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2012年2月13日 第12回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会 議事録

年金局年金課

○日時

平成24年2月13日(月)
14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省
 18階 「専用第22会議室」


○議題

1.開会

2.議事
 短時間労働者の社会保険適用に関する論点

3.閉会

○議事

○遠藤部会長 それでは、まだ定刻までちょっと時間がありますけれども、委員の皆様、御着席ですので、これより第12回「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」を開催したいと思います。
 本日は、皆様、お忙しいところお運びいただきまして、どうもありがとうございました。
 次に、本日の委員の出席状況でございますが、岩村委員、岡崎委員、久保田委員、齋藤委員、福田委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 なお、久保田委員の代理としまして清家参考人、福田委員の代理として浜野参考人の御出席につきまして御承認いただければと思います。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、配付資料がございますので、これを事務局から説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○梶尾年金課長 本日配付させていただいております資料ですけれども、お手元に、まず議事次第と座席図、そして委員名簿。あと、説明資料ということで論点の資料1部を入れてございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 皆さんよろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、カメラの頭撮りはこれぐらいにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○遠藤部会長 それでは、議事に移らせていただきます。
 事務局から資料についての説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○梶尾年金課長 それでは、資料に沿って御説明申し上げます。
 本日で第12回ということでございますが、厚生年金・健康保険への短時間労働者への適用拡大の論点に関しまして、これまで様々な御議論を頂戴して参りましたけれども、資料の2ページ目には、1月6日の社会保障・税一体改革素案における短時間労働者に対する適用拡大について記載しております。医療の箇所、年金の箇所、それぞれに適用拡大を実施するとあり、その際の対象となる者の具体的な範囲、短時間労働者が多く就業する企業への影響に対する配慮等の具体的な制度設計について、適用拡大が労働者に与える影響や雇用の影響にも留意しつつ、実施時期を含め検討する。平成24年の通常国会への法案提出に向けて、関係者の意見を聞きながら検討するという内容になっているところでございます。
 そして、次のページ以降には、この適用拡大に関しまして、これまでの議論でどのような御意見があったか整理したものでございます。前回の第11回の会議でもこれと同様の資料を提示いたしまして、各論点について様々な御意見を頂戴したところです。前回提示いたしました資料に、前回の御議論の中で御意見があったものを付け加えたのが今回の資料となってございます。
 3ページ目では、総論的な部分での対象となる者の範囲に関して、中小企業については、その経営、雇用等の状況から適用除外とするべきという御意見を追加しております。
 4ページ以降は、対象となる者の範囲について、論点毎にまとめたものです。先程の3ページ目は総論的なものでございましたが、平成19年法案のときには、労働時間、賃金水準、雇用期間・雇用見込み期間、労働者の属性、企業規模等による基準が設けられたわけですが、そういった基準をどのように考えていくのかということについて、前回、一つひとつ御議論いただいたところです。
 まず、週の労働時間という点につきましては、平成19年法案では週20時間以上だったということです。5ページをご覧いただきますと、これまでの主な意見ということで、前回の会議で、労働時間に関する適用基準を考える際には、労働者としての企業や社会に対する貢献度を考慮すべきであって、その観点から、労働時間、あるいは雇用期間というものを基準に用いるのは適当ではないかという御意見があったということを追加させていただきました。
 次の6ページは、次の論点で、賃金水準ということについてです。平成19年の法案では、賃金月額9万8,000円以上という基準として、その考え方については、当時のワーキンググループの報告書にこのような記載があったわけですが、賃金水準に関するこの部会での主な意見ということで、6ページに記載しているのが、第10回までの会議でいただいた御意見を事務局で前回整理してお出ししたものです。賃金水準については、前回も様々な御議論をいただきましたので、どのような御意見があったのかということを整理しております。
 これまでの主な意見として、追加で記載しましたのは、賃金水準は、就業調整を招くおそれがあり、労務管理も煩雑になるため、基本的には設定しない方がよいが、設定する場合には、最低賃金ベースである程度の時間就労すれば適用となるくらいの水準に設定すべきであるという御意見。
 本来的には年収要件や勤務期間要件は必要なく、週20時間という労働時間の要件を基本とすべきであるが、現実的な観点から段階的に適用拡大を図る必要があるのではないかという御意見。
 第1号被保険者である被用者について適用拡大を図る観点から賃金水準を検討するべきということで、収入分布を見ますと、80万円~90万円に27%あり、というのは、この資料で申しますと、前回もお付けしましたが、30ページの資料で、年金の第1号被保険者で週所定労働時間が20時間台の労働者については、80万円台の所27%の山があるので、この辺りが現実的な基準案にするということも1つの考え方になるのではないかという御意見でした。
 また、賃金水準を考慮する際に、年金財政への影響ですとか、標準報酬下限の引き下げに伴う国民年金の保険料とのバランスを踏まえる必要があるのではないかという御意見や、適用基準の設定により、どのような者が対象となるのかを示しながら検討を行うべきという御意見について整理をさせていただいております。
 次の8ページでは、雇用期間・雇用見込み期間に関して、平成19年の法案では1年以上ということでしたが、前回の会議では、通常の被保険者の要件というのは2か月間以上ですので、それに合わせることが本来の考え方であるが、短時間労働者の雇用期間の現実を踏まえた検討を行うこともできるのではないかという御意見。
 また、9ページで、社会保険料は雇用保険のような概算払い、精算型のものではなく、短期間で離転職を繰り返す短時間労働者に社会保険を適用する際の事務負担の増大は深刻に考える必要があるという御意見や、雇用保険とは異なり、資格喪失後に、労働者側でも、国民年金の被保険者資格の種別変更や、国民健康保険等への加入制度の変更が生じるということから、資格管理の問題も考慮した検討が必要という御意見をいただいたところです。
 次に、10ページは、労働者の属性に関して何らかの基準を設けるかどうかということで、平成19年の法案のときには、学生については、属性に着目した基準が設けられ適用対象外ということになっております。この点につきましては、前回の議論の際に、学生がアルバイトを終了するたびに資格変更を生じる可能性があり、企業にとっても本人にとっても手続きが煩雑になるおそれがあることから、例えば、昼間の学生については適用除外という考え方もあるのではないか。また、外国人留学生の取扱いについても考慮して検討するべきではないかという御意見。
 一方で、学生を適用除外とすることは実務上煩雑なので、一定の労働時間があるのであれば、学生であっても被用者と言うことができるのではないかという御意見。
 また、現行の「4分の3」基準においては、学生であっても4分の3を超えていれば適用されているということとのバランスを考慮するべきという御意見がありました。
 11ページは、年金の受給資格を満たしている60歳以上の方の扱いということで、前回の議論で、65歳までの雇用継続を義務付けていくのであれば、60歳以上の者の働き方も多様化するということが見込まれるので、業種による影響はあるかも知れないが、適用対象とすべきという御意見。
 週20時間以上働いていれば労働者と言えるということで、属性の考慮は必要ないのではないかという御意見。
 また、支給対象年齢の引き上げが進められていることですとか、在職老齢年金の65歳以上の調整基準は46万円であることから、在職老齢年金を考慮してもさほど影響はないのではないかという御意見があったかと思います。
 次に、12ページは、第3号被保険者の取扱いについての論点です。平成19年法案では、先程の高齢者についても、また第3号被保険者についても、特段の措置は講じていないわけですけれども、前回の議論で、社会保険の適用拡大によって、被用者である第3号被保険者の数は相当程度縮減することが見込まれるので、その上で第3号被保険者制度の在り方全体については別途の検討を行うべきだという御意見。
 一方、第3号被保険者を適用拡大の対象とすると企業への影響が大きく、セーフティネットの拡大という目的からは第3号被保険者は適用拡大の対象から外すという考え方があるのではないかという御意見。
 ただ、第3号被保険者を適用対象外とすることは、事業主負担を回避するために企業が第3号被保険者しか雇用しないということになりかねないのではないか。そういった社会的な影響が大きいのではないかという御意見。
 パート労働者への調査結果からすれば、必ずしも第3号被保険者のままで良いという者ばかりでないので、適用拡大は属性を問わず中立的に行うべきではないかという御意見があったかと思います。
 このことに関連しまして、前回、加藤委員から、就業調整について、どのようなことが見込まれるのか、推計ができないかというお話しがございました。35ページに資料を用意いたしましたので、少し御紹介したいと思います。
 35ページでは、まず第3号被保険者の分布のグラフをご覧いただきますと、90~100万円のところに一番大きな山があって、恐らく103万円という基準を意識した場合、ここに現在山があるわけですけれども、適用拡大が行われた場合には、短時間労働者の賃金の一部は保険料支払に充てられますが、保険料差引後の賃金額が適用基準の賃金水準を下回る労働者であれば、就業調整を行って適用基準を下回ることで手取りを確保しようとするのではないか。保険料を払って手取りが下がるのであれば、もともとの労働時間自体を減らそうとすることが考えられるのではないかということです。
 一方、適用拡大を受けて、就業調整を意識せず、働く時間を増やして手取り収入を大きくするということもあると思います。
