ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 難病在宅看護・介護等ワーキンググループ> 難病在宅看護・介護等ワーキンググループ(第2回)議事録




2012年5月29日 難病在宅看護・介護等ワーキンググループ(第2回)議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成24年5月29日(火)10:00~12:30


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省専用第12会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議事

○荒木疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第2回「難病在宅看護・介護等ワーキンググループ」を開会いたします。
構成員の皆様にはお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
ワーキンググループ開催に際しまして、外山健康局長よりごあいさつ申し上げます。
○外山健康局長 おはようございます。
構成員の皆様方におかれましてはお忙しいところを御参集いただき、ありがとうございます。
前回2月28日開催の第1回ワーキンググループ開催以降少し時間が空きましたけれども、今回はこれまでの難病対策委員会、前回の会合でいただいた意見も資料にまとめさせていただきました。本日はその資料を基に御議論を進めていただきたいと思っております。
議題は4つ掲げておりまして、1つは「在宅看護・介護・福祉の在り方」といたしまして、在宅難病患者の地域におきます医療・介護・福祉を円滑に進めるためのシステムや体制、人的質の向上等につきまして、2つ目が「難病相談・支援センターの在り方」といたしまして、これまでの相談事業の成果・実績を踏まえまして、どのような事業を行うべきか、運営主体の考え方等について、3点目といたしまして「難病手帳(仮称)の在り方」として、難病対策を見直す機会に、他の福祉制度にあるような手帳の必要性やそのサービスをどのように考えるか等について、4点目といたしまして「就労支援の在り方」として、難病患者への就労支援、患者を雇用する企業への支援、一般国民への普及啓発等について、各専門分野の立場から御意見をいただきまして、方向性を見出していきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○荒木疾病対策課長補佐 それでは、傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたます。
 なお、事務局の方で、4月1日付で疾病対策課に竹内補佐が着任しておりますので、よろしくお願いします。
本日の出欠状況でございます。全員御出席いただいております。ありがとうございます。
 それでは、以降の議事進行につきまして福永座長にお願いいたします。
○福永座長 よろしくお願いいたします。
それでは、まず資料の確認をお願いいたします。
○荒木疾病対策課長補佐 資料でございます。
議事次第の後ろに配付資料が資料1~資料4、参考資料が参考資料1-1~参考資料5-2ということで、それぞれ後ろの方に資料目次、資料1~4、参考資料については参考資料目次ということでこちらにつづってあります。もし会議途中で足りないことがございましたら、また御連絡いただければと思います。
以上です。
○福永座長 ありがとうございました。
それでは、議論に入りたいと思います。
先ほど局長のお話にもありましたように、今日は4つの大きな議題が定められております。ただ、時間の制約もありますので、一応時間に決められた形で、今日は決定する場ではございませんので、いろいろな意見をお話ししていただいて、そして次回6月15日にまとめられていくような形での議論をお願いしたいなと思います。その後で恐らく難病対策委員会で全体としてはまとめていく方向になると思いますので、今日は時間の配分がありますので、4つの課題の討議の途中で結論は出ないまま次の課題に行くこともあるかと思いますが、その辺りのところは御了承いただきたいと思っております。
それでは、まず第1番目の課題「在宅看護・介護・福祉の在り方」ということで、これに関しては第1回の難病対策委員会での議論を踏まえて事務局に資料を作成していただいていますので、まず資料の説明についてお願いいたします。
○荒木疾病対策課長補佐 それでは、前回の第1回ワーキンググループから少し間が空きましたが、第1回ワーキンググループにおいて各先生から分野のプレゼンテーションをしていただきました。それも踏まえまして今回資料を作成しております。
 まず、お手元の資料1と参考資料の束を参考にしながら、少し丁寧に御説明をさせていただければと思っております。ポイントはこの資料1になります。「在宅看護・介護・福祉の在り方」ということで、まず検討の前提となりますのが1でございます。
 (1)としまして現状の「難病患者等居宅生活支援事業」。こちらにつきましては地域における難病患者等の日常生活を支援することにより、難病患者等の自立と社会参加を促進する観点からということで、平成9年より大きく3つプラス1の4つの事業ということになります。
 イメージ図というか、概要図は参考資料1-1にございまして、1つは難病患者等ホームヘルプサービス事業、もう一つが難病患者等短期入所事業で、ショートステイと呼ばれるものでございます。3番目としまして日常生活用具給付事業で、給付品目は限られておりますけれども、それぞれに対して補助事業をやっている。こちらにつきましては、すべて市町村事業でございまして、市町村と都道府県、国がそれぞれ負担をして所得に応じた補助をしているというものになります。更には難病患者等ホームヘルパー養成事業がございます。
 参考資料1-1の右に「事業の対象者」と書いております。これも復習になりますが、以下のすべてを満たすことということで、日常生活を営むのに支障があり、介護等のサービスの提供が必要である者、更に対象疾患が臨床調査研究分野の対象疾患及び関節リウマチの患者であること、更に在宅で療養が可能な程度に病状が安定していると医師によって判断されている者、更に障害者自立支援法あるいは介護保険法等の他の施策の対象にならないということで、他の施策で対象にならなかった谷間を埋めていた事業ということでございます。
資料1に戻ります。「(2)介護保険制度との関係について」ということです。介護保険制度につきましては介護保険の被保険者であります難病患者等、40歳以上65歳未満については特定疾病に該当する者に限るということで、それが要介護状態または要支援状態になった場合には、要介護または要支援認定を受けた上で介護保険サービスを受けることができる。基本的に介護保険法は、65歳以上の方が要介護または要支援状態になった場合には介護保険のサービスを受けられるという、これはもう難病に限らずの制度でございます。
括弧に書いてあります特定疾病と言われるもの、すなわちちょっと若目でも介護保険の対象になるというのが、ちょっと飛びますが参考資料1-5「介護保険における特定疾病について」というものがございます。「特定疾病とは」ということで、「特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて」ということでございます。
原則1)65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められるというもの、あるいは3~6か月以上、もうある程度の期間継続して要介護状態となるものということです。
具体的な疾病名は「2.特定疾病の範囲」に書かせていただいております。これは施行令上規定されているものです。その中にも、見ていただきますとわかりますように、例えば3のALS、4の後縦靭帯骨化症、7の核上性麻痺、パーキンソン病等あるいは8番の脊髄小脳変性症、9番の脊柱管狭窄症、11番の多系統委縮症等、難病の56疾病に入っているものも含まれているということでございます。
また資料1に戻らせていただきます。障害者総合支援法案との関係ということで、現在国会審議中の「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案」で障害者の範囲に難病等による障害がある者が加えられます。障害者総合支援法案の第4条第1項におきまして、治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定める者による障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるもの」が新たに規定されることとなりました。いうなれば難病等の方が障害者福祉サービスの対象になるということで、この法案が成立した場合、現在衆議院は通過しまして、参議院でこれから議論ということになりますが、平成25年4月1日から難病等により障害のある者は障害程度区分の認定等の手続を経た上で、障害福祉サービスの対象となり得るということになります。
こういうようなこれまでの経緯、前提、他制度との関係ということが前提となっています。
それを踏まえまして、更にこれまで議論いただきました検討すべき課題を大きく3つまとめております。
1つが在宅難病患者さんの地域における治療連携の推進ということで、これは実は研究・医療ワーキンググループの第2回の議論と同じテーマにしておりますが、在宅で生活されている難病患者さんについて、まずは医療をしっかり担保することが必要であると。医療といいましても大体看護・介護・医療系のサービスもございますので、そういう観点からこちらに書かせていただいております。
地域における難病医療の均霑化を図るため、専門医と地域の家庭医の役割分担を明確にして治療連携をすべきではないのか。
そして、地域で生活する難病患者が医療、福祉、介護サービス等を円滑に利用できるよう、難病医療地域基幹病院、仮称でございますが、これを中心として二次医療圏ごとに地域難病医療連絡協議会(仮称)を設置してはどうか。
更に地域難病医療連絡協議会(仮称)には、拠点病院や家庭医、福祉、介護サービス事業者等との調整窓口として難病医療専門員を難病医療地域基幹病院に配置してはどうかということでございます。
こちらに関係します参考資料といたしまして、ちょっと飛びますが参考資料1-9ということでイメージ図をつくらせていただいております。こちらは前回の研究・医療ワーキンググループでも出した資料でございますが、現在難病医療拠点病院という制度がございます。更に難病医療協力病院という制度がございます。こちらについてはおおむね神経難病を中心として、円滑な入院、急性増悪期の円滑な入院を図る、あるいはレスパイト的なイメージで拠点を設置されておりますが、そうではなくて更により一層質の高い医療を提供する、あるいは地域における医療の均霑化を進めるという観点から医療拠点病院をつくるという議論が医療ワーキンググループの方でありました。その中に二次医療圏ごとに地域の医療基幹病院を設置し、その地域においては地域医療基幹病院がコアとなりまして、今後ニーズあるいは在宅看護・介護等、あるいは福祉サービスが充実してくるという場合のハブというか、コーディネーション役を果たしていただきたいというイメージで難病地域医療基幹病院を設定して、介護施設等との連携を図りたいというようなことでございます。それぞれに地域難病医療連絡協議会を設置し、そこに窓口として医療専門員を配置してはどうかというようなものを1つの検討課題として上げさせていただいております。
資料1の裏面に戻っていただきまして、2ページ目でございます。「(2)在宅難病患者の地域生活支援の充実」ということでございます。これは前回の議論でさまざま御意見をいただいたものを反映させていただいております。
1点目が安定した在宅療養生活を継続するため、平常時・緊急時の医療安全の確保、急性増悪時の入院施設の確保、家族介護負担の軽減のためのレスパイト入院の仕組みについてどう考えるかということでございます。
2としまして、難病やガン末期の要介護者に対し、在宅介護サービスを効果的に提供するために、医療機関や訪問看護ステーション等と連携した在宅介護サービスのあり方についてどのように考えるのか。
3点目が、難病の特性を踏まえ、現状の介護保険サービスや障害福祉サービスでは対応できない福祉サービスがあるのかどうか、どういうものなのかということでございます。
更に、障害者総合支援法案の政令で定める疾病の範囲についてどう考えるかということでございます。こちらにつきましては先ほど口頭で述べてしまいましたが、具体的には参考資料1-7に戻っていただいて申し訳ございませんが、今、国会に提出されて改正を考えています法案の改正案と現行を見ていただくとわかりますが、繰り返しになりますけれども、改正案の四角の上の方、法律名も変わっておりますが、「18歳以上である者並びに」以降が新たに追加するということで、「並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるもの」、こちらが難病等に当たるということでございます。こちらで定めた場合、「政令で定める」となっております疾病の範囲をどのように考えるかというのが1つの論点かなということで掲げさせていただいております。
