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2012年6月21日 第2回集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の検証及び再発防止に関する検討会

○日時

平成24年6月21日(木) 9:30~11:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○議題

(1)早期に実施が必要な対策(たたき台案)について
(2)検証項目(案)について

○議事

○巽B型肝炎訴訟対策室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第2回集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の検証及び再発防止に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてお礼を申し上げます。
 まず、事務局より本日の構成員の出席状況について報告いたします。
 本日は、前回御欠席の花井構成員も御出席いただいております。
 また、位田構成員、高橋構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 なお、現在、新美構成員、丸木構成員、小林構成員から遅れている旨の連絡を受けております。
 ここからは、永井座長に議事の進行をお願いいたします。
○永井座長 では、議事に先立ちまして、事務局より資料の確認をお願いします。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 まず、議事次第、構成員名簿、座席表、前回の議事録のほか、資料1~4まで、奥泉・田中・梁井構成員提出資料、田中構成員提出資料、梁井構成員提出資料、野口構成員提出資料、山本構成員提出資料?、?を御用意しております。
 また、前回の会議の資料をつづりましたファイルを各構成員の席に置かせていただいております。不足や落丁等がありましたら事務局にお申出ください。
○永井座長 ありがとうございます。
 本日の議題でございますが、前回の会議の際に構成員の皆様からいただいた御意見を事務局で整理いただいて、御意見を踏まえて「早期に実施が必要な対策(たたき台案)」と「検証項目(案)」を資料として準備していただいています。
 議題の1ですが、「早期に実施が必要な対策(たたき台案)」についてまず御議論をいただき、次に議題の2として「検証項目(案)」について御議論をいただくことにいたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題の1に入りますが、前回研究班で調査した結果に基づいて議論するということを中心にすべきという意見が多いということで、事務局では前回の検討会における意見を踏まえまして、「早期に実施が必要な対策(たたき台案)」を作成していただいております。このたたき台案について本日御議論をいただき、とりまとめをさせていただきたいということで、この検討会の中心となる検証作業にできるだけ早く移ることができればと考えております。
 では、資料1の「第1回の検討会における主なご意見」について、事務局から説明をお願いいたします。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 それでは、資料1をごらんください。基本的には、前回の議事の進行に従いまして検討会の主な御意見をまとめたものでございます。
 1つ目の丸ですけれども、B型肝炎の検証だけではなくてC型肝炎にも言及すべきという意見がある一方、検証会の設置目的とか検証の困難さなどからB型肝炎ウイルスを中心に検証を行うべきという意見がございました。
 2番目ですけれども、原告の状況把握のため、研究班のメンバーに原告を入れるべきだという意見。
 昭和48年のB型肝炎ウイルス発見以降を調査するのが第一であるとする意見がある一方、血清肝炎という形での被害がずっと報告されていたことから、B型肝炎ウイルス発見以前も検証すべきという意見がございました。
 検証項目につきましては、感染経路だけではなく発生率の変遷という量の変化を把握すべきだ。また、データを集めて疫学的に調査すべきだという意見。
 世界各国の肝炎予防対策についても検証すべきだという意見。
 被害者・肝炎患者の苦しみや生活実態を検証すべきだという意見。
 副反応報告の対象について、薬液そのものだけではなくて実施体制や実施方法の不備によるものも含めるべきだ。また、長い時間かかって反応が出るものにつきましても把握できるような仕組みにすべきだという意見。
 予防接種の「ヒヤリ・ハット」を報告させる仕組みとか、その情報を共有できるシステムが必要だという意見。
 予防接種部会の第二次提言を議論するのではなく、研究班で調査した結果に基づいて議論を進めるべきだという意見。
 評価・検討組織に患者団体も入れるべきだという意見。
 今回の予防接種制度の見直しの中に、B型肝炎のワクチンを入れたのは評価すべきだという意見。
 予防接種による被害に対して、早く救済する仕組みが必要だという意見。
 国民に対する正しい知識の普及や各種肝炎施策、B型肝炎訴訟に関する国民への普及啓発早期に対応すべきだという意見でございます。
○永井座長 そうしますと、これらの御意見を踏まえまして事務局で資料2の「早期に実施が必要な対策(たたき台案)」をつくっていただきました。これについても、続けて説明をお願いいたします。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 それでは、資料2をごらんください。前回の検討会で事務局の宿題となっておりました「早期に実施が必要な対策」ということで、たたき台案を作成いたしました。
 なお、このたたき台案につきましては予防接種法改正に係る予防接種部会の議論と、前回の検討会での主な意見を踏まえて作成したものでございます。

 1.はじめに
 平成23年6月28日に締結された原告団、弁護団及び厚生労働大臣との基本合意書には「国(厚生労働省)は、集団予防接種等の際の注射器等の連続使用によるB型肝炎ウイルスへの感染被害の真相究明及び検証を第三者機関において行うとともに、再発防止策の実施に最善の努力を行うことを約する。」とされている。
 今般、本検討会において、その実態及びその経緯等の検証を多方面から行い、これらの検証結果や予防接種施策の現状等を踏まえて、再発防止策の検討・提言を行うこととしている。
 一方、本検討会では、再発防止のための予防接種制度の安全性の確保については、平成25年度予算の概算要求及び現在検討中の予防接種法改正に反映させるため、早期に対応すべき事項として、以下のとおり、とりまとめた。
 厚生労働省においては、二度と予防接種による感染症感染拡大を起こさない、そして、国民の命と健康をしっかりと守ることのできる予防接種行政を目指し、本提言に基づき、予防接種法の改正や予算の確保を早期に実現するよう期待する。
 2.早期に講ずべき事項
 (1)予防接種の安全性確保
 ○予防接種の安全性確保を図るためには、予防接種法の対象となる予防接種に係る医療機関からの副反応報告を法律上位置づける必要がある。
 ○副反応報告では、予防接種の実施方法等の不備による場合を含め、できるだけ幅広く情報収集できる仕組みにすべきである。
 ○副反応報告の個別事例については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に情報整理・調査を行う権限を付与するとともに、その人員体制等を強化する。その際、国立感染症研究所は必要に応じて協力・連携する。
 ○予防接種による副反応を正しく評価するためには、医療機関による報告とともに、一般から寄せられる副反応に係る情報も重要であり、できるだけ幅広く情報収集に努める。
 ○PMDAによる情報整理・調査に基づき、評価・検討組織が薬事・食品衛生審議会と連携して、副反応報告に係る評価を行った上で、国が必要に応じて接種の一時見合わせ等の措置を講ずる。
 ○予防接種施策全般について、我が国及び海外の先進的・科学的な知見を集め、総合的・恒常的に評価・検討を行う組織を設置する。
 ○評価・検討組織での科学的な知見に基づく審議を可能とするため、厚生労働省や国立感染症研究所の事務局体制の充実・強化を図る。
 ○感染症サーベイランスを適切に実施し、感染症に係る患者や病原体の情報を継続的に収集・解析する。
