ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 義肢等補装具専門家会議> 第5回義肢等補装具専門家会議




2012年3月22日 第5回義肢等補装具専門家会議

労働基準局労災補償部補償課

○日時

平成24年3月22日(木)15:30~17:30


○場所

経済産業省別館1107号室(11階)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

赤居正美、樫本修、木村彰男、小西康之、住田幹男、高見健二、徳弘昭博

(厚生労働省:事務局)

河合智則、神保裕臣、河西直人、藤原毅

○議事

○藤原労災医療専門官 ただいまから、第5回「義肢等補装具専門家会議」を開催します。傍聴の皆様におかれましては留意事項を必ず守っていただくようお願いもうしあげます。
まず、簡単に資料のほうを確認させていただきます。本日は「取りまとめ」という表題でご連絡を申し上げたところですが、いま一度、各先生方からご意見・ご議論をいただきたい項目もございます。そのため、まず資料1は、これまでいただきました議論を整理させていただいたもので、改めてご意見・ご議論を頂戴できればと思っております。
 続いて、資料1-2として、その中で特に本日確認をしていただきたい事項として、装着訓練の期間とソケットの適合期間について、別の資料を追加で準備させていただいきました。
 「検討事項」の中で「その他」とありましたが、対応年数、修理基準、旅費について、資料2-1から3で準備をさせていただいております。以上です。それでは座長、よろしくお願いいたします。
○住田座長 どうもご参集くださいましてありがとうございます。第5回の専門家会議を開催したいと思います。
 まず、本日の議題ですけれども、(1)「片側上肢切断者に対する筋電電動義手の支給について等」と(2)「報告の取りまとめについて」です。議題に「等」とありますが、これは第3回での議論を予定していた「その他」のことについてです。これらについて議論していただきたいと思います。まず、資料について事務局から説明をお願いします。
○藤原労災医療専門官 資料1に基づきご説明させていただきます。いまほど説明をさせていただきましたとおり、これまでの議論の概要のまとめをさせていただいておりますので、過去4回分の内容を整理させていただいております。
 まず、1「筋電電動義手について」、2「能動式義手に係る装着訓練について」、3「基準外支給事例について」、4「労災独自種目について」というように続きます。まずは1の筋電電動義手と2の能動式義手のご説明をさせていただいて、一旦、その内容についてご議論いただければと存じます。
 資料に戻ります。「筋電電動義手について」の支給対象者ということでございます。こちらにつきましては、就労することが見込まれること、真に必要とする者ということで、必ずしも申請時点で就労をしているということではなく、就労していない者を除外すべきではないというご意見を頂戴いたしました。
 この対応として、三つの支給対象者を整理いたしました。まずは就労中の方、これは休職を含みます。筋電電動義手の装着により就労能力の向上が見込まれる者というのがひとつ目です。二つ目が現在は就労していないけれども、筋電電動義手を装着した後に就労が予定されている方です。こちらについては、ハローワークでの求職申込等就職活動中の者を含むとさせていただいています。三つ目としては、筋電電動義手を使用しなければ日常生活ができないと認められる方です。
 (2)装着訓練期間です。ソケット適合期間について装着訓練期間本体とは別に取り扱うなど弾力的な取扱いを行うべきではないかというご意見を頂戴いたしました。こちらにつきましては資料1-2でご説明をさせていただきます。
 (3)能動式義手との関係です。能動式義手の訓練につきましてはのちほど、また項目がございます。筋電電動義手、能動式義手のいずれを装着するかの選択が可能なようにすべきであるというご意見を頂戴しました。筋電電動義手の装着にあたり、能動式義手の装着や訓練を義務づける必要は無い。ただし、上腕切断者については、義務づけるべきではないかというご意見もございました。これに対し、対応としては協力医療機関において、事前に相談・説明をしていただいて、申請者のニーズ等に即した訓練を選定していただきたい。また、装着訓練は筋電電動用と能動式用の両方を受けることを可能とする。最終的な支給に当たっては、併給を可能とするということであります。このうち、装着訓練期間と上腕の切断者に関する訓練の取扱いについては、のちほどご確認をいただきたいと思います。
 (4)試用期間です。現行の装着訓練に加え、家庭や職場で実際に使用する期間を設け、その結果を踏まえて本支給を行うべきである。試用装着の期間は各人の習熟度に応じて決めるべきであり、最大でも6ヶ月程度ではないかということでしたので、現在の装着訓練を拡充にする形で、試用期間を設ける。この期間につきましては6ヶ月を限度と考えます。従来は義肢の支給の申請がいちばん最初にありましたが、これに伴い、段階ごとに2回の申請を行っていただく。これは行政上の手続との関係でございます。
 3頁の(5)ソケットについてです。こちらは確認的なものでございます。現在、ソケットに要する費用を認めるべきであるということですが、現在、他の仮のソケットにつきましても費用として認められておりますので、今回の検討においても同様に取扱いを考えたいと思っています。
 (6)支給種目の基本的な考え方です。前回の平成19年の専門家会議の議論の結果として、支給種目の考え方として三つの原則を整理していただいたところです。一つ目が、障害の程度に応じて装着又は使用するものである。二つ目が、就労又は社会生活を送るために必要不可欠なものである。三つ目として、必要な医療機関等が全国に存在し、かつ、著しく高額ではないこととなっております。今回、冒頭でご説明いたしましたとおり就労という要件がありますが、?のところでは「『又は』要件」となっていることについて、検討の方向として適当なのかご指摘がございました。これにつきましては、前回の議論の際の研究用にとなった一つのポイントですが、非切断肢が健常である場合には、健側上肢での日常生活が自立し社会生活を送るには支障が生じていない場合もあるということでございます。この場合でも、就労する上では筋電電動義手の装着が必要不可欠なものと認められる場合について支給対象として考えるという整理で、この三原則の考え方に則ったものと考えております。 
