ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 専門医の在り方に関する検討会> 専門医の在り方に関する検討会(第9回)議事録
2012年7月6日 専門医の在り方に関する検討会(第9回) 議事録
○日時
平成24年7月6日(金) 10:00~12:00
○場所
砂防会館 別館3F「六甲」会議室
東京都千代田区平河町2-7-5
○議題
中間まとめ(案)について 等
○議事
専門医の在り方に関する検討会(第9回)
日 時 平成24年7月6日(金)
10:00~
場 所 砂防会館別館(3F)六甲会議室
○医師臨床研修推進室長 定刻になりましたので、専門医の在り方に関する検討会を開催いたします。本日は先生方にはご多忙のところご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本日は今委員、桐野委員から所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。また、本日は?山委員の代理といたしまして、神奈川県保健福祉局参事監中沢明紀先生にご出席いただいております。また、桃井委員からは所用により到着が遅れるとのご連絡をいただいております。文部科学省医学教育課からは、渡辺企画官にお越しいただいております。以降の議事運営につきましては座長にお願いいたします。高久先生よろしくお願いいたします。
○高久座長 それでは議事を進めてまいります。まず、資料の確認を事務局からよろしくお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 お手元に配付している資料ですが、第9回の議事次第、3枚紙です。高杉委員、小森委員の提出資料といたしまして、医師養成についての日本医師会のご提案の資料。事務局提出資料1としまして、第8回までの主なご意見。事務局提出資料2としまして、専門医の在り方に関する検討会中間まとめ(案)。事務局提出資料2の参考資料としまして、専門医の在り方に関する検討会中間まとめの参考資料です。1枚紙で事務局提出資料3、地域医療の安定的確保について(たたき台)。1枚紙で事務局提出資料4として、今後のスケジュール(たたき台)。事務局提出資料5としまして、臨床研修制度の概要についてです。先ほど追加でお配りした資料としまして、右方に事務局提出資料2とありまして、中間まとめ(案)に対しまして、朱書きで小森委員からの修正案を、別途3枚セットでお配りしています。お配りしている資料は以上です。よろしくお願いいたします。
○高久座長 皆さんのところはおありでしょうか。まず最初に、本日の議事は、「前回までの主なご意見」「中間まとめ(案)について」「その他」ですが、前回までの主なご意見については、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 お手元にお配りしている事務局提出資料の1、前回、第8回までの主なご意見です。これまでと同様、前回いただいた主なご意見をアンダーラインを付して追加しております。なお、前回検討会におきまして、中間まとめのたたき台としての論点項目の文言についていただいたご意見につきましては、後ほどご案内をいたします中間まとめ(案)に反映させております。
アンダーラインについて確認させていただきます。3頁の(2)専門医の位置づけについて、中程の○、「専門医に関する情報は、国民に対して示すとともに、医師が他の領域の専門医の情報に基づいて円滑に患者を紹介できるシステムにしていくことが必要ではないか」。
4頁、上から3つ目の○、「専門医認定の基準、養成カリキュラムの作成も第三者機関で行うことを明確にする必要がある」。
5頁、(5)の2つ目の○、「各領域の専門医にもある程度総合的な診療能力が必要であり、総合医と総合的な診療能力が必要であり、総合医と総合力のある専門医の育成バランスを取って養成することが重要であり、そのためには地域医療のネットワークにおける取組や日本医師会の生涯教育制度が重要である」。その2つ下の○、「専門医養成のプログラムにおいては、専門性に関することだけでなく、総合的な診療に関する内容も1、2割程度入れるべき」。
9頁、上から3つ目の○、「若い医師の多くは専門医志向を持っている中で、『全体を学ぶ』ことの重要性をどのように伝えて総合医の養成を進めるか考える必要がある。下から4つ目の○、「地域の基幹病院における指導医については、専門医であっても総合的な診療ができるような体制にするべき」。その下、「総合的な診療能力を有する専門医を育成するためには、指導医クラスになっても専門領域の診療と総合的な診療を並行して行えるように、内科を中心として診療現場を変えていく必要がある」。
12頁、上から5つ目の○、「国民のニーズは、専門に特化した医師ではなく総合的に診てもらえる医師がどこにいるのかを明らかにし、領域別専門医とネットワークを構築して必要な医療を提供することではないか」。その4つ下の○、「専門医の養成において、『地域医療の実践』も必須項目に入れて地域の基幹病院で研修することにより、総合的な診療能力が身につくとともに、地域医療の確保にもつながる」。追加部分は以上です。
○高久座長 ここはこれでいいのですか。それでは、前回までの主なご意見について、何かご意見はいかがでしょうか。
○金澤座長代理 9頁の下から3つ目の○の中で、これは言っていることは間違いない、正しいことだと思うのですが、内科を中心としてというのは、本当にいいのかなという感じもしますけれども。少しだけコメントをさせていただきます。
○福井委員 いまの9頁の金澤先生が指摘された文章の1つ上ですが、「専門医であっても総合的な診療ができる」という、この専門医が有するべき幅の広さというのは、いわゆる総合医、幅の広さのみを専門とする総合医とはちょっとレベルが違うと思います。
○高久座長 そうですね。
○福井委員 そこのところの言い方を少し工夫していただかないと、あらゆる専門医も、実は総合的な能力を身につけることができるというところからスタートすることになります。言葉はまた工夫していただくとして、総合的な診療という言葉に段階があるように思います。
○高久座長 そうですね。
○小森委員 いまの福井先生のご指摘になったことは、福井先生がご欠席された前回の委員会で、基本的に私が申し上げた意見です。中間とりまとめは、これから皆さんで議論をしていくことですので、主なご意見については、それぞれのいままでの参考人の方々等が言われた意見を羅列ということなので、それを一つひとつ否定して、いま議論することではないのではないか。ただ、内科を中心としてというのは、私も違和感があって、そのようなご意見をどなたかが言われた記憶はあまりないのですが、事務局、あきらかにそういうご意見がございましたか。
○医師臨床研修推進室長 申し訳ございません。この辺りをまとめるために多少加工しているところがございますので、発言者を確認いたしまして、再度修正等をいたしたいと思います。
○高久座長 結局は、総合的なことをやるとすれば、各科の中では内科が指導的地位を取らざるを得ないのでしょうけれども。あまり拘らなくてもよさそうです。
○金澤座長代理 あえて言ってしまっているので、大丈夫かなと思うだけです。
○高久座長 まあ、外してもいいのではないですかね。
○藤本委員 この文書の中で、総合医を専門医の中に組み込んで書いてある文章もあれば、専門医と総合医を分けて表現している文章もあって、そこが紛らわしいですね。ですから、全体的に専門医・総合医とこの報告書の中で言った場合はどういうことなのかということを統一しておいたほうが後々誤解がないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高久座長 そうなのですね。それは要するに専門医であっても、その前にというか同時にでもいいのですが、総合的な能力もないと、病院によっては非常に困るから、そういう議論があるうちに総合医と専門医というのを何となく分けてしてきたと思うのです。本当のサブスペシャリティならば、必ずしも総合的な能力がなくて、むしろスペシャリティというか、以前で言うと認定クラスの専門医ならば総合的な能力を持つ必要があると思うのですが、サブスペシャリティの人になると、そこまでは、ちょっと違うと思うのですね。ですからその辺の、基本的な領域の専門医と、それからいわゆるサブスペシャリティな専門医とが、まだ言葉の上での整理がついていないものですから、議論が行ったり来たりしているのではないかなと思います。
そういう意味では、これはまたこの中でやるのか別にやるのかは別にしても、基本的な領域の専門医を、ずっと専門医と呼ぶのか、専門医はサブスペシャリティだけにして、基本的な領域の人は総合的な能力を持った専門医として、サブスペシャリティな専門医は別な名前で呼んだほうがいいのかもしれない。私は基本的にはそう思っているのですが、そこのところがはっきりしないものですから、こういう議論になってきているのではないかなと思うのです。
○池田委員 私はどちらかというと、例えば循環器を専門にしていると、お腹はなかなか触らないとか、そういう傾向が非常に多いです。やはり全人的に診た専門的な立場ということを言っているのかなというふうに理解してはいるので、あまり問題にならないのかなとは思っています。ただ、やはり専門医であっても総合的に診られれば、総合的な診療の一助として地域医療を支えられるということも当然あり得ると、そういうぐらいのことなのかなと思っています。
○山口委員 このあとの文章でも、総合的な診療能力というのと、総合力という言葉と、いろいろチャンポンに出てきて、専門医に求められる総合力となっているのですが、それはいま言われたような、例えば循環器の専門医が広く内科を学ぶという意味なのか。しかし、よく考えると、循環器の専門医というのは、内科がベースですから内科は当然で、総合力というのは専門外の、例えば眼科とか精神科をもっときちんとトレーニングしなさいということを言っているのかというと、だいぶレベルの違う話になると思います。その辺はもう少し分かりやすく言葉を整理していただく必要はあるのではないかと思います。
○高久座長 整理していく必要があると思います。本来、総合的な能力というのは、医学生の高学年で身につけるべきです。臨床実習などをきっちりやる、初期臨床研修もきっちりやれば、ある程度のことはもう出来ているはずなのです。それからでもかまわないわけなのですが、ところが、その辺がまだ十分ではないものですから、こういう議論が出てくる。
○福井委員 山口先生がおっしゃったのはそのとおりですが、実際に問題になっているのは、呼吸器内科の医師が内科の他の臓器は全然診ないという場面が増えていて、そういう現状の問題が背景にはあると思います。
