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2012年3月26日 第18回政策評価に関する有識者会議議事録

○日時

平成24年3月26日(月)


○場所

専用第12会議室


○出席者

高橋座長、渥美委員、梅田委員、河北委員、菊池委員、篠原委員、野川委員、森田委員、山田委員

○議事

(以下、議事録)

○高橋座長
 定刻でございますので、「第18回政策評価に関する有識者会議」を開催いたします。3月というのはいつも憂鬱な時期で、なぜ日本は年末と年度末がたった3カ月の間にあるのだろうといつも思っております。大変ご多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございます。
 今日は阿部委員、堀田委員、本田委員、川本委員がご欠席で、森田委員はのちほどお見えになるようです。
 開会に当たり、人事が異動しております。前回は人事の前でしたので、棚橋政策評価審議官よりご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○政策評価審議官
 改めまして、私、昨年7月30日付だったと思うのですが、政策評価審議官を拝命いたしました棚橋でございます。何とぞ、よろしくお願いいたします。
 本日、委員の皆様方には、いま座長からお話がありましたとおり年度末の大変お忙しい中、ご参集賜りまして厚く御礼申し上げる次第でございます。
 本日は毎年度末恒例でございますが、4月以降の新しい年度に関する計画につきましてご意見を承りたいと存じております。さらに申しますと、行政評価の法律上、基本計画と実施計画を各省庁は定めることとなってございますが、そのうちの基本計画については、厚生労働省の場合には5年間を期間としております。この基本計画がちょうどこの3月末、平成23年度末をもって切れますので、新しい平成24年度からの5カ年の基本計画につきましても本日、合わせてご説明申し上げ、ご意見を頂戴したいと存じております。
 この間、ご案内のとおり、この5年間で何がいちばん大きいかといいますと政権交代でございます。民主党の現在の政権になりましてから昨年度と今年度、平成22年度と23年度におきましては「行政事業レビュー」というものに各省庁で取り組むこととなってございます。これはいわゆるキャッチフレーズ的に言いますと「丸ごと仕分け」みたいな言い方をいたしますが、いわゆる事業仕分け、全ての事務事業単位で自己評価をし、公開のプロセスで評価をいただくものでございます。
 これは言うまでもないことでございますが、もともとこの法律に基づきます政策評価というのはPDCA(Plan Do Check Action)の一種のやり方でございます。チェックして何に結びつけるかと言えば、特に私ども厚生労働省の場合、政策のほとんど全てと言ってよろしいかと思いますが、予算を伴いますので、評価をして、次の概算要求に向けて評価をして、それを新しい概算要求に反映させていく。ここに主眼があろうかと思うわけでございます。そういう意味では、行政事業レビューというものもまさしく事務事業単位で、同じ目的を持って行っているものでございます。そういう意味で、今回の基本計画の策定に当たりましては、こういった行政事業レビューが並行してあることを前提に、どういう形で政策評価を実施したらいいかということを私ども事務方としては検討したところでございます。詳しくはのちほど、政策評価官より説明を申し上げますが、そういうことが背景にあることをご理解いただければと存じます。
 併せまして、もともとこの有識者会議につきましては法律上、政策評価に当たっては役所が政策を自己評価するに当たり、有識者の知見を十分活用するよう義務がかかっているわけでございます。そういう趣旨からこの有識者会議が設けられているわけですが、今年度、ワーキンググループを3つ作らせていただきました。来年度以降の新基本計画の下では、このワーキンググループの下、いわゆる毎年度の実績評価書についてご審議いただく場を設けたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思っています。
 いずれにいたしましても、限られた時間ではございますが、本日は忌憚のないご意見を頂戴し、より良いものに仕上げて決定をしたいと思っていますのでよろしくお願い申し上げます。

○高橋座長
 ありがとうございました。それでは、今日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 本日の議事につきまして簡単に説明させていただきたいと思います。まず最初に、政策評価を取り巻く状況につきまして事務局から報告をさせていただきまして、そのあと第3期の「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」(案)、それから、「平成24年度の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画」(案)につきまして、ご意見等頂戴したいと考えております。
 続きまして、お手元に配付しております資料の確認をさせていただきたいと思います。まず配付資料ですが、資料番号1から3まであります。まず1ですが、「厚生労働省における政策評価に関する基本計画(第3期)」(案)等の策定のポイントです。資料2は「厚生労働省における政策評価に関する基本計画(第3期)」(案)についてです。資料3は「厚生労働省における事後評価の実施に関する計画(平成24年度)」(案)についてです。
 続いて、参考資料1として「政策評価に関する有識者会議開催要領」、参考資料2として「政策評価に関する有識者会議参集者名簿」です。
 参考資料3-1「目標管理型の政策評価の改善策にかかる取組について」(案)について、参考資料3-2は「厚生労働省における目標管理型の政策評価の改善方策にかかる取組の事前分析表」です。参考資料4として「実績評価書様式」です。参考資料5-1として「行政事業レビューについて」(平成24年3月9日行政刷新会議決定)、参考資料5-2として「平成23年行政事業レビューシートについて」、参考資料6として「厚生労働省における政策評価に関する基本計画(第2期)」です。
 最後は、参考資料7「厚生労働省における事後評価の実施に関する計画(平成23年度)」、以上になります。

○高橋座長
 お手元、ご確認いただけましたでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。議題は皆様のお手元にございますけれども、まず「政策評価を取り巻く現状について」ということでよろしくお願いいたします。

