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- 2012年2月9日 第112回労働政策審議会雇用均等分科会議事録
2012年2月9日 第112回労働政策審議会雇用均等分科会議事録
日時
平成24年2月9日(木)10時00分~12時00分
場所
厚生労働省専用第21会議室(17階)
出席者
公益代表委員
林分科会長、佐藤委員、中窪委員、山川委員
労働者代表委員
小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員
使用者代表委員
川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員
厚生労働省
藤田政務官、髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、
伊藤総務課長、吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長、
吉永短時間・在宅労働課長、大隈均衡待遇推進室長
林分科会長、佐藤委員、中窪委員、山川委員
労働者代表委員
小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員
使用者代表委員
川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員
厚生労働省
藤田政務官、髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、
伊藤総務課長、吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長、
吉永短時間・在宅労働課長、大隈均衡待遇推進室長
議題
1. パートタイム労働対策について
2. その他
2. その他
配布資料
配付資料
資料1 関係する審議会の状況
資料2 論点及び関連する主な意見
参考資料
参考資料1 検討項目(案)
資料1 関係する審議会の状況
資料2 論点及び関連する主な意見
参考資料
参考資料1 検討項目(案)
議事
○林会長
ただいまから、第112回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、田島委員と権丈委員がご欠席です。また、本日は藤田政務官にご出席いただいております。それでは、議事に入りたいと思います。議題は「パートタイム労働対策について」です。資料No.1について、事務局から説明をお願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
資料No.1に基づいて「関係する審議会の状況」について、説明します。1頁の「社会保障審議会・短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」ですが、今年に入って第11回ということで、1月26日に開催されております。短時間労働者への社会保険適用に関する論点ということで、制度設計などについて、論点に基づいて議論が行われたところです。次頁に1月26日の特別部会の資料の中から、論点に関するものを抜粋して載せております。
資料No.1-2の1頁ですが、「議論の方向性」ということで、社会保障・税一体改革素案の中で「厚生年金(被用者保険)の適用対象となる者の具体的範囲、短時間労働者が多く就業する企業への影響に対する配慮等の具体的制度設計について、適用拡大が労働者に与える影響や雇用への影響にも留意しつつ、実施時期も含め検討する。平成24年通常国会への法案提出に向けて、関係者の意見を聴きながら検討する」ということで、この記載に基づいて、平成19年に国会に提出された法案の内容も参考にしつつ、3つの論点について議論が行われました。1つ目としては「厚生年金・健康保険の適用対象となる者の具体的範囲」、2つ目として「適用拡大が短時間労働者に与える影響や雇用への影響」、3つ目として「短時間労働者が多く就業する企業への影響」です。
3頁の適用拡大の論点?(厚生年金・健康保険の適用対象となる者の範囲)では、「平成19年法案の内容を参考に、以下の項目について検討」ということで、「週の労働時間」、「賃金水準」、「雇用期間・雇用見込み期間」、「労働者の属性」、「企業規模」といったものについて、議論が行われたところです。平成19年法案において、「週の労働時間が20時間以上であること」とされていたこともあり、週20時間以上というのが、基本的な1つの考え方として議論がなされているところです。
5頁ですが、賃金水準について、平成19年法案でも一定の額以上の方を対象にするということになっておりましたが、特別部会の中では、そもそも賃金についての水準を設ける必要はないのではないかというご意見や、一定の賃金以上という基準を設けることが現実的ではないかというご意見などもあったところです。
また、6頁ですが、雇用期間・雇用見込み期間の関係です。現在の制度を踏まえ、この2カ月というものが基準になるのではないかというご意見などもあったところです。また、7頁にあるような学生の取扱い、あるいは次頁ですが、既に年金の受給資格を満たしている60歳以上の方の取扱いについても、いま様々なご議論が出ているところです。
10頁の適用拡大の論点?(短時間労働者に与える影響や雇用への影響)、12頁の適用拡大の論点?(短時間労働者が多く就業する企業への影響)といった論点についても議論がありました。13と書いてある頁ですが、例えば「企業規模」「業種」などによって取扱いの差異を設けるかどうか、「企業の事業主負担の激変緩和策の必要性」、「社会保険の適用事務負担」、「医療保険者の財政悪化」、「負担の大きい業種や企業に対する雇用政策、産業政策」という論点についても、様々なご意見が出ていたところです。13頁の下のほうに、平成19年法案における取扱いということで、当時の法案には従業員が300人以下の中小零細企業には、新たな基準の適用を猶予するということもありました。こういったことも踏まえて、特別部会の中では適用除外ということは設けるべきではないけれども、段階的な激変緩和策は考えられるのではないか。そういった場合に、業種というよりはむしろ企業規模に着目することが考えられるのではないかという意見もあったところです。
一方で、中小企業の立場からは、やはり適用除外が望ましいなどといったご意見も出ているところです。また、次頁の左下15ですが、健康保険も各保険者の財政に対する影響を十分に配慮していただきたいという意見があったところです。まだ、これらの論点について、様々な議論が行われているところかと承知しております。説明については以上です。
○林会長
ただいまの事務局の説明について、委員の皆様から何かご質問・ご意見等がありますでしょうか。特にないようでしたら、次の議題に移らせていただきます。資料No.2について、項目ごとに事務局からご説明をいただきたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
資料No.2です。今回、「論点及び関連する主な意見」という資料を提出しております。こちらについては、これまで議論をしてまいりました論点と、その論点に関連する労働者側委員、使用者側委員、公益委員と、それぞれの関連するご意見を挙げております。今回、全体をご覧いただいて、論点の過不足等も含めてさらにご議論いただければと考えております。
1、「差別的取扱いの禁止(法第8条の関係)」です。「事業主はパートタイム労働者であることを理由として、合理的な理由なく不利益な取扱いをしてはならないとする法制とし、労使双方にとり予測可能性を確保するために、ガイドラインで合理的な理由を例示することについて、どのように考えるべきか」、これに関連して、労働者側委員の意見としては、わずか0.1(1.3)%のパートタイム労働者にだけ差別的取扱いを禁止していては、パートタイム労働者の待遇改善にはつながらない。第8条を実質的に活用していく余地はほとんどないということで、第8条について、すべてのパートタイム労働者を対象に、合理的理由なくパートタイム労働者であることを理由として、差別的取扱いを禁止するように見直しをすべきであるというご意見をいただいたところです。
2つ目の○ですが、第8条は非常に意義のある規定だということですが、労働現場の実態には合っておらず、1つでも要件を満たさなければ、司法救済の対象にはならないということで、3要件の廃止が必要で、差別禁止の一般規定とすべきである。そして、何が差別に当たるかについては、一定のガイドラインを設けて客観化を図る。そして、労使双方の予測可能性なり、労働者の判断指標とするべきである。次頁ですが、このガイドラインは、行政指導等の履行確保の際にも利用される。そして、司法の場でも判断の参考にされる。そういうものが適当であるというご意見がありました。また、3つ目の○ですが、3要件の中の「人材活用の仕組みと運用」ですが、パートタイム労働者は女性が多いということもあるので、この要件は適当でないのではないかというご意見もありました。また、契約期間の要件も、法の趣旨に反するのではないかということで、こちらでも3要件を取り払うのが望ましいというご意見をいただいております。また、最後の○ですが、正社員よりも賃金が低く納得できないというパートタイム労働者が増えていることも見過ごせないということで、均等待遇の義務化が必要であるというご意見もありました。
1頁に戻って、使用者側委員の意見です。1つ目の○ですが、3要件というのは、これまでの労働慣行を踏まえて設定されている。法施行後、企業はこれに即して取組を進めてきていて、大きな問題は生じていないということで、第8条の対象者を数の大小で問題があると判断するのは適さないということで、3要件の改正には反対というご意見がありました。2つ目の○も同じような趣旨ですが、3要件に該当するパート労働者が減ったというのは、適法に社内規則を見直した結果であるということで、第8条の対象者が少ないということで、パートタイム労働法自体が効力を失っているという論調は違和感を覚えるというご意見もありました。3つ目のご意見としては、施行後3年が経過して、ようやく定着し始めた規定であるということで、現行法下での企業の取組を促すことに注力すべきだというご意見もありました。
また、2頁ですが、EU諸国のような職務給ということであれば、一般的な差別禁止規定も考えられるのではないか。他方、日本では、通常の労働者とパートタイム労働者の間で、労働力としての活かし方も異なる。また、処遇の仕組みも異なっている。そういう中で、両者を比べるための物差しとして、前回の法改正時に3要件が明確化されたということで、過去のこういった審議会の議論を無視するような形で第8条の枠組みを改正することには反対というご意見もいただいております。また、3要件に関しては、あくまで雇用形態に着目して考えるということで議論をしたいというご意見もあります。パート労働者と通常の労働者との関係で、第8条の対象とする通常の労働者と同視すべき短時間労働者の「契約期間」は「無期」という判断がなされたのだろうというご意見もありました。
また、差別的取扱い禁止の関係では、3頁の太い枠で囲んだ論点も挙げたところです。有期労働契約に関するルールとして「有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならない」こういった旨の規定が、新たに法制化される場合に3要件の在り方について、どのように考えるべきかという論点です。
これに関して、使用者側の意見ということで、1つ目の○にありますように、労働政策審議会の「有期労働契約の在り方について(建議)」の中で、「職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消」というものが盛り込まれたことを踏まえて、現在の枠組みを変えずに、3要件を議論する余地はあるのではないかというご意見をいただいております。
逆に2つ目の○ですが、有期ルールが法制化された場合であっても、パートタイム労働法で見たときにどうなのか、どうすべきかということ。それから、パートタイム労働法自体は有期契約労働者のみを対象としているわけではないということで、パートタイム労働法に引き続き現在と同じ規定を残すべきであるというご意見もありました。
3つ目の○ですが、企業の実態を考えると、契約期間の定めの有無、それから人材活用の仕組みとは密接に関わるということで、3要件の1つとして、契約期間の定めの有無が入っているということは、人材活用の同一性の判断に資するということで、分かりやすさを担保するために引き続きこの要件を残すべきであるというご意見もありました。
これに関連して、公益委員のほうからは、パートタイム労働法の第8条の3要件のうち、中核的なものは人材活用の仕組みなのだろうかというご質問もあったところです。有期労働契約の建議においては、期間の定めを理由とする不合理な労働条件かどうかを判断する要素の1つとして、配置の変更の範囲(人材活用の仕組み)があるのではないだろうかというご質問もあったところです。
4頁です。論点としては現行のパートタイム労働法第9条第2項において、事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組み、運用等(職務の内容及び配置の変更の範囲)と、法律上は規定されております。これが通常の労働者と一定期間同一であるパートタイム労働者について、当該一定期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとされておりますが、この規定の在り方について、どのように考えるべきかという論点です。
これに関して、公益委員のほうから、1つ目の○ですが、この第9条第2項について、「有期労働契約の在り方について」という労働政策審議会の建議ですが、この中で「期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消」が盛り込まれたこととの整合性を考えるべきではないかというご意見をいただいております。2つ目の○ですが、こちらについても有期労働契約ルールが仮に法制化されれば、5年を超えて反復更新された場合、申出により無期化するパートタイム労働者が増える可能性があるということで、そういったことを見越して議論する必要があるのではないか。第9条第2項は、有期労働契約が反復更新され長期間雇用されたパートタイム労働者を想定しており、他方で有期労働契約ルールの法制化によって、5年未満の有期労働契約のパートタイム労働者と、無期労働契約のパートタイム労働者が増えるといった場合に、第9条第2項の対象者が減る可能性があることについて、議論する必要があるのではないかというご意見・ご指摘をいただいたところです。1の差別的取扱いの禁止については以上です。
○林会長
第8条関係について、いままでに出ました議論をまとめていただきました。この意見の中で、もう少しこの点を強調したいとか、趣旨が少し違うとかのご意見がありましたらお願いいたします。
○齊藤委員
第8条のことで説明していただいたのですが、私は第2条のときにフルタイムパートの問題で発言させていただきました。フルタイムパートは、通常の労働者と所定労働時間は同じということで、パートタイム労働法の適用対象なのですが、実際にはパートタイムということで同じような処遇で扱われているのが現実です。そういった方々を保護する必要があるので、法律に明記してほしいという意見を申し上げました。
そのときに、無期のフルタイムパートは少ないのではないかという意見が出ました。厚労省の実態調査について何回か前に説明していただいたときには、半数弱が無期の契約であるというデータが実際に出ております。有期は労働契約法の改正で処遇が解消されることもありますが、無期のフルタイムパートが実際に存在するということ。そしてパートタイム労働法改正のときに、事業所の実施した措置の内容には、法律の適用対象とならないよう、パートタイム労働者の所定労働時間を正社員と同じにした事業所もあります。このような方々を保護する必要があるので、法律にきちんと明記してほしいということを申し上げております。第8条の前に何も意見が書かれていないので、このような意見があったということを記載してほしいと思います。
それに併せてですが、パートタイム労働指針の中には、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっての基本的な考え方」が指針に入っていますので、フルタイムパートは短時間ではないと言われても、その指針に書いてある基本的考え方を法律に記載すれば、別に問題はないのではないかと思いますので、その辺のところも付け加えて申し上げたいと思います。
○布山委員
いまのご意見に関連してですが、そのご発言があったときに、これはあくまでもいまの現状のパートタイム労働法だということで議論したいということを申し上げたので、もしその意見をおっしゃるのであれば、使側の意見として入れていただきたいと思います。
併せて、本日追加で指針の話をされたかと思うのです。指針にフルタイムパートという言葉が入っていること自体もおかしいと思うのですが、フルタイムで働いているパートの方という形の有期労働契約の形をどこでフォローするのか決まっていなかったときに、パートタイム労働法の中でその方についても、指針である程度考慮するようにという形になっているのかと思います。
ただ、ご承知のとおり、昨年12月に有期労働契約について建議がなされ、それを踏まえてこれからその措置がなされていくことを考えると、フルタイム有期の方はそちらの法律できちんと行うことが前提になっていると思うので、むしろ指針に書いてある中身も落としていただいてもいいのではないかと私どもは思っております。
○齊藤委員
有期の場合はそのような意見もあったと思うのですが、無期のフルタイムパートが実際にいるということでデータでも出ておりますので、その方たちに対して何のフォローもできていない、その人たちを放っておいてもいいのかということです。有期の方は有期の契約のほうで処遇は改善されると思います。無期であるから、有期のほうの法律には当てはまらない。フルタイムだから短時間のパートタイム労働法には当てはまらないというと、その方たちが浮いてしまうのです。その方たちをどうしようかと、どこかの法律で保護すると考えた場合、このパートタイム労働法に入れるのがいちばん良いのではないかと考えております。
○布山委員
そういう意味であれば、パートタイム労働法は短時間労働者が対象なので、フルタイムの方が入るのは非常に違和感を持ちます。また、実際に無期のフルタイムの方というのは、企業の中ではかなり正社員に近い方というイメージなので、具体的にどんな方なのかというのは想像がつきません。どんな方がいらっしゃるのかがわかれば教えていただければと思います。
○佐藤委員
議論の整理なのですが、パート労働法は通常の労働者よりも、労働時間が1分でも短い人ということで、これは無期・有期にかかわらず対象になります。通常の労働者が週39時間とかであれば、それより短い人が有期・無期にかかわらず対象になります。いまフルタイムパートと言われたのは短時間ではないです。だからパートと使ってはいけないのです。通常の労働者で無期の人でいいのですか。そうすると、これは普通の労働基準法なり労働契約法でカバーしている話で、短時間の人ではないです。
○齊藤委員
通常の労働者にまでいっていない人がたくさんいます。
○佐藤委員
そうすると短時間労働者です。
○齊藤委員
処遇のことを申しております。労働時間は通常の労働者と同じであっても処遇が、ここはあくまでも処遇のことを話し合っている所ですので、賃金が時給で支払われたりというように、短時間と同じような処遇のまま労働時間だけ通常の労働者と同じにされている方がいます。その人たちを救う手立てがないので、このパート労働法にあるべき論として入れるべきではないかということです。
○佐藤委員
そこについて処遇差が合理的でないということであれば、労働基準法なり、今度労働契約法でどう書かれるかわかりませんがそれは無期なのです。無期で、フルタイムで働いていて、処遇は同じ仕事をやっていて、片方は月給で片方は時間給みたいな、それはわかりませんけれども、それは基本的には別の法では。
○布山委員
少なくともパートタイム労働法ではないと考えます。
○佐藤委員
少なくとも法律なのか。先ほど布山委員が言われたように、指針に入っていたときは、当時はかなりフルタイムで有期の方のところの処遇改善みたいなところのカバーはしにくかった。今回の労働契約法制の改正みたいな議論がなかったので、それは短時間の方について不合理な処遇差を改善する取組をすれば、それと同じような考え方で、フルタイム有期の人もやってくださいというのが指針だったと思うのです。今度労働契約法制ができれば、そちらはカバーできるようになっていくのだと思うのです。
