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2012年6月29日 第3回 今後の化学物質管理政策に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成24年6月29日(金)10:00~12:00


○場所

虎ノ門SQUARE 4階会議室


○出席者

出席委員

有田委員 安藤委員 石井委員
鬼武委員 織委員 亀屋委員 
城内委員(座長) 庄野委員 杉山委員 
鈴木委員 辰巳委員 田村委員
服部委員 林委員 原田委員
福島委員 宮川委員 安井委員(座長)
山本委員

出席関係省庁

半田厚生労働省化学物質対策課長
河本経済産業省化学物質管理課長
瀬川環境省環境保健部企画課化学物質審査室長
長谷部厚生労働省化学物質安全対策室長
常見経済産業省化学物質管理課課長補佐
三浦総務省消防庁予防課危険物保安室課長補佐

○議事

○常見補佐 定刻になりましたので開催させていただきたいと思います。
 本日は、大変お忙しい中ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより、第3回今後の化学物質管理政策に関する合同検討会を開催いたします。
 まず、出席委員をご紹介いたします。参考資料のほうに参集者名簿がございますが、私、左側より委員の紹介をさせていただきます。まず、鈴木委員、辰巳委員、田村委員、服部委員、林委員、原田委員、福島委員、宮川委員、山本委員、安井委員、城内委員。安井委員と城内委員には座長をお願いしているところでございます。それから有田委員、安藤委員、石井委員、鬼武委員、織委員、亀屋委員、庄野委員、杉山委員。
 それから着席しております関係省庁のほうもご紹介いたします。私から左側から環境省、早水環境安全課長の代理で企画課瀬川化学物質審査室長。それから、厚生労働省審査管理課、長谷部化学物質安全対策室長。厚生労働省、半田化学物質対策課長。経済産業省、河本化学物質管理課長、私を飛ばしまして、消防庁危険物保安室、三浦課長補佐。それから、私、経済産業省化学物質管理課、常見でございます。よろしくお願いいたします。
 また本日欠席のご連絡をいただいております委員は広瀬委員と三柴委員となっております。ご連絡いたします。
 続きまして、審議に先立ちまして、夏期の軽装のお願いにつきまして申し上げます。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として夏期の軽装に取り組んでおるところでございます。これを踏まえまして、事務局は軽装にて対応させていただいております。委員の方々におかれましてもご理解、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 続きまして撮影につきまして、カメラで撮影をされているプレス関係の方がいらっしゃいましたら、カメラの撮影はここまでとさせていただきますので、ご協力よろしくお願いします。
 それでは、安井委員及び城内委員に座長をお願いして、以降の議事進行につきましては座長からお願いいたします。
○安井座長 皆様、おはようございます。またまた、この場を回す役割を、私、安井が、そして城内委員には、高度なとりまとめに資するようなご意見をいただくという、そういう役割分担でまいりたいと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。
○常見補佐 資料の確認をいたします。
 まず、1枚目、議事次第がございます、1枚紙でございます。それから資料1、第2回今後の化学物質管理政策に関する合同検討会の議事録を入れておりますが、こちらは円卓のみ配付させていただいておりますので、傍聴者の方には資料1はございません。申し上げておきます。それから資料2、A4、1枚。それから資料3-1、資料3-2、資料3-3とクリップ留めされているのがございます。それから、資料4、「情報の収集・評価・伝達等に関する論点について」。それから資料5、「中間とりまとめ骨子案」になっております。
 それから横紙になっておりますが、資料5別添、1枚紙でございます。それから参考資料1として参集者名簿、それから参考資料2としまして、円卓に座られている方々にはこのJIPSリスクアセスメントガイダンスの冊子をお配りしております。傍聴者の方におかれましては、1枚紙で表紙のコピーをつけさせていただいております。そちらのほうにインターネットのURL等を記載しておりますので、そちらにアクセスすることによって冊子そのものをPDFファイルでダウンロードすることができます。
 以上でございます。
○安井座長 過不足大丈夫でございましょうか。
 それでは、本日でございますけれども、まずは今の議事録について、私は発言しなきゃいけないのでございますが、この議事録につきまして、何か修正の意見等ございましたらば、7月6日までに事務局にご連絡をいただきたいということでございますのでよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の議事でございますが、議事次第をごらんいただきますと2つ用意してございまして、最初が「諸外国における情報伝達の現状について」ということでございます。
 先回、いろいろ後半にご意見をいただきましたが、この検討会の題といいますか、名前そのものが「今後の化学物質管理政策に関する合同検討会」、これは非常に広範な意味を持っている言葉でございますが、いろいろと検討していって、とりあえず情報伝達のようなところに焦点を当てるべきだというご意見が多かったのではないかというような理解に基づきまして、きょうの最初の議題は「諸外国における情報伝達」になっておりますが、日本における情報伝達をどうしようかという、そういう意図でこの議題を取り上げたということだと思いますが、それでは最初に事務局側から20分ぐらいのご発表をいただきまして、これに関しましては議論というよりもご質問を若干いただくということにさせていただきまして、それから2つ目の議題に入って、2つ目の議題が情報伝達を中心として「中間とりまとめ骨子(案)」ということでございます。
 ここでは、その説明をいただきました後、1時間弱ぐらいの時間をとりまして、いろいろ議論をさせていただきたい、こんな進め方でまいりたいと思います。
 それでは最初の議題1でございますが、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○河本課長 おはようございます。経済産業省の河本でございます。
 それでは、まず資料の2と3とをまとめてご説明させていただきたいと思いますけれども、資料2、「国内外における化学物質にかかる情報伝達状況」ということで、これは後ほど資料3のほうでもう少し詳しい情報がありますが、それをあえて1枚にまとめたものが、この資料2ということであります。この図の表の見方としては、一番左側でサプライチェーン、川上から川下に向けて情報が流れていく。あるいは上に上がっていく、後で出てきますけれども、そういった情報もありますし、それから一番サプライチェーンの最終のところに一般消費者がいらっしゃると、そういう見方をしていただければと思います。
 それから、ヨーロッパはREACHとCLP、それからアメリカはOSHA、TSCA、それから消費者安全の関係でFHSAと、そういう法律についても少し触れております。それから日本は安衛法、化管法、毒劇法、その他というふうになっております。
 簡単に申し上げますと、ヨーロッパの場合の情報伝達というのは、REACHのほうは主にMSDSというかSDSというか、セーフティデータシート関係の伝達というものがREACHの中に組み込まれていると。ラベリングについてはCLPの体系の中に入っているということでありまして、先ほど、REACHについては基本的にはBtoBが念頭におかれていて、一部成形品のところで消費者から要求があった場合に答えなければいけないというそういうものもありますけれども、基本はBtoBという形になっています。その一方でCLPについては後ほど説明しますけれども、一般消費者まで含めた流れになっているということでございます。
 それから、アメリカについては基本となる情報伝達の流れはOSHA労働安全の関係の法律がメーンに動いておりまして、それの関連でTSCAの関連でもSDSの規定が入っているということでございます。それから消費者に対しては、かなり限定的にTSCAの中に、簡単に言うと、鉛に限定した形で消費者への情報提供の規定があるだけ。それとは別に、FHSAですか、そちらの中に別途ラベルの義務が入っているということであります。
 日本については、第1回にもご説明しましたので省略をして、早速ヨーロッパの状況からご説明をしたいと思いますが、ヨーロッパは資料3-1でございます。
 繰り返しになりますけれども、3ページ目というのでしょうか、ヨーロッパの情報伝達の総括的な—小さい3というのですか、3ページ目というのをお出しください。右下に3と書いてあるところでありますけれども、CLPとREACHと大きく2つの体系の中で情報伝達についての規定が入っているということであります。3ページ目のほうが物質そのものと、それから混合物、調剤ですね、とも呼ばれますけれども、そういったものについての流れが3ページ目になっていまして、小さな4ページ目が成形品ですね、成形品についてもCLPにはありませんけれども、一部REACHの中に入っているということが4ページ目にまとめてあります。
 それから、5ページ目、情報伝達の考え方ということでありますけれども、これはREACHの中に人の健康と環境を守る上でサプライチェーンでの必要な情報の伝達が重要であるという、そういう問題意識から幾つかの規定がまとめられているということ、それが5ページ目にまとめられております。
 それから6ページ目、REACHの中では基本的にはセーフティデータシート、それを情報伝達するという、特に化学物質、調剤についてはSDSということでありまして、具体的な内容がその6ページ目にまとめられています。この2.の「危険有害性の要約」と、ここの部分は、この2015年6月以降はCLPの規定と整合させているという、そういう規定になっているということでございます。
 それから7ページ目でございますけれども、情報でこれは7ページ目は全体をまとめたものであります。川上にあるサプライチェーンの上流というか、川上にある企業の義務、それからサプライチェーンの中のいろんな川上に限らず、いろんな土地の事業者も含めての義務という、そういうものがあるということであります。それぞれについて8ページ目以降にまとめられているということであります。
 最初はSDSが必要な、セーフティデータシートを伝達することが必要な物質あるいは混合物中の物質という規定が31条という中に入っているということであります。基本的には、危険物指令あるいは危険調剤指令と。で、危険性があると分類されている物質、これは混合物の中にあっても同じですけれども、そういう物質、あるいは認可SVHC、前回ご説明しましたけれども、SVHCの認可対象物質、候補リストに収載されたものについてはセーフティデータシートの提供が必要だということでございます。
 下の側にありますけれども、CSRと言われるリスク評価、リスク評価の報告書、CSRケミカルセーフティレポートが必要な場合、これは年間の製造輸入量が10トン以上の場合には、REACHの登録の際にこのCSRの作成が基本的に義務づけられているということでありますけれども、その内容についてセーフティデータシートに入れて添付する必要がある。
 これはヨーロッパではSDS等は言葉を変えて拡張SDSと。エクステンディットSDS、最終的データシートと、そういう呼び方をしているということで、ここで重要になってくるのは、このSDSというのはどういう曝露シナリオを検討した上でつくられたSDSであるかというのを明らかにするということ、これが非常に重要な要素として含まれているということでございます。これが8ページ目であります。
