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2012年4月27日 第27回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム及び新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第14回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年4月27日(金) 18:00~20:00


○場所

厚生労働省 専用第15、16会議室(12階)


○出席者

【検討チーム】

新垣構成員、小川構成員、河崎構成員、佐久間構成員、田尾構成員、中島構成員、
長野構成員、西田構成員、野村構成員、広田構成員、福田構成員、堀江構成員、
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
磯部構成員、久保野構成員、白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

【作業チーム】

岩上構成員、上原構成員、鴻巣構成員、笹井構成員、
千葉構成員、良田構成員

○議題

1 保護者制度・入院制度の見直しに係る関係団体からのヒアリング
2 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長
 それでは、定刻となりましたので、只今から「第27回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」及び「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)『保護者制度・入院制度の検討』に係る第14回作業チーム」を開催させていただきます。
 構成員の皆様方並びに本日御協力いただいておりますヒアリング団体、また有識者の皆様方におかれましては、大変御多忙中のところ、御参集をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私、本日、進行役を務めさせていただきます精神・障害保健課長の福田と申します。進行に御協力をいただければと思います。
 本検討チーム及び作業チームは公開で行われます。検討チームでの審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございます。予め御了解くださいますようお願いをいたします。
 また、本日の構成員の出欠状況でございますけれども、高木構成員、岡崎構成員、野澤構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただければと思います。本日の検討チーム及び作業チームは、「保護者制度・入院制度」につきまして、関係する9団体及びお1人の有識者の方、合計10組の皆様方からヒアリングを行うこととしております。大変恐縮ですけれども、それぞれの持ち時間は7分となってございますので、後の意見交換の時間を確保するという観点からも、円滑な議事運営での御協力を何卒よろしくお願いをいたします。
 進め方ですけれども、10組の皆様方からのヒアリングが終了した後で、構成員を含めました質疑応答、意見交換という形で進めてまいれたらと思っております。よろしくお願いをいたします。
 それでは、時間の関係もありますので、早速ヒアリングを開始したいと思います。着席されている順番で、手前の方から順番にという形で進めさせていただきますので、御準備の方、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは、まず最初に、全国自治体病院協議会精神科特別部会様からよろしくお願いいたします。

○岩成秀夫氏(全国自治体病院協議会精神科特別部会)
 自治体病院の精神科特別部会長の岩成です。
 保護者制度と入院制度に関するヒアリングについての意見を述べます。資料の1ページと2ページが我々の意見のまとめです。
 まず「保護者制度について」ですけれども、基本的には保護者制度を廃止していいというふうに我々は考えております。ただ、責務の中で、退院請求等に関する請求ができるというのがありますけれども、これは責務というよりは権利のようなものですので、その権利を家族が行使できるように、保護者制度とは別の形で残すべきであると我々は考えております。
 それから、2番目の「医療保護入院制度の見直しについて」ですけれども、まず「1)入院の手続に関する考え方」です。入院の判断については、精神保健指定医1名の診察によって医療及び保護のために入院が必要であると判定されたことが基本となるということは、今回の議論の前提だと我々は考えております。
 それで、4つの論点については、次のように考えています。
論点1、保護者に代わる誰かの「同意」を必要とするか。これについては、指定医の判断のみで医療保護入院が行われるとすれば、自傷他害の恐れのない患者に対して過剰な権限の行使を認めることになるので、必ず誰かの「同意」が必要であると考えています。
 論点2、「同意」は必要ないとしても、「関与」を必要とするかですけれども、「関与」では曖昧であり、指定医の独断のブレーキにはなり得ないと我々は考えます。
 論点3、「同意」または「関与」する場合、入院時とするか、一定期間内でよいこととするかについてですけれども、これは、誰が同意するかによっても異なりますけれども、入院時を原則としつつも、例えば、緊急措置入院が72時間以内認められているように、72時間以内程度の一定期間内の同意でよいものと考えます。現に、現行の応急入院も72時間を限度に認めているということも参考になるかと思います。
 それから、入院の必要を認めた指定医は、これは仮称ですけれども、「医療保護入院同意申請書」等の書類を作成して、一定期間内に「同意者」に提出し「同意」を得るものとする。また、この同意申請書には、家族等診察立会者がいる場合は、その者の氏名等を記載するものとする。家族が同意をして入院する形は、我々は考えてはおりませんけれども、家族がその診察に立ち会っているということはきちんと確認する必要があるのだろうなと思っております。
 それから、論点4の誰が「同意」または「関与」を行うかについてですけれども、これは一番重要な点だと思います。患者の医療と保護のためとはいえ、その意に反して自由の束縛を行うことになるので、「同意」する者は公的な立場の者が行うことが望ましいと考えます。その意味では、同じ病院内の他の指定医とか、病院の管理者による同意では不適切ではないかと、そのように考えます。
 それで、この公的な立場の者ですけれども、例えば、成年後見制度の後見人、または補佐人がいれば、その者。いない場合は、現行の市町村長同意をより実質的なものに改善した新たな市町村長同意制度による市町村長の「同意」によるものなどが考えられるのではないかと思います。この場合、同意をした市町村の担当者は、入院後、少なくとも1か月以内には病院を訪問して本人と面接をし、適切な医療と保護が行われているか判断する必要があると思います。もし適切な処遇を受けていないと判断される場合は、「同意」を取り消す等の措置が求められるというふうに考えています。
 それから、「2)入院中の対応に関する考え方」ですけれども、考え方1~4まで提示されていたと思いますけれども、この4つの考え方について意見を述べたいと思います。
 入院期間の制限を設けない場合は、「強制性」のある医療保護入院が無期限に続く可能性があるので、一定の入院期間の制限を設けつつ、審査の上更新可能とするという考え方4が最も適切ではないかと思います。それで、その「一定の入院期間」というのは、入院後3か月、6か月が考えられると思います。
いずれにしても、措置入院、あるいは医療観察法入院の期間、審査等とのバランスを考慮する必要がある。審査については、「一定の入院期間」、3か月、6か月とまずやり、それから以後は6か月ごとに行うとすれば、審査量は現行の2倍強になるだろうと思います。
審査の機関と審査方法についてですけれども、詳論点2-2にある方法3「精神医療審査会が、医療機関に出向いて審査」する方法が望ましいと考えます。ただし、審査体制の確保とか事務量の増大等を考慮すると、書面審査を基本としつつも、一定の要件を満たす患者のみ実地で審査するという手法が現実的かもしれないと思います。
この「一定の要件」ですけれども、患者本人が退院を希望している場合、あるいは通院治療が可能な程度に病状が軽快し、治療継続性が確保されている場合などが考えられます。定期病状報告書も病院側が入院継続の用件を具体的に証明できない限り、実地審査とするべきだろうと思います。そういう形で退院を促進するような様式に改める必要があると考えています。また、患者とか援助者の意見書を添付するということも考えてもいいのではないかと思っています。
以上が精神科特別部会の考え方です。以上です。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本総合病院精神医学会様、お願いいたします。

○築島健氏(日本総合病院精神医学会)
 日本総合病院精神医学会でございます。私どもの学会は、リエゾン精神医学、すなわち内科や外科との共同で精神医療を行うという、そういうふうな専門領域を持った精神科医たちの集まりでございます。本日は副理事長の佐藤と、私、理事の築島が参上しております。
 それでは、私どもの本件に関する意見を申し述べたいと思います。
 まず1つは「保護者の責務規定の削除について」でございます。そのうち、保護者の同意用件、つまり、非自発的入院において保護者の同意を必要とするという用件、すなわち法第33条第1項でございますけれども、これについては廃止に賛成の立場でございます。また、法第22条第1項、財産上の利益の保護の責務につきましても廃止に賛成するということでございます。これは、現状におきまして、家族が必ずしも入院を必要とする精神障害者の最善の利益を専ら実現するという立場にないということに鑑みてでございます。これらの要件や責務の廃止は妥当であると考えております。
 ただし、精神障害者の財産上の利益をいかなる方法で確保するのかということについては、問題は残っている。現在、成年後見の方法でこれをやるには余りにも大がかりなものでございまして、それがあるからして、精神障害者の財産上の利益が守られているというふうに断じてしまうのは少々難しい問題があるかなと思っております。
 もう一つ、ただし、そうではあっても、家族による支援、つまり、家族の責務を全て免じてしまうということになれば、家族が精神科入院治療及び社会復帰に関与する機会が失われてしまう、家族が阻害されてしまうことにつながります。そのことが精神障害者の利益を著しく損ねる結果になるということも想定されますので、家族の支援が適切に確保されるために特段の配慮が必要になってくるのではないかと考えております。
 医療保護入院で、家族が同意をしないということになりますと、今度は保護者の同意に代わる同意、または関与についてという新たな論点があるのでございます。ただし、私どもは、保護者以外の同意・関与は困難ではないかということを考えておるわけでございます。
例えば、他の指定医の同意、または関与が論点に挙がっていたと存じておりますが、入院時に精神保健指定医2名の同意を得ることは実務上かなり困難でありまして、これは実現しがたい。同時ではなく、例えば、72時間以内であるとか、一定の期間内でよいこととするとしても、地域格差が非常に大きいものでございまして、例えば、北海道の道北地域になりますと、それこそ特急で1時間ぐらい行ったところに指定医が1人しかいないような地域もございますので、入院のたびに72時間以内にほかの病院から指定医を連れてくるということは、実務上不可能になってくるものではないかと考えております。
それでは、指定医ではなくて「地域支援関係者」の意見を聞く、または同意を取るだとか、関与をするだとかということについてでございますけれども、夜間休日を想定すると、院内、または院外にそのような適切な人がいるかということになると、その確保も難しいのではないかと考えております。
特に院内の場合は、病院の管理者や精神保健指定医と異なる判断をすることが現実に可能かということもございます。そういうことは想定できないのではないか。院外の場合は、独立性と客観的な判断力を有した「地域支援関係者」は、現実的には、大都市圏を除いてほとんど存在しないのではないか。仮にこの方式を取るのであれば、新たな第三者機関みたいな、すなわち医療機関から独立した「地域支援関係者」から成る機関等を地域ごとに創設する必要があるようになってしまいますが、これは新たな地域間格差を生む可能性がありますので、好ましいとは言いがたいのではないかと考えております。
それでは、入院時に「代弁者」をつける場合で、例えば、peer supporterを想定した場合でございます。首都圏や、例えば、北海道で言えば札幌だとか、九州で言えば福岡地区だとか、そういうふうな大都市圏においては、非常に成熟した当事者の方々がいらっしゃるので、不可能ではないかもしれませんが、ひとたび郡部に行きますと、そういう方々はほとんどいらっしゃらないのが現状でございます。大都市圏以外では適切な人材の確保は困難であって、地域間格差の問題を生じかねないと考えております。全国規模で考えた場合、家族以外の代弁者を想定しがたいことになりますと、現在の保護者同意による医療保護入院と何ら変わらなくなってしまうということで、改正の趣旨を実現しがたいことになってしまいます。
そこで、指定医1名で本当に最終決定できるのかということではないのでありまして、公的機関の認証の必要性ということで、きちっとした認証をしなければならないことになってくるわけでございます。精神保健指定医1名が非自発的入院を決定するのであれば、1人の精神保健指定医に係る負担が非常に重いものとなります。現行の医療保護入院の「民間人同士の特殊な契約関係」という形態を温存する限りにおいては、訴訟等のリスクを考えますと、医療の現場等では、何らかの公的機関の関与・認証なしにこれを行うことができないという声が出てくるのは自然なことだと考えます。
精神衛生法が精神保健法になったときに、国際人権B規約との関係が議論されたと記憶をしているところでございますけれども、国際人権B規約第9条の要請によりましては、非自発的入院者を含む自由を奪われた者については、裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを遅滞なく決定することが求められているところでございます。「裁判所による同意についてはわが国の実効性に大きな問題がある」と、この検討会の資料に書いてありましたけれども、そういうふうにアプリオリに言ってしまっていいのかなと思うのでございます。裁判所(court)を何かに読み替えてやるのではなく、裁判所の関与を確保していただければと思います。
そうなってくると、医療費の支払いということも出てくるわけでございます。医療費の支払いについては、扶養義務を根拠に家族に支払いを求めたとしても、家族は入院治療に関与していないことを理由に支払いを拒むということは当然に想定されることでございます。医療費の支払いのない場合にあっては、公費医療によらなければ入院医療が確保されないことになってくるのでございます。
現行の市町村首長同意の場合であっても、同意は形式的であって、基礎自治体の首長部局の職員の実質的な関与もほとんど行われていない現状にございます。
医療費の負担については、多くの場合、医療扶助が適用されていると考えております。この制度全てを医療扶助にしてしまうことは制度のつくりから言っておかしい話でございますけれども、逆に、この部分を公費負担にして、生活保護から財源を移すことがあれば、とんでもない負担が増えるということではないわけでございます。
入院期間を6か月とする等の期限を限った公費負担をするということになりますと、基礎自治体が退院を促進するというモチベーションがいやが上でも高まるわけでございます。そういう形で、入院がいたずらに長期化することに一定の歯止めがかかるという効果も期待をされるところでございます。
 そうすることで、非自発的入院に係る審査は、精神医療審査会の合議体を裁判所に移管する等にして、やはり裁判所の判断によるということにして、それによって判断をされた入院については公費負担をして、そして公費負担は期限のある、つまり、ここで言いますと、6か月という期限の中で、自治体に退院の促進を動機づけていくというふうな方法が好ましいのではないか。
 以上でございます。時間を経過いたしましたが、私どもの意見を申し述べさせていただきました。ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、日本精神保健福祉士協会様、お願いいたします。