○齊藤委員
ただ、パートタイム労働法改正のときに、事業主がいままで短時間だったからパート労働法が適用されるから、それではパート労働法を逃れるためにフルタイムにするのだと、実際にそのようなことをやっている事業所もあるということが調査に出ています。それは、パートタイム労働者の総合実態調査の中で、改正パートタイム労働法施行期に実施した措置の中には、パートの所定労働時間を正社員と同じにしたというのが実際にあります。パートタイム労働法を適用しないようにするために、労働時間を単純に延ばしたというのが。
○佐藤委員
それはよくわかります。いまフルタイムで無期で働いている社員の方にもいろいろ改善すべき課題はあると思うのです。そうすると、パート労働法ではなくて、全部の労働者を対象にした法律にしろという議論になってしまいます。
○齊藤委員
基本的考え方に入れていただければいいのではないかと思うのです。
○布山委員
短時間労働者法なので、対象は明確にしていただきたいです。
○齊藤委員
対象を明確にするにしても、それをするに当たっての基本的な考え方、短時間労働者で、同じように均等にしていくのだから、労働時間が同じであれば、当然同じようにするというのを基本的な考え方に入れていただければ、よろしいのではないでしょうか。
○中島委員
論理矛盾をしているのはわかっているのですけれども、実態として身分・処遇がパートで、働き方がフルタイムの方がいらっしゃるので、カバーされるとすればどの法律でカバーされるのかをお聞きいたします。
○山川委員
これは、労働条件分科会でも若干議論になったところです。いわゆる擬似パートとも言われる問題の場合、どういう事例が想定されるのかという質問がありました。いわゆる丸子警報器事件という有名な判決があります。それは実質無期というタイプで、パートタイム労働法は第8条の中で実質無期の場合も含まれるという形で整理されています。有期の建議の中では、実質無期というのは有期の一種で、無期転換の対象にもなり得るという説明なのです。議論として想定されていた、いわゆる擬似パートというのは、丸子警報器型を念頭に置くと、それは有期の建議での対象になるのではないかと考えております。
○林会長
事務局から説明はありますか。
○大隈均衡待遇推進室長
パートタイム労働法で対象にするパートタイム労働者は、同一事業所の通常の労働者より週所定労働時間が少しでも短い方です。この点については、前回の法改正のときにも様々な議論があり、附帯決議の中で所定労働時間が、通常の労働者と同一である有期契約労働者については、確かにパートタイム労働法の対象にはならないけれども、パートタイム労働法の趣旨といいますか、そういうものをきちんと考慮すべきであるという付帯決議もなされたということで、パートタイム労働法第14条に基づく指針の中で、所定労働時間が通常の労働者と同一の有期契約労働者については、短時間労働者法の趣旨が考慮されるべきであることに留意することということで、この指針に基づき指導させていただいています。
先ほど労働側委員から、パートの所定労働時間を正社員と同じにした事業所もあるということでしたが、12月16日に開催された第109回の中資料1、平成23年パートタイム労働者総合実態調査の事業所結果をご説明させていただいております。4頁に、「改正パートタイム労働法の施行に伴う雇用管理等の見直し」ということで、事業所に対してパートタイム労働法の施行期にどのような措置を実施したかをお聴きしております。実施した措置がある事業所が半分で、その内訳の中で真ん中から右寄りのところで「パートの所定労働時間を正社員と同じにした」が全体の1%となっております。政府のこういう公式の統計はあるということで、議論の参考までにご紹介させていただきました。
○林会長
これは法律ですから、法律の対象範囲をはっきりしないといけないということです。基本的には前回改正のときにも行われたように、労働時間が短いからこそ待遇改善が遅れているというところを、この法律は扱っていると思います。この点については特に論点とすることにはならないのではないかと思います。
○冨高委員
私の勉強不足で大変申し訳ないのですが、先ほど山川委員のほうから、擬似パートに関する件については、有期の内容に入るという解釈だというお話をいただきました。それが、今度法案化される中で、例えばそこが明確に書かれるのかどうか。法律の中には書かれないかもしれないのですけれども、例えば指針であったり、そういうところで擬似パートについても有期契約の対象になり得るということがきちんと確認されているのかどうかを伺いたいと思います。
確かに法律の対象は明確にする必要があると思うのですが、今回例えばパートのほうにこれが入らないのだとしたら、もう1つの有期のほうでその方たちがきちんと対象になることを、我々としては確認していかなければいけないし、保護しなければいけないと思っています。そこの部分を山川委員にお伺いするのは申し訳ないのですけれども、厚労省なり山川委員のほうでご存じであれば知りたいと思いますので、質問させていただきます。
○山川委員
前回も申しましたように、まだ法案がどうなるか見ていないものですからお答えしづらいのですが、建議の中で雇止め法理の法定化という建議の3項目があります。そこには有期労働契約が、あたかも無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合について、これは雇止めの話ではあるのですけれども、それについても有期法制の対象とするという理解でたぶん建議は作られていると思います。そうすると、ほかの項目について、それだけ除外するというのは特に予想されていないのではないかと思います。ただ、その条文がどうなるかについてはまだわからないと言わざるを得ません。
○中窪委員
先ほど山川委員から、丸子警報器のご紹介がありましたが、あの事件では確かに有期だったのですが、問題の本質にはフルタイムパートで、無期のフルタイムパートというのは確かにあるわけです。そのときに無期の正社員と、条件格差があってひどいではないかという話は昔からありました。ただ、これについては労働基準法第3条の社会的身分にも当たらないというのが通説です。あとは、あまりひどい場合に公序良俗とか、労働契約法で均衡というのが入りましたので、それをどう適用するかというところですけれども、まだ未知の領域です。
それから、丸子警報器事件自体、8割より下回る格差については、公序良俗違法と言ったのですけれども、あれも地裁の一判決であり、まだまだそれを否定したものもありますし、全然、法自体未形成の部分なのです。それについては、それでいいのかという問題意識は大変わかるのですけれども。ただ、今度パートタイム労働法にこれを入れるとなると、パートタイム労働法自体は短時間ということで、労働時間が短いということで、せっかく整理をして対処してきたのに、またパートということで広がっていって、何かちょっと逆行しているという感じがありますので、違う場でやったほうがいいのではないかというのが私の意見です。
○冨高委員
先ほども申しましたように、その対象は明確にするということで、このあと有期のほうとパートのほうで整理をしていけばいいと思うのです。先ほども言いましたように、擬似パートについて、もし有期のほうで対象とされて明確化されるのであれば、やはり我々としては圧倒的にパートの中で多いとされる女性という視点で言えば、男女平等の視点から、その方たちがきちんと保護されることが重要だと思っております。その件については、ここで整理することではないということだとしても、この均等分科会の中で、その問題について話し合ったということで、その方たちに対する保護という視点での法案を作るというところをお伝えしていただきたいということで、意見を述べさせていただきます。
○吉永短時間・在宅労働課長
いわゆるフルタイムパートについてどうするかということ、特に無期についてどうするかということについては、今後のパートタイム労働対策に関する研究会においても若干の議論がありましたので、記載が入っております。パートタイム労働法制、有期契約労働法制の中でどういう取扱いをすべきかという論点があるのではないかということです。
先ほど布山委員からもご指摘がありましたけれども、実際に無期のフルタイムの方はどういう方なのかというのは、なかなかイメージしにくい中で、そういう実態をよく見ていく必要があるのではないかという議論があったかと思っております。そういう中で、実態に伴って、無期のフルタイムの方で処遇が劣悪でという方が、もしいらっしゃるとすれば、そこについては何らかの方策を講じていくことは1つあるのかと思っております。
先ほど齊藤委員から、無期のパートタイム労働者の方が相当いるのではないかというご指摘がありました。先ほど室長からご報告いたしました資料の中で、パートタイム労働者の方で期間の定めのない方が半分弱いるというデータも出ておりますが、統計的には若干違和感のある数字ではないかと思っております。今後、有期法制が動いていく中で、有期のフルタイムの方が無期化していく状況を見ながら、その方々の処遇を見つつ、必要があれば講じていくことが必要なのではないかと考えております。
現時点において、フルタイムの無期の方で、いわゆる擬似パート的な方で、雇用管理の改善が必要だというところがなかなかイメージしにくい中で、今後どう考えていくのか。その辺りで、もしこういうことがあるのだという情報があれば、その辺りの情報を提供していただきながら、今後の課題として受け止めていきたいと考えております。
○佐藤委員
いわゆる有期で更新を繰り返して、実質無期というのではなくて、本当の無期契約の人たちを考えたときに、契約法制がきちんと通ると、有期で5年を超えて無期になる人が出てくる。そのときに、短時間勤務で、30時間ぐらい働いていて5年を超えたので無期契約に移る人と、それまでフルタイムで、つまり通常労働者と同じように働いていて無期に移る人が出てくるとします。
同じような仕事をしていて、無期になった後、短時間であればパート労働法は適用されますが、フルタイムで働いていると、パート労働法の対象ではないです。これは非常にわかりやすい話です。そうしたときに、どちらも賞与がなかったり、退職金がないというときに、パート労働法のほうは、合理的なのかと議論の対象になるが、フルタイムで転換した人は対象にならないということが起きかねないのは事実だと思います。
ただ、人事管理上、普通は短時間の人だけ改善して、フルタイムは改善しないという会社もあるかもわかりませんが、両方を見ながらやるのが普通の人事管理だと思うのです。人事管理上は、無期で短時間の人の改善の必要性があるとすれば、それをフルタイムの無期の人にも適用していく可能性はあります。
法律で書けという議論もあるかもわかりませんが、ただ難しいのは転換した場合です。もともとフルタイムで無期の人の中でも、処遇について言うと年俸制の人や、月給で賞与のある人と、賞与のない人もいたりするわけですし、日給の人がいたりします。これも男女差別についてはあれですけれども、そうでない場合これが合理的か合理的でないかというのを、現状でいうと先ほども言われたように、特に直接カバーするような法律はないようです。そこまでやるのかというと、それはかなり大変な議論かと思います。つまり、こっちまで波及する話なのです。そこの議論はどういう枠組みで、法律でカバーするのかということをきちんと整理しないと難しいかと思いました。
○林会長
この点については、省としてほかの分科会その他で取り組むようなことがあればその議論とか、有期の法制とか、判例等でこの問題等が何か取り上げられるようなことがあれば、情報を報告していただくということでお願いいたします。本来の第8条にもう一度戻ってご意見等がありましたらお願いいたします。
○小林委員
第8条については、私たちにとっていちばん大切な部分の1つだと思っております。この議論経過を読み返してみても、労使の間で意見が非常に食い違ってしまっています。その原因としてはわかりにくいとか、この3要件の思いが違ったりという部分が多いと思いました。
そこで改めてなのですけれども、ここについては是非企業側のネガティブチェックリストのようにならないような形で、第8条というのは法律の実効性という意味においてはなければならないと思っていますので、3要件については廃止をした上で、ガイドラインが非常に重要だと思っております。働く側からしても、わかりやすく納得がいくようなガイドラインを設けて、客観性を図って、労使紛争があった場合にも、きっちりと使えるようなものを置く必要があるところを改めて主張させていただきます。
○布山委員
第8条に関して枠組みを変えること自体は反対ですが、この間、予測可能性を確保するためにガイドラインを作るというご発言がありました。それであれば、きちんと法文上に書いていただきたいというのが私どもの思いです。現状の第8条に、どういう方が、どういうふうに扱われるのかということが書いてある中で、それで明確になっていることを考えると、合理的な理由だけを条文に書いて、その中身は後でガイドラインでというのはわかりづらい法律ではないか。これまで、いろいろ議論してこうなった、今の現状の3要件があるということを踏まえて、条文にきちんと書くことがまず前提ではないかということで、ガイドラインで中身を吟味するというのは方法論としてどうかと思います。
○中島委員
質問なのですが、2頁の、使用者側委員からいただいた論点の最後の○の2段落目で、「また、パート法の対象者は、通常の労働者よりも短時間で働いている者という定義の中で、通常の労働者と同視すべき短時間労働者の契約期間は無期であるということだと思う」という表現があります。これは、ちょっとわかりにくいので趣旨をもう一回ご説明いただけますか。
○大隈均衡待遇推進室長
議事録からの抜粋の仕方で、少し端折ってしまったかもしれません。使用者側のご意見の趣旨としては、パートタイム労働法の対象は通常の労働者よりも短時間で働いているという大前提がある。そういう中で第8条の対象、通常の労働者と差別的な取扱いは禁止するという、通常の労働者と同じ待遇については、すべての待遇についてすべて同じ取扱いとしてくださいということで、第8条の対象者であるパートタイム労働者の範囲を確定する際には、仕事が同じということ、人材活用が同一であるということ。当然通常の労働者は無期の方々ですので、第8条の対象者とするには、対象者とすべきパートタイム労働者についても基本的には無期ということ。法律上では実質無期ということも入っておりますが、あくまで第8条の対象者とする通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者とは誰かということを考えた場合には、通常の労働者と同じような無期なり、実質無期という要件が必要であるということではないか、というご意見をいただいたことがあるということで書いたものです。
○佐藤委員
2つ質問があります。1つは法律の解釈なのですが、2頁の労働者側委員の発言で、「人材活用の仕組みと運用」のところで、「家庭的責任等から転勤できない者も多いので、この要件は間接差別に当たるのではないか」と書かれているのですけれども、この発言を伺うと、人材活用の仕組みと運用の中に、転勤要件が入っているということだと思うのです。転勤要件が入っていても、それが合理的でなければ、もともとこの3要件というのは通常の労働者とパートについて処遇の仕組み、例えば通常の労働者は職能給で、パートは職務給というように決めたときの合理性があるかどうか。この3要件が合理的であれば、例えば処遇の制度を変えてもいいということだと思うのです。そのときに、人材活用の仕組みというのは、それが合理性がなければいけないわけですから、つまり転勤ということが、単に転勤があるから変えていますだけでは駄目なのですよねという確認が1つ目です。
○大隈均衡待遇推進室長
ご理解のとおりです。なお、パートタイム労働法第8条の3要件については、パート労働者という雇用形態に着目し、パートタイム労働者の中でも、すべての待遇について通常の労働者との差別を禁止する、その対象とすべきパートタイム労働者をどう考えるかということで設けられたものです。
○佐藤委員
もう1つは先ほどのガイドラインのところなのですが、3要件を廃止しろなり、3要件では差別的禁止の対象になるパートが少ないからというご指摘があるのですが、通常の労働者とパートタイマーについて処遇の決め方とか、数字を異にするときに違っている。片方は職能給で片方は職務給だと。片方は賞与があり、片方にはないというときに、これは合理性があるかどうかの判断基準なわけです。労働者側の理解としてはそれ以外、3要件に当てはまらなくても差別があるから狭いという理解だと思うのです。ガイドラインと言ったときにいくつか並ぶと思うのです。それは、従来の3要件も入るのかどうかです。全部とは言いませんけれども、3要件も入って、かつ更にくっ付いてくるようなものをイメージしているのか。
例えば、職務給と職能給で分けると、職能給の場合は異動があるわけです。特定の仕事で雇用するわけではないから、職務給は合理的でなくて、職能給のほうが合理性がある。こうしたときに、特定の職務で雇用している場合に職務給で、いろいろな職務で異動で雇用しているから職能給といったときに、これは人材活用の仕組みだと思うのですが、こういうのがガイドラインに入るのかどうかなのです。
○小林委員
まずは、廃止というのが主張です。3要件の中でも、異動については議論が別になって間接差別のこともあります。それが本当にわかりやすくて、働く人たちが、私たちは通常の労働者とはやはり違うということを理解できるまで、この3要件をしっかり掘り下げていれば、ガイドラインとしては有効だと思います。現在の3要件の在り方だと、働く人たちの側として紛争まで行ったときにわかりにくいかなということがありますから、3要件は廃止というのを大前提として考えています。その上でもっとわかりやすいということを主張したいと思います。
○佐藤委員
ガイドラインにどんなものが入るのか、例えばパートに賞与がないと言ったときに、ないことの合理性です、そういうものが入るのだと思うのです。こういう場合は合理性がなくて、パートにも当然賞与を適用しなさい、こういう場合は交通費を支給しなさいと。パートでも店舗間異動があります。この場合は交通費を出さないというのは合理的ではない。でも、うちは一店舗一店舗でパートの異動はありません、ですから交通費は出しません、社員にも出していません、これは出さなくてもいいのかもしれません。ガイドラインにそういうものが入るのだと思うのです。そういうものをイメージしていいのかどうかなのです。どんなものがガイドラインに入るのかです。
○小林委員
細かい一例になりますが、例えば賞与を決めるときに、通常の正社員と同じ時間働いています。そこに同じ仕事をしているかどうかというのを持ち込んでしまうと、議論経過の中であったように、パート社員は同じ仕事をしていますという主張があるけれども、使側のほうではさせていませんというところで、主張が全然違ってきてしまうところがあると思います。そこはあくまで時間で区切るとか、そういう客観性が本当にわかりやすいものであればいいのですけれども、そこに職務が同じであるということが入ってしまうと、わかりにくいかと思っております。
○布山委員
そういう意味で、ガイドラインで決めていくというのは非常に難しいのかと思っていますので、その中身が何なのかを知りたいということです。いま労働時間のことをおっしゃいましたが、これは短時間労働者法なので、対象から比べる方よりも少ない時間で働いているので対象にしなくてもいいということになるのですが、この辺の趣旨もよくわかりませんでした。
○小林委員
労働時間のことについて突っ込んでいくと、パートの短時間の中でどうかという話になります。現状の実態としては、パート社員でも少し長く、例えば残業であったりという実態があったりします。通常の労働者と比べて、どこまでが同じラインか。例えば1時間違ったらどうとかというところをはっきりと決められていませんので、わかりやすいという一例で労働時間のことを申し上げたいと思います。
○吉永短時間・在宅労働課長
研究会において若干議論が出ておりますので、その経過を参考までにご報告させていただきます。研究会報告書の中では、EU諸国において合理的理由による不利益取扱い法制があるということで、そこの中での取扱いについて若干整理している部分があります。31頁辺りに出ておりますけれども、その中で合理的理由としては、勤続年数であるとか、学歴、資格、職業格付、あるいは労働時間とか就業時間の変更に対応できるかということ。フランスの判例では、キャリアコースの違いというものが考慮されています。
