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2012年7月23日 第8回肝炎対策推進協議会 議事録
○日時
平成24年7月23日(月)13:00~
○場所
全国都市会館第2会議室
○議事
○北澤肝炎対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第8回肝炎対策推進協議会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、厚生労働省健康局疾病対策課肝炎対策推進室長の北澤と申します。今般、委員の改選がありましたので、本協議会の会長を選出いただくまでの間、議事の進行をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
会の開催に当たりまして藤田厚生労働大臣政務官からごあいさつさせていただきます。
○藤田厚生労働大臣政務官 皆様こんにちは。政務官の藤田一枝でございます。本日は、お忙しい中、第8回の肝炎対策推進協議会に御出席いただきまして誠にありがとうございました。6月1日付で委員の皆様の改選がございまして、今日は新しい委員の方々にも御出席いただいております。新しく委員になられました皆様には、それぞれのお立場から御見識や御見解を是非頂戴したいと思っております。また、前回から委員をお願いしている皆様方にも、引き続き肝炎対策の推進に御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
一昨年に肝炎対策基本法が施行され、昨年は皆様方の御尽力によりまして肝炎対策基本指針が策定されました。現在、この基本指針に基づいて医療費助成、肝炎ウイルス検査の促進、医療提供体制の整備、そして、正しい知識の普及啓発、研究の推進という5本柱から成る肝炎総合対策を推進しているところでございます。
また、今年度は、昨年度より2億円多い239億円の肝炎対策予算を確保いたしまして、肝炎患者の方々の相談体制の強化を図るための肝炎専門医療機関への地域肝炎治療コーディネーターの配置、そして、B型肝炎の画期的な新規治療薬の開発などを目指すB型肝炎創薬実用化等研究事業、更に、7月28日の日本肝炎デーを中心にさまざまな普及啓発イベントの展開といった事業に新たに取り組んでいるところでございます。
今後も基本指針に基づき必要な予算の確保に努め、肝炎対策の充実に取り組んでまいりますので、今後の肝炎対策のより一層の進展のために、委員の皆様方には忌憚のない御意見を賜りますようお願いを申し上げ、私からのごあいさつとさせていただきます。
なお、少し経った後、参議院の答弁が控えておりますので中座をさせていただきますことお詫び申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○北澤肝炎対策推進室長 ありがとうございました。
続きまして、委員の皆様方の御紹介をさせていただきたいと存じます。お手元の資料1の委員名簿に従いましてお名前を読み上げさていただきたいと存じますので、恐縮ではございますが、お名前を呼ばれた委員の方は、一言ずつ自己紹介をお願いしたいと存じます。
学校法人北里研究所常任理事、相澤好治委員でございます。
○相澤委員 相澤でございます。よろしくお願いいたします。専門は産業保健でございます。
○北澤肝炎対策推進室長 薬害肝炎東京原告団代表、浅倉美津子委員でございます。
○浅倉委員 浅倉美津子と申します。よろしくお願いいたします。平井美智子さんが前任の委員でございました。5月21日に彼女が乳がんで亡くなりましたので、代わりに委員をやらせていただくことになりました。彼女は遺族としてこの委員を引き受けられたので、彼女の遺志を私は強く持ってこの場に臨んでおります。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 日本肝臓病患者団体協議会常任理事、阿部洋一委員でございます。
○阿部委員 阿部と申します、よろしくお願いいたします。私は、C型肝炎の感染が分かって二十何年になりますが、まだウイルスが体の中におりまして何とか治したいと思っております。また、震災では私たちの会員でも6人の方が被災しまして、御主人を亡くした方もおりますし、また、先日、被災者の51歳の方がC型肝炎の肝がんで亡くなった方もおり、大変厳しい状況になっております。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 日本肝臓病患者団体協議会賛助会員、天野聰子委員でございます。
○天野委員 天野聰子と申します。私は、主人を4年半前に5回目の肝臓がんで亡くしております遺族代表委員として前回から参加させていただいております。主人の「全ての肝臓病患者の救済」そして、「肝がん撲滅」という願いをかなえるために、少しでも力になりたいと思ってこの場に臨んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 B型肝炎訴訟原告団、有川哲雄委員でございます。
○有川委員 有川哲雄です。私は、32年前に徳島肝炎の会というのを立ち上げました。なぜ立ち上げたかというと、私の主治医が私がB型肝炎ウイルスに感染していることを言ったときに、母親や兄や姉に感染している人はいないかと聞かれて、ありませんとお答えして、では、これから発症するかもしれないキャリアとして自分にどういうことができるかということで、徳島肝炎の会を立ち上げて今までずっと活動してきました。おととしに原告になりまして、幸い今年2月に和解できましたけれども、まだまだ和解できていない人、また提訴もできない人がたくさんおられるわけで、そういう人たちが安心して生活できるように、治療できるように肝炎対策推進協議会で大いに論議したいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局部長、遠藤孝一委員でございます。
○遠藤委員 連合の遠藤と言います、どうぞよろしくお願いします。労働者という立場で患者の方も働きやすい職場環境づくりという視点で、この会議に参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 日本肝臓病患者団体協議会常任幹事、大賀和男委員でございます。
○大賀委員 日肝協の常任幹事をしています大賀といいます。先ほど冊子を配らせていただきましたけれども、九州肝臓友の会という福岡県の患者がほとんどですが、そこの会長をしております。私自身は42年前に、実は毎日新聞に入社したその年にB型肝炎を発症しまして、2年間新聞社を休職して、職場復帰するまで7年かかりました。その間、本当に宮崎の山奥に水行に行ったり、針治療に行ったり、いろいろな民間療法に手を出して、本当に自分なりの地獄を見たような経験をしております。今はB型ですので抗体ができて、ウイルスも非常に少なくて安定している、生き延びたという形ですけれども、そういったことで32年前に私が初代会長として発足させて、2年前に30年という節目で出版させていただきました。肝炎対策は厚生省時代から私たちは随分とお願いしてきたのですけれども、ここ数年は医療面あるいは制度的なものも本当に進展しています。それに対しては本当に心より感謝しております。
藤田先生とは同じ福岡で、お互いに若いころからお付き合いがありまして、この場で今日こういう形で同じ肝炎対策というテーマで同席するというのも不思議な縁だなと思いながら、話したいことはたくさんあるのですけれども、肝炎対策を一歩でも二歩でも前に進めたいという強い気持ちで福岡からやってきました。よろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 健康保険組合連合会常任理事、岡本光正委員でございます。
○岡本委員 健保連の岡本でございます、よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 全国B型肝炎訴訟北海道原告、清本太一委員でございます。
○清本委員 北海道から来ました清本太一です。よろしくお願いします。私は、病状はB型肝炎の肝硬変で30歳のときに発症しました。現在35歳で何とか落ちついた状況を保てるのも治療薬が進んでいるおかげだと思っております。現在バラクルードを服用しながら生活しております。
先日の7月11日の大臣協議の場でも、この肝炎対策基本法の前文にもウイルス性肝炎の蔓延が国の責任にあるということが明記されており、また、大臣からほかの疾病と違う層の厚い医療支援の在り方を検討するという回答もいただきました。小宮山大臣には、他の疾病と違うウイルス性肝炎の医療支援の在り方を是非とも実現していただきたいと思いますし、私自身もこの協議の場でそういった議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長、熊田博光委員でございます。
○熊田委員 虎の門病院分院長の熊田と申します。専門は肝炎治療でございます。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 社団法人日本医師会常任理事、小森貴委員でございます。
○小森委員 日本医師会の小森でございます。石川県医師会の会長を6年務めておりまして、石川県での肝炎対策の治療に関しますネットワーク、患者さんの会との懇談会等を努めてまいりました。医療の現場を預かる医師の代表として参加しておりますが、このようなお苦しみが二度と生まれないように、医療の現場としてしっかりお受け止めする機会をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 全国中小企業団体中央会理事、瀬戸実委員でございます。
○瀬戸委員 全国中小企業団体中央会、瀬戸と申します。よろしくお願いいたします。私どもは字でおわかりのように、中小企業経営者の団体組織でございます。中小企業事業者への啓蒙や普及等は必ず必要になろうかと思いますが、私どもはそういった点で御協力していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 薬害肝炎原告団、武田せい子委員でございます。
○武田委員 武田せい子と申します。よろしくお願いします。私は発病以来24年間、働きながらずっと治療してまいりました。3回インターフェロンの治療をしましたけれどもだめでして、今回3剤をするに当たって遺伝子の検査をしたのですが治らない部類に入るみたいで、今後どうしようかと今試案している途中です。治療と就労についてもいろいろ意見を皆さんに聞いていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授、田中純子委員でございます。
○田中委員 広島大学の田中です。衛生学、特に肝炎の疫学を主にやってきております。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 茨城県保健福祉部長、土井幹雄委員でございます。
○土井委員 茨城県保健福祉部長の土井でございます。都道府県それぞれ地域によって大分事情が異なるところがございますけれども、皆様方の御意見をしっかり届けられるようにしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○北澤肝炎対策推進室長 福岡市西区保健福祉センター所長、南部由美子委員でございます。
