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2012年3月8日 第4回 看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否に関する検討会

医政局看護課

○日時

平成24年3月8日(木) 13:00~15:30


○場所

専用第18~20会議室(17階)


○出席者

尾形裕也委員 (九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座教授)
小川忍委員 (日本看護協会常任理事)
加納繁照委員 (日本医療法人協会副会長)
奥島美夏委員 (天理大学国際学部地域文化学科准教授)
加納繁照委員 (日本医療法人協会副会長)
熊谷雅美 (済生会横浜市東部病院副院長・看護部長)
讃井暢子委員 (日本経済団体連合会常務理事)
戸塚規子委員 (京都橘大学看護学部教授)
中山洋子委員 (福島県立医科大学看護学部教授)
遠藤 代理 (日本労働組合総連合会)
藤川謙二委員 (日本医師会常任理事)
山崎學委員 (日本精神科病院協会会長)
林正健二委員 (山梨県立大学看護学部教授)
渡辺俊介委員 (国際医療福祉大学大学院教授)

○議題

検討会報告書(案)について

○議事

○中山座長 ただいまから、第4回看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否に関する検討会を開催いたします。今日は年度末のお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。最後のまとめになりますので、2時間半という長い時間をとっていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局のほうから、委員の出席状況と資料の確認をお願いします。

○河原補佐 本日は、花井委員からご欠席との連絡をいただいておりますが、代理として日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局部長の遠藤孝一参考人にご出席をいただいております。ご了承ください。また、奥島委員はご出席の予定ですが、新幹線が遅れているということで、少し遅れるということです。また、本日は今回初めてご出席をいただく委員の先生がいらっしゃいますので、ご紹介をさせていただきます。慶應義塾大学経済学部教授の木村福成委員です。
 お手元の配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、本日の座席表に続きまして、資料を4点、参考資料を1点、準備をしております。資料1「これまでの委員の主な御意見」です。こちらは事務局で作成したもので、斜めの字体が前回、第3回の検討会における主なご意見です。資料2-1「看護師国家試験に関する外国人看護師候補者の意見」と題した2頁までの資料です。資料2-2「看護師国家試験に関する受入れ施設の研修担当者等の意見」と題した8頁までの資料です。資料3「看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否に関する検討会報告書(案)」と題した9頁までの資料です。参考資料「第101回看護師国家試験における一般的な用語の置換え等及び医学・看護専門用語への対応について」と題した5頁までの資料です。不足する資料、漏れ等ありましたら、事務局にお申し出いただければと思います。資料の確認は以上です。
 また、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、カメラのほうは退席をお願いいたします。それでは、中山座長、引き続き議事の進行をお願いいたします。

○中山座長 今日の議題の本題に入ります前に、前回、追加資料等の要望がありましたので、事務局に作っていただきました。それが資料2-1と資料2-2です。このことについて事務局のほうからご説明をお願いいたします。

○玉川看護職員確保対策官 資料2-1と資料2-2について説明いたします。前回の検討会において、どのように国家試験を改善すべきかについては、看護師候補者の意見も直接聞いた上で検討すべきではないか。看護師候補者だけでなく、共に働く看護職員の意見についても聞くようにすべきであるというご意見をいただいたところです。これらのご意見を受けて、これまで調査を行ったいくつかの資料の中から、看護師国家試験に対して、看護師候補者や研修担当者などから寄せられた、ナマのご意見をまとめ直したものを用意しましたので、紹介いたします。
 まず、資料2-1です。1頁は、厚生労働省が実施した「インドネシア人看護師候補者受入実態調査」から作成したものです。同調査の概要、全体版の概要については、第1回の検討会の参考資料8として既にお配りしているところですが、この調査の中で、候補者本人に日本国政府に対するご意見・ご要望を尋ねた欄がありました。そこであった回答をまとめたものですが、一部、代筆者による記入があると聞いております。調査対象者は、一番最初に入国したインドネシアの第1陣です。調査の時期は平成22年2月ということですので、入国からちょうど1年半が経ったぐらいのときに行われた調査だということを念頭に置いて、ご覧いただければと思います。
 2頁は、「平成23年度外国人看護師候補者受入れ施設巡回訪問結果」からまとめたものです。毎年こうした巡回訪問を受入れ施設に対して行っており、その中では施設の方への回答票もあるのですが、候補者に対する質問票も用意しております。候補者に対する回答の中から、看護師国家試験に関係するものをまとめております。このときの巡回訪問は平成20年、平成21年、平成22年に入国したインドネシア・フィリピンの看護師の候補者受入れ施設を対象としたもので、平成23年4月から10月までに行われたものとなっております。中身については、インドネシア人の候補者とフィリピン人の候補者に分けて、まとめております。
 資料2-2は、候補者ご本人ではなくて、受入れ施設の研修担当者等のご意見です。まず、前回の検討会でご報告した厚生労働省のホームページを通じた意見募集から、EPAの看護師候補者受入れ施設に勤務する医療・看護サービス従事者、例えば看護師等だと思いますが、それと医療機関の長の自由記載欄の意見をまとめております。1頁から4頁までが医療看護サービス従事者です。これは「母国語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用」、それから「英語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用」、「現行どおり日本語による国家試験実施」を、その前の問いで答えた順番に従って並べ替えているものです。
 5頁は医療機関の長の意見です。
 6頁は、昨年の9月に実施した調査で、「看護師候補者受入れ施設の意識調査」です。この調査全体の概要については、第1回の検討会の参考資料9として提出しているところですが、平成20年度から平成22年度にインドネシア人看護師候補者、あるいはフィリピン人看護師候補者を受け入れた全施設を対象として行った調査です。ここでは、「研修について、具体的なご意見があればご記入ください」という記載欄がありまして、自由記述となっていたところです。さまざまなご回答があった中から、看護師の国家試験に関連する回答のみを抜粋してまとめたものです。6頁から9頁まで、これが続いていますが、日々看護師の候補者に向き合っておられる研修の担当者の切実な声がよく現れていると思います。
 以上、資料2-1、資料2-2、いずれも基本的には自由記載欄の記述から作成をしておりますので、定量的な分析などにはなじまない資料ですが、その分現場の直の声、コメントが得られているものと考えております。資料についての説明は以上です。

○中山座長 この資料2-1、資料2-2について、何かご質問はありますでしょうか。

○小川委員 資料2-1の「インドネシア人看護師候補者受入実態調査」の1頁ですが、こちらは何名の調査票が回収されたのかということについてお聞きしたいのと、2頁の資料についても、何名の方の調査票が回収されて、各項目について、重複するというか、1人の方が2つとか3つとか、複数回答になっているかどうかということがもしわかれば教えていただければと思います。

○玉川看護職員確保対策官 まず、インドネシア人看護師候補者受入実態調査ですが、調査票全体は第1回の参考資料8にありますように、47施設に対して調査票をお配りして、うち36施設の551人から回答があったというのが全体です。ただ、ここは自由記載欄ですので、候補者ご本人が書いたのは、ここに関係するものは10件だけという状況です。
 後者の平成23年度の外国人看護師受入れ施設巡回訪問結果ですが、手元に最初の集計の数字を、平成20年度は延長対象者の数を除いた分だけで説明しますと、滞在期間が元々3年の方々だけで134施設、301名を対象としています。これらと延長対象者分が27名だと思いますが、それを対象として行った調査です。その中から、関係する部分については全部ここに引用しておりますが、「同旨」とありますように、若干、表現の文言が違ったものもまとめて集約しております。

○尾形委員 同じ資料2-1の2頁を見ると、回答の中に母国語という回答が見当たらないのですが、これは質問票の選択肢にそもそもなかったのか、それとも回答がなかったのか、どちらでしょうか。

○玉川看護職員確保対策官 お答えします。これは選択肢とかいうのではなくて自由記載のものですので、特に母国語とか英語といったものについて、質問等の中で出ているわけではありません。

○尾形委員 ということは、母国語を指定した答えがなかったと考えていいですか。母国語でお願いしますという答えがなかったと。

○玉川看護職員確保対策官 この際の記述として集まった中にはなかったということです。

○尾形委員 わかりました。

○中山座長 ほかにありますか。次にいきたいと思います。今日は報告書(案)についてということで、ご議論をいただければと思います。前回の論点整理を踏まえて、事務局に報告書(案)を作成していただきました。進め方として、まず事務局のほうから報告書を読み上げて説明をしていただいたあと、一つひとつを皆さんで検討していくという形をとりたいと思います。皆さんのほうから加えたほうがいいこと、あるいは表現があまり適切ではないと思うこと、あるいは変えたほうがいい点など、さまざまなご意見を自由に発言していただければと思います。それでは、報告書の読上げと説明のほうからお願いいたします。

