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2012年2月23日 薬事・食品衛生審議会 生物由来技術部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年2月23日(木)14:00~


○場所

厚生労働省 共用第15・16会議室


○出席者

出席委員(12名):五十音順 敬省略

 ◎大 野 泰 雄、 神 田 忠 仁、 斎 藤   泉、 鈴 木 邦 彦、

 新 見 伸 吾、笠 和 敏 博、濱 岡 隆 文、俣 野 哲 朗、

 松 岡 厚 子、 森 川 裕 子、 山 口 照 英、 横 田 恭 子

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(3名):五十音順 敬省略

 岡 野 栄 之、 手 島 玲 子、 渡 邉   信

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 三 宅 真 二 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議題

1 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等の拡散防止措置の確認について
詳細は資料へ

○議事

○医療機器審査管理室長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会生物由来技術部会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 まずはじめに、昨年1月に薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われて以降、この部会は最初の開催となっております。本部会につきましても新しく委員の任命が行われたところでございます。つきましては、お手元にございます生物由来技術部会委員名簿に即しまして、委員の先生方を私の方から御紹介申し上げたいと思います。名簿をお手元に御用意ください。
 国立医薬品食品衛生研究所所長、大野泰雄委員です。独立行政法人理化学研究所新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター業務展開チーム・チームリーダー、神田忠仁委員です。東京大学医科学研究所遺伝子解析施設教授、斎藤泉委員です。国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部第三室長、新見伸吾委員です。みやぎ県南中核病院顧問、貫和敏博委員です。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所長、濱岡隆文委員です。国立感染症研究所エイズ研究センター長、俣野哲朗委員です。国立医薬品食品衛生研究所医療機器部長、松岡厚子委員です。北里大学北里生命科学研究所ウイルス感染制御学研究所教授、森川裕子委員です。国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員、山口照英委員です。国立感染症研究所免疫部第一室長、横田恭子委員です。
 なお、慶應義塾大学医学部生理学教室教授の岡野栄之委員、国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部長の手島玲子委員、国立大学法人筑波大学大学院生命環境科学研究科教授の渡邉信委員は、本日、御欠席と承っています。また、社団法人日本医師会常任理事の鈴木邦彦委員は遅れて御出席との連絡が入っております。
 また、この部会の部会長ですが、昨年1月24日に開催されました薬事分科会において各部会で選出が行われております。この生物由来技術部会につきましては、大野泰雄委員に部会長をお願いすることとされておりますので、私から御報告申し上げます。
 さらに部会長代理ですが、規定により部会長から御指名いただくこととなっております。大野先生、どうぞよろしくお願いします。
○大野部会長 部会長を務めることになりまして、皆さんのお助けを得ながらこの部会を運営していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 この分野に特に詳しく、経験が非常に深い神田先生に部会長代理をお願いしたいと思うのですが、よろしいでしょうか。では神田先生、よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理室長 それでは、部会長代理につきましては、神田忠仁委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 神田先生、部会長代理席へ御移動よろしくお願いします。
 当部会委員数は15名ですが、現在11名の委員の御出席をいただいております。鈴木委員が御出席されると、12名の委員の御出席となります。定足数に達しておりますことを私から御報告いたします。
 早速ですが大野先生、以後の進行をどうぞよろしくお願いいたします。
○大野部会長 それではまず、事務局から配付資料の確認と資料作成に関与された委員及び利益相反に関わる申出状況についての報告を行ってくださるようお願いいたします。
○事務局 事務局から資料の確認をさせていただきます。本日、机の上に「議事次第」、「座席表」、「当部会委員名簿」を配付させていただいております。「議事次第」に記載されている資料1-1~資料5と参考資料につきましては、あらかじめお送りさせていただいております。このほか、本日、机の上に資料6「専門委員リスト」、資料7「競合品目・競合企業リスト」を御用意させていただいております。
