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2012年7月10日 第6回技能検定等技能振興の在り方に関する検討会議事録

職業能力開発局能力評価課

○日時

平成24年7月10日(火)14:30~16:30


○場所

中央労働委員会 労働委員会会館612号室(6階) 


○議題

(1) 技能検定等技能振興の方向性について
(2) その他 

○議事

○今野座長 ただいまから「第6回技能検定等技能振興の在り方に関する検討会」を開催いたします。本日は、塩田委員がご欠席です。また、北浦委員は遅れて参加となります。
 検討会は、当初全部で7回を予定していましたので、次回が最後ということで計画をしています。本日は、報告書案について議論をしていただければと思います。事務局から、報告案の説明をお願いします。
○原田調査官 資料1です。今後の技能検定等技能振興の在り方について、報告案の説明をします。前文の最後の段落をご覧いただきますと、「以上の点を考慮し、当検討会では、ものづくり分野に焦点を当てて検討をしてきたところであり」ということです。当検討会は、ものづくり分野に焦点を当てて議論いただくということで、第2回目の検討会で共通の認識になったと受け止めています。人材育成なり技能振興、技能検定制度、ものづくり、非ものづくりを通じての取組があるわけですが、その中でものづくり分野に焦点を当てて検討することを説明したのが、この前文の中身です。
 冒頭に戻りまして、第1段落目ですが、当検討会は本年4月以降、議論を行ってきました。第2段落で、「資源の乏しい我が国にとって人づくりは、経済社会の安定した発展の原動力であり、国は新成長戦略で盛り込まれている分野を始めとした新成長分野や我が国の基幹産業であるものづくり分野において必要とされる人材育成を進めている。特にものづくり分野の基盤となる技能はこれまで」、「あらゆる領域にわたってその発展に貢献してきたが、近時、経済のグローバル化による国際競争の激化、少子高齢化の進展や若者の技能離れといった変化に直面している。
 こうした状況の中、今後とも我が国が持続的な発展を遂げていくためには、我が国においてものづくり産業がメインエンジンとして果たす役割の意義を国民が共有し、その基盤となる技能の強みを引き続き発揮し続けていくことが重要である。このため、ものづくりを担う人材の育成を支援し、我が国の熟練技能者が有するものづくりに関する技能を円滑に承継されることを促進するとともに、社会全体が技能を尊重する機運を醸成することが必要である。」
 次の段落は、技能検定制度についてですが、「技能検定については、都道府県が実施するものづくり分野に係わる職種においては、近時、受検者数の伸び悩みや試験実施費用が受検手数料収入を上回るとった状況に直面している。技能検定は、労働者の技能向上の目標や企業内の人材育成のツールとして、基幹産業であるものづくり産業の発展に貢献してきたところであり、国・都道府県の厳しい財政状況が続く中にあっても自立的・安定的な制度としていく必要がある。
以上の点を考慮し、当検討会では、ものづくり分野に焦点を当てて検討してきたところであり、今後の技能振興施策や技能検定制度について、下記のとおり取り組むことが適当である」という形でまとめています。
以下、「記1」で、「技能振興施策について」、4頁以降で「技能検定制度について」、そして、7頁で、「おわりに」という構成です。
 「1 技能振興施策について」、「(1)技能継承・若者の関心喚起の取組」、「ともすれば、品質にかかわりなく価格で競争されるという状況がある中で、」とありますがこれは委員からのご指摘、ご意見を踏まえたものです。
 「製品の質が評価される流れを作ることが重要である。高い品質の裏付けとなるのは、高度な技能であることから、熟練技能者の持つ技能を広くアピールし、高度な技能が持つ魅力を社会全体が共有する必要がある。その際、技能士の技能水準を維持・向上し、技能への信頼を高める必要がある。」ということです。次の○は、若者に対する施策の必要性です。「若者のものづくり離れがみられる中で、」、「とりわけ、小中学生の段階から子供たちにものづくりの技能の素晴らしさを感じてもら」う必要がある。次の○は、各種技能競技大会の活用等が非常に大事な有効な機会ということで、「参加者のさらなる裾野の拡大が必要」。次の○は、従来からも言われていることであり、この検討会でもありましたが、「職業能力開発施策、産業施策及び教育施策を所管する関係省庁間で連携した取組が進むよう配慮する必要がある。」ということです。
 「【具体的な方策】」として、ア~オの5つにまとめています。アは、「技能士や熟練技能者の技能・技術を紹介するイベントやものづくり体験教室の開催、学校等と連携し、技能競技大会の成績優秀者や地域で活躍する熟練技能者が学生等に対し技能の魅力を伝えて就業意識を啓発する事業の推進」イは「ポータルサイトの整備」、「カリキュラムや教材の開発」、「広報周知媒体の作成」です。ウは、「技能競技大会の課題を活用し」、「若年技能者の人材育成を行う企業等を支援」するというものです。エは、「IT等を利用し」、「暗黙知を形式知化して保存する取組の実施」、オは「技能士向けの講習会の実施促進」です。このうち、イのポータルサイトやエのIT等を利用するものは、ヒアリングでの企業の方々からも、既に取り組んでいる、あるいは今後さらに必要になるというようなご意見やご指摘のあったところです。
 (2)は、「ものづくり人材の育成」です。最初の○は、「人材育成を推進する必要がある。」ということです。次の○が、特に「中小企業の人材育成支援を強化する必要がある。」という中で、助成金について「重点化や利用しやすく分かりやすい内容とする必要がある。」とするものです。次の○は、「企業への支援」です。次の○は、「正規雇用を希望する若者等に対する実践的な能力開発の推進」です。次の○は、「高校中退者や中卒者の職業訓練の機会の確保」です。次の○は、「職業能力評価制度の一層の活用」の重要性です。
 「【具体的な方策】」ですが、アは、「企業に対する人材育成支援の充実」です。「非正規労働者や若者を対象とした訓練や、ものづくり分野における技能継承のための訓練、成長分野で実施する訓練等の政策課題に沿った訓練への重点助成。併せて、助成金制度を利用企業にとって分かりやすく使いやすいものとするための見直しや周知の強化」です。また、「人材育成に関する施策の周知や人材育成の計画策定から実施までのアドバイス等総合的な支援の一層の充実」です。イは、再掲ですウは、在職者訓練ですが、「グリーンイノベーション等新規成長分野における展開の支援」です。エは、「若年層を対象とした職業訓練の充実」で、「雇用型訓練や日本版デュアルシステム」、「中卒者向けの学卒者訓練の授業料免除の検討」も行っていきます。オは、「新事業展開地域人材育成支援事業の活用」です。カは、「ジョブ・カード」です。キは、「職業能力評価制度の一層の活用」です。「技能検定受検者の拡大」や、「社内検定認定制度」の利用の促進です。社内検定認定制度については、この検討会でも積極的な評価をいただいて、何らかの支援をというお話もありました。「キャリアマップ、職業能力評価シートの整備等による職業能力評価基準の活用。職業能力評価基準を活用した企業・業界独自の検定制度の整備に対する支援や技能検定の対象とならない職種等への職業能力評価基準のさらなる整備の推進を行っていきます。
 (3)は、「関係機関との連携・地域のネットワークを活かした取組の推進」です。「(1)及び(2)の技能振興施策を推進する際には、国レベルで関係省庁が連携することはもとより、地域においても、労使関係者、技能士会、業界団体、教育機関、自治体、職業能力開発協会等が連携して取り組むことが重要である。また、既に政府において策定されている「若者雇用戦略」や「新成長戦略」等を踏まえた施策の展開を進めるべきである。」。次の○は、都道府県の職業能力開発協会ですが、法律に基づく法人ですので、「技能検定を通じて得た情報や地域の業界団体等とのネットワークを活かし、技能振興事業を効果的に実施することができるため、地域における技能振興施策の実施については、協会が中心的な役割を果たしていくことが重要」です。以上が、技能振興施策についてです。