 ○評価・検討組織は、医療関係の専門家、法律家、学会、被接種者の立場を代表する方などが参加し、国民的な議論を行う場とする。
 ○厚生労働省は、副反応報告に係る情報を速やかに予防接種を実施した地方自治体に対して提供する。
 さらには、予防接種の適正な実施やリスクに関する情報提供のため、国民、報道機関、医療関係の専門家等が、それぞれ必要とする情報を容易に得ることができるよう、ホームページの内容の充実や利便性の向上などを図る。
 (2)その他
 ○国民に対する正しい知識の普及、各種肝炎施策及びB型肝炎訴訟に関して、国民への普及啓発が必要である。
 ○B型肝炎ワクチンについては、ワクチン効果の持続性等のエビデンスを集め、定期接種化を検討すべきである。その際には、定期接種の実施主体である市町村等と十分に調整すべきである。

 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございました。
 この対策のたたき台案ですが、これは平成25年度予算概算要求及び現在検討しています予防接種法改正に反映するため、早急に議論が必要なものであります。前回の議論を踏まえまして、このたたき台案につきまして御議論いただき、本日とりまとめができればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまの説明に御意見、御質問等がおありの方は御発言をお願いいたします。
○梁井構成員 梁井です。よろしくお願いいたします。
 私は、この検討会が集団予防接種によるB型肝炎感染拡大の検討と再発防止を検討する会であるならば、皆様にお配りしております梁井が提出しました意見書に述べていますことが早期に対応すべきことではないかと考えます。
 まず第1に、基本合意・特措法によるB型肝炎感染の被害者に対する救済制度が国民に周知徹底されるように広報を拡充すること。
 2.すべての国民が少なくとも1回は肝炎ウイルス検査を受けるように、肝炎ウイルス検査の体制を整備するとともに、広報を拡充すること。これを提案しております。
 昨年、私たちは国と基本合意し、締結しましたけれども、現在1年にもなるというのに救済を求めて提訴している被害者はまだ4,000人余りです。国の推計によると40万人以上の被害者がいるとなっていますけれども、この数ではまだ約1%にしかすぎません。
 なぜこのように少ないのかというと、この基本合意・特措法に基づく救済制度を知らない被害者がまだたくさんいるのではないか。そしてまた、自分が被害者であるということに気づかない人たちがまだたくさんいるのではないかと考えられるからです。
 被害者を早期に救済することは、被害の拡大・重篤化を防止することですから、私たちが今ここで討議する再発防止に関して大変重要なことであり、緊急に取り組むべきことではないかと思います。
 私がたくさんの原告の方とお会いして感じたことは、キャリアの段階の方はまだいいのですが、知らない間にがんにまで進行していて、がんになって初めて自分がB型肝炎に感染したんだということに気づいた人がたくさんいます。もう先が短いという状況になって、肝炎に感染していることがわかったという人は、私はなるべく少なくなってもらいたい。止められるものならば止めたいと思います。
 そういう意味からしても、再発防止ということで私が述べさせてもらいました意見を2点をここの検討会で優先にというか、早急に対応していただきたいと思っております。以上です。
○永井座長 今、広報と検査体制のお話が出ましたけれども、いかがでしょうか。
 では、どうぞ。
○田中構成員 原告の田中です。
 今の梁井さんの案に非常に賛成で、それに補足して言うならば、今、話にあったように被害を受けた被害者は四十数万人と言われています。そのうちのまだ4,000人しか提訴していないし、現実にもう亡くなっている方が何人もいらっしゃる。あるいは、現在苦しんでいる方がいらっしゃる。それを救うのが今、緊急に必要な対策ではないか。
 今、苦しんでいる方がなぜ苦しんでいるのかわからない。あるいは、もしかしたらこれから発病することを知らない。将来苦しむことを知らない人を救う。それが今、緊急に必要なことではないか。
 そういう意味で、今回の梁井さんの対策、そして私も「再発防止策の検討につき、緊急に講ずべき対策」というものを出させていただいております。詳しくはそちらをごらんいただきたいのですが、勿論、今たたき台で出ました予防接種の安全性の確保についての論議も必要かもしれません。これは、予防接種部会の方で随分回数も重ねて検討されているというふうに聞いております。
 ここでの検討会の目的は、第1回の検討会でも目的を確認しましたとおり、集団予防接種等の際の注射器等の連続使用によるB型肝炎ウイルスの感染被害の真相究明及び検証を第三者機関において行うとともに、再発防止策の実施に最善の努力を払う。今、緊急対策で必要なのはそういったことではないか。
 梁井さんの案と、そして私も出しておりますが、例えば今回この被害、あるいはまだこれからの方もいますが、こういった記憶と教訓をやはり国民的に共有すべきだ。被害者の苦しみを国民の一般の方、そして医療従事者、医療に従事すべく学んでいる学生たちに積極的に伝えていくことが必要ですし、私も原告で闘ってきた中で伝えてきました。
 教科書から、この集団予防接種の針の使い回しがなくなったということは、その話の中で聞きました。こういった実態がある。そして、私たちが苦しんでいる実態を伝えて、私たちが語り部になり、そういったところに少し予算を使っていただきたい。
 B型肝炎や薬害エイズ、あるいは薬害ヤコブ、こういった悲惨なことが二度と起こらない。それが私たちのできること、遺族の方にできること、今、苦しんでいる方にできること、そこを私は提案したいと思います。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。
 では、どうぞ。
○小森構成員 ちょっと論点がずれて恐縮でございますけれども、1点だけ指摘をさせていただきたいと思います。
 岡部構成員ともども予防接種部会の委員でございますので、資料2のたたき台案の2ページ目の最後の「(2)その他」の「B型肝炎ワクチンについて」はというところでございますが、22回にわたる予防接種部会、あるいはその下のワーキンググループとしてのワクチン評価に関する小委員会の報告等を踏まえ、「ワクチン効果の持続性等のエビデンスを集め」ということは極めて重要なことであるのは間違いございませんけれども、既に第二次提言も5月23日に出されて、予防接種法改正案について国家で審議をされるという段階でございますので、私は「ワクチン効果の持続性等のエビデンスを速やかに集め、定期接種化を促進すべきである」というふうに書き直していただきたいということを申し上げたいと思います。是非よろしくお願いいたします。
○岡部構成員 岡部です。
 ただいま議論のあった予防接種部会のときの議論ですが、そこではワクチンの効果あるいは副反応も含めての評価、これはワーキンググループですべて提出しておりまして、予防接種部会としては医学的にはこれは必要なワクチンである。HBだけに限らず討議の対象にしたワクチンについてはすべて医学的に必要なワクチンであるということを提出してありますので、今このワクチンのエビデンスというものについてこれから集めるという必要はないと思います。
 それをもう一回この場で評価というならば別ですけれども、専門部会の方では一応すべての議論を尽くしていますので、B型肝炎ワクチンについてもこれまで出した資料に基づいて定期接種化を検討すべきであるとしていただいた方がいいのではないかと思います。
○小森構成員 岡部構成員の意見に賛成でございますが、ここに書いてあったのをそこまでにしていいかどうかということがございまして、先程の発言をいたしました。それを踏まえて今から検討ということではなくて、促進すべきであるという結論を予防接種部会からもう出しておりますので、前段については岡部構成員のおっしゃるとおりに、また後段につきましては「検討すべき」ではなくて「促進すべきである」と、提言のとおりにお書き直しをいただきたいと思います。
○永井座長 奥泉委員、どうぞ。
○奥泉構成員 奥泉です。
 私も前回もちょっとお話をさせていただいたんですけれども、この検討会でどういう議論をするのかというところの問題で、やはりこれまでの予防接種の在り方を十分いろいろと検証した上で再発防止を検討していくことが大きな目的ということで、今回出されている「早期に実施が必要な対策」というのは、今お2人の先生がお話をされたように、予防接種部会で随分議論をされてきた問題なものですから、ワクチンの問題を含めても私たちとすれば十分な議論をしていないというのが実態です。