更には、難病患者の障害程度区分の認定に当たって留意すべき点についてどう考えるかということでございます。障害区分の認定は、先生方はよく御存じの分もありますので、復習になるかもしれませんが、そちらにつきましては参考資料1-8というのが横紙で2枚になっておりますが、特に2ページ目の「障害程度区分の判定について」というものがございます。難病患者等が今回障害者手帳を持っていらっしゃる方と同様の形で障害福祉サービスの入り口には立てる。その後個々人に応じた障害程度区分を判定して障害福祉のサービス量が決まってくるわけですが、判定についてはまずコンピュータ判定ということで1次判定を行います。B1項目ということ。この1次判定に基づきまして次の2次判定に進みまして、そこで専門家が総合的に評価していく。その判定結果として非該当から区分6までと判定され、それぞれに対する障害福祉サービスの量が決まってきます。その際に、括弧の部分ですが、特に障害程度区分認定調査に当たっては難病の特性に配慮した調査が必要と考えられるが、どのような点に留意すべきかということでございます。障害程度区分認定調査は第1次判定をする際に市町村の認定調査員が各個別の障害者の方のところにまいりまして調査をする。それが106項目あります。それは参考資料1-8の3ページ目の横にありましてたくさん書いておりますが、こちらに書いてありますように、身体障害を中心として麻痺があるとか、拘縮があるとか、あるいは身の回りのことがどうか、意思疎通がどうかというような項目になっています。そういう項目で認定調査をするのですが、難病特性に配慮した調査が必要ではないのか、どのような点に留意すべきかということでございます。
注と書いておりますけれども、今、申し上げましたように、障害程度区分の審査判定は大きくコンピュータ判定による1次判定と市町村におかれます審査会における2次判定の2段階ということになります。更に認定までの流れとしまして、認定調査、医師の意見書、1次、2次で判定し、最後に障害区分の判定になるということになっています。
これが地域生活支援の充実、福祉の充実のためにいろいろなサービスが今後入ってくる、それについてどういうふうに考えるのかという論点でございます。
「(3)難病患者の在宅療養を支える医療従事者等の看護・介護の質の向上」ということで、これは先ほど局長のごあいさつの中でも申し述べましたが、まずは看護・介護のサービスをどういうふうな制度にしていくかということとともに、質の向上をどうするかということでございまして、大きく3点でございます。
1つは難病に関する教育研修。これは看護師等の医療従事者に対するもの。
更には訪問介護を提供する事業者及びホームヘルパー等に対する難病に関する教育・研修について。
最後に、現行の難病患者等ホームヘルパー養成研修事業がございます。こちらについてどう考えるかという論点でございます。
済みません、長々となりましたが以上でございます。
○福永座長 どうもありがとうございました。非常に早口で説明していただいて時間がたくさん残されましたので、10時45分くらいまでこの課題について検討していきたいと思います。
 そうしたら、この課題は3つの部分に分かれていますので、それぞれの部分で議論していきたいと思います。
 まず、第1番目の「在宅難病患者の地域における治療連携の推進」という部分について御意見はいかがでしょうか。
 そしたら、私からでよろしいでしょうか。今、別のワーキンググループでも議論されていると思いますが、私は難病の種類によって大分様相が違ってくるのではないかなと思います。私が関係している神経難病でいえば、どういう目的で枠組みを創るかということになるかと思います。例えば病因究明、そして治療という点でいうと、確かに難病医療地域基幹病院には、いわゆる特定機能病院みたいな大規模病院がふさわしいかと思います。ただ、神経難病という点で考えれば、大学病院のような基幹病院では長期的なケアには対応できないわけでうまく機能しないように思います。先ほど説明がありましたように、現在の拠点病院、協力病院は当初、入院病床確保を主眼に置いたものでしたが、地域においては妥当性のあるような形での拠点病院・協力病院関係が形作られているのではないかと個人的には思っています。
 ほかに何か御意見はございますか。
 小倉さん、どうぞ。
○小倉構成員 通院困難な方に関してなのですけれども、現在国の難病対策事業の中で訪問診療事業をきちんとつくっていただいていると思いますが、私自身は地域で、フィールドで支援に当たっている中では、訪問診療事業をかなり有効に活用することで通院困難になった方の専門診療の継続かつ専門診療も継続しつつ、地域医療をベースで療養を継続するとき、特にみとりなどに向かっているときなども病状の管理に困難を生ずることもあったり、医療措置の実施に関してのいろいろな判断があることもありますけれども、今の訪問診療事業は専門医と地域主治医とがきちんと顔を合わせていろいろ療養について、治療について話すことができる、またその延長の中で病状急変の入院であるとか、症状対応の必要な入院等にもつながっているということを経験しておりますので、ああいった事業を有効に各地域で実施していくことも1つだと考えます。
 それから、今、このたび新しく出していただいている機関病院等の設立についてなのですけれども、多分各地域によって大分状況が異なっていると思うのです。今、逆にいろいろ専門地域、それから、相談等に関して連携がうまくいってシステムができているところの具体的な状況も参考にしながら、一律にこの形にしていって果たしてどんなふうに今の課題が解決できるのだろうかということをちょっと疑問に感じました。
 特に東京都の臨床調査個人票の人工呼吸器の方の分析を先日させていただいているのですが、それでいいますと7割の方が在宅療養でいらっしゃいます。その中で地域としましては単に診療治療をどうするか、看護をどうするかということだけではなくて、生活をどういうふうに地域の中の資源を使っていくかということと大きく関係してくる中でいうと、前回のときにも強調して申し上げてきているのですけれども、現在の保険行政の中で地域資源を評価し、市町村でも本当に格差がいろいろある制度のサービスの量であるとか、質との中を行き来しながら調整を図り、保険医療計画に参画している保険行政の役割との関係をきちんと整理しながら、もし体制ということについて再検討していただく場合には、是非その点を十分御検討いただきたいと思いました。
 以上です。
○福永座長 では、伊藤構成員、お願いいたします。
○伊藤構成員 在宅看護・介護の在り方というのが、難病に関する医療を在宅に向けていくという流れの中にあるのかどうかということは少し課題があると思うのですが、現状で幾つか感じた問題点ですが、特に2のところなのですが、在宅へ追いやられる傾向については注意をしなければならない。本人や家族が望んで在宅医療を行うものに対して支援を行っていく状況と、病院にいられないから在宅にしなければならないという方向にもしもこれが利用されるのであれば、患者・家族の負担は更に大きくなる。今でも在宅はさまざまな支援のシステムがあっても、実際には家族の負担は大変大きいものなのです。特に家に縛りつけられるということがありますので、そこのことについて留意をすべきであろうということ。
もう一つは、在宅を強調する余り、入院医療がよくないのだというとらえ方に陥ってしまいがちな面がありますので、そこには注意をしなければならない。
それから、小倉構成員も言っておりましたけれども、在宅あるいは地域医療ということを見た場合に、地域の格差は大変大きい。格差だけではなくて、さまざまな実情の違いもありますので、これも十分配慮しなければ、こういう図式をつくりましたので一律にこういう方向で行きますというようなこと、いわゆるシステムが先に来るということであればかなり問題が起きるかなと思います。特にこれは難病の医療の前の地域の医療の実態、あるいは訪問看護にしても、東京都で考えている、いわゆるここから見える範囲内での訪問看護、あるいは介護というものと、地域とでは大きく異なっていて、そのことも踏まえた上でつくられるものであってほしい、そういうさまざまなフレキシブルな形にするということは可能なのかどうかという問題がありますけれども、つくるに当たっては、必要であればつくるのはやぶさかではないと思うのですが、十分な配慮と検討、あるいは地域の実情・特性に合わせた柔軟な対応ができるようなものであってほしいと思います。
(2)の在宅患者の地域生活の支援ですが。
○福永座長 初めの部分だけ、2のところだけ。
○伊藤構成員 2の(2)なのですが。
○福永座長 2の(2)はまた次にお願いします。ちょっと分けてしましょうか。
 ほかにいかがでしょうか。
 個人的には、こういう形でのシステムづくりは適当ではないかなとは思っています。ただ、病気によって、あるいは地域によって拠点病院(基幹病院)と協力病院の在り方も変わっていくものだと思います。その辺りは地域の特性なども考慮して決めていく必要があるのではないかと思っています。
 それから、地域難病医療連絡協議会や拠点病院(基幹病院)に難病医療専門員を配置して、いろいろなサービスの相談窓口にするというのは賛成です。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 どうぞ、本間さん。
○本間構成員 前の医療研究ワーキンググループのときにも申し上げたのですが、難病医療地域基幹病院、連絡協議会の関係なのですけれども、東京都の例が多いのですけれども、私どもが実感している緊急のときの介護、救急の利用などは東京都は割と充実はしている方なのですけれども、やはりなかなか人手が足りないと言われて、すぐ面倒見てくれないケースがかなり多いのです。ですから、地方へ行くと、多分これはもっと倍増されて、特に遠くにいる方とかの患者さんで在宅をされている方などはこの制度の恩恵をどれくらい受けられるのかなという素朴な疑問があるのです。ですから、基幹病院を充実する、連絡協議会を充実するというのはいいのですけれども、これに当たって事務局側では、例えば人員配置とか、人員の予算とか、これは人件費も含めますけれども、どれくらいの規模を想定しているのか、そういうものがないと制度だけつくって中はすかすかということが十分考えられますので、その辺まで含めたビジョンを出していただきたいなと思うのです。
○外山健康局長 それは制度をつくるのだったら生かすようにするのは当たり前の話です。ただ、今、ここで幾らくらいだと申し上げられませんけれども、ちゃんとこういう制度がいいとするならば、その制度を生かすように財政的措置は当たり前だと思うのです。やらなければいけない。財政だけでなくて、いろいろな仕組みも生きるようにするのは当たり前だと思います。
○本間構成員 局長に反論するつもりはないのですけれども、制度としては確かにいいものです。難病患者にとっても恩恵を受けられるという意味ではいいのですけれども、ただそれを難病以外の患者の方、それから、普通のという言い方は語弊があるかもしれませんけれども、病気の方々、介護を要する方々、いろいろな立場の方がいらっしゃるわけですね。ですから、そういう人たちまで含めて、これはいいことなのできちんとした医療あるいはケースワーカーを含めましたそういった体制をきちんととれるのかどうか。そして、実現できる体制にしてもらえるのかどうかというそこのところを申し上げているのです。いいからやれるという、それはだれでも当たり前の話だと思うのです。
○外山健康局長 私がここで聞いているのは、こういうことをやると言っているのではなくて、論点として掲げてあって、こういうものはいいものなのかどうなのかということを識者からお聞きしたいということであります。また、難病以外でもがんでもその他の病気でもこのソーシャルワークを含めてきちんとやらなければいけないということは重々承知だし、いろいろな制度もあります。ただ、本ワーキングあるいは専門委員会は難病に特化したものでありますので、制度論としてこういう切り口はどうかということを皆さんに評価してもらいたいという趣旨でございます。まさにいろいろな立場からの御意見をいただきたいということであります。実際にはやるときは、当然そのために行政があるわけでありますからちゃんとやるということでございます。
○福永座長 そういうことです。
 では、春名構成員、お願いします。
○春名構成員 在宅難病患者ということですので、神経難病が中心になるのかなと思うのですけれども、そのほかの例えば炎症性腸疾患だとか、膠原病だとか、その他のいろいろな希少難病だとか、そういうところの拠点ということも含まれるのかどうかを確認しておきたい。最近病院でもIBDセンターだとか、全国で取り組まれていますけれども、そういうものが全国的なネットワークにはなっていないのかなとか。そういう意味でこういう難病の地域医療の拠点機関的なものの中にそういった神経難病以外のものも必要ではないか。あるいは、本当はもっと社会参加もできるけれども、そういう地域の医療と生活を支えるノウハウが各病院にないがために在宅になってしまっているという方もいらっしゃると思います。ほかの難病などについての拠点も入るのかどうかを。
○福永座長 非常に重要な視点だと思いますけれども、当然入るのだと思いますが、いかがでしょうか。
○荒木疾病対策課長補佐 事務局からですけれども、御説明の仕方が悪かったかもしれません。基本的には難病、まさにIBD、SLE等のほかの疾患も含めて、今まではやはり在宅というと神経難病が中心になって、それに対する円滑入院という意味合いでの拠点病院制度だったのですが、そうではなくて医療の質を地域でしっかりと連携できるようなコーディネーション役ということで協議会なり基幹病院と。その中で当然対象疾患は難病すべてということになります。
○福永座長 専門医と地域の家庭医との連携も重要ですし、いい連携ができるような制度的な仕組みも必要になるかと思います。また教育や研修の機会もあったらいいかと思います。専門医だけで南蛮の患者さんをカバーしていくことは困難です。
 短めにお願いできますか。どうぞ。
○川尻構成員 春名構成員の意見と同じなのですが、実施しております要綱事業の中の神経難病の方の医療協議会が各地でさまざまな形で展開されていますが、群馬県におきましても神経難病につきましてはネットワークができつつあるのですけれども、それ以外の疾患については難病医療に携わるという意識が各医療機関で稀薄であるという印象をいつも持っております。こういった位置づけがあることによって神経難病のみならず、ほかの難病と言われる疾患に関しても強い意識を持って取り組むのだということが位置づけられればいいかなと思いまして、よい試みかと思います。