○南部委員 福岡市の西保健所長の南部と申します。福岡市の保健所は政令指定都市の保健所になりまして、肝炎の方々の治療費助成の申請の受付や住民の方々の肝炎検査を行っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 関西労災病院院長、林紀夫委員でございます。
○林委員 関西労災病院の林でございます。内科医でございます。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長、溝上雅史委員でございます。
○溝上委員 御紹介いただきました溝上でございます。専門といたしましては肝炎ウイルスの研究及びその治療でございます。現在、我々のところではIL28Bを主体にした研究及び臨床応用というのを最大的に進めております。どうかよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 国立感染症研究所ウイルス第2部部長、脇田隆字委員でございます。
○脇田委員 御紹介いただきました脇田です。これまで専門はC型肝炎ウイルスの基礎研究ですけれども、後ほど御紹介がありますとおり、B型肝炎の創薬研究も始まりましたので、そちらにも全力で今取り組んでいるところです。どうぞよろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 どうもありがとうございました。
続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
外山健康局長でございます。
篠田審議官でございます。
健康局の松岡総務課長でございます。
同じく山本疾病対策課長でございます。
結核感染症課の巽B型肝炎訴訟対策室長でございます。
以上の方に御出席をいただいております。
なお、本日は委員総数20名中19名の皆様に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
柿嶋委員におかれましては御欠席の連絡をいただいております。
次に、配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第
座席表
資料1 肝炎対策推進協議会委員名簿
資料2 各自治体における肝炎対策の現状について(概要版)
資料3 B型肝炎創薬実用化等研究事業について
資料4 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業の概要
資料5 肝炎検査受検状況実態把握事業の結果の概要と考えられる方向性について(案)
資料6 平成24年度肝炎対策普及啓発事業について
資料7 平成25年度予算要求等に係る各委員からのご意見について
資料8 平成24年・恒久対策に関する大臣要求項目(全国B型肝炎訴訟原告団・弁護士団)
資料9 B型肝炎訴訟原告団・弁護士団と大臣の定期協議議事録
参考資料1 肝炎対策基本法
参考資料2 肝炎対策推進協議会令
参考資料3 肝炎対策の推進に関する基本的な指針
参考資料4 肝炎対策推進協議会運営規程
参考資料5 肝炎総合対策の推進について
参考資料6 各自治体における肝炎対策の現状について(詳細版)
参考資料7 平成24年度厚生労働科学研究費補助金採択課題一覧
参考資料8 平成24年度肝炎総合対策予算
参考資料9 平成22年度肝炎ウイルス検査の実績
参考資料10 肝疾患診療連携拠点病院一覧
参考資料11 平成23年度に作成したポスターとリーフレット
参考資料12 厚生労働省「提言型政策仕分け」における提言(保健医療分野の支援と就労支援の連携部分)
参考資料13 平成22年度身体障害者手帳交付台帳搭載数
追加資料 有川委員・清本委員提出資料 平成25年度予算編成に関する要望について
清本委員提出資料 肝炎ウイルス検診における啓蒙活動の一例
また、資料一覧に掲載しておりますもの以外に資料2と参考資料6のバックデータとしまして、各自治体における肝炎対策の現状に関する調査に係る調査票とその集計データを机上に配付させていただいております。A3のものになります。こちらは大部にわたりますので、恐縮ではございますが、本日は委員のみの配付とさせていただきます。なお、後日、厚生労働省ホームページ上におきまして全文公開させていただく予定でございます。
また、委員の皆様におかれましては、本日お持ち帰りが難しいようでしたら、席上に置いてお帰りいただければ、後ほどお送りさせていただきます。
また、大賀委員からの提供資料といたしまして、先ほど御紹介がありました九州肝臓友の会設立30周年記念誌『支え合い励まし合って』を机上に配付させていただきます。
また、今から配付させていただきますが、阿部委員から肝炎患者の生活実態と意見というものも配付させていただきます。
また、白い縦紙で3枚程度の資料として、天野委員からの追加提出資料として厚生労働省平成22年人口動態統計月報年数の概況を配付させていただいております。
以上、資料の過不足等がございましたら申し出いただきたいと存じます。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
まず初めに、本年5月末をもってすべての委員が任期満了を迎えたため、6月1日付で委員の改選がありました。そこで、本協議会の会長を改めて選出していただきたいと思います。恐れ入りますが、参考資料2をごらんいただきたいと存じます。
協議会令第2条第1項におきまして、協議会に会長を置き、委員の互選により選任すると定められております。選出の方法については委員の互選によることとなっておりますが、いかがいたしましょうか。
○脇田委員 推薦をよろしいでしょうか。これまでどおり林先生におまとめいただくのがいいと思いますので、是非とも推薦したいと思います。
○北澤肝炎対策推進室長 ただいま脇田委員から会長に林委員を推薦する旨の御発言がございましたが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○北澤肝炎対策推進室長 ありがとうございます。それでは、御異議がないようでございますので、林委員に本協議会の会長をお願いしたいと存じます。
それでは、林委員、恐縮ではございますが、会長席にお移りいただきまして、今後の議事運営をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
(林委員、会長席へ)
○林会長 それでは、僣越ではございますけれども、御指名でございますので会長を務めさせていただきたいと思います。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。
本邦の肝炎患者様は他の国に比べまして高齢化しております。ということで、肝炎対策というのは特に我が国では急がれておりますので、是非、各委員の先生方に貴重な御意見をいただきまして、本邦の肝炎対策がよりよいものになれば思っております。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきますが、その前に、議事会令の第2条第3項に会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理するということになっております。そこで、会長の代理につきまして指名させていただきたいと思っております。前回の当協議会でもお願いしておりましたので、阿部委員にお引き受けいただければと思っておりますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○林会長 それでは、阿部委員、よろしくお願いいたします。
○阿部委員 よろしくお願いいたします。
○林会長 それでは、これでカメラ撮りは終了させていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
それではまず、委員改選後初めての会議でございますので、肝炎対策基本法、肝炎対策推進協議会及び肝炎対策の現状について、事務局より簡潔に御説明いただければと思っております。よろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 恐れ入りますが参考資料5をごらんいただきたいと思います。「肝炎総合対策の推進について」を御説明したいと思います。
肝炎対策につきましては、肝炎対策基本法及び同法に基づきまして平成23年5月に策定されました肝炎対策基本指針により総合的に実施されております。
基本的な施策といたしましては、肝炎患者さんの人権尊重、差別解消に配慮しながら予防・早期発見の推進、研究の推進、肝炎医療の均てん化の促進が行われております。
24ページに本協議会の役割等をお示ししております。
基本指針を策定する際には、本協議会の意見を聞くこととなっております。
下から次のページにかけて、肝炎についての概要をお示ししております。
25ページの下から次のページにかけましては、平成13年以降の肝炎対策に係る動きを年表形式にまとめております。
26ページの下ですが、基本指針の策定までの経過をお示ししております。平成23年5月16日に策定されたところでございます。
指針の概要については27ページの上、それから、本文につきましては参考資料3としてついております。
27ページの下ですが、肝炎対策予算の推移を示しております。厳しい財政状況の中、平成14年度と比較しますと大きく増加しているところでございます。
28ページですが、今年度の予算の内容でございます。大きく5本柱で実施しております。
まず28ページの下ですが、「1、肝炎治療促進のための環境整備」ということで、医療費助成でございます。平成20年度から開始されておりまして、平成21年度には投与期間の延長や所得区分認定の例外的取扱い、平成22年度には自己負担限度額の引下げ、助成対象医療にB型肝炎の核酸アナログ製剤治療を追加しております。
また、30ページですが、平成23年度にはC型代償性肝硬変に対するインターフェロン治療の追加や、B型慢性活動性肝炎に対するインターフェロン治療の追加など、制度の充実も図っております。それに伴いまして助成を受けられる方々が増えまして、また交付決定額も増加しているところでございます。
次に32ページ「2、肝炎ウイルス検査の促進」でございます。これによりまして肝炎の早期発見、早期治療に結びつけるものでございまして、下のスライドにございますとおり、都道府県が実施主体となって保健所などで行う特定感染症検査等事業、それから、市町村が実施主体となって保健センターや委託医療機関などで行う健康増進事業が行われております。
33ページには本事業の変遷、また、実績等を示しております。
34ページの下「3、肝疾患診療体制の整備、医師等に対する研修、相談体制整備などの患者支援等」でございまして、都道府県に1か所以上肝疾患診療連携拠点病院を整備いたしまして、相談センターで患者さん等からの相談に乗ったり、医師等への研修の実施などを行っているところでございます。
36ページ「4、国民に対する正しい知識の普及啓発」でございますが、自治体の普及啓発活動への補助事業や後ほどの議題で詳しく御報告いたしますが、日本肝炎デーなどを通じた多角的普及啓発を実施しているところでございます。
