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2012年5月31日 急性期医療に関する作業グループ第7回会合議事録

医政局総務課

○日時

平成24年5月31日(木)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議題

-

○議事

○医療政策企画官 まだ1名いらっしゃいませんけれども、定刻を過ぎましたので、ただいまから急性期医療に関する作業グループ第7回会合を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 まず初めに、本日の御出欠について御報告申し上げます。本日は代理の方に御出席いただいておりますけれども、花井圭子構成員が御欠席でございます。
 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 お手元に議事次第、座席表、構成員名簿のほか、事務局の提出資料、そして中川構成員から資料が提出されておりますので、それをお配りしております。不足がございましたらお知らせください。
 また、これまでの作業グループでの資料等は、前回同様ファイルとして御用意しておりますので、適宜御参考にしていただければと思います。
 なお、このファイルにつきましては、前回同様、会合終了後は机に置いたままにしていただいて結構でございます。
 事務局からは以上でございます。
 以降の進行は座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中座長 皆さん、こんにちは。お集まりいただきましてありがとうございます。ちょっと風邪を引いて、のどがつぶれていて悪声ですが、お許しください。
 初めに、構成員欠席の際に代わりに出席される方の扱いについて、部会と同様、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること、当日の会合において皆様方の承認を得ることによって参考人として参加し発言をいただくことを認めるという規定になっております。本日の会議については花井圭子構成員の代理として、日本労働組合総連合会生活福祉局部長・遠藤孝一参考人の御出席をお認めいただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田中座長 では、御発言をお願いいたします。
 早速ですが、議題に移ります。前回の会合において、事務局から修正に向けての基本的な考え方を示されました。それについて一応の文章化をしたもの、これまでの議論を踏まえて整理した資料が提出されております。また、中川構成員からは病床の機能分化についての提案を示した資料が提出されました。冒頭、続けて両案を説明いただき、その後で議論に移りたいと思います。
 では、事務局から説明をお願いします。
○総務課長 それでは、まず私の方から、右肩に「資料」と書いてある縦長の「一般病床の機能分化の推進についての整理(案)」という資料がございますが、これに沿って御説明をしたいと思います。
 今、座長の方からお話がありましたように、前回の第6回の会合に、事務局の方からそれまでの作業グループでの議論を踏まえた、修正の基本的な考え方を提示させていただきました。その資料に対する議論、それまでの議論を踏まえまして更に全体像を整理したものがこのペーパーになりますので、御説明したいと思います。
 まず1ページ目をごらんいただきたいと思います。基本的な考え方でございますが、前回の資料の修正の考え方の中に、これまで急性期病床群ということを中心に第一歩を進めたらどうかという提案だったものについて、それ以外の機能が軽視されるという懸念があり、それだけではなくて、もう少し幅広い機能を位置づけてはどうかということで修正案をお示ししたわけでございます。そうした考え方に沿いまして、この基本的な考え方は急性期だけではなくて、亜急性期、回復期、療養といった幅広い機能、今はこれを一般病床が担っているわけですが、全体について機能分化を進める枠組みを設けようという趣旨で書いてございます。最初のパラグラフでは、一般病床が非常に幅広い機能になっている中で、機能分化を進めていく必要性を記してございます。
 その上で、2つ目の○でございます。地域の一般病床が担っている医療機能を確認・把握する仕組みを医療法上に設けることとしてはどうか。そういった仕組みを通じて、それぞれの医療機関が他の医療機関と必要な連携を図りつつ、自らが担う機能、今後の方向性を自主的に選択していただきながら、地域のニーズに応じた効率的な医療提供に努める方向を目指していくということでございます。
 これまでも御説明しているところでございますが、今回の機能分化は、個々の医療機関それぞれが適切に機能分化・連携をしていただくことが出発点になるわけですが、その上で、地域全体として必要な医療機能がバランスよく提供される体制を構築していくことが重要だということで、そうした考え方を記してございます。
 それによって、3つ目の○になりますけれども、急性期あるいは亜急性期、回復期等の医療についてそれぞれのニーズに見合った病床が明らかになり、その医療の機能に見合った医療資源の効果的かつ効率的な配置が促される。その結果、急性期から亜急性期まで、患者の状態に見合った病床で、その状態にふさわしい良質な医療提供サービスを受けることにつながる。将来に向けて急性期から亜急性期、回復期の医療について、それぞれの機能に応じた資源投入により、入院医療全体の機能強化を図っていくということでございます。急性期だけでなくて、機能の分化というものを幅広く位置づけていく枠組みを設けてはどうかという趣旨でございます。
 こうした仕組みを通じて、それぞれの医療機関が担っている機能が、住民・患者の視点に立ってわかりやすく示されることにつながってまいりますので、住民や患者さんが医療機関の機能を適切に理解しながら、利用していただくことにつながっていくものと考えております。
 そうした基本的な考え方に立った上で、今回、一般病床の機能分化を推進する枠組みを設けてはどうかということでございますが、大きくは(1)と(2)と2つの柱に立っております。現在、一般病床は非常に幅広い機能を担っているわけでございますが、こういった一般病床について、それぞれの医療機関が自主的にその機能を選択していただき、各県が実際の状況を確認・把握しながら、地域全体として均衡のとれた医療機能の分化を目指していく仕組みを設けようということでございます。
