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2012年3月14日 第30回高度医療評価会議 議事録
医政局
○日時
平成24年3月14日(水)16:30~17:30
○場所
航空会館 B101号会議室
○出席者
猿田座長、山口座長代理、伊藤構成員、柴田構成員、関原構成員、 |
竹内構成員、葉梨構成員、藤原構成員、村上構成員、山中構成員、 |
山本構成員、一色技術委員 |
(事務局) |
医政局研究開発振興課長 |
医政局研究開発振興課治験推進室長 |
医政局研究開発振興課専門官 |
保険局医療課企画官 |
保険局医療課課長補佐 |
○議題
1.第27回会議にて継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2.新規申請技術の評価結果について
3.協力医療機関の追加について
4.その他
○議事
○猿田座長
時間がまいりましたので、第30回高度医療評価会議を始めさせていただきます。委員の先生方におかれましては、年度末で非常にお忙しいところ、まだ寒い中お集まりいただきましてどうもありがとうございました。
本日の構成員の出欠状況ですが、川上構成員、佐藤構成員、田島構成員、永井構成員、林構成員、堀田構成員からはご欠席との連絡を受けています。また、関原構成員は、15分程度遅れて参加されるということです。また、今回は技術委員として一色先生がご出席です。ありがとうございました。佐藤構成員におかれましては、本日の審議案件につきまして、事前に検証していただいて意見書をいただいております。それでは、事務局から配布資料の確認と、本日の審議案件について確認をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
配布資料の確認をさせていただきます。まず議事次第から始まり、座席表、開催要綱、構成員名簿、技術員名簿と続きます。次に第27回会議にて継続審議の評価を受けた技術の再評価結果として、資料1-1から資料1-5と続きます。次に新規申請技術の評価結果として、資料2-1から資料2-5があります。協力医療機関の追加として、資料3があります。次にその他として資料4がございます。最後に参考資料として1から2までを付けております。本日の資料は以上です。過不足等ございましたら事務局までお願いいたします。
それから、利益相反についてです。対象となる医薬品及び医療機器の企業等につきまして、資料1-1及び資料2-1に記載しております医薬品・医療機器情報をご覧ください。対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいておりますが、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場でご報告をお願いします。該当なしということでよろしいでしょうか。ではお願いいたします。
○猿田座長
ありがとうございました。いまご説明いただきましたように、議事次第にもありますが、第27回での継続審議の評価を受けた技術に対する再評価と、新規技術の評価、協力医療機関の追加、その他ということで進めさせていただきます。早速ですが、まずは「第27回会議にて継続審議の評価を受けました技術の再評価」について、事務局からご説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局よりご説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますのでお願いいたします。では資料1をご覧ください。継続審議の評価を受けた技術の再評価結果としまして、整理番号038、高度医療名は「解離性大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術」です。適応症は「解離性大動脈瘤」が対象となっております。申請医療機関は「大阪大学医学部附属病院」です。審査担当構成員としまして、主担当が山本構成員、副担当として山口構成員、佐藤構成員となっております。また、一色技術委員にも再評価をいただいております。なお、佐藤構成員からは意見書をいただいております。以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。それでは早速、主担当の山本先生のほうから全体的にご説明いただいて、それから各委員の先生からご意見をいただくということでお願いします。
○山本構成員
資料1-2をご覧ください。今回は再評価ということでございまして、高度医療の名称は「解離性大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術」、申請医療機関は大阪大学医学部附属病院です。各パートの先生方にまたご説明いただきますが、実施体制の評価は山口先生にしていただきまして、すべて「適」。もう1つの実施体制の評価は一色先生にしていただきましてすべて「適」。倫理的観点からの評価は佐藤先生にしていただきまして、すべて「適」。プロトコール評価は私がいたしまして、今回はすべて「適」とさせていただきました。また、佐藤先生は今日、ご欠席ですので、前もって1-5のほうに意見書をいただいております。補償内容及び苦情相談の対応は適切ということでいただいております。そのほか、事前に申請者といくつかやり取りをしていただきまして、佐藤先生からはすべて「適」という判断をいただいております。それぞれの委員の先生のご意見をお願いいたします。
○猿田座長
ありがとうございました。それでは、副担当の山口先生からご説明いただけますか。
○山口座長代理
そこに記載のとおり、特に問題はないと考えます。
○猿田座長
ありがとうございました。それではこの技術に対しまして一色先生のほうからご説明お願いします。
○一色技術委員
当初いただいた施設基準と実際の基準との間に若干の表現上の齟齬がありましたが、これに対して修正をいただきまして、最終的には問題のない形になっていると思います。
○猿田座長
