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2012年2月1日 第10回医療情報の提供のあり方等に関する検討会議事録

医政局総務課

○日時

平成24年2月1日(水)17:00~19:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○議題

1.医療機能情報の提供について
2.検討会報告書(案)について
3.その他

○議事

○佐々木調整官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第10回「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」を開催させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、御多用中の中、また夕刻の開始となり恐縮でございますけれども、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 出欠状況でございますけれども、本日は全構成員の方々に御参加いただいているところでございます。
 また、本日は、前回、国民生活センターが発表した歯科インプラント治療に係る問題の件で、広告のあり方に触れられたこともございまして、オブザーバーとして、日本歯科医師会の溝渕常務理事にお越しいただいています。
 次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 いつもどおり、議事次第、座席表のほか、配付資料としまして、
 資料1 医療機能情報提供制度の普及等に向けた今後の進め方に関する前回の議論の整理(案)
 資料2 医療情報の提供のあり方等に関する検討会報告書(案)
参考資料1は、昨年末でございますが、社会保障審議会医療部会で医療提供体制の改革に関する意見がとりまとめられましたので、そのフルバージョンを用意させていただいています。
 参考資料2は、前回の資料で使ったものですが、医療機能情報提供制度の普及等に向けた今後の進め方についてというものです。
 参考資料3は、専門医等の資格名の広告について
 参考資料4は、専門医の在り方に関する検討会の開催要項
という形で御用意させていただいています。
 また、いつもと同様に基本資料集を冊子、バインダーの形で御用意させていただいておるところでございます。
 カメラ撮りは以上とさせていただきたいと思います。
 以降の進行を、長谷川座長にお願いしたいと思います。先生どうぞよろしくお願いします。
○長谷川座長 お忙しい中、お集まりいただいてありがとうございます。
 大分検討会の中身も煮詰まってまいったということですので、今日もまた活発な御意見をいただきたいと思います。
 毎回、確認していますけれども、これは一応原則非公開で、議事録は事務の方でまとめて、厚生労働省のホームページに公開するということになっておりますので御了承ください。
 次に、オブザーバーの件なのですが、もう座っていただいておりますけれども、事務局の方から御紹介があったように、日本医師会常務理事の溝渕健一氏にオブザーバーとして参加していただきたいということですので、お認めいただけましょうか。
(「異議なし」の声あり)
○長谷川座長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 第1に、医療機能情報の提供について、事務局の方から説明をお願いします。
○田中専門官 お手元の資料1をごらんください。
 医療機能情報提供の普及等に向けた今後の進め方に関する前回の議論の整理ということで、資料を示しております。
 まず、1.でございますけれども、前回の資料の前半部分を簡潔にまとめた箇所でございます。まず、医療機能情報提供制度については、住民・患者による医療機関の適切な選択を支援するという観点から立ち上がっているものでございまして、病院あるいは診療所などの医療に関する情報について、インターネットを通じて都道府県が公開しているものでございます。平成19年4月から開始されております。
 情報提供制度の対象項目については、医療機関側が報告する義務が課せられるものでございます。
 2つ目の丸でございますけれども、前回御紹介した都道府県に対するアンケートの中で、各都道府県のホームページに対するアクセス数を調べた結果を御紹介しておりましたが、その数で見ると、広く普及しているとは言えない状況にあるというふうに考えられます。
 アンケート調査で、同じように、医療機関あるいは利用者側から都道府県に寄せられる意見ということについても調査しておりまして、主な意見としては、医療機関側から項目の多さ、報告が負担であるといった御意見が寄せられておりました。
 利用者からは、主に、表示される情報が多いとか、表現がわかりにくいといった御意見あるいは検索の方法が難しいといった御意見が寄せられておりました。
 併せて、そうした意見を踏まえた上で、都道府県側からの要望としては、まずは医療機関側が報告するメリットを感じられるような、そういった仕組みが必要ではないか。あるいはホームページの外観、中身の標準化です。標準的なものを示してほしいといった御意見もございました。最後に、社会保障審議会医療部会の方でも御意見があったところでございますけれども、制度自体がなかなか知られていない中で、普及・啓発について国の方でもやってほしいといった御意見が寄せられておりました。
 これを受けまして、2.対応(案)でございますけれども、一部は前回示したとおりでございまして、前回の御議論を踏まえた上で、一部修正を加えておるところでございます。
 ページがまたがりますけれども、まず、システムの利便性の向上、システムとありますけれども、各都道府県のホームページのことでございまして、その利便性の向上という観点から、次のような機能を取り入れてはどうかという形で、都道府県の方で運用している制度でございますので、国の方から助言するという形でやってはどうかということを書いております。
 最初の2つのポツが検索に関する機能の提案でございまして、まずは検索対象を限定しないフリーワードの検索あるいは複数のキーワードでの検索機能を追加してはどうか。
 同じく検索の関係でございますけれども、例えば、「自宅に近い医療機関」あるいは「現在診療中」、そういったよく検索されるような項目については、アイコンで表示したりといった形で、検索を容易にする機能を追加してはどうかということを書いております。
 次のポツでございますけれども、これは医療連携、地域における医療機関の間の連携を円滑にするための工夫ということで、これについて病院・病院間あるいは病院・診療所間の連携の姿が見えやすい形で出ていれば、地域医療、地域連携を円滑にできるのではないかということで、そういった工夫を取り入れてはどうかということを書いております。
 次が、見せ方のところでございますけれども、基本的な情報だけ必要な場合と、より詳細に見たい場合があろうかと思いますので、その表示を選択できるような機能があってはどうかということをお示ししています。
 最後に、外国語メニュー、一部外国語で提供されているところもございますけれども、その辺を充実させてはどうかということで書いてあります。
 次の丸でございますけれども、医療機関のホームページとのリンクの話でございます。これについては、都道府県のホームページとリンクを貼るという前提で書いておりますけれども、まずはリンクの貼り方でございますが、広告のあり方のところで御議論いただいているホームページに関するガイドライン、こちらに準拠したものに限定してリンクを貼る、そういった差別化を図るという仕組みを取り入れてはどうかという提案をさせていただいております。
 次の丸でございますけれども、医療機関からの報告、負担軽減という観点から、紙媒体をゼロにするのはなかなか難しかろうとは思われますが、極力オンライン化というものを進めていただいてはどうかという形を示してあります。
 更に、例えば、前年度の報告内容を確認しながら、変更箇所のみを修正すれば報告が完了するといった工夫を取り入れてはどうかということを書いております。
 次の丸ですけれども、今、御紹介したような機能の追加とか、工夫といったものについて、各都道府県の取組に関する好事例を踏まえながら、そのあり方について、国の方が都道府県に対して提示してはどうかということを書いております。
 (2)制度の普及・啓発に向けた取組ということで、なかなか具体的なものがお出しできていない状況でございますが、具体的な取組として例示させていただいているのが、1つには、医療機能情報提供制度全体の呼称になろうかと思いますけれども、わかりやすい呼称をつくる。インターネットで検索した際に検索しやすいような形で呼称をつけられないかということを提案させていただいております。
 追加として、厚労省のホームページでのPRというものも挙げております。
 次が、医療機能情報提供制度の対象項目ということです。
医療機能情報提供制度がスタートして4年、5年が経とうとしておるところでございますが、中身、対象項目について入れ替えを少しやってはどうかという提案をさせていただいております。
 次のページにわたりますけれども、まずは追加の事項でございます。
 現在、広告可能とされている事項とそうではない事項に分けて書いておりますけれども、まず1つには、先ほどの地域連携の円滑の工夫のところでも紹介しています。こことちょっと関連しますけれども、紹介できる医療機関の名称というのが対象項目に挙げられておりませんので、その名称、例えば、過去5年間で紹介した実績のある医療機関の名称、主なものを記載、御報告いただく形にしてはどうかというふうな形で提案させていただいております。
 次のポツでございますけれども、こちらは前回、森原構成員から御発言がございましたところですが、診断書代あるいは診療録の開示手数料といったものについて、その平均的な費用について、対象としてはどうかということを書いています。
 次は、現在、広告可能とされていない事項でございます。制度改正等に伴う追加事項として、ここに挙げさせていただいているのは、外国人患者受入れに資する医療機関認証制度、今年度、有識者の先生方の意見を伺いながら整備しているところでございまして、こちらは来年度、平成24年度から運用開始する予定の制度でございます。こちらについて、認証を受けたということの旨を情報提供制度の対象項目としてはどうかという提案をさせていただいております。
 次の丸でございますけれども、少し情報提供制度と内容が離れるところでございますけれども、広告ができる事項と関連しますので、広告可能とされていない事項について、具体的には、先ほど申し上げた制度改正等に伴う追加資料、これについては併せて広告可能にしてはどうかという提案をさせていただいております。
 次の丸でございます。こちらはテクニカルなところでございますが、今、対象項目の中で対応できる疾患あるいは治療の内容、そういう項目がございまして、その中で、診療報酬の項目などを引っ張ってきている項目がございます。大元の診療報酬が変わってしまって、廃止された項目あるいは名前が統合されたものと名前が変わってしまったものがございますので、それらについては、それぞれ削除あるいは別項目に統合してはどうかということを記載させていただいております。
 最後、(4)こちらも少しテクニカルではございますが、政府全体として、地域主権推進という観点から、都道府県の裁量を増やすという方針で動いていまして、厚生労働省令で、都道府県が医療機能情報を公表する手段を規定しておりまして、?インターネット、?書面又は庁舎に備え付けの端末等、この両者で公表することが義務づけられていますが、インターネットのところについては、なかなか外せないかと思うのですが、?については、適切な方法で実施してくださいといったような規定に見直してはどうかという提案をさせていただいております。
 説明としては、以上でございます。
○長谷川座長 ありがとうございました。
すっきりまとめていただいた感じがありますけれども、議論のイシューは随分たくさん委員の間でありました。まず、この中身で御疑問ございませんか。あるいはもう追加御意見、改変等、何か御意見ございますか。
○鈴木構成員 実際、医療機能情報提供制度の内容を見てみますと、非常に項目数が多くて、わかりにくい感じで、もうちょっとわかりやすく、住民や患者さんが知りたいことがわかるような構成にしていかないと、なかなかアクセスも増えていかないという気がいたします。通常、患者さんは、まず、身近なところにかかりつけ医の先生がいらっしゃって、その先生がまず診療し、専門的な治療が必要になった場合には、専門医の医療機関に紹介するわけですけれども、そういった患者さんが考える過程に沿った形で、通常の専門診療、救急の場合の初期、二次、三次のシステム、あるいは休日・夜間の対応、そういったことがわかるように、最初に、ある程度簡単にアクセスできるような構成にしていくことが必要ではないかと思います。