 1つ目の柱立てが(1)のところにありますが、一般病床が担っている医療機能を各医療機関が自主的に選択し、これを確認する仕組みを設けようというものでございます。
 まず、各医療機関は、その有する病棟において求められる医療機能を自ら自主的に選んでいただく。手を挙げていただくことになりますが、これを各都道府県に申請していただき、登録することができる仕組みを設けてはどうかということでございます。
 その登録の単位は病棟を基本として、各自弾力的な機能分化が進められるような仕組みとしてはどうかということでございます。
 それから、どういう医療機能を位置づけていくかということでございます。例示として「急性期をはじめ比較的高い診療密度を要する医療」と書いてございますが、法律上はこういった大きな考え方を書くにとどめ、具体的な類型については、省令以下に定める弾力的なものにしてはどうかということでございます。
 したがって、登録の基準につきましても次の3つ目の○にありますように、大きな考え方は人的な体制、あるいは構造設備、あるいは医療機能や特性といったところでございますが、その具体的な基準は法律に定めるのではなくて省令以下で定めることで、より現実的かつ弾力的な対応ができるような仕組みとしてはどうかということでございます
 そうした類型、あるいは基準の具体的な内容については、別途更に御議論をいただいた中で検討するということでございますが、その際には医療提供者や利用者の意見を踏まえながら検討していくということとともに、この作業グループもそうでございますけれども、そうした検討の場としては、医療部会のもとに別途検討の場を設けて検討するというイメージですが、そういったところも併せて記してございます。
 それから、これまでの御議論の中では登録の基準を考えるに当たって、従来の医療法にある人的基準等のような外形基準といったものよりも、むしろ実際に医療機能がどういうことを果たしているか、医療の内容がどういう状況にあるかということ、機能や特性という中身の面をより重視すべきではないかという御指摘もありましたので、そういった御意見も併せて記してございます。
 2ページ目の一番下、32行目でございますが、基準の適用については個々の患者さん一人ひとりを見るのではなくて、登録しようとする病棟全体を一定の期間で見て、その基準を満たしているかどうかを確認するものだということで、個々の患者さんがどうこうということではないということであります。全体として、その機能を見ていくという考え方であるということでございます。
 3ページ目の4行目の※でありますが、これまで御議論いただいている中で、特に医療資源が限られたところでも救急を担っている現状があるという御指摘がございました。事務局から幾つかのデータをお示ししたところでも、こういった傾向があるわけでございますが、こういった状況についても留意しながら、登録基準については地域の実情に応じた一定の配慮を設けることを検討してはどうかということでございます。
 8行目の○でございますが、こういった登録の仕組みについて一般病床の機能分化は必要であり、医療機能を自主的に選択し、確認する仕組みは重要であるけれども、医療機能の基準を付した登録制度を医療法上設けることについては、設けるべきではないという意見が一部あったということも記してございます。
 こういった登録制度を設けるに当たっては、定期的に都道府県に報告をしていただくことや、更新といった仕組みも併せて必要になると考えてございます。
 ただ、16行目の※にありますように、仮に基準を満たしてない場合には直ちに取り消すということではなくて、都道府県が事前に医療機関への指摘をした上で、登録されている病床数の変更であるとか、一定期間の猶予を設けるといった個別の事情に配慮した仕組みを設けることも併せて検討する必要があるということであります。
 都道府県は、登録した医療機関からの報告の内容については公表していくことになると思っております。
 制度を導入するに当たっては、地域の医療提供体制に混乱が生じないように、十分な準備期間も併せて設ける必要があるということでございます。
 診療所の扱いについて、どう考えるかというのは別途検討が必要であると思っております。
 4ページ目でありますが、この仕組みのもう一つの柱は、個々の医療機関に自主的に機能を選んでいただいた上で、地域のニーズにふさわしい医療機能を提供していただくとともに、地域全体として均衡のとれた機能分化と連携を図っていくことが重要でありますので、そういった仕組みも併せて導入する必要があるということでございます。
 その趣旨が一番上の○に書いてあるわけでございます。具体的には2つ目の○でありますが、都道府県がこの登録の仕組みを通じて、まずその地域の医療機能の分化の現状を把握していくということ。
 そうした現状把握と、これからの高齢化を含む将来の地域の医療ニーズの見通しを踏まえながら、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を推進していくための地域医療のビジョンを描いていただくことが必要になると思います。医療計画を活用しながら、地域医療のビジョンを描いていくということだと思っております。
 13行目の※でございますが、都道府県がビジョンを描いていくのに先立って、あらかじめ国において、地域において均衡のとれた医療機能を適切に推進するための地域医療のビジョンに関するガイドライン等をつくっていく必要があるということでございますが、その際には、医療提供者や利用者の意見も踏まえながら検討をしていくということでございます。
 そうしたビジョンの作成については、登録の状況を踏まえ行うといったことや都道府県の準備期間を考慮しながら、登録制度の導入後、一定の期間を置いて行う方向で検討しているということでございます。
 最後に21行目の3.でございますが、こういった医療機能の分化の推進に当たっては、国、都道府県、医療機関、患者、住民あるいは市町村、保険者等の役割について医療法上位置づけることも併せて検討する必要があるということでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○田中座長 事務局からの説明、ありがとうございました。
 引き続きまして、日本医師会から出されております「病床の機能分化について(案)」、中川構成員、説明をお願いいたします。
○中川構成員 まず、私の提出資料の説明の前に一言申し上げます。
