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2012年2月3日 第18回 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会

医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室

○日時

平成24年2月3日


○場所

航空会館7階大ホール


○議事

○北村座長 新幹線が遅れているということは、今、初めて東京の人は知ったようですが、遅れておりますので、出席の先生もおられないかもしれませんが、定刻となりましたので、第18回の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を始めさせていただきたいと思います。もう18回になるんですね。
 本日は御多忙のところ、また便の悪いところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方の出欠状況、配付資料の確認をお願いします。
○浅沼医療機器審査管理室長 初めに本日御出席の委員につきまして、御報告いたします。本日は報告を受けている3名の先生が御欠席です。土屋委員、吉田純委員、渡辺委員でございます。
 また、遅れていらっしゃる委員としましては、加納委員、葉梨委員、平岡委員と承っております。
 途中の退室は、澤委員、平岡委員と承っています。
 また、本日は検討品目に関する専門家といたしまして、ワーキンググループから6名の先生に参考人として御出席をいただいておりますので、御紹介いたします。
 信州大学医学部脳神経外科講師、後藤哲哉先生。
 国立医療福祉大学教授、戸高浩司先生。
 国立成育医療研究センター臨床研究センター治験推進室長、中村秀文先生。
 前田眼科クリニック院長、前田利根先生。
 東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所先端工学外科学分野教授、村垣善浩先生。
 埼玉医科大学泌尿器科准教授、矢内原仁先生。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 資料1「これまでの選定品目の現状(平成23年12月31現在)」。大きな紙の資料になっています。
 資料2「平成23年度学会等からの要望内容の概要一覧」。こちらも大きなサイズの資料となっております。
 資料3「国内開発品の取扱いについて(案)」。
 資料4「ワーキンググループによる評価」といたしまして、資料4-1「オープン型大動脈用ステントグラフト」。
 資料4-2「頭蓋内動脈瘤治療のための自己拡張型インプラント」。
 資料4-3「脳深部刺激装置」。
 資料4-4「腎機能代行療法(血液浄化治療)に用いる装置」。
 資料4-5「電極装置のガイドワイヤー」。
 資料4-6「心室中隔欠損症(VSD)閉鎖用の医療機器」。
 資料4-7「水晶体嚢拡張リング」という7つの資料になっております。
 参考資料といたしまして、参考資料1「検討会委員名簿」。
 参考資料2「検討会開催要領」。
 参考資料3「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方」。
 参考資料4「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(概要)」。
 参考資料5「ニーズ品目の選定の流れ」。
 参考資料6「学会からの要望内容の概要一覧」。
 参考資料7「早期導入候補品目の評価資料」でございまして、参考資料6、参考資料7は非常に厚いものとなっております。
 ただいま平岡委員が御到着いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料の方、不足分がございましたら、事務局にお申し出いただければと思います。
 また、これより議事に入りますので、傍聴されている方におかれましては、頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 次に事務局から検討会委員の利益相反に関する報告をお願いしたいと思います。
○事務局 それでは、議題に入ります前に、利益相反の確認結果について御報告いたします。寄付金・契約金等の受け取り状況を伺いましたところ、本日の検討品目につきましては、議論に参加していただけない委員等はいらっしゃいませんでした。したがいまして、本日すべての委員が議論に加わることができますことを御報告させていただきます。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、議題に入らせていただきたいと思いますが、議題1は「1.これまでの選定品目の現状について」です。資料1を参考にしていただきまして、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 それでは「これまでの選定品目の現状(平成23年12月31日現在)」ということで、資料1をごらんください。資料1につきましては、これまで選定されました品目についての現状を示しております。
 前回からの変更点について御説明させていただきます。
 3ページ目、No.25、消化管狭窄に対するステントの上から3つ目、センチュリーメディカル株式会社のNiti-S十二指腸用ステントにつきましては、平成23年11月9日付で承認されております。
 5ページ目からになりますけれども、43番のメチオニン合成装置から6ページ目の50番までは、前回の11月2日の検討会におきまして、選定された品目につきまして追記させていただいております。
 事務局からは以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 委員の先生方、御質問等はございませんでしょうか。
 千葉先生のものはどうなっていますか。
○千葉委員 前回、申し上げましたけれども、ALSに対してFDAが認めたということは申し上げたとおりですので、改めて仕切り直して、是非やっていただけないかと思います。
○北村座長 20番ですね。
○千葉委員 はい。
○北村座長 これはまだ公募中となっていますから、ないんでしょうね。
○事務局 これまで5~6社に声をかけて協議を続けきているところですけれども、今のところ、まだそういったお答えはないです。何とかしなくてはいけないことだと思っておりますので、対応を考えていきたいと思っております。
○北村座長 ありがとうございます。どうぞ。
○千葉委員 今、幾つか手を挙げそうな会社のうわさは耳に入っておりますので、それは逐一情報を差し上げますので、よろしく御検討ください。
○北村座長 そうですか。話し合っていただいてね。
 ほかに御意見、御質問はよろしいでしょうか。
 それでは、次に進ませていただきます。議題2でございますが「2.平成23年度学会等要望について」です。資料2で御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは「平成23年度 学会等からの要望内容の概要一覧」について御説明させていただきます。大きい資料、資料2と書かれている資料をごらんください。
 資料2に関しましては、平成23年度の学会等からの要望一覧でございまして、1ページ目に示してあるものは、番号で申しますと、23-1~23-7でございますけれども、これらに関しましては、前回11月の検討会までで整理されております。
 その結果がこの表の一番右の欄です。それぞれ時期を含めまして、選定、対象外あるいは非選定という形で、検討会としての結論が記載されてございます。
 2ページ目をご覧ください。こちらは2種類に色分けしてございますけれども、少しグレーに近い色を塗っておりますものに関しましては、事務的に対象外であるものが明らかなものということで、審査中のために対象外でございますとか、海外未承認という事情があって対象外という整理をさせていただいているものでございます。
 黄色をつけさせていただいている部分に関しましては、後ほど資料4に基づきまして御説明をさせていただき、御議論いただきたいという品目でございます。
 色のない品目ですが、左の番号、23-15~23-17につきましては、ワーキンググループで検討中の品目でございます。
 23-14でございますけれども、こちらは日本呼吸器外科学会さんから御要望がありました品目で、ソルブ株式会社のチェストウェイという、現在、国内でも承認されている品目に対しての適応拡大の要望がなされておりましたが、要望のございました適応疾患に対しまして、国内で使用可能なほかの医療機器があるということで、ワーキンググループにて非選定ということで判断させていただいております。
 3ページ目をごらんください。23-18、23-21につきましても、ワーキンググループにて検討中ということで、記載をさせていただいております。
 最後になりますけれども、一番後ろのページ、4ページ目をごらんください。こちらは平成22年度以前の要望品目で、まだ判断がされていない品目を挙げさせていただいております。4品目とも要望品目に関する資料が未整備のためワーキンググループにて再検討させていただくということにさせていただいております。順次資料等が整いましたら、ワーキンググループにて検討いたしたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 資料2についての御質問等はいかがでしょうか。
 ワーキンググループ検討中というものも少なくありませんが、大体順調に進んでいますか。
○佐藤委員 一部評価をするに足る資料が整わないということで、その資料が整うのを待っているものが幾つかあるということでございます。
○北村座長 ほかにどなたか御質問等はございませんか。よろしいですか。
 今日は検討いただきます品目が7品目ございまして、参考人の先生方もお忙しい中なので、要領よく進めていきたいと思います。
 その前に1つ大事なことです。前回からの懸案でございました、国内開発品の取扱いについてということで、事務局の案を説明いただきたいと思います。
○事務局 それでは、資料3に基づきまして、御説明したいと思います。「国内開発品の取扱いについて(案)」ということです。
 「1.背景」としまして、本検討会におきまして、国内で未承認や適応外の医療機器や体外診断用医薬品について、我が国の医療ニーズが高いものを選定して、これらの迅速な医療現場への導入について検討することを目的としているということで、そもそも第1回の検討会からの状況に立ち戻って考えますと、主要欧米諸国において、医療の現場で使用されており、更に実際に役に立っている医療機器の中で、我が国に導入されないものがある。こうした医療ニーズを見極めて、医療機器を迅速に導入する。更に国民に最高水準の医療の恩恵に浴していただくことがこのねらいということで、基本的に申請ラグがあるような医療機器に対して、我が国に迅速に導入することを目的としてきております。
 「2.現状」といたしましては、14回の検討会以降は、国内開発品においても一部本検討会で取り扱ってはどうかということで考えてきたということで、前回、オープン型大動脈用ステントグラフトが検討されたという経緯になっております。
