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2012年1月27日 第12回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録
厚生労働省大臣官房統計情報部国際分類情報管理室
○日時
平成24年1月27日(金)
○場所
厚生労働省16階 専用第17会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
○出席者
藤原研司委員長、飯野靖彦委員、岡野友宏委員、岡本真一郎委員、落合和徳委員、 |
清田浩委員、菅野健太郎委員、高橋姿委員、土屋了介委員、中田正委員、 |
中谷純委員、針谷正祥委員、松本万夫委員、水沼英樹委員、望月一男委員、 |
矢永勝彦委員、横田順一朗委員、吉田謙一委員、渡辺賢治委員 <五十音順> |
○議題
1 ICD改訂に関する動向について
2 WHO-FICネットワーク年次会議(ケープタウン)の報告について
3 ICD-10の一部改正に対する意見提出について
4 その他
○議事
○事務局
それでは定刻となりましたので、「第12回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催いたします。各委員の先生方におかれましては、お忙しいところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
審議に入ります前に、前回の委員会以降、事務局に異動がありましたので、紹介させていただきます。
企画課長の藤井でございます。
○藤井企画課長
藤井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局
次に本日の出席状況ですが、新家委員、飯森委員、小川委員、嘉山委員、幸野委員、近藤委員、澤井委員、柴原委員、高橋悟委員、玉岡委員、森内委員、渡辺重行委員の12名が御欠席でございます。
なお、出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
資料1-1「ICD-11改訂に関する動向について」。資料1-2-1「内科TAG」、資料1-2-2「小児科TAG」、資料1-2-3「外因TAG」、資料1-2-4「精神TAG」、資料1-2-5「腫瘍TAG」、資料1-2-6「神経TAG」、資料1-2-7「眼科TAG」、資料1-2-8「伝統医学TAG」、資料1-2-9「医療情報TAG」。資料2-1「WHO-FICネットワーク年次会議(ケープタウン)報告」、資料2-2「URC投票結果について」。資料3-1「ICD-11一部改正に対する意見提出様式」、資料3-2「URC(分類改正改訂委員会)のICD改正作業年間スケジュール」でございます。
そのほか、机上配付資料といたしまして、委員名簿、座席表、WHO-FICネットワークの組織図、ICD改訂のための組織図、日本WHO-FIC協力センターの組織図、WHO国際分類関連の略語集をお付けしております。
資料については以上でございます。お手元の資料について過不足がございましたら、お知らせください。
それでは、藤原委員長に議事進行をお願いいたします。
○藤原委員長
おはようございます。
本日は、皆様御多忙のところを、また、寒い中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。早速、始めさせていただきます。
では、議事1に入りたいと思います。「ICD-11改訂に関する動向について」、事務局及び各担当から御報告をお願いいたします。
まず、事務局からの御報告をお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
○事務局
資料1-1「ICD-11改訂に関する動向について」をごらんください。平成23年3月以降に開催されました各TAGの対面会議等を示しております。各TAGの対面会議、ワーキンググループの会議につきましては、それぞれの御報告の中で説明があると思いますので、ここではそれ以外の会議について申し上げます。
平成23年6月に「生活機能分類グループ(FDRG)中間年次会議」がオーストラリアで、10月に「WHO-FICネットワーク年次会議」が南アフリカで開催されました。
今後の予定では、2月に第4回内科TAG対面会議を日本で行います。WHOはICD-11のα版最終会議をアメリカで予定しております。3月にはWHO-FICネットワークの普及教育委員会、死因分類グループの中間年次会議がアメリカで予定されております。また、5月には、ICD-11のβ版の発表がWHOから行われることが予定されております。
資料1-1-1につきましては以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、各TAGから御報告をお願いしたいと思います。
まずは、内科TAGの動向について、菅野委員から御報告をお願いいたします。
○菅野委員
それでは、内科TAGから御報告いたします。
資料3ページからです。非常に大きなTAGでございまして、それぞれ他のTAGの8つ分ぐらいに相当するものでございます。3ページに括弧書きで(1)~(7)まで、各ワーキンググループの進捗状況でございますが、それぞれの学会のサポートの下に作業を進めております。
ただ、学会のサポート状況、あるいは国際メンバーの作業状況によりまして、足並みが必ずしも整っておりません。この中で、αバージョンのiCATへの登載が済んでいるものが約半分でございます。
それは、消化器及び肝・胆・膵、これは2つのワーキンググループに分かれておりますが、それがほぼ登載を終わっております。それから、腎臓、リウマチ、内分泌代謝の一部がほぼ終了。血液も相当進捗しておりますが、まだ最終的にはαバージョンに登載にはなっていない。そのほか、循環器、呼吸器、内分泌の代謝以外のところ、これがまだ完璧ではないというところですが、国内の学会の協力の下に作業は進んでいるというところでございまして、2月に対面会議を行いまして、その辺の足並みをそろえてβ版への移行の体制を整えるといったところでございます。
細かいところにつきましては時間の関係で省略させていただきますが、そのような状況でございます。
もう一つ、全体のEditorial Managerが、一時、給料が出なくなって、大変危機がございましたけれども、非常にプロフェッショナルなJulie RustさんとMegan Cumerlatoさんというお二方を得て、ある程度、各ワーキンググループのαバージョンへの登載へ向けての整理作業でありますとか、そういうことができるようになったということでございますが、いかんせん、たくさんのワーキンググループを抱えておりますので、それぞれの学会のサポートが今後とも一層重要であります。
私は消化器学会ですが、αバージョンの調整については予算確保をしておりますし、消化器及び肝・胆・膵の対面会議をその後予定しておりまして、このような対面会議も、実は内科学会の協力の下に行われておりましたけれども、内科学会そのものが最近は予算が欠乏しがちでありまして、内科のTAGへのサポートが、お金の面ではだんだん減りつつあるという状況でございます。今後は、やはり国としてきちんとサポートをしていただく必要があろうかというふうに思います。
消化器病学会は、一応2,000万円の予算を毎年組んでこれに対応しております。したがいまして、単独でface-to-face meeting、あるいは国内の支援体制を組むということができておりまして、例えば7ページを見ていただきますと、ICDの分担表を各会員にお願いしまして、今後、βバージョンへの対応が、素案をつくるというところは30~40人の体制で臨むということができております。したがいまして、ほかの学会におかれましても、是非このように体制を組んでいただいて、オールジャパンとしてこのInternal Medicine TAGを支援していただくような体制をお願いしたいと思っております。
以上、簡単でございますが、御報告させていただきます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、内科TAGの腎臓ワーキンググループの動向について、飯野委員より御報告をお願いいたします。
○飯野委員
それでは、資料の13ページ、資料1-2-1?をお開きください。
腎臓ワーキンググループは、一昨年まではface-to-face meetingをしていたのですけれども、昨年からは電話会議、あるいはEメールを頻繁に使いまして、iCATに入力を終えております。Acute kidney injury(急性腎障害)あるいはCKD、そういうものを入れております。