また、全員が就業調整するという前提ではございませんが、この図はどのようなものかと申しますと月額9万8,000円、8万6,000円、6万7,000円、5万4,000円、年収で、117万円、103万円、80万円、65万円というところに仮に適用の基準を置いた場合、例えば年収117万円に基準を置きますと、保険料として年金と医療保険に対して本人負担は約16万円ということになるので、そうしますと、約136万円の賃金を得れば、保険料を払っても、元々の年収117万円のラインよりも手取りが多くなるということなので、年収が117万円から135万円の範囲の人は、就業調整をして手取りを減らさないようにする。あるいは、もっと働いて手取り収入を増やす可能性があると思います。
 また、基準を8万6,000円にすると、年収は103万円ですから、年収が約120万円以上の賃金になれば、103万円以上の手取りが残るということになるので、103~119万の範囲の方が就業調整の可能性があるということでございます。
 これを下のグラフに当てはめてみますと、?の月額9万8000円のケースで言えば、年収が117万円~135万円の範囲ですから、120万円~130万円の5.1%と110万円~120万円の5.8%の方々が少し下に動くかもしれないし、上に行くかもしれないですし、?の月額8万6000円のケースだと、103万円~119万円の範囲ですから、100万円台、110万円台の方々が、90万円台の28.2%の山を更に高くする可能性もございます。
 ?の月額6万7000円のケースですと、同様の考え方で、80万円台の12.8%の方々が1つ下の70万円台ところに少し動くかもしれない。
 ?の5万4000円のケースですと、65万円~75万円の範囲ですから、60万円台、70万円台の方々が下に動くかもしれない。ただ、それは全てが下に動くわけではなく、その適用基準が変わった際には、上に動くということも当然あると思います。そのようなことで、ある特定の年収範囲のところに集中しないような、あるいは、影響が与えないようなところを考える必要があるのではないかというイメージであろうかと思います。
 資料の前の方に戻りまして、13ページは、医療保険に関する論点で、制度間の被保険者の移動が全体に影響するため、適用拡大によって医療保険制度全体の姿がどのようになるのかを確認した上で議論が必要るという御意見です。
 次に14ページでは、短時間労働者に与える影響や雇用への影響ということで、総論的な部分については追加の記載はございませんが、次の15ページ、16ページで、平成19年法案では、従業員が300人以下の中小零細事業主には新たな基準の適用を猶予ということがあったわけですけれども、前回の会議では、16ページになりますが、中小企業については、経営、雇用等の状況から適用除外とすべきですとか、わかりやすさや公平性の観点から、すべての企業を対象とすべきであるという御意見。
 適用除外は設けるべきではないが、激変緩和の観点から段階的な拡大があり得るのではないないかという御意見。
 段階的な拡大のほかに保険料率を当初は軽減するということも一案だが、年金はともかく医療保険では対応が難しいですし、システム上の問題もあるのではないだろうかという御意見。
 あと、その事業所が適用対象であるか否かというのが明らかになるような基準であることが望ましいという御意見です。
 そして、17ページでは、企業への影響に関して、適用拡大により企業あるいは保険者ですが、適用拡大により負担が重くなる健保もある一方で、被扶養者が減ることで負担が減る健保もあるため、そうした変化も踏まえた支援措置を考えるべきという御意見。
 医療保険は保険者ごとに保険料率が異なり、協会けんぽに加入している中小零細の事業主の方が高い保険料率を負担している点への配慮が必要であるという御意見。
 あと、適用拡大による公費削減効果があると思われることから、それを用いて激変緩和の観点から何らかの財政措置が考えられるのではないかといった御意見があったところです。
 次に、「具体的な基準について」ということでありますが、以前より、どのような基準にした場合に、どのくらいの人数になり、そして、財政影響がどのようになるのかという御要請がございました。これに関する資料を御用意いたしましたので御説明したいと思います。
 具体的な基準についてですが、まず、19ページに、労働時間と勤務期間について記載しております。
 労働時間については、これまでの議論から、あまりに短時間の労働者まで対象にするのではなく、雇用保険と同様に、週所定労働時間が20時間以上の者を対象にすることが考えられるのではないかということを記載してございます。
 次の勤務期間については、まだ御議論があるところではありますけれども、短時間労働者は出入りが多く、事業主から事務負担への懸念が示されていますことと、被保険者側の届出の手間というのもある点が雇用保険とは異なるということを考慮すると、例えば、6か月以上の勤務期間がある者というような何らかの決めをする必要があるのではないだろうかということで、例として6か月以上の勤務期間のある者ということを案として記載させていただいています。
 次に、賃金水準と企業規模に関して、先ほど就業調整の関係のところで若干申しましたが、賃金水準に関して、どのような基準を設けた場合に、人数がどのくらいになるのか。以前、全体で約400万人ということを御説明いたしましたが、一定の仮定の推計で、勤務期間を6か月ということにしますと、全体で約370万人程度ということで推計をしております。また、年収117万円、月額9.8万円以上の賃金の方では約40万人程度。年収103万円、月額8.6万円以上の賃金の方では約90万人程度。年収80万円、月額6.7万円以上の賃金の方では約250万人程度。年収65万円、月額5.4万円以上の賃金の方では約300万人程度ということで推計をしてございます。
また、賃金水準の選択肢(例)それぞれの場合の考え方を真ん中の欄に記載してございます。
 企業規模に関しては、労働法制、あるいは中小企業法制等で使われております301人以上あるいは101人以上という規模の企業に、週所定労働時間が20時間台の労働者の方が、どのくらいおられるかというので、301人以上の企業ですと150万人程度、101人以上の企業ですと220万人程度ということで推計をしてございます。
 このような賃金水準、企業規模を対象とした場合に、財政影響がどのようになるかというものが次の21ページでございます。
 賃金水準で、月額9.8万円という基準にした場合ですと約40万人が対象ということになりますが、この場合、医療保険について、40万人の方を適用対象にした場合に、それぞれの医療保険財政でどのような影響があるのかを記載をしております。注の3でございますけれども、三角が付いているマイナスというのは財政がよくなるということで、三角が付いていないプラスの方は財政が悪化するということです。これだけの費用が保険者にとってよけいにかかる分だけ、保険料収入を確保する方策として、保険料率の引き上げ等が必要になるということでご覧いただければと思います。
 それぞれの賃金月額の基準を変えれば、対象者が増えることにより、それぞれ財政影響も変化をしていくということで、このような推計になってございます。
 あと、右の欄に厚生年金の関係を記載してございますが、厚生年金に関しては、括弧の中の左側にあるのが、保険料収入、そして、右側にありますのが、保険給付費、あるいは基礎年金拠出金の支出となっております。賃金月額の基準により人数が増えることによって、金額の動きは大きくなりますが、基本的には保険料収入と給付費を長期で見ますと、ほぼ変化なし。または若干のプラスマイナスの動きはありますが、財政影響はほぼ変化なしということでございます。
 厚生年金の保険料収入では、賃金水準が一番上の月額9.8万円のところですと1,100億円、月額8.6万円では2,000億円、月額6.7万円では4,900億円、月額5.4万円では5,200億円、設定しない場合では6,500億円となります。したがって、事業主負担で言えば、労使折半で、月額9.8万円では約600億、月額8.6万円では1,000億、月額6.7万円では約2,500億、月額5.4万円では2,600億、設定しない場合では約3,300億ということになります。
 医療康保険の方での事業主負担について、記載はしてございませんが、月額9.8万円の場合が400億、月額8.6万円で700億、月額6.7万円で1,500億、月額5.4万円で1,700億、設定しない場合で2,100億ということで、対象者が加入することにより、それだけの事業主負担が増えるのに加えて、医療保険の財政影響は、それぞれの保険者ごとに、被保険者の移動に伴う財政悪化、財政改善というものが生じるという整理でございます。
 次の企業規模の場合についても、301人以上のケースと101人以上のケースをそれぞれ記載しておりますが、事業主負担について補足いたしますと、厚生年金では、301人以上のケースが1,300億円で、101人以上のケースで約2,000億円ということになります。健康保険の方は、301人のケースで800億円、101人のケースで1,200億円ということでございます。
 以前より、このような財政影響、事業主負担の関係については、どのようになるのかという御指摘でございましたが、このような試算となってございます。
 22ページは、「労働者の属性に着目した取扱いについて」ということで、学生、高齢者、主婦の関係です。まず、人数は、学生ですと40万人程度、高齢者(年金受給者)ですと60万人程度、主婦(第3号被保険者)で見ますと170万人程度ということです。これらにつきまして、いろいろな考え方があろうかと思いますが、どのような整理をするのかいう際に、学生に関して言えば、学生は、従来、学業が主体である時期であり、年金保障については卒業してからということで、国民年金の納付特例の仕組みなどもあるわけですが、ただ、適用拡大の対象外としますと、本人は国民年金の納付猶予制度の対象となるということで、厚生年金に加入した方がよかったのではないかという考え方もありうるということ。
 また、適用除外となりますと、同年代のフリーター等の方への雇用への影響が懸念されるということや、学生は短期・短時間のアルバイトが多いのではないかという指摘もありますが、そこは別の条件設定で解決するような考え方もありうるのではないかと思います。
 高齢者(年金受給者)に関して申しますと、既に年金受給権を得ているので新たな年金保障は必要ないのではないかという考え方もありますが、一方で、加入すれば、退職後の年金給付はその分だけ増えるというメリットはある。
 また、医療保険については、国民健康保険に加入して保険料を負担しているということも考えなければいけないのではないかということや、対象外とした場合、50代後半の労働者の方の雇用への影響が懸念されるのではないかということでございます。
 主婦(第3号被保険者)に関しては、主たる生計を担っている者ではないので、基礎年金に加えた新たな年金保障は必要ないのではないかという考え方もこの会議の場でも御意見がありましたが、一方で、対象外としますと、他の労働者、シングルマザー等の雇用への影響が懸念されるのではないかということがあろうかと思います。