○政策評価官
 政策評価官の田原と申します。「政策評価をめぐる状況」ということで、参考資料3-1、通し頁の7頁をご覧いただければと思います。3-1の資料につきましては、「目標管理型の政策評価の改善方策に関する取組について」ということで、まだ(案)が付いております。これにつきましては、「政策評価各府省連絡会議了承」と書いてあります。総務省の作成した方針について関係各府省が了承して、平成24年度の政策評価を実施していくというものです。明日付で(案)が取れると聞いています。この方針に基づき、各府省も実施していくということです。
 まず、7頁の1の「基本的考え方」ですけれども、目標管理型の政策評価を実施していく。目標管理型の政策評価というのは、「事前に達成状況を確認して、当初の想定を検証することで、多様な行政分野においてPDCAサイクルを通じたマネジメントの向上、説明責任の徹底に資することができる」ということで、昨年度に引き続き、この目標管理型の政策評価を進めていくことが記されているわけでございます。
 8頁目、具体的にはどうやっていくかと言いますと、2の「評価の前提となる事前の想定の明示」ということでございます。「趣旨」に書いていますように、目的、目標、それらの達成手段、各手段がいかに目標等の実現に寄与するか、事前の想定が明確でなければ、事後においても当該想定を検証し、政策の改善に反映していくことが困難になるということで、そういうことをきちんと事前に示していこうということでございます。
 具体的には真ん中のところにありますように、「各行政機関は、別紙1の様式を基本として、評価対象となる施策ごとに事前分析表を作成する」ということになります。具体的には、通し番号で12頁に具体的な事前分析表の例が示されております。
 12頁を見ていただきますと、「施策名」「施策の概要」「達成すべき目標」等々が記載されております。その下に「測定指標」というのがございます。測定指標もいろいろなものがありまして、毎年度目標値を立てるような測定指標が上の段に書いてあります。真ん中の段については事業の推進のような、数値では示されないようなものも、毎年度の達成状況の目標が立てられるようになっています。
 さらには法律の改正のような、毎年度の施策目標が立てられないようなものも、それぞれの様式に従って、柔軟に目標を立てていく。右側の欄には、側定指標の選定理由や目標値の設定の根拠も書くようになっております。基準値、目標値、各年度の目標を書くというような表示様式になっています。
 さらに、その下には「達成手段」ということで各個別事業、(1)(2)は事業です。(3)は税制措置、(4)は規制の関係ということで、達成手段について予算に限らず、幅広く書いてくれという事前分析表になっております。
 次に、15頁の参考資料3-2をご覧ください。そのような総務省の方針を踏まえて、これは後でご説明する実施計画の別表に規定する予定なのですが、こういうものを当省のカスタマイズ版として用意しているということでございます。
 特徴としては上の段の右のほう、「政策評価の実施予定」ということで、平成24年度から28年度の評価予定を書く欄を作っております。それぞれの測定指標につきましても、基準値、目標値があるのですが、厚生労働省の場合は長期計画に基づいた毎年度のものというのは少ないので、年度ごとの目標値としては平成23年度、24年度について書いていただくというものになります。
 それから、厚生労働省の特徴というか、参考の測定指標で重要なものがあるので、参考の測定指標を付けています。これは目標値ではないのですが、経済情勢の変化なども記載できるようになっています。「達成手段」のところにつきましても、当省の場合、達成手段の目標も書く様式にしております。
 また8頁に戻ります。今申し上げた通り、各府省で事前分析を作成するということで、当省の場合は「実施計画」の別表のほうにカスタマイズしたものを付けることで予定しています。
 9頁の(2)「事前分析表の作成対象」ということです。これは要するに実績評価による方式、あるいは、あらかじめ設定した目標に対して事後評価を行う全ての施策に対して事前分析表を作成しなさいということになっています。
 9頁目の3「標準様式の導入による評価書の簡素合理化、統一性・一覧性確保と評価書の活用」ということでございます。趣旨としては目標管理型の政策評価に係る評価書については、わかりやすくすること、あるいは国民への説明責任を徹底すること、ということで、各行政機関の統一性・一覧性を確保することが重要である、とされています。そのため、各行政機関は、別紙2の様式を基本として、評価対象となる施策ごとに評価書を作る、ということになっております。
 具体的には、通し番号の13頁の別紙2ということで総務省から様式が示されています。これが実績評価の評価書ということになっております。上の段には「施策名」「施策の概要」「達成すべき目標」「予算」などを書くようになっています。先ほどの計画に対応する形で「測定指標」があり、それぞれの指標ごとに年度ごとの目標値に対して実績がどうであったか、今年度で言えば平成24年度の目標がどうだったかということを書く欄があるということでございます。その次の「施策に関する評価結果」ということで、目標の達成状況、目標期間終了時点の総括を書く欄がございます。
 17頁をお開きください。当省のカスタマイズ版としては17頁の参考資料4に示しています。それを踏まえて当省でカスタマイズしたものということですけれども、上の段の「政策目標名」「概要」「予算」などは大体同じような形でやっております。「測定指標」についても同じように書いていただきます。あと、当省の場合は参考指標のようなものを書く欄を設けています。あとでご説明しますが、モニタリングの場合はここまでのものということで、実績評価書の場合は次の18頁が付くということでございます。
 18頁のほうに行きますと、目標の達成状況を書けということなので書く欄を設けています。あと有効性、効率性、それから必要性も含めた現状分析と今後の方向性については、昨年度に設けておりますので引き続き設けているということでございます。評価結果の政策への反映が重要ということなので、当省としては予算への反映状況や税制、定員への反映状況という欄も作ってございます。これが当省のカスタマイズ版ということです。
 また9頁に戻って、こういう形で総務省から統一様式を示されており、それを踏まえて当省としてカスタマイズしたものを先ほどの参考資料4のところでお示ししています。こういう形でやっていきたいと考えています。
 10頁は「メリハリのある評価の推進」です。各行政機関はあらかじめ設定した目標の達成に関して毎年度実績評価を行う。実績の測定を行い、一定期間終了後に総括的な評価を行い、業務量・緊急性を勘案した対応により、評価作業の効率化に努めるということで、モニタリング等も積極的に活用していきなさいということになっています。
 あと、行政事業レビューとの連携も5のところで確保していきなさいということが規定されています。こういう方針で各省庁もこれに沿ってやっていこうということになっています。
 次に、資料の19頁をお開きください。先ほど審議官からもありましたように、行政事業レビューについての資料ということでございます。「平成24年度における行政事業レビューについて」ということで、ご存じかと思いますけれども、行政事業レビューというのは「各府省で自ら、自律的に概算要求前の段階において、原則全ての事業について予算が最終的にどこに渡り、何に使われたかといった実態を把握して、これを国民に明らかにした上で、事業仕分けの手法も用いながら事業の内容や効果の点検を行い、その結果、予算の概算要求や執行等に反映させる仕組み」ということでございます。
 真ん中のところにありますように、「こうした事業ベースでのPDCAサイクルの徹底を図る取組は、行政に携わる者の使命そのものであり、これを積み重ねていくことで、行政に対する国民の信頼を得ていくことも期待される」ということで、そういう方針で行政事業レビューをやっているということでございます。
 次の20頁は「体制整備」のところです。行政事業レビューを行うに当たっては予算監視・効率化チームを設置して、それを中心とした取組み体制を行っていくということでございます。?のところではチームの役割が書いてあります。イでは、外部有識者の参画を得た公開の場での事業の点検、評価を行う。ウでは、事業それぞれの厳しい点検を行う。エでは、ウの点検の結果の取りまとめを行う。エやオでそれを予算等に反映していくということがチームの使命ということで書かれています。
 21頁の3は「レビューシートの作成及び中間公表」ということです。(2)で「レビューシートの作成及び中間公表」ということで、各府省は、事業単位ごとに、別途、事務局が示す様式に従って、レビューシートを作成する、となっています。まだ、平成24年度の様式は示されておりませんけれども、一応参考資料の5-2、29頁に昨年度のものを添付してございます。
 29頁をお開きください。たぶん、今年度の様式も平成23年度の様式からそれほどは変わらないと聞いていますので、これに準じたものがまた行政刷新会議から示されると思っています。
 「行政事業レビューシート」については、個々の事業ごとに「事業名」「事業の目的」「事業の概要」「予算」などがあります。その下に「成果目標及び成果実績」ということで、アウトカム指標をここに書きなさいということで、成果実績と達成度のようなものを書く欄がございます。その下に「活動指標及び活動実績」、これはアウトプット指標を書きなさいという欄になっています。あと、単位当たりコストなども書く欄になっています。
 30頁をお開きください。行政事業レビューシートにはいろいろな点検項目があります。それについてきちんとやったら○を付けていくということになります。点検結果を書く欄がありまして、先ほど言った「予算監視・効率化チームの所見」をここに書く欄があります。
 さらに、31頁にありますように、「行政事業レビューシート」は資金の流れであるとか、あるいは費目・使途というもの、どこにお金が流れているかを書く欄があるという構成になっています。
 21頁に戻ります。以上のとおり行政事業レビューシートが結構詳しい形で作成されており、今年度も全ての事業について作成することになっています。21頁の下のところにありますけれども、このレビューシートについては公開プロセスを行うものは公開プロセスの10日前までに作成する。その他の事業については6月末、遅くとも7月上旬までにホームページに中間公表をするというスケジュールになっています。
 22頁をお開きください。公開プロセスを行うということで、公開プロセスについては次のいずれかに該当する事業から選んでいく。事業の規模が大きい、あるいは執行方法、制度の改善の余地が大きいもの、あるいは問題を指摘されているものについて公開でやっていくということになっています。
 23頁の(4)「公開プロセスの進め方」が記載されています。?では、基本的には「廃止」「抜本的改善」「一部改善」「現状通り」、その4つの選択肢に従って評定を下していくということが書かれています。
 24頁の5の「チームによる点検及び概算要求への反映」、6の「点検結果の最終公表」となっています。
 25頁、最終的なものを平成25年度の概算要求提出時までに最終シートを公表していくという扱いになっています。7のところは平成24年度、25年度の新規要求事業についてもレビューシートを作成していくということが記載されています。
 26頁の8「行政刷新会議における点検」ということです。(1)の「なお」書きのところですが、さらに見直しの余地があると考え得るものについては行政刷新会議の判断により、秋に事業仕分けがさらに行われていくということが書かれています。
 28頁、行政事業レビューが進められていくのですが、その進め方が書かれています。先ほど説明したとおりですけれども、5月下旬から6月下旬に公開プロセスのものが行われる。さらに、6月下旬から7月上旬にはレビューシートの中間公表を各府省で行っていきなさいということになっています。8月下旬のところで、概算要求に合わせてレビューシートの最終版を公表していきなさいということになります。また、秋には行政刷新会議の判断によって、事業仕分けがさらに行われるという流れが一方で行われるという状況でございます。政策評価に関連する状況は以上です。

○高橋座長
 ありがとうございました。政策評価のバージョンアップの話が1つと、いわゆる公開レビュー、事業仕分けの状況ということで、政策評価に関連するいろいろな動きについて、直接の関係あるものと、間接的に影響するものの2つに分けてご説明いただきましたが、何かご質問等ありましたら、どうぞ。

○河北委員
 以前から疑問に思っているのですけれども、政策というのは私は本当に素人なのですけれども、素人が本当に思い付きで集まって、議論をたまにやるということと、いわゆる官僚の人たちが日常の仕事として、実際に概算要求等を含めて、政策事業計画を立てて、予算を立てて、それから旧大蔵省、いまの財務省の主計と議論をして、最終的に国会議論に臨むわけですよね。その前段階を我々が担うとしても、あまりにも我々は素人的であると私は思うのですけれども、そういうことを政策として行って意味があるのかどうか、非常に私はいつも疑問に感じるのですけれども、どうなのでしょうか。これは、法律で決められたから、仕方がなくやっているという程度の話なのですかね。

○政策評価審議官
 いまのご質問に直接お答えになっているかわかりませんが、有識者の知見を活用するということは、冒頭の私のご挨拶でも申し上げたとおり、政策評価に関する法律で定まっているのですね。そこの条文を読み上げますと、法律第3条第2項にあるのですけれども、「政策評価は、その客観的かつ厳格な実施の確保を図るため」、2つのことをやるようにと言っているのですね。キーワードは、「客観的かつ厳格な評価の実施の確保」。そのために、2つのことを法律は命じていまして、「行わなければならない」規定です。政策効果を測定するに当たっては、できる限り定量的に把握しなさいというのが1点。
 2点目として、「政策の特性に応じて学識経験を有する者の知見の活用を図ること」となっているわけですね。これを私なりに解釈しますと、客観的かつ厳格な実施という意味は、おおよそどんな分野であれ、これは役所に限らず民間であろうが、国際機関であろうが同じことかと思いますが、やったことを事後的に評価するのを自己評価(セルフアセスメント)だけに委ねると、言葉は悪いかもしれませんが、いろいろな動機が考えられますけれども、一般的に甘くなる傾向があろうかと思います。そういう意味で、客観的かつ厳格な評価をするためには、やはり第三者の方にきちんと見ていただく。そのときに、まさに、河北委員のご質問の核心は、第三者としてどなたがふさわしいかということかと思うのですが、これもなかなか難しくて、さっきの説明にあった行政事業レビューの一部だけ重要なものは、公開プロセスにして、いわゆる皆さんテレビでご覧になった事業仕分けを各省別にやるわけですね。
 刷新会議の実施要領を見ると、あの場所の判定人は、いわゆる6人となっているのですね。6人のうち3人は、その分野に詳しい人で、あとの3人はあえてその道の専門ではないけれども、なかなか日本語が使いにくいのですが、識見のある人、大所高所からビシッと言える方。たしか、3対3の構成で、行政刷新会議の決定文書によるとなっているわけで、まさしくここから見ても、では、本当にその道の、年金なら年金、医療なら医療の道のプロの方だけで第三者を構成していいかというと、そうでもないなということが見て取れるのではないかと思います。ただ、いずれにしても、この法律を所管しているのは総務省の行政評価局ですので、これも私の私見ですが、やはり第三者に見ていただくことが、自己評価をする担当部局には、自己評価だけに終わっているよりも、無言のプレッシャー、緊張感を与えることは間違いないと思いますね。ずばりとお答えになってないかもしれませんが、私の考えとしてはそういうことです。

