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2012年7月17日 第34回がん対策推進協議会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成24年7月17日(火)
17:00~19:00           


○場所

ホテルフロラシオン青山 1階 はごろもの間 
(東京都港区南青山4-17-58)






○議題

1 開  会
   
2 議  題
   (1)がん対策推進基本計画の閣議決定について(報告)
   (2)医療イノベーション5か年戦略について(報告)
   (3)厚生労働省版「提言型政策仕分け」について(報告)
   (4)がん対策関連の検討会の進捗状況について(報告)
   (5)がん対策推進協議会で今後議論すべき内容について 
3 意見聴取
   (1)がん治療における医科歯科連携(佐藤参考人、上野参考人)
   (2)がん医療における薬剤師の役割(山本参考人)
4 その他

○議事

出席委員:門田会長、天野会長代理、石井委員、上田委員、江口委員、川越委員、北岡委員、田村委員、中沢委員、西山委員、花井委員、堀田委員、前川委員、眞島委員、松月委員、松本委員、道永委員

○木村がん対策・健康増進課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第34回がん対策推進協議会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますけれども、中川委員、野田委員、本田委員、松月委員の4名から御欠席という御連絡を受けてございます。また、石井委員、江口委員、道永委員におかれましては、少し遅く到着される予定となってございます。
 また、本日御都合によりまして眞島委員、川越委員が途中で退席される予定となってございます。
 したがいまして、がん対策推進協議会委員定足数20名に対しまして、現在、出席委員が14名でございますので、議事運営に必要な定足数11名に達していることを御報告申し上げます。
 続きまして、本日新たに任命されました委員を御紹介させていただきます。
 埼玉医科大学ゲノム医学研究センター疾患制御医学部門教授の西山正彦委員でございます。西山委員から一言ごあいさつをお願いいたします。
○西山委員 埼玉医科大学の西山でございます。日本癌(がん)治療学会の理事長をさせていただいております。学問研究というところから、さまざまな患者さん、団体のご意見までのすべてを、ここでもう一度勉強させていただき、よりよいがん治療に尽くせればと考えております。よろしくお願いいたします。埼玉医科大学の西山でございます。
○木村がん対策・健康増進課長 ありがとうございました。
 本日は、もう一方新たに、愛媛大学大学院医学系研究科小児医学教授の石井榮一委員が任命されてございますけれども、遅れて来られるということでございますので、改めて御紹介させていただきたいと思います。
 また、本日は、基本計画に新しく盛り込まれましたチーム医療の推進、更に、化学療法や口腔ケアの推進に関連しまして、歯科医師、薬剤師の立場から今後、基本計画の実現のためにどのようなことが考えられるかお話を伺うために、本日は社団法人日本歯科医師会常務理事の佐藤保様、独立行政法人国立がんセンター中央病院総合内科歯科の上野尚雄様、独立行政法人国立がんセンター中央病院薬剤部部長であり、一般社団法人日本病院薬剤師会がん専門薬剤師部門研修委員会前委員長の山本弘史様のお三方をお招きしているところでございます。
 また、事務局におきましては、厚生労働省ほか文部科学省及び経済産業省の方々にも出席いただいているところでございます。
 それでは、以後の進行は門田会長によろしくお願い申し上げます。
○門田会長 門田です。暑い中御参加いただきまして、どうもありがとうございます。本日は、6月8日にがん対策推進基本計画が閣議決定されて初めての会議ということでございます。閣議決定されてほっとしているというのが正直な気持ちでございます。
 本日は、この閣議決定されました基本計画についての御報告、そして、医療イノベーション5か年戦略、厚生労働省版の提言型政策仕分け、がん対策関連の検討会の進捗状況について御報告をしていただいて、その後、先ほど言いましたように、基本計画が閣議決定され、これから後、協議会でどういうことを議論するかについて皆さんの御意見をちょうだいしたいと思っております。
 では、事務局から本日の資料確認をお願いしたいと思います。
○木村がん対策・健康増進課長 承知いたしました。それでは、お手元の資料の御確認をお願い申し上げます。
 まず、議事次第、座席表のほかに、右肩に資料番号を振ってございます資料1~資料11までを本日は準備させていただいております。御確認の上、もし資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。ございませんでしょうか。
 それでは、門田会長、よろしくお願いいたします。
○門田会長 特に皆さん問題ございませんか。
 それでは、最初に、がん対策推進基本計画について御説明を事務局からお願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、資料2、資料3について御説明させていただきます。
 こちらが6月8日に閣議決定された基本計画になります。資料2については、前回5月17日にもお示ししましたので、特段内容に大きな変更はございませんので、説明は省略させていただきます。
 資料3「がん対策推進基本計画 平成24年6月」ということで、前回5月17日にお示しした内容から与党内でのプロセスを経て多少変更がございましたので、そこを中心に説明させていただきます。
 まず、18ページの一番上の行ですけれども、これは(5)医薬品・医療機器の早期開発・承認等向けた取組の個別目標ですが、最後の行で「医薬品・医療機器を迅速に提供するための取組を着実に実施することを目標とする」ということで、5月にお示しした時点では「医療機器」というのが抜けていたのですけれども、それを追加いたしました。
 それから、(6)その他で5月時点では特段、希少がん、病理診断、がんのリハビリテーションについて分けて書いていなかったのですけれども、そこを分けて希少がん、病理診断、リハビリテーションの順で、それぞれ現状、取り組むべき施策、個別目標を記載しております。
 1つ目の希少がんについての取り組むべき施策ですが、1行目「専門家による集学的医療の提供などによる」という文言を追加しております。
 また、同じく希少がんの個別目標で「中間評価に向けて、希少がんについて検討する場を設置し」という文言を追加しております。
 それから、33ページの「第5 がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」の「2.都道府県による都道府県計画の策定」でございます。2段落目の「なお」以下を追加しております。「なお、見直しの際には、都道府県のがん対策推進協議会等へのがん患者等の参画をはじめとして、関係者等の意見の把握に努め、がん対策の課題を抽出し、その解決に向けた目標の設定及び施策の明示、進捗状況の評価等を実施し、必要があるときは、都道府県計画を変更するように努める。また、国は、都道府県のがん対策の状況を定期的に把握し、都道府県間の情報共有等の促進を行う。都道府県計画の作成に当たっては、国は、都道府県計画の作成の手法等の重要な技術的事項を助言し、都道府県はこれを踏まえて作成するよう努める。」ということで、都道府県が作成する計画について、そのプロセスについて一定程度お示ししたという形になっております。
 変更点は以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 今、御説明いただきましたけれども、基本的な流れとほとんど変わっていないのわけですが、こういうわずかな修正事項があったということでございます。これについて会長、会長代理で相談に乗ったわけですが、ほとんどの内容については変更がないということで、お認めすることでどうでしょうかということでございました。どなたか御発言ございますか。この件につきましては、よろしいですか。そういう形でスタートしたということでございます。
 それでは、次にまいります。医療イノベーション5か年戦略についてということで、これも事務局から説明をお願いします。
○事務局(秋月) 資料4「医療イノベーション5か年戦略」について御説明いたします。
 こちらは、今年6月6日に決定されました。そもそも医療イノベーション会議は、平成22年に医療分野における新成長戦略に関連する事項の実現に向けて、官民挙げて強力に取り組もうということで立ち上げられた会議でございます。こちらの事務局は内閣官房に設置されておりまして、それに文部科学省、厚生労働省、経済産業省が協力しているという形でございます。
 議長は今、国家戦略担当大臣が務められておりまして、構成員の中に文科省、厚労省、総務省、経産省が入っております。
 その会議で今回つくられたのが、この医療イノベーション5か年戦略で6月6日に決定されています。幾つかがんに関する部分がございますので、御紹介させていただきます。
 9ページの「3.がん領域等研究開発の重点領域」とございます。(1)医薬品・医療機器分野の中で選択と集中を不断に行い、以下の領域を重点的に推進するという中の?に、がんが入っております。
 それから、がんにも関連しますが、?に最先端の技術ということで再生医療、個別化医療、バイオ医薬品等が盛り込まれています。
 (2)で(1)の重点領域については、以下のように研究開発を進めるということで、?アから、がん領域について記載されております。
 1つ目が、特に国民のニーズの高いがんについては、以下のとおり、総合的な研究戦略の策定等の政府一体となった取組を進めるということで、?~?まで記載されています。
 ?が、基本計画にもありますが、がんによる死亡率を20%減少させるということ。
 ?が、がん対策推進基本計画の示すとおり、がん研究の今後のあるべき方向性と具体的な研究事項などを明示する総合的ながん研究戦略を策定するということで、括弧書きで平成24年度から検討を開始し、平成25年度までに策定するということで、関係するところが内閣官房、文科省、厚労省、経産省となっております。
 ?が、創薬支援ネットワークを今後、その枠組みをつくっていくわけですが、そこでアカデミア等が担ってきた我が国で強みのあるがん領域の基礎研究の成果を活用しながら、これまで支援が十分でなかった最適化研究や前臨床試験などを促進し、臨床研究・医師主導治験につなげる。
 ?、日本発の革新的な医薬品を創出するため、難治性がんや希少がん等を中心にがんペプチドワクチンを初めとした、がん免疫療法や、抗体医薬等の分子標的薬、核酸医薬等の創薬研究に関し、GLP準拠の非臨床試験、国際水準の臨床研究・医師主導治験を推進し、5年以内に日本初の革新的ながん治療薬の創出に向けて10種類程度の治験への導出を図る。
 ?、がんの早期発見を行うために、革新的な診断方法の開発・普及を進めるとともに、革新的外科治療、放射線治療を実現するため国内の優れた最先端技術を応用した治療機器の開発・整備を行う。また、造血幹細胞移植等がんに関する移植関連技術の研究開発の推進を行う。
 ?、がんに関する基礎研究から得られた我が国発の革新的なシーズについて、共有の研究支援基盤による効率的・効果的な育成を図り、臨床応用を目指した研究を加速する。
 ?、がん治療等の評価を行う基盤を整備するために、平成25年度中にがん登録の法制化を示すといった記載がされております。
 がんに関してはほかにも重粒子線治療であるとか、そういった話もあるのですけれども、主立ってはこの3番に記載されているとおりでございます。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に御質問・御発言は何かございますか。
○堀田委員 国立がん研究センターの堀田ですが、今、御説明いただいたのは研究開発でしたけれども、がん登録についても明示されていますので、その点も追加したいと思います。6月6日の医療イノベーション会議のときに古川国家戦略大臣から特別にがん登録とその法制化について御発言があったので、これからがん登録の法制化を目指した動きが出てくると思います。国立がん研究センターの堀田ですが、今、御説明いただいたところプラス、今は主に研究開発でしたけれども、がん登録についても明示されていまして、その点も追加したいと思います。この会議のときにも古川国家戦略大臣から特別にその点で御発言があったので、後で、がん登録の法制化を目指した動きが出てくると思います。
○鷲見がん対策推進官 先ほど少し御説明させていただきましたが、11ページの上から3段落目の?に「がん治療等の評価を行う基盤を整備するために、平成25年度中にがん登録の法制化を目指す」という記載をさせていただいております。イノベーションにおいてもがん治療などをきちんと評価していくためには、がん登録のような基盤をきちんと整える必要があるだろうということがあって盛り込まれたと考えております。
○門田会長 我々としても、がん登録は結構重要視していたのですけれども、ちょっと引いた感じで、こちらに先を越されたというのか、こちらにしっかりと書き込まれたという感じがしますよね。この重要性は委員の皆さんも認識されたと思いますけれども、両方からこういう形で前に進めるという方向は非常によかったのではないかと思います。
 そのほか、どなたか御発言ございますか。
○上田委員 1点だけ、10ページの?に、いわゆる今後のあるべき姿と明示して「がん研究戦略を策定する。(平成24年度から検討を開始し、平成25年度までに策定する。:内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)」と、非常にきれいな文言で収まっているのですけれども、この議論のときに一歩踏み込んだ具体的な、こういう形というのが見えるお話し合いはあったのでしょうか。それとも、この文言のきれいさのみだけで終わっているのでしょうか。
○鷲見がん対策推進官 後ほど御説明させていただこうと思っておりますが、こちらに記載がございますように、平成25年度に第3次対がん10か年総合戦略が終了するということから、この後の研究戦略について平成26年度から開始できるように、平成25年度中に固めるということでございまして、現時点で平成24年度の秋から検討する場を立ち上げて、平成25年度の早期に平成26年度の予算要求に間に合うよう検討したいと考えております。
 こちらについては、後ほどまた検討会全体の議論の中で御説明させていただきたいと思います。
○上田委員 ありがとうございました。
○門田会長 今の件につきましては、基本計画の29ページの個別目標と対応していますよね。平成25年度で2年以内に国内外の云々というのとぴったり一致している感じを受けますね。
○鷲見がん対策推進官 先生がおっしゃるように基本計画とそごがないようにということで、私どももこのイノベーション戦略においても、先ほど先生からもありましたように、両方からということで取り組んでいきたいと考えております。
○門田会長 そのほか何かございますか。
○堀田委員 1つだけよろしいですか。これは医療イノベーション会議のまとめということで、今後の展開として日本再生戦略の中に書き込まれることになると考えてよいですか。1つだけよろしいですか。これはイノベーション会議のまとめということで、今後この展開としては日本再生戦略の中に書き込まれることになるのですか。
○鷲見がん対策推進官 医療イノベーション5か年戦略の全部ではございませんけれども、この中で大事な部分であるとか、エッセンスについて日本再生戦略の中に盛り込まれるという状況でございます。日本再生戦略においては、医療イノベーション以外にも幾つか戦略がございますので、こうしたものをとりまとめたものが日本再生戦略になるということでございまして、私どもとしましては、がんの部分についてもきちんと重要な部分については盛り込まれるよう、今、協議しているところでございます。
○堀田委員 それは最終的には閣議決定か何かの形になるのですか。
○鷲見がん対策推進官 日本再生戦略については、最終的には閣議決定される予定です。
○門田会長 よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、厚生労働省版の提言型政策仕分けについてでございます。これも事務局からお願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、資料5「厚生労働省版『提言型政策仕分け』について」御説明させていただきます。
 これは趣旨にございますように、省内で複数の部局にまたがる分野等について政策の在り方を検討し、提言をいただくということで開催いたしました。
 がんに関することは「3.具体的なテーマと日程」がございますけれども、特に?長期にわたる治療等が必要な疾病を抱えた患者に対する保健医療分野の支援と就労支援の連携、?様々な主体が行っている国民の健康づくりに資する取組みの一体的・効率的推進が、がん患者さんの就労問題であるとか、がん検診と関連するところがございますので御紹介させていただきます。