○大塚淳子氏(日本精神保健福祉士協会)
 日本精神保健福祉士協会の常務理事の大塚と申します。本日はお招きありがとうございました。
 資料が多くて申し訳ございません。最初の資料は、総合福祉部会の骨格提言から関連箇所を抜いたものになっておりますので、飛ばさせていただきます。
 次のスライドに、現行の医療保護入院制度を見ておりますが、対象となる方として、御自身の意思で入院に至らず、非自発的入院となってしまわれる状況から、地域生活の維持が困難である、または支援が行き届いていない状況にある方だと私どもは理解をしております。意見はこうした対象の方に対する支援の観点から申し上げるものとなっております。
 次に、まず協会としての基本的な見解を申し上げたいと思います。今回の見直しに関する検討内容について、大枠では賛同をしているものであります。特に保護者の同意を外す点につきましては、家族が真に治療やリハビリ、生活支援のパートナーとなり得るためにも、この間の矛盾や負担からの解放につながると思われます。また、ほとんどが形式的同意に終わっている市町村長同意につきましては、長期入院を助長していたという側面もあると思われ、見直しについては、これらに全面的に賛同するものです。
 まず、権利擁護の観点からは、可能な限り自発的入院となるような丁寧な説明を求めたいと思います。その上で、やむなく非自発的入院になる場合に、権利擁護を担う者が入院と同時に必ず関与するという仕組みを求めたいと思っています。
また、地域生活維持のための支援体制の構築に向けた継続的な取組みは入院時から提供し、併せて入院継続に関する適正審査の仕組みを講じるべきと考えているものです。
 権利擁護の観点からは、多職種チームの推進、人員体制の整備、障害者虐待防止法などにある権利擁護センターの整備と併せて、ピアサポート、ペーシェントアドボカシー、第三者機関など、そういった権利擁護の仕組みが大事だと思っています。
 更には、将来的に、地域精神保健医療体制の整備を前提としてですが、再度、非自発的な入院に関する見直し、整理を求めたいと思っているものです。
 そこで、そういう前提の下、更に具体的な意見を申し上げますが、精神保健福祉士は、現状ではやや厳しいと思われることもあるかと思いますが、検討されている方向性の実現を見据えての意見というふうに御理解いただくことを前提に、私ども精神保健福祉士が新たな制度に是非関与をさせていただきたいと思っています。権利擁護と地域生活支援の観点から、新たな入院制度に関して、また退院支援の関与に関して、責務を果たしたいと考えております。私どもの資格にその責務を担うにふさわしい専門性が与えられていると考える次第です。ただし、その責務を果たすためには、研修による質の担保、人員体制の整備、チーム医療の推進が不可欠と考えております。
 以下、案として、関与の在り方について具体的に提案をさせていただきます。
 最初の図は、緑の吹き出し部分が関与できると考えている部分でありますが、以下、文章で具体的に続けております。
 まず、入院時につきまして、入院の要否判断は現行どおり指定医1名の診察による判断としますが、判断に際して、医療機関の精神保健福祉士のソーシャルワーク観点からの心理社会的アセスメント内容を必ず聞いていただくものとしたいと思います。
精神保健福祉士は意見を述べるとともに、そのアセスメント内容を意見として入院届に記載するという形にできるようしていただければと思います。
この入院届の意見内容を公的機関が責任を持って確認していただくことをお願いしたく考えます。今、ここに3例ほど挙げていますが、例えば、初めて精神科医療につながる者など、こういう方々にとっては、退院に向けた支援体制の調整が非自発的入院後早期に必要と考えられます。そこでは、公的機関がその内容を基に調整して、地域の相談支援専門員等、関係者に参加してもらうケア会議を早急に開催し、退院支援計画の作成、もしくは院内であればパスの作成につなげていくことができればと思っています。
 なお、この仕組みは、法律上もしくは診療報酬上の仕組みがないと実効性が困難かというふうに考える次第です。
入院時としておりますが、任意入院で入った後、入院形態が変わられる方もいらっしゃいます。そのときにもこれは適用される仕組みとなるといいと思っています。入院後の関与につきましては、特に最初のアセスメントで退院支援計画やパス作成に至った患者には、医療機関と地域関係者によるケア会議を適宜開催する。これは普通の支援だと思いますが、この一般的な支援をきちっと提供することだと思います。
ただし、1年未満の退院の方が多いと言われている中、1年以上を超えてしまうと長期化となっているという実態が言われておりますので、1年以上医療保護のまま入院継続になる場合には、定期病状報告の前に、必ず地域関係者も含むケア会議を開催していただき、退院支援課題、退院支援についての方針を定期病状報告の様式を変更し、精神保健福祉士が記載することとしていただきたいと思っています。
 また、1年を超えた患者の定期報告については、半年ごととするように変えることが望ましいと思われます。
 更に1年半を超えた患者には、是非、審査会から出向いて行う実地による調査、本人と面接の上、院内の精神保健福祉士及び地域支援関係者からの確認や協議を行っていただきたいと考えている次第です。
 次の審査の仕組みへの関与についてですが、現状ではかなり地域格差が見られますが、すべての合議体に精神保健福祉士が参画できる体制を整備していただきたいと思っています。
 また、先のスライドで申し上げましたように、1年以上の入院者の定期病状報告に記された退院支援計画内容を是非吟味いただいて審査いただきたい。そして出向く審査も検討いただきたいと思います。
 こういうふうに述べておりますと、精神保健福祉士は何でもできそうに思われますが、かなり心もとない、頼りないというふうにも言われております。実際にできているところがあれば少し説得力があるかなと思いまして、東京都内の病院と静岡県内の民間精神科病院の事例ですが、きちんと入口部分でソーシャルアセスメントを提供して、医療保護入院患者に対する短期間での退院を支援しているという事例を2つ載せております。これはどちらもソーシャルワーカーが心理社会的アセスメントを入院時に行うことが業務としてきちんと定着していることと併せて、可能とするマンパワーが整備をされている上に、チーム医療の文化がそこに定着をしております。これがないことには、人数だけそろっても難しいと思います。ただ、実際に現場の方からは、人材育成には時間がそれなりにかかるというお話は聞いております。
人材育成についてですけれども、是非、非自発的入院を受け入れる医療機関には、入院時関与者として一定の実務経験と研修を修了した精神保健福祉士の基準配置をしていただきたいと思っています。また、こうした方々の支援には、地域の関係者においても質の担保が必要だと思っておりますので、職種を問わず一定の研修が求められると考えております。精神医療審査会に携わる精神保健福祉士も同様です。是非、指定医制度など先行例を参考にしながら、今後、この研修の在り方については協議、検討が必要だと思っております。
ここで職能団体として是非申し上げたい意見として、これらの仕組みに関与する精神保健福祉士に関しては、倫理綱領をきちんと持つ専門職団体の加入、これは言ってみれば本協会となりますが、そこに加入をいただき、協会における生涯研修制度の研修事項を必須として、その上に今後こうした方向での検討可能性があるならば、そう検討されるような指定研修の修了を義務づけることを是非求めたいというふうに、自分たちのこととしても考えている次第です。
 また、先ほど公的機関の関わりを新たにというふうに申し上げましたが、是非、公的機関、地域支援相談事業者等の精神保健福祉領域における専門職の量的整備を、精神保健福祉士だけではなく、お願いしたいと思います。
 最後です。権利擁護の仕組みに関しては、前回、加藤さんがペーシェントアドボカシーのことを発言されていると思いますが、また、一昨日の精神科医療の機能分化に関する検討会でも、どこかで山本深雪さんが発言をされていたと思いますが、例えば、大阪のオンブズパーソン制度等、第三者としての機能などを仕組みとして講じることが必要だと考えております。私が以前勤務していた病院において、PAのモデル的な取り組みを外部から関わっていただきました。医療機関スタッフとしても大変気づきが多く、患者にとって権利を護る立場の存在があってよかったと思っております。
 以上、後ろは参考資料となっておりますので、御参照いただければと思います。ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、日本精神科看護技術協会様、お願いいたします。