 社会保障審議会医療部会では、一般病床の機能分化を進めるために別途検討の場を設けて検討すべきとされました。その際、構成員からは急性期病床、急性期医療とは何かを含めて議論するべきという意見も出され、合意されたと思います。地域の実情を踏まえて検討する必要性も指摘されたはずです。しかし、作業グループに出された事務局案は、病床機能の定義、地域の実情を踏まえた機能分化の在り方についての議論を喚起しようとするものではなく、医療法上に病床群を位置づけることありきのものであります。
 これまで示された認定、登録という事務局案に対して、日本医師会として本日出したのは、意見ではなく対案です。是非御理解いただきたいと思いまして、説明させていただきます。
 では、中川構成員提出資料というものをごらんください。「病床の機能分化について(案)」です。
 まず、6行目「1.基本的な考え方」。
 ○地域において、医療機関が適切に連携をしつつ、効果的に医療を提供していくために病床の機能分化を進めていくことは必要である。
 ○各地域の病床機能分化・連携は、地域を「面」として捉え、地域全体をカバーしたものとし、各都道府県が地域の医師会等を中心として医療のネットワークづくりを推進する。
 15行目。
 ○そのために、各医療機関がそれぞれ担っている機能について、都道府県に情報提供を行う仕組みを設ける。都道府県は、これらの情報を活用し、都道府県医師会をはじめとする医療提供者等の主体的な関与の下で、地域の実態を踏まえた医療提供体制を検討する。
 21行目、「2.医療機能および病床機能を報告する仕組み」。
 ○各医療機関がそれぞれになっている急性期、亜急性期、回復期、長期療養、外来、在宅医療などの医療機能および病床機能について、都道府県に報告する。
 ○各医療機関が報告すべき内容は、別途検討する。
 2ページをお願いします。
 ○都道府県への報告については、現行の「医療機能情報提供制度」(根拠条文 医療法第6条の3)を活用し、報告項目に病床の機能に関する情報等を追加する。なお、その場合は、医療機関報告に係る負担を軽減するため、報告項目の適正化を図る。同時に、国および都道府県は、現行「医療機能情報提供制度」の有効活用に積極的に取り組む。
 7行目。
 ○都道府県は、この報告の仕組みを通じて得られた情報を、都道府県医師会をはじめとする医療提供者等との密接な連携のもとに、地域医療提供体制の検討に活用する。
 ○都道府県は、報告の仕組みを通じて得られた情報を、地域住民、患者にわかりやすく示すとともに、医療提供者、行政、地域住民、患者とともに、それぞれの地域にあった医療提供体制をつくり上げていくことを目指す。
 15行目。
 ○都道府県は、国に各地域の病床機能の現状を報告する。国は、一定期間の分析を経たのちに、あらためて、病床機能のあり方を検討する。その際、病床の機能分化については、地域の実態を踏まえた柔軟なものとする。
 19行目。
 ○都道府県の病床機能の報告の仕組みやそれに基づく施策に関し、国が策定するガイドライン等は、医療法第30条の8にもとづく「技術的助言」として位置づけ、都道府県はこれに縛られるものではないものとする。
 次に3ページ、根拠条文というところで医療法の第6条の3を示してあります。それをもとにつくった医療機能情報提供制度実施要領についての要約です。
 最後のページをごらんください。PowerPointにしたものでございますが、わかりやすくしただけのことであります。
 現在、全国の47都道府県で実施されていることになっている医療機能情報提供制度ですけれども、まだまだ十分でないというのは事務方も認識していると思います。例えば医療機関は都道府県に一定の情報を報告して、都道府県はその情報をホームページ等で住民に提供するとなっております。また、医療機関は直接この情報を住民にも提供するという仕組みなんですが、その下の「一定の情報」のところの「基本情報」「基本情報以外の全ての情報」というところがこれだけのことになっている。医療機関の負担、これでいいのかという見直しも含めて、いかにこの制度を活用するのか。現在十分に活用されてないものをいかにやるのかということが、まず先だろうと思います。
 下の枠内の「現状の課題など」は、厚労省の「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」の報告書を参考にして加筆したものでございます。是非御検討いただきたいと思います。
 厚労省の事務局案は、病床群を医療法に位置づけるということになると思いますが、我々の提案は、医療法を活用して病床機能を考えるというのが基本的なスタンスでございます。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 それでは、2つの説明や資料を踏まえて皆様からの御意見をお願いいたします。どなたからでも結構です。また、御質問でも構いません。
 日野構成員、お願いします。
○日野構成員 網羅的にうまくまとめられたと思うんですが、全体としてこういうふうに言われますと、そうとがったことも言えないという仕上がりぶりで、あとはどういうふうに進めていただくかということの問題になると思います。
 機能分化は、やはり医療の進歩に伴いまして必要なこととは考えますが、非常に急激に進めるところとそうでないところとありまして、余り先を急がないようにお願いしたい。
 そういうことで、全体としては賛成という積極的な意見ではないですけれども、前回、中川先生が言われました、優しいものにしてほしいということを重んじていただいて、角を矯めて牛を殺すようなことをしないようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございます。
 地域への配慮なりスピードですね。ある程度の期間を置くとか、それらについての文言、配慮になったと言っていただいているわけですね
 相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 皆さん、余り意見がないようなので、ちょっと申し上げたいと思います。
 1つは、これはもともと病床機能をどう分化していくかということの議論であって、ここではネットワークづくりは余り議題にされなかったと思うんですが、中川先生の案では2つ目の○のところに、急に「医療のネットワークづくりを推進する」という言葉が出てきて、なぜこれが飛び出してきたのかがよくわからない。機能分化ということが問題であったはずであるので、その辺がわからないという点が1つ。
