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2012年2月24日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年2月24日(金)15時~


○場所

厚生労働省 専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(13名):五十音順 敬省略

 加 藤 総 夫、 佐 藤 田鶴子、 佐 藤 雄一郎、 清 水 秀 行、

 手 島 玲 子、  成 冨 博 章、 野 田 光 彦、 古 川   漸、

 増 井   徹、 ◎松 井   陽、 松 木 則 夫、  本 橋 伸 高、

 山 田 清 文

 (注) ◎部会長 ○部会長代理

 欠席委員(8名):五十音順 敬省略

  鈴 木 邦 彦、 宗 林 さおり、 千 葉   勉、、○永 井 良 三、

  西 澤  理、 林   邦 彦、 檜 山 行 雄、村 田 美 穂

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森 和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 三 宅 真 二 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

 佐 藤 岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議題

1 医薬品キックリンカプセル250mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売証人の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について
2 医薬品ミニリンメルトOD錠120μg及び同OD錠240μgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について
3 希少疾病用医薬品の指定の解除について
詳細は資料へ

○議事

○審査管理課長 定刻にはなっておりませんが、出席予定の方は全員いらっしゃいますので、ただ今から薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
 本日の委員の御出席についてですが、鈴木委員、宗林委員、千葉委員、永井委員、西沢委員、林委員、檜山委員、村田委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 現在のところ、当部会委員数21名のうち13名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 それでは、松井部会長、以後の進行をお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日の審議に入ります。どうか、先生方よろしくお願いいたします。事務局から配付資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日は、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しております。議事次第に記載されている資料1~9はあらかじめお送りしております。そのほかに資料10「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料11「専門委員リスト」、資料12「競合品目・競合企業リスト」を配付しております。
 続いて、本日の審議事項に関する資料12「競合品目・競合企業リスト」について御報告させていただきます。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。資料12を御覧ください。
 1ページのキックリンカプセルは、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 2ページのミニリンメルトは、尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 3ページのビデュリオンは、2型糖尿病を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 4ページのアポカインは、本品目はパーキンソン病におけるオフ症状の改善を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。
 5ページのZ-521は、くる病・骨軟化症を伴う低リン血症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。
 6ページの無水ベタインは、ホモシスチン尿症の補助療法を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。
 7ページのイマチニブメシル酸塩は、肺動脈性肺高血圧症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。以上です。
○松井部会長 今の点について御質問、御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 特に無いようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの御了解を得たものといたします。それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。
 議題1のキックリンカプセルは、退室委員、議決には参加しない委員は、共にいらっしゃいません。
 議題2のミニリンメルトは、退室委員、議決には参加しない委員は、共にいらっしゃいません。
 議題3のビデュリオンは、退室委員はいらっしゃいません。議決には参加しない委員は、野田委員です。
 議題4のアポカインは、退室委員、議決には参加しない委員は、共にいらっしゃいません。
 議題5のZ-521は、退室委員、議決には参加しない委員は、共にいらっしゃいません。
 議題6の無水ベタインは、退室委員、議決には参加しない委員は、共にいらっしゃいません。
 議題7のイマチニブメシル酸塩は、退室委員はいらっしゃいません。議決には参加しない委員は、加藤委員、成冨委員、野田委員、山田委員です。以上です。
○松井部会長 本日は、審議事項は7議題、報告事項が2議題となっています。
 早速、議題1に移ります。医薬品医療機器総合機構から概要の説明をお願いいたします。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品キックリンカプセル250mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
 血清リン濃度は、主に消化管からの吸収、骨からの遊離、骨への取り込み及び腎臓からの尿中への排泄により調節されています。腎臓は、リンの恒常性維持に重要な器官であり、慢性腎不全患者においては、腎臓からのリン排泄が低下することにより、高リン血症を発症します。慢性腎不全に伴う高リン血症は、カルシウム・リン積の上昇をきたし、異所性石灰化等を引き起こします。また、腎不全に伴うビタミンDの活性化障害及びそれに伴う消化管からのカルシウム吸収の抑制により、副甲状腺ホルモンの分泌が亢進し、二次性副甲状腺機能亢進症が引き起こされます。
 以上の背景から、国内では2006年に日本透析医学会より「透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン」が発出され、透析患者における血清リン濃度、血清補正カルシウム濃度、血清PTH濃度の管理目標が設定されています。現在、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の治療は、食事指導によるリン摂取制限、透析によるリンの効率的除去に加え、消化管からのリン吸収を抑制する経口リン吸着薬の投与が行われています。
 経口リン吸着薬としては、国内では主にカルシウム製剤、セベラマー塩酸塩及び炭酸ランタン水和物が用いられておりますが、それぞれ高カルシウム血症、便秘を主とする胃腸障害、長期投与時のランタンの組織蓄積の懸念等が指摘されています。そのため、血清リン濃度を長期間コントロールするために、カルシウムを含まず、かつ安全性の高い高リン血症治療薬の開発が望まれています。
 ビキサロマー(以下「本薬」と略す)は、陽性荷電状態のアミノ基を介するイオン結合及び水素結合により、消化管内でリン酸と結合し、体内へのリン吸収を阻害すると考えられる非吸収性のアミン機能性ポリマーです。体内へのリン吸収を阻害することで血清リン濃度を低下させること、また、カルシウム非含有であり、金属も含まないため、高カルシウム血症や金属の組織蓄積による毒性発現の懸念が無いことが期待され、本薬の開発に至りました。
 なお、海外では20□年に米国で開発が開始されましたが、2009年時点で商業上の理由により開発が中断されています。本品目の専門協議では、本日の配付資料11に示しますような専門委員を指名いたしました。
 続いて、本薬の有効性・安全性について臨床試験成績を中心に説明させていただきます。主な臨床試験成績として、血液透析患者を対象とした国内第III相比較試験及び長期投与試験、腹膜透析患者を対象とした国内第III相一般臨床試験の成績が提出されています。血液透析患者における有効性に関しては、報告書37ページの表22を御覧ください。主要評価項目である、「投与終了時(投与12週後又は投与中止時)の血清リン濃度」について、本薬群と本薬と同様の非吸収性ポリマーであるセベラマー塩酸塩群との間で、非劣性が検証されました。
 また、報告書45ページの図2を御覧ください。長期投与試験において、各患者の血清リン濃度に応じて、本薬を用量調節しながら48週間投与した結果、血清リン濃度の大きな変動は無く、維持できていることが確認されました。以上より、血液透析患者における有効性は示されたと考えました。