 最後、23ページは「事業主及び医療保険者への配慮措置」ということで、これは前回も御議論をいただきましたけれども、適用拡大に伴って、負担の変化等が生じることを踏まえ、雇用管理の見直し等のための実施準備期間を設けることを含めて、激変緩和、適用拡大を円滑に進めるための配慮措置ということで考えた場合、どのような事業主に対して、どのような理由で、どのような配慮が必要なのか。また、医療保険者については、どのような医療保険者に、どのような理由で、どのような配慮が必要なのかということが今後大きな論点になってくるのではないかと思っております。
 後ろの方の参考資料は、基本的には前回と同じものを付けてございます。
 なお、御紹介までですけれども、一部報道で、既に何かが決まったかのような形で報道がなされておりますが、先々週、先週と民主党において、この短時間労働者の社会保険適用拡大に関する専門のワーキングチームで、関係団体等からのヒアリング、あるいは議員間の議論が行われてきておりまして、そういったものが断片的に報道されて、あたかも決まったかのように言われておりますが、どのような議論がされているかということを御紹介をさせていただきたいと思います。
 先々週、先週の民主党でのワーキングチームの御議論の結果としましては、新しい年金制度の方向性に沿って、現行制度の改善を図るということの一環として、短時間労働者への社会保険の適用拡大を行うというものであって、働き方に中立な制度にしていくなど、そうした基本的な方向性は留意していく必要があるのではないか。
 そして、適用拡大の目的として民主党が目指しているものは、働いている方にセーフティネットを整備し、公平感と安心感を持って働いてもらうということであって、その観点から、最終的にはすべての労働者が厚生年金、健康保険の対象になるということを目指すということ。
 しかし、すべての労働者、すべての企業に一度に適用拡大をしなければならないというわけではなくて、労働者の就業への影響であるとか、事業主、医療保険者の負担を考慮して、それにどう対応していくのか、実施時期も併せて検討した上で、段階的に行っていくことが必要だろうということです。これは、この特別部会でずっと議論されておりますので、それを踏まえて、議論いただいた上で更に検討を続けるということが先週までの民主党ワーキングチームでの議論です。そこで何かが決まったとわけではございません。
 なお、議論の中では、賃金等で基準を設けることで、それを念頭に置いた調整ですとか、労働者にとっての不利益が生じないようにしなければならないのではないかですとか、あるいは、第3号被保険者制度は、将来的には廃止しなければならないものなのだから、これを残すような案とすべきではないのではないか。そのような意見が多く出されたということも併せて報告したいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 御説明にありましたように、いよいよシミュレーション結果が出てまいったわけでありますが、これまでの議論の整理と並んで、新しい資料も出てきたということで、個別の議論に移る前に、新しく出てきた資料について御質問があれば、まず御質問を受けたいと思いますけれども、何かございますか。貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 今日、財政影響のシミュレーションを出していただきましてありがとうございました。かねてよりお願いしたものがようやく出てきたということだと思いますが、今後の議論、医療保険で進めていくためにも、できれば追加的に出していただきたいのは、第1号被保険者と呼ばれる方々ですね、第1号被保険者から来られるのか、あるいは第3号被保険者の方が入ってこられるのか。医療保険にとっては、セーフティネットは何らかの形で既にあるわけで、負担が大きく変わる、今、第3号被保険者の方々はどの程度いらっしゃるのかということも影響があると思いますので、適用拡大に伴って、被保険者の方はどういう移動があるのかということについても、財政シミュレーションに並んだ資料をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 質問というよりも御要望ですけれども、これは恐らく、財政シミュレーションしたときにはそういったことも計算の中であったのではないかと思うので、出そうと思えば出せると思いますが、いかがでございましょうか。お願いします。
○西辻保険課長 保険課長でございます。
 今回、賃金水準、企業規模で幾つかに区切って、対象となる方の人数を出しております。この中で、医療保険では、国保から健康保険に入ってくる方、健康保険の被扶養者から被保険者になる方の内訳はどうなのかという御指摘だと思いますが、詳細は今持ちあわせておりませんが、どの層でも大体半々と見ていただいて結構です。人数が大きくなると10万人程度増えたり減ったりというところはあるのですが、ほとんど半分が被扶養者の方で、半分が国保からの移行の方だということで推計をしております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 貝谷委員、いかがでしょう。今の保険課長の回答で結構ですか。
○貝谷委員 わかりました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 他に御質問ございますか。それでは、小島委員、どうぞ。
○小島委員 1つだけ質問です。
 20ページの対象人数のところで、賃金水準の?と?ですけれども、?の月収5万4,000円以上、年収にすると65万円以上とすると対象は300万人で、?の年収基準を設定しない場合には370万人の対象となるということです。この300万人と370万人の差である70万人の方は、どのような働き方をされている方なのでしょうか。?では、地域別の最低賃金の最低水準である時間給645円、月収5万4,000円という方ですので、?との差の70万人の方は最賃以下で働いている雇用労働者ということになってしまうのでしょうか。
○遠藤部会長 それでは、事務局、お願いいたします。
○村山調査課長 調査課長でございます。
 まず、300万人と370万人の差のうち、注の2をごらんいただきますと、?から?については、学生を除外していますけれども、?は学生を入れているということで、学生が入っているというのが1つ。それから、月額云々というのは、実態調査の方で、結果として賃金が小さいのが出てきている部分があって、それも含めるとこのぐらいになっているということでございます。
○小島委員 学生は40万人ぐらい入っているということですか。
○村山調査課長 学生につきましては、22ページのところにございますけれども、?ということで、学生の取扱い40万人程度、これが含まれているということでございます。
○遠藤部会長 それでは、霜鳥委員、お願いします。
○霜鳥委員 財政影響の公費のところですが、税と社会保障の一体改革成案では1,600億円という数字があったと思うのですが、それとこの表の数字が違うので、どちらを信用していいか、これは質問です。
 それから、意見としては、健保組合のところで、先程の説明のような御指摘もありましたけれども、トータルとしてはこういう金額ですが、健保組合によって影響が全然違いまして、平均するとこうなるわけです。実は、問題となります業種の健保組合は、これ以上負担することになりますので、そこが計算できるのかが1つと、計算できないのであれば、注でそこをきちんと書いておいてほしいということです。これで平均だと言われると、恐らく該当する業界は納得しないと思いますので、そこはもっともっと増えるはずなので、それだけよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、保険課長、お願いします。
○西辻保険課長 2点いただきましたけれども、最初に、昨年6月の一体改革の成案で、例えばとして、雇用保険並みに400万人拡大したときの公費の減2,600億円と今回の違いということでございますが、2,600億円というのは、400万人ベースの数字でしたが、先ほど御説明申し上げましたように、6か月未満の方を除くということで、トータルの影響額は、最大でも370万人に見合った数字ということですので、21ページで申し上げますと、1番の賃金水準の?の賃金水準を設定しない場合の公費の影響は2,500億ということです。その差というのは、30万人の6か月未満の方が抜けているということではないかと考えております。それが1点でございます。
 それから、健康保険組合への影響額ですけれども、今、霜鳥委員から御指摘がございましたように、健康保険組合の中には、短時間労働者の方をたくさん雇用されていて、適用拡大によって非常に財政状況が悪くなるところと、逆に、短時間労働者をほとんど雇用していなくて、被扶養者の方が抜けていく。それによって保険財政が若干好転するところと2つございまして、ここで書いてございます健康保険組合の影響につきましては、1,400の健康保険組合のプラスになるところとマイナスになるところのネットの数字だということは、そのとおりでございます。説明等の際には、そのあたりについて誤解がないようにして参りたいと思っております。
○遠藤部会長 したがって、注などで説明をしていただくというお答えですが、霜鳥委員よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 他に御質問ございますか。それでは、瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 質問ですが、21ページの試算で協会けんぽの数字が出ています。国庫補助率は、本則で上限20%ですが平成4年度から13%に引き下げられ、平成22年度から現在まで特例で16.4%となっています。この特例は来年度までということなのですが、この試算のもととなっている国庫補助率というのは何パーセントと捉えているのかをお聞きしたいと思います。
○遠藤部会長 調査課長、どうぞ。
○村山調査課長 協会けんぽにつきましては、現在、16.4%の適用になっていて、現行制度の国庫補助率をそのまま延長した形で計算しております。
○遠藤部会長 瀬戸委員、よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 他に御質問ございますか。それでは、清家参考人、お願いします。
○清家参考人 厚生年金の財政影響について質問があります。従来、低い所得の方が加入すると、厚生年金の支出が収入を上回って悪化するという試算が確か出されていたと思いますが、今回、拝見すると、例えば選択肢1から2の場合は逆に改善する。3でもまた改善するというようになっておりまして、2007年の法案を議論した際には、適用拡大の対象者1人当たりの収入が幾らで、支出がどうなるのかというものを所得別に数字を出されていたと思いますので、できましたらその数字も今回併せて出していただければと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 これはどなたが。年金課長、コメントございますか。
