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2012年6月15日 急性期医療に関する作業グループ第8回会合議事録

医政局総務課

○日時

平成24年6月15日(金)15:00~17:00


○場所

専用第18・19・20会議室(17階)


○議題

-

○議事

○医療政策企画官 若干、定刻よりも前ですけれども、皆様、おそろいでございますので、ただいまから「急性期医療に関する作業グループ」第8回会合を開会させていただきます。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 まず、初めに、本日の御出欠について御報告申し上げます。
 本日は、尾形裕也構成員、永井良三構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 お手元に議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料として一般病床の機能分化の推進についての整理案というのを1つお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。
 また、これまでの作業グループでの資料等は、前回同様にファイルとして御用意しておりますので、適宜御参考にしていただければと思います。このファイルにつきましては、会合終了後、机に置いたままにしていただいて結構でございます。
 事務局からは、以上です。以降の進行は、座長にお願いしたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。
○田中座長 では、構成員の皆様、こんにちは。お集まりいただきまして、ありがとうございました。
 早速ですが、議題に移ります。前回の会合において、私たち、そろそろ医療部会に報告しなければならないとまとめました。そのための、このグループの議論を整理した資料をつくるように事務局にお願いしました。
 その資料ができ上がってきておりますので、簡単な説明の後、文章、量も多くないので、一応、読み上げて確認したいと思いますので、よろしくお願いします。
 課長、どうぞ。
○総務課長 それでは、私の方から資料の読み上げをしたいと思います。
 今、座長からお話がありましたように、これまでの議論を踏まえて整理をさせていただいた資料ということになっております。
 お手元の資料でございますが、表題「一般病床の機能分化の推進についての整理(案)」ということでございます。
 3行目のところですが「1.基本的な考え方」ということでございます。
 5行目からですが、今後の本格的な少子高齢社会を見据え、医療資源を効果的かつ効率的に活用し、急性期から亜急性期、回復期、療養、在宅に至るまでの流れを構築するため、一般病床について機能分化を進めていくことが必要である。
 地域において、それぞれの医療機関の一般病床が担っている医療機能(急性期、亜急性期、回復期など)の情報を把握し、分析する。その情報をもとに、地域全体として、必要な医療機能がバランスよく提供される体制を構築していく仕組みを医療法令上の制度として設ける。
 この仕組みを通じて、それぞれの医療機関は、他の医療機関と必要な連携をしつつ自ら担う機能や今後の方向性を自主的に選択することにより、地域のニーズに応じた効果的な医療提供に努める。
 これにより、急性期医療から亜急性期、回復期等の医療について、それぞれのニーズに見合った病床が明らかとなり、その医療の機能に見合った医療資源の効果的かつ効率的な配置が促される。その結果、急性期から亜急性期、回復期等まで、患者が状態に見合った病床でその状態にふさわしいより良質な医療サービスを受けることができることにつながる。
 将来に向けて、急性期医療から亜急性期、回復期等の医療について、それぞれの機能に応じた資源投入により体制を強化し、入院医療全体について機能強化を図る。
 こうした仕組みを通じて、それぞれの医療機関が担っている機能が住民・患者の視点に立ってわかりやすく示されることにより、住民や患者が医療機関の機能を適切に理解しつつ利用していくことにつながる。
 2ページ目になります。「2.医療機能及び病床機能を報告する仕組み」。
 (医療機関が担っている医療機能を自主的に選択し、報告する仕組み)
 各医療機関(診療所を含む。)が、その有する病床において担っている医療機能を自主的に選択し、その医療機能について、都道府県に報告する仕組みを設ける。その際、医療機能情報提供制度を活用することを検討する。
 報告は、病棟単位を基本とする。
 (報告すべき内容)
 各医療機関は、急性期、亜急性期、回復期その他主として担っている医療機能の内容を報告する。
