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2012年2月1日 第31回がん対策推進協議会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成24年2月1日(水)
16:00~19:00           


○場所

厚生労働省 12階 専用第15・16会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)




○議題

1 開  会
   
2 議  題
   がん対策推進基本計画(素案)について

3 その他

○議事

出席委員:門田会長、天野会長代理、上田委員、江口委員、嘉山委員、川越委員、北岡委員、田村委員、中川委員、中沢委員、野田委員、花井委員、原委員、保坂委員、本田委員、前川委員、前原委員、眞島委員、松月委員、松本委員

○鷲見がん対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第31回「がん対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。がん対策推進室長の鷲見でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、すべての委員に御出席いただいております。
 なお、事務局には、厚生労働省のほか、文部科学省より出席をいただいております。
 また、会長を通じて、実は出席の要請のございました医薬食品局、そして保険局につきましては、本日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会、そして保険局は中央社会保険医療協議会対応のため、本協議会には欠席させていただいておりますけれども、本日、御議論いただく内容につきましては、健康局長が代表してお聞きしたいと考えております。
 それでは、以後の進行につきましては、門田会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○門田会長 皆さん、本年初めての会ですが、全員出席ということでございます。ありがとうございます。
 昨年から、月2回の頻度で協議会を開き、今日まで来ましたけれども、いよいよ本日、このがん対策推進基本計画の素案が示されるということでございます。私たちのメインの仕事がいよいよ終わりに近づいているということではないかと思います。本日もよろしくお願いいたします。
 なお、本日の進行ですが、前回、がん対策推進協議会で事務局より提示した、次期がん対策推進基本計画の全体構成の案と、それから骨子案及び協議会の各委員の皆さんの御意見を基に、事務局にて、この素案をつくっていただいたということでございます。この素案について御意見をいただくというのが、本日の主なことでございます。
 また、本日、事務局より、がんによる死亡者数の減少と検診受診率の数値目標、これはいろいろディスカッションがあったわけですが、このことと、もう一つ、これも前回からずっと話題になっておりますが、たばこに関する目標設定の考え方というものについて、資料も準備していただいております。併せて御意見をちょうだいしたいと思っております。
 では、事務局の方、資料の確認、お願いいたします。
○鷲見がん対策推進室長 それでは、以上をもちまして、撮影につきましては、カメラをおさめていただきますよう、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○鷲見がん対策推進室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料1 がん対策推進協議会委員名簿
 資料2 がん対策推進基本計画(素案)
 資料3 がんによる死亡者数の減少と検診受診率の数値目標について(案)
 資料4 たばこに関する目標設定の考え方について
 参考資料といたしまして、前回の協議会におきまして、骨子案に対する委員からの意見のまとめ、そして天野委員より提出いただいている資料、そして本日、机上配付資料としまして、嘉山委員より提出されました資料をお配りしております。
 なお、本日提示させていただく基本計画の素案でございますが、がん対策基本法第9条第4項に規定されております、「厚生労働大臣は、がん対策推進基本計画の案を作成しようとするときは、関係行政機関の長と協議するとともに、がん対策推進協議会の意見を聴くものとする」。そうした規定がございますが、その事前段階としまして、厚生労働省案を提示する前の素案として作成したものを今回お示しさせていただいております。
 以上、資料の過不足等ございましたら、事務局にお申し出ください。
○門田会長 よろしいですか。はい。
○眞島委員 今日は医薬食品局、それから保険局の方が欠席ということは非常に残念に思います。なぜかといいますと、こちらに提出されています素案自体は、この協議会の意見も勿論入っていますが、計画を実行する省内の関係部署、現場の方たちの声も拾い上げられてつくり上げられたと理解しています。それぞれ現場の皆さまも御苦労されており、その方たちの意見も反映されていると伺っています。実は私ども、今まで協議会で、さまざまな話し合いはありましたけれども、余り現場サイドの声というものを拾い上げる機会がなかったのかなと思います。ここで、大事な素案が出てきた段階で、やはりそれぞれ、省内の関係部署の方々と、それぞれのお考えをこちらの協議会で聞くような機会を、できれば設けていただきたいと思います。
 以上です。
○外山健康局長 いただいた意見につきましては、省内で幹事会というのをつくっておりまして、そこでちゃんとお伝えすると同時に、毎日のように、省内で担当部局と意見交換なりをやっております。それで、先ほど申し上げましたように、審議会がバッティングして、どうしても出られないということでございますので、先ほど鷲見室長が申し上げましたけれども、私が代わってお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。
○門田会長 はい。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 ただいま、眞島委員から意見がありまして、また、局長からもコメントをいただいたところでございます。私も眞島委員の意見に賛成でございます。
 今回、このがん対策推進基本計画をとりまとめていただくに当たりまして、健康局のがん対策推進室に大変な御尽力をいただいているということは、私も委員の一人として、大変感謝申し上げているところでございますが、例えば薬事関連の法制度のことなどに関しては、保険局であるとか、医薬食品局であるとか、そういった方々から実際に疑問点を御教示いただきながら議論いただくというのが、本当の実効性のある基本計画において不可欠であると思っております。
 局のよく縦割りであるとか、厚生労働省に、局はあって省はなし、といった言葉もあるやに聞いておりますが、そういった局の調整を何とかしていただくという意味でも、他の局の方にも、必要な場合には是非、この場に出てきていただきたいと私自身も感じております。
○門田会長 今、そういう皆さんの御意見を伺いまして、私もお願いしていたのですが、たまたま今回、重なったということでございます。しかし、それは責任を持って、局長の方から、会が幹事会等で伝えていただくということでございます。また、担当の方が、今、ここにいらっしゃらないので、これ以上、議論は進まないので、この件については置いておき、本日の審議に入りたいと思います。皆さんの気持ちはそういうものだということも、局長に伝わったと思います。
 それでは、本日のまず最初に資料2、がん対策推進基本計画(素案)が出ております。引き続きまして、資料3、4という順に説明をしていただきます。資料2が全体の計画でありまして、その内容についてのことが、3、4で説明されるということになりますので、一応2から4までの説明を受けて、そして、先に資料3、4のことについての御意見をいただいて、2の本格的なディスカッションに入りたいと思います。
 それでは、事務局、資料2の説明をお願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、資料2「がん対策推進基本計画(素案)」について御説明いたします。
 ページにいたしまして、まず1ページ目の「はじめに」から、なるべく簡潔に説明させていただきたいと思います。
 まず、「はじめに」のところです。
 最初、1段落目が、がんの現状を述べております。
 その後、2段落目、3段落目で、国のがん対策について簡単にまとめております。
 第4段落目で、成果について記載しております。こういったがん対策を行ってきたわけです。
 5段落目で課題を幾つか挙げております。地域格差や施設間格差があること、あるいは精神心理的な痛みに対するケアが十分でないこと、放射線療法や化学療法についても、さらなる充実が必要であること、小児がん対策、チーム医療、こういった問題を課題として挙げており、こうした問題を改善していくことが強く求められているということです。
 2ページ目ですけれども、一番上の行ですが、「この基本計画については、平成24年度から平成28年度までの5年程度の期間を一つの目安として定める」ということにしております。
 次の段落ですが、がん対策推進協議会の意見を聞くことになっているということは、先ほど申し上げましたが、加えて「小児がん」「緩和ケア」「がん研究」については、今回、協議会の下に専門委員会が設置され、その報告書が協議会へ提出されたということを記載しております。
 最後の段落、一番最後の2行ですが、「『がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会』の実現を目指す」ということで、これは現行の基本計画に沿ったものとなっております。
 続きまして、「第1 基本方針」です。これも簡潔に記載をしております。
 1番が「がん患者を含めた国民の視点に立ったがん対策の実施」。
 2番が「重点的に取り組むべき課題を定めた総合的かつ計画的ながん対策の実施」。
 3番が「目標とその達成時期の考え方」。
 1枚おめくりいただきまして、「第2 重点的に取り組むべき課題」を示しております。
 1番が「放射線療法・化学療法・手術のさらなる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成」。これについては、これまで手術に比べて、相対的に遅れていた放射線療法・化学療法、こういったものを進めてきたわけですが、外科医の不足といった話もありましたので、この3つをすべて充実させ、人材育成、更にチーム医療を進めていく必要があるということを記載しております。
 2つ目の「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」です。緩和ケアについても、この5年間で普及してきましたが、まだ精神心理的な苦痛への対応が不十分であるなど、全人的な緩和ケアが必要であり、苦痛を緩和していく必要があるということを述べております。
 3つ目、4ページ目ですが、「がん登録の推進」。これについても、一定の前進というのは見られておりますが、依然として、届け出の義務がないこと、あるいは患者さんの予後を把握することが困難であることなど、幾つかの課題がございますので、法的な位置づけも含めて、検討して、がん登録を円滑に推進するための体制整備を図ることが必要であるとしております。
 4番目の「働く世代や小児へのがん対策の充実」です。
 がんは働く世代にとっても大きな問題であります。したがって、がんをなるべく早期に発見し、患者さんが社会とのつながりを維持し、生きる意欲を持ち続けられるような社会づくりが求められているということです。
 また、小児についても、がんは病死原因の第1位であり、大きな問題ですので、小児がん対策についても、充実を図ることが必要と考えております。
 「第3 全体目標」ですが、これは1段落目の最後に書いてありますとおり、平成19年度からの10年間の全体目標として設定をしております。
 1つ目が「がんによる死亡者の減少」。これについては後ほど資料を用いて説明させていただきます。
 2つ目が「すべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」。
 3つ目が、今回新しく加えました「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」ということで、特に精神心理的、社会的な苦痛をやわらげるため、社会全体で支えていく取組みを実施することが必要であるということで、こうした目標を掲げております。
 第4「分野別施策と個別目標」。これについては、これまでも多くの御意見をちょうだいしておりますが、現状については、説明いたしますと長くなってしまうので、取り組むべき施策と個別目標について、簡単に御説明したいと思います。
 「1.がん医療」。
 「(1)放射線療法・化学療法・手術のさらなる充実とチーム医療の推進」ということで、7ページ目に取り組むべき施策を記載しております。
 1つ目が、チーム医療とがん医療全般に関することということで、インフォームド・コンセント、あるいはセカンド・オピニオンを受けられる体制を整備すること。
 更に診療ガイドラインの整備、多職種でのチーム医療、更に口腔ケアやリハビリテーションの推進、がん看護体制の強化、がん医療の質と安全の確保、高度な技術と設備等を必要とする医療については計画的な集約化を図ること。
 また、診療科の横のつながりを重視した診療体制の構築、こういったところを記載しております。
 8ページ目、一番下からです。「放射線療法の推進」については、9ページ目へ行きまして、集約化を図るということを掲げております。
 もう一つは、情報技術、ITを活用した医療を進めていくということと、人材の適正な配置、放射線治療チームの設置、放射線治療機器の研究開発の推進を掲げております。
 「化学療法の推進」についても、人材の適正な配置や化学療法チームの設置を挙げております。
 「手術の推進」については、人員不足の解消、それから放射線治療や化学療法などの専門医との連携、更に手術の標準化に向けた評価法の確立や教育システムの整備、そして集約化。更に周術期管理の体制、病理診断などを挙げております。
 10ページ目に個別目標を記載しておりますが、1行目、3年以内にすべての拠点病院にチーム医療の体制の整備を目標とすること。
 更に、質の向上を図るため、地域での各種がん治療に関する医療連携を推進することにより、安心かつ安全な質の高いがん医療の提供を目標とするとしております。
 「(2)がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成」ですが、取り組むべき施策が10ページの下からですけれども、11ページにまいりまして、専門医や専門医療従事者の育成を推進すること。更に大学においては、臓器別にとらわれない教育体制を整備するよう検討すること。
 研修体制については、研修の質の維持向上に努め、地域のがん医療を担う医療従事者の育成にも取り組むことを挙げております。
 個別目標では、5年以内に医療機関の専門医配置の有無等、がん患者にとってわかりやすく提示できる体制の整備を目標とする。
 更に、がん診療に携わる専門員の在り方の整理、専門の医療従事者の育成の推進も掲げております。
 続きまして、「(3)がんと診断された時からの緩和ケアの推進」は、取り組むべき施策が12ページから始まります。
 がん診療に緩和ケアを組み入れた診療体制を整備すること。
 次が、拠点病院を中心として、専門的な緩和ケアへのアクセスを改善し、患者と、その家族や遺族などが緩和ケアに関する相談や支援を受けられる体制を強化すること。
 緩和ケアチームや、緩和ケア外来の診療機能の向上を図ること。
 一番下は、在宅緩和ケアについても整備を進めること。
 13ページ目です。医療用麻薬についても、適正な使用と普及を図っていくこと。
 次が、心のケアを専門的に行う医療従事者の育成に取り組むこと。
 更に、研修内容の更なる充実、医学部に緩和医療学講座の設置を検討すること。
 そして最後ですが、国民に対して、緩和ケアの意義について普及啓発を進めることを挙げております。
 個別目標は、3年以内にこれまでの緩和ケアの研修体制を見直し、5年以内にがん診療に携わるすべての医療従事者が基本的な緩和ケアを理解し、知識と技術を習得することを目標としています。
 更に「また」以下ですが、3年以内に、緩和ケアチームや緩和ケア外来などの専門的な緩和ケアの提供体制の整備と質の向上を図ることを目標としております。
 「(4)地域の医療・介護サービス提供体制の構築」です。
 14ページ目の一番下、取り組むべき施策ですけれども、拠点病院の在り方については、さまざまな課題が挙がっておりますが、これについて検討するということ。
 そして拠点病院では、緩和ケアを含めた在宅医療介護サービスを受けられるような体制を実現するよう努めること。
 3つ目が、在宅医療・介護サービスについて、これは一般的な話ではありますが、地域完結型の医療・介護サービスを提供できる体制の整備、各制度の適切な運用とそれに必要な人材育成を進めるとしております。
 個別目標は、2行目、3年以内に拠点病院の在り方を検討し、5年以内に検討結果を踏まえてその機能を更に充実させることを目標としております。また、在宅医療・介護サービスについても提供体制の構築を目標としています。
 「(5)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組」です。
 16ページ目の取り組むべき施策ですけれども、1つ目が、臨床研究中核病院、仮称ですが、こうしたものを整備していくこと。更に人材育成を進めていくこと。
 2つ目がPMDAによる審査あるいは承認といった取組みを強化していくこと。
 3つ目が、引き続き、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議、ここで医療上、必要性が高いと認められたものについて、関係企業に、治験実施等の開発を要請する取組みを行うこと。
 一番下ですが、先進医療の運用を見直していくということ。
 17ページ目です。未承認薬・適応外薬を医療現場でより使いやすくするための方策については、現行制度や、あるいは患者さんの安全性といった問題もありますので、議論を慎重に継続していくこと。
 そして、希少がんについても、より重点的な開発支援を進めるための具体的な対策を検討すること。
 臨床研究や治験について普及啓発を図ることを挙げております。
 個別目標は、医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組みを一層強化し、有効で安全な医薬品を迅速に国民に提供するための取組みを着実に実施するとしております。
 「(6)その他」については、病理診断、リハビリテーション、希少がんについて掲げております。
 18ページ目の真ん中、個別目標ですが、3年以内に拠点病院などで、病理診断の現状を調査し、がん診療における病理診断体制の在り方について検討をする。
 リハビリテーションについても、質の高い研修を実施し、その育成に取り組む。
 希少がんについては、臨床研究体制の整備とともに、それぞれに合った診療体制の在り方を検討するとしております。
 「2.がんに関する相談支援と情報提供」です。
 19ページ目ですけれども、まず1つ目、国・地方公共団体・拠点病院等の各レベルの役割を明確にして、効率的・効果的な体制構築を進めること。
 拠点病院は、相談支援センターがより活用しやすくなるような取組みを進めていくこと。更に院内診療科との連携を図ること。
 4つ目が、ピア・サポートについて、更に充実するよう努めること。
 そして国立がん研究センターでは、希少がん、あるいは全国の医療機関の状況等についても、分かりやすく情報提供し、全国の中核的な機能を担うこと。
 PMDAでは、副作用の情報収集や評価などを情報提供することを挙げています。
 個別目標では、患者さん、あるいはその家族の、悩みや不安をくみ上げ、最新の情報を正しく提供し、患者とその家族にとって、より活用しやすい相談支援体制を実現することを目標としています。
 20ページ「3.がん登録」です。
 取り組むべき施策、1つ目が、法的な位置づけの検討も含めて、効率的な予後調査体制を構築し、地域がん登録の精度を向上させるということ。
 地域がん登録については、周知を図るとともに、ほかのデータとも組み合わせて、現状を分析していくということです。
 それから21ページ目、がんセンターにおいても、引き続き研修であるとか、標準化への取組みを実施するということを挙げております。
 個別目標は、4行目ですが、5年以内に法的位置付けの検討も含め、効率的な予後調査体制の構築や、院内がん登録を実施する医療機関数の増加を通じて、がん登録の精度を向上させることを目標としております。
 「4.がんの予防」です。
 22ページ真ん中辺りですけれども、たばこについては、喫煙率の低下と受動喫煙の防止を達成するための施策等を、より一層充実させる。更に、受動喫煙の防止については、特に職場での対策を強化する。
 感染症対策については、子宮頸がん予防ワクチンの普及啓発、ワクチンの安全供給に努める。肝炎ウイルス検査体制の充実、そしてHTLV1の感染予防対策に引き続き取り組むとしております。
 生活習慣病等についても、効果的に普及啓発等を行う。
 23ページ目、個別目標です。平成34年、2022年度までに、禁煙希望者が禁煙することにより、成人喫煙率を12.2%とすること。そして未成年者の喫煙をなくすことを目標とする。更に受動喫煙について、行政機関及び医療機関についてはゼロ%、職場は受動喫煙のない職場を実現することを目標としています。更に、家庭、飲食店について、家庭は3%、飲食店は15%とするとことを目標としています。