 次に、「2 技能検定制度について」です。最初の○は、技能検定制度について、これまでの累計の人数で、特に、「最近では高校生等の技能習得の目標や就職活動のアピール要素としても活用」されています。次は、行政刷新会議ですが、ご案内のとおり平成25年度を目途に、補助金を2分の1程度に縮減が求められています。さらに、地方自治体やこれまで制度を支えてきていただいた企業や業界団体も、厳しい財政状況にあります。こうした状況の中で、技能検定の果たしてきた役割を踏まえれば、「制度を将来にわたって自立的・安定的に維持するための基盤強化が不可欠です。
 その中で今後の取組として、(1)は「受検者数の拡大について」です。次の頁にわたってア~ウとありますが、アは、「受検機会の拡大」です。最初の○は、「より多くの受検ニーズに応えることができるよう、企業や学校のスケジュールや国、都道府県が毎年公示する技能検定実施計画、中央職業能力開発協会における試験問題の作成計画の策定時期も踏まえ、最適な試験実施日、や申込時期、合格発表時期について検討するほか、ニーズの多い等級・職種についての試験実施頻度の増加を検討すべき」ということです。次の○は、会場・設備です。「地域の公的教育訓練機関等への一層の働きかけにより、少しでも受検しやすい環境の整備を進める必要がある。」というものです。
 イは、「受検に向けた働きかけ」です。技能検定の3級が現在でも受検者数は増加していますので、「引き続き若年者の受検を促し続けることが重要」であり、企業内でも「検定制度の活用を促す必要がある。」ということです。これらのためにも、「受検のための勉強に資する新たな教材の開発や熟練技能者等による実技指導も効果的」です。教材の開発等については、この検討会でも繰り返しご指摘をいただいたところです。
 ウは、「作業・等級等の新設や受検資格の見直し」です。最初の○は、作業・等級の設定等で、「今後の作業・等級の新設、統廃合については、既存の職種・作業との類似性や関係等技術的な観点からの検討が必要であることから、専門家による検討を進める必要がある。」次の○は、「3級職種の新設」や、「受検資格の緩和」、それから1級取得者については「技能のさらなる向上を図る場合における評価の在り方についても検討する必要がある。」とするものです。3級職種については、職種の新設や受検資格の緩和ですが、1級など高い技能をお持ちの方について、その上を目指す方々に技能検定上の新たな等級等がないというようなことがあります。これも、企業の方からのご指摘、あるいはヒアリングにお越しいただいた協会の方もおっしゃっていたもので、いまは特級があるわけですが、特級は管理者、監督者向けという位置づけになっていますので、技能そのもののさらなる高みを目指す方への対応の必要性もご指摘をいただいたところです。
 次の○が、「技能士の社会的認知を向上させる取組として、複数の上位級を有する者に対する顕彰の検討、技能士のロゴマークの作成普及」です。複数の上位級を有する者に対する顕彰については、前回の検討会でご紹介をいただいて、必要性のご指摘があったところです。次は、指定試験機関による技能検定です。「指定試験機関による技能検定については、職種数や受検者数は着実に増加」していますので、「ものづくり以外の分野も含んだ新たな職種に係わる
技能検定試験の拡大」、それから「引き続き適切な試験の実施がされるよう必要な取組を進めるべき」ということです。
 (2)は、「費用の効率化」です。費用の効率化は、「事業仕分け」以降、これまでも「効率的実施のための様々な取組が進められてきているところ」ではありますが、「行政刷新会議の指摘を待つまでもなく」、「今後とも不断の取組」が求められます。「実技試験実施費用」については、「職種間や同一職種であっても地域間のばらつき」が見られます。「このため、試験レベルの水準を適切に担保できることを前提に試験課題について見直しを進め、使用する材料等の抑制や職種の実態に応じて、実技試験を要素試験に転換すること等により、さらに効率的に実施できるようにするとともに、材料の調達についても見直しを進めることとすれば、さらなる費用節減が期待できる。」。それから、「人件費等の管理費についても、受検者数の規模を勘案して、さらなる縮減に努める」ということです。これらは、都道府県・都道府県協会での取組ですが、国及び中央協会についても、「必要な情報提供や試験課題の見直し等により、」支援をしていくということです。ただ、こういった取組にあたっては、次のなお書きですが、「技能検定は、検定委員の派遣や材料・設備の調達等長年にわたって構築された業界団体、企業等のネットワークによる有形無形の様々な協力を得て実施されているところであり、安易かつ急激な費用削減により、こうしたネットワークを破壊することとなれば、公正な試験の実施が確保できず、受検者にとっても大きなマイナスになることに留意すべき」です。
 この費用削減の具体的な目安等について、前回の検討会でも説明をさせていただきました。関係の資料として、資料2を付けていますので、ご覧ください。最初は、「事業費の削減可能見込額の目安について」です。(1)は、53職種について、材料費・説備費の標準的に要する額を上回る額を削減可能見込みとしており、1億5,400万円です。これを、前回の検討会で説明させていただいたところです。この53職種以外について、何も見直しをしないかのようでは、なかなか説明が難しいのではないかというご意見をいただきまして、53職種以外の職種についても、53職種と同様の標準的な額が設定できないにしても、暫定的なものでも設定したうえで削減に取り組むことが必要ではないかということでした。私どもで検討をしまして、(2)材料費の平均額を上回る額について削減可能という見込みが立てられないかということで、計算をしたものです。
 具体例は、効果の高いものを紹介しており、3つ掲げています。「家具製作職種」の場合は、実際の材料費は都道府県ごとに異なるわけですが、最大で3万6,000円ほどかかっている一方で、いちばんかかっていないところは1,276円です。平均額を取りますと、5,189円であり、最大と平均額の差として削減可能見込額を出しているものです。最小の所は、これまでもご指摘やご意見をいただいたり、先ほどもご紹介しましたが、いろいろな形でご協力をいただいている成果ですが、最大のところは何らかの工夫の余地があるのではないかということから、こういった試算、推計、目標値として掲げているものです。そういったものを積み上げて、(2)の合計の見込額の目安として、8,800万円ほどになります。そうしますと、(1)の53職種の1億5,400万と合わせて、約2億4,000万円は見込みが立つのではないかということです。
 裏の頁の管理費については、前回説明したものと同様です。受検申請者の規模別に見た場合に、全体の目安としては1億9,000万円ほどではないかということです。これらの事業費と管理費を合計しますと、4億3,000万円ほどになります。この合計額を、先ほどの報告書の6頁に費用削減の目安ということで記載しています。「事業費について試験課題の見直しや材料の調達方法の見直し等を進めるとともに、都道府県職業能力開発協会の管理費のさらなる削減により約4億3,000万円程度」です。
 続いて、(3)の「手数料の在り方について」です。最初の○が、「技能検定制度は、国の技能振興施策の一環として実施されているが、業界にとっては、当該業界を支える人材育成に資するものであり、受検者本人にとっては、その職業キャリアの形成に役立つものであるとともに、地域の産業振興等にも寄与するものであることから、制度創設以来、国、都道府県、業界団体、受検者が、それぞれ応分の負担を担いながら、協力し合う中で運営されて」きました。そのような中で「手数料は、業界団体の協力等により、平成12年」以降も1回の値上げで運営されてきていますが、「国、都道府県の財政状況が厳しくなる一方」、「業界団体のさらなる負担が難しくなってきている中にあって、技能検定制度を自立的・安定的に存続させていくためには、さらなる費用削減の努力を行うとしても、手数料の在り方を見直さざるを得ない。」ものです。