 なお、資料6ですが、竹内委員の御所属が「国立医薬品食品衛生研究所」となっておりますが、「国立感染症研究所」が正しい記載ですので、ここでお詫びして修正をさせていただければと思います。
 続きまして、今回、資料7「競合品目・競合企業リスト」に沿って利益相反の関係を御説明させていただきます。資料7ですが、1~4ページまでございまして、それぞれ、議題1~4に対応しております。議題1としまして、ベロ毒素1(VT1)につきまして競合品目が三つ、2ページですが、こちらも同様に競合品目が三つ、3~4ページにつきましては、競合品目の該当無しということとなっております。
 本日の審議事項に関する影響企業につきまして、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況を伺いましたところ、薬事分科会審議参加規定第12条「審議不参加の基準」、又は第13条「議決不参加の基準」に基づきまして、御退席いただく委員及び議決に御参加いただけない委員は本日おりません。以上、御報告申し上げます。
○大野部会長 どうもありがとうございました。本日は、議事次第にございましたように、審議事項が4議題、報告事項が1議題となっています。
 それでは、審議事項に入りたいと思います。
 議事1に入る前に、まずカルタヘナ法に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置の制度の概要について事務局から説明してください。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。本日、議題1~4と報告事項の議題1につきましては、すべて、カルタヘナ法に基づいたものとなっております。
 まず、制度の概要についてです。資料が参考資料ということで、事前にお配りしております資料の1ページになります。1ページのカルタヘナ法の概要です。今、カルタヘナ法と省略して呼んでおりますが、正式名称は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」と申しまして、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることによって生物の多様性の確保をすることを目的として、平成15年に制定された法律でございます。上から三つ目の囲み「遺伝子組換え生物等の使用等に係る措置」にございますように、この法律では、遺伝子組換え生物の使用に先立ちまして、生物多様性影響を防止するための措置をとることが定められており、使用形態に応じまして「第1種使用」と「第2種使用」に分類がされております。
 失礼いたしました。1ページの真ん中のコラムですが、「遺伝子組換え生物等の使用等に係る措置」の部分で、「第1種使用等」と「第2種使用等」というものにカルタヘナ法で分類がされております。「第1種使用等」と申しますのは、環境中への拡散を防止しないで行う、いわゆる開放系での使用等のことで、開発者は、事前に使用規定を定め、生物多様性影響評価を添付した上で厚生労働大臣及び環境大臣の承認を受ける義務がございます。一方、右側の「第2種使用等」は、環境中への放出を予防しつつ行う、いわゆる閉鎖系での使用等のことで、今回の審議事項、議題1~4の4品目が該当いたします。この場合は、開発者はその使用等に際して拡散防止措置をとる義務がございまして、省令等で定められていない拡散防止措置については、厚生労働大臣の確認を得た措置をする必要がございます。なお、2ページ以降ですが、カルタヘナ法の実際の本文を記載させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ただ今の御説明について何か御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは一つずつ審議に入っていただきたいと思います。議題1と議題2は共通事項が多いと伺っておりますので、まずは議題1と議題2の審査結果について機構から説明をお願いいたします。
○機構 審議事項議題1、資料1-1、1-2「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用の拡散防止措置の確認について(□□□□□□□□□□□)」、審議事項議題2、資料2-1、2-2「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等の拡散防止措置の確認について(□□□□□□□□□□□)」機構より説明いたします。
 資料1-1、1-2及び資料2-1、2-2を御覧ください。こちらは、□□□□□□□□□から申請がなされております□□□□□□□□□□□□□□□□に関するものです。□□□□につきましては、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ですが、□□□、□□□及びその亜型がございまして、資料1が□□□、資料2が□□□をそれぞれ製造するための大腸菌でございます。
 カルタヘナ法施行以前から既に製造を行っていた品目につきましては、法の施行日から6か月以内に申請を行うことで、申請中も製造等が可能という経過措置が施されておりますが、本2品目は、その取扱いに基づき製造を行うものでございます。1回当たりの培養規模は、いずれも□□未満でございます。