 それから、これを見ると、紹介することができる医療機関ということですが、5年以内に紹介した実績のある医療機関というのは、あまり現実的ではない気がいたします。例えば、連携をしている医療機関同士で、そういうものを掲げるのだったらまだしも、5年間で紹介したことがある実績というのはあまり意味がない。どこでも紹介するだけだったらできるわけですから、それは実際的ではないと思います。
 それから、新たなものの追加ということで、外国人患者受入れに資する医療機関認証制度を挙げておりますが、これはまだスタートして間もないもので、その状況等がきちんと把握されていない現状では、現時点で追加項目とするのはまだ時期尚早ではないかという感じがいたします。
 また、オンライン化による手続に移行するようにということも書いありますが、こういったものは医療機関の選択にゆだねるべきであろうと感じております。
 総体として、患者さんや住民の方にとって、知りたいことがわかるような情報を、よりアクセスしやすくというような構成に変えていきながら、詳しく知りたいときはまた次にアクセスできるようにするというようなことが1つと、内容自体が非常に細かいので、その辺も整理する部分があってもいいと思っています。
 以上です。
○長谷川座長 ありがとうございました。
委員会の議論を思い出してまいりましたが、鈴木構成員のような御意見はたくさんあったというふうに記憶しておりますし、先ほどの御指摘もなかなか的確な、つまり、患者さんがアクセスをして、どういう情報が欲しいかという形で情報を整理した方がいいのではないかという部分は、本当にそうだというふうに思います。あまり言うと語弊があるかもしれませんが、役人が考えた仕事だったりするから、使い勝手がどうなのか。
○佐々木調整官 1点だけ補足の説明をさせていただきます。
 御指摘の中にございました外国人患者受入れに資する医療機関認証制度でございますけれども、これにつきましては、平成22年の6月に、新成長戦略というのが閣議決定されまして、それに基づきまして、この認証制度の創設というのがうたわれたところでございまして、これに向けて厚生労働省で制度を立ち上げる準備をさせていただいております。
 これは今、まだ制度の仕込み中で、来年度施行を目指している状況でございます。来年度、施行されたら、これを制度改正に伴う追加項目として医療情報提供制度に入れるかという、一義的な提案でございますけれども、これは、現在、当然ながら制度はございませんから、医療広告可能とされていない事項になってございますので、場合によっては、情報提供制度は時期尚早というお話でございましたけれども、医療広告の方で項目に追加するという考え方もあるかもしれませんので、その辺りも併せて御検討いただけたらと思っております。以上です。
○長谷川座長 坂本構成員、お願いします。
○坂本構成員 私も多分再三言ってきたと思うのですが、患者が求める情報が何かという立場に立脚すると、今の医療機能情報提供制度のウェブサイトが入ってきますと、本当にこれは患者さんが求めているのかという情報がやけに多い一方で、病院の魅力が伝わるものがあまり感じられない。むしろ2ページ目の上から3分の1ぐらいに書いてあるように、「適切な表示内容の医療機関のホームページを有用な情報源の一つと位置付け」、それはガイドラインが原則になると思うのですけれども、もう一つは、医療機能情報を提供する場合に、病院側、医療機関側の負担が結構多いということを考えると、むしろ項目数というのを削減の方向に持っていって、詳しくは当該医療機関のホームページ参照と、要するに、適切であるとされた医療機関には、そのままリンクを貼って、詳しくはそっちを見てもらうというような形で、その方が多分患者さんにとってもわかりやすい情報ないしは、きれいに医療機関の顔が見えるとなっていくのではないか。今、過渡期的には、まず横並びで一斉に医療機能情報を提供しようと、上からの指令でこうなっているわけですけれども、やがてはガイドラインがきちんとできて、それが運用されるようになれば、将来的にはむしろ、これは単純にポータルサイトとしての役割を持っても、その先は、それぞれ個々の医療機関がきちんと情報提供をする、それを担保するためのガイドラインを充実させるという方向に持っていった方がいいのではないかと思っております。
○長谷川座長 今後の方向の御提案というふうに受けとめていいのでしょうか。
○坂本構成員 はい。
○長谷川座長 近藤構成員。
○近藤構成員 私は若干違うのですけれども、最終的にホームページにたどり着けばということですと、いきなり特定の医療機関の細かいところが入ってしまうので、そこの医療機関を選ぶ前にどういう情報かあるかという選択の部分もあるものですから、多分ホームページのつくり方で、階層構造にして、ある程度大まかなところから、知りたいときに、その方の選択で入り込めるような構造にしていけば、確かに、いきなりたくさんの情報がぱっと出てくると、何を見ていいかわからないというところがあるのですけれども、絞り込みをしていったり、検索をする機能があれば、必ずしも項目自体を最初からとらなくても、そんなに支障にはならないのかと思うのですけれども、その辺は、またちょっとつくり方の工夫はあると思います。
 手前みそなのですけれども、前にもお話ししましたが、本県もこの3月から一応新しいシステムを稼働することになっておりまして、今日お配りするような資料ではないのですけれども、今、お話のありましたキーワード検索とか、医療機関、薬局、助産所、休日・夜間の診療所が一面の最初に出てきまして、そこから入っていくようにしましたし、医療機関へ行く前の、例えば、子ども救急電話相談の窓口であったり、救急のQ&Aとか、そういったところも最初のページに出しまして、よりアクセスしやすいような工夫をしてまいりたい。まだまだ不十分ではあるかと思うのですけれども、今後とも、そういった意味でも努力したいと思うのですが、最初から絞り込むというよりも、見せ方というか、つくり方という工夫も重要かと思いました。
○坂本構成員 私も方向性は大体そういうことで、先ほどちょっと言ったポータルを充実させるということ。ポータルサイトとして、つまり、今のそれぞれの県の最初のページというのは、やはり見づらい。むしろシンプルで、かつ検索機能が充実している。そのポータルで、例えば、フリーワード検索で、症状を入れたり、そういう形で検索すると、あなたはこういうところに行けばいいのではないかと診療科が出てくる。診療科がディレクションされたら、そこの診療科から今度は自分の住所を入れていく、例えば、そういうふうに持っていって、最終的にたどり着くのが医療機関のホームページになる。今おっしゃったような階層化と言うのでしょうか、それをきっちりと組むというのが重要ではないかと思います。
○長谷川座長 近藤構成員の方から少し反論めいたお話がございましたけれども、要するに、各病院の情報もまたいろいろあるので、直にぽんといってしまうと、かえって混乱してしまうのではないか。それを整理して、ポータルをきちんとした方がいいのではないかという御提案があったのですけれども、そういうふうに振り返ってみれば、坂本構成員も同じような御意見なのですね。
○坂本構成員 そうです。
○長谷川座長 稲垣構成員。
○稲垣構成員 私も見ていまして、専門用語が並んでなかなかわかりづらいということで、やはりもう少し病院の特徴なり、機能なり役割、そういったものを少しわかりやすい言葉で説明してもらった方がいい。例えば、特定機能病院と書いてあるわけですけれども、何もわからなくて、自分がそこに行っていいのかどうかわからない。
 実は、私ども健保連でも「ぽすぴたる!」という病院情報提供サイトを運営していまして、その中で、ほかと比べてちょっと違うのは、病院に独自の情報を書いてもらっていることです。これは広告規制と関係があるのかどうかですが、やはり病院の顔が何となく見えてくるという感じはするのです。ですから、箇条書きに用語が並ぶよりは、少しそういった情報が最初にあって、自分が必要としているのはこういうところだというのがわかればいいという感じがいたしました。
○長谷川座長 制度の立ち上げの時期には横並びということがあったのでしょうけれども、ぼちぼちそういうのを考え直すべきだという御意見でしょうか。
○山口構成員 今の稲垣構成員の御意見にとても賛成なのですけれども、先ほど、特定機能病院の話をされました。ここにも「地域連携を円滑に」と示されていて、そのためにも一般の方に使っていただくためのサイトなのかと思います。病診連携にしても、病病連携にしても、かかりつけ医を持っている方は、サイトにアクセスしなくても紹介してもらえると思うのですけれども、残念ながら、まだ、そういうかかりつけ医を持っていない方もたくさんいらっしゃる。
 そうすると、医療機関を探すというときに、急性期や療養病床、今の特定機能病院もそうですけれども、そういう医療機関の機能を表す用語の意味がわからないというのが、一般の方の現状ではないかと思います。
 例えば、選択をするときに、ここは急性期だとか、回復期、リハビリテーションを持っている病院だとか、自分の症状に見合った医療機関がどこなのかというのがわかるような工夫があれば自主的に選択していくこともできるのかなと感じました。色分けにするのか、どのようにするのかは検討が必要だと思いますが、例えば、急性期病院というのがどういう意味なのか、役割なのかということすら一般化していない部分があるのではないかと思いますので、その辺りの解説が必要だと思いましたことと、わかりやすい分類というのが1つです。
 もう一つは、どう普及していくかというところなのですけれども、一般の方が選択するに当たってどのようなことが知りたい情報なのかというと、こういう治療に力を入れている病院はどこですか、腕がいいドクターはどこにいますかとか、そういう本来は情報提供できないようなことを求める方が現実としては多いわけです。そういうことは提供できないという現実的な事実がもちろんあるわけで、だとしたら、どんなときに活用してもらいたいのかということをしっかりとアピールして、わかりやすい情報にする。やはり有用性がわからないとアクセス数も増えないと思うのです。だから、こういうときに利用してほしいのだということを、もう少しアピールする必要があるというふうに思います。
○長谷川座長 こんなふうに使えるよというガイドみたいなものが、一番最初に出てくるといいということですね。
 ほかに御意見ございませんか。
○稲垣構成員 制度の普及啓発ということで、今回、改めて各都道府県のホームページを見てみたのですけれども、トップページには、この医療情報提供制度が全くないか、多くは載っていないような感じだったのです。都道府県に医療機能情報提供制度があると知って、トップページから探そうとすると、都道府県における各医療担当部門の1つのセクションの仕事という感じになっているので、大分深く入っていかないと行き当たらない。ですから、少なくとも都道府県のトップページには何らかの形で載せていただく必要があるという感じがいたします。
○長谷川座長 もう少し手前に入り口をつくった方がいいということですね。そのほか御意見を。
○加納構成員 全体的な流れとしては、どうやって使うかの入り口の問題、急性期で使うか慢性期で使うか、いろいろな形での検索で使うというのがスタートだと思いますので、その点をクリアーにしていくのは非常に大事だと思うのです。
 また、それとは別に、先ほどから個々の病院の姿を表現する。それが逆に2行単位とか、短い文で病院のあり方というのをなかなか論じられないところがありますので、それは、やはりホームページである程度、個性的なところは見ていただかないと、なかなか2行にまとめろと言われても、それがかえって誤解を招くような形になります。
 例えば、ケアミックスという言葉をおわかりになる人は多分少ないのではないか。ケアミックスというのは、急性期の病棟もあるし、慢性期の病棟も、1つの病院の中に幾つかの、回復期リハビリテーションとか、一貫して持っている病院もあるし、なかなか急性期、慢性期だけではわかりませんので、それはホームページで確認していただく。
 やはり、個々の病院の個性は、まだまだ未熟ですけれども、ホームページ等でこれからもしっかりと表現できるように、前からの主張になりますけれども、まだ、それをやっていく段階ではないかと思うのです。
○長谷川座長 ありがとうございます。
 そのほかに何か。
○森原構成員 皆さんと同じような意見になってしまうのですけれども、やはり患者目線とか医療消費者目線ということが大事だと思いますので、例えば、施設基準とか看護体制がどういうふうになっているのかというようなこと、7対1とか、10対1の届出なんかをそのままホームページで公開している構成医局もあるので、その点わかりやすいように、申請内容を公開していくというようなことが必要なのではないかというふうに思います。