 3ページ目が、いただいた提言のとりまとめになっております。
 1つ目が「様々な主体が行っている国民の健康づくりに資する取組みの一体的・効率的推進」ということで、主に健康診断が中心にはなっているのですが、がん検診も関連するということで紹介させていただきます。
 まず、「総論」ですけれども、「高齢化の進展や医療の高度化による医療費の上昇を抑えながら国民の健康維持を図るためには、まずは国民一人ひとりが意識を高め、自ら生活習慣を振り返って積極的に健康づくりに取り組むことが欠かせない」。
 それから、「健診等の効果について」の3行目ですが、「健診等の費用対効果について引き続き多面的な検証を進めるべきである。そして、検証結果については、健診の義務化や受診費用の支援などの施策を考えるべきである」という御提言をいただいています。
 3番目の「健診等の受診率の向上」ですが、これもがん検診を含めてですけれども「健診等の受診率は目標を大きく下回っている。これは、医療機関へのフリーアクセスが担保されているなど我が国の医療制度が充実していることもあり、健診等の意義や必要性が正しく理解されていないということが大きな要因と考えられる。このため、国民の健康づくりへの関心が健診等の受診に結びつくよう、国民にとって身近で分かりやすい方法で、健診等の意義や必要性の周知を図るべきである」ということをいただいております。
 一番下の行ですけれども、健診受診率を上げる取組みとして、がん検診とほかの健診、特に特定健診などがあると思いますが、そういったものと同時に受診を促進するということが提言されております。
 ほかにも「健診実施機関間の連携」、それから「個人の取組の推進」が提言の中に入っております。
 個別の各委員からの提言内容は省略させていただきます。
 次に7ページですけれども、「長期にわたる治療等が必要な疾病を抱えた患者に対する保健医療分野の支援と就労支援の連携」ということで、「総論」では「働くこと」が可能な患者が増えており、治療と仕事の両立を図る支援の仕組みづくりを強化することが必要である。
 「医療機関や就労支援機関が連携した取組み」の中で、例えば1つ目の○で、病気の診断を受けてすぐに就労に関する相談を受けられるような体制や連携体制の整備であるとか、医療機関等で就労支援に関する情報を集めたリーフレットを患者に配るような取組み、医療機関が診察や治療に合わせて、患者が就労するに当たって配慮すべき事項等に関するチェックリストを作成し、就労支援で活用するような仕組み、医療と就労の両方の分野について知識を持った専門支援人材の育成などが挙げられております。
 次に「職場での取組みの支援」は、まずは実態をよく把握するべきということ。2つ目が、治療のための休暇の企業への普及を推進すべき。あるいは、労働時間等見直しガイドライン等を事業主に一層周知するべきといった御提言をいただいております。
 「医療機関や相談支援面での取組み」では、例えば、土・日に開いている病院を増やすなどの取組みを検討すべきではないかという御提言をいただいております。
 そのほか疾患ごとの取組みとして以下の内容を提言するということで、がんと肝炎については、1つ目が、がん患者の退職・解雇の実態を把握・分析し、その他の職業人生におけるイベントに伴う退職等とも比較しながら、目標値を立てることが可能か検討するべき。2つ目が、がん登録が重要であり、その際に就労や就労ニーズに関する情報も取得できるか検討すべきという御意見もいただいております。3つ目は、医療従事者等にとって過度な業務負担とならないよう配慮した上で、抗がん剤の夜間投与など、就労と治療とを両立できる方法を積極的に取り入れることを検討すべきという御意見をいただいております。
 こうした基本計画でも、就労やがん検診についてはさまざまな施策が盛り込まれているところですが、こういった提言も踏まえて今後、特に就労の問題やこれまで取り組まれていなかった分野について新しく取組みを考えていきたいと考えております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 今の御説明について、どなたか御発言ございますか。
○松本委員 今の中で特に患者の支援と就労支援の連携のところですけれども、これは私どもにとって大変大きな進歩だと思っております。いろいろと検討すべき事項が上がってきておりますけれども、この検討については具体的にどの場でしていくのか、それはこの協議会が該当するのかどうかを確認させていただけますか。
○鷲見がん対策推進官 この検討課題につきましては、現在、労働部局でも治療と仕事の両立を考えるということで検討が勧められていると認識しております。間もなくとりまとめがなされることになってございますけれども、協議会も勿論なのですが、そうした労働部局などと連携しながら、必ずしも協議会だけということではなくて、労働部局で今検討されているもの、あとは、うちの方で厚生労働科学研究なり進めるべきは進める、実態が把握できないものについては把握していくということを踏まえて検討していこうということでございます。ですので、どこかの検討会の場1つのところで議論するというものではなくて、複数の場、または複数の施策・研究などを組合せながら進めていきたいと考えております。
○門田会長 天野委員どうぞ。
○天野会長代理 今の松本委員の御指摘に関連してですが、確かに今、事務局から御説明いただいたように、治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会で御検討いただいていると理解しているのですが、労働部局で議論いただいているということももしかしたら関係しているかもしれませんけれども、例えば、がんの患者さんが就労に関して悩みを抱えている場合に、どういったところに相談に行くのかということは、いろいろな場が勿論あり得ると思いますけれども、現状では例えば、拠点病院の相談支援センターにも実際に患者さんがそういった相談をされていて、一定程度就労に関する悩みなども現状で既に来ている状態があると。そうすると、そういった拠点病院の相談支援センターから、勿論その場で解決できる疑問もあるかと思いますが、解決できない場合は連携しなければいけない。そのときに、連携の在り方に関しては現状の検討会で必ずしも十分な議論がされているとは言いがたいところもあるかなと感じておりまして、そうなってくると拠点病院の相談支援センターにおける就労支援の在り方、就労支援の連携体制というものについて議論することが必要になってくるかと思いますので、がん対策推進協議会の場で、それをメーンに議論されることは難しいかと思いますが、拠点病院の相談支援センターからの連携の在り方という点については、協議会の場でも一定の議論もしくは今後の施策の中で研究等を是非進めていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○外山健康局長 いい話だと思います。議題5で、また重点的にやっていただきたいと思います。
○門田会長 そのほか、いかがですか。
○花井委員 資料5の8ページの上の方ですけれども、「医療機関や相談支援面での取組み」の○の2つ目に、「仕事が休みの土曜日などに患者が気楽に職場での悩みを相談できるような、地域の中の相談支援機能を充実させるべき」というのがあります。私どもの例で恐縮ですが、名古屋市と共同でがん相談情報サロン・ピアネットというものを開設しておりますけれども、平日の10時~16時までが開設時間です。ところが、実は16時から非常にたくさんの電話がかかる、そういう傾向が顕著になってきました。患者さんの声を聞きますと、お仕事を今していらっしゃらない方は土曜日、日曜日でも相談に来られるんじゃないですかと。私たち仕事を持っている者は土曜日、日曜日にしか来られませんと。だから、こういう相談支援センターとか相談支援機能を持った相談所は、土・日こそやるべきではないかという声が高まっていることを御紹介したいと思います。ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。確かに、おっしゃることはよくわかりますね。
 そのほかいかがでしょうか。
○堀田委員 今のことに関連しての情報提供ですが、実は昨日までタイのバンコクにいまして、バンコクの中心的な大学附属病院に行きましたら、がんの化学療法は土・日も含めてやっているんですね。365日やっていると。夜も8時までは受け付けるということを言っていまして、すごいなと思いました。それから、CTやMRも24時間動かしていると。労働条件がどうなっているかというところまでは聞きませんでしたけれども、案外世界ではそういうところもあるという情報提供です。
○門田会長 今、我が国でそれを導入するという話になると、どこがどうなるかわかりませんが、確かに患者さんの立場からすれば休みの日、夜に是非ということも理解できると思います。
 そのほかに何かございますか。よろしゅうございますか。また後ほど、5番目でディスカッションが出るかもしれませんが、ひとまずこの件につきましてはこれで置いて、次にまいりたいと思います。
 それでは、がん対策関連の検討委員会の進捗状況について、これも事務局からお願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、資料6「がん対策関連の会議について(案)」を説明させていただきます。これは前回もお出ししたと思いますが、幾つか進捗がございましたので報告をさせていただきます。
 一番左が、がん対策推進協議会ということで、今回34回目ということで今後も大体2か月に1回程度のペースで開催を予定していますが、本日、今後議論すべき内容について御議論いただきたいと考えております。
 次が、がん検診のあり方に関する検討会、こちらは1回目を5月28日に開催いたしまして、今後2か月の1回程度のペースで開催する予定になっておりますが、まず、この中で検診の項目について検討いたします。検診の項目と言ってもさまざまなものがあるわけですが、まずは子宮頸がんの、特にHPVの検査について幾つか海外から得られている知見もございますので、そういったことも踏まえながら検討を進めたいと思っております。
 それから、受診率についても、現在国の方で無料クーポンの事業をやっているのですが、そういった事業効果の検証も含めて、今後、受診率の向上についてどういった取組みが考えられるか、あるいは制度管理についてもどういった取組みが考えられるか、並行して議論を進めていきたいと考えております。
 次が、小児がん医療・支援のあり方に関する検討会ですけれども、こちらは3回目を6月25日に開催して一旦の区切りがついております。現在こちらで小児がん拠点病院の指定要件を作成しております。これを早期に提示して募集・審査を行って、10月ごろには拠点病院の指定に関する検討会を開催して、拠点病院を指定していくというプロセスになっております。
 それから、がん診療提供体制のあり方に関する検討会、これはまだ仮称になっておりますが、主に拠点病院についても多くの課題が今あるわけですけれども、拠点病院全体の在り方、それぞれの要件、地域連携について検討会を立ち上げて、この7~8月、ちょっと遅れているのですけれども、なるべく早期に立ち上げて検討を進めていきたいと考えております。
 それから、緩和ケア推進検討会ですけれども、こちらは3回目が7月11日に開催されまして、今後も大体月に1回ぐらいのペースで開催する予定です。これまで特に身体的な苦痛、疼痛の管理について議論を進めてきたところですが、今後はそれだけではなくて精神的な苦痛あるいは緩和ケアに関する情報提供あるいは診断結果や病状の伝え方といった告知の問題、それから、緩和ケアチームや緩和ケア外来へのアクセスの改善について、一つひとつの議題について議論を進めていく予定にしております。
 それから、一番下に小さな文字で恐縮ですけれども、先ほど御質問のあったがんの研究についてですが、これについても第3次対がんが平成25年度に終了いたしますので、それに続くがん研究のあるべき方向性と具体的な研究事項等を明示する総合的ながん研究戦略を策定するということで、この会議は先ほどの医療イノベーションの5か年戦略にも書かれていたとおり、関係する省庁が複数にまたがりますけれども、まだどこに事務局を置くかは決まっていませんが、関係省庁で協力して会議を立ち上げて、平成24年の秋ぐらいには検討を開始する予定としております。
 その後のページは開催要綱を御参考までにつけておりますので適宜御参照ください。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見ございますか。
○天野会長代理 私から3点ございます。
 まず、1点目でございますが、がん診療提供体制のあり方に関する検討会(仮称)がございますが、これは具体的にがん拠点病院の指定要件を検討する会議かと思いますけれども、私自身小児がんの検討会の構成員を務めておりまして、その際3回でとりまとめをする、これは予算の都合上やむを得ないということなのですが、かなりタイトであったと理解しておりまして、限られた小児がんという分野でも拠点病院のとりまとめ、指定要件のとりまとめはかなり大変だったと構成員の1人として感じているところですが、現行の拠点病院の指定要件に関する検討会が、予定を見ると2か月に1回程度のペースということで、果たしてこの回数でとりまとめることは可能なのか、大丈夫なのかということを確認させていただきたいと思います。
 2点目が、前回の協議会で医薬品の早期承認等へ向けた取組みに関する検討会の早期設置に関する要望を委員提出資料として出させていただいたのですが、そちらについて厚生労働省内での設置の状況はどのようになっているのかということでございます。医薬品や医療機器の早期開発や承認登録に向けた取組みに関しましては、先日のテレビ報道でも、小宮山厚生労働大臣が創薬も含めて今までと全く違う取組みなんだということを強調されていたと思いますが、そういったことも含めて検討会の設置の状況がどのようになっているのかを確認させていただきたいと思います。
 3点目が、現在、緩和ケア推進検討会で精力的に御議論いただいているかと思いますが、前回の会議で緩和ケアセンターを設置するという意見が事務局案として出てきたと記憶しているのですけれども、あれは今年度の予算促進も含めた形で出てきていたものと理解していますが、それはこの協議会で共有いただけるかと思っていたのですが、今日は共有いただけていないようなので質問ということで、どういった構想なのかについて共有していただければと思います。
 私からは以上3点でございます。
○事務局(秋月) まず、1つ目のがん診療提供体制のあり方に関する検討会なんですが、確かに御指摘のとおり、小児がんもかなり拠点病院についていろいろな御議論がある中で何とかまとめているという形なんですけれども、拠点病院については既に数も相当数ありますし、かつ拠点病院間の格差も問題視されておりまして、相当拠点病院の要件だけではなくて、在り方についても議論しなければいけないと思っています。確かに、2か月に1回程度で十分に議論できるかというところはあるのですが、事務局としてもきちんと準備期間もとりたいということもございますし、そこは臨機応変というか、2か月に1回なのか、1か月に1回なのかそこはまだわかりませんけれども、きちんと開催してとりまとめていきたいと考えています。
 それから、医薬品の開発のところ、ドラッグラグのところですが、担当部局に確認したのですけれども、薬事法改正のように制度改正みたいな話もあるので、スケジュール感を含めて検討会をいつ立ち上げて、いつまでにとりまとめるということを今申し上げるのは難しいというのはあったのですが、例えば基本計画に、米国での薬事承認の状況を調べるというようなことも記載されていますが、今年度からPMDAに委託事業として開始しているということで、できるところは着実に進めていくと聞いております。
○鷲見がん対策推進官 3点目でございますが、緩和ケアセンターという点でございます。先週、緩和ケア推進検討会を7月11日に開催されまして御議論いただきました。もともと委員の方々も御存じのように、拠点病院の指定要件におきまして緩和ケア外来であるとか、入院であれば緩和ケアチームということで設置の指定要件にしているわけでございます。加えて、今年度からは拠点病院を中心としながら在宅で緩和ケアを提供できるように拠点病院が近隣のクリニックなどをリストアップしたり、あとは研修の機会を整えたりということで予算事業を立ち上げております。こうした外来、入院、在宅というものを統括するようなこと、それから、緊急で例えば痛みがなかなかとれないということで緩和ケア病床を設置するようなこと、あとは、緩和ケアに関連する情報を収集・分析することを考えられないかという御議論をいただいたところでございます。
