・資金交付の事務処理の短縮です。こちらにつきましては、「事務・事業の見直しの基本方針」に基づきまして、効率化の観点から更なる審査期間の短縮を求められました。この結果、平成23年度におきましては中期計画を変更しまして、目標を30日以内に審査処理することにしたところです。結果としましては27.8日ということで、さまざまな取組みをした結果、過去最短ということで目標を達成しているところです。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
続きまして43頁、「医療貸付事業」です。こちらにつきましても、自己評定をSとさせていただいております。総括としましては、平成22年度に引き続きまして耐震化、それに経営安定化資金等の優遇措置を行いまして、増大するニーズに応えたということ。また、先ほどの福祉と同様ですが、施設におきまして償還期間の延長、また東日本大震災についても適正・迅速に対応したということで、自己評定をSとさせていただいております。
44頁が、先ほどの福祉と同じように契約の状況です。平成21年度は860億円の契約でしたが、平成22年度には1,375億円、平成23年度には1,399億円ということで、ここ数年需要が増加しているということです。
46頁が病院の施設整備に関します融資の特徴です。私どもでは、医療の機能分化の推進ということで、特定病院につきまして約7割の融資を行っております。特定病院につきましては、この下に書いてありますとおり、地域医療支援病院、臨床研修指定病院等です。こういう所に対しまして、通常の融資限度額を超えて融資するという優遇制度を行っているところです。その他につきましても、耐震化、財政基盤が脆弱な中小病院に対して優遇措置を行っているところです。
47頁が、地域における医療機関を取り巻く環境を真ん中に書いております。昨今、まだ民間金融機関の貸出態度が芳しくない、悪化している状況、また、従前からの診療報酬等のマイナス改定等、また、建物の老朽化の整備が遅れているということで、こういうさまざまな課題に対しまして、機構は積極的に施設運営を支援しているものです。
48頁が平成23年度の具体的な優遇制度の内容と実績です。東日本大震災対応につきましては412件、212億円、右になりますが耐震化整備につきましては62件、1,139億円の審査を行っているところです。
49頁、利用者ニーズに即した融資制度です。左のほうは、福祉貸付と同様です。大きな施設であります病院とか介護老健施設の償還期間を30年に延長したこと。右につきましては、なかなか整備されていない耐震化につきまして、すでに優遇しておりましたが、平成23年度に更なる優遇を行ったということ。下のところになりますが、経営安定化資金につきましては、平成22年度までということでしたが、環境がなかなか変化しないということで、もう1年、平成23年度も引き続きこちらの制度を延長したというものです。
その他、50頁ですが、個人保証の免除につきましても、医療はオンコスト0.2%で、平成22年度は利用件数は51件でしたが、平成23年度につきましては203件ということで、4割程度にこの制度を利用していただいているというところです。
51頁、震災対応です。基本的には、福祉と同様の取組みをさせていただいているところでして、結果としまして、表になりますが、平成23年度の対応としましては412件、212億円の審査をしております。また、平成23年度に実行しました優遇につきましては、特に大きなところを1つ申し上げますと、今回、貸付の当初5年間7.2億円以下ですが、医療貸付で初めて無利子の制度を導入したということです。その他につきましては、償還期間の延長等をしまして、こちらも適切に審査・契約を実施しているところです。
52頁、利用者サービスの向上です。融資につきまして全国7ブロックに分けまして、融資相談会を計14回開催するなど、福祉と同様に事業計画の早期の段階からいろいろな相談に応じまして、専門的なアドバイスを行いました。その他借入申込書の簡素化、それに一部電子化にも取り組んでいるというものです。
53頁、こちらも福祉と同様、審査処理期間の短縮ということで、平成23年度から目標30日ということになっております。こちらにつきましてもさまざまな対応をした結果、平成23年度におきましては21.1日ということで、過去最短を更新しているというところです。
54頁、評価項目7、「債権管理」についてです。自己評定はBとさせていただいております。こちらにつきましては、1つ目としまして新規融資額の縮減ですが、昨今の介護基盤の緊急整備、それに耐震化整備、これらのニーズが非常に多うございまして、結果として平成23年度の新規融資につきましては、東日本大震災分を除きましても3,657億円ということで、対前年度比119%となっております。その他、いちばん下になりますが、リスク管理債権比率につきましては、東日本大震災の特殊要因を除きますと、リスク管理債権比率2.44%ということで、中期計画の目標である1.56%は達成できませんでしたが、昨年に比べますと減少することができたというものです。
55頁、新規融資額の縮減についてです。下の棒グラフをご覧いただきますと、平成17年度の基準年度4,026億円につきまして、平成24年度の目標ということで20%削減、3,220億円の契約額にするというものです。結果としては、先ほど申しましたように3.657億円ということで、平成17年度比較▲9.2%ということになっております。右のほうに新規融資額の縮減の考え方がございますが、勧告の方向性、整理合理化計画によりまして、第2期中期に20%削減が取り入れられたところです。しかしながら、現在、平成20年度に創設されました安心こども基金や、介護基盤緊急整備によります特例基金、それに耐震化の特例交付金、さまざまな需要が増大し、福祉医療の環境が変わったということです。機構としましては、今後も政策融資の果たすべき役割、必要なものについては、適切にそのニーズに応えるということが私どもの役目の1つであると考えているところです。
56頁の利差益の確保、それに貸付対象施設の見直しにつきましても、スクラップ・アンド・ビルドの考え方で適切に行っているというところです。
57頁、適切な債権管理についてですが、基本的には貸付先の決算状況等を分析しております。また、大口の債権についても分析しています。また、経営の悪くなった所につきましては、実地調査を踏まえまして、その内容をまた検証しまして、関連各部にフィードバックしているというものです。こういうことによりまして、このあと申し上げますが、リスク管理債権比率は対前年度比▲0.23%減少できたと考えております。
59頁、東日本大震災への対応です。被災直後に被災地を訪問したわけですが、具体的な措置としましては、左側になりますが、当面6カ月、133貸付先、残高456億円につきまして元利金の返済猶予を実施したところです。そのあとですが、被災地の被害状況、軽微な所、この49貸付先については、いま現在約定どおりに返済がなされているところです。そのあとということで、いちばん右になりますが、返済は再開しましたが、変更契約を行って、いま、条件変更を行った先が34貸付先、それと、まだなかなか今後どうなるかわからないとか、違う再開場所を探しているとか、そういう所の返済猶予の延長につきましては、50貸付先について返済猶予を行っているというものです。このようにいろいろな再生の可能性のあるものにつきましては、民間金融機関と協調しながら、積極的に条件緩和を行っているところです。
60頁のリスク管理債権比率です。こちらにつきましては1.56%が1つの目標になっているところです。先ほど申し上げましたとおり、特殊要因であります東日本大震災分を除きますと2.44%ということで、対前年度▲0.23%となっております。下の棒グラフを見ていただきますと、第2期の初年度の20年度に比較しましても、比率は2.97%から2.44%ということで0.53%、金額としましても、リスク管理債権比率を180億円以上圧縮しているというものです。
その他、61頁につきましては、医療・介護を取り巻く経営環境について簡単に記載させていただいております。この中で特にありますのは、右下の3にありますが、医師や看護師の有効求人倍率が平成23年度は平成22年度に比べて高くなっておりまして、引き続きスタッフの確保はなかなか厳しいという状況です。
62頁、こちらは貸出条件緩和債権を除いたらリスク管理債権の状態はどうなるのだろうということでして、上のオレンジ色の折線グラフのところ、リスク管理債権比率2.44%と書いておりますが、紺色、中段になりますが、条件緩和を除きますと1.06%ということで、この差額1.38%が条件緩和先になるわけです。機構としましては、条件緩和につきまして、今後の施設の運営状況、将来見通しを勘案して、必要なものに対しては、条件緩和を積極的に行うことによって福祉医療施設の再生を後押しすることを考えておりまして、新規融資を行うのと同じぐらい条件緩和は重要な政策の1つと考えているところです。
評価項目8番目、66頁です。「福祉医療経営指導事業」です。こちらにつきましては、自己評定Aとさせていただいております。総括としましては、セミナーの開催につきましては、いろいろな目標数値をクリアしているということ、セミナーにおける提供情報の重点化につきましても、「見直しの基本方針」に沿って適正に行っているということ、診断メニューの多様化にも適切に対応している、というところが主なところです。
それでは個別です。67頁をお開きください。こちらは集団経営指導の開催状況です。3点ほど数値目標がございますが、10週間前までの開催内容の告知、それに延べ受講者数、満足度指標、これらすべてにつきまして計画を達成しているところです。
下の68頁ですが、セミナーにおける提供情報等の重点化というものです。
「見直しの基本方針」において、こちらの経営指導事業については2つのことが言われております。1つは、セミナーにおきまして民間と競合する業務は廃止して、機能強化に特化したものに重点的にセミナーを行いなさいという指摘です。平成23年度の取組みとしましては、民間コンサル等でできるような、単なる行政担当者や学識経験者によります政策動向だけの講義を廃止しまして、例えば施設別のセミナーから地域の医療をどうするのか、テーマ別のセミナーに内容を変更しております。その他、例えば、単に機構が持っておりますデータを説明するだけではなくて、仮説を立てることによって分析をする。その他、機構で融資した貸付先の経営実践事例とか優良事例の説明を行う等ですが、そういうことでセミナーを変えているというところです。
もう1つは、経営指導ノウハウの民間への普及検討ということで、民間への普及について具体的に何か検討しなさい、ということが基本方針で言われております。平成23年度の取組みとしましては、都銀・地銀を含めまして13行に対して、経営指導ノウハウについてどのような情報の提供を希望しているか、というヒアリングを行っております。その結果を中間報告に取りまとめたわけですが、平成24年度に試行的に今度10月に民間金融機関の合同セミナーを行いまして、機構のノウハウを提供するというセミナーを行うこと。もう1つ、機構の受託金融機関の事務説明会があるのですが、その場で経営参考指標等の経営診断に関するコマを設けて、そこで民間に対してノウハウを提供していくということを考えているところです。
69頁、上のほうはメニューの多様化ということです。いままでは特養とケアハウスと病院と老健、これが個別の経営診断のメニューでした。これを平成23年度は、保育所の経営指標を新たに作成しまして、簡易の経営診断を実施したところです。平成24年度の利用の開始に向け、経営者自らが自分で経営の状況を入力しますと、自己でチェックができるというシステムを構築しまして、平成24年度の実施に向けて、いま取りかかっているところです。その他、個別経営診断の実績につきましては、診断件数年間目標280件というところが575件ということで、こちらも大幅に目標をクリアしております。
70頁、個別経営診断につきましても、その処理日数については、中期計画を達成しているところです。最後になりますが、集団経営指導と個別経営診断における収支相償についてです。こちらにつきましても、適正に実施したことによりまして、集団経営指導につきましては収支差195万円、個別につきましては720万円ということで、合わせて920万円ほど自己収入を確保することができました。パート2の説明は以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。質問はいかがでしょうか。