 前回の17回の検討会におきまして、最終的に治験データをどう解釈するのかとか、治験データをこの検討会の中に含めて考えていいのかといった御意見がございまして、ワーキンググループに戻ってまた検討をし「4.対応案」として整理したというものでございます。
 2ページ目の「4.対応案」をごらんいただきたいと思います。
 1つ目の○ですけれども、主要欧米諸国において既に医療現場で使用されており、実際に治療に役立っている医療機器の中で、いまだに我が国に導入されていないものは、早期の導入を図るのが本検討会の目的であるから、国内開発品は原則として対象外とする。
 2つ目の○、ただし、海外で既に承認されている機器について、学会等から要望があるにもかかわらず、我が国で当該品目が開発中止となった場合、つまり今回先ほどの資料1の中で御紹介させていただきましたけれども、資料1の3ページ目の水晶体嚢拡張リングにつきましては、開発中止になっていたものがございまして、このままではいけないであろう、何とかしたいということで、HOYA株式会社より、今回、国内開発品として開発するということになり、後ほど御説明させていただきたいと思います。こういったような品目が表われたときは、選定候補の対象として取り扱うことができると考えてもいいのではないかということです。
 更に治験中の取扱いについてですけれども、国内で既に治験が実施されているものについては、企業等による薬事申請の意向が確認されたものとみなしまして、原則として選定の対象外としてはどうかということで、以前御議論のあった参考資料5にありますとおり、企業等による薬事申請の意向が確認された要望というのは、非選定とみなしてもいいのではないか。
 そういった形で、現在のところ、3点整理させていただいているという状況になっております。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 前回、我が国の医療機器の開発を促進したいというのは、皆さん同じような気持ちがあろうと思うんですが、その中で我が国の開発中あるいは治験中のものをこの検討会でどう取り扱うかということが議論になって、事務局に考え方の整理をしてほしいという形でお願いして、本日こういう歩み寄り案みたいな、落としどころがきています。
 座長の方から「4.対応案」の2つ目の○の2行目に「当該品目が我が国で開発中止となった場合であって、国内で代替品を開発しようとする企業が現れたときは」と書いてあるんですけれども、2行目の開発と3行目の開発というのは、ちょっとニュアンスが違うような気がするんですけれども、これは1行目の海外で既に承認等されている医療機器について、学会からの要望があるにもかかわらず、当該品目が我が国で取扱い企業がないということも開発中止と言うんですか。
○事務局 そういった意味で、資料1にも開発中止と記載させていただいている状況になっております。
○北村座長 そうすると、次の開発というのは、本当に研究して使えるものかというディベロップメントですね。こちらの方は我が国で取扱うエージェントがないというのを開発、この文章は薬事的に見ていいんですか。こういう使い方を皆さんなさるわけですね。そういうことでございまして、2番目の開発と3番目の開発はちょっと違う気がしたので、お聞きしました。
 結局、治験中のものは、PMDAがまず審査をして、その資料をもって厚生労働省が認可をする。その過程でこの検討会がどう関与するかということですが、御存じのように、治験中の資料を公開して見せていただくわけにはまいりませんし、その結果が治験の資料不足あるいは却下という場合もあり得る中で、当検討会が早く承認せよということをプッシュすることの是非の問題もございます。
 一方、先ほどのペースメーカもそうですし、子ども用のペースメーカもそうですし、横隔膜ペースメーカもそうですけれども、やはり市場が狭過ぎるようなことがあると、日本の業者さんには取り扱っていただけない。しかし、患者さんがレアディジーズであっても必要とされている場合、どうするかという問題の中で、比較的簡単なものであれば、日本の企業がそれをつくりましょう、つくって開発しましょうという場合には、そういう2つのような場合のセッティングを考えられて、こういう形にしてはどうかという御提案をいただいたんですけれども、いかがでしょうか。気持ちの真ん中の落としどころのような感じでございます。
 どうぞ。
○千葉委員 「4.対応案」の1番目ですけれども、3行目に「国内開発品は、原則として選定の対象外とする」とあります。「原則として」という意味がちょっとぴんとこなかったんですけれども、具体的にはどういうことですか。原則でない場合があり得るということを想定しておられるわけですか。それは例えばですけれども、どんな場合とお考えでしょうか。
○事務局 それを2つ目の○に書かせていただきました。原則でない場合として、こういった場合は国内開発品も取り扱うことができるという形で記載しております。
○千葉委員 それ以外の原則を外れる例というのはないとお考えなわけですね。
○事務局 必ずしもないとは言い切れないと思いますが、そこは議論の中にもよってくるのではないかと思います。
○北村座長 役所言葉ですね。こういうものを1つ入れておかないと、いろんな事態にできないかもしれないということもある。「望ましい」とかそういうものと一緒ですね。
○千葉委員 言葉じりを取り上げるつもりは全くないんですけれども、例えば国内開発品でこれはどうしてもということが仮にあったとして、座長を通して、あるいは厚労省の方に話がきたとすると、それは一応検討される場合がある。2番目以下の話でなくても、あり得るという余地は残しておられるわけですか。これは言葉じりではないです。原則を聞いているわけです。
○事務局 役所言葉という形で、今、座長からおしかりを受けましたが、端的に申し上げますと、この検討会に関しましては、海外で使われている医療機器で、日本で使えないものをどうにかする。言い換えれば、海外で行われている医療技術を日本にきちんと導入できるようにする。そのツールとして、薬事法の観点から医療機器に着目して選定を行うという形をとってございます。
 ただ、今まで選定された品目をごらんいただいてもおわかりのとおり、例えば人工心臓を挙げる際に、海外で使われているけれども、日本でまだ承認されていないということで、Jarvikですとか、そういったものがございますが、それよりもDuraheartとか、EVAHEATといったものがあるではないか。あれはまさに海外で承認されておらず、かつ国内で既に治験が実施されている。
 この文言をそのまま読むと、ああいうものが今後選定されないということになるんですが、この検討会として、日本で最先端のものを患者さんに施すという観点から、これは必要だということがあれば、○の1つ目と2つ目に「原則として」と書いてあるので、検討会でお決めいただく事項だと思っております。余りにリジットに、文面だけでこの検討会の議論の行方を縛るのは、医療が多様化していく中で適切ではないということも「4.対応案」の中には含まれているということで、御理解をお願いできればと考えております。
○北村座長 どうぞ。
○笠貫委員 最初の一文から、余りにもこの会の目的を制限し過ぎるのではないかと思います。そもそもこの会は医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会ですから、患者、医療の現場からのニーズが高い医療機器をどう早期導入するかということが大目的なんだろうと理解しております。本検討会の目的が海外の機器、海外で開発された機器というのは、設立時の6年前はそうだったと思うんですが、今、6年経過したいろいろな機器の検討をしてきた。そして、また日本の医療機器開発能力も伸びてきたということで、時代とともに目的というものは変わって拡大されていってもいいのではないか。そういう意味では、この会の名前どおりが目的なんだととらえています。
 そういうことからいうと、○の1番目は、本検討会の目的は、本検討会の設立時の目的ではないかということです。設立時は確かにそうだったということなんです。それは原則そうだった。
 ○の2つ目の「ただし」というところなんですが、これはただしとして、この場合だけにするのか。設立時はこうであった、しかし、これからの経過の中で変わりつつあるんだということを容認するんだとしたら、○の2つ目のところは「開発中止となった場合」の後に「等」を入れておけば、これからまた出てくるという可能性がある。ですから、どこまで拡大していくかということは試行錯誤で、この会で検討されていくだろう、あるいは全体像の中で検討されていくことだと思います。
 そういうことで、○の1つ目のところは設立時の目的として、○の2つ目のところは「場合等」にして、もう少し先に国内開発の医療機器も含まれる場合が出てくるという、その方向性というものを入れていただけたらありがたいと思います。
○北村座長 ごもっともなところもある意見です。
 ほかの方はいかがでしょうか。
 ○の1番目の文章は、原則として選定の対象外とするとして、例外的な扱いを2つ目、最後も治験中のものは原則として選定の対象外とする。治験中でも対象にする場合はあり得るということになるんですか。今日1品目がその対象になるんですが、それをどう解釈するかということも出てきます。
 どうぞ。
○吉田茂昭委員 笠貫先生のおっしゃることは、感覚的には非常によくわかるのですが、この会はあくまでもデバイスラグの解消のためにつくった検討会であって、例えば既に治験中のものとか、国内開発品の優先審査というようなものは、また医療機器の部会や、別の場所で検討されることなのだろうと思います。ここであれもこれもやるとなると、かえって混乱する元になるのではないでしょうか。同じものを例えば2か所で議論するみたいな話になって、具合が悪いのではないかと思います。その辺の整理をどうつけるかということだと思います。
○北村座長 ほかに御意見いかがですか。
○笠貫委員 私は認可の部会もやっているんですが、そこでは医療の現場のニーズが高いものをどう組み込んでくるかという枠組みがないんです。そういう意味で、現場のニーズが高いものをくみ上げる窓口がここであってもいいのではないか、そうあってほしいという願望が1つあります。
 ただし、最初の設立の時点では、輸入品のデバイスラグでした。ところが、今度の場合には、国内でそういったものの申請、審査ラグということで、早期導入が医療の現場に戻らないということがあるものを、どこで検討するか。これは新たな枠組みをつくるか、ここで当面それを補っていくのかということで、将来どういうふうになるかということは、今後の課題としてあると思います。とりあえずここの時点では、今の枠組みの中では、早期導入の窓口がないということで、ここではまず輸入品から始まり、そういうものから枠を広めてやっていく。そこの中で、新たなまた別な枠組みをつくるかどうかは検討していただくことになると思っています。
○北村座長 どうぞ。