 (7)フォローアップです。今後の使用状況を確認するため、中長期的にフォローアップすべきではないかということであります。これを踏まえて、3年~5年程度は、使用状況を確認するため、アンケートを実施したいということであります。再支給の場合は継続使用を前提にして適合判定により支給の可否を判断したいということでございます。
 続いて「 能動式義手に係る装着訓練」です。こちらにつきましては、装着にあたっては訓練を必須とすべきということで、その費用も支給対象にするという整理です。
 ここで一旦、資料1-2のほうに移らせていただきます。いくつか共通で、装着の訓練期間とソケットの適合期間ということでの期間が適当かということがございます。ましてや、今回、能動式義手の訓練を新たに支給に加えるということ、筋電電動義手と能動式義手の訓練を同時に行う場合があることについての具体的な期間について、ご議論いただきたいということでございます。
 まず、現状でございます。特別種目で支給しております両側の上肢切断者の方に関しても、いま現在の研究用の片側の上肢切断者に関しても、訓練期間につきましては「原則として4週間とし、担当医の判断により、さらに最大4週間延長できる。」という仕組みでございます。
 これについて、各協力医療機関のほうに、装着訓練として標準的に定めていただいております各医療機関の状況を確認させていただきました。実は第2回の資料でお出ししましたが、時間の都合上、具体的な説明を割愛させていただいた部分であります。
 これによりますと、まず筋電電動義手ですが、前腕については3週間~8週間で設定されている。上腕については4週間~10週間で設定をされている。加えて、能動式義手は、前腕は2週間~9週間上腕については5週間~12週間ということで、総じて前腕よりも上腕のほうを長く標準的な期間として設定していただいています。
 あとは若干幅がありますが、筋電電動義手の期間と能動式義手の訓練期間というのはおよそ同じぐらいの期間で設定していただいているという状況が確認できました。加えて、こうした標準的な訓練期間を延長する事由を確認をしたところ、ソケット適合の時間を要し、その結果2週間~5週間程度の延長が必要であったというご回答をいただいています。これにつきましては、先にご意見を頂戴しておりますソケットの適合期間に関して別途に設けるべきだというのは、協力医療機関からの実情及び要望としてもありました。
 実は、このアンケートを確認させていただく際、国立障害者リハビリテーションセンターから詳細な資料をお送りいただきました。今回は事務局で整理させていただいたものを別紙としてお付けしております。
 別紙の国立障害者リハビリテーションセンターの状況を簡単にご説明いたします。まず、原則として、入院で装着訓練を実施しているということでございます。また、筋電電動義手の訓練にあたっては、同時に能動式義手の訓練を行うことを標準に設定しているということで、このあと説明しますが、「筋電電動義手」単体の訓練期間については、比較対象参考として出していただいたということです。
 次に、訓練期間については同時期に複数の課題を進めているということです。入院と同時に訓練用義手の作製を開始いたしますので、その完成には7日~10日程度を要していらっしゃるということでした。
 表1をご覧ください。筋電電動義手及び能動式義手をそれぞれ単体で実施した場合ということでございます。訓練内容として、断端の訓練から筋電の場合は分離の練習、共通項目として基本操作や応用動作の訓練、次にADL及び職業前訓練、上腕の場合につきましては肘の訓練等がそのあと続くということでございます。先ほど申し上げましたとおり並行して実施していますので、これが単純に足し上がるということではなくて、標準的な期間として筋電電動義手、能動式義手、いずれも前腕切断者の方につきましては8週間、上腕切断者の方については10週間を標準の期間として設定していただいています。
 続いて表2でございます。筋電電導義手と能動式義手を同時に使用した場合です。これにつきましては表1の筋電電動義手の項目と比べていただきますと、?、?で能動式義手に係る基本操作と応用動作の訓練が加わっているというメニューになっています。これについては、さらに延べで5週間が必要ということになっていますが、全体としてはプラス4週間ということで前腕の切断者につきましては12週間、上腕の切断者につきましては14週間とさせていただいています。
 2頁に戻ります。こうした各協力医療機関の状況を踏まえ、事務局として装着訓練の期間の設定の基本的考え方を整理させていただきました。一つ目として、まずは筋電電動義手です。これは、現在の取扱いの一部見直しをするということで、ソケット適合に時間が要する場合を考慮して2週間程度の期間の拡大をする。
 また、前腕の切断者につきましては、現行どおり「原則4週、最大4週間の延長」ということで、ここは従来どおりの取扱いになります。上腕切断者につきましては、各医療機関とも少し長めの設定をしております。当然、肘関節の取扱いがありますので、これにつきましても前腕に比べて2週間の拡大をするという案でございます。
 次に、能動式義手です。支給対象としては、新規ということになりますが、各医療機関の状況を踏まえ、いまほど申し上げました筋電電動義手の取扱いと同じ期間で設定をしてはどうかということでございます。
 最後に、筋電電動義手と能動式義手を同時に行う場合ということです。国立障害者リハビリテーションセンターの例によれば、筋電電動義手単体の訓練に比して、延べ5週間の訓練の延長ですけれども、並行実施を考慮して、4週間程度の期間を拡大していただいている。この例ではいかがかという案でございます。
 下のほうがそれを整理したものです。ソケットの適合期間については共通で行い、最大2週間、装着訓練の期間については左が原則の期間であります。筋電電動義手、能動式義手の前腕は4週間、上腕は6週間、両方一緒に実施の場合についてはそれぞれ4週間ずつ、さらに個別の判断として4週間の延長が可能である。これを足し算したものが右側の合計で、6週間から最大16週間というような分布の表でございます。
 事務局のほうで、このソケット適合期間に関し、筋電電動義手と能動式義手を併せて実施する場合、物理的には2つのソケットが必要になることは承知しています。ただ、その適合に困難を要するということに関して、必ずしも2倍の時間が必要ではないということで、本日は一括して2週間という形で案を作らせていただきましたが、このあと、ご議論いただければと思います。
