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2012年1月13日 障害年金の認定(関節の機能等)に関する専門家会合(第2回)議事録

○日時

平成24年1月13日(金)14:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第19・20会議室(17階)


○出席者

委員

池田修一委員 岩谷力委員
土肥徳秀委員 飛松好子委員

○議題

(1) 関節の機能等に係る障害認定基準について
(2) その他

○議事

○(座長) それでは定刻になりましたので、ただ今から障害年金の認定(関節の機能等)に関する専門家会合(第2回)を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 初めに、伊藤委員は予めご欠席ということで連絡をいただいております。
 それでは、本日の資料について、事務局より確認をお願いいたします。
○(事務局) 本日の会合資料の確認をさせていただきます。
 お手元の議事次第のもと、資料1といたしまして「認定基準の見直し案(修正版)の検討事項」、資料2としたしまして「認定基準の見直し案(修正版)」、資料3といたしまして「診断書の見直し案(たたき台)」をお配りしています。お手元にございますでしょうか。不足がありましたら、お申し出いただければと思います。
○(座長) ありがとうございます。
 それでは、前回の資料3「見直しにあたっての課題と論点」のうち、2つ目の『「第7節/肢体の障害」における障害の区分けについて』は、皆様方、特にご異論がありませんでしたので、そのほかの2つの論点について、これから1つずつ整理をしてまいりたいと思います。
 議事次第に沿って、事務局より説明をお願いいたします。
○(事務局) 本日は、資料1の「認定基準の見直し案(修正版)の検討事項」の項目ごとに、資料2の「認定基準の見直し案(修正版)」の色塗り部分などを説明させていただき、その後、委員の皆様にご議論いただきたいと存じます。
 まずは、前回の資料3「見直しにあたっての課題と論点」のうち、3つ目の「関節可動域の測定方法と評価について」をご説明いたします。また、今回、検討事項を整理する際に、前回お示しした「国民年金・厚生年金保険障害認定基準[事務局見直し案(たたき台)]」で一部変更している箇所がございますので、その変更箇所は資料1の説明のときに一緒に説明させていただきます。
 資料1は項目ごとに、資料2「認定基準の見直し案(修正版)」の該当するページの番号を記載し、前回、説明いたしました資料3「見直しにあたっての課題と論点」の論点別に色塗りするとともに、各項目別に文字を色分けしました。さらに、資料2の該当する部分にも同様に論点別に色塗りし、各項目別に文字を色分けして表示しております。資料1と資料2を併せてご覧ください。
 まず、資料1の1ページ目、「関節可動域の測定方法と評価について」です。
 一番上の段の枠で、「関節可動域の測定方法を自動可動域から他動可動域へ変更した場合に、可動範囲の制限値を変更する必要はないか」というところです。
 前回の資料3「見直しにあたっての課題と論点」の3で説明いたしました「関節可動域の測定方法と評価について」で、これまで主に自動運動による関節可動域で評価していたものを他動運動による評価に変更する旨を、説明させていただきました。ここでは、この評価方法を変更するに当たり、可動範囲の制限値を変更する必要があるかどうかということです。
 例えば、上肢の障害ですが、資料2の「認定基準の見直し案(修正版)」の3ページをご覧ください。左側の真ん中のあたり、黄色に黒字の部分です。「エ」と「オ」と、下の「ク」の(イ)の記載を見ていただきますと、「他動」に下線を引いておりますが、今回、ここが自動可動域から他動可動域へ変更した箇所です。
 3ページに戻っていただきまして、「エ」の「関節の用を廃したもの」では、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの」、次の「オ」の「関節に著しい機能障害を残すもの」では、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの」、また、「オ」の(注)の「関節に著しい機能障害がない場合であっても、関節に機能障害を残すもの」では、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の5分の4以下に制限されたもの」、次の「ク」の「指の用を廃したもの」では、ページをめくっていただきまして、4ページ左側の一番上のほうの(イ)に「中手指節関節(MP)又は近位指節間関節(PIP)(おや指にあっては、指節間関節(IP))に著しい運動障害(他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの)を残すもの」としております。
 これらの「エ」と「オ」と、「ク」の(イ)は、いずれも自動可動域を他動可動域へ変更したものですが、それぞれの可動範囲の制限値、2分の1、3分の2、5分の4、2分の1について、変更する必要があるかどうかです。ここで留意すべき点は、これまで障害年金の支給の対象の範囲となっていた人が受けられなくなったり、もしくは今まで支給の対象にならなかった人が受けられるようになるというような支給対象者の変動が生じないようにしなければならないという点です。
 ちなみに、労災においては、自動可動域から他動可動域へ変更を行った際に、制限値は変更しておりません。
 また、日本年金機構側でも変える必要はないとのことでしたが、委員の先生方はどのようにお考えでしょうか。
 なお、今、「上肢の障害」で説明いたしましたが、「下肢の障害」と「体幹・脊柱の機能の障害」についても、「上肢の障害」と同様でございますので、併せてご検討いただければと思います。
○(座長) ありがとうございます。
 まず、ご意見を伺いたいと思いますが、一番経験豊富な○○委員、いかがですか。これで、特に自動と他動で問題が起きそうなことというのはございますか。
○(○○委員) 変更を仮定しまして、ここの数字をいろいろ変更するということで、この2分の1、3分の2、5分の4をいろいろな組み合わせで考えてみたのですが、例えば、4分の3というものを設定しますと、100%を基準にしまして、3分の2は66%、4分の3は75%となり、その間の距離が比較的短く、識別が困難な可能性がありますので、私はこの2分の1、3分の2、5分の4で臨床上も識別しやすいので、妥当ではないかと考えております。
○(座長) ありがとうございます。いかがでしょうか。
 関節可動域というのは、大体5度単位ぐらいしか精度はないわけですから、50%と65%として、その間は明らかに判別可能ですよね。そういうことからも考えてみて、要するに測定が非常に困難、差を測定することが非常に困難ということはないと考えてもいいのだと思いますが、いかがでしょう、○○委員。
○(○○委員) まず、今いる人々が不利益をこうむることがないかどうかと考えますと、自動可動域が他動可動域を超えるということはあり得ないので、現行の人々が不利益を得るということはないと思います。
 次に、障害の対象者が拡大するかというと、それもまた、関節の可動域はあるのだけれども、そこまで動かすことができないという状態を考えると、それはむしろ筋力の問題で引っかかってきますので、いずれにせよ、このことによって対象者が著しく変動するということはないのではないかと。
 次に、その何分の1というのは何が妥当かと言われると、何とも言えないので、現行で今のところ問題なく行われているのであれば、これはこのままで特に考える必要はないのではないかというふうに、私は思います。
○(座長) ありがとうございます。○○委員、いかがでございましょうか。
○(○○委員) 特にないです。
○(座長) 可動域はよろしゅうございますね。この数字について、これは皆様方、妥当とお考えということで、まとめさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 では、その次です。同じく下肢についても、「エ」、「オ」、「カ」、8ページ、9ページの箇所になりますね。説明をお願いします。
○(事務局) 「下肢の障害」のほうも「上肢の障害」と全く同様の規定でして、「エ」と「オ」と「カ」の(イ)、8ページ、9ページが該当する部分でございますが、内容が重複しますので、説明は省略させていただきます。
○(座長) それとあと13ページですよね、これはよろしいですか。
○(事務局) 13ページの左側の「ウ」の(ア)と(イ)の部分でございますが、ここも(ア)の「脊柱の機能に著しい障害を残すもの」として、「脊柱の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限されたもの」、(イ)の「脊柱の機能に障害を残すもの」として、「脊柱の他動可動域が参考可動域の4分の3以下に制限されている程度のもの」と規定しております。ここも「上肢の障害」、「下肢の障害」と同様でございます。
○(座長) ありがとうございます。
 下肢について、余り問題はないと思いますが、これはよろしゅうございますね。
 それでは、脊柱はいかがでしょうか。皆さんのご意見は、脊柱についても余り変わりないと思います。今まで脊柱の可動域について、何か問題、指摘とかはあったのでしょうか。
○(事務局) 認定する上で、今まで問題となったことはございません。
○(座長) 起こっていないですね。分かりました。
 では、脊柱についても同様にお考えということで、よろしゅうございますね。ありがとうございます。
 それでは、ご異論がなければそのように整理をさせていただきますので、次の検討内容に移りたいと思います。事務局、お願いいたします。
○(事務局) 続きまして、資料1の1ページの上から2番目の枠です。
 『「関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2(5分の4)以下に制限されたもの」と同程度の障害の状態として例示が妥当か』というところです。
 資料2の「上肢の障害」では、3ページの左側の真ん中あたり、「オ」のところです。ここは障害手当金相当の関節機能の障害に関して規定しているところですが、関節可動域の制限とともに、同程度の障害を残すものとして例示を示しています。