 7頁は、次の○として、「手数料の見直しについては、徹底した費用削減を行って受検者の理解を求める必要があるため、国は受検手数料の標準額の設定に当たって、上記(2)の費用削減の目安額に相当する費用削減がされることを前提とすべきである。」。また、設定方式として、職種ごとの手数料か、現行どおり引き続き一率かということで、ご提案をして、ご議論いただいたところですが、「手数料の設定方式については、実際にかかる費用との対応関係が明確であることから職種ごとの受検手数料を設定することが適切であるとの考え方がある一方、収支構造にばらつきのある多くの職種の試験は安定的に行うことへの配慮や手数料徴収事務の繁雑さを避けること等の理由により現行どおり職種によらず一律の標準額とするべきであるとする意見が多かった」ということで、「今般の受検手数料見直しについても職種間の差を設けないことが適当」ということで、まとめています。
 「なお、国及び都道府県は技能検定制度が今後も技能振興の基盤として機能するよう、一定の補助金を交付し、制度の維持・発展に向けた責任を果たすべきである。」
 「3 おわりに」、「ものづくり産業は我が国の基幹産業であることから、将来にわたる技能の継承や人材の確保を図ることが重要であることにかんがみ、上記1及び2で提言した取組を、今後、国、都道府県、職業能力開発協会、業界団体、企業、労働者等の多様な関係者が十分な連携をとりつつ着実に実施していくことが望まれる。特に、国は今後とも関係者が協力して技能振興施策を推進していくことができるよう、必要な環境整備を責任を持って進める必要がある。」以上です。
○今野座長 ただいまの説明について、ご質問、ご意見をお願いします。
○畑中委員 私ども中央協会としまして、実はこの間各47都道府県、ブロックごとに参りまして、47都道府県の職業能力開発協会について、それぞれ今回の大幅な補助金の削減に直面して、どのような課題に直面しているのか、またその対応策はどう考えているのかにつきまして、47都道府県協会のいろいろご意見を伺ってまいりましたので、その点について報告をさせていただきたいと思います。実は各県協会とも、3年前の国の事業仕分けによりまして、平成21年度から平成22年度にかけて大幅に補助金が削減されました。
 この補助金の削減に対応して、すでに各都道府県協会でも相当のリストラが実施されております。例えば、体制面で言いますと、ほとんどの協会が退職者の補充をしないで、その分非常勤職員に代えて技能検定をやっているという形ですので、体制としては正規職員と非常勤職員が大体組み合わさって仕事をやっていると。
 また、多くの都道府県協会では、専務理事と事務局長が兼任という形、これがほぼ当たり前になっております。また、いくつかの県では、さらに専務理事兼事務局長兼課長、課長も兼務しているといった状況もございます。
 人件費につきましては、多くの県で定期昇給をストップしております。特にここ2、3年、定期昇給をストップしているといった点もございます。また、残業代を回避するという意味で、休日出勤をした場合に、休日の残業代を払うのではなくて、振替えさせるという形で残業代を払わないようにするといった努力もしております。
 こういった状況がございますので、今回の報告文の中には、「人件費を含めた管理費の更なる削減努力」という件もありましたが、かなり多くの都道府県協会では、管理費の削減につきましては限界に近づきつつあると、全く余地がないというわけではないのですが、かなり限界に近づいている状況が見られました。
 こうした状況ですので、平成25年度に大幅に補助金が削減されることについては、その対応に非常に苦慮している所がほとんどの所です。仮に平成25年度は、協会によっては積立金みたいなものがあるので、平成25年度はその積立金を取り崩して何とか乗りきれるとしても、機械保全などが、機械保全職種は受検者数も非常に多くて、かつ収益性も高いのですが、これが指定機関化された場合には、協会運営が非常に困難になるといった所が非常に多くございました。
 さらに、平成25年度以降、平成25年度に補助金の大幅な削減が予定されておりますが、さらにまた補助金がどんどん下がっていくという事態になると、もはや協会を解散して事務を県に返したいという切実な声もあります。そこの中で強く言われたのが、国は技能検定の中・長期的な展望をきちんと示してほしいといった声でした。
 そういうことですので、例えば報告書の7頁の「手数料の在り方について」のいちばん最後の件で、「なお、国及び都道府県は技能検定制度が今後も技能振興の基盤として機能するよう、一定の補助金を交付し、制度の維持・発展に向けた責任を果たすべきである」と。この件はある意味で非常に重要な件ではないかと思っておりまして、協会グループとしましては、国の責任というか、制度の維持・発展に向けた責任を今後もしっかり果たしていっていただきたいということを切に希望するところです。
 手数料につきましては、いま申し上げたような協会の運営状況ですので、手数料の引き上げをしないと、なかなか持たないといった声が多かったです。もちろん、受検者数が減るという懸念を持っている所もありましたが、手数料を引き上げてほしいという声も強くございました。
 ただ、その中で、全般的には手数料を引き上げてほしいのですが、いま3級受検者がどんどん増えていて、特に若者がそれを受けるときには、何らかの配慮をしてほしいという声もありました。ただ、この点については、すでに各都道府県で工業高校の学生さんなどが3級を受検するときには、すでに一定の減額というか手数料が安くなっているので、そういった措置を引き続きやっていただくといったことを、もし可能であればなのですが、この報告書の中にも盛り込んでいただければありがたいと思っております。
○陳委員 本日お示しいただきました報告書のうち、技能振興策につきまして2点、技能検定制度につきましても2点申し上げたいと思います。
 技能振興施策については、3頁の(2)に具体的な方策を列挙していただいております。その中でもアの1つ目に「非正規労働者や若者を対象とした訓練や、ものづくり分野における技能継承のための訓練、成長分野で実施する訓練等の政策課題に沿った訓練への重点助成」と記載があります。また、キの2つ目に「企業内人材育成の成果を評価する手段である社内検定認定制度について相談しやすい環境の整備等による利用促進」と記載があります。こちらは前回私から意見として申し上げていたことでございますので、妥当であると考えます。
 2点目が、同じく2頁 (1)の、【具体的な方策】ウや、再掲で3頁の【具体的な方策】イに記載がありますが、「技能競技大会の課題を活用し、企業OB等すぐれた技能を有する指導員による実技指導等、若年技能者の人材育成を行う企業と支援」が盛り込まれたことにつきましても、妥当と考えます。
 ただし、「企業OB等すぐれた技能を有する指導員による実技指導等」につきましては、先月、政府で取りまとめられた若者雇用戦略にも「地域キャリア教育支援協議会」によるキャリア雇用支援として、「キャリア教育に関する外部専門人材のマッチング」が謳われており、政府内で施策が重複しないように、報告書の(3)にも記載のとおり、この協議会を主管する文部科学省ともしっかり連携していただきたいと思います。 技能検定制度については、5頁 (1)ウの3つ目の○に「複数の上位級を有する者に対する顕彰の検討」が盛り込まれたことも、前回私から申し上げましたことですので、妥当と考えます。
 さらに申し上げれば、将来的には、職業能力開発促進法の改正事項となり、直ちにとはいかないものと思いますが、「複合技能士」資格を創設することもご検討いただければと思います。
 2点目が、(1)で盛り込まれた受検者数の拡大の施策の効果を検証するには、定量的な指標が必要ではないかと思います。この場合、受検者数の拡大に係る数値目標がその1つと考えられます。もちろん、6頁末尾の※印に記載があるように、技能検定自体は都道府県の自治事務ですので、国として数値目標ということで一律に示すことは難しいかもしれませんが、そうであるならば、各都道府県で、それぞれ地元の産業構図やニーズを踏まえて、自主的に数値目標を設定することを国として推奨してはいかがかと思います。
 それに関連して、第2回検討会で、就業者に占める技能士の実数を産業別に示していただきましたが、これはあくまで推計値ですので、現状をきちんと把握していただきたいのが要望です。