14ページは、各ワーキンググループとのオーバーラップについてディスカッションをしております。次のβドラフトに向けて、問題のあるところの検討を行っております。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
では、リウマチワーキンググループの動向について、針谷委員、よろしくお願いいたします。
○針谷委員
資料1-2-1?、Rheumatologyワーキンググループからの進捗報告をごらんください。
Rheumatologyワーキンググループは、先ほど菅野先生より御紹介いただきましたように、既にiCATへの入力をほぼ終了しております。そこに書いてありますように、今年度は、ロンドン、シカゴでそれぞれRheumatologyワーキンググループの中の対面会議を行いまして、未決定の部分の詳細を詰めて、Julie Rust氏にその詳細を伝えて、彼女にiCATへの入力を完了していただいた。そのほか、teleconferenceを行いまして、領域が一部重なっておりますMusculoskeletal TAGとのオーバーラップエリアの調整をいたしました。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、内科TAGの血液ワーキンググループの動向について、岡本委員より御報告をお願いいたします。
○岡本委員
資料1-2-1?をごらんください。
Hematology TAGワーキンググループは、アメリカ血液学会、European Hematology Associationと日本血液学会の3学会が主軸となって作業を進めてまいりました。ICD-10の造血疾患に関するチャプターを3学会で分担をいたしまして、そこに書いてありましたような形で作業を進めてきております。2011年には、teleconference、face-to-face meetingを各学会の総会で繰り返し行いまして、いわゆる良性疾患のところに関してはドラフトを完成し、iCATへの登録という準備が完成しております。
造血腫瘍は、血液疾患の中のかなりの部分を占めるわけですが、これに関して、Neoplasm TAGあるいはICD-Oとのハーモナイゼーションということがずっと議論されておりましたけれども、昨年12月のアメリカ血液学会のときに行われましたface-to-face meetingで、WHO blue bookの2008年、これが最も新しい分類ですけれども、これを踏襲した形で組み込むということでほぼ合意が得られましたので、こちらの方も2月までにはαバージョンの最終的な案ができまして、iCATに登録予定という形になっております。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
○事務局
急遽、内分泌の糖尿病ワーキンググループ議長の田嶼尚子東京慈恵会医科大学名誉教授にご出席いただいていますので、資料1-2-1?を御説明いただきたいと思います。
○菅野委員
田嶼先生に分担していただいて、非常にはかどったところでございます。是非、御報告の方をお願いしたいと思います。
○田嶼国際WG協力員
私どもは、内分泌ワーキンググループが担当している、内分泌疾患、ならびに糖尿病、糖代謝異常と代謝疾患のうち、後半について、2011年初めころから作業を開始させていただいております。資料の17ページをごらんいただきますとおわかりいただけますが、糖尿病・代謝疾患ワーキンググループにつきましては、糖尿病学会からの全面的な支援を受けております。これまでの進捗状況は、ここにあるとおりでありますけれども、私どもの担当している分野はオーバーラップが非常に多い分野でございます。できるだけ早くヒエラルキーをつくり、そしてiCATへの挿入をするようにと菅野議長から厳しいお達しをいただいておりまして、この1年間かけて、何とかiCATへのエントリーをほぼ終えるところまでまいりました。
しかし、小児科TAGが新たに立ち上がったと最近伺いました。小児科TAGのEndocrinologyワーキンググループとのオーバーラップは非常に多うございます。また、腎臓、眼科、その他のワーキンググループとのオーバーラップもありますので、今後、意見交換をしながら、αバージョンの内容についても検討を詰めてまいりたいと思っております。2月末までには必ずiCATへのエントリーを終了すると議長とお約束しましたので、それに向けて、今後も頑張ってまいりたいと思っております。どうぞ、先生方の御支援や御指導もよろしくお願いしたいと思います。
○藤原委員長
ありがとうございました。
続きまして、歯科TAGの動向について、岡野委員より御報告をお願いいたします。
○岡野委員
資料がないのですけれども、口頭でかえさせていただきます。
歯科のTAGは一昨年の夏に内科TAGから独立しまして、Oral healthという名前になっております。今年の12月末までにiCATへの入力を予定していたのですが、これが遅れておりまして、もうしばらくすれば終わるということでございます。この間、私はresource personという立場で入っていたのですけれども、新しい用語の問題とか、現在のカテゴリーをどう分けていくかということについての討論が電子メール上で行われているということでございます。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
続きまして、外因TAGの動向について、横田委員より御報告をお願いいたします。
○横田委員
資料1-2-3をごらんください。
私のところでは、日本救急医学会の会員を中心といたしまして、外傷分類の検討を重ねてまいりました。特に多部位損傷といいますか、多発外傷の表現をどうするかということと、重傷度を加味した外傷の分類を提言するように一応WHOの機関紙に意見を出しまして、その反応を待っていたところでございます。その資料は、前回のこの委員会のときに、私は欠席しておりましたけれども、提出して御報告をしていると思います。
その中で更に、AISと言いまして、外傷の世界じゅうで用いられている分類ですけれども、整合性を重視して、これから提案する新しい分類は、現在使われているICD-10と、AISにも変換できる新分類とした方がいいのではないかということで検討してまいりました。
そういった形の提案を、TAGの議長であるHarrison先生に意見を求めるべく、行岡委員から、西オーストラリア大学で現在仕事をされておられます東平先生を通してコンタクトを図っている最中でございますけれども、具体的に我々の提言に対して御意見をいただけていないというのが現状でございます。
一方、TAGの議長及びそのグループの人たちは、今、外因の中でも原因の方、external cause 20章に相当するところの意見交換が活発に行われております。しかし、19章に相当する、いわゆる傷病の分類そのものについてはほとんど言及されていないというのが現状でございます。
最後のパラグラフのところですけれども、私たちが損傷の分類を提言してきた骨子になっているAIS/ISSの分類というのは、アメリカのAAAMというところにそもそもロイヤリティがあります。世界じゅうの外傷登録、疾病登録はこれをベースになされていますけれども、ごく最近、使用に対するロイヤリティ、あるいはライセンス使用料を要求してまいりました。実は学会でも、今、このAIS/ISSを使用して外傷登録をしておりますけれども、運営上、慎重な対応が迫られています。そういうことで、果たしてこの意見を強く押していくべきなのか、全く違う形で提言するのかということで、ちょっと微妙な状態に入っているということを御理解願いたいと思います。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
続きまして、精神TAGの動向について、飯森委員が御欠席ですので、代わって丸田国際ワーキンググループ協力員から御報告をお願いいたします。
○丸田国際WG協力員
飯森に代わりまして、御説明させていただきます。
精神分野のTAGですけれども、昨年の2月23日~24日に対面会議が行われまして、それに関しましては、前回の本委員会で御説明したとおりでございます。その後、対面会議は昨年8月に予定されていましたが、延期されました。というのは、これは公表されていませんが、各TAGの下に置かれていますワーキンググループの作業が思うように進展しないということで、今年の3月8日と9日にTAGの会議がWHOで開催される予定です。