 「5.がんの早期発見」です
 24ページ目、取り組むべき施策の1つ目が、まず実態のより正確な分析を行う。
 2つ目が、科学的知見のあるがん検診の実施を促すよう、普及啓発を行う。
 都道府県では、精度管理の向上に向けた取組みを検討する。
 4つ目が、検診実施機関では、受診者へわかりやすくがん検診を説明する。
 5つ目が、受診率の向上施策についいては、より効率的かつ効果的な施策について検討する。
 一番下が、がん検診について普及啓発活動を進めるということです。
 25ページ目の個別目標です。5年以内にすべての市町村が、精度管理・事業評価を実施するとともに、科学的知見に基づくがん検診を実施することを目標とする。
 更に、がん検診の受診率については、後ほど資料にて説明させていただきますが、ここの具体的な数値の目標については、後ほど協議会の委員の皆様から御意見をちょうだいして、こちらでまた検討させていただきたいと考えております。
 「6.がん研究」です。
 26ページ目、取り組むべき施策の1つ目が、がんの臨床試験を統合・調整する体制や枠組みを整備する。
 2つ目が、first-in-human試験や、研究者主導臨床試験のための基盤整備と研究施設内の薬事支援部門の強化を推進する。
 3つ目が、臨床試験グループの基盤整備に対する支援を図る。
 4つ目が、固形がんについて、集学的治療の臨床試験に対する支援を強化する。
 5つ目が、基礎研究への支援を一層強化し、更には橋渡し研究などへの支援の拡充を図る。
 6つ目が、がんのゲノム解析を推進する。
 一番下が、医療機器の開発の促進を記載しております。
 27ページ目です。
 がんの予防方法の確立に向けて、大規模疫学研究を戦略的に推進するということ。
 2つ目が、がん研究に対する国民やがん患者への理解の深化を図ること。
 3つ目が、がん登録のさらなる充実を図るということと、政策研究に対しても、効果的な研究費配分を行うということ。
 最後が、若手研究者など、研究に携わる人材の育成を進めるということです。
 個別目標は「第3次対がん10か年総合戦略」が平成25年に終了するということもありますので、2年以内に、国内外のがん研究の推進状況を俯瞰し、今後のあるべき方向性と、具体的な研究事項等を明示するような、総合的な研究戦略を策定することを目標としております。
 「7.小児がん」についてです。
 28ページ、取り組むべき施策については、1つ目が、小児がん拠点病院の整備。
 2つ目が、小児がん拠点病院を整備した後ですが、地域の医療機関等との役割分担と連携を進め、子どもたちが同じ生活や教育環境の中で、医療や支援を受けられるようにすること。
 3つ目が、長期フォローアップの体制の整備、更に小児がん経験者の自立に向けた、心理社会的な支援についても検討すること。
 29ページ目、一番上は、小児がんの中核的な機関の在り方について検討し、整備を開始するということです。
 個別目標は、2行目、5年以内に小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始することを目標としております。
 「8.がんの教育・普及啓発」です。
 取り組むべき施策の1つ目が、健康教育全体の中で、がん教育をどのようにするべきか検討する。
 そして地域性を踏まえて、対象者ごとに指導内容・方法を工夫した試行的な取組みを進めていくということ。
 30ページ目、国民への普及啓発活動や、患者とその家族に対する相談支援や、情報提供機能を強化することを記載しています。
 個別目標。3行目ですが、5年以内に学校での教育の在り方を含め、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とするとしております。
 「9.がん患者の就労を含めた社会的な問題」です。
 31ページ、1つ目が、職場でのがんの正しい知識の普及、情報提供や、相談支援体制の在り方を検討し、検討結果に基づいた取組みを実施する。
 更に、2つ目、治療と職業生活の両立を支援するための仕組みについて検討し、検討結果に基づいた試行的取組みを実施する。
 経済負担の軽減策については、引き続き検討を進める。
 医療機関は、患者さんが働きながら治療を受けられるよう配慮するよう努める。
 そして事業者は、がん患者が働きながら治療や療養できる環境の整備、更に家族ががんになった場合でも働き続けられるような配慮に努めることが望ましいとしております。
 個別目標は、がん患者・経験者とその家族等が抱える仕事と治療の両立を支援し、経済面に対する不安や悩みなどを軽減し、がんになっても安心して働き暮らせる社会の構築を目標としております。
 次に「第5 がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」。
 「1 関係者等の連携協力の更なる強化」
 32ページ目、「2 都道府県による都道府県計画の策定」。
 「3 関係者等の意見の把握」。
 「4 がん患者を含めた国民等の努力」とありますが、4番については、前に記載しております分野別施策の中で、患者さん、あるいは国民等がどういったことをするのが望ましいかということについて、記載を余りしておりませんので、基本法第6条の、がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払いといったことは記載されているのですが、それに加えて、医療従事者とのよりよい人間関係の構築であるとか、治療内容について、医療従事者と共有できるようにすること、そういったことを記載しております。
 33ページ「5 必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化」ということで、各取組みの着実な実施に向け、必要な財政措置を行っていくことが重要である。
 一方で、近年の厳しい財政事情の中では、限られた予算を最大限有効に活用することが必要であること。
 更に、そういった観点がありますので、選択と集中の強化、重複の排除、関係府省間の連携強化を図るということを記載しております。
 「6 目標の達成状況の把握とがん対策を評価する指標の策定」ですが、わかりやすい指標の策定については、必要な検討を行い、施策の進捗管理と、必要な見直しを行うとしております。
 中間評価については、3年を目途に行うこととしています。
 「7 基本計画の見直し」で、最後のページですが、少なくとも5年ごとに見直すということになっておりますが、必要があるときには、この計画期間が終了する前であっても、これを変更するとしております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 今の説明の中でありましたけれども、資料3、資料4について、併せて説明していただいて、ディスカッションを始めたいと思いますので、資料3の説明をお願いいたします。
○事務局(秋月) それでは、続きまして「資料3 がんによる死亡者の減少と検診受診率の数値目標について」を説明させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして2枚目、「がんによる死亡者の減少」。現在、20%減というのを掲げておりますが、これはその内訳ですけれども、1990年から2005年の年齢調整死亡率が年平均1%減であり、この傾向が持続した場合、10年で10%、これに、たばこであるとか検診、医療の均てん化といったがん対策を加えることによって、更に10%加速させることができるということで、計20%減としております。
 3枚目、「全体目標に対する進捗状況」ですが、これは平成19年において得られる最新のデータということで、平成17年をベースラインにしているのですが、そこから順調に下がってはいるものの、ここ2年、平成21~22年をごらんいただければわかりますように、少し鈍化しておりまして、今後5年間で11%の減少が必要となっております。
 4枚目、これは「年齢調整死亡率の推移」を昭和35年から見ますと、徐々に下がってきておりまして、少しずつ、その傾きも大きくはなっているのですが、少し、この数年鈍化しているということで、目標の達成に向けて楽観視はできないという状況です。
 5枚目、「がんによる死亡者の減少の数値目標の考え方について」ですが、平成19年に掲げた10年間の目標である「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」を維持する。ただ、現在、目標達成より若干遅れておりますので、今後5年間で11%の減少が必要であり、検診受診率の向上、あるいはたばこ対策、がん医療の均てん化、こういったものを更に進めて、確実に20%を達成することを目指したいと考えております。
 続きまして、「がん検診の受診率の推移」ですが、これは以前もお示ししておりますが、大体平均で20~30%となっております。
 7枚目、「がん検診受診率の国際比較」でして、これは乳がん検診、子宮がん検診のものを挙げておりますが、海外諸国に比べても低いというのが現状です。
 8枚目、これは今までお示ししていないのですが、海外のがん検診について、少し調べさせていただいたのですけれども、ごらんいただきたいのは、海外諸国では、スタートの年齢だけではなくて、上限の年齢、例えば70歳とか69歳とか、そういった年齢制限を設けて実施しているところが多いということです。
 9枚目、「年齢階級別がん種別検診受診率」ですが、高齢者と子宮がん検診の20代、ここで低い傾向がございます。
 10枚目、「年齢層別がん種別検診受診率」を見ますと、上限を60、65、70、75、全体ということで、検診受診率を比べますと、やはり乳がん、子宮がん検診というのは、特に高齢者の受診率が低いということもありまして、上限をどこに設けるかによって、10%近くの差が出てくるということが分かるかと思います。
 11枚目は以前もお示ししておりますが、例えば胃がん検診なんかですと、医療の中で内視鏡検査を受けていらっしゃる方が、左下ですが、535万人おります。
 また、12枚目には、子宮頸がん、細胞診を受けていらっしゃる方が547万人ということで、医療の中で、こういったがん検診の項目を受けていらっしゃる方も多いということです。
 13枚目、「年齢階級別通院率」ですが、医療へのアクセスのよさということで、特に高齢者の方ですと、今は約7~8割の方が通院しているということで、14枚目を見ていただきますとわかりますように、「がん検診未受診の理由」という問いに対して、「心配な時はいつでも医療機関を受診できるから」とか、あるいは、もともとがん検診に対する意義というものを理解されていない方もおりまして、「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」と回答している方もおります。
 15枚目、「女性のがんの死亡率の上昇」。これも以前お示ししましたが、20代から40代辺りでは、やはり女性の方が罹患者数が多いということ、そして乳がん、子宮頸がんについては、欧米が下がっているのに対して、日本では現在、上昇しているという状況です。
 16枚目、「がん検診受診率の数値目標の考え方について」ですが、ここは御議論いただきたいところなのですけれども、海外諸国の検診受診率の動向、あるいは診療の中で受けている検査を差し引いても、我が国の受診率というのは低いので、50%というのは維持するべきではないかと。
 ただ、一方で、現状20~30%ということもありますので、今後5年間ということでは、実現可能な目標値を設定するべきではないか。
 その考え方としては、我が国においては海外諸国に比べて医療へのアクセスがよいこと。特に高齢者では、通院している方が多いこと、更に、海外諸国では年齢に上限を設けてがん検診をやっているということを踏まえ、年齢に上限を設けた受診率に関して目標値を設定するべきではないか。
 そして、もう一つの考え方としては、乳がん、子宮がんについて、死亡率が上昇していること、あるいは大腸がんについては、検診の有効性は確実であるということを踏まえ、これらのがんについて、特に目標値の達成を掲げてはどうかと考えております。
 また、かぎかっこに書いておりますが、受診率の目標とは別に、検診の項目や、その方法については、早期に検討会を立ち上げて検討する予定としております。
 以上です。
○外山健康局長 ちょっとフォローさせてください。16ページ、上から2つ目のポツ、「一方、現状20-30%であることから、実現可能な目標値を設定するべきではないか」というのはちょっと余計でして、上のポツで「『50%』は維持するべきではないか」と。ただし、比較する上で、あるいは我が国の特性を考えると、いろいろ調整すべきこともあるのでということでございまして、現状のレベルが低いから、それに合わせるということではありませんので、2つ目のポツは余計でございました。
○野田生活習慣病対策室長 それでは「資料4 たばこに関する目標設定の考え方について」を御説明いたします。
 2ページ目をごらんください。これは都道府県計画の策定において、健康づくりプランとがん対策推進基本計画の調和が求められているということにつきましては、以前に御説明したとおりでございまして、地域保健健康増進栄養部会とがん対策推進協議会が連携、並行して、検討が進められているところでございます。特にがんの予防の部分が関係しているわけでございますけれども、喫煙の目標につきましては、具体的に、目標の必要性がこの協議会でも指摘されておりましたことから、先行して議論が地域保健健康増進栄養部会で行われてきたところでございます。
 1月23日、先日、次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)の提示とともに、喫煙の目標項目・目標値の設定方法について審議が行われまして、本日が2月1日でございまして、この間に、国民健康栄養調査の発表が行われているところでございます。
 3ページをごらんください。これは次期国民健康づくり運動プランの「基本的な方向」について、骨子として示されたものでございまして、左側が現行のプラン、右側が次期の考え方ということでございまして、基本的な方向につきましては、ことに青い字で書いてあるところが課題でございまして、非正規雇用の増加ですとか、地域の変化等を踏まえて、地域格差の縮小が重要であるといったことですとか、それから重症化を予防する観点、年代に応じた健康づくりを行う必要があるといった観点、それから健康の意識はありながら、生活に追われて健康を守れない方等を含めた対策が必要だといったことで、次期プランにつきましては、大きく「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」「健康を支え、守るための社会環境の整備」「多様な分野における連携」ということを立てております。
 4ページをごらんいただきたいのですけれども、この基本的な方向に沿いまして、右側に目標を示しているところでございます。従来、左側の「健康日本21」につきましては、局長通知でありましたところを、次期につきましては大臣告示に格上げいたしまして、5つの基本的な方向に沿って、54項目について目標項目を設定するという考え方でございます。
 先ほど申し上げました柱立てに沿って、さまざまな疾患、または危険因子につきまして、項目を定めるというような考え方でございます。
 ことに2にございますように、がん、循環器、糖尿病、COPDに区分をして、最近、グローブな観点から取り組まれておりますNCD(非感染性疾患)の予防に関する予防というものを立てているところでございます。
 5のところに、それに対応するような危険因子が並んでおりまして、その中に喫煙という項目が含まれているところでございます。
 5ページ目からが、1月23日に地域保健健康増進栄養部会で、厚生労働省としてお示ししたものに御意見を反映させた目標値の考え方、これに基づきまして、先ほどちょっと申し上げましたが、公表されました平成22年度の国民健康栄養調査の数値を当てはめて、目標値を計算した資料になっております。
 まず、「1.成人喫煙率の低下」についてでございます。がんを初めとするさまざまな健康影響は明らかなこと。
 それから、年間119万人の死亡のうち、12~13万人が、喫煙者本人の喫煙による超過死亡である。
 それからFCTCの観点から、その責務が求められているということから、成人の喫煙率の低下に関する目標が必要であるということでございまして、「(2)目標値の考え方」を見ていただきますと、「健康日本21」においては、「喫煙をやめたい人がやめる」ということを方針として掲げております。
 それから19年に策定されました「がん対策推進基本計画」では、喫煙をやめたい人に対する禁煙支援を行っていくことを目標とするということが閣議決定されております。
 こうしたことから、政府全体として、喫煙をやめたい人が禁煙する環境を整備することが求められているといったことから、現在の成人の喫煙率から、禁煙希望者が禁煙した場合の割合を減じて設定するということでございまして、計算式については下に示すとおりでございまして、成人の喫煙率に、その希望者の割合を100%から引いた率を掛けて、12.2%、平成34年度達成という目標値の考え方になっております。
 6ページは未成年の喫煙でございまして、これは従来から盛り込まれているところでございます。法律上、禁止されているとともに、未成年期からの喫煙は健康影響が大きいということから、目標値を考えるということでございまして、すべてゼロパーセントという考え方でございまして、データソースにつきましては厚生労働省研究費補助金によっております。
 7ページが受動喫煙の防止でございます。
 設定の必要性でございますけれども、受動喫煙についても短期の少量暴露によって健康被害が生じ、虚血性心疾患、肺がん等の健康被害の原因となるということ。
 同様に、CTCでその責務が求められているところでございます。
 ガイドラインも設定されまして、国内の取組みとして、その下にございますように、健康増進法において、受動喫煙防止のための措置を講じることが努力義務とされていますほか、平成22年に発出いたしました健康局長通知では、「今後の受動喫煙防止対策の基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な空間は、原則として全面禁煙であるべき」ことを示しています。
 また、職場につきましては平成22年に閣議決定が行われていまして、これは新成長戦略でございますが、2020年までに、受動喫煙のない職場の実現が掲げられています。
 こういった状況を踏まえまして、目標を設定することが必要であるということでございます。
 「(2)目標値の考え方」でございます。
 行政機関・医療機関につきましては、先ほど申し上げました健康局長通知において、「少なくとも官公庁や医療施設においては、全面禁煙とすることが望ましい」ということから、これらの施設については、公的責任を果たす要請が特に強いということから、受動喫煙の機会を有する方をなくすということを目標に掲げることが適当であるということで、現状から、おのおの34年度にはゼロにするという考えでございます。
 8ページでございますが、職場についてです。これは先ほど申し上げましたとおり、閣議決定で「受動喫煙の無い職場の実現」を目標に掲げるということでございまして、職場が現在、データソースが「平成23年職場における受動喫煙防止対策に係る調査」でございますが、64%であるものを、平成32年には受動喫煙のない職場の実現をするという考え方でございます。
 最後に、家庭・飲食店でございます。これらにつきましては、行政機関等と同様に、受動喫煙を完全になくす目標を設定することが望ましいということ、一方で、20歳以上の喫煙が認められているという中で、プライベートな空間で、家庭において完全な受動喫煙防止を求めるというのはなかなか困難である。
 飲食店の場合につきましては、検討会の報告書でも述べられているところであるわけでございますが、受動喫煙防止措置と営業を両立させることが困難な場合があること、利用者に公共的な空間という意識が薄いといったことから、実効性が確保しがたい状況にあるとされておりまして、顧客に対して禁煙等とすることを一律に事業者に求めることは困難であるということから、受動喫煙の機会を有する方を半減するということを目標とするという考え方でございます。
 これは、喫煙率を1で示ましたように、低下することを前提に受動喫煙を半減するという考え方でございまして、現状、家庭で受動喫煙の機会がある方は、その下にございますが、10.7%でございます。1と同様の率を掛けまして、それを2で割った数値として得た3%、これを34年度の目標とするという考えでございます。飲食店も同様な計算によりまして、50.1%でございますものを、平成34年度には15%にするということになっています。
 参考として、9~10ページに、これまで審議会及び専門委員会、それから専門委員会に寄せられた多数の御意見を付けているところでございます。どの意見も、喫煙と受動喫煙につきましては、適切に目標値を定めて対応すべきといった視点からの御意見でございます。
 9ページの下から始まります各関係団体からの御意見につきましては、これはまだ12月末で、プランにつきまして、具体的な議論というよりは、大きな方向性についてお聞きをする中で求めた御意見でございまして、さまざまな受動喫煙、未成年喫煙、成人喫煙の減少といった観点で、目標が必要であるという御意見と、それから目標だけではなくて、適切な対策が必要であるといった御意見に集約されております。
 説明は以上でございます。
