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2012年3月6日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

日 時:平成24年3月6日(火)10:00~11:11


○場所

中央合同庁舎5号館 2階 共用第6会議室


○出席者

委員

若林部会長 穐山委員 井手委員 井部委員 鎌田委員
北田委員 佐藤委員 中島委員 堀江委員 山崎委員
山内委員 吉成委員

事務局

三浦食品安全部長 木村大臣官房参事官 森口基準審査課長 横田補佐
高橋補佐 大井主査 中尾技官

○議題

(1)trans-2-ペンテナールの新規指定の可否について
(2)リン酸一水素マグネシウムの新規指定の可否について
(3) その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきます。
本日は、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、小川委員、由田委員より御欠席される旨の連絡を受けております。
現時点で添加物部会委員14名中12名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○若林部会長 皆さん、おはようございます。それでは最初に、配付資料の確認を事務局よりお願いします。
○事務局 それでは、資料、御確認をお願いいたします。
議事次第、資料一覧、委員名簿、座席表
資料1-1から資料1-3
資料1-1から資料2-3
報告資料
お手元にお配りしております資料は以上でございます。不足や落丁等ございましたら、お申しつけくださいますようお願いいたします。
○若林部会長 よろしいですか。
本日は、今、事務局から説明ありましたように、議題としては、「trans-2-ペンテナールの新規指定の可否」について、それから、「リン酸一水素マグネシウムの新規指定の可否」について、その他に関しては、フルジオキソニルの復帰突然変異試験の報告があります。
さっと目を通しますと、それほど大きな問題点はないと思いますので、本日は少し時間を短縮して終わることができるかと思いますけれども、よろしく御協力のほどお願いいたします。
それではまず、議題1の「trans-2-ペンテナールの新規指定の可否」について審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いします。
○事務局 まず、背景から御説明いたします。trans-2-ペンテナールは、平成14年7月に食品衛生分科会で了承されました、国際的に安全性が確認され、かつ、欧米で汎用されている添加物の一つとして挙げられている品目でございます。
本品につきましては、食品安全委員会へ平成22年10月29日に食品健康影響評価の依頼を行いました。食品安全委員会では、平成22年12月21日及び平成23年9月27日に添加物専門調査会で審議が行われ、その結果を踏まえた評価書が平成23年12月1日にとりまとめられました。
それでは、お手元の資料1-1から始まります冊子の3ページ目、部会報告書に沿って御説明申し上げます。品目名は、trans-2-ペンテナールでございます。構造式、分子式、分子量については、こちらにお示ししたとおりでございます。
用途は香料になります。
この3ページ目の脚注をご覧下さい。JECFA、EFSA等では、異性体を区別しない2-pentenalとして香料の安全性が評価されておりますが、構造上cis体は安定に存在しにくいことが推測され、また、安全性試験を行う際に調べた範囲では、trans体が主成分となる製品しか確認できませんでした。また、各試験に使用された被験物質の分析を行い、産業技術総合研究所により公開されているtrans-2-ペンテナールのスペクトルと比較したところ、両者のパターンが一致したことなどが、国立医薬品食品衛生研究所の専門家により確認されております。したがって、わが国においては、本品目についてtrans-2-ペンテナールとして指定を行うことといたしました。
CAS番号につきましては、JECFAでは2-ペンテナールの「764-39-6」を採用しておりますが、わが国におきましては、trans-2-ペンテナールの「1576-87-0」とさせていただきました。
それでは、「概要及び諸外国での使用状況」でございますが、バターなどの食品中に存在する成分でございまして、欧米では、焼き菓子、ソフト・キャンデー類などのさまざまな加工食品において、香りの再現、風味の向上等の目的で添加されております。
「食品安全委員会における評価結果」でございますが、4ページにございますように、trans-2-ペンテナールにつきましては、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられると評価されております。
「摂取量の推計」につきましては、米国、欧州における一人一日当たりの摂取量から、わが国での本品目の推定摂取量はおよそ0.8μgから42μgの範囲になると推定されております。
新規指定につきましては、trans-2-ペンテナールを食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えないとした上で、使用基準案につきましては、香料として使用される場合に限定して食品健康影響評価が行われたことから、使用基準を着香の目的以外に使用してはならないとすることが適当であると考えております。
成分規格案につきましては、6ページのとおり設定することと考えておりまして、その設定根拠につきましては8ページに、また、JECFAの規格等の対比表につきましては11ページにございます。
まず、6ページの成分規格案の設定根拠に沿って御説明申し上げます。分子量につきましては、JECFAでは84.11としておりますが、2005年の国際原子量表に基づき計算したところ、84.12となることから、本規格案では84.12を採用させていただきました。