○吉浜文洋氏(日本精神科看護技術協会)
 日本精神科看護技術協会の吉浜です。
 資料の17ページの上の方からですけれども、意見を述べさせていただきます。まず、日精看の基本的な認識なのですけれども、扶養義務者等が退院請求、あるいは処遇改善請求を行う権利規定を除いて、その他の保護者の義務規定を廃止することに賛成です。
 医療保護入院制度を見直し、保護者の同意を必要としない入院制度を創設することにも異義はありません。
 しかし、入院に至る個別事情はさまざまです。医療保護入院制度の抜本的見直しに当たっては、精神医療現場に混乱が起きないよう、多様なケースを想定した制度設計となるよう、慎重な議論・十分な検討をお願いしたいと思います。
 以下、作業チームの論点に沿って意見を述べていきます。まず、我々が考えている全般的なイメージです。見直された新たな医療保護入院を行う精神科入院医療施設には、2つの委員会と1つの部署の設置を義務づけることにしまして、医療保護入院の入院時、あるいは入院後のチェック機能を持たせることを提案したいと思います。これは、既存の委員会、部署のリニューアルで対処できますから、かなり現実的だと思っております。
 問題は、運用が適正に行われることをどう担保するかですけれども、活動は議事録、退院支援計画などとして文書として保存していただいて、保健所による実地指導などの時に閲覧できるようにするということで、行政のチェックをかければいいのではないかと思っております。
 次のページです。まず、医療保護入院事後審査委員会としましたけれども、これは、指定医、看護師、精神保健福祉士が必ず加わることにしまして、その他の職種、弁護士、あるいは家族会員など外部委員も必要に応じて構成員とする。入院後1週間以内に入院の妥当性を審査するわけですけれども、外部委員が入ることが望ましいと思います。
 入院時から退院支援を開始するということで、退院支援室配置の看護師、精神保健福祉士などが加わるようにしたらどうだろうかと考えております。
 次に、行動制限最小化委員会ですけれども、入院時、その後の隔離・身体拘束の在り方について検討し、指導助言を行う委員会なわけですけれども、早期の隔離・身体拘束、閉鎖処遇の解除を働きかけて、任意入院への移行を促進する役割をとってもらうことにしたらどうかと思っています。
 現在の診療報酬の「医療保護入院等診療料」の施設基準により設置されている行動制限最小化委員会を活用することでいいと思います。ですから、その基準どおりの指定医、看護師、精神保健福祉士その他で構成することでどうかなと考えております。
 そして、退院支援室です。専従の看護師及び精神保健福祉士または保健師を配置することにしまして、退院支援計画を作成して、実施、評価する部署。勿論、地域支援関係者からの情報収集、調整にも当たる。
以上のような指定医の判断を審査するという新たな入院形態のイメージを持っていただいて、あとは入院手続の論点に沿って意見を述べていきます。
論点1です。保護者に代わる誰かの「同意」を必要とするかどうかですけれども、精神保健指定医1名が入院医療の必要性を判断し、医療保護入院事後審査委員会の審査での承認をもって「同意」に代えることにする。この承認までは、入院の必要性を判断する仮入院的な処遇ということになります。この承認までの間を、診断のための経過観察と、家族関係、社会資源などの情報収集、そういうものの期間に当てたらどうかなと思っております。
論点2です。「同意」は必要ないとしても「関与」は必要とするかどうかです。「同意」も「関与」も必要だと思います。この場合、「同意」は、先ほど述べましたように、事後審査委員会の承認をもって「同意」に代えるわけですけれども、入院契約を行う者は「関与」する者として本人の「代弁者」となれる。これは代弁者をどういうふうに定義するかにもよりますけれども、そういう位置づけでどうだろうかと思います。入院においてさまざまな生活援助が必要になりますから、あるいは退院についての相談などが当然出てきますので、誰が責任持って対処するかということを考えると、地域支援関係者の中に、家族等の「関与者」が含まれる必要があると思います。
論点3の「同意」または「関与」を必要とする場合、入院時とするか、一定期間後でよいとするかですけれども、これは先ほど申しましたとおり、入院1週間後の事後審査の承認をもって「同意」に代えるということでどうだろうかと思っています。「関与」は、入院契約が成立した時点で「関与」ということになると思います。これは当然、入院費を支払う者となります。
その他の事項への意見ですけれども、入院期間については、考え方4で述べられているのですけれども、一定の入院期間の制限を設けつつ、審査の上、更新可能とする、これが望ましいと思います。入院期間が3か月、6か月、9か月に達した者については、入院審査した事後審査委員会が審査の上、継続か解除かを決定して、管理者に報告するということでどうでしょうか。
新規で入院した医療保護入院者については、1年未満で退院する者が約84%ということですから、入院期間が1年を超えた者、16%ぐらいになりますけれども、その方々については、精神医療審査会が病院に出向いて面接審査を行うことは可能ではないかと思います。
とは言いましても、精神医療審査会は予算を増やして、人員を増やして、審査会の機能を強化しなければ無理だと思います。
最後になりますけれども、新たな医療保護入院制度の施行前に、既に1年以上入院している方については、現実的に審査会の審査は不可能だと思いますので、実地指導などで別のチェック体制を考えることになろうかと思います。
精神医療審査会の定期病状報告書による審査は、入院形態等が妥当であるかどうか判断するには、現在の様式では実効性があるとは思えません。
それから、入院期間の制限を設けて、院内審査によって更新するにしても、当事者が「適切な判断」ができるようになり、医療保護入院の必要がなくなった場合、可能な限り早目に解除するとの規定が必要ではないかと考えております。
 それから、市町村長同意による医療保護入院制度を廃止するのであれば、これまでこの入院形態を取っていた対象者が応急入院に含まれるよう「応急入院」についての規定を見直す必要はないのだろうかと考えております。
 以上、意見を述べさせていただきました。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、全国精神障害者地域生活支援協議会様、お願いいたします。

○伊澤雄一氏(全国精神障害者地域生活支援協議会)
 全国精神障害者地域生活支援協議会の伊澤と申します。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 検討されております保護者制度並びに入院の在り方を大きく見直していくことは、我が国の重要な課題であります障害者の権利条約の批准に向けた条件整備の1つとしても、とても大きな事柄というふうにとらえております。精神障害者の人権擁護がきちっと果たされて、保護の客体から権利の主体へと大きく転換していく、その礎になるように、そういう変革、見直しを求めていきたいと思っております。
 資料が21ページからなのですけれども、「保護者制度について」は、まず廃止の方向で進めていただきたいと思っております。長年にわたりまして、家族会初め当事者団体、それから、関係団体からも、廃止、大きな見直しを求める声が上がっておりました。経過で、平成11年には一部改正がございまして、名称の変更と、それから、一部の義務の緩和が施されました。しかし、実態は変わることがない。過重な負担とともに、その任を担う中で、かえって当事者と家族の方の関係を悪化させるという方向で動いている事例がたくさんあります。入院の同意者として非自発的入院の片棒を担ぐという構図の中で、家族関係は多大な影響を受けている。更に、保護者というものがいないと、社会的にいろいろな責任を果たせない、何もできない人という印象、あるいは社会的な目線、視線、そういったものが形成されてしまう恐れを感じます。ひいては国民のネガティブな意識へとつながり、社会参加、あるいは社会進出の足かせになる、更に偏見、差別も助長される。以上のことから、保護者制度は廃止という方向で大きく舵を切って欲しいと思います。
 次に「医療保護入院の厳正化」というところで書かせていただいておりますけれども、現在、指定医1名なのですけれども、精神保健指定医2名の配置といいましょうか、判断を確保することを前提にできないだろうか。更に、生活支援的な観点、退院も想定してですけれども、当該病院のPSWの「関与」、それとともに患者の住所地管轄保健所の「関与」を確保してはどうだろうかと思っております。
 入院においては、精神保健指定医の判断に多くを委ねることになりますけれども、そこに複眼的な視点を担保することが大事です。また、退院を想定した関わりを入院時から、先ほどソーシャルアセスメントという言葉がありましたけれども、PSWが担うことによって、客観性、先見性、先々の備えを確保するというような視点をしっかり置くということです。更に、入院時に保健所の関わりを求めていくということです。これは、地域担当の保健師などが想定される。あるいは人員を新たに確保して、専門の担当者を置くなどというようにしていくとよろしいのではないかと思います。入院要件の見定めもそうです。社会関係条件等を整理しながら、そして公的支援をしっかり確保するということです。地域との関係を予め要素として盛り込んでいくことも大きな要素です。そして、大きくは退院・地域移行に実効性を持たせる。入院の初手から退院に向けてイメージをつくるということを想定しております。
 3番目は「非自発的入院中の関わり、そして退院に向けた支援」です。非自発的入院とほぼ同時に退院に向けた条件づくりに関与する地域関係者を配置しますということです。
 早期の退院に向けた地域生活支援の体制を整えるためにも非自発的入院者には「相談支援事業者」「地域移行・定着支援事業者」などを「関与」させる仕組みを設け、御本人に心当たりがなければ、リストにして、その中から選択をしていくということも手続上あってよろしいかなと思います。病院のPSWはもとより、保健所並びに他の地域関係者と共同して、関わりながら早期の退院の実現を目指すということでございます。
 保健所の関わりをかなり強調した2項目、3項目になっておりますけれども、御存知のように、1997年に保健所法が地域保健法に変わり、その後、役割機能の変化に伴いまして、地域精神保健、福祉も含めてですけれども、関わりが非常に弱体化したと感じます。保健所はまさに5疾病5事業の時代を迎えているわけでありますので、機能を再配備といいますか、再強化するという方向も視点として備えていく必要性があるのではないか。入院、あるいは退院促進に絡めて、保健所の機能を再度復活させるというような主張であります。
 4番目の「権利擁護について」なのですが、入院療養時下において、権利擁護、権利主張を保障していくための支援者が必要ではないかと思います。私も地域生活支援事業所に所属する一人としまして、地域移行や退院促進を担わせていただいておりますけれども、院内で多くの患者に出会いますと、定期的に先生と会えていないとか、いろいろな治療に対するニーズを持っているのだけれども、それが表明できないということがよくありまして、ゆっくり話を聞いて、ゆとりがある中で、ぽつりぽつりと語ってくれる言葉の中に結構大事な要素があって、それを看護の方やワーカーの方に返したりもしているのですけれども、院内のマンパワーにゆとりがないものですから、十分にとらえられていない部分が結構あるというところです。
あと、生活情報というか、福祉関係情報の周りもとても緩慢で、例えば、眼鏡の度が合わなくてとても苦労している方がいらっしゃる。生活保護を受けている方だったら、治療材料として申請ができて、適正な眼鏡が手に入ったりできるわけでありまして、その辺の手続について、情報を知らない。教えて差し上げたら、驚かれて、それをワーカーさんにも伝えながら、改善を図るような働きかけをしたりもしておりますが、そういうことです。要は、生活ニーズや治療ニーズについて、しっかり関与できるオンブズマンというようなニュアンスの関わりを求めていければと思います。声の大きい方は、その主張が通ったりもするのですけれども、本当にぽつりぽつりとため息混じりでお話をする方の心の底からの要求をしっかりとつかむ必要性があるのではないかと思います。
「精神医療審査会について」は、合議体による意思形成におきまして、当事者並びに地域関係者の参画を図るべきではないかと思います。病状の把握、そして入院形態や療養の在り方を審議するのみならず、漫然と入院が長引くのを防止するという機能をしっかり持たせ、退院の可能性やその条件整備を視野に入れた審査であるべきならば、退院に向けた条件づくりに資する情報を担った審査員の構成があってしかるべきだと思います。定期病状報告に臨場感やリアリティーを確保するためにも、面会をした当事者や地域の関係者等の意見を聞いて、審査会が判断するような構造に切り換えていただければと思ったりもしております。
最後に、参考までに、当会の役員からの情報として添付しています。病院の元PSWで、いろいろな経験を通して、このような文章を今回の意見募集について寄せてまいりましたので、後で時間があったら読んでいただきたいと思います。
以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、全国精神保健福祉センター長会様、お願いいたします。

