ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第21回議事録




2012年4月23日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第21回議事録

医政局看護課看護サービス推進室

○日時

平成24年4月23日(月)16:30~18:30


○場所

厚生労働省19階専用第23会議室


○出席者

秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長)
有賀 徹 (昭和大学医学部救急医学講座 教授)
大滝 純司 (北海道大学大学院医学研究科・医学部医学教育推進センター 教授)
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長)
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長)
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授)
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授)
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長)
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長)
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長)
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授)

○議題

1)特定行為について
2)カリキュラムについて
3)その他

○議事

○島田看護サービス推進官 それでは、定刻となりましたので始めさせていただきます。
 ただいまより第21回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、御多用の中、ワーキンググループに御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の出席状況でございますけれども、井上委員、山本委員から御欠席という御連絡をいただいております。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第に続きまして、座席表を配らせていただいております。
 資料1   チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループにおける検討事項の整理
 資料2-1 医行為分類の検討(56行為)(たたき台)
 その下には、56項目分の行為分類検討シートを付けさせていただいております。
 資料2-2 医行為分類における留意点(案)
 資料2-3 特定行為について(基本的な考え方)のイメージ(案)
 資料3   カリキュラムについて(たたき台)
 参考資料1 医行為の分類について(素案)
 参考資料2 その他医療関係職種の業務等に関する法律による規定
 不足のものなどがございましたら、途中でも結構ですので、事務局の方にお申し付けください。
 もしカメラの方がいらっしゃいましたら、この辺りで終わりにしていただければと思います。
 それでは、有賀座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○有賀座長 皆さん、「こんにちは」と言うのか、もうすぐ「こんばんは」と言うのか、4時半~6時半までの貴重な時間を本件のためによろしくお願い申し上げます。
 先ほど来、私もそうですけれども、次の仕事を抱えておられる方が何人もおられるようなので、パンクチュアルにいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、議事がございますが、特定行為についてということで、まずは資料1を事務局から御説明お願い申し上げます。
○島田看護サービス推進官 まず、資料1を説明させていただきます。
 前回ワーキンググループにおきまして、このワーキンググループで今、議論をしております特定行為については、今後どのような議論の進め方になるのかといった御質問がございましたので、現在の議論の位置づけを資料として整理させていただいたものを示させていただいております。
 このワーキンググループにおける検討事項といたしましては、平成22年3月にまとめられました「チーム医療の推進に関する検討会」のまとめを受けまして、平成22年5月からチーム医療推進会議を設置いたしまして、その下にワーキンググループを2つ設置しておりまして、その1つがチーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループでございます。
 当ワーキンググループでは、親会議のチーム医療推進会議での課題となっております「チーム医療を推進するための看護師の業務の在り方について」をより具体的に議論するということでございまして、ワーキングの立ち上げから4つの課題について議論する場ということで設けられておりまして、その中の1つに、特定の医行為の範囲を議論いただくということになっております。
 それを議論するためには、現場の実情に即した議論をするということが大前提としてございますので、一番下に書いてございますように、看護業務実態調査、更には養成現場、医療現場での試行事業を行いながら議論をしていくということで位置づけられておりまして、このワーキンググループで御議論いただきましたものは、チーム医療推進会議に報告をいたしまして、更に推進会議でも御議論をいただくという位置づけになっております。
 2ページには、ワーキンググループで今、申し上げましたように、試行事業、業務実態調査などを踏まえながら議論をしていくということで、検討イメージの図をまとめさせていただいております。
 これらの資料は、以前にもお出ししたものを現時点バージョンということで、内容を一部書き加えるなどいたしまして、お示しをしているものでございます。
現在のこのワーキンググループでの検討の位置づけにつきましては、以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
 この件は、たしか英先生がこれから先どういうふうになるのだろうと前に御発言になったことを受けてというか、逆に言うと、先生にそう言っていただいたので、私たち全体の船が走る羅針盤的なものが示されているのだろうと思います。
 後ろのページはたくさん書いてあるので斜めにぴょんぴょんと御説明をいただいたのですが、この資料1に関しての表の方は比較的容易におわかりいただけると思います。裏の方は、これから先どうなってしまうのだろうということも入れて必ずしも書いてあるわけではないのですが、英先生、何か御意見ございますか。
○英委員 大変すっきりしたというか、これが今後、我々が議論していく方向性を示してくださっていることだと思うんです。
 実際に具体的な行為をそれぞれこうやって吟味していくことによって、ある意味、社会的な影響というか、その辺りをちゃんと整理してからきちんと議論を進める必要があるのかということで、前回のお話をさせていただいた次第ですので、ここに位置づけられている公式の中で話を進めていくという理解でよろしいのかと解釈いたしました。
○有賀座長 ほかにございますか。
 裏のページの上に検討課題が6つありますね。上の方は看護業務検討ワーキングの直接的なお話でいいんだと思うんですけれども、下の段の真ん中「他職種による実施が適当な業務」というのは、どういうイメージでここに入り込んできたのか。確かに「他職種による実施が適当な」というのは、どの項目についてもみんなチーム医療ですから、乗り合いになっているのはよくわかるんですが、必ずしも6分の1の面積を占めている問題かどうかということになると、多少そういう意味で皆さんの間でイメージの落差があるのではないかと想像します。ちょっと説明してください。
○島田看護サービス推進官 確かに等しく6分の1かといいますと、ウェートはそれぞれかなり違うものだろうというのは、座長御指摘のとおりだと思いますが、この他職種による実施につきましては、平成22年度にしていただきました看護業務実態調査をする際に、まさに先生がおっしゃるようにチームなので、こういった観点でも少し業務を見ていくことが必要だろうということでございましたので、課題として1つ入ってございます。
○有賀座長 ありがとうございます。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ちょうど年度も変わったし、私たち足かけ3年もおつき合いしているので、私もこの資料が出る前に、そもそも何だっけと思って、ちょうど自分で復習しました。
 平成22年4月30日に医政局長通知として「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進」というものが出されました。資料1の表紙の一番上の検討会の3月の分を終えての流れだったと思うのですけれども、平成22年4月30日の医政局長通知の段階では医行為とか何とかかんとかはなくて、チーム医療として例えば薬剤師の方々には処方の提案とか薬剤管理とか薬剤の変更提案とかインフォームドコンセントにしなさいとか、皆さん御承知のとおりリハビリテーションでPTが吸痰してもいいとか、管理栄養士は医師の包括的指示を受けて食事の内容の形態を決定、変更、あるいは臨床工学技士は動脈カテーテルからの採血、診療放射線技師に関しては読影の補助、説明、相談ができるといったようなものが通知されて、ここに看護はなかったのだなということだったんです。
 看護だけこうやって足かけ3年目になるこういった検討会を開いていたのですけれども、考えてみれば、あのときに看護はこれだけできるというものを入れてしまえばもう終わっていたんですね。看護だけ抜いてこうやって検討していたということで、これからどうしていくかという中で、もしかしたらもう一回どこかで、これは方策の検討委員会にもあるかもしれませんが、ほかの業種のチーム医療の方々とまた整合性をとらないと、これから話が出てくるようないろんな医行為とか分類の中で、またどこかで整合性がなくなってきそうな気がしてしまいました。
 今回のこの会議とは違いますけれども、診療報酬改定でチーム医療の話がいっぱい出てきて、例えば精神科のリエゾンとか、感染対策とか、あるいはがんカウンセリングとか、移植といったところで、チームの中で看護師だけは「所定の6か月以上の研修」、その他の職種に関しては「十分な経験」ということなんです。看護だけどうして下に見られているのか。私は、せっかく同じようなカリキュラムで教育されている看護が診療報酬改定のときだけ6か月やらなければいけない。ほかの職種は十分な経験でいい。その辺のところで、別に看護師さんの方が一生懸命勉強したいのかどうかわかりませんけれども、看護師だけ6か月の研修というのは違和感を覚えながら、その違和感と今回この議論での看護師の看護業務に関しても、看護だけこれだけ非常に長い議論をしていかなくてはいけないというのが、何かこの違和感同士がつながっていてしようがありません。
 本来ならば、看護協会さんとかは、看護だけ何で6か月も研修しなければいけないのだ、なめんなよという話を診療報酬改定に対してしてもよかったのではないかと思うんです。今回の話ではないですけれども、そういうふうに思ってしまいます。
 以上です。
○有賀座長 今の件について何かありますか。
 よくわかりませんけれども、看護師さんの診療報酬上のことについて私はよく知らないので、坂本すが会長に怒っていただくときには、どうぞ怒っていただければいいだけの話でしょうか。本件に関しての議論が相当程度長引いているのは、恐らく診療の補助と療養上の世話の前者についての幅が非常に広いので整理したいということがそもそも論だったと思います。そこで違和感×違和感=超違和感という話は、片方の違和感は、私はここでは直接関与していないのでわからない。
○神野委員 ごめんなさい、診療報酬改定の話は別にして、恐らくこれから各項目の検討に入ると思うのですけれども、その際には、可能ならばほかのチーム医療の方を参考人等で1回整合性をきちんと図る必要がこれから出てきそうですねという話でございます。