 一方、腹膜透析患者における有効性に関しては、報告書45ページの「2)PD患者における有効性について」と記載されている項を御覧ください。治療期終了時(投与12週後又は投与12週未満で中止した場合の中止時)の血清リン濃度は6.40mg/dLにとどまっており、血液透析患者に比べて十分なリン低下作用は認められていませんが、治療期終了時の血清リン濃度は、投与開始時より低下する傾向は示されていることから、血清リン濃度に基づいて投与量を調節することで、腹膜透析患者に対しても、本薬の有効性は期待できると考えました。
 ただし、製造販売後調査において、血液透析患者だけではなく、腹膜透析患者についても、可能な限り多くの症例で長期投与時の血清リン濃度の推移を確認していく必要があると考えました。
 安全性に関しては、報告書37ページの表23を御覧ください。血液透析患者を対象とした国内第III相比較試験における、本薬群とセベラマー塩酸塩群の有害事象の発現状況を示しております。また、報告書55ページの表36及び56ページの表37を御覧ください。こちらは、胃腸障害関連の有害事象の発現状況を示しております。国内で実施された臨床試験で、本薬群に認められた主な有害事象は、セベラマー塩酸塩と同様に、胃腸障害でしたが、セベラマー塩酸塩投与時と比べて発現率が低い傾向にあること、また、長期投与時に発現率が上昇する傾向は認められていないことを確認しました。
 しかしながら、本薬投与時にセベラマー塩酸塩でも報告されている消化管出血等の重篤な胃腸障害の有害事象も認められていることから、本薬についても、同様に添付文書において十分な注意喚起をする必要があると考えました。また、今後も製造販売後調査において、本薬投与時の胃腸障害関連の有害事象の発現状況について、重点的に確認していく必要があると考えました。
 以上、機構での審査の結果、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善に対する本薬の有効性は認められ、安全性については適切な注意喚起の下で許容可能と考えられたことから、本薬を承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であるため、再審査期間を8年、原体及び製剤はいずれも毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないとすることが適当であると判断しています。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ただ今の報告について御質疑をお願いいたします。
○清水委員 この薬剤は、最高用量を用いると1日30カプセル、1回に10カプセルを服用することになっています。先行しているセベラマーも最高用量を用いると1回12錠、1日36錠を用いる範囲になっております。先行品の方で、コンプライアンスの問題が出ているというようなデータはありませんでしょうか。あるいは、今回の臨床試験において、患者さんの服用状況に問題があったという事例は報告されていませんか。
○松井部会長 お手元にサンプルがありますが、このような大きさのものです。
○機構 先行品のセベラマーの服薬コンプライアンスの状況ですが、今、手元にデータを持ち合わせているわけではないのですが、最高用量まで飲むと12錠となるかと思います。ただし、実際の現場での治療状況としては、このような非吸収性のポリマーに加えて、炭酸カルシウム含有の炭酸カルシウム製剤等も併用して、血中リン濃度をコントロールしている状況です。したがって、セベラマーの方は、実際は3~6gぐらいまでしか使われていないのが現状かと思います。
 最高用量をその単剤で服薬し、それだけで高リン血症に対して対応しようとすると、コンプライアンスの面で影響が出てくる可能性はあるかもしれませんが、現場では炭酸カルシウム等と併用されているところから大きな問題にはならないのではないかと考えています。この薬剤に関しても、セベラマーと同様の位置付けになるかというところですので、確かに最高用量まで飲むと、1回10カプセルにはなるのですが、実際の現場では先ほど申し上げましたように、炭酸カルシウムと併用されたり、あるいは炭酸ランタン辺りとも併用されたり、そのような形で恐らく最高用量の10カプセルを飲む患者さんはそこまでいないのではないかと思います。
○松井部会長 1カプセル中に250mgですね。
○機構 参考情報としてなのですが、本日、セベラマー塩酸塩の再審査結果に関しての報告もあるかと思います。そちらの方の資料に記載されております。資料8-1「セベラマー塩酸塩再審査結果通知書」の9ページの下から7~8行目辺りに「全期間を平均した服薬スコア平均値の分布」という記載があります。こちらは、製販後臨床試験で200例中150例で6~8割の服薬率であったという結果です。
○松井部会長 ほかにございませんか。よろしいでしょうか。
 ほかに特段の御意見が無いようですので、議題1の議決に入ります。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 続いて議題2に移ります。議題2について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品ミニリンメルトOD錠120μg及び同OD錠240μgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
 審査報告書の3ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料」の項を御覧ください。本剤は、アルギニン・バソプレシン誘導体であるデスモプレシン酢酸塩水和物を有効成分とする口腔内崩壊錠です。この薬剤は、腎集合管のバソプレシンV2受容体に作用し、水の再吸収を促進することにより、夜尿症に対する効果を示すと考えられています。デスモプレシン酢酸塩水和物は、1984年以降、経鼻製剤や普通錠として世界各国で、夜尿症治療薬として承認されており、本剤は2005年2月にフィンランドで最初に承認されて以降、夜尿症を効能・効果として2011年12月時点で、欧州を含む60か国以上で承認されています。
 なお、本邦ではデスモプレシン酢酸塩水和物を有効成分とする経鼻製剤が2003年に夜尿症の効能・効果で承認されております。今般、夜間尿浸透圧低下型夜尿症患者を対象として実施された国内臨床試験成績及び海外臨床試験成績に基づき、新投与経路医薬品として承認申請がなされたものです。本剤の審査に関して、専門委員として資料11に記載されている委員が指名されました。
 本剤の臨床試験成績に関する審査の概略について御説明させていただきます。有効性については、審査報告書の22ページの「3)国内第III相臨床試験」(FE992026CS35試験)の項を御覧ください。国内第III相試験はプラセボを対照とし、本剤120μg/日を2週間投与後に、本剤120μg/日又は240μg/日を2週間投与した際の有効性及び安全性を検討する、無作為化二重盲検並行群間比較試験として実施されました。
 その結果については、23ページの上の表を御覧ください。表3の三つ目の項目として示されているとおり、主要評価項目とされた「投与3~4週の14日間あたりの夜尿日数のベースラインからの減少量」は、本剤群3.264、プラセボ群1.451と、本剤群とプラセボ群の間に有意差が認められました。さらに、本剤群とプラセボ群の群間差1.813日は臨床的に意義のある差であると考えられたことから、本剤の有効性が示されたものと判断いたしました。
 安全性については、審査報告書の23ページの下から3行目からの記載を御覧ください。この試験における有害事象の発現割合は、本剤群40%(18/45例)、プラセボ群31.8%(14/44例)でした。また、死亡及びその他の重篤な有害事象、重症度が高度又は中等度の有害事象は発現せず、すべて軽度であり、治験中止に至った有害事象についても認められておりません。
 なお、本剤投与で臨床的に最も注意すべき副作用として、水分貯留に起因する低ナトリウム血症、及び重篤な低ナトリウム血症である水中毒の発現が挙げられます。低ナトリウム血症は、デスモプレシンの薬理作用に起因する副作用であり、デスモプレシン製剤投与中に水分を過剰摂取した場合には、頭痛、悪心等の前駆症状などから、意識消失や痙攣に至るような重篤な水中毒の発現率が高まります。しかしながら、適切な水分管理により予防可能と考えられておりますので、適切な水分管理について徹底する必要があると考えております。
 本邦では、既にデスモプレシン経鼻製剤が夜尿症の治療に使われておりますが、夜尿症治療の現場では、睡眠前の水分管理の重要性が広く認識されており、適切な水分管理の下、安全性上、特段の懸念が無く使用されている状況です。本剤についても、低ナトリウム血症及び水中毒に関して、国内で承認されているデスモプレシン経鼻製剤と同様に注意喚起し、本剤の適正使用を徹底すれば、本剤の安全性に特段問題は無いとの機構の判断については専門協議でも支持されております。
 次に効能・効果について、審査報告書29ページの「(4)効能・効果について」の項を御覧ください。尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症患者を対象とした国内第III相試験で、本剤の有効性及び安全性が示されたことや本薬の作用機序等を踏まえ、本剤の効能・効果は既承認のデスモプレシン経鼻製剤と同様の「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」とすることは妥当と判断いたしました。
 用法・用量について、審査報告書33ページの「5.用法・用量について」の項を御覧ください。本剤の用法・用量は、国内第III相試験での検討用法・用量や既承認の経鼻製剤の用法・用量を踏まえ、「通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120μgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240μgに増量することができる」とすることが妥当と判断いたしました。なお、水なしで舌下で溶かして服用する本剤の具体的な服用方法や水分管理等の注意事項など、適正使用の周知を徹底する必要があるとの専門委員の意見を踏まえ、申請者に情報提供資材の作成を求めているところです。