○田辺等氏(全国精神保健福祉センター長会)
 全国精神保健福祉センター長会の副会長をしております北海道の田辺です。全国センター長会の資料に沿ってお話しします。
 これまでの議論のセンター長会の受け止めとして、保護者の負担を軽くすべきである。それから、非任意入院の決定には、指定医1名だけでは人権に問題がある。措置入院以外に、臨床の場で医療保護入院が年間14万という現状がある。不適切な入院のチェックが必要だが、現状では不十分で、事務局運営にも困難がある。長期入院者・非任意入院者に積極支援が必要である。入院早期からアドボカシーと地域移行支援がないと入院は減らないというようなところから出発しました。
 緊急アンケートで、まだ速報値ですが、全国センター69、今年の4月から動き出したセンターもありますが、その58か所、84%の回収の中ですが、90%が現行保護者制度廃止に賛成しておりますが、段階的な対応がないと混乱するのではないかと答えています。
 そして、措置入院以外の非任意入院も、現状では措置入院だけでは対応が困難だろうということで、必要と回答されています。
 それから、新たな非任意入院で決定に必要な手続については、指定医だけの判断では問題で、やはり何らかの同意者が要るというのが56%、関与者が要るというのが33%です。
 指定医の入院判断の同意者として適切な人には意見が分かれ、各論になると適切なというのがなかなか出てきません。「司法が同意」というのが「実効性がない」という議論が第3ラウンドであったというのが影響していると思うのですが、その中で一番多かったのは、市町村担当者で10です。N=39のアンケートです。
 次は、関与者として意見が分かれるところですけれども、ここはN=22で、ばらばらで意見がまとまっておりません。
 いつ同意すべきかについては、9割以上が入院日から10日以内で、一番多いのは72時間以内に同意すべきだということです。
 続きまして、関与者がいつ関与すべきかということについて、関与という内容もまだ曖昧だという批判がいっぱいありますが、関与は時間をかけて関わってもよいという意見もあります。ですから、1か月以内という人も30%います。
 非任意入院については、期間を制限すべきというのが6割で、制限すべきだという方が多いです。
 現行の精神医療審査会は効果的か。自分たちが事務局をやっているわけですが、書面審査中心の現状では十分効果が上がってはいないという認識があります。
 それから、現在の実地指導、第38条6項は効果的か。現状では十分な効果は上がっていないという認識にあります。
 続きまして、精神医療審査会運営の現状での困難ですが、非常に負担・困難が多いというところが各項目出ております。特に委員の日程調整、審査量、指定医のずさんな記載という辺りで非常に困難が多いということが言われています。
 それから、精神医療審査会の新たな役割についてということで、入院決定に関与すべきか。年間十数万件ある現状ですから、実務も大変なのですが、「入院時に関与するのは第三者的な審査性を損なう」という考え方がかなりあります。それから、退院支援機能については、実際の実務上、結局は困難になってしまうのではないかということで、そういう機能が持てても、現状ではちょっと考えにくいという実務上の困難があります。
 最後ですが、今後の精神医療審査会の審査頻度や方法についてですが、現行どおりというのが47%で、審査を充実すべきだという、頻度を増やしたり、方法を付加したり、新たな審査方法、例えば、実地に行く審査を増やしたり、そういう充実を併せると48%になって、五分五分です。
 そのようなところで、センター長会が認識する精神医療の審査体制の課題なのですが、まず、審査会事務の現状の問題点は、1、2にあるように、実際には委員の確保自体困難で、精神指定医が委員になりたがらないというところも出てきたり、確保が困難だという県は多々あります。そういうようなところで現行どおりでよいというのは、現行でしかやれないという感じですね。
他方で、充実すべきというのは、不適切入院の対応に一定程度貢献しているかもしれないが、例えば、措置入院の地域間格差等の是正には、まだまだ精神医療審査会は十分に機能できてきない。では、どうするのかというところでは、現行の組織体制では実際上難しい。法的な位置づけとか、組織形態などを含め、相当な機構の見直し改変がなければ、現実的には対応できない。
だから、審査体制の課題としては、不適切な非任意入院、処遇のチェックにもっと制度的強化が必要ではないか。それから、もっと人権への配慮、つまり、正当な医学判断の上で司法や行政の関与をどうするのか、そういう人権配慮が入院時から必要である。
 そして、早期から人権擁護に向けたアドボカシーの観点で外部支援が必要である。例えば、私の管内では、半数の病院は、この十数年、改善要求も処遇改善請求も退院要求も1件も挙がっていません。外部支援の導入がないといけないのではないか。それから、地域から早期移行に向けた患者支援計画、院内・院外の支援システムの体制構築がないといけないのではないかと考えてございます。
 以上のように、保護者制度を廃止するという前提で、考慮すべき問題がまだまだ残っていますので、それらを段階的に解決していかないと混乱するのではないかということを現場では議論しておりました。
スライド資料の5点ですが、保護者負担の権限で、家族は関与を拒否しているわけではなくて、やはり負担の軽減を望んでいますし、適正医療の導入は家族も頭を悩ませるところだと思っています。
 2番の非任意入院については、医療計画を提示して、任意入院を増やす。つまり、入院の任意化を促進しないといけない。また地域のアウトリーチなど支援策を充実して、入院を減らすということも重要です。
 そして、非任意入院の決定には、正当な医学判断の上で、人権擁護の観点の関与、行政や司法の参画が望ましいと考えています。この点で新制度への議論がなお必要であろうと思います。
 それから、長期入院のチェックシステムは、今の書面審査では限界がありますので、実地審査と連携してはどうか。どちらも強化する必要がある。
 そして、退院請求の病院格差もあるので、院内システムだけでは退院困難ですから、外からのアドボカシーや移行支援が多面的に必要である。
 そして、段階的対応自体、できるのかという議論で、一例として議論した図のスライドです。これはセンター長会の総意とか、まとめた意見ではございません。例えばでございますけれども、保護者制度は4週間で打ち切る。その後半は市町村関与を強める。4週間の間に院内のチームから指定医以外の意見書、医療計画書をPSWなどが中心になって出す。院外からは、その人が地域で暮らすための支援の意見計画書を出す。こういったものを出して、4週間までの入院の中で、もし入院が必要であれば、任意入院を増やす。つまり、同意して、任意入院の人たちを増やすということです。入院が必要であれば、そういう努力が必要であろう。
 そこで、ある程度量は減ると思いますが、それでもなお入院が必要な人は審査会が判断する。関係者の意見が一致しないときは、実地面接を行う。それが多ければ、実地審査の委員の活用を考える。それから、退院する場合には、新アウトリーチ制度というものが今、議論されていますけれども、例えば、通院処遇というのは保安処分的でちょっと問題ですけれども、新しいアウトリーチ制度が考えられるなら、その対象者としていくということ。そして入院をもし継続することであれば、ここからは市町村長が今までと違って具体的なアドボケート支援員を実際に市町村長の責任でつけて、そして入院を継続する必要があるなら継続する。それらに対して、随時審査会が審査していくというようなことです。
 終わりに意見のまとめですが、まず、十分な支援による在宅医療、あるいはアウトリーチがないといけない。入院の任意化を促す内部の取組みがないと、改正しても意味を持たないのではないか。
 非任意入院するのであれば、法律が関与する、あるいは自治体が関与する、こういった同意がなければ、人権擁護では問題ではないか。
 指定医以外の医療チームが、治療計画・支援計画を早期に提示し、入院の合意(入院任意化)を促進する必要がある。
 早期から外部アドボカシー支援を院内に入れないと権利擁護にならない。
 地域の支援関係者が入って支援の意見書を作成しないと、地域移行、あるいは市町村の責任が果たせない。
 長期化防止、退院支援委員会などを院内につくる院内の努力を促すようなシステムもつくる。
 直接接触の審査を強化するならば、実施指導、現在やっているものとの連携強化を行う。しかし、認知症など、これからも増える大きな存在がありますので、こういったものは、例えば、高齢者虐待防止委員会など、既存のシステムとの連携活用の検討なども視野に入れてはどうかということ、以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、全国精神保健福祉相談員会様、お願いいたします。

○金田一正史氏(全国精神保健福祉相談員会)
 全国精神保健福祉相談員会の金田一と申します。よろしくお願いいたします。
 私どもの会は、都道府県や市町村で精神保健福祉相談や訪問を初めとした精神保健福祉業務に従事する公務員の任意の団体です。勤務先も、保健所、精神保健福祉センター、あるいは自治体病院、そして市町村の障害福祉の担当課などです。職種としては、精神保健福祉士だけではなく、臨床心理技術者、保健師、あるいは事務職の方も賛同して入られているというような団体でございます。今日は、現場の職員からの意見の一端ということでお話をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、言わずもがなかと思いますけれども、精神医療を底支えするということに関しては、公衆衛生と地域生活支援の充実は当然両輪であるということで、精神医療に関する入院と退院という出口、入口の議論だけでは、精神保健福祉施策の根本的な改革にはならず、非常に混乱を招くのではないかということを当会では懸念をしております。
 確かにこの10年、障害者福祉サービスという点では、民間活用だとか、さまざまに拡充をしてまいりました。ただ、一方で、医療や障害福祉サービスにつながらないという精神障害者の方、あるいは精神科病院で事実上の生活をしているような精神障害者への支援はいまだに十分ではないという現実があります。
 また、行政の方は、保健所に関して言えば統廃合、市町村でも合併というようなことで、行政の広域化というのがございます。人的な体制整備がなされないという中での公衆衛生活動が実際は弱体化しています。いま一度、精神福祉業務の抜本的な改善をしていくためには、行政においては都道府県、更には市町村に精神保健福祉相談員を必置すべきだろうと考えています。
 現在、さまざまな制度改革の過渡期にあるという認識の下に、この保護者制度・入院制度の見直しにつきまして、ある意味、必要最低限といいますか、応急処置的なといいますか、そういった対策について提案をさせていただくということです。ただ、これは勿論、十分なものでも、完全なものでもないということはあらかじめ申し上げさせていただきます。
 まず、保護者制度ですが、これまでの論点、さまざまありますが、いずれにしても、保護者の義務規定に関しては削除すべきであろうと考えております。実際に非自発的な入院である医療保護入院に関して、家族に保護者としての同意を得て行うことは、現実問題として家族に過重な負担を強いてきました。更に、家族に対する必要な支援がない中で、家族は本人への支援という立場と、それから、相反する入院を強いるという両方の役割をときに担わされる問題があるというのは、今までの御指摘のとおりだろうと思います。
 となりますと、家族の関与というのは、現行で言えば、他に定めはございませんので、医療法による関与にとどまるだろうと思われます。保護者制度がなくなるならば、当然、精神保健福祉法第21条、市町村長同意というのも削除されることになると考えております。
ただ、保護者に代わる関与というのは当然必要だろうと考えております。これに関しては、とりあえず現時点で考えられるものとしては、後述する地域における精神医療審査会の関与を提案したいと思っております。
現行の都道府県、政令市で、1か所でやっています精神医療審査会に現在以上の役割を期待するというのは、現実的には困難で、実現不可能であると思います。ただ、非自発的な入院である以上は、本人の権利擁護を担当する代弁者等を確保するのが本来的な制度上では必要だと思われます。
保護者同意に代わる関与ということですが、地域精神医療審査会を病院管轄の、1つは保健所圏域、地域によっては医療圏域ということになろうかと思いますが、新たに設置し、入院届等を審査するということを考えます。
また、現行では、入・退院届というのが、実際に個別支援を行う、居住地を管轄する保健所には送付されません。地域移行支援に関与していく市町村も含め、入院した人たちの情報は届かないということに関しても、これを改めていく必要があるだろうと思います。
現行の精神医療審査会は、書面審査だけではなくて、退院請求等の審査に力点を移し、地域精神医療審査会と機能分化をするということでの機能強化を図ることが適当であろうと考えます。
精神医療審査会の委員には、現行ではいらっしゃいませんけれども、当事者や家族の代表、あるいはアドボケーターを加えることが必要であると思います。
入院制度に関しては、現在の医療保護入院制度というのは、入院の手続だとか審査に重点が置かれていて、出口、退院の問題に関して軽視されていると考えます。
入院対象病状、あるいは生活状況等の難しさだとかいう具体的な定めがないということで、極めて幅広く適用されているというのが現実で、医療保護入院者がかくも多いというのは、そういった実態を反映していることになろうかと思います。
また、入院期間の定めがないことから、長期化しやすいということが言えると思います。
新たに考えるとした場合、入院期間に関しては、一応、1つの考え方としては、原則6か月と定めて、更に必要なときに、その必要性に関して審査を行うという制度に改めてはどうかと考えます。
 医療観察制度でも既にこういったことがございますけれども、その審査に当たっては、継続治療の必要性、あるいは治療の有効性、今後の治療計画等をもって審査をするというふうに、現行よりも内容を密にすることが必要ではないかと思います。
 医療保護入院そのものについてなのですが、入院判断に関しては、現実を考えますと、精神保健指定医の医学的な判断にならざるを得ないだろうと思います。
 ただ、一方で、病院内に入院適正化委員会を設置して、入院の判断の後に速やかに入院適正化委員会で検証を行う。その検証の内容を添えた上で、入院届を2週間以内に保健所に届出を義務づけることを考えます。
 家族の同意に関しては、入院時にはとりあえず不要となりますけれども、一般医療と同様に、治療計画に関する説明を行うだとか、家族の意見を伺うだとか、当然のことながら家族の関与は排除するものではないし、むしろ確保していく必要があると思います。
 入院に関しては、6か月を超えて必要だという場合には精神医療審査会が審査をするということですが、1年を超える場合には、基本的には実地審査を行う必要があるのではないかと思います。6か月を超えてなお入院が必要な場合というのは、もう既にその時点で退院に向けた支援が当然必要になってきますので、院外・院内に退院を支援する職員を置いて、地域移行も併せて視野に入れて関与していくことが必要だろうと思います。
 医療へのアクセスということになりますが、保護者制度がなくなるということで、ある意味、医療へのアクセスが難しくなることも考えられなくありません。34条の移送制度がさまざま議論されていますけれども、1つとしては、この移送制度も実効性あるものに変える必要があるだろうと考えます。
本人や御家族の同意がなくて、医療保護入院、非自発的な入院を前提とした移送をするとなれば、その必要性の判断をしっかりする必要があるということで、また、入院先の限定を解除することも必要ではないかと思います。
 移送の必要性の審査も、先ほど申し上げました地域精神医療審査会で担うということでどうかというふうに考えます。
また、本人の代弁者やアドボケーターが意見陳述するだとかいうこともこの中に取り込む必要があると思います。
 最後ですが、繰り返しになりますけれども、医療保護入院が非自発的な強制入院である以上、入院時の告知を含めて、繰り返しインフォームドコンセントを行うことが義務化されるべきであって、可能な限り自発的な入院を進めるような関わりをすることが大前提で重要であると考えております。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、全国「精神病」者集団様、よろしくお願いいたします。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 山本眞理と申します。ありがとうございます。
 私、この会議自体が一体何なのか全然わからないのですが、前提を指摘したいと思います。閣議決定では、強制入院、強制医療介入等を24年度中に結論を得る、検討するとなっているのに、なぜ医療保護入院だけ議論するのですかということを本後さんに伺ったところ、内閣府から頼まれたのは医療保護入院だけだというふうにおっしゃいましたけれども、その文書はありますか。