○石渡委員
先ほどから出ている東日本大震災に対しての対応については、本当に迅速な、WAMならではの活動をしてくださり、大変感謝しております。東日本の被災地対応ということで、WAMとして貸付や融資をおやりになるのは大きな成果を出されていると思うのですが、具体的な相談会とか電話での相談などもやられている中で、生活そのものに対する不安や課題についての声というのを受け止めたりはされていないのか。もし、そのようなのがあった場合、例えば他の機関との連携でそういった声に応ずるようなことがあったのか。そういった辺りが、ずっとお聞きしていて疑問に思っているのですけれども、WAMには生活にかかわる相談などは挙がってこないのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
私どもの特別相談窓口には、各事業に対して相談が来ます。例えば福祉事業の貸付については、やはり施設の開設者等が中心になりますし、例えば助成事業の部分については、助成をしている地域を支援しているNPOの方からの意見とか、いま言われた生活に困っているというものについては、年金担保貸付など住宅融資を行っておりますが、返済がなかなか困難という相談も受けておりまして、それについては条件緩和等の対応はさせていただいております。

○福祉医療機構理事長
直接ではないのですが、いま申し上げたように助成事業として、NPOの被災地への支援活動を支援することを通して生活相談を、例えば被災して育児等でいろいろ悩んでいる母親あるいは父親からの電話相談を受けるNPOがあるのですが、そちらに助成するとか、そのようなことでの対応が主です。

○石渡委員
WAM本来の業務をやるに当たって、質の向上といったところを考えるときに、やはり、生活実態という辺りを踏まえた上でいろいろと対応していただく必要性というのは、緊急事態なだけに、ますますさまざまなニーズが挙がってくると思います。逼迫した状況のときのニーズを押さえておくということは、具体的な経営指導などに活かせたりすることなどがあるのではないかという気がしますし、そのような視点からのニーズ把握みたいなところにも着目していただくと、WAMの仕事の中身などが変わるきっかけにもなったりするのではないかと思っております。

○真野部会長
ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。

○浅野委員
2点ほどお伺いします。今回、福祉貸付と医療貸付で審査期間が短縮されているのですが、その要因となったもの、例えば審査のプロセスを標準化したとか、あるいは貸付先によく理解していただいて、きちっとした書面を出してもらったとか、いくつか理由があれば教えていただきたいと思います。それからリスク管理債権の比率が、ここ数年横這いなのですけれども、いろいろな優遇措置や政策的な措置を受けた政策金融機関なので、どうしてもこういった横這いにならざるを得ない状況なのか、今後改善ができる余地はあるのか、その辺についてもお尋ねしたいと思います。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
1点目の審査期間の短縮については、まず、早期からの相談ということで、計画の段階からいろいろな相談を行いまして、こんなところがポイントですとか、こういうところが計画に対しては重要ですなどというアドバイスをすることで、ある程度このような方向でできるというところが決まるというのが1点。そのほかに書面審査を取り入れたり、いままでは福祉・医療とも、基本的に月1回の審査会が行われていたのですが、月1回に限らず、必要なときに、必要なものに対して臨機応変に審査会を実施し、早期に決定するという取組みをしております。
2点目のリスク管理債権比率についてですが、やはり、福祉と医療を取り巻く環境は今も厳しく、人員の確保ができないとか、金融機関等から融資してもらうことが困難な場合もあります。いま、一生懸命リスク管理債権の低減に努めているところですが、劇的に低くなることはなかなか難しいかと思います。先ほど申し上げたとおり、リスク管理債権比率の半分ぐらいは条件緩和によるものです。これを行うことによってリスク管理債権比率は上がりますが、それを行うことによって施設が再生していくということが1つの役割と考えておりますので、ある程度のリスク管理債権比率というのは致し方ないのかなと思っております。

○浅野委員
業務理念を考えると、杓子定規に管理数値だけでやっていくというのはどうかなという点もあるということですね。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
おっしゃるとおりです。