また、含量につきましては、JECFAでは2-ペンテナールとして「98%以上」を規格値としております。本規格案では、市販品を考慮し、また、他の添加物の規格値との整合性を考慮して、小数第1位までを有効数字とし、trans-2-ペンテナールとして95.0%以上とさせていただきました。
確認試験につきましては、JECFAでは2-ペンテナールの確認試験に核磁気共鳴分光法(NMR)を採用しておりますが、わが国では、これまで指定されてきた香料についてはIRを確認試験法として採用していること、また、2-ペンテナールについては、IRではcis体とtrans体の区別がつかないのですが、ガスクロマトグラフィー(GC)では分離が可能であることから、本規格案ではIRを採用させていただきました。
純度試験といたしましては、屈折率、比重及び酸価がございます。まず、屈折率につきまして、本規格案ではJECFAと同じ1.440~1.447を採用させていただきました。
次に、比重につきましては、JECFAでは0.850~0.856としておりますが、本規格案では、市販品及び国際整合性を考慮いたしまして、0.850~0.858とさせていただきました。
次に9ページでございますが、酸価につきましては、JECFAでは5以下としておりますが、本規格案では、流通実態及び他の添加物の規格値との整合性を考慮いたしまして、小数第1位までを有効数字とし、6.0とさせていただきました。
定量法につきましては、JECFAはGC法により含量測定を行っており、本規格案でもGC法を採用させていただきました。また、操作方法につきましては、香料試験法の操作方法⑵をもとに、移動相の流量及びカラムの温度を本規格案のとおり変更し、極性カラムを使用することとさせていただきました。
JECFAでは設定されておりますが、本規格案で採用しなかった項目としまして、溶解性と沸点がございます。溶解性につきましては、本規格案ではIRによる確認試験、純度試験として、屈折率、比重、酸価、含量を規定しており、溶解性の必要性は低いため、採用しないこととさせていただきました。
また、沸点につきましては、香料化合物の品質管理はGC法により実施されるため、沸点は必ずしも香料化合物の品質規格管理項目として重要ではないと考えられることから、本規格案では、沸点に係る規格を採用しないこととさせていただきました。
本品目に関する説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○若林部会長 どうもありがとうございました。trans-2-ペンテナールの説明でありましたけれども、用途は香料ですね。食品安全委員会における評価結果に関しては、安全性に懸念がないということです。摂取量の推計は、一日当たり0.8~42μgという報告がされておりまして、性状に関しては11ページにまとまっておりますので、見ていただけますでしょうか。
本規格案では、品名がtrans-2-ペンテナールで、分子量が84.12ですね。それから含量は、JECFAに関しては98%以上になっておりますけれども、説明の中でありましたように、95.0%以上ということですね。性状は、本品は無~淡黄色の透明な液体で、特有のにおいがあるということですね。フルーティなにおいがするみたいですけれども、確認試験はIR、屈折率、比重、酸価に関しては、そこに書いてあるとおりであります。
 比重が少しJECFAのものと違っております。あと、酸価も少し違っております。溶解性、エタノールへの溶解性、沸点等については特に設定せず、定量法についてはGC法を用いるというところでありますけれども、trans体とcis体のガスクロマトグラフィーに関しましては、10ページですか。これについて少し、佐藤先生、御説明いただけますか。リテンションタイムについて。
○佐藤委員 この10ページのガスクロのチャートなのですが、一番大きいメインのピークがtrans体で、その左側の10.126分と記載されている小さいピーク、この位置にcis体の2-ペンテナールが出るということで、一応こういうチャートになっております。
○若林部会長 ガスクロマトグラフィーでtrans体とcis体と分離できるというところで、あとは、そのようなことを踏まえると、確認試験としてはIR法で十分対応できるということであります。
それでは、委員からの御意見をお願いできますでしょうか。
○山崎委員 6ページの化学名なのですが、頭に(E)がついていますけれども、これはほかの公定書のところでは、(E)とか(Z)の場合にE、Zだけだったか、あるいは位置番号をつけて2Eとしたか、もう一度ちょっと確認していただけますか。私、ちょっと確認するのを忘れてきたので。多分、2Eとするのかなあと思うのです。
○若林部会長 6ページの命名のところですね。これについては調べて。今、回答出ますか。
○事務局 ちょっとお時間をいただければと思います。
○堀江委員 2Eだったと思います。
○若林部会長 堀江委員の方から、2Eだと考えられるという御意見がありましたが。
○山崎委員 化学的には2Eとすべきなのですが、公定書のほかの規格でE、Zのときに位置番号をつけているかどうかということで、整合性を図るという意味で、一応確認してくださいという意味です。
○若林部会長 わかりました。どうもありがとうございます。それ以外に何か、委員からのコメント、御意見ございますでしょうか。
○北田委員 8ページの一番下の純度試験の⑵比重のところですけれども、市販製品を調べたところが、最大が0.858、それに対して基準が0.850~0.858、次のページの一番上の行ですけれども、この市販品の最大値を、基準でもその最大値を採用したということで、アローワンスがないように思うのですけれども、それでいいわけですか。
○若林部会長 幅ですか。
○北田委員 そうですね。仮に0.858というこの市販品がわずかでも超えた場合には、基準に適合しないと。
○若林部会長 もう少し幅を持った方がいいと。
○北田委員 はい、と思うのです。