○高橋座長
 第1回からずっとこの議論は繰り返し、繰り返し実は出てきて、この道のご専門は森田委員なので、後でコメントしていただきたいのですが、それをよく比喩的な言葉を使うと、大文字の政策評価と小文字の政策評価と言っていたのですが、どうしてもこの行政事業レビューは、かなり政策のコンテンツ、中身の改廃まで踏み込んだ、いわゆる大文字の政策評価論なのですね。政策評価に関する有識者会議で使命として期待されたのは、先ほども審議官がおっしゃったように、政策評価法に基づく各省庁現業部局が行う自己評価について、専門家といいますか、専門家にもいろいろな意味があって、国民代表という側面もあるだろうし、その道の評価もあるだろうし、こういう領域に技術的専門性を有する立場もあるし、多様な委員がここにいらっしゃって、そういう立場から自己評価についてアドバイスなりやり方なりについてのサジェスチョンがここの役割だろうと思います。
 ただし、それがいわゆる大文字の政策評価としばしば、どこでどうなっているのか的な議論がそれは政策評価とは何ぞやという議論としていつも出てきますので、そこでいつも政策の内実の改廃につながるような、本当に政策効果が上がっているのか、いないのかということをある意味で言えば、日本語としていい言葉ではないと思っているのですが、国民目線という立場から評価する議論は常に出てくるだろうと思いますが、差し当たりここでのミッションは政策評価法に基づく自己評価に対する様々な助言を行う機関がここでの役割だと認識しております。ただ、行政レビューに政策評価と非常に関わりのあるものが、このごろいろいろ導入されてきていますので、その辺の整理がなかなか難しくなっているなというのが実感です。森田委員、こういう整理でよろしいでしょうか。

○森田委員
 いまのお話で、これも毎回議論があるところなのですけれども、この政策評価という仕組みですけれども、いろいろな仕組みがいまの制度の中に、特に評価法の中に入っているものですので、かなり混乱が起こっているのではと思っています。そもそも、国で作る大きな制度の是非を検討する政策評価もあろうかと思います。この評価法でそれも政策の概念に入っているのですけれども、この評価法で念頭に置いている、いまやっている評価というのは、それぞれの制度の下で、各省庁が与えられたミッションをきちんとやっているかどうか。それを自己評価して、改善につなげていくという仕組みだと思っています。
 したがって、有識者会議というのは、自己評価をしたものについて、適正な評価がなされているかどうかについて、1つは関連する分野の専門の方がチェックをするというのと、もう1つは行政の分野ですので、どうしても専門家だけだと偏るという言い方はいいかどうかわかりませんけれども、バイヤスが生じる可能性がありますので、いわゆる一般的な有識者の方にきちんとご理解いただいて、その人たちが納得できるような形で事業をやっていることを示す場であると思います。
 実際、そういう形で自己改善のような形でこの仕組みは動いているのですけれども、先ほど申し上げたように、政策評価の制度そのものに対しては、いろいろな意味合いがありますし、いろいろな期待もあるものですから、これによって大幅な財政の効率化が図れるのではないかという期待をされている人もいるわけで、これは現実になかなか難しいということで、その辺は、今度別途この仕組みではうまくいかないのではないかという観点から事業仕分けのようなことが別に行われていると思っています。私自身は、評価法も10年経ったので、この制度そのものをもう少し変えてはどうかということをあちこちで申し上げているところですし、そういう認識をお持ちの方もかなり多いと思いますけれども、まだなかなか評価の制度をもう一度見直すという大きな動きにはなっていないと思います。以上でよろしいでしょうか。

○高橋座長
 ありがとうございます。

○河北委員
 私の要望なのですけれども、それであれば、やはり我々、私はこういう会議に出していただくという意味では責任がありますから、やはり1つひとつ我々が対象として議論をする政策に関して、きちんと説明をしていただきたいと思うのです。説明というのはこの会議ではなくて、例えば、事前に、それに対してきちんと次回にこれとこれとこれを審議する、私を呼び付けていただいていいですから。それぞれに必要な時間を取って、きちんと説明を受けないで、この場で説明を受けて評価しろといったって、それは無理だと思うのですよね。ですから、そういう時間をまず持っていただければ、大変ありがたいと思います。

○高橋座長
 ありがとうございます。これからワーキングも来年度は始まるようですので、いまの河北委員のご発言を十分事務局として受け止めて、取り進めていただければと思っています。政策評価の場合、要するに専門家によるコミットメントと、それから、いわゆる広い意味での国民の代表で、これは、一方で重要なのは議会があるからそこでやればいいではないかという議論があるのですが、それは非常に機能、レベル的に難しい。もう1つは、やはり評価の専門家というのは、これがなかなか難しいので、それは評価機構のようなものとの関係もあるのではと思いますが、そこら辺はまたそういう議論が出てきたときに、何回でもこういう議論は我々の共通認識を共通化しながら対応しなければいけないので、疑念やご質問やご意見等を含めて、そのとき、そのときにお出しいただくということにします。

○篠原委員
 いまの河北委員の関連ですが、1つは公開プロセスを5月から6月にやるということで、それの案内を少なくともここの委員にこういうことをやるよというのを送っていただくとありがたい。というのは、厚生労働省のホームページを見れば出ているだろうけれども、送っていただきたい。実は3.11の前から、この10年、いろいろな形で日本にチェック・アンド・バランスのチェックに関わるものは、この政策評価でいろいろと導入されていますけれども、私は先進国より数段遅れていると思っています。それで、いろいろなところにかかわっていますけれども、やはり、理解できない。いわゆる、政策評価もより機能する、効果あるという方向に行っているよりは、担当者にこういうことを言うのは可哀相なのだけど、明らかに専門家ではない人が、いきなり来てやらされているから、とにかく形式的にやっているわけ。まだいいのは庁公共なんて、直接業務に関わっている場合で、こういう非常に高いところは、よくわかっていないのではないかなと。というのは、去年の3.11の後、3月末に市長が十何人集まってシンポジウムを聞いたのです。市長は一生懸命復興をやっていると。県と省はよくやってないと。1年経っても、私はそういう状態だと思う。というのは、何をやっていいかわからないのではないかと思う。もう少し、省として何をやるのかという部分に焦点をあてるべき。
 これは前にも議論されていた、この政策評価は全体の評価だけれども、省は何をやるのかという部分と、どこでやるのというのがあって、それ抜きでやっているから、実は、極端に言うと、ほとんど現場でやっているのを集めているだけなのですね。省がやるべきことは何かを認識していないから、今度の復興に関しても、何をやっていいのかわからない。私は本当のところで、失礼な言い方だと思うのだけどね。何となく、それを感じているのですね。一年間いろいろなシンポジウムに行くと、ほぼ、みんなが復興にかかわっているのですね。だから、結構、民間企業はよくやっていると。いちばんよくやってないのは、やはり省レベルだと思うのです。というのは、そういうシンポジウムで言えないのだろうなという気もしているのですけどね。
 ただ、もうちょっと、政策評価は、高度なレベルで、チェック・アンド・バランスのチェック、私はそれに対する勉強不足だと。やはり、5年、10年経験すればいいのだけれども、では、これを10年やっても、この厚生労働省で専門家は育ったの、というと、私は育ってないと思いますよ。1年か2年で、みんな代わってしまうんだもの。悪いんですけれども、そんなものではないと思います。やはり、私は監査でやって、やはり10年はかかる。5年やれば、大体概要がわかるけれども、やはり本質を突くには、私はやはり10年かかるという気がしています。だから、そういう人を育てないのだから、いつまで経っても形式的で、これは欧米に追い付かないと思いますよ。これ、真似をしようというのではなくて、独自な政策評価をやろうとしたら、もうちょっと深くやらないと、無理だと思います。かなり、失礼なことを言っていると思うけど、私は、やはりこのままでは大変なことになるなという問題意識をもっているから、あえて言わせていただきました。

○高橋座長
 ありがとうございました。実はこの問題は深刻で、日本の行政機構の宿痾のようなところがあって、やはりジェネラリスト原則で動いていますから、逆に言うと、それこそ諸外国を見ていると、評価は1つの専門的な機能だし、領域なり、その人材を養成することをやっています。だからと言って、あの国はあの国、こちらはこちらと言えない状況があるというのは仕方がありません。これも折に触れてまた議論をしますが、ここの議論では、なかなか片付かない問題もあろうかと思いますが、少なくとも我々は事務局、政策評価官室が実施する様々な活動についてバックアップするのが役割ですので、そういう視点で、引き続きいろいろご発言をいただければと思っています。
 それでは、次がメインのトピックスです。「厚生労働省における政策評価に関する基本計画(第3期)について」で、これはいままでのものを改定することになるわけですが、これについての説明を事務局からお願いします。