37ページの下でございますが、これも後ほど詳しく御説明いたしますけれども、新たな治療法等の開発などを行うため、研究を推進しているところでございます。
38ページの下でございますが、現在検討を進めている施策といたしまして、まず、研究の関係ですけれども、医療イノベーション5か年戦略の中で肝炎研究も取り上げられておりまして、積極的に推進することとしております。
また、治療と職業生活の両立の支援等といたしまして、労働基準局におきまして検討会で支援の在り方について検討を行うとともに、厚生労働省版提言型政策仕分けにおきまして、長期にわたる治療等が必要な疾病を抱えた患者に対する保健医療分野の支援と就労支援の連携につきまして、今後の取組みについて提言が行われたところでございます。この提言につきましては、参考資料10につけているところでございます。
説明は以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。
最初の議題でございますけれども、各自治体における肝炎対策の取組み状況等についてということで、まず事務局から御説明をよろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 資料2をごらんいただきたいと存じます。各自治体における肝炎対策の取組み状況等につきまして調査を行っておりますので、概要について御説明いたします。
まず「1-1.肝炎ウイルス検査(特定感染症検査等事業)の実施状況」でございます。左側の表で自治体区分と実施方法のクロス表を示しております。保健所では139の自治体のうち123で無料実施が行われております。また、委託医療機関では101の自治体で行われておりまして、すべて無料で実施されております。
右の表ですが、各自治体の中で保健所と委託医療機関の無料実施等の組合せを分類しております。例えば、1では保健所、委託医療機関いずれも無料実施を行っている自治体は合計で85となっております。また、4にございますとおり、どちらも無料実施していないといったところはゼロということでございまして、現在はすべての都道府県、保健所設置市、特別区において無料実施が行われているところでございます。
次に、4ページでございます。「1-2.肝炎ウイルス検査(特定感染症検査等事業)において、陽性(疑いが高い)者に対する、検査後の対応状況」でございます。単なる受診勧奨ではなく、電話等で受診状況を確認しているものなどを集計しております。
保健所実施分ですが、例えば、都道府県では28の都道府県で実施されております。フォローアップの具体的な取組みは右ですが、未受診者への電話や文書による受診勧奨、あるいは検査結果説明時に紹介状や医療機関の一覧、健康手帳等を送付するなどがございます。
一方、フォローアップ未実施の理由といたしましては、匿名検査で行っているため追跡が不可能といったものでございます。
委託医療機関実施分は下の表でございます。フォローアップの具体的な取組みといたしましては、保健所、委託医療機関から専門医への紹介状の交付などがございます。
また、保健所が電話、来所、訪問によって相談面接を実施したり、紹介先の医療機関より受診状況の情報提供を受けるなどしております。
また、フォローアップの未実施の理由ですが、医療機関の判断に一任しているといったものでございました。
続きまして「2.都道府県における、診療体制の整備状況」でございますが、まず、肝疾患診療連携拠点病院はすべての都道府県で設置されてございます。また、相談センターもすべての都道府県で設置されております。なお、拠点病院等連絡協議会につきましては、未指定または未開催が4つの都道府県となっております。また、委員または構成医療機関名について公表済みなのは15県といった状況でございます。
また、専門医療機関については、昨年のこの時期に調査したときから2つ増えまして、すべての都道府県で設置されております。具体的な状況については右の表に記載しているとおりでございます。
「3.都道府県における肝炎対策協議会の設置・開催状況」でございます。すべての都道府県で設置されておりますが、患者さん等を委員として任命されているのは36となっております。これは1年前から10の都道府県が増加しております。
患者等を委員としていない主な理由といたしましては、今年度検討予定、県下に代表的患者会が存在しない、または把握できていない、肝疾患診療等に関する専門的な議論を行う場であるためなどとしております。
また、平成23年度の開催実績につきましては、開催なしが平成22年度から4つほど減ってはいますが6県ほどございました。その理由といたしましては、震災等の影響と伺っております。
続いて「4.その他、都道府県における肝炎対策に係る取組」ですが、1肝炎対策に係る計画策定状況です。肝炎対策に特化した計画につきましては、昨年の2か所から4か所増えまして6となっております。地域の実情に応じた対応は徐々にではありますが、充実しているかと思います。
また、2の患者会等からのヒアリングにつきましては、肝炎ウイルス検査受診率の向上や肝炎患者支援の充実等をその内容としておりまして、昨年の27から30へとやや増加しているところでございます。
続きまして「5.都道府県における、肝炎対策に係る普及啓発状況」ですが。普及啓発の実施状況、ポスター、リーフレットの内容をお示ししております。ポスター、リーフレット以外の取組みについても、下に具体例を載せさせていただいております。
最後に9ページ、各自治体における特別枠事業の実施予定についてまとめております。今年5月末現在でございます。
肝炎患者支援手帳の作成・配付ですが、昨年の14から23となっております。地域肝炎治療コーディネーターも昨年の17から23。出張型検診の実施については昨年の9から11自治体。個別勧奨メニューの実施につきましては、昨年の833から135増えまして968市町村となっているところでございます。
説明は以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。
前回の協議会でも各委員からいろいろ御質問がございましたけれども、現在の各自治体における取組み状況をおまとめいただきました。御質問・御意見等がございましたらお受けいたしますが、どうぞ。
○清本委員 参考資料の81ページに政令指定都市のウイルス検診の実績が載っておりますが、札幌市が5万人とずば抜けて多いんですよ。全体で18万人受けているうち5万人。これは裁判の報道もありまして、B型肝炎が予防接種で感染し得るということを札幌市の方たちは深く理解してくれているということもありまして、参考資料の99ページに「感染拡大予防のために」ということで、今までもそうでしたけれども、主な感染ルートが歯ブラシやカミソリ、また、ピアスとか入れ墨、性行為など心当たりのないことが多かったと思うのですが、やはり予防接種という広く国民が受けたもので感染し得ることをきちんと伝えなければウイルス検診の効果は上がらないと思います。追加資料の最後のページにあります私が提出したものですが、今回の肝炎デーの告知で札幌市がポケットティッシュをつくってくれまして、それを配って肝炎検査の広報をすると。この広報の仕方が、今まで厚労省側の広報では性交渉のほかにピアスや入れ墨などが主な感染ルートというような、ごく限られた方を対象にした文言でしたけれども、今回、集団予防接種や20歳以降の国民のほとんどが受けており、すなわち国民のほとんどに感染の危険性があったことを伝える必要があると思います。今後の広報の活動においては札幌市のように、これは大げさな言い方かもしれないですけれども、予防接種の注射器の使い回しなどによる肝炎ウイルス感染者は全国に300万人以上いると言われていますというような書き方をすれば、すべての国民が感染していた可能性があるということで受診率も上がると思いますので、是非とも国の方からもこういった文言をメーンにしばらくは肝炎検査を伝えていただけないでしょうか。
○外山健康局長 昨年10月だったか、11月だったか、厚生労働省のホームページにもB型肝炎の感染経路として集団予防接種による注射器の使用が原因であると既に載せてございます。更に、後で説明があるかもしれませんが、このたびの肝炎の啓発プロジェクトで「知って肝炎」キックオフミーティングを7月18日にやりましたけれども、その前にB肝の大臣協議があって、その場でもちゃんと啓発すると約束いたしましたので、早速「知って肝炎」のキックオフミーティングのホームページに2か所掲載いたしましたし、あるいは田中委員も出席していただきましたが、その場でも集団予防接種における感染があったことを広報いたしました。そういうことで、そのことはきちんと啓発していきたいと思っています。
ただ、委員提出資料では「集団予防接種注射器の使い回しなど」と書いてありますけれども、それが全国に300万人以上いるというのが前面に出るのはどうかなと思いますが、それも一つだということはきちんと言うように広報いたします。
○林会長 それ以外に何かございますか。
有川委員どうぞ。
○有川委員 私は事前に、資料の64ページに「肝炎対策推進協議会の開催にあたって」というのを出させていただいていますが、徳島県の場合は医療機関で検査していない9つの県の1つなんです。県に申し入れしても医療機関での無料検査は予算がないということで実施されないんですよね。これは全国どの都道府県の人でも同じような条件で受けられるようにするという点では、やはり国がもっと予算措置を講じてやっていくことが、私は望ましいのではないかと思います。
それから、なぜ受けないかということは、徳島の場合は保健所でしか受けられないということがあると同時に、先ほど清本委員からも言われたように、自分が予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染している可能性があるんだということを知らない人がほとんどですし、厚労省のホームページでいろいろ掲載してやっていると言われますけれども、厚労省のホームページを見る人はほとんどいないですよね。興味がある人はごく一部の人です。だから、これをきちんと国民全体に知らせるような告知の仕方、啓発の仕方というのは十分に研究していただく必要があるのではないかと思うので、その辺御一考をお願いしたいと思います。
○林会長 最初のお話の徳島県で検査が行われていないというのは、自治体が2分の1の負担ができないからですね。これは事務局から何か答弁はございますか。これは2分の1自治体負担というのが必ずつきまとう問題でございますけれども。
○北澤肝炎対策推進室長 会長おっしゃるとおり、これは地方自治体が実施主体になってやっておりまして、すべての事業がそうなのですが、予算がなかなか確保できないというところが一番大きな理由として挙がっております。これは地方自治との関係があって、なかなか国が強制するのは難しいのですが、我々も担当者の会議やブロック課長会議等がありますので、そういった場でできるだけこういった検査も含めて行っていただくような働きかけというのはやっておりますし、これからもそういったことはしっかりやっていきたいと思っております。
○外山健康局長 さっきの資料だと、県は医療機関委託か保健所か、いずれか無料だと説明したばかりではないですか。
