ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録




2012年3月19日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成24年3月19日(月)13:30~16:30


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、尾崎委員、高橋委員、永山委員、松田委員、宮井委員、吉成委員

事務局

森口基準審査課長、横田課長補佐、茂野課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課農薬対策室 池田専門官

○議事

○事務局 それでは、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させて頂きます。
 本日は、事務局の確認不行き届きのため、開催が遅くなりまして、大変申し訳ございませんでした。
 本日は、お忙しい中をお集まり頂き、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、斉藤委員、佐藤委員、廣野委員、山内委員、由田委員、鰐渕委員より御欠席なされる旨の御連絡を頂いておりますが、現時点におきまして、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中8名の御出席を頂いており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 それでは、以降の進行につきましては、大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 年度末のお忙しいところを集まって頂いて、ありがとうございました。
 それでは、最初に資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせて頂きます。
 本日お配りをいたしました資料は、まず、議事次第が1枚、その裏に配付資料が記載してございます。2枚目に委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿を付けてございます。その裏に座席表がございます。その後に、本日御審議頂きます4剤につきまして、それぞれ農薬・動物用医薬品部会報告書案と食品安全委員会における食品健康影響評価結果を1-1、1-2というふうにセットで配付させて頂いております。また、その他の議題である「農薬等24品目」につきましても、農薬・動物用医薬品部会報告書案と食品安全委員会における食品健康影響評価結果を5-1、5-2とセットで配付させて頂いております。
 更に、委員の先生、事務局のみにお配りしております資料といたしまして、食品衛生分科会における確認事項の横1枚紙がございます。不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 よろしいでしょうか。それでは、審議に入りたいと思います。
 本日は、農薬4剤及び農薬等24品目について審議して頂きます。皆さんにおかれましては、あらかじめ資料をお送りさせて頂いて、コメントを頂いたところでございますけれども、どうもありがとうございます。それに基づいて修正したものを今日配付してあると思います。そういうことで、御審議をよろしくお願いいたします。
 最初に、農薬ジメタメトリンの審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬1剤目ジメタメトリンでございます。資料1-1を御覧下さい。今般の残留基準の検討につきましては、魚介類への基準値設定及び暫定基準の見直しについて、御審議を頂くものでございます。
 本剤はトリアジン系の除草剤です。根、葉から吸収され、光合成における電子伝達系を阻害することにより、作用すると考えられています。
 化学式、構造式等については、記載のとおりでございます。
 2ページ2.適用の範囲及び使用方法については、国内における使用方法を記載しております。
 5ページ3.作物残留試験結果でございます。分析対象の化合物として、ジメタメトリンについて分析が行われています。分析方法につきましては、記載のとおりでございまして、また、結果については別紙1に記載をしてございます。
 6ページ4.魚介類への推定残留量でございます。本剤は水田においてのみ使用されることから、水田PECを算出し、水田PECは0.29ppbとなりました。
 BCFは実測値が得られていないことから、相関式を用いて110と算出いたしました。
(3)になりますが、これらの結果から魚介類における推定残留量は0.16ppmと算出されました。
5.食品安全委員会におけるADIの評価でございます。ラットの慢性毒性発がん性併合試験の無毒性量0.94 mg/kg体重/日を根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.0094 mg/kg体重/日となってございます。
 発がん性試験の結果については、ゴシック体で記載のとおりでございまして、閾値を設定することは可能であるとされています。なお、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 6.諸外国における状況でございます。JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。また、記載の諸外国においても基準値は設定されておりません。
 これらを踏まえました基準値案といたしまして、本剤につきましては、残留の規制対象をジメタメトリンとする案にしております。食品安全委員会におきましても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をジメタメトリン親化合物のみと設定しております。