○山口委員 もちろんそういう範囲内の話は、とても理解ができるのですが、その総合力という中に、内科ということもさらに越えた広いものも含めているかどうかというのが問題で、もしそうだとするとなかなか難しい気がします。
○小森委員 本当に議論が錯綜しておりますが、私が申し上げたいのは、各委員がこれまでの中でもご指摘になられたような、本当に特化した専門性を望まれる若い医師が増えてきて、少しでも守備範囲が違ったときに、診療拒否するような、あってはならないことが起きつつある現状の中で、高久座長が言われましたような、少なくとも基本的な領域、これを専門医と呼ぶのか認定医と呼ぶのかというのは、別に議論しないといけないかもしれませんが、そういった医師については、常に全人的な診療ができる、あるいは医師の倫理、さまざまな社会資源、社会保障の在り方、人間学というようなことも、常にリフレッシュしながら診ていってほしいと、そのような意味でのことが必要なのではないか。そういうこともシステムとして考えていくべきではないかという主張でございます。
○医師臨床研修推進室長 さまざまなご意見を賜りありがとうございます。主なご意見につきましては、先生方がおっしゃったこと、基本的に踏襲して書いている以上、若干雑駁になっているところがあると思いますので、後ほどご説明申し上げる中間まとめ(案)で、議論を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○高久座長 わかりました。では、中間まとめ(案)について、事務局から説明をしていただけますか。
○医師臨床研修推進室長 座長、すみません。先に横表の「臨床研修制度の概要について」、お手元に配付している事務局提出資料5をご覧ください。以前、検討会におきまして、専門医について検討するに当たりましては、医師のキャリアパスとして、隣接する初期臨床研修、あるいは卒前の医学部教育の状況についても視野に入れる必要があるとのご指摘がございました。そこで、前回及び前々回の検討会ですが、東京医科歯科大、秋田大、それから文部科学省からヒアリングを行いまして、卒前教育についてはご案内いたしましたので、今回は初期臨床研修について、これまでの経緯と現状、あるいは今後の見通しについて、その概要を簡単にご案内いたします。
1頁、臨床研修制度の概要です。先生方に申し上げるまでもございませんが、現在の臨床研修については、診療に従事しようとする医師は、2年以上、臨床研修を受けなければならないという医師法の規定に基づきまして、臨床研修の基本理念が省令に定められています。臨床研修は、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない、ということです。
2頁、この制度に関する経緯です。昭和23年のインターン制度の開始に始まりまして、昭和43年に旧臨床研修制度が創設されました。平成16年には現在の新しい制度が施行されました。直近では一昨年度、平成22年度ですが、臨床研修制度を見直しまして、平成22年度の研修医から適用しています。
3頁、その直近の平成21年、平成22年度の研修から適用の見直しの概要は大きく3本ありまして、1つ目は研修のプログラムの弾力化。2つ目は基幹型臨床研修病院の指定基準の強化を図る。3つ目が研修医の募集定員の見直しを行っております。その中で特に指定基準の見直しについては、次の4頁にその経緯を詳細に記しています。
平成16年度の新制度施行当初、ここに掲げられている主な指定基準については、協力型臨床研修病院等と共同で満たせばよかったのですが、平成22年度からは、それらについて基幹型臨床研修病院が単独で満たす必要が出てまいります。臨床研修を行うために必要な省令としては、年間入院患者が3,000人以上であるとか、救急医療の提供については、基幹型病院で単独で満たす必要があります。平成24年度、即ち今年度からですが、この3,000人基準について、平成21年度制度見直し以前から指定を受けている年間の入院患者3,000人未満の病院については、個別に訪問調査を行いまして、適切な指導・管理体制、あるいは基本的な診療能力の修得という観点から、適当と認められる場合には、指定を継続することとしています。
5頁、都道府県別の募集定員の上限の考え方です。そこに書いてありますとおり、人口分布であるとか、医師養成状況、これは医学部入学定員の全国割合ですが、これに地理的条件を加味して、都道府県ごとに募集定員の上限を設定しています。
6頁、各研修病院の募集定員の設定については、過去3年間の受入実績の最大値と、医師派遣の実績を評価した上で、先ほどの都道府県の上限と調整をして設定することとされています。
7頁、臨床研修の実施体制で、研修を実施する施設についての年次推移です。平成22年度の制度見直し以降は、施設は減少傾向にあります。
8頁、研修医の募集定員・受入実績等の推移で、募集定員、研修希望者、都道府県の募集定員の上限、あるいは研修医の受入実績につきまして、ご覧のとおりの推移をしています。
9頁、研修医の採用実績ですが、都市部の6都府県以外の道県の採用実績の割合につきましては、このペーパーでいいますと、平成22年度に引き続き、平成23年度も増加をしまして、平成16年度の新制度導入後、過去最大となっています。
10頁、大学病院と臨床研修病院を比較したものです。大学病院の採用実績の割合は、平成22年度より平成23年度のほうが減少しています。
11頁、医籍登録後、1年目から6年目の医師数の分布割合の推移です。6都府県とその他の道県を比較した場合ですが、3年目から6年目の医師については、制度導入の平成16年度以降、6都府県での増加傾向がやや強くなりました。一方、1、2年目の医師については、制度導入前後で6都府県での増加傾向に大きな変化は見られないということです。赤い部分がその他地域、青い部分が6都府県でして、3、4年目、5、6年目の医師につきましては、増加傾向がやや強くなっていると把握できると思われます。
12頁、研修医の採用までの流れということで、募集定員の設定、それからマッチングのスケジュールについて示しています。特にマッチングスケジュールですが、研修希望者と研修を行う病院の研修プログラムとを、一定の規則(アルゴリズム)に従って、コンピュータにより組み合わせを決定するシステムです。これらの諸手続きを踏まえまして、翌4月に採用という流れになっています。
13頁、現在、臨床研修の評価に関するワーキンググループを設置しまして、次回の制度見直しに向けて実態を把握し、論点を整理している途上にあります。主な検討項目としては、臨床研修制度の運用状況に関する事項等でして、独立行政法人国立がん研究センターの堀田理事長を座長といたしまして、検討をいただいております。スケジュールですが、今年中には制度見直しに向けた論点のとりまとめを行いまして、臨床研修部会に報告いたします。来年度中にはこの部会において総合的な評価を行いまして、制度全般の見直しを実施いたします。その上で最終的には平成27年度から見直し後の制度の下での研修が開始されるということを見通しています。説明は以上でございます。
○高久座長 これは5年ごとに見直すことになっていたのですね。
○医師臨床研修推進室長 おっしゃるとおりです。5年ごとで、前回は22年です。
○高久座長 これにつきまして、どなたかご質問、ご意見がおありでしょうか。これは現状の説明ということで、資料としてお手元に置いておかれればいいと思います。それでは次に中間まとめ(案)について、これは非常に重要だと思いますので、事務局よろしくお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 お手元にお配りしています事務局提出資料2、専門医の在り方に関する検討会中間まとめ(案)をご覧ください。前回の検討会におきまして、論点項目の修正案としてお示しをし、ご議論をいただいたものを中間まとめの体裁とするとともに、前回いただいたご意見を可能な限り反映いたしまして、修正をさせていただいています。この中間まとめ(案)につきまして、引続きご議論をいただきまして、次回、8月に予定していますが、検討会において中間まとめの正案としておとりまとめをいただければと考えています。中身ですが、文末、語尾であるとか、てにをは等の些細な部分を除きまして、主だった修正部分についてアンダーラインを付しています。その部分を中心にご案内申し上げます。
1頁目、はじめにです。ここの4つ目の○、「この度、これまでの本検討会における議論について、以下のとおり中間的な取りまとめを行った」という文言を追加しています。これは各種の中間まとめ等の通常の体裁に合わせて追加したものです。前回、この1つ上の部分ですが、「このため、改めて患者の視点に立った上で、医師の質の一層の向上及び医師の偏在是正を図ることを目的として、本検討会において専門医に関して幅広く検討を行うこととした」の部分につきまして、ご意見がございましたが、この文言は第1回でお示しをしました、この検討会のそもそもの開催要綱に合わせています。「新たな専門医の仕組みについては、専門医の質を高め、高質な医療が提供されることを目的として構築すべきである。そのような仕組みができることによって、結果として専門医を含めた医師の偏在が是正される効果が期待される」。
2頁、3.「専門医の質の一層の向上について」の(2)の3つ目の○です。前回のご意見を踏まえて追加をしています。「専門医に関する情報は、医師が必要に応じて他の領域の専門医や高次医療機関の専門医を円滑に患者に紹介できるようなネットワークで活用できるようにすべきではないか」。その2つ下、前回のご意見を踏まえて修正をしています。後段ですが、「取得した専門医と広告や標榜科を関連させることも将来的には考えることとしてはどうか」。原案は「広告や標榜科とリンクするような分かりやすい仕組みとしてはどうか」でしたが、「将来的に考えることとしてはどうか」と、修正させていただいています。
3頁、いちばん上の○、後段を追加しています。「第三者機関は、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定の2つの機能を担うとともに」、この後ろですが「その際の専門医認定基準や養成カリキュラムの作成も第三者機関で統一的に行うことが考えられる」。その2つ下、こちらも修正をしています。「第三者機関の運営にあたっては、専門医の認定や基準の作成はプロフェッショナルオートノミーを尊重して行うとともに、情報公開や実施体制等の制度全般について国民の視点やニーズを反映するため、国民も参画できるような仕組みとすることが考えられる」。ちなみに原案は、この最後の部分ですが、「受療者も参画できるような仕組みとしてはどうか」でした。これを「国民も参画できるような仕組みとすることが考えられる」と修正しております。(5)のタイトルですが、専門医の後ろに「養成」という文言を追加しています。2つ目の○、これは○自体が追加です。「基本領域の専門医については、総合力を持った専門医を養成するという視点が必要ではないか」。次の○、文言を追加しています。「専門医の養成プログラムの中に、例えば研究を行う期間を設けて研究志向の医師を育てるなど、多様な医師を養成するニーズに応えられるようなバリエーションを持たせることも必要ではないか」。この部分の「例えば」と、「多様な医師を養成するニーズに応えられるような」という文言を追加しています。