 ところで、先ほど畑中委員からご提案がありましたが、都道府県が、3級を受検する高校生に対して行っている受験手数料の一定の減額措置を継続して実施してほしいということについては、私どもも賛成です。
○今野座長 私、聞き取れなかったところがあるのですが、何とか技能士の創設と言いましたか。何技能士とおっしゃったのですか。
○陳委員 前回愛知県の例でもご紹介した、「複合技能士」です。
○今野座長 何かありますか。星さん、いいですか。大きく言えば3点ぐらいですが、何かあれば。
○星能力評課課長 最後に話題になりました複合技能士の関係については、陳委員からもありましたように法律事項にもなってまいりますので、将来的な課題ということで、今後の評価制度の1つとして検討する際にそういったことも頭に入れてやっていければと思います。
 地域キャリア教育支援協議会で行われる事業との関係につきましては、政府内で重複した事業にならないように、具体化に当たっては関係省庁とも十分に確認しながらやっていきたいと思います。
 3級の関係につきましては、実態として、現在でも各都道府県でそれぞれ地域の実情に応じた取組を行っていただいており、減額幅も必ずしも一律ではないということで、私どもとしても自治事務ということで、それぞれの地域で自治体が住民福祉あるいは地域の産業振興という観点から、それぞれの施策の中でそういった検討をされて実施いただくことは、非常にありがたいと考えておりまして、これはそれぞれの自治体で引き続き検討いただきながら決めていただければと思っております。
○今野座長 お二人の意見は、それを何か書けないかということがあって、「下げろ」と言えないとすれば、「下げることが望ましい」とか、何かそういうことでしょう。違うのですか。
○大石委員 私ども自治体の立場からいたしますと、もちろん3級の振興ということはあるのですが、地域によって価格を下げる所もあれば、下げないで、その後にいろいろやっているとか、やり方はいろいろありますので。
○今野座長 では、少し抽象的に書きますか。
○大石委員 はい、ですから例えば、3級の拡大のためにはいろいろ努力してくれという意味合いのことであればよろしいのですが、「下げろ」とか具体的に書かれてしまうと、どうしてもなかなか困る場面が出てきますので。
○今野座長 3級を増やすということは、何かベースを大きくしていくことが非常に重要なので、いまおっしゃられたようにするか、さらにもうちょっと真ん中はちょっと例示を入れてあげるかということ、考えましょうかね。
○大石委員 あともう1点なのですが、いまご提案の中で受検者数の数値目標はどうかというお話があったかと思うのですが、私どもの現場からすると、これは非常に困難であると思います。というのは、企業の動向とか、景気動向等にも大きく作用されます。
 あともう1点は、全部で120を超える職種がございますが、すべての県で全職種をやっているわけではなくて、各県、県によっては2年に1回間引いたりとか、東京の場合120をやっていますが、50ぐらいしかやってないとか、いろいろな事情がございますので、数値目標は難しいのではないかと。
○今野座長 効果検証はどうですか。いやいや、陳さんがおっしゃられたのは、効果検証と目標設定なのですよ。
○大石委員 ここの中では具体的なところまで踏み込んでないですが、各県でいろいろやるに当たっては、当然効果検証は必要になってくるかとは思っております。
○今野座長 星さん、何かありますか。大体いままとめてくれたのだけれども。効果検証をしておかないと、また今度何かこんなに役に立っているぞというエビデンスを出せるようにしておいたほうがいいということは、一般的にはあり得ると思うのですが、どうですか。
○星能力評課課長 国として取り組む際、これらの施策の財源としては、多くは雇用保険の二事業ということで、それぞれ目標管理、効果検証をPDCAサイクルのもとに行っておりますので、それぞれの事業ごとに一定の目標を決めて、その効果を検証していくことにはなってくるかと思います。
 それぞれの自治体段階で自治事務については、それぞれ自治体の中でそういったことが行われるということで、いま大石委員からもございましたので、そういったものと合わせて全体の効果の検証を図っていければと思います。
○大関委員 簡単に一言だけ。7頁のなお書きの部分なのですが、これはこの中で技能検定に絞って言っているので、都道府県も責任を果たせと箇条書きで言っているのですが、ただこれだけですと、何かすべき規定みたいだけで、本当に都道府県が積極的に取り組んでくれるのだろうかという感じもしないでもないのです。ですから、今ものづくりは都道府県とか市町村の役割で、非常に大事なのです。ここを抜きにしてはほとんど何もできない状況ですから、逆に自治体の地方のものづくり、あるいは地方の技能士の役割は大きいのだと。だから、ここに地方の振興のためにも果たすべきだろうというトーンの何かを入れた上で、したがって「都道府県及び市町村は」という感じの何かつなぎにしてもらえると、説得しやすいのかと、そのような思いがあります。
○星能力評課課長 ご指摘を踏まえて報告案について修文していきたいと思います。
○大石委員 いま最後の6、7頁が話題になっておりますので、手数料の在り方についてということで、6頁のいちばん下にも書いてございますが、「手数料の額は国が政令で標準額を示し、地域の実情において都道府県が条例で定めている」ということです。前にも申し上げましたが、東京都としては条例改正はなかなか難しいかと思っております。それはそれとしまして、標準額を定めるときになりますと、7頁のいちばん上の○にもございますが、「費用削減を行って受検者の理解を求める必要がある」ということで、「上記(2)の費用削減の目安額に相当する費用削減がされることが前提」だということで、これはまさに書いてあるとおりだと。
 そうしますと、本日お示しいただきました目安についてという数字についてなのですが、これの信憑性と申しますか、前回の53職種1億5,400万円ということですが、これは前回の打合わせがあったあとに調べてみましたところ、53種については、畑中委員がいらっしゃる所なのですが、昨年12月に理事長匿名ということで見直しPTが設置されたと。それで全職種を対象に調査をして、技能検定のレベルを損なわない、損なうことがなく実技試験ができると、そういった場合の実施費用の削減ということで53職種が選定されて、これは確実にできるだろうということだったという資料がございました。
 そうしますと、51億5,400万円と、これはたぶんできるのだろうということなのですが、そうしますと、いま全職種を対象にしてそれを算出したということを前提といたしますと、8,800万円と今回提示された数字、これの信憑性と申しますか、このある程度確実な数字という形でお示ししない限りは、標準額をいくら上げますと言ったときに、説得力がないのかと。少なくとも実現の見込みはありますという照査が必要かと感じるのですが、先ほどのご説明ですと単純に平均額と最大の差を取っているということで、53職種と比べると検討のレベルが低く、ちょっと疑問が残るかと思っているのですが、その点はいかがかと。
○星能力評課課長 大石委員のご指摘ですが、先般も私どもは53職種につきましては、平成25年度に試験が実施される中で、特に実施費用等が高額で要望もあり、また受検者も多いということから、試験課題の見直しを中央職業能力開発協会で行ってきたということでご提示申し上げました。
 ただいま大石委員からご指摘がありましたように、具体的な材料費等について、個別に標準額をお示しできるということでご提示申し上げたわけですが、残りの職種についても、何らかの暫定的な目安を示すことは可能ではないかというご指摘もございましたので、短時間の間でやれる作業ということで部内で検討した中で、実績ということで一定の線を引いたということです。ややそういう意味では、具体的な処方せんというよりは、それぞれ実績から見ると平均値はこうなっていますということで、これをどう評価するかということだと思いますが、53職種とは性格を異にする数値ではないかというご指摘は、そのとおりだと思います。