○外山健康局長 補完します。厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会の考え方に、国民健康栄養調査の数字を当てはめたという説明になっていますけれども、ある意味では、事実はそうなのですが、そうではなくて、国民の健康づくり運動なるものと、がん対策推進基本計画におけるたばこ対策については、同一の目標を置きたいと思っておりまして、そういった観点から説明を合わせてあるわけですけれども、あくまで、今日はがん対策推進協議会に、こういったものの考え方でどうかという形できちんとお示しするということでございますので、ある部会の審議会の考え方に、たまたま数字を合わせたのをどうだと言っているという趣旨ではありません。そこのところをよろしくお願いしたいと思います。
○門田会長 わかりました。ありがとうございました。
 それでは、資料2、3、4といったのですが、資料2は全体の素案としてものでございますので、資料3の死亡率の問題、それから検診受診率の問題、それから今のたばこ、喫煙の問題について、数値目標をどうするかということは前からのテーマであったわけですが、資料3、4についての御意見、あるいは御質問、そのほかがあればいただいて、そして今度は本文の流れの中でディスカッションしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、どなたか。
 どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。がんの死亡率の減少ということで、20%という数値が今まで定められてきたわけですが、その20%という数値についての議論が若干必要かなと感じております。と申しますのも、先日の厚生労働科学研究費の研究成果発表会にて、津熊班の方から、従来の数値設定につきまして、一応90年を起点とした取り方をした結果、こういった20%という数値が出ているとも考えられるが、例えば95年を起点とした数値から見ると、実際20%という目標設定は、もしかすると甘かったのではないかという指摘が出ていたというふうに私、拝聴していて、記憶しております。この辺りにつきまして、20%という数値が、果たして妥当なのかということにつきまして、事務局として、どのようにお考えなのかということについて、御意見を聞かせていたただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
○門田会長 はい。
○外山健康局長 私が答えます。今日の資料3の3ページに、御説明しましたけれども、今のトレンドで見ると、鈍化しているものですから、今のやり方だけでは達成できないだろうと。どこから線を引っ張るかによって、傾きなどというのはいろいろ変わるものですけれども、鈍化し始めているので、これを達成するためには並大抵の努力ではだめだろうということでございます。今の減衰が甘い基準だとは思っておりません。恐らくそれは、どう言いますか、線の引っ張り方が、違うところから見たときには、当然、自然減としてなることだと思っておりますけれども、近年のこの状況を考えると、少し底打ちをしているという状況に思っておりますので、これは今申し上げましたような、いろいろな施策を総動員することによって初めて達成できる。もっと早く達成できればいいと思っておりますけれども、そういった水準の値だと思っております。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 中間報告が出た際は、順調に減少しているというふうな報告が出ていたかと思うのですけれども、本日この資料を拝見しまして、鈍化しているということで、ちょっと私も驚きを覚えているのですが、この鈍化というのは、何か考えられるような理由はあったりするのか、もしあれば教えていただければと思います。
○外山健康局長 これはがんの専門家の方に少しお聞きしたいと思いますけれども、いろいろな理由があるのではないかと思います。したがって、単一の理由があるのではないと思っていて、ですから、まさに総合的に手を打たないと、マクロの予防から、検診から、早期発見から、早期治療から、全体を打って、初めて達成できるのではないかと思っております。
○門田会長 よろしいですか。そのほかどうぞ。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 資料3の8ページ目、海外のがん検診。検診の受診対象を何歳にするかという議論があるわけですが、御承知のように、現在、日本人の4人に1人が65歳以上の高齢者で、一昨日ですか、社会保障人口問題研究所の将来推計人口のデータが発表されて、これによると、2060年度になると、65歳以上は39.9%、4割ということになります。そのとき、2060年度の平均寿命、女性は90.93という推計が出ているわけです。これを考えると、ある程度、上限を余り若い世代に切るのはどうかなという印象を持っています。
 ちょうど2年前ですね。鈴木前がん室長らと韓国に視察に行ったことがありまして、そのときにも検診受診対象者をどこで区切るかというディスカッションがありました。70歳前後で区切りたいという気持ちはあるのだけれども、御承知のように、韓国は儒教国家であって、なかなかそうできないというようなディスカッションがありました。
 日本も同様な問題があるかと思いますが、確かにすべての年齢層が早期発見をするということには、私も疑問を持っています。ただ、高齢化と、高齢者が若くなっているといいますか、そういう環境の中でどう設定するかを慎重に考えなければいけない。ただ、ただ、欧米と同じようにはできないということを感じております。
 以上です。
○外山健康局長 補足してよろしいですか。
○門田会長 どうぞ。
○外山健康局長 先ほど担当の者が説明するときに強調していなかったのですけれども、今回の御提案というか、御審議いただきたい点は、例えば資料3の8ページに、各国の年齢制限が書いてあるのですけれども、これは例えば、OECDのヘルスデータです。そういうところの統計上の区切りであって、我が方も、予算事業で重点をどこに置くかは別なのですけれども、例えばがん検診の健康増進事業であれば、それは青天井でありまして、すべて高齢者にも当然チャンスを与えるという思想に立っているので、それを変えるものではないのですけれども、いろいろ国際比較をやったり、あるいは重点的に統計を取る際の、国の目標としては、もしかしたら、そういった状況を考えて、例えば40~69とか、そういうことも考えていいのではないかという提案で、事業をそこでちょん切るということではないのです。
○門田会長 中川委員。
○中川委員 それはつまり、検診受診率の算定の対象として、年齢を限定するということですか。
○外山健康局長 そうです。
○中川委員 なるほど。
○外山健康局長 ただ、例えば重点的な3事業的には、ある程度、重点的な年代があるかもしれませんが、基本の健康増進法に基づく、例えば健康増進事業の基本的ながん検診を年齢制限するとかいうことではなくて、それは当然、何歳になってもきちんと診ると。こういう趣旨だけれども、国家目標としての統計の取り方については、国際比較、それから、前も議論になりましたけれども、日本は国民皆保険で、高齢者のほとんどが医療機関にかかっているというふうなことであるとか、医療機関での発見も、るる説明しましたけれども、そういうことを考えると、統計上は、一定の年齢制限を考えてもいいのではないか、こういうことでございます。
○中川委員 もう一つだけ。
○門田会長 どうぞ。
○中川委員 欧米では恐らく、私の理解では75ぐらいで検診受診者対象を区切っていると思います。それに対して年齢を区切らないということはよくわかるのですが、ただ、そうは言っても、やはり我が国の長寿化ということを考えると、若干、上まで考えてもよいのではないか。自律的な意味で、我が国での評価という点では、そんな気がいたします。
 もう一点、高齢者が医療機関に受診しているという点なのですが、これはよくわかります。ここでお願いなのですが、これは特に保坂委員を通してお願いないのですが、特に開業医の先生方が、かかりつけの患者さんに対して、検診の受診勧奨をしていただきたいと思っていまして、それに対して何らかのインセンティブが出ると、よりよいなとすら思っています。
 以上です。
○門田会長 保坂委員どうぞ。
○保坂委員 今のことでございますけれども、高齢者等に限らず、日本はフリーアクセスで普通に診療を受けているので、検診の受診率はそこでカバーできているのではないかというお話は、そこで検診をしているとか、そういうことではなくて、非常に微細な症状で、あるいはがんに関係のない症状であっても、がんを疑って検査をしているという意味なので、新たにそこで検診というものを受診するように勧奨することが、非常に意味があるということではないのではないかと感じています。皆さんがおっしゃるように、確かにそれもあるのですが、また問題をちょっと広げてしまって申し訳ないのですが、今のがん検診というものが、本当にみんなが納得しているかどうかという部分の問題ももう一つございまして、その辺も含めて、今後、私たちとしては医療現場の方で検診を勧めていくように努力させていただきたいとは思っております。
 もう一つ、続けていいですか。検診についての目標ですけれども、すべてのがん検診について50%という目標なのでございましょうか。
 そうすると、検診を受けていただく必要が非常に高いものとか、それから検診の効果が高いものとか、検診を受けやすいものとかいうのが、がんの種類によって違うと思うので、これは一律ではない方がいいかなと、今日のお話を伺っていて思いまして、例えば、乳がん、子宮がんは、50%とは言わず、70%、80%という目標を立てられた方がよいかと思いますし、ほかのがん検診について、エビデンスがあると言いながら、エビデンスがあるかないか余りわからないようなものも、ないわけではないと私は感じておりますので、そういうものも全部50%と一律に決めてしまうことに、目標設定の問題があるのではないかと感じています。
○門田会長 ありがとうございました。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 これは嘉山先生が以前おっしゃったことにも関連するのですが、胃がんや肺がんや大腸がん、これはおっしゃるように、通常の診療の中でかなり診ていただいています。ただ、やはり乳がんや子宮頸がんはそうでもないところがあって、それは保坂先生がおっしゃった、個別に目標設定するということとも関連すると思います。
○門田会長 嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員 今、中川先生が大体おまとめになったのでいいのですけれども、3ページの、先ほどの全体目標に対する進捗状況で、非常に鈍化しているということで、びっくりされたと天野さんがおっしゃったのですけれども、例えば乳児死亡は1万人に1人か2人なのです。世界で日本は図抜けて1番なのです。この1万人に1人か2人を、1人にするというのは、ほとんど不可能に近いぐらいに難しいのです。がんの今の日本の成績というのは、乳がん以外、特殊な、例えば膵がんなどというのは多分ちょっと悪いと思うのですけれども、それ以外、5年生存は、OECDのデータで世界一なのです。
 これを計算したとき、どういうふうな計算を基に使ったかわからないのですが、鈍化するのは、世界一の治療成績を出している国家の計画としては、これ以上は無理なのではないかというぐらいの頑張りをしているのではないかと思いますので、鈍化というよりは、これはやはり検証する必要があると思います。来年どうなのか。
 人口動態でも、今年、遂に人口動態調査会が修正をしましたね。子どもが生まれるのは予想したよりも多かったというようなことがありますので、ちょっとした10万、20万の差でも随分大きく変わりますから、このラインは検診率にしても、毎年のように、少しずつ修正するというのを残しておかないと、ダムを30年前に計画して、今でもその方法でやっているというようなことは、いいか悪いかは別にして、多分余りよくないのだと思いますけれども、やはり修正するというのは、私は科学的には正しいと思うので、これはこれで、エビデンスとして今回受けとめておいて、感想はなしに、次回どうなっているのかというのは、また2年後ぐらいにでも出して、検証するというのが、一番科学的で、エモーショナルではない決定の仕方ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それから、要するに検診の一番の眼目は早期発見なのですが、乳がんと子宮頸がん以外は、全部ステージのすごく早いとき、つまり早期発見されてしまっているのです。ですから、先ほど保坂先生がおっしゃったように、日本の開業の先生は、川越先生もそうですけれども、大学の講師ぐらいをやった人が、内視鏡をばんばんできるような人が、胃腸科で開業していますから、がんなどは普通の診療で見つけてしまうのです。したがって、意外と、検診率が低いのにもかかわらず、結果は高いのです。
 ただ、これは一見、死亡率だけしか出していないので、ちょっと誤解を与えるのです。15ページ。これは日本の御婦人たちの食生活と日常生活が、従来と変わってきたので上がっているように見えるのですが、それにしても、対10万当たり、子宮頚がんはちょっと高いのですが、乳がんは、外国と比べて上がっているのですけれども、絶対数としては低いわけです。
 こういうデータを出すと、ベクトルだけを出しているので誤解を受けるのですが、実際の治療成績は、アメリカの次に5年生存率は82.9%というような成績をOECDは出していますので、こういうのではなくて、もっと本当に、検診がなぜ必要で、有効性があるのはどれかと。あとはどの年齢層でやるべきかということを、もう少し時間をおいて検討した方がいいのではないか。その方がお金の使い方もきちんとしますし、患者さんのためになるのではないかと思っています。
 それから、死亡に関してちょっとお話ししますと、今回は、在宅のがんのことが死亡数として出ていないのですけれども、平成15年以前は、日本人は100万人死んでいなかったのです。90何万代です。平成15年から100万を超え、今年は大体120万になっています。ですからわずか7年間で、死亡数が20万増えている。100万から120万までいった。もう少したつと、死亡の原因のほとんどが、がんの患者さんになるのです。もうすぐ150、今より1.5倍になる。そうすると病院では絶対にやっていけません。
 そういう死亡数のトータルの数がないと、計画書の在宅がん医療のことがほとんど書かれていないので、僕はちょっとびっくりしたのですけれども、そういう意味では、ここに生の死亡数を書いておくべきだったのではないかと思います。
 事務局、それはなぜ入れなかったのでしょうか。
○門田会長 局長、どうぞ。
○外山健康局長 素案の15ページに、今の認識は持っておりまして、量はどうかわかりませんけれども、上から2つ目の段落で、拠点病院を軸にしておりますけれども、在宅ケア、緩和ケアを提供できる医療機関などとも連携して、在宅医療を推進するということでございまして、在宅医療・介護サービスを受けられる体制を実現するように努めているということで、平成24年度の予算、前に御説明した中にも、こういった診療所との連携における在宅の医療介護、在宅死を念頭に置いた体制ということは書いています。ただ、記載の分量がどうかという問題はありますけれども、そういう認識でおります。
 それから、先ほど説明がありましたけれども、ときどき、また数値が変わる可能性がありますので、今回新しく基本計画の中に、後ろの方に、中間評価を3年を目途に行うという形でございます。前の中間評価は計画の中でははっきりしておりませんので、実効的にやっておりましたけれども、そういう形になっております。
 ついでに申し上げますと、検診につきましては、前の計画では50%以上と書いておりまして、「乳がん検診、大腸がん検診等」と名指しをしておりました。恐らくそれは、がんの種別において、すべてが50%というのはどうかなというふうなことがあったのだろうと思います。
 その後、厚生労働省の方では、厚生労働大臣を中心に、やはり全部のがんで50%にいこうという形で進めてきた関係上、今回の計画でも、とりあえず提案としては、50%を維持するべきではないかと言っております。
 ただ、資料の16ページに書いておりますように、受診率の目標とは別に、検診の項目や方法等について、果たしてそれでいいのかという議論も結構あるものですから、こういった書きぶりになっておりまして、今、決めかねているところでございます。
○門田会長 嘉山委員。
○嘉山委員 どうも失礼しました。在宅は大事なので、入っていたのを見逃しましたけれども、もうちょっと量があってもいいかと。川越先生がせっかく専門家でいらっしゃるのに、入れておいてもよかったかなと思いました。やはり死亡数も、もし後で加えられるのであれば、それは非常に現実味を帯びますので、死亡数のラインがありますと。それを入れておいていただけたらと思います。
○門田会長 在宅拠点2,000か所か何か、最近、新聞に大きく載りましたね。私はどこから出てきたのか知らないのですけれども、あれは健康局ですか。
○外山健康局長 あれは24年度予算に向けまして、名前はちょっとあれですけれども、いわゆる政策コンテスト的な重点課題について各省やる中で、介護・医療も含めた在宅死、今、嘉山先生がおっしゃった視点で推進してきておりまして、厚生労働省として、24年度の大きな目玉になっております。在宅の医療・介護の元年と位置づけるという切り口になっていまして、その中の重要な構成要素として、がんの在宅医療というのは重要課題になっております。そういった観点を踏まえて書いているわけでございまして、最近報道されている話と全く無関係ではございませんで、その1つを構成しております。
 ただ、今、御指摘のように、ちょっと分量が少ないという点がございますので、また検討させていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。本田委員どうぞ。
○本田委員 死亡率の目標については、先ほど嘉山委員もおっしゃいましたように、私も現状を見て、この中間評価のところでもう一度きちんと見るという形で、今ちょっと鈍化しているとはいうことですけれども、やはり、もう少し長い目で見ていいのかなと感じています。
 あと、がん検診のことなのですけれども、私は医療者ではないので、そういう医学的なことは言えませんけれども、1つやはり、乳がん、子宮がんに関しては、普通のかかりつけの先生が、胃腸とか、肺とか、そういうのは普段の診療の中で見てくださっている中で、早期がんが見つかっているという実情も結構あるようですが、乳がん、子宮がんに関しては、お医者さんに男性が多いという現実もあるのかもしれませんけれども、なかなか相談することもないし、検診というものの重要性がとても高いと思います。これについては、例えば現実、今は2~3割だから下がるとか、そういうことではなくて、5割以上で、目標をちゃんと設置してやっていただくべきだと。高目の設定があってもいいのかなと思っています。
 一方で、年齢についてなのですけれども、検診をする年齢をここまでにするという諸外国みたいなことは、それをここでする話でもないということですし、それは大きな問題ですので、そういうことは、みんな受けられるという前提で物を考えたいと思うのですけれども、ただ、推奨していくという意味合いでは、年齢調整死亡率の死亡率を見ているのも、年齢調整で見ていますので、ある程度の年齢、それが70なのか、75なのか、私にはわかりませんけれども、そういう数字で見るというのも1つあってもいいのかなと。これを今後、政策的に推奨していくという意味では、そういう見方もあってもいいのではないかと私は考えます。ただ、五大がん全部にそれが言えるのかどうかは、ちょっと私にはわかりません。
○門田会長 ありがとうございました。
 確かに死亡率が75歳で切っていて、検診云々というときに途中で切るのもという御意見もわかるような気がいたしますが、これは事務局、何か御発言ありますか。
○外山健康局長 今日が最終日ではございません。できれば後で、3月1日になるかもしれませんが、その段階で、今日いただいた意見を踏まえながら、最終的な厚生労働省の案をお出ししたいと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。
 ちょっと検診と死亡率の方に行っているのですが、もう一つ、喫煙のことについて非常に話題性があったと思うのですが、こちらの方の発言はなかったのですけれども、これはただいまの御説明で大体よろしいですか。
 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 どこの場でも、やはり言っておくべきだと思いますので。私は厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会にも出ておりますが、その場でも申し上げました。やはり国がこういう目標を決めるときには、国自らの機関、厚生労働省でありますとか、国会でありますとかというところ、厚生労働省だけではなくてほかの省庁もでございますけれども、そういうところがやはり率先垂範してやっていただきたいと思っております。
 例えば、厚生労働省におきましては、館内禁煙は多分徹底しているとは思うのですけれども、敷地内禁煙にはなっていなくて、ある場所では、非常に強い受動喫煙をせざるを得ないような、厚生労働省の敷地内もございます。国会等も、禁煙について全く浸透していないという状況でございますので、その辺は、多分抵抗も多いかと思いますが、この会の基本計画の中で、細かいところまでは言えないと思いますが、是非よろしくお願いしたいと思います。
○門田会長 ありがとうございます。
 松本委員どうぞ。