 筋電電動義手と能動式に関しては以上のとおりです。一旦、ここで座長にお返ししたいと思います。
○住田座長 一応、いままで議論してきたことを整理していただいて、最終的な報告書に向けての議論ということを踏まえての話し合いになるかと思います。いまの事務局からの説明に関し、質問等ありますでしょうか。
○樫本先生 しっかり、実際のデータに基づいて、事務局で整理していただきましたもので訓練期間などについては異論はありません。
 途中の説明の中で、資料1の3頁の「ソケット」というところがあります。費用のことが書いてあるのですが、ソケットに要する費用ということは多分チェックソケットと本ソケットみたいなもの、両方あるのではないかと思います。トータル的に考えて、パーツの部分は医療機関等のデモを使って、実際に対象者の身体に付ける部分で何とか作り直したりする部分は総合的に何回やったとしても全部認める。そういうふうに理解してよろしいのですか。
 というのは、どうして、この質問をしたかというと、いま更生相談所で問題になっているのが自立支援法で筋電義手の申請が上がったとき、医療保険で筋電義手が認められていないものですから、多分専門医療機関で、業者サービスをある程度使って仮義手を作っていると思うのです。そして、本義手をというときに、自立支援法で見ると、自立支援法の申請の中にチェックソケット、それから本ソケット、そのあとのメンテナンスも含めた費用ということで、ちょっと理由の分からない加算の請求があって「トータルいくら」と。自立支援法の場合は特例補装具で認めるものですから、それぞれのソケットと言っても基準額がないものですから、結局まるまる認めざるを得なくなっているのです。それを認めていいかどうかと相談を受けても、我々としても判断根拠がなくて、今回の労災法のソケット部分をどういうように認めるかに関しては、多分、自立支援法で筋電義手を作るときの参考資料になってくると思います。そういうことで質問させてもらいました。今日の全体の趣旨とは外れている部分かもしれませんが。
○住田座長 事務局はいまの点、訓練用の費用の中に入っているという理解でいいですか。
○河西課長補佐 いまの要綱の中で、義手のソケットに関して例えば、能動式の場合は4万4,500円だとか、筋電電動義手の場合だと7万2,400円という一応の決まりがあります。何回もというわけにはいかないのですが、その価格の範囲内でかかった費用を支給できるようにするということでございます。
○高見先生 私の記憶違いでなければ、仮ソケットの場合、本ソケットの7割は請求できると認識していたのですが、何回もというのはなかなか難しいわけですが。
○住田座長 いまの議論と同じように、仮義手とか仮義足に関しては7割支給、本義手については全額となっていると思います。何回もできるというわけではないと思います、一回だけだと思います。では、もう少し調べていただいて、他の議論に移ります。
 ほかに議論ありますか。いま、かなり概要を詰めて話してもらったのですが。何かありますかね。
○高見先生 この事務局の中の案で私はよろしいと思います。フォローアップの話まで行きましたか。
○住田座長 はい、行きました。
○高見先生 例えば、ある年限を使って仕事を辞めたとかというとき、細かい話なのですが、義手をどうするのか、引き上げるのかどうか。高価なものですから。
○藤原労災医療専門官 従前と違い、いまは物を給付するのではなくて、要した費用の支給になっております。そういう意味ではお返しいただくことは考えておりません。従前では、そういう意味では物とすると国に帰属するものなのですが、いまの取扱いはご本人が購入した物の費用を支給するということですので、その方がお持ちの物ということになります。
○住田座長 ただ、再申請の場合には必ず適合とか、きちっと使用状況をチェックするということですね。いままでのように、「年限が来たから支給します」というわけではないという理解と、途中から使わなくなった場合、更新までの間はちょっとお待ちになるかもしれないけれども、次回再申請をされる場合には使っているかどうかも含めてするということですね。よろしいですか。仮ソケットに関しては一応費用は決まっているけれども、もう一遍事務局で調べていただきます。赤居先生、どうですか。
○赤居先生 結構です、仮ソケットの費用を払ってもらえないのが、義肢作成者の不満だったのですから。
○住田座長 そうしたら、一応(5)の問題も含めて考えましょう。ここでは適合時期の問題を主に取り上げています。これに関してはどうでしょうか、いろいろ意見があったのですが大体これでいいですか。いちばんの問題は脱落例とか、折角訓練をこれだけ費用をかけてやっても使わなくなってしまうことがいちばん懸念されることでした。一応、このぐらいの期間、きちんと訓練すればきちんと装着してくれるだろう。有効に使って、就労を前提として使っていただけるだろうと理解してよろしいですか。
                 (了承)
○住田座長 そうしたら、一応、今日の議題の1に関しては終わりました。
○藤原労災医療専門官 1点だけ、上腕切断者の能動式義手の訓練を義務づけるのか、これも実態に応じて対応するのかというところだけ確認させていただきたいと思います。資料ですと、2頁の(3)でございます。筋電電動義手を装着するにあたり、必ずしも能動式義手の訓練・装着を義務づける必要はないという各先生方の共通のご認識というように承知しております。ただ、改めて、上腕切断者につきましてはいかがでございましょうか。
○住田座長 赤居先生、どうですか。一応、並行してということでしたが。
○赤居先生 私たちの考え方には必ず義肢装具作成時のバックアップ体制を作ろうということがあります。筋電義手は、よく故障するのです。そのリリーフも兼ねて、能動義手も含めて複数の練習をしておきましょうというのがあります。要するに、代車を用意しないとまずいというのがあるので、趣旨が違うかもしれませんが私はやっておいたほうが無難であると思っています。
 装具を作り換えるときも、三つ目が手に入ったときには一つ捨てていいですけれども、二つしかないときには「前の物を修理して持っていなさい」という言い方は、ほぼ全例に言います。基本的にはそういう意味なのです。1個しかないと、修理に要する2週間の間が本当に困りますよという話なのです。そこをどう考えるかだけだと思います。