○浅野委員
わかりました。

○真野部会長
関連してですが、個人債務保証をしないというものについて、オンコストが福祉は0.05%、医療は0.02%となっています。これは一般の標準と比べてあまり高くないような気がしないでもないのですが、どうでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
オンコストの金利分については、機構の貸付先に対して、福祉についてどのぐらいリスクが発生するか、また、当然医療のほうがリスク管理債権比率が高いので、オンコスト的にも高くなっているのですが、その金額をはじきまして金利を設定しているということで、普通の保証に比べますと、低い金利でオンコストすることで、このような制度ができていると考えております。

○真野部会長
結局、それは他の金融機関の貸出に比べると、医療や福祉はリスクが比較的低いので、オンコストも低くなっているという理解でよろしいのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
結構です。

○松原委員
意見が2つあります。1点目は経営者側から見た融資期間についてで、いままでの融資期間20年に対して、減価償却期間は普通39年というギャップがあるから、その分、利益を出さなくてはいけないということで経営を圧迫してきたわけですけれども、そこを20年から30年にしたということは、経営側からすると、本当に経営の安定に資する画期的なことです。さらっと説明されていましたけれども、非常にすごいことだなと思っております。ただ、まだギャップの期間はあるので、もう少し延長できたら素晴らしいなと、これは希望です。
もう1点は、保育所のことです。少子高齢化の抜本的対策は子どもを増やすしかないわけですが、いま保育所がないから、子どもを産む気にならない女性がたくさんいる中で、是非、保育所の融資の件数を増やせるようにしていただきたい。当然ニーズはあるわけですが、融資をしてほしいという事業所が少ないのであれば、待つのではなく、打って出る。日本国中でやれというのではなくて、保育所待機児童が多いエリアは限定されているので、そこを重点的に営業に行くぐらいの姿勢で取り組んでいただければいいなと思います。

○橋田委員
政策融資ということで、47頁について質問いたします。大震災への対応、あるいは経営のサポートといった辺りはよくわかるのですが、例えば政策との関連で「療養病床転換を推進」、「病床不足地域の整備促進」等があるわけですが、もう少し具体的に、例えば地域に対してどのぐらい集中的にそうしたサポートができているかとか、これによって転換率がどのぐらい上がったというか、貢献したかなど、そういったデータなどはあるのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
病床不足地域への融資については、政策融資の基本と言いますか、量を確保するということでやっているところです。いま数字的なデータは持っておりませんけれども、基本的に金利を優遇する等のことで積極的に対応しているところではあります。もう1点の療養病床の転換については、当初いろいろあったのですが、国の今後の見通しと言うのでしょうか、それが今ひとつ明確になっていない部分がありまして、病院についても今後どのようにしていこうかという様子ながめのようなことをしている状況です。この方針については、病院の機能の分化というものがありますので、亜急性にいくのか、慢性期にいくのかがもう少し明確になれば、そちらの整備についても今後増加していくものではないかと考えております。

○大島部会長代理
ちょっと教えていただきたいと思います。福祉貸付資金とか、医療のほうでもどのぐらい貸し付けたかという実数は出ているのですが、要望があった中で大体何パーセントぐらいが達成できているのか。かなり多くの申請件数があると思うのですけれども、予算との関係もあるでしょうが、どのぐらい実行されているのでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
要望件数ですが、例えば福祉貸付においては国や地方の必要なもの、このような計画が地域で必要だということで持ち上がってくるものなので、基本的に融資をする方向で審査をさせていただいております。福祉と医療についても、事業計画自体が駄目というのではなくて、その施設がその地域で必要であれば計画の見直し、例えば過大な投資ということであれば、これはやめたほうがいいですとか、アドバイスをさせていただきながら、この地域ではこのぐらいの投資であれば収支が釣り合うのではないかとか、こうしたことを行うことによって審査をしておりまして、ここが駄目だという杜撰な計画というのもありますけれども、それ以外については、積極的に施設を立ち上げて地域に貢献するという観点から、要望についてはできるだけクリアしていくことを考えているところです。

○五十嵐委員
70頁の自己収入の確保についてですが、特に右側の収支差は非常に大きく出てしまっているので、ややもすると、逆に料金が高いではないかなどといった誤解をされてマイナスの効果になりかねないのですが、費用として計上している金額はどこまで入っていて、決して全体のではないという説明をしていただきたいと思います。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
こちらの基本的な考えですが、人件費とか、その他のコストについては運営費交付金でいただいているものでして、例えばセミナーの開催については、会場の借上げ費用、印刷代といった直接かかわる経費について、収支相償をどうしているか判断しているということです。そのため、個別経営診断については、どうしても人件費が多いものですから、その関係で収支相償の金額が多めに出ているということです。

○五十嵐委員
システム関係の費用は入っていないということですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
こちらには入っておりません。