日本で、合理的な理由による不利益取扱い法制に移行するかどうかという議論はいろいろあると思いますけれども、仮に移行する場合については、こういった諸外国の例についても参考にできるのではないかというご意見が研究会の中にはありました。
○中島委員
合理的理由の中には、3要件すべてとは言いませんけれども、当然3要件に準じた内容は入ってくると思います。そのときに前にも申し上げましたけれども、非常に抽象的といいますか、ある意味主観的に決められる内容になっています。どちらの主観かというと、事業者の主観で決められる内容になっています。相対的な、具体的な判断というのが非常にしにくいのです。そこを、より相対的な比較もできるような指標を示していただきたいということなのです。
○林会長
具体的な指標でコンセンサスが得られるものというのがあれば、それはそれでいちばんいいのですけれども、前回の改正でそのコンセンサスが得られたところが、先ほどの人材のところであるのではないかと思うのです。そこを前回の3要件で、不合理性が特にこれにあるとか、その辺のところが何か立証的になされているようなものであれば、それは出していただくことになると思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○中島委員
例えば配転がいちばんいい例だと思うのです。契約時に、配転をするかしないかということは想定ができないと思います。その配転について、本当に大元の事業者たる企業の中で、配転が必要なのかどうか、パート労働者を配転する先が本当にあるのか。そういう具体的なイメージを考える必要があると思います。
○川﨑委員
3要件のことに関してです。企業の実態を申しますと、どのように処遇を考えていくのかというと、やはり職務の内容と配置の変更等、あるいは人材活用の仕組み、有期・無期といった点は基本的な枠組みとして、現在有効に機能していると思っています。あとは個別の企業の中において、こういうものを踏まえて何をルール化していくのかという点は、個別の企業の中で判断していきます。そのような現状で、大きい枠組みの規定としては現行の3要件で、際立って何か問題が発生しているといったようなところではないと判断しています。
前回の法改正から3年が経過する中で、差別的取扱いをしないようにというところでの処遇、諸々の見直し、人材活用の見直しを行っている中で、更に要件を変更し複雑にしていくことは、本当の企業の実態に合っていません。これ以上の追加はせず、現行の3要件のまま進めていったほうがいいのではないかと考えています。
○林会長
第8条は、全雇用期間を通じてという規定になっています。その辺について何かご意見はありますか。
○齊藤委員
「パートタイム労働法のあらまし」の17頁に図が入っています。パートタイム労働者は一定のところまでしかいかない、正社員はそれ以上に人材の仕組みがあると言った場合に、同じ職務であっても差別的取扱い禁止の対象にならないのです。全期間ではなく一定期間だからと。職務が同一で人材活用の仕組みや運用がたとえ一定期間であっても同一であれば差別的取扱い禁止の対象だろうと感じますが、いまの第8条の法律では、それは差別的取扱い禁止の対象外になってしまうのです。こういうことを踏まえれば、先ほど言われたように全期間というものが果たして合理的な理由になるのかということは考える必要があると思います。
○布山委員
いわゆる通常の労働者、正社員と言い換えたとして、その方々は基本的に将来の見込み、期待ということも込めて人材活用の仕組みをしている中で、その最終的な到達点まで見て判断をするということで決まっているのかと思っています。その一部の期間だけの切り出しで判断というのは、その場のその時点でしか見ていないので、あくまでも現時点と将来を合わせて見て、それで同じかどうかということでないと、いわゆる正社員の働き方、人材活用の仕組み自体が崩れるのではないかと思っています。
○齊藤委員
現実的にこのようなキャリアラダーを作っている所については、天井になったときには、正社員転換制度が入って、正社員になって移行していくというパターンがほとんどだと思います。正社員よりもパートタイム労働者のほうが天井が低いと考えられて、同じにしないということなのであれば、そのパートタイム労働者がこの後正社員化して、正社員と同じようにしていく過程の中の1つの部分でありますので、この部分について正社員と同じように取り扱わないということに合理的な理由があるのかどうかというのはわかりかねます。
一般的にこのようなものを作っている企業においては、同じように取り扱っている所が増えてきていると思います。そういう方々は、正社員と同じような処遇をされている企業もありますので、その人のキャリアを考えた場合、パートタイムでそこまで行っても、その後は正社員に転換していくということですので、この部分については同じように取り扱うべきではないかと考えております。
○川﨑委員
正社員なのかパートタイム労働者なのか、やっている職務がこの17頁を見ると、この場合は同じ職務ですといったところで、正社員化することを前提として、正社員と同じ将来の見込みを立てた上で、正社員と同じ処遇にするべきではないかというご意見だったと思います。
先ほどのお話に関して言うと、基本的にパート社員が、正社員に転換した時点で処遇を同じにすることはあり得ると思いますけれども、それはその時点で判断すべきものであります。転換する以前から、正社員を見越した制度の設計をしていくというのは、現実には即さないのではないかと思います。
○山川委員
いまのご議論にあるような意味では、努力義務ではありますけれども、第9条第2項の、同一の方法で賃金を決定することという規定自体がどれだけ実務上実効性があるのかということ自体が、別の議論としては出てき得るのではないかという感じがしています。
ただ、これまでの議論は、わりと合理的な理由があるかないかというお話だったのですが、それを決める前にまず条文の枠組みをどうするのかというのが、たぶん前提になるかと思います。まだ法案ができていないのに有期の話をするのは恐縮ですが、有期の場合は3要件ではなくて、職務の内容とか配置の変更という2要件に相当する部分を要素として切り出して、かつ建議では「等」というのも付けているので、それ以外のものも考慮されるかもしれない。期間の定めのある、なしはそれとはかなり別の位置づけになっているという理解で、そのときの整合性を図る必要はあるかと思っています。
○林会長
3要件のうちの無期の点を特にという意味ですか。
○山川委員
そうです。要素か要件かというのも1つあります。それから無期というのが、こちらでは期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないと。職務の内容、配置の変更の範囲とはかなり違った位置づけですので、それをパートタイム労働法の場合はどう考えていくかということかと思います。
○佐藤委員
全期間のところは理解の仕方で、普通の社員についても、例えば課長になるぐらいまでは同じような処遇体系にいて、課長ぐらいで管理職と専門職があって処遇の仕組みが変わるわけです。到達点が変わります。だからといって、課長になる前と変えているかというと変えていないのです。到達点が異なっているものは、下を全部変えているというような人事管理にはなっていないのです。
もちろん設計の仕方はあります。初めから、あなたは専門職で、年俸制です、こちらはゼネラリストでいきますというのはあり得ますけれども、それはそれで1つのやり方です。でも、あるところからはキャリアが変わるけれども、その前は同じような、つまり第9条第2項みたいな形です。ある期間は同じで、その先を変えるというのはあります。そういう意味では通常の社員についても、到達点が違った場合に、前のほうをすべて変えているわけではないので、そこは上が変わっても一定期間同じというのはあるかなと。
ですから第9条みたいなことを、実は社員のほうもやっているわけです。これをどのように書くかは別にして、そこは全期間というのをどう考えるかです。社員のほうも、後ろでみんなが社長になるわけではなくて途中で変わるわけです。だけれども前半は同じというのがあるので、そういうものを少し念頭に置いて考えたほうがいいのかと思います。
○中島委員
私も、その「全期間を見越してあらかじめ」というところがちょっと引っかかります。「あらかじめ」ということになると、契約の時点で、その人材の適性とか将来可能性について、確たる判断はできないはずなのです。それを法的基準としての客観性とか合理性のところに持ってくるというのは、そもそも矛盾があるのではないかという気がしています。どう扱ったらよいかよくわからないのですけれども、そこは非常に疑問が残ります。
○布山委員
先ほどの佐藤先生がおっしゃっていたことに関連してです。会社それぞれの設計の仕方かと思っています。おっしゃるとおりある一定までのところ、いわゆる成長していただく期間は同じにして、ある程度責任を持つ管理職から変わるというところももちろんありますし、初めの段階からきちんとルートを作っている所もあります。それはこの方法なのだからということではないのかなと思うところです。
第9条第2項は山川委員がおっしゃったとおり、要件がどうなるかによって、どういうふうになるかということで、いまその要件自体を私どもは3要件のままでいいと言っていて、労働者側委員のご意見は、中身に何が入るかということについては、ご意見として明確にいただいていませんけれども、それによって初めてどうするか考える中身なので、いまここで議論しても並行線になるだけかという気がしているのです。そこは少し整理していただいたほうがよろしいかと思います。
○林会長
わかりました。合理的理由で法文を作ろうとした場合には、ガイドラインに下りてくるというのが必然的になってきます。そのガイドラインに下りてくるところが、いまの3要件とどのように違うのか。形が違ってくるのか、3要件も同じように含まれるのか、という具体的なものも含めて議論をしていただきたいと思います。本日は、まだほかの論点もいっぱいありますので、この論点については一応ここまでとして、次の論点に移らせていただきます。それでは事務局からお願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長
それでは資料No.2の5頁をお開きください。賃金に関する均衡(法第9条)の関係です。太線の中の論点ですが、現行法の第9条第1項では「事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めるもの」とされておりますが、これを義務化することについてどのように考えるべきかという論点です。
これに関しまして労働者側委員の意見としましては、いちばん上の○にありますように、やはり義務規定とすることが必要であると。紛争解決援助の対象となり、実効性の確保にもつながるというご意見もありました。また、2つ目の○にありますように、いまの第9条の努力義務の義務化というのが仮に無理としても何らかの措置義務にするということで、均衡待遇のためのプロセス・手段を講じることを義務付けることが適当ではないか、というご意見をいただいております。
また、使用者側委員の意見としましては、1つ目の○の4行目では「何をもって均衡が保たれているとするのか判断基準が明確に作りにくい」ということで、義務化をすると企業の現場が混乱をするということで現行の努力義務の下で企業の取組を促進するべきであるというご意見です。2つ目も同様のご意見です。
また、この第9条に関しまして6頁をご覧いただければと思います。これにつきましては、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置(賃金に関する均衡の確保、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用機会の付与、通常の労働者への転換の推進等)に関し、事業主が、個々の事業所の実情に応じ、自主的に行動計画を策定し、これに対し国が一定のインセンティブを与えることにより取組を促進することについて、どのように考えるべきかという論点です。
労働側委員の意見としましては、いちばん上にありますように、研究会報告書でも言及されていたこういった行動計画は相応しいのではないかというご意見がありました。また、2つ目の○も同様の趣旨です。下のほうにありますが、働き方にかかわらない、適切な評価、適切な賃金支払いは、必ずしも企業のデメリットではないというご意見もありました。また、7頁ですが、特にパートタイム労働者がスキルアップのための教育訓練、こういうものを行動計画で改善していきたいというご意見もありました。また、7頁の左側の下から2つ目の○は国からのインセンティブということですが、例えば表示の付与であったり、法人税の税額控除などの税制上のインセンティブ、あるいは、いちばん最後の○にありますように助成金など、そういったものがインセンティブとして考えられるのではないかというご意見をいただいております。
他方で使用者側委員の意見としましては、6頁ですが、1つ目の○にありますように、毎年経済環境が大きく変わる中で、長期の計画を立てるのは非常に困難であるということ。それから、2つ目の○ですが、行動計画の作成は企業経営の根幹にかかわる問題であるということで容認できないということ、それから、適宜見直すことができないような計画は、人事管理を硬直化させていくと、様々な問題があり、行動計画には反対ということもあります。3つ目の○についても、賛成しかねるということです。また、7頁ですが、賃金は、経済状況を踏まえ、労使で決定しており、訓練についても企業により様々で、計画で促進するというものではないという意見もあります。また、7頁の2つ目の○ですが、パート労働者に対するスキルアップのための教育訓練は、既にパートを活用しているような企業であれば既に行っているし、社外に出るパート労働者についてまで検討するということであれば、これはパートタイム労働法ではない枠組みで対応するべきだということです。また、下から2つにつきましてはインセンティブの関係です。インセンティブを与える場合に基準を一律に設けるということであれば、これは企業の裁量に対して国が関与するということではないかと、違和感があるということ。あるいは、最後ですが、国の財政を考えると、どういうものが提供できるのかと、現実的かどうかというご意見もありました。
公益委員の意見としまして、6頁ですが、研究会報告で想定している行動計画は非常に柔軟なものであるというご趣旨のご発言をいただいております。また、公益委員の7頁のご意見ですが、行動計画は、パート労働者のキャリア形成支援のために、有効であるというご意見をいただいております。
また、第9条の関係、8頁ですが、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置に関し、事業主による取組を促進しつつ、パートタイム労働者の納得性を向上させるその他の方策について、どのように考えるべきかという論点です。
労働者側委員の意見としましては、納得性の向上ということで、第13条との関係で事業主からしっかり説明をしてほしいというご意見をいただいております。
使用者側委員の意見としましては、これも第13条の関係で、パートタイム労働者を納得させるまで説明をすることは求めていないけれども、そういった前提の中で、事業主がどういう雇用管理を行うのかということを、何らかの形で明らかにするような工夫を考えることはあると、その際に苦情があればどう対応するか、2つ目の○で、労働条件の明示や苦情の処理の自主的な解決の取組について、少し考えていく余地もあるのではないかというご意見をいただいております。
また公益委員からは、第13条の説明義務の関係で、どのような考慮要素が含まれているのか、事業主が説明すればパート労働者の納得性は向上するであろうということ、あるいは第19条、これは苦情の自主的な解決の条文ですが、こういったことで対応するのはどうかというご意見をいただいているところです。
また、第9条の関係で9頁です。論点としましては、通勤手当等は、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金として、パートタイム労働法第9条第1項の均衡待遇確保の対象から除外されているが、これについてどのように考えるべきかというものです。
労働者側委員の意見としましては、1つ目の○にありますように、実費弁償で全額を払うべきだというご意見があります。また、労働者側委員の意見のいちばん下にありますように、正社員には支給し、一方でパートには支給しないということに合理性は見出しにくいのではないかと、通勤手当の支給について一定のルールがあると思われ、それをパートにも準用してほしいと、その際に、適正な上限を設定することは考えられるというご意見をいただいております。
使用者側委員のご意見としまして、いちばん上にありますように、いまの第9条第1項ですが、均衡の対象というのは職務の内容に密接に関連するものを対象としていると、一方、通勤手当は職務の内容に関連するものではないという整理がされており、現在でもその通勤手当に関する考え方は変化していないということで、引き続き除外すべきであるとか、2つ目の○にありますように、個々の契約で決まるとか、3つ目の○にありますように、様々なパート労働者の働き方がある、4つ目の○にありますように、正社員のほうにも関係してくる話であるというご意見があります。
公益委員のご意見としましては、1つ目の○の真ん中以降です、通勤手当を職務関連手当として支給するというものではないが、例えば店舗間異動があるパート労働者に支給することは、合理性があるのではないかとか、2つ目の○にありますように、通勤手当には業務に関連する部分、あるいは福利厚生というような面もあるというご意見もあります。
また、10頁です。第9条の関係で最後です。事業主が、事業所の実情に応じ、職務評価制度又は職業能力評価制度を導入、これを踏まえ、パート労働者の雇用管理の見直しを進めるよう促すことについてどのように考えるべきかということです。
使用者側委員のご意見としまして、あくまでこういった制度についても、賃金を決定する際の一要素にしか寄与しないということも踏まえるべきであるというご意見をいただいております。第9条の関係は以上です。
○林会長
いまご説明いただきました第9条に関係する賃金に関する均衡、これに対する委員の皆様からのご質問、ご意見等がありましたらお願いいたします。
○小林委員
10頁ですが、労働者側委員のところに記録がないので改めてということになりますが、パートタイム労働者の処遇改善の1つとして、希望する者に特にキャリアラダーを整備して、正規の社員化を促すことというのは必要かと思っております。ここにありますように、職業能力評価制度などを導入してパートタイム労働者の雇用管理の見直しを進めることは、私たちとしては積極的に推進するべきことと考えております。
○林会長
ほかにはございませんか。特にないようでしたら次の論点に移ってよろしいですか。それでは、次は教育訓練です。11頁から最後までをまとめてお願いしたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
それでは、残りの論点についてご説明いたします。11頁、3番は教育訓練(法第10条)の関係です。「パートタイム労働者に対する教育訓練について、どのように考えるべきか」ということです。
労働者側委員の意見としましては、1つ目の○にありますように、キャリアアップのための教育訓練も必要であるということで、教育に関する経費をコストではなく、投資と捉える見方が必要である、2つ目の○にありますように、離職などを防ぐためにも教育訓練は必要、また、正社員転換制度とセットで考えるべきであるというご意見もありました。
また使用者側委員の意見の1つ目ですが、3行目にありますように、パート労働者についてキャリアアップの合意はなかなかできていないと、キャリアラダーを想定できない中小企業の現場での負担、こういったものも含めて議論をしてほしいということがありました。2つ目のご意見は先ほどご説明をしたところです。
公益委員のご意見としましては、1つ目ですが、パート労働者を活用するという考え方があれば、キャリアアップの教育訓練も実施されるのであろうということです。2つ目もそれと関連しまして、やはり企業がパート労働者の活用を得だと考えるかどうか、そういうことがまず基本になるのではないかというご意見がございました。