○福田精神・障害保健課長
 後で、一通りまとめて、いろいろと、意見交換の際にと思いますので、まず、御意見をお願いいたします。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 私は見たこともないし、聞いたこともございません。それで、こういう議論がされていることが全くわからないし、私もサイトでこの検討会の今までの資料もざっと見ましたけれども、条約について議論が一切されていないのですね。そもそも日本は、国際的な人権水準から言えば、ガラパゴス、例外的にひどい、あらゆるところで。更に精神はひどい。障害者の中でも精神はひどいということはあると思います。
では、ちょっと国際的に目を移してみましょう。資料1を御覧ください。42ページ。これは、4月16~20日まで、障害者権利条約を批准した国の政府レポートを順番に審査しています。第7回でペルーが審査されました。そこで言われているのは、精神保健福祉法の廃止、後見人制度の廃止、そして、今回初めて、ペルーが何番目か調べていないのですが、15条、つまり、強制投薬は拷問及び虐待に値するというのが初めて委員会の意見として出ました。
44ページ、30番のところです。これはnarcolepticsとなっていますけれども、これはミスタイプで、neurolepticsだそうです。国連の担当者に確認して、国連のサイトも訂正するそうです。つまり、抗精神病薬を強制的に飲ませることは拷問等禁止条約が規定している虐待に当たるということですね。つまり、拷問等に当たるということは、犯罪です。いかなる適正手続もこれを正当化し得ません。
私が突然、中島先生を殴ったとして、これは犯罪なのです。第三者委員会に聞いて、省手続で殴ってもいいと言われたのと、仮にそういうシステムがあったとしても、中島さんを殴ったら、それは犯罪です。と同じように、人を閉じ込めるということは犯罪なのです。精神保健福祉法というのはあってはならない法律です。
ですから、私どもは、保護者制度廃止は賛成、医療保護入院制度廃止も賛成。ただし、他の強制入院制度もどうやったら廃止できるか。それは明日から廃止しろとは私どもも申しません。廃止した社会をどうつくるのかということが重要だと思います。
本後さんが、医療保護入院は日本しかないとおっしゃいましたけれども、それは間違いだと思います。私の知識では、例えば、フランスでも、最近親者、家族による強制入院はあるはずですし、スペインはたしかフランコ政権が倒れた後、精神保健法はなくしたけれども、民法の無能力者規定で強制入院しているはずです。これは別に日本だけではありません。
措置入院が全然問題ないかというと、それは確かに数は少ないけれども、添付資料3の2枚目のグラフを御覧ください。これはちょっと古いのですが、国権をもって人を拘禁しているのに、これだけ地域格差があるのです。いやしくも国権を持って人を拘禁しているのにこうした事態があっていいのでしょうか。
例えば、私が中島先生を殴って、大阪でつかまったら懲役1年、沖縄でつかまったら懲役10年、東京だったら死刑とか、そういうようなものです。ごめんなさいね、別に中島さんを殴りたいわけではないけれども、こういうめちゃくちゃなことがやられているのです。
 こんな状態で、果たして障害者権利条約を批准できますか。障害者権利条約の批准に向けて、この国の精神医療、保健福祉、どうするかということを、今、真剣に考える場所を厚労省はつくるべきだと思います。
 その他言いたいことはいっぱいあって、資料はたくさんくっつけました。特に拷問等禁止条約の前特別報告官ノーワークさんというのは有名な国際法学者だそうですが、すばらしい文章がありますので、是非お読みください。添付資料2参照。
 それから、私どもの仲間が実際に地域でどういう支援をしているかの実践報告もございます。添付資料4参照。その他もろもろつけましたので、是非お読みください。
 それから、内閣府から頼まれたのは医療保護入院だけだというのは、本当にそうなのか。そういう秘密文書があったとすれば、厚労省は閣議決定、一切無視するのですか。それについて、はっきりお答えいただきたい。
 以上。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、全国精神障害者団体連合会様、よろしくお願いいたします。

○有村律子氏(全国精神障害者団体連合会)
 私は、保護者制度が廃止になるということには賛成です。それというのも、保護者制度があるために、社会的入院者が退院できないというところがあります。家族は高齢化していて入院している人の面倒が見られないからということで、病院に入院させているという事実があることは隠せないと思います。7万2,000人を退院させると厚生労働省は言いましたけれども、実際に退院したのは2,300人ぐらいの数だけで、退院したけれども、再入院する人の方が多かったと聞いております。精神障害者の人権とか、苦しみとか、人間扱いされていないところを、保護者制度は縛りをかけているということが言えると思いますので、是非廃止してほしいと思います。
 入院制度は、入院しなくてはならない人だけが入院すればいいと思います。それも、海外では病院が減っているのに、日本では民間病院が多いために、空いた病室に老人を入院させているという事実がありますので、ベッドは減るどころか、認知症の患者を入れているという事実があります。そのために精神科特例で看護師とか医者が少ないのに、そういう病院に入れられた精神障害者の他の患者とかもいると思いますので、入院制度についてもよく考えていただきたいと思います。
 3か月入院させると診療報酬が下がるので、別の病院を探してくださいということで、3か月を過ぎるとまた別の人を入院させて、もうけ主義で、病院は3か月ごとに入れ換えをしているということを聞いております。急性期だけに診療報酬が上がって、3か月したら診療報酬が下がるからということで、退院させるのはいいのですけれども、また入院させるというような方法になりますので、是非そういうことのないようにお願いしたいと思います。
 私からは以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 では、堂本暁子様、よろしくお願いいたします。

○堂本暁子氏(有識者)
 ありがとうございます。皆様、緊張して聞いていらっしゃると思いますけれども、私が最後ですから、リラックスして聞いてください。
 4月11日と今日と、およそ20人の専門家が多角的に、いろいろな立場から意見を述べました。今回は、保護者の責務規定の削除と、医療保護入院制度の見直しという、精神保健福祉法の一部改正ですが、私は、そうした改正だけでいいのか、との観点で、大所高所から意見を言わせていただきます。
 結論から言わせていただくと、医療、福祉、そして保健を総合的に俯瞰して、精神障害の問題、あるいは医療の問題の法体系を全面的、包括的に再構築すべきときに来ていると考えます。と申しますのは、障害者権利条約を批准するのであれば、今こそ、その時期だというのが結論です。
 提出資料を御覧いただきたいと思います。先進諸国が入院に依存しない精神疾患・障害への対応システムを構築してきた中で、我が国は残念ながら、精神病院への入院者数は21年度で31万人と異常に高く、人権的な観点から、国際的な批判、そして非難を受けている現状があります。
日本は高度経済成長を成して、先進国と言われ、まさに成熟期を迎えており、真に先進国としての個人の尊厳を大事にし「人間の安全保障」を守るのであれば、精神障害者を含む障害者に対する人権を保障する制度をつくり上げ、国際的な信頼を回復することが我が国にとっての喫緊の課題であろうと考えております。
厚生労働省は、厚生省の時代から、ことの重要性は認識しておられまして、社会的入院を解消すべきである、地域移行を目指すとしながら、抜本的な改革は常に、政治的にも、行政的にも先送りされてきました。
そのため、自ら望まない、非自発的な入院を強いられ、または入院の必要がなくなっても退院できない、そのために10年、20年と長期にわたる病院生活を送らなければならなかった方たちがおられます。これは国策の遅れの犠牲者とも言える方たちではないかと、私は正直、思っています。そして、今後も、こうした方たちを出し続けることが我が国に許されるのでしょうか。許されないと思います。
個人の自由を拘束する非自発的な入院、あるいは退院治療、先ほど、どこの団体かがおっしゃいましたけれども、私も、なぜ最初から司法を排除しなければならないのか理解しにくいのです。司法の関与というのも、弁護士や、あるいは裁判所を使っている国もありますけれども、そういったことを義務づけるなどして、人権を保障するための適正な手続を取ることが何よりも大事。そして、それが出されない限りは「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とする」として、自己決定権を保障している憲法13条、あるいは「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない」として適正手続を保障した憲法31条等、我が国の憲法に違反しかねません。
今まで多くの方から、いろいろな形で、この手続法についての御意見が出ていました。しかし、現実には、そうした適正な手続が取られないケースが決して少なくないのが現状です。障害者の権利条約の批准に当たって、保護者の責務規定の削除と、医療保護入院制度の見直しという精神保健福祉法の一部改正にとどめるのではなくて、最初に申し上げましたように、医療、福祉、保健を総合的に俯瞰した法制度の構築が必要だと考えます。
もう40年前になりますが、アメリカでは、ケネディー大統領が精神病院の開放を宣言しました。我が国でも、総理大臣が精神疾患、あるいは精神障害の問題を解決する筋道を立て、国家的な意思と勇気を持って改革に臨むべきときだと考えます。それは、これまで本当に長い間、人権を侵害され、犠牲となってきた多くの精神障害者の方への償いの気持ちを込めて行われる改革でなければいけないと思います。真の改革を成し遂げたときに、我が国は初めて経済的、技術的だけではなく、社会的にも文化的にも先進国として国際的に認められ、評価されるものと確信しております。
あと1分ありますが、なぜこれを申し上げるかといいますと、もう30年ぐらい前になりますが、アメリカ人の弁護士が、日本は技術的に一等国になった。しかし、精神障害者がその地域で自分らしく生きられるようにならない限り、どんなに桜が美しく咲く国であっても、自分たちは先進国とは認めたくないと言いました。あれから30年の歳月がたちますけれども、そういった変化が起こっていないことを本当に残念に思います。
私はジャーナリストとして関わり、国会議員として関わり、そして地域の行政の立場で関わり、そして最後は障害者制度改革推進会議の中で一生懸命、精神障害者の問題に取り組んでまいりましたけれども、本当に自分の無力さというか、償いの気持ちというか、そういったものを日本国民全部が、私自身も持っているのですけれども、国民が非常に差別的である、理解がないということが、こういった国情を生んでいるのかもしれないと思って、大変辛い思いで、ちょうど最後が3月で終わって、今日は障害者制度改革委員会の構成員を終わったところですけれども、日本国民全体としてこのことを認識することがどんなに大事かなということを申し上げて、意見を、このチャンスをいただきましたけれども、終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 検討のポジショニングの在り方も含めまして、さまざまな御意見をいただきました。また、現在、作業チーム、そして検討チームの中で検討しているさまざまな論点につきましても個別にいろいろと御意見をいただいたところでございます。
 35分くらい残っておりますけれども、これから質疑応答、意見交換の場といたしたいと思います。さまざまな御意見をいただいておりますので、検討に携わっておられます作業チーム、それから、検討チームのメンバーの方々から、質問、更には御意見含めまして、いただければと思います。併せまして、プレゼンテーションいただきました方々からも補足的な御意見などございましたら、追加的にいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。御意見、御質問のある方、よろしくお願いいたします。野村構成員、お願いいたします。