 報告する医療機能毎に、提供している医療の機能や特性、人的な体制、構造設備などの病床機能についても併せて報告する。報告を求める各医療機能の考え方や具体的な内容については、医療提供者や利用者の意見も踏まえながら、医療部会の下に設ける検討の場において、別途検討を進める。
 (報告とその内容の閲覧、都道府県による公表について)
 各医療機関は、定期的に、都道府県に報告するとともに、報告した事項について、当該医療機関において閲覧に供するなど患者や住民にわかりやすく提供する。
 都道府県は、各医療機関からの報告の内容について、患者、住民にわかりやすい形で公表する。
 「3.地域において均衡のとれた機能分化と連携を推進していくための方策」。
 地域において急性期、亜急性期、回復期等の医療を提供する病床などが、地域の医療ニーズに対応してバランスよく配置されることにより、地域全体として適切な機能分化と連携を推進し、地域医療の充実を図る。
 具体的には、都道府県は報告の仕組みを通じて地域の各医療機関が担っている医療機能の現状を把握する。こうした現状や高齢化の進展を含む地域の将来的な医療ニーズの見通しを踏まえながら、医療提供者等の主体的な関与の下で、新たに医療計画において、今後のその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療のビジョンを地域ごとに策定する。
 国において、予め、都道府県に報告された医療機能に係る情報を分析し、地域において均衡のとれた医療機能を適切に推進するための地域医療のビジョンに関するガイドラインの作成等を医療提供者や利用者の意見も踏まえ、検討。その際、医療資源の限られた地域等について、地域の実情に応じた配慮も併せて検討。
 上記の機能分化の地域医療のビジョンの策定については、医療機関からの情報を踏まえ行うものであることや都道府県の準備期間を考慮し、次々回の医療計画の策定の中で検討。
 国は、各地域の病床機能の現状を把握、分析し、地域の実態も踏まえ、医療法における医療機能の登録制など位置づけのあり方や病床区分の見直しについて今後検討を行う。
 「4.国や都道府県、医療機関、患者・住民等の役割について」。
 機能分化を推進するに当たっての基本的考え方や、国や都道府県、医療機関、患者・住民等の役割について、医療法に位置づける。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。構成員の皆様方の御意見を踏まえて、個別には、それぞれ違うところがあるかもしれませんが、まとまりそうな原案としていただきました。この説明や資料を踏まえて、皆様から、最後の会で意見を伺いたいと存じますが、何かおありでしょうか。
 高智構成員、お願いします。
○高智構成員 今日は、1回しか発言するつもりはございませんが、前回まで、7回に及んだ議論の過程におきまして、認定、そして、登録の双方を検討してきたわけですが、いずれも懸念されるところを払拭できないというような意味の御意見が提出されたことに伴いまして、さらなる検討の結果として、今日、御報告がございました報告という出口を見出したと理解いたしております。
 私どもといたしましては、登録、すなわち手挙げ方式、報告、すなわち全医療機関カバーという方向にシフトするものと判断しております。
 すなわち、診療所の取扱いにつきましても、この場で御議論があったところでございますけれども、本日の御説明を素直に解釈いたしますと、報告の中には、おのずと診療所を含む、全保険医療機関が対象になるということで、地域医療全体の実態を客観的につかみ、地域住民に対して、必要かつ有益な情報を提供できるようにする仕掛けが整えられていくものと期待しております。
 特に、主張しておきたい点といたしましては、都道府県の役割はとても大きいということだと思います。
 2の3つ目の○でお示しいただいておりますが、医療部会の下に設ける検討の場というのが出ております。当該検討の場には、都道府県から分野のエキスパート、実務的にもエキスパートな方に、当然、御参画いただくのが筋と思っておりますが、その考え方、理解でよろしいか、後ほど事務局からお答えいただきたいと思います。
 一方、地方人事の特色といえば、それまでのことなんですが、総じて都道府県には、医療政策、実務面におけるエキスパートが育たないという実態がございます。今後、一般的な人事異動では対処し切れない特殊性、専門性などに着目した、登用あるいは配置というものが大変重要な視点になっていくことは間違いないと考えております。いくらよいスキームをつくっても、それを動かすスキル、ノウハウ、そしてフィロソフィーを兼ね備えた人材の確保、活用につきまして、国は、これまで以上に都道府県と連携を保っていただきたいとも考えております。
 なお、検討の場には、実務経験豊かな方々の御就任についてお願いしたいと、地域住民、患者からの期待に応えていただくことこそが、一番大事な着眼点と思っている次第でございます。
 今日、お示しいただきました資料、全般的には了承させていただきたいと思います。