○真野部会長
よろしいでしょうか。本来であれば、5分ほど休憩を取るところですが、30分近く遅れておりますので、休憩なしで続けます。議論が結構はずみますので、恐縮ですが、説明のほうはやや短めにお願いいたします。それでは、グループ3です。「業務の質の向上に関する事項」をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
74頁、「社会福祉振興助成事業」です。自己評定はAとしております。
個別ということで76頁をお願いいたします。応募要件の策定・公表を適切にしているかというものです。機構においては、従前は助成対象について、例えば先進的、独創的、地域に活動支援をするもの、障害者スポーツなどの支援をするという区分でしたが、平成23年度より、国と協議の上、どちらかと言うと他団体との連携やネットワークを図りまして、相互に協働・共有できる事業について助成事業を見直しました。左に書いてありますが、区分として福祉活動支援事業等4つになっております。
このほか右に、「助成対象テーマ及び重点助成分野」とありますが、こちらについても助成の財源が補助金になったことから、政策動向や国民のニーズ、地方と国との役割分担といったことを踏まえて、国が行うべきものに限定したものにテーマを設定しております。また、平成23年度における重点化については、1次募集として、高齢者などの孤立防止や児童虐待防止、貧困対策を重点項目として行っております。また、平成23年度は東日本大震災の被災者支援事業について、新たに2次募集等を行っているところです。これについては応募要領が決まり次第、ホームページ等で速やかに公表しております。平成24年度の募集要領についても、審査・評価委員会の事後評価の結果を踏まえ、適正に助成テーマ等の追加、見直し等を行っているところです。
77頁は助成の審査・採択の実績です。右上の表ですが、平成23年度における要望件数は1,630件、金額74億円余に対して、採択件数551件、金額20億円余を採択しております。また、下は2次募集で行った東日本大震災に対応する支援が100件、4億7,100万円で、全体の2割程度に重点を置いて助成したところです。
78頁では資金調達が厳しい団体、特に特定非営利法人につきまして、多くのところに助成をしなさいということで、中期目標では80%以上のところに対して助成をしなさいということになっております。実績としましては、全助成件数551件のうち459件で、83%達成しており、中期計画の目標を達成しているところです。
その下になりますが、事後評価はきちんとしているかということです。結論的には、審査・評価委員会が定めました評価方針に基づきまして、まず、すべての助成法人に対して自己評価を行っていただきまして、その中で選ばれた113事業について複数の委員によるヒアリング調査を実施しました。ヒアリングをしなかったものにつきましては、機構の事務局から個別に書面評価を行いました。こういうことをしまして、この評価結果を平成24年度、平成25年度の助成の募集要領や選定方針に反映させているところです。
79頁は助成団体にどんな助言を行っているかということです。例えば左の下ですが、助成の財源が補助金になったということで、全国7カ所において会計処理や事業完了報告書の作成についての相談・助言を行っているところです。そのほか、助成事業の報告会のあとで、参加者同士において意見交換会を開きまして、現場とのネットワークづくりを推進しているところです。また、右の下になりますが、こちらは機構職員の専門性の向上ということで、下のオレンジ色のところですが、機構の担当を4分野に分割しまして、この分野に対して継続的に、直接的に確認をしながら、その助成の団体と意見交換をする。そこで出た課題等を機構に持ち帰って、それをまた報告して情報の共有をする等、専門性の向上に努めているところです。
80頁がさまざまな数値目標です。例えば、助成先の80%以上が、何らかの効果があったかということに対しましては、参考の赤いところになりますが、「信用度が大きくアップした」、「組織の活性化が図られた」等ありまして、結果的に91.1%の助成先から、何らかの効果があったという回答を得られているところです。下のほうが、ではエンドユーザー、助成を受けた方、利用者がどんなことを考えていたのかということです。こちらのエンドユーザーの満足度では、70%以上という目標に対しまして、94.5%のエンドユーザーから「満足した」という回答を得られているところです。
81頁の助成報告会の開催です。こちらにつきましては、優良な事例、成果につきまして、平成23年度においては3回、助成事業の報告会を行っております。そのほかということで右側に書いておりますが、実際、東日本大震災を支援しているNPOの方たちに来ていただきまして、さまざまな連携の重要性とか、どんなことをしたらいいのかとか、ディスカッション方式のシンポジウムを開催したところです。これにつきましては、NHKニュースにも紹介されまして、内容が広く周知されております。参加された方のアンケートでも、95%の方が「良かった」と、非常に高い評価をいただいているところです。
続きまして83頁、評価項目10、「退職手当共済事業」です。自己評定はSとさせていただいております。ここにつきましては、昨年と同様にSと評定しているところです。今年のポイントとしましても、退職手当に係る平均日数が、例えば給付回数の見直しで、昨年同様月4回やっているとか、都道府県に対しまして支給財源である補助金の早期入金を働きかけたり、実務研修会を41回開催したところです。また、機構の中においても、事務処理のピークに合わせて人員配置を変えるなど、適正に対応したことにより、平成23年度においても平均処理期間35.4日ということで、前年度と比較してもさらに3.6日短縮しまして、最短記録を更新しているところです。
そのほかとしまして、提出書類の電子化につきましては、電子届出システムの利用状況を上げる取組みをしているところです。
詳細につきましては84頁です。平均処理期間の短縮ということで、平成18年度は91.7日であったものが、平成23年度には35.4日というように非常に短縮しております。目標の75日を約39.6日、非常に短縮しているところです。これらにより利用サービスの向上が図られていると考えております。
85頁、提出書類の電子化です。こちらにつきましても、利用者アンケートに基づいてシステムを改善しております。そのほか、システムの操作説明会をする。また、電子届出システムを利用していない法人に、利用のご案内そのほか、電話でのご案内等をしまして、最終的に平成24年度では、棒グラフですが、1万3,647法人で、83%の方がこのシステムを利用していただいたということです。右のほうに電子システムにおける「プラスの相乗効果」があります。電子システムを利用することにより、提出内容にエラーがいろいろありますと、機構に送信できなくて、いろいろ、ここが駄目ですよとチェックができるということがあります。そういう観点で、提出書類のエラーが2%ほどあったものが0.2%と、エラーの発生も縮減されています。エラーの発生が少なくなりますと、機構においても事務負担が軽減されて、その結果、給付の事務に重点的に取り組めるということになっています。今回、これがぐるぐる回ることによって、更なる期間短縮が可能になったと考えております。
86頁が利用者に対する制度の周知等です。利用者への制度の周知としましては、当機構の職員を派遣して実務研修会を延べ41回開催したり、共済契約者を直接訪問して、事務取扱い等を説明しているところです。また、業務委託先であります都道府県の社協に対しても、適切な事務を行うよう打合せ等をやっているところです。また、右になりますが、加入の促進ということで、機構が開催しておりますセミナーにおいて、リーフレットの配布、制度の説明を行うことにより、平成23年度では191法人ですが、新たに制度に参加していただいたというものです。また、東日本大震災の対応です。被災後すぐに、被災地の共済契約者に対して個別に連絡をしまして、その対応状況を聞きまして、申し出のあった21契約先について、通常は5月までに掛金を納付するわけですが、この延長を行ったというものです。
続きまして88頁、評価項目11、「心身障害者扶養保険事業」です。自己評定はBとしております。こちらについて、89頁ですが、財務状況の検証と公表です。私どもでは外部有識者からなります「財務状況検討会」を実施しておりまして、平成22年度の決算を踏まえ、その結果を厚労省、都道府県、加入者、障害者関係団体に公表しているところです。
また、90頁ですが、これは運用の基本的な考え方です。こちらにつきましては、心身障害者扶養保険資産運用委員会が基本ポートフォリオを策定しまして、それに沿って適正に運用したということです。
91頁が、各ベンチマークごとの収益率がどうなっているかということです。右のところを見ていただきますと、それぞれの国内の債券から短期資産まであるわけですが、ベンチマークとしましては2.58%、機構の実績としましては2.52%ということで、それぞれの金融資産に対しましても概ね良好な数字となっております。ベンチマーク収益率についてはある程度確保できたと考えております。
92頁の「参考」で、心身障害者扶養保険の繰越欠損金についてです。この制度設計につきましては、厚生労働大臣より指定の利回りが2.8%となっております。昨今のいろいろな経済事情により、2.8%をクリアするのはなかなか難しいわけです。平成23年度の決算においては、右のところに書いてありますとおり、金銭の信託収益は、先ほど申しましたように2.52%の運用利回りにより、17億円ほどの金銭の信託収入が得られたわけです。右のほうにあります責任準備金は、年金受給者の増加に加え、責任準備金の起算の算定方式を見直した結果、責任準備金が38億円増加しております。その結果、当期損失金が21億円発生しているというものです。これにつきましては、外部専門家からなります「資産運用委員会」の助言を受けまして、資金の安全かつ効率的な運用に今後も努めることとしております。
94頁につきましては、事務の担当者の会議については適正に実施しているところ、また、東日本大震災への対応につきましては、被災地における地方公共団体に対する保険料の納付期限の猶予等をしております。そのほか、年金給付保険金、弔慰金給付保険金の申請につきまして、震災等で書類がばらばらになっている所がありますので、その事務手続の簡素化を行ったというものです。
続きまして96頁、「WAMNET事業」です。自己評定はAとさせていただいております。情報提供の質の向上、「事務・事業の見直しの基本方針」に基づいて適正に対応したこと、そのほか、各数値目標を達成したこと、以上の点によりA評価とさせていただいているところです。
まず97頁、提供情報の質の向上です。左ですが、東日本大震災の復興支援を行っている団体に、専用の掲示板を設けたということで、その団体がどんな活動をしているのか、地域のニーズはどんなものがあるか、団体としてどんな要求があるのか等を掲載することにより、被災地の情報の共有に寄与したと考えております。そのほか、情報のわかりやすい提供ということでは、機構のセミナーの内容、厚労省の審議会、そのほか経営支援室と連携して、病院、特養等の経営の状況につきまして概要をコラム形式で掲載することで、わかりやすい情報の提供に取り組んでいるところです。
98頁が提供情報の重点化です。こちらにつきましては、「見直しの基本方針」により2つのことが言われております。1つは国と重複する情報ということで、左になりますが、行政資料の直接掲載につきまして、厚労省のホームページにリンクするということで、利用者の利便性を配慮した上で平成23年4月1日に廃止しているところです。もう1点としまして民間と競合する情報の廃止です。ワムネットプラスというサイトがありました。これは福祉用具や福祉機器情報などを掲載しているところですが、民間でもできるであろうということで4月から掲載を停止しているところです。
このほか、先ほど若干申し上げましたが、平成24年10月の運用開始に向けまして、いま、新システムの開設をしております。内容的には、福祉医療の全般的なサービスを解説したり、そのほか、地域の先駆的な取組みを紹介する、こういうサイトに変えていこうということです。先ほど申し上げましたとおり、平成23年度は予算を6億円に削減したあと、このシステムが出来ますと、平成24年度は4億円程度の金額で運用を行っていくというものです。
次に99頁、数値目標です。まず、ヒット件数目標につきましては1億9,000万件ですが、実績としましては2億件を超えるヒット件数ということで、高水準を確保しております。平成22年度からは若干落ちております。これは、行政情報及びワムネットプラスの掲載を平成23年度の4月から廃止したことによる影響で若干落ちているというものです。また、利用機関の登録につきましては、目標8万3,000件を上回る実績を上げています。また、満足度指数につきましても、目標90%のところ90%を超える高水準を維持しているということで、数値目標につきましても目標をクリアしているというものです。
最後の100頁は、WAMNET基盤の活用ということで、左から2つ目にありますとおり、先ほど説明しました退職手当共済電子届出システムの利用率が83%、私どもの医療福祉の貸付に対する事業報告書の電子報告システムの利用率が65%。また、助成事業につきまして、昨年からメールマガジンを配信しておりまして、読者としては2,000人程度ですが、計15回配信したということで、機構の業務の効率的実施を推進しているというところです。駆け足になりましたが、説明は以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。ご協力、ありがとうございました。では、ご質問等はいかがでしょうか。よろしいですか。旧来からいろいろ議論されていた、特にWAMNETに関して、非常に、スリムという表現がいいかどうかわかりませんが、うまく重点化ができてきたのかなという感じは受けましたが、よろしいですか。お願いします。