各ワーキンググループの作業内容についても、精神分野ではほとんどがオープンになっていない状況です。ワーキンググループとしましては、精神病性障害、児童及び思春期の精神障害、知的及び学習障害、パーソナリティ障害、物質関連障害、プライマリケア、気分及び不安関連障害、ストレス関連障害、身体的苦悩及び解離性障害、神経認知関連障害などが組織されています。このうち、本委員会で以前に御報告いたしましたが、コアメンバーに日本から入っておりますのは精神病性障害とストレス関連障害。メンバーに入っているのはプライマリケアと気分及び不安関連障害でして、コアメンバー以外のメンバーには、お聞きしたところ、情報が余り来ていないという状況でして、どのような作業が各ワーキンググループで行われているのかなかなか察しにくい状況であります。
しかし、3月8日と9日に行われるWHOでの対面会議では、これがすべてオープンにされて、その会議で各ワーキンググループのクリニカルガイドラインが公表されて、Content Formを作成中でありまして、それが対面会議で承認された後、ほかの分野と同じように5月にウェブ上で公開される予定でございます。そのうち、精神病性障害の第3回会議は私が出ていますけれども、2月20・21日とデュッセルドルフで開催される予定であります。
3番目としましては、ICD-11β草案ですけれども、精神分野についてのパブリックコメントを求めて、フィールドトライアルも行っていくという予定です。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
では、筋骨格系TAGの動向について、望月委員より御報告をお願いいたします。
○望月委員
整形外科学会の望月でございます。
筋骨格系TAGについては、本部がスウェーデンのルンド大学にございまして、そちらを中心にして活動しております。今回は特別添付すべき資料がございませんので、ちょうど1年前と同じような状況です。
ただ、相違点があるとすれば、昨年4月か5月のiCATの締め切りには、筋骨格系TAGとしてはもう入力済みであるということです。その後、日本の状況その他がありまして、若干停滞しておりますが、ただ、整形外科領域の筋骨格系の腫瘍領域について、日本整形外科学会から、筋骨格系TAG本部に対する試案を昨年3月末の段階で提出していますが、それについてはいまだ反応がございません。それが現状でございます。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
次に、腫瘍TAGの動向について、落合委員から御報告をお願いいたします。
○落合委員
資料の47ページ、資料1-2-5をごらんいただきたいと思います。詳細に関しましては、がんセンターの西本より報告させていただきたいと思います。
○西本室長
国立がん研究センターの西本と申します。腫瘍TAGのメンバーとして参加しております。落合委員からのご指名がございましたので、進捗について御報告をさせていただきます。
腫瘍TAGにつきましては、TAGの数、あるいはワーキンググループとの間でかなり関連のある分野ということで、他のTAGとは違って、完全に独立して決定をすることができないという特殊な位置にございます。一昨年9月に初回のface-to-face meetingが、WHOの下部機関であります国際がん研究機関(IARC)、フランスのリヨンにございますが、そこで開催し、その後、各TAGから腫瘍に関する提案が上がってくるものについて、議論をしていくという方向は定められたのですが、実際にIARCの中での意思決定の問題などがございまして、議論が進まないままで1年が経過しております。
そこで、昨年10月にCo-Chairをすべて入れかえるという形で、旧メンバー+ヘッド部分を入れかえるという形の改変が行われまして、10月から電話会議が頻繁に行われて現在に至っております。10月6日をはじめとしまして、その後1か月に1回程度の電話会議、それから、本来は1月にface-to-face meetingの予定でございましたけれども、これもアメリカのNCIの中での人事異動の影響をもって3月の初めに延期という形になっております。しかしながら、予定的には3月のうちにはβに関する我々TAGの提案も出さないといけないだろうということで、今は2週間に1回、電話会議が開かれているという状況でございます。
加えて、ドイツの委員から、今まで臨床的な分類という部分について少し配慮が欠けていたのではないかという意見があって、臨床で使われる分類をできるだけ反映できる形で、臨床の先生方からの意見の集約をしてはどうかという提案があって、私どもも日本の腫瘍TAGの委員会がございますので、そちらの先生方の協力を得て臨床的な意見もそれに付随して、日本からも提出していくという形で進めようとしております。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、眼科TAGの動向について、新家委員が御欠席ですので、柏井国際ワーキンググループ協力員から御報告をお願いいたします。
○柏井国際WG協力員
眼科の方のTAGに参加しています柏井です。
資料51ページ、1-2-7です。私たちのTAGで目立った動きといいますのは、Editorial Managerを決定いたしました。当初、国内からの人選を急いでいたのですけれども、なかなか英語力とか、眼科の用語に精通しているという人たちが非常に難しかったもので、最終的にはICOのセクレタリーから1人、Editorial Managerとして決定しました。今後は、Editorial Managerを得ましたので、入力についてはかなりはかどっていくと思っています。現在も、WHOの担当官と一緒に入力の方について仕事をしています。
もう一つは、iCATのshort definitionの方は、今、ワーキンググループが入力していますけれども、皆さんご存じのように、iCATのプロダクションプラットフォームを見ますと、私たちが提案している内容とはかなり異なった構造となっています。現在でも、まだ構造の方はかなり大きな隔たりがありますので、できる限りEditorial Managerが構造の方について、私たちの提案どおりに入力を変えるようにしていくというのがこれからの課題になっている、こういう状況です。
以上です。
○藤原委員長
ありがとうございました。
続きまして、伝統医学TAGの動向について、渡辺委員から御報告をお願いいたします。
○渡辺委員
日本東洋医学会の渡辺と申します。
進捗状況ですけれども、まず、対面会議、全体会議は昨年の3月29日~4月3日、香港で行われております。この中でコンテンツモデルについては、その前の12月の会議で決めておりまして、実際の分類についての大枠は決まったというところで、用語に関して、伝統医学的な用語を英語でどう表現するのかという辺りが問題点となりました。用語に関しては、昨年11月に大田で会議を行いまして、そこでは決定には至らなかったのですけれども、用語をどうするのかという問題点が洗い出されました。12月には、介入についてのコンテンツモデルについての検討を行っております。
そのほか、電話会議を月に1回やる予定ですけれども、不定期ながら行っております。
現在の入力状況に関しては、α版がウェブの上で出されたのが、昨年10月か11月だと思いますけれども、そこには、伝統医学の分類に関しては、タイトル及び定義、これは日中韓を中心に行った作業が全部反映された形で表示されております。実際のiCATの仕組みづくり自体が、ICDのほかのTAGのところとは別のつくりになっております。伝統医学のTAGはマルチリンガルで、英語、日本語、中国語、韓国語。中国語に関しても、現在の簡体文字という簡略化した中国語の文字と、昔の中国の文字といいますか、台湾などで使われている文字が表示されるような形で、仕組みは全く別になっております。ただ、それがα版の上では融合された形で表示されているという状況になっております。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、医療情報TAGの動向について、中谷委員から御報告をお願いいたします。
○中谷委員
東京医科歯科大学の中谷でございます。
55ページ、資料1-2-9をごらんください。医療情報TAGの御報告でございます。
会議はteleconferenceを中心に行いました。今年度は、4月から10月ぐらいまでの間に集中して5回ぐらいのteleconferenceを行いました。
内容といたしましては、αフェーズの評価、コミュニケーションツール、幾つか新しいものも出てきたのですが、その検討などについて話し合いを行いました。対面会議は行われませんでした。
今後の予定ですが、スケジュールは今のところ未定になっていますけれども、編集プロセス全体をもう一度いろいろな観点から考え直してみようということが言われております。また、解剖学的構造に関するグループが設立されて活動を始めております。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、本日欠席されている委員に代わりまして、内科TAGの循環器ワーキンググループ、呼吸器ワーキンググループ、小児科TAG、皮膚科TAG、腫瘍TAG、神経TAGの動向について、事務局から御報告をお願いいたします。