最初のときのいろいろな評価の問題とか、いくつか技術的な問題とかありましたが、大体、やり取りを読ませていただいたのですが、大きな問題はないですか。
○一色技術委員
かなり予後の悪い患者さんを対象としており、現在の医療では限界のある症例に対する治療法としてその有効性を検討する目的で行われるものですので、内容的には期待できる部分が大きいかなと思っております。
○猿田座長
技術的にも、これまでの製品に比べてだいぶ効率がいいという形で、このやり取りが書いてありますが、そのとおりという形で。
○一色委員
はい。
○猿田座長
ありがとうございました。それから、先ほどお話いただきましたように、佐藤先生におかれましては、山本先生からお話いただいたとおりで、事務局のほうから佐藤先生に関して何かありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
こちらにご報告いただいている内容以上に追加のご連絡はございませんでした。
○猿田座長
ありがとうございました。それではもう一度、山本先生に全体的にお願いいたします。
○山本構成員
前回は実施施設の基準、プロトコールの中でいくつか問題を指摘させていただいたのですが、資料1-3の「指摘事項に対する回答」というところで、すべてご回答をいただいております。1番、2番の辺りは体制整備に関するもの、3番が研究プロトコールの中の主要評価項目についての指摘事項だったのですが、1回目に出していただいたときは、目的が安全性と有効性の評価ということだったのですが、主要評価項目はリモデリング率ということで、有効性を示す評価項目でありましたので、安全性に関する主要評価項目がないということを指摘させていただいたのですが、それにつきましては「術後30日における死亡及び主要合併症発生率」を安全性の主要評価項目として新たに立てていただくことになりました。
また、これは比較試験ではありません。オープントライアルになりますので、何を比較の根拠にするかというところにつきましては、心臓外科の学会が貯めていらっしゃるデータバンクから出されているリスクの推測スコアというものがあるそうで、そちらを基にして、本来であればこの程度の安全性が見込まれるところに、このステントであれば、もう少し、さらに安全性が高まるというところで評価をしますというお答えをいただいておりますので、それにつきましては妥当ではないかと考えております。
指摘事項4番、5番、6番辺りは事務的なことです。
7番につきましては、技術適応検討の記載をさらに整備していただいておりまして、8番は特に前回、永井先生のほうから、内科治療で十分問題のない方を入れるのはよろしくないということを強くおっしゃっていただいたのですが、そこにつきましても整理をしていただいております。
9番、10番につきましては、佐藤先生からの説明文書の整備ということで、そちらについても対応していただいています。
また、追加として、リモデリング率を有効性の主要評価項目に使うことについて、私がもう一度お聞きしたのですが、長期5年とか、今回これだけでカバーするのは難しい長期の予後を推測する指標としてリモデリング率を使うというご説明をいただいておりますので、それにつきましても現時点ではやり方として妥当ではないかと考えております。
さらに2回目のやり取りが46頁、47頁、50頁、51頁です。51頁は私がもう一度やり取りさせていただいたところです。この2回のやり取りでほぼ問題点はなくなったというか、予後の悪い集団を対象にして安全性と有効性についての状況を見るという目的を達成できるプロトコールになっているかと考えております。
○猿田座長
ありがとうございました。症例数の問題もこの数でよろしいですか。
○山本構成員
はい。症例数につきましても、リモデリング率のほうから計算をされているのですが、安全性についてもその内容で大体、比較可能だろうという返事をいただいております。
○猿田座長
ありがとうございました。以上のとおりですが、委員の先生方からご質問はありますか。
○一色技術委員
57頁の右の下の図を見ていただくと、左側の鎖骨下動脈にかかってステントグラフトを植えこむケースがあることが示されています。その場合に症例によっては左上肢あるいは椎骨動脈の血流が悪くなるリスクがあって、このような症例にはグラフトによるバイパス術を追加する方法が取られています。同意説明書の4頁の表を見ますと10例中5例に頸部バイパス術同時施行という記載があります。すなわち約50%の確率でバイパス手術が追加されているという事実があるわけで、これは重要と思われます。本件についてはプロトコールには記載を追加していただけたのですが、患者さんの同意説明書には記載がございませんので、この説明文書に追記をお願いできればと思います。
○猿田座長
ありがとうございました。いまお話ありましたように、半数近くにそういったことが行われているということで、患者さんの説明文書にそこを加えていただくことでよろしいですね。ほかにご意見ございますでしょうか。前回のときからの部分に対してかなりきちんとした対応をしていただいて、大きな問題はなさそうだということですので、もしご意見がなければ、進めるということでよろしいでしょうか。それでは、この案件は本日お認めいただいたということにさせていただきます。ただし、患者さんの説明書のところは付け加えていただいて、これはお任せしますので、こちらにかけなくても結構ということで「適」とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、いまのものはこの形で認めたということにさせていただきまして、次の議題に移ります。資料2-1になりますが、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