4頁、いちばん上の○を追加しています。「各領域の専門医にも総合力を持たせるためには、養成プログラムの中にその領域の専門性に関することだけでなく、総合的な診療に関する内容も一定程度盛り込むべきではないか」。その3つ下の○の後段、「例えば」以降を修正しています。「例えば日本医師会生涯教育制度を活用することを検討すべきである」。これは原案では「日本医師会が実施している生涯教育制度を受講することについても議論してはどうか」でしたが、このように修正をしています。
4.「総合的な診療能力を有する医師について」の最初の(1)の2つの○を追加しています。原案では3つ目の○の「定義」の文言から始まっていましたが、若干唐突なきらいがあるため、その前提となる背景であるとか、必要性について、これまでの主なご意見の中から追加をしたものです。1つ目の○が「総合的な診療能力を有する医師が必要とされる背景には、高齢者の心身を総合的に診る医師の不足や、地域の中核的病院における医師の不足などがある」。次の○、「総合的な診療能力を有する医師の必要性については、?患者を幅広い視点で診る医師が必要であること、?複数の問題を抱える患者に対して効率的で質の高い医療を提供する必要があること、?地域の患者の多くが受診する開業医師の対応が重要であること、?人口当たりのプライマリ・ケア医が増加すると死亡率が低下するといったエビデンスが示されていること、の4つの視点があげられるのではないか」。
5頁、2つ目の○を追加しています。「地域の病院では領域別専門医であっても総合的な診療が求められており、総合的な診療能力を有する医師と総合力のある領域別専門医をバランス良く養成することが重要である」。(2)の2つ目の○の冒頭のアンダーラインを追加しています。「多くの若い医師が専門医志向を持っている中で」の文言を追加しています。その3つ下、これは一文が追加です。「総合的な診療能力を有する医師の養成には指導者の能力も必要であり、地域で中核となって教育ができる医師を育てることも重要である」。その下の○は修正です。「総合的な診療能力を有する医師を今後新たに養成していくためのプログラムについては」ですが、これは原案では、「医師の養成プログラムについては」とありましたが、「今後新たに」という文言を追加して修正をしています。
6頁の(2)の4つ目の○を追加しています。「専門医の養成プログラムにおいて、『地域医療の実践』も必須項目とすることで、総合的な診療能力が習得できるとともに、地域医療の確保にもつながるのではないか」。次の○は修正をしています。「現在のフリーアクセスを前提として」とありますが、原案は「フリーアクセスの利点を活かしつつ」でしたが、修正をしております。その下は追加です。「国民のニーズに応えるためには、まず総合的に診てもらえる医師がどこにいるのかを明らかにして、その医師と領域別専門医とのネットワークにより適切な医療を受けられる体制を構築することが重要ではないか」。以上が中間まとめ(案)の修正部分ですが、併せて関連の資料を説明いたします。
まず、事務局提出資料の2の参考資料、横表です。今回の中間まとめに添付する参考資料として整理をしたものです。これまで本検討会におきまして配付されましたヒアリング資料、あるいは事務局提出資料の中から、中間まとめの内容に即して抽出をし、取りまとめたものです。
まず目次があります。各1から6までの項目は、先ほどの中間まとめ(案)の項目に合わせています。それぞれの資料の左上の部分には、この目次に沿った番号を付し、右上の部分には当該資料が配付された検討会の回数と出典を明記しております。例えば2頁ですが、「人口10万対医師数の年次推移」ですが、これは第1回の事務局提出資料を修正しているものです。
13頁、第2回の検討会におきまして、池田委員からご提出をいただきました「<案>(社)日本専門医機構(仮称)の組織図」(案)です。14頁には、「新たな専門医制度の基本設計」の資料、15頁には第6回で八木参考人が提出をされました、海外の専門医制度の比較表であるとか、21頁からは第4回検討会におきまして、福井委員からご提出がありました総合医に関する諸資料を、このあと挿入させていただいています。30頁からは第4回検討会におきまして、当時の三上委員と高杉委員からご提出をいただきました、日本医師会生涯教育推進委員会の答申の資料です。36頁は第5回の検討会で阿部参考人からご提出がありました、江別市立病院の医師チームの循環システム。これは地域医療の安定的確保との関連で提出があったものです。37頁は、第8回、文部科学省からご提出がありました、医学教育の改善・充実への取組。次の頁もそうです。
以上、かいつまんで申し上げましたが、以上のような参考資料を添付したいと考えているところです。
まとめて関連の資料を説明いたします。続きまして事務局提出資料3、4、1枚ものですが、ここで併せて説明いたします。「地域医療の安定的確保について(たたき台)」です。これは参考資料に追加したほうがよいのではないかと思われる資料ですが、これまでの検討会では、特に配付をされていないものとしまして、別途お示しをするものです。地域医療の安定的確保につきまして、よりイメージをしやすいように整理してみたものです。左側に現状の専門医の認定制度、右側に新たな専門医の仕組みということです。左側ですが、現在、各学会ごとに独自の運営がなされています。専門医の質につきましては、専門医となるために必要な経験内容であるとか、指導体制等が必ずしも定められていません。研修プログラムは用意されていないことが多く、研修内容の質が一定していない。病院の受入定員につきましては、受入定員、専門医の養成数が設定されておりません、それから、研修の状況についても把握を十分にされていない状況にあります。
そこで右側のように、新たな専門医の仕組みということで、中立的な第三者機関が運営ということですが、専門医の質につきましては、専門医となるために経験すべき症例数等を設定しまして、あらかじめ研修プログラムを用意し、複数の医療機関、教育病院群で専門医研修を行う。このプログラムは訪問調査等により評価を行う。それから、病院の受入定員については、教育病院群内の症例数、指導医数等により、専門医研修を受ける医師の受入定員、いわゆる専門医の養成数ですが、これを研修プログラムごとに設定いたします。研修の状況につきましては、専門医研修中の医師数、地域分布を把握した上で、その下、専門医の養成数の管理が可能になります。各病院の受入定員の設定状況を踏まえまして、全国レベル・都道府県レベルで、各診療領域、これは診療科とほぼ同義ですが、の専門医の養成数を管理・調整することが可能になります。その下の※は、養成数の管理、調整に当たりましては、人口、患者数、医師不足の状況等を総合的に勘案いたします。その下、へき地を含む地域の病院での研修を実施いたします。教育病院群を基幹病院と地域の協力病院とから構成しまして、一定期間、地域の協力病院で専門医研修を行う。その結果、専門医の地域偏在や診療科偏在の是正が図られ、結果的に地域医療の安定的確保が図られるのではないかという考え方です。
事務局提出資料4です。先ほどと同様に、別途お示しするものですが、こちらのペーパーは、専門医機構の理事長でいらっしゃいます池田委員にもお話を伺いながら事務局で作成したものでして、今後のスケジュールとして、現時点で想定し得るもっとも早いスケジュールのイメージです。ご案内のとおり、現在、専門医の在り方に関する検討会、平成24年度の年度末に、最終とりまとめをおとりまとめいただきまして、来年度、25年度には、第三者機関を設立いたします。各領域の基準を設定、あるいは研修プログラムを認定した上で、平成26年度定員を設定し、専門医の研修プログラム希望者の募集を開始いたします。その上で、平成27年度から第一期の専門医研修がスタートいたします。その3年後の平成30年度には、第一期の専門医の認定が始まることになります。
以上、2種類の参考資料につきましては、この検討会においてご了解をいただければ、先ほどの一連の参考資料の関連部分に追加したいと考えております。以上でございます。長くなりまして恐縮でございます。よろしくお願いいたします。
○高久座長 それでは、中間まとめ(案)について議論をいただくわけですが、その前に配付資料を用意された小森委員から、ご意見、資料のご説明をよろしくお願いいたします。
○小森委員 貴重な時間をいただきまして、ありがとうございます。この検討会の中におきましても、専門医の在り方について、そこだけ取り出して議論するのではなく、医学部教育、医師国家試験の在り方、臨床研修制度などと一環して考えるべきではないかと、多くの意見からご指摘をいただいてきたところです。日本医師会が当初、昨年の1月に第1版として公表したものを、全国の都道府県医師会、全国の医学部長・病院長会議、さまざまな病院団体等からご意見をいただいて、2011年4月20日に第2版として公表しているものです。この中におきまして、当委員会の目的とされております地域医療の安定的な確保についても、1つの提案を入れてございますので、簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。
同様の資料は、社会保障審議会医療部会、あるいは臨床研修制度の在り方に関する評価検討ワーキンググループ等ですでにお話をしてございますので、委員の中にはすでに2度目の方がいらっしゃるかもしれません。お許しをいただきたいと思います。
1枚おめくりをいただきますと目次がございますが、医学部教育と臨床研修制度の2つに分けてございます。もう1枚めくっていただきまして、下に1頁。ここから、まず医学部教育について提案させていただきたいということです。3頁の図をご覧ください。医学部1年生から4年生までについてですが、高校の学習の繰返しにならないように、一般教養科目の在り方を見直し、しかし、一方で人間性をかん養するために、大学6年間を通じてリベラル・アーツ教育によって、医師としての資質をかん養することとしてございます。この点につきましては、前回の委員会で桃井委員からもご指摘のあったことかと思っております。