○政策評価官
 それでは、説明いたします。資料1~3があります。資料2の厚生労働省における政策評価にかかる基本計画。資料3の事後評価の実施に関わる計画(平成24年度)がありますけれども、資料2、資料3の変更部分を取りまとめてポイントを書いた資料1に基づいて説明します。
 1「最近の状況」で、いちばん上のポツについては、先ほどご説明したとおり、実績評価書の標準様式化、あるいは事前分析表の作成の動きがあるということです。2つ目のポツについては、昨年度、3つのワーキングを設けて、実績評価書の意見交換を行うということに昨年度決まりましたけれども、震災の影響で行われず、今年度からそのように開催するということです。ご存じだと思いますが、一応ご参考に参考資料1の5頁を見ていただくと、有識者会議の参集者名簿が載っています。6頁目には、ワーキングが3つに分かれていて、有識者会議のメンバーは3つのワーキングに所属していただくことになっておりますので、よろしくお願いします。
 少し戻って、参考資料3頁で、有識者会議ワーキンググループの編成についてで、昨年度決ったものが記載されています。ワーキングにおいては、3に書いてあるとおり、評価項目、指標の設定、そういう評価設計の妥当性とか、あるいはデータの解釈、外部要因の解釈、解釈の妥当性、外部からの評価の可能性の観点から、評価書についてきちんと意見をいただいて、評価書をより適切なものにしていくということです。一応、平成24年6月下旬頃にそれぞれのワーキングを開催したいと考えていますので、また日程調整をさせていただきますので、それぞれ小人数ですので、できるだけ日程の調整をよろしくお願いしたいと思っています。
 資料1に戻ります。最近の状況の3つ目ですけれども、事務事業については、行政事業のレビューが行われているというのは、先ほどお話したとおりです。
 2「見直しのポイント」ですが、まず、(1)として、政策評価体系の整理を今回行いたいと考えています。具体的には、政策評価体系の基本目標等の並びを少し変える。3期の基本計画においては、政策評価と予算の連携を強化するため、予算の並びに合わせて政策評価の体系を構築する。また、予算を伴わない組織運営に関する施策目標については、予算を伴う施策目標の後にまとめて列挙するという形で考えています。具体的には、資料2の12頁をご覧ください。資料2の12頁にこのような形で今回の政策評価体系の基本目標の並びを考えています。参考資料50頁に、平成23年度の基本目標の並びが1~10まで書いてありますけれども、それを予算に合わせる形にしたいということです。
 (1)の2番目の○ですけれども、政策体系の整理で、施策小目標の廃止です。一応、いままでの政策評価の体系は、基本目標、大目標、中目標、小目標の4層構造になっておりました。いままでも施策中目標単位でメインの評価をしていたのですけれども、総務省の評価書の標準様式が示されて、小目標の結果を書く欄がなくなっているということですので、一応基本的にはそのような全体の方針に従って、基本目標、大目標、施策目標の3層構造にするということです。ただ、いままで施策小目標で、いろいろ取っていた指標については、できる限り施策中目標のほうに引き上げて、施策中目標の中で小目標も含めた評価を行うというように考えています。
 (2)の「実績評価の効率化・充実化」ですけれども、まず、1つ目で、施策目標ごとの計画様式の変更で、先ほど説明したように、目標管理型の政策評価を推進するということで、事前分析表の作成が依頼されていまして、当省においては実施計画の別表に総務省が示した事前分析表を一部カスタマイズしたものに代えるということです。具体的には、資料3の6頁に先ほど示した事前分析表の一部カスタマイズしたものを付けて毎年度の目標値を記載していただくというものを作ることを考えています。
 資料1の2頁は「メリハリのある政策評価の実施」で、予算の関係する施策目標については、モニタリング結果報告を作成するもの又は実績評価を作成するものに分け、メリハリのある政策評価を実施するということです。具体的には、資料3の6頁目に、先ほどお話したように、政策評価の実施予定が右上に、24から28年度の欄があります。その欄に5年間の実績評価を行うもの、あるいはモニタリングを行うものを記載して計画的にやっていくというように考えています。
 資料1に戻り、基本計画の期間の5年間に、全施策目標について1回は実績評価を行い、ワーキンググループについて意見をいただくことを考えています。また、評価を行う年の施政方針演説に関係する重点施策については、プラスアルファーで実績評価書を作成し、ご意見をいただきたいと考えています。
 資料2の13頁から体系の細かいものが載っていまして、それぞれ13頁であれば1-1、日常生活云々と書いてあります。その1-1のような単位ごとに実績評価書を作っていただくということです。実質的には、予算を伴う施策目標の数が72ありますので、5年間で割り振りますと、毎年15ぐらいで、3つのワーキングですので、5ずつぐらいローテーションで回すものはそのようにワーキングで審議していただくことを考えています。
 資料1の「有識者会議WGの開催」ですが、これは先ほどご説明したとおり、今年度から本格的にワーキングを開催していきたいと考えています。
 (3)の「政策評価の簡素合理化」です。実績評価書の簡素化で、これは総務省の標準様式を我々が一部詳しくしていますけれども、それでも一昨年から比べると、だいぶ簡素化されているので、このような様式で実施していく予定です。
 (3)のいちばん最後、事務事業の事前評価廃止で、行政事業レビューで非常に詳しく、全ての事業について行うということで、これまで10億円以上の予算要求を伴う新期施策については、事前評価を実施していたけれども、これは行政事業レビューでも行われているので、事前評価については廃止することを考えています。以上が、主なポイントです。
 次に、資料2をご覧ください。主な変更点についてのみ説明します。1頁、今年の基本計画については、「計画期間」にありますが、新しく第3期が始まり、平成24年度から平成28年度までの5年間の対象の基本計画です。
 2頁、政策体系については、いままで施策小目標がありましたが、基本目標、大目標、施策目標、事務事業を政策体系とするというように変更しています。3、4、5については、特に大きな変更はありません。
 第6の「事前評価」ですが、先ほど説明したとおり、10億円以上の事務事業について評価することになっていましたけれども、その規定を削除しています。
 6頁の第7「事後評価の実施に関する事項」で、1(1)のロの「評価予定」で、実施計画において基本計画の期間中に全ての施策目標について事後評価を実施できるよう、概ねの時期、評価方式を設定するということで、先ほどお示ししたように、実施計画の中に5年間の計画を記載することにしています。
 6頁のハ「事後評価の対象とする政策」については、ローテーションで5年間で1回は見るもの以外に、次の???を対象にします。特に?のaの施政方針演説として、内閣として重要施策については、プラスアルファーで実績評価を毎年行うことを考えています。
 8頁の2「モニタリングの実施」を規定しています。第8「学識経験者を有する者の知見の活用に関する事項」についての2ですけれども、有識者会議についてはいままでは評価書をきちんと評価すると規定されていませんでしたけれども、2行目に「評価書等に対する評価の客観的、かつ厳格な実施を確保する」との規定を付け加えています。ロで、作成した評価書を見ていただくということで、ロの部分も追加しています。その他のところは、特に変更はありません。
 12頁は、先ほど申し上げたとおり、並びを1から13まで、予算に合わせて変更しています。13までと多いので、大きな括りで説明しますと、1、2は、国民の生活や健康で、健康局や医政局、保健局関係の施策が中心になります。3、4、5は、基準局、安定局、能開局関係の施策が中心になります。6が雇・児局関係の施策。7、8、9が、社会援護とか、障害とか、年金、介護、老健関係の施策が中心になっています。10が国際関係、11が厚生科学関係、12がIT関係で、省内横断的な政策で、13が予算とは関係ないものですけれども、国民に信頼される行政、組織管理的なものについても、引き続き評価をやっていくことになっています。さらにその下、個別の施策目標については、13頁以降に記載されています。
 資料3の主な変更点については、これは事後評価の実施に関する平成24年度の計画で、平成24年度から平成25年度3月31日までを計画とするとしています。
 第3で、各施策目標の測定指標、目標値、事務事業を別紙1のとおり定めるということで、各施策目標ごとに6頁に示したものを定めていただくということで、作業をしています。
 第4「事後評価の対象及び評価方法」で、1の政策体系に基づく評価で、そこに毎年度実績評価か指標のモニタリングを必ず施策目標ごとに行うことになっています。
 2頁は、変更はありません。
 3頁の第5「事後評価の実施」で、モニタリングをするものについて規定しています。施策目標のうち、モニタリングを実施するものについて、期限どおりにモニタリング結果を提出してもらい、それを踏まえて、査定部署がそれを反映することになっています。
 2で、実績評価方式による評価が規定されています。担当部局が評価書を提出し、査定課がそれを反映する。評価官室は、ワーキング等の意見や査定課の意見を踏まえて、修正したものを取りまとめ、公表する規定になっています。
 4頁は総合評価方式による評価で、施策目標のうち、総合評価を実施されているものは、基本計画で言う??の組織管理の関係については、総合評価を行うと規定しています。
 4に事務事業の関係について規定されています。
 第6「学識経験を有する者の知見」ということで、6月に開催する各ワーキングにおいて実績評価書の意見聴取を行う、と規定しています。大きな変更点については、以上です。

○高橋座長
 要するに、ここで何を議論してほしいのですか。宿題を出していただかないと、先生方も議論のしようがないです。一応説明は承りました。しかし、ここでこういうことに意見を言っていただきたい、というのはどの辺になるのでしょうか。