 病院会で議論した中のお話を申し上げますと、従来は都道府県にお任せをしてやっていたんだけれども、余りうまくいってないのではないか。病院会全体の意見としては、地域ごとに何かの仕組みをつくってやるというよりは、むしろ各病院の自主的な責任性と自立性に任せた機能分化を図っていった方が、いいのではなかろうかという意見がありました。
 私はいつも医師会に怒られているので、こう言うと怒られるかもしれませんが、医師会を中心として書いてあるんですけれども、病床のほとんどを担っているのは病院のはずで、なぜ病院が出てこないのか、私はどうしても不思議でならないんです。勿論、医師会の先生方のつくったことですから当然かもしれませんが、やはり病床の大部分を担っているのは病院、組織医療をやっている病院であって、そういう病院の意見を十分組み入れることも必要ではないか。何故ここに突如医師会が出てくるのか、私にはよくわからない。ここに並べているのは、都道府県や地域の事情といいつつも、何かある程度の枠組みをつくって、そこに当てはめていこうという感じがしています。
 一方、厚生省案で私がちょっと疑念に思うのは、やはり登録制度を設けて、登録の基準をつくるというところに非常に問題があるのではないかと思っていまして、例えば従来の医療計画の作成なんかを見ますと、私はここに持ってきたんですけれども、例えば急性心筋梗塞の医療体制で急性期の病院というところにはどう書いてあるかというと、「目標」とか「求められる事項」と書いてあるんです。むしろ私は、基準というより、そういうことを選択した限りはこういう機能が求められるぞという持っていき方の方が、医療機関の活性化ができていいのではないかと思います。
 読みますと、例えば急性心筋梗塞の医療体制の急性期の目標というところで、来院後30分以内の専門的治療の開始、急性期における心臓リハビリテーションの実施、再発予防の定期的・専門的検査の実施が目標であるという具合に書かれていまして、求められる事項としては、心臓カテーテル検査等の24時間対応、専門的診療の24時間対応、来院後30分以内の冠動脈造影検査実施、呼吸管理の全身管理やポンプ失調、心破裂等の合併症の治療、電気的除細動、器械的補助循環装置、緊急ペーシング、ペースメーカー不全への対応、包括的あるいは多要素リハビリテーションの実施、抑うつ状態等への対応というのが、急性期の急性心筋梗塞に求められる事項ということで、医療計画に書き込まれているんです。
 ですから、登録の条件でこれ以外はだめだということよりは、こういう機能が求められますよという仕組みをつくり、そういうことを医療機関が自主的に取り組んでいくことによって機能分化をしていく。その状況を国民に知ってもらうようにすることによって、緩やかな機能分化が図れてくると思います。ですから、基準というのであるところから切ってしまうのではなくて、求められる機能とか求められる事項ということを提示して、何年かに1回、それを考えていくことがいいのではないかという提案をしたいと思います。
○田中座長 そう名乗った以上満たすというか、果たすべき目標に従わなくてはならないと考えた方がいいということですね。
○中川構成員 相澤先生の質問にお答えしますが、医療のネットワークづくりという言葉が初めて出てきたということですね。医療のネットワークづくりというのは、ほぼ医療提供体制というふうに考えていただいても結構だという意味でございます。もし、この言葉が似合わない、なじまないということであれば幾らでも変更可能な部分でございます。
 それから、1ページの17行目「医師会をはじめとする医療提供者等の主体的な関与の下で」、なぜ医師会が出てくるのかというと、これは日本医師会の提案だからです。「医師会をはじめとする医療提供者等」とわざわざ書いてあるんです。これは病院団体も含めた、ほぼ病院団体のことを指します。ここ日病とか全日病だとか、いろいろな病院団体の名前をお書きすればいいのかなとも思いましたけれども、そこまではする必要がないと思った。病床のほとんどが病院団体所属の病院に当たるというのは、勿論承知しております。
 よろしいでしょうか。
○田中座長 お願いします。
○中川構成員 それと、日野先生が余りにも拙速なことはやめてほしいとおっしゃいましたけれども、私も全くそのとおりで、まず現状の把握が十分でないのに、例えば事務局案の4ページの7~11行目、現状の把握と登録を同時に進めていくんだというのは余りにも拙速なのではないですか。
 私の提案の2ページの15行目をごらんください。
 「都道府県は、国に各地域の病床機能の現状を報告する。国は、一定期間の分析を経たのちに、あらためて、病床機能のあり方を検討する。」こういうことで何が問題か、なぜそんなに急ぐのかというふうに思います。いかがでしょうか。
○田中座長 具体的にどのぐらいのスピード感かについては、特に書いてないので難しいところですが、ほかの方はいかがでしょうか。
 最後になったら言おうと思っていたのですが、医療部会から病床の機能分化を議論せよと言われて半年が経ちましたので、答えが1個になるかどうかは別として、少なくともある程度まとめないと全員医療部会から首になるかもしれません。意見が違っていたら違っていたでも結構ですけれども、我々はこういう議論をしたという要約まではいかなくてはなりません。できればまとめたいです。
 私の客観的な判断では、当初に比べるとこの2つの違いは少なくなってきたなと感じていますが、いかがでしょうか。御意見をお願いします。
 高智構成員、お願いします。
○高智構成員 事務局におつくりいただいた資料全般の感じ方でございますけれども、修文を経まして大分整えていただいたと思っております。
 特に「1.基本的な考え方」の2行目に尾形先生の御意見、回復期を取り入れていただきまして、急性期から在宅までシームレスで切れ目のない関係がきちんと読み取れるようになりました。そこを基点といたしまして、ほかの箇所でも同様の修文の効果があったと思っております。
 それから、24行目のところで「入院医療全体について機能強化を図る」と明確な文章が入っておりまして、同時に急性期以外にもきちんと配慮していくことが読み取れます。それから、無理がかからないようにという強調構文も随所に見られるようになっておりまして、わかりやすくなったという意味では大変大きな進歩だと思っております。
 2ページの「2.一般病床の機能分化の推進について」も、やはり都道府県の関与が大分色濃く浮かび上がってきている感じがいたします。