○千葉委員 私が最初に「原則として」という言葉の意味を繰り返し聞きましたのは、まさにそういうことでして、今回は笠貫先生と同じ考えでおります。吉田先生のお考えを十分理解しながらも、やはり早期導入を強く意識した会というのは余り存じ上げませんので、この会は非常に大事な機会の場ではないかと思っています。私自身はこの会を非常に高く評価しているわけです。ですから「原則として」という言葉が、今、事務局のおっしゃったとおりであれば、これはほかのものも含まれるようになるだろうと理解しましたので、それ以上のことは質問しませんでしたけれども、基本的には笠貫先生のお考えが私の考えとたまたま一致したということでございます。
○吉田茂昭委員 補足しますけれども、私が申し上げているのは、治験に入っているものは、医療機器の部会の審査に挙がるので、ここで云々かんぬん言う必要はない。ただし、おっしゃるように、治験で落ちこぼれてしまったとか、治験の途中で止まってしまった場合、どうするかということになりますが、それをここで取り扱うかどうかは、また別に検討したらいいと思うんですけれども、それが「ただし」の部分だと思います。
 ただ、薬の場合、治験の開発で落ちてしまって、でも、必要なんだといって拾うというメカニズムはどこにもないので、機械だけそういうことをやっていいかどうかというのは、行政側の判断ということになると思うので、私が委員として言えるのは、そこが精一杯です。あと、我々は行政をやっているわけではないので、その辺の判断はよろしくお願いしたいということでいいのではないでしょうか。
○笠貫委員 1つだけ誤解があると思うんですが、○の1番目、2番目、3番目の中で、3番目の既に治験が進んでいるものについては、現時点ではこれでやむを得ないだろうと思います。こういう問題が生じたときに、何らかの対応策を考えればいいので、私は○の1番目、2番目でお話をしたつもりなので、国内での医療機器については、ニーズの高い早期導入という窓口は、当面はここしかないのではないかという意味で、ここをもう少し将来性をもたした形にしたいというのが、私の希望です。
○北村座長 どうぞ。
○佐藤委員 この案につきましては、ワーキンググループにおいても同様の案が事務局から出されまして、ワーキンググループでも検討させていただきました。
 「4.対応案」の3つですけれども、これは今まで取り上げたものの整合性を図るということから、この文章ができ上がってきたものと、私あるいはワーキンググループでは考えていますけれども、やはりワーキンググループで議論になったのは、今までやってきたものの評価がきちっとされているのか。そもそもの目的はデバイスラグの解消だと思いますが、どういうものがこの検討会によって解消に効果的であったか、どういうものは余り効果的でないのかという検証をきちっとした上で、こういったものはこの検討会で非常に効果的であるということを理解して、対応を考えるべきではないか。
 特に○の3番目の治験が実施されているものについて、この後、ワーキンググループの評価の項目もございますけれども、果たしてこういったものを取り上げて効果的なのかどうかということについては、まだわからないということが、ワーキンググループの中では意見として出されていました。
○北村座長 ほかにはよろしいですか。
 それぞれの委員の先生方のお考えによって、ニュアンスが異なってくるところがあります。確かにこの文章をもう一度ながめてみますと、○の1つ目の「国内開発品は、原則として選定の対象外とする」というのは、開発品というと、開発できた品物なのか、開発途中のものなのか。何でも入ってしまうとおかしい。日本であるから、開発品というのは、先ほどのように企業のような問題なのか、何を意味しているのか。文章は別として、はっきりさせると、国内開発途中のものについては、状況により個別に判断するということを入れてほしい、そこまでは広げたい。ただし、最後の治験中のものについては、ここでどうしろ、こうしろとは言わないけれども、審査を早くお願いしたいということはお願いできると思うんです。承認を早くしろということは、この検討会の権限を超えているような気もするんです。しかし、審査を早くやってほしい。それだけニーズが高いんだから、だめならだめで早く改良させるように審査をお願いしたいという形で、この検討会から意見が出せればいいと思います。
 ですので、治験中のものは、原則として対象としない。早期導入しろとは言いませんが、審査を早くしてくれ。ただし、国内で外国製品に取り扱うものがなくて、日本で開発しているものについては、審査があるか、ないかはレベルによって違いますけれども、これも必要ですから、この検討会は審査を迅速にしてほしいということは言えるんです。
 趣旨はよくわかって、皆さん御理解されていると思うんですけれども、文章はもうちょっと練っていただかないといかぬと思います。治験中のものを原則として省くというのは理解されておられるみたいだけれども、治験が一番最後にきてしまっているので、その辺の文章の整理が必要です。「国内開発品は、原則として選定の対象外とする」というのは、かちんとくる先生方もおられるんだろうと思います。しかし、ニュアンスとしては、そういうことで御理解いただいて、これである程度了承いただかないと、今日の次の審査が進まないところがあるんです。
○事務局 一言だけ、事務局からございます。
 国内開発品に関しては、開発中のものも、開発されたものも、取扱いは同じだと考えてございます。なぜかと申し上げますと、この検討会で御検討いただくそもそもの発端は、学会において、この品がほしい、必要だというところが、そもそもの発端でございますので、国内だけで開発されて、治験前のものについて、なぜそのようなニーズがあるのかということを考えますと、そういったものはこの検討会の俎上にそもそも上がってこないと考えております。治験が行われて、どうも成績がいいようだという形でニーズが挙がってくることはたまにあろうかと思いますが、学会として、どこかで使っていて、いいものだけれども、日本で使えないので、それを要望として挙げるべきだということで、要望が挙がってまいりますので、国内で開発されたものについて、ここで御審議していただく、またそれなりにニーズが高くて、革新的な医療機器というのが国内にたくさんあるかというと、残念ながら、今の時点ではないという形で判断してございますので、この文章でそのままいっても、結局挙がってくるのは、海外で既に実用化されていて、成績がよく、文献等でも確認されたものが主体に必ずなると思っています。その中で、人工心臓のケースですとか、規制体系が違うことによって、この前御審議いただきましたPET薬剤のお話ですとか、そういった例外ケースは当然出てきますが、それは2つ目の○で読み込めると思っております。
 先ほど笠貫先生、座長からございました、国内開発中の品目に関して拾いたいものがあるということであれば、国内開発品自体は原則として選定の対象外だが、○の2つ目のところで「当該品目が我が国で開発中止となった場合等であって」という形で、笠貫先生の御指摘を踏まえて、そこに「等」を入れさせていただければ、すべてのケースに対応できると考えてございます。
○北村座長 笠貫先生、皆さん、納得されましたか。
 趣旨はわかるし、これで恐らくいいんだと思いますけれども、そうすると、治験中のものは原則として扱わない。これはこれでよろしいですか。それとも審査を早くしてほしい。なぜならば、それだけ学会としてもニーズが高いからです、これを言っていただくことは可能だと思うんですけれども、いかがですか。
○事務局 そこにつきまして、この検討会の場で御議論していただかないと、できないものかという問題がもう一つございます。
○北村座長 できますね。
○事務局 薬事法上も優先審査の規定は、審議会の議論を経て行うことができますし、また本当に必要なものであれば、事務的に迅速に審査をお願いするという方法もとれますので、すべてこの検討会を通さないと早くならないということではないという理解です。
○北村座長 通さなくてもできるけれども、通してもいいんですか。複数のところから要望があるという形です。
○事務局 要望をいただいて、当然企業も早くしてほしいということになろうかと思いますので、その場合にはこの検討会ではなく、冒頭お話があったとおり、医療機器・体外診断薬部会において、優先審査の可否の御判断をいただくということです。
○北村座長 私あの委員をしていたけれども、そんな深い議論は余りしないです。こんなにわあわあ言った形の議論は余りないです。
○事務局 そこまでにきちんと資料等々を整理して、開発の可能性、疾病の重篤性等の資料を用意しております。
○北村座長 代替品の方は、笠貫先生がやっておられるんですが、そことのこの検討会のあれもあるけれども、向こうの方が親委員会的にはなっているんです。
 どうぞ。
○千葉委員 一番下の治験に関しても「原則として」という言葉が入っているようですので、今、座長のおっしゃられたやり方を否定してはいないと、文章上は解釈できると思います。
○北村座長 どうぞ。
○笠貫委員 私も○の3番目が悩ましいというお話をしたつもりなんですけれども、確かに治験と臨床研究をどういうふうに使い分けるか。治験になりますと、完全に商品化という意味の治験になって、これは戦略相談とかPMDAのマターとしてかなり大きくなってくる。ただ、そうではなくて、まだ会社はついていません、学会のニーズは非常に高いんですという、先ほど千葉先生から出たものもそうなんですが、そういうものを拾い上げる場所というのは、これが海外で開発されたものでないとしても、こういう場所から出てくるということはあってもいいのではないか。そういう意味では、これから整理されていくというプロセスの中にあるという理解はしたとしても、今の時点で拾い上げられるものとして、この場所というのは非常に意味があって、それはフレキシブルにできるような形にしておいていただいた方がいいのではないか。
 そういうことでは、先ほどの「原則として」でもいいですし、あるいは今のところは臨床研究というもので、国内で実施されて、そういうものはまだ挙がってきていないので、これはまだここに書くことはできない。○の2番目のようなものは書けない。「等」もできないので、ここのところは、今、千葉先生からありましたが「原則として」と書いてあるから、そういうものが出てきたら、そこでまた検討しますと解釈させていただければ、先に広がるのではないかと思いました。
○北村座長 ということは、これで一応御了承いただける。皆さんいかがですか。
 文章の訂正は可能なんですか。もうちょっと練ってもらって、わかりやすくしていただいた方がいいと思うし、治験は企業治験もあるし、医師主導もあるし、いろいろあります。
 それから、臨床研究と治験で、この場合は治験で、臨床研究ではだめだろうけれども、ちょっと検討してもらいたいと思います。
 この趣旨で進めるということでよろしゅうございますか。
○浅沼医療機器審査管理室長 1点だけ確認をお願いしたいんですけれども、参考資料5の「ニーズ品目の選定の流れ」の中で、要望を受けて、企業等の薬事申請の意向となります。意向となれば、治験も含めて意向だと思っていますし、治験をやる前から薬事申請をしますというメーカーさんが確認されたら、非選定ということで、事務局にて整理をすることになっております。
 下段の注書きにもございますけれども「検討会においてニーズ品目として選定される前に、企業による申請の意向が確認された場合は、その時点で非選定とする」となってしまっているので、先生方にかける前に、事務局でこういった形で整理しているんですが、今後はしないで、どんどん検討会に上げろということになるのではなかろうかと思うんですけれども、それでよろしいのかどうかを確認したいのです。