○有賀座長 お呼びするかどうかは別にしても、一緒に働いている人たちがここにいるということを前提に話をしていますから、業界筋の代表者が○と言うか、×と言うかということに関して無理に気を使う必要は、私個人的にはないのではないかと思います。基本的には患者さんが中心ですから。それぞれの業界筋がどうだという話は、意見を聞きたいときには聞いてもいいと思いますが、そのようなことがわかっている人がここにいるということを前提に話をしたいと思います。
 では、今後の羅針盤的なことを整理していただいたということで、いずれもすべてのことに関連します。特定行為についてという議題の今日のメインテーマは、前原先生たちに少し頑張ってやっていただいた位置づけについてです。要するにX軸とY軸の話があったと思いますが、資料2-1~2-3がそれだと思いますので、説明を賜りたいと思います。お願いします。
○石井医事課長補佐 それでは、3年間続けてやっております私から説明をさせていただきます。
 お手元の資料2-1「医行為分類の検討(56行為)(たたき台)」という2枚紙のものと、その後ろに付いております厚い「医行為分類検討シート(案)」を中心に説明をさせていただきます。狭い机の上で恐縮ですが、それに加えまして、資料2-3に「特定行為について(基本的な考え方)のイメージ(案)」という横表がありまして、それを1枚めくっていただきまして、後の資料を先取りする形で恐縮ですが、医行為の範囲のイメージにつきまして、若干前回からリバイスをされていますが、頭の中の絵にこれを置いておいていただけるといいかと思いますので、机の上の方にでも置いておいていただければと思います。
 それから、これは前回出したものかと思いますけれども、参考資料1に「医行為の分類について(素案)」という1枚ペラのものが付いておりまして、フローチャートが表面に付いているものでございます。
そもそも今から御説明を申し上げるものが何をやったのかということについて、簡単におさらいをした上で御説明をさせていただければと思います。
 今回の「医行為の分類について(素案)」にも書いてありますように、今回は203項目を中心に行為の内容を具体的に定義した上で、具体的にどういったカテゴリーに分類されるのかということについて、前原先生を中心に御意見を伺いました上で、事務局でたたき台をつくったものに更に御意見をいただきまして、前回も50項目出しましたけれども、更にそれをブラッシュアップいたしまして、更に6項目作業ができましたので、追加をしてお示しをさせていただいてございます。
 参考資料1の裏面を見ていただきますと「1.検討の進め方」と「2.検討の対象とする行為」に続きまして「3.分類方法」というものが書いてございます。それと医行為分類検討シート(案)を見ていただきますと、分類方法の(1)に、まず行為の定義をしましょうということが書いてございまして、それぞれの行為の具体的内容を明確化するために調査項目等について、実際どのように行われるのかということを明らかにするということで、医行為分類検討シートに、まずは調査項目だけではなくて、具体的にその項目は何をする項目なのかということを「1.行為の概要」で明らかにしたものでございます。
 参考資料の方に続きで書いてございますけれども、当該行為の定義については「一定の教育・訓練を受けた看護師が実施することが想定される標準的な状況を前提に行う」ということをこの前にお示ししておりますが、医行為分類検討シートの2.のところでは「特定行為を実施する上での標準的な場面」という想定を書いているというものでございます。
 参考資料の(2)に「現行法令における位置づけの確認」というものがございます。これは先ほど他職種のお話が出てまいりましたけれども、ここにも保助看法ですとか、ほかの医療関係職種に関する法令により、診療の補助に該当するということが具体的に明示されているような項目があった場合には、検討シートの3.のところに書いているというものでございます。
 このほか、検討シートの方をごらんいただきますと「4.看護師の実施状況」は、研究班の調査と医師会の調査の結果ですとか、「5.試行事業における実施状況」でありますとか、あるいは既に実施されております看護師の養成に関する基礎教育ですとか、新人看護職員研修における関連項目というものも併せてお示しをした上で評価を実施したというものでございます。
 前置きが長くなりましたけれども、資料2-1に戻っていただきまして、表のものでございます。56行為のたたき台というものでございまして、本日お示ししている分だけでも56ページ、それぞれの行為シートをつくっておりますので、これを1枚1枚となりますと少し時間を食ってしまいますので、まとめて表の方で代表的な部分から御説明をさせていただきたいと思います。
 56項目をそれぞれ検討シートの中の最終的な総合評価の案の部分に応じまして分類をしたものでございまして、1ページ目がAとB1、2ページ目以降がB2、Cと続くわけでございます。
 まず初めに、Aの絶対的医行為に分類された項目について御説明させていただきます。
 こちらのシートを見ればおわかりかもしれませんけれども、医行為の番号、医行為名は調査項目と全く同じものでございまして、概要の部分が各検討シートの「1.行為の概要」でございまして、続いて評価と医行為検討シートのページという順番になっております。
 1項目は44ページをおめくりいただければと思います。
 行為名は局所麻酔(硬膜外・脊髄くも膜下)、行為番号は120番でございます。
 最初に、行為の概要でございます。こちらは言うまでもないことかもしれませんが、スパイナル針を経皮的に椎間から刺入し、硬膜外腔又は脊髄くも膜下腔へ針先を挿入し麻酔薬を注入する。場合によっては硬膜外腔にカテーテルを留置することもあるという行為でございます。
 標準的な場面といたしましては、局所麻酔により実施可能な手術において実施をするということですとか、あるいは術中、術後の鎮痛等の目的に硬膜外にチューブを留置するという場面を想定しております。
 現行法令における位置づけにつきましては、特に位置づけ等はなされてございません。
 看護師の実施状況につきましては、調査結果よりということでございますけれども、研究班調査、日本医師会で実施された調査ともに1%以下ということで、現状ではほとんど実施されていないということでございます。
 今後看護師が実施可能とした割合は、研究班調査、医師会調査ともに医師の回答、看護師の回答を見ましても、割合としてはかなり低いということでございます。
 試行事業における実施状況は、22年度の養成調査試行事業の方で臨地実習で実施したところが1課程ございましたけれども、業務試行事業まで至ったというところは残念ながらないという状況でございます。
 最終的な評価項目は、極めて行為の難易度が高いという分類でございますし、判断の難易度といたしましても相当程度高いというところから、こちらの項目については行為の侵襲性や難易度が高いということから、医師が実施すべき絶対的医行為に分類されるのではないかということで、今回の資料を作成してございます。
 Aに分類される項目は以上でございます。
 続きまして、B1の項目でございます。
 B1は行為の難易度が高いものに分類された項目でございまして、今回は全部で14項目ございます。
 1つ目の直接動脈穿刺による採血で説明させていただきますので、冊子の2ページをお開きください。
 行為名は、直接動脈穿刺による採血でございます。
 行為の概要は、経皮的に橈骨動脈、上腕動脈、大腿動脈等を穿刺し、動脈血を採取した後、針を抜き圧迫止血を行うというものでございます。
 標準的な場面といたしましては、例えば救急の場面で全身状態の評価ですとかトリアージを目的に実施するというものですとか、あるいは手術前の患者さんに対しまして手術侵襲に対する術前の呼吸機能評価の一環として実施をするパターンですとか、呼吸器・循環器・代謝疾患等の患者の状態把握のために行うというパターンを想定しております。
 現行法令における位置づけにおいて臨床検査技師等に関する法律を書いてございますけれども、もう少し細かく書いておけばよかったのですが、臨床検査技師法の取扱いにつきましては、確かに採血となっているのですが、更に政令で表在静脈に限るとなってございますので、直接的に動脈採血そのものが位置づけられているのではないということをお断りさせていただきます。
 現在の実施状況は、現在、看護師が実施している割合につきましては、研究班調査、日本医師会の調査ともに2~4%強という状況でございます。
 今後看護師が実施可能とした割合は、研究班調査ですと医師であれば6割強、看護師であれば4割強、医師会調査でも3割からそれぞれ2割強というところになってございます。
 試行事業における実施状況は、演習で実施している課程、臨地実習で実施している課程等を含めまして、養成調査試行事業ではそれぞれ1課程、3課程ということになってございまして、業務実行事業でも5施設が実習を行っているということでございます。
 評価項目は、やはりこの項目につきましては行為の難易度が現在、看護師が標準的に実施している行為に比べますと高いというところで、行為の難易度につきましては、少し難易度の高いところに○が付いてございます。
 判断の難易度につきましては、それぞれある程度の具体的な指示が来るということ等を想定した場合には、それほど高いところではないのではないかというところで、最初のゾーンのやや左目のところに○を付けているというものでございます。
総合評価といたしましては、特定行為のB1、行為の侵襲性が相対的に高く、行為の難易度が高いものに分類されるのではないかということで資料を作成してございます。
 B1に分類されました残り13項目につきましても、おおむね同様の評価を行った結果、この資料ではそれぞれB1の項目に分類をさせていただいたというものでございます。
 続きまして、資料2-1の2ページ目でございます。
 B2の特定行為(判断の難易度が高いもの)に分類された項目でございます。こちらは全部で15項目ございます。
 また最初の項目で御説明をさせていただきますので、4ページをお開きください。
 4ページは、トリアージのための検体検査の実施の決定でございます。
 行為の概要は、患者さんの緊急性や重症度に応じて診察の優先度を決定するために必要な検体検査(血液一般及び血清医学検査、生化学検査、尿検査等)を患者の病歴や身体所見等から判断・選択し実施の決定を行うとともに、結果の一次的評価につながるというものでございます。
 標準的な場面は、文字どおり救急外来等で患者の待ち時間がかなり長くなる場合などがございますので、診察の優先度を決定するために必要な検体検査の実施の決定をすることが考えられます。
 また、発熱等の症状がある在宅療養を行っているような患者さんに対しても、受診の緊急性を決定するために行うようなことがあるのではないかということで、そちらの場面も設定をしてございます。
 現行法令における位置づけは、平成19年に医政局長通知が出ておりまして、この中でトリアージにつきましては、事前に院内において具体的な対応方針を整備していれば、専門的な知識及び技術を持つ看護職員が診療の優先順位の判断を行うことで、より適切な医療の提供や医師の負担を軽減した効率的な診療を行うことが可能となるということで、トリアージそのものについては看護師が実施できることが通知で明示されているわけでございます。
 看護師の実施状況は、トリアージのための検体検査の実施の決定ということでございますので、現在の実施状況といたしましては、研究班、医師会調査ともに5%前後にとどまるという状況でございまして、今後、実施可能とした割合につきましては、研究班調査では大体6割前後、医師会調査では3割前後ぐらいの割合となってございます。
 試行事業における実施状況につきましては、養成調査試行事業では演習、臨地実習それぞれ3課程で実施をされている。あるいは業務試行事業では7施設で実施をされているという状況でございます。
 最後の評価項目は、こちらの行為につきましては、具体的にどの検査を行うのかというところの判断も含みますので、行為そのものの難易度というのが一番左側のゾーンではありますが、かなり次のゾーンに近いようなところにあるのではないか。
 判断の難易度が非常に高いだろうということで、真ん中のゾーンのかなり難易度が高いところに○を付けてございます。
 以上の結果をもちまして、総合評価としては、特定行為B2(行為を実施するタイミング等について判断の難易度が高いもの)と分類案を作成したところでございます。
 残る14項目につきましても同様の評価を行いました結果、このような案を作成したところでございます。一部、B2の項目から3項目ほど、B2又はEですとか、B2又はCという項目がございますけれども、こちらにつきましては便宜的に表の中ではB2の方に入れさせていただいてございます。
