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2012年5月24日 第54回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成24年5月24日(木)9:57~12:05


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○議題

1.審査支払機関の在り方について
2.医療費適正化計画について

○議事

○遠藤部会長 おはようございます。定刻にはまだ少しございますけれども、全員の委員の方が御着席でございますので、ただいまより第54回「社会保障審議会医療保険部会」を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の委員の出席状況でございますが、本日は福田委員より御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員の代わりに出席される方についてお諮りしたいと思います。福田委員の代理として桑野参考人の御出席につき、御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に移らせていただきます。
(カメラ退室)
○遠藤部会長 初めに、前回に引き続きまして、「審査支払機関の在り方について」を議題としたいと思います。
 まず、前回御案内いたしましたとおり、審査支払機関側の御意見をちょうだいしたいと思います。河内山専門委員と柴田委員より資料が提出されておりますので、河内山専門委員より御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○河内山専門委員 おはようございます。本日は支払基金の事業の状況につきまして説明をする機会をいただきまして、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 現在、支払基金の理事長を仰せ付かっておりますが、長い間、市長の仕事をやっておりまして、その中で山口県の国保連合会理事長も10年近く経験しました。国保中央会の役員も若干の期間させていただきましたので、両方を見ながら支払基金の今の状況も御説明するような感覚がございまして、少しその辺はお許しいただければと存じます。
 委員の皆様方は既に御承知のことと存じますが、支払基金は、2ページの下の方に書いてありますような性格を持った法人でございまして、国保連合会と比べまして非常に間口は狭い審査支払の専門機関でございます。その分、審査の品質の向上には非常に長い間かけて営々として取り組んできたところだなという風に感じておりますし、また、自負もしているところでございます。
 支払基金では、前回のこの部会でも議論がございました、審査の品質をどのように高めるのかについては、言うまでもなく、民間の健保組合や協会けんぽを始めとする、保険者が負担する手数料で事業を実施している以上は、最終的には、被保険者が払う保険料を財源としているわけでございますので、より一層の事業の効率化を図ることが大きな事業の改革の柱でございます。このことを踏まえて、よりよいサービスをより安く提供するという支払基金サービス向上計画というものを、この資料の2ページ目の一番下にありますように、平成23年度に策定し、平成27年度へ向けて、現在、取り組んでいるところでございます。
 支払基金は、非常に専門性が高い事業内容でございますので、よりわかりやすく、これは委員の皆様方に対してだけではなく、広く国民の皆様方に説明していく責任もあると思っております。本日は、その一環としても、少し時間をいただいて説明させていただきたいと思います。
 そして、今の審査の状況でございますが、多くの方々の御協力をもちまして、かなり電子レセプトが普及されてまいりました。今の状況というのは、この3ページのとおりでございます。
 これほど電子化が進んでまいりますと、右側の4ページに書かれていますようにいろんな段階で、いわゆるコンピュータチェックというものが行われるようになってまいりました。4ページと5ページを両方ご覧いただきながらお聞き取りいただければと思います。
 まず電子レセプトがオンラインで請求をされますと、第1段階で、1で書いておりますようなASPというチェックを行っております。これは下側に書いておりますように、コンピュータで受け付けしますと、かなり事務点検のチェックがこのASPの段階でできるようになりました。これは相当、審査の合理化にもつながっているところでございます。
 その次の段階で、2で掲げておりますマスターチェックで行います。診療報酬の算定内容の適否に関する基準を収載したかなり大きなデータベースを構築しておりまして、診療行為と医薬品の適応との対応の適否など、マスターでチェックをしております。
 また、あわせて3の電子点数表というものでコンピュータのチェックを次の段階でも行い、さらに、4の点検条件というものを支払基金の職員の方で設定しまして、そこでもう一段階、電子レセプトのチェックを行っております。
 しかしながら、これはコンピュータのチェックによるものでございまして、4ページの図にありますように、最終的には審査委員による画面審査を経て、審査委員会が決定するというプロセスで、電子レセプトのチェックも行っております。審査委員による審査、審査委員会で最終決定するというプロセスは、紙のレセプトも同様でございます。
 コンピュータチェックの状況がどのように進んできたかということについては、6ページで少し数字を掲げております。傷病名と医薬品の適応との対応の適否に関わるチェックは、平成22年3月ですと926品目でございましたものが、今年の1月段階では2,844品目に、また、医薬品の用量の適否については、平成24年1月では2万1,463品目にとそれぞれ拡大してまいりました。
 同じように、傷病名と診療行為の適応についても拡大いたしております。
 このようにコンピュータチェックの対象の品目・項目が拡充しているというのが今の状況でございます。
 また、7ページの(5)で示しておりますように、医科電子レセプトについて、どうような状況で、だれが、どのようなことを行ってチェックをしているのかということを棒状のグラフで示しているのが下側の数字でございます。
 具体的には、8ページをご覧いただきますと、「疑義付せん貼付箇所数」というものが、いわゆるコンピュータがチェックしたり、あるいは職員がこれはちょっとおかしいのではないかと疑義付せんを貼付したものが一番左側にあります。その後、更にそれが本当に診療報酬のルール、保険診療のルールに外れているのかどうかについてそれぞれ、コンピュータチェックしたもの、あるいは職員が見たもの、そして、それでも気付かない、審査委員が指摘されたものという区分の査定の箇所数になっております。それが最終的にはどのような形で査定になるかという、それぞれの寄与率を示したものがこの表でございます。
 現状で言いますと、コンピュータがこれはおかしいのではないかというチェックをしたものが46.3%、職員が見つけ出したものが33.3%、そこでも見つからないものを審査委員がチェックされたものが20.4%、このような状況でございます。誤解を招きますといけませんので、くどいようでございますが、このコンピュータチェックの内容の適否も含めて最初の段階から審査委員には関わっていただいておりますので、最終的には医師である、歯科医師である、あるいは薬剤師である審査委員がそれぞれ、医学的な判断を含めてチェックをしていただいているというのが、支払基金における最近の電子レセプトのチェックの状況でございます。
 下の「(6)突合点検・縦覧点検の開始」で、これは一番新しい、最近始めたコンピュータチェックでございます。平成24年3月から始めておりまして、突合点検というものは医科・歯科で出されますレセプトと調剤レセプトを患者単位で照合いたしまして、正しい処方せんに基づいて正しい投薬がされているかどうかというチェックをこの3月から始めております。
 それから縦覧点検というものは、今までは毎月のレセプトを点検しておりましたが、この3月からは患者ごとに複数月、前の月ではどうであったか、更にその前の月はどうであったかということを患者ごとに縦に並べて点検するということでございます。月ごとの、別の月のものを名寄せして照合を行う、そのようなチェックも新たに始めたところでございます。
 平成24年3月の突合・縦覧における審査状況の速報値というものは、この9ページの一番右下に、ちょっと小さな字でございますけれども、突合点検・縦覧点検でそれぞれ、突合の方で10万件余り、あるいは縦覧の方で1.4万件というものが新たにチェックできるようになったという状況でございます。
 具体的に、画面ではどうなっているかというのが次の10ページでございます。左側に医科レセプトがありまして、右側に名寄せをした調剤のレセプトがそれぞれ同じ画面で見られるようになりました。これがいわゆる突合点検の画面上の状況でございます。こんなものを見て、最終的には審査委員に決定いただいているというのが今の状況でございます。
 それから、この電子レセプトによるチェックの向上に加えまして非常に重要な点が次の11ページ以降に書かれております。これは前回も御指摘いただきました、審査の不合理な差異、都道府県ごとに違いがあるのはおかしいではないかということについての取組みでございます。
 時間に限りがありますので極めて簡単に申し上げますと、審査委員会の機能そのものを強化・連携するという意味で、専門の先生方のワーキンググループを作りましたり、あるいは審査に関わりまして相談窓口を設定して、苦情相談を積極的に受け付けて、それに個別具体的に対応するようにする。
更には、都道府県ごとに置かれている審査委員長同士の連携を図る、あるいはそれぞれ審査委員会の垣根を越えた審査の照会のネットワーク、いわゆるコンサルティングができるようにする。そして、支払基金それぞれの支部に常勤の医療顧問を置いて、更に審査の不合理な差異があるとするならば、そこの解消に向けて常勤の医師によって連携を深めていく、こういう医療顧問の配置、これらを行っております。
 同時に、先ほども申し上げましたとおり、審査における職員の能力の向上は非常に重要でございますので、13ページに掲げておりますように、全国統一的な視点で事務ができるよう、職員の審査能力の向上を図るために、ネットワーク、グループを設置したり、更には審査事務の着眼点という資料を配布して、全国一律に職員の能力向上を図れるように取り組んでいるところでございます。
 更に14ページ、支部を越えて広域的に職員の2次点検ができるようなネットワークを構築しております。
 その結果、最近の審査の実績はどうなっているかということが15~16ページでございます。着実にコンピュータチェックが本格化しました以降、この折れ線グラフで言いますと、平成20~21年度、かなり査定率というものが上がってまいりました。査定の件数率は若干、平成22年度と平成23年度を比べますと下がっておりますのは、平成22年度は診療報酬ルールの改定で、いわゆる明細書を発行するための体制の加算の誤りが多く発生しまして、これが少し特異現象でございまして、これに伴って件数が上がっております。しかし、査定の点数の方は、若干でございますが、上がっております。
支払基金として、今、一番重要視しておりますのは、査定の数も大事ですけれども、16ページに掲げております、見落としをしないようにしようということでございます。これはどういうことかといいますと、保険者の方から、これはちょっとおかしいのではないかという、再審査というものがあります。そのときに再審査をやってみましたがそうでしたというのがたくさん出るようでは、支払基金の存在意義が疑われるわけでございます。可能な限り保険者から再チェックを加えられたもので査定が起きないようにする、いわゆる原審査の段階で見落としをしないにするということであります。現時点で、最新の数字で言いますと、今、全査定点数に占める再審査査定割合が1割を切る状況になりました。これは平成11年度、一番最初の折れ線グラフで見ますと、当時は35%あったということになります。今は1割弱と減ってまいりましたが、これを可能な限り減らしていくこととし、当面の目標としては、更に半減しようということを目標として掲げているところでございます。
以上が審査の質の向上の取組みの状況でございます。
一方で効率化の方でございますけれども、18ページにサービス向上計画の主な目標を掲げております。総コストで言いますと、これはピーク時でございますが、平成13年度の876億円かかっておりましたものを、平成27年度には737億円に下げていこう。手数料の水準といたしましても、平成27年度には1件当たり80円という水準まで下げていこうというのが、このサービス向上計画の主要な数値目標でございます。職員の方も6,300人台から、現状では4,684人ですが、更に4,310人まで下げていこう。給与水準についても同様に目標を掲げております。
そういうことを行うことによりまして、下のレセプト点検の棒グラフと職員定員の折れ線でございますが、確実にレセプトの件数は増えてまいりましたが、職員の方はかなりのスピードで削減を行ってまいりました。ピーク時に比べますと、現状が約マイナス25.9%ですから、職員は4分の1減らしておりますけれども、これを更に減らしていこうということでございます。
その結果としての手数料の水準、状況は20ページの数字のとおりでございまして、ピーク時に比べますとマイナス22.6%というのが現時点でございますが、これを80円まで更に下げていこうということでございます。
手数料の算定の方法は、支払基金の場合は極めてクリアーでございまして、必要とされる費用を処理する件数で割るということで手数料の金額は定めております。これも支出を減らすことが手数料の水準の引き下げにつながりますので、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