 基準値案でございますが、10ページの別紙2を御覧下さい。今回申請のございました魚介類について基準値を設定するとともに、暫定基準については見直しを行いました。これらの基準値案により、暴露評価を行いましたものが11ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼少児で9.1%のADI占有率となっております。
 最後のページは答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 それでは、これに従って審議を進めたいと思います。
 化学名、化学構造ですが、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 薬理作用のところは、尾崎先生、いかがでしょうか。
○尾崎委員 結構です。
○大野部会長 適用方法、用量のところについては、コメントはございませんね。
 それでは、体内動態、代謝物については、吉成先生、いかがですか。
○吉成委員 動物、植物とも残留性は低いですので、特に問題はないと思います。
○大野部会長 私も、代謝物もできますけれども、残留するのはほとんどが親化合物ということを確認しています。そういうことで、分析対象物質については親化合物でよろしいかと思いました。
 毒性について、鰐渕先生からコメントはございましたでしょうか。
○事務局 特に頂いておりません。
○大野部会長 毒性についてもいろいろと書いてあるのですが、発がん性作用が出ていますけれども、染色体異常試験がポイズブルに出ていますね。でも、染色体異常はフォールスポジティブが結構多いです。in vivoの小核試験でネガティブになったということで、特に問題はないかと思います。そういうことで、食品安全委員会の考え方でいいのではないかと思います。
 ただ、表現のところだけ見直してみて、7ページの4行目「評価に供された遺伝毒性のin vitro試験の一部で」のところで、「の」が2つ続いてしまうので、「遺伝毒性試験においてin vitro試験の一部で陽性の結果が得られた」というふうにつなげて頂ければ、スムーズになると思います。
 今までのところで先生方から、何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、分析結果について、いかがでしょうか。松田先生、よろしいですか。
○松田委員 はい。
○大野部会長 適用方法のところは宮井先生、何か御意見はございますか。
○宮井委員 特にありません。
○大野部会長 基準値、国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。特に問題はないでしょうか。
 それでは、全体を通して、また、魚介類への残留基準を設定しましたけれども、その辺も含めて御意見はございますでしょうか。魚介類における推定残留量は大体いつもと同じような方法でやっていますので、特に問題はないかと思いました。
 全体を通しまして、もう一度、何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、毒性のところだけ表現を変更させて頂きましたけれども、変更したものをこの部会の報告とさせて頂いてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次の品目です。農薬グルホシネートについての審議をお願いいたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬2剤目の農薬グルホシネートでございます。資料2-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、暫定基準の見直しについては、平成22年9月の部会で審議が行われました。
 本剤の用途はアミノ酸系除草剤です。
 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2ページ2.適用の範囲及び使用方法でございます。適用拡大があるたけのこ、みつば及びホップについて、四角で囲んで示しております。
 11ページ3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物はグルホシネートについてはグルホシネート、代謝物B及び代謝物Zについて分析が行われております。グルホシネートPにつきましては、グルホシネートP及び代謝物Bについて分析が行われております。分析方法の詳細については記載のとおりでございます。結果については別紙1-1、1-2、1-3に記載してございます。
 4.畜産物の推定残留量につきましては、前回部会から変更はございません。
 5.食品安全委員会におけるADIの評価でございます。ADIは前回と同様、0.0091 mg/kg体重/日となってございます。なお、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 6.諸外国における状況でございます。JMPRで毒性評価が行われ、ADIが設定されております。また、諸外国においては記載のとおりでございます。これらを踏まえました基準値案といたしまして、前回と同様、残留の規制対象を穀物、豆類、種実類及びてんさいについては、グルホシネート、代謝物B及び代謝物Zとし、その他の食品については、グルホシネート及び代謝物Bと設定する案としております。食品安全委員会においても前回と同様の結論でございます。
 基準値案でございますが、26ページの別紙2を御覧下さい。適用拡大申請があった食品等について、基準値を設定する案とさせて頂いております。
 これらの基準値案により、暴露評価を行いましたものが29ページの別紙3でございます。ADI試算によりまして、一番高い幼少児で68.5%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 これについては適用拡大ということでございます。一応確認のためにということで、一とおり御審議をお願いいたします。
 化学名ですけれども、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 事前に確認していなかったんですけれども、CAS名がおかしいのではないかと。hydroxymethylphosphinolylという名があるんですけれども、これは食安委の報告書と同じですが、これは恐らくphosphonolylになるか、あるいはphosphinlylになると思いますので、これは後ほど確認させて頂きたいです。