 申請の概略を申し上げます。資料1-1、2-1、それぞれが医薬品医療機器総合機構が作成した事前審査結果通知書となっておりますので、御参照ください。「諮問書」と書いてあるものの2ページが事前審査結果通知書です。両遺伝子組換え生物は、厚生労働大臣がGILSP遺伝子組換え生物として告示している宿主・ベクター系を用いて製造がなされております。□□□□□□□□□□□由来株は性質がよく解析されておりまして、病原性は無く、特殊な培養条件下では増殖いたしますが、それ以外では増殖が制限されております。ベクターの宿主依存性は高く、伝達性は乏しく、また供与核酸は全塩基配列が明らかにされております。本遺伝子組換え生物は、□□□□を産生し、ベクターに由来する□□□□□□□□□□□を有するほかは、宿主と同様の性質を有し、生存能力等においても大きな違いは認められておりません。製造工程においては、生きた菌を含む培養液をはじめとする廃液や使用器具については、高圧蒸気滅菌による不活化処理が施されます。
 本遺伝子組換え生物は、□□□□□□□□□□□□□□□と比べますと、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□を高める機構を保有していないため、相対的に病原性を示す可能性が低いと考えられまして、使用区分としましては、病原性がある可能性が低く、かつGILSPに含まれないものであるカテゴリー1とされております。
 機構における事前審査におきましては、本品目のベクター及び供与核酸が宿主と同種である大腸菌又は宿主と自然界で核酸を交換するファージに由来するため、いわゆるセルフクローニング/ナチュラルオカレンスに該当する可能性もあるとの議論もございましたが、他省庁での取扱いも参考にしながら、発現タンパク質であるベロ毒素による外部環境への影響等を考慮いたしますと、カルタヘナ法の下での遺伝子組換え生物と同等の評価及び管理を行うことが適切であると考えました。また、専門協議で専門委員の意見も踏まえて、確認を行うというような整理をいたしました。使用区分につきましても、専門協議を踏まえ、カテゴリー1ということで特段問題無しと判断しております。
 申請の概要、事前審査の結果については以上なのですが、事前に3名の部会委員からコメントを頂戴しておりますので、その御紹介とコメントに対する対応について説明させていただきたいと考えております。よろしいでしょうか。
○大野部会長 お願いいたします。
○機構 神田委員から、申請書の記載に関して、□□□は□□□□と同じであり、□□□□では□□□□□□に該当するので、管理をきちんとしなければならないという旨の御指摘をいただいております。委員の御指摘に対しましては、発現タンパク質の□□□□での位置付け等にも留意して使用することが重要であると我々も考えておりますので、申請者には改めて指導いたしまして、申請書の方にも「□□□□も踏まえて適切な管理を行う」という旨を明記するように求めたいと考えております。
 新見委員から、審議事項1及び2の申請書の記載につきまして、全般にわたり整備、
説明の追加等に関する御意見を頂戴しております。時間の関係上、個別に御紹介させていただくことは控えさせていただきますが、いただきました指摘事項につきましては、既に一部申請者にも対応を求めているところであり、最終的に事務局の方で責任を持って申請書の整備をさせていただきたいと考えております。なお、以降の議題につきましても同様の趣旨のコメントを頂戴しておりますので、同様に対応させていただくというようなことを考えております。
 また、本日御欠席の岡野委員から、「事前審査の判断は適切であり、事前審査で示された適切な拡散防止措置をとるべきであると考えられる」とのコメントを頂戴しております。事前に頂戴したコメントとそれに対する対応につきましては以上のとおりです。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。御意見をいただいた委員の先生方、今、説明がありましたような形のコメントでよろしいでしょうか。
○神田部会長代理 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。では、全体を通しまして委員の皆様から、御質問、御意見をお願いいたします。よろしいですか。
 今の結論では、両方が第二種使用でカテゴリーIに該当するのではないかということです。それから、いくつかのコメントもいただきましたが、それに基づく修正は事務局が責任を持って対応するということでございます。それから、当然のことながら、カテゴリーIということですから適切な拡散防止措置をとる作業を行うということで、それに関する設備などは今回いただいた資料の中に書いてございましたが、そのようなことを徹底するということといたします。
 それでは、議題1、議題2の議決に入ります。
 本品目については、カルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたものとしてよろしいでしょうか。
 それでは、本品目、資料1-2と資料2-2で示された□□□□□□□と□□□について産生するものについて、カルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたものといたしまして、薬事分科会に報告させていただきます。
 議題1と2について、一緒に審議していただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議題3に入ります。まず、議題3の審査結果について機構から御説明をお願いいたします。