続きまして12頁の4番、福利厚生(法第11条)の関係です。パートタイム労働法第11条において、事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える一定の福利厚生施設、これは給食施設、休憩室、更衣室の3つの施設ですが、パート労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮することとされております。こういう中で慶弔休暇等の福利厚生制度についても、利用機会の付与の対象とすることについて、事業所ごとに福利厚生制度の在り方が多様な中で、どのように考えるべきかという論点を挙げております。
労働側委員の意見としまして、いまの配慮義務を義務化すべきではないかというご意見をいただいております。
使用者側委員の意見としましては、福利厚生施設は、従業員が一度に利用することができないことも含めて、配慮義務となっているのではないかというご意見がありました。
13頁の慶弔休暇です。慶弔休暇の関係は、いちばん最後の○にありますように、正社員に認められて、パート労働者に認められないのは合理的理由が考えにくいのではないかと、特に忌引きについて安心して取りたいということで、格段の配慮が必要であるということです。
他方で使用者側委員のご意見です。1つ目の○です。そもそも福利厚生は企業の自主判断に任せるものであると、特に忌引きは一生涯に数回で、多様な働き方をしているパート労働者への付与というのは、なじまないのではないか。あるいは、2つ目の○にありますように、忌引きが解雇する・しないの判断基準になるかどうかは、福利厚生という話ではないのではないかというご意見もいただいております。
公益委員のご意見としましては、正社員に適用される慶弔休暇が、なぜパート労働者には適用されないのか、説明が難しいのではないかということで議論が必要であるというご意見があったというところです。
14頁、通常の労働者への転換(法第12条)の関係です。現行の通常の労働者への転換推進措置、いま、3つのうちの少なくともいずれかを措置していただくということになっておりますが、どのように考えるべきかということです。
労働側委員の意見としまして、1つ目の○にありますように、まだ半数の事業所しか実施していないことは問題であるということですとか、2つ目の○にありますのは、仕組みは用意されていたとしても本当に推進しているかどうかは疑問であるというご意見もありました。
他方で使用者側委員の意見としましては、正社員転換ということは、景気や企業の業績によって変わってくるものであるとか、2つ目の○にありますように、施行されてからのこの間、中小企業では正社員を採用していないような状況もあると、そういう点も考慮していただきたいというご意見がありました。
15頁の6番、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明(法第13条)の関係です。事業主は雇用するパートタイム労働者から求めがあったときは、待遇の決定に当たって考慮した事項についてパート労働者に説明しなければならないと、こういう規定があります。
この点につきまして労働側委員のご意見として1つ目の○は、こういった規定は趣旨として非常によいというご意見です。2つ目については、他方で、説明を求められた事業所が2割にとどまっているということは、パート労働者が安心して聞けないということ、不利益取扱いの禁止というのが必要ではないかというご意見がありました。また、16頁ですが、労働側委員のほうからは、パートタイム労働者の求めではなくて、一律に事業主から説明することが適当ではないかというご意見もありました。
使用者側委員のご意見としては、既にきちんと説明をして対応しているということですとか、あるいは、事業主だけでなく第三者機関、行政機関、こういうところへの相談も考えてはどうかということがありました。
公益委員のご意見としては、待遇についての意識が高まっていることは非常によいことであるという1つ目のご意見とか、2つ目、6割の労働者が事業所に聞くというのは、必ずしも低くないというご意見があったところです。
17頁ですが、最後の論点、その他(履行確保)の関係です。17頁につきましては、報告徴収及び助言・指導・勧告です。これにつきまして労働者側委員からは、いまパートタイム労働法にありませんが企業名の公表を検討する必要がある。2つ目ですが、これもパートタイム労働法にありませんが、報告徴収の拒否について、もっときちんと考えるべきであるというご意見をいただいております。
他方で使用者側のご意見としては、改正法の施行の効果はあったのではないかということで、2つ目にありますように、これ以上の罰則の強化の必要性はないのではないかというご意見をいただいております。
公益委員からは、企業名公表、過料の関係で、均等法、育介法等との措置の違いについては気になるというご意見をいただいております。
18頁の紛争解決援助の関係です。紛争解決援助、例えば2つ目の○にありますように、司法上の救済というのは負担があるということで、早期に紛争解決できるような援助策の検討が必要であるというご意見があります。また、3つ目ですが、努力義務規定を制度の対象とすべきであるというご意見をいただいております。
他方で使用者側のご意見としては、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法・パートタイム労働法それぞれの法律の趣旨に沿って、紛争解決援助の在り方を考えるべきであるというご意見をいただいております。
最後ですが、19頁のその他(労働条件に関する文書の交付/苦情の自主的解決)につきましても、特にこれまで論点として挙げていない部分もございましたが、これまでの議論の中で関連するご意見が出ておりましたので拾っております。
労働者側委員からは、既にご説明いたしました、説明周知の意味が大きいというご意見がありました。
使用者側委員のご意見としては、労働条件の明示、苦情の自主的解決で考えていく余地があるのではないかというご意見をいただいております。
また公益委員のご意見の2つ目の○ですが、いま、労働条件明示について、雇入れ時と契約更新時のいずれも行っていただくこととしておりますが、例えば契約更新時にもきちんと行われるようにする仕組みであるとか、労働条件明示の中身を広げるというような議論はあり得るというご意見をいただいております。資料については以上でございます。
○林会長
多数の論点が含まれておりますがまとめて、これらに対するご意見、ご質問等がありましたらお願いいたします。
○關委員
何度もこちらのほうからも発言しておりますが、慶弔休暇のところだけは改めて意見をしておきたいと思います。
慶弔休暇が正社員だけにあってパートタイム労働者にないというのは、やはり合理的な理由はなかなか考えにくいなと思っておりますし、やはり仕事で不利益を被ることなく気兼ねなく葬儀などに出席したいといった思いは雇用形態にかかわらず、人として当然に抱く話なのではないかなと思っております。使用者側委員のほうからも、前回も一生涯に数回の問題なので義務付けるのはなじまないなどというお話もあったのですが、逆に、だからこそ、一生涯に数回であれば適用してもいいのではないかなと、思うほどのものです。そういう意味では、やはりパートタイム労働者にも慶弔休暇というのはきちんと適用すべきではないか、ということを改めて意見させていただきたいと思います。
○渡辺委員
質問ですが、実際に慶弔休暇を葬儀等で、特に忌引きを取ってもらっては困るとか、あるいは取ったことによって不利益を被ったという事例がどれぐらいあるか、あるいはそういうパートタイム労働者の方への調査データというのはあるのでしょうか。ちなみに当社あるいは当業界の現場でいうと、ほとんどがシフト勤務で、ローテーションで十分に運用されておりまして、忌引きの休暇を取らせないというような会社はすぐ目立ってくるのですが、実例がほとんど見当たりません。実際にそういう実績データがどれぐらいあるのか、あれば教えていただきたいと思います。
○中島委員
数字的なデータはありませんが、それによって残念ながら解雇されてしまったとか、自主的に辞めてしまったとかという例は聞いております。それから、私どもが言っているのはシフトの中に入れるということではなくて、あくまで有給休暇に食い込まない形で忌引きの休暇をきちんと作っていただきたいということなのです。
○林会長
中西委員。
○中西委員
意見です。渡辺委員の質問もありましたので重複するかもしれませんが、実際の中小企業の現場におきましては、忌引きが欠勤として扱われたり、あとで人事考課や契約更新判断に反映されるような極端な例はないのではないでしょうか。一律に慶弔休暇の付与を求めるということは企業現場におきましては難しく、この点につきましては、企業の裁量や柔軟な運用に委ねるべき範囲と考えております。義務化すれば企業はやはりパートタイム労働者の雇用に、より慎重になる、ならざるを得なくなる場合もありますし、雇用を失うということも考えられるのではないかと、結果として労使双方にとって果たしてこれはよいものだろうか、失うものがあるのではないかと思います。失うものが大きくならないような方法をとるべきではないかと、そのように考えます。
○中島委員
ですから、そういうことにならないように、シフトや自分の就業調整によって忌引きを取るのではなくて、別に忌引きという休暇制度を設けていただきたいということを申し上げているのです。
○中窪委員
いまのところと若干関連するかもしれませんが。先ほど齊藤委員が示されました「パートタイム労働法のあらまし」というパンフレットですが、これの7頁に使用者の義務が表になっておりまして、先ほどの第8条、第9条、教育訓練、福利厚生という中で通常の労働者と同視すべき者については、全部◎で差別の禁止と。それに対して、3段階ありますけれどもそれぞれあって、いまの福利厚生でいうと、それ以外のところは普通の○ですが、これで限定があって慶弔休暇などは入らないという。
こういうグラフィックになると、何でこうなのかと思うのですが、よく考えてみると、このパートタイム労働法自体、第3条の規定がありまして、「事業主は、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする」という努力義務があるということになっております。それから、指針の中でも、直接条文の対象にならないものについてもやるということが明記されておりますので、これが何かブランクみたいに見えるのは、ちょっとミスリーディングではないかと思います。ここは、本来はそういう一般的な義務があって、それに特別な条文はかからないのだと、そういう趣旨が表れる表にすべきではないかと思いました。
だから第9条に関しても、職務に関連する賃金については、こういう形で決める努力義務を課するということですが、それ以外については、なかなか明確な条文が作りにくかったので不確かになっていました。例えば通勤手当についても会社の実態によって、払い方によっては、やはり均衡を考慮すればおかしいではないかということもあり得るわけですし、それでどれだけ努力するかという努力義務が果たされているかどうかは、今の法律でも問題になり得るのではないかと思っております。ただ、1つ問題は、苦情処理との関係で福利厚生の第11条でしたか、これに入れば労働局でも助言指導ができるのに、それが慶弔休暇ではできないという形で、そこが区別になってしまうのですが、いま労働局にそういう相談が来た場合に、どのように対処されているかというのを教えていただきたいのと、それから第9条に関しては、そもそも紛争解決の対象外になっております。これも労働局で何か助言指導ができない形に見えるのですが、これはどのように処理されているのか教えていただきたいのです。
○林会長
事務局、お願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
労働局によります行政指導は、根拠条文はパートタイム労働法の第16条になっておりますが、努力義務も含めまして助言などはさせていただいております。また、法律の第14条に基づく指針につきましても、助言させていただいております。
○中窪委員
第16条のほうですか。
○大隈均衡待遇推進室長
はい、行政指導のほうは第16条ですので、努力義務を含めてしております。
○中窪委員
わかりました。
○大隈均衡待遇推進室長
一方で、ご指摘のように、苦情の自主的解決ですとか、紛争解決援助は努力義務は除いて義務規定だけ。もともと、努力義務の規定ですと、それほどの紛争は見込まれないのではないかというようなことも、法改正時は考えておりました。紛争解決援助のほうは努力義務は除いていると、義務規定だけという整理をしております。
○中窪委員
それとあと、第11条の配慮義務は入るのですね。
○大隈均衡待遇推進室長
はい、第11条は紛争解決援助の対象にもなりますので、この3つの施設について何らか紛争があれば、それは、局長の指導なり調停なりということは対象にしております。
○山川委員
簡単にですが、1つはいわゆる正社員転換の規定に関してです。中間形態云々の話が、双方から発言がありまして、これ、法律改正まで必要とするかどうかわからないのですが、現在の取扱いが必ずしも明確ではないような感じもいたしますので、中間形態の利用可能性につきましても、ご検討いただければと思っております。
もう1つ。今回、先ほどの議論の経過の中で出てきた論点ということで、第19条関係、文書交付とか苦情の自主的解決ですか、の関係で19頁。これは再掲ということで、もともとは15頁の公益委員の発言で、自分の処遇について「わからない」とか「考えたことがない」というパートタイム労働者が減ったことは、法律の効果であるという。たぶん私が発言したかと思うのですが、これはそのとおりであると改めて思うのですが、第107回の資料No.2「パートタイム労働者の現状」の1頁目ですが、ここに平成18年と平成22年を比較して「わからない」という回答が、半分以下に減っているというのが出ております。このことを申し上げたのですが、これはよく見てみると、それを除いた比率で考えると「納得できる」と「納得できない」を対比するとあまり変わっていないと、むしろ、わずかですが納得していない回答の比率のほうがちょっと上がっている感じがあります。つまり、40%対20.3%と53.1%対28.1%ということで、キャリアアップとともに納得性の向上というのは、なお課題として残っている部分があろうかと思いますので、この辺りを改めて、説明の話か、あるいは苦情処理の話か、あるいは両方かということで新たに議論として出てきたものですから、より深めてもいいのではないかと思います。以上です。
○林会長
ありがとうございます。まとめてですが、ほかに何かご意見等がございましたらお願いいたします。
○冨高委員
先ほど正社員転換のところについてご発言もありましたが、我々としましては、やはりここは半数程度のところが、そういう施策を実施していないというようなことがいままでの報告の中でありましたが、やはり、正社員転換のところは我々もいままで問題にしてきたところなのですが、結局、パートタイム労働者のキャリアラダーが整備されていないことが、事業主が教育訓練を行わない要因にもなっておりますし、そこが、前から言っておりますように負のスパイラル、どちらかというと負のスパイラルにつながるのではないかと思っております。
この正規の労働者への転換というところは、先ほど中間という話もありましたが、短時間正社員制度というのを厚労省のほうでも積極的にやっていただいておりますが、そこの活用も含めて、その転換の間口というところを広げて、キャリアラダーを整備して、希望する方の正規への転換というところを促すことが必要なのではないかと思いますので、その点について努力義務というのを課してはどうかと我々としては考えております。そのために、先ほど職業能力評価基準の話がこちらからも出ましたが、そこで評価をしていくというようなことも必要なのではないかということで、併せて発言させていただきます。
○佐藤委員
ちょっと戻ってしまうのですが、第9条のところで。7頁、中窪委員が取り上げたところですが、これ、たぶん第8条のほうの3要件を残すか、それとも要素を労働契約法制的な形にして、ガイドラインの中で、いままでの3要素を3つつなげて要素として入れるかとか。ただ、そうなっていくと、第9条を書けるのかどうか。つまり、第9条というのは第8条の3要件を前提に書いてあるのですよね。全期間と言っていますから、ある一定期間というところをどうするかというので第9条は書かれているわけですよね。そうすると、第8条の書き方がガラッと変わると第9条は書けなくなるのです。あるいは、第9条が第8条に入るのか。ですから、これは別々に議論できなくて、現状でいうと、第8条のほうはかなり絞っているのですね。ただ、実態としては、かなり一定期間同じように働いている人がいるところに問題が多いわけで、ここを何もしなくていいか。第9条では、一定期間の場合は同じ処遇制度にというのが入れてあるわけです。ただ、これは、期間についてその要素というような形で具体的に書かないとなると、この第9条が一定期間で外したような、全体をちゃんと処遇しなさいというような書きぶりの第9条になってしまって、一定期間みたいなのはもしかして第8条のほうに入るのかもしれない。そこは少し議論していかなければいけないかなということです。課題の提起ということだけです。
○林会長
わかりました。これはいずれ整理してお出しすることになると思います。そのほかにご意見、ご質問等はございませんか。
○關委員
第13条に関してというところですが。第109回の資料でありました調査によると、過去3年間にパートタイム労働者から処遇に関する説明を求められたことがあるという事業者が15.6%という結果が出ていたと思うのですが、やはり立場の弱いパートタイム労働者が説明を求めたことを理由にする不利益な取扱いを若干懸念して、説明を求められないケースがあるのではないかということが推測されるかなと思っています。そうしたことを踏まえると、現在、指針に規定されております説明を求めたことによる不利益取扱の禁止というものを法文上明記する必要があるのではないかと思っております。また、「パートタイム労働者からの求めがあった場合には」ということが前提になっている待遇の決定に当たって考慮した事項というものについても、求めを前提とせずに説明をするということも義務化する必要があるのではないかと。これは検討に値するのではないかと考えております。
そうした説明事項の中には、納得性の向上といった観点から正社員との処遇の違い、その程度とその理由といったところを含めた上で、文書による交付ということが必要なのではないかと考えております。以上、意見です。
○林会長
ほかにご意見等はございますか。
○布山委員
以前にも発言したかと思いますが。いまのお話ですと、15頁にも書いてあるところですが、説明を求めたいのだけれども、立場が弱く、不利益な取扱いを受けるかもしれないので、なかなか聞きたくても聞けないという方がいらっしゃるのではないかということ。ただ、一方で労働組合あるいは行政機関にご相談をされていないということを考えると、本当にそこまで問題にされているのかどうかということも、おそらく想定で、想像でおっしゃったので、こちらも想像で申し訳ないのですが。そういうこともあるのかなと思うところです。
それと、処遇についての説明です。ほとんどのパートタイム労働者の方が職務給ということになると、少なくとも入口の賃金は地域相場ということにかかわっているので、そのときのご説明は地域の相場がこれぐらいだからこうしましたということでもいいのかどうか、ということも含めて議論をしていただきたいと思います。
○山川委員
1点だけ、先ほどの佐藤委員のご発言に関してですが、同感で特に第9条第2項は、前にも申しましたが、より検討する必要があるのではないかと思います。以上です。
○林会長
ほかにご意見はございますか。
○冨高委員
履行確保のところですが、先ほども努力義務規定のところについては、紛争解決援助制度のところに入らないというような説明もありましたし、あまり紛争は起きないのではというような感覚なのかもしれませんが、ここに対する部分というのは、やはり努力義務規定にも拡大をして、その法の実効性というところをきちんと確保する必要があるのではないかとは思っております。事業主の方に法律を遵守させるための方策をもう少し強化するという意味でも、ここの部分はきちんとやっていく必要があるのではないかと思っております。
○林会長
そのほかにご意見等はございますか。
○中西委員
履行確保のことについてです。報告徴収を拒否している事業所の割合は1%を下回っております。報告徴収是正措置は、さらなる普及啓発を求められるところでもあります。よって、特段の法的措置は必要ないと考えます。以上です。
○中島委員