○大野部会長 分かりました。それを確認して、後で報告させて頂いて、修正する必要があったら修正するということでよろしいでしょうか。
○事務局 そのようにさせて頂きます。
○大野部会長 では、そういうことでお願いいたします。
 薬理作用のところはいかがでしょうか。前回と変わらないと思いますけれども、よろしいですか。ありがとうございます。
 宮井先生、適用方法のところはよろしいですか。
○宮井委員 特に問題ないです。
○大野部会長 体内動態、代謝物のところはいかがでしょうか。吉成先生、何かありますか。
○吉成委員 原案のままで特に問題ないと思います。
○大野部会長 私も見ましたけれども、特に問題になるところは認められませんでした。代謝物BとかZは出てきますけれども、それも含めて評価の対象物質としていますので、よろしいかと思いました。
 毒性のところについては、前回と変わりないというところで、これについても鰐渕先生から何かコメントはございませんか。
○事務局 特にございませんでした。
○大野部会長 それでは、そういうことで、特に問題はないと私も思いました。
 今までのところで先生方から、何かコメントはございますでしょうか。吉成先生、お願いします。
○吉成委員 細かいのですが、別紙1-3の残留試験の結果の残留量の一番上の行、スラッシュで区切られているところの後ろのMPPAは何を指しているのかが分からなかったんですけれども、何か情報はありますでしょうか。
○大野部会長 私も見落としてしまったんですけれども、何か分かりますか。
○事務局 申し訳ありません。MPPAというのは代謝物Bのことを指しております。代謝物Bと修正いたします。
○大野部会長 では、そのように修正をお願いいたします。吉成先生、よろしいですか。
○吉成委員 はい。
○大野部会長 それでは、分析法と分析結果について、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、基準値と国際的整合性について、いかがでしょうか。ADI比で幼少児で68.5%ということで、かなり上限に近くなっていますけれども、特に問題はないでしょうか。
 それでは、ほかに全体を通して、先生方から御意見はございますでしょうか。
 それでは、若干修正がございましたけれども、修正したものをこの部会の報告とさせて頂いてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次の品目ですけれども、農薬メタゾスルフロンについて、御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、農薬3剤目の農薬メタゾスルフロンでございます。資料3-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴う基準値設定でございます。本剤の用途はスルホニルウレア系除草剤でございます。
 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2ページ2.適用の範囲及び使用方法でございます。新規農薬登録申請がある水稲につきまして、記載しております。
 3ページ3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物はメタゾスルフロンでございます。分析方法の詳細については、記載のとおりでございます。結果については、別紙1に記載してございます。
 4.食品安全委員会におけるADIの評価でございます。ラットの慢性毒性試験の無毒性量2.75 mg/kg体重/日を根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.0027 mg/kg体重/日となってございます。なお、発がん性試験において子宮内膜腺がんが有意に増加したが、遺伝毒性が認められなかったことから、その発生機序は遺伝毒性メカニズムによるものとは考えがたく、評価に当たり閾値を設定することが可能であると考えられたと結論されております。
 5.諸外国における状況でございます。JMPRで毒性評価はなされておらず、国際基準は設定されておりません。また、諸外国においても設定されておりません。これらを踏まえました基準値案といたしまして、残留の規制対象メタゾスルフロンと設定する案としております。食品安全委員会におきましても、同様の結論でございます。
 基準値案でございますが、6ページの別紙2を御覧下さい。新規登録申請があった食品について、基準値案を設定する案とさせて頂いております。この基準値案により、暴露評価を行いましたものが7ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼少児で1.1%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、御審議をお願いいたします。化学名、構造についてですけれども、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 特に問題ありません。
○大野部会長 適用方法のところは、宮井先生、いかがでしょうか。
○宮井委員 特にありません。
○大野部会長 薬理作用のところはいかがでしょうか。よろしいですか。
 代謝のところは吉成先生、お願いいたします。
○吉成委員 幾つか代謝物ができますけれども、親化合物がメインで残留性も低いですので、問題はないと思います。
○大野部会長 私も同様に考えます。植物体内の移行は非常にわずかであるし、親化合物は検出できないということです。作残の試験をやっても、代謝物を含めて測っても検出限界以下だったということは食品安全委員会の報告書に書いてございますので、親のみでフォローするということでよろしいかと思います。
 安全性のところで鰐渕先生から何かございましたでしょうか。
○事務局 特にコメントはございませんでした。