 続きまして、3ページ目のC、一般の医行為に分類された項目でございます。
 こちらにつきましては18項目ございます。こちらも一番上の項目、動脈ラインからの採血を基に説明をさせていただきます。
 束の1ページをお開きください。
 行為名は、動脈ラインからの採血でございます。
 行為の概要は、事前に確保されている動脈ラインから、動脈血を採血するというものでございます。
 標準的な場面は、重症者を対象にしておりますので、病棟のリカバリールームやICU、CCU等で持続的な血行動態の把握ですとか、継時的な血液ガスの分析が必要だという患者さんに対して、看護師が動脈ラインから動脈血採血を実施するというものでございます。
 現行法令における位置づけは、2つ目の○のところですが、先ほど神野委員からも御発言がございましたけれども、平成22年の医政局長通知の中におきまして、臨床工学技士が実施できるとお示しした業務の中に人工呼吸器の操作を安全かつ適切に実施する上で動脈留置カテーテルからの採血は当然に必要となる行為ということで、臨床工学技士が実施できる行為として取扱うということで、臨床工学技士が実施できることが明示されているわけでございます。
 現在の看護師の実施状況は、研究班調査では大体6割~5割、医師会の調査でも3割強が実施をしているということでございまして、今後、看護師が実施可能とした割合はどちらもかなり高い割合になっているというものでございます。
 試行事業における実施状況は、養成調査試行事業では、演習で1課程、臨地実習で2課程が実施しておりまして、業務試行事業では1施設というものでございます。
 最後の評価項目は、採血できるラインの装置もかなりやりやすいものが出てきておりますので、行為の難易度といたしましては、通常看護師さんが実施している業務に比べまして著しく高いものではないだろうと。
判断の難易度につきましても、それぞれ採血に関する指示が出るということを前提とすれば、それほど高いものではないと判断いたしまして、総合評価としては一般の医行為Cということで分類案を作成しております。
 残り17項目につきましても同様の検討を行いまして、Cということで案を作成しております。
 一覧表の4ページ目、Dといたしまして、更なる検討が必要とされた項目が今回は3項目ございます。また一番上の項目で説明させていただきますので、束の12ページをお開きください。
 12ページ、行為番号は14番、IVR時の動脈穿刺、カテーテル挿入・抜去の一部の実施でございます。医行為検討シートの方では「実施」の2文字が抜けておりますので、恐縮ですけれども、追加していただければと思います。
 行為の概要は、IVR施行時に経皮的に動脈を穿刺又は解除を実施するとともにカテーテル挿入・抜去の一部を実施し、抜去時は穿刺部の圧迫止血を行い、止血を確認する。
 標準的な場面は、心臓カテーテル検査を実施する際に、医師の指示の下といいますか、医師と協働して実施するという例を書いてございます。
 現行法令における位置づけにつきましては、特に位置づけはなされていないという状況でございます。
 現在の看護師の実施状況でございますが、医師会調査、研究班調査ともに極めて割合としては低いという状況でございます。
 今後看護師が実施可能とした割合は、研究班調査では医師が大体4割、看護師が2割弱、医師会調査では医師が2割弱、看護師が1割弱という状況でございます。
 試行事業における実施状況は、臨地実習で実施まで至っている課程が1課程ございますけれども、業務試行事業では特に実施するところはないという状況でございます。
 評価の項目は、行為の難易度におきまして、穿刺、挿入、抜去の一部実施というところで、そこの一部のとり方によってかなり難易度が変わってくるのではないかということですとか、あるいは業務試行事業において、まだ実施されているところもないというところがございまして、なかなか判断が難しいところがございましたので、今回は総合評価D、更に検討が必要というところに分類案を作成させていただきました。
 残る2つの項目につきましても、同様の理由からDということで、今回はお示しさせていただいてございます。
 続きまして、最後にEの項目に移らせていただきます。
 医行為には該当しないと分類された項目ということでございまして、こちらにつきましても一番上の単純X線撮影の画像評価ということで説明させていただきます。
 束の8ページ目をお開きください。
 行為名は、単純X線撮影の画像評価です。
 行為の概要は、患者さんの状態把握又は治療効果の判定目的、あるいは処置の緊急性ですとか、重症度の判定目的で実施をされた単純X線撮影の結果について、医師の指示の下に治療の必要性を含めて一時的な評価を行うというものでございます。
 標準的な場面は3つ書きましたけれども、例えば1つ目は、術後のイレウスを疑ったような場面で撮影したX線撮影の結果について一時的な評価を行うというもの。
2つ目は、気胸に対して胸腔ドレーンが挿入されている患者さんで、ドレーンクランプ後に抜去の適否等を含めた一時的な評価を行うというもの。
3つ目は、在宅療養患者さんで誤嚥性肺炎が疑われる患者さんに対して撮影したX線撮影の結果について、身体所見と併せて一時的な評価を行うというものでございます。
 現行法令における位置づけにおきましては、先ほども出ました平成22年の通知の中で、診療放射線技師が画像診断における読影の補助を行うことが診療放射線技師が実施できるとして示されておりまして、こちらの業務に近いのではないかということで、現行法令における位置づけはこちらを挙げさせていただいております。
 看護師の実施状況は、現在、看護師が実施している割合は研究班の調査、医師会の調査ともに極めて低い割合となってございまして、今後、看護師が実施可能とした割合につきましては、研究班調査では医師、看護師とも2割強、医師会調査ではそれぞれ1割以下という状況となってございます。
 試行事業における実施状況は、養成調査試行事業では、演習で実施が8課程、臨地実習で実施が8課程、業務試行事業で実施が12施設となってございます。
 評価項目は、最終的に医師が確認するということが前提となる行為でございますので、評価項目、総合評価そのものは医行為には該当しないと整理をさせていただきましたが、ただ、こちらの行為につきまして誰でもできるから医行為に該当しないということではございませんで、あくまでも最終的に医師が確認するという前提があるから医行為とは分類しないということにはいたしましたが、評価項目における難易度につきましては、相当程度難易度が高い項目であろうということで、行為の難易度につきましては、一番左側のゾーンではございますが、かなり右に近い難易度の高いところ、判断の難易度につきましても、真ん中の現行の看護師さんが判断できるレベルのかなり高い部分に○が付いているという状況でございまして、行為としては難易度は高いですけれども、最終的に医師が確認するという前提がございますので、今回は医行為には該当しないと分類をしてございます。
 残る項目につきましても同様に検討を行いました結果、それぞれの項目は難易度が決して低いというわけではございませんけれども、今回の検討におきましては医行為に該当しないという分類案を作成させていただきました。
 少し長くなりましたけれども、資料2-1につきまして、事務局からは以上でございます。
○有賀座長 ありがとうございます。
 資料2-2とか2-3も、今の話とどちらが先でもいいぐらいの話なのかもしれません。
 続けてお願いします。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料2-2と2-3を説明させていただきます。
 まず、資料2-2は、ただいま御説明いたしました医行為分類の検討をする中で留意点が抽出できたということでまとめたものであります。
 一番上でございますが、看護業務実態調査における調査項目(203項目)は、調査記入者の負担等を勘案して簡略な項目となっておりますので、検討に当たりましては、今回冒頭で御説明した行為の概要を明確にした上で複数の行為群を含む項目については分割して検討する。
 行為の範囲が重複する行為群が項目にまたがって存在するということでございまして、それらについてはまとめて検討するということでいかがかということでまとめております。
 2つ目は、行為の概要、標準的な場面で示される行為の範囲や実施される状況によりまして、「技術的な難易度」「判断の難易度」「総合評価」が異なってくるものがありますので、「行為の概要」で明確に行為の範囲を示して、「標準的な場面」で看護師が行為を実施する具体的な状況を示すことが重要だということがわかりました。
 3つ目は、試行事業における実施状況が業務試行事業、養成調査試行事業につきまして、何施設、何課程ということもまとめておりますけれども、それらで全く実施されていないという行為もありますが、その行為の難易度、そして看護師による一般的な実施状況等を踏まえてまずは検討し、そして現時点での検討材料が十分でなければ更に検討を要するもの「D」として整理してはどうかということでございます。
 今回分類いたしましたものとしましては、行為番号127が両試行事業では実施されておりませんけれども、総合評価ではさまざまな実施状況等を勘案しまして、Cということで分類している例がございます。
 現行法令による位置づけにおきまして、他職種が診療の補助として実施できると整理されておりますものがありますが、それらについては法令上の整理だけではなくて、その行為の難易度、そして看護師による一般的な実施状況等を踏まえて検討してはどうかということで、行為番号18番の「腹部超音波検査の実施」につきましては、臨床検査技師等で実施できると法令上は整理されておりますが、現在、実施状況等を勘案しまして、総合評価B1ということで今回は分類して示しております。
 総合評価Eの医行為に該当しないと分類される行為につきましては、先ほど10番の単純X線撮影の画像評価のところでも説明をいたしましたが、単に専門的な知識を持たなくても実施されるという行為だけではなく、医師と協働して実施することが前提の行為であるために医行為とは分類されないけれども、それぞれの医療関係職種の高い専門性に基づいて実施すべきものも含まれているということでございます。
 また、看護師が実施する療養上の世話につきましても総合評価ではEに分類されておりますけれども、その実施に際して看護師は治療方針等を踏まえて医学及び看護の専門知識に基づいて実施すべきというものも含まれております。例えば今回ですと114番がそれに該当するものとなっております。
 能力認証を受けた看護師につきましては、その高い臨床実践能力に基づき患者の状態を総合的かつ継続的に把握・評価する看護師の職能基盤として、幅広い医行為を含む看護業務を実施するといったことが期待されておりまして、今般実施しております医行為分類の対象はその期待される業務の一部であります。ですので、カリキュラム等を検討する際には医行為以外の行為・業務についても勘案して議論を行うことが必要ではないかと考えております。例えば今回ですとEに分類されております196番などがこういったものに該当するのではないかということで、今回医行為について検討する中でこういった留意点をまとめることができましたので、たたき台としてお示しをしております。
 続きまして、資料2-3も併せて説明をさせていただきます。
 資料2-3は、先ほどごらんいただきました資料でございますけれども、前回のワーキンググループでも少し表現を工夫すべきではないかといったような御意見がございました。それらの御意見を1枚目にまとめております。
 御意見を踏まえまして、2ページ目をごらんいただきたいと思います。
 前回お示ししたイメージから少し修正をしております。
 まず、縦軸、横軸につきまして、それぞれの目盛といいましょうか、それぞれの範囲を指し示すレベルの表現について工夫が必要ではないかということで、縦軸につきましては技術的な難易度ということで下から3つ目の区分につきまして「シミュレーション教育や実習等を経て看護師による実施が可能となるレベル」ということで、B1の範囲に相当する内容としてこういった表現を加えているところであります。
 横軸は「判断の難易度」という表現にいたしまして、右から2つの目盛の部分について表現を修正しております。一番右については「高度な判断を要する治療方針の決定等、医師が実施するレベル」としておりまして、その1つ左側でございますが「診療計画の立案等、診療内容の決定に関わり医師が実施するレベル」ということで、これらは絶対的医行為に相当する部分ということで表現を変えております。