○今野座長 いまのご指摘のポイントは、(2)の8,800万円の該当職種というのは、これ以上下げると、安定的に品質を維持できないから外したのだという基準なのか、あるいは標準額を設定するときに非常に手間がかかるから、全部は標準額に設定できないので、現在はきちっと標準額でできる53職種について標準額を設定したのかと、これはどちらかによって、判断基準が全然違いますね。私は前回は後者だと思ったので、残ったほうをどうにかしなくてはいけないのではないと発言したのですが、前者のほうだと全く違う見解になっているのですが、その辺はどうなのですか。そこがいちばん重要なポイントですね。
○星能力評課課長 そこは後者の考え方です。
○今野座長 そうすると違うのですね。
○大石委員 私どもはその辺は中央能開協さんにお答えいただくのかと思うのですが、私どもの聞いております範囲では、そういった中で全職種を見直された中で、レベルを下げることなく費用削減ができるものと、これは53種だと聞いてございましたので、これは重い数字だろうとは考えておりました。
○今野座長 では、それを畑中さんに聞くのがいちばんいいのですかね。
○畑中委員 この53職種を選んだのは、非常に費用がかかっていて、各都道府県協会からとにかく課題改正をしてくれという要望が強かったものをそういう声を踏まえて選定したのです。選定の仕方としては、まさに実施費用が高く、課題見直しの要望が多い職種ということで選んでおります。
○大石委員 あともう1つのポイントは、レベルを下げることなくということになるかと思っております。費用削減は基本的には中身の見直しとセットとなっているものですので、この辺が担保できるかどうかがポイントかと私どもは思っているのです。
○今野座長 では、JAVADAがどう議論したかどうかは別にして、ここはどう考えるかですね。事務局の意見ははっきりしていますので、ここでどう考えるかですが。何かご意見はございますか。
○宮川委員 そのプロセスはともかくとして、いろいろ見解の違いもあるようですが、結局これを基に手数料をどれだけの幅を持って上げるのかという判断材料になるわけですよね。そうしたときに、これから平成25年度に国庫補助金が平成22年度ベースで半分に減らされると、これは厳然として事実としてあるわけですね。そうしたときに、ではそれをどう呑み込むのかということになれば、確実に費用がここまで見直せるという中で、結果として上げ幅はこうですと、こういう論理ならわかる。では本当に8,800万円が、もしそのベースとなれば、これは確実に削減できるものだという担保がないと、結果としてなかなか難しいとなったときに、平成25年度からの運営がどうなるのかと、この辺が非常に心配だということだと思います。
○今野座長 ですが、それは言い換えると、先ほど言ったようにクオリティーは下げないでということと同じことなのです。ですから、ここの皆さんは現場で長く経験されている方が多いので、この数字をどう考えるかという意見をいただいたほうがいいのです。(1)はいいと。そうすると(2)をどう考えるかということ。事務局の考え方は、先ほど星さんが言われたようにはっきりしているので。ただ、私が前回言ったのは、実施費用が高く、課題の見直しの要望が多いというふうに選んだ53職種で、これだけのコスト削減を頼んでおいて、ほかが何もないというのは、ほかの理由がない限り、それは少しフェアではないですよね。ほかの理由があれば別ですが、フェアではないですよねということなのです。当然、事務局としては、こういう形でクオリティーを落とすことなくやっていかれると信じているから出しているのではないのですか。
○星能力評課課長 そのように答えざるを得ないのだと思います。ただ、確かに平均額ということで、この間かなり議論されましたように、関係業界等とのネットワークの中で、業界、都道府県職業能力開発協会にも相当ご協力、ご努力をいただいた成果が平均額として反映されているということですから、来年度からすぐに、隣県でこのような金額でやれているというものであっても、そのとおりやるとなると、そこはなかなか大変な苦労が要る話ではないのかと考えているわけです。
○大石委員 私どもとして心配しておりますのは、都道府県で条例改正いたしまして、いくらだと決めたあとで、「やっぱりこれはできなかったから、もう少し上げてよ」ということをなかなか言えないところがありますので、ある程度8,800万円というものの担保と、どういうことで削減が可能だとか、その辺の根拠を少しお示しいただきたいなというところです。
○北浦委員 その53職種と新しく出されたものとの比較の問題だと思いますが、53職種では標準的に要する額との対比で差額を出されていますよね。それに対して後者のほうは平均と、いわば大変機械的になっている。標準という意味は先ほど来あるような実施可能という、ある程度質的要素もいろいろ加味した金額なのだろうと思います。そこで、標準と平均とが、実際どのぐらい乖離しているかというのが問題ですが、これはここの場で議論していてもなかなか明確にはならないと思いますので、その辺は最終的にお示しになるときの段階までに詰めをやっていくということではないかと思います。実態として53職種も平均と標準がかなり乖離していることになりますと、このストーリーは狂っていってしまうので、そこは確認をしておきたい点のです。平均と標準というのが違いは当然あるでしょうけれども、さほど大きく変わらないのであれば、もう少しそこは細かく調べていくようなことで済むと思いますが、その辺だけを教えていただけますか。
○原田調査官 標準額と平均額との差については、それぞれの職種ごとにいろいろとは聞いておりますが、53職種のほうは試験課題などを見直していただくということですので、いまかかっている額よりは減るということが前提だと思っております。53職種については平均と標準額を比べますと、平均は現状かかっている金額ですので平均額のほうが高く、今後の見直したあとの標準額のほうが低いということになります。それ以外の新しく本日ご提示させていただいたものについては、標準額がまだ出ていないので、比較はできないということです。
 それから、削減の目安として金額を示させていただいておりますが、確実にできるというのはなかなか申し上げにくいところですが、実際に大きな費用がかかっているところの職種あるいは都道府県協会のいくつかからお話を伺いますと、非常に丁寧にやっていただいていて、それはそれで技能のレベルをきちんと測るという意味でやっていただいているということなのかもしれませんが、それ以外の事情等もお伺いしますと、あまりにも丁寧にやりすぎているのではないのかなというところも見受けられて、費用が多額にかかっていることの事情もいくつか見られます。そういったところについては、材料の調達方法や加工方法について、見直す余地がかなりあるのではないかということも見られますので、この取組を進めていただくことによって、かなりの費用の削減にはつながるのではないかと思っています。そういった事柄についても各個別の都道府県協会の取組をそのままお願いするだけではなくて、この報告書の中にも記載させていただきましたが、国と中央職業能力開発協会で必要な情報提供等も行うということで、都道府県協会の取組を支援していく。その中で、費用削減を可能な限りやっていただいて、その分、手数料の引き上げ幅はできる限り、理解をいただける限度で考えたいということだと思っております。
 戻りますが、3級についての手数料等での配慮ということですが、ご案内のとおり手数料は国は全体の標準額を示して、個別は都道府県の条例で定める仕組ですので、3級の受検の促進、拡大は必要なことで取り組まなければいけないと思っておりますが、表現方法は手数料のところというよりは受検機会の拡大とか、そういった辺りで何か工夫ができるのかなということで検討、相談をさせていただきたいと思っております。以上です。
○今野座長 あるいは具体的には書かないで、そこは拡大するようにいろいろ工夫しましょうぐらいでいいのかもしれない。先ほどは、そのくらいでいいかなという感じだったのです。