 この例示の記載内容についてですが、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの」と「同程度の障害を残すもの」の例示として、「常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼」。また、その下の行、(注)の括弧書き「関節の他動可動域が健側の他動可動域の5分の4以下に制限されたもの」と「同程度の障害を残すもの」の例示では、「固定装具を必要としない程度の動揺関節、習慣性脱臼」としております。「常時ではないが、固定装具を必要とする程度」、及び「固定装具を必要としない程度」としましたのは、現行の基準、右側の真ん中あたりの「ウ」の部分をご覧ください。「関節の自動可動域が健側の自動可動域の2分の1以下に制限されたもの」と「同程度の障害を残すもの」の例示として、「例えば、常時固定装具を必要とする程度の動揺関節」とあります。しかし、すぐその下の「エ」の「関節の自動可動域が健側の自動可動域の3分の2以下に制限されたもの」には、「同程度の障害を残すもの」の例示の規定はなく、「オ」の「関節の自動可動域が健側の自動可動域の5分の4以下に制限されたもの」には、「例えば、ウ以外の動揺関節、習慣性脱臼」とあります。
 このように現行の基準では、例示が入っているところと入っていないところがありますので、「ウ」以降の記載を統一することとしました。したがって、左側の「オ」では、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの」と「同程度の障害を残すもの」の例示として、「例えば、常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼」と追加しました。
 障害の程度として、「エ」の「関節の用を廃したもの」、「オ」の「関節に著しい機能障害を残すもの」、その下の注釈の「関節に機能障害を残すもの」と、順番に障害の程度が軽くなっておりますが、「エ」の一番重い障害では、常時固定装具が必要とありますので、それより障害の程度が軽いところには、常時ではないが固定装具を必要、固定装具を必要としない、と固定装具の使用頻度で障害の違いを表現しました。この例示が、「関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの」、または「5分の4以下に制限されたもの」と同程度の障害の状態を示した例示であるかどうか、ご議論いただきたいと存じます。
 なお、この箇所も、「下肢の障害」に同様の規定がありますので、併せてご検討いただければと存じます。
○(座長) ありがとうございます。
 この「常時」というのは、どれぐらいを常時と言っているのですか。
○(事務局) 起きてから寝るまでいつも装着しているというふうなイメージでおります。
○(座長) ○○委員、どうぞ。
○(○○委員) 診断書に「補助用具使用状況」という欄がございまして、頻度に関しましては、ア・イのところで、「常時(起床より就寝まで)使用」という選択肢がございます。認定する者としましては、この「常時」というのはそういう理解でおります。
○(座長) そうすると、この「常時」というのは、こちらの診断書のほうのマル20欄の「補助用具使用状況」に合わせているいうことですね。
○(○○委員) そういう意味では、今回、設定されました、「常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼」のところの頻度の表現で、「常時ではないが」というのを、診断書書式に合わせて「時々使用」という、否定表現ではなくて、この「時々」という表現を使ってもいいのではないかと考えております。
○(座長) ありがとうございます。「常時ではないが」というのがなかなか、分かったような、分からないようなところですが、いかがですか。診断書にはそのようにあるので、同じ表現にするということについては、いかがですか。
○(事務局) 基本的に、なるべく基準のほうで決めたら、その言葉を診断書のほうに使っていこうと考えています。ですから、逆に診断書で使っているこの「時々使用」というほうが分かりやすいということであれば、基準のほうも合わせていったほうがいいのかなと思います。基準のほうに書いている書きぶりと診断書のほうに書いている書きぶりを変えると、それが果たして同じことかということを聞かれることがありますので、合わせていきたいと考えております。
○(座長) 本当にその「常時」はいつからいつまでをもってか、またはどれぐらいの時間をもってかなど、いろいろ起こってくると思うのですが。それならば、「時々」のほうが、現実的にはフィットするのではないかと私も思うのですが、どうでしょうか。ご意見、○○委員、どうですか。
○(○○委員) 今は、議論しなくてはならないことは2つあって、1つは可動域制限の問題と、それからそれと同程度なものとしてこれらが合うのかどうかというのは、私にはよく分からないですが、そういう問題が1つあって、もう一つは、ここの「常時」というのは、多分、生活していく上で、それがないと生活できないという意味で、いつもつけていますという、そういうことではないかと。
 そうすると、ここの場合の、どういう表現になるかは別として、「常時ではないが、固定装具を必要とする」というのは、きっと時と場合によって、それがないと生活できない、あるいはその動作なり行動ができないから使うのかなと理解できて、そうすると「時々」と言われるとちょっとニュアンスが、何か思いついたらそのときちょっとつけてみました、というのとはまた違うのかなという気はいたします。
○(事務局) そうすると、私も何となく先生がおっしゃっていることは分かったのですが、要は、日常生活の中の体を動かす、何かをするときに、この動きをするときは必要だなと思うような、必要なときにつけますというニュアンスにするのか、それとも、あったら便利だから時々使っているというのかということの、違う表現をしなきゃいけないというところですね。
 もし、この基準の中の、常時は必要としないというのを、本当に動作に応じてこれがないと不便だから使っているのですというような障害の程度であれば、やはり○○委員がおっしゃっていたようなところが誤解されないような書き方にしないといけないのかなと私も思うのですが、そこが、まず基準の中で言っているこの程度がどの程度を示すかということが分からないと、診断書のほうの書き方もどうするかということはあると思うのですが。
○(座長) どうぞ。
○(○○委員) 私は認定作業をするときに、ここの「補助用具使用状況」というのを比較的重視しておりまして、その場合、今までの診断書の様式では、補助用具の種類とその頻度が対応づけられていなかったところが実は問題だと思っているのですが、対応づけられているとしまして、いわゆる日常生活動作ですね。特に身の回りのことを装具なしで可能なのかどうか。それから、あとは、例えば労働に従事しているとしまして、立位作業、あるいは屋外の歩行時にそういう補助用具を装着していない、使用していないと、それが困難である、あるいは不能であるというふうなことで、ここのところを考えておりますので、私の理解としましては、この「常時」というのは、これがないと、そういう日常生活動作が困難、あるいは介助を要する、それから「時々」使用しているということは、そういう動作時といいますか、あるいは操作的ADL、あるいは何かの作業に従事している場合に必要となるというようなレベルで考えておりますので、ここは認定する上では非常に重要な項目ではないかと思っております。
 それで、先ほどの基準の例示と診断書の記載を同一にするということは私もそうだと思うのですが、こちらの例示のほうを詳細な記載にして、診断書は簡便にするということから言いますと、「常時」の中の括弧書きはやはりこちらの基準のほうの例示に記載すべきではないかと思います。要するに、診断書のほうは表記なので、簡略する場合はあると思うのですが、簡略のほうは括弧書きがあって、基準のほうにはないというのはちょっとどうかと思います。
 以上です。
○(座長) ありがとうございました。
 ○○委員に現実にそういうことがあるのかどうかをお聞きしたいのですが、この場合は動揺関節のことを言っているわけですけれども、夜間つけていないととても具合が悪い、比較的、昼間は割合なくてもやっていけるけれども、夜は大変困るというような、そういう場合は余りないのでしょうか。その場合はもう常時になってしまうのですか。あくまでもこの場合の使用状況というのは、何かのタスクをするときに必要かということを基準に、その必要度を判断していると思いますが。
 常時、起床より就寝までと言っているのですが、案外、夜、手が自分の思わないところに行ってしまうとか、足があっちへ向いてしまうという方も、私の経験ではありますが、そういう場合には余り障害の問題になったことはないのですか。
○(○○委員) 一つの例としまして、人工股関節置換術後の脱臼をあげます。実際に3回も4回も脱臼されまして、それでそのたびに自動的に整復されたり、入院なさって麻酔下で整復して、あと装具を装着してなるべく予防するという場合、夜間、寝返りを打つときにそういうリスクがあるので、一時期はつけていただくということはあると思いますが、本人は、夜間装着というのは、比較的、いわゆるまだ治療過程にある場合の装着ではないかと。実際、そういうことで習慣性でという方はいらっしゃると思いますが、治療の必要な状況下での装着ではないかと考えております。
○(座長) 非常にそれは極めて特殊なことで、余り例数としては多くないということで、今までこの診断書の表現でずっとやってきたわけですから、余りそこで問題は起こっていないということだとすれば、それはそれでよろしいのだと思います。したがいまして、表記の仕方を、本文と診断書とどのように整合性をとるか、分かりやすくするかという問題になろうかと思います。
○(○○委員) 先ほど○○委員が、今までの課題とここの例示の重要性のことをおっしゃったのですが、基準に、例えば下肢ですと、1関節の可動域が半減及び筋力が半減であっても、その患側下肢が歩行時に使用することができないものという項目もございまして、その場合に、ここで下肢の装具といいますか、それを常時装着している方ですと、やはりそのあたりの判断がしやすいというようなことがありますので、問題のレベルとしても、この例示は、私は重要ではないかと思っております。
○(○○委員) 私も、どうしてこれが対応するのだろうと思ったのですが、よくよく考えてみたら、関節の可動域の制限ということで障害の程度を表現したときに、今度、逆に動き過ぎて困る、ポリオなどの場合には逆のことが言えるわけで、可動域があればいいのかという話になってしまうので、それと見合う形で、今度は可動域はある、あるいはあり過ぎてしまって、それが障害になっているというのを、それに対応させて基準の中に入れているのだろうと理解しました。
○(座長) ありがとうございます。それは、一つの考えで、論理的だと思います。それは大変理解しやすいことだと思います。