 何が言いたいかというと、メーカーさんが薬事に持っていくという時点のところでは、既にこの検討会のマターではないという流れなんですけれども、先生方がこのニーズ検討会の対象をもっと広げていくんだという話であれば、これを外すことも検討しないといけないと思っています。そうしないと、事務局の判断で処理しているというところが矛盾していることになると思っています。そういうことでよろしいということで、いいでしょうか。
○北村座長 どうぞ。
○佐藤委員 あちらの方で頭を抱えている人が何人か見えたので、ワーキンググループから今日も評価レポートを何個か出させていただいていますけれども、やはりこの作業はかなりの負担になっております。今、事務局のお話で、実際に事務局の方でスクリーニングをかけられてやられるということですと、かなりワーキンググループの作業量が多くなる。ワーキンググループの委員の方々からは、これだけの作業をして、本来の目的に効果があるのかどうかということについては、やはり目に見える形でないと、それだけのインセンティブがないというか、もっと言ってしまえば、やる気が起きないという意見がございました。その辺については、是非こういったものについて、効果的であったということが検証できるような形でやっていただきたいというのが1つです。
 先ほど申し上げましたけれども、今回、治験中のものであって云々、審査の方を早目にお願いします、いろんな問題があるからと言った場合、本当に早く審査が進んでいるのかどうか、進んだのかどうかというのは、やはりワーキンググループとしては知りたいところでございます。
○北村座長 どうぞ。
○笠貫委員 先ほど私が言いましたことは、事務局で整理をしなくてもいいということにはならないのではないかと思います。今、ちょうど過渡期で、将来変化し得ることを頭に入れながら、国内のものであっても、あるいは治験のものでも入れることがあり得るかもしれないという検討の枠として、学会のニーズというものを拾い上げますということを、それが必要かどうかを判断するところをやはり事務局できちんと整理していただいて、ワーキンググループにかけるということは、今までと同じような形でやっていただくと、今回の○の2つ目に出てきたようなケースが出てくる。そういう意味では、是非続けていただいて、こういう問題が出てきたときにどうするかを考えていって、この会の位置づけと内容が決まってくるのではないかと思います。
○北村座長 ここで座長がまとめるというのは、一筋縄でいかぬところがありますが、例えば参考資料5の中に今日の2つのことを書き加える御予定ですか。「学会要望」から「非選定」が4つ並んでおるところに「事務局にて整理」と書いてありますが、国内品の取扱いについては、ここに加えられる予定なのか。参考資料5はもう触らない予定ですか。
○事務局 御議論いただいたことが増えていっても分かりづらいですので、参考資料5に1つにまとめて、一覧でやろうと思います。その際に、今、いただいた御指摘について反映させたいと思います。
○北村座長 そうですね。今日の時間では間に合わないんですが、どこまでこの検討会を拡大して、こういうことをお願いするか。学会の意図を行政あるいは審査機関にお願いするかという形の中での事業拡大といいますか、少し枠を広げるのであれば、参考資料5に国内品の取扱いも加えていただく形を御検討していただく。しかし、趣旨については、大体この趣旨で本日は御理解いただいて、整理するという形で、次へ進ませていただきたいと思います。具体的な例が出てまいりますので、その決定も含めまして、少し御議論をいただかなければいかぬと思います。
 それでは、委員の先生方のお時間の都合で、順番を少し変えさせていただくことがありますので、よろしくお願いいたします。検討する品目が多くございますし、参考人の先生を長いことお待たせしておりますので、早速、始めたいと思います。
 まず一番引っかかってくる問題は、資料4-1のオープン型大動脈用ステントグラフトです。今の形からいいますと、これは現在治験中で、間もなく申請されるという状況にあると理解しております。そうしますと、これは非選定という形になるわけなんですが、いかがでしょうか。
 今、意見も出ていましたが、ワーキンググループでも、これはどのぐらい治験の進み具合があるのかを知りたい。治験中は言えないということであれば、当検討会としては、出てきた時点で審査を迅速にお願いしたい。結果は我々の権限ではありませんので、PMDAあるいは厚労省の判断を待ちますが、審査を迅速にお願いしてください。順番どおりに、待たすことなく、これだけの要望があるという形を御理解いただきたいという提案をつけ加えていただくことは可能ですか。そうしていただいたら、一応治験中なので、非選定ということでは、委員の先生からは御理解がいただけると思います。是非審査を早く進めてほしい品目に挙げていただく。選定という言葉がね。選定したいんだけれども、承認しろという命令はかけられない。
○澤委員 北村先生、よろしいでしょうか。これは米国も欧州も未承認と書かれております。
○北村座長 これは国産です。日本製の製品です。
○澤委員 申し訳ありません。ありがとうございます。
○北村座長 どうぞ。
○吉田茂昭委員 私も非選定でいいと思うのですが、それだったらワーキンググループがかわいそうです。一生懸命やってきたのにね。こういうことがあると、よけいな方々によけいな迷惑をかけたことになるし、この辺は信義の問題につながってくるので、あいまいにしない方がいいと思います。是非その辺を考えていただきたいと思います。
○事務局 皆様方にはいろいろな視点からのご指摘をいただいておりまして、この検討会として、そういう形での審査を迅速にお願いしたいという御意見があったことは議事録に残りますので、そういった対応をPMDAの方にもお願いして、それが実現するという形にさせていただければと思います。
○北村座長 そういう妥協策をいただきました。
 そうしますと、学会も申請側も当検討会を通して意見を述べていただいたということで、喜んでいただけるかもしれませんし、PMDAさんにはそれだけニーズが高いということを認識していただけるかもしれません。一方、治験ということが現実に進行しておりますので、それを左右する、つまり薬事承認を早くしろという権限は、この検討会にはないと思いますので、そこのところで、意見を付記してもらうという形で御了解いただいて、一応非選定という形でよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○千葉委員 このお話は、同時に国内開発品の取扱いについての先ほどの文章を練っていただけるという前提付きですね。
○北村座長 それは次なりあるいはインターネット上でも御意見を伺って、順番が○○○でいいのかどうか。それと参考資料5のこれにつけ加えることがあるのかどうかも検討していただきたいと思います。
○事務局 今の御意見を含めて、全体で検討させていただきます。
○北村座長 よろしくお願いいたします。
 それでは、次の資料4-7、水晶体嚢拡張リングです。
 これは国内開発品の問題の取扱いの御議論をいただいたんですが、御説明を前田先生からお願いします。
○前田参考人 以前に一度、この会で通していただきました、水晶体嚢拡張リングです。お忘れの方がいれば、グリコのおまけの指輪のような形をしているとプレゼンをさせていただいたかと思いますけれども、資料が新しくHOYAから出てまいりました。今日の分厚い資料の一番下にありますけれども、この資料をめくっていただきますと、右のページに実際のものが出てまいります。要するに前回通していただいたものが、どういうわけだか業者の腰が引けまして、業者の方で手続をしなかった。どうして腰が引けたかという報告を受けておりませんので、どうなったのかわかりませんけれども、学会としては、非常に大切なものなので、日本のHOYAで同等のものがつくれるということで、今回HOYAからこういう資料が出てまいりました。
 そこにあります3つの写真のうち、右端のブルーの形をしたものがHOYAのものでございます。
 資料の読み上げに関しては、前回読ませていただいていますので、割愛させていただきます。
 前回と同じことが書かれているわけですけれども、今、お読みになっている図のところの真ん中にありますMorcher社のカプセルテンションリングタイプ14というのは、私の記憶ではFDAの認可を取っていると思います。前回資料を丸々つくりましたので、今回の資料4-7にはCEマークの話を書いていまして、FDAの話には触れておりませんが、Morcher社のカプセルテンションリングタイプ14は、FDAの認可を取っていると思っております。後で御確認をお願いしたいと思います。
 前回の資料と極端に内容を変えるわけにいきませんので、前回の資料と同じにしておりますけれども、資料の「検討結果」の最後4行を前回と異なる内容に変更させていただきました。読ませていただきます。「本製品は、形状、材質が単純であり海外類似品と著しい性能の差異が生じるとは考えにくい。しかしながら、海外類似品との比較は必要であることから、その方法は一考を要する。製品の弾力性や表面加工の精度等をどのように評価するか等について、医薬品医療機器総合機構と事前によく相談のうえ、審査に臨むことが必要である」と文章を締めさせていただきました。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 Morcher社のものを我が国に導入するときに、それを取り扱う企業がないわけです。しかし、是非必要だという中で、HOYAが開発してきた。これは治験なしでいける形になるんですか。
○事務局 そこはこれからの総合機構との相談の中で決まっていくことだと考えております。
○北村座長 HOYAが治験することになった場合は、前者とどう違いが出てくるんですか。
○事務局 前者というのは、何ですか。
○北村座長 ステントグラフトです。治験をすることになった場合です。
○事務局 これはまだ治験には入っておりませんし、実際に治験中の状態ではないため、ステントグラフトとは違うということが言えるかと思います。
○北村座長 もう一つ前では、導入を早くしろとここで言い、治験まできているのはできない。どう考えたらいいんですか。どう整理したらいいんですか。ちょっと頭を整理させてください。
○事務局 頭の整理をさせていただきますと、1つは治験をしている、していないのタイミングの問題、またこの前のオープン型ステントグラフトと大きく異なりますのは、ニーズの選定品目として値するか、値しないかをどのデータを用いて評価ができるのかという2つの軸があろうかと思います。
 先ほど担当から治験をしている、していない、開発の前の時期なので、そこは後押しをすることが必要ではないかという観点から、データを使わないと評価ができなかったオープン型大動脈用ステントグラフトと、既に類似の医療機器があって、ほぼこれと同じ形で有用性が見込まれるという蓋然性が非常に高いものとの違い、そこの2つの違いが相まって、前者は審査を迅速にしてください、ただ、非選定です。後者に関しては、これは既に枠として選定はされてございますので、その枠に該当するか、しないかというところの該当性をもって品目を選定するという整理かと思います。