 これにつきましては、まだ現在、緩和ケアの推進検討会において御議論いただいているところでございますが、事務局といたしましてはさまざまな手段がございますので、1つには例えば、来年度の予算で行うべきもの、または通知などでできるもの、あとは拠点病院の要件などで対応するもの、こうしたものを少し因数分解というか、対応すべきものを分割しましてできれば進めていきたいということで、この前御提示いただいたところです。
 検討会におきまして、おおむね方向としては御了承いただいたのではないかと考えておりますので、具体的に私どもとしては進められるべく検討していきたいと考えております。
○門田会長 よろしいですか。
 眞島委員どうぞ。
○眞島委員 今、事務局からPMDAで適応外薬問題の実態調査に着手したという御報告がありましたけれども、それは多くのがん患者にとり大変うれしい話です。今後、この調査がどう進捗するか、いつごろ調査報告が出てくるかということに関して大変興味がありますので、是非報告をお願いしたいと思います。
 もう一点ございます。計画の中の18ページにある「希少がん」に関してですが、大変読みやすくなったと思います。個別目標に関しての質問ですが、「希少がんについて検討する場を設置し、希少がんに見合った診療体制のあり方を検討する」とあります。これだけ読んでいますと、この協議会の外に検討する場を設けられるということなのかなとも読めるのですが、そうなのでしょうか。実は希少がんにはたくさん種類がありまして、我が国の希少がんの患者さんはどういう苦しみに直面しているのか、それから、医療体制としてはどういうものがあるのかなど、余りよく理解されていないと思います。従いまして、今、実態調査のお話がありましたけれども、希少がんに関しても実態調査のレポートがあるのであれば、是非協議会でも紹介していただいて、我々の方でも希少がんに関してはある一定の認識を持っておきたいなと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
今、事務局からPMDAで適応外薬問題の実態調査に着手したという御報告がありましたけれども、それは大変うれしい話です。今後、この調査がどう進捗するか、いつごろ調査報告が出てくるかということに関して大変興味がありますので、是非報告をお願いしたいと思います。
 もう一点ございます。計画の中の18ページにあるのですが、希少がんに関して大変読みやすくなったと思いますけれども、特に個別目標に関して「希少がんについて検討する場を設置し、希少がんに見合った診療体制のあり方を検討する」とあります。これだけ読んでいますと、この協議会以外に検討する場を設けられるということなのかなと思うのですが、実は希少がんにはたくさん種類がありまして、我が国の希少がんの患者さんがどういう苦しみ方をしているのか、それから、医療体制としてはどういうものがあるのか、余り多くわかっていないと思います。ですので、今、実態調査のお話がありましたけれども、希少がんに関しても実態調査をしているレポートがあるのであれば、是非協議会でも紹介していただいて、我々の方でもある一定の希少がんに関しての認識を持っておきたいなと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 事務局から何かありますか。
○外山健康局長 希少がんだけではなくて、今の検討会と協議会の関係ですけれども、協議会で諮問答申して、がん対策推進基本計画をつくってもらったということなので、行政としてはそれを受けてすぐ予算に反映しなければいけないとか、それを健康局長のもとにもうちょっと実務的に検討会をやっているということなんです。詳細にがん対策基本計画の書きぶりを再度吟味しなければいけないのですけれども、その後、行政で少し検討せよということについては、そういった意味の書きぶりにしたのですが、希少がんのところはわざわざ「検討する場を設置し」と書いてありますので、仮にそういう場を設置するのであれば会長とも御協議しますけれども、この協議会のもとに置くのではないかと思っておりまして、そういった意味では進め方については使い分けて書いているつもりでおります。○門田会長 前回のときも私はちょっと発言させてもらいましたけれども、協議会の部分というのは基本計画をつくるときに厚生労働大臣の方から質問があったということ。それから、これを決定した後に、それを施行する場合において厚労省の責任で行っている、その内容について更に専門家の意見を聞いてやる場合というのは、厚労省のもとに今回開かれたのが検討会であると。前につくった専門委員会は基本計画をつくるために専門委員会を立ち上げていたということで意味合いが違うということで、あるいは専門委員会は基本計画ができた段階で解消するということで今進んでいると理解しています。今、局長からは、そこをはっきり使い分けているとおっしゃっていただいたと思いますから、これから先つくるものによっては協議会の下のものもあるでしょうし、場合によれば検討会の形式になるという認識で皆さん御理解いただいていると思いますが、よろしいですか。
 では、花井委員どうぞ。
○花井委員 このがん対策関連の会議についてを拝見しますと、本当にいろいろな検討会が進んでいるのだなという印象を受けます。ただ、私のような患者関係委員の立場から見れば、多層的な苦悩を抱えるがん患者さんの相談支援は非常に重要なことだと思いますが、相談支援体制や機能の充実といったことに対して検討する場がないのは、なぜかなと思います。今、ピアサポートの必要性ということが、がん対策推進基本計画にも明記されまして、委託事業としてがん総合相談に携わる者の標準研修プログラム策定事業というのが進んでおり、これでピアサポーターが養成される一つの目安みたいなものができると思うのですけれども、さて、ピアサポーターが養成されました、これを地域の中でどのように活用していくのか。相談支援センターというのは、がん対策の一つの目玉でありまして、この推進や周知が叫ばれています。そして、統括相談支援センターなるものが提案されまして、今5県で事業が進んでいると聞いています。これらの相談支援体制や機能や資源の一つひとつがどのように有機的に結びついて地域の中で患者さんの利益に資することができるのかということが、図表のような簡単なものはありましたけれども、実は言葉でまだ議論されていないのではないかと思います。これを見ますと、緩和ケア推進検討会というのは非常に活発で、これから月に1回、ちょっとうらやましいなという気もしないでもないのですけれども、先ほど申し上げましたように、1つではない多層的な苦悩を抱えて、そして、治療に取組み、療養生活を過ごし、家庭復帰、社会復帰をして頑張っていく患者さんが、その全人的な痛み、負担を軽減していくということも私は立派な緩和ケアだと思っております。ですから、こういう相談支援体制や機能の充実、推進、地域連携が1つにつながるということ、このあるべき姿が議論できるような場がないのかなと考えておりますが、いかがでしょうか。
○外山健康局長 今のがんの相談のことに関しては、今個別の目的で緩和ケアの検討会であるとか、これから拠点病院の検討会もやりますけれども、場合によっては議事次第の(5)で重点的に共通にやるということで協議会でおやりになるということも一つあるのかなと思っておりまして、どうしても個別の検討会は狭いテーマになりますので、ここでも議論いたします結果につきましては協議会に御報告いたしますけれども、協議会の方で重点的にやっていただければと思っております。
○門田会長 確かにそうだと思います。非常に専門に特化した内容をここでやるというのはなかなか難しくあれで、検討会でその道の専門家の方たちに集まってもらってやっていくいる。、非常にいろいろと融合してしまってどうなってくるかとか、いろいろなところにかかわることについては新たに検討会そういうものをつくると、ここの協議会と同じような形になってしまいますので、持ち上がってきたそのようなものについては、ここで整理し直して再度そちらの検討会に下ろしていくようなキャッチボールのような形がは、内容によれば必要になるかもしれませんね。それはまたこの後のディスカッションを通じて、事務局と一緒に相談させてもらって方向性を考えたいと思いますが、そういうことでよろしいですか。
○花井委員 ありがとうございます。
○門田会長 堀田委員どうぞ。
○堀田委員 相談支援センターの設置が拠点病院の指定要件になっていますので、それ自体はどこの拠点病院も持っていると思うのですが、その中身はどうなんだということが随分問題となっています。相談にかかわる人の確保だとか研修、あるいは設置の場所からしていろいろ問題があるという指摘もありますが、こういったものをどのように標準化していくかということがとても大事だと思います。
 1つの流れとしては、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会に情報提供・相談支援部会をつくって経験交流や人材育成に資する計画もございます。既にある部会としては、がん登録部会と臨床試験部会がありますが、3つ目の部会をつくってもいいのではないかと準備を進めておりますので御紹介します。
相談支援というのが拠点病院の指定要件になって、それ自体はどこのセンターも持っていると思うのですが、その中はどうなんだということが随分議論されて、それにかかわる人の確保だとか研修、あるいは設置の場所からしていろいろ問題があるという指摘もありますが、こういったものをどのように標準化していくかということがとても大事だと思います。
 1つの流れとしては、都道府県がん拠点病院連絡協議会というのがございまして、その中に、これはまだ決めたわけではないですが、相談支援部会というものをつくって経験交流や人材育成に資するようなことをやろうかといった動きもございます。既にある部会としては、がん登録部会と臨床試験部会がありますが、3つ目の部会をつくってもいいのではないかという議論が今進んでおりますので御紹介します。
○門田会長 ありがとうございました。
 そのほかにも御意見があろうかと思いますが、これも今後の検討にも関係いたしますので、少し前に話を進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、今日審議していただきます内容で、これからの推進協議会で検討すべき内容について、まず最初に事務局から説明していただいて、皆さんの御意見をちょうだいしたいと思います。お願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、資料7、資料8、資料9について御説明させていただきます。
 まず、今からがん対策推進協議会で今後議論すべき内容について御議論いただくわけですが、その前に資料7で、がん対策推進協議会の位置づけについて再確認をさせていただきたいと思います。
 そもそもですが、協議会も含めてですけれども審議会については、2つの種類に大きく分けられます。1番に書いてあるのは、審議会等の整理合理化に関する基本的計画ということで平成11年に閣議決定されたものですが、大きく分けて基本的政策型審議会と法施行型審議会の2つに分かれます。1つ目の基本的政策型というのが、基本的な政策を審議事項に含む審議会等ということで、2つ目の法施行型というのが、行政の執行過程における計画や基準の作成、不服審査、行政処分等に係る事項について、当該事項のみを審査事項とする審議会等というものでございます。
 それぞれどんなものがあるかというのが2番目ですけれども、基本的政策型審議会には例えば、厚生科学審議会を挙げております。この厚生科学審議会というのは、ここには記載しておりませんけれども、厚生労働省の設置法の中で疾病の予防や治療に関する研究といった重要事項について、厚生労働大臣の諮問に応じて調査・審議をすることになっておりまして、特に公衆衛生に関する重要事項については、厚生労働大臣に対して意見を述べることと定められております。
 厚生科学審議会令を下に抜粋しておりますけれども、必要があれば関係行政機関の長に対して資料の提出、意見の表明、説明、そのほか必要な協力を求めることができると規定されています。
 一方、がん対策推進協議会のような法施行型審議会ですけれども、これは基本法の第9条第4項を抜粋したものですが、「厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、がん対策推進協議会の意見を聴くものとする」ということで、基本的には基本計画案を作成するときに意見を聞く場として、がん対策推進協議会が設置されています。
 そうは言うものの、基本法が制定されたときの付帯決議を3番に抜粋しておりますけれども、「本法により創設される『がん対策推進協議会』については、政府の策定する『がん対策推進基本計画』の立案に積極的に関与する機関であるとの位置づけにのっとり、その機能が十分に発揮できるよう配慮すること。その際、がん医療に関する他の検討会等との役割分担や連携の強化にもつとめること」と付帯決議がされております。ということで、基本法では基本計画の案を作成するときに意見を聞く場となっているのですが、こうした付帯決議に記載されていることも重んじて、がん対策推進基本計画の今後実現に向けてどういったことが必要か御意見を賜り、関連する検討会とも連携を図りながら、がん対策を進めていきたいと考えております。
 次に、資料8でございますが、そういった位置づけについて再確認させていただいた上で、今後、議論すべき内容について委員の皆様から幾つか御意見をいただきましたので、読ませていただきます。簡単に箇条書きにしておりますので、この後適宜、委員の皆様から補足していただければと思います。
 まず、門田会長からいただいた御意見として、今後のがん対策の目指すべき方向について、長期的な視点から大局的に議論すべきではないかと。これまでのがん対策を振り返り、患者の痛みや医療格差、専門医不足等の背景にどのような問題があるか解決策を探るべきではないかという御意見をいただいております。
 江口委員からは、全国で展開されているがん対策推進計画のプロセス、アウトカム評価のための仕組みを構築するタスクフォースグループを設置すべきではないか。あるいは、地域連携として有用な患者相談支援体制の確立について、がん検診の効率化に関する新たな方策、治療法を確立するための多施設研究グループの育成強化、人材育成のための多職種の研修教育体制といった御意見をいただいております。
 田村委員からは、研究テーマ、研究費の配分について検討するシステム、更に得られた研究結果を検証するシステムの確立に関する議論。それから、現状の監査、検証システムを洗い出し、課題を抽出して、それを解決する方策を関連省庁が一丸となって検討していくという御意見をちょうだいしております。
 花井委員からは、県のがん対策、特に県の取組み、例えば、がん登録や人材育成、相談支援センターの活用、ピアサポーターとの連携、子どもに対する教育、就労支援といったところのヒアリングを行って、国との役割分担も含めて議論してはどうか。それから、先ほど御指摘がありましたけれども、地域の相談支援体制充実のための議論ということで、特にピアサポートを充実させるために病院側の受入体制だとか、相談支援センターの連携協力、ピアサポーターの育成について好事例のヒアリングも行って議論を進めてはどうかという御意見をいただいております。
 前川委員からは、がん対策推進協議会として医学部・看護学部でのがん教育の充実など、がん教育の必要性を文部科学省に提言してはどうか。それから、医師に対する教育も充実するべきではないかという御意見。それから、さまざまな病院の取り組み、例えば、待ち時間の短縮や各科の連携、相談支援センターの発言力の強化、院内の患者サロンの運営や医療従事者間の交流といったところをヒアリングして検証を行って、先駆的な取組みを行っている病院をモデル病院として全国に普及していくための議論が必要ではないか。あとは、がん関連の学会や厚労省の委託事業を連携させるためにヒアリングを行って議論してはどうか。それから、各県のがん対策の進捗状況も把握して、国、県、病院の各レベルで基本計画が絵に描いた餅にならないようにするために、どう取り組むべきか。あと、地域統括相談支援センターの設置を推進してはどうかという話。各地で開催されているがん医療関係の講演会や勉強会を厚労省のホームページなどに掲載してはどうか。それから、小児がんの拠点病院の経費と拠点病院の数のバランスなどについて議論してはどうかという御提言をいただいております。
 道永委員からは、がん検診の受診率の向上施策について、がん登録の充実について協議会の場でも議論してはどうかという御提言をいただいております。
 あと、事務局案ですけれども、がん研究について今後、平成25年度に第3次対がんが終わりますが、その後のがん研究の総合的な戦略について平成24年秋ごろから関係省庁と協力して議論を進めるということを先ほど御紹介させていただいのですが、そういった戦略会議を立ち上げる前に協議会からも御意見を伺いたいということで、事務局案としてがん研究についてを挙げさせていただきました。
 資料9ですけれども、平成25年度の予算に関する御意見も幾つかちょうだいしておりますので御紹介させていただきます。
 花井委員からは、特にピアサポーターの養成を都道府県及び地域の医療機関、NPO、市民団体等との連携協力のもとに進めることということで、各都道府県に向けて単にプログラムの策定事業だけではなくて、各都道府県に向けてピアサポーター養成の予算が必要という御意見をいただいております。