○松本委員 ありがとうございます。これまでの協議会、たしか前々回だったか前回だったかの場で、きちんと数値目標をということを申し上げまして、今回このように数値目標を掲げていただいたこと、本当にありがとうございます。今、保坂委員からも、まず厚労省の建物から、中央官庁からというお話がありました。目標値の考え方の中に、医療機関について、受動喫煙の機会を有するものをなくすということでゼロパーセントという数字が挙がっております。残念ながら、がんの拠点病院にあっても、敷地内で喫煙ができる場所があるような拠点病院がありますので、こういうことを本当になくすということ、今後、拠点病院の在り方検討というのもまた始まると思いますので、そこで是非、きちんと対応していただきたいということです。
 それと現行のこの基本計画のときにも、喫煙の問題については全会一致であったにもかかわらず、それが翻ってしまったということがあったと思いますので、こういうことは決してないように、私どもも働きかけをしていかなければならないと思っておりますけれども、このことについては再度、強く要望をさせていただきます。
 ありがとうございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 皆さん、数値目標立ててほしいというのがここであって、今回出てきて、私が言うのもおかしいのですけれども、こんな数値、本当に大丈夫かなという感じも受けないわけでもありませんが、何とかこれが通っていったらすばらしいなと思っております。この件は、ここをぐっと厳しくというのは、多分皆さん、同じ意見だろうと思うので、余り御意見はないのかと思いますが、今回、提案されたものについて賛成だということだと思います。よろしいですか。
 そうしたら、ただいま資料3と4について御意見をいただきました。その内容が資料2に入っておりますが、もう少し資料2の方に話を進めていきたいと思います。ある程度、絞ってやるために、目次のところを見ていただきますと、今までにもある程度、前半部分はディスカッションを何度かしてきていると思いますので、「はじめに」から「全体目標」、ここまでについての御意見をちょうだいして、そして、そこでちょっと休憩を取りたいと思います。「はじめに」、第1~3章までです。ここまでで御意見をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 ページ数で言いますと、6ページの「分野別」に入るまでです。ここは何度かディスカッションしたところだと思います。今日の説明はすごく速くやっていただきましたけれども、委員の皆さんには前もって配付しておったと思います。
 前原委員どうぞ。
○前原委員 3ページの「重点的に取り組むべき課題」の中の1番で、手術を入れていただいておりますが、今回から文言が統一されて、「放射線療法」「化学療法」「手術」と。「手術療法」ではなくて「手術」という文言に統一されたというような状況で、お聞きしますと、対策基本法では「手術」となっているということでありますが、実際、現場では「手術療法」というのがいいのではないかと私は思っております。
 いわゆる、がんの外科治療にかかわる者として、手術とともに、例えば肝がんや、胆管がんによる閉塞性黄疸に対する胆管ドレナージですとか、胃がんや大腸がんによる腸閉塞による減圧イレウスチューブの挿入など、さまざまな手技が、がんの治療を目指した外科的な処置ということになりますので、その言葉として「放射線療法」「化学療法」、そして「手術療法」というのがいいのではないかと思います。
 また、一方で質の高い外科医療のためには、手技とともに、周術期の管理ということが大切でありますので、「手術を含めた外科治療」というような言葉が検討できないのかなと思いました。
 以上です。
○門田会長 単語のあれで、1つは「手術」と「手術療法」。ほかは全部「療法」が入っているので、これは「手術療法」の方がいいのではないかという意見ですが、これは何か理由があって「手術」にとどめたのですか。
○外山健康局長 ばらばらだったので、言葉を統一してほしいということがあったように聞いておりまして、基本法の中で、例えば第14条には、法律の中で「国及び地方公共団体は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に」と定義がされているものですから、それを引きずるがん対策推進基本計画のなので、そこのところは同じ用語に統一した方がいいと思ってやったわけでございますけれども、それも含めて御議論いただければと思います。
○門田会長 いかがでしょうか。嘉山先生。
○嘉山委員 私も2,000例以上、手術を自分でしてきましたから、今の前原先生のお言葉は非常にうれしいのですけれども、外科医の場合、やはり社会からの理解ですね。つまり、今は外科医が一番、いろいろなジャッジメントにぶつかることが多いので、そういう意味で、社会の理解があることと、処遇改善があればいいと思うのです。その方が外科医は喜んで手術しています。
 ただ、日本での今の優先度から言うと、放射線治療医が少ないということがあります。それからあと、抗がん剤専門医が少ないということがあって、そのプロトコルが施設によって違って、均てん化ができていないということがございますので、私も前原先生と同じ外科医ですから、それを一番中心にはしていただきたいのですが、今の優先度から言うと、放射線治療医とか、抗がん剤専門医の育成という方を、オッズとしては高くせざるを得ないのではないかなと思います。
 ただ、日本の外科後の手術成績を5年生存で出しておりますが、これもやはり、トータルのがんの治療成績と並んで、圧倒的に世界で有数でありますので、その変は前原先生と全く同感です。
○門田会長 それで先生は、単語として、法律の文言として「手術」という単語を使ってきているのですが、前原先生はここも「手術療法」ではないかと。これについていかがですか。
○嘉山委員 それは賛成で、「手術療法」の方がいいと思います。
○門田会長 前原先生。
○前原委員 がん対策基本法という法律の文章に掲げられた文言を、がん対策基本計画の中で咀嚼をして、国民にしっかり伝わるような言葉で伝えていくということが基本ではないかなと思いますので、手術だから手術ということではなくて、手術療法ということの方が、理解度としていいのではないかと私は思います。
○外山健康局長 よろしいですか。
○門田会長 はい。
○外山健康局長 御判断、御意見はちょうだいいたします。ただ、前の計画も、これは「手術」となっておりまして、理屈っぽいことを言いますと、前の計画を評価して、何が変わったのかということで、意味を持って変えていくと、閣議決定していくということになりますので、もうちょっと、何が変わったのかということがわかれば。ただ、前の計画の段階で、既に、それは言葉がおかしかったのだということであれば、それでまた承ります。
○前原委員 これまでの計画の中には、手術療法は入っていないですね。
○外山健康局長 いや、入っています。重要な柱で。
○前原委員 重点項目に入っていないです。前回の基本計画の中には。
○外山健康局長 前回のがん基本計画の中の、がん医療の中で、現状のところで、そのあれは化学療法や放射線療法を重点にということですけれども、現状の評価の中で、手術及び放射線療法、あるいは全身療法と書いてございまして、切り口としては、手術という形になっております。
○前原委員 文章としてはですね。
○外山健康局長 ええ、計画としては。
○門田会長 花井委員どうぞ。
○花井委員 よりよい治療が提供されれば、国民、患者の側はよいのであって、言葉にこだわるつもりはございませんけれども、やはりがんの三大療法ということで、ずっと耳になじんできましたので、おっしゃることもわかるのですが、何で手術だけ療法が抜けているのかということに、手術は中心であったから、今後は中心から外れるのかとか、いろいろなことを考えてしまう、ちょっとした違和感もございます。
 以上でございます。
○門田会長 どうぞ、お願いします。
○前川委員 患者というか、国民から見ると、やはりここは療法、療法となっていますね。そして前回の基本計画を立てるとき、それでこの5年間の間に、いろいろな意味で先生方の意識も変わってきて、物事というのは進化すると思うのですね。ですから、もとにこだわらないで、物事を変更するということも大切ではないかなと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 実はこのときに、私は外科医1人で入っておりまして、外科のことを結構主張したのですが、ほとんど入らなかったという経緯がございます。
○上田委員 よろしいですか。
○門田会長 上田委員どうぞ。
○上田委員 やはりわかりやすいのは、その3つをそろえた方がわかりやすいのではないかということです。手術そのものが変わったかと、そういうことではなくて、やはり手術療法の中には、最近の内視鏡の手術や、いろいろなことも含まれるわけですから、単に「手術」という言葉よりは、現場の人間も、「手術療法」でよろしいかと思います。
 あえて言うとタイトルの中で「化学療法」と書いています。せめて、その2行目のところ、タイトルは「化学療法」で結構ですけれども、「手術療法」「放射線療法」「化学」と書いて、かっこして、(薬物)と書いて、かっこをとじて療法と。今や、分子標的療法などが普通になっていますので。表題は「化学療法」で結構です。外来化学療法というのも生きていますから、それで結構です。ただし、説明の1行目のところですね、タイトルの下のところに、化学療法というのは、薬物療法を含んでいますよということがわかるというのは、5年たってからの話だからいいのではないかということで私は提案したいと思います。最初のことに戻りまして、「手術」も「手術療法」でよろしいのではないかというのが私の意見です。
○門田会長 上田委員の御提案は、タイトルのところは3つとも「療法」を付けると。そしてその下に、1行目から始まったところに、ここは「手術療法」「放射線療法」「化学(薬物)療法」という提案ということです。
○上田委員 ここは説明のところだから、よろしくないですか。これもいけませんか。
○門田会長 表題はこのままですね、今おっしゃられた。
○上田委員 表題は、「化学療法」は「化学療法」で残されたらいいと思います。
○門田会長 これは事務局、何か。
○鷲見がん対策推進室長 今の御指摘を踏まえまして、事務局でもう一度整理させていただきます。
○門田会長 よろしくお願いします。
 そのほかいかがですか。川越委員どうぞ。
○川越委員 基本計画の見直しということで、この計画自体は、そもそも資料2の2ページのところでしょうか、書いてあるように、がんに負けない社会ということが目標ですので、こういう具合になるのは仕方ないのかなと思っております。
 ただ、現実には、嘉山先生がおっしゃられたように、死亡者の数というのは、これからどんどん増えていきますし、特にがん死の方は、推計で、たしか1.7倍ぐらい増えるということを言われております。ですから、ここの全体目標の中で死亡者は減少する、そして安心して暮らせるというようなことがありますが、私が現場で一番感じていることは、それでもお亡くなりになる方がある、ということです。そのときに非常に不安を持ちながら、最期のときを迎えなくてはいけない。つまり行く場所がないのではないか。家にいたいけれども、家で何かあったらどうするのか、お金がどうなるのか、独り暮らしだけど家にいられるのかとか。
 これは、ここに来て、こういうことが許されるのかどうかわかりませんけれども、目標の中に、安心して暮らせる社会という、その中に、がんになっても、本当に安心して人生を閉じることができる、そういうふうなものを、やはり踏み込んだ表現をしなくてはいけないのではないか、と思います。
 このままですと、がんをとにかく治して、人は死なないのだというような、そういう哲学みたいなものが問題となります。でも、現実にやはり人は死ぬわけで、死因はがん死がトップですし、そのときに、安心して最期まで生を全うできて、そして来るときが来たら迎えられる。そういうことが、やはりこの基本計画の全体の中のトーンとして、非常に薄いと思うのです。ですから、それを何とかしていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。
○門田会長 今、川越委員がおっしゃられたのは6ページの3のところですか。
○川越委員 そうです。4ページの3の上のあたりもそうですね。ここのところなども、こういう生活を選択できるようにということ、体制の充実を図る必要があるという、これはそのとおりだと思うのですけれども、やはり、安心して人生の最期を全うできるというような、死ぬという表現は余りよくないので、そういう表現になるかなと思うのですけれども、そういうことをやはり基本計画の中に盛らなくてはいけないのではないか。僕は前々から、最初のこの会議に出ているときから、非常に肩身の狭い思いをしながら感じておったのです。ですから、まだ見直す機会があるということであれば、ちょっとその辺の検討をしていただきたいなと思っています。
○保坂委員 よろしいですか。
○門田会長 保坂委員どうぞ。
○保坂委員 私もここに来て、こんなことを言うのは何だと思って言わなかったのですけれども、人は必ず死ぬのです。その原因は何かということで、さまざま医学が発達してくれば、ほかの病気が少なくなれば、比較として、がんで亡くなる方が多くなるということも事実であって、それを、ではほかの病気が多くなった方がいいかと言えば、そういうことはないと思いますので、まず一番大事なのは、がんにならなくすることだと思いますし、それから、たとえがんになったとしても、いい人生を送れて、いい最期を迎えられるということが非常に大事なのに、死なないように、死なないようにと、この死亡率を減らすというのに、すごく私には違和感があるのです。
 それは、なるべくみんな、人は長く生きていたいでしょうが、その辺のことの理念というか、思想というものが、この対策の中では読み取れないので、そうであるとすると、死なないことにものすごく重点が行って、安心して暮らせる社会という方に力を入れることがなかなかできにくいかなと思いますので、今の川越委員の意見と大体同じような意見でございます。
○門田会長 本田委員どうぞ。
○本田委員 私は前回の、この第1期の計画を策定するときから委員をさせていただいている1人ですので、そのときのことを思い返すのですけれども、当時は法律ができたばかりで、救われるべき命も救われていないのではないかということに主眼が置かれていて、やはりそこをきちんとしなければいけないというのがメインテーマであったのではないかと、私も患者の1人して思います。
 そのときはそれをまずということ、思いが熱かったので、こういうふうになってきていると思うのですけれども、5年たって、高齢化の進展の仕方というのがどんどん進んでいるという中で、患者としては、救われるべき命が救われるということは、きっちり明記していただきたい。救われるべきなんだと。だけれども、高齢化の進展とともに、がんで亡くなる人が、実際に増えていく中で、そういう人も安心して人生を全うできるというような、そういう文言がどこかに入っている方が、現状には即しているのかと、私も今ごろになって言うのは何なのですけれども、そういう言葉をどこかにと思ったのです。
○外山健康局長 全体目標の6ページに書いてあります。新たに加えました。
○本田委員 どこに。
○外山健康局長 6ページの3に、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」と書いてありまして、この厚生労働省の目標として、死なない社会をつくるなんていう目標はありませんで、ですから第1期の計画、まさに助けるべき命を助けるんだというところに、とにかくそこに重点を置いてくれと。
 第2期の計画としては、そうはいっても、長期生存者が多くなり、その中で、やはり社会の中で差別がなく行くのだと。更に在宅死の問題もあるから、在宅ケアといいますか、介護と一体になった形で推奨してくるという形で、大きな軸足を、そういったところに行くと。
 ただ、全体目標として、最初に掲げた、救えるべき命のところについては、先ほど、ちゃんと目標を達成しろ、これでもまだ緩いのではないかというお話もありまして、そこのところの旗は落とさないという形になっておりまして、私が聞いておりますと、何か違和感があるのです。
○本田委員 続きなのでいいですか。恐らくそういう思いで、この6ページの3の「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」というのが書かれているのだという御説明だったのですけれども、それはなるほどと思うのですが、川越委員がおっしゃったように、安心して人生を全うできるという、そういう言葉が1つあれば、その雰囲気がより広がるということなのかなとちょっと感じました。その意味もここには入っているのだとおっしゃるのかもしれませんけれども、具体的にあった方がわかりやすいかなと思いました。
 御検討ください。
○門田会長 ありがとうございます。
 江口委員どうぞ。
○江口委員 苦痛があって、とにかく毎日つらいということが、がんに対する大きな不安として、一般の方々の認識にあると思います。2ページの「基本方針」の前に、「がんに負けることのない社会」とあるのですが、がんに勝つか負けるかというような話ではないので、例えば「がんと共存する社会」など、少し表現を変えたらいかがでしょうか。
 やはりご高齢の患者さんでは家族の人も、苦痛なく毎日を過ごすことを治療目標にする場合も少なくありません。
○門田会長 皆さん、おっしゃっておられることはわかりますし、たしか私自身も、一番最初は、病気というのか、がんというものに対してのことであると。病気に対してのことである。そしてその次に、今度は緩和、そのほかに人という、全人的というのが出てきて、その次に社会全体の中で自分がという中に、私は含まれると勝手に理解しておったので、そういう形の進化を遂げてきつつあると思っていたのですけれども、少し物足りないというふうなことで、今、江口委員がおっしゃられるように、冒頭のところで、「負けない」とか「勝つ」とかというような表現になるとそういうのが出るというのであれば、これは事務局どうですか、1回、その辺りの文言を考えてみますか。
○外山健康局長 非常に根本的なところで、今それをどうなるかということになったら、またスケジュールをみんなやり直すような話だと思います。だからといって、どうこうもできないのですけれども、私の理解では、2ページに書いてある、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の意味というのは、上に書いてある「がん患者を含めた国民が、様々ながんの病態に応じて、安心かつ納得できるがん医療や支援を受けられるようにする」ということで、ちょっと口幅ったい言い方になりますけれども、がんになって、たとえ10年後にがんで死ぬ場合があったとしても、がんになったことによって絶望するのではなくて、周りの支援も受けながら、そういった形で、ある意味では、そこは共存かもしれないけれども、今までの、最初の5か年と違うところは、ちょっとこれ以上は申し上げられませんけれども、そういったところをもって勝ち負けというふうな、すべて寿命が延びるとか、がんをすべてゼロにするとか、勝ったとか、そういう意味の勝つ、負けるではなくて、がん難民になって絶望しないんだということを強調するために御提案されて、それに伴って、以下、理論展開したと思っております。それをがんと共存する社会ということになりますと、根本が違ってくるのではないかと思っております。
○門田会長 では先に、眞島委員どうぞ。
○眞島委員 今お話を伺っていますと我々があたかもがんに勝っているような印象があるのですけれども、膵がんについて言えば、5年生存率5%で、これは完全に負けています。がん患者さんから見れば、もっと皆さんに頑張っていただいて、何とかしてほしいと思っているわけですから、これをがんと共存する社会に書き換えると言うのは、本当に私としては違和感があります。やはりがんに負けることなく、特に若年の方も含めて、皆さんには人生を全うしていただきたいと思いますので、それに向けての努力というのはするべきではないかなと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 中川委員どうぞ。
○中川委員 私は死生観というのも研究テーマにしているのですが、これはなかなか難しいです。大変難しく、さまざまな死生観があります。ただ「がんに負けることのない」という、これは今、局長がおっしゃったように、仮にがんで亡くなる場合でも、痛みなく、尊厳を持って、ある意味、安心して死ねる社会、そういうニュアンスを私は感じ取れます。ですので、ベースはこれで、もし足りないということであれば、少しそのニュアンスを付け加えるということではないでしょうか。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 私も今、局長が言ったことでいいと思うのです。なぜかというと、死亡率が、例えば我々の分野で言うと、グリオブラストーマというのは、ほとんど5年で1割ないですね。また頭の病気で言えば、脳動脈瘤の椎骨脳底動脈瘤はほとんど即死です、全例。でもその後、やはり痛みを取ってやるとか、どんなに死亡率が低くても、家族も安心して、満足して死ねるというのが、やはり今の局長の話ではないかと思うので、死亡率の問題ではないのですね、死生観というふうなものが入った場合には。ですから、局長が言ったように、このままで僕はいいと思う。
 ただし、誤解を受けるといけないので、少し説明の文書を付けたらいいのではないか。いつまでも勝ち負けでやっているところは、絶対こんなことは満足できませんので、100%治る病気なんて、ほとんどないですから、風邪ですら何%の方は亡くなるのです。ですからパーセンテージの問題ではなくて、いかにその病気になったときに、御本人も、御家族も、納得するというか、満足するというようなことが一番大事なのではないかと思います。