○梶尾年金課長 今、手元にはございませんけれども、検討させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 他に御質問はよろしゅうございますか。それでは、佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 19ページの勤務期間のところで、これまでも特に20~29時間のところは移動が多いので、特に雇用保険と違うような仕組みなので、年金なり健保は、結構事務的に大変だという議論があったのですが、このことで、30時間以上にも当然有期契約の人がいるわけですけれども、30時間以上の有期の人と20~29時間までの有期の人で、移動が違うのかどうかです。つまり、30時間以上でも一時的に雇用している人もたくさんいます。20~29時間までの有期契約の人の移動と、30時間以上の有期の人の移動の違いがそんなにすごく大きいのかどうかなのです。つまり、30時間は適用対象になっているのですけれども、30時間以上でも3か月とか4か月雇用されて辞めているという人もいますし、20~29時間の方とそんなに違うかどうかなのですが、データがあるのでしょうか。僕の感じではそんなに大きくないと思います。30時間以上でも事実上、企業としての雇用期間が短い人もいるわけです。その辺りのデータがあるのかどうか。
○遠藤部会長 そのような種類のデータがあるかどうかというお尋ねですけれども、保険課長、お願いします。
○西辻保険課長 今、手元ではわかりませんので、確認の上、もしあるようでしたら、また御紹介させていただきたいと思っております。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 済みません。先ほどの霜鳥委員からの御質問に対するお答えで、誤っている部分がございましたので、訂正させていただきたいと思います。
 先程、2,600億円と2,500億円の違いと言っていたのですが、一体改革成案の資料は1,600億円の国費であり、1,600億円と2,500億円の差異ですので、約900億円の差がございます。この内訳ですが、国保の加入者の方々は所得に応じて保険料の軽減というものがございまして、それに対して国費が入っております。同様に、介護納付金についても、所得に応じて軽減がございますので、この分で合わせて数百億入っている。こういったことなどが1,600億円と2,500億円の差の内訳ということでございます。誤った説明をしてしまい大変申し訳ございませんでした。訂正させていただきます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 霜鳥委員、どうぞ。
○霜鳥委員 是非資料でいただけると。
○遠藤部会長 それでは、後ほど、あるいは次回でもいいですが、できるだけ早い段階で、できれば、本部会中にメモで結構ですので、いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○西辻保険課長 わかりました。
○遠藤部会長 他によろしゅうございますね。
 それでは、中身に入りたいと思いますけれども、多岐にわたった内容でございますから、少しグループに分けてお話ししていきたいと思います。最初は、相互に関連しているところもありますので、ページ数で言うと19、20、21ですね。週の労働時間、雇用期間と賃金水準、企業規模、それに合わせた人数及び財政影響、これらをまとめた形で議論をしていきたいと思います。これは御意見、御質問、結構でございます。坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 一点は厚生労働省にお伺いしたいのですが、民主党のワーキンググループとこの特別部会はどういう関係というのはどういうことになるのでしょうか。政治の場でお決めになるなら、この審議会の場で議論している意味はどこにあるのか疑問を持ちます。
 もう一点は、前々から言っておりますけれども、民主党のワーキンググループでも適用拡大というのは、新年金制度の方向に沿って現行制度の改善を図る一環であるとおっしゃっています。しかし、新年金制度の設計は、いまだ大枠しか示されていません。詳細については、今後、国民の意見も聞きながら平成25年の法案提出に向けて議論していくと聞いておりますので、やはりその中身が確定してから、国民の理解を得て、また新制度に移行するまでの第1号被保険者制度や第3号被保険者制度の在り方も決めた上で、適用拡大をというのが順序だと考えております。そうは言ってもセーフティネットが必要な人がいるのも事実でありますので、適用拡大の方向性を全面的に否定するものではありませんが、範囲は最小限に絞るべきだと私は考えています。
 したがって、週の労働時間、賃金水準、雇用見込み期間、学生の扱い、企業規模については、少なくとも2007年の法案より対象を広げるべきではないと思います。また、セーフティネットの観点から言えば、第3号被保険者や年金受給者なども対象外にすべきであります。
 このうち賃金水準については、標準報酬月額の下限である9万8,000円を引き下げると国民年金より低い保険料でより多くの給付を受給することになる。これは不公平だと考えます。
 また、今の厳しい経済状況を考えますと、協会けんぽ保険料の引き上げなど、一体改革による負担増を考えれば、中小企業は適用除外としていただきたいと思います。
 それから、あまり注目されていませんが、雇用期間について、パート労働者は短期間で入社・退社するケースが多いという就業実態が過小評価されているのではないかと考えます。中小企業の経営者から聞きますと、社員の定着率の低さに悩む話をしばしば耳にします。例えば、社員が無断で出勤しなくなり、連絡がとれなくなった。解雇できず保険料を払い続けていたが、他社に移っていた例も結構あるようであります。雇用期間が短いほどこうしたケースが増えると思いますので、もともと事業主は実質的に保険料徴収のコストを負担しておりますけれども、負担が更に大きくなります。こうした実務上の問題について、番号制度により対象者を正確に把握するなど対応してから適用拡大しないと、前回の意見にもあったように、パート雇用比率が高い企業などにとっては極めて深刻な事態になる恐れがある。これは意見として申し上げておきます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 後段の部分については御意見ということでありましたけれども、冒頭お話しされた中身では、ワーキンググループと当部会との関係、これも冒頭のお話で、年金課長からお話しされたと思いますけれども、もう少し正確にお願いできますでしょうか。
○梶尾年金課長 冒頭の与党での議論との関係でございますけれども、1月6日の一体改革の素案を御紹介しましたけれども、政府・与党社会保障改革本部においてこれに取り組んでいくということの全体の方向性があり、そして、適用拡大というのは、これは法律事項ですので、実施する際には政府が法案をつくって提出するということです。ただし、提出の際には与党での審査もあるということで、先ほども御紹介しましたとおり、政府のこの特別部会でも議論されておりますが、それは与党としても並行して議論をしているということであって、政府としましては、この場で9月以来御議論いただいておりますので、是非御意見をちょうだいして、一定のとりまとめができればと思っているところでございます。この検討状況はまた党の方でも御利用いただくと思いますけれども、最終的に法案を作成するというのは政府でやるということでございます。
 あと、前回、前々回も、新年金制度についてどのようにやるのかという御指摘がございましたが、新しい年金制度において、一定の最低保障機能や、あるいは働き方に中立な制度にしていく。そして、大きな方向性のもとで、具体的な制度設計について国民的な議論を更に重ねていくということですけれども、新しい年金制度の方向性は示されておりますただ、新しい年金制度に切り替わるにしても時間がかかるということで、現行制度の改善も、新年金制度と同じ方向性で改善を図っていく。そういった視点を持って現行の年金制度を改善していくという際に、短時間労働者の適用拡大ということも位置付けているということでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 坪田委員、よろしいですか。
○坪田委員 とりあえずはいいです。
○遠藤部会長 それでは、審議官、どうぞ。
○唐澤審議官 坪田委員の御懸念は大変よくわかります。勿論、今回の短時間労働者の適用拡大を政治的にどう判断するのかということは重要なことですけれども、この特別部会で細部まで御議論をいただいておりますので、今、坪田委員からお話のございました御懸念につきましては、私どもからもワーキンググループの先生にお伝えをさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 他にございますか。霜鳥委員、どうぞ。
○霜鳥委員 今のことについてですが、先程ありました基準によっては非常に影響が大きいので、我々も関係のところにどのように説明したらいいのかと悩むところでございます。今回資料が出ましたので、これをもとにお話はさせていただきますが、余りにも幅があり過ぎて、どれが本当なのかわからない中でやるというのは難しいと言わざるを得ません。また、素案でも、関係者の意見を聞きながら政府が出すということですので、政府・与党で最終的にお決めになるのだろうということだと思いますが、我々としても、その間どうやって動くか、非常に難しい段階になっておりますので、できれば早めに党の方での議論も進めていただきたいと思います。私どもも呼ばれてヒアリングをさせていただきましたけれども、最終的には政府・与党の方で決定いただくことだと思いますので、私どもとしてもそれをお待ちしたいということでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として伺いましたけれども、今のことについて何かございますか。事務局、何かコメントございますか。御意見だったわけなので、わかりました。では、御意見として承りました。
 小島委員、どうぞ。
○小島委員 改めて、これまで発言してきましたので、整理していきたいと思います。
 先ほど坪田委員より、民主党で検討する新しい年金制度の具体的な制度設計が、はっきりしないという中でいかがなものかという御発言がありましたが、一体改革の考え方の中では、所得比例年金に全国民が加入するということと、最低保障年金という大きな方向性を示しています。つまり、すべての国民が今後新しい制度の中で所得比例年金に加入するという方向を目指すということですので、今回、ここで議論している全ての雇用労働者にふさわしい社会保険に加入するという方向は矛盾しないと思っております。よって、これまで議論されている内容を、きちんとここで一歩、二歩、前進させていくということが必要ではないかと思っております。そのためには、極力、雇用労働者については、社会保険に広く適用すべきです。それは基本的な考えです。
 そういう観点から考えますと、19ページにある労働時間要件について、今までの議論の中では、週所定労働時間20時間以上、法定労働時間の2分の1以上ということで、まずそこから考えることが基本だろうと思っています。
