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2012年2月13日 第3回大学等におけるキャリア教育推進に当たってのジョブ・カード活用・普及促進等に関する実務者会議

職業能力開発局実習併用職業訓練推進室

○日時

平成24年2月13日(月)17:30~20:00


○場所

中央合同庁舎第5号館19階共用9会議室


○議事

○渡邉実習併用職業訓練推進室長補佐 それでは定刻となりましたので、第3回大学等におけるキャリア教育推進に当たってのジョブ・カード活用・普及促進等に関する実務者会議を開催します。本日は石川委員が用務のため欠席されています。また、眞鍋委員が若干、遅れていらっしゃるようです。
 それでは、これからの進行は今野座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○今野座長 それでは、1番目の議題ですが、学生用ジョブ・カードの様式案です。事務局から試行実施の結果と併せて説明をお願いします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 それでは、事務局から試行結果と併せまして、それを踏まえまして修正いたしましたジョブ・カードの様式案についてご説明いたします。昨年10月から12月にかけまして委員の先生がご所属される大学で学生用ジョブ・カード案の試行を行っていただきました。まず、この試行結果についてご説明いたします。報告書(案)の23頁ですが、今回、実は大学のほかに専門学校1校にも協力していただいています。回答数としては大学が75人、専門学校が42人となりました。ここでお詫びなのですけれども、試行を実施した大学の中で日本女子大学が抜けておりましたので修正させていただきます。こちらに加えまして、日本女子大学でも試行を実施していただいております。失礼いたしました。
 まず、学生向けのアンケート結果で、全般的な感想なのですけれども、23頁の真ん中ぐらいにありますように、大学、専門学校とも自分の振り返りができて、改めて自分自身を見直せた、将来への目標や考えがまとまった、といったようなご意見がありました。一方で、記載する項目が多すぎて作成に時間がかかったといったようなご意見も多く寄せられたところです。この辺りにつきまして、後ほどご説明する修正案につきましては、トライアル前のものと比べまして内容を少し短くするような形で見直しをしています。24頁以降、それぞれのアンケート結果を棒グラフでお示ししています。
 まず、記載しやすかった項目で、学生の皆さんにお聞きしたところでは、大学、専門学校双方とも学校の課程で関心を持って取り組んだことですとか、アルバイト歴等、ご自身が経験している事実を記載する項目については書きやすかったといった意見を共通でいただいています。
 それから26頁ですが、今度は逆に記載しにくかった項目です。これについて、大学のほうでは働き方についての希望、第三者の見方、キャリア・ビジョンということでした。専門学校のほうではこれに加えて、得意なこととアピールポイントが回答の多い項目でした。働き方についての希望ですとか、キャリア・ビジョンにつきましては、今回、トライアルをお願いした学生にはいろいろな学年の方がいらっしゃいましたので、まだそのキャリア・ビジョン等については明確に決まっていないので書きづらいといったようなご意見がありました。また、第三者の見方につきましては、自分で書くのは難しいとか、第三者から意見を聞く機会がないとか、人によって意見が異なるなど、いろいろな意見がありました。それから、専門学校で、得意なこと、アピールポイントが記載しにくかった項目として多かったのですが、この辺りにつきましては自分の長所がわからないとか、日頃意識していないといったようなことで、記載しにくかったという意見が見られました。
 次に28頁ですが、今度は作成して良かった項目や、役に立った項目です。こちらは大学では得意なこと、仕事に関する関心、働き方についての希望、第三者の見方ということでした。専門学校ではキャリア・ビジョン、アピールポイントでした。記載しにくかった項目にも挙がっている項目が、作成して良かった項目でもあるとの結果にもなっています。
 それから30頁ですが、修正が必要だと思う項目です。これにつきましては具体的な項目を挙げられない無回答が多く、ほとんど無回答でした。若干、働き方についての希望ですとか、仕事に関する関心ですとか、そういった項目がキャリア・ビジョンと内容が重複すること、それからアピールポイントと得意な点が重複するなどのご意見が寄せられました。それから32頁ですが、あまり役に立たない項目です。こちらのほうも特に回答がないというものがほとんどでした。こちらの中でもいくつか重複するとのご指摘があった項目については、のちほど修正案では見直しています。
 次に34頁で、学生用ジョブ・カードを活用する時期・学年ですが、これにつきましては大学では大学の2年頃、3年頃というのがほぼ半数ずつ多くなっていました。専門学校はやはり2年制ということで、早くから取り組むべきということで、大学1年頃が一番多い回答でした。その他、大学の方につきましては、少数ではありますが、1回限りではなくて、毎年度実施して欲しい、節目節目に実施して欲しいといったご意見もありました。学生の皆さまに対するアンケート結果の主なところは以上です。
 そのほか、37頁以降は委員向けのアンケート結果で、トライアルをお願いしました委員の先生方にもアンケートにお答えいただいておりますので、またこの辺りはのちほどご感想、ご意見等、ご披露いただければと思っています。
 次に41頁ですが、中小企業に対するアンケート結果の概要です。学生用ジョブ・カードにつきましては、中小企業の皆さまに履歴書プラス自己PRシートとして提出していただくことも想定しておりまして、中小企業の皆さまに対しましてもアンケートを実施しました。事業主の皆さまからは、項目の修正について多く意見をいただきました。一番多かったのが、学生用ジョブ・カードの分量が多いために減らすべきであるとのことで、やはりこの辺りは学生の皆さんの負担を心配された形の意見が多く出されました。そのほか、アルバイト歴の記載欄が少ないので増やすべきということで、アルバイト歴についてよく見たいというご意見がありました。
 それから主だったところでは、第三者の見方ですが、本人が記載すると正確性に欠けるために削除すべきであるということで、これについては12件で全体の中では多くのご意見を賜ったところです。
 それから短所・弱み、または苦手なことの項目を追加するといったご意見を複数いただきました。シートの中で得意なことという欄がありましたけれども、得意なことだけでなくて、苦手なことも併せて書いたらいかがかとの意見もありました。
 それから先ほど申しましたように、そのキャリアシートのキャリア・ビジョン、アピールポイントがそれぞれパーソナリティシートの項目と重複するとのご意見は中小企業の皆さまからもいただいたところです。
 それから学生用ジョブ・カードの策定に関するご意見では、多かったのは履歴書と比べて詳しく記載する項目が多いので、人柄を知る上で有益な情報が得られるとか、面接に必要な項目がほぼ網羅されているとか、エントリーシートを持たない企業にとってはよい判断材料になるといったようなご意見で、従来の履歴書のみと比べてプラスαの情報が多いので、それをそれぞれいろいろな面で活用できるといったようなご意見をいただいています。これを踏まえまして、資料1で、学生用ジョブ・カードをトライアル後に修正した案について次にご説明します。
 修正事項は報告書(案)の6頁に学生用ジョブ・カード様式の修正としてすべての項目についてまとめていますが、ここではこちらの資料1をご覧いただきながら説明をさせていただきます。まず最初の1、2枚目はご承知のように現行のジョブ・カードの様式になっておりますので、特に修正はしておりません。次に1枚めくっていただきまして、学生用ジョブ・カード様式の「学校活動歴シート」ですが、これは前回までは「履歴シート」となっていましたものを、これが最初の2枚の通常のジョブ・カード様式の履歴シートと紛らわしいため、今回、学生用につきましては学校活動歴シートに名称を変えています。その他、前回は記入欄が不足する場合に欄の追加を行っていただくように一番下の※のところに書いていたのですが、記入欄が余分な場合にも適宜、欄の削除を行っていただけるように注を追加しました。このほか、項目については変えておりませんが、この様式は、一種のモデル様式としていろいろと公表いたしますので、学校の課程で関心をもって取り組んだことと、学校のキャリア教育で実施されるプログラムの欄の数については、前回お示ししたものより多くしています。
 それから次頁で、学校活動歴シートの○2ですが、こちらにつきましても項目は、以前はアルバイト歴、社会体験活動歴のあと、その他の活動として3つの欄を設けていたのですが、その他の活動につきましては社会体験活動の欄にまとめまして、大きくは2つの記載欄にしまして、それぞれ欄の数を増やしています。
 次頁で、パーソナリティ/キャリアシートです。大きく変わりましたのがこちらの部分です。以前のパーソナリティシートとキャリアシートを1つのシートにまとめました。まず、パーソナリティシートですが、報告書(案)48頁の以前のものと比べますと、パーソナリティシートということで6項目をご用意しておりましたけれども、アンケート結果を踏まえまして、まず、日常と興味・関心につきましては統合できるのではないかとのご意見がありましたので、これを1つにしました。それから、得意なことにつきましては、先ほど申しましたように、苦手なことを加えました。また、苦手なことを克服するために努力していることも括弧書きで例として書いています。それから、仕事に関する関心、働き方についての希望については、キャリア・ビジョンと重複するというご意見が多くありましたのでキャリア・ビジョンに統一しています。第三者の見方については、学生、企業の皆さま共に書きづらいとのご意見がありましたので、欄を削除しました。
 49頁の元々のキャリアシートですが、アピールポイントのところが得意なことと重複するとのご意見が多くありましたので、アピールポイントの欄を削除しました。これに従来のキャリアシートの教員記入欄とキャリア・コンサルタント記入欄を付けています。
 また、もう1つ変わりましたのが、キャリア・コンサルタント記入欄の括弧書きの部分です。前回のものと比べてより学生の就職支援に資する観点から例示を変えまして、キャリア・コンサルタントから見た学生の強みや就業意欲などを書いていただくように括弧内の記載を修正しています。以上、駆け足ですが、アンケート結果の内容とそれを踏まえた修正案についてお示しさせていただきました。
○今野座長 ご意見、ご質問をお願いします。何でも結構ですのでどうぞ。
○白井委員 1つだけ、パーソナリティ/キャリアシートのところなのですが、2つ目に「得意なこと、苦手なこと」という欄がありますね。このジョブ・カードの必要性というか、そもそもの意義というところは、職業能力がある程度わかる、またはそういったものが応募時に本人を知る上で参考になるということがありますので、もう少し職業能力につながり得るようなものに絞ったほうがいいのではないかと感じます。といいますのは、一応本格ではないという前提で、他大学でもキャリア教育をしているのです。学生のほうからいまエントリーシートを書いていて相談があったのですが、こういう項目が多くて、ある商社を受ける女子学生なのですが、得意な所に「魚を三枚におろせる」と書いているのです。それは本人にとっては得意なことでも、仕事をするということを考える、あるいは応募先企業を考えたときに書くべきことかというと、もうちょっとだけ具体的に、「仕事につながり得るようなもので」というところは、書き方を修正されてはいかがかなと思います。
○今野座長 そうすると、例示の書き方をもう少し工夫するということになりますか。
○白井委員 そうですね。
○今野座長 これを作っている段階では、特定の会社はイメージしていないわけですよね。
○白井委員 そうですね。
○今野座長 そうすると、そういうことを前提にして、この例示の書き方をどう修正するかですね。何か良い案はありますか。
○白井委員 「働く、あるいは仕事をする上で、自分の活かしたい長所、あるいは克服しなければいけない箇所はどこか。そのために、現在努力していることはあるか」みたいな感じは、いかがでしょうか。
○松原委員 先ほど先生が「職業能力に資する」というようにおっしゃられたのですが、この得意なことというのは必ずしも職業能力ではなくて、例えばコミュニケーション能力などということも仕事においては非常に重要な要素だと思うのです。そのときに、職業能力に資する、プラス仕事においてはスキルとか職業能力に必ずしも直結せずに、コミュニケーションから入っていくものもあるので、そういったところも含めて、自分が得意だと思っているところを、やはりスキルなどに特化せず、コミュニケーションも含めた本人の得意という部分でもいいのではないかと思うのです。そこに職業能力とやってしまうと、まだ仕事が何かもわかっていない中で、ちょっと書きづらいかもしれないという印象を持ちました。いかがでしょうか。
○白井委員 確かにそうなのですが、このジョブ・カードというものが職業能力を証明するツールとして使われていくものだという前提があったときに、必ずしもそのように断言はできないにしても、このように活かせるのではないだろうかというように、意図的に自分で結び付けて書いて、PRしていくわけですよね。そのツールとして、もう少しだけ例示が、わかりやすく学生に伝えられたらいいのではないかという。
○今野座長 それは考えます。
○加藤委員 例示の工夫もあると思うのですが、一度で書き上げるものではありませんので、おそらく入学時点では先ほど「魚を三枚におろす」とか、私どもの所でも「ゲームに凝っています」とか、そういうものが出てきてしまうので、それを時間をかけて自分が望む方向に進む能力は何かとか、どういう力をつけたらいいのかとか、克服すべき点は何かというのを、大学やキャリア・コンサルタントがアドバイスして導いていくと。最初はうまく書けないだろうけれども、徐々に希望する職業のほうにもっていきましょうという、書き方のアドバイスというのでしょうか。その流れを入れるというのも1つではないかと思います。
○今野座長 そうすると、逆に言うと、この例示はこのままでいいということになりますかね。