 もう1つは、事業費の削減可能見込額ですが、いまのお話を聞いていると、53職種と同じような状況が(2)の職種でも起こるとすると、平均よりは低い標準額になる。いまおっしゃられたことは、そういうことですね。そうすると、(2)について平均額を取るということは、標準額がないということは費用についての正確性に曖昧性があるから、少し安全側の数値を取っておかなければいけないので、したがって平均が安全側で適切である。たぶん、そういう理屈になると思う。そのときの前提は、53職種と同じようにそれ以外の職種についても、試験内容等を工夫しながら費用を削減していったらば、53職種に近いような現象が起こる可能性が高いということが前提です。安全側で平均を取りましたということしか、理屈がいまのところはないかなという感じがしますが。
○畑中委員 先ほど53職種の選定基準はここに書いてあるとおりで、実技試験の実施費用が高くて課題見直しの要望が多い職種ということですが、実際に53職種を選んだ2つの要件と併せて、スケールメリットみたいなことも勘案して53職種を選んでいますので、それ以外のものだとスケールメリットはそんなに大きくないというところはあります。
○今野座長 そうすると今度は、平均が安全側としていいかどうかという問題が出てきますね。あとは、スケールメリットがない職種について、標準的なコストを計算するコストというのがあるから、そちらのコストがものすごくかかるので、ですからやればいいという話にはならないような気もするので、どの程度アローワンスで取っておけば安全側かと考えるかですね。
○北浦委員 いずれにしても、ここの数字だけではよくわからないところです。例えばこれは最大最小値しか取っていないので、分布もわからない。平均があって、平均より上のほうがたくさんあるのか。最大が飛び抜けて高いのか、連続的に高いのかによっても全然違ってきますので、その辺も含めて検討できるのではないかと思います。もう少しそこを精査していただいて説明をしていただければいいのではないかなと思います。確かに全部について標準額を調べるのは大変な作業でしょうが、例えば1つ、2つをサンプリングしてやるなどのやり方があると思いますので、全く無理ということではなかろうかなという感じはいたします。先ほど来の話を聞いていると、平均というのは必ずしも非現実な数字ではないのだということは一応わかりますが、実態面はかなり個別事情があるようですから、もう少し、それも納得できるような分析をしたらいいのではないかと思います。
○今野座長 ここのところはそういうことにして、もう一度検討していただいて、理屈がほしい。また次回検討することにしまして、ほかの点はいかがですか。
○大石委員 大変細かいところで恐縮です。2頁のいちばん下の行に「人材育成の取組が不十分な中小企業」というフレーズがあります。単純に読むと、大企業は人材育成が十分で中小企業は不十分だという意味にも取れなくもないので、中小企業も十分やっている所もありますので、「中小企業のうち、人材育成が不十分な所」とか、この辺の表現の工夫だけをお願いしたいです。
○畑中委員 試験問題を作っている中央協会の立場として提案ということです。受検機会への拡大に関連することですが、ご案内のように実技試験の試験問題のやり方は長年変わっていませんが、例えば非常に費用がかかるとかいろいろな問題がある職種について、仕事をやっている現場というか、その職場において技能を評価するといったような手法もここの検討課題として考えていただければなという点が1つ。
 それから、これは技能振興策にもなりますが、業界団体が実施する競技大会で優秀な成績を残した人は作業試験を免除するというようなことも、これはどんな競技大会でもいいというわけではないと思いますが、ある一定の要件を満たしたような競技大会であれば、そこで優秀な成績を残した人に作業試験を免除してあげるといったようなことも、技能振興策の1つとして検討課題として取り上げていただければなと思います。
○今野座長 この点について、ほかの方はいかがですか。事の重大性からすると、前者のほうが大きいですね。試験会場を職場でやっていいですかという話でしょう。
○畑中委員 すべての職種というわけではなくて、どうしてもそういうのが必要だというか、職種によってはということで。
○今野座長 そのときは、試験委員が会社に行くということになるわけですよね。
○畑中委員 そういうことになると思いますが、いろいろ詰めないといけない点もあるので、今後の検討課題ということで。
○今野座長 いかがですか。そんなの、とんでもないという話がない限りは項目を追加してもいいかなと思いますが、事務局は何かありますか。
○星能力評価課長 技能検定の実技試験については、現在でも実際に企業の作業現場をお借りして行っているケースもありますので、それをさらにもう少し柔軟にというご指摘だと思います。今後の検討課題としては、十分にあり得る話ではないかと思います。
○今野座長 競技大会はどうですか。優勝した人ぐらいはいいのではないかという感じはします。
○星能力評価課長 一定のレベル水準を確保できるものであれば、国が実施している競技大会のほうでは、そういった特例、免除規定等もありますので、技能の質が担保できれば可能だろうと思います。
○今野座長 ほかにいかがですか。
○五十嵐委員 先ほど来、削減可能見込額のところで、調達の見直しによってコストを削減していくという方向が出るわけですよね。(2)で、それが現実的かどうかについてはこれからもう少し精査していただくことにするにしても、それとの関係で6頁の真ん中より上のなお書きのところで、「企業、団体のネットワークによる有形無形の協力を得て実施されているところであり」という件ですが、結果的に「安易かつ急激な費用削減により云々」とありますが、その文脈と費用を思いきり削減してやっていくこととの整合性がないような気がします。そこのところをもう少し書きぶりを変えないと、要は、安易かつ急激な費用削減はやらないほうがいいという文脈で書いてあるわけですよね。そこのところは、やればなかなかうまくいかなくなるかもしれないから留意すべきだと言っておいて、実際にはとにかく費用を削減しなければいけないから、相当やるのだというのが後ろの見込額に数字として書いてあるわけですよね。この辺の整合性というか、どう考えたらよろしいですか。
○今野座長 抽象的に言えば、たぶん事務局案はネットワークを破壊するまでには至らない削減であるというふうには当然考えていると思います。そうでなければ、出してこないですよね。
○五十嵐委員 先ほど言ったように、削減幅は最大値から平均額を引いているということで、北浦委員の言われたように分布もわからないので、平均値から見ると最小に近いほうが多いのだろうなという感じはしますが、最大の材料費を出している企業というか、売っている所にとっては相当な削減幅になるわけです。あるいは商売にならないわけですから、6頁にあるようにそういうことはしないように留意すべきだよと言っておきながら、実際にはそんなところからは調達しないよというところが出てくるわけですよね。その辺をうまく書かないと何か糠喜びのような、両方書いてあるような所があって、注意していただいたほうが材料を提供している企業側にとってはいいのかなとは思います。
○今野座長 考えてみると、この文章に「安易かつ急激な」という形容は要らないのではないですか。ただ普通に、「費用削減によりネットワークが壊れるようなことがあってはいけない」くらいに書いておけば。いずれにしても、先ほど言ったクオリティーを担保することと内容上は同じことですよね。結局そういうこと。ここで言うネットワークもきちんと維持することも含めて、クオリティーを担保できる範囲内でどの程度下げられるかということで、もう一度(2)について検討していただきたいということだと思います。ほかにいかがですか。
○河村委員 関連して確認しておきたいのですが、いまの6頁の費用削減の目安というのは、報告書に書き入れるという前提ですね。そうすると後ろに付いている資料2も、報告書に付ける形でしょうか。今日の議論は当然たたき台の議論をするので、報告書についての扱いはどうなるのでしょうか。
○原田調査官 いまは本文だけをお示ししておりますが、付属資料としていくつか付けることを予定していて、その中の1つとして今回の事業費と管理費の削減可能見込額の目安の資料も付けることを予定をいたしております。
○河村委員 事業費の関係で、(1)では53職種。いままで中央能開さんがやられてこれだけの1つの試算が出ていますが、(2)は具体的に職種が例示としても出てきます。ここまで挙げる必要があるのでしょうか。金額だけであれば、いまいろいろ議論になっている試算の方法は確かに書かなければいけないのですが、そうだとしてもほかの職種についてこういうふうだと書けばいいので、あえて具体例で職種まで必要かなというのは疑問があります。