 どうしましょうか。この表現のことについては、「常時ではないが」というのを「時々」にするかですね。逆に、こちらを残しておいて、診断書のほうを「常時ではないが」として、それを括弧して「時々」というように改めるか、そんなところでしょうか。
○(事務局) そのようになると思いますけれども、診断書を作成する先生方、あるいは認定する側から見て、「常時ではないが」という表現と「時々」という表現では、どちらのほうが分かりやすいですか。そのあたりを伺った上で、これは事務方だけでは…。
○(座長) いかがでしょうか。例えば○○委員、常時ではないという表現と、時々という表現と、どうでしょうか。
○(○○委員) そういう表現、いろいろなところに書かれていて、実際、臨床医としては、それは差はないですね。要するに、常に使っているわけではないと。それがあれば便利だという意味ですよね。それはどちらでもいいのではないかと私は思います。
○(○○委員) 可動域と筋力は、数値となっていますが、ここの表現は概念的になると思いますが、そういう意味で、例えば5段階に分けまして、「常時」、「頻繁に」、「時々」、「まれに」、「必要ない」というふうに分けた場合、「頻繁に」というのは、割合、「常時」に近いのではないか。「まれに」というのでは「必要ない」というのに近いのではないかということから言えば、いわゆる条件式でいうイフ・ゼン・エルス文で、エルスで表現するよりは、イフで表現したほうがいいのではないか。つまり、時々のほうが、そういった概念的にも理解しやすいですし、それから、論理式を立てた上でも明快になると思いますので、「時々」が適切ではないかとは思います。
 認定するほうから申しましても判断しやすいということです。
○(○○委員) 質問ですが、先ほどの夜間の話ですが、この障害の認定では、「常時(起床より就寝まで)」になってしまって、では、夜な夜な使うと。さっき言ったように、私もそういう患者さんを知っていて、寝ていると手がどこに行ってしまうか分からないので、装具をつけて休むという方がいらっしゃるのですが、毎日毎夜使っているということは、それは常時なのかという話になり、でも、起床から就寝までではないということで、詳しく記入してくださいというところに、もちろん書けばいいのかもしれないけれども、こちらの基準としては、その辺はどのように評価されるのかということを教えていただきたいのです。
○(座長) いかがでしょうか。
○(事務局) ○○委員に聞いていただくのがいいのかなと思うのですが、障害の程度を見るときに、そもそも日常生活にどれだけ支障があるかという概念から来ますので、日常生活に支障がある、その次に当然、労働ができないというようなところで見るとなると、やはり、起床から就寝までの一般的な生活の中でどれだけ支障があるかというところで判断させていただいているところが、ウエートが高いのではないかなと思います。ただ、そういった事情も踏まえては、認定の先生方は見てくださっているのかなとは思うのですが、やはり日常生活ということであると、日中間の運動の動作というふうにお考えいただいていいのかなと思います。
 どうでしょう、先生。
○(○○委員) 睡眠に関しましては、睡眠障害というのは、やはり非常に最近はQOL、ある意味では、日常生活動作ではないのですが、かなり重要な部分を占めるということで、いろいろなQOL評価表にも組み込まれていると思いますが、そういう意味では重要だと思いますが、ここでは例示ですので、大方、八、九割を含む表現でいいのではないかと思います。要するに、例えばとなっていますので、先生がおっしゃるようなケースも非常に重要だと思いますけれども、例示ではまれなケースということで、この程度の表現でよろしいのではないかと思います。
○(座長) その場合、「夜間」というのが必要になるというのは、「常時」ではなくて「時々」のほうに含まれるとしていいのですね。そうすると、今までは、夜間まで必要だということになると、夜の夜中まで必要、これは常時になって問題ないわけですけれども、昼間、労働のときは、余り使わないけれども、休むときなどに必要といった場合に、時々に入れるのか、常時に入れるのかという問題は起こらないのですか。余り起こっていないですか。
○(事務局) 結局、認定をするときの障害の程度を判断するときだと思うのですが、さっき申し上げたように、夜中の状態を障害として大きくウエートとして見るのか、それともやはり日中の動作を障害の程度として大きく見るのかによって違ってくると思うのです。やはり、全体を見るといったら、確かに24時間を見なきゃいけないと思うのですが、障害の程度を我々が考えるときは、先ほど申し上げたように、日常生活にどれだけ支障があるかというときには、比較的、日中間の動作に対して、できる、できないというところから障害の程度の等級を判断させていただいているところが多いと思いますので、加味することはあると思いますけれども、そこを大きくウエートを持っていくということはしていないと思いますので、やはり情報としては認定の先生、確かに書いていただきたいところだと思いますので、その辺については、さっきおっしゃっていただいたように、使用状況を詳しく記入してくださいというところに補助的に書いていただくというようなところを、記載要領とかを作成するときに、注意事項みたいなところで書いておくということも必要かなとは思っております。
 ただ、認定上は、○○委員も夜中のところにウエートを置いて見ていらっしゃるかどうかというところですが、そういう患者さんの例えば申請が出てきたときに、そこを障害として大きく見ているかどうかというところです。
 もしそれを必要だということであれば、やはりこの起床から就寝というのが果たしてここは必要かどうかという論点に、多分なってしまうと思いますので。
○(○○委員) 想定される障害の状態としましては、生まれながらにしての無痛症において褥瘡ができるリスクがあるとか、自律神経障害による体温調節が困難なため、特殊なスーツを常時着ていなければいけないとかということはあると思いますが、そうしますと、いわゆる日中から就寝までの間もそういったものは大体必要になりますし、そういう特殊なケースになりますと、診断書作成医による記載ができるように、診断書に記載欄もございますので判断に困ることはないと思います。
○(座長) 多分、今までそれほど大きな問題はなかったということだと思うのですが、1つだけ教えていただきたいのは、呼吸不全というか、夜間の無呼吸などで、夜間だけ使うという場合、それは装具の使用としてどうしているのですか。
 今、分からなければ、後で教えていただければ。やはりそういうことも一つの例示というか、完全に同じとは言えませんけれども、どちらのほうに主に装具を使うかということになる場合では、同じようなことが言える可能性がありますよね。
○(事務局) 先生、それは在宅酸素を使っているようなケースですか。
○(座長) 在宅酸素でなくても、要するに夜間だけ舌根沈下して。
○(○○委員) シーパックとか。スリープアプネアみたいな。
○(座長) そうです。それはあるのではないかと思うのです。
○(事務局) 対象としているようなケースというのは、要は24時間、在宅酸素療法をとっている人については障害等級3級程度というふうに、もう基準上、定められているのですが、それ以外については規定されていないのです。ですので、その他の障害の状態のところで判断していて、それをつけていることを判断の材料には、基準上はしていませんので、先生方の医学的見地の中でご判断いただいているところです。
○(座長) 私が申し上げたのは、ほかにそういう規定があって、そちらとの整合性というところで問題にならなければいいなと思ったから、質問したわけです。
 よろしいですか。もう少し、これはお考えいただくこととして、こちらの診断書のほうの記載とこちらの規定のほうの表現法をできるだけ分かりやすく、一致させるという点で表現を考えていただくこととお願いしたいと思います。それでよろしゅうございますか。ありがとうございます。
 では、その次に移りたいと思います。事務局、お願いします。
○(事務局) 続きまして、資料1の1ページの上から3番目の段の枠、「他動可動域による評価が適切でない場合の例示や判定方法は妥当か」の部分です。
 資料2、「上肢の障害」の6ページも併せてご覧ください。
 左側のウの後半部分の下線部です。これは、関節可動域の測定を自動可動域から他動可動域へ変更したことにより、例えば、麻痺のように自分では関節を動かすことができなくても、他人が動かすと動くケースもあることから、そのような場合は他動可動域による測定値をもって関節の障害を認定することはそぐわないのではないかという日本年金機構側からの要望もあり、筋力や日常生活における動作などの身体機能を考慮して、総合的に認定する旨を追記したものです。この内容が適切であるかどうかをご議論いただきたいと存じます。
 また、同じ規定が「下肢の障害」と「体幹・脊柱の機能の障害」にもございますので、これも「上肢の障害」と同様と考えていいのかどうかも、併せてご議論いただきたいと思います。
○(座長) ありがとうございます。
 いかがでしょうか。これは余り問題ないと思います。ただし、表現、文言だけ適切であるかどうかをご議論いただければよろしいのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○(○○委員) これはむしろ先生方にお聞きしたいのですが、リハビリテーションなどにおいて評価するときに、余り速度という物理量といいますか、歩行速度とかそういう意味でしたら分かるのですが、速度というのは、ほかの筋力、巧緻性、耐久性と並べていかがなのでしょうか。
○(座長) 速度とは、先生、それは6ページの。
○(○○委員) イエローはついていないのですが。変更箇所ではないのですが。
○(座長) 「ウ」の2行目の「諸点(「筋力」、「巧緻性」、「速度」、「耐久性」)を考慮した上で評価する」という箇所の、その「速度」は余り関係ないのではないかというご指摘ですね。
○(○○委員) ちょっと異質な感じがするのです。
○(座長) この「速度」というのは、前からあるのですよね。確かに、運動の速度というのは、日常的に余りなじみがないように思うのですが。
○(○○委員) ちょっと時間を使ってしまって申しわけございません。
 物理的には、筋力には加速度が関係していまして、加速度は速度を微分したものなので、そこに筋力が含まれるのではないかなと、実は思っております。以上で、これはこのままでよろしいかと思います。失礼しました。
○(座長) よろしいですか。
○(○○委員) すみません、多分この速度の意味が、ある動作にかかる時間ということだと思います。お着替えに時間がかかってしまうとか、そういうことではないでしょうか。