 松月委員からは、がんと診断されたときからの緩和ケアを実施するには、診断された初期にケアを実施できる医療職の教育研修が重要であるけれども、まだプログラムが存在していないということで、その作成と教育研修のための予算が必要であるという御意見をいただいております。また、検診についても検診受診率の向上には、保健師さんの役割が大きいわけですが、保健師さんを増員するための予算が必要であるという御意見をちょうだいしております。
 事務局からは以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 資料7、資料8、資料9ということで御説明をいただきましたが、主に資料8について意見を出していただいた委員の方、あるいはこういう形では出していらっしゃらない委員の方から御意見をちょうだいしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○江口委員 一番上の●ですけれども、全国で展開されているがん対策推進計画のプロセス、アウトカムについて検証し、評価する仕組みを協議会のもとでの活動として構築するためのタスクフォースグループの設置を挙げさせていただきました。実際にどういう状況であるのか今までデータとして参考にできるものがありません。今後都道府県で基本計画案を策定し遂行するときに本協議会のよりよい意見を反映させるためには、過去5年間の進捗状況と課題についての情報を得る必要があります。下4つの●は、すべて1番目の●に関係することです。
 先ほど相談支援のことが話題になりましたけれども、2番目の●に挙げています。例えば、先ほど他の委員が言われた、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)で相談支援についての委員会ができたということですが、全国の拠点病院を見ますと、がんの専門センターの相談支援の在り方と、実際に大学病院や総合病院で拠点病院になっているところの相談支援の在り方とに、患者側も含め認識のギャップがあります。がん以外とがんとを切り離して相談することは難しいのです。その意味では、全国の拠点病院で活用される相談支援センター体制の確立を考えていかなければいけない問題です。
 4番目の治療法確立のための多施設研究グループの育成強化については、治験体制などの強化が図られています。それらの強化策のアウトカムに関して検証することが必要です。国際的にも日本の中でも、実力をつけた多施設共同研究グループがダイナミックに入れ替わっていますので、実行力のある研究グループの支援という視点からがん研究の在り方を検討する場が必要です。
 以上です。
順番でいくと私が先に出ているので追加して解説したいと思いますが、一番上の●ですけれども、2ページにあります前川委員の絵に描いた餅という言葉もありますが、今、全国で展開されているがん対策推進計画、特に都道府県で行われているがん対策推進計画などの実際のプロセスとかアウトカムについて、やはりそういうものを検証する仕組み、協議会の活動としてある程度こういうものを構築するためのタスクフォースグループの設置をここに挙げさせていただきました。実際にどういう状況であるのかがどこにも今までデータとして示されておりませんので、少なくとも今後のがん対策協議会の位置づけとして、基本計画の案を策定するときに協議会のよりよい意見を出すためには、今まで5年間どういうことが行われて、どういうことが課題であったかについての情報を得る必要があると思います。私は、この下に4つの●をつけましたけれども、すべて1番目の●に関係することでして、ここでは全国で行われているがん対策推進計画のプロセスとアウトカムの評価に関する仕組みということを是非、意見として述べさせていただきたいと思います。
 それから、先ほど相談支援のことが再三出てまいりましたけれども、2番目の●に挙げていますが、例えば、先ほどちょっと堀田委員が言われた、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)で相談支援についての委員会ができたということですが、全国の拠点病院を見ますと、がんの専門センターの相談支援の在り方と、実際に大学病院や総合病院で拠点病院になっているところの相談支援の在り方と、そのギャップを再三聞くことがあります。そういう意味では、全がん協だけではなくて、全国の拠点病院の中で相談支援センターの体制をどう確立するかは考えていかなければいけない問題だと思います。
 4番目の治療法確立のための多施設研究グループの育成強化は、先ほど事務局が出されたがん研究にも関係すると思いますが、今いろいろな強化策が厚労省あるいは文科省から出されて、治験グループあるいは中核病院などの強化が図られていると思いますが、そういうものが実際にどういうアウトカムをつくられているかといったことに関して検証することが必要ですし、それ以外の多施設研究グループ、今、国際的に見ても日本の中でいろいろな実力を持った多施設の共同研究グループができていますので、そういうものも含めて、がん研究の在り方として検討する場が必要ではないかと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 確かに、前からこのアウトカム評価はずっと話題になっていて、余り形としてなかったことをもう少しはっきりおっしゃっていただいたと思いますが、そのほかございますか。
○堀田委員 今の江口委員の発言の中で一部訂正したいのですけれども、全がん協ではなくて、都道府県がん診療連携拠点病院の部会としてという位置づけで今は考えていますので、よろしくお願いいたします。
○門田会長 ありがとうございました。
 天野委員どうぞ。
○天野会長代理 私からは2点ございます。
 まず、1点目ですが、そもそも第1期の基本計画や、がん対策基本法で繰り返し申し上げてきたとおり、救える命を救うということが一つの目標として掲げられて拠点病院が整備され、また、医療品や医薬品の早期承認も一定の取組みがされてきたと理解していますが、まず、治療成績の向上は勿論がん患者さんにとって非常に重要なことですけれども、同時に、身体的な苦痛のみならず精神的・社会的な苦痛をがん患者さんは抱えながら暮らしていかなければいけない。そういった精神的・社会的な苦痛を軽減するために、例えば、相談支援という言葉が先ほどから上がっていますが、この相談支援という枠組みでどういった支援ができるのかをこの場で是非議論していただければと思います。
 もう一点目が、先ほど申し上げたとおり、救える命を救うということは勿論あるわけですが、一方で、私も含めてここにいらっしゃる全員、いつかは死を迎える日が必ず来るということで、2月の協議会で川越委員からも御指摘があったかと記憶しておりますが、今回全体目標として、がんになっても安心して暮らせる社会の構築、これは社会的な問題に光を当てるということで今回の全体目標に入れていただいたことは大変ありがたいことだと思っているのですが、一方で、がんになって最後のときを迎えなくてはいけないときに、果たして安心して最後のときを迎えられる社会なのかという点です。その点については、2月の協議会で川越委員からも、そういったトーンが薄いのではないかといった御指摘があったかと記憶しています。基本計画を読み返してみますと、例えば、地域の療養体制に関しても、「家庭や地域での療養や生活を選択できるよう在宅医療、介護サービス提供体制の構築を目標とする」といった言葉が書かれているのみで、具体的に在宅の療養でがん患者さんはどういった最後を迎えていかなければいけないのか、また、病床が足りない中でどういった方策が必要なのか、そういったことに対する議論が必ずしも十分ではないのではないかと感じておりますので、その辺りについてこの場で長期的な視点に立った議論を行うことが必要ではないかと感じております。
○門田会長 ありがとうございました。
 松本委員どうぞ。
○松本委員 今の天野委員の発言に関連して申し上げます。
 私からも在宅に関して是非この場で、もう一歩進んだ議論をする機会を設けていただきたいと思っております。それには理由がありまして、先ほどのさまざまな検討会として現在走っています緩和ケア検討会、そして、これから始まる提供体制の在り方検討会、恐らくこの両方に在宅や地域連携がかかわってくるのだと思います。更に、局は別ですけれども、在宅医療連携拠点事業というものが、かなりの予算を投入して現在展開されているということを私は不勉強でつい最近知りました。ですから、こういう局を越えたところでも行われているあらゆる在宅に関する取組みについて、総合的にここで考えていくということが必要だと思います。その理由は先ほど天野委員もおっしゃったとおりですけれども、本当に安心して患者・家族が望む場所で病気に向き合っていく体制をつくるという総合的なことを検討する場が、まさにこの協議会だろうと思っておりますので、是非それを強く申し上げたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。これは拡大解釈すると、医療提供とつながるということですね。
 前川委員どうぞ。
○前川委員 私の意見に補足説明をさせていただきます。私の場合、狭い意味の意見かもしれませんけれども、私が感じた問題点を挙げさせていただきます。
 がん対策推進協議会として以前、文科省に義務教育段階でのがん教育を提言してはどうかとお話ししたと思います。それは皆さんの共通認識ですということで終わったのですけれども、この場でもお願いしたいと思います。今、民間でがん教育がされております。でも、文科省がかかわらないと義務教育段階ですべての生徒にがん教育、命の大切さを教えることができない。それには、やはり文科省のかかわりが大切だと思っております。
 次に、各科の連携、相談支援センターの発言力の強化と書いています。病院格差はあると思いますが、相談支援センターに病院の患者さんが相談した場合、相談を受けたスタッフが遠慮して医師に言えないということがあります。その実態があるということを考えていただいて、相談支援センターの評価、また、院内患者サロンの運営などの議論をしていただきたいと思います。うまく稼働している病院からヒアリングをするのもいいかと思います。
 次に、がん対策の向上のために多くの団体、学会、研究グループがいろいろな研究をされていると思いますけれども、皆さんがそれぞれにされていてまとまっていないような気がします。あちらでもいいことをされている、こちらでもいいことをされているという感じがするので、国としてそれが1つの面となるような方法はないかなという気がしております。
 次に、先ほど江口委員もおっしゃったと思いますが、各県のがん対策の進捗状況が把握されていません。国が県に指導して、県が拠点病院に指導するようになっています。でも、県は拠点病院の医師や拠点病院に遠慮があって、強い口調で言えない部分があるんです。そうすると、拠点病院、医療現場と国との温度差が生まれています。この点もできれば議論していただきたいと思っております。
 あとは付け足しですけれども、ある方が頭頚部と耳鼻科、口腔外科の3つの科に共通する病気になったとします。その方が開業医の耳鼻科を受診した場合、耳鼻科から総合病院の耳鼻科を紹介する、口腔外科に行けば口腔外科を紹介する、そこで手術するということになるかと思います。勿論これも病院格差があるとは思いますけれども、その中で例えば耳鼻科に行ったとして、耳鼻科で手術するのではなくて、その中で口腔外科の先生と一緒にチーム医療をするというような形ができていない病院も多々あるかと思います。そういうチーム医療については以前から言われているけれども実際はできていないこともあるので、こういうことも議論していただければと思っております。
 以上です。
私の意見に補足説明をさせていただきます。私の場合、狭い意味の意見かもしれませんけれども、私が感じた問題点を挙げさせていただきます。
 がん対策推進協議会として以前、文科省に義務教育段階でのがん教育を提言してはどうかとお話ししたと思います。それは皆さんの共通認識ですということで終わったのですけれども、この場でもお願いしたいと思います。今、民間でがん教育がされております。でも、文科省がかかわらないと義務教育での全部の生徒にがん教育、命の大切さを教えることができない。それには、やはり文科省のかかわりが大切だと思っております。
 次に、各科の連携、相談支援センターの発言力の強化と書いてありますが、病院格差はあると思いますが、相談支援センターに病院の患者さんが相談した場合、スタッフが医師に遠慮して医師に言えないということがあります。その実態があるということを考えていただいて、相談支援センターの評価、また、院内患者サロンの運営などの議論をしていただきたいと思います。うまく稼働している病院からヒアリングをするのもいいかと思います。
 次に、がん対策の向上のために多くの団体、学会、研究グループがいろいろな研究をされていると思いますけれども、皆さんがそれぞれにされていてまとまっていないような気がするんです。あちらでもいいことをされている、こちらでもいいことをされているという感じがするので、国としてそれが1つの面となるような方法はないかなという気がしております。
 次に、先ほど江口委員もおっしゃったと思いますが、各県のがん対策の進捗状況が把握されていません。国が県に指導して、県が拠点病院に指導するようになっています。でも、県は拠点病院の医師や拠点病院に遠慮があって、強い口調で言えない部分があるんです。そうすると、拠点病院、医療現場と国との温度差が生まれています。この点もできれば議論していただきたいと思っております。
 あとは付け足しですけれども、ある方が頭頚部と耳鼻科、口腔外科の3つの科に共通する病気になったとします。その方が耳鼻科に行ったら耳鼻科から総合病院の耳鼻科を紹介する、口腔外科に行けば口腔外科を紹介する、そこで手術するということになるかと思います。勿論これも病院格差があるとは思いますけれども、その中で例えば耳鼻科に行ったとして、耳鼻科で手術するのではなくて、その中で口腔外科の先生と一緒にチーム医療をするというような形ができていない病院も多々あるかと思います。そういうチーム医療については以前から言われているけれども実際はできていないこともあるので、こういうことも議論していただければと思っております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 ここに挙げている方々だけに権限があるのではありませんので、おっしゃりたいことがあればどうぞおっしゃっていただきたいと思います。
 田村委員どうぞ。
○田村委員 以前から申し上げていたことですけれども、薬剤に関しまして基礎医学、基礎的な創薬、橋渡し研究、臨床研究、この流れが必ずしも十分日本では機能していなくて、なかなか新しい創薬ができないという状況がございます。そして、御存じのように日本は抗がん剤の超輸入国になっておりまして、その理由の1つは、そこがうまくいっていないということがあります。したがいまして、何らかの形でこういう研究テーマ、実際にそれを実施し、臨床まで応用していくというコーディネーター的な、あるいはオーガナイズするような部門をきちんとつくって、それは常設機関でないとなかなか難しいと思いますけれども、そこが音頭を取るような形。そして、その中には産官学が入っているようなものをつくれば、ドラッグラグやデバイスラグなどもそこでかなり解消できるのではないかと考えておりまして、こういう提案をさせていただきました。これはかなり大きな問題ですので、推進協議会の中で議論していただいて、いろいろなところにその提案をしていければと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 花井委員どうぞ。
○花井委員 私が提案申し上げたことのほとんどは江口委員が御説明してくださいましたが、私も各都道府県のがん対策の見える化ということがとても必要ではないかと思っています。昨年8月、天野委員が主導で全国47都道府県に向けまして、がん対策予算は適切に使われているかどうかという調査をされ、患者関係委員の連盟ということで要望書を出していただきました。この要望書で何が動いたのか、どのように都道府県のがん対策が変わっていったのかということもある意味検証の必要性があると思いますけれども、これを要望で終わらせないで、具体的なことを知る必要があると思います。たしか、あのときの項目は緩和ケア研修事業がどうなのかということ、それから、効果的ながん情報の提供の仕方、相談支援体制の充実といったことで5項目だったと思いますが、47都道府県の調査のうちたくさん○がついているところもあれば、必要だが予算措置できずというところ、全部に○を打ってきた県というのが47都道府県中2県あったと思います。残念ながら、私のおります愛知県もその1つでございます。