○福永座長 まだ御意見があると思いますけれども、どうぞ。
○伊藤構成員 少し質問を2、3お願いしたいのですが、1つは介護保険との関係も非常に大きいと思うのです。現在神経疾患中心ということと、あと加齢という条件による病気ということが条件にあると思うのですが、さまざまな形で介護保険の拡充が必要だという状況の中で、ここに書かれている介護保険制度との関係については、こちら側から要望すれば介護保険の対象疾患を拡大してもらえるというようなこともあり得るのかということ。
 3番にあります障害程度区分というのは支援区分にしてもらいたいという、あるいはなるのではないかということなのですが、この議論の中で支援区分という考え方でいくのか、障害の程度区分という考えでいくのかで大分違いがあるかと思います。
○山本疾病対策課長 まず1点目なのですけれども、参考資料1-5に介護保険制度における特定疾病とあります。この特定疾病の拡大については、介護保険の制度論を議論している中で非常に大きな議論があって、なかなか簡単なことではないというのは実態でございます。ですので、ここで疾患拡大を要望したから、にわかに向こうで疾患拡大するというほどのものではなくて、介護保険制度そのものの議論の中での議論をそちらのために深めなければいけないということです。
 もう一つ、支援区分の話なのですけれども、今回の法改正では名称としては法案の中では支援区分という言葉に変えることになっていますが、実態として先ほど荒木が御説明しました資料1-8の、ページで言えば10あるいは11ですか、障害区分の項目、この全体の構造といいますか、全体構造は今回の法改正では改正されないで、3年後の見直しの中でこの在り方を考えるということですので、基本的にページ10にある流れの全体についてはこのまま、あとは難病にどれだけ配慮できるかということの議論になっているということですので、言葉としては支援区分になるのですけれども、中身としては現行のストラクチャーといいますか、構造で、当面3年間対応し、3年間の研究を待って新しい制度を議論することになっています。
○福永座長 よろしいでしょうか。
 そうしたら次の(2)の生活支援の充実に進みたいと思います。どうぞ。
○外山健康局長 今、疾病対策課長が言いましたけれども、介護保険制度との関係について、ここで言ったからそうなるものではないということも事実かもしれませんけれども、まあまあそんな否定的に考えるのではなくて、私が聞きたいのは識者としての見解ですから、余り遠慮しなくてもいいのではないかと思います。その辺はいい加減に取り扱うというわけではありませんけれども、伸び伸びと一番重要なことは何なんだということで主張していただければいいのではないかと思います。
○伊藤構成員 そうであれば、私たちは、やはり患者の側としては新しい難病対策をつくるに当たって対象疾病、今は特定疾病という言い方をしますけれども、これは拡大していただきたいという声があるということを、どこかで思っていただければと思います。
○福永座長 ありがとうございました。
 そうしたら次の地域生活支援の充実という項で、これも5つの小さな課題に分かれていますけれども、時間のこともありますので、すべて通して何か御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 伊藤さん、どうぞ。
○伊藤構成員 やはりそういう法律の仕組みがいろいろ拡充されていく、あるいは改正されていくこともありまして、疾病の側として、ここに障害程度区分と書いてありますが、支援の区分にしましても、病気であるということがどうしても前提にならざるを得ないので、そのときに今のような固定された障害の概念を中心としてつくられたものではなくて、さまざまな変化もあるし進行もあるということを、こちら側としては強く言っておきたいということと、もう一つは、薬を飲んだ状態で判定を受けるのが正しいのか、そうではなくて、やはり本来の症状の中でさまざまな薬を飲んだり飲まなかったり、あるいは薬がだんだん効かなくなってきたりという変化があるのだということも、もしも言っていけるのだとしたら、そのことも載せた上でここは検討していただきたいと思います。
○福永座長 そうですね、神経難病というのは、特にパーキンソン病もそうですし、筋無力症もそうですし、多発性硬化症もそうですし、どの時点で診断するかによって、判定は随分変わります。
○伊藤構成員 本当に神経難病だけではなくて、内分泌の病気にしても、血液にしても、自己免疫にしても、やはり薬を飲んだ状況と飲まない状況では大きく違いますので、そういう意味で今度の法改正の中に難病を入れたという意義は、そういう病気の人も対象にして今後の日本の障害者施策を進めていくのだという意味で、大きな転換の第1歩ではなかったかという評価もしているわけですから、是非そこはこちら側としては遠慮なく、そういうことも盛り込めるなら盛り込んだ上で要望もしていきたいなと思います。
○福永座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
○春名構成員 今回の重要なところは、今までは「病気が治ってから障害」という扱いだったのが、病気があってもいろいろな問題がある人については考えていくのだということ。これは重要なことだと思いますけれども、一方で、障害程度区分の具体的な内容を見ますと、生活上の非常に大きな問題が起こる、例えば疲れやすいであるとか、全身の痛みがあるであるとか、そういうところがこれでは認定されないのではないかと思います。神経線維腫症など外観上の変化による生活への影響であるとか、そこら辺も認定されないのですが、そこをうまく。
○福永座長 確かにしびれとか、自覚症状はほとんど認定の基準になっていませんね。
○春名構成員 痛みであるとか、発熱するだとか、疲れやすいだとか、そういうものは主観的な面もありますが、病気の特徴としてある程度は客観的に把握できるのでしょうけれども、ここの基準で言えば、もしかすると認定されないかもしれない。
○福永座長 ほかにいかがでしょうか。
○小倉構成員 (2)の中には本当にたくさんのことが入っているので、全部総合的にというのは難しいので、上の方からお話をさせていただきたいと思います。
 一番初めのところで、平常時及び緊急時の医療安全の確保、急性増悪の入院病床の確保、介護負担軽減のためのレスパイトということで、この丸の中にもたくさんのことを入れていただいています。まず、平常時・緊急時の医療安全の確保についてどう考えるかということについてなのですけれども、これは前回のときにも少しお話したかもしれませんが、在宅療養におけるいわゆるインシデントアクシデントに対する対応のシステムが、在宅療養においてはまだ十分できていない状況があると思います。
私自身は神経難病の重度の方に焦点を当てた発言になりますけれども、そういう中で在宅医療が制度である以上、それをきちんと安全を確保していくということに関して公的な部分も含めて、そういうシステムが必要と考えています。特にこの4月から認定特定行為業務従事者の制度とかを含めまして、医療提供のチームの変更が制度的にもあった中で、今、それは非常に重要な課題になっていると思います。
これに関しましては在宅療養支援計画策定評価事業などで、保健所の保健師等が広域的に専門的な技術支援等を行っている中で、そういったものの在宅療養、難病の方の療養安全に関して取り組まれている地域もあるように伺っているのですけれども、それをより大きく広げていくようなことについても御検討いただきたいと考えます。
 それから、緊急時のことなのですが、昨夕も地震が真夜中にありましたけれども、災害対策に関係してですが、災害対策は基本的に市町村が実施となっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に医療依存度が高い方の災害対策に関して言いますと、もともと保健所等で療養支援を行っている中の一部に災害対策も含まれてくるという位置づけで、災害対策に関しては市町村の要援護者対策等と一部リンクするところがあるという位置づけになってくると考えます。
東京都ではこの4月から、難病に限らずですけれども、在宅人工呼吸器の方の災害時支援計画の事業を開始をいたしておりますが、そういった方々に対しての市町村だけでは、とてもやっていくことが難しいところの中で既存の支援チームとどのように有効に連携しながら、そういった災害対策をいち早く進めるかということは、大きな課題であると感じております。
 急性増悪の入院等に関しましては、先ほど申し上げましたところです。
 レスパイトの入院についてなのですけれども、2つ目のところと関係いたしますが、これが事前にいただいた資料と文章が変わっていると思うのですが、事前にいただいた文章の中では、明らかに医療依存度の高い方についての通所サービスということで、前回私も強調して申し上げました患者さんの病状の安定と、レスパイトにも非常に効果的である療養通所介護を利用できるようにお願いしたいということをお話ししてまいりましたけれども、療養通所介護、基本的にこれは漢語度が高い方々に対する通所サービスで、そういった方々のレスパイトが非常に入院等で困難という現状があると思います。それに関しては、これも前回と重なりますが、療養通所介護の場などでの泊りによってレスパイトを確保するということも、非常に効果的ということで取組みがされているところがあると聞いております。
○福永座長 ちょっと時間が少なくなりましたが、よろしいでしょうか。
○小倉構成員 もう一つ済みません。あと入院入所が難しい場合でレスパイトというところで、滞在型、ご自宅の方での長時間看護についても、これも同じく一部のところでやっていただいていると伺っていますので、何らかの形でメニューに加えていただくことができないかと感じました。
 済みません、以上です。
○福永座長 療養通所看護に関しては、今後医療的依存度の高い患者さんが在宅に移っていますので、非常にいい制度だと私は思うのですけれども、鹿児島県では2か所しかないのです。その理由は採算がとれない、質の高い看護師の確保が難しいとか、いろいろあると思うのですけれども、非常にいい制度だと思いますので、採算がとれるような形に制度的にしていただければと思っております。
 伊藤さん、簡単にお願いします。
○伊藤構成員 もう一言でいえば、神経難病は周りから見えやすいので、さまざまな施策の対象になり得るのですけれども、やはり消化器系とか、自己免疫系とか、血液とか、そういう疾患の方々は本当に大変な状況であっても、なかなか支援の対象になりにくいということがありますので、具体的につくられる場合には、そのことも配慮してつくる仕組みが必要なのではないだろうかということだけです。簡単にいえば。
○福永座長 それは障害程度区分とか、そういうところを含めてですか。
○伊藤構成員 それだけではなくて、全く純粋に地域で患者が暮らすということで言えば、そういうさまざまな身体的な不自由、肢体的な不自由を伴うということだけでなくて、手も足もちゃんと動いていても日常生活が大変困難であるとか、苦痛を伴うことがいっぱいありますので、そこのところも配慮して計画すべきではないか。
○福永座長 よろしくお願いいたします。
 簡単にお願いいたします。
○小倉構成員 3つ目のところで「対応できない福祉サービスはどういうものなのか」ということを書いていただいているのですけれども、とても大きな課題として先ほども伊藤構成員がおっしゃいましたが、在宅療養ができない、御自宅での生活が困難な方の療養の場の確保という問題があると思います。
今、介護保険等でサービスつき高齢者住宅等の制度上での開発がありますけれども、難病の方がそういったものの中に利用できる状況かというと、先ほどの重度の神経難病の方は、とてもはまらない状況がありますので、その点を十分御検討いただきたいと思います。
○福永座長 どうぞ。
○川尻構成員 福祉サービスの部分で、現段階ではどこにも当てはまらないとても大事なことの1つに、コミュニケーション支援に関する問題があると思いますので、どこかでお含みいただければと思います。
○福永座長 よろしくお願いいたします。
 では、最後の(3)の看護・介護の質の向上について何かございますか。
○伊藤構成員 私も地域でヘルパーの研修の講師を務めたりしたことがあるのですけれども、それと比べて現在中央で行っています相談員や保健師への研修とヘルパーの研修では、かなり大きな違いがあるのですが、何を目的にした研修にするかということについてははっきりとした方針を出さないと、地域ではかえってヘルパーさんのなり手が少ない方へ追いやってしまう。非常に面倒だ、とても難しい、だけれども、それに充てる時間や学習の時間がないというようなこともあって、かえって余り難しくしてしまうとヘルパーさんを少なくしてしまう可能性もあるので、ここで看護師養成をするわけでもありませんので、あれだけたくさんの疾病についての研修という時間が必要なのか、もっと具体的な介護支援とか、生活支援というところに重きを置いた研修というか、そういうものに切り替えたらどうでしょうかということを感じます。
 それと私は一般のヘルパーさんの研修と難病についての研修は、やはりもう一段階、2段構造になっていてもよいのではないだろうかというか、2段構造にすべきではないかという気もしております。
○福永座長 どうぞ。