○加藤委員 質問なのですが、これですべて終わってしまうのか、ジョブ・カードの進め方といいますか、取組み方というか、大学において、こういう使い方ができるのではないでしょうかというものも、もし作るのであればそちらのほうに、最初から完璧なものができるわけではなくて、時間をかけて徐々にそちらの方向に書き上げられれば、というものを書き込めばいいのかなとも思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 本日お示ししているのは様式案と報告書なので、実際に皆さんに使っていただくときには報告書を読んでくださいということではなく、利用者の方にわかりやすいような形で、書き方、パンフレットのようなものを作ろうと思います。いまのご議論はまたその際に参考にさせていただいて、様式に書き込むかどうかは別として記載例なども作りますので、記載していただくときの留意事項のような中にでも盛り込ませていただくというのは、1つあるかと思っております。
○今野座長 そうすると、ここでの例示はこのままにしておいてということですか。
○加藤委員 吹出しをここにもし入れられるとすれば、徐々に書き替えていくとか、更新していくことが可能ですとか、そのような。1回で完成ではなくて。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○今野座長 それは、これの使い方の説明の中で吹出しを付けるのでしょう。それとも、この様式そのものに入れるのですか。
○加藤委員 ここの所だと思うのですけれども。
○田中実習併用職業訓練推進室長 様式の記載例で、実は書き込めるものはいま入れているのです。資料の50頁で、これはやはり白紙だけでは分かりにくいと思って、今後書き方についていろいろとお示しする際に、1つの例として記載例をいまも作っております。ここにいろいろな留意事項を書き込めるようにしておりますので、いくつか既に書いているものがあるのですが、いま加藤先生からご指摘があったような内容を、ここにもう1つの吹出しという形で入れ込んでいくというのはいかがかと思います。
○松原委員 報告書は、あくまでトライアルしたものをまとめることを目的としていて、例えばこのジョブ・カードをワークさせるための仕組みみたいなことに関しては載せるものではない、と判断してよろしいですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ワークさせるための仕組みとは。
○松原委員 これが結局、普及して、実際に使われていくようにしなければ意味がないわけですよね。そのときには、これをワークさせるためには、これだけを学校にやっても、絶対これはワークしないのですね。だから、これをワークさせるための仕組みというのは、併せて考えないと、本来これは活きてこないのです。私はそこまで含んで議論するのかと思っていたのですが、いまのお話を伺う限り、このトライアルした結果だけをまとめると、報告書の趣旨はそういう形になりますか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 トライアルした結果を踏まえて、いま案をお示ししているのですが、それをどのように活用し、どのように普及していくかというのも含めて、報告書の中に盛り込んでおりますので、その辺りでまたご意見についてはご披露いただければと思っております。
○松原委員 報告書の趣旨がどこにあるのかと、ちょっといまのお話だとわからなかったので、確認しました。
○加藤委員 いまの話に戻りますと、ご指摘があった職業能力に直結するようなものを書いたほうがいいということを、吹出しで少し入れるというのが1つ方法であるし、使い方として、もっと詳しい1年次ではこう、2年次ではこうという使用方法といったものも別途作って。ここに入れるのは間に合わないですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうですね。そこは今日いろいろとご示唆をいただいたものについて、私どものほうで来年度の普及に向けて準備をする段階で、パンフレットを作ったり、チラシを作ったりというのがあると思いますので、その中で実現してまいりたいと思っています。
○加藤委員 ここに吹出しで、そのような職業能力に直結する内容を書くことが望ましいです、というようなことを入れておくことが、いまできることかと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○木村(樹)委員 先日、東北の震災後に牡蠣の殻と身をピュッピュッピュッとやる仕事をずっとやっていた方がいらっしゃったのです。その方が、「私、これしかできないんです」と言っていたのですが、スーパーの裏方の仕事に就くことが決まったのです。職業というのは何なのかということで考えたときに、スーパーの裏側で刺身に切る人がいたり、いろいろな職業があるわけで、それは職業能力とは何なのかという定義をあまり決め付けないほうがいいのではないかと私は思います。だから、職業能力に結び付くというのは、個々人の主観的な考え方だけであって、いろいろな業界の中小企業がいらっしゃるので、その視点から見たときに、その得意なことを通していろいろな会話が生まれてくるというのが現実だと思うので、その人の可能性をちゃんと開いていくようなコミュニケーションをしていくためには、もう少し自分が身近なところで、本当に背伸びしない形の長所みたいなことをきちんと書くことのほうが、私は大事だと思います。
○今野座長 結局このままでいいと。使い方についての1つの例示として、先ほどご意見があった吹出しぐらいを付けておくということですか。白井さん、それでどうですか。
○白井委員 はい。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。
○木村(進)委員 様式のほうだけ質問なのですが、パーソナリティ/キャリアシートの教員とキャリア・コンサルタント記入欄、これでいいのですかね。下の所は、ジョブ・カード講習等、出ているものも右にきますよね。両方入るのですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 こちらは記載例がないのでわかりづらくなっているのですが、こちらを記載した姿をご覧いただくと、54頁です。これは記載がなくて、わかりづらかったのですが、いま考えているのは54頁の下のほうで、それぞれこれも吹出しを作って付けておりますが。
○木村(進)委員 そうですね。そうすると、この点という所も、こっちでないと、この空欄を見て何だかわからないですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 こちらも併せて記載例をお示しすることで、白い欄に何を書いたらいいかというのは、お書きになるときにわかるようにしてまいりたいと思います。いまのジョブ・カードもこのような形になっておりまして、通常のジョブ・カードの隣に、ホームページでダウンロードしていただく場合、すぐわかるように記載例を載せております。それをご覧いただくと、白い欄にこういったものを書くというのがわかるようになっております。
○木村(進)委員 つまり、キャリア・コンサルタントの場合には、登録キャリア・コンサルタントとしての登録があり、修了番号もあるということで、左のような○は付ける必要はないということなのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ジョブ・カード講習受講済・未受講という所ですか。
○木村(進)委員 はい、そういうものですよね。なくてもいいということになるわけですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 こちらのジョブ・カード講習受講済か未受講かというのを記載しているのは、今回、教員の方についてはジョブ・カード講習を受講していただかなくても、ジョブ・カードの交付とみなすということで、後ほどご説明させていただこうと思っていたのですが、その関係なのです。ただ、これが必要かどうかというのは意見があるかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小林委員 教員の記入欄のことですが、大学教授の先生方がジョブ・カード講習に行かれますかね。労務管理とか、教科によっては自分も試しにジョブ・カードの講習会を修了しようという先生もいらっしゃるとは思いますが、必要な項目でしょうか。いろいろな学部のいろいろな先生がいる中、今後、先生方にジョブ・カードの講習を受けて頂くことをアピールしたいのであれば別ですが、何か失礼なような感じがするように私は捉えたのです。大学の先生であれば、一般的なゼミをお持ちの先生であれば、ゼミ生の3年、4年のとき、いろいろな形で就職先のご紹介などをしているケースは当然あり、それぞれの学生と相談にも乗っているとは思うのです。その学生自体の本人の強みとか、意欲とか、就業に対する意欲とか、そういうのは自由に書いていただければいいのであって、別にジョブ・カードの講習を受けているか、受けていないかというのは関係ないような感じがします。また、それぞれの大学のキャリア・コンサルタントや就職支援をするセンターで、実際に登録された方が相談に乗っているのだと思うのです。先生は先生で、何々教授とか、かえって指導教授であれば、企業側にとっても全然要らないと思うのですけれども。
○今野座長 もし私であれば、未受講に○を付けるのは、何となく格好悪いよなと思いますね。
○千葉委員 採用側の中小企業の立場だと、教授の方がジョブ・カードを受講していようが、していまいが、ここは全然関係ないと思うのです。ジョブ・カードの受講済みというだけの枠ではなくて、逆に標準のキャリ・コンを取られている支援室の方とか2級のコンサルタントの方とかいらっしゃるかと思うので、もしもそれ以外で未受講であっても、ジョブ・カード講習未受講でも、何か標準のレベルをお持ちの方があったら、それを書いていただければ。
○今野座長 書けばいいわけですね。
○千葉委員 採用側としては、それだけを見ていくかと思うのです。
○今野座長 また吹出しで、持っていたら書いておいてというぐらいでいいわけですね。
○千葉委員 どうでしょうか。折角そういう訓練を受けた方たちがいらっしゃったら、この講習に出なくても、それで対応可みたいになさっていただけると。
○今野座長 そのほうがいいよな。
○千葉委員 と思いますけれども。
○今野座長 何でもいいから。
○千葉委員 教授の方は、採用側はいかがでしょうかね。学校の先生、大学の先生がジョブ・カード講習に出ている、出ていないというのはあまり関係なく、教員の立場からどう見たかというところなのではないでしょうか、と思いますけれども。
○今野座長 そうですね。
○白井委員 自分がこの立場になって考えたときに、受講済みであった場合に、学生の書いている内容があまりに恥ずかしい内容だと、この先生、これで受講済みかというと、先生の指導力が疑われる方向へ。
○今野座長 何かそっちのほうが。
○白井委員 そっちのほうが何かこう。
○今野座長 だけど、受講済みの人だったら、別に書いていただいてもいいし。
○小林委員 何か先生が受講済みか○を付けるというのは、ちょっと踏み絵みたいで嫌ですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 では、いただいたご意見を踏まえまして最終的には。
○今野座長 ここはなくそう。吹出しで。
○田中実習併用職業訓練推進室長 なくす方向で調整をさせていただきます。
○木村(進)委員 私感だけなのですが、今回ので動きが見えたのは、1つはキャリア・センターが暇な所はいいのですが、混んでいる所はすごく入ってきて、こんなのも入ってくるのかということなのです。その中でも、キャリア・センターで外部の方に委託している場合には1人いくらか1時間いくらでやっているのですから、これはこれでいいのです。問題は先生で、先生が今度横で、キャリアをやっている先生でもコンサルタントといいますか、カウンセリングしたくないというのが動きとしてあるのです。これはだからどうだということではないのですが、3つの動きが顕在化したかなと感じております。
○今野座長 それは嫌だったら教員記入欄を書かなければいいのでしょう。
○木村(進)委員 どっちかなのですが、センターなりに協力が求められないと、自分で書かなければいけないのですね。どっちかが必要なのですね。その辺が。
○松原委員 木村先生と同じ状況がありまして、私は日本女子大の先生方に「書いてください」と、営業して回ったのです。そのときに、むしろキャリア・コンサルタントの方のほうが慣れていらっしゃるので、可能な限り協力しますというスタンスなのですが、先生がどのぐらい学生とコミュニケーションをとっているかによっても、また全く反応が違って、主に自分の研究熱心な先生に関しては、「学生が何をやっているかなんて、何のビジネス」みたいな感じで、私には関係ないというスタンスに立たれる方もいらっしゃいますし、かなりそこに温度差があるなという印象を持ったのです。いま木村先生がおっしゃったように、キャリ・コンの方が結構数が多くて、ある程度キャリア・コンサルタントの受け皿があるのだったら、そういう先生が多くてもいいのですが、キャリア・コンサルタントの数が少ない大学で、かつ先生もなかなか協力いただけないときには、これはかなり厳しいなという印象を持ちました。
○今野座長 それは、これをどうやって使っていくか、資格の問題と関わるのです。
○松原委員 そこが先ほど申し上げたワークする仕組みというところです。
○今野座長 木村さんがおっしゃられたのもそうだし、松原さんが言われたこともそうで、そんなのはやる前からわかっていますよね。教師がやるわけない。
○松原委員 そうです。だから、ワークする仕組みというのは本来議論しておかなければいけないのに、ちょっとなかったなと。
○加藤委員 これはキャリア教育の授業でやるので教員欄が必要だというので、私の所ではキャリア教育の授業で、全部やってもらったのです。キャリア・コンサルタントの資格を持っている2人でしたが、1人はジョブ・カード講習を受けていて、1人は受けていなかったと。ですから、先ほど意見が出ましたように、ほかの協会の認定資格も書ければ、そのもう1人の方はジョブ・カード講習を受けていないけれども資格は持っているということは、確かに書けたかなと思いました。ですので、いまは設置基準の影響もあって、キャリア関係の授業を置くと。あるいはキャリア教育を全学的に取り組むという傾向にあるので、キャリア関係の授業が全くないという大学は、むしろないのではないかと。そういうところを活用して可能な限りということであれば、キャリア教育の授業担当者は、そうでない教員に比べれば意識が高いと思いますので、講習を受けていなくても、キャリア・コンサルタントの資格がなくても、ここは書いてみてくださるのではないかと、ちょっと楽観的かもしれないです。