○原田調査官 付属資料等については、次回にご提示いたしますので、そこでご議論いただければと思います。
○河村委員 もう1つ関連して、裏のほうです。管理費も同じように(2)で、具体的に規模とある程度の数字は出てきていますが、逆に言うとこれを透かして見ると、大体どこの県の協会とわかりますから、これに目安について異論を挟むのはあれですが、ここまで具体的に表を付けるのがいいのかなという疑問があります。総論についてはいろいろ議論があるところですのでコメントはしませんが、仮にこれを付けるとなれば注意を払って書いていただいたほうがいいかなと思っております。
○今野座長 前者の件、つまり(2)について例示があるというのは、たぶん今回初めてこの数字を出したので理解しやすいように付いていると思います。もし、ここで具体例が付くのだったら、(1)にも具体例が入っていないとバランスが取れないので、最終的には(2)の具体例は消えるというふうに理解しています。後ろ側は、(1)に具体的な計算の考え方が出ているのですよね。ですから、(2)がなくてもいいかなとは思います。基準は書いてあるから。あとは、これに影響を受ける方たちが(2)があったほうが納得するのか、(2)がないほうがいいのか、そういうことですか。それで考えてください。ほかにいかがでしょうか。
○宮下委員 3点ほど質問や要望をさせていただきます。1点目は、事業費の削減見込みの資料(2)についてはいろいろなご意見がありましたので、今後、更に検討を頂くと思いますが、(1)の53職種については、具体的な数字として、これが決められた額になるのかと思いますが、実際に今後具体的に都道府県に標準的な額なりそういうものが示された上での実行になるのかどうかをお伺いしたい。
 2点目は、今回、補助金の削減ということから、この検討会が始まっておりますが、いま示された事業費の削減、それから当然、管理費の削減が出てくると思います。この削減に合わせた検定料の値上げが出てくるものと思っておりますが、この試算からいって、更に各都道府県への補助金を削減せざるを得ない結果になるのかをお伺いしたい。逆にはこれほど削減されるならば、これが限界ということで各都道府県への補助金を削減しないというような、行政刷新会議が示している2分の1の補助金削減を覆すようなことができないかなと期待もしております。私ども都道府県からしてみれば、調べた訳ではありませんが、事業仕分けの方針が全て方針どおり実行されていないのではないかと思っております。できれば厚生労働省に頑張っていただいて、事業費や管理費の削減をしたということで、都道府県協会に対する補助金が削減されないようなご検討を1つお願いできないものか、虫の良いお話ですが、期待をしております。先ほど畑中委員さんから説明がありましたように、都道府県協会自体の運営がかなり厳しいところに来ていると私どもも思っておりますので、これは要望になりますが、ご検討いただければと思っております。
 もう1点。技能振興施策では、4頁の(3)の2つ目の○の下のほうに、「技能振興施策の実施については、協会が中心的な役割を果たしていくことが重要である」と書いていただいているように、私ども中小零細企業が多い長野県にとっては、長野県の職業能力開発協会が果たす役割は非常に大きいものと思っております。3ページの(2)や4ページの(3)に、具体的な事業なり取組が書かれておりますが、これらの事業を都道府県協会にお願いする部分も出てくるかなと思っておりますが、新しい事業なり取組を考える場合には、先ほど畑中委員さんから話があったように、各都道府県の協会は職員体制も含めて運営状態が厳しい状況にありますので、各都道府県協会の実態も踏まえた検討をしていただければなと要望させていただきたい。お願いばかりで恐縮ですが、よろしくお願いしたいと思います。
○今野座長 何かコメントはありますか。
○星能力評価課長 最初の点のご質問ですが、具体的に53職種については材料・設備の標準的な調達、原価を算定しておりますので、そういった情報を私どもや中央職業能力開発協会が一緒に提示しながら、実現に向けた取組をお願いしていくと考えております。
 補助金の削減は、この検討会でも冒頭からお話していますが、1つは行政刷新会議の指摘の中で技能検定事業というものが、現行手数料の中では収支を見たときにほとんどが赤字ということで、もちろん補助金がゼロということでないですが、補助金を行政刷新会議の指摘に基づいて減額した中でも、事業が円滑に実施できるようなことを目指すべく、この検討会でもご議論をいただいてきたということです。そういったことから、私どもとしては平成25年度に向けては、行政刷新会議からの指摘に対しては必要な答えを出していくということで、先へ進めていくというようなことを考えているわけです。
 3点目の技能振興施策は、地域の、自治体、業界団体といったところの取組、考え方を反映して、それぞれ関係者が連携して、そのネットワークの中で良い事業をやっていければと考えています。当然そういった中では、都道府県職業能力開発協会は大きな役割を担う一員であると思いますので、事業の運営体制等も含めて地域の取組が円滑に、また効果的に行えるようにということを念頭に置いて取り組んでいきたいと考えております。
○北浦委員 違う点でお話します。技能検定職種の統廃合の関係に少し関わっておりますので、その立場から申し上げたいことがあります。それは、受検に向けての働きかけということで、5頁にも書かれています。技能検定の受検を増やすというのは非常に大事な取組だと思います。統廃合の議論を見ていると、いよいよ最後の段階になると、どうも最終的に業界団体の自身の取組が必ずしも十分でないという所も多いようで、そのギリギリの段階になってもう一度体制を考え直して見直してくれると、受検が増えてくる所も出てきます。これにはいろいろな事情もあると思いますが、業界団体の取組が基本というかベースにあるという感じがします。その際、複雑だなと思ったのは、職種によって業界団体がまとめ上げているところと、アウトサイダーが多いような業界、それからいろいろな事情で細かく分かれていて、各団体さんが必ずしも仲が良くなかったりとか、検定委員が出ていないような業界団体があったりとか、そんな事情が個別にあるようです。実際には、当然そういったようなところも含めて業界団体をまとめ上げてやっていると思いますが、そこがいちばんのベースになっているのかなという感じがいたしますので、是非業界団体との連携というか、それを通じてというところをそこにもう少し書いておいていただいたらいいのかなと思います。
 その場合に考えるのは、各都道府県段階でということになりますが、中には全国団体一本でやっているようなところもあります。そういったような意味ですと、国のほうとしても、その職種についての業界団体に対して、もう少しきちんと働きかけをして、それと都道府県の取組とクロスオーバーするような形で行くことが大事なのかなと思っております。最後の段階になりますと、最後の決め手は業界団体がどのくらい意欲を持っているか、頑張っているかが随分効いてきているような感じがしますので、是非5頁に1つは業界団体との取組と連携ということを入れていただければと思います。以上です。
○宮本委員 前書きの部分からものづくり産業の重要性について書き込んでいただいて、大変ありがたく思っております。先ほど来、質を担保するという話がありまして、6頁のいちばん上の○にそれが書いてあるわけですが、要素試験と実技試験の問題等も質を担保するというところをここにサラッと書いたのではなくて、もう少し強調していただけるとありがたいなというのが1点あります。
 それと前書きの下に、ものづくり分野に焦点を当てて検討してきたという中にあって、5頁のウの最後の○に指定機関方式の話が少し出ています。前書きで、そういうものづくりに焦点を当てて云々とやってきた中で、指定機関方式でものづくり以外の分野も含んだ云々というのをあえてここに入れる意味を教えていただきたいなと思います。
○今野座長 前者のほうは、そういうふうに文面を変えてもらうということで、後者については、5頁のウのいちばん最後ですね。