 それから、勤務期間についても、前回発言したのですが、現行制度は、雇用期間については2か月以上の雇用見込みがあれば適用しているということです。基本的にダブルスタンダードはつくるべきではないという考えからすれば、雇用期間についても現行の2か月以上というのが原則であると思っております。これは実務的な問題も出てくるということがありますので、資格取得届、あるいは資格喪失届等の事務手続上の工夫は必要になってくると思います。その辺りについては、もう少し検討する必要があるのではないかと思っております。
 それから、20ページの賃金水準のところですが、ここも本来は設けるべきではないと思います。とりあえず全国の最低賃金を1つの基準と考えれば、月収を5万4,000円、年収65万円というところで考えることもあると思います。
 今回の中で、一番念頭に置かなければならないのは、国民年金の第1号被保険者をどのようにカバーするのかということです。そこを踏まえて、更に適用拡大するということで考えていくという視点が必要だと思っております。
 それから、企業規模についても、ダブルスタンダードを設けないという観点から、企業規模で適用除外を設けるべきではないということが基本的な考え方であります。
 それと、21ページの試算についてですが、これについては、各医療保険者によってプラスマイナスが出てきております。これは、市町村国保に加入している雇用労働者が、社会保険に移る影響だと思います。
 それから、共済組合の負担が減るという点については、共済組合の被保険者の被扶養者の方が、健保組合あるいは協会けんぽの方に移るということの影響だと思いますので、これも前回発言したのですが、現在の共済組合の被保険者の範囲の見直しも必要ではないかと思います。
 年金については、今、被用者年金の一元化が検討されておりますので、厚生年金と共済年金が一元化されれば、財政上は財政調整されるので問題は出てこない。いわば短期の医療保険の部分での共済組合の被保険者範囲については、見直す必要があるのではないかと思います。全国お公務部門で働いている臨時職員と言われる方は、40万人以上おられるという話があります。そういう人たちも、共済組合の短期給付に加入できるようにすることも検討すべきかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 具体的な基準について、お二方から出ておりますけれども、貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 協会けんぽの立場から意見を2つ申し述べたいと思います。
 1つは、本日示された財政影響試算。これは、21ページですが、これを見る限り、賃金水準では、いずれも大変大きな財政的な負担を伴うということがこの試算で明らかになっております。言うまでもなく、私ども協会けんぽの財政状況というのは大変な状況でございまして、中小企業の方々に大変重い負担をお願いしております。大企業の健保組合を上回る突出した保険料となっております。具体的には24年度は10%という、ほかの健保組合にもないような高い保険料になっておりますので、ただでさえそういう状況の中で、今日提示されたような額の追加負担というものはとても難しいと感じております。何らかの財政改善措置がセットでない限り、とても賛成できるような状況でないということをまず申し上げたいと思います。
 そして、政治的に判断されて1つ進んでいくということも、今の政府のお話ですとそういうことがあるのかもしれませんが、そうであるなら、政治的に医療保険者への財政支援措置ということも併せて是非提案していただきたいということを、申し上げたいと思います。
 2点目は、既に前回までの間で発言していることでありますけれども、私ども協会けんぽとしては、加入者の方々と、つまり被保険者の方々と事業主の方々とのコンセンサスが大変重要だと思っております。先ほど申しましたように、中小零細の企業が大半の私ども協会けんぽの事業主にとっては、既に大変な負担をお願いしております。短時間労働者の適用拡大に当たっては、中小零細事業者の方への十分な配慮が必須であると考えておりますので、改めて申し上げたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 他に御意見ございますか。中島委員、どうぞ。
○中島委員 基本的に小島委員と同じ意見ですので、重複するところは申し上げませんが、雇用期間については、通常の労働者と同じ2か月というのが適当だと思います。と申しますのは、正社員と短時間労働者をダブルスタンダードにすると、更に事務が繁雑になりますので、ここは1つの雇用期間だけでシンプルにやった方がいいと思います。
 それから、21ページの財政のところですけれども、確かに御指摘のとおり、個々の健保組合にはかなりの負担がかかりますので、ここは、国保の方で浮いてくる公費負担分、公費補助の部分を回すということで、適切な財政調整を行う必要があると思います。そういうことによって、できるだけ、より幅広く適用していくという工夫をしていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 財政調整の方法も含めた御提案だったということですけれども、他に御意見承りたいと思いますが、ございますか。貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 今日の財政試算では、雇用期間が6か月未満の方は除いて試算ということが注に書いてございますが、6か月なのか、あるいは今お話しの2か月なのかというのは、今、テーマとしてよろしいでしょうか。
○遠藤部会長 はい。
○貝谷委員 その点について、これはかなり実務的な話なので、私ども協会けんぽ保険者としての懸念だけ申し述べさせていただきますが、一般的な健保組合の場合には、事業所と健保組合が一体となっていることが多いと聞いておりますので、保険料の収納という面からは大きな問題になっていることはないだろうと思いますが、協会けんぽの場合には、収納に伴う実務は、実際には日本年金機構の方にお願いしております。勿論、今でも雇用期間が2か月という方はいらっしゃると思いますが、今回の適用拡大に当たりまして、そういった短期の方まで大幅に取り込むことによって、保険料収納ということに関しては、実際、現場では大変大きな問題を抱えるのではないか。それに伴って、更に財政的に困難な状況をつくり出すことが懸念されますので、実務的な収納でどの程度の問題があるのか、保険料収納に対してどの程度の影響を与えることになるのか、これはきちんとやっていただくということしかないと思いますが、懸念として申し述べたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 そういう御懸念が協会けんぽさんの場合はあるということでありますが、これについて何か、先ほど2か月ということをおっしゃった小島委員、どうぞ。
○小島委員 おっしゃるような問題はあると私も認識しております。協会けんぽの財政も厳しい中で大変だと思いますけれども、今は、資格取得・喪失を含む資格管理は随時という形でやっています。それに対して、保険料徴収は月単位ということになっておりますので、事業所あるいは届出をするところについては、資格の取得・喪失に応じて事務が煩雑になるという問題があるのだと思います。
 そういう意味では、届出の基準日を決めたらどうかと考えます。例えば、月初めの1日を届出基準日と決めて、その単位で事務処理を行うということであれば、月内の中途で退職した、あるいは、新規に資格を取得したといったような実務の面が少しは緩和されるのではないかと思います。あるいは、場合によっては、月内に退職して新たな事業所に勤めるといった場合には、保険料の二重払いといった問題も、医療保険の場合には出てくるということがありますので、短期雇用者まで適用するというときには、その辺りも資格管理の事務の簡素化といったところにも目配りをして見直し、検討する必要があるのではないかと思います。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 今の小島委員の御指摘については、確かに簡便になる部分もあるかと思うのですが、実務的な指摘が年金局の方からないようでしたら、一言コメントさせていただきます。喪失は届出を5日以内にするということになっていて、一方、保険料は月単位で賦課をしているというのはそのとおりでございますが、基本的には、会社に勤められていた方がその会社を辞めた後は、もし他の会社に勤めないのであれば国保、他の会社に勤めるのであれば、新しい会社の健康保険で医療費を見ていただくというのが、原則だと思います。これを、例えば、月の途中で辞めても、届出は月末とすると、恐らく被保険者証の回収業務がほとんどできなくなってしまって、月を超えた後も辞められたご本人が保険証を持ったままということになってしまい、かえっていろいろな問題が出てくるのではないかと思っております。
 それと、月の途中で辞められて、違う会社にまた勤められたとしても、もともと辞めたところでの保険料は、前月分の保険料までしか賦課されませんので、基本的には、辞めた月に新しい会社に入って、また同じ月内にその会社を辞めて、同じ月内に別な会社に勤めるということがない限りは、二重負担というのは、現実問題としては出てこないのではないかと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 小島委員、どうぞ。
○小島委員 二重払の件ですけれども、その月には確かに二重払というのは出ませんけれども、月内に新しい事業所に移った場合には、その月の分が翌月徴収されるということなので、その意味では翌月分は前の事業所のところで支払っているということだと思いますので、そういう意味での二重払という話にならないですか。
○遠藤部会長 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 例えば、今、2月ですけれども、2月の途中で辞められた方の保険料というのは、1月分まではいただくのですが、2月半ばまでの分というのは、今まで勤めていたところの保険料としてはいただかないということです。2月の途中で辞められた後、例えば2月16日から新しい会社に勤められた場合には、当然2月分というのは新しい会社からいただくこととなり、2月分を両方の会社から二重に取るということはないと承知しています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 ここは、今までも私がお話ししたように、労働時間については、20時間以上というのが適切だと思っています。
 勤務期間は、基本的には、いわゆる社員として無期の労働契約の人はそれでいいわけですが、多分問題は有期契約の人です。有期契約の人のところで、2か月以上の雇用見込みというのが今の基準ですので、それと別の基準をつくるのはどうかと思います。もしやるなら、もしつくるとすれば、30時間以上の有期契約の者と同じにするべきだと思います。つまり、30時間以上が2か月になっているのであれば、今度は6か月半年にするのであれば、29時間以下で20時間以上のところだけを6か月にするのではなくて、雇用期間の基準を設けるのであれば、有期契約の人の労働時間に関係なく、30時間を超えたところも6か月にするというのであれば、まだ合理性はあると思います。つまり、企業としては、雇用契約期間と労働時間とは別の話ですから。もし勤務期間の基準をやるとすれば、現行の30時間以上のところも同じ基準にしないと、人事管理上おかしなことが起きてくると思います。ですから、労働時間が変わったところだけで違うというのは、同じ仕事を、雇ったときの労働時間が違うだけで、入る人と入らない人が出てくるということはおかしいと思います。