○政策評価審議官
 いまご説明申し上げましたとおり、見直しのポイントで大きく3点あろうかと思います。それぞれについて、何かご異論があれば承りたいということです。

○高橋座長
 そういうことで、頭の整理をした上でコメントしていただきます。

○渥美委員
 2つ質問があります。1つ目は、ワーキンググループの中身についてお尋ねします。私が政策評価の委員を拝命して、本日もあることがわかったので、事前にいろいろなことを知っている限りで聞いてみました。1つ事例を挙げますと、厚生労働省の労働関係の事業で、休暇制度活用セミナーがあります。休暇をもっと取ろうというのは、基本的に政策の方向性としては正しいし、ワーク・ライフ・バランスの研究者として私は良い事業だと思っています。
 一方で、今年も47都道府県でやったと聞いているのですが、ある複数県で参加人員が10名を切っている、全然セミナーに人が集まらなかったと聞いています。こういう事業のアウトプットとアウトカムで、アウトプットで、そもそも人数が絶対値として少ないときに、これは休暇のセミナーですから、官公庁がポジ・オフというキャンペーンを今やっているのはご存じかと思います。あれが先月と今月、東京と大阪でセミナーをやっています。東京が1,000名、大阪が500名ぐらいで、申込みはもうちょっとあったと思います。この数字は、私がシンポジストとして出ているので官公庁の人から聞いています。
 テーマとしてはそんなに外れていない。ただ会場が違うので、会場については、都市部とそうではない地方と、厚生労働省の事業として目安となる募集人数が一緒だったと聞いているのですけれども、それはちょっと違うのではないかと思うのです。そもそも集客が見込める所だったら、もっと多目に見込んで、地方だったら少なめにと思うのです。そうでないところが疑問です。
 テーマとしては、仮にアピール性があるものだとした場合に、そうでないかもしれませんけれども、問題として考えられるのは、講師のアピール性が低かったのか、その次に研修内容が入ると思います。いま見せていただいたワーキンググループの内容だと、他の省庁とか、労働関係だったら地方自治体でもセミナーなどはかなりやっていますから、比較可能なのはいっぱいあります。そういうのを事後的に情報を教えてもらって、もっとこういう別のやり方があったのではないかという場でもなさそうですが、単なる評価軸を、アウトプットはたとえ低かったとしても、アウトカムで休暇取得率が増えたということも可能性としてはあります。この事業は事例集も作っていて、その事例集はかなりレベルの高いものだと思います。そこで、アウトカムはまあまあ良い評価だということは可能だとは思うのですけれども、それはアウトプットとアウトカムを分けて、もっと厳密に評価できる。民間だと、その辺はギチギチに担当者は問われると思うのです。なぜこんな人数だったのだということ、自治体でも首長からかなり言われると思うのです。
 いまの休暇制度活用セミナーと同じ時期に、労働契約改正セミナーをやっていて、こちらはすごく集まったと聞いています。しかも、厚生労働省が委託している事業者が、あるシンクタンクで一緒なのです。それだったら私の感覚だと、同じ労働系のセミナーだったら一緒にやって、労働契約のほうへ来た人たちに、休暇のほうも聞かせるということをすれば効率的ではないかと思うのですが、そういうことをやった形跡も、議論した形跡もない。それは担当部署が隣同士らしいのですけれども、違うということ、いわゆる縦割りの弊害極まれりと思うのです。本当に小さなことだと、自分でも自覚しながらしゃべっているのですが、そういうことを知っていればたぶん言えるのです。でも、知らないと先ほどもご意見がありましたように、私も言えない。いまのは自分なりに調べてというか、たぶん事実だと思うので伺っているのですが、そういうことをワーキンググループでやるのかどうか。
 2つ目は、厚生労働省の使命と基本目標を改めて見ていて本当にそうだと思うのです。コスト削減・無駄排除とあります。私自身がワーク・ライフ・バランスの研究者で、いま企業からの依頼で業務改善のコンサルみたいなことがすごく増えています。厚生労働省の実績評価書様式を見ていて、アウトプットにしても、アウトカムにしても、評価というのはコストパフォーマンスで見ます。そのコストというのは金銭もそうですし、あとは人的投入と時間です。
 時間という概念について、いま民間はすごくシビアになってきています。これは、厚生労働省の職員の責任ではないと思って申し上げます。政治の責任だと思っていますが、べら棒に時間がかかっていて、しかもそれは本当に職員を疲弊させていて、ある政権交代をした国で、大臣が夜中の2時に指示を出して、翌朝までに回答せよみたいなことをやっていたと聞いています。そういうことを、労働を所轄している官庁のリーダーが言うのはおかしいし、それに対して国民のチェックが入るようなものにしていかないと予算だけではないだろう、人的投入、時間がもっと吟味されるべきで、なぜそうなっているのだというのは厚生労働省の責任ではない別の要因があるところにメスを入れさせないと、本当のコストパフォーマンスの吟味にはならないのかと思います。
 私は外部の人間なので、こういうことを平気で言えますけれども、たぶん省としてはそういうことを言えないと思うのです。こういう様式の中に時間を民間だったら必ず入れます。労基署からしても、そんな夜中に指示を出してなどというのはアウトですから、少なくともそういうことが起きていないことに、なんとかこの政策評価の中に入れられないものかというのが2つ目の意見です。

○政策評価審議官
 ご意見として承るということでよろしいでしょうか。

○渥美委員
 はい。

○政策評価審議官
 コメントさせていただきますと、前段については先ほどもお話があったかと思いますが、確かに6月のワーキンググループのときにいきなりではなくて、事前にどれだけ準備のための情報を、私どもは窓口というか、事務局でありますので、評価官室として担当部局と調整して出せるかについては宿題にさせていただきたいと思います。いずれにしても大事なことは、せっかくワーキンググループでご議論いただくわけですので、実のある、それこそ効果的なことをしなければならないということはよく理解しているつもりです。2点目は、時間コスト概念の欠如ということですね。

○渥美委員
 はい。

○政策評価審議官
 これについては、正直申し上げて私自身が民間企業で仕事をした経験がないものですから、そういう意味ではなかなか比較できないのです。私は現在53歳ですが私の若かったころ、昭和の時代に比べると随分超過勤務を抑えること自体が、マネジメント上の目標となっております。少なくとも1カ月単位で、実績が課・室単位で平均退庁時間が何時と。一人ひとり退庁時間をつけますので、平均が何時と。厚生労働省の場合は、職員が午後10時以降残っていると、それは課長が問題だということになって、課・室の場合は課・室長がトップですので、課・室長の義務として、なぜ残ったのかについてきちんと本人にヒアリングをするということがあります。私が申し上げたいのは、私が20代のころは正直言って、いまご批判を受けたような面が多々あって、昔は無定量という言葉がありました。無定量に役人は働くのですと。ただ、そこには時間効率性の概念は正直言ってあまりなかったと思います。現在、そこはかなり良くなっているということかと思います。
 いまのご意見に対していちばん大事だと思うのは、一定の成果を出すのに何時間かけたかということだと思います。もちろん民間企業の場合にも同じことで、公務員の役所の専売特許というか特殊性ではないのかもしれませんが、一例で私ども公務員がよく申しますのは、例えば国会のための待機というのがあります。翌日の国会質疑のための待機というのがあって、これは自立的にはなかなかコントロールできない面があることは否めないということです。これは民間企業でも、お得意様とか、外部とのいろいろなインターラクションの中でビジネスがあるはずですから、似たようなことだといえば似たようなことかもしれません。とりあえず感想めいたことだけ申し上げました。

○渥美委員
 1つだけ申し上げますと、民間でも顧客要因、その他要因はあります。それは自分要因、職場要因、その他要因と分けて記録して、その他要因があまりにも過剰だったら、それは企業として、そのお客様に対してかなりハラスメントに近いことが起きているので、そこは異議を申し立てるということでやっています。そうでないと、職員の労働環境は守られないと思うのです。それは皆さんに申し上げることではないのですけれども、かなりおかしいので、少なくとも数値は取って、それは外部に言われたから渋々やっているというスタンスでいいと思いますけれども、何かそういうことを見せていかないと、本当に予算を削られ、人を削られ、もう時間で解決するという負の連鎖が起きているのではないか。これも意見です。

○高橋座長
 これは組織論の話一般と、カネ議論とか、大議論になりそうなので、少し分節化して、ここでのターゲッティングは何を議論したらいいかということを整理しながら議論しないと話は進まないような気がいたします。その辺はワーキンググループの議論も構えて、先生方に貴重な時間を割いていただく以上は、どういう形で検討をお願いするかということを、事前作業を事務局にしていただかないと、無駄な時間になる可能性が極めてあるので、その辺は過去の経緯もよく参照しながらやっていただくということでいかがでしょうか。

○梅田委員
 今回は総務省の旗振りで、政策評価と目標管理型の政策評価と、行政事業レビューで二元化したような形で、全府省に指示をして、それに対応した厚生労働省の基本計画ができたということで、議論しているという理解でよろしいでしょうか。それで意見というか、要望を申し上げたいのは、今回行政事業レビューと二元化されたみたいな形になっていますけれども、本来は一本で考えるというか、一本でやるべきものである、ということは理解されていると思うのですが、所管が違うのですよね。

○政策評価審議官
 行政事業レビューは、行政刷新会議の指示です。

○梅田委員
 厚生労働省の中はどうなのですか。

○政策評価審議官
 厚生労働省の中でいうと、政策評価は私どもですけれども、行政事業レビューの主管課は会計課です。

○梅田委員
 申し上げたいのは意見なのか要望なのか知りませんが、1点目は所管していただいている政策評価のほうは、施策レベルで体系化した中でやるということです。施策レベルの評価と言っても、達成手段の事業の分析も事前分析表で行って、それに基づいてこの施策レベルの事後評価をするわけです。ほとんどの府省が二元化されているがゆえに、その連携を持てというような能書きは書いてあるけれども、ここがいちばん難しいところだろうと推測します。難しいというか、ここが抜けてしまうと、今回「目標管理型の政策評価」と大々的に謳っていますけれども、従来と全然違うものになってしまうおそれが非常にあります。そこの連携の仕方をどう考えておられるのかを1点聞きたいと思います。どの程度意識しているのか、所管が違うからほとんど意識していないとか。

○政策評価審議官
 もちろん連携を図ることになっておりますので、従来からと申しますか、平成22年度と平成23年度にも行政事業レビューはやっているわけですが、そのときには会計課だけでやっているわけではなくて、これはちょっと説明していただけますか。