○事務局
それでは、内科TAG、循環器ワーキンググループにつきましては、資料1-2-1?をごらんください。
1番にありますように、国内ワーキンググループとして、関係する学会の方々28名によってグループが構成をされておりまして、日本としての構造変更の提案(αドラフト)を作成いただき、昨年7月に国際循環器ワーキンググループに提出されたとのことです。
その後、メーリングリストなどで各章の担当を決定したそうです。
3番に移りまして、昨年10月、12月、今年の1月にteleconferenceを開催して、構造案の再調整、承認に向けて討論をされており、次回のteleconferenceは、今月下旬から2月上旬の間で予定をされているということです。
先ほど、内分泌ワーキンググループの糖尿病の方については御報告いただきましたけれども、糖尿病以外の部分につきましては、資料1-2-1?-1をごらんください。
内分泌ワーキンググループは、1番がメンバーになります。2番につきましては、αドラフトの基本ブロックは現行のICD-10を踏襲する。特にE40-46、50-64の基本構造は継続するとのことです。E65-68につきましては、WHOのnutritionのワーキンググループが担当になりそうだということです。
3番のiCATへの入力です。継続中ということですが、Rare disease TAGの提案に準拠した形で依頼をしているそうです。
4番の重複部分、欠落部分につきましては、先ほども糖尿病分野で御説明がありましたけれども、小児科TAGの中の内分泌ワーキンググループとの協議をしていくということです。
資料1-2-1?-1につきましては以上でございます。
続きまして、呼吸器ワーキンググループにつきまして、資料1-2-1?をごらんください。
呼吸器に関しましても、日本呼吸器学会に分類案を作成いただきまして、そちらを国際ワーキンググループに御提出いただくという形となっております。6月に、議長のProf. Ingbar、国際ワーキンググループのメンバー等が電話会議を行ったということです。7月に、内科TAGの全体のManaging EditorであるMs. Cumerlatoから、日本の提案した構造についての問題点が提起されました。
現在の問題点につきましては、肺腫瘍に関する日本の呼吸器学会からの提案が、現行のICD-10からの変更が著しいため、内科TAGのManaging Editorから指摘を受けていて、今後、腫瘍TAGとの調整が必要になると思われるということです。肺腫瘍の部分については、国内の専門医や、ほかの国のメンバーからも変更要望が出ているため、これについて議論をしていくそうです。
小児科TAGにつきましては、次のページの資料1-2-2をごらんください。
小児科TAGは非常に幅広い分野を担当しており、非常に多くのワーキンググループを立ち上げて、それぞれの担当について分担を決めたそうです。最低毎月1回、電話会議を行っており、本年3月24~25日に、シカゴのアメリカ小児科学会本部において対面会議を予定されており、森内委員も御出席とのことです。
小児科については以上でございます。
皮膚科TAGにつきましては、資料はございませんが、皮膚科の分類提案はある程度でき上がっておりまして、こちらの見直しを各部門で行っているということです。特にアレルギー性の皮膚疾患は、最近の動向が激しく動いているということで、病名についての討議が続いているということでございます。
今後の国際会議の日時は未定です。
最後に、神経TAGでございますが、資料1-2-6をごらんください。
こちらにつきましては、これまで3回対面会議が行われているそうです。進行が遅れている外傷についての担当変更などの調整について、昨年11月に行われたということで、日本からは水澤神経学会代表理事が御出席されているということです。特にPrion diseaseに関して、水澤代表理事の業績をもとに変更が行われるそうです。
今後の予定は、今年の3月にジュネーブで対面会議が予定されていて、5月のβドラフト発表に向けて最終調整をする予定とのことでございます。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
それでは、以上の説明に関しまして、何か御質問等がごさいますでしょうか。
○土屋委員
Neoplasmのことで教えていただきたいのですが、先ほど西本先生から、48ページのICD-Oとの関連についてということが検討されているということと、2つ目の四角で「1月20日以降」の2行目に、ドイツの方から、「臨床的なICD利用という観点について」という御質問があったということです。
私の解釈が違っていたら教えてほしいのですが、従来からICD-10までは、疾病、傷害及び死因統計分類と書いてあるように、どちらかというと死因がかなり表に出ているので、それを受けてNeoplasmでは、ICDをつくったというように私は理解しています。一方、同じWHOでPathologyのパネルがたくさんつくられて、それが病理のついての分類をやっているということで、この辺りが現在のところ、Neoplasmでどういう整理をされているのか、もしおわかりであれば教えていただきたいのですが。
○藤原委員長
いかがですか。西本さん、どうぞ。
○西本室長
ご指名ですので、西本がお答えさせていただきます。
土屋先生の御指摘のように、腫瘍に関しましては、ICD-10というもともと死因の分類があり、そして、ICD-O-3という腫瘍に特化した分類があり、かつ、臨床の現場では、日本においては取扱い規約、国際的にはUICC/TNM等の幾つか、分類がバラバラに存在しております。腫瘍TAGにおきましては、そうした分類をできるだけ反映させながらこれからICD-11を構成していこうというのが基本的方向性で、特に御指摘いただいたWHO分類、いわゆるblue bookという、病理の先生方が中心になっておつくりなっています。これはWHOの下部機関のIARCがメンバーを募ってつくっているわけですけれども、それとの整合性は、今回のICD-11に関しては提案していこうという動きがございます。
それから、blue bookと関連してICD-O-3の分類も、昨年、実は少しアップデートがWHOから行われております。そういう辺りも踏まえて全体構造を決定しようということで、それぞれバラバラにやるのではなく、関連づけてまとめた形でICD-11を構成していこうという方向性で動いております。
以上です。
○藤原委員長
先生、よろしいですか。
○土屋委員
はい。
○藤原委員長
ほかにどなたか、御質問は。
○菅野委員
消化器はblue bookを、がんの部門で非常にたくさん我々の分類の中に取り入れておりまして、今後、調整してまいりますが、Neoplasmのグループの臨床への配慮というのは大変ありがたいと思っておりますし、また、我々とのハーモナイゼーションが、今後、非常に重要になってくる。血液は既にかなりやられておりますし、呼吸器についてはまだ我々の提案ができていないので、今後になりますが、やはり肺がんの分類等で重要になってきますので、また、そういったinterdisciplinaryな会議、あるいは調整を是非、厚労省の方でもお願いしたいということが1点でございます。
それから、申し遅れましたが、田嶼先生は、急逝されたChristopher Saudek先生の代わりに急遽議長になっていただきまして、大変御尽力をいただいたわけで、ここまでこぎ着けたということを大変感謝しております。
もう一つ、肝臓の議長をされておりました、Emmett Keeffe先生も急逝されまして、代わってオーストラリアのGeoff Farrell先生が議長に就かれました。内科TAGで働きすぎて、過労死という言葉をはやらせたことがありますが、そうでないように、今後も犠牲者が出ないように祈っているわけであります。そういうことで、このお二方のご冥福を謹んでお祈りしたいと思います。
○藤原委員長
ほかにどなたか、御質問はございますか。
○落合委員
TAGの中で、リプロダクションのTAGというのはどういうふうに動いているのかわかりますか。今まで、報告が全体でも余りない。ただ、RSGの中には入っているみたいですけれども。
○事務局
ICD改訂のための組織という図をお配りしているかと思います。この中に「リプロダクティブ TAG」と訳しているTAGができております。日本からメンバーが入っていないのでなかなか情報がないのですけれども、そう進んではいないようです。
○落合委員
ほかのすべてのTAGの説明がある中で、これだけが抜けているようなので、情報収集をしていただいて、また、次回にでも御説明いただけたらと思います。
○藤原委員長