 次に、製造販売後について審査報告書34ページの「6.製造販売後調査について」の項を御覧ください。本剤の製造販売後の対応として、申請者より目標症例数600例、観察期間を最大12か月とする製造販売後調査の骨子案が提出されております。また、専門協議の議論を踏まえ、使用成績調査において、肝機能障害の有無について情報収集すること、経鼻製剤から本剤へ切り替えられた症例では、前治療の内容、切り替えの理由及び切り替え前後の有効性及び安全性について情報収集することとなりました。さらに、専門協議では、安直に本剤120μgから増量効果が明確に示されていない240μgへ増量されないよう注意すべきとの意見や本剤の効果が不十分な場合に、本剤を長期にわたり漫然と投与しないよう注意すべきとの意見が出されたことも踏まえ、本剤120μgと240μgの間で用量調節をする症例では、用量調節前後の有効性及び安全性を確認すること、本剤の投与期間、休薬期間などを情報収集すること、並びに夜尿日数の減少以外にも、夜尿量、夜尿頻度などの有効性評価も含め、有効性に関する評価が行われた際には、漏らさず収集できる工夫をすることなど、製造販売後調査計画について再度検討するよう申請者に求めているところです。
 以上のような検討を行った結果、本剤を「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」の効能・効果で承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第一部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品に該当しないと判断しております。再審査期間は6年とすることが適当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○野田委員 効能・効果についてですが、尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症なわけですけれども、これまでのデスモプレシンは、投与量は違いますけれども中枢性尿崩症の点鼻薬やスプレー薬もあるわけです。そちらとの関係というか、将来的にこの適応に関して何らかの方向性があるのかどうかをお聞かせください。
○機構 本剤の開発については、今回申請された夜尿症の適用だけではなくて、中枢性尿崩症の開発についても、今、順調に開発が進められている状況と理解しています。ですから、現在出ているデスモプレシンの経鼻製剤と、将来的には一緒の効能・効果になるものと思われます。
○松井部会長 そのような御質問の趣旨でよろしいですか。
○野田委員 はい。どうもありがとうございました。
○松木委員 短期で夜尿症に使うというのは経験もあって良いと思います。バルプレシンに関して最近は中枢に対する知見が増えています。特に、愛情の度合いを決めているようです。これらの作用はほとんどはV1受容体を介するのでこの薬は大丈夫だとは思いますが。バゾプレシンについては抗利尿や循環器系に対する作用だけではなくて、かなり中枢作用があるということが分かってきています。新たな動物実験をこの薬にだけ課すのは少し変かも知れませんが、ただ、若い時のストレスによって、生涯にわたってバルプレシンレベルが変わるという報告もされてきていますので、少しそのような方向の検討というか、この薬によってV1受容体には全然影響が無いこと、アップレギュレーションもダウンレギュレーションも起こらないというようなことを明らかにしないといけないのかという気はします。
 動物実験レベルでも、ヒトでもV1受容体にミューテーションが入っているとパートナーを変えやすいという報告も出ているぐらいです。そのような観点での検討も必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○機構 このお薬については、V2受容体に非常に選択性が高いものです。基本的には先生がおっしゃったようなV1受容体に関するリスクが非常に高いということは無いと思います。今回の夜尿症の使用については、もちろん成長に伴って治っていくことが多いので、例えば添付文書上でも3か月毎にお薬を中断し、まだ夜尿症であることを確認しながら治療を続けていくような状況です。添付文書の1ページの重要な基本的注意の下の方の(4)ですが、漫然と使ったり、長期に不必要に使わないようにという注意喚起はなされています。
○松木委員 基本的には大丈夫だと思うのですが、今後というか、バソプレシンの特に非常に若い時の作用等、あるいはV2だけに作用していても、V1に影響しないという保証は無いものですから、間接的にアップレギュレーションあるいはダウンレギュレーションを起こす可能性があるので、その辺はこれからの審査あるいは市販後の時も、それをウォッチしていただきたいと思います。
○機構 ありがとうございます。今回の御意見を踏まえて、市販後調査等を注意して見ていきたいと考えております。
○松井部会長 重要な点だと思います。小児科医もバソプレシンを使うのに、かなり慎重に選んでおります。ただ子どもにとっても、親にとってもこれは非常に重大な問題になり得るので、そのような心理的な問題と、それから先生がおっしゃられたような副作用の問題は大変重要だろうと思います。
○野田委員 この習慣性といいますか、自分自身のすっきり感などから、頻用するといったような点はいかがでしょうか。
○機構 このお薬自体は古くから使われております。国内では先ほど申しました経鼻製剤、海外では錠剤も含めてありますけれども、今のところ濫用に関する問題が何か起きているような情報は入ってきておりません。
○松井部会長 特段これ以上の御意見が無いようでしたら議決に入ります。よろしいでしょうか。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題3に移ります。議題3について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題3、資料3-1、3-2「医薬品ビデュリオン皮下注用2mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
 本剤は、グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬であるエキセナチドを有効成分とする週1回投与の注射剤です。本邦においては、同じ有効成分の1日2回投与のバイエッタ皮下注が2010年10月に承認され臨床使用されていますが、本剤はバイエッタ皮下注よりも低血糖症や悪心の発現頻度を抑え、また、投与頻度の観点から、利便性の向上が期待されるとして開発された薬剤です。類薬としてリラグルチド(遺伝子組換え)を有効成分とする、1日1回投与のビクトーザ皮下注も2010年1月に承認されております。また、本剤の海外の承認状況については、2011年6月にEUで、2012年1月に米国で承認されております。本品目の専門協議では、資料11に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。
 以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明させていただきます。有効性については、審査報告書45ページの表17を御覧ください。国際共同第III相試験であるGWCK試験の主要評価項目とされたHbA1c変化量について、BID群と表記したバイエッタ皮下注に対する本剤群の非劣性が示されました。
 次に53ページの表26を御覧ください。国内第III相試験であるGWBX試験においても、主要評価項目とされたHbA1c変化量について、グラルギン群と表記した持効型インスリンに対する本剤群の非劣性が示されました。
 安全性については、70~89ページに示しましたように、低血糖症、胃腸障害、膵炎、注射部位反応、心血管リスク、腫瘍発生等の個別の事象について検討した結果等から、適切な注意喚起及び情報提供がなされることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断しております。
 製造販売後調査については、105ページの「(6)製造販売後調査について」の項に示しましたように、低血糖、胃腸障害、注射部位反応、急性膵炎、心血管系リスク、腫瘍発生、抗エキセナチド抗体等に関する情報が収集される予定です。以上のとおり、機構での審査の結果、2型糖病を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
 本剤は有効成分が同じバイエッタ皮下注の新効能・新剤型及び新用量医薬品であることから、再審査期間はバイエッタ皮下注の残余期間とすることが適当であると判断しております。なお、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○松井部会長 ただ今の説明に対して、御意見がありましたらお願いいたします。
○佐藤(田)委員 1~2年前、バイエッタ皮下注ができた時にも質問させていただきましたが、46ページ辺りを御覧ください。バイエッタの時だと思うのですが、HbA1cについて見ても、4~6週間ぐらいのデータしか出ていませんでした。今回は、26週というところで、ほぼ12週ぐらいから本剤での○、図2で投与のHbA1cの変化が表されています。プラトーのような感じになってきた状況で、2型糖尿病でバイエッタを使用する方には、先ほど毎日2回とおっしゃっていたけれども、自分で皮下注をするわけですね。私の質問としては、境界は少しはっきりしないのですが、いずれにしても数か月以内のデータしか出ていませんでした。それで審査に入ってきたので、HbA1cがプラトーになったというのであれば、それでいいのでSU剤に変える等のことをしていかなければ、考え方として、ずっと毎日皮下注するような2型の患者さんが何十万人と出てくるということは、ある意味おかしな話ではないかと思ったのです。SU剤に、ある程度プラトーになってということは、落ち着いた段階でヘモグロビンA1Cをもし使用にしたら、落ち着いた段階で戻せるのでしょうか。この段階で、ここの会議では価格については関係無いのですが、その時の価格はSU剤に比べたら10倍も高く掛かってきます。それは、お金を払える人が使うということです。それから、医者の方も、患者さんはそれを選択する権利があるわけですから、使っていいかどうか判断するということです。果たして、そのようなものを日本の中に取り込んでいくことは、いいのだろうかということを私は非常に危惧したのです。薬価算定組織会議の時に、これが問題になったのです。今は値段のことは考えず、プラトーになってきたとしたら、SU剤を今まで使っていたような一般的な安価な薬というとおかしいのですが、一般的な2型の人に使える抗糖尿病薬に変更できるのでしょうかということを質問させていただきます。