○長谷川座長 大分意見が出てまいりました。あと何か追加の御意見ございませんか。
 ちょっと事務局に聞きたいのですけれども、これはこういう形でまとめて、最終的には報告書にということでしょうか。
○佐々木調査官 はい、いただいた御意見をまとめさせていただきます。
○長谷川座長 今日の意見を盛り込んで、これが原案、たたき台になって、盛り込まれてまとまるということですね。
○坂本構成員 言い忘れたのですが、モバイル対応も多分考えていった方がいいのではないかと思うのです。ガラケーも含めて、スマホも含めて、瞬間的にはいろいろ負荷はかかるかもしれませんけれども、急いでいる、あるいは子どもを連れた母親というのは、そちらの方がアクセシビリティは高いのではないかと思うので、その辺りも考慮に入れた方がいいのではないかと思いました。
○長谷川座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○田中専門官 今のモバイルの件ですけれども、前回の資料でお出ししていますが、携帯電話からの閲覧サービスを既に導入している県が大体35県あります。割と普及はしてきているのかなという印象です。
○加納構成員 確認なのですが、平均的な費用という形で診断書代とか、そういった開示という形なのですけれども、ある程度、僕はいいと思うのですが、これがインフルエンザの予防接種代とか、細かくなりますと、病院の地域によって、やはり差があったりしますので、その特性もありますので、今度は安かろうがいいという話になってしまうと、これはこれでまた別の問題を起こしてしまうということですから、義務化する動向があれば、一般的にどうしても必要なところに限ってという形にすべきではないかと思いますので、その点、御考慮よろしくお願いしたいと思います。
○長谷川座長 なるほど。あった方が行く人は便利ですね。しかし、項目を吟味せよということでございました。
○稲垣構成員 それから、今回ホームページを見ると、都道府県によっては薬局情報も併せて同じように提供しており、その中で、特に関心を持ったのは、ジェネリックについて積極的に対応しているかどうかという項目があったことです。全ての都道府県でやっているわけではないですけれども、そういう意味では、今、必要な施策についてどういう取組をしているかが明確になると、我々保険者としても、そういった医療機関の選択を勧めることが可能になるのではないかという感じがいたしました。
○坂本構成員 先ほどモバイル対応と申し上げたのは、冒頭、鈴木構成員がおっしゃったように、あれだけの選択の項目数とか表示数をモバイルでそのままもしやっているとしたら、それはそれで激しい苦痛をユーザーに強要するだろうと思いますので、そういう意味で、つまりモバイルでできる、きちんとした、簡略化した機能に変える。そこはまた工夫が必要だと思うので、そこは是非検討していただきたいというのが私の趣旨でした。
○長谷川座長 そうすると、それを普通のインターネットに移せば、インターネットのアクセス数も増えますね。
○加納構成員 保険者側の立場という形でジェネリックの話が出たのですが、ジェネリックもやはり我々臨床現場から見ますと、まだまだ問題あるジェネリックも出てきているということを感じていますので、イコール、ジェネリックが普及しているからいいという話に持っていかれると医療現場としてはどうかなという疑問が出てきているのではないかと僕は思っておりますので、その点、ちょっと考慮に入れて、そういうような全体的な形を見ていただいてからの表現にしていただきたいと思うのです。
○長谷川座長 鈴木先生、これはどうでしょうか。率直に。
○鈴木構成員 中医協でもさんざん議論してきたところで、医師の抱いているジェネリックに対する不安、不信、そういったものは患者さんにもあるのでしょうが、それと、とにかくジェネリックにすればいいのだという、中医協で言えば1号側と2号側のように、ジェネリックに対して持っている印象が違う部分もあるので、今の話は、そういうところが出ているのかなと思います。しかし、流れとしては、使用を推進していこうということになっており、それは承知した上ですけれども、先生方にとってはやはり抵抗感のある方がまだまだ多いので、その辺も踏まえつつということだと思います。
○長谷川座長 ありがとうございます。あまり座長が意見を述べると、鈴木構成員あたりからいろいろと批判が出るとは存じますけれども、2点ばかりちょっと気になって。
 つくづく思うところはありますが、なかなか一般の方は使い勝手が悪いというように、僕はバイアスにかかっているから、やはりビジネスセクターで、そういう情報をうまく加工して、使い勝手がいいというふうにしていくとすごくいいと前から思っていまして、それを行政の方で考えて、今日の議論は基本の入り口だと思うのですけれども、もっと使いやすいとなると、そうなる必要があるというのは、1点、気になります。
 もう一点は、なかなか一般の消費者の方が情報を理解するというのは難しいところがある。さすれば、実は、この情報はかかりつけ医あるいは病院、つまり専門医に紹介する立場の方が使われるということが重要なのではないかと思ったりしております。
 ちらっと、先ほどどなたかの御意見にあったけれども、例えば、かかりつけ医を紹介するようなサイトが横についている。つまり、こういう先生はこの情報についていろいろと協力してくれますというふうな工夫をするのもどうかと、勝手に思いました。
 ということで、今日の話をお聞きして、基本的には、この案で大きな異論はなかったというふうに理解しておりまして、少し細かいところで幾つか御指摘があったと思いますので、事務局の方はその辺を考慮していただいて、おまとめいただきますように。
○佐々木調整官 ありがとうございます。
細かいお話になって恐縮なのですけれども、3ページに情報提供制度で追加を提案させていただいている事項でございますが、既に、いろいろと御議論、御意見をいただいているところでございますが、一応、方向性について御示唆をいただいたと思います。具体的には紹介先の医療機関の名称、それから、文書発行等に係る平均的な費用、外国人受入れ医療機関認証制度、これらにつきまして、医療情報提供制度としてリンクをかけるのが是か非か、あと、広告可能とされていない事項でございますけれども、それにつきまして広告可能項目に追加できるかどうか、併せて御意見を賜りたいと思っております。
○長谷川座長 事務局としては、この3点について具体的に御意見を欲しいということでしょうか。
○佐々木調整官 明確な方向性をいただけたらと思っています。今、幾つか既に御意見をいただいているのですけれども。
○長谷川座長 そうですね。いかがでしょうか。
 まず、現在、広告可能とされている事項に紹介することができる医療機関の名称や費用のこと、これについていかがですか。
○加納構成員 先ほど鈴木構成員がおっしゃったように、紹介できる病院というのは、ほとんどの場合、我々はできるものだと思っていますので、うちはこことここと親しいというだけの話で出すのは、あまり意味がないのと違うのかなと思うのです。先生方でも、例えば、大阪府内の病院であれば、開業医の先生方も、どこの病院へ紹介するのも何ら抵抗ないのではないかと思っていますし、何を目指したいのかということで、この項目を入れることによって、どこかとの関連かわかるとか、これは、何か明らかにさせたいわけですか。
○佐々木調整官 意図としましては、かかりつけ医がある、それで、かかりつけ医に紹介していただくのもあるのですけれども、そのかかりつけ医を持っていない場合に、例えば、自宅の近くの医療機関はこういうものがあるけれども、そこからの連携先として、こういう機関がこういう機能を持っているというところが、情報提供する中で入手できれば、わざわざ不安感が募って遠いところに行かなくても、近医を受診できるといったことが図れるというねらいで、一応、項目として挙げさせていただいたところであります。
○長谷川座長 近藤構成員。
○近藤構成員 であるとすれば、5年間一度でも紹介したことがあるということは、やはりほとんど意味がないので、量的にあらわせるかどうかわかりませんけれども、相当連携が密になっているというのであれば、ある程度意味があるのかなと思います。
○山口構成員 これは病院に公表してほしいというより、かかりつけ医を探すときに、病診連携で開放型病院に登録しているとか、そういう連携先を出していただけると、ありがたいと思います。実はかかりつけ医を探す情報はなかなかないのです。こういうところと連携している、あるいは登録しているということがわかれば有用ではないかと思いました。
○長谷川座長 構成員はそういう御意見ですけれども、これは、うちの病院で考えても、例えば、開業医の先生方との関係となれば、本当に何十人にというか、医師会のほとんどのメンバーと大概お付き合いがありますし、逆に大学へ紹介という形でも、近畿圏の大学のほとんどのところへ紹介の実績的なものがありますので、それを網羅して書いて、どういう意味があるのかという感じ。膨大なリストになりますし、それを合計4件とか、逆に制約するというのもおかしな話だと思うのです、医療現場、我々の立場からしますと。
 山口構成員。
○山口構成員 私も、病院がどこを紹介しているかとか、5年間の実績ということは、莫大な量を見ても、あまり情報としては意味がない。ただ、今、申し上げたように、かかりつけ医を探すときに、登録先であるとか連携先であるとか、それがある程度限られているのであれば、何かあったときに、こういうところを紹介してもらって入院できるのだということがわかるというのは、安心感につながると思います。
○山口構成員 紹介している全ての医療機関を出してくださいというのは、ちょっと違うと思います。
○加納構成員 開業医の先生方であれば、ある程度特定化されている可能性はゼロではないと思うのですけれども、それが表示されていることによって選択肢になるというのであれば、先生方によっては、意図的にまた、うちはこんな病院を知っているという形の表現になれば、また何か変な形の紹介先をリストアップされる可能性もあるし、そういう意味で、あまり意味がないのと違いますか。医療機関というのは我々どこでも紹介できるものですので。
○鈴木構成員 我が国の特徴の1つはフリーアクセスですから、連携していない病院が紹介できないかというと、そんなことは全くないし、患者さんが希望されたら、どこでも紹介できるというのが実情ですので、かえって誤解を生むかもしれません。そこに書いてなければ紹介していただけないのではないかということは全くないし、それから、診療科によって、また病気の種類によって、この病院がいいということもあるし、とりあえずこの病院でいいということもあるので、ここだけとっても、簡単には言えない話です。
○長谷川座長 これは義務規定ではないのですよね。
○佐々木調整官 いや、医療情報提供制度でございますので、義務になります。
○大道構成員 義務と言えば義務なのですが、基本的には、これは各自治体で公表するものですから、自治体の中で決めればいいことです。ですから、国として、この項目を公表してほしいということは言えるでしょうけれども、これをしなければならない、マストとして、大きな項目はあると思うのですけれども、病院と診療所の連携をマスト事項として出すというのは、今までの話でも非常に違和感はありますし、ちょっと唐突感もあるのですけれども、先月ここで、こういうお話を議論しましたか。
○長谷川座長 新しい御提案ということですね。
○大道構成員 ですから、例えば、患者さん目線で言って、これを見てみたいという方はどういう方がおられるのかと想像すると、是が非でも大学病院にいざとなったらすぐ行きたいので、大学病院にすぐ紹介してくれるかかりつけ医を持ちたいという方がもしおられれば、しかし、それでも、その病状によっては大学病院が本当に適切かどうかというのは、また別の話ですから、それで約束が違うと言われても、また、ちょっと問題になるような気もします。
 例えば、紹介できる医療機関がゼロという医療機関に行きたくない。その気持ちはわかるのですけれども、それが多いからどうというのは、ちょっと首をかしげてしまいます。
○山口構成員 紹介先を前提にしてしまうと、そういうことになるのかと思うのです。ただ、1つには、かかりつけ医を探す手段が、実はわからなくて、かかりつけ医を探す情報がないというところがあるので、そういうことの一助になればということで意見を申し上げましたけれども、紹介先ということに限定してしまうと、今、おっしゃっているような危険性は伴うと思います。
○近藤構成員 これまでの議論の中で、医療情報ネットにどこまで期待するかなのですけれども、先ほど機能分化の話も出ましたけれども、やはり自宅近くの医療機関の機能とか、重立ったところを見ながら、今、かかりつけ医を持ってくださいということをやっていますけれども、まずそちらに行っていただいて、そこからでも情報はとれますし、その後、医療機関を変えることもできるわけですから、その前段で大学病院まで見据えて、そういったことを情報として出す意義というのはあまりないかもしれませんし、逆に、そこがクローズアップされ過ぎると、うまくいかなくなる危惧もあると感じました。