○若林部会長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 調べた中でも、1機関だけということで、ここを余り広げるのはよろしくないのではないかということで、一応858で担保できるということで、この数字を設定しました。
○若林部会長 そうしますと、850の方はJECFAの方の850を用いているわけですね。今まで調べた中では858が最大だと、それほど数が多くないので、多分、大丈夫だろうという御指摘です。よろしいですか。
○北田委員 もう一個。4ページの一番上の行、これは前のページとダブっているので削除をお願いします。
○事務局 失礼いたしました。
○若林部会長 ありがとうございました。4ページの一番上の行ですね。前の3ページの一番最後のところに書いてありますので、重複しておりますので、削除をお願いします。そのほかに何かございますか。
○事務局 先程山崎委員から御質問あった件ですが、他の物質を調べましたところ、同じく香料でゲラニオールというものがございまして、これは、 (2E)-3,7-ジメチルオクタン-2,6-ジエン-1-オールというCAS番号の名前がついてございます。ここでは2Eとさせていただいています。
○若林部会長 よろしいですか。
そのほかに何か御意見ございますか。
特にないですか。
○事務局 そうしますと、このtrans-2-ペンテナールも2Eとさせていただいた方がいいということで承ってよろしいでしょうか。
○山崎委員 はい。
○事務局 では、2Eと修正させていただきます。
○山崎委員 今言ったのは、化学名のことです。ヘッドタイトルのところの(E)-2-ペンテナールはどうかというのは、これはまた別に調べてください。要するに、品目名として使う場合と化学名として使う場合は必ずしも名称が全く同じである必然性はないです。今、2Eにしましょうと言ったのは、このCAS番号の前についている化学名についてです。品目名の場合は、ほかの例を確認していただいて、Eしかない別名を使っているのだったらば、ここは2をつけなくていいと思います。
○事務局 わかりました。では、CASの横の名前に2を入れさせていただいて、別名として化学構造式の上に書いてあるものについては前例を確認させていただきます。
山崎先生、前例がない場合はどのようにしたらよろしいでしょうか。
○山崎委員 前例が全くない場合、これはどちらにするか決めるだけです。どっちでもいいです。
○若林部会長 わかりました。それでは、ちょっと事務局の方で調べて対応していただけますでしょうか、その点に関しては。それから化学名に関しては、もう一度繰り返しますけれども、6ページのところ、(2E)-Pent-2-enalでよろしいですか。
それ以外に何か御指摘ございますか。
それでは、一通り御審議いただいたということで、trans-2-ペンテナールの新規指定については可ということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○若林部会長 それでは、4ページのところの1行目、重複していますので、それを削除するということと、6ページのところの化学名に関しては、先ほど言いましたような2Eをつけるということと、あと品目名については事務局の方でもう一度よく調べて最終的に決めるということがありますけれども、それらを修正した上で、可ということでよろしゅうございますか。
○森口基準審査課長 説明のところにつきましては、前例があれば前例に従うと。前例がなかった場合には、なかったということで、どちらにするか、ちょっと若林部会長と相談させていただいて、ほかの委員の先生方にその方向で報告させていただくというような進め方でよろしいでしょうか。
○若林部会長 委員の皆様、それでよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○若林部会長 では、そのようによろしくお願いいたします。
 それでは、部会報告書をとりまとめ、分科会へ報告する手続をとりたいと思いますけれども、今後のスケジュールについてはどのようになっていますか。事務局の方、お願いいたします。
○事務局 今回の審議結果につき、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続を開始したいと思っております。
○若林部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、次にリン酸一水素マグネシウムの新規指定の可否について審議を行いたいと思います。事務局からの説明、よろしくお願いいたします。
○事務局 資料は、お手元の資料2-1から始まる資料でございます。1ページ目は、資料2-1は諮問書になっております。1枚おめくりいただいて、資料2-2に沿って御説明させていただきます。
 品目名はリン酸一水素マグネシウムというものでして、こちらは国際汎用添加物として、国が主体的に指定の検討をすすめているものでございます。食品安全委員会においては、食品健康影響評価の案をとりまとめておりまして、現在、パブリックコメントにより意見を募集している段階でございます。
 3ページ目の2.「分子式及び分子量」は記載のとおりでございます。
 3.「用途」でございますが、栄養強化剤、pH調整剤及びイーストフードとしております。
 4.「概要及び諸外国での使用状況」でございますが、こちらの品目については、必須ミネラルであるマグネシウムを供給する栄養補助食品や、食品のpH調整剤等として欧米諸国等で広く使用されているものでございます。具体的には、米国で申しますと、米国ではGRAS物質ということで、栄養強化剤、pH調整剤として、特に使用量の制限は設けられず、使用されているものでございます。
 EUについては、栄養強化剤が食品扱いで、そもそもわが国と分類が違っておりますが、乳児用調製乳についてのみ使用量の規定があるというものでございます。