○松原委員 学校規模によってしまうかもしれない。
○今野座長 でも、少なくともキャリア教育をやっているような先生方は、いま松原さんが言った興味がないという先生とは違う先生のカテゴリーに入ってくる。
○松原委員 そうです。
○今野座長 もっと一般の教員のことを言っているのでしょう。
○松原委員 そうです。ゼミというところも、枠組みが1つ考え方としてあったので、ちょっと知っている先生で、仲の良い先生なんかに「これ書けますか」という形で営業したときに、かなり抵抗をくらったなという感じがありました。
○今野座長 でも、それはたぶん、そういう教員の状況を踏まえて、これを広げるにはどうしたらいいかということの仕掛けをどう工夫するかという問題なのではないですか。
○松原委員 そのとおりです。
○今野座長 教員の価値観と行動を変えるのは難しい。そっちのほうでどう対応するかということだと思います。ほかにどうですか。
○小林委員 私も大学の事情はあまりよくわからないのです。ただ、今後広げていくのであれば、キャリア教育論を担当している先生だけではなく、さらに広げていくことが当然必要だと思います。私の時代だと、大体ゼミの先生が就職のときに推薦状を書いてくださるので、かなり支援していただいていたのです。いまはどうかわからないですが、そういう意味で、ゼミ関係の先生が教員の記入欄に書くというのも、1つあるのだと思うのです。そのときに、その先生がジョブ・カードの講習を受けているかといったら、受けていないケースがあるので、先ほど言ったまでの話です。
 もう1つ、話は全体的な話になるのですが、本会の事務所に有期の方を先月から採用したのです。その方も含めて、部内打ち合わせをした際、今日のジョブ・カードの会議に出ると、私は日程に書いてあるわけです。そうしたら、「ジョブ・カードとは、何なのですか」と言われたのです。この方は転職を何回かされている方なのです。個人情報で、あまり明らかにできないのですが、何件か転職されていて、ハローワークにも行っています。4年前にジョブ・カード制度ができたわけです。ハローワークにも行っている方がジョブ・カードのことを全く知らないということです。社会一般で、ほとんどジョブ・カードのことが知られていない現状があります。
 ですから、私は大学のときに、学生用ジョブ・カードというのを授業で扱うだけではなくて、いろいろな機会で普及して行けば、ある程度ジョブ・カードというものについての認識がもたれるのではないでしょうか。社会に出てから転職のときとか、キャリアアップするとき使いましょうとか、能力開発をする段階で使いましょうということで限られてはいたのですが、今後の使い方として広く使うのであれば、学校の段階で使いましょうというのが、後の報告書の中にもあります。キャリア教育の中だけで使っていくのではなく、いろいろな意味で事前に大学で取り入れていただくとか、専門学校で取り入れていただくことをしない限り、社会に出てからも使う機会が、ない人がほとんどなのかもしれないのです。厚生労働省に文句を言うわけではないですが、ハローワークに行っても「ジョブ・カードを作りませんか」という声をかけていない現状があるわけです。この4年間で何回かハローワークに行かれていた方もそうなのです。
 ですから、そういう状況を見て、普及というのをいろいろ考えていくと、ハローワークでもしっかりやってもらわないと困るのですが、教育機関で将来的に就職のときに使う道具として、教育の材料にしてもらえればありがたいと思っていたのです。
○今野座長 いま小林さんがおっしゃられたのは、これを普及したりするのにはどうしたらいいのか、普及するために、あるいはみんなに使ってもらうために、どうやって運営体制を作ったらいいのかということに非常に関わっていますので、あとからやるとして、結局そのことを邪魔しないようにするには、最低限この欄をなくせということだと思いますので、そこはよろしいですよね。小林さんがおっしゃられたことは、今度は報告書の普及体制とか、そちらに関係ありますので。ほかにいかがでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 いまのご議論でキャリア・コンサルタントの記入欄の所で、1つ私どものほうで今回皆さんの先生方に事前にご意見を伺った中で考えていることがあるのです。実は今回の学生用ジョブ・カードは、中小企業の皆さんで選考資料として使っていただくというのが1つ想定されるのです。もしも次のタイミングで、中小企業で学生用ジョブ・カードを選考資料として指定していただくといった場合に、そちらを希望する学生の方については、ジョブ・カードをどこかで作らなければいけないということになるのです。大学生であれば、大学のキャリア・センターなどにお願いするということになるのですが、説明しておりますようにキャリア・コンサルタントについては、ジョブ・カード講習を受けていただいた方に学生用ジョブ・カードを交付するという基本的な考え方に立っておりますと、大学の中で、あまり登録キャリア・コンサルタントがいま現在いらっしゃらないという状況の中で、学生用ジョブ・カードを選考資料に指定している企業に応募できなくなってしまうということが想定されるというのがあります。
 そういった事態を避けるために、学生用ジョブ・カードを採用選考の応募書類として指定する企業に、応募を希望する学生の方から、大学なり専門学校のほうでジョブ・カードの交付の要望があったように、ジョブ・カード講習が未受講であっても、2級のキャリア・コンサルタントなどの標準キャリア・コンサルタントであるキャリア・コンサルタントの場合には、ジョブ・カード講習を受けていなくても、経過措置としてジョブ・カードを交付していただくことを可能にするということを、この報告書とは別に、よろしければまた後々、例えば通知ベースなどでもそういうことで運用でさせていただければと思っているのですが、その辺りでご意見がありましたらお願いします。
○千葉委員 その案にすごく賛成です。やはり標準レベルとか2級のキャリ・コンの方たちは、かなりの訓練数を積んで資格を取られているわけなので、それを活かしていただくのも1つですし、普及するためにはそういう人たちのお力をどんどん使って、学生たちに1人でも多く、ジョブ・カードを普及させていただきたいなと思います。
○木村(進)委員 2級で大学に関与しているというのはいませんよ。
○千葉委員 いらっしゃらないですか。
○浅野キャリア形成支援室長 2級は、技能士自体が今まだ少ないので、全体としてそんなにたくさんはいないのです。大学には2級の方で活躍しておられる方もいらっしゃいますが、2級だけでなくて、それを標準レベルまで広げると、特に大学等設置基準のほうも改正されたことも追い風になっていまして、いま非常に数が増えている状態にあります。その意味では、標準レベルまで広げれば、例えば大学の中にいる標準レベルの方にお願いすればジョブ・カードを書いてもらえるということになります。もし差し支えなければ、ジョブ・カード講習よりも相当長い時間、勉強もしていますし、特にまた大学のキャリア・センターというのは、学生と接する機会が多い。つまり、その分経験をたくさん積んでいる、場数を踏んでいるということかと思いますので、そういった方も活用するような形にできれば、私どもとしてはありがたいと思っております。
○千葉委員 逆に私は2級も取ったのですが、そういう方が会社側の人事にいらっしゃった場合に、企業は割とキャリア・コンサルタントの方を採用しているのです。その場合に、どっちを見ていくかというと、ジョブ・カード講習というのは1日ですよね。私も出させていただいたのですが、正直言って1日の講習で書けるのかなというのが1つありました。ですから、そういう部分では、170時間でも何でも、やはり訓練を積んでいる方が書いていたほうが信用性が持てるかなというのは、これは個人的な意見なのかもしれませんが、1つあります。ある部分、経過措置と田中さんがおっしゃったように、そういう形での措置をしていただいたほうがよろしいのではないかという気持がありますが、いかがでしょうか。
○今野座長 キャリア・コンサルタント2級を取れれば大丈夫だということをあまり前面に出すと、ジョブ・カード講習が要らないということになってしまうのです。つまり、いまのお話は、2級でもクオリティは大丈夫ですとおっしゃっているわけですよね。でも、一応ジョブ・カード講習を修了しなければいけないというルールになっているので、そこの理屈を少し整理しないと。
○田中実習併用職業訓練推進室長 原則はそこで、ただ実際に企業がジョブ・カードを求められているときに、周りにジョブ・カードを交付する人がいないといったときに、次善の策という考えなのです。先ほど経過措置と申しましたが、またお知らせするときには、どうしてそうなのかといった辺りはご理解いただけるような形にして。
○加藤委員 例えば1年間に限って、講習がなくても出るということとか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そこは今日はご提案ということで、まだそこまで詰めていないので、そもそもそうするのがいいかどうかというのもありますので、今日はご意見を伺って、今後の検討材料にさせていただければと思っております。そういう意味では、報告書でそもそもの原則のところを変えるというのではなくて、今後、運用の中でそういうことも考えさせていただきたいということで、ご意見を伺っておりまして。
○今野座長 2級を取っていれば修了と同等であるというルールになっていれば一番簡単なのです。それだったら論理的に全然問題ないですよね。いまはそうなっていないのでしょう。
○浅野キャリア形成支援室長 キャリア・コンサルタントの能力体系というのは、一番上は指導レベルで1級の技能士ですが、1級の技能士はこれから誕生するところです。その下が熟練レベルということで、2級の技能士です。いまいらっしゃる一番上の方は、この2級の方までです。その下が標準レベルの、頑張れば誰でも到達できるレベルではあるけれども、だいぶ頑張っていただかなければいけないというレベルですが、そういう標準レベルのキャリア・コンサルタント能力評価試験をクリアされたような方々です。さらにそういう分類とは全く別に登録キャリア・コンサルタントがおります。登録キャリア・コンサルタントとなるためには、ジョブ・カード講習を受けていただくことが必要ですが、ジョブ・カード講習を受けるためにも要件があり、例えば全く人事・労務管理に関係がないとか、あるいは全く相談だとかをしていないということであれば、そういった方にはジョブ・カード講習といえどもお受けいただくわけにはいかないのですが、一定の経験がおありの方、あるいは一定の資格をお持ちの方であれば、体系的なキャリア・コンサルタントの勉強をしなくても、ジョブ・カード講習を受けていただけることになっています。ジョブ・カードもたくさん交付しなければいけませんので、ある意味ちょっと現実的な形で、いま制度を運用しているところです。
○今野座長 皆さんのご意見を聞いていると、1年間ぐらいの経過措置でやっていくのはやむを得ないと。ただし、ちゃんとジョブ・カード講習は受けていないので、受けていないけれども受けたとほぼ同等の条件を上手に作って、それで当面認めるという理屈をちゃんと考えてもらわないと。今日はそこまで考えなくていいということなので、理屈は考えろよと、条件はしっかり考えてくださいよということを確認しておけばいいかと思うのです。
○木村(進)委員 浅野室長、イメージのためにちょっと聞くのですが、今後それを一般のキャリア・コンサルティングの中に、ジョブ・カード認定を入れ込むというのがあるのですか。
○浅野キャリア形成支援室長 はい。実は昨年の7月に標準レベルのキャリア・コンサルタント用の能力基準を改定して、これまでの方々についてはジョブ・カードがなかった時代に資格を取った方もおられますので、それは仕方ないのですが、このあとの方については、全部ジョブ・カードのことを学んでいただくようにしました。よって、今後誕生する標準レベルのキャリア・コンサルタントについては、最初から標準レベルのキャリア・コンサルタントであって、かつ登録キャリア・コンサルタントであるという方となるので、そちらは全く問題ありません。ただ、すでにストックされている標準レベルの資格をお持ちであるような方々についてのジョブ・カード交付に係る取扱いをどうするかということです。
○今野座長 ですから、例えばストックの人たちについては標準レベルの資格を持っておられて、かつ経験が3年ぐらいあれば、講習修了と同等だろうと考えましょうとか、それを考えていただいて、過渡的に認めてもいいのではないですかということだと思うのです。その内容については考えて、もうこのテーマではないので。過渡的というと、普通1年、3年は長いですよね。5年はないですよね。選択肢は普通1、3、5しかないから。1か5、3ぐらい。長くて3年ですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 運用を考えるときに、また本日いただいたご意見を参考にさせていただいて、考えてまいりたいと思います。
○今野座長 ほかにありますか。
○小林委員 全体的に学生用ジョブ・カードをいろいろまとめて、また書きやすくなったと思うのですが、ご説明いただいたときも本体のジョブ・カードとの整合性の関係もあると思うのです。1頁の職務経歴と学習歴・訓練歴という欄があります。多くの学生にとっては、職務経歴というのはほぼないのです。学校で作っている履歴書は、学歴のほうが上にあって、その欄しかないところもあるので、この欄を変更できるのかどうなのか、お伺いしたいです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 今回、学生用ジョブ・カードを一体として、これを履歴書代わりに使っていただくようにしていこうとしている中で、1頁の履歴シートの所は職務経歴がドーンと目立って真ん中にきているのですが、学生の方の場合ほとんどなしと書かざるを得ないということでどうなのかといった辺りなのです。ただ、この最初の2枚は冒頭にも申し上げましたように、通常のジョブ・カードでも使っている様式です。ですので、これは学生用ジョブ・カードだけに限らず、全体のジョブ・カードの様式をどうするかということにもなるので、本日はご意見を承りまして、これについてはまた関係省庁、またジョブ・カード自体の推進協議会の先生方のご意見などを聞いてまいりたいと思っているのです。その際に、全体的に変えるのが難しいとすると、最低限直せるところとしては、職務経歴と学習歴・訓練歴を逆にするということで、それで見た目には学習歴・訓練歴については、学生の方もいろいろ書いていただけると思います。それで、職務経歴は下のほうにきて、なしと。見た目の効果ではあるのですが、学生用ジョブ・カードを一体として普及していくとなると、そういうことができればいいなとは、担当レベルでは思っておりますが、また委員の先生方にもご意見を伺えればと思っております。