 それから、9ページ目です。これは成形品、先ほど申し上げたのは基本的には化学物質そのもの、それから混合物、調剤というものについての規定ですけれども、成形品の場合には、SVHCの候補物質を0.1重量%を超えて含有する成形品の供給者は、成形品の受領者のために十分な情報、少なくとも物質の名称を提供しなければならないという、セーフティデータシートということではないのですけれども、様式が決まっているわけではないですけれども、情報を提供しなければならないということであります。
 そうすると、成形品中の化学物質の情報というのは、サプライチェーンを流れていくということでありますけれども、消費者に対して成形品の情報を提供しなければならないということにはなってないわけですけれども、少なくとも消費者からの情報要求があった場合、その場合には要求を受けてから45日以内にその情報を提供しなければならないと、そういった規定が入っているということでございます。
 それから10ページ目は、サプライチェーンのいかなる関係者であっても求められるということなのですけれども、サプライチェーンにおいては基本的には一番上流の化学物質の製造輸入業者が一番多くの情報を持っているわけですけれども、そのサプライチェーンの途中でも、さまざまな情報が出てくる場合があるということでありまして、サプライチェーンの途中で用途とかかわりなく有害特性に関する新しい情報が得られた場合、あるいはいろんな安全データシートにさまざまなリスク管理の情報もあるわけですけれども、それに疑問を生じるような話があった場合には、それはちゃんと情報を提供していかなければいけませんよというような規定が入っているということであります。
 それから、もう一つの大きな柱がCLPということで、繰り返しになりますけれども、GHSの中でSDSに関する部分はREACHのほうで対応していて、表示関係については、このCLPの規則で対応しているという形になっております。
 ただし12ページにありますけれども、消費者製品でありますとか、これは例えば12ページでありますけれども、医薬品であるとか化粧品であるとか、他の法令の適用がしている場合には、CLPの適用除外になっていますということが、12ページにまとめられています。
 それから、13ページ、これは従来あった法律からCLPの体系に移りますという移行の話なので、これはちょっと省略をしたいと思います。
 14ページ、CLP規則のポイントということで、義務というのは分類をして表示をする。それをちゃんと包装すると。それから届け出をしてもらうという、そういった内容が中心になっておりまして、基本的にはGHSと同じ考え方になっているのですが、一部についてEUにおいては、いわゆるGHSと異なる分類の考え方をしているということであります。
 また、このCLPについては1トン以下の製品も対象となるということでありまして、先ほどのREACH、SDSの話をさせていただきましたが、それは1トン以上が適用になりますので、SDSについては1トン以上が対象になると。このCLPについては1トン以下も対象になると。そういうタイプになっております。
 それから15ページでございます。15ページは基本的に、CLPというのは上市前に化学物質を分類してちゃんと表示をしてくださいよという、そういうところが中心となっているということを再度まとめたものということでございますけれども、16ページにありますけれども、ラベル表示については唯一の消費者への伝達ツールであると。それから、消費者を初めとする物質を、サプライチェーンの関係者ですね、保護するためのそういう表示であるということであり、かつ世界的に調和された伝達ツールがあれば世界じゅうの消費者にメリットがあると、そういった言葉が入っているということでございます。
 ラベル表示の内容は17ページにまとめておりますけれども、Product identifiers、製品識別子から絵表示、内容量、注意喚起等々、そういったものが入っているということで、この18ページは、ラベルのガイダンスに基づいてラベルの例が示されているという、これが18ページにまとめております。以上がヨーロッパの状況3-1でございます。
 それから、3-2がアメリカにおける情報伝達がどうなっているかということでございます。3ページ目に全体をまとめておりまして、これは物質混合物についてですが、3つ並んでいますけれども、基本になっているのはOSHAだというふうに考えておりますけれども、TSCAの関係の中で新規化学物質をPMNということで届け出た際にSDSをどういうふうにするかと、そこをSDSについての規定があるということでございまして、情報伝達に関してはOSHAが基本になるというふうに理解をしております。
 それから、3ページ目の下のほうですけれども、川下企業から一般消費者向けについては鉛についてはかなり具体的な話が入っているということでございます。4ページ目のほうはいわゆる成形、これはFHSAですか、これは何かの略ですね、の中でラベル表示が規定されているということ。これについては、必ずしもGHSに沿ったものになってないというふうにお聞きをしております。
 そのあたりをまとめたものが5ページ目以降になっておりまして、5ページはOSHAの概要ということで、基本的には労働者の保護という目的が決まっていまして、2012年、ことしの3月にOSHAもGHSに準拠したルールを告示して、ことしの5月25日に発行されているということでございます。これは製造輸入されるすべての化学品の有害性、これをGHSに基づいて分類、表示するということでございます。
 ただ、6ページ目でございますけれども、一応適用範囲においては、いわゆる消費者安全法の世界等々、消費者規定についてはこのOSHAでは規定をしていないと、要求がされないということで適用の除外になっているという形が6ページ目にまとまっております。
 それから、7ページ目でございますけれども、ここは先ほどの繰り返しですね。この3月にOSHAのGHS適合化について、まずこのラベルについて表示することになっていますが、このあたりはGHSと整合をしているというふうに聞いております。だから、SDSについてもGHSに沿った形で適用されているというふうに理解をしております。
 それからOSHAとは別にTSCA、これは新規化学物質の主に—既存化学物質も一部やっていますけれども、新規化学物質の届け出などを受けているのですけれども、そこの中にも情報伝達というのは、雇用者、事業者の義務であるということで、ルールとしてはSignificant New Uses of Chemical Substancesというそういう中で、危険有害性情報伝達プログラムということでSDSをちゃんとつくらなきゃいけないよというようなことが書いてあるということであります。
 それから、9ページ目でございますが、TSCAの中で消費者製品に関しては、これは鉛曝露、鉛の害に特化した提言についての記述があるということで、これに関しては鉛を含有する塗料を初めとするそういったものについては消費者に対して情報を提供しなければならないと、そういった規定が入っているということでございます。そのあたりが9ページ、10ページですね。中に繰り返しになりますけれども、鉛に特化した規定が入っているということになります。
 それから11ページでございます。これは正直、ちょっと私ども余りなじみが深いわけではないのですけれども、Federal Hazardous Substances Act、FHSAというところで、ここは家庭・学校等で使用される化学品を対象とする法律ということであります。このFHSAでは消費者に対する危険性と有害性と考えられる内容を警告する表示を義務づけているということで、その中に毒性の問題等々が入っているということであります。具体的に表示の内容については12ページのほうにまとめております。
 以上がアメリカの状況ということであります。
 最後に資料3-3ということで、これは日本における情報伝達、薄くなっているのは別に内容がないということではなくて、第1回の、そこでしっかり説明したつもりなので、先生方十分ご存じであろうという前提で薄くしたものでございまして、しっかりしているという構成でございます。3ページ目に、全体をまとめておりますけれども、日本の場合には安衛法、化管法、それから毒劇法でも情報伝達についての規定があるということでございます。
 これらについては、GHSの整合性等々もJISをつくることによって実際させてきているということでございます。その一方で4ページ目でございますけれども、消費者への情報提供という形では、4ページ目にありますように、家庭用品の品質表示法の中でいろんな情報の提供という規定が入っていると。それからGHSの関係では業界の自主基準ということで、幾つかの業界のほうで自主的な活動をされておられるという状況であります。それの全体をまとめたのが資料2ということでございまして、以上で説明を終わらせていただきます。
○安井座長 ありがとうございました。それでは、議論というよりもご質問がございましたらいただきたいと思いますけれども、何かございますでしょうか。
○有田委員 ありがとうございました。REACHの3ページ目なのですけれども、一般消費者に情報伝達をするというときに45日以内ということですが、これはドイツの消費者団体と玩具の関係で交流した時にも、玩具の成分などで質問を出して回答が45日以内になければ問題にするというようなことも言っていたのです。取り決めというか、どういうところに出していくとかというような様式はないというふうにはなっているのですが、ドイツで聞いてきた例もあるので、45日以内に回答しなかったらどうなるのか知りたいと思います。それを教えていただきたいというのと、それから、このアメリカの情報伝達の11ページは、やはり玩具の調査をしているときに、FHSAで学校のPTAや学校を通して危険なものを情報伝達していくというようなことで、ゴム状の目玉の形をしている物をぎゅっと伸ばしたら首に巻きついて亡くなった子がいて、危険な情報を学校で知らせていくというようなことでした。その中には、化学物質のこともあるのだなということが書かれています。早くからPTAなどを通して情報伝達をすればわかりやすいと、私たちも言っていました。アメリカはいち早くこういうことをしていると感心しました。
 ただ、これと先ほどの情報伝達の方法が、アメリカは流してくるところはわかっているのですけれども、ちょっと質問の中身が整理されてないので申し訳ありませんが、もう少し詳しく教えてください。
○常見補佐 そうですね。REACHのほうは45日以内とあります。これはいわゆる成形品のSVHCのキャンディデートリストといいまして、いわゆる懸念される発がん性とかCMRですね、変異原性とかそういったのが懸念される物質に対してリストがあるのですが、それらを含む成形品について情報を伝達する義務がREACHのほうにございます。
 それに関して消費者製品に関しても消費者が要求すれば出さないといけないということがあったのですが、実際、我々もこのリサーチのときに、ちょっと事例とかも調べられればというところもあったのですが、ちょっとそこ、まだ調べられていないというところで、可能でありましたらやりたいところですが、ちょっと現状ではないというところを。米国に関しても、少し事例的なものは現状ではわからないということでございます。申しわけございません。
○安井座長 委員の方で、どなたかご存じの方がおられたら。質問。
○辰巳委員 質問じゃないです。今の有田さんのお話に重ねてなのですけれども。
○安井座長 それじゃ、どうぞ。
○辰巳委員 私も今の説明を受けて、印をつけて感動したのは、アメリカの家庭・学校と書いてあるところなのですね。日本では一般消費者というくくりでいつも言われてしまっていて、この学校という視点が非常に抜けているなというのを、私、前回申し上げたような気がするのですけれども、学校の先生方が廃棄物の中に化学物質を結構無防備に放置されることがあって事故につながったりという話を、今ではないですけれども、過去に聞いたことがあったりしたもので、この学校というくくりを取り立てて、わざわざここに挙げてあるということに対して私は感動したし、有田さんも多分そのあたりで同じような感じかもしれないなと思ったのです。