○北澤肝炎対策推進室長 各自治体の範囲としては、どちらかの保健所あるいは自治体の検査は無料で必ずされております。
○林会長 それから、後半の普及問題は、先ほどホームページのことがありましたが。
○外山健康局長 後の(4)の議題で。
○林会長 そこで議論させていただきますので、それ以外にございますか。
○阿部委員 肝炎ウイルス検査の実施状況ということで、先ほど検査の総数については御報告いただいたのですが、ここ何年とずっと下がってきておりまして、今回は一番新しい数字が平成22年ということで、対前年で言いますと、例えばここにあります特定感染症検査等事業は20%以上の落込みになっております。また、健康増進事業というのはここにはないのですが、そちらの方がこちらの倍ぐらいの検査数があるわけですけれども、そちらの方は8%ぐらい下がってきている。トータルで12%ぐらい検査の数が下がってきているということになります。
ここでは、特定感染症検査等事業は全部が無料実施ということで非常にいい形にはなっているのですが、実際私の県などでもそうですけれども、市町村実施の検査では半分くらいが何らかの形で有料になっています。ですから、健康増進事業も含めて各自治体でどのようにやられているのかというところが実はもうちょっと欲しかったなと。次のページの、フォローアップについても特定感染症検査等事業では実施している自治体は減って来ています。更に、健康増進事業では、自治体の方もやっていないところも相当ございます。
もう一つ、専門医療機関が今回このように一覧で出していただいたのですが、確かに専門医療機関も徐々には各県で整備されてきているのではないかと思いますけれども、例えば、東北地方では、専門医が常駐していないという専門医療機関が半分から3分の2もあるようなところがございます。
あともう一つは関東圏などで見られるのですが、参考資料に拠点病院の記載のところに専門医療機関がどのくらいあるのか書かれていますが、1つの県で100ぐらいの専門医療機関があるという県もあるんですね。ホームページを見ていただければわかりますが、そこではいわゆる医療費助成の申請を書くための医療機関を専門医療機関としているとちゃんと書いているわけです。ですから、いわゆる専門医療機関というのはどんなことをすべきなのかというのは、指針の中にも入れていただいていますが、都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドラインで決まっていまして、かかりつけ医と連携をとりながら肝炎治療を進めるというところでございますので、そこが都道府県によって、考えの違いもまだ若干あるのではないかと思います。
そういう意味で、特別枠なども例えば、支援手帳なども何県かの支援手帳を送っていただいて見させていただきましたが、いわゆる単なる療養手帳になっているようなところがありました。指針の中には拠点病院あるいは専門医療機関とかかりつけ医との連携に資するということが本来は基本なわけですが、そういう機能を果たさないような手帳もございます。
特別枠事業に対して、私は非常に希望もしていましたし、これを施策として進めるということでかなり期待しているのですが、なかなか進捗も思わしくなく、実態も伴っていないような気がします。国と各都道府県や市町村との疎通がうまくいっていないのかなという感じがいたします。私は、協議会としてそこをどうやっていくのかとか、どうしたらそこのところが全国でうまくいくのかということを、考えなければならないと思っております。
以上です。
○林会長 2点ございました。最初の点は、肝炎検査を受ける人が経年的に減少している、これは各都道府県で大体共通事項なのですが、御指摘の制度の問題もあるのですけれども、私は個人的にそれ以外の要素も非常に強いかなという感じがしております。この点について何か御意見ございますか。これはなかなか難しい問題ですけれども、田中委員いかがですか。
○田中委員 今の数字は健康増進事業と特定感染症等検査の検査数です。対象数が健康増進事業と特定感染症検査等事業の数が減っているということなんですけれども、同じ対象者に向けての啓蒙が毎年繰り返されているわけです。それが増える方にはいっていなくて減っていることについて、原因はよくわからないのですけれども、それ以外を対象とした検査の普及も必要ではないかと私は思っております。
○林会長 ほかに何か御意見ございますか。恐らくあと数年経ちますと、高齢者の治療方法が導入されてきますので、もともと45歳から始まったのですが、より高齢者の検査をやらないと今後はだめではないかと私は個人的に思っています。従来のやり方をそのまま踏襲しているだけでは、検査の件数はなかなか上げられないのではないかと危惧しておりますが、いかがですか。
○田中委員 そう思います。
○阿部委員 よろしいですか。私は県の協議会の委員もやっていますし、町の委員もやっているのですが、実際に保健師さんなどともお話ししたり、検査機関の方などからもお聞きしますと、やはり職域の部分が非常に低い、検査の受診率が低いということです。私の県では二次医療圏が10あるのですが、そこで各事業所を選んで出張型の検診を進めて去年からやっていただいております。今年は更に拡大して実施していただくことになっています。そういう意味で138に対して11しか実施していないというのは、この制度をつくった意味がないことになってしまいます。検査機関の方のお話を聞いても、事業所に行って職場健診をするときに一緒にウイルス検診もしますよということで、非常にいい制度なのになかなか定着しないということも考えなくてはなりませんが、そもそも職域をどうするかを検討しなければならないと思います。
○林会長 御指摘のように、これは最初の協議会のときから問題になっていたと思いますが、職域の検診率が低いというのはいろいろな事情がございまして、なかなか上げることができないということで、恐らく岩手県だと今のような対策がとれるのだと思いますが、東京や大阪ではそういう手法はとれないのではないかという気がいたします。これはなかなか難しい問題で、ここで今すぐ結論は出ないと思っておりますので、またいろいろな御意見をお聞かせいただいて、厚労省でもお考えいただければいいのではないかと思っております。
田中委員どうぞ。
○田中委員 大企業に属する健保組合と中小企業の協会健保の方も委員になっていらっしゃるのでお伺いしたいのですけれども、組合での健診で肝炎ウイルス検査を受けるようにとホームページなどでも推奨されていると思います。しかし、肝炎ウイルス検査の対象者の条件がALTが異常であった者とか、過去に手術をしたとか、輸血をしたことがある人となっているのは、何故でしょうか。このことから、職域で肝炎ウイルス検査を受ける人が少ないのではないかと私は思っているのですけれども、それについてどのような対象者になっているかお伺いしたいと思っておりました。
○林会長 健保組合の方にお答えいただけるかどうか。
○相澤委員 健保組合ではございませんけれども、産業保健、産業医学、職場のいろいろな疾病予防といったことを専門にしておりますのでコメントさせていただきます。前にも本協議会で御説明いたしましたが、産業保健は労働安全衛生法という法律で決められておりまして、健診項目が決まっているわけです。それに加えて検査をすることになりますと、労働者の同意を得てやらないといけない。勝手にやると問題になり、その結果が漏れると労働者の方に不利益になる可能性もありますので、その辺非常に神経質に取り組まなければいけません。勿論、健康増進のための健康教育でこれが必要だと言うことはできるのですけれども、強制的なことは少なくともできないという状況です。ですから、努力はいたしますが、なかなか100%やることは難しいと思います。
○林会長 我々肝臓の専門医から言いますと、会社の検診のときにGOT、GPTを毎年はかっていただくよりは、1回だけHBs抗原とHCV抗体をはかっていただく方が患者さんのためになります。それを会社側に申し入れても、今言った事情で追加でしか入れていただけないという非常に大きな問題を持っていますので、どうしても職域の検診の率が上がってまいりません。急にはなかなか解決できないと思っております。今後議論をさせていただきたいと思いますが、今日は時間の関係もございますので、これはこれでさせていただきまうす。もう一つ、阿部委員から御指摘がございましたが、各都道府県で専門医やいろいろな呼称になっていますけれども、その内容はかなり違うと。それは御指摘のとおりでございまして、それぞれの都道府県の事情によっていろいろな要件で専門医、専門医療機関を決めております。これについて熊田委員いかがですか。
○熊田委員 大都市と人数が違うのですが、肝臓専門医が都市部に偏っていて、地方に行くと非常に少ない。その最大の理由は、各県1大学があるのですが、その1大学の長が消化器という名前のもとに講座があるのですが、実は胃や腸の専門家という県はどうして肝臓専門医が少ないんですね。逆に、肝臓が専門の人が施設の大学の長であると、肝臓専門医が増えるという状況があります。ただ、これもなかなかそういうわけにもいかないので、むしろ肝臓学会としてもなるべく専門医を増やすように努力していますけれども、根本的に胃腸の先生がいわゆる教授である県は肝臓専門医が少ないという実態があります。
○林会長 現在、肝臓学会は1万人を少し超えております。ですから、肝臓学会としては肝炎の治療あるいは診断の教育は最近非常に力を入れておりますので、専門医向けの教育というのはかなりやっておりますが、御指摘のように都道府県によっては専門医が足らないところが多くございますので、これについてはまた長期的な対策を考えないと、なかなか解決が得られないのではないかと思っております。
それ以外にございますか。
○武田委員 私がインターフェロンの治療中に思ったのは、拠点病院でずっとしているわけにはいかないので近くの専門医でもインターフェロン治療をしていたのです。でも、やはり専門医の方が言われることと拠点病院が言われることと基準的なことが違うのですね。少しではなく随分と違うので、そう言ったら、では、拠点病院の方にしますと言われたのですが、余りにも違うので私も県の肝炎対策に入っているので、それを聞いたら、やはり拠点病院とか協力病院は研修とかをすごくなさっているのですけれども、専門医がいても毎日忙しいからなかなか出てこられないという内情があるのだそうです。ですので、もう少し県の方に強く働きかけるとか、そういうことができないものかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○林会長 ただ、恐らく熊田先生もおわかりだと思いますが、本当の意味で肝臓の知識を持っている人を今後増やせるかというと、恐らくそれは難しいですよね。ある程度の医療機関で治療方針を決めていただいて、その治療方針にのっとってそれぞれの御自宅近くの医療機関で治療する以外、なかなか対策はとれないのではないかと我々は思っています。勿論ドクターで意見の相違は少しございますが、学会としてはガイドライン等もつくり、治療方法については均てん化を図っていますので、肝臓専門医の間でそれほど治療のやり方に差は余りございませんよね。
○熊田委員 いわゆる肝臓専門医の資格を持っている先生の間では、そう大きな違いはないと思います。