では資料2-1をご覧ください。新規申請技術の評価結果としまして、整理番号042、高度医療名は「ディスポーザブル高周波切開鉗子を用いた内視鏡的粘膜下層剥離術」です。適応症は「胃あるいは食道における肉眼的に粘膜がんと診断される病変」が対象となっております。申請医療機関は「国立がん研究センター東病院」です。審査担当構成員としまして、主担当が竹内構成員、副担当として山口構成員、佐藤構成員となっております。なお、佐藤構成員より意見書をいただいております。以上でございます。
○猿田座長
ありがとうございました。いまご説明いただきましたように、主担当 竹内先生、副担当 山口先生と佐藤先生ということで、やはり竹内先生のほうからまず全体的なご説明をお願いします。
○竹内構成員
本申請は「ディスポーザブル高周波切開鉗子を用いた内視鏡的粘膜下層剥離術」で、申請医療機関が国立がんセンター東病院です。実施体制は山口先生に評価していただいております。山口先生のほうからご説明いただけますか。
○山口座長代理
実施体制の中で医師とかこの機関については何の問題もなく、大変立派な施設で問題なかったのですが、有用性の評価というところで、いくつか問題があります。特に合併症が少ない、あるいは同等だということを示したいということがいちばんの要だと思うのですが、重篤な合併症が11.9%といったら、最近の常識ではちょっと高すぎると思います。論文がないからということのようですが、このように立派な施設では、必ず毎年自分たちのやった結果がどうなるか当然把握しているはずです。例えば我々は手術をしてその年にどれくらい合併症が発生し、そのために何名が合併症で亡くなったかは、きちんと把握してオープンにすることは当然やっていると思うのです。特にこういうものは、やる集団によってはアウトカムが全然違いますから、下手なところにやらせれば、悪い結果が出ますし、いいところがやればいい結果が出るのは当然のことです。その点厳密に見ようと思うのであれば、この数年間のこの2つの施設の合併症の率と変わらないとか、あるいは少しいいのだということを示すようにしないと、この試験の意義はないかと思います。だれがどのようにやっても11.9%よりは良くなる可能性があると思います。そこがいちばんの問題です。
その他、試験例で使用された製品の中に回転が不良なものがあったことが書いてあるにもかかわらず、問題なく操作は行われていたと書いてあるのです。また、この製品は耐久性がほかの製品に比べて高いということも書いてあるにもかかわらず、どうして操作に不都合な製品が複数見つかるのかという疑問もあります。実際の試験に使う機器は、まだ不良だったものを使うのか、あるいは改良されたものを使うのかということがはっきりしていない。つまり薬でいえば、製剤の仕様を明確にしないまま、ちょっと都合が悪いところを直しますということだけで、使用しようとしていることに等しいと思うのです。この試験のコンセプトはよく理解されますし、臨床の現場でも早く使えるようになることが期待されていると思いますので、その辺りを明確にしたうえで十分検討されることを望みます。ただ、既に同様の機器が出ていることも事実で、その辺りとの比較も実は本来は必要ではないかと思います。また、そもそもこういう試験は高度医療として本当に適当かどうか疑問があります。既に使用されている機器と同等の機能と安全性を持つことを示し、承認をうけ早く市場に出す方が良いようにも思います。
○猿田座長
結局、これまでのものとの比較がものすごく重要ということではないのですか。
○山口座長代理
その通りで拙速に過ぎる、という印象を受けます。例えば、いまの合併症の率とか。時間はそれほどかからないと思いますので、提出されてからやられたほうがいいのではないかと思います。決して無理な要求ではないと私は思います。
○猿田座長
ありがとうございます。先に、技術面に関して、どなたかご質問ございますでしょうか。また竹内先生のほうから総括的な話もしていただきます。
○竹内構成員
佐藤先生のほうからは、事務局が倫理的観点から評価をいただいていると思いますので、事務局の方からお願いします。
○猿田座長
事務局でお願いできますか。
○医政局研究開発振興課専門官
佐藤構成員の意見を説明させていただきます。資料は2-5になります。本技術に関しまして、補償内容及び患者相談の対応が適切であると考えます、というようなご意見をいただいています。ただ、説明内容については全体的に慎重な言い回しが多く、説明が伝わりにくいかという気がいたします。ご意見をいただけますとありがたいです。本件機器の初期不具合及び従来品との優越性について新たな説明及び説明文書の修正が必要か、ご意見をいただきたいです。これまでの治療法の合併症頻度(山口構成員のご意見)については、最新のデータに差し替える方が良いように思います、というご意見です。並びに利益相反について、機器の無償提供だけではなく、データセンターおよびモニタリング費用の一部を負担することも説明すべきだと考えます、とのご意見をいただいております。以上でございます。
○猿田座長
ありがとうございました。それでは竹内先生、お願いします。
○竹内構成員
プロトコールの評価でございますが、先ほど山口先生からご指摘されました、施設のどのような患者さんに対して、先生方の技術的な操作をすることもございました。11.9%が妥当な数字かということもありましたので、そこを反映いたしますと、やはり、6、7、8、9、10に関しましては、適切にお答えいただいてから評価したいと思いましたので、「不適」とさせていただきました。また、佐藤先生からの先ほどの倫理的な観点ですが、13、15に対しましては、プロトコールの中にオリンパスのほうがデータセンター及びモニタリング費用の一部を負担するというのが明確に書いてありましたので、そこのCOIについてもしっかりと説明していただきたいということがございましたので、「不適」ということにいたしました。したがって、総合評価といたしましては、「継続審議」ということで評価をさせていただきました。実施条件といたしましては、先ほどの山口先生からの有用性等について明確にしていただきたいということがございますし、もう1つはデータセンターまたはモニタリング費用に対しましても、オリンパス側が費用負担をするということもありましたので、この辺のCOIについて明確にしていただければ、適にすると判断しております。現段階では一応、「継続審議」ということで総合評価をさせていただきました。