それでは、そのようにさせていただきます。
ほかに、いかがですか。もし気がついたことがありましたら、最後にまたいただくことにして、議事の2に入らせていただきます。
「WHO-FICネットワーク会議(ケープタウン)の報告について」、事務局からよろしくお願いします。
○事務局
それでは、お手元の資料2-1をごらんください。「WHO-FICネットワーク年次会議(ケープタウン)報告」です。
主催がWHO及び南アフリカWHO-FIC協力センター。開催期間は平成23年10月29日~11月4日。会場は、南アフリカケープタウンのサザン・サン・ケープサンホテルで、参加者は、WHO、WHO協力センターのメンバー、その他NGO等約150名の御出席がありました。
主な議題についてですが、(1)の各種委員会報告をごらんください。最初の「死因分類グループ(MRG)、死因分類専門部会(mTAG)」の御報告です。
MRGにつきましては、分類改正改訂委員会の提案課題をまず検討したということ。グループで検討する課題として、骨髄炎と糖尿病、W80、気道閉塞を生じたその他の誤嚥、糖尿病等の問題を、MRGで新たに検討していくということが承認されました。そのほか、ICD-11の総論の部分、死因選択ルールの作成を行っていくということです。
mTAGと申しまして、ICD-11の改訂作業の中で、死因分類に関して検討をするところと合同の会議が行われまして、ICD-11のβ版の発表を1年先送りするようにWHOに提案することが決まったそうです。理由としては、各章の構造提案の完成度にばらつきがあって、現在のままでは、責任を持って死因統計リスト、疾病統計リストの提案ができないためです。ただ、この提案の後に、WHOの担当コーディネーターとしてはこの提案はのめない、予定の変更はしないということでありました。
次のページのfTAG、こちらはICD-11の改訂の中で、ICFをICDの定義の中に統合できないかということを検討しているグループですけれども、ICD-11の入力ツールでありますiCATの方にそれぞれ生活機能特性を入力するためのガイドラインを作成している、ということが報告されました。
続きまして、次の「分類改正改訂委員会」の御報告です。こちらのそれぞれの提案につきましては、後ほど御説明をいたします。
主な議論のところでは、ICD-11TAGの、主に皮膚科ですけれども、一部改正提案がURCの方に出されたのですが、それが従来のICD-10にない5桁項目で提案をされてきており、ICD-10の構造に非常に大きく影響を与えるため、提案しているTAGの方に再提出を依頼したとのことです。それから、ICD-O-3の一部改正につきましては、URCの方では取り扱わないということが合意されました。
そのほか、ICD改正集積版資料という、ICDの毎年の一部改正箇所に関してまとめた資料が現在の様式で使いにくい面があるということが指摘されまして、新しい様式の提案については、引き続き募集をしていく。ただし、集積版は非常に有益なので、これは維持していくということが確認をされました。
続きまして、教育・普及委員会(EIC)でございます。こちらのICDの関連の話題といたしましては、まず、ICD-10ウェブトレーニングツールというのがWHOのウェブ上で既に提供されております。日本語の翻訳についても準備をしています。
また、国際コーディング試験というのが行われておりまして、このうち疾病コーディングのパイロット試験が日本でも実施されたことが報告されました。
続きまして、次の情報科学・用語委員会でございます。こちらの方では、SNOMED-CTとICDとのマッピング、リンケージを主に進めているということでした。この中にICD-11のαブラウザの紹介も行われました。
次の国際分類ファミリー拡張委員会では、国際医療行為分類(ICHI)の開発状況について報告がありました。ICTMの概要・進捗状況についても、ここで御報告がありました。
次の(2)の全体会議に移らせていただきます。諮問会議では、WHO事務局から、WHOの予算が最近削減され続けて、組織やプロジェクトの改革が求められているという報告がありました。ICD改訂作業につきましても、これまで以上に成果が要求されているという発言がWHOからありました。
次に、WHO-FIC協力センターの指定状況について報告がありました。ここで、南アフリカと日本が新たにWHO協力センターとして指定されたことが報告され、WHO旗の授与が行われました。ICD-11の改訂の関係につきましては、RSGのChute議長より状況の報告がありました。
次回のWHO-FICネットワーク年次会議は、ブラジルにて今年の10月に予定されております。
全体会議?のICD改訂につきまして、まず、ICD-11のαブラウザについて、WHOの担当官のJakob氏から説明がありました。この機能は、関係者がICD-11のαドラフトの閲覧、コメントができるということで、関係者から寄せられたコメントにつきましては、WHOが評価して必要に応じて各TAGへ伝達されるとのことでした。
2番目のICD-11のRSGにつきましては、RSGの中に更に小さな執行小委員会(SEG)というものが設置されて、今後はYellow Sheetというものを使って新たな意思決定を行っていくということでした。
3番目の、執行小委員会における検討中の事項として紹介されたことが2つあります。一つは、Multi-dimensional Codingと申しまして、post-coordination、数種類の要素を選択肢から数字を選んで組み合わせてコードをつくるといった方式の導入。現在の3桁分類レベルでは、pre-coordinationと申しまして、一つのコードにあらかじめ各要素を組み込むといった様式を存続させてはどうか、ということを検討しているということです。もう一つは、ICD-11の分類のフォーマット、桁数、使用する数字、文字等を検討しているとのことです。
4番の今後の予定ですが、WHOのコーディネーターのUstun氏から報告がありまして、2012年3月14日からICD-11αのFinal Meetingが行われるということです。5月にはICD-11β版を発表し、以降の予定については特に変更がないということです。
Managing Expectationsといたしましては、12年2月に各TAGからの入力が終了されること。SEGは主なリニアライゼーションや、組織、原則を最終決定するということ。2012年5月までには疾病や死因に用いるリニアライゼーションを決定すること。マニュアル、索引、フィールドテストのプロトコル、多言語版のひな型等を、5月までに決めていくということが期待されるとの報告がありました。
βフェーズにつきましては、CATというツールを使いまして、すべての専門家、関係者がコメント、提案を行い、また、フィールドテストに参加することや科学的ピアレビューを行うことを予定しているということです。
6番の今後の課題といたしましては、リニアライゼーションの生成や、post-coordinationの導入。各国の円滑な導入が今後の課題として挙げられておりまして、ICD-11への移行戦略としましては、今までICD-11と言っておりましたものは、ICD2015年版だということをUstun氏は申しておりまして、以降、ICD2016、2017と毎年編集をする予定とのことでした。
そのほか、ポスターセッションといたしまして、渡辺賢治委員から、また、国立がん研究センターの西本室長から発表がありました。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
ケープタウンの会議につきまして、ただいまの事務局からの御説明に、何か補足することはございますか。
どうぞ。
○岡本委員
一つ確認ですけれども、ICD-11がICD-2015というバージョンということで、それは、もう12、13という言葉を使わないで今後やっていく、そういう方向性を考えるということですか。ストラクチャーの変化も含めて、かなりいろいろな進歩がありますので、それをキャッチアップする意味でそういう方向性に変えていくという理解でいいでしょうか。
○事務局
コーディネーターからの発言でしたので、最終決定かどうかはわかりませんけれども、今までのおおむね10年ごとに改訂、そして毎年改正していくというやり方を変えて、毎年改善をしていくということと解釈しました。
○土屋委員