○河原補佐 資料3の「報告書(案)」の読上げをさせていただきます。なお、いくつか下の欄に注があります。こちらは省略させていただきますので、ご了承ください。
 「看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否に関する検討会報告書(案)」。1.はじめに。「経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定」(平成20年条約第2号)及び「経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定」(平成20年条約第16号)(以下、両協定を合わせて「EPA」という)に基づく看護師候補者の受入れが開始されてから、5年目を迎えようとしている。
 これまでインドネシアとフィリピンの両国から、延べ572名に及ぶ看護師候補者が我が国に入国したが、これらの者のうち昨年行われた第100回看護師国家試験までに合格となったのは、19名にとどまっている。
 平成22年度からはEPAで規定する義務(6か月間の日本語研修)を超えて、就労開始後に受入施設で行われる外国人看護師候補者に対する追加的な学習支援として、?受入施設における研修指導に対する支援、?受入施設における日本語学習に対する支援、?国家試験受験に向けた日本語能力・看護専門知識に関する学習支援を開始し、更には平成23年度から訪日前の日本語研修も始めたところであるが、未だ十分な効果を得るに至ってはいない。
 こうした状況の下、「成長戦略工程表」(平成22年6月18日閣議決定)は、2011年度までに実施すべき事項として「看護師・介護福祉士試験の在り方の見直し(コミュニケーション能力試験、母国語・英語での試験実施等の検討を含む。)」を挙げている。
 平成23年2月に実施した第100回看護師国家試験から、「看護師国家試験における用語に関する有識者検討チームとりまとめ」(平成22年8月24日)を受け、試験の質を担保した上で、日本語を母国語としない看護師候補者にとっても分かりやすい文章となるよう問題を作成し、難解な漢字へのふりがな付記や疾病名への英語併記等の対応を図っている。
 他方「経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れ等についての基本的な方針」(平成23年6月20日 人の移動検討グループ)においても、母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用等について、国家試験制度の趣旨や患者等への影響、実現可能性等も踏まえつつ、その適否について検討を行うこととされていることから、「成長戦略工程表」も踏まえ、既に実施した国家試験における用語に関する検討とは別個のものとして、母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否について検討を行うこととしたのが本検討会である。
 本検討会は昨年12月に第1回を開催し、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師国家試験受験の現状に関する説明を聴取した後に、EPAに基づく看護師候補者等を支援する団体等からのヒアリングを行った。その中で、母国公用語を用いた看護知識体系の理解度確認試験と専門用語等を含む、読み・書き・聞き・話し、実務をこなすためのコミュニケーション能力の試験の実施、英語による試験の実施や試験時間の延長等の意見を聴取した。
 また、本検討会では、昨年末から1か月間、検討課題に関して、厚生労働省のホームページを通じた意見募集を行い、147名の者から意見が寄せられた(うち有効回答は144名)。
 この意見募集の回答者全体では、「母国語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用をすべき」と回答した者が51名(35.4%)、「英語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用をすべき」と回答した者が45名(31.2%)、「現行どおり日本語による国家試験をすべき」と回答した者が48名(33.3%)という結果であった。
 これを回答者の属性別に見ると、医療・看護サービス従事者(44名)や医療機関の長(12名)である場合には、「現行どおり日本語による国家試験をすべき」とする者が最も多く、患者又は家族(46名)である場合は、「母国語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用をすべき」とする者と、「英語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用をすべき」とする者が同数で多く、その他(42名)の場合には、「母国語による国家試験実施とコミュニケーション能力試験の併用をすべき」とする者が最も多かった。
 さらに、本検討会は、米国、カナダ、ドイツ、韓国、中国、英国及びスウェーデンの看護制度と外国人看護師の受入れに関する制度について、在外公館を通じて調査内容を聴取した。
 本検討会は、このような過程を経て、延べ○回にわたって検討を重ねてきたところであるが、これまでの議論を踏まえ、今般取りまとめを行ったのでここに報告する。
 2.看護師国家試験の担うべき役割等について。本検討会は、検討課題を議論するに当たって、まず看護師国家試験の担うべき役割や機能について整理することとした。
 「看護師」は、「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」であるが(保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条)、このような医療に関わる専門職である看護師制度の在り方は、国民の生命・身体の安全にも直結するものと考えられる。
 そして、「看護師国家試験」は、「看護師として必要な知識及び技能について行われる」ものとされているが(保健師助産師看護師法第17条)、これまで同試験を通じて、看護師として就業できる能力、例えば、患者・家族及び医療関係者とのコミュニケーションを適切に行うことができ、薬剤の確実な照合ができる能力を有しているか否かまでを問うことが求められてきたものと考えられる。
 このようなコミュニケーション能力についてより具体的な必要性を考えると、第一に、看護師は、患者から心身の状態に関する情報を的確に得るとともに、患者に必要な情報を分かりやすく伝達することができる能力を身に付けているべきものである。特に患者側からすれば、医療従事者の中でも最も身近なところで働いている看護師には、このような能力を備えていることが強く求められている。
 第二に、看護師が行う業務のうち診療の補助については、医師の指示を正確に理解し、実行できる能力を保持していることが、医療安全を確保していく上で不可欠なものとなっている。
 また、チーム医療の一員として、他の医療関係者との的確なコミュニケーションを通じて情報共有できる能力も医療安全の確保には欠かせない。
 第三に、各医療機関が講じている医療安全対策の基本は、看護記録を含む診療に関する記録を正確に作成し、これをしっかりと読み取り、確認することにあるが、看護師には、かかる記録業務を適切に行うことができる能力が必須となっている。また、現在では、こうした記録は開示が前提となっていることから、患者が見ても理解できるような記録を作成することも求められている。
 3.母国語・英語による国家試験の実施について。看護師国家試験は、就業を前提とした試験であることから、今後とも医療看護情報に関して、患者・家族及び医療関係者と適切なコミュニケーションを行うことができる能力についても担保できることが原則となるべきものと考えられる。
 この点に関しては、看護師候補者は、インドネシア又はフィリピンの看護師資格を有しており、当該国において一定の実務経験も積んだ者であることから、看護に関わる専門的知識や技能を測る試験については英語や母国語で行い、業務に必要な日本語についてはコミュニケーション能力試験を課すことで、前述の要請にも十分に対応することができるのではないかとの意見が出された。
 これに対して、看護師は、前述のように、?患者からの心身状態に関する情報を得て迅速に必要な支援を判断し、?医行為に関する医師の指示を正確に理解・実施し、?医療記録を適切に作成したり、読み取ることができる能力が求められ、このための言語を通じたコミュニケーション能力が必須となるが、こうした能力は看護に関する専門的知識や技能を測る試験の中でこそ確かめることができるのであって、日本語による国家試験の実施が必須であるとの意見が多く示された。
 これは、医療専門職として患者に対する看護サービスを担うのであれば、単なる一般的な内容のコミュニケーションを行うものではなく、必ず当該専門に関わる情報そのものをその国の言語で的確にコミュニケーションすることを現場で求められることとなるため、専門的知識と切り離して一般的なコミュニケーション能力試験を併用することでは、実際に備えるべきコミュニケーション能力を測るのに不十分であるとの考え方に立つものと言えよう。
 なお、国際語となっている英語と、母国語については、同列に論じるべきではなく、それぞれを分けて考慮すべきとの意見もあった。
 たしかに看護師国家試験をインドネシア語、フィリピノ語などの母国語に翻訳することは直訳的なものであれば可能かもしれないが、これらの国とは医療の背景となる事情や文化が異なるために、的確に対応する語彙が必ずしも存在しない場合もあるなどの理由から、題意を十分に伝えることに関する困難さが想定されるところである。
 仮に翻訳による国家試験が可能であるとしても、それは日本語の試験と等価のものではなく、各国の母国語に翻訳した国家試験を実施することは、複数の国家試験を行うことにほかならないとの意見もあった。
 また、今後EPAに基づく看護師候補者の受入れの拡大があった場合にも国家試験で対応すべき母国語が増加することとなるが、翻訳の適切さの担保等が一層懸念される。
 さらに、現在、公的な機関によって実施されている日本語能力の試験としては、独立行政法人国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が行っている「日本語能力試験」などがある(いずれも「読む」、「聞く」について問うマークシート方式の試験)が、看護師免許付与の前提となるコミュニケーション能力試験として適当なものかについてまで議論を深めることができなかった。
 また、EPAに基づく看護師候補者に限って、母国語や英語による国家試験の受験を認めることは、日本語能力試験のN1の認定を受けたこと等の要件を満たし、看護師国家試験の受験資格が認められたEPA以外の外国の看護師学校養成所の卒業者が日本語による国家試験を受けなければならないことと比較して不公平なのではないかとの指摘もあった。
 4.母国語・英語での試験実施以外の改善方策について。本検討会の検討課題は「看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否」となっているが、母国語・英語での試験実施以外にも、EPAに基づく看護師候補者の受入れに関しては、なお改善を図ることができる事項も考えられることから、それらについても総合的に取り組んでいくべきであるとの意見が少なからず表明されたところである。
 これに対し、本検討会の検討課題として提示された事項以外については、報告書において取り上げるべきではないとの意見もあった。
 EPAに基づく看護師候補者の受入れの改善に関する意見のうち、主なものは以下のとおりである。
 現地の看護教育の実施状況については、かなり多様なものとなっているが、修学歴によって日本の看護師国家試験の合格率に差が見られる場合もあること等から、できるだけ優秀な看護師候補者を受け入れることができるような方策を講じていくべきである。
 このため、現地の看護教育の内容を向上させる取組みに対して、協力を行うことも考えられる。
 看護師候補者の日本語能力の向上については、受入れ施設での就労研修の効果を増大させ、看護師免許取得後の就労にも繋がるものであり、訪日前も含め、日本語研修の更なる充実を図るべきものと考えられる。
 また、看護師候補者と受入れ施設のマッチングに当たっては、看護師候補者の学業や日本語の習得状況に関する情報を、これまで以上に関係者に提供できるよう努めるべきである。
 また、EPAに基づく看護師候補者に対する学習支援においては、これまで外国人看護師候補者学習支援事業で実施した模擬試験の結果等を分析し、その結果に基づき苦手な分野に対応した教材等の開発を進めるべきである。
 我が国の医療専門職となるための国家試験については、母国語や英語で実施することはすべきでないが、既に行われているふりがな付記や英語での併記の実施範囲について、更なる検討を行う余地もあるのではないかとの意見もあった。
 また、二国間関係の強化を目的としたEPAに基づき入国した看護師候補者については、日本語の読解に時間がかかることから、看護師国家試験の試験時間の延長を認めるべきであるとの意見があった。
 これに対し、候補者に限って試験時間の延長を認めることは、他の医療関係職種の国家試験への影響などの理由から、認めるべきではないとの意見が少なからぬ委員から表明された。
 EPAに基づく看護師候補者に対しては、滞在期間延長者や帰国者を含め、インターネットを利用した学習支援や、模擬試験の実施などの学習支援に継続的に取り組み、再チャレンジを支援するとともに、読解力が不十分なことによるハンディキャップの実質的な低減に向けて工夫を重ねるべきである。
 5.終わりに。本検討会の検討課題は、「看護師国家試験における母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否」であったが、この課題に対する対処は、これから経済連携協定を結んで看護師候補者の受入れを行う国に対しても、整合的な取扱いが求められるとともに、他の医療関係職種の国家試験に関しても参照されることとなるものである。
 他方、経済連携協定は、二国間の経済連携強化の観点から行われるものであり、両国間の友好や協力の促進を意図して締結されたものであることから、これに基づく看護師候補者の受入れについても、こうした目的に寄与することができるよう政府全体で取り組んでいくことが求められている。
 その際、医療安全を確保することは最も重要な事柄であり、不十分な対応から思わぬ結果を招来し、経済連携協定の枠組みに対する信頼を損なうことがあってはならない。
 看護師資格はどのような条件を満たす場合に与えられるべきであるかは、看護師がどのような業務を実施する者であるかと密接不可分なものと考えられる。
 看護という業務が国民の生命・身体にも直接影響が及ぶものであることにかんがみ、EPAに基づく看護師候補者の受入れが直面する課題について、正確な理解が広く深まっていくことが期待される。

○玉川看護職員確保対策官 報告書(案)については、いま読み上げたとおりですが、前回の検討会に設置した論点整理(案)と異なるところを中心に、若干、補足の説明をしたいと思います。報告書の冒頭ですが、「1.はじめに」を付けて、本検討会が検討に至る経緯、それから本検討会におけるヒアリングの実施、意見募集の結果、在外公館を通じて諸外国の経緯を調査したこと等、検討の経過についても書いているところです。
 「2.看護師国家試験の担うべき役割等について」は、前回あまりご意見もなかったところなので、全く新しい事項は加わっておりません。ただ、コミュニケーションの具体的な場面で、医師との関係だけが取り上げられておりましたのを、他の医療関係者との関係についても言及をしているところです。
 「3.母国語・英語による国家試験の実施について」は、この検討会の報告書のまさに肝となる部分ですので、全体的により詳細な記述を心がけております。中でも5頁の第2パラグラフから第4パラグラフの辺りは最も重要な部分と考えられますので、ここの部分について、より積極的な論拠であるとか、あるいは表現としてよりわかりやすい表現といったものがあれば、この第4回のときにご指摘いただければと思います。また、国際語として受け止められている英語と、母国語については、位置付けが異なるのではないかということで、その辺りの違いについても簡単な記載を加えております。
 「4.母国語・英語での試験実施以外の改善方策について」ですが、ここの前の3.母国語・英語による国家試験の実施を含め、若干、委員の方々の中でもご意見が必ずしも一致していない部分があります。そういうところについては、そうした意見が分かれているような状況もある程度わかるような記述を試みております。前回の検討会のご意見を踏まえ、全体の記述をより詳細な丁寧なものとしているものです。
 最後に「5.終わりに」を設けて、いただいたご意見の中から、全体にかかわる事項を中心に、いくつか記載をしております。以上、ごく簡単にですが、論点整理(案)と異なる部分を中心に説明いたしました。

○中山座長 報告書(案)についての議論に入りたいと思います。皆様方には、短い時間ではありますが、事前に配信されていると思いますので、目を通していただいているのではないかと思います。先ほど言いましたように、ご意見・ご質問、あるいは文言の不適切なところ、加えたいところ、自由にご発言いただければと思います。各項目ごとに検討していきたいと思っています。検討していくうちにあちこちという形になって、そんなにきれいにはいかないと思いますが、1.2.3.4.5.という順序でいきますので、どうぞよろしくお願いいたします。「1.はじめに」で、何かご質問、あるいはご意見、疑問点などありますでしょうか。