○住田座長 それについていかがですか。
○藤原労災医療専門官 これは、まだ100%の確認を取っていないのですが、協力医療機関の中ではいま現在、必ずしも能動式の訓練を用意していらっしゃらない所もあると聞いております。仮に義務づけをするとなれば、そこを急ぎ取り扱いをしていただくことになります。
○住田座長 いかがでしょうか。義務づけるか、オプションで説明をして少しやってもらって、どちらかを選んでもらってするのか。故障した場合などを踏まえ、必ず能動式をきちんとしておいてもらったほうがいいのではないかという議論です。資料としては、別に併用したからといってかなり額が上がってしまうことはないということですね。訓練期間については。
○藤原労災医療専門官 例えばこの会議のまとめとすると、可能な限り両方を訓練をすべきであるというまとめもあろうかと思います。
○住田座長 いままでの議論では、定義としては、両方を訓練・保障等も含めてということを、いちいち書かなくても問題が生じた場合ということで、いまの意見が出ています。これは使っていない人だけでなく、新しく支給する場合に、両方を訓練期間に可能な限りやっていただいたほうがよろしいということでまとめたいと思います。
○高見先生 いま、スペアの考え方ですと、上腕はもちろん、前腕もそういう考え方でよろしいですか。
○赤居先生 前腕は断端で何かできるかもしれないので2週間ぐらいはしのげるかもしれませんが、上腕の人はかなり困ってしまうと聞きました。
○住田座長 そうしたら、一応、まとめ方としては事務局もよろしいですか。
○藤原労災医療専門官 はい。
○住田座長 それでは、一応(1)についてはこれで終わりたいと思います。
○藤原労災医療専門官 ありがとうございます。資料1の4頁、3の基準外支給事例についてから説明をさせていただきます。ここから先はいただいたご意見と、それに対してということではなくて、ご意見を頂戴したものを整理をさせていただいています。まず「車いす」です。現在、「両下肢の用を全廃又は亡失した場合」が支給の要件になっていますが、片下肢の場合でも、他の部位の障害等により、両下肢の用を廃した方と同程度の障害がある場合の方がいらっしゃいます。こうした場合で義足等で使用できない場合につきましては、こうした方も対象となるように要綱の整理をしていきたいところです。「電動車いす」についても趣旨は同様です。「松葉つえ」については、事務的なことですが、2本支給を原則とさせていただきます。
 4 労災独自種目です。前回、非公開でさせていただきました。具体的なことではなくて、考え方ということで整理をしています。まず、(1)基準価格の設定に関する基本的考えです。本来義肢等補装具の支給制度の趣旨からしまして、自己負担が生じないような基準価格の設定をすべきところですが、調査の結果、対象種目にあっても、製品によって市販価格に大きな幅が生じています。高額製品の中には、いわゆる贅沢品の範疇に属するものがあります。このため、労働局への請求状況から、実際の購入価格(自己負担額を含むもの)を確認をしまして、概ね8割程度の製品が購入できるような価格設定、或いは、申請者の概ね8割が自己負担を要しない基準価格の設定を原則として考えていきたいところです。
 (2)個別の種目です。その中で議論を頂戴した部分だけ抜き出しています。アは床ずれ防止用の敷ふとんです。対象とする素材について市場の動向を考慮した上で設定を行うとともに、これに応じた基準価格を設定すべきというところです。イは介助用リフターです。こちらについては実際に労働局に請求があった実態、市場での製品動向を踏まえて、「電動式」も対象とすべきというところです。
 ウ 収尿器です。これにつきましては、簡易型について基準価格が限度額となって、必要数量が支給できないよう、個別の事情に応じた運用を行うようにというご指摘をいただきました。また、収尿器については一部の種目については、市販の製品が確認できないものもありましたので、引き続き、市場調査を行った上で、実態に即した取扱いを行います。
 エは、ストマ用装具です。こちらについては基準価格が限度となって必要数量が支給できなくならないようにということで、先ほどの収尿器の簡易型と同様のご指摘をいただいております。このウとエにつきまして、 若干、説明をさせていただきます。収尿器、ストマ用装具につきましては、現在、要綱上の必要な内容を確認しまして、必ずしも限度額を上限としての支給という取扱いではないものとすることになっております。実態がかけ離れていると困りますので、ご指摘をいただきましてから、いくつかの労働局に実態を確認をいたしました。その確認をした範囲におきましては、適正な運用がされていると確認をしております。私どもといたしましては、引続き被災労働者の方の不便になりませんように、きちんとした労働局に対する指導を引き続きしていきたいと考えております。資料1につきましては以上でございます。
○住田座長 いま大体、細かいところまで説明いただいたのですが、何か少し言い方の問題ですとか、文章としてもう少しこういう形でというのがありますか。先生何かありますか。
○徳弘先生 特にありません。
○木村先生 ありません。
○小西先生 ありません。
○樫本先生 全く関係ない話ですが、自立支援法のほうでも、この4月から来年度に向けて、取扱要領などをいま作り直しているのですが、電動車いすと車いすというのを、漢字の「いす」を平成22年の常用漢字表の改訂で今度使えるようになったというか、私もここの詳しいことはわからないのですが、「いす」を平仮名から漢字に変える予定です。そうすると労災のほうはそれに合わせるのかどうか検討していただきたい。
○住田座長 省の中で問題ですが、それは伝わっているのですか。
○藤原労災医療専門官 今日現在はまだ承知しておりませんが、これから確認をして整理をいたします。 
○住田座長 一応、省の内部で確認をするということでいいですか。それでは一応、1と2は順調にいったのですが、いまそれほど議論はないのですが、これ大体まとめていくのに支障はないということで理解していいですか。そうしましたら、次の問題、「その他」のところです。
○藤原労災医療専門官 続いてご説明する前に、若干前回の議論の補足をさせていただきます。介助用リフターのご議論をいただいたときに、住宅の中で工事を伴うような形態についてということでご提案をいただきました。現行の労災の義肢等という仕組みの中で俄に検討できる内容ではありませんので、引続き我々としてよくよく勉強をさせていただきたいと、本日ご回答させていただきます。