 前回、B1とB2がそれぞれ横、縦に伸びた部分につきまして、こちらの方は特定行為と位置づいておりませんでしたけれども、それぞれB2であってもやや技術的な難易度が高いもの、あるいはB1でありましても、判断の難易度も伴うものというものが特定行為として分類されるものがあるのではないかということで、こちらについては特定行為ということでの範囲にできないかといった御意見もございましたので、そういった図に修正をして、案をお示ししております。
 資料2-3の御説明は、簡単でございますが、以上でございます。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
 前原先生にお願いしたことで、全体が203ですから重なる部分もあるということで、作業としては道半ばということでよろしいわけですね。
 先生、何か追加ありますか。
○前原委員 追加はありません。石井さんや島田さんに説明してもらったとおりでございまして、最後にありましたけれども、医行為とは何ぞやということで悩んだところで、196番の患者家族、医療従事者教育というところで、これは医行為に該当しないと今のところは分類しているのですが、ある程度の特定看護師(仮称)と名前が付いてありますと、特定看護師さんの技量であればこの辺の部分というか、患者さん家族、医療従事者等に教育というのも是非やっていただきたいというつもりでこの特定看護師というものをつくったのですけれども、ここが医行為に該当しないということで、今のところはEに入っているというところ。
 もう一つ、同じことの繰り返しになるかもしれませんけれども、12番の行為のCTとMRI検査の画像評価というところも、B2又はEというところで、「又は」となっているのも現行法での放射線技師の方の読影の補助というところと重なってくるので、私としてはB2でよろしいと思うのですが、それのところはEとして、現在行われていることから後退しないで、今の現場も混乱しないような状況で選んでいくようにしております。
 ですから、203項目、それ以外の項目もまた出てくるかもしれませんけれども、それも一つひとつきちんとA、B、C、D、Eに分けられるとは限らないというところで、ちょっと時間がかかったりということがあると思います。
 引き続きこの方法でやらせていただきたいとは思っております。
○有賀座長 ありがとうございます。
 テクニカルなところについて図との兼ね合いで最初に質問させてください。
 今、島田さんからの御説明で、資料2-3の2ページ目にX軸とY軸、横軸と縦軸の図があります。ちょうどB2の特定行為、B1の特定行為の、例えばB2のところに「複合的な要素を勘案して指示内容を判断する必要があるレベル」とありますね。
 実は、こちらの表で判断の難易度のところは、最も右のところに「複雑な判断を要する治療方針の決定に関わるレベル」とあります。これは資料2-3だとこの文言。つまり、こちらの横長の3分割しているかのような棒によると、最も右の複雑な判断を要する云々というのは、この高度な判断を要する治療方針の決定という文言に当たるのかなと。
 その次の「診療内容の決定に関わるレベル」というのが、その次の診療計画の立案等、診療内容の決定に関わり云々だと思うんです。
 そうすると、今度この表における複雑な要素を勘案して指示内容を判断するレベルといったときに、大滝先生がこの間、それぞれは線であるけれども、実はグラデーションのようになっているというお話をうかがった。ピンクからオレンジとか、オレンジから黒というところは、勿論ばしっと線で引けるわけではないけれどもという話が出ました。今の島田さんのお話だと、X軸とY軸の表でいくと複合的な要素を勘案して云々というのは、どうもB2の基本的な定義とはいいませんが、そのような内容を秘めているのがB2だろうと思うと、B2とCの間の線のように、こちらではこれが見えてしまうんです。言っていることはわかりますね。
 したがって、最も左の実施する医行為の内容云々という1対1で対応するレベルというのは、このグラフでいうと一等左になっていそうだと。だけれども、これでいうとCのところをいっているようだ。そこら辺のグラフのつくり方が、多分パワーポイントとこれらの何て言うのかな・・・。
○島田看護サービス推進官 すみません、先生にお悩みいただいて申し訳ありません。
 資料2-3の方は、今、医行為分類の作業を、前原先生を中心に御議論をいただく中で、こういった表現ではどうかということで、現時点の案となっております。更にまた行為の分類が進む中で、こういった表現をまた変えた方がいいのではないかということが出てくる可能性があるかと思いまして、どれも暫定版なのですが、このイメージ図もそういう時点でのものになっております。
 座長が御指摘の行為シートの束の方でございますが、「7.評価項目」のところは、資料2-3のこちらを反映する前のものでありまして、若干その表現と記載している説明の位置づけが資料2-3と縦の表ではずれている。前回までにお示ししている2軸をベースにこの行為シートはつくっておりまして、こちらの資料2-3でお示ししておりますものが、おおむねこれでいいよと固まりました段階で行為シートの方に反映させていただきたいと思っております。
 ただ、3つに分けております位置づけ自体は、表現がどうフィットするかということは御議論いただくことになろうかと思うのですけれども、位置づけ自体は、それによってもし大きく変わるようなものがあれば、行為シートの方を見直すことが必要かと思っておりますが、現時点ではこういった分割をしている中のどの位置づけかということで行為シートはつくらせていただいております。行為シートの方は前のバージョンの表現になっておりますことが説明として落ちておりました。
○有賀座長 それはそれでいいんですけれども、例えば行為の難易度で言うと、左から2番目の看護師さんたちが特定の領域における経験及びOJT等による研修を経て実施可能という話でいきますと、それというのは島田さんが今、示してくださったY軸で言うと、Cの上半分みたいに見えるではないですか。それだとCに入るのだけれども、こちらでいくとその次は臨床研修医ということで、シミュレーション云々という言葉はないですね。
 つまり、どうせやるなら、そのような意味で2つがわかりやすく、だからB1なんだとか、だからB2なんだとか、B1とB2は今、外に向かってふくれていますけれども、お腹が出っ張っているみたいに上に向かって出っ張っていますが、微分可能ということであれば、こうではなくて下に出っ張るでもいいわけですね。わかりますね。お腹へっこみパターンでもいいわけです。つまり、B1もB2も飛び切りすごいものがやはりBの中に入っているけれども、B1とB2が飛び切りすごくなるとAに近くなるということでいくと、ここはお腹が出っ張っているのではなくて、むしろへこんでいるような、S字のような形になってもいいのかもしれないという話があるではないですか。そうすると、この紙の表現と別の紙の表現がある程度合わないと、見ながら前頭葉が混乱するというだけの話なんですがね。わかりますか。
○島田看護サービス推進官 資料2-3の軸の方が今回の御議論いただいた結果のものです。
○有賀座長 わかりました。だから、レベルといったときが線ではなくて、ある程度の幅だと。この間、大滝先生が、勿論線で示すことがあったとしてもグラデーションなんだという話をされた、それでいいわけですね。
○島田看護サービス推進官 それを反映させていただきたいということです。
○有賀座長 ということでテクニカルな話なので、先に質問させていただきました。
 英委員、どうぞ。
○英委員 自分もちょっと前原先生のお手伝いをさせていただく中で、いろいろ2軸の判断基準だけではなくて、もうちょっといろいろな勘案も必要なのかと感じました。その1つには、社会的な必要性というか、現場の必要性というところの視点もここには入れ込んでいかなければいけないのかなと思います。
 自分なりに具体的にこの中で、2ページ目の下から3つ目の133番の脱水の判断と補正はB2に位置づけられて、一方で134番は3ページの下から3つ目でCに位置づけられていますが、例えば介護の現場などで考えると、多くの末梢の点滴を必要とする場面を考えると、必ずしも脱水を補正するというよりは、脱水の予防のために行われている場合が多いんです。例えば施設でインフルエンザが流行ったとか、そうしたときに経口摂取ができないような高齢者を看護師さんが支えるときに、多分脱水の評価をした上で末梢の点滴を医師が指示して行うというイメージでCとB2にそれぞれ位置づけられているんだと思うんですけれども、やはり行為の一貫性から考えると、あるいは行為の社会的な必要性から考えると、もう少しどこかで一貫性を持たせないと分かれてしまうのかなと。もっと具体的に言うと、ごはんが食べられない、水分が摂れないという人に対して、多くの医療現場で脱水を予防するという意味で点滴を開始しているわけなので、輸液の開始自体に関して言うと、あるいはそれはCでも位置づけられていいのかなと。
 だから、行為の中でも、ただX軸、Y軸というだけではなくて、現場必要性という視点とか、行為の一貫性という視点もかなりいろいろ検討しなければいけないのかなと思うところです。
○有賀座長 そうすると、たたき台をたたいているわけですから、B2に入れているけれども、実は補正とかというから、H2Oで何cc入れるとか、NaClで何グラムにするとかという話で、足りないのは全部補正するのか、それとも今日はその半分にしておくのかという話がこねくられてしまう。ということになると、Bの可能性が高くなってくるかもしれませんけれども、先生がおっしゃるような意味で、普通の細胞外液をぽたぽた落としながら患者さんの発熱に対応して、とりあえず始めて、それから状況に応じて医師と連絡を取るということをあらかじめ患者個々に決めておけば、それはCとして十分やれるのではないかという話ですね。
○英委員 はい。現場的には、Cに位置づけた方が、多分現場のチームが支え合いやすいのではないかと思います。
○有賀座長 わかりました。
 「判断と補正」とかと言うからリスクが高いようにみえるけれども、単なる点滴と書いてあれば多分そういうわけではない。どうせ足りなくなるだろうから、ぽたぽた細胞外液を入れてという話ですね。救急隊も基本的には細胞外液を入れるということでやっていますからね。
 星先生、何か御意見ございますか。
○星委員 いろいろ言いたいことはあるんですけれども、1つは、確かに軸が1つ足りないなというのは、整理を始めてみるとわかってきたような気がします。
 結局、行為の難易度、つまり技術的にどうかという話と、判断がどうかという話に加えて、Eに分類されて、先ほど話としてありましたが、例えば114番。これを療養上の世話と呼ぶかどうか、私はそうではないのではないかと思うんですが、Eに分類された10番を除くと、196もちょっと違うのかもしれませんが、114、115、116は比較的わかりやすい例が出ていて、現場でよく行われていることですね。これが医行為でないと判定している理由がいま一つよくわからない。資料2-2の説明書きを読んでも、医師と協働して実施することが前提の行為であるため医行為とは分類されないがと言うけれども、医師と協働して実施することが前提でない行為というのは大体世の中にあるのか。そこがまずわからないので、その後、療養上の世話と言い切った114番ですけれども、確かに療養上の世話ではありますが、この患者の病状や治療、検査内容に応じて必要とされる安静・活動の程度とそれに伴う清潔行為の範囲について云々と書いてあるのは、まさに看護師さんとしてのまさに高度な判断を現在もしつつ行っている極めて高い医行為と評価するかどうかは別として、専門性の高いことだと思うんです。これは看護教育を受けていなければできないし、当然看護師免許がなければできないことであって、療養上の世話と診療の補助をすきっと分けて話を始めたから非常にわかりにくくなっていて、多分軸はもう一つあって、看護師さんが療養上の世話という言い方をして言っているものの中で極めて高度な判断が必要で、そしてその実施に当たっても大変に技術的にといいますか、物によってはというか、患者さんによっては非常に難しいというのはあるわけです。拘縮があるかとか、骨粗しょう症があるとか、いろいろな背景があって、かなり高度な判断を看護師さんがしながら日々行っている看護行為だろうと思うんです。