○加藤委員 学生用の活動歴などについては、行の追加や削除が可能なのですが、ここも削除できるのかと思っていたのですが。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ここは、いまは固定になっております。
○加藤委員 そうですか。私どもはこのまま作らせようかと思っていたのですが、それは卒業してからもこれを使えるように、そのまま渡していこうと思いましたので、むしろ卒業した時点で自分でひっくり返していくというよりは、このままのほうがいいのかなとも思っていたのです。それは仮に交換させるのであれば、それでも構わないですが、このままでも構わないだろうと思っていました。
○今野座長 どうですか。
○千葉委員 採用側としては、このままでも問題はないと思うのです。ただ、職務経歴の所に、例えば新卒だったら記入は不可とか、何か一語入れておいていただいたほうが。ここは新卒の場合は記入は要らないみたいな表現を一文入れておいていただけると。
○今野座長 新卒の場合でも、大学に入る前に働いたことがある人がいるかもしれない。
○千葉委員 だから、職務経験がなし。
○今野座長 せいぜい吹出しで。
○加藤委員 「社会人経験のある方のみ記入してください」になっています。
○千葉委員 何か入れておいていただければいいのかなと。
○今野座長 あるいは吹出しで、空欄でも気にしないで。
○松原委員 記入例をくっつけるという話で、そこにはもう書いてありますよね。だから。
○田中実習併用職業訓練推進室長 書いてあります。
○今野座長 吹出しに書いてありますね。
○松原委員 50頁に。
○田中実習併用職業訓練推進室長 企業の方としては、逆にしてもそれほど。
○千葉委員 パッと初めて見ると、やはりちょっと不快があるかもしれないですね。慣れてしまえば、こういうものだとわかってしまえば、別にいいのですけれどもね。
○今野座長 学生用であることを考えたら、ひっくり返したほうが素直ですよね。学生だけのことを考えれば。
○加藤委員 共通ですね。
○今野座長 でも、共通というのは何のための共通か。
○田中実習併用職業訓練推進室長 生涯にわたるキャリア形成支援ツールというのがあって、まさに学生時代に作っていただくというのがジョブ・カード作成の第一歩ということで、そこでこちらを作っていただいたものを、その後の社会人生活の中で追記していっていただくというコンセプトでやっております。
○木村(進)委員 転職のとき、学生のがずっと付いて回るのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 使いたい人は。
○木村(進)委員 というのは、そうすると片手間でコンサルティングとか、できないですよね。学生のときからうんと能力が上がっている人もいるわけです。だから、学生のところは学生で終わって、様式1のほうに移るわけですね。これはこれで個人が新卒時に使って、あとのときは出したい人は出せばいいですが、学生のとき大したことなくて、そこからぐっと伸びるというのがいっぱいいるものですから、へたをするとそういうのが付いていると、「やたらと遊んでたね」みたいなのが生涯付いていくのはよくないかなと。
○加藤委員 卒業後使えるのは、この履歴シートの○1、○2だけですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうですね。
○木村(進)委員 あとはいいのですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 あとは現行の職務経歴シートとかキャリアシートがありますので、そこは必要があれば保存していただくと。
○今野座長 でも、これは一生使うような様式にしようということですが、そんな贅沢なことを言っていられないでしょう。まず、とりあえず学生にいかに使ってもらうかということの優先順位が高い。そう考えると、やはりひっくり返したほうが素直かなとは私は思いますけれども。まずはお客さんを増やさないと。という意見がいろいろあったということで、結局皆さんどっちでもいい。これでもいいという意見もあるし、ひっくり返したほうがいいという意見もあるので、そういう意見があったということで、そちらで考えていただければと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい、ありがとうございます。関係省庁とか、推進協議会の委員の先生方とか、それぞれご意見があると思いますので、また調整して、最後は1つ解決策を見つけてまいりたいと思っています。
○今野座長 座長としては、ひっくり返したほうがいいと思っています。
○長沼委員 学生から質問があって、学生の場合訓練歴というのは、例えば1人、学生が戸塚ヨットスクールみたいな所に行っていたことがあるというのですが、そういうものはここに入るのでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 社会体験に入ると考えます。
○長沼委員 社会体験とか、ちょっと区別がつかないような学生がいたのですけれども。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ここで訓練歴と言っているのは、もともと私どものいろいろな公共職業訓練などをイメージしているのですけれども。
○今野座長 単に私は訓練だと思えば書けばいいのでしょう。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。ここはあまり公共職業訓練以外書いてはいけませんとまでは書いていないので、ご判断で書いていただいてもよろしいかと。
○長沼委員 学習というのは、一般的には学歴とはちょっと違って、何らかの民間の学校に行っていたみたいなことも。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そうですね。学習歴というところで拾えるかもしれません。
○白井委員 あと1つ細かいところなのですが、学校活動歴シート○1の真ん中の所です。「学校のキャリア教育で実施されているプログラム、インターンシップへの参加・取組状況」です。学生から何人かの相談があったのですが、プログラム名というのは学校ではあまり付いていないですから、「科目・プログラム名」のほうが。
○今野座長 そのほうがいいかもしれない。
○田中実習併用職業訓練推進室長 これはよろしければ。
○今野座長 それはそのほうがいいのではないですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 これは「科目・プログラム名」ということで、修正させていただきます。
○加藤委員 学校活動歴シート○1と○2ですが、○2の下には「高等学校入学以降の活動歴を記載することができます」と書いてあるのですが、○1にないものですから、編入学生のことを考えたときに、いまいる大学のことだけに限定したものととってしまうと、前の1、2年次にいた短期大学などが落ちてしまうので、どこかそういうサゼッションというか、何か一言あったほうがいいかなと思いました。活動歴シート○1の下に高校入学以降とやってしまうと、今度、高校のことも全部出てきてしまいますよね。なので、編入学生だけに限ってどうやって書いてあげたらいいのか、何か良いアドバイスがあればお願いします。
○今野座長 それこそ吹出し、記入例で。
○加藤委員 吹出しで、「編入学生の場合は以前の短大・専門学校も書くことができます」。
○今野座長 それでいいのではないですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。
○今野座長 ほかにいかがですか。
○千葉委員 中高一貫教育を推進しているではないですか。ここで、高校から上のほうがいいのでしょうか。中学でキャリア教育というのがかなり盛んになって、職業体験とか。
○今野座長 それこそキャリア教育をやっている方と企業の方が、どこまで必要かを決めていただければいいですよね。
○千葉委員 どうなのですかね。
○眞鍋委員 中学校を入れてしまうと、中学校はいまかなりの所で職場体験活動5日間などというのをノルマ化してきているので、それを例えばここに全員書いてきてしまうということになると思うのです。それが果たしてよいのかというと、ちょっと逆にわかりにくいような。しかも、学校側で手配できる範囲の中で行きますから、興味があるから行っているだけとも限らないですから。
○今野座長 採用するとき、中学校が必要ですか。
○千葉委員 必要ではないですね。ただ、何かキャリア教育というと、そうなのかなと思ってしまいました。逆にそうなると、高校も必要ないかなと思ってしまいますね。大学ですね。現時点を見ますからね。
○白井委員 短大生ですと、短大1年生が書きますから、高校時代を入れてあげないとネタがないです。
○千葉委員 ネタがないですね。そういうことですね。
○今野座長 ということは、落ち着いて高校か。
○加藤委員 いまのはキャリア教育ですよね。これは高等教育だけですよね。活動歴○2のほうが社会体験とアルバイト歴ですから、これは高校。
○今野座長 ここを見ている。学校活動歴シート○2で見てください。違うのを見ていますか。
○白井委員 別綴じの資料1です。
○浅野キャリア形成支援室長 高等学校以降とは書いてないですね。
○加藤委員 これは違うのでしたか。2種類あるみたいですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 失礼いたしました。現在の案としては、「高等学校入学以降の活動歴を記載することができます」というのが、学校活動歴シートの○2だけにかかっているかと考えていたのですが、いまのいろいろなご意見の中で、結論として学校活動歴シート○1のほうも、同様に「高等学校入学以降の活動歴を記載することができます」というのを入れたほうがいいかどうか。
○加藤委員 そうではなくて、活動経歴シートの○1の下に、高校以前にというのが入っていますか。
○今野座長 入っていないですよ。
○加藤委員 入っていないですよね。ですから、高校以前のが入るのは、活動経歴の○2ですから、キャリア教育は入ってこないです。アルバイト歴と社会体験活動ですから、キャリア教育については高等教育のみと。
○今野座長 そういうことですね。
○桑田大臣官房審議官 1点確認させていただきたいのは、これまではこの原案はそのような思想でできているのですが、いまのご議論を伺っていますと、例えば短大の1年生の方のことを考えると、高校時代のキャリア教育を受けているとすれば、それもキャリア教育として書いたほうが、むしろいいのではないかというご意見もあるのかという気もしたのです。もしそれであれば、この際、原案の考え方を変えて、学校活動歴シート○1も高校でのキャリア教育の経歴を書いてもいいという注を付けるという選択肢もあるかとも思ってきましたので、その辺りをご議論いただければと思います。
○今野座長 先ほどのご意見は、そんなことをやったら面倒くさいから、やめようという話です。違うのですか。
○眞鍋委員 高校も結構いまやっているので、そこから。学習活動に関しては、いまいる学校というか、最終学歴の高等教育以上のところというようにするほうがいいのではないかと思いますけれども。
○今野座長 つまり、学校活動歴シート○1は、高等学校入学以降は要らないと。要するに原案どおりということですね。
○眞鍋委員 そうです。
○今野座長 それはそれで済んだので、ほかにいかがですか。
○内閣府政策統括官(経済財政運営担当)付・諏訪園参事官(企画担当) 推進協議会を運営する立場でちょっと質問ですが、先ほど学校活動歴シートを先に持ってくるというアイディアが出ていましたが、学校活動歴シートの場合には、いきなり氏名と学校名しかなくて、写真とか住所、Eメールアドレスもない。この学校活動歴シートをですね。
○眞鍋委員 このシートそのものではなくて、履歴シート○1の学習歴と訓練歴の欄と職務経歴の欄を入れ替えるという話です。
○諏訪園参事官 それだけですか。
○今野座長 それだけです。
○諏訪園参事官 これを逆転するというだけですね。わかりました。
○松原委員 先生方にいろいろとお話を伺っていた中で、1つご意見として伺ったのと、事業主の方から伺っていることがあるのですが、先ほどジョブ・カードというのを知らない方もまだたくさんいらっしゃるという中で、これを企業に提出したときに、企業の方から「ジョブ・カードって何」と言われてしまう事態が起こると困るのです。そういった事態ができるだけ起こらないようにするために、例えばなのですが、各様式の下のほうに、例えば1頁の履歴シート○1で「Ver.2.0」と書いてあると思うのです。この辺りに、ジョブ・カード様式というのは厚生労働省が作成している様式だというのがわかるように、「厚生労働省作成」といったような文言を各頁の右下に小さい字で付けるという。
○眞鍋委員 普及のところでお話しようと思っていたのですが、企業の方もご存じないということであれば、おそらく学生がこれを持っていったとき、「これ何。あなたの学校で作ったの」とか聞かれる可能性があって、そのときにこういうものだということがわかるような説明書きなり、あるいはこの用紙に何かマークを入れておくのか、そういうことがあったほうが学生のためにはいいのかなという話をちょっとしましたので、また普及のところでもいいのですけれども。
○今野座長 でも、いまの提案は、この様式の右下の「Ver.2.0」の前に「厚生労働省作成」。
○眞鍋委員 例えばですね。
○今野座長 基本的にはそれは駄目だね。これ全体の内容まで厚生労働省が作ったみたいになってしまうから、そこは何か。
○眞鍋委員 作成様式と言ったらいいのですか。