○林会長 それはいろいろ今後も努力を続けてまいりますけれども、今の肝炎患者さんの数と専門医の数のバランスから言うと、どうしてもそこのところは厳しいのが現状だと理解しております。
阿部委員どうぞ。
○阿部委員 前回、正木先生にプレゼンしていただいたときにも私は発言したんですけれども、やはり急には増やせないというお話を伺いました。岩手県の場合は津波被害を受けた地域は、前から専門医がほとんどいない二次医療圏なんですね。そういう地域では過去のインターフェロン治療なり肝炎治療をしている先生方を肝臓学会である程度選んで、そういう先生を肝炎のかかりつけ医という制度を作っていただきました。今、県内10医療圏があるのですが、そういう先生がいない二次医療圏というのはなくなっています。いわゆる肝炎の治療を一定程度やっていただけるという先生が登録されているということで、3剤の治療などは無理としても、ある程度の肝炎治療はやれるという体制をつくっていただいております。年に2回以上そういう研修に参加しなければ肝炎かかりつけ医の資格を外すぐらい厳しく研修をやっていただいております。ほかの県などを見ますとほとんどそういう地域が多いわけです。ですから、そういう制度を考えていただければと思います。
○林会長 専門医を増やすためにそれぞれの都道府県で拠点病院を中心にして、そういう研修を強制的に受けさせていただきたいという御要望ですが。
○阿部委員 それがいいかどうか先生たちから見てどうかわからないですけれども。
○林会長 これは都道府県でかなり事情が違いますので、そういうものを義務づけている都道府県もございますし、それができない都道府県もございます。なかなか強制は難しくて、それぞれの都道府県で講習会等についてはできるだけ開催するように、溝上先生、進めていただいていますよね。
○溝上委員 拠点病院のこととか均てん化は、肝炎・免疫研究センター肝炎情報センターの正木先生を中心にいろいろとやっております。
本事業の根本的な問題が1つございまして、各都道府県が主体にあると。それを国が補助するというシステムになっておりますので、そのお考えが都道府県によって少しずつ違ってくるというところが大きな問題点でございますし、均てん化を進めていく上で、先ほど熊田先生がおっしゃったような、専門でない方が拠点病院のトップということも十分あり得るわけです。そうしますと、やはり力の入れ方が違ってくるということもございますし、そこのレベルがどうしても低いのではないかというようなことも起こってきております。そういうのは我々が気づいたところでどんどんリコメンデーションを出して、こういうふうにした方がいいのではないでしょうか、これはどうなのでしょうかと。それから、県衛生部の力の入れ方も強いところと弱いところがございますから、県の衛生部にもそういうところはお願いしていると思います。
2008年10月に私はこちらに赴任してきまして、この4年間で感じたことは物すごく進んだと。2008年10月時点で指定されていた拠点病院は十幾つです。それが47都道府県全部決まりました。いつになるだろうと、10年かかるのではないか思ったものが、3年ちょっとまでここまで来ました。ということからするなら、これからあと2~3年頑張れば、今おっしゃったこともどんどんカバーできるのではないかと思っております。
○林会長 土井委員どうぞ。
○土井委員 茨城県でございます。都道府県の代表というわけではないですが、茨城県も残念ながら専門医の先生はそんなに多いわけではございません。我々の県では拠点病院ができる前から数少ない専門医の先生方がそれぞれの医師会に働きかけをしていただいて、非常に高度な研修をきちんと、義務づけとまではいかないですが、検診と治療をきちんとやっていくという意味の体制づくりを、医療連携の在り方含めて御議論いただき、実施していただいておりました。現在、茨城県では実は拠点病院が2か所ございます。それは茨城県は広うございまして、しかも、平らなところが多いものですから、集中して人口がいるというわけではないので、どうしても数カ所の拠点が要るといったような議論が起きるのですけれども、専門医のいない中でも医師会の御協力を得ながら研修体制をちゃんと組んでいけば、ある程度のところまでは患者の皆さん方に御納得いただくようなレベルは保つことができると思っております。県としてもそういったことに対してきちんと声を上げていくことが大事かなと思っております。
○林会長 ありがとうございました。
それでは、時間の限りがございますので、次の議題に入らせていただきます。
次に、各種研究事業等についてでございますが、まず事務局から御説明をお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 資料3をごらんいただきたいと存じます。各種研究事業等について御説明いたします。
まず、B型肝炎創薬実用化等研究事業についてでございますけれども、このページにつきましては、肝炎関連研究事業全体像でございます。
「3.B型肝炎創薬実用化等研究事業」ですが、趣旨はB型肝炎の画期的な新規治療薬の開発等を目指しまして、創薬研究等を実施することとしておりまして、今年度から予算化されているところでございます。
12ページでございますが、具体的な研究の進め方をお示ししております。大きく4つのテーマで実施しておりまして、それぞれがお互い関連性を持ちながらで、きるだけ早く画期的な新規治療薬の開発を目指すこととしております。
ここで実験系の確立とありますけれども、B型肝炎につきましては新薬の開発に必要な実験系が確立されていないので、これが実現することによりまして研究の分析期間が大幅に短縮されまして、新薬開発の期間が短縮される可能性がございます。
また、左下のウイルスや宿主因子の解析によりまして、実験系の開発にその成果が生かされたり、あるいはウイルス等の因子解析によりまして右下の新薬の候補となる化合物のスクリーニングを効率よく行えるようになったりするものでございます。
また、真ん中の枠ですが、現在はB型肝炎ウイルスを完全に排除するのは難しいのですが、それを目指した研究も開始しているところでございます。
13ページは、現在、研究課題については既に公募、そして、有識者による事前評価委員会において審査が行われまして、ここにございます16の研究課題が採択され、研究を開始されております。これらにつきましては毎年、中間事後評価委員会におきまして研究の実施状況の評価が行われることになります。
13~14ページは前のページの4つないし5つのカテゴリーごとに採択された研究課題について概要等をまとめておりますので、後ほど参照いただければと思います。
次に資料4、難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業のうち、いわゆる行政的な研究の進捗状況についてでございます。これらについては一部を除きまして平成23年度から3か年で実施しております。主なものを御説明いたします。
上から2つ目ですが、龍岡先生の研究班です。肝炎ウイルス感染者に対する偏見や差別の実態把握等の研究でございますけれども、研究内容の概要にお示ししておりますとおり、平成23年度につきましては肝炎患者さんや医療従事者、機関団体などに質問票を送付いたしまして調査を開始しております。患者さん等へのヒアリングあるいは調査の集計解析につきましては、平成24年度中に行われると聞いております。
続きまして、八橋先生の病態別患者の実態把握のための調査等でございますけれども、平成23年度につきましては、B型・C型肝炎ウイルスに起因いたします慢性肝炎、肝硬変、肝がんなどの肝疾患患者さん等を対象とする調査票の作成が行われまして、アンケート調査が7月末までの締め切りで行われているところでございます。
また、次のページの加藤先生の研究班でございますけれども、平成24年度から開始されておりまして、後ほどの普及啓発の議題で詳しく御説明させていただきたいと思います。
続きまして、資料5「肝炎検査受検状況実態把握事業の結果の概要と考えられる方向性について(案)」でございますが、18ページをごらんください。
事業の概要でございますけれども、現在、検査の受検状況の調査を行いますとともに、検査の受検を促進する上での現在の課題について明らかにする目的で行われました。
調査の種類といたしましては3つございます。国民調査、保険者調査、自治体調査となっております。
内容につきましては、対象・方法、回収率あるいは調査方法についてはお示ししているとおりでございます。
19ページをごらんください。検査の受検割合でございます。この検査は、本人が自覚的に受検する場合と、必ずしも本人が自覚しないうちに検査を受ける場合がございます。今回の調査では、肝炎ウイルス検査を受けたことがある、かつ、BまたはC型検査を受けたことがあると回答された方を自己申告受検、それから、検査を受けたことがない、またはわからないと回答していらっしゃいますけれども、大きな外科手術などの経験があり、検査を受けていることが予想される方を非認識受検として集計いたしまして、2つを合わせて受検割合とさせていただいております。
その結果は20ページでございます。B型肝炎ウイルス検査の受検割合は57.4%、うち自己申告受検者についての割合は17.6%、非認識受検者の割合は39.8%。C型は同じく48%、17.6%、30.4%となりました。
なお、※ですけれども、検査を受けたことがあると回答された方は26.2%ということで、17.6%と乖離しておりますが、これは検査の種類を覚えていないといった方が8.6%いらっしゃいますので、実際の検査を受けたと答えられた割合は17.6%より多いと思われます。
なお、客観的な受検率につきましては、本調査も踏まえまして、今後研究班で検討していきたいと考えております。
次に21ページでございます。集計結果から明らかになった事実と課題等でございますが、一番上の項目を見ていただきますと、未受検の受検しない理由の上位2つが、きっかけがなかった、定期健康診断などのメニューにないといったことでした。右の方ですけれども、事業主や保険者・自治体と連携しなければ検査を受けやすい体制について検討が必要ではないかと考えております。
また、3つ目の項目では、未受検者の受検に向けて期待する施策の上位3番目でございますけれども、検査を受ける理由等の提示が求められています。また、自分は感染していないと考えられている方も多いために、右の方向性ですけれども、疾患について正しく理解していただく効果的な情報提供が必要だと考えております。
4つ目の項目では、検査の時間、場所がわからないといった方もいらっしゃいますので、検査できる場所や時間帯についての情報提供が求められると思います。
また、22ページですが、非認識受検者が多いことから、今後、医療機関との連携についても検討を行う必要があろうかと考えております。
今後、このような課題について本日の御意見あるいは対応を更に検討いたしまして、可能なものから実行に移していく必要があると考えております。
なお、この調査結果でございますけれども、後日、調査結果の報告書等がございますので、それにつきましては情報をすべてホームページに掲載していく予定としております。
説明は以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。