○田中座長 都道府県の医療政策人材に関する御発言は、大変大切な点でございました。今後、設ける部会について御質問がありましたが、何かお答えになりますか、部会ではなくて、検討の場ですか。
○総務課長 この中で、今後、設ける部会、医療部会の下に設ける検討の場というふうに記しておりますが、具体的には、更にこれから検討してまいりたいと思いますが、御指摘のような地域医療の観点というのは、非常に重要な観点だと思っておりますので、そういった点も含めて検討していきたいと思います。
○田中座長 皆さん、一言ずつ、反対と言われても困るのですけれども、おおむねよいと言っていただかないと、最後の会になりませんので、よろしくお願いいたします。
 では、西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 まず、質問です。1ページの12行目ですが、構築していく仕組みを医療法令上の制度として設けるということです。最初は、急性期病床群というものを医療法上に位置づけるというところから議論を積み重ねて、こういう表現に変わったと思っております。
 ということは、これは、最初の急性期病床群を医療法上に位置づけるということとは全く違って、あくまで仕組みを位置づけるということだと解釈しますが、まず、具体的にこの辺りのイメージというのを説明していただければと思います。
○田中座長 課長、お願いします。
○総務課長 今回の1ページ目に書いてありますような仕組みというものは、まさに2ページ目、3ページ目に具体的に記しているところであります。こういったところを医療法令上位置づけていくということになるとおもっていますが、2ページ目のところの情報の報告制度、報告をする仕組みでありますが、医療機能情報提供制度の活用を検討すると書いています。大まかなイメージは、こういうイメージをベースにしながら、基本的な枠組みというものを、仕組みというものを位置づけるということになると思います。
 もともと、御指摘のあったような急性期病床群を法律に位置づけるということではなくて、こういう報告の仕組みというのを位置づけるということだと思います。
 それから、3ページ目にありますような地域医療計画に、こういう仕組みを盛り込むことができるようにしていくということも併せて法的な整備が必要になるというふうに思います。
 4ページ目にありますが、各関係者の役割といったものについては、医療法に位置づけるということが大きな骨格になると思っております。
○田中座長 西澤構成員、よろしゅうございますか。
 どうぞ。
○西澤構成員 今のは理解いたしました。
 もう一つ、3ページの20行目ですが、ここに上記の機能分化の地域医療のビジョンと書いているんですが、ちょっと文言がわかりづらいのかなと。上の方、12行目辺りでは、その地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療のビジョン、ですね。だとすれば、この下の方も単に機能分化ではなくて、もう少し考えた方が文言としてわかりやすいんじゃないかと思いますので、修正が可能であればお願いいたします。
○田中座長 中身より「の」が4つくらい続くとは、余りうまい文章ではないですね、そこはちょっと工夫が必要かもしれません。
 どうぞ。
○総務課長 上に書いてあるビジョンと下に書いてあるビジョンは同じものですので、下の方を上記のビジョンというふうにすれば、誤解はないかなと思います。
○田中座長 御指摘ありがとうございました。
 西澤構成員、おおむねよろしゅうございますか、全体を通して。
○西澤構成員 一気に言ってしまいますが、25行目、ここに登録制などの位置づけとあるんですが、この議論の中では、登録制それ自体にかなり批判的な意見もあったと思います。登録制ではなくて、手上げ方式だとか、いろんな提案が出ていて、そこで議論が止まっていたんではないかと思うんですね。
 ですから、ここは登録制などのということで、今までのいろいろな議論を含めて書いているということであれば、それはそれでいいんですが、ここだけ見てしまうと、登録制を入れるというように読み取られると、私たちもバックから言われたときに答えられないので、その辺りの表現をもし変えられるのであれば、変えていただいた方がいいという気はいたします。
○田中座長 登録制が例示であると、いろいろな案の例の1つであるとわかった方がいいということですね。
○総務課長 私どもの理解としては、まさに登録制などの位置づけの在り方ですから、あくまでも例示ということで表現しているつもりでございます。
○西澤構成員 ほかの構成員の方がこれでいいのであれば、それで結構です。
○田中座長 団体への説明に当たっては、これは、あくまで例示であると、今、課長が明言しましたので、そういうふうに言っていただければよいと思います。
 どうぞ。
○中川構成員 今のところは、もう一度私も確認したいんですが、登録制など「の」と入れるんですか。