そのほか、様々な手法を駆使して、今、合理化に取り組んでおります。22ページは、紙レセプトの件数がかなり減ってまいりましたので、全支部で処理をしていたものを今は特定の支部に集約しております。そういう合理化の努力もしております。
小さな取組みかもしれませんが、23ページの右下は、実は昨年の暮れに支払基金の本部の看板を取り外しました。本部に用事のある方は多分、存在を御存じの方しか来られないだろうということを職員が発案しまして、これはなかなか議論があるところなのですが、看板をおろすのは相当な覚悟でございます。可能な限り、できる限りのコスト縮減の努力を、言ってみれば民間のQCサークルの考え方を取り入れて、現場発での発想を取り入れて、今、実施しているということでございます。
最後に極めて簡単に、支払基金は組織の特徴・専門性というものを生かしてどんなことをしているのかということについて24ページ以降に掲げてございます。
この中で、特に25ページの(5)で災害時の危機管理というものがございます。昨年の3.11のときも福島あるいは宮城等、事務所も含めまして相当深刻な状況でございましたが、紙のレセプトは遠く大阪まで送って大阪で処理し、その後、神奈川の支部から全国の保険者にレセプトを送るというようなことで、支払基金が全国組織であるという特徴を生かして対応することができました。あるいは危機管理がきちんとできるということもいささか自負をするところでございます。これは困っておられるときほど医療保険を必要とされる患者がおいでになり、それに対応する医療機関も安心して診療ができるというのは、こういう診療報酬の流れを止めないということは極めて重要であると思っております。引き続き様々なことがこれからも起こると思いますが、国民の皆さん方の医療というものを守るために支払基金として引き続き取り組んでいきたいと考えております。
26~27ページは、審査支払機関の専門性を生かした取組み、そして、全国決済ができるからゆえに可能であるという高齢者医療制度関係、介護保険関係、最近では特定B型肝炎の給付金の関係、これは全国の22万7,000を超える医療機関と全国の1万を超える保険者というものを支払基金が仲立ちをしましてネットワークで結んでいるということが確立されています。様々な費用の決済が可能になっており、そういう支払基金の特徴を活かした役割が、この大きな数字の3でございます。先程来、申し上げましたように、専門性を生かして、レセプト処理のために必要な様々なシステムの開発、あるいはマスターの更新、更には分析・評価をしまして、医療費の動向等の分析もできている、これが支払基金の特色であると思います。
最後に28ページでございますが、支払基金は保険者代表の方、被保険者代表の方、診療担当者の代表の方、更に公益の代表を加えまして、四者構成。そして支部によっては、審査委員会は三者構成で運営をいたしております。どこにも偏ることなく、最終的には国民、患者の迷惑にならないような運営をするために、バランスをとりながら、保険者サイドからも診療担当者代表の方からも信頼をかち得てやっていく、これが支払基金にとってガバナンスが働いているという状況でございます。
最後に一言だけ申し上げますと、特別民間法人であります支払基金は、民間の経営手法を取り入れながら公的な役割を果たしていくという存在である。引き続き、そういう気持ちで医療保険制度を支えてまいりたいと思いますので、委員の皆様方には今後とも御支援・御指導を賜りますようにお願い申し上げます。
以上で終わります。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、柴田委員より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○柴田委員 委員提出資料2という、「国民健康保険団体連合会の取り組み」という資料をごらんいただきたいと思います。
 まず1ページでございますが、今、国保連合会は支払基金といろいろ比べられておりますけれども、かなりその役割とか性格が違うということを申し上げたくて、この1ページをつくっております。
 まず国保連合会で、国保の保険者、これは市町村であり、国保組合でありますけれども、共同で設立したということでありまして、47個あるということであります。そこの意思決定というのは総会と理事会、これはほとんどが市町村長さんで構成されていますが、総会や理事会を通じて市町村の意向を反映するという形になっております。
今、支払基金は全国法人ですので、こういう方針でいくのだということを河内山理事長からも説明していただきましたけれども、国保連の場合には47連合会がある。それぞれの連合会で歴史を持って今までやってきたということもあります。ですから、号令一下、右向け右というふうにはなかなかいかないというようなものではあります。しかしながら、そういうことを御理解の上、今、まとめて一丸となってやっていこうという動きが出てきているということを以後説明申し上げたいと思います。
それから連合会は、今、申し上げましたように、主な会員が市町村ですので、どうしても市町村に関係する仕事というものをいろいろやってほしいということで求められ、しているわけであります。
大きく言いますと、1つは診療報酬の審査支払業務であります。もう一つは保険者事務の共同処理。各市町村保険者がいろんな保険者としての事務をやるのに、単独でやる、あるいは単独でシステムをつくるということでは余り効率的でないということですから、まとめてやりましょうということであります。この2つの仕事を持っています。
そして、これはいずれも本来は保険者業務でありますから、一体的に行うことで効率化を図るというところがあろうかと思います。これを今、保険者事務共同処理業務と診療報酬審査支払業務と分けたらどうだという話がありますけれども、今、連合会はこれを一体的にやっている。そして、それを効率的にやっている。それをわざわざ分ける必要があるのかというような疑問を私どもは持っているわけでございます。
なぜ、国保中央会の私がこれを説明しているのだという話になるわけですけれども、国保中央会は国保連合会を会員として組織されている法人でございます。それで、連合会の共通のいろんな問題ということについて一緒に解決をしていこう。そして、それによって効率化を図ろうという団体でございます。
主な業務は、そこにありますので詳しい説明は申し上げませんけれども、例えば診療報酬の全国決済、例えば東京のある市区町村の被保険者が北海道で診療を受けるというときにも、北海道の医療機関は北海道の連合会に請求すれば、あとは中央会を通じて相互の診療報酬債権を相殺するというようなことをやる。
それから、標準システムの開発とか維持管理、それから、これは基金と一緒だと思いますけれども、高額レセプトの審査。医科ですと40万点以上、歯科ですと20万点以上ですが、特別審査を実施するというようなことをやっておるわけでございます。
2ページを見ていただきますと、左と右とありますが、左側は国保の関係の業務、右側はその他の業務であります。診療報酬の審査支払業務、それから保険者事務の共同処理と2つに分かれています。
保険者事務の共同処理をもうちょっと具体的に言いますと、◇の一番上を見ていただきますが、資格の確認とか、高額療養費の支給額計算。これも非常に面倒くさいのでございますが、こういうものもお手伝いする。それから医療費通知とか、あるいはジェネリックの差額通知、こういうものをお手伝いする。
あるいは以下、いろいろ書いてありますけれども、既に厚生労働省の方からの説明もありましたので省略いたしますが、例えば今後広域化する、広域的な運営をするという意味では、保険財政共同安定化事業というものが今度の法律改正で1円から、要するに全額について共同で安定化事業に取り組もうというようなことも出てまいりますので、そういう大事な機能を担っているわけでございます。
それから右側を見ていただきますと、国保以外でございますが、後期高齢者、介護保険、公費負担医療、障害者自立支援、出産育児一時金の支払い。これは被用者保険の正常分娩分も含まれております。あるいは地方単独事業の福祉医療の費用の審査支払、このような、どちらかといいますと医療の関係。それから、市町村が実施者ですから、その市町村の仕事をある意味ではまとめて効率的に行うという意味で、国保と同じような観点から同じような事業をしているということでございます。
3ページをごらんいただきますと、国保連合会はいろんな仕事を国の制度によってやれということを言われてまいりました。平成12年、平成19年、平成20年、そこにありますような流れで介護保険、障害者自立支援、後期高齢者医療、特定健診・特定保健指導、保険料の特別徴収、それから、出産育児一時金関係業務ということで、どんどん仕事が増えてきております。
次の4ページをごらんいただきますと、そういう中で、新たな仕事が増える中ではありますけれども、職員数というのは減少傾向にあるということでありまして、決して仕事が増えたから人を増やすというような形でやるのではなくて、できるだけ効率化を図って仕事をお引き受けするという形で来ているわけでございます。
5ページをごらんいただきますと、国保連合会の審査手数料の推移。これは後期高齢者の分と国保の分と合わせたものでございますけれども、下がる傾向にありまして、平成23年度は61.9円というふうになっております。
次の6ページをごらんいただきますと、審査の関係でございます。実は一番問題になるのが査定率をまず言われるわけでありますけれども、査定率は支払基金と比べますと、私どもはずっと低い水準にある。しかも、その差が広がっているというのが現状でございます。
そういう中で審査業務というものをもう少し詳しく見てみますと、そこに平成18年度を100としまして、その後どういうふうに変わっているのかというのを見ています。真ん中が100です。100よりも上ということはどんどん増えているということですが、例えば職員の1人当たりの取扱件数とか1件当たりの請求点数、それから、審査委員1人当たりの取扱件数、こういうものが要するに増える傾向にあるということです。1人当たりの件数が増えるということは負担が重くなる。そして、請求点数が高くなるということはそれだけ難しいレセプトが来ているということが言えるのではないかなと思います。
それに対しまして、この下の方で、何とか健闘しているというところでありますけれども、査定率が一番下で、やはり平成18年度と比べるとかなり低い水準に来ている。それから、審査委員1人当たりの査定点数とか職員1人当たり査定点数はそこにありますような形になっているということでございます。
7ページをごらんいただきますと、それの推移というものを数字で示したものですから、説明は省略いたします。支払基金と比べるということで何か数字はないかといろいろ我々も努力しましたけれども、例えば審査委員の1人当たりの取扱件数とか職員1人当たりの取扱件数は、平成19年度の数字だけ比較できましたのでそこに付しておりますけれども、やはり国保の方がある意味では負担が重いといいますか、高くなっているという状況が言えるのではないかと思います。ただ、支払基金もこの後、いろいろと効率化などを進めておりますので、また最新の状況を見なければいけないと思います。私どもの努力としては平成19年度しかわからなかったので、これで今日はお示しをしているわけでございます。
8ページでございますが、まず審査部門の国保連合会の現行システムを表示したものであります。医療機関から電子請求と紙請求、上が電子請求、下が紙請求でまいりますと、紙請求は、昔はレセプトを受け付けて、事務点検をして、審査をして、支払いをする、こういうことをやったわけですが、今度の新たなシステムによりますと、国保総合システムというものを導入しています。この国保総合システムというものは、共通基盤システムの上にレセプト電算処理システムとか、この緑色の4つのシステムを乗せて運用するということで、サーバーの数を減らすとか、そういう効率化を図っているわけでございます。
大体、審査の手順なり審査の基本的な考え方というのは支払基金とそう違わないと思いますが、違うところだけを申し上げますと、1つは、国保連の場合には保険者事務共同処理システムというものがあります。そこで被保険者の資格のデータというものをしっかり持っていますので、それでレセプトが提出されたときに、そのレセプトが資格のある方のレセプトなのかどうかというのをチェックできるということであります。ですから、一旦保険者に返して、それから調整を始めるのではなくて、この審査の段階で調整ができるというところは一つメリットがあるかなと思っております。
それから、審査は二画面審査というものを導入しています。また後ほど説明を申し上げたいと思います。
もう一つ、保険者レセプト管理システムというものが右上にありますけれども、これはどういうことかといいますと、審査が終わったレセプトというものを国保連で持っているということであります。保険者からは回線を通じてアクセスして、見てもらって、過誤とか再審査の申立てをするということであります。被用者保険の場合には、恐らくこの部分というのは保険者の方にデータが全部行くということになっていますので、その辺が違う。違うということは、後ほど被用者保険の保険者から審査支払を受託するときにこの辺をどうするかという問題は一つ整理しなければいけないかなと思っております。
それで画面審査の方で、9ページをごらんいただきますと、右と左に二画面で見られるようなシステムを開発しております。そして、左の画面と右の画面それぞれですが、左の画面も右の画面もそうなのですけれども、非常に複雑なレセプト情報が、特に入院の場合には非常に複雑ですが、このような情報が整理されて入っております。