○猿田座長
どうもありがとうございました。ただいまご説明いただきましたように、山口先生の指摘したところの部分、もう1つは無償提供に関係してのデータ、モニタリング、そのほかに関してもちょっと問題点がある。この2つの点を明らかにして、それからということで、本日のところは「継続審議」としたらどうだろうかということですが、委員の先生方、ご質問ございませんでしょうか。山口委員、データとすればそんなに時間はかからないですよね。
○山口座長代理
それほど急がない理由として、1つは従来の方法である程度の成果が得られているということと、同様の形状のものが実際に使えるということがあります。技術的水準はやる施設によって非常に違うのですが、このコントロールとしている合併症の発生率は現在の技術レベルの中では実態から離れていると思います。決して優越性を示さなくても同等性を示せばいいわけです。薬と違って使いやすさとかそういうことは、臨床側にとって非常に重要なので、早く現場に出すためにもこのような形の申請ではなく、通常の方法で申請を進めたほうがみんなのためになると思います。
○猿田座長
ありがとうございました。
○山口座長代理
もう1つ付け加えますと、これは頑丈で作成や開発にも高額の経費がかかったから高く売りたいという意図が見えており、それだとしたら本格的に全く画期的な技術であるということを証明しなくてはいけません。従来品で出来ないようなことが出来るとか時間が半分になるとか、本当に画期的な成果を示さない限りは、安全性だけでは私は駄目だと思います。
○猿田座長
でもそれがいちばん基本ですが、何かありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
本技術に関しまして、事前にそのような部分も確認したところ、やはり医師のほうが主導でこの技術を使いたいということは、いちばんの主目的であり、主眼であるというところから、高度医療評価会議にかける点においては、決して適正でないとまでは言えないだろうという形で、本会議に上げさせていただいているところでございます。
○山口座長代理
医療機器が、どんどん高くなってはまずいと思います。いいものを作っていただくのは非常に重要なのですが、その価値とかそういうことも評価しないといけません。そういう意味で、ここにいただいたデータだけでは格段に素晴らしいとはちょっといえないと思います。
○猿田座長
ほかにご意見ありませんか。
○村上構成員
おそらく同じことをイメージしたと思うのですが、これを医師主導で開発を進めないといけないのかどうか、この点に私は尽きると思います。そもそも企業主導で薬事承認は簡単に取れそうで、保険の収載のときの点数に関わるデータをとる話ですから、企業主導でなぜやれないのかという素朴な疑問を持っております。その辺も次回、明確にしていただければと思います。
○猿田座長
ほかにご意見ございますでしょうか。
○竹内構成員
やはりこのロードマップといたしましては、最終的には公知申請ということがありました。データのモニタリングで、評価項目である第1番のところで、そこに対して企業がお金を負担しているということがありましたので、バイアスが入ってくるという危惧がありました。そこら辺も明確にしていただきたいと思っております。
○猿田座長
ありがとうございました。ほかにご意見なければ、いまご説明いただいたような形で、少し直していただかないといけないということがあって、「継続審議」という形にせざるを得ないかなと思うので、「継続審議」としてよろしいですか。
(異議なし)
○猿田座長
それでは、特にご意見がないようでしたら、この案件は「継続審議」として、いま問題になりました点を事務局のほうから、もう1度問い合わせていただいてということで、よろしくお願いいたします。
今日の審議する案件はこの2つでございますが、続きましてこれまでの技術に対しての協力医療機関の追加につきまして、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料3をご覧ください。協力医療機関の追加としまして、番号020、高度医療名は「パクリタキセル静脈内投与、およびカルボプラチン腹腔内投与の併用療法」です。申請医療機関は「埼玉医科大学国際医療センター」です。今回追加を予定している医療機関は、ご覧の4病院となっております。
協力医療機関の追加としまして、番号021、医療名は「パクリタキセル静脈内投与、カルボプラチン静脈内投与及びベバシズマブ静脈内投与の併用療法、並びにベバシズマブ静脈内投与による維持療法」になっております。申請医療機関は、同じく「埼玉医科大学国際医療センター」です。今回追加を予定しております医療機関は、新潟大学医歯学総合病院になります。
続きまして、番号022、高度医療名は「蛍光膀胱鏡を用いた5-アミノレブリン酸溶解液の経口投与又は経尿道投与による膀胱がんの光力学的診断」です。申請医療機関は「高知大学医学部附属病院」です。今回追加を予定している医療機関は、独立行政法人国立病院機構高知病院となっております。
続きまして、033、「術後のホルモン療法及びS-1内服用投与の併用療法」です。申請医療機関は「京都大学医学部附属病院」となっております。追加医療機関に関しましては、ご覧の3病院となっております。
続きまして、035、「急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法」です。申請医療機関は「大阪大学医学部附属病院」となっております。追加協力医療機関は、昭和大学病院、医療法人徳洲会 野崎徳洲会病院となっております。
続きまして、番号039、「ペメトレキセド腸脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法」です。申請医療機関は「静岡県立静岡がんセンター」となっております。追加医療機関に関しましては、ご覧の病院となっております。事務局にて、倫理審査委員会の構成、医療機関の実施体制等を事前に確認しております。特にご意見がなければ、追加の手続を進めたいと思います。以上でございます。