○渡辺委員 1.の2頁の下、「また、本検討会では」とありますが、144人の意見が出ましたね。この記述が2頁にわたってずっと長くて、さらに3頁の7行か8行か、これはこれでいいのですが、その次の外国の例、これも詳細な資料が示されて非常に参考になったのですが、このことは「聴取した」だけで、何も内容が書いていないのです。両方とも重要な調査だと私は解釈したから、折角、外国のあれだけの調査をやって、その結果を全くここに触れないというのはちょっとおかしいかなと思いましたので、できればこれは中身をある程度入れてもらいたいと思います。以上です。

○中山座長 この中身は注ですかね。

○玉川看護職員確保対策官 3頁の注5と5頁の注8では書いてありますが、意見募集についてはちゃんと載せるようにというのは強いご指示がありましたので、本文に入れています。外国の調査は注の方に記載をしてあります。

○渡辺委員 何で差別した扱いを。

○藤川委員 国民にこういう世界の情報を示す事は大事です。グローバルスタンダードと言いながら、情報を閉鎖的にするというのはよくあることです。いま起きているTPPの問題も、やっと最近情報が少しわかるようになってきました。国際的な問題に関して、国民に対して情報をしっかり開示をするというのは大事なことですので、注に小さく書いてごまかすようなやり方は非常に。担当の事務方にお願いしたいのですが、きちんとした素晴らしいデータで、ここの委員でさえ知らなかった人が多いわけですから、国民はほとんど知らないと思いますので、きちんと本文の中に聴取した内容を書いてください。それは大事なことだと思います。

○中山座長 ご意見は、調査内容を聴取した、その結果ということで、調査した内容を、注ではなく、きちんと載せるということでご意見が出されたと、そういうことでよろしいでしょうか。

○加納委員 確かにそうなのですが、ただ一方で今回選ばれた国というのが限定されているのではないかなと。今や海外からどんどん受入れをしている国があるのにもかかわらず、そこは全く触わらないでいるところが懸念するところです。そういったところもあるのではないかということがあれば、そういったことも記載して載せるようにしていただきたいと思います。

○中山座長 その前の渡辺委員の言ったアンケートのほうも、そんなに大きな数ではないから、これを載せるのだったら、こっちも限局されているけれども載せたほうがいいのではないかというご意見と受け取ったのですが、それはそれでよろしいでしょうか。

○渡辺委員 バランス感覚もありますし、これだけ大きくというのは、一般的に見るとやや公平感を欠くというとちょっとオーバーですが、何かおかしいな、アンバランスだと思います。

○讃井委員 この意見募集の回答の書き方なのですが、3頁のいちばん上になりますが、回答者を属性別に見たものが出ております。何とかとする者が「最も多い」とか、「多い」とか、割合と抽象的な表現なので、実態はこれではあまりよくわからないのかという気がいたしますので、括弧で人数でも入れていただいたらいいのではないかと思います。○中山座長 大雑把な言い方で多いとかというのも。

○讃井委員 どの程度が多いのかと。50%で多いと言っているところもあるわけですが、はっきりわかるように数字で出してしまったほうがいいのではないかと思います。

○戸塚委員 この結果が話し合われた検討会のときに147名という数が多いのか少ないのかということも出ていたと思います。ある程度客観的にデータを出すということは必要だとは思いますが、パブリックコメントとして147名という数をどのように考えるかという辺りの意見も出ていました。そういうことも含めて記載できればと思います。報告書の最後のくだりで国民の理解を広く深めていくことが期待されると締め括っている辺りもあるわけですから、多少そういうところで刻門の理解がどうだったかということが読み取れるような形が必要ではないかと思います。


○中山座長 前回の意見からすると、もう少し多いかと思ったらそれほどでもなかったという感じでしたか。

○戸塚委員 そういう意見が出ていました。

○中山座長 その辺も含めて、位置づけといいますか、この限局された中で入れる、結果を載せるという方向だと思います。ほかにこの「1.はじめに」の部分で、何か気が付いた点はありますでしょうか。
 次に「2.看護師国家試験の担うべき役割等について」ということで、これはそれほど多くの頁を割いていないのですが、いかがでしょうか。

○渡辺委員 事前にいただいたのを読んで違和感を覚えたのは、タイトルは「看護師国家試験の担うべき役割等」になっていますね。それで、4頁以降、簡単に言うと、看護師の担うべき役割と試験の担うべき役割というのが、ごちゃごちゃ入ってしまっているのです。4頁の最後、つまり「第三に」という所は、やはりこれは看護師の役割かなと。だから、それをさらにまとめて、医療のことから看護師国家試験はこうこうこういう役割を担うべきだとまとめないと、ちょっと締めとしておかしいかなと。

○中山座長 このままでは、看護師の業務としてどういうことが求められているかということで終わっているので、タイトルにそぐわないということですね。

○林正委員 看護の業務ということは、ちょっと普通の人にはわからないのだろうと思います。例えば4頁の2つ目の「このようなコミュニケーション能力についてより具体的な必要性を考えると、第一に」とありますが、ここは現在、看護師の仕事というのは身体的な病気そのものだけではなくて、「患者から心身の状態に関する情報を的確に得るとともに、患者に必要な情報を分かりやすく伝達することができる」、そのような現代の意味を込めて、おそらくこの文章を書かれた人は書いたのだと思います。一般の人でしたら、例えば身体的な疾患だけで看護の業務が成り立つのだと思い込んでいる人が多いので、長たらしくなりますが、具体的にそのような文言を追加したほうがわかりやすい文章になるのではないかと考えます。

○中山座長 要するにもう少し看護師の業務というのが、一般の方にイメージができるような具体性を持った記述のほうがよいということですね。ほかに何かありますでしょうか。

○藤川委員 「第一に」の所は、看護師の療養の世話というところの表現だと思うのです。「第二に」の所に、「業務のうち診療の補助」と書いていますので、括弧書きとしていいのですが、療養上の世話というキーワードを出して、看護師の業務をもう少しわかりやすい表現にしたらいいのではないかと思います。

○中山座長 第一と第二で、重点の置き方を明確にして、第一は療養上の世話ということを中心に書き、第二は診療の補助ということが出ていますので、そちらを中心に書くという形で、看護がどんな仕事なのかということが明確になるような表現にするというご意見だったと思います。

○玉川看護職員確保対策官 確認させていただいてよろしいでしょうか。前段の方は、例えば「患者に必要な情報を分かりやすく伝達する」というのは、療養上の世話にかかる部分もあるとは思うのですが、診療の補助で実際行われている行為についても、お医者さんの方は的確な指示などを出して、チーム医療などで行われていると思うのです。それがどういう意味を持っているのかを患者さんにもわかるような言葉でお伝えするとか、そういうのは診療の補助にかかわるような情報が含まれていると思うのです。

○藤川委員 だから、2番目の所に、「コミュニケーション」というキーワードが出てきています。診療の補助の所でも出ていますし、療養の世話をするときにも必ずコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力は両方とも要りますよということを言っているわけです。
○玉川看護職員確保対策官 失礼いたしました。この「第一に」「第二に」「第三に」ですが、やっている業務の中身で分けているというよりは、第一は対患者コミュニケーション。患者さんとの間で、例えば患者がお話されているようなことから患者の状態に気付いたりして、それを医師に伝えるなどということで、患者さんとのコミュニケーションの中で求められる能力。第二は、ドクター、あるいは他の医療関係職種という、チーム医療のメンバー同士とのコミュニケーション。第三は、こうしたものを構造的に支えるものということだろうと思いますが、記録媒体との関係で読み書きとして残すという、ツール別といいますか、相手別といいますか、それで一応第一、第二、第三は分けた記述になっております。

○藤川委員 だから、療養の世話は看護師さんが患者さんにすることです。診療の補助には医師とコミュニケーションが要ります。療養の世話は、対象が患者さんですからには、玉川対策官が言ったように、第一は患者さんを対象にした療養の世話の説明でいいわけです。そこでコミュニケーションをきちんととれなくてはいけませんよということを言っているわけです。

○玉川看護職員確保対策官 言っていることは一緒です。

○中山座長 第一はそういう意味では患者とのコミュニケーションを中心に書いて、第二は医師を含めたチーム医療の人たちの問題で、第三は書くという記録の問題という形で、第一にもう少し患者さんとの間でどういうことが行われているのかということを加えたらいいということかと思います。それで、少しここのメリハリをつけて書いたらいいのではないかというご意見と思います。ほかにここのところはいかがでしょうか。
 あとで戻りますので、先に行っていいですか。「3.母国語・英語による国家試験の実施について」です。いかがでしょうか。5頁からになります。

○林正委員 5頁の上から2つ目の段落で大体のことが書いてあるのですが、3つ目に???と分けてあります。前頁ですべて記録を書くことの必要性を書いてあるのですが、これを読んだら普通の日本人でしたら日本語で記録を書くと考えるだろうと思いますが、「?医療記録を適切に作成したり、読み取ることができる能力が求められ」というのは、これは「日本語で書かれた」と、そういう文章を一言付け加えたほうがよりわかりやすいと思います。

○中山座長 「?医療記録」という所ですね。

○渡辺委員 5頁の林正委員のおっしゃったその次の段落ですが、文章的なことでちょっと。「これは、医療専門職として」云々とありますが、「これは」という意味は、上に書いてあるこうこうこうで「日本語による国家試験の実施が必須であるとの意見が多く示された」を受けて、「これは」ですね。その理由を書いているのですが、この6行が1つの文章なのです。全く切れがなくて、読みにくくてしょうがないです。言いたいことは、一般的なコミュニケーションだけでは不十分だと。だから、「専門的知識と切り離して一般的なコミュニケーション能力試験を併用することでは実際に備えるべきコミュニケーション能力を測るのに不十分であるとの考え方に立つものと言えよう」ということなのですが、果たしてそれだけかという気もするのです。これだと要するに、実際の医療現場でのコミュニケーション能力を測るのには不十分だから、だから日本語での国家試験が必要だという理屈になりますね。果たしてそうなのかという疑問もあるのです。それはちょっと。

○中山座長 もう少し説明していただいたほうがいいかと思います。

○渡辺委員 文章が長いし、わかりにくいし、説明ももう少しわかりやすく説明してほしいなという気がします。まさに肝の部分ですからね。

○中山座長 留学された方はわかると思いますが、生活していくうちに日常的なコミュニケーションはできるようになるのですが、専門的なディスカッションができるレベルと、日常生活での患者さんとのコミュニケーションに求められているレベルが違うということをここでは言いたいのだと思います。ですから、一般的なコミュニケーション能力ということでは十分通用するかもしれないが、それが専門的なディスカッションがきちんとできる、あるいは専門的なことでのやり取りができるということとは違うのではないかということの問題を言いたいのだと思います。それが、明確に伝わってこないということですね。

○渡辺委員 それが伝わってこないとともに、いま言った「これは」というのは前段を受けて言っているわけで、つまり前段は「日本語による国家試験の実施が必須であるとの意見が多く示された」という結論ですと、それで「これは」と受けているわけでしょう。いま座長がおっしゃったように、それは一般的なコミュニケーションと専門のは違うと。そういう考え方に立つものと医療ということになっているわけで、果たしてそうですかと私は疑問に思いますので、そういうことも併せて言っている。日本語の国家試験が必要だということは、いまお話にあった記録も必要だとか、こうこうこういう理由もあるわけでしょう。だから、これだけでいま座長がおっしゃったような文章にしたとしても、わかりやすくなるけれども、果たしてそれだけで「これは」という、受け皿として十分かということです。

