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2012年5月22日 第20回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要
医政局研究開発振興課
○日時
平成24年5月22日(火)10:00~12:30
○場所
厚生労働省 2階 共用第6会議室
○出席者
(委員)
永井委員長 | 青木委員 | 位田委員 | 貴志委員 | 木下委員 |
小島委員 | 竹内委員 | 中畑委員 | 中村委員 | 前川委員 |
松山委員 | 湊口委員 | 山口委員 | 山中委員 |
(事務局)
厚生労働省医政局研究開発振興課 |
○議事
議事概要
すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた名古屋大学医学部附属病院からの件、金沢大学医薬保健研究域からの2件が審議された。またすでに付議されていて新規案件となる東京大学大学院医学系研究科からの件、新たに付議された大阪大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院、ハートライフ病院と横須賀共済病院からの申請、先行審議となった国立長寿医療研究センターと愛知学院大学歯学部の件について審議された。そして、大阪大学医学部附属病院、島根大学医学部附属病院と大阪大学大学院歯学研究科からの変更申請につき審議がなされた。
その結果、継続審議の金沢大学医薬保健研究域の2件は了承され、名古屋大学医学部附属病院の申請は持ち回り審議となった。また、変更申請の大阪大学医学部附属病院と大阪大学大学院歯学研究科の件は了承された。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
(審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~13参照。)
(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた重症虚血肢に対する血管新生療法についての研究 |
申請年月日 | 平成21年9月9日 |
実施施設及び総括責任者 | 名古屋大学医学部附属病院 室原 豊明 |
対象疾患 | 閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血肢 |
ヒト幹細胞の種類 | ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:意見発出日から5年間 40症例 |
治療研究の概要 | 重症化した末梢動脈疾患の患者のうち、既存の治療で十分な効果が得られない症例に対して、皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRCs)による血管新生療法を行う。皮下脂肪組織から脂肪吸引法にて脂肪組織を吸引し、ADRCs分離装置を用いてADRCsを分離する。虚血肢の骨格筋内40~60カ所に移植し、治療効果と安全性を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 2001年UCLA大学のZukらにより、皮下脂肪組織から間葉系前駆細胞が発見同定された。研究責任者らにより、ADRCsの移植により、移植細胞と虚血組織から血管新生増強因子が分泌され、骨髄から血管内皮前駆細胞が放出され血管新生を増強する機序が明らかにされた。 ADRCs分離装置は欧州CE Markを取得し、循環器疾患に対する臨床研究が開始されているところ。 |
新規性について | 研究責任者らが開発した、難治性重症虚血肢に対する自己骨髄単核球細胞移植療法に変わる、ADRCsを新たな細胞供給源として血管再生療法に用いることに新規性がある。 |
(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 自己脂肪組織由来間質細胞を用いた再生医療に関する臨床研究-虚血性心不全に対して |
申請年月日 | 平成23年2月17日 |
実施施設及び総括責任者 | 金沢大学医薬保健研究域 金子 周一 |
対象疾患 | 虚血性心不全 |
ヒト幹細胞の種類 | ヒト自己皮下脂肪組織由来間質細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 承認日から3年間 6症例 |
治療研究の概要 | 急性または陳旧性心筋梗塞による低左心機能患者に対して、自己脂肪組織由来間質細胞を経冠動脈的に投与し、その安全性、ならびに有効性についての検討を行う。 全身麻酔下に、腹部、臀部、または大腿部の皮下脂肪から脂肪組織を吸引し、脂肪細胞分離装置を用いて脂肪組織由来間質細胞を採取する。3.3×10*5個/Kgまたは6.6×10*5個/Kgの細胞を冠動脈造影施行後に、インターバルを置きながら3分間ずつ動脈注入する。主要評価項目は安全性で有害事象の評価、その他心筋シンチ、MRIで心筋の活動性を確認する。 |
その他(外国での状況等) | 本研究で用いる脂肪組織分離装置はヨーロッパではCE markを取得しており、急性心筋梗塞に対するAPOLLO試験および、冠血行再建施行慢性虚血性心不全を対象としてPRECISE試験が実施され、安全性を評価したところ。有効性確認試験を予定している。 |