それを左画面では、複雑なレセプト情報の中からレセプトの特徴を示す情報を集約して表示するということで、傷病名とか症状詳記、具体的な中身ですが、それから主要な診療行為というものをまず見る。そして、レセプトの特徴というものをこれでわかるようにする。右側の画面では、医薬品の投与とか検査・処置などを日ごとに集計した一覧表を表示するということで、審査に必要な情報が簡便に把握できる。それで、右と左とを照らしながら審査をしていくということをやっております。
中身については、審査委員あるいは事務共助職員が、まだいろいろとこれから改善しようということは出てくると思います。それに従って直していくということで、今、進めているところでございます。
10ページをごらんいただきますと、どういうチェックをしているのだということの内容でございます。まず算定ルール、審査支援というような項目があります。算定ルールというのは、診療報酬の点数表の中に書いてある算定ルールをチェックする。それから、薬事法に決められた使用日数制限をチェックする。そういう項目で、今、5,986項目についてチェックできるということです。それから審査支援の項目は、これは審査委員会が既に判断した事例、判例をもとにしまして、医薬品の用量とか投与日数、あるいは検査回数等に適合しているかどうかをチェックするというものでありまして、今、1万6,844項目あるということでございます。
それでは、こういう項目を全部やっているのかということでありますが、まだ国保総合システムは動き出して、最初の段階ではいろいろ故障なども生じたということもありまして、各連合会では審査委員会あるいは事務共助の体制、全部項目をチェックするのではなくて、その体制の中で可能な範囲で選択していくというようなことで、今、進めているわけでございます。ですから、例えば算定ルールにつきましても、平成23年11月段階ですと、全項目を使っている連合会もあれば、300程度しか使っていない連合会もあるということでございますし、審査支援項目についても、8割程度を使っている連合会もあれば、まだ使っていないという連合会もあるというのが今の状況でございます。
11ページをごらんいただきますと、縦覧です。これは月ごとに、複数月間で並べてみて、複数月間で算定回数を定めているものをチェックする。先ほど支払基金のお話にもございました。それから、横覧です。これは同一月で入院と入院外での重複算定等のチェックとか、あるいは突合審査、これも医科と調剤レセプトの突合というものをやることにしておりますけれども、これは今、だんだんと連合会で実施を拡大している途上でございます。
12ページをごらんいただきますと、そういう中で審査の充実というものをこれから我々はどうやって取り組んでいくのかということでございます。先ほど申し上げましたように、47連合会ありますから、なかなか右向け右にはいかないところでありますけれども、ここに示している内容につきましては、おおむね47連合会の共通の問題意識で、そういうことで具体的に取組みをしていこうということで方向性を示したものでございます。
まず方針ですが、審査委員会との連携。これは最終的には審査委員会がすべて決める話ですから、審査委員会との連携のもと、事務共助を強化して、審査委員の先生方が医学的判断に専念しやすい体制をつくるということが1つ。それから、先ほど査定率については支払基金を下回っている。今、上回っているのは三重県の国保連合会だけでありますけれども、そういうことで、支払基金支部の査定率を念頭に目標を設定しようということで考えているところであります。
そして、システムチェックを精緻化するということで、システムではじかれたものについては、それを見てきちんと、それだけで判断できるようにしていくというようなこととか、あるいはシステムチェック以外に、やはり人間の能力で事務共助をするということも大事ですので、職員研修とか、あるいは連合会間での情報の交換をする。
3番目で、これは先ほど支払基金で大きな改善を見たというお話がございましたけれども、実は国保連合会については一次審査における査定点数と、1回保険者に返して、保険者から再審査の申し出による査定点数というものが規模的にはかなり同じぐらいの規模になっているということでございます。ですからこの辺は、例えば見落としがないのかとか、あるいは一次審査と判断が変わったのはどこで変わったのかということをしっかり分析しまして、事務共助にも反映していきたいと思っております。
それから、高点数レセプトを中心とする重点審査体制を強化するとか、あるいは国保総合システムを導入したことによりまして、計算とか支払業務というものが簡素化されます。
そういうことに伴いまして、審査事務共助期間が拡充できるのではないかということで、やはりこの審査事務共助期間を広げていこう。
最後は、職員の資質向上というものを頑張っていきましょうというのがおおむねの方向でございます。
14ページをごらんいただきますと、中央会は47連合会に対して全国の状況というものが、今、こうなっていますということで、自分のところの状況と比べてもらって、やはりいろいろと見直しをしていただくということをしなければいけない。
それから、システム算定ルール・審査支援のチェック項目の使用状況というものを皆さんにお示しするというようなことをしていこうとか、あるいは判断基準の統一化が大事であるということでありまして、各国保連における審査案件の取扱いの相違に関する調査をして、方向性を決められるものは決めていこうとか、あるいはシステムチェック項目の精緻化の検討ということで、各連合会からベテランの職員に手伝っていただいて、システムチェック項目の精緻化をしようとか、あるいはシステム以外の事務共助、やはり人的な能力を高めなければいけないということで、情報収集・提供。それから、標準システムにできるものは取り入れていく、そういうことをやっていこうということでございます。
それから、被用者保険の保険者への対応ということでございます。法律上は被用者保険の保険者が国保連に審査を委託することはできるようになっていますし、一昨年の12月には保険局長通知で、そういうものを進めるようにということで通知をいただいているところであります。
それを受けまして国保連合会は、1つはホームページによる情報公開ということで、どのような仕事を幾らで行うのだというようなことがわかるような情報公開をする。それから、被用者保険に対しての説明会を開くということでございまして、大阪では既に去年の秋から3回ほど実施しているということでございます。それ以外は、やはり連合会の幹部がまず事前の内々の打診というものを、今、いろいろしているところでございます。それから、案内や周知。これは被用者保険の皆さんに審査支払事務の委託が国保連でも可能になりましたよ、国保連はこういう仕事をしていますよというような案内を周知するということであります。
これを行うと、課題というものに幾つかぶつかりました。1つは、まず保険者番号の変更というものをしていただかないといけないかな。それをしますと、今度は被保険者証の再交付という問題が出てくるかもしれないなというのがまず1番目であります。
それから国保連合会は、今は国保の保険者から受けたレセプトの処理ということを前提にシステムをつくっていますけれども、被用者保険から受託をするとなれば、やはり件数が増えてくるということもあります。ですから、それに対応できるようなシステムをしていかなければいけないということですが、そこでは例えば新たな保険者番号による処理とか、あるいは全国決済。これも規模が大きくなります。被用者保険の場合には、地域限定なく被保険者がいらっしゃいますから、全国決済の規模というものは大きくなるだろう。それから、保険者へのレセプトデータの提供。先ほど申し上げましたように、国保の場合には国保連が持っていて、保険者がアクセスして見るようにしていますけれども、その辺をどうするか。それから、機器を増設する必要があるのかどうか。今のところは大体、能力的には余りすごく大きな被用者保険保険者が来なければ大丈夫だというふうに見ておりますけれども、この辺のチェックが必要です。
3つ目は、被用者保険の保険者と支払基金の審査支払契約というものが集合契約になっているということでございます。例えば市町村の職員共済組合ですけれども、地方公務員共済組合協議会が各共済組合から委任を受けて支払基金と集合契約をしているということでありますから、そこから抜けないと連合会と契約ができないということになります。やはり、ここの抜けるということについては、法的には全く抜けても問題ないというふうに伺っておりますけれども、実際はなかなか抜けにくい状況があるようでもございます。できれば厚生労働省に、「抜けても問題ない」ということを明言していただくということが、この環境整備に役立つのではないかと私は思っております。
16ページでございますが、国保連における効率化の取組みということでございます。国保連はそれぞれいろんな形で効率化に取り組んでおりますけれども、ここでは大きな話を2つ紹介させていただきます。
1つはシステム関係の経費でございます。国保連全体で約3割を占めています。もともとは、システムは各連合会でそれぞれがつくって開発・保守しておりました。
それでだんだんと、平成10年ごろからですけれども、共通のシステムというものを順次入れていこうという動きは出てきていますが、やはり47連合会全部が参加するというふうにはなっていなかったということでございます。
3つ目の箱を見ていただきますと、機器の調達については、やはりだんだんとまとめて調達した方が安くなるということもございまして、連合会の個別調達から連合会の要請に応じた一括調達に変更したというようなことがあります。
それで、先ほどの国保総合システムというものを平成23年度の機器更改で初めて導入したということですが、その特徴は全連合会が参加する。そして、全部のシステムが共通基盤の上に乗せて一元管理するということでございます。これによりまして、機器経費が大体335億円の削減ができた。それで、サーバー台数は600台ほど削減できたということでございます。
それから、平成26年度には介護保険と障害者自立支援の機器更改が予定されておりますけれども、これも今度は一拠点に集約化するということで、今、計画を進めているところでございます。これによりまして機器費用が、これはまだ計画策定時の見込みでありますが、約23億円弱の経費の削減というものを見込んでおりますし、サーバー台数も589台の減を見込んでいるということでございます。
17ページでございますが、もう一つのポイントは複式簿記の導入ということを、今、進めております。もともと国保連は市町村が会員でした。市町村は現金主義でやっておりますし、厚生労働省通知でもそれを前提に経理するよう指導されていたということであります。
真ん中の箱を見ていただきますと、会計処理のさらなる透明化とコスト分析による効率化ということができるようにということで、平成23年度決算分から全連合会で可能な範囲で複式簿記による財務諸表をつくって、ホームページに載せよう。
平成25年度からは、可能な範囲でということなく、みんなきちんとやっていきましょうということで、今、取り組んでいるということでございます。
ここには書いてございませんけれども、29の連合会では中期運営計画というものをつくって、組織体制の見直しとか審査の向上とか、あるいは保険者サービスの向上というものを計画的に進めているということでございます。
それから、国保連の特徴として共同事業ということを申し上げましたけれども、今、1つ構想しているものを御紹介したいと思いますが、実は私ども国保連は将来構想をどういうふうに持っていくべきなのかということを検討しまして、やはり被保険者、保険者だけではなくて、国民から信頼され期待される存在となるべきではないかということで、1つは保険者に「住民が住みなれた地域で健やかに暮せる地域づくり」、に役立つ情報を提供しようということで、1つは国保データベースというものを構築しよう。それから、優良な保健事業の事例集というもののデータベースをつくろう。昔の事例集というのは、ただ事例が並んでいるだけで、何が特徴かよくわからないということがありましたけれども、今度は評価の視点を明らかにして、それをインデックスにして引けるようにしようという考え方でございます。
こういうことで、特定健診・特定保健指導、これは社会保障や税の一体改革の中でもしっかりやれというふうに言われておりますけれども、これが根拠に基づいて実施されるように支援をしていきましょう。それが結局は被保険者の健康水準の向上と国保・介護保険の安定的な運営に寄与することになるのではないかと思っています。
KDBシステムについては、19ページに簡単に紹介してありますけれども、国保連は健診・保健指導の情報、医療の情報、それから、介護の情報を持っております。こういうデータを利活用して、下の方を見ていただきますと、地域の健康状況というものをまず把握するということで、特定健診の結果とか疾病別医療費等の分析、こういうことをやって、今、何が問題なのかというのを把握するということであります。
それから、その中で保健事業のターゲットを決めていこう、重点課題を抽出しよう。そして、そのもとに、右側でありますけれども、その抽出された重点課題に沿って保健事業を実施していこう。そして、このデータというのは逐年データで、追えますから、その結果を追うことによって効果を確認するということにも役立つのではないかと思っております。
これを平成25年10月から稼働しようというふうに考えております。実際に実施するに際しては、やはり地域の開業医の先生方とか、そういう関係の皆さんともよく連携をとりながら物事を進めていきたいと考えております。
20ページは、このデータベースシステムが災害時にも役に立つというふうにしていきたいと思っております。東日本大震災では、既往歴とか薬歴等の把握が非常に困難なケースが多かったと聞いております。連合会は、既に持っている情報の中からわかる範囲で提供していたということでございますけれども、今度のこの国保データベースシステムに基づきまして、この辺の提供というのが円滑にできるようにしていこうということも一つ考えていこうと思っております。