○讃井委員 ここで論議しているコミュニケーション能力というのが、かなりいろいろな意味に使われて混乱しているところがあると思います。4頁で書かれているコミュニケーション能力というのは、看護師として必要なコミュニケーション能力ということだと思います。5頁で何箇所かにコミュニケーション能力というのが出てきていますが、それは必ずしも同じように扱っているわけではないですね。例えば、上から2番目のパラグラフは併用試験をするということですが、「業務に必要な日本語についてはコミュニケーション能力試験を課す」ということで、一般的なコミュニケーション能力でよしとするということではないわけですね。ところが、この流れの中では4パラグラフ目のところでは、併用するものは一般的なコミュニケーション能力試験と限定されているような気がしますので、そこは流れとしてはおかしいのではないでしょうか。6頁の4パラグラフ目は、一般的な日本語能力の試験として用いられているものが、「コミュニケーション能力試験として適当なものかについてまで議論を深めることができなかった」ということで、これは一般的なコミュニケーション能力を問うことで十分かという問題。その辺のロジックがずれているような気がします。


○玉川看護職員確保対策官 事務局から補足として説明をします。3.の中で出てきているところで、一般的に「能力試験」と付いていない「コミュニケーション」については、多くの場合、専門的な看護師が業務として求められているところでのコミュニケーションということで使われています。「コミュニケーション能力試験」とまで書いてありますと、この検討会の表題もそうですが、6頁にあるような「コミュニケーション能力試験」という外付けの試験を考えております。この中身については讃井委員もおっしゃったように議論が深まることがなかったということですが、私ども事務局で整理しているときに念頭に置いていたのは、「看護師業務のためのコミュニケーション能力試験」というのを新たに作るというよりは、既存の「コミュニケーション能力試験」として使われているものを併用する。専門的な知識と習ったところについては、看護師国家試験を翻訳して対処するので、それ以外のところは一般的な「コミュニケーション能力試験」を併用するという考えで課題は提案されているものと思っております。現にいま世の中にある「コミュニケーション能力試験」に、看護師用のコミュニケーション能力試験というのはいま存在はしておりません。したがって、そうしたものを創設すべきというのは1つのご提案かもしれませんが、逆に考えた場合には、いまの看護師国家試験とどう違ってくるのかというところも含めて、ご意見をいただければと思います。

○藤川委員 コミュニケーション能力はきちんとそちらのほうで担保して、看護の能力、看護的な医学的な知識、看護学的な知識は試験でと理解していいですか。日常の会話とか人との国家コミュニケーション日本語能力がきちんとできた上で、母国で認められた看護能力をもう一度日本の国家試験で再検討、チェックをして、国試をクリアすれば免許を与えるという理解でいいですか。

○玉川看護職員確保対策官 5頁の第2パラグラフで提案された中身は、そういうものだろうと理解をして、そのことが果たして適当なのか、適当でないのかということをご議論いただいてきたものと思っております。

○藤川委員 *8が外出しになっていますが、これは本文の中に入れないと意味がありません。都合が悪いものだけを外に出したような印象を受けます。きちんと議論してみんなが認めたことですから、しっかり本文の中に入れると、もっとわかりやすいと思います。

○讃井委員 いまの5頁の下から2番目で、「国際語となっている英語と、母国語については、同列に論じるべきではなく」というのは前回出たご意見だと思いますが、ここを掘り下げられなかったのは残念だなという気がしました。母国語を利用することについては、翻訳が十分にできるのかとか、複数作るのはどうなのか、今後出てくるベトナムとかほかの国の看護師候補者の受入れについて、何か問題が生じるのではないかというのが、反論として出てきておりますが、英語でということになると、そこの部分は必ずしも該当しないということにもなろうかと思います。また英語でということになりますと、いま脚注の部分が問題になりましたが、韓国を除いて米国、カナダというのは、もともと英語の国ですので、英語で試験を受けるのは、日本が抱えている問題、すなわち、特別な日本語という言葉を使っている点とは、また状況が違うのではないかと思います。

○中山座長 その前に確認ですが、最初に渡辺委員から出た、「母国語・英語」の・で英語になっているのは、フィリピンの人たちを考えて英語ということが出てきて、国際的に全部英語にするという話ではなかったのですね。

○玉川看護職員確保対策官 どういう意味かというのは、最終的には成果物だけなので、「母国語・英語」でというのは文言として定着してしまっていますが、いろいろと議論をしたときの経緯としては、国際的な言葉となっている英語をある程度念頭において先行した議論が行われていました。その中でインドネシア、フィリピンという出身国のことも考えると、英語だけで検討の範囲はいいのだろうか。インドネシアのことも考えると、母国語というのも検討の俎上に載せて検討することが適当なのではないかという形で、後から母国語も加わったと聞いております。ですから、ひょっとしたら検討の結果として、国際共通語としての英語でやれば十分ではないか、ということも考えられるかもしれませんし、インドネシアのことも考えると母国語も必要なのだという考え方もあるかもしれません。適否についてはうちの検討会の守備範囲ですが、そこに至る経緯では、送り出し国の事情を踏まえてという視点があって、後から母国語が加わりました。

○尾形委員 2点コメントがあります。1点目はいま讃井委員からお話のあった、たぶんこれは前回申し上げた点だと思いますが、もう少しこれを深めるということがあってもいいかとは思いますが、このあとの表現が非常に気を遣って書いてあって、看護師国家試験を母国語でやるのは難しいかもしれないと書いてあるけれども、英語でやるのはできないとは書いていないというところが、裏を読めば、そこは違う扱いをしているのかなという気がいたします。
 2点目は、先ほど渡辺委員からお話のあった5頁の4つ目のパラグラフです。内容ではなくて表現の問題ですが、これは私の母国語である日本語として非常に呑み込みにくい文章だと思います。そういう意味では渡辺委員がおっしゃったように、文章を分けたほうがいいと思うのが1つです。それから表現が呑み込みにくいのは、1行目「医療専門職として患者に対する看護サービスを担うのであれば」は、私の、もう少し易しい日本語だと「医療専門職として患者に対する看護サービスを提供する場合」、という話ではないかなという気がします。
 3行目の「コミュニケーションする」というのが違和感がありますので、もう少し直されたほうがいいかなと思います。最後の「と言えよう」というのは非常に奇異な感じがします。ほかは全部検討会の意見なのですが、ここだけ推測が入っているので、ここも平仄を少し合わせたほうがいいのかなと。いずれにしても、1つの文章に全部を入れようというのは難しいので、切られたほうがいいのではないかと思います。以上です。

○戸塚委員 いま文章の言葉のことが出ていましたし、全体的に見て先ほどもご意見が出ていたように1つの文章がながいものが多いです。5頁の4パラグラフの指摘がありましたが、その上の行も、4行目の「3つの能力を求められる」あたりで一遍切って、それから次の文章に入るということではないかと思います。全体的に1つの文章を短くして移っていくような書き方にしたほうが、理解しやすいと思います。
○中山座長 わかりやすい日本語にするということですね。それは事務局のほうとも努力して、考えたいと思います。ほかに内容的なことでありますか。

○小川委員 概ねこのトーンでいいと思いますけれども、国際語となっている英語と母国語については5頁の下から3行目ですが、「同列に論じるべきではなく、それぞれを分けて考慮すべきとの意見もあった」ということです。ただ、この文章を読むと、母国語について、それなりにきちんと、非現実的であると。母国語での試験というのは難しいということが書いてありますし、また諸外国の例なども参考にしながら、母国語・英語、ごっちゃには議論されていますが、英語での試験というのも問題があって、やはりきちんと日本語の試験でやるべきだということでの議論はされているのだと思います。そこは、ごっちゃになりながら議論はしていても、実際には母国語についてはこうですと。日本語以外の言語についても、一定の議論はされているのかなと思っていて、そこがごっちゃになって議論はしながらも、一応結果的には整理されるのではないのかなと思っています。ここの表現は、きちんと議論されていないということでもないのかなと思うのですが、ほかの先生方のご意見も聞きたいと思います。

○讃井委員 もう1つコミュニケーション能力について気になったことがあります。看護師に必要なコミュニケーション能力は、4頁にいろいろ書いてありますが、読む、書く、聞く、話すがすべて本来は必要と書かれているわけです。現在の日本語による国家試験というのは、それを測ることができているのかという疑問です。受けている日本人に対しては、当然こういうことは全部できるだろうという前提の下でやっていると思いますが、国家試験そのものは4つの能力を問うことにはなっていないのではないかということです。その辺のところは、特にここでは議論しなかったのですよね。

○藤川委員 それが顕著に出ているのが、先ほどの事務局の文章能力ですね。国家公務員の能力をチェックするのに、そこまで国語能力を見ていない。そういう表現能力、1つの文脈を、文章をきちんと切らないと、相手に意味を伝えられないということです。最近の若者は本も読まなくなりインターネットを使ったりすることによって字を書かなくなってきています。現実にはどのジャンルでも国語能力が低下しています。日本の教育の問題があります。コミュニケーション能力試験というのは、意外と国民も知らない。だから、6頁の脚注の9と10に書いてありますが、この文言は中に入れていいのではないか。特に10は、コミュニケーション能力がきちんとあるN1の認定を持っている外国人は8割が合格しているということが現実にあるわけです。このデータベースはまだ国民も医療関係者も知りません。きちんと本文の中に載せるべきと考えます。コミュニケーション能力が大事ということです。一生懸命、日本の中でコミュニケーション能力を養って看護師国家試験を合格している外国人がいることを教えてあげなければいけない。

○中山座長 藤川委員のご意見も、とにかく脚注ではなくて、データは全部中に入れたほうがいいと受け取ってよろしいでしょうか。

○加納委員 コミュニケーション能力の件ですが、確かに現場で、いまの若い看護師、国家試験を合格された日本人の看護師ですが、果たして、おっしゃっているような内容の能力をもって合格したのかどうか、疑問に思うような方が増えてきていると思っています。前も議論したかと思いますが、逆に人間的な面では今度来られているインドネシアの子たちのほうが、さらに優れているかなと。それもコミュニケーション能力かなと思いますので、何か肩を張って書いてありますが、実態とは違うのではないかと感じます。国家試験そのものに対しては、現場からの感触です。あまりがちがちに書く必要もないのではないかなと思ったりしています。

○中山座長 特に9のところですね。「コミュニケーション能力試験」とはというのは、そんなには要らないのではないかと。
 ほかにありますか。○戸塚委員 いまの脚注の話で思ったのですが、言葉の説明を補足するのは脚注でいいと思いますが、内容に関わるものは全部中に入れる。そういう整理の仕方をしていただけると、もっと文章の中身が変わるのではないかなと思います。

○中山座長 戸塚委員のおっしゃるのは、調査結果とかデータについては脚注ではなく、文章の中に入れるということですね。

○戸塚委員 はい。それから、国家試験の外国の方の合格率はとても大事なことだと思うし、そういうものは脚注でなく中へ入れておいたほうがいいと思います。

○熊谷委員 私は、コミュニケーションという言葉をどう使ったらいいのか、いまはごっちゃになっていて、私も確かに国家試験の中で、意思疎通の理解のコミュニケーション能力はどうかということではなくて、この文書の中で何回か看護師国家試験の担う役割という整理の中で、例えば4頁の上は「看護師として就業できる能力」。この能力という中に、そのあとに「コミュニケーションを適切に」と書かれてしまうのですが、これは2つのことがごっちゃに書かれているような気がしていて、看護師の国家試験は就業ができる能力で、そこで言う能力というのは、まず「必要な知識及び技能について」書いてある部分と、5頁にある「看護師国家試験は、就業を前提とした試験で」と。ここと、「患者・家族及び医療関係者と適切なコミュニケーションを行うことができる能力」と。ここがちょうど2つに分かれて書かれていますが、いずれにしてもコミュニケーションということが含まれる中身が、あまりにも国家試験との関係の中で大きくなりすぎているのではないかなと。はっきりとしたほうがいいのかどうか、難しいかな。