○星能力評価課長 前文にありますように、ものづくり分野に焦点を当てて検討というのはこの場で行われてきたとおりですが、報告書として全体を取りまとめる中で技能検定制度は、現在ものづくり分野以外でも指定試験機関制度が平成13年以降創設されまして、かなり多くの受検者を金融関係等で増やしている状況にあり、また、今後新たな職種というときに指定試験機関制度をもって、職種の展開を図るということが閣議決定されています。そういった部分も含めて技能検定制度全体の振興を図っていくというようなことで、あえて技能検定制度全体について、ここで補っているということでご理解いただければと思います。
○今野座長 なかなか実際には切り分けが難しい。つまり、ものづくり分野中心に議論をしましょうというのは合意していますが、ほかにもあると思いますが、適用がものづくり分野を越える政策は実際にはいくつもあります。ですから、なかなか難しいので今回はものづくり分野だけというか、ものづくり分野を文章では「焦点を当てて」と書いていますが、中心にして必要の範囲内で周辺もカバーしますという考え方だと思います。
○河村委員 先ほど北浦委員が言ったのと関連しますが、早い段階の検討会で生業系の業種の団体の皆さんの意見をいろいろ聞いてほしいとか、ご要望して聞いていただいたわけですが、最終段階でいまおっしゃられたように川上から川下へ、以前は技能検定の受検者がたくさんいた方もどんどん少なくなって、最終的には例えば3年に1回という段階になって、いずれ統廃合や縮小になる職種も現実にあると思います。前回「絶滅危惧職種」と言いましたが、業種別団体にはどちらかというと人材育成より、もう少し前の段階でいくと人材確保という、どうしてもベースに大きな部分があります。今回、能力開発局長の検討機関ということで、そこまではなかなか踏み込めないにしろ、業種別の生業系についてはそういう部分の配慮が必要だということで、いま北浦委員がおっしゃったように国レベルで団体との意見交換とか、そういうお話をしていただきたいのが1点と、そういう情報も各地方に流していただくといいのかなというのが1点。
 それに関連して施策の展開によって地方に行くと、安定行政との兼ね合いが一部かぶってくる部分があります。具体的に、この中でジョブ・カードのことが言われていますが、たしか2年前だと思いますが、ジョブ・カード創設のときに地方の能力開発協会にもジョブ・カードの推進とか何かのお役目をいただいて、活躍をしたというのが記憶にあると思います。人材確保の部分についても地方の労働局とか、いわゆる安定行政との連携というのは将来にも出てくる可能性があると思いますので、省庁間の連携も必要ですが、現場においては厚労省の中の各局との連携という部分も出てくるのではないかと思いますので、具体的に書き込むのは難しいかもしれませんが、先ほど申し上げましたが生業系の団体の連携やその辺も加えて、何かそういう工夫をしていただくといいのかなと思っております。あくまでも要望ですので、ご検討ください。
○畑中委員 先ほど河村委員からお話にあった、いちばん最後の管理費の削減見込額の目安の(2)ですが、各都道府県協会の立場からすると、もしこれがなくても大丈夫ということであれば、ないほうがありがたいなと思っています。というのは、少し怖いのが1協会あたりの平均額がランクごとに出ているので、県によってだいぶ温度差があるのだと思いますが、県によってはこれを1つの協会の見直し額みたいな形にされてしまうと、ちょっとまずいのかなというおそれが1つあります。
 それから、実際に例えば1,500人未満のところで7つ協会があって、削減見込額が1,500万円ということですが、7つということは平均を上回っているのが3協会ということだと思います。単純に1,500で割ると、1協会当たり500万円という数字になります。私どもがヒアリングで聞いてきた実感ですと、このぐらいの規模でさらに500万円の削減というのは感覚からしてレベルが違う金額というか、100万円、200万円の削減だったら可能ですが、500万円の削減というのは実感としてもかなり大きな額です。そして諸々のことを考えると、もし可能であれば数字の示し方について配慮していただければありがたいなと思います。
○今野座長 それは検討してください。
○大石委員 2点です。1点は5頁のウの最後で、私も宮本委員と同じようにパッと読むと違和感を感じる文章かなと思います。例えば、ウは「作業・等級等の新設や」ということがタイトルになっていますので、新たな職種にかかる技能検定の拡大に取り組んでいくに当たっては、こういった指定試験機関による技能検定も活用していくみたいな、前と後ろを逆転したような文章を少し工夫していただいたほうが、違和感がないのかなと感じております。
 もう1点は、全体を通して見ていきますと、具体的方策をザッと見ますと、技能士会のご協力をいただくものが非常に多いと感じています。そのわりには「技能士会」という言葉が4頁の(3)の上の○の3行目にしか出てきておりません。実際にも、技能士会にいろいろご協力いただいたりとか活躍いただいている実態もありますから、その辺ももう少し書いたらと思いますが、いかがでしょうか。
○星能力評価課長 ご指摘を踏まえて、修文をさせていただきたいと思います。
○今野座長 これは、一般の人も見るよね。「技能士会」は知らないよね。もし、たくさん登場させるとすると、資料でもいいから技能士会の説明をしてあげないと、わからないかもしれません。あまり登場しなければいいですが、たくさん登場することになると、そういう配慮もしていただかないと。
○大石委員 技能士会は、私どもも地域の技能振興のイベント等についてもいろいろご協力いただいておりますので、こういうところにも書いていただくと。
○大関委員 技能士会は、いつも裏方でお手伝いをしている立場です。ですから、看板は能力開発協会とか、そういう中でのイベントなり何かの協力です。技能検定もそうです。ほとんど技能士が行って、そこで先生になってやっているわけですから、そういう点ではいま大石委員からのお話のとおりですが、技能士会としては目立ちたがりやが少ないですから、そういうことに対しては何もないです。
 技能士会の今年の最大の目標は出口をきちんと作ってあげよう。出口とは何かといえば、売上げです。販路。技能士はものづくりはうまいのですが、商売が下手です。ですから、ここをイベントなり何かで、いままではただ単純にそれぞれ職種のイベントを見せるだけだったのですが、異業種のコラボをやって、こういうのをやりましたと。フラワーと木工で組み合わせてやるとか、洋服と和裁で組み合わせたスーツを作るとか、それが非常に好評です。そういうのを商品化することによって、少品種ですがそういうのを買っていただける方がいますから、そういう出口を開発していこうというのが今年の目標です。そういう点では、もう少し出しゃばって前へ出ていかなければならないかなと思っていますが、基本的には能力開発協会が表に出て、そのお手伝いをするという姿勢には変わりはありませんので、ひとつご支援のほどよろしくどうぞ。
○今野座長 星さん、少し検討してください。
○星能力評価課長 いまお話があった技能士の皆さんの異業種のコラボというか、優れた技能を個々にお持ちの皆さんがほかの業種とさらに乗り入れることで、より技能振興の面でも大きな成果を上げるということが期待できるということであれば、それぞれ地域の取組の中でもそういった観点で自分たちだけということではなくて、隣の技能士会なりとの連携した取組といったことも知恵を出してやっていただければと思いますので、私どもも協力できるところは、技能振興という観点で是非協力していきたいと思います。
○今野座長 ほかにいかがですか。今日は意見をたくさんいただきましたので、これで修文していただいて、もう一度やりましょう。今日はこの辺で終わりにして、次回の開催について事務局からお願いいたします。
○吉田課長補佐 次回は、7月17日(火)17時からとなっております。場所については現在調整中ですので、追ってご連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○今野座長 それでは終わります。ありがとうございました。


(了)

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