 私は原告団、弁護団を含めて、このワクチンに関してはいろいろ原告団の中でも考え方はありますけれども、私たちは予防接種で被害を受けたという立場もあるものですから、それを広めていくということについてはきちんとしたいろいろな問題点をクリアにしていかないと、なかなか結論が出せないというスタンスでもあります。
 そういう問題も含めて今、出された予防接種の安全性確保の問題についても、すべて予防接種部会で議論されてきている問題をこの検討会での検証抜きに今こういうふうにとりまとめるのがいいのか。そこに私は根本的に疑問がありまして、予防接種部会の先生方で22回も議論されて結論を出されている。それは本当に敬意を表したいと思うんですけれども、この検討会で同じようなことを検討会としてまとめるというのはどうかというか、私としては同じ問題なんだけれども、この検討会として議論しないでまとめるというのはちょっとおかしいんじゃないかと率直に実は思います。
 ですので、予防接種部会の議論といいますか、結論は結論としてそれはやっていただいて、やはりこの会議では検討事項、検証事項も十分議論して、そこから始めていくという方がこの検討会のスタンスとしていいのではないかと思っております。
○永井座長 いかがでしょうか。大分、話が広がっていますが、今回の検討会の目的との関係ではどうなのでしょうか。何でも対応するというのは、時間の関係上なかなか難しいように思うのですが。
○山本構成員 日肝協の山本です。
 今、奥泉さんが言われた内容と同じなんですけれども、この1項につきましては予防接種部会でいろいろ検討された結果が出ていると思うのですが、22回も検討された結果をこの検証委員会でいいか、悪いかという賛否はなかなか難しいのではないかと思います。
 2項に書いています「その他」につきましては、ユニバーサルワクチンと、それから今後、特に急ぐものとしてどういう項目があるかということが出ていると思うのですが、日肝協としましてはユニバーサルワクチンにつきましてはやはりB型が日本古来のウイルスと違いまして海外のウイルスというのは慢性肝炎になるという危険性もありますし、海外との往来もありますので、やはりユニバーサルワクチンを進めていただいたらいいということで、私どもは厚生労働省の方にもお願いのレポートを出しております。それ以外に、今後そういう感染が起こらないということが1つ目ですね。
 2つ目としましては、やはり予防注射、針、筒を変えないという問題とか、医療現場あるいは福祉現場ではいろいろな感染の可能性がまだ残っていると思いますので、それにつきましてやはり検証といいますか、マニュアル等を書いていただきまして、各種の医療現場あるいは各種の福祉現場で感染が起こらないような対策をとっていただく。
 それから、両方ともやはり偏見差別がまだまだずっとありますので、それの起こらないようなマニュアルをつくっていただきまして、それを周知徹底していただく。医療現場あるいは福祉現場でそういうことをお願いしたい。
 それからもう一つは、ちょっと長期的なものになるのですが、私ども肝炎患者というのは、このウイルスに感染してそれが死に至る病であるということは全くわからなかった。そういう面で、そういうことを知っていればもっとそれぞれの人間が対策をとれて、その病気の対策ができたのではないかと思っております。
 ですから、死に至る病気、これは肝炎も含めてがんであるとか、あるいは循環器の疾患がございますね。そういう死に至る大きな病気につきましては、やはり国民に勉強する機会を与える。そういうことによって、日本がもっと長寿国になると思いますので、特に学校現場ではやられていると思うのですが、成人になった後は全くそういう教育がないんですね。だから、そういう社会教育といいますか、そういうものをもっとやっていただきたい。
 例えば、5年とか10年ごとにそういう教育をするような仕組みを是非考えていただいたらいいんじゃないかと思います。以上です。
○永井座長 今いろいろなワクチンの問題や、これからの広報、肝炎ウイルスの怖さの周知の問題を御提起いただきました。これは、先ほどの予防接種部会とか、あるいは肝炎対策協議会の仕事との関係ではどういうふうに住み分けたらよいのですか。要するに、ここの検討会でそこまで対応が必要かどうかということですが。
○小森構成員 私は1点だけ指摘をさせていただきましたけれども、この検討会の仕事は予防接種のワクチンの種類であるとか、あるいはその体制等について検討することが主たる目的ではございませんので、第二次提言に参画をした一人として、この部分は第二次提言とやや異なった書き方でございましたので、それを指摘したということでございまして、この検討会の主たる目的は梁井構成員そのほかがおっしゃられたことを踏まえて検討されればいいと思いますので、そこに絞られた方がいいと思っております。
○永井座長 事務局、いかがでしょうか。
○外山健康局長 そういった意味で梁井さん、田中さんの御発言のようなことをこの資料2の文言で入れてもらえればいいのかなという気がします。
 それと、予防接種部会との関係では、予防接種部会でまとめられたようなことは当然正しいものとしてということはいいんですけれども、ちょっと補足しますと、「その他」のところで「B型肝炎ワクチンについては、ワクチン効果の持続性等のエビデンスを集め」と申し上げましたのは、予防接種部会の方でB型肝炎ワクチンについてはやるべしというふうに提言されているのですけれども、先ほど山本さんがおっしゃったようにユニバーサルワクチンとした場合、成人期までそのワクチンの効果が持続するかどうかというのはまだわからない。宿題になっていると思っておりまして、そういった観点も含めてちょっと書いたわけでございます。
 いずれにしろ、予防接種部会との関係では予防接種部会でおっしゃっていることが忠実に書かれて、肝炎対策推進協議会との関係でも同様なことが書かれてもいいと思いますけれども、視点としては再発防止のために先ほど梁井さんがおっしゃったような、各種肝炎の中で肝炎ウイルス検査をきちんとやるべきであるとか、あるいは啓発普及などでも田中さんが医療関係者についても一般国民というだけではなくて啓発普及すべしというふうな御意見をありがたく今、拝聴したわけでございまして、そういった切り口で私どもとしては御意見をいただければ大変ありがたいと思っています。
○永井座長 そうすると、今回のたたき台案の中にどんなふうに盛り込む文章が入るのでしょうか。これは、少し追加が必要かと思います。特に広報に関してですね。
○垣本構成員 そのことについて、これを見ると「その他」というふうな文言で2ページのところに先ほどから梁井構成員などが言われているような再発防止のための広報とか、そういうようなものが書いてあるんですけれども、啓発ということが「その他」に入っておりますので、この並びを「早期に講ずべき事項」として(1)の安全性確保と同じような括弧の中でそれを大きく出すというふうにするのはどうかということをひとつ提案したいと思いました。
(「賛成」と声あり)
○永井座長 よろしいでしょうか。それでは、これを少し上に上げる。「その他」ではなくて、「早期に講ずべき事項」の中に上げるということでよろしいでしょうか。
○田中構成員 原告の田中です。
 私も、毎月病院に行っているんですね。つい先週も病院に行きました。勿論、私は肝臓がんでその治療で行っているわけですけれども、最近この訴訟について知っている方は増えましたかと医者に聞いたところ、「全然知らないですよ。肝臓病のB型肝炎の患者でさえこの訴訟を知らない」ということを、私の主治医は言っていました。病院の中には、こういった啓発をするようなポスターも張られていない。ある地域では、県がつくったポスターを各病院に下ろす予算がないというようなことも聞いております。
 そういった意味では、本当に啓発というものが今、重要である。そして、医療従事者の方の教育、こういうことをやっているんだということは重要ですから、やはり「その他」ではなくて一つの項目として挙げていただき、私や梁井さんが提案したものを緊急にすべき項目として少し取り上げていただきたいと思います。お願いします。
○永井座長 いかがでしょうか。今の扱いについて、そういうことでよろしいでしょうか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 今の議論を踏まえまして修正案を提示させていただきますと、まず2の(1)、(2)ということで分けていたわけですけれども、「早期に講ずべき事項」ということで、(1)の「予防接種の安全性確保」という題名と、(2)の「その他」という部分の題名は削らせていただきます。