最後が保健事業事例集のデータベースでありますが、先ほど申し上げましたように、ただ並べるのではなくて、評価すべき視点は何かということを明らかにして、それをチェックしていくと、それに該当する事例が出てくるというような仕組みにしておりますけれども、評価の視点は、ここにもありますように、住民が何を求めているかをしっかり把握しているかとか、縦割を廃してちゃんと横の連携がとれているかとか、あるいは地域の資源、あらゆる資源を活用するようになっているかとか、そういう点を評価の視点として定めてインデックスにしているということでございます。
私どもこういう形で、47連合会ありますから、右向け右とすぐにはなかなか行かないところもありますが、今、連合会は一生懸命、この効率化、あるいはみんなに役立つ事業の推進ということについて努力しているところであります。
統合については、私どもはやはり医療保険制度の体系と併せて考えていただきたいと思っておりますが、統合しなければ効率化しないのかというと、そんなことはありません。やはり保険料とか税金を財源に運営している団体でありますから、やはり効率化というのは常日ごろからやっていかなければいけないと思っております。
そんなことで、これからも一生懸命努力していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から資料が出されておりますので、その説明も続けてお願いしたいと思います。
○西辻課長 それでは、事務局の方から説明をさせていただきます。資料1「審査支払機関の在り方について」でございます。
 1~2ページは、審査支払機関の統合に関する主な論点ということで、前々回説明させていただいたものと同じでございます。
 3~4ページでございますが、前々回は御議論をいただく時間がありませんでしたけれども、前回は本当にいろんな御意見をいただきましたので、前回の主な御意見を、事務局の責任でまとめたものでございます。
 まず3ページですけれども、組織の統合に関する主な御意見でございます。
 国保連は市町村保険者が共同で設立したものであり、国が一方的に見直すのは地方分権の趣旨に反するのではないかという御意見。
国保連による保険者業務の支援が、統合によってなかなか難しくなるのではないかという御意見。
国保の都道府県単位化の推進という観点で、保険者の要請に応えられなくなるのではないのかという御意見。
システム改修等々で負担増が見込まれるのですが、これを市町村が負担するのは困難であり、経費は国が補てんすべきという御意見。
効率化は非常に重要な問題ではあるが、統合は必ずしもコスト削減につながらないのではないかという御意見。
複数の審査支払機関が相互に切磋琢磨することを通じて、業務の効率化が図られるのではないかという御意見。
健保組合に関しては、前回、中間報告ということでアンケートの結果を御報告いたしましたけれども、統合に賛成という4割ほどの意見は支払基金に統合ならいいという意見が大半であり、審査の効率化は統合したからできるものではないという御意見。
保険者が審査支払機関、つまり国保の保険者が国保連、健保の保険者が支払基金をきちんとガバナンスする中で運営の効率化を確保すべきであって、第三者に統合と言われるのはおかしな議論ではないかという御意見。
医療保険制度を合わせることがまず先決ではないか、あるいは医療保険制度の一本化と審査機関の一本化というのはパラレルではないかといった御意見もございました。
更には、統合するとシステム経費等のコスト削減のメリットはあると思うけれども、デメリットの意見もいろいろ出たので、このデメリットを凌駕するメリットが見えてこないと難しいのではないか。ただ、システムが分かれていることによる無駄な部分があると思うので、きちんと説明できないといけないのではないかという御意見もございました。
それから、一番下ですけれども、保険者はコスト削減を強く要望しており、コストを抑えながら適切な医療サービスを確保するための改善の議論は今後も必要ではないかという御意見。
4ページに行きまして、審査の質の向上等に関する御意見でございます。
1つ目と2つ目は審査基準の統一化、前回いろいろな方から御意見をいただいたと思いますけれども、これが優先的な課題ではないのかという御意見。
3つ目ですけれども、今の審査支払の業務を徹底的に見直して、手数料を抑えながら、査定率が上がるようなことをやってほしいという御意見。
4つ目ですが、審査はルールにのっとった診療行為を確保することが目的であって、査定率が高ければいいというものではなく、医療費の抑制が目的ではないはずである。患者には個別性があるわけで、画一的な処理ですべてやるというのは困難であり、人の目による審査が必要という御意見。
審査委員はその地域で保険診療に精通した医師の方が、使命感で従事されているということで、基金と国保連で審査を変えるというようなことはないし、査定率の差はむしろ患者特性によるものとも考えられるのではないかという御意見。
レセプトを適正なものにするのが審査機関の役割なので、適正になれば逆に査定率は下がるはずであり、財政的なことや査定率だけで議論することには異論があるという御意見。
その下、地域による患者特性があり、各地域それぞれで三者構成で審査委員会をつくっているので、そこに委ねればよいのではないかという御意見がございました。
レセプトのオンライン化の完全実施、あるいは医療のICT化の推進によって診療内容を標準化して、判断基準の統一化に結び付けてほしいという御意見。
マイナンバーの導入によって、行政サービスがいずれの分野でも大きく変わってくるということも見込んだ上で、この議論を行うべきという御意見。
保険者による直接審査、民間参入ですが、これを広げるために要件を緩和すべきではないかという御意見。
その他の御意見として、議論の進め方に関してだと思いますが、アンケートの中間報告の結果でどちらとも言えないという意見が多かったということで、今回のアンケート結果だけで判断するのではなく、もう一度整理してアンケートをするなど内容を精査すべきではないかという御意見があったと承知しております。
5~6ページは、アンケート結果でございます。前回は中間報告ということで途中経過を御説明させていただきました。あの後、300を超える保険者から追加の回答がございまして、最終的な回収率は81.9%となっております。
ただ、設問1~4のいわゆる選択肢で回答する部分については、回答の傾向に変化はございません。各選択肢ともコンマ数ポイントの上下にとどまっております。
設問5~7は設問4の統合についての設問で、統合すべき、統合すべきではない、どちらとも言えないというお答えに関してもっと具体的に深掘りしてお伺いした設問でございます。前回は口頭で御報告をさせていただいたのですが、ここについても前回の中間報告と同じ傾向でした。ここでは、代表的な御意見をそれぞれ、掲載させていただいております。
なお、追加で出てまいりましたアンケート結果の設問5~7に関する回答につきましては、本日、参考資料1ということで配付させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと思っております。
次の7~8ページが統合に関するコストの削減の定量的な試算でございますが、試算結果の前に、試算の考え方を9~10ページに簡単にまとめておりますので、まずこちらをごらんいただければと思います。
9ページでございますが、衆議院の決算行政監視委員会からは統合に向けた検討を求められておりますけれども、具体的にどういう形の統合かということについては必ずしもはっきりしておりませんので、ここでは国保連に統合する場合には、支払基金の審査支払部門はもとより、残った業務、拠出金の徴収や交付といった業務、B型肝炎に関する業務、これらは支払基金全体の中では業務量としては非常に小さいですから、それらの業務を含めてすべて国保連に持っていって、国保連で実施していただく。つまり、支払基金は残らないという前提で考えております。
他方、支払基金に統合する場合は、国保連の業務の中の審査支払部門だけを取り出して統合する。それ以外の都道府県単位で実施しているいろんな共同事業や保険者業務、こういったものについては引き続き国保連で実施していただくという前提で考えております。
大きく、人件費、システム関連経費、更には事務所関連経費と分けておりますけれども、人件費につきましては、いずれに統合した場合であっても、それぞれの審査支払機関の審査支払関連業務に従事している管理者のそれぞれ5割を削減する、それから、総務系の職員、一般職員まで含めて、3割を削減するという前提で考えております。フルに削減いたしますと、効果額は年間49億円ということになりますが、実際には5年程度で段階的に実施するということで積算しております。
ただ、統合を行うとなった場合、どういう形で人員削減を行うのか、あるいはどの程度の報酬水準にしていくのかといったことは、実際には統合の姿が明らかになった段階で労使間で議論を進めていくということになろうかと思っております。
2番目がシステム関連の経費でございます。これは統合した方のシステムを引き続き使うという前提で考えております。
まず(1)がシステムの切替えに係る経費でございますが、仮に国保連に統合した場合は、従来国保連が受託していなかった被用者保険のレセプト、これも国保連で受けることになり、レセプトの枚数は一気に従来の倍近くになるということですので、それに対応するための機器調達、環境整備、ソフト開発といったものが必要になる。これは一発限りのコストということになりますが、102億円程度で、逆に支払基金に統合する場合も同様に98億円程度かかるだろうと考えております。
それから、(2)はシステム切替えを行った部分の更改でございますけれども、約7年に1回程度、機器の更改が必要になります。国保連のシステムですと53億円程度、支払基金のシステムですと85億円程度かかるのではないかと見ております。
他方、(3)は既存システムに係る経費の削減分でございますが、従来2種類稼働しているシステムが1本になりますので、使わなくなった方のシステムは機器更改や維持管理コスト等がかからなくなるということで、国保連に統合した場合は基金のシステムに係る経費である7年ごとの102億円と毎年の8億円が要らなくなる。他方、基金に統合した場合には、同様に7年ごとの85億円、それから、毎年の8億円が要らなくなるということで積算をしております。
10ページが事務所の関連経費でございます。ここでの考え方ですが、現在、支払基金は46の都道府県で自前の土地建物を保有しておりますし、同様に、国保連は25の都道府県で保有しているという状況でございますが、この保有事務所は原則として使えるだけ使おう。つまり、売却をしないで耐用年数いっぱいまで使おうという前提で考えております。
現在の面積を1人当たりで換算しますと、これは県ごとに違いますし、国保連と支払基金でも違うのですけれども、国保連の平均面積の方が支払基金より狭いものですから、国保連の1人当たり面積を使って全職員の面積を算定する。これで必要総面積を算定いたします。次に、都道府県ごとに見たときに現在の保有事務所で入るか、入らないかということがまちまちになりますので、足りないところについては借り上げ、他方、スペースが余るところにつきましては、共有部分等を除き、それから、全国の民間の賃貸ビルの空室率というものを勘案した上で、貸し付けにより賃料収入が入るという前提で考えており、毎年15億円が入ってくると試算しております。
事務所の売却ですが、今、申し上げましたように、耐用年限はおおむね50年と考えておりますが、この間は売却はしないということで考えております。
事務所の借上解消ということで、現在、国保連の事務所22か所につきましては借り上げておりますが、これは一旦、審査支払業務部分につきましては借り上げを解消するということで考えております。
以上の前提で試算をいたしましたものが、戻っていただきまして、7~8ページでございます。
まず7ページが統合した場合のコスト削減でございますけれども、一番上に共通部分というものがございます。人件費と物件費の中の事務所関係ということで、これはどちらに統合しても同じ数字を使っておりますが、人件費ですと段階的に削減が進み、5年目以降は49億円が出てくるということでございます。
それから事務所関係では、御説明申し上げましたように、国保連関係22か所の借上解消で年間11億円削減。それから、余ったスペースの貸付収入で年間15億円削減。スペースが足りない都道府県では借り上げなければいけないということで、10億円の支出が出ていくということになります。
システム関係でございますが、これは国保連に統合する場合と支払基金に統合する場合で分けて書いてございます。
国保連に統合する場合が真ん中でございますけれども、それぞれ削減と増加がございます。削減というのは支払基金のシステムが不要になるので、それに関する経費が落ちる部分でございます。増加の部分は、新しく被用者保険の保険者のレセプトを引き受けることに伴うシステムの切替え、あるいは切り替えたシステムの更改の経費ということでございます。
下の段の支払基金に統合する場合ですが、同じような考え方で書いております。
今回は一応、更改を2回行う、14年目までということで試算を出しておりますが、削減効果、14年間のトータルでございますけれども、国保連に統合した場合が、真ん中の「国保連に統合」という欄の一番下の段、「削減効果(共通部分含む)」を見ていただいて、一番右側、14年目ですけれども、14年間で920億円ということで試算しております。
それから、支払基金に統合した場合は同様に、一番下の段の右側ですが、14年間で826億円ということで試算しております。