 登録という字こそ出てなくても、2の(1)の最後、「確認する仕組み」、ここに「(登録)」という字ぐらいは入ってもいいのではないかと思いますが、説明文の方に入っているからいいという感じもいたしました。
 それと、私ども保険者という表現はありませんが、4ページ目の3.の最後のところ「国や都道府県、医療機関、患者・住民等の役割について」と書いてございます。当然、私ども保険者、健保組合等の関与もあるわけでございますけれども、いかんせん医療法の規定上、保険者というファクターがありませんので、その「等」の中で読み取らなければいけないということでちょっと寂しい気がいたしました。書いてなくても、できるところにつきましては積極的に関与していきたいと考えております。
 全体的には、7回目の本日の段階におきましては、こういう額縁ができて非常によかったという評価をいたしております。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 どうぞ、お願いします。
○中川構成員 私も指摘させてもらった、医療機能情報提供制度は十分に活用されてないと思うんです。こういう十分に活用されてない制度をこのままにして、いきなり登録ということに関してはちょっと問題ではないですか。事務局、いかがですか。
○田中座長 そもそも6条の3は、どのぐらい活用されているんですか。お願いします。
○総務課長 6条の3の医療情報提供制度の関係でございますが、医師会の提出いただいた資料の最後のところに※で引用をいただいているわけですけれども、医療部会にも御報告をしておるわけですが、広告とともに医療情報提供制度については、ここにあります「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」で検討をしてまいりました。
 まさにここに引用されているように、現状の制度の利用の状況は端的にアクセス数等が出ていますが、少なくて十分利用されているとはなかなか言い難い状況もある。その背景には情報量が多過ぎるとか、表現がわかりにくいとか、計算の仕方が難しいとか、まさにここでも引用されているような御議論をこの検討会でいただいております。
 検討会のまとめとしては、そういった利用されてない状況を少しでも利用しやすくするような工夫を幾つかすべきではないかということで、周知、広報を図っていくことも含めて幾つかの御指摘をいただいておりますので、そういう意味で、広告制度と並んで医療情報提供制度、患者さん、住民の方にわかりやすく医療機関の状況をわかっていただく仕組みとして設けられたものを十分活用いただくような仕組みは、この検討会の御指摘を踏まえて引き続き取り組んでいきたいと思っております。
○田中座長 お願いします。
○中川構成員 今の説明ですけれども、事務局の案の1ページの27行目を見ていただけますか。
 「こうした仕組みを通じて」というのは前文だと思いますけれども、その次です。
 「それぞれの医療機関が担っている機能が住民・患者の視点に立ってわかりやすく示されることにより、住民や患者が医療機関の機能を適切に理解しつつ利用していくことにつながる。」
 今の制度の活用がうまくいっていないのに、それをそのままにしておいて、新たな登録制度によってこうなるんだというのは、余りにも文脈的に無理がないですか。
○田中座長 課長、お願いします。
○総務課長 基本的なところでございますが、まさに御議論いただいておりますのは、一般病床の医療法上の位置づけが、今、いろいろな機能を担っているものについて、1つの一般病床というくくりになっている。そういう医療法の位置づけをどうしていくかという御議論の中でこの文章は書いてございますが、御指摘のある医療情報提供制度は一般病床の機能ということだけではなくて、もともと医療機関の持っているいろいろな情報について、わかりやすく利用者の方々に提供していくという目的でつくられている制度でありますので、出発点の趣旨、目的が若干違うというのがございます。
 今回、議論をいただいているものは、一般病床の機能をどういうふうに考えていくのかという中で、最終的には利用者の方にもわかりやすく示されることで、医療機関の適切な利用につなげていただくということであるわけですが、制度の趣旨の最初の根幹のところが少し違うということかと思っております。
○中川構成員 なかなか理解しづらい答弁ですね。総務課長、今の答弁でいいですか。
○総務課長 今ある医療法の6条の3については、今、申し上げたところで、今回の議論の一般病床の機能分化と今ある医療法の情報提供制度とは少し出発点が違うということだと思います。
○中川構成員 住民や患者がわかりやすく利用するということについて、登録することがそうなるんですか。むしろ情報提供機能を整備する方が先ではないですか。更に、現状を精緻に把握して、分析して、その上でどうするかという議論が本来の姿ではないでしょうか。繰り返しますけれども、把握と登録を同時にするというのはおかしいですよ。
○田中座長 登録しただけで住民に伝わるかという御趣旨の発言と、現状把握と登録の時間関係ですね。厚労省側ではどれをどのように整理なさっているのかとの御質問だと思います。
○総務課長 今回の機能分化の仕組みの提案の基本的な考え方でありますが、この登録なり、登録に基づいて更に地域医療のビジョンを描いていくと、大きくは2つの柱として提案をしておりますが、確かにこの骨子は出発点として現状を把握するという側面もございます。まさに現状を把握するという機能は登録の中に含まれているというのは私どももそうだと思います。
 ただ、登録という機能の趣旨は、単に現状を把握するということだけにあるわけではなくて、現状把握を通じて、医療機関自身が自らの現在、それから将来に向かっての方向性を選んでいただくという機能。更に、それを医療計画なり地域のビジョンを描いていくための基礎とした上で、地域のビジョンを描く。描いたビジョンに基づいて、その医療機関が更に将来に向かってどういう方向を目指していくかという、ある種動態的な機能も含んだ仕組みということで、今ある姿を把握することは勿論重要ですが、単にそこだけにとどまるものではなくて、将来に向かってあるべき方向を目指していくという動態的な姿を制度として目指していこうという趣旨のものだと思っています。
○田中座長 お願いします。