心理学・社会学・哲学・倫理学などを重視することと同時に、社会保障制度の在り方、医療経済についても学習することで、1年生から基礎医学、臨床医学、社会医学の履修を積極的に取り入れ、臨床医学教育の一環として、介護や福祉等の連携も視野に入れた演習、見学実習、ボランティア活動を実施するものです。4年生終了時には、CBT・OSCEを課し、各大学が合格者に参加型の臨床実習の参加資格を与えるとするものです。現在実施されている教養試験では、大学が独自に合格基準を設定しておりますが、このことにつきまして、全国統一の判断基準の導入を目指してまいりたいと考えております。さらに、5年生、6年生ですが、これまでの見学型実習ではなく、参加型の臨床実習をさらに積極的に行う。参加型の臨床実習につきましては、CBT・OSCEに合格をし、医師国家試験の取得を目指す学生が、指導教員の下で医療チームの一員として患者の診療、診断、治療などに参加する実習です。
ここで申し上げたいのは、2頁にございます指導教員です。この参加型の臨床実習を実現するためには、指導教員数確保と指導力向上のために、国に対して十分な手当てが必要と考えておりまして、昨年度または次年度の財源の手当てについて、厚生労働省に6月26日にも要望したところです。
4頁です。5、6年生が目標とする基本的な臨床手技の到達目標を示してございます。
6頁、医師国家試験についてです。現在、医学部6年生は、知識問題を含む医師国家試験対策に多くの時間を割いており、前々回だったでしょうか、まだ5年生、6年生の臨床実習にあてる時間数が、特に私立大学において、今なお低い現状を指摘されたと思っております。しかし、医学知識については、現在、概ね4年生終了時に受験するCBTでも高度な内容が課されておりますので、日本医師会は医学知識のみの評価は4年生終了時のCBTの1回に絞り込み、以降は臨床実習によって培われた能力の評価に特化する提案をしたいと思います。
医師国家試験の内容ですが、上級OSCEに相当するものとし、医学部5年生、6年生の参加型臨床実習を通じて取得した深い医学知識および技能にもとづいて、プライマリ・ケアを中心に適切な臨床推論を行えるかどうかを客観的に評価するものと変革をさせていただきたいと思っております。また、仮に医師国家試験に不合格になった場合は、出身大学の参加型臨床実習に引き続き参加できる仕組みの提案をしたいと思っています。
7頁です。次に、臨床研修制度の基本的な方向性について、提案をさせていただきます。基本的なプライマリ・ケア能力を獲得し、地域医療を担うことができる医師を養成するのが本旨です。特に強調したいのが、囲ってある2つ目の●、研修希望者数と全国の臨床研修医の募集定員数を概ね一致させ、都道府県の募集定員は、人口や地理的条件など地域の実情を踏まえて設定するというものです。また、いちばん下の●ですが、臨床研修医の研修先における給与水準を一定の範囲にするというものです。このことにつきましても、2007年当時の採用の1年次研修医給与は、最大で1,200万円程度、また最少が211万円という結果から、非常に大きな議論になったことは、先生方も新しい記憶ではないかと思っております。2年次研修医の給与につきましては、最大で1,373万円にもなっておりますが、これは異常と言わざるを得ないと思っております。
8、9頁は、臨床研修プログラムです。1年目は、プライマリ・ケア能力の獲得に一定の目途をつける。内容としては、内科、救急医療、地域医療、精神科というもので、2年目は将来に専門としたい診療科のプライマリ・ケアを中心に行うものです。このような提案の1つは、先ほど申し上げましたように、現在ではまだまだ多くの大学が知識偏重の医師国家試験をクリアするために、臨床研修実習が現実には5年生、6年生でまだまだ行われていないことを踏まえたものでして、5年生、6年生に臨床研修実習を大きく取り入れることによって、2年目には、将来、専門としたい診療科のプライマリ・ケアを中心に行う形でも十分なことができるのではないかという提案です。
10頁です。研修システムの1つ目、医師研修機構を都道府県ごとに設置する。(1)各都道府県の「医師研修機構」を束ねる「全国医師研修機構連絡協議会」を設置し、全国協議会は、人口や地理的条件など地域の実情を踏まえて、研修希望者数と全国の臨床研修医の募集定員数を概ね一致させるよう、都道府県ごとの臨床研修医募集定員数を設定するものです。(2)各都道府県の「医師研修機構」は、全国協議会が設定した当該都道府県ごとの募集定員数をもとに、当該都道府県下の臨床研修病院における臨床研修医募集定員数を調整する。(3)各都道府県の「医師研修機構」は、当該都道府県の医師会、行政、住民代表、大学、また大学以外の臨床研修病院で構成し、次のような機能を持つものです。3点です。
次に、2.臨床研修センターです。各大学に「臨床研修センター」を設置し、(1)研修希望者は、原則として出身大学の「臨床研修センター」に登録をし、研修先についての希望を提出する。しかし、研修希望先の地域については、これは問わないというものです。各大学の「臨床研修センター」は、研修希望者と面談し、研修希望先を確認いたします。必要があれば、「臨床研修センター」がアドバイスを行い、研修先を学生とともに選定いたします。研修先に応募した結果、希望がかなわなかった場合、あらためて「臨床研修センター」が研修希望者と相談し、調整をするものです。臨床研修病院は、研修医がどの大学の「臨床研修センター」に所属しているかも含め、都道府県の「医師研修機構」に臨床研修医の受け入れ状況を報告する。
12頁に具体的なイメージを書いてございますが、このように臨床研修センターを各大学に設置するという1つの意味は、いま現在大変問題となっております4,000人とも5,000人とも言われる民間医局に属している医師が、コストをということの中で、各病院を転々とするという非常に悲しい実情があることを、何とか解決してまいりたいということから考えたことです。
○高久座長 事務局からの中間まとめ、小森委員からのご説明を併せて、皆さんからご意見をお伺いしたいと思います。
○小森委員 日本医師会といたしまして、前回の中間まとめの素案に対しまして、意見を述べさせていただきました。一部については取り入れていただいているわけですが、取り入れていただいていない点、多少重複をいたしますが、前回は口頭でお話をいたしましたので、正確を期するために赤字で訂正をしてお出ししたものです。
したがって、この説明についてはほとんど省かせていただきますが、めくっていただいて、(2)の専門医の位置づけについて「尊重しつつ」と書いてございますが、これまで多くの委員のご議論は、あくまでプロフェッショナルオートノミーが大前提であるという主張をしていらっしゃると考えております。これはあくまで「基盤として」という言葉に書き換えてはどうかと。このことについては反映をされておりませんので、改めてお話を申し上げたいということです。
また、3頁の上から3つ目の○ですが、第三者機関の運営につきましては、橋本委員から大変素晴らしいご意見を頂戴したところですが、あくまで専門医の評価・認定については、プロフェッショナルオートノミーを前提として基盤として行われるべきであるけれども、もちろん国民の視点やニーズ、これは第一義的に大切なことですので、国民にわかりやすく、透明性の高い仕組みとすることが考えられるとしたものです。この点については、一部取り入れていただいているということです。
(5)専門医の養成・認定・更新について、頁が変わりますが、最後の○のところです。さらに、私どもとしては、総合的な診療能力を有し、そのことそのものを専門性として一生涯医療に当たる医師はもちろんですが、さらにも先ほど議論になりましたように、基本的には、基本的な領域、これを認定医と呼ぶか専門医と呼ぶかはまだ議論が若干あるのではないかと思っておりますが、そういった方々につきましても、先ほど申し上げました基本的な問題、医の倫理、医療の安全、社会保障制度の在り方等について、常にリフレッシュをして、そして全人的に診療に当たっていただく上で、専門性をまさに発揮していただきたいという観点から、これをシステマティックに現在まで行っているのは、日本医師会生涯教育制度だけである。この制度設計には、高久座長や福井先生にも大変なお力をいただいたところですが、この受講認定を要件としてはどうかと、さらに強くご要望するものです。
いちばん最後、6頁ですが、医療提供体制における専門医の○の3つ目です。第1回に示されました本検討会の開催要綱の趣旨には、医師の資質の一層の向上および医師の偏在是正を図ることを目的として、専門医に関して幅広く検討を行うため、有識者の検討会を開催すると。確かにしてございますが、これまでの議論の中で、まず専門医制度についてしっかり確立をすること、そのことによって地域偏在・診療科偏在に効果があるのではないかという議論でした。地域医療の安定的な確保等にかかわる仕組みの構築は、その次にすべきものであると池田委員からもご賛同いただいたところですので、そのように書き換えさせていただきたいと思っておりまして、正確を期するために今回は文書で提出をさせていただきました。
○高久座長 ということで、いままで事務局から報告のありました中間まとめと、日本医師会の医師養成についての日本医師会の提案、いま小森委員会らも提出されました中間専門医の在り方に関する検討会中間まとめ(案)に対するコメント、これにつきまして委員の方から、約1時間近くありますので、どうぞご自由にご意見をおっしゃっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○松尾委員 専門医の仕組みを考えるときに、先ほどから議論が出ていますが、一言で専門医と言っても、いろいろな専門医があります。イメージが、この検討会の中である程度統一されていないと、これは世の中に出ていったときに、聞く人はもっとわからないという感じがするのです。
もう一点は、「専門」と「総合」は、言葉では全く相反するものがここに入っているということで、基本領域の専門医、例えば仮に総合外科医とか総合内科医、これを基本領域の専門医とすると、これはその領域について一般的に押し並べてすべて修錬をしないといけないのですが、2階建てのところの専門医といいますと、そこで求められる総合力は、今度は逆に、私はじん臓内科ですが、妊娠された人が来たときに、じん臓で患ったとか、造影剤はどうだとか、関連する領域の相当詳しいことを知っていないと、これは2段階目の専門医と言えないわけで、そこで問われる総合医は、また1段階目と違う総合力が問われるということで、イメージは、もう少し中間まとめのところでは明確にしておいたほうがわかりやすいのではないかという気がするのです。その上で議論を進めないと、制度設計するときになかなか先に行かないのではないかというインプレッションがあります。