 この看護行為と医行為がどのようにつながるかというのはよくわからないし、療養上の世話と看護行為と医行為というのはどのように整理されるかというのはよくわからないけれども、どうやら私が思っていた、どうも足りない変だなと思っているところは、まさにEの軸といいますか、もう一本の軸があって、看護師さんならではの、つまりミニ医者の何か医学的云々ではなくて、看護職としてのまさに専門性を高めていくという分野。これが表現されていないので、看護師さんたちからすれば、非常にじくじたるというか、何で私たちが専門性を持ってやっていることを評価してくれないんだと。医者の真似事をするのが技術的にレベルが高いとか、判断のレベルが高いとか、そうじゃないではないかと。看護職員がやっている今の看護業務の中で極めてレベルの高い判断と行為の難易度を持って行われていることがあるはずだと。ここがはっきりしないので、整理を始めてみると、どうやらこの議論がすれ違っているという気がしたわけです。
 したがって、今後この整理をするに当たっては、軸をもう一つ増やすとわけがわからないかもしれませんが、看護の専門家に是非とも今203行為出していただいたものの中で、これはまさに看護師さんの看護師たるところで、これこそが看護師の1つの大きな専門性なんだということを是非ともみんなにわかるようにしていただくと、議論が進めやすいだろうと思います。ですから、看護師さんの専門性といったときに、今、我々が議論をしているのは、何か医行為といって、お医者さんがやっていることの下請けみたいな話の中で判断とか難易度とかいうことを言っていますけれども、私はそうでない部分にかなり医学的あるいは社会学的、さまざまな高度な判断の軸があるだろうと思います。ここを是非看護師の皆さんには主張していただいて、そしてこの医行為とまさに看護の専門性というのはどういうふうに軸として存在し、その中にどういうふうに分布して、その中でまさに看護師さんの専門性の高いところをベースにした入口から入っていった方が、医行為の整理というのは実はつきやすいのではないかという思いに至りました。
 説明をわかっていただく方にはわかっていただけたかもしれません。
○有賀座長 座長の私がここで言うのはズルかどうか知りませんが、もともとこの手の話をしたときに、3年目とか言っていますが、恐らく1年目の最初からそうなんでしょう。看護師さんたちがナンセンスと言っていた人たちの話は、まさに先生がおっしゃった下請けの話を分類して、高度だ、低度だと言ったって、それはもともと私たちの価値規範となじまないという話ですね。だからナンセンスと。
 そうではなくて、看護学というベースがあって、そのベースの延長線上にこの手の話が乗るということをどう考えるのかという議論を少ししたときに、それだったら私たちもわかるということになったのではないかと思うんです。しかし、ここに至ってまた同じような問題が出ているのは、ここの話のそもそも論がやはりそこにあるからなのではないかということを再び強く感じる次第であります。
 これは結構大事なので、実は、論理的には、看護学のプロが看護学ではない人たちに向かってきちっと説明できなければいけない話のはずなんです。それが私がここに座っているところにそもそも問題があるとすら言っていただかなければいけないのかもしれないですね。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 同じEのところです。
 例えば、まず10番の単純X線撮影の話は、既に医政局長通知で、特定でなくて、すべての放射線技師に認めているからこれは医行為ではないというのは、ならば放射線技師には医行為ができるようにチーム医療の親会議できちんと考えていただかなければいけないのかなと思うし、今、星先生がおっしゃったような114番以降に関しましては、医行為ではなくて、私もこれは看護の専門性だと思いますし、私たちは根拠法はわかりませんが、医療監視とか病院機能評価で「医者がちゃんとやったんですか」といつも怒られているわけですね。「安静度の評価とか、拘束の開始と解除は医師がやらなければだめでしょ」といって、カルテをひっくり返されて医療監視をやられるわけですよ。今ここに来て、医行為ではなかったのねと思ったら、今までの私たちは医療監視でいじめられているのは何だったんだということになってしまうわけです。
 これは、それこそここで看護師が行う医行為であるということをきちんと規定していただいて、これからこういう仕事は看護師がやるべきであるというのは、ここで提言というか、もっと出していいような項目だと思います。このEはそういった意味では、今、星委員がおっしゃったように、看護の専門家が入って、そこをきちんとやるべきものだと思います。
○有賀座長 やるべきだというか、私の言葉でいけば、やれろということですね。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 おっしゃるとおりです。だけれども、ここでEとしたというところは、現在、看護師さんがやっている看護師専門性であるのであれば、現状でやっていただければいいのだろうと思います。
 看護の専門性のところを多いかどうかということをこのワーキングでジャッジメントし、他職種が関与してくるところの整合性を合わせようということをここでジャッジメントしますと、そもそも論として、ここは何でこういうものをつくってきたかといったところのBの領域のところはどんなものがあるのだろうかということと、神野先生がおっしゃったようにCというところもいっぱいあるわけですよ。そうしますと、この中のEが看護とした場合には、Cが確かにどんどん増えていくわけですよ。だから、ここでCはCということで看護の専門性なり、療養の世話なり、ここまでならば現場のトレーニングなり、少しの教育で今の看護師さんで十分だと分類し、Bというものがここで出てきたとなった場合に、このときには教育を付加し看護教育、主に医学教育というものを付加して、ここの部分をやっていただこうと。やっていただこうとするには何かと言えば、やはり現場のニーズがあるからだと。現場のニーズがなくて、今までどおりでいいんだと言っていいのであれば、それは下のCだけを選べばいいわけです。
 だから、私が言いたいことは、この場面で看護の専門性だとか、医学とどう違うんだ、看護学が何なんだということを議論したら、10年、20年、30年かかって前に進まないだろうと思いますので、分けてやっていて、ある程度のところでわけれないものはEにするなり、置くなり、Dにするなり、明らかにCであり、Bであるものからまずやっていきましょうという考えです。そして前に進みましょうということです。
○有賀座長 前に進まないために言っているのではなくて、もともとこういう項目が項目としてあったわけですよ。あったということは、多くの人たちが看護師さんがやれるね、やってくれているね、またはもっともっと頑張ればできるのではないのという感覚を持っていたことは、ここに入っていたことから間違いないわけです。だから、それを突然Eに入るかどうかという話を今ここでしてもしようがないので、そういう意味では、更に検討が必要なんですよ。だから、そんなものはD1、D2でいいんですよ。
 小松委員、どうぞ。
○小松委員 星先生たちがお話いただいているように、看護を説明していく必要があって、ここですぐ説明することはしませんけれども、私もこの分類には少し違和感があります。1つは、前回も言いましたが、手術そのものに対する把持に関して2か所出てきているんですが、それはできるんですけれども、看護のケアをやる専門家からすると、この2軸だけで分けたときに、私たちケアをする専門家としてそれを責任を持ってやる必要があるのかどうかということです。ケアの中にそれを取り込んで、より効果を高めるという意味で、そこはちょっと違うかなというところが私はずっと違和感としてあって、軸として今おっしゃった現場の養成と看護がやるべきことというところでの軸というのは大事にしながら、項目をこういうふうにしていく場合もかなり気をつけてやらなくてはいけないというところが1つはあるのかなと思います。
○有賀座長 だから、もともと看護学というベースがあって、それでもってこの話があるねという話をしないと、話がばらけていって、空中分解してしまう。だから、看護師さんたちが主体的に考えなくてはいけない。それは、もともと看護のプロなんだというところから出発しているんだという話をしないといけないわけです。それがここでどう生かされているのかということに関して、私は前から、ではZ軸があるのではないかという話をしているわけですよ。つまり、私とか前原先生は、医学のプロだという意味では、それはそれでキャリアパスを踏んでいるわけですよ。
 だから、看護のキャリアパスを積んできた方たちがその部分を是非説明していただきたいというのはそういう意味です。
○小松委員 その軸ですけれども、ケアをやる専門家として、その医行為を拡大してやった場合に、より患者さんにとってアウトカムが見込めるだろうと言われるものに関しての軸だと私は思います。その軸をもって最終的に選択をすればよくて、基本的にはこの医行為に対する判断力と技術力というのは悪くない軸だと思うんです。すごく精錬もしていただいたんです。最終的に選ぶときには、私たちの向かう方向性、この真ん中に取る方向性というのは、今、私が説明したことで現場感覚も入れながらやるべきことではないかと思うんです。
ですので、手術とかは本当に先生たちが今まで術式をすごく開発されて、その中での1つの保持ということがあって、そこは医師は医師そのものの領域ではないかと私は思っています。
 以上です。
○有賀座長 前原委員、どうぞ。
○前原委員 ここでバトルしてもしようがないのかもしれませんけれども、看護とケアとキュアとか、看護と医学とかということで分けていって、ここで料理しても始まらないと思いますし、1つは、前にも手術をやってもらいたいから議論が始まったわけではなくて、よくこの中でごらんになったらわかると思いますが、資料2-1の69番「褥瘡の壊死組織のデブリードマン」、70番「電気凝固メスによる止血」はB1になっていますね。これは、何も医師の方からではなくて、現場から認定看護師さんとか、専門看護師さんがやっている中で、こういう行為も拡大ができれば患者さんにとってはいいですねということで出てきている言葉です。
 もう一つ、126番に関して、手術の第一・第二助手というところの文言が気に入らないのかもしれませんけれども、これは何も手術をしてもらうのではなくて、その現場で何かあったときに、そこに医師がいて、そしてその後でだれかヘルプする人がいれば、ここでやれるのであればやってもらえばいいのではないか。現にこの126番の行為は、研究班の調査でも、医師会の調査でも相当数やっているわけです。現実としては行われているわけです。そこの部分をとって手術の助手をさせようと思って、その軸が違うというのは、私はちゃぶ台返しだと思います。ですから、その辺のところは少し考えていただかないと、この先には進んでいけないと思います。
○有賀座長 竹股委員、どうぞ。
○竹股委員 お話がそもそも論になってきたなと思いますが、かなり大事なことだと思いますので、私見になりますが、述べさせてもらいたいと思います。
 看護とは何ぞやというのは、概念的に非常に幅広いし、私からすると何でも看護になり得ると思っております。ただ、今、手術の話が出ましたから、手術そのものの臓器を把持するとか、そういう行為そのものというのは、もう丸々そこ自体に看護とは何ぞやという言葉の入る余地はないと思っているんです。
 ただ、患者様が手術をする前、中、後のプロセスの中で、そこに看護職が介入すれば、これは専門的な看護が十分入ります。そこの部分だけ切り取れば看護の部分ではないからやらなくていいのかというと、そうではなくて、その全体のプロセスにコミットすることは出来ると思うんです。部分として切り取っていくと、全部医行為としてなってしまって、そこに看護の専門性とは何ぞやという余地がなくなってしまうのだろうなと思っています。
 そして更に申し上げると、私が看護職になり始めたころには、診療の補助と療養上の世話ということが我々の業であるという言葉に、非常に日本のナースは特に縛られて、それで我々の専門性を発揮するところは、ともかく療養上の世話のところだということで、そこの部分においては大変力を入れて、いわゆる看護の専門性を発展させてきた基になっているんです。しかし、一方で診療の補助というのは、あくまでも補助なわけですから、専門性という言葉にはどうしてもほど遠くなりますね。
 それともう一つは、いわゆる診療の補助を診療という視点で言うと、医学教育を十分にするだけの教育時間、内容がなかったということがありますから、私も臨床でよく先輩から言われたのは、ともかく医学的なことについての説明を患者さんに一切してはならぬと。それはあなたが責任を持てるわけではないだろうと。それから、患者さんたちもナースが言うことについての信頼が持てないだろうと。それはなぜかというと、やはりそういう教育を受けているわけではないということだったんです。