 3ページの一番下でございますけれども、わが国の他のマグネシウム塩の食品添加物としては、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム等々、複数の製剤が指定されておりまして、広く食品への使用が認められているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして4ページでございます。5.「食品添加物としての有効性」でございます。まず、健康増進法という枠組みの中で保健機能食品制度というものがございます。こちらについては、特定保健用食品と栄養機能食品、特定保健用食品はいわゆるトクホというものでございますけれども、こういった2つの枠組みが保健機能食品制度でございます。このうちの栄養機能食品については、ビタミンですとかミネラル類について、一定の量の含有がある食品について、機能の表示を認める一方で、注意事項も併せて表記するということが規定されている制度でございます。
 マグネシウムについても、参考として表につけておりますように、下限値75mg、上限値300mgとして、「マグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素で、マグネシウムは多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー生産を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です」という機能の表示が認められる一方で、表の右端にございますように、注意事項として、多量に摂取することで健康が増進するものではないというようなことですとか、多量に摂取すると下痢になるおそれがあること、あとは、乳幼児・小児は本品の摂取を避けるといった注意事項を記載することとされています。
 ページおめくりいただきまして5ページ目でございます。表1と、次のページに表2というものをつけております。5ページ目は国民健康・栄養調査の平成21年版の結果の抜粋で、マグネシウムについて、日本国民が各年齢層においてどれぐらいの量を摂取しているかということをまとめたものでございます。表としては総数と男性、女性のそれぞれの量が縦に分かれております。
 こちらを見ますと、男性では平均で254mg女性では平均227mgを一日当たり摂取しております。全体を眺めますと、男女ともに、15~49歳の年齢層で比較的摂取量が少なくなっているといった傾向がございます。
 なお、こちらの摂取量につきましては、通常の食品、何も添加していない食品からの摂取量として計算したものでございまして、例えばサプリメントですとか食品にマグネシウムを強化したものは、この量の中には含まれてございません。
 続きまして、6ページ目でございます。表2「日本人の食事摂取基準2010年版」でございます。こちらにつきましては、人が一日どれぐらいのマグネシウムの量が必要かということを定めたものでございまして、年齢層ごとに平均で必要な量が一番左側に書いてありまして、その隣に推奨量ということで設定されております。
こちらの表2の量と表1の方を比較いたしますと、1~11歳という子どもの段階では、推定平均量を摂取量が上回っております。一方、12歳以上の男女においては、50歳以上の女性を除くと、平均摂取量は推定平均必要量を下回っている。また、51歳以上の女においても、ちょっと細かいですけれども、平均摂取量は推定平均必要量を若干上回っている。足りているのですけれども、推奨量よりは若干下回っているというような状況でございます。
 表1、表2をまとめますと、特に成人においては、食事由来のマグネシウムは不足している世代が多いという結果でございます。
なお、表2の注釈、下のところに記載してございますが、日本人の「食事摂取量基準(2010年版)」では、マグネシウムでは許容上限量は特に定められておりません。こちらについては、通常の食品からの許容上限量は設定しないという意味でございまして、通常の食品以外、つまり、栄養を強化した食品ですとかサプリメント、これらからの摂取量については、成人の場合、350mg、小児の場合は、体重当たり5mgという量が設定してございます。
 なお、この350mgですとか5mgという値の設定根拠につきましては、日本人の摂取量基準をとりまとめた報告書によりますと、アメリカ等においては、下痢の発症を指標とした考え方が採用されており、それを準じた形で日本でも設定したということでございます。
 以上が有効性でございます。
 続きまして、6ページの6.「食品安全委員会における評価状況」ということで、7ページに移りまして、複数回、添加物専門調査会での議論を行い、評価結果の案がとりまとめられております。こちらについては、冒頭に説明しましたとおり、パブリックコメントが現在実施されているところでございます。
 7ページ目の明朝体になっているところが食品安全委員会の評価結果の案でございますけれども、まず、1パラのところです。評価については、リン酸一水素マグネシウムの試験成績に加えて、リン酸イオンやマグネシウムイオン等で構成される他の物質も参考にしているということでございます。
 2パラ目でございますけれども、そういった情報を踏まえて、遺伝毒性、発がん性、生殖発生毒性について検討したところ、懸念はないということでございます。
 その下のパラでございますけれども、反復投与毒性試験については、リン酸一水素マグネシウムでは90日間の試験を行っておりまして、こちらは特段の毒性影響は認められないとなっております。その他のリン酸イオン、またはマグネシウムイオンについても、得られた無毒性量というものは、リンですとかマグネシウムの許容上限量を超えるものであり、食経験等を考慮して、添加物としての安全性には特に問題がないということでございました。
 次のパラですけれども、ヒトの試験については、特に安全性上の懸念をもたらすような証拠というものは得られていないということでございます。