○中川構成員 登録に基準を設けると、正確な現状の把握ができないのではないですか。基準に合わせて登録することになるんですよ。総務課長、わかりますか。人員配置基準、構造設備基準を含めて、現状どういう状態で急性期を担っているとか、亜急性期を担っているとか、回復期をやっているとか、そういう把握でなくて基準を設けてしまったら、その基準に合わせて登録しなければならないから、現状把握にならないでしょう。違いますか。
○総務課長 その基準というものをどういうふうに考えるかということですが、現状把握するに当たっては、どういう情報を把握していくかというのは当然あるんだと思います。そのときに一定のカテゴリーに分けて、一定の考え方に基づいて情報を把握することを通じて、まさに現状を把握するということではないかと思います。そういう意味で、基準があることが何かおかしいというふうには必ずしも思っておりません。
○中川構成員 一定のカテゴリーを設けてというその一言が問題なんですよ。ちゃんとした議論をしないで、例えば急性期の定義も決めてないで、一定のカテゴリー、基準を設けて登録、それが問題だと言っているんですよ。拙速の一語ではないですか。
○田中座長 局長、お願いします。
○医政局長 確かに把握と、カテゴライズして登録するということは、時系列的には同時ではないですね。だから、登録制度をつくる前段の準備として把握して、登録に結びつけるということもあれば、まずは把握によって当初相当の目的が果たされるということでスタートして、その結果またカテゴライズしていく流れもあると思います。従って、方法論としては一応決めておいて、事務上順次やるかとかいろいろ方法はありますけれども、流れは確かに先生のおっしゃるとおり、把握して、分類して、制度をどうするかということだと思います。
○田中座長 初めのころから相澤構成員が言っておられるように、日本は医療の状態が把握できてないことが大きな問題だと最初から御指摘になっていますから、把握すること自体も大きな目標であります。勿論その先の分化もそうですが、第1ステップをどうするかについての順番を、今、局長に答えていただきました。
 尾形構成員、お願いします。
○尾形構成員 事務局の方から出されている整理案ですが、全体としては、私はこれで結構だと思いますけれども、個別の論点で少しコメントあるいは質問を2~3させていただきたいと思います。
 1つは意見ですが、3ページの下の方です。「制度導入への配慮」というところで、地域の医療提供体制に混乱が生じることのないよう、十分な準備期間を設ける。先ほど日野構成員がおっしゃったように、確かにこれは非常に大事なことだと思うので賛成ですが、併せて次の医療計画の見直し、平成30年度には間に合うよう意識していただきたい。これは意見です。
 次の診療所の取扱いですが、自主的な登録という制度にすると、診療所を排除する理由が何なのかというのがいま一つよくわからないので、何か不都合があるのかどうか、そこは事務局にお聞きしたいと思います。診療所が入ると、何か不都合があるのかということです。
 4ページですが、2つ目の○で「地域医療のビジョンを地域ごとに策定する」と書いてあります。先ほど医療計画との関係らしきことをおっしゃったように思ったんですが、必ずしもよくわからなかったので、地域医療のビジョンと医療計画はどういう関係にあるのかという辺りをもう一度説明いただけないかということです。
 中川構成員の提出された資料ですが、全体として見ると大変踏み込んだ内容になっていると思いますし、私は評価したいと思います。1点お伺いしたいのは、先ほども出た点なんですけれども、医療法の6条の3を活用することも確かに1つの考え方かと思うんですが、3ページを見ると、医療法の6条の3というのは、規制としてはかなりきつい仕組みになっているようにも思います。つまり登録と違って、報告、閲覧に供しなければならないとか、あるいは都道府県知事は是正させることを命ずることができるとか、最後もそうですが、報告を行わなければならないこととする。ですから、規制としては登録制度よりもきついのではないかとも見えるのですが、その辺はどういうふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
○田中座長 3点御質問がありました。診療所をどうするかということ、医療計画とここで言っているビジョンとの違いを事務局からお答えください。
○総務課長 資料の3ページ目の診療所の関係ですが、私どもがここに表現している趣旨は、診療所を排除するという意味で書いているつもりはありません。むしろどうすることが適当なのか御議論をいただいた上で整理をしたいということであります。
 2つ目、4ページ目の地域医療のビジョンですが、地域医療のビジョンは、今、医療法の中に医療計画という仕組みがありますので、このビジョンも基本的には医療計画の一部になるものだろうと考えております。
○尾形構成員 ということは、医療計画は5年が1期ですから、地域医療のビジョンの方は、それよりももう少し長めのものを考えるということですか。
○総務課長 こういう機能分化をどう進めていくかというかというビジョンについても、医療計画の一部に盛り込むといいますか、まさに医療計画をこういう性格のものに拡大するというんでしょうか、そういうイメージ。ですから、通常であれば通常の5年サイクルの医療計画と同じサイクルで、物事をつくっていくのかなとは思います。
○田中座長 中川構成員に対する質問をお願いします。
○中川構成員 まず、医療法の第6条の3が厳しいのではないかという御質問ですが、今ある法律ですからね。厳しいとか厳しくないとか、私はそういうことを申し上げているわけではなくて、6条の3は登録の意味するところと違うことを言っていますので、それを比較することはできない。
 私が言っているのは、6条の3に基づいてつくった医療機能情報提供制度の実施がちゃんとされてないということを申し上げているんです。
○尾形構成員 そこは私も異論はないのですが、6条の3を援用しようとすると、今、言ったような問題が生ずるのではないかということを申し上げたんです。
○中川構成員 そうですか。では、もう少し検討したいと思います。
○尾形構成員 たしかソフトなものがいいとおっしゃっていたと思うので。
○田中座長 永井構成員、お願いします。
○永井構成員 私も6条の3を使うというのはいいアイデアだと思うんですが、先ほど中川構成員が言われた、医療法を活用するのか、医療法の中に位置づけるのかということですけれども、もし6条の3の中に病床の機能の項目を加えることになると、結局、医療法の中に位置づけることにならないんでしょうか。