○小倉構成員 神経難病等の領域での看護の専門性というところに関しましては、厚生労働省の研究班ですと、日本難病看護学会等がここ4年以上かけて検討してきているところなのですけれども、実際例えばがんの場合などと比較しまして、患者さんの数の問題、それから、それに携わる看護師の数の問題、いわゆる診療報酬等とも結び付く形での、もしそういう資格を持ったときの配置などとの関係も含めて、具体的にまだ軌道ができていないところで、この件に関してはもうちょっと関係する方々と意見を交わしてから、本当はこちらに来たかったのですけれども、そういったところで、ただそういう専門性が非常に必要であるということ、先ほどの基幹病院の話がありましたが、基本的には医療機関の中で診断治療とものすごく密接する形で、その場で専門的な看護との相談の中で療養生活支援を行っていく、地域にも連携をするという意味で、そういう機能を果たす人がそういった場所で機能を果たすということは、多分とても効率的、効果的にサービスが提供できる可能性があると考えておりますが、具体的な仕組みについての提案ですとかがまだ今できません。
なお、神経難病等に関する看護の領域の専門範囲については、平成18年度に厚生科研での専門特化などの研究班等でも出してきておりますし、その後の厚生科研等での研究成果としても報告をしております。
以上です。
○福永座長 先ほど伊藤さんが言われたヘルパーさんの研修に関しては、同じ意見を持っています。確かに神経難病などでは難しい病名がついていますので、最初から腰が引ける人がおられるのですけど、生活介護という面ではほとんど共通化できる部分も多いのです。是非そのような視点で、研修内容を検討していただければと思っております。
 まだたくさんご意見があると思いますけれども、一応先に進ませてもらいます。そして時間が残されましたら、また全体として御意見をいただきたいなと思います。
 それでは、課題2「難病相談・支援センターの在り方」について、事務局から説明をお願いいたします。
○竹内疾病対策課長補佐 それでは、資料2「難病相談・支援センターの在り方」について御説明をさせていただきます。
 まず「現行の難病・相談支援センターの概要」でございますが、改めて詳細を御説明する必要はないかと思います。参考資料2-2、ページで申し上げますと20ページに一応実施要項を入れてございますけれども、難病特別対策推進事業実施要項に基づきましてセンターの方が設置をされておるわけでございますが、地域で生活する患者等の日常生活における相談・支援、地域交流活動の促進及び就労支援などを行う拠点施設という位置づけを与えられております。
主な事業の内容といたしましては、各種相談支援、患者の自主的な活動等に対する支援、更には就労支援、講演・研修会の開催等が位置づけられておるところでございます。
「検討すべき課題」でございますけれども、まず「(1)対象者」ということで、改めて確認をしたいという趣旨で書いておるものでございます。すべての難病をカバーし、その患者及び家族を対象とすることについてどう考えるかということであります。
「(2)実施すべき事業」ということで、幾つかのサービスに分けて書いてございますけれども、まず各種相談についてでございます。
まず最初でありますけれども、2つの考え方をお示ししておりまして、1つ目として医療相談については医療機関で対応することとし、それ以外の日常生活におけるさまざまな相談は、医療相談とは別の窓口で幅広く受け付けることについてどう考えるか。2つ目の方向性といたしまして、難病の特性にかんがみ、医療機関における医療相談を拡充し、生活相談をも包含する方向性について、どう考えるかということでございます。
2点目でございますが、難病患者に特化した支援策に限らず、難病患者が活用し得る住居、就労、子育て、教育等に関するさまざまな支援サービスの情報を幅広く収集・提供することについてどう考えるか。
3点目でございますが、これは実際に情報提供をする手段についてのお尋ねであります。希望する難病患者及び家族に対しまして、これはもう既に行われているセンターもあろうかと思いますけれども、パソコン、更には携帯メール等により必要な情報を適宜提供するサービスを行うことについて、どう考えるかということであります。
4点目といたしまして、相談員の資質の向上のために、相談員向けの研修内容についてどう考えるかということであります。
その下でありますが、全国のセンターで活用できる課題分析、アセスメントシートや、相談対応マニュアル等を作成・配布することについてどう考えるかということで、相談が画一的になってはいけないと思いますけれども、一定の質を担保するという観点から、こうしたものをつくることについてのお考えをお聞かせいただければと思っております。
3ページの一番下でございますが、各センターの相談員の過労や燃え尽きを防止する等、相談員の支援についてどう考えるかということで、これは相談員の支援については前回のワーキンググループでも御議論があったということであります。
4ページでございます。一番上でございますが、相談員の支援の一環といたしまして、相談員同士が相互に情報交換できる全国的なネットワークを構築するといったことについて、どう考えるかということであります。
「?個別支援」であります。身近な親族や友人等の協力が得られない困難なケース等の個別支援についてどう考えるかということであります。勿論、人員体制等の問題はあろうかと思いますけれども、そもそもそうした機能を担うべきなのかどうか、そうしたことについても御意見をいただければと思っております。
個別支援の2つ目といたしまして、遠方への出張支援についてどう考えるかということであります。
「?その他の事業」ということで、患者団体への自主的な活動に対する支援、これはもう既に現行のセンターの主な事業の中にも含まれておるわけでございますが、患者団体の自主的な活動に対する支援についてどう考えるか。
それから、一般住民への普及啓発について、センターはどのような役割を果たすべきと考えるかということであります。
3つ目がセンターが主催する講演会や研修会、さまざま講演会・研修会が行われておりますけれども、どのような対象者に向けて実施すべきと考えるかということです。
4つ目といたしまして、センターが実施すべき事業の中でピアサポートの位置づけについてどう考えるかというものを検討の課題として上げてございます。
「(3)運営主体・職員の体制等」についてでございますが、まず最初といたしまして、現在、すべての都道府県に1か所以上設置をされておるわけでございますが、都道府県に1か所、それ以上については任意の設置とするということについてどう考えるか。
2つ目といたしまして、今度は運営主体ということですが、運営主体は現在行政機関、医療機関、患者会等さまざまな方に運営していただいているわけですけれども、運営主体についてどう考えるかということであります。
 3つ目といたしまして、センターが実施すべき事業を踏まえた上で、職員の体制についてどう考えるのかということであります。
 「(4)その他」といたしまして4点ほど掲げてございます。
 都道府県ごとの格差が大きいというお話でございますが、この格差をできるだけ少なくするためにどのような取組みが必要だと考えるかということ。
 2点目といたしまして、地域保健法の第6条におきまして保健所は「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項」について、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うとされております。こうした規定を踏まえましてセンターとの保健所との役割分担についてどう考えるかということであります。
 3つ目といたしまして、関係機関、行政機関、医療機関、ハローワーク、患者会等との連携強化についてどう考えるか。
 それから、先ほどもお話がありましたけれども、4点目として災害時にセンターがどのような役割を果たすべきと考えるかということであります。
 それから、本日御議論いただくに当たりまして、参考資料として2-4、ページ番号でいいますと27ページに難病相談支援センターの取組み例ということで、全国のセンターのうち8センターについての取組み例を表で掲載をさせていただいております。
 また、参考資料2-6、ページ番号で申し上げますと29ページからでございますが、稀少性・難治性疾患患者に関する医療の向上及び患者支援の在り方に関する研究班の方から難病相談支援センターの在り方に関する提言をいただいておりますので、参考資料として併せて提示をさせていただいております。
 参考資料2-7、ページでいうと33ページは伊藤構成員の方から提出をいただいておる資料でございますので、また後ほど伊藤さんの方から御紹介いただければと思います。
 御説明は以上でございます。
○福永座長 ありがとうございました。
 そうしましたらどういう順序で議論していくかですけれども、一応検討すべき課題が(1)と(2)(3)(4)とあります。ということで、まず課題ごとにしていきながら、全体として議論していこうと思いますが、よろしいでしょうか。ほかの課題についても構いませんけれども、まず対象者ですが、これについていかがでしょうか。
 どうぞ。
○伊藤構成員 今、難病相談・支援センターをどうするかというのは難病対策をつくっていて非常に大きな問題だと思うのです。つまり医療とか行政という枠だけでは患者を支え切れない問題を相談・支援センターが担う、あるいはそこへの誘導の窓口として役割を果たすということがありますので、これについては是非小さな問題ではなくて、大きな課題として取り上げていただきたいと思います。
その上で「(2)検討すべき課題」の「(1)対象者」ですけれども、すべての難病をカバーしというのは当然の話なわけです。しかも難病に限らず、どこのセンターも統計をとってみますと中で明らかだと思いますが、特定疾患と言われている難病だけではなくて、非常に幅広くさまざまな疾患あるいは一般的な疾患も含めて、あるいは既に他の対策がとられているような腎疾患とかがんとか、そういう疾患、あるいは精神も含めてさまざまな相談が寄せられております。難病の相談をきちんとするということは病名によって相談の内容が違うのではなくて、さまざまな疾患に対応するその中から難病特有の問題、悩みについては特有の方法で相談支援に当たるということであって、ここで相談・支援センターは対象を難病に限るとか、何々疾患に限るとかいうことは目的からいってもそぐわないと思いますので、是非難病相談・支援センターという名前ではありますけれども、基本的には幅広くとらえるべきではないか。特に患者、家族の悩みは疾病によって区別されるものではない。やはり病気ということで困難に突き当たって相談の窓口を求めて来るわけですから、そこを区別、差別するべきではないと思います。
これは(2)の各種相談の中身にもかかる問題ですので、そこのところにも触れさせていただきたいのですが。
○福永座長 一緒でよろしいかと思います。
○伊藤構成員 例えば各種相談で医療相談については医療機関で対応する、ということだったら、初めから難病相談・支援センターは要らないのです。特に既に相談・支援センターができる前から各地域の難病団体や疾病別の団体でもさまざまな相談窓口を設けておりますけれども、基本的には医療に関わる相談については医療相談というとらえ方をしますので、何かここでは医療相談については医療機関で対応するというそのこと自体も無理があると思いますけれども、意味がちょっと違っているのではないか。つまりここで診断をするとか、診断書を書くとか、あるいは治療について何かサゼスチョンをするとかいうような意味で医療相談と使われているのか、そうではなくて医療に関わることから生じてくるさまざまな問題について対応するのを医療相談と患者会ではよんでいますけれども、そのことまでいうのか。そのことまでだめで、それは医療機関でということになると、そういう限定をされてしまうと、難病相談・支援センターは成り立たなくなる可能性がありますので、そこについても十分御検討いただきたい。検討するべきというよりも、意見を述べておきたい。
 全国のセンターで活用できる課題分析、アセスメントのシートと言っていますが、これは課題分析が目的なのか、そうではなくて地域で相談に当たる方々の知識を幅広く利用を誘導するために使われるものなのかで随分違ってくると思いますが、ただ課題分析のためにということが中心になって、非常に複雑多岐なシートになっていくと非常に利用しにくい。そこに書き込むだけでものすごい労力と精神力を使ってしまうということがありますので、もしもこれが必要だとすれば、課題分析ではなくて相談支援を助けることも目的の1つとして位置づけられるべきだろうと思います。
 ここで資料2-6に出ております西澤班で提言していましたが、私どももそれに関わっておりますので、おおむねこういうことなのかなと思いますけれども、しかし患者団体の立場で、あるいは現在相談・支援センターに当たってきたそういう経験からいいまして、資料2-7、33ページからについて私どもは相談・支援センターの役割についてはこのように考える、設置主体・運営主体はこのように考えるというふうに出してありますし、後ほどの課題の職員の処遇等についても資格問題についてもありますので、このことは後で個別の発言に応じてその場で触れていきたいと思います。一応これを見ていただければと思います。
○福永座長 そのフォーラムには伊藤さん、春名さん、川尻さん、私の4人とも出席していたわけですけれども、各県によってそれぞれ実施主体が違うし、やり方も違うし、だからこれをどういう形で全国均霑化を図るかというのは難しい課題だとつくづく思いました。資料2-4に、そのときに発表された8つの県を比べても実施主体、運営主体が異なっております。その概略が表にしてあります。こういう点も踏まえながら議論していただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○川尻構成員 「(1)対象者」についてなのですが、実際に現場で相談を受けている者としては、対象者を限定しないというのは仕事をする上で非常に厳しいです。難病という言葉をどうとらえるかはその人その人でさまざまでして、うつ病であったり、糖尿病であったり、何でも自分が難病であると思えばこちらに相談するという現状があります。対象者をある程度限定していただくことは必要かと思います。ただ、決められた対象者でないから相談は受けないよといった対応は全くしませんで、当センターで受けるべき疾患ではないけれどもというところから相談もきちんと受けるようにしておりますので、対象者は限定された方がいいかと思います。こういったことで振り回されて辞めていった相談支援員も数多くおりますので、是非労働環境を整える上でもお願いいたします。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 多分私もそういう意味でいったつもりなのですが、まず入り口では限定しない。ただ、専門の相談機関がある場合ですと、そこと連携し、そちらの方がより専門なのだということで誘導していくというのはどこでもやっていると思いますが、それは非常に大事なことだと思うのです。ただ、時々見受けられるのは、困って来られた方に、うちはこれこれの疾患しか相談を受けていませんのでということでシャットアウトすることがあれば、それはいけないと思います。