又、先ほど小森先生からご提案があった4頁のところですが、日本医師会で非常に熱心にやっておられるということはわかるのですが、お言葉を返すようですが、受講認定の要件については、私はこれから具体的なところは議論していくことであって、ここは踏み込み過ぎかなという気が若干しました。
○小森委員 あくまで主張です。
○池田委員 いま松尾先生から2つご意見があったのですが、確かに専門制度の枠組の理解があって、はじめて基本領域とその上に立っているサブスペシャリティと少し役割が違うし、言葉の持っている意味が多少異なるということで、わかりやすさを一般の方たちに示すためには、枠組のところを少し中間まとめに入れたほうがいいのかと。ですから、それは私も最初にプレゼンテーションをしまして、基本領域があってサブスペシャリティがあると。そういう形で全体はこういう枠ですが、いまはここのところだと、そういうことが分かりやすいようにすることが大事かと思います。先生のおっしゃるとおりで、多少サブスペシャリティと基本領域では、イメージが、一般の方たちの持っているイメージも、実際にその方たちの役割も少し異なってくると思うので、それはそのとおりだと思いますので、枠組について少しメンションしたほうがいいかと思います。
もう1つ、医師会で、こういう医師の教育・育成について、いろいろな意味で非常に前向きな議論をされていらっしゃっていることに関しては、本当に敬意を表します。医師会の生涯教育制度の問題については、医師会でもいろいろ議論されたのは私も存じ上げているのですが、ただ、専門医の育成と専門医の生涯にわたった、更新制度も含めて、それはそれぞれの領域での立場もあると思いますので、これまで医師会でやってきた教育制度を活用することは私はやぶさかではないし、前向きに捉えるべきだと思います。しかし、松尾先生と同じように、受講や認定の要件とするという言い方には、多少抵抗があるということです。これは小森先生や高橋先生のご主張ということで私は理解していますが、中間まとめとしてはそういうものがあることを活用とするということにとどめておいたほうがいいかと思います。
○高久座長 ただ、専門医では、基本領域でもサブスペシャルでも更新ということはありますね。
○池田委員 そうですね。
○高久座長 医師会の生涯教育に、医療的課題という部分がありますが、医療的課題は変わりますので、それは入れる必要があるのではないかと思います。
○池田委員 はい、ですから、そういう面では参考にさせていただいて、それぞれの更新の条件に入れさせていただくという議論を、機構なり新しい機関で、それぞれの領域のボードができるわけですから、そのボードの中でディスカッションしていただければいいかと思います。
○福井委員 松尾先生がおっしゃった専門性と総合は相入れない言葉という方針でしょうか。
○松尾委員 言葉としては全く反対のことで。
○福井委員 総合医を考える場合、診療の幅の広さを専門性という言葉で記述していいかどうかにつながると思います。つまり、専門性という言葉は、幅の狭いところを深く掘り下げることのみを意味し、一つひとつは深くなくても、非常に多くの分野を網羅するという専門性が、日本語の専門性という言葉で記述されないように皆さんが思うとすれば、これは議論の入り口での大きな問題だと思います。そこのところの話合いをきちんとしておいたほうがいいと私も思います。
○藤本委員 国民にとってのわかりやすさという視点から、今回いろいろと見せていただきました。1つには、いまの「専門医」いう言葉と「総合医」という言葉ですが、これが国民にとってはすごくわかりにくくて、臓器別の専門領域の専門医として言っている場合と、総合医を含めての専門医として言っている場合、その辺はきちんと分けて、意識して言葉を使っていただく必要があると思っておりまいす。それが1点です。
小森先生からご提案いただきましたところ、3頁の上から3つ目の○、「第三者機関の運営にあたって」というところですが、専門医の認定あるいは基準の作成、こういったものはプロの方々にもちろんお願いするべきことだとは思いますが、情報公開実施体制等の制度全般については、国民の視点やニーズを反映するためには、国民が参画できる仕組みが必要だと思います。
小森先生が提出されました訂正案ですと、「国民に分かりやすく透明性の高い」というところで、専門家の先生方が国民のことを慮って決めたことを、国民にわかりやすく出すという結果報告のような印象を受けてしまいますので、国民の視点やニーズを反映するためには、国民も参画できる仕組みにすることが必要だと私は思います。
○小森委員 いまの藤本委員のご提案は、基本的に賛成です。これはこの前申し上げたことを基本的に書いたということですので、第三者機関に、第三者機関の第三者機関というのは変ですが、第三者機関そのものを監視する仕組みは必要でしょうし、そこには国民の代表の方に入っていただくべきだと私も思っております。
○高久座長 そうですね。だから、2種類、要するにかなり具体的なことを決めるときには、専門の人がオートノミーでやって、それをまた全体的に見るときには、当然委員として国民の代表の方が入る。そういうことですね。
○小森委員 はい、おっしゃるとおりで、専門医の評価・認定は、これは専門家がきちっとセルフ・レギュラトリーのシステムとしてやると。しかし、その組織全体を見ていく、ウォッチする、あるいは意見を言う。そこにはオールジャパンというか、いろいろな方たちが入ってくると、そういう仕組みが必要だと思うのです。それは中立的第三者機関の成立ちに少し反映させたつもりではあるのですが、それはそのとおりだと思います。
○門田委員 いまおっしゃられたことは、この資料に入っていますよね。前に機構から出された13頁の資料のところに出ていますが、ここの外部評価委員会という外部に置くものというところで、たしかそういう主張があったと思います。ですから、同じことをおっしゃっているかと思うのです。
話を前に戻したいのですが、今回の中間まとめをどこまでやるのかを少しはっきりさせておくべきかと思います。先ほどの小森先生がおっしゃられた4頁の「医師会生涯教育制度」云々ということですが、こういうディーテルなことまで中間まとめで入れるのか入れないのか。いまの段階では、それぞれのところでどういうカリキュラムが出てきて、どうなっていくという具体的なことが一切入ってない段階で、これを入れると、他の部分とバランスがおかしくなる気がするのです。ですから、たぶんいまの段階でタイムスケジュールから見て、それが無理であるとすれば、そこは将来的な課題として置いておくことでいいのではないかと。
それよりも最も大事なのは、最初におっしゃられたように、専門医制度と日本で医療をどう行っていくかというところが、国民にわかりやすく示すこと。これから変わっていく新しい専門医制度ということになったときに、医療体制という医療をどう考えていく、あるいは患者さんの流れがどうなっていくというあたりを少し加えたほうが、国民の皆さんにはわかりやすいのではないかと思います。
そうなっていきますと、私は小森先生の最初の1頁の目的のところにどうしても帰ってくるのですが、「医師偏在の是正を」云々というところの話なのですが、これは前回も「財務省との関係」云々ということでチラッと話を聞きましたが、しかし我々がこういうものをまとめていくのは、専門家集団、あるいは少なくともそれをまとめた人たちが国民に対してどう示していくかということだとすれば、今回の専門医制度が医師偏在を是正することを目的としてというのが、国民に説明できるのかという気がする。ですから、ここの表現は、前にもお願いしましたが、「することによって、結果として」云々という話にしないと、大前提の目的のところでこれを書いていくと、私は国民には説明ができないのではないのかと思います。
○高久座長 局長さん、それでいいですか。
○医事課長 いまの点ですが、事務局提出資料2の「はじめに」のところに書いてある検討会を開催した目的は、「医師の偏在是正を図ることを目的として」ということも書いておりますが、専門医の仕組みについての目的も、先ほどご説明しましたように、検討に当たっての視点の○の3番目、下線が引いてありますが、ここに「専門医の質を高め、高質な医療が提供されることを目的として構築をすべきである」と。そして、その偏在の是正については、結果としてそういう効果が期待されるということですので、専門医の仕組みとしては、こういったことを目的にして構築すべきであるということで、門田先生のご意見は反映できているのではないかと思ってこういうふうに整理をさせていただいておるところです。
○高杉委員 私は門田先生の意見に賛成でして、「はじめに」のところは、逆に「検討にあたっての視点」のところへ持ってきたら、それでいいのではないかと。専門医の在り方が医師偏在、あるいは診療科の偏在になるはずはないと私は思うので、これは結果として起こることだから、私は門田先生に賛成です。
○?山委員代理中沢委員 ?山委員の代理で来ました中沢です。そもそも全国いろいろな所で医師の地域偏在、診療科の偏在があることは、皆様方もご案内のとおりだと思います。私も第1回のこの検討会に出させていただいたのですが、そのときの説明の中で、趣旨に関しては、医師の質の一層の向上及び医師の偏在是正を図ることを目的としてこの有識者の検討会を開催するというのがそもそものこの会の目的でしたので、この「はじめに」のところはあくまでもプロセスを書いているのかというところで、ここのままでいいのではないかと思っています。
ただ、確かにおっしゃるように、例えば患者数にしてもそれほど正確に把握されていない中で、専門医何人が適正なのかは、いろいろ議論があると思います。ただ、最終的には、是正される効果が期待されるということで、この検討会では「効果が期待される」ということで書いてあるというところで、従来の表記でよろしいのではないかというのは、?山委員とも相談してきたところです。
○平林委員 いまのところは、「はじめに」は、要するにこれは我々の意見ではないのだと。検討会としての意見ではなくて、厚労省がこの検討会を始めたときの目的であったことがわかるように表記をすれば、問題解決できるのではないかと思うのです。そうすると、例えば3つ目の○は「幅広く検討を行うこととして議論が開始された」とか、我々の意見ではなくて、そもそもはそこで出発したことは客観的な事実なわけですから、それを否定することもできないのかと思います。書きぶりである程度解決はできるのではないかと思うことが1つです。