 もう一つは、先ほど話したように、私のデータでは、たしか20~29時間と30時間以上でそれほど移動率の違いがあるとは思っておりません。多少は違うかもしれませんが、そんなに大きな差はないので、30時間以上も今2か月でやれているとすれば、別な異なる基準を設定するほどなのかなという気はします。ですから、もしやるなら、30時間以上も同じような基準にした方がいいのではないかと思っています。
 あと、賃金水準は、基本的には労働時間を決めておけば、あとは最賃で設定しない方がいいのではないかと思います。これを設定しますと、新たな就業調整や、あるいは、それ以上時間給は上がらないということになりかねないと思います。ですので、もし設定するとすれば、最賃のところが合理的かと思います。
 あと、企業規模ですけれども、これは労働時間と雇用期間と賃金水準と別の基準です。多分、企業規模が入ってきたのは、適用拡大をすると大きな影響があるからということなのですけれども、これも前回お話ししましたように、確かに29時間から20時間まで適用拡大すると、短時間労働の人をたくさん雇用した業種はかなり大きな影響があるので、そういう影響があるところを緩和しようという趣旨だと思います。そのことと企業規模とは別の話ですよね。つまり、300人以下でも、短時間の人が100人ぐらいで20人くらいしかいない会社と、1,000人以上でも1万人いる会社だったら、どちらのインパクトが大きいかと言えば、規模が大きくてもたくさん雇っているところなわけです。ですから、激変緩和という趣旨であれば、例えば、先ほど雇用見込み期間の設定ということが1つの激変緩和になるでしょうし、あるいは勤続年数というのは1つですね。雇用期間と同じですけれども。あるいは、当面は25時間ぐらいの適用拡大として大きな影響を小さくするという意味では、それが本来の趣旨であって、企業規模で区切るということと激変緩和ということは対応しないのではないかと思います。
 もう一つの議論は、中小企業は経営体質が弱いということで出てくるのかもしれませんが、これも実は問題で、確かに中小企業、総体で多いかもわかりません。大企業でも経営が弱い会社もあって、そういう会社でも基本的には人を雇って、現状では30時間以上で2か月以上雇えば雇用保険に入れるわけですね。ですので、経営が苦しいから、人を雇って雇用保険とか社会保険に入れないということが通るわけではないので、これは別の議論だろうと思います。
 もう一つは、中小企業は、もし経営体質が弱いので外すということからすると、これはちょっと問題で、中堅中小にも非常にいい会社がたくさんあるので、例えば、大学生なんか、是非そういうところも就職をくださいと言っているわけですね。中小企業は経営が弱く、人を雇っても社会保険に入れられない企業だというメッセージを出すのはまずいのではないかと思っていて、そういうことはやめた方がいいのではないかなという気もするので、企業規模というものを設ける場合、どういうロジックで設けるのかということはきちんと考えた方がいいと思います。私は、激変緩和は大事だと思います。ただ、そのことと企業規模で区切るということが実は対応しないのではないか。例えば、30時間以上の社員に比べて2倍以上短時間の人がいるところは影響が大きいということであればわかるんですね。だから、企業規模で区切るということについて激変緩和でどう対応するのか、是非説明していただくとありがたいと思います。
○遠藤部会長 どなたかこの関連で。それでは、高岡委員、どうぞ。
○高岡委員 今の佐藤部会長代理の話の前半は私も全く同意見です。そもそも労働時間や勤務期間、労働時間20時間以上と勤務期間6か月以上をベースにして、それに賃金水準をかぶせるというのは、そもそも人の労働の価値を得られたお金で見るのか、労働時間で見るのかという時に、両基準で網かけしているようなものなので、ダブルでかける意味があるのかということは、もう少し議論した方がいいのではないかと思います。
 ただ、後半については全く逆の意見です。企業規模の話ですが、これは激変緩和のための措置というレベルの話ではないと思います。今回の社会保険の適用拡大により、企業側からすると、実際にお金が出ていくという意味のコスト増、もう一つは、手間・事務処理費用というコスト増があります。前者のコストについては、中小企業でも大企業でも全く同じ条件だと思いますが、後者の手間の部分というのはスケールメリットが働きます。また、大企業の方が人的資源も豊富ですし、1人当たりにかかる手間のコストというのは小さいと思います。それに比べて、5人、10人、あるいは100人程度の社員数で経営しているような中小企業というのは、そういう人たちを専門で雇えないとか、人的資源不足の問題があるので、そういう意味では、コストを2つに分けたときの後者の方のコストで大きく違いが出てくると思います。ですので、緩和措置という考え方はどうなのでしょうか。また、今回、新たに20~30時間未満の方々が社会保険適用対象になるという意味では、飲食、サービス、小売業では、ライフの清水さんがヒアリング時に来られておりましたが、あのような大手のスーパーなどもたくさんあり、そのような大手のところは今お話ししている考え方から外れると思うのですが、大きく影響が及ぶ業種の方々全員の激変緩和措置は、後ほど4番目の論点でこれから議論されると思います。それとは別の観点から企業規模については配慮が必要ではないかと私は思います。
○遠藤部会長 部会長代理、そういう説明がございました。
○佐藤部会長代理 そうしますと、この規模をどう括るのかということで、事務手続ということであれば、それなりの規模のつくり方で、例えば30時間以上の者は少なくとも管理しておりますし、20時間以下をたくさん雇っているところも管理はしているのです。マネジメントしているわけですから、例えば、全体の規模で見た方がいいのかもしれない。つまり、30時間以上が100人でも、29時間以下は500人雇っている場合、この人たちを管理するだけのマネジメントをやれているわけです。そうすると、これは30時間以上だけれども、規模を見ているわけです。そのとき、この規模でいいかどうかということを次にまた議論しなければいけないと思っています。
○遠藤部会長 高岡委員、企業規模についての御意見はございますか。
○高岡委員 私も、企業規模について100人以上がいいのか、50人以上がいいのか、300人以上がいいのか、この辺りはよくわからないのですが、例えばパパママストア的なところでは、30時間以上働いている人の手続でさえも、うまくできているかというと、小売の現場を見ますと、実際にはどうやっていいかわからなくて、わざと手続きをしないのではなくて、どうやっていいかわからなくてできていない方がたくさんいると思います。ですので、その辺りは少し配慮が必要なのかと思います。その意味での中小企業というのは何人なのかという定義をもう少しきちんとデータをもとに計算しなければいけないと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、白波瀬委員、どうぞ。
○白波瀬委員 企業規模のことなのですが、実は前回、私も基本的な質問で、なぜ300人以上なのですかと聞いたのですけれども、佐藤委員と同様に、企業規模で区切ることの意味というのが私としては納得がいきません。これは、またそもそも論の話になりますが、適用拡大は一体何を目指すのかということですね。つまり、現時点で負担があるということと、これからどのような社会を目指して制度改革をするかということの間には、常にずれがあることは確かですし、痛みを伴うということも事実なのです。と同時に、激変緩和については考慮していかなくてはいけないと思いますが、常に制度改革にはある程度の「激変」は伴うものと考えます。基準を設けることの意味をもう一度振り返るといいますか、働き方に中立なということが一体改革の中で強調されていて、そのことが今回の適用拡大にもリンクしていると思うのですが、もし中立ということを目指すのであれば、企業規模を考慮すること自体にも十分考慮する必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 中島委員、どうぞ。
○中島委員 企業規模のところですけれども、私も企業規模で区切るべきではないと思います。激変緩和措置については、いろいろな工夫が必要だと思いますが、企業規模というのは、働く者からすると、働く事業所の規模で社会保険が適用になるかならないかを区切られてしまうという、公正な説明がつかないと思います。ですので、企業規模というのは基本的になくすべきだと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 企業規模の話になっておりますが、企業規模で何か追加の御意見があれば承りますが、よろしゅうございますか。
 それでは、それ以外のところでも結構ですけれども、もしあれば。杉山委員、どうぞ。
○杉山委員 賃金水準の部分で1点意見ですが、20ページの中に年収80万円、65万円以上の者に適用拡大した場合の試算が示されています。一部報道で年収80万円という部分の内容が出たときもありましたけれども、週20時間以上30時間未満の労働者の中では、80万円から90万円に該当している人が約27%と非常に多く分布をしているという状況があります。こうした中で、もし80万円という基準に置いた場合に、事業主が負担を回避するため、79万円以下に抑えるといった雇用調整のことも十分配慮、検討しておくことも視点として必要ではないかと思います。そういったことからも、先ほど合理的だというような一部の意見がありましたけれども、非常に多くの短時間労働者が分布する年収80万円から90万円の層をカバーするためにも、賃金要件は年収65万円以上というのを当面の措置として置いたらどうかと思います。
 なお、企業が、適用をきっかけに労働者にとって不利益な雇用調整を一方的に行うことがないよう是正措置をとるという観点から、「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等においての指針」の中に、社会保険の適用を理由に更新を含む労働条件を事業主が一方的に不利益に変更することは許されないといった部分の条項なども盛り込んでいくといった検討をしていただいた上で、改めての指針を周知徹底することの防止策も十分検討していかなければいけないと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 他に御意見ございますか。それでは、清家参考人、お願いします。
○清家参考人 ただいま賃金水準について御指摘がありましたが、賃金水準を考える場合に、年金制度全体でバランスを考える必要があると考えています。と申しますのも、以前から論点として、国民年金の方と被用者年金、厚生年金の方とのバランスというのは、ここは現行制度の改善という観点から議論しておりますので、あまりにも不公平と言われるような形にはすべきではないと考えております。ですので、坪田委員が冒頭おっしゃられましたが、2007年法案というのは、最低水準の均衡を配慮された案でありますので、私どもとしては、9万8,000円の壁を今の段階で取り払うべきではないと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 他にございますか。大体御意見は出尽くしましたでしょうか。それでは、霜鳥委員、どうぞ。