○藤川委員 日本語を喋れる日本人の若者が、いまコミュニケーション能力が取りにくくなって、全業種で問題になっている。医療だけではない、すべての分野で交渉能力や相手を説得する能力、カンファランスで自分の気持を表現する時もコミュニケーション能力が求められています。日本語でのカンファランスや交渉するときのベースの日本語さえも語れなかったら、コミュニケーション能力は一段下がってくるわけです。最低限、まず日本語の能力は付けることが必要です。看護師であれ何であれ、コミュニケーション能力が要ります。日本語であってもなかなか難しい時があります。
 また、勇気も要ります。日本人は非常に恥ずかしがり屋ですから、人の前でうまく喋れないということがあります。それ以上に相手の気持を慮るとか、患者や家族の気持を洞察することもコミュニケーション能力の1つです。だから、コミュニケーション能力というのは、ただ言語を喋るだけではなく、もう1つ上のランクのコミュニケーション能力を求められています。

○熊谷委員 藤川先生がおっしゃってくださったことで少し整理ができたのですが、私たち日本人は日本語を喋れてしまうので、そこは前提としてあるわけです。そうなると、国家試験を通して問われる日本語能力というのは、そこに書かれていることが理解できて、看護師として判断ができるかということだと思います。このレベルと、就業ということになった場合は、藤川先生がおっしゃるように、日本人とコミュニケーションをしていける能力ということで、やはり2つのコミュニケーション能力というものがあるのかなと思ったのですが。

○中山座長 確かに国家試験では、そういう意味では言語的なコミュニケーション能力というのは測れないわけです。紙で提出するわけですから。状況を読んで判断するという能力は相当力を入れてやってきています。状況を読んで判断するところに、日本語能力が単に日常的に使える日本語能力ではなくて、専門性を持った日本語の能力が必要だということですよね。そのことを測っているのですが、そのことがコミュニケーション能力という形で論じられることに、違和感があるという問題だと思います。加納委員もずっと発言してきているように、本当に人柄もいいし、日常的には何ら困らない。日本人のコミュニケーションが通わない若者に比べれば、もっとコミュニケーション、気持が通うとずっとおっしゃっていますが、このことと、専門性を持って状況を読んで判断する能力とは違っている。国家試験ではそこを問うているのですがどうも、母国語とか英語でやればいいのか、日本語でやらなければ駄目なのかということの議論になって、そこが明確には分かれていないで、なかなか読み取れないのではないかという懸念かなと思っています。

○熊谷委員 いまの座長の発言で、すごく整理がされたような気がします。

○渡辺委員 関連していいですか。まさにそのとおりで、私自身がまだよくわからないので、しかしこの論調は、日本語のコミュニケーション能力だけやれば、別に試験は英語でもいいのではないかといった意見も。

○中山座長 出ています。

○渡辺委員 特に5頁の中ほどの書きぶりというのは、日本語の国家試験をやることで日本語のコミュニケーション能力が測れるよという書きぶりですよね。5頁の真ん中の段落の「コミュニケーション能力が必須となるが、こうした能力は」、つまりコミュニケーション能力の「看護に関する専門的知識や技能を測る試験の中でこそ確かめることができるのであって、日本語による国家試験の実施が必須である」と言っているということは、日本語の国家試験をやることによって、看護の現場での日本語のコミュニケーション能力が測れるよということを言っているわけです。この文章では、そう取れます。それは違うわけです、たぶん。

○中山座長 少しニュアンスが違います。

○渡辺委員 私たちが言いたいこととは。だから、日本語の国家試験が大事だというのは記録の問題とか何かそういう。それとコミュニケーション能力も必要だよという人もいるわけです。その辺のいろいろな考え方が整理されていないものだから、いま言っていたような混乱が起きるのではないかなと思います。

○中山座長 そこを整理しないと駄目で、発言をそのまま持ってきていただいていますので、それで少し整理していただく。

○奥島委員 遅れて来たので、前半のほうの議論を聞かないで申し上げると、もしかすると違うことを言っているのかもしれません。ご参考までに英語圏の看護師国家試験の選抜ですが、英語圏で看護師国家試験をやる場合はTOEFLともう1つありますが、それを課していて、そこでヒアリングの能力がものすごく高いレベルに設定されています。そのレベルに達していない看護師は、看護師試験を受けられないことになっている。ですから、看護師国家試験で全部ジャッジするわけではなくて、まず日本で言うところの日本語能力試験でかなり高いレベルの能力で突破してきた人たちが、看護師国家試験を受ける形になっている。
 もう1つ性格の問題をおっしゃられていて、それもとても大事な問題だと思いますが、例えば中東では保健省から、スカウトマンとかイギリスの場合はナショナルボードみたいなものがあって、そこからスカウトマンが派遣されてきて面接して能力を見るので、人柄とか老人病床に必要な明るさ、朗らかさというのも含めて、そういう人たちが選抜しています。ですから、すべてを1つのコミュニケーション能力というのに詰め込もうとすると、いまみたいな混乱が起きるのかなと思っています。

○中山座長 いま奥島委員が言ってくれた問題、6頁の4の上の、日本語能力試験に受かっている人の合格率はいいということが出ていますが、それだったら私たちは何もなかったのです。日本語能力試験を受けないでEPAの人たちが入ってくることの問題があり、いつもそこで引っかかって戻ってきてしまって、それが一般的なコミュニケーション能力の問題と、看護師としての必要な専門的な知識を持ったコミュニケーション能力の問題とがごちゃ混ぜになって、議論になる原因と思います。

○玉川看護職員確保対策官 評判の悪い脚注ですが、9にあるように「コミュニケーション能力試験」とは何か、これは法令の定義とか定まった定義というのはありません。いろいろな辞典というか、そういうものを足して合わせた最大公約数的なものでしかないのですが、確かにコミュニケーションのできる能力ということで出ているものです。
実際に、どこまでこれに含まれることが必要かということですが、2頁にあるようなヒアリングの際に団体の方から、読む、書く、聞く、話すの4つのポイントが必要だというお話がありました。奥島先生が言われたようにIELTSという試験だと思いますが、Listening、Reading、Writing、Speakingの4つを挙げています。他方、我が国の場合、日本語能力の試験の中で、伺っているものとしては、本文にあるような読む、聞く中心のようなものがある状態に留まっております。その中で、どこまで必要なのかということはあると思います。
実際の看護師の国家試験で、これをどこまで見ているのかというのは、私は専門職ではないので確かななことは申せません。ですが、例えば第1回の検討会の資料の中で出しました第100回の国家試験の問題から抜粋しますと、「気管支拡張薬の点滴静脈注射でAくんの症状は改善した。Aくんは医師や看護師の質問には素直に答えているが、心配する母親には『病院に来るほどじゃないんだよ。入院はしないからな』と反抗的な態度をとっている」。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
これは先ほどの脚注でいいますと、「文法的能力のみならず、特定の文脈においてメッセージの伝達や解釈、意味を確認しながらやり取りを行うことができる」かということを個別の状況設定の中で読み取る。そこのところで、専門職としてそれがどういうステータスにあるのかというのを見ているのですが、それが翻訳の中で果たしてどこまで保たれるのか、失われるのかが問題になるのだろうと思います。そういう意味では、文章の理解のところでふらついてしまう。その前に「フラフラする」とか何とかなどについて、医学的な用語もあるのですが、それとは別に先ほど言った対患者とのコミュニケーションのところもあって、そこのところは状況設定の中で出ている問題をどこまで読み取って、判断を次につなげていくのかが出題されているのかなと、いろいろな資料の中で感じた次第です。

○戸塚委員 そういうことですから、2のパラグラフの最後に看護師の業務と国家試験について、報告書のタイトルにふさわしい締めを書かなければいけないということが出てきます。そこでコミュニケーションのことは、聞くとか話すということはペーパーのテストですが、看護師の国家試験は事例を読み取って判断し、それに看護の専門知識によって答えを書いていくという問題が非常に大きい割合を占めてきている。そのあたりで、国家試験を日本語でやることに大きな意味があるのではないかなと思います。必ず専門的な判断が付いてくる、そして、それを答えとして書いていく、そこに国家試験を日本語でやる大きな意味があるというところをきちんと最後に書いておくことで、クリアになっていくのではないのかなと思います。ただコミュニケーション能力という書き方だけだと、また曖昧になってしまいますので、いま申し上げたようなことで文章を書いていただければ、少しはわかってくるのではないかと思います。
○中山座長 5頁の上の2番目の、「この点に関しては」というパラグラフと、3番目の「これに対して」という2つの意見を併記しているところが、今回の報告書(案)のメインになって、その下に渡辺委員に指摘された「これは」という長い一文が、少し変ではないかと。そこのところで、どちらかというと一般的なコミュニケーションの問題ではなくて、いま言われたような状況を読んで判断する能力を国家試験で問うという形にしたほうが、すっきりするということですね。

○戸塚委員 そうですね。

○中山座長 いまお聞きして、ここのところをそんな中途半端な言い方ではなくて、きちんと、どういうことで国家試験が通るのかということを書けばいくのかなという感じがしてきたのですが。

○戸塚委員 おっしゃるとおりですね、2のパラグラフの最後に文章を入れるという話が出ていましたので、そこへと思いましたが、考えてみると確かに座長がおっしゃるようにしたほうが分かりやすいかもしれません。

○熊谷委員 戸塚委員がおっしゃってくださったことはまさにそうだと思っていて、国家試験はいま二部構成で、出題方式は、知識を問うのと、もう1つは状況設定問題。それが何のためになるかというと、状況があって、それを看護職として専門職として判断をして回答をしていく構成になっているので、いちばん上の3番の実施についての看護師国家試験は、就労を前提とした試験であることで、看護師として必要な知識、専門職としての状況判断能力が問われている。それと就業するのであれば、患者と家族と医療従事者とチームの仲間とコミュニケートをしていく力の両方が必要になるのだと。国家試験で問うものと、就業で問われることが2つ合わさるように書いたのが、そういう。

○木村委員 とても真摯な議論をされていて大変いいことだと思いますが、業務がこういう業務なので、サービス的なこともあるし、少し難しいことがたくさんあると思いますが、私は経済学で、全然、どちらかというと何をやっても人が死なないような現場におりますのであれですが、日本語なり英語というのと専門知識は全然違うものなので、日本語能力試験でも1級とかいうと日本語はものすごくうまいので、日本語の問題はないと思うのです。けれども、専門のことは知らないかもしれません。だから英語でも同じで、TOEICで900点を取っている者は英語は問題ないです。経済学のことは何もわからないかもしれない。1つの問題というのは言葉の問題と、もう1つは専門的な話で、これは専門知識だけではなくてサービスの部分もありますが、そこのところが、日本語でやられているという現場で、それがどのぐらい英語にそもそも置き換わり得るのか。そこが英語でやることが可能か不可能かの1つの境目だなという気がします。経済学は、全然国境がなくなってしまって、むしろ私の教育の現場はほとんど英語化していて、日本語のレクチャーはやめて全部英語化してしまっているので、逆のことをやるわけですが、専門とかはどのぐらい英語、日本語で1対1対応できるか。やはり日本語でなければ駄目なのか、そこは言語と専門ということで。

○中山座長 これは先ほどの議論の話になってきていますが、逆に言うとカルテ、資料とかを全部開示しなければいけないので、専門家だけでわかるというのではなくて、それを患者・家族にきちんとわかるような言葉で書かなければいけないことになる。先ほど言ったように英語では、それで書かれたものを日本人に渡されても困るのではないかということの議論はいままでもあって、そういう意味でも、きちんとした日本語ができることが求められているのではないかという議論をしてきたと思います。先生がおっしゃったように、全部グローバル化できない非常に難しい問題がいろいろあると。

○木村委員 それがサービスの質、採用の問題に関わっていて、ただ医療現場はいつまで経っても国際化しないのだなと、いつになったらそういうのが入ってくるのかなと、素人としては疑問に思います。