○福永座長 交通整理みたいなものですね。こういう問題があればこちらに行かれたらどうですかとか、すべて1人で解決できる問題ではありませんので。
 どうぞ。
○春名構成員 難病の人の支援課題は医療の問題も生活の問題も、そして就労の問題も複雑に絡み合っている問題というのが非常に多いのが特徴。その中で、今、医療の方は医療だけとか、そういうふうに縦割になってしまうと、逆により複雑な問題が制度の谷間となって、難病相談・支援センターの人が全部支援しようとすると大変な、1人の人生を支えるみたいな非常に大変な状態になってしまい、燃え尽きの原因の一つになる。それをもう少し多職種のチームで支えられるような社会の体制をつくる必要があり、それが重要。そのような意味であれば、1の2番目の医療機関における例えば医療ソーシャルワーカーの機能を高めていくだとか、基幹病院のMSWだとか、そういう機能を強めていくだとか、あるいは2番目の、これはソーシャルワークをする上での基本的なことだと思いますけれども、いろいろな社会資源の情報をちゃんと集めて御本人のニーズに総合的に対応できるようにしていくということ、この2つはすごく大切なこと。また、一番最後の相談員の過労や燃え尽きを防止するという意味でも、そういう複雑な問題を難病相談・支援センターの相談員の方が全部抱え込むというのは絶対無理な話なので、いろいろな専門職の方も多職種のチームで支えられるような体制が大切だと思います。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 そこまでの議論を拡大するということであれば、33ページから書いてあります私どもの相談・支援センターの役割についてという意見なのですけれども、これは春名先生も含めて、いろいろおいでいただいているように、そういう支援をする、あるいは他の職種に関わる情報をなかなか得る機会がないということで、全国難病センター研究会という私的な研究会をつくって、昨年から厚生労働省の補助もいただいておりますが、年2回の研究大会を各地で開いてそういう情報提供なり、一緒に考える機会を設けてやってきているわけですけれども、幅広い知識は要求されるけれども、1人ですべて抱えることはもう困難だということは歴然としていまして、やはり医療なら医療の相談を中心としている窓口との連携、あるいは福祉との連携、あるいは行政との連携ということの窓口、先ほど先生は交通整理とおっしゃっていましたけれども、そういう役割は果たせるのだと思います。それが役割ではないかと。ここで特に相談・支援センターが最後まで支援をしなければならないという機能は要らないとは言いませんけれども、それが主目的ではないだろう。それは行政の仕事であるはず。生活保護に結び付けるなり、就労支援をするなりというのは行政でそういう専門の機関があるわけですから、それにどう結び付けていくかというところに1つ焦点があるのではないか。
 また先ほど燃え尽き症候群の話が出ましたけれども、多くの相談・支援センターは現在1名配置ないしは2名配置なのです。比較的余裕を持ってさまざましているところは医療機関なりいろいろなところの支援があって複数配置、複数の方がいるところですけれども、ずっと見まして最低限医療を中心とした知識を持っておられる方と、福祉についてさまざまな知識や経験を持っている人、あるいは運営についての経験を持っている人、最低限この3名くらいが相談・支援センターにはチームとして存在していて、そしてほかの機関との連携をしていくというのがある程度理想的な姿ではないか。それ以上の機能をどう地域の団体が、都道府県が付加するかどうかはまた別の課題だと思いますけれども、全国的にはそういう辺りが最低のラインとして確定というか、補償されれば、もっと幅広い対応が可能かなと思います。
 運営主体もさまざまなのですけれども、さまざまな運営主体は都道府県の実情がそうさせたのだと思いますので、それはそれでいいのですけれども、問題は相談・支援センターの目的は明らかに要綱にあるところが目的だと思うのです。この要綱をどう実現していくかということさえはっきりすればいいと思うのですが、しかし実施主体に相談・支援センターがやはり左右されがちなのです。行政がやっているところは行政的な要素が強くなり、医療機関にあるところは医療機関的な要素が強くなりということがありますので、そうではなくてやはりここはあくまでの難病相談・支援センターは行政や医療機関やさまざまなところで対応し切れない問題、あるいはそこに行けないと思っている患者や家族の方々がまず訪れて、悩みを聞き、問題を整理しというところが難病相談・支援センターの役割だろう。だから保健所でもなし、福祉事務所でもなし、病院でもなしというのが相談・支援センターの特徴としてとらえられる問題ではないだろうかというようなことです。
 そういう意味で資格問題についても触れたのですけれども、初めからこのセンターができたときからあった問題ですが、国家資格を持った者が相談に当たるべきだという考え方がある一方、患者団体でずっとやってきたところは、別にそれは国家資格が問題なのではない、むしろ相談に来られる方は同じ病気の人の体験を聞きたい、あるいは経験を聞きたいという声が非常に多い中で、我々はピアサポートと呼んでいますけれども、同じ病気を抱えた方々の相談に応じられるようなそういうシステムづくりがまず基本にあって、それを専門職の方々との連携やサポートによってどう拡大していくかというようなところに力点を置いた、つまり患者の視点に立ったそういう相談支援センターであってほしいということを強く願いたいと思っています。
○福永座長 私も今、伊藤さんが言われたものに基本的に賛成です。ただ各県いろいろな形で足並みを多少揃えていくには、最低限必要な人員を定める等、そういうところから出発していくのが現実的ではないかと思っています。
 どうぞ。
○川尻構成員 (2)の最初の方からの問題なのですが、難病は希少性が大変高く、支援者の経験値が大変積みにくい、相談を受けるのが大変難しいと思っています。しかしながら、難病の相談を受けるときに医療の問題と切り離すことはできない、医療の問題に触れないでいて相談を受けることはできないと感じております。その方の体のこと、受けている治療のことを理解した上で必要な福祉、生活のサービスにつなげることが大原則だと思います。難病相談・支援センターにできることは大変限られてはいるのですが、今まで経験してきた中でやはりセンターは支援者も集めにくい必要な情報を収集し、それを提供する準備をし、そしてピアサポート的に悩み迷う相談者に勿論寄り添い、そして相談者が適当な、適切な医療福祉サービスを受けることができるように、相談者が自分で決定できるといった自己決定の過程を支援すると考えております。
 私は難病相談・支援センター開設当初、あるケアの研究者に、難病相談・支援センターの相談は基本的には1回、原則的には1回しか受けないことを心がけてくださいと言われました。それは難病相談・支援センターにできることは限られているから、その方が適切な窓口に行かれるための助言や情報提供を行うことが非常に大事である、あなたが抱え込んではいけないよと助言を受けました。やっていく中でそうとは限らないなという場面が多々ありますが、原則はそうなのではないかと考えております。どの資格の方が働くにせよ、たくさんの難病に関する専門的な知識をお持ちの方と結び付きを持つことで、自分の経験値が足りないところとか、知識が足りないところ、情報不足ということは十分に補えるかと思います。ですからたくさんの資格の方を1か所に集めることではなくて、たくさんのつながりを持つネットワークの構築が難病には大事なのではないかと思っています。それは既存の施設を利用したり、既存の組織を利用することとすごく関係してくると思うのですが、難病の相談は本当に多岐にわたるのですけれども、どのような相談があるかを分析することはどのようなところと結び付いたらいいかということにもつながると思います。
 私は難病の相談内容を分析するに当たり、今までは手書きだったものをさまざまな方法で分析しやすいような形での入力システムについて研究してまいりました。その中でさまざまな方からの意見を伺い、患者会がやっているところとか、医療機関がやっているところ、あるいは行政がやっているところ、いろいろなところと結び付きを持ちながら研究を進めてまいりましたが、受けるところによって相談内容が全く傾向が異なることがわかってまいりました。というのは、相談者がそれだけを望んでいるということではなくて、相談者がそれを期待してそこに相談をするから、患者会に相談をするときはピアサポートを期待して相談するわけだし、私どもの大学病院みたいなところに相談するときには医療を主体とした相談になるのは必然的なことであります。もう少しどのような相談が寄せられているかということを全国の相談・支援センターの相談から分析をした方がよいのかなと思われます。それには相談内容の分析に当たりましては、個々のセンターからの情報提供をするだけでなく、やはり一体となってネットワークをつくった上でそのネットワークとして研究を進めていったらいいのかなと思います。
○福永座長 ほかにいかがでしょうか。
 ちなみに鹿児島県は去年の10月に県直営のセンターが発足し、私は非常勤の所長をしております。常勤7名、非常勤3名の10名体制で相談業務と特定疾患の申請などの事務的な仕事も並行して行なっております。ただ、センターは鹿児島市に一箇所だけですので、鹿児島県民すべての難病患者さんに対応できるわけではありません。センターは県内各地の保健所のセンター的役割で、それぞれの保健所でも地域の患者からの相談業務を受けています。その中で特定疾患患者に関しては、共通のデータベースもできていますので、情報の共有と蓄積が今後進んでいくものと期待しております。県の英断もあり、多額の投資をしていただいているセンター事業だと思いますが、今後の成果に関しては難病を含む県民からの評価をいただくものと思っております。
 ほかにございませんでしょうか。
 どうぞ。
○本間構成員 ここのJPAの提言、それから、今、川尻さんがおっしゃったような話はすべて全くそのとおりだと思うのです。要するに難病相談・支援センターの在り方、位置づけが中途半端なのです。結局都道府県によってものすごくばらつきがあるということも事実ですね。ですから、前にも申し上げましたが、福永先生のいらっしゃるところは理想的な部分だと思うのですけれども、残念ながらそうではないところもある。ですから、もう少し全国的にレベルアップを図るということは、結局先ほども申し上げましたように、最終的には人員の問題であり、予算の問題になってしまうのです。だからそこのところをある程度担保するというふうな具体的な実現できるビジョンをここでやはり示していただきたいということに尽きるのではないかと私は思うのです。そこがないと幾ら語っても、最終的には都道府県の実情によるのだということになってしまうと、このばらつきはなかなか解消されません、ないと思います。やはり専門家のいるところといないところは全然違いますし、そういった意味ではやはり地域格差は今の体制でいくとそのまま残るのではないかなという気がしてしようがないのです。
○福永座長 そうですね。
 ほかにいかがでしょうか。
○外山健康局長 このワーキングで弾を込めてもらって、難病対策委員会の方でまたもんでもらい、疾病対策部会の方で方向性を大体決めてもらって、それを踏まえて法制化に向けて進んでいくわけですけれども、最低限夏の概算要求にはこれと言っているわけではありませんよ、一般的にいただいた意見についてはできる限り実現したいと考えておりますので、ここはその前の段階の議論をやってもらいたくて、ここで案を出さなければ財政が担保されたのを出されても議論できないという議論になるとぐるぐる回ってしまいますので、そこのところをよろしくお願いしたいと思います。
○福永座長 私はこのように思う、ということでいいわけですね。
○外山健康局長 はい。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 局長が今、おっしゃったことで十分だと思うのですけれども、そういう意味で改めて強調しておきたいのは、参考資料2-2にあります第2の難病相談・支援センター事業の1の概要とありますね。実は目的なんだと思うのですけれども、この概要に書かれている内容が相談・支援センターの事業なのだということをしっかりと強調していただきたいということと、保健所との関係、行政との関係につきましては参考資料2-5の地域保健法の第11に「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項」とありますので、つまり相談・支援センターがあるからということで比較的県では保健所がちょっと後退気味というところもあって、しかもそういう難しい相談については難病相談・支援センターにということで紹介されてという、それは逆だと思いますので、まずこのこともきちんと浸透させていただきたい。保健所は保健所としての役割があるので、そことどう結び付くかということが大事なのだということを言っていただいた上で、先ほどほかの方々もおっしゃっているように、いろいろさまざまな要素があるので、最低限こういうインフラについては相談・支援センター事業としてやりますよ、あとは都道府県の実情によって更によいものに、あるいは拡大するなら、あるいは充実するならそうしてくださいというようなものであっていただきたい。そういう患者会も、行政も、専門職も連携をして1つのチームを組んでいくという理想的な姿を個々では是非打ちたてていただきたいという要望を繰り返しになりますけれどもしておきたいと思います。