 日本では、この学校というくくり、視点というかな、対象者のときに常にBtoCとかBtoBとかだけであって、Bto学校だと、何ていうか知らないけれども、そういうイメージがなかったので、非常に今後、情報伝達の話をきょう、するという話だったので、キーポイントだというふうに思っておりまして、感想です。すみません。
○有田委員 よろしいですか。関連というよりも情報ということで言えば、次回では遅いと思いますので、発言しましたが数年前から先ほど言ったような中身で情報伝達されているということです。
○安井座長 それでは、ご質問をお願いします。その次、服部委員は次ですね。
○織委員 質問というかお願いと言ったほうがいいのかもしれないのですけれども、欧米の場合は化学物質の情報の流通、単独で見るというよりかも、情報公開制度の中で、その中で化学物質に特化したものというふうにとらえる感じじゃないかというふうに思うのですね。例えば欧州ではオーフス条約で環境情報公開の制定が各国に義務づけられていて、それを使ってでも可能であるという中で、さらに化学物質に関してサプライチェーンとして、こういう形で消費者のところまでいけるというような流れ、米国もFOIAがある中で、それらがどういうふうに機能していて、それとこの化学物質関係の中で特化しているものがどうなっているのかと。そういうあたりの視点もちょっと必要なのではないかなという気がしております。
○安井座長 ありがとうございました。何か、特に回答がなければ。ありますか。
○河本課長 すみません。これはちょっと勉強しなければいけません。
○安井座長 それじゃ。
○服部委員 資料2ですけど、非常にわかりやすくまとまっていいと思います。この表にどのぐらい盛り込むかにもよるのですけれども、欧州のCLPのところの一般消費者の部分ですが、調剤というと、いろいろ化粧品の調剤もあるし、食品の調剤もあります。もともとCLPは食品とか化粧品は除いています。今後の議論するスコープに影響することもありますので、そこは明確に一般消費者向け調剤の対象を書いたほうがいいと思います。あと、調剤ラベルでのCLP表示は法律上は盛り込まれていますけれども、まだ義務化されていません(2015年6月から義務化)。資料2のタイトルが状況って書いてあって現状を意味しているかどうかはわからないですけど、現時点で完全な義務化がされてないことはきちっと書いてほしいと思います。
○安井座長 それじゃ、原田委員。
○原田委員 資料のまとめをありがとうございました。その中で日本に関する資料で、今回スコープに入っていますのが、化学物質の人健康と環境といった有害性だけをまとめていただいたという印象があります。可能でありましたら、消防法だとか高圧ガスといったものの危険性も一緒にまとめていただいたほうが、どこがスコープになっているのか。また、今回の扱う範囲ですので、そこはちょっと入れていただくとわかりやすくなるかなと思いました。
 以上です。
○安井座長 ありがとうございました。それじゃあ、城内委員。
○城内座長 ありがとうございます。日本の安衛法と化管法でまとめられたところについての質問です。これは今日の大きなテーマであろうと思いますが、分類・表示についても統一したほうがいいだろうという、そういう前提でお伺いします。安衛法も化管法も、安衛法は規則の改正で、化管法も改正をして危険・有害な化学品についてはすべて表示をしましょうということになったと思いますが、私の理解では化管法については環境有害性も含むけれども安衛法は含まないという違いはあると思います。どちらもBtoBですね。
 そうすると安衛法と化管法でどっちも努力義務をかけたわけですけど、それに大きな違いがあるのかないのかというのをお伺いしたいのです。というのは、基本的にはどちらかがちゃんとしていれば全部義務がかかると思うので、だとすると、表示についても一緒にしてもいいだろうという議論になるかなという観点で質問をします。
○半田課長 すみません。安衛法、安全衛生規則ですね、求めているのと化管法の規則で求めているのはそれぞれ違いますので一致しておりません。だからこそ、共通部分としてのJISを制定したものですね。どちらか一方では足りません。そういう答えでよろしいのでしょうか。
○城内座長 というのは、どちらもJISに基づいてやりましょうと言っているわけです。
 危険有害性があるものについてはJISに基づいて分類してラベルをつけましょうと言っているとすると、そこで安衛法と化管法で出てくるものが違うという意味が、私はわからないのですけれども。
○半田課長 法令上、例えば安衛法の場合で申しますと、私どもは労働者の保護のためにこれを定めておりますので、その中で環境問題ですとか云々かんぬんいうのは、それは違います。他方、労働者保護ですので、危険性については、これを伝達しなければならないということにしてございます。
 法令上で、義務として課せられるのは、あくまでも法令の目的に合致した範囲内になりますので、GHSで10あるとすると、そのうちの8の部分をカバーすることになるわけですね。化管法におかれましても同じようにGHSで10求めているうちの化管法の法目的に従いまして、8ないし一部をカバーしていると。ただ、両方足すと一応全体をカバーするようなことになりますので、その全体をカバーしたものを共通のプラットホームとして実を定めたということであります。
○城内座長 しかしJISに基づいて、と書いてあるだけで、それは例えば化管法で言うと化管法で定めてないのは抜きますよとは書いてないわけです。現状で。そこがわからないのです。
 つまり、違ってもいいということですね。そのラベルの内容は化管法に基づいたものと安衛法に基づいた……先ほど申しましたけれども、環境についての毒性というのは、どちらから考えてもわかるのですけれども、そのほかの項目についても、つまり違いがあるということですか、現状でやると。
○半田課長 ですから、こういうことになりますね。邪魔でなければ、安衛法で求めている8と化管法で求めている8をそれぞれにつくっていただくのは、それはもちろん構いませんが、そういうことをやらないで実に従ってやれば両方を一度に満足しますよというスタイルになっているのです。
○城内座長 中身はわかりませんが、回答はわかりました。ありがとうございます。
○半田課長 ただ、安衛法の関連で申し上げますと、今努力義務としたと言っておりますけれども、これは省令に基づく努力義務でございますので、私どもはこれで終わりと思っておりませんで、これを全体ときちっと確実にならしめるためには、やはり努力義務でも法律に基づく法律の努力義務といったものにきちんとやっていく必要があるだろうということを念頭においてございます。
○安井座長 石井委員お願いします。
○石井委員 同じく資料2で、今のやりとりのちょっと関連するようなところなのですが、欧州と米国に比べて、日本はどのくらいカバーできているのかなというところがわかるといいなと。欧州についてはREACHの中で作業環境、環境、それから消費者と全部含まれた上でSDSができていると。先ほどのお話のような安衛法については、一応既存化学物質の作業環境については全てカバーできているのだと思うのですが、化管法の500JISでは、すべての部分がカバーできているのかどうか、はっきりさせていただけたらと思います。
 それから、あともう1点なのですが、化審法については全くここには入らないと考えてよろしいのでしょうか。
○河本課長 それをもう少しありましたけれども、日本の場合には安衛法と化管法に基づいて、これ原則すべての化学物質を対象にGHSに基づいた分類表示をやってくださいという形になっていますので、そこは事業者の方からすればこのJISに従ってやれば、その両方の規定を同時に満たすことになるという、ある種、本当は法律まで読んでいただければいいのですけれども、仮に法律を読んでなくてもJISをきっちりやっておけば自動的に満たされるという状況になっていますので、昔は正直、最近の規定を整備する前はそういう対象の物質が限定されていた。化管法で言えば600かな、それぐらいのオーダーだったということなのですけれども、それを基本的なこういう化学物質を扱う際の基本的なプリンシプルというか、そういう形に変えていったというところは大きな変化だろうというふうに思っております。
 それから、先ほどの化審法上は、この情報伝達というのはこういう形では出てきておりませんけれども、例えば優先化学物質であるとか、第2種の特定化学物質についてサプライチェーンに対する情報提供というのが入ってきているということであります。これは、どちらかというと、ある種、規制上特定の目的のために情報提供しなきゃいけないということなので、このGHSすべてのものにというコンセプトにはなっていないということでございます。
○有田委員 アメリカの情報を余り把握されてないという中で、申しわけないのですけれども、もう一度、アメリカの11ページのところのFHSAについて、先ほど、私の数年前の調査したときのイメージと違って、消費者に警告する表示を義務づけたというところがGHSと関係するように資料2では特に見えなかったので、そこのところを確認させていただきたいと思ったのです。けれども、毒性があるとか、腐食性があるとか、刺激性があるというようなことで書かれているので、マークがそれとはどういうふうに関連しているのか、おわかりでしたら教えてください。
○河本課長 FHSAとGHSとの関係ですか。これは12ページの最後の行ですけれども、FHSAへのGHSの導入は保留とされている。これは、まだ最新の情報ではないのですけれども、多分議論が続いているのだろうなというふうに認識を。最新ではありませんので、もし新しい情報があればと思います。
○安井座長 それじゃ、鈴木委員並びに亀屋委員、そのぐらいですかね。
○鈴木委員 一つは日本の資料3-3なのですけれども、5でもいいですが、毒劇法で一般消費者って書いてあるのですけれども、毒劇法に当たるような物質が原料とか材料なら別として、毒劇物を使って一般消費者に渡るということが、そんなに一般的にあるのかというのが私は疑問なのですが、どちらかというと、日本の情報伝達というのは家庭用品品質表示法とか業界さんの自主基準とかにかかっているのではないかと思うのですけれども、その辺、どういう情報が渡ったりするのかについて、もしお考えがあればお聞かせいただきたいということと、それから、日本とアメリカは同じなのですけれども、川下企業さんと川上企業さんの間で法律が違っていますので、川下企業さんの役割が非常に大きいというふうになっていると思うのですが、この川下企業さんがどうやって情報を引き渡すのかということについて、何か掌握されていることがあれば教えていただきたいというふうに思います。
○長谷部室長 毒劇法は、家庭用品関係でどれくらいあるかということですが、毒劇法上指定されますと、医薬用外毒物劇物とかいう指定で、そういう表示をしなければならないということもありますし、もともと毒劇法に指定されるような物質は非常に急性毒性が高いものなので、それほど家庭用品で一般的に使われるような成分は入ってないというふうに思っています。
 ただ、普通には使わないですが、入手することは可能な場合がございますので、そういった場合に非常に危険な物だというふうに一般の方でもわかるように毒物・劇物の表示、それとGHSの関係で先ほど化管法と安衛法でもJISの紹介がございましたが、そういうもの、JIS規定による表示をすることを推奨しているところでございます。
○安井座長 もう一つのほうは、川下。
○河本課長 理論的には、多分、川下の企業さんもそれなりに苦労されているはずなので、それは当然、自分の上流に聞いていかないと入っている情報ってわからないはずだと思います。ですから、GHSなりそういう情報伝達が進んでいけば、よりそういう対応がとりやすくなるだろうということなのです。現在、皆さんがどうやってやっているかというのはわからない。多分個別に苦労されながら、納入される方に聞いて対応されているのであろうというふうに想像します。
○庄野委員 ご指摘のとおり、非常に苦労して川下の方は上流の方から情報を得ようとします。皆さん、ご存じのように、こういう情報がずっと流れていく過程ではいろいろなしがらみがございまして、実際の製品に関するコンフィデンシャリティ上の問題とか、特許上の問題があって、なかなか実は伝達しにくいケースが多いのですけれども、我々としてはその辺のところは何らかの形でうまく流せるようなことをやらなきゃいけない。上のほうはそう考えていて、下のほうもそれを欲しがっているところはありますから、今それの調整、検討をやっているというふうにご理解ください。