○大島部会長代理
WAMNETの情報ですが、例えば、有料老人ホームがいちばん最初のホームページのところにあったりいろいろしていると思うのですが、私どもが見て、そこが本当に優良なところとして出ているのか、評価を通して出してくださっているのか、あるいは、全部羅列というか、全数を検索できるようになっているのか、内容までどのように評価を、例えば第三者評価とか、いろいろな評価の張付けまでした上で行っているのか、見たときに、たくさんあるけれどもどれがいいのか、どれがよくないのか、違いは何なのかというのは、全部ホームページをそこの施設ごとに見ないといけないということだったので、その辺を教えていただかないと、使いやすいかどうかというところになると少し疑問を感じたものですから。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
いま言われましたさまざまな情報につきましては、今後、機構独自で掲載することはやめまして、厚生労働省でリンクするということをやるということです。そちらについては、厚生労働省でも、ここがいい・悪いというのはたぶんないのかなとは思うのですが、基本は、掲載情報につきましては、リンクできるところはそちらでリンクして、機構独自で拾ってくる情報を掲載するサイトに変わっていこうと考えているところです。

○大島部会長代理
これからは、第三者評価が終わったものなどはそちらで掲示されるような形になるわけですね。今も、施設によっては開けば出てきますが。

○福祉医療機構総務企画部長
理解する限りでは、そういった評価情報も含めて、老健局で行政情報としてお出しするという形になっております。したがって、当機構も高齢者の関係の情報をいろいろお伝えしていたのですが、行政とのダブりがあるということで、厚生労働省に一元化するということになっております。

○真野部会長
たぶん大島先生が聞かれているのは、施設の評価が見られるのかという質問です。それは厚労省ではされないわけですよね。

○福祉医療機構総務企画部長
それは厚生労働省でやります。

○真野部会長
厚生労働省が施設の評価をされて、それを公表するということですか。

○社会援護局福祉基盤課長
私からお答えします。施設の評価については、いま、第三者評価という仕組みがあります。これは任意で、評価を受けたところについては、いままでのWAMNETについても第三者評価の結果については掲載していました。老健局のほうで、1つ情報公表という制度があります。これは、各法人施設で情報公表をしてくださいと義務がかかっております。第三者評価については、任意の制度ですが、受けたところについても一緒に載せるという方向でいま検討しているところです。ただ、第三者評価については、受けている施設が非常に少ないという点が問題になっておりまして、これを拡大していかなくてはいけないという検討も併せてしているという状況です。

○大島部会長代理
いろいろな問題を起こしているところもないわけではないので、その辺の情報を、国民というか、私などは知りたいと思います。では今後、そのように改善されるということでよろしいのですね。