 結論としては、以上のような安全性試験の結果で特に問題がないということ、並びに、リン及びマグネシウムが栄養成分として食経験があることを勘案して、添加物として適正に使用される場合、安全性に懸念がないと考え、ADIは特に設定する必要がないという評価となってございます。
 次のページでございます。今回の評価の資料の中で求められた推定摂取量というものが、マグネシウムとして213.9、mgリンとして270.4mgということで、マグネシウムについては通常の食品以外からの摂取量について許容上限量が定められているため、本品目の摂取により許容上限量を超えることがないよう留意する必要があるということも食品安全委員会の報告書の案の中ではございます。
 続きまして、7.「摂取量の推計」でございます。こちらも食品安全委員会の評価結果の案を抜粋しております。明朝体のところでございます。わが国における推定一日摂取量でございますけれども、まず、こちらの添加物についてはまだ現在未指定ということでございますので、これそのものの摂取量のデータはわが国としては持ってございません。その他のマグネシウム等の摂取量については幾つかデータがございます。
1つは、国民健康栄養調査としてのマグネシウム、リンの摂取ということで、先ほど御説明したデータとはちょっと年が違うのですけれども、食品安全委員会がまとめた2008年のデータですと、リンとしては974mg、マグネシウムとしては244mgという値が報告されております。
 その次のパラでございますが、2つ目はマーケットバスケット方式によるトータルダイエットスタディの結果でございます。こちらについては、リンとしては2004年のデータがありまして、281.6mgという値でございます。マグネシウムについては、少し古いですけれども、1982年から1986年で334mg、1998年から1999年で言うと333mgという値が報告されております。
 次のパラでございますけれども、3つ目は生産量ベースのデータでございます。2007年の生産量をベースに計算したところ、リンとしては39.58mg、マグネシウムとしては12.31mgという値が出ております。
 さらに、8ページの下からでございます。今回の添加物が認められた際にどれぐらいの推定摂取量が計算されるかということで、評価要請書の中で計算したものでございます。こちらについては、マグネシウムの栄養強化や補助食品向けに幅広く使用された場合ということで、本品目の最大添加率で使用される場合を想定して、本品目の推定一日摂取量は、マグネシウムとして213.9mg、リンとして270.4mgという値になっております。
 続きまして、海外の使用量でございます。こちらは米国におけるリン酸一水素マグネシウムの生産量でございまして、それを単純に人口で割ったところ、平均としては0.52mg、一日一人当たり0.52mgという値が出ております。
 続きまして、8.「新規指定について」でございますけれども、結論といたしましては、リン酸一水素マグネシウムを食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定に基づき、次のとおり成分規格を定めることが適当であるとさせて頂いております。
 また、使用基準、成分規格案についてですけれども、まず、⑴使用基準については、食品安全委員会における評価結果の(案)で、添加物として適切に使用される場合、ADIを特定する必要はないと評価していること、米国において特段使用基準が設定されていないということ、EUにおいて栄養強化剤は食品添加物として規制されておらず、乳児用調製乳について使用量の規定があるのみであること、これらを総合して、使用基準は設定しないことが適切であるとさせていただいております。
 その下でございますが、ただし書きとして、添加は食品中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないものとすることが前提であることですとか、あとは、なお書きでございますけれども、冒頭で御説明いたしました栄養機能食品の制度の中で、注意書きとして、乳幼児、小児が過剰に摂取するようなことがないような表示が既にあるということも記載させていただいております。
 成分規格案でございますけれども、(別紙1)から(別紙3)に記載させていただいています。説明につきましては、(別紙3)、16ページでさせていただきます。
こちらについては、一番左が今回の規格案、その右がJECFAの規格、その次がFCCの規格、最後にEUの規格ということで縦に比較したものでございます。
 簡単に御説明いたしますと、確認試験につきましては、マグネシウム及びリン酸塩について、JECFA、FCC、EUでもやっておりまして、それを踏まえて行うということにしております。
一方、溶解性については、JECFAでは設定しておりますけれども、特段の必要はなしということで設定はしておりません。また、同じく酸化マグネシウムの含量についても、EUでは設定しておりますけれども、JECFA、FCCでは設定しておりませんので、こちらも設定しておりません。
 続きまして、純度試験でございますけれども、この中で設定しておりますのがフッ化物、ヒ素、鉛、強熱減量、定量法でございます。それぞれの値につきまして順に御説明しますと、フッ化物については、JECFA、FCC、EUで値は異なっておりますけれども、FCCの値を採用しております。FCCとは単位が異なっていますが、本規格としては25μg/g以下としております。
その下のヒ素については、JECFA、FCC、EUとは違う規格になっておりますけれども、既存の国内の規格の中で設定しておりますものを参考として、As2O3として、4mg/g以下と設定しております。
 カドミウムと水銀につきましては、EUでは設定しておりますが、JECFA、FCCでは設定していないということで、設定はしておりません。