○原田委員 その関連で、よろしいですか。今、庄野委員からありましたように、川下企業、これは一企業の事例として聞いてください。MSDSだけでは情報が足りない場合、そのもとになった試験データを秘密保持契約をした上で入手するようにしております。その上で、これが採用できるかどうかを個別に判断しているのが現状だと思います。しかしながら、どの企業もそれもやっているのかというのは、一企業の立場ではちょっとわかりかねます。
 また、製剤、混合物をつくるわけなので、一つの物質の毒性がわかっただけではなくて、相乗効果とか相加効果とかというところも最終製品で確認するようにしております。個別の企業がどこまで実施しているのかについては、違いががあるかと思います。といいますのは、後の情報伝達の教育だとか啓発のところにもかかわってくると思いますが、企業の規模や置かれている立場によって、毒性データが読める、読めないなど、技術的観点から大きな要因となってくると思います。
○安井座長 ありがとうございました。それでは亀屋委員、お願いします。
○亀屋委員 それぞれの仕組みで消費者がどういったことを情報伝達されているのかという視点で2点教えていただきたいと思うのですが、1点目は欧州のほうの5ページ目に一般消費者が自由にアクセスできるべきものとされているとあるのですけれども、中を細かく見ると、「市民が曝露されるかもしれない化学物質について」と説明があって、こうしたときに、例えば労働者に関する部分であるとか、環境有害性に関する部分とか、そういったものも全部含めて、とにかく全部のデータに消費者がアクセスできるようになっているのか、それとも消費者曝露に特化したようなデータだけが消費者が自由にアクセスできるようになっているのかという、その辺をもしわかれば教えていただきたいというのが1点目です。
 それから2点目はアメリカのほうなのですけれども、6ページでOSHAの話が出てくるのですが、サブタイトルに「消費者製品への伝達の有無」と書いてあるのですけれども、これはOSHAは基本的には消費者製品への伝達は必要ないということを言っているのか、あるいは基本的には消費者製品についても伝達が必要なのだけれども、ここに書かれていることだけは除外するということを言わんとしているのか、どちらなのかということを教えていただければと思います。
○常見補佐 最初のREACHのほうなどにある一般消費者が自由にアクセスできるべきものということで下の点線の中に、それに関連して一番下のポツの、EU市民が等々書いておりますが、例えばECHAからそういった登録された情報の公開がされていて、だれでもアクセスできる状態は、それなりに実現されているというのは我々も確認しているところですが、もう少し網羅的にどこまでアクセスがされていたところまで提供されているか、少しどこまですべてが、まだわかりかねているところがございますが、例えばウェブサイト等からも情報が結構あるというのは、そういう状況はあるということは承知しております。
 それから、OSHAのほうですね。OSHAのほうのいわゆる消費者製品へは基本的に、ここを読むと除外しているというふうに読むのかなという認識ですが、ちょっと不正確なところ、もし委員の方でご存じであればお聞きしたいところでございますが。
○安井座長 庄野委員、何か。
○庄野委員 OSHAというのは、もともと、これオキュペーショナルという部分で、労働安全衛生上の観点で見られているわけでありまして、消費者というのをどういうふうにくくられるかどうかわかりませんけれども、我々、化学産業の一番上から見ると、その次の人たちは我々にとっては作業者とはいえ消費者なのです、ある意味では。だから、そういう意味でのとらえ方だと、ご理解いただいたほうがいいと思います。基本的にはOSHA自身は労働安全衛生というふうにご理解ください。
○安井座長 ありがとうございました。
○原田委員 今の話は6ページ目の一番下のところの除外規定を見ていただいたほうがはっきりするかと思います。
○安井座長 ありがとうございます。まだいろいろあるかと思いますが、本来やるべき2番目の議題に少し時間を使いたいと思いますので、次に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、2つ目の議題、中間とりまとめ骨子でございますが、事務局からご説明をいただきたいと思います。お願いします。
○河本課長 それでは、資料4と5をまとめてご説明をさせていただきたいと思います。
 第1回、第2回でいろいろな議論が出ましたけれども、それをまとめていきますと情報をだれがどのように生み出して、どのように伝達する仕組みをつくっていくかということが一番重要なかぎになるだろうということは言えるというふうに思いますけれども、どういう土俵で議論すればいいのだというのがわからないので、なかなか意見が言いにくいというご指摘もありましたので、土俵として中間とりまとめの骨子案をお示しさせていただいて、その上でさまざまな意見をいただければということで資料4と5をまとめさせていただきました。
 全体のコンセプトとしては、今回の合同検討会において、まず情報の収集評価、伝達等に関して、各主体に期待される役割を整理しようと。それから今後の対応策、いろいろあると思いますけれども、やはり制度改正を念頭に置いて、簡単に言えば法律改正等々が絡んでくるものとしても中長期に検討せざるを得ないという、そういうものもあるし、まだ現在の制度のもとでも直ちに対応可能なものもあるだろうと。そういったものを整理しながら、それぞれの事項について詳細な検討を進めるべきだろうと、そういう問題意識で、これは資料5のほうですけれども、中間とりまとめ骨子ということでまとめさせていただきました。
 それでは、先に資料5を説明して、また資料4に戻るというふうにさせていただければと思います。
 資料5「今後の化学物質管理政策に関する合同検討会」中間とりまとめ、整理の骨子案ということでございます。最初は、現状と課題は、これは第1回等々で資料に入っていましたので、これは省略させていただきたいと思います。
 それで、我々の目指すべきところというのは何なのかという、今後目指すべき目標の再確認ということでありますけれども、やはり我々にとってはWSSDの目標があるわけでして、それについて一般消費者の方々、事業者、民間団体、国等がみずからの役割を自覚しながら連携協力して、その達成を目指していくのだと。身の回りの化学物質の対応と、安全で活力のある社会を実現していこうということであります。そのために産官の役割を踏まえたリスク評価の推進、あるいは一般消費者を含むサプライチェーンにおいて危険有害性、リスク評価情報等が共有される仕組みの構築、あるいはグローバル化に対応した国際調和の推進に取り組む必要があるだろうと。そのために共通の基盤となる有害性情報の収集の効率化、それから新規、既存にかかわらず、製造・輸入等の状況に応じて、労働者、一般消費者、環境への影響を全体を踏まえた評価が行われるようにする必要があるのではないかと。さらにそうして得られた情報を、サプライチェーンに流していくという仕組みが重要であろうということが書いてあります。
 次のページでございますけれども、繰り返しになりますけれども、各主体がみずからの役割を自覚しつつ連携協力して取り組む必要があるだろうということで、まず一般消費者の皆様、これについては化学物質が人の健康や環境に与えるリスクについての的確な情報入手、あるいは正しい理解で、人の健康や環境に対するリスクの低い商品の選択や適正な使用の行動につなげることが期待される。事業者については、事業活動を行うに当たって、その取り扱う化学物質について労働者、消費者、環境保全の観点から、その適正な管理を行う責務を負っていると。そのためにも、危険有害性の情報収集に努め、取り扱いの数量や用途に応じて、適切なリスク評価を行うとともに、その評価に基づく適正な管理方策を明らかにしてサプライチェーンに提供すると。それから、さらに公表していくことが期待されるのではないか。
 それから国のほうでは、グローバル化に対応したリスク低減のための制度構築などを進め、先ほどありましたような危険有害性情報の統合的整備、それから人材の育成、それからリスクコミュニケーションの推進等により、一般消費者の方々や事業者による取り組みを積極的に支援をする必要があるだろう。さらに、製造・輸入の状況や事業者による取り組み状況等を踏まえた優先順位をつけて、それぞれの制度においてリスク評価を推進する。また、仮に特定分野でリスクが懸念されれば当然のことながら各法令所管省庁において速やかに詳細にやるとか、あるいは規制措置をするとか、そういった対応をとると、当たり前のことを書いております。
 で、そういう各主体に期待される役割を踏まえて中長期的に検討すべき事項と、これは制度改正が必要になるような項目ということでありますけれども、一つはグローバル化に対応した労働者保護、消費者保護及び環境保全に関する体系的な危険・有害性情報の収集を一元的・効率的に実施する体制や制度のあり方について検討を行う必要があるだろうと。
 また、現状の規制法令ごとに運用しているGHS制度、あるいは成形品に関する情報伝達の仕組みを統合した危険有害性情報等の伝達・提供制度のあり方について検討を行うということでございます。こういった中長期的な事業については中間とりまとめ以降も引き続いて検討を行うことが必要だということでありますけれども、検討体制については別途、必要に応じて検討を行うことが必要かなというふうに考えております。
 それから現行制度のもとでも対応できることというのがたくさんあるということでありますので、そういったものは直ちに検討に着手し、可能なものから順次対応をするべきであろうということでございます。
 まず、大きな柱としては産官の役割を踏まえた既存化学物質対策の強化という、先ほどのそれぞれに期待される役割を踏まえて、既存化学物質の危険有害性情報等の収集や、総合的なリスク評価の実施等を支援推進するということでございます。まず、事業者のほうでございますけれども、危険有害性情報の収集に努め、取り扱い数量や用途に応じてリスクの優先性を考慮しつつ、労働者・一般消費者・環境に関する適切なリスク評価を行うとともに、評価に基づく適正管理方策を明らかにし、その情報をサプライチェーンに提供するとともに公表するように努めると。
 また、国側の対応としては、現在は化審法に基づく有害性情報の収集やリスク評価、あるいは労安法に基づくリスク評価等々が実施されておりますけれども、今後は関係省庁の連携のもとに危険有害性情報等を効率的に収集し、それぞれの制度においてリスク評価を推進すると。この際、化審法等に基づき得られた情報等の、既に得られている情報を最大限活用すると。当然のことかと思います。
 具体的な対応については、1でございますけれども、事業者が取り扱う化学物質について適正な対応が実施されるように、労働者・消費者・環境に関するリスク評価等の標準となる具体的な手順等の検討を進めるということで、そのイメージなのですけれども、お手元に冊子、参考資料2で、これはメーンのテーブルしか配られておりませんけれども、これは日化協さんで、ちょっと私詳細に説明する能力はありませんが、これはまさに化学品のリスクアセスメントですね。上流の化学肥料として進めていこうという活動の一環として、具体的にこういったガイダンスに基づいてリスクを評価していったらいいのかというようなことが書いてあるというふうにお聞きしておりますけれども、リスク評価、事業者が行うリスク評価といっても、それは当然いろんな企業さんもいらっしゃいますし、皆さんがある種、標準的な考え方がないと対応できないだろうということで、そういった検討が必要なのでないかと。当然そういった考え方があれば、ある程度、製造数量が多いもの、あるいは、先ほども少し話がありましたけれども、CMRですね、これは発がん性、変異原性、生殖毒性等の懸念がある化学物質等について、上記の標準となる具体的手順等に基づいてリスク評価を実施し、その結果をサプライチェーンに提供するとともに公表するよう努めることが重要なのではないかというふうに考えております。それに対して国はいろんな情報提供等で支援をしていくということでございます。