 例えば、均てん化の精神というのは、どこに住んでいても、だれでも最良のがん医療が受けられることを目指すと私は聞いております。これもある意味均てん化が必要なことではないかと思います。どこに住んでいるかで相談支援体制がこうなんだ、効果的ながん情報の提供がこうなんだということで、非常に利益・不利益にばらつきがあるというのは国民として非常に不幸なことだと思います。ですから、これはこの県が上手にできている、非常に好事例を持っているという、地域のがん対策というのは、一つは好事例というところに学びながら、目指しながら進んでいくということもあるのではないかと思います。今後こういった好事例ヒアリングすることで、都道府県のがん対策を後押しするような企画を進めていただければという思いで提案をいたしました。
○門田会長 ありがとうございました。
 そのほかにもあろうかと思いますが、今日は二方参考人として来ていただいておりますが、予定の時間を回りそうなので、今後ディスカッションする内容につきましては、今までやっておりましたように、今日発言できなかった方は文書で出していただいて、それを事務局でまとめて私と一緒に相談させていただいて計画を立てたいと思います。
 先ほども申しましたように、今日事務局から出してもらいました資料7で、がん対策推進協議会の位置づけの御説明を聞きました。それから、今の執行の段階として検討会を立ち上げているというお話も聞きましたが、これから先、そこをうまく役割分担をして、どちらが担当すべきことなのか。先ほど言いましたように、割ったときに検討会では幅広くて検討できないようなものを持ち上げる、これは当然だと思いますが、そういうことを一応の皆さんの共通理念として持っていただくということで出していただきたいと思います。
 私があえて事務局から出していただきました位置づけから考えてみますと、法律的には我々の意見を聞いて計画を厚生労働大臣がつくるという話が基本と言えば基本です。しかし、それには幅広いいろいろなところとの関連も必要だというのもありますが、基本的に考えてみますと、私たちは3月で一旦答申して、それが6月に認められたということでございます。そこで、しなければならないことというのは、今回の基本計画の35ページに「6.目標の達成状況の把握とがん対策を評価する指標の策定」とありますが、先ほども同じような内容で御発言いただきましたけれども、一番下のところ「協議会は、がん対策の進捗状況を適宜把握し、施策の推進に資するよう必要な提言を行うとともに、必要に応じて専門委員会等の積極的な活用を行うこととする」と、自分たちで書いた文書があるわけで、やはりこれが基本かなと。
 それと同時に、今終わったということは、今の5年間の計画の進捗状況を見ながら、次の5年間のスタートであると私は思っております。そういった意味で、5年、10年というスパンで考えていくことも必要ではないかということで、冒頭に挙げさせていただいております。
 そういうように限られた時間でございます。協議会も2か月に1回ということで、今までと違って年度内は4回しかないという状況になっておりますから、ここという重要なものを選んでやらざるを得ないのではないかと思います。
 そのほか実際に検討会を上手にやっていく。検討会の動きに対してここで御報告いただいたら、それに対して何がしかの意見を言えるという機会はつくっていただきたいと思いますけれども、そういう形で進めるべきではないかと思います。
 そこで申し訳ございませんが、今日発言できなかった方は、今私がお願いしたような内容で事務局まで出していただきたいと思います。それは今月中でいいですか、来週いっぱいですか。
○鷲見がん対策推進官 次の検討会は2か月に1回ということではありますけれども、事前に私どもも資料の準備がございますので、例えば今月中を目途に出していただければと思います。
○門田会長 協議会がいついつ開かれるからというよりも、出てきたものは見るなり、そのほかのものでやるべきことは早目にやって前に進むことを準備していかなければどんどん遅れますので、意見のある方は今月中に事務局に出していただく。それをできるだけ早いうちに集計して、方向性を出して皆さんの御意見を聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次にまいります。本日は、がん治療における医科歯科連携についてということで、佐藤保先生より御説明をいただき、御意見をちょうだいしたいと思います。では、佐藤先生、お願いいたします。
○佐藤参考人 門田先生、どうもありがとうございます。この協議会におきまして貴重なお時間の中、意見を述べさせていただける機会をちょうだいしましたことに、まずもって感謝申し上げたいと思います。併せて、このたびのがん対策推進基本計画におきましては、医科歯科連携、特にチーム医療の在り方の必要性について、手周術期における口腔ケアの重要性及び人材育成の課題、また、希少がんとしての口腔関連がんについての記載がなされております。私ども歯科医療関連団体といたしましては、もしくは関係者といたしましては、今回の国の基本計画が国民のがん対策推進に資するものだという位置づけだと改めて感謝申し上げたいと思います。
 私が今日、意見陳述させていただきます資料は、資料10でございます。
 2ページに本日の資料内容を3点書いてございます。まず、がん治療における医科歯科連携の必要性。2番目としましては、日本歯科医師会と国立がん研究センターの連携事業が既に進んでおりますので、その御報告。更に、この取組み事業を全国展開するという方向性についての意見を述べさせていただきたいと思います。
 なお、本日報告の事業は、日本歯科医師会のみならずが、国立がん研究センターともどもに協力して進めてきた事業でございますので、国立がん研究センターの歯科医師でございます上野尚雄先生と御同席をさせていただいております。
 3ページでございますが、がん治療における医科歯科連携の意義を書かせていただきました。がん治療に伴います口腔トラブルの予防・軽減をしながら、お口から食べられること、治療を乗り切っていただける、そして、何より口に関する苦痛の少ない治療を提供するということになります。
 ?に関しましては、歯科疾患の発症リスクを軽減するということになりますが、これは歯科医師にとっても重要な問題でございます。より安全に、よりリスクの少ない歯科医療を提供するためには重要な視点でございますしあり、また、手術中の気管内挿管時の歯の破折等のリスク、これは後ほど詳述いたします。また、口腔ケアによるがん治療合併症リスク軽減が具体的な場として挙げられると思っております。
 4ページでございます。口腔ケアが術後肺炎を予防するということは以前より知られておりますが、これは急性期外科病棟におきます3,319名の方に対する介入研究でございます。これが実際に口腔ケアを実施したところ、病棟での肺炎予防のプログラムが有効で、肺炎の発症率が4分の1に減少したという報告でございます。これは2010年の報告でございますが、1999年には米山先生が『ランセット』に報告した口腔ケアの有用性がその後も各雑誌において報告されているところでございます。
 5ページは、人工呼吸器肺炎に関する口腔ケアの意義に関するものでございます。ICU病棟におきまして、気管挿管において口腔ケアが口腔内における原因菌を減少させたという結果が示されております。実際にその減少につきましては、ケアを実施した群は非介入群の約3分の1という結果でございました。また、因子分析におきましても口腔ケア介入が人工呼吸器関連肺炎の発症を軽減するということを示しております。
 6ページでございます。全身麻酔時の挿管時の歯科トラブルですが、この発症頻度は決して高いものではありません。要するに具体的には、挿管した際に歯が折れた等のトラブルになりを指しますが、一方で、その割合は少ないものの全身麻酔を受ける方の割合が増えておりますので、数としては増加していまする。
 一方で、麻酔処置に伴う歯牙損傷というのが医事紛争の3分の1を占めているということが報告されています。
 一方でこれらトラブルの対応として、術前に動いている歯牙の処置を行う、もしくは動く危険性の高いところに対してマウスガードと呼ばれるような保護具を作成する等によって、歯牙損傷のリスクが軽減するということが中橋先生らから報告されております。
 7ページでございます。口腔ケア介入による頭頚部再建手術の術後合併症発症率のロジスティック分析の最終モデルでございます。これは、静岡がんセンター大田先生からが研究助成金に基づいて示されたものでございますが、口腔ケア介入によって頭頚部再建手術においては、その術後合併症の発症リスクを7分の1に減少すると報告しております。
 8ページは、米国国立がんセンターによるガイドラインでございます。感染リスクの管理、治療前後、治療中と、更に口腔粘膜障害の対応が米国国立がんセンターによるガイドラインでは示されており、化学療法開始の2週間前までに歯科チェック・処置を終了させておくことを推奨しています。
 9ページでございます。NCCNのガイドラインが示されておりますが、口腔粘膜炎の感染リスクは当然ながら、口内炎の発生がその後のお口の中の痛みを伴うとさまざまな苦痛を伴うものです。が、更に、口内炎は全身感染症の重大なリスクになることが知られています。口腔ケアによる敗血症を引き起こす相対リスクにつきましては、口内炎がない場合には4倍以上になることが知られています。したがって、急速な口内疼痛の増悪は局所感染が関与している可能性がありまして、適切な感染症の診断・処置で症状が緩和するというガイドラインが示されております。
 10ページ、岡山大学の曽我先生らの造血幹細胞移植治療における口腔ケアにおいて、この口腔ケアを実施した際には、潰瘍を伴う口腔粘膜の発症が有意に減ったという報告です。
 更に、11ページには、ビスフォスネート剤によります顎骨壊死に対する口腔ケアの発症予防について、そのリスクを3分の1に減少させたという報告がございます。
 これらはさまざまな歯科の連携によるということで、12ページに国立がん研究センターにおきまして行われています、がん治療と口腔ケアのDecision Makingを示しておりますが、歯科介入のフローチャートでございます。緩和医療、手術、化学療法、放射線療法、その始まる前、始まった後、それぞれに対して歯科の介入の必要性が示されております。
 このような経過の中、平成20年度、平成21年度と準備しておりましたが、平成22年度には国立がん研究センターと日本歯科医師会が、がん患者に関する歯科医療連携ということで合意し、そのための必要な教育事業を進めております。
 14ページでございますが、この連携事業によりまして、国立がん研究センターの紹介元の診療科は婦人科がトップで56%を占めており、以下、泌尿器、小児科に至るまでさまざまな診療科から連携歯科医のもとに紹介がなされています。
 連携窓口を受診する患者様の数を15ページに示しております。国立がん研究センターと日本歯科医師会の連携事業というのは、東京、埼玉、神奈川、千葉、山梨という主に国立がん研究センターを訪れる患者様を対象にした5都県を対象にして連携事業を組み、そして、それぞれの研修を受け、その研修を受けた歯科医師を連携歯科医師として国立がん研究センターに登録し、それぞれ術前、術後に関して紹介するという事業でございますので、東京都以下まさに今回の5都県では90%を占めたという結果でございました。
 16ページでございますが、この連携に関して歯科医師が資質を高めるために講習1、講習2と分けまして、講習1は手術前患者を対象にして口腔ケアを中心とした講義を、講習2として、がん化学療法、頭頚部放射線治療における歯科治療及び口腔ケアをタイトルに、それぞれ5都県で実施いたしました。
 下に、それぞれ受講なさった歯科医師の数が記載されております。合計が講習1では1,726名、講習2では1,200名と、前のスライドで示しました連携窓口を受診なさった方たちの3倍ないし4倍の受け皿を養成してきたという結果でございます。
 17ページでございます。実際に国立がん研究センターの連携窓口を受診なさった方々に紹介先に対する希望を413名の方たちに対して伺った点を御報告させていただきます。
 まず、左側の円グラフでございますが、かかりつけ歯科医を有している方が74%。一方で、手術前受診を希望する歯科医院は49%が連携歯科医でしたあったという事実でございます。
 18ページを見ますと、歯科受診先を選ぶ際の理由が幾つか示されております。かかりつけの歯科医師を受診したいということは、昔からよく診てもらって信頼している、今治療中である等々の理由ですがございます。一方で、連携歯科医院を受診したい方には、まず、日歯-国がんの紹介なので信頼できるという安心感がある一方で、マイナスのイメージとしては、自分ががんであることを周囲に知られたくない、特に、地方であればあるほど、そのリスクは高いのではないかという方がいらしたということも事実でございます。
 戻りまして、17ページでございますが、ここで私ども日本歯科医師会として考えておりますのは、多くの国民の方がかかりつけ歯科医を持とうとしている、国民の4分の3がそういう動向にあるという事実。一方で、そのかかりつけ歯科医の資質が向上することによって受診を希望する歯科医院が連携歯科医院とイコールであれば、まさにかかりつけ歯科医が包括的かつ継続的にそれぞれ地域の歯科医療に携わっておりますので、資質向上の課題もそれなりに資するものではないかと考えております。
 19ページです。一方で、受診なさった方たちにどういう問題があったのかを実際に健診した先生方から報告を受けております。N数が61と少ない数でございますが、結果としましては、やはり口腔衛生状態がよくなかった、これはスケーリング等が必要であった、虫歯があったとか、急性症状がある動揺歯、この動揺歯がもし前歯であれば気管挿管の際に折れてくる等のトラブルのリスクがどうしても上がってきます。また、歯茎の状態は、既に口内炎のリスクがあるにもかかわらず、既に手術前に歯肉炎がある方が4割もいらっしゃるという事実。また、手術後にはしっかりかんで噛んでいただかなければならない、経口摂取していただかなければいけないにもかかわらず、義歯が必要である方の7割が義歯を持っていなかったという事実もございました。まさに、連携歯科医院を受診した患者様の少なくとも半数に関しては、歯科治療が必要な状況である。なおかつ、手術前であれば、より安全な歯科医療が提供できるということが言えます。
 20ページです。具体的に行われた処置は何か。これは基本的な処置、いわゆるスケーリングを含めた口腔ケア、虫歯があった方には詰める、歯が動いている方は固定した等。なお、5番目には抜歯という観血的な歯科処置も含まれております。化学療法が始まってまいりますと、抜歯の観血的な処置はリスクが更に高まってまいりますので、まさに術前ケアでに必要な処置でございますし、ここにあるすべての処置は歯科医師であれば日常的に行っている、いわゆる一般的な歯科診療でございます。その一般的な歯科診療に、更にがんとの連携を特化した歯科医療機関連携窓口の整備をというのは、今後更に全国展開を進める必要性を感じております。
 最後に、21ページ以降でございますが、日本歯科医師会と国立がん研究センターは平成21年からこの事業を準備し、平成22年には締結し、更に講習、術前ケア、術後ケアを含めて最終的な終末期の問題まで今後もそれぞれのスケジュールに沿ってしっかりした研修を進めてまいりたいと思っています。
 一方で、21ページに「各地区」という欄がございます。日本歯科医師会では全国47都道府県を7つのブロックに分けております。北の北海道、東北から九州までの7つのブロックでございますが、そのブロックを拠点とし、本来であれば平成24年から連携事業を展開する予定を1年早めて、平成23年度にはこの事業を始めました。実は平成24年1月14日という年度ギリギリのところではございましたが、全国のがん拠点病院の先生方、市の先生方、お立場ある先生方が、それぞれの当番になっている歯科医師会の関係者とともに御対応いただいた。当初は7つの予定でございましたが、既に自発的にこういう連携に取り組んでいるという県が参加したいということで、10道県ございました。結果としては17道県が既に平成24年度よりのスタートを平成23年度に早めてスタートしております。
 今後、全国に向けて国立がん研究センターと連携してきた日本歯科医師会のノウハウを全国に均てん化を進めながら、最後の22ページのスケジュール感を持って進めてまいりたいと思っております。
 冒頭申し上げましたように、国民に対するがん対策推進におきまして今回の基本計画の御提示は、私ども歯科医師会の役割、歯科医療関係者の役割も明確にしていただきました。それらを基に、更に積極的な展開に向けて進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
門田先生、どうもありがとうございます。この協議会におきまして貴重なお時間の中、意見を述べさせていただける機会をちょうだいしましたことに、まずもって感謝申し上げたいと思います。併せて、このたびのがん対策推進基本計画におきましては、医科歯科連携、特にチーム医療の在り方の必要性について、手術期における口腔ケアの重要性及び人材育成の課題、また、希少がんとしての口腔関連がんについての記載がなされております。私ども歯科医療関連団体といたしましては、もしくは関係者といたしましては、今回の国の基本計画が国民のがん対策推進に資するものだという位置づけだと改めて感謝申し上げたいと思います。