同じ問題を蒸し返すようで申しわけないのですが、58ページの分類改正改訂委員会の中で、主な議論の中の3行目で、「ICD-O-3の一部改正については、URCの担当外とすることが合意された」。これはこれで、作業量のことからいって当然でよろしいと思のですが、ただ、交渉時にこういうことを盾に、とかく欧米の方は、日本の特にNeoplasmの非常に実用的で繊細な分類をむしろないがしろにして、欧米の合理的な、と彼らは思うのでしょうけれども、バサッと切りかねない。せっかく日本の学会挙げてこまめにやったものが実際に臨床に反映されるような分類を、是非、頑張って主張していただきたい。それには、やはり東洋的な感覚の韓国とか中国の方に味方をしてもらって、彼らは交渉力が日本人よりありますので、是非、そういうことを欧米に対して通していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
○藤原委員長
ありがとうございます。
欧米人は、わりとすっきりというか、単純に趣意をとらえる傾向がありますから、我々日本人とは繊細さが違うということですね。もう少し日本の立場を強調してこい、こういうわけですね。
○土屋委員
西本先生が、今回、御発表されたのはそういう趣旨だと理解しています。
○藤原委員長
ほかに、いかがですか。
どうぞ。
○菅野委員
「希望する」という文言がWHOの苦しさをあらわしているのだと思いますが、αの、内科の中でもすべて整っていませんが、一応提案としては2月を目途にできるように対面会議で準備をしていただいておりますけれども、βの具体的なスキーム、コンテンツモデル等は全く見えないのです。次に何をすべきかというところが、先ほどHIM-TAGでほとんど議論が止まったままになっていて、コンテンツモデルがその後どうなっているのか。それをどの程度埋める予定なのかというのが見えないと、次のステップに行かないわけです。ですから、その辺りの情報はいかがだったのかということ等、今後の見通しについて若干コメントをいただければと思います。
○藤原委員長
どうですか。
○事務局
年次会議におきましては、コンテンツモデルの具体的な説明は特になく、Foundation layerにとにかく全部入れるんだという説明のみでした。
中谷委員から、何かありましたらお願いします。
○中谷委員
コンテンツモデルにつきましては、HIM-TAGの中で結構まだ議論が実はいろいろあります。方向性としては、厳密性とか、流動性とか、疾患定義への対応を拡張するというような方向で、もう一つは、いまさらというところはありますが、目的は何なのかというところは、今、いろんな意見が出ていまして、それを再考する形で、もっと分野ごとに必要なモデルというのは結構異なっていて、信頼性を上げるためのフィールドトライアルなどもきちっと計画した上で、もう一度考えたほうがいいのではないかというような意見が出ております。今、そういった方向で検討があります。
もう一つは、リニアライゼーションというところが、現実的にそれを利用していく上では非常に重要だとHIM-TAGでは考えています。そこへの変換方法というのも具体的にきちんと明示した形で現実にできるようにしておかないと、今つくっているファンデーションのレイヤーというところの作業の一部でも、むだになるのはもったいないので、そういうところをきちんと検証しようということが出てきております。それも含めて、編集プロセス全体について効率性を考えて再考しようではないかということになっております。
○横田委員
外因を担当しているところの関係で、情報がどうなっているか教えていただきたいと思います。先ほど来、例えば年次会議の死因分類のグループのところでも、ワークプランに関して以下の検討がなされたということで、例えば多発損傷項目のコーディングについては終了であるということを書いていながら、一方で、各TAG、特に解剖学的な意味で言いますと、例えば49ページの神経内科の領域で、神経系にかかる外傷については担当変更の調整がなされていると。各診療科ごとに、疾病ではなくてinjuryについての分類がコミットしているはずですけれども、私ども、外傷あるいは救急医学会として今まで提言してきたことは、横断的に提言できるものだというふうに解釈して、損傷の分類の在り方や重傷度を反映して、臨床にも使えるもの、あるいは多発部位の表記がうまく合理的になされるものという提言をしてきましたが、なかなかその中心的な動きが見えてこないというのが実態でございます。
今、外因TAGはexternal causeに非常に興味があって、特に疫学の先生を中心に、いわゆる受傷の原因に焦点があてられています。受傷をする原因がやはり予防医学なのだという観点で、20章の辺り、その辺については大変熱心で、Harrison先生も、ICECIをベースにした分類をそのまま突っ込めばいいみたいな話になっておりますが、損傷の傷病名そのものをどう分類するのかという意見が皆無ということです。iCATに出てくるのも、頭部外傷の、頭なら頭の外傷の分類をどう変えましょうかということについてはありますけれども、そうすると、脳神経外科学会とか、いわゆる中枢神経の関係の先生方がコミットして意見を出すのか、外因の我々が関与して出すのかということになって、大変微妙でございます。いくら私たちが、学会、あるいは行岡先生を通してHarrison先生にいろいろ意見を述べても、なかなか返ってこないというところがあるわけです。
今後、我々もどうすべきか、これ以上我々が本当にコミットしていくべきなのか、それは各学会に傷病の分類を任せていいのかというようなことも、少しこの数年の活動の中で出てきていますので、WHOがどういうふうに動いていこうとしているのか、ちょっと情報が見えてこないというところがあります。情報が入っていたら教えていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○事務局
それに関して、特段の情報ありませんが、WHOで、第1責任TAG、第2責任TAGという仕分けをしておりますので、各部分で複数のTAGが関与するけれども、ここがメインでやるというふうに決められているところがあります。もしWHOが複数のTAGが関与する分野だということが気づいていなければ、それは提言していただいて、複数のTAGと調整をしていただくということになるかと思います。
○藤原委員長
よろしいですか。
ほかに。
○中田委員
利用者側からの要望ということで、お聞き願いたいと思いますが、今年の5月にICDのβ版が公表される。その後、いろいろフィールドトライアルがされるということですけれども、その中で、ICD-10との連続性を調べる、続けてやられているのはbridge codingと言われるものですが、それを是非行っていただきたいと思います。そうでないと、ICD-10までのデータが、極端に言えば全部使えなくなってしまいますので、ICD-10からICD-11にどのように変わっていて、どのように使えばいいかというのをテストする、bridge codingというのを是非やっていただきたいとお願いしたいと思います。
○藤原委員長
事務局、大丈夫ですか。
○事務局
わかりました。
○藤原委員長
かなり大変な作業ですけれども、頑張ってください。
ほかに、よろしいですか。
○事務局
資料2-2の方も御説明させていただいてよろしいでしょうか。
WHO-FIC年次会議の改正改訂委員会の御報告です。投票の結果は改正提案が101件ありまして、そのうち受理が45件です。うち35件が年次会前に合意されております。
主な受理された提案といたしましては、Z99「機能支持機器及び器具への依存、他に分類されないもの」にZ99.4「人工心臓依存」を新設する。
もう一点は、木村病を索引の見出し語に加え、D21.9のコードを付与するということでございます。
先送りは20件ございまして、そのうち13件がICD-11の改訂TAGからの提案であり、今後、検討の結果、ICD-10の方に導入される可能性もあります。
ICD-11の改訂TAGへの意見送付につきましては、20件、否決は16件でした。
日本からの意見ですが、受理が2件です。1件目は、N32.8「その他の明示された膀胱障害」の内容例示に「過活動膀胱」を追加するという、日本泌尿器科学会からの御提案です。Z99にZ99.4を新設する。日本診療情報管理学会からの御提案でした。
提案を一部修正の上受理したものが2件ございまして、Z45.0「心臓ペースメーカー」の調整及び管理を「心臓デバイス」の調整及び管理とする。また、内容例示の「心拍発生装置(バッテリー)の点検検査」を「心臓デバイスの点検検査及び調整」とするというもの。Z95.0「心臓ペースメーカーの存在」を「心臓植え込みデバイスの存在」とし、内容例示として追加をするということでございます。
次のページは、先送りのものが1件ございまして、現在、E10のインスリン依存型糖尿病の「包含」にある?型、E11の「包含」にある?型をそれぞれコードの名称とするという御提案をいただいたのですが、内容例示だけではなく、1巻の総論、第3巻の索引の方の影響もすべて列挙した上で提案する必要があるということを事務局から指摘されましたので、次回の提案に回したいと思います。