これらの数字は14年間の累積ということですので、これを1年間に割り戻して、それから、統合した審査支払機関は国保と健保のすべてのレセプトを審査することになり、大体、年間18億件ぐらいございますので、レセプトの枚数で割り戻しますと、レセプト1件当たりに換算しますと、国保連に統合した場合は約3.6円、それから、支払基金に統合した場合は約3.2円の効果ということになります。
その下のところに※が1~3までありますが、※2のところ、保有事務所は原則として耐用年限いっぱいまで使うということで御説明しましたが、さすがに50年過ぎては使えないだろうということで、現在、支払基金の建物ですと、一番新しいもので築11年、古いものですと築33~34年と伺っておりますが、50年経った後は建て替えるのか、または売り払って、もう建物の資産価値はないので、恐らく土地代ということになるのだと思うのですけれども、土地代を収入として計上した上でオフィススペースはすべて借り上げるのか。これは両方考えられると思うのですが、仮にすべてのオフィススペースを借り上げた場合には、※2の2つ目のポツの一番後ろに書いていますけれども、年間65億円の借上経費が必要になるということになります。
それから、※3に書いてありますが、実際にシステムを一本化して、事務所を引っ越して、人を削減してという、非常に中身の濃い統合ということになりますと、これを行うためには両審査支払機関としても、かなりの体制を組むなり入念な準備を行わなければいけないだろうということでございます。一方で保険者サービスの向上やコストの削減に取り組んでいる中で、こういった統合行為自体、非常に大きな負荷を伴うものですので、保険者の要請に応えながら並行して統合作業を進めるということはかなり厳しい話ではあるのだろうと考えております。
それと、同じ※3の後段に書いていますけれども、この試算には保険者や医療機関のシステム改修の経費は入れておりません。つまり国保連に統合する場合ですと、被用者保険の保険者のシステムは国保連とつながなければいけませんので、改修経費がかかるだろうと思っております。基金に統合する場合は、逆に国保の保険者にそれがかかるであろうと思っております。
それから、医療機関は現在、被保険者の記号番号等で国保の被保険者であれば自動的に国保連に請求、被用者保険の保険者であれば支払基金に請求というシステムになっていますが、これも統合後はいずれの保険者も原則として統合機関に請求することになりますので、改修の規模は軽微だと思いますけれども、すべての保険医療機関、それから、保険薬局等にシステムを修正していただかなければいけないということで考えております。
8ページでございますが、先ほど河内山専門委員、柴田委員から現在の業務効率化等の取組状況に御説明をいただいたわけですけれども、統合の議論とは別に、既に両審査支払機関とも、合理化の取組みを進めております。それが仮に、同様に今後14年ぐらい続いたとするとどれくらいの効果を生むかというのが、この8ページの表でございます。
支払基金、国保連、いずれもIT化のさらなる進展によってかなり人員の削減ができるだろうと考えております。支払基金の方が平成27年度以降、対平成22年度比ということになると思いますけれども、44億円。それから、国保連の方が同様に35億円ということでございます。
それ以外に、支払基金では外部委託の集約化効果が徐々に増えて、平成28年度で6億円。それから、国保連ではシステム経費のところで平成29年度と平成36年度、これは危機更改のときでございますけれども、更改と併せてサーバー等の仮想化を行うということを念頭に置いておられるということですので、これでシステム経費が削減できるだろうと考えております。
これによりまして、両機関が存続した場合のコスト削減効果として、支払基金の累積額が14年後の平成36年度までに588億円、国保連の方が同様に482億円と推計しているところでございます。
試算の結果等を含めた事務局の説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの支払基金と国保連の実態についての御説明及び追加で事務局から出された資料、これをもとに、前回に引き続き御意見をいただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
 それでは、横尾委員お願いします。
○横尾委員 前回発言させていただいたのですが、整理していただいたメモを見ますと、前々回に提出した意見は当然書かれるものと思っておりましたら割愛されておりますので、重複部分もありますが、意見を述べさせていただきたいと思っています。
 前々回に提出したメモでは大きく4点申し上げております。
 最初に、審査支払業務ということにつきましては、支払基金、国保連合会ともに目指す方向性はある意味で同じところがございますので、是非、可能な統合ということについて十分に考え、新たな体制を検討することが有効であろうと考えています。今回の在り方についての議論につきましては、ある意味で両者の方々にとりましては、いわゆる寝耳に水という感もあるかもしれませんが、新たな経営をつくっていくということについては役立つものと認識しているところです。
 ただ、国保連合会につきましては、私も自治体の関係者ですけれども、審査支払業務のほかにさまざまな保険者支援事業も展開されておりますので、引き続きこれらについて包括的な調査を行うとか、新たな在り方を検討するということを含めまして、実施可能な体制づくりというものも併せて重要であろうと思っています。また、統合することによる財政的なメリット、今、幾つか試算も出していただいたところですが、要は保険者の財政的負担の軽減を図るということを重視すべきであろうと思っています。
 2点目に、そのときの意見で申し上げているのは、前回も少し申し上げましたが、今、マイナンバー制度が平成27年度導入予定になっています。法案の行方によっては少し前後するかもしれませんけれども、この制度導入を大前提とした行政サービスの在り方を本当に考えていかないと、いろんな意味でプラス効果も減っていくのではないかなと思います。例えば、今、いただいた試算でも、平成23年度に発想するやり方と、平成27年度以降に発想するやり方では多分仕事の中身が変わっていくと思いますので、そういったことを踏まえ、不要なコスト、例えば事業費や管理費、人件費などに注目し、これらの軽減化を図るとともに、全体としても効率のよい、生産性の高い業務推進ということを旨として対応する必要があるだろうと認識しています。
 マイナンバー制度をフルに活用できて、被保険者負担を軽減できるシステム開発などにつきましても、国も関わって主体的なリードということが不可欠ではないかなと思っているところでございます。特にマイナンバー制度が本格稼働して広く利用されますと、国民一人ひとりにとってサービスが大きく改善され変わっていくと思います。このことによりまして、システムの一本化とかさまざまなコスト減につきましても、先ほど言いましたように、今、予想している以上のものも出てくるだろうと思っています。
 3点目に、そのときの意見で申し上げているのは、いわゆる診療報酬等に関わっていつも話題になるのが、過剰な請求とか不正・不当な請求が一部あるようであるということも報じられたりしているところでございまして、これらについて何か方策はないものかと考えたところでありました。このような過剰、あるいは不正・不当な請求ということにつきましては、放置するのは好ましくないことですし、その常態化もまさに好ましくないことであると思います。まして誠実で真面目に仕事をしていただいている、医療に力を尽くしていただいている医療機関におかれましても、このことはよろしくないと受け止めていらっしゃるのではないかと認識しているところでございます。すなわち、その是正が必要となってきます。
 そこで、海外の事例等も含めて少し調べてみましたら、適正かつ正確な診療報酬請求をしない悪質な医療機関については、ある国ではワーストリストとして公開されておりまして、このことによって改善策・予防策もとられているようです。そのような取組みをして大幅な改善ができたということもあるようでございますので、いわゆる評価されて公表されるという緊張感から、それぞれの部署において不正な要求なども激減した例もあるようですので、我が国においても、厚労省が核になると思いますが、同様の改善措置というものを考える必要があると思っております。
 4点目に申し上げた意見は、ガバナンス、マネージメントのことであります。今回もいろいろマネージメント改革について2つの機関から詳しい御説明をいただいてありがたいと思いましたが、いわゆる報道等で言います天下り的な人事というものは控えるべきではないかなという議論がございます。この観点に立ちますと、いわゆるマネージメントに必ずしも力のない方々が組織の長として着任された場合どんなことが起こるかといいますと、マネージメント機能が低下していくと思われます。すなわち、このことが発生してしまいますと、さまざまな経営改善もできなくなってまいります。
 今回は、例えば今のそれぞれの説明からも、品質向上とか効率化のこと、また、経費節減についても現場の発想から努力していることなどを承ったわけですが、まさにそのように現場に基づく改善の提案とか発想ということを積極的に生かしていける、そういったマネージメント・リーダーシップを確立するということが組織としても重要であろうと思っています。そのためにも、組織のトップ並びに幹部に関しましては積極的な改革志向を持っている人材、そして組織内人材をリードするような人材を積極的に登用していく、そのことによって経営改善をして、全体の保険者に関する負担も軽減し、ひいては国民の医療を確保しながら負担も軽減していく、そのような取組みが必要であろうと考えています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 既に文書で御意見をいただいたわけですけれども、とりまとめに反映されていないということで、改めて御発言いただいたわけでございます。
 それでは、鈴木委員お願いします。
○鈴木委員 今、お二方の報告を聞かせていただきまして、私はむしろ、お互いに相手があるからこそ業務の合理化に力が入っているのではないかなという気がしました。これが単一の組織になれば何を目標にしていいのか、インセンティブがなかなか働かなくなるのではないのかなという気が逆にいたしました。それぞれを比べてみますと、支払基金はかなり、一つの民間法人ということもあって、取組みがスピード感を持って進められたというところもあると思うのですが、国保中央会の方がむしろ、比べてみますと、法人が分かれている、あるいは連合体である、そういったこともあるのか、組織としてのガバナンスが弱いといいますか、そういう感じがいたしまして、例えば人員削減なども支払基金に比べて進んでいないような状況ではないかと思われました。
 それから、給与の話ですが、この辺は支払基金がラスパイレス指数を106から100ということを目指しているのに対して、国保連の方はどのように取り組んでこられているのかが話に含まれていなかったと思いますので教えていただきたいと思います。そういった形で、相手があるからこそこの辺の、いわゆる査定率を上げるとかそういう話ではなくて、組織としての合理化といいますか、こういうものは相手があった方が進むのではないかなと思いますので、当面はそういう形で合理化を進めていただくというのが最も望ましいのではないかなと改めて思いました。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 2つのシステムがあるがゆえに、競争原理はそこで働いているのだというようなお話であって、もう一つは賃金について、人件費についての御質問ということでありましたけれども、これはお答えいただけますか。
 それでは、柴田委員お願いいたします。
○柴田委員 まず、先ほど申し上げましたように、国保連合会は最終的には総会・理事会で、そこは市町村長さんが出席される会でコントロールされているというわけであります。市町村は当然のことながら、やはり行革ということについては、まず自分のところでも非常に御苦労されているわけですから、当然、国保連合会に対してもやはり給与の問題とか職員の数のコントロールということについては厳しい目で見ていただいているということです。
 給与水準については、今、手元に全体の資料がないのですが、ラスパイレスで見ますと、これもどうも連合会によっていろいろ、学歴をどう見るかとか、若干、数値の出し方が違うようですけれども、多くの連合会は100を切っているということで、100以上のところも幾つかあったと思いますが、ほとんどの連合会は100を切っている状況ではないかと思っております。
 それから、職員数の削減についても、今、しっかりした数字は手許にないですけれども、先ほども申し上げましたように、いろんな仕事が増えている。レセプトの点数もどんどん増えているという中で、職員数は減少傾向にあります。これはやはり各連合会でのいろんな効率化の表れではないかと私どもは見ております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 私も国保の審査委員をしていたことがありますけれども、むしろ電子化で人員が減ると言われていながら、その割には減っていないような気がしていたのですが、その意味では業務が増えても電子化による人員の余剰というものがあるわけですから、プラスマイナスしたら、むしろマイナスになるのではないのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○遠藤部会長 それでは、柴田委員お願いします。
○柴田委員 まず、要するに新しいシステムを導入して、これが完全にうまく稼働しているかということについては、今、これから円滑稼働に向けての途中でございますから、直ちに人員をどうするかということについては、まだ結び付きにくい状況であるというふうには思っています。