○吉田茂昭委員 わかりやすいたとえ話でいうと、優秀な若者がいて、嫁さんがいない。その嫁さん探しを我々がやっている。私たちの仕事は、この人が優秀な若者だということを認めてやることと、適当な嫁さんを探してやるという2つなんです。
 グラフトの場合は、もう嫁さんが見つかっていて、2人でいい感じになっているので、我々が手を出す必要がない。だけれども、この場合は嫁さんに逃げられてしまって、優秀な男がいるんだけれども、嫁さんがいない。探してやろうではないか。但し、探した後、治験の格好で進むかどうかは我々は知らない。それでいいんです。そういうことだと思います。
○北村座長 そうしたら、企業は治験前に先に出した方がいいということになるんですか。
○吉田茂昭委員 出すのは学会や患者団体ということになりますが。
○北村座長 勿論治験の企業と学会が話し合っていることは間違えがありませんから、その中で、治験に入ってしまうと、書けないんです。皆さん、今のたとえ話でよく理解できましたか。
○梅田委員 これは非常に似ていますけれども、特許上の問題はないんですか。
○事務局 それはHOYA株式会社に確認いたしまして、もともとこの特許は日本人の先生が持っていらっしゃるということで、その特許はもう切れているから、今回HOYAが開発できるということで、特許については問題ないということを確認させていただいております。
○前田参考人 国内における特許はちょうど1~2年前に切れております。ですから、特許に関係なくできると思います。
○梅田委員 アメリカは日本の先生のその特許を買ってくれたんですか。
○前田参考人 その先生はアメリカとヨーロッパにも出そうとしたそうですけれども、べらぼうに高いので、国内でだけ特許を取られたそうです。
○北村座長 気の毒だね。
 そういうことで、これも結局はPMDAの治験で眼内に入れるわけですから、レベルは何になるんですか。レベル4の機器になるんですか。3ですか。生命には余り関係ない。レベル3の機器だから、治験は要るのではないんですか。間違えなく少数例はテストをしなさいとなります。だから、その辺りのこともあるけれども、学会の要望で早く使わせろ、日本に入ってこない、大変よく似たものは既にFDAで承認されている。本当は特許に係るぐらい似ているんだけれども、切れているからいけるんだ。諸般の事情を合わせて団子にして、早くお願いしますとこの検討会から出す。ちょっと納得いかない方もおられるかもしれませんけれども、それでよろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 とにかく早く使える器具がほしいという現場のニーズがありますので、審査も早くしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 今の件は、事務局からよろしいですか。
 それでは、今の状態は、早期審査をお願いする。導入してほしいので、早期審査をお願いする。
 それでは、次の頭蓋内動脈瘤治療のための自己拡張型インプラントという、資料4-2のところですが、村垣先生からお願いします。
○村垣参考人 先ほどの吉田先生のたとえからすると、非常に優秀な男ですけれども、若干粗削りなところがある形だと思います。
 こちらの資料は2つです。今回は2品目で、同じ目的なんですけれども、PipelineというものとSurpassというものです。23-9という番号がついております。
 23-9のPipelineを見ていただくと、製品の概要がおわかりいただけるかと思います。ページでいうとA-2です。こちらです。割ときれいなもので、Pipelineというものがあると思うんですけれども、先生方ごらんいただけますでしょうか。もともと脳動脈瘤に関しては、クリッピングといって外からクリップをかける方法が最初にあって、最近では血管内低浸襲というところで中にコイルを入れるということです。ただ、非常に大きな動脈瘤とかあるいは頚部にあった場合、非常に治療が難渋して、内頚動脈自体をやることも行われました。ただ、今回A-2にありますように、従来、頭ではそういったいいものがなかったんですけれども、そういう形でステントを入れて、動脈瘤への血流を遮断させて、治療をするという方法であります。
 承認状況なんですけれども、米国、欧州ともPipelineに関しては承認が取れている。Surpassに関しては、欧州では承認が取れているけれども、米国ではまだということであります。大きな違いは、現場の者に聞きますと、Surpassの方がサイズとかそういったものの可塑性が高いと伺っております。
 実際これに関しては、医療上の有用性があります。Pipelineに関しては、米国の承認が得られておりますように、既にベイズ統計を用いた臨床試験が行われております。2つとも非常にいい結果です。具体的に1つの試験では閉塞率が73.6%、もう一方では93.3%ということで、非常に高い治療効果が得られています。特にPUSFの最初の試験では、試験の対象が難しい動脈瘤が選ばれていたことからすると、よい結果ではないかと思います。一方で、合併症の重篤なものに関しては、どちらの試験も5~6%ということで、従来の手術とか、あるいはコイリングと比べて遜色ないものであると思います。今回新しく思ったのは、FDAの方で、ベイズ型のアプローチで、単アームで試験が行われています。比較試験ではないということが、新しいことかもしれません。
 一方、Surpassはヨーロッパで試験が行われているんですけれども、これに関しては若干症例数が少なくて、FDAでは現在IDEの申請をしているという記載がありますので、今後の臨床成績が出てくると思いますけれども、今後安全性あるいはトレーニング等を含めて、その辺のところが問題になってくるかもしれないと思っています。
 まとめますと、もともと動脈瘤に関しては、破裂すると致死的な疾患でありますので、適応疾患の重篤性はA、これまで非常に難治性であった巨大動脈瘤等の治療の可能性を広げるということで、確かに内頚動脈を縛ったりという方法はあるんですけれども、根本的な治療としては代替がないということで、もう一つの調査としては、FDAでも単アームで比較試験が行われていないということから考えると、医療上の有用性もAということで、ワーキンググループでは判断させていただきました。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 御意見ございますか。
 これは2品目とも承認せよという御意見ですね。
○村垣参考人 文章上はPipelineの方がエビデンスがそろっていると感じていたんですけれども、脳血管外科医の先生方に聞くと、Surpassの方が使い勝手がいいということなので、両方ともということです。ただ、どちらに関しても、今後安全性に関していろんな情報を集めていくことが必要だと思います。
○北村座長 両方とも一応FDAを通っているんですね。
○村垣参考人 後者のSurpassはまだ通っていないです。今、IDE申請中です。
○北村座長 CEマークは通っていますか。
○村垣参考人 CEマークは通っています。
○北村座長 そういう形で、また1つ脳動脈瘤の治療法のオプションが増えるということです。
 どうぞ。
○笠貫委員 Pipelineの方はすばらしい臨床試験で、FDAがPMAを取っています。
 もう一つの方を同時にするかどうかなんですけれども、Surpassの方はFDAでIDE申請ということで、何か臨床試験が走っているんでしょうか。
○村垣参考人 どうでしょうか。私が知る限りでは、恐らく走っているのではないかと思うんですけれども、まだそこまでの情報は得ていないので、申し訳ございません。
○笠貫委員 この検討会では、今までCEマークでも採用という形になっていたと思いますので、両方採用として、あとはSurpassのどういう検討をするか、PMDAで検討いただくということでよろしいかと思います。
○北村座長 それでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 わかりました。ありがとうございました。
 それでは、この2品目を手術なさる方々の好き好み、あるいはオプションの増加という形で進める。その中で、薬事法的に見て多少違いがあって、順番ができるということがあるかもしれませんが、2つを検討会として、早期導入にお願いするということにしたいと思います。
 村垣先生、ありがとうございました。
 それでは、次の資料4-3、脳深部刺激装置ですが、これは後藤先生からお願いします。
○後藤参考人 よろしくお願いいたします。後藤と申します。
 本日対象に挙がっている装置は、Activa RCという装置です。
 対象の資料は、23-11、1ページ目です。この装置は刺激装置本品と書いてあって、胸のところに置いて刺激する機械です。
 手術は定位脳手術という技法を用いまして、電極を留置して、その電極をバッテリーで電気刺激することによって、いろいろな不随意運動を改善させるという目的の装置です。この装置は2000年ごろからパーキンソンを中心に多くの不随意運動に用いられておりまして、現在、ジストニア等々の不随意運動に対して使われておって、これまでの凝固療法、つまり脳の一部を焼いて機能の改善を得るという方法に比べて、種々のメリットがあるとされております。
 現在、日本ではパーキンソン病と本態性振戦においてソレトラという装置が承認されておりまして、Activa RCという装置は、現在、米国、欧州でパーキンソン病においては当然使用されておりますけれども、今回挙がっているジストニアについては、米国では承認されておらず、欧州でCEマークが所持されているという現状であります。ジストニアに対する深部電気刺激の装置の有用性というのは、勿論、先ほど言ったようにソレトラを使ったものにおいて、これまで数多くの論文が出されておりまして、いずれにおいても、非常に有用なものであると考えられておりますので、脳深部の刺激装置を用いてジストニアの治療をするということは、全く問題がないと思っております。
 問題はActiva RCという装置は、現在、日本の臨床では使用されていないということなんですが、今、メドトロニック社がこの装置を日本で使えるように承認して、もうすぐパーキンソンと本態性振戦において使用が開始できるだろうという状況にあります。
 今まで使っているソレトラとActiva RCの違いは、充電が可能であることと、同時に両側の刺激が可能であることです。この絵にもありますように、頭には右と左の両側に電極を置くわけですけれども、これまで右と左の電極を管理するのに2つの刺激装置が必要だったわけですが、この1つでできます。更に充電が可能で、今まで約5年も使うとなくなっていた電池が10年ぐらいもっているということで、この有用性ははかり知れないものがあると思います。電池がなくなってしまうと、開けて交換するんですけれども、感染の問題と、電池は非常に高価でその費用もありますので、非常に有用だと思います。
ジストニア友の会から要望が挙がってきたものですし、定位脳手術学会にも是非導入をお願いしたいという意思を確認できておりますので、導入を前向きに検討されていってはいかがかというのが結論です。
○北村座長 ありがとうございます。
 今、使っている適応外使用、パーキンソンに使う機械は何という名前なんですか。