○野村構成員
 家族を主体とした保護者制度を撤廃するのは当然のことだと思いますが、精神保健福祉法は本当に誤解を生む、精神障害の方たちに失礼な印象を与えてしまう法律ですので、これはできるだけ早いうちに廃止すべきであると思います。精神障害のある方は何もできないで、人から保護されなければ生きていくことができないという考え方が非常に強くある法律ですので、私はこれは廃止すべきであると思います。
同時に、人権擁護の制度を、日本は基本的にすべての人を守る法律をきちんとつくるべきであると思います。先ほど地域精神医療審査会という案もありましたけれども、それも私はいい案だと思いますし、障害者虐待防止法に本当にきちんと対応できる法律制度を整備すべきである。その基本となるのは障害者権利条約の考え方であろうと私は思いますので、今日はいろいろな専門家の方々の終わりの方で非常にすばらしい発言を伺って本当にうれしく思っております。単なる保護者制度の廃止にとどまらず、基本的な日本の法律制度の在り方をこれをきっかけに、そう遠くない未来にきちんと整備し直すべきであると、私は今、強く感じております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 小川構成員、お願いします。

○小川構成員
 貴重な御意見ありがとうございました。精神保健福祉士協会に質問がございます。精神保健福祉士の関わりというのは非常に大事だと思いまして、精神保健福祉士協会の御意見は非常に重要な指摘だと考えております。
そこで幾つか御質問をしたいのですが、例えば、入院期間1年を超える場合にという表現があったり、あるいはPSW、精神保健福祉士の関与について、院内のPSWを想定しているかのような表現がありました。私どもは、できるだけ医療保護入院という制度を、退院の促進というのですか、入院当初から退院を前提に関わっていった方がいいのではないかということで、同意か関与かは別にしても、入院当初から地域の支援者が関わっていくべきだと考えております。
 また、地域ごとにいろいろな状況があって、必ずしもその地域の社会資源というか、地域支援体制が整っていないという状況もありますけれども、地域格差が起きるのではないかというよりも、あるいは財源論で、財源がないから余り根本的なことができないということよりも、きちっとそれを確保して、地域も変えながら、医療保護入院というものをどう変えていくのかということを考えているわけです。
例えば、3年後には法律を施行する。その3年後までにきちっと地域を変えていく。財源も確保して、地域の在り方も、地域の支援者ももっと増やしていく。例えば、自傷他害の恐れというものであれば、はっきりと入院の必要性があると判断されるかもしれませんけれども、地域の支援体制があれば入院しなくても済むケースはあるわけですので、そういう意味では、入院をできるだけ少なくしていくという取組みを地域を変えていきながらしていくという前提に立ったときに、1年を超えるケースについてはという議論はなくなっていくのではないかと思っています。
例えば、3か月とか6か月に入院期間は限定して、もしかしたら更新する場合もあるのかもしれないのですけれども、原則はそういった一定の期間を設けるとか、あるいはPSWの関与も、地域のPSWが関与していくという仕組みを取る中で、制度、そういう仕組みの中で地域を変えていくということも考えられるのではないかと思っているのです。そういう意味で、前提の置き方ですね。現状から出発するとそういうことになるのかもしれませんけれども、現状を変えていく、3年後には、例えば、法律の施行までにきちっと地域を変えていくということを前提とした議論になり得るのかどうかというところで御意見をお聞かせいただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 関連する御質問はございますか。では、大塚さん、お願いします。

○大塚淳子氏(日本精神保健福祉士協会)
 ありがとうございます。少し説明が不足していたかもしれません。まず、私どもも、これは過渡期的な改革だと思っていますので、地域精神保健医療福祉の体制整備によって、最終的には非自発的入院全体がもう一回見直しをすべきだろうと思っています。先ほど医療機関の精神保健福祉士が指定医に意見を述べるものとして、そこの役割を担うのだというふうに申し上げましたが、入院時に関して3例ほど対象者例を挙げました。しかし、初めて精神科医療につながる者とか、地域の関係者の支援とつながっていない方とかを除けば、恐らく地域の支援関係者はいらっしゃるだろうと想定しているのですね。ですので、そのときの入院時の情報確認等のところには、当然、一般的に言って、地域の関係者はいらっしゃるものだというのが、まず想定としてあります。別に医療保護の方に限らずに同席される可能性が高いと思うのです。ですが、指定医に意見を述べるのはまず院内の精神保健福祉士が、72時間など時間をおかずになるべく入院時に何とか対応できるように考えたいと思っているのですね。
ただし、そのアセスメントにおいて、今、言ったような、ちょっと大変な状況の方々については、地域の支援関係者にすぐ入っていただかなければいけないので、早急に、1週間以内ぐらいを想定しているのですが、そこで地域の支援関係者に必ずお入りいただくということを、公的機関、保健所か市町村がきちんと入院届を確認をして、そこの調整を公的機関の判断の下で、地域の支援関係者もすぐ入れる、支援に参画していただくようなことを考えてほしいと思っています。
入院時に立ち会うのは院内の精神保健福祉士ですが、地域関係者はすぐにお入りいただきたいと思っています。そのためにも、地域関係者の質的・量的整備は大切だということを申し上げさせていただいたのと同時に、財源については地域移行を進めることによって生れると思っていますので、何とかここは財源確保して、そういう人的体制を整えていただきたいと思っている次第です。
 入院期間につきましては、私どもの協会はあえて触れていませんが、1年未満で退院される方が84%とのことですから、要するに、残りの方々に関するところが今の大きな課題だというふうに、当面思っておりまして、この方たちの長期化を防ぐために、1年以上を超えそうな方へのケア会議の開催と定期病状報告への記載をまずやって、ここを減らしていきたいと考えた次第です。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 その他、御質問、御意見ございますでしょうか。関口さん。

○関口明彦氏(全国「精神病」者集団)
 ありがとうございます。原則、全国「精神病」者集団の立場は述べたと思うのですけれども、その中でさらりと触れましたように、医療保護制度、医療保護入院の廃止には賛成であると述べました。ちょっと重なるかとも思うのですけれども、例えば、病院の中に精神保健福祉士がいるとか、委員会を立ち上げるとかおっしゃいますけれども、行動制限最小化委員会というのが病院の中にできましたけれども、全く役に立っていない。つまり、組織の外に第三者委員会みたいな形でもってつくらなければいけない。
それから、なくしていくというのは、いろいろなステップを積んでなくしていくのでしょうけれども、一番重要なのは予算をつけてほしいということです。代弁者という話が出ましたし、適正手続という話も出ました。司法を排除するのもいかがなものかという話も出ました。だけれども、実際にそれが有効に機能するためには、予算がなければだめなのです。要するに、何で今まで保護者制度があったかといったら、親に押しつけてしまえ、安上がりだからということがあったのだと思います。これを人権の側面からきちんとしたものに変えていくためには、それなりの予算がかかるということをまず頭に置いて、その上でもって適正な制度設計していただきたい。特に、ワンライン、1本のラインに乗ってしまえば、その中に人権を考える人がいるからいいではないかと、これはだめなのです。医者にとってみれば医療の必要な人という判断、これに対して、そうでない、いや、地域で暮らせるのではないかという人権を考える人権擁護者、アドボケートの立場、これがぶつかり合って、それを公正に審査するという仕組みがなければならなくて、これをするためには予算がかかります。ここのところを本当に考えていただきたいと思います。
以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 済みません、山本です。ついでにちょっとしゃべらせていただきます。
 19日に申し上げましたけれども、そもそも入院でしか治療できないという病態について、多分、100人の精神科医に聞くと、100人ばらばらではないかと思います。この線がないのに、医学的判断といっても、私どもは信じられません。そして勿論、仮に同じ病態であったとしても、地域の支えがいっぱいある地域だったら入院しなくて済むし、何もないところだったら入院するしかないということがあるわけですね。
更に、本日の文書の中に『良い支援?』という御本を推薦させていただきましたけれども、例えば、重度の知的と自閉症になって、コンビニで全部のガラスを割ってしまうような人がいても、地域の支援があれば、地域で自立生活をしているのです。恐らく、ほとんどの方は、支援さえあれば、つまりパーソナルアシスタントさえあれば、まちで暮らせるはずなのです。それを、精神保健福祉士とか、医師とか、専門職が引きずり回すから、ますます本人が混乱するのです。本人中心の介助と支援があればいいのです。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 白石構成員、お願いします。

○白石構成員
 今、関口さんから予算のことについての御意見があったのですけれども、今日お伺いした団体の皆さんの中で、医療保護相当の入院に係る医療費の支払いについて、今、扶養義務を負っている人、主に家族が払っているわけですけれども、それについての今後の新しい制度の改正後の言及があったところとなかったところがあるのですけれども、医療費の支払いについて、何か特段考えていらっしゃることがあるのかどうか、御意見がある団体の方に御意見いただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 御意見ある団体の方、ございましたら挙手を。まず、佐藤さん、あと、山本さんで。