 ただ、仮にそういうことで、ある程度、審査支払の職員がもう少しほかに回せるものがあるということであればほかに回して、そして、ほかの事業を拡充するということをしていかなければいけないかなと思っています。当然、臨時の職員のような方がいらっしゃる場合には、そこのところは数を減らしていくということをしていかなければいけませんけれども、正規の職員については他分野の強化という形で対応していくということなのではないか。それから、退職者が出た場合の補充の仕方を考える。完全に埋めるのではなくて、減らす方向で補充をしていくということをやっていくのかなと思っています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 白川委員、お願いします。
○白川委員 私ども利用者といいますか、保険者にとりましては、審査支払基金に対する要望は大きく言うと2つで、コストをできるだけ削減していただきたいということと、審査の品質を上げていただきたい。これは全保険者共通の、最大の希望であろうと思っております。
 今、2つの機関から、その2つのテーマに対する取組みを拝聴いたしまして、かなり意欲的にいろんな工夫、いろんなチャレンジをしていただいているということで、敬意を表したいと思います。ただ、これが全保険者に正しく取組みが伝わっているかといいますと、必ずしもそうではない。まして国民には全く伝わっていないというのが現状だと思いますので、その辺は是非、一工夫をお願いしたいとまず冒頭にお願いしたいと思います。
 それから、今回の統合問題は、競争原理か、コスト削減かということになるかと思うのですけれども、一方では競争が必ず必要であると私は思っておりますが、一方では連携というものも当然必要と考えておりまして、前回も申し上げましたとおり、例えば審査の基準が県とか機関によって違うというのは国民にとっては不幸なことでございますので、そこは是非、両機関が情報を共有し合って、公平な基準づくりということに取り組んでいただきたいと考えておりますが、そこはまだ今回の両機関のプレゼンテーションではよく見えなかったと感じておりますので、その辺についてのお考えを聞かせていただきたいというのが1つ目の質問でございます。
 2つ目は、特に国保連さんは御主張の中でも、審査支払に絡む業務以外の、保険者を支援するといいますか、保険者の業務の一部を分担されているという御主張で、そのとおりであると思いますけれども、その割合が私どもにはよくわからないものですから、正確に何%が審査支払業務であるというふうな、数値を出すのは難しいと思いますが、感じとしてどれぐらいが審査支払業務で、それ以外の業務がどのぐらいあるのだというのを2つ目にお聞かせいただければと思います。
 3つ目は、今、事務局から出されました統合した場合のコストの試算に対して意見を申し上げたいのですけれども、資料1の7ページの表を見ますと、下半分に国保連に統合した場合と、支払基金に統合した場合がございますが、この中のシステムの改変関係を見ますと、勿論、若干のコスト削減の効果はあるようですけれども、大きく見ますと14年間でこれぐらいの差ですから、システムは統合しても、多分7年ごとのハード・ソフトの入替えの費用が相当かかるということもありまして、余り効果はないのかなというふうに思っております。
 そうしますと、人件費・物件費のところ、上半分ですが、14年間で812億円ということですから、年平均で65億円ぐらいという、これが統合による効果というふうに思われますけれども、一方で8ページを見ますと、いろんな、今、両機関が工夫をされていて、人件費等で削減する分の方がむしろ多いという状況でございまして、私ども保険者としては統合による無用な混乱ということも非常に危惧しておりますし、そういう統合をするよりは、今、両機関が取り組んでいただいているコストを削減する努力、我々の立場からは十分とは申し上げられませんが、それに一層励んでいただいて、ここに出ております1,000億円の数字を、更にマイナスを大きくしていただくような努力をしていただく方が現実的な方向ではないかなと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問がございましたので、河内山専門委員お願いいたします。
○河内山専門委員 冒頭、白川委員から御指摘のありました、支払基金も国保連合会の方も同様かと思いますが、いわゆる広く正確な理解をいただくための説明責任、あるいはそのための努力、これにつきましては私も痛感いたしております。大変重要な仕事に取り組んでおりますが、一方で非常に専門性の高い仕事をやっておりますので、従来からなかなか簡単に説明することが難しい部分がたくさんあったということは一つ前提としてわかりやすい説明に欠けた理由であると思いますけれども、だからといって、それをしなくていいというわけではありませんので、例えば保険者の皆様方にも御負担をいただきながらも、なかなか正確に、いわゆる審査の品質向上をどのように図っているか、あるいはコスト縮減をどのような形で努力しているかというのはまだ努力不足であると考えております。
 たまたま来月からでございますが、新たに支払基金では、役員が地方の大体ブロック単位に出向きまして、保険者の代表の方に御説明する機会を初めていたすことになりましたが、そういうものを皮切りに、広く関係の方々に直接情報発信をしていきたいと考えております。一方で、有識者や国会議員も含めてですけれども、指導的な立場の方々にもどんどん、審査の中身も含めまして、いわゆるどのような状況なのかということについては機会を増やして説明する努力をしていきたいと思っております。先般も国会の方の御視察がありましたけれども、見ていただきますと、かなり今までとは感覚が違った感想をお持ちの先生方もたくさんおいでになりますので、引き続き私どもとしては努力していきたいと考えております。
 その上で、いわゆる審査の統一化の話でございますが、第1には、今、支払基金で進めております、支払基金の中の都道府県ごとの不合理な差異があるとするならばその解消に努めてまいりますけれども、私も理事長になりまして1年数か月経ちますが、なかなか、このことは簡単ではないということもよくわかってまいりました。ルールはルールとしてあるのですけれども、患者さんの立場を考えてみますと、やはり医学的判断で、ある程度、幅のあるといいますか、裁量に基づくものが結果として患者さんの利益にもつながっておる面がある。一方でそれを、ルールをどのように徹底するかという面とのせめぎ合いといいますか、両方、重要な価値でありますので、両方に不利益が生じないような、支部間の不合理な差異の解消というのは相当ドクターの方々にも参画いただきながら個別具体的な事例を抽出して、先ほど申し上げましたけれども、今、専門の先生方にも加わってもらったワーキンググループ等を実施しておりますが、そういったことを積み重ねていく。
 同時に、やはり簡単に判断ができやすい、極めて簡単なルールを統一化していく。このことについては、まずは委員長の方々、あるいは審査委員の方々というものに十分な情報提供をして、大方の方が御同意いただけるものであれば、それは全国に支払基金としての考え方も示していくというようなことの作業、これも支部間差異の検討委員会というものを設けて、今、実施中でございますけれども、それもだんだんと数が増えてきておりますので、更にその充実を図っていくということをまずやらせていただきたいと思います。その上に立って、厚生労働省の方もいろんな場を設定して、支払基金と国保連合会、それぞれの代表の方が情報提供・情報共有化が図られるような場も、今、つくろうとされておりますので、支払基金としては当然のことながら、地元、それぞれの支部の審査委員の先生方にも十分御理解をいただきながら、そういうことについては土俵をつくっていただく中で積極的に参画したいと考えております。
 以上のような考え方を持っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 もう一つ、国保連に御質問がございました。それでは、柴田委員お願いします。
○柴田委員 まず判断基準の統一化ということでございますけれども、方向性としては我々もそういう方向に向いていかなければいけないのではないか。具体的に、今まで国保連でも各連合会から判断にいろいろ迷う事例などを挙げていただきまして、それを全国の審査委員会の会長の集まり、あるいは常務処理審査委員、いつもいらっしゃる審査委員の方々に見ていただいて、そして大体、これは連合会によっていろいろ違うなというものもあれば、おおむね8~9割一致しているというものもある。そういうものを皆さんにお知らせしていくというような形を通じて統一化をしていこうと思っているのですけれども、これはそんなにすぐ進む話でもありません。そして支払基金のやっていることと、それから、我々がやっていることをお互い持ち合えばもう少し、またその辺が進むのではないかと思っています。
 そういう意味で、厚生労働省も入っていただいて、支払基金と国保連、これは全国ベースでも、そして、地域の各都道府県ベースでもそういう情報交換をし、場合によってはこういうことでいこうよというような話ができる場があって、つくるということがやはりそういう統一ということに向けても役に立つのではないかと思います。勿論、医学的なものでございますから、何でもかんでもすべて右、左ときちんと決まるような統一というふうにはならないかもしれませんけれども、ストライクゾーンをだんだんと明確にしていくというようなことをしていく必要があるのではないかなと思っています。
 それから、白川委員からお話のありました、共同事業と審査支払事業のウェートとはどのくらいなのかということは、これもなかなか難しいのですけれども、達観して言いますと1対3ぐらい、審査支払事業が3、共同事業が1ぐらいかな。これはかなり乱暴な達観ですが、そんなことでございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしました。菅家委員、あるいは白川委員、何かコメントはございますか。よろしゅうございますか。
○白川委員 いや、結構です。
○遠藤部会長 それでは、菅家委員お待たせしました。
○菅家委員 前回申し上げたのですけれども、審査支払事務というのは保険者の共同事務であるという性格を持つものであるというふうに今も思っておりますが、そういう意味では国保連合会というのはまさに保険者である市町村が会員になって、そして総会・理事会で物事を決めているということでございまして、まさにそういう考え方を体現している組織であると思っております。
 一方で、柴田委員の資料の中にありましたけれども、かつて平成19年に健康保険法の一部が改正されて、それで支払基金と国保連合会に保険者が選択できるという制度が導入されたという説明がございまして、それに基づく通知が出されているということについても御説明がありました。しかし、現実的にはそういうことを選択している保険者はゼロであるというのが多分、今の実態であるというふうに聞いておりますけれども、それは当然でありまして、自分たちでつくっている組織以外のところに事業を委託するなどということは論理的にはあり得ないわけですね。したがいまして、私はこの平成19年の法律改正ということの持っている意味がほとんど理解できないわけでありまして、そういう意味では柴田委員がおっしゃっていた、いろいろ説明会をやって、被用者保険から仕事をいただく際のさまざまな障害についてお話がございましたが、これはまた、私は逆の立場からしますと、そんなことはおかしな話であるなと思っておりますので、その辺について少しお考えがあればと思います。
 河内山専門委員につきましては、したがって私はそういうふうに審査支払事務をとらえておりますので、支払基金、これは特別の法律に基づく特別の民間法人ということでありますけれども、そういう意味では国保連合会のように会員という考え方が今の組織にないのでしょうか。そこがガバナンスの問題などについて、やはり限界があるのかなというふうに思っておりまして、理事会・監事会におきましては保険者代表であるとか被保険者代表による運営、これは当然であると思いますが、より組織のアイデンティティといいましょうか、ガバナンスを持たせるために、やはり会員という考え方、要するに被用者保険の保険者が共同で設立しているのだという改革というものが必要な気がいたしましたけれども、その辺についてお考えがあればお聞かせ願いたいということでございます。
 それから、両者に共通しておりますのは、相互の情報共有というものがどうも不足をしているような気がいたしまして、それぞれ根拠を持った組織でありますが、仕事の目標という意味では同じ目標を持った組織という側面もありますので、是非情報を共有しながら、場合によっては共同事業を行うなどといった、被保険者の利益ということを考えた、行動・取組みがもっとあってもいいのかなというふうにも感じたところでございます。
 最後に、保険課長から説明がございました定量的な検証についてでありますけれども、そもそも、この仮定の話で両者を統合すればどういうメリットがあるのかという定量的な検証を行ったということでありますが、その意味が一体、何を意味するのかなというのがよくわからなくて、つまり会社の合併とか組織の統合というのは、統合の目標・メリットがあって初めて統合の議論ということになるわけでありまして、それは2つの組織を一緒にすれば、例えば総務部門とか共通部分については統合によるメリットを出せるのは当然でありまして、そういうことを計算して何の意味があるのでしょうか。当たり前の話ではないですかというような気がいたしまして、そもそも、こんなことを検証したことの背景・意味がよくわからなかったというのが私の質問でございます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、幾つか質問がありましたけれども、かなり時間が押しておりますので、手短にお願いしたいと思います。