○藤川委員 例えば海外へ出て行って、サービスする相手のユーザーが英語圏では英語だろうし、イスラム圏ではイスラム語、中国であれば中国語でやる。これは、すべての企業が外国に出ていくときには原則です。英語だけで行ってもイスラム圏では通用しませんから、全く排除されます。自分たちが商売をするにしても、学術的なもので行こうが医学的なもので行こうが同じ事です。対象の人間の言語が日本語であれば、もちろん日本語でないと通用しないわけですから、原則論として日本語のコミュニケーション能力が必要です。医療関係者だけで使うときも、もちろん日本語で日本語の記録で残さなくてはいけません。相手の患者や家族も日本人がほとんどです。特殊なところで、外国人しか来ないということであれば、英語であれイスラムであれチャイニーズであれ、サービスする以上は準備しておかなければいけない。英語だけでも駄目です。それはそれで相手がありますから、相手によってそれを変えればいいだけの話で、現実的には日本人が日本に住んでいるわけですから、日本語でコミュニケーションするのが普通だと考えます。どこの国に行っても同じです。

○遠藤代理 代理ですが、少し患者目線でお話させていただければと思いますが、コミュニケーション能力についてここまで論点があるというのは、他職種と比べて看護師さんの仕事が生命などに大きく関わっているからだろうと思っています。したがって、先ほどから出ていますとおり、本当の患者目線でいうとベースは日本語になると思っていますし、そのためには、日本語の国家試験を通らなければいけないと思っています。

○中山座長 ここのところまでで、先ほどの両方を書いて、そういう意味では日本語の国家試験能力優先みたいな形になるかと思います。その次に入ろうと思いますが、皆さんの中で大きかったのは、日常的な日本語の問題をクリアしてきてから来てくれればいいのですが、そこの問題が十分でないまま、なおかつ看護師としての問題があって、受け入れた施設の方々が努力しても、なかなか追い付いていかないということだったかと思います。この検討会でも相当な時間を割いてきたその他ですね、本来ということ以外にも、4の「母国語・英語での試験実施以外の改善方策について」、これを付けないことにはどうもこの検討会は収まりが付かないのですが、このところではいかがでしょうか。


○中山座長 少し4番の議論をして、それから全体にいきたいと思います。時間的な配分も考えて、4に行き着いてから全体を通してに戻りたいと思います。
○渡辺委員 8頁の上から2つ目の段落にあったと思いますが、要するに、「看護師国家試験の試験時間の延長を認めるべきであるとの意見があった」とあり、これに対して「延長を認めることは、他の医療関係職種の国家試験への影響などの理由から認めるべきではないとの意見が少なからぬ委員から表明された」と。これは主に私が言ったのですけれども、私は時間延長に関して言ったのではなくて全体を言っているので、そのようになると非常にまずくというか、違った趣旨になってしまうので、むしろ、それこそ3の最後に入れていただきたいなと、個人的な気持では。3の最後のほうで、全体に係る話ですから。ついでに言うと、「他の医療関係職種」云々についての部分は結構です。少なくとも、初めのほうは時間延長の問題ではないです。

○加納委員 時間延長の問題ですが、決して少ない意見ではなかったと思います。少なくとも3名以上の方がおっしゃった意見ですから、それなら上にも少なくならないように書いていただきたい。
 もう1点が、きれいに抜けてしまっていますが、こちらの手元の委員の主な意見のところには書いてありますが、准看護師の問題です。「准看護師資格を取らせた上で就労しながら一定の年限、看護師国家試験を目指すという方策も検討すべきではないか」というのも少なからぬ委員の意見であったのではないかなと思いますので、これもどこかで書き足すことはできないのでしょうか。この准看護師問題と今回絡むことがあることを敢えて外してあるのかなと思ったのですが、そこはどうでしょうか。

○中山座長 ここは少なからず賛成と、少なからず反対と両方があると思いますが。

○藤川委員 両方あっていいのではないですか。

○中山座長 両方を入れるか外すかという。

○小川委員 私は、母国語と英語の試験と、コミュニケーション能力試験の併用についての検討であるということで、検討会の委員をお受けしました。この検討課題以外の准看護師の問題とか、試験時間の延長について議論する場ではないということでスタートしたわけですね。これは、あたかもそうした問題も議論をして、両論でもいいからまとめるということについては、私は責任を持ちかねます。というのも、これは看護師だけの問題ではなくて、他の医療関係職種、福祉の関係職種に、場合によっては参照されるような問題でもありますし、また国家試験自体は国家試験そのものを審議する場もあろうかと思います。日本の医療制度や、そうした制度自体がこういったEPAの問題に左右されて、影響を及ぼすのもおかしな話なわけです。N1を受けた方が8割も合格している現状があるわけですので、そもそもはそういう制度にEPAのスキームを見直していくような方向にしていかないと、あるべきこれからの医療制度を歪めることになるというのが私の意見です。同じ国家試験を受けるというのは、当事者の皆さん方に非常に意義があるのだと思います。お客様扱いされて特別な存在として働き続けるのではなくて、日本人と同じ試験を受けることがご本人たちの専門職としての誇りにもつながっていくものだと考えます。そうした意味では、同じ国家試験を受けていくといったことをきちんと考えてあげていくことが大事だと思います。
 インドネシアやフィリピンの看護師協会と私どもが意見交換をする機会がありますし、またASEAN諸国の看護協会などとも意見交換をしていますが、皆さん方は自国での国家試験というものは大事にしています。また、自国の言語というものは非常に大事に考えています。ASEANの相互承認についても、看護の質の担保という意味からは慎重に考えていらっしゃるようです。そうした自国の経験や国際的な看護協会の仲間の皆さんの意見も含めて、日本だけが外国人を特別扱いするというのは、少しグローバル社会の中ではおかしいのではないかと思います。


○林正委員 制度を知らない委員もおられると思いますので、念のために確認しますが、看護師は国家試験です。准看護師は都道府県単位です。ですから、全く制度は異なるわけです。

○加納委員 医療現場を経営している面から、そういうことはわかっています。わかっていますが、そういうステップもあってもいいのではないかなという意見がこの委員会で出ていたと思います。それは失礼な話かなと思います。

○林正委員 看護師の国家試験について検討する会ですから、准看護師の制度についてこの場で検討する必要はないと思います。

○藤川委員 この検討会を立ち上げた最大の理由は、国家試験の合格率がなかなか上がらない。そして、わざわざ日本に来た外国人を返すのが忍びないという日本人としての情から起こって、どういうふうに改善したらいいかということを検討してきたわけですね。4は、母国語・英語での試験以外に何か改善策はないか。救う方法は何かないかと。将来的には、もちろん国家試験を受けていただくのだけれども、何か知恵を出してもらえないかということで、この検討会で准看護師試験を受験させてはどうかという意見が出たわけです。母国で勉強はしてきたけれども、まだまだ足りないというときに、日本に来ている以上、そこで仕事をしながら日本語を勉強できるようにしてフィリピンやインドネシアの看護師たちをなんとか救おうという意味で、代替案として提案しているのです。看護職員として40万人の准看護師が毅然として働いているわけですから、その人たちを無視するような表現をせずに、その中で準備段階として准看護師として、同じ職場で日本語と看護学を学ばせるのは全然悪いことではないと思います。その議論があったということを報告書に載せないというのは、とんでもないことだと思います。議論を封じたら駄目です。

○戸塚委員 この話が出たときは藤川委員がおっしゃるように、いまは進学コースの通信教育などもありますから、准看護師が看護師の国家試験を受けるための資格を付与される、トレーニングを受けた上で国家試験を受けるという中の話だったと私は理解しています。ただEPAで来た方たちも仮に准看護師の検定試験を受けて、受かっても、当然国家試験を受けるための准看護師資格取得後のトレーニングの問題が出てきますので、そこをまた話し合っていかないと、いま准看護師をしていらっしゃる方との不公平感が起きてくるのではないかと思いました。

○藤川委員 それは重々わかっています。もしそういうことをやろうと思えば、いま言われたような制度の問題や法律の問題などを、システムとしてある程度緩和しなくてはいけない問題が出てきますよね。ここでは結論は出ませんよ。どうする、こうするという枝葉のところまではいかないけれども、そういう選択肢で救うことができないかということを提案された、議論したという内容は、ここに載せてもいいのではないですか。

○戸塚委員 私も議論を封じるということではなくて、載せるけれども載せる内容としては、そのステップも書いた上で載せることが必要ではないかと思ったので発言しました。

○玉川看護職員確保対策官 事務局から補足の説明をさせていただきます。こうした形で報告書(案)を課題によって議事録と違った扱いをしているのは、いまフィリピンとインドネシアとの経済連携協定の中で位置付けられているのは、看護師の国家試験に合格することを目的として、就労・研修をするというスキームで受け入れているということです。これは二国間の合意でそういう仕組みが出来上がっています。もちろん今後、そういう仕組みについてどういう形で新たなことを考えるべきかというときには、別の検討のステージがあるとは思いますが、いまのスキームの中でどういう改善が考えられるかということで、この検討会をお願いしています。このため、そういう観点から協定そのもののスキームについて、こういうことをすべきだという中長期的なご提言については、ある段階からちょっと落とした形になっております。

○奥島委員 私もその話に触れましたので責任を感じています。准看護師の話を出したのは、准看制度をいじるほうが国家試験をいじるよりもずっと簡単だということで、私は申し上げています。准看制度についての是非というのはもちろんあって、いろいろ長い議論になると思いますが、国家試験制度以外の制度をもうちょっと検討するというやり方もあるというように捉えていただければと思います。

○中山座長 遠藤さん、何か発言がありましたらどうぞ。

○遠藤代理 これまでも准看護師の議論があったことはあったのですが、私が事務局に聞きたかったのは、准看護師の議論は報告書(案)を検討する際に、必要な議論なのかということを確認したかったのです。
○熊谷委員 いまの准看のことについて私は、なかなか受からないことが問題になって、成長戦略の工程表の見直しという中で出てきた検討会だと思うのです。受からないから取る資格を変えてしまおうというのは、ちょっと違うかなと私は思っています。
 もう1つは、ずっと検討してきたテーマは、国家試験を通るためにどうするかということです。なぜ落ちてしまうかということを少し議論したときに、日本語の理解がうまくないから落ちてしまうと。准看試験というのは日本語で書かれているわけですよね。なぜ落ちるかという理屈と、やる方策が全くずれていると私は認識しています。それよりか、私はこの間も申し上げたように、やはり語学をどうやってサポートするかということを真剣に考える必要があるのではないかと思います。

○山崎委員 先ほどからずっといろいろなご意見を聞いていたのですけれども、ここでずっと4回にわたって議論してきたいろいろな問題点というのは、本当はもう導入する最初から分かっていた話なのです。こんなことはずっと分かっていて、そういう事象を想定内として考えていなくて、あたかも想定外みたいなことを言って現場を混乱させて、外国から来た人にもすごくつらい思いをさせて、寂しい思いをさせたということは、まず国や行政はもっと反省するべきだと思うのです。そうやっておいてこういう検討会で裁くと言っては変ですけれども、お前らこうせい、ああせいという物事の持っていき方というのは、非常に変だと思っています。
 それと、准看の問題はコミュニケーションが足りなくて落ちると言っているのだから、差し当たり准看を通るならば通らせて、それで高看の学校に行って、そこで一生懸命コミュニケーションスキルを付けて勉強して、普通の高看の試験を通ればいいと思うのですが、そこのところはビザの問題とか、本来のEPAの問題の解決もあると思うのです。だから必ずしもそういうことが全部いけないということではないとは思うのです。