○長谷川座長 提供側の方々の御意見が中心ですが、実態的にあまり意味がないという御意見が多いようです。もちろんどこと連携するかということは知りたいし、また、実績も知りたいでしょうけれども、一般に可能かどうかとなると、確かにどこでも可能だということになるので、実態として意味があるのかということですね。
 あと、山口構成員の方からは、かかりつけ医的なニュアンスでこういうのをやった方がいいという御意見がありました。
○森原構成員 私も、山口構成員と同じ意見になります。
 それで、やはり患者からしてみれば、大病院に紹介料を払ってでも行こうという気持ちにどうしてもなってしまうと思うのです。けれども、やはり近くにかかりつけ医があれば、そのかかりつけ医がいざとなったら、この病院に紹介してもらえるとか、入院ができるという目安があれば行けると思いますし、今、大病院の勤務医の負担軽減の観点から考えても、地元にそういったかかりつけ医を持っているということは大事なことなのではないかというふうに思います。
○加納構成員 かかりつけ医を持っていただくということは非常に大事だということで、これは日医も多分進めていることだと思うのですけれども、そのかかりつけ医の先生が、今、おっしゃっている大病院とのつてがあるとか、そういう表現になってしまうと、うちは大きなところを紹介できるよというブランド競争みたいな形になってしまう。そこばかりを見てしまうと、まさに地域の中小病院としっかりと連携して、本当に地域で完結できることが、また違う方向へ流れてしまうという危険性があるので、かかりつけ医をどんどん勧めるべきだと僕らも思っていますし、それを進める何か別な方策は必要だと思うのですが、この紹介が、うちはどこの紹介があるからどうというのを義務化するというのは、ちょっとばかげているのではないかという感じがするのです。
○鈴木構成員 紹介も、例えば、全部大学病院を紹介すればいいかというと、そういうわけではないですね。高度急性期病院ばかりが紹介先ではないし、患者さんの御年齢とか状況によっては、身近なもっと地域に密着した病院を紹介した方がふさわしい場合もあるし、ケース・バイ・ケースで、本当に千差万別です。ですから、義務化ということになれば、どこもそういう大病院を羅列して書くようになって、金太郎飴みたいな形になってしまい、結局、制度自体が形骸化してしまうのではないかという気がします。そういう弊害も考慮しておかないと、この話は進まないのではないかという気がいたします。
○長谷川座長 大分1つのテーマで時間をくってしまっているのですけれども、使う側、保険者とか。
○稲垣構成員 そういう意味では、確かに、ここのかかりつけ医の先生は大学病院を紹介してくれるという情報があると、何となく安心感があるのかもしれませんが、ただ今、鈴木先生からもお話があったように、やはりそれぞれの症状に応じてというか、病気に応じて的確な医療機関を紹介してくれるということですから、必ずしも医療機関の名称を挙げる必要はないと思います。
○長谷川座長 これだけ時間を使ってしまっていること自身が、なかなか意見がまとまらないということだと思います。一方で、こういうことをやっているということも、受診者の安心感につながるということになるので、ここで義務というのでないような形の取り扱いというのを事務局で検討して、もう一回、年度内にあるのですか。
○佐々木調整官 そうですね。
○長谷川座長 今日中に決めてしまわなければいかぬのでしょうか。
○佐々木調整官 今日いただいた御意見は少し慎重論が多かった感触がございますけれども、まとめて次回提出させていただきたいと思います。
○長谷川座長 費用の件はどうですか。これは便利だという気がしますけれどもどうですか。御意見を。
○鈴木構成員 これも義務化となると、やはりプラスマイナスがありますね。基本的には、我々は公定価格ですけれども、診断書は違うので、安い方がいいということになっていくと、そこで混乱も起きかねないし、義務化というようなことは慎重にすべきではないかと思います。
○長谷川座長 そうですか。どうですか、皆さん御意見は。
○大道構成員 現実には診断書と言っても、恐らく病院で十数種類はあると思うのです。そうしたら、それを全部列挙するのかというのも、あまり現実的な、先ほどモバイル対応どうのという話もありましたけれども、ますますややこしくなるだけかもしれません。だから、どうなのだろうと思います。極端に高い診断書料金を請求する病院もあるのかもわかりませんが、今どきあまり話は聞かないのですけれども、どうでしょうか。
○長谷川座長 確かにいろいろな種類があります。
○加納構成員 今日、歯科の先生が来られているのであれなのですけれども、インプラントとか、そういう自由診療でやる金額は書くべきだと僕は思うのですけれども、診断書とか、こういったたぐいは、そういう診療面と違う面は、ある程度自由度があってもいいし、地域的に自由度が出てくると思うのです。それで、安かろう悪かろうでは決してない状況があるし、インフルエンザの注射が一番安いところにみんな集中したら、どういうことになるかということを考えただけでも恐ろしい。インプラントとか、そういうようなものの値段とちょっと区別すべきなのと違うかなという感じ。予防接種が治療になるのかどうかという問題になりますけれども、自由診療における治療部分に関しては載せるとか、そういう義務化であれば、何となく僕らもわかるのですが、ここの辺りの値段を決めてしまう、それを表示するのを義務化するというのは、かなり問題を起こしてしまうのではないかということを考えるのです。
○山口構成員 患者が医療機関を選ぶときに見るという情報で考えると、こういうことは一番最初に選ぶときに必要な情報かというと、あまりこういうことで選ぶという行動はないという気がするのです。恐らく、ここに書いてあるような内容は、各病院のホームページで紹介されていることではないか。だから、ある程度、ここの病院に行くということを決めれば、費用などは個別のホームページで見るかなという気がしますので、もし義務化するとなると、一体どれだけの項目を義務化するのか。先ほどから出ている、とても情報があふれ過ぎていると使いにくいという逆方向にいってしまうのではないかという気が私もいたします。
○長谷川座長 事務局としては、どういう種類を義務化しようという提案だったのですか。
○田中専門官 前回、森原構成員から、こういうカルテあるいは診療録の平均的な費用という形でどうでしょうかという御意見があったので、それで追加しているものでございます。
○長谷川座長 診療録の開示といわゆる一般的な診断書、この2つということですね。御意見ありますか。
○坂本構成員 私は、先ほど申し上げたように、なるべく項目はむしろ削減する方向にいくべきだし、今までの議論を聞いていても、これが患者さんにとって、医療機関を評価するというか、比べたりするときの決め手にはならないと思いますので、もし義務化とするのだったら、それは不要だと。もしあるとしたら、紹介することができるという言葉の使い方がまたちょっとひっかかるので、紹介したりされたりという、緩い連携というのでしょうか、例えばそういうイメージがわけばいいと思うのですけれども、それこそ、本当にそういうのを知りたい患者さんは、恐らくその医療機関のホームページまでたどり着くのではないかと思うので、これはどうかと思います。
○長谷川座長 割とそういう意見が多いですね。
○森原構成員 患者が医療のリテラシーを高めるために、医療に関する知識の啓発とか普及を進めるという視点が大切だと思うので、もしこういったことが無理なようであれば、カルテの開示の申請とか発行の手続を行政が一覧表にまとめて開示するというような方法もあるのではないかというふうに思います。
○長谷川座長 御意見も出ないところに大分来たのですけれども、あまり座長が意見を述べるのはいかがかと思いますが、比較的単純なことだから、知りたければ出せばいいのかなという気がするのです。ただ、何をどうというのはなかなか大変なので、窓口に連絡先か何かを書いておけば、電話して聞けば、行く前にどれぐらいかなというのを算段して聞きたいのは、確かに聞きたいですね。そう私は思うのですが、しかし、あまりポジティブな意見はございませんでした。別の方法で、先ほどの課題については、例えば、先ほど申し上げたような、窓口はこうですよというふうにするとか、そんな解決があるのか、もう少しだけ御検討いただいて。
最後に、外国人の制度はまだできていないけれども、今度制度ができたら、日本は、既にある地域で外国人がたくさんおられて、対応にも困っておられる方があったり、あるいは観光立国ということで日本はこれから進むんだというふうにやっておりますので、大変重要な項目かと思うのですが、ちょっと先取りして、ここで、そうなればそうしようという御意見、これはいかがですか。
○鈴木構成員 これも先ほど申しましたように、まだ発足もしていない制度を載せるというのは、何か思惑があるような気もします。この制度はたしかニチイ学館という特定の民間団体が認証機関として選定されたいきさつがあるようですが、なぜこれをあえて、まだ実績もないのに入れようとするのか。理解できないし、それこそ時期尚早だと思いますので、やるべきではないと思います。
○長谷川座長 どうですか。
○加納構成員 全く同じ意見なのですけれども、病院団体の中で、僕もこれは何かなと思うぐらいの制度ですから、それをわざわざ義務化する内容の中につけ加えるのは、ちょっと時期尚早かなと思います。
○長谷川座長 そういう意見が多いですが、そのほかにどうですか。
○山口構成員 外国人の方の電話相談を受けている団体から聞いたことがあるのは、やはりどういうところに行けば自分たちの言語が通じるのかが最大の関心事だということです。この認証制度ということ自体を私も今日初めて見ましたので、どういうものかというのは具体的によく認知されていないと思うのですけれども、外国人の受け入れが可能かどうかというのは、今、項目に入っているのでしょうか。
○佐々木調査官 この認証制度でございますけれども、先生御指摘のように、外国人患者の受け入れが可能、要はその辺の体制が整備されていると、一定の基準をつくりまして、それをクリアーしていれば認証を与えるという仕組みでございまして、今の病院機能評価の外国人受け入れバージョンというふうにお考えいただけたらと思います。
○山口構成員 だとしたら、私は、認証制度がどうのこうのというよりは、何語が可能なのかということがわかる方が意味はあると思います。
○鈴木構成員 そういうことですね。要するに、何語が対応可能かというのはいいかもしれないけれども、この認証制度そのものをとっているか、とっていないかというのは全く別な話で、まだ実態もないようなものを入れるというのは、ちょっとやり過ぎ、行き過ぎだと私は思います。
○長谷川座長 事務局、この3つともまた、御意見がいろいろと出ました。ちょっとその辺を勘案してまたお願いします。
○佐々木調整官 また繰り返しになりますけれども、情報提供制度へのハードルがかなり厳しいようでございましたら、せめて広告可能項目としての追加が可能かどうか、それも併せて御意見をいただきたいと思います。
○鈴木構成員 事務局は、なぜこの制度にあくまでもこだわられるのですか。全然実態のないものを入れろというのは、それ自体に無理があるのではないでしょうか。
○佐々木調整官 繰り返しになりますけれども、一応これは新成長戦略で閣議決定されて、政府として認証制度をつくっていくのだということをうたわせていただいているものでございます。実態の有無というところでございますけれども、広告可能なものに追加するということであれば、当然それは医療機関として既に存在して、受け入れの体制もあって、しかも認証として許可をいただいているところでございますので、その時点では実態があるものとして、広告自体は可能かなと思っております。
○鈴木構成員 背景が何となくわかってきましたが、そういった思惑があってということなのでしょうけれども、それこそまだ医療機関が全然実態も知らないものを先走って入れること自体が問題だと思いますので、現時点では反対とはっきり表明させていただきます。
○加納構成員 これは、先ほどからの繰り返しになりますけれども、病院団体としても、何らまだ認識されたものでもないし、どういう実態のものかわからないですし、また、先ほど出ていますように、閣議決定されていようが、特定の任意団体が認可するような制度なんて、また僕らそれで縛られるというのはとんでもない話だと、今、再認識した感じなのです。
○長谷川座長 確かに制度がまだ立ち上がっていない。一応閣議決定というのはされたのでしょうけれども、その時点で、もう一遍検討する方がいいような感じがしないでもないです。