鉛については、JECFAとEUの値を採用して、4mg/g以下で設定してございます。強熱減量につきましては、JECFA、FCCの規格を基本的な値として設定していますが、1点だけ、恒量の部分については、規格案は3時間としております。こちらについては、800度で3時間加熱した際の実際のデータから、3時間でも特に問題がないということが判明しましたので、規格案としては3時間にしてございます。
 最後でございますけれども、定量法につきましては、JECFA、FCCのEDTA滴定を採用してございます。
 説明としては以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○若林部会長 どうもありがとうございました。リン酸一水素マグネシウムの規格についての事務局からの説明でありました。今、最後に説明していただきました16ページの方に関しましては、ここのところの規格対比表からしますと、特に問題点はないと思いますけれども、さっと委員の方から追加することはございますか。
○佐藤委員 ほかの規格はすべてわりと高い方に合わせていると思いますが、強熱減量につきましては、FCCで36.5%を上限とするところを、今回はJECFAに合わせて29~36%としておりますが、これにつきましては、設定根拠の方に詳しく書きましたけれども、実際の強熱の理論値でいきますと36.2%になるということで、強熱減量については有効数字2けたで示しておりまして、36%とすることで規格を超えるものはないだろうということで、この36.5ではなく、36%を上限に採用しております。
○若林部会長 どうもありがとうございました。
まず、16ページの規格案の方からの説明と、あとは、事務局の方から繰り返し説明がありましたけれども、6ページから7ページ等にありましたように、量の問題がしっかり認識した上でこの規格案を審議すべきであるということでした。この2点かと思いますが、まず、16ページのところに先に御意見をいただきたいのですけれども、この規格案に関しましては、佐藤委員からの追加説明が1点ありましたが、何か委員からの御質問ございますか。
○北田委員 11ページ、(別紙1)の純度試験の4行目ですけれども、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムという表記、それに対して12ページ、定量法の2行下、EDTAという表記と、もう一点、同じ定量法のEDTAの右の方、電磁式かくはん器の「はん」という字、その次の行では「かく拌」と漢字、その2点、どちらを採用されるのか。
○若林部会長 通常、「攪拌」と2文字の漢字を使うのが普通ではないですか。平仮名が多いですか。
○事務局 ちょっと調べさせていただきます。
○佐藤委員 EDTAの方は、0.1mol/L EDTA溶液というのが公定書に規定されておりますので、そういう溶液名が試薬・試液の方で規定されているので、EDTA溶液を使用しております。
一方の純度試験の方のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液というのは、エチレンジアミンに四酢酸ナトリウムを水に溶かして、溶液を自分で調製するので、正式名を使っております。
○若林部会長 北田委員、御理解いただけましたか。よろしいですか、今の点。
○北田委員 はい。
○若林部会長 先ほどの攪拌については後で調べておいてください。それ以外に、この11ページからの規格設定に関してのところについては何か御質問ございますか。
○山崎委員 2つあります。1つは、この11ページの品目名のすぐ下にCAS登録番号が書いてあるのですが、一般的に入れる化学名と分子式と分子量が入っていないのですが、これは意図的に抜いたのか、それとも書き忘れなのかということの確認です。
 それから2点目は、この部会報告書案の最初、3ページ目は、品目名がリン酸一水素マグネシウム三水和物と書いてあるのですが、成分規格名のところはリン酸一水素マグネシウムという名称になっています。成分規格案の名称をもしリン酸一水素マグネシウムとするのであれば、この部会報告書の最初の品目名もそれと同じにした方がいいのではないでしょうかというのが2点目の質問です。
○若林部会長 事務局、どうぞ。
○事務局 1つ目は、申し訳ございません。追加させていただきたいと思います。
 2つ目の御質問でございますが、品目名は、三水和物をとった形のリン酸一水素マグネシウムで考えております。これまでに、水和物のものについても御審議いただいていると思うのですけれども、その際の部会報告書のまとめ方を参考に修正させていただきたいと思います。品目名と、三水和物であることを併記する形に修正したものを、後日、委員の先生方に見ていただければと思います。申し訳ございません。
 同じく、最初のご指摘の化学式につきましても、後日、入れたものをお目通しいただきたいと思います。
○若林部会長 それ以外に何かございますか。
 穐山委員、どうぞ。
○穐山委員 11ページ、鉛Pbとして4.0μとgの間にスペースがあいているということと、数字と単位の間にスペースがあいているのは確認試験法で若干見られていますが、0.5と、例えば確認試験の⑴、希酢酸0.5とmlの間にスペースがあいていたりしていますが、これはスペースなしでいいですね。
○若林部会長 そうですね。そこのところは統一してください。
○佐藤委員 11ページの(別紙1)なのですが、リン酸一水素マグネシウムの下の英名のところのphosphateのpは大文字になります。すみません。
○若林部会長 どうぞ、吉成委員。
○吉成委員 11ページの一番上の含量というところのリン酸マグネシウム(Mg2P2O7)とありますが、これは正式にはピロリン酸、2をつけるかどうかですね。マグネシウムだと思うのですが、リン酸マグネシウムと書いてあることに意味があるのか、間違いなのかということをお聞きしたいのです。
○若林部会長 11ページの含量のところですね。本品を強熱したものはリン酸マグネシウム云々と書いてある。96.0%以上を含む、ここのところでしょうか。
○吉成委員 中の化学式が正しいのか、名前が正しいのかということなのです。