○藤川委員 熊谷委員の意見に抜けているのは、日本語の能力が足りないだけではないのではないかというところが1つあるのです。看護能力も日本の看護のレベルと、インドネシア、フィリピンの看護のレベルに差があるのではないか。特に受験生の能力に差があるのではないか。優秀な看護師はフィリピンの場合、アメリカやイギリスに行っています。その次のレベルの人が来たら、日本語が話せないということだけではなくて、看護能力も落ちているのではないかと思います。准看護師試験で1回検査する必要があるのではないかと。もしかしたら日本語はある程度のコミュニケーション能力があったけれども、現実に日本の看護師の国家試験は通らなかったという人もいるかもしれない。そういう人たちを救えるのではないかということです。

○中山座長 皆さんの意見を聞きながら、座長としてどういうようにするのがいちばんいいのかなと思ったのです。受け入れてくれている施設の努力にはすごいものがある。これは皆さんが今日出された資料から見てもそうです。すごい努力をして受け入れてくれている。このことに対して国としてどういう政策ができるかということを、もっともっと考えるべきです。これも日本に来たフィリピン・インドネシアの看護師個人の努力の問題にするわけにもいかないし、受け入れた施設の問題でもない。国としてどういう政策ができるかということを全面的に考えなければいけない。その辺の方策については全部入れたいと思います。
 准看護師については、就労するほうが、少し滞在期間が伸びるのではないか、あるいは国家試験の時間を延長すれば、そのことで少しは救えるのではないかとか、さまざまな方策があります。もし出すとしても現実的な問題としては、そういうさまざまな意見の中で、EPAで来た看護師たちの努力がもう少し報われるような方策を、もっともっとさまざまな角度から考えたほうがいいというぐらいにとどめたいと思うのです。それでいかがでしょうか。
 このことについてどういう意見があったということをたくさん書くのではなくて、併記をして、厚生労働省としてもこの人たちが本当にやる気を持って、国際的な専門性の高い看護師として日本で働けるためには、どういう方策があるかということを多角的に考えていくべきではないかということで、私は国にボールを投げるような形で問題を返したいと思っていますが、その辺でいかがでしょうか。これを全部1つ1つ書いていくと、各団体でさまざまな意見があるので、道は見えないと思うのです。
 ただ、現実的に救う方策としては、こういうこともあるのではないかというさまざまな意見が出された中に、准看護師として働くという手立てもあるのではないか、国家試験の延長の問題もあるのではないか、こういう方策もあるのではないかと。実際にこのことに携わっている人たちの問題が切実だということを、こういった形で表現できればいいかなと思っています。やはり切実さが伝わらないことに、受け入れている側の皆さんがジレンマを感じているのではないかと思います。その辺のところをきちんと書ければ、山崎委員が先ほど言われた、最初のスキームから違うのではないかという問題も、少し解決できるのではないかと思うのです。そのような形で書かせていただければと思います。

○山崎委員 あと、厚労省が検討している外国人看護師というのは、どういう職場で働いてもらうことを想定して入れているのか。救急救命の現場なのか、普通の一般病床の現場なのか、あるいは療養病床なのか。看護師によって全部働く所が違いますよね。救急救命だったら、看護協会が言っている特定外国人看護師をつくればいいのです。認定外国人看護師制度にやればいいわけです。我々側の考えていることは、ことに精神科はそうですけれども、いまは長期療養の所に准看護師が多く配置されています。そこの看護師さんはもう本当に高齢化してしまって、その次にそこの所で働いてくれる人たちがいないという切実な事情があるわけです。そういうことを考えると、ここがどういう看護師たちを外国から入れたいのか。この看護師たちは救急救命でやりたいのですか。看護師で括ってあると、その辺の焦点がすごくぼけてしまっているのです。

○中山座長 事務局から答えていただきたいと思います。一応1頁はEPAのことで、「看護分野の労働不足に対応するためのものではなく」となっていますので、労働力の問題でないということは明確になっていると思いますが、今のことについて補足してください。

○玉川看護職員確保対策官 想定自体については先ほども言いましたように、日本国政府の立場としては、労働力不足という立場ではないということになっておりますが、実際に受け入れるに当たっては、場所限定の免許ではありません。看護師としての免許を与えて、日本の中での就労を認めるということなので、働くその現場だけではなくて、病院が移っても使える免許証というものを取っていただかなければならない。そのためには、エキスパートになるところは当然必要ですが、新人が就業するときに、必要な知識・技能を得た形で国家試験をパスしていただきます。その上で医療現場に応じてステップアップしていただければと思います。
 やったかどうかは次のステップになると思いますが、ベーシックなところについては知っているということで免許を与えるのだろうと思います。実際にどういうところで働いていただくかというのは、第1回の資料に出したように、看護師学校養成所の臨地実習受入れ病院と同等の体制が組まれたところと考えております。ある程度新人に準じる形で入ってこられた方をスーパーバイズしながら受け入れられる病院、ということでお引き受けいただいているところです。

○藤川委員 国としては、医療現場の看護師不足のために補充するわけでないということは明言しているけれども、アメリカでもヨーロッパでも看護師が不足しているから、フィリピンやインドネシアから看護師をたくさん移民させているわけです。その残りの部分がいま、日本に来ようとしているわけです。現実に日本の現場では看護師が足りない。建て前上は看護師の不足を補充するわけではないと言いながら、現実的には長期に在住できるようにしたいという、非常に矛盾するテーマを持ってこのことをやっているのです。
 そして、根本的に日本語のコミュニケーション能力のない人たちを見切り発車で受け入れて結局国家試験に受からない。その責任は誰にあるのか。まずは国としてこの制度を見切り発車させて、準備不足だったということを反省点として書かないと。看護師不足ではないという建て前もずれているけれども、受け入れている医療機関や来られている本人たちとか、さまざまな所に問題を起こしてこの検討会が立ち上がったわけです。本質的に何の目的でやるかというのが非常にぼけているところが、皆さんが議論をするのに苦労しているのではないですか。

○玉川看護職員確保対策官 当初の認識が甘かったのではないかということで、平成22年度から、看護師・介護福祉士の受入れ支援事業ということで、学習支援等の予算を1桁多いものを付けています。現在も介護福祉士候補者分と合わせて8億円弱のさまざまな予算を、この厳しい中で確保して支援をしております。ただ一朝一夕にその効果やレベルが上がるものではありません。受入れ病院のご尽力も受けながら、だんだん2回、3回と国家試験を経た中で、合格者はこういう人たちという像が出てきております。いままでに19名合格者がおります。そうした得られた知見も学習支援事業をやっているところでうまくまとめて、受入れ病院に対してフィードバックするような形でやっていかなければならないと思っております。最初の時点でどこまで予測できたかを見ますと、日本語能力試験1級を取っていると一定程度受かるところのデータしか、いままで現実にはありませんでした。それとはかなり違う国から来ることとなって、受入れが始まったのです。3年を過ぎて、そこは若干データが集まりつつあると思いますので、是非貴重な経験を活かしていきたいと思っております。

○加納委員 いまの流れの中で座長が、受入れ病院の施設のことも考えていただけるという方向性を言ってくださったのは、非常にうれしいなと思っております。この報告書の中にはそういうことが全く書いていなかったのが非常に残念だと思っていましたので、そういうところは是非ともお願いしたいと思います。
 もう1点は確認です。これも1頁の最初の「こうした状況の下、『成長戦略工程表』」という所で、これは閣議決定されているものではないということですが、「コミュニケーション能力試験、母国語・英語での試験実施等」というのは、本来のものにも「等」は入っているのですか。

○玉川看護職員確保対策官 入っております。

○加納委員 入っているということは、決して含みがないわけではなくて、あると理解していいのではないかと私は思ったのです。

○玉川看護職員確保対策官 成長戦略の工程表の中での大きな項目として、「看護師・介護福祉士試験のあり方の見直し」というのがあって、その括弧書きで「コミュニケーション能力、母国語・英語での試験実施等の検討」と書かれております。ですから、これがかかっている「等」というのは、そもそも試験のあり方の中の話となっております。「看護師・介護福祉士試験のあり方の見直し」については、2010年度から見直しを始めることになっており、それを受けて2010年度には、用語の適正化の有識者チームが検討を行っております。2011年度においては残っていた課題であるコミュニケーション能力、母国語・英語での試験の実施を検討する訳です。「等」ですから、試験については若干そのほかにもということであれば、検討対象から外れるということではないのですが、ここで言っているのはあくまでも看護師と介護福祉士の試験がかかっているということです。

○加納委員 では「等」というのは、対策として含みがあるということかと私は理解したのですが、そうではないということですか。

○玉川看護職員確保対策官 文言的にはそういうことになりますけれども、具体的に念頭に置かれていたものとしては、先程述べたような内容です。

○小川委員 受入れ施設の負担の軽減については私も賛成です。ただ国家試験のあり方を検討しているわけですので、准看の問題についてはここでは触れていただきたくない。先ほど渡辺委員が、少なからぬ委員から表明されたという言葉がありました。3番のことについて提案されましたけれども、私はこちらのほうの趣旨で前回発言していますので、それはそれでこちらのほうも生かしていただきたいと思います。
 あと、7頁の最後のパラグラフの中で、「既に行われているふりがな付記や英語での併記の実施範囲について更なる検討を行う余地もあるのではないか」というのがあります。いまは疾病名については英語での付記があるわけですが、これを症状等に拡大するとなると、限りなく英語に近い試験になってしまうので、ここはもうすでに限界があるのではないかということも、併せて記載していただければと思います。

○中山座長 まだ余地があるかどうかという検討をするというところでは、問題はないと思いますが、どのぐらいでできるかというのは分かりません。昨年の短い間ではあそこまでだったのですが、まだ改善の余地があるならば、対策を立てるという意味でここに置かせていただいているということだと思います。どんどん拡大するということではないと思います。国家試験そのものについては単に外国人だけではなくて、日本人にとってもまだまだ改善の余地はありますので、その辺の問題も含めてということだと思います。

○玉川看護職員確保対策官 本日の参考資料として、「第101回看護師国家試験における一般的な用語の置換え等及び医学・看護専門用語への対応について」を、席上に配布しております。枠の囲いの中がまとめです。約200箇所について対応しているというのが、去年とほぼ同数ということになりますが、昨年に加えて、「また、他の医療職種の国家試験では、人名を付した専門用語についても原語を併記していることから、今回の看護師国家試験より同様の対応をしました」ということで、3頁に英語の付記の例がいくつかあります。疾病名への英語の併記、国際的に認定されている略語等の英語の併記、外国人名への原語の併記というのがありますが、今年は人名を付した専門用語への原語の併記というのも、他の医療職種の国家試験との平仄などの関係から対応しているということです。そうしたものは今年から対応されたということです。いまの一般的な方向修正の文言は、そういうご意見がありましたので参考までに資料を説明させていただきました。

○小川委員 「意見もあった」という記載があったので、「限界があった」という記載があってもいいのかなと思いました。

○中山座長 この報告書をどういう形にするかというのは、非常に難しいことだと思います。今回も含めて皆様の発言は、議事録として全部公開されるという形になっておりますので、どんな意見が出たのかということが消えることはないと思います。ただ報告書自体はできるだけ意図に沿ったところでコンパクトにまとめて、あまり長くしないでおきたいと思っています。書けば書くほど何を言いたいのかわからなくなるので、文章も簡潔に、できるだけ短い形でできればいいかなと思っています。一応方向性は出させていただいたのですが、まだ加えることがあればどうぞ。