 全体として御意見は賛成いただいたというふうに思っておったのですが、各論では幾つか御反論もあったり、慎重論もあったというふうに理解しております。予定よりも20分間ぐらいオーバーしてしまっているので、事務局としては、そういう結論でよろしいでしょうか。
 それでは、議題2の方に入りたいと思います。
 検討会の報告書(案)というのが出ておりまして、事務局の方でおまとめいただきました。その説明をお願いいたします。
○田中専門官 資料2をごらんください。
 これまでの御意見、御検討いただいた議論の中身を踏まえました報告書(案)ということで示させていただいております。
 1枚おめくりいただいたところに、裏側でございますが、目次がございます。構成を先に御紹介すると、まず、「はじめに」というところがあって、大きくは2つで、医療に関する広告規制というところと、今、御議論いただいた医療機能情報の提供の2本立てで、最後に、その他ということで、医療に関する知識の普及・啓発ということをまとめております。
 ?、医療に関する広告規制のところは、3本立てでございまして、まず、病院情報のインターネット等による提供、医療機関のホームページのところでございます。
 2つ目が、医療に関する広告規制のあり方ということで、規制の仕方として、今、ポジティブリストを採用しているところについてのまとめでございます。
 3番目、最後が、前回いろいろと御意見をいただいたところでございますが、アウトカム指標あるいはプロセス指標の公表の取扱いということをまとめておる部分でございます。
 それでは、中身について御説明申し上げます。
 まず、1ページのところに、「はじめに」ということで、まとめさせていただいております。要綱からとっている部分でございまして、背景的なものを記載させていただいております。
 15行目ぐらいから本検討会のところが出てまいりまして、17行目のところですけれども、社会保障審議会医療部会での医療提供体制の改革についての議論の過程の中で、広告あるいは情報提供の見直しの必要性というところの御意見がございましたので、それを踏まえて、背景を記載させていただいております。
 ページをおめくりいただきまして、まず、医療に関する広告規制のところから入ります。
 1.病院情報等のインターネット等による提供というところで、医療機関のホームページの御議論をこれまでいただいておりまして、それをまとめた形になっております。
 ざっと中身を御紹介しますと、医療機関のホームページについては、今のところ、これまで当該医療機関の情報を得ようとする目的を持った人が検索サイトで検索した結果、閲覧するものということで、原則として医療法の中では広告とは見なさいという整理にしておりました。
 18行目になりますけれども、今般、消費者庁の方から医療機関、特に美容医療サービスの広告について、ホームページにおける不適切な表示への対応が消費者庁より求められております。前回、御紹介しましたけれども、消費者委員会及び国民生活センターからも、それぞれ美容医療サービスあるいは歯科インプラント治療に関して、ホームページ上の不適切な表示への対応が併せて求められているという状況でございます。
 そうした背景もございまして、まず、ホームページを広告と見なすかどうかというところについて、いろいろと御議論いただきまして、現状インターネットを通じた情報発信が極めて一般的な手法で、その入手も、先ほど御意見もありましたけれども、携帯電話などからも容易に入手できる状況にある。病院の情報を見るという意思がなくても、ほかの疾病あるいは健康に関するホームページから誘導されるような形でホームページを見せられるというケースも増えているのではないかということで、これまでと同様、医療法上「広告」と見なさないという整理はなかなか困難になっているのではないかという御意見があったと思います。
 3ページ目の3行目のところですけれども、しかしながら「広告」だというふうに見なして医療機関のホームページを一律に規制してしまうと、そこは患者さんが知りたい情報がインターネットから得られなくなってしまう。あるいはホームページが多数開設されている中で、いきなり規制しますというふうになった場合には、そこにはいろいろと技術的な困難が伴う。違反広告に対する指導している都道府県側の負担も大きいというデメリットも考えられるということを書いております。
 15行目、更には、医療機関のホームページでございますけれども、一般的な広告としての性格を有するだけではなくて、医療機関の特徴とか、他の医療機関との連携に当たっての情報の共有、あるいはリクルート情報など、ほかの性格を併せ持っているという考え方もある。
 21行目のところですけれども、今回、消費者庁あるいは消費者委員会などから要請のあった美容医療サービスや歯科インプラント治療のホームページ内容については、何らか対応が必要ではないかという御意見がある中で、この問題は、本質的には自由診療分野に根差したものと考えられるため、通常の公的医療保険を担う一般的な医療機関のホームページのあり方全体に議論を拡大すべきものではなくて、美容医療サービスあるいは歯科インプラントなどの自由診療分野を念頭にした対応が適当ということで、まとめております。
 30行目から、今後の対応でございますが、これを踏まえて、医療機関のホームページについては、引き続き医療法上は「広告」と見なさない。ただ、自由診療分野を中心としてガイドラインを国の方で作成して、そのガイドラインに基づいて自主的な取組を促したいというふうにしております。
 その具体的な中身でございますけれども、前回も資料の中で四角囲みでお示ししていた内容でございますが、10ページのところに、別添1として示しております。
 ガイドライン(仮称)のイメージということで、構成としては、まず、ホームページへの記載が禁止される事項と、併せて、逆に記載しなければならない事項という形で分かれようかと思います。
 禁止される事項としては、主には虚偽にわたるもの、他との比較などによって自らが優良だということを示すもの、あるいは内容が誇大なもの、そういったものについては禁止すべき事項に入ってこようかと思います。
 他方で、記載しなければならない事項としては、2.のところでございますが、自由診療に関しては、通常の費用とか内容といったものが明らかではございませんで、通常必要とされるような治療内容とか、費用、最低料金だけではなくて、通常必要とされるような内容といったものについて記載していただく。あるいはそのメリットだけではなくて、そのリスクといった情報も併せて記載しなければならない事項として挙げられようかと思います。
 ページ戻っていただきまして、4ページのところです。
 11行目からでございますけれども、当面の間は、このホームページというものをつくった上で改善を図ることとしたいということですが、ガイドラインの性質として、法令に基づくものではございませんで、実効性がないのではという御指摘もございましたが、改善が見られないという場合には、対象を絞りながら法規制とありますが、医療法の規制の対象にするかどうかも含めて、その後の対応を検討するという形としております。
 併せて、ガイドラインの実効性を高めるためにも、現在、医療法の対象となっているようなものについて、フリーペーパーとか、そういったものが消費者委員会の建議の中でも挙げられておりますけれども、そういった現行の医療法の規制についても併せて周知・徹底を図るべきというふうにしております。
 次の項目に移ります。
 2.医療に関する広告規制のあり方でございます。
 まず、基本的な考え方としては、医療に関する広告については、利用者保護の原則の下で、医療に関する適切な選択を支援するといった観点を踏まえながら、ポジティブリストすなわち広告可能事項を列挙する、そういう方式を採用しているという形にしております。
 他方、事実上インターネットでかなりの情報が拡散しているという状況の中で、ポジティブリスト方式ではなくて、原則自由化という形にすべきではないかとの指摘がございます。
 31行目ぐらいからですけれども、ただ、医療は、内容としては専門性が高く、生命・身体に関わるサービスでございますので、患者・国民を保護するという観点から、広告可能事項を限定する必要があろうと。
 ページがまたがりますけれども、効果が不明な民間療法とか、利害関係者による偏った体験談、そういったものなど、一つひとつ広告禁止事項として網羅していく必要がございますので、それについてはなかなか技術的にも難しい。
 規制のあり方としても、事後的な規制となってしまいますので、リスクを患者・国民に転嫁するということで、不適当ということです。
 今後の対応のところに書いておりますけれども、ポジティブリストを引き続き採用する。現行「包括規定方式」ということで、年限に関する事項と含みを持たせる規定の方式を取り入れておりますので、この方式の下で、広告可能事項の拡大を図っていく、それを検討するという形にしております。
 5ページ、次の項目に移りますけれども、アウトカム指標あるいはプロセス指標の取扱いのところでございますが、前回、いろいろと御意見をちょうだいしておりまして、提案も含めてまとめている部分でございます。
 6ページの5行目ですけれども、治療結果に関する分析を実施しているかどうかというところについては、医療法上、広告可能とされていますが、その指標それ自体については、指標の客観性が確保されるという条件で追加されるということになっておりまして、現在、手術の件数あるいは平均在院日数などについては広告可能とされておりますが、死亡率あるいは患者満足度については、客観性の確保が十分でなく、公表後の悪影響というものが懸念されることから、広告可能とされておりません。
 (2)公表に関する基本的な考え方ということで、まずは、アウトカム指標の公表については、医療機関の選択に資するという効果に加えて、医療の質の評価・公表推進事業の対象団体からも御報告いただいておりますけれども、医療機関の中で、医療の質の向上のために取組が開始され、医療の質の向上に一定程度寄与し得る効果が考えられる。
 ただ、24行目のところでございますが、現段階では、公表されるアウトカム指標について、その意味を理解するためには、一定程度専門的な知識を要するものもございまして、なかなか理解しづらいおそれがある。このため、患者や国民に誤解を与えないような形で指標をどういうふうに計算しているか、あるいは定義やその意味について併記するなど、分かりやすい公表の方法を検討する。併せて指標の客観性にかかわる共通化を進める必要があるとしております。
 次の段落ですけれども、ある程度指標の意味が理解されたというふうに仮定したとしても、数値がどうしても一人歩きする。そのランキングを数値だけをもってされてしまうといったこともあろうかと思いますので、患者の受療行動にいたずらに影響を与える懸念もある。このため、公表された後の受療行動の実態把握に努めるべきというふうにしております。
 今後の対応のところでございますけれども、これらを踏まえまして、客観性の確保は比較的容易としておりますけれども、プロセス指標については、質の評価・公表等推進事業で公表された指標が幾つかございますが、それらについては、定義をきちんと決めていくといった形で、客観性の確保というものが比較的容易と考えられますので、まず、その指標と、あと、前回、御意見ございました患者・国民からのニーズが高いと考えられます患者満足度、この2種類の指標を優先して以下の取組を実施してはどうかとさせていただいております。
 1つが、評価・公表等推進事業、こちらを継続して進める。特に、公表後の患者動向の変化を注視する、情報収集するとしております。
 2つ目が、指標の共通化・標準化に向けて厚生労働科学研究の枠組みを利用して推進する。中身としては、各医療機関でぶれが生じないような形で詳細な定義を決めるとか、算出方法を共通化・標準化する。患者満足度については、調査様式、調査方法を細かく決めていく。併せて分かりやすい公表の方法を具体的に検討するといった取組を具体的に進めてはどうかと考えております。
 なお書きで、既存の病院機能評価の仕組みの中で、そういった指標を活用できないかということについても関係団体と連携して進めることが重要としております。
 次の8ページ、こちらに今回の御議論を踏まえた形で、医療機能情報提供制度の中身を追記したいと思っています。
 9ページでございますが、最後に、医療に関する知識の普及・啓発というところでございまして、現在、医療に関する情報は多種多様でございまして、入手も容易になってきている。客観性の乏しい情報に患者さんが惑わされることがないように配慮することが重要。このため、広告規制ということだけではなくて「情報の非対称性」が存在することを前提として、限られた資源を有効に活用しながら、患者や国民による医療に関する適切な選択を支援するような形で普及・啓発に努めるべきというふうにしております。
 最後に、なお書きとして、この「情報の非対称性」を可能な限り緩和するためには、日常的なプライマリケアを担う医師が重要な役割を果たすと考えられているとしております。