○(座長) それは、関節可動域の評価の話をしているので、言ってみれば、パワーでしょうね。筋力とパワーの違いなのだろうと思うのです。
○(○○委員) 恐らく、臨床的に問題なのは、アテトーゼ・タイプの場合ですが、それは、時間をかければできるけれども、ということで、身体障害者手帳のほうではそういう数値分類がございまして、ひも結びを何本できるかとあります。障害年金にはないのですが、そのあたりを考慮する必要があるというので、入っていていいかと思います。
○(座長) ありがとうございます。これは今回の対象ではないのですが、ちょっと頭に入れておいてください。
○(○○委員) 単に表現の問題ですが。この黄色いところに「運動筋力」とありますが、「筋力」だけでいいのかなと思うのです。
○(座長) この「運動筋力」というのは、前からあったのですね。
○(○○委員) 厳密に言えば、ここは四肢体幹の機能障害、肢体のところなので、運動器のということで、例えば呼吸器ですと、呼吸筋といいますか、横隔膜とかそういうのがあるかと思いますので、あとはそしゃくとか。そういう意味で言えば、運動器のという理解でいいのではないかと思います。
○(座長) 多分、○○委員も運動筋力という言葉は余り使われないと思うのですが、私たちとすれば、運動筋力という言葉は余りなじみがないです。ただ、この今の規定の中に前からそういう言葉が慣用的に使われているのであれば、それはどう処理したらいいのかが、この場ではちょっと言えないと思いますので、これも…。
○(○○委員) 「運動」を取るとまずいのですか。
○(座長) 前からそういう言葉をずっと使ってきているとすれば、それを受けてこういう言葉をここで出してきているのだと思います。そこのところは、今、ちょっと分からないのですが、もし直すとすれば全部直さないといけないという話になりますね。
○(事務局) そうです。実は、診断書のほうですが、診断書の裏側のマル17欄「関節可動域及び運動筋力」というふうに、これはもう表現がされていましたので、ここから「運動筋力」という言葉を使ったのです。
○(○○委員) これは関節運動だよね。
○(○○委員) いや、その縦のところに、関節可動域及び運動筋力。
○(座長) ここですね。
○(○○委員) この関節は、記入上の注意の4の(3)に「関節運動筋力」となっておりまして、この関節は、可動域と運動筋力、両方にかかる。
 そうしましたら、関節を入れられたらいかがでしょうか。先ほどのように、診断書のほうは表現を簡易化するということにすれば。こちらのほうに記載しておいたほうが適切では。
○(座長) 要するに、同じ内容を、違った表記を使わないという、そういうことだけですので、統一を図っていただくということで。一番上は、これを関節運動筋力、関節運動の筋力とすれば、それで統一がとれるという、そんなご意見です。
 これもまたちょっと検討してください。
○(事務局) はい。
○(座長) では、よろしゅうございますか。このことはお認めいただいたこととしたいと思います。よろしゅうございますね。ありがとうございます。
 では、次に移ります。次、お願いします。
○(事務局) 続きまして、資料1の1ページの一番下の枠、「各関節の主要な運動については妥当か」の部分です。
 前回、資料3の「見直しにあたっての課題と論点」の3の(2)において、関節可動域の評価は、各関節の最も主要な運動を重視するとしながら、主要な運動が定義されていなかったので、今回整理したとご説明させていただいたところです。
 まずは、資料2の「上肢の障害」の5ページも併せてご覧ください。
 (4)アの表の部分です。
 主要な運動として、部位ごとに表記しました。肩関節は屈曲・伸展、肘関節も屈曲・伸展、手関節は掌屈・背屈、前腕は回内・回外、手指は屈曲・伸展と規定しました。
 次に、資料2の「下肢の障害」の11ページをご覧ください。
 左側の一番上、(5)の「ア」の表の部分です。これも部位ごとに、股関節は屈曲・伸展、膝関節も屈曲・伸展、足関節は底屈・背屈、足指は屈曲・伸展と規定しました。これらの動きが各関節の主要なものとしてよいのかどうか、ご議論いただきたいと存じます。
○(座長) では、ご議論をお願いいたします。
 1つ、診断書のほうと、この11ページのところの股関節の部分に、診断書では、内転・外転があって、規定のほうには内転・外転は入っていないですが、肩関節もそうですが、これはいいのですか。
○(事務局) 他の動きは参考とするものです。
○(座長) 実際にそれで、余り支障がないかどうかの話です。つまり、肩関節、それから股関節については内転・外転、それから内旋・外旋、それから足関節側部については、内返し・外返しがあるわけですけれども、これらの運動は主要な運動に含めなくてもいいかという話ですが、いかがでしょうか。
 例えば、股関節の屈曲拘縮というのは、屈曲、内転、内旋の拘縮が一番困るわけで、屈曲、外転の場合には、比較的少ないのですが、障害は軽い。内転、内旋拘縮に比べれば障害は少ない、肩は外転障害が、内旋が余り強いとまたこれは大変困るということもあります。実際、その障害認定の場にそれらのことが大きく影響をしてくるかどうかの問題だと思います。
 ○○委員、現場でいかがでしょうか。
○(○○委員) 今、座長がおっしゃいましたように、年金機構で開かれました認定医の会議におきましても、ある委員から、この股関節については屈曲・伸展よりも、今おっしゃいました内転・外転を重視すべきではないかという意見はございました。ただ、認定するに当たりましては、特に歩行といいますか、移動に伴う、あるいは立位可能かどうかということから、大体、診断書にそういう屈曲・伸展だけではなくて、ほかの可動域も書いてありますし、一応、重視するということから言うと、この屈曲・伸展でよろしいのではないかと思います。
 ただ、ちょっと気になりますのは、上では「各関節の最も主要な」となっており、下では「なお、各関節の主要な運動」となっておりますので、この「最も」が上に入って、下に入っていないで。ちょっと細かいことですが。
 まとめて言えば、重視すべき主要な運動としては、これで妥当ではないかということは、年金機構で行いました意見交換でもそういう結論にはなっております。
 この会合での議論とはまた別だとは思いますが、私はこれで妥当ではないかと思います。
○(座長) ありがとうございます。
 いかがでしょうか。よろしいですか。
 現実的にはこれで特に問題ないということであります。この以下の文言、「なお、各関節の主要な運動は次のとおりである」というところを、「重視すべき主要な運動は」などにすれば、分かりやすい気がするのですが、これは表現上の問題ですので、特段、本質的な問題ではないように思います。それでよろしいですか。
○(事務局) では、ここは修正して、合わせる形でちょっと整理して、またお示しさせていただきたいと思います。
○(座長) そうですね。そういう問題だろうと思います。
 それから、あとは認定要領とか疑義解釈などで、いろいろ示されているのでしょうから、それらのものを参考にしてということであれば、ここに全てのことを書く必要もなくなってくると思います。少し文言とか何か整理していただければよろしいかと思いますが、それでよろしゅうございますね。ありがとうございます。
 その次に移りたいと思います。
○(事務局) 資料1の2ページをご覧ください。『「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」における上・下肢の3大関節に係る機能障害について』です。
 これは前回の資料3の「見直しにあたっての課題と論点」の1でご説明しましたが、両上・下肢の障害の状態の判定は、「日常生活における動作」による1級の規定がありますが、関節の動く範囲や筋力の状態の規定はないこと、また、2級と3級には何も規定がないことから、これらを整理したところです。
 一番上の枠が、『両上・下肢の1級の規定について、従来の「日常生活における動作」による認定方法を、「関節可動域や筋力の状態」とともに「日常生活における動作」も考慮した総合的な認定方法に変更したが、内容は妥当か。また、2級、3級及び障害手当金については、「第4 肢体の機能の障害」から移動してきたが、これらの「障害の状態」に相当する例示の内容は妥当か』についてです。ここの部分も先ほどの関節可動域の制限値と同様に、これまで障害年金の支給の対象の範囲となっていた人が受けられなくなったり、もしくは今まで支給の対象にならなかった人が受けられるようになるというような支給対象者の変動が生じないようにしなければならないということにご留意ください。
 それでは、資料2の8ページも併せてご覧ください。
 「下肢の障害」で説明いたします。
 (1)「機能障害」の「ア」の両下肢の1級の規定です。右側にある現行の基準の「イ」では、日常生活における動作のみの規定ですが、これを関節の動く範囲や筋力の状態、日常生活における動作を考慮した規定に変更しました。具体的には、右側、現行の「ア」の「一下肢の機能に著しい障害を有するもの」、これは2級の規定でございますが、これと同様の認定方法として、両下肢のバージョンにしたものです。「両下肢の機能に著しい障害を有するもの」として、両下肢の、股、膝、足首の3つの関節のうち、それぞれ2関節以上が、「不良肢位で強直しているもの」、『「関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの』、「筋力が著減又は消失しているもの」と、この3つのうちどれかに該当する程度のものであれば1級としました。また、認定に当たっては、関節可動域と筋力のほかに、日常生活における動作も考慮することとし、「障害が両下肢の場合は一下肢の場合と比べて日常生活に及ぼす影響が大きいことから、関節可動域と筋力だけではなく、日常生活における動作も考慮して総合的に判断する」としました。
 これは1級から3級の両下肢の機能障害を認定する場合、共通の内容として追加しております。この内容が、右側の現行の「イ」の日常生活における動作のみで判定していた両下肢の1級の規定と比べ、医学的に妥当であるか、ご議論いただきたいと存じます。
 続きまして、「ウ」でございますが、8ページの下のほう、水色で塗りつぶした部分でございます。これは両下肢の2級の規定です。「第4 肢体の機能の障害」では、日常生活における動作を重視し、判定していましたが、この部分を「第2 下肢の障害」に移動したことから、関節の動く範囲や筋力の状態による判定方法に置き換えて表記する必要があり、「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」の例示として、両下肢の3つの関節のうち、それぞれ1関節の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているものとしました。これは、先ほどの1級の両下肢の3大関節中、それぞれ2関節以上というところを、それぞれ1関節にしたものです。1級は他人の介助を受けなければほとんどできない状態ですが、2級であれば、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働による収入を得ることができない程度ですので、障害の状態としては、それぞれ1関節が用を廃した程度ではないかと考えました。