 資料2の1~3とその他の項目です。こちらの内容につきましては共通していまして、ご報告ということでこの内容になっています。まずは資料2の耐用年数の取扱いです。補装具の耐用年数については、労災においても自立支援法におきましても、通常の装着状態において、使用不能となるまでの予定年数を示したものであるということです。その次の話として、それぞれの要綱上の取扱いですが、労災保険におきましては、「耐用年数を超えたものを有する方に対しては、再支給は可能」という取扱いに対して、自立支援法のほうは、「再支給の際には実情に沿うよう十分配慮すること」という定めがありまして、その耐用年数を経過後であっても、使用状況に応じて再支給の可否を決定しているということです。こうした取扱いがゆえに、実際には耐用年数が過ぎた際に、ほぼ自動的に請求があるような実態があるのではないかということが、今回の問題点として提起をさせていただいたものです。裏面ですが、下腿義足、足底装具、靴型装具、義眼、この4つの種目につきまして、いくつかの労働局に確認をいたしました。その結果として例えば下腿義足であれば、耐用年数が2年です。21年度に58件支給しまして、これが平成23年度中に耐用年数を迎えますが、その中でこれまでに再支給があったものが12件という状況です。足底装具については耐用年数は1.5年ですが、平成21年度7件に対して翌年度中に申請があったのは2件です。靴型装具については耐用年数は1.5年ですが、平成21年度は15件に対して2件が請求がありました。義眼については2年ですが、12件中2件の請求があったということで、必ずしも自動的に再支給の申請支給が行われているという実態はなかったと判断をいたしました。今後とも耐用年数と再支給の状況について、継続的に把握をしていくこととさせていただきます。
 資料2-2です。「修理基準の取扱い」です。労災保険におきましては、前々回いくつかの説明をさせていただいたところです。修理基準の定めがない修理については、本省協議ということで、基準外支給となっています。一方、自立支援法につきましては、定められていない修理が必要な場合には、他の類似種目の修理部分等を参考とし、又はそれらのものについて原価計算により見積り若しくは市場価格に基づく適正な金額を決定し、修理に要する費用として支給することができるということで、市町村の判断で支給の可否が決定できるようになっています。
 次は、労災保険の問題点です。自立支援法の取扱いと異なり、事案毎に本省協議が必要であるため、決定に時間を要します。その結果、申請者に不利益となる可能性があるのではないかということです。実際に修理基準がないがために、本省協議があったものは下の4件です。最短1ヶ月から最長では4ヶ月、申請日から時間が経っています。対応案としまして、基準外支給として本省協議があったものについては、迅速な処理ができますように自立支援法の取扱いを参考に、先ほど申しましたとおり「類似の部品を参考にする」だとか、「原価計算もしくは市場価格に基づく」適正な価格が、労働局において確認・決定ができるような仕組みに変更したいと考えております。
 資料2-3「旅費」です。こちらは自立支援法ではない制度と理解をしていますが、義肢等補装具の支給制度につきましては、(1)~(4)の場合、義肢、上肢補装具だとか、義眼、筋電電動義手、眼鏡とかいったものを支給を受けるために、遠方にいらした場合に旅費が支給されます。この場合は「日本国内の旅行」と「必要と認められる限りにおいて回数の制限を付していない」ということです。平成22年度で、全国の旅行の支給額は230万円ほどでした。このうち、特定の申請者が遠隔地の業者において修理を行うため、一年間で10往復、50万円の支給をしている事象が確認されました。ここが今回の我々としての問題の端緒というところです。このため全国の労働局に対して、申請者の居住地以外の都道府県へ行った場合の旅費の支給状況と、あとは義肢等補装具の業者が全国にどのような形で設立されているのかということを確認させていただきました。
 まずは、旅費の支給の状況です。平成22年度中に旅費の支給は72人で、先ほど申し上げたとおり230万円ほどの支給をしております。このうち、申請者の居住地以外の都道府県へ行かれた方が18人、合計96万円の支給をしています。これは全体の人数で25%、金額で41%のシェアということになっています。
 2頁、県外旅行の理由として、上記18人のうち隣接県以外までいらっしゃっている方、例えば都市部ですと、隣の県への交通の便がよくて、結果的にはそちらが近いという方もおられましたので、近隣県以外までいらっしゃっている方8人に確認しました。そのうち、そもそも協力医療機関が限られる筋電電動義手は、遠くに行かざるを得ない方がたくさんおりますので、この5人の方を除いて残る3人について、その理由を確認いたしました。1番目の方は特殊精巧な義手を、現在は差額自己負担制度がありますので、一定基準以上のものについても、本人の希望で購入することができますが、その際、居住の県内に取扱いの業者がなくて遠方までいらっしゃったという方が?です。?で義手の作製に当たり、評判の高い業者を申請されて希望された方。?の方として、義足を装着した後に、本人のご都合で遠隔地に転居いたしましたが、引き続き前居住地の業者に赴いて修理を行っている方という状況です。
 (3)として採型指導医と義肢等補装具の業者の設立状況を確認させていただきました。別添2に全国一覧の表を付けています。こちらはこの確認時点で各労働局で確認をしている数字です。まずは採型指導医については全国で2,500余の医者がいらっしゃいます。続きまして義肢、装具、座位保持装置となります。およそ500ぐらいの業者がありますが、この中で座位保持装置については200程度、義眼については極めて少なくて26の業者しか確認されていません。ただ、逆に申し上げますと、義眼を除けば、必ず各都道府県に業者は存在していることが確認されました。