 次のページに、先ほど御説明したガイドラインのイメージ、次に、2回前の推進事業の対象団体から御報告いただいた内容をまとめたものを、別添2としてつけております。
 最後に、名簿とこれまでの検討の開催状況をまとめております。
 長くなり恐縮ですけれども、説明は以上でございます。
○長谷川座長 ありがとうございました。
 この間、半年ぐらいに及ぶ議論をうまくまとめていただきまして、大変御苦労様です。
 報告書の中身は、8ページは、今日の議論を踏まえてということですから、議論の余地はない。
 9ページは、少し後で戻ってくるとすれば、流れを見ますけれども、最初の3つ、ホームページの取扱い、広告規制の課題、アウトカム指標の問題、これを中心にお話しいただくというふうに思っています。
 一遍にというのは何ですので、やはり順番で、この1番の病院情報等のインターネット等による提供について、どういうふうに考えるか。ざっと見たところ、特に新しい御提案が中に入っていないので、我々の議論をおまとめいただいているという印象ですが、いかがでしょうか。
○鈴木構成員 ホームページに関するガイドラインですが、今、問題になってマスコミでも報道されているのは美容医療におけるコンプレックス商法と言うものだそうですが、美容医療のホームページを私も見てみたのですけれども、この分野のホームページは、通常の公的保険の診療では全く考えられないような広告内容なのです。冬の特別割引実施中とか、全員・全施術15%オフとか、お手軽バストアップ、100ccの注入で1cc通常1,680円のところ15%オフで1,428円とか、こんなのは通常の公的保険の医療では考えられません。これは多分、まだ良心的な方なのでしょうけれども、歯科のインプラントがどのような状況かわかりませんが、やはり自由診療と保険診療というのは全く違う世界の話だと考えて、ホームページのガイドラインは、私は自由診療に限定して作成すべきではないかと感じております。
 この報告書を見ても、そういう記載がありながら、ガイドラインでは公的な保険診療も含めてという話になっていますが、全く違う世界を一緒に扱うということは、逆に言えば、保険診療においても過剰な規制を及ぼすとも限らないということと、更に、現在の、美容医療の状況を見ますと、自分のホームページ以外のウェブサイトに口コミがつけられていて、しかも、飲食店で問題になっているやらせみたいなことが起きている可能性もあるわけです。
 更に、ホームページにブログとかツイッターのような外部サイトを連動させていて、そこで何が行われているかわからない。そちらの方をどうするかということを先に問題とすべきであって、保険診療というのは、価格を自由に決められませんから、そのような宣伝をしようがないのです。こういう特別キャンペーンもできませんし、世界が違うというのを改めて感じましたので、これを同様に扱うのは、私は問題であると思います。保険診療と自由診療を両方やっているところもあるのではないかということであれば、例えば、ガイドラインを医療機関のホームページ全体についてではなく、ホームページにおける自由診療の記載についてという形にすることで、切り分けて、まず、自由診療部分への対応をはっきりさせることを先に取り組むべきではないかと感じております。
○長谷川座長 ありがとうございました。
今の御意見は、自由診療だけに限るガイドラインにすべきだ、残りはいいということですか。
○鈴木構成員 まず、自由診療について切り分けて考えるべきだと思います。こちらが問題なのでしょう。消費者センターで問題になっているコンプレックス商法と言ったって、こういう話は保険診療ではあり得ない話です。それと保険診療を一緒にするというのは、却って問題があるのではないでしょうか。
○長谷川座長 発生頻度としては、そちらの方が大きいのでしょうけれども、鈴木構成員の御意見は、次回あるのかわかりませんが、今回のガイドラインには、自由診療部分だけにするということを明記するということですか。
○近藤構成員 私は、鈴木委員のおっしゃることがよくわかったのですけれども、例えば、今の医療機関のホームページがみんなだめなのでガイドラインをつくったという方向性ではなくて、もともと自由診療にターゲットを当てようということでしたので、多分テクニックの問題だと思うのですけれども、やはり自由診療にターゲットを当ててつくりつつ、万一それ以外でも引っかかれば、当然これはだめですよという書き方をすれば、結果は同じだと思うので、私は理解できました。
○山口構成員 前回の会議から約1か月の間に、実は、私たちCOMLの電話相談にも、やはり美容医療の苦情というのが数件届きました。その中に、皮膚科で保険診療をやりつつ、一方で自由診療もやっているクリニックの苦情がありました。確かに、そのクリニックのホームページを見てみると、どこが保険診療部分で、どこが自由診療かというのが非常にわかりにくいというのが実際問題ありますので、そういうところもあるのだということを前提に考える必要があると思います。
○長谷川座長 なるほど。見る方から言うと、その2つがわかりにくい。
 そのほかに御意見を。
○稲垣構成員 今の意見に同感です。それと、もともとこの問題というのは、医療機関のホームページはそもそも広告ではないかという指摘があり、今回はともかく広告ではないと整理するわけですから、一方で、それに対してのガイドラインを作ってしっかり規律を守ってやっていくことは明確にしておいた方がいいと思います。あくまでも自由診療の分野を中心に、全体をカバーするガイドラインの方がいいのではないかと思います。
○長谷川座長 重点は自由診療だけれども、全体をカバーしているものということしょうか。
○長谷川座長 重点は自由診療だけれども、全体をカバーしているものということしょうか。
○稲垣構成員 ええ。
○長谷川座長 わかりました。そのほか、御意見を。
○坂本構成員 先ほどの鈴木構成員の例は、多分僕は感覚的にしかわからないのですが、これは医療法上の広告に関する三要件をほぼ満たしている。つまり、疑似広告的な要素もあり、かつそれはガイドラインとか、そういうことではなくて、もう景表法とか、不当競争防止法とか、そちらの方で引っかけていってしまえばよいわけで、あくまでも緩いのだけれども品位は保つ上でガイドラインは重要だと思われるので、それは公的保険をやっている医療機関のホームページを念頭にあくまでもガイドラインというのは考えていった方がいいのではないかと思います。恐らく、ひどいものというのは限定されると思うのです。
○長谷川座長 近藤構成員。
○近藤構成員 私は何点かあるのですけれども、今回のガイドラインというものが、どの辺をターゲットにしていて、現実としては、どのくらいクリアーするのかという中で、事務量的なものもあるのですけれども、その辺で、例えば、ここで禁止されている事項以外であれば全部オーケーでいいのか、そうすると、虚偽にわたるものはだめだけれども、誤解を与えるおそれがあってもそれはいいのだと、その辺も少し気になるところでありまして、これは自由診療系が中心だと思うのです。
 ですから、例えば、これがレッドカードとすると、イエローカード的なものも実は付随しておいて、対応は少し温度差があるかもしれませんけれども、もうちょっとガイドラインの中身について、まだ現在はイメージということでございますので、今後、多分検討されると思うのですけれども、そのときには、これに限定をされずに、その辺をもう少し広げてみて、また修正するかもしれませんけれども、そういった検討もしていただきたい。
 もう一つは、今の美容診療の問題ですか、やはりそれが発端であった。それは法でやるというのがありましたけれども、連携したりとか。では、このガイドラインができた後、どのぐらい効果が出るのかということも思料しませんと、例えば、これは基本的に大体クリアーしてしまうのだとすると、あまり意味がないのでしょうから、極端な例は別としても、このガイドラインによって一定の指導なり業界の自主努力が促せるものであるのかというところは、ちょっと検証していただきたいと思います。
○長谷川座長 近藤構成員の御意見は2つあった。1つは、まだ決まっていない10ページのガイドラインについて、これはだめだけではなく少し段階を、イエローカードというようなこともやるのかどうか。それを具体的にどういうふうに指導するのかという御質問でありました。
 もう一つが、業務量等。
○近藤構成員 業務量ではなくて、美容診療が一番問題になっていて、では、それが法でいいのか。ガイドラインも活用するので、そこにどの程度効果が出ると想定されているのか。
○長谷川座長 事務局の方で、少し今の御質問に対するお答えは御用意していましょうか。
○佐々木調整官 まず、前者の御質問ですけれども、ガイドラインは、確かに、今回提示させていただいたのは、骨子の骨子といったところでございまして、いただいた御意見を踏まえながら、少し内容を膨らませて、また先生方に御相談の機会をいただけたらと思っております。
 念頭に置いておりますのは、現在、医療広告のガイドラインというのが既にございますので、これに照らし合わせながら、ホームページというところで、例えば、どの程度緩めるのか、もしくは逆に厳しくするのかといったところも考えながら、決めていきたいというふうに思っております。
 2点目の実効性のところは、正直、今の段階では何とも申し上げにくいところでございますので、この報告書の中でも、一旦このガイドラインでやってみて、その改善が認められない場合の、今後の規制のあり方みたいなところも含ませて、おとりまとめをいただこうかというふうに今、考えているところでございます。
 ちょっと答えになっていませんけれども、我々としては、ガイドライン策定後は、しっかり都道府県を通じて、行政指導というベースでございますけれども、周知徹底を図りたいと思っておりますけれども、その効果のほどはまだはかれていない状況です。
○長谷川座長 近藤委員がおっしゃったような、赤とか黄色に分けて指導するというのは、なかなかやりにくいとは思うのですが、そのガイドラインが出てきた段階で、具体的にどうするかということで。
○加納構成員 前から申していますように、自由診療に関しては、レッドカードでもイエローカードでも何でも僕は出すべきだと思うのですけれども、まだまだホームページ自身、医療機関のホームページというのは、前にも言いましたように、いろいろな病院が今、いろいろ工夫しながら頑張っているところですので、現時点では、あまりイエローカード、レッドカードという範疇ではないものがふさわしいのではないか。そういう意味では、自由診療に関しては、もう徹底的にやっていただいて結構だと思っています。
○長谷川座長 近藤委員。
○近藤構成員 私は、念頭に置いているのは、いわゆる悪質なというか、被害者が出ているような自由診療中心ですし、行政現場としても、マンパワーに限界はありますし、恐らくそういう方向にいくのではないか。
 ちょっと関連して、もう一つお聞きしたいのですけれども、ホームページへ記載しなければならない事項で、通常必要とされる治療内容、費用、ここがちょっとくせ者かなと思っていまして、通常あまりかかりませんよと美容整形で広告しておいて、実際かかったら、オプションとか、それぐらいかかってしまった。そうすると、何を申し上げたいかというと、費用の検証がされないと、例えば、過去1年間の平均でいくと、目の整形でこれだけかかったと言いながら、通常必要とされる費用として出しているものに格差があるとすれば、これはやはり虚偽になりますので、ここは義務付けるとすれば、そこはちゃんと検証しないと、またこれも意味がなくなると思いますし、逆に、その数字で金額が高く出れば、やはり何らかの自主努力といいますか、表示の仕方も変わってくると思いますので、そこは、きちんと整理していただきたいと思います。
○長谷川座長 事務局、今のやり方について御意見はありますか。実際には、何か訴えがなければわからないわけですね。
○佐々木調整官 そうですね。ちょっと検証の仕組みというのは、なかなかぱっと思いつくものがないのですけれども、検討課題とさせていただきます。
○長谷川座長 事前に、いろいろなことを言っても、当然ガイドラインの中に入れるのでしょうけれども、それが本当にそうなのかというのは、やはり検証のシステムを考案しなければいかぬということを、ずっと構成員の先生方はおっしゃっておられると思います。
 大分時間がたってまいりまして、まず、ホームページのお話、大体ガイドラインでやるというふうに皆で合意したから、こういう形になっていて、ただし、中身についてあるいはこれを検証してみることについては、今後検討していくということで、また事務局の方で御提案いただくということでよろしいでしょうか。
 当初に、鈴木構成員から出た問題はいいのですか。当然ターゲットは商業的なものになるのでしょうけれども、保険の中でもないとは言えない。