○松原委員 マル厚とか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 これは学生用ジョブ・カードに限らなくてどうするかというのは、また議論が必要なので、今日ここで決めていただくというわけにいかないのですが、例えばそういうものについて。いまの厚生労働省作成については、もっと違う言い方でもいいのですが、とにかくこれが誰が作っているかわからない。
○今野座長 この様式がね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい、様式です。という考えについてはどうかというのはございますか。
○小林委員 私も総務にいたとき、いろいろな大学の履歴書を受け取っています。転職される方、ジョブ・カードの方も来るのです。「ああ、ジョブ・カードか」と言って見て、「これ随分細かく書いてあるね」とかいうのが、最初にジョブ・カードに出会ったときの感覚でした。ですから、別にこれは厚生労働省どうのこうのというのではなくて、流通するというか、使うようになれば慣れるのだと思います。大学で学生に指導をしていただいて、使っていただくようになれば、企業側は企業側で、そのまますんなり受け入れると思います。
○今野座長 どうですか。何か書いていないと怪しいと思われたりしますか。
○千葉委員 怪しいというよりは、これはある程度カスタマイズオーケーなのですよね。このままではないのです。例えば欄を増やしたりですね。そうすると、企業側に持ってくるときに、ダーッと項目が多いものを持ってきたり、このままではない可能性もありますよね。それが1つです。あとは私たちみたいな中小企業ですと、オリジナルのエントリーシートを持っている企業と、そうでない企業と分かれて、先ほどおっしゃっていたように、各大学の方がいろいろな履歴書を持ってこられるので、逆にこれが普及していただくと、それをエントリーシート代わりにも、例えばネット上に無料でバナー提供を厚生労働省のほうでしていただけるとか、そうしていただけると普及にもつながるかなというのが1つあります。厚生労働省と入れるかどうかというのは、どっちでもというのが正直な意見なのですが、いかがでしょうか。
○松村委員 履歴書の出所といいますか、これは我々も指定しない限りは確かにいろいろな履歴書が来ますので、いちいちどこが発行しているのかということを意識したことはないですし、求め得るのは必要な内容が書かれているかどうかという点ですので、特に厚労省がと保証されなくても、内容がしっかりしていればいいのかなと思います。
○白井委員 折衷案ではないですが、ややCMチックなことを言いますが、「厚生労働省はジョブ・カードの取組みを推進しています」と書くとか。
○今野座長 内閣府は何もやっていないみたいだね。
○諏訪園参事官 教えていただきたいのは、今回、学生さんたちにいろいろと書くことをお願いしたときに、「何でこれ書くんですか」と。つまり、学生たちは本当に何もオーソライズされていないような様式に見えるものを、進んで書いてもらえるかというのは非常に心配です。いまお聞きしていると、企業の方は別に何でもいいと。ただ、学生を預かっていらっしゃる先生方が、皆さん何か「厚労省」とか書いてあったほうがいいなという反応が見えているような感じで、学生たちが本当に書いてくれるのかなというのが先生方の一番の心配なのかともちょっと思っていまして。
○白井委員 それは、実施の手引で目的が明示されているわけですよね。
○諏訪園参事官 だから、先生方がこれを今回配られたときの反応はどんな感じだったのか、逆にお伺いしたいと思うのですけれども。進んで書いてくれそうな感じだったかどうかですね。「これを書いて、何か意味あるんですか」という反応とか、何かそういうのがあったのだとすると、先ほど松原先生がまさに、ほかの先生方は「こんなの、どう」という感じだったわけですよね。その辺の皆さんの忌憚のない感想をちょっと教えていただきたい。
○白井委員 それに関しては、先ほど冒頭でありました学生の声がまさにそのとおりで、やはり書くのが大変だったというところはありますが、趣旨に関しては皆さん納得して取り組んでいただいたのです。私も強制したわけではないですが、出さなかったとか、ほっぽらかした学生はいなかったです。
○長沼委員 私の所ではこれと同じようなシートを作っていて、どう違うのかみたいなことが、反応が最初あったのです。厚生労働省が推進しているものだと言った途端に、結構それが権威付けられたのかわからないですが、そういう感じは実際はありました。
○諏訪園参事官 やはり多少そういうオーソライズがあったほうが。
○長沼委員 それは明らかに違う感じです。
○松原委員 プラス厚生労働省もさることながら、やはり大学は文部科学省から一言ある。文部科学省が関与しているか否かが非常に気になるらしくて、これは、「文部科学省はどうしたんだ」という説明を私は求められたので。
○諏訪園参事官 教員の方はですね。
○松原委員 はい。あとはキャリア支援課においてもです。「文科省はどうなっているの」というように聞かれましたね。だから、やはりこれは文部科学省と厚生労働省とが一体となってやっていますというアピールはあったほうがいいのかなという気はします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 そういう意味では、今日お集まりいただいている関係省庁の名前を書いて、みんなでジョブ・カードの取組みを推進しています、みたいにするか、そういうのは。
○今野座長 でも、いずれにしてもこれの使い方の所に書くにしたって、どこに書くにしたって、こういうフォームですということをどこかで書かなければいけないわけですね。そうですよね。だから、その書き方の問題でしょう。この様式はどこかで入ってもいいと私は思うのです。あとは書き方の問題ですが、それは権威付けということもあるけれども、所在をはっきりするという意味で。
○木村(進)委員 これは誰がダウンロードしても、先生が勝手に書いてもいいわけですね。そうすると、企業のほうでも本当に信頼に足るものかどうかというものも1つあるから、先ほどオーソライズした、ジョブ・カードということ自体が厚生労働省の管轄なのですが、下に「厚労省書式」とか勝手に作っておいてもいいのかなと思います。
○今野座長 別にあってもいいと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 今日のご意見を踏まえて、また検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○今野座長 もう1つ報告書のことがあるので、報告書に移らせていただいていいですか。
○白井委員 細かいところで質問があります。履歴シート○2資格・免許についてなのですが、これは「実施機関名」ではなくて「認定機関名」ではないですか。
○今野座長 資格・免許。そうだよね。履歴書というのは、普通、何と書いてある。論理的には認定機関だよね。実施機関ではないね。これはだけど、標準パターンだから。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい、そうなのです。今日ご意見を承っておいて、また何か修正するタイミングといいますか、その辺りをどうしたら。
○白井委員 これだと、運転免許だと教習所の名前になってしまうわけです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。そうしましたら、こちらも全体のジョブ・カードにかかわることでもあるので、また今日のご意見が出たということで、どうするかは検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○白井委員 お願いします。
○今野座長 次の議題をお願いします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 それでは、資料2ですが、「実務者会議報告書(案)」についてご説明します。文書につきましては、15頁ぐらいありますので、主なところをざっとご説明します。
 3頁ですが、1「学生用ジョブ・カードの開発の背景と必要性」をまとめております。皆様ご承知のように、大学等の卒業者の就職環境は厳しい状況が続いておりますが、その背景の1つとしては、大企業を希望する学生と学生を積極的に採用したい中小企業とのミスマッチの存在が指摘されております。この辺りの学生側の背景としては、就職活動がご本人にとって初めての経験なので、適切なキャリア支援が必要ですが、それが不十分であると、自分の能力や適性等を理解していない状態で就職活動を行って、なかなか就職が決まらないという場合もあるかと考えられます。また、大学のキャリア教育の状況においては、こちらにありますように、平成23年4月に大学設置基準等が改正され、施行されて、各大学等においてキャリア教育関連の体制・環境整備が急がれている状況にあります。
 他方、企業側の背景としては、大半の中小企業ではエントリーシートを持たずに、履歴書を用いた採用活動を行っていて、中小企業の事業主の皆様にとっては、採用活動をより効果的に行うためには、大企業が用いるエントリーシートに当たるような、学生をより理解するのに役立つ資料の開発が求められています。
 こういった背景の中で、ジョブ・カード制度自体についても、これを職業能力を証明するツールとして、社会インフラとして定着させていくという方針の下で、今年の4月に改訂された「新全国推進基本計画」の中で従来に加えて広く求職者、在職者、学生等を対象として普及を図っていくことが明記されております。
 4頁ですが、こういった状況の中で、中小企業の事業主が学生の選考にあたって学生を理解する参考になる資料、かつ学生のキャリア形成支援にも役立つツールとして、学生用ジョブ・カードを検討することになったということです。
 必要性については、これまでのご議論などでもいただいておりますが、学生用ジョブ・カードの特徴としては、これを自分だけで書くのは大変難しいことが想定されますが、登録キャリア・コンサルタントがキャリア・コンサルティングを行うことによって内容をまとめていくのが特徴になっております。これにより、ご本人の潜在的な職業能力や強みなどを十分ご理解いただいた上での就職活動がスタートできる、また、企業へのアピールも効果的にできるといったことが必要性として考えられております。
 結論として、学生用ジョブ・カードは、適切なキャリア・コンサルティングの実施を合わせることにより、直接的、あるいは間接的に就職活動を支援するためのツールとなるとともに、大学等の意向によってはキャリア教育の場でも活用が可能なツールと位置づけることができるといった整理をしております。いま申し上げたような背景と必要性を踏まえて、4月に策定された新計画の中でも学生用ジョブ・カードの開発が記載されております。それを踏まえて、今年度実務者会議を開催することになったということで、その後の経緯を書いております。
 2「学生用ジョブ・カードの内容」として、トライアル実施時までに作った、学生用ジョブ・カード様式の原案を作ったときの考え方を書いております。特徴は3点ありますが、第1には、学生は通常、職務経歴を持たないということで、その代わりに当時は「履歴シート」と言っていましたが、「学校活動歴シート」を作って、学生が学生生活の中で経験するさまざまな活動の記載欄を設けることとしました。第2として、就職活動を行う中では、自分の強みを知って企業にアピールしていくことが求められるので、パーソナリティシートとして、当時6項目の記載欄を設けて、さまざまな側面からパーソナリティについて考えることができるようにしました。第3に、キャリアシートとして、学生が明確な職業意識を持って円滑に就職活動が開始できるように、本人のキャリアビジョン、アピールポイントをまとめる欄を設けて、そこに教員あるいは登録キャリア・コンサルタントによるコメントの記入欄を設けて、それぞれの立場で学生に対するコメントを記載していただくこととしております。
 また、先ほどからも出ておりますが、生涯を通じたキャリア形成支援ツールという性質がありますので、学生用ジョブ・カードから現行のジョブ・カードへの円滑な引継を意識して、現行のジョブ・カードのうちの履歴書と同等の役割を有する「ジョブ・カード様式1」については、原則として学生用ジョブ・カードと一体的に活用することとしました。その後、先ほどご紹介したトライアルを踏まえてジョブ・カード様式を修正したのは、先ほどご議論いただいたとおりです。
 7頁の3「学生用ジョブ・カードの作成時期と交付に係る考え方」です。学生用ジョブ・カード作成時期については、こちらでいろいろ例示をしておりますが、4年制大学であったり、短大であったり、専門学校であったり、またそれぞれキャリア・コンサルティングの実施環境が違いますので、それぞれの大学の学生のニーズに応じて柔軟に作成時期を考えていただけるようにということにしております。ただ、学生の皆さんへのアンケートを取った中で、先ほどもご紹介しましたが、1度限りではなくて、学生生活の節目ごとに学生用ジョブ・カードの内容を更新することを希望する意見も複数あり、これまでの実務者会議の中でも、在学中の適切な時期にジョブ・カードの作成のフォローをすることの重要性ということで、共通する発言がなされたこともあって、そういった学生のフォローアップ体制の充実が求められていることについても記載しております。
 次に、学生用ジョブ・カードの交付についてです。これも先ほどご議論がありましたが、原則としては教員以外の方が学生用ジョブ・カードを交付する場合は、ジョブ・カード講習修了者等の登録キャリア・コンサルタントであることを必須とすると整理しております。一方、教員が学生用ジョブ・カードを交付する場合には、授業などでキャリア・コンサルタントと比べてより継続的に学生と接していて、キャリア・コンサルタントとは異なる視点からのアドバイスをいただけるのではないかということで、必ずしもジョブ・カード講習を受けなくても、学生用ジョブ・カードを交付していただけると整理しております。
 また、4「学生用ジョブ・カードを作成・交付するメリット」です。冒頭の必要性とも若干重複するところがありますが、改めて3点にまとめております。1点目はキャリア・ビジョンの明確化ということです。いわゆる「棚卸し」、学生時代に取り組んだことなどをきちんとした形で整理することができて、それを材料として自分のキャリア・ビジョンを明確にすることによって、目的意識がはっきりした就職活動を行うことができるということです。学生に対するアンケート結果においても、「働くことの意味を考えるきっかけとなり、就職活動に対するモチベーションの向上につながった」「自分の現状とこれからすべきことを明確にできて役に立った」等の意見をいただいております。