 2頁に戻りまして、今後の対応(案)です。比較対象としまして、労災保険においては、症状固定の前、まだ療養が継続されている場合についても、通院費についてお支払いをしています。その取扱いですが、まず、原則として、同一市町村内の指定医療機関に通院した場合。次に、同一市町村内に診療に適した指定医療機関がないため、隣接する市町村まで通院した場合。同一市町村及び隣接する市町村内に医療機関がない場合は、それらの市町村を越えた最寄りの労災指定医療機関に通院した場合について支給をすることになっております。この場合、まず一般の診療の部分については、労災の指定医療機関が全国に3万9,000機関あるのに対して、先ほど申し上げましたとおり、義肢等補装具業者は全国に500機関程度ということで、利用できる機関数に大きな隔たりがあります。こうした中で距離的概念を直接適用するのは実態に即していないと考えます。
 今回の調査により、修理及び県外への旅費の請求件数が顕著に多い事案が確認されましたので、事案に応じて、そもそも修理が必要と認められる場合においてということになっていますので、その「修理の必要性」及び「県外旅行の必要性」を適正に把握をする運用が必要であると考えます。つきましては、都道府県労働局長が必要と認める場合につきましては、これらの必要性について、採型指導医等に確認できるような取扱いを考えたいということです。いまの旅費の取扱いと、あとは今回の確認をしましたバックデータがその後ろに付いていますが、説明は割愛させていただきます。以上が「その他」事項の説明でございます。
○住田座長 以上、「その他」のところの資料の説明があったのですが、いままでで質問等があるでしょうか。特に難しい問題もありますが、旅費との絡みもありますが、一応筋電義手等で言えば、限定された施設でというところがありますので、どうしても旅費が発生するということで、それを入院でカバーしているというところもありますし、入院の是非の問題も含めてどうするのかということですが、何かありますか。
  年金相談室がやっている義肢の講習会ってありますよね。あそこで出てくるのは、慣れ親しんでしまって、壊れていても直さない人がいるのですね。新しいものを作ってもなかなか合わないと。特にそれが顕著なのが義手なのです。こちらは履かなくてはならないから無理してでも履くのですが、こちらは、はめると痛くて冷めたくて使いものにならないとか、重たくてとかで、能動義手でも使われないケースが多い。そのために年限がきたから必ずしも使っていないとかいう事例もある。よく使い込んでいる耐久年数を超えているだけではなくて、使われなくてなっている。自分に馴染んでいるものを何とかボロボロになりながら使っているというケースもあることを、被災労働者のほうからかなり耳にするのです。そういう点での考慮は事務局はされていますか。
○藤原労災医療専門官 いまの話の中で、壊れた状態で使い続けることによって、かえって、身体に悪影響が出る場合がいちばん懸念されるというようには認識をしております。ただ、現状は耐用年数が過ぎたけれども、申請がないけれどもどうですかというアプローチはしておりません。ですから、いまのいくつかの例の中で、あまり使用頻度が高くない状態で、まだ特に問題がない状態でお使いになっていただいている方についてはよろしいのかなと思いますが、やはり、かえって体に問題が生じるようであれば、それはそもそも本末転倒の話になろうかなとは考えております。
○河合補償課長 いまの話は、もしそういうご相談がありましたら窓口のほうへ。
○住田座長 窓口で設定していて、労災年金相談室でも全国各都道府県で、巡回相談しているのです。そのときに来られて、義手に関しては結構苦情が多いのです。付けても冷めたいし、少しホカロンで暖めてからでないと付けられないとか、何でこんなに重いたいのだろうとか、装着も含めてかなり文句が多いことはあります。そういう訴えが多い。もっといいものがないかどうか熱心に来るのです。そういう事例は年金相談室でも把握されていると思うのです。そういう報告は基準局にもいっていると思います。
○藤原労災医療専門官 いまの例で出していただいた巡回相談なりのものであれば、基本的にはその時点その時点で労働局に情報が提供されているはずです。今の冷めたいので付けられないという話は、労災といたしましてもちょっと難しいところです。
○樫本先生  労災の場合は労働災害による障害を負っている方ですから、ある程度積極的なアプローチがあってもいいのかなと思うのです。
○住田座長  今度、筋電義手の場合にはかなりきちんと整備されて、アンケートも含めてフォローアップをされていくということなので、こういう形でやっていけば、かなり前進ではないかなという感じがするのです。
○高見先生 資料2-1の耐用年数の取扱いの件ですが、次の頁の表です。下腿義足2年となっていますね。下腿義足もいろいろ種類がありまして、現在使われている下腿義足の構成は骨格型がほとんどなのですよ。私の認識ですと、骨格型の部品の壊れたものをどんどん交換していくという考え方なので、この2年というのは、それをやった結果、新調されるということなのか、そういう意味合いもこの2年の中に含まれておりますか。例えばソケットを交換した、それでもうよくなった。では、次の年に側部が今度悪くなったので、側部も交換した。そうしたら例えば何年か後には新しいものが支給されることになるわけですね。だから殻構造とか旧来型の義足なら、この2年というのも何とか理解できるのですが、いまの交換型を使った部品交換で済むようなタイプの義足ですと、下腿義足2年という一括りでいってしまうのがどうかなという思いがしています。
○徳弘先生 耐用年数に関してですが、例えば骨格の下腿義足でも、同時期にソケットが壊れる、足部が壊れるという、活動性の激しい方はいらっしゃいますよね。それをそれぞれの部品の耐用年数がきたら義足の部品を一度に全部変えてしまわないといけない。たいていは修理の見積りが高くなってしまって、新作のほうが安くなるというような場合ができてきます。そういうときに、全部変えてしまうという場合もあると思うのです。だから、この耐用年数の考え方というのは、一概にはいかないところがあるのではないかと思います。殻構造は実際に足部がガタガタになって、ソケットが緩くなって、2年でこれは作り替えないと断端にキズが出来て、日常生活にも支障がでるというのはあると思います。実情に即した耐用年数の考え方が必要だと思います。
○住田座長 いま義足、義手の状況が変わってきているということも反映して、調査方法も工夫をしないと難しい面もあるのではないかなと思うのですが、よろしいですか。 