 この内容が妥当であるかどうか、ご議論いただきたいと存じます。
 次に、資料2の9ページでございますが、真ん中の「キ」の、3級の規定です。ここの項目、前半部分は一下肢の規定で、既に現行の基準の11ページの(10)、1枚めくっていただきまして、下のほうの一下肢の3大関節のうち、1関節が不良肢位強直の場合は、3級に該当するものとして認定するとありますので、それを生かし、さらに両下肢の規定を追記しました。
 もう一度9ページに戻っていただきまして、「両下肢に機能障害を残すもの」の例示として、両下肢の3つの関節のうち、それぞれ1関節の筋力が半減しているものとしております。これは、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度ですので、障害の状態としては、両下肢のそれぞれ1関節の筋力が半減している程度ではないかと考えました。
 この内容が妥当であるかどうか、ご議論いただきたいと存じます。
 最後に、「ケ」、9ページの下の部分でございますが、ここは一下肢の障害手当金の規定です。「一下肢に機能障害を残すもの」の例示として、一下肢の3つの関節のうち、1関節の筋力が半減しているものとしております。これは、先ほど説明いたしました3級の両足の規定を片足にしたものです。
 この内容が妥当であるかどうかをご議論いただきたいと存じます。
 今まで説明したのは「下肢の障害」でございますが、「上肢の障害」も同様に修正しております。説明は省略させていただきますが、併せてご検討いただければと存じます。
○(座長) ありがとうございます。
 これはちょっと複雑ですので、頭を整理してかからないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。何度も○○委員に振ってしまって恐縮ですけれども、現実的に認定を手がけておられて、このあたり、どうお感じになられますか。
○(○○委員) 従来、やはり両下肢の機能障害についてのこのような記載がなかったものですから、例えば人工股関節、あるいは人工ひざ関節置換術を、1関節ずつ、両下肢に入れた場合と、両股関節、両ひざ関節、すなわち4つの関節置換術を、例えば関節リウマチではあり得るわけですが、そういう場合、判断に若干、相違が見られるかもしれません。それは、かなり以前に、十数年前に、全国で認定医会議というのが開かれたときにも、そのあたりをどのように全国統一的にやっていくかという議論の中で、そういう印象を持った覚えがありましたので、こうしたものがあれば判断しやすいのではないかとは思います。
 むしろ、認定医サイドとしてはそうですが、座長がおっしゃったように、論理的にどうかというのは、今すぐ判断できませんので、それはご議論いただきたい。
○(座長) すぐにイメージをつくるのが困っているのですが、まず、8ページの「ア」の「両下肢の機能に著しい障害を有するもの」の例示はこれでいいでしょうか。不良肢位で強直しているもの、筋力と可動域が半減しているもの、それから筋力がないもの。そうですね。これは、大体、常識的に考えて、余りこれで問題ないように思います。ごくごく特別な場合に問題になることがありますでしょうか。○○委員は、例えばギラン・バレーで、極めて筋力が低下しているような場合は、何か想定できますか。何かこれに反するようなことというのは、想像できますでしょうか。患者さんをご覧になっていたりすることで何かございますか。
○(○○委員) 特別ないと思います。
○(座長) ありがとうございます。
○(○○委員) ○○委員にお伺いしたのは、例えば、シャルコー・マリー・トゥースあたりではいかがでしょうか。3級相当か、2級相当か、1級相当か、こちらでこういう規定がないときにはちょっと判断に、認定上、少しいろいろ総合的にとは申しましても、どのように考えたらいいかということがあったのですが。
○(○○委員) 我々が使う病気というのは、やはりこの3大関節の中の2関節以上がとか、そういう感じではないのですよね。単神経炎とか、動かないときは両下肢全体が動かないと。どこの関節に言及をしてとか、そういうことは余りないので、この基準でいいのではないかというか、これから大きく外れるような人はいない。神経疾患の場合はですね。
○(座長) ○○委員、どうでしょう。「ア」の部分で何かご意見ございますか。
○(○○委員) こういう表現にしてありますが、この人たちが、どういう生活を送っているのかなと思うと、「ア」はちょっと置いておいて、「イ」もやはり歩けないだろうなと思うわけであります。不良肢位で強直というのが余りイメージできないのですが、でも不良肢位ですから、歩行に障害があると考えると、どれもこれも歩行困難ということで同等と考えてよいかなと。
○(座長) そうですね。昔のポリオなどではこのような患者さん、いたと思いますけれども、今のところは、我々も実際の患者さんとして目に浮かんでくるような人は、余りいないですよね。
 だから、それで概念的にというか、これはこれで多少理解が難しいのですが、特に表現としては、これでよろしいのではないかと私は思いますが、よろしいでしょうか。
○(○○委員) 例示としましては、例えば骨肉腫で、切断ではなくて、間を人工物で置き換えるとか、それから、これは関節ではないのですが、慢性化膿性骨髄炎で、かなり筋肉が萎縮して、拘縮もあって、注意すれば装具なしでも、屋内は歩けるけれども、階段昇降とか屋外はどうかとか、そういったものは想定されるのですが、そのあたりはそれほど認定上は判断に困ることはないので、私はこれでよろしいのではないかとは思います。
○(座長) ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。
 次は、「ウ」ですね。
○(○○委員) また、例示として、先天性で途中が欠損している、例えばPFFDとか、あとは腓骨なり頸骨なりが一部、間が欠損しているとか、そういうことです。ただそれは、余り認定上は困らないということです。
○(座長) ありがとうございます。
 ウはどうでしょうか。これもそれほど、今のようなことから言えば、これでよろしいのかと思いますけれども。よろしいですね。
 それから、キです。「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」として、「例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の筋力が半減しているもの」という例示です。そうですね、これも、労働者にもよるわけで、労働の種類によるわけですから。必ずしも、ただ労働といっても、デスクワークの人はそんなに困らないということもありますし、それから通勤ができないということも労働に差し支えるととれますし、いろいろ言い出したら切りがないと思うのですが、実際は、余り問題ないのですね、○○委員。
○(○○委員) このあたりも比較的まれな症例になってくるとは思います。
 例えば、足部が変形してくる後脛骨筋症候群とか、外反扁平変形が進んで、足関節から、固定術が必要だとか、専門の先生もいらっしゃいますけれども、そういったもので両足でとか、比較的まれなケースにはなってくると思います。ただ、基準上はやはり全てを含んでおかなければいけないということで、こういうものが設定されているということと思います。
 あとは外傷ですね。例えば、両足同時に着地した転落で両足関節、踵骨骨折の後の足関節機能障害とか、そういったことかと思います。
 ただし、3級か2級か1級相当かどうか判断する上では、そう認定上は問題はないと思います。
○(座長) 問題はないですね。
 例えば、ここに書いてあるのは、身体の機能に著しい制限を受けるかというのですが、私の経験した方は、そのために転職を余儀なくされたという方がいるわけです。転職してしまえば、そこでちゃんとした仕事ができているというような場合には、これはどうしているのでしょうか。それは、身体の機能や労働が著しい制限を受けるかということに該当するのでしょうか。該当すると考えるのでしょうか。
○(事務局) 厚生年金のほうの認定の先生が労働制限を考えられるとき、比較的、収入を得られて長く働けるかどうかというような観点を見てくださっているのです。ですから、例えば転職したとしても、ある程度の労働ができて、ある程度収入を得られるのであれば、それはさほど労働に制限を受けているとは見られないようなところもあります。
 これ、仕事で分けてしまいますと、例えば、肉体労働をしていた人が体に支障が出れば、それは「著しい」になってしまいますし、デスクワークの人と違うのですが、やはりこれ、元々厚生年金法が19年ごろに大体、基準の大もとができていますから、その当時、やはり肉体労働というか、そういった方々がまずはベースで、労働という概念ができていますので、恐らく当初はそうだったのだと思います。ただ、今はもうデスクワークが中心になっていますから、ちょっと言葉的にそぐわないところはあるのかもしれませんけれども、転職をしてでも、やはり何かしらの仕事ができている、要は一般労働ができているということであれば、それは著しいというふうにとらなくてもいいのではないかというふうに思ってはおります。
○(○○委員) 認定で、ここのところの「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする」ということと、下のほうの「日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に判断する」というような場合は、例えば二分脊椎で、水頭症があって、V-Pシャントをやっていて、排せつ障害があるけれども、そちらのほうでは自己導尿をなさっていて、いろいろな制限が加わるのですが、内部障害としては該当しないと。
 一方、下肢のほうは、足関節が尖足で、比較的下位のほうの障害で、何とか歩いていらっしゃるという場合に、やはりここのところをとらえて、この方はかなり制限が加わっているのではないか、あるいは支障があるのではないかということで判断することもありますので、やはりこういう文言を入れておいていただいたほうが認定はしやすいと思います。
○(座長) 分かりました。