 2番目のメリットとしては、自分の強み、企業へのアピールポイントの明確化ということです。就職活動を進めるにあたっては、企業の採用意欲を促進するような自己PRが求められることになると思いますが、就職活動において履歴書やエントリーシートを作成する前段階で学生用ジョブ・カードを作成することによって、自分の強みやアピールポイントを明確にして、のちのちエントリーシートを作成したり、採用面接において効果的な自己PRを考える際の基本資料となるといったメリットがあるかと考えております。アンケート結果においても、「この内容についてまとめていれば、エントリーシートを記入する際に困らない」「自分のアピールポイントが今回わかってよかった」等の意見をいただいております。
 3点目ですが、中小企業に提出する自己PRシートとしての活用ということです。これも先ほどご紹介したように、中小企業においてはエントリーシートを用いずに履歴書を用いて採用を行っている企業がありますが、今回の学生用ジョブ・カードについて、これを選考時に履歴書の代わりに、あるいは履歴書に加えて提出することにより、面接での自己PRを補強していただくことができるということがメリットとして考えられます。アンケート結果においても、中小企業から「履歴書よりも内容が具体的で充実しており、企業にとっても把握しやすく、学生にとってもPRできる」等のご意見をいただいております。このほか、いまも申し上げましたが、5「学生用ジョブ・カードを採用選考時に活用するメリット」についても、企業におけるメリットにおいても、いままで申し上げたことがあるかと思いますのでここに書き込んでおります。
 6「学生用ジョブ・カードの記載・活用方法」ですが、若干留意事項のようなものを書いております。1番目は、教員または登録キャリア・コンサルタントの関与ということで、この様式だけが一人歩きをしないように、これはキャリア・コンサルティングを通じて作っていただくものだということを改めて書いております。また、若干技術的なことになりますが、先ほどご紹介したように、一部学生用ジョブ・カードの記入欄については加除修正ができることにしております。学生用ジョブ・カードのデータの取扱いですが、これから作成していただく際には、厚生労働省のホームページ等から様式をダウンロードしていただいて、まずはパソコンまたは手書きで作成していただくことになると思いますが、その後キャリア・コンサルティングや教員との面談を受ける際には、紙のほかにメールや外部記憶媒体等、やり取りの方法については問わないこととしました。しかし、情報漏洩やコメントの改ざんなどがなされないような措置を併せて取ることが必要であるとまとめております。
 (4)記載項目のカスタマイズです。これまでいくつかの大学にお話を伺っていることで、先ほど早稲田大学のところでもお話がありましたが、既存の就職支援ツールがすでにある大学もあるかと思います。そういった大学においても、その様式に今回の学生用ジョブ・カードの様式を取り入れていただく場合があるかと思いますが、それについても一定の要件の下で学生用ジョブ・カードとみなすこととしたいと思っております。この場合には、ジョブ・カード様式のパーソナリティ/キャリアシートというのが特徴的なものですので、これを必ず活用していただくこととし、学校活動歴シートについては大学等の既存の様式で、類似の項目がある場合にはその項目で足りるということにしました。ただ、学生用ジョブ・カードにある「学んだこと、果たした役割」の欄に該当するような、それぞれの項目について振り返って記載する欄を、既存の様式にも設けていただくようにお願いしたいと思っております。
 また、履歴シートについては原則は一体的活用ということですが、例えば企業がどうしても履歴書を求めるケースや学生がすでに履歴書を用意している場合など、履歴シートを使うことが絶対としますと、学生用ジョブ・カードの活用機会を奪うことにもつながると思い、これについては個々のケースに応じて活用を任意とすると整理しております。ただ、今後どのような様式がカスタマイズ型ということで出てくるかについては、私どももフォローしていく必要があると考えており、随時カスタマイズ型を実施される大学や、キャリア・コンサルタントや教員からは情報提供をいただくことにし、そういったカスタマイズ型の実施状況の把握に努めていくことを考えております。
 活用場面と留意点です。先ほどご紹介した中小企業に対するアンケート結果によっても、ジョブ・カードを提出することについては肯定的な意見も見られており、私どもとしては、今後学生用ジョブ・カードが活用次第で学生と企業のマッチングに役に立つツールになることを期待しておりますので、学生の皆さんには記載内容が自己PRに有効であると判断される場合には、積極的に就職面接等の場面で活用を図っていただくように周知をしていきたいと思っております。ただ、ただし書として、これは学生用ジョブ・カードを交付された学生が必ず就職活動時にジョブ・カードを応募企業に提出することを強制するものではないので、そこは学生の判断に委ねられるものであるという旨を記載しております。
 7「学生用ジョブ・カードの普及促進」ということで、大学・専門学校・企業等への普及促進方針を書いております。私どもも、これまでいろいろな大学の方からお話を伺い、学生の規模やキャリア・センターの相談体制等、大学等が置かれている状況は千差万別ですので、統一的な対応を大学に求めるのは現実的ではないと考えております。こちらにもいろいろと例示を書いておりますが、大学が置かれている状況の多様性を考慮して、学生用ジョブ・カードの普及促進にあたっては、いくつか具体的な活用事例を紹介するなど、大学の皆様がそれぞれの状況に応じて、可能な範囲で学生用ジョブ・カードを導入・活用できるように普及を進めていきたいと思っております。
 専門学校においても、大半の専門学校では就職支援体制が充実して、独自の就職支援ツールを備えていると聞いておりますので、普及方針については大学に準じて、専門学校の教育の多様性を踏まえて柔軟に普及を図っていくことにしたいと思います。また、平成23年度から文部科学省が実施している「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進」事業において、ジョブ・カード制度との連携を図っていくこととしております。
 企業への普及方針ということで、先ほどから出ておりますが、現在大企業志向が根強い学生と中小企業とのミスマッチが、学生の就職率低迷の一因となっている現状があることなどに鑑み、すべての企業に普及していくわけですが、重点的には中小企業に対して周知を図っていこうと考えております。
 14頁です。キャリア・コンサルタントの配置の推進ということで、今後推進していくにあたっては、学生用ジョブ・カードを交付できるだけの登録キャリア・コンサルタントが各大学等に配置されることが望ましいということがあります。したがって、文部科学省とも連携し、大学等に対してジョブ・カード講習についての周知を行うとともに、大学のキャリア・コンサルタント、教員等に対するジョブ・カード講習の受講機会を増加させることにより、登録キャリア・コンサルタントの大学等への配置を推進していきたいと考えております。
 最後に、具体的な普及内容です。大学向け・企業向けリーフレットの配布などによって、一般的な周知はもちろん、それと並行して関心のある大学、専門学校、企業に対しては個別の働きかけを行っていきたいと考えております。こちらにいくつか例を示しておりますが、早い段階で大学や専門学校にはアンケートを実施し、関心がある旨の回答をいただいた大学等に対しては集団説明会や、場合によっては個別訪問をしても、ジョブ・カードの活用を働きかけていきたいと思います。そういった集団説明会の機会には、実務者会議の委員の皆様にも推進アドバイザーとして今後参加・協力を依頼させていただければと思っております。また、大学や専門学校等において学生用ジョブ・カードのモデル的取組を推進していきたいと思っており、この辺りの成果は好事例にまとめて周知に活用していきたいと思っております。
 そのほか、現在進めているジョブ・カード普及サポーター企業の開拓事業の一環として、企業向けにも学生用ジョブ・カードを選考で利用する企業を開拓していきたいと思います。また、新卒応援ハローワークによるジョブサポーターへもジョブ・カード講習の機会を確保し、必要な支援体制を整えた上で、可能な範囲で学生用ジョブ・カードを活用してもらうようにしていきたいと思っております。以上で、報告書(案)についてご説明いたしました。
○今野座長 それでは、ご意見をお願いします。
○小林委員 この学生用ジョブ・カードは、3頁に書いてある2020年までに300万人を目標とするジョブ・カードとは別の扱いになるのですか。それとも、これを含む形になるのですか。
 何を言っているのかというと、到底300万人はかなり難しいだろうという目標を国が定めているわけですが、目標値というよりは、ジョブ・カードを普及するということで、学生用ジョブ・カードが1つの良いツールだと中にも書いてあるわけです。そうすると、それを使われてどのぐらい普及したかは任意性に任せている部分が内容的にかなりあります。一部だけ使ってもOKだとか。そういうことになると、その活用の成果を把握する方法も、300万人の目標値があって、1つはキャリア・コンサルタントが従来のジョブ・カードの発行枚数はどのぐらい出したかをカウントしています。学生用ジョブ・カードはカウントする方法を義務づけていないわけです。どのぐらい普及したのかがわからなくなってしまう部分もあり、何かカウントする仕組みみたいなものもある程度取り入れて、普及の成果を見ていくことも必要なのかなと思ったので、その辺の考え方を教えていただければと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 学生用ジョブ・カードで実績をどのように把握していくかですが、一番いいのは大学、専門学校ごとにご報告をいただく仕組みが可能であれば、一番確実かと思うのですが、そこはなかなか難しいところがあります。現在考えているのは、それぞれ学生用ジョブ・カードを交付されるキャリア・コンサルタント、あるいは教員の個人ベースで、私どもにインターネット等でジョブ・カードの交付についてカウントしていけるようなものを作って、キャリア・コンサルタントや教員の個人ベースでジョブ・カードの交付枚数をご報告というか、その都度インターネットでアクセスしていただいて、カウントできるような仕組みを設けたいと思っております。カウントできたものについては、300万人の目標の内数としてカウントしていきたいと思っております。
○加藤委員 文科省から、いつも就職率や就職した学生数や留学というか、インターンシップ生とか、調査が来るのです。補助金絡みだったか通常のだったか、記憶が曖昧なのですが、それに載せるというのが1つの方法かなと思います。大学宛に毎年調査が来ますね。どなたかご存じの方がいらっしゃれば。
○眞鍋委員 学校基本調査と、インターンシップ等何とか実施調査というのが別にありますね。
○文部科学省高等教育局学生・留学生課黒部厚生係長 専門の教育家から発出している。
○加藤委員 それかもしれません。通常のあるものに何か1つ載せられれば、それで大学の数はある程度は取れるかもしれません。
○今野座長 いずれにしても、何か考えてということですかね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 あと、先ほどの内数にするか外数にするかというのは、もう少し議論が必要かもしれませんので、そこはまた詰めていきたいと思います。
○長沼委員 逆はどうでしょうか。どのレベルで達成したかはわからないのですが、企業側からそれを使って採用した場合に、企業に報告をしてもらうというのは。
○今野座長 そちらのほうが難しいですね。
○千葉委員 難しいですね。
○今野座長 いずれにしても、小林さんのご意見は何か考えろということでしょう。
○小林委員 そうですね。
○今野座長 内数に入れるのなら考えなさいと。
○小林委員 1つは目標値の見直しをすること。300万という数がどうなのかというのは見直しが必要になります。せめてジョブ・カードの普及ということでいくのであれば、折角学生用ジョブ・カードを作ったわけですから、それを加算する仕組みを考えるのであれば、加算したほうが目標値の達成は早くなるでしょうし、そうなれば数の把握が当然必要になるので、把握方法をどうするか。それは先ほど言ったように、文科省のほうが集めやすいのかもしれないですね。就職率なども文科省、厚労省の両省でやっていますが、そういうものも含めて。ご検討いただければと思います。
○今野座長 300万人計画がどうだこうだというのはここの話ではないので、横に置いておくとして、学生用ジョブ・カードを作ったわけだから、Plan Do SeeのSeeはしなければいけないわけだから、そのための仕組みはちゃんと考えるということは、何か1文入っていてもいいかもしれません。検討事項として、いずれにしても問題になる点ですね。そのあとの数字をどう扱うかは、またどこかで考えるということで、我々は、学生用ジョブ・カードがどういう形で普及しつつあるのかとか、どう使われているのかを把握しておく必要がありますね、ということだと思います。
○眞鍋委員 カスタマイズがかなり可能というところが引っかかる部分ではあって、そのほうが確かに普及するという面と、一方で結局どこが必要なのかという話になってきて、結果的に最後の1枚、ジョブ・カードとしては教員かキャリア・コンサルタントが書いた部分さえあれば良いという話にも、カスタマイズの部分を重ねていくと、結果的にこの1枚なのかというところもあるのですが、そういう理解になって大丈夫なのだろうかというのが心配ではあるのです。エントリーシートなどは、学生たちを見れば、フォーマットを持ちながらですが、各社に対して1回1回コピーしてでも書いているわけです。それを考えれば、最終的に交付するときにはこの形に乗せて交付するのだということも、むしろありなのではないかと思うのです。