○後藤参考人 ソレトラという装置で、恐らくメドトロニックから販売されておりまして、刺激の量とか総量に関しては基本的に同じです。違うところは、一方の電極しか刺激できないということと、充電ができないということであります。
○北村座長 Activa RCというのは、我が国にまだ導入されていないんですね。
○後藤参考人 もうすぐ導入されるということで、そちらのことについては、多分事務局がよく御存じではないかと思います。
○北村座長 そうすると、適応拡大という方法もとれるわけですね。
○後藤参考人 そういうことです。
○北村座長 その辺は事務局として御意見ありますか。
○事務局 今、パーキンソン病と本態性振戦の振戦について使用できる機器はございますけれども、ジストニアに関して使用できる機器がないということで、今回パーキンソン病友の会という患者団体さんから御要望が挙がってきているところでございます。
○北村座長 これを承認したら、Activa RCの方はジストニアだけだという形になって、でも、今、お聞きすると、充電できる、両側刺激ができるということになると、パーキンソンも本態性振戦も両方ともこちらを使う。今度は向こうが適応外使用で使うという動きが当然医師には出てきますね。
○後藤参考人 先生、違います。もともとパーキンソンと本態性振戦はこれが承認されて、多分春ぐらいからは臨床でも実際に使えるようになる状況にあるというのが現状です。
○北村座長 そうしたら、今、おっしゃったように、適応拡大という形でもいいんですね。
○事務局 説明が不足しておりまして、申し訳ございません。
 こちらのActiva RCという製品につきましては、昨年、既に承認されております。先ほどお話しましたように、適応につきましては、本態性振戦とパーキンソン病に伴う振戦について適応がございますので、今回適応拡大の要望が挙がってきているところでございます。
○北村座長 これは適応拡大と理解していいんですね。
○事務局 そのとおりでございます。
○北村座長 適応拡大も早期導入の一環として、加えて承認してくれという形で、先生側は望んでおられるわけです。
 いかがでしょうか。御意見ございますか。どうぞ。
○千葉委員 意見というよりも質問なんですけれども、これを要望しておられるのは、ジストニア友の会ですね。これは学会なんですか。全く知りませんので、教えてください。
○後藤参考人 患者団体です。
○千葉委員 よくわかりませんけれども、これは学会でも患者団体でも区別はしないということでしたか。
○北村座長 患者団体が厚労省あるいはPMDAに要求します。学会にも返ってくると思いますけれども、友の会というのは皆患者の会です。これはあくまで脳神経外科学会が申請に臨んでおられるんですね。違いますか。友の会が臨んできているんですか。
○事務局 今回はジストニア友の会が中心となって日本定位・機能神経外科学会、ニューロモデュレーション学会を関係する学会として申請してきています。また、参考資料3「1.学会等からの要望に関する意見募集」の2つ目の○に「患者団体からの要望も考慮する」ということで、対象に含めて考えているという経緯になっております。
○千葉委員 了解しました。学会に限る必要はないと思っておりまして、患者団体からくることはいいことだと思っておりました。わかりました。
○北村座長 ジストニアというのは、どのぐらいの患者数がおられるんですか。
○後藤参考人 パーキンソンが20人いると、ジストニアが1人か2人ぐらいのイメージです。
○吉田茂昭委員 現在、保険等で認められている標準的治療というのはないんですか。
○後藤参考人 薬物療法やバクロフェンの髄注などが治療法としてありますけれども、その効果はDPSには劣ると認識しております。
○吉田茂昭委員 きちっとジストニアという適応をとっているものもあるんですか。
○後藤参考人 もちろんジストニアは非常にたくさんの表に出る症状がありますので、ジストニアはジストニアで、パーキンソンとは全く別の疾患です。
○吉田茂昭委員 適応を混乱しているようなことはないのかということを聞いているのですが。
○後藤参考人 それは全く違います。ジストニアはジストニアであり、パーキンソン病はパーキンソン病です。
○吉田茂昭委員 質問している意味は、ジストニアに適応拡大しろというのはよくわかったのですが、例えばほかの薬などでも適応拡大したいものがあるのではないか。この機械の申請だけに限らず、薬の方も頑張って下さいという話をしようと思っていたんです。そういうことですね。
○後藤参考人 そのとおりです。
○北村座長 ありがとうございました。
 この品目は適応拡大という形で処理していただいても結構ですが、とにかくジストニアの方に利用できる機器として、早期承認、導入してほしいという形でございますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 次は電極装着のガイドワイヤーというもので、中村先生からお願いします。
○中村参考人 資料4-5、電極装着のガイドワイヤーです。
 検討開始資料の方は、23-19、薄目のものです。もともと積んであったものの中では、下から3番目ぐらいの資料になります。
 これは小児の先天性心疾患に使われるものですけれども、対象疾患というのは大きく2つありまして、1つは心房中隔欠損の存在が必須の重症先天性心疾患のうち、心房間交通が閉鎖したもの。2つ目が、肺動脈弁の膜様閉鎖でございます。
 ニーズ検討会の資料の2ページ、3ページに写真が載っております。これはX線透視下で、単極型の高周波エネルギーを送出したものを心組織に押し当てて、心房中隔及び閉鎖した肺動脈弁を穿孔するものでございます。
 Nykanen RF Wireというもので、製造企業がBaylis Medical Company、輸入企業が日本ライフライン株式会社になっております。
 承認状況は、米国及び欧州での承認がございます。
 1ページの一番下に移らせていただきまして、対象疾患ですけれども、心房中隔欠損が閉鎖し、生命の危機がある左心低形成症候群、三尖弁閉鎖、大血管転位など重症の先天性心疾患及び肺動脈弁閉鎖のうち、膜様に弁が閉鎖したものが対象ということで、全例が新生児または早期の乳児でございます。
 日本先天性心臓血管外科手術データベースによる集計によれば、外科的な心房中隔欠損拡大術は2010年に195例ですけれども、このうち心房中隔の穿孔を要する例が10%ということで、20例前後。それから、カテーテルによる閉鎖肺動脈弁の穿孔というものは、日本Pediatric Interventional Cardiology学会の調査では、やはり年間20例前後と予測されている。
 医療上の有用性については、心房中隔欠損拡大術と肺動脈弁の膜様閉鎖の開通を分けております。
 最初の2つの段落は、心房中隔欠損拡大術について書いてございます。既存の治療は、外科手術もしくは経皮的にカテーテルを用いて機械的に穿孔する方法です。外科的切除の場合は、人工心肺装置を用いた侵襲の大きな手術が必要でリスクが高く、また既存のカテーテルを用いた機械的穿孔では、拍動している心臓の穿孔目的部位に正確に固定した上で、どんと物理的な力をかけることが必要となる。そういうことを実際にやっておられる先生からお聞きしております。そのため心房壁や大動脈を誤穿孔する可能性があり、この際には致死的な循環動態の悪化を来しかねないというリスクがあります。
 一方、本品はRFエネルギーを与えることにより、ほとんど物理的な力をかけずに穿孔することが可能ということで、より正確な穿孔が可能となります。更に既存の治療に用いられる針はブロッケンブロー針というものなんですけれども、最低でも6Fのカテーテルの挿入が必要ですが、本品は4~5Fで進むということで、より小さい子ども使用可能です。また、針は柔軟性や操作性・形状に難があって、新生児に対して使用できないということでございますけれども、これに比べて、柔軟性が高いということで、新生児に対しても使用可能です。
 今度は肺動脈弁の膜様閉鎖の開通ですけれども、既存の治療法は外科手術あるいは経皮的に血管造影用のガイドワイヤーで機械的に穿孔する方法でございますが、外科的切除は侵襲が大きく、またリスクが高く、複数回の外科手術が必要となることも多いということです。既存のガイドワイヤーを用いた機械的穿孔では、拍動している心臓の穿孔目的部位に正確に固定した上で、物理的に力をかけることが必要となるために、右室流出路を誤穿孔する可能性があります。また、膜構造が厚い症例では、機械的穿孔が不可能なものもあるということで、本品がありますと、物理的な力をほとんどかけずに穿孔できるということでございます。
 似たような名前のものは、過去にこの検討会で検討が終了しておりますけれども、高周波心房中隔穿刺カテーテル(NRG RF Transseptal Needle)というものがありますが、これはサイズやカテーテルのカーブ形状が本品の対象疾患を有する新生児等の体格には大き過ぎる、また硬いということで、今回の適応疾患に関しては使用できないということでございます。
 検討結果にまいりますが、疾病については、今、申し上げたように、生命に重大な影響がある致死的な先天性心疾患ということで、適応疾患の重篤性がA。また、欧米において承認されており、有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法より優れているということで、医療上の有用性Bと判断させていただきました。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 御意見ございますでしょうか。あるいは事務局からつけ加えることはございますか。
 赤ちゃんの新生児期における心房中隔、穴を開ける治療というのは、救命措置として非常に重要なんですが、それがより安全に行える。これは小さい穴で、あとはそこへ風船を突っ込んでやるということですか。どのぐらいの穴が開けられるんですか。そのガイドワイヤーということで、ガイドワイヤーだけを選定したらいいんですか。
○中村参考人 別添資料の733ページにございます。バルーンのようなもので拡大しているような写真が付いております。
○北村座長 今回の承認というのは、ガイドワイヤーだけでいいんですか。機械本体ですか。この資料にはガイドワイヤーと書いてあります。
 事務局から説明はありますか。
○事務局 今回、カテーテルの部分の要望ということなんですけれども、先ほど中村参考人からも御説明があったとおり、7月7日の検討会で高周波心房中隔穿刺のカテーテル問うことで御要望をいただいたものがあるんですが、ジェネレーターについては、そちらで選定されたものと同一のものということで、今回異なる点はカテーテルの部分になります。
○北村座長 何番になっていましたか。
○事務局 資料1のNo.42です。資料1の5ページ目になりますけれども、No.42の高周波心房中隔穿刺カテーテルです。ジェネレーターの高周波発生装置については、こちらのものと同一になりまして、今回はカテーテルになります。
○北村座長 当たり前のことのように見えます。ワンセットでなかったら、使い物にならないと思うんだけれども、別個になってしまったわけですね。その是非は問わぬことにしまして、要するにセットとして使えるようにしてくれるということで、こうなったということです。