 何となく厚労省を保護しているようで申し訳ないですけれども、局長の言う意味がよくわかりますので、このままでいいと思います。
○外山健康局長 またちょっと注釈を付けるか、少し文章を工夫して、意が通じるような形で工夫させていただきたいと思います。ただ、今まで何十回もやってきて、そういうことで積み上げてきたことが、全体目標の根底が崩れると、ちょっとこのままではご意見の集約は困難だと思いますので、よろしくお願いします。
○花井委員 よろしいですか。
○門田会長 花井委員どうぞ。
○花井委員 勝ち負けというくくりはどうかという御意見もあるようですけれども、私たち、やはり患者団体としては、「がんに負けるものか」という、そういう意欲で取り組むことで、自分の尊厳を守り、そして自分の気持ちを立て直し、治療に向き合ってきた。その負けるものかという1つの形が、共存であってもいいと思うのです。例えば本当に厳しい状況の方で、肺がんの4期で5年生存率が5%だと。よし、負けるものか、その5%に入ってやるといって、そして3か月と言われた人が、1年半、今も共存しているという例も知っているわけです。それが、共存ということを目標に置くと、何か、がんはいつまでも克服できない病気のような印象を与えてしまうのではないでしょうか。患者団体の立場からすると、「負けない」という文言を、是非、患者さんにエールを送る意味でも残していただきたいと思っています。
○門田会長 大体皆さん、意見、どうも余り大きく変わっていないのですね。私も最初に言いましたけれども、本当にわずかな単語を入れる、わずかな文言を変化することによって変わるかどうかは、事務局でちょっと見ていただいて、今の皆さんの御意見はほぼ通じていると思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか、第3章までは。
 眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 小さなポイントなのですが、今、花井委員の方から肺がんの5年生存率が5%というお話がありましたけれども、ちょっと言葉の順番が変わってしまったことが原因かなと思いまして。6ページ目、「がん医療」の方の上から3行目です。「5年生存率5%から30%」と書いてありますが、5%は肺がんではなくて膵がんなのです。ですので、この順番だと、肺がん5%、肝がんが真ん中で膵がん30%のような印象を与えてしまうのですが、この順番はどういうことで変わったのでしょう。
○鷲見がん対策推進室長 まず眞島委員、今議論しているのは、実は6ページのこの第4の前まで御議論いただいておりまして、済みません、今の御指摘については後ほどお答えさせていただきたいと思います。
○門田会長 それでは、その前まで、6ページの4の前までということで、一旦ここで休憩に入りたいと思います。ですので、こちらの時計で56分まで、10分間休憩して新章を始めたいと思います。

(休  憩)

○門田会長 そろそろ時間でございますので、席の方についていただきたいと思います。
 それでは、後半も半分に割って、第4と第5でいきたいと思いますが、第4は結構ボリュームがございます。これはいろいろとディスカッションしてきているところでございますので、6ページ~31ページのところまで、まとめて進んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○鷲見がん対策推進室長 済みません。冒頭、先ほど眞島委員の方から御意見いただいたものにつきまして、私ども確認しましたところ、4の頭のところでございますけれども、6ページをちょっとごらんいただきたいと思います。先ほど「肺がん、肝臓がん、すい臓がんなどの5年生存率は5%から30%と依然として」ということで、やや順番とパーセントの順番が合っていないというようなことかと理解していますので、この順番につきましては、事務局の方で整理させていただきたいと思います。
 また、もう一点でございますが、本日、嘉山委員から机上配付資料として、資料が配られております。ちょうどこのがんの個別施策に関連するところだと思いますので、最初に嘉山委員から御説明いただければと考えております。
○門田会長 嘉山委員お願いできますか。ではお願いいたします。
○嘉山委員 この門田先生の会から、いろいろな御意見が出ておりましたので、私自身も保険局と交渉しまして、これは全てではありません。在宅がん医療等は今日は入っておりません。それもかなり認められたのですが、今日、机の上に配付されたものだけを使って説明させていただきます。時間もないので簡単に。
 まず1ページ目です。これは緩和ケア病棟ということだけだったのですが、30日、それから60日、61日と3つに分けて、これから点数が付きます。これはなぜかというと、江口先生の御専門の緩和医療は初期からということがありますので、つまり初期への政策的方向性を持っていくという意味で、3つに分けたのです。従来は、亡くなる前に緩和医療をやっても付くという段階だったのですが、これからは初期にやった方がお金が付きますよと。また、この短冊の○円を書いてしまいますと大騒ぎになるので、これは○円で。これは今日の中医協で通ったやつです。
 次が、3ページ目に8と書いてありまして、これはがんの緩和ケアの加算についてなのですが、従来は、8番に書いてありますように、がん治療拠点、あるいは日本医療機能評価機構等が行う機能評価を受けているということで制限があったのですけれども、その制限を外しまして、例えば今、中小の病院でも、急性期の医療をやらなくても、緩和をやっている病院がありますので、そういうところにも点数を付けますよというふうに、これは拡大です。というのは、緩和医療を進めるために、何とかして工夫をするということで、こういう診療報酬体系にいたしました。
 それから小児の緩和医療は、全然今まで取り上げていなかったのですが、4ページにございますように、(新)というふうに3つあります。「がん性疼痛緩和指導料 小児」「緩和ケア診療加算 小児」「外来緩和ケア管理料 小児」と、この3つを新しい項目として立てましたので、小児の方の緩和もこれで正式に認められたということになります。
 次の5ページ目ですが、従来は、がんにおける疼痛緩和指導管理料というところがあったのですが、それを2段階にして、医師がいる場合と、それから医師の指導を受けた場合ということで、これも緩和医療を推進するために2段階にしてありますが、緩和です。つまり規制をかなり緩和してきているということであります。
 次が9ページ目、従来は、がんの患者さんの場合、これは連携になるのですが、病院、あるいは診療所と病院との連携ですが、がんではないかと疑った場合は、点数が一切、紹介しても取れなかったのです。つまり確信して、バイオキシを取って、病理診断をして、それでがんであるというふうなことを確信しないとできなかったのですが、それが、例えば開業の先生が乳がんを見つけた場合、病理を取っていませんから、まだ確信はできないという場合でも、疑いでも取れるということで、がん医療がスムーズに行われるような点数を付けてもらいました。
 次が10ページ目です。これもがん診療連携で、急性期の病院から、いわゆる緩和医療、あるいは外来抗がん剤の化学療法に移るときに、従来は1回しか紹介料が取れなかったのですが、患者さんは日々、状態が変わるわけで、よくなったり、改善したり、悪化したりしますので、それでは現場と全然合っていないということで、1度だけではなくて、ここに書いてありますように、10ページの下線のところです。2段目、状態の変化等により計画の変更が必要になった場合には、また紹介料を認めますということで、これも連携がシームレスに、満点ではないのですが、本当は月1回ではなくて、状態が変われば2回、3回、起きることもあり得るのですが、現在の中では、これは1回だけなのですが、緩和したということであります。
 11ページは、がんの転院を受け入れる医療側において、カウンセリングですが、これも地域連携に基づいた、ここに書いてありますけれども、これもシームレスに医療を連携させるために緩和したと。
 あと、リンパ浮腫ですけれども、11ページの上です。失礼しました、抜かしました。これに関しても、今までの規制をかなり緩和した形で、診療報酬で認めるということになっております。
 これは中川先生に関係するところです。13ページ目。これは、従来、放射線の医師が毎日診ないと、放射線の加算が取れなかったのですが、放射線治療専門医は、まだ日本で200人前後ですね。中川先生、300人ぐらいいましたか。
○中川委員 いや、もう少し。900名近くです。
○嘉山委員 まあ、大した数ではないのですが。
○中川委員 申し訳ございません。
○嘉山委員 LINACの機械よりも少ないぐらいです。LINACはもっとずっと多いですね。要するに放射線照射の機械よりも、専門医の方が少ないのです。ですから、そういうところに放射線の医者が行かないと治療できないということになっていますから、それではだめで、計画をしたらばいいと。ただし状態は、看護師さん等々が医師に報告しなさいということで、これも放射線治療が今、制限がありますが、推進するということで点数が付いております。
 それから15ページです。これは小児の悪性腫瘍、小児のがんの患者さんですが、従来は小児入院医療管理料というのがあるのですが、そこに小児に関しては、放射線治療というのが入っていなかったのです。それが今回入りましたので、病院に関してですが、病院に関して、放射線治療をすれば、小児の入院管理料を取れるということになりました。
 このほか、今日はまだ資料が出てきていないのですが、在宅のがん治療もかなり大きく推進させていただきました。私は在宅は大事だと、いつも中医協で騒いでいるものですから。なぜかというと、最期はやはり、看取りはそこに行っちゃう可能性が。そこが不十分だと、先ほど花井先生がおっしゃったように、満足とか、そういうふうな、人間が最期、看取られるときに、生きてよかったと。みんなに囲まれて、あるいは満足して死ねるというようなことは、やはり在宅を重点にしないといけないので、次回はその資料も出しますが、そちらの方も医療費が、かなりがんについては向けられました。これは保険局と、あとはこの健康局のリレーションシップでやった結果だと思っています。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。この協議会の方から、とにかく要望書を出そうと皆さんがおっしゃっていただいて、出して、それがどういう形で機能したのか分かりませんが、嘉山委員にいろいろ頑張っていただきました。どうもありがとうございました。
○外山健康局長 いいですか。嘉山委員、ありがとうございました。協議会から小宮山大臣あてにいただいた要望書につきましては、当たり前ですけれども、健康局から保険局、当然、保険局へじかにも行っておりますけれども、そういうことを踏まえて、検討された結果の途中というか、結果だと思います。3月1日だと思いますけれども、次回には、また役所の方から、この協議会の意見を踏まえた形の全体像につきまして、きちんと報告させていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 1点だけ。前に保坂委員でしたか、クリティカルパスが都道府県を超えて云々というようなことで、実際は何とかというのが出てきたのが。あの辺りは話題になっていないですか。
○保坂委員 多分それは、診療報酬の中医協でやるようなことではなくて、もう少し細かい内容になってくるのだと思いますので、中医協の方のが確定しましたら、また改めて健康局の方にも、あるいは保険局の方にもお願いしたいと思っています。
○嘉山委員 先生、パスのことですね。パスは都道府県全部、実態調査をしたのですが、例えばパスが10個あると、実際に使われているのは、まだ1なのです。なぜ使われにくいかというと、ここにもあった、紹介しても、計画書を書いても、1回しか取れないということで、なかなか回っていかなかったということがあるので、これで状態が変われば取れるということになりましたので、10分の1しか使われていないパスが、今度大幅に伸びるだろうと。それはまた調査して、それで足りなければ、もうちょっと、月1回ではなくて、2回、3回でも取れるようにしますというふうなことを私は言っていますので、そういうふうになると思います。
○保坂委員 拠点病院側の方のは、今、嘉山先生がおっしゃったとおりなのですけれども、前回、問題提起したのは、地域の医療機関側の、非常に手続が煩雑であるということ等について、あるいは都道府県を超えたものについてとかということで、問題をちょっと提起させていただきましたので、今の嘉山委員がやっていただいた件で、大分緩和されるというか、拠点病院側のモチベーションは少し上がるかもしれませんが、勿論、拠点病院側が出さないと、なかなか回らないわけですけれども、受ける方の、地域の医療機関の側のモチベーションが上がるような形にしていくということについて、今後、お願いしていきたいと思っています。
○門田会長 先ほど、中医協マターではないのだとおっしゃいましたね。
○保坂委員 多分違うのかなと、私は認識していますが、また嘉山委員に、細かいところで是非、御助力いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○門田会長 いずれにしましてもありがとうございました。これだけまとめて通していただいたということです。
 それでは、これも含めて、分野別施策と個別目標という、この第4について御意見ちょうだいしたいと思います。いかがでしょうか。
 天野委員どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 「(5)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組」、いわゆるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグに関しまして、私の方から委員提出資料を出させていただいておりますので、御参照いただければと思います。こちらは厚労省の公的なとりまとめですから、事務局資料としていただく方がふさわしいかとは思いましたが、難しいとのことでしたので、今回、私から委員提出資料として出させていただいております。
 「『薬事法等制度改正についてのとりまとめ』について」と題しまして、平成24年1月24日付で、厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会で「とりまとめ」が策定されて、公開されています。
 これについて参考資料として提出させていただくのですが、「とりまとめ」では、「医療上必要性が高い未承認医薬品・医療機器へのアクセス」の項において、「致死的な疾患や日常生活に著しい支障があり、その医薬品・医療機器を使用する以外には治療法がない疾患等に対する、医療上の必要性が高い未承認医薬品・医療機器のうち、国内で治験が行われている医薬品・医療機器に限定して、一定の条件の下、治験の参加基準に外れるなどの理由で治験に参加できない患者に対しても当該医薬品・医療機器にアクセスできるための制度」。いわゆる「アクセス制度」と言われているものでございます。これについては、「本検討部会としては創設すべきと考える」という意見が出ております。
 また、適応外につきましても、「欧米での承認や公的保険での償還等があり、医療上必要な適応外薬の取扱いについても、すべてに薬事承認を必要とするべきかどうか、今後検討が必要であるとの意見があり、厚生労働省において本検討部会とは別に引き続き検討すべきである」という結論が出ております。
 かねてから申し上げていますとおり、患者さんや、医療者の皆様から、ドラッグ・ラグの解消を求めるたくさんの声がありました。それが1つの流れとしてがん対策基本法につながっているということがありますし、また、ドラッグ・ラグに関しましては、参考人の方からも、医療者、患者ともに、保険償還と薬事承認の在り方を検討すべきであるという意見が出ておりました。
 また、昨年12月にも、60のがん患者団体から、ドラッグ・ラグの解消へ向けた制度改正等を求める要望書も出させていただいておりまして、今回は繰り返し、特に適応外薬問題の解消に向けての取組みを、是非、厚生労働省に制度としてお願いしたいということを申し上げてきたところではございますが、本日、提出されております素案の方、17ページを見ていただければと思いますが、現状では「がんを含め、致死的な疾患等で他の治療法がない場合に、未承認薬や適応外薬を医療現場でより使いやすくするための方策については、現行制度の基本的な考え方や患者の安全性の確保といった様々な観点や課題があることから、慎重に従前からの議論を継続する」という、ちょっと私の国語力では理解がなかなか難しい書きぶりになっているかなと。普通に読みますと、変わらないということですね。もっと悪い言い方をしますと、何もしないとも読みかねないような書きぶりになってしまっているかなと感じております。
 適応外薬に関しましては、制度にかかわることですので、それを記述するということにつきましては、健康局及びがん対策推進室の方で、保険局及び医薬食品局に対しても、いろいろ交渉などをいただいているものと推測いたしますが、残念ながら現状では、具体性に乏しいような状況になっております。ですので、是非、適応外薬の制度改正について、もう一歩踏み込んだ書き方をお願いしたいと考えております。具体的には、薬事承認と保健適応の在り方について、ぜひ書きぶりを検討いただければと思っております。また、もしそれが難しいということがありましたら、一歩と言わず、半歩でも構わないですので、例えば何らかの具体的な施策を書き込んでいただくことを、是非、保険局、また医薬食品局の方にも御検討いただきたいと思っております。
 例えば、欧米で使用されていることが認められていて、関係学会、国内の学会も含めてということですが、一定のエビデンスの下で、医療上、必要と認められた適応外薬については、現行の制度の中で、例えば評価療養の対象として、保険外併用療養費の給付を認めるとか、そういった、私たちが求めているのは、あくまでも保健適応ではありますが、そこに至らないとしても、半歩でもいいので、具体的な取組みを是非書き込んでいただきたい。
 この評価療養のことにつきましては、本日、嘉山先生にも御出席いただいていますが、中医協の方でも2010年の8月、また2010年の6月に、第177回、また174回の中医協でも、評価療養に関しての議論が出ていますので、全く新しい話ではございませんので、半歩でも、こういった書き込みがもしできればということで、是非この場でお願いしたいと思っております。
 私からは以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 事務局。
○事務局(秋月) 今いただいた御意見についてなのですけれども、決して何もやらないということではございませんで、16ページにありますように、取り組むべき施策の3つ目にもありますが、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」、こうしたもので、医療上、必要性が高いと認められたものについては、関係企業に治験実施等の開発を要請していくということもございますし、あと、企業治験を促進するための方策についても検討すると記載させていただいております。
 また、先ほどの評価療養という話もありますが、先進医療についても、その運用を見直して、先進医療の迅速かつ適切な実施について取り組んでいくとしております。
 それから、先ほどの17ページのなお書きのところですが、「慎重に従前からの議論を継続する」というのは、これは何もしないということではなくて、あくまで取り組むべき施策の中に書いておりますので、少なくともこういったことについて、議論を継続するということですので、いただいた御意見、薬事承認であるとか保険診療とか、非常に大きな問題ではあるのですけれども、現時点において、関係部局でも省内で調整をいたしまして、こうした記載とさせていただいております。
○外山健康局長 最終的な御意見というのは、また協議会としての御意見があるかと思いますけれども、この薬事法等とりまとめという、厚生科学審議会の検討部会の意見ですけれども、これはですから、薬事法改定に向けて、この検討部会の方でこういった意見があったということでありまして、がん対策推進基本計画、今日は素案と言っておりますけれども、次々回は厚生労働大臣の決裁を受けて、きちんと閣議決定に向けた文章でありまして、そういったことで、検討部会の方は、こういった意見もあった、こうすべきだと、前後関係を読みますと、いろいろなことがまだ書いてあるわけでございます。我が方は、そういったことがあるということは承知しておりますので、そこにちょっと、17ページでファジーのような書き方をしておりますけれども、決してそれを除去するわけではありません。
 ただ、最終案文についてはまた検討させていただきますけれども、ちょっと御理解いただきたいのは、このがん対策推進基本計画というのは閣議で決定して、そういうふうな形で責任を持ってやる、約束する文書でございますので、そういった意味では、現段階で、こういった意見がある、ああいった意見があるというものを書く文書ではございません。
 そういった意味では、厚生科学審議会の検討部会での書きぶりが、閣議決定に直ちになるというふうなことではございませんので、そういった限界があることもちょっと御留意いただきたい。