 特に前半などは、私は授業で1、2年生向けに実施をしたものですから、最終的にここに教員のコメントを書いたのですが、所詮1、2年の子に向けて書いた内容でしかないわけです。実際、これをそのまま2年後に就職活動に持っていかれていいかというと、内容も含めて全然よくはないわけです。結果的に、交付というのは学生にとって必要なエントリーシートに当たるような瞬間に初めて交付が必要なのであって、それまでのツールとして使っているときには、さまざまな学校の中での、バラバラとした書式であってもかまわない。これを使ってそのままやってもかまわない。ただ、最後のところで、交付のときにはこの形なのだというのがすっきりするというか、以前にもキャリア教育のツールなのか就職支援ツールなのかという話で、就職支援ツールとして使うのであれば、むしろこの形に乗せてくれと言うほうがはっきりしているし、先ほど言ったようにこれは出したと言えるのか言えないのかみたいな話も、何百万人に達するまでに出てきますね。そのときに、これをやったら出したと言えるということがわからなくなっていくところがあるのかなと思います。たぶん、作成と交付のところの問題だと思うのですが、個人的にはそのように思います。
○千葉委員 企業側としても、興味や関心をたくさんパッと書かれるよりは、皆さんをある程度同じ土俵に乗せるわけなので、この枠の中でどう簡潔にPRできているかがすごく重要だと思うのです。ただ羅列されているだけではなく、いまおっしゃったように最終的にはこの形で採用時は持っていってくださいという一言があってもいいのかなと思います。
○今野座長 いいですね。
○松原委員 見るときに比較しやすそうですね。いろいろな学生さんが使われるときの比較においても、ある程度同じフォーマットのほうが。
○千葉委員 比較においても、同じ土俵に乗せられるから。
○今野座長 事務局としては、大学が多様だから、大学が使いやすいようにカスタマイズしたほうがいいのではないかと気を使ってくれていると思うのですが、考えてみたら、そんなに気を使わなくてもいいと思うのです。
○諏訪園参事官 この話は内閣府のほうでも、いま全国私立大学就職指導研究会というものがあって、これは就職指導センターの部長クラスが集まっている会議で、そこで話をすると、カスタマイズしてくれなかったら、そもそもこれは使うのですかねと、各大学でそれぞれ独自のものを持っていて、それをキャリア・センターで一生懸命やっているのに、なんでこれを使わなくてはいけないのですか、という非常に厳しい反応があるのです。各大学のキャリア・センターでは、こんなものは全然受け付けませんよというのが最初の反応で、カスタマイズすることになったときに、それだったら最初の2枚目だけでも、これは統一化に資するのでいいのかなということで、少し考えましょうということもあって、非常に堅いので、是非先生方もキャリア・センターの方々とお話をしていただけるとありがたいと思います。逆に、各大学のキャリア・センターの方々にご理解いただけるのであれば、それは我々としては大歓迎で、カスタマイズはないほうがいいのですが、是非。ただ、現状は各キャリア・センターの全国組織の非常に強い意見としてはあります。
○眞鍋委員 むしろ、ちゃんと就職支援ツールとして有効であるということは、こちら側の内実というよりも、採用側がちゃんとこれを受け取って、これで見てくれるかどうかにかかっていて、たぶんそこが保証されてしまえば、むしろキャリア・センターも「じゃあ」と乗っていくのだろうと思います。
○千葉委員 「棚卸し」のためにというだけだと意味がないわけですね。採用でワンクールのエンドになるわけなので、そうなると、例えばこのジョブ・カードにいろいろ棚卸しで書いておいて、履歴書に転記しますといったら意味がないわけです。だから、カスタマイズは恐いというのはあるのです。全体の様式がずれることも可能性としては出てきますから、これはどうかなと。どのぐらいのカスタマイズまでOKなのか、そこですね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 その辺りは私どももフォローの必要があると思って、少なくとも当面の間はどういうものが出てくるかがわからないのではまずいと思い、報告書にも情報提供いただくということで、それで様子を見ながら、変える必要がある場合には変えていくということもあって、ただ、最初に自分の所ではもうツールがあるから使わないといった例を、今あるものもあるけれど、少し学生用ジョブ・カードも取り入れられるかなといったご検討をしていただけるケースが少しでもあればと思って、柔軟に考えました。
○眞鍋委員 自分の所にはツールがあるというときには、そのツール自体が、こちら側から見たときジョブ・カードとして通用するツールなのですか。たぶん、ジョブ・カードの一番の肝は、先ほどから申し上げているように、最後のキャリア・コンサルタントなり教員なりが記入して、署名するところまでがあって初めてジョブ・カードと言うのですが、そこでうちにはツールがありますというときに、一般的にはそこまで含んでいるのですかね。そこがよくわからないのですが。
○白井委員 これは初回の会議でも少しお話したのですが、最近ポートフォリオが随分流行っていますね。eポートフォリオだと、学生が書いたのをキャリア・センターや教員が入力しているので、ほぼ同じものの電子化が一足先に。
○眞鍋委員 就業力支援のほうで進んでいるものですね。
○長沼委員 もしくは、このジョブ・カードの肝は教員やキャリア・コンサルタントの記入だとすれば、そこを必ず付けることにして、あとはカスタマイズするみたいな感じではどうなのでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 事務局案ではそのような形で、かつ学校活動歴についてはそれなりに項目があるかとか、1つひとつの項目について振返りの欄が設けられているかは書いてあるので、どんなものでも大体可能というところまではしていないのですが。
○長沼委員 パーソナリティとか、この辺はほぼ同じなのですが、教員などの評価欄が付いていないのです。自己分析に使うシートもこれとほぼ同じ、唯一そこが付いていないので、そこだけは付けるというところを、カスタマイズするのだったらそこだけ守るとか、どの程度までやるかというのが、カスタマイズする場合はそこが問題なのでしょうね。
○今野座長 そうすると、まとめられる範囲は、原則としてはもう少し緩くてもいいのですが、このままでやってほしいとなる。でも、いろいろな事情を考えると、最低限はサインの部分は残しなさいと。さらに、ここは必修コースです、ここは選択コースですと明確に決めて、カスタマイズは許しますというぐらいにしかならないのです。何が必修で何が選択かというのは、これもやるとすごく時間がかかって、たぶん我々の研究会では無理なので、そういう方向でその問題には対応します、ということを報告書に書いておく以外にないのではないですか。もし、ここまでが必修コースでここまでが選択コースということまでここで決めたいのであれば、もう1回ぐらい研究会を開かないと無理なので、そういう原則だけを報告書には書いておくと。
○松原委員 企業が使い勝手が良いか悪いかが最終的な判断で、学校側のフォーマットがどうこうというのはあまり問題ではないように思うので、その見直しのプロセス、いま今野先生がおっしゃった部分を書きつつ、将来的には企業の意見も入れながら、フォーマットとして確定していくように進めていくと。学校側に配慮しすぎるのはいかがなものかという気がしますので、普及させたいのだったら、あまり大学側がどうというより、企業が使ってくれるか否かのほうがよほど重要だと思うのです。
○千葉委員 中小企業としても、エントリーシートにも代わるものだと思うのです。ですから、先ほどお話したように、バナーを提供していただいて、各自のサイトに貼り付けられて、気軽にダウンロードしてエントリーシートみたいな形で出していただくぐらいの余裕を持つと、普及につながっていくのではないかと。
○白井委員 いまの質問ですと、各大学で内容がわりと統一のフォーマットがいいか。
○千葉委員 そうです。もしもカスタマイズが進んでしまうと、いまの現状と企業側は変わらないと思うのです。いま、いろいろな履歴書が来ているので。ジョブ・カードというのは、パッと見たらジョブ・カードだなとわかる状態。でも、先ほど言ったように、これが完成なら完成という形のほうがいいのではないかと。
○今野座長 ですから、これでいってほしいというのが原則だと思うのです。そうでないと、何のために我々がここに集まったのかということになるので。ただし、事情があるので、カスタマイズは可にしますと。でも、ここは必修です、選択ですと。さらに、将来的には企業のニーズも入れて、より良くしておいてくださいという進め方を決めて報告書に書くと。
○松村委員 フォーマットについては、1つは応募者の数ということが実際にあって、一定の数千とかというご応募をいただくようなケースでそれぞれが違うフォーマットですと、実際に選考とか現実性を考えると難しいということで、指定をして、かつ一定の期間内で選考を行うようなケースですと、こういったポイントで評価をしていきましょうということは、企業の中ではある程度準備をしているのだと思いますが、それがある人は情報として抜けているということになると、運用上は現実性が乏しくなってくるのです。今回作っているものの情報量は、いま企業が作っているエントリーシートと比べると、相当多いと思うのです。必要な情報の大半はここにあると思うので、実際フォーマットは統一されていたほうが、受ける側としてはもちろんベターだと思うのです。大学の個別の事情で、カスタマイズしたい理由が我々にとってどういうことなのかがわからない部分もあるのですが、これに付加したい情報がまだあるということなのか。
○今野委員 たぶん、様式なのでしょう。様式だけの問題だと思うのです。
○諏訪園参事官 聞いている話では、こちらにお集まりいただく大学ではないのかもしれませんが、ここに書いてあるのはおっしゃるように詳しすぎるわけです。エントリーシートはもっと簡単なわけです。かつ、また学生によってはこんなにいっぱい書けない子がたくさんいるわけです。それで、これをマストにされてしまっては困ると、うちはもっと簡素な形で企業にアピールできるような様式を作っているのにと。
○今野座長 それを許すと、ジョブ・カードではなくなるのです。それは許さない。
○諏訪園参事官 最低限は最初の1、2枚と、最後の教員の書く欄。まさに学校活動歴シートなどは、各大学が作っているものに代えさせてくれないと、全然アピールできませんというのが、全国のキャリア・センターの部長クラスは。
○今野座長 そうなると、たぶん基本的にそういう要望は無視ですね。原則は明確に書いておいて、事情があった場合というのは、どういう事情かは明確に書かないで、この程度だったら許すぐらいで、先ほど私が言ったようなまとめの程度にしておく以外ないと思うのです。でも、原則は書いておいたほうがいいと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 カスタマイズのほうは例外的というのと、状況を見て企業のご意見なども踏まえて、将来的には見直す可能性も踏まえた上で。
○今野座長 それはバージョンアップしていくということですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ただ、カスタマイズして使いたいという大学もあると思いますので、そこは情報提供をいただきつつ使う。
○今野座長 でも、この報告書では、先ほど言ったようにここが必修で、ここぐらいは変えられますよという仕分けをして、カスタマイズは許しましょうというぐらいの一般ルールを書いておくということだと思うのです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 現行では、先ほどご紹介もありましたが、パーソナリティ/キャリアシートについては必ず活用していただくというのが1つのルールで、もう1つ学校活動歴シートについては。
○今野座長 それは書かなければ駄目ですか。そういうことを言い出すと、必修コースはこれですと言うのはいいかどうか、またここで議論しなければいけなくなってしまう。この報告書では一般原則しか書かないというのは駄目ですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 もう少し、あまり具体的に書き込まないで。
○今野座長 そこから具体的に書くと、ここで合意しなければいけなくなってしまうから、そこはこの研究会の範囲の外にしておいて、先ほど言った一般原則だけ書いておくというのでは駄目ですかね。
○諏訪園参事官 カスタマイズできるところまでは書くわけですね。
○今野座長 書きます。そのときに、当然制約はかけますよという話です。
○田中実習併用職業訓練推進室長 どういう制約かというところはここには書かないで、また運用で。
○加藤委員 それを書くなら、もう1回会議をしないと時間的に難しいと。
○今野座長 そうです。だから書かない。もう1回やりますか。来年度もやるなら別ですが。
○田中実習併用職業訓練推進室長 残念ながら、今年度限りですので。
○今野座長 それなら、そのぐらいにしておいたほうがいいと思います。ただ、気持としては皆さんそうですが、やはり基本はこれですと。それは原則として書いて。
○松原委員 そうすると、メリットにも追記できると思うのですが、ある程度フォーマットが決まると、企業側にとっては採用がすごく効率的になるはずなのです。何を見るべきかというところと比較するところが明確になってくるので、企業側のメリットとしても非常に膨大な履歴書でこの項目はどこにあるのかと見るよりも、パッパッと見られるというところでは非常に効率化が図れる。これが定着すれば、そこも企業のメリットになってくるのではないかと。
○諏訪園参事官 中小企業は高々数十枚ぐらいしかないので、そんなに効率性は求めていないのだと思います。そもそも、これがどれだけ普及するかということもありますし、むしろキャリア・センターにこれを使ってもらわなければ。
○今野座長 どれだけ普及するかということは言ってはいけません。いっぱい普及するはずだとおっしゃらないと。
○諏訪園参事官 キャリア・センターに使ってもらってなんぼみたいなところがありますね。ここにお集まりの先生方には、もちろん使っていただくことをお願いしたいと思いますが。
○今野座長 だけど、先ほど言ったように、あまりカスタマイズを認めると、どこまでジョブ・カードかということが非常に不明確になってくるので、そうしたら何のためにここに集まったのかという話にもなります。だから、先ほどのような形でいいですね。