私たちは、やはり誠実に対応していただけないのであれば、そこは企業名の公表なり過料が必要だと思っております。それがその数パーセントか1%か10%かというのは基本的に関係ないと思っております。そして、均等法や育介法などに制裁措置というのが含まれておりますので、あえてそれと異なる扱いをする必要はないと思っております。
○林会長
そのほか、ご意見等はございますか。
○齊藤委員
第10条第2項、教育訓練ですが、第10条第2項のところで基幹的労働に従事するパートタイム労働者については、やはりキャリアアップのために教育訓練の実施の努力義務が規定になっております。これを義務規定にすべきであると思います、基幹的労働者をどのように考えるかというのはあると思いますが。例えば先ほど言われていたように、いまの法律でいえば一定期間、人材育成の仕組みが同じであれば、これは該当するのではないかと思っておりますし、その方たちについては、やはり義務規定にするのが適当ではないかと考えております。
○林会長
そのほか、ご意見はございますか。特にないようでしたら、時間も迫ってまいりましたので、本日の議事はこれで終了といたします。本日の署名委員は、労働者代表は中島委員、使用者代表は瀬戸委員にお願いいたします。それでは、本日の分科会はこれで終了といたします。ご苦労様でした。
ただいまから、第112回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、田島委員と権丈委員がご欠席です。また、本日は藤田政務官にご出席いただいております。それでは、議事に入りたいと思います。議題は「パートタイム労働対策について」です。資料No.1について、事務局から説明をお願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
資料No.1に基づいて「関係する審議会の状況」について、説明します。1頁の「社会保障審議会・短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」ですが、今年に入って第11回ということで、1月26日に開催されております。短時間労働者への社会保険適用に関する論点ということで、制度設計などについて、論点に基づいて議論が行われたところです。次頁に1月26日の特別部会の資料の中から、論点に関するものを抜粋して載せております。
資料No.1-2の1頁ですが、「議論の方向性」ということで、社会保障・税一体改革素案の中で「厚生年金(被用者保険)の適用対象となる者の具体的範囲、短時間労働者が多く就業する企業への影響に対する配慮等の具体的制度設計について、適用拡大が労働者に与える影響や雇用への影響にも留意しつつ、実施時期も含め検討する。平成24年通常国会への法案提出に向けて、関係者の意見を聴きながら検討する」ということで、この記載に基づいて、平成19年に国会に提出された法案の内容も参考にしつつ、3つの論点について議論が行われました。1つ目としては「厚生年金・健康保険の適用対象となる者の具体的範囲」、2つ目として「適用拡大が短時間労働者に与える影響や雇用への影響」、3つ目として「短時間労働者が多く就業する企業への影響」です。
3頁の適用拡大の論点?(厚生年金・健康保険の適用対象となる者の範囲)では、「平成19年法案の内容を参考に、以下の項目について検討」ということで、「週の労働時間」、「賃金水準」、「雇用期間・雇用見込み期間」、「労働者の属性」、「企業規模」といったものについて、議論が行われたところです。平成19年法案において、「週の労働時間が20時間以上であること」とされていたこともあり、週20時間以上というのが、基本的な1つの考え方として議論がなされているところです。
5頁ですが、賃金水準について、平成19年法案でも一定の額以上の方を対象にするということになっておりましたが、特別部会の中では、そもそも賃金についての水準を設ける必要はないのではないかというご意見や、一定の賃金以上という基準を設けることが現実的ではないかというご意見などもあったところです。
また、6頁ですが、雇用期間・雇用見込み期間の関係です。現在の制度を踏まえ、この2カ月というものが基準になるのではないかというご意見などもあったところです。また、7頁にあるような学生の取扱い、あるいは次頁ですが、既に年金の受給資格を満たしている60歳以上の方の取扱いについても、いま様々なご議論が出ているところです。
10頁の適用拡大の論点?(短時間労働者に与える影響や雇用への影響)、12頁の適用拡大の論点?(短時間労働者が多く就業する企業への影響)といった論点についても議論がありました。13と書いてある頁ですが、例えば「企業規模」「業種」などによって取扱いの差異を設けるかどうか、「企業の事業主負担の激変緩和策の必要性」、「社会保険の適用事務負担」、「医療保険者の財政悪化」、「負担の大きい業種や企業に対する雇用政策、産業政策」という論点についても、様々なご意見が出ていたところです。13頁の下のほうに、平成19年法案における取扱いということで、当時の法案には従業員が300人以下の中小零細企業には、新たな基準の適用を猶予するということもありました。こういったことも踏まえて、特別部会の中では適用除外ということは設けるべきではないけれども、段階的な激変緩和策は考えられるのではないか。そういった場合に、業種というよりはむしろ企業規模に着目することが考えられるのではないかという意見もあったところです。
一方で、中小企業の立場からは、やはり適用除外が望ましいなどといったご意見も出ているところです。また、次頁の左下15ですが、健康保険も各保険者の財政に対する影響を十分に配慮していただきたいという意見があったところです。まだ、これらの論点について、様々な議論が行われているところかと承知しております。説明については以上です。
○林会長
ただいまの事務局の説明について、委員の皆様から何かご質問・ご意見等がありますでしょうか。特にないようでしたら、次の議題に移らせていただきます。資料No.2について、項目ごとに事務局からご説明をいただきたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
資料No.2です。今回、「論点及び関連する主な意見」という資料を提出しております。こちらについては、これまで議論をしてまいりました論点と、その論点に関連する労働者側委員、使用者側委員、公益委員と、それぞれの関連するご意見を挙げております。今回、全体をご覧いただいて、論点の過不足等も含めてさらにご議論いただければと考えております。
1、「差別的取扱いの禁止(法第8条の関係)」です。「事業主はパートタイム労働者であることを理由として、合理的な理由なく不利益な取扱いをしてはならないとする法制とし、労使双方にとり予測可能性を確保するために、ガイドラインで合理的な理由を例示することについて、どのように考えるべきか」、これに関連して、労働者側委員の意見としては、わずか0.1(1.3)%のパートタイム労働者にだけ差別的取扱いを禁止していては、パートタイム労働者の待遇改善にはつながらない。第8条を実質的に活用していく余地はほとんどないということで、第8条について、すべてのパートタイム労働者を対象に、合理的理由なくパートタイム労働者であることを理由として、差別的取扱いを禁止するように見直しをすべきであるというご意見をいただいたところです。
2つ目の○ですが、第8条は非常に意義のある規定だということですが、労働現場の実態には合っておらず、1つでも要件を満たさなければ、司法救済の対象にはならないということで、3要件の廃止が必要で、差別禁止の一般規定とすべきである。そして、何が差別に当たるかについては、一定のガイドラインを設けて客観化を図る。そして、労使双方の予測可能性なり、労働者の判断指標とするべきである。次頁ですが、このガイドラインは、行政指導等の履行確保の際にも利用される。そして、司法の場でも判断の参考にされる。そういうものが適当であるというご意見がありました。また、3つ目の○ですが、3要件の中の「人材活用の仕組みと運用」ですが、パートタイム労働者は女性が多いということもあるので、この要件は適当でないのではないかというご意見もありました。また、契約期間の要件も、法の趣旨に反するのではないかということで、こちらでも3要件を取り払うのが望ましいというご意見をいただいております。また、最後の○ですが、正社員よりも賃金が低く納得できないというパートタイム労働者が増えていることも見過ごせないということで、均等待遇の義務化が必要であるというご意見もありました。
1頁に戻って、使用者側委員の意見です。1つ目の○ですが、3要件というのは、これまでの労働慣行を踏まえて設定されている。法施行後、企業はこれに即して取組を進めてきていて、大きな問題は生じていないということで、第8条の対象者を数の大小で問題があると判断するのは適さないということで、3要件の改正には反対というご意見がありました。2つ目の○も同じような趣旨ですが、3要件に該当するパート労働者が減ったというのは、適法に社内規則を見直した結果であるということで、第8条の対象者が少ないということで、パートタイム労働法自体が効力を失っているという論調は違和感を覚えるというご意見もありました。3つ目のご意見としては、施行後3年が経過して、ようやく定着し始めた規定であるということで、現行法下での企業の取組を促すことに注力すべきだというご意見もありました。
また、2頁ですが、EU諸国のような職務給ということであれば、一般的な差別禁止規定も考えられるのではないか。他方、日本では、通常の労働者とパートタイム労働者の間で、労働力としての活かし方も異なる。また、処遇の仕組みも異なっている。そういう中で、両者を比べるための物差しとして、前回の法改正時に3要件が明確化されたということで、過去のこういった審議会の議論を無視するような形で第8条の枠組みを改正することには反対というご意見もいただいております。また、3要件に関しては、あくまで雇用形態に着目して考えるということで議論をしたいというご意見もあります。パート労働者と通常の労働者との関係で、第8条の対象とする通常の労働者と同視すべき短時間労働者の「契約期間」は「無期」という判断がなされたのだろうというご意見もありました。
また、差別的取扱い禁止の関係では、3頁の太い枠で囲んだ論点も挙げたところです。有期労働契約に関するルールとして「有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならない」こういった旨の規定が、新たに法制化される場合に3要件の在り方について、どのように考えるべきかという論点です。
これに関して、使用者側の意見ということで、1つ目の○にありますように、労働政策審議会の「有期労働契約の在り方について(建議)」の中で、「職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消」というものが盛り込まれたことを踏まえて、現在の枠組みを変えずに、3要件を議論する余地はあるのではないかというご意見をいただいております。
逆に2つ目の○ですが、有期ルールが法制化された場合であっても、パートタイム労働法で見たときにどうなのか、どうすべきかということ。それから、パートタイム労働法自体は有期契約労働者のみを対象としているわけではないということで、パートタイム労働法に引き続き現在と同じ規定を残すべきであるというご意見もありました。
3つ目の○ですが、企業の実態を考えると、契約期間の定めの有無、それから人材活用の仕組みとは密接に関わるということで、3要件の1つとして、契約期間の定めの有無が入っているということは、人材活用の同一性の判断に資するということで、分かりやすさを担保するために引き続きこの要件を残すべきであるというご意見もありました。
これに関連して、公益委員のほうからは、パートタイム労働法の第8条の3要件のうち、中核的なものは人材活用の仕組みなのだろうかというご質問もあったところです。有期労働契約の建議においては、期間の定めを理由とする不合理な労働条件かどうかを判断する要素の1つとして、配置の変更の範囲(人材活用の仕組み)があるのではないだろうかというご質問もあったところです。
4頁です。論点としては現行のパートタイム労働法第9条第2項において、事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組み、運用等(職務の内容及び配置の変更の範囲)と、法律上は規定されております。これが通常の労働者と一定期間同一であるパートタイム労働者について、当該一定期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとされておりますが、この規定の在り方について、どのように考えるべきかという論点です。
これに関して、公益委員のほうから、1つ目の○ですが、この第9条第2項について、「有期労働契約の在り方について」という労働政策審議会の建議ですが、この中で「期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消」が盛り込まれたこととの整合性を考えるべきではないかというご意見をいただいております。2つ目の○ですが、こちらについても有期労働契約ルールが仮に法制化されれば、5年を超えて反復更新された場合、申出により無期化するパートタイム労働者が増える可能性があるということで、そういったことを見越して議論する必要があるのではないか。第9条第2項は、有期労働契約が反復更新され長期間雇用されたパートタイム労働者を想定しており、他方で有期労働契約ルールの法制化によって、5年未満の有期労働契約のパートタイム労働者と、無期労働契約のパートタイム労働者が増えるといった場合に、第9条第2項の対象者が減る可能性があることについて、議論する必要があるのではないかというご意見・ご指摘をいただいたところです。1の差別的取扱いの禁止については以上です。
○林会長
第8条関係について、いままでに出ました議論をまとめていただきました。この意見の中で、もう少しこの点を強調したいとか、趣旨が少し違うとかのご意見がありましたらお願いいたします。
○齊藤委員
第8条のことで説明していただいたのですが、私は第2条のときにフルタイムパートの問題で発言させていただきました。フルタイムパートは、通常の労働者と所定労働時間は同じということで、パートタイム労働法の適用対象なのですが、実際にはパートタイムということで同じような処遇で扱われているのが現実です。そういった方々を保護する必要があるので、法律に明記してほしいという意見を申し上げました。
そのときに、無期のフルタイムパートは少ないのではないかという意見が出ました。厚労省の実態調査について何回か前に説明していただいたときには、半数弱が無期の契約であるというデータが実際に出ております。有期は労働契約法の改正で処遇が解消されることもありますが、無期のフルタイムパートが実際に存在するということ。そしてパートタイム労働法改正のときに、事業所の実施した措置の内容には、法律の適用対象とならないよう、パートタイム労働者の所定労働時間を正社員と同じにした事業所もあります。このような方々を保護する必要があるので、法律にきちんと明記してほしいということを申し上げております。第8条の前に何も意見が書かれていないので、このような意見があったということを記載してほしいと思います。
それに併せてですが、パートタイム労働指針の中には、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっての基本的な考え方」が指針に入っていますので、フルタイムパートは短時間ではないと言われても、その指針に書いてある基本的考え方を法律に記載すれば、別に問題はないのではないかと思いますので、その辺のところも付け加えて申し上げたいと思います。
○布山委員
いまのご意見に関連してですが、そのご発言があったときに、これはあくまでもいまの現状のパートタイム労働法だということで議論したいということを申し上げたので、もしその意見をおっしゃるのであれば、使側の意見として入れていただきたいと思います。
併せて、本日追加で指針の話をされたかと思うのです。指針にフルタイムパートという言葉が入っていること自体もおかしいと思うのですが、フルタイムで働いているパートの方という形の有期労働契約の形をどこでフォローするのか決まっていなかったときに、パートタイム労働法の中でその方についても、指針である程度考慮するようにという形になっているのかと思います。
ただ、ご承知のとおり、昨年12月に有期労働契約について建議がなされ、それを踏まえてこれからその措置がなされていくことを考えると、フルタイム有期の方はそちらの法律できちんと行うことが前提になっていると思うので、むしろ指針に書いてある中身も落としていただいてもいいのではないかと私どもは思っております。
○齊藤委員
有期の場合はそのような意見もあったと思うのですが、無期のフルタイムパートが実際にいるということでデータでも出ておりますので、その方たちに対して何のフォローもできていない、その人たちを放っておいてもいいのかということです。有期の方は有期の契約のほうで処遇は改善されると思います。無期であるから、有期のほうの法律には当てはまらない。フルタイムだから短時間のパートタイム労働法には当てはまらないというと、その方たちが浮いてしまうのです。その方たちをどうしようかと、どこかの法律で保護すると考えた場合、このパートタイム労働法に入れるのがいちばん良いのではないかと考えております。
○布山委員
そういう意味であれば、パートタイム労働法は短時間労働者が対象なので、フルタイムの方が入るのは非常に違和感を持ちます。また、実際に無期のフルタイムの方というのは、企業の中ではかなり正社員に近い方というイメージなので、具体的にどんな方なのかというのは想像がつきません。どんな方がいらっしゃるのかがわかれば教えていただければと思います。
○佐藤委員
議論の整理なのですが、パート労働法は通常の労働者よりも、労働時間が1分でも短い人ということで、これは無期・有期にかかわらず対象になります。通常の労働者が週39時間とかであれば、それより短い人が有期・無期にかかわらず対象になります。いまフルタイムパートと言われたのは短時間ではないです。だからパートと使ってはいけないのです。通常の労働者で無期の人でいいのですか。そうすると、これは普通の労働基準法なり労働契約法でカバーしている話で、短時間の人ではないです。
○齊藤委員
通常の労働者にまでいっていない人がたくさんいます。
○佐藤委員
そうすると短時間労働者です。
○齊藤委員
処遇のことを申しております。労働時間は通常の労働者と同じであっても処遇が、ここはあくまでも処遇のことを話し合っている所ですので、賃金が時給で支払われたりというように、短時間と同じような処遇のまま労働時間だけ通常の労働者と同じにされている方がいます。その人たちを救う手立てがないので、このパート労働法にあるべき論として入れるべきではないかということです。
○佐藤委員
そこについて処遇差が合理的でないということであれば、労働基準法なり、今度労働契約法でどう書かれるかわかりませんがそれは無期なのです。無期で、フルタイムで働いていて、処遇は同じ仕事をやっていて、片方は月給で片方は時間給みたいな、それはわかりませんけれども、それは基本的には別の法では。
○布山委員
少なくともパートタイム労働法ではないと考えます。
○佐藤委員
少なくとも法律なのか。先ほど布山委員が言われたように、指針に入っていたときは、当時はかなりフルタイムで有期の方のところの処遇改善みたいなところのカバーはしにくかった。今回の労働契約法制の改正みたいな議論がなかったので、それは短時間の方について不合理な処遇差を改善する取組をすれば、それと同じような考え方で、フルタイム有期の人もやってくださいというのが指針だったと思うのです。今度労働契約法制ができれば、そちらはカバーできるようになっていくのだと思うのです。
○齊藤委員
ただ、パートタイム労働法改正のときに、事業主がいままで短時間だったからパート労働法が適用されるから、それではパート労働法を逃れるためにフルタイムにするのだと、実際にそのようなことをやっている事業所もあるということが調査に出ています。それは、パートタイム労働者の総合実態調査の中で、改正パートタイム労働法施行期に実施した措置の中には、パートの所定労働時間を正社員と同じにしたというのが実際にあります。パートタイム労働法を適用しないようにするために、労働時間を単純に延ばしたというのが。
○佐藤委員
それはよくわかります。いまフルタイムで無期で働いている社員の方にもいろいろ改善すべき課題はあると思うのです。そうすると、パート労働法ではなくて、全部の労働者を対象にした法律にしろという議論になってしまいます。
○齊藤委員