 ただ、こういった、切実なることがあるということは何らかの形で、御意見も賜っておりますし、また協議会の方から重点的に、あえてまた提言されるということは受けとめたいと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。これはずっとディスカッションしてきておりますし、最終的な基本計画、先ほど局長からの話がありましたけれども、これは閣議決定する内容のような文章であるということで、今出てきました検討部会とは、少し内容的に異なることは御理解してほしいということでございますが、どなたか。
○上田委員 よろしいですか。
○門田会長 上田委員どうぞ。
○上田委員 これは後から話そうと思っていたのです。全体にすごくいい文言がきちんと書かれて落とし込んでいるのは認めるのですけれども、個別目標のところが、ここの項目だけ、非常に何もないという書き方をしているのが、天野委員からの切実な声ではないかというふうに僕は思うのです。
 例えば、今問題になっているドラッグラグに関して、5年以内に風穴をあけるか、何か少し言葉がないと、やはりこれは文言が文言で終わってしまうのではないかと心配です。本当に多くのの患者会やいろいろな人たちのすごく大きな流れであった。だから省庁を超えた皆さんに認めていただくのに、文章の書き方に関しては、いろいろあろうかと思いますからお任しますけれども、個別目標のところ、10ページとか、11、13ページとずっとありますけれども、ここのところが余りにもファジーに書かれて、書き落としが難しいというのもわかるのですけれども、一考する価値がないかどうか、御検討ください。
○門田会長 よろしいですか。
 眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 私も同意見でして、やはり前段の方で、問題提起の中では、具体的に学会や患者団体等から、こうやって未承認薬並びに適応外薬についての要望を提出されと、そこではきちんと、問題について認識されているのですけれども、そのあとになりますと、だんだんファジーになってくるというのは否めません。患者サイドにして見てみれば、やはりドラッグ・ラグというのは非常に切実な問題で、命のかかっている問題ですので、何を国にしてもらえるのだろうかという目で見ていると思うのです。そこに具体的な対策が何も書かれていないということになりますと、やはり患者としては失望するのではないかと危惧されます。いろいろと省内での調整等は難しいと思うのですけれども、実際にこれが閣議決定された後で、実行する立場にある方たちから、何が難しいのだ、どこが難しいのだということを、聞きたいということがありますので、我々は是非そういう機会を設けていただきたいと思います。今回は残念ながら、たまたまスケジュール的に難しかったということはお聞きしましたけれども、3月1日にそのようなお話が聞ければと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 続いて本田委員どうぞ。
○本田委員 基本的には皆さんと同じことで、私もここのところを是非発言しようと思っていたのですけれども、1つ伺いたいのは、前回の第1期の計画のところで、並びがいろいろ違うので、ここに直接当たるのではないかもしれませんけれども、こういう問題に関して、目標として、ドラッグ・ラグを欧米に比べて何年短くする、2分の1にするとか、いろいろな目標が前回はありましたね。それが達成されたという中間評価ではなかったと私は思っているのですけれども、それすらも書いていないということが、私はちょっと後退ではないかと思ってしまったので、調整の問題はたくさんいろいろあると思うのですけれども、是非その辺も、前回のも踏まえて、後退はさすがにしないでいただきたいと思いました。
○門田会長 局長どうぞ。
○外山健康局長 法律で、がん対策推進基本計画につきましては、まず個別の施策を定めた上で、個別目標を定めるという構成になっておりまして、実はこの未承認薬・適応外薬の問題につきましては、天野委員が再度御意見をおっしゃいましたように、今日の争点になるところだと思っておりまして、そういう関係上、まず施策の辺りが固まるかどうかという段取りでおりました。
 ただ、書きぶりといたしまして、個別目標で、数値目標が書けないようなものについても、施策の実施そのものを目標にするような書きぶりのところもありますので、この辺につきましては、決してここだけ手を抜こうとかいうことではありませんので、ちょっと工夫して、より意が通ずるようにしたいと思っております。
○門田会長 是非、お願いしたいと思います。
 そのほかの御意見。松月委員、どうぞ。
○松月委員 9ページの真ん中の○の1つ目のところです。「化学療法の推進」の上から2行目から3行目にかけて、細かい表現のことについてなのですけれども、「がん看護や化学療法の専門・認定看護師」と書いてあるのですが、実はがん看護に関する専門・認定看護師というのは、がん看護専門看護師の他、がん性疼痛看護認定看護師であるとか、がん放射線療法看護認定看護師とか、いろいろございますので、「化学療法などの」という言葉と、それから専門看護師と認定看護師は大きく教育年限も違いますし、認定要件も違いますので、「専門・認定看護師」ではなく、「専門看護師・認定看護師」という記載にしていただきたいと思います。
 これは、12ページの「取り組むべき施策」の3段落目のところにも、同じように「がん看護の専門・認定看護師」と書いてございますので、そこを是非、「専門看護師・認定看護師」という形で表現に訂正いただけたら、より正確だと思いますので、よろしくお願いいたします。
○門田会長 事務局、わかりましたか。
○事務局 はい。
○門田会長 松本委員、どうぞ。
○松本委員 ありがとうございます。14ページで申し上げます。ここは「地域の医療・介護サービス提供体制の構築」のところです。
 この部分にいついて再三申し上げてきたことですけれども、40歳未満の介護保険から外れる患者への対応について、何らかの対応をということを申し上げてきました。当然これは、介護保険料を払っていない40歳未満の方々に、介護保険での対応というのは大変難しい。それはなかなか無理だろうということは理解をいたしました。それ以外の方法で何かないか、提案をとがん室の方からも言われておりおましたけれども、私の周囲の方々にも御相談しましたけれども、なかなかいい案が浮かびませんでした。せめてなのですけれども、現状のところに、そういった問題があるのだという認識を入れていただけないかと思っております。
 これは例えばですけれども、14ページの上から5つ目のパラグラフの「さらに」のところです。「住み慣れた場で安心して自分らしい生活を送ることのできる社会の実現が求められているが」ということで、現状を入れていただきたいと思っております。
 私が日ごろ地元で感じていることは、地域格差というのもありますので、例えば「求められているが」の後に、医療資源の偏在による地域格差や、介護保険制度の年齢の規定などによって、希望するサービスが受けられないなどの問題が指摘されている、といったような趣旨で、何かしら、せめて現状をここに入れていただきたいと思っています。今回のこの基本計画の中で、働き盛り世代に目が向けられたという大きな一歩があったということは、本当に感謝をしておりますので、更に、そこに実はこんな問題があるのだということを、せめて現状で取り入れていただければと思っております。
○外山健康局長 ちょっとよろしいですか。
○門田会長 どうぞ。
○外山健康局長 介護保険制度に限界があるという論法ではなくて、そういう介護保険制度の対象となっていない方で、そういった福祉医療ニーズがあるということがあればいいわけですね。
○松本委員 そうです。
○外山健康局長 介護保険制度の根っこが何か問題があるということ。
○松本委員 そういうことではないです。
○外山健康局長 わかりました。
○松本委員 そこに限界があることは理解しております。
○外山健康局長 わかりました。
○松本委員 ありがとうございます。
○門田会長 前原委員どうぞ。
○前原委員 8ページの医療安全のところで意見を申し上げたいと思います。6段目のところでありますが、「また、患者の安全を守るため」という文章で、この意見は今まで何度か申し上げておりますが、医療行為には一定の危険性が伴うことを踏まえ、実際、がん医療に関わるいろいろな医療事故が発生しているという現状でありまして、医療従事者等が協力をして、実はだれと協力するのか。そういった場合に、客観的な評価体制で、具体的には第三者評価などにより、客観的に質を担保する方法で、がん医療の質と安全の確保のため取組みを一層推進するということが必要ではないかと思います。
 それで、今申しましたように、「協力して」の後に、「客観的な評価体制、あるいは第三者評価の受審など」という文言を追加することによって、がん拠点病院として指定された病院に、医療事故がどれだけ発生しているのかなどの報告義務を課すなど、やはりそういうことが私は是非とも必要ではないかと思います。
 先ほど、嘉山先生の方から、診療報酬の緩和ケア加算の項目で、実際に、日本医療機能評価機構等という表現で第三者評価が取り上げられていたり、あるいは分娩の領域では、ハイリスク分娩管理加算やハイリスク妊娠管理加算に日本医療機能評価機構の名称が出てまいりますので、実際、がん対策基本計画はがんの診療報酬とは違いますが、このように国の制度の中で第三者評価がすでに活用されている現状がある中で、がんの領域ではどうしたらいいのかということを考えますと、「客観的な評価体制、あるいは第三者評価の受審など」という文言を入れることによって、診療体制がしっかりしたものになっていくのではないかと思っております。
 以上です。
○門田会長 これについて、どうぞ。
○鷲見がん対策推進室長 14ページから15ページをごらんいただきたいのですが、ここは拠点病院の項目の中に記載されているのですが、「地域の医療・介護サービス提供体制の構築」の中の、取り組むべき施策の中で、拠点病院の在り方について、幾つかかっこの中に、検討する項目が記載されております。
 15ページの上から2行目の部分、「拠点病院の評価」ということで記載されているのですが、実は、その拠点病院の中で、どういう形で拠点病院を評価していくのかを、今後きちんと、拠点病院の在り方を検討する中で議論していきたいと思っておりまして、その中で、先生がおっしゃるような医療機関としての評価、これは、もしかしたら医療安全体制も含めた評価ということになるかもしれませんが、そうしたことについては、今後議論させていただきたいと考えております。
 そうした中、まだここの中で、医療安全につきまして、現時点で評価体制、特に第三者評価機関の評価も含めてというところまで記載することについては、まずは拠点病院の中での議論をした後に、前に進むかどうかということについて考えるのかなということで、現時点では、この表現にとどめさせていただいております。
○門田会長 そのほかいかがですか。川越委員どうぞ。
○川越委員 今の個別目標とも関連するのですけれども、私がちょっとわからないのは、21ページです。がん登録のことが書いてあるので、これはすごくいいことなのですけれども、個別目標の4行目のところに、5年以内に云々と。そもそもこの文章が長いので、非常に分かりにくいかと。
 つまり、これをこのまま読んでしまうと、「5年以内に」の「以内に」というのがどこにかかるのかというのがちょっとわからない。「5年以内に」検討するのか、あるいは、普通に読んでいったら、「5年以内に」、一番最後の行の「がん登録の精度を向上させる」と。どういうぐあいに読むのか、趣旨がよく通じてこないのですけれども、それはいかがでしょうか。
 それから今の15ページも同じです。ちょうど真ん中の個別目標のところに、「3年以内に「検討する」ということなのか、「充実させる」ということなのか、その辺がよくわからないので、もしあったら教えていただきたい。
○門田会長 事務局どうぞ。
○事務局(秋月) まず21ページのがん登録の方です。確かにちょっと文章が長いというので、この「5年以内に」がどこまでかかるのかということがわかりにくいというのはありますので、そこは別途検討したいのですが、こちらの意図としては、5年以内に、法的な位置づけの検討や、予後調査体制の構築や、院内がん登録の増加、そして最終的に、がん登録の精度を向上させるという、これが5年以内の最終的な目標だというふうに考えています。そこまでのいろいろなプロセスはあるのですが、ここまでを5年以内に実施したいということで、ちょっと文章が長いので、そこは工夫いたします。
 15ページ目の個別目標のところですが、「3年以内に拠点病院の在り方を検討し」、これはいいと思うのですが、「5年以内」に、検討結果というものが出ますので、2年間でもって、その機能を更に充実させていくことを目標とするという意図で記載をしております。
○門田会長 よろしいですか。
 そのほかいかがでしょう。松本委員、どうぞ。
○松本委員 ありがとうございます。
 22ページです。これはがんの予防の取り組むべき施策のところです。2つ目の段落の感染症対策については、子宮頸がん云々というところがあります。この一文を読みますと、子宮頸がんが感染症であるというような誤解を与えかねないのではないかと思っております。ここで大事にすべきは、子宮頸がんの発症予防ということだと思っております。そのことを大事にするのであれば、ここは少し書きぶりが違うのかと思っております。
 そもそも、子宮頸がん予防ワクチンという言葉が、なぜこういう言葉になったのかわからないのですけれども、厳密に言えば、HPV感染予防ワクチンであって、子宮頸がんを完全に予防できるワクチンではないわけですので、これが今、もう検診は受けなくていいのだろうという誤った認識につながっているというふうに、私は日ごろ感じておりますので、ここは文言について、少し御検討いただきたいと思っております。
 ここをどういうふうに直せばいいのかということなのですけれども、HPV感染予防ワクチンの普及啓発を進めるとともにワクチンの安定供給に努め、検診率の向上と併せて、子宮頸がんの発症予防に努める、こういうような文言にしていただければ、子宮頸がんが感染症だという誤った認識が広がらないということにもつながると思っております。ただでさえ子宮頸がんの患者は、今、差別、偏見にさらされておりますので、これが更に広がるようなことがないように、文言に御配慮をいただければ幸いです。
 ありがとうございました。
○門田会長 事務局、何かありますか。
○鷲見がん対策推進室長 こちらの関係部局とも調整しながら、文言については検討させていただきたいと思います。松本委員の趣旨は理解いたしました。
○外山健康局長 趣旨は理解したのですけれども、ここは、子宮頸がんというか、ヒトパピローマウイルスだけではなくて、肝炎ウイルス、HTLV1、一連の、それがすべてではないけれども、ウイルス感染による発がんというものはあるわけで、そういったところにも総合的に目を配るべきではないかという観点でまとめてあります。
 ただ、それを読んだ方が、何か子宮頸がんが感染症だけでという形で取るのであれば、ちょっとここのところは、また考え直さなければいけませんけれども、そういう趣旨ではなくて、ほかのウイルスとの横並びで、そういう対策としてとりまとめてあるということで、そうすると、ほかの方もみんな一緒で、肝がんも、肝炎ウイルスだけではありませんので、全部やめなくてはいけないのですけれども、ちょっと工夫してみます。
○門田会長 お願いします。
 前川委員どうぞ。それから中川委員。
○前川委員 非常に基礎的な質問なのですけれども、子宮頸がんというのは感染症だと私は思っていたのですけれども、感染症ではないのですか。
○外山健康局長 感染症で起こるのが結構なボリュームを占めているので、感染症対策としてやっていると。
○前川委員 そうですね。
○外山健康局長 ただ、それで100%できるかというと、そうではないので、それがすべてのような印象を与えるので、書きぶりを考えろと。こういう趣旨だと思います。
○門田会長 野田委員、どうぞ。
○野田委員 松本委員の言われたことと、局長との、ちょっとずれのところが。要するに感染症に基づくがんであるということに関して、それはいいのですけれども、それが100%か99%かというのも、別に松本委員はひとつ言っておられますが、それより、ここに書いてある、感染症対策で、その次にすぐ子宮頸がん予防ワクチンと書いてあるので、もっとインマチュアな理解、子宮頸がん感染症、つまり感染症に基づく発がんですけれども、子宮頸がんそのものは感染症ではありません。ここの三原則を満たすものとは全然違いますので、感染症に基づく発がんであって、子宮頸がんそのものが感染症という言い方は、必ずしも正しい言い方ではない。ただ、そちらに流れてしまうような、単に文言の流れのところだと思います。
 だから、後ろのところが、子宮頸がん予防ワクチンではなくて、パピローマ感染予防ワクチンとなれば、これはいいわけですね。それだと大分違うでしょう。
○松本委員 今、野田委員が御指摘くださったことが私の意図に近いと思います。ですからここそのものを、感染症から全く外して別個にしてくれとか、そういうことではなくて、子宮頸がんイコール感染症。今、前川委員もそのような御発言がありましたけれども、そうではないということをはっきりしていただきたいということです。そういう誤解を生まないようにしていただきたい。子宮頸がんは感染症ではありません。
○門田会長 前川委員。
○前川委員 済みません、先ほどは話の途中だったので、まず確認してからと思ったのですけれども、生徒とか、生徒の親に、ワクチンを打つ説明のときに、やはり感染症という言葉がないと、それを打つ意味がわからない。正しい啓発のために、やはり感染症という言葉は必要ではないかなと思うのですけれども、どうでしょうか。
○野田委員 例えば、今HC陽性、あるいはHB陽性の肝がんというのは感染症だと言いますか。それは言いませんね。肝炎は感染症だけれども、HCに基づく肝がんであろうが、HCVに基づく肝がんであろうが、それを感染症とは言いませんね。
○外山健康局長 ここは、がん対策のうちの感染症対策として、こういったワクチンの推進、あるいは検査体制の整備と言っているのであって、子宮頸がんが感染症だなんて言っていないわけです。対策としてこうだと。ただ、御懸念の向きもありますから、そういうことを誤解されぬような形で、また工夫させていただきます。
○門田会長 わかりました。この件はそういうことでお願いします。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 11ページの医療用麻薬の使用量の問題ですが、ここには、「消費量は増加傾向にあるが、先進国と比較すると依然として少なく」という書き方なのですが、これが、例えばたばこのあたりと比べると、非常にアバウトなのです。例えば21ページぐらいを見ると、みんな小数第一位の数字が並んでいるわけです。ここをもう少し書いていただけないか。
 緩和ケア、全人的という話が議論の中で出ましたけれども、ともかく痛みを取ることが先決ですから、もう少し。がん以外にも、欧米ではオピオイドを使いますので、なかなか評価は難しいですけれども、オピオイドの消費量という点では、簡単に言うと10分の1ぐらいですね。そういうニュアンス。それから、それほど増えていないと思います、我が国においては。ちょっとここは御検討いただきたいのが1つ。
 それから、先ほどの22ページの感染症のところで、これはまた、今さらという議論になるかもしれませんが、感染症は、男性では喫煙について第2番目と。ここにはピロリ菌感染の寄与があるわけです。そのピロリ菌の問題が全く触れられていないのはどうなのかなという気はいたします。今さらの問題かもしれませんので、強くは言いませんが、やはりこの委員会の中で、ピロリ菌感染の問題が一応議論された、されるべきだろうという気はしています。
 最後に、29ページ目の「がんの教育・普及啓発」のところです。
 学習指導要領というような言葉がここにないのは大変残念なのですけれども、少なくとも最後の2行のところ、「国は民間団体によって実施されている教育活動を支援する」。いかにも国は知らないよと言わんばかり。
 例えば、御承知と思いますが、香川県では、がん対策推進条例の中に、がん教育の推進ということを明記しています。ですから、少なくとも「民間団体等」ぐらいは入れていただかないと、余りにも突き放した言い方に。本当はもう少し踏み込んでいただきたいのですが、もう少しここは、少なくとも「など」ぐらいは入れていただきたいと思います。
 以上です。
○門田会長 事務局、今のことについては。
○鷲見がん対策推進室長 今の御指摘を踏まえまして、事務局で検討させていただきますが、冒頭の先生がおっしゃった、麻薬消費量の件なのですけれども、私どもも、数字でもし書き込めれば、書き込んだ方がいいのかなというふうに検討はいたしましたが、なかなか比較する対象というものであるとか、先生がまさしくおっしゃったような、前提の比較するところが、別のものに使われているということなどを、どういうふうに比較して、どうした形で数字を立てればいいのかということで悩みまして、もし先生の方からいいアドバイスがございましたら、教えていただきたいと思います。
 また、2番目、3番目につきましては、少し事務局の方で検討させていただきたいと思います。
○門田会長 野田委員どうぞ。
○野田委員 25ページからのがん研究のところですが、質問と、あとお願いがあります。 
 1つは、現状、26ページの取り組むべき施策が、大分いろいろ、骨子のところから更に、骨から更に削られるという状態になっていますが、例えば、取り組むべき施策の2つ目の段落で、「また、がん免疫療法で用いられる」云々というところの、2行目の一番後ろからですが、「国際水準に準拠した上で、first-in-human試験、未承認薬などを用いた研究者主導臨床試験」というふうに書いてある、この頭に、骨子のところでは、ICH/GCPに準拠する等、国際水準の試験と書いてあった。そのICH/GCPがここは抜けているのですけれども、前にちょっと、その話し合いをしたときに、国際水準に準拠した上でというのと、それはこれから5年間、ほぼ同一と考えていいのではないかということがあったのですが、それは、それでいいのでしょうかというのが1つです。