○福永座長 どうぞ。
○春名構成員 ハローワークとの連携のことを考えてみると、他の障害、例えば精神障害では地域の医療機関も含めてチーム支援という形で就職する前から就職する後まで継続する支援を組み立てていくようになっています。難病相談・支援センターで就労支援をやるという場合に、ハローワークと連携するのが大変だとか、そういう課題を抱えていらっしゃる地域も多いようですが、ハローワークの方にはちゃんと地域の関係機関と連携する枠組みがありますので、それとうまく連動していけばもっと楽に支援ができるはずだということもあります。これは、就労支援についてのハローワークとの関係の例ですが、ほかの分野でも地域の関係機関で連携してやろうという取組みが多くなっていると思いますので、そういうところも含めて難病相談・支援センターの機能は何かというところが決められるべきだと思います。
○福永座長 細かいことなのですけれども、この前のフォーラムの中で例えば就労支援に関してもセンターの中に就労支援を専門にするような人も必要だという議論もあったのですけれども、それはそちらの専門にやっているハローワーク等を含めて、そういうところにネットワークというか、連携によって投げかけたら、専門家は必ずしもいる必要がないのではないかなと私自身は思っているのですが、そういう問題はいかがでしょうか。
○春名構成員 難病の人は医療と生活と就労の問題が複雑に絡み合っている、これは精神障害なども同じ状態なのですけれども、精神障害の場合もやはり医療機関の方に精神保健福祉士だとかがそういう人が就労支援の担当として機能していることでハローワークとの連携もうまくいくし、医療機関の中での疾患の自己管理だとか生活支援との連動もうまくいく。完全に就労支援と医療生活支援を分けてしまうというのではなくて、連携の受け皿というか、保健医療分野の機関において就労支援担当という位置づけがあるということが地域での連携体制を強化するのにすごく重要だという意味合いです。
○福永座長 どうぞ。
○川尻構成員 今の問題は恐らく難病相談・支援センターで行う個別支援をどう考えていくかということにもつながっていくと思います。就労支援は主とするものは個別になってくると思いますので、どのような形で関わっていくかという枠組みをつくっていただきたいなと思います。といいますのは、私たちが外に出ると、もうセンターが空っぽなのです。なのでハローワークに行ったり、病院訪問をしたりすると、もうセンターにだれもいないという状況もよくありますので、そういった部分でこの支援は地域でだれが主に担当するのか、だれが法律で定められた役割を持っているのかという機能をしっかりと理解した上で、そういった機関と連携することを確認していかなければいけないと思っております。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 さまざまな連携の仕方があると思うのですけれども、人数が少ないという問題については患者会と連携する中でお互いに役割を果たすこともできるのではないかという、そういうぐあいにやっているところもありますので、そこだけはつけ加えておきます。
 資料2-1についてですが、難病相談・支援センターのことを考えると、どうしてもそこが中心でこういう図になるのでしょうけれども、実際にはもっともっと幅広く連携することの図が大事なのではないかと思います。19ページです。この連絡調整を全部数少ない相談支援でやるのは大変な話で、図を見ただけでもう何もできなくなってくるのです。そうではなくて、さまざまな連携の中でということが大事だということと、これは前回資料訂正をお願いしたらしてくれたのだそうですけれども、ここには見えていなくてという話なのですが、患者会と家族会の関係が以前の資料ですと片側通行だったのだけれども、これは他と同じように相互に通行をしているのではないかということで、矢印を両方向にというお願いをしたら、それはそういうぐあいにしてくれたのだそうですけれども、このプリントの際ではそれが隠れてしまったというお話です。そういう方向もあるのだろうし、これも説明不足だった部分がありますので、ちょっと付け加えておきたいのですが、その下に相談・支援センターの運営主体別とあって、患者団体委託とか、医療機関・医師会委託、その他等ありますけれども、患者団体が運営を受託しているところは全部患者がやっているのかというとそういうことではなくて、患者団体が運営は受託しているけれども、保健師さん、あるいは看護資格を持っている方、ソーシャルワーカーの方々を専門職として採用して一緒にやっているところ。患者だけでやっているところも少しあるようですけれども、大部分はそういうぐあいにやっておりますので、患者団体が受託しているからといって、すべて患者団体としてピアサポートみたいなことをやっているということではなくて、そういう連携をしていることも受託箇所だけではちょっと読み取れませんけれども、そういう具合に読み取っていただければと思います。
○福永座長 あと参考資料2-6は、1日かけて西澤班で難病支援の在り方に対する研究ということで、支援センターの在り方に対するフォーラムを開いてまとめたのが4ページにわたっております。恐らくいろいろな考え方もある中で、まとめ方については議論のあるところかも知れませんが、午前中は8つのいろいろな設置主体や運営主体の異なる各県の担当者が発表、そして午後から総合討論というような形で、精力的にまとめたものですので、是非参考にしていただきたいと思います。
 まだいろいろあるかと思いますけれども、一応時間になっていますので、次の難病手帳のところに入って、またもし後で時間が残されたら議論したいと思います。
 そういうことで、次の難病手帳についての御説明をお願いいたします。
○竹内疾病対策課長補佐 それでは、資料3「難病手帳(仮称)の在り方」について御説明をさせていただきます。
 まず「1.検討の前提」でございますが、昨年の障害者基本法の改正によりまして障害者の定義が見直しをされまして、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下、「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とされております。難病に起因する障害につきましても「その他の心身の機能の障害」に含まれると解されております。
 また、障害者基本法第24条におきまして、国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない」と定められております。
 身体障害、知的障害及び精神障害につきましては既に手帳の仕組みが設けられているところでございますが、難病に起因する障害につきましても手帳制度を設けることが考えられるのではないかというのがまさに検討の前提でございます。
 参考資料3-2、ページで申し上げますと38ページでございます。既存の手帳につきまして、当然ピックアップをしたものということでございますが、根拠規定、目的等について整理をした資料を参考資料として付けさせていただいております。
その上で「2.検討すべき課題」ということでございますが、そもそも難病患者に対する難病手帳(仮称)についてどう考えるか。そうした難病手帳をつくって交付をするということについてどう考えるかということであります。
2点目といたしまして、難病手帳を交付するとした場合、対象者についてどう考えるか。
3点目として、難病手帳(仮称)により受けられるサービスとしてどのようなものが期待をされるかということ。
4点目として、一定の基準、例えば重症度に基づいて等級を定めることについてどう考えるか。また、医療費助成は医療ワーキングの方で御議論いただいておるわけですが、医療費助成の対象患者とそれ以外の患者で等級を分けることも考えられるのではないかと思いますが、このことについてどう考えるかということ。
5点目として、公平性を確保するという観点から、難病手帳の申請に当たりまして、例えばあらかじめ指定された専門医の診断を要件とするということについてどう考えるかということであります。
下から2つ目ですが、難病手帳(仮称)を交付する主体についてどう考えるか。
最後に、難病手帳の交付申請手続きにつきまして、特に留意すべき点はあるのかどうか。例えばということで写真を添付するかどうかといったようなことがあろうかと思いますので、そうした点について御意見をいただければと考えております。
御説明は以上でございます。
○福永座長 具体的な課題についての議論になるかと思いますが、いかがでしょうか。
 伊藤さん、お願いします。
○伊藤構成員 この手帳をどうするかというのは、さまざまな行政上の施策の面についての条件というか、利用の範囲を決める上で非常に大事なのだろうと思いますけれども、患者たちの日常生活あるいはプライバシーにも関わる問題がありますので、これは少し患者団体の方々あるいは患者さんたちの意見も聞いて検討されたらいかがかと思います。
 もう一つは、今まで難病と言われている病気の中でも内部障害の範疇で身障手帳を持っている人がいるわけですから、これは適用の範囲のことも含めてそれとの関係をどうするのかということも一緒に検討しなければならないのだろうと思います。そういう観点から少し考えていただいて、手帳にするのか、受給者証でいいのかという問題もさまざまあると思いますし、そこのところでもうちょっとこれは検討、施行するまでの間にはさまざまなことがまだあると思いますが、そういう検討課題として個別にやられたらいかがかという気がします。
○福永座長 ほかにいかがですか。
 どうぞ。
○川尻構成員 ハローワークで難病患者として相談を受けるときに、受給者証をお持ちでない患者さんの場合は、病院に行って診断書を作成してそれを提示する必要があります。それは金銭的な負担もありますし、患者さんが相談窓口から足が遠のかせる原因にもなっております。
身体障害者手帳の項目に区分2までは該当しないけれども、特定疾患あるいは難病であるということを証明できるような疾病名だけの記載ができないだろうかと常日ごろ思っています。というのは、身体障害者手帳を持っているけれども、法律に基づいたサービスは現在受けることはできないが、いずれはもしかしたら該当する可能性もあるし、それを提示することで診断書作成などの手間を省くことができるという点で、既存の手帳を生かしながらそこに1行、例えば潰瘍性大腸炎であると記載した身体障害者手帳をお持ちいただくということで既存のサービスを受けることができるかと思います。
○福永座長 これは例えば身障手帳みたいに行政的ないろいろな手続のときに必要な手帳というイメージなのでしょうか。それとも生活、たまたま私は今日鹿児島県の難病相談支援センターで作成した「あんしん手帳」をお配りしましたけれども、そういうこともひっくるめた形での大きな手帳というイメージなのでしょうか。
○竹内疾病対策課長補佐 検討の前提のところでも書かせていただいておりますけれども、もともと発想の起点といいますのがまさに障害者基本法の改正によって、まさに難病に起因する障害についてもそうした障害に含まれるということになったことを起点に、既存の身障、知的、精神といったような既に手帳制度が設けられていることを踏まえて、難病の患者さんがまさにそういう概念に入ってきた中で、そうした障害をお持ちの方について既に手帳の仕組みがある中で、そうした手帳が取得できない、いわゆる難病の患者さんに対しても何かそうした手帳のような仕組みがつくれないかということで、今、座長がおっしゃっていただいたのは、全くほかの手帳制度と同じようにつくるつもりなのかということになると、それは当然いろいろ違うのだと思います。
例えば身体障害者の手帳で言えば、まさに逆に手帳を持っている方が身体障害者ということになっていたりということもあるので、そこは制度の仕組み方としていろいろあるのだろうと思いますけれども、基本的にはここに書かせていただいているような何らかのサービスが付加されたような手帳をどういう対象になるのかということもありますし、どういう等級を設けてというような細かいことはまだまだこれから議論をして煮詰めていかなければいけないわけでございますけれども、念頭に置いておりますのはそうした先行しておる障害者手帳ということでございます。
○福永座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○春名構成員 身体障害者の認定は原因疾患によらないので、基本、難病であっても、内部障害に限らず、身視覚障害でも、聴覚障害でも、肢体不自由でも色々な障害認定の対象にはなっています。難病で身体障害認定されない人たちが多いというのは、症状が変動するであるとか、例えば多発性硬化症などで機能障害としてはまだ重くないのだけれども、そこで無理をすると発作を起こしてその後機能障害がひどくなるから現時点で制限がかかるだとか、あるいは疲れやすいだとか、あとは外見の障害だとか、そういったところが身体障害では認定されない。今回の難病手帳の位置づけとしては、むしろ原因疾患によらないというよりは、原因疾患をちゃんと特定した上で難病の方は複合的な機能障害がおこったり、機能障害が変動したりするという病気としての特徴がありますので、そういう今までの身体障害者手帳ではちゃんと認定されていないところも福祉制度でカバーするという意味合いで、難病の手帳は意義はあると思います。疲れやすさや痛みのような主観的側面が強い機能障害も、病気の診断を踏まえると認定しやすい。