○大野部会長 安全性のところは、発がん性実験で子宮内膜の腺がんが出たということでございますけれども、遺伝毒性試験はすべてのタイプでネガティブで遺伝毒性は見られなかったということで、私も閾値を設定することについては問題ないと思いました。
 ただ、表現のところだけで、細かいところですが、この発がん性試験において、15,000ppmとありますね。そこの前に、これはラットの実験だということで「ラット15,000ppm投与群の雌で」として頂けますでしょうか。
○事務局 御指摘のとおり、修正いたします。
○大野部会長 お願いいたします。
 今までのところで先生方から何か御意見はございますでしょうか。
 分析法、分析結果、その辺りについて、いかがでしょうか。よろしいですか。
 基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。これもADI比で最大で1.1%ということで、特に問題はないかと思いました。
 全体を通して御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、毒性のところで言葉を追加させて頂きましたけれども、そういった形で変更したものをこの部会の答申とさせて頂いて、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 それでは、農薬のフルチアニルについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬4剤目のフルチアニルでございます。資料4-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく新規の農薬申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。
 1.概要ですが、本剤はチアゾリジン環にシアノメチレン基を有する殺菌剤でございます。作用機序等につきましては、記載のとおりでございます。
 化学名及び構造式等につきましても、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。きゅうり、なす等の農作物について、登録申請がなされております。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物として、フルチアニルについて分析が行われております。分析方法につきましては、記載のとおりでございます。結果につきましては4ページの別紙1に記載しております。
 4.食品安全委員会によるADIの評価でございます。ラットの慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量249 mg/kg体重/日を根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは2.4 mg/kg体重/日となっております。
 5.諸外国における状況ですが、JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。また、米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドのいずれにおいても基準値は設定されておりません。
 これらを踏まえまして、6.基準値案でございますが、残留の規制対象を親化合物と設定する案としております。なお、食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質を親化合物のみと設定しております。
 次に、基準値案でございますが、5ページの別紙2を御覧下さい。今回こちらに示します食品について登録申請がなされ、作物残留試験成績を参照し、基準値案を設定いたしました。これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが6ページの別紙3でございます。TMDI試算によるADIの占有率ですが、すべてのグループで0.0%となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 それでは、これは新規化合物ということでございます。
 化学構造、化学名について、いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないです。
○大野部会長 適用方法のところはいかがでしょうか。宮井先生、何かコメントはよろしいですか。
○宮井委員 特に問題ありません。
○大野部会長 薬理作用はいかがでしょうか。
○尾崎委員 殺菌剤ですので、なかなか作用機序が特定できないというのは仕方がないと思いますが、表現の歯切れが悪いなと感じました。感染行動という言葉が出てくるんですけれども、これは細菌学分野ではこういう言葉が使われるのでしょうか。
○大野部会長 高橋先生、こういう言葉を使っているんですか。
○高橋委員 私自身もこういう言葉を使ったことはないですけれども、植物の方の殺菌剤でお使いになられているのかなと思って読んでいました。
○大野部会長 これは食品安全委員会の報告から抜粋したのでしたか。
○事務局 食品安全委員会の評価書6ページの記載を基に、記載させて頂いております。
○大野部会長 「形態学的観察により菌の感染行動への影響は既存剤とは異なる」という同じ表現になっていますね。
○宮井委員 行動というと動物だけで植物ではどうかなと思いますが、菌などは感染するときの動きがあるので、そういうのを感染行動と呼ぶことがあります。
○大野部会長 それでは、食品安全委員会の方にも専門の先生がおられると思いますので、このままでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、体内動態、代謝物はいかがでしょうか。
○吉成委員 動物では幾つか代謝物が出ますけれども、植物はほとんど代謝されず、ほとんど植物には移行しないということで、問題はないかと思います。
○大野部会長 それについては私も同じ考えです。ぶどう、りんご、きゅうり、レタスで調べていますけれども、残るのはほとんどが親化合物だということで、親化合物を分析対象物質とするのがよろしいかと思いました。