 それで、先ほど小森構成員等からワクチンのことについて言われておりまして、予防接種部会での議論も踏まえながらということですので、「エビデンスを速やかに集め、定期接種化を促進すべきである」という修正にさせていただきたいと思っております。
 それで、普及啓発の件でございますが、普及啓発につきましては基本的に先ほどの旧の「その他」の1つ目の丸で「国民に対する正しい知識の普及、各種肝炎施策及びB型肝炎訴訟に関して、国民への普及啓発が必要である。」という文言になっているわけですが、基本的にここの部分につきましてはこれから政府の方で予算編成過程で具体的な中身を詰めていく方針ではありますが、医療関係者へのマニュアルとか、先ほどの構成員からの御意見を踏まえると、例えば「国民への普及啓発」の前に「医療関係者を含めた」というような文言を入れるとか、ほかに肝炎ウイルス検査の重要性ということを梁井構成員からも言われましたので、「各種肝炎施策」の前に「肝炎ウイルス検査を含めた各種肝炎施策」ということで追加させていただくという案ではどうでしょうか。
○永井座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○岡部構成員 予防接種部会にいた者としてはちょっとこだわりがあるんですけれども、「ワクチン効果の持続性等のエビデンスを集め」というのはどこが集めてどういうレベルを期待されているのか。つまり、これをこれから専門家に改めて要求するということになると、前と同じ繰り返しが行われることになる可能性があります。
 ただし、予防接種部会が得たエビデンス等々についてこの委員会で評価をするというのは、これはまた別で、それはいろいろなところで評価をしていただいた方がいいと思いますけれども、あらかじめいろいろなデータをまた医学的に集めるというのは非常に時間のかかる非効率なことだと思います。
○正林結核感染症課長 最後から2回目の第21回目の予防接種部会の場で、実はこのB型肝炎のワクチンについても議論になりました。そのときに、どのくらいのワクチンの持続効果があるのかとか、乳幼児期にどのぐらい広がっているのかということがエビデンスとしてどうでしょうかということを事務局から投げかけたところ、そういうエビデンスについては十分ないので、それはしっかり調べたらどうだということを事務局の方に宿題としていただくような形でその日は終わっています。
 それで、最後の回では勿論、接種を促進することが望ましい。B型肝炎も含めて促進することが望ましいという表現で最終答申はいただいていますが、事務局としてはやる場としては何か研究班を立ち上げるか、あるいは専門家にそういうデータを集めていただくということを宿題として持っていますので、そういうことをやった上でB肝のユニバーサルワクチンについて促進していきたいと考えています。
○岡部構成員 度々、済みません。期待している部分が少し違うのではないかと思うんです。予防接種部会では、乳幼児における水平感染並びに垂直感染を予防し、できるだけ多くの人に生直後ないし乳幼児のときから免疫を持つということが第一の視点の定期接種化だと思います。
 それで、こちらの検討会で何を期待されているかという部分については、もしかすると思春期あるいは成年層においての抗体を維持すべきではないかということを含めての定期接種化であるならば、後半については予防接種部会では検討していないという意味です。
 前半については、既に乳幼児期についてのユニバーサルワクチンは必要ですという結論に至っていると思います。
○永井座長 丸木委員、どうぞ。
○丸木構成員 それに関連してですけれども、そうするとここに、予防接種部会でのエビデンスなどを踏まえとかの一言を入れれば、それを繰り返さないということで使えるのではないか。このB型肝炎ワクチンについては期待が持てるもので、やはりこの委員会として全く無視するというわけにはいかないと思うんですね。
 ただ、そういうものを促進することは前提だけれども、この検討会でやるのはもっと別のことに絞って、その意味では、広報の方を充実するということに私は賛成です。
○永井座長 そろそろ議論をまとめたいと思いますので、手短にお願いします。
○奥泉構成員 今、議論を聞いていても、なかなか微妙な問題がある。私も実はいろいろワクチンについて勉強したいと思ってはいまして、どういうものがいいのかということもいろいろ考えてはいるんですが、そういうことも含めて、今日ここでワクチンの問題も含めてこの検討会で意見を言うのがいいのか、どうしても私は躊躇を感じます。
 ですので、提案ということで本当に申し訳ないんですけれども、私としては先ほど梁井さんや田中さんがおっしゃった、早期に対応すべき事項は早期に対応すべき事項としてまとめて、それ以外については予防接種部会の意見が出ているということを理解するといいますか、そういうことにとどめた方がいいんじゃないかと私は思います。
○永井座長 では、手短にお願いします。
○梁井構成員 私は肝炎患者として、ワクチンをこの検討会で推進していくというのはどういうものか、私も賛成はできません。
 先ほど岡部先生の方から、ワクチンの件で成人感染ということをここでは言っているのではないかというふうなお話もありましたけれども、私たち肝炎患者はB型肝炎が性病であるとずっと言われ続けて、自分の病気を隠してきた人がたくさんいるんです。そういうことも考えますと、予防接種部会では随分議論されていることだと思うので、それは評価できると思いますが、この検討会で何も話さないままでB型肝炎ワクチンを促進するということを出すというのはいかがなものかと思います。
 肝炎患者としてはありがたいとも思いますけれども、やはりそのまま素直に受け入れられないという複雑な思いもありますし、その辺りも先生方に考えていただきたいと思います。
○永井座長 検証の過程では、当然そういうことを議論すると思うのですが、今回の概算要求への「早期に講ずべき対策」としてはどうなのでしょうか。
 事務局から、その辺をどう文章化したらよいのかということについて御意見をいただけますか。
 では、丸井委員どうぞ。
○丸井構成員 事務局の返事を待つ間ですが、先ほど事務局から、「その他」の項にある「国民に対する正しい知識」の云々というところを初めの方に出すというお話でした。この文を多少修正するにしても「普及啓発が必要である」となっているのですが、ここで言うべきは早期に対応すべき事項です。
 そういう意味では、「必要である」という認識をここで言うのではなくて、普及啓発を実施する、あるいは普及啓発を行う、あるいは梁井さんの御提案のように普及啓発を拡充するとか、もう少し具体的に何をするのかということがないと、「必要である」では単に認識になってしまうと思います。その辺は言葉ではありますけれども、ちょっと注意していただければと思います。
○永井座長 それは、そのように変えるのが適当だと思います。
 いかがでしょうか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 今の御意見につきましては、「普及啓発が必要である」という主観ではなくて、客観的に「実施すべきである」とか、そういう言葉に直したいと思います。
○永井座長 それから、梁井委員の御発言をどのように早期に実施すべき対策に入れ込むかということですが。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 予防接種部会の話につきましては、我々は当然諮問機関として意見を尊重するということで、その報告に基づきまして今回事務局として提案させていただいた文言でございますので、これを踏まえてこの検証会議でどういうふうに意見をまとめるかという話になってまいると思います。
○永井座長 よろしいでしょうか。
 そういたしますと、幾つか文章の修正が必要だと思いますが、いかがでしょうか。今の御意見を踏まえまして、座長と事務局で相談させていただいて、なるべく構成員の方々の意見を入れ込む。そして、主観ではなくて何を行動するかという文章にして、また、「その他」というのは除いてすべて早期に実施すべきということでまとめさせていただきたいと思います。
○山本構成員 その意見でいいんですけれども、ちょっと申しましたように医療関係者ということで、すべての医療関係者に今後起こらないような指導といいますか、説明書をつくるであるとか、あるいは福祉関係者には偏見、差別等が相当残っていますので、そういう面につきましてもその中に入れ込んでいただきたいと思います。