○機構 どのように回答していいか分かりませんが、今、SU剤を例に挙げられたのですが、薬価の観点で論じていいかはともかく、SU剤については、低血糖のリスクは非常に危惧されております。患者さんにおいて、もちろんHbA1cをコントロールするのは重要なのですが、やはり低血糖を起こすと、患者さんの予後に非常に悪いということが分かってきているので、特に重篤な低血糖を避けて血糖コントロールをすることが重要視されております。
 今回は、血糖値に応じて下げるということで、SU剤のように無理やりインスリンを分泌させて下げるような薬剤ではないというメリットがあります。単に値段だけで治療薬として決めるわけではなくて、もちろんSU剤で十分安全にコントロールされている人がいれば、経口剤の方が患者さんにとっても負担が小さいですので、そのような人はそれで結構だと思うのです。あるいは、SU剤プラスほかの薬剤との併用療法というのもあります。
 今回のこのような薬剤は、経口剤でコントロールしきれなかった人や状態が悪ければ合併症のことを考えると、最後はインスリンということになります。インスリンも、もちろん効果は強いですけれども、上手く使わないと低血糖のリスクが危惧されますので、今回のGLP-1受容体作動薬というのは、むしろインスリン療法に行く手前の人たちにも使えるような薬剤で、今回は週1回ということで、従来のバイエッタよりも低血糖のリスクを少し低くするような形で製剤設計されており、初期からでも使えるような薬剤というコンセプトで開発されております。
○松井部会長 私は、佐藤先生の御質問はSU剤に限らず、今までよく使われていたような薬剤でコントロールが十分に得られない場合に、この薬を使って、そしてある程度落ち着いたら再度元に戻すことが可能かどうかということだと思います。SU剤だけではなくて、そのような御質問ではなかったかと思いました。そのような報告はあるのでしょうか。
○機構 それは、恐らく現場の先生の御判断というしかないと思います。そのような臨床試験は行っておりませんので、どうなるか分かりません。
○野田委員 今の質問へのお答えも含めてということになろうかと思いますが、これは週1回タイプですが、これまでのバイエッタやビクトーザは、経口薬で十分コントロールできない方や、食欲低下作用がありますので肥満タイプの人などによく使っています。状況によっては、可能性として経口薬に戻すことも可能だと思います。この薬は週1回タイプなので、今、認知症のある糖尿病の方が非常に増えてきておりますので、週1回投与すれば良いということはそういった場合の福音になろうかと思います。
 私の質問ですが、添付文書の3ページの副作用のところを見ていただいても分かりますように、悪心が104例で12.7%、嘔吐が7.6%ということです。実際、私のバイエッタの使用経験でも、悪心・嘔吐は非常にあります。その右の4ページの薬物動態を見ますと、本剤5μgを投与してから8時間以内に放出があって、最終的に血中エキセナチド濃度は約10週間維持されたと書いてありますので、嘔吐が出た場合に、悪心・嘔吐の副作用が相当長期間続くことがあるのではないかと思います。1日2回タイプのもので、ある程度コントロールがついている方から切り替える方が、この副作用が長期間残らないという観点でよろしいのではないかと思ったので質問させていただきます。
○機構 審査報告書74ページに図を載せております。これは、GWCK試験の国際共同の中の日本人集団の悪心の発現割合ということで、棒グラフが2種類あります。黒っぽく塗り潰したものは、前半26週において既承認のバイエッタが投与されていて、後半の26週は本剤に切り替えています。×のように見えるのが、最初から最後まで本剤が投与された群です。
 これを見ていただくと分かりますように、やはりバイエッタは非常に悪心が多いのです。それに比べて、本剤はそこを抑えるという開発コンセプトがこの結果に出ております。実際に先生方にお聞きすると、むしろ本剤を使う前にバイエッタを入れてしまうと現実にバイエッタは悪心・嘔吐で使えない人もいるということで、今回についてはショートリリーフ的にバイエッタを使うということが、現実的に余り有効ではないと思われます。
○野田委員 血中濃度がなだらかなので、このような結果になるのは分かりますが、この薬剤の副作用は人によって違いがあり、非常に嘔吐の程度が著しい人とほとんど平気な人がいらっしゃいます。確かに、1日2回タイプで行って嘔吐があった場合でも、実際はロングアクティングのものであれば使えるかもしれないのですが、何らかの試験投与的なことがあってよいのではと思うのですけれど、とりあえず、最初から投与してしまうということですね。頻度的に少ないからという理由ですか。
○機構 同じ74ページの上の表46にも、この二つの第III相試験における胃腸障害、悪心、嘔吐、便秘といったものの重症度という質的な比較も載せております。先生がおっしゃるのは、表46の下半分のGWCK試験で、対照がBID群というバイエッタ群と左側が本剤群です。例えば、悪心でいくとバイエッタの方は高度が2例、中等度が15例ということで、本剤群の方は中等度が4例、軽度が33例、程度的に見ても、バイエッタよりは恐らく軽いであろうというのは、試験成績から言えるかと思います。
○野田委員 では、私としては、使ってみて状況によって考えてみます。
○成冨委員 似たような質問ですが、本薬剤はロングアクティングなので、一旦低血糖が起きてしまうとかなり長く続くであろうと思われます。一般にSU剤等の普通の経口糖尿病薬の場合は、低血糖症状がみられた際、薬剤を中断してしばらく経過すれば血糖レベルは回復します。しかし、摂食不良な例では半日~1日ぐらい後に再度低血糖が生じることがあります。本薬剤の場合、摂食不良な例では数日ないし1週間ぐらいの期間は再度低血糖が生じる危険性があるのではないでしょうか。一旦低血糖症状が起きた場合の対処法はこうすべきであるというようなガイドライン的なものは必要無いのでしょうか。
○機構 先生が御指摘の点は、特にSU剤と併用しているような場合が一番想定されるのかと思います。バイエッタでも同じように、それから最近承認されたDPP-4阻害剤でもそうなのですが、臨床試験では特に低血糖の懸念は無くても、実際現場に出た時に、やはりSU剤併用例で低血糖が問題になって、添付文書の注意喚起が強化された経緯があります。本剤についても、もちろん同じような注意喚起はしています。
 それから、本剤は長期間持続するということで、仮に何かの理由で投与をやめた後でも、代わりに何か新たな薬剤を乗せてしまうという点は特に注意すべきだと考えまして、その辺は現場に対して十分な情報提供をすることになっております。ですから、やめてすぐ効果も無くなる、身体から薬が消えるというのではないということです。10週間ぐらいは血中に残りますので、そのような点は我々としても重要だと認識しております。
○清水委員 注射部位反応の点なのですが、バイエッタと比べて強い障害が出るというデータが臨床試験では出ているかと思うのです。その情報提供について、添付文書の書きぶりだと、事実を淡々と表の中に書いていて、バイエッタと比べてそこのところは臨床上のデータには厳しい値が出ていることが分かりづらいと思うのですが、何か別の方法等で情報提供するようなことは御指導になっていらっしゃいますか。
○機構 御指摘のとおり、発現率として本剤の方はかなり出ています。それについては、多いのは事実ですから、我々も審査の中で本剤の特徴といいますか、その裏腹の話だと思っております。今、添付文書では、その他の副作用のところで、注射部位反応ということで、5%以上の欄や1~5%というところの記載と表の下に注釈として、この製剤学的な特徴のことについてもマイクロスフェアということで注釈として書いております。
 確かに頻度としては非常に高いのですが、程度という面では投与を中止しなければいけないというほどのシビアなものではありません。もちろん注意しなければいけない事象ではあるのですが、その程度の面も含めて情報提供するというぐらいしかできないのかと考えております。
○清水委員 考えようですけれども、1日に2回毎日打つものに比べて、1週間で1回しか打たないものの方が、注射部位反応が大きいというのは、きちんと説明を受けないと理解できないところもあろうかと思いますので、御指導いただければと思います。
○機構 その旨、指導させていただきます。
○手島委員 やはり副作用のところなのですが、注射部位反応と抗体価もBID群に比べて、本剤の方が抗体価が高い人が多いということがあります。抗原性等が高いということはあるかもしれないのですが、市販後調査の中で、その辺りの調査はしっかりしていただければと思います。
○機構 はい。調査項目に入れております。
○佐藤(田)委員 先ほどのやり取りの中で少し気になることがありましたので、部会長、伺いたいと思います。添付文書の中に、十分に注意をこのように書き換えましょうというようなお答えが出たり、注意を現場に流しますということや情報提供いたしますという回答が返ってきます。現実に、今まで出た近々の薬でも、それが危惧されて質問の中で単純に出てきたようなものが起こってきた時に、情報提供というのは実際に添付文書を書き換えるわけではないのでしょうか。あるいは、現場に情報提供しますと言うけれども、実際に本当に行っているのでしょうか。どこが、どのように情報を改善したものを出しているのですか。この話題からずれてしまうかもしれませんが、難しいことですので、実際はどうされるのですか。今の薬に関してでも結構ですので教えていただきたいと思います。
○松井部会長 きちんとお答えできるかどうか分かりませんが、どなたか発言はありますか。
○審査第一部長 先生方がよく御存じのように、医療機関等医療関係者への情報提供にはいろいろな媒体があります。一つは添付文書でありますし、それからここにありますような資材であるとか、このような様々な媒体を使って情報提供することになります。添付文書については、ある程度の記載要領があって、このようなものはこのように添付文書に記載しなさいということがありますので、そのものに該当するものは基本的に添付文書に記載をして情報提供するということです。