基本的考え方に入れていただければいいのではないかと思うのです。
○布山委員
短時間労働者法なので、対象は明確にしていただきたいです。
○齊藤委員
対象を明確にするにしても、それをするに当たっての基本的な考え方、短時間労働者で、同じように均等にしていくのだから、労働時間が同じであれば、当然同じようにするというのを基本的な考え方に入れていただければ、よろしいのではないでしょうか。
○中島委員
論理矛盾をしているのはわかっているのですけれども、実態として身分・処遇がパートで、働き方がフルタイムの方がいらっしゃるので、カバーされるとすればどの法律でカバーされるのかをお聞きいたします。
○山川委員
これは、労働条件分科会でも若干議論になったところです。いわゆる擬似パートとも言われる問題の場合、どういう事例が想定されるのかという質問がありました。いわゆる丸子警報器事件という有名な判決があります。それは実質無期というタイプで、パートタイム労働法は第8条の中で実質無期の場合も含まれるという形で整理されています。有期の建議の中では、実質無期というのは有期の一種で、無期転換の対象にもなり得るという説明なのです。議論として想定されていた、いわゆる擬似パートというのは、丸子警報器型を念頭に置くと、それは有期の建議での対象になるのではないかと考えております。
○林会長
事務局から説明はありますか。
○大隈均衡待遇推進室長
パートタイム労働法で対象にするパートタイム労働者は、同一事業所の通常の労働者より週所定労働時間が少しでも短い方です。この点については、前回の法改正のときにも様々な議論があり、附帯決議の中で所定労働時間が、通常の労働者と同一である有期契約労働者については、確かにパートタイム労働法の対象にはならないけれども、パートタイム労働法の趣旨といいますか、そういうものをきちんと考慮すべきであるという付帯決議もなされたということで、パートタイム労働法第14条に基づく指針の中で、所定労働時間が通常の労働者と同一の有期契約労働者については、短時間労働者法の趣旨が考慮されるべきであることに留意することということで、この指針に基づき指導させていただいています。
先ほど労働側委員から、パートの所定労働時間を正社員と同じにした事業所もあるということでしたが、12月16日に開催された第109回の中資料1、平成23年パートタイム労働者総合実態調査の事業所結果をご説明させていただいております。4頁に、「改正パートタイム労働法の施行に伴う雇用管理等の見直し」ということで、事業所に対してパートタイム労働法の施行期にどのような措置を実施したかをお聴きしております。実施した措置がある事業所が半分で、その内訳の中で真ん中から右寄りのところで「パートの所定労働時間を正社員と同じにした」が全体の1%となっております。政府のこういう公式の統計はあるということで、議論の参考までにご紹介させていただきました。
○林会長
これは法律ですから、法律の対象範囲をはっきりしないといけないということです。基本的には前回改正のときにも行われたように、労働時間が短いからこそ待遇改善が遅れているというところを、この法律は扱っていると思います。この点については特に論点とすることにはならないのではないかと思います。
○冨高委員
私の勉強不足で大変申し訳ないのですが、先ほど山川委員のほうから、擬似パートに関する件については、有期の内容に入るという解釈だというお話をいただきました。それが、今度法案化される中で、例えばそこが明確に書かれるのかどうか。法律の中には書かれないかもしれないのですけれども、例えば指針であったり、そういうところで擬似パートについても有期契約の対象になり得るということがきちんと確認されているのかどうかを伺いたいと思います。
確かに法律の対象は明確にする必要があると思うのですが、今回例えばパートのほうにこれが入らないのだとしたら、もう1つの有期のほうでその方たちがきちんと対象になることを、我々としては確認していかなければいけないし、保護しなければいけないと思っています。そこの部分を山川委員にお伺いするのは申し訳ないのですけれども、厚労省なり山川委員のほうでご存じであれば知りたいと思いますので、質問させていただきます。
○山川委員
前回も申しましたように、まだ法案がどうなるか見ていないものですからお答えしづらいのですが、建議の中で雇止め法理の法定化という建議の3項目があります。そこには有期労働契約が、あたかも無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合について、これは雇止めの話ではあるのですけれども、それについても有期法制の対象とするという理解でたぶん建議は作られていると思います。そうすると、ほかの項目について、それだけ除外するというのは特に予想されていないのではないかと思います。ただ、その条文がどうなるかについてはまだわからないと言わざるを得ません。
○中窪委員
先ほど山川委員から、丸子警報器のご紹介がありましたが、あの事件では確かに有期だったのですが、問題の本質にはフルタイムパートで、無期のフルタイムパートというのは確かにあるわけです。そのときに無期の正社員と、条件格差があってひどいではないかという話は昔からありました。ただ、これについては労働基準法第3条の社会的身分にも当たらないというのが通説です。あとは、あまりひどい場合に公序良俗とか、労働契約法で均衡というのが入りましたので、それをどう適用するかというところですけれども、まだ未知の領域です。
それから、丸子警報器事件自体、8割より下回る格差については、公序良俗違法と言ったのですけれども、あれも地裁の一判決であり、まだまだそれを否定したものもありますし、全然、法自体未形成の部分なのです。それについては、それでいいのかという問題意識は大変わかるのですけれども。ただ、今度パートタイム労働法にこれを入れるとなると、パートタイム労働法自体は短時間ということで、労働時間が短いということで、せっかく整理をして対処してきたのに、またパートということで広がっていって、何かちょっと逆行しているという感じがありますので、違う場でやったほうがいいのではないかというのが私の意見です。
○冨高委員
先ほども申しましたように、その対象は明確にするということで、このあと有期のほうとパートのほうで整理をしていけばいいと思うのです。先ほども言いましたように、擬似パートについて、もし有期のほうで対象とされて明確化されるのであれば、やはり我々としては圧倒的にパートの中で多いとされる女性という視点で言えば、男女平等の視点から、その方たちがきちんと保護されることが重要だと思っております。その件については、ここで整理することではないということだとしても、この均等分科会の中で、その問題について話し合ったということで、その方たちに対する保護という視点での法案を作るというところをお伝えしていただきたいということで、意見を述べさせていただきます。
○吉永短時間・在宅労働課長
いわゆるフルタイムパートについてどうするかということ、特に無期についてどうするかということについては、今後のパートタイム労働対策に関する研究会においても若干の議論がありましたので、記載が入っております。パートタイム労働法制、有期契約労働法制の中でどういう取扱いをすべきかという論点があるのではないかということです。
先ほど布山委員からもご指摘がありましたけれども、実際に無期のフルタイムの方はどういう方なのかというのは、なかなかイメージしにくい中で、そういう実態をよく見ていく必要があるのではないかという議論があったかと思っております。そういう中で、実態に伴って、無期のフルタイムの方で処遇が劣悪でという方が、もしいらっしゃるとすれば、そこについては何らかの方策を講じていくことは1つあるのかと思っております。
先ほど齊藤委員から、無期のパートタイム労働者の方が相当いるのではないかというご指摘がありました。先ほど室長からご報告いたしました資料の中で、パートタイム労働者の方で期間の定めのない方が半分弱いるというデータも出ておりますが、統計的には若干違和感のある数字ではないかと思っております。今後、有期法制が動いていく中で、有期のフルタイムの方が無期化していく状況を見ながら、その方々の処遇を見つつ、必要があれば講じていくことが必要なのではないかと考えております。
現時点において、フルタイムの無期の方で、いわゆる擬似パート的な方で、雇用管理の改善が必要だというところがなかなかイメージしにくい中で、今後どう考えていくのか。その辺りで、もしこういうことがあるのだという情報があれば、その辺りの情報を提供していただきながら、今後の課題として受け止めていきたいと考えております。
○佐藤委員
いわゆる有期で更新を繰り返して、実質無期というのではなくて、本当の無期契約の人たちを考えたときに、契約法制がきちんと通ると、有期で5年を超えて無期になる人が出てくる。そのときに、短時間勤務で、30時間ぐらい働いていて5年を超えたので無期契約に移る人と、それまでフルタイムで、つまり通常労働者と同じように働いていて無期に移る人が出てくるとします。
同じような仕事をしていて、無期になった後、短時間であればパート労働法は適用されますが、フルタイムで働いていると、パート労働法の対象ではないです。これは非常にわかりやすい話です。そうしたときに、どちらも賞与がなかったり、退職金がないというときに、パート労働法のほうは、合理的なのかと議論の対象になるが、フルタイムで転換した人は対象にならないということが起きかねないのは事実だと思います。
ただ、人事管理上、普通は短時間の人だけ改善して、フルタイムは改善しないという会社もあるかもわかりませんが、両方を見ながらやるのが普通の人事管理だと思うのです。人事管理上は、無期で短時間の人の改善の必要性があるとすれば、それをフルタイムの無期の人にも適用していく可能性はあります。
法律で書けという議論もあるかもわかりませんが、ただ難しいのは転換した場合です。もともとフルタイムで無期の人の中でも、処遇について言うと年俸制の人や、月給で賞与のある人と、賞与のない人もいたりするわけですし、日給の人がいたりします。これも男女差別についてはあれですけれども、そうでない場合これが合理的か合理的でないかというのを、現状でいうと先ほども言われたように、特に直接カバーするような法律はないようです。そこまでやるのかというと、それはかなり大変な議論かと思います。つまり、こっちまで波及する話なのです。そこの議論はどういう枠組みで、法律でカバーするのかということをきちんと整理しないと難しいかと思いました。
○林会長
この点については、省としてほかの分科会その他で取り組むようなことがあればその議論とか、有期の法制とか、判例等でこの問題等が何か取り上げられるようなことがあれば、情報を報告していただくということでお願いいたします。本来の第8条にもう一度戻ってご意見等がありましたらお願いいたします。
○小林委員
第8条については、私たちにとっていちばん大切な部分の1つだと思っております。この議論経過を読み返してみても、労使の間で意見が非常に食い違ってしまっています。その原因としてはわかりにくいとか、この3要件の思いが違ったりという部分が多いと思いました。
そこで改めてなのですけれども、ここについては是非企業側のネガティブチェックリストのようにならないような形で、第8条というのは法律の実効性という意味においてはなければならないと思っていますので、3要件については廃止をした上で、ガイドラインが非常に重要だと思っております。働く側からしても、わかりやすく納得がいくようなガイドラインを設けて、客観性を図って、労使紛争があった場合にも、きっちりと使えるようなものを置く必要があるところを改めて主張させていただきます。
○布山委員
第8条に関して枠組みを変えること自体は反対ですが、この間、予測可能性を確保するためにガイドラインを作るというご発言がありました。それであれば、きちんと法文上に書いていただきたいというのが私どもの思いです。現状の第8条に、どういう方が、どういうふうに扱われるのかということが書いてある中で、それで明確になっていることを考えると、合理的な理由だけを条文に書いて、その中身は後でガイドラインでというのはわかりづらい法律ではないか。これまで、いろいろ議論してこうなった、今の現状の3要件があるということを踏まえて、条文にきちんと書くことがまず前提ではないかということで、ガイドラインで中身を吟味するというのは方法論としてどうかと思います。
○中島委員
質問なのですが、2頁の、使用者側委員からいただいた論点の最後の○の2段落目で、「また、パート法の対象者は、通常の労働者よりも短時間で働いている者という定義の中で、通常の労働者と同視すべき短時間労働者の契約期間は無期であるということだと思う」という表現があります。これは、ちょっとわかりにくいので趣旨をもう一回ご説明いただけますか。
○大隈均衡待遇推進室長
議事録からの抜粋の仕方で、少し端折ってしまったかもしれません。使用者側のご意見の趣旨としては、パートタイム労働法の対象は通常の労働者よりも短時間で働いているという大前提がある。そういう中で第8条の対象、通常の労働者と差別的な取扱いは禁止するという、通常の労働者と同じ待遇については、すべての待遇についてすべて同じ取扱いとしてくださいということで、第8条の対象者であるパートタイム労働者の範囲を確定する際には、仕事が同じということ、人材活用が同一であるということ。当然通常の労働者は無期の方々ですので、第8条の対象者とするには、対象者とすべきパートタイム労働者についても基本的には無期ということ。法律上では実質無期ということも入っておりますが、あくまで第8条の対象者とする通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者とは誰かということを考えた場合には、通常の労働者と同じような無期なり、実質無期という要件が必要であるということではないか、というご意見をいただいたことがあるということで書いたものです。
○佐藤委員
2つ質問があります。1つは法律の解釈なのですが、2頁の労働者側委員の発言で、「人材活用の仕組みと運用」のところで、「家庭的責任等から転勤できない者も多いので、この要件は間接差別に当たるのではないか」と書かれているのですけれども、この発言を伺うと、人材活用の仕組みと運用の中に、転勤要件が入っているということだと思うのです。転勤要件が入っていても、それが合理的でなければ、もともとこの3要件というのは通常の労働者とパートについて処遇の仕組み、例えば通常の労働者は職能給で、パートは職務給というように決めたときの合理性があるかどうか。この3要件が合理的であれば、例えば処遇の制度を変えてもいいということだと思うのです。そのときに、人材活用の仕組みというのは、それが合理性がなければいけないわけですから、つまり転勤ということが、単に転勤があるから変えていますだけでは駄目なのですよねという確認が1つ目です。
○大隈均衡待遇推進室長
ご理解のとおりです。なお、パートタイム労働法第8条の3要件については、パート労働者という雇用形態に着目し、パートタイム労働者の中でも、すべての待遇について通常の労働者との差別を禁止する、その対象とすべきパートタイム労働者をどう考えるかということで設けられたものです。
○佐藤委員
もう1つは先ほどのガイドラインのところなのですが、3要件を廃止しろなり、3要件では差別的禁止の対象になるパートが少ないからというご指摘があるのですが、通常の労働者とパートタイマーについて処遇の決め方とか、数字を異にするときに違っている。片方は職能給で片方は職務給だと。片方は賞与があり、片方にはないというときに、これは合理性があるかどうかの判断基準なわけです。労働者側の理解としてはそれ以外、3要件に当てはまらなくても差別があるから狭いという理解だと思うのです。ガイドラインと言ったときにいくつか並ぶと思うのです。それは、従来の3要件も入るのかどうかです。全部とは言いませんけれども、3要件も入って、かつ更にくっ付いてくるようなものをイメージしているのか。
例えば、職務給と職能給で分けると、職能給の場合は異動があるわけです。特定の仕事で雇用するわけではないから、職務給は合理的でなくて、職能給のほうが合理性がある。こうしたときに、特定の職務で雇用している場合に職務給で、いろいろな職務で異動で雇用しているから職能給といったときに、これは人材活用の仕組みだと思うのですが、こういうのがガイドラインに入るのかどうかなのです。
○小林委員
まずは、廃止というのが主張です。3要件の中でも、異動については議論が別になって間接差別のこともあります。それが本当にわかりやすくて、働く人たちが、私たちは通常の労働者とはやはり違うということを理解できるまで、この3要件をしっかり掘り下げていれば、ガイドラインとしては有効だと思います。現在の3要件の在り方だと、働く人たちの側として紛争まで行ったときにわかりにくいかなということがありますから、3要件は廃止というのを大前提として考えています。その上でもっとわかりやすいということを主張したいと思います。
○佐藤委員
ガイドラインにどんなものが入るのか、例えばパートに賞与がないと言ったときに、ないことの合理性です、そういうものが入るのだと思うのです。こういう場合は合理性がなくて、パートにも当然賞与を適用しなさい、こういう場合は交通費を支給しなさいと。パートでも店舗間異動があります。この場合は交通費を出さないというのは合理的ではない。でも、うちは一店舗一店舗でパートの異動はありません、ですから交通費は出しません、社員にも出していません、これは出さなくてもいいのかもしれません。ガイドラインにそういうものが入るのだと思うのです。そういうものをイメージしていいのかどうかなのです。どんなものがガイドラインに入るのかです。
○小林委員
細かい一例になりますが、例えば賞与を決めるときに、通常の正社員と同じ時間働いています。そこに同じ仕事をしているかどうかというのを持ち込んでしまうと、議論経過の中であったように、パート社員は同じ仕事をしていますという主張があるけれども、使側のほうではさせていませんというところで、主張が全然違ってきてしまうところがあると思います。そこはあくまで時間で区切るとか、そういう客観性が本当にわかりやすいものであればいいのですけれども、そこに職務が同じであるということが入ってしまうと、わかりにくいかと思っております。
○布山委員
そういう意味で、ガイドラインで決めていくというのは非常に難しいのかと思っていますので、その中身が何なのかを知りたいということです。いま労働時間のことをおっしゃいましたが、これは短時間労働者法なので、対象から比べる方よりも少ない時間で働いているので対象にしなくてもいいということになるのですが、この辺の趣旨もよくわかりませんでした。
○小林委員
労働時間のことについて突っ込んでいくと、パートの短時間の中でどうかという話になります。現状の実態としては、パート社員でも少し長く、例えば残業であったりという実態があったりします。通常の労働者と比べて、どこまでが同じラインか。例えば1時間違ったらどうとかというところをはっきりと決められていませんので、わかりやすいという一例で労働時間のことを申し上げたいと思います。
○吉永短時間・在宅労働課長
研究会において若干議論が出ておりますので、その経過を参考までにご報告させていただきます。研究会報告書の中では、EU諸国において合理的理由による不利益取扱い法制があるということで、そこの中での取扱いについて若干整理している部分があります。31頁辺りに出ておりますけれども、その中で合理的理由としては、勤続年数であるとか、学歴、資格、職業格付、あるいは労働時間とか就業時間の変更に対応できるかということ。フランスの判例では、キャリアコースの違いというものが考慮されています。
日本で、合理的な理由による不利益取扱い法制に移行するかどうかという議論はいろいろあると思いますけれども、仮に移行する場合については、こういった諸外国の例についても参考にできるのではないかというご意見が研究会の中にはありました。
○中島委員
合理的理由の中には、3要件すべてとは言いませんけれども、当然3要件に準じた内容は入ってくると思います。そのときに前にも申し上げましたけれども、非常に抽象的といいますか、ある意味主観的に決められる内容になっています。どちらの主観かというと、事業者の主観で決められる内容になっています。相対的な、具体的な判断というのが非常にしにくいのです。そこを、より相対的な比較もできるような指標を示していただきたいということなのです。
○林会長