○機構 審議事項議題3、資料3-1、3-2「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用の拡散防止措置の確認について(SFCMM-3Mut2)」機構より説明いたします。
 資料を御覧ください。タカラバイオ株式会社から申請がなされております単純ヘルペスウイルス1型-チミジンキナーゼ及び細胞内領域欠損ヒト低親和性神経成長因子受容体を発現し、マウスアンフォトロピックウイルス4070AのEnvタンパク質をエンベロープに持つ非増殖性の遺伝子組換えモロニーマウス白血病ウイルス(SFCMM-3Mut2)でございます。
 申請の概要を御説明申し上げます。資料3-1、「諮問書」と書かれた資料の2枚目以降に機構(PMDA)の作成した事前審査結果通知書がございますので、御参照ください。本品目は、遺伝子治療等に用いるウイルスベクターの製造等をするための申請でございます。宿主は「モロニーマウス白血病ウイルス」でございます。宿主に対する本遺伝子組換えウイルスの特性の違いは主に3点ございます。
 1点目としまして、ウイルス粒子を構成するために必要なgag遺伝子、pol遺伝子、env遺伝子を欠いております。パッケージング細胞側から供給される遺伝子産物を用いてウイルス粒子を形成することはできますが、自ら増殖する能力を欠き、特殊な細胞中でしか増殖はできません。
 2点目としまして、遺伝子治療に用いるヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼ遺伝子及び遺伝子導入細胞の選択マーカーとなる低親和性の神経成長因子受容体の細胞外部分をコードする遺伝子を有しているということです。
 3点目の違いとしましては、アンフォトロピックウイルス由来のエンベロープタンパク質を製造するパッケージング細胞を用いることによって、ヒト、サル、イヌ等の細胞にも感染力を有するというような特徴が挙げられます。
 供与核酸は全塩基配列が明らかにされておりまして、既知の有害塩基配列を含んでおりませんし、有害物質の産生性も知られておりません。増殖能を欠損したウイルスであるため、自然環境における生存能力は宿主である野生型ウイルス以下であると考えられております。製造工程においては、ウイルスを含有する可能性のある廃液や使用器具につきましては、高圧蒸気滅菌等により不活化処理が施されることとされております。使用区分は、遺伝子治療用医薬品又は遺伝子治療用医薬品の製造のために用いられる非増殖性ウイルスであることから、感染性はあるが病原性を示す可能性は低いと考えられますので、カテゴリー1とされております。
 機構における事前審査におきましては、使用区分、生存能力試験の方法等につきまして専門委員と協議をいたしました結果、特段の問題は無いと判断をしております。申請の概要及び事前審査の結果につきましては、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。この品目については、先生方からの御意見は事前に来ておりませんでしょうか。
○機構 新見委員から資料全般にかかわる整備等の御指摘をいただいております。そちらにつきましては、先ほどと同様に事務局の方で責任を持って対応させていただくということを考えております。
○大野部会長 ありがとうございます。新見先生、それでよろしいですか。
○新見委員 はい。
○大野部会長 それでは、ほかに委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 御意見等は無いようですので、議決に入ります。
 本品目については、カルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたものとしてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、本品目のカルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたものといたしまして、薬事分科会に報告させていただきます。
 それでは、議題4に入ります。まずは、議題4の審査結果について機構から説明をお願いいたします。
○機構 審議事項議題4、資料4-1、4-2「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用の拡散防止措置の確認について(MS-MA24-siTCR)」機構より説明いたします。
 資料を御覧ください。こちらは、タカラバイオ株式会社から申請なされておりますHLA-A24:02拘束性MAGE-A4を特異的に認識するT細胞受容体(TCR)のα鎖及びβ鎖、並びに内在性のTCRα鎖及びβ鎖遺伝子に干渉するsiRNAを発現し、Gibbon ape白血病ウイルスのEnvタンパク質をエンベロープに持つ非増殖性の遺伝子組換えモロニーマウス白血病ウイルス(MS-MA24-siTCR)でございます。
 申請の概要を御説明申し上げます。資料4-1、「諮問書」と書かれた資料の2枚目が機構の事前審査結果通知書ですので、御参照ください。本品は、遺伝子治療等に用いるウイルスベクターの製造等をするための申請でございます。宿主は、先ほどの品目と同様で「モロニーマウス白血病ウイルス」でございます。
 宿主に対する本遺伝子組換えウイルスの特性の違いとしては主に3点ございます。ウイルスの増殖に必要なgag遺伝子、pol遺伝子、env遺伝子を欠いておりまして、パッケージング細胞側から供給される遺伝子産物を用いてウイルス粒子の形成をすることはできますが、自ら増殖する能力を欠いておりまして、特殊な細胞中でしか増殖はできないという特性があること。
