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2012年6月28日 第3回障害者職業能力開発推進会議議事要旨

職業能力開発局能力開発課

○日時

平成24年6月28日(木)13:30~15:30


○場所

経済産業省 1115会議室


○議題

(1)障害者職業能力開発施策の課題と今後の対応策について(案)
(2)その他

○議事

障害者職業能力開発校における職業訓練の強化について

○広島障害者校でも平成20年度から身体障害者、知的障害者以外の障害者の受入れを開始したが、いろいろな障害の種類の人が一緒に行う混合訓練には難しい面がある。他の障害者校の校長からも、同様の悩み、それぞれ障害種類別にコースを設けることも考える必要があるとの話を聞いている。発達障害者の受講が増えつつあり、精神障害者の訓練コースの中で一緒に訓練するケースが増えているが、やはり現場で指導していると一緒に訓練することの難しさを感じる。
 訓練指導員自体への研修はこれまでもあったが、報告書案に書かれているように、障害者校に対してあるいは県に対して組織的な、総合的なコーディネートに関しての指導・助言が必要と感じる。

一般の職業能力開発校における障害者職業訓練の強化について

○障害者校が置かれている地域は限られている。一般校がバリアフリー化されて障害者がそこで訓練を受講できるようになることを願う。一般校がバリアフリーになっていないため障害者の受入れが進んでいないという実態があるのではないか。障害者の訓練機会拡充に向けてバリアフリー化を推進すべきと考える。
○一般校において、発達障害者が健常者と一緒に訓練を実施する場合を考えると、発達障害には幅があるので全て同じというわけではないが、作業能力の訓練は一緒に受けて、コミュケーション能力、社会性に関するものは別のクラスで受講するなどの方法が考えられる。指導員が発達障害を理解し、発達障害者が一般校で訓練を受講できるようになればと思う。その場合、作業能力の訓練の他に、コミュニケーションや社会性に関する訓練の時間を別途設けていただきたい。作業能力そのものは高いが、コミュニケーションや社会性に課題を抱える発達障害者が少なくない。
○一般校活用事業廃止について、報告書案のような書き方だと、行政刷新会議の事業仕分けで一般校における障害者の受入れそのものが否定されたとの印象を受ける。しかし、そうではない。一般校での障害者訓練が否定されたわけではないこと、これからも必要であることが明らかになるようにすべきと考える。

障害者の態様に応じた多様な委託訓練の強化について

○精神障害者の支援について、能力開発行政関係では委託訓練、職業安定行政関係ではステップアップ雇用がある。ステップアップ雇用の方が支援期間が長く使いやすくなっている。訓練についても期間を長くするなど柔軟な対応ができればと考える。
○委託訓練の訓練支援員の業務について、統合・整理する方向性は良いと思うが、個々の業務が何か具体的に省力化できるものがないのか。統合・整理の中で、業務が軽減できるようなものがあれば見直すことが重要と考える。
○職業訓練指導員の障害者への理解、バリアフリー化は、一般校だけでなく委託訓練においても重要な鍵となる。
○訓練実施機関が受講者の訓練ニーズを十分把握していない状況もあるのではないか。ニーズに沿った訓練を実施すると受講者がもっと増えてくるということもあり得る。
○発達障害者の中には、通常の高校、大学を卒業したが就職できずにいる人が少なくない。特別支援学校の卒業生のように卒業してから一定程度の実習を受けて就職していくのとは異なるルートで社会人になる人も多くいる。それだけに委託訓練のような訓練の受講ニーズが潜在的にかなりあると思う。しかし、現在実施している訓練の中身をみると案外そうしたニーズに応え得るところが少ない。委託費の単価引き上げなどによって受託機関の開拓を進めていただくのと併せて、就職を前提とした実習という形のものだけではなく、単に体験するだけの訓練などについての受託先を開拓すると、潜在的にかなり受講者はいると思われる。
○行政事業レビューのコメント全体を読んで感じるのは、意見としては様々であるが、「障害者の態様に応じた多様な委託訓練」という柱建てが弱く、その点を批判されているのではないか。特に、全国的に拡げていく時のパイロットの位置づけだとノウハウの蓄積が弱い印象を受ける。個別に対応した結果から得られるナレッジマネジメント的に蓄積する仕組みを設けないと、やりっぱなしで終わってしまっているんじゃないかというのが、このレビューコメントの一番の批判と捉えるべきではないか。