○霜鳥委員 貝谷委員の意見の中に少しありましたので、発言させていただきます。健保組合の中にも、協会けんぽの料率を超えて存続している健保組合はありますし、そこは定率国庫負担に依存せず頑張っているところでもありますので、これはお忘れなきようにお願い申し上げます。
 それから、私どもも従来から関係団体の労使の合意といいますか、理解を得られることがなかなかできない状況です。また、それに関する保険者の理解も必要です。今回もこのような経緯があって、恐らくどこかである程度決めるとすれば、是非そこのフィードバックなりをきちんとやってほしいと思います。関係者の意見を聞いて決めるということになっていますが、聞くだけでなくて、その辺りの取扱いを是非きめ細かくやっていただきたい。これは要望でございますが、お伝え申し上げたいと思います。
○遠藤部会長 承りました。
 それでは、佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 細かい点ですけれども、今の賃金水準、私は基本的に設定しないという意見ですけれども、事務局の案で、何を賃金水準に入れているのかということで、25ページの前回の平成19年の時の案を見ると、これは賞与、通勤手当、残業等を含まないということになっています。多分30時間以上だと、現行、賞与などを含むというふうになっていると思います。ですので、もし賃金水準でやる場合も賞与などを含むのか含まないのかということは結構大きいと思います。
 ですから、先ほどお話ししました、基本的には、もしやるならば、時間で区切るのだけ、有期の中だけで同じにするとかにしないと、20~29時間だけ賞与込みではないとすると、賞与の方に賃金を積むであるとか、また変なことが起きたりですとか、パート労働法では、基本的にはパートにも賞与もあるという議論もしているわけですので、そうすると、この辺りはどのように考えて計算されているのか。
 あと、もう一つ、パート労働者の場合は月給ではないので、毎月の時間で給与は変わるんですね。この場合、30時間以上の方も実は同じなんですけれども、例えば、2月は少ないわけです。日数が少ないですから。その辺りもテクニカルな話ですけれども、月収でやるのがいいのか。
 それと、もう一つは、やはり30時間以上の方と同じように、本来、賞与など込みでやるというようにしないと、これも二重の基準を設けたり、時間が増えただけで仕組みが変わるということは、同じ職場の同じ職種で基準が変わると人事管理上も繁雑ですし、望ましいことではないと思うので、それはどう考えて計算されているのか教えていただきたい。
○遠藤部会長 それでは、計算につきまして、調査課長、お願いいたします。
○村山調査課長 賃金水準につきましては、パート労働者の総合実態調査に基づいて計算しておりますけれども、年間収入しかありませんので、私どもの方では賞与は含めず、年間収入をそのまま月収のみとみなして計算しております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 部会長代理、よろしいですか、今の点。
○佐藤部会長代理 はい。
○遠藤部会長 小島委員、お待たせしました。
○小島委員 国民年金保険料とのバランスという御意見がありましたけれども、今、佐藤部会長代理からも発言がありましたが、適用基準では月例賃金だけではなく賞与等も標準報酬算定に当たっての対象すべきです。あるいは通勤手当などを含んだ報酬で算定されるということだと思いますので、そういうことも含めば、国民年金保険料とのバランス、不公平も少しは解消になるのではないかと思います。
 それと、もともと被用者年金としての厚生年金は定額部分があり、定額部分は、いわば収入に関係なく、加入期間だけで年金の算定になるということで、厚生年金の定額部分というのは、従来から再配分機能を持っていました。基礎年金制度に移行するに当たって、従来の厚生年金の定額部分が基礎年金に移行したということですが、被用者年金自体の中では、一定の再配分機能を持っている。そういうものが現行制度もあるということを認識すれば、単に国民年金の保険料のバランスという話ではないので、バランス問題にこだわる必要はない。給付と負担のバランス問題について言えば、第3号被保険者と第1号被保険者あるいは第2号被保険者とのバランス、そちらの方がずっと大きな問題だと思っています。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 大体御意見は出尽くしたと思ってよろしゅうございますか。もしあれば、またさかのぼった議論でも結構でございますけれども、まだ手を着けていないところがありますので、そちらの方に進みたいと思います。
 次は、22ページになりますか、労働者の属性に着目した取扱いについて御意見ございますか。では、杉山委員、お願いします。
○杉山委員 意見ですけれども、学生、高齢者、主婦といった労働者の属性によって異なる取扱いをすべきではないと考えます。先ほど、規模という話もありましたけれども、事業者にとって社会保険を負担しないで済む雇用を認める状況を継続させてしまうと、雇用市場からシングルマザーやフリーターなどが排除されるといったことも関連性としてございます。こういったことから、労働者の属性による部分で取扱いについて除外を認めるべきではないと考えます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 他にございますか。白波瀬委員、どうぞ。
○白波瀬委員 私も、属性によって取扱いを変えるという必要はないと思います。属性によって制度上の取扱いや位置付けが違うことが現代日本の社会制度のゆがみを生んでいるということがあります。ですから、働き方に対して中立的な制度を設計するのであれば、極力、属性を考慮する必要はないと思います。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 他に御意見ございますか。
 よろしいようであれば、また全体に戻って、時間があれば御議論いただきたいと思います。
 それでは、続きまして、23ページの「事業主及び医療保険者への配慮措置について」、激変緩和の話等々、先ほども出てまいりましたが、いかがでございましょうか。あるいは医療保険者については、公費による補助の御提案なども出ておりましたが、もう一度ここでやっていただいても結構ですし、何かあれば。小島委員、どうぞ。
○小島委員 これは、先ほども御意見が出ておりましたが、適用拡大を行うにあたって公費負担が軽減しますので、浮いた公費を急激な負担増になるような健保組合などに一定配慮して支援をするということが妥当なところではないかと思っております。協会けんぽが3年間の暫定措置として財政的な支援がされています。後期高齢者支援金に対する算定公式を今までの人数割から総報酬割に3分の1入れたときに、健保組合で急激な負担増になるところについては、一定の支援を行ったという参考事例もあります。そういうものを参考にしながら、適用拡大によって急激な負担増になる医療保険者に対しては、一定の支援を行うということが必要だと思います。ただし、いつまで続けるのかということはあるかと思います。
○遠藤部会長 最後はよく公費頼みの話になってしまうというところがあって、本来、こういうときには、岩村委員が出ておられると、御発言をいただけると思うのですが、本日お休みでございまして、お話としては承っておきたいと思います。
 審議官、どうぞ。
○唐澤審議官 まだ精密な医療保険影響の試算をお示しできませんので、大まかな話で恐縮なのですが、公費がどのくらい縮小するのかという大雑把な試算は勿論ございますが、では、それで必要な対策に十分なのかという問題があります。したがって、公費を埋めるということだけというよりも、もう少しシステマティックな何か緩和策みたいなものがないかということも私どもの方としては少し考えてみたいと思っております。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 他にございますか。貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 小島委員から協会けんぽというお話がありましたので、当事者側からも一言お願いをしたいと思います。
 23ページの医療保険者への配慮のところで、保険者の例ということで、下に記述がございます。今回の適用拡大によって財政悪化するケースと、それに伴って保険料の大幅な引き上げが必要となるというものです。一応これは例示だということだと思いますが、既に協会けんぽは、保険料率の大幅な引き上げをしておりますので、こういったところも当然ながら、先ほど数字がありましたけれども、今回の適用拡大によって、財政へ深刻な影響を与えると私どもは思っていますので、当然、それに対しては何らかの財政改善措置というものをセットでお願いしたいところです。これは改めてお願いをしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 それでは、瀬戸委員、お願いいたします。
○瀬戸委員 私どもも先程来意見を申し上げておりますが、平成19年法案の基準と同等とするべきであると考えているところです。中小企業だからといって決して甘えているわけではなく、日々経営に苦労しているわけであります。こういう中で適用拡大が大幅にされるということになりますと、コスト増、事務負担増、これは再々来申し上げているところでございますけれども、そのようなところから勘案して、301人以上という基準が妥当だろうと思っておりますし、更には中小零細企業への適用除外は是非お願いしたいということは申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 他に御意見ございますか。平田委員、どうぞ。
○平田委員 見直し等のための実施準備期間を設けるということに関して申し上げたいと思います。
 これは、どのぐらいが妥当なのかというのは難しいと思いますが、少なくとも2年ぐらいは必要かなという感触を得ています。と申しますのは、適用拡大に当たって、ヒアリング等を事業主さんに行いました。パート労働者を多く雇っているところ、その比率が非常に高いところ、それから、パート労働法が改正になったときに、正社員と仕事の内容が同じである場合、パート労働者の時給を同じにしなければいけないというようになったと思いますが、その際に、これはちょっとまずいということで変えたとか、そういったところに具体的には聞きました。
 そして、中小企業でパート労働者が30~100人ぐらいの感じのところで、パート労働者のみを変えた場合に、コンサルタントが入って大体半年ぐらいで、それは非常に急いでやったということがありました。これがパート労働者ではなく正社員の賃金制度を変えたというところを、これもやはり100人ぐらいの企業ですが、こちらもコンサルタントの先生が入って1年ぐらいでした。