○社会援護局福祉基盤課長
そうですね。いま申し上げたとおり、第三者評価制度をいかに普及していくかという観点から検討しているというところです。

○真野部会長
ありがとうございました。それでは時間もあれですし、質問がなければ、よろしいですか。では、最後にグループ4です。こちらは法人から15分ということですので、よろしくお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
簡潔に説明させていただきます。パート4です。資料としましては、103頁が評価項目13ということで、年担、労担の貸付事業です。
個別の対応状況につきまして104頁をお願いいたします。こちらにつきましては、無理のない返済に配慮した制度になっているかということです。先ほどから出ております「見直しの基本方針」等で十分な代替措置を用意した上で廃止するということ、この方向性は決まっております。それを踏まえまして、廃止するまでの間、利用者にとって必要な資金が無理のない返済となっているかという観点から融資を見直すように、ということで今回制度改正を行っているところです。
具体的な内容ですが、平成23年度12月から、以下の4つについて制度変更を行っております。まず、1つ目としましては融資限度額の引下げです。年間の年金支給額の1.2倍以内というところを1.0倍ということで限度額を引き下げたこと。また、返済につきましても、1回の返済について支給額の2分の1以内ということで、半分は自分の生活に使っていただく。また、資金使途の区分につきましても、従前は限度額が250万円でしたが、例えば介護とか、医療とか、冠婚葬祭とか、そういうものについては250万円の限度ですが、あまり重要でないものを臨時生活資金という位置づけにしまして、100万円の限度額ということで限度額を引き下げているというものです。4つ目としましては生活保護に関する利用者制限です。これは、年金担保融資をご利用中に生活保護の受給をしたことがある方につきましては、生活保護が終わりまして5年間は融資を行わないという措置をしております。これは、生活保護とリピーターの対策といいますか、そういう観点で行っているというものです。
このように必要な資金を無理のない返済ということで、下に書いてありますが、平成22年度、平成23年度の比較によりましては、例えば年金担保ですが、単価が84万5,000円から79万5,000円と5万円程度落ちているというものです。そのほか、右に「条件緩和」と書いておりますが、この融資の返済期間中に生活困窮に陥った方に対しましては、条件変更を行いまして適正に対応しているというところです。
参考までに、105頁が融資の実績です。左上の年金担保ですが、具体的に平均的な単価はどれだけ落ちたのかということで、改正前と改正後を細かく分けたものです。改正前の平均貸付単価83万4,000円に対しまして、改正後の平成24年1月から3月までの実績ですが、平均単価73万4,000円ということで、約10%以上貸付金額が落ちている。この傾向は労担も同じものになっております。また、右の真ん中のグラフを見ていただきますと、年度ごとの融資金額、融資件数です。例えば年担の場合では、平成23年度の実績としましては、金額1,459億円です。前年度と比べても、件数、金額とも、大幅に落ちているところです。これについては、実は、無理のない返済ということで平成22年2月にも、例えば満額償還を廃止するとか返済期間を長くする等の制度改正を行っておりまして、これらの制度改正の効果がこういう結果につながっていると考えております。
106頁、貸付制度の周知です。まず、年金担保の制度変更につきましては、当然ながら、ホームページに公表しております。また、受託金融機関・社協等についても、ポスター、リーフレットの配布等を行って周知を行っているところです。2つ目の多重債務者への注意喚起です。専門相談機関と連携しまして、多重債務に陥っている方とか陥る可能性の高い方に対しては、こちらに相談するように促しているところです。具体的には、借入申込書やお客様に配布します案内チラシの中に、専門相談機関への相談を勧奨するような内容を追記しているところです。3つ目の公的な制度の周知ということで、同じく、案内の中に経済的自立を図るための公的貸付制度、例えば、生活福祉資金がありますというようなことを周知しているところです。こういうことを通しまして、必要な情報について周知しているところです。
107頁については受託金融機関との事務打合せということで、このあとご説明します承継の債権管理回収業務と合同して、受託金融機関の説明会を全国7カ所、9回開催しているところです。東日本大震災への対応につきましても、約定返済を4月のいちばん最初のときに一律で返済猶予をしております。その後、2回目の6月ですが、そのときにお客様から申し出のあったものについては、195件ですが、条件変更等の措置をとっているというものです。
108頁については利率設定方式の見直しです。こちらの年金担保貸付及び労災年金担保貸付につきましては、平成20年度より運営費交付金を廃止しております。事務コストにつきましては、受益者負担の観点から、必要な額について利用者に負担をしていただいているということで、適正な金利の設定が必要というものです。年金担保貸付につきましては、貸付けの原資は財投機関債です。その機関債の発行コストを勘案しまして金利を設定しているところです。年金担保につきましては、現在1.6%の金利、労担については0.9%です。収支については、それぞれ、赤字にならない範囲でやっているというものです。
続きまして109頁、承継年金住宅融資等債権管理回収業務です。こちらにつきましては、ご存じのとおり、平成18年4月、年金資金運用基金から機構に承継された業務です。こちらの業務につきましては、既に平成17年1月から新規融資を行っていないということで、機構では回収専門の仕事としてなっているものです。
110頁は残高等の推移です。機構に承継したときには約70万件、3兆7,330億円の残高がありましたが、平成23年度末においては、件数としては33万件余、金額としては1兆4,892億円ということです。平成18年度の承継以来、残高が2兆2,438億円減少し、適正に回収を行っているというものです。また、この業務につきましては、お客様から回収しました元金、利息等につきまして、年金特会に返納することになっております。平成23年度においては、元金2,457億円、利息566億円、合わせて3,023億円が平成24年7月10日に国庫納付済みということになっております。
111頁、こちらの自己評定につきましてはAとさせていただいております。こちらは、基本的に新規事業がありませんので、回収を適正にやっているかということについての評価になります。
112頁においては、貸付先や保証機関先などにつきまして財務状況を分析しまして、貸付先につきましては、各法人にヒアリング等を実施して指導を行っています。また、保証機関につきましても、保証能力を審査したり、個人保証をされている場合には、金融機関に対して「保証は大丈夫ですか」という確認をして、適切な対応をしているところです。また、下のほうですが、自己査定の実施につきましても、当機構の自己査定基準に基づきまして、貸付先の財務状況を分析して債務者区分を行っています。そのほか、機関保証があるかないか等を勘案しまして、適正に貸倒引当金を計上しているところです。
113頁、適時的確な債権回収を行っているかにつきましては、こちらに書いてありますとおり、例えば解散を予定している法人につきましては、受託金融機関に債権譲渡を行ったり、返済条件の変更等も適切に実施しているところです。
114頁については承継教育です。こちらにつきましては、平成20年度から業務を休止しているところです。
115頁は「財務内容の改善に関する事項」です。こちらについては、自己評定はAです。
116頁は法人全体の収支です。一般勘定、保険勘定が赤字となっておりますが、法人全体では502億円の利益が出ているというものです。
117頁の説明は割愛させていただきます。118頁は、先ほど理事長からも若干説明がございましたが、大きなところでは、一般勘定につきまして、東日本大震災に対する優遇措置については、利子補給金をいただくわけではなく、142億円の補正予算により機構が出資金を受けたことに伴いまして、その分だけ赤字を出していくということです。最終的には142億円の繰越欠損が発生する仕組みに変わったということです。この影響がありまして、平成23年度においては19億円の赤字の影響が出ているというものです。
引き続きまして119頁、運営費交付金以外の収入の確保です。私どもでは2つ、経営指導事業収入とWAMNETサービス事業収入があります。経営指導につきましては、「事務・事業の見直しの基本方針」により、セミナーの見直しを行いました。その1つとして開催回数を18回から14回に減らしたということで、前年度に比べて若干減らしてはおりますが、4,000万円の利益を確保できたというものです。また、WAMNETにつきましても、事務・事業の見直しの中でワムネットプラスというものを廃止したと申し上げましたが、こちらが福祉用具の機器等を掲載している部分でして、その横に、言ってみればバナー広告がたくさん貼り付いていることが多かったということがありました。これを廃止したことにより、ほかの所にも広告のページを作るなどしまして、平成23年度においても、実績としましては1,900万円の自己収入が確保できたというものです。
120頁については機関債の発行です。平成23年度では、福祉貸付事業については330億円、年金担保貸付事業については670億円、合わせて1,000億円の財投機関債を発行しました。こちらにつきましては、IR活動を37回積極的に実施しまして、べーシスポイントにおいても6~10べーシスポイントということで、市場においてもかなり低い金利で調達ができたと考えているところです。
121頁が保有資産の見直しです。見直しの基本方針においては、ここに掲げられておりますとおり、宝塚宿舎、川西宿舎、千里山田宿舎、これは3つとも大阪にございますが、この宿舎と、公庫総合グラウンドにつきまして、平成23年度中に現物納付を行うという計画でした。下の千里山田、これは2戸ありますが、これと公庫総合運動場につきましては、それぞれ、3月30日、1月30日に現物納付を行っているところです。上の宝塚宿舎、川西宿舎、これは4戸ありますが、これにつきましては現物納付をする際に、近隣の住民の方との境界確定がなかなかうまくいかなかったことがありまして、財務省、厚労省と協議しまして、現物納付から金銭納付に変えたという経緯があります。これにつきましては、平成24年3月23日に一般競争入札を行いまして落札済みです。今年度中に、この金銭について納付するということで、こちらの見直し計画については適切に対応していると考えているところです。そのほかの宿舎につきましても、平成24年度以降、適宜国に納付していく予定となっているところです。
最後になりますが、「人事に関する事項」です。自己評定としてはAとなっております。こちらについては、人事評価の結果の反映の更なる拡大をしたということ。そのほか、研修の充実、人員に対する指標についてもクリアしているというものです。
詳しくは123頁、人事に関する計画です。この評価につきましては、私ども独法になりましてすぐ制度の試行を行いまして、その後、制度の導入、評価の賞与への反映等を行っているところです。平成23年度においても、先ほど申し上げましたとおり、6月期の賞与につきまして、評価の結果の反映の更なる拡大をしているところです。また、この人事評価を導入する効果としましては、右の上に書いておりますが、個人目標の明確化により、職員の意識改革、業務管理の向上、努力が賞与に反映させられるということで、職員の士気の向上につながったと考えております。
124頁については研修会の充実です。平成23年度においては、福祉医療の専門家を招聘しまして13回の研修を実施しております。
最後になりますが、125頁、人員に関する指標です。こちらにつきましては、期末の常勤職員の人数が期初の100%以内になっているかということです。平成23年度末につきましては、指標299人以内に対して常勤249名ということで、目標を大幅に達成しているというものです。説明は以上です。