○猿田座長
いまご説明いただきましたように、既存技術に対する追加医療機関はかなり出てきているということは、非常にいいことだと思います。特に最後の039に関しましてはこれだけ多くの施設が出ているということは、各施設において検討もしていただけるということですね。
いまの点に関しまして、どなたかご質問はございますか。ともかく、どんどん追加協力機関が出てくれることは、非常に技術が広がりますから、いいことだと思っています。
特にご意見がなければ、それでは、この形で追加協力機関を認めていただくことにさせていただきます。どうもありがとうございました。
その次になりますが、先進医療制度と高度医療制度の見直しのことに関してです。事務局から、ご説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料4をご覧ください。先進医療制度と高度医療制度の見直しの案について、ご説明させていただきます。こちらの資料は、資料4の105頁、カラーのシェーマ図のほうに書いてございます。こちらの頁には「今後の対応案」と書いておりますので、ご覧いただけますか。
こちらの流れについて説明をさせていただきます。前回ご説明したことではございますが、今回の問題の所在といたしましては、第2項の先進医療の技術の中で、特に有効性の評価が確立していない段階の技術については、評価体制を充実すべきであること。先進医療として認められた技術についても、一定期間の実績に基づく評価を徹底すべきであること。高度医療の技術の審査における先進医療専門家会議および高度医療評価会議の検討を強化すべきであることについて、問題提起されておりました。
これらの問題に関しまして審査体制の見直しを行いまして、前々回の12月の高度医療評価会議にて検討状況の報告をさせていただきましたが、実施が認められたあとの出口をより明確にすべきとのご意見があり、この意見を踏まえましてさらに検討を進めさせていただきましたので、現時点での検討状況を報告させていただきます。
こちらの図ですが、先進医療専門家会議と高度医療評価会議の統合の概要につきまして、こちらをご覧いただきますと、今回の統合により申請書の用紙をまず統一し、申請の窓口を一本化することを考えております。
審査体制については、現在は未承認・適応外の医薬品等を使用するか否かで、先進医療と高度医療に分けておりますが、有効性が一定程度明らかな技術、技術Aと、有効性が必ずしも明らかではないため、関連する他の医療技術との比較等により有効性を明らかにする必要のある技術、技術Bに分け、前者については先進医療会議で審査し、後者については先進医療技術審査部会で実施計画等、技術の妥当性を審査し、先進医療会議では、その結果を踏まえて社会的妥当性を中心に審査することを考えております。
また、先進医療実施後の技術の評価については、106頁をご覧ください。こちらの図になります。報告の方法につきましては、技術Aでは届出を行っているすべての医療機関に毎年実績報告をしていただくこととし、診療報酬改定に合わせてあらかじめ届け出た評価方法に照らして、評価結果を報告することとしております。また、技術Bに関しましては、毎年中間評価報告を行っていただくことと、予定した実施機関、症例登録が終了した時点で総括報告書を提出していただくこととしています。
評価体制に関しましては、技術Aでは先進医療会議にて保険収載の必要性等を審査することとし、技術Bでは部会にて技術的妥当性を評価し、それを踏まえて先進医療会議にて先進医療としての継続の可否等を検討することとします。これらの対応案を実施することによりまして、技術のエビデンスレベルに応じた評価体制の充実、一定期間の実績に基づく適切な評価体制の実施、現行の先進医療・高度医療の会議の一体的な運営と連携の強化を図ることが期待されます。
また頁をお戻りいただきまして、資料4の90頁になります。「4.今後の検討課題」といたしまして、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされた抗がん剤を用いた技術、技術Cになりますが、これに関する先進医療の実施につきましては、技術の安全性等の確認方法、実施可能な医療機関の要件、実施計画書の審査が可能な一定の要件を満たす機関(外部機関)の選定要件などを現在、検討しているところです。特に外部機関の選定にかかる調整事項が多岐にわたりまして、調整の難航することが予想されておりますが、できる限り速やかに実施できるように努めてまいりたいと考えております。
また、医療機器に関する先進医療の実施につきましても、前回の会議でもご指摘のあったところですが、医療上の必要性の高い抗がん剤と同様の枠組みを利用できないか、今後検討していくこととしております。
また、先進医療の申請に必要な国内での数例の実績の効率化等についても、臨床研究中核病院等における臨床研究の体制整備の状況を踏まえまして、先進医療のより柔軟な運用が可能となるよう検討を行っていくこととさせていただいております。以上でございます。
○猿田座長
これは昨年12月ですかね、1回ここで検討事項を出していただきまして、その後もっと詰めていただいたということで、これは特に、これからのことで非常に重要な点でございますので、委員の先生方、是非ご意見をいただきたいと。受付を1カ所にして、それで技術に関して技術Aと技術Bと、それから技術Cという形に分ける。ですから、技術Aに関しては比較的いままでの先進医療の形の簡単なものですが、技術Bのところから少し大変だし、技術Cはこれからもっと時間がかかる。
問題は、いかに早く、国としては少しでも早く実用化に持っていってくれということですから、特にBの技術とかCの技術に関しては、あまり時間を取らないで持っていける形が大切なところかと思うのですが、ポイントはそのようなところかと思っています。