 それから、ここに突然、がん免疫療法が骨子の上にぽんと入ってきたのです。がん免疫療法は例ですけれども、全ての療法のことを、ここは「日本発の」と書いてあるわけですので、「また、がん免疫療法で用いられる」というのが一番頭に来てしまうと、頭にきちゃうというか、いや、それだけのために書いているのではないという気持ちが出てしまうので、やはり「日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するため」を前にしてくれないと、そしてその後ろの方に、がん免疫療法の取組みを初めという、ここの順番が変われば、大分イメージが変わりますという感じが2つ目です。
 まずそこだけ。あと、もう一つあります。
○鷲見がん対策推進室長 先生が先ほどおっしゃった国際水準とICG/GCPとの関係につきましては、先生のおっしゃったとおり、私どもとしましても、同等だという理解でおります。
 また2つ目の、先生がおっしゃった意図につきましては、ちょっと事務局で工夫をさせていただきたい。
○外山健康局長 これは、「日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するため」というときに、政府全体の方で、内閣官房を中心に、医療イノベーションということでやってきて、その第1弾として、がんの免疫療法、第2弾として、抗体薬とか低分子薬とか、今やっているので、政府を挙げてやっている例示として、がん免疫療法が一番いいのかどうかはわかりませんけれども、「創薬に向けた取組みをはじめ」というのを使ったのは、そういう意味で、その言葉が前に出てきたという趣旨だと思います。
○野田委員 その趣旨ですが、例えばそこの医療イノベーションの創薬ワーキングチームの座長は私がやっているのですけれども、やはり基本的には、このイメージ全体としてねらっているものに、イメージとして少し偏りを持たせてしまうと。がん免疫療法が頭に来るのは。今、厚生労働省で行われている、がん免疫療法の、その事業がどうしても見えてきてしまう。これはもっと、第1弾、第2弾、第3弾、ずっと続くべきものであるということから、順番だけでも変えていただけないかということだけです。
○門田会長 同じ内容が、順番によって与えるインプレッションでどうなるかということですので、そういう野田委員のような意見もあるということで、1回検討してみてください。
○野田委員 よろしいですか。次のところで、27ページですけれども、個別目標のとこ、ろは、がん室の方は、骨子のところは個別目標がちょっと明確に出ていなかったので、取り組むべき施策の中から抜き出していただいて、個別目標の方にこういう文が入ってきています。
 ただし、この前半部分と後半部分が分かれてしまっていて、骨子の段階では、ここに3~4行書いてあるもの、これをグランドデザインと盛んに言いましたけれども、がん研究のグランドデザインを、省庁間連携を緊密に取って、企画、立案、それに推進するという、そこがセットで重要だと。2年以内というのは別に言っていません。だけれども重要だということを申し上げたのが、そのとき外山局長が、厚生科学審議会で、何が悪いんだとおっしゃってディスカッションがあったのも僕は覚えていますが、そのときの、ここのディスカッションでは、いや、やはり省庁間連携は大事だし、企画だけではなくて、推進も必要だろうという話があったと思うので、ここには是非、前の方の段落にも、例えばですよ、検討していただければいいのですが、例えば、一番後ろの総合的研究戦略を策定し、その戦略的推進のための省庁間連携の強化を図るとか、そういう文言を入れていただけるとありがたいと思います。
○外山健康局長 検討いたします。ただ、これは厚生労働大臣ではなくて、閣議決定で、すべての大臣が連帯してやるもので、今日も文科省、経産省も来ております。たまたま厚生労働大臣が、まず案をつくりますけれども、そもそも政府全体で、手形を落とすものでございますので、ちょっと検討いたしますけれども、そもそも、そうだということを御理解願いたいと思います。
○門田会長 嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員 ちょっと大事なことなので、先ほど松本委員と前川委員の間で、感染症という概念が、まだ混乱していて終わっていないと思ったので、ちょっと発言するのですが、感染であることは間違いないのです。ただし、例えば胃がんがピロリ菌でなるということは感染でなるのですけれども、だからといって、胃がんを持っている人が、感染、人にうつすわけではない。誤解を生んではいけないので、松本委員がそういうことを言ったのだと思うのです。
 要するに、原因は感染なのだけれども、それ自体は感染しない。肝炎は違いますけれども、そういうところをうまく書いてという、それは分かりましたね。そのことをもう一回確認したかったのです。感染なのです、原因は。ただし感染しない。そこを誤解すると。先ほどの前川委員の言う言い方だと、感染症ですね、だから子どもたちが心配ですからというような言い方をされたので、それは誤解を受けるなと。松本委員が心配しているようなことが起きてしまうといけないなということで今、確認をしました。
○門田会長 田村委員どうぞ。
○田村委員 先ほどのを蒸し返されたので、もう一度。そのとき言えばよかったのですけれども、感染症はやはり、感染があって、ホスト側が炎症を起こすというのが感染症の定義なので、そこのところは押さえておいた方がいいと思います。だから「感染症対策」というよりも、「感染対策」の方が本当はいいのではないかと私は思っています。
○門田会長 松本委員、何か。大丈夫ですか。
○松本委員 表現については今後御検討いただいて、またそれを考えさせていただければと思います。要は偏見、差別が広がらないということ、子宮頸がんの発症が減るということ、そこへたどりつく文言になればいいのです。個別、個人的な誤解というのは、是非勉強して解いていただきたいと思っております。
○門田会長 前原委員。後から江口委員。
○前原委員 10ページの「(2)がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成」のところで、10ページから11ページと続いていますが、是非その中に、重点項目に手術療法ということですから、手術療法に関わる医師のことも一言入れていただきたいと思います。なぜかと申しますと、これまでの基本計画の中で、放射線治療と化学療法が重点項目ということで、同時に進んでおりました文科省のがんプロにおきましても、その2つの領域の専門家の育成ということが中心となっています。昨年、全国のがんプロで、どれだけの人材を育成しているかというアンケートを取りましたら、腫瘍外科医の育成が全くなされていないという現実が明らかとなりました。
 がんプロは来年度以降、新たなプロジェクトで全国公募が始まっておりますが、この基本計画にも、しっかりと、臨床外科医を育成するのだということを入れていただかないと、新たながんプロの中でも育成が進まないということになりますので、どうかよろしくお願いします。
○門田会長 その件に関して、では、嘉山委員。
○嘉山委員 抗がん剤の外科医が育たなかったのは当たり前で、がんプロというのは大学院なのです。ですから、職業訓練で卒業後のあれではない。したがって、抗がん剤専門外科医がなかなか出にくい状況にあるので、プログラムを多分、文科省は今回変えたと思うのです、先生おっしゃるように。ですから、それは制度自体の欠点だったのだと思います。今度の第2次のものは、そういうことがないのではないかと思います。
○門田会長 その辺り、どうですか。
○文部科学省医学教育課 文言については、こちらの方で再度検討して、また次回のときに精査します。
○門田会長 今、嘉山委員がおっしゃられた、次のステップではそういうことが入っているかどうか。
○文部科学省医学教育課 そういう趣旨も含めて見直しをさせていただいていますので、各拠点の方で、どういう形で出てくるかというのは、それぞれの拠点の特色で出てくると思いますけれども、そういうプログラムも入ってくると。
○嘉山委員 ですから、前原先生のおっしゃったことは、要するにがん認定医機構の専門医はできたのです。ただし、抗がん剤専門の、我々より一段上の専門医ができていないのです。
○前原委員 がん専門医の中で、外科の腫瘍医といいますか、そういうものの育成も、がんプロの中に入ってもいいのではないかということです。それが全くなされていなかった。
○嘉山委員 それは評価の基準に最初、入っていなかったからです。だから今度は制度を変えた方がいいということです。
○前原委員 基本計画の中にないので、結局それとも連動してなかったということだろうと思います。是非、よろしくお願いします。
○門田会長 野田委員、どうぞ。
○野田委員 新しく、どういうふうにがんプロが変わったかわからないのですが、前のところでは、それにカップルして、病理診断医のところも重要で、病理診断医は、今のに比べると、大学院に割とカップルしている可能性があるにもかかわらず、ほとんど出てきていません。なので、この中に「若手病理診断医の育成」という、非常に短い、簡単な言葉だけが解決策として入っているのですけれども、新しいがんプロのシステムとリンクさせることが可能であれば、そういうような文言を入れて、そこを後押しするというのをやっていただけるとありがたいと思います。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 それはちょっと無理です。野田先生は研究者だからそうおっしゃるけれども、全ての臓器のがん専門の病理医を育てるのは、もう無理です。この10年、20年。ですからそれよりは、ITでちゃんと診断をしてやれるというのは、今、診療報酬で一切認められていないのです。ですから、その制度をやった方が、確実な、クオリティーの上がるようながん医療になっていくと思うので、それを書き込むのなら、野田先生のおっしゃることも、フィージビリティーは低いですけれども、道理としてあるので、書き込んでもいいのですが、それを書き込むのであれば、ITでの病理診断を進めると言う方が現実的。
○野田委員 それは書き込まれていたでしょう、前のときは。
○嘉山委員 書き込まれていた、ではそれで結構です。
○野田委員 前のこの病理のところで、「その他」のところです。
○嘉山委員 例えば僕のやっている脳のがんの専門医というのは、日本でWHOの委員が群馬大学に1人しかいません。そのくらいですから、なかなか難しいと思います。
○野田委員 「中病理診断などの連携体制」と。「病理診断システムや情報技術の導入」というのが、今、嘉山さんの言っている部分を表しているのです。ただ、幾ら言っても一番上に「病理診断医の育成」と、非常に淡泊な、全然育てるつもりのないような言葉の育成みたいなので終わっているので、ここに今のをちょっと関連づけてほしい。嘉山さんのは下の方に入っている。
○嘉山委員 でも1行でも書いてあると、霞が関でそれが政治になるのです。だから書いてあれば大丈夫だと思う。
○門田会長 少し詳細なことに入ってきたので、北岡委員どうぞ。
○北岡委員 「がんの早期発見」のところです。現状の一番最後の方に、「職域等のがん検診の受診率や制度管理については定期的に把握する仕組みがないことも課題である」と書いてあるのですが、ここに対する取組み、施策が、読んでいてどこに当たるのかがよくわからないというのが1点。
 あと、早期発見に関しては、市町村が増進法で実施するというのが今の現状なのですけれども、先ほど、受診率が低いとか、受診率が上げていくとか、働く世代、若い世代の受診率が低いところが問題という話だったのですけれども、それに対して、具体的に、市町村の努力ではなく、もう少し、職域等との連携のところを、具体的にどう展開するのかというふうなことについて、文言を書いていただけるといいと思いました。
○門田会長 これも事務局、検討するという表現になりますか。
○鷲見がん対策推進室長 まず最初に精度管理のところにつきましては、私どもの取り組むべき施策の3つ目のところですが、「都道府県は、生活習慣病検診等管理指導協議会の一層の活用を図る等により、がん検診の実施方法や精度管理の向上に向けた取組を検討する」と、ここで少し、仕組みがないことも課題になっているとありますけれども、精度管理自体をきちんと向上させるという中に含めたつもりでありました。
 また、もう一つの職域との連携でございますけれども、24ページの下から2つ目のパラグラフのところですが、「職域のがん検診との連携など、より効率的・効果的な施策を検討する」ということで、一応記載させていただいて、確かに弱いというところはあるのかもしれませんが、一応ここの中で読み込めるものということで記載させていただいております。
○北岡委員 精度管理についてはわかったのですけれども、がん検診の受診率の実態を把握するというところで、具体策というところが弱いのかなと思ったのです。
○門田会長 江口委員。
○江口委員 24ページの取り組むべき施策のところで、今までの協議会でも、がん検診主体が縦割りで、まとまったデータを把握できないことも討議されました。「市町村によるがん検診に加えて」「その実態のより正確な分析を行う」とあります。
 また、「がん検診の項目について、国内外の治験を収集し、科学的知見のあるがん検診の方法等について検討を行う」と書き込んであるのですが、これらの主語がないのです。「都道府県は」とか、あるいは「市町村が」とかが書いてあるのですが、最初の部分は、つまり正確な分析、科学的な知見の検討、これの主語は国と考えていいわけですね。もし、そうであれば明記していただきたい。
○鷲見がん対策推進室長 勿論こちらは国の、推進基本計画そのものが、政府の計画でございますので、当然こちら、書いていないものについては国が行うという中で記載させていただいております。その中で、例えばこの取り組むべき施策の3つ目にございます「都道府県は」というようなことで、都道府県にきちんとやっていただきたいものについては、こうした形で主語を記載させていただいているところでございます。
○江口委員 今までの文章では、「国が」と書いてあるところもありますし、何も主語のないところがあるわけです。特にがん検診では、役割の明確化が協議会で問題になっていたので、そういうことであれば、ここはやはり、冒頭に「国が」と書いていただきたい。
○事務局(秋月) そこの文言は統一するようにいたしますが、もし「国が」と入れている場合には、例えば「国と都道府県は」とか、国だけではなく、ほかの主語もある場合には、そこを明示しております。基本的には、先ほど申し上げましたとおり、政府の基本計画ですので、主語は「国」というふうにとらえていただければと思います。
○門田会長 全体的な整合性、一回見直してみてください。意見で出てきておりますので。
 それでは中沢委員どうぞ。
○中沢委員 本日初めて、個別目標というのを見させていただいた中で、前回の計画に比べますと、具体的な数字がないものも多いのかなというところで思います。例えば、29ページの小児がん拠点病院の整備につきましても、「5年以内に整備」としか書いていないので、どのくらい整備するのかというところが、現段階では多分書けないのかなと思います。これにつきましては、書けないのであれば、今後、この計画を評価するといいますか、進捗状況を見る上で、その段階で、例えば具体的な指標が出ると、わかりやすいかなという気が1つします。
 もう一つ、例えば喫煙率ですとか、受動喫煙に遭った人たちの割合という数字が、国民健康栄養調査の数字で出されております。この基本計画を基に、都道府県ごとの計画を改定作業にこれから入る中では、一部、国民健康栄養調査の項目につきましても、統計的な処理をして、都道府県ごとの数字を出していただいているものがございますが、是非、ここに挙げているような数字に関しましては、各都道府県間の比較ができるような形で、都道府県の方に情報提供をいただければと思いますが、これはお願いでございます。
 以上です。
○門田会長 はい。
○野田生活習慣病対策室長 国民健康栄養調査の関係でございます。
 来年度につきましては、ある程度、母数を増やして、より詳細に把握できるような形で、現在、予算要求をさせていただいているところでございますけれども、都道府県間の比較を精密にできるところまでは至っておりませんので、そこはちょっと、今後の課題として持っておきたいと思っております。
○門田会長 天野委員、どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。
 11ページで、「がん診療に関する教育を専門的かつ臓器別にとらわれない教育体制(例えば「臨床腫瘍学講座」や「放射線腫瘍学講座」など)を整備するよう検討する」といいうところがあるかと思います。
 私や、またこの協議会の本田委員や中川委員、田村委員も委員なのですが、がんプロフェッショナル養成推進プランの委員をしておりまして、そこで出ている議論として、今回のがんプロに関しましては、講座をつくるというプログラムに関しては、一定のインセンティブが配慮されている設計になっていると理解しておりまして、講座をつくるということが、がんの診療や医療の向上につながり、また教育の向上にもつながるということであれば、「整備するよう検討する」という書きぶりで果たしていいのかということが1つ。
 あとは実際、がんプロで仮にインセンティブがついて、講座が設置されたとしても、例えばがんプロが終わってしまうと、講座が立ち消えになってしまうのではないかという意見もある中で、本日、文科省の方にも来ていただいているのですが、講座を設置していくということについて、基本計画の中で、どのように位置づけされているのかを、是非お聞かせいただければと思います。これが1点でございます。
 もう一点、先ほどドラッグ・ラグについて私から申し上げましたが、がん室の方から、適応外薬についてはやらないということではないという御説明をいただいて、少し安堵はしておりますが、もう一度読み返しましても、「慎重に従前からの議論を継続する」というのは、やはり、やらないというふうに読めてしまいますので、最低限でも「十分に配慮しつつ、引き続き検討する」などの書きぶりにしていただく。また、現状のところでも、適応外が大きな問題になっているという点については、もう少し書きぶりを増やしていただきたいと思います。
 私からは、以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。
 花井委員、本田委員、前川委員。お願いします。
○花井委員 ありがとうございます。
 19ページの相談支援のところの2ページ目です。先回と違うところは、やはり下から4段落目の、「ピア・サポートを推進するための研修」を、だれが実施するのかというと、「国と地方公共団体等は」と入れていただき、それから「ピア・サポートをさらに充実するよう努めることが望ましい」を、「努める」というふうに、きちんと努力目標にしていただいて大変ありがたいと思っております。
 そして、ここまでの「取り組むべき施策」というところは、それなりに、具体的に書いていただいたのですけれども、個別目標に行きますと、やはり、先ほど具体的な数字が示されていない個別目標も多いという御意見がありましたが、ここのところは非常によくまとめていただいたのですが、ちょっと簡単ではないか。個別目標になると、いきなり、ちょっと具体性が薄れてきたというのがありまして、相談支援体制は、なかなか何年以内というのは、これでよしということがありませんので、難しいと思いますけれども、それでも、何年というのが難しいような個別目標は、ほかのところですと、迅速にですとか、そういう表記がされていて、ちょっとその意味では、これをいつまでに、どのようにやっていくのかという具体性が乏しくて、そうして、やはり相談支援体制の充実というのは、地方公共団体も、患者団体も、医療機関も、共同というか、一体となってやっていかなければ実現できないものだと思いますが、そういった文言が、何かこの個別目標のところに入ってこないだろうかということを伺いたいと思います。
 ただ、相談支援の個別目標は4行で、医薬品の早期承認は2行だったので、4行は喜ばないといけないのかなと思いつつも、もう少し具体的に、目標の数字的なところも掲げて、個別目標が出てこないと、なかなか具体的な行動につながりにくいということを少し懸念しております。
 よろしくお願いします。
○門田会長 はい。
○事務局(秋月) いただいた御意見ですけれども、関係者、例えば医療機関であるとか、勿論民間の方もありますけれども、そういう方がきちんと協力してという形で、この個別目標の方に入れることは検討したいと思っておりますし、確かに、何年以内に何を達成するというのは、いいアイデアがあれば、逆に教えていただきたいのですけれども、なかなかそれは、これまでの議論を踏まえても、ちょっと難しいかと認識しておりますので、せめてそういう、迅速にというか、可能な限り早く達成できるような形の記載にしたいと思います。
○花井委員 ありがとうございます。
○門田会長 本田委員。
 予定の時間を回っていますので、できるだけ簡潔に。
○本田委員 1つは私も、花井委員がおっしゃった、19ページの相談支援の個別目標、この目標だと、中間評価をする際に、一体何で評価をするのかわからないと思ったので、私もアイデアがあれば考えて提出したいと思います。
 同じことなのですけれども、31ページ、今回新たに議論があって入った、患者の就労を含めた社会的な問題というところなのですけれども、新しいテーマではあるので、1年、2年で何ができるという問題ではないのかもしれませんけれども、やはり今後5年の計画ですので、これも一体、何で評価をするのだろうというのは、かなり難しいとは思うのですが、せめて実態を把握するなど、何かもう少し具体性、この3行だと、何か全体目標が書いてあるみたいな感じですので、実態を把握するなどとか、これも具体性が欲しいと思いました。