取り下げが1件ございます。内容例示I60にあります「脳動静脈奇形の出血」をI61.8に移動するというものですが、I60クモ膜下出血、I61脳内出血につきましては、分類の視点の整理が根本的に必要ではないかと考えました。今回の提案といたしましては、索引の修正に対応するというものだったのですが、ICD-11の改訂TAGの方で検討されるべき課題と判断いたしまして、取り下げをいたしました。
以上でございます。
○藤原委員長
これは、大変な作業だろうということだけで、特に御質問はないですね。よろしいでしょうか。
次に、議事の3に入らせていただきます。「ICD-10一部改正に対する意見提出について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局
資料3-1、3-2をごらんください。
今年におきましても、改正の御提案を各委員からいただきたく考えております。資料3-1は意見提出様式でございます。
3-2は、確認でございますけれども、ICD改正作業の年間スケジュールをお示ししております。
まず1番ですが、改正改訂委員会メンバーが、事務局の方に提案を提出いたします。WHO-FIC協力センター長からの提案につきましては、2月1日~3月31日。死因検討グループからの提案は3月1日~4月30日となっております。その後、URCの事務局が提案について体裁を整えまして、ウェブ上のICD改正プラットフォームに掲載いたします。
第1回の投票は、7月上旬から中旬が締め切りとなっておりまして、URCメンバーがICD改正勧告案に対する意見をプラットフォームに提出いたします。14の協力センター長、日本は国際分類情報管理室長でございますが、それぞれが投票によって決定しておりまして、“yes”“no”“can’t decide”によって意思表示し、コメントを記入いたします。また、他のメンバーからの意見や質問にも対応しております。第2回の投票は、9月中旬から下旬が締め切りとなっておりまして、第1回と同様となっております。
5番ですが、10月中旬から下旬にWHO-FICネットワーク年次会議でURCが開催されます。この前の段階で意見が分かれたものに関しまして、年次会議で議論をして決定いたします。ここで意見の一致が見られない場合は、提案者が翌年に再提案する、または提案を取り下げるかの選択をしなければならないことになっています。
その後、URCは改正勧告につきまして、年次会議中の諮問会議において承認を求めます。翌年1月末までに勧告リストが作成され、WHOのホームページに掲載されることになっておりますが、ホームページ掲載が現在遅れております。
次のページの「今後の対応について」でございますが、WHOへの意見提出につきましては、ICD改正プラットフォームというものがウェブ上でつくられております。これに対する意見提出ですけれども、(2)にあるとおり、特段の国内調整を必要とせず、また、国際的にも議論に十分耐えられるエビデンスが準備でき、WHO内での合意形成が見込まれるものにつきまして、このプラットフォームに掲載をすることとしたいと考えております。
「今回、各学会から提出していただいた」とありますが、今後、提出をお願いすることになります。これらの条件を満たしたものにつきまして、事務局で整理いたしまして、委員長、各学会と相談しつつ決定したいと考えております。入力するには、先ほどの資料3-1の様式に従う必要があり、また、意見を提出した後も、関係者との議論の過程で質問への対応や根拠資料の提出を求められることもありますので、これらに当たって各学会の御協力をお願いしたいと考えております。
今年は、いただいた提案は2月末日までにとりまとめまして、3月31日までにプラットフォームへの掲載をしたいと考えておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
事務局から、当室あてに決定された提案リストというものが整理された後にまいりますので、これにつきましては、委員に情報提供をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○藤原委員長
ありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、質問等ございますでしょうか。
○水沼委員
今の件に関しましては、昨年もたしか同じようなものが来ました。私の前任者に伺いましたら、その前にもやはり同じように出ていると。かなり重複していろいろなものが出ていると思いますので、例えば、委員のところにどういうふうな質問が過去に出されたかという一覧表を送り返していただけると、次にどういうことを提案してよろしいかわかりやすいと思いますので、お願いできますか。
○事務局
重複しているというのは、どういうことでしょうか。
○水沼委員
産婦人科ですけれども、昨年も、この問題に関しまして幾つか提案しまして、それがその後どういうふうに取り扱われたかという情報が全然ありません。そうしますと、今回またこういう形で来ますと、多分同じような提案をすることになると思うのです。
○事務局
了解いたしました。
○藤原委員長
もう少し流れをわかりやすくしてくださいということですね。行ったり来たりでは困ると。
○水沼委員
はい。
○松本委員
診療情報管理学会の松本でございます。
WHOの意見提出のプラットフォームに関しましては、我々委員が勝手にやってはいけないというふうなことでよろしいのですか。まず、そこの確認です。
○事務局
協力センター長が行います。
○松本委員
ということですね。ですから、我々はここにアクセスして意見を直接入れることはできない、ということでよろしいですね。
あとは、問題点だと思いますけれども、例えばほかの国の実情を聞いてみますと、常に各学会からいろいろな意見を収集して、時期が来てやるというのではなく、大体のストックしてある問題点がかなりあって、それを審議して出しているということで、一年一年リセットするということではなくて、継続的な審議と提案をしていく。そのバックアップとしての理論武装、これは非常に重要だと思います。海外の提案を見ていますと、やはりちゃんとしていますね。我々のところがちゃんとしていないということではないのですけれども、少し弱いのではないかというふうに思いますので、その辺の組織づくりと組織の運営の仕方をもう少しやっていただかないと、太刀打ちできないのではないかというふうに思います。
○事務局
各国の状況は、例えば医療保険制度に取り入れている等の背景が異なりますので、なかなか全く同じことはできないと思います。いずれにいたしましても、各学会の御協力を得なければできないことと思いますので、相談させていただければと思います。
○藤原委員長
そこまでやるためには事務局の戦力は大丈夫ですか。いかがですか。
○事務局
それはなかなか厳しいと思います。
○藤原委員長
室長さんを介して少し人員を集めてはいかがですか。大変だけれども、いずれは将来の日本の臨床にとって極めて重要な話になると思いますので。
○菅野委員
よろしいでしょうか。数年前は全く沈黙していたことに比べると、こういう組織ができて、各学会が協力して幾つも採択されるようになったというだけで、非常に大きな進歩だと私は思っています。例えば消化器ですと、機能性ディスペプシアというのは、これは先生がおっしゃるように、世界も必ずしも知らない。最初に提案したときは「こんなことは聞いたことがない」という非常に驚くべき発言が、国際のところでもあったりしたのですが、文献を添えて学会からきちっと出すと次の年には認められた。
ですから、この人員では無理なので、各学会のサポートが重要だというふうに私は認識しております。各学会でそういう御認識をお持ちのところについては、文献も添えてロジックを書いた上、リーズニングをしてやれば向こうはあっさり認めたりしますので、是非、御協力をいただければと思います。
○藤原委員長
やっと日本が認められたという立場なので。
どうぞ。
○松本委員
私もURCの方に2年連続して出させていただきまして、実情を、私なりに感じたことを申し上げますと、そこにいらっしゃる先生方は常に同じ先生方がいらっしゃいます。必ずしもお医者さんではないし、いわゆるスペシャリストではないです。例えば、私は不整脈が専門ですけれども、不整脈を専門にしている先生は一人もいません。そういったところで、例えば今回の人工心臓であるとか、デバイスの意見を言って説明いたしますと納得していただけるというふうなことなのです。先生のディスペプシアも同じようなことだったのだろうと思います。ですから、そこにはかなりの乖離があるというふうに思います。その辺も御理解いただいて意見を出していただくということが重要だろうと思います。
○藤原委員長
どうぞ。
○土屋委員