 これらについては、労働なんかにも、時代によって労働というもののいろいろな価値観とかが変わっていくわけですから、これはここの表現はこういうことで、あとは疑義解釈とかいろいろなところで、明らかにしていっていただくということになるのだろうと思いますけれども、それでよろしゅうございますね。
○(○○委員) すみません、時間とりまして。もう一点ありまして、診断書に、肢体のところですが、実は言語というところがあって、それは他人が理解できるかできないかなどとか、それから、そういうことも含めて、知的障害の方や、あるいは高次脳機能障害の方なども、こういったことで、総合的に判断するということで認定する場合もございます。それからあとは脳性麻痺の方とか、アテトーゼ・タイプの方とかですね。
○(座長) 先生、そのことは診断書の㉑欄の「その他の精神・身体の障害の状態」というところにお書きになるわけですよね。
○(○○委員) そうです。
○(座長) それで、総合的にということになっていくわけですね。
○(○○委員) はい。
○(座長) ありがとうございました。
 これはよろしいということで、お認めいただけますでしょうか。ありがとうございます。
 では、次にお願いします。
○(事務局) 続きまして、資料1の2ページの中段です。「前腕の回内・回外の障害の状態を判断する可動範囲の制限値は、障害の程度として妥当か」についてです。
 資料2の4ページも併せてご覧ください。
 左側の真ん中の少し下のところ、「シ」の箇所です。ここはちょっと変更がありまして、前回提示した資料4の「たたき台」では、5ページの(4)「関節可動域の測定方法等」の「ア」に注意書きとして記載していましたが、内容が機能障害の状態や程度について表記していますので、「関節可動域の測定方法等」の欄に注意書きとするのは適切でないと判断し、記載箇所をこの機能障害の欄へ移動しました。
 また、現行の基準には記載がありませんが、これは各関節の主要な運動は何か、を日本年金機構で検討している際に、前腕の「回内・回外」も「屈曲・伸展」等と同様に、主要な運動とした上で、労働に制限を受ける程度の障害であれば、認定の対象としたほうがよいということで、日本年金機構から要望があり、追加することとしたものです。前腕の回内・回外の他動による運動可動範囲が健側の4分の1以下に制限されている障害の状態は、上記「サ」の障害手当金と同程度の障害として妥当であるかどうか、ご議論いただきたいと存じます。
○(座長) ありがとうございます。
 これは、障害手当金の対象となるかどうかですよね。
○(事務局) はい。
○(座長) そうですね。分かりました。
 その障害手当金の対象になるのは、例えば食事をするとか、スプーンで食事をするとか、顔を洗うとか、用便をするとか、そういうものに何らかの障害があるということをもって障害手当金に該当するような可動域制限であるかどうかということですね。
○(事務局) そうです。
○(座長) それから、一足と両足の場合はどう考えるのでしょうか。回内・回外の制限で一番問題、先天性の撓尺骨癒合症というのがあって、これは、片足、要するに片側だけが変形、動かない場合と、両足が動かない場合と、全然、その障害の程度が違うのです。片側だけの場合には、実は余り障害にならないのですが、両側だととてもぐあいの悪いことが起こってくるということがありますので、その辺はどのように。
○(事務局) 先生、今、おっしゃられた病名だと、先天性で、生まれたときからそういった障害が出ているということでよろしいですか。そうしますと、ここで言っている手当金相当というのが厚生年金の、要は働くようになってから障害になった方だけが対象になるので、恐らくそういう先天性の方はこの等級で判断することがないのです。
 ですので、あるとすれば20歳以降でお勤めしていらっしゃる方とかで、外傷性とか、もしくは病気で回内・回外の不便が出たというところですので、その上の「例えば」のところで、一上肢の3大関節の1関節の筋力が半減しているというのが例で出ていますけれども、それと同じぐらいと考えたらどうだろうということで、ここに入れてあるのですが、その辺で同じぐらいの程度かなというのを。
○(座長) 分かりました。ありがとうございます。
 4分の1、片一方、まあ……。
○(事務局) もし、あと参考にするとすれば、認定基準、先日お渡しした認定基準の中に、ここに書いてあります併合判定参考表の10号というのが、100ページあたりですが。この100ページの3級の10号というところに1から15まで、実際は1から10までですが、これが手当金と同じぐらいの障害の程度というふうに考えておりますので、それと比較していただいてもいいのかなと思います。
○(座長) ありがとうございます。
 本当にその4分の1はどこから、要するに回内・回外で、回外側に4分の1なのか、回内側に4分の1なのか、それからその出発地がどこなのかということによって、つまり回内肢位の完全な回内のところから、回外が何度かということで、随分、これまたケースによっては違ってくると思うのですが、○○委員、現実的にはそれが問題になるような方は、余りおられないのですね。頭の中ではいくらでも考えられるのですが、現実的にそういう方にお会いになっていて、問題が起こっているかどうかを教えていただきたいのですが。
○(○○委員) 私の担当は障害基礎年金のほうなので、この障害手当金の担当ではないのですが、例えば、今、おっしゃった回内・回外のことにつきましては、日常生活における動作のほうで顔を洗うところ、これが一応、4段階でつけることになっておりますので、そのあたりも含めて、あとは用便の処置ですね。ジッパーをおろすとか、あるいは後始末です。それから、ボタンをとめるとかそういった、上肢のほうはちょっと巧緻性も絡んでくるのですけれども、そういったところで総合的に判断できると思います。
○(座長) それから、すみません、この4分の1という数はどこから出てきたのでしょう。ここを4分の1とした根拠を教えてください。
○(事務局) 日本年金機構側から要望があったものですが、実は労災に同様の規定がございまして、労災では10級に該当するとなっております。
○(座長) この4分の1以下が労災の10級ですね。
○(事務局) 10級です。
○(座長) そうすると、大体それは横並びというか、それぐらいと判断してよろしいということですね。
○(事務局) はい、そうです。
○(座長) ありがとうございました。
 根拠はそういうところだそうですので、これもよろしゅうございますでしょうか。では、お認めいただくということで、ありがとうございます。
 では、次にまいりたいと思います。
○(事務局) 次に、資料1の2ページの下段、『人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、「障害の状態が悪化している場合」に上位等級に認定することとしているが、その取扱いの対象は妥当か』についてです。
 原則、人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合は3級と認定することとしていますが、そう入置換してもなお、状態が悪いときに上位等級にするための規定について、修正したものです。
 資料2の9ページも併せてご覧ください。「下肢の障害」で説明いたします。
 「ク」の(ア)のところですが、ただし書き以降の「手術前よりも」と、その2行下の「日常生活における動作の制約、その原因及び経過等を十分考慮し、」の文面を削除しています。
 「手術前よりも悪化している場合」とすると、判断する時点において、手術前の状態と比べて悪化している場合は、上位等級に認定するということになり、比較する必要が生じます。この場合、手術前の障害の状態を認定した診断書があれば、障害の状態を比較することはできますが、新規に請求してきた場合は、請求時の診断書のほかに、手術前の障害の状態が記載されている診断書も添付していただくことが必要となり、請求者に負担をかけることになりますので、関節機能の改善を目的に人工骨頭または人工関節の手術的治療を行っても、その改善が図られないことを悪化と判断することとしました。
 また、「日常生活における動作の制約、その原因及び経過等を十分考慮し、」のほうは、上位等級に認定する場合、先ほど説明いたしました「ウ」の両下肢の2級の規定以上のなお書きで、「日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に判断する」と規定したことから、内容が重複していましたので、削除したものです。
 話を元に戻しまして、現行の認定要領では、3級から上位等級である2級以上に認定する規定が、「一下肢の用を全く廃したもの」という表記しかなかったことから、両下肢について、両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの程度以上という規定を新たに設けました。その際、2級、1級へと認定する場合の取扱いを、「障害の状態が悪化している場合」としましたが、上位等級に認定する対象として妥当であるかどうかをご議論いただきたいと思います。
 なお、「上肢の障害」についても、同様に記載しておりますので、説明は省略させていただきますが、併せてご検討いただければと思います。
 あと、最後にこの見直し案における字句の修正、記載順序の変更など、特に医学的な見地でご検討いただく必要がないと思われることについては、説明はしておりませんが、そのような箇所については、ご了承いただいてもよろしいでしょうか。
○(座長) 最後のことですが、もう一度。一番最後に言われたことは理解しにくかったのですが。
○(事務局) 記載の順序がおかしかったり、字句の修正のところも、今回、一緒に見直しており、整合性がとれるように変更しております。医学的な検討は全く必要ないですが、今回のこのような構成、認定基準の構成としてよろしいでしょうかという確認の意味で申し上げました。
○(座長) つまり、実際はここには指摘は青色などにしていないけれども、その辺も直してありますよという、そういう意味ですか。
○(事務局) はい、資料2を見ていただくと、下線を引いてあるだけのところがあると思うのですが、そこです。それは大体、順番を変えたりとか、言葉が合っていなかったので、同じ言葉に変更したところです。
○(座長) そういう意味ですね。分かりました。
 それでは、1つ問題ですけれども、9ページのクの(ア)のところで、「障害の状態が悪化している場合」ということですね。その「障害の状態が手術前よりも悪化している場合」というのを、「障害の状態が悪化している場合」というふうに直すことが適切かどうかです。いかがでしょうか。
 いずれにしても、悪化というのは、何らかと比較をしなければ悪化ということは出てこないわけですよね。したがって、この場合、悪化というのをどう判断するのでしょうか。