 それのさらに解説というようなもの、先ほど御指摘のあった注射部位についての副作用の程度については、ここに記載しておいて、さらにそのようなことが1日2回製剤に比べて、1週間製剤の方が多いという、その追加の解説的なことについては資材等で情報提供するということです。このようなある程度の段階において情報提供していくことになっています。お答えになっているでしょうか。
○佐藤(田)委員 理解が悪くて申し訳ないのですけれども、ここで先ほどのように御意見が出たものについて、発売前に改善というか変えて添付文書として出すというのはいいですね。そうではなくて、その後にいろいろ起こってくるだろうという懸念が、今、御意見として沢山出てきましたが、そういうものを現場に情報提供するというのは、現在、インターネットで医薬品情報が出ますけれども、そのようなことで補うのでしょうか。それとも何か特にあるのですか。危ないものもありますね。それを簡単で結構ですから教えてください。
○安全管理監 PMDAの安全部門を担当しております森です。多くの新薬は市販直後調査というのがかかっています。市販直後調査の間は、かなり綿密に全医療現場に最低でも大体2週間隔ぐらいで訪問し、適正な使用の情報提供と現場で起きている直後の状況の把握を行うことになっております。この間に、副作用が予想していた以上に起きるとか、予想していなかった副作用が起きるということについては、最近の新薬では対応がきちんと行われております。
 そこでもし何かありますと、まず使っている施設に企業が自ら情報提供するということ、そのような情報提供をしているものはPMDAのホームページに、このような情報を提供していますということが記載され、それから、そのような情報提供が行われていることを折に触れてメールで配信しています。PMDAのメディナビという情報配信サービスがあるのですが、これに登録されている方が今は5万人ぐらいになっているのですが、もっともっと沢山登録していただきたいということで呼びかけております。こうした手段によっても、迅速に現場にお伝えすることを行っております。こうしたことをずっと再審査期間中続けていくというのが基本的な取組です。
 直後調査の結果の後は、さらに様々な使用成績調査の結果や臨床試験の結果、あるいは海外での研究報告、あるいは規制当局が何かの措置をしたといったことも、ままあります。こうしたことで重要な情報はいち早く現場にお届けするということで、企業にも行わせますし、PMDAも必要に応じて行っております。
○松井部会長 佐藤委員の御質問に対して私が答えるようにという要請を受けたのだと理解したのですが。
○佐藤(田)委員 質問していいですかということでした。
○松井部会長 そうですか。ただ、ここで出た先生方の御質問、御懸念が何らかの形でフィードバックされることはあってしかるべきではないかと個人的に思います。それでは、どのようなシステムを作ったらいいか、今思いつきでは申せませんけれども、このような会を司会している以上、何らかの形でフィードバックがあっていいのではないかと思います。それが私のお答えです。ほかに、御意見が無いようでしたら議決に入ります。いかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入ります。
 なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題4に移ります。議題4について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題4、資料4-1、4-2「医薬品アポカイン皮下注30mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否並びに再審査期間の指定について」機構より説明いたします。
 審査報告書3ページを御覧ください。本剤は、ドパミンD1様受容体及びD2様受容体の作動薬であるアポモルヒネ塩酸塩を有効成分とする注射剤であり、ドパミン受容体作動作用を介して、パーキンソン病の運動症状に対して改善効果を示します。本剤は、投与後、速やかに血中濃度が上昇し、血中からの消失も速やかで、効果持続時間が短く、また、皮下投与であり侵襲性があることから、海外では進行期パーキンソン病患者に振戦や動作緩慢といった運動合併症が現れた際のレスキュー薬として開発され、1993年に英国で「既存のパーキンソン病治療薬で十分な効果が得られない進行期パーキンソン病における運動合併症」の効能・効果で承認されたのを初めとして、2011年12月の時点で米国、フランス、ドイツを含む23か国で承認されています。本邦での開発は20□年から開始され、今般、製造販売承認申請がなされました。
 なお、本剤の投与には、専用注射器として治験で使用された電動インジェクターが用いられる予定となっております。この専用注射器は、医療機器としての承認が必要であるため、医療機器審査部と並行して審査を行っております。また、本剤と医療機器の審査は連携して行っており、本剤と機器の同時期の承認を予定しております。本品目の審査に関して、専門委員 として資料11に記載されております委員が指名されました。
 本品目の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明します。有効性について、審査報告書42ページからの国内第III相試験の項を御覧ください。本試験では、本剤が1回1mgから投与開始され、最大用量を1回6mgまでとして1mgずつ投与量が調整され、患者ごとに効果が十分で、忍容性に問題が無いと判断された維持用量が医師により決定されました。なお、1回ごとの投与の間隔は120分以上、投与回数は1日最大5回までとされました。患者ごとに維持用量を決定した後に、自己投与の練習期が設定され、自己投与適格性確認の項目を満たした患者は在宅投与期に移行しました。本剤の有効性は、この在宅投与期の12週目に本剤とプラセボを無作為化二重盲検クロスオーバー法で発現したオフ症状にそれぞれ投与し、評価が行われました。有効性の主要評価項目は、パーキンソン病の運動能力障害の程度を評価するUPDRS partIIIの合計スコアの変化量とされ、44ページの表7にお示ししますように、UPDRS partIIIスコアの変化量についてプラセボと本剤の間に有意差が認められました。
 次に、安全性について説明いたします。審査報告書45ページの表8を御覧ください。第III相試験の治験薬投与開始から治験終了時までに5%以上に認められた有害事象をお示ししています。ドパミン受容体作動薬に特徴的な有害事象である悪心や傾眠に加え、好酸球増加等が比較的高頻度に認められました。特に悪心・嘔吐は本剤のリスクとして重視されており、海外では本剤の投与前には制吐剤の併用が必須とされておりますが、本邦の臨床試験では海外よりも低用量から開始し、さらにゆっくりと漸増する用法・用量が設定されており、この臨床試験で認められた悪心・嘔吐は頻度や程度共に軽微であり、多くの症例では休薬や減量、あるいは制吐剤の処置は必要無かったことから、本邦においては制吐剤の併用を必須とする必要は無く、添付文書(案)に記載されているような注意が遵守された上で適正に使用されれば、承認の可否に影響するような安全性に関する問題は認められないと判断いたしました。
 続いて、本薬の効能・効果について説明させていただきます。冒頭で申し上げたように、本剤の作用は速やかに発現する一方、持続も短期間であること、投与に侵襲性を伴い、また嘔吐などの副作用のリスクもあることを考慮すると、本剤はパーキンソン病における内科的治療の最後の段階で投与が検討される薬剤と位置付けられます。したがって、進行期パーキンソン病で既存の治療薬の多剤を併用しても、薬剤の効果が切れた時の運動合併症により自立した日常生活を送ることが困難になってしまう患者、すなわちオフ症状が十分にコントロールできない患者へのレスキュー治療薬として使用する薬剤とすることが妥当と判断しました。
 一方で、既存の内服薬を用いた治療が十分に行われていない患者や治療薬の効果が発現しているようなオン状態でも自立的活動が困難であり、本剤を投与しても症状の改善が期待できないような患者には、本剤を投与すべきではないと考えております。以上を踏まえまして、申請時効能・効果を一部変更し、審査報告書66ページに記載しておりますように、「効能・効果」を「パーキンソン病におけるオフ症状の改善(レボドパ含有製剤の頻回投与及び他の抗パーキンソン病薬の増量等を行っても十分に効果が得られない場合)」とし、さらに添付文書(案)の「効能・効果に関連する使用上の注意」で本剤の投与対象が明確となるよう注意喚起することが適切と判断しました。
 次に、本剤の用法・用量について説明いたします。審査報告書61ページからの用法・用量についての項を御覧ください。開始用量1回1mgとし、1mgずつ増量して、患者の状態に応じて維持用量を定める漸増方法は、国内臨床試験における用法・用量と同じであり、試験成績により本剤の有効性・安全性が確認されていることから、申請時用法・用量は妥当と判断しました。また、最高用量につきましては、少数例ではあるものの、国内の臨床試験において6mgまで増量する必要があった患者も存在し、6mgにおける有効性を示唆する結果も得られていること、6mgを超える用量での有効性は海外の臨床試験で検討されましたが、認められておらず、逆に6mgを超えるような用量ではリスクの増大の懸念もあることから、6mgを上限の最大用量とすることは適切と考えます。さらに、「用法・用量に関連する使用上の注意」に記載されていますように、投与間隔は2時間以上とすることや1日の投与回数の上限を5回とすることについても、本剤の効果持続時間や臨床試験での使用経験を踏まえると妥当と判断しました。
 また、本剤は自己投与が可能な製剤となっていますが、その用量調節は医療機関のみで実施可能となっています。自己投与の適用については、パーキンソン病に対する十分な経験を有する医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後に、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施することが重要と判断し、添付文書(案)の「重要な基本的注意」の項の6にそのような旨を記載しております。それに加えて、患者やその御家族に向けた使用上の説明書など情報資材を活用して、本剤の適正使用のための情報提供を徹底する必要があると考えております。