 さらに関係省庁、4でございますけれども、連携してCMR等の有害性がある化学物質について、製造・輸入の状況、あるいは用途情報、モニタリング情報等々からリスクの懸念の大小を勘案し、優先的にリスク評価を実施すべき化学物質をリストアップし、これは既に化審法については優先化学物質という概念がありますので、それが若干少し広がっているというふうに理解しておりますけれども、それによって必要に応じて事業者に対して保有する情報の提出をお願いすると。あるいは必要な場合には危険有害性情報の調査を指示するという、既存の法令でもそういった規定もありますので、より詳細なリスト強化を実施するということが。評価に当たっては、当然既存の情報を最大限に活用するということでございます。
 それから、新規化学物質に関する届出制度の合理化ということで、現状では事業者の皆さんに対しては労働安全法の観点と化審法の観点から別々の届け出を求めているということでございます。世界ではそういう制度というのは日本しかないということもありますので、これは、しかしながら制度改正が必要だということでありますので、当面は安衛法の届け出、それから化審法の届け出をできるだけ統一した運用が可能となるように、安全性データベースの一元化等々、検討していこうということであります。
 それから、もう一つ大きなテーマとしては、一般消費者向けの情報提供をどういうふうに行っていくべきかということでございます。事業者から一般消費者への情報提供というのは、一般消費者が安全に製品を使用することが目的となると。この観点からどのような情報をBtoCというところまでどのように提供していくべきかについて、GHSの分類も含めて検討を行う必要があるだろうと。
 具体的にはどういうふうに進めていくかということでありますけれども、1でございますが、一般消費者製品について、製品表示が主たる伝達媒体であることを考慮しつつ、GHS対応を含む一般消費者に向けた情報提供のあり方を検討すると。さらに、上記の成果を踏まえてGHS制度を統合した一般消費者向けの危険有害性情報の伝達提供制度についての検討を行うと。当然のことながら、現在ある一般消費者製品への表示にかかわる法制化との関係についても整理を行う必要があるだろうということでございます。
 それから最後ですけれども、事業者におけるリスク評価人材育成支援策の検討ということで、先ほど来、事業者の皆さんの取り組みに努力、期待されるところを申し上げましたけれども、そういった収集活動、あるいはリスク評価等の実施を支援するために、危険有害性評価及びリスク評価、人材育成の支援を積極的に行うとともに大学教育機関等とも連携して、そのあり方について日々検討していきましょうという内容になっております。
 それが資料5として別添として1枚紙、今後の化学物質管理政策に関する合同検討会ということで、ざざっと、物すごくポイントのポイントみたいな感じになっていますけれども、今後目指すべき目標、それから主体ごとに期待される役割。それから中長期的に検討すべき事項、それから直ちに対応すべき事項ということで、産官の役割を踏まえた既存化学物質対策、それから消費者向けの情報提供等々がまとまっていまして、これは情報収集評価の部分がブルーになっていまして、情報伝達の部分は赤になっているということでございます。
 以上、資料4に戻りますけれども、これは資料4にあるような論点だけではないと思いますので、これにこだわる必要はないと思いますけれども、一応、先ほどご説明しました骨子の部分をもう一回論点的に整理したものということでございます。各主体に期待される役割と、各主体の役割をこのように整理してよいのかということでございますけれども、事業者については3つの観点から適正な管理を行う責務を負っているという前提のもとに必要な危険有害性情報の収集に努め、適切なリスク評価を行うとともに、サプライチェーンの情報提供、公表に努めるべきではないかと。
 一般消費者につきましては、先ほどと同じでございますけれども、的確な情報入手、正しい理解、リスクの低い商品の選択や使用につなげると。
 それから国については、こうした取り組みを積極的に支援すると。さらに制度輸入状況等の状況や事業者取り組みの状況等を踏まえて、優先順位をつけてそれぞれの制度においてリスク評価を推進すべきであろうと。また、グローバル化に対応したリスク低減のための制度の構築・運用や国際調和を進めるべきではないかと。それから中長期的、これは制度の法律なども含めて検討する必要があるということでありますけれども、労働者法、一般消費者法、環境保全に関する体系的な危険有害性情報の収集を一元的・効率的に実施するための体制制度のあり方について検討すべきではないかと。
 それからGHS制度、これも同じですね。成形品に関する情報伝達の仕組みを統合した危険有害性の伝達・提供のあり方について検討すべきではないか。
 それから直ちに検討すべき事項ということも、これも要約版になっていますけれども、事業者のほうではリスク評価等の標準となる具体的手順の検討を進め、その実施やあるいはサプライチェーンの情報提供を進めるべきではないかと。それから産官の役割を踏まえた既存化学物対策を強化するということで、関係省庁の連携のもとでCMR等の有害性がある化学物質について、労働者、消費者、環境保全の観点から優先的にリスク評価を実施すべきものをリストアップし、より詳細なリスク評価を進めると。この際には当然、リストアップするためのスクリーニングの進め方をちゃんと検討する必要があるということだと思います。
 それから一般消費者向け情報提供については、先ほどもありましたけれども、どのような情報をBtoCでどのように提供しているのか、これをしっかり検討する必要があるのではないかと。それから、情報伝達、今回は余り踏み込んだ議論ができていませんので、ここで詳細な議論ができないと思いますけれども、成形品中の化学物質について、先ほど海外でも対応している例もありますけれども、こういったものについてどう考えていくかについても検討するべきであろうと。
 ただ、混合物調剤等、成形品中の化学物質でかなりリスクレベルが異なるというのは当然かと思いますので、そういったものも考えながら整理していく必要があるだろうということであります。さまざまなこうした課題に対応するため、事業者にとってはどのようなスキル、どのような人材を育成する必要があるか、それを進めるためにどうしたら、例えばその資格制度を活用するとか等々、具体的に検討していく必要があるのではないかという形で、一応ここには論点をまとめてみましたけれども、これはそれ以外にもいろいろあるかと思いますので、先生方の忌憚のない議論をお願いできればと思います。
 以上です。
○安井座長 ありがとうございました。ということでございまして、これから先に質問があることが望ましいのでありますけれども、なければ。
○有田委員 質問があります。
○安井座長 それじゃ、質問をお願いします。
○有田委員 質問は論点についてはいいのです。が、論点と中間とりまとめ骨子案での、書き方で事業者・一般消費者・国の並びが意図的なのか、非意図的なのかわかりませんが、主体ごとに期待される役割で一般消費者が一番に書いてあって、とてもうれしいのですけれども、論点については事業者が最初に書いてあるのに、なぜ、期待されるのが消費者側が一番に書いてあるのか何か意図があるのでしょうか。、情報が出てこないと、なかなか消費者の使用の行動にもつなげられないでしょう。
○河本課長 ちゃんと変えます。
○安井座長 全く意図はないです。ほかに何かご質問等。はい、どうぞ。
○辰巳委員 主としては、情報伝達の話だというふうに書かれているように思ったのですけれども、何を情報伝達するかという話に関しても、もうちょっと詰めたほうがいい。例えば各主体に、最後の資料4のところで、すみません、5にも書いていたと思うのですけれども、事業者に「努める、努める」という単語ばかりが並んでいて気になるのですけれども、もうちょっと、ちゃんとやりなさいよということを言うためには「努める」よりか、もうちょっと厳しい単語のほうがいいような気がするのですけれども、具体的に何かわかりません。
 だから、そこで努めて情報収集されたとしても、要は「努める」では完璧にここの整理ができないのではないかなというふうに思っておりまして、やっぱり事業者としてはもっと—すみません、きちんと今ここに参画しておられるような関連の事業者の方がやっておられると思うのですけれども、要は最終製品が大きな事業者が最終製品をつくっている、サプライチェーンをつなげてですね、で、最終製品が大きな事業者で、私たちの手元に来るというふうなことは、結構この中で表現されると思うのですけれども、そうじゃない除外される小さなメーカーさんが物をつくって私たちの手元に届いているものというものは結構たくさんあると思うのですね。そういう人たちに「努める、努める」だけの規定であると、なかなかやらないというふうに思っていて、そこら辺が抜けるのではないか。
 だから、今既にやっておられるというふうに思っているものもある。例えばここには、取り込むべき商品の交流会とか書いているように、確かに情報を書いているものもあるのですけれども、そうじゃないようなものをちゃんと網をかけてほしいなというふうに、私としては思うので、そこを努めるという表現でカバーできるのかというのが非常に気になったのです。
 以上です。
○安井座長 質問ということで。そのあたり、質問というか意見だったかもしれませんけれども、ちょっと関連して、多分事業者ってどこからどこまでが事業者なのかというのは、ちょっと質問として関連質問。
○河本課長 一般用語としての事業者は、今回最初に第1回で議論しましたけれども、サプライチェーン全体をカバーして議論しましょうということですので、そこのサプライチェーンの中におられる事業者ということです。ただ、正確に言いますと、当然事業者の中にも上流の企業もあれば下流の企業もあるわけですけれども、事業者という言葉で定義を述べよといったらサプライチェーンにおられるすべての事業者。
○安井座長 輸入あたりはどう考えるか。
○河本課長 入ります。
○安井座長 入るのですね。はい、それじゃあ。
○半田課長 よろしいですか。それに関連してですけれども、「努めて」とすべきなのか「何とかすべきである」と書くのか、その表現ぶりは正確なご議論は今回の中間報告に手を入れて合意していただいて、その上での話ですけれども、後半戦で制度論もご議論いただこうということを考えてございますので、その中で、こうすべきで努めるべきであると、努めるとすべきであると。いや、そんなことやらないとしょっ引くぐらいの強力なものをやらなきゃいけないのだとか、そういうご議論を、もちろんいただいて、それを踏まえて、私ども、じゃあどういうことができるかというのは整えていくのが私ども役人の役割かなと思っております。だから、ぜひご議論を。
○河本課長 これ今回の場合は非常に広範なものを、例えば化学物質でも特定の化学物質、今、本当に国民にものすごい有害性、危険リスクを及ぼしているものをどうするのだという議論というのは、やっぱりより具体的、このAという物質について規制する、禁止するとかそういう議論ができるのですけれども、一般的に化学物質と言ってしまうと何万もあるわけですね。
 それを全く同じように全部規制的にやるという形になると、実際に運用はできないでしょうし、例えばGHSの場合も、もともとスタートのときには、先ほどもちょっと申し上げましたが600の物質についてGHS、それはもう規制的にやってきたと。今回の場合は、それは一気に全部広がったわけですね。そこについては、簡単に言えば、「努める」となっているが、なかなかすべてのものをいきなり、何万になるものを全部規制的にやるというのは、私自身は現実的に難しいと思っているが、その中で、これは規制的にやるぞという議論は当然あるべきだと思うし、そこは今後の制度の議論の中で具体的に議論していくべきなのじゃないかなと、私は思っています。