新規性について | ヨーロッパでは急性心筋梗塞を対象とした検討がなされている。自己脂肪組織由来間質細胞群を用いた虚血性心不全に対する冠動脈内投与による再生療法の検討は我が国では新規。 |
(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 肝硬変に対する自己脂肪組織由来間質細胞の経肝動脈投与による肝再生療法の臨床研究 |
申請年月日 | 平成23年2月17日 |
実施施設及び総括責任者 | 金沢大学医薬保健研究域 金子 周一 |
対象疾患 | 肝硬変 |
ヒト幹細胞の種類 | ヒト自己皮下脂肪組織由来間質細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 承認後3年間 4症例 |
治療研究の概要 | 本臨床研究では、肝硬変患者を対象として、自分の脂肪組織より分離された間質細胞を、肝動脈より投与して直接肝臓へ運搬し肝機能を改善させる肝再生療法を行う。自己脂肪組織由来間質細胞の分離には、脂肪組織分離装置を用いて、完全自動無菌密閉式の自己脂肪組織由来間質細胞を分離、脂肪組織分離装置を用いて分離された細胞を、カテーテルを総肝動脈まで挿入し30分かけて投与する。 |
その他(外国での状況等) | 脂肪組織由来間質細胞を用いる試験として、ヨーロッパでは、急性心筋梗塞、虚血性心不全を対象に、本邦では九州大学において、乳がん術後の組織欠損患者に対する乳房再建の臨床研究が実施されている。 |
新規性について | 肝硬変を対象としては、骨髄由来間葉系幹細胞の経静脈投与による臨床研究が本邦を中心に報告されているが、脂肪由来間葉系細胞を用いる臨床研究は本邦では新規。 |
(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 角膜上皮幹細胞疲弊症に対する自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の臨床試験 |
申請年月日 | 平成24年2月7日 |
実施施設及び総括責任者 | 東京大学大学院医学系研究科 宮園 浩平 |
対象疾患 | 角膜上皮幹細胞疲弊症 |
ヒト幹細胞の種類 | 口腔粘膜上皮細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:平成23年10月から4年間 観察期間:術後1年間 10症例 |
治療研究の概要 | 培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の有効性と安全性を検討する。患者の口腔粘膜を採取して、大阪大学未来医療センターへ空輸し、ディスパーゼ・トリプシン処理の後にCPCにて上皮細胞を培養する。フィーダー細胞3T3-J2を用いて培養口腔粘膜上皮細胞シートを作製後、東京大学へ空輸し移植する。一年後に角膜上皮欠損のない面積を測定し有効性を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 大阪大学・東北大学は、自施設で温度応答性培養皿を用い口腔粘膜上皮細胞シートを培養し、移植するプロトコールで平成23年1月に大臣意見を受けている。株式会社セルシードは同様に作成した上皮シートに関する治験をフランスで実施し、平成23年6月に欧州医薬品庁に販売承認申請を提出した。他にも羊膜を使用して作成した口腔粘膜上皮細胞シートを用いる臨床研究は、京都府立医科大学・先端医療センターが平成24年2月に大臣意見を発出されている。 |
新規性について | 培養口腔粘膜上皮細胞シートを空輸して移植する。 |
(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 角膜上皮幹細胞疲弊症に対する自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の臨床試験 |
申請年月日 | 平成24年3月13日 |
実施施設及び総括責任者 | 大阪大学医学部附属病院 西田 幸二 |
対象疾患 | 角膜上皮幹細胞疲弊症 |
ヒト幹細胞の種類 | 口腔粘膜上皮細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:平成23年10月から4年間 観察期間:術後1年間 20症例 |
治療研究の概要 | 培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の有効性と安全性を検討する。患者の口腔粘膜を採取して、大阪大学未来医療センターへ空輸し、ディスパーゼ・トリプシン処理の後にCPCにて上皮細胞を培養する。フィーダー細胞3T3-J2を用いて培養口腔粘膜上皮細胞シートを作製後、東京大学あるいは愛媛大学へ空輸し移植する。一年後に角膜上皮欠損のない面積を測定し有効性を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 大阪大学・東北大学は、自施設で温度応答性培養皿を用い口腔粘膜上皮細胞シートを培養し、移植するプロトコールで平成23年1月に大臣意見を受けている。株式会社セルシードは同様に作成した上皮シートに関する治験をフランスで実施し、平成23年6月に欧州医薬品庁に販売承認申請を提出した。他にも羊膜を使用して作成した口腔粘膜上皮細胞シートを用いる臨床研究は、京都府立医科大学・先端医療センターが平成24年2月に大臣意見を発出されている。 |