○讃井委員 最後の「終わりに」ですけれども、結論として最後の行に、「EPAに基づく看護師候補者の受入れが直面する課題について正確な理解が広く深まっていくことが期待される」と書いてあるのです。そもそもこれをスタートしたときの問題意識、現状について何とかしなければいけないという緊急性とか、候補者ご本人や受入れ施設といった関係者の問題の切実さというか、そういうところが浮かび上がってこないのです。そこを、やはりきちんと書き込んでいただきたいと思います。仮に、併用というのが受け入れられないとなったとしても、そのまま放っておいていいのかと。現状のままでいったら、候補者のままどんどん滞留していく人ばかりですから、そういうわけにはいかないと思います。やはり事態の打開が必要だということについては、きちんと書き込んでいただきたいと思います。

○中山座長 ここの議論はなかったのですが、前回の議論で熊谷委員から出ています。例えばインドネシア語と日本語の両方を話せる方が非常に少ない、とりわけ地方に行けばそういう人材が得られない。これはフィリピンもそうですが、ベトナムや次の国々もそうだと思うのです。人材がない中でどうやってサポートしていくかという問題まで発展していくと思います。あらゆることが足りない中でのスタートで、個人と受入れ施設の努力で成り立っているということは、やはり書いて、そこの方策をもっともっと検討してほしいということは、言わなければいけないことだと思います。就労そのものについてまで、この検討会でどのぐらい言えるかは、多少広がりすぎになると足を取られるかなという感じがします。そこはできるだけコンパクトにと考えています。
 どうまとめられるかは分かりませんが、意見は全部言っていただいて、それをどういう形で盛り込めるかということを事務局と考えて、次の案を考えたいと思います。

○遠藤代理 質問です。直面する課題のところですが、前の文章からの流れでいくと、この課題というのは、いかに安全を確保するかということが課題であって、これに対して手がかりを求めていくというように私は受けとめたのです。ここはどういう理解をしてきていますか。そこを補足していただければと思います。

○玉川看護職員確保対策官 看護師がどういう業務で働いておられるか、働いても構わないというための国家試験としてどういうことが問われているかについては、今までは専門職の世界の中だけで確かめられてきました。当然質は担保されているだろうと思いますが、そのことが国民から見えにくい形で行われていた訳です。そこで、外国から人材を受け入れるときに条件としてどれぐらい備わっていなければならないだろうかという問題を考えたときに、見えているもの、いままで国民に知っていただいていたことに関して情報のギャップがあり、おそらくそういうギャップが、意見募集をしたときの答えの違いにも出てきているのかなと思います。
 逆に専門家は、ひょっとしたらスペックとして、国民はこれくらいでいいじゃないかと思っているところに比べて、若干高いスペックを要求しているのかもしれません。そこにはギャップが出ていると思いますので、直面している医療現場で実際に掲げられている課題などについても、利用できるリソースが少ないということも含めてご理解いただいた上で、国と国との関係ということで、うまく持っていけるようにつなげていかなければならないという思いを込めて書きました。筆力が不足しており、意図が正確に伝わらないような状況に至っております。そこは国語力を鍛えて考え直したいと思います。

○渡辺委員 今おっしゃったのは終わりの所でしょ。

○中山座長 そうです。

○渡辺委員 いま相当いいことを言っているのだから、まさにいまのような話を書いておいて。

○中山座長 議事録に残っていると思いますので、それを反映させていただきます。あと、「終わりに」でもっと入れたいことはありますか。

○藤川委員 そもそも論として、看護師たちを外国から受け入れた場合の将来的な位置づけとして、半永久的に日本で働いてもらうのか、それともある程度一定期間が経ったら自国に戻ってもらうのか。もちろん任意にするのも自由ですが、そういうところもある程度目標を定めておかないといけません。例えば5年間または、10年間、その後は完全にフリーにして自国に戻すとか。
 例えば医師であれ看護師であれ、日本からアメリカやイギリスに勉強に行きますね。もちろん任意で何割かは、向こうで結婚したりして残られる場合もあるけれども、大方は戻って来て大学で頑張っています。履歴を見ると必ず1、2年海外に行って学ばれている方が多いと思うのです。それで教授になったりします。我々日本医師会は、いろいろなプログラムを持っていますが、世界中に日本の国民皆保険制度を普及させたいという願いを持っています。インドネシアやフィリピンの看護師さんが日本で学習して、単なる出稼ぎだけではなくて、日本の制度や知識を持って帰って、自国を看護の面で支えてもらえる優秀なスタッフになってもらいたい。これが日本のあるべき姿ではないかということを終わりの所に入れていただけると、非常に価値のある議論を我々はしていたということになるわけです。出稼ぎ論という次元では、ちょっと寂しいかなと思います。

○中山座長 私自身もEPAに基づく外国人看護師の受入れというのは、国際的な看護専門職の育成ということだと思うのです。その意味では決してアジアの国々から看護師を受け入れないという問題ではないのです。要するに、門を閉ざしているという問題ではないと思います。日本は、どういう形で国際的に活躍できる専門職としての看護師を育成するのかという課題に直面したのかなという感じがしています。いま藤川委員がおっしゃったように、折角ここで単なる労働力の問題ではないと言っている以上、日本に来て、きちんとした技術と知識と看護職としての資質を磨くことができたと言われるような協定であってほしいということは、みんなの思いとしてあるのではないかと思います。
 そこを下げてまで受け入れればいいという問題ではないと思っています。そのためにどういう教育システムあるいは受入れシステムができるかということが、今まであまりにも手当てされてこなかったことが、みんなの苦労につながっているのではないかということは、この4回の検討会の中で本当にひしひしと感じているところです。そういうことも含めて「終わりに」で残った課題、看護師国家試験をうまくクリアしていくためには、どういう課題が残ったのかということは、書く必要があるのではないかと思います。大体出尽くしましたか。私としては、これをどうまとめていくのかというのが心配になっています。

○渡辺委員 1点いいですか。戻って先ほどの5頁の肝の所です。要するに文章の整理をやっていただきたいという、先ほどご質問がありましたけれども、そもそも成長戦略の閣議決定での、母国語・英語での試験とコミュニケーション併用云々というのは、前提が日本語以外の試験でやった場合には、コミュニケーション能力試験も併用しなければいけないというスタートでした。それで5頁の2番目のパラグラフの「この点に関しては」云々というのはいいよということですよね。その次の「これに対して」云々というのはちょっとややこしくなって、コミュニケーション能力をごちゃごちゃさせています。だからここで言いたいことは、改めて日本語の国家試験が重要で、やらなければいけないよと。先ほど戸塚委員がおっしゃったように、日本語の国家試験というのは、コミュニケーション能力も十分問うているものだということなのです。そういう整理の仕方をすると、こちらの答えとしてはよりわかりやすくなると改めて思ったのです。

○中山座長 ここの所は、そういう整理の仕方にする予定に変えたほうがいいと思います。

○渡辺委員 そうしたほうがすっきりします。

○中山座長 皆さんに手伝ってもらわなければいけないことですから、どう表現できるかは別にして、そこはコミュニケーションの問題と言うよりも現実の臨床判断と言いますか、状況を読んで判断するというところまでが問われる問題なのです。単なる一般的なコミュニケーションの能力ではない、国家試験で問うのはそういうことではない、臨床の判断の問題が加わるということを、ここで言うということですね。

○渡辺委員 だから、改めてコミュニケーション能力試験を別にやる必要もないということも、併せてそこで言っているわけですよね。

○中山座長 はい。

○渡辺委員 私はそれでいいと思います。

○中山座長 ただ、讃井委員からも出たように、受け入れているからには、もっときちんと対策を取ってください、日本の国家試験でやるとなれば、このままでは不十分だということはきちんと言ってくださいということでしたね。この中心になる所はいいですか。、ここは報告書のいちばんの根幹ですので。そこの合意はよろしいですか。
 あとは反省も含めて、全体的に気が付いたことはありますか。後は私と事務局とでまとめて、皆さんに見てもらって、文言を直してもらい、最終的な報告書として提出するという形になると思いますので、全体的なことも含めて、皆さんからご意見をいただければと思います。

○讃井委員 お尋ねです。この検討会の報告書がまとまった後は、それがどうなるかということについてです。これは医政局長の下にできた検討会で、私どもなりの結論と言いましょうか、報告書を出した後は成長戦略的なことも含めて、それがどのように政府の中に入っていくのか。

○中山座長 この報告書の行く末はどうなるのかということですが。

○玉川看護職員確保対策官 この報告書自体は、いろいろと見解が分かれているところも含めて構成されているものですので、そちらの状況等も含めて、固まった段階で政務の方にもよくよく内容をご説明・ご報告して、そこでの指示を踏まえて必要な対応を図らせていただきたいと思っております。

○中山座長 それを考えて加納委員、やはり苦労は書いておいたほうがよさそうですね。

○加納委員 できれば本当にお願いします。

○中山座長 ほかにいかがでしょうか。林正委員、何か言い残していることはありますか。

○林正委員 ありません。

○中山座長 尾形委員は大丈夫ですか。

○尾形委員 結構です。

○中山座長 木村委員は今日第4回目の議論を聞いて、どのような印象でしょうか。

○木村委員 何か手足の動きが、いろいろと。

○中山座長 ほかにありますか。もしよろしければ終わりたいと思います。昨年の12月から皆さんと一緒に始めて、4回にわたり検討してまいりました。本当にさまざまな問題を抱えて、難しいことを課題としてもらってしまいました。どうまとめられるかは、心配なところもあるのですが、事務局とできるだけ分かりやすい日本語でまとめる方向を考えていきたいと思います。それではこの後のことについて、事務的な作業も含めて事務局に説明していただきたいと思います。

○河原補佐 それに先立ち、医政局長よりご挨拶をさせていただきます。

○大谷医政局長 本当に難しいテーマについて4回、中身の詰まったご議論をいただきましてありがとうございました。この問題は医療関係者だけでなく、社会的にも非常に関心を集めておりました。医療の資格制度のあり方そのものも視野に入れた考察が求められていると考えます。また、そのプロセスでは関係団体のヒアリング、あるいは厚生労働省のホームページを通じた意見募集も行われました。幅広い観点からご議論いただいたものと考えております。併せて、特に今日の最後に出ましたが、当検討会では母国語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用の適否という問題を超えて、その他の改善方策、全体をどうやって取り組んでいくかという問題提起、あるいは提案もいただいたところです。
 先ほどご質問がありましたように、今後どうするかということですが、確かにスキームの立上がり自身が、医療を超えて国際的な視野、あるいは業際的な我が国の産業構造全体の視野にかかわる問題ということで、事務局も対応になかなか苦慮しているところです。今はまだ最後の詰めがありますが、この検討結果をいただいて、小宮山厚生労働大臣や政務サイドとよく相談して、当面取り得る対策を検討させていただきたいと思います。中山座長をはじめ、これほどまとめにくいものはなかったと思います。本当にご苦労いただいてありがとうございました。皆様方にも厚くお礼申し上げます。この問題だけでなく、引き続きご指導、ご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○中山座長 では、今後の事務局のほうのスケジュールをお願いします。

○玉川看護職員確保対策官 なるべく早く報告書(案)の手直しを行い、座長とご相談をして作業をしていきたいと思っております。今週はとても厳しいと思うのですが、遅くならないうちに作業を進めたいと思っておりますので、また提案がありましたら、引き続きご連絡をよろしくお願いします。

○中山座長 ありがとうございました。たぶん、それぞれの先生方にいろいろな形でお手伝いいただかなければ、まとまっていかないと思います。すぐに配信されて、「次の日までに返事をください」という早急なメールが行くのではないかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。このような難しい課題ですが、この問題は現実的なところをどれぐらいの国民に理解してもらっているのか、ということなど、分かてもらえていない点が多かったと思っています。この検討会の議事録が公表されていきますので、どんな問題に直面しているのかということを、国民全体の問題にできればいいと思っています。また、今後ともそれぞれの場で検討を続けていかなければならない問題かと思っております。4回にわたりまして本当にありがとうございました。以上をもちまして、本検討会を閉会いたします。


(了)

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