 製造販売後調査につきまして、審査報告書64ページを御覧ください。使用実態下における長期投与時の安全性と有効性を確認することを目的とし、1,500例の症例が集積されるまでの全例を対象とした製造販売後調査を実施し、高齢者、腎障害、肝障害患者における安全性・有効性、また消化器症状、心臓障害、精神・神経系障害及び症候性低血圧の発現状況などを本調査で情報収集する予定です。加えて、自己投与の投与状況、どのようなタイミングで本剤が投与されたのか、あるいはどのような症状に本剤の投与が必要とされたのかといった情報も併せて収集する予定で、これらの情報に基づき、必要に応じて適正使用のための方策を随時見直すべきと考えます。
 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は生物由来製品又は特定生物由来製品に該当せず、再審査期間は10年とすることが適当と判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○成冨委員 この薬剤は、重度のパーキンソン病にとっては本当に画期的な薬剤だと思います。しかし、オフ状態で使う際に、患者さんが自己注射できるか否か、私は非常に疑問に思います。病院で看護師ないしは医師が投与するのであれば問題無いと思いますが、オフ状態になった時には患者さんは動けない状態に陥っているので、自分で注射できるのだろうかということです。医師の前で何遍練習したとしても、それはオンの状態の時の練習でしょうから、オフになった時に、しかもこのような附属物が付いているような複雑な機械につないで行うのは、本当は無理なのではないかと思います。自己注射というのは、あくまでも建前であり、現実には、家族が注射せざるを得ない場合が多いのではないでしょうか。医師や看護師ではない人間が注射することが法律上許されていないので、自己注射という形になっているのだろうと思いますが、この場合は「やむをえない場合は家族が注射を代行してよろしい」等の文書をつける方がよいのではないでしょうか。○機構 まず、オフ状態の時に患者自らが投与できるかどうかという点について、専門協議でも同じような御質問をいただきました。少なくとも治験においては、患者と必要に応じてその御家族に使い方の説明をして、投与は原則は患者自身でできることを確認した上で、実際にかなり長期の在宅投与期間を設け、その中では少なくともそういった症状がきつくて投与できなかったという不具合は報告されておりません。確かに操作も細かいところなどがあるので、なるべく座って操作していただくようにといった指導を行ったり、あるいは1からすべての操作を毎回しなければいけないわけではないので、1度セットすれば、後は針を取り替えて、薬液が無くなるまでは比較的複雑な操作が省かれると思いますので、まずはそういった時点で、できる限り患者が自己投与できるような対策を取るべきだと考えております。
 もう1点、御指摘のように状況や症状によって、どうしても強いオフ症状が出てしまった時に、患者がお一人で投与できない場合も想定されますので、原則そういった症状がよく出るような場合は、まず医療機関に行って医者と相談して、必要に応じて家族の方の補助というか、投与するための補助としてお手伝いいただくという対策も検討しております。
○成冨委員 私は添付文書を未だ読んでおりませんが、家族が補助してもいいということがそこに記載されているのでしょうか。
○機構 添付文書には、原則として自己投与と書かれているのですが、家族や患者向けの説明用資料においては、Q&Aというか、トラブルがあった時の対処法として、症状により自己注射が困難になり、補助が必要になるような場合は医師と相談して、その上で家族の補助が必要と判断された場合は、家族の方は医者の指示に従って補助を行ってくださいという説明書きを付けております。
○佐藤(田)委員 専門ではないので、教えていただきたいと思います。これから高齢者がどんどん増えていくばかりですから、このような患者が非常に増えてくるのではないかと思いますが、関与している科でない者は少し難しいと思います。オフ症状というのは分かるのですが、その中で、確かにオフ症状になって、この薬をレスキュー薬として、患者でどうしようもないと、ジスキネジアなどは、私は歯科ですが、起こってきた現象に困っている時がありますので、よく分かります。この薬の使い方、臨床的な見越しとしてレスキューであると、オフ症状は抑えることができるという期待を持って使うわけですが、そうなって投与された患者にどのぐらいの期間使用し、その後何かまた違う抗パーキンソン病薬を使っていくのか、この薬を使い続けるとこの人の生命は救われるのか、どのような位置にあるものかを教えていただきたいと思います。
○機構 レスキューというのは救命という意味ではないので、予後に関してこの薬がどのように良いことをするかまでは評価できていないのですが、少なくとも普段飲んでいる抗パーキンソン病薬は飲み続けた上であっても、その合間にどうしても薬の効果が切れてしまったり、予期しない、薬が切れたような状態が突然やってきてしまって、震えが起きたり固まってしまったりといった症状が出た時に、その症状を緩和するためにこの薬を1回投与して、恐らく投与10数分後からは症状緩和の効果が現れてきますので、窮地を脱する薬になると思われます。ですから、どのぐらい長期で使うかは難しいのですが、もし毎日症状が1度以上出るような場合は、毎日出るたびに使用することになると思いますし、しばらく出ない期間があれば、その間は投与を必要としない薬になると思います。
○佐藤(田)委員 先ほど、どなたかが御質問された時に、言葉は違うかもしれませんが、持続投与注射器を使うとおっしゃったので、レスキューをワンショットでするわけではなく、ある程度使うのかなというイメージとして私は取ったのですが、そこは今のお答えからは拾えないので、お答えを追加してください。
○機構 持続して皮下注するものではなくて、インスリンの皮下注と同じような感じでワンショットで打つ薬です。
○佐藤(田)委員 数回行うということですね。
○機構 基本的には、1回の症状に対しては1度だけ打つ薬です。
○松井部会長 量が増えた時には、受持ちの医師がセットをするということですね。
○機構 そうですね。この薬は基本的にはパーキンソンの薬、ドパミンやドパミンアゴニストを飲んでいて、それは1日何回か定期的に飲んでいるのですが、薬が急に効かなくなった時に、急に運動症状が起こった時に動けなくなると困る、あるいは歩きにくくなって困った時に打つということです。それを打って、しばらく2時間ぐらいは効いているわけですが、次に服薬のタイミングが来れば、またドパミンアゴニストを飲むこともできますので、必ずしもこの薬を運動症状が起こった時に打ち続けないと、ずっと生活していけないわけではないので、あくまで一時的にその場を凌ぐための意味のレスキューと捉えていただければと思います。
○本橋委員 二つ教えていただきたいのですが、一つはインジェクターのことがよく分からなかったのですが、これは御自分で量を設定する必要は無いと考えてよろしいのですか。海外の添付文書を見ると、間違えないようにと量のことを非常に細かく説明していたので、その心配は無いということでよろしいですね。
○機構 インジェクターに対しても一定の投与量をセットしますので、患者自身で用量を変更する必要はありません。
○松井部会長 ドクターにしかできないわけですね。
○機構 はい。
○本橋委員 もう一つは、これは内科的な治療の最終的なものというお話だったのですが、最近は深部脳刺激などが頻繁に行われていますが、それとの関連はどのように位置付けられるのでしょうか。
○機構 恐らく、外科的手術でそういった電気刺激を送るような処置も取られていると思いますが、それよりは前の段階でこの薬にチャレンジすることになると思われます。
○本橋委員 これでも駄目だといった時は、どのようになりますか。
○機構 もし、これでもコントロールできない場合は、外科的な手術しか選択肢は残されていないのではないかと思います。
○松木委員 悪心・嘔吐に関する質問なのですが、動物実験ではアポモルヒネは典型的に嘔吐をさせる薬として使います。臨床試験でその作用が少ないということの一つは、これはR体を使っているけれど、海外試験もR体なわけですね。エナンチオマー特異的ではないということですね。
○機構 そうです。
○松木委員 日本人だからということなのでしょうか。ブロモクリプチンなどの嘔吐例も少ないのですか。
○機構 薬は違いますが、アリセプトなどに代表されるように、どちらかというと消化器症状は日本人の方が出やすいイメージがあるのですが、この薬は海外では投与を2mgから開始して、ある程度短い間隔で1、2mgずつどんどん上げていくような用法・用量なのです。日本で採用した用法・用量が1mg、その半分から開始して、しかも投与間隔を少なくとも2時間以上十分に置いて、1mgずつ細かくゆっくり上げていくという漸増を取ったので、それによって日本ではそれほど出なかったのではないかと考えております。
○松木委員 それは分かるのですが、普通は用量依存性となるので、ゆっくり打つとパーキンソン病に対する効果も低いことが懸念されます。日本人で悪心・嘔吐の副作用頻度が低いというのが納得できないのです。
 その問題とは別に、添付文書(案)15ページに「必要に応じて制吐剤の使用も」となっていますが、16ページの併用注意にドパミン拮抗薬としてフェノチアジンやメトクロプラミドと書いてあり、ドンペリドンもドパミン拮抗薬なわけです。中枢に入らないから効くということなので、これは制吐薬ではなく、ドンペリドンと規定する等をしないと非常に混乱が生じると思います。
○機構 基本的に、御指摘のとおり制吐剤はドンペリドンを意図しておりますので、こちらについて添付文書で情報提供するか情報提供資材などで記載するかも含めて対応を検討したいと思います。
○松木委員 薬物動態の時のデータも、恐らく開始時点の予想でドンペリドンを投与しないと、悪心・嘔吐の副作用があって大変だとスタートしたのだろうと思います。実際の結果はそうでもなかったということですが、薬物動態のデータは当たり前のようにドンペリドン併用下と書いてあります。ですから、その辺は説明が必要かと思いました。