○総務課長 「など」です。
○中川構成員 これは、登録制ありきということではないということですね。
○総務課長 はい。
○中川構成員 それで、1ページ目の22行目から24行目なんですが、それぞれの機能に応じた資源投入により体制を強化し、入院医療全体について機能強化を図ると、一番重要なところは、それぞれの機能に応じた資源投入というところなんですね。医療資源の投入、これは、また言いますが、一体改革素案大綱の、あそこに書かれていた医療資源の投入を意味するのではないですね。これから、どのように機能に応じた資源投入が必要かも議論していく、検討していくということですね。いかがですか。
○総務課長 まさに、今回、こういう仕組みを設け、現状を把握し、地域の医療のあるべき姿がどうかというのを描く仕組みを設けるわけですから、それに応じて、資源投入というのを併せて考えていくということになると思います。
○田中座長 今回、初めてデータがわかるものもこれから出てきますから、それに応じて考えるということですね。
 いかがでしょう、花井構成員、お願いします。
○花井構成員 私は、当初の案から大分違ってきているという印象がありましたが、それでも、一般病床の機能分化の第一歩であるというふうに、この作業グループが、これで合意できるのであれば、一歩前進ということで、今回の案を了解したいと思います。
 その上で、是非ともお願いしておきたいのは、3ページの20行から22行にかけまして、次々回の医療計画の策定の中で検討を行うということ、ここの次々回ということで、ある意味、年限が限定されたと思いますので、是非ともこのことは実行していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 以上でございます。
○田中座長 議論の中で、少しずつ表現は変わってきていますが、一歩前進したと言っていただきましたから、当然、日本の高齢化のスピードを考えたら、次々回の医療計画というのは、これはマストですね。ありがとうございました。
 ほかに、日野構成員、お願いします。
○日野構成員 高智構成員の、非常に格調高い、最後の一言で、私、何も申し上げることはなくて、結構かと思います。
○田中座長 相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 おおむね全体的な方向と在り方というのは、これでいいのではないかと思うんですが、ただ、常々思っていて、ここで言うべきことではないかと思うんですが、地域とか、地域全体で適正な医療機能分化を図ってということと、医療計画においてというのが、うまくと言ってはいけないかな、上手に使い分けされていて、医療計画というと、地域というのは、ほとんど二次医療圏イコール地域という考え方だと思うんですが、しかしながら、二次医療圏そのものが、やはりうまく機能していないところもあって、地域という概念と、医療計画における地域という概念が同じようでありながら、違うものを指しているような気がするんです。
 それで、地域住民にとっては、医療計画における二次医療圏ではないところで、機能分化をしたりとか、あるいは住民があちこちに行ったりしているという中で、この文章を読んでいくと、地域ということを使っていながら、急に医療計画においてというのが出てきていて、では、地域という概念というのを、どこかでもう一度討議する場を、私は設けていただきたいなという具合に思います。この場で言うべきことではないのかもしれませんが、そのところが、皆さんが考えている地域という概念と医療計画の地域という概念が微妙にずれると、違うではないかという話が起こるということを、ちょっとだけ懸念をして申し上げさせていただきました。
○田中座長 ありがとうございます。介護の方は、地域包括ケアシステムではっきりと中学校区という、日常生活圏、ずっと狭い単位の地域と定義しているのに比べ、医療の方は、先生おっしゃるとおり、場合によって使い分けています。だから、今後の地域の配分を論ずるときには、いろいろな方の意見を伺うべきだと思います。ありがとうございました。
 どうぞ。
○中川構成員 3ページのところの中段以降なんですが、国がガイドラインをつくったり、都道府県において、新たな地域医療のビジョンを策定するという場合に、国のガイドラインに対する解釈の温度差が都道府県で非常にあると思うんです。格差といいますか。
 それで、前回、国のガイドラインは都道府県を拘束するというか、縛るものではないというふうにするべきだと申し上げましたけれども、逆に、都道府県の考え方によっては国のガイドライン以上に厳しくする場合もあり得るんですね。その辺のところは、国がガイドラインを作成する場合に、やさしさというか、医療もそういうことではないんだということがわかるような、そういう検討もしてほしいなと思っています。