○藤原労災医療専門官 余談ですが、いま現在この義肢等補装具の支給状況の全国統一的なシステムで管理をする調整をしておりまして、その中でメニュー化を図って、特に義手・義足につきましては、殻構造なのか骨格構造なのかということも分けて、データを整理する準備をしております。もともとは各都道府県単位で同じようなことをしていたのですが、いまは全国統一のデータの取り方を調整しておりますので、そうした中できちんとした把握を続けてまいりたいと考えています。
○住田座長 その他の項目の中で、いちばん最初に問題になったことは、資料は見当たりましたか。
○事務局 質問の「練習仮義手のソケット」なのですが、労災の要綱に基づくと、本義手のソケット代と同等の取り扱いをしていますので、その範囲内で支給できることになっています。
○住田座長 高くなっているのですね。何本もは出せないけれども、きちんと本体と同じ義足のソケットと同じものは出せる状況になるということですね。ほかのパーツもですか、モジュラーで。それも調べてね。一応、いいですね。いままでの話で、樫本先生いいですか、大体。ソケットの交換の問題に関して、値段の問題ですね。
○赤居先生 陳先生が気にしていたのはそこなのですよ。
○樫本先生 いまのお話のソケットの交換は、先ほど質問したのも筋電義手のソケットのことですか。
○住田座長 そうではなくて、労災の。
○樫本先生 労災の耐用年数の中での筋電。
○住田座長 いえいえ、そうではなくて、それは一応置いておいて、最初に調べてもらった、いちばん最初に先生が質問された仮に仮ソケットに関して何パーセントきちんと支払われるのか、たくさん作った場合に全部払われるのか、1本しか払わないのか、それに対して苦慮するということだったのですが、労災の場合はどうなっているかという質問だったので、労災に関しては仮義肢に対しては一応、高見先生からは70%という話だったのですが、いまの事務局の話では一応ソケットは100%出ますよということなのです。
○樫本先生 1回分でもソケットの価格が訓練の段階で認められるということは進歩だと思うのです。ただ、おそらくそれでも業者は赤字ではないかなと。それは殻構造の義手のソケットの基準額ですよね。先ほど4万何がしと言ったのは。たぶん筋電義手でソケットを作るときに、バッテリーを入れたり、電極の位置とかいろいろ設定して、チェックソケットを作って合わなければ、またチェックソケットを何回か作ると思うのですね。そういうことを考えると、たぶん1回の値段では赤字だと思うのですが、それがきちんと制度で訓練段階でも1回分として出るということは、とてもよろしいかなと思います。
 それを新たに筋電義手分のソケット代ということで、少し値段をアップして今回設定されればさらにいいかなという期待はするのです。
○住田座長 いまの議論は筋電義手のことに関してまた元に戻って、筋電義手のソケットに関して、結構、難儀をするのではないかということで、価格設定がどのぐらいの形にされるかという問題は、4回とかぶさってくるような気がしますが、その辺のソケットの価格設定に関してということなのですが、これに関しては、いま議論をしても始まらない感じもしますので。
○高見先生 筋電義手は7万何がしで普通より高いわけですから、それぐらいは欲しい気がするのです。
○徳弘先生 逆に言えば何遍も作り直さなくてはいけないような技術的に問題になるような業者の参入を制限するというような意味合いもあって、私はいいのではないかと思います。実際に業者の方にもいろいろなレベルがあって、一遍で合うようなものを作ってくださる業者の方から何遍も修正しなくてはいけない業者の方もいらっしゃるので、ある程度の淘汰が起こってくるのではないかというような気はしますけれども。
○住田座長 今の議論はどうですか。事務局のほう、何か指定業者の問題の話になっていますが、その辺の質の問題というか、クオリティーの問題はどうなのだろうかということです。
○藤原労災医療専門官  私どもここでの意見は頂戴しましたので、またこちらのほうでご意見の趣旨を検討させていただきたいと思います。
○住田座長 今日の議論は大体それほどもめなくていけそうで、これで順調に会議の報告書が出来るのではないかと期待してはいるのですが、よろしいでしょうか。
○高見先生 資料1の3頁、フォローアップのところですが、先ほど仕事を辞めたときに義手を返さなくてはならないかという質問をしました。そのときに返さなくてもよろしいという話でした。仕事は辞めたけれども、その義手は使えると。その継続使用をしたときの修理とか何かは、どういう扱いになるわけですか。
○藤原労災医療専門官 修理に関しましては、新たな確認要件は前提としていません。まるっきり、もう一度新しい物を作るというのが再支給という整理ですので、その際には一度目の支給と同じ観点で確認を行った上で判定をするということですので、あえて働いていなくていいですよというように声掛けをするものではないと思うのですが、修理の際には特段、必ずしも1個1個要件を確認するという趣旨ではありません。
○住田座長 一応、時間的な問題もありますが、いままでの議論を踏まえて、もう少し討論をしていただきたいという形で、事務局から何かありますか。
○河西課長補佐 すみません。一つ訂正をしていただきたいのですが、筋電のソケットなのですが、間違っていまして、筋電電動式の場合、2万1,000円です。
○住田座長 今日の議論以外に事務局から何かありますか。
○藤原労災医療専門官 特段、確認の項目はございません。結構です。
○住田座長 いままで5回やってきたのですが、実際に筋電義手に加わっている人はたくさんおられるので、ここですべて言い尽したという話にはならないと思いますが、やはり3年間の経過を見てアンケートを含めてされたのですが、一つだけ質問があるのです。3年から5年のフォローの仕方ですね。それは最初はかなり議論がたくさんあったので、その辺データベースを作るときに、どういう仕組みにしたほうがいいのか、しやすい方法で、かなり事務局に骨を折っていただいて分析等をされているのですが、分析の仕方についてかなり議論が当初あったと思うので、特に木村先生からも、普通は厚生労働省の関係だったら業者に委託したりして分析をかなり詳しく、いろいろな変数がありますから、そういうことを含めて分析をするということもよくやられますが、その辺は事務局でやっていただいて、まあまあ一応議論が進んで出来たと思うのですが、そこに関して今後少し練ってもらったらと思うのです。