これは、この専門委員会ではなく統計分科会で言うべき意見かと思うのですけれども、今、菅野委員がおっしゃったように、学会が非常に協力していますが、本来これはDPCにも使われているわけですから、やはり統計分科会だけではなくて、保険局そのものがこれに関与してこないと、先ほど事務局が言われたように、欧米では保険をちゃんと使っている、だからロジックが組み立てられると。日本の弱いところは、そこが乖離して、都合のいいところだけ使っていながら財政的な支援を保険局もしていない。これが一つにならないと欧米には太刀打ちできないと思います。
○藤原委員長
どうぞ。
○松本委員
なかなか機会がないので、ここで話をさせていただきます。例えば、アップデートを毎年やったとしても、それが実際に反映されているのかどうかということをお考えいただければと思います。ICD-11がいつできるのかということはあると思いますし、一つのバージョンをつくるのに、億の金ではなくてもっとすごいお金がかかるというふうに聞いております。このままでいいのかということを、御審議することなのでしょうか、どうでしょうか、ちょっとわからないですけれども、例えば2008年とか2010年とか、これだけ人工心臓のこと言っても載っていないわけですから、分類できないわけです。それも問題点があるのではないか。日本としてどういうふうにしていくのか、そのようなことを少しお考えいただければと思います。
○事務局
「その他」のところで申し上げようと思ったのですけれども、今、御指摘がありましたので、発言させていただきます。
2008年版につきましては、既に過去の委員会で御審議いただきまして、これについて日本は適用を考えなくてもよいという結論をいただいております。今年の1月初めにICD-10の2010年版が刊行されたということがWHOの方から連絡がありました。現在、原本の入手をしようとしているところでございます。
ICD-10の2010年版につきましては、原本を入手次第、早ければ次回、御説明をいたしますけれども、事務局といたしましては、これを適用する方向で検討していきたいと考えております。この適用に関しては、日本語版の準備をしていく必要がありますので、度々のお願いで恐縮ですが、専門的分野から見た御意見を委員の皆様からいただくことになるかと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
○藤原委員長
よろしいですか。「その他」のところでお話しいただける予定が、もう踏み込んでおりますので、議事のようにとりあえず入りましょう。その他、今、御説明があったほかに追加されることがあったら、御説明いただけますか。
○事務局
先ほど、WHO-FICネットワーク年次会議の御報告でも申し上げましたが、昨年9月に日本WHO-FIC協力センターが指定されました。指定期間は4年間でございます。センターは、保健医療科学院研究情報支援研究センター、日本診療情報管理学会、国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部院内がん登録室、日本東洋医学会用語及び病名分類委員会と国際分類情報管理室の5つの機関でネットワークを組んで活動をしていくことになっております。当室の室長がセンター長を務めさせていただきます。
協力センターに求められている主な役割としては、4つあり、今、まさに行っていただいているようなWHO国際分類ファミリーに関する、開発、整備、改訂に関する意見提出。2点目としましては、WHO-FIC協力センターネットワーク会議の各委員会、検討グループ活動への参画。普及活動といたしまして、各分類の普及・教育ツールの開発、翻訳。各地域の分類利用者とのネットワーク形成、支援、情報提供などが求められております。
日本WHO-FIC協力センターとしましては、これまでも他のセンターと同等の活動を行ってきておりますが、名実ともに今後はセンターとして活動をしていくことになります。ICD専門委員会の位置づけは、協力センターに技術的、専門的なサポートをしていただくことですので、今後とも引き続き御指導のほど、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○藤原委員長
単純な話をお聞きしますけれども、協力センターに指定されたということで日本のメリットはどうですか。先ほど来いろいろと意見をいただいておりますけれども、そういうものが少しは反映されるようになりますか。
○事務局
もともと協力センターに申請しようとした経緯といたしまして、WHO-FICネットワーク会議で、協力センターでなければ投票権を得られないという事情がありました。名実ともにセンターとなりましたので、今後ともWHO国際分類の改善に、意見を申し述べる立場になったということになります。
○藤原委員長
確かに、菅野委員が内科TAGに加わったということでも大変なことだと思っていたのですが、菅野委員、今の話に何か追加はありますか。
○菅野委員
今、国はお金がないのであれですが、やはり予算を確保するようにしないと、今は各学会の善意に基づいて行動しておりまして、内科学会を例にとりますと、内科学会はお金持ちだと思われているらしくて、いろんなところからたかられる。例えばここもそうですけれども、医療安全何とかというのがありますね。あれから、国の仕分けでお金がなくなったので2,000万円出してくれとか、そういうふうになっているようでは困るので、やはり国がちゃんと頑張ってやると。医療安全もそうですけれども、やってもらわないと、いくら会員のお金があっても足りなくなりますので、是非お願いしたいというところでございます。
○藤原委員長
どうですか、藤井課長。
○藤井企画課長
予算の問題等々につきましては、おっしゃるとおりでございます。ただ、一方では政府の方も非常に厳しいという、また、その状況がますます厳しくなるというところはございます。そういった中にありましても、本日いただいた意見等々につきましては真摯に受けとめた形で、我々としてできる努力は今後ともしていきたいと思っております。
それからもう一点、本日は非常に貴重な意見、建設的意見をいただいたわけでございますが、その中で幾つか御質問等々もあったわけでございます。我々、こういった少人数の中でやっておりますので、本日いただいた、いわば宿題等にも真摯に応えていきたいと思いますが、皆様方から見て必ずしも満足いくような資料が整理できるかという問題はあるかと思います。こういったスタッフの中で一生懸命やっていきたいと思いますが、このような点も御考慮の上、資料等々についても、必要な御意見、アドバイスをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○藤原委員長
菅野委員は、国が各学会にお願いするのではなく、ちゃんと国民のために予算をつけてほしいと、もっと大声で言いなさいということですね。
○菅野委員
これだけにつけてほしいと言っても無理なので、先ほど土屋委員がおっしゃったように、国の情報化ですね。例えばICDのDPCコードへの利用なども、当初の経緯は実は流用されてしまったわけです。そういった医療情報化の流れの中で、こういったものへ少し予算が回っていくような仕組みをお役所としては考えないと、これだけにつけてほしいと言っても、では何のためなのかとすぐ議論が出ると思いますから、そういった医療情報の流れ、あるいはむだの排除というようなところと結びつけて、是非、お役所の中での垣根を取っ払ってやっていただきたいというふうに思っております。
○藤原委員長
やはりトップに情報提供しなければいけないですね。大体、日本というのはみんなそうです。上に情報提供しないと、目先のことにこだわる傾向がありますけれども、これは非常に重要な課題ですので、ひとつ頑張ってください。
ほかに、今のことに関連した御質問、御発言がありましたら。
なければ、全体として、議事の1、2、3も含めて、何か御意見がありましたら、いかがですか。これも追加だというようなことがありましたら、どうぞ御遠慮なく。
よろしいですか。
御発言がなければ、以上で、本日の「第12回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を閉会いたします。
次回につきましては、新年度4月以降、事務局より日程調整の連絡が入りますので、御協力いただきますよう、お願い申し上げます。
本日は、どうもありがとうございました。
<照会先>
統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係: | 03-5253-1111内線7493 |
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第12回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録