○政策評価官
 行政事業レビューシートの中で、予算効率化チームの所見というのがあります。政策評価官室も、チーム内で事務局の立場になっていて、そのチームの所見の中に一定程度意見を反映という立場にあるということが第1点です。
 それから、実施計画の中の別表に、事前分析表を取り込んだ形の計画を今年作ることにしています。先ほどありましたように、「達成手段」のところで事業を書くのですが、特に当省の場合は達成手段の概要だけではなくて、それぞれの事業ごとの目標も、事業レビューに書いていたようなものもここに記載していただくとか、あるいはその事業が全体の施策目標に対する寄与度も書くことになっていますので、そういう意味ではひと工夫して、できるだけ連携を図るような実施計画の別表にしている状況です。

○梅田委員
 基本的なところはご理解いただいているとは思うのですが、タイムスケジュールというか、時間的な連携が実務的には非常に難しいというのか、かなり用意周到にやらないと連携が、最近チームの一員になっているというところは充足されるでしょうけれども、前後関係です。要するに、行政事業レビューでやる作業のタイムスケジュールと、政策評価でやるタイムスケジュールと、外から見てうまく合っているのか。
 平成24年度から、たぶん完成するのは平成25年度だと思いますが、原課にとっては一緒のことなのです。ここは、所管が2つに分かれているかもしれませんが、本来は一本でやるべきものが分かれたというだけであり、原課にとっては一緒のことなのです。したがって、次回のこの会議でフローチャート、要するに二元化されたこの作業が、原課でどういう作業を年間何月にこういう様式を作って、こうなってこうなって、と2つの関係の連携が実務的にも、しかもタイムスケジュール的にも、このように連携してやりますというのは、過去のことではなくて平成24年度からで、完成するのは平成25年度なのですから、そういう表を出していただきたいと思います。それは必要になるはずなのです。
 厚生労働省の中で説明をするのに、実務的には必要なはずなのです。今回の改正を本気でやるというか、うまく運用していくためには、年間スケジュールを作り、原課はこういう作業をして、2つはこういうふうにリンクして、連携していきますと。予算要求とか、ホームページへの公表とかも全部絡めて、年間のスケジュールを作っていただきたいというのが大きく1点です。
 もう1つは確認ですけれども、事前分析表というのが初めて出てきました。この4月に作る事前分析表は、平成24年度の事前分析表というか、ちょっといじわる質問みたいな感じになっているのですけれども、ご理解いただいているかどうか。新しくこういう様式を作れということになって、平成24年4月に作るのは、平成24年度予算について作るということですよね。加えて、平成23年度の事前分析表も作れということだろうと思います。平成23年度の事前分析表というのは、こういう制度になったから作るだけのことであってというか、本来は年度当初に事前分析表は作るべきものであると。
 それで、私は年間のスケジュールを平成24年度と平成25年度と、たぶん平成25年度で完成すると盛んに言っているのはそういう意味なのです。そういうこともきちんとやらないと、何のための事前分析表かという理解も誤解を生む。本来は年度当初にこういうものがしっかりあって、平成24年度事業をして、平成24年度事業について、平成25年度に実績評価をするわけです。だから、今年は平成23年度の仮のものというか、平成23年度想定のものということになっているのですか。実務的に、この事前分析表というのはどういう公開に、今年はちょっとイレギュラーだということは十分理解しているのですけれども、そこを確認させてください。

○政策評価官
 おっしゃるとおり、総務省が示している事前分析表は平成24年度のためのものがメインです。だから、事前に計画を立てて、それに基づいて実績がどうだったかということなので、事前分析というのは、目標を立てるということは平成24年度がメインです。

○梅田委員
 それは、公表するのでしたか。

○政策評価官
 うちの場合は、事前分析表を実施計画の別表に位置づけています。うちの場合は2通りの意味があります。平成24年度の目標という事前分析の目標も書きますけれども、同時に平成23年度の評価を平成24年の夏にしますので、平成23年度の目標値をもう一回再確認して、それに基づいて平成24年度に平成23年度の評価のための基礎資料という位置づけもあります。2通りの位置づけがあるということです。

○梅田委員
 様式を見るとそうなっています。平成23年度は再掲ということですね。

○政策評価官
 再掲という意味です。

○梅田委員
 これは、公表するのですね。

○政策評価官
 公表します。

○梅田委員
 本来の厚生労働省の扱いでは、何月に公表するのですか。

○政策評価官
 いま作業をしている最中で、本来は年度内なのですけれども、年度の当初ぐらいにちょっとずれ込む可能性があります。

○梅田委員
 予算が成立してから公表するということですね。

○政策評価官
 はい。

○梅田委員
 平成24年度の予算が決まってから、事前分析表は公表することになっているのですね。

○政策評価官
 そうです。

○政策評価審議官
 いまの、梅田委員の1点目のスケジュールのことなのですが、先ほどご説明を申し上げた参考資料集の通し番号28頁の行政刷新会議の資料によると、もちろんすべてではないわけですが、一部のものについては公開プロセスが5月下旬から6月下旬にかけてやりますということになっています。いま梅田委員がご指摘なのは、政策評価とのタイミングですね。

○梅田委員
 タイミングというか、私がまず問題にしたのは、中の作業の連携がうまくいくというのか、もっと悪く言うとバラバラに作業しがちだなと思っての発言なのです。そもそも行政事業レビューと、政策評価と2つのものみたいな提示の仕方をして、担当課も違う所から指示が行くとなると、従前の見方はちょっと違うのですが、本来はリンクすべきものなのだけれども、バラバラに資料を作って、発表もバラバラで、内容もバラバラでということになるのではないかという推測ができるので質問しているのです。まずは、中のリンクが本当にうまくいくのか。うまくやってもらわないと困るのだけれども、今回の改正は、私個人としては前向きに捉えているという立場での発言なのです。

○政策評価審議官
 私の理解では、本日の冒頭にご説明申し上げましたとおり、政策体系図的に申し上げますと、いちばん底辺が細かいものですから、事務事業ベースです。その事務事業をいくつか包含したというか、グルーピングしたものが施策目標になります。施策目標が、ここでいう政策評価の単位になります。
 そういたしますと、私の理解では事務事業単位で行政事業レビューをやるわけで、そこで一定の評価が下るわけです。それを集大成したものが施策の評価になるはずですから、そこがあまりに食い違うということは、普通は想定し難いのではないかと。私は少し楽観的すぎるのかもしれませんが。
 施策目標レベルだと実務的に複数課に跨ることがあり得ますので、そうなると、そこで調整が要ります。1つの課で収まっている分には、課長まで上がってこうだと。評価AなのかBなのかCなのかということになります。そこは、よく留意するようにいたします。本日のご意見はごもっともですので、評価官室からきちんと指示いたします。

○梅田委員
 私は、なかなかうまくいかないのではないかということを恐れていますので、2つの担当所管課が、本当に真剣に話し合ってやらないと、それはなかなかうまくいかないと思います。

○高橋座長
 いかに上手にPDCAを回すかという実践です。

○野川委員
 平成24年度から、有識者会議にワーキンググループを設けたものをちゃんと開催して、より我々の役割を効果的に機能させようかということですので、改めて質問させていただきます。政策評価それ自体を年度ごとに政策評価するのであれば、その政策評価をした次の年度あるいはその次の年度に反映されるということは、当然政策評価法にも書かれていることでしょう。政策評価をして、それで終わりでいいということではなくて、次の政策に反映させていく。
 我々の役割は、いわば政策評価を評価しているわけです。そうすると、それは次の政策に反映されるのではなくて、政策評価に反映されるのですよね。つまり、ここでやった政策評価を、我々の評価を通じてその政策評価に反映されるわけでしょう。我々がここでやった評価、あるいは検討がその政策評価にどのように反映されたのか、ということはシステム化されていないわけです。なぜかというと、我々がここでやっている役割は、法的には努力義務であるし、その効果について何らかのルートを初めから作っているわけではない。
 そうだとすると、我々がやっていることが空しい、要はガス抜きと同じことになるので、我々の言ったことは、次の政策にこのように反映していますというのではなくて、具体的な政策評価にこのように反映されてこれができましたということをシステムとして何らかご提供いただけないかということです。

○政策評価審議官
 従来のことについて不勉強ではありますが、今回の総務省が提案し、各省担当者の申合せになります統一様式があります。参考資料集の通し番号17頁と18頁が実績評価書様式の厚生労働省版です。一部カスタマイズしたバージョンです。
 18頁の上から3つ目の箱に、「学識経験を有する者の知見の活用」という欄があります。いま評価官室が考えておりますのは、ワーキンググループでご意見をいただいたことは、当然そこで説明しているわけですから、評価をした担当課が聞いて何がしかリスポンスをします。それを、ここにきちんと記録として、評価書の一部として記載するということなのですが、それでは不十分というご趣旨でしょうか。

○野川委員
 たしか、前の年にも同じような欄はありました。それで、「しかるべき活用をした」という趣旨のことが1行書いてあるのがほとんどでした。それは、システムがなっていないからです。要するに、聞いたということが事実としてあれば、それですべてOKなのでそうなっているのです。先ほど言ったように努力義務だから、別にシステムとしてどう政策評価に反映したかということを確定するような仕組みは作る必要がないからなのです。でも、そうすると結果的には我々が言ったことは、「しかるべき活用をした」で終わるということなのです。
 それだと、まさに最初に河北委員がおっしゃったようなことになるのではないかと思います。だから、我々が言っていることは政策に反映するのではなくて、政策評価に反映する以上は、それは政策評価の中にどう反映したかは、やろうと思えばシステムとして考えることができるのではないかということです。