 毒性のところで鰐渕先生からコメントはございましたでしょうか。
○事務局 特にコメントは頂いておりません。
○大野部会長 これについては発がん性が認められなかったということでございますので、通常の安全係数100を使って、ADIを2.4にして妥当かと思いました。
 今までのところで先生方、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、分析法、分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。松田先生、よろしいですか。
○松田委員 はい。
○大野部会長 石井先生もよろしいですか。
○石井委員 はい。
○大野部会長 それでは、基準値と国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。あまり安全性について懸念するところはないと思います。
 それでは、このフルチアニルについては、修正はございませんでしたけれども、これをこの部会の答申とさせて頂いて、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせて頂きます。
 今日の個別の審議については終わりましたけれども、農薬等24品目の扱いについてです。
 資料5-1に農薬等24品目の扱いについての提案が事務局からございますので、説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料5-1を御覧下さい。農薬等24品目についての案でございます。
 今般の残留農薬の検討については、食品中の農薬等のポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議を頂くものでございます。
 1.経緯です。我が国では、2006年よりポジティブリスト制度を導入しているところです。制度を開始するに当たり、円滑な施行を図るため、農薬等758品目にコーデックス基準やデータの提供等について協力を申し出た5か国地域の基準値などを参考として、暫定的に基準値を決めました。
 今般、制度開始から6年近く経過して、改めて暫定基準を確認しましたところ、24品目において国内の食用の登録・承認・指定がない、または失効したもの、暫定基準を設定する際に参照とした国において基準値がなくなっているもの等があったため、現状に即していないことが確認できました。
 2.概要です。構造式や物性等は省略してございます。
 2ページ3.ADIの評価でございます。これらの24品目について、食品、添加物の規格基準に定める食品中の残留基準を削除することは、国内外において食用及び飼料用に供される農作物並びに食用に供される動物及び食用に供される乳、卵等の生産物を生産している動物に使用されていないことを前提とした場合、食品安全基本法第11条第1号第2号の「人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当すると認められる」と結論付けられております。資料5-2のとおりでございます。
 4.諸外国における状況でございます。JMPR等における毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。今回の基準値の見直しについては、昨年1月14日に開催した第147回輸入食品円滑化推進会議、これは各国大使館を対象として基準の改正等について説明している会議でございます。
 52か国地域の大使館に意見を求め、おおむね理解を得られたところでしたが、昨年11月末に更にOECD加盟国等を加えた63か国地域等について調査を行いました。そして、いずれの国及び地域についても使用実態がなく、基準値が設定されていないことが判明しました。なお、この63か国地域というのは、※のところに説明があるんですけれども、21年度と22年度の総届出重量に占める届出重量の割合が98%に上ることから、63か国地域の確認を取れれば、我が国に輸入される食品中の残留農薬等については、ほぼ把握できると判断した次第です。
 補足ですけれども、これら24品目については、平成21年1月~平成24年1月までの3年間の速報値でございますけれども、約16万件検査を実施しております。検出事例はXMCの1検体ですが、3番でございます。フランス産のいちごより0.02ppm検出されました。日本での基準は0.1ppmでしたので、特に追跡調査は行っておりませんが、フランスにおいては、現在このXMCの基準がないことは確認しております。
 基準値案です。4ページの別紙1-1から1-24のとおりで、食品中の残留基準を設定しないこととする案としてございます。調査の結果、最初の経緯と重複するのですけれども、これらの24品目については、国内の登録承認がない、または失効していること、国外においても基準値の設定がなされていません。JMPRやJECFAにおける毒性評価もされておらず、コーデックス基準もありません。
 また、先ほど言いました63か国地域の調査も踏まえ、このような案とさせて頂きました。現在は食用の製造販売、流通、使用がなされていないと判断できることから、暫定基準を維持し続けることは不要であると考えられます。なお、抗生物質及び化学的合成品たる抗菌性物質は含有してはならないの規定が適用されますが、ここではナリジクス酸がそれに該当します。その他の物質については、一律基準の0.01ppmが適用されることになります。
 最後の38ページが答申案です。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 今日リストアップしてくださった24品目については、どこでも使用実績がないので削除という案でございますけれども、いかがでしょうか。
 食品安全基本法第11条第1項は、そういうものについては審議しないというようなことなんですか。
○基準審査課長 こちらから資料を出しておいて申し訳ないのですけれども、3のタイトルがADIの評価と書いてありますが、ADIの評価を出して頂いているわけではなく、これらの品目については、暫定基準を設定するときに参照したものが既にない。世界中どこにも使われている剤でないということで、暫定基準を置いておく必要がないという形になったものでございます。