 今回、現状認識をまずすることが非常に大事だということを、私は何度も申し上げましたが、そのことに理解をしていただいて、このような案をまとめていただいたということについては、非常に評価したいと思います。いろんな今までの議論と、それから、今までいろんなものが出てきましたけれども、更に調査結果を冷静、正確に十分に分析、検討して、各地の地域医療が本当に充実することを目指してやっていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。情報を把握し、分析するところが先に来るように変わったことを評価していただきました。ありがとうございました。
 一当たり、よろしいですか、西澤先生もよろしゅうございますか。
 どうぞ。
○西澤構成員 総論的には、これで賛成です。ただ、1つお願いしたいことがあります。4ページ目のところですが、国や都道府県、医療機関、患者・住民等の役割について、医療法に位置づけるとありますが、医療法というのは、どうも今まで、歴史を見ると変わってきたという気もしております。最初は、要するに施設基準といいましょうか、このような設備を持てとか、あるいは人員配置とかということであったのが、途中から、医療提供の理念とか、患者との信頼関係とか、いろいろ入ったと思っています。
 そういうことで、医療法自体がどうも歴史の中で変わってきているのではないかと思います。この辺で、一度、医療法とは、何なのかという議論をどこかでやっていただいた方がいいと思います。
 というのは、今、我々の団体もそうですが、いろんなところで、医療基本法という議論もしているんですが、どうも、医療法とかぶっている面もあると、とすれば、そういう議論が、今されているということも踏まえながら、1回、議論をしていただいた方がよろしいかなと、そのように思います。
○田中座長 研究的な検討会などは別として、基本的に医療法を論ずるのは、医療部会という理解でよろしいですね。最後は親部会のところで議論をすることになるのではないでしょうか。ありがとうございます。
 ほかに、何かございますか。今まで出たのは、文言の修正が1か所で、3ページの20行目、少し短くすることだけが出ましたけれども、それは対応します。
 相澤構成員や西澤構成員から、この報告に、私たちの議論の整理以外にも、もうちょっと別の話をしていただきました。地域についてとか、医療法の在り方とか、まだ、少し早いので、時間がありますので、何か離れた事柄で、本作業グループに課された議題以外でも、是非、将来は、こういうことを検討しておくべきだという日ごろの御意見がありましたら、高智構成員、どうぞ。
○高智構成員 本体以外ということで、発言を許していただきました。そもそも、患者さんのため、地域住民のためという視点が非常に重要なことだと、ずっと思っていましたが、どちらかというと、医療側の皆さんからの視点が多々あったと思います。是非、ここは、もう一度オールラウンドで見ていただきまして、やはり主役は地域住民なんだと、地域住民を医療側の皆さんも、是非、応援団として取り入れていただくことによって、全体がWinになるんではないかと思います。是非、こういう御理解を更にふくらませていくことが非常に大切だと思いました。
○田中座長 どうぞ、日野構成員、お願いします。
○日野構成員 先ほど、高智構成員の高邁な意見に全面的に賛成すると申したんですが、今の一言で撤回します。もう、これは会議が終わったということでよろしゅうございますね、終わったというか、本論は。
 私は、4ページの最後に、医療法に、患者・住民等の役割について位置づけるとあるんですが、今回、こんなことを言って絶対実現しないとは思いながら、今の高智構成員の住民とか、患者の意見というのが、ときにというか、だんだんとオーバーランするというか、モンスターペイシェントの問題が、今、かなり我々の間で問題になっていまして、そのことについて一言触れていただけるようなことになればいいなと期待しているもので、今の高智構成員の意見と全く逆でございます。
○高智構成員 それでは、ちょっとスポット的にごらんになり過ぎるんではないかと思うんですが、私は、普遍的といいますか、総じてという意味で申し上げたつもりなんですけれども。
○日野構成員 スポット的に話をしないと、問題は、スポットが拡大するんですよ。現場を御存じないから、そういうことが言えるので、現場で1人起こりますと、病院の全体の機能はストップしてしまうんですね。影響は非常に大きいんです。そのことが、余り表で論議するようなことではないので、余りにもどろどろしているので、余り取り上げられないし、マスコミもそういうことで、そういう人を敵に回したくないという力が働きますので、我々が本当に困っていることが、まともに論じられていないというのは、これは、本当に主題から離れてしまうことになって、認識としてでもいいですから、患者としてきちんと一定のルールを守ってもらわないと、大変なことになるという文言は、いつか出てくればいいなということを期待しております。