この件につきまして、御質問・御意見ございますか。先ほどから検査の受検率が下がるという議論がございましたが、少し参考になる資料ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○清本委員 今年度からB型肝炎創薬の研究が進んでいることは、B型肝炎患者にとってとても期待するところがありまして、研究結果についてはホームページだけでなく、こういった場や違う場もあるかと思いますけれども、報告できることがあれば随時報告していただきたいと思います。
また、差別や偏見という部分もB型肝炎患者は医療従事者からも受けておりました。以前の大臣協議でもそういった発言をさせていただきましたけれども、資料4の龍岡さんが研究する「ウイルス感染者に対する偏見や差別の実態を把握し」という部分も、B型肝炎患者の実情をしっかりと聞いていただきたく、お願い申し上げます。よろしくお願いします。
○林会長 これは恐らく何らかの形で公開されますよね。
天野委員どうぞ。
○天野委員 八橋先生の研究なんですけれども、今年7月末を締め切りとするアンケート調査が行われているということですが、7月末で切られて、その結果が出ましたら、この肝炎対策推進協議会で発表していただきたいんです。それに合わせて3か月後ぐらいでしょうか、こちらの協議会を開いていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○林会長 八橋先生のは、いつまとまるかわからないですよね。アンケートの締め切りは7月末ですが。
○北澤肝炎対策推進室長 アンケートの集計等については何か月かかかると思いますので、今年度、報告書がまとめられると思いますので、結果について今後の本協議会でもわかりやすい形で、その機会については検討していきたいと思います。
○外山健康局長 途中の粗集計でも次回に出せるようでしたら出しますので。
○林会長 次回の協議会がいつ開かれるかわかりませんけれども、次回までには恐らくまとまっていると思います。
ほかにございますか。
○阿部委員 現在、肝炎ウイルス感染者に対する偏見や差別の実態把握ということで、ガイドラインを作成するために患者も入って進んでいるわけですけれども、後でお話ししますが、日本肝臓病患者団体協議会の方でまとめたアンケートの結果ですけれども、13年前に偏見・差別を感じるかどうかを聞いて、今回も聞いているわけですが、実は13年前よりも今回の方が3倍くらい偏見・差別を感じている人が多いわけです。何が原因なのかというのはまだわからないわけですけれども、一般の国民の方が肝炎に対してどのような意識を持っておられるのか、あるいは特に医療関係とか歯科の医療者の方からの差別というのが実は一番多いんですね。そういう方がどういう意識を持っておられるのかということも研究の中で調べていただければと思います。
もう一つ、先ほど報告いただきました、肝炎検査受検状況実態把握事業ということで、結果的には今回アンケート調査をして今後、研究班で検討していくという内容になっていると思いますが、今日、石川県の医師会長さんもいらしていますけれども、私は石川県の取組みのある報告を見たのですが、ウイルス検診から非常にすばらしいフォローアップをしておられて、県を挙げて取り組んでおられるわけですよね。ですから、今回やったアンケート結果でこういう結果が出たというのも、石川県ではとうの昔に実はアンケート調査をしてわかっていたという数字を見て私はびっくりしてしまいました。もし、そういう機会をいただけるのであれば、石川県の取組みをこの場でプレゼンしていただくとか、そういうものを参考にして全国に展開していくということも考えたらどうでしょうか。これから研究を2~3年やるのではいつになるかわからないので、できればそのような形でできませんかということでございます。この2点をお願いします。
○林会長 田中委員どうぞ。
○田中委員 今の受検率についてですけれども、広島県と石川県で、阿部委員がおっしゃれた受検率パイロット調査をやりまして、そのときの値は対住民で大体20~25%ということでした。今回は国民全体の抽出調査なので、職域も住民も含めて17~18%ということで大体同じような数字が出たので、阿部委員も驚かれたかと思いますけれども、私も驚いております。ですから、国民全体の受検率は、大体この数字だと思いますけれども、この数字を基にフォローアップ事業とか、どこで検査が受けられるかということを研究班で検討していくのだと思います。
それから、石川県のフォローアップをモデルに、既に広島県や佐賀県など幾つかの県で、検査で陽性だった人のフォローアップを取組み始めておりますので、徐々に石川モデルあるいは佐賀モデル、広島モデルが全国に広がっていくと思っておりますので、もう少しお待ちいただければと思います。
○林会長 石川県のことは我々専門家の間では知られておりますので、各都道府県の肝炎協議会ではそのことをおっしゃっていただけると思っています。ただ、都道府県にも規模がありまして、石川県くらいの規模だと、ああいうシステムがうまくいくのですが、東京都であれをやれと言われても恐らく無理でしょうね。規模の問題はやはりあるかもわかりません。
脇田委員どうぞ。
○脇田委員 感染研でも同様の取組みをやっていまして、15ページの資料4の一番下の相崎班を見ていただけると、人口や環境が異なる石川県、山梨県、愛知県などで肝炎ウイルス検診陽性者の情報収集の取組みについて調査しているということですので、石川県のような取組みをどうやって大きい県に持っていけるかという取組みをやっております。
○林会長 溝上委員どうぞ。
○溝上委員 先週、佐賀県に行ってきたんですけれども、石川県、広島県、山梨県、この3つが極めてよく進んでいる、県として全体として対策をうまくとっているところだと思います。山梨県は、7~8年前は肝がん死亡率の人口比当たりトップ5ぐらいにあったんですけれども、今は18番目か19番目ぐらいに落ちています。そういう対策を佐賀県もやっととり始めました。それをどのような形に持っていくかということで、やはり各県、各県いろいろなバックグラウンドが違いますので、それを一つの参考にして一つひとつ進めていかざるを得ないというのが現状です。ただ、着実には進んでいると理解しております。
○林会長 ありがとうございました。ほかにございますか。
大賀委員どうぞ。
○大賀委員 先ほど差別について話が出ましたけれども、私のところも本当に深刻な事例がたくさんあります。最近立て続けに起きたのは歯医者さんです。福岡市内の方なんですが、年配の歯科医さんからもう来ないでくれとまで言われたということで、私の高校の同級生が歯医者をしているものですから、そこに相談しましたら、B型であろうが滅菌法はちゃんと別立てでやっているので大丈夫だよという形で受け入れてもらいました。もう一人、C型の方が受診で行きましたら、私どもの会員は相談を受けた場合は必ず申告しましょうと、それで理解してもらえない医療機関はやめましょうと言っておりますので、申告していたわけですけれども、自分が触った手すりを看護師さんがそっとふいていたと。それで本当に精神的なダメージを受けてこちらに相談に来られて、そこも変わったという事例がたくさんあります。
厚労省にお聞きしたいのですけれども、先日、オール阪神・巨人の巨人さんがインターフェロンで治ったという報道がありましたよね。ああいうのは非常に国民の関心を呼ぶと思うんです。私もあれを見て頑張ってるなと拍手したくなるような気持ちでしたけれども、やはり無理解から来る差別と偏見が多いと思っています。ちゃんと身近な問題として国民が考える機会を是非もっともっと与えてほしいなという気持ちでいます。それと、医療機関に対しての指導・学習も、より進めてほしいなという気持ちを強く持っております。
それから、B型の新しい薬を28億円計上されたというのは、本当に大きく期待しながら、私たちの会員でもB型はたくさんいらっしゃるのですけれども、何年ぐらいしたらこういう薬が出るんだろうかという問い合わせが既に来ていますが、そこはいかがでしょうか。
○林会長 まず2点ございましたが、歯科の問題は先ほどもある委員から御発言がございました。これはやはり歯科関係の学会と一度協議してみる必要があるかもわかりません。恐らく学会としてそういうことにどう対応したらいいかという教育とかガイドラインみたいなものをつくっておられないのではないかという気がしますが、つくっていますか。
○溝上委員 あります。久留米大学の佐田教授の下にナカゴシさんという歯科医の女医さんがいまして、全国調査を行って、それから出しています。ただ、歯科の場合、非常に多いものですから、なかなかうまく行き渡っていないと聞いております。その辺を強化すれば、そんなに難しくはないのだろうなと思っております。
○林会長 南部委員どうぞ。
○南部委員 保健所は医療機関の許認可および適正な医療の提供のための指導をする機関ですので、そういう問題があった場合、保健所に相談していただければ多少なりとも何かできるかもしれませんので、利用していただければと思います。
○林会長 溝上先生はそういうお立場にございますので、一度学会と御相談していただけるようにお願いできますか。
それから、研究の話もございましたが、脇田先生お願いします。
○脇田委員 今年度から始まったばかりということですけれども、日本中のウイルス研究者が結集してこれから取り組んでいくということですので、ただいま何年後に幾つできますというお話はできませんが、成果については先ほどあったように公開シンポジウムや報告書という形で毎年出していきますので、情報は必ず御報告するようにしていきたいと思っています。私は全体の責任者ではないですが、その一部の者としてそう申し上げておきます。
○外山健康局長 私は研究者ではないですけれども、この研究の拡大というのはB型肝炎の集団訴訟があって、その際にいろいろな原告団の方から言われて、やはりいい薬ができないことにはしようがないということなので、当時の菅総理も比較は悪いですけれども、エイズの患者さんたちがいらっしゃったときに、いい薬ができて延命、延命で来ているという状況は、言葉は悪いですけれども、エイズそのもので直接死ぬのではなくて、他の合併症・感染症で命をなくされる方が多くなったという状況に着目しますと、先ほどもバラクルード、エンテカビルの方もいらっしゃいましたが、今はいい薬ができると次々耐性が出てくるということなので、研究の大願目というのは、まず、次の耐性ができる前にいい新薬をつくっていくということ。そして、もう一つは、C型肝炎も一生懸命やるべきなのですけれども、そういうものの研究に比べていろいろな実験系といいますか、研究を進めるだけの枠組みがまだしっかりしていないのではないかということなので、少しそこは中・長期的になるかもしれないけれども、そういったところも併せててこ入れすべきではないかという話があってやっておりまして、そういった意味では行政が直接研究しているわけではありませんが、本当に一日も早くいい薬ができるようにと思っております。
○林会長 恐らくこれでB型肝炎の研究基盤は日本ではかなり上がると思っております。
大賀委員どうぞ。
○大賀委員 B型の場合は御存じのように、一生核酸アナログ製剤を今のところは服用しなければいけないというメンタル面でのすごいストレスになっています。C型のインターフェロンがウイルスを排除するという力を持っておりますので、それに代わるようなB型の新薬が開発されることを本当に望んでおりますので、よろしくお願いします。