○鈴木構成員 実態として、保険診療のみをしている医療機関のホームページにおいて、美容医療とか歯科の自由診療部分のようにその内容で問題になったようなことは、私はあまり聞いたことがないのですけれども、そういうことはあるのでしょうか。
○田中専門官 実際に、今、法規制の対象でないので、摘発されたとか、そういったことはない状況ではあるのですけれども、やはり、自由診療と保険診療を両方やられているというところで、なかなかこれが保険診療なのかどうかというのが、状況として見えにくい中で、ガイドラインとして対象を絞ってしまうと、どこが対象なのかというところがわかりにくくなってしまうのかという懸念が1つございます。
○長谷川座長 ガイドラインの目的の方に、自由診療の部分を主にターゲットにするのだということを盛り込んだ上で、しかしながら、自由診療だけというのも片手落ちの気がするのです。
○鈴木構成員 おっしゃることはわかるのですけれども、要するに、全く違う基準で動いている世界があって、1つのものをその両方に当てはめようとすると、一方には緩過ぎる、一方にはきつ過ぎるみたいな話になって、結局、緩過ぎるところを規制しようというときに、きつ過ぎるところまでもっときつくされるような、危険性、恐れはないのかということを非常に懸念するわけです。
○長谷川座長 なるほど。でも、ガイドラインを見ますと、そういうようなことは課題になっていないような感じではあるのですけれども、だから、先ほど稲垣構成員がおっしゃったように、全体的な包括規定の中で、ターゲットを主としてそういう自由診療的なものに絞るという、そういうふうなガイドラインの書き方というので、工夫するということでいかがでしょうか。
○鈴木構成員 とにかく問題があるところが明らかになっているわけですから、まずそれから始めてみて、その間に、例えば、保険診療のホームページで何か問題があるのだったら、調べていただいて実態を見てから対応する、今回は実態を見ないで規制するような話にもとれますので、自由診療とは切り分けて考えた方がわかりやすいのではないでしょうか。保険診療のホームページの一定の範囲の中で創意工夫まで、患者さんにとってそれがわかりやすい情報提供につながっている部分もあるかと思うので、そこまでつんでしまうようなことにならないのかという懸念があります。美容医療のホームページを見て、そこは保険診療とは全く違う世界だと思うのです。
○近藤構成員 ただ、今のガイドラインのイメージを見ますと、虚偽とか、誇大とか、公序良俗ですので、逆に、それは、自由診療以外はいいですという、これはあり得ないのですけれども、そう思われることも、これをつくったときにありますので、私はやはり今、座長さんの方でおまとめいただいたように、誤解を与えずに、基本は自由診療をターゲットにするけれども、通常の保険診療については当然やっていますけれども、対象にはなっていますという整理の方がいいのかなと思います。
○長谷川座長 こういう部分で切り分けて。
○近藤構成員 分け方の問題もあるでしょうし。
○長谷川座長 こういう趣旨でこれをやっているのだということで。
○近藤構成員 ええ。それを切り分けて整理すると、きっとわかりづらい。
○長谷川座長 そうですね。現実的になかなかわかりづらい。だから、どういう部分でこういう事例があってというふうに書いていって、フォーカスが自由診療だということ。
○山口構成員 保険診療をきちんとしている医療機関の苦情や問題は、今まで私も感じたことがないのですね。ただ、どちらかわからないグレーゾーンのところがあるのだとしたら、多分ちゃんとしているところは問題にならないと思いますので、両方を視野に入れておいた方がいいと思います。今、鈴木構成員がホームページのプリントをお持ちになっているようなところは完全に適用ですけれども、そうではない不透明なところまで対象になって、むしろ全部クリアーになるのではないかと私は思います。
○長谷川座長 ひとつ事務局の方で、その辺をきちんと整理していただいて、書き込んでいただくということでいかがですか。
 では、次の課題にいきたいと思いますが、医療に対する広告規制のあり方という課題で、これも大分議論をいたしました。ポジティブ・ネガティブリスト、これは大体ここに書いてあるとおりだという気が私はいたしますが、皆さん方の御意見はどうですか。
○鈴木構成員 これは、やはりポジティブリストの継続でいくべきだろうと思います。あとは前回も出てきましたけれども、アウトカム指標というのは、非常に誤解を招くおそれがあるものもある。前回も言いましたけれども、1つの病院の死亡率を見ても、それを在宅復帰率が41%と言うのか、死亡率56%と言うのかでは全然イメージが変わりますから、そういうおそれがあるということで、アウトカム指標というのは慎重にすべきだと思います。患者満足度も、これも本当にやりようによってどうにでもなるというか、そういうことを言うと誤解を招くかもしれませんけれども、これに頼ること自体のリスクというのか、そういうものも感じますので、そういったことは慎重にすべきではないかと思います。死亡率なんていうものは載せるべきではないと私は思います。
○長谷川座長 ありがとうございます。この広告に関しては、大体全般の皆さんの方の御意見でポジティブリストということで、これは従来の考え方をそのまま延長していくということであろうかと思いますが、そういうことでやらせていただくということです。
 では、3つ目の課題、アウトカム指標のことでございますが、既に、鈴木構成員にはこの辺の御意見もいただいたような気がしますが、ほかの方から。
○加納構成員 前から、これは僕も鈴木構成員と全く同じで、やはりアウトカムというのは公正でなくてはいけないし、例の食べログで問題になったような、変な形の展開が起こってはいけない。それと、もう一つは、医療現場で今、問題になってきているのは、患者満足度という形では、医療というものもかなりサービスが良くなっていっていて、本来でしたら、ホテルランキングごとに、お客様満足度というものを出さなければいけないとか、あんなことをしなければいけないことにはなっていないのに、病院でこれを求めるというのは、言葉的には非常に大事なことではあるのですけれども、変な形での展開が起こってくる可能性が高いということを前から懸念しているわけです。患者満足度という言葉自身も、少し疑問に思っているところがありまして、過度なサービスを依頼するような状況になってきて、現場のスタッフが非常に疲弊しているという問題が、今、非常に起こってきている。それに関して懸念するようなことがないということで、また客観的に、いろいろなサービスの内容が評価されるというのは大事だと思うのですが、患者満足度というのは、言葉的には非常にいい言葉なのですけれども、医療現場のことをもっと考えていただいて、こういうようなことを提案していただくべきではないかというところが、ちょっと引っかかっているのです。
○鈴木構成員 おっしゃるとおりなのです。要するに、公的皆保険制度で、コストが非常に低く抑えられているわけです。その中で、できるだけのことを我々はやっているつもりなのですけれども、それでも患者満足度と言われると、普通のサービス業と同じようなサービスを求められるのです。結局、我々は、よく内輪では言うのですけれども、ビジネスホテルの値段でホテルオークラのサービスを求められる。あるいはしまむらの値段で三越や伊勢丹のサービスを求められようなことが起きていて、更に、それが助長されようとしているようなところもありますので、そうなりますと、それこそ今、中医協でも議論になっています医療機関の従事者の負担軽減と逆行するような話にもなりかねないので、そこは本当に慎重にすべきではないかと思います。
○長谷川座長 直に患者満足度の指標に関する2人の御意見が、ちょっとフォーカスされた御意見が出ましたが、全般的な位置付け等についてはよろしいでしょうか。こういうことをこれからやっていく必要がある。それで、公表等については慎重な感じで。
○近藤構成員 今のに関連してなのですけれども、指標の持つ意味というのをやはり丁寧に説明をしなければいけない。なぜかと言いますと、例えば、病院ごとの患者満足度を比較しても実はあまり意味がないと思いますので、本来は病院が自主努力をして、経年変化で見たときに、その指標か上がっているのか、その辺を見ていただくようにするとよろしい。どんな基準をつくっても、恐らく同じ、比較できるような科学的なデータにはならない。これは、行政評価でも実はそういうことをやっていまして、他県とどうのではなくて、自分たちのやっている仕事に対する評価として、即決はしないのですけれども、参考にしていくというふうな扱い方をしております。
○鈴木構成員 近藤構成員がおっしゃったのは、全く正しいと私も思います。そういう意味で、自分の施設の改善に使っていって、それが患者さんにも伝わっていくというのが、あるべき患者満足度であって、それを他と比較して、満足度がより高いところに患者が集中するみたいな話というのは、ちょっと違うのです。それは是非、誤解してほしくないと思います。
○長谷川座長 私の記憶では、満足度に関しては、委員会の議論としては結構人気が高かった記憶があるのですけれども、本日はかなり慎重論が出ております。病院経営上は、継続して、患者さんがどう思っているかというようなことをはかるというのは、すごく重要なことです。しかし、事務局としては、病院に取り組んでほしいといったようなニュアンスなのか、今後、こういうものを取り上げて発表していった方がいいというようなニュアンスでここに書いたのでしたか。
○佐々木調査官 一応、本検討会は情報提供のあり方ということでございますので、もちろん病院の個々の質の改善というのは副次的にはあろうかと思いますが、一義的には、こういったアウトカム指標等を世に出していくというようなことをイメージして、まとめさせていただいているところでございます。
○長谷川座長 指標として、こういうのはどうかという御提案なのですね。
 稲垣構成員。
○稲垣構成員 そういう意味では、7ページの今後の対応については、いわゆるアウトカム指標ではなく、1つはプロセス指標、それから患者満足度の公表の取組みを今後、是非進めていったらどうかと考えております。
 特に、今後、指標の共通化とか標準化について、厚生労働科学研究の中で検討していくということですから、取り組まれた病院団体から特に医療の質向上という観点ではかなり寄与しているという説明を受けたので、やはりこれは是非進めていくべきだと思います。
 それから、もう一方で、確かに公表の仕方については多分いろいろな課題があると思うので、更に検討を深めていただきたいと考えます。
○長谷川座長 なるほど。稲垣構成員の御意見は、今後、特に、こういうのは発表した方がいい。ただ、やり方について検討すべきだという御意見ですね。
○鈴木構成員 要するに、合意がとれたものから、こういうものを公表していくというのは、基本的には結構だと思いますけれども、ただ、病院団体での試行でも得られたように、ものすごいコストがかかるのです。そういったコストを一切見ないで、ただやれと言われても、下げろ、下げろと、中医協で言えば支払い側はそればかりではないですか。それで質を上げろと。その質の向上とコストの削減というのは両立しませんから、それだけのコストというのがかかるのですよ。その辺については、どういうふうにお考えになるのですか。
○稲垣構成員 そういう意味では、医療に限らず、あらゆる事業分野で品質とコストというのは非常に重要な要素であり、特に、例えば製造業において質を向上するのは当然の行為であって、日常業務の中でいろいろな情報を集めていくなど、要するに、日常の仕事の中でPDCAが回る形が既に確立されています。ですから、このために何か新たに別にデータをとるということであれば、前回、病院団体からも報告がありましたけれども、相当負荷がかかっていることは十分理解するわけですけれども、やはり我々としても、一方的に負担をかけるということではなく、そういった情報が日常の活動の中でうまくとれるような仕組み、例えば、レセプト様式の見直しなども含めて、考えるべきだと思います。
○山口構成員 私、前回も発言したと思うのですけれども、例えば、満足度にしても手術の件数もそうですけれども、数字だけでなかなか比較できないのが医療だと思うのです。ただ、そのところがあまりにもきちんと国民に説明されていないので、安易に比較して混乱してしまうということがあると思います。これは安易に比較するものではないということをきちんと前提として出すというか、説明書きというか、ただし書きというか、そういうものを添える必要があるのではないか。そうでないと、単に数字だけで比べてしまうということになると、今、おっしゃっているようなお話が出てくるのではないでしょうか。