ではどうぞ、委員の先生方、ご意見をいただければと思いますが、何でも結構です。かなりすっきりした形になるのですが、がんのところが問題です。
○山中構成員
技術Cで、抗がん剤から開始ということですが、この理由について事務局から簡単にご説明いただけないでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
技術Cに関しまして、「中医協におけるこれまでの検討状況」というところがございます。ご覧いただきたいのは、88頁の2になりますが、「医療上の必要性の高い抗がん剤に関する先進医療の実施について、当該実施計画書の審査については、先進医療会議が適当と認めた場合には、一定の要件を満たす機関に委託できることとし、当該審査の結果を踏まえて先進医療会議において適否を判断することが出来ることとする」となっておりまして、これを受けまして技術Cの流れを現在検討しております。
ただ、問題となっておりますのが、一定の要件を満たす機関といった所が、どちらに該当するのか。こちらを選出するに当たりましての要綱であったり、実態としてそれは可能である機関かどうかというところの調査等を行っているところで、これに関しましては、保険局、医政局、そして健康局とも内部で意見を調整して、なるべく速やかにできるよう検討していきたいとは考えております。ただ、現時点でここは該当するというところがなかなか具体的に挙げられない状況で、難航しているのが現状というところです。
○柴田構成員
105頁の技術Cについて質問させてください。こちらに挙げられている技術Cは、イメージとしては、数日前、報道等にも出ていましたが、日本版コンパッショネート・ユース制度のようなものを想定してあるのか否か。つまり、例えば技術Bのところは、ある程度いまここで議論しているように、臨床試験として評価を行うものである。それとは別に臨床試験の対象にはならない患者さんであるとか、臨床試験ができない疾患に対しては別の道を用意しておいて、そこは医療機関を事前に特定しておいてその医療機関の中で一定の治療方針に基づいて行う、その可否を判断できる能力のある医療機関であればコンパッショネート・ユース制度のようなものが現状よりもより行いやすくすることを想定してある、そういう仕組みなのでしょうか、ちょっとイメージが湧かないので。
○医政局研究開発振興課専門官
先生がご指摘の内容の点に関しましては、それに限定する内容には現時点ではなっておりません。こちらは98頁の絵をご覧いただきたいのですが、現在この技術をCとなる案件に関しては、事実、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いと認められました抗がん剤に関しましては、第一義としては企業に開発要請をかけることを考えております。残念ながら、企業に開発要請をかけたにもかかわらず、こちらの治験の流れには乗れないものに関して、先進医療制度が使えないかどうかという形で行っておりますので、必ずしもコンパッショネート・ユースに限ったお話ではないという形にはなっております。
○医政局研究開発振興課長
若干補足しますと、数日前に新聞に出ていたコンパッショネート・ユースのことは、厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会で議論はしているのですが、まだ何らかの結論が決まったというわけではないのです。あの記事では、直ぐ出来るみたいな感じだったのですが、そういうことではないです。
それから、今回の技術Cがコンパッショネート・ユースということと関係あるかというと、どちらかというと、むしろないと考えていただいたほうがいいと思います。技術Cは、技術Bの先進医療技術審査部会でやるのではなくて、有効性の評価を外部の機関に代行してやっていただくと。そのほうが、よりスピードが早くなるのではないかということで設定しているものです。
○猿田座長
先生、よろしいですか。
○柴田構成員
ちょっとしつこいですが、技術Bと技術Cに関しては、臨床試験を想定していらっしゃるという制度なのですね。
○医政局研究開発振興課長
そうです。
○猿田座長
ですから、大雑把に言えば、技術Aはいままでの先進医療の軽いものであって、特に高度医療評価においての形のものが、むしろ技術Bから技術Cですよね。特に技術Cのところは、まだ詰めていただく必要があり、がんの問題としてですね。ですから、技術Bのところが随分幅広い形のいろいろな案件が出てくるのだと思います。そこはプロトコールなどしっかりとした形でやっているかということが大事です。将来この医療機器に関しては、どうなのですか。それも、やはりあれですか。
○医政局研究開発振興課専門官
一応、検討事項としては任せていただきたいとは思っておりますが、まず、抗がん剤の区分のスキームがうまく動くかどうかといったところを見まして、その状態を踏まえまして、次に、では医療機器はどうすべきかと、こういった議論にさせていただきたいとは考えております。
○猿田座長
抗がん剤の要件は、どうしてもかなり多くなってしまうのですね。だから、そこのところを少しでも早くすることが大切です。もう1つは、いままで両方一緒にしようというのは、審査を少しでも早くしようということがありますから、審査のところをよほどしっかりするような審査機関を決めていただきたく、そこがポイントかと思います。
○山本構成員
医療機器については、医薬品と同じロジックではたぶん整理できないだろうと思うのです。それはリスク分類によって承認か認証かという違いもありますし、承認を取るにしても、改良機器か先発品かというところでも違ってきますし、おそらく改良というか後発ということであれば、承認の際に必ずしも現状で臨床データを要求はしてないと思うのです。ただ、そのあとの保険の点数のところでは、改良、後発だけれどもより良くなっているということを、もし謳うのであれば、たぶん臨床データが要求されるというような。医薬品の場合は、最初のところで全部臨床データが出て、それによって有効性・安全性が審査されて、その結果が出て、そのあとで保険の点数のところに進んでいくという流れはもう決まっているのですが、医療機器の場合はそこが必ずしも1つの流れにはなってないところがあるので、整理が同じにはできない。例えば、抗がん剤とか医薬品を雛型にして考えると合わなくなると。たとえば改良品で、ものとしては非常に軽いのだけれども、非常に新しい技術を使っていて、何らかのメリットは非常にある場合でも、それが必ずしも高くなるかというと高くならないこともあって、そうなると企業としては、そこの開発に非常にお金をかけるのは難しいので、そこですくんでしまうと。そういうように、医薬品とはかなり違う実情がはっきりしてきていますので、おそらく高度医療のこういう、いわば治験ではない他の臨床試験のやり方を、医療機器産業のほうが開発費用を抑える手段として考えていると思うのです。