○高智構成員 今、御指摘いただいた点につきましては、私ども保険者の立場で、保険者を束ねる中央団体の立場でも、例えば、コンビニ受診は控えてください、これは、特に財政的な面もありますけれども、重複の投薬とか、危害が及ぶ場合もあるわけでございますので、そういった点は、日常的に保険者機能を推進する立場から、活動を繰り広げているところでございます。
 それから、モンスターペイシェントのことがあるから、患者あるいは加入者におとなしくしていろというようなニュアンスで対応することは、ちょっといかがかと思うんですね。勿論、どこの世界にも場違いの人、あるいは外れた行動をする人がいるわけなんですけれども、これを一絡げに言ってしまって、最も力を貸してほしい、支援をしてほしいという患者さんまで巻き込んでしまうということは、いかがなものかと、そのままでよろしいのかという議論にも発展するかと思います。
○日野構成員 こんなことを言っても切りがないんですが、おっしゃられることは逆でして、モンスターペイシェントが出ると、一般の良心的というか、普通の人が受けられるべきサービスが受けられなくなるという現状があるので、そういう認識をしていただきたいと思います。これは、現場の者でないと、体験がないと、なかなか実感できないんだと思いますが。
○高智構成員 ちょっと、私、ほかの先生の御意見も伺ってみたいと思っているんですが。
○田中座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 言い方を変えると、日野先生のおっしゃっていることは、モンスターペイシェントが出ると、結果的にほかの患者さんに非常に迷惑がかかるということをおっしゃっているんだと思うんですよ。だから、余り対立していることではないと思いますよ。
 それから、私は、医療機能情報提供制度をもっと活用しなければならないと申し上げましたけれども、一体、どのようにすると、患者さん、住民がわかりやすいのかということを、本当にそれだけを考えるということも必要だと思うんですね。これは、この制度の活用が十分ではないというのは、皆さん、認識していただきましたから、それで、これを徹底的に活用することによって、もし、非常によくなれば、それはそれでいいのかなと思いますし、無理やり新たな制度にこだわることもないのかなとも思います。
 ただ、1つの考え方として、患者さんは、自分が体調が悪くなったとき、もしくは家族が悪くなったときに、どこかの医療機関に行けば、逸早く適切な医療機関に紹介してくれるとか、受診することができるような、そういうシステムが実は一番理想だと思うんです。自分で、あそこは急性期だから、あそこは回復期だからと、患者さんが自分で調べて、その認識を持って受療行動、受診行動をするというよりも、どこに行ってもやってくれると、それがやはり最終的な理想ではないかと思うので、その辺のことも含めて、やはり今後考えていっていただきたいと思います。
○田中座長 多分、それは、共有できる理解ですね。ありがとうございます。
 どうぞ。
○相澤構成員 突飛もない話で申し訳ないんですが、自由の国、日本では、やはり自由に選べるという権利があるんですが、権利の裏腹としての義務がなかなか果たされていないというのは、私は、患者さんの側にもあると思うんです。例えば、未収金の話をしますと、もう初めから払うつもりがないんです。でも、普通は、無銭飲食をすると逮捕されます。患者さんは、一人も逮捕されたことがないんです。払わなくても、これは、国民としての義務を果たしていないと思うんです。自由に選ぶという権利がある反面、私は義務があるんだということを、是非、ここの住民等の役割について、私は書いていただきたいと。
 勿論、医療機関も患者さんにきちんとした医療を提供する、そして、それを知らせるという義務があると思いますが、例えば、今、いろんなネットで病院情報だとか、病院のランクだとか、いろいろ出ていますが、私は、県とかあるいは国が公的にちゃんと住民に知らせるということは、その情報が正しければ、非常に私は強いインパクトを持つと思うんです。
 そのために、先ほど、中川先生がおっしゃっていたように、住民にしっかりと知らせるんだということの中で、皆さんが勘違いしているのは、例えば、情報をインターネットで公開すれば、あたかも病院の情報をちゃんと知らせているように思っているんですが、これは、知らせているんではなくて、ただ、情報を掲示しただけなんです。掲示したということは、知らせているということではないんですね。そうすると、知らせるための手段というのを、やはりもうちょっとしっかりとしてもらわないと、掲示だけではだめなんだということも、是非、この4番の国だとか都道府県の役割、当然、私は、それは義務だと思うんですが、掲示だけではだめで、知らせるんだと、周知させるんだというところを、もし、書き込むんだったら書いていただきたい。