○加納構成員 山口構成員がおっしゃっていただいたとおりで、やはり数字で出すという方向性でいくのは非常に危険なことであると僕は認識しておりまして、先ほどからもう一つ、患者満足度という言葉自身も、医療現場から見ますと、今、僕らが逆に患者さんに対するいろいろな意味での不満足がいっぱいありまして、それを考慮していただかないと、医療現場というのはお互い、医療の治療という面では、皆さん必死になってやっているわけですから、その面で、また別の客観性が要るような形での負担をかける。また、その苦痛を医療現場の方に与える方もどんどん今、増えていますので、非常に危険なことに行かないように是非とも結論を出していただきたい。
 ですから、この患者満足度を優先してというのは、僕はどうしても優先してなんてとんでもない話で、まだまだいろいろ議論しなければいけないことなので、議論することは僕はいいことだと思うのですけれども、これを優先して何が何でも決めるのだというような答えを出されるのなら、これはちょっとどうかと思います。
○長谷川座長 日本の車の品質が世界一いいというのは、別にトヨタが努力しているのではなくて、国民がうるさいからだと言われていて、なぜ医療界は文句を言われないのか、今まで不思議だったのですけれども、恐らくそういう時代になっていくのではないかと私は思っていて、満足度はかなり重要な課題に今後なっていくと思う。
 一方で、鈴木構成員が言われた非常にお金がかかるといえばかかるというのは、全くそのとおりの事実だと思うのですが、それをどうするか。でも、この間の発表の中で非常に印象的だったのは、歯を食いしばってやるのだ。つまり、先ほどの話ではないけれども、いい医療を提供するために絶対必要だからやるのだと言っておられたのも印象的でした。
○加納構成員 やること自身は、もう僕らも大賛成で、我々も必死になってやっていますし、ある意味、これは毎年、大概の病院は、今、やり出していますし、少しでもよくなるように一生懸命努力しているわけなので、そういう面では満足度を意識していないわけではなくて、そういう形は、自己努力の中では是非とも使いたいパーツだと思っています。
ただ、先ほどから出ていますように、これを数値的に外へ出して、どういう形のことが起こるかと考えますと、僕は医療現場がまた混乱するだけではないかということの方が大きいのではないかということを懸念しているわけなのです。
○長谷川座長 ありがとうございました。
そういう意見で、その下にも方法論的に少し磨く必要があるのではないかというふうな表現がございますが、事務局、いかがですか。
○佐々木調整官 本日いただいた御意見を踏まえまして、再整理が必要な部分があるかなと思いますので、整理させていただいて、また次回、提示させていただきたいと思います。
○長谷川座長 アウトカム指標につきましては、病院経営上、非常に重要な指標だということについては、全員の構成員の先生方の合意だろうと思います。その中でも患者満足度が重要な要素だというのもまた全員の方の合意で、ただ、これを外部に出す場合の点について、いろいろな御議論があるということだろうと思いますので、その辺を踏まえておまとめいただきたいと思います。
 それでは、最後に9ページについて、何か御意見をいただけませんか。先ほどから大分議論になっているように、今、一方的に医療界が情報公開するというだけではなくて、やはり患者さん、住民の方、国民、そういう方々にも御理解いただく必要がある、こういうことだと思います。
○山口構成員 私は、患者と医療者は本来対立するものではなくて、同じゴールに向かって歩むものだということを前提に考えています。患者にとって冷静な知識、情報がとても必要だと思うのですけれども、なかなかそういう部分というのは、一般の患者、市民に手に入らない。メディアの報道も華々しい最先端医療や、事故・ミスといったマイナスの部分にどうしても焦点が当たってしまいます。本当は地味ととらえがちな情報が冷静な患者を多く増やしていくには必要ではないかと思っています。
 では、そういうものをどこが提供するのかというと、やはり国を始めとした公的な機関だと思いますので、非常に漠然とした意見ですけれども、患者にとって非日常であるけれども、知っておかないといけないこと、そういう情報をこれからもっと国民にお伝えしていくというような視点が大事ではないかと思います。
○長谷川座長 そうすると、教育とか、そういう中で埋めてということですね。
○坂本構成員 こういう世界、つまり、医療に関わる人たちだけで話し合うと、年がら年中、国民というものは医療が頭の中にあるのではないかというつもりで議論して、医師と患者の関係というようなところでも、実際は病人というのは少数派ですから、ということは、大多数は病気になるまで、要するに健康なときには医療情報とか病院の情報には多分アクセスしないし、いざなったら、今度は困るから何とかしてくれという、多分、常々の勉強によって、そもそもするような病気ではなかろうということで、この場で解決できることではないのですが、よくいろいろ言われるのは、まず1つは、学校教育の中で、きちんと生物学とか保健学とかではなくて、自分の体学というものを、それは平時で、かつ健康なときに植え付けておく。そうすると、それはやがて医療情報に接するときの情報リテラシーが高まる土台になるので、まず、これは1つ前提で、これは平時のときです。
 それから、もう一つ、医療情報を日米で比較した研究なんかを見ていますと、日本のウェブサイトなんかに出ている情報で、意味があるかどうか判断不能の情報が多い。4割で、何かというと、これはブログなのですね。米国はまたああいう世界ですので、逆に9割方が信頼できる情報がある。それはどこが出すかといったら、およそ学会、学会が抱える患者団体、そういうところが持っている。ということは、日本医学会の分科会のサイトを見ますと、確かに部分部分、患者さんのページとか病気の情報とかが非常に分散しているのですけれども、これはひとつ日本医学会ないしはその上部団体たる日医が音頭をとって、きちんとしたアカデミックな情報をわかりやすく提供する。少なくとも今の、それぞれの分科会がちょこちょこ出しているようなガイドラインも含めた、そういうものはうんとマージした、そういうポータルサイトはつくっていいと思います。十分できると思うんです。だから、そういうのは金も手間も多少はかかりますけれども、着手した方がいいのではないかというふうに思っております。
○長谷川座長 ちょっと前半の不手際で、ちょうど今、時間が来てしまったのですけれども、これはすごく重要な課題なので、ちょっとお時間をいただいて、御意見だけ。
○稲垣構成員 9ページ目の最後のなお書きに「医師が重要な役割を果たす」というくだりがあるわけですけれども、私ども保険者も、医療に関する知識の普及・啓発という観点では、いわゆる保険者機能の大きな役割だというふうに認識しておりまして、医療機関情報の提供など、これまで独自に取り組んできています。ですから、そういう意味では、加入者というか、患者との接点もかなりあるので、我々としても、この辺はしっかりと対応していく必要があると考えております。
○長谷川座長 そのほかは。
○近藤構成員 先ほど患者満足度の話がありましたけれども、どの企業でも併せて必要なのが職員満足度でありまして、その観点で、地域医療を守る上で、救急医療とか夜間・休日診療とか、その辺の現場は非常に疲弊していまして、やはりコンビニ受診みたいなものがどうしても出てきて、寝ずに医療をして疲弊していく、場合によっては自殺するお医者さんもいたりということはあれですけれども、その辺をよく、患者さんの側といいますか、医療を受ける側が実は医療を支える側でもある。これは健康な人も含めてですけれども、もしくは、健康は自分でまずは守るべきものであってという、そういったところも含めて、行政の役割もあるのですけれども、この辺を今、いろいろなフォーラムなんかを開きながら徐々に理解が深まってきたかなと。やはりドクターがどれだけ苦労しているかというのはなかなか見えづらいので、どうしても、医療はお金を出して選べる、あまりそこを強調していくと、自分たちを守るべき医療が崩壊していくというところを、少し外れましたけれども、よく理解していって、それもやはり医療に関する知識であるかなと思います。
○鈴木構成員 おっしゃるとおりだと思います。我が国の国民皆保険制度は、外国から見るとものすごく評価が高いのですよ。外国から比べたら、こんなに低コストで、患者さんにとっては平等で、自由で、質も高いのです。これは今後は、やはり守る努力をしないと守れないのですよ。これは是非、患者さんと医療機関、医療従事者が一緒になって守っていくかどうかということができるかどうかということだと思うのです。是非、それはそういう視点での取組というか、啓発が必要だというふうに思います。
○加納構成員 この流れの話になってしまいますが、やはり患者さんの満足度もあれば、先ほどおっしゃっていた職員の満足度の面も非常に大事でありますし、患者さんの権利があれば義務もあるという形で、やはり患者さんの義務をしっかり守っていただかないことには、今、本当に現場ではモンスターペイシェントがかなりの割合で物すごく増えてきている。特に救急現場なんかですと、もうそれでスタッフが傷ついたりとか、そういった現場を見ていますので、そういった面も内容的には入れていただきたい。やはり満足していただくためには、これだけの義務もしていかなければいけないのだということも認識を、是非ともお願いしたいかなと思います。
○長谷川座長 ありがとうございます。
○森原構成員 やはり、地方自治体が医療に関する知識の普及とか啓発をしていただくということと、あと、初等中等教育の中でリテラシー教育をしていただくような仕組みが必要なのではないかと思います。以上です。
○長谷川座長 ありがとうございました。
 先ほどの患者と提供者側の相互の理解とか、あるいはこれからの社会ではそういうことが必要であるということの合意があってこれが入っていると思いますから、是非、なぜこういうことを提案するかということを前半に書いてほしいと思うのです。
 ちょっと先ほどのお話をお聞きしていて気づいたことですけれども、これは総論で、こういう議論がよく出てくるのですが、では、どうするのかというときに、先ほど坂本構成員から御提案があったように、緊急時と普段からどうするか、それから、それぞれの立場の人間がどういうふうに役割を果たすか。病院団体、保険者、学会、それから行政は何度かお話があったと思うのですが、その辺、たしか前の委員会の議論でもそういう議論があったと思いますので、ちょっとまた前の議事録等も送って、少し構造的に提案ができるような格好でまとめていただければと、そうでないと、いつまで経っても総論の話で終わってしまうので、事務局はちょっと大変でしょうけれども、お願いいたします。
 まだもう一点だけ残っておりました。
 御報告というふうに聞いておりますけれども、最後の議題として参考資料等のお話というふうに聞いておりますが、御説明を手短にお願いいたします。
○田中専門官 参考資料の3と4をごらんいただければと思います。
 まず、参考資料3でございますけれども、第7回、この検討会が再開された第1回目の検討会で検討項目というふうに挙げさせていただいていた、専門医等の資格名の広告についてという項目がございましたが、それについて1点御報告申し上げます。
 今、専門医の資格名の広告については、研修の体制とか試験の制度、そういったものに関する基準を設けておりまして、それに合致したものについて広告可能という整理になっております。
 現在、広告可能資格名としては、医師が55で、全体として88の資格が広告可能となっておりまして、具体的にはおめくりいただいたページになっておりまして、数がだんだん増えてきて、中身としても細分化されつつあるという状況でございまして、その資格名の広告のあり方について御検討いただきたいという予定でおりましたが、参考資料4で、今まさに専門医そのもののあり方に関する検討が実は進められておりまして、この検討会で、今、進められている検討結果を踏まえた上で、この報告については引き続き検討させていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○長谷川座長 ありがとうございました。
 御質問、御意見ございませんか。
 一応、決定したら、この委員会でも御報告等をどういうふうに考えるかということを検討します、こういう御報告だと理解しました。
 前半部分でいろいろな御意見があって、司会の不手際で大変恐縮でした。10分ほどオーバーしました。その代わり、かなり議論は尽くされたのかなというふうに感じております。
 もう一度、年度内に委員会を持つということになっておりますので、事務局の方、こちらの方でおまとめいただいて、今日のお話をお願いしたいと思います。
○佐々木調整官 次回の日程につきましては、追って御連絡させていただきたいと思います。
○長谷川座長 どうもありがとうございました。


(了)
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医政局総務課

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