○永井座長 これは、最後から2番目の丸のところに、医療関係を含めたという対象をしっかり明記するということだと思います。そういうことで、この対策案につきましては御了解いただきたいと思います。
(構成員 異議なし)
○永井座長 ありがとうございます。
 それでは、もう一つの議題でございます「検証項目(案)」でございますが。
〇野口構成員 済みません。ちょっと追加があるのですが、全く別件です。
 裏面の2の丸の3つ目ですが、書きぶりについての御提案です。「予防接種施策全般について、我が国及び海外の先進的・科学的な知見」とありますが、ここにやはり「社会的知見」というものを入れていただきたい。これは社会問題ですので、社会的にどういうふうに影響しているかということです。
 それから、その下もそうです。「評価・検討組織での科学的な知見」となっていますが、ここに「社会的」という言葉を加えていただきたいと思います。
〇永井座長 それは、よろしいですね。
 では、そのように対応させていただきます。ありがとうございます。
 では、次の議題、「検証項目(案)」でございます。この検討会の中心となる検証作業に関する資料3の「検証項目(案)」について、事務局から説明をお願いいたします。
○岡田B型肝炎訴訟対策室長補佐 では、事務局から「検証項目(案)」、資料3に基づきまして御説明させていただきます。資料3をごらんください。
 前回、第1回本会議におきまして「検証項目(案)」を事務局よりお示しさせていただきまして、その席上いただきました御意見を踏まえて修正を行っております。
 「検証項目(案)」でございますけれども、大きく1から6までで構成しております。
 「1.予防接種等の実態」という中で変更点といたしましては、赤字で書いてございます「昭和23年から昭和63年までについて検証」という追記を行っております。
 「2.日本におけるB型肝炎ウイルスの感染及び感染拡大の実態」につきまして、第1回でいただきました御意見を踏まえまして、「B型肝炎ウイルスの感染実態」という文言と「B型肝炎ウイルス感染者の生活実態」という文言を追記させていただきました。
 変更点は、以上となります。簡単ではございますが、説明いたしました。
○永井座長 それでは、御意見をいただきたいと思います。
 この検証項目は、今後の検証作業のスケジュールを考えますと本日の検討会でできれば決定したいと考えております。その上で、研究班に具体的作業をお願いするということになっておりますので、よろしくお願いします。
 では、御意見をお願いいたします。
○奥泉構成員 奥泉です。
 事前に、この検証項目についての意見ということでペーパーを配付させていただいております。これは、原告団・弁護団で議論をした内容でまとめたものでございます。
 要点だけ述べさせていただきたいと思いますが、事務局案の検証項目に検証項目として追加をしていただきたいということが1点です。それは「集団予防接種等によるB型肝炎感染被害の実態(肉体的、精神的、経済的被害の実態。差別偏見を含む。)」ということで、これは前回も議論が出ましたけれども、この検証会議の出発点というのはやはり感染被害者の方のそういう思いをきちんと取り上げると言いますか、それを踏まえるということが必要だと思いますので、この項目を入れていただきたい。
 そういう意味で、今日「検証項目(案)」の中に2の?として「B型肝炎ウイルスの感染実態」、それから「B型肝炎ウイルス感染者の生活実態」ということで、項目を加えていただきました。
 これに重なることではあるんですけれども、やはりこの検証会議自体が集団予防接種での感染被害を検証するという意味で、被害実態ということの認識と言いますか、言葉と言いますか、その実態をきちんと検証するんだという趣旨でできれば項目立てをしていただければうれしいと考えております。
 第2としまして、それぞれの事務局案の検証項目に関して、以下の点について留意して検証していただきたいということです。
 事務局案の1項の「予防接種等の実態」に関して、「予防接種等に関する予算の内容」についても、そういう視点も含めて検討していただきたい。やはりこれまで予防接種がどういうふうに行われてきたかという中では、予算がどういうふうに付いて、それが自治体にどういうふうに配分されて、十分なものがあったのかなかったのか。あるいは、ディスポーザブルに代わるころに、それが速やかに予防接種に反映されたのか否かという点は予算の問題にも関わってくるのではないかと思いまして、こういう項目と言いますか、この点についても念頭に置いて検証していただきたいと思っております。
 それから、2番目としまして「日本におけるB型肝炎ウイルスの感染及び感染拡大の実態」に関して、このB型肝炎ウイルスを「ウイルス性肝炎(B型及びC型あるいは血清肝炎)の感染拡大」という形で入れていただければと思います。
 これも前回、議論が出たところではありますけれども、戦前戦後直後は血清肝炎という言葉でこの病気が把握されていて、その後、B型肝炎ということがわかったという形ですが、肝炎の危険性というのはその当時からあったという意味では、B型、C型も含めた感染の危険性という問題が出てくるだろうということで、こういう言葉で認識いただければと考えております。
 それから、3番目としまして「B型肝炎に関する医学的知見およびそれに対する関係機関等の認識について」、これもB型肝炎というよりもウイルス性肝炎、あるいは血清肝炎に関する医学的知見ということで行っていただきたいと考えております。
 それから、事務局案4項の「集団予防接種等によるB型肝炎感染被害発生の把握及び対応」に関しても、同じようにウイルス性肝炎、あるいは血清肝炎の感染被害の発生の把握という項目で検証をしていただきたいと考えます。
 それから、「集団予防接種等によるB型肝炎感染被害が社会問題になった後(特に札幌高裁判決後や最高裁判決後)においても、被害救済が進まなかった原因」についても、調査をしていただきたいと考えております。これは、やはりこの再発防止、感染拡大の防止という意味では、ずっとその後、判決があっても十分な対応がなかなか取れなかったということもありますので、今後の対策を立てる上でもそういう問題も含めて念頭に置いて検証していただければと考えております。
 それから、(3)としまして「集団予防接種等によるウイルス性肝炎(血清肝炎)感染被害の発生・拡大を防止できなかった行政の組織的な問題」についても検証されたい。これは裁判の中でも問題になったんですけれども、やはり行政の組織でなかなか縦割り行政で十分いろいろな知見がいっていないんじゃないかとか、そういう議論が出たところもあるものですから、そういう行政の在り方という視点も入れて検証していただければと考えております。
 それから、「集団予防接種等によるB型肝炎感染被害の救済について、予防接種法の健康被害救済制度との関係」についても調査研究をしていただきたい。これは、先ほどの議論の中で副反応の事例の集積と言いますか、そこにも関わる問題だとは思いますけれども、過去このB型肝炎の感染については予防接種の健康被害の制度には全く関わってこなかったと言いますか、そういう対象にならなかったということもありますので、その関係についても検証いただければと考えております。
 それから、5番目としまして「医学教育における集団予防接種等によるB型肝炎感染についての対応」についても、調査検証されたい。やはり集団予防接種によるB型肝炎の感染というのは随分、昔と言いますか、当初は集団予防接種が大きな原因なんだということを医学者の方がおっしゃっていたこともあるし、本には書かれていたということも実はありまして、それがその後あいまいになってきているのではないか。医学教育の中でこの問題についてどういうふうに把握されてきたのか、あるいは把握されてこなかったのかというところも検証していただければと考えております。
 それから、最後に「再発防止策の策定に向けた検討」の中に、「今後の予防接種行政に向けた提言を行う」というふうに書かれているんですが、予防接種行政ということに限定することなく、「予防接種行政を含む厚生行政に向けた提言を行う」ということを入れていただきたいと考えております。以上です。
○山本構成員 日肝協の山本です。
 提出資料をお出ししています。山本構成員?ですが、これの前に今日、事務局の方から検証項目として訂正が入っていますけれども、1項目の「昭和23年から昭和63年までについて検証」というのは1項目だけを言っているのか、それとも全部の項目について言っているのか。これは、また後でお願いしたいと思います。