 しかし、時を経て、私どももかなり研鑽を積んで、ナースのスペシャリストたちが出てまいりました。そして臨床でも、いわゆる一般のナースたちもかなり勉強しています。なぜかというと、やはりそれは医学的な勉強をしませんと、看護実践の部分も目減ってしまうということを我々はわかってきたわけです。結果として看護職のいわゆる医学的なレベルでの力も進展してきたことがあると思います。
 ですから、そういう中で、前原先生がずっとおっしゃっているように、社会のこれからのニーズの中で、私どもが看護職の専門性として業務拡大をする、誤解を恐れず言えば、いわゆる診療的な部分にもっともっとシフトしていくことの中に私どもが看護を見出していくという時代がきていると私は思っています。
○有賀座長 そんなにむずかしいことを言わなくても、私が小学校のころにしてもらったアッペのオペは、術者と婦長さんです。だから、こうやって鉤持ちしているのは婦長に決まっていますよ。
○竹股委員 大昔ですね。私、生まれていませんでしたかしら。
○有賀座長 だから、看護とは何かという話は非常に大事だと思いますけれども、少なくとも実践あっての話ですから、今、言われたように、実践の上で物事を考えていくという観点で言えば、そういう意味では、本当に実践している看護師さんたちがどう思うかという話を説明していただければいいわけです。私見ではとおっしゃっていますが、多分多くの看護師さんたちに是非発言していただきたいと思います。
○秋山委員 ちょっと戻りますけれども、単純X線撮影の画像評価のEになった部分ですが、私もそこは言われないと気がつかなくて、放射線技師というのは、放射線の照射というのが業務で、ほかのところの画像の診断の補助というか、そういうことは実際にしているんだけれども、それが診療の補助行為というか、医行為に入ると診療放射線技師の方の業務を狭めることになるので、やはりこれはEにすべきだという議論でEになっているんです。その辺をまた補足していただければと思います。
 つまり、私たち看護師の法的な面で他の職種の方が、そういう業務規定があるために、そこに抵触するような言葉をここで使うと、その方たちの仕事に影響が出るというのは、すごく気をつけて分類をしていかないといけないということがありまして、それは学んだことなんです。
 それと、114、115、116、196のEのところですが、看護の業務そのものであるので、これはEそのものだと主張したときに、前原先生は、より研さんを積んだ人が、特に196番などは、きちんとそういう能力を発揮して専門的な知識を生かして説明をしてもらうことをすごく期待していると作業部会ではおっしゃって、その期待自体はとてもありがたく思いながら、でもこれは看護師としての非常に特徴的な行為なので、医行為ではないという分類を是非してもらいたいということで、作業班の中ではEになったという経過があります。
 それと、先ほどの手術の助手の件ですが、私も元の臨床経験は、産科、婦人科の緊急の手術のときに具体的には人がいなくて入って、それをやらざるを得ない緊急避難的なこととか、本当に僻地などはこれを外すと、とても現場が困るのではないかという議論もあって、決してそこだけを取り出してこれをやろうということではなく、現場の混乱も避ける意味で実際にやっているパーセンデージも見ながら、そういう分類にした方がいいのではないかということでこういう議論になってCとかB1ということになっているので、看護師にすべてそれを押し付けるとかそういうことではなく、現場で患者さんが困る状況を避ける意味でも分類していかないといけないのではないかと考えました。
○有賀座長 真田委員、どうぞ。
○真田委員 Eの議論が出てきた理由というのをずっと考えていたんですけれども、今までは医行為面しか出ていなかったんですね。そこに概要を入れてきて、一体この医行為はどのような内容を示すのかといってきたときに、内容を見たときに、これはやはり看護が専門的に行う業務ではないか、ケアではないかと思ったのが114~196番の4項目ではないかと思うんです。ここだけ読んでいて、例えば「隔離の開始と解除の判断」とか言われても、ここにどういう概要が示されるかということがわからない限り、これは一体看護か看護ではないかというのはわからなかったんだと思います。
 そういう意味では、概要が示されたことによって、私はこれらの項目は看護だと思っています。というのは、やはり医師の治療の方針の下に専門的な療養上の生活支援をするわけですから3軸が要るかどうかに関しては、それはもともと看護の専門性ならば抜くべきだし、概要があって初めて内容がわかったから、一定の定義のもとに抜けたものだと思っていますので、2軸でよろしいのではないかと思っています。
 先ほどからの手術のことを申し上げると、確かに126番はこれを見ると第一助手、第二助手とか書いてあるけれども、医師がすべきかというのは一般のナースも思うのではないかと思うんですが、私が非常に悩ましいと思うところは、私も自分が人ではないんですが、学位の仕事をするときに、こういういろいろな動物の手術を手伝ってきたわけです。人ではないということを言いたいわけではなくて、何を言いたいかというと、一体ここに鉤持ちにどんな意味があるんだろうと思ったときに、直接介助のナースとどこが違うんだろうと思ったんです。器械出しのナースが看護である意味というのは、手術の時間をできるだけ短くして、早く手術を終わらせる。それが医師との連携でできることならば、鉤持ちというのは何かと思うと、視野を広くとって、できるだけ手術をしやすい状況をつくるという意味では、本当にナースが今まで前立ちしてきた理由は、やはりどこかで診療の補助での直接介助のナースと何も変わらないというところがあったからではないかと思うんです。そういう意味ではCなのかなと思ってみたり、ここは非常に悩ましい。これは私の自分の経験を基に申し上げたまでです。
 もう一度、114~196番はやはり看護の専門性だと思って抜いていいのではないかと思います。
○有賀座長 星委員、どうぞ。
○星委員 さらっとそれでいいのではないかということは、私はそれでいいのではないかと思うんです。Eの判定ですね。新しい軸ができたから要らないというのではなくて、そもそも看護の専門性をベースにいろんなことを考えていくというのがこの話の前提ですね。だとすれば、当然Z軸というのは看護師さんにもっぱら教育をしてやってもらうべきものを選んでいく際には必要な時点だと思うんです。つまり、行為の侵襲性と判断力というもので2軸で分けているのは、あくまでそれは平面的に分けている。しかし、これは社会的にも、あるいはニーズから言っても、あるいは看護の専門性というベースを持っている看護師さんにだからこそやってほしいという話は、他の診療の補助をやっている人たちやその他の人たちとは一線を画するという意味、あるいは評価の基準をきちんと明確にするという意味では、常に頭に入れておかなければいけないことだろうと思います。
 その上で1つ質問です。医事課の人に答えてほしいんですけれども、今、たまたまおっしゃいました器械出しは看護だということです。器械出しは看護師でないとできないんですか。術野に入ること自体は、患者さんに触れれば別ですが、器械を出すという行為は、別に診療の補助でもなければ何でもないですね。これは別にMEさんがやったって、どこのだれがやったって、その辺のお医者さんはさせませんが、勿論一定の感染に対する教育と勿論名前を知らなければ出せませんから、知っていればいいはずですが、そこはどうですか。これは看護師の仕事だと明示しますか。
○石井医事課長補佐 いつものお答えになってしまって恐縮ですけれども、例えば器械出しの中にも様々な対応がありますので、例えば座長の御専門の脳神経外科の領域のようなところから、比較的小手術と呼ばれるようなもので、例えば道具を受け取るときに手元を見て受け取るような場面もあるでしょうし、あるいは術野から目を離さないで、手元を見ずに道具を受け取っているという状況もあるでしょうから、やはり行われた手術、あるいは同じ手術の中でも状況は様々あると思いますので、個別具体的に行われた事案に応じて医行為に該当するかどうかというものを判断させていただくような扱いになってございます。
○星委員 要はそういう話なんですよ。ですから、診療の補助に当たるかどうかとか、医行為に当たるかどうかというのは、まさに個別具体的にいろいろさまざまな状況を判断しつつ云々という話になるわけで、そこを言い始めるとあらゆるものにきりがないわけですので、それを言うつもりはないですけれども、例えば先ほどの?線撮影の話もそうです。これは書き方がもう少し統一をして、もう少し言葉の整理をしていただかないと、あるところでは「決定する」と書いてあったり、あるいは「医師の指示の下に実施の決定を行うとともに」と書いてみたり、いろいろ書き方に意図した微妙な変化があるのかよくわかりませんが、行為の範囲が必ずしもはっきりしない。あるいは判断を最終的にだれがするんだ、あるいは指示はだれがするんだというところがわからないところがあるんです。例えば検体検査の指示を出すと書いてあるとします。そうすると、包括的な指示をもって看護師さんが指示を検査技師さんにするんですかね。わかりませんが、その包括的な指示を受けて、これこれこういう検査を出したらいいのではないでしょうかということをして、やはり結果的に指示というのは多分分散化されることの方が混乱を招く可能性は低いので、その判断としてこれこれこれでどうでしょうねというところまでをそういうふうに言うならそういうふうに言うし、最終的な判断のところまで言うんですよ、つまり、指示を出すんですよと。看護師さんが医師に代わって指示を出すというのか、あるいはあくまでもそうではないんですよというのか。例の具体的な指示と包括的な指示の話にまたなってしまうんですが、書き方をもう少し丁寧にしてもらった方が、私たちが議論をしていくときに間違いを犯さずに済むと思うんですけれども、先ほどの座長がおっしゃった軸の定義の件もそうですが、もうちょっと丁寧に、我々が共通のイメージを描きながら、これはさすがにそうだねというものにしていただかないと、なかなか判断というか、これから先の作業がしにくいというのは、ちょっとお願いをしておきたいんです。
○有賀座長 今の話の延長でぐちゃぐちゃにならないように。
 包括的な指示ということがありますので、指示はあくまでもドクターの指示である。トリアージの際にどういう検体を得るかというパターンも丸投げ的にだれかがその場で考えるのではなくて、Aのパターン、Bのパターン、Cのパターン、Dのパターン、Eのパターンという形でこういうときにはこうしよう、ああいうときはどうしようということがあらかじめ医師の指示が出ていますよということです。検査技師さんたちも了解しているということがこれの前提になりますので、そういう意味では医師の指示なんです。
 だから「指示に従って」と書いたときに、ほかは指示がなくてもいいのかみたいな話になって話がこんがらがるということについては、やはり丁寧な書きぶりをしなくてはいけない。私はときどきしか言いませんが、包括的な指示ということに関する理解ができない人たちがいたら、この手の話はどうにもならないんです。ですから、そういう意味で包括的な指示とは何なんだということについては、去年でしたか、おととしの夏休みでしたかに現場に行きましたね。そのときに包括的な指示というところでまだ現場が十分に練られていないというところもありましたね。だから、そういう意味では、包括的な指示ということについての方法論について、現場で議論ができていないようなところでは、この手の話は恐らくうまくいかないだろうと。だから、包括的指示があたかも丸投げみたいな話だと思ってしまうと、全部の話が瓦解していくわけです。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 座長の発言を途中で遮って申し訳ございません。
 1つ話したかったことは、手術場には看護師さんがいらっしゃって、手術看護師さんという認定看護師さんが専門的にやっていらっしゃって、器械出しもされています。器械出しの人は、法律的にはだれでもいいということになっているみたいです。
 では、だれでもいいかといったときに、今、心臓の手術のことだけに関して言いますと、6万件ぐらい行われていますけれども、そこでの手術での器械出しの看護師さんというのは非常に勉強されています。そして、どういうふうに動いてくるのかということで、その看護師さんはチームの術者の次ぐらいに重要な役割をしていますから、そのところでだれでもいいというのは思っていただいては困る。つまり、そういうところでも手術場の看護師さんというのは重要な役目をしているので、その人たちがよりもっと参加できる、周術期でもいいです。術中でもいいですし、術後でも、術前でも、そういうことになったときにはどう違うかというと、何が違うかというと、アウトカムが違うわけですよ。生きるか死ぬかの手術成績が明らかに違うわけです。そういうところもありますので、その辺のところは星先生も誤解しないでいただきたいと思います。