○機構 ドンペリドンの併用が必須だというのは、健康成人を対象にした試験だったということもあります。反復投与は患者を対象としたII相試験の結果なのですが、この試験まではドンペリドンの併用を必須としていたのですが、その時に検討した用法・用量を注意深く見ると、併用必須としなくても忍容性として大丈夫そうだということで、次のIII相試験や長期投与試験以降は併用必須でないとされた経緯があります。一応、ドンペリドンの併用が薬物動態であったということは、健康成人であったということと開発初期の段階であったということを補足します。
○松木委員 それは分かっているのですが、添付文書にいきなり薬物動態でドンペリドン併用下でとありますが、なぜドンペリドンを併用したかということについて何の説明も無く、いきなり書いてあるので、現場で混乱するかと思っただけです。
○機構 了解しました。使用目的は記載します。
○佐藤(雄)委員 1回1mgから始めると用量が定められていますので、このカートリッジ30回分ということになるわけですね。「使用開始後も室温に保存し、14日以内に使用すること」と添付文書の3ページに書いてあるのですが、在宅で使われることも考えると、14日経ったら必ず捨ててくださいという指導を資材等でしていただきたいと思いました。
○機構 維持用量によって、もし6mgになった場合は5回で打ち切ってしまうのですが、御指摘のように1mgですと30回分ぐらい使えるということで、今回、電動インジェクターに最初に針を設置した時から14日間経つと、自動的に期限が切れましたという警告も出るようになっておりますので、そうしたものも含めて適切に情報提供したいと思います。
○山田委員 抗パーキンソン病薬は、沢山の薬剤が既に開発されて、ドパミンアゴニストというものも経口剤でありますが、そのような患者にもアポモルヒネ皮下注はオフ状態が生じたら使うのでしょうか。併用薬によっては、効果が認められない患者はいらっしゃらないのでしょうか。
○機構 臨床試験で実際に組み入れられた患者は、ドパミンアゴニストやレボドパ製剤もほぼ併用している患者が多くおります。そういった多剤併用している患者の中でいろいろな組合せも確認しましたが、特に何か相互作用的なもので、こういった飲み合わせでは効かない、あるいは安全性上問題があるといった傾向は認められませんでした。
○清水委員 制吐剤の件で1点確認ですが、審査報告書65ページの一番上になりますが、5-HT3拮抗薬との併用時の安全性についても、市販後に調べるべきという記述があります。私もこれを読んで、基本的に制吐剤としてはドンペリドンを想定しているのだろうと思ったのですが、5-HT3を使うことの可否はどのようにお考えでしょうか。
○機構 大変紛らわしい記載で申し訳ありません。本剤の制吐目的で5-HT3拮抗剤が使われることは想定しておりません。国内での承認用法・用量に従って、5-HT3は基本的には悪性腫瘍の薬の制吐目的で使われているので、パーキンソン病の患者と悪性腫瘍で合併して違う目的で5-HT3拮抗剤を併用する場合も否定はできないということで、仮にそういったシチュエーションが起こった場合は適切に情報収集するという意図です。
○清水委員 ちなみに、米国の臨床試験では5-HT3を使っていませんか。
○機構 こちらは、相互作用が検討された試験です。調査報告書の39ページを見ると、海外で併用された制吐剤が書かれていて、恐らく国内未承認薬だと思いますが、こちらが併用されております。39ページの海外第I相試験などの3行目辺りです。
○松井部会長 「trimethobenzamide」よく分かりませんが、どなたかお分かりになりますか。
○機構 少なくとも、米国では5-HT3拮抗剤は併用禁止となっておりますので、その類の薬ではないと思われます。
○松井部会長 どなたかコメントしてくださる方はいらっしゃいますか。
○機構 恐らくドンペリドンと同類とは思われるのですが、海外でドンペリドンが市販されていなかったので、こちらが使われていたのではないかと推測されます。
○松木委員 57ページにオンダンセトロンのことが書いてあります。相互作用が疑われたということが記載されています。恐らく、これで禁忌にしたのだと思うのですが、基本的にはアポモルヒネにはセロトニン3のアンタゴニストは全く効果が無いはずなので、併用ということはよほどのことが無い限り、考えられないと思います。たまたまこれがあったからということで、添付文書で禁忌にしたという説明が57ページに書いてあると思います。
○松井部会長 57ページのどちらですか。
○松木委員 「4)海外で使用を禁忌とされている薬剤について」で、「申請者は、以下のように回答した」ということで、「オンダンセトロンの併用下でアポモルヒネの」というところで、重篤な有害症状が認められたという辺りで、セロトニン3の受容体拮抗薬等を禁忌にしたということだと思います。
○松井部会長 ありがとうございます。大変に議論が百出しましたが、以上でよろしいでしょうか。ほかにはございますか。
 それでは、議決に入ります。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題5に移ります。議題5について、事務局から概要を説明してください。
○事務局 審議事項議題5、資料5「Z-521を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」事務局より説明いたします。
 資料の医薬品医療機器総合機構による評価報告書を御覧ください。申請者は、ゼリア新薬工業株式会社です。希少疾病用医薬品の指定要件である対象者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について順次御説明します。
 まず対象疾患ですが、1ページの下の方、1.です。原疾患のうち、「原発性低リン血症性くる病」を含む線維芽細胞増殖因子23関連の低リン血症、「Fanconi症候群」、「未熟児くる病」の3種類の疾患の患者数が、平成22年度の厚生労働科学研究報告などからそれぞれ1,000人、23人、約2,500~6,000人と推定されております。このように主要な原疾患についても比較的まれな疾患で、それ以外の部分に関して本薬を投与する理由は極めて少ないと考えられることを踏まえると、希少疾病用医薬品の指定基準である5万人未満を満たしていると考えております。
 次に、医療上の必要性です。報告書2ページの下段からになります。低リン血症が持続して、くる病や骨軟化症を発症しますと、骨変形、著明な骨痛などが認められ、日常生活に著しい影響を及ぼすことになります。国内では、リン補充を目的とする経口リン酸製剤は承認されておりません。したがって、長期にわたるリン酸の投与が必要であるくる病、骨軟化症を伴う低リン血症の治療に適した治療薬はありません。本薬は、リン酸塩が配合された顆粒剤ということで、経口投与が可能ですので、医療上の必要性は高いと判断をしております。
 最後に開発の可能性ですが、海外において低リン血症を始めとするリン補充の適応を有する経口リン酸製剤が既に承認されております。また、国内において現在本薬の有効性及び安全性を確認することを目的に、「原発性低リン血症性くる病」患者を対象とした臨床試験が実施中であるということから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。
 以上3点より、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと判断しておりますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。
○佐藤(田)委員 恐らく、ここに出てくるFanconi症候群等の方に早い時期からこれを投与し始めれば、有効性としては改善されてくるのでしょうか。それとも、ある時期に経口すれば、収まってしまうことは無さそうな感じがするのですが、有効性が分かるかどうかは難しいですが、見込みはどのように考えた薬なのかを教えてください。
○事務局 お答えになっているかどうかは分かりませんが、基本的にはリンの値が低下して症状を来している患者に対してリンを補充していく形になると思いますので、その作用の面から考えれば、くる病や骨軟化症の患者にとって福音になるような薬になっていくのではないかと考えております。
○佐藤(田)委員 大変良い言葉で「福音」とおっしゃって、確かにその福音は分かるのですが、これが出たから治るとは恐らくおっしゃらないと思いますが、かなり改善されて、子どもであれば普通の人のように成長していくような薬なのかという質問です。
○事務局 現時点でその辺の細かい情報までは入手できておりませんが、海外で承認されていることや国内での臨床試験も実施中ということもありますので、それも含めて承認申請がなされるものと思います。承認審査の中できちんと確認をして対応してまいりたいと思います。
○松井部会長 いかがですか。今の御質問は、例えば、くる病に対する効果、成長に対する効果がどうかということだったと思いますが、それは今の時点ではお答えできないということのようです。私も正確にお答えする自信がありません。
○古川委員 これは不可逆的な病気なので、元に戻ることは無いのですが、悪くしないという意味での重要性を持っているわけで、治療効果と言われると、不可逆性を可逆性にするところまではとてもいかないと思います。ですから、先ほど答えられたように、くる病や重篤な合併症を防ぐということで、疾患の基本的なことについてまで影響を及ぼすものではないと思います。
○松井部会長 ほかにはありますか。よろしいでしょうか。無いようですので、議決に入ります。
 本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題6に移ります。
○事務局 審議事項議題6、資料6「無水ベタインを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」事務局より説明いたします。
 本剤は、シスタチオンβ合成酵素、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、又はコバラミン補酵素代謝の欠損又は異常を伴う、ホモシスチン尿症の補助療法を予定効能・効果としております。