 それから、私の資料ですけれども、今、奥泉構成員が言われた内容とほぼ同じですが、前回いろいろ議論がなされました事務局案の2とか3とか4の項目でB型肝炎ウイルスということになっているんですけれども、集団予防接種はB型肝炎ウイルスがわかる前からずっと行われていますので、B型感染ウイルスが発見されるまでは血清肝炎、B型肝炎ウイルスが発見されてから昭和63年になるのでしょうが、その間につきましてはB型肝炎ウイルスとノンA、ノンBウイルスということで是非お願いしたいということでございます。
 それから、私の資料で第4に書いてある項目です。奥泉先生が言われたこととほぼ同じなんですが、行政の組織ということで言われているんですけれども、集団予防接種による肝炎ウイルス感染被害が長期間、40年間ずっと継続しているわけですが、関係機関ですね。行政だけでなく関係機関から多分、警告とか警鐘というものが出たと思うんです。それにつきまして、検証をお願いしたいと思います。どういうものが出て、それに対してどういう対策が取られたのか、取られなかったのか。関係部門がたくさんございますので、それぞれについて是非検証をお願いしたいと思います。以上です。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、田中委員どうぞ。
○田中構成員 田中です。
 第1回の検討委員会のときに、自己紹介に代えてということで検証項目案を出しております。それが反映されているのかなというふうに思いますが、でもやはり今回、奥泉先生が出していただいた、奥泉・田中・梁井構成員提出資料とちょっと違うんじゃないかという気がしています。
 それはなぜかと言うと、1回目のときにも言いましたが、まず私たちはこのB型肝炎の注射器の使い回しで被害を受けた。そこから始めてほしい。その苦しみから始めてほしい。被害があって、まず何でそれが起こったのかという真相究明と、どうやったら防げるのかという再発防止、それが今回の検討会の目的である。そうであるならば、今回の意見で出してある第1の感染被害の実態、肉体的、精神的、経済的被害、差別の問題、これがここの検証項目には入っていないのではないかと思われます。
 私たちは、おなかが膨れて苦しんで亡くなったり、がんで苦しんだり、抗がん剤で苦しんだり、そういった肉体的、あるいはいつ死ぬかもしれない精神的、そして差別の問題、そしてそれが自分の責任ではないのに多大な医療費がかかったという経済的な被害、ここから出発なんです。
 それが、今回の検証項目の中では2のところに「B型肝炎ウイルス感染者の生活実態」とありますが、生活実態じゃないんです。被害者の実態なんです。そこをしっかりととらえてほしいし、そこからやはり始めていただきたい。
 今、苦しんでいる方、亡くなられている方、遺族の方、そこからやはり生活実態ではなく、被害の実態からなぜ起きたのかということをやってほしいし、それは国民に明らかにすることだと思います。
○永井座長 では、野口委員どうぞ。
○野口構成員 野口です。
 私も資料を提出させていただきまして、3点ほどあります。第1点と第2点に関しては今、田中構成員の方からお話がありましたから、繰り返しになりますのでここではあえて言いませんが、同じ気持ちでおります。
 第3点目に関して、被害の発生把握及び対応ですね。これは、私の文章は少し一般化してあります。先ほど奥泉委員や山本委員からも出ておりますが、やはりこの1から4の設問に対して、なぜそういうふうになっていったのかというふうな質問を投げかけていただいて、そこからやはり1段階、2段階掘り下げて、そこで医学的、制度的、構造的、社会的にどういうふうな相互関係があったのかということを浮き彫りにしていただきたいと思います。
 幸い、今回、研究班の方のお名前を見たところ、手塚先生も入っていらっしゃいますので、手塚先生の著書を読んでおりますし、その辺の相関関係を浮き彫りにしていただくことを期待しております。
○永井座長 いかがでしょうか。今の2の赤字の部分ですが、精神的、経済的被害の実態ということをもう少し強調するということと、それを前に出すということですね。最初の項目に1を上げるということです。
 それから、B型肝炎ウイルスと言ったときに、昭和23年からウイルスが発見されるまでは血清肝炎と言われていたので、これはもう少し血清肝炎ということも明記する必要があるだろうということです。
 それから、B型肝炎が見つかってから以降はノンA、ノンBと言っていた時代がありますね。その辺についても、この検証の対象とする。そういうところだったと思いますが、C型肝炎という言葉はもっと後ですので、昭和63年までとなりますとノンA、ノンBの時代ですね。そういうことを織り込むということで、事務局いかがでしょうか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 いろいろ御意見が出ておりますので説明させていただきますと、奥泉・田中・梁井共同意見ということで、まず第1の1の部分につきましては今、生活実態という言葉もございまして、もう少し具体的に書けということでございますので、例えば2の?に「B型肝炎ウイルス感染者の精神的、経済的な生活実態」というような形で入れさせていただくということでよろしゅうございますか。
○永井座長 この場所はどこですか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 ?の初めのポツに持っていくということでございます。
○荒井構成員 奥泉さん、田中さんの御指摘と今の事務局の御説明で1点だけですが、感染実態あるいは生活実態ということで、恐らく事務局案というのはその実態を客観的につかもうという趣旨だろうと思うんです。
 それはそれで結構だと思うんですけれども、先ほど来の御意見を聞いておりまして今、座長の御指摘も踏まえて申し上げると、精神的云々よりも基本的には被害という言葉を入れるかどうかだろうと思うんです。
 被害というのは、それに対して加害という言葉を連想するわけで、若干そこに評価が入ってくるわけですけれども、端的に申し上げると、昨年の基本合意書でB型肝炎ウイルスの感染被害の真相究明というのが既に出ているんですね。ですから、社会的云々という言葉を入れるかどうかに私はこだわりませんけれども、「被害の実態」という言葉を入れれば趣旨は全部含まれるんじゃないかと思います。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 我々は前回の検討会の御意見でも、苦しみとか、そういう差別、偏見とかという御意見がございましたので、当然それを排除するということでは考えておりませんので、具体的には研究班の中で、後でありますけれども、多田羅先生の方からも原告団が2名入っておりますので、そこで御意見を言っていただくということになっております。
○永井座長 多田羅班の方で当然、被害ということを踏まえた調査であるということを念頭に置いて進めていただくということでよろしいでしょうか。
○田中構成員 反対です。明確に「被害の実態」と入れていただきたい。「生活の実態」ではないんです。今、現在の生活ではないんです。なぜ、この被害が起きたのか。これは、基本合意書を結んだときにも国の責任と認めています。私は、「国の責任」と入れていただきたいんですが、そこまでは言いません。
 ただし、やはり被害の実態がありき、ここからそれがなぜ起きたのか。真相究明があり、再発防止がある。それなので、「被害」という言葉を是非入れて、それについて検証していただきたいと思います。以上です。
○永井座長 いかがでしょうか。
○垣本構成員 ちょっと確認したいのですけれども。この時間別というのはずっと表記されているんですが、当然のことながら時間軸別、地域別、あるいは性別、年齢別とか、そういうような内容も含んでいるのでしょうか。そこを確認させていただきたいと思います。
○永井座長 まず、この全項目に関する「時間軸での変遷」というのは全項目に関わっているということでよろしいですね。昭和23年から昭和63年というのは。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 基本的には昭和23年から63年で、これは基本合意書の中で国の責任が認められたところでございますので、そこを中心に検証いただくということで考えております。
 空間的な話などにつきましては、実際に検証というのは23年から63年というのは非常に難しい長い期間でございますので、具体的に多田羅グループの研究班の中で御議論いただくということになると思います。