もう1つ、先ほど主な意見のところで若干議論になりました、総合医の問題と総合的な能力を診療能力を有する人、専門医もまた総合的な診療が求められるというところが、私はこの中間まとめの議論のところでもう少しきちんと議論されるべきだろうと思っております。そのときに、先ほど福井先生がおっしゃられたこととも関連するのですが、少なくとも私の理解ですと、総合的な診療能力を有する医師も、基本的な領域の専門医の1つとしてきちんと位置づけていきましょうというところが、この検討会は基本的にはその考え方で動いてきたのではないかと認識をしております。
したがいまして、そのことを明確に書けば、書くことがやはり重要で、実はそれが抜けているのではないかと。改めて読み直すと抜けているように思います。例えば、4.「総合的な診療能力を有する医師について」のどこかで、総合的な診療能力を有する医師も基本領域の専門医の1つとして我々としては位置づけていくのだということをはっきり書くことが、問題の混乱を避けることの1つになるのではないかと思います。
さはさりながら、「総合的な」という2つの違う意味の総合が使われておりますので、「総合的な診療能力を有する医師」で言うところの「総合的」と、総合的な診療が求められる」とか、「総合力のある領域別専門医」というあとのほうの「総合的」を、言葉を少し換えるなり、あるいはもう少し説明をしていただいて、具体的にどう表現すればいいのか私は専門外ですのでわかりませんが、先ほどのお話をお伺いしておりますと、固有の専門領域だけではなくて、それと関連する領域についても目配りをしながら診療していかなければならないのだという趣旨かとも思われますので、例えばそのような形で2つ目の「総合的な」という言葉を少し言い換えることをしていただけると、誤解は生じないのではないかと思います。
○高久座長 議論の中の問題点を的確に指摘していただいていると思うのですが、これは医師として患者さんを診る以上は、ある程度の総合的な能力がないと、いかにスーパースペシャリストであっても、医師としては不十分だと思うのです。それとまた別に、幅広く、例えば島の診療所で1人で医師として働いているときには、ほとんどの領域をカバーしなくてはなりませんから、広い範囲の臨床ができる、レベルの問題は別にしてですね。そういう医師も必要であるということから、総合医を基本的な領域の中に付け加える。要するに若い人が、誰もが何らかの資格といいますか看板を欲しいときに、日本で、外国で言うプライマリ・ケアというポジションが確立されていない。ですから、それを専門医と呼ぶか認定医と呼ぶかは別にしても、基本領域の中に入れようというのがいちばんの問題でして、それと総合的な診療能力は少し混乱して使われてきたというのは、おっしゃるとおりだと思います。
○医師臨床研修推進室長 1点、補足いたします。いま平林先生からご指摘のあったことの1つです。3頁の(4)「専門医の領域について」の4つ目の○です。「いわゆる『総合医』または『総合診療医』は、専門医の一つとして基本領域に加えるべきである」として、ここにその趣旨については一応、盛り込んでいます。
○藤本委員 医師不足の地域でずっと住民活動をしてきた国民の立場から申しますと、医師の偏在、地域偏在、診療科偏在について、やはり何らかの形で検討していただきたいという思いがとてもあります。先ほどのお話ですと、それを目的としてこの検討会は開かれたけれども、結果的には、専門医の質を高めることによって「おまけ」としてついてくるような位置づけになっているように、私はいま話を聞いていて思いました。今回は中間まとめなので、これから後半に際して、このことについて皆さんでもう少し検討をしていただくなど、何か余地を残していただきたいと思います。いままで、いろいろな学会の先生方のヒアリングをした中でも、何度か私は偏在のことをお伺いしましたが、まだその件について具体的な策を持っていない会が多かったという印象を持っています。やはり、どこかで一度検討していくべき課題ではないか。特に、行政の方あるいは国民はそのような思いで医療者の皆様のご意見を聞いていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○池田委員 いまおっしゃった点についてです。基本領域の学会の先生方、専門医を担当している先生方、あるいは理事長などとお話をしますと、やはりそれぞれの領域において地域医療の問題を非常にシリアスに考えて、この専門医制度を構築することによって何とかそこを改善できないかと知恵を絞ろうと考えている学会は決して少なくないです。ですから、そのような考え方があるのだ、そのように向かっていくのだと。よい制度を作って、その結果としてその制度は地域医療の偏在や診療科の偏在にも風穴を開けるような仕組みにしたいと思っているところはたくさんありますので、そのような形での書きぶりでよいのではないかと私は思っています。すぐにパッと、どなたが見ても「これをやればいい」というような案がもしできるのであれば、もうとっくの昔にやられていて、非常に難しいところがあります。これからも引き続き大事な問題として理解して進めるという形が、おそらく中間まとめでは相応しいのではないのではないかと私自身は思っています。
○高杉委員 今日は日医の資料をお出ししましたが、専門医制度だけで地域、医師の偏在も何も直るわけではない。どうしてこうなったのかなどの根本もやはり考えなければいけない。例えばある地方の大学に行って、そこの医療に貢献せずにそのまま帰ってきたのでは、その県の地域医療は直らないですね。したがって、我々は出身大学にできるだけ残って研修できないか、あるいはそこに登録して、どこに行っているのかわかるような登録システムと研修機構を作ろう、それで根無し草もなくそうというのです。その先に臨床研修もあり、その先に専門医制度があるのです。その辺を有機的に常に考えなければ駄目だろうと思っています。この専門医制度ですぐに偏在が直るとも思いませんし、それをトータルでできるにはどうしたらいいのか。もちろん、福井先生がおっしゃる総合医の効想も、それはそれでいいけれども、学生が行ってくれなければ困るのです。その中では、つい先日に提案しましたが、地域医療の実践というのは、プライマリ・ケアで眼科になろうと耳鼻科になろうと皮膚科になろうと、みな要るのです。それを1つの専門医のコースに入れていく視野もあってもいいのではないかなと思います。機構は、地域の病院で専門医のコースが取れるようなプログラムを考えるとおっしゃっていますので、それをうまくトータルして、いろいろなところから直していかないと、一度には直らないのではないかと、そのように思います。
それと、もう1つ付け加えさせてください。生涯教育制度を加えてくれという点についてです。私は、専門医でずっといくと、今度は、倫理面や医学の進歩面など、トータルのバランスが欠けてくる専門医が更新するときに、生涯教育制度は非常に良いツールになるだろうと思っています。
○平林委員 先ほどの議論に戻らせていただきます。確かに、事務局がおっしゃるように、3頁の(4)の最後の○に書いてあります。実は、総合医や総合診療医の中身を示すものとして、「総合的な診療能力を有する医師」と表現されているという説明が以前にあったと思います。その関連がいま一つ明確でない。それが最後になって、5頁の上の○で、「総合的な診療能力を有する医師の名称の検討にあたっては」云々と、分かれて記述されていますので、そこをどこかでうまくまとめて、誤解がないように、それぞれがこういう意味でこのような言葉を使っているのだと書いていただければ、ずっとわかりやすくなると思いました。
○福井委員 先ほどの議論の、幅の広さについてです。臓器・領域別の専門医に求められる幅の広さというのは、臨床研修制度の理念の言葉で、資料5の1頁のいちばん下から2行目「一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることができるものでなければならない」の中の「基本的な診療能力」でよいのではないかと思います。先ほど松尾先生がおっしゃったように、例えば腎臓内科の先生は、妊娠している患者さんについての腎臓の機能の知識と技量を持たなくてはならないということですが、理念の中の「基本的な診療能力」、つまり現在の2年間の卒後研修で身につけられる幅の広さを維持できればよいのではないかと思います。
○桃井委員 所用により遅参しまして失礼いたしました。もう議論になったことかもしれません。全体を拝見して、これは重要なことを網羅しなければという配慮でこのような形式になったのだと思いますが、逆に、メモ的な形式になっていて、「べきである」「必要がある」と、「ではないか」という一部の考えが混在しています。そのため、全体的にどの方向性なのかが大変理解しづらい感じがします。いままで議論した偏在等については、各所随所にそれを示唆する文言が折り込まれてはいますが、その理念的なものがどこにも書いていないので、全体として散在してしまっているものの全体像が読み取りにくくなっている気がします。まだ中間まとめなので、このような項目的な記載の仕方も大事かもしれませんが、重要な所だけは、もう少し言葉を尽くした説明をしないとわかりにくい。それと、重複している記載もあります。例えば、専門医の養成数についても2項目で同じようなことが書かれていたりなどです。根幹の重要な所と、「ではないか」の議論とを分けて記載していただくとより明確になるのではないかと感じました。
○山口委員 臨床研修の話も出てきましたが、多くの専門医の研修、学会の専門医制度の研修期間を見ますと、どこも初期臨床研修の期間も含めて5年あるいは6年と書かれています。先ほど福井先生がご指摘された、初期臨床研修における総合的なプライマリ・ケアの基本的な能力を身につけるという点は、ある領域に特化した研修を受ける専門研修と併せ持って総合力を持つという意味では、非常に大きな意味を持つのだと思います。大きな流れとして、初期臨床研修については、基本的な領域はむしろ期間が短縮されて専門研修が早く始められるとなっていますので、その兼ね合いも実は大きな問題だと思うのです。それは初期臨床研修のほうに踏み込んだ話でもありますが、そこも含めた、総合的な能力を持った専門医の養成と考えると、この検討会での議論をどこで線を引いていいのか難しい話になってしまうのではないかと思います。そこはうまく整理していただきたいと思います。
それから、別の話です。いちばん最後のところについてです。これまで専門医制度を担ってきたところ、あるいは現在の専門医の方々をどうするかという問題については、最後に、「現在学会が認定している専門医との関係について」で一言しかありません。まだまだ当分の間は、我が国のある領域は旧制度で育った専門医が大きく担っていくのですから、この問題も非常に大きいと思います。今回まだ大きな検討は何もできていないと思いますが、もう少し大きい扱いで、重要性がわかる形で入れていただけるとよいと思います。おそらく第三者機関でもその取扱いについては、これからいろいろな検討が必要だと思います。