効果的な職業訓練実施のための関係機関の連携強化について

○精神障害者の支援については、地域のいろいろな施設とのネットワークを築いて実施することが重要である。関係者が単に会議を開いて情報交換するというだけでは不十分で、ネットワークの構築に当たっては、実際に、個別のケースを通じて連絡を取り合い、勉強し合う、情報交換を行うことによってはじめて支援の実があがると考える。
 また、就職に繋ぐためにはいろんなルートがあり、実際には紆余曲折を経て就職に繋がっているが、そうした就職に結びついたルートの情報をフォローしたりトレースすることが、地域におけるネットワークの構築に役立つのではないか。就職につなげるための各種情報をトレースする仕組みが重要と考える。 
○これまで15政令市において実施してきた「地域における障害者職業能力開発促進事業」が都道府県に移行するという案は、都道府県が主体的に意識するという面ではいいことだとは思うが、政令市が培ってきたノウハウなどがきちんと都道府県に引き継がれるかどうか不安を感じる。これまで政令市における事業で関わった人も参加できるようにして、ノウハウなどが都道府県に継承されるようにすることが重要と考える。

今後の更なる課題について

○就職支援ツールの一つとしての「職業訓練の有効性をアピール」することについての方法の検証も必要と考える。就職率もその有効性をアピールする方策であるが、訓練と就職の関係をしっかりアピールすることが重要で、訓練に関連して就職に結びついたことを示す材料、訓練の有効性を示すものをもっと示すべきではないかと考える。訓練を実施する側のハードルを引き上げることにはなるが、例えば、訓練科目と関連のある仕事にどれだけ就職しているかといったことも手がかりになる。訓練の有効性をしっかりアピールできれば、職業訓練の推進につながる。
○訓練の効果を検証することは大事である。ただ、難しい面がある。仮に訓練科目と関係のない仕事に就職したとしても、毎日訓練に通ったことが企業によっては評価の対象になるケースがあるなど、いろいろなケースがある。 

その他(全体)

○精神障害者にも言えることかもしれないが、発達障害者の場合、訓練内容以外の側面、例えば指示どおりに作業をする、集団で行動する、一定時間作業に集中する、そうしたことを訓練を通して学ぶことが大事になる。訓練内容そのものもさることながら、そうした要素が重要である。
○障害者に限らず健常者を含め就職が難しい状況にある。求職者の状況をみると、特にリーマンショック以降、1年以上求職活動を続ける人の占める割合が35%~40%と高まってきている。その対応策として就職が難しい求職者に対しては、「必要に応じて担当者制でサポートする」ということがある。
 そうした中で、人的サポートが今後拡充されるとの前提でのことだが、障害者の支援に当たるスタッフを確保し、担当者制のようなものを摸索する可能性があるのかどうかである。
○若者雇用戦略をまとめた時に、「学校生活から社会生活に移行できたが短期間のうちに離職した人」をどう支援するかが議論になった。移行自体が難しい人が抱える課題と、就労が継続しない人の課題には違いがある。前者への支援はもちろんだが、後者に対する支援も大事との議論があった。障害者についても同じことが言えると思う。職業生活が継続しない障害者について、再び訓練を受けてもらって就職をめざすのがいいのか、既に身につけた技能を生かす形で再就職をめざすのがいいのか、いくつか対応が考えられる。また、障害者本人への支援の他に、障害者を支える家族などへのサポートも必要と聞く。どのような支援が有効か考える必要がある。


<照会先>

職業能力開発局能力開発課

障害者企画係: 03(5253)1111内線(5962)

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