○花井構成員 先ほどから実態を調べるときに、被害実態と、それからこの研究班のメンバーは大変だと思うんですけれども、文献をやる仕事と、それから被害者の実態というのがやはりあると思うんですね。
 それで、確かにこの書きぶりを見ると、結局のところ当事者の方も研究に入っておられるので当然、被害実態にフォーカスするとは思うんですが、やはり「集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の感染者の被害者実態」というふうに2のポツのところへ位置づけるのがまず1つあると思います。
 そこにフォーカスする話と、それからB型肝炎というのは感染ルートが幾つかあるわけですね。そうすると、この感染の実態となりますと、そこまで広いところを全部やるのかというところもあります。そこは絞り方だと思うんですが、当面もし期間的にも予算的にも人員的にも限りのある研究班でやられるのであれば、素直にそこは「集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の被害実態」というふうに書いておく方が、事務局で不都合があるかどうかは知りませんが、素直にここはそう書いておくべきじゃないかと思います。
 更にその広がりとして、HIVもそうですが、被害者以外の感染者の方とか、そういう切り分けですね。一人ひとりの患者としては切り分けは必要ないんですが、こういったときはどうしても被害の問題とその全体像というのが、やはり部分集合として被害者ということがありますから、フォーカスを当てるという意味では被害実態とちゃんと書いた方が、かえって多田羅先生が進める上でもポイントを絞れるかもしれないなとは思うんですけれども、それは多田羅先生の意見もと思います。
○多田羅構成員 今おっしゃっていただいていることは非常によくわかるんですけれども、研究を遂行するという観点からしますと、まさに今回被害から始まるのですが、研究という点からいきますと、では被害というのは何かという問題は非常に難しいわけです。ですから、結果としてやはりこの実態を明らかにして被害の実態というのは浮かび上がってくるものだろうと思うんです。
 被害の実態を明らかにするということですが、その被害は何かというのは非常に難しいでしょう。だから、何を明らかにするかという点が非常に抽象的、哲学的にはわかるけれども、方法論としてはやはり感染の実態を明らかにする中で感染者の生活実態、それは経済的とか精神的ということも含まれますけれども、その中でこういう被害が出てきた、被害があったということが言えるのであって、目的として被害の実態を明らかにするということは方法的にサイエンスとして成り立つでしょうか。永井座長、どう思いますか。
○永井座長 私は、いわゆる客観的な科学だけではなくて、どういうふうに社会あるいは被害者たちが受け止められたかということを調査していただきたいと思います。
○多田羅構成員 それは浮かび上がってくるのであって、それを研究の目的にはしにくいということです。
○永井座長 それは伝承でもよいですし、物語としてそれをきっちり記載するというのは非常に重要ではないかという御意見ですが。
○多田羅構成員 それはそう思います。
○永井座長 そういうことを期待されているのだと思います。それが科学的に妥当かどうか、あるいは有意差があるかどうかということではなくて、そういう情報を集めていただきたいというのが多分、原告団の気持ちではないかと思うのですが、そういうことでよろしいですか。それはそんなに難しいことではないと思います。やはり後世への資料として、私はそういうことは重要だと思います。
○多田羅構成員 研究の項目としまして、「被害の実態」という言葉を使えるかどうかなんです。それが明らかになるように研究することは、それは間違いないことなんですけれども、項目として「被害の実態」というものを挙げられるかどうかなんです。
○永井座長 ですから、そういうことがあったという歴史を残しておいてほしいということではないんでしょうか。
○荒井構成員 度々、済みません。座長の御指摘のところ、あるいは多田羅先生の御指摘の中身については全く私は異存があるわけではないのですが、この検討会の設置の趣旨からしましても、基本合意書に書いてあることをそのままタイトルとしては引き継いでおくというのが一番単純明快なのであって、中身に対してどういうことを期待するかというのは、場合によっては構成員の方々によって違うかもしれませんけれども、実質的な内容は先ほど多田羅さんのおっしゃったとおりで私は異存ないのですが、表現としては基本合意書に「B型肝炎ウイルスへの感染被害の真相究明と検証」という言葉が既に出ているわけですから、それを拾っておくというのが一番単純明快ではないかということでございます。
○外山健康局長 多田羅先生にはいろいろこれから御指導を賜りますけれども、私どもは客観的に当初「生活実態」で、原告団の方も研究班に入ってもらえば実質被害ということでやれるのかなと思いましたけれども、今の御意見を踏まえまして私どもとしては「被害実態」で結構でございます。
 ただ、それとは別に、ちょっと座長の御発言の中で気になりますのは、前回はC型肝炎とB型肝炎の関係では、B肝を中心に検証を行うけれども、その検証の過程の中で血清肝炎も想定された場合にはという形で、今の荒井先生の文言を借りれば、基本合意書にはB肝ということで書いてあるわけでございます。
 したがいまして、確認ですけれども、項目ではB肝ということで明示させていただきまして、その検討の過程の中で幅があって、いろいろな検討も出てくるというふうな形で整理させてもらいたいと思っております。
○永井座長 私もそういう趣旨です。C型肝炎という言葉が出てきたのは昭和48年からもっと後ですね。A、B、ノンA・ノンBの時代です。また昭和23年当時はB型肝炎という言葉はなかったわけですので、当時の血清肝炎の実態がないがしろにされないように、そういう意味で血清肝炎、それからある時期についてはノンA、ノンBに対する考察が必要であると思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
 では、どうぞ。
○八橋構成員 検討項目について、B型肝炎患者さん全体の実態を調べるのか、被害者の方の実態を調べるのかという点についてですが、研究班の中でこの調査をおこなう場合、方法論としては、B型肝炎全体を調査した上で、可能であれば、その中で被害者の方を抽出して別途、検討すべきと考えます。
 というのは、被害者の方だけに限定すると、被害者か被害者でないのかという認定、因果関係なども同定する必要があり、極めて難しい作業となることが予想されます。研究の進め方としてはB型肝炎患者全体を調査した上で、可能なら、被害者の方を意識した個別の調査をおこなうという2段階がふさわしいと思います。
 また、患者実態調査に関してですが、昨年度から始まった厚労省研究班の中に、(病態別の患者の実態把握のための調査および肝炎患者の病態に即した相談に対応できる相談員育成のための研修プログラム策定に関する研究)という課題名の研究班があります。実は、この研究班は、私が主任研究者としてC型肝炎、B型肝炎患者さんの生活実態を調査しています。5月末までに4,000人近くの患者さんからのアンケートを回収しており、その中にはB型肝炎患者さんのデータも1,000人ほど集まっています。そのアンケート調査の中には自由に記述していただくような箇所も設けたのですが、それを読ませていただくと、B型肝炎患者さんが、いろいろなレベルで大変、御苦労されているということが伝わってまいります。今後、研究班報告としては、そのようなことも公開する予定です。
○永井座長 そういう調査を参考として、多田羅先生の方で取り入れていただければと思います。
 では、丸井委員どうぞ。
○丸井構成員 丸井です。
 今の御意見に、私も賛成です。なぜかと言うと、先ほど来の被害そのものについてはこの検討会が行うものです。研究班は客観的な立場で全体的な像の中で一体何があったのかということをきちんと見ていただく。その結果を使ってこの検証する検討会がどのように考えるかということです。研究班そのものに余り強い方向性を押し付けるのはむしろよくないというふうに考えて、私は多田羅先生、それから今の御意見に賛成です。
○永井座長 あとは、この検討会の中で、研究班からも御報告いただくわけですね。
○多田羅構成員 勿論、そうでございます。
○永井座長 その過程でまた更にこういうことについても調べてほしいという意見が出ればそのときにお願いする。