 もう一点は、またそもそも論になりますけれども、看護はケアだけでいいのかということです。看護、看護でやってきたそこではなくて、看護とキュアと両方で、看護と治療と一緒にやって、この特定看護師(仮称)をつくろうとしたところのそもそも論は、看護師の立場に軸足を置いて、よりキュアも一緒にやりたいと。それがアウトカムとして患者さんにとっていいんだということは国民のコンセンサスであるし、現場のニーズだと思います。ですから、そこのところに戻っていただいて、それから一つずつ進めていくということを申しているです。これを203項目、そのほかの行為も絶対にこれはきちっと星先生が満足なさるようには分けられないと思いますので、その辺のところは御了解願いたいと思います。
○有賀座長 多分理解できると言おうとしていると思います。
○星委員 理解できるというか、オペの話は、別にだれでもいいというのは、法律的にだれでもいいと申し上げただけの話です。
 1つ、話題で私の理解が間違っていれば言ってほしいんですけれども、今度131番の話をさせてください。この話はとても象徴的で、エコーの話も横に3つ出ているんです。AとCとB1かどうか、その話もしていいんですが、その話はちょっと置いて、これは非常にわかりやすい例で、ここにさらっと書いてあります。しかし、私は糖尿病専門の認定看護師さんという人にお会いしたときに、舌が滑っていろいろなことを言ったところはあるんですが、非常になるほどなと思ったところは、我々は投与量というのは、患者さんの血糖のコントロールの様子を見て、何単位ねと言って出した時点で、当然打っているものと思うんです。当然打っていると思うんだけれども、実は打っていないということはよくある。これは糖尿病の認定の看護師さんがじっくり時間をかけて聞いてみると、実は打っていないんです。これは残りを見れば大体わかる話だし、食事のタイミングもかなり仕事によってずれていますよという話があります。そうすると、朝、昼、晩、食事前に何単位という処方の仕方ではだめだねという話があって、勿論医師が細かなところまで聞いた上で判断をして、ではこういうふうにしましょう、長時間ではいつ打って、こういうものは何単位にしましょうみたいな話はあるんだろうけれども、そういう意味で患者さんのQOLや、あるいは患者さんの社会的な生活の状況などを踏まえて、ではどういう投与の仕方が同じ単位数だとしてもタイミングがあるだろうし、即効型とか、ゆっくり効くものとか、そういうことの組み合わせもしっかりですね。そういうことを丁寧に聞いた上で、この患者さんの場合は実はこういうことが問題があるので、こんなふうに変更したいと思いますけれども、先生どうでしょうねというところまで言うことというのは、これは医行為かと言うと、医行為なんでしょうね。でも、処方しているわけではなくて、こう書いたらどうでしょうねというのは川上先生に怒られてしまうかもしれないけれども、要は、薬剤師さんたちが処方変更について、例えばこれはアレルギーが出たらほかの薬はどうでしょうねというときに、これはどうでしょうねというのによく近いんだが、それよりもぐっと踏み込んで、看護師さんたちがまさに専門性を生かして、生活状況や療養上のさまざまな問題、あるいは家族環境とか、家庭の状況やそんなところまで踏み込んで話を聞いて、そして新たな提案をしてくる。それはあるときは医者にとって本当に目からうろこが落ちるような丁寧な対応をするという話を現実に聞きました。医者の出来が悪いということは置いておいて、なるほど、看護師さんたちの専門性を持った糖尿病への関わり方というのは、こういう関わり方というのはあるんだと思いました。しかし、ただ血糖値を見て、グラフを見て、糖尿病の専門か、専門でないかは別として、医者がこれでは何単位ねと言うように、同じように看護師さんがするとすれば、これはまさに医者の出来の悪いことをもう一人増やすみたいな話で、余り意味がある話ではないと思いますけれども、私が少なくとも見てきた糖尿病の認定を受けている看護師さんたちのやりようというのはそういうやりようで、私はこれを見て、なるほどこういう人たちがこういう努力をし、まさに看護の専門性と糖尿病をよく勉強した上で、医師のある種の思い込みを是正するようなさまざまな状況を提示した上で、またよい結果につながっているということも聞いています。勿論、危険なこともあります。低血糖を起こす可能性がありますので、突然に処方を変更することは決していいことだと思いませんけれども、行動変容を促すような指導まですると。まさにここで言うEにされている患者教育ですね。これはまさに看護の専門性をベースにした極めて高い判断と指導能力と極めて高い専門性を持ったものだろうと私は思うんです。そういうものを評価すべきだと思うんです。私はその人たちに対してはなるほどと思いました。
 ですから、そういう意味で、単純に医行為があれで、医学的ベースがなければどうのこうのということだけ測れないというか、測ってはいけない。まさに看護の専門性をうまく延長した上で医学的なものも学び、薬のことも知り、患者の行動も知り、そして療養上の世話やさまざまな経験を積んでいるからこそできる看護の専門性というのは、ここに私は見たような気がします。ですから、そういうことがきちんと評価され、看護師さんたちがやっている仕事について、我々はそういう理解を一つひとつしていくことで、それはどういうことなのかということが私は理解できるので、単純に行為の危険度とか判断の重要性みたいな、その2軸だけでは、私は測れないものがあると言っていますし、むしろそういうものをベースに話をスタートした方が、今やっている認定看護師さんや専門看護師さんたちと、今、話をしている人たちの差がどこにあるのか。どういうところが違うんだろうということを議論していくときに、非常に理解が早まると思うんです。ですから、いつも前原先生とは相容れませんが、too lateと言いますが、私が別に遅らせるためにこんな議論をしているわけではなくて、本当に私だって医療の世界をよくしたいし、看護師さんたちの努力について言えば、多くの経緯を持って接していますので、その辺は誤解のないようにお願いします。
○有賀座長 最初に英先生がおっしゃったことと話の軸というか、基本的には同じですね。
 英先生、最初にちょっとだけ。それから前原先生、うんとちょっとだけ。それから最後のカリキュラムについてという資料がありますので、この説明を聞いてということにしたいと思います。お願いします。
○英委員 今日は本当に看護の医行為の在り方について、非常に前向きな議論というか、実質的な、本質的な議論がなされているのではないかと思います。
 先ほど星先生、小松先生がおっしゃるような、看護の専門性、あるいは療養をサポートするところへもっと延長するような形での医行為をもっともっと延ばしていくというのは、本当に我々の介護とか、在宅の現場の在り方から行くと、非常に整合性があるというか、共感を持って聞いていました。
 ただ、チーム医療を推進するための看護業務検討ワーキンググループという枠で考えたときに、看護の専門性を延ばすところでの医行為を延ばすというのは非常に重要な視点だと同時に、今や医療崩壊しつつあるような現場において、ここは看護師さんも一緒になって支えてくれという、例えば僻地であったり、救急であったり、僻地や救急がそうなのかどうかわからないですけれども、そういう現場があることもやはり我々は認識して、そこの看護師さんが積極的に参加できるような基盤整備をしていくという軸も必要なのかなと。
 だから、看護の専門性でなければ軸で、その現場の医行為がそこに位置づけられるかどうかというのはちょっと厳しい部分もかなりあるのではないかと思うので、それはそれで大変大事な事故だと思うし、私も現場的にはそこの軸というのは一番大きく感じてはいますが、確かに前原先生がおっしゃるような軸というのも、絶対的に日本の医療を支えるのに必要なのではないかと感じています。
○前原委員 短く。
 看護の専門性というのは否定しませんし、私は尊敬しています。そして、星先生の看護の専門性ということに関して、熱い気持ちをお持ちであることに敬意を表しています。
 私は看護の専門性がないというわけではなくて、先ほど言ったとおり、ケアとキュアと一緒に医療をやるんだというところで、これは現場のニーズもあるし、出発点としてそこで行われているんだということを是非わかって、次に進んでいただきたい。
 それともう一つは、ヒアリングで先生がお聞きになったと思うんですけれども、では救急の看護師さんが認定看護師を取り、そして専門看護師を取り、そして救急をまだやっていらっしゃった。やっていて、今度特定看護師のコースを取ったと。何が違ったかという、もっとそうしたかったのは何かと言った場合に、現場なり患者さんが望んでいるものもやはりそこで遅れずに効率的に医療をしてほしいんだということです。医療を望んでいるんです。ケアを望んでいないというと否定になってしまうから申し上げないですが、そういうことがあるわけですから、やはり認定、専門看護師さん、その延長線でいいと思いますけれども、その延長線の次に行くところには、少しはハードルがあるのだろうと思いました。
○有賀座長 神野委員、どうぞ。
○神野委員 手短に。
先ほどの手術の直接の話は、アメリカに行ったらみんなPAさんがやっているわけでありますので、その変わり、外周りは看護師さんというのは大事なところです。
冒頭に申し上げましたように、秋山委員もおっしゃったけれども、単純X線の画像評価は放射線技師さんに認められていることだから、医行為ではないとして、外さざるを得ないとするという話があったわけですが、それと同じように、今回は薬の話が全くないですが、例の医政局長通知で薬剤師に認めていることを全部これから医行為から外すとなったら、またここでの議論で大変難しくなってしまうんです。なので、最初に申し上げましたように、ほかの業種の医行為を1回見直す必要があるのではないですかということを最後に申し上げます。
○有賀座長 どちらにしても、Eに関してこれだけの議論が出ています。別に議論しないことを決めたということにはさらさらならないわけで、D1、D2でとりあえずいいだろうという話だっていいわけです。ここで全部のことを決着するということにはさらさらならないことはもう皆さん知っておられると思いますので、せっかく資料がありますから、資料3の心を説明していただいて、それでもって先の話とどういうふうにシンクロするのかについて御説明をお願いします。
6時半にはみんな脱兎のごとくここを去りますのでね。
○島田看護サービス推進官 それでは、資料3を説明させていただきます。
 本日、カリキュラムについても議題とさせていただいておりますけれども、カリキュラムにつきまして、これまでも何回か資料を出させていただいておりまして、今回の資料3は、第18回のワーキンググループでお示しした資料を、そのときまだ御議論をいただいておりませんでしたので示しております。
 1枚目でございますが、カリキュラムについての論点を5つ示しております。
 カリキュラム修了時にどの程度の水準の能力の獲得を目標とするのか。まずカリキュラムを考える上では入口となろうかと思いますので、こういった論点を示しております。
 例としまして、医師の指示を受けて、直ちに特定行為を自律して実施することが可能なレベルまでの能力の獲得を目標とするのか、あるいは医師の指示及び指導を受けて特定行為を実施するということが可能なレベルの獲得を目指して養成するのかといったことが、まず目標としてこういったことを議論することが必要となっていることが1点目。
 2点目は、必要な能力を獲得するために必須とすべき科目や実習はどうあるべきか。
 3点目は、講義や実習における教員の要件についてどう考えるか。
 4点目は、必要な単位数、修業期間、分野についてどう考えるか。
 5点目は、既存の高度・専門的な看護師を養成する課程との関係についてどう考えるか。
 このようなことが論点としてあるのではないかということで、たたき台を示しております。
 2ページ以降は、このカリキュラムを御議論いただく際の材料としまして、2ページにはカリキュラムに関するこれまでの主な御意見を示しております。必要な教育内容についての御意見を今まで幾つかいただいておりまして、解剖生理、病態生理など医学的内容をしっかりと教育することが必要ということですとか、8か月課程についても2年課程と同様な枠組みの教育が必要ではないかということですとか、8か月と2年課程の認証をする看護師、そして、認定・専門看護師の違いは何かを整理する必要があるといった御意見でございました。