例えば精神障害の保健福祉手帳も似ていて、あれは個別に精神機能の認定をしているというよりは、精神疾患の診断をした上で、それにプラスして生活上の支障で等級を定めているわけですけれども、それに似た形で難病の病気という診断プラス生活上の支障ということで、今までの身体障害者手帳でカバーできなかったところをうまくカバーできるような認定ができたらいいなとは思います。
○福永座長 小倉さん。
○小倉構成員 臨床調査個人票の方では疾患ごとに細かく症状、現状の体についてグレードを付けていますので、もしこちらの障害の方の制度で、今、内部臓器障害という形になっているものと臨床調査個人票等で細かく評価されるものと連動させて、より内部臓器障害等の項目を細かくしたりとか、あるいは行動の障害について細かくするとか、そういうイメージなのでしょうか。ちょっと整理が付かないでいるのですが、基本的には臨床調査個人票ではきちんと疾患ごとの症状、重症度、そこの中での重症度認定ということにも関係して、きちんと基準があるので、そういったものとどういうふうに連動する新たな手帳になってくるのかなと疑問を持ちました。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 多分ここで言っているのはそういうことではなくて、従来の難治性疾患克服研究事業どおりになるかどうかは別にして、いろいろな制度利用ができましたね。居宅生活支援事業のような。ですから、必ずしも特定疾患だけ今、56疾患の診断の基準という話ではなくて、そこに入らない程度の軽い人から、あれは軽症は外されていますから、そうではなくて診断名で対象にしていこうということが根幹なのだろうと思うので、それと就労支援なり、福祉なりの複雑さと、あるいは内部疾患だけではなくて、神経疾患で、身障と両方持つことも可能なので、ダブルで持つこともあり得るのかということも含めましてかなりテクニカルな問題があるので、私は手帳制度のことだけの検討会なり、分科会なりを設けて作業されたらいかがか。分科会というのはおかしいかもしれませんけれども、どこかで、今の時点ではなくても将来もうちょっと詰めた検討をする機会を提起してはいかがかという気はいたしますけれども、そこまで行くとちょっと難しくなり過ぎるでしょうか。
○外山健康局長 今、補佐が説明しましたように、難病手帳をどうしてつくるかどうかの検討が必要だというのは、もう障害者基本法の中で難病も障害者の一部というか、あれだから当然の権利として他の制度に引けをとらないというか、恩恵を受けるというか、そういうふうに定めてあるのです。
そういう観点に立ったときにどういう制度設計をするかどうかは別にして、こういうことがまず必要ですかと決めてもらって、その上で例えば等級のレベルまで必要なのかどうなのか。仮に必要だった場合には入手する情報として個人票なのか、それとも個人票は今、疾患が制限されていますから、それは今度は特定疾患の対象を拡大すれば、例えば全部になればそれはカバーされるわけなので、どういう手段でそれを入手するかは別の話であります。
ですから、私のお願いとしてはまた別の分科会をつくってという話ではなくて、今、ここで決めてもらわなくてもいいのですけれども、仮に難病手帳が必要かどうか、必要な場合にはA案・B案あるけれどもというような形で意見だけもらえばというのは失礼ですけれども、それをもらった上でまた難病対策委員会の方で少し収れんさせてもらって、またこの作業部会にかけるという作業を繰り返しさせてもらいたいと思っているのです。ですから、確かにまだ深みは足りませんけれども、特別委員会という形ではなくて、この場で少し方向性を出してもらいたいと思います。
○福永座長 そういうことですが、いかがでしょうか。
○本間構成員 先ほどの疑問に関連するのですが、ほかの身障手帳と違うところは難病の患者さんはいいときと悪いときと波があるのです。ですから悪いときだけ対象になって、寛解期は対象にならないというふうになってしまうと、どうやって判断すればいいのかわからなくなってしまうので、その辺は事務局としてはイメージはありますか。
○外山健康局長 イメージというのではなくて、では、そういうふうな断続的な病状である、変動するということであれば、そういうことを克服するために識者としてどういう段階でそういうものを認定すべきだとか、そういう意見をもらいたいのです。それはもうイメージというか、考え方は幾らでもございます。ただ、我が方がといいますか、こういうふうに考えているという段階ではなくて、まさに現場をよく知っていらっしゃる方の御意見を聞きたいということなのです。
○本間構成員 では、今の関連ですけれども、そうしますと、やはり難病手帳というものもほかの手帳とは違う性格のものはあるのですが、ただ長期慢性疾患、療養が必要だという意味では共通なわけですね。ですから、難病手帳という形で切り離した形ではなくて、あるいはほかの長期慢性疾患手帳とか、そういった形の包含した中の1つの手帳だという形にする方が自然ではないかと思います。難病患者もいずれ65歳になれば、今度は高齢者になるわけですね。ですから、別のカテゴリーで手帳をつくるといった場合は、そういういろいろな重症度で区別する。それから、例の130疾患以外は対象になるかならないとか、そういう大きな問題が出てきます。ですから、伊藤さんが別の会議が必要ではないかと言ったのはその辺があるのではないかと思うのですけれども、そういった意味で別個つくるとまた別の問題が出てくるということがありますので、難病手帳だけ切り離して発行するというのは私はちょっと疑問に思います。
○外山健康局長 難病手帳制度というか、これを議論してもらっているのですけれども、難病手帳制度だけ切り離すとかいうことを言っているのではなくて、まさにどういうものと連携させたらいいかとか、そういう有益な意見をもらいたいというので、切り離しているわけではないです。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 よくわかりました。1つは、私たちはやはり何らかのものは必要だろうと思います。ただ、写真までということになるのかどうかということと、身体障害者手帳との併存が可能なようなものにして、疾病を設けるんですね。その等級によって受けられるサービスが違うというのではなくて、とりあえず今までの居宅生活支援事業のように病名で判断していただき、どういう支援が必要か、どういう制度を利用することができるかの判定は、その人の支援程度というか、それを判断していただいて、どういうサービス提供が必要かということを行政側なり、どこかで判断する機構を持てばいいのではないか。
とりあえず病気はさまざまに変動しますし、軽い人でも重い人で同じ悩みはあるわけですから、重症度によって手帳の区別をするとか、等級をつけるというのではなくて、まず病名で出され手はいかがかということを、意見を求められているとすればそういう具合に述べておきたいと思います。他の制度と併用して2つ持つことも可能ということでお願いしたい。
○福永座長 私も基本的には必要だと思います。ただ難病の定義や範囲も問題になるでしょうし、例えば現在の特定疾患56疾患を拡大した形で考えるのか。また難病の患者さんにとって何かサービスのメリットが付いて来なければ意味のない手帳になってしまうでしょうし、診断する専門医をどうするかなど、結構細かい課題もあるように思います。
○伊藤構成員 ただ、前提になりますのは、難病対策で行われている居宅生活支援事業、対象疾患をどうするかは政令で定めることになります。原則として、そこに盛られている事業を障害者福祉の施策に持っていく。そこで受けることができるというのが前提にあったと思いますので、また新たに対象を決め、程度を決めるということであれば、初めの話と違ってきますので、それはそういうことではないであろうということを前提に話を進めていただきたい。
つまり、対象とする疾患は定めるにしても、居宅生活支援事業よりは後退してはいけない。もしも居宅生活支援事業で補っている制度があって、今度は障害者福祉の制度に行ったことによって使うことができないものがあるのだとすれば、それはこの手帳を持っていることによって難病対策の方できちんと従来どおり提供できますよというものでなければならないだろうというイメージはあるのですが、それは局長が我々に考えろということであれば、そういう具合に意見を言っておきたいと思います。
○福永座長 はい。
○春名構成員 「その他の心身の機能の障害」と位置づけられているので、ここの扱いが、単純に言うと例えば免疫の機能障害だとか、?型糖尿病のような膵臓の機能障害だとか、疲れやすさだとか、皮膚の障害だとか、そういうところは素直に入りやすく、そこはむしろ身体障害者の認定範囲の認定の拡大ということで対応できるかもしれない。
しかし、ここの難病手帳でやはり重要なのは、身体障害者手帳が原因疾患によらない機能障害の認定であるのに対して、難病手帳の方は疾患の特徴によるものである。だからこれによって、例えば多発性硬化症で、現時点では機能障害はそれほどないのだけれども、実は生活面の制限が大きいとか、あとは複合的な機能障害があるので、そういうものを一つひとつの認定よりは全体的な難しさとか、症状の変動とかを見る必要があるとか、薬を飲んでいるときには機能障害はないのだけれども、実質は生活面の課題が大きいとか、そういう疾患の特徴を踏まえた障害の認定という位置づけを明確にすれば、この難病手帳の意義は出てくると思います。
○福永座長 ほかに。
 どうぞ。
○川尻構成員 身体障害者手帳の取得を進めるに当たりまして、患者さん方は既に病気を十分に受け入れられている方々は別として、大変抵抗を示します。なぜかというと、既に身体障害者であるにもかかわらず、手帳を取得することで身体障害者になると皆さん思っているからなのです。そこをあえて説得して、納得して取得するには理由がありまして、それは各種サービスを受けるパスポートであるという認識をきちんと持っていただくからだと思うのです。では、難病手帳をなぜ持つかというところがきちんと示されないと、あるべきかどうかという議論もなされないのかなと思いました。
 なので、私自身は手帳を増やすのではなくて、身体障害者手帳の中に包含するという形の方が自然であり、そして移行も簡単なのではないか。いざ症状が重くなったときに、身体障害者のサービスを受ける場合に区分の中に入るときには、病名プラス区分が加わるし、もし区分に該当しなくなっても疾患名は残るわけですから、難病のサービスも受けられるという形で、既存のものをうまく生かせたらと思います。今までせっかく身体障害者の方々が苦労して築き上げた現在の偏見をなくすであったり地位であったりしたものを、これから難病の患者さんがまた同じ道を歩むのかなと思いますと、少し抵抗を感じます。
○福永座長 どうぞ。
○本間構成員 今の川尻さんの御意見に全面的に賛成です。手帳でなくても、難病患者はやっと自分の病名がわかってこういう治療を始めるというときになると、やはりいろいろ皆さん猛烈に悩みますね。受け入れるまで相当時間がかかるわけです。受け入れて治療を始めても、さあ、これからが長い時間かかるということで、なかなか病気自体を受け入れるという御本人、家族は相当心理的圧力が強いものがあると思うのです。ですから、同じようなことが難病手帳という形で発行されますと、恐らく入口で、確かに川尻さんが今、おっしゃったようなことは当然起きると思います。
 そういう意味では先ほど申し上げましたように、難病手帳として独立するのではなくて、身障手帳の中に包含するなり、そういった形でやった方がむしろ自然にいくのかなという気がします。その場合、先ほどおっしゃったような病名による違い、切り捨てといいますか、これはやはりやらないでいただきたいです。56疾患、130疾患以外はだめという形でしたら、これはやらない方がいいと思います。
 以上です。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 議論を少し整理しなければならないと思うのです。難病対策における医療費助成を受けるとか、さまざまな対象になるという話と、今度、法改正があってその中に難病も位置づけられた。では、その法改正で位置づけられたことによってサービスを受けることができる。では、サービスを受けるに際して何を提示することによって対象者であるかということを証明するものをどうするかという話と、病気であることによる医療費、あるいは医療を受けるという話と別の問題だと思うのです。それは様々なリスクがあるのは確かで、患者団体にしても必ず自分が難病であるということを証明するものを持って、しかも写真まで付けて持って歩くなどということで、余りそれで気分がいいなどと思っている人はいるわけはないのです。しかし、何らかのものが必要だとすればどうするかという議論なのだと思うのです。
 そこでもう一つはインセンティブとして、これを持つことによって、給付を受けることによってどういうサービスをその方は受けることができるのですよということをきちんとするかどうかで、その説明がきちんとされるということを前提にして、どういうものがいいかという議論を進めた方がいいのではないかと思います。
○福永座長 そういう御意見、いろいろな御意見がありましたけれども、ここでどういうことと決めなくても結構なのです。いろいろな意見がありましたから、そういうことを事務局の方でまた考えながら次のときに生かしてほしいなと思います。
 そうしましたら、最後の課題「就労支援の在り方」に入りたいと思います。御説明をお願いいたします。
○竹内疾病対策課長補佐 それでは、資料4「就労支援の在り方」について御説明をさせていただきます。