○真野部会長
五十嵐先生より発言があるということですので、お願いいたします。

○五十嵐委員
追加しました資料ということで、例年部会において、財務委員として意見を述べているわけですけれども、昨年度の部会で、そこでいきなり言われてもよくわからないということでしたので、今回少し時間をいただきまして、いまのご説明の中ですと118頁の、損益計算書、貸借対照表にかかわるところで、若干、福祉医療機構に関しては特異なものがありますので、それについて部会でいつも議事録に残していただいているという部分です。
いま118頁をご説明いただきましたように、これは正しい会計基準に従って処理した結果、例えば貸借対照表であれば、資本金が1兆7,000億ですか、非常に大きい金額。利益についても多額の利益が出ているというような状況になっています。これは正しいわけですから、財務省財務委員の意見としては、承認するのが適当であるという意見を述べるわけですが、私の作りました下の参考のところを見ていただきますと、これは法人全体の数字が、実は全く法人の本当の状態を表していると言えるかどうかというのは非常に疑問だということです。誤解しないように何回も言いますけれども、間違っているというのではなくて、会計基準といろいろな業務のスキームによって、こういった結果がどうしても出てきてしまっているということです。
いちばん大きな影響がありますのは承継債権管理回収勘定、これはロと書いてありますが、このロのスキームが毎回ご説明されていると思いますけれども、資本金で受け入れた債権を回収したら、資本金を減らして国庫に納付するということで、資本金というのは普通は事業基盤のために受け入れて、基本的にはずっとそのまま持っているということなのですが、資本金の金額が毎年大きく減ってきますと。そうしますと、機構の資本金がこれだけですよということを公示しているわけですが、これは毎年どんどん減ってしまって、本来その資本金として考えられているものとは大きく異なってくるという結果にならざるを得ないということです。
それから損益についても、このロというのは承継債権管理回収勘定なわけですけれども、資本金で受け入れた元金を返しますから、全くそこには損益影響はありません。一方、当然もらうべき受取利息から必要な経費を引いたものをまた国庫に返しますから、ロは、前提として多額の利益が出るという前提になっているわけです。経常収益、経常費用のロのところを見ていただきますと、大きな利益が出ているわけですが、通常ビジネスとして考えたときに、こんなに多額の経常利益率が確保できるということはあり得ないわけで、そういったスキームの重厚でこういう利益が出ているということで、むしろ大変失礼な言い方をすれば、ロの部分を除いて、イからロを引いたところの貸借対照表と、イからロを引いたところの損益計算書を見たほうが、むしろいまの実態というのが見えるのですよということを、念のため、財務諸表に対して承認するという前提として、こういうことを述べておきたいということで、次回の部会でもまた発言をさせていただきます。
付け加えますと、今期またさらにこういったスキームによる、普通、迷わすような要因が増えていまして、震災対応の補助金を、本来補助金でもらうべきを資本金でもらっているというスキームがありますので、先ほどの説明にありましたように、今度は逆に、本来収支均衡するべきところを、これから赤字でどんどん表面上は出てきてしまうというような問題もありますので、すみません、財務諸表を見るときに、この全体のというよりも中身をよく見て使ってくださいという、そういった注意喚起です。以上でございます。

○真野部会長
ありがとうございました。全体を通して何かご質問とかありますか。よろしいですか。評価シートの記入は終わられていますか。
それでは評価が終わりましたので、事務局のほうから、このあとの取扱いについてご説明ください。

○政策評価官室長補佐
本日お配りしております資料の送付をご希望される場合には、部会終了後に事務局にお申しつけください。
また、評価の記入が終わっていない委員の方がいらっしゃいましたら、評価シート及び評定記入用紙をお持ち帰りになって記入していただくか、もしくは、先日送付しております評定記入用紙の電子媒体版に記入していただき、事務局まで送付してください。その場合には、7月25日(水)までに事務局まで評定記入用紙をご提出いただくようお願いいたします。以上でございます。

○真野部会長
次に、役員給与規程の変更について、最初に事務局から説明をいただけますか。

○政策評価官室長補佐
福祉医療機構の理事長から厚生労働大臣に対して、役員給与規程の変更について届出がありました。独法通則法53条第1項で「届出に係る報酬等の支給基準を評価委員会に通知する」こととされており、同条第2項で「評価委員会は、その通知に係る報酬等の基準が社会一般の情勢に適合しているものかどうかについて、意見を申し出ることができる」こととされております。つきましては、今回の役員給与規程の変更が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについてご意見を伺うことといたしました。
法人のほうから変更の内容について説明をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部長
福祉医療機構の役員給与規程の改正の関係について説明いたします。総務企画部長の難波と申します。
今回の改正は2つの点があります。1つは人事院勧告を踏まえた対応という問題。それから、国家公務員の給与特例法が本年の4月に施行されていますが、これに準じた形での対応という2つの点です。
まず最初の点ですが、4条関係と11条関係のところでして、資料の2-1、役員給与規程の新旧の対照表です。4条のところに、理事長の給料、それから理事、監事の給料があります。今回、人事院勧告については0.5%のマイナスという形になっており、例えば理事長の給料につきましては91万9,000円が91万4,000円ということで、0.5%の引下げになっています。理事、監事については以下のとおりです。
附則の2項は、人事院勧告自体が平成23年4月に遡るとなっていまして、23年4月から本年2月までの減額分を6月のボーナスで減額するという規定になっております。
4項のところですが、国家公務員の給与特例法に準拠する形での対応ということで、平成24年4月から26年3月まで、平均7.38%の給与の引下げということです。役員については約10%、9.77%の引下げとなっております。終期は26年3月までです。以上でございます。

○真野部会長
ありがとうございました。この件について、何かご質問等ございますか。よろしいですか。部会としては、この変更は意見なしということで進めたいと思います。
次に、長期借入金と債券発行の実績の報告です。事務局からお願いします。

○政策評価官室長補佐
資料3-1、本部会における福祉医療機構の長期借入金計画等に係る意見の取扱いについてまとめたものです。当部会では、年度を通じた長期借入金及び債券発行計画については部会の了解事項としており、当該計画に基づく長期借入金又は債券発行の個別の認可につきましては、その都度部会を開き、ご意見をいただくというのはなかなか困難ですので、部会が了承した長期借入金計画及び債券発行計画の範囲内であれば、部会長一任事項として、部会には事後報告することとなっております。
福祉医療機構の平成24年度長期借入金及び債券発行計画並びに償還計画は、本年3月に持ち回りで本部会のご了解をいただいております。
この度、この計画に基づく平成24年度第1・四半期の長期借入金及び平成24年度の債券発行実績の報告をいたします。また、持ち回りで本年3月の本部会において、暫定的に報告させていただいておりました平成23年度の第4・四半期の長期借入金につきましても、実績が確定しておりますので、併せて報告させていただきます。
それでは、法人のほうから、説明とご報告をお願いいたします。