具体的な指標でコンセンサスが得られるものというのがあれば、それはそれでいちばんいいのですけれども、前回の改正でそのコンセンサスが得られたところが、先ほどの人材のところであるのではないかと思うのです。そこを前回の3要件で、不合理性が特にこれにあるとか、その辺のところが何か立証的になされているようなものであれば、それは出していただくことになると思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○中島委員
例えば配転がいちばんいい例だと思うのです。契約時に、配転をするかしないかということは想定ができないと思います。その配転について、本当に大元の事業者たる企業の中で、配転が必要なのかどうか、パート労働者を配転する先が本当にあるのか。そういう具体的なイメージを考える必要があると思います。
○川﨑委員
3要件のことに関してです。企業の実態を申しますと、どのように処遇を考えていくのかというと、やはり職務の内容と配置の変更等、あるいは人材活用の仕組み、有期・無期といった点は基本的な枠組みとして、現在有効に機能していると思っています。あとは個別の企業の中において、こういうものを踏まえて何をルール化していくのかという点は、個別の企業の中で判断していきます。そのような現状で、大きい枠組みの規定としては現行の3要件で、際立って何か問題が発生しているといったようなところではないと判断しています。
前回の法改正から3年が経過する中で、差別的取扱いをしないようにというところでの処遇、諸々の見直し、人材活用の見直しを行っている中で、更に要件を変更し複雑にしていくことは、本当の企業の実態に合っていません。これ以上の追加はせず、現行の3要件のまま進めていったほうがいいのではないかと考えています。
○林会長
第8条は、全雇用期間を通じてという規定になっています。その辺について何かご意見はありますか。
○齊藤委員
「パートタイム労働法のあらまし」の17頁に図が入っています。パートタイム労働者は一定のところまでしかいかない、正社員はそれ以上に人材の仕組みがあると言った場合に、同じ職務であっても差別的取扱い禁止の対象にならないのです。全期間ではなく一定期間だからと。職務が同一で人材活用の仕組みや運用がたとえ一定期間であっても同一であれば差別的取扱い禁止の対象だろうと感じますが、いまの第8条の法律では、それは差別的取扱い禁止の対象外になってしまうのです。こういうことを踏まえれば、先ほど言われたように全期間というものが果たして合理的な理由になるのかということは考える必要があると思います。
○布山委員
いわゆる通常の労働者、正社員と言い換えたとして、その方々は基本的に将来の見込み、期待ということも込めて人材活用の仕組みをしている中で、その最終的な到達点まで見て判断をするということで決まっているのかと思っています。その一部の期間だけの切り出しで判断というのは、その場のその時点でしか見ていないので、あくまでも現時点と将来を合わせて見て、それで同じかどうかということでないと、いわゆる正社員の働き方、人材活用の仕組み自体が崩れるのではないかと思っています。
○齊藤委員
現実的にこのようなキャリアラダーを作っている所については、天井になったときには、正社員転換制度が入って、正社員になって移行していくというパターンがほとんどだと思います。正社員よりもパートタイム労働者のほうが天井が低いと考えられて、同じにしないということなのであれば、そのパートタイム労働者がこの後正社員化して、正社員と同じようにしていく過程の中の1つの部分でありますので、この部分について正社員と同じように取り扱わないということに合理的な理由があるのかどうかというのはわかりかねます。
一般的にこのようなものを作っている企業においては、同じように取り扱っている所が増えてきていると思います。そういう方々は、正社員と同じような処遇をされている企業もありますので、その人のキャリアを考えた場合、パートタイムでそこまで行っても、その後は正社員に転換していくということですので、この部分については同じように取り扱うべきではないかと考えております。
○川﨑委員
正社員なのかパートタイム労働者なのか、やっている職務がこの17頁を見ると、この場合は同じ職務ですといったところで、正社員化することを前提として、正社員と同じ将来の見込みを立てた上で、正社員と同じ処遇にするべきではないかというご意見だったと思います。
先ほどのお話に関して言うと、基本的にパート社員が、正社員に転換した時点で処遇を同じにすることはあり得ると思いますけれども、それはその時点で判断すべきものであります。転換する以前から、正社員を見越した制度の設計をしていくというのは、現実には即さないのではないかと思います。
○山川委員
いまのご議論にあるような意味では、努力義務ではありますけれども、第9条第2項の、同一の方法で賃金を決定することという規定自体がどれだけ実務上実効性があるのかということ自体が、別の議論としては出てき得るのではないかという感じがしています。
ただ、これまでの議論は、わりと合理的な理由があるかないかというお話だったのですが、それを決める前にまず条文の枠組みをどうするのかというのが、たぶん前提になるかと思います。まだ法案ができていないのに有期の話をするのは恐縮ですが、有期の場合は3要件ではなくて、職務の内容とか配置の変更という2要件に相当する部分を要素として切り出して、かつ建議では「等」というのも付けているので、それ以外のものも考慮されるかもしれない。期間の定めのある、なしはそれとはかなり別の位置づけになっているという理解で、そのときの整合性を図る必要はあるかと思っています。
○林会長
3要件のうちの無期の点を特にという意味ですか。
○山川委員
そうです。要素か要件かというのも1つあります。それから無期というのが、こちらでは期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないと。職務の内容、配置の変更の範囲とはかなり違った位置づけですので、それをパートタイム労働法の場合はどう考えていくかということかと思います。
○佐藤委員
全期間のところは理解の仕方で、普通の社員についても、例えば課長になるぐらいまでは同じような処遇体系にいて、課長ぐらいで管理職と専門職があって処遇の仕組みが変わるわけです。到達点が変わります。だからといって、課長になる前と変えているかというと変えていないのです。到達点が異なっているものは、下を全部変えているというような人事管理にはなっていないのです。
もちろん設計の仕方はあります。初めから、あなたは専門職で、年俸制です、こちらはゼネラリストでいきますというのはあり得ますけれども、それはそれで1つのやり方です。でも、あるところからはキャリアが変わるけれども、その前は同じような、つまり第9条第2項みたいな形です。ある期間は同じで、その先を変えるというのはあります。そういう意味では通常の社員についても、到達点が違った場合に、前のほうをすべて変えているわけではないので、そこは上が変わっても一定期間同じというのはあるかなと。
ですから第9条みたいなことを、実は社員のほうもやっているわけです。これをどのように書くかは別にして、そこは全期間というのをどう考えるかです。社員のほうも、後ろでみんなが社長になるわけではなくて途中で変わるわけです。だけれども前半は同じというのがあるので、そういうものを少し念頭に置いて考えたほうがいいのかと思います。
○中島委員
私も、その「全期間を見越してあらかじめ」というところがちょっと引っかかります。「あらかじめ」ということになると、契約の時点で、その人材の適性とか将来可能性について、確たる判断はできないはずなのです。それを法的基準としての客観性とか合理性のところに持ってくるというのは、そもそも矛盾があるのではないかという気がしています。どう扱ったらよいかよくわからないのですけれども、そこは非常に疑問が残ります。
○布山委員
先ほどの佐藤先生がおっしゃっていたことに関連してです。会社それぞれの設計の仕方かと思っています。おっしゃるとおりある一定までのところ、いわゆる成長していただく期間は同じにして、ある程度責任を持つ管理職から変わるというところももちろんありますし、初めの段階からきちんとルートを作っている所もあります。それはこの方法なのだからということではないのかなと思うところです。
第9条第2項は山川委員がおっしゃったとおり、要件がどうなるかによって、どういうふうになるかということで、いまその要件自体を私どもは3要件のままでいいと言っていて、労働者側委員のご意見は、中身に何が入るかということについては、ご意見として明確にいただいていませんけれども、それによって初めてどうするか考える中身なので、いまここで議論しても並行線になるだけかという気がしているのです。そこは少し整理していただいたほうがよろしいかと思います。
○林会長
わかりました。合理的理由で法文を作ろうとした場合には、ガイドラインに下りてくるというのが必然的になってきます。そのガイドラインに下りてくるところが、いまの3要件とどのように違うのか。形が違ってくるのか、3要件も同じように含まれるのか、という具体的なものも含めて議論をしていただきたいと思います。本日は、まだほかの論点もいっぱいありますので、この論点については一応ここまでとして、次の論点に移らせていただきます。それでは事務局からお願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長
それでは資料No.2の5頁をお開きください。賃金に関する均衡(法第9条)の関係です。太線の中の論点ですが、現行法の第9条第1項では「事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めるもの」とされておりますが、これを義務化することについてどのように考えるべきかという論点です。
これに関しまして労働者側委員の意見としましては、いちばん上の○にありますように、やはり義務規定とすることが必要であると。紛争解決援助の対象となり、実効性の確保にもつながるというご意見もありました。また、2つ目の○にありますように、いまの第9条の努力義務の義務化というのが仮に無理としても何らかの措置義務にするということで、均衡待遇のためのプロセス・手段を講じることを義務付けることが適当ではないか、というご意見をいただいております。
また、使用者側委員の意見としましては、1つ目の○の4行目では「何をもって均衡が保たれているとするのか判断基準が明確に作りにくい」ということで、義務化をすると企業の現場が混乱をするということで現行の努力義務の下で企業の取組を促進するべきであるというご意見です。2つ目も同様のご意見です。
また、この第9条に関しまして6頁をご覧いただければと思います。これにつきましては、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置(賃金に関する均衡の確保、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用機会の付与、通常の労働者への転換の推進等)に関し、事業主が、個々の事業所の実情に応じ、自主的に行動計画を策定し、これに対し国が一定のインセンティブを与えることにより取組を促進することについて、どのように考えるべきかという論点です。
労働側委員の意見としましては、いちばん上にありますように、研究会報告書でも言及されていたこういった行動計画は相応しいのではないかというご意見がありました。また、2つ目の○も同様の趣旨です。下のほうにありますが、働き方にかかわらない、適切な評価、適切な賃金支払いは、必ずしも企業のデメリットではないというご意見もありました。また、7頁ですが、特にパートタイム労働者がスキルアップのための教育訓練、こういうものを行動計画で改善していきたいというご意見もありました。また、7頁の左側の下から2つ目の○は国からのインセンティブということですが、例えば表示の付与であったり、法人税の税額控除などの税制上のインセンティブ、あるいは、いちばん最後の○にありますように助成金など、そういったものがインセンティブとして考えられるのではないかというご意見をいただいております。
他方で使用者側委員の意見としましては、6頁ですが、1つ目の○にありますように、毎年経済環境が大きく変わる中で、長期の計画を立てるのは非常に困難であるということ。それから、2つ目の○ですが、行動計画の作成は企業経営の根幹にかかわる問題であるということで容認できないということ、それから、適宜見直すことができないような計画は、人事管理を硬直化させていくと、様々な問題があり、行動計画には反対ということもあります。3つ目の○についても、賛成しかねるということです。また、7頁ですが、賃金は、経済状況を踏まえ、労使で決定しており、訓練についても企業により様々で、計画で促進するというものではないという意見もあります。また、7頁の2つ目の○ですが、パート労働者に対するスキルアップのための教育訓練は、既にパートを活用しているような企業であれば既に行っているし、社外に出るパート労働者についてまで検討するということであれば、これはパートタイム労働法ではない枠組みで対応するべきだということです。また、下から2つにつきましてはインセンティブの関係です。インセンティブを与える場合に基準を一律に設けるということであれば、これは企業の裁量に対して国が関与するということではないかと、違和感があるということ。あるいは、最後ですが、国の財政を考えると、どういうものが提供できるのかと、現実的かどうかというご意見もありました。
公益委員の意見としまして、6頁ですが、研究会報告で想定している行動計画は非常に柔軟なものであるというご趣旨のご発言をいただいております。また、公益委員の7頁のご意見ですが、行動計画は、パート労働者のキャリア形成支援のために、有効であるというご意見をいただいております。
また、第9条の関係、8頁ですが、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置に関し、事業主による取組を促進しつつ、パートタイム労働者の納得性を向上させるその他の方策について、どのように考えるべきかという論点です。
労働者側委員の意見としましては、納得性の向上ということで、第13条との関係で事業主からしっかり説明をしてほしいというご意見をいただいております。
使用者側委員の意見としましては、これも第13条の関係で、パートタイム労働者を納得させるまで説明をすることは求めていないけれども、そういった前提の中で、事業主がどういう雇用管理を行うのかということを、何らかの形で明らかにするような工夫を考えることはあると、その際に苦情があればどう対応するか、2つ目の○で、労働条件の明示や苦情の処理の自主的な解決の取組について、少し考えていく余地もあるのではないかというご意見をいただいております。
また公益委員からは、第13条の説明義務の関係で、どのような考慮要素が含まれているのか、事業主が説明すればパート労働者の納得性は向上するであろうということ、あるいは第19条、これは苦情の自主的な解決の条文ですが、こういったことで対応するのはどうかというご意見をいただいているところです。
また、第9条の関係で9頁です。論点としましては、通勤手当等は、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金として、パートタイム労働法第9条第1項の均衡待遇確保の対象から除外されているが、これについてどのように考えるべきかというものです。
労働者側委員の意見としましては、1つ目の○にありますように、実費弁償で全額を払うべきだというご意見があります。また、労働者側委員の意見のいちばん下にありますように、正社員には支給し、一方でパートには支給しないということに合理性は見出しにくいのではないかと、通勤手当の支給について一定のルールがあると思われ、それをパートにも準用してほしいと、その際に、適正な上限を設定することは考えられるというご意見をいただいております。
使用者側委員のご意見としまして、いちばん上にありますように、いまの第9条第1項ですが、均衡の対象というのは職務の内容に密接に関連するものを対象としていると、一方、通勤手当は職務の内容に関連するものではないという整理がされており、現在でもその通勤手当に関する考え方は変化していないということで、引き続き除外すべきであるとか、2つ目の○にありますように、個々の契約で決まるとか、3つ目の○にありますように、様々なパート労働者の働き方がある、4つ目の○にありますように、正社員のほうにも関係してくる話であるというご意見があります。
公益委員のご意見としましては、1つ目の○の真ん中以降です、通勤手当を職務関連手当として支給するというものではないが、例えば店舗間異動があるパート労働者に支給することは、合理性があるのではないかとか、2つ目の○にありますように、通勤手当には業務に関連する部分、あるいは福利厚生というような面もあるというご意見もあります。
また、10頁です。第9条の関係で最後です。事業主が、事業所の実情に応じ、職務評価制度又は職業能力評価制度を導入、これを踏まえ、パート労働者の雇用管理の見直しを進めるよう促すことについてどのように考えるべきかということです。
使用者側委員のご意見としまして、あくまでこういった制度についても、賃金を決定する際の一要素にしか寄与しないということも踏まえるべきであるというご意見をいただいております。第9条の関係は以上です。
○林会長
いまご説明いただきました第9条に関係する賃金に関する均衡、これに対する委員の皆様からのご質問、ご意見等がありましたらお願いいたします。
○小林委員
10頁ですが、労働者側委員のところに記録がないので改めてということになりますが、パートタイム労働者の処遇改善の1つとして、希望する者に特にキャリアラダーを整備して、正規の社員化を促すことというのは必要かと思っております。ここにありますように、職業能力評価制度などを導入してパートタイム労働者の雇用管理の見直しを進めることは、私たちとしては積極的に推進するべきことと考えております。
○林会長
ほかにはございませんか。特にないようでしたら次の論点に移ってよろしいですか。それでは、次は教育訓練です。11頁から最後までをまとめてお願いしたいと思います。
○大隈均衡待遇推進室長
それでは、残りの論点についてご説明いたします。11頁、3番は教育訓練(法第10条)の関係です。「パートタイム労働者に対する教育訓練について、どのように考えるべきか」ということです。
労働者側委員の意見としましては、1つ目の○にありますように、キャリアアップのための教育訓練も必要であるということで、教育に関する経費をコストではなく、投資と捉える見方が必要である、2つ目の○にありますように、離職などを防ぐためにも教育訓練は必要、また、正社員転換制度とセットで考えるべきであるというご意見もありました。
また使用者側委員の意見の1つ目ですが、3行目にありますように、パート労働者についてキャリアアップの合意はなかなかできていないと、キャリアラダーを想定できない中小企業の現場での負担、こういったものも含めて議論をしてほしいということがありました。2つ目のご意見は先ほどご説明をしたところです。
公益委員のご意見としましては、1つ目ですが、パート労働者を活用するという考え方があれば、キャリアアップの教育訓練も実施されるのであろうということです。2つ目もそれと関連しまして、やはり企業がパート労働者の活用を得だと考えるかどうか、そういうことがまず基本になるのではないかというご意見がございました。
続きまして12頁の4番、福利厚生(法第11条)の関係です。パートタイム労働法第11条において、事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える一定の福利厚生施設、これは給食施設、休憩室、更衣室の3つの施設ですが、パート労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮することとされております。こういう中で慶弔休暇等の福利厚生制度についても、利用機会の付与の対象とすることについて、事業所ごとに福利厚生制度の在り方が多様な中で、どのように考えるべきかという論点を挙げております。
労働側委員の意見としまして、いまの配慮義務を義務化すべきではないかというご意見をいただいております。
使用者側委員の意見としましては、福利厚生施設は、従業員が一度に利用することができないことも含めて、配慮義務となっているのではないかというご意見がありました。
13頁の慶弔休暇です。慶弔休暇の関係は、いちばん最後の○にありますように、正社員に認められて、パート労働者に認められないのは合理的理由が考えにくいのではないかと、特に忌引きについて安心して取りたいということで、格段の配慮が必要であるということです。