 暫定基準を消す場合も食品安全基本法上の扱いを確認しなければいけないわけですけれども、食品安全基本法に基づいて食品安全委員会に意見を求めたところ、こういったものについては、人の健康に及ぼす悪影響はない。つまり、使われていないわけですから影響もないということで、評価は要らないということを答申で頂いたということでございます。ですから、この3項目のタイトルと説明が実態に合っていない説明文章になっていますので、そこは書き換えさせて頂けたらと思います。
○大野部会長 分かりました。3ページの3行目以下の※のところも分かりにくいかなと思います。「63ヶ国地域における平成21年度及び22年度の総届出重量に占める届出重量の割合が」ですが、4行目の「総届出重量」は63か国地域だけではなくて、世界から全体の数量のことですか。
○事務局 そのとおりでございます。
○大野部会長 そうすると、ここのところの「63ヶ国地域における」を削除してしまって、「に占める届出重量の割合」のところに持ってきて、「63ヶ国地域からの食品の届出重量の割合が」とやった方が分かりやすいのではないでしょうか。
○事務局 訂正させて頂きます。
○基準審査課長 文章としては「困難であるが」の後ですね。「困難であるが、平成21年度及び22年度の我が国の食品の総届出重量に占める63ヶ国地域からの届出重量の割合が、およそ98%」という文章でよろしいですか。
○大野部会長 お願いします。
 ほかに先生方、お気付きになったところはございますでしょうか。
 それでは、この24品目について、そういう取扱いをするということで、答申案について食品中の残留基準を設定しないことが適当であるということ。なお、テレフタル酸銅はテレフタル酸銅及びテレフタル酸が含まれ、ピリフェノックスはビリフェノックス(E体)及びピリフェノックス(Z体)の和とする。
 このような答申案でございますけれども、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 それでは、若干表現が変更になりましたけれども、それを変更したものをこの部会の答申とさせて頂いてよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 それでは、今日の審議結果についての食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づき、本日の部会で御審議頂いた農薬4剤及び農薬等24品目の食品衛生分科会での審議又は報告の取扱い案につきましては、僭越ながら事務局より原案を用意させて頂きました。
 本日、御審議頂いた品目のうち、農薬メタゾスルフロン及びフルチアニルにつきましては、新たに残留基準を設定するものであることから、区分1として分科会での取扱いは、審議でいかがでしょうか。
 農薬ジメタメトリンにつきましては、暫定基準等の既に設定されている残留基準の一部改正で区分4又は5に該当しないことから、区分3として分科会での取扱いは、報告でいかがでしょうか。ただし、その用途、毒性等からみて慎重に審議する必要があるということではないと思われます。
 また、農薬グルホシネートにつきましては、食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4として分科会での取扱いは、文書配布による報告でいかがでしょうか。ただし、その用途、毒性等からみて慎重に審議する必要があるということではないと思われます。
 また、農薬等24品目につきまして、いずれも使用実態がないことによる残留基準の削除であることから、区分6として分科会での取扱いは、文書配布による報告でいかがでしょうか。
○大野部会長 ありがとうございました。ただ今説明して頂きましたけれども、そういった形で分科会での取扱いをするということについて、御意見はございますでしょうか。
 特にないようでしたら、この部会としましては、そのような取扱いでよろしいかどうか、分科会長の承認を得たいと思います。よろしいですか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局から今後の手続についての説明をお願いいたします。
○事務局 本日御審議頂きました農薬4剤及び農薬等24品目につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていることから、若干修正等が必要な箇所がございますが、修正したものをもって部会報告書とさせて頂きます。
 なお、今後の手続につきましては、パブリック・コメント、WTO通報、消費者庁協議等の必要な手続を進める予定としております。
○大野部会長 ありがとうございました。
 グルホシネートは化学名を確認した上で、事務局の方で修正させて頂くということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 では、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次回の予定の説明をお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成24年4月20日金曜日午後を予定しております。後日、委員の皆様の日程につきまして、御確認をさせて頂きたいと存じます。詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。
○大野部会長 ありがとうございました。
 ほかに何かございますでしょうか。事務局はないですか。先生方もよろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させて頂きます。御協力をどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係
(03-5253-1111 内線4281,2487)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

ページの先頭へ戻る