○佐藤委員 すみません。強熱しているので化学式は正しいのですが、多分、JECFAとかFCCの英語をそのまま日本語にしていると思うので、ちょっと確認して修正します。
○若林部会長 御指摘ありがとうございました。ここのところは確認してください。そのほかございますか。
○事務局 申し訳ございません。誤植なのですけれども、3ページの4の概要のところの8行目、乳児用調製乳に括弧書きで、follow-onの後にスペースがなかったので、それはスペースを入れさせていただきます。
○北田委員 今の同じページの下から5行目から6行目にかけて、これもダブっているので、「わが国では、マグネシウム塩の食品添加物として」の削除をお願いします。
○若林部会長 成分規格の方に関して、この化学物質についての表記及び問題点等はございませんでしょうか。
 それ以外に、事務局の方からは、このマグネシウムをサプリメントとした場合、その量についてしっかり確認して取り扱うようにということが説明されましたけれども、その点に関してはよろしいですか。
○山内委員 8ページ、9ページの表記の食品安全委員会の評価からも、仮にこの添加物がたくさんの食品に最大に添加されたとしても、その摂取量はマグネシウムとして一日213.9mgであり、この数値は食品以外の耐容上限の大人の場合の350mgを下回っているからあまり問題ないと考えてよい。と思われます。そのあたりのことを部会の結論として表現した方がいいのではないでしょうか。
新規指定の規格基準のところでは、9ページの下から4行目の最後の段落で、適正品表示を行うことと記述していますが、そう考えた理由もあわせて表現した方がよいと思います。また、6ページの表の下を見ますと、小児では5mg/kg体重と書いてあり、小児のことについても何らかの推定をして、それも問題ないと考察したのであれば、そのあたりの考え方を記述するということでいかがでしょうか。
○若林部会長 山内委員から、摂取量の問題点で、多量にとると、例えばここに書いてあるように、少し下痢で軟便になるとかいうようなことも報告されていることより、例えば9ページの2の「海外における使用量」の前の段落に、その設定基準ですとかいうようなことを考慮して、この点ですと十分許容範囲内に入るとかいうような、ちょっと一文の説明書きがある方がより充実した報告書になるのではないかという御指摘でありますが、いかがでしょうか。
○森口基準審査課長 場所なのですけれども、7の明朝のこれは食品安全委員会の評価書からの引用なので、その中に書くよりは、8の新規指定のところで、指定に当たってこう考えるというような中に、摂取量についてはこうだから、部会としては問題ないと考えるとか、そのような形でまとめるのでいかがでしょうか。
○若林部会長 よい御指摘だと思いますけれども、委員の先生方、いかがでしょうか。
 確かに、7のところについては、食品安全委員会の評価結果について、そのとおりであるというようにそのまま引用されておりますので、むしろ8のところに入れた方が適切ではないかという御意見であります。よろしいですか。
 山内委員、いかがですか。
○山内委員 それでいいと思いますが、子どもの推定など、可能なのですか。
○事務局 成人の350mg/日ですとか、小児の5mg/kg体重/日というのは、食事摂取基準の中で検討されて、こういう数値になっております。これを参考にして、今回、指定に当たってどうするか考えていきたいと思いますが、小児に関しては、体重当たりという単位がついていることから、体重に5mgを掛けるわけですので、5と350mgは直接比較できないのです。例えば20kgの子であれば100mgということで、何歳の子かというところで値が変化します。
8番の新規指定のところの文言については、ほかのものと併せて先生方に御確認を後ほどお願いしようと思っております。今の213.9mgという推定の一日摂取量と、成人の場合350mgを比較して、と。それから小児は5mg/kg体重/dayにそれぞれの体重を掛けた値ですが、これを比較してというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、何らか御検討いただければと思います。
○若林部会長 よろしいですか。
○鎌田委員 揚げ足とって済みません。小児って幾つからになりますか。
○事務局 栄養摂取基準を検討した際の研究では、成人が18歳からとされております。小児は、3~6歳ですとか9~14歳ですとかいろんな研究結果が得られておりますので、そうしますと、これは調べないと正確なことは申し上げられないのですけれども、18歳を一つの線として、小児に対しては、研究結果をもとに体重で計算していると理解しています。
○井手委員 12歳ではないですか。
○事務局 ちょっと調べさせてください。
○若林部会長 それ以外によろしいですか。
○佐藤委員 9ページの使用基準についてのところで、「ただし、添加は食品中で目的とする」という2行の文章というのは、報告書以外、通知とか何かに記載されるものなのでしょうか。報告書の中で終わってしまうのか、リン酸一水素マグネシウムについてはこれを注意しなさいというところがどこかに公表されるのでしょうか。
○事務局 前例でございますけれども、同じマグネシウム塩の食品添加物である水酸化マグネシウムについて、指定時の施行通知で、ただし書きで書いてございますような文章を入れたことがございます。今回も同じようにということであれば、同様に通知に書くということは可能でございます。
○若林部会長 よろしいですか。
 それ以外に何かございますか。
 それでは、委員から成分規格に関してのいろいろな修正点、それから、主に山内委員から、9ページのところの使用する場合の量の問題等について、しっかりとした説明を少し加えるというようなことの修正の依頼がありましたけれども、事務局の方で、これを対応して、私、または各委員の先生方、目を通した上で、その修正をするということで、リン酸水素マグネシウムの新規指定を可とするかどうかということですけれども、いかがでしょうか。