○安井座長 それでは、ご意見をいただけるということで、まず、どのぐらいの人数が。
 ご質問、はい、じゃ、質問をどうぞ。
○福島委員 一つ確認したいのですけれども、これ、第1回目から今回もそうですけれども、グローバル化に対応した、グローバル化に対応したというキーワードがずっと来ていますね。今、この資料5のところを見てみますと、中長期的に検討すべき事項というところには必ずグローバル化に対応したというようなことが。ところが「直ちに対応すべき事項」というところになると、そこにはグローバル化に対応したということが一つも入ってない。
 で、お聞きしたいのは、恐らく入っていると思うのですけれども、ここのところの、直ちに対応すべき事項、そこでグローバル化に対応して、例えば何を考えてみえるのかという、ちょっと明確に教えていただけると、今後の次のところに入ると思いますので、その点をお願いいたします。
○河本課長 すみません。グローバル化というのは、当然、中長期的にもかかってきますし、短期的にも当然、それは頭に置いて進めなければいけないというので前提だったものですから、あえて書いていませんけれども、当然考えていかないといけない。そこの問題意識は、やはり、これは私、私というか、全員がそこを明確に議論したわけじゃありませんけれども、先ほど我々サプライチェーンの議論をしていますが、当然、サプライチェーンというのは海外にも出ているわけですね。ですから、当然、GHSも国際的に整合性のとれたスタンダードであるし、先ほどもリスク評価の考え方も、これは日本だけでやっているわけではなくて、例えばアジアの方々、企業でさえもこれでやりましょうよという、そういうグローバルな観点というのは必ず入っていると思いますので、やはり化学物質の現実のグローバルな流通を考えるならば、それを常に長期であろうが短期であろうが、考えながら進めていくということが非常に重要ではないかと考えております。
○安井座長 一応、両方入るという回答だったようです。それでは、このぐらいの……10人ぐらいか、1人3分しかないね。ということを意識していただきまして、それで、ああ、またふえた。3分を切ったかもしれませんが、無駄を言っている暇はないので、鈴木委員からお願いいたします。こちらにずっと回ってまいりたいと思います。
○鈴木委員 3分ではできないですね。2分ですかね。文章のタイトルが「今後の化学物質管理政策」と非常に抽象的なことなので、少し困ったことをあえて申し上げますが、ここで情報の伝達は大事であることなのですけれども、情報、リスクという言葉は皆さん、私も、非常にお好きでして、大好きなのですが、リスクと危険有害性情報というのは、また違うもので、危険有害性情報というのは、本質的にユニバーサルなもので、どのような場でも一つの意味を持つ数字だと思いますが、リスクというものは本質的には、リスクを受けとめるバーの位置によって変わるものなので、その意味においてはリスクという情報は本質的には受け渡しができるとは限らないものであると。
 ですから、多分欧米の制度がきちんとわかっていると思いますが、基本的に受け渡されている情報は、危険性有害性の情報であって、リスクの情報は付随的には受け渡していますけど、本質的には受け渡しできないと思います。その点をこの文章は、細かく言えば私が書けば随分違うのを書くという意見があるのですが、総論としてはいいと思うのですけれども、リスクというのと危険有害性情報というのをどういうふうに扱うかということをしっかり考えてつくっていただかないと、話が混乱するのではないかと思います。
 この文章を見て、具体的には一般消費者がリスクについて的確な情報をつかめと言われても、どこから消費者はこの情報を入手するのか、ようわからんと思いますが、一方有害性情報だけをもらってわからんのも本当なので、また、上流側の企業さんが最初にシナリオをつくってREACHみたいに、言ってみれば大変貴重な活動ですけれども、それが下流側に行って、じゃあ、必ずみんなが正しいと思うかというのは、また別問題でして、多分リスクというものは評価と管理というのが、そういう意味でいろんなそれぞれのステークホルダーが流動的に扱う必要があるもので、その意味では、私はもっと国の果たす役割というのはずっと大きいのではないかと。国がフレームワークを決めないと、利用者の技術評価手順の具体的手順の検討なんか、できるわけないと、私は思っていまして、ですので、その辺のそれぞれの役割とリスク、ハザード情報の意味について、もう少し危険を踏まえて書いていただいたほうが実効性があるものになるのではないかと思います。
○安井座長 ありがとうございました。これは回答なしで田村委員から。
○田村委員 簡単に2点、お願いをしたいと思います。前回も議論になりましたサプライチェーンの定義の中でいろいろ意見がありましたけれども、基本的に消費者までということになっているのですけれども、多分事業主からいく産廃業者等はそれに入ってくるのかなと思いますけれども、一般消費者経由でいく産廃業者なりリサイクル事業者、ここにも危険性があるということになるとサプライチェーンをどの範囲までするのかということについては、もうちょっと整理してお願いをしておきたいというのが1点でございます。
 2点目は情報伝達の方法なので、一貫した情報伝達というルールは、これはある程度必要だと思うのですけれども、BtoBなりBtoCにいったときに、Cは、そんな専門的なことがいっぱい書いてある表示を見たってかえって逆にわからなくなってしまう。そうすると消費者にとっては、もっとわかりやすいもので、自分にとって危険性は何なのか、有効性が何なのかだけを知りたいといことである。伝達する情報というのは各層によって違うのではないかという気がしますので、一本の伝達方法だけでいいのか、層分けしたわかりやすさというのも必要なのではないかと、こんな気がいたします。
 以上、2点です。
○安井座長 ありがとうございました。
○服部委員 今の田村委員の発言とも関連するのですけれども、この資料5の別添のところの「中期的に検討すべき事項」ということで、赤丸の部分で「GHS制度や成型品に関する情報伝達の仕組みを統合した危険有害性情報の伝達・提供制度のあり方について検討」と表現されています。しかしながら環境保全とか労働者保護、消費者保護を考えると、先ほどから議論になっていますように、ハザード情報だけだと不十分なので、やはりここにリスクの評価結果とか、あるいは適正な取り扱い方法とか、そういった情報も含めてどう伝達するかということを検討していただいたほうがいいかなと思っております。
 以上です。
○安井座長 ありがとうございます。林委員お願いします。
○林委員 この中間とりまとめ骨子案というのは、私はよくできていると思います。
 だから前回、座長がおっしゃった、どこかに青空が少しは見えてきたというようには見えるのですけれども、でもやはりいろいろリスクコミュニケーションというようなところについて考えないといけない部分というのは残っているなと。今回、この議論自身が法体系のもとで、それをどう効率よく、どううまく動かしていくかというようなところをねらうのであれば、もう本当にこういう形でいいと思うし、あと、やはり消費者まできちっと今のサプライチェーンの中で考えていくというのであれば、その辺はもう少し考えていく部分が多いかなというふうに思っております。
 きょうもいろいろ出てきた中で除外項目だとか、対象外とかというようなものがあるのですけれども、そういうふうなものはなかなか我々知り得ないようなところもあるので、そういうふうなものもすべて含めたような形での制度のあり方というものは考えていかないといけないと思いますし、あと、またリスクコミュニケーションのほうで、末端のほうでいえば、コミュニケートするにも受動的なものと能動的なものがある。
 要するにラベリングなんて、これ受動的な典型だと思うのですけれども、例えばこのペットボトルを見ていましても、「品質管理についてはこちらへ」というのは一応書いてあるのですけれども、横にバーコードが張ってあるだけで、これは別に何の情報もないのですよね。だから、こういうふうなラベリングの情報というのは非常に限界があるということは、最近感じております。だから、GHSのラベルについても、何か本当はもっとわかりやすいラベルで、直感的に入ってくるようなものというようなことを考えることができないのかなというようなことを常々思っております。
 まだ、あるのですけれども、時間が来ましたので次に回します。
○安井座長 ご協力ありがとうございます。原田委員、お願いします。
○原田委員 今、林先生もおっしゃられたようにBtoCのお話、田村委員も服部委員もその点でコメントいただきました。私も同感であって、こちらの論点のところで1点、単に伝達だけではなくて、データの活用、たとえば、ラベルを見ることにより人が行動に移せるかというリスクマネジメント的なところも視点に入れて考えていくべきかと思います。特に製品の表示への工夫は、私たちもいろいろ苦労してやっておりますが、そのなかでGHS表示は直感的に理解されやすいものではなさそうです。本日、サンプルを持ってきました。GHSの腐食性のピクトグラムがついています。社内で腐食性のピクトグラムを説明したとき、「デザインが悪い。何が言いたいのかわからない」という意見がありました、わかりやすい表示は「目にバッテン」などの予防措置ではないかと思います。
 EUのCLPに関しましても、消費者の受け入れ性調査をしておりますが、やはり理解されておりません。ぜひ、今回の議論を通じてグローバルといった視点でも消費者製品に対して安全に使ってもらえる表示は何か、GHSの枠を超えたところでも結構だと思いますが最終的には日本発の提案ができる、そこまで話を持っていったらいいと思います。
 以上です。
○安井座長 ありがとうございました。福島委員。
○福島委員 いいですか。中長期的に検討すべき事項でここに書いてあることで、あえて言わせていただきますけど、1回目のときに、経産省、厚労省、それから環境省で、それぞれの法律の目的があって、そしてそれの対象者としてキーワードで消費者とか、それから労働者とか、それこそ環境とか、いろんなあるわけですね。で、それに基づいてこの場合対応してきたと思うのですけれども、そうすると気がつくのは、それぞれのところのはざまは何なのかということなのですね。
 そういう意味からすると、この中長期的に検討するという事項の中のところで、危険有害性情報の収集を一元的・効率的に実施する体制や制度のあり方について検討を行う、ここのところをぜひやっていただきたいということなのですね。それが、このグローバル化に対応したもの。
 もう一つ、グローバル化に対して、僕自身、グローバル化に対応して何だか、まだ、よくわからないところがある。EUのREACHのことを説明がある。それから、アメリカのEPA、要するにOSHAとかTSCAの説明がある。そうすると、グローバル化という見たときにその説明とグローバル化とどこからどういうふうに考えていったらいいのかということが一つわからないということで、これも僕が第1回目のときに、ご質問させていただいたのですが、国際的にそれではどのような検討がなされているかというときに、結論として、まだなされてないというような座長からのお答えがあったのですけれども、例えば発がん性を見ると、WHOからの下のIARCが分類しているわけね。そういうほうがある。そうすると今、このグローバル化に対応したときに、国際的に各政府間ではアンダーザグランドで何か行われているのではないかなと、実際は行われてないかもわかりませんけれども、そこらあたりも見越してぜひ検討をしていただきたいと思います。
 以上です。
○宮川委員 私からは大きく2点です。一つは統一した情報収集。これはトータルでよく書けていて見えてくるのですが、ぜひ進めていただきたい。多少不十分なところとしては、具体的には安衛法とか化審法が出てきておりますけれども、それ以外のところが出てきていないような気がします。もう少し広げられるような気がいたします。
 例えば具合的なリスクが起きてしまったというような情報をどうやって集めるか、これはあらかじめ有害性を届けでるといったことではなくて、現実に起きてしまった災害情報を集中して集めるということですが、これは行政が窓口として非常に有効に動けるはずだと思いますので、その観点を入れていただきたいと思います。