でも、それは医療機器の業界の状況を見ると、それがいけないとは言えない。むしろ、そういう道も作っていってあげないと、新しいものが出てこないと思うのです。ですので、医薬品と整理のやり方が同じにはならないのではないかと思うのです。抗がん剤のルートができたから、それをそのまま医療機器に当てはめるのは難しいだろうと思うのです。では、どうしたらいいかというのは、いまは何とも言えないのですが。
○猿田座長
やはり、将来のことを考えたら、この委員会でやっていくことになるのですね。この先どうですか。
○山口座長代理
山本先生のご指摘は全くそのとおりで、今回のケースを見ていて思ったのですが、この場合ややこしいことをしなくても、もう少し改良品を市販して出して、そのあと複数の機器が出てくると競争も起きますし、薬だけではなくて医療機器も製品が1つしかなかったら、そこの独占になってしまいますから、値段は下がりません。複数の製品が出て競い合って、その中で選ばれて残っていくということになれば、正しい意味での市場原理が働きます。
先ほど申しましたが、確かに医療機器や材料には、薬とだいぶ違うところがあります。例えば機器というのは、マイナーチェンジを少しずつして、工夫して改良していくわけです。薬は、一旦できたら、その製剤がきちっとされていて、同等のものかはずっと問われ続けるのです。しかし、機器についてはマイナーな改良もずっと行われるわけですから、例えばそこでだれかが、ちょっと変わったら全く別ものだから、また、いちから始めなさいということを言い始めると、またいろいろな機器のラグが起きると思うのです。ですから、山本先生のおっしゃることは全くそのとおりで、少し分けて考えて、いいものが早く届いて、みんなが使えて、しかも市場原理が働いて、適切な値段に落ちつくという仕組みを考えないと、これから立ち行かないのではないかと思いました。
○山本構成員
いまアメリカでは510Kで、あまり臨床のデータを付けずに行ったことで、かなりトラブルが起こっていて、健康被害も出ているのです。アメリカは、揺り動きというか厳しいほうに行こうとしているのですが、ただ欧州は逆に、ものすごく緩く通して、市場でも全部、市販後として臨床試験しているので、欧州は欧州でこれでいいのかという話があって、いまEUとUSのやり方の「いいところ取り」をしたほうがいいのではないかという議論もアカデミアなどから出てきてはいるのです。
ただ、日本はどちらかというとUS寄りで、わりとEUなどよりは厳しく見ているのです。それで、あまり入口を厳しくすると出てこなくなるけれども、緩くしすぎると健康被害が出てしまうので、適当に絞って出していかないといけないと、そういうのでたぶんUSもEUもすごく苦悩しているところで、いまのところ日本も含めて世界中で、医療機器についてこれがいいという承認制度はないというふうに最近言われています。日本も本当はEUやほかの地域のやり方を見ながら考えていったほうがいいと思うのです。それと、日本は日本特有の保険制度があるので、結局、経済的な裏づけがなかったら医療機器産業は絶対に伸びないですし、そこも含めた検討が本当は必要なのだろうと思います。
○猿田座長
特に医薬品医療機器総合機構のほうでは、随分いろいろなことを聞きますね。いろいろな意見があるみたいなのですが。
○山本構成員
いま医療機器のほうは、一部を変えればすむという状況ではないのではないかと。それと、市販後の安全性も含めて全部セットで考えないと。ここの入口のところだけを少しいじっても、結局、無理やり付け足したようなプロトコールが出てきてしまうという状況はあまり変わらないのではないかと思います。
○猿田座長
要するに、先のことを見込んで、そのあたりのところをしっかり計画してここに載せてくるということですね。ですから、まず技術Aと技術Bを先行して実施し、技術Cの問題と医療機器の問題は、もう少しいろいろな意見を聞いて、問題点をよく整理してから実施することかと思います。
○山本構成員
機器は審査の考え方も含めて検討していただきたいし、医療機器は特にライフサイクルという考え方になっているので、保険の出口や市販後の安全性についても検討していただきたい。それを見越して考えないと、ここだけ変更しても難しいのではないかと思います。
○猿田座長
そのようなところを少し事務局もよくお考えいただいて、検討して進めていただくということでどうでしょうかね。
○関原構成員
このドラッグ・ラグの問題は、がん患者を中心に、早期に解消して欲しいとの声・圧力が非常に大きくなって、結局こういう形で検討が進んできたわけですが、デバイス・ラグやデバイスその物の話は、患者には技術も含めわからないのです。だけど、本当はデバイスも患者にとってドラッグ同様すごく大事な問題です。ただ薬は誰もが知る世界的な巨大な製薬メーカーがいろいろ研究・開発をしているわけですが、デバイスの開発は、中小というかベンチャーも含めて非常に多くの企業により世界中で行われています。ところが具体的な承認等の手続になると、これは大手製薬メーカーと違いえらく負荷が重く、厄介だということになる。だから、日本でこんな面倒くさいことをしてまで商売しなくていいとなって、デバイス・ラグのほうがドラッグ・ラグより深刻になっていくのではないかと思います。ところが、患者にはその意識があまりない、解らないから、デバイス・ラグ解消の声があまり社会的なアピールになってない。ここは、政策当局や専門の先生方がその辺をフェアに、将来を考えて薬剤とバランスよくやってもらわないと、あとで振り返ってみると、ただ圧力が強いというか、声が大きかった方を優先したということになってしまうと、何をやっているのかということになるので、そこはよく考えてもらったほうがいいのではないかと思います。私は素人なのですが何となくそういう感じがするのです。