○中川構成員 そういうふうにしなければいいんです。先生、わざわざPowerPointに示された情報提供制度を御理解いただいていますか。今、このことを話しているんですよ。これがちゃんと活用されてない。例えば基本情報と基本情報以外のすべての情報が煩雑過ぎる。患者さんが利用するのにこれでいいのかということも含めて、検討すべきだということを申し上げているんです。この情報をしっかり見れば、病床の機能もかなりわかると思いますが、このままでは患者さん、住民の方が非常に利用しにくいだろうとは思っているんです。そのことを申し上げているんです。
○田中座長 今、報告は、医療機関のかなりの数がカバーされていると見ていいのですか。医療機関が報告しないことに問題があるのか、報告しているのだけれども都道府県による開示が下手だから悪いのか、それとも住民がわからないから利用しないのか、阻害要因が幾つかあると思うのですが、どの点が問題なのでしょう。
○総務課長 基本的には、報告は出ていると思います。その出ている情報の検索がなかなかしにくいとか、そういう利用のしやすさの問題ではないかと思います。
○田中座長 西澤構成員、お願いします。
○西澤構成員 今、事務局案と中川先生の案と両方が出ていますが、まず事務局案は、私たちが指摘したことを受け、かなり修正してきたと思います。特にこれまでの議論に対する懸念ということで、前回出た資料の中で急性期のみを位置づけるのは問題だ、ほかを軽視しているのではないかということ、議論が拙速だということに関して、今回は出たと思っています。
 それは?についてで、その他?、?があって、?は認定という仕組みについての意見、?は法制度化することに対する懸念という3つがあったと思います。私の考えでは、順序としては?をしっかり、要するに、急性期や一般病床の現状を把握していくことから始める。
 そういうことでは、順序としては?をある程度議論してから?、?へ行く。しかし、今回も?、?に関して全部まとめて出てきたということで、私もちょっと違和感があります。
 登録制度ということに関しては、まだ十分議論してないのではないか。だから、2ページ以降のところはちょっと懸念があります。ただ、我々の意見をかなり入れたなということでは、今までよりはいい案だと思います。
 中川先生、日本医師会の案ですが、今まで中川先生がおっしゃったことをかなりまとめてわかりやすくなったと思います。機能分化を進めていくことに関しては、一致したということだと思いますのでそこはいいのだろう。その後の方法論が違うのかな。中川先生はまず現状把握ということで、現在の仕組みをもって現状把握をしようということだと思います。それには賛成です。
 その中で今回、特に情報制度とか医療法の第6条とかが結構出てきますが、こういう制度があって、十分生かされていないということも指摘されているのであれば、各医療機関が出している情報を、うまく使って、各医療機関の機能を見ることができるのではないかと思います。
 厚労省の案は、最初から急性期というのはこういうものだという基準を新たにつくって登録させよう。中川先生の案は、現在登録されているものを見て、それでうまく分類できないかという方法論の違いなのかという感じがしています。その辺りはここで議論をして、どちらがいいかということをやっていけばいいと思います。
 あとは、スピード感をどうするかということ。
 かなり歩み寄ったということですので、そこら辺をうまく合わせればいいのではないかと思っております。
○田中座長 整理をありがとうございました。機能分化が必要だということは大体一致できていますし、ビジョンと医療計画の関係も先ほどの説明でわかりました。あとは現状把握の方法と、それに基づく次のステップですね。2回後の医療計画ではちょっと遅過ぎるので、この次までに何とかしなければいけないのは暗黙のゴールだと思います。
○中川構成員 この次というのは。
○田中座長 来年ではないその次でしょうね。その先だと二千二十何年になってしまいます。もし把握しても、そこは後ろだと思います。
 中川先生、私たちが言っている医療機能の分化という情報は、現在の報告制度でとれるんですか。
○中川構成員 かなりの部分がわかると思います。ただ、この報告の情報の内容を見直す必要があるんだろう。
○田中座長 細かいところ。
○中川構成員 細か過ぎるのではないかということも含めてですね。
○田中座長 3ページで言っている病床の種別は、今だと一般病床と書けばいいわけですね。
○中川構成員 この制度は、一般病床にかかわらずということですね。
○田中座長 一般病床の中の機能は、これではわからないですね。
○中川構成員 そうですね。
○田中座長 そこはもう少し改正が必要。
○中川構成員 だから、この辺は別途検討の場を設けて、しっかりやるということだと思います。
○田中座長 別途設けて情報を把握したらどうか。ありがとうございます。
○中川構成員 それと、先ほど局長が、やはりまずは現状把握で、次の段階でというふうにおっしゃっていただいたのはそのとおりだと思って、事務局として非常に御理解を示していただいてありがたいと思っています。
 以上です。
○田中座長 どうぞ、お願いします。
○遠藤参考人 花井に代わって幾つかコメントさせていただきます。
 まず、1つは事務局から示された整理案ですが、皆さんと同じで機能分化をきちんと進めていくということについて、1ページのところはおおむね理解できるところだと思っていますし、スピード感のところも、次期の2018年度の医療計画に間に合わせるべきだということも同じ考えであります。
 ただ1点、登録制度についてですが、方法論はまだ少し議論が要るんだろうと思っていますが、患者の視点で考えると、やはり一定の基準があった方がわかりやすいのではないかと思っているところです。そこだけは1つ指摘させていただきます。
○田中座長 相澤構成員、お願いします。
○相澤構成員 医療情報提供制度は、実施要領のところにどう書かれているかといいますと、病院、診療所及び助産所に対し、当該病院等の有する医療機能に関する情報について、都道府県知事への報告を義務づけ、都道府県知事は報告を受けた情報を住民に対しわかりやすい形で提供することにより、住民・患者による病院等の適切な選択を支援することを目的とするという具合に書いてあるんです。
 報告を義務づけるということは、どういう報告を義務づけるのかというところが、その病床あるいは病院の機能を本当に明らかにする報告なのかというと、残念ながら私たちが長野県に提出しているのは、こんなものではわからないという情報を提供しているのが事実です。ですから、まず情報をとるとすると、情報の内容をしっかりと決めなければいけなくて、私はそれがキーになるのではないかと思うんです。