 それから、もう一つは全体として、事業者の責任というようなことが至るところに出てきているとは思うのですけれども、根本的なこととして、自分の製品で事故が起きたときに、こういうものにはこういう危険性がありますから注意してくださいね、ということがきちんと伝達されていなかったときには、結果責任を問われるのだというところが、事業者には申しわけないのですけれども、もう少し見えてくるような書き方をしていただけるとよろしいかと思います。
 なぜ、それを申し上げますかというと、GHSの分類等にかかわっておりますと、区分外、特定の毒性がないのだよというところにこだわりたいという意見を、事業者の方からたびたび聞きますけれども、そういうことではなくて、有害性がわかっているものについてはきちっと情報を伝達するのだという視点が重要だと思います。こういうことを考えますと、事業者がみずからリスク評価を行って、それをサプライチェーンの後の方に提供するというときに、これが安全性の宣伝をするというようなものになると、私は本来の姿ではないのかなと思いますので、その辺をご検討いただきたい。
○安井座長 ありがとうございます。私、立てておりますのは、座長じゃなくて、一委員として申し上げようという話でございまして、こういうことを、確かに今回の全体の方向性は割合とわかりやすいという部分があるのでありますけれども、やはり一般の方にこういうことを少し伝えようと思いますと、現状いろいろなことが起きていますよね。いろんな爆発事故が連発したり、あるいはこの間、水道でいろいろとまた規制が、いろいろな問題が起きたり、ああいうような現実に起きている問題というのが本当にこういうことで解決できるのかというイメージを、もう少し一般の世の中に伝えたいなという気がする。これ、座長として述べると、かなり却下されるのですよね。ですから、それを一般委員として申し上げたいということを、ちょっとここで言っておきたいということでございます。
 あと、もう一つは、これまた非常に政策文章になっておりますので、かなり言葉がわかりにくいと。例えば一元的と統合したって、どこが違うのかとか、そのあたりどうだろうな、これもやはり一般向けにもう少しわかりやすい言葉にしたいなという気がしておりまして、今、私の所属している組織なんかは、実を言うと影響を受けるのです。ですから、そういう意味で何を覚悟したらいいのかみたいなことも、もう少し明確に書いていただきたいなと、次回はと、いう希望を述べさせていただきます。
○城内座長 私も一委員としてなんですが。先ほど、委員のほうから、すべてが規制的になるかどうかというお話があったのですが、これは分類と表示についてはすべてを規制的にすべきだと思っています。それは、欧米では既にそうなっていますし、危険有害性情報は消費者、労働者、最終的に化学品を扱う人にとっては絶対必要不可欠な情報だと思いますので、それは担保していただきたいということです。
 実は、例えば現在問題となっている脱法ハーブ等のことを考えてもそうなのですが、日本に化学品を輸出するときに危険有害性を日本にだけ外して輸出できるわけです。
 それはつまり、日本にはそういう規定がないからです。それは現実に多分起きていると思います。例えば薬事法にかからないから罰則がつかないではなくて、市場に出すときに危険有害性を分類して、表示しなければ市場に出せないという法律だけでもあれば、それは必ずどこかで引っかかることだと思っています。私はGHSのグローバル化をそういう目で見ています。日本はそこが一番おくれているので何とかしてほしいと思っています。
 最後に、消費者のところでは、これは有田委員のほうからも同様のご趣旨だと思いますが、例えばリスクについての的確な情報を入手と書いていますけど、消費者がリスクについての情報を入手するということは、余りないと思います。つまりハザード情報をちゃんと提供するというような書き方にすべきだと思います。
 以上です。
○石井委員 私は、自主的に事業者自らがリスク評価、リスク管理を行う際のご支援をさせていただいています。先ほどのJIPSのガイダンスの作成にも、ワーキンググループを通して加わったところでは、今回の骨子案の事業者が主体でリスク評価とリスク管理を行っていくというところについて、しっくりきています。ただ、今までの情報伝達の話からから、骨子案の中ではリスクという言葉が頻繁に出てきており、今までのご意見にもあったように、ちょっとわかりにくくなっているかなと思いますので、もうすこしわかりやすく骨子案を書いていく必要があると思います。
 もう一つつけ加えさせていただきますと、情報伝達は、リスク評価を行ってリスク管理をしたものをSDSなりGHSに乗せていくというのが基本だと思います。これはREACHの中でも、企業が企業責任として、情報を吸い上げ、その中で想定されるシナリオに基づいて暴露評価をしてリスク評価をするというのが重要であるとなっています。川中、川下の方々がそれ以外の形で使うと、川上企業の責任ではなくなるというところでは、実際に自分たちで吸い上げた情報をもってリスク評価をすることは非常に重要だと思います。それは、事業者の方々が自分たちの企業責任を果たし、自分たちを守るということでも非常に重要だということをぜひ認識していただければと思っています。
 それから、今回、イメージ図が出てきましたが、リスク評価の結果をもとにどう管理できるのか、また国が連携するとありますが、どういった形で連携して、企業の人たちが実施するリスク評価を支援していくのかについて、もう少し今後議論していただければと思います。
 以上です。
○安井座長 ありがとうございました。
○鬼武委員 資料の4の論点について、少し、この中身について申し上げたいことと、あとは全体的な前半の議論のところで感じていることと、その2点を申し上げます。
 まず、資料4ですけれども、最初のページに、先ほど、私は一番最初からサプライチェーンというのが、どこまでを指すかというのが、私としては一番気になりましたので、きょうのところでも化学物質を扱っている全部の人が対象だということですから、そういうふうな記載にしてもらって、最終的には一般消費者への情報提供に努めるべきじゃないかというようなところが重要ではないかというふうに思っています。それが一つです。
 それから2つ目は、論点の整理すべきで、直ちにやるべきところで、これもこの本検討会の中では4つ目のポツですか、総合的な危害情報伝達にあってはということで、ここで優先順位みたいなのが出てきているのですね。これは多分、物で見た場合の優先順位ですけれども、これは各法律があるのでいろいろ難しいのでしょうけれども、やはり人という場合で見た場合は労働者なり、健康被害を起こさせる可能性が高い製品とか皮膚障害とかいうこともありますし、あと、「人の」というキーワードにすると乳幼児とか高齢者の方の介護をするような製品とか、非常にグループとしては化学物質に曝露される弱いグループの方がありますので、そういうのも優先順位として情報伝達としては整理の仕方があるのではないかというふうなことは思っています。ですから、ここのところでは、製品としての管理ですけれども、人を見たところでの優先順位のつけ方も検討するべきこととしてあるような気がします。それが2つ目。
 それから、あともう1点は、全体的にやはり私は日本の現行の法律について各省庁さんが、これまで法律について説明していただきましたし、ある程度はできたのですけれども、やっぱり現行のレビューというか、どこまでできていて、どこまでできてないというのが、私は全体として、まだちょっとそこが曇っていてわからないから、それと今後やるべきことがもうすこし明確にならないなと思って、もし、これから検討するところがあれば、そのときの現行のレビューについても少しやっていただきたいと思っています。
 以上です。
○織委員 私のほうは2点あります。全体的にこの趣旨はすごく賛同しておりますけれども、骨子案をぱっと見ると、今まで書かれていたこととどう違うのかというのがちょっと見えにくいというか、今までどこかで聞いたようなフレーズが並べてあるような感じがしてしまうのですね。せっかくこの委員会でサプライチェーンにおいて、リスク情報をきちんと流していくという新しいことをやるということであれば、具体的な、さっき安井先生もおっしゃっていたのですが、具体的に今課題になっていることに対してズバッと切り込むぞというぐらい、もうちょっと抽象論ではなくて、ばしっと言っていただけるといいなと思う。具体的にはどうしてほしいかといいますと、現行の法制度の中でそれぞれの目的の中で縛られた情報の中ではこういうところに穴がありますと。それを直ちに対応すべき事項というものをやってみると、このあたりがつながるけど、まだここのところは抜けちゃうから、中長期的には考えましょうと、こういうのが見えるとすごくいいなというふうに思いますのが1点です。
 それから、もう一つは情報なのですけれども、何のために情報を流していくのかということを、もうちょっと明確にしていただく。つまり、さっき原田委員もおっしゃったのですけれども、まさしく各主体がリスクマネジメントをするために、この情報を取得してそれぞれがきちっとリスクマネジメントにつながっていくための情報なので、それぞれの主体ごとに必要となるリスク情報ですとか、必要となるリスク情報の活用の仕方というのは違ってくるということ。もう少しきめ細かに。
 先ほど話に出ていましたけれども、例えば消費者であればハザードデータをベースにしながらそれを活用していくためにはもっとこういったバックアップが必要ですとか、解説ですとかそういったものが必要であるとかという形が出てくると思うので、リスクマネジメントに各主体がやるためにそれぞれにおいて、サプライチェーンにおいてリスク情報を流す必要があって、それを有効に活用していくためにバックアップ体制なりシステムを考えていくという、そういう視点がもう少しあればいいかなというふうに思いました。
 以上です。
○庄野委員 我々、化学工業界としてちょっと2点ほど。この中間とりまとめ骨子案は基本的には我々としては林先生と同じふうに受けとめておりまして、非常によくできていると思います。それで論点の中で、やはりこれを全般的に見ますと、いわゆる危険有害性情報の収集、一元的に効率的に進めるための、まず体制を整備してインフラを整備してそれからそれに見合ったシステムと制度を組んでいく。そういうスタンスで、これ基本的に私はいいと思います。
 そういった意味で、私は福島先生からお話がありましたように、一元化・効率的なシステム構築というのを、第一に急ぐべきではないかと。これが最初だろうと思います。いろんな諸制度をそれぞれ今までつくったことがありますけれども、制度を優先で進めた場合 インフラがついていかないというケースは非常によくあるケースで、それは結局意味をなさないと思います。
 それから、グローバル化ですが、単なる国として、例えばUNEPとか国際的なSAICMに動こうという、合わせていこうというグローバル化だけではなくて、我々産業界、中小の皆さんもそうですけれども、サプライチェーンがもうグローバル化しているのです。我々、反面、日本でつくられないものを外でつくるというような話も、いっぱい起こるわけですが、それこそ、こんな化学品管理のレギュレーションのない国なんていっぱいあるわけです。じゃあ、そこでどうやってリスクヘッジするのだというような話になってくると、結局我々自主的な取り組みをやらざるを得ないということが基本ベースで、先ほど余りご紹介がなかったのですが、このJIPSという、あるいはGPSというものを展開しているということもご理解いただきたいと思います。
 昔、ボパールの事故が起こったときには、あれはトキシック・コロニアリズムと言われました。先進国のいわゆる植民地的な対応が、結局、開発途上国に影響を及ぼしたということもある。現実にこういう問題が起こっていきますので、ぜひその点はご理解をいただきたいと思います。