○藤原構成員
2点あります。98頁の図を見ると、未承認薬等検討会議において、抗がん剤で必要性が高いとされて未承認・適応外の案件数を見ると0件ですよね。ですから、これは実際、せっかくいい制度をつくっていただいても上がってくるのが少ないのではないかと不安があります。
私は未承認薬等検討会議の構成員をやっている中でいつも思うのは、第1回のときに、ホスピスで使うような薬、みんなが普通に使っている薬が医療上必要性はないと判断されて、全部却下されたのです。そういうことがあることを考えると、例えば未承認で医療上必要性が高いと判断されなかった品目については、105頁の「左記以外の現行の第2項、第3項案件」できちんとすくっていただけるのかどうかを聞きたいのが1点。
もう1つは、アメリカでは、いまcomparative effectiveness programと言って、スタチンとか、Caブロッカーとか、同種同効薬は山のようにある領域についてはhead to headで比較させて、本当にいいものを明らかにすることが奨励されており、保険財政・質の高い医療の両面から大事だと思うのです。そういう比較が高度医療にどんどん上がってくればいいとは思うのですが、そのときに、たぶん日本で、いま弊害になっているのは、医薬品製造業の公正取引協議会略称、メーカー公取協の紳士協定で、そういうhead to headでもトライアルに試験薬を供給するなという申し合せをしているらしいので、そこはきちんと厚労省から指導をしていただいて、高度医療評価でそういうcomparative effectivenessですね、head to headで従来品同士を比較する場合には、そこに対しては試験薬を提供してくださいとかいうご指導をしていただければ、たぶん循環器などの領域の試験は、より活発になると思います。その2点です。
○猿田座長
いまのご意見、何かございますか。重要な点なのですね。
○医政局研究開発振興課専門官
藤原先生からご指摘いただきました点の最初の点に関しましては、現行の制度としては、おそらく今後の新しい流れとしては技術Bになってくる形だとは思います。事務局としましては、事前相談等をご活用いただいて、効率的に採用していただける方向で検討していただければとは考えております。
2点目に関しましては、なかなか難しい問題もございます。この場でどうこうするというのは、なかなか申し上げにくい点かとは思います。高度医療に採用していただくものに関しましては、無償提供されているものもございますので、そういったスキームがほかの所でも使えないかどうかは、ご相談には乗らせていただきたいとは考えております。
○猿田座長
いちばん重要なのは、まず受け付ける所ですね。そこをかなり強化してきちんと仕分けをするという形ですね。そこのところが非常に重要なポイントだと思うのです。そこのところは、かなり大変だと思うのです。それをしっかりしていただいて、やってみる。ただ、少なくともここまで来ていますから、この方向で行っていただいて、各先生方から出たご意見を検討していただき、夏ぐらいまでにはこの形でスタートできるようにしていただきたいと思うのですが。
○一色技術委員
こういう視点が妥当なのかわからないのですが、デバイスのことでいろいろ相談されたり、海外で新しい機器とかを目にして、日本でどうしてこれらの機器が使えないのかという思いをすることが少なくありません。多くのデバイスメーカーは製薬会社と違って、大手の一部のメーカーは別にして、経済的にそれほど体力がないのです。
例えば、米国では実績があり、すでにガイドラインに載っているデバイスであっても、いまの日本で治験をやるということには障壁がものすごく大きくて、日本では治験がとてもできないのであきらめているケースが少なくないように感じています。このたび学会からも要望できるシステムができましたので、これを利用していこうとはしているのですが、それでもなかなか、積極的に承認を進めるような体制にはなってないように思います。デバイスについては、そういうことがサポートできるシステムというものを、お考えいただけると、それが患者さんのためにもなるのだろうとは思っております。
○医政局研究開発振興課専門官
医療機器に関しましては、医政局と医薬局の間で、昨年、前の規制検討部会等のご意見も踏まえまして、企業の方にも入っていただきまして、勉強会や多数のコースを設けさせていただいているところです。ですので、そういったところの検討を今後も踏まえていきたいとは考えております。
○猿田座長
確かに、循環器医療機器は、非常にいろいろ、たくさん噂が行き交って、いままでも随分問題はありましたね。ほかにご意見はございませんか。いま、ここまで一応検討が進んでいるということで、もう少し詰めていただいて、それで私としては、ともかく夏までにスタートできるようにやっていくというふうに考えております。また、次回にも、途中まででも経過を見ていただいて、ともかく夏までに何とかするように、是非頑張っていただけるようにお願いします。ほかに何かご意見はございますか。今日も少し追加ぐらいで大体。あと大きな問題はないですよね。先生、何かありますか。もし特に、委員の先生方からご意見がなければ、時間は早いですが、これをもちまして、第30回高度医療評価会議を終わらせていただきます。ご協力、どうもありがとうございました。
照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課
TEL 03-5253-1111
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