○経済産業省経済産業政策局産業人材政策室廣瀬係長 今回、大学側にはかなり詳細な項目について、これは良いのか悪いのかを学生にヒアリングはされているのですが、中小企業にはカスタマイズするという話も伝わっていないし、そもそもこの項目が要る、要らないというのも、基本的にはテキストベースで意見をいただいていると思います。他方で、学生用ジョブ・カードを普及促進させていくためには、結局マッチングにつながるという実感値がないと、学生も使わないようになってしまう。そこは悪循環に陥ってしまうかと思いますので、将来的には企業の声を聞いてというご意見が多かったとは思いますが、たぶんなるべく早く企業の意見を、マッチングまでつながる実証がまさにこれから授業を始められる中でできていくわけなので、やっていただけると我々としてもありがたいと思います。中小企業へのアンケートが少し厳しいというのであれば、我々としてもできる限りのことは協力していきたいと思っておりますので、そこは是非一緒にやらせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○今野座長 そこはOKです。ということで、先ほど私がまとめた形にしましょう。よろしいですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 はい。また修正してご相談させていただきます。
○今野座長 ほかにご意見はありますか。
○木村(進)委員 いまのジョブ・カードの普及について、全くの私見なのですが、危惧していることが2点あります。1つは、授業も文科省が入ってこないと見えないのですが、これからキャリア教育をどう展開していくか。先ほど来皆さんが言われているように、授業の規模も違えば範囲も違うということで、私どもは大体年間1,000名ぐらい受けていますから、そのときにそれを広げて、学生がそれに食い付いたとしても、コンサルティング能力があるのかどうかという問題とか、そうではなくて、うちは少数精鋭でやっているというときに、ではキャリア教育を受けていない人たちはジョブ・カードはどうするのかという問題です。そのような問題が学内でかなり出てくるのだろうと思うのです。それはたくさんの人がキャリア教育を受けたほうがいいのだということであれば、それなりのコンサルティングのキャパを広げないと、逆に学生から不満がいっぱい出てきます。
 もう1つは、これは私の偏見かもしれませんが、いま中小企業向けにこれを出しているということで、中小企業の先生たちは「いいよ」と言ってくださっているのですが、「中小」という言い方がいいのかなという問題があります。普及段階でこの言い方はやめたほうがいいという気がします。どう言えばいいのかはこれからなのでしょうけれど、特に新卒は、自分の力はどうあれ、1回大企業向けになります。企業側は気軽に中小と、「うちは中小ですから」という使い方をするのですが、学生側としては本当はなるべくそこに入りたくないというところがあって、これは中小のものだろうということで、学生は抵抗があるというか、いまでも大企業に入れなかったから中小に誘導しようということがあるのです。私は「中小」という言葉は使わないで「中堅」と、「中堅」と「中小」は違うのですが、中堅という言葉を使っているのですが。
 また、学校の中にも、今回トライアルされた所は皆さんキャリア教育が充実していて、首都圏で、どちらかというと大企業に強い所なのです。ですから、その辺が実質中小に人を送り込んでいる所とのマッチングがうまくいく名前を何か考えていく。こういう報告なり政策なりでは完全にそこ向けでいいのですが、普及のところではもう少し慎重な言葉遣いをしたほうがいいのかなという感じがします。
○白井委員 その点に関連して、私も学生に「お前は中小企業だよ」というレッテル貼りみたいに、変な誤解をされても困ると思います。ただ、それは問題設定というか、3頁の書き方の話のようにも思うのです。いまの問題は、特に3行目の「大企業を希望する学生と学生を積極的に採用したい中小企業とのミスマッチ」というのが、一段とそういう印象を与えてしまっているように思いますので、ここをもう少しだけ書き替えて、その下のパラグラフで大学の支援が不十分で、学生も自己理解が不十分だと言っていますから、ここの文末に、その結果安易にネームバリューのある、あるいは認知度の高い企業へ応募が偏りがちだみたいな感じにされて、大企業を志望する学生と中小企業の問題ではなく、学生側の問題に自分に対する理解が十分に行われていない現状があるという問題と、一方で中小企業でもう少し効果的な採用ツールがあると、よりよい採用につながるというように、問題を分けて書くといいわけですね。
○廣瀬係長 経産省は中小企業庁を持っているということがあって、「中小企業」という言葉を使う際に、多少その配慮をする場合によく言う言い方としては、新卒採用をやるような中小企業は比較的体力があって、これから成長していく企業であることが類推されるので、中小企業の中でも新卒採用を行っているような企業は「成長企業」というような言い方をすることで、中小企業あるいは学生の目線も少しは変わるのかなということで、我々としてはよくそのような言い方をしております。
○今野座長 ただ、これはいろいろなところに出ていくのですが、全体としては企業規模にかかわらず重要なのですと、こういう機能を持っていますと書いて、それを原則としておいて、ただし中小の場合は採用ツールを持っていないので、こういうツールとして使いますよという原則で、全部書けばいいのではないかと思うのです。そうでないと、何となく中小企業、中小企業という感じになってしまう。なので、いま言った原則でもう一度全体を見直して、中小企業はエントリーシートを使っていないから役に立ちますよというのは採用ツールの問題ですから。あとは上手に文章を直して。それがいいと思いますが、どうですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ありがとうございました。いまご示唆いただいた方向で見直しをしたいと思います。
○今野座長 木村さんが言われた1番目の問題は、それはそうなのですが。
○木村(進)委員 この場の議論とは違うのですが、文科省もこれについてどう入ってくるか。
○今野座長 ですから、普及のときにキャリア・コンサルタントの充実は重要だということぐらいは入っているでしょう。
○木村(進)委員 入っています。
○今野座長 そのぐらいしか書けないですね。
○松原委員 先ほどから私がワークする仕組みにこだわっているのは、もうこの委員会の場では議論できないと思うので、今後の課題として、ワークするか否かは、そのときに阻害要因は何かというところの棚卸しが重要です。今回私が営業活動をした中では、阻害要因はむしろ教員の抵抗感が大きかったのと、キャリア・コンサルタントの数の少なさ、人の少なさがテーマとして挙げられた部分だったので、そういったところに関して、阻害要因はそこが一番普及において大きかろうというところにおいては、今後さらに学校や専門機関と仕組み作りを継続して検討していただくことが、もしかしたら大学側に今後何とかなるという思いを示唆できるのかなという気はしました。ビジネス的には人・物・金とよく言われますが、物としては今回はこのツールがあると。あとは人の部分に関して、金のことはきっとあとから付いてくるでしょうけれど、そこの部分が大学側における一番の阻害要因だと。たぶん、そのときにこういう書き方みたいなことはいくらでもあとでフォローが効くのです。なので、人の部分をどうするかということを、先ほど浅野室長がおっしゃったみたいなことも検討されているとか、そういったことを少し入れたほうが、これをもし学校側に働きかけるときには、かなり必要になってくるような気がします。
○今野座長 そうすると、いま松原さんが言ったことは2つあります。1つは教員の問題で、大学の普及方針と専門学校の普及方針のどこかに、大学教員の理解を促進することが重要だという趣旨を一文入れておくこと。もう1つ、キャリア・コンサルタントの問題は14頁の(4)に「キャリア・コンサルタントの配置の推進」という欄があるので、ここをもう少し増やさないと駄目だというニュアンスを強くして書くということだと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 少し分量を、中身を充実させると。
○今野座長 これだと、単に配置することが望ましい程度なので。
○田中実習併用職業訓練推進室長 いまのご指摘も加えたいと思います。
○千葉委員 大学側にお願いなのですが、先ほど木村先生もおっしゃったように、大企業を落ちたから中小企業に来るという、これがキャリア教育されているのかなと、企業側としては思ってしまうのです。ですから、キャリア・コンサルタントの方たちにも職業選択の視野をもっと広げていただいて、大企業だから良い会社、中小企業だから劣るというわけではないはずなので、まさしくそこがキャリア教育なのかなということで、改めてお願いしたいと思います。
 もう1つ、これをカスタマイズOKにすると、逆に企業側がカスタマイズしてしまう可能性はないですか。それが少し心配だというのが1つあります。
○松原委員 うちはこういう形でお願いしますと、指示することになってしまう。
○千葉委員 そうなってしまうかなと思いました。以上です。
○諏訪園参事官 中央会などは、加盟の企業に対する通知なりお願いできるということはあるのでしょうか。
○小林委員 画一的なものが決まって、逆に厚生労働省とか内閣府とか文科省からこういうことが決まりましたと、これを活用するように大学や専門学校に言っていますということであれば、こういうものが出回りますよというご連絡はすると思うのですが、現にジョブ・カードについても変更部分は傘下会員団体等へ連絡しています。ちゃんと行き届いているかどうかはわかりませんが、傘下会員団体等に連絡ができるということです。
○白井委員 ハローワークの求人には、新卒であっても提出書類の欄にジョブ・カードが入っていますね。ですから、毎年新規求人を出す企業向けの説明会では、説明が丹念に行われているということですね。
○今野座長 それはどうでしょうか。
○千葉委員 中小企業の組合等では、ジョブ・カードの説明会が定期的にありますので、採用人事にかかわらず、経営者の方たちもかなり出ていると思います。
○今野座長 一般化していないのは大学だけですか。
○千葉委員 そんなことはないと思います。わりと普及はしつつあって、求職者支援で広がりましたね。
○小林委員 いま、新卒の採用のパターンと、先ほど求職者支援と言いましたが、離職者が再就職というときには、かなりハローワークとか訓練機関の指導を受けて、ジョブ・カードを持ってきている方も見受けられます。指導段階で入っていない方や独自に探して来られる方は一般の履歴書、就職の支援会社を通じて来る方は、紹介会社独自の求職票を使われているようです。
 報告書の言葉遣いについてですが、「学生用ジョブ・カード」と、一部ただの「ジョブ・カード」という言い方が12頁、13頁辺りに見受けられます。12頁の下から3行目に「全ての学生に対して一律にジョブ・カードを交付するのではなく」とありますが、これは学生用ジョブ・カードのことを言っているのだろうと思うのです。「ジョブ・カード」という言葉と「学生用ジョブ・カード」と、それぞれ使い分けもあるのだと思うので、その辺を見直していただければと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 もう一度確認させていただきます。
○今野座長 ほかにいかがですか。細かいことですが、先ほど言葉では言われたのですが、14頁の(5)の○1○2で、タイトルに「専門学校」は入らなくていいのかということです。大学と企業向けということですが、専門学校向けのリーフレットはないのかと。
○田中実習併用職業訓練推進室長 失礼しました。ありがとうございます。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、今日はたくさんご意見をいただいたので、こういう段取りにさせていただきます。今日いただいたご意見を踏まえて、修正していただきます。かなり修正が入ると思いますが、事務局と相談しながら修正します。それが出来上がったら一度皆さんにメールでお回ししますので、読んでいただいて、コメントをいただいて、もう一度修正して最終版にしたいと。そういう段取りでいきたいと思いますが、よろしいですか。
 そうすると、あとはスケジュールですが、どんな感じになりますか。まず、いつごろまでに修正ができて、皆さんには何日間ぐらいの間で見ていただいて。
○田中実習併用職業訓練推進室長 1週間以内には修正しないといけないので、2月20日ごろに修正して、3日。でも今野先生ともご相談をしないといけないので。
○今野座長 あるいは、皆さんの意見をいただいて、最終版で相談してもいいのですが。
○田中実習併用職業訓練推進室長 でも、短時間でも見ていただいて。
○今野座長 それでは、2月20日前後に皆さんの所にいって、残された3日間で読んでいただいて。
○田中実習併用職業訓練推進室長 3日ぐらいで戻していただくということでよろしいでしょうか。
 それでは、2月24日に最終版をお送りすることにしたいと思います。
○今野座長 そういう段取りで今後進めたいと思います。
 それでは、今日はこの辺で議論を終了します。最後に事務局から何かありますか。
○渡邉実習併用職業訓練推進室長補佐 最終版のあとは、3月6日に開催される第10回ジョブ・カード推進委員会で報告したいと思っております。その後、完成したものを皆さんにお送りしたいと思っております。
 最後に、当省の桑田審議官よりご挨拶させていただきます。
○桑田大臣官房審議官 一言だけ、本当にありがとうございました。本日も夕方遅くまでご議論いただきまして、これまで実際に試行実験等々やっていただいて、そこまでご協力いただいた方々ならではのご意見が、今日は随分いただけたのかなという気がしております。
 本当に感じたのは、この学生用ジョブ・カードの世界は事業主の視点、学生の視点、教員の視点という3つの視点をいかにうまく調和させて持っていくかということの重要性を、とても強く感じました。本日いろいろ宿題をいただきましたので、できるだけ早く先ほどのスケジュールで作業して、あと1回見ていただいてコメントをいただくということで、もう1手間おかけして大変恐縮ですが、よろしくお願いするとともに、本当に最後までありがとうございました。今後ともいろいろとアドバイスをいただくと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
○今野座長 それでは、終わりたいと思います。ありがとうございました。


(了)

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