 まず、柴田委員からお願いできますか。
○柴田委員 まず、新たに被用者保険から受託を受けるということについては、いろんな努力をしているけれども、先ほど言いましたように、いろんなネックがありますということであります。せっかくここまで来たのですから、先ほど申し上げましたような、例えばみんながなかなか、これは動かすのは難しいと思っているところを少し厚生労働省からも明確にしていただくとか、もう少し努力をしてみていただくということも必要なのではないかなと思っています。あとの残りの点についてはやればできる話でありますから、それは私どももそういう保険者が出てきた場合にはきちんと対応していこうと思っているところであります。
 それから、支払基金と国保連の情報交換の話でありますけれども、おっしゃるとおり、それは非常に大事であると思います。現実問題としては、それぞれ審査支払については競争相手であるということもありますので、なかなか自分のことを相手に言わない、言いにくいというところがあろうかと思いますが、その辺はまた、今、せっかくここでも御指摘いただいたことでもございますので、今後そういうこともしていかなければいけないかなと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、河内山専門委員お願いします。
○河内山専門委員 ガバナンスに関しまして、極めて端的に申し上げますと、支払基金の業務は、まずコスト面で申し上げますと、これは毎年の保険者の方々との契約、あるいは手数料の決定のための交渉、こういうものを通じて、かなり直接的にコスト削減のための努力、システムの中身、あるいは今後の人員の配置の見込み等々については、民間の経営に関与された方々の御経験をお持ちの方々から相当シビアな注文をいただいておりまして、そういう点ではガバナンスが、いわゆるコスト縮減のために、あるいは適正な組織の管理・運営のためには、そういう方々が常に監視役として存在されていますので、相当働いていると思っております。
 一方で、審査の品質を高めていったり、あるいは審査を通じて国民皆保険を適正なものにしていくということで言いますと、重要な部分につきましては診療担当の代表の方々とはかなり詰めた議論を技術的にもいたして、それで全国の医療機関で問題が生じないような、あるいはひいては患者さんに迷惑のかからないような審査が行われるように、先ほど申し上げましたけれども、四者構成の組織であるがゆえに、両方から見まして非常に適正化が図られている。これは結果としてそういうことでございますが、運営そのものは、本部の方は毎月1回の理事会、これは四者構成。それから、支部においても幹事会というものを設置しまして、これも保険者、それから診療担当の方、あるいは被保険者代表、それぞれ毎月1回行うことによってガバナンスが可能な限り図られるように努力をしているところでございます。引き続き取り組んでいきたいと思います。
 共同化のことについては、先ほども申し上げましたけれども、さまざまな面で支払基金としても参画しなければならないと考えているところでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 あと、事務局にも財政シミュレーションを行った理由について御質問がありました。お願いします。
○西辻課長 なぜシミュレーションをやったのかという御指摘で、そもそも何らかの統合のメリットがある場合にこういうシミュレーションをやるという順番ではないのかという御指摘だったと受け止めたのですが、前々回に説明させていただいたとおり、決算行政監視委員会の決議の中で、おそらく統合すると財政的な、コスト的なメリットがあるだろうという前提で中長期の統合の試算を出せという御要請がございました。統合自身がおそらくコストメリットを生むだろう、そのこと自体が統合のメリットではではないかという議論が、少なくとも国会での決議にいたる議論の中ではあったということで、それを受けて中長期の試算を出させていただいたということでございます。
 もう一点だけ、保険者の審査支払機関の乗り入れについても菅家委員から御指摘をいただいたのですけれども、確かに現状を見ますと、国保の保険者は自分たちでつくった国保連に、健保の保険者は、明確に自分たちでつくったわけではありませんが、支払基金に委託している。それはコストの問題や、委託替えに伴って発生する負荷、あるいはそれ以外の業務との関係、いろんなものを判断して、現状ではおそらく委託替えしないという選択がいいだろうと判断されているのだと思っておりますけれども、他方、実際にもし乗り入れがさらに容易な環境ができたときに、乗り入れを行うのかどうかという判断を行っていただくためにも環境整備を行うということは別におかしな話ではないと思って、平成19年に法律を改正して、いろんな手続を定めたところでございます。ただ、現在の手続でいまだ実際の乗り入れの実績はございませんので、ここはどういう形であれば環境整備が進むのかということについては、もうちょっと検討していきたいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、岩本委員お願いいたします。
○岩本委員 今日の統合によるコスト削減の試算についての感想なのですけれども、資料1の7ページの方で、14年の累計で約800億円~900億円の削減効果があるという試算が出ていて、その次の8ページの方で、そのほかのさまざまな業務合理化の取組みで、同じ年数で1,000億円程度の削減効果があるということで見れば、数字としてはいろんな形で業務改善を図る上で、こういう統合というものが経費削減額をほぼ倍にするようなぐらいの規模的な効果があるというふうに読みました。そういうことであれば、ほかに非常に深刻な弊害がなければ、これは真剣に考えるべき選択肢であるのかなと思っております。
 それで、初期の切替えの費用というものはこの試算の方に入っています。最初はそれぞれの担当者がいろいろと御苦労されることもあるかと思いますけれども、それも金銭換算しても何百億円ということでも恐らくないであろうということで、あとは業務が適切に行われるかどうかという話になると思うのですが、それはそれぞれ委託する保険者とこれを受ける審査支払機関の間のガバナンスがしっかり働いていればそれほど深刻な問題にならないのかなというふうに私は感想を持ちました。それは意見です。
 次に、この試算についての質問なのですが、コスト削減の試算について、国保連に統合する場合と支払基金に統合する場合で削減効果が100億円ほど違いまして、国保連の方が削減効果が大きいという試算になっております。その理由なのですけれども、それは9ページを見た方がわかりやすいかと思うのですが、ある業務が片方から片方に動くということで、その業務をしている機器の更新経費が変わってくるというのが働いているようです。
 国保連に統合した場合に、支払基金から回された業務を処理するための機器更新がこれの下段の2.の(2)に書いていますけれども、7年ごとに53億円かかるということです。ただし、支払基金の方はその業務はやらなくてよくなったので、その分、システム更新経費がかからなくなるので、それはその下の(3)に書いてある、7年ごとに102億円、経費がかからなくなるということのように読みました。
 ということは、これは同じ業務を、支払基金でやっていれば7年ごとに102億円かかるのに対して、国保連でやれば7年ごとで53億円で済むというふうな試算の前提になっているように見えますが、これは同じ業務をお互いが努力してやっていればそんなに費用は変わらないように思うのですけれども、これが倍近い費用の差になっているということがどういう原因で生じているのか。14年ですから、2回の更新がありまして、先ほど言いました100億円の違いに反映されていて、それで差がついているということになっていますので、ちょっとこの辺の理由を詳しくお聞かせいただければと思います。
○遠藤部会長 関連で、それでは、岡崎委員どうぞ。
○岡崎委員 今、ちょうど、この7ページの資料について質問に出ていますので、この資料は実はいろいろ課題がありまして、7ページの一番下の※3に書かれていることが実は大きな課題があります。各市町村の保険者の、いわゆる市町村のシステム改修の経費は先ほど入っていないという説明がありました。約1,800の市町村がありまして、国保の保険者の数で言いますと、共同で国保をやっている所がありますから、たしか1,600団体ぐらいかなと思いますが、各市町村もシステム改修がもし統合ということになりますと相当のシステム改修が迫られることになります。恐らくそれもこれまでの経験から言いますと、1,800市町村あるので、改修経費は莫大な経費になるというのが我々の経験の中から考えられます。恐らくそれらの経費が外に出ているので、単純に計算してその資料のとおりこれだけ経費が削減されることにはならないと思っています。先ほど西辻課長も各市町村のシステム改修は別途であると説明されていましたので、そこに1つ課題があるということだと思います。
 それと、意見としましては、国保連合会としては、国保連合会の資料で、特に19ページでやろうとしている、いわゆる国保データベースによる医療と健康のバックアップのところが非常に重要なシステムになると我々も考えております。市町村におきましても、やはり健康寿命をいかに延ばしていくかということが、当然、医療費の抑制にもつながりますし、御本人のいろんな生活のためにもなるので、健康寿命をいかに延ばしていくかというのは市町村にとっても厚生労働省にとっても非常に重要な課題です。
 その中で、特に医療保険だけではなくて、我々は爆発的に伸びている介護保険の破綻も非常に心配しておるわけで、そういう中で医療と介護と健康指導のデータとしてのバックアップをしながら健康寿命を延ばすところにつなげていくといいというのが非常に重要な観点でございます。やはり国保連合会と市町村は密接に関連していますので、統合自体にはやはり反対し、そして、そういうところも含めた慎重な検討が必要であるということを意見として述べさせておきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局お答えください。
○西辻課長 御質問いただきましたので、回答させていただきます。
 最初に、岩本先生から試算の関係なのですけれども、システムの部分、資料1の9ページでございますが、システムの切替えに伴って、国保連に統合した方が支払基金に統合するよりコストがかからないのではないかという趣旨の御指摘と受け止めたのですけれども、このシステム関係の部分で「(1)システム切替」「(2)切替システムの更改」というのは、まさに新しく受託する保険者がどんと増え、レセプトの数も約倍になるということに伴って、それに対応するための機器の調達とか環境整備をやらなければいけないということです。
 つまり従来のシステム経費に加えて、新たに増設等で行わなければいけないものが102億円ということで、「(2)切替システムの更改」というのは、まさに今、申し上げた、この102億円で切り替えたシステムの更改経費が53億円ということでございます。したがって、国保連に統合する場合、従来、国保連が使っていたシステムを7年ごとに公開しますので、その経費というのはここには出てきていませんが、当然、かかるという前提でございます。
 それと、岩本委員から7~8ページの関係で、7ページで800億~900億円ぐらい、8ページでも合計で1,000億円出るので、これが統合すると効果が倍になるというふうなお話があったのですけれども、7~8ページというのは必ずしもそういう関係とは考えておりませんで、7ページは統合した場合の効果なのですが、一方、8ページは統合しないで、それぞれの機関がそのまま自分たちのシステムを使いながら業務をやったときの、いわゆる業務合理化の効果ということでございます。
 7ページも8ページもかなりの部分を人件費、人の削減効果が占めているわけでございます。支払基金、国保連、それぞれ、IT化に伴って合理化、人の削減というものを順次進めていますけれども、こういうものと、7ページの統合に際して一気に管理者を5割削減とか、総務部門を3割削減というのが単純に乗っかるかといいますと、そういうことはまずないだろうと思っております。統合したときに、7ページで出てくる効果に8ページの効果が更にどれぐらい乗るかは、統合の具体的な姿やタイミングに大きく左右されますので、今の段階では推計は非常に困難と考えております。
 それから、岡崎委員から御指摘いただきました7ページの一番下の※3でございます。後段のところで、「各保険者・各医療機関等のシステム改修として相当の費用が必要と考えられる」。先ほども御説明申し上げましたけれども、国保連に統合した場合には恐らく被用者保険の全保険者のシステムの改修が必要であろう。逆に基金に統合した場合には国保の全保険者、広域連合はシステムの改修が必要であろう。それがどれぐらいの規模なのかということは現段階ではわかりませんが、今の岡崎委員のお話ですと結構な金額になるのではないかということでございます。それから、先ほど申し上げましたとおり、医療機関のシステムの改修も当然、経費としてはここでは見込んでおりませんが、改修は必要になってくるということでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 岩本委員、どうぞ。
○岩本委員 私の質問に対しての御回答の件なのですけれども、9ページの方で私が取り上げたのは、2.の「(3)既存システムに係る経費」の方の削減分でありまして、御説明は「(1)システム切替」の102億円のことをおっしゃられたように思えたのですが、そちらは関係なくて、(2)と(3)の53億円とマイナス102億円の差額の50億円が生まれてくるということについて質問したのです。