○佐藤茂樹氏(日本総合病院精神医学会)
 日本総合病院精神医学会の佐藤ですけれども、医療費の支払いに関しては、原則として公費医療ということを我々は提案しているわけです。非自発的入院に関してはですね。一見すると、これをやると医療費が莫大にかかるように見えますけれども、適正にこういう審査機構をあれすると入院が減ってきます。そうすると、築島先生が言われたように、生活保護の相殺等を考えますと、決して増えないと思います。家族に安易に任せているので、だらだらと入院治療が長くなってしまって医療費が増えてしまうのですけれども、適正に審査することによって、医療費は減ってくるので、公費負担しても大丈夫だと思います。
 それから、前回、同じお金に関して、事前説明会のとき、本後さんの話だと、新たな予算措置をつけるのはなかなか難しい、これは財務省の眼鏡が光っているからということだと思うのですけれども、きちっとした審査機構を設けることによって、入院期間が適正化されてきますので、むしろ医療費は長期的に見れば減ってくるので、ここできちっとした審査機構、築島先生が言われた認証機構をつくることによって、長期的に見たら医療費を減らせると思いますので、是非そういう方向で検討していただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 山本さん、お願いします。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 例えば、ほかにも感染症関連で強制入院というのはあるわけですけれども、本人から医療費を取っていないわけですね。国権をもって人を強制入院しておくのですから、当然、医療費は税金で100%払うべきです。ただし、今の人権擁護もなく、地域の支援もないままで医療費無料にするとどうなるかというのは、某地区では入院医療費も含め自己負担0にしたら、結局、全部の家族とは申しませんが、入れっ放しで、家族が本人の年金を搾取していると、そういう実態がありますので、勿論これは地域の支援と権利擁護を同時に並行しなければ、とても危険な実態になりますが、原則、他の強制入院と同じように、全額100%税金でやるべきです。さっき何人かの方がおっしゃったように、100%税金ということで、強制入院は確実に減らしていけるはずです。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 その他の団体の方で御意見ありますか。川副さん。

○川副泰成氏(全国自治体病院協議会精神科特別部会)
 全自病協の川副です。
 医療費の問題、特に、今の保護者の同意、あるいは扶養義務者の同意が外れたときに支払ってくれるかどうかという議論もたしかあったように思いますけれども、他の一般医療のことを考えれば、保護者、あるいは扶養義務者の精神保健福祉法上の同意があるから、ないからということだけではないと思うのですね。ただ、今後、新たな入院制度が仮にできたとして、そこに広い意味での家族の関与が最初にない状態で始まる入院があったとしたら、そこについて、少なくとも家族に求めるかどうかというのは疑問があります。
 それと、公費の入院となると、100%公費かというと、それは保険診療の残りの、いわゆる本人負担分を公費でという考え方もできると思いますので、そこは、私よりもそういったことに長けていらっしゃる方は当然、この建物の中に大勢いらっしゃるわけですので、技術的にはいろいろ可能なのではないかと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか、医療費の件で。堂本さん、お願いします。

○堂本暁子氏(有識者)
 ありがとうございます。予算のことでちょっと発言したいのですけれども、地域移行をするからといって、病院にかかる費用が減って、それが地域に使われるということではないと思うのですね。4疾患が今度は、心臓病とか、がんとか、糖尿病と一緒に精神も入りました。とすれば、何で精神科特例があるのか。やはり精神の病院での医療の質の向上が必要だと思いますし、それと同じように、今度は地域で暮らすために膨大な予算が必要だと思うし、それが当然つくべきだというふうに私自身は確信しておりますが、それは地域でいろいろ、地域医療もあり、福祉もあり、パーソナルアシスタントがあり、相談業務があり、いろいろある、そのことを、日本はずっとそういった社会資本を行わないで来た。しかし、今、この時点で権利条約を批准しようというときに、日本国が精神の領域をどれだけ大事に思っているかということにかかってくると思うのですね。犬の遠吠えだとお思いになるかもしれないけれども、私は日本人として、ここはきちっと、内閣もですし、だから総理大臣とあえて書きましたけれども、日本の政府も国民も、いかに今まで、ハンセン病よりははるかに大勢の方が犠牲になってきた以上は、ここできちっと大きな予算を取るぐらいの覚悟で、厚労省だけではなくて、みんなが望んでいく、そのぐらいの覚悟を持ちたいと、そう思っています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 その他、関連して御意見ございますでしょうか。
では、それに限らずということで、御意見、御質問ございますか。河崎構成員、お願いいたします。

○河崎構成員
 今日はいろいろ御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。私も、今の医療費の問題、あるいは医療だけではなくて、精神障害者の皆さん方に対する施策全体のいわゆる財源の問題、今、堂本先生がおっしゃられたことが、誠に私も大賛成でございますし、そういうような形でこれからの財源というものを考えていかなければ、いろいろな施策が進まないと思っております。精神科医療の質を上げるためにも、多くの財源が必要であります。地域に移行することによって精神科の入院医療費が安く上がるというようなことでは、到底、精神科医療の質の向上は望めないと思っております。ですので、今の堂本先生の御提言を是非、厚労省初め国もしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 それと、1点、内容が変わってよろしいでしょうか。今日、実務的な話として、医療保護入院の入院時の手続のところで、日本精神科看護技術協会と全国精神保健福祉相談員会のお二方から、入院時に指定医1名の判断でいいのではないかと。その後、1週間後、あるいは10日後ぐらいにもう一度、委員会という形で、そこで再度チェックをしてというような御提案があったかと思います。これは、私たち医療の現場の人間からすれば、まず医療へのアクセスという部分ではスムーズに行くのかなと思うのですが、ただ、事後の審査の段階で、今回の非自発的入院が妥当ではなかったという状況になったときに、それまでの入院形態をどういうふうに考えるのか。仮入院のような形の扱いでどうだろうかという御提案もあったりしたのですが、その部分がどういうふうに具体的にはお考えなのかということを教えていただきたいのと、その間の入院費用をどういうふうに考えるのかというところも、お考えがあれば教えていただきたいと思いました。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、まず、看護技術協会からお願いします。

○吉浜文洋氏(日本精神科看護技術協会)
 日精看の吉浜ですけれども、精神衛生法の時代でしょうか、仮入院という制度がたしかあったはずです。診断をはっきりさせるための入院ということだったと思います。そのときの運用の仕方が参考にならないでしょうか。それをイメージして「仮入院」という言葉を使ったのです。

○河崎構成員
 仮退院はたしか措置入院の際の制度ですが、仮入院は、白石先生、いかがですか。

○白石構成員
 精神障害を疑われるけれども、病気の診断が確定していない状態のときに入院をするということではないかと思います。

○吉浜文洋氏(日本精神科看護技術協会)
 それは入院は入院ですから、入院費は御家族なりが負担するということになったのでしょうか、その当時は。

○河崎構成員
 そうだと思います。

○吉浜文洋氏(日本精神科看護技術協会)
 それと同じような扱いでどうだろうかと考えています。

○福田精神・障害保健課長
 全国精神保健福祉相談員会。

○金田一正史氏(全国精神保健福祉相談員会)
 今日申し上げたことについては、必ずしもいろいろなことを厳密に、現実的に積み上げができている訳のものばかりではありません。ただ、先ほどの医療費の話も含めて、非自発的な医療に関して、今は議論されてはおりませんけれども、強制医療と強制入院は本来別なのでしょうけれども、どう考えるかという問題があろうかと思います。御質問の医療費の件ですが、後で院内で妥当でないという判断が出たものを御本人に負担を強いるというのは、どうやっても無理だろうと思われます。では、どうするのかという部分に関して、今すぐお答えできるものはありません。これは本来的には入院させた医療機関が負担すべきだろうと言いたいところですけれども、そうすると医療機関の院内の審査が適正に行われるかという危惧がないわけではなく、その辺の考え方はさまざまあろうかと思います。ただ、これを御本人に負担しろというのは相当無理があるだろうと思います。
それまでの入院に関しての位置づけをどうするかということに関しては、少なくとも医療が必要でと判断し、治療行為を行っているということである限りは、それはその範囲で医療だということになると思われます。問題はそれが適正な形だったかどうかということであり、その時点を遡って何かをどうするということは無理があって、現実論で、その時点ではこういう入院が必要だと判断したけれども、改めて審査したら、それは妥当でなかったと言わざるを得ないだろうと思うのです。ただ、どう整合性をつけるかというのは確かにございます。そこは難しい部分があるのかもしれません。
 あと、もう一点は、指定医1名でというのは本当にいいのか、同意もないところでいいのかという議論も確かにあると思うのですが、現状からして、それを変えられるのかという問題と、例えば、救急の問題や、当直体制下というときに、複数名の指定医や、院内のほかの職種の同意だとか確認等関与しましょうといっても、これも形骸化する可能性は相当あるということを考えると、まだしも事後審査的な院内の適正化委員会の方がはるかに機能するのではないかという意味での提案でございます。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 山本さん、関連しての御意見でよろしいですね。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 はい。国の法律で、国権をもって人を拘禁するのですから、医療保護であろうが、措置であろうが、措置が保険優先になったこと自体がそもそもおかしい。これは全部100%国費にするのが筋です。感染症は100%国費のはずです。そのようにするのが筋です。そうしなければならないと私は考えています。
 それから、もう一点、強制入院と強制医療は違うのですけれども、日本の法体系では、運用実態は別として、強制医療は法的に保障されていません。したがって、精神保健福祉法を厳密に運用すれば、医療なき拘禁というのは当然続くわけです。勿論、運用実態では、薬飲まないと退院できないわよと言われて、しようがなくてみんな飲みますけれども、強制医療法は幸い日本にはないのです。それから、保護者の代諾権というのも法律上はないです。運用は別ですけれども。その辺りを、人身の自由剥奪と強制医療の問題、あるいは医療なき拘禁という問題も、これから考えていかなければいけない。障害者権利条約の視点、国際自由権規約及び憲法の視点、そして医療法の思想、そこからもう一度すべてを考え直さなければいけない。まさに抜本的な議論が今、必要なのです。こういう小手先の議論では、とてもとても条約の批准はできません。私は、内閣府が医療保護入院だけ御検討くださいとおっしゃったというのはとても信じられません。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員
 ありがとうございます。P協会にお伺いしたいのですけれども、医療保護入院の今後の制度の在り方について、保護者の方の負担をきちんと減らすことと、あと、当事者の方の権利擁護を何よりもきちんとできる制度をつくることが大事だと考えますが、ここで御提案されている中で、医療機関の精神保健福祉士によるソーシャルワークの観点に基づく意見をと書いてありますが、ソーシャルワークの観点に基づく意見というのは具体的にどのようなことを言うのでしょうか。例えば、そこに地域生活の維持について必要な情報提供や、心理社会的アセスメントと書いてありますけれども、これも具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
ソーシャルワーカーというのは恐らく権利擁護というのが一番重要な仕事であると思いますけれども、権利擁護をきちんとしていく作業に関わるとともに、権利擁護が可能な制度をきちんと提案する責任があると思います。そういった観点から、今、御提案されていることが本当に機能するのかどうか。もし機能しない場合には責任を伴うと思いますし、その辺、非常に大きな社会的責任を負うというふうに理解します。先ほどお話の中に、そういったことを実現するために、きちんとした研修制度を整えるというお話がありましたけれども、それも現状でどのような研修制度をお考えなのか、その点をお聞かせください。