 そして、2年課程8か月課程についても御議論をいただいておりまして、すべてはお読みいたしませんけれども、それぞれ2種類設けるのであれば、試験問題の範囲等にも差があるのではないかといった御意見などもございました。
 3ページでございますけれども、認証を受けるために必要なカリキュラムの内容のイメージを示しました。これも既出の資料でございますが、左側には、このカリキュラムの内容としての大枠を5つほど示しておりまして、それぞれについて到達目標、カリキュラムの具体的な内容についてこういったものを考えることができるということで、たたき台を示しております。
 4ページには、先ほど3ページでごらんいただきましたカリキュラムのイメージというものも踏まえまして、例えば2年間のカリキュラムというものではこういったもの、8か月のカリキュラムではこういったものが目標などを掲げて考えることができるのではないかということで、イメージを示しております。
 5、6ページは論点の5つ目と関係しますけれども、認証を受ける看護師、専門看護師、認定看護師それぞれの概要についてお示しをしておりまして、論点の5つなどを議論する際にはこういったものを参考にしていただきたいということでお示ししております。
 簡単ですが、以上でございます。
○有賀座長 先ほど出ました認定看護師になって、専門看護師になって、それでもって今回特定能力を認証された看護師さんの水準で、また勉強したいねという方のヒアリングがありましたね。あのヒアリングなどの内容もここに盛り込まれているわけなんですか。つまり、昔の資料がまた出てきているようではあるんですけれども、それぞれの局面においてそれぞれちょっぴりずつ進化していますね。そこら辺はどういう感じなんですか。
○島田看護サービス推進官 今回お示ししております資料は、既出のものをそのままお示しをしております。そういった今までヒアリングなどをした内容をまた御議論いただいて、本日、御議論を踏まえて、また御議論をしていただくための資料を提示していきたいと思っております。
○有賀座長 前原先生には、引き続き203項目全体に向かってばく進していただけるわけですね。
○前原委員 皆さんの同意があれば。
○有賀座長 それらがEかD2なのかどうかは知りませんが、そのようなことがある程度できてくると、カリキュラムのなかで今現在正に進行しているトライアルとしてのカリキュラムについて、その内容を踏まえながらも、やはり一定程度の具体性を持った提言をしていくことができそうだという理解でいいんですね。星先生、ここら辺の看護教育は詳しいではないですか。
○星委員 カリキュラムというのが、今、やられていることからスタートすべきなのかどうかということも、もう一回考えてみるべきときに来たなという感じです。
 例えば診療放射線技師さんも超音波がやれますと。検査技師さんもやりますと。診療の補助の範囲に含まれるので、当然看護師さんもやれますと。しかし、やれますというのとやりますというのは話が違って、法律でやっても差し支えがないという話と、価値のある画像が取れるかどうかというのは全く別の次元ですね。ですから、B1にたまたま放射線検査が入っていますけれども、現実に、放射線技師さんたちがこの超音波検査をするに当たり、どんなカリキュラムでどんなことを勉強し、どんなプログラムになっているのかとか、あるいは同じなんだけれども、バックグラウンドが違うんですね。なので、放射線技師さんが持っているバックグラウンドは、医学的知識がどのぐらいのレベルなのかという話もありますが、それをベースに考えてやる。実務研修や何かはそのときにどの辺まで解剖みたいなものをやっているのかなとか、同じように、検査技師さんもまた違う意味での医学的な教育を受けていて、検査技師さんに必要なバックグラウンドを受けたその上に多分乗っかってくる次にエコー検査というのがあるんですね。勿論解剖もあるでしょう。
 これは多分、今は認定制度などはありはしないので、病院の中でやれると言えばやるのでしょう。しかし、そうはいかないので、多分超音波学会やら何やら学会でそういうプログラムがあって、認定試験みたいなものを受けているということはきっとあるんですね。
 先ほど神野先生がおっしゃったように、ほかの職種との話があるねというときに、その話を無視して、この看護だけは2年間きっちり病態生理と何とかあれを整理して、その上、試験を受けなければだめですという力の込め方は余り意味がないので、そういうものというのは、前例があって、他の分野で既にやられていることや、今、B1、B2に一応分類したけれども、これは既に学会でこういう認定をやっていますよ、何していますよという話を少し出してもらって、これを出したら無視されたんですが、最初に言っても大体私は無視されるんですけれども、私は執念深いですからね。それを出してもらうと、これは後戻りでも何でもないです。今、看護のトライアルでやっている中身と、既にそういう別な次元でやられていることをすり合わせてみると、何だ何だということがあるのかもしれないし、さすがに共通だねということになるのかもしれませんが、そういうアプローチも、先ほど神野先生がおっしゃったほかの職種とのすり合わせという中で、教育のプログラムについてもそのすり合わせというのは絶対に必要で、ここはぎっちり、特にここに203項目に関連するもの全部とか言いませんので、代表的なものを少しピックアップしていただいて、提示をしていただくと、このカリキュラムの考え方というのは整理をつけやすいのだろうと思います。当然、その前にどんな行為がそれに当たるかということを議論しなければはじまりませんが、だからといってできないわけではないので、また遅い遅いと前原先生に怒られますから、そうではなくて、両睨みで進めていくような準備をしていただきたいと思います。
○有賀座長 小松委員、どうぞ。
○小松委員 このカリキュラムを検討していくときに、英先生が先ほどおっしゃったことで、チーム医療の現場の状況の中で看護の本質とかを考えているだけではなくて、医療を改革するようなことで新しくチャレンジをしていくということが必要だというときに、カリキュラムを考えてここにも書いたんですが、専門分野というものを少し想定しながらそれを考えると、今の医行為のことに関してのチャレンジブルな部分とか、そういうものがもう少し柔軟に考えることができるので、カリキュラムの中でもうちょっとどういう分野の人が育てられるのかということも一緒に考えていけたらどうかと思います。
○有賀座長 何かほかにございますか。
 先ほどの手術医学会と言いましたか、看護師さんたちと麻酔科や外科系の先生たちが一緒にやっているもの。そこでチーム医療の話があったんだと思うんですけれども、私もシンポシストの中に入れられて一緒に議論をしたときに、やはり確かに看護の高い専門性は、全くそれで尊重しなくてはいけないことは120%そうなんです。しかし、それでもやはり相互乗り入れというか、医師やその他レントゲン技師さんにしても何にしても、ひょっとしたら自分たちがやらなくてもいいかもしれないけれども、今やった方がいいものという意味でお互いに乗合いしてしまうということは医療の現場でまま起こる。というか、むしろ起こらざるを得ないというか、それが医療そのものだという言い方がいいのかもしれません。そういうことでいくと、やはり周辺の人たちがどんな勉強をしてそれができるのかという話は一旦まとめておかないと、机上の空論になりかねません。
 例えば、さすがに中心静脈をとるというのはどこに入っているのかよくわかりませんけれども、どんな行為でもいいんですが、限りなくある学術団体がその件についての勉強プロセスをもし示していて、それがそれなりにそのジャンルにおいて結構使い物になりそうだということがあれば、それはそれで先生がおっしゃるみたいに、ある学術団体が放射線科の技術さんたちを認定したり、薬剤師さんたちを認定したり、または看護師さんたちを認定したりということがもう既にあるわけです。従って、そういう意味では、相互乗り入れ的な部分を当たり前だとして、勉強プロセスをまとめておくということはあって当たり前ということではないかという気がします。
 看護師さんたちも、そういう意味ではそうですね。私たちだけ特別よという話には多分ならないと思うんです。その勉強プロセスについて。
○竹股委員 もう時間が脱兎のごとくの時間になってしまっていますが、先ほどの神野先生のお話にもつながってくるんですけれども、看護の基礎教育の中の教育の中身というのは、結構看護学の部分に大変力を入れて、そこにかなり時間を使っているんです。
、かつてほかの医療職の人たちの基礎教育というのはどのぐらいなのかというものを見たときに、看護職と3年ベースのレギュラーで比べると、変わらない年数の勉強をしていて何が違うかというと、非常に職種の専門に特化した部分がはっきりしているわけです。看護の場合には、それこそ人間とは何かから始まって、自分たちの看護の対象について幅広く概念的に学ぶところにとても力が入っていて、そこが看護の特徴だと思うんです。相対的に医学的な中身に入ってくると、そこの部分は結構希薄なんです。例えば検査の内容にしても、治療の部分ですね。だから、やはりそこの部分が非常に基礎教育の中で希薄ですから、結局継続教育の中でかなり勉強はするんですが、やはり系統立っていないところがあるんですね。ですからやはりある程度系統立った教育をちゃんとしていますよという認証がないと、虫食い的に結構やっていることはあっても、足りないと私は思っていますが、どうでしょうか。
○有賀座長 だから、足りないままでいいというわけではないんですね。
○竹股委員 ですから、系統的にやる仕組みが必要だということです。
○有賀座長 このカリキュラムについてというのも、単に虫食い的においしいところをぱくぱくすればそれでもってでき上がりということを書いているわけではないと思うんです。
 前原先生、最後に。
○前原委員 星先生、神野先生の話はよくわかるんですけれども、他職種の方との整合性というのは、どこかでオーバーラップしていることがありますね。そこを一つずつチェックしていけばいいんでしょうけが、それに関して平行して、迅速にやっていただきたいと思いますし、ただ、看護にだけ光が当たっていて、看護師さん、看護師さんと言っているこれが進んでいるわけではなくて、やはり24時間患者さんのそばにいて、医療行為を医師とともに、他職種の方とも一緒にしていますけれども、一番長いのは看護師さんだと思いますし、その辺のところでいろんなところのほかの業務拡大というところをまず見ていく。その業務は膨大なところだと思いますね。周術期もあるし、在宅もあるし、そのほか救急もあるでしょうし、新生児、ICU、CCU等々もありますので、その辺のところを見ていかないで、そのブッシュ(bush)の周りからバッティングしないようにということでやるよりは、やはり中心部分のところから進めていくのが本論ではないかと。何も周りをないがしろにしているわけではなくて、周りの他職種の方も業務拡大をやろうという方向で動いているし、現に診療放射線技師の方は法律も変わり、業務拡大もしているわけですから、そういうことで是非迅速に、スピード感を持ってやっていただきたいと思います。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
 ということでおまとめいただいて、その線で行きたいと思います。是非引き続き宜しくお願いいたします。
 時間がもう来ましたので飛び出ますが、事務局から報告的なことがもしありましたら、連絡などをよろしくお願いします。
○島田看護サービス推進官 次回のワーキングにつきましては、また日程はお知らせしたいと思いますが、本日お示ししております56の医行為の分類につきまして、追加の御意見などがございましたら、連休明け5月7日の月曜日までに事務局の方までにお寄せいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○有賀座長 では、星先生が言われた丁寧な資料づくり等も含めて、引き続きよろしくお願いいたします。
 では、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室

看護サービス推進専門官 高橋: 03-5253-1111(代表)(内線4174)
03-3595-2206(直通)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ第21回議事録

ページの先頭へ戻る