○福祉医療機構経理部長
経理部長の尾形でございます。よろしくお願いします。
いまご説明がありました長期借入金の報告は、次の事項で予定されております持ち回り案件のところにもありまして、借入金関係の実績計画とまとめてご説明させていただきたいと思います。資料のほうは少し飛び飛びで申し訳ございませんが、資料4-3、資料4-4、最後に資料3-2という順番でご説明させていただきます。
まず、資料4-3は平成23年度の長期借入金、債券の発行実績の整理です。1頁目から2枚めくりますと各四半期ごとの借入の実績が記載されておりますが、23年度の実績ですので、頁は付いておりませんが3枚目の「福祉医療機構の平成23年度長期借入金」の上の表が23年度の年度計画全体で、下が実績です。まず、福祉医療貸付の一般勘定ですが、財政融資資金は年度計画として4,224億円。この上の表のように、今回、東日本大震災に対応するということで、補正で1,764億円の追加がありました。年金担保貸付勘定で民間借入金434億円が計画ですが、下の表がこれに対する実績です。財政融資資金関係で合計3,193億円、年金担保貸付勘定の民間借入金が164億円です。財投の借入についてはこの表にありますように、補正で多額の資金を手当てしていただきましたが、実績としてはここまでいかなかったということで、1,000億円ほど計画額を下回っています。民間借入金の年金担保貸付は長期貸付金で整理しておりますが、そのときそのときの資金について短期で借り入れておりますが、年度をまたがるということで、ここで承認いただいておるものです。繋ぎ資金ということでご理解いただければと存じます。これが23年度の借入金の全体です。
次の頁は、財投機関債でございます機構債券の発行の実績です。先ほども少しご説明がありましたが、平成23年度計画の一般勘定の自己資金のところの括弧書きですが、うち財投機関債330億円。年金担保貸付勘定で、うち財投機関債820億円。合計1,150億円の予定でした。その実績として、一般勘定では予定どおり330億円満額発行しております。年金担保貸付勘定は150億円少ない670億円。合計で1,000億円の調達をしたところです。この辺の調達の内訳が上のほうにありまして、上半期23年6月16日、下半期23年12月16日に、記載しておりますとおりの発行をしたところです。23年度の実績は以上です。
資料4-4は平成24年度の長期借入金の計画です。まず1頁は、財政投融資と民間からの借入金の表です。24年度計画額。福祉医療貸付のための一般勘定での借入ですが、合計額は、計画額で3,588億円。各四半期ごとはここに書いております内訳のとおりです。民間借入としては183億円を予定しております。各30年、20年、5年というのは、下の表のようにそれぞれ貸付期間に応じた形で財投も借り入れるというようなことで、3種類の借入期間を設けております。
次の頁が機構債券の発行計画です。平成24年度発行予定額730億円。このうち福祉医療貸付のための一般勘定で330億円、年金担保貸付勘定で400億円の発行を予定しております。
次の頁は、これらの借入金の償還計画です。いちばん上の表は24事業年度の償還計画。一般勘定で、まず財政融資資金20年と5年の借入分が合計2,666億円。民間からの借入金6億4,600万円。合計2,672億円余りです。一般勘定の福祉医療で民間借入6億円ほどありますが、これはいま現在、民間からは借入しておりません。平成21年度に臨時的に出産育児一時金の支払い方法の変更に伴い、医療機関に入ってくる時期が遅くなるということで、運転資金、繋ぎ資金として、緊急に42億円ほどお借りしたものの返済です。もう1つは、年金担保貸付勘定で、財政融資資金16億円、財投機関債340億円、民間借入金164億円、合計520億円を予定しております。年金担保貸付勘定の財政融資資金につきましては、平成20年度から財投借入は行っておりませんで、ここにあります16億円を、今年既にお返ししましたが、6月に返済し、財投からの借入はこれをもって終了しております。簡単ですが、今年度の発行計画と償還計画です。
最後に、資料3-2の1枚目は平成23年度第4・四半期の借入実績です。次の頁は平成24年度の長期借入金の表です。平成24年度について、第1・四半期に既に借入を行っておりまして、上の表ですが、年度計画3,588億円のうち、1,288億円の認可をいただいております。実際に借入しましたのが参考の下の表です。借入金額年限計ですが、一般勘定(福祉医療貸付)の借入、30年、20年、5年、それぞれ338億円、774億円、42億円、合計1,154億円の借入をしたところです。
それともう1つ、次頁の医療機構債券の発行です。先ほどご説明しましたように、平成24年度の計画のところで、一般勘定で330億、年金勘定で400億の発行を予定しておりますが、今年6月、上の表ですが、年金担保貸付勘定で3年債として200億円、下の表ですが、一般勘定で10年債として170億円、約全体の半分を発行させていただいております。いずれも、現在金利が低いということで、調達金利としては非常に低い金利で発行させていただいているところです。残りの半分については今後の資金需要等を見ながら、また発行させていただく予定です。簡単ではありますが、以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。ご質問等、よろしいですか。それでは、長期借入金及び債券発行実績については、ご報告を承ったということにいたします。
それでは、持ち回り案件の報告をしていただきたいと思います。これは部会を開かずに、書面により議決を行った案件の報告になります。お願いします。

○政策評価官室長補佐
今年3月に部会を開催せず、書面にて変更案をお諮りした案件がありました。内容は、業務方法書の変更、評価の視点の変更、長期借入金・債券の発行実績報告、長期借入金・債券の発行・償還計画、不要財産の国庫納付です。これらにつきましては、本部会として「了承する」こととして、厚生労働大臣に意見を提出し、その後、業務方法書の変更認可がなされたところであります。
業務方法書の変更後の状況等につきまして、法人からご説明をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
資料4-1と4-2について説明いたします。4-1は業務方法書等の変更です。1点は、平成23年12月5日の変更分で、東日本大震災に係る融資の、それに係る変更分です。大きくは3つ書いておりますが、基本的には、大震災の適用期間を延ばす、災害復旧資金を新たに入れる等、附則で対応しているところです。
次頁が平成24年度予算に係る新たな条件の変更のはねるところです。これについては、例えば福祉貸付におきましては、その貸付の対象を拡大したことによる変更、そのほかに、いままでやっておりました優遇措置を延長したというところの変更が主なものです。この資料のいちばん最後に3番として、「助成事業の対象変更」という改正があります。こちらに貸付と違う部分が1点あります。助成事業の対象の?として、新たに「災害福祉広域支援事業」、震災関係ですが、こちらを対象にしたということで、業務方法書を変更しております。併せて、?の福祉活動と?の社会参加促進活動支援事業、これは中ポツで括っていたものを、今回合わせて、それぞれ分離したというものです。
また、資料4-2の評価の視点については、基本的には平成22年12月7日、「独法の事務・事業の見直しの基本方針」で指摘された事項について、中期目標・中期計画等を変更。それに伴う評価の視点です。内容は、先ほど説明をしましたけれども、例えばセミナーに対する変更や、WAMNETに対する変更、年金に対する変更、それらについて評価の視点を変えているというものです。説明は以上です。

○真野部会長
ありがとうございました。ご質問はよろしいですか。
この件に関しても、当部会として報告を承ったということにいたします。
少し時間が延びてしまいましたが、本日の議事は以上です。
事務局から今後の予定についてご説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
今後の予定等についてご連絡いたします。次回は8月16日(木)の13時~17時、場所は省内17階専用21会議室です。議題は、3法人の総合評価、WAM、のぞみの園の暫定評価及び組織業務の見直しについて審議いたします。これらの開催案内を細長い茶封筒に入れておりますので、ご出欠について○をしていただき、机に置いておいていただくか、お持ち帰りになる場合には、7月27日(金)までに事務局あてにお送りください。以上でございます。

○真野部会長
本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)
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