 問題ございませんね。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 これも一緒に、今、御説明いただいたNo.42と併せた形で利用できるように、早期導入を図っていただきたいと思います。
 それでは、次は心室中隔欠損症(VSD)閉鎖用の医療機器ということで、これも中村先生、お願いします。
○中村参考人 先ほどのプレゼンで、私が専門医で、実際にやっていないことがばれてしまいましたけれども、ワーキンググループに小児科医が1名しかおりませんので、専門のり先生方にはお助けいただければと思います。
○北村座長 専門の人がおられない場合には、専門の人を呼んでいいという規約になっているんです。
○中村参考人 次の品目は、資料4-6、お手元の評価資料は23-22です。
 対象疾患は、筋性部が欠損した心室中隔欠損症でございまして、経皮的に閉鎖栓を留置し閉鎖することを目的としたデバイスでございます。
 医療機器は、Amplatzer Muscular VSD Occluder、製造がSt.Jude Medical、輸入企業がセント・ジュード・メディカルでございます。
 米国と欧州で承認されております。また、カナダ、オーストラリアでの承認も確認されております。
 2ページ目にまいりまして、本品は心室中隔欠損閉鎖用の医療機器でございまして、筋性部の欠損のものに対して、経皮的もしくは開胸下経右室心筋的に閉鎖を行う際に使用するものでございます。特に全身状態が悪く、人工心肺装置を用いた外科的閉鎖術を行うことが、解剖学的、技術的な面からハイリスクもしくは困難であると考えられるような筋性部心室中隔欠損を閉鎖する際に使用します。
 評価資料の7分の1ページ、7分の2ページに写真がございますが、自己拡張型の閉鎖栓と閉鎖栓を病変部へ運ぶデリバリーシステムからなっております。
 対象疾患ですけれども、筋性部欠損の大きな心室中隔欠損では、乳児早期より心不全をきたし、一期的根治術が困難な症例が見られます。その場合は、肺動脈の絞扼術を行った後に、パッチ閉鎖術を行っております。心尖部に見られる心室中隔欠損の場合には、完全閉鎖が難しく、有意な残存短絡のため、再手術をすることもしばしばであるということです。全例で乳児期に自覚症状が出現し、治療に難渋するケースが多いということです。
 先ほども挙がりました先天性心臓血管外科手術データベースによる集計によりますと、2010年に外科的な多孔性心室中隔欠損手術が20例に対して行われていますが、このうち筋性部欠損例は約10例程度でございます。また、多孔性心室中隔欠損閉鎖が困難なため単心室修復を行わざるを得ない症例が同程度残存すると推測されますが、これに関してはデータがない。先ほどのものも症例数が少ないですけれども、ここも年間数十例という非常に症例数が少ない対象となります。
 医療上の有用性ですけれども、先ほどから申し上げておりますように、ハイリスクまたは困難な症例に対して、他の閉鎖用医療機器を適応外で使用するとか、個人輸入したものを使うということでございます。本品が導入されれば、それを堂々と使えることになります。
 FDAの審査報告書の概要を見てみましたけれども、本品の米国における多施設共同臨床試験において、解剖学的状態及び全体的な医学的状態に基づき、標準的な経心房または経肺動脈アプローチによる外科的閉鎖術を施行するにはリスクが高く、本品を用いた閉鎖により臨床症状が改善されると考えられる心室中隔欠損症、多量の左右短絡、肺高血圧、うっ血性心不全の臨床症状を有する患者さんに対して、有効性と安全性の評価が行われています。これはもともといろんな症例を調べた中で、独立評価委員会が遡及的にハイリスクと判断した患者41例を評価しているんですけれども、そのうち38例が実際に本品の施行術を受けております。38例中、術後に2mm以下のシャントしか残らなかった症例は29例、47件の施行術のうち、手技が成功したのは39件(83%)、2mmのシャントしか残らなかった症例は38件であったということです。
 術後12か月でのフォローアップができた患者は30例ありますが、そのうち超音波による画像評価ができた25例について、画像上の成功率が100%であった。また、術後12か月の時点で全症例のうち43.8%で大きな有害事象や顕著なシャントもなく、本品が維持されていたということでございます。
 これはFDAの報告書にも書いてありますけれども、事前に検証すべき仮設を立てられておられず、また統計学的計画も立てられていないなどの問題点はあるものの、本試験の高リスク集団における患者の全般的な健康状態をかんがみて、FDAの審査チームがこれらの結果が本品の有効性及び安全性の裏づけになると判断しているということでございます。
 検討結果でございますが、対象疾患は生命に重大な影響がある致死的な先天性心疾患であることから、適応疾患の重篤性はAと判断いたしました。また、医療上の有用性については、外科的治療がハイリスクまたは困難な症例に対して有効性と安全性の評価が臨床試験で行われて、欧米で承認されて、一般的に使用されているということで、Bとさせていただきました。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 これはもともと心房中隔の閉鎖に使われていたアンプラッツァーとどう違うんですか。
○戸高参考人 済みません。担当でないのでよく存じますけれども、多分サイズや形状が若干違うぐらいのことではないかいと思います。
○北村座長 子どもさんでも、小さい子でなければされていますけれども、これを今度心室中隔欠損の筋性のものに使います。日本人は少ない病気なんです。アメリカ人などに比べると、少ない病気ですけれども、それに応用する。手術しにくい場合もあるんですけれども、どう違うんですか。心房中隔欠損閉鎖用、アンプラッツァーのものとVSD用のものはどこが違っているんですか。
○事務局 企業の方に確認して、また御報告させていただきます。
○北村座長 わかりました。これは既に日本では使われているんですか。
○中村参考人 個人輸入で使われている例があるか、ないかぐらいと聞いております。
○北村座長 また適応外使用、同じようなものであれば、心房中隔のものをこちらに持ってきている。適応年齢の最小は何歳と書いてありますか。
 出してくれるときは、事務局も答えられるように、資料なりをお持ちいただいておく方がありがたいです。
○中村参考人 5.2kg以下と書いてあります。
○北村座長 赤ちゃん用ですか。
○中村参考人 5.2kg以下はコントラと書いてあります。
○北村座長 一番小さい子は無理だということですね。
 名前はAmplatzer Muscular VSD Occluderと書いてありますから、少しは違うかもしれませんね。カテーテルを導入する場所が違いますからね。
 これを使いたいということですが、いかがでしょうか。どうぞ。
○吉田茂昭委員  米国の承認に条件がついているようなのですが、どういう条件だったのでしょうか。事務方、わかりますか。
○事務局 済みません。確認させていただきます。
○北村座長 どうぞ。
○千葉委員 今日は伺っても、どうも資料が少し不足しているという印象がございますので、この検討会で承認と言ってしまうには、検討の内容が浅いという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○北村座長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
 見た目、絵などを見ると、心房中隔用と変わりないね。しかし、名前はMuscular VSDとなっています。当然だれでも考えることなんですけれども、その辺は調べていただけますか。
 これは次回回しでいいのではないですか。ほかの方はどうでしょうか。
 よく似たものだから通せということもね。実際に部会では現物が回ってきたりしていたものがありました。あれは部会の方ですか。ここはそれはないから、どういう違いかわかりません。事務局の方も答えられないような器具を、はい、よろしくとは言いにくいので、事務はよく勉強してきてください。これは次回に継続審議させていただきます。多分大丈夫だと思うんですけれどもね。
○中村参考人 資料がなくて読み取れないので、恐らく追加資料だと思います。FDA評価の中に細かくは書いてないんですが、私がこの資料を読んだときの理解は、ここに書いてある承認した適用の内容の中で、高リスクとなる解剖学的要因というもので制限がかかっているものが条件付きだと認識しました。済みません。それ以上は資料から読み取れません。
○北村座長 わかりました。
○吉田茂昭委員 それならいいのですが、条件付きという中には、例えば将来、こういう悪いことがわかったら承認を取り下げるという場合もあると思うので、その辺を一応精査しておいてください。
○北村座長 これは残存短絡が残ることの多い病気で、こういうものを減らすことができるので、非侵襲的ですので、資料をもう一遍整理していただいて、次回にやります。
 それでは、最後に進ませていただきます。腎機能代行療法(血液浄化治療)に用いる装置ということです。お待たせいたしました、矢内原先生、お願いします。
○矢内原参考人 こちらの資料は、資料4-4と23-13になります。
 NxStage Systemといいますのは、非常に小型の透析装置です。大体普通のバンの荷台に乗るぐらいの非常に小さい機械です。日本におきまして、外来透析は通常病院内で行われているんですけれども、現在、在宅透析も保険適応が認められまして、患者さん御自身の御自宅で透析をされるようになりつつあります。まだ全国でも数百名にいかない程度の人数でしかないですが、始まっております。ただ、問題になっておりますのは、通常病院で用いられている機械を御自宅に設置していただいて、それを用いて透析をされているというのが現状です。単純に考えておわかりのとおり、非常に大きなスペースを必要として、あとは水の問題等々がございまして、患者さん御自身も躊躇するというのが現状でございます。
 NxStageに関しましては、今、言いましたように、非常にコンパクトにできておりまして、しかも、水道水がない場所で透析を行うことができます。したがって、現状では在宅透析に完全に用いることのできる機器だということが特徴でございます。
 対象疾患は腎不全でございますけれども、今の特徴からいいまして、まず水道水を用いることができない状況、例えば災害時にも使用ができる。勿論在宅透析を進めるという一般的な概念でいいますと、体力的に余裕のある透析患者さんを日常生活、普通の仕事へ時間を割いていただくことができること、またはこれから透析患者さんが増えていく中で、通院透析が行える施設のキャパシティを超えてくる可能性もございます。そういうところの問題の解決にも十分対応できる機器だと考えております。
 既にFDAでは2005年に承認が取られておりまして、既に数千人の方々が在宅透析を行っておりまして、一般的な安全性は確保されております。
 医療上の有用性につきましては、NxStage Medical社主導で行われたFreedom Studyというものがございます。こちらの方に関しましては、当該物品の販売会社の主導で行われた試験でございますので、多少は慎重に考える必要がございますけれども、連日の透析におきまして、一般的な通院透析を行っている患者よりも改善を認める部分があるということが報告されております。