 私が今日、意見陳述させていただきます資料は、資料10でございます。
 2ページに本日の資料内容を3点書いてございます。まず、がん治療における医科歯科連携の必要性。2番目としましては、日本歯科医師会と国立がん研究センターの連携事業が既に進んでおりますので、その御報告。更に、この取組み事業を全国展開するという方向性についての意見を述べさせていただきたいと思います。
 なお、本日は日本歯科医師会のみならず、国立がん研究センターともどもに進めてきた事業でございますので、国立がん研究センターの歯科医師でございます上野尚雄先生と御同席をさせていただいております。
 3ページでございますが、がん治療における医科歯科連携の意義を書かせていただきました。がん治療に伴います口腔トラブルの予防・軽減をしながら、お口から食べられること、治療を乗り切っていただける、そして、何より口に関する苦痛の少ない治療を提供するということになります。
 ?に関しましては、歯科疾患の発症リスクを軽減するということになりますが、これは歯科医師にとっても重要な問題でございます。より安全に、よりリスクの少ない歯科医療を提供するためには重要な視点でございますし、また、手術中の気管内挿管時の歯の破折等のリスク、これは後ほど詳述いたします。また、口腔ケアによるがん治療合併症リスク軽減が具体的な場として挙げられると思っております。
 4ページでございます。口腔ケアが術後肺炎を予防するということは以前より知られておりますが、これは急性期外科病棟におきます3,319名の方に対する介入研究でございます。これが実際に口腔ケアを実施したところ、病棟での肺炎予防のプログラムが有効で、肺炎の発症率が4分の1に減少したという報告でございます。これは2010年の報告でございますが、1999年には米山先生が『ランセット』に報告した口腔ケアの有用性がその後も各雑誌において報告されているところでございます。
 5ページは、人工呼吸器肺炎に関する口腔ケアの意義に関するものでございます。ICU病棟におきまして、気管挿管において口腔ケアが口腔内における原因菌を減少させたという結果が示されております。実際にその減少につきましては、ケアを実施した群は非介入群の約3分の1という結果でございました。また、因子分析におきましても口腔ケア介入が人工呼吸器関連肺炎の発症を軽減するということを示しております。
 6ページでございます。全身麻酔時の挿管時の歯科トラブルですが、この発症頻度は決して高いものではありません。要するに、挿管した際に歯が折れた等のトラブルになりますが、一方で、その割合は少ないものの全身麻酔を受ける方の割合が増えておりますので、数としては増加している。
 一方で、麻酔処置に伴う歯牙損傷というのが医事紛争の3分の1を占めているということが報告されています。
 一方で、術前に動いている歯牙の処置を行う、もしくは動く危険性の高いところに対してマウスガードと呼ばれるような保護具を作成する等によって、歯牙損傷のリスクが軽減するということが中橋先生らから報告されております。
 7ページでございます。口腔ケア介入による頭頚部再建手術の術後合併症発症率のロジスティック分析の最終モデルでございます。これは、大田先生が研究助成金に基づいて示されたものでございますが、口腔ケア介入によって頭頚部再建手術においては、その術後合併症の発症リスクを7分の1に減少すると報告しております。
 8ページは、米国国立がんセンターによるガイドラインでございます。感染リスクの管理、治療前後、治療中と、更に口腔粘膜障害の対応が国立がんセンターによるガイドラインでは示されており、化学療法開始の2週間前までに歯科チェック・処置を終了させておくことを推奨しています。
 9ページでございます。NCCNのガイドラインが示されておりますが、口腔粘膜炎の感染リスクは当然、口内炎がその後のお口の中の痛みを伴うとさまざまな苦痛を伴うものですが、更に、口内炎は全身感染症の重大なリスクになることが知られています。口腔ケアによる敗血症を引き起こす相対リスクにつきましては、口内炎がない場合には4倍以上になることが知られています。したがって、急速な口内疼痛の増悪は局所感染が関与している可能性がありまして、適切な感染症の診断・処置で症状が緩和するというガイドラインが示されております。
 10ページ、岡山大学の曽我先生らの造血幹細胞移植治療における口腔ケアにおいて、この口腔ケアを実施した際には、潰瘍を伴う口腔粘膜の発症が有意に減ったという報告です。
 更に、11ページには、ビスフォスネート剤によります顎骨壊死に対する口腔ケアの発症予防について、そのリスクを3分の1に減少させたという報告がございます。
 これらはさまざまな歯科の連携によるということで、12ページに国立がん研究センターにおきまして行われています、がん治療と口腔ケアのDecision Makingを示しておりますが、歯科介入のフローチャートでございます。緩和医療、手術、化学療法、放射線療法、その始まる前、始まった後、それぞれに対して歯科の介入の必要性が示されております。
 このような経過の中、平成20年度、平成21年度と準備しておりましたが、平成22年度には国立がん研究センターと日本歯科医師会が、がん患者に関する歯科医療連携ということで合意し、そのための必要な教育事業を進めております。
 14ページでございますが、この連携事業によりまして、国立がん研究センターの紹介元の診療科は婦人科がトップで56%を占めており、以下、泌尿器、小児科に至るまでさまざまな診療科から連携歯科医のもとに紹介がなされています。
 連携窓口を受診する患者様の数を15ページに示しております。国立がん研究センターと日本歯科医師会の連携事業というのは、東京、埼玉、神奈川、千葉、山梨という主に国立がん研究センターを訪れる患者様を対象にした5都県を対象にして連携事業を組み、そして、それぞれの研修を受け、その研修を受けた歯科医師を連携歯科医師として国立がん研究センターに登録し、それぞれ術前、術後に関して紹介するという事業でございますので、東京都以下まさに今回の5都県では90%を占めたという結果でございました。
 16ページでございますが、この連携に関して歯科医師が資質を高めるために講習1、講習2と分けまして、講習1は手術前患者を対象にして口腔ケアを中心とした講義を、講習2として、がん化学療法、頭頚部放射線治療における歯科治療及び口腔ケアをタイトルに、それぞれ5都県で実施いたしました。
 下に、それぞれ受講なさった歯科医師の数が記載されております。合計が講習1では1,726名、講習2では1,200名と、前のスライドで示しました連携窓口を受診なさった方たちの3倍ないし4倍の受け皿を養成してきたという結果でございます。
 17ページでございます。実際に国立がん研究センターの連携窓口を受診なさった方々に紹介先に対する希望を413名の方たちに対して伺った点を御報告させていただきます。
 まず、左側の円グラフでございますが、かかりつけ歯科医を有している方が74%。一方で、手術前受診を希望する歯科医院は49%が連携歯科医であったという事実でございます。
 18ページを見ますと、受診先を選ぶ際の理由が幾つか示されております。かかりつけの歯科医師を受診したいということは、昔からよく診てもらって信頼している、今治療中である等々の理由がございます。一方で、連携歯科医院を受診したい方には、まず、日歯-国がんの紹介なので信頼できるという安心感がある一方で、マイナスのイメージとしては、自分ががんであることを周囲に知られたくない、特に、地方であればあるほど、そのリスクは高いのではないかという方がいらしたということも事実でございます。
 戻りまして、17ページでございますが、ここで私ども日本歯科医師会として考えておりますのは、多くの国民の方がかかりつけ歯科医を持とうとしている、国民の4分の3がそういう動向にあるという事実。一方で、そのかかりつけ歯科医の資質が向上することによって受診を希望する歯科医院が連携歯科医院とイコールであれば、まさにかかりつけ歯科医が包括的かつ継続的にそれぞれ地域の歯科医療に携わっておりますので、資質向上の課題もそれなりに資するものではないかと考えております。
 19ページです。一方で、受診なさった方たちにどういう問題があったのかを実際に健診した先生方から報告を受けております。Nが61と少ない数でございますが、結果としましては、やはり口腔衛生状態がよくなかった、これはスケーリング等が必要であった、虫歯があったとか、急性症状がある動揺歯、この動揺歯がもし前歯であれば気管挿管の際に折れてくる等のトラブルのリスクがどうしても上がってきます。また、歯茎の状態は、既に口内炎のリスクがあるにもかかわらず、既に手術前に歯肉炎がある方が4割もいらっしゃるという事実。また、手術後にはしっかりかんでいただかなければならない、経口摂取していただかなければいけないにもかかわらず、義歯が必要である方の7割が義歯を持っていなかったという事実もございました。まさに、連携歯科医院を受診した患者様の少なくとも半数に関しては、歯科治療が必要な状況である。なおかつ、手術前であれば、より安全な歯科医療が提供できるということが言えます。
 20ページです。具体的に行われた処置は何か。これは基本的な処置、いわゆるスケーリングを含めた口腔ケア、虫歯があった方には詰める、歯が動いている方は固定した等。なお、5番目には抜歯という観血的な歯科処置も含まれております。化学療法が始まってまいりますと、抜歯の観血的な処置はリスクが更に高まってまいりますので、まさに術前ケアで必要な処置でございますし、ここにあるすべての処置は歯科医師であれば日常的に行っている、いわゆる一般的な歯科診療でございます。その一般的な歯科診療に、更にがんとの連携を特化した歯科医療機関連携窓口の整備というのは、今後更に全国展開を進める必要性を感じております。
 最後に、21ページ以降でございますが、日本歯科医師会と国立がん研究センターは平成21年からこの事業を準備し、平成22年には締結し、更に講習、術前ケア、術後ケアを含めて最終的な終末期の問題まで今後もそれぞれのスケジュールに沿ってしっかりした研修を進めてまいりたいと思っています。
 一方で、21ページに「各地区」という欄がございます。日本歯科医師会では全国47都道府県を7つのブロックに分けております。北の北海道、東北から九州までの7つのブロックでございますが、そのブロックを拠点とし、本来であれば平成24年から連携事業を展開する予定を1年早めて、平成23年にはこの事業を始めました。実は平成24年1月14日という年度ギリギリのところではございましたが、全国のがん拠点病院の先生方、市の先生方、お立場ある先生方が、それぞれの当番になっている歯科医師会の関係者とともに御対応いただいた。当初は7つの予定でございましたが、既に自発的にこういう連携に取り組んでいるという県が参加したいということで、10道県ございました。結果としては17道県が既に平成24年度よりのスタートを平成23年度に早めてスタートしております。
 今後、全国に向けて国立がん研究センターと連携してきた日本歯科医師会のノウハウを全国に均てん化を進めながら、最後の22ページのスケジュール感を持って進めてまいりたいと思っております。
 冒頭申し上げましたように、国民に対するがん対策推進におきまして今回の基本計画の御提示は、私ども歯科医師会の役割、歯科医療関係者の役割も明確にしていただきました。それらを基に、更に積極的な展開に向けて進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○門田会長 どうもありがとうございました。
 エビデンスに基づいて連携が徐々に広まっていることを示していただきましたが、どなたか御質問・御発言ございますか。
○天野会長代理 私自身、抗がん剤治療と造血幹細胞移植を受けた経験がございまして、その際に、歯科はどこを受診していいのかわからないということで、結局、自分が治療を受けていた大学病院内にある歯科を受診することになった記憶があるのですが、結局こういった治療前のケアを行っていただけるような歯科医が今どれくらいいて、どこにアクセスすればいいのかは、まさにこれから養成していく段階だと思いますけれども、患者さんにわかりやすいように、例えば、学会のホームページ等で提示していただきたいということがありまして、例えばその際に、今の御説明を聞いていて私が理解できなかったのですけれども、講習会を受講した歯科医の方であれば、そのことが一覧表でホームページで見られるとか、そういった仕組みに今後はなっていくのでしょうか。そこを確認させていただきたいと思います。
○佐藤参考人 御質問ありがとうございました。今日の資料の16ページにおきましては、国立がん研究センターと日本歯科医師会の連携事業として受講した数はお示しさせていただきました。ただ、地域によりましては既に大学病院と地域の先生方が取り組んでいるという事例もある一方で、全国展開を進めていくことに関しては、今回のがん基本計画に示された人材育成の不足及びその担保が必要であるということに基づいて、私どもはまさに担保を持って進めたいと思っております。
 これが実際にどのようにアップされているかという点につきましては、本日同席させていただいております上野先生からも一言お話ししていただきたいと思います。
○上野参考人 国立がん研究センター歯科の上野です。
 情報提示ということが患者さんの安心のためにはどうしても大事なことで、患者さん自身ががんの治療中であると、お口のことをだれに相談していいかわからない前に相談しないと。体のもっと大きな悩みのことが前面に出て、実は口で困っているんだけれども、医療者に相談するところまでいかないという現実もあります。私たちとしては、お口のトラブルは少ないことではなくて、みんな困っているんだよということ、あるいは対策があるんだよというところからきちんと情報提示をする。それから、対策の具体的な形として、おっしゃったような、ここの歯医者であれば安心してがん治療中でも受けられますよというような形は、今後もセンター内のがん情報の対策センターときちんと連携をとって、具体的なわかりやすい形で情報提示あるいは情報の普及に努めていきたいと鋭意準備中です。
○門田会長 上田委員どうぞ。
○上田委員 非常に重要なことで、非常に大事なことだと思います。佐藤先生は御存じだと思いますが、口腔ケアが術前にきちんとできているかどうかということで、いい研究成果が静岡がんセンターから最初に報告されて、それが今は全国に流布していると思います。現在では大学病院などでしたら、手術前に麻酔医が診察するのと同じように口腔外科医が診察するというのがルーティンになってきております。今回これを提起するに当たって、どの辺までが本当に先生方が期待し、担保できることなのでしょうか。例えば、これからますます外来化学療法がすごく多くなりますよね。であれば、きちんと町で開業していらっしゃる歯科医の先生方が、それをきちんとフォローアップできる連携をつくろうとして今やっていらっしゃるのか、その辺りの到達目標を明確にしていただきたい。重要度はものすごくわかるのですけれども、がんセンターとの連携だけで本当にそこまで担保できるのか、その辺をもう少しわかりやすく教えていただくと、この運動が全国的に展開するのではないかと思います。
非常に重要なことで、大事なことだと思います。佐藤先生は御存じだと思いますが、口腔ケアを術前にきちんと行うか否かでの術後の回復や合併症の頻度をなどを科学的に介入試験をしたいい臨床試験が静岡がんセンターから最初に発表され、それが今は全国に流布していると思います。今は大学病院などだったら、手術前に麻酔医が診察するのと同じように口腔外科医が診察するというのがルーティンになってきていますよね。今回これを提起するに当たって、どの辺までが本当に先生方が担保できることか。例えば、今、外来化学療法がすごく多くなりますよね。であれば、町で開業していらっしゃる歯科医の先生方が、それをきちんとやれる担保をつくろうとして今やっていらっしゃるのか、その辺りの目標設定。重要度はものすごくわかるのですけれども、がんセンターとの連携ということで本当にそこまで担保できるのか、その辺をもう少しわかりやすく教えていただくと、この運動が全国的に展開するのではないかと思います。
非常に重要なことで、非常に大事なことだと思います。佐藤先生は御存じだと思いますが、口腔ケアが術前にきちんとできているかどうかということで、いい仕事が静岡がんセンターから最初に出て、それが今は全国に流布していると思います。今は大学病院などだったら、手術前に麻酔医が診察するのと同じように口腔外科医が診察するというのがルーティンになってきたと。今回これを提起するに当たって、どの辺までが本当に先生方が担保できることか。例えば、今、外来化学療法がすごく多くなりますよね。であれば、きちんと町で開業していらっしゃる歯科医の先生方が、それをきちんとやれる担保をつくろうとして今やっていらっしゃるのか、その辺りの目標。重要度はものすごくわかるのですけれども、がんセンターとの連携で本当にそこまで担保できるのか、その辺をもう少しわかりやすく教えていただくと、この運動が全国的に展開するのではないかと思います。