○林会長 それでは、次の4番目でございます。普及啓発について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料6、23~54ページでございます。
まず、24ページ、第1回日本肝炎デーについてということでございますが、こちらは今年実施いたします啓発事業の考え方について発表させていただきました。
27ページから第2報がございますけれども、こちらは7月18日に実施いたしました「知って肝炎」キックオフミーティングについて、それから、7月11日から新たに設けましたウェブサイト「知って肝炎」の内容について発表させていただいております。
当時の7月18日の模様でございますけれども、31ページから「知って肝炎」キックオフミーティングの様子ということで写真を掲載させていただいておりますが、こちらにつきましては、近日中に厚生労働省のユーチューブの厚労省チャンネルで公開させていただきますので、少々お待ちいただければと思います。
また、併せて野田内閣総理大臣によりますビデオメッセージもそのときに流しましたけれども、32ページにございますが、こちらは既に官邸のチャンネルで公開しているところでございます。
○外山健康局長 この中で、杉良太郎さんの奥さんの伍代夏子さんがカミングアウトして、C型肝炎のウイルスをインターフェロンでやっつけたというのを国民に知ってもらおうということでやりました。
○事務局 続きまして、ウェブサイトに関してでございますけれども、こちらは既に公開しておりますが、知って肝炎ウェブサイトということで、33ページからごらんいただければと思います。このウェブサイトは基本的に厚生労働省のホームページの中ではなくて、単独で構成させていただいている内容です。中身につきましては、極力難しくせず、わかりやすくを心がけておりまして、最大の特色は肝炎ウイルス検査マップを載せているところでございます。
これにつきましては37ページからになりますけれども、ちょっと中身が見えにくくて申し訳ありませんが、先ほど紹介がありました資料4の16ページですが、難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業のうち平成24年度から新たに開始されました慶應義塾大学医学部の加藤真吾先生が実施されている研究のうち、肝炎ウイルス検査マップを「知って肝炎」とリンクして掲載していただいております。この検査マップの特徴は、全国の市町村、都道府県で実施されている検査について、すべて同じフォーマットで閲覧できます。また、それに関する基礎知識等については非常にコンパクトにわかりやすいようにということで心がけておりますので、是非一度ごらんになっていただければと思います。
46ページからは7月18日に公表させていただきました、これは7月28日に開催いたします「三猿プロジェクト」と言いまして、日本肝炎デーのメーンイベントでございます。これは1都3県のJリーグのサッカー会場において、世界肝炎連盟が提唱する世界肝炎デーのイベントで実施する内容を同時にやるということでございます。
内容につきましては51ページをごらんいただければと思いますが、非常にシンプルな内容でございます。「三猿プロジェクトとは?」と書いておりますが、「私たちは、肝炎に対する偏見や差別の風評は見ません、聞きません、話しません」、これを会場の皆様でジェスチャーを繰り返し行う、「そして、私たちは肝炎のことをよく知り肝炎に向き合って克服をめざします!」ということを皆さんで叫んでいただき、考えていただくといった内容でございます。これにつきましては前後いろいろ書いてございますので、後ほど詳しくごらんいただければと思います。
53ページでございますが、肝炎対策国民運動特別参与設置要項といいまして、厚生労働省の中に新たにこういった職名を置きます。
内容については、肝炎に関しまして現在においても早期発見や医療へのアクセスなどいまだ解決すべき課題が多く、更には、肝炎ウイルスや肝炎に対する正しい理解が国民すべてに定着しているとは言えない。こうした中で、肝炎ウイルス検査の受検勧奨をして新たな感染を予防するために、すべての国民に対して、肝炎の予防、病気や治療に関する正しい理解が進むよう、必要な施策について強力に推進していく必要があるといった目的で、先ほど来皆様にもいろいろ御意見いただいたり、御指摘いただいている内容でございますけれども、こういったことに対応するために、厚生労働省の中に今後、肝炎総合対策推進国民運動(仮称)に関する検討プロジェクトチームを設置する予定でございまして、こういったプロジェクトチームに適切な御助言をいただくことを目的に、特別参与といった職名を用意したわけでございます。これも既に公表させていただいておりますけれども、7月18日のイベントで杉良太郎さんが任命されているところでございます。
また、今後の展開でございますけれども、まだ公表しておりませんが、先ほどの資料5でありました肝炎検査受検状況実態把握事業で明らかになった内容等を考慮しながら、このプロジェクトチームの中で考えていき、公表させていただき、次の普及啓発に臨んでいくといった予定にしているところでございます。
以上でございます。
○外山健康局長 1点補足しますけれども、資料の40~41ページを見ていただきますと、先ほど私が申し上げましたB肝の予防接種での話は、40ページの一番上の行に「集団予防接種での注射器の使いまわし」と書いてありますし、41ページの下の方に同様の記述がありまして、そのほか当日も寸劇というか話の中でそういうことがあったと言っておりますので、厚労省のホームページ以外にもやっているということで、食言ではなくちゃんとやっております。
もう一つは、先ほどの各地方自治体の実施状況が低迷だということもあるのですけれども、我が方といたしましては、企業の人たちの参加やあるいは検診受診率のいろいろな仕組みとか道具は準備しているのですが、これ以上盛り上がらないのは、やはり全国的な啓発といいますか国民運動が足りないのではないかと思っておりまして、そういった観点からも今年から来年にかけてこういうことを盛り上げていきたいという趣旨でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。今年は第1回の肝炎デーでございますが、いろいろな企画をお考えいただいて実行していただいております。
時間の関係もございますので、いろいろな御意見があると思いますが、御意見がございましたら直接厚労省に言っていただいてもよろしゅうございますか。次の概算要求の要望書がありますので、そうさせていただきたいと思います。
では、次の議題でございますが、平成25年度の予算要求等に係る各委員等からの御意見でございます。まず、事務局より御説明をよろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 本協議会の開催前に事前に委員の皆様から平成25年度予算要求等について御意見を募集しておりました。その中で、委員の皆様方からいただいた御意見や全国B型肝炎訴訟原告団・弁護士団からの大臣要求項目等につきまして、資料7が各員からの御意見について、資料8が大臣要求項目、資料9が大臣協議の議事録ということでまとめさせていただいております。
以上です。
○林会長 どうもありがとうございました。
昨年の同時期に第6回の協議会を開催させていただきましたけれども、平成24年度の概算要求が目前であったことから、平成24年度の予算要求に対しまして肝炎対策推進協議会長名で厚生労働大臣あての意見書をとりまとめさせていただきました。昨年同様、委員の皆様からの意見を基に、平成25年度の予算要求に対して会長名で厚生労働大臣あての意見書をまとめるというやり方でよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○林会長 御異議がないとさせていただきますので、今年度も同じようにやらせていただきたいと思います。
今、事務局から御説明いただきましたように、各委員の皆様方からいろいろな御意見をお伺いしております。事前に皆様から意見を募集させていただいたものと、今から各委員の御意見をお聞きしますので、その御意見をまとめさせていただき、先ほどの平成25年度予算の意見書の原案を事務局でおつくりいただきまして、各委員にお送りいたします。それに御意見、修正等をつけ加えさせていただいたものを今年度も厚生労働大臣に提出させていただくという手続にさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。こちらにはいろいろな意見が書いてありますので、パッとこの場でこれをまとめることは不可能ですので、御提出いただきましたいろいろな意見と今からお聞きします意見をまとめたものを事務局でおつくりいただき、各委員にお回しさせていただくことにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○林会長 では、その手順で進めさせていただきますので、一応、意見書をいただいておりますが、これ以外に御意見等がございましたらこの場でお聞きさせて下さい、どうぞ。
○武田委員 先ほどの研究事業の概要で、資料の15ページの渡辺先生が、職域における肝炎ウイルスの実態調査を研究なさっているのですけれども、望ましい配慮の仕方は努力義務だともっと年数がかかると思うのです。私が以前、医療関係に勤めていたときに、介護休暇を努力義務のときから職場で実施するということで、県と相談し勤め先でつくりました。その後、それが努力義務から義務に変わったのですけれども、努力義務では物すごく年数がかかると思います。肝炎ウイルスの検査だけでなくて。
○林会長 全体の肝炎対策はまたお聞きしようと思いますが、今は今年の概算要求で具体的にどういう御要望がおありかお聞きできればと思います。そのことに関連して何か御要望がございましたら、そのことを言っていただくとありがたいのですが。
○武田委員 そういう研究をもっと前進のあるものにしてもらうような予算をつけていただきたいと思います。
○林会長 文書で書いて事務局に送っていただいてもよろしゅうございますか。その方が事務局も書きやすいと思いますので。
○武田委員 わかりました。
○林会長 それ以外にいかがでしょうか。
清本委員どうぞ。
○清本委員 要望書の60ページの(3)にユニバーサルワクチンの件が書いてあるのですけれども、本日追加で後ろから2ページ目に提出させていただいた部分について、ユニバーサルワクチンについて予防接種で被害を受けた団体として、まだ議論が尽くされておりませんので、この部分以外に関しては常に問題になるのですが、この部分で1点質問させていただきます。参考資料の86ページで、現在、C型及びB型肝炎ウイルスの感染者が右肩下がりで下がっている中で、ユニバーサルワクチンというのは全員接種だと思いますけれども、感染予防の方法としてユニバーサルワクチンが正しいのかというのは、まだ議論が尽くされていませんよね。仮にユニバーサルワクチンを行うとしても、このグラフが顕著に下がるとも思えないのですけれども、この辺はどうでしょうか。