○福田精神・障害保健課長
 では、大塚さん、よろしいですか。

○大塚淳子氏(日本精神保健福祉士協会)
 ありがとうございます。その前に、先ほど財源のことで、地域移行したらそれだけで大丈夫なように申し上げてしまったようなので、そこは撤回をしたいと思います。
 今、いただいた御質問なのですが、研修制度のことについては、先ほども申し上げましたように、精神保健指定医のようなものを例にしながら、今後検討をしていただく機会があればと思っておりますので、現段階で明確なものを持ってはおりませんが、倫理綱領をきちんと持ち、権利擁護の価値をきちんと学ぶことを前提にして、その上に国が指定する、こういう非自発的入院に関与するといったことで必要な内容を盛り込む研修が必要なのだろうと思っています。
 それと、ソーシャルアセスメントというか、心理社会的アセスメントのところですが、私ども、先ほど申し上げましたように、今、例えば、同意制度がありますが、家族の方とか市町村長の同意がどの程度実質的な責任を伴っているかということについては非常に疑問を持っているのですね。むしろ地域生活が非常に難しくなっている、例えば、御家族に対する支援も足りないとか、そういうことも含めて、社会的なその人の生活状況、それから、周囲の関係と、その方がどういう関係性にあるかということを全て含んで周りの状況を確認し、情報提供するという意味から、心理社会的なアセスメントというふうに申し上げました。
後ろに参考資料として、私どもの業務指針から医療分野のところを抜き出しております。これができないと重たい責任がありますよというのはまさにそのとおりだと思います。先ほど東京の事例と静岡の事例を入れさせていただいている説明をいたしましたが、ここできちんと、すべての患者の外来受診や入院のときに、そういった生活環境状況を確認をして情報提供することによって、また、その後の地域関係者とのケア会議によって、医療保護入院した方たちのパーセントがそれなりに高い病院でありますが、1年を超える方たちのパーセントは大変少なく持っていっているということがあります。ですので、この退院支援を強化するという観点からの意見を述べさせていただきたいという役割なのだと思っております。具体的に一つひとつは申し上げられませんが。

○福田精神・障害保健課長
 西田構成員。

○西田構成員
 済みません、短く。先ほどソーシャルワークの観点に基づく意見をという、そのための研修だというふうに理解しましたけれども、指定医のような研修というのは、医療の必要性の判断を指定医の方がするのに対して、権利擁護をきちんとするという、そういう研修が必要なはずですけれども、そういった観点の認識はいかがでしょうか。

○大塚淳子氏(日本精神保健福祉士協会)
 ありがとうございます。ソーシャルワークの観点からというところは、例えば、私どもの協会で持っている生涯研修制度の中でもいけると思っているのです。ここに更なる国が指定するような研修と申し上げた理由は、この間、検討会の中で懸念をされている、雇用されている関係の中で、医師に対等にきちんと意見を言えるのか、権利擁護の観点からちゃんと意見を言えるのかといったところについて、もう少しきちんと研さんを積んだ形で、対等に意見を言えるだけの質を社会的に評価いただくような研修というふうに考えている次第です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、中島構成員、そして広田構成員。間もなく8時になりますので。

○小川構成員
 今の件で。

○福田精神・障害保健課長
 では、小川構成員、手短に。

○小川構成員
 先ほどの話だとすると、医療観察法の枠組みと似ているような感じがするのですけれども、その辺と関連はどうなのでしょうか。

○福田精神・障害保健課長
 大塚さん、何かありますか。

○大塚淳子氏(日本精神保健福祉士協会)
 たくさん御質問いただいてありがとうございます。ある部分で参考にしております、例えば、参与員の方々とか、医療観察法の医療機関に勤める者とか、すべて研修が必要になっているかと思いますけれども、そういうような一定の質をきちんと担保したいということでございます。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、中島構成員。

○中島構成員
 質問ではなくて感想を述べますので、お答えは結構です。
1つは、今日のヒアリングについての全般的な感想ですけれども、職能団体の意見というのは、やはりそれぞれ程度の差はあれバイアスがかかっています。このバイアスを取り除かないと本当の意見は見えてこないというのが非常に残念でした。特に精神保健福祉士協会に質問が集中したということをよく考えてもらわないと困るということですね。
 それから、全体として、理念として、やはり堂本先生の意見がベースとして最も大切なところを押さえていると感じました。具体的には、今、どうするかということになると、岩成先生が言ったのが大体よろしい。それで足りないところは、築島先生のところからつまみ食いをする。これで大体いけるのではないかと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 広田構成員、お願いします。

○広田構成員
 いいですか。中島劇場終わり。私、今、議事録を構成していて、時間を延長しなければいけないのではないかと発言したら、中島先生が茶々を入れて、延長しないことが決まった議事録を今日読んでいるわけですよ。
私も感想です。この場で何度も言っています。なぜ医療保護入院が14万人もいるのか。この瞬間も、全国で薬を飲むわけです。一斉に8時に。そして9時に寝かされている、この実態。3年何か月前の統計では、32万3,000人が入院している。申し訳ないけれど、地域に仲間たちが出ていったときに、この人たちで成り行くのかと、私、本当に思います。こちら側の構成員の方々も、そちら側の職能の方々もね。
私は、今日も帰れば、夜中の2時まで、多分、地元の警察にいます。救急隊も患者を預けに来ます。神奈川の精神科救急医療が満床の場合など。救急車が出ないところもたくさんあります。出ても行き先がなくて、警察に預けている実態もあるわけです。そしてその警察では泥酔者用の保護室というのがあって、この間、関係者に入っていただきましたが、かつてはそこに入れていました。けれど、入れたら、昔そこで亡くなってしまったことがあったのです。神奈川県警のある署で。そういうようなことがあると、警察だけがたたかれますから、そういうことができなくなってきて、結果的には今は取調室で、そこに警察官が2~3人張りつくのですよ。警察学校出たての交番のおまわりさんが張りつくのですよ。これが日本の精神科救急の実態ですよ。
そして、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、いわゆる3県市の精神科救急は、ソフト救急に私のような危機介入の相談員が電話しても、「保護者がいないから医療保護入院に持ち込めないから、警察官通報をかけてくれ」と、これが実態ですよ。そういうことを置き去りにして、かっこいいことを皆さんおっしゃるけれど、地元でどんな生活をなさっているの。地域住民としてどんな生活をなさっているの。地域支援とお話されるけれど、地域支援員などという人はどこにいるの。専門家で。聞きたいぐらいですよ。何て仲間が言ってくるか。「ソーシャルワーカーと言うけれど、社会を知らない」、こういうことを言っていますよ。そういうことで、もう少し自分たちの身の丈に合った話を持ってきてほしい。こういうところを皆さんのハローワークにされては困るということですね。コンシューマーとして。
 それと、堂本さんのおっしゃるとおりなのです。内閣総理大臣がこの国の隔離収容施策を高らかにやめますと、お金をかけるかどうか。私、岩成先生のところにお願いに行ったのです。生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会に入ると、いろいろな福祉事務所は言うのです。「精神どころではないですよ、もっとたたかれます」ということですから、「疲れたら私はストレスケア病棟に入院することになっています」と昨日発言したばかりです。入院することがなぜ私にとって大事かというと、私自身の思考回復のため、そして病院に改革してもらわなければいけない。あそこのスタッフも遅れているのです。誰が遅れているかといったら、看護師なのです。医療保護入院の拘束は、精神保健指定医の権限というよりも、現場の看護師が面会者に会わせないのですよ。入れさせないのですよ、病棟に。これが実態ですよ。そういうことをお話にならないで、バイアスどころの騒ぎではない。そんな建前ばかり、がらがら、がらがら話したって、この瞬間も32万3,000人、まして医療保護入院の14万人、申し訳ない、皆さんも私も税金もらってここへきているのですよ。もっと親身になって、がらがら笑っていないで、冗談ではないのですよ。そういうところに入れられて、本当に国内の拉致被害者ですよ。そういう人をどうするかというところですよ。
眞理ちゃんは、本当に、アイルランドの時のように元気になった。95年に一緒に行ったとき、ロザリン・カーター夫人に会いました。世界のユーザー、コンシューマー、サバイバーは最前列に座ったのです。世界精神保健連盟世界会議。そのときに3人、日本から行っています。当時、日本が貿易でアメリカからたたかれていました。そのとき、私は日本語でしか言いませんけれども。彼女は英語で、「貿易のバッシングだけでなくて人権のバッシングもして」と言ったそうです。

○山本眞理氏(全国「精神病」者集団)
 貿易のバッシングもいいけれども、人権問題もバッシングしてと。

○広田構成員
 そのときのあなたに戻ったから、私は安心しました。あなたももう少し地域を勉強してと言ったら、あなたが倒れてしまうから。私は警察とか救急の勉強をしていますけれど。有村さんは、現在、全精連の事務局長で、今年、9月29、30日に私は全精連の実行委員長をやって、将来も今までも全精連の役員にはならないけれど、全国の仲間が安心して集まって、こんな話ができればいいという夢を持っています。それと難しい話を、国民不在だし、患者不在だし、もっとわかりやすい言葉でやっていただかないと。本当に何度も言いますけれど、国民の精神科にしたい。小川忍ちゃんがこの間、言っていましたよ。一般の医療と同じように精神科をしたい。そうではないですか。
それを、何だか英語ばかりいっぱい使って、ここは日本ですからね。高校生や中学生や大学生にも十分伝わって、みんな国民が考えて、今、日本の国がどうなっているか。大変な社会ですよ。全部110番、全部119番。そういうような管理社会で、本当に見張っているような社会をがらがらぽんして、あそこにおかしな広田和子さんがもんぺで座っているわと言っても通報されない、中島先生が大あぐらをかいて、おかしな眼鏡の男がいるぞと言われても、ああいう男も社会には必要よというような、そういうふうな、ドラスティックに変えることもせずに、制度だけいじったって、結局は警察と自宅の行ったり来たりなのですよ。そういう現実を見て、そして現実に近い理想に向かっていかないと、先日も言いましたけれど、親しい記者たちが、「日精協もおかしいけれど、こころの構想会議はもっとおかしい。」と言っている。この会議はもっとおかしいかもしれないです。ですから、是非、国民の精神科医療になるように、地元で活動はしなくていいから、一住民として地域の子どもたちとか、そういうのを見てほしい。センター長に言っておきますけれど、横浜市こころの相談センターも神奈川の精神保健福祉センターも、自殺の数を減らすということで、やたらうつ予防ではなくて、うつの早期発見、早期治療の講演等をして、全部精神科に取り込んでいるのですよ。今の精神障害者を治せない精神科医療が何を抱えるのというぐらいで。そういうことです。何しろマンガチック過ぎますから、もっと大人の。健康になるような論議をしてほしい。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。

○堂本暁子氏(有識者)
 質問があるのですけれども、1つだけ。

○福田精神・障害保健課長
 では、堂本さん。

○堂本暁子氏(有識者)
 およそ2時間、ずっと後ろで手を挙げている方がいるのですが、傍聴席の発言は今日は許されているのか、許されていないのか、伺いたくて手を挙げました。

○福田精神・障害保健課長
 基本的には認めておりません。
 それでは、予定された時間も過ぎております。10組の皆様方、今日はお忙しい中、御協力をいただきましてありがとうございます。また、構成員の皆様方も併せまして、活発な御議論、また問題提起をいただきました。今後の作業チーム、そして検討チームでまた検討を深めてまいりたいと思います。
 では、次回以降の日程につきまして、事務局から。

○本後課長補佐
 ありがとうございました。
 次回以降の日程につきましては、まず、作業チームでございます。5月10日木曜日17時30分から、場所は厚生労働省専用第12会議室、12階の公園側で予定しております。作業チームは、5月10日の後、5月30日、6月14日の2回開催いたしまして、その後、検討チームを開催させていただきたいと思います。検討チームについては、6月28日木曜日17時30分からを予定をしております。よろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 本日もお忙しい中、大変ありがとうございました。以上をもちまして閉会といたしたいと思います。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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