○森山委員 専門医の育成の中に「地域医療の実践」ということがたくさん出てきますが、地域医療の中でどのように育成するか、研修させるか、教育するかということが、具体的にない。例えば日本医師会からの資料だと、医師の研修機構というものが出てくるのです。医師会が作ったので、「医師会並びに等々」と出てくるのですが。やはり基本的には、専門医の場合には各県に1校ある大学病院あるいは中核機関病院が医師会等とコンソーシアムを組んで地域医療の実践並びに教育もするということなので、その辺も少し踏み込んだほうがいいのではないかと思います。ただ単に地域医療を実践させるということだけでは、私自身の誤解かもしれませんが、何か放り出すような感じを受けるような感じもします。
それから、もう1つです。先ほどから何回も議論になっていますが、総合医の診療能力と専門医の総合診療能力というのは、やはり見ていると非常にわかりにくいと思うのです。そこは、我々いわゆる専門家が見てもわかりにくいので、国民が見るともっとわかりにくいことになる。そこは何かうまい方法がないのか。山口先生から出たように、移行をどうするかということについては、私どもの学会も、昔、専門医を作ったときには、自然認定をそのまましましたけれども、今度の場合にはハードルがかなり高くなるので、自然にそのまま全部移行させるわけにはいかないですから、そこはかなり議論になるのではないかと思っています。
○高久座長 そうですね。むしろ外国のほうがはっきりしていますね。アメリカでファミリー・ドクターから専門医にいく、イギリスではGPから専門医いく、そのシステムを考えていかないと、一般の方にはわかりにくいと思います。
○藤本委員 一般の立場から言います。本当に専門に特化した先生にかかった場合に、その先生の診療領域ではなかったとしたら、次の専門科の先生を紹介していただけるようになっていればいいのですが、「もう僕、知らないよ」で、また総合医の先生のところに相談に行かなければならないという形だと、なかなか定着しないと思います。そのような意味での総合診療能力というか、次の専門の医師がどこにいるのかを示唆していただけるぐらいのところが、それぞれの専門の医師に求められるラインではないかと素朴に思っています。
○小森委員 藤本委員はいつも国民の視点に立って素晴らしいご指摘をいただいていると感謝しています。日本医師会の生涯教育制度についても、これを全部取得しろと各専門領域の先生に求めているわけではありません。高久座長がおっしゃられたように、その中には、医の倫理、医療の安全、我が国における社会保障制度の在り方、地域におけるさまざまな問題、民生委員あるいはケアマネージャーなど、さまざまな在宅医療との連携などのような部分があります。その設計は福井先生にしていただきましたが、まさにその部分について専門医の更新に利用していただきたい。専門医であっても、いつもそういった患者さんの相談に応じられる医師ができていくと思います。また、その視点から、必要最少限な他科の領域についても学ぶ姿勢を、専門医であっても持ち続けてくださるのではないかという意味です。必ずしも、日本医師会のそれを押し付けろとか、そのような趣旨ではないとご理解いただきたいと思っています。
○松尾委員 議論が前後して申し訳ありませんが、先ほど、門田先生や桃井先生からも話があったように、この中間まとめをどのように書くかということです。これは我が国の医療をよくするために、特に専門医制度の立場からどのような改善をしたらいいのかの提言になると思うのです。桃井先生がおっしゃったように、中の文言として、「すべきである」「必要である」など、かなり断定的に書かれている事項と、「こうではないか」「こういう意義もある」などと書かれている所もあるのです。これをわかりやすく出そうと思ったら、各項目ごとに、この委員会でこれまで長くディスカッションして、合意ができてコンセンサスとしてOKのものと意見が分かれている所とを分けて書いていただくと、今後の議論の方向性が明確になっていいのではないかと思います。
○医事課長 いまのご指摘についてです。この中間まとめ、あるいはこの前の論点項目の整理では、大体この検討会で合意が得られたことについては断定的な表現にし、そうではない提案などは「こうではないか」と書いています。ですから、次回にできればと思っていますが、最終的に中間取りまとめを行うときには、基本的には、合意された内容について記述する。合意されていない部分は、それがはっきりわかるように、「引き続き検討していく」というような書き分けになるのではないかと思っています。内容についても、できるだけ細かいことも議論されればその点について合意されたものを書くことはあり得るとは思いますが、中間まとめなので基本的には、大きな方向性、制度の骨格、仕組みの骨格あるいは目的など、そのようなことについて整理したものについて出せれば、それについていろいろな所からご意見がいただけるのではないかと思っています。
○金澤座長代理 皆さん方のご意見を伺っていましたが、森山先生がおっしゃることに反応したいのです。おっしゃるとおりで、いわゆる専門医が総合医的な能力を持つなど、そのように少し混乱している部分がどうしてもあるのです。その原因をたどってみますと、実は、「総合医」と呼ぶのか、「総合診療医」と呼ぶのかなど、そこがきちんとしていないが故にそうなるのです。ですから、もう中間取りまとめの時期なので、そろそろ、そこを議論して言葉を統一したほうがよろしいのではないでしょうか。というのは、専門医の定義は1頁の下のほうに書いてありますし、いわゆる総合医としての定義も4頁の真ん中辺りに書いてあるのです。もうそろそろ議論をして、そこの決着をつければ、森山先生のおっしゃったことは解決できるのではないかと思うのです。
○小森委員 いまの金澤先生のご指摘につきましては、第4回で、総合医と総合診療医の定義について明確に書かせていただいたものが、参考資料の30~34頁です。「総合診療医」という形が最も適切であろうと説明させていただきました。
教えていただきたい点が1点、指摘したい点が1点あります。まず、中間取りまとめの4頁の4「総合的な診療能力を有する医師」の(1)の2つ目の○です。?「人口当たりのプライマリ・ケア医が増加すると死亡率が低下するといったエビデンスが示されている」とあるのは、世界的に間違いのないエビデンスなのでしょうか。中間取りまとめに書くことになると、すべての医学者や医療、経済のさまざまな学者がすべてこれを認めたことでなければ、ちょっとどうなのかと思います。このような意見がある、このような研究結果もあることは承知していますが、まだ必ずしも断定的に言っていいのかどうか。?は削ってもいいのではないかと思います。
それから、6頁の、最後に追加した、「国民のニーズに応えるためには、まず総合的に診てもらえる医師が」とあります。中間取りまとめの文章としては、これは、総合的に診療ができる医師がどこにいるのかという書き方ではどうかなと思います。ご検討いただきたいと思います。
1点目については、先生方、これは明確にすべての方が同意されるエビデンスなのでしょうか。
○福井委員 これは私がプレゼンで申し上げたことです。アメリカの研究者による報告で、州ごとの人口当たりのプライマリ・ケア医数と死亡率の変化などを解析したものです。あえてここに入れる必要もないと考えます。削除してもいいのではないでしょうか。
○高久座長 それは、はじいてもいいですね。総合医と総合診療医の問題は、事務局では、いろいろ意見があるのでもう少し後でもいいのではないかということでしたね。
○金澤座長代理 確かに後でもいいのですが、それが故にこの「総合的に診療能力」云々という、よくわからないようなことになってしまうのです。私はそろそろこれは議論してもいいのではないかと思うのです。なぜかと言いますと、小森先生がおっしゃるように、総合診療医でもいいのではないかと思うのです、本当に。だけれども、かかりつけ医と総合医がイコールというのは、私はどうしても納得できないのです。かかりつけ医というのは、あくまでも患者さん側の視点なのです。総合医というのは、やはり提供する側のものですから、どうしてもイコールにならない。もちろん、大半はイコールだと思いますが、言葉上は違うと思うのです。もしもそこを切り離していただけるのであれば、混乱を避けるために、バーターではありませんが、「総合診療医」でも私はいいのではないかと思います。
○小森委員 基本的に金澤委員の趣旨には賛成します。
○高久座長 私も、かかりつけ医と総合医とは次元が違うという感じがします。ただ、総合診療医というと、診療の範囲を幅広くやるということで、総合医の場合には、むしろ、介護やケアのマネジメント、産業医的な仕事とか、もっと幅が広い。ですから、総合診療医というのはアメリカで言う「ホスピタリスト」に近い形です。病院で総合診療する人は総合診療医であるけれども、第一線のかかりつけ医の方は総合医であると私は理解しています。要するに、学校医もやるし産業医もやる必要がありますし、島など場所によっては地域住民に対する健康教育などの教育までやっているのです。あるいは、介護の部分までタッチしなければならない。それは総合診療ではなくて総合医の仕事であって、病院の総合診療科の医者が総合診療医である。学界も別に総合診療学界というものが、プライマリ・ケア連合学会ができてもまだ独立して残っています。
○福井委員 委員の皆さんが総合診療医でいいというのであれば、最終的にはこだわりませんが、私も、高久先生のおっしゃるように、総合医はいろいろな社会的な側面も含めてかなり幅広いアプローチが必要な専門分野になりますので、新たにここで「総合医」という言葉で定義し直したほうがいいのではないかと思っています。アメリカの流れを見ていますと、将来的に総合医の中にサブスペシャリティとして「病院総合医」というグループができ、それから、病院の外での総合医、家庭医という名前になるかもしれませんが、そのようなグループがおそらく出てきます。いまのところは、その両方を束ねる言葉としても、「総合医」のほうが望ましいのではないかと思っています。かかりつけ医は全く違う次元の話だと私は思っています。