他方で使用者側委員のご意見です。1つ目の○です。そもそも福利厚生は企業の自主判断に任せるものであると、特に忌引きは一生涯に数回で、多様な働き方をしているパート労働者への付与というのは、なじまないのではないか。あるいは、2つ目の○にありますように、忌引きが解雇する・しないの判断基準になるかどうかは、福利厚生という話ではないのではないかというご意見もいただいております。
公益委員のご意見としましては、正社員に適用される慶弔休暇が、なぜパート労働者には適用されないのか、説明が難しいのではないかということで議論が必要であるというご意見があったというところです。
14頁、通常の労働者への転換(法第12条)の関係です。現行の通常の労働者への転換推進措置、いま、3つのうちの少なくともいずれかを措置していただくということになっておりますが、どのように考えるべきかということです。
労働側委員の意見としまして、1つ目の○にありますように、まだ半数の事業所しか実施していないことは問題であるということですとか、2つ目の○にありますのは、仕組みは用意されていたとしても本当に推進しているかどうかは疑問であるというご意見もありました。
他方で使用者側委員の意見としましては、正社員転換ということは、景気や企業の業績によって変わってくるものであるとか、2つ目の○にありますように、施行されてからのこの間、中小企業では正社員を採用していないような状況もあると、そういう点も考慮していただきたいというご意見がありました。
15頁の6番、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明(法第13条)の関係です。事業主は雇用するパートタイム労働者から求めがあったときは、待遇の決定に当たって考慮した事項についてパート労働者に説明しなければならないと、こういう規定があります。
この点につきまして労働側委員のご意見として1つ目の○は、こういった規定は趣旨として非常によいというご意見です。2つ目については、他方で、説明を求められた事業所が2割にとどまっているということは、パート労働者が安心して聞けないということ、不利益取扱いの禁止というのが必要ではないかというご意見がありました。また、16頁ですが、労働側委員のほうからは、パートタイム労働者の求めではなくて、一律に事業主から説明することが適当ではないかというご意見もありました。
使用者側委員のご意見としては、既にきちんと説明をして対応しているということですとか、あるいは、事業主だけでなく第三者機関、行政機関、こういうところへの相談も考えてはどうかということがありました。
公益委員のご意見としては、待遇についての意識が高まっていることは非常によいことであるという1つ目のご意見とか、2つ目、6割の労働者が事業所に聞くというのは、必ずしも低くないというご意見があったところです。
17頁ですが、最後の論点、その他(履行確保)の関係です。17頁につきましては、報告徴収及び助言・指導・勧告です。これにつきまして労働者側委員からは、いまパートタイム労働法にありませんが企業名の公表を検討する必要がある。2つ目ですが、これもパートタイム労働法にありませんが、報告徴収の拒否について、もっときちんと考えるべきであるというご意見をいただいております。
他方で使用者側のご意見としては、改正法の施行の効果はあったのではないかということで、2つ目にありますように、これ以上の罰則の強化の必要性はないのではないかというご意見をいただいております。
公益委員からは、企業名公表、過料の関係で、均等法、育介法等との措置の違いについては気になるというご意見をいただいております。
18頁の紛争解決援助の関係です。紛争解決援助、例えば2つ目の○にありますように、司法上の救済というのは負担があるということで、早期に紛争解決できるような援助策の検討が必要であるというご意見があります。また、3つ目ですが、努力義務規定を制度の対象とすべきであるというご意見をいただいております。
他方で使用者側のご意見としては、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法・パートタイム労働法それぞれの法律の趣旨に沿って、紛争解決援助の在り方を考えるべきであるというご意見をいただいております。
最後ですが、19頁のその他(労働条件に関する文書の交付/苦情の自主的解決)につきましても、特にこれまで論点として挙げていない部分もございましたが、これまでの議論の中で関連するご意見が出ておりましたので拾っております。
労働者側委員からは、既にご説明いたしました、説明周知の意味が大きいというご意見がありました。
使用者側委員のご意見としては、労働条件の明示、苦情の自主的解決で考えていく余地があるのではないかというご意見をいただいております。
また公益委員のご意見の2つ目の○ですが、いま、労働条件明示について、雇入れ時と契約更新時のいずれも行っていただくこととしておりますが、例えば契約更新時にもきちんと行われるようにする仕組みであるとか、労働条件明示の中身を広げるというような議論はあり得るというご意見をいただいております。資料については以上でございます。
○林会長
多数の論点が含まれておりますがまとめて、これらに対するご意見、ご質問等がありましたらお願いいたします。
○關委員
何度もこちらのほうからも発言しておりますが、慶弔休暇のところだけは改めて意見をしておきたいと思います。
慶弔休暇が正社員だけにあってパートタイム労働者にないというのは、やはり合理的な理由はなかなか考えにくいなと思っておりますし、やはり仕事で不利益を被ることなく気兼ねなく葬儀などに出席したいといった思いは雇用形態にかかわらず、人として当然に抱く話なのではないかなと思っております。使用者側委員のほうからも、前回も一生涯に数回の問題なので義務付けるのはなじまないなどというお話もあったのですが、逆に、だからこそ、一生涯に数回であれば適用してもいいのではないかなと、思うほどのものです。そういう意味では、やはりパートタイム労働者にも慶弔休暇というのはきちんと適用すべきではないか、ということを改めて意見させていただきたいと思います。
○渡辺委員
質問ですが、実際に慶弔休暇を葬儀等で、特に忌引きを取ってもらっては困るとか、あるいは取ったことによって不利益を被ったという事例がどれぐらいあるか、あるいはそういうパートタイム労働者の方への調査データというのはあるのでしょうか。ちなみに当社あるいは当業界の現場でいうと、ほとんどがシフト勤務で、ローテーションで十分に運用されておりまして、忌引きの休暇を取らせないというような会社はすぐ目立ってくるのですが、実例がほとんど見当たりません。実際にそういう実績データがどれぐらいあるのか、あれば教えていただきたいと思います。
○中島委員
数字的なデータはありませんが、それによって残念ながら解雇されてしまったとか、自主的に辞めてしまったとかという例は聞いております。それから、私どもが言っているのはシフトの中に入れるということではなくて、あくまで有給休暇に食い込まない形で忌引きの休暇をきちんと作っていただきたいということなのです。
○林会長
中西委員。
○中西委員
意見です。渡辺委員の質問もありましたので重複するかもしれませんが、実際の中小企業の現場におきましては、忌引きが欠勤として扱われたり、あとで人事考課や契約更新判断に反映されるような極端な例はないのではないでしょうか。一律に慶弔休暇の付与を求めるということは企業現場におきましては難しく、この点につきましては、企業の裁量や柔軟な運用に委ねるべき範囲と考えております。義務化すれば企業はやはりパートタイム労働者の雇用に、より慎重になる、ならざるを得なくなる場合もありますし、雇用を失うということも考えられるのではないかと、結果として労使双方にとって果たしてこれはよいものだろうか、失うものがあるのではないかと思います。失うものが大きくならないような方法をとるべきではないかと、そのように考えます。
○中島委員
ですから、そういうことにならないように、シフトや自分の就業調整によって忌引きを取るのではなくて、別に忌引きという休暇制度を設けていただきたいということを申し上げているのです。
○中窪委員
いまのところと若干関連するかもしれませんが。先ほど齊藤委員が示されました「パートタイム労働法のあらまし」というパンフレットですが、これの7頁に使用者の義務が表になっておりまして、先ほどの第8条、第9条、教育訓練、福利厚生という中で通常の労働者と同視すべき者については、全部◎で差別の禁止と。それに対して、3段階ありますけれどもそれぞれあって、いまの福利厚生でいうと、それ以外のところは普通の○ですが、これで限定があって慶弔休暇などは入らないという。
こういうグラフィックになると、何でこうなのかと思うのですが、よく考えてみると、このパートタイム労働法自体、第3条の規定がありまして、「事業主は、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする」という努力義務があるということになっております。それから、指針の中でも、直接条文の対象にならないものについてもやるということが明記されておりますので、これが何かブランクみたいに見えるのは、ちょっとミスリーディングではないかと思います。ここは、本来はそういう一般的な義務があって、それに特別な条文はかからないのだと、そういう趣旨が表れる表にすべきではないかと思いました。
だから第9条に関しても、職務に関連する賃金については、こういう形で決める努力義務を課するということですが、それ以外については、なかなか明確な条文が作りにくかったので不確かになっていました。例えば通勤手当についても会社の実態によって、払い方によっては、やはり均衡を考慮すればおかしいではないかということもあり得るわけですし、それでどれだけ努力するかという努力義務が果たされているかどうかは、今の法律でも問題になり得るのではないかと思っております。ただ、1つ問題は、苦情処理との関係で福利厚生の第11条でしたか、これに入れば労働局でも助言指導ができるのに、それが慶弔休暇ではできないという形で、そこが区別になってしまうのですが、いま労働局にそういう相談が来た場合に、どのように対処されているかというのを教えていただきたいのと、それから第9条に関しては、そもそも紛争解決の対象外になっております。これも労働局で何か助言指導ができない形に見えるのですが、これはどのように処理されているのか教えていただきたいのです。
○林会長
事務局、お願いします。
○大隈均衡待遇推進室長
労働局によります行政指導は、根拠条文はパートタイム労働法の第16条になっておりますが、努力義務も含めまして助言などはさせていただいております。また、法律の第14条に基づく指針につきましても、助言させていただいております。
○中窪委員
第16条のほうですか。
○大隈均衡待遇推進室長
はい、行政指導のほうは第16条ですので、努力義務を含めてしております。
○中窪委員
わかりました。
○大隈均衡待遇推進室長
一方で、ご指摘のように、苦情の自主的解決ですとか、紛争解決援助は努力義務は除いて義務規定だけ。もともと、努力義務の規定ですと、それほどの紛争は見込まれないのではないかというようなことも、法改正時は考えておりました。紛争解決援助のほうは努力義務は除いていると、義務規定だけという整理をしております。
○中窪委員
それとあと、第11条の配慮義務は入るのですね。
○大隈均衡待遇推進室長
はい、第11条は紛争解決援助の対象にもなりますので、この3つの施設について何らか紛争があれば、それは、局長の指導なり調停なりということは対象にしております。
○山川委員
簡単にですが、1つはいわゆる正社員転換の規定に関してです。中間形態云々の話が、双方から発言がありまして、これ、法律改正まで必要とするかどうかわからないのですが、現在の取扱いが必ずしも明確ではないような感じもいたしますので、中間形態の利用可能性につきましても、ご検討いただければと思っております。
もう1つ。今回、先ほどの議論の経過の中で出てきた論点ということで、第19条関係、文書交付とか苦情の自主的解決ですか、の関係で19頁。これは再掲ということで、もともとは15頁の公益委員の発言で、自分の処遇について「わからない」とか「考えたことがない」というパートタイム労働者が減ったことは、法律の効果であるという。たぶん私が発言したかと思うのですが、これはそのとおりであると改めて思うのですが、第107回の資料No.2「パートタイム労働者の現状」の1頁目ですが、ここに平成18年と平成22年を比較して「わからない」という回答が、半分以下に減っているというのが出ております。このことを申し上げたのですが、これはよく見てみると、それを除いた比率で考えると「納得できる」と「納得できない」を対比するとあまり変わっていないと、むしろ、わずかですが納得していない回答の比率のほうがちょっと上がっている感じがあります。つまり、40%対20.3%と53.1%対28.1%ということで、キャリアアップとともに納得性の向上というのは、なお課題として残っている部分があろうかと思いますので、この辺りを改めて、説明の話か、あるいは苦情処理の話か、あるいは両方かということで新たに議論として出てきたものですから、より深めてもいいのではないかと思います。以上です。
○林会長
ありがとうございます。まとめてですが、ほかに何かご意見等がございましたらお願いいたします。
○冨高委員
先ほど正社員転換のところについてご発言もありましたが、我々としましては、やはりここは半数程度のところが、そういう施策を実施していないというようなことがいままでの報告の中でありましたが、やはり、正社員転換のところは我々もいままで問題にしてきたところなのですが、結局、パートタイム労働者のキャリアラダーが整備されていないことが、事業主が教育訓練を行わない要因にもなっておりますし、そこが、前から言っておりますように負のスパイラル、どちらかというと負のスパイラルにつながるのではないかと思っております。
この正規の労働者への転換というところは、先ほど中間という話もありましたが、短時間正社員制度というのを厚労省のほうでも積極的にやっていただいておりますが、そこの活用も含めて、その転換の間口というところを広げて、キャリアラダーを整備して、希望する方の正規への転換というところを促すことが必要なのではないかと思いますので、その点について努力義務というのを課してはどうかと我々としては考えております。そのために、先ほど職業能力評価基準の話がこちらからも出ましたが、そこで評価をしていくというようなことも必要なのではないかということで、併せて発言させていただきます。
○佐藤委員
ちょっと戻ってしまうのですが、第9条のところで。7頁、中窪委員が取り上げたところですが、これ、たぶん第8条のほうの3要件を残すか、それとも要素を労働契約法制的な形にして、ガイドラインの中で、いままでの3要素を3つつなげて要素として入れるかとか。ただ、そうなっていくと、第9条を書けるのかどうか。つまり、第9条というのは第8条の3要件を前提に書いてあるのですよね。全期間と言っていますから、ある一定期間というところをどうするかというので第9条は書かれているわけですよね。そうすると、第8条の書き方がガラッと変わると第9条は書けなくなるのです。あるいは、第9条が第8条に入るのか。ですから、これは別々に議論できなくて、現状でいうと、第8条のほうはかなり絞っているのですね。ただ、実態としては、かなり一定期間同じように働いている人がいるところに問題が多いわけで、ここを何もしなくていいか。第9条では、一定期間の場合は同じ処遇制度にというのが入れてあるわけです。ただ、これは、期間についてその要素というような形で具体的に書かないとなると、この第9条が一定期間で外したような、全体をちゃんと処遇しなさいというような書きぶりの第9条になってしまって、一定期間みたいなのはもしかして第8条のほうに入るのかもしれない。そこは少し議論していかなければいけないかなということです。課題の提起ということだけです。
○林会長
わかりました。これはいずれ整理してお出しすることになると思います。そのほかにご意見、ご質問等はございませんか。
○關委員
第13条に関してというところですが。第109回の資料でありました調査によると、過去3年間にパートタイム労働者から処遇に関する説明を求められたことがあるという事業者が15.6%という結果が出ていたと思うのですが、やはり立場の弱いパートタイム労働者が説明を求めたことを理由にする不利益な取扱いを若干懸念して、説明を求められないケースがあるのではないかということが推測されるかなと思っています。そうしたことを踏まえると、現在、指針に規定されております説明を求めたことによる不利益取扱の禁止というものを法文上明記する必要があるのではないかと思っております。また、「パートタイム労働者からの求めがあった場合には」ということが前提になっている待遇の決定に当たって考慮した事項というものについても、求めを前提とせずに説明をするということも義務化する必要があるのではないかと。これは検討に値するのではないかと考えております。
そうした説明事項の中には、納得性の向上といった観点から正社員との処遇の違い、その程度とその理由といったところを含めた上で、文書による交付ということが必要なのではないかと考えております。以上、意見です。
○林会長
ほかにご意見等はございますか。
○布山委員
以前にも発言したかと思いますが。いまのお話ですと、15頁にも書いてあるところですが、説明を求めたいのだけれども、立場が弱く、不利益な取扱いを受けるかもしれないので、なかなか聞きたくても聞けないという方がいらっしゃるのではないかということ。ただ、一方で労働組合あるいは行政機関にご相談をされていないということを考えると、本当にそこまで問題にされているのかどうかということも、おそらく想定で、想像でおっしゃったので、こちらも想像で申し訳ないのですが。そういうこともあるのかなと思うところです。
それと、処遇についての説明です。ほとんどのパートタイム労働者の方が職務給ということになると、少なくとも入口の賃金は地域相場ということにかかわっているので、そのときのご説明は地域の相場がこれぐらいだからこうしましたということでもいいのかどうか、ということも含めて議論をしていただきたいと思います。
○山川委員
1点だけ、先ほどの佐藤委員のご発言に関してですが、同感で特に第9条第2項は、前にも申しましたが、より検討する必要があるのではないかと思います。以上です。
○林会長
ほかにご意見はございますか。
○冨高委員
履行確保のところですが、先ほども努力義務規定のところについては、紛争解決援助制度のところに入らないというような説明もありましたし、あまり紛争は起きないのではというような感覚なのかもしれませんが、ここに対する部分というのは、やはり努力義務規定にも拡大をして、その法の実効性というところをきちんと確保する必要があるのではないかとは思っております。事業主の方に法律を遵守させるための方策をもう少し強化するという意味でも、ここの部分はきちんとやっていく必要があるのではないかと思っております。
○林会長
そのほかにご意見等はございますか。
○中西委員
履行確保のことについてです。報告徴収を拒否している事業所の割合は1%を下回っております。報告徴収是正措置は、さらなる普及啓発を求められるところでもあります。よって、特段の法的措置は必要ないと考えます。以上です。
○中島委員
私たちは、やはり誠実に対応していただけないのであれば、そこは企業名の公表なり過料が必要だと思っております。それがその数パーセントか1%か10%かというのは基本的に関係ないと思っております。そして、均等法や育介法などに制裁措置というのが含まれておりますので、あえてそれと異なる扱いをする必要はないと思っております。
○林会長
そのほか、ご意見等はございますか。
○齊藤委員
第10条第2項、教育訓練ですが、第10条第2項のところで基幹的労働に従事するパートタイム労働者については、やはりキャリアアップのために教育訓練の実施の努力義務が規定になっております。これを義務規定にすべきであると思います、基幹的労働者をどのように考えるかというのはあると思いますが。例えば先ほど言われていたように、いまの法律でいえば一定期間、人材育成の仕組みが同じであれば、これは該当するのではないかと思っておりますし、その方たちについては、やはり義務規定にするのが適当ではないかと考えております。
○林会長
そのほか、ご意見はございますか。特にないようでしたら、時間も迫ってまいりましたので、本日の議事はこれで終了といたします。本日の署名委員は、労働者代表は中島委員、使用者代表は瀬戸委員にお願いいたします。それでは、本日の分科会はこれで終了といたします。ご苦労様でした。
(了)