○(事務局) 元々この両下肢の人工関節については、最初に議論のときにお話しさせていただいたように、本来ですと両下肢に人工関節を入れて可動域がよくなるはずなのに、実際にはそうならなかったケースの方が、状態が悪いにもかかわらず、上位等級に上がらないということで、裁判になったケースですね。それは、日常生活のところ、日常生活動作を余り見ていなかったということで、どうしても上位等級に上がっていけないというところがありましたので、それを見られるようにということで、先ほど両下肢の1級、2級、3級のところの基準を策定させていただいたのですが、ここでは人工関節が入った瞬間に3級相当にしますという、例外規定を元々設けていましたので、そこに上位等級にする場合の条件を一応、もう一回記載しているのです。
 元々両下肢のところで見ればいいのですが、人工関節に関しては、こういう場合については上位等級にできますということを丁寧に書き足していますので、その場合に、悪化しているというのをどうとらえるかというところは、やはり人工関節を入れるということは、今までの可動域よりよくなることを想定して、恐らく入れていらっしゃると思いますので、通常の方のほとんどは、ある程度、痛みは残ったりしても、可動域はよくなるというふうに聞いていますので、それがうまく装着しなかったとか、もしくは、ずれてしまうことで痛みがあって歩けないとかということで、手術前に想定していたよりも実際にはいい状態にならないというようなことをもって、悪化という判断をする。要は、手術前はこのぐらいだったのをよくしたくて入れたのにもかかわらず、全くよくなっていないというようなものを、要は、よくならなかったというのは、せっかく入れたにもかかわらずそれが機能していないというのですか、痛みとかその他いろいろな問題でなるのでしょうが、装着したことで改善が図られていないものと考えています。
○(座長) ありがとうございます。この場合の悪化というのは、自然経過として悪化しているということではないのですよね。
○(事務局) はい。
○(座長) そうすると、要するに、手術をしたのですが、3級相当の機能よりも悪かった場合ですよね、簡単に言えば。
○(事務局) そうです。
○(座長) 悪かったという理由がいろいろ、これは医学的にもあるでしょうし、いろんなことが考えられると思うのですが、そういうことに対してこの悪化しているという表現が適当かどうかという話になりますね。
○(事務局) そうです。あとはほかにいい言い回しというか、表現があればと思いまして。意図しているところはそういう形です。
○(座長) これ、非常にセンシティブな表現が必要だと思うのです。手術がうまくいかなかったというような表現は、あまりよくないわけですし、もちろん、手術がうまくいかなかった場合もあるわけです。それから予期せざる合併症が起こった場合もあるわけですし、この場合、悪化しているという言葉で適当かどうかということになるのですが。
○(事務局) あとは、改善が図られていないというのか。そこなんですね。
○(座長) そうです。思うに、予期したというか、期待した改善が得られなかった場合とか。どうですか。
○(○○委員) そういうことは、実際には時々ありますよね。患者さんが期待したほどによくならない。患者さんは、人工関節だけじゃなくて、脊椎でも、腰部脊柱管狭窄症とか、両下肢がしびれて動かないとか、いろいろなことで手術をすると元どおりになって、本当に飛んで歩けるような気持ちで手術を受けられますが、実際のベースにあるのは、整形外科の先生を前にそんなことを言ってはいけないのですが、これ以上悪くならないために手術をするというのが原則なので、これ、悪化というよりは、何て言えばいいですか。改善が得られないというか。
○(事務局) 恐らくぎりぎりまでは入れないで、要は治療しているのですよね。もうこれ以上無理だと思うところで恐らく入れて、それ以上悪化しないようにというか、少しでも歩けるようにとかいうことで、入れていらっしゃるのでしょうけれども、そんなにすごく改善するわけではないのですね。
○(○○委員) そうです。特に高齢者で、今、整形外科の先生の技術が非常に進んでいるので、80歳代でも手術されますよね。だけど、それは手術したから機能が戻ってくるというか、関節の機能は戻っても、周りの筋肉とか、いろいろ神経の機能が落ちているがために、機能が戻らない。場合によっては、手術をして安静にしていたことが原因でさらに麻痺は進むと。でも、痛みは取れたというようなことがあるので、悪化、何と言えばいいですか、先生。そういう状態。
○(座長) そうですね。非常にそれは、悪化という言葉を使った場合に、後で痛みの問題なんかにも絡んでくると思うのですが、この表現はここでもう一回ちょっと、適切な表現を。意図するところは皆さんお分かりになったと思うのです。この悪化という言葉そのものはもう一回考えたほうがいいのではないでしょうか。
○(事務局) 少なくとも、先生がおっしゃっていた患者さんの期待というよりも、医師がここまでは改善を図れるだろうということで、手術をした…。
○(座長) したものよりも、そこに達しなかったという、そういう意味でしょう。
○(事務局) そうすると、少なくとも、従前の障害の状態よりはよくはなっていないのだと思うのです。なので、そういう場合については、恐らく3級よりも悪い可能性が高いだろうというところで、上位等級にしたいという思いのところですので。
○(座長) そうすると、さっきの診断書が2枚必要になるからということに戻りますが。
○(事務局) そこまですると、やはり5,000円から1万円という診断書の作成料をご負担いただくということは、請求者の方の負担になりますので、できるだけ1枚の診断書の中で判断ができるのであればというところと、あと、人工関節を入れる契機が請求のすぐ直近なのか、それとも随分前に入れているのかという時期がやはり違ってきますから、なかなか判断しがたいというところもあるのですが、できる限り、今ある診断書の中である程度判断してあげたいということになると、お医者様として、人工関節とかを入れればこのぐらい改善を図ると思っていたよりも、全然よくなっていないねというのであれば、現状の本人の診断書に書かれている可動域とか日常生活の動作を見ていただいて、それはしようがないかなということで、上位等級に上げられるというようなご判断をしていただくのかなと思うのです。
○(座長) それは、手術をした人が書いてくれればいいですけれども、そうじゃない場合がありますから、必ずしもそこは比べられませんよね。
○(○○委員) そこが大事で、おっしゃる意味はそのとおりだと思うのですが、公文書に悪化という言葉が載っていると、逆に医者側がそれで訴えられてしまうことになりかねないので、そこは非常にセンシティブな問題だと思うのです。どういう表現がいいですかね。
○(座長) それは、むしろその職にある方々のほうがうまい言葉を見つけられるでしょう。
○(○○委員) おっしゃることはそのとおりだと思います。
○(○○委員) 事務局にちょっとお伺いしたいのですが、「ただし」の前の4行の状態は、概念的にはどういう状態という表現でしょうか。つまり、何を言いたいかといいますと、上のような状態ではないということですよね。
○(事務局) そうです。
○(○○委員) そうしますと、概念的に上のこの状態を何と言うか。抽象的にという表現はどういうふうになるのでしょうか。一下肢の機能について。
○(座長) 概念的に言ったら、3級と認定する以上の障害があるという、そういう意味ですよね。
○(事務局) そうです。はい。
○(○○委員) ですから、一下肢のどのような状態をいうのでしょうか。というのは、そういう状態ではないということを、なお書きでここに入れればいいのではないかと思ったものですから。
○(座長) そうですね。これはちょっと考えてもらって。
○(○○委員) 認定するに当たって、背景としましては、身体障害者手帳のほうでは関節機能障害というのが個別にありまして、人工関節が入っておりますと、1関節の機能障害全廃ということで、例示ですけれども、4級、両側入って3級という、自動的に指数で合算してやるというような仕組みになっておりまして、その延長線上で両側、トータルヒップをやっていらっしゃると、恐らくそういうことで2級相当に該当するのではないかということで、診断書を提出される、申請される場合もあるのではないかと思われますので、このあたりを確かに、悪化という表現ではなくて、なお書きできちっと入れておいたほうが、こういう方が上位等級になるけれども、そうではない方は3級ですよということを改めて認識していただけるかと思いますので、ぜひ入れていただくとして、それで、今のここの表現を3級相当ではない状態と入れていただければ。
○(座長) よろしいですか。今のほうがはっきりするのではないかと思いますけれども、今、ご指摘の…。
○(○○委員) 要するに、これは私は釈然としないのですが、人工関節をそう入したら、自動的に年金としては3級なのですね。
○(事務局) そうです。
○(○○委員) ですから、それを受けて、別に「悪化」とか言わなくても、そう入置換術を行ってもなお、一下肢についてはかくかくしかじか程度以上に該当するときと言えばいいのではないですか。
○(○○委員) ですから、「全く廃して」というのと、一下肢の全廃というのと、先ほど申しました背景としての身体障害者手帳での1関節の機能障害全廃という、いわゆるその延長線上でお考えになって申請なさっても、実際、障害基礎年金のほうの一下肢の全廃に該当しないわけです。患側下肢を歩行時に使用することができれば3級の12号になると思いますので、ご理解いただくという意味でもここへ入れておいたほうがいいのかなと思います。
○(○○委員) もちろん、私は抜いても意味が通じるのではないかと言ったことは、障害の状態が悪化している場合という文言がなくても、入れてもなおかつこういう状態ですということが分かれば、それでいいのではないですか。
○(○○委員) ただ、論理的にはそうですけれども、そういう背景があるので丁寧に解説しておいたほうがいいと思います。
○(座長) それはよろしいですね。ここのその表現だけは少し考えていただくということで、お願いします。
 それは宿題として、次に移りたいと思いますが、時間も押してまいりましたので、お願いします。
○(事務局) 続きまして、資料3「診断書の見直し案(たたき台)」について、説明いたします。
 このたたき台も認定基準と同様に、厚生労働省において検討すべきと判断したものや、日本年金機構で認定に携わる先生方、事務担当者からの意見・要望を整理し、どのような点を見直すか等を日本年金機構と議論した上で整理したものです。
 変更箇所を順番にご説明いたします。