○多田羅構成員 勿論そうです。ただ、今、丸井先生がおっしゃっていただいたとおりで、被害の実態という形から研究というのは非常に始まりにくいと思うんです。やはり基本的な実態を我々は踏まえて、その中から被害というものはこうだというのは浮かび上がってくるものであって、それを研究の目的にするというのは非常に最初から偏っている進め方になりますので、局長は「被害の実態」でいいとおっしゃいましたけれども、私としてはまだ賛成し難いです。
○外山健康局長 座長の御指摘もありましたけれども、資料3を見ていただきますと、2の?のところでポツが2つありますが、「B型肝炎ウイルスの感染実態」というものがあって、それから「B型肝炎ウイルス感染者の被害の実態」というストーリーでいくわけでありますし、まさに方法論としてはいわゆる感染実態から通るのは当たり前だと思いますし、随時またこの委員会の方に多田羅先生の方から御報告を賜れればと思っております。
○永井座長 野口委員、どうぞ。
○野口構成員 野口です。
 いろいろプロセスと方法論の話が出ていますけれども、先ほど座長の方からお話がありました、途中で報告があるというところで、今スケジュールをやっていらっしゃるかもしれませんけれども、大体感覚的に研究のどの時点で大体いつごろか。研究が大分、最後の方にいってこの会に上げられて、こうではなかったというとまた非常に大変なことになりますので、大体その辺の見通しですね。早目にどれぐらいの段階で検討会に上げていただけるかということをお伺いしたいと思います。
○永井座長 多田羅先生、いかがでしょうか。
○多田羅構成員 その点につきまして、1つは状況といたしまして、具体的にこの研究の作業を担っていただくのはコンサルになると思うんです。ですから、コンサルの力量、あるいは彼らから出てくる提案の内容、そういうものが現実には一番の条件の基盤になると思います。
 ただ、私は研究班の班長といたしまして、最低限月1ぐらいにはその都度、報告させていただいて全体を進めていただいたらどうか。これは今のところコンサルと具体的に相談し、研究方法を煮詰めないと最終的なことは申し上げられないんですけれども、常識的に月1ぐらいは報告させていただきたいと思っております。
○永井座長 ですから、ここで一字一句までこうすべきと言っても余り生産的ではないと思います。今の御意見を踏まえて、まず座長と事務局でたたき台をつくりますので、そしてそれを多田羅先生にお願いをして月1回でも御報告いただき、その間にまた軌道修正していくという進め方でよろしいでしょうか。
○山本構成員 それでいいと思うんですけれども、ちょっと確認です。今お話をされている内容に沿っていると思うのですが、検証項目が1番、2番、3番とずっとありまして、1番が「予防接種等の実態」ということで、2番から3番の3の?、?につきましては「予防接種」という言葉が入っていないんですけれども、これはやはりB型全体というふうに考えているから入っていないということでよろしいんですね。
○永井座長 これは、いかがでしょうか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 先ほども言いましたように、基本的には基本合意書に基づく真相究明と検証でございますので、集団予防接種の連続使用によるB型肝炎ウイルスへの感染被害の真相究明及び検証ということで考えております。
 ただ、その中にまた発生的に先ほどの昭和48年以前の血清肝炎の問題等もありますので、そういうところについてはまた研究班で検証内容を御議論いただくということになると思います。
○山本構成員 ということは、やはりB型肝炎の原因というのが予防接種とそれ以外にあるんですけれども、この2番、3番というのは「予防接種」という言葉が抜けているだけと考えていいわけですか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 基本的には、先ほども言いましたように、これは今回、国の責任が、この集団予防接種を打ったことによる感染被害拡大ということが問題になっておりましたので、それを真相究明するというのがやはり本旨だと我々は考えております。
○山本構成員 それと、1項目は昭和23年から昭和63年までになっているんですけれども、2項目、3項目なども一応基準としてはそういう考え方ということでしょうか。
○巽B型肝炎訴訟対策室長 そのとおりでございます。
○永井座長 よろしいでしょうか。やはりこれは早く研究を始めていただくことが大事ですし、軌道修正は今後もありということで、詳細な文言についてはお任せいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員 異議なし)
○永井座長 ありがとうございます。
 そうしますと、この研究班の班員についてでございますが、多田羅代表者から御報告をお願いいたします。
○多田羅構成員 資料4をごらんいただきたいと思います。
 まずこの研究の進め方でございますが、基本的に本日決定いただきましたこの検証項目を対象に、基本として今日も御意見をいただいておりますけれども、現実、特に被害の実態から出発して、あくまでこれは第三者的な視点に立った研究でございますので、科学的なエビデンスに基づく研究という形で進めさせていただきたい。そして、少なくともこのことは言えるという形で、具体的な知見として報告させていただきたいと思っております。ですから、何々べきであるというふうな話ではなくて、何々であるという報告をさせていただきたいということでございます。
 そういうことで、研究班にお願いしている先生方については資料4に挙げさせていただいているとおりでございます。
 まずこの検討会の構成員の中からは、現実から出発するという観点に立って原告団の田中義信構成員、また梁井朱美構成員には入っていただきたいとさせていただきました。
 そして、ほかの検討委員の中では、特にこの研究班では研究作業を行うということがございますので、研究作業を実際に担っていただくということを想定いたしまして、川崎市衛生研究所所長の岡部委員、愛知県豊岡保健所長の澁谷委員、そして明治大学法学部専任教授の新美委員に検討会からはお願いしたいと考えて、事務局の方から既にお願いいたしております。
 それから、充実した研究を行うために、関連の外部の検討会以外の専門部門の先生にも研究班を担っていただきたいと思っております。その方につきましては、まず諸外国における予防接種制度について造詣の深い上智大学法学部教授の岩田先生、それから東京大学政策ビジョン研究センター特任助教の佐藤先生にお入りいただく。
 それから、現場で実際に予防接種作業に従事していただいている医師の立場から、日本小児科医会常任理事の及川先生に入っていただく。
 それから、肝疾患を専門とされている方として、まず臨床面における方で信州大学医学部内科学第2講座教授の田中先生、それから疫学研究で多くの実績を既に発表しておられる田中先生。
 それから、そのほかの専門の方でございますが、日本の予防接種行政の歴史について非常に造詣の深い先生として、京都女子大学現代社会学部現代社会学科講師の手塚先生に入っていただく。
 それからまた、特にこれは日本の公衆衛生の歴史にも深く関与、関連することでございますので、その面で造詣の深い順天堂大学大学院医療看護学研究科教授の渡部先生に入っていただく。
 そして更に具体的な在り方について、制度的な在り方について造詣の深い明治大学法学部専任教授の新美先生に入っていただくということで、既にこれらの先生方には事務局を通じてお願いいたしております。
 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、大体時間になりましたのでこれで終了いたしますが、事務局から何かありますでしょうか。
○外山健康局長 今日は、「早期に実施が必要な対策」につきまして、粗々まとまったということでございますので、それを受けまして25年度の概算要求や法改正に盛り込むことができるように頑張ってまいります。
 それからまた、検証項目につきましても御決定いただいたということでございますし、研究協力者につきましてもこれでそろったということでございますので、具体的な議論に入っていただきながら、適宜また本検討会に報告しながら進めていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○永井座長 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局結核感染症課B型肝炎訴訟対策室
TEL:03-5253-1111(内線2080)

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