 資料を2枚めくると、医薬品医療機器総合機構の評価報告書があります。申請者は株式会社レクメドとなっております。希少疾病用医薬品の指定要件3件について順次御説明をいたします。対象患者数ですが、1ページの下からになります。1977年から新生児のマス・スクリーニングが実施されております。これにより累積患者数は200人程度と推定されており、指定基準である5万人未満を満たしているという状況です。
 医療上の必要性についてですが、2ページに記載があります。ホモシスチン尿症は、知能障害や骨格異常による高身長などを引き起こしますので、不可逆で重篤な疾患となります。国内でホモシスチン尿症に対して承認された医薬品は無く、現在のところ食事療法やビタミンB6の大量投与が行われますが、ビタミンB6の大量投与では呼吸不全や肝機能障害なども報告されているということです。本剤は、ホモシステインをメチオニンにメチル化することにより体液中のホモシステインを低下させる役割の薬剤で、既存治療において治療が十分に行えない実態があり、ベタイン療法が有効な治療法になることが期待されるということで、医療上の必要性が高いのではないかと判断をしております。
 開発の可能性につきましては、本剤は米国で1996年、欧州でも2007年に承認されております。国内においては、日本人のホモシスチン尿症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する目的で第III相試験が実施される予定であり、開発の可能性は高いと考えております。
 以上の3点より、本剤は希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと判断をしておりますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。特段の御意見はありませんか。
 御意見が無いようですので、議決に入ります。
 本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題7について概要を説明してください。
○事務局 審議事項議題7、資料7「イマチニブメシル酸塩を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」事務局より説明いたします。
 事前評価報告書、医薬品医療機器総合機構が取りまとめた事前評価報告書を基に、対象疾患数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について御説明します。品目の名称は「イマチニブメシル酸塩」、予定される効能・効果は肺動脈性肺高血圧症、申請者はノバルティス ファーマ株式会社です。1点目、対象患者数ですが、1ページの下にあります。肺動脈性肺高血圧症は、肺動脈圧の異常な上昇を認める病態の総称であり、安静臥位の平均肺動脈圧が25mmHgを超える場合に診断されるものです。2ページです。本邦での患者数ですが、特定疾患医療受給者証交付件数等、その他いろいろな情報を基にすると、約1万4,000~1万9,000人と推定されております。したがって、希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものであると判断します。
 2点目の医療上の必要性ですが、肺動脈性肺高血圧症は肺血管抵抗の増大から右心不全、更には死亡につながる重篤な疾患で、極めて生命予後の悪い疾患です。現在の治療としては、従来から使用されている抗凝固薬、在宅酸素療法、カルシウム拮抗薬、利尿薬、ジゴキシン等に加えて、近年では三つの経路、すなわちプロスタサイクリン経路、エンドセリン経路、一酸化窒素経路といった経路に作用する肺血管拡張薬のいずれかを用いた単剤療法が行われております。それで十分な臨床効果が得られない場合には、さらにこういった3経路に作用するほかの肺血管拡張薬を複数薬剤を併用して症状・病態をコントロールすることを目標にしております。それで十分なコントロールができない患者さんに対しては、最終的に今は外科的な療法しか残されておりません。
 本剤については、このような血管拡張剤とは異なる作用機序、すなわち肺動脈内腔の狭窄・閉塞といったところに関与するキナーゼ類の阻害を介しておりますので、別の機序による改善が期待されております。したがって、既存の治療薬では不応の例に対して有効性が期待され、医療上の有用性は高いものと判断しております。
 最後に、3点目の開発の可能性です。3ページの中頃を御覧ください。日本人も参加した国際共同第III相試験が実施されております。この中で、主要評価項目である6分間歩行距離の変化量が、プラセボ群に比べて有意に増加しております。したがって、本剤の開発の可能性はあると考えられます。
 以上、対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点を考えますと、本剤については希少疾病用医薬品としての要件を満たすと判断しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○佐藤(田)委員 基本的なところで教えていただきたいのですが、今の冊子の品目概要の1ページの下の方に、対象疾患に対する本剤の効能・効果のところで、本剤は小分子タンパクチロキシンキナーゼ阻害薬であると、言葉でははっきりしているわけです。今までは、日本ではCMLやフィラデルフィア染色体、PH1陽性のALL等に効果がある薬として承認して使っている薬ですが、今回、肺動脈の疾患、器質的変化と今までのCMLやALLと発現機序というか、病態が起こる機序が似ているからこれを使われようと考えたのか、それともたまたま使ってみたら効いたからここに選ばれてきたのか、経緯を教えてください。
○機構 正確な起原までは把握しておりませんが、恐らく病態が既存の効能と肺高血圧症で類似していたというよりは、肺高血圧症の機序自体として、肺動脈に関係する平滑筋の細胞の器質的な変化に共通してキナーゼが関与しているというところで、その阻害を目的として肺高血圧症にも有効であろうという推測がなされて使われていったものと推察されます。実際に、この治験以外にもグリベックを肺高血圧症に使用してみたという臨床報告がいくつか国内外でも寄せられておりますので、ある程度そうした治験の集積によって有効性が期待できるのではないかという期待が高まって治験に踏み切ったということだと思います。
○松井部会長 ほかにはありますか。よろしいですか。もし無いようでしたら、議決に入ります。なお、加藤委員、成冨委員、野田委員、山田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきたいと思います。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。以上で審議事項は終了です。
 次に、報告事項について、御説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料8-1~8-8「医療用医薬品の再審査結果について」機構よりまとめて報告いたします。
 これらは、いずれも医薬品再審査確認等結果通知書です。
 資料8-1ですが、一般的名称はセベラマー塩酸塩、販売名はレナジェル錠250mg及びフォスブロック錠250mgです。
 資料8-2ですが、一般的名称はリルゾール、販売名はリルテック錠50です。
 資料8-3ですが、一般的名称はエスモロール塩酸塩、販売名はブレビブロック注100mgです。
 資料8-4ですが、一般的名称はオキシコドン塩酸塩水和物、販売名はオキノーム散2.5mg、同散5mg及び同散10mgです。
 資料8-5ですが、一般的名称はカルテオロール塩酸塩、販売名はミケランLA点眼液1%及び同点眼液2%です。
 資料8-6ですが、一般的名称はブリンゾラミド、販売名はエイゾプト懸濁性点眼液1%です。
 資料8-7ですが、一般的名称はアルテプラーゼ(遺伝子組換え)、販売名はアクチバシン注600万、同注1200万、同注2400万、グルドパ注600万、同注1200万及び同注2400万です。
 資料8-8ですが、一般的名称はシロスタゾール、販売名はプレタール錠50mg、同錠100mg、同散20%、同OD錠50mg及び同OD錠100mgです。
 これらの品目につきましては、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験の成績等に基づいて再審査申請が行われました。審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要は無い「カテゴリー1」と判定したものです。以上です。
○松井部会長 ただ今の報告事項議題1について、何か御質問、御意見はありますか。よろしいですか。
 それでは、報告事項議題1については御確認いただいたものとします。
 議題2について御説明ください。
○事務局 報告事項議題2、資料9「希少疾病用医薬品の指定の解除について」事務局より説明いたします。
 資料を御覧ください。申請者は、共同開発を行った帝人ファーマ株式会社及び一般財団法人化学及血清療法研究所、対象薬剤は乾燥スルホ化人免疫グロブリンです。本剤については、平成13年4月、多発性硬化症の増悪発作再発頻度の減少及び疾患重篤化の抑制を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されました。その後、本効能・効果について二つの臨床試験を実施しましたが、いずれの試験からもプラセボ群に対する本剤群の優越性が示されませんでした。その後も申請者において開発の可能性について検討を続けておりましたが、今般開発中止を正式に決定したことから、別添の希少疾病用医薬品の中止届が提出されました。よって、本剤の希少疾病用医薬品の指定を取り消すことが適切と判断しました。以上、御報告いたします。
○松井部会長 ただ今の議題について御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、ただ今の報告については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会の日程ですが、4月27日(金)午後3時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 本日はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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