 それから、最後ですが、先ほどからサプライチェーンの伝達ですが、これは我々としても現実的に非常にシリアスな問題として受けとめていまして、これはなかなか伝わりません、はっきり言って。我々はやはり、情報の共有ということをかなり意識して、これをうまく組み合わせていく必要があります。情報の共有という一元があって、それを伝達という流れの中で二元、いわゆる縦、横で組み合わせていかないとどうもフレームは組み立てられないのではないかと思いますので、そこも踏まえてご検討いただければと思います。
 以上でございます。
○杉山委員 連合の杉山でございます。2点、意見を述べさせていただきたいと思います。1点目は、この論点で示されています「中長期的に検討すべき事項」、各委員の方もポジティブに受けとめられている発言を先ほどからお聞きしておりますが、私もその方向でよいと思います。とりわけ、この「中長期に検討すべき事項」として挙げられている2点、この課題については、早急にやっていくべきだと思いますし、中長期という置き方についても適切と考えていますので、ぜひ今後、省庁横断的、官民連携という視点を重視して、ぜひ取り組みを進めていただければと思います。
 2点目は、サプライチェーンと、消費者への情報提供の議論が出ておりまして、骨子案の中で「的確な情報入手と正しい理解に努め」と記載されておりますが、具体的に何を求めていくのかというと、相当難しい問題で、消費者教育はどうするのか、受け手として何を準備しなければならないのか、それはしっかり議論しなければならない問題ではないかと思います。
 例えば消費者行政の中でも、物に対して解説をつけ、正しい使い方を添付しても、誤使用、誤動作、誤飲などさまざまな問題は出てきます。実際正しい情報を提供しているものの、的確に受けとめられるためにはどの程度の情報を提供する必要があるのか、これはしっかりと議論をしておく必要があるだろうと思います。それが、この合同検討会の主要テーマになるのか、消費者行政との連携の中でやるのか、議論はあるかと思いますが、論点として、その考え方は必要ではないかと思いますので、発言しておきます。
 以上、2点です。
○安井座長 ありがとうございました。2ラウンド目が可能に。ちょっとこっちからいきます。
○有田委員 すみません。織さんもおっしゃったのですが、合同検討会中間とりまとめ骨子案の中で、現状と課題ですけれども、現状は書かれているのですけど課題が書かれてないですよね。どういう問題点があって、せっかくこのような場所が設けられて、縦割りというか、法律の枠から出たような議論ができればすごくいいわけで、いろんな問題点があるのに課題が出てないというのが残念です。
 グローバル化については意見があるのですけれども、時間がないのでいいです。
○安井座長 ありがとうございました。
○山本委員 もう皆さんからいろんな論点が出されておりまして、私のほうから言う点も限られているのですけれども、やはりここで、2ページ目に主体ごとに期待される役割というのがあるのですけれども、この主体ごとに期待される役割って、私、ちょっと余りぴんとこないのですよ。
 やはり、ここでは、今、有田さんからの指摘がありましたように、例えば消費者はどういう問題に直面しているのか、事業者はどういう問題に直面しているのか、あるいは労働者はどういう課題に直面しているのかと、そういう切り口のほうが中長期に検討する、あるいは直ちに検討する、この2つの取り組みに対してつながりやすいのじゃないのかなという点で、例えば消費者に、この1枚絵に書かれているように「リスクの的確な情報入手と理解に努め」、と言われても、これはなかなか難しい問題で。
 それから、先ほどからいろいろリスクの問題、それから危険有害性情報の問題、ラベリングの問題、いろんな見方がありますけれども、我が国は今、何をやるべきなのかというのを、やっぱりここで共有しておくと、たくさんの方が言われている、グローバル化って一体我々がどう解釈すればいいのか、という問題につながってくると思いますので、そこもぜひ意識して、今後議論していきたいと私自身思っております。
 それから、あと制度、制度間の統合、今やれることは一元的、効率的ということで、先ほど出ました消費者・労働者・事業、この3者がまずもって求めているのは、まずその点なのかなというふうに私は感じていると、こういうことで意見として述べさせていただきます。
○安井座長 それじゃあ、林委員。
○林委員 すみません、2ラウンド目で、簡単にやります。きょう、皆さんのお話を伺っていて一番感じたのは、我々自身、今ここに座っている人間自身の間で、少なくともハザードとリスクというものの内容の意味合いの共通化を図るべきだというふうに思います。
 きょうは、私もそうなのですけれども、皆さんそれぞれ自分のイメージでハザードとかリスクとかという言葉を使われると思います。だから、ぜひこのとりまとめの中には、先ほどのサプライチェーンだとか、グローバル化ということと同時に、リスク、それからハザード、それからリスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーションとかという、そういうふうな用語の、ここで使った定義のようなものをぜひ加えていただきたいというふうに思います。
 以上です。
○安井座長 次、辰巳委員。
○辰巳委員 まず一つ感じたのは、皆様方のご意見の中で、やっぱり人が中心とか、リスクヘッジ、企業のリスクヘッジとか、何か自分たちだけがちゃんとやっていればいいやというイメージにとってしまったのですけれども、私としてはね。
 で、何が言いたいかというと、例えば海外で製品がグローバル化が当たり前なのですけれども、そこの人たちも含めて環境をよくしていこうという意識がやはり必要で、そのためには日本でいろんな情報が集まったものを日本だけのためだけじゃなくて、先ほどGHSに影響させるべきだというお話もあったのですけれども、現地の人たちも一緒によくなっていこうという意識を、もうちょっと含んでほしいなというふうに思ったということです。
 それから、あと、成形品云々はどうとかと書いてあって、その成形品は使用中は安全だということであるのだというふうに私は理解したのですけれども、やっぱりその廃棄の話もあって、製品としてはライフサイクル全体を見たときに、最後の処理のところの話というものもすごく重要なので、消費者にとっては非常に重要な情報なのですね。例えば水銀の、今はないですけれども、体温計は、中に水銀が入っています。だから、使っているときは問題ないけれども、捨てるときはちゃんとこうしてください。そうじゃないと環境に影響を及ぼしますよと、そういうふうな情報って非常に重要だというふうに思うので、だから成形品に関しても軽いという感じの書き方をしていたように思うのですけれども、やっぱり重要な情報伝達だというふうに私は理解しました。
 もう一つ、すみません。ラベルの話ですけれども、なかなか理解されないというふうにお話があって、教育が重要って、これは当然ですけれども、やっぱりその前にまず、情報提供をしてくださいということを、私は言いたいです。それをしていかないとわからないです。だから、何よりもまず、理解されようがされまいが、とにかく情報は提供していくべきだというのが私の思いなので、ぜひ、当然バックで教育も必要ですけれども、とりあえず情報提供をしていきましょうよという、そういうスタンスでお願いしたいというふうに思いました。
 以上です。
○安井座長 こちら優先。今の話。なるべく手短に。想定外でございます。
○庄野委員 辰巳委員の今のお話ですけれども、先ほど、私が申し上げたトキシック・コロニアリズムはまさにそうです。だから、我々グローバル化の中で、我々だけがいいなんてとんでもない話でありまして、我々はやっぱりリスクヘッジというけれども、企業のリスクヘッジじゃなくて、全体のリスクヘッジですよ、本当。それはぜひご理解をいただきたいと思います。
○辰巳委員 はい、わかりました。
○原田委員 ラベルの話ですので、安井先生のご意見を先にどうぞ。
○安井座長 ラベルの話、直接関係するので、座長として最後のまとめを。
○原田委員 わかりました。辰巳委員のおっしゃることはわかります。同じような議論が食の安全のところでも、食の情報の一元化のところで大きくクローズアップされています。そちらの話もやはり、何を提供すべきか、提供したい情報は多くあるわけで、またお客様も入手したい情報は沢山あります。それについては優先順位をつける、また、媒体がラベルだけでいいのか、ウェブを使うなど、ほかの媒体を使う、そういった切り分けをこれから議論していったほうがいいと考えます。以上です。
○安井座長 最後に。
○有田委員 簡単に。すみません、資料5の別添のところについて余り意見が出なかったので、いろいろ課題がはっきり書いてないといろいろ言いました。こういうことを進めていくということについては、どなたもいいとか悪いとか、何もおっしゃらなかった。私は本当にいいと思いますので。
○城内座長 まとめになるかどうかはわかりませんが、今日は危険有害性情報の伝達というお話でしたので。例えば環境有害性について消費者に情報を与えるという法規制が、日本では全くないのです。これはいろいろな公害とかを経験してきた日本にとって、なおかつ地球環境をみんなで守りましょうという中では、やっぱりおかしいと思っています。
 あと、リスクベースに基づいた法律ではどうしてもカバーしきれないものがあり、後手後手になってきたわけです。さっきも脱法ハーブの例を挙げました。少なくとも危険有害性情報の伝達というところですべてをカバーしていれば、ある程度は監視もできるし、多少のバリアになるのではないかなという意味で、危険有害性情報のシステムは別個でシステムとしてあったほうがいいという思いがあります。
 きょうお出しいただいた骨子案については、先ほどからいろいろなご意見がありましたけれども、どちらかというと、REACHを考えた骨子と、書き方になっているような気がしています。何度も言いますけれども、欧米ではCLPとかGHSのようなものが最初にあって、リスクベースの話があると思っていますので、CLPあるいはGHSの発想からの文言というのがあれば、先ほどご質問も出ましたけれども、例えばリスクとハザードをどう考えるかというのも、その中ではちゃんと切り分けができていますし、少し整理できるのかなという印象を持ちました。
 結論としては、最初に半田課長のほうからもありましたけれども、情報伝達のプラットホームを一つにしたいということは大賛成ですので、ぜひそこは切り分けてでも推進していただきたいと思っています。
 以上です。
○安井座長 ということで、いろいろとご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。5分おくれぐらいで終わりそうでございますが、それでは、私のほうは座長の務めをやめまして、事務局のほうから、今後に関しましてちょっとご説明をお願いいたしたいと思います。
○河本課長 ありがとうございます。たくさんコメントをいただき過ぎてどうしたらいいのでしょうというのがありますけれども、これはやはり具体的に、きょう、骨子案をお示しして、それをさらに肉づけして最終的にまとめていかなければいけないのですけれども、具体的な、例えば修文意見とか、そういったものを7月10日ぐらいまでにメール等で事務局までご連絡をいただければと思いますが、これは後ほど事務局のほうから、各委員の先生方にこういうアドレスにいただけますかということでお送りしたいと思いますので、具体的にいただいて、具体的に作業をさせていただいたほうがやりやすいかなと思いますので、大変申しわけありませんが、よろしくお願いいたします。
 それで、次回の予定が8月1日の14時半から17時半ということになっております。ということで、これは今日の骨子をもうちょっと先生方の意見をいただいて、提示をしてご検討いただければというふうに思っておりますので、どうかそれまでに意見はいろいろいただいて、できるだけ改正になるように努力したいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 どうも、ありがとうございました。
○安井座長 ありがとうございました。


(了)
<厚生労働省>

労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 増岡

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