 あとは、もっと大手さんで、パート労働者を800人であるとか1,000人であえるとか雇っておられるところで、全体的な賃金体系、評価制度、全部変えた場合には、急いで1年半ぐらいでした。でも、これはコンサルタントが入らず、非常に大きな規模ですけれどもというようにおっしゃっていました。
 今回ですが、パート労働法のときとの大きな違いは、事業主にとって非常に大きな負担増となって、そのかわりに収入増というものが特に見込めない中、どういう働き方をする労働者に、どのぐらいの時間働いてもらってという全体の設計を変えるという話になってくるのではないかなと思います。そうでないと、あとは価格転嫁ということもあるのでしょうが、そのような大きな変更になってくるので、制度を変えるに際しても、半年であるとか1年ではなく、もう少し長期間必要になってくるのではないか。それに当たっては、労働者の側にも、目的や基準についての説明も伴わないと、納得して働いてもらえないと思います。働く幸せというところにも関わってくるので、国としても国民への説明ということもあるでしょうし、企業としてもそれに則った形でしっかり変えていくということを求めていくためには、ある程度長めの期間が必要なのではないかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 したがって、準備期間としては2年程度が妥当なのではないかというふうに受けとめさせていただきました。
 では、佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 激変緩和策の私の考えとして、1つは、何年後には20時間まで適用するけれども、当面は、基本的には一律で、業種や規模に関係なく25時間という激変緩和のやり方があるだろうと思います。だから、例えば、2年間は25時間まで、5年後は20時間という考え方は、本来、企業によってそれぞれ大企業も中小企業も関係なく一律にしても適用層が全部にはならないわけですから、これは激変緩和という考え方だろうと思います。
 もう一つは、平田委員の御意見のように少し準備期間をおくということもあると思いますが、このときに大事なのは、これはできるかどうかわかりませんけれども、5年後に20時間以上適用といったときに、早めに適用拡大できるところは入れられるようにする。つまり、企業間を競争させるということで、うちは20時間以上を早く入れてしまいますと。ですから、人を雇うときも、うちは20時間で入れます、うちは入れませんとわかるようにするというのが1つで、何らかの形でインセンティブを付ける。勿論それにお金を付けられればいいと思いますけれども、できないとすれば、5年後に20時間以上適用する。ただし、企業によっては先に適用拡大ができるようにする。今までやったことがあるのかどうかわかりませんけれども、つまり、うちは早く入れるというところがあるという形で進めていくのも1つかなと思います。ですから、5年間猶予は与えるけれども、早く適用拡大できるところは入れられるようにするというのも1つのやり方かと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 杉山委員、どうぞ。
○杉山委員 準備期間というお話が出ましたが、前回平成19年法案のときには、施行は平成23年9月1日で、準備期間は4年間ということで、これは受け入れの準備という部分も含めた期間を検討された内容であると思っています。今回、適用拡大の議論を進めていくにあたり、消費税の引き上げというタイミングが控えているということを考慮する必要があると思います。特に短時間労働者を多く抱えている産業や業種については、消費税の引き上げによる負担増の影響があるということを考えますと、タイミングをきちんと配慮して検討していくことが必要ではないかと思っています。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 他にございますか。高岡委員、どうぞ。
○高岡委員 先ほど、企業規模の違いによる事務負担コストの違いのことを述べさせていただいて、あの点についてはもう一度強調したいのですが、激変緩和措置ではなく恒常的措置にすべきだと私は考えています。一方、特定の業種に短時間労働者が偏っているという点については、先ほどの平田委員の意見と同じになりますが、就労調整ではなく事業主の方が雇用調整をするのはないかと考えます。現に周りで、そういう動きが見られる部分もあると思いますので、その点を考えると、事業主も急に負担が増えて大変だということもあるのですが、事業主のためにというよりは、雇用される側のことを考えて、ある程度の雇用管理の見直しへの実施準備期間を例えば2年、あるいは5年でもいいのですけれども設けるべきではないかと思います。
 セルフサービスという概念が導入されている業態には、短時間労働者が多いわけです。また、セルフサービスは、基本的には単価が安く利幅が少ないものを売っています。ですので、このまま負担が増えると、もともと利益率が低いですから立ち行かなくなる。このビジネスモデル自体を見直す、あるいは企業側が、正社員と基幹パートと言われる30時間以上の人たちと、それ以下の人たちとの役割分担をもう一度見直すであるとか、そういうようなことをする実施準備期間を設けてあげないと、多分、すぐに雇用調整という方向に行ってしまうと思いますので、そのあたりの配慮は必要ではないかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 他に何かございますか。
 それでは、今までお話のあったこと、全部のテーマで結構でございますけれども、この際、一言言っておきたいということがお有りになれば、御発言いただければと思います。
 部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 確認までですけれども、適用範囲を決めて、先ほどの激変緩和というのは、例えば、20時間以上を適用といったときに、企業規模も区切る場合には、50人以下は適用しないというようにするのか、それ以下も適用するけれども、当面適用しないのかでかなり違うと思います。先ほど事務局より企業規模別の数字が出ていますけれども。これは、企業規模は関係なく適用するけれども、当面、あるところまでは何人規模までとするのか、その先は基本的に適用しないとするのか。前回のように、そこまでしか適用しないと決めるのとでは相当違うと思いますので。
○遠藤部会長 事務局案としては、それはまさにここの部会で議論する内容だというスタンスだと私は理解しておりますけれども、いかがですか。
○梶尾年金課長 そういった点も含めて御議論ということでお願いしたいと思っております。
 なお、平成19年の法案でも、やらないと決めたわけではなくて、別に法律で定めるときに実施ですので、やらないと決めたという整理ではないと理解しております。
○佐藤部会長代理 当面はやらない。わかりました。そのことも含めて議論するということですね。
○遠藤部会長 今回の議論の中では、恒常的に中小企業のところは適用除外にするべきで、それ以外で激変緩和を入れたらいいのではないかという御意見と、差は付けるべきではなくて、トータルとして規模とは無関係に激変緩和措置を入れればいいのではないかという意見が対立しているといいますか、2つ意見が今出てきているというのが実態なわけです。
 それに関連してございますか。小島委員、どうぞ。
○小島委員 基本的にはこれまで何度も言っていますように、企業規模によって適用除外はすべきでないと考えています。これは企業規模によって基準を2つつくるというダブルスタンダードになってしまいますので、それは絶対に避けるべきだと思います。最終的にすべての雇用労働者への社会保険適用を目指すに当たり、適用拡大を段階的に実施していくという考え方はあると思いますが、企業規模による激変緩和というよりは、それ以外のところでの激変緩和、経過措置を設けるということを基本に考えるべきではないかと思います。
 例えば、厚生年金保険料については、今は16%を超える保険料率でありますので、ここのところを段階に保険料を上げていくということができないか。事業主負担が大きいので、そこの工夫は何かすべきではないかと思います。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 他にどの分野でも結構でございますし、何か御意見あれば承りたいと思いますが、よろしいですか。
 随分議論してまいりましたので、個別のテーマにつきましても、大体御意見は承ったと思いますが、いかがでございますか。御意見がほぼ出尽くしたというところもありますが、意見がほぼ一致しているような内容もありますけれども、多くのところは意見が分かれているという状態ではあります。当部会としてもそろそろとりまとめをしなければいけないタイミングかなと思っておりますので、事務局に汗を流していただきますけれども、今までの議論を踏まえて、とりまとめの原案のようなものを次回出していただきまして、それで詰めていくということにしようかと思っておりますが、タイミング的にいかがでございますか。もう少し議論しますか。するにしても、そのようなとりまとめ案があった方がよろしいかと思いますので、そんな段取りで進めてよろしゅうございますか。事務局としてはそういうことで対応可能でございますか。
○梶尾年金課長 これまでの議論を整理させていただいて、素材を用意したいと思います。
○遠藤部会長 では、そういうことでありますので、次回は、事務局からとりまとめ原案のようなものを出していただいて、それに基づいて議論を進めていきたいと思っております。
 それでは、本日用意いたしました議題はすべて終了したと思いますけれども、事務局の方から何かございますか。特段よろしゅうございますか。
 それでは、本日はかなり具体的な議論ができたと思いますので、これをまとめていただいて、次回また深めていくという形にしたいと思います。
 それでは、本日の審議はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 次回の日程につきましては、また事務局から連絡があるかと思いますけれども、決まっておりますか。
○梶尾年金課長 まだ現時点で決まっておりません。これから今日の議論も含めて整理させていただいき、また御連絡申し上げたいと思います。
○遠藤部会長 それから、事務局原案をまとめの案をつくっていただく過程で、各委員に趣旨をもう少し明確にしていただくために、御意見を伺うという可能性はございますか。
○梶尾年金課長 作業の過程で、御意見をお伺いする必要がある場合は、お願いすることもあると思います。
○遠藤部会長 そのようなこともありうると思いますので、そのときには御協力のほどをよろしくお願いいたします。
 それでは、どうも長時間ありがとうございました。本日の審議会はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございます。


(了)
<照会先>

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企画法令第2係

電話番号: 03-5253-1111(内線3336)

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