新規性について | 培養口腔粘膜上皮細胞シートを空輸して移植する。 |
(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 角膜上皮幹細胞疲弊症に対する自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の臨床研究 |
申請年月日 | 平成24年4月2日 |
実施施設及び総括責任者 | 愛媛大学医学部附属病院 大橋 裕一 |
対象疾患 | 角膜上皮幹細胞疲弊症 |
ヒト幹細胞の種類 | 口腔粘膜上皮細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:平成23年10月から4年間 観察期間:術後1年間 10症例 |
治療研究の概要 | 培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の有効性と安全性を検討する。患者の口腔粘膜を採取して、大阪大学未来医療センターへ空輸し、ディスパーゼ・トリプシン処理の後にCPCにて上皮細胞を培養する。フィーダー細胞3T3-J2を用いて培養口腔粘膜上皮細胞シートを作製後、愛媛大学へ空輸し移植する。術後1年における角膜上皮欠損のない面積を評価し、有効性を判定する。 |
その他(外国での状況等) | 大阪大学・東北大学は、自施設で温度応答性培養皿を用い口腔粘膜上皮細胞シートを培養し、移植するプロトコールで平成23年1月に大臣意見を受けている。株式会社セルシードは同様に作成した上皮シートに関する治験をフランスで実施し、平成23年6月に欧州医薬品庁に販売承認申請を提出した。他にも羊膜を使用して作成した口腔粘膜上皮細胞シートを用いる臨床研究は、京都府立医科大学・先端医療センターが平成24年2月に大臣意見を発出されている。 |
新規性について | 培養口腔粘膜上皮細胞シートを空輸して移植する。 |
(別紙7)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 生活習慣病関連肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法の有効性と安全性に関する研究 |
申請年月日 | 平成24年4月11日 |
実施施設及び総括責任者 | 社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院 佐久川 廣 |
対象疾患 | 生活習慣病関連肝硬変症 |
ヒト幹細胞の種類 | 自己骨髄細胞中に含まれると想定される幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 実施許可を受けてから2年間 10症例 |
治療研究の概要 | 肝移植以外の治療法では改善が見込まれない生活習慣病に起因する肝硬変を有する20歳以上70歳以下の症例に対して、全身麻酔下で自己骨髄細胞採取・投与を行う。骨髄液400mLを採取後に血球分離装置を用いて無菌的に単核球分離を行い、得られた単核球を経静脈的に投与する。治療6カ月後にChild -Pughスコア、血液生化学検査、腹水量の推移等で治療効果を判定する。 |
その他(外国での状況等) | 肝線維化モデルマウスによる実験で、骨髄より採取された細胞を経静脈投与することにより、肝機能の回復、生存率の上昇を示している。骨髄由来細胞が障害部に遊走し、コラゲナーゼ、MMP9等が産生され、線維化が改善することで肝機能が回復したと考えられている。臨床研究においては末梢静脈、経肝動脈的、経門脈的投与が報告され改善効果が認められている。 |
新規性について | 対象疾患がアルコール性またはNASH関連肝硬変であるところに新規性がある。 |
(別紙8)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験 |
申請年月日 | 平成24年4月16日 |
実施施設及び総括責任者 | 国家公務員共催連合会 横須賀共済病院 豊田 茂雄 |
対象疾患 | 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症・バージャー病) |
ヒト幹細胞の種類 | G-CSF動員自家末梢血単核球細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 試験予定期間(2009年1月から5年間) 10症例 |
治療研究の概要 | G-CSF皮下注射後にアフェレシスにより自己末梢血単核球を採取し、下肢へ筋肉内注射を行う。有害事象発生の有無などによる安全性評価に加え、下肢虚血重症度の推移、潰瘍サイズ、下肢虚血性疼痛、生理学的検査などにより治療効果を評価する。 |
その他(外国での状況等) | Horieらは、「下肢虚血患者を対象としたG-CSF 動員自家末梢血単核球移植の臨床効果と安全性に対する多施設後ろ向き調査」を実施した。全国162例を検討し、本治療の安全性を示している。 InabaらやAsaharaらは、「慢性重症下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療」を開始し、その臨床効果が示されている。 |