 では、事務局で再度整備をしていただくということで、このリン酸一水素マグネシウムの新規指定については可ということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○若林部会長 それでは、今後のスケジュールについてはどのようになりますか。事務局の方から説明をお願いします。
○事務局 まずは、御指摘いただいております修正について事務局案を作成いたしまして、先生方に確認していただきたいと思います。そこで了承が得られましたら、今回の審議結果について食品衛生分科会の方で審議いただき、パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続を開始させていただきたいと思ってございます。
○若林部会長 それでは、諸手続についてよろしくお願いいたします。
 審議事項についてはこの2つかと思いますけれども、よろしいですか。
 それでは、次は報告事項の方ですね。報告資料のフルジオキソニルの復帰突然変異試験の結果について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 フルジオキソニルの復帰突然変異試験の結果について報告させていただきます。
 背景につきましては、一部口頭のみでの御説明となりますが、御了承いただきたいと思います。フルジオキソニルは、当部会にして御審議いただき、平成23年8月31日に指定された添加物でございます。
本品の指定に当たっては、パブリックコメントなどの所定の手続を進めておりましたが、平成21年7月に、フルジオキソニルを用いた遺伝毒性試験で陽性との結果が海外で報告されたことから、国立医薬品食品衛生研究所に依頼して、農薬として用いられているフルジオキソニル及び当該論文において用いられていましたフルジオキソニルを用いて確認のための遺伝毒性試験の追試験を実施いたしました。
その結果、陰性の結果が示され、その結果をもって平成23年4月21日に食品安全委員会へ食品健康影響評価について要請し、平成23年6月30日付で、「生体において問題となる遺伝毒性はないと判断した」との結果が通知されたことから、平成23年8月31日に添加物として指定させていただいたところでございます。
 しかしながら、追試験の結果の一部に因果関係は否定されていましたが、一部の濃度で陽性と疑われる結果が出ていたことから、念のため、日本食品分析センターに依頼して、再度、遺伝毒性試験を実施いたしましたので、その結果の御報告でございます。
 では、資料の2ページ目になりますが、概要に沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 検体として用いられたものはフルジオキソニルで、これは市販されているものでございます。
 試験方法ですが、0.0158~5,000μg/プレートの12用量で復帰突然変異を行いました。試験に用いた菌体ですが、サルモネラ菌を使用しておりまして、TA98、TA100及びTA1535という菌体を用いて、代謝活性化法によらない場合と代謝活性化法による場合について、プレート法により実施いたしました。
 試験結果でございますが、検体は、陰性対照に比べて復帰変異コロニー数を増加させなかったことから、本試験条件下において検体の突然変異誘起性は陰性と結論づけられました。
 フルジオキソニルの復帰突然変異試験の報告については以上でございます。
○若林部会長 どうもありがとうございました。
フルジオキソニルに関しては、もし私、ちょっと理解が間違っていれば御指摘いただきますが、以前は、変異原性は陰性であったということですけれども、昨年7月、たしかヨーロッパの方から、変異原性があるというような報告があったので、それについての確認をするために、国立栄試のところでまず変異原性試験をやったのですけれども、一部のところで少し、ドーズレスポンスがないのですけれども、ちょっと高くなっているようなところがあったので、更に確認するために、今回、日本食品分析センターの方で再度詳細に検討しましたところ、やはり同様に、このフルジオキソニルについての変異原性は陰性であったという報告でありますし、この後ろの方にも書いてありますように、スポンテイニアスのものとほぼ同じぐらいのものしかなくて、ほとんど増加傾向も認められませんので、陰性であるという結論をつけて、私は問題ないと思いますけれども、委員の先生方、いかがでしょうか。
 報告事項ですので、特に問題ないと思いますが、よろしいですか。
では、この報告事項については以上とさせていただきます。
 そのほかの報告事項は、事務局の方からございますか。
○事務局 食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結果につきましては、厚生労働省のホームページの添加物のサイトに掲載しております。
○若林部会長 どうもありがとうございました。それ以外に更に追加するべきことはございますか。
○事務局 特にございません。
○若林部会長 それでは、委員の先生方、そのほか何か追加発言ございますか。
 それでは、事務局の方から何かほかに追加連絡はございますか。
○事務局 次回の予定でございますけれども、また日程調整させていただきたいと存じます。場所ですとか議題につきましては改めて御案内させていただきます。
 以上でございます。
○若林部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日は議題に関しまして、trans-2-ペンテナール、リン酸一水素マグネシウム、それからフルジオキソニルの突然変異試験の報告事項は終了いたしました。これですべてかと思いますので、本日の添加物部会はこれで終了したいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品部食品安全部基準審査課
添加物係: 03-5253-1111 (内線2459)

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