 この国の一番いいところは、やはり権利がある、でも、権利がある反面、絶対に義務があるんだということを、医療機関も都道府県も、それから住民も持ってもらうと、もっといい医療がつくれるんではないかと思っております。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。今おっしゃった精神は、医療法本体に書き込むのかもしれませんね。患者の義務については、我々は患者の義務を議論したわけではないのですが、精神は共有する。ありがとうございました。
 西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 今、なかなか、本当に面白い議論が、面白いといったら怒られますが、議論をずっとされていたと思います。それぞれの立場で、日野先生は、非常に現場で苦労しているので、かなり強調して、患者さんのモンスターペイシェントの状況を言ったと思います。やはりそのような実態があるということは、私たちも認識しておりますし、困っていますので、その辺りは、きちんと理解していただきたい。
 当然のことながら、患者さんというのは、権利を持っていますので、私たちもその権利を是非守っていきたいし、尊重したいと思っております。
 一方で、今、相澤先生が言ったように義務もあるということで、権利と義務は裏腹だということですが、そこにもう一つ責任という言葉も入るのではないかと思っています。権利と義務ともう一つ責任、それらがうまくバランス取るべきと思います。そして、患者さんだけではなくて、すべて、ここに書いてあるステークホルダー、国、都道府県、医療機関、患者、住民、当然、保険者を含めてそれぞれがいろんな権利、義務、責任があることを踏まえ、その辺りをうまく役割という中で書き込んでいくのがいいのではと思います。そのように、私たちも一緒に努力していければと思います。
 以上です。
○高智構成員 相澤先生と西澤先生の御意見、全面的に賛成または支持させていただきたいと思います。
○田中座長 医療を巡る問題意識が、基本的なところでは合意できているにしても、それで、取り組まなければならないことも多いし、それは、このワーキングだけではどうしようもないことも多かったです。
 一当たりよろしゅうございますか。
 では、お陰様をもちまして、皆様からおおむね合意という筋が出ましたので、今後のことを事務局、説明してください。
○医療政策企画官 本日、まとめていただきました、一般病床の機能分化の推進についての整理につきましては、早急に医療部会に報告したいと思います。
 また、本日が、最後の作業グループというふうになりますので、局長より、一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
○医政局長 一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 昨年の12月、第1回会合以来、約半年間に8回にわたりまして、皆様方から精力的に御議論をいただきました。また、いろいろ御心労もおかけしたということで、大変感謝申し上げます。
 お陰様で、こうした形で、本日、意見をとりまとめていただきました。心から感謝申し上げます。
 今後は、社会保障審議会の医療部会をできるだけ早く開催して、とりまとめていただいた内容について報告できればと思います。
 また、これまでの議論を通じまして、一般病床の機能分化を推進していくことの必要性について、共通の御理解が得られたものと思いますが、我々も、この整理に沿いまして、まずは情報把握、分析に努め、また、その施策を推進し、そして、地域医療の充実に努めてまいりたいと思います。
 今後とも、こういった施策の展開について、御協力をお願い申し上げます。
 特に、本日、とりまとめていただきました整理の中でも、別途検討を進めるとされた部分が幾つかございます。医療提供者や利用者の意見も踏まえ、検討とされておりまして、引き続き、皆様方からは、有益な御意見をちょうだいできたらと考えております。できるだけ早く、その検討会を立ち上げたいと思いますが、その際は、また、改めて御協力をお願い申し上げたいと思います。
 このたびは、本当にありがとうございました。
○田中座長 ありがとうございました。局長も言っていただいたように、一般病床の機能分化を推進していく必要とか、そのデータを基に、今後、まず、情報を把握、分析して、それを地域医療計画等に生かしていくことで、何とかまとまりました。ここでも活発な議論をいただきましたし、それ以外にどうしようと電話をしたり、いろいろとありましたけれども、まとまってきたことを私からも感謝申し上げます。
 では、本日をもちまして、急性期医療に関する作業グループは、これで終了することといたします。皆様方の御協力に感謝いたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<(照会先)>

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