新規性について | 本研究は多施設共同研究であり、当該施設では10例の末梢動脈疾患患者を対象に、TASCII及び日本脈管学会編の診断・治療指針に準じて行われる「推奨療法」あるいは「推奨療法及びG-CSF動員による末梢血から採取した自家末梢血単核球細胞移植治療」のいずれかをランダムに割り付け、本併用療法の推奨療法に比した有効性を検討し、また同等の安全性を有しているかを検証する。 |
(別紙9)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 自己歯髄組織由来幹細胞を用いた抜髄後歯髄組織再生療法開発 |
申請年月日 | 平成24年4月12日 |
実施施設及び総括責任者 | 国立長寿医療研究センター 中島 美砂子 |
対象疾患 | 不可逆性歯髄炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 培養自己歯髄組織由来幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 実施許可が出てから2年半 5症例 |
治療研究の概要 | 20歳以上55歳未満の歯髄炎患者において、抜髄後根管充填を行う際に、不用歯より採取・培養した自己歯髄由来幹細胞をG-CSFと共にコラーゲンゲルに懸濁して移植する。細胞培養は共同研究機関である愛知学院大学歯学部にて行う。移植後6週間観察し、有害事象の有無等を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 2009年に自己歯髄間葉系細胞を増やし、歯槽骨再生を行ったとの報告がなされているが、歯髄再生を行った臨床研究は未だ報告がない。当研究者はイヌ抜髄モデルにおいて歯髄再生を確認している。 |
新規性について | 研究責任者らが開発した、自己歯髄組織由来幹細胞を用いた歯髄組織再生療法に新規性がある。 |
(別紙10)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 自己歯髄組織由来幹細胞を用いた抜髄後歯髄組織再生療法開発 |
申請年月日 | 平成24年4月18日 |
実施施設及び総括責任者 | 愛知学院大学歯学部 中村 洋 |
対象疾患 | 不可逆性歯髄炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 培養自己歯髄組織由来幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 実施許可が出てから2年半 5症例 |
治療研究の概要 | 20歳以上55歳未満の歯髄炎患者において、抜髄後根管充填を行う際に、不用歯より採取・培養した自己歯髄由来幹細胞をG-CSFと共にコラーゲンゲルに懸濁して移植する。移植後6週間観察し、有害事象の有無等を評価する。当施設ではアイソレータを用いて細胞培養を担う。 |
その他(外国での状況等) | 2009年に自己歯髄間葉系細胞を増やし、歯槽骨再生を行ったとの報告がなされているが、歯髄再生を行った臨床研究は未だ報告がない。当グループではイヌ抜髄モデルにおいて歯髄再生を確認している。 |
新規性について | 国立長寿医療研究センターで開発した、自己歯髄組織由来幹細胞を用いた歯髄組織再生療法に新規性がある。 |
(別11)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 重症心筋症に対する自己由来細胞シート移植による新たな治療法の開発 |
申請年月日 | 平成20年12月25日 |
実施施設及び総括責任者 | 大阪大学医学部附属病院 澤 芳樹 |
対象疾患 | 重症心筋症(拡張型心筋症および虚血性心筋症) |
ヒト幹細胞の種類 | 骨格筋筋芽細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:2年間 DCM症例8例及びICM症例8例 |
治療研究の概要 | LVAS装着を必要とする前段階、または年齢などにより心移植適応とならない重症心筋症患者に対し、自己の骨格筋から単離した筋芽細胞を、温度応答性培養皿を用いてシート化し、心臓外壁に移植する。 |
その他(外国での状況等) | 注射針によって直接心臓に筋芽細胞を移植する方法は既にいくつかの海外施設で臨床試験が開始され、報告されている(米国CAuAMIC Trial 23症例、欧州 MAGIC Trial 67症例など)。しかし、筋芽細胞をシート化して移植する方法についての報告はない。申請者により、LVAS装着患者に対する筋芽細胞シート移植の臨床研究が、指針施行以前より開始され、現在進行中。 |
新規性について | 本研究は、指針施行後でははじめて筋芽細胞シートによる臨床研究である。また、対象を「LVAS装着を必要とする前段階、または年齢などにより心移植適応とならない重症心筋症患者」としている点で新規性がある。 |
(別紙12)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 重症低ホスファターゼ症に対する骨髄移植併用同種間葉系幹細胞移植 |
申請年月日 | 平成21年11月25日 |
実施施設及び総括責任者 | 島根大学医学部 竹谷 健 |