 また2点目は、MAGE-A4という腫瘍抗原に特異的なT細胞受容体のα鎖遺伝子及びβ鎖遺伝子を持っておりまして、内在性のT細胞受容体に対するsiRNA発現配列を有するということ。
 3点目としまして、サルの白血病ウイルス由来のエンベロープタンパク質を産生するパッケージング細胞を製造に用いることによって、ヒト、サル、イヌ等の細胞にも感染力を有するという特徴があります。
 供与核酸は全塩基配列が明らかにされておりまして、既知の有害塩基配列を含んでおりませんし、有害物質の産生性も知られておりません。増殖能を欠損したウイルスであるため、自然環境における生存能力は宿主である野生型のウイルス以下であると考えられております。製造工程において、ウイルスを含有する可能性のある廃液や使用器具は高圧蒸気滅菌等により不活化処理が施されることとされております。使用区分は、遺伝子治療用医薬品又は遺伝子治療用医薬品の製造のために用いられます非増殖性ウイルスであることから、感染性はあるが病原性を示す可能性は低いと考えておりまして、カテゴリー1とされております。
 機構における事前審査におきましては、使用区分、生存能力試験の方法等につきまして専門委員と協議をいたしました結果、特段の問題は無いと判断をしております。申請の概要及び事前審査の結果につきましては以上でございます。また、本品目につきましても新見委員から事前にコメントをいただいております。そちらにつきましても、同様に対応したいと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。御質問も含めて、何かございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
○斎藤委員 これは第二種でよろしいかと思うのですが、Gibbon apeのエンベロープを用いたこの種の申請はこれまであったのでしょうか。もう議論されたことかもしれません。これは初めてですか。
○機構 本部会としては初めてでございます。ただ、研究開発の方では既に議論がされているかと思います。
○斎藤委員 ここに出てきたのはこれが初めてということですね。
○機構 左様でございます。
○斎藤委員 でも、レベルなどはこれでよろしいかとも思います。余り見かけないものだと思いました。
○大野部会長 ありがとうございます。神田先生、よろしいですか。
○神田部会長代理 はい。要するに主たる問題は、四つともカテゴリー1でいいかどうかということですね。つまり、病原性が低いというので皆さんが納得するかどうかですね。
○機構 左様でございます。
○神田部会長代理 そのため、そのような意味では最初の二つの方がむしろ気になります。
○大野部会長 よろしいですか。これについては、有害性を示すようなものやそのような遺伝子、そのようなものの産生は無いということが確認されているということです。ほかに、御意見はございますでしょうか。御質問も含めて、あればいただきたいと思います。特に無いようですので、議決に入ります。
 本品目については、カルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたとしてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本品目のカルタヘナ法第13条に基づく第二種使用等に関する拡散防止措置が確認されたものといたしまして、薬事分科会に報告させていただきます。
 次に、報告事項に入りたいと思います。報告事項の議題1について、機構から説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料5「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について」機構より報告いたします。
 資料を御覧ください。前回の生物由来技術部会での御報告以降、平成23年1月から本部会までの期間に厚生労働大臣の第二種使用等の確認を行ったものにつきまして、資料5の次のページ以降に表でまとめております。全部で16件ございます。いずれの組換え生物につきましても、医薬品医療機器総合機構において専門委員と協議をいたしました上で、使用区分はGILSPであり、執られている拡散防止措置は適切であると判断をしたものでございます。以上でございます。
○大野部会長 ありがとうございます。先生方から御質問、御意見はございますか。いかがですか。よろしいでしょうか。特に無いようでございます。
 それでは、報告いただいた事項については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上です。事務局から、さらに連絡事項はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会は、今年の6月下旬~7月上旬をめどに開催を予定しておりますので、改めて日程調整をした上で御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○大野部会長 本日は、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
○事務局 ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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