 大変お手数ですが、前回の資料のうち、参考2「診断書(肢体の障害用)」はお手元にございますでしょうか。これが現在使用している診断書でございまして、変更箇所は見比べていただくとよくお分かりいただけると思います。
 まず、診断書マル10欄ですが、血圧の値を記載する欄にて、「最大」を「最高」に、「最小」を「最低」に変更しています。これは今回の見直しとは関係ありませんが、現在は血圧の値を「最大・最小」という表現ではなく、「最高・最低」という表現が一般的であるとのことから、変更したものです。
 次に、マル11欄です。現行は切・離断のみとなっており、切断、離断した箇所を部位ごとに丸をつけ、レントゲンフィルムの映像を基に診断書作成医が記載するようになっていました。この切断・離断に加え、変形、感覚障害、運動障害も図式化できるように変更しました。具体的には、前と後ろからの全身図、両手、両足の図を示し、それぞれの障害について、バツをつけたり、塗りつぶしや斜線を引くなどして、切断・離断に加え、変形、感覚障害、運動障害がどの部位なのかを具体的に表示できるようにしました。これは、今回の見直しの一つである「他動可動域による評価が適切でない場合の例示や判定方法」で、運動筋力や日常生活における動作の身体機能を総合的に認定するとしたことから、感覚障害や運動障害がある部位も確認できるように表示することとしたものです。
 次に、マル12欄「脊柱の障害」です。関節の測定方法を他動可動域に整理しましたので、「脊柱の可動域」に「他動」を追加し、運動の種類欄を削除しました。右側屈、左側屈、右回旋、左回旋に網かけしているのは、各関節の主要な運動を規定しましたので、主要ではない運動を網かけして分かるようにしたものです。
 次に、マル16欄、手(足)指関節の可動域を記載する欄ですが、タイトルに「他動」を追加しました。
 次に、マル17欄「関節可動域及び運動筋力」ですが、この欄は、他動可動域による評価と整理したことに伴い、自動可動域を記載する欄を削除し、マル12欄「脊柱の障害」と同様に、主要ではない運動、肩関節の内転・外転、股関節の内転・外転を網かけして分かるようにしております。
 また、中段に前腕の回内・回外の記載項目を追加しました。これは今回、機能障害に前腕の規定を追加しておりますので、それに伴い設けたものです。
 次に、マル19欄はタイトルを「日常生活における動作の障害の程度」に変更しました。これは、認定要領の字句の修正に伴うものです。
 次に、マル20欄「補助用具使用状況」ですが、複数の補助用具を使用していた場合でも使用状況を確認できるように変更しました。括弧を設け、使用状況を記載するようにしています。この項目も今回の見直しとは関係ありませんが、日本年金機構から複数の補助用具を使用しているケースも多く、認定する上で参考にしているので、このようにしてほしいとの要望があったものです。
 最後にマル21欄「その他の精神・身体の障害の状態」の右側の箇所です。言語機能の障害がある場合に、現行の診断書では、「会話状態」のみ記載できるようになっていますが、これに「発音不能な語音」を追加しております。この項目も今回の見直しとは関係ありませんが、最近、脳血管障害による障害年金の請求が増えており、脳血管障害の場合は、失語症による言語機能の障害が併存しているケースが数多くあります。このようなケースは、本来であれば、別の様式の120号の2、聴覚や言語機能などの障害用の診断書も併せて提出いただくことになりますが、「肢体の障害」と「言語機能の障害」が併存しているケースは、この1枚の診断書で障害の状態を判断できるように配慮したものです。
 「肢体の障害」と「言語機能の障害」がある場合は、それぞれの障害を足して障害等級を判断することになっています。「肢体の障害」のみで明らかに1級と認定されれば、「言語機能の障害」を考慮する必要はありませんが、「肢体の障害」が2級以下であって、「言語機能の障害」を足すと上位等級になるのであれば、「言語機能の障害」の状態を確認する必要も生じます。肢体の診断書に記載することで、もう1枚の診断書を必要としなくなりますので、請求者の費用の負担を軽減することができ、認定する上でも効率的と考えます。
 「言語機能の障害」の認定基準では、「発音不能な語音」と「会話状態」で障害の程度を判断することになっているにもかかわらず、現行の肢体の障害用診断書では、「会話状態」しか記載がありませんでした。このため、日本年金機構から、発音不能な語音が記載してあれば、医師照会などにより、請求者に負担をかけることもなくなるとの意見があり、追記することとしたものです。
 以上が診断書の変更箇所です。これで資料3の説明を終わります。
○(座長) ありがとうございます。
 今日は時間もありませんので、次回、皆さんによくご覧いただいて、ご意見をいただきたいということにしたいと思うのですが、1つだけ確認です。診断書の最後のマル21欄のところの発音不能な語音の判定ですが、もし、この診断書で言語障害を認定するということになったときに、不都合が起こらないのでしょうか。つまり、言語機能の判定をするという診断書がほかにあるわけですよね。それはまたその診断は、これは耳鼻科医がやっているのですか、どうでしょうか。そこのあたりが大丈夫なのかというのが、大変、私は気になるところです。
 つまりこれは、少なくとも、この肢体の診断書に関して言えば、肢体に関する専門性を持った人がこの診断書を書くわけですから、全く言語機能について、分からないということは多分ないのだと思いますが、しかしながら、どれをどの時点をもってカットオフポイントにするかということについては、これは全くコンセンサスも何も訓練もないわけですね。それで、そういう人たちの書いた診断書の有効性を年金機構としてどれぐらい認めるのか。うるさく言えばそういうことになるのだと思いますが、その辺について問題として提起をしておきたいと思います。
○(事務局) 認定するときには、言語の部分は、外部を診てくださっている先生が一緒に認定をしていますので、それもありますので、この中に入れたという経過もあるのですが、今の認定医の先生というのが、内部疾患系、それから外部疾患系、精神。外部の中では、県によっては、視覚障害については別の先生が診ていただいているところもあるのですが、認定をしていただける先生というのが小さい県ではなかなかいらっしゃらなかったりすると、外部の先生に診ていただくことになるので、恐らく今の○○委員が肢体の診断書を診るとき以外も、言語障害とかそういったのを診ていただいているはずですが、認定する場合は、今のところ、日本年金機構では外部の先生が大体、肢体系を診ていらっしゃる先生が言語も診ていただいているというのが現状でございます。
 あとは、作成する側ですが、そこもどこまで信用するかというところですが、判断ができないとなると、正式な診断書を書いてきてくださいとお願いすることになるのですが、それを、言語障害を診てくださる専門医が書いていなかったとしても、書かれた内容をもって判断をせざるを得ないというところではございます。
○(座長) ありがとうございます。
 それが今の現状ということでございまして、その辺については。
○(○○委員) 私の経験では、肢体で診断書を提出していらっしゃって、なかなかそれだけでは上位等級に該当しないという場合に、なるべくこのあたりを見て、恐らく事務局サイドで申請なさった方のほうにご連絡していただいて、併せてそういうものをお出しになればどうかとか、そういうことで、かなり事務局サイドにとっては、こことか平衡機能とかそのあたりをご覧になって、作業をしていらっしゃると理解しております。
 ですから、これでもって、肢体の認定医がそれによってということばかりではないと思っております。
○(座長) 多分、それは肢体の認定医は、これで問題ないと思うのです。それは自分たちの判断で丸をして、それを認定のときにどう判断するかという話ですから、肢体の認定医は別に、余り不自由とか問題点というのは感じないでしょうが、外部から見たときどうされるのかということは、それとは別の問題になるのではないかと思うのです。
 ですから、その辺は、事務局、年金機構の皆さんで話し合っていただきたいのです。もうちょっとはっきりさせてください。書くほうは書いても、その結果がどういうふうに、書くことについてどういうふうに評価と申しましょうか、どのように使われるのか、また我々の所見というものがどれぐらい信頼されるのかというか、そういう問題も、書くほうとすればあり得ますし、逆に、そういう言語障害を専門にする方の立場から見れば、専門性のない、専門家でもない人たちが言ったことを信用できるのか、信用していいのかというような意見も出てくると思うのです。
 ですから、それは、今までの日本年金機構のやり方というのはそうであったのですが、その辺の問題があるということだけはちょっとお考えいただいて、今回はこれでというのであれば、我々としてはそういうことが意見としてあるということであります。
○(○○委員) ただし、これがあっても、通常の医者が丸というか、選べないのではないのですか、普通の医者は。というのは、こういう言葉を医学部で教えていないですね。言語障害とかのことは、我々、神経内科が教えておりまして、失語症だとか、語音障害だとか、小脳性の言語障害とか、そういう言葉は教えるのですが、この「歯茎硬口蓋音」、「軟口蓋音」、こういうことは医学部で教えないですね。したがって、普通のお医者さんは知らないのではないですかね。僕も初めて、今、見たのです。だから、今、座長がおっしゃった、これがあっても、肢体障害とかの医者がここを判断できないのではないですかね。
○(座長) 医者のほうからすればそういう意見です。ご検討いただければ。
 よろしいでしょうか、そういうことで。今日のところはこれで一通り、委員からのご意見を賜ったということで、議論はこれでおしまいにしたいと思います。
 次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○(事務局) 次回の日程につきましては、来月、2月24日金曜日の午前10時からの開催を予定しており、後日改めて開催場所のご連絡を差し上げたいと存じます。
 それから、次回は、本日いただいたご意見等を踏まえて、認定基準や診断書を整理し、改正案をお示ししたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○(座長) どうもありがとうございました。
 長時間にわたりご議論いただきまして、どうもありがとうございます。これで今日の会合は終わりにいたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
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