対象疾患 | 重症低ホスファターゼ症 |
ヒト幹細胞の種類 | 同種骨髄由来間葉系幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 意見発出日から平成25年3月31日まで 10症例 |
治療研究の概要 | 本研究は、アルカリホスファターゼ欠損により骨を作ることが障害される低ホスファターゼ症の中で、致死的な経過をとる乳幼児の患者に対して、骨髄移植後に同種骨髄間葉系幹細胞を移植するものである。ドナーは、患者の家族(2親等以内)の中でこの病気ではない人から選定する。抗がん剤(ブスルファン、シクロフォスファミド、抗胸腺グロブリン)を用いて患者の骨髄を排除しておき、移植後は、GVHD予防のため、免疫抑制剤(メソトレキセートおよびタクロリムス)を使用する。 |
その他(外国での状況等) | この疾患の重症型は、現在の段階では、呼吸障害に対する人工呼吸管理、痙攣に対する抗けいれん薬などの対症療法が行われる。これまで、同施設の経験症例を含めて3人の患者が骨髄移植、骨移植および骨芽細胞・間葉系幹細胞移植を施行され救命された。なお、2008年からアメリカで骨へ移行しやすく改良されたリコンビナントALP製剤の治験が始まっている。 |
新規性について | 本研究では重症低ホスファターゼ症の患者を救命するために、骨髄移植後に同種間葉系幹細胞を用いた移植をすることに新規性が認められる。 |
(別紙13)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年5月22日審議分
研究課題名 | 自己脂肪組織由来幹細胞を用いた次世代型歯周組織再生療法開発 |
申請年月日 | 平成22年10月28日 |
実施施設及び総括責任者 | 大阪大学大学院歯学研究科 村上 伸也 |
対象疾患 | 従来の治療法では十分な歯周組織欠損の回復が見込めない辺縁性歯周炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 培養自己脂肪組織由来幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:試験開始から2年間 12症例 |
治療研究の概要 | 自己の腹部または大腿から皮下脂肪組織を採取し、大阪大学歯学部附属病院のCell Processing Centerの閉鎖系細胞調製培養装置(セルプロセッシング・アイソレーター)内で脂肪組織の中にある幹細胞を取り出し、1~2週間の培養後、フィブリン糊(ボンヒールⓇ)と混合し、フラップ手術の際に患者さんの歯周組織に填め込み移植する。 |
その他(外国での状況等) | 研究責任者らは、ビーグル犬の歯周病モデルを作製し、脂肪組織由来未分化間葉系幹細胞の歯周組織再生効果を確認している。 2004年に独のLendeckelらにより、「7歳女児の頭蓋骨広範囲欠損に対する自己脂肪組織由来幹細胞及びフィブリン糊の使用報告」として症例報告があるのみ。 |
新規性について | 自己脂肪組織由来幹細胞を用いた歯周組織再生療法の報告はなく、用いる幹細胞に新規性が高い。 |
厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿
氏 名 所 属 ・ 役 職
青木 清 上智大学生命倫理研究所長
位田 隆一 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
春日井 昇平 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
貴志 和生 慶應義塾大学医学部形成外科 教授
木下 茂 京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
小島 至 群馬大学生体調節研究所 教授
島崎 修次 国士舘大学大学院救急システム研究科長
高橋 政代 理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
竹内 正弘 北里大学薬学部臨床医学 教授
戸口田 淳也 京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三 自治医科大学長
中畑 龍俊 京都大学iPS細胞研究所 副所長
中村 耕三 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局長
前川 平 京都大学医学部付属病院輸血部 教授
松山 晃文 (財)先端医療振興財団再生医療研究開発部門 再生医療開発支援部長
水澤 英洋 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
湊口 信也 岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
山口 照英 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
山中 竹春 国立がん研究センター東病院臨床開発センター 室長
(敬称略)
○:委員長
<照会先>
医政局研究開発振興課
電話:03-5253-1111(内線)2587
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