○藤原労災医療専門官 承知しました。フォローアップのやり方のほうを組む際に最終的な分析の仕方をきちんと整理をした上で調整したいと思います。ありがとうございます。1点だけ後先になりましたが、もう一度だけ先生方のご意見を頂戴したいことがございます。先ほどの議論で、今回、訓練の期間を、総じて拡大する形でのご意見をいただいたところです。加えて6ヶ月を上限とする試用の装着期間を設けるという流れになっております。そこで質問なのですが、今回ご議論いただいた装着期間では、必ずしも十分でない個別の事案がいくつか出てくる可能性もあるのかなと思います。ここを個別の事情として、更に入院期間を延ばした取扱いをすべきなのか、一方でその後の実生活での装着試用期間の中で、仮にまだ不十分なものであっても、そちらのほうで対応していくべきなのか、ここは何か一本線を引くというよりは、一般的な原則的なものの考え方として、どのように整理をしたらよろしいかということを、最後の最後で申し訳ございません。
○住田座長 いまの話では、一応原則として決めるけれども、ケースバイケースのこともあり得るよというニュアンスで理解していいかということですね。樫本先生いかがですか。ここの問題提起に変えて、ケースバイケースですから、一概に決められませんよという話です。
○樫本先生 例えば自立支援法でやはりケースバイケースでどうしてもというときには特例で扱います。いわゆる労災でいうと、本省協議の基準外と。ですから、いまの場合も例えば、入院期間だとか装着期間が増えるような場合も、一応原則の期間は作っておいて超える方は、本省協議かどうかはわかりませんが、労働局レベルで検討するのか、何かそういう仕組みを作っておいたほうがいいと思うのです。
○住田座長 ほかの方いかがですか。原則決めているけれども、どうしても延長するとかが生じた場合、いわゆる基準外という形での対応とかいろいろあると思うのですが、文言として入れるかどうかですね。報告書の問題になりますね。
○藤原労災医療専門官 はい。
○赤居先生 入れておいたほうが無難だろうというのが一つ間違いなくあります。それは新しく今回怪我をされたという方は、大体我々が考えたコースにのられるわけですよね。ところが今回、昔怪我をされた人が何人か入ったという場合がなかなか難しくて、結局どうしても以前の経験と比較してこれこれという話をされますので、そこがなかなか予測にのらない部分が出るのかもしれません。
 私たちが義足を作り変えたときに、できれば同じ施設と同じ業者の人にやってもらいなさいというのが大原則なのですが、それは二つ作ると必ず優劣がつくからです。新しいものが前のものよりも良くなっているというのが一般的だということになっているので、そちらでいいのですが、靴型装具などの場合は必ずしも新しいほうがいいとは限らないのです。それが同じ施設と同じ業者が作ってくれたならば、まあまあしようがないというのがあるのですが、A病院、B病院で分かれて作ると必ず優劣がついて、患者さんはどう言うかというと、B病院はよかったという話になる。おそらく以前に作ってもらった所に行きたがるというのは、それで説明できるのだろうと思いますので、似たようなことは我々が患者さんに行う注射とか、極端な場合は手術でもあって、徳弘先生がやったのと私がやった手術で差がつくのです。そうするとどちらがいいという話になってしまいます。結局のところは、「長い以前」を持っておられる方は必ず何かを言ってくる可能性があるという気がします。 
○住田座長 よろしいでしょうか。そうしましたら一応、今日ほぼ終わりましたので、まとめに入っていただくのですが、皆さん議論がないですか。一言言いたいことがあれば。
○木村先生 本日の議論は問題ないと思うのですが、今回の5回を通じて感じたことがあります。例えば今日の話もそうですが、義足にしても現状は殆ど骨格義足を使用しているのに、過去に主体であった殻構造のことが基本になって考えられている。つまり現状と合っていないわけですね。また仮義足と本義足の問題もあると思います。あと、先ほどの交換の問題についても、実情はパーツごとの交換になっているのに義足そのものの交換という観点から対応されている。先ほどのリフターについても、現状ではいろいろと新しいものも登場してきています。今回の議論の主体は電動義手でしたが、その他の今あげたような問題についてはあまり例数がないからかもしれませんが、いずれも重要なのに問題にされていないと思います。これからの高齢化社会では例えばギャッジベッドなどについてもレンタルと言うような違う仕組みが生まれてきているわけです。現状ではこういうことに対応ができているかどうか疑問です。そういう意味で、こういう会議のあり方を今後どのようにしていくかということも、やはり最後報告に盛り込む必要があると思います。この前の継続ということで今回は電動義手を中心に何件かについて議論してきた訳ですが、電動義手の問題ばかりでなくもっと世の中ではいろいろな問題が生じていると思います。その辺の実情を踏まえた上で今回のような会議を定期的に開くとかして、うまく対応をはかって行くことが重要だと思います。 
○住田座長 やや辛口な意見が最後に出てきましたが、もうほかには異議はないですね。時間も迫っていますので、次回の問題について事務局から説明をしてください。
○藤原労災医療専門官 すみません、私の整理と取り回しが不十分で、本日までに報告書の案をということに至りませんでした。これから改めまして報告書の案を整理させていただきます。座長と連絡を取りながら4月の中旬ぐらいまでには一旦案を各先生方にご提示させていただきたいと思います。ゴールデンウィークを挟みまして、5月10日15時30分から最後の専門家会議を開催させていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、本日の資料で、赤居先生の国立リハセンターの方にはいろろいろと急なお願いをして資料を整理させていただきました。改めてお礼を申し上げます。
○住田座長 一応、ゴールデンウィーク中、この会議の結果をきちんと検討しようという話なので、皆さんお休み中にやらなくてはいけないことになるかもしれませんが、一応これで5回の会議が終わって、次回は最終の結論ということで終わりたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部
補償課

電話: 03(5253)1111(内線5566)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 義肢等補装具専門家会議> 第5回義肢等補装具専門家会議

ページの先頭へ戻る