○門田会長 前川委員お願いします。
○前川委員 緩和ケアのところですけれども、13ページ、個別目標のところで、すごくよく書いてあって、この目標が達成されれば、本当にすばらしいなと思って、すごくいいなと思っております。ただ、達成できるかどうかというので、2年後ぐらいに、どのくらいだろうかという、実数把握を協議会に報告するとか、そういうこと、ここの文言に書かれなくてもいいので、ちょっと頭に入れておいてほしいと思います。
 今までの5年間で、この研修会が余りうまくいっていなかったので、今後、5年後に、ああ、また同じことというふうにならないようにと思っております。
 嘉山委員が帰られたのであれなのですけれども、お願いがあったのですけれども、都道府県のがん診療連携拠点病院の連絡協議会というのが年に1回あると思いますけれども、そのときに、院長先生たちが御出席されると思いますが、そこで後方支援で、研修会のこと、どうなっていますかとか、院長先生も受けてくださいとか、後方支援をしていただきたいとお願いしたかったのですが、後で事務局の方でお願いしていただけますか。
 ありがとうございます。
○門田会長 はい。
○鷲見がん対策推進室長 今、前川委員がおっしゃった話なのですが、最後、また次の項目になると思いますけれども、3年後を目途にきちんと中間評価を行うという記載をしておりますので、その中で、こうした3年以内であるとかという形で、個別目標を掲げているものについては、きちんと評価をして、報告させていただきたいというふうに考えております。
○門田会長 野田委員。
○野田委員 言葉のことなので、後でもいいかと思ったのですが、この24ページの検診のところを見ると、ものすごく何回も出てくるのが、「科学的知見に基づくがん検診」。この科学的知見に基づく、あるいは科学的知見のあるという言葉は、ちょっと違和感があるのです。「知見」というのは、あるものについて、白という知見もあったり、黒という知見も必ずあるのです。
 それで、これは「根拠」ではないかと思って、また外山局長に、ずっと知見になっているんだと言われると困るので、今見たら、前はみんな根拠になっているのです。前のがん対策基本計画では「科学的根拠のある検診」になっているものが、ここで弱い「知見」になっているというのは、2か所くらいぐらい出てきています。「科学的根拠のある検診」が、いつの間にか「科学的知見」になっているので、これも何か、本当におもんぱかったところがあるならいいのです。
○外山健康局長 今までいただいてきた御意見を文言にしただけで、それは協議会の方の先生にお聞きしたいと思います。
○野田委員 やはりこれは根拠の方がいいと思いますし、あと1個だけ出ているのですけれども、前のページに「社会的知見」という言葉があるのですが、これは誤字ですね。
○鷲見がん対策推進室長 それは誤りです。済みません。
○門田会長 誠に申し訳ないのですが、今回はチャンスがないので、どこまで延長してもいいのかということですが、ぼつぼつ席を立たれる方が出てきますので、いつまでもだらだらというわけにもいかないと思うのですが、やはり集中的に、多分、次の項目がありますので、今から30分でよろしゅうございますか。45分まで集中して審議して終わりたいと思いますが、よろしいですか。できるだけ御協力、お願いいたします。
 文科省、お願いします。
○文部科学省医学教育課 先ほど、天野委員からの御質問というか御意見で、「教育体制を整備するよう検討する」という11ページの文言ですけれども、天野委員は、私どものがんプロフェッショナルの24年度からのプランの委員にもなっていただいていまして、確かに私どもも、今回の予算の5か年の中で、きちんと大学の教育の基盤となるような組織を支援したいと。それは財政当局からも、その次の支援はもうない、5か年できちんと基盤になるような組織をつくりなさいということで言われていまして、そういう動きも踏まえて、きちんと我々も、そういう組織に支援をしたいというふうに思っていますので、確かにこの文言は、済みません、若干控え目に書かせていただいたものですから、そこはもう少しわかりやすい、前向きな整理で書かせていただきます。
 失礼しました。
○門田会長 よろしくお願いします。
 そのほかいかがですか。よろしゅうございますか。
 それでは、あと第5が残っておりますので、第5の方に移りたいと思います。31ページから最後までということで御意見ちょうだいしたいと思います。お願いいたします。どなたか。
 いかがですか。第5の方はほとんど御意見はないですか。
 第5の方では、4番のがん患者を含めた国民等の努力というところが、ほかも非常に簡潔な文章で終わっていますけれども、これが、先ほどの御説明では、患者さん、国民側の努力というようなことが余り入っていないので、ここに加えたというようなことでございましたけれども、この辺り、何か御意見ございませんか。
○門田会長 江口委員。
○江口委員 中間評価ですが、今までの評価というのは、数量の実績です。例えば、研修の受講者数が何人とか。これからの中間評価には、申告された数量だけではなくて、評価に必要な調査項目を絞り、質の調査を前提とした中間評価でないと意味がないと思います。質の評価を含むことを書き込んでいただきたい。
○門田会長 中間評価ということについて、余り具体的に云々ということはないですね。タイミングしか書いていないと思うのです。
○外山健康局長 それは評価するのに必要であれば、調査もするでしょうし、調査しなくてもできるものもあるかもしれませんので。
○江口委員 計画的な質的調査を行った上での中間評価というような文言になると思います。
○外山健康局長 私どもとしては、そこまで義務づけていただきたくないと思います。というのは、これは閣議決定するだけではなくて、法律に基づいて、法律が求めていますけれども、国会に報告いたします。更に義務として、国民に全部周知すると。いろいろな手段を使ってですね。ここに書いてあることは死にもの狂いで達成しなくてはいけないということになります。ですから中間評価を行うということでもって、私どもは足ると思っておりまして、どういう手法で調査するとか、そういうことは任せていただきたいと思っています。
○江口委員 数だけの評価というのは、今までやっていたわけですけれども、協議会ではそれでは不十分ということであったわけです。質的な評価をしなくてはいけないというのが、この協議会の、合意だったと思うのです。
○外山健康局長 いろいろ、るる意見をいただいておりますけれども、最終段階にきて、一人ひとりの意見をずっと入れていると、ふたが閉まらないんです。それで、もし本当に、協議会としてそうであるならば、協議会全員一致の意見といいますか、ちゃんと、どういうことだけを修文せよということで、まとめていただきたいと思います。そうであれば、私どもも責任を持って、これは何としても、これでなければ答申を受けられないということでやりますけれども、次回、3月1日に諮問できないのではないかというふうな思いでいるわけです。
○門田会長 多分、皆さんのお考えは、我々は協議会として今やっていますが、基本計画は厚労大臣がつくっておられる。これは皆さん、認識しておられることと思います。
 そういう中にあって、協議会として今までディスカッションしてきた内容について、今回の素案を読ませていただいて、御意見を今、出していただいているところです。時間をかけてお聞きしているわけですけれども、多分、書けることと、書けないことがあるということは、皆さん御理解していただいていると思います。ただ、今回の文章を読ませていただいた段階の皆さんの気持ちや今までディスカッションしてきた内容を思い起こし意見を述べられておられると思います。今、局長がおっしゃいましたけれども、では、協議会で満場一致で決まったら、絶対書き込められるかといったら、多分、今までの経緯からいって難しいところもわかっております。皆さんの御意見を聞いて頂いて、これから先、幾つかの御意見をどういう形で反映できるかできないかということは、厚労省サイドの話だと思います。皆さんはそういうことを、わかっておっしゃっておられると思いますので、局長、そうおっしゃらないで、もう少し意見を聞いてみましょう。
○外山健康局長 意見をお聞きするのはいいのですけれども、具体的に修文としたときに、今までのここの文章の修文のチャンスはあったと思うのですけれども、こういうことの確認であるとか、今はそういう段階に来ておりまして、例えばこういう評価を行う際に、前の計画年度でも、中間評価をやっております。
 これを、例えばこの協議会の運営を定期的に、制度的に調査を義務づける。責任を持ってやるという話になりますので、そういうふうな中間評価にするということは、1つの大議論なわけです。そこのところにつきまして、ただ、聞き置くだけでいいのならいいのですけれども、本当にその実項目を入れることによって、今後のがん対策推進協議会の運営そのものに影響するというか、それは正しい方向かもしれませんけれども、そういった議論であるので、同じ御意見でも、形容詞を変えるだけのような御意見もあるかもしれませんけれども、今後の運営全体に関わるような話でございますので、その辺は、同じ意見でもやはり軽重、我が方としては忖度して検討しなくてはいけない事柄なので、そうしますと、なかなか、今後3月1日、1回でおさまらないのではないか、そう思いまして、先ほど申し上げたようなことを言ったわけであります。
○門田会長 はい。江口委員、どうぞ。
○江口委員 この第5の部分は、協議会では討議されなかったところです。次の中間評価は、質的な評価を入れなくてはいけないと思っております。何回も、この協議会で、いろいろな方々が言われたことです。そのことを、やはり文言として、質的な評価を含めた中間評価というような形で入れていただきたいと思います。
○天野会長代理 よろしいでしょうか。
○門田会長 天野委員。
○天野会長代理 今の江口委員の意見に関連してなのですが、3年をめどに中間評価を行うということが書いてありますので、少なくとも、それまでに指標も一定程度策定されていないと、実際の質を見ることは難しいと思います。
 例えば、緩和ケアに関しましては、第1期の計画から重点な課題として定められていたわけですが、緩和ケア1つを見ても、例えば除痛率というものについても、まだ一致した定義が得られていないということで、もう5年間これが続いてきたわけで、またこれが第2期も続いていくとなると、結局わからないままに終わってしまうということですので、例えば指標の策定についても、3年をめどに必要な検討を行いなど、ある程度、期限を区切った形で検討していただくようにして、中間評価に資するような形で指標の策定を行っていただくことを是非御検討いただければと思います。
○本田委員 協議会の総意でというふうなことをおっしゃっていましたけれども、江口委員がおっしゃったような、評価については質的評価をするべきだという意見が、この1年間ずっと議論されていることなので、それはそもそも協議会の総意ではないかと私も感じています。そういう意味でも、必要な指標を策定しながら、みたいな形の文言をやはり入れていただきたいと感じています。
 あと32ページの「がん患者を含めた国民等の努力」ということで、確かに、その以前の部分は、医療従事者や、行政や、患者さんのことは書いてありましたけれども、国民一般という意味では、法律にも国民の責務というのがありましたので、こういうところがあるのはいいと私は思うのですけれども、例えば33ページのエですけれども、「がんに関する治験と臨床研究の意義を理解し」。理解するのは必要ですし、必要に応じて積極的に参加することも重要だと思うのですけれども、「積極的に参加すること」と、こういうふうに書かれると、参加しないといけない。それは自由意志なものだと思いますので、ちょっとその配慮もあった方がいいのかなというのを感じました。
 同様にアの部分でも、「がん患者とその家族は、がん医療が医療従事者とのより良い人間関係を基盤として成り立っていることを踏まえ」とあるのですけれども、それはがん患者、家族の方も、勿論、よりよい人間関係を構築するように努力する必要はありますけれども、それは患者、家族だけではなくて、お互いのことですので、一方的に読めてしまうというのがありまして、前半の方の、がん医療全般のところで「患者の自由意志を医療従事者は重視し」とか、そういうふうにいろいろ書いてあるので、両方書いてあると言えば、そうなのかもしれませんけれども、人間関係を築くというのは両方の問題だということで、違和感をちょっと感じました。
○門田会長 眞島委員、それから花井委員。
○眞島委員 私も本田委員と同感でして、今のがん患者さんとその家族が置かれている現状を考えますと、やはり先生が上に立つというような感じの医療現場が多いと思います。そのようなところで、がん患者さんに幾ら相互理解、相互信頼関係を構築するように努めろと言われても、やはり先生がイニシアチブを取らないと難しいのではないかと。この書きぶりを見ますと、そのような現状にそぐわないのではないでしょうか。やはりそれは相互関係が重要であって、特に先生方は最近、バッドニュースの伝え方などさまざまなセミナーを受けられて、いろいろ努力されているというのはあるのですが。それに地方格差がありまして、場所によっては、やはりがん患者さんが弱い立場にあると思います。そういうことを踏まえますと、このままですと、いかにもがん患者さんとその家族が頑張ればどうにかなるように書かれていますが、やはりそれは双方向だろうと思います。
 それからイに関しても同様でして、これはよくセカンド・オピニオンに関して言われることなのですけれども、セカンド・オピニオンについては、最初から先生の方からそういう話が出てくればいいのですが、なかなかそうではなくて、患者さんからは先生との信頼関係を損なうのではないかということで、言いづらいし、また治療内容に関する情報すら共有できないという現状がありますので、そういうことを考えますと、がん患者さんが努力すべきというのはわかるのですけれども、実態にそぐわないのではないかと思います。
 それからエに関してです。私も治験とか臨床研究に関しては、がん患者さんが参加しなければ成り立たないものということで、積極的にプロモーションが必要だろうとは思うのですけれども、「積極的に参加すること」でぱっと終わってしまうのでは、確かにこのままでは、ちょっと誤解が生じるのではないかと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。私も32ページの同じ部分ですけれども、「がん患者を含めた国民等の努力」というところで、2行目に、「その恩恵を享受するだけでなく、主体的かつ積極的に活動する必要がある」という、これはまさにそのとおりで、がん患者さんと一緒に活動している現場の感覚として、医療機関の批判、医師批判をする患者さんの話をよく聞いてみると、自分のがんの実情というか、治療内容を把握していなかった、知らなかったがゆえの誤解であったということが意外と多いものなのです。
 その意味では、このイの1~2行目にかけて、「治療内容について、医療従事者と共有できるようにすること」ではちょっとわかりにくくて、ここも少し具体的に、患者さんや国民の立場で読んで、ああ、そういうことなんだと思えるようにしていただきたいというのが1つあります。
 例えば、自分のがんの状態や治療方法について理解するよう努め、であるとか、そういうふうに具体的に入れていただくと、わかりやすいのではないかと思っています。
 それから、アの「より良い人間関係を基盤として成り立っていることを踏まえ」というのは、これはそのとうりでございまして、それは医療従事者にとってもそうで、医療従事者、医療機関の努力としても、どこかに書いてあるといいなと思いましたが、書けということではありません。そういうふうに思いました。
 よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございます。
○外山健康局長 ちょっとよろしいですか。ここのところは評判悪いのですけれども、現行の計画のコピー・アンド・ペーストなのです。全部、アイウエが。ただ、恐らく皆さんの目に触れるという点では久しぶりということなので、大分雰囲気が変わっておりますけれども、がん患者を含めて国民の努力のところは、医療安全のところは前段に大分書いてありますので、そこから離れているからちょっと違和感がありますけれども、別に一体的な書き方をしてあり、ただ、現行の計画そのものでしたけれども、改めて、初めて見る方もいらっしゃると思いますので、ここのところは次回まで御意見を伺って、大幅に、今言った御意見を入れたいと思っております。
○門田会長 ありがとうございます。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 31ページの就労の問題です。がん患者さんの就労の問題というのは、今回の見直しの大きな柱だと思って、私も評価しております。ただ、31ページの3段落目「就労可能ながん患者が働けるよう、医療従事者、産業医、人事労務管理者等との情報共有や連携の下」。これは恐らく大企業を想定した書き方であって、私が少し関わっています東京都のある病院では、放射線治療を午後10時までやってもらっています。夜にしか来られない患者さんというのは、基本的には零細企業の従事者なのです。
 要は経営者に、がんになった、あるいはがんの治療を受ける必要があると言うと、事実上そこで就労が続けられなくなる。大企業の方々は昼間来ます。したがって、ちょっとここが、もう少し小さな会社でも通じるように、要するに経営者にもというような形の言葉を入れていただかないと、大きな会社の方だけ救われるという形になるのではないかと思っています。
○門田会長 松本委員、どうぞ。
○松本委員 中川委員、本当にありがとうございます。本当に大企業だけというのはちょっと困るなということは思っております。私が聞き及びますある調査によりますと、産業医に相談をしている就労可能な患者というのは、わずか1%だったという調査があるやに聞いておりますので、経営者に限らず、あらゆる環境に置かれている方々、大企業というのは、日本の中で本当に数パーセントですので、そういったところに御配慮をいただきたいと思っております。
 「就労可能ながん患者が働けるよう」とあるのですけれども、可能な状態であれば働かなければならないと受けとめられかねないので、例えば、就労意欲のあるがん患者が働けるよう、というような文言を、もし変えていただけるのであれば、そうすればありがたいなと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。
 司会の独断で、今日はできるだけ皆さんの御意見を聞かせていただいて、3月1日にはきれいにぱっとまとまったものでいきたいと思って聞いておりますので、何かあったら、おっしゃっていただいたらいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 そしたら最初に45分までと言いましたけれども、少し前ですが、既に三十数分も延長の形になっていますので、一応今日のこの素案についての審議はここまでということにさせていただきたいと思います。
 次回は、先ほども言いましたけれども、3月1日に、今度は素案ではなく、最終的な案を聞かせていただくということになっております。今日の意見は、先ほども述べましたけれども、まとめて全員一致で云々という形には話を持っていっていませんけれども、皆さんが読んで、国民目線で、いろいろな立場の方々がこれを読んで、どういうふうに思われるかということは、多分事務局としても、御意見はいろいろな形で参考になったのではないか、なるのではないかという気がいたします。内容的には書き込みにくいこともあるかもわかりませんが、文章とすれば、いろいろ聞かされたことについての修正というのか、整理というのはいろいろ出てくる可能性があると思いますので、是非それを考えていただいて、3月1日までに、いい基本計画をつくっていただきたいと思います。
 ということで、事務局の方、何かございましたらお願いいたします。
○外山健康局長 ただいま会長から、次回3月1日にという話でありますけれども、できる限り、次回は、法律に基づく厚生労働省案を出すように努力したいと思っております。ただ、今日は大分、また御意見を伺いましたので、そのように努力いたしますけれども、事前に、別にその場で混乱を避けるというわけではありませんけれども、できる限りスムーズに答申をいただきたいと思っておりますので、その辺はまた事前に、協議会の会長、門田先生と相談した上で、事前の調整をやらせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ですから、3月1日は、厚生労働省案を出すことを目指すということでありまして、今日の段階では約束できませんので、よろしくお願いします。
○門田会長 タイムスケジュール的に、そんなことをおっしゃっていてよろしいのでしょうか。
○外山健康局長 それはそうですけれども、法律に基づいて、がん対策推進協議会の意見を聴くということになっていますから、それはやはり重いので、聞きっ放しということでは逆に、協議会に対して手続上まずいので、その辺はぎりぎりのところまで努力したいと思っております。
○門田会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、最後は。
○鷲見がん対策推進室長 それでは時間が参りましたので、本日の協議会を終了したいと存じます。
 委員の皆様、長時間にわたりまして、誠にありがとうございました。


(了)
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