○林会長 溝上委員にお答えいただきますけれども、実はユニバーサルワクチンについてはこの場とは別のワクチンの審議会がございまして、そちらで最終的に決まることになります。この場では決定権がないことになります。
溝上委員、お願いします。
○溝上委員 現在、日本人が大体年間1,600万人海外に行きます。それから、700万人の外国人が日本に来ます。日本の周りでは例えば、中国をとると10%がHBVのキャリアです。そういうところへ今、経済のグローバリゼーションということで皆さん仕事に行くわけです。そういうところの医療状況等を考えると非常に感染する確率が高い。しかも、昔と違ってジェノタイプの問題があって慢性化しやすい。そうすると、赤ちゃんだけに打っていたのではどうにもならないという状況は目に見えています。ただ、ユニバーサルワクチネーションについて100%ポジティブではないですから、清本さんがおっしゃったようなネガティブの面もありますので、そういう検討は必要ですけれども、全体的な方向としてはユニバーサルワクチネーションは必要だろうと。簡単に言うと、日本は今、若い人たちが世界で一番きれいなんです。ところが、周りはそういう状況にあるということからすると、打たないことには危ないだろうということが言えると思いますし、それを施行しているスペインとかイタリアとかフランスとか台湾は、極めていいデータが出ております。
○林会長 要望書には、ユニバーサルワクチンについてはどちらにしても結論が出ない限り書けませんので、今年度の予算要求でユニバーサルワクチンについて記載することはないと思います。
それ以外に予算関連で御要望はございますか。これで事務局と御相談してまとめさせていただいたものを各委員にお送りして、修正等をさせていただきたいと思います。
それ以外にございますか。
○溝上委員 それに対する意見は、後から先生の方に送るという形ですか。
○林会長 事務局からまとめたものを送らせていただきますので、修正や御意見があれば、それに書いていただく方が事務局としてもわかりやすいですよね。
それから、もう一点、これはあくまでも私から大臣あての要望書でございますので、出したものがすべて認められるわけではないことについては御理解をよろしくお願いしたいと思います。私に決定権があるわけではございませんので、大臣にこちらから要望書を出すという形になりますので、御了解をいただければと思います。
それ以外に何かございますか。
○天野委員 肝機能障害に対する認定基準に関してですけれども、105ページの参考資料13、それから、後から配らせていただきましたA4の紙3枚で、クリップでとめてある資料を参照していただきたいと思います。
認定基準なんですけれども、厳し過ぎて、余命幾ばくもない重度の肝硬変患者にしか当てはまらないものだと思っております。夫の天野秀雄は4年半前に亡くなっておりますけれども、食道静脈瘤破裂から5度目の肝がんで亡くなるまで16年間ずっと末期の非代償性肝硬変という永続する障害を抱えておりました。その肝硬変の合併症の治療や肝がんの治療のために入退院を繰り返すという生活に支障を来すような状態でも、Child-Pugh分類のグレードCが3か月以上続くという認定基準を満たす状態には1回もなったことはございません。でも、職を失い、生活に苦しみ、入退院を繰り返しながら亡くなりました。参考資料13を見ていただきたいのですけれども、一番下に肝機能障害の総数、1級、2級、3級、4級と書いてございます。総数は5,876、2級、3級、4級は100の単位ですけれども、1級は4,646と非常に多くなっております。これはなぜかといいますと、1級の中には肝移植を受けた方はすべて無条件で入ってまいります。そのほかに肝臓の重症度で分類される方も加わっているのですけれども、肝硬変・肝がん患者の支援の在り方の現状を評価するには、移植患者を除いた肝炎患者がどのくらいの割合で障害認定を受けているのかを知る必要があると思います。それがなければ判断はできないと思います。厚労省では1級の内訳を今後調べることはしないのでしょうかというのが第1点の質問です。
2つ目として、肝機能障害の総数が年間の死亡者数のどれくらいの割合になるのかを考えてみました。それと比較するために、同じ内部障害の腎臓機能障害の方が認定を受けている割合が、腎不全で亡くなっている患者さんのどれくらいになるのかを調べてみました。3枚のつづりを見ていただきたいのですけれども、平成22年の人口動態統計月報年計(概数)の概況がございます。その中で分類コードの02106というのが、肝及び肝内胆管の悪性新生物、肝がんが3万2,749人。そして、分類コード11301、肝硬変(アルコール性を除く)というのが8,837人いらっしゃいます。肝臓の合計をいたしますと、年間肝硬変・肝がんで4万1,335人もの方が亡くなっていることになります。
コードナンバー14200、腎不全では年間に2万3,691人が亡くなっております。
交付数が年間死亡数に占める割合を計算してみました。肝臓の場合は5,876割る4万1,335、死亡者数のうちの14.2%しか認定されていないわけです。それに比較して腎臓の場合は32万6,986人が認定を受けていらっしゃいます。死亡者数は2万3,619人、肝臓の2分の1ぐらいです。認定を受けている方がこの死亡者数に対してどれくらいのパーセントかを調べてみましたら1380.2%、肝臓と腎臓では100倍近い差があるわけです。これは非常に不公平だと私は感じております。そして、肝臓に対する認定基準が厳し過ぎるのではないかと思います。この認定基準を緩和していただくように希望いたします。
○林会長 浅倉委員どうぞ。
○浅倉委員 ただいまの天野さんのお話にありました認定基準の緩和のことです。前任の平井美智子さんは、薬害肝炎原告団、平井要さんの奥様でした。平井要さんが2010年1月31日に亡くなって、その年にこちらの肝炎対策推進協議会が開かれまして、その第2回で意見陳述をされております。彼女は要さんの苦しい闘病をずっとお話しされていて、2010年4月から肝機能障害にも障害者認定手帳が交付されることがわかって準備していたけれども夫は申請前に亡くなりましたと。死亡直前の1月検査では1級相当診断されていましたが、その前年の検査では点数が足りず4級程度だったということです。
原告本人である要さんは、静脈瘤と肝がんの手術で入退院を繰り返して、本当に壮絶な闘病生活を送っていらっしゃいました。その間ずっと奥様の平井美智子さんはつきっきりで看病をされていました。それでも亡くなった後の第1回から夫の遺志を継ごうと、夫が無念で亡くなっていた思いを継ごうということで、この肝炎対策推進協議会の委員を引き受けられたんです。ところが、第4回を最後に、第5回の2011年2月10日以降ずっと欠席しております。それはなぜかといいますと、彼女は乳がんを発症しました。乳がんがわかった時点ではかなり進んでおりました。彼女自身もすごく厳しい闘病をしております。がん治療を何回も受けておりますし、大変な思いをしております。彼女がどうしてこんなに進行するまでわからなかったか、彼女の旦那様が肝がんで亡くなったことと関係が全くないとは言えないと思います。肝機能障害の認定が死に水を与える制度であってはなりません。家族をも巻き込む大変な病気だということ、家族がめちゃめちゃになっています。もし、この障害認定が要さんに認定されていれば、また別の道があったかもわかりません。その辺のことをよく理解していただいて、是非、障害者認定の緩和をお願いしたいと思います。
○林会長 事務局から何か御意見はございますか。
○外山健康局長 今、障害保健福祉部の責任者が来ていないので、身体障害者手帳の交付の認定基準緩和の話はずっと聞いておりますけれども、この認定基準につきましては、肝臓の専門家の検討会の方で議論されて、身体障害者福祉法に基づく身体障害者の考え方に照らしてやっているということで、身体障害という観点で見ると、ほかの障害とのバランスを踏まえて設定したということですけれども、問題は身体障害という切り口と病状の進行のスピードやバランスといったところが不合理ではないかという御指摘だと思います。平成22年4月から実施されている実施状況も踏まえて、本来の制度が適切に運用されるように努めたいということしか今は申し上げられませんので、今日は御意見を承っておくということで、次回、担当部局の責任者も来て見解を述べさせていただきます。
それから、1級、2級、3級、4級のうち1級の肝移植を除いた部分は幾らだという話だと思いますが、それらにつきましても果たしてもう一度調査ができるのかどうかも含めて、今日は御意見だけ頂戴させていただきたいと思います。
○林会長 大賀委員どうぞ。
○大賀委員 身障手帳に絡んでですけれども、福岡県の場合、移植者数についてデータがないという返事をいただいたみたいですが、福岡県の場合は平成22年度の件数が交付者数が342件、そのうちの1級が276件です。1級の276件のうち217件、実に78%が移植者です。それが福岡県の実態です。全国レベルでどうなるかわかりませんけれども、8割近くが移植者に交付されているのが実態です。私たち日々苦しんでいる患者サイドからいきますと、私の意見書にも書いておりますけれども、生活実態から言いますと、末期の肝硬変とか肝臓がんで何度も治療している方々が認められずして、免疫抑制剤を服用するという負担はありますが、日常生活にほぼ影響がない方々に交付されているという、実態として私たちは納得がいかない部分が大きいんです。
もう一つ、認定基準で私たちが要望を出したときに常に説明されますが、ほかの障害者とのバランスとか身体障害福祉法に基づくということをおっしゃるのですけれども、ただ、肝臓病がどうして何百万人まで拡大していったかを考えてほしいんです。基本法にもありますように、厚労省の方たちには申し訳ないのですけれども、国にも大きな責任があるとうたわれていますよね。ほかの疾病と肝臓病というのは、やはり肝臓病は医原病でありますし、国の施策が原因でここまで拡大して今多くの人たちが苦しんでいるという、そこをほかの疾病と別立てでしっかりととらえてほしいという気持ちが強くあります。もし担当者が来られるのでしたら、私たちは直接意見交換を是非したいと思います。
○林会長 この場ですぐ答えは出ませんので、この問題は以前から何回も御指摘いただいている点でございますので、事務局には次回までにお答えをお考えいただくということにさせていただきたいと思います。
それでは、今日は少し時間をオーバーしましたけれども、たくさんの貴重な御意見どうもありがとうございました。本日はこれで閉会とさせていただきます。
○阿部委員 アンケートの紹介は。
○林会長 申し訳ありませんが、次回にさせていただけますか。
平成25年度予算書については、先ほど申し上げましたとおり、また御意見をお聞きするようにいたしますので、御返事をどうぞよろしくお願いいたします。
次回の会議については事務局から日程を調整させていただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
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健康局疾病対策課肝炎対策推進室 中田・中村
電話: | 03-5253-1111(内線2949・2948) |
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