 まず、「1.現在の就労支援に関する施策」ということで、これは前回のワーキンググループで御紹介があったかと思うのですけれども、「(1)難病がある人を対象とした支援施策」ということで、難病の患者さんを対象とした支援施策ということでございますが、難治性疾患患者雇用開発助成金、難病者の雇用管理に関する情報提供の実施、更には難病患者就労支援事業が行われておるところでございます。
 「難病がある人が利用できる支援施策」ということで、ハローワークにおける職業相談・紹介、更には障害者試行雇用ということでトライアル雇用事業の推進、ジョブコーチ支援の実施、障害者就業・生活支援センター事業の拡充といったような施策が行われておるところでございます。
 参考資料といたしましては4-1でございます。ページで申し上げますと、39ページ以下に参考資料として添付をさせていただいております。
 そうした施策を踏まえまして、「2.検討すべき課題」ということでございますけれども、大きく2つ、「(1)就労支援に必要な施策について」「(2)就労支援に係る体制について」ということでございます。
 まず(1)につきましては、これをまた大きく3つの視点から分けてございまして、「?患者への支援」「?企業への支援」「?医療機関や就労支援機関への普及啓発」という観点から検討すべき課題を書いてございます。
 まず、「?患者への支援」ということで、1つ目ですが、難病の特性に応じた相談支援の在り方についてどう考えるか。
 2点目として、キャリア支援、リワーク支援、職場適応支援、それぞれ日本語で申し上げますと、就職、復職や就職後の雇用管理ということになろうかと思いますが、難病の特性に応じた施策としてどのようなものが考えられるか。
 「企業への支援」ということでは、難病に関する知識の普及啓発、例えば通院への配慮でありますとか、職場での配慮等を含めた普及啓発についてどう考えるか。
 それから、企業に対する雇用促進のための支援策、既に冒頭申し上げましたような助成金等の施策があるわけでございますけれども、そうした支援策の在り方についてどう考えるか。
 3つ目として、医療機関と企業の連携についてどう考えるか。
 「?医療機関や就労支援機関への普及啓発」ということですが、医療機関への就労支援に関する知識の普及啓発についてどう考えるか。就労支援機関への難病に関する知識の普及啓発についてどう考えるかということであります。
 大きな柱の2つ目、体制についての方ですが、難病相談、支援センターとハローワークの役割や難病相談・支援センター、ハローワーク、医療機関、難病患者、家族の連携についてどう考えるかということでございます。
 御説明は以上でございます。
○福永座長 ありがとうございました。
 このことに関しては、一応10分の時間を予定しております。何かございましたらどうぞ。
○春名構成員 ここに検討すべき課題とあるのはそれぞれ重要なこと。ハローワークなどの取組みも今までは弱かったのですが、かなりいろいろな、上に挙げてあるようなさまざまな取組みが出てきたということを踏まえて、更に、ここに挙げてある様々な取組について、それぞれの意義を踏まえながら取り組んでいく必要があると思います。
例えば(1)の「?患者への支援」というのも、具体的にいうと、各難病の疾患でどういう仕事なら無理なく働けるのかということであるとか、どのような自己管理をすればいいのかということを適切に支援していくというのが1つのポイントですし、「?企業への支援」というのも、職場での通院への配慮を確保しましょうだとか、無理のない職場配置をしましょうであるとか、企業の安全配慮義務との関係をどうするのか、医師との確認をどうするかということが2番目の課題でありますし、「医療機関や就労支援機関への普及啓発」ということも、今までは例えば医療から福祉へと行ってしまう、そして福祉と就労支援機関の連携というふうに、そういう地域の連携の体制はよくできているのですけれども、難病の方の支援の場合はそういうふうになってしまうと必ずしもニーズに応えられないことがありますので、むしろ医療的な支援と就労支援の関係機関をいかに密接に連携するのかという取組みについての啓発が重要になるだろう。
(2)のところも、現在は難病の人の就労支援というのは医療と生活と就労の支援とがかなり複雑に絡まったニーズになっているのですけれども、それを一体的に支援できる体制がないがために、保健医療福祉の分野でも、この人がどんな仕事に就けるかわからないということで仕事になかなかつながらなかったりしている場面がありますし、ハローワークなどの方でもこんな病気はどんなことができるのかわからないとか、こんな人に仕事をさせて大丈夫かとか、わからないとか、そういう縦割での限界がありますので、そこをうまくつないでいく。今、難病相談・支援センターでほとんどハローワークと連携をとらずに、自分のところで企業に行っていろいろな職場開拓をしようとしたり、非常に苦労してうまくいかないということがありますけれども、そういうところはちゃんとハローワークなどの機能をうまく活用していくということ、そういう「もちはもち屋」というか、そういうところをうまく機能できていくようなことだとか、あるいは医療機関の方では疾患の自己管理のことだとか、ソーシャルワークのことだとか、そういうことをきっちりやってもらいたいとか、そういうさまざまな今後やるべき課題があると思っています。
長くなってしまいました。
○福永座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。
○川尻構成員 難病相談・支援センターにおける就労支援に関しましては、ここ数年、大変さまざまな資料や研修が充実してきておりまして、患者さん自身の自己管理の問題であったりとか、ハローワークでの窓口対応、その連携の在り方についてはほぼ形が整いつつあるように感じています。というのは、限界がありまして、担当者が替わってしまうので、毎年毎年また一からということにもなりかねないのですが、ただそういった中でもだんだん支援体制が整いつつあるのです。
 ただ、一番重要なのは企業への支援かと思われます。なぜかといいますと、何例か関わっていく中で、まず難病の患者さんということで企業側の戸惑いとか誤解という問題がすごく大きな壁となってある。雇っていただいてもそれがずっと続いて、とにかく難病の患者さんが職場にいるイメージが持てないというのを実感いたしました。私は何度も現場でやっている中で、何でCMを流してくれないのだろうと思って、震災の後に何度も何度も同じCMを流して、子どもたちも口ずさむようなイメージを持たれたのと一緒で、テレビの番組とかで難病の患者さんが自然に職場の中で働いて、車いすの方が職場で机を並べて働いている、そういったイメージを持っていただくと、より障害者であったり、難病の方を雇うというところでハードルが低く感じられるのではないかと思われました。
 勿論、中小企業の方の方がそういったことに理解を示してくださって、社長の一言で、呼吸器をつけていたとしても、酸素マスクをしていたとしても、そういった方の就労を継続させていただいたり、雇っていただいたり、そういった実例は地方にもあります。酸素のボンベを玄関のところに置いて、そこから長い管で酸素を吸いながら仕事を継続されている神経難病の方も数名おります。そういったことはやはり中小企業であればより難しくないのかもしれませんが、やはり大企業になりますと大きな縛りがあって難しいのかなと思われました。
 それなので、企業へのそういった啓発活動はやはり個々の難病相談・支援センターでは無理ですので、国の方でそういったイメージを持たせつつ、そういった中でたくさんの支援機関を紹介していっていただけると、難病相談・支援センターというものがあるんだ、ではわからなかったらそこに相談してみようという体制もできるのかなと思いまして、お願いしたいところです。個々の難病相談・支援センターではもう限界かなと。頑張れるだけ頑張って、今、ここまでつくってきたよという段階で、これ以上は多分限界なのかなと思われます。
○福永座長 ほかに。
 伊藤さん。
○伊藤構成員 この難病患者の就労が可能かというふうな問題提起があってから、ここ数年の間に随分さまざまな経験が蓄積されてきて、やはり、今、一定のシステム化をすることが可能だということが言われてきている時代になったと思うのです。本当に個々の相談・支援センターでは対応できないでしょうし、個人の努力でも限界があるわけですけれども、システムとしていろいろなものをつくれる可能性が出てきている。
 幾つかの相談・支援センターでは、相談・支援センターが呼びかけて、障害者の職業相談支援センターとか、生活支援センターとか、あるいは都道府県の職業支援、あれは労働部門なのかな、それにハローワークということで、関係する団体がたしか地域では5つ、6つになるのだと思うのですけれども、それを集めて、しょっちゅうの会議はできないけれども、年に一遍か二遍でもいいから顔を合わせて、お互いに状況を説明したり、情報を共有したりする中で、専門の就労支援機関であるハローワークの認識が高まってくれば、幾つかいろいろな問題は解決されるのだろうと思います。
 あとは川尻さんがおっしゃったように、病気を持っていても働ける、また働く権利がある、さまざまな能力を持っているということはもうちょっと別な形のPRが必要だろうというような気もいたします。いつもいつも関係する機関にだけポスターやいろいろなものが配られるなどということではなくて、もっと社会一般に向けて必要だろう。これは難病患者の差別・偏見をなくすということにも直接寄与する事業でもありますので、是非そういう難病対策としてのPRと同時に、就労支援部門と相談・支援センターの連携については、相談・支援センターとして個々で頑張るのは限界だけれども、関係者を集める1つのかなめとしてやればもっと枠が広がるよというようなシステム化をしていただければもっと前に進めるのではないだろうかと思います。
○福永座長 どうぞ。
○本間構成員 今の関連ですが、この在り方の「検討すべき課題」を見ていると、企業支援という意味では、ここは民間の活用という発想が全然出てこないので、これは片手落ちではないかと思います。というのは、例えば民間の人材ビジネス会社は今、福祉部門ではかなり実績を積んでいるのです。一番いいところは面倒見がいいのです。そういう意味では、どうしてもハローワークは紹介事業が中心ですので、そこまでは難病患者に対する理解、啓発があるとは、申し訳ないですが、ちょっと思えないです。
 そういう意味では、民間の人材ビジネス会社は企業とのマッチングの網は物すごく広いものがありまして、そういうニーズを掘り起こす、それから、そこへ就労させる、その後のフォローをするという形で、最後にまでわたって結構細かく面倒を見ている会社もあるわけです。ですから、それを今、福祉でやっている面を難病にも応用するといいますか、適用することは十分可能だと思うのです。そういう会社に行政は補助金を含めて支援をすればいいわけです。そういう発想をここに是非入れていただきたいと思います。
○福永座長 どうぞ。
○伊藤構成員 本間構成員のおっしゃったことはよく理解できることだと思いますが、ただ民間の業者についてはまだまだ何か、さまざまな差といいますか、放置しておくとよくない面もあるように見受けられるところがありますので、十分そこも気をつけた上でということと、あとは障害者の従来の身体障害者手帳と、あるいは精神手帳とを持っている方々が雇用率に換算されるということがあって、就労支援が大変進んできまして、むしろそういう障害を持った方を新たに発見することは困難な状況の中で、病気を持っていてもまあいいよというようなことで誘われていって、やはりだめでということでダメージが大きくなるということが少しありますので、これは慎重に相談や医療的な支援を含めて進められたらいかがかと思います。
○福永座長 そうしましたら、一応、就労支援に関してはこれで終わりまして、全体として何か付け加えたいこととかありましたらお聞きしたのですけれども、いかがでしょうか。今日の流れの中で是非話しておきたいということがありましたら、よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○伊藤構成員 非常に大きな改革の中で難病をどうするかという、日本では難病対策の中で歴史的な場面になると思うので、かなり理念だけでは進まない、テクニカルな部分もいろいろあると思いますので、是非そういう面でも十分に御配慮いただいてプランをつくるなり、あるいは答申もつくられるなりをしていただきたい。短い時間の中で議論を尽くせないこともたくさんありますので、そういうとりまとめの方向で今後も協議を進めていただければと思います。
○福永座長 ほかによろしいでしょうか。
 どうぞ。
○春名構成員 重複ですけれども、先ほど難病手帳のところで、こう言うのはあれですけれども、難病の人のアンケートなどをとると、自分は病人だけれども障害者ではないよという位置づけの方も結構いらっしゃって、先ほどの話だと、更に難病と認定されるとまたレッテル張りになるのではないかという心配もあったりします。そういう障害にしろ、難病にしろ、レッテル張りではなくて、今、そういう病気を持ちながら生活する上での支援が難病の人にはないため、そういう制度をつくるという位置づけで、レッテル張りではない形でするということが、実際に使われる、活用されるために大切なことだと思います。
○福永座長 是非、その辺りの配慮はお願いしたいと思います。
 そうしましたら、事務局から次回の予定等についてお願いいたします。
○荒木疾病対策課長補佐 構成員の皆様方、長時間ありがとうございます。
 次回の日程でございます。第3回のワーキンググループにつきましては6月中旬、15日ごろを予定しております。よろしくお願いいたします。
○福永座長 長時間、活発な議論をありがとうございました。これでこのワーキンググループは閉会としたいと思います。
 どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 難病在宅看護・介護等ワーキンググループ> 難病在宅看護・介護等ワーキンググループ(第2回)議事録

ページの先頭へ戻る