○佐藤参考人 ありがとうございました。また静岡がんセンターの御評価をいただきまして、今日は大田先生に同席していただいておりますが感謝申し上げますので大変喜んでいると思います、ありがとうございます。
 先生がお話の件は、今後、研修していく、講習を受けていく中身の問題と、それがどこまで担保されるかということと、まさに等しい関係になってくるのだと思っています。今回お示ししたデータでもおわかりのように、術前の口腔ケアに関しては1,700名近くが、しかし、術後に対しては1,200名と少し数が減っているというのも、ここの難しさを表しているのだろうと思います。これが更に、いわゆる御自宅にお戻りになる、在宅になったときのケアをする、これはかかりつけ歯科医であれば当然、包括的・継続的に診ていくということを言いながらも、やはり難しさというのは更に増えていくのだろうと思います。
 今、数的に明確に申し上げることはできませんが、私どもは最終的に入院した方が退院なさっていく、退院なさった後はそれぞれの生活があるんだというところまでをできるだけフォローアップできるような取組みをしていきたいと。そのために何を担保しなければいけないのかということも是非ともこの協議会等で御議論いただきながら、今回私どもの役割を明確にしていただいたと思いますし、私どもの取組みを今後もしていきたいと思っております。
 回答になっておりませんが、取り組む姿としては最後までその方が住まっているところに私どもはかかわっていきたいと思っております。
○門田会長 石井委員どうぞ。
○石井委員 口の中の病変というのは全身の病気の一番重要な部分ですので、是非、医科歯科の連携を進めていただきたいと思いますが、最終的には専門医とか認定医とか、がん治療専門歯科医とか、将来的にはそういう形になっていくのでしょうか。やはり、ある程度そういう面も出していかないと差別化ができないかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○佐藤参考人 今の御質問は、まさに先生の前の御質問と同じ意味があるだろうと思います。どう担保するかという話とつながってくるだろうと思います。専門医制度にして研修を受けるという形がいいのか、それともインセンティブの問題としてお話しになっているのかというのは、それぞれ意味合いが異なってくると思いますが、少なくとも安心して受診してなさる方たちに何が保障できるかというのが基本になってくると思いますので、その上で、歯科医としてその研修では十分ではないとか、もしくは、もっと継続的な研修が必要であるという評価が更に加わった段階で意見を申し上げるべきところだと現時点では考えております。
○門田会長 ありがとうございました。
 堀田委員どうぞ。
○堀田委員 国立がん研究センターと日本歯科医師会とのモデルケースとしてこれまで進めてきて、これを全国展開するわけですが、口腔ケアはチーム医療で成り立ものなんですね。口腔ケアの認定ナース含めて、そういう展開を今後どう考えるかというのが一つのポイントかなと思います。歯科と医師の連携というのは確かにかなりすっきりした形で進められておりますけれども、例えば、口腔外科との共同はどうすべきかというところは恐らく今後問題になってくるので、その辺の展望というのは今のところどう考えておられるのか、確認したいと思います。
これを全国展開するときに、あくまで口腔ケアというのはある種のチーム医療なんですね。口腔ケアの認定ナース含めて、そういう展開を今後どう考えるかというのが一つのポイントかなと思います。歯科と医師の連携というのは確かにかなりすっきりした形で進められておりますけれども、例えば、口腔外科との共同は今後どうすべきかというところは恐らく今後問題になってくるので、その辺の展望というのは今のところどう考えておられるのか、確認したいと思います。
○佐藤参考人 口腔外科の問題と、今回、連携歯科医師がかかわる問題と基本的に同一かというと、そうではないのではないかと思っています。一つには、病院歯科が今どういう状況になっているかという課題も勿論ありますし、例えば、病棟内で口腔ケアを実施するのに口腔外科的専門性が必要かという議論もあるかと思っています。ですから、実際に行われた治療の中身を今日お示ししました。ここの中には例えば、いわゆる難抜歯があったとか、骨を切除しなければいけない問題があったとか口腔外科的な問題は、また希少がんの問題を含めた中で御議論を今後深めていければなと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 田村委員どうぞ。
○田村委員 もう出ていかないといけないので最後にさせていただきますけれども、先ほど治療の中身を見せていただきますと、ジェネラルのデンタルケアのようにお見受けしたのですが、特殊な何らかのケアががん化学療法の前あるいは放射線療法の前に、あるいは治療中・治療後に必要なのでしょうか。
○上野参考人 がん治療にかかわる歯科の支持療法としての対応なんですけれども、実はスペシャルなことをするわけではなくて、歯科治療の中では非常にベーシックな、きれいにするとか痛みをとることが中心です。ただ、いかながん治療であれ体に影響を与えますし、小さな歯科治療でも何らかの影響がありますので、教科書的にはどんな治療でも歯科医師が歯科治療をする場合は、必ずがん主治医と相談をして、がんスケジュールの妨げとならないように話し合いながら歯科治療を進めるべきであるというのが最初の文言としてあります。そのために、患者さんも安心して歯科治療を受けたいですが、歯科医師も安心して歯科治療をしたいですし、がんの主治医も安心して歯科医師に任せたいので、そのためにはこういった連携、必要な情報を必要なときにしっかりやりとりできることが安心した治療につながりますので、治療内容のスペシャルさというよりは、顔の見える連携をすることの安心というのが、今回のがん治療にかかわる歯科医師として一番重要な点だと思っております。
○田村委員 わかりました。そうしますと、医師関係と歯科関係のコミュニケーションができる歯科医というお話ですね、ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。
 最後のお話を伺って、それほど専門性というよりも、チーム医療の一環としてがんも扱うドクターと歯科医師とのチーム医療、そうすることが、がん医療の中の成績を高めることにつながるということですね。
 ほかにもあろうかと思いますが、少し時間が遅れておりますので次にまいりたいと思います。続きましては、がん医療における薬剤師の役割ということで、山本弘史先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○山本参考人 国立がん研究センター中央病院薬剤部の山本と申します。日本薬剤師会の安部常務と共同でつくりました資料11に基づいて、がん医療における薬剤師の役割について御説明申し上げます。
 2ページですが、本日の御説明内容といたしましては、現在、薬剤師ががん医療で担っている役割についてかいつまんで御説明申し上げて、2番目に、がんの専門性を持った薬剤師の育成をどのように行っているか、現在の取組みについてお話をし、最後に、がん対策基本計画、6月に決まったばかりのものとの関係において薬剤師の立場から申し上げたいと思います。
 まず、薬剤師の職能についてでございますけれども、古典的には医師の処方せんに基づいて調剤するというのが、医療における薬剤師の役割とされておりますが、現在の医療の中では、医師、看護師などともに医療の担い手として病院、薬局、居宅において薬剤のケアを提供するというのが役割になっておりますので、医薬品というものに対する専門家というだけではなく、薬物療法というケア提供の専門家であることが求められておりますし、また、提供する医療の内容といたしましては、患者さんの個別化された医療に対して積極的に関与する必要がありますし、また、医師、看護師などとチーム医療で行動することが求められているというのが、今の薬剤師の全般的な特徴になってございます。
 次に、がん医療の中での役割ですが、圧倒的に化学療法において特に専門性を発揮することがまず求められてございますが、それだけでなくて、手術あるいは放射線といったところでも薬剤が使用される限りは薬剤師の関与はございます。
 それから、緩和ケアの側面におきまして、医療用麻薬の供給・管理、適正使用を進めていくといったことも深くかかわっております。
 それから、医療だけではなくて社会の中では実際には禁煙教育、例えば、学校あるいはセルフメディケーションといった場面におけるがん予防にもかかわりを持っているところでございます。
 更に、病院薬剤師が実際にどのようなことをやっているかにつきまして、4つほど実例を挙げて取組みを申し上げます。
 まず、抗がん剤注射薬の無菌調製整をやっております。これは二十数年来やっていますので相当の病院で定着していると思いますけれども、薬剤師が専用の抗がん剤調製室(安全キャビネット)で、患者ごとの投与量に合わせて注意して調製する。この際には、患者ごとの投与経路、投与速度に注意するとともに、勿論微生物が混入しないように、それから、抗がん剤は毒性がありますので、不要な被ばくをもたらさないようにということが注意事項で、そういう点で専門性を発揮している、これが最も古典的ながんに対する業務でございます。
 次に?として、やはり非常に多くの病院でやられておりますのは、入院患者に対する副作用などの管理をしながらチーム医療の中でフィードバックしていくということです。薬剤管理指導と保険点数の用語で呼んでおりますけれども、これにおきまして副作用に関する問題等を患者さんとの対話で抽出して整理して、チーム医療の中で対処していく。例えば、対症処療法を提供することによって治療継続、あるいは薬剤の減量あるいは治療法の変更・中止といったことにつなげていくということが主な活動の一つでございます。
 ?は、比較的ここ4年ぐらいの間に特に普及しておりますけれども、抗がん剤をレジメンという治療計画を正確にスケジュールを定めたものをあらかじめ各診療科の医師あるいは看護師などと相談してつくっておいて、これに従って投与を行うという管理にかかわる、これが重要な活動になっておりまして、これによって誤投与による医療事故の防止、あるいは副作用を防止する薬剤の確実な投与ができるようにしておりまして、これは外来化学療法の点数の要件になったこともありまして、がん拠点病院ばかりではなくて、全国のがん医療をやっている病院に普及しつつあるものでございます。
 更に?としまして、チーム医療でどのようなかかわりを持っているかですが、今、外来化学療法ということでやっているほかには、緩和ケアあるいは栄養サポート、造血幹細胞移植にかかわっておりまして、そのうち上の3つについては相当多くの病院で普及していると思います。一方、造血幹細胞移植につきましては、今年の4月の診療報酬で規定されたばかりなので進捗はこれからですけれども、続々と進みつつあるところではないかと思います。
 このようにチーム医療につきましては、更にチーム実は医療にかかわらず診療報酬で規定されたことが実は全国的に非常に広く普及するきっかけになっておりまして、これがいわば薬剤師の専門的なかかわり方関わり方、ノーマライズになっているという部分もございます。
 次に、薬局薬剤師、保険薬局とのかかわりです。これは、外来医療における抗がん剤の調剤。もう一つ重要なのは、緩和ケア、居宅での訪問薬剤管理指導といった点が重要なかかわりになっております。
 10ページに図で示していますけれども、院外処方せんを出した場合は、外来におきましてもチーム医療において対応することが基本であることは薬局薬剤師も全く同じです。この中では特に、医師の処方に対して薬剤師が何か問題を感じた場合に疑義照会をすることで多くの場合関係を結んでおりますけれども、これにつきまして次に表の形で数字を示しておりますが、これは日本薬剤師会で調査しています疑義照会の状況でございます。現在、平成22年度の状況を囲ってありますけれども、大体すべての処方せんの約3%で医師との照会ということで対応することにしておりまして、その中では7割ぐらいの薬剤が実際に処方の内容を変更するという対応につながっております。このような形で地域の中で薬局薬剤師が対応しています。
 特に、抗がん剤などリスクの高い薬剤につきましては、疑義照会だけでなくて、更に患者さんに対する履歴に基づいた指導の対応もしております。
 具体的には、13ページに抗がん剤についてどんなものに対応しているかについてシャドーをかけた部分がございますが、投与期間、休薬期間の確認を薬局でやる。あるいはアドヒアランスと言いますが、どのくらいスケジュール等を守って患者さんが服用しているかの確認をするということ。更に、緩和医療に対する確認といったことを薬局ではやるように薬剤管理指導の中で努めているところでございます。
 特に緩和医療についてですが、保険薬局が麻薬を在宅医療で提供するというのも重要な役割でございまして、免許取得のパーセントを示しておりますが、下に数字で示してありますけれども、平成11年には約2割ほどしか麻薬を提供できなかったのですが、平成22年になりますと約7割が麻薬を提供するまで体制を整えております。
 ただし、薬局が体制を整えても、まだ在宅医療での薬局活用はそれほど進んでいない部分もございまして、それに対応するために日本薬剤師会では15ページに示してあるようなアクションプランを平成23年度に実施しております。
 大きく分けて左から、薬局・薬剤師のスキルアップ事業、それから、地域における薬局の体制についてとりまとめる事業、更には、それらを含めて地域の多職種、例えば医師、看護ステーション、訪問看護ステーション、行政機関といったところと連携する、そういった3本柱でアクションプランを進めているところでございます。
 それに関しまして、具体的な事例として板橋で行っている事例を掲げております。薬局一つひとつに関してどのようなことが在宅で可能かについて一覧表にまとめて、これを行政あるいは医療機関あるいは訪問看護ステーションに提供するということを全国で進めようとしているところでございます。
 17ページにマップで病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局の連携について示していますが、このような形でとりまとめをすることを全国で進めようとしているところでございます。
 次に、薬剤師会の取組みについて、平成23年度の段階でとりまとめたアクションプランの進捗状況の一覧表を掲げておりますけれども、薬局の調査につきましては、およそ8割で実施されておりまして、先ほど掲げたようなリストが全国で出せるよう状況になっております。また、これに基づいてマップをつくることも進めておりますし、多職種のアプローチについても進めておりますし、スキルアップについても5割以上で取り組んでいる状況ですが、このような形で更に平成24年度も取り組んでいくことを日本薬剤師会では計画しているところでございます。
 次に、がん専門薬剤師の育成につきましては、がん対策基本計画の平成19~23年に抜本的に薬剤師専門性認定が進んでおります。その理由といたしましては、一面では供給側の薬学教育6年制の導入といったことで、4年制ではだめなので、専門性を持たなければいけないということ。需要側では、がん医療というのは最も薬剤師の需要が大きい、その両方が呼応したということで平成23年までにがん専門薬剤師が抜本的に進んできたということが言えると思います。
 具体的な制度といたしまして、薬物療法薬剤師認定制度につきまして20ページに掲げております。薬剤師としての経験年数、所定の研修を終えること、複数のがん種の経験を積むこと、更に試験に合格するといったことを要件として認定しております。更にこれに加えて、より高度な研究をしているというようなことでがん専門薬剤師認定を進めておりますし、更にこれにつきましては、平成22年に改組して日本医療薬学会に移しまして、現在は専門医の資格と同じように医療法で広告標榜できるものとしての専門薬剤師の制度に移行しているところでございます。
 この認定実績として、薬物療法認定薬剤師につきましては平成23年までに923名。したがって、今年で1,000名を超えるというところで認定しております。
 がん専門薬剤師は222名あるいは241名という認定数になっておりますし、緩和につきましても薬剤師の学会ができておりまして、そこで235名の認定をしているのが今の実績でございます。
 更に、薬剤師の認定以外の専門性の研修といたしましては、集中講義をやっておりまして、これまでに延べ6,000名を超える者が受講しております。平成23年度の実績は1,500名ほどが受講しておりまして、このような形でがんの専門性を高めるとともに、実地の研修については3か月間研修に専念するというコースを持っているわけですが、これにつきましても、平成18~23年度までで1,000名以上が修了している状況でございます。