○高杉委員 私は、医師会の執行部に入って2期なのでよくわかりませんが、過去の歴史は、かかりつけ医、総合医、総合医構想などもありまして、いろいろなことのいきさつがあるようです。我々はこの前の生涯教育の委員会で、かかりつけ医を「総合医」、そして学会の目指している専門医は「総合診療医」と呼ぼうと、医師会の中での定義はそのようなことでした。そう違うことではありません。例えば眼科医の専門が地域で開業されて、いろいろな社会的な対応をする、また、地域での予防活動をすることも、大切なかかりつけ医の機能であり、総合医の機能である。とすると、これから新しく認定する若い人たちは、それではないのだろう。きちんとした教育をして専門医として認めていくのならば我々がいままでの概念で使っているかかりつけ医イコール総合医と、これから作られる若い人たちの専門医とは、やはり名前をきちんとしたほうがいいのではないかというのが、医師会のいままでの歴史を踏まえた解説です。
○小森委員 先生方もそれぞれのお立場があると思いますが、日本医師会は16万5,000人の医師で構成されており、さまざまなレベルでの機関決定を行っています。お示しした生涯教育推進委員会の答申は、あくまでも1つの委員会の答申という形で示しましたが、これを日本医師会の意思として統一するために47都道府県医師会から担当理事連絡協議会に出ていただいての議論を踏まえた上で、都道府県医師会長協議会、常任理事会、理事会等の議論をいただいています。さまざまな思い、いくつかの相違はあると思いますが、「名前は総合診療医でもいい」と金澤先生、福井先生もおっしゃられたので、「総合診療医」としていただければ私どもはありがたいと思います。そうでないと、いま申し上げたように、現在の開業医の方は、それぞれの専門性がどうであっても、それ以外に学校医、地域の医療、在宅についても、もちろん内科の方が中心であるにしても、さまざまな科の領域の方々が連携しながら扱っています。また、学校や予防接種等でも必ずしも内科・小児科の方だけではないのです。そのような方々を、総合医と呼ぶのが妥当であるかは別として、表現する言葉がなくなってしまうのです。総合診療医という形で私たちは機関決定もしていることもありまして、名前は軽い重いの両面がありますが、そのような形での主張だとご理解いただきたいと思います。
○池田委員 総合医あるいは総合診療医のどちらかに最終的には決めなければなりませんが、中間まとめでは、皆さんのご指摘のように、名前が決まらなかったので、「総合的な診療能力を持つ医師」という格好で表現したという苦肉の策で、逆に文章全体がわかりにくくなりました。取りあえず、「総合医(総合診療医)」でもいいので進めなければいけないと思うのです。実は、いま機構では、日本医師会の小森先生も入られて、例えばプライマリ・ケア連合学会、小児科、内科、外科、救急等々、いろいろな領域の先生たちに入っていただいて、いまここで話題になっている医師、1つの専門性としての医師は、どのようなプログラムでどのような養成、育成の過程を経て、どのような医者になるのか、どのような診療能力を持つか、どのような医療行為を担当するのかなど全部含めて議論しようというワーキンググループを立ち上げました。内容が問題だと思うのです。名称は非常に大事ですが、内容がある程度煮詰まったところで、最終的に、このようなコンセンサスで、このような診療能力を持つ医師が育成されなければならない、それで最終的にはどちらの名前がいいのかという形で、当座の中間まとめでは括弧付きにしておいて、あるいはスラッシュでもいいので、それで議論を進めるほうが実を取るにはいいのではないかと思いますので提案させていただきます。
最終報告にはどちらかにはしなければいけないと思いますが、中間まとめはもう来月あるいは来々月には出さなければいけません。それから、桃井先生が先ほどおっしゃったように、いままでの中間まとめは、どちらかと言うと、いままで皆さんが出した意見の集約のような形で出しているので、少しぼけているところがあります。例えば専門医の認定機関については、これは中立的な機関でやる。各学会がやるのではなくて、中立的な機関がやることに関しては、ここではもうほとんどコンセンサスが得られていると理解していますし、たくさんの79学会が入っている機構でもコンセンサスが得られています。これは国民的に見ても何ら異存がないので、「すべきではないか」ではなくて「すべきである」という格好なので、決まっていることをもう少しクリアに出すような整理の仕方がむしろ大事です。それから、最終報告に向けて、例えばパブコメなり、いろいろな方の意見を聞く場合は、「このようなことも考えられるけれどもどうだ」というような、そのような整理の仕方が必要だと思いました。
○高久座長 池田先生の考えておられる総合医についてのワーキンググループは、もうスタートしているのですか。
○池田委員 はい。実は、明日からスタートすることになっています。
○高久座長 わかりました。
○桃井委員 池田先生が括弧付きにして進めてはどうかというご意見をおっしゃったので、私もそれでよいと思います。総合診療医と総合医の両方がありますというのは、これぞ本当に国民にとって極めてわかりにくいということがあります。5頁の上の○2つに書いてあるような、一部の意見を全体の意見であるかのようにまとめるのは、まだ早尚であると思います。そのようなところも十分にお考えいただきたい。特に2番目の○は総意ではありません。少し注意深い記載が必要であろうと思います。
○富田委員 第三者機構ができて、そこで新たな専門医制度、専門医認定がなされることになると思いますが、いままでの学会認定の専門医も残るのですね。そうすると、国民にとって、専門医というのがまた非常にわかりにくい状態になってしまう。いろいろな専門医がいることになってしまうのですね。
○池田委員 先生がおっしゃるように、いま学会が認定している専門医の先生方がいらっしゃるわけです。先ほど森山先生がおっしゃったように、そういう専門医は、新しく今度スタートする専門医とどのようになるのか、ダブルスタンダードになるのではないかという心配があるのです。基本的には、門田先生に在り方委員会で意見をまとめていただいたときに、2015年に新しく専門医制度の研修に乗る方たちのための制度であるとして、医師会の先生方にもご了解いただきました。新しい若い人たちがこれから医者になっていく、10年、20年先の仕組みをいま考えて作っているのだということでやってきました。新しい制度に則った専門医が新しく専門医として認定される。
いままで専門医として学会で認定された方たちをどうするかは、少し別に検討しなければいけないと思います。いくつかの案が考えられるのですが、いま学会が認定している専門医も5年ごとに必ず更新されますので、更新されるときに新しい制度に乗れるような何らかの仕組みにして移っていく。あるいは、既に非常によく考えられていて、学会が認定する専門医制度がどう考えても新しくできる機構の形とあまり変わらないのであれば、そのまま認定してもいいのではないかという意見もあり、まだ両論あります。そこは今後の議論として残しておかなければいけないと思います。重要な問題であることはよくわかりますが、そこはあまり混乱しないように、新しい若い人たちに向けた制度がこのようにできるという言い方で、この検討会は進めたほうがよいのではないかと思います。
○松尾委員 私も賛成です。現実的でかつ高邁なフューチャープランをまず作る。それができたら、移行については、それに従ってまた現実的に考えるという、そのような順番でやったほうがいいと思います。
○高久座長 本日はいろいろとご議論いただきまして、本当に中間まとめができるかどうか、段々心配になってまいりましたが、また今後ともよろしくお願いいたします。
○門田委員 中間まとめではなくて、スケジュールが出てきていますが、それについてです。いま説明があったこととも関係しますが、平成27年度、2015年でこれがスタートするときに、ここでプログラム希望者を募集すると、この案では3年で終わりということになりますね。私の意見では、平成27年度からスタートするのであれば、実際の初期臨床研修の期間も専門医研修の中に入れるのだとすれば、ここは3年で終わるのではなくて、やはり5年ではないか。そこからスタートしたら5年になるのではないかと思うのです。
○医師臨床研修推進室長 ここに書きましたのは、専門医の研修、つまり、いわゆる後期研修です。初期臨床の2年分ではなくて、その後の3年間の後期研修について書いていますので、最短の3年間ということでイメージしています。
○門田委員 ですから、それについては、専門医としての5年間の研修なのかということです。いまの専門医制度は5年間の研修期間が必要なのです。そして、2年間の卒後臨床研修はその中に読まれているのです。ですから、新しい制度をスタートするならば、その5年間を、ということを入れておかなければいけないのではないですか、ということです。
○池田委員 2015年というのは、初期臨床研修の2年間が終わった方たちが次に行く時期が2015年という意味なのです。
○門田委員 そこのところで、どのように定義するのか。前に我々が先生と一緒に定義したのは、その段階で国家試験が終わった人たちから対象とすれば、そこから5年先ということを想定していたのです。それをどのように評価するのか、どういう形でスタートするのか。曖昧にこのような形になっているのだろうと思うのですけれども、ここを整理したほうがいいのではないですか。
○池田委員 2015年が、ちょうどまた初期臨床研修の見直しの時期なのです。そういうこともあったので、そうしたら、2015年からこの新しい制度を始めるというスケジュール観が必要ではないかという話だったのです。
○山口委員 先ほども言ったのですが、各学会の現在の専門医制度は、卒後の2年間の臨床研修も含めてきちんと設定されている格好になっています。今回、これを議論しているのは、むしろ専門研修の養成プログラムの話です。そういう意味では、従来の専門医のプログラムとは違うものを議論しているということをどこかで明確にしておけば、それでいいのではないかと思うのです。
○池田委員 そうですね。
○山口委員 でも、本当は、最初の2年も含めて検討する問題はあるとは思います。
○池田委員 おっしゃるとおりだと思います。
○高久座長 どうもありがとうございました。
○医師臨床研修推進室長 それでは、よろしいでしょうか。次回についてです。8月の開催を予定しています。本日は多々貴重なご意見を賜りましたので、そのご意見を踏まえて、中間まとめの修正案をお示ししまして、本検討会における最終的な中間まとめを取りまとめていただきたいと考えています。以上です。
※厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室
<照会先>
厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室
直通電話: | 03-3595-2275 |
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 専門医の在り方に関する検討会> 専門医の在り方に関する検討会(第9回)議事録