○遠藤部会長 お願いします。
○西辻課長 失礼いたしました。
 (2)の更改経費の7年ごとの53億円と、(3)の7年ごとに浮いてくる102億円は、そもそも両機関のシステムが違いますので、直接関係はないということでございます。国保のシステムでいきますと、国保連に統合した場合には、統合してシステムを切り替えたことに伴う更改経費が7年ごとに53億円。他方、支払基金に統合した場合の(3)に、国保連のシステム機器更改の経費が不要になるものが85億円というふうに書いてございますが、これが逆に国保連に統合した場合は国保のシステムを使いますので、この85億円が従来どおり使われ続けるという前提でございます。つまり、従来のシステムの部分の更改経費というものが(3)の102億円ないしは85億円のマイナスということでございます。
○岩本委員 私の質問は、そうしますと、支払基金でやっていれば102億円かかる業務が、国保連に移れば53億円でかかるという理解でよろしいですかという質問なのです。
○西辻課長 そういう理解ではなくて、もし仮に国保連に統合したとしますと、統合した場合の更改の経費というのは(2)の53億円、これは切り替えたシステムの更改経費、それから、従来使っていたシステムの更改経費が逆に基金の方の(3)に書いてある85億円で、この85億円プラス53億円が国保連でやる場合のトータルの更改経費ということになります。
 一方で、基金に統合した場合の更改経費は、切り替えたシステムの経費が(2)の右側にあります85億円。他方、従来から基金が使っているシステムの更改経費というのは国保連のところの(3)にある102億円で、この合計の187億円ということになります。
○遠藤部会長 よろしいですか。
 それでは、樋口委員お願いします。
○樋口委員 前回欠席いたしましたので、一言意見を述べさせていただきます。
 今回の問題は、事業仕分けから発しまして、支払機関、保険者の問題でございまして、何か我々被保険者といいましょうか、一住民の頭の上の方を通り過ぎておりまして、それでよろしいのだろうとは思いつつ、それにもかかわらず、やはり一利用者といいましょうか、一被保険者にわかるようにこれからも情報をまず提供していただきたいということが1つでございます。
 そして、どちらに統合すればいいか、この事業仕分けの決定というのがどこまで絶対しなければならないのか、お話を聞いていますと、競争原理があるためには両方あった方がいいというのもごもっともだと思いますし、両方の御意見を伺いますと、どちらもしっかりやっていらっしゃると私は思うのですけれども、日本の人口の動向その他を考えますと、統合できるところはできるだけ統合していった方がいいのではないかという気もいたします。
 そこら辺は専門家の方にお任せするとしまして、是非ともその節、これは高齢被保険者の立場ですけれども、実に高齢者というのも移動が多いのです。息子のもとへ行ったり、あるいは別な県の施設に入ったり、そういう場合に、介護保険が地域主権といいますか、地方分権でかなり全国ばらつきのあるサービスが提供されているというのは、まだある程度、地域の特性ということでいいと思うのですけれども、より生命の保持というものに直接関わる医療サービスとか審査規定というものは是非、全国共通の基盤でやっていただきたい。隣の息子のいる県へ行って入院するなどということは多分にございますので、是非、共通でお願いしたいということが1つでございます。
 それから、これはもう出ていたお話でございますけれども、こういう問題が身近に感じられますように、是非、情報公開・情報提供、それも不正審査・不正請求などに関する、私はもう名前を挙げて住民に知らせていただいていいと思うのですけれども、情報提供と同時に情報公開をしっかりしていただきたいということ。
 それから、これは質問なのですけれども、統合によって予定どおりの節約ができたら、そのお金はどこへ行くのですか。国庫へ入るだけなのですか。私は是非、これはそれぞれが地域の医療に関わる団体でございますから、その団体が地方自治体と協力し合って、それこそ住民の健康保全・向上のために使っていただきたいと思うのですけれども、事業仕分けで出てきたお金というのはどこへ行くのでしょうか。
○遠藤部会長 それでは、事務局お願いいたします。
○西辻課長 コスト削減が図られた場合の、そのコストの行き先という御質問でございますけれども、この議論はもともと、審査支払に係るコストを下げるために統合すべきではないかというところから出発しておりますので、一義的には、審査支払の費用を下げるというところに使われるのだろうと思っておりますが、実際には、支払基金あるいは国保連、それぞれで統合コスト効果をどういう形で使うのかということはそれぞれの審査支払機関での議論に委ねられると思っております。
 支払基金ですと、先ほど河内山専門委員の御説明でもありましたとおり、かかった経費をレセプトで割って単価を出すという考え方が基本とのことですので、この経費が手数料に還元されるということはあるのかなと思っています。他方、国保連はほかの業務をいろいろやっていますので、それぞれの国保連の中でこの削減効果をどのように位置づけるのか、どのように還元するのかということは、各国保連で御判断いただくことになるのではないかと考えております。
○遠藤部会長 貴重な御意見、ありがとうございました。
 それでは、2回にわたりまして本当に御熱心な御意見・御議論をいただきまして、さまざまな御意見が出たわけでありますけれども、この議題につきましては、このくらいにしたいと思います。
 厚労省におきましては、これまで委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、決算行政監視委員会の決議に対して、適切な御対応をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 河内山専門委員におかれましては、どうもありがとうございました。
(河内山専門委員退室)
○遠藤部会長 次に医療費適正化計画を議題とする予定でございましたけれども、これは非常に重要な課題の一つでございますので、これは次回回しということにさせていただきたいと思います。
 それで、「3.その他」という議題が1つございます。これは療養費に関する検討の進め方ということで、検討を進める方法について事務局から資料が提出されておりますので、それについて御説明いただきたいと思います。お願いします。
○屋敷室長 保険医療企画調査室長でございます。
 前回のこちらの部会におきまして、平成24年度柔道整復療養費等の改定につきまして、昨年冬の議論の整理及び柔道整復とあん摩マッサージ指圧、はり・きゅうの施術に係る療養費につきましての平成24年度改定の基本的な考え方をお示ししたところでございます。それに対しまして、さまざまな御意見をいただきまして、通例は6月改定ということでありますけれども、それにかかわらず慎重に議論をすべきという形で意見をまとめていただいたところでございます。その後、検討を進めるに当たりまして、部会長とも相談いたしまして、本日、資料3の形で案として提示させていただきます。
 療養費に関する検討でございます。平成24年度療養費改定もございますし、また、もとより議論の整理におきまして、療養費の在り方について関係者による検討会を設け、中長期的な視点に立って見直しを行うといった2つのテーマがございます。今般、それらを受けまして専門委員会を設置いたしまして、平成24年度療養費改定及び中長期的な視点に立った療養費の在り方の見直しについての検討を行うというものでございます。
 この検討の方法といたしまして、柔道整復、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅうの療養費について、施術の形態等異なる部分がございます。効率的な検討を進めるため、2つの専門委員会を医療保険部会に設置するという形でございます。柔道整復療養費検討専門委員会、もう一つはあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会ということ、2つの専門委員会を設置して検討を進めてはどうかという御提案でございます。
 その専門委員会の委員の構成でございますが、座長・有識者をお務めいただく方、保険者等の意見を反映する方、あと、施術に関します専門家といたしまして、施術者の意見を反映する方と整形外科医等、施術の特性に応じた形の審議が進むような形の専門家に御参画いただくというものでございます。
 スケジュールについても御指摘がございました。平成24年度療養費改定案のとりまとめをおおむね秋ごろまでに行うということでございます。その後、引き続き、中長期的な視点に立った療養費の在り方の見直しの検討を進めるということでございます。
 また、この運営についてでございますが、効率的に進めるという必要もございます。両専門委員会を同日開催するなどの工夫をしていくという形で効率化に努めてまいるという案でございます。
 これらの体制によりまして、療養費に関します検討を進めていくという御提示でございますので、御審議よろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 これについて、何か御意見・御質問はございますか。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員 この療養費に関する検討会について、今回の御提案で、「柔道整復療養費検討専門委員会」と、「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」という2つの検討専門委員会を設けるとあります。柔道整復療養費については支払われる額が大きく、支払方法も他の療養費と違うということで、独立した検討会を設けることについては賛成です。
 一方、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費についてですが、療養費そのものについては、ここで出されている療養費だけではなくて、ほかにも検討すべきといいますか、議論すべき問題があると考えておりますので、柔道整復療養費検討専門委員会と、その他の療養費検討専門委員会の2つの検討専門委員会を設置していただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 事務局、何かコメントはございますか。
 お願いします。
○屋敷室長 今の御指摘で、柔道整復は1つ、あと、その他でもう一つということの御指摘かと思います。
 恐らく、これまでの医療保険部会の中での議論の経緯を踏まえれば、例えば治療用装具の問題などの御指摘のことであると考えております。こちらの専門委員会の設置につきまして、まずスケジュールという点もございますので、平成24年度療養費改定といった点から行きますと、この柔道整復あるいはあん摩マッサージ指圧、はり・きゅうといった点を急ぎ検討すべきであると思います。
 また、その他の部分につきまして、療養費全般の中長期的な在り方の見直しということがございます。例えば、その治療用装具の検討について、その他のような形で行うかどうかといった点につきましては、この専門委員会の検討が進む中で、また検討をさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長 小林委員、どうぞ。
○小林委員 了解しました。
○遠藤部会長 ほかに御意見はございますか。
 それでは、ただいま事務局から提出された案、それに対して小林委員の御意見を反映した形で御承認いただいたというふうに理解してよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議は以上でございますけれども、事務局から何かございますか。
 どうぞ。
○木下課長 総務課長でございます。
 本日は審議項目がもう一つございましたけれども、予定どおり進みませんで、事務局の不手際を厚くお詫び申し上げたいと思います。
 併せて、前々回でしたでしょうか、社会保障・税の一体改革大綱につきまして、私の方から議論の状況、あるいは法律の提出状況等について御説明いたしまして、特に後期高齢者につきましての御質問もあり、現在、まだ関係者との、2月17日の閣議決定においては関係者の理解を得た上で後期高齢者医療制度の廃止のための法律を提出するという形のものが大綱で決定されているわけでございますけれども、現在調整中ということでございます。
 しかしながら一方で、マスコミ等で政府の原案がまとまった等々の報道が最近相次いで記事になっておりますけれども、これにつきましてはそういった事実は全くございません。したがいまして私どもとしては、与党とも相談しながら、関係者の理解を得られるよう、引き続き調整をしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 そういう状況であるということでした。
 どうぞ。
○横尾委員 要望があります。
 できるだけそういったことについては、私どもは後期高齢者医療広域連合全国協議会なのですけれども、問い合わせをしたいと思っておりますが、適宜、必要であれば、情報の扱いということもあるかもしれませんけれども、信頼いただいて、協議会事務局の方には是非情報をいただきたい。問い合わせもいろいろ来ますし、地方議会もざわざわしていきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○木下課長 承知いたしました。
○遠藤部会長 御要望として承りました。
 それでは、本日は長時間、どうもありがとうございました。


(了)

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