 ただし、こちらに関しましては、御存じのとおり、米国における血液透析は血流量も非常に多くて、時間も短時間であることから、死亡率等に関しては、日本よりはるかに多いということは周知の事実でございまして、一概に国内との比較というのは無理かもしれません。
 既に多数の患者さんが本機器を使用して、在宅透析を行っておりまして、大きな問題は報告されておりません。それから、先ほど申し上げました災害時等における有用性を考えますと、早期承認を考えていただいてよろしいのではないかいと思っております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 これに類似した在宅用の品物というのは、日本製のものはないんですか。
○矢内原参考人 全くございません。
○北村座長 これを輸入した場合は、透析液なども全部輸入になりますか。
○矢内原参考人 そうです。ですから、この申請に関しましても、透析液、もう一つ重要なのはカートリッジです。済みません。先ほど申し上げていなかったんですけれども、血液を回すところの回路がカートリッジ化されていまして、勿論今まではいちいちセットアップしなければいけなかったんですが、カートリッジを機械にはめ込むだけで使用できるようになっております。ですから、そこの部分もそうですし、カートリッジの中にはフィルタも含まれておりますから、機器及び透析液の調整部分、すべてをまとめて申請という形になっております。
○北村座長 アクセスは、患者さんが自分でやるということですね。
○矢内原参考人 そういうことです。
○北村座長 ある程度それができたり、教育のできた人がやるという形ですか。
○矢内原参考人 今まではそれに加えて、更に機器の管理及び洗浄、消毒等を教育しなければいけなかったところが、割と省ける。患者さんからいえば、簡便にできるところが非常に有益だと思います。
○北村座長 どうぞ。
○吉田茂昭委員 コスト的にはかなりかかることになるんですか。
○矢内原参考人 それは1つ問題ではあるんですが、現状では特定医療材料としてコストが落ちております。それをそのまま適応する形がとりあえずは正しいんでしょうけれども、今、言いましたように、問題はカートリッジ化されていることで、どれだけのコストになるかということはわかりません。特定医療材料の設定で動くかどうかということも、まだ決まっていないところでございます。
○吉田茂昭委員 それほど高くなるものではないんですか。
○矢内原参考人 特定医療材料でやっている限りは、高くはならないと理解しております。
○吉田茂昭委員 あと、使い方なんですけれども、これは1対1の関係で使うんですか。それともトラックに載せて巡回して歩くようなことがあるんですか。
○矢内原参考人 基本は1対1、要するに貸し出すないしは購入していただきます。リースになるのか、購入になるのか、その辺りはまだわかりません。
○吉田茂昭委員 よその人の血液と触れるチャンスは余りないと考えていいんですね。
○矢内原参考人 はい。
○吉田茂昭委員 そうすると、週に2回透析するときは、あとは自宅に置きっぱなしで、休んでいるという格好になるんでしょうか。毎日やることになるんですか。
○矢内原参考人 やり方としては、短時間で毎日やっていきます。
○吉田茂昭委員 食後にでもやるという形になるんでしょうか。
○矢内原参考人 その方が予後がいいのではないかと、海外では言われています。ただ、先ほど言いましたように、血流量が非常に多い透析を週3回で回すと、心負荷が起きてしまって、当然死亡率が上がってくるというのは、米国の事情ではございます。
○吉田茂昭委員 すばらしいですね。ありがとうございました。
○北村座長 どうぞ。
○梅田委員 これはあらかじめシャントをつくっておかなければいけないんですか。
○矢内原参考人 そうでございます。
○梅田委員 そうすると、急性の場合には役に立たないんですか。
○矢内原参考人 この機器は在宅の使用に限定されるものではございませんので、例えば院内で普通に使用されてもいいと思います。勿論アクセスがない場合、院内であれば透析用のダブルルーメンを用いて穿刺して行うなり、ないしは直接穿刺を医療サイドが行いますので、その点は大丈夫だとおります。
○梅田委員 見た目も非常によさそうなんですが、コストはどうなるんでしょうか。
○矢内原参考人 保険の枠組みがございますので、その中では使えて、通院されて患者さんの労働資源を失うことまで計算すると、在宅に回した方が、結果的には国内の労働人口としては有用になってくる可能性が十分にあると思います。
○梅田委員 わかりました。
○矢内原参考人 要するに、させる方ないしは教育を受けてわかっていらっしゃる方というのは、十分に日常の生活を行える方です。ただ、腎臓が悪いだけという方がたくさんいらっしゃると思います。
○北村座長 事務局からお願いします。
○事務局 事務局から補足させていただきます。
 値段の件でお問い合わせがあったんですけれども、アメリカにおきましては、本体価格が1万5,000~2万USドルで販売されているという実情でございます。
○吉田茂昭委員 1万ドルですか。
○事務局 1万5,000~2万ドルというところでございますが、国内導入に関しましては、国内で販売されている機器と同等か、もしくは少し安い価格で導入できるのではないかと企業は考えているようです。
○北村座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○笠貫委員 今の価格の問題は、ヨーロッパのNICEとか、そういうところでもテクノロジーアセスメントは十分に受けていると思うので、そういう意味で、最終的には十分だという判断でいいですね。
 もう一つは、これだけのものを医療上の有用性でBにした理由を教えてください。私はAでいいのではないかと思います。画期的なものであって、アメリカ、ヨーロッパでそれだけのデータがリスクベネフィット、コストの問題として確立されているならば、私はAでもいいのではないかと思いますが、これはどういうあれでBになったんでしょうか。
○矢内原参考人 基本的には、現状でもどうにか在宅の透析ができるという理由もございます。どうにかできるということです。できてないわけではございません。
○吉田茂昭委員 どうやるんですか。
○矢内原参考人 今、病院で使っている普通の機械を自宅に設置していただいております。ですから、そういう意味では、代替機械がしっかりございますので、Bです。ただ、現実的な問題というのは、先生がおっしゃるとおりだということは、私たちも存じ上げております。
○北村座長 腹膜透析は在宅が始まっていますが、今度はファイバーを使った血液透析です。ファイバーもアメリカ製ですか。全部セットでそうなんだろうね。
○矢内原参考人 これは旭化成がやっておりますし、しかも、取り外しができるタイプの回路もございますから、多分特殊な症例に関しましては、国内品などが代替品であると思います。これは自分も把握していないし、何も言われていないんですけれども、絶対そこは入ってくると思います。
○北村座長 日本もこういうものを開発すべきだと思います。確かに生命維持装置の在宅化というのは進むと思います。人工心臓もそうなんですけれども、そういうときに、近くでそれを見ていく。機械の扱い、故障も起こりますので、機械のメンテナンスまで自分でしろというときに、どういう人たちがそのサポートをするかというのは、在宅生命維持装置の普及化には常につきまとうことです。これはここの話と違いますけれども、そういうサポーターとなる専門知識を持つ臨床工学技士のような人が要るような時代になるんだろうと思います。
 先生、何か御意見あるんですか。
○梅田委員 これは水道水を使わなくてもいいという非常に大きな特徴があるように思うんですが、それに関してはどうなんでしょうか。家庭内で使うには非常に便利だろうと思うんですが、それがなぜBになったのかと思いながら見ていました。
○矢内原参考人 おっしゃるとおりです。
○北村座長 参考人がBとしたんですか。
○佐藤委員 ワーキンググループ全体でBにさせていただきました。
○北村座長 それはいいです。
 どうぞ。
○千葉委員 これはどうやら医療廃棄物になるわけです。今の患者さんの数とか、実際に使用する時間から想定すれば、どれぐらい医療廃棄物が増えるんですか。環境負荷に関しては、何か試算化あるいは予想などをされておられるんでしょうか。
○矢内原参考人 廃棄物のことに関してだけいえば、一応業者の方が回収します。ないしは病院に持ってきていただいて、使ったものを病院が廃棄するという形になります。したがって、基本的には透析患者さんの増加と同じになります。
 資料に中に1つ別のことで書いてあります。余り気にしていなかったので、書いてあることをしっかり読んでなくて申し訳ないんですけれども、英国の報告では、CO2の排気量に関しての軽減が認められるという報告はございます。
○北村座長 それでは、導入に際しまして、御了承いただけますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 ありがとうございました。だんだんと透析を家庭で行うという時代が近づいているんだろうと思いますが、日本は病院がたくさんあるので、行く方が楽だという現状があります。アメリカとは大きく違う点があるから、どの程度普及していくかということはあります。必要なことは間違えないので、導入していこうということで、皆さんに御賛成いただいたんだと思います。そうさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 以上で一応の議題は終了しましたが、一言、二言おっしゃりたいことがあれば、お願いします。
 それと、事務局にもお願いしている項目がございますので、よろしくお願いいたします。継続審議1つと整理です。よろしくお願いします。次回にまたそれをかけていただいたらいいと思います。
 事務局から連絡事項をお願いします。
○浅沼医療機器審査管理室長 本日はありがとうございました。
 次回の日程につきましては、改めて日程調整の上、御案内をさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。
 また、本日の議事録につきましても、作成次第、担当から御確認をお願いすることになります。どうぞよろしくお願いします。
 以上でございます。
○北村座長 先ほどしゃべっていて聞こえていないから、もう一遍言っておくけれども、整理をお願いします。
○浅沼医療機器審査管理室長 確認ですけれども、Amplatzer Muscular VSD Occluderにいては次回に回し、ステントグラフトについては御趣旨を伝えるということで、先ほどの資料3につきましては、修文等をいたしまして、またお諮りしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。
 皆さん、それでよろしいですか。
 それでは、長い間ありがとうございました。終了させていただきます。


(了)

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