 その情報を集めるときに我々が心配することは、地域で、自分たちは急性期で頑張っているんだという病院が本当にどんな実態にあるのかというのを我々が知らないと、やはり早急に答えを出すのは間違いを犯す可能性があると思うんです。
 そうなったときに私が最初に提案したのは、まず自分たちがどんな機能を担っていると思っているのか、まず手上げでやってください。では、自分たちが担っているのが本当にそういう機能なのかどうか、データを集めることで第三者的に判断しないと間違った方向に行ってしまう可能性があると思うんです。ですから、まず自分たちは急性期をやっているんだったら、急性期をやっているという具合に手上げをしてほしいと思っているんです。そして、そこの病院のデータを集めて分析することによって、次へのステップが踏めると思っています。
 それを医療法に書くのかどうかというのは、私は法律家でないからわかりませんが、少なくともそういうステップを踏んで、先ほど言いましたが、次に基準というよりは目標だとか、あるいは求められる機能の指標みたいな形で示して、その医療機関が自主的に機能を選択していく方法をとってほしいと思っています。それは医療法に書くことではなくて、例えば省令とかでやっていくことだと思うんです。
 私がその前に医療法に書いてほしいのは、機能分化は進めますが、機能分化を進めるときに日本の向かっていく方向性とか、日本の医療はどういうことを大切にするかということを書くべきだと思っています。機能分化は必要だから進めていく。しかし、進めていくのは医療を提供する病院が、自主的・自立的に自己責任を持ってやっていくことを基本的な理念にしてほしいと思いますし、それを先ほどから中川先生なんかが言っているように、住民にしっかりとわかりやすく提供することによって、国民に十分にわかってもらうということの両方をもって機能分化を進めていくことであって、計画をつくってがっちり、こうでなければならぬということでやっていったら、今でさえ日本の医療は相当閉塞感に陥っているのが、もっと閉塞感に陥るような気がしていて、医療法には是非そういう方向で、日本の医療というのは活性化をして自主的にやっていくんだということを書いてほしいと思っているんです。それこそが医療法の役割だと思っていまして、それに基づいてどういうことを具体的にやっていくかということは、次に決まってくると思っていますので、そんなことを考えていただければ幸いだと思っています。
○田中座長 ありがとうございます。多分、それらについてもかなり合意が進んだと思います。ここで言っている計画とはがんじがらめにするものではなくて、むしろ今日の言葉遣いではビジョンであって、地域の医療のあるべき姿であるとの合意はできたのではないかと思います。
 お願いします。局長、どうぞ。
○医政局長 今の相澤先生のお話で、目指すところが登録であるかないかは別として、登録、それから報告という制度によっても相当の機能を果たす、その前段階として、状況把握するための予備調査的なものは必ずした上で、基準づくりなり、基準づくり議論に資するということなので、そこは重々予備調査的なステップは踏んでいきたいと思います。
○田中座長 どうぞ。
○中川構成員 予備調査というのは、全部を決めて、前に予備調査と付けたら段階を踏んでいるでしょうということではないですね。確認です。
○田中座長 局長、お願いします。
○医政局長 それは制度が完全に決まった上でする予備調査もあれば、制度をつくるための予備調査もありますから、そこはこれからの議論の流れで、決めつけているわけではありませんが、いかなるルートを行くにしてもちゃんと現状把握のために、まず自分としてはどういう治療をしているか、病床を展開しているかということを確認する手順はあっていいと思います。
○中川構成員 現状把握の調査は非常に重要なことだと思いますので、できれば予備という言葉を付けないでいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
○医政局長 予備的。
○田中座長 今日は第7回に至って、病床区分が必要であるという点と、現状把握からスタートしなくてはいけないという点について合意がとれて、私としてはよかったと思いますが、スピード感との関係とか自主性をもととする区分という点も、だれも反対がないようです。
○中川構成員 スピード感というのは。
○田中座長 先ほど言いました、2025年までではないし、来年でもないし、この次の医療計画までには、がんじがらめの計画ではなくビジョンですね。そこまでにはこういうものを進めていただく。
○中川構成員 スピード感もありますが、拙速にならないようにというのもありますので。
○田中座長 スピード感の程度について、来年までにという案でもないし、12年後でもないなとの感じがつかめてきましたとの意味です。
 事務方に伺いますが、今後これを医療部会に報告するに当たっては、大分すり合わせができてきたと思うのですけれども、今日の議論をもとに、そちらで再度文面をつくる作業をしていただくことになりますか。
○総務課長 今日の御議論を踏まえて、更に資料を修正した上で御議論をいただいて、また医療部会ということではないかと思います。
○田中座長 医療部会の報告は、できれば今年の前半中ぐらいの感じでしょうか。
○総務課長 まず、今日の議論を踏まえて更に修正したものをもう一度この作業グループで御議論いただくことが必要だと思います。
○田中座長 ありがとうございます。
 もう一度議論するようですが、それに当たって、今日幾つかの点で事務局に新たなインプットをいただいたと思うのですが、何かありますでしょうか。
 もし、ないようでしたら、前進した気持ちを持っているうちに終わってしまった方がいい。ここでもう一度対決を始めたくないのでよろしゅうございますか。
 では、事務局、御苦労ですが、今日の議論は大変革新的に狭まってきたと思うので、そこをうまくまとめ上げてくださるようにお願いいたします。
 では、皆様方、お集まりいただきまして、座長悪声のもと、ひどい声で聞き苦しかったと思いますが、ありがとうございました。


(了)
<(照会先)>

医政局総務課

企画法令係: 2519

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