 更には、国立がん研究センターにおきまして、特に地域連携拠点病院の薬剤師を対象とした比較的短期間の研修を組んで、これは主に指導者の養成を念頭に置いて研修をやっておりますほかに、薬剤師のレジデント制度も平成18年から始めておりまして、これまでに約50名弱が修了しております。これはカリキュラムに従って3年間採用して養成するということをやっております。
 3番目に、がん対策推進基本計画、この6月にお決めいただいたものの関係ですけれども、これに関しまして基本的には薬剤師が国民、がん患者のために役に立たなければいけないという抽象的な目標があをつけているわけですが、具体的には、この基本計画の中では専門的人材の養成が足らないという叱咤激励をいただいているわけですけれども、薬剤師についても当てはまるのではないかと考えております。先ほど専門薬剤師の養成で言いました述べましたが、化学療法を専門的に担う薬剤師は全国200人では足らないわけでありまして、1,000人でも拠点病院を辛うじてカバーできる程度の人数ですので、更に、専門的な薬剤師を養成する必要があると考えております。とともに専門薬剤師を加えて、これは緩和ケアも含めてですけれども、がん医療に関する基礎的知識を持った薬剤師をより幅広く養成していくことが必要になってきますので、こちらにつきましては6年制の大学教育の中での取組み、卒後の研修も含めての取組みをして、幅広くがんの専門性を持った薬剤師を養成していくことが必要です。
 更に、養成された薬剤師が実際に第一線で活用されていくためには、病院あるいは薬局にきちんと配置されていくことも必要なわけですが、そういったことも重要だと考えております。
 更に、薬剤師の視点から幾つか課題を申し上げます。1つは、外来化学療法を安全・確実に実施できる体制をより強化する必要があるのではないかという点。それから、在宅緩和医療の体制整備が薬剤師の側面でも重要ではないかということ。この2点が特に今後の医療を考える上で重要ではないかと考えております。
 まず、外来化学療法についてですが、従来の化学療法は入院でやるというものだったのですが、現在は支持療法の発展、抗がん剤治療薬の進歩で内服薬が出てきたことなどによって、非常に外来化学療法が普及してきたわけですが、これには入院に比べて副作用の発見などが遅れがちという側面もありますので、患者さん自身が自己管理できるように情報提供・指導をきちんとできるということが不可欠です。
 一方、外来医療につきましてついては環境を考えますと、現在は医薬分業が特に内服薬では原則となっております。したがいまして、内服の抗がん剤も院外処方せんで保険薬局から交付されることになっておりまして、保険薬局で的確に指導・情報提供が行われるためには、患者の治療に関する情報が処方せん1枚では、やや不足ぎみなところがございまして、これをどうするかというのが課題になっております。
 概念としては、病院のチーム医療の輪の中に保険薬局も加わるような体制。例えば、患者さんの許諾のもとに病院の薬剤師と薬局の薬剤師が連携するような仕組みなどを考えていく。このようなことで、より外来化学療法の体制を整えることがまず課題ではないかと考えております。
 最後になりますけれども、緩和ケアへの薬局参加の拡大も重要な課題だと考えております。先ほど7割の薬局で麻薬が供給できると言いましたけれども、7割では足らない部分もありまして、麻薬といった緩和医療に使われるものが提供できるような体制を更に進める必要がございます。
 それから、訪問薬剤管理指導が対応できる4万の薬局を実際に有効活用するためには、地域における連携を進めていく必要がありまして、日本薬剤師会ではこのために平成24年度も更に事業を進めていく予定ですけれども、こういったことで対応していく必要があると考えております。
 以上です。御静聴ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。
 我々、医療の中で一緒に働いている薬剤師さんが、こんなにいろいろとやっておられるということを初めて勉強させていただいたという感じがいたしました。
 何か御質問はございますか。
○松本委員 いろいろと教えていただきまして、どうもありがとうございました。特に病院内の薬剤師の方々に関しては、私ども患者・家族もいろいろな恩恵にあずかっているということを日々感じております。特に、いろいろな説明を詳しくしていただいて助かった患者の例もたくさん聞いております、ありがとうございます。
 特にお尋ねしたいのは、調剤の薬局の先生方の取組みですけれども、お示しいただきました28ページに病院のチーム医療の輪の中に保険薬局も加わることが望ましいという御提案がありますが、これについて何か先進好事例のようなものがありましたら教えていただきたいと思います。
 もう一つお尋ねしたいのが、次の緩和ケアへの薬局参加の拡大ですけれども、医療用麻薬の供給体制の整備を進めるというのは、何か具体的な御提案がありますでしょうか。この2点についてお尋ねいたします。
○山本参考人 まず最初の点につきましては私の方から御説明いたしまして、2番目は安部常務理事がいらっしゃいますので、安部常務に御説明いただきます。
 まず、薬局と病院の連携ですけれども、これは幾つかの病院で実例がございまして、例えば、愛知県がんセンターとか、国立がん研究センター東病院などでやっておりまして、基本的には患者さんがお持ちのお薬手帳に、患者さんの許諾のもとに診療内容の情報をかなり詳しく提供して、それを参考に薬局で対応するということをやっている実例がございます。
 麻薬の体制については安部常務からお願いします。
まず最初の点につきましては私の方から御説明いたしまして、2番目は安部常務理事がいらっしゃいますので、安部常務に御説明いただきます。
 まず、薬局と病院の連携ですけれども、これは幾つかの病院で実例がございまして、例えば、愛知県がんセンターとか、がんセンター東病院などでやっておりまして、基本的には患者さんがお持ちのお薬手帳に、患者さんの許諾のもとに診療内容の情報をかなり詳しく提供して、それを参考に薬局で対応するということをやっている実例がございます。
 麻薬の体制については安部常務からお願いします。
○安部氏(日本薬剤師会常務理事) 安部でございます。医療用麻薬の供給体制につきましては、薬局拠点としてはかなり整備整理がされているわけですけれども、まだなかなか地域の中で終末期の体制としてですとか、麻薬というのは非常にトレーサビリティやが大切、安全管理が大切なものですから、在庫の管理が非常に大変です。そういったところの柔軟化や、今、厚生労働省でもそういった事業を有効にいろいろ麻薬を活用しようという事業をやっておりますので、そういった意味で環境整備を進めていくということが必要だと言えると思います。
 それから、第1点目で補足させていただきますと、在宅訪問管理指導については薬局もいわゆる退院時カンファレンスなどへのに参加やして、患者さんの診療情報を共有するもらってくるといったことが進んでおります。ので、がんの治療に関しても、患者さんが在宅に来られるときにそういった診療情報を処方箋と一緒にお持ちになって薬局に来ていただければ、疼痛緩和などより適切な関与ができると思っております。
麻薬の体制につきましては、拠点としてはかなり整理がされているわけですけれども、まだなかなか地域の中で終末の体制ですとか、麻薬というのは非常にトレーサビリティが大切、安全管理が大切なものですから、在庫の管理が非常に大変です。そういったところの柔軟化や、今、厚生労働省でもそういった事業を有効にいろいろ麻薬を活用しようという事業をやっておりますので、そういった意味で進めていくということが言えると思います。
 それから、第1点目で補足させていただきますと、在宅訪問管理指導については薬局もいわゆる退院時カンファレンスなどに参加して、患者さんの診療情報をもらってくるといったことが進んでおりますので、がんの治療に関しても、患者さんが在宅に来られるときにそういった情報を一緒にお持ちになって薬局に来ていただければ、疼痛緩和などより適切な関与ができると思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 西山委員どうぞ。
○西山委員 養成のことについてお聞かせください。余りにも少ないように思います。チーム医療という中で、薬剤師の果たす役割は必須という状態にもかかわらず、4年間で923名の認定しか出ていない。実際のニーズとそちらの養成の数の概要のめどはございますかがんに関わる薬剤師の養成についてお聞かせください。養成された人数が余りにも少ないように思います。チーム医療という中で、薬剤師の果たす役割は大きく、専門的薬剤師の参画は必須という状態にもかかわらず、4年間で923名の認定しかされていない。実際のニーズと養成の予定数の概要、めどはございますか。

○山本参考人 専門薬剤師、認定薬剤師がそれぞれのがん専門拠点病院でどういう役目を果たすかということにもよるわけですけれども、すべてのチームに入ろうとするととても足らない人数であるということは、そのとおりかと思います。これにつきましては確かに一朝一夕には養成できないので、どうしてもこの程度の数字になってしまっているというのが現実ですので、粗製乱造というわけにもいかないものですから現状ではこうですけれども、より人数を増やしていくという努力をすると同時に、認定や専門ではない薬剤師にも一定のがんの専門知識を持っていただくことが非常に重要ではないかと考えております。
○西山委員 その養成システムがとても不安なのですけれども、正直に申し上げまして。貴制度では5年間の臨床実習を必須としているがために、多職種の人材養成という形で進められてきたがんプロフェッショナル養成プランにおいては、大学院を卒業しても認定薬剤師にはなれないということになり養成が難しく、そうすると一般病院での養成ということになりますけれども、それで十分な教育や専門性が得られる、すなわち現実的に患者さんに接したりする機会が与えられたりといった、十分な教育の環境が整えられているのでしょうか。要するに数は必要とされるけれども、どの程度足りないかが把握されていない、そして、その養成制度についても、少なくとも現状ではアカデミアでこれを養成することはなかなか難しそうですので、教育の質と機会についてだれが担保するのかについてお聞かせください。その養成システムがとても不安なのですけれども、正直に申し上げまして済みません。5年間の臨床実習を必須としているがために、従来多職種の人材養成という形で起こってきたがんプロフェッショナル養成プランという、大学院を卒業しても認定薬剤師にはなれないというところで、そうすると一般病院での養成ということになりますけれども、それで十分な教育や専門性が得られる、現実的に患者さんに接したり、そうした場所で十分な教育の環境が整えられる。要するに数は必要とされるけれども、どの程度足りないかが把握されていない、そして、その要請制度についても少なくてもアカデミアでこれを養成することはなかなか難しそうですので、そうしたものについてだれが担保するのかというところについてお聞かせください。
○山本参考人 今、御指摘がありましたのは、資料にはないのですけれども、医療薬学会のがん専門薬剤師の資格が5年間の研修施設における研修を要求していることが、その5年という要件についでです。なっておりまして、これは実は医療法の広告標榜できる専門医の基準が5年間の専門的研修という専門医の資格がそういうことなものですから、それと全く同等ということで、専門薬剤師の広告標榜ができるがために5年の専門的機関での研修を必要とするということで定めております。したがいまして、これは確かに西山先生の御指摘のような、養成をしていく上では実際に5年間病院に勤務しなければいけないということは問題として認識しております。
 これは医療法のな基準ですから、そう簡単に蹴飛ばすことができないわけですけれども、一方ではがん薬物医療法の認定薬剤師などは、医療法の広告標榜の基準にかかわらず認定資格を設けておりますので、病院薬剤師会で残しているがん薬物療法認定薬剤師の認定、あるいは緩和の学会の認定につきましては、5年間その病院にいなければいけないという制度の運用はしないような形で現在対応しております。
今、御指摘がありましたのは資料にはないのですけれども、医療薬学会のがん専門薬剤師の資格が5年間の研修施設における研修を要求していることが、その5年という要件になっておりまして、これは実は医療法の広告標榜できる基準が5年間の専門的研修という専門医の資格がそういうことなものですから、それと全く同等ということで広告標榜できるがために5年の専門的機関での研修を必要とするということで定めております。したがいまして、これは確かに西山先生の御指摘のような、養成をしていく上では実際に5年間病院に勤務しなければいけないということは問題として認識しております。
 これは医療法な基準ですから、そう簡単に蹴飛ばすことができないわけですけれども、一方では薬物医療の認定薬剤師などは、医療法の広告標榜にかかわらず認定資格を設けておりますので、病院薬剤師会で残しているがん薬物療法認定薬剤師の認定、あるいは緩和の認定につきましては、5年間その病院にいなければいけないという制度の運用はしないような形で現在対応しております。
○門田会長 そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 いずれにしても、今日は歯科と医科の関係問題、それから薬剤師と医師の間の関係について問題という、結局いかにうまくそれぞれの役割を上手にチームを分担してできるかという話だったと思います。内容的には療法であったり、いろいろな制限があったりということがあるかもわかりませんけれども、今、我々ががん医療ということを目の前にいる置いて患者さん中心に考えるとき、その周辺で働いている医療者たちがどうするかというディスカッションだとするとで、徐々にチームプレーが進んでいると言えるのではないかと思います。また、これからもいろいろな形で是非協力し合って、新しい方向を探していくことにしたいと思います。
 参考人の皆さん方どうもありがとうございました。時間も遅くなりましたので、これで本日の協議会を終わりたいと思いますが、その前に、石井先生、少し遅くなられましたので、ごあいさつしていただいておりませんでしたので、愛媛大学大学院医学系研究科小児医学教授の石井榮一先生から、簡単に自己紹介をお願いいたします。
○石井委員 愛媛大学の石井でございます。ちょっと遅くなりまして申し訳ございませんでした。私は、小児血液がん学会の理事長をさせていただいておりまして、現在この推進協議会の関連会議の中で小児がん医療支援の在り方に関する検討会というものをやっておりますけれども、その中で小児がん拠点病院整備というのがやられているわけですが、私は日本における小児がんの在り方、特に小児がん治療をいかに集約してきちんとやっていくかということを非常に重視しておりまして、学会の立場からいろいろな形で意見を述べさせていただければと思っております。
 また、この協議会の中でも日本全体のがんの在り方の中で、小児がんがどうあるべきかということも含めて検討に参加させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○門田会長 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の協議会をこれで終わりたいと思います。
 先ほどお願いしましたように、今後この協議会でディスカッションすべきことが更にございましたら、今月いっぱいで事務局に出していただく。それをまとめて、また皆さんに御連絡させていただいて、次回からそれに基いて進めていきたいと思っておりますてので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に事務局から何かございますか。
○木村がん対策・健康増進課長 事務局から3点ございます。
 まず、第1点目でございますけれども、今後の協議会において議論すべき事項でございますが、これにつきましては、ただいま門田会長からお話がございましたように、今月末までに御意見をいただきまして対応させていただきたいと思います。
 2点目は、次回の協議会の日程でございますけれども、現在調整中でございますので、2か月に一遍ということでございますので、その旨調整させていただきまして、決まり次第御連絡させていただきます。
 最後に3点目でございますが、新たに閣議決定されましたがん対策推進基本計画の周知についてでございます。これにつきましては、私ども医療関係者の方々にできるだけ周知させていただきたいと考えておりまして、協議会の委員の皆様方におかれましても、それぞれの関係団体を通じまして、本日資料2でお配りしてございます概要バージョンなどを関係者にできるだけお話しいただければと考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 それでは、これで本日の協議会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
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