○高橋座長
 いままでの議論の中でも、小項目の構造化について相当ご意見を申し上げて、それが反映されたり、あるいは前からアウトプット、アウトカムの議論があって、それについては相当意見を申し上げて、それがある意味では反映されたとか、それは昔のことを一つひとつひっくり返さなければいけないので大変ですが、それはいろいろなことがあったわけです。それをシステムというのか、しかるべきというのかというのは、それこそその評価もあります。
 事務局として、この会議の意見を活用しようとするのかということについては、ちゃんと言っていただきたいということです。意見をどういう形で事務局でこなして、いろいろな形で反映させたかというのは、この有識者会議の評価でもあるわけです。そういうご意見だと受け取りました。

○野川委員
 せっかく、ワーキンググループにブレイクダウンされるのであれば、少なくともいまの学識経験を有する者の知見の活用は、せめて5、6行具体的なことが書かれるようになるのが通常ではないかと思います。

○政策評価審議官
 わかりました。私は過去の記載例については不勉強でわかりませんが、ご趣旨はごもっともです。要は、そのご意見をどう活用したかをフォローアップする仕方については宿題にさせていただければと思います。いずれにしても実際の本番は6月ですので、それまでに検討させていただきます。

○山田委員
 前回から参加させていただいていちばん気になっていたのは、資料2のいま話し合われている基本計画案の4頁の(2)「政策効果を定量的に把握することが困難である場合、又は政策評価の客観的かつ厳格な実施の確保に結びつかない場合には、できる限り客観的な情報・データや事実を用いつつ、政策効果を定性的に把握する」ということなのですが、実際には前回やってみて、こうした政策評価というのは、こうした計画案がきっちりできていても難しいと思ったのは、データが存在しないというところにかなり制約されています。こちらのさまざまな目標に対して、結果がどうであったかを評価しようとしても、そのデータがない。それをどのように改善していくかというのは、この評価を厳格にしていく、より効果的なものにしていくためにどうしても必要なのですけれども、これをどうしたらいいのかというのは、ここではどのように扱えばよろしいのでしょうか。
 例えば、このような統計を取るべきだと。そうすれば、より実態が把握できるだろうということは、やはり政策を統計データに基づいて、エビデンスベースドで話していく場合にはどうしても必要になります。そういうことについて、ここではどのように考えたらよろしいかを教えていただければと思います。

○政策評価審議官
 私の考え方を申し述べさせていただきます。まさにそのデータがないものをどう取るかということについては、各分野によっていろいろ事情が違うので、一律にはお答えしづらいのではないかと思います。したがって、やはり個々の施策目標ごとの検証の段階でご提起いただいたほうがよろしいかと思います。その担当課でないと深い事情までは、私ども評価官室では正直申し上げて把握しておりませんので、できないと思います。よくわかりませんが、たしか一時期行政改革の観点から、役所がやたらデータを取りすぎるというご批判があった時期があったやに記憶しています。別の立場からのご意見もなくもないのか。これは一般論で申し上げてです。いずれにしてもフィージビリティ、山田委員のご質問は、いま現にないものについてですよね。

○山田委員
 ある施策が有効かどうかということで、前回参加させていただいたときに気づいたのは、セミナーを開催したとか、何々の無料の広報紙に何回この施策について載せたと。ただ、それは厳密にその施策の効果を把握できるようなものではなくて、それを政策評価と言っていいのかどうかというのを、私は非常に疑問に思いながら参加させていただいた記憶があります。その辺は、次に出てくるものがどういうものになるのかわからないのですけれども、出てくるときにこれをこの政策の評価と言っていいのか自体、もう少し別のやり方があるような、もしくはデータを取ったほうがよろしいような状況というのはいくつかあると思いますので、それはこちらで何か意見を申し上げれば改善されるのか、それとも言っても仕方のないことでしたら言っても仕方のないことだと思って、それなりにやるしかないのではないかと思うのです。その辺がどうなのかについてお尋ねしました。

○政策評価審議官
 ご趣旨は全くおっしゃるとおりだと思います。要は、いまのご意見は、アウトプットではなくてアウトカムだということだと思います。セミナーを何回開催した、ではなく、開催した結果どういう政策目標の効果が発現したか、ということを評価すべきだということですよね。

○山田委員
 はい。

○政策評価審議官
 もう一度繰り返しになりますが、そういうものがうまく取れるのかどうかというのは、それぞれの分野、分野によっていろいろな事情があるでしょうから、この6月にいくつかの政策目標についてワーキンググループを開催させていただこうと思っておりますが、その場で個別にお尋ねいただいて、その担当課とご議論いただいたほうがいいと思います。
 私は、政策評価審議官の肩書で、省内に広報に関する統一・調整を図るための広報委員会があって、そこにも参加しています。まさに広報というのはその効果はなかなか測りづらいという議論にどうしてもなります。いろいろな行政手段の種類にもよるでしょうし、何を目標にするかにもよるだろうと思いますので、各論でお願いできればと思います。

○高橋座長
 厚生労働行政は複雑怪奇で多岐にわたりますので、一般原則と、それぞれの領域の特殊性がいろいろな形で現れますので、個別に議論しながら、それを一般的な方針になるのかならないのかというやり取りをせざるを得ないかと思っております。それぞれの行政領域で、ある意味ではモデルがあり、数量化がそのバックグラウンドの関連の分野で研究などが進んでいる領域と、なかなかそれが行われていない領域もあります。そういう数量的な評価に、逆に言うと原理的に馴染まないところもありますから、その辺のことを個別に議論する。それがワーキンググループをやる意味ではないかと思いますので、そのようなところで整理させていただきたいと思います。
 いままでも、評価書を見ながらいろいろなご意見をいただいていて、これはアウトカムではないよなと。アウトプットばかり並んでいるというのはいままでもずっとありました。また評価書の議論をするときに是非またご意見をいただければと思います。

○河北委員
 私は全く勘違いをしていたようです。この場は政策を評価する所ではなくて、政策評価の仕組みを議論する所なのですね。それを平成24年度から平成28年度の5年間も連続してやるわけですか。評価の仕組みなどというのはどこかで決めて、例えばシンクタンクにでも頼んで、いくつかアイディアを出してもらって、それを我々が評価をして、これでいこうと決めれば2、3カ月議論すればできる話であります。実際にやらなくてはいけないのは、政策の評価ですよね。だけど、ここは政策評価の仕組みを考える所なのですね、そこだけ確認したいのです。

○高橋座長
 どう説明したらいいのでしょうか。要するに、基本的には政策評価法という法律があって、それに基づいてそれぞれのプロセスが進んでいて、それについて定式的なそれぞれの評価に対する意見と同時に、やはり専門的な内容が含まれて、とりわけ厚生労働行政の場合はそういうものが多々ありますので、そういう視点でこういう評価についてはいかがか、というようなことをきちんとご意見をいただくことを通じて、政策全体の評価能力が上がっていく。
 それが、先ほど言った大文字の政策評価と小文字の政策評価と比喩的に言ったことで、基本的に政策評価をやるのは議会です。要するに予算を付ける、付けないということになります。ただ、それはいかにも大雑把な議論でありますので、それはボトムアップのいろいろなプロセスがあって、そのプロセスの1つに先ほどの行政レビューが入ってしまったので、その辺がえらくややこしくなってしまったところがあります。やめる、やめないという話は政策評価に関する、先ほど河北委員がおっしゃった、1番にするか2番にするかというのはコンテンツにかかわる話なので、それはそういうところで動き出してしまっています。
 それはどうしてかというと、きちんとした評価が行われていれば、それは予算プロセスを通じて実現していくべきもの。それから、非常にいい加減な評価だったら、それは予算的にも、これは理想的に、観念的に言っていますが、そのようなことを通じて政策の改善、政策執行の改善につながっていく。私はそういう理解をしながらこの会議にコミットしているつもりです。

○河北委員
 先ほど野川委員が言われたように、参考資料1の1頁を拝見すると、まさに検討項目としては、「会議においては次に掲げる事項を中心として検討を行う」ということで、まず「厚生労働行政に係る政策評価手法等について」ですよね。我々は手法を議論すればいいのですね。それから、「厚生労働省の政策評価体系」を考えればいいと。「特定のテーマごとの政策評価の手法」ですよね。ですから、我々は方法論を議論すればいいわけなのですね。

○野川委員
 ただ、実質にかかわるのです。具体的に申し上げますと、例えば非正規労働者がうんと働きやすくなるように、みんなが意欲を持って働くようにするというような政策はあり得ます。それに対して、こういう具体的なことをやったと。それを政策としては定量化して、このような数字が出てきたから、これでこう評価されますという仕組みを作ったとします。ところが、専門的な労働法学者や労働経済学者の目から見ると、実はそういうことをやって、定量化して意味があるのは、例えばアメリカやドイツのように、もっとドライにいろいろなことが給料などの数値で出る所ではそうだけれども、日本ではそれを定量化して、評価として出すということにはまだまだ無理な事情があるから、この評価のシステムはもうちょっと変えたほうがいいのではないですか、という意見を出すことがあり得ます。
 これは、その内実についても言っているけれども、結果的には政策評価のことを言っています。そういうことを言えるのが我々のこのような場だということだと思います。だから、完全に形式論のところだけを言うわけでも、形式のことだけを言っているわけではないし、ただ仕組みとして外から捉えて、こうすればいいのではないかということにはならないので、毎年度毎年度行われた政策評価のやり方に対して意見を言う意味はあると思います。

○高橋座長
 理念的に言ってしまえば、そういうプロセスを通じて、より良い政策立案と、より良い予算編成につながるはずだというところで、まさに河北委員のおっしゃった、政策の評価につなぐことは非常に複雑系の中で議論をしております。

○菊池委員
 いまの観点で私も政策評価の専門家ではないのでずっと悩んできました。野川先生がおっしゃられたように、資料2の3頁にありますように、政策評価の観点の中に必要性、公平性、優先性という政策の中身にまで入らないと評価できないようなものも含まれていますので、必ずしも形式面ではないのかという理解で現在はおります。
 これも、先ほどの野川先生の別の角度から申し上げるということで同じなのですが、去年の実際の政策評価、個別の政策の評価の会議で、所管課の課長が来て、個別の点についていろいろ意見を述べさせていただきました。それに対して、議事録があれば、ここですと言えるのですが、いまは覚えていないのですが、必ずしもきちんとした返答がなかったということがあります。これが継続的な審議会とか検討会ですと、前回のあの点については実はこういうことです、というようなことで継続的にやっていくのでしょうけれども、基本的にもう半年、1年に1回ということで、いつもやりっぱなし、言いっぱなしということで、賛否いろいろありますけれども、事業仕分けと省内仕分けもやらせていただいたときに、私もどうかなというのがありました。
 ただ評価者というか、こちら側として廃止なり何なりという意見をきちんとした形で示すことができました。こちらでは、基本的にはどうしても言いっぱなしというか、去年は非常に空しさを覚えました。言ったことは一体どうなるのだろうと。それは、きちんと評価書の中に活字として書き込まれるレベルなのか、あるいはその場で言った意見に対して、その場でなければ後日でもいいので、きちんとレスポンスがあるという形なのか、レベルは複数あり得ると思います。是非、次回は我々の側が申し上げたことに対して、何らかのレスポンスをいただきたい。それは、去年の経験を踏まえて私からも言わせていただきたいと思います。

○政策評価審議官
 わかりました。本日の皆様のご意見を踏まえて、また私どもで議論させていただきます。要は、ワーキンググループの日の事前の準備のプロセスと、その日に即答できるものは即答できればよろしいのですが、おっしゃるのは、持ち帰り検討のままで終わっているということだと思います。要は説明責任の問題だと私は理解しています。
 先ほどのデータの話でも、ご意見を踏まえて新しくデータを取れるものは取ればよろしいし、だけど取れないものもあるのだとは思います。取れないのはなぜかということを、説得力を持って説明する責任がその所管課にはあるわけです。その辺をどうやるかについては検討させてください。

○篠原委員
 たしか一昨年までは、各委員に事前説明をしていただいたと思うのです。去年、一昨年辺りから、私はもう要らないと言って、他の委員みんなに聞いていると、やはりされていない。その意味は、私は10年ぐらいずうっとやっていて、あまりにも無意味だと思っていたのですが、最近は意味があると思っています。皆さん忙しくやっていても、それを説明すると、それから1週間ぐらいはこのことを考えるし、「私はそのときにこういう質問をしますよ、だからちゃんと回答を用意してください」と。ところが、実際にここで違う質問をするのは真剣度が違うからという言い訳をしています。
 やはり甘く見たのか、あるいは厚生労働省はあまりに忙しいのか。もう1つ私は会議があるのですけれども、やはり去年か一昨年にやめています。先ほど言った事業仕分けに私は傍聴で一昨年行ったのですけれども、評価官室の室長補佐が司会をやって、いろいろな事務もやっていたから、ほとんどこっちが一体だと思うけれども、どうも去年か一昨年から会計がノウハウを蓄積して分かれてきたのかなという気がしています。それには関係なく質問したいのは、ほかの省庁の内部評価で、すべての業務を評価しました。そのときに平成23年度は3・11があったからその対応でということで。本日の説明では、当然非常時のときは切り換えるはずです。厚生労働省もそれに対応して、本来の体系ではやれていないはずですので、それを明確にすべきではないか。
 もう1つ言ってしまうと放射線に関してです。これはある専門機関、厚生労働省は役に立たなかったと。これは私も見ていたのだけれども、厚生労働省も当然食品だとか、労働の安全だとか、放射線に関してそれなりのことを過去にやっていなければいけないはずだったのです。これに載っていないねと。今回もその反省がないのではないのと。原子爆弾がどうのこうのというのは1つしかないです。それは、もうちょっと小さいほうに隠れているかもしれないけれども、やはり役に立たないと言われている以上は、ほとんどやっていなかったのだと思っています。そこの機関はかなり細かくやっている所です。猛烈に、いま日本中で検証をやっている機関です。
 今後、インフルエンザとか、厳しいのとか非常事態が来たときの対応というのはあまり考えていなくて、ただ、ただ平常時のことを考えているのかなという気がするのです。その部分は今回の反省があるのではないかと思うのですが、どんなものですか。

○高橋座長
 宿題ということにさせていただければと思います。クライシス・マネジメントと政策評価というのは、これ自身大きな研究のテーマかもしれません。

○政策評価審議官
 今回お示しいたしました「基本目標」「施策大目標」「施策目標」の体系図ですが、具体的に申し上げますと資料2の12頁以降の一覧表ですが、事柄の性格上あくまで平常時を前提にしたものです。それから、東日本大震災後の厚労行政の対応に対する検証といいますか、これは1つの課題であることは言うまでもないことです。ただ、これはいま直ちに本日の段階で、政策評価の中に載せるというところまで省内で議論が煮詰まってはおりません。

○河北委員
 先ほど、国際的に我が国は非常に遅れているというお話がありました。ほかの国で、我々が参考とすべき政策評価の仕組みがあれば、是非紹介していただきたいのです。今年の日経の1月に、ブレアが彼のことを履歴書で書いていました。サッチャーの後の政権を引き受けて、どうやって市場中心主義から、新しい着地点を見つけるかという中で、彼はかなり政策評価をやったと思うのです。もしイギリスだとか、あるいはアメリカにそういう手法があれば、是非それを教えていただきたいと思います。

○高橋座長
 森田先生のご専門にもなりますので、基礎的なものについてメンバーもエントリーしておりますので、ちょっとご示唆をいただけたらと思います。

○森田委員
 いろいろ申し上げたいことがないわけではないのですけれども、一言だけ言っておきます。海外の場合はよくわかりませんけれども、確実に言えるのは、向こうでは財政的に見て、いかに効率化を進めるかということが着眼点になっています。日本の場合にはあまりその視点がなくて、よくやっているかどうかという評価になっているものですから、これはそういう制度を仕組んだという事情はあります。したがって、そこを改めない限り、やっていて何が良くなるのだという疑問がどうしても出てきます。
 だから、政権交代の後何が起こったかというと、こうした形での評価では財政上の健全化はなかなか図れないから、それならば事業仕分けをやりますよという、かなり乱暴な形で切ってしまう。それでもうまくいかなかったのですが、その辺から言うと、この仕組みを厚労省だけではなくて、根本的に見直していかなければいけないと思います。先ほどのお話で出ているところで言うと、数値目標を掲げるのもいいのですけれども、無理があるのです。相手があることで、特に外交などでは、北朝鮮がどう出てくるかによって全然違うわけですから、そういうのを事前にきちんとやっているかどうかというのは、極端な例かもしれませんけれども、厚労省でもパンデミックがあった場合にどうするかという危機の問題がありますが、そういうことについての数値的な評価は非常に難しいわけです。無理にやると、ホームページのアクセス数みたいなおかしな数値が出てくるようなことがあります。
 私自身はここだけではなくて、もうちょっと大きなレベルで抜本的に見直して、あまり無理をしても、できないものはやらないほうがいいのかと思っています。それよりも経費をどれぐらいきちんと削減したか、そこをギリギリまできちんとやっていれば、それはそれで良しとせざるを得ないのかと思っています。言っていると切りがないのでやめます。

○高橋座長
 行政評価が原課の事業量を増やしているという側面もある。

○森田委員
 そうです、これをやっていらっしゃる方がいるので申し訳ないのですけれども、印象としては原課のほうでは空しいペーパーワークがすごく多くなってきて、それによって高く評価されたから予算が付くとか、施策がうまくいくという形になればいいのですけれども、必ずしもそうでもない。他方で無駄だと言われて、それでは切るか、と言うとそういうものでもないし、という気分がずっと漂っている。ただ、政権党その他は、これをやれやれと言っているものですから、もうちょっと実状をきちんとオープンにして、厚労省もそうですけれども、この評価の仕組みそのものを改めてはどうかという提言をさせていただきたいと思いたくなるぐらいです。

○高橋座長
 なにせ厚生労働省の事業量は省庁でトップクラスです。評価書の厚みがこのぐらいと、このぐらいという感じですから、そういうことも含めて大変な事業量をこなさざるを得ない。

○森田委員
 一般会計の政策経費のうち、ほぼ半分が厚労省なわけですから、ここをどういう形できちんと評価をして、無駄なものを減らし、必要なものに付けるかというのはかなり重要なことだと思います。いまの仕組みだけだと、非常に労多くしてなかなかそこへ行かないのかという気がします。私自身は中医協にもかかわっていますが、どちらかというと評価される人間がそうやって言っているわけですが、そういうことも含めて少し考えていただければと思います。

○高橋座長
 根っこのところで言えば、やはり日本の省庁の構造と、現実の行政の総量の構造がこんなに変わっているのに、たぶん敵は総定員法だと思うのですが、そういうことを含めて、非常にスモールガバメントというか、日本はこんなに大きな仕事を、こんなに小さい人数でやっているのに、それにまだ切り込めという馬鹿な議論と私ははっきり言いますが、今度の新入職員の抑制などというのは組織に禍根を残すようなことを平気でやっていて、それが社会的に一定の共鳴現象が起こるような中で政策評価の役割というのはなかなか辛いのです。本日は、そういう意味でこの検討会のあり方についての共通理解も含めた議論をやることができたのはよかったのではないかと思います。そのことで、今後の予定等を含めて散会にしたいと思います。

○政策評価官室長補佐
 連絡事項だけ申し上げます。本日ご議論いただきました基本計画案等については、またご意見を踏まえて策定作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、委員の皆様方の任期については、本年の3月31日をもって満了となりますので、改めてご相談をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